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#1
第096回国会 社会労働委員会 第16号
昭和五十七年七月二十七日(火曜日)
   午後二時四十一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 七月二十三日
  委員丸茂重貞君は逝去された。
 七月二十六日
    補欠選任        成相 善十君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長        目黒今朝次郎君
    理 事
                遠藤 政夫君
                佐々木 満君
                安恒 良一君
    委 員
                石本  茂君
                斎藤 十朗君
                関口 恵造君
                田代由紀男君
                田中 正巳君
                福島 茂夫君
                村上 正邦君
                森下  泰君
                対馬 孝且君
                本岡 昭次君
                藤井 恒男君
                山田耕三郎君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  森下 元晴君
   政府委員
       厚生大臣官房審
       議官       吉原 健二君
       厚生省公衆衛生
       局長       三浦 大助君
       厚生省医務局長  大谷 藤郎君
       厚生省保険局長  大和田 潔君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        今藤 省三君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○老人保健法案(第九十四回国会内閣提出、第九
 十五回国会衆議院送付)(継続案件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(目黒今朝次郎君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本委員会の一名を補充するため、昨二十六日、成相善十君が委員に選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(目黒今朝次郎君) すでに御承知のことと存じますが、本委員会委員丸茂重貞君は、去る七月二十三日、国家公務員共済組合連合会虎の門病院においてくも膜下出血のため逝去されました。
 本委員会における同君の御功績と御活躍は皆様御承知のとおりであります。同君の急逝はまことに痛恨哀惜のきわみであると存じます。
 ここに、委員各位とともに黙祷をささげ、心からなる哀悼の意を表するとともに御冥福を祈りたいと存じます。
 皆様の御起立をお願いいたします。黙祷。
   〔総員起立、黙祷〕
#4
○委員長(目黒今朝次郎君) 黙祷を終わります。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(目黒今朝次郎君) 前回に引き続き、老人保健法案を議題として質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○安恒良一君 老人保健法案について、私は、すでに多くの同僚委員から質問がありましたので、それらの重複を避けながら何点かただしたいと思います。
 まず第一は、森下厚生大臣にお伺いをしたいのでありますが、医療法の改正の提出についてであります。大臣はしばしば今国会で、できればこの国会に医療法の改正を提出する旨の発言を各党の質問に重ねて御答弁をされております。たとえば四月二十七日の参議院社労委員会、これは一つの例であります。なぜ公約どおりにならないのか、具体的にひとつ大臣として責任ある説明をしていただきたいと思います。
#7
○国務大臣(森下元晴君) 医療法の改正問題につきましては、いま私に申されたとおりでございまして、私もたびたび、前向きでやっていきたい、やりたいと、前任の大臣の発言もございましたし、私自身もそういうような気持ちを、前向きの答弁をしたことは事実でございます。そういうことで現在まで各方面の意見調整を努めてきたところでございます。
 いろいろ医療団体の反対ももちろん強く表明されておりますし、また与党社会部会においても、国会提出についてはなお内容を煮詰める必要があると。いろいろ臨調絡みもございますし、先般出されました長期懇談会の内容等、そういう動き等も恐らくあったことだろうと思います。
 そういうことで、私といたしましては、早く出したいわけでございますけれども、そういう諸般の事情がございましていままでまいっておる。今後医療制度全般との関連も考慮して、また各関係方面との調整をさらに進めまして国会提出に努力をしてまいりたいと思います。
#8
○安恒良一君 何か臨調絡みなどという新しい要素が入ってきているようなことを言われますが、できればこの国会に医療法の改正を提出したいと、一回じゃないんですよ、大臣はしばしば言われているんですよね。それが、この国会というのは八月二十一日まであるわけでありますが、もうあと余すところ一カ月になっているんですが、なぜ公約どおりにならないのかということについて、そのならない理由について、どこに問題があるからどういうことで出せないんだとか、それともまだ二十一日まであるから、あなたはお出しになるんですか、公約どおり。それともこの国会ではもう出せないんですか。そこをはっきりしてくださいと、こう言っているわけです。
#9
○国務大臣(森下元晴君) 先ほど申しましたように、私がたびたび申し上げましたように、この国会にぜひ出したいという気持ちは変わりございませんが、第一に、私の熱意と申しますか、いろいろ諸般の事情に対する啓蒙、啓発と申しますか、そういうものが足りないのも一つの原因であると思いますし、いろいろと医療関係、それと与党の社会部会等の調整もまだ十分できておらないというのが実情でございまして、最後まで努力はいたしますけれども、いまの段階で申し上げられることは、努力はするけれどもなかなかむずかしいというような態勢にあるわけでございますが、最後まで努力はいたしたいと、こういうことであります。
#10
○安恒良一君 なかなかどうも歯切れがえらい悪いんですよね。努力をするけれどもどうもむずかしいと。それじゃ少し中身をお聞きしなきゃなりません。私は、前大臣並びにあなたがしばしばこの国会で、この国会中には出すという方向で言われているわけですから、いまのことだけで理解をするわけにはまいりません。
 そこで、第九十三国会で、二十七項目の確認事項のうち、医療機関の適正配置について当時の厚生大臣は次のように述べています。医療資源に関する重要な指標について国がガイドラインを示し、都道府県がそのガイドラインに従って地域医療計画を策定することを内容とする医療法の改正を検討すると、こう言われておる。そこでお聞きしたいんですが、厚生省はこの方針に従って日医の新しい花岡執行部との話し合いを進めているそうですが、その内容はどういう内容でしょうか。
 というのは、医療法の改正を国会に出すということを言っているわけですから、日医に示している方針は、私たちの国会の方にもこういう方針を示しているんだ、それでいま話し合いしているんだ、ここに問題点があるんだ、相手側がこう言っているんだ、こういうことを聞かしていただかなきゃならぬと思いますから、ひとつその点について御答弁を願いたいと思います。
#11
○政府委員(大谷藤郎君) 厚生省といたしましては、昨年社会保障制度審議会に提示いたしました改正案要綱につきまして日本医師会と話し合っているわけでございます。しかし、日本医師会としては、この法案要綱に対しまして反対の態度を基本的には変えていないわけでありますが、新執行部となりまして、これについても十分話し合いたいということで現在話し合いを続けているわけでございます。医療法改正問題含めまして、医療行政全般につきましてもう少し時間をかけて話し合いをさせていただきたいというふうに考えているわけでございまして、執行部の交代というふうな事態等もございましたので、このようにおくれているわけでございます。
#12
○安恒良一君 もう少し時間をかけてと言われていますが、もう少し時間というのはどのくらいかかるんでしょうか。大臣は、この国会中にさらに出せる努力をする、大変むずかしいけれどもと言われた。あなたはもう少し時間をかけてと言われる。そのもう少し時間をかけてというのはどのくらい時間がかかるんでしょう。
 というのは、私どもが言ったわけじゃなくて、歴代の大臣がしばしば、今度の国会には出す、こう言ってきているわけですからね。ですから、そのときにさらにもう少し、まあ執行部がかわったからだということだと思いますが、そのもう少し時間をかけてというのはどのくらいのことを考えられていますか。
#13
○政府委員(大谷藤郎君) 大臣とされましては、できるだけ早く話し合いを詰めて国会に提案をするようにという御指示でございますが、先ほど申し上げましたような事情で話し合いがなかなか急進展するというわけにはまいっておりません。私どもといたしましては、できるだけ大臣の意に沿いまして、一日も早くこの問題を解決いたしたいというふうに考えているわけでございます。いつまでというふうにおっしゃいますならば、私どもとしては、できるだけ早くというふうに申し上げたいわけでございます。
#14
○安恒良一君 もう少し時間をかけてということと、できるだけ一日も早くということは――私は注意をしておきますが、公の席上で大臣なり局長は責任を持った答弁をしてもらわなきゃいけませんね。でないと、議事録が残りまして、この次質問するときまたそれで攻められることになりますからね。私は、法案を通したい余りにできないことまでできるような答弁は、これからいろいろ聞きますが、してもらいたくないわけです。それは議事録に残って、たとえばあなたはいま最初はもう少し時間をと言って、今度私から攻め込まれると、できるだけ一日も早くと、こうおっしゃってます。一方、ひっかかっている内容はなかなか大変だと、こういうことですから、私はできるだけ一日も早くということは承っておきましょう。しかと承っておきまして、また改めてこれは後であれします。
 そこで、昨年の三月、厚生省が社会保障制度審議会に諮問をしました医療法の改正案要綱はいま生きているのですか、どうですか。また、大臣答弁にもありましたように、自民党に医師法及び医療法改正に関する作業委員会が設けられて審議されているというふうに私たちは聞いておりますが、厚生省としての責任をどういうふうに自民党との関係で果たすつもりなのでしょうか。特に昨年の要綱で都道府県の医療計画の策定が大きな柱になってますね。私は国の医療計画の策定に関して触れられていないというところに問題がある。
 というのは、医療の確保の基本方針に関する事項、第二番目は医療圏の設定及び必要病床数の設定の指針に関する事項、それから第三点目は国立病院及び公的医療機関の整備に関する事項、第四点目は医療従事者の養成及び確保に関する事項、第五点目は無医地区並びに休日、夜間及び救急に関する医療の確保に関する事項等は、これは都道府県の医療計画の策定だけに任しておっていいものではないと思うんです。国の医療計画として明らかにしないと、これらの問題を都道府県にお願いをしても無理があると思うんですね。ですから、こういう点についてはどのようにお考えになっているのか、考え方を聞かしてください。
#15
○政府委員(大谷藤郎君) 昨年社会保障制度審議会に諮問いたしました医療法改正案につきましては、私どもとしては現在もこれによって調整を進めているわけでございます。
 お尋ねの自民党におきましては、昨年春の社会部会におきまして、この改正案の国会提出についてはなお内容を煮詰める必要があるという御意見もございましたが、ことしの四月に医療基本問題調査会の中に医師法及び医療法の改正に関する作業委員会というのを設けられまして、医療法改正問題を含めて医療制度全般にわたってそのあり方を審議するために御審議をされているというふうに伺っております。しかし、私どもといたしましては、あくまで現在の要綱に沿いまして、国会提出できるように合意を得るように調整に努めているわけでございます。
 それからもう一つ、国の責任において、地域医療計画で一体どういうふうに要綱について考えているかというお尋ねでございますが、地域医療計画と申しますものは、地域に密着した事柄でございまして、それぞれの地域におきましていろいろ諸事情があり、大きい地域差がある、あるいは医療に対するニーズにもいろいろな地域差があるというふうに考えるわけでございます。したがいまして、これを都道府県レベルで策定するというのが一番いいのではないか。しかし、先生もおっしゃいましたように、これにつきまして国において、医療圏の設定の方法あるいは医療機関整備の考え方等につきましては、これはやはり国においてもこういったものについて示すというのがよいというふうに考えておりまして、これにつきましては、要綱の中でも知事に指導助言をするというふうになっているわけでございます。
 また、僻地、救急など特殊な分野の医療につきましては、すでに国の計画については従来から長期計画に基づきまして明らかにしているわけでございまして、これにつきましては明確にいたしておるというふうに考えるわけでございます。
 また、国立医療機関による整備につきましては、これも従来から特殊な都道府県の範囲を超えた広い範囲での整備計画という考え方によりまして、国立医療機関の整備を進めているわけでございます。
#16
○安恒良一君 時間がありませんから、私の設問に的確にお答えください。
 第一は、生きているのかどうか。あなたの答弁、これをもとにしてということは生きているということでいいわけですね、制度審に諮られた。これが第一点。それから第二点目は、自民党にそういうのがつくられたということは私も承知しているわけです。政権政党、与党である自民党がやっていることと、あなたたちが社会保障制度審議会に出された医療法改正案要綱との関連、どういうふうにして厚生省は責任を持って与党との間の調整をやっているのかと、こういうことを聞いているわけです。やっているとかやっていないとか、やっている場合にはこういうことだとか。
 それから第三番目は、そういう一般論を聞いているわけじゃないのですよ。私は一から五まで五項目挙げまして、こういうものは国の医療計画としてやるべきものではないでしょうかと言っていますから、一はどうとか、二はどうとか、三にはお答えになりましたね、公的医療機関。それから四の無医地区のことはお答えになりましたが、たとえば医療従事者の養成及び確保に関する事項はどうなんだ。一、何々の事項、二と五つの事項を僕は読み上げたわけですから、それに対してこういうものは国の医療計画として明らかにすべきじゃないかということについて具体的に答えてください、一般論ではなくして。
#17
○政府委員(大谷藤郎君) 自民党の調査委員会におきましておやりになっていることにつきましては、私どもも伺っているわけでございます。しかし、ただいまのところは、私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、昨年社会保障制度審議会に提案いたしました要綱について、これによりまして各方面の調整を進めているわけでございます。
 それから先ほどお話ございました医療圏の設定でありますとか、そういったものについての考え方につきましては、私どもとしても、できる限り医療法改正をにらみながらこれにつきましての考え方を示したいというふうに考えて研究をいたしているところでございます。
#18
○安恒良一君 はい、わかりました。
 そうすると、たとえば医療の確保の基本に関する事項などというのは、都道府県に助言指導だけする、国としての医療の確保の基本方針ですから。それから医療圏の設定及び必要病床数の設定、これも都道府県だけには任しておかれぬわけでしょう。それから医療従事者の養成及び確保も都道府県だけに任しておったってできるものじゃないんですよ。
 ですから私は、あなたは最後にこれらの問題は医療法へと言われるから、それならそれでいいんですが、私が一、二、三、四、五というふうに挙げましたこういうものは、国の医療計画として明らかにすべきである、医療法の中に入れられるものは医療法改正の中にきちっと取り込む。それから、そうでなくて、すでに何カ年計画があるならある、それはこういうふうに進めると、こういうふうにしてもらいたい。あなたもできるだけと言われたから、ここはそういうふうに承っておきましょう。
 そこで、第四問目でありますが、昨年の要綱が生きているということですから、それを中心に自民党とも、その他関係団体とも調整をしておるということでありますが、昨年の要綱の中で都道府県知事が医療計画を医療審議会に諮問する、これは書いてあります。そのとおりだと思います。ところが、あらかじめ「診療及び調剤に関する学識経験者の団体の意見を聴取したうえで」諮問することにしている。
 しかし私は、諮問機関の一部の構成員だけにあらかじめ意見を聞くというのは公正を著しく欠くことになるのではないだろうか。そんなことをわざわざ法律で規定する必要はないじゃないか。それば現在までもやっているように運用で対処できると私は思う、運用でですね。でなければ、法のもとにおける平等ということで、関係審議会には、ここに言われているような診療担当者とか調剤担当者以外に一般の人も、学識経験者なり保険者団体とか被保険者とか、いろんな人が入ってこの医療審議会はできているわけですから、ですから診療団体とか調剤団体に運用である程度事前にいままでもやっていることだからやろうというんならば、私は五十歩譲っていいと思うんですが、法律の中でこれを規定するということは、一つの審議会の委員の中である側だけと先に優先的にやるということを法文化するということは、私は明らかに間違いだと思いますが、この点はどうですか。
#19
○政府委員(大谷藤郎君) 医療計画が医療の実態というものを十分踏まえた上で作成されなければならない、これはもう当然のことでございまして、専門的科学的立場ということが非常に必要であるというふうに考えるわけでございます。その場合に、要綱では、「診療及び調剤に関する学識経験者の団体の意見を聴取したうえで」、その後医療、審議会に諮問するというふうになっているわけでございます。したがいまして、医療審議会の構成員の一部の方に先にそれを聞くというふうなことではありませんで、これは全く別の考え方に立っておりまして、いわゆる専門的科学的立場から診療及び調剤に関する学識経験者の意見を聞く。また一方、県民の皆さんのコンセンサスを得て医療計画を策定するために、そういった委員から成っております医療審議会に諮問する手続を踏むというふうに、私どもとしてはこれは別個のものというふうに考えているわけでございます。
#20
○安恒良一君 大臣、ここはまだ法律が固まっているわけじゃないからね、私が言っていることをよく聞いていただきたいのは、診療及び調剤に関する学識経験者の団体、その中から推薦される委員がこれへ出てくるわけですよね。ですから、全く同一とは言いませんが、医師会なり薬剤師会から委員が医療審議会に入ってくるわけです。その人たちが事前に聞くことを私は全く否定しているものじゃないんですよ。そういうものは運用でできるじゃないですか。法律的にまずそこの意見を聞くという法律をつくることは間違いだ。
 それはなぜかというと、何か専門的科学的と言うけれども、医療というのは、お医者さんと医療を受ける患者、これがあって医療なんですよ。あなたも医者だから、そこに独善があるわけだ。医療というのは医者に任せろ、おれたちが学識経験者だ、医療を受ける側の国民はもう何にも知らなくていいんだという、まあそんなことを言ったある医師会長がおられますが、それは間違いなんですね。医療というのは医者と患者との間に成り立つことですから、ですから、結局ここに言われるような医療審議会にはそれぞれの代表が入ってやるわけですから、私は診療及び調剤団体の意見を全然聞くなと言っているわけじゃないんです。そんなものは運用で必要と思えば都道府県知事がやればいいことであって、わざわざ法律でまずそこの意見を聞いた上で、そして次は医療審議会にかけるという二段構えになっているところをひとつ十分研究してみてください。
