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1981/07/14 第96回国会 参議院 参議院会議録情報 第096回国会 農林水産委員会 第16号
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1981/07/14 第96回国会 参議院

参議院会議録情報 第096回国会 農林水産委員会 第16号

#1
第096回国会 農林水産委員会 第16号
昭和五十七年七月十四日(水曜日)
   午前十時五十五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 七月十二日
    辞任         補欠選任
     高杉 廸忠君     坂倉 藤吾君
 七月十三日
    辞任        補欠選任
     坂倉 藤吾君     山田  譲君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         坂元 親男君
    理 事
                下条進一郎君
                鈴木 正一君
                宮田  輝君
                村沢  牧君
    委 員
                岡部 三郎君
                北  修二君
                熊谷太三郎君
                藏内 修治君
                古賀雷四郎君
                田原 武雄君
                高木 正明君
                中村 禎二君
                三浦 八水君
                勝又 武一君
                川村 清一君
                山田  譲君
   国務大臣
       農林水産大臣   田澤 吉郎君
   政府委員
       農林水産政務次
       官        成相 善十君
       農林水産大臣官
       房長       角道 謙一君
       農林水産省構造
       改善局長     森実 孝郎君
       農林水産省農蚕
       園芸局長     小島 和義君
       食糧庁次長    中山  昇君
       林野庁長官    秋山 智英君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        安達  正君
   説明員
       大蔵省主計局主
       計官       千野 忠男君
       農林水産省経済
       局統計情報部長  関  英二君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○農林水産政策に関する調査
 (昭和五十七年産生産者米価に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(坂元親男君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る七月十二日、高杉廸忠君が委員を辞任され、その補欠として坂倉藤吾君が選任され、また十三日、坂倉藤吾君が委員を辞任され、その補欠として山田譲君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(坂元親男君) 農林水産政策に関する調査のうち、昭和五十七年産生産者米価に関する件を議題といたします。
 まず、政府から説明を聴取いたします。中山食糧庁次長。
#4
○政府委員(中山昇君) それでは、昭和五十七年産米穀の政府買い入れ価格につきまして、政府の諮問について御説明申し上げます。
 まず、「諮問」と「諮問についての説明」を朗読いたします。
    …………………………………
    諮問についての説明
  米穀の政府買入価格は、食糧管理法第三条第二項の規定により、生産費及び物価その他の経済事情を参酌し、米穀の再生産の確保を図ることを旨として定めることになっており、その算定については、昭和三十五年以降生産費及び所得補償方式により行ってきたところであります。
  米穀の政府買入価格につきましては、昭和五十三年産以降その水準を据え置く等近年の米穀の需給事情を考慮した決定を行ってきたところであります。また、一方で水田利用再編対策及び米消費拡大対策を中心とする各種施策を通じて米需給の均衡を回復するための努力が続けられております。
  しかしながら、最近の米需給の実情は、昨年及び一昨年の冷害等の影響による米の減産にもかかわらず、基調としては、米の生産力が高い水準にある一方で米消費の減退がなお引き続いており、過剰傾向は強まってきております。また、米の管理に係わる財政運営も、国家財政が深刻な状況にある中で、極めて困難な局面に直面しております。
  今後の米の管理におきましては、以上のような事情に対処し、米需給の均衡の回復に一層努めるとともに、各般の面にわたり合理化努力を強めていく必要があるものと考えられます。
  一方、最近の稲作経営の実情をみますと、稲作の生産性及び収益性において作付規模により大きな差がみられるようになってきております一方、兼業化の進展等に伴い、稲作所得に収入の多くを依存しないような農家が増えてきているという状況にあります。
  本年産米穀の政府買入価格につきましては、以上の事情にかんがみ、現下の米穀の需給事情に即応し、生産費及び所得補償方式により算定することとしてはどうかということであります。
 そこで、別紙の「昭和五十七年産米穀の政府買入価格の試算」について簡単に御説明申し上げます。
 ここに基準価格一万七千四百八十七円ということで、前年度据え置きということで決めさしていただきたいというふうに考えておるわけでございます。
 まず、算定の基本的な考え方といたしましては、従来どおり生産費及び所得補償方式によることといたしまして、対象農家の平均生産費につきまして、物財、雇用労賃等実際に支払う費用につきましては、生産費の調査結果を最近までの時点に物価修正するとともに、自家労働部分につきましては都市均衡労賃に評価がえをいたしまして、この評価がえをいたしました生産費を平均単収で除して求める価格、いわゆる農家の庭先の価格を算出いたします。
 あと、算出の細かい基礎につきましては後ほどごらんいただければよろしいかと思いますが、この算定の基礎となります農家のとり方につきまして従来と異なる二様の考え方をしております。
 一つが(1)でございます。(1)は従来でございますと、生産費の安いものから累積生産数量をとります場合に実績の出回り数量に対します必要出回り数量をとっておりましたが、これのやり方でまいりますと、現在生産調整をやっているような事情というのが反映されませんので、これが的確に反映されますように、本年におきましては各年産の総生産量の七九%ということで潜在生産量に対する総需要量の割合、この比率をとりまして求める生産費を算出をいたしたわけでございます。
 それから二番目に、(2)というところは、対象農家を水稲作付面積一ヘクタール以上のものをとって算出をしたものでございます。作付面積一ヘクタール以上のものをとりましたのは、一ヘクタール以上の農家と一ヘクタール以下の農家でやはり非常に稲作の経営として実態的に異なっておる。農外所得だけで家計費を賄えるというような一ヘクタール以上の農家層、またその農家層は生産費におきましても経営外に支払うものが米価水準を上回っておるにもかかわらず、生産が継続されておるような事情等々を考慮をいたしまして、この対象農家を一ヘクタール以上のものを使ったというところが加わってくるわけでございます。
 それから、一番最後から二ページ目に参考といたしまして、「過去の米価と諸要素との関係からする試算」というのを掲上いたしております。このやり方は物価の変動あるいは物財、労賃の変動、それから平等収量の変動、それと潜在的な需給のギャップというものと価格との関係を見まして、それで五十七無産の場合の価格を算出したらどうかということでやりましたものでございます。これによりますと、大体昨年よりも〇・七%引き下がるということに相なるわけでございます。いずれにいたしましても本年の基準価格につきましては、先ほど申し上げました(1)のやり方、(2)のやり方で算定をいたしまして、それと前年の基準価格を勘案をいたしまして前年どおり据え置きということにいたしたというわけでございます。個別の価格は三ページのところの一覧表で等級・類別に掲上いたしたわけでございます。
 以上で簡単でございますが、説明を終わります。
#5
○委員長(坂元親男君) 次に、関統計情報部長。
#6
○説明員(関英二君) 五十六年度産米生産費について御説明をいたします。
 五十六年度産水稲の生産費につきましては、十アール当たり十六万五千九百九十一円でございまして、対前年五彩の上昇でございます。六十キログラム当たり生産費につきましては二万三百七十八円でございまして、五・一%の対前年度上昇でございます。
 お手元の配付資料によりまして、二ページ以降いま申し上げました内容について費目の構成の上昇について詳しく書いてございますが、資料を御参照いただければ幸いかと思います。
 簡単でございますが、説明させていただきました。
#7
○委員長(坂元親男君) 以上で説明聴取を終わります。
 これより本件に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#8
○村沢牧君 私は質問に入る前に委員長と与党の皆さん方に一言申し上げておきます。
 きょうは重大な米価を審議する参議院農林水産委員会でありますが、ごらんになっていただけますように、公明党、民社党、共産党の皆さんの方が出席をしておりません。これはそれぞれの党の理由によるものであるというふうに思いますが、出席することができない理由は、過般の委員会において自民党が公選法を単独強行採決をした、したがって、この正常化のない中では出席することができない、このことをはっきり理事会の中で言っているわけであります。出席できない理由は挙げて自民党にあるわけです。私ども社会党もこの単独強行採決については断固糾弾するものでありますが、事米価の問題でありますので、委員会の開催を要請いたしまして出席して審議をいたしたいと思うわけであります。どうぞ自民党の皆さん、なぜ出席ができないのか、十分腹へ入れてください。答弁要りません。
 まず、質問しますが、いま説明のあった諮問の中で食管法の規定に基づいて生産費及び所得補償方式で算定をしたと言っていますが、実際には据え置きを最初に決めておいて逆算をして数字を合わしたものである。これが生産費と所得を補償して再生産を図ることができる米価である、このようには言い切れないんじゃないですか、どうですか。
#9
○政府委員(中山昇君) 今年の政府買い入れ価格の算定に当たりまして、従来どおり生産費及び所得補償方式を用いまして決定をしたわけでございます。先生御承知のように、生産費及び所得補償方式は、いろいろそのときどきの事情に応じまして、生産費のとり方でございますとか、あるいは自家労賃の評価の仕方でございますとか、そういう面におきまして、そのときどきの事情に応じて算定要素を変えてきたということは事実でございます。今回も、米を取り巻きますいろいろな諸事情を考慮をいたしまして、生産費及び所得補償方式に従いまして、対象となる生産費、生産費の対象農家の取り方だけを今回は変えたということでございまして、先ほど説明、時間がございませんでしたもので省略をいたさせていただきましたけれども、生産の算定の要素につきましては昨年と同じ、ほぼ同じやり方で算定をいたしております。
