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#1
第096回国会 文教委員会 第2号
昭和五十七年二月二十三日(火曜日)
   午後零時十一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月二十一日
    辞任         補欠選任
     杉山 令肇君     桧垣徳太郎君
 十二月二十二日
    辞任         補欠選任
     本岡 昭次君     野田  哲君
 十二月二十三日
    辞任          補欠選任
     桧垣徳太郎君     杉山 令肇君
     野田  哲君     本岡 昭次君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         片山 正英君
    理 事
                大島 友治君
                田沢 智治君
                小野  明君
                佐藤 昭夫君
    委 員
                杉山 令肇君
                内藤誉三郎君
                仲川 幸男君
                増岡 康治君
                松浦  功君
                柏原 ヤス君
                高木健太郎君
                小西 博行君
   国務大臣
       文 部 大 臣  小川 平二君
   政府委員
       文部政務次官   玉生 孝久君
       文部大臣官房長  鈴木  勲君
       文部大臣官房審
       議官       宮野 禮一君
       文部大臣官房会
       計課長      植木  浩君
       文部省初等中等
       教育局長     三角 哲生君
       文部省大学局長  宮地 貫一君
       文部省学術国際
       局長       松浦泰次郎君
       文部省社会教育
       局長       別府  哲君
       文部省管理局長  柳川 覺治君
       文化庁次長    山中 昌裕君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        瀧  嘉衛君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○教育、文化及び学術に関する調査
 (文教行政の基本施策に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(片山正英君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 教育、文化及び学術に関する調査を議題といたします。
 まず、小川文部大臣から、文教行政の基本施策について所信を聴取いたします。小川文部大臣。
#3
○国務大臣(小川平二君) 第九十六回国会におきまして、文教各般の問題を御審議いただくに当たり、所信の一端を申し述べます。
 私は、教育、学術、文化の振興を図ることは、国政の基本であると考えます。特に、これからのわが国の教育は、一方では、変化する社会環境の中で生涯にわたってその個性、能力を伸ばし、他人を思いやる心の温かさと社会的な連帯意識を有し、生きがいのある充実した生活を送ることができるような国民の育成を目指し、他方においては、進展する国際社会の中で信頼と尊敬を得るような日本人の育成を図っていかなければなりません。また、わが国のみならず、世界の発展に貢献し得る独創的、先駆的な学術研究を一層振興し、同時に、すぐれた伝統文化の継承発展と新しい文化の創造に努めていくことも重要な課題であります。
 私は、このような認識に立ち、現下の厳しい財政事情のもとにおいても、文教行政の遅滞は一時たりとも許されないという覚悟をもって、長期的展望のもとに、以下の施策を総合的に進めていく所存であります。
 第一は、初等中等教育の改善充実についてであります。
 ゆとりあるしかも充実した学校生活を実現し、人間性豊かな児童生徒の育成をめざした新しい教育課程については、小中学校に引き続き、昭和五十七年度から高等学校について実施に移されるところでありますが、小・中・高等学校を通じ、改訂の趣旨の実現に内かつて引き続き努力するとともに、昭和五十五年度から発足した小中学校における四十人学級の実現を含む学級編制と教職員定数の改善計画についても、児童生徒一人一人の能力と適性に応じたよりきめ細かな教育を行い得るよう財政事情を考慮しつつ、その改善に努めてまいりたいと考えております。
