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1949/04/19 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 文部委員会 第15号
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1949/04/19 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 文部委員会 第15号

#1
第007回国会 文部委員会 第15号
昭和二十五年四月十九日(水曜日)
   午後一時五十一分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
四月六日委員小野光洋君辞任につき、
その補欠として鈴木安孝君を議長にお
いて指名した。
四月十日委員大隈信幸君辞任につき、
その補欠として、門屋盛一君を議長に
おいて指名した。
四月十四日委員鈴木安孝君辞任につ
き、その補欠として、小野光洋君を議
長において指名した。
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○教育委員会法の一部を改正する法律
 案(内閣提出・衆議院送付)
○教育職員免許法施行法の一部を改正
 する法律案(内閣提出)
○教育職員免許法の一部を改正する法
 律案(内閣提出)
○標準義務教育費問題の件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(山本勇造君) それではこれから会議を開きます。
 本日は、教育委員会法の一部を改正する法律案を議題といたします。前回に引続きまして、質問を行いたいと思いますが、何か御質疑がございますか。
#3
○河野正夫君 数点質問いたしたいと存じます。第五十條の改正において、学校給食に関する企画、配給物資の管理、利用に関することというようなのをはつきりさせたことは大変結構だと思いまするが、これに関連してちよつと伺いたいと思います。
 我々が地方を視察して参りますると、学校給食を、特に進駐軍放出物資等によつて、戰後の低下した体位を向上させるべく骨を折つておるのは非常に有難いのでありまするが、実情は、どうもその地域の特殊性というか、そういうものを無視して行われ易くなつておるように思うのです。例えば、この條文で、教育委員会が配給物資の管理、利用に関することを掌ることにいたしましても、これは広い意味の都道府県全体に属するので、北海道で見るように、乳牛の非常に多い地域で脱脂乳を配給するというような非常に不合理が見出だされる。そういうような意味で、もとより文部省として教育委員会の監督というようなことはできないのでありますけれども、こういう実情の、土地々々に適応しない画一的な運営がなされるという実態から考えると、こういう給食、或いは配給物資の管理、利用を都道府県の教育委員会に任せるということは如何かと思うのでありますが、この点について御意見を伺いたいと思います。
#4
○政府委員(辻田力君) お答え申上げます。この学校給食につきましては、御承知の通り相当広範囲に亘つて、それぞれ企画をいたさなければ、個々の町村にこれを任せますると、全体の調整から言いまして適当でない面が出て参るのでございまして、それでこの企画とか、配給物資の管理につきましては、都道府県のような広い地域を所管する教育委員会で所管する方が適当だと考えて、一応こういうふうな規定を置いたのでございますが、現在におきましても、実情は都道府県の委員会で実際はやつておるわけであります。それで先程お示しがありましたような、現在の実情から言つて適当でない部面がありますると、それは早急に直さなければならないと思いますので、我々の方で注意して、この規定の運営に当つて行きたいと考えております。
#5
○河野正夫君 続いて伺いたいと思います。今の件につきましては質問はこれで打切りますけれども、どうも御答弁のままではやや納得の行きかねる点があるのであります。それは運用の面で御注意を願うことにして、質問は打切ります。