 そこで、先住お尋ねの、第三条におきます、生産費、物価その他経済事情を参酌し、米の再生産を図ることを旨として定めるという、その食管法三条の関係で、再生産の確保を図れるような価格であるのかどうか、こういうお尋ねでございまするけれども、私どもといたしますれば、この生産費及び所得補償方式で算定をいたしました今回の諮問の価格と申しますものは、やはり再生産の確保という点にも十分配慮し、その他最近の物価あるいは経済事情、米をめぐります需給の事情というようなものも十分配慮をいたしまして適正に決定をしたいということでこういう御諮問を申し上げた次第でございます。
#10
○村沢牧君 昨年とほぼ同じような算式で算定をしたといろいろ言ってますが、昨年どおりの算式で算定したならば、五十七年度の生産者米価はどのくらいなんですか。
#11
○政府委員(中山昇君) 昨年の算定のやり方と同様のやり方で本年産米価を算定をいたしますと、基準価格ベースで前年に比べまして九・四%の上昇となるというふうに算出いたしております。
#12
○村沢牧君 昨年同様の方式で計算をしたら九・四%の上昇になる、しかしことしは改めて計算をしたら生産費は上がっておらへん、据え置きである。まさにこれこそ農林水産省の悪意的な算定である、このことを私は断定せざるを得ないし、後ほど大臣が来たときにまた質問も要求もいたしますけれども。
 そこで伺ってまいりますけれども、五十六年度の水稲の生産費は、先ほど統計情報部からの発表にあったように、十アール当たり五%、六十キロ当たり五・一%の上昇を示しておる。生産費は過去三年間の十アール当たりの平均生産費を評価がえをして使うということになっておるけれども、五十四年、五十五年、そして五十六年、いずれの年も生産費は前年度より高まっているんです。過去三年間生産費が高まっておるにかかわらず、どうしてことしのような数字が出てくるのか、このことについて説明してください。
#13
○政府委員(中山昇君) 先生御指摘のように、統計情報部で発表いたしております米の生産費は、いわゆる資本利子、地代等を含めました第二次生産費で、昨年、五十六年産につきましては五%強の引き上げになっておるというのはそのとおりでございます。私ども、米価を算定いたしますときに、統計情報部の発表いたしております全国のすべての販売農家の生産費というものを基礎にしておるわけではございませんで、現在、米の需給が過剰にあるということで、国民の必要とする米穀の生産量に見合うところまで生産費の安い方から並べまして、その生産費農家の全体の平均の生産費というものを対象にいたしましてこの生産費及び所得補償方式で算定をいたしておるということになっておりわけでございます。このやり方は昨年もそうでございましたが、そういうことで、私どもの算定をいたしております生産費と、それから統計情報部の発表いたしております全国平均のすべての農家の生産費との間にはどうしてもギャップが出てくるということでございまして、私どもといたしますると、米が非常な過剰というような状況のもとで適正な米価水準を算定をいたすということになりますると、どうしても、非常に高い生産費のものまでその米価水準の算定になる生産費として使うことはいかがかというようなことがございまして、一定の量の、国民が必要とする量のところまでの生産費のもの、安い方から並べましてそういう生産費農家のものまでの対象となる農家の平均的な生産費というものを使うことによってこういうようなギャップが生じたわけでございます。
#14
○村沢牧君 統計情報部の生産費を修正して米価算定指標にするということは承知をしているんですよ。しかし、過去三年間生産費が上がっているにもかかわらず、ことしは低く抑えたということは、算定要素を変えたからこういうことになった、農家のとり方を変えたからこういうことになった、そのとおりですね。
#15
○政府委員(中山昇君) お尋ねのように、生産費の対象となる農家のとり方を変えたということで、昨年とこういうような結果になったわけでございまして、算定の要素につきましては昨年と同じというふうに御理解いただきたいと思います。
#16
○村沢牧君 それじゃ昨年の米価算定に使った十アール当たりの生産費は幾らですか。
#17
○政府委員(中山昇君) 昨年の米価算定に使いました生産費でございますが、反当たりということになりますと、昨年のやり方でございますと五十三年と五十四年と五十五年のそれぞれの生産費を平均をいたしておりますので、五十五年につきましては反当たり十五万五千七百四十二円、それから五十四年につきましては十四万九千七百八十五円、五十三年につきましては十四万四千八百三十六円ということに相なるわけでございます。
#18
○村沢牧君 昨年は、――私が聞いていることは、三年間を聞いているんじゃないんです。昨年の米価算定に使った生産費は、それは平均して幾らになったか。わからないですか。
#19
○政府委員(中山昇君) 昨年の米価算定に当たりまして採用いたしました生産費は、昨年は必要量の生産費方式でございまして、五十三年の統計情報部の生産費、五十四年の統計情報部の生産費、五十五年の統計情報部の生産費をそれぞれ五十六年の時点まで評価がえをいたしました生産費を三年間平均をいたしまして出しましたので、いま申し上げましたような数字になるわけでございます。
#20
○村沢牧君 時間がないから簡潔に答えてください、数字だけ。だって昨年の米価算定持っていますけれども、求める価格だって十四万九千四百八十九円、この数字使ったでしょう。間違いないですか、数字だけ言ってください。これは昨年の算定の資料ですよ、十四万九千四百八十九円。
#21
○政府委員(中山昇君) 先生のおっしゃるとおりでございます。
#22
○村沢牧君 じゃあ、本年度は幾らになりますか。
#23
○政府委員(中山昇君) 本年度の算定に当たりましては、二通りの方法でやっておるわけでございまして、一つの方は十四万七千六百七十一円でございます。それから作付面積一ヘクタール以上のものを対象といたしましたのが十四万三千六百七十九円でございます。
#24
○村沢牧君 ですから、統計情報部の資料によれば、生産費は毎年三年間上がっている。それを修正して昨年は十四万九千四百八十九円という十アール当たりの資料を使ってやったと。しかしことしはそれより下がって十四万七千六百七十一円だとか十四万三千六百七十九円、この二つをもって算定をしておる。生産費は上がっているけれども、あなたたちは米価を算定する基本的な数字は下げている。こんなばかなことがあるんですか。その結果、算定方式1では昨年よりも千人百十八円も低い。算定方式2では五千八百十円も低いんです。こんな方式でありますから、結局算定方式1ではいまの米価よりも十円下がるし、算定方式2では四百七十八円下がる。生産費を昨年よりも下げて計算をして、これが正しい算定方式と言えるんですか。
#25
○政府委員(中山昇君) 先ほど申し上げましたように、生産費そのもののとり方、どういう農家の生産費をとるかということで変わってくるわけでございまして、現在のような米穀の需給事情のもとで、国民の必要とする生産量を確保するために、どの程度の生産費調査の対象農家までとって米価を算定するかということになりますと、私ども算定方式の1というものをとりました趣旨は、全体の総生産量の七九%になるところまでのものをとっておるわけでございますけれども、これは現在の生産調整をやらなければならないという事情その他を勘案をいたしまして、こういう数字を使ったわけでございます。また水稲作付面積一ヘクタール以上のものということにいたしましたのも、やはり水稲作付面積一ヘクタール以下のものの農家とそれ以上の農家と、やはり非常に米価に対する関係の度合いが違う、いろいろな事情からしてそういうことが違うということで対象となる生産費の取り方を変えたわけでございまして、その結果、価格、反当たりの生産費が下がるということになりますけれども、いわば能率のいい農家が比載的多くなるということで、結果的に下がったというふうに考えております。
#26
○村沢牧君 そんなことは先ほど来申し上げているように、据え置きということを最初に決めておいて逆算をしてそれにくっつくように、あるいは引き下げになるように、そういう、算定方式を勝手にいじくっているんじゃないんですか。そんなことで農民が本当に信頼すると思いますか。
 次は、もう一つの算定方式では、水稲面積が一ヘクタール以上の農家を対象にしている、こんなことも初めてなんです。一体一ヘクタール以上の農家というのはどんなシェアを占めているかと言えば、戸数にして二三%、販売量にして六〇%。そうすると今度算定される米価では、一ヘクタール以上の生産米価は何とか採算がとれるであろうけれども、七七%を占める一ヘクタール以下の農家っていうのは米をつくっても全然採算がとれない。なぜ一ヘクタールという基準をつくったんですか。
#27
○政府委員(中山昇君) 今回の算定方式2というものの中で、対象農家を水稲作付面積一ヘクタール以上のものをとりました理由でございますが、最近稲作の生産性なりあるいは収益性といいますものが作付規模によりまして非常に差がございますし、まただんだんと兼業が進展をしてまいります〜、稲作所得に収入の多くを依存しないような農家というのがふえてまいりました。この関係をどのような作付規模をとるか、いろいろ御議論がございましょうけれども、一ヘクタール未満の層では農家総所得の中に占めます稲作所得の割合といいますものが一割にも満たないというようなことでございまして、農外所得だけで家計を賄い得るというような状況にあるわけでございます。また一ヘクタール未満の層と申しますものは、経営の外に支払います薬剤でございますとかあるいは肥料でございますとか、そういうもの、それに支払っている地代なり利子なり、そういうものを全部加えますと、米価を上回っておるような実態でございますが、それでもなおかつそういう層は生産を続けておるというような状況にあるわけでございます。また一ヘクタール未満の層と申しまするものは、一般的には農地を貸す方の側に立っておりまして、農地の受け手というのは大体一ヘクタール以上の層というようなことになっておりまして、一ヘクタール未満の層というのはなかなか経営規模拡大の意欲というものがそれ以上の農家に比べては大きくないというようなことでございまして、これらの事情をいろいろ勘案いたしますと、やはり一ヘクタール以上の層と一ヘクタール未満の層との間では大分米価に対する関係の度合いにも差がありまして、やはり一ヘクタール未満の層と申しますものは、米価に対してはそれほど大きく関係の度合いがないのではないかというようなことが考えられるわけでございます。そこで現在のような過剰のもとで、一ヘクタール以上の層のような比較的能率の高い農家の生産費を基礎にいたしまして、それの平均値でもって米価算定をするのが、現在のような過剰のときには適正なのではないかというふうに考えて、このような算式をとったわけでございます。
#28
○村沢牧君 あなたの答弁を聞いておっても、あなたは農林省におるけれども、農家の実態なんか全然把握してないんだ。一ヘクタール以下の農家の米づくりは捨てていいんですか。それから一ヘクタール以下の人たちは兼業所得が多いからと言うんですけれども、農林省は農業生産を高めるためにやっているんでしょう。兼業所得、農外所得のために農林省は力入れているんですか。あなたとやりとりしたって、そんな答弁幾ら聞いたってだめなんですよ。