 また、このような学校教育の今後の成否は、究極的には、実際に教育に携わる教員の資質と指導力に負うところが大きいことにかんがみ、教員がその資質能力を高め確固たる使命感をもって職責を遂行するよう現職教育の充実にも意を用いてまいる所存であります。
 初等中等教育の教育内容については、時代の進展に応じて常に検討を加え改善してまいりましたが、昨年十一月に「時代の変化に対応する初等中等教育の教育内容などの基本的な在り方について」中央教育審議会に諮問し、今後予想される時代の変化等を見通し、小・中二局等学校の教育内容や教科書の基本的なあり方などについて幅広い視野から御審議をいただくことといたしました。
 また、人間形成の基礎を培う幼稚園教育、心身障害児のための特殊教育の一層の振興を図るとともに、児童生徒の健康の増進と体力の向上を図るための体育指導、学校保健、学校安全の充実と魅力ある学校給食の推進に努めてまいります。
 なお、これらの健康増進の施策とあいまって、日本学校安全会と日本学校給食会を統合し、新たに日本学校健康会を設立することとしております。
 公立の小・中・高等学校の施設の整備については、教育環境の改善充実を図るため、危険建物の改築基準の緩和措置を継続するほか、必要な補助事業量を確保し、補助基準面積、単価の改善を行うなど、学校施設の整備を促進するための施策を講じてまいります。
 また、義務教育教科書の無償給与制度については、引き続き存続させることとしております。
 私が特に憂慮いたしておりますのは、依然として増加している児童生徒の非行や校内暴力の問題であります。もとより、このような問題の背景には、物質的な豊かさの中での心の大切さが見失われがちな社会の風潮や家庭におけるしつけ、学校における教育指導のあり方など複雑な要因が考えられ、一朝一夕に解決することは容易なことではないと思いますが、私は来たるべき二十一世紀のわが国を担う健全な青少年の育成が国民的課題であるという観点に立って、学校、家庭及び社会がその教育機能を最大限に活用し、一体となってこの問題に取り組んでいくことが肝要であると考えます。文部省としては、「豊かな心を育てる施策推進会議」を設け、全省をあげて青少年の豊かな心を育てる施策を総合的に推進し、この問題の解決に力を尽してまいる所存であります。
 第二は、高等教育の整備充実についてであります。
 高等教育につきましては、その質的水準の向上と地域的不均衡の是正に重点を置いて必要な諸施策を進めてまいりましたが、最近の国民の高等教育に対する要請の多様化等にもかんがみ、今後の高等教育の計画的整備のあり方について、より長期的な観点から検討する必要があると考え、昨年末、大学設置審議会に新しい長期計画の策定等について御審議をお願いしたところであります。
 昭和五十七年度においては、この検討を進めていくとともに、国立の大学、学部等の創設準備を引き続き行うなど、公私立大学に対する助成ともあいまって、わが国の高等教育機関における教育研究の推進に遺憾なきを期してまいる所存であります。
 また、最近増大しつつある生涯教育に対する社会の要請にこたえ、放送大学の設置推進、公開議座の振興等、大学が広く社会人に対して多様な教育機会を提供できるよう所要の措置を講じてまいります。
 大学入試については、大学教育を受けるにふさわしい能力、適性等を備えた者が公正かつ妥当な方法で選抜されることを基本として、入学者選抜方法についてさらに改善、工夫が図られるよう各大学の留意を促し、学歴偏重の社会的風潮の是正や国公私立の各大学の整備充実等の施策ともあいまって、改善の実をあげてまいりたいと存じます。なお、共通一次学力試験を取り入れた新しい入学者選抜方法については、これまでの実施の経験をもとに、さらに適正な運営を期してまいる所存であります。
 また、育英奨学事業については、引き続き充実を図るとともに、そのあり方について調査研究を行うことといたしております。
 第三は、私学の振興についてであります。
 私立学校は、建学の精神に基づき特色ある教育を行い、わが国の学校教育の普及と発展に多大の貢献をいたしてまいりました。このような私立学校の役割りの重要性にかんがみ、私立学校振興助成法の趣旨に沿って、私立大学等に対する経常費補助及び高等学校から幼稚園までの私立学校に対する経常費助成費補助を中心に私学助成の推進を図り、私立学校の教育条件の維持向上に努めてまいりたいと考えております。
