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#1
第096回国会 大蔵委員会 第6号
昭和五十七年三月三十一日(水曜日)
   午後一時一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月三十一日
    辞任         補欠選任
     福田 宏一君     藤田 正明君
     岡部 三郎君     塚田十一郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         河本嘉久蔵君
    理 事
                衛藤征士郎君
                中村 太郎君
                藤井 裕久君
                穐山  篤君
                塩出 啓典君
    委 員
                岩動 道行君
               大河原太一郎君
                大坪健一郎君
                梶木 又三君
                嶋崎  均君
                鈴木 省吾君
                藤井 孝男君
                藤田 正明君
                赤桐  操君
                鈴木 和美君
                和田 静夫君
                多田 省吾君
                矢追 秀彦君
                近藤 忠孝君
                三治 重信君
                野末 陳平君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  渡辺美智雄君
   政府委員
       大蔵政務次官   増岡 康治君
       大蔵大臣官房会
       計課長      吉田 忠明君
       大蔵大臣官房審
       議官       水野  勝君
       大蔵省主計局次
       長        窪田  弘君
       大蔵省主税局長  福田 幸弘君
       大蔵省関税局長  垣水 孝一君
       大蔵省理財局長  吉本  宏君
       大蔵省理財局次
       長        小幡 俊介君
       大蔵省証券局長  禿河 徹映君
       大蔵省銀行局長  宮本 保孝君
       大蔵省国際金融
       局長       加藤 隆司君
       国税庁次長    小山 昭蔵君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊藤  保君
   説明員
       外務省北米局北
       米第二課長    朝海 和夫君
       大蔵省銀行局保
       険部長      猪瀬 節雄君
       郵政省人事局給
       与課長      西井  烈君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和五十七年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)、昭和五十七年度特別会計予算(内閣
 提出、衆議院送付)、昭和五十七年度政府関係
 機関予算(内閣提出、衆議院送付)について(
 大蔵省所管、日本専売公社、国民金融公庫、日
 本開発銀行及び日本輸出入銀行)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(河本嘉久蔵君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、福田宏一君、岡部三郎君が委員を辞任され、その補欠として藤田正明君、塚田十一郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(河本嘉久蔵君) 昨三十日、予算委員会から、三月三十一日及び四月一日の二日間、昭和五十七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、大蔵省所管、日本専売公社、国民金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 まず、大蔵大臣から説明を聴取いたします。渡辺大蔵大臣。
#4
○国務大臣(渡辺美智雄君) 昭和五十七年度一般会計歳入予算並びに大蔵省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び各政府関係機関収入支出予算につきまして御説明申し上げます。
 まず、一般会計歳入予算額は、四十九兆六千八百八億三千六百万円となっております。
 このうち主な事項につきまして申し上げますと、租税及び印紙収入は三十六兆六千二百四十億円、専売納付金は七千六百十八億四千六百万円、公債金は十兆四千四百億円となっております。
 次に、当省所管一般会計歳出予算額は、九兆五百三十二億二千五百万円となっております。
 このうち主な事項につきまして申し上げますと、国債費は七兆八千二百九十九億四千三百万円、政府出資は二千百十五億円、予備費は三千五百億円となっております。
 次に、当省所管の各特別会計の歳入歳出予算につきまして申し上げます。
 造幣局特別会計におきましては、歳入、歳出とも二百八億九千四百万円であります。
 このほか、印刷局などの各特別会計の歳入歳出予算につきましては、予算書等によりましてごらんいただきたいと存じます。
 最後に、当省関係の各政府関係機関の収入支出予算につきまして申し上げます。
 日本専売公社におきましては、収入二兆五千七百三十三億九百万円、支出二兆五千九百六十五億六千五百万円、差し引き二百三十二億五千六百万円の支出超過であり、専売納付金は七千五百九十九億二千七百万円を見込んでおります。
 このほか、国民金融公庫等の各政府関係機関の収入支出予算につきましては、予算書等によりましてごらんいただきたいと存じます。
 以上、大蔵省関係の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第でございます。
 なお、時間の関係もございまして、お手元に配付しております印刷物をもちまして詳細な説明にかえさせていただきたいと存じますので、記録にとどめてくださいますようお願いいたします。
 以上でございます。
#5
○委員長(河本嘉久蔵君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 なお、ただいま大臣から要望がありました別途提出されております詳細な説明書は、これを本日の会議録の末尾に掲載することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(河本嘉久蔵君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○和田静夫君 本院における予算審議も最終段階を迎えようとしていますので、まず減税問題に関連する諸問題について質問いたします。
 所得税減税が必要であることは政府の側もお認めになっている。問題はその額と時期であります。同時にその財源であるわけですが、まずこの時期の問題ですけれども、これは参議院におけるところの与野党合意のとおりできるだけ早く実施をする、今年度補正の時期を含みとしながらそういう時期を一応見通す。大臣、これはこういうことでいいですか。
#8
○国務大臣(渡辺美智雄君) 政府といたしましては、所得税の減税問題について過去五年間にわたって課税最低限を据え置いてきたというような状況等については、減税をしてほしいという国民の強い要求はよく認識をしております。
 しかしながら、いかんせん財政事情等がございますので、それに応ずるわけにはいきませんということを政府は言ってきたわけでございます。もし所得税を減税するということになれば、やはり適当な財源がまずなければならない。それから、五十九年度までに赤字公債の脱出のめどがつかなければならない。そういうようなことなどを申し上げまして、五十七年度については御容赦を願いたいということを言ってきておるわけでございますが、国会において五党の代表者による会議の結果、あのような取り決めがなされたわけでございます。これにつきましては、どういうふうに扱うかという問題について、政府としていつからの時期ということを現在申し上げられる立場にはございません。
#9
○和田静夫君 参議院におけるところの与野党国対委員長などの折衝を通じての合意もあることでありますので、できるだけ早い時期にそれは当然組まれるのならば、五十七年度補正の段階というものをその時期の含みとしながら実現方を強く求めておきます。
 そこで、現在の景気の落ち込みなんですが、これは言うまでもなく内需の不振、消費不況である。最新号のこの「エコノミスト」でも、長銀の調査部の竹内宏さんが「個人消費の低迷の原因は、個人消費が低迷していたからだというわけである。何となく馬鹿にされたような筋道である。」と、こういうふうに書いているのでありますが、まさにこの個人消費の低迷が中小や個人企業の設備投資の足を引っ張る、そして業績不振をもたらす、可処分所得の伸びを抑える、こういうような一連のぐあいになっているわけであります。言ってみれば、堂々めぐりの悪循環とでもいいますか、大臣は経済をあずかる閣僚の一人でありますが、個人消費を惹起させるための手だては当然あなたもとるべきでしょう、そういう手だてについてはどういうふうにお考えになっていますか。
#10
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは、個人消費の問題というものはきわめて心理的な問題でございまして、政府がやったからといってそう大きな動きというものが果たして出るのかどうか、私、実際のところ自信がありません。
 問題は、日本で石油の消費量を節約しようという官民挙げての大運動を実は展開をいたしました。つまり省資源、省エネルギー運動であります。これがもう本当にずばり当たったことは間違いないわけであって、去年一年間で約一割近い石油の節約が行われた。しかしながら、それは石油だけにとどまらず、やっぱり消費節約運動というのは紙にも鉛筆にもというようなぐあいでいろんな面で節約が行われた。そのこと自体がなかなか悪いと言うわけにはいかない。ごみの山も減った、それからむだなものは買わない、貯蓄はぐんぐん伸びた。可処分所得が少ないと言われながら、去年一年間で一一・四%個人の金融資産がふえて、三十五兆円も残高がふえちゃったわけですから。だれが貯金したか知りません、それは。知りませんが、現実にそれだけ貯金がふえちゃったことも事実、数字の上であらわれております。
 したがって、これは、やっぱり世界の状況は非常に、失業が多い、もうアメリカでもだめだ、あっちでもだめだ、全部だめだということで、われわれも資源のない国としてむだ遣いはできないという空気がかなり浸透をしたんじゃないか。ある意味では健全になったのかもしれないという問題がありますから、これを直すといってもなかなか、政府は非常にこれはむずかしい問題が一つございます。本当ならば、これは物価の安定に役立ったけれども景気の足を引っ張ったことも間違いないことであります。物価は急速に鎮静した、したがって、個人消費を伸ばす手だての一つとしては一層やっぱり、物価の安定というものはやはり個人消費につながるというのが定説でございますから、物価の安定を引き続き図っていくということが一つだと私は思います。
 それからもう一つは、どうしてなにするかと言えば、国が購買力を、国自身が要するに消費するということが一つでしょう。その一つとして、いわゆる公共事業の問題がございますが、これについては前倒しをして、九月末日までに七五%以上の契約前倒しをやるということで、金をばらまく、それから物を買わせる、それから工事を始めるということを考えておりますし、その中でも特に、幾らやっても土地代金に回っていったのでは何にもなりませんから、なるべく土地代金に吸収されないような公共事業のあり方、こういうことを創意工夫してくれと。それからやはり住宅政策という問題が波及効果が大きいということで、公共事業の中でも住宅問題を中心にして、それとともにまた、個人住宅の増築といいますか、たくさん建てるということでの手はず、そのための税法の改正、こういうようなことをやっておるわけであります。
 個人消費それ自体を、政府が使わせるということは言うべくして、実は何かいい工夫が皆さんにおありになれば、むしろ私の方も一緒になって聞いていきたいというような考えでございます。
#11