 ですから、次に私は移ってまいりますけれども、農林省は、従来不測の事態に備えて食糧を確保しなければ大変ですよということで、たびたびいろいろな資料を出して警告しているんですね。不測の事態に備えるにはどうするのか。備蓄ですね。従来農林水産省は、日本の米の備蓄は二百万トンぐらい必要であるということを国会において答弁したこともある。一体、いま備蓄をどのぐらい持っているんですか。
#29
○政府委員(中山昇君) 米の備蓄についての考え方でございますけれども、私どもといたしましても、確かに不測の事態に備えまして米の備蓄を持つということは非常に必要なことではないかというふうに考えております。
 現在の米の需給事情についてのお尋ねでございまするけれども……
#30
○村沢牧君 時間がないから簡単に、備蓄だけ聞いているんだ。
#31
○政府委員(中山昇君) 備蓄――政府の持っております米の在庫と申しますのは、昨年の十一月一日で九十一万トンでございました。それ以外に五十三年以前の米が相当ございまして、本年の十一月一日、米穀年度末には大体これが六十万トン程度に下がるのではないかというふうに推測をいたしているわけでございます。これは昨年産米が千二十六万トンの生産しかないという不作であったことによるところでございます。
#32
○村沢牧君 過剰米があるという話だったんですが、つまり五十年から五十三年度までの過剰米、これは備蓄の対象にしないということは、当委員会の中でも皆さん明らかにしていることだ。これがあるから備蓄なんてとんでもない話だよ。
 そこで、昨年食管法改正の際、私は前松本食糧庁長官に対して質問したところ、食糧庁長官は、備蓄については改正される食管法の基本計画の中で、そのあり方、数量等について明確にするというはっきりした答弁しているんです。基本計画はすでにできたんですけれども、備蓄に対してどのような配慮をしたのか、あれば具体的に述べてください。
#33
○政府委員(中山昇君) 新しい食糧管理法に基づきます基本計画におきまして、今回米の備蓄について具体的な数字を掲げ費して基本計画に書いてあるわけではございませんが、米の備蓄につきましては、現在非常な備蓄に要する費用というのはかかるわけでもございますし、またいろいろ備蓄のやり方についても、二百万トンをもってそれを翌年度消費をするというようなことになりますと、消費者の嗜好その他いろいろ問題が生じてくるわけでございまして、そういうことからいたしまして、従来のような二百万トンを来年度で回転備蓄をしていくというふうな方式がとれるかどうかという点には大分問題があろうかというふうに考えておるわけでございまして、それ以外のやり方、またその規模なり仕組みなりにつきましては、現在農政審議会で食糧備蓄に関する論議をお願いをしておるわけでございますので、その結果等も見ながら、できるだけ早く結論を得たいというふうに考えております。
#34
○村沢牧君 新しい食管法の基本計画には備蓄のあり方あるいは政府が買う米を決めるんですから、備蓄の数量まで書かなければいけない。このことははっきりしますということを昨年の国会で答弁しているんじゃないですか。なぜ備蓄がどれだけ必要か、確保しておかなければならないか基本計画に載らないんですか。これ食管法違反ですよ。しかも、この備蓄のあり方について農政審に頼んで検討してもらっている。農林省、そんな無責任なことありますか。自分の米を確保していくために農政審に頼んでどうしたらいいか検討してもらう、そんなことでいいんですか。
 ことしの十月の政府の持ち越し量は六十万トン、政府の資料によって明らかだ。これをもって備蓄というんですか。端境期に行ったらどうなるんですか。米なくなっちゃうんじゃないですか。もっとはっきりした答弁してください。政務次官おりますが、政務次官の方で責任ある答弁をしてください。
#35
○政府委員(成相善十君) 当面の需給の関係については、いま申し上げましたように、ことしの米穀年度、すなわち十月の時点では六十万トンの持ち越しを来年にするという見込みはついておるわけでございまして、五十八年度は平年作であれば一千八十万トン、生産調整等の御協力をいただいた結果、そういう数字になっておるわけでございまして、それに対しまして消費は一千五十万トンという見込みを持っておるわけでございまして、五十八米穀年度におきましても三十万トンの余裕は持っていけるという、これは平年作を中心にした考え方でございますが、持ち越しの六十万トンと合わせまして九十万トンの余裕を持って五十八米穀年度の国民の食糧を安定的に供給するという計画で進んでおるところでございます。
 備蓄につきましては、いま御説明申し上げましたように、鋭意検討を重ねておるところでありますので、いずれこれは明らかにその計画を立てたいと、このように考えております。
#36
○村沢牧君 従来、農林水産省は当委員会においても備蓄は二百万トンぐらい必要ではないか。しかし、これは金がかかるから大変なこともありますという答弁をしているんですよ。それを今日、米は過剰だ過剰だと言いながら、備蓄に対して何らの数字も持ち合わしておらない、基本的な考え方を持っていない。こんなことで次官、米が過剰なんて言えますか。絶対そんなこと言ってもらっちゃ困る。どうですか。
#37
○政府委員(中山昇君) 米の備蓄についてのお尋ねでございますけれども、昨年の米の生産と申しますものは、村沢先生御存じのように不作でございまして、千二十六万トンの生産しかなかったということでございまするから、そういたしますと、需要量に対しまして生産が単年度では約三十万トン程度不足をいたすということで、昨年の十一月一日の持ち越しに比べましてことしの十一月一日の持ち越しが減るというような状況にあるのは事実でございます。単年度では需給はそういう意味では不足をいたしておるというのは事実でございます。したがいまして、五十七年度の基本計画におきましても、そういう需給の実態をありのままに基本計画において掲上いたしております。ただ、そういう不作の後でもございましたので、本年産米の転作の目標面積におきましても、四万六千ヘクタール生産規模を拡大をいたしまして転作を軽減をいたしまして、ことしの米の供給量を先ほど政務次官からお答え申し上げましたような数字で、千八十万トンというようなことで生産をふやすというようなことをいたしたわけでございまして、そういうことがありまして、来年の十月までの五十八米穀年度におきます需給も、平年作でございますればおよそ問題はございませんし、また多少の不作がございましても需給には心配はないというような状況にあるわけでございます。
 ただ、備蓄の数量をふやすということにつきましては、五十五年産、五十六年産と不作が続いておりましたから、備蓄をふやすだけの余裕が遺憾ながらなかったということでございます。
#38
○村沢牧君 五十四年度で備蓄して五十五年に持ち越した米は百七十八万トンあった。ところが五十五年、五十六年度は単年度不足でこれを食いつぶして、いま六十万トンしか繰り越しができないでしょう。本年度不作だったらどうするんですか。絶対本年は不作でないという自信ありますか、答えてください。簡潔でいいですよ。
#39
○政府委員(中山昇君) まあ、天気のことでございますので、私ども確信があるかと聞かれますと、不作はいままで三年続いたことはないわけでございますので、絶対そういう相当程度の不作がございましても、来年度まで需給は不安はないというふうに申し上げます。
#40
○村沢牧君 あなたそういう答弁して、来年度もしまた三年続きで不作だったら責任とりますか。とっていただきますよ。
 それから、大蔵省もおるようでありますから若干聞いておきますが、大蔵省は最近、米価を引き下げろ、据え置きにしろ、盛んに農林水産省にも攻撃をかけているようでありますし、またいろいろ宣伝をしておるんですが、生産者米価は食管法第三条二項によって決める、あるいは消費者米価は食管法第四条によって決める、つまり二重米価である、したがって逆ざやが生じてもやむを得ないし、ある面では当然だと思うんですね。これを大蔵省は逆ざやを解消しなさい、あるいはまた、コスト逆ざやをやめなさいと言っているわけですね。政府が米を管理するからにおいては、当然管理費だってかかるんですよ。大蔵省はどういう見解なんですか。
#41
○説明員(千野忠男君) 食糧管理法におきましては、御承知のとおり、政府の買い入れ価格は「生産費及物価其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ米穀ノ再生産ヲ確保スルコトヲ旨トシテ」決めると、それから政府売り渡し価格の方につきましては「家計費及物価其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ消費者ノ家計ヲ安定セシムルコトヲ旨トシテ」決めると、こうございます。しかし、このことは、両米価を全く別の基準でもって遮断した世界で決定すべきだということを言っているわけではないと私たちは理解しております。すなわち、いずれも食管法の掲げる食糧管理制度の目的、すなわち国民食糧の確保と国民経済の安定という目的に照らしまして、総合的、統一的に考えるべきものでありまして、食管法が当然二重米価を予想したもの、二重米価をたてまえとしているものとは考えておりません。
 先ほど申し上げました条文の中で、生産者米価あるいは売り渡し価格、いずれもその決定に当たりまして「物価其ノ他ノ経済事情」を共通の参酌事項として規定しております。この「経済事情」の中には、当然、両米価の価格関係であるとかあるいは財政に与える影響であるとか、すべてのものを含みますし、そうしてまたいろいろ、需給事情であれ財政事情であれ、諸般の事情を勘案して決めるということが両米価の決定に当たって必要なことと法律上されておるわけでございます。したがいまして、私たちといたしましては、両米価はそういうことで必ずしも遮断して売買逆ざやの存在を前提とする必要はないと思っております。物の価格のあり方といたしまして、売買逆ざやというものはきわめて不自然な姿であります。食管制度自体が国民の信頼と支援のもとで広く運用されるというためには、やはり売買逆ざやの解消は必要であると私どもは考えております。
#42
○村沢牧君 大蔵省は食管法の解釈を違っているよ。食管法の根幹というのは、何回もこれ論議をしているんですけれども、米は政府が管理をすること、生産者には生産者の価格を保証し消費者には消費者の価格を保証させることと、その他にもありますが、これは重要な根幹なんですね。しかし、いまの答弁を聞いていると、まさに食管法の根幹すらあなたは間違った考え方をしている。
 じゃ具体的に聞きますが、売買逆ざやも昭和五十年には六十キロ当たり三千三百六十五円あった、今日では七百二十三円、しかし末端は実は消費者米価の方がはるかに高くなっているんですよ。大蔵省としては、農林省に要請するのは売買逆ざやを全然なくせということなんですか、端的に答えてください。それから、コスト逆ざや、つまり管理費を含めたコスト逆ざやも縮小しなさいと言っている、これもなくせということなんですか。あなたの言うことは臨調や財界の言うことと全く同じなんです。大蔵省はどういうふうに考えているんですか。
#43
○説明員(千野忠男君) 両米価の関係が逆ざやになっていることは、昔からそうなっていたというわけではございません。三十年代の初めごろまでは順ざやのことも相当あったわけでございまして、必ずしも逆ざやが当然だということにはなりません。私どもはやはり売買逆ざやは早急に解消すべきものと考えております。
 それからまた、コスト逆ざやにつきましては、これは米にかかる財政負担のあり方あるいは食管制度に与える影響、いろいろ十分見きわめながら慎重に検討していくべき重要な課題であると考えておりますが、コスト逆ざやにつきましてもそういうような慎重な検討を経つつ前向きに検討はいたしたいと、前向きに取り組みたいというふうに考えております。