 というのは、あなたたちも、あなたたちが出した案を自民党がだめだと言って自民党が研究しておるのを、いまじっと待っているわけでしょう。医師会がだめだと言ったら、やっぱり医師会と話ししているでしょう。私たちが国民の立場からそういうことは運用でいいじゃないかと言うことについて、それはできませんとここで突っぱねることないでしょう。そういう点については、これから法律を最終的につくるんでしょう、十分研究してみてください。大臣どうですか。
 私は無理なことを言っているんじゃない。そういうことは、運用でやるべきものはやって公平な審議会にきちっとかけた方がいい。それをわざわざ法律で、診療及び調剤に関する学識経験者の団体の意見をまず聞く、それから審議会にかけると、そこまで法律で書く必要はないじゃないか。それは、医師会は医師会なりでいま注文をつけているし、自民党は自民党で注文をつけているわけですから、だからいま一生懸命調整しているんでしょう。私どもとしては、公平の原則からいっても、そういうことは運用でやったらどうかと、こういうことです。これはどうですか。これからまだおつくりになるんですからね、法律は、最終的には。各側の意見を聞いてつくって出すんでしょう。
#21
○国務大臣(森下元晴君) 医務局長が申し上げましたように、前に出されました要綱の精神は生きておりますし、この内容についてもこれをもとにして詰めていきたいと、こういう段階でございまして、いま安恒委員が言われましたように、この点につきましても、いろんな意見も聞きましてよく勉強をさしていただきたいと、このように思っております。
#22
○安恒良一君 それじゃ、ひとつぜひそこをよく勉強されて、私たち側から、国民の立場から、医療を受ける患者の立場からそういうことを申し上げているわけですから、十分研究をしてみてください。
 次は、厚生省が検討を意図しておりますところの地域医療計画のガイドラインは、医療圏を設定しまして、第一次、第二次、第三次の医療供給体制の整備充実をさせ、さらに老人ホームなど社会福祉施設とも連携させたいと、こういう考えでつくられていると思います。
 そこで、各種老人ホームがございますが、実はそこが生活の場となっているわけであります。特に寝たきり老人を中心とした特別養護老人ホームには各科の医者に私は往診をしてもらわなければならないと考えます。それから結核、精神、らい療養所も同じ状況だと思います。
 そこで、社会福祉施設と医療機関の連携を目指す立場から、施設に派遣する往診医師の確保策をどういうふうにしようとされているのか、ひとつ考え方を明らかにしてほしいと思います。
#23
○政府委員(大谷藤郎君) まだ具体的にそういうふうな計画を立てているわけでございませんが、確かに先生おっしゃいますように、福祉の諸施設を医療とリンクさせるということは非常に大事なことでございまして、その受け渡しをスムーズにするためにもそういった問題について十分配慮しなければならないと存じます。現在私どもも、先ほど先生おっしゃいましたことにつきまして、作成の研究をいたしているところでございますので、十分その御趣旨を踏まえて勉強さしていただきたいと存じます。
#24
○安恒良一君 本来ならそういうホームに各科のお医者がおればいいんですが、とてもそれはできませんね。たとえば一つの例を言うと、ある施設で歯が悪くなった。ところが、そこに歯医者を置いておくわけにいかないんですよ。その場合には、そういう社会福祉施設は、医療機関が連携して往診に行く、そして治療に当たる、これがないとうまくいかないんですよ。ですから、このことは、地域医療計画のガイドラインを作成、医療圏を設定されるとき、ぜひこの往診の医師確保ということはきちっとしておってもらいたい。これは研究するということですから、ぜひ私の趣旨を生かしてやってもらいたい、こういうことを重ねて言っておきます。よろしゅうございますね、その点は――それじゃ次に行きます。
 次は、医療機関と施設との連携というならば、私たちは前から主張しておりますが、デーケア施設、ナーシングホームの設置ですね、それから老人性痴呆症などへの対応の位置づけをどうするのか。これをはっきりさせなければ、いまあるところの各種老人ホームとか特別養護老人ホームだけ、もしくは社会福祉施設だけでは十分じゃないと思うんです。ですから、どうしても私はこの医療機関と社会福祉施設とを連携するための、いわゆるデーケア施設やナーシングホーム等々についてどういうお考えをお持ちなのか、またどうされようとされているのか、この考え方について聞かしてください。
#25
○政府委員(大谷藤郎君) ただいまのところは、毎々お答え申し上げておりますように、特別養護老人ホームあるいは病院、あるいは外来というふうな既存の体系の中でできるだけそういった連携を強化し、また機能分担を明らかにして受け渡しをスムースにしてやっていくということで努力をいたしているわけでございますが、先生がお話しのように、新しいナーシングホームでありますとか、デーケアの問題等につきましては、これは制度の根幹にいろいろかかわる問題でございまして、私どもとしては、これを従来から研究いたしているところでございますが、いまなかなか制度的にむずかしい点もいろいろございますのであれでございますが、できる限りこの問題は将来への課題として研究しなければならないというふうに考えております。
#26
○安恒良一君 大臣、どうでしょうかね、ナーシングホームとかデーケア施設などというのは諸外国にいい例もたくさんあるわけです。ですから、ただ単に研究研究だけじゃなくて、いま医務局長が答弁したように、既設のいわゆる福祉施設と医療機関の間だけでは十分果たし得ないわけです。このことは私だけが言っているんじゃなくて、もう何回となくこの社労委員会の中でわが党を初め同僚委員からも問題が提起されておりますから、少し積極的にデーケア施設の設置問題なり、それからナーシングホーム等の設置の問題、それから最近非常にふえてまいりましたいわゆる老人の痴呆症に対する対応なりというのが、私たちは急速な高齢化社会を迎えるに当たっては、どうしてもただ単なる研究の段階から前向きに取り組んでいくというところに私は来ていると思うんです。そして、その中で問題点があるならば、この委員会等に御相談されてしかるべきだと私は思います。
 大臣、私は、これから二、三十年後に総人口の中で六十五歳以上の人が二割近くなると、こういうことを考えると、あなたの時代にこういうところについてはもう一歩意欲的に取り組んでみる、これがあってしかるべきだと思いますが、どうですか。
#27
○国務大臣(森下元晴君) お説ごもっともで、私個人もあと二十年すれば御厄介になるような年齢になるわけでございます。
 そこで、いま医務局長がお答えいたしましたが、たとえば特養の場合にはかなり医療とのつながりが深うございますし、またそれを切り離して考えるわけにいきませんが、この地域医療の将来の姿としては在宅福祉、そのためにはデーケアの問題、ナーシングケアの問題ということが当然必要になってまいりまして、医療法の中でも地域医療、そのためにいま言われました御意見に私も同感でございます。
#28
○安恒良一君 それじゃ医療法問題はこれぐらいにしまして、私は医療を除く保健事業対策について少しきょうは具体的事例等を含めながら詳しくお聞きをしたいと思います。
 まず、これはすでに私ども同僚の対馬委員から御質問が出ているところでありますが、若干重複いたしますが、最終的に大臣の御答弁を願っておきたいものがありますから、前段の若干の重複はお許しを願いたいと思います。
 まず、医療を除く保健事業について、施設、マンパワーの五カ年計画が出されています。それから保健婦などマンパワーに対する人件費と保健所などの施設整備に対する国、都道府県及び市町村の財源負担はどうなっていますか。これを答えてください。
#29
○政府委員(三浦大助君) 私どもこの法案の中で保健事業の実施計画をつくりまして、一応五年間の事業と、それから先ほど先生おっしゃっておりましたマンパワーあるいは施設の整備、こういう基盤の整備を進めていくわけでございます。この中で一応五十七年度予算額、これは十月一日からのものでございますが、基盤整備、保健事業合わせて五十七億円を準備いたしまして、これは三分の一の国庫補助でやるつもりでございます。
#30
○安恒良一君 私がお聞きしているのは、国、都道府県、市町村の財政の負担割合はどうなっているのかと、こう聞いてますから、いまこっちにある金額じゃなくて、たとえば厚生省人件費の負担は保健所の場合は幾らとか、こうこういう施設の場合幾らとか、それを答えてもらいたい。
#31
○政府委員(三浦大助君) 失礼いたしました。
 三分の一ずつの負担でやっていきたいと考えております。
#32
○安恒良一君 これもやりとりしておって、時間があるからあれですが、これで間違いありませんか。人件費の負担は、保健所の場合は、国が三分の一、県と政令市が三分の二、市町村の場合は国、県、市町村が三分の一ずつ負担をする、保健所などの施設整備は、保健所が国三分の一、県、政令市が三分の二、保健センターは国三分の一、市町村三分の二の負担とする。これでいいわけですね。そういうふうにぴたっと答弁してくださいよ。
#33
○政府委員(三浦大助君) ただいま御指摘のとおりでございます。
#34
○安恒良一君 そこで、人件費の負担で市町村が三分の一負担することになってますが、財政規模の小さい市町村では保健婦一人の採用も財源的に大変だと聞いています。町村の中には保健婦を設置できない心配がありますが、またこれに対します対策はどういうふうにされますか。いま言ったように、三分の一、三分の一と言われていますが、非常に小さい町村ではとてもその人件費が持てないと、こういうところが出てくると思いますが、これをどうしますか。
#35
○政府委員(三浦大助君) 私どもなるべく全市町村に保健婦を設置したいと考えておりますが、現在でも保健婦が全くおらないという未設置の市町村、昭和五十五年のデータでございますが、四百五十八市町村ございます。こういう市町村につきましては、積極的に保健婦を置くように指導いたしますが、なお非常に財政的にむずかしいという面につきましては、保健所からの応援、あるいは駐在制度、そういうものをとりまして、積極的に保健所の方で援助をしていこうというふうに考えておるわけでございます。
#36
○安恒良一君 どうしても財政上置けないところは、保健所からの派遣なり、その他国として保健婦が置けるようなことを考えていくと、こういうことですね――はい、わかりました。じゃ次に参ります。
 次は、施設、マンパワーの五カ年計画でありますが、施設整備、マンパワーの確保について国の財源措置は補助金をもって対応すると考えていいのでしょうか、どうでしょうか。
#37
○政府委員(三浦大助君) 補助金をもって対応したいと考えております。
#38
○安恒良一君 わかりました。
 そこで大臣にお聞きいたします。
 いま局長は補助金ということでありますが、これはさきの委員会でわが党の対馬委員が質問をいたしましたときに同じことを三浦さんが答えられたんですが、国の財源措置は五カ年計画と補助金で行うことになっています。一方、ここ数年予算編成で保健所運営補助金が廃止されようとしていることは大臣御承知だと思います。特に私が心配しておりますのは、第二臨調第三部会の報告は、人件費の補助は二年以内に原則として一般財源措置に移行せよと言っておりますが、厚生省としてはこれに対してどう対処するお考えなのでしょうか。保健所の人件費の補助はもはや都道府県、政令市の行政に定着し、補助金の使命は終わったのか、今後も続けていくのか、これは老人保健事業を行う場合重大な問題であります。今回老人保健法を行う中の一つの重大な問題でありますから、ここのところはしかと厚生大臣の答弁を求めておきたいものであります。大臣、御答弁ください。
#39
○国務大臣(森下元晴君) 第二臨調で、補助金の交付税切りかえとか、いろいろ言われておりますが、老人保健法の趣旨また将来の保健所の果たす役割りを考えました場合に、いま局長が申し上げましたように、現状を維持したい、また維持しなければいけない、こういうふうに考えておるわけであります。
#40
○安恒良一君 大臣としては補助金で貫き通す、こういうかたい御決意だと。でなければ、この法律の精神が全く死ぬことになります。よろしゅうございますね、大臣、お考えを言ってください。
#41
○国務大臣(森下元晴君) そのとおりでございまして、農林関係では普及員をどうするとか、いろいろ一般論は出されておりますが、事厚生省における老人保健法の趣旨等を考えました場合に、保健所の占める役割り、これは非常に大事でございますから、いま申し上げましたように現状を維持していきたい、こういうふうに考えております。
#42
○安恒良一君 わかりました。すでに来年度予算編成期に入っておりますから、大臣がここで明確に答弁されたこと、今後もひとつぜひ厚生省は守り通してもらいたいと思います。
 それでは次の質問に入ります。次は、保健事業をやる、これは今度の法律のメリットの点で一番重要なところでありますから、それに関しまして少し具体的な問題について中身を質問したいと思います。
 まず、厚生省の実施計画案によりますと、「健康診査の種類は、循環器を中心とする一般診査、精密診査と胃がん及び子宮がん検診とし、その結果に基づき必要な指導を行う。」こととしています。この「必要な指導」とはどういう内容なのでしょうか、またその指導はだれが行うのでしょうか、これを聞かしてください。
#43
○政府委員(三浦大助君) 検診の後の必要な指導と申しますのは、たとえば境界血圧者、もう血圧が病的な限界にある者、こういう者に対しましてはたとえば減塩、食品の中の塩分を減らす、そういう減塩の指導とか、あるいは栄養のバランスなどの食事指導をするということもございましょうし、あるいはまた、たとえばがん検診等で、あなたは精密検査ですよと言われますと、かなり患者さんは不安を抱くことも事実でございまして、したがいまして、がんに対する正しい知識、精密検査の勧め、こういったこともしたいと思っておりますし、また体を計測した上で非常に肥満の方には食事指導をするという、細かい指導を医者がするか、あるいは保健婦がするか、お医者さんか保健婦がそういう指導をしたり、またその場合、栄養士さんが食事指導をする場合もございます。
#44
○安恒良一君 医者がするか、保健婦がするか、栄養士がするか、こういうことで少しその点があいまいなのですが、私はじゃ次のことをお聞きをしたいと思います。
 公衆衛生としてのヘルス事業という今回の趣旨でありますから、私は公的な責任に基づいて、検診の結果に基づいて市町村がこれを行うわけですから、体系的系統的に住民の健康状態についてフォローし、個人に対して地域の特殊性を把握しながら適切な教育、指導を行うべきものであると考えますが、そのように確認をしていいでしょうか、この法の精神から言って。
#45
○政府委員(三浦大助君) 今度のヘルス事業につきましては、市町村に責任があるわけでございますので、先生御指摘のとおり、市町村がその指導をするということでございます。
#46
○安恒良一君 その指導はだれが行うかということは明らかになりました。
 そこで実態について少しお聞きしますが、現在市町村が行っておりますところの老人健康診査の実態は、目標とすべき理想とは私は非常にほど遠いと思います。そこで、平均受診率はどの程度になっていますか。また、一番重要なのは、具体的な実施機関はどうなっていますか。そして委託をしている現状についてどのように把握をされていますか。全国的な実態を、資料をお渡しいただいていますから、資料に基づいて簡単に中身について答弁をしてください。
#47
○政府委員(三浦大助君) 最初の御質問の受診率でございますが、現在行っております循環器検診の方の受診率は二三%、約二〇%でございます。それから、胃がん、子宮がん検診につきましては八%でございます。
 それから実施機関でございますが、実施機関につきましては、現行の成人病検診、いろいろやっておるわけですが、循環器検診につきましては、一次検診が集団検診で六一%、それからそれが医療機関で三九%、まあ六、四の割合で行われております。
 それから老人福祉法に基づきます老人健康診査につきましては、これは集団検診が二二%、それから医療機関が八七%でございます。それから胃がん検診につきましては、これは主として都道府県が行っておりますが、集団検診で九一%、それから医療機関で九%。それから子宮がん検診につきましては、集団検診で六〇%、それから医療機関で四〇%ということでございます。
#48
○安恒良一君 三浦局長、私が質問したことに答えてください。私はこう言ったんですよ。
 現在行われている老人健康診査の実態は目指すべき理想とはほど遠いじゃないか、平均受診率はどうなっているのかということですから。中心は、いまあなたは私に出された資料全体を読み上げられましたが、いま老人健康診査の場合には集団検診が一三・一%、医療機関は八六・九%、これが中心で、あと循環器はこうやっていますと。そういうふうにこれから、資料をいただいているところは、この資料で読み上げるべきところだけちゃんと読み上げてください、時間がロスしますから。そうすればわかりますから、これは。そういう実態でありますね。
 そうしますと、私たちが調査しましたら、これを見ましても医療機関が八六・九になっている、老人健診は。大部分がどうも地元の医師会に委託をして行われているではないか。しかもその方法は、ほとんどの対象者に受診券を配る、そして対象者個人がそれぞれ自分の選択で開業医を選び、そして健診を受けている。こういうのが老人健康診査の実態ではないでしょうか。どうですか。
#49
○政府委員(三浦大助君) 先生御指摘のとおり、受診券を発行いたしまして医療機関で受診しているというのが現在は多うございます。
#50
○安恒良一君 いや、現在多いというのはあれでしょう。大体集団検診しているのは一三・一%しかないわけですからね。あとあなたが言われる八七%は医療機関である。そういう内訳であります。ほとんどは、これはいま言ったように、受診券を出して、そしてその受診券に基づいて個々の老人が自分で選択をして行っている。こういうふうにとっていいんじゃないですか。この約八七%、それでいいわけですね。
 そこで、その健診の結果、個々の医療機関がこれを保存している、すべて医療機関に任せているというのが実態ですし、市町村がフォローし、事後指導、そういうふうなことを行っているんでしょうか。この実態はどうなっていますか。
#51
○政府委員(三浦大助君) 市町村がその実態の報告を受けてフォローし、また事後指導をしておるというのは非常に少ないというふうに伺っております。
#52
○安恒良一君 皆無とは言わないと思いますけれどもね。どうも受診券を出して医療機関に行く、すべて保存をし、すべて医療機関に任せているのが実態じゃないでしょうか。また、ここに私は非常に問題があると思いますが、実態だけを明らかにしておきたいと思います。
 そこで、今度この法律に基づいて、公衆衛生というのは、ヘルス事業という趣旨から今回は老人予防健診をやることになるわけでありますが、公的責任に基づく公衆衛生としてのヘルス事業にはいまの実態は非常にほど遠い実態である。このことはいまのやりとりで明らかになったわけですね。この現状をあなたはどう考えるのか。また今後どのように是正していく考えをお持ちなのか。具体的な是正策についても考え方を明らかにしてください。
#53
○政府委員(三浦大助君) この法案に基づきます保健事業と申しますのは、これは市町村に責任があるわけですから、これは公的責任において今後指導をしていくということだと思います。
#54
○安恒良一君 そうしますと、いままでやったような、受診券を出して、そしてその結果もすべて個々の医療機関が保存している、そういうすべて医療機関に任せるというやり方はやめて、今度は市町村が十分フォローし、事後指導もやる。こういうことですか。
#55
○政府委員(三浦大助君) 先ほど私は、たとえば胃がん検診につきましては、集団検診で九割が行われているという数字を申し上げましたが、先生が御指摘のとおり、これからは市町村の方でひとつ責任を持ってやっていただく。ただし、その場合、その地域内のいろんな医療資源を使わなければなりません。なりませんけれども、あくまでも市町村が責任を持ってやっていくということでございます。
#56
○安恒良一君 いわゆる医療資源を使うことと、市町村が責任を持ってフォローし、事後指導することは別ですね、次元は。ですから、今回の法律から言うと、市町村がフォローし、事後指導も市町村が責任を持って当たる。こういうことでいいわけですか。
#57