○和田静夫君 いまもお触れになりました、減税をたとえばしても貯蓄に回って景気刺激効果が余りないというように渡辺大蔵大臣はお考えのように、実は衆議院やあるいは参議院の予算委員会その他の論議をずっと聞いていて思うんです。しかし、一面、いまも石油などの問題でお触れになりましたように、アナウンスメント効果とでもいいますか、そういうものについてはかなり一面では重視をされている。したがって、減税と消費刺激、こういうものについてのアナウンスメント効果というものは大臣もお認めになる、こう理解をしておいてよろしいですか。
#12
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは全然ないということを私は申しているわけではございません。
 この間の予算委員会でも、社会党の竹田四郎さんが経済企画庁か何かにやらしてみたというお話を聞きました。一兆円の減税をした場合GNPにどれぐらい影響があるんだ、大ざっぱな計算だけれども〇・二ぐらいかと、公共事業だと何ぼあるんだ、大体〇・五かというような話がありました。このとおりになるかどうかはそれはわかりません、やっぱり一つのモデルで計算をした話でありますから。しかし、私は直感的には、やはり同じ金を使えば景気に対する影響力というものは減税よりも公共事業の方が倍以上大きいだろうということは、私もそれとなくわかるような実は気がいたします。
 したがって、問題は、減税というものが景気刺激になることはなるんだけれども、その財源の調達というような面から考えますと、メリットとデメリットと両方を考えると果たしていかがなものかというように疑問を持っておるし、それからその調達が、何兆円というとか大きな金額のもので、調達が非常にもうむずかしいという問題が一つございますものですから、減税をやって、さらに赤字国債を発行してでもというような現在状況ではない。かつて赤字国債を三千億円発行して減税をやった時代がございます。けれども、いまになって、赤字国債から脱却と言いながら赤字国借を増発して減税をするということはとうていこれは認めがたい問題でございます。したがって、そういう点で、われわれは減税問題を考えてはおりますが、景気策としての減税ということにはどうもちゅうちょをせざるを得ないということであります。
 ただ、個人の問題として、減税を五年間もやらないために国民に重税感というものが来ている、それは私はもう率直に実は認めておるわけであります。しかし、これが要は、確かに一千万円を超えますと現に実質所得はマイナスであります、税率が違いますから。しかしながら、下の方は辛うじてプラスになっておるというのも事実であります。
 ただ、諸外国と比べましても、要するに一千万以下というものは――一千万でも低いのは低いんですが、はるかにイギリスやアメリカ、ドイツなどと比べて日本の方が税負担が少ないというのも現実の姿でありますものですから、そういうところで、所得税についてはいずれの日かはこれはもう抜本的に私はやらなきゃならぬと思っておるんですが、この五十七年度段階でとても抜本的にといってもなかなかこれは間に合わないんじゃないかなという気がしておるわけであります。
#13
○和田静夫君 この財源の問題に関連して大型消費税の導入が云々されているわけですね。そこで、直間比率の問題、昨日も若干の論議をしたのでありますが、大臣は大体六対四を頭に描いておられるようであります。仮にそれを五十七年度の歳入規模で組みかえてみますと、約四兆七千億円が直接税から間接税に移されなければならない。間接税を四兆七千億円増税するということになるわけですね。中期展望の五十八年度の数字でこれをはじき直してみますと、間接税は五十七年度分に対して約六兆円の増額となりますね。で、直間比率の手直しを時間をかけて徐々にやるにしても、また歳出削減を絡めるとしても、これはかなり大幅な間接税の増税を抜きにしてはこのことはできないのではないだろうか。ここのところ、ちょっと大臣の率直な意見、見解を承っておきたいんです。
#14
○国務大臣(渡辺美智雄君) もちろん私が言ったのは仮にの話で、望ましい将来の姿を言ったわけで、それがともかくことしとか来年とか、すぐできるというふうには私は考えておりません。
 おりませんが、私が申し上げているのは、現在のように歳出のために税金があるわけですから、その税金の七割ですね、借金は別ですよ、だけれども税収の七割というものは所得税と法人税が占めている。そのうち所得税はもう四一だし、法人税が三一ぐらいだけれども、所得税のシェアがだんだん毎年大きくなってくるわけですね。恐らくこのままだと、来年は四三とか四五とか。そうすると所得税と法人税で八割も占めるということになれば、これは減税するといったって現実の問題として歳出をばっさり切ることはできないわけですから減税のしようがないじゃないかと、実際は。
 また日本では、これは法人が三一%というふうなシェアを持っているが、ドイツとかイギリスとかフランスとかというふうになると一〇%未満と、少ないところはもう六%ぐらいしか法人税シェアがない。アメリカでも一八ぐらいのシェアしか持ってない。日本はそれでも三一まだある。これだと、不景気とか何かというと法人税どんと減りますから、不景気のときには。これはもう景気のいいときにはふえるけれども不景気のときには法人税というのは極端に減ってしまう。そういうような非常に不安定要素がある。したがって、だけれどもそういうものも考えて社会保障という減ったりふえたりなんか――ふえることがあってもどんと減るなんていうことはないわけですから、これは。そんな不安定な社会保障じゃまた困るわけですから。
 ですから、そういうものを支えていくためには、やっぱり安定したものを考える必要があるんじゃないかということと、所得税が動いていっているときに所得税にだけしわ寄せをしてそいつを持たせると、所得税払わない階層がいっぱいいますからね、これは。そこに問題があるんじゃないか。
 だから、生活は楽でも所得税払ってないという階層あるんですよ。非常に少ないです、所得税の階層が。サラリーマンみたいなものだけがどんとこれみんなしょってしまうというのも、これもいかがなものかなということで、たてまえ論でなくて本音ベースでこれはよくひとつ研究をして、いずれにせよ税の問題というのは国家にとって最大の問題、国民にとっても最大の問題だし、これは両院で合意が得られない限りはそういう法律はできないわけですから、時間をかけてもそういうところの勉強をひとつみんなですべきではないかというために私の持論を実は申し上げたというのが本意でございます。
#15
○和田静夫君 問題は、ちょっと気にかかるのは、私はその時間をかけての時間の部分なんですよ。これまで大臣も総理も、財政再建期間中は大型間接税は導入しない、こういうふうにされてきたわけです。その立場と直間比率の手直しの時間的な関係ですね、これはどういうふうにお考えになっていますか。
#16
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私が四〇%ということを申し上げたのは将来の、将来これぐらいはもう持ってもいいんじゃないか、諸外国の例から見ても、という将来の姿を描いたわけであって、五十九年とか五十八年とかという姿を描いたわけではない。将来の姿としてはだんだんそうあるべきではないかという一総理も赤字国債の脱却ということについて増税なき財政再建ということを言っております。その中には、増税なきとは何だと、増税なきという別に会計用語や財政用語はないんですね、これは実際は。これはまあ政治用語、増税なき財政再建というのは政治用語でないかと、決意表明でないかというふうに私は思っておるわけです。
 たとえば、増税なきというものをうんと厳格に解釈しますと、たとえば野党の方からも減税要求出ていますね。出ているけれども、その裏返しにすると全部歳出カットではなくて、それは法人税をこれを上げろ、ここを幾ら上げるという増税もあるんですね、これは。だから、こういうのが増税なきに入ったんでは、それは減税も何もできないということになってしまうわけですから、こういうのは増税なぎの中に入らないだろうと、これは。だから、そういう点から、増税なきといっても純粋にその字のとおり解釈するものではないであろうということを申し上げてきておるわけであります。
 ですから、現在の税体制をそのままそっくりしておいて、取るものは取っておいて、それで全然別に新しい新税の大型税をつくるということ、これはやらないとはっきりしているということで、私、総理とこの話を細かく打ち合わせをしたことはないんですが、私はそういうふうに解釈しておるわけです。ですから、現在の税体制をそっくり残したまま別に新税ででかいものをつくるということは、これはやらない、そういう意味じゃないのかなと。そうでなかったら、皆さんの要求である、要するに所得税減税だって財源が何もないという話になっちまうのですよ。
 純粋に解釈して、増税なきというのは、一切の増税はいけないのだというものは含まないんじゃないかと、そう思っております。
#17
○和田静夫君 政治生命をかけてとか政治責任をとるとかというようなことも一種のプロパガンダだと言われてしまったのでは、これは話になりませんから、その辺のところは念を押しておきます。
 大臣が言われていること、言われている意味についてわからないわけじゃありません。特にこの直間比率を手直しするメリットとして税収の安定度を挙げられているのでありますが、一般に間接税は税収が安定していると言われる、しかし、主税局が五十四年度から五十五年度にかけての間接税の落ち込み、これを、急激な落ち込みがあるんです、あなた方が出してくれた資料に基づいて見ますと。これをどのように把握をされていまのような立論になっているのかという点については、大変私は疑問に思うんです。
 この対名目GNP弾性値、これは昭和五十四年度が一・六八なんですよ。五十五年度は〇・〇一となっているわけですね。ここのところを主税局長などはどういうふうにこれは説明されるのですかね。可処分所得の落ち込みが間接税の急激な落ち込みをもたらしたというふうに理解をするんですか。それとも、もっと別な要因があなた方のこの一覧表ではあるわけですかね。
#18
○政府委員(福田幸弘君) 間接税が安定的と申しますのは、非常にマクロ的、中長期的なことで考えますと、消費の支出というのは大体GNPの伸びに近い姿であろうと思うんです。また、消費支出はGNPの相当大きな部分を占めていますから、そういう意味でやはり安定しています。そういうことで、フランスの財政なんか見てみますと、これは非常に安定しておるんですね。そういうのはやはり間接税のウエートが高い、その間接税というのはGNPの大きな部分を占める消費、――消費というのはやはり人が生活している以上これが安定的である、またこれは賃金との絡みがあって、安定的な姿がうらはらであるという関係にあろうと思うんです。
 そういうことで、間接税というものが安定財源であるというのは実証的にヨーロッパ型で見ますと社会保障の財源が確保されておるという趣旨で申し上げてきておるんですが、短期的なところでは、やはり日本の間接税はこれは個別物品税になっておるものですから、その物品税の対象になるものについての影響が、たとえばいま御指摘になったところでは、冷夏――夏が寒かったのがおととしだったと思うんですね。そうしますと、やはりクーラーあたりが売れない、そういう問題が出てきます。それから、それに絡んでいろんな関連のものが引っ張られますので、このところは気候の関係が大きく影響したと、ただそれはその次の年の、去年になりますと、在庫で持ち出したのがはけてしまったものですから、去年の十月ぐらいから今度はどんどんと売れるというか、出荷ベースでは物品税が入ると、そういうふうな短期的な影響はございます。
 そういう意味で一般的な広い消費税、一般的な形の消費税の方がそういう振れはないということは一般的に言えます。個別を選びますといまのような影響度が年によって大きくあらわれるということは、経験上申せると思います。
#19
○和田静夫君 あなたは衆議院から参議院にかけての答弁の中で、一貫して直間比率は租税構造の、何というか、とらえ返しの中で考えるべきだというような意味の、そういうような意味にとれる御答弁をずっと一貫されているように思うんです。その意味するところというのは、私は、法人税の構成比が高いということを言っていらっしゃるのかなというふうにとっているんですが、それはそういうことで理解していていいですか。
#20
○政府委員(福田幸弘君) 御質問のお答えになるかどうか知りませんが、直間という言い方は外国では余りないんですね。むしろ所得税がどのくらいのウエート、法人税がどのくらい、それから一般的な消費税がどのくらい、その他のものがどうだと、こういう話が普通の財政論でございますが、非常に簡単に言うときには直間と、こう言えると思います。