#44
○村沢牧君 私は、時間がありませんから以降の質問は同僚議員に譲りまして、大臣が来てからまた質問申し上げます。
 そこで、農林省だけいまの問題について一点伺っておきますが、農林水産省としては売買逆ざやは絶対なくしていく、そういう方針でおるんですか。それと、コスト逆ざやについてはどういうふうに考えているのか。あなたは、農林水産省は食管法を守る立場にある。はっきりした農林水産省の統一した見解を示してください。
#45
○政府委員(中山昇君) 売買逆ざやの考え方につきましては、大蔵省から御答弁がありましたとおりでございますが、売買逆ざやについて解消に努める必要があるというふうに考えておりまするけれども、具体的な取り扱いにつきましては、私ども、近年、売買逆ざやの幅がかなり縮小をしたことでもございますし、生産、流通、消費、各般の面に及ぼします影響、それに特に財政事情などにも十分配慮をいたしました上で判断をしていく必要があると考えております。
 それから、コスト逆ざやの問題でございますが、政府管理経費を節約していくということについては今後ともやっていかねばならぬと思いまするけれども、生産者米価の引き下げとか消費者米価の引き上げとかいうようなことでコスト逆ざやを縮小していくというふうなことになりますると、これは非常に問題が生じますので、この点については私どもとしてはきわめて慎重に検討をしていく必要があるのではないかというふうに考えております。
#46
○川村清一君 時間がわずかですから簡単に答弁してください。
 第一にお聞きすることは、この諮問の先ほど読まれました説明の一番後に「本年産米穀の政府買入価格につきましては、以上の事情にかんがみ、現下の米穀の需給事情に即応し、生産費及び所得補償方式により算定することとしてはどうかということであります。」、これはどういうことなんですか。こんなこと米審に諮問しなければわからないんですか。これはあたりまえのことでしょう。
#47
○政府委員(中山昇君) 米価の諮問につきましては、従来は価格で諮問をいたしたこともございましたけれども、ここしばらくずっとこういうやり方で、どういう算定の仕方をして、またどういうことに配慮して米価を決定したらよろしいかということについて諮問をいたしておるところでございます。
#48
○川村清一君 あなた方は、行政府は法律に基づいて、法律を守って行政を執行すればいいんではないですか。いま米審に諮問した、こんなことは食管法の第三条の二項に明確に書かれているんじゃないでしょうか。決まり切ったことを米審に諮問するなんというのはこれはどういうことなのか。まことに不見識きわまるものでないですか。御答弁してください。
#49
○政府委員(中山昇君) 米価審議会の職務といたしまして、米麦価等に関する基本的な事項を調査、審議するということになっておりまして、川村先生御指摘のように、米の政府買い入れ価格の決定のやり方につきましては食管法三条に基づく規定があるわけでございます。
#50
○川村清一君 そんな説明はわかっているから……
#51
○政府委員(中山昇君) その中でどういうやり方があるかというのはいろいろ裁量の余地があるわけでございまするので、食管法三条の中でどういうやり方をやるのがよろしいかということについて米価審議会の議を求めているわけでございます。
#52
○川村清一君 この中でどうしたらよろしいかなんということじゃないじゃないですか。「生産費及び所得補償方式により算定することとしてはどうかということであります。」、どうか、どうですかと聞いているんじゃありませんか。もし米審がそれはだめだと言ったらやめるんですか。それは法律違反じゃないか、それじゃ。法律でしっかりきちっと決まっているものをわざわざ米審に尋ねなければわからないなんて、そんな話がありますか。不見識きわまるものじゃないか。
#53
○政府委員(中山昇君) 食管法三条の規定におきましては、「生産費及物価其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ米穀ノ再生産ヲ確保スルコトヲ旨トシテ」定めるという規定でございまして、その中で、かつて所得パリティ方式とか価格パリティ方式とか、パリティ方式によって米価を算定していたこともございますし、ここ二十年ばかりは、この生産費及び所得補償方式によって算定をいたしておりますので、ことしもそういうやり方でやったらどうかということを米価審議会に諮問をいたしているということでございます。
#54
○川村清一君 そんないいかげんな答弁しておったらだめですよ。
 時間がないから次の方をお尋ねしますが、そこで、「昭和五十七年産米穀の政府買入価格の試算」ですが、(1)の十四万七千六百七十一円という数字、それから(2)の十四万三千六百七十九円というこの数字、これを簡単明瞭に説明してください。
#55
○政府委員(中山昇君) 第一の十四万七千六百七十一円という数字は、米の生産費調査を生産費の高い低い順に並べまして、生産の低いものから全体の生産数量が各年産米の総生産数量の七九%になるところまでのものの平均したものでございまして、それを自家労賃については都市均衡労賃等に評価がえし、最近の物価修正を行ったものでございます。
 それから、二番目の十四万三千六百七十九円と申しますのは、水稲作付面積一ヘクタール以上のものの生産費を同様に都市均衡労賃で自家労賃を評価がえし、物財等については最近月まで価格修正をいたしたものでございます。
#56
○川村清一君 あなたの方から、これは米審に出されている資料だと思うんですが、「米価に関する資料」、これの三ページ、これは「米生産費の動向」という資料をいただいていますね。これの五十四年、五十五年、五十六年、ざっと見ただけでも、第二次生産費は、五十四年は十四万八千七百六十六円、五十五年は十五万八千三十五円、五十六年は十六万五千九百九十一円、こうなっている。これを十四万七千六百七十一円、こういうふうにしたことは、三年平均したってこんなことにはならぬ、恣意的な要素を入れるからこういうことになる。どうしてこうなったんですか。簡単に言って。
#57
○政府委員(中山昇君) ただいま先生御指摘の三ページの数字は、統計情報部の全国の販売農家の米の生産費の平均でございます。私が先ほど御説明を申しましたのは、そのうち生産費の安い方から並べて、第一の算式でございますれば七九%までのものの上の方の平均、それからもう一つは一ヘクタール以上までの層の生産費の平均ということで違うわけでございます。
#58
○川村清一君 その次にお聞きしますが、分母になっている五百十二キロ、これは両方とも(1)も(2)も分母は五百十二キロですね、これを説明してください。
#59
○政府委員(中山昇君) 先ほど申し上げました分子の生産費に見合う生産農家の平均単収をそのままとったものでございます。
#60
○川村清一君 それじゃこの資料の六ページ、これによると、あなたは先ほどから一ヘクタール以上というようなことを盛んに言っておる、一ヘクタールから一・五ヘクタールのところが十五万八千九百七十七円、一・五ヘクタールから二・〇ヘクタールまでが十五万二千三百二十六円、二ヘクタールから三ヘクタールまでが十四万三千二十八円、それを十四万三千六百七十九円と抑えたことは、この経営面積が一・五ヘクタールから二ヘクタール、一ヘクタールじゃないのだ、一・五ヘクタールから二ヘクタールまでの間に入る数字になってくる、そういうことになるでしょう。それを説明してください。
#61
○政府委員(中山昇君) 先ほど来申し上げておりますように、一ヘクタール以上までの全体の生産農家の平均ということでございまするから、先生御指摘のように階層別に見ますと、一・五ヘクタールから二ヘクタールくらいのところの層ということと相なると思います。
#62
○川村清一君 それじゃ簡単に数字だけで説明してくださいね。この十四万七千六百七十一円というこの数字でいきますと、この生産費で賄える農家というものは全体の何割か。それから十四万三千六百七十九円、この生産費でやれる農家経営というものは全体の何%になるのか、これ数字で出してください、簡単でいいから。
#63
○政府委員(中山昇君) 五十七年産の米価でございますので、五十七年産米の生産費が出ておりませんので、ちょっと計算しようがございませんので、御勘弁いただきたいと思います。
#64
○川村清一君 そんなばかな話ありますか、推定でできるでしょう。
#65
○政府委員(中山昇君) 五十六年産の生産費を使いまして、五十六年産の生産費と五十六年産の米価ということで比較をいたしますと、戸数でカバーできますものが、五十六年でございますと一八%、それから販売数量でまいりますと三〇%のものが米価をカバーするということになっております。
#66
○川村清一君 そうすると、いま農水省が考えたこの基本米価でもってやっていける農家というものは全国で大体において二〇%、八割が切られてしまう。それから五百十二キロなんというものを出せる生産性の高い農家というものはまず二ヘクタール以上の生産農家でなければできないということになる。そうすると、その農家というのは全体農家の何割ありますか。
#67
○政府委員(中山昇君) 手元にちょっと規模別の数字、正確なものございませんので、五十五年の規模で申しますと、二ヘクタール以上の規模の販売数量、販売戸数は大体六%でございます。
#68
○川村清一君 これで明白になりましたな。そうすると、全国農家のうちの六%はこの販売農家ですね、これでやっていける。それからこの生産費を賄うためにはとにかく五百十二キロ以上の単収がなければやっていけないんだから、五百十二キロというのは大変な数字なんだ、ということは、この資料によるというと、この二ページから三ページにかけて一番下に、十アール当たり収量という数字がある、五十六年は四百八十九キロ、五十五年は四百八十九キロ、五十四年は五百十六キロ、これは多かった、五十三年は豊作で五百三十三キロとありますが、わが北海道なんかは全然ない、全くない、これはとてもじゃないけれども、今度の出された農水省の考えておる数字でいきますというと、この米価でいきますと、日本の農家の、まずやっていける農家というものは、まあ二割――二〇%、八割は全部これはやっていけない。実に反農民的な、そうしてこういうようなことをやっておって食糧の自給率を上げるなんという、そんなことは何を考えているのだかわからない。
 私の時間がないからこれでやめますけれども、これは明らかになった。これはいずれこれを基礎にして農水省をいろいろ追及してまいりたいと思っておる。
 終わります。
#69
○山田譲君 時間もごく限られておりますので、ごく端的に申し上げますから、そちらも端的にお答えいただきたいと思います。
 お二人のお話を聞いておりまして、どうしてもわからない点がたくさんあるわけでありますから、その主なところをひとつお聞きしたいと思います。
 まず最初に、去年と同じ算式を使わなかった――算式はどうかは別として対象を去年と変えたという点について、なぜ変えたかをはっきり言ってもらいたい。いろんな事情というふうなことじゃなくて、こういう事情、こういう事情、こういう事情のために一ヘクタール以下は対象外にしましたということをはっきり言っていただきたいと思うんです。
#70