 次に第五十二條の改正の場合に、教育長の職務につきまして、曾ては教育委員会は教育長の助言と推薦を求めることができるとなつておつた項を省いてしまつて、「教育長は、教育委員会の行うすべての教育事務につき、助言し、推薦することができる。」こうまあ簡單に言えば教育長の方からの積極性を認める点は、いろいろ意見もありましようけれども、或る場合にはそれも原則的には惡くないでしようけれども、又或る場合にはこういうことのために、教育委員会の自主性というものが奪われるということが往々あり得ると思うのであります。もとより五十二條の三の一項で、「教育委員会の指揮監督を受け」と、はつきり教育長の立場を明らかにしておるので、法文の問題ではありませんけれども、運用の面において、やはり教育委員会が主体性を持つて、專門的なことについて教育長の助言と推薦によつて行うという、その建前は飽くまでも貫いて頂きたいと思うのでありますが、文部当局の御所見は如何でございますか。
#6
○政府委員(辻田力君) 只今の御説は誠な全面的に文部省としては同感でございまして、運営に当りましてはさような考えで、あらゆる機会に助言と指導をいたしたいと思つております。
#7
○河野正夫君 五十四條の高等学校に関する通学区域の設定に関する改正條項でございます。これに関連して一つ承つて置きます。教育委員会法が施行されましてから、現地で文部当局その他の関係者から余りにも親切な指導が行われ過ぎていやしないか、こう思うのであります。例えば高等学校について通学区域を設定するということに関連して、どうしても農業高等学校とか、商業高等学校とかというのが或る地域に存在すると、その区域の人はそういう普通科のない高等学校に通わなければならない。こういうために総合制の高等学校に全部してしまわなければならないという誤れる指導が行われておる例がある。それを地域的に挙げれば幾らでも挙げ得るのであります。ところが教育委員会の規則の定めるところによつて、特に教育の機会均等を図るために、通学区域の問題を採上げられておるようでありますが、私の今申上げたような現地指導の実際に徴して、教育委員会規則等がどのように定められるのが好ましいのであるか、文部当局の御所見を伺いたい。もう一つ附加えますが、特に昨日か今日かのどこかの新聞でも、職業教育の問題を論ずる際にもこれが採上げられておつたと思います。大きな新聞でこういうことを採上げたというのは非常に有難いと思うのでありますが、我々は昨年一年間の教育委員会の視察によつてこの点は痛切に感じ、機会あるごとに文部当局にもその話を通じておるわけでありますから、この際はつきりした御所見を伺いたいと思います。
#8
○政府委員(稻田清助君) 新らしい高等学校の制度が出発いたしまする場合に、文部省としては高等学校設置に関しまする手引きを発表いたしまして、そのうちに教育の機会均等という目的を達成する一つの方法として、又当時非常に面倒でありました新制中学校の方に校舍を十分に当てるというような、その他二、三の観点からいたしまして、高等学校の総合制ということを掲げたわけでございます。併しながらその手引きにおきましても、この点はよく地方の実情に応じて、地方の人々の民主的な意思を十分に聽いて実施して頂くようにということを示したのでありますけれども、その後の状況におきましては相当この総合ということが強行せられ過ぎた地方もあるように見受けたのであります。そこで文部省として再度通牒を発しまして、この点については十分その條件を充足した場合に実現すべきものであつて、地方の実情に合わず、或いは地方の人々の意見を十分に聽かずに強行することはよろしくない、こう申して参つたわけであります。文部省の今日の方針といたしましてもその通りでございまして、権限は地方教育委員会にございますが、地方教育委員会がそれを実施せられる場合においては、今後と雖も十分地方の民意に聽き、且つ総合いたしました場合に教育の実際が低下するようなことのないように、十分條件の充足せられる場合にこれを実施して頂くように考えております。更にお話の職業教育の振興と総合性の問題につきましては、教育刷新審議会においても又職業教育審議会においてもほぼ同様な結論が出ておりまして、職業教育の充実向上が非常に大事であるから、総合のために損われないようにという決定がありますので、その点も又地方にお示ししておるわけでございます。
#9