 そういう意味で、私はむしろ直接税という中の所得税、法人税。で、法人税がやはり構成が三割を占めておる、ヨーロッパが一〇以下という、やはり異常な構成だというところは着目していかないと、直間論は今度議論を詰めていく際の一つの論点であろうと。それから間接税は、これは一般消費税については非常にアレルギーが強いんですけれども、付加価値税というものはもうヨーロッパで定着しておる。アメリカでは売上税というものがあるわけですから、やはり合理的体系というものを中長期的に検討する際には、そういう問題を含めた直間議論が必要であろう。
 そこの中でやり繰りをどうするかというのは、非常に現実的な問題になってきますし、それは単年度の改正の論議の問題になりますので、それが直ちに金額幾らでやり繰りを、差し繰りをするという議論まではもちろんいたしておりませんし、税体系を中長期に展望し、国際的な合理的税制はどういうものかというお話として申し上げておるということでございます。
#21
○和田静夫君 そこのところで僕は端的に聞きたいんですが、あなたはもはや、もはやというのはおかしいけれども、わが国においての法人税というのは、もはや増税することができないところにきている、むしろ減税をすべきである、こういうふうに栄考えになっているということですか。
#22
○政府委員(福田幸弘君) 税体系としてはウエートが異常に高いということは言えます。
 一方において、所得税は大体ヨーロッパ並み四〇ぐらいの割合ですね。間接税の方が個別物品税という、これは先進国にない姿を持っていますし、したがってウエートもまた低い。それでまた従量税的な酒、従価税的なものがそんなに多く――全部が従価税ではない。
 そういう問題がありますので、ただ法人税をこれ以上負担をふやしていいか悪いかはそれはもう財政法の趣旨の問題として考えるべきですが、これはきのうの法人税転嫁論ともまた関係あるんでしょうけれども、私個人の意見ということで言わしてもらえれば、やはり法人というのが企業の活力として経済を支えておるわけですから、これは個人所得を生み、また消費の源泉になるわけですから、法人に負担を常に求め続けるという考え方はこれは税というか、その根っこにある経済の活力から言ってもこれは好ましくない。世界的な水準に税負担があるということでなければ国際競争力もないわけですから、そういう意味で、私は、法人税を間接税的に考えて負担を幾らでもいいということはやはりどうかなという意見は持っております。
#23
○和田静夫君 大体どうも都合のよいところは外国から引例されるんですが、都合の悪いところはされない。たとえば、第二次オイルショックを無事に乗り切ったのは労使関係を初めとする日本独自のよいシステムだったとか、政府の言い分はそういうところですよ、これは政府が発表されているんですから。国際比較と言うのならば、一体日本の法人税の税率はこれは諸外国に比べて高いですか。
#24
○政府委員(福田幸弘君) 税率自体は五〇前後で大体外国と並んでおると思います。あとは課税ベースの問題があろうと思います。それと法人の数の問題、それで法人税収というものが出てきますから、税率自体は、負担の水準というのを税率で言えば並んだ水準にある、こういうことでございます。
#25
○和田静夫君 私の言いたかったのは、国際競争力を阻害するほど法人税というのは一体重荷になっているんだろうか。それはやっぱり重荷になっているとお考えなんですか。よもや日本の企業の設備投資意欲というものが諸外国のそれに比べて低いなどというふうには考えていらっしゃらないわけでしょう。
#26
○政府委員(福田幸弘君) これは配当を三割するという前提での数字はいつも申し上げるとおりで、日本の場合五一・五五で、アメリカが五一・一八、それから英国が五二、西ドイツ五六・五二、フランス五〇、これはそろってますので、これをまた異常な税率にするとか累進税率にするとかという、そういうことではやはり国際競争力といいますか、違うような税制で独自の税制を持ちますと、日本の企業が外国に行ってどういう課税を受けるか、外国の企業が日本に来て税金どうかかるかというところは大体共通してませんとこれは比較ができないというか、おかしなことになるということを申し上げておるわけであります。
#27
○和田静夫君 ちょっと角度を変えますが、引当金だとかあるいは準備金制度、これは外国に比べてどうですか。
#28
○政府委員(福田幸弘君) 引当金というのは企業会計の計算過程ですから、近代的な企業会計をとっておる以上はこれは共通していると思うんです。税の方でそれをどう受けとめるかという差は、これはございます。諸外国の場合わりに厳しい感じがございますが、一方において特別措置という問題も、これアメリカの場合非常に計算の仕方によって大きいんですね。税による歳出という言い方をしている数字を見ますと、その数字は大きいんですが、どの範囲をとるかという問題非常に比較しにくいんです。
 ちょっと時間とりますが、英国の場合は初年度全額償却をするんですね、税法上。イニシアルアローアンスで一〇〇%落としちゃうんです。そういうこととの比較でいけば、日本の場合のいろんな準備金、引当金が異常にシェアが大き過ぎるとも言えない。そういうところで大体国際交流してますのでいいところでバランスしておるんでしょうが、租税構造とするとやはり法人税収が大き過ぎるというのは間接税が少ない、構成の問題としては。構成上はやはりそういう姿になってしまう。したがって税収の見積もりが、また関連しますけれども、非常に見積もりにくい。
 したがって、歳出の方が、大臣もおっしゃるように社会保障が安定的な大きさを占めてくる際に、財源として非常にやはり不安があるからやることもやれない、中長期的な見通しが立てにくい。間接税ですと、繰り返しますが、その経験値からいえばヨーロッパは非常に――われわれ税収の見積もりを比較してみたんですが、日本は非常にでこぼこが多い。ヨーロッパの方は安定的な数字であるということが社会保障を確保しておるということを申し上げておるわけです。
#29
○和田静夫君 局長、ちょっとこれを類推してみまして、引当金、準備金制度などというものも一種の非関税障壁的なものにならぬですか。そういうふうに考えられないですか、向こうから。
#30
○政府委員(福田幸弘君) これは、そういうふうに指摘されたことはもちろんないんですが、ただ補助金的な輸出所得控除とかそういうものはガットで指摘されて、租特の整理をやったことがございます。
 あとは、企業会計で説明ができる範囲の引当金でございますし、諸外国にもやはり同じようなものが、差はございます、貸し倒れとかいろいろ差はございますが、企業会計というのはやはり各国共通の会計の理論がございますから、それで説明できればいいし、あと準備金の方の租時系統は、これは政策は各国の勝手ですから、ただ輸出に対して非常な奨励的であるとか輸入に対して何か制限的というのは、これは税の方に制限的なものはないと思うんです。これは関税の問題でしょうから、そういう意味で国際的には日本の税制が非常な企業優遇になって輸出促進型であるという指摘は受けたことは、まだ私どもは一回もございません。
#31
○和田静夫君 受ける危険性は私は十分に、あるんじゃないかというふうにいま感じているんですが、これはしばらく動きを見ているとどうもそういうふうになってくるんじゃないかという感じがいたしております。
 シャウプ税制以降、日本の租税体系というのは所得税中心主義で来た。この原則に変わりがないとしますと、この直間比率の改定というのは税の累進性を基準にして考えるべきでしょうか。間接税が逆進的であることはこれは常識だと思うんですが、ところが最近、間接税、消費税も生活必需品を外せば垂直的公平が保てる、そういう新しい説とでもいいますか、かなりそういう新説が横行いたしています。これは全く一般論ですが、この議論というものは主税局長などはどういうふうにごらんになっているわけですか。
#32
○政府委員(福田幸弘君) 累進の問題の御指摘だろうと思うんです、直間も絡んで。
 直接税は、これは所得税が代表的なものですが、これが累進的になっておる。ただ累進度は、大臣申しますように、私も同じくそう考えるんですが、異常な累進になっている。で、その下の方が低いという問題と、上というか中間から上が急激になったというのは、課税最低限だけを引き上げてきた結果が立ってきたということであろうと思うんです。ですから、累進の問題としては私はこれは行き過ぎた累進であるという気がいたします。この行き過ぎた累進が勤労意欲をそぐということになります。また、貯蓄を阻害する、こういう欠陥を生んでおる。
 それから、間接税の方は逆進であるというのが古くから言われますけれども、これは生活必需財を落とすというようなことが考えられますが、むしろこの逆進というのは所得を分母に置いて担税力を見るから逆進なんで、消費を分母に置けば、消費力を分母に置いて担税力を求めれば、というのは、社会の受益を考えるということであろうと思うんです。いままでの考え方は応能主義であったものですから逆進理論が強かったんでしょうが、その消費力の方に、また消費というのは安定した社会を前提にしていますから、そういう応益の前提での支出を分母に置けばこれは比例税率になるわけで、これは逆進であるということは一概に言えない。しかし、所得に対してはやはり逆進という考えがございますから、下の方の生活費を外すということは一つの考え方です。
 それから、逆進の問題、累進の問題は、その歳出の面を考えませんと意味がないんで、歳出の方が下に厚い歳出構造になってきたときには、その財源をいかに安定的に確保するか、これがもうヨーロッパ型の中心の財政論で、この税金の方だけで累進でなければならぬという考え方はむしろ古いということであろうと思います。
#33
○和田静夫君 おたくから昭和五十三年分の「所得階級別税負担表」が出ておるわけです。これをずっと分析してグラフに描いてみましたが、そうすると、やっぱりいまいろいろ言われましたけれども、間接税は逆進的だと出るし、その内訳の項にあるところの物品税も非常に逆進的であるわけです。現行の物品税にはいわゆる生活必需品は入っていない。それにもかかわらず、緩やかな逆進性をずっと描くわけですよ。逆進性を緩やかに描いているわけです。これはどうしてこういう現象が起こりましょうか。
#34
○政府委員(福田幸弘君) これはやはり消費支出が下の方では多い、要するに貯蓄は上の方が余裕があるということが反映しておるんじゃないかと直感的に思うんですが、税率構造の中で見ると、奢侈的なものにはこれは高い税率を適用するようにはいたしておりますけれども、そこは個別物品税でございますので、沿革的にやはり奢侈的なものでもなかなかそんなに高い税金でない場合もあります。
 ですから、これの階層別で見て、やはり物品税、個別物品税でできるだけ上に、奢侈的なものを税率を高くしようとしても限度がありますので、物品税は間接税ですからどうしてもやはり逆進的にならざるを得ない。しかし、上の酒税とかたばこの逆進に比べればこれはわりになだらかで、これ全体ごらんになりますように、直接税の方の累進を加えますと一番下のところでは三・四四が、一番上では一〇・五一ということで累進を保っていますから、全体で見て累進――累進と言うのは私は疑問を持っていますけれども、直接税を入れたところでの総合の姿は上の方がやはり負担が重い、むしろ重過ぎる感じが強いということさえ言えます。
#35
○和田静夫君 仮に一兆円の所得税減税を行う、一兆円の間接税増税を行うというふうにしますと、トータルでこの租税負担は変わらないわけですが、ところがこの所得階層別の負担率やあるいは職業別、階層別の負担率というのは変わってくる、こういう状態になります。その際に、一般的に言って逆進性は上昇するわけですよ。そう考えるのが常識的でしょう。
#36
○政府委員(福田幸弘君) いまのは増税のやり方、まあすべて仮定でしょうが、累進的な間接税というのはなかなか仕組みにくいということで、間接税の増税を、一般的な税率の間接税ということであれば、先ほども申しますように所得に対しては逆進的である。
 しかし、それはいろんな生活財を外すとか、またフランス型で幾つかの階段を設けた税率表も考えられないことはないんですけれども、いずれにしても間接税は所得税の方に――所得税は累進税率だものですから、その増税の仕方によりますけれども、いまの累進税率という前提でいけば、それはやはり累進的な増税になる、間接税は逆進的であるということは言えますが、基本的に累進、逆進は問題があるということを申し上げておきます。
#37
○和田静夫君 ちょっと前段のあれに時間をとり過ぎたんですが、実は言いたかったことは、税調が物品税の拡大による消費税の増税を検討するというふうに言い出しているわけですね。主税局長、この物品税の課税対象を拡大するということは実際可能ですか。
#38
○政府委員(福田幸弘君) 税調ではまだその議論は、新聞報道ございますけれども、やっておりません。
#39
○和田静夫君 これから始まるんです。
#40