○政府委員(中山昇君) 昨年と違いまして、本年生産費の安い方から比べて七九%というものをとりました理由でございますが、昨年まではこの比率をとりますときに実績の出回り数量に対します必要な出回り量ということでございまして、このやり方でいたしますと、生産調整がやられますとその結果生産量が減る、それで予約限度数量と同じような数量のものが生産をされるということになりますと、出回り比率一〇〇%ということになるわけでございます。五十五年産米あるいは五十六年産米のような不作のときにはこれが一〇〇%ということになります。そうなりますと、現在生産調整をやってやっとそういうことになっておるという需給事情が全く反映をされないということになりまして、どうもこの昨年までやっておりましたやり方というのは問題があるのではないかということで、今回潜在的な需給ギャップということで、潜在生産量と総需要量との比率、具体的に申し上げますると、現在生産調整をもしやらないとしたらば千三百七十五万トンの生産があるであろう、それに対しまして総需要量は千五十五万トンという二期の目標に二十五万トンを加えました千八十万トンということでございまするので、その比率七九%をとったということでございます。それが算式の(1)の方でございます。それから算式の(2)の方は、最近どうも非常に兼業が進んでおりまして、稲作単一経営の中でも、先ほど申しましたようになかなかその稲作自身とそう直にかかわり合いのないと申しますか、余り米価と関心の程度というのがかかわり合いが少ないもの、薄れているものがある、それをどの程度の層でとるかということで考えましたのがこの(2)の算式のやり方でございます。
#71
○山田譲君 そうすると、去年までのやり方、それから算式は間違っていたということになるのか、それが一つ。間違っていたか間違ってないか、はっきりその二つのどっちか答えていただきたいと思うし、今後来年についても状況が同じような状況であれば同じ算式を使うということを考えておられるかどうか、その二つについて。
#72
○政府委員(中山昇君) 昨年のやり方について適正でなかったからことし改めたということでございまするので、これから先その算式を使うかという点につきましては、これからまた米価審議会でもいろいろ算定方式について御議論があろうかと思いますので、その御意見も承った上でまた検討を深めて、もしよりよい方式があればそれは考えたいと思っております。
#73
○山田譲君 私は米価審議会のことを聞いているんじゃないんで、あなた方の考えをここで聞いているわけです。あなた方はこれが一番いいと思ったからやられたと思うんであって、そうすると去年のやり方が間違っていたということになる。で、来年もことしと同じやり方でやろうと考えていると、そういうことを考えておられるかどうかを聞いているのであった、それについて米審がどうこう言うなんていうことをいま聞いているわけじゃない。その点なんですよ。あなた方の考えを聞きたいわけです。
#74
○政府委員(中山昇君) 米価の算定のやり方等につきましては、米価審議会におきまする審議等も十分私ども踏まえた上で、もし必要とあれば算定方式についてことしのやり方と変えることもあろうかと思いますけれども、これから先また検討を深めていかなければならないというふうに思っておるわけでございます。
#75
○山田譲君 非常に大事な問題なんですよね。農民の方々にとっては、ことしの米は幾らになる、来年の米は幾らになるということはある程度予測できなきゃしようがないと思うんですよ、不安でしようがない。だから、去年こういう計算でやったんだからことしもこういう計算であろうというのは常識のある人は当然そういう考え方を持つわけであって、それにもかかわらずその都度その都度変えていく。しかも、先ほどのお話を聞いてみていると、どう考えても、これは何回も言っていますけれども逆算でもって計算した、無理やりにこじつけてそんなことをしたというふうにしかとれないんですけれども、そこのところはどうですか。
#76
○政府委員(中山昇君) 私ども適正な米価水準を決定する場合にはやはりその年その年の米をめぐります事情というものが適正に反映されなければならないというふうに考えておりまして、またことしもそういう物の考え方でこういう試算をお示しをしておるということでございます。
#77
○山田譲君 そうすると、米をめぐる需給事情が去年とことしでどういうふうに変わっているんですか、あるいはまた、来年はどういうふうに変わるであろうというふうに考えているかどうか、その見通しをお聞かせください。
#78
○政府委員(中山昇君) 昨年、ことしと米をめぐりまして潜在的に非常に過剰であるという事情につきましては変わっておりません。単年度の需給が不足をしておるということはございまするけれども、水田面積の二割以上も転作をしなければならないというふうな事情は全く変わっていないわけでございます。
 来年にどうするかという問題でございますが、生産調整の方は第二期ということで、生産調整の数量それ自身については変えておらないわけでございまするけれども、ことし千五十五万トンに二十五万トンの上乗せをいたしまして千八十万トンの生産量ということにいたしておりますが、来年は第二期の基本に戻りまして千五十五万トンの生産量というものを見込んでおるということになっておりますので、そういう事情は反映されようかというふうに思っております。
#79
○山田譲君 私、はっきり言って去年とことしそんなに米の需給事情が変わっているとは思わない、来年だってそんなに変わるとは思わないんですね。ただ、あなた方の出したこの資料を見ますと、国民一人当たりのお米を食べる量が将来減っていくであろう、五十五年度につきましては七十八・九キログラムを一人が一年食べて、それが今後は六十五年までの間に六十三から六十六キロに減るであろうというふうなことになっておりますね。これはわかっていますね。そうしますと、これに合わせるためにはさらに減反を推し進めていく、あるいは少なくともその米価を上げるなんていうことは考えられなくなってくる。単純にこの需給状況だけを考えて今後とも見通した場合に、やはりあなた方のように需給事情だけから換算するならば、今後ますます米の値段を下げていかざるを得なくなると思うんだけれども、どうですか、この辺は。
#80
○政府委員(中山昇君) 将来のことに関しましてのお尋ねでございますので、お答えはなるたけ控えさせていただきたいと思いますが、先生御指摘のように米の需給事情と申しますものは、これから先も一人当たりの消費量が減っていくということは否めない事実でございます。したがいまして、生産調整ということをまだ今後も続けなければならないという状況は変わってないと思います。その後、米価を決定いたしますほかの要因でございます物価なりあるいは賃金の動向なりあるいは単収の動向なりというのが今後どうなるかというものにつきましては、どうもこの段階で幾ら幾らと申し上げるようなことにはなっておらないということでございます。
#81
○山田譲君 それでは時間もないから先ほどのお話の中で出ていました食管制度の問題で、逆ざやを解消するということをこれは臨調なんかでも盛んにそれを言っていますね。そうすると、この逆ざや解消の方法としてどういうことがあるか、どういうお考えですか。
#82
○政府委員(中山昇君) 売買逆ざやの是正ということになりますと、売り渡し価格を引き上げるか買い入れ価格を引き下げるか、そのいずれかしかないというふうに思っているわけでございます。
#83
○山田譲君 だから、それをやろうとしているんですかということを聞いているんですよ。
#84
○政府委員(中山昇君) 本年産の政府の売り渡し価格につきましては、まだ私ども方針を決めているわけではございません。
#85
○山田譲君 だって逆ざやを解消すると言ったらそれしかないということはいま言ったとおりなんです。方針も何もないでしょう。生産者米価を据え置いたら、逆ざやを解消しようとしたら消費者に対する価格を上げるよりほかないじゃないですか。
#86
○政府委員(成相善十君) ことしの逆ざや解消については、御存じのとおり、いま八・一%ありましたものを四月一日から三・九%の消費者価格を値上げすることによって残りました四・二%の逆ざやということになったわけでございます。今回の逆ざや解消についてはそういう措置を講じまして、本年度の千三百五十億余りある逆ざやのための財政支出が三・九%で六百六十億余り縮まって、残りましたのが七百十億余りの四・二%の逆ざやが残っているということでございます。そういう実情ではございますが、今後この逆ざやをまたどうするかという問題は、いま申しましたようにいろいろ検討をしていかなければならない問題である、このように考えています。
#87
○山田譲君 何のことかよくわかりませんけれども、要するに逆ざやを解消して、――そうするとこれは食管制度の根幹にかかわる問題になってくるんだけれども、食管制度を堅持していくという気持ちが一体あるのかないのか、そこをはっきりお聞きしておきたいということと、多少具体的で申しわけないけれども、臨調の報告によりますと転作奨励金を第三期対策からやめるというふうな言い方をしておりますけれども、これについてのお考え方をはっきり聞かしていただきたいと思います。
#88
○政府委員(中山昇君) 売買逆ざやの是正につきましては、物の値段の性格からいたしまして、買い入れ価格が売り渡し価格よりも高いというのはいかにも不自然であるということで、これは是正をしていく方向にはございまするけれども、売買逆ざやを是正をしてまいりますと、最近非常にこの率も小さくなってまいりましたから、いろいろと流通に及ぼす影響等も配慮しながらやらなければならないのではないかというふうに思っておるわけでございます。
 それから、食糧管理の基本でございます食管制度につきましては、昨年法律の改正を通していただきまして、新しい食管制度ができたわけでございまして、この食糧管理制度に基づきまして、食管の制度の根幹はこれを堅持してまいりたいというふうに思っておる次第でございます。
#89
○政府委員(小島和義君) 転作奨励金の問題でございますが、臨調でもすぐやめてしまえということまでは言っているわけではございませんで、早期脱却を図り、第三期対策においてこれを具体化すると、そういうふうなことが基本答申の原案になっているようでございます。実は、同じようなことを農政審議会でももっとやわらかな表現で言われておりまして、方向としては私どもいつまでも奨励金に依存するということではなかろうと思っておりますが、具体的に第三期においてどうするかという問題は、第二期の実施状況を踏まえまして、その時点におきます稲作と他作物との収益性の格差でございますとか、いろんな問題を総合的に考えまして、その時点で第三期の体系並びに転作奨励金の水準、こういうものを決めてまいりたいと考えております。
#90
○山田譲君 最後に一つだけ、この前の農政審の答申なんか見ますと、食糧安保という考え方が非常に強く出されている。ですから、食糧というものについては特別な考え方でやっていかなきゃいけない、普通の物とは違うんだということは、これはだれしも同じことだけれども考えていると思うんですが、今度の諮問なりそれから臨調の考え方なんか見ましても、全く普通の物と同じに考えているんじゃないか、食糧というものの特殊性をちっとも考えていない。食糧安保というふうな考え方も出ていないし、食糧自給率の向上というふうな問題についても一切考えていない。要するに、お米も普通の物体と同じに考えて、全く市場原理の中にほうり出せばいいんだというふうな思想が脈々としてうたわれております。先ほど来話聞いていても、完全に需給だけでもって、需給関係だけでこの価格を決めていこうとするのは、文字どおり普通の物と同じに考えて、そしてそれを市場原理の中にほうり出していかなきゃいかぬと、こういう思想のあらわれとしかとれないんですけれども、その点についてのお考えをはっきりと伺って私の質問を終わります。
#91