○河野正夫君 尚数点伺いたいと思います。第五十四條の三の改正で、「教育委員会は、学校その他の教育機関の建築の実施を、地方公共団体の長に、原則として委任するものとする。」、こういう案でございます。これは前回の流産になつた改正案においてはなかつたところのものでありまして、教育委員会の部局に会計並びに土木の局課を置くことができるというふうに最初の原案がなつておつたものを、聞くところによれば衆議院の自由党の猛烈なる反対のためにこれが更に撤回されて、こういう形になつて来た、こういうことでありますが、一体何故先の案を撤回してこういう形にしたのであるか、その理論的根拠はどこにあるかということを承わりたい。
#10
○政府委員(辻田力君) 土木建築に関する権限に関しての規定の問題でございますが、これは四十四條、四十九條、五十四條の三、この三つの條文に関連のある問題でございます。この前の国会に提出いたしましたものと、今回提出いたしておりますものとの間に相違がある点に関しての御質問でありますが、これは教育委員会の立場からと申しますか、教育委員会の側から申しますと、前回に提出したような案を理想とするのでありますが、併し理想を実現する場合におきまして、急激にそこへ持つて行くか、或いは漸進的にそこへ持つて行くかという問題でありますが、諸種の事情を考慮いたしまして、漸進的に持つて行く方が最もスムースに、円滑に事が運ぶという場合にはその方が適当ではないかと考えたのでありまして、急激に事を運びましてそれが必ずしも円満な解決を得ないということになりますと、結局オール・ナツシングになるのでありまして、今回におきましては漸進主義をとつたのであります。
#11
○河野正夫君 今の御説明は甚だ奇怪至極なことであつて、理想を漸進的に実現して行くという建前を文部当局が教育委員会法に関してだけでも、若しも最初から採つておるとするならば、我々が最初の教育委員会法を審議する際に問題とし、そうして都道府県教育委員会と、五大都市の教育委員会は直ちに設けても、その他の地方教育委員会は実施の期日を遅らしてもいいように訂正をしたのは御存じのことと思いますが、一体日本の教育行政を教育委員会によつて行うということは、重大な根本的な変化であつて、これを理想とすることは非常にいいのですけれども、これをやはり現実に適用するという考え方に従えば、今辻田さんのおつしやるようなお考え方は非常によろしいのですけれども、それに従えばまだ多くの無理の急激な改革がなされないでも済んだのではないかと、こう思うのでありますが、文部省はときによると多数党の威力によつて現実主義者となり、ときによると非常に高邁なる理想主義者になる、この点を今後聊か反省をする必要があろうかと御忠告申上げて、この点に関する質問を打切ります。
 次に第六十八條でありまを姿、ここに地方公共団体は給料、退隠料その他の給與を支給しなければならないとなつております。この退隠料の規定というものは自治体の條例で定めることになつておりまするので、非常に統一を欠くと思うのであります。地方々々の事情、財政状況等によつて不統一な傾きがある。給料ももとよりそうなりまするけれども、給料については今までいろいろな点ゐ義務教育に関する半額国庫負担の法がありましたために、他の義務教育外のものも大体それに釣合いをとつてそのことができた。けれども退隠料などについてはそういう基準が示されておらんと思うのであります。各教育委員会乃至地方自治団体の事情によつてアンバランスが生じ易い。従つて又最近においては標準教育費の問題も出ておりまするが、ああいう法律でもしつかり定められない以上は、又定められても、尚地方の教員の給與にアンバランスを生ずる可能性があるのであります。そこでこれらのことを願慮すると、教員の異動ということがうまく行かない。従つていわゆる教育の機会均等ということ、兒童生徒にとつての機会均等ということが実現しにくい実情になりはしないか、この点について何らかの考慮を要すると思うのですけれども、文部当局の御見解を伺いたいのであります。
#12
○政府委員(辻田力君) 六十八條についての御質疑にお答え申上げますが、只今お話がございましたように、理論的には條例によつて退隠料を定めることになりますと、その地方々々によつてアンバランスの結果ができるというふうなことになるのでありまするが、併し実際上の問題といたしましては、各地方におきまして條例を定められまする場合におきまして、国家の恩給制度の例によつてやつておられますので、実情はアンバランスになつていないのでございまして、我々といたしましては今後教育委員会に対して助言又は指導をいたしまする場合に、その方針でやつて参りたいと思つておる次第でございます。