○政府委員(三浦大助君) そのとおりでございます。
#58
○安恒良一君 そこで、そのとおりだというふうにおっしゃいましたから、私はまずいまの実態から改めていかなきゃならぬと思いますね。そして新しい保健事業として出発しなけりゃ、あなたはここではそういうことを言われても、現実はそうならないわけです。
 そこで、現状は、行政が行うヘルス事業とはほど遠い実態にあることは間違いがありませんから、マンパワー、施設の整備など、基盤整備をまずもって行わなければならないのではないでしょうか。未整備のまま実施すると、結局いたずらにまた受診率を高めるために受診券をどんどん発行していく。受診券を発行されると、そのフォローは、医療機関がフォローするだけで、市町村が実際は指導できない、こういうことになる。もしもこのことが単なる病気の発掘というようなことになれば、私は、法の趣旨から言ってもかけ離れ、むしろ逆行する状態をつくり出すことになるのではないかと思います。でありますから、こういう点についてどのようにお考えになりますか。
#59
○政府委員(三浦大助君) 私ども、この事業を実施するにつきましては、マンパワーあるいは基盤整備、こういうものを整備する必要があることは先生御指摘のとおりでございます。ただ、一気にと言いましても、なかなかいろいろ市町村の方の都合もございますので、私ども五年間かけてある一定のレベルにまで持っていこうということで、いろいろ計画を立てておるわけでございます。
 ただいまの受診券の問題につきましては、これからそういう検診をするにつきましても、いままでやっております老人健康診査あるいは胃がん検診、循環器検診、こういうものをあわせまして、なるべく市町村の方でひとつ責任を持って音頭をとっていただくという方向でやってまいりたいと考えております。
#60
○安恒良一君 まず、受診券じゃなくして、市町村が責任を持ってということになると、保健所とか公的医療機関が中心になってやるということでありますが、やってもらいたいといっても施設がないとできないんですよ。人手がないとできない。そこであなたはそれを五カ年計画と。
 ところが、その五カ年計画の中身について、ここで私は論争しようと思いません。すでに同僚委員からいろいろ指摘をされています。そうすると、私はその五カ年計画だけでは不十分だと思うんですね。続いて第二次五カ年計画を出すものは出して、そしてあなたが言われているように、本当に新しい保健事業の出発とする、そして行政が行うヘルス事業だということにしなくてはならないと思いますが、その点はどうでしょうか。
#61
○政府委員(三浦大助君) 私どもは、この五カ年計画を一応つくってこれに基づいてやってまいりたいと思っておりますが、一年、二年やっていくうちにあるいはいろいろの問題が出てくるかもしれません。したがって、私ども当然これは途中においてあるいは見直しが出てくるかもしれませんが、一応この五カ年計画というのは、先ほど申し上げましたように、ある一定のレベルにまで全国の水準を質的にも量的にも上げていくということでございますから、当然その後にはまた第二次の五カ年計画と申しますか、そういうものはあってしかるべきでございますし、当然そういうことも考えてやってまいりたいと思っております。
#62
○安恒良一君 第一次の中身のお粗末さを改めてここで私は議論する気はありません。これはもう対馬委員を初め、同僚委員からいろいろ指摘されて、当時認められたことです。
 それでは、いずれこの問題はさらにこの法案を成立させるかどうかという議論のときに、第二次五カ年計画問題については少し中身について議論したいと思いますが、私はぜひとも大臣にここでお聞き願っておきたいのは、第一次五カ年計画だけでは不十分だ。いま私とのやりとりで、やらなきゃならぬこの法案の精神を生かすためには、続いて第二次五カ年計画というものをきちっとして、マンパワー、施設の整備をやって、そしてこの国が出された法律が生きるように、具体的に市町村が責任を持ってやれるような体制をつくっていかなきゃならぬということだけはしかと覚えといていただいて、これはいずれまた詰めの議論をするときにあれをしたい、こういうふうに思います。
 そこで、法律案の第二十三条で、「保健事業の一部について委託することができる。」と書いてありますが、医療技術者、施設整備が不十分である大多数の市町村を前提として、保健所、それから公的医療機関、民間医療機関にその機能を代行してもらう、こういう趣旨と考えてよろしゅうございますか、ここは。
#63
○政府委員(三浦大助君) この法律の第二十三条は、ヘルス事業の実施につきまして、市町村が医療機関や民間の検査機関あるいは保健所に検診等のヘルス事業を委託することを認める規定でございます。これは市町村が事業の実施責任を履行する上で、地域の保健医療資源を実情に即して利用する道を開いてあると、こういうことでございます。
#64
○安恒良一君 そういたしますと、さっきから私が議論をしていますように、公衆衛生の見地からいたしますと、受診券方式は排除しなきゃならぬということが一つあるだろうと思う。と同時に、この法律による保健事業は絶対に非営利性を確保すべきものであると考えますが、いかがですか。また非営利性を確保するためには何をどうしようとされていますか、お考えをお聞かせください。
#65
○政府委員(三浦大助君) 御指摘のヘルス事業につきましては、先生御指摘のとおり、営利事業として行われるべきものではないというふうに私ども考えておるわけでございまして、民間医療機関や検査機関に委託する場合の補助単価の設定に当たりましても、そうした営利的要素は排除して計算をしてございます。
 で、保健事業の実施につきましては、市町村が地域住民の健康保持のためにその実態を的確につかむということが肝要でございますので、そのためにはその地域内の保険医療資源を公私を問わず組織的に有効に活用すべきだと考えておりますが、ただ、こうした検診につきましては、私どもなるべく保健所を中心とする検査あるいは集団検診、こういうもので皆さんに受けていただきたいというふうに考えておるわけでございます。
#66
○安恒良一君 まず非営利性を確保すると、これははっきりしましたね。
 そこで、これまで保健所が果たしてきた役割り、すなわち公衆衛生の中核的センターとしての保健所の役割りからいっても、委託先は、第一は保健所、第二は公的医療機関ですね。そして、やむを得ない場合のみ民間の機関とすべきであると考えますが、その方針を確約できますか。
#67
○政府委員(三浦大助君) 私ども、公的医療機関につきましては、地域のこうした保健事業の中核として、率先してその使命にふさわしい役割りを担っていただきたいということを都道府県の方にも申し上げてあるわけでございます。
#68
○安恒良一君 いや、私の質問に答えてください。
 公衆衛生の中核センターとしての保健所の役割りからいっても、市町村が委託するときにはまず第一に保健所に委託する。ところが、保健所だけでは十分でないので、第二の場合には今度は公的医療機関に委託する。それでもまだできない場合がある。そういうときには民間の医療機関に委託をする。こういうことでいいのですかと、そのことを聞いている。それを確約してくださいと、こう言っておる。
#69
○政府委員(三浦大助君) 基本的にはそういう方向で考えてまいりたいと思っております。
#70
○安恒良一君 いや、基本的にというと、じゃ具体的には違うんですか。言葉は少し正確に使ってくださいよ。あなたが言われたように、これは非営利性である、しかも市町村がやるんだ。そうすると、委託するときの市町村の委託の順序について私は聞いているわけですから、基本的にはというたら、具体的にはまた別なことをするんですか。
#71
○政府委員(三浦大助君) 私がいま基本的にはと申しましたのは、どうしても医療の資源の足りない場合にはこれはしようがありませんが、計画を立てる段階では先生言われた方向でやっていきたいと、こういう意味でございます。
#72
○安恒良一君 いやいや、あなたもう少し素直に議論したらいい。計画を立てる段階ということになると、実行する段階はまた別で違うか。私は無理なことを聞いているんじゃないんですよ。委託先は、第一は保健所ですよ、保健所で十分でないところは公的医療機関でやったらどうですか、それでもなお十分でないときには民間の医療機関にすべきじゃないでしょうか。こう考えているから、具体的とか基本的とか計画段階とか、そうじゃないんですよ。具体的実施のことを聞いてます。この順序でやっていくことは間違いないんじゃないですか、この法律の精神から、いままでずっとやりとりしたことからいって。そうじゃないですか。私は、民間医療機関しかないところで、そこを排除せいなんてそんなばかなことを言っているんじゃないんですよ。順序を立てて聞いているんですが、どうですか。
#73
○政府委員(三浦大助君) 先生おっしゃる方向でやっていきたいと考えております。
#74
○安恒良一君 何か方向でと言われると……。いいですか、無理なことを聞いているんじゃないんですよ。ここは大切なことですからね。いわゆる公衆衛生の中核センターとしての保健所があるわけですから、委託先は、第一は保健所にする。ところがそれだけで十分でないんですよ。ないから、そのときは公的医療機関があるわけですからそこに持っていく。公的医療機関もない地域もあるわけですから、そういう場合には民間の医療機関にやってもらうしかないでしょうと。こういう順序でやってもらうと言っているんだから、そのとおりならそのとおりとか、そうでないと言うならそうでないように説明してください。いろんなこと、あなたはああでもない、こうでもないとちょっと言うんですが、なぜそうでないのか、何かあるなら言うてください。
#75
○政府委員(三浦大助君) そのとおりでございます。
#76
○安恒良一君 ぜひひとつ時間をとらないようにしてください。決して無理なこと言ってない。無理なことがあるならば端的に言ってください。安恒さん、そう言われるけれども、ここはこうですと、こう言えばまた議論は発展するんですよ。
 それじゃ次に参ります。
 法律の第五十四条で、保健事業に要する費用についてその一部を徴収することができると規定されてます。厚生省の実施計画案では、一般の健康診査については百円、その他については三分の一相当額を徴収するものとしておりますが、まず百円なり三分の一相当額の理論根拠は何でしょうか。どういう算定のもとに三分の一とか、それから百円とか、こういうことをお決めになったか、それを説明してみてください。
#77
○政府委員(三浦大助君) この一部負担をいただく根拠は、自分の健康は自分で責任を持っていただくということで、一部負担という問題が出てきておるわけでございますが、なおこの一般診査百円につきましては、これは本当に材料的なものぐらいお持ちいただくということでございますし、また精密検査、胃がん検診、子宮がん検診につきまして、三分の一負担をしていただくという根拠につきましては、従来もそういう方向でやってきた経緯もございますし、また消耗品費あるいは材料費、こういうものぐらいお持ちいただこうと、こういうことで三分の一という数字が出てきたわけでございます。
#78
○安恒良一君 これも資料いただいてます。百円ぐらいといって簡単に言われますけれども、単価の算出方法があるんじゃないですか。あなたは単純に一般健診には自分の健康に関心持つため百円ぐらい払ってもらいましょうとか言われてますが、百円というのは、こういう算出のもとに百円になるんだとか、それから精密検査の算出はこういうことだということで、資料いただいてますから、この資料のとおりならとおりとか、中身をちょっと説明できるならしてみてください。いまあなたの答弁ではわかりません。単純に百円ぐらい持ってもらえばいいじゃないかとか、大体三分の一ぐらいは本人に持ってもらえばいいじゃないかということだけじゃいけないと思いますから、そこをひとつ。
#79
○政府委員(三浦大助君) この百円の根拠につきましては、一般診査は、保健所で受ける場合単価が五百五十九円になります。それから集団検診で受ける場合は六百二十六円になります。それから医療機関で受ける場合には千五百十一円になるわけです。これをそれぞれ受診する比率で掛けまして平均値をとりますと、一般診査が平均して九百六十七円ということになるわけでございまして、その中の一〇%ぐらいはひとつ持っていただこうということで百円という数字が出てきているわけでございます。
 三分の一の数字につきましては、事例を申し上げますが、たとえば集団検診の単価は、精密検査で、胃がん検診の単価で申し上げますと、検診車でやる場合には単価が二千二百五十八円かかります。それから保健所に委託して保健所で受ける場合は千六百十九円かかります。それから民間機関に委託する場合には直接撮影で八千九百十一円、それから間接撮影で五千七百六十一円かかります。このそれぞれの実施率、胃がん検診の実施率をここに掛けます。たとえば検診車でやる場合が八〇%、それから保健所に委託する場合が一・八%、それから医療機関の委託直影で一〇%、間接撮影で八・二%ということになりますと、この実施率のウエートを掛けた平均単価は、検診車で千八百六円、それから保健所の委託で二十九円、それから医療機関の直接撮影で八百九十一円、間接撮影で四百七十二円ということになりまして、合計して三千百九十八円ということになります。したがいまして、三千百九十八円八十銭ということでございますから、平均いたしまして三千百九十九円ということで、その三分の一をお持ちいただく。この三分の一というのは材料費、それから消耗品費、こういうものに該当する三分の一、千百円をお持ちいただく、こういうことでございます。
#80
○安恒良一君 同じ三分の一でも、保健所で受けた場合と集団検診で受けた場合と医療で受けた場合の金額の違いは、これは後から議論します。私は大変問題があると思いますが、いまは算出根拠を聞いているだけです。算出根拠は、そのいい悪いは別にして、わかりました。そういう算出で百円を出した、そういう算出で三分の一をはじき出したということまではわかりました。私はいい悪いは後から議論します。
 そこで、もう少しその点で話を進めていきたいと思いますが、保健所法第九条は使用料等不徴収の原則をうたっています。これは公衆衛生としての保健事業の公的責任をそういう形で表現しているというふうに考えますが、本法案の保健事業での一部負担制と保健所法第九条の精神との関係をどういうふうに理解をしたらよいのでしょうか。お考えを聞かしてください。
#81
○政府委員(三浦大助君) 保健所法の第九条に使用料不徴収の原則というのがございます。「保健所の施設の利用又は保健所で行う業務については、命令で定める場合を除いては、使用料、手数料又は治療料を徴収してはならない。」という原則があるわけでございますが、これは特に費用を要する業務につきましては、保健所法の施行令の八条で、これまた別にこれは費用の徴収を認めておるわけでございます。八条は、「保健所の施設の利用又は保健所において行う業務については、左に掲げる場合に限り、使用料、手数料又は治療料を徴収することができる。」ということでございまして、したがって、こういう関係がございますので、この使用料不徴収の原則に反するものではないというふうに考えておるわけでございます。
#82
○安恒良一君 「左に掲げる場合」というそれを読んでみてください。「左に掲げる場合」というのはどういうことか、ちょっと参考のために。
#83
○政府委員(三浦大助君) 一つは、「特に費用を要する衛生上の試験及び検査その他の業務を行う場合」というのがございます。それから二番目に、「エックス線装置その他の試験及び検査に関する施設を利用させるため、特に費用を要する場合」というのがございます。それから三番目は、「特に費用を要する治療を行う場合」というのがございます。
#84
○安恒良一君 私はいまの点について、私の質問全部が必ずしも解明されたと思いません。しかし今回この保健法の中で四十歳から大々的に予防検診をやっていこうと、こういうことでありますから、私は仮にこの一部負担を認めるといたしましても、いまあなたとやりとりをした中で、保健所でたとえば胃がん検診を受けた場合もしくは集団検診を受けた場合、医療機関、それぞれの費用の負担がばらばらであってはいけないと思うんですね。少なくとも公平負担の原則に反するものであるというふうに考えますが、国民は四十歳なら四十歳、そうするとこういう検診が受けられると、法のもとに平等であります。そして国民がそれに基づいて検診に行きますが、たまたま保健所で受けた場合と集団検診で受けた場合と医療機関で受けた場合の金額が余りにも違うわけですね、一部負担が、同じ三分の一であっても。これは法のもとの平等、また本法の精神に全く反する。
 いまあなたがおっしゃったように、胃がんなり子宮がん検診の場合、単価がこれだけかかりますが、これはどこでやろうとも胃がん、子宮がん検診にかかるお金は同じだと思うんですね。それに対して一部負担が医療機関でやった場合には幾ら、集団検診だったら幾ら、それから保健所でやった場合は幾らと、本人負担分ですよ。それをちょっと言ってみてください、もう一遍整理をする意味で、そこだけ。
#85
○政府委員(三浦大助君) 胃がん検診でございますが、保健所で行いました場合は千六百十九円かかります。
#86
○安恒良一君 本人負担ですよ。
#87
○政府委員(三浦大助君) 本人負担はその中の五百三十九円でございます。それから集団検診は二千二百五十八円かかりまして、本人負担は七百五十二円でございます。それから医療機関で間接撮影をする場合には五千七百六十一円でございまして、本人負担は千九百二十円でございます。それから医療機関で直接撮影をする場合には八千九百十一円かかりまして、本人負担は二千九百七十円ということでございます。
#88
○安恒良一君 子宮がん検診も資料もらっています。大臣ね、これ大変なことだと思うんですね。いいですか、胃がん検診を受ける権利は国民全部平等にあるわけです。そこで行くわけです。国民の気持ちとしては、保健所でやったら六百円足らずでやってもらえる。ところが、普通のお医者さんに市町村が委託するわけで、市町村が委託して、医療機関に行ったら、差額を千九百円も取られちゃった、約二千円取られたと。片方は五百円でやってくれる。こんなばかなことはないと思うんですね。そんなばかなことないと私は思うんです。これはやはりきちっとしなきゃならぬ。
 というのは、さきの衆議院の質問に際しても、委託先によって負担がアンバランスにならないように指導していくというふうに答弁をされているんですよ。すでに衆議院でこれは問題になっているんですからね。ですから、公平な負担という点でどういうふうに確保していくのか、この点について。ここのところは非常に重要な問題です。
 というのは、国民は胃がんの検診も受けたい、子宮がんの検診も受けたいんです。しかし国民ができるだけ保健所でやりたい、集団検診でやりたいと思っても、どうしてもできない地域がある。そういう場合に医療機関に行きなさいと市町村側が言うわけですよ。行ったら三倍も四倍も取られる、同じ検診ですよ。まさか検診の中身が違うはずはないわけです。そんなばかげたことを考えているならこれは大問題です。保健所でやるやつと集団検診でやるやつと医療機関でやるやつは、検診の中身が違うということになるとまたまた大問題です。そんなばかげたことはあなたたちはお考えになっていない。
 そうすると検診する中身は同じだ。ところが料金が、たまたま当たった国民が、保健所で当たった人と医療機関で当たった人では、片方は五百三十九円で、片方は千九百二十円、ラウンドナンバーとって五百円と二千円にしますか。四倍です、間接撮影法でみると。これではね。
 法律は、何歳からは胃がん検診を受けなさい、そして予防に全力を挙げましょう。これはこの法律の一つの大きなメリットのあるところではないですか。それがこんなに格差がつくということはどうしても考えられない。また、あなたたちは衆議院で、負担がアンバランスにならないようにしたいと言っていますから、これをどういうふうに解決してくれますか。
#89
○政府委員(三浦大助君) 保健所、集団検診、医療機関と単価がばらばらになりました理由は、私どもこれにつきましては、集団検診につきましては、たとえば人件費、材料費、消耗品費、雑費と全部積み上げてございます。それから保健所単価につきましても、それぞれの経費を積み上げてございます。ところが、医療機関の単価につきましては、これは社会保険の診療報酬点数の単価を使っておるわけでございます。私どもといたしましては、なるべく保健所あるいは集団検診で受けていただきたい、そういうふうにPRもいたしまして、指導も大いにしてまいりたいとは思っておりますが、たまたまその日都合で受けられない。こういう方につきましては便宜上ひとつ医療機関で受けていただく。そのときは保険診療の点数によるということでございまして、こういう差が出てきております。