○政府委員(中山昇君) 私ども米につきましては、ほかの商品と違いまして、食糧を、米を消費者に安定的に供給することが必要だというふうに考えております。その趣旨で先般の食糧管理法の改正も行ったわけでございまして、そういう意味からも今後とも私どもといたしましては、米につきましても十分市場の原理というものはある程度までは反映させなきゃいかないという点はございまするけれども、何といいましても国民の基本である食糧につきましては絶対これを確保していくという物の考え方で食糧管理制度を適正に運用をいたしてまいりたいというふうに考えております。
#92
○山田譲君 終わります。
#93
○高木正明君 まず、私は冒頭に、いま全国の生産者農民が国会の審議の中でどういう形で生産者農民にこたえてくれるのか、熱いまなざしで注視の状態でいる中で、私どもの委員会は国会で審議する最後の場所でありますのにもかかわらず、共産党や公明党、民社党がその審議権を放棄して全国の生産者農民の期待を裏切ったということは、これは重大な問題であることをまず冒頭に指摘しておきたいと思います。
 それから、先ほど来の議論を聞いておりまして、いまお話の中にもありましたように、昨年と同様に算定方式を使ったらどういう数字が出るかという答えに、九・四%アップになるという答えが出ました。私はいま議論を聞いている中でもうすべてが尽きていると思いますので、きわめて重大な問題は後で参ります大臣にお伺いをしたいと思いますが、生所方式で三十五年来ずっとやってきたその算定方式が、毎年その中身で加算されたりあるいは減算されたりしているという状態がいまここではっきり暴露されたわけであります。これでは生産者農民は納得できないわけであります。農民はもちろんでありますが、消費者を含めた国民も算定方式が毎年変わるということ、中身で変わるということ、それも農林水産省の恣意のままに動かされているという状況が明らかになれば、これは国民の信頼を取りつけることはできないと思うのであります。
 私は、まず政務次官に、ことし生産者農民、農業団体が三十五年以来続けてきた生所方式をあえて棚上げして、ことしはもうぎりぎりの線で四・三七%のアップを求めてきた、これはもう農民としては最後の断崖絶壁に立たされた思いで、いろいろ議論はあったように聞いておりますが、もうこれにすがる以外はないという最後の一縷の望みを抱いて、従来とってきた方式を一応棚上げして今回のような要求を出していると聞いております。この切実なる生産者農民の要望を国はどのように理解をしているのか、まずその点を最初に聞いておきたいと思います。
#94
○政府委員(成相善十君) 今回、言われますように従来の方式で要求されますと三〇%近いものの要求になることは御承知のとおりであるわけでございますが、それを今回生産団体におかれては棚上げをされて四・三七%という、いわゆる指数化方式という賃金、物価等の値上がり相当分に対する要求に変えられたと、現実的な対応をされたということについては、それなりに高く評価をしておるわけでございます。ではございますが、先ほど来お話を申し上げるように、需給関係はやはり大変厳しい状況にもございますし、また過剰基調というものはこれまたお話し申し上げるように相変わらず強いものがあるわけでございます。と同時に、一方財政事情も御承知のとおりむずかしい問題もあるわけでございまして、そうした点を総体的に配慮しながら今後の農業生産というものの方向の中で米価を決定していかなきゃならぬということは非常に重要であるわけでございまして、結論的に申し上げれば、農業団体の今回とられたその方向というものは、それなりに現実的な対応をされたと高く評価をしているところでございます。
#95
○高木正明君 先ほどの山田委員とのやりとりの中で、昨年の算定方式が誤りであるからことしは別な方式をとったと、来年はどうなるかわからないという話でありますが、もし誤りだという言葉が、それはそういう言葉であらわされておりますが、私は答弁要りませんけれども、去年の算定方式が誤りだからことし変えたということになればその誤りの算定方式に基づいて米価を決められた農民はどんな気持ちでこれを聞くでしょうか。私は非常に重大な問題だと思うのであります。しかしこれは後でまた議論をしたいと思います。
 それからもう一つ、政府管理米の倉敷料これは最近の需給より見て予算が相当残っているのではないかと思いますが、これはどんな状況になっておりますか。
#96
○政府委員(中山昇君) 最初にちょっと私の答弁の中で昨年の算定方式が誤りであったというふうに申し上げたとしたらこれは訂正をさしていただきたいと思います。昨年の算定方式は昨年の算定方式で、それはそのときにおいて適正なものであったということでございまして、その後、今年に至るまでいろいろ検討した結果、改めるべきところがあるのを改めたということだけでございまして、昨年のが誤りであったというふうに私ども思っておるわけではございません。
 それから、ただいまの保管料なりあるいは金利なりの予算に対して残渣があるのではないかということでございまするけれども、まだ私ども年度の途中でございまして現在予算に織り込んでおります保管料なりあるいは金利なりがどの程度残るかという点については的確な判断をいたしておりません。
#97
○高木正明君 与えられた時間がそんなにないものですから詳しく私は質問をする余裕がございません。それで米の問題は後でまた大臣が来てから伺いますことにいたします。
 次に、水田利用再編対策についてお尋ねをしておきたいと思います。
 御承知のように、現在第二期の対策を実施中でありますが、農業の経営状態から見ても、農業者の経済状態からもこれ以上減反を進めるということは日本農業の破壊につながるものだと私は考えております。さらにまた、民族の安全保障の礎である食糧生産にも影響するのではないかというふうに考えるわけであります。現在第二期対策で四万六千ヘクタール調整をされているわけでありますが、これはそのまま据え置いていただくわけにはいかないのかどうかということをまず伺いたい。
#98
○政府委員(小島和義君) 水田利用再編対策は米の需給の過剰を回避すること、あわせて日本の農業にとりましてもっと自給度を高める必要がある農産物をつくっていくと、そういう目的でやっているわけでございますので、何としてもこの対策は進めなきゃいかぬというふうに考えているわけでございます。
 お尋ねございました四万六千ヘクタールの問題でございますが、これは第二期の目標六十七万七千ヘクタールと決まっておりますが、五十五年及び五十六年が不作であったという事態を踏まえまして、水田利用再編対策を全国的に円滑に進めていただくと、こういう配慮から特例的に軽減措置を講じたものでございますから、五十八年度につきましては原則として基本方針を貫くというのが私どもの考えでございます。
#99
○高木正明君 私はいまのような状況で生産者米価が据え置きにもしなるとすれば、この次に行われる第三期の水田利用再編対策はなかなか農民の納得と理解が得られないと思うのです。したがって、第三期水田利用再編対策もこのままの状態で凍結する意思はあるかないか、そのこともあわせて伺いたいと思います。
#100
○政府委員(小島和義君) 第三期の問題は五十九年度からの問題でございますので、いまのところ具体的な構想があるわけではございません。ただ先ほど申し上げましたような目的でやっておるわけでございますから、第二期の実施状況を踏まえまして、さらにそのときの時点におきます米の需給がどういうことになっておるか、さらに転作の定着化の動き、そういったものなどを検討いたしまして、関係者の意見もよく聞いた上でその骨格を定めてまいりたい。現時点ではさよう申し上げるしかないわけでございます。
#101
○高木正明君 次に、この農業生産基盤の整備についてお尋ねをしたいと思います。
 財政事情から非常にこの農業生産基盤の整備予算が削減されるのではないかというふうに危惧されておりますが、食糧自給力の維持強化や、あるいは農業の健全な発展を図るために従来実施されてまいりましたそれぞれの継続事業の早期実施はもちろんでありますが、特に排水対策事業や、あるいは農業生産基盤の整備については特に留意されて、新規事業にも特段の配慮をしていただきたいと思うのでありますが、これに対する考え方を伺いたいと思います。
#102
○政府委員(森実孝郎君) 今日の財政事情、それからさらに賃金、物価等の動向によりまして、現実の問題としてネットの事業費と申しますか、実事業費が停滞している、あるいは減少ぎみであるという状況から言いますと、土地改良事業全体といたしましては、新規事業の抑制を念頭に置きながら継続事業の早期完了を頭に置くことはどうしても避けられないところだろうと思います。しかし、そういった中でもやはり今日の農村社会の要望を取り入れながら構造政策の計画的展開を図るためには必要な新規事業は打っていかなければならないと思いますし、またそれぞれに各地区において具体的な事情の積み重ねの上で提起されていることも私ども十分理解しなければならないと思います。そういった意味で、私ども五十七年度予算におきましては、毎年の大体採択事業量の三分の二程度に抑制いたしましたが、新規の採択も考慮しておりますし、これからもそういった基本姿勢はそう大きく変えることはできないと思っております。
 特に御指摘のございました排水特別対策事業は稲作の新しい転換を積極的に進めるための一つの前提になるわけでございます。特にこれにつきましては五十六年度で新規採択は終わりという予算上の約束があったわけでございますが、本年から第二期対策を発足させまして新規の採択を積極的に進める姿勢をとっております。当面この姿勢を堅持してまいりたいと思います。
#103
○高木正明君 後にもう一つお伺いいたします。
 この稲作農家の負債対策なんですが、これは北海道の問題が主になります。全国の農業所得の平均をとりますと、農業所得は上がっているという新聞記事が出ておりましたが、正直言いまして、北海道農業の所得は下がっております。特に北海道は二年連続の天災で主産地においては固定負債に苦しんでいる農家が非常に多くなってまいりまして、北海道やそれぞれの機関で実態の調査をいま進めているところでありますが、これらの問題に対して農林水産省としても金融対策に特段の配慮をしてもらいたいという声も非常に多いわけでありますが、この点についてどのようにお考えになっておりますか。
#104
○政府委員(小島和義君) 北海道が二年続きの不作で稲作農家が非常に経営上苦しいという事情は私どもも推察にかたくないわけでございます。
 ただ、その災害対策という観点からいたしますと、五十五年、五十六年とも共済金の支払いあるいは天災融資法の発動によります天災資金の貸し付け、自作農維持資金の貸し付けなどによりまして経営の維持安定に努めているわけでございまして、災害による被害の救済という観点からいたしますとほぼ満足なものが行われているというふうに見ておるわけでございます。
 また、その農家の経営状況、これは統計的な制約でまだ五十五年度末までしかわかっておらぬわけでございますけれども、北海道の稲作を主業といたします農家の経営状況を眺めてみますと、確かに負債の方は一戸当たり六百八十七万円から七百二十万円、一年間で若干の増がございますけれども、一方貯蓄の方も約一千百万円程度ということで若干の増が見られておるわけでございます。特にその負債の内容を調べてまいりますと、大体三分の二程度は公庫資金並びに近代化資金など、政府の財政的な負担のついております融資が大部分を占めておるという状況でございますので、そういう状況を総合的に勘案いたしますと、特別に制度的な対応をしなければならないという段階ではないのではないかというふうにただいま見ておるわけでございます。もちろん自作農維持資金その他ただいま政府手持ちの制度資金で対応いたすべきものにつきましては対応する所存でございますし、また個別農家で大変経営的に苦しいというものにつきまして、具体的な返済条件の緩和というふうなことにつきましては対応してまいる所存でございます。