#13
○河野正夫君 最後に一つだけ、第七十條第一項の改正でございます。これは理由等承つてみると非常に適切な改正と存じまするけれども、大臣乃至は局長の提案理由の説明の中にもありましたが、事実上地方教育委員会というものを二十七年十一月一日に設置するということは、これもまだ大いに研究を要するのではないか。法律は二十七年十一月一日にしておいて、その間においていろいろと地方行政機関等を研究の結果、又改正をする御意向のようでありますが、その研究の際にもつと日本の風土に合つたような、又地域の特殊性に合つたような、区域乃至は教育委員会の運営全体についても考慮をする必要があると思うのです。その点について御意見を承わりたいと思います。
#14
○政府委員(辻田力君) 地方教育委員会の設置の範囲と申しますか、單位につきましては、只今お話がございましたように、政府としても十分考慮をし、又研究を続けておるものでございます。本案につきましては全国的に、個々の町村にまで地方行政、財政の調査をいたしまして、その結果によりまして、どの程度の地域であれば財政的にも、勿論教育的にも効果を現わすことができるかということを研究いたしまして、それによりまして一定の基準を設けて、二十七年までに研究いたしまして、その上で場合によつては教育委員会法の改正ということも又お願いしなければならんということになろうかと思うのであります。尚その他の部分につきましても研究を続けておりますので、適切でないということが分りますれば、適宜改正をいたしたいと考えておる次第でございます。
#15
○委員長(山本勇造君) 外に御質問はございませんか。……外に御質問がございませんければ本案につきまして討論に入りたいと思まいすが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○委員長(山本勇造君) それではこれから討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願いたいと存じます。
#17
○河野正夫君 教育委員会法の一部を改正する法律案は、先の国会以来審議を重ねて来たのであります。然るに今回の政府原案、並びに衆議院において修正したものを通観いたしまするというと、先の国会で問題となつた、改正案に関するいろいろな議論が大分取入れられておる。その点では大変進歩しているものと思います。それ故に更に又我々の主張点である施行期日の問題、地方教育委員会の区域に関する研究の問題等も十分に考慮せられておる。教育委員会の主体性、教育長の権限の問題についても、まだ納得行きかねる点がありますけれども、比較的緩和されて事態を明瞭にしようとする努力の跡が窺われることによつて、大体難点がなくなつて来ているものと存じますので、一応この程度の改正であるならば納得できるというふうに思つて、社会党は賛成をいたすものであります。
 けれどもこの際二つの点について希望を申上げておきたいと思います。その一つは教育委員会法の施行される……。最初の教異委員会法案が国会に上程されたときに問題となつておつた、教育委員会の財政的な裏付けがない、こういう問題であります。この問題はその後事実において証明されておりますし、昨年我々参議院議員が地方教育委員会の運営の状況を視察して参りましても、都道府県教育委員会等においては、五十名ぐらいの実際の現職教員を事務当局で事務員として採用しておる。事務員と言いますか、いろいろな吏員として採用しておる。それは何故かというと、教育委員会に予算がないので、いわゆる半額国庫負担の教員を事務当局の方に採用しているというような現実もあるのでありまして、最近の調査によつてもまだそういうものが消えてなくなつておりません。いわゆる定員定額のやかましてときに、その不足の教員を教壇から去つて、教育委員会に移しているということも、実は教育委員会に財政的な裏附けを法律的にしていないということに欠陷があるからであります。今回は根本的改正でないので、この点は我々も触れませんけれども、将来に亘つて何とかしてこういう点について根本的な措置を研究しなければならんと我々も思つておりまするが、当局もその点について格段の努力を拂われたいと思うのであります。