 したがいまして、先生いま御指摘のように、かなりなアンバランスがございまして、衆議院でもこれにつきましては、このアンバランスの是正のために指導する、こういう局長の御答弁がございます。これにつきましては、私どもといたしましては、なるべく集団検診あるいは保健所の方で受けていただくということも対策の一つでございますが、ことにこの医療機関につきましては、たとえばこれは一人でぽっと行ったときの、たまたま行ったときの社会保険の診療報酬点数でございますので、たとえば何曜日ならあそこの医療機関はやっているから、その日に受けてくださいと言えば、かなりの人数がまたまとまって行く。そういうことによってあるいはこの単価がさらに安くなるんじゃないだろうかと、そういうこともいま考えておるわけでございます。
#90
○安恒良一君 三浦さんね、余り思いつきのことを言ったらいかぬと思うんですよ。医療機関では間接撮影の場合は五千七百六十一と、直接の場合は八千九百十一というふうに決まっているんですよ、中医協で。それを一人で行ったときは取られるけれども、五人や十人行ったら単価が下がるなどと、あなたこんなところで言っていいんですか、大変な問題になるでしょう、それは。そんなことできっこないじゃないですか。素人をだますようなことを言ったってだめよ、僕に。診療報酬点数単価が決まっているのに、団体で行ったら下げるという話は、全然中医協で出てこぬ。
 保険局長、できますか。いまあの人が言われたように、一人で行ったら五千七百六十一円取る、点数ですからね。団体で二十人たまって行ったら単価が安くなるとあの人は言った。できますか、保険局長。答弁してください。これは重要な問題です。
#91
○政府委員(大和田潔君) なかなかむずかしい問題でございますけれども、いろいろ工夫しながら検討していかなきゃならぬというふうな問題ではないかと思います。
#92
○安恒良一君 いやいや、工夫するとか、しないんじゃないんだよ。診療報酬点数単価というのは決まっているんですよ。私も中医協十三年やりましたが、団体で行ったら割り引きするという話は寡分にして聞いたことがないんだよ。そうでしょう。それじゃ聞きますが、団体で行ったとき、間接撮影五千七百六十一円を十人以上行った場合にはこれだけにするという新しい点数設定をおやりになるんですか。それを聞かせてください。保険局長、どうですか。
#93
○政府委員(大和田潔君) この問題につきましては、老人保健法による診療報酬の関係でございますので、三浦局長の方からお答えいただきたいと思います。
#94
○政府委員(三浦大助君) 私ただいま申し上げましたのは、この前の衆議院の御審議におきましても、アンバランスの是正を指導すると、こういう御答弁をしてございます。したがいまして、先生御指摘のとおりかなりの差がありますので、そこは何かひとつそういう工夫ができないかということでいまいろいろ頭をひねっておると、こういうことでございまして、たまたま私申し上げましたが、一応これは社会保険の診療報酬点数を基準にしてつくってございます。したがいまして、社会保険の方で集団で行けばということは、これは通用しない話でございますが、何かそういうことができないかなということをいま考えておりますということを申し上げたわけでございます。
#95
○安恒良一君 私は、大臣、このところは非常に重要なことですが、私は三浦さんも非常に自己矛盾を感じながら言っておられるのじゃないかと思うのは、胃がんの検診とか子宮がん検診は保健所でやってもらう、集団検診でやってもらえば非常に安くなる。しかしその日その人が行かなかったというけれども、保健所で全部やれないのでしょう。やれないから残念ながら民間に委託するのでしょう。国民が全部保健所でやりたい、全部集団検診でやりたいと言っても、いまやれますか。やれないじゃないですか。保健所がないじゃないですか。またそんな集団検診の機能もないじゃないですか。ないから、あなたたちは医療機関に委託せざるを得ないのでしょう。その場合に単価が違うことを言っている。
 だから、私は医療機関の単価の五千七百六十一円とか八千九百十一円を下げろと言っているのじゃないんですよ。問題は――でなければ医療機関やらぬと言うかもわかりません。おれは、そんなら、やらぬと言われたらどうしようもないでしょう。その場合に問題になるのは、本人負担が、一部負担がある人は六百円で済む、ある人は七百円、ある人は二千円要る。本人は安いところでやってもらいたいと思いますよ、国民は。保健所でやってもらいたい、集団検診でやってもらいたい。中には金持ちがおって、私はこんなのはいやだ、人間ドックに入ってゆっくりやりたいという人は、その人からよけい取ればいいのですよ。そうじゃない。一般の国民は子宮がん検診が受けられる、胃がん検診が受けられると喜んでそれは行きますよ。行きましても、いまの保健所だけではそれだけの機能がないのでしょう。ない場合にやむを得ず公的医療機関に委託をする。それから私的医療機関に委託する。そうすると、公的医療機関、私的医療機関に委託すれば、とたんに胃がん検診だったら千九百円になる、子宮がん検診だったら千七百円になるわけでしょう。一方は保健所でやれば四百円で済む、子宮がん検診三百九十六円ですから。このアンバランスをどうするのですか。
 それを国民側に求めては間違いなんですよ、国民側に求めては。国民は、この法律の精神に基づいて保健所でやってもらいたい、集団検診でやってもらいたい。高い方を望む人は一人もいないのですよ、検診受ける人は。ところが、現実にいま保健所が十分でない、人手もない、施設もない、そこでやむを得ず公的医療機関や私的医療機関に市町村は委託をせざるを得なかったときは、国や市町村が責任を持ってその単価を埋めていくしかないじゃないですか。ある国民は、たとえば私の例を言うと、対馬さんは保健所へ行った、四百円で済んだ。私は保健所へ行こうと思っても、私の住んでいるところにないものだから、やむを得ず市町村の指示に基づいて医療機関に行った。何で私が四倍取られるのですか、同じ国民で。こんなばかげたことないじゃないですか、大臣。
 ここのところは、これはきちっとしてもらわないとね。せっかく健康診査をやる、非常にいいことなんです。だから、私たちはこの法律の一番のメリットはそういうところにあると思って議論している。ところが、国民が自分で欲しないのに、たまたま検診する機関がないために、やむを得ず市町村の委託に基づいて医療機関に行かなければならぬときに、百円とか五十円の違いというならまだしも話のしようもあるのですが、四百円と千八百円じゃ、これでは国民は法のもとの平等ということをどうしてくれるのですか。そんなばかげたことないじゃないですか。
 ですから、それを衆議院での委託先によって負担のアンバランスにならないようにということについての具体的な考え方をきちっとしてください。きょう無理なら、次回までに、こういうふうにすることによって国民の負担は平等にしますと。
 国民の負担を平等にするということは、医療機関を同じ金額にせえと言ってるんじゃないんですよ。そこは間違わぬように聞いてください。私は同じ金額になる方がいいと思うが、それじゃ引き受けないと言いますよ、医療機関が。そうなると検診を望む国民が受けられません。
 国民は、たとえば、大臣ね、私と対馬さんが同じ胃がんの検診を受けるときに、片っ方は五百円で済んで、片っ方は二千円何で取られにゃいかぬのですか。国民はみんな保健所でやってくれと言いますよ。ところが、やれないからやむを得ず委託するんで、そのときに四倍も五倍も違ったんじゃ、それはたまったものじゃないですよ、同じ検診で。しかも検診の中身は皆同じですよ。検診でやることは、保健所でやる胃がん検診のやり方も、それから医療機関でやるやり方も、検診は同じなんですよ。それなのに金額がこれだけ開くということは、どうしても私はここは了解することができません。大臣、この点についてどういうふうにこれをされますか。
#96
○国務大臣(森下元晴君) 検診をたびたびやっていただくことは、この法の精神でございますし、そこに不平等が生じてもいけないし、またその診療の内容にいろいろと差異があってもいけないと思っております。そういうことで、アンバランスのために受診をすることを拒否したり、また受診をしにくくなる、こういうことが一番いかぬわけでございまして、御指摘のように進んで検診に行っていただく、しかもその費用負担は納得していただく金額である、こういうふうに将来検討をしていきたい。いろいろ町村によっても地域によっても、おっしゃるように違うと思うんです。したがって、初めから画一的にこれをぴしっと一〇〇%決めることは非常にむずかしい問題でございますから、その点、いま申し上げましたように、できるだけ検診を受けてもらいやすいような方向で金額、負担、またその内容等について検討していきたい、このように思っております。
#97
○安恒良一君 私は、公平な負担ということは、大臣ね、お約束願わなきゃならぬです、公平な負担。検診を受けやすいようにするためには、公平じゃないとだめなんですよ。検診の中身については医療機関によって差があってはいけない、こんなことはあたりまえのことです。そうすると、あと国民が受けたいということになると、国民ですから安いところでやってもらいたいということになりますよ。五百円と二千円だったら、二千円の方に行く国民は一人もいませんよ。それはお金持ちの人は別だと私は言っているんですよ。そういう人はドック入りする人です。
 そうでない限りは、胃がんの検診であろうと、子宮がんの検診であろうと、五百円でやれる。それはみんな五百円でやると、本人負担はですよ。そして、本当は保健所でやりたい、集団検診でやりたいが、やれない個所について、やむを得ず公的医療機関や私的医療機関に委譲されたら、それは五百円でやってくれと言っても、うちはできぬという話になるでしょう、五百円ではできませんと。それではその金額を実施主体が払うしかないじゃないですか。でなけりゃ、絵にかいたもちになりますよ。
 せっかく検診を何歳からやりますと書いても、国民行きませんよ。このことははっきりわかるわけですからね。保健所に行ったら、胃がん検診は幾らです、子宮がん検診は幾らですということは、この法律が施行されてはっきりするわけですからね。そして国民の皆さん、一人でも検診に行ってくださいという指導をどんどんやるわけですよ、国も市町村も。そうすると、国民はこれを見まして、医療機関に行ったら二千円かかるのなら、おれ、やめた、となりますわ。やめたといったところが、保健所がなかったらどうするんですか。それじゃこの法律は仏つくって魂入れずじゃないですか。
 そこで、ここで方法論はこれから議論されるにしても、いわゆる公平な負担でやる、本人負担については。これは大臣、はっきりしてください。公平な負担でやらないで、しかも本人の希望じゃなくして、実施主体側の都合で医療機関の振り割りがあってやる。本人が、おれはドックがいいという人は別だと私は言っているんで、だからやっぱり公平に持ってもらうということ、これはどう考えたって、この法の精神からいって、また憲法における国民の法のもとの平等ということからいって、四十歳以上の検診を国民にやるということからいって、ある国民は二千円出して同じ検査を受けている、ある国民は五百円で受けているなどという、そんなことは法律的に私は許されないと思う。この点は明確にしてください。
#98
○国務大臣(森下元晴君) まあ公平ということは同じ金額であるという意味にとらずに、集団検診の場合と施設検診の場合、これは多少差があってもいいと思いますし、またそれが公平につながる場合も実はあると思うわけです。そういう意味で納得する実は料金でやるべきである、このように思っております。
#99
○委員長(目黒今朝次郎君) ちょっと速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#100
○委員長(目黒今朝次郎君) 速記を起こして。
#101
○安恒良一君 これはそれじゃ宿題にしておきますからね。
 私はもう一遍言いますが、公平というのは、検査を受けたいと希望する国民がみんな受けられるということですね。それから第二番目には、同じ検査を受けるならば一部負担も私はやむを得ないと言っている、その一部負担の金額は同じであるというのが公平なんですよ。それが金額は違っていいというのは不公平なんですよ。検査の中身が違うんじゃない、同じ検査をするんです。同じ検査をする場合に、たまたま検査を受ける場所、機関が違うために、一部負担の金額がこんなに違うということは、公平じゃないんですよ、幾らあなたが言ったって。ですから、いま委員長から御注意ありましたから、この点これより以上ここで時間をとるのはもったいないですから、私は保留しておきます。ですから、次回までに、少なくともいま言ったように、受けたいという人は全部受けられるように――この法律はそうなっているんです。それから受ける人は、同じ胃がんの検診を受けるならば、子宮がんの検診を受けるならば、一部負担もやむを得ない。その一部負担の金額は国民みんな平等であるべきである。このことについてよく検討して次回返答してください。そうして次に行きます。
#102
○国務大臣(森下元晴君) 検討さしていただきまして、次回にお答えさしていただきます。
#103
○安恒良一君 それじゃ次は、今度は機能訓練事業について少しお聞きをしたいと思います。
   〔委員長退席、理事遠藤政夫君着席〕
 これも今度の法律の非常に重要なものの一つでいわゆるリハビリ。予防、治療、リハビリを一貫してやろう、これが今回の法律の精神になっています。そこで、機能訓練事業について少しお聞きをしたいと思いますが、厚生省の計画によりますと、訓練施設といたしましては、老人福祉センター、特別養護老人ホーム等で行うというふうに書かれております。これらの施設は現在どのくらいありますか。また目標年度にどのくらい整備をするのですか。その資料に基づいてひとつ説明をしてください。
#104
○政府委員(三浦大助君) 特別養護老人ホームは現在百五十二カ所ございます。それから老人福祉センターは百十二カ所ございます。
 現在はこの二百六十四カ所でやっておるわけでございますが、五十七年度はこれを五百七十カ所に持っていきたいということでございまして、訓練施設と申しますのは、このほかに、あと市町村保健センターだとか、あるいは保健所等を考えておるわけでございまして、これを六十一年までに三千二百八十カ所まで持っていきたい、つまり三万人の標準町村で一カ所を目標に持っていきたいということを考えております。
#105
○安恒良一君 訓練事業に必要な機械、器材について標準どのくらいに整備する考えですか。また訓練作業に当たるスタッフの職種や人数はどの程度ですか。これを抽象論ではいけませんので、あなたがいま三万人に一カ所と言われていますから、標準として三万人程度の人口の市町村を例に、いま申し上げたことについてこういう器材、こういう機器、それから人はこういう人だと、こういうことについて、たまたまあなたも三万人ということを言われましたから、三万人程度の人口の市町村を代表的な例としてひとつ答えてみてください。
#106
○政府委員(三浦大助君) 人口三万人の標準町村で一カ所ということを申し上げたわけでございますが、この機能訓練の実施につきましては、週二回ということを考えておるわけでございます。
 で、この機能訓練の機器、器材の整備ですが、一カ所当たり機器で百万円、それから器材で二十五万円を考えております。
 その訓練施設一カ所当たりのその機器の中身の主なものを申し上げますと、たとえば握力計、それから訓練用マット、それから肩の関節の輪転運動器、こういう機械を整備することを考えております。
 器材につきましては布ぎれとか、日常生活の訓練ですから、果物を買うとか、茶わんとかコップとか、あるいは文房具とか、こういう日常生活の訓練をするための材料を用意したいと思います。
 で、これにかかります職員につきましては、たとえば医師それから療法士、それから保健婦か看護婦、これにつきまして、医師は月一回、それから療法士と看護婦につきましては週二回雇い上げて実施する、十五人ずつ半年間、一年に三十名程度ということを考えておるわけでございます。
#107
○安恒良一君 百万円とか二十五万円とか、中身を言われましたから、これは後から資料ください。私のところにその資料が来ていませんから資料を。百万円は大体こういう使い方をするんだ、二十五万円はこうこうこういうものを買うから二十五万円。
 それからスタッフのところでちょっとお聞きしたいんですが、いまあなたが言われたことは、医者一人と看護婦さん、保健婦もしくは療法士等をその都度週に二回ですから、パートでお雇いになるんですか。一日来てもらうんでしょうが、それは日給でパートでお雇いになるんですか、どうされるんですか、それは。
#108
○政府委員(三浦大助君) それはパートで計画しております。
#109
○安恒良一君 三万人程度のようなところでパートで、しかもあれでしょうね、医師なら医師は、その人は継続的に来ることになるでしょうね、看護婦さんにしても。その都度人がかわったんじゃ、いわゆる機能訓練はできませんからね。一年とか二年とかかかる場合は、たとえば一人の医者なら医者が月に一回パートで来る場合、その医者は一年なら一年ずっとその三万人程度のところに来る。それから療法士もずっと来る。それから看護婦さんなり保健婦さんは必ず同じ人が来ないと、その都度かわったんじゃ、とてもこれでは機能訓練できないんですが、それはどういう雇用形態になりますか。
#110
○政府委員(三浦大助君) これは市町村で実施計画を立てる場合にこれからお考えいただくわけでございますが、先生御指摘のように、できれば継続性のあるということが望ましいわけでございます。十分そういう方向で指導をしたいと思っております。
#111
○安恒良一君 これも、できればと言われますけど、自分たちが機能訓練を受ける場合に、機能訓練に携わってくれるスタッフがちょいちょい変わったんじゃ、機能訓練にならぬと思うんですよ、率直に言ってね。それは十年も同じ訓練を受ける人はないわけですが、訓練期間が何カ月とか一年とかいろいろありますね、症状によって。そうすると、その人をずっと訓練をしていくためには、一人のお医者がずっと診ていくとか、訓練士なら訓練士、療法士なら療法士が診ていかないと、一、二カ月たったら、一週間に二回ですか、ちょいちょいちょいちょいやられたんじゃ、これはたまったものじゃありません。それから現実に本当に、三万人程度の人口の市町村で、きちっとあなたが言うように継続的な人が確保できるのかどうか、この点にも私は問題があると思います。これは問題点として指摘をしておきましょう。
 そこで、実は私ども、石川県の七尾市の特別養護老人ホーム七尾城山園をわが党として調査をいたしました。この施設で機能訓練事業を実施しておりまして、現在三十名が週二日の訓練を受けていますが、この実態を私たちは見てきましたから、これを前提にして伺います。ですから、いまさっき言った機能訓練の週二日は必要だと私も思います。
 そこで、厚生省の考えでは、対象者を「通所によって機能訓練の効果が期待されると判定した者」と、こうなっていますね。それはたとえば家族等の介助によりみずから施設に通所できる者に限るという意味なのかどうか。七尾市では対象者三十人のうち二十五人までは城山園のバスにより送迎を受けて通所していました。みずから通所できる人はたった五人しかおりませんでした。
 でありますから、これらの実態を見ますと、市町村で送迎体制を整備しないと、非常に限られた人だけが機能回復訓練を受ける、こういうことになってしまうのであります。私は通所の手段を持たない人を切り捨ててしまってはいけないと思うんです。むしろ、そういう通所ができない人で機能回復訓練が必要な人がたくさんあるわけでありますから、どういうふうに通所手段について整備をするのか。
 それから前段の方は、あなたたちが言う通所のできるという者は、家族の介助によりみずから施設に通所できる者ということですが、私どもが実態調査した一カ所でも、いま申し上げたように、この中の三十名の中で自分で通所できる人はわずか五人しかいない。こういう点について、本当の意味で今度新しくつくる法の精神に基づいて機能訓練事業を行うとすれば、こういう点はどういうふうにされますか、考え方を聞かしてください。
#112
○政府委員(三浦大助君) 先生いまおっしゃられましたように、通所の人に限るというふうには私ども考えておりません。
   〔理事遠藤政夫君退席、委員長着席〕