○政府委員(福田幸弘君) どういう議論になるか別でございますが、いま八十になっているんですか、品目限られていますから、あと残っているのは何かという話にもちろんなるわけで、そうしますと、やはり衣料品が抜けておるのが最大のポイントだと思います。衣服とかいうのは幾ら高くてもかかっていません。そういうことで、かつて衣料品に対する課税案を出して通らなかったことがありますけれども、課税対象でむしろ問題は、サービスが抜けておるところがポイントであろうと思うんです、物品税体系というのは。サービスがいまどんどんふえていますから、サービスに対する課税がないということも考え合わせれば、なかなか物品税の体系の中での増税ということには難点が、むずかしい障壁が多い気がします。
#41
○和田静夫君 昭和五十二年の十月四日の一般消費税についての税調答申というのを書き抜いてここに持っているんですが、この論理というのは、現行物品税制度では、消費の多様化、高級化そして平等化が進んでいる今日、課税対象の選定について客観的な基準を得ることは困難になっている、だから一般消費税を云々と、端的に言えばそういうふうになっているわけです。
 そういう状況というのは、私はその後変化したわけではないと思うんですね。物品税による大幅な増収は、依然として私は大きな壁にぶち当たっていると思う。依然としてこの状況は変わっていない。それにもかかわらず、財源がないからといって物品税を拡大することは、これは理論的に私は認められない。どっちみち論議が始まると伝えられますから、明確にしておきたいと思うんです。
 私は、いま私が言ったことが論理的必然だと思うんです。主税当局は、やっぱり私は租税理論としてここらのところは明確にしてからでないと、現行物品税の拡大を導入することはできない、そう言っておきますが、よろしいですか。
#42
○政府委員(福田幸弘君) 現行税制というものをどういうものをどう手直しするかというものは、短期的にはあり得るわけです。そのときに、いまの現行税制というものが課税の対象として漏らしているもの、また新規に出てきた品物、またその種のサービスが入るかどうか知りませんが、そういうものを補完していくということはあり得ると思うんです。いまの物品税を広げることは絶対いけないという議論はないんで、やはりいまの税制が正しいという前提に立っておれば、その延長線上で補完をしていく、いろんなものを追加していくということは、これはあっていいと思います。
 しかし、中長期的には、税制論としてはもっと基本的な検討は今後必要であろうということであります。
#43
○和田静夫君 私はここのところさらにちょっと言っておきたいんですが、五十二年の税調では物価転嫁問題も議論されていますよ。一般消費税だから転嫁のおそれは少ないというふうにされたわけですね。ということは、裏から考えてみたんですが、裏を考えてみると、物品税ないし個別消費税には転嫁がつきまとうということだったと思うんです。
 要するに、個別物品税の課税対象拡大によるこの消費税の増税というのは最も悪いやり方である、そういうふうにも確認しておきたいんですがね。
#44
○政府委員(福田幸弘君) 転嫁の関係でいけば、個別物品税もやはり転嫁は一般消費税と同じだと思います。一般消費税が転嫁がはっきりしていないということはないんで、むしろ一般消費税の方がはっきりした転嫁を予定しておるわけで、一〇%とすればこれは小売価格が一〇%のべつ全部が上がるということが前提になっておるわけです。そういう意味では転嫁はむしろ一般消費税、付加価値税の方がはっきりしてまして、個別物品税の方がむしろこれはやはり法律上は予定してますけれども、第一種物品みたいに製造段階でかければ小売値段に幾ら入っておるかがわからないという種の問題があります。しかし物品税である以上は間接税ですから転嫁はします。そういうことで物品税、一般消費税ともに転嫁をする。むしろ一般消費税の方が転嫁関係は明らかであるというところにメリットがあるんで、そういう意味ではむしろ御指摘と反対なお答えに、なるかと思います。
#45
○和田静夫君 そうですか。そうすると、これは大臣、私とずいぶん見解が違いますけれども、いつの時期かはあれとしまして、一応置いておくとして、兆円規模の減税は近い将来やられる、やらなきゃならない、その際の財源として個別物品税の拡大は私はできないというふうに考えておったんですが、その辺のことはできるという考え方でおやりになるということになるんですか。
#46
○政府委員(福田幸弘君) いまの税制でおっしゃるような大きなものがやれるかとなれば、現実的にはなかなか問題があろうと思います。これ以上は非常に政治的な問題でしょうし、いまの現行税制で直すにはさきのように増税なしというような政治的な判断がございますので、私は中長期的なことを主にしたお話を申し上げておるということでございます。
#47
○和田静夫君 それから、現行税体制では私が言ったようなことであるということにこれは大臣理解していいですね、いまの答弁からして。
#48
○国務大臣(渡辺美智雄君) 現行税制で間接税だけで一兆円ということはむずかしいでしょうね、恐らく。
#49
○和田静夫君 最近、三月十八日ですか、日経なんですが、一兆円の建設国債を発行する、そうしますと年間二兆一千三百億円の生産増があって、そして二千四百億円の税収増が見込める、こういう計算の発表があった。これは建設省が試算されたと書いてあるんですけれども、大蔵省としては公共投資増、その効果というものはどういうふうに把握をされておるわけですか。
#50
○政府委員(福田幸弘君) われわれもいろいろ勉強いたしておりますので、大体同じような結論になりますが、これはモデルを経企庁の世界経済モデルというものを使った計算を大胆にやったということであろうと思います。初年度のところで公共投資の乗数は、名目GNPに対しまして一・二七であります。減税の方は、ついでに言わしてもらえれば〇・四二です。三分の一になっています。それから一・二七は用地費を調整いたしておりません。用地費の率を二〇%とすれば一・〇二というのがありますが、この数字は一・二七を使っています。もう一度申しますと、乗数が一・二七と〇・四二、公共投資と減税、これが前提になります。
 それで、あとはこれは御留意願いたいのは、日本の場合は貯蓄率が高いということが一つでございます。それから租税負担率が低い、この二つがポイントでございます。それを適用していきますと、公共投資の場合、これは本当に仮に一兆と置きますといまのが一・二七ですから、GNPは初年度一兆二千七百プラスだということになります。一兆投資して波及して乗数が一以上ですから、一兆の公共投資をやれば一兆二千七百GNPがプラスになる。これが、今度はもう少し話を進めますと、ここには貯蓄が影響していません、すぐにそこに来ますから。そして国税と地方税の負担率が二〇・八%でございますからこれは低いわけですから、これを掛けますと二千六百億の税収へのはね返りということになります。ですから一兆やって二千六百しかはね返ってこない。その差額は結局赤字になるという問題であります。国税だけですと千八百億のはね返りということです。
 これは減税の話で申しますと、一兆減税しますと、GNPは先ほどのように〇・四二ですから四千二百億のプラスにしかならない。そしておいて二〇・八という租税負担率ですから、それを掛けますと九百億の税収のはね返り、一兆やって九百億しか返ってこない。国のベースでいけば六百億ということです。そういうことで考えますと、公共投資というものの経済効果及び税収へのはね返りは減税と比べて段違いに違うということが言えます。
 もう一つ申し上げますと、これは乗数にも入っておると思うんですが、雇用がここで公共投資ではっきり出てくる。それから時間的な差がない、早く手が打てるという問題、もう一つ大事なのは地域性が加味できる。地域のところで対策が細かくやれる。消費はもう日本じゅうの話になるものですから、その辺の効き目がどうかという問題。それから、これに新聞にございますように、乗数に入っているでしょうが、輸入がここがまたはっきりふえてくる、こういう問題。それからもう一つ大事なのは社会資本が残るという点、これが最大のポイントであろうと思うんです。
 あと財源の国債費の問題がございますが、これは主計局の方で必要でしたら答弁申し上げます。
#51
○政府委員(窪田弘君) 公共投資を建設公債でやった場合は当然国債費がかさむわけでございます。
 先般国会にお出しいたしました将来の利払い費の試算によりましても、仮にいわゆる投資部門の要調整額を全部建設国債で埋め、その後毎年一〇%建設国債をふやしていくというふうな仮定で計算しますと、国債費がどんどんふえまして、将来は非常な負担になる。たとえば、一般会計の伸びがことしと同じ六・二%の伸びと仮定してそういう計算をいたしますと、国債費だけで一般会計の四分の一にもなってしまうというふうな計算になりますので、これはこれとしてまた別の大きな問題であろうと思っております。
#52
○和田静夫君 貿易摩擦についてちょっと伺いますが、アメリカやECの貿易摩擦に関する要求を見てみますと、相互に矛盾し合うものがあるわけですね。たとえば日本の金融市場を開放せよというそういうことと、円安誘導をやめるという要求ですがね、これは現局面では私は矛盾しているんじゃないだろうかと思うんです。日本としてはどちらを優先するのかはっきりさせるべきだと私は思っておりますが、私の考えでは、現在の段階では円高誘導政策を優先させるべきだと、そう考えるんです。
 そういうような観点からは、長期金利を下げるということは余り好ましいふうには思われない。仮に長期金利を下げるのであれば、短期の金利を上げるなり、あるいは全体の資金供給を調整をすべきであるということを強く考えますが、日銀はそういうような行動をとっているように見受けられるのですが、これは大蔵はどうですか。
#53
○政府委員(宮本保孝君) 長期金利の場合には非常に実勢というのがございまして、できるだけ実勢に沿って下げていくべきである、あるいは上げていくべきであるということでございます。ただ、短期金利につきましては、公定歩合が政策金利でございます。それから一般の預貯金金利は規制金利でございますので、したがいまして、政策金利なり規制金利なりの上げ下げは政策としてかなり政府の意思が出るということでございます。
 したがいまして、いま御指摘のとおり、現在の金融情勢から見まして、特に円の問題御指摘のとおりでございまして、できるだけ円安を防ぐという意味におきまして、私どもといたしましては長期の下げの場合にもできるだけそういう点も踏まえました幅にいたしておりますし、特に短期金利等につきましては余りここで下げるということはできないわけでございまして、御指摘のとおり、日銀等におきましても短期の金利につきましては実勢をできるだけ高目に持っていこうというふうな政策もとっているわけでございます。
#54
○和田静夫君 外為法の有事規制を発動するということ、そういう検討が行われ出したというんですかね、そういう報道が目につくんですが、これは本当ですか。
#55
○政府委員(加藤隆司君) 御承知のように、外為法の二十一条に発動の要件が書いてあるわけでございます。したがって、常時そういう条件が出ればいつでも発動できるわけでございます。検討しているとか何とかということでなくて、事態がそういうのに該当しているかどうかという問題だろうと思います。
#56
○和田静夫君 現在はどうなんですか。
#57
○政府委員(加藤隆司君) 三つございまして、国際収支の不均衡、それから為替の変動、それから金融資本市場に対する悪影響、この三点でございますが、目下のところはそういうことは必ずしもないんではないかと考えておりますが、いつでもそういう事態が起これば、さっきも申しましたように、制度的にそういう制度が設けられておるということでございます。
#58
○和田静夫君 保険会社の規制緩和をアメリカが要求してきているようですね。私は、こういうような要求を安易に受け入れると大けがをするのではないかという危惧があるから、ちょっとお聞きをしておきたいんですが、いわゆる契約者の保護という見地を大切にするという観点です。外国保険会社の規制緩和というのは、国内の保険会社の規制緩和にもつながるわけでしょう。これはぜひ慎重に対処をすべきだと考えておりますが、いかがですか。
#59
○説明員(猪瀬節雄君) 日米貿易摩擦に絡みまして、アメリカから市場開放を求められております中に保険がありますのは先生御指摘のとおりでございますが、誤解に基づく点がずいぶんございまして、現状を御説明申し上げますと、生命保険会社で日本がアメリカに進出いたしておりますのは一社でございますが、アメリカの保険会社で日本で生命保険を営んでおりますのが十九社ございます。つまり一対十九でございます。また、損害保険会社について申し上げますと、日本がアメリカに進出いたしておりますのが九社でございまして、これに対しましてアメリカから参っておりますのが十三社、収入保険料で見ましても、それぞれ数倍以上の違いがあるわけでございまして、そういった意味から申しますと、日本は十分開かれた市場であるというふうに私どもは思っておるわけでございます。