 第二の点は、私の質問においても申上げておるのでありまするが、一体終戰後の教育改革がいほゆる理想に捉われて、現実を顧みない、或いは又この国の風土に合わないものをそのままに採入れようという点が多々見られるのであります。教育委員会の運用についても、その地域性を尊重するとか、住民の希望を重んずるとかということこそ、教育の地方分権ということで……、教育ばかりじやなくして、一般に政治の地方分権というような趣旨を徹底させ、民主主義の徹底になり得るのだろうと思うのであります。この点についてむしろやはり天降り式な法律改正、制度の改正、従つて又事大小となく文部当局の指示に従い、或いは他の権威ある者の言葉に盲従し、そして真実の住民の要求というものを考えて運営をしないという傾きがある。この点について今後文部当局は十分にその助言と指導の立場を活用されんことを希望する次第であります。文部当局の一言というものは地方へ行きますると非常に強響くく。今日の時代であつても、文部当局の單純な忠告が強制的な命令のように響く。こういうまだ日本は民主化されていない状態なんであります。だからこの際、文部当局の言動は頗る責任重且つ大なるものがある今日においては、この運用については十分気を付けて頂きたい。以上の希望條件を附してこの改正案に賛成するものであります。
#18
○委員長(山本勇造君) 外に御意見はございませんか……。別に御意見もないようでありますから、討議は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#19
○委員長(山本勇造君) それではこれから採決に入ります。教育委員会法の一部を改正する法律案を原案通り可決することに御賛成の方は御起立を願います。
   〔総員起立〕
#20
○委員長(山本勇造君) 全会一致と認めます。よつて本案は可決と決定をいたしました。
 尚本会議における委員長の口頭報告の内容は、慣例によりまして委員長に御一任を願いたいと思います。
 それから尚委員長が議院に提出する報告書には、多数意見者の署名を附することになつておりまするから、本案を可とせられました方は順次御署名をお願いしたいと思います。
  多数意見者署名
   若木 勝藏   木内キヤウ
   藤田 芳雄   河崎 ナツ
   河野 正夫   左藤 義詮
   岡崎 真一   星   一
   三島 通陽   鈴木 憲一
  ―――――――――――――
#21
○委員長(山本勇造君) ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#22
○委員長(山本勇造君) 速記を始めて下さい。
 次に、教育職員免許法施行法の一部を改正する法律案を議題にいたします。
#23
○説明員(玖村敏雄君) 第二條の改正につきましては、今までにたびたび御質問があり、御説明いたした通りでありますが、要するに施行法制定後の研究に基いて相互のバランスを取るために改正するものであります。
 第八條の改正は、校長になるには教諭の一級普通免許状が必要でありますが、昭和二十六年三月までに教諭の一級普通免許状を取ることは困難でありますので、これを昭和三十年までに延期しようとするものであります。
 附則第五項につきましては、今までしばしば御説明いたした通り経過的特例でありますので、新制大学完成を期に免許法の本則によるようにしようとするものであります。
#24
○鈴木憲一君 旧制大学三年で退学したような場合は、如何なる取扱を受けるのですか。
#25
○説明員(玖村敏雄君) 旧制高等学校卒業(施行法第二條第二項の表の第十五号該当者)で高等学校、中学校の二級になり、その資格獲得後大学で勉学した者は、上級免許状を受ける場合の必要單位に計算して貰えます。
#26
○河野正夫君 教職科目を履修しておらない旧制大学を卒業した者に、高等学校中学校一級を與えるのは問題があると思いますが……。
#27
○説明員(玖村敏雄君) 既得権を侵害することになるので認めるべきであります。
#28
○鈴木憲一君 改正案の備考第2によれば、養護教諭の場合にも講習、通信教育でよいとなつていますが、その事由を伺いたい。
#29
○説明員(玖村敏雄君) 養成機関を卒業し免許状を受けました者が、更に上級免許状を受ける為に養成機関に再入学しなくてもよいようにし、上級免許状取得を容易にしたのであります。
#30
○鈴木憲一君 この場合の講習はどこで行うのでありますか。
#31
○説明員(玖村敏雄君) 大学医学部で行うようになると思います。