今回のこの機能訓練の趣旨は、家族の協力をいただいてその施設まで連れてきていただいて、そこで訓練をするということでございまして、もし連れてこれないような場合には、訪問指導でもして訓練の方法等を教えてあげようかなと、こういうふうに考えておるわけでございます。
 ただ、この事業の中でバスによる送迎までは私どもは考えておりませんが、この機能訓練は医療の適用になるようなむずかしい訓練ではございません。簡単な体操それから日常生活の動作訓練、こういうことを考えておりますので、来れない方は訪問指導によってやっていこうかなというふうに考えておるわけでございます。
#113
○安恒良一君 いや、また三浦さん、これもあなた矛盾しとりゃしないですか。人口三万のところで週に二日やるんだ、それにかかりきるお医者さんなどは、いわゆるアルバイトでお医者さんと療法士と看護婦さんもしくは保健婦を雇うといっているんでしょう。私たちが調査した七尾市だけで三十人からいるんですよ。それを一方においては通所できる人は通所さしてやっておきながら、一方は訪問して機能回復訓練なんかできっこないでしょう。機能回復訓練のためには必要な器材が要るじゃないですか。だから訪問して機能回復訓練をするためには、それだけの人と器材を持っていかなきゃなりませんね。現実にあなたが前段答えたことと全く矛盾しているじゃないですか。
 三万人のところで大体どのくらいのスタッフで、どのくらいの機械でやるのかと聞いたら、こういうことでやりますと言っておきながら、今度は通所できない人は――七尾市の場合には三十人のうち二十五人までがそうなんだが、この人たちはバスで運んでいる。そうすれば私は、厚生大臣、ここは聞いとっていただきたいんですが、そういう通所できない人は、むしろ施設にバスで連れてきた方が経済的にも効果的なんですよ。そうしないと、そういう人が二十五人とか全部訪問看護で機能回復訓練やるといったって、機械から持っていかなきゃならない。そんな非現実的なことを言うたらいかぬわな、非現実的なこと。むしろそのバスを市町村がどうして持つかということについての考えを国なりでいろいろすべきじゃないですか。
 たとえばいろんなところから寄附してもらってるじゃないですか。余りいいことじゃないと思いますけれども、競輪協会の上がりがあるとか、笹川さんのところの上がりでもらったり、いろんなことをしているところたくさんあるじゃないですか。国自体が金出す方法もあるし、市町村も金を出してやるとか、もしくはさらにそういうところからもらって機能回復訓練に必要なバスを確保して、そこへ連れてきてやった方がいい。そうすると先生とスタッフができる。
 ところが、一人一人三十人のうち二十五人のところを訪問でやったらどういうことになりますか。それがためには膨大な人が要るんじゃないですか、また膨大な器材が要るじゃないですか。私がそういう七尾市のような例を紹介しているのは、その方が機能訓練も十分いけるんだからです。いや、それは考えておりません、訪問でやります。訪問でやりますといったって、そこに通所してくる人でも週に二回、たったこれだけのスタッフでやろうかといっているのがどうして訪問でやれますか。そんな非現実的なことを私は答弁をしてもらいたくないわけです。通所できない人については通所の手段を確保して、そしてその人たちが施設で機能回復訓練を受ける、これが私は一番いいことじゃないかと思いますが、大臣どうですか、そこらは、いまのところ。
#114
○国務大臣(森下元晴君) この点は同感でございまして、工夫をいたしましてそういう輸送機関をつくりまして効果的に機能訓練を受けると、そのとおりだと思います。
#115
○安恒良一君 それじゃ、その点は私の提言について大臣も御賛成で、その方向について検討し、取り組みたいと、こういうことですから、ぜひ私は、皆さんも通所できない人だけに限ってないと言われておりますから、通所できない人が通所できる手段を講じて、そして十分な機能回復訓練ができるようにしていただきたいということをこの際お願いしておきます。
 それじゃ、スタッフの問題点についてちょっとお聞きしておきたいんですが、七尾市では、この訓練事業には、非常勤の医師が一名、看護婦が一名、実は寮母が二名当たっておりました、この人たちの機能回復訓練に、七尾市では。そこで私たちは現場の人の話を聞いたんです。このスタッフの人たちは、いま言った医師一、看護婦一、寮母二名では非常に不十分だ、どうしてもOT、PTなどの専門家がいないために効果の面でも疑問がある、だからどうしてもOTやPTをぜひ配置してもらいたいと、現場の方々はこう希望していました。ところが現実にはなかなかOT、PTがいないんですよ。
 そこで、機能訓練施設というものがいま言ったように計画的にふえていくわけですが、私はそこにOTやPTの配置を当然すべきだと思いますが、どうでしょうか。
   〔委員長退席、理事佐々木満君着席〕
#116
○政府委員(三浦大助君) 私どももOT、PTが現在おれば非常にありがたいわけでございますが、現在も医療機関でもOT、PTが少のうございます。それでも今年度の予算編成の際に、一応OT、PTを保健所に入れるという道を開いてはございますが、いかんせん絶対量が不足でございます。厚生省の方の今後のOT、PTの養成計画を見ますと、昭和六十年ごろになるとPTが六千人、OT四千人というかなりな増員計画もございますので、今後ひとつこの方の養成の計画に見合って、今後こういうところにOT、PTを充足していくように方法を考えてまいりたいというふうに考えております。
#117
○安恒良一君 すでに現地で私たちが実態調査した中で、お医者さんや看護婦さんや寮母さんが本格的な機能訓練をするためにはどうしても専門的なOT、PTが必要なんだ、でなければ効果の面で非常に疑問がある。これは科学的に言っているわけですよ。でありますから、あなたもOT、PTの必要性は認められた。まさか要らぬとはおっしゃらないと思うんです。ところが現実にいないということなんですよ、あなたが言われるように。
 じゃOT、PTの養成計画はどうなっているかというと、私がいただいたこの配置計画では、五カ年間で六十五名と、こう言われておるわけですね。五カ年ですよ、一年じゃないんです。これじゃいままでの議論とお互い矛盾しておりゃしませんか。五カ年間で、あなたが私のところに持ってこられた資料を見ますと、保健所へ配置を進める人は六十五人でしょう。保健所の数からいっても大変ですよね。そしてまたこれだけたくさんの施設がある。五カ年間で機能回復訓練できる施設の数はいまさっきお答えになったわけですから、これは六十五人などというのは大変矛盾をしておりゃしませんか。どうですか、その点は。
#118
○政府委員(三浦大助君) 先ほど申し上げましたように、いま絶対数が不足でございます。したがいまして、今後の養成計画を待って今後充足していきたいと考えておりますが、当面、私どもこの五カ年間に、県あるいは大都市、これを中心に一人ずつそこに配置いたしまして、こういう機能訓練の指導体制をとってまいりたいという意味で六十五名を計画しておるわけでございます。もちろん先生おっしゃいますように、いればいいんですが、なかなか不足しているもんですから、この五カ年間はともかくその地域の医療機関から雇い上げてお手伝いをいただくということで考えておるわけでございます。
#119
○安恒良一君 これは大臣、これから高齢化社会を迎えて、そして機能障害の老人が残念ながらふえることは事実なんですよ。いまのわが国の疾病別状況を厚生省が発表されておるのを見ましても、えらい機能障害者が残念ながらまだふえている。そしてその人たちが機能訓練しなきゃならぬことは事実ですね。そうしますと、この機能訓練の専門はOT、PTなんで、現実にはいない。OT、PTの養成計画をこの際抜本的に考える必要がある。
 雇いたいといってもいないと言うんだから、三浦さんは。だから、OT、PTの養成をこの際は思い切って国としてやっていく、こういう施策をお持ちにならぬと、これまた高齢社会に備えるとか、もしくは老人保健法を制定して予防、治療からリハビリ、機能訓練まで一貫してやると、法律では非常に結構づくめで書いてあるけれども、中身が伴わない。ですから、OT、PTの養成について、この際は国として抜本的に大幅に養成をしていくと、こういうお考えをお持ちになってしかるべきだと思いますが、その点は大臣なり局長どうですか。
#120
○政府委員(大谷藤郎君) OT、PTの絶対数が少ないということでございますが、OT、PTの養成が欧米先進国に比べまして始める時期がはなはだ遅かったという点もございまして、十年前にはたとえばPTでは八カ所百四十人、それが現在では三十四カ所七百六十人の入学定員になっている。また作業療法士につきましては、三カ所六十人というのが二十一カ所四百四十五人と、こういうふうに年々養成施設数の増加を来しているわけでございます。
 したがいまして、私どもとしては、養成施設の能力というふうなことを考えまして、当面、昭和六十年代前半に理学療法士六千人、作業療法士四千人を確保するということで計画してまいりましたが、この数字は昭和六十二年には理学療法士が六千五百人、六十四年には作業療法士が四千二百人と、いまのままの学校のペースでもなるというふうになっております。毎年学校の増設をいたしているわけでございまして、先生の御指摘のような点もございますので、私どもといたしましては、さらに一層ペースを速めるような努力をいたしたいというふうに考えるわけでございます。
#121
○安恒良一君 私は、いまの機能回復訓練をされる個所ですね、それから機能回復訓練をいま現在受けなきゃならぬ人、それからこれからの発生率、こういうところから考えますと、いまあなたが言われたペースでやっとったのではなかなか追っつかない。そこでOT、PTの養成のペースを積極的に速めていかないと後追い後追いになっていくんですよ、後追い後追いに。
 たとえば実は機能回復訓練を受ける人が年々減っていくというなら別ですけれどもね。それはこれからずっと予防をやっていって、いろんなことをこれからやっていって、何年か先にはそうなることを望みますよ。しかしいまの現在では、残念ながら毎年毎年機能回復訓練を受けなきゃならぬ人がふえていくことは現実なんですよ、残念な話ですが。ですから、私は大臣ね、これは行政の問題ですから、OT、PTの養成について積極的に取り組むということについて大臣から前向きのお考えを聞かせてください。
#122
○国務大臣(森下元晴君) 高齢化時代はまだ四、五十年ずっと続いていきますし、またいろいろ交通事故等もございまして、機能回復訓練を受ける人口がふえ続けることは事実でございますから、おっしゃるようなOT、PTの養成数を拡大する必要ありと、このように思っております。
   〔理事佐々木満君退席、委員長着席〕
#123
○委員長(目黒今朝次郎君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#124
○委員長(目黒今朝次郎君) 速記起こして。
#125
○安恒良一君 それでは続けます。
 私は、この問題の最後に訪問指導事業について伺いたいと思いますが、厚生省の考えておる訪問指導事業の内容について具体的にもう一度ひとつ説明をしていただきたいのであります。
#126
○政府委員(三浦大助君) この訪問指導事業と申しますものは、在宅の寝たきり者あるいは健康診査の結果訪問指導が必要と認められます者に対しまして、保健婦が家庭訪問をして、本人あるいは家族に対しまして清拭の方法あるいは寝たきりなものですから褥瘡の予防の方法、あるいは看護の方法、あるいは食事とか栄養、生活指導の方法、こういうものを指導するとともに、日常の生活動作訓練、こういうものもやっていきたいというふうに考えておるわけでございます。
#127
○安恒良一君 いま看護の方法ということをちょっと言われましたが、訪問看護は事業内容に含まれているのですか、含まれていないのですか。
 それはなぜかというと、現実の問題といたしまして、保健婦が寝たきり老人のいる家庭を訪問しましたときに、いまあなたが言いましたように、単に家族や介助者に対しまして保健指導だけで住民は納得するものでしょうか。私は納得できないだろう。看護に対するニードにもどうこたえるかという体制を考えなきゃいけないのじゃないかと、こういうふうに思うんです。また一人暮らしの寝たきり老人や、老人世帯で家族が介助の不可能な人たちに対してはどうするのですか。いまのところについてひとつお答えをしてください。
#128
○政府委員(三浦大助君) 私どもの方で考えておりますのは、訪問看護ということはまだ考えておりません。訪問指導ということでいろいろ家庭の看護をしておられる方に褥瘡の予防の方法だとか、あるいは栄養、食事指導とか、そういうことをしたいというふうに考えておるわけでございます。また、その寝たきり者等につきましては、一方でホームヘルパーという制度がございますので、当然このときにはこの訪問指導をいたします保健婦は、ヘルパーと密接な連絡をとって指導していくようにしてあげたいというふうに考えておるわけでございます。
#129
○安恒良一君 いまおっしゃったから私、大臣ここも聞いておっていただきたいんですが、訪問指導で行ったと。行って、それで方法だけ教えりゃいいじゃないかと。教え方もいろいろあるわけで、具体的に実地で教えることと理論的に教えることとありますからね。そうすると、教えるときには具体的に教えてあげる。目の前に寝たきりの人がおって、家族を呼んでこうこうこういうことですよと方法論だけ言って帰ってくるなんて、そんなこと行った人もできないですよ、それは。また受ける側も、せっかく来てくれたのに、口でべらべらべらべら方法論だけ教えてお帰りになったということじゃ、実際それは訪問指導という言葉であっても、余りにも心のない、親切さがないんじゃないだろうか。
 だから、現実問題として、保健婦さんが行ってみて、寝たきり老人がおったときには、実地的にもこうこうこういうふうにしてするんですよとか、こういうふうにしてあげるんですよということを、それであとはその家族でしてくださいということをしないと――ここまでが訪問看護である、これから先はホームヘルパーの仕事でございますなんて――たとえば一人暮らしの老人のところへ行って、必ずその一人暮らしの老人のところには保健婦とホームヘルパーが一緒に全部行けるような体制かといったら、現実はそうじゃないでしょう。一人暮らしのときには必ず保健婦プラスホームヘルパーが一緒になって行くという約束ができますか。そんなことはできないでしょう、いまの現実では。それは望ましいことですよ。望ましいことですがなかなか。
 というのは、保健婦とホームヘルパーが各市町村では機構上分かれているわけですね。たてまえとしては組んで仕事をすることが望ましい、これはあたりまえの話です。しかし私たちが現実的にいろいろ調査をしますと、縦割り行政の中で連携を深めることが非常に困難ですよ。あなたは密接な連携をとってと、こうおっしゃるけれども、密接な連携がとれるなら、日本の縦割り行政というのは幾らでも直るんですよ。
 たとえば一つの保健にしても、厚生省で考える保健、農村に行ったら農林水産省が農民の保健はおれのとこがやると、こう言うんです。文部省へ行ったら、児童の保健はおれのとこでやると言うんです。私から言わせると、保健などというのは、そんな各省ばらばらでやることないと思うんです。いわゆる行政改革というのは、保健なら保健については一つが全部責任を持ってやる。ところがそれできないでしょう。幾ら厚生省が胸張って言ったって、農村の分野は農水省ががんとして守っているし、学校の児童になると文部省ががんとして守っている。ですから、みんなあなたたちがおやりになっていることは中途半端なことね。
 なぜかというと、三つも四つも縦に分かれていますから、おりる金も少ないわけです。人手も皆分かれるから、どれもこれも中途半端です。国民の保健考えるなら、農民であろうと自営業者であろうと、みんな一本でやればいいことなんですよ。ところが現実にはだれが考えてもあたりまえのことか――これはわかりやすい例で挙げたんですよ、私はたまたま保健のことを議論しているから。それが今日の残念ながら縦割り行政じゃないでしょうか。
 そういう中で、三浦さん、あなたが幾らホームヘルパーと保健婦とが密接な連携をとって、寝たきり老人について訪問指導は訪問指導、訪問看護は別だと。これは余り現実性がないんじゃないですか。私はもう少し現実性のあること、しかもどういうふうにしてやるかということを答えてもらわぬと、ここだけきれいごとで、いや寝たきり老人や一人暮らしの老人のところにはホームヘルパーと保健婦が密接な連携をとってやれば十分できるんですと。そんなことに現実なってないじゃないですか。どうですか、そこは。
#130
○政府委員(三浦大助君) 先生おっしゃるようないわゆる訪問看護というものにつきましては、まだわが国では主治医との関係においていろんな議論があることは御存じのとおりでございまして、現段階で制度的にまだ訪問看護という言葉を使うことが困難な状態にございます。
 私どもただいま寝たきり者に対しましてホームヘルパーとの連携ということを申しました。実際上は行ってみればいろんな方々がおられるだろうと思います。あるいは本当に看護の一部もやってあげなきゃならぬような方があると思いますが、したがいまして、現在私こうしてお答え申し上げられることは、訪問指導をします保健婦さんが家庭奉仕員と十分な連絡をとってやるようにひとつやってくださいと、こういうことを都道府県なり市町村の方にはお願い申し上げて、なおその連携についてうまくいくようにきめ細かな指導をこれからやってまいりたいと考えております。
#131
○安恒良一君 いや私も、わが国において制度的に訪問看護ということについて、医師、医師会との間の問題があることは百も承知しているんですよ。そんなこといま三浦さんから聞く気はないんです。
 問題は、現実の処理として訪問指導だけで済みますか。済まないでしょう。だから、訪問看護制度とか制度論じゃなくて、中身の問題としては、そういうことを、行ったら、やらざるを得ないでしょうと言っているんですよ。保健婦さんが行った場合に、いや、おれの仕事はここまでだ、あとはホームヘルパーに来てやってもらいなさいといって帰れますかというんです。そんな血の通ってない保健婦さんはいないと思いますよ。目の前に現実にひとり暮らしの寝たきり老人がおったとき行って、いや、おれはあんたに口頭で教えるだけだよ、実際やってもらうものはホームヘルパー呼んでやってもらいなさいなんて、そんなことが人間言えないでしょうが、あんた、だれが行ったって。だれが行ったってそんなこと言えるはずないですよ。行ってみりゃ、ひとり寝たきり老人がおれば、それに対して床ずれができないように体ふいてあげるとか、いろんなことしなきゃならぬでしょうが。床ずれ防止はこういうことをすればいいんですよ、それやってもらうのは、後でホームヘルパーさんに来てもらってやってもらいなさいといって帰れますか。帰れないでしょう。大臣、考えてごらんなさい。
 それはペアで行ければ一番いいですよ、ペアで行ければ。なかなかペアで行けないんだから、行けなかったら保健婦さんが行ったら、訪問看護制度とか制度論じゃなくて、現実の仕事としてそういうことをしてくるのが人間じゃないですか。まあ三浦さんあたりは、えり分けてできるというのは血が通っているのかなと僕思いますよ。そんなこと私はとてもできないですよ。私がたまたま行ったとしますと、寝ていて、あなたはこうこうこういうふうにすればいいんですよ、はい、あとはまた市役所に連絡とってヘルパーに来てやってもらいなさいなんて、そんなことできないですよ、第一に。私はできないと思います。ですから、私は制度論を言っているんじゃない。制度論を私は知っていますよ。しかし、仕事の中身としては、訪問看護的な仕事をあわせて指導と同時にせざるを得ないでしょうと聞いている。また、そうしないと実際の効果も上がらぬでしょうと、こう聞いている。それはどうですか。
#132
○政府委員(三浦大助君) 実態は、実際行って保健婦さんがそういう看護もしてあげる、そういう実態になると思います。
#133
○安恒良一君 それじゃ、実態論としてはそういうことをしなきゃならぬだろう、また、してあげるだろうということにして……。
 そこで、このマンパワーの件でありますが、訪問指導については退職保健婦や在宅看護婦などが当たることとしていますが、その理由は何なのでしょうか、いま言ったような実態論を踏まえながら。正規の保健婦さんではだめなのでしょうか。私は当然正規の保健婦さんでやるべきだと思いますが、その点はいかがですか。
#134
○政府委員(三浦大助君) 今度の私どもの計画では、この訪問指導につきましては、退職保健婦さんを充てることといたしております。