 特に、アメリカの場合には州ごとの免許が必要でございまして、日本のように一たん免許いたしますれば日本の国内どこでも営業できるというのとはまた違った制度をとっておるわけでございます。したがいまして、こういった誤解を解くということがきわめて重要だと思っておるわけでございますが、もちろん今後とも私どもこういった努力をいたすとともに、問題のないような進出希望に対しましては、これを速やかに認めるということもまた必要かと思っておるわけでございます。
#60
○和田静夫君 五十六年度の税収でちょっと聞きますがね、税収の不足は決算調整資金で賄い切れないようですね。そこで、ずばり言って幾らくらい不足が生ずるんだろうということと、もう時間もありませんから続けますが、それが一つ。
 もう一つは、決算調整資金を仮に使い切ってしまった場合に、五十七年度の予算で繰り入れることはできません。そこで五十八年度に新たに繰り入れる、そういうことになるわけでしょうが、決算調整資金で賄い切れないときには国債整理基金から繰り入れるわけですね。これが決算調整資金に関する法律の附則に入れられた経緯というのを実は知りたいんです。附則にこういうような重要なことが書かれる法律というのはどうもほかに例を見ないような気がするものですから。附則第二条の第二項に「国債の償還等基金の運営に支障を生じないようにしなければならない。」国債の償還というのは大変重要なことなんで、こういう重要なことが本文に入れられなかったというのはどういうことなんだろうということなんですね。これが二つ目です。最後に、決算調整資金にしてもあるいは国債整理基金にしても、それを使えばそれで済むという問題ではありません。五十六年度税収見積もりの誤りのツケが五十八年度の予算編成に回ってくる、五十八年度の予算編成を拘束する、財政硬直化の一要因となる、こういうことでしょう。この三点について。
#61
○政府委員(福田幸弘君) 五十六年度の税収、いまの段階まだ六一・八%という、まだ四割近くが残っておる状況であるのは、法人税がウエートが大きく、しかもこれが五月に入ってきて、わかるのは七月ということでございますので、いままでのところ十−十二月の経済が悪かったとかということは非常に心配いたしておりますけれども、これが税収にどう響くかはまた個別税目の、また個別の企業の決算いかんにかかわるわけですから、そういう意味で、課税ベースでどうなるかということは、この三月決算というものがどうなるかにかかっていますだけに、ここのところがはっきりとした数字はもちろん決算で出ていませんので、そこをいま幾ら減が立つということは申せないというか、わからないというのが実情でございまして、そういうことを御理解いただければありがたいわけで、それの前提でございますので、主計局の方も仮定の質問にはお答えしにくい立場だと、こう思っております。
#62
○政府委員(窪田弘君) 第二の御質問の、附則で規定をしている理由でございますが、御承知のように、決算調整資金に関する法律の第四条では、資金への繰り入れは一般会計に剰余が生じた場合、それからその他必要がある場合に一般会計から繰り入れるということになっておりますが、財政法六条の剰余金の繰り入れには現在のところ多くを期待できないわけでございます。また財政事情からいたしましても、繰り入れることも容易ではございません。
 そこで、こういった資金が成熟をいたしますまでの間に、こういった臨時の不足が生じます場合に、それに対応できるようにということで、この国債整理基金からの繰り入れ規定を設けたわけでございますが、これはこの附則の第二条にございますように、「当分の間」ということになっております。したがいまして、将来この資金が充実してこれが必要がなくなれば、そういうことは仕組みとして必要がないわけでございますから、それまでの間こういう道を開いているということでございます。
 仮に、先ほど主税局長から御答弁いたしましたように、税収不足を前提とした御答弁は差し控えさせていただきますが、ただ仮に、五十七年度におきまして、国債整理基金からこの資金に繰り入れた場合、その翌年度までに当該繰り入れ額を同資金に戻さなければならないという負担が残ることはおっしゃるとおりでございます。現在この資金の残高は三月末で約二千五百億円でございます。
#63
○和田静夫君 だから五十八年度の予算を拘束をすると。
#64
○政府委員(窪田弘君) はい。
#65
○大河原太一郎君 ただいまも先輩の和田委員から御質問中にもございましたが、対米黒字百八十億ドル、EC百億ドル、大幅な黒字幅に関連いたしまして、貿易摩擦が最大の国政の課題になっておるというわけでございます。内外、日に貿易摩擦問題が論ぜられない日はないというような事態でございますが、先般、院の許可を得まして党の貿易摩擦問題に関する訪欧使節団の一員としてECに参りまして、
   〔委員長退席、理事藤井裕久君着席〕
EC委員会あるいはこれを構成いたします主要国の政府筋あるいは議会筋あるいは経済界筋と接触いたしまして、先方の主張あるいはその背景、当方の主張等について論議を交わしてまいりましたので、特に貿易摩擦問題等関連におきまして、当委員会の所掌等の関連で一、二お尋ねをいたしたいというふうに思うわけでございます。
 もうすでに御案内のとおり、EC諸国は失業率、インフレ率等で二けた前後だ、また経済の成長はマイナス成長だあるいはゼロ成長というような事態でございまして、特に失業者がEC全体で千七十万人というようなあれに達しまして、経済問題の域を越えまして政治問題に相なっておるというわけでございます。
 EC側の当方に対する主張、これはすでに御案内のとおりでございますけれども、私が要約さしていただいた点につきまして申し上げますと、EC側の主張は総括いたしますと自由貿易の必要性、わが方は自由貿易の原則の主張をいたすわけでございますが、自由貿易の必要性は認識しておるけれども保護主義の圧力が日々高まっておると。早急に貿易インバランスの改善の具体的行動を起こさない場合には、保護主義的な措置が関係各国から起こることはとどめ得ないという前提でございまして諸般の点を申しております。
 先般わが方は、貿易摩擦の第一弾として、御案内のとおり、本日も本院を通過いたしましたが関税の一括二年前倒しあるいはNTB、いわゆるNTB、非関税障壁、輸入検査手続等の簡素化というような問題あるいは貿易関係の苦情処理、OTOというような措置をとって対応したわけでございますが、先方は一応これについての評価はしておりますけれども、日本市場への参入が容易になるように一層の措置をとらない限りは不満足であるというのが一般的な意見でございました。
 さらに、特にアメリカなりあるいはECと比べて日本の製品輸入の割合が大変低いと、アメリカは一人当たり五百九十ドルの製品輸入、ECは六百七十ドル、日本は二百五十ドルというような点で大変製品輸入の比率が少ないというような点、あるいは特定分野における集中的な輸出、この点についてはしばしば言われているところでございまして、いわゆるレーザービーム的な輸出と、これが特定部門の産業、域内各国の産業に破壊的に作用を及ぼして雇用問題を惹起しておるというような点、さらには国内政策としての日本の輸出ドライブのかからぬように内需の拡大という点、また為替相場についても適正なファンダメンタルズを反映するような、過度な円安というものに対する懸念というような点について諸般の点があったわけでございます。
 特にその中で、関税率の引き下げというようなものも、アメリカのような市場開放、リベレーションという点と異なった味でEC諸国は関税率引き下げについて大きな関心を持っておるように承知したところでございます。もともと百億ドルの黒字がございますが、あたかもECの一部で言っておりますように、その減速、失速いたしましたEC経済の原因をもっぱら日本の黒字幅に求める、いわば日本をスケープゴートにするというような点についてはいろいろ問題であるというような点については、昨日も当委員会等の御論議等でも明らかにされておるところでございます。
 また、しかし、一面におきましては、やはり日本の貿易等を中心といたしました経済の安定発展は、二極であるECなりあるいは米国経済の安定発展とパラレルだと、したがって、この貿易問題、対EC関係におきましてもそれなりの措置は必要であるという点も論をまたないところだというふうに考えるところでございます。
 長々申し上げますが、基本的な対策といたしましては、単に貿易政策だけではなくて、わが国の内需その他の喚起、円相場の適正水準の確保というような、いわば経済政策全般の問題とも関連いたしまして、それなりに困難を伴うわけでございます。そういう万般の施策の総合的なもとにおいての対策樹立という点が急がれておりますことは論をまたないところでございます。
 特に、ECが関心を抱いております関税率の問題につきまして一、二お伺いをしたいと思うわけでございます。実は、きのうも関税暫定措置法の改正の御審議の際に同僚委員からもお話ございましたが、関税水準が高いか安いか、低いか高いか、二国間その他に比べて高いかという論議が行われます場合に、いろいろな指標のとり方があるかと思うわけでございます。きのうはUNCTADの報告で、新聞報道等が非常にUNCTAD事務当局が古い資料を使い、しかも、平均関税率と関税負担率という一つのカテゴリーを混同した数字を発表して論議をかもしたというようなお話が、同僚委員からも質疑の中で明らかにされたところでございますけれども、初歩的な質問で恐縮でございますが、関税の水準の比較という場合においてはいかなる指標をとってこれをとらえたらいいかという点について、まずお答えを願いたいと思います。
#66
○政府委員(垣水孝一君) 先生御指摘のとおり、実は関税の水準というのははかり方が非常にむずかしいわけでございまして、いろんな側面からあるわけでございます。
 したがって、たとえば極端な例でございますが、非常に禁止的な関税を高く張って、それが輸入がもうとまってしまえば、実は現在はほとんどが輸入量による加重平均というようなことを使うのが一般でございますので、幾ら高い関税であってもその分についてはゼロに響いてくるというようなこともございまして、実は昨日来のお話のUNCTADの資料ではどうも日本が高いと言っているあたりも、その辺がまさに先生御指摘のとおり混同をしているんじゃないかと思うわけでございます。
 そこで、東京ラウンドのときの水準ということでいたしますと、実はガットではそのときには石油だけは特別だということで、石油を除いた全産品についての平均関税率の国際比較ということをやっております。その場合に、東京ラウンド前の石油を除く全産品の平均関税率といたしまして、これが日本が四・九、ECが八・一、米国が五・七というのを、東京ラウンドが終わった八年後におきましては、日本が四・一、ECが六・六、米国が四・〇ということになるという発表をいたしております。
 ただ、御承知のように、日本では基本税率を一応ある程度高くして基本的な税率を張っておりまして、本日通していただきました暫定によりまして下げているものが幾つかございまして、実は基本税率ということの立場からいたしますと、先ほど申し上げました東京ラウンド前が七・二、東京ラウンド後が五・〇というような数字もあるわけでございますが、実質的には東京ラウンド前四・九、東京ラウンド後四・一ということになっているわけでございます。
 なお、昨日も申し上げましたが、関税負担率で申しますと、これは関税収入を全輸入額で割ったものでございますが、これはいま申し上げました数字と違いまして石油まで入った数字でございますが、一九七九年で日本が三・一、米国が三・九、ECが三・九という数字が米国、ECを入れた一番新しい数字になっております。
#67
○大河原太一郎君 そういたしますと、ただいまの関税局長の御答弁では、日本といろいろ問題がある平均関税率においても、またさらに実態的な面を反映した現実的な視点からとらえた平均関税負担率、それから見てもEC並みでないし、ECよりも低いというふうに承知してよろしゅうございますか。
#68
○政府委員(垣水孝一君) そのとおりでございます。
 ただ、ECはどういうことを言っているかと申しますと、なる雲日本は平均的な関税率あるいは平均的な関税負担率は低いが非常に突出したものが幾つかある。たとえば、工業製品等は一般に非常に低いわけでございますが、農産品等の中に、たとえば酒類あるいはビスケット等を含めまして異常に、三〇%とかそれ以上に及ぶ高いものがあると、こう言っております。それに対して私どもも、いやおまえの方ではむしろ課徴金とかいろいろな制度もあるではないかというのが事務的な応酬の現状でございます。
#69
○大河原太一郎君 関税局長のお話からまさに出てきたわけでございますが、農産加工品の例をとりましていろいろお伺いしたいんですが、ビスケット、チョコレート、これは確かに東京ラウンドの最終段階においても三〇%そこそこところがECの場合には一二、三%というようなことで、名目的な関税率の問題が非常に高いという点が議論されておるところでございます。