#105
○高木正明君 終わります。
#106
○村沢牧君 大臣が参りましたので、大臣に質問しますが、ことしの諮問米価は、食管法の規定に基づいて生産費・所得補償方式で算定したというふうに言っておりますけれども、実際には生産費は三年連続して上がっているにもかかわらず、昨年よりも低い生産費の数値で抑えて据え置きにしております。また、米づくりの所得率は年々減少しているわけでありますすけれども、八〇%の農家はいまの据え置き米価ではカバーすることはできない。したがってこの諮問米価というのはただ据え置き方針を最初に決めておいて、逆算をして数字を合わせたにすぎない。これが生産費・所得を補償し、再生産を確保する米価と言えるでしょうか。
#107
○国務大臣(田澤吉郎君) 米価決定に当たりましては、食管法の三条に、米価決定に当たっては「生産費及物価其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ」、さらに、「米穀ノ再生産ヲ確保スルコトヲ旨」とするという規定があるわけでございますが、そこで米価の具体的な算定方式、これは明示されていないわけでございまして、したがいまして、御承知のように、三十五年以来生産費・所得補償方式にそのときどきの米の事情を勘案しながらこれまでも米価を決定してきているのでございまして、したがいまして私たちとしましてはやはり経済の事情あるいは米の需給関係、生産性の状況等を、あるいはまた需給状況等をいろいろ判断した上で決めたものでございますので、その点御理解をいただきたいと思うのでございます。
#108
○村沢牧君 諮問米価は一万七千七百五十七円、昨年より一円のアップですね。大臣、いまの時期一円という金の価値はどういうふうに考えておるか。こういう諮問をしたその神経を私は疑いたいと思うんです。
 しかも、農水省のこの試算は、あるいはその算式は、米価据え置き実質引き下げをねらった政策的な意図以外何物でもないと思う。二つの方式を示しておるわけでありますけれども、一つの方式でやれば現行米価よりも十円下がりますよと、他の方式でやれば現行米価よりも四百七十八円下がる。こんなことは歴史にいままでなかったことなんです、こんな算式を出したのは。このことは大蔵省に対して、米価引き下げをせよという要求に対してこびへつらったものである。一面は農家、農民に対して生産費・所得補償方式で計算すれば下がるけれども、農家の皆さん気の毒ですから政府は据え置きにしてあげてやりましたという恩を売ったものである。こんなことで大臣、農家、農民をだませると思うんですか。昨年どおりの方式でやれば九・四%上がるじゃないですか。
#109
○国務大臣(田澤吉郎君) 私たちは今回の諮問案を策定するに当たりまして、第一の問題としては、やはり米が過剰ぎみにある、過剰基調にあるということが第一点でございます。
 次は、財政の問題でございますけれども、いまマイナスシーリングという非常に厳しい財政の状況の中で私たちはどうしても進めていかなきゃならないのは、水田利用再編対策でございます。
 もう一つは、過去のいろんな経緯から過剰米の処理をもしてまいらなければならない。過剰米の処理も六十年度が大体ピークでございますが、支払いの面でですね。年々これは経費がかさばる状況にございます。そういう中で、米の管理、食管会計のあり方というものをより安定的に進めていくためには、何としても米の需給バランスをとるということと、できるだけ経費を抑制していかなければならないという一つの条件。それからもう一つは、これは米作の経営の面からでございますけれども、米作のいわゆる生産費あるいは収益性というものが作付規模によって非常に大きな差ができてきているという事実。それからもう一つは、一方で、まあお聞きになったと思いますけれども……
#110
○村沢牧君 ええ、聞きました。大臣、時間がありません、簡単にやってください。
#111
○国務大臣(田澤吉郎君) 兼業化によってやはり米作所得の収入というものに依存する農家が非常に少のうなっているという実態をも含めて、三十五年以来の生産費・所得補償方式にいわゆる米の需給関係を勘案しながら、今回この案が策定されたということを御理解いただきたいと思います。
#112
○村沢牧君 大臣ですね、大変失礼ですが、大臣が忙しいということでございますので、私も大臣にゆっくり質問している時間がないんです、ですから、答弁もひとつ簡潔にお願いしたい、いままで聞いておりますから。
 そこで、大臣は米が過剰だというふうに言われたんですけれども、先ほど私の質問に対して備蓄はどうするかと、明確な答弁できないんですよ、農林省はね。あるいはまた財政問題についてだって、食管法によれば逆ざやが生ずるのは当然のことなんです。したがって、大臣の答弁、どうも納得できないんですけれども。ですから、こんな諮問でありますから米価審議会も紛糾するんです。大臣ですね、お聞きするところによると、生産者側委員も、こんな諮問ではもう審議することはできない、退場しようというようなことの決意までしておるように聞いているんですよ。私ども野党六党も、これではいけないから、撤回して再諮問しなさいということを要求している。大臣、今日いろいろ要求されて御存じだと思うけれども、このことしの諮問米価ほどまさに理屈に合わないものはない。したがって、いまの時点でも遅くないから、大臣は諮問案を撤回して改めて出すべきだと思うんです。その決意がありますか、決意だけ聞かしてください。
#113
○国務大臣(田澤吉郎君) いま米価審議会をきのうから開いておるのでございますが、私たちは諮問をこういう状況の生産米価をしたいと思うが、いかがなものでございましょうかという、いわゆる権威ある米価審議会にお諮りをいたしまして、その意見を聞いて、そして米価を決定いたしたいと思うのでございまして、その過程にあるわけでございますので、私たちはいま諮問した案を撤回するというわけにまいらない、かように考えます。
#114
○村沢牧君 大臣ですね、あなたも農林水産大臣である限り、農家や農民の生活がよくなるように、このことを期待をしているというふうに思うんですね。いろいろ米価算定の方法に理屈はあるとしても、農家の現実はどうかと。たとえば昭和五十二年から今日まで、一々数字は申しませんよ、肥料も、農薬も、農機具も、全部大幅な上昇を示しておる。消費者物価も二二%も上がっているんです。この間に米価はほとんど上がっていないし、実質引き下げになっている。こうした結果、一つだけ例を申し上げましょう、たとえば長野県の例をとってみても、五十六年度六十キロ当たり生産費は一万九千七十八円なんです。決定米価よりも千六百六十円生産費の方が高いんです。ことしもまた米価が据え置きになれば、一体農家、農民はどうすればいいんだと。こうした米づくりの農家の厳しい現実の中から、農林水産大臣として、据え置きというのは余りに農家に対してみじめではないのか、そのことを感じませんか。
#115
○国務大臣(田澤吉郎君) 確かに農家、農民の現状というものは非常に厳しいということも私はよくわかります。しかし、先ほど来御説明申し上げました事情、さらに農業の生産性向上というのは私たちはこれからもあくまでも進めてまいらなければならない一つの仕事でございますが、それと価格の問題と構造政策、あるいはその中では基盤整備だとかあるいは経営規模拡大だとかいろいろな問題がございますが、その関係をどういうように進めていかなければならないのか、さらにまたいま現に経営しようとする人がどういう態度で臨まなければならないのかというようなことを、価格と構造政策その他を一緒に考えながら私は新しい農業のためにいま考えていかなければならない時期じゃないだろうかと思うのでございまして、決して価格問題を軽視するという意味じゃございません。同時に、私は構造的な問題をもこの際十分考えていかなければならない局面にいま農業が置かれているような気がしてなりませんので、そういう点をも配慮しながら私たちはこの米価に取り組んでいるという御事情も御理解いただきたいと思うのでございます。
#116
○村沢牧君 価格と構造政策についてはここ数年来農水省も言ってきた、歴代の大臣も言ってきた、そのことができないじゃないですか。いま米価を下げれば、大臣がきのうこの米審場の前で言っておったように、若い農業者が育っていくのか、農業が発展する糸口になるのか、私は疑問だと思うんですよ。そのことは申し上げておきます。
 そこで大臣に確認をしておきたいんですが、昨年、食管法改正の際、自主流通米に対する私の質問に対して当時の亀岡農林大臣や食糧庁長官は自主流通米奨励金は政府の必要とする米を確保するために重要な施策でございます。したがって今後とも従来どおりの補助金は続けていくということを確約しておるんですよ。こうした考えには変わりはないと思うんですが、どうですか。
#117
○国務大臣(田澤吉郎君) 自主流通米の持つ役割りというのは非常に大きかったわけでございます。食管会計の中で、ともすれば停滞しがちないわゆる農業をある程度積極的な姿にあるいは研究をしようとする熱意を生み出したということ、さらにまた消費者のニーズにこたえるための米がつくり上げられたということはそれなりに大きな成果があり、今後もまたそれは奨励していかなければならないと思いますが、ただ前広米審などではこの奨励金の問題がしばしば話題になるわけなんです、事務当局からお話があったと思いますが。そういう点でこれは米価とは直接いまきょう考える問題じゃございませんけれども、やはり問題点があるものですから、これをどうしようかということはそれなりに検討はしてまいらなければならないのじゃないだろうかと、かように私は考えておるのでございます。
#118
○村沢牧君 確認をしておきますが、これはうがった見方で大変恐縮でありますが、この米価を決定をする十五日か十六日ですね、その際に自主流通米の補助金を下げる、そしてこれは大変私の私見で恐縮ですが、その分ぐらい何か政治加算でもしようというようなお考えは毛頭ありませんね。
#119
○国務大臣(田澤吉郎君) その問題については、やはり米審が終わった後、答申を得て、その後どうするかという問題はまたこれは別問題でございますので、今後いまの委員のお話は十分私聞かしていただいたということにとどめさしていただきたいと思います。
#120
○村沢牧君 どうも納得できませんですがね。そうしたらまた米審が米価を十六日ごろ最終決定する際、自主流通米に手をつけるのじゃないか。そんなことがあっちゃ絶対いけませんよ。やらないようにしてください。
 それから諮問米価は据え置くけれども、われわれの耳に入ってくるのは、自民党は政治加算で決着をしようなんということが盛んに言われておるようで、新聞に書かれているのですが、これこそまさに国民を愚弄するものであって、米審そのものを私は形骸化するものだと思う。政治加算であろうと基本米価であろうと財源は国民の納める税金なんです。一体大臣はこんなこと期待しようとしておるのですか、どうなんですか。
#121
○国務大臣(田澤吉郎君) 私は、米価をいま米審に諮問している立場でございますので、その態度はいま諮問している態度にあるのでございますから、御理解をいただきたいと思います。
#122