#32
○鈴木憲一君 私立大学が、認定講習を開設する場合には、文部省に通知があるのですが、又開設するために予算で補助は出来ませんか。
#33
○説明員(玖村敏雄君) 認定講習は、文部大臣の認可を必要としています。補助に関しては、法的には可能と思いますが、実際問題として、制限された国家予算では実施困難と思います。
#34
○河野正夫君 施行法第一條第一項の表の「第十五の二」は旧免許状を受けた者が、新免許状に切換える規定でありますか。
#35
○説明員(玖村敏雄君) 直接新免許状を受ける規定であります。
#36
○河野正夫君 施行法第八條の改正によれば、校長の場合のみその期間を延長していますが、助教の場合を現行のまま、二十六年三月までとすると、実害が起ると思いますが……。
#37
○説明員(玖村敏雄君) 助教の場合、二十六年三月まではそのまま勤められるわけでありますから、それから一ケ年即ち昭和二十七年三月までは、その身分は保障されるわけであります。
#38
○河野正夫君 免許法としては、教育職員の免許状を幾段階にも分けていますが、これは職階に関連を持つのでありますか。
#39
○説明員(玖村敏雄君) 人事院には、当分の間結びつけて考えないよう申入はしてあります。
#40
○委員長(山本勇造君) 外に御質疑はございませんですか。……では質疑はないものと認めまして、本案について討論に入りたいと思います。
#41
○藤田芳雄君 この際、教異職員免許法施行法の一部を改正する法律案に対する修正案を提出したいと思うのですが、皆様のお手許へその一部は廻つて行つておると思いますが、その際の提出者の議員の名前が六名上つておりますが、これは司令部の方の許可を得るためにこれだけの名前を連ねましたので、修正案としては河野議員なんかも中へ入つて頂き予定でおりますが、説明を河野議員からお思いをしたいと思います。
#42
○委員長(山本勇造君) 只今藤田君から今のような動議がありましたが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#43
○委員長(山本勇造君) それでは河野委員。
#44
○河野正夫君 本施行の一部を改正する法律案に対する修正案として、殆んど各会派の御賛成を得て、次のような修正案を提出いたします。一応読みます。
 その修正の理由は、七の一と挿入した部分につきましては、旧国民学校の專科教員としての免状を持つている者は、中学校の教員の仮免許状しか貰えないことになつているのであります。ところがこの專科教員免許状を有する者でも実は旧專門学校に準ずるところの各種学校を卒業した者があるわけでございます。新免許法の主眼とするスクーリングという点から行くと、專門学校卒業程度のものと考えてよい者でございまするから、当然中学校教員の二級普通免許状を與えてもよかろうと、こういうのが改正の趣旨でございます。
 次の第二條第一項の表第二十四号の改正規定の前に附加えたところの十八号の改正規定につきましては、高等学校教諭仮免許状を有するものとみなされた者に高等学校の教員の二級普通免許状を與えるということは現行法通りなんであります。ところがこれは專門的な、実習的な教員の免許状でございまするので、当然に科目別の、教科別の免許状を考えているところの中学校にも適用するのが当然であるという意味で、中学校の教員の二級普通免許状をも與えることができるというふうに改めたものであります。大体ごたごた言いましたけれども、この二点が改正の主眼点でございます。
#45
○委員長(山本勇造君) 外に御意見ございませんか。別に御意見もないようでございまするから討論は盡きたものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○委員長(山本勇造君) 御異議ないものと認めます。
 それではこれから採決に入ります。教育職員免許法施行法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 先ず討論のうちにありました河野君外六名提出にかかる修正案を議題に供します。河野君外六名提出の修正案に賛成の方は御起立を願います。
   〔総員起立〕
#47
○委員長(山本勇造君) 全会一致でございます。よつて河野君外六名提出の修正案は可決されました。
 次に修正の部分を除いた原案を議題に供します。修正の部分を除いた原案に賛成の方は御起立を願います。