 ただ、この場合に二点問題があるのではあるまいかというふうに思うわけでございます。これは農政の領域になるわけでございますが、御案内のとおり、ECはある程度、国際的な保護の水準は日本の農業よりもさらに高い保護水準をやっておるというふうに理解できるところでございます。
 御承知のとおり、共通農業政策、これを域内各国でとっておりまして、共通の支持価格を決め、その価格を維持する前提といたしまして、直接市場に介入したりあるいは不足払いをいたす、あるいは生産奨励をするというような形で所得補てんをしている。その域内の中の、大体これは私どもの承知している限りでは、全農畜産物の九割をそれてカバーしている。日本は価格政策、所得政策の対象は、米を初めとしてカバー率は七割と言われているわけでございまして、その点ではむしろ大変な手厚い保護をしておる。
 これは、ある意味で言えば、共通農業政策はECの土台になっているというふうにも理解できるところでございますが、さらに国境措置、この点についていろいろ問題があることは御承知のとおりでございます。各国一二、三%の関税をビスケットで取っておる。しかし、それ以外に国境で、波打ち際で可変課徴金という制度をおとりになっていることは御承知かと思うわけでございます。輸入価格と国内の支持価格との差額は、全部課徴金として召し上げる。舌をかむようですが、バリャブルレビーとか、あるいは加工品についてはバリャブルコンポーネントとかいうような形で一種の差額関税を二重に取っておるわけでございます。
 われわれのかつて承知したところでは、はじき方にもよる、可変でございますから動きますけれども、最高はやはり、本来の関税と可変課徴金をプラスいたしますと三〇%水準に相なるというわけでございまして、その点については単に突出云云という問題を超えて、一体的なその国境措置の規制という点について配慮すべきじゃないかというように思うわけでございます。まあ関税は関税で別で、それは別なものだというふうな単純な割り切り方という点についてはなかなかとれないのじゃないかというふうに思うわけでございますが、その点についての御見解を承りたいと思います。
#70
○政府委員(垣水孝一君) 先生まさに御指摘のとおり、ECは農産物を中心といたしまして課徴金を課しておりまして、この課徴金もまた大変複雑なやり方で、たとえば穀物とか砂糖につきましては毎日更新をする、乳製品については半月ごと、豚肉、家禽肉については三カ月ごと、牛肉については一ヵ月ごとというようなことでいたしております。
 例をビスケットにとりますと、可変課徴金は三ヵ月ごとに変更されるわけでございますが、これがビスケットがECは関税が一三%でございますが、昨年の十一月の試算値で私どもがといいますか、私どもや農林省と打ち合わせてちょっとはじいてみたところでは、それに一九・三%の可変課徴金がかかっている。したがって、十分三〇%を超えるということでございます。チョコレート等についてもほぼ三〇%近くになっているんではないかと思います。
 そういうことで、実はこの点はアメリカも大変問題にいたしておりまして、この可変課徴金。ただ、ガットの上におきましては、非常に細かい議論をいたしますと、全体の課徴金を足した範囲内で、何といいますか、譲許の中であるというようなことでございますが、その課徴金を財源にして輸出の方は今度は払戻金をするというようなことで、これが米・ECの間では非常にむずかしい問題で、ガット提訴問題等も起こしておるやに聞いております。
#71
○大河原太一郎君 関税局長、先回りをしてお話がございましたが、もう一つ、次に私申し上げたいと思ったのは、輸出奨励金の問題でございます。
 可変課徴金等を財源にいたしまして、国際価格競争力を確保するために輸出奨励金をつけておるところでございます。輸出奨励金つきの製品輸入という場合における国内の保護措置というような関係については、この点についてもまた、関税率引き下げの問題を検討する場合には大きな配慮が必要ではないかというふうに思うわけでございます。
 で、先般もECに参りました際に、アメリカの高官筋によりますと、とにかくいまECとアメリカは農産物戦争しているんだ。アフリカ地域においては、小麦についてである。フランスは御案内のとおり、小麦の生産ではソ連、アメリカに次ぐ大生産国ですが、輸出補助金を出して小麦を輸出している。アメリカの小麦と大変な競合をしておるということでございまして、また中近東ではブロイラー、食鶏、チキン、これについて輸出補助金つきのフランスのブロイラーがアメリカの産品を市場から駆逐しておるというような点でございまして、貿易摩擦問題に関連しては米欧一致して日本の黒字問題について向かってきておるわけでございますが、事、農業関係におきましてはそういう問題も提起されておる。
 まあやや横道にそれましたけれども、可変課徴金問題あるいはECの輸出の際の輸出補助金の問題、これを払い戻し金というような上品な言葉を使っておりますけれども、輸出はまさに輸出補助金、安売り、ダンピングという点等にも相通ずるわけでございまして、今後関税の引き下げ問題が論議される場合におきましては、対EC関係においてはその点についての十二分な配慮が必要であるというふうに思うわけでございます。その点については特に御答弁を求めませんが。
 もう一つは、これは特殊性を議論するわけではありませんけれども、農畜産加工品は原材料を国内の農畜産業に仰ぐという点でございますが、それぞれの国の農業政策の観点から、非常に原材料については国際的水準から見て割り高たらざるを得ないという問題があるわけでございます。まあ例をビスケット、チョコレート等にとりますと、材料である砂糖あるいは小麦粉または全脂粉乳、バター、これらについては国内の農業保護の水準から、やはりEC等に比較しては二倍、三倍になるというような点でございまして、これらのコストについての配慮、まあECは自分の共通農業政策からそれぞれ農産加工品等の保護を行っておるわけでございまして、そういう意味では、やはり農業政策のはね返りという点についての配慮という点について必要ではあるまいかと思うわけでございますが、それについて御所見がございましたらお考えを聞かしていただきたいと思うわけでございます。
#72
○政府委員(垣水孝一君) ちょっと初めに、この課徴金の方につきましては、ガットで一月に実はアメリカから提訴いたしております。
 こういうことで、農産物については各国とも非常に保護主義、アメリカ自身が御承知のように幾つかの、これはガットのウエーバーございますけれども、保護措置をとっているわけでございますし、この点が十一月のガットの閣僚会議ということに向けて、やはり特にガットの事務当局が農産物についても東京ラウンドの積み残しということでぜひマルチの議論をしたいと、バイでやるんではなくてマルチでもっとやろうじゃないかという方針で臨んでいるところでございますので、私どももやはり単に国と国とで、何といいますか、水かけ論をやるんではなくて、マルチの場でぜひする方がよろしいんではないかと考えている次第でございます。
#73
○大河原太一郎君 特定産品についての例を申し上げまして、これから起きてきます関税の引き下げ問題についての慎重なる配慮、取り扱いを要望したところでございます。
 最後に、今後貿易摩擦の対応策についての、関税引き下げ問題についての基本的な考え方等について一、二お伺いしたいというわけでございます。
 本日、院を通過いたしました関税暫定措置法の内容は一括前倒し、それには大変意味があると思うわけでございます。御案内のとおり、御説明にもございました、明々のことでございますが、長期間をかけた東京ラウンドによって八〇年から八七年までそれについての関税率を下げる。多国間のそれぞれの利害の調整の結果、それぞれの産品についての関税率を各国が定めたわけでございます。
 そういう意味では、今回関税の前倒しを貿易摩擦の解消の一つの手段というふうに用いる場合においても、特定産品についての個別的な選択という点についてはいろいろその考え方から言っても問題であろうというわけでございますが、まあ一括前倒しということでそれなりの理解ができるわけでございますが、しかしそれにしても、特定不況業種等の業種もありまして、その点についてはいささか問題も今後残るのではあるまいかというような懸念も持っております。まあよけいなことでございますが、多少の関税率の二、三%、三、四%よりも為替相場の方が問題である。まあ円高になれば競争裏にどんどん入ってくる、したがって、固定的な関税よりも今日の生きた世界経済では為替相場の方が問題だという御所論もございます。
 確かに実態的には、短期的にはそうかもしれませんが、関税は一つの制度でございまして、長期の視点からの配慮、取り扱いという点が大変人妻ではあるまいかという点について意見を申し上げるところでございますが、それと関連をいたしまして、特定国からいろいろ今後貿易摩擦との関連で、まあ東京ラウンドの結果がどうも不満であった、これの引き下げを日本に求めるためにこの産品はがまんした、全体のパッケージでやった中だからがまんしたけれども、どうもこの品目については関税を引き下げたいというような要求が貿見摩擦との関連でいろいろと出てくるというふうに思うわけでございますが、まあ意見を述べて最傍の御見解を承りますが、やはりこれは東京ラウンド、多国間合意のもとにおける一つのパッケージとしてでき上がった制度でございまして、一つの特定国からの特定産品に対する関税の引き下げは、また他国からの特定産品に対する関税の引き下げを誘起して、全体としての現在のわが国の関税率のあり方という点について大変問題を残すのではあるまいかという点について、まずお伺いをしたいと思います。
#74
○政府委員(垣水孝一君) 先生まさに御指摘のとおり、私どもが数年かかってようやくなし遂げた東京ラウンドが、まだ二、三年しかたっていない段階でいろんな特定国から特定物資について、あれはやりたくなかったんだというような言い方をされることについてははなはだ困惑をしていると申しますか、対応に苦慮しているところでございます。
 そこで、いわゆる一律前倒しということをお願いをすることになったわけでございますが、実はこの一律前倒しによって、主として昨年の秋以来はEC及びアメリカから強い個別についての要求があったということがしきりと報道等もされましたが、実はいろいろほかの国でも、たとえば韓国、たとえばASEANというような国、さらにはカナダあたりもあったわけでございます。そこで、その一律前倒しで千六百五十三ということは、単に日本はECやアメリカが強く言ったからそれで為りたんでないということで、実はそういう国々に対して一つの日本の基本姿勢を示したということになっていると思うわけでございます。
 そういうことで、原則といたしましては、私どもは産業の実情にさしたる変化がないにもかかわらず個別に言ってきたからだだ単に無原則に下げさえすればいいということとは考えておりませんが、ただ、また逆に、それじゃ絶対にその枠ははみ出さないようにするかということもきわめてかたくな過ぎるんじゃないかというようなことで、私どもとしましては、いま申し上げましたように、他の国々の要求等も考慮しながら、相手方の関税引き下げの要求の合理性とか事態の長期的解決に資するかどうかとか、あるいは関税水準の先ほど申しましたようなちょっと突出し過ぎているかどうかというようなこと、そしてもちろん当然のことといたしまして関税の第一の目的は国内産業保護の必要、産業を目的としているわけでございますから、その必要度等を勘案いたしまして、できるものはするということでございますけれども、大枠としては東京ラウンドということの枠ということを頭に置きながら、今後さらに各国との要望との調整を図っていきたいというのが私ども事務的な、基本的な考え方でございます。
#75
○大河原太一郎君 関税局長の御答弁の中で、ある部分すでに私がこれから聞きたい点について触れられておるわけでございますが、問題をはっきりする意味において御質問申し上げますが、大体関税というものは個々の産業の保護の必要度に応じてやっておるわけです。
   〔理事藤井裕久君退席、委員長着席〕したがって、特定国に対する輸出超過等が起きた場合に、そしてその特定品目について引き下げの要求というようなものがあった場合には、その点についてはその産業の保護の必要度が大きな変化がない限りは慎重に取り扱うべきであるというふうに思うのが原則ではあるまいかというふうに考えるわけですが、その点の御所見を承りたいと思います。
#76
○政府委員(垣水孝一君) まさにそのとおりだと思います。
 したがいまして、実は一番私どもが議論を詰めていかなければならないのは、わが国の関税の保護の必要が強いものに対して向こうが逆に当然のこととして強いという点も配慮しながら、できるだけ国内産業の保護ということが関税の第一の目的であるということを考えながら議論をしていきたいと思っております。