○村沢牧君 私の持ち時間も終わって、同僚議員にあと移りますので、一点だけ私の見解も申し上げ、大臣の決意も聞きたいのですが、大臣は米審会場に行かれてあそこに座り込んでいる農民の切実な訴えも聞いていると思う。あるいは連日のように押しかけてせめて四・三七%上げてくださいというこういう農業団体のこの訴えも連日聞いておると思うんです。しかし、なかなか冷たい態度だ、いまの答弁をお聞きしても。政府がこういう冷たい態度であるならば、われわれは国会議員として国会でもって、ひとつ委員会でもって米価を引き上げるように決意をしようということを私も実は提案しようと思った。私はいま申し上げますけれども、こういうことなんです。
  昭和五十七年産生産者米価決定に関する決議政府は、昨日米価審議会に対して、本年産生産者米価の据え置き諮問を行った。
  この諮問米価は、生産諸資材、物価、労賃等の上昇を正当に評価しておらず、生産農民の切実な要望を無視したものであり、過般の国会決議にもある食糧自給力の強化という政策の基本や国民食糧の安定にも沿わないものである。
  この据え置き諮問の背景とされる米生産の過剰基調については、米需給の現状が二年連続の冷災害によって政府需給が極めて窮屈なこと。
 また財政負担の増大についても昭和五十三年以来の生産者米価の抑制・据え置きや、五十一年以来の売買逆ざやの解消等により年々軽減されていること。加えて穀物の国際需給は基調的に不安定であることに照らし、政府の指摘する理由はいずれも納得しがたいものがある。
  よって、政府は本年産米価の算定と決定に当たっては、これらの事情を十分に斟酌して、食糧管理法第三条第二項の規定に基づき生産費及び所得が十分に補償され、米の再生産が確保されるよう適正な水準に生産者米価を引き上げるべきである。
 こういう決議を私ら社会党は出そうとした。ところが与党に諮ったところ、与党の方では決議は全会一致でなくちゃならぬ。野党は皆一致しておるのですよ。一致にならぬのはこっちの皆さん方。いま米審で審議をしているからこんな決議はだめだというのですね。米審で審議をし、政府が決定しようとするからこういう決議が大事なんだと。そこで私が言いたいことは、与党の皆さん方も農民の前や農協の前へ行くと、私は一生懸命やりますから、がんばってやりますからと言うけれども、こういう国会決議ができないというこの与党の対応に対して私は情けないと思う。
 そこで、大臣はこれを、私がいま申し上げた決議をしようという気持ちに対して、このことに対してどういうふうにお考えになっていますか。
#123
○国務大臣(田澤吉郎君) ただいまお読みになりました御意見につきましては、本日の委員会におきましても種々御議論のあったところでございますが、現在米価審議会で審議が続行されておりますので、その答申を得て適正に決定してまいりたいと考えておりますので、御了承いただきたいと思います。
#124
○川村清一君 私のお尋ねに対して、大臣はお考えだけ述べていただきまして結構でございます。
 先ほど大臣は、権威ある米価審議会にいま諮問しておるというお答えがありました。もちろん米価審議会の権威を認めるにやぶさかなものではございません。しかし権威論から言うならば、国権の最高機関は国会でございますから、国会の決議こそ最高のものであるという御認識をされていると思いますが、その観点に立って物を考えていただきたい。言うならば、一昨年国会におきましては、衆・参両院において食糧自給力増強に関する決議をしておる。これは最高の決定でございますので、これをもとにしていろいろの判断、政策を決め推進していただきたい。これに対する大臣のお考えを聞かしていただきたい。
 次に、先ほど来この食糧庁の次長にいろいろお尋ねをいたしまして、現在諮問しておりますこの資料に基づいてお尋ねをいたしました。価格決定の面として二つの試算をしております。(1)は生産費が十四万七千六百七十一円。そこで、十四万七千六百七十一円の生産費で経営できる農家は日本の全体の農家のうちどのくらいあるのかということをお尋ねしましたら、一八%である、こういうお答えであります。次に、(2)の、これは水稲作付面積一ヘクタール以上を経営しておるものの生産費十四万三千六百七十九円。これの生産費で経営できる農家戸数は全体の割合がどのくらいあるかお尋ねしましたら、日本全体の農家の六%である、こういうお答えであります。そしてもう一つは、五百十二キロ単収がなければこの生産費を回収することができないわけであります。しからば、この五百十二キロ単収できる農家というものはどのぐらいあるのか、ここはお尋ねしませんでしたが、これもごく少数だろうと思うわけであります。
 しからば、これを逆に言えば、つまり据え置きの米価でいくならば、基本的な物の考え方として、あるいはその考え方がなくても結果的に言えばいわゆる生産費を償うことができない農家約八〇%、この八〇%を切り捨てるという政策につながるのではないか。また、十四万三千六百七十九円という生産費は一ヘクタールとここに書いていますが、二ヘクタール以上の経営をやらなければこの生産費を償うことができないわけです。その戸数は六%である。それじゃあとの九四%の農家はどうなる。いま構造政策ということを大臣は言われていました。一つは構造政策、一つは価格政策。しからば、いま農水省の考えておる、日本の水田農家をどうしようとしているのか、構造をどう変えようとしているのか。つまり、言うならば私は約八〇%のいわゆる第二種兼業を基盤とする農家はやめてもらう、いわゆる専業農家、しかも二ヘクタール以上の経営をやっている専業農家だけを残してもらう。こういう政策を基本的に持っておるのではないかと、こう考えるんです。これはゆゆしき問題である。それはいろいろ言われたってこの数字をお尋ねしていってそういう結論に達したんでありますが、これに対する大臣の御見解を伺いたい。
#125
○国務大臣(田澤吉郎君) 米価審議会につきましては、川村委員御承知のように、米価を決定するに当たって諮問案を米価審議会に諮問をして、その意見を聞いて米価を決定するということに相なっておるのでございますから、それは農林省の一つの機関としてあるわけでございまして、したがいまして農政全体の、あるいは農業政策全体に対するいろんな決定についてはもちろん国の最高機関でございます国会にあるわけでございますから、そういう点は十分理解をいたしております。
 それからもう一つは、一ヘクタール以上の農家の問題でございますけれども、これは算定方式の中に入れたということでございまして、それが直ちに農業の政策につながるんだということではございませんので、その点は御理解いただきたいと思うのでございます。
 私たちはこれから新しい農業をつくるためには、私もすでに何回かこの場所で申し上げておりますけれども、やはり何といっても生産性の向上を図らなければいけない。そのためには価格問題もございますが、もう一つは構造政策があるんだと。その構造政策はやはり規模拡大、そのためにはいわゆる基盤整備、圃場整備、こういう問題が必要です。さらにはまた、規模拡大の中でも中核農家を育成する、さらには高能率の生産集団を育成するということ等をも進めながら、構造政策の面で努力をしたいということでございますので、決していま算定基盤に入ったことが直ちにその農家を切り捨てるなどということは一言も申し上げておりませんし、私たちは将来も農業としての方向はいま申し上げましたような状況でございますので御了承いただきたいと思うのでございます。
#126
○高木正明君 一点だけ大臣にお尋ねをしたいと思います。
 大臣も私と同じように北海道、東北、青森はやっぱり米どころでありますし、生産者農民の気持ちは大臣も痛いほどよくわかっていただけるものと思います。先ほど来の議論から言いまして、従来昭和三十五年から続けられてきた生所方式、この算定方式でやってまいりますとその中身が毎年変えられていく。そのときどきの事情によって加算されたりあるいは抑制されたり、いろいろ中身の項目で変えられてきて今日の米価が決められてきたということが指摘をされてまいりました。
 そこで、私はいま生産者農民が将来の稲作農業の展望が見出せないままに、これで米価が数年来据え置かれている、こういう実情を考えてみて、農民はもうやり切れない気持ちで将来に不安を持っているわけでありまして、私はいま大臣が言われたように、いまここで抜本的に将来の展望を切り開いていかなければならないときだと言われますが、この委員会でも何年来そういう議論は尽くされてまいりました。しかし、算定方式が去年とことしが変わる、またことしの方式が来年も続けられるのかという質問にも、それはわからないという。それでは農民も非常に不安に感ずるわけであります。
 さらにまた、私は米をめぐるいろんな事情は来年度以降もそんなに基本的には変わらないと思うのです。そんなに大きく変わるとは思いません。だとするならば、生産資材が値上がりしているのに、いろんな事情がありますけれども、財政的な理由や事情であるいはまた臨調から指摘されている面も考えながら米価が上げられないということになれば、これはまさに稲作農民に死ねといわんばかりの状況をつくり出してしまうことになると思うのであります。
 それで、もう長年続けられてきた従来の方式を変えて、ここで農民が納得できるように、こういう中身の算定方式やったのならこれもずっと続くんだ、これが農民に理解をされ、消費者や国民からも米価はそういうふうに決められるんだということの理解を得られれば私は納得できると思うのです。先ほどのお話によりますと、昨年と同じように算定方式をとれば九・四%アップをしなきゃならぬということになると言うんです。だとするなら、私は正直に算定方式は変わりませんよと、しかし算定方式は変わらないでこういうふうな状態になるけれども、米をめぐる事情あるいは財政事情、そういうものを考慮すればとても値上げには至らない。したがって、この辺でという話を率直に出すとわかると思うのですが、私はどうも農民が毎年くるくる中身の項目で変わる、消費者もどうも米価はどうやって決められるのかわからないというやっぱり不信感を持つと思うので、農民やあるいは消費者が理解と納得のいくような新しい算定方式をこの辺で見つけて決めていく必要があるのではないかと思うが、大臣のお考えを伺っておきたいと思います。
#127
○国務大臣(田澤吉郎君) 米の価格決定につきましては、村沢委員にもお答えいたしたのでございますが、これまでもただいま御指摘の三十五年以来の採用されてまいりました生産費・所得補償方式、これを採用するに当たってはやはりそのときどきの米をめぐる事情を勘案し、財政をも勘案しながら進めてまいったわけでございまして、したがいまして、御指摘のような状況は確かにあると思います、農家の方、生産者の方々が言われますとおり。しかし米をめぐる事情というのは非常に年々大きく変わるものでございまして、現に農業団体もこれまでとってまいりました生産費・所得補償方式をいわゆるこっちに棚上げしまして、そして物価と賃金のスライド制を取り入れているわけで、このことは私は米をめぐる事情が非常に厳しいということを意味すると思うんですよ。ですから、私はそういう意味でこの一つの算定方式でずっといければ私も一番よろしいと思うのでございますが、その点が経済事情の変化あるいはまた米をめぐる需給関係等が非常に厳しく変化する中でのことでございますので、私はそれらを全然見捨てて、そして抽象的な価格というものをつくるわけにまいらないというところに問題があるわけでございまして、いま高木委員御提案の、今後米価算定の方式をもっと検討したらどうだということについては素直にそれは私たちも受け取って十分検討してまいりたいと、かように考えております。
#128
○委員長(坂元親男君) 本件に対する本日の質疑はこの程度といたします。
 本日はこれにて散会をいたします。
   午後零時五十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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