 実際に、こういうことをする保健婦さん方というのは非常に経験豊かな人でなければなりませんし、そういう意味で、ちょうど五十ぐらいからの退職保健婦が当たることが一番いいんじゃないかなと、こう思っておるわけでございますが、先生おっしゃるように、そういう方が常勤としておられればいいわけでございますが、何せ保健婦さんの絶対数もまだ足りぬわけでございますから、当面、経験豊かな退職保健婦さんでやっていただこう、こういうことで計画をしております。
#135
○安恒良一君 言葉じりをとらえるわけじゃないけど、退職した保健婦さんは経験豊かだ、正規の保健婦さんは経験豊かじゃないように聞こえるですよ、あなたの言い方は、正規の方がいいんだけど、いまそれが数が足らぬからやむを得ず使うというなら私はわかるんだよ。あなたは盛んに経験豊かなということを強調されて、それを退職保健婦に結びつけられると、いま第一線で一生懸命保健婦でがんばっている人は、皆さんたまったものじゃないと思いますよ。そこのところはどうですか。本来なら正規の保健婦でやりたいんだ、しかしそうは言っても、これを常勤で雇うためには、人手も足らないから、それから財政上の理由もあるかもわかりませんよ。そんならそのように言うてもらわぬと、何かこういう仕事はむしろ退職した保健婦さんや在宅の看護婦さんの方が、経験豊かでより実効が上がるようなあなたは説明をされましたが、それは訂正してください。違うんじゃないですか、それは。どうして退職した人の方が経験豊かで、現役の保健婦さんは経験が豊かでないんですか。
#136
○政府委員(三浦大助君) これは基本的には常勤の保健婦さんがやることが一番いいと思います。ただ、今度の保健婦の八千名の増員計画におきまして、いろいろ保健婦さんの仕事が、健康相談とか健診のお手伝いとか、いろいろあるわけでございまして、そういう意味では、人生経験豊かと申しますか、そういう方はむしろ寝たきり者のお年寄りの方のいろいろな仕事をしていただく方がいいんじゃないだろうかと申し上げているんでございまして、常勤でたくさん雇えればこんないいことはないわけでございます。
#137
○安恒良一君 国会の正式の場ですから気をつけて発言してくださいな。人生経験が豊かとか豊かでないといったら、それは一般論として高齢者の方が若い人よりも世の中たんさん渡ってきたというのはわかるけれども、こんなところにそんなこと使わないんじゃないですか。
 結局、正規の保健婦でやるべきなんだ、ところが数の問題もあるし、それから予算の問題もあるから、やむを得ず当面、退職した保健婦さんを使っていくんだ、そして将来だんだん数をふやし、財政措置をしていけば、正規にかえていかれた方がいいでしょうが、あなた。余り持って回って、人生経験豊かとか経験豊かとか言ったら、いま第一線でうんとがんばってくれている保健婦さんに本当に申しわけないと思うんですよ。ですから、自分たちが出した計画を正当づけるために余り持って回った言い方はやめてほしいと思うな。私は、やっぱり素直に、何回も言ってるんだよ、人手が足らないとか、そうは言われても財政的にも一遍にいけませんから、こういうふうに将来財政を確保しながらふやしていきますならいきますって、素直に言えばいいじゃないの、あなた。どういうことなんですか、そこは。
 人生経験豊かといったら、それは年とった人の方が豊かかもわかりませんけれども、みんながみんな年とったら豊かになるかというと、そうじゃない人もあるわけですからね。幾ら年とったって、人生経験は豊かじゃなくて非常識な人も中にはおいでになるわけですから。特にこの仕事の中身が訪問指導、ましてそれは看護的なものを含んでやっているときに、そんなところへ人生経験は使わないんじゃないですか。どうですか、そこ。
#138
○政府委員(三浦大助君) それは先生おっしゃるとおり、常勤の保健婦さんがいればこれにやってもらうことが一番いいと思います。
#139
○安恒良一君 やっとそこへ行きました。
 常勤がいいということはこれで明確になったわけです。そのことを百歩譲って、たとえば石川県とか兵庫県に私たちは実態調査に行きました。ところが今度は、潜在のそんな保健婦さんや看護婦さんがどこを探してもいない地域があって、在宅の看護婦さんとか退職保健婦さんの地域格差が非常にひどいんですよ。そういう地域では、幾らかねや太鼓で探したっていないというんです。ですから、そういう中でこの具体的な事業をどうするのか。こういうことになりますと、八千人というのも、あなたは机上で数だけを合わせられている。
 ですから、具体的に地域ごとに、保健婦の配置計画ですね、この八千人なら八千人を、各県、さらにある程度市町村別にお持ちにならないと。私どもの調査では、あなたが言われているところの退職の保健婦さんもいない、在宅の看護婦さんも、残念ながら一生懸命当該市町村がその気になって探しても、いないという地域がかなりあるわけですからね。偏在をしているわけです。ですから、この点は少なくとも八千人の計画、第一次計画、第二次計画をお立てになるときに、地域ごとに保健婦の配置計画というものをある程度お持ちにならないと、これまたきょう私がいただいた保健婦確保の八千人、昭和五十七年から六十一年のこれも――ここまではだれでもできるんですよ、ここまでは。問題は、これが本当に都道府県別、市町村別に具体的にきちっと確保できるのかどうか。これがないと説得性がありませんが、その点はどうされますか。
#140
○政府委員(三浦大助君) 私どもこれから県と相談しながら、増員された保健婦の確保のための予算の配分をしてまいりたいと思っておりますが、私どもの調査によりますと、現在二千五百名ぐらいの潜在保健婦がいるという調査がございます。ただ、これは全国的な調査でございまして、先生おっしゃるように地域によってかなりな格差があるかもしれません。したがいまして、これから計画の段階でひとつ県と相談しながらきめ細かな指導をやってまいりたいと考えております。
#141
○安恒良一君 いや、私は全国的な総数としてそういうものがないと言っているんじゃないんですよ。それはあるでしょう、偏在をしているでしょうと言っているんですよ。そしてあなたはあるかもしれぬと、こう言うんだよ。
 じゃ、あなたはこの四千人から八千人を市町村別に具体的に作業をされ、都道府県別に作業をされてこれをおつくりになったんですか。そうじゃないでしょう。全国的な平均でただこれをおつくりになっただけでしょうが。私どもは現実の調査で一生懸命探してもいない地域を知っているから言っているわけですよ。だから、少なくとも地域ごとに都道府県、市町村単位に保健婦確保計画というものを具体性を持たせなきゃいけませんよと、こう言っているんですよ。それに、いや全国的にあるんだとか、そんないないところもあるかもしれぬとは何ということですか。そういうことを言う以上は、あなたはこのデータをきちっと出してこられなきゃいけない。しかしいまは出せないんでしょう。出せなかったら私の意見を受けて、ちゃんと実態を調べて、そしてそういう市町村があればどうするかという具体案を持たなきゃいけないでしょうが。
 私どもは部分的であろうと実態を調べているんですよ。調べた上であなたに聞いているんですから。あなたは全国的な数字だけを見て、四千人が五千人になり八千人になると、これをこう出しているだけの話じゃないですか。それを言っているんですから、だからそういう私どもの提言については素直に受けて、いわゆる地域ごとの保健婦配置計画、こういうものをつくっていく。また確保計画をつくっていくことがこの裏づけとして必要じゃないですか、これだけでは。私は何もいま出せと言っているんじゃないですよ。そういうことをしなければ、現実にこれは絵にかいたもちになるでしょうと、こう言っているんです。そのことを聞いているんです。どうですか。
#142
○政府委員(三浦大助君) 先ほども申し上げましたように、県とこれから相談しながらきめ細かな計画をつくってまいりたいと考えております。
#143
○安恒良一君 それではここのところは、いま大臣もお聞きくださっておったと思いますから、実際の実施に当たっては絵にかいたもちにならぬように実態を調べられて、なるほどこの県ではこれだけ人がおる、この市町村にはおるが全くない市町村があると……。
 なかなか退職した保健婦さんが、じゃはるか他県に行けるかといったら、行けないんですよ、それは。その地域ぐらいは何とかなっても、たとえば福岡の保健婦さんが北海道の方に、福岡が余っておったとして、北海道が足らぬからといって、ぽんと北海道に行ってくれるかと言ったら、行ってくれやしないですよ。
 ですから、この計画表を各都道府県別に点検をされ、現員の活用、新規採用、特に退職保健婦等を各都道府県別に、できれば市町村単位にも調べて、その中で実効あるようにしていかないと。いわゆる机上の計算として、プランとしてはだれにでもつくれるんです、ここまでは。それを私は言っていますからね。これだけのことをやろうとするならば、保健事業をやろうとするならば、その点について私どもの提言を受けられて、具体的に地域ごとの保健婦の配置計画、そういうものをまず市町村の協力を得てつくって、そして、漸次それにきちっとしていくということをぜひやってもらいたいと思いますが、よろしゅうございますか。
#144
○国務大臣(森下元晴君) 三浦局長の方からは絶対数はあるんだという説明をしたわけでございますが、実態はなかなか偏在をいたしておりまして、医者の数も大体十万人に百五十人になっておりますが、無医村もあるぐらいでございますから、いまおっしゃるようなことでございまして、この点は非常に重要な問題で、県とも相談してそういうことがないように、あればそれを早く埋めるように全力を挙げる必要があると、このように思っております。
#145
○安恒良一君 以上で保健事業の実施に基づく、もしくは機能回復訓練事業についての質問を終わりたいと思います。
 続いて次の問題に入ります。次の問題は、これも今回の保健法と非常な関連があるのでありますが、まずお聞きをしたいのは、日本人の海外居住者に対する医療対策についてお聞きをしたい。
 現在各企業の従業員及び家族を中心として、海外に私どもの調査では約二十万人の人が居住しているというふうに聞いております。これに対する医療保障はどうなっているのか。これは御承知のように、昭和五十六年の三月一日から健康保険法が海外居住者にも適用されました。そこでまずその適用状況及び給付に関する状況をひとつ説明をしてください。
#146
○政府委員(大和田潔君) 海外居住者に対する健康保険の適用状況でございますが、私ども、海外勤務者で健康保険の適用というものはどれだけあるかという把握はないんでございますが、ただ給付の状況でございますが、これはお手元にございますと思いますが、政府管掌健康保険におきましては、五十七年一月末現在におきまして六百二十六件、金額といたしまして約二千万円。これは御承知のように、療養費払いということで支払っておるわけでございますが、そういう金額。それから組合健保につきましては、これは八千二十七件、金額にいたしまして一億七千八百二十九万円という金額の支払いが行われておる。こういうデータがあるわけでございます。
#147
○安恒良一君 給付状況だけの資料しかないということであります。五十六年三月一日から健康保険が海外居住者に適用されているんですから、これは国民医療に国が責任を持たなきゃなりませんし、厚生省が責任ですから、これは早急にひとつ調査をして適用状況を知らしてほしいと思います。
 そこでいま一つ聞きますが、この二十万の人が海外何カ国かたくさんの国に分布しているんですが、現地での医療供給体制、医師や医療機関、それから保健医療、健康管理、治療に関する状況の資料をひとつ出して説明してください。少なくとも適用する以上、どこの国に邦人がどれだけおって、その人たちにはこういう医療が供給されている、医師や医療機関がこういうふうにある、さらに保健医療としての健康管理や治療についてはこういう状況になっている、こういうのが私はあってしかるべきだと思いますから、そのことについてひとつ説明してみてください。
#148
○政府委員(大谷藤郎君) 保険の給付については私ども承知しておりませんですが、現在海外に長期滞在する日本人の方々が医療の確保についていろいろ不安をお持ちになっている。また特に開発途上国におきましては、医師数、病床数などがわが国より著しく低いというふうなことがございまして、大変不安をお持ちになっているというふうに伺っております。
 ただ、その詳細な数字については私ども正確に把握をしておらないわけでございますが、企業のインタビュー調査の結果では、海外で病気になったときに現地人のホームドクターにかかっているのが約四〇%、またクリニック等では一六%、日本人の医師にかかっているのが一〇%、医療機関がないというのは一二%というインタビューの調査、これがどの程度海外全体の数字になるかわかりませんが、そういった数字を私たちは伺っているわけでございます。
#149
○安恒良一君 私は、インタビューで企業の調査では困るわけですね。国民皆保険で国民医療には国が責任を持つわけで、その上に改めて昭和五十六年の三月から保険が海外居住者にも全面的に適用になったわけですから、いまなければやむを得ませんが、私は国として医療供給体制がどうなっているのか、さらに保健医療がどうういふうになっているのか、こういうものは調査する必要があるんじゃないですか。
 保険に入りなさい、保険料を納めなさい。しかしあなたもおっしゃったように、現地では言葉や生活慣習の違いや、特に経済未開発国におきましては医療供給体制が不備で全然受けられない、こういう点があるわけですね。保険には入っているけれども、受けようと思っても医療機関がないというんだからね。そういうところについては、まず実態を国がきちっと調査をして、その実態に基づいて、そういう方々も健康保険の適用を受けた以上、国民医療に対する国の責任として受けられるような措置をしないと。これは何も老人保健だけじゃないですね。保険全体の問題としても、私はこれ大変な問題だと思いますから、この点をどうするつもりなのですか。
 それからもう一つお聞きしておきたいんです。海外居住者の健康保険料の二重払いということについてもお聞きをしておきたいんですが、海外居住者が健康保険の適用になりました、そして保険料を納めていますが、特に西欧先進諸国に居住する者は当該国の医療保険や保健サービスが適用されている場合が多いわけであります。そのためにこの保険料や拠出金、または租税を納めている。しかも給付は、当該国の制度がわが国の健康保険の制度を上回っているために、わが国の健康保険給付を受けない。これは事実上の保険料の二重払いになっていますね。
 また、あなたもお認めになったように、開発途上諸国に居住する者は、保険料を払ってもお医者や医療機関がないために治療が受けられない。このような状況はわが国の医療過疎地域におけるよりも悪い状態にあるわけです。そういう国がたくさんある。
 また、そういうところにわが日本人が海外に派遣されているわけですから、ですから、このために一部の会社では厚生年金保険だけは継続させながら、健康保険については擬制適用除外の措置を講じているところもあると聞いております。これは国民皆保険の国の政策から言えば大きい問題だと思います。せっかく適用したけれども、厚生年金だけやっておって、擬制適用除外でやってしまうなどというのは、国民皆保険の精神からいって、それは間違っている。
 そこで、そういう問題を早急に解決しなければ、これまた仏つくって魂入れずということになるわけなんであります。でありますから、厚生省としては、まず実態の把握をどうされようとするのか。それから把握した実態に基づいてこれらの問題をどう解決をするという方針をお持ちなのか。また実態把握するとすれば、いつごろまでにそういうものを把握される気があるのか。以上の点についてお聞かせをください。
#150
○政府委員(大谷藤郎君) 海外邦人の医療の確保の問題につきましては、私どもとしても関心を持っているわけでございますが、外務省と連絡をいたしまして、できるだけそういった情報の把握に努めたいというふうに考えております。
#151
○安恒良一君 大臣、聞いてください。情報の把握に努めたい――私が言っているのは、二十万の人が行っていますよ、そして、その人たちは日本から国外に出て一生懸命苦労しているわけです。そこで健康保険の適用を今度したわけです。したんですが、後進国では保険料だけ払っておって医療給付は受けられないんですよ。それをどう解決するんですかと聞いているんです。実態も調査してください。どう解決するんですか。
 今度また欧米先進諸国に行ったら、その国の制度に入って二重払いしておって、しかもその国の制度の方が日本よりも進んでいる場合にはその国の制度だけの恩恵を受けているわけで、そうすると日本の方に納めている保険料というのは何も意味をしてないんですよ。
 そういう問題も含めて、ただ実態をこれから把握しますというだけではないんですよ。厚生省としてはもちろん実態を把握していていただかなければなりませんが、それが解決のためにどういうことを考え、どんな努力をしようとするんですかと聞いたら、医務局長は、一生懸命実態把握をこれからして情報を確保しますと。これじゃ答えになってないじゃないですか、私は具体的な実態を問題点として申し上げているんですからね。
 だから、どういうふうにそういうものについて、私の問題点について――これは私というよりも、そういうことがたくさん私どもに寄せられてきているんですよ、海外居住者から。一生懸命日本の第一線を担って商社とかいろんなのが出ていってがんばっている。いざ病気になったら、今度は健康保険の適用になったけれども、何しろかかるお医者さんがいないんだ、医療機関があっても粗末で、習慣の違いや言葉の違いで、病気になったらどうにもならないんだ、こう言ってきている。何とかしてほしい、こう言ってきているんですよ。それに対して厚生省としては、こうこうこういうふうに将来していきたいとか、こういう点はこうしたいというのがあってしかるべきじゃないですか。医務局長のように、とりあえずまず情報を収集します、外務省と協力して。よくそんなことで厚生省の医務局長が勤まりますね。どうですか大臣、これをあなたどうするんですか。
#152
○国務大臣(森下元晴君) 後で保険局長の方からもお答えするそうですが、私ども海外に参りましていろいろ活躍されておる方々からいろいろと注文されるのは、子供の教育の問題と奥さん方の年金の問題、それに医療の問題でございます。おっしゃるとおりでございまして、一番いいのは日本の医者に診てもらいたい。言葉が通じにくいところでは、たとえば腹が痛いといいましても、きりきり痛いのか、やんわり痛いのか、それによってずいぶん診断の判断が違うようでございまして、彼らからいろいろ私ども言われますのは、陳情受けますのは、日本の医者が向こうでライセンスがすぐ取れるようにしてください、こういうことも言われています。
 また、医療協力等の問題でも、たとえば東南アジアあたり行きたくても、なかなかそれぞれの国では日本の医者を入れたがらないという実例もございます。そういう問題を解決することが大事でございますし、またいずれ日本の医者もだんだん多くなりまして、海外で活躍していただかなくてはいけない方もたくさん出てくると思いますし、そういう専門の医師の養成も必要である。ただ、今日的問題としては、非常にお気の毒な立場でございますし、商社等ではお抱えの医師と申しますか、向こうへ医者を連れていっているところもございますが、そうでない方は本当に不自由していることは事実でございます。
 保険料の二重払いの問題でございますけれども、その問題は保険局長より御答弁いたさせます。
#153
○政府委員(大和田潔君) 安恒先生おっしゃいましたように、昨年海外居住者に対する健康保険法の適用を行った。これは従来から要望されておった改正でございますけれども、改正をしてみますといろいろ問題が出てきていることは事実でございます。私どももこの問題につきまして実態を把握するという意味から、いわゆる健保連を交えまして、海外在住の被保険者等が多いと思われます幾つかの健保組合からいろいろ事情を聞いたわけでございますが、その結果、いまおっしゃいましたように保険料の二重払いという問題も出ておる。現地の医者というものとの関係でなかなか不安も出ているといったような事情を私ども聞いておるわけでございます。
 こういったようなことに対しまして、それじゃどうしたらいいかという問題でございますが、これはできるだけのやり方でこれは実態の把握をいたしたいと思いますが、やり方といたしましては、健康保険行政の立場からいろいろ関係者と協議の場を設けまして、保険者あるいはその他の海外に被保険者の多い保険者の人たち、あるいはその他の関係団体と随時協議をいたしまして、それから実態の把握というものをそういう方々からいたすとともに、いまのような問題につきましてこれをどうしたらいいかということにつきまして協議をして、行政に反映させるように努めてまいるというようなことで私どもやってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#154