#77
○大河原太一郎君 最後に一問お伺いしたいわけでございますが、貿易摩擦あるいはそれと関連した大きな一環でございます関税の引き下げ措置というような問題についての取り扱い等については、ただいまのやりとりからお考え明らかになったところでございますが、仮定の問題でございますが、貿易摩擦が危機的な様相を呈して特定品目等についての関税引き下げが焦点になった場合、いかなるお考えで対処をいたすのかどうか。これは特定産品の個別な例ではなくて、基本的なお考えについてお伺いをしたいと思います。
#78
○政府委員(垣水孝一君) 大変むつかしい御質問でございまして、私どもはただいま申し上げましたように、その先方の言い方に、先方の要求の合理性、わが方の必要度についてできるだけ先方の理解を得、また同時に、わが方の国内産業についても余りにも過保護にならないように、その辺の点を徐々に考えていかなければならないと事務的には考えておりますが、最終的には、高度の政治的御判断によって解決していただくということになろうかと思います。
#79
○大河原太一郎君 私はこれで結構です。関税問題についての質疑は終えるところでございます。
 もう一つ、ECに参りまして感じましたことは、単にその問題が貿易収支の問題の高さで議論されるだけで、国際収支、経常収支とかそのレベルで、全体の国の経済関係なり経済活動の一つのインデックスでございます経常収支とかあるいは長期資本収支を含めた基礎収支というような問題についてどうあるべきかというような点については、EC諸国等との論議においても、われわれも必ずしも十分に聞いてもらえなかったし、また向こうも貿易収支以外の問題に触れるとやや逃げ腰といいますか、聞く耳持たぬというような形であったやに承るところでございますが、これは要望でございますけれども、特に現在の円安等についても、輸出ドライブというようなことで、人為的な、われわれはそうは思っておりませんが、操作を政策的にしているのではあるまいかというような、大変猜疑心と申しますか、その裏を見ようとするような面が各国で看取されたわけでございます。
 そういう意味で、言わずもがなでございますが、国際収支全体なり、あるいは構造的に言っても貿易収支は黒だったけれども、貿易外収支については、ようやく全体の経常収支は黒になったけれども貿易外収支は構造的に赤字だというような問題、あるいは資本収支等の問題という点については政府も対外的に十二分にも説明をし、その辺の問題についての配慮が必要ではあるまいかというふうに考えるところでございます。
 時間がありませんので、この点についてはその問題だけを指摘し、御答弁は結構でございますから……、これをもって私の質問は終わります。
#80
○塩出啓典君 きょうは大蔵省の予算について二、三質問したいと思いますが、財政再建ということで各省の予算、特に経常経費等はここ数年ゼロベースが続いておるわけであります。そういう中で、大蔵省は各省の予算を厳しく査定をしていかなくちゃいけないわけで、そういう意味で、みずから大蔵省の予算についても厳しい姿勢で臨んでこられておるんではないかと、このように思うわけでありますが、いままで毎年着実に伸びておったのが伸びが抑えられてきたと、そういうことで大蔵省はこの予算で特にどういう点を節減をして伸びを抑えてきたのか、どのあたりに苦労されてきたのか、このあたりをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#81
○政府委員(窪田弘君) 御指摘のように、大蔵省の予算については厳しい、まずみずから厳しく律するという見地で予算編成をいたしました。
 大蔵本省の行政経費、これは六・九%伸びております。一見高いようでございます。全体の伸びが六・二でございますから高いようでございますが、このうちには貨幣交換差減補てん金というものがございまして、これが一八・六%伸びております。これは一応支出官レートというのを毎年二回決めますが、実際にはそのときどきの実勢レートで払うわけでございますから、払う場合に不足を生ずる場合がございます。これを補てんするものでございまして、これはいわばやむを得ない、これと人件費とを除いたそれ以外の経費、これは前年に比べて一・八%のマイナスになっております。
 全体を厳しく見直しまして、全体としては前年に比べて減るという状況になっております。
#82
○塩出啓典君 特に私がお聞きしたのは、どういうところを、たとえば旅費なんかですね、どういうふうに節減をしたとか、こういう点を節減するように努力をしておるとか、そのあたり数字的なことではなしに大体概観的に、どういうところが実際に伸びがとまっておるのかということをちょっとお聞きしたかったわけであります。
#83
○政府委員(窪田弘君) 旅費その他いわゆる経常事務費、これは各省とも同じでございますが、もうずっと据え置いておりますが、そのほかに大蔵省といたしましては、特に業務を見直しましてこれを廃止したり縮小したりしたものが約十億円ございます。それから研修のコースその他は再点検をいたしまして研修の廃止、縮小をしたものがございます。これは金額にいたしますと二千二百万円でございます。それから補助金等整理合理化を十一億五千七百万円いたしております。合計、節減合理化を図ったと私ども見ておりますのが二十二億五千万円ほどになっております。
 その他、定員の関係で申しましても、国税庁を中心にして充実しておりますが、全体としては一般会計で九十七人の純減ということにいたしてございます。
#84
○塩出啓典君 それでは、今年度予算で、いま定員は九十七人純減であるけれども、特に国税関係、五十九年度からグリーンカードも実施されるわけで、そういう点も踏まえて国税関係については定員をふやしておる、このように聞いておるわけでありますが、細かく税関とか国税庁とか、そのように分けた場合には定員の増減はどうなっておるんでしょうか。
#85
○政府委員(窪田弘君) 全体で一般会計九十七名の減でございますが、国税庁は二十七名の増になっております。これは定員削減計画で四百九十八人の減になりますが、他方、五百二十五名の増員を図っておりますために差し引き二十七名の増となっております。その他はすべて純減でございまして、本省は八名純減、財務局は七十一名の純減、税関は四十五名の純減、本省、財務局、税関で合わせて百二十四名純減ということになっております。これに対しまして、国税庁は二十七名の増、差し引き大蔵省一般会計で九十七名の純減ということでございます。なお、その他大蔵省には特別会計がございまして、特別会計の分は七十七名の純減でございます。
 合わせまして、大蔵省の総計で申しますと百七十四名の純減ということに相なっております。
#86
○塩出啓典君 きょうもニュースで、日本郵船でしたか、百億ぐらいの脱税をやっておる。しかも国からの利子補給を受けながら、逃れるために利益が少なかったようにしておると、そういうことを国税庁が調査をしたということをけさのNHKのニュースでやっておったわけです、詳細はまだわかりませんけれども。
 大蔵委員会のいままでの論議でも、やはり税の不公平を是正するためにはどうしても現在の実調率を高めていかなければならない。しかしそれに対して大蔵大臣は、ただ人数をふやすことではなしに、もっと機械化し、合理化をして、そういう形で実調率をふやしていくと、私は当然それでもいいと思うのですがね。だけれども、やっぱり百億も脱税している、しかも一部に上場している会社がやっておる。そういうようなことを見ますと、本当にもっともっとそういうところに調査をして、正しい申告をしてもらわなくちゃならぬ、そういうことを考えるわけであります。
 そこで、現在の実調率を、たとえば何年後にはこういうように上げていくんだというそういう計画があるのかどうかですね。また、そういう方向に、そのためには人はふやさなくても、じゃコンピューターを入れなくちゃならないとか、こういうような問題もあると思うんですがね、その間の計画がどうなっておるのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
#87
○政府委員(小山昭蔵君) お答え申し上げます。
 国税庁におきましては、適正公平な税の執行の確保ということのために、限られた人員ではございますが、従来から事務運営の効率化、職員の適正配置等に努力をしてまいっているところでございます。
 御審議をいただいております五十七年度予算案における定員の取り扱いにつきましては、先ほど主計局次長からお答えございましたように、これは各省庁通しまして千四百名を超える純減という厳しい定員事情の中で、特に国税庁につきましては純増二十七名という定員増をお認めいただいておるわけでございまして、私ども税の執行の困難さに関する御認識が関係方面にいただけたものというふうに認識いたしておるわけでございます。
 さはさりながら、課税対象の増加であるとかあるいは取引が非常に複雑困難化してきているという中で、国民の皆様の御期待にこたえて一層適正公平な執行を図っていくためには、私どもとしてまだまだ非常にむずかしい局面に直面しているという認識を持っておりまして、このために私どもといたしましては、まず第一に、やはり調査対象の的確な選定ということが一番大事ではないか。いま先生からもお話ございましたが、やはり一部に不心得な納税者の方がおられれば、やはりこれは的確にそういう対象を選定いたしまして、厳正な調査を行うということが一番ではないかと、このように考えております。
 また、職員にできるだけ優秀な資質の者を採用いたしまして、これに十分な研修を施していくというようなこと、さらには、私どもの力の足りないところは地方税当局であるとか、関係団体等の御協力もいただいていく、こういうようなことを考えておるわけでございますが、最終的にはやはり納税者の方の納税道義の高揚と申しますか、私どもの租税教育、税務広報の一層の充実推進等を通じまして、さらには青色申告の普及等も図りまして、納税者の方にやはり正しい申告をしていただくというような納税環境の整備を図っていくということが中心になるのではないか、このように考えております。
 いずれにいたしましても、現下の厳しい行財政事情のもとで、そのように今後大幅な定員増加を図っていくということはなかなか困難であろうかと思いますが、以上申し上げましたような諸施策を総合的に実施いたしまして、それでなおかつどうしても足りない人員が出てまいります場合には、引き続き最小限必要な増員についてお願いをしてまいるということでもって、適正公平な税の執行に遺憾のないように今後とも努力してまいりたい、このように考えている次第でございます。
#88
○塩出啓典君 そうしますと、余り実調率を高めるというようなことではなしに、やはり一つは調査対象を非常に選定をすると、それから優秀な人を育てていく、百発百中でいくと。それから道義の高揚というようなことはもちろん私はおっしゃるとおりだと思うんですけれどもね。
 ただ、やっぱり現地へ行くということが一つは税務指導にもなりますし、これは決して悪いところを摘発するというんではなしに、そういうことを通して正しい申告のあり方、そういう納税意識というものを伝えてもいかなければいけないんじゃないかと思うんですね。
 そういう意味で、たとえばどうなんですか、県税事務所等と連携をとってやるとか、そういうようにもうちょっと実際の調査というものがパーセントが上がるように時効の範囲内にある程度いまの企業は必ず一通りは実際の調査ができると、こういうような方向を僕は目指すべきじゃないかと思うんですが、そういう点は具体的に、このパーセントぐらいいきたいというような、こういう目標は別にないわけですね。
#89
○政府委員(小山昭蔵君) ただいま先生御指摘のとおり、私どもといたしましては、自分たちの力でなお十分でないところは県税事務所を初め地方公共団体と密接な連絡をとって、地方税当局の職員の、これは全部で八万人ほどおられますが、こういう方たちとも一緒になって適正公平な税の執行ということを心がけるべく、この三月にも国税庁長官と自治事務次官の間で相互の協力の推進についての合意了解ができ上がったところでございまして、これから第一線におきまして、それぞれの税務署と地元の市町村あるいは都道府県の税当局との間で一層緊密な連絡をとってまいるようにいたしたい、このように考えておる次第でございます。
 なお、そういうことで、できるだけ漏れのないようなそういう私ども執行に当たってまいりたいと思いますが、やはり基本になるものは、先ほど申し上げましたような納税者の方御自身の納税道義の高揚が第一であり、その次には私どもの対象選定が真に的確に行われて、悪質、大口な脱税が見逃されることのないように、そのように心がけてまいることである、このように考えております。
#90