   〔総員起立〕
#48
○委員長(山本勇造君) 全会一致と認めます。よつて教育職員免許法施行法の一部を改正する法律案は全会一致を以て修正可決いたされました。
 尚本会議における委員長の口頭報告の内容等につきましては、慣例に従いまして委員長に御一任を願いたいと思います。それから委員長が議院に提出する報告書につきましては多数意見者の署名を附することになつておりまするから、これに御署名を順次願いたいと思います。
  多数意見者署名
   若木 勝藏   木内キヤウ
   藤田 芳雄   河崎 ナツ
   河野 正夫   左藤 義詮
   岡崎 真一   星   一
   三島 通陽   鈴木 憲一
  ―――――――――――――
#49
○委員長(山本勇造君) 次に、教育職員免許法の一部を改正する法律案を議題といたします。
#50
○説明員(玖村敏雄君) 第三條第三項の改正中の特殊教科と申しますのは盲学校高等部の理療即ちあん摩、マツサージ、はり、きう及び盲人の音楽、ろう学校高等部の理容即ち理髪、美容をいうのであります。これらの教科を担任する者は高等学校の普通の教科の免許状を持つことが困難であり、又必要も認めないのであります。
 附則第六項は施行法の一部改正によつて旧制学校卒業者等で経験年数の多い者も少し者もすべて免許法別表第四によることになるので不公平の起らないように基礎資格獲得後の経験年数を計算に入れ得るようにしたものであります。
 附則第七項、第八項は学校教育修業年数を基礎にし新旧制度の間のバランスをとるために考えたものであります。
#51
○河野正夫君 現在中学校教諭仮免から二級になる場合の單位数は何單位ですか。
#52
○説明員(玖村敏雄君) 十五單位であります。
#53
○河野正夫君 中学校教諭二級から一級になる場合は、四十五單位となつているが、それでよいのですか。
#54
○説明員(玖村敏雄君) 御見解の通りであります。
#55
○鈴木憲一君 附則第七によれば、高等学校の二級から一級になるための單位を「十五」から「四五」に改めているが、その事由を伺いたい。
#56
○説明員(玖村敏雄君) 施行法第七條の廃止に伴いまして、旧制の專門学校卒業者で中等教員の免許状を有する者も別表第四によることになりますが、新制大学卒業者よりもスクーリングが二年少いので均衡上四十五にする必要があります。このことは免許法立案当時はまだ考えていなかつたのであります。
#57
○委員長(山本勇造君) 外に御質疑ございませんか。……御質問がなければ討論に入ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#58
○委員長(山本勇造君) それでは討論に入ることにいたします。
#59
○河野正夫君 実はすでに一事不再理という原則から言えば、もう只今万場一致で可決になりました免許法施行法の点にも関連があつて、免許法の一部を改正する法律案は両方相関連するものであるのでありまするが、この法案に関する討論に際して、或いは施行法の点についても触れることがあろうかと存じまするが、御了承を頂きたいと思うのであります。最初に賛否の態度を明らかにいたしますると、この法案の修正部分には可なりこの法施行後の実情から現実に即応して改めた部分があるのでありまして、その点は極めて結構かと存じますけれども、我々といたしましてはこの免許法の一部を改正する法律案につきましても、或いは施行法の一部を改正する法律案につきましても尚多くの修正要求を持つておつたものでありますけれども、諸般の事情からそれらの修正が手続上不可能でありましたので止むを得ず賛成をする、今回の改正案の改正部分のよい点を生かさなければならん必要上から止むを得ず賛成するという態度をとつておるものであります。これが社会党の立場でございます。ただこの際是非希望を申述べて置きたいのでありまするが、免許法並びに施行法の改正に関してはこの内容の一々についていろいろ問題を含むことは勿論であるのでありまするが、全体としては免許法を免何に活用するかということにかかつて来るのであります。この立場に立ちますると、どうしても国費により、或いは地方費によつて相当の予算が組まれなければならない。これは我々が質問の場合にも明らかにしたことなんであります。然るにそれらのことが極めて不完全な間に免許法が、又施行法が改正せられようとしている。その点にもう少し愛情を持つて改正がなさるべきではなかつたかというのが、我々の不満とするところであります。それ故にこの両法案の運用に当つては、成るべく実情に即し個々の非常に錯雑した、入組んだ個々人の要求というものを考慮しながら、本年は止むを得ないとしても来年度においてでもつと多くの予算的措置を講じて、教員の質の向上ということに努めて頂きたい。これを希望して本法案に賛成するものでございます。