○安恒良一君 ちょっと大臣は、
   〔委員長退席、理事遠藤政夫君着席〕
医者のライセンスの問題を言われたと思います、受け入れ地の。しかし、日本の医学医術の水準から言いますと、日本の医師が外国に行ったときに、そんなにライセンス問題で受け入れられないというのは、私は皆無とは言いませんけれども、ほとんどないと思いますね。ですから、私はライセンス問題というのは解決すると思うんです。問題は、ライセンス問題よりも日本の医者が国内でやっておった方がやっぱりいいものですから、なかなか外国に行ってくれるかどうかという問題だと思うんですね、これは。これは待遇の問題だと思うんですよ。ライセンス問題は、私もライセンス問題がありゃしないかということでそれなりに調べてみましたら、そんなに日本の開業医がその国に行って医療行為をやることについて、ライセンスの関係からこれはだめだというところは私は非常に少ないと思う。ですからそれは解決する。
 それから、私はだから次のようなことを提案をしたいと思いますが、たとえば、いまも言ったように、商社なら商社がお抱えの医者を持っているというのは、これは悪いことじゃないんですが、たとえば中近東なら中近東で非常に医療機関が少ない。ところが、ヨーロッパの場合には、そういうお医者さんがいるというときにとりあえず、一年じゅう行っておけというのでは、なかなか行けませんから、場合によれば、そういう医療機関の非常に少ないところについては巡回相談的に定期的に派遣をする。行って、そのとき検診なり、それから日本の医者としての治療をして、そしていわゆる処方なりを書いて現地の医者に託するとか、そういういわば巡回相談的なことをして、とりあえず医療供給体制が日本の過疎地のような国においての処置を大胆にとるとか。
 私は、大臣もおっしゃったように、私たちも去年海外に行かしてもらいましたけれども、海外でそういうことをたくさん聞くわけですよ。ですから、それは率直に言って、アメリカとかドイツとかイギリスでは、余りよほどへんぴなところへ行かぬとありませんよ。しかし、そうでない国ではもうたくさん聞く。
 そこで、私は、この際国と、保険者団体、健保連等を中心とする保険者団体、それから財界、それが一体となってこの問題の実態をまず把握する。それから、それがための解決策をそこで十分議論して、そして解決策を見出してこれを国が実施する。これは健保連なり健康保険組合が協力してもらいたい。
 これは海外に企業の従業員を派遣していますから、そこに派遣をしている企業がある程度責任を持ってもらいたい。こういうふうに私は調査方法を積極的に大臣の方から御提起されたらいいと思う。そうすれば、恐らく健保連も、それから財界もおのおのでやるよりもそれは効率的なんですよ。国が音頭をとって、そして財界も、海外派遣している財界もおいでなさいと。それからこれは健康保険組合にかなり入っていると思いますね。政管もありますけれども、健保連関係もかなりある。海外に企業の従業員を派遣するというところは、健康保険組合がかなりあると思いますね、政管もあると思いますが。だから、政府も加わって、そしてせっかく二十万に近い人が健康保険の適用になったんですから、それが十分国内におけると同じように医療給付が受けられると。
 また、保険局長、二重払いをどう解決するかという問題も、その中の課題として、これはだれかが音頭をとって言わないと。いまばらばらでやっているんですよ、ばらばらで。国が一番おくれているんです。財界は自分のところの従業員を出していますから、これは何とかしなきゃならぬということでそれぞれでやっていますけど、これは非効率的なんですよ、やはり。一つの物すごいスーパー的な商社で、おれのところでというのも中にはありますけれども、とても二十万人近い人ですから、ですから私は、むしろこれは大臣がひとつそういう音頭をとって、国それから保険団体、それからいま一つは財界ですね、従業員を派遣している財界、企業の代表、それがみんなで集まってやる。こういう前向きに大臣お取り組みになったらいかがかというふうに私は提起を申し上げますが、大臣どうでしょうか。
#155
○国務大臣(森下元晴君) 大変御名案でございまして、早速その名案を私の方へいただきまして検討、研究してみたいと、早急にやってみたいと思います。
 なお、先般新聞で、何か病院船をつくって東南アジアでも回って、在留邦人の医療を保健から医療までやろうという、これはできるかできないかわかりませんけれども、そういう声も出ておるぐらいでございます。この問題は、将来の医師の中で海外に行きたいという方もかなり私は出てくると思うんです。そういうことも含めまして、今日の問題またあすの問題として取り組んでいきたいと、こういうことを申し上げたいと思います。
#156
○安恒良一君 それじゃ、私の提起を受けられまして、国が音頭をとって財界や関係団体と十分に英知を傾けてやろうと、こういうことでありますから、ぜひひとつ、これは私は海外に行っている二十万の日本人の海外移住者から大変喜ばれることだし、これは皆さんが外国に行かれても常に訴えられることですから、ぜひひとつお願いをしたいと思います。それじゃこの問題はこれぐらいにいたします。
 次に、今回の法案の議論の中でいろいろ問題になっておりますのは、これをやることはいいんだ、しかしお年寄りを検査づけ、それから薬づけにしてはいけないと、こういうことで、老人医療にふさわしい支払い方式の問題をかなり議論をしたと思います。ですから、私はそこのところをきょうまたやろうと思いません。その中の一つの問題としてこの審査をきちっとやる。そういう薬づけ、検査づけを排するためにも審査をきちっとやると、こういうことですね。これは何も老人保健事業だけじゃありませんね。日本の医療費問題全体の問題としても、同僚委員から何人かこの問題の質問があったときに、あなたたちはいわゆる審査ですね、審査を厳正にやって、そのことによってそのようなことをやっていこうと、こういうことを言われています。
 そこで、実はこのことはすでに渡辺現大蔵大臣が厚生大臣のときに、私は、いまのように支払基金で膨大なレセプトを点検をしている、しかもそれはいわば手工業的に手作業に基づいて審査委員や、それから支払基金の事務局員が一生懸命にやっている、これじゃだめじゃないかと、そういうことからいわゆるレセプト審査の機械化について統計的な審査方法というのを私は当時提起をいたしました。渡辺厚生大臣はそのことを約束をされましたし、さらに園田厚生大臣になりましても、その問題についていつの時期から実施をするのかということについてのやりとりを当社労委員会で私はしたことを覚えております。
 そこで、まずお聞きしたいんですが、厚生省が厚生科学研究助成金をお使いになって東京大学理学部の楠岡さんですか、等々の方に対してレセプト審査の機械化に関する統計学的な研究、こういうことを御依頼をされて本研究がいろいろ進んでいるようでありますが、私はその中の一部を実は勉強さしてもらいました。これはどういうふうに進んでおってどういう現状になっているでしょうか、それをちょっとまず聞かしてください。
#157
○政府委員(大和田潔君) この支払基金のコンピューター準備事務と、こういうふうにお答えいたしてよろしいかと思いますが……。
#158
○安恒良一君 いや、私が聞いていることは、支払基金に入る前に、昭和五十六年度厚生省の厚生科学研究助成金が出されて、そしてそのレセプト審査の機械化に関する統計的な研究が進められているということでありますが、厚生省が助成金を出しているのですから、それがどういうふうに研究が進められて、また中間的な報告を受け取っておられるのかどうか、さらにその研究についてはいつごろどういう結論が出るのか。それから研究方法等、あなたたちが助成金を出されてやっておられるのについて把握をされているのか、それを聞かしてください。支払基金はその後の問題、それを聞いているのです。
#159
○政府委員(大和田潔君) まことに申しわけない次等でございますけれども、実は私ども、まだ私自体これまだ十分に勉強しておりませんので、的確なお答えができないわけでございますが、保健所における機械化、レセプトの機械化ということで、オンライン計画等につきましても、それを含めまして研究が行われておるということは事実でございますが、これにつきましては、まだ十分な検討をしていないわけでございます。申しわけありません。したがいまして、適切なお答えができないわけであります。
#160
○安恒良一君 私は、いまここに持っております「健康保険」七月号に、あなたたちが調査依頼をされている楠岡先生が、研究の目的なり研究の方法なり、それから今日段階における研究の結果と、こういうことの投稿を寄せられているわけですね。
   〔理事遠藤政夫君退席、委員長着席〕
ですから、少なくとも渡辺厚生大臣以来こういう問題について私たちには前向きに取り組むというお約束をされたわけですから、しかも実施の時期、支払基金においては何年ごろというところまで言われた以上、しかも厚生省の厚生科学研究助成金が出ているわけですから、それの一番責任者である保険局長さんはまだ見てないと、こういうことになると、論議がちょっとかみ合わないし、私たちが言いますと、いや、それは前向きに取り組んでいますとか、一生懸命やっていますと言って、そしてあなたたちだけではできないだろうから大学の理学部の方にそういうお金を出してそれじゃ研究してくださいと、こういうことになってくるわけですね。
 そうしたら、そういう研究については皆さんも十分に把握されて、私どもの委員会でもこれは何回となく問題になっておりますから、たとえばこういうところまで大学に依頼しているのはいま進んでおりますとか、ここはこういう問題がありますと、大学側でもこういうことを言ってますと、こういうことをやっぱり言っていただかないと、せっかく委員会の中ではきちっと前向きにやりますとか何年からやりますとか、こう言っておられながら――大臣、私はこれは何もいじめる意味じゃなくて、ここで約束して外に依頼をされたら依頼された事項の進行状況について把握をして、そして私たち問題を投げかけたのはこの社労委員会なんですから、そういうところに中間的にも、しかも本法案の審議のときに審査の厳正化という問題でいろんな論議を同僚委員がいままでしておるわけですから、そうすれば当然そういうことについても、研究経過の中間報告であろうと何であろうと、発表されておるならば、それを把握していただいて、私たちのやりとりの中に答えてもらいたい。
 しかし、これは残念ながら勉強してないというからしようがありません。あなたたちが御依頼された以上は、そういうものが中間的であってもこれからはきちっと把握しておいてください、このことは申し上げる。これ以上言っても、続んでないのでは、この中身を聞こうと思って私は私なりに少し勉強してきましたけど、お読みになっていないというんですから、報告書も受け取っていないのかどうか知りませんけれども、ですから、これはこれでおきます。
 じゃ、支払基金の方で、五十八年から実施のための統計的審査方法について準備が進んでいるというふうに聞いてますが、これはどういう中身になっているでしょうか。それを聞かしてください。
#161
○政府委員(大和田潔君) この問題につきましては、準備がいまかなり具体化しておるわけでございますが、五十八年の一月に実施をするということを目途にいたしまして、現在体制の整備を進めておるところでございます。
 その内容でございますが、これは医療機関の経営主体別あるいは診療科別の一件当たり平均日数、それから一件当たり平均点数等のデータを作成をする。これは医療機関ごとのデータを作成いたしまして、これを基礎資料といたしまして重点審査の徹底を図るということでいま進めておるわけでございます。先ほど申しましたように、五十八年の一月の実施ということでいま進めておるところでございます。
#162
○安恒良一君 九十九種類の疾病別に、注射、検査、投薬の一件当たり、一日当たりの平均点数、高価薬の使用状況、一件当たりの点数、使用件数、それから一件当たりの治療日数を全国、都道府県、個別医療機関のそれぞれについて算出する。これらのデータを第一次審査で選び出し医療機関の審査に当たる。これもやっているんじゃないですか。
 あなたが前段に言われたことは、いまやっていることの半分をあなたは言われたんじゃないですか、どうですか。
#163
○政府委員(大和田潔君) 私の申し上げましたのは確かにその半分でございまして、それ以外は、特定の疾病につきまして、診療項目別一件当たり点数及び一日当たり点数の階級別状況、それから特定の医療機関の一件当たり点数の階級別状況、あるいは高点数分の疾病別、診療項目別一件当たり点数及び一日当たり点数の階級別状況というようなことにつきまして、さらにもう一つ、特定薬品分の点数階級別状況といったようなものにつきましても準備を進めておるところでございます。
#164
○安恒良一君 九十九種類の疾病別ということも、いま私が言ったこともやっているんじゃないかと思いますから、これもこれだけで時間を取ってはいけませんし、私これは質問するぞという通告をしておったんですけれども、半分しかお答えになりません。
 私の方から言ったのは、私は私なりの調査で、支払基金でどんな準備をしているかということで、これはあなたたちからいただいた資料じゃありません、支払基金の方でどういう作業がいま進んでいるだろうかと思って私の調査でやったことですから、正確にいまあなたがおっしゃった来年の一月から実施をするそのプログラムですね、何と何と何をどうしてやるのか、口頭で読み上げられましたのを後から資料で下さい。私が把握している実情と突き合わせをしてみたい、こう思います。でないと、いま私は私なりに支払基金を通じて調査した中身を持っていますが、あなたが言われたことと一致するのかどうかちょっと突き合わせをしてみたい、こう思いますからお願いします。
 そこで、いまお聞きをしますと、現段階では以上のように重点審査のためのデータをつくる、そしてこれを参考にして重点審査を行う、こういうことを一月からやると、こういうことですね、いまのあなたの答弁を聞きますと。ですから、私はそれはそれで一歩前進だと思いますね。しかし、将来の課題としては、これらのデータをさらに詳細なものにするとともに、単に参考にするのではなくて、これをコンピューターにインプットしまして機械的に処理する方法をとらなきゃならぬと思いますね。
 私が問題を渡辺厚生大臣や園田さんに提起したのはそういうことなんですよ。いま申し上げたように、データをコンピューターに入れまして、そしてそれを入れればどんどんはじき出す、そうすると平均よりも高いものだけが出てきますから、そしてそれを重点的に審査をする。そうでないと、いまのような膨大なレセプトを手工業的に見るということはできないものですから、現実にどうやっているかというと、やや抜き取り調査的にやらざるを得ないんですね。ですから、なかなか審査なり監査をきちっとやるということができないわけです。ですから私は、渡辺厚生大臣のときに、こういうことは西ドイツでもやっているじゃないか、隣の韓国でもやっているじゃないか、だから十分そういうことを調査して、わが国においても手工業的な支払基金の審査というのはやめる、いわゆるコンピューター時代なんだから、そのコンピューターに基づいてやっていけば審査も非常に迅速にしかも正確さを期せることになりはしないか。
 こんなことを言ったんですが、いまの段階はわかりましたが、できるだけ近い将来にそういうものを機械的にコンピューターにインプットして機械的に処理していく、こういう方法をとらなきゃならぬと思いますが、この点はどうなんでしょうか。
#165
○政府委員(大和田潔君) 私もそのような方向で努力すべきものだと思います。
 ただ、なかなか急にはいかないという問題が実はあるわけでございまして、これはいま先生のおっしゃいますような審査ということになりますと、レセプトでございますね、これを入力をしていく、インプットしていくということになるわけでございますが、現段階におきましては、医療機関におきまするいわゆる総括表を主としてインプットする。先ほど申しましたように、高点数分のものであるとか、幾つかのそういったものにつきましては、レセプトにつきまして若干インプットするわけでございますけれども、たてまえといたしましては、医療機関におきます総括表というものをインプットいたしまして、医療機関の重点審査の基礎にするということでございますが、これをレセプトの枚数、これは一カ月四千三百万枚、年にいたしまして五億枚ということでございまして、これをインプット、入力をするということになるわけでございます。これは非常に大変な手間をいろいろと要するわけでございます。
 したがいまして、これを現在やっておりますように、これは先生よく御承知のように手で、手作業でインプットするわけでございまして、これをやっていきますと大変な予算なり人員なりがかかってくるわけでございまして、いろいろな体制、たとえばレセプトの様式をどうするとか、あるいはすでに若干の医療機関でやり始めておりますコンピューター化、これをテープ・ツー・テープということで結んでいくとか、いろいろな請求体制、請求システム全体の見直しといったような問題も考えながら、そういったような方向に進んでいかにゃらぬというふうに考えておるわけでございまして、なかなか一挙にそういったところまでいくのはむずかしいわけでございますが、われわれといたしましては、そういった方向を目指して努力をしなきゃならぬというふうに考えておるわけであります。
#166
○安恒良一君 そんなに枚数が大変多いと。しかしコンピューター自体も、開発されたときに、いままでの機械計算で、人間がやれば二年もかかるやつがわずか二十時間でできるというようなことでコンピューターが開発された。それからいまのコンピューターというのは物すごく性能がよくなってきているわけです、いまのコンピューターというのは。コンピューターが非常に普及し出しまして、大変な処理能力、計算能力を持った新しいコンピューターが急速にできているわけです。
 ですから私は、そういう意味で、たとえばこの先生の書かれたレセプト審査の限界とか問題点とか、そういうことを一生懸命学者は厚生省の依頼を受けて研究をされていると思いますから、余りむずかしい、むずかしいということだけではなくして、厚生省と支払基金との間でそれらの問題について――これも要求したらやっとお持ちになったんです。西ドイツかどこかに調査に行ってきた、どういうふうになっているか報告書があったら持ってこないかと言ったら、初めてきょうになってお持ちになったんです。
 われわれに約束されたら、厚生省がリーダーシップをとって、支払基金やら、それからこういう研究されている学者や、コンピューターをつくっている企業にも優秀なプログラマーというのがおるわけですから、そういう方々の英知を傾けてやる。いまあなたがおっしゃったように、年間に何億というレセプト審査を厳格にして医療費を節減しますなんて口では言うわけですね。医療費の節減は何かといったら、支払基金における審査を厳重にして、それによって医療費はということをあなたは言うわけです。ところが現実にはこっちの方は、支払基金と厚生省でプロジェクトをおつくりになっているのかどうか知りませんけれども、遅々として進まない。
 ですから、それは厚生省と支払基金だけでは私も限界があると思う。ですから、一部学者に助成金を出して研究さしていただいていると思いますから、その学者や、それからコンピューター会社にもそういう優秀なプログラマーというのはおるわけですから、またそういう方面の専門家もいるんですから、その中でレセプトの審査をコンピューターを使って審査するということについて、いま少しこれに積極的に取り組んでいただかないと。法案を通すときに議論されると、いや、御無理ごもっともでございます、一生懸命前向きに取り組んでいますと。ある大臣のごときは、何年からやりますと言っておって、実際になるとだんだんだんだんおくれて、よう聞いてみると、自分が委嘱したところの研究機関がどの程度まで研究して、問題がどこにあるかというのもまだ勉強してないと。これじゃ単なるここだけの答弁だ。