 また、専修学校についても、その特色を生かした適切な振興方策について配慮してまいりたいと存じます。
 第四は、学術研究の振興についてであります。
 昨年、福井謙一教授がノーベル化学賞を受賞されましたことは、わが国の学術研究の水準の高さを内外に示したこととして記憶に新しいところであります。
 大学における学術研究は、あらゆる学問分野にわたり、研究者の自由な発想に基づく研究を展開することを特色としており、数多くの先駆的、独創的な知見を生み出すとともに、すぐれた後継者の養成の役割りも担っております。
 私は、このような大学における学術研究の重要性を踏まえ、昭和五十七年度においては、科学研究費の拡充を初め、エネルギー関連科学、加速器科学、宇宙科学、生命科学等重要基礎研究を推進し、学術研究の振興のため一層の努力を傾ける所存であります。
 第五は、社会教育及び体育・スポーツの振興についてであります。
 今日の社会的条件の急激な変化に伴い、国民の間には、生きがいのある心豊かな人生を享受できるように、生涯を通じて学習の機会を持ちたいという要望がとみに高まっております。
 このような社会的要請に適切にこたえるためには、生涯教育の観点から学校・家庭・地域社会を通じた社会のさまざまな教育機能の総合的な整備を図ることが肝要であります。
 このため、社会教育においては、社会教育施設の整備充実、地域における学習活動の促進、指導者の養成確保等の諸施策を推進し、国民の生涯の各時期における課題に即した多様な学習活動の展開と各種の社会参加の機会の拡充を期して一層努力してまいりたいと存じます。
 青少年教育については、昨年五月の社会教育審議会の答申「青少年の徳性と社会教育」を基本的な指針として、青少年健全育成のための諸施策を進めてまいる所存であります。
 体育・スポーツについては、近年、青少年を初めとする国民の健康増進と体力づくり等の要請が著しく高まっていることにかんがみ、体育・スポーツ施設の整備、学校体育施設開放の推進、スポーツ指導者の養成確保等の施策を一層進めることにより、たくましい青少年の育成と国民スポーツの振興を図ってまいります。
 また、各種の国際競技大会における日本選手の活躍を期待する国民の声にこたえ、国際競技力の向上のための施策を推進してまいる考えであります。
 第六は、文化の振興についてであります。
 わが国は、古来美しい風土と自然に親しみつつ、すぐれた特色ある文化を形成してまいりましたが、このよき伝統文化を継承しつつ、世界に貢献する文化を創造していくことが現代のわれわれの使命であると考えております。特に、近年・心の豊かさを求める国民の文化的欲求が高まっているところから、国民がすぐれた文化に接する機会が得られるようにするとともに、みずから積極的に文化の創造、継承に参加していくような文化環境の醸成に意を用いていく必要があると考えております。
 昭和五十七年度においては、国立能楽事国立文楽劇場等の整備、第二国立劇場の設立準備、すぐれた芸術文化活動の奨励援助を図るとともに、貴重な国民的財産である文化財の保存整備を推進する等の施策を講ずることとしております。
 最後に、教育、学術、文化の国際交流の推進についてであります。
 現在、国際社会は、相互依存の度合いを深め、国際的な協力と協調が強く求められていますが、わが国もその国際的地位の向上に伴い、積極的に教育、学術、文化の面における国際交流を促進し、相互の文化、伝統を尊重しつつ、諸国民との間に十分な相互理解を深め、真の友好関係を築いていくことがきわめて重要であります。
 このような観点から、特に発展途上国の人づくりへの協力のための留学生の受け入れ、米国や中国を初めとする諸外国との学術交流、ユネスコを通じての教育科学文化協力等の諸施策の拡充を図るとともに、海外子女教育の振興と帰国子女受け入れ体制の整備に格段の努力を払う考えてあります。
 以上、文教行政の当面する諸問題について所信の一端を申し述べました。文教委員各位の一層の御指導、御協力をお願い申し上げる次第であります。
#4
○委員長(片山正英君) 以上で文部大臣の所信の聴取を終わります。
 なお、本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 なお、昭和五十七年度文部省所管予算概要説明及び補足説明につきましては、参考のため、お手元に配付いたしておきます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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