#60
○委員長(山本勇造君) 外に御意見はございませんか。別に御意見もないようでありますから討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#61
○委員長(山本勇造君) それではこれから採決に入ります。教育職員免許法の一部を改正する法律案を原案の通り可決することに御賛成の方は起立を願います。
   〔総員起立〕
#62
○委員長(山本勇造君) 全会一致と認めます。よつて本法案は可決と決定をいたしました。
 尚本会議における委員長の口頭報告の内容は、慣例に従いまして委員長に御一任を願います。尚委員長が議院に提出する報告書には多数意見者の署名を附することになつておりまするから、本案を可とされた方は順次御署名をお願いいたします。
  多数意見者署名
   若木 勝藏   木内キヤウ
   藤田 芳雄   河崎 ナツ
   河野 正夫   左藤 義詮
   岡崎 真一   星   一
   三島 通陽   鈴木 憲一
  ―――――――――――――
#63
○河野正夫君 この際、我々の委員会において各会派の委員からしばしば問題になつていたところの平衡交付金法案と関連を持つております義務教育の面における標準教育費法というようなものが、文部省で用意され、本国会に提出せられるということを承つておつたし、その行方について非常に重大な関心を我々一同持つておるものであります。この際この点について、文部当局から現在の情況、立案過程或いは交渉手続中の情況を承つておきたい。皆様に御異議がなければ、この緊急質問をお許可下さることを希望いたします。
#64
○政府委員(平島良一君) 憲法で義務付けられました教育の国庫の補助がなくなつたときに、文部省といたしましては、どうしてもああいうふうな標準教育費に関する法律というものを定めたいというので、皆さんにもいろいろ御高配を頂いておつたのでありますが、それにも拘わらず提案の遅れておりますることは、何とも申訳ないと存じておりまするので、会期も切迫いたしておるときでありまするから、一日も早く提案いたしたいと焦慮いたしておるのであります。いろいろな情勢から遅れておりまして、先程申上げまするように何とも申訳がないような次第でありますが、その経過につきまして、今稻田局長から報告いたしたいと思いまするので御了承頂きまして、今後とも御協力を頂きたいと存ずる次第であります。
#65
○委員長(山本勇造君) それでは速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#66
○委員長(山本勇造君) 速記を始めて下さい。
 それではこれから稻田政府委員から今の問題について詳しく聽きたいと思いますが、懇談会に移してそれを聽きたいと思いますから、委員会はこれで閉じることにいたします。それでは散会いたします。
   午後二時四十四分散会
 出席者は左の通り
   委員長     山本 勇造君
   理事
           若木 勝藏君
           木内キヤウ君
           藤田 芳雄君
   委員
           河崎 ナツ君
           河野 正夫君
           左藤 義詮君
           岡崎 真一君
           星   一君
           三島 通陽君
           鈴木 憲一君
  政府委員
   文部政務次官  平島 良一君
   文部事務官
   (初等中等教育
   局長)     稻田 清助君
   文部事務官
   (調査普及局
   長)      辻田  力君
  説明員
   文部事務官
   (教職員養成課
   長)      玖村 敏雄君
ソース: 国立国会図書館
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