 私は、約束した以上は、そういうことについて、厚生省と支払基金だけで不十分ならば、学者の英知もかりるし、またコンピューター会社の英知もかりて、そうして私たちに、ここはこういうふうにやりますとね。大変むずかしいとか、大変時間がかかりますということだけでは答弁にならないんですよ。少なくともこういう問題があるから大変時間がかかりますとか、ここまで研究しました、これについてはこういう難点がございますと、こういうことをおっしゃっていただければ、ああ、なるほどと、また議論もかみ合うんですが、残念ながらこれも、これ以上保険局長を責めてみても、御自身がまだまだ十分に勉強されてないようですから、これはどうにもなりません。
 ですから、大臣、いまの支払基金における手作業的な審査方法では十分な審査ができないということは、これはもう意見が一致しているんですから、そうなれば機械化をやるということしかないんです。それがためにはもっともっと意欲的に厚生省がリーダーシップをとってお取り組みにならないと。いや、それは支払基金に任しておきゃいいじゃないかということじゃないと思うんですよ。そういう点についてどうしていただけますか。
#167
○政府委員(大和田潔君) 決して支払基金に任してというわけではございません。五十六年の、昨年の暮れからもう具体的な作業というものを進めておりまして、すでに小委員会等含めますと三十回にわたりまして、私ども、つまり厚生省とそれから支払基金、それからいま先生おっしゃいましたように、企業の専門家というものの意見なども聞きながら進めてきておるわけでございます。
 なお、今後とも、先ほど申しましたように、さらに努力を重ねていきたいというふうに考えておるところでございます。
#168
○国務大臣(森下元晴君) 私もコンピューターに実は弱いのですが、先般の高井戸にある年金の関係のコンピューターを見せていただきまして、非常に合理的にうまくやっているのに感心したわけなんですが、レセプトの審査もいまおっしゃったような最新式のコンピューターを入れれば、特にこの重点審査をやれば、かなり手間が省けるし、適正化のためのいいデータが出るんじゃないかと、こういうことは実は思っておりますし、保険局の方で遠慮して申し上げたかもわかりませんけれども、かなりそういう意欲は持っておりますし、膨大なレセプトをいかにしてさばいていくか、また適正化をどうしていくか。私もレセプト審査の適正化ということを常に言っておりますけれども、そのためにコンピューターを駆使して、そしてそれによる審査を厳重にやる、こういうことを考えております。
 なお、前の武見日本医師会長がおやめになるときに私もあいさつをしたわけですが、そのときに武見さんからも実はコンピューターの話が出まして、将来これでないとだめだぞというふうに言われまして、いま安恒委員から同じような御意見が出されまして、やはりコンピューターの時代だなと。もちろん厚生省も決してそろばんでやっておるわけではございませんので、十分この点進めていきたい、このように思っております。
#169
○安恒良一君 それじゃ、三十回にわたっていろいろ議論をされたということですから、この問題は、私が渡辺厚生大臣、園田厚生大臣、歴代の厚生大臣に問題を投げかけてここまできておりますから、ひとつその三十回にわたって検討された検討の中身、それから具体的問題点がどこにあるのか、今後どういうふうにしていこうかということを、ただ単に大和田さんがそこで簡単に言葉で言われただけでは論争がかみ合いませんので、三十回にわたって討論されたそうですから、ひとつその資料を提起してください。これはそれを見た上でさらに論争をする。
 というのは、何もいますぐこれは解決できる問題でもない、これからずっとやっていかなければならない問題ですね。各国ではすでに取り入れてやっているところがあるわけですね。たとえば隣の韓国でも、これはレセプトの枚数が少ない点もあるかもわかりませんけれども、各国でも実際に機械による審査というのをいろいろやっておるわけですから、ですから、また請求方法自体を変えていかなければならないなら、ならないように少しずつ前向きに進んでいかないと。小田原評定じゃありませんから、研究ばかりやっておって三十回集まってもちっとも進まないと意味がないですから、これは進んでいるかどうかというのは、中身を見ないで言うのも失礼ですから、三十回にわたって研究されたということですから、その中身を私に文書でください。そうしたらそれを私は検証してみたいと思います。よろしゅうございますか。
#170
○政府委員(大和田潔君) わかりました。
#171
○安恒良一君 それではこの問題を終わりにしたいと思います。次の問題にまいります。
 実は、これも一部負担の解消の問題の中で今度大分一部負担問題が議論をされたわけです。二つあるのですが、第一点の方は差額徴収の問題でありまして、三人以上の差額病床ですね。それから基準看護病院の付添看護の解消のために診療報酬上必要な措置をこの前の改正でも講じた。特に問題になっているのは、私立大学附属病院における差額病床の解消を中心として行政指導の徹底を図っていきたいと、こういうふうにいままでのやりとりの中で、私らの同僚委員の質問に対してお答えになっているんですが、大臣、実はこういう具体的な事例があるわけです。
 八人部屋で四千五百円の差額を取っている、六人部屋で四千円の差額を取っている東京都の大学附属病院が私立大学であるわけですね。私たちが議論するときは、差額というのは三人以上のところでありまして、そして三人のときに国は一〇%、その他の医療機関は二〇%ということで、とりあえず、まず三人以上のところは全部なくしてしまおうということの議論をしているんですが、これも新しい話じゃないんですね。もう何回も何回もこの委員会で議論をした。今日特に私立医科大学の附属病院が非常に問題があるということはもう何回も指摘をしている。依然としてまだある。
 これは私のところに実は訴えがありまして、そういうりっぱな大学病院に入れることはいいことだ、しかし自分としては負担能力がないから大部屋に入れてもらいたいということで、六人部屋、八人部屋に入ったというんですね。普通六人部屋とか八人部屋へ入りますと、これは大部屋ですよ。ところが、四千円ずつ取られるというわけです。一カ月に十二万円かかるわけですね。もうとても入り切らぬ。家族首くくりでもしなきゃならぬ、一家心中だ、助けてもらいたい、こういう話が具体的にあったわけです。そこで、私は早速その実態を、その病院に行ってそういうことになっているかと調べてみたら、なっているんですよ。やむを得ませんから、その患者さんはそういう差額を取らないところに移すしかないんですよ。それで私はその患者さんをそこに移すことにしまして、移っていただいて、何とか一家心中するのが助かった。こういう事例があるわけです。
 私は名前を言えというなら、ここでばっと言うてもいいですよ、どこどこ病院というのは。保険局長には言うておきました。病院の名前は、ここで出した方があなたたちが征伐しやすいというなら具体的に言ってもいいですよ、それは。言ってもいいんですが、保険局長には二つの病院名は明らかに言っておきましたから。
 私はまず、たとえば大学病院の場合に、わずかの金を取っているというならまだかわいげがあると思いますが、八人部屋や六人部屋で四千円も四千五百円も取っておって、そうすると差額ベッドというのは何だろうかということになる。大部屋とは何だろうか、小部屋とは何だろうか。こういうことに私は疑問を持つんですが、こういう問題はどういうふうに今後あなたたちは解決をされますか。
 私は何なら名前を言えというなら言いましょう。言うていいかどうか、それを大臣ここで言うてください。名前を言えというなら、すぐいまここでどこどこ病院が幾ら、どこどこ病院が幾らというのを言います。どうしますか。
#172
○国務大臣(森下元晴君) 実は、名前は保険局長から聞いて私は承知しております。したがって、私からあえてどこですかということはいま問わないことにいたしたいと思っております。
 ただ、国公立の病院はほとんどなくなっておりますけれども、私立病院にはまだ六人部屋、八人部屋等で差額ベッドがかなり大きな金額でついておる、患者さんにとって大きな負担であるというような実例がいま御指摘のようにあったわけでございまして、ほかにもあるかもわかりません。
 この点は、この私立大学病院の差額ベッドの解消について、昨年六月の診療報酬改定におきまして、重症者の加算制度を創設するとともに、これは文部省も交えまして折衝を行ってきたところでございますが、一年目の具体的な改善計画の提出がされておるわけなんです。
 そういうことで、この提出されました病院について早速私の方でもよく調べさせていただくし、またこの病院、二つの病院以外のところでもそういうことがあるかもしれないという前提に立ちまして調べさしていただきたい、そして改善を図るように努力をしてまいりたい、このように思っております。
#173
○安恒良一君 これはぜひ調べてもらいたい。大臣も名前を知っておるというからあえて言いませんけれども、現実なんですからね。
 そうすると、そういうところは三カ年間で三分の一ずつ直していくという約束を文部省でしたからという、そんな悠長なことを言っておられないんですよ。八人部屋で四千五百円も取ったり六人部屋で四千円取っているところは、わかったらすぐそれは改善するように、やめるようにあなたたちは言うべきじゃないですか。どうして八人部屋や六人部屋で四千円という差額があるんですか。ベッドの差額ですよ。
 ですから、そういうものは、これから私は私たちの調査でわかり次第片っ端から持ち込みますからね。持ち込みますから、それはあなたたちも調査してもらわないといかぬけれども、指導をどういうふうに具体的にするんですか。ただ、それはやめてもらいたいと言ったって、やめなかったらどうするんですか。だからどういう手段を踏んで――そんなもの三年待っとくわけにいかぬですよ。三分の一ずつ直すんだから三年はかかるような、そんなばかなことはないですよ。八人部屋で四千五百円とか六人部屋で四千円も取っておるやつを三年間放置しておくわけにいかないんです。だれが考えたって不合理でしょう、八人部屋で四千円とか四千五百円。それで、診療報酬改定のときにだんだんなくなるようになるから、まあしばらく見守ってほしいなんていう、そんなばかな論理はないじゃないですか。八人部屋ですよ、六人部屋ですよ、私がいま言っていることは。どういうふうに直していきますか、具体的に。
#174
○政府委員(大和田潔君) 初めに、実はこの改善計画書、これは文部省からというわけではございません。これは個々の私大の病院でございます。これから個々の改善計画が出ておるわけでございます。当面三年を目途にして三人室以上の差額ベッドは解消する、当面一年目では具体的に何%減らすという改善計画が出てきたわけで、これは御承知のようにこういう計画が出たのは初めてでございます。
 私大の附属病院につきましては、かなり積極的に差額ベッドの解消というものにつきまして私どもに協力をしている、そういう姿勢にせっかくなってきたというのが現状でございます。
 いまおっしゃられましたように、これは八人部屋で四千五百円、六人部屋で四千円、これはやはり極端だと私は思います。したがいまして、こういった各私大の病院から具体的な改善計画が出てきておりますので、私どもこれを精査したい。いまのように八人部屋幾ら、六人部屋幾らといったようなことでかなり高額なものを取っているものは、重点的にこういったものから解消を図らせるということにしていきたいというふうに考えるわけでございます。
 それから二年目以降の計画が具体的に出てまいりましたときにも、おっしゃられますように、こういった八人部屋、六人部屋といったところで四千円、五千円という額の差額料を取っておるところにつきましては、重点的になくすように私ども強力な指導をしていくということでやってまいりたいというふうに考えるわけでございます。
#175
○安恒良一君 画期的だといって、三年計画を出してきたということを高く評価されているけれども、そんなことはあたりまえなことなんです。だから、それはそれで進められていいでしょう。
 しかし、極端なやつは、具体的にあなたに言った二つは、通告してあるわけだから、これからも通告したら、それらについては直ちにきちっとして、それはやめろという指導をしなきゃいかぬのじゃないですか、あなたたちは。そんなもの三年間待っておくことないじゃないですか。だれが考えたって、八人部屋で四千五百円とか六人部屋で四千円取っているのが目の前にぶら下がっておる。それを三分の一ずつ直していくのじゃなくて、そういうものは直ちに厚生大臣としてはやめなさいという指導をしなきゃいかぬのじゃないですか。
 そして、私が聞いているのは、指導しますまで言うとるんですが、指導して聞かなかったときはどうするんですかと聞いているんです。ルールがあるでしょう、聞かなかったときはどうするのかというルール。それをどういうふうに発動されていくんですか。まず指導してもらうことが一番いい。指導して直ればいいですよ。直らなかったらどういうふうにしていくんですかと、そのことを聞いているんです。それがないとなかなか。そこまで強い姿勢をおとりにならぬと。
 私は、いまの私立大学における、しかも法外なやつですね、一人部屋とか二人部屋の差額じゃなくして、六人部屋や八人部屋の差額を四千円も四千五百円も取っているようなところ、全く法外なんですよ、こんなものは。世の中的にも糾弾されるべきですよ、そういうのは。それをどういうふうに直させていこうとされるのか。指導はわかります。指導して聞かなかったときはどうしますか、こう聞いているんです。
#176
○政府委員(大和田潔君) この問題については、私どもとしては、繰り返し説得をする、強力に要請をしていく、こういうことで進めていかざるを得ないんじゃないかというふうに考えておるわけであります。
#177
○安恒良一君 そんな子供だましじゃないからね。繰り返し説得して聞くぐらいなら、もういまごろはとうになくなっているわな、あんた。繰り返し説得して聞かなかったときはどうしますかと。医療審議会にかけてきちっとするんですか、どうですか。そういうことを僕は聞いているんですよ。ルールを知っておって聞いているんだからね。繰り返し繰り返し説得して直るぐらいなら、いまのような状態になってないですよ、あんた。あなたたち、いままでも私立大学をほっておいたわけじゃないんだから。私立大学も、差額ベッドというのは、いわゆる三人以上のところは取っちゃいけませんよ、国は一〇%にします、私医療機関は二〇%にしますということを、繰り返し繰り返しいままでも言ってこられているわけでしょう。
 いま具体的な、端的な例を挙げたら、繰り返し繰り返し説得すると。説得して聞かないときどうするんですか。そのときはこうするという考えを聞かしてもらわぬと。幾ら繰り返し説得したって、相手が聞かなかったらどうするんですか。それがためにちゃんとした地方医療協議会というルールもあるでしょう。いろんな問題、保険機関の指定の取り消しの問題から、いろんな問題があるじゃないですか。そういうものでも発動でもする。これは都道府県知事がやることなんですが、そういう姿勢が厚生大臣の姿勢としてきちっとなけりゃ、この問題は……。
 ずっと前の質問のときに、病院名を挙げないで言ったことあるんですよ。実は、そういうのがありますよと言った。もう大和田さん忘れていると思うんだよね、私が言ったこと。私が今度これを特に突っ込んでいるのは、前に一遍言っておったけれども直らぬから突っ込んでいるわけです。そのときも私は大和田さんに言ったんですよ、病院を教えたらあんたやりますかということを。いまになって、また今度言ったら、病院名はもうわかっているけれども、繰り返し繰り返し説得しますと言う。繰り返し繰り返し説得で聞きゃいいけれども、聞かぬときどうするんですかということについては、ちゃんとルールに従ってそういうものはきちっと処理をしていく、また都道府県知事に要請すべきものは要請してしていくという姿勢がないと、私は、大臣、私立大学病院におけるこんな不法な、法外な差額徴収というのはなかなか直らないと思うんです。そのところの考え方を聞かしてください、どうするかということを。
#178
○政府委員(大和田潔君) 先ほどのお話ですと、例の保険医療機関の指定の更新の拒否という、そういうようなことを示唆されておられるんだろうと思いますが、先ほど申しましたように、せっかく実はいま手を携えて前に進もう、前向きに歩き出したという、こういう時点でございます。そういう時期に、言うならば、手荒なことをするということはどうか。やはり見守っていく、説得をしていく。せっかくそういうような時期になってまいりましたので、私どもとしては繰り返し強力に要請をしていく。
 そこで、具体的な改善計画を精査いたしまして、その具体的な改善計画の中で、そういうような六人部屋、八人部屋で多額に取っておるというものは早くとにかく解消しろという要請をしていくということでもって解消をしていく。当面そういうようなことでやってまいりたいというふうに考えておるわけであります。
#179
○安恒良一君 いや、大臣に聞いているんですよ。あんたに聞いたって同じことなんだ。小田原評定でぐるぐるぐるぐるね。
 手荒いこというのは何のことですか。取っている方が手荒いじゃないですか。六人部屋、八人部屋で四千円や四千五百円取っていることは、あんた手荒いと思わぬのですか。取られる国民の立場になってごらんなさい。大学病院で大部屋に入りたいということで、六人部屋、八人部屋に入ったら、四千円も四千五百円も現実に取っておって、私はもう負担に耐えかねて一家首くくりしなきゃならぬという訴えがあって、私たち動き出しているんじゃないですか。手荒い方はどっちですか。
 少なくともそういうところには直ちに改善命令を出して、説得してもらうのもいい。聞かないときは、ルールに従ってきちっとやるという決意ぐらいどうしてあんた言えないんですか。あんた言えないでしょう、八方美人だから。
 大臣、どうしますか。手荒いというのはそういうことを手荒いと言うんですよ。幾ら何でも、六人部屋で四千円も四千五百円も取られていて、それを一生懸命かばうような保険局長がおるから取られるんですよ。そんな保険局長がおるから大学病院がのさばるんですよ。そういうものは大臣として、直ちにやめてもらいたい、どうしても聞かなければルールに従ってしますよということがあって、初めてなくなるんじゃないですか。私は何も一人部屋、二人部屋のことを言っているんじゃないんですよ。現実に六人部屋、八人部屋でそんなに高いものを取られて困っている人があって、訴えがあっているから、こうして口を酸っぱくして言っているのに、何ですか、そんな手荒いことできませんて。国民には手荒いことするんですか、厚生省は。お医者にはし切らぬのですか、あんたたちは。病院にはし切らぬのですか。しかし国民だけにはあなたたちはそんな手荒いことをするんですか。どうですか、大臣。
#180
○国務大臣(森下元晴君) 保険局長の意味はそうでないと思うんです。誤解を受けたことをおわびいたします。
 法外な差額ベッドによって患者の方に大変御迷惑をおかけしておる、こういうことに対しましては、いままで文部省とも相談したり、何遍もそういう指導をしておりますから、今後は、私といたしましては、ルールに従いましてぴしっといたしたい、一つの秩序を持ってやっていきたいと、このように思っております。
#181
○安恒良一君 わかりました。ぜひひとつ、本当に国民が困っているところがあるわけですから、私はそういう大学病院のりっぱな医療水準というものは尊敬しますし、またそれを受けたいという国民の希望もあるわけですから、そのこととそれこそ法外なことをすることとは、私は別な問題だと思いますから、ぜひそういうふうな強力な処置をとっていただきたいということを申し上げておきます。
 以上申し上げまして、私の持ち時間はまだ残っておりますが、いずれ確認質問もしなきゃなりませんので、私の全体的な質問を、委員長、これをもって終わりたいと思います。そしてあとは確認質問のときにその時間を使わさしていただきたいと、こういうことを委員長にお願いをして、私の質問を終わりたいと思います。
#182
○委員長(目黒今朝次郎君) 開会前の理事会の決定に従って、本日の質問はここで終わって、若干確認質問の際に改めて残っておる分をやりたいと、こういうことですから、確認質問については、質問者も要領よく全体のことを考えておやりになるであろうということを委員長が期待しながら、六時半になんなんとしてますから、本日の質問はこれで打ち切りたいと、こう思いますので、御了解と御協力をお願いします。
 本日の質問はこれで終わります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時二十四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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