○塩出啓典君 五十九年度からグリーンカードが実施をされるわけですが、そのためにまたいろいろ仕事量がふえるんじゃないかと思うんですが、そういう点は、これは五十七年度予算ではなしにもっと以後の問題になると思うんですけれども、そのあたりがどうなるのか。この制度そのものは本来は不公平税制というものを是正するためにできた制度であって、それがきちっと運営されていかないと、そのために国税庁が手薄になって悪いやつが抜け道を通り抜けて、また新たな不公平を生み出すのでは何にもならないのじゃないかと思うんですがね。
 その点、このグリーンカード実施に伴う仕事量の増加というものはどうなのか、その点心配ないのかどうか、その点はどうでしょうか。
#91
○政府委員(小山昭蔵君) 少額貯蓄等利用者カードの実施に伴います事務量についてでございまが、これは五十七年度、五十八年度といった当面のところはいわば制度の移行に伴う準備の段階といいますか、カードの交付等一時的一過性の事務が大半でございます。したがいまして、これらの事務につきましては、主として簡易な事務につきましてはアルバイトの活用等によっておおむね対処できるのではないかと、このように考えております。
 いずれにいたしましても、五十七年度の国税庁の総事務量につきましては、税の執行を一層適正にやっていくということのために、総体といたしまして、先ほど主計局次長から御説明ありましたように増員五百二十五名、定員削減を差し引きまして純増二十七名という増員をいただいたわけでございまして、これでもってわれわれ最善を尽くしてまいりたい、このように考えております。
#92
○塩出啓典君 特に先般の法人税法あるいは租税特別措置法の改正のときの附帯決議にもありましたとおり、税務執行体制については大蔵大臣としてもひとつ最善の努力をしていただきたい、このことを要望しておきます。これは大蔵大臣、よろしいですね。――
 それから、この際グリーンカードの問題について二、三お尋ねをいたしますが、このグリーンカード実施による増収について、所得税それから地方税を含めて二千億円余りであるということを大蔵省は発表しておるわけでありますが、これは私が考えますのに、現在三五%の分離課税をしているのが総合課税になると、そのために三五%の税率よりも高い所得のある場合にはこれが税金がふえるわけで、これは増税になる。あるいはまた、現在の三百万円の枠をもし超えて、枠をオーバーして、たとえば仮名預金とかあるいは分散をしてやっておる、そういうものが現在非課税になっておるのが課税されてくる、そういうことによる増収が考えられるわけであります。
 しかし一方では、そういうように税金がかかるのであれば、たとえば普通預金にしようとか当座預金にしようとか、あるいはまた外国へ逃げるとか、そういう点も当然考えられるのじゃないかと思うのでありますが、そういう意味で、グリーンカード反対論の中にはこういうことをやっても全然税収はふえないのじゃないかと、こういう意見もあるわけですが、現在の大蔵省が増収として見込んでおる金額というものはいろんな仮定があると思うんですが、どの程度の仮定のもとに計算した金額であるのか、これをお答えできる範囲で御説明いただきたいと思います。
#93
○政府委員(福田幸弘君) グリーンカード導入に伴う増収額は、国、地方合わせて約二千億ということでございます。
 計算は非常に困難な前提が要るわけで、総合課税のところで三五%という分離課税がなくなって総合になりますので、そこのところを分離課税がどのくらいでそれが総合に移って、その税率が高まる分の差額が幾らかという計算をやっておるわけであります。それと現在、非課税枠が乱用されておるという関係でのまた増収もあろうと思うんですが、この辺は正直言ってなかなかつかみにくい前提が、特にこの上積み税率等のところにはどういう数字かと、細かくは御説明しかねるのですが、考え方としては、上積み税率のところでの三五%が、総合に移る税率の差というのが基本的な税収の計算の前提になります。
 それからもう一つは、コストベネフィット論で、いろんな経費との比較でいけばどうかという議論がございますが、この制度はあくまで公正を確保するというのが基本でございますので、九百万という枠がやはり法律に定められていますので、これをはっきり守っていただくということ。
 さらに、総合課税という所得税の基本を正すわけでありますから、分離課税という形で仮名が脱税の温床になることがないようにということが一緒になった税制であるわけで、総合課税を厳しくやればまた仮名の形で限度管理が乱れるという問題にも関連しますから、そういう意味で課税が適正化されるという風潮が国民に浸透いたしますと、その意味で納税の水準が上がってくるということも考えられるわけで、そっちの方は税収としてはもちろん挙げておりません。
 いずれにしましても、税制としては不公正というか、法律をきちっと守っていただくための制度ですから、その意味の改正であって、増収自体を目的にしたものではない、また一般的な納税秩序のために重要であるというふうにお考え願って、この増収の金額は二千億程度でございますけれども、むしろそっちの方に意味があるということでございます。
#94
○塩出啓典君 もちろんそれもそうですが、やっぱり増収もあった方がいいわけでしょう、大蔵省としては。
 そこで、これは大蔵大臣にお聞きをしておきたいわけでありますが、大蔵大臣は今日まで、いわゆるグリーンカード実施に伴って総合課税になると、高額所得者が地方税を含めて九三%の税率になるから、このカーブを下げなくちゃならぬということをたびたび言明されておるわけでありますが、五十九年度から総合課税に移行するわけですけれども、大蔵大臣のお考えは、やはり五十九年度に間に合うようにするのか。そうではなしに、ずっと将来わが国の財政再建のできたときに所得税の減税も含めてやるというお考えであるのか、その時期を聞いておきたい。
 本来ならば、こういうことをもしするのであれば、グリーンカード制度を出発するときに当然やっぱり決めておくべきことであって、それがいまごろになってどうなるんであろうというようなことは、一つはグリーンカード制をめぐる混乱を助長しておるんじゃないかと私は思うんですね。実際いまのままがいいのか、あるいはもっとほかに投資対象を変えた方がいいのかということは、当然私は、やっぱりみんな考えるんじゃないかと思うんですがね。
 そのあたりの時期をどう考えておるのか、それと七五というのを大体どの程度まで下げるおつもりなのか、その点はどうなんでしょうか。
#95
○国務大臣(渡辺美智雄君) 全く私は御卓見だと思っております。
 御承知のとおり、高額所得者云々と私が言っているわけじゃなくして、総合課税制度というのは先進国でもそうやっているんだから、日本も総合課税にすべきだ、私も結構でございますと。しかし、先進諸国も総合課税の国は、日本のように七五%、地方税を入れると九三までいっちまうわけですから、そういう国はありません、どこにも。したがって、総合課税にするんならば、先進国に見習えというんなら税率も見習ったらいいんじゃないですか、当然のことでしょうということは私の持論なんですよ、これは。現実の問題として、七百十万円以上の収入のある人は増税になるわけですから、税率が今度は地方税もかかるわけですからね。
 したがって、そういう問題を考えた場合においては、私としてはそれは同時にいくのが一番望ましい、同時にいくのが。きのうも私は穐山さんにお答えをいたしました。しかし、その前と言ってもむずかしいだろうし、後と言ってもいつになるのかということもよくわからない。できれば、私は同時スタートが一番いいだろうと思っております。
 したがって、率は何ぼにするんだという話でございますが、率はやはりこれは世間の例もあることだから、世間の例も頭に入れながら考えたらいいんじゃないですかと、まだ幾ら幾らということは私は考えておりませんが、かなり大幅にする必要があるんじゃないかと思っています。
#96
○塩出啓典君 いままで三五%だったのが急に増税になる、これは確かにその気持ちはわかると思うんですね。
 しかし、また一方、四年間連続して課税最低限を据え置いたという、そういうことで給与所得者に対する相対的な実質増税というものも行われておるわけで、そっちの方をそのままにして苦しい苦しいと言っても、いまこういう財政再建期間でお互いにがまんをしていかなけりゃならない。そういう点を考えると、私は高額所得者の方の分だけを下げるということには、国民としてもなかなか理解しがたい点もあるんではないか、こういう点を私は申し上げておきたいと思います。むしろ、それよりも一兆円の減税をひとつやるべきである、こういうように思います。
 それからもう一つ、これに関連をして、金とかあるいはゼロクーポン、これはいままでの御答弁では両方合わせても一兆円に満たない、金融資産の増加に比べればこれは影響はない、このようなお話だったわけですが、ゼロクーポンの発売がいま禁止をされておるわけですね。それで、これはなぜどういう意図で禁止をされておるのか。
 私は、ある面から言うならば、いまはこういう対外摩擦、特にアメリカとの対米貿易においてもかなり出超でありまして、そういう意味ではこのゼロクーポンというのは、あるいは金にしても輸入になるわけですね。そのこと自体はそれほど悪いものではない。むしろわが国がそういうゼロクーポンをストップするというような、そういう行為自体がアメリカ等からもこれも一つの非関税障壁である、行政指導の行き過ぎではないかという批判をされておるわけですが、このゼロクーポン禁止というのはどういう意図で行われたのか、円安を防ぐためなのか、消費者保護のためなのか、そのあたりの御真意をちょっと承っておきたい。
#97
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは、私は別に禁止ということは言ってないんです、自粛をお願いをした。
 それは一つは、果たして買っている方がゼロクーポンというものの本当のことを知っているのかどうかということにかなり疑問を持ったから。ある人に言わせりゃ、そんなことは知っていますよ、私も買いました、ちゃんと元本を保証しますということを書いてあると、だが、パンフレットを私は見たことないけれども、そういうことを言った人もあります。しかし、急激に二月なら二月の月だけで八億ドル、全体で十一億ドル、二月だけで急激に駆け込み的に八億ドルもどんと流れるということはこれは異常なことですね、異常なこと。それは日本の国際収支を悪くするという点ももちろんそれはございます。
 それから、それがそういうふうにやれば税金がからなくて済むんだというような過度の宣伝をやられて、そのために後も続いて何億ドルという金が続けざまに出るということになれば、これは大変な問題起きますから、したがってその実態をきちっとつかまなければならないというような点から、自粛をお願いをしたということでございます。
#98
○塩出啓典君 私たちも普通常識で考えて、十年間で金利が十数%、それだけのお金を借りて、日本の企業であるならばそういう金を借りて設備投資をして十年後にちゃんと返せるかというと、日本のこういうような厳しい情勢の中ではなかなかむずかしい。そういうことで、アメリカは全般的に金利が高い中でやっているけれども、そのあたりなぜそういう高い金を借りてうまくいくのか、私たち日本の感覚から見ると非常に心配な点もあるし、われわれそういうお金はありませんけれども、あったにしても買おうとは思わないわけですね。
 ただ、そういうことは、やっぱりそれぞれの投資家が判断すべきことであって、国としては、証券会社等が非常に虚偽の誇大宣伝で勧誘をするということを取り締まるべきであって、そういう形でただ抑えるという、こういうようなやり方にはちょっと行き過ぎがあるんじゃないか、そういうことを感じますことを申し上げておきたいと思います。
 それから、また予算の問題に入りますが、科学的財務管理調査費というのは、ことしも去年も約四千五百万ついておるわけでありますが、これはどういう内容の予算であるのかお伺いします。
#99
○政府委員(窪田弘君) これは、発足は昭和四十四年度に科学的財務管理方法導入準備調査費と、準備調査の段階から始まっておりまして、当時一億の予算を計上いたしましたが、その後だんだん節減に努めまして、現在は四千五百万計上しております。
 この趣旨は、一九六〇年代に主としてアメリカを中心といたしましてPPBSでございますとかパフォーマンスバジェットとか、いろいろ新しい予算編成の手法が提唱をされました。これをわが国でも研究をして、予算の編成を合理的科学的なものにしようと、こういうまあ諸外国の手法を研究するということを主な目的にいたしましてこの経費を計上したわけでございます。当時から、そういう発足の経緯からいたしまして、一番大きな中身は主として外国の制度、それから外国でやっている予算の編成、合理化努力の研究、こういうものが主でございます。
 一時、大蔵省だけそういう勉強していてもあれなんで、各省の予算担当者にそういった研修をするというふうなこともやったことがございますが、今日ではその研修はなくなっておりまして、現在は大体、委託調査という形で外国の予算制度を研究するという内容になっております。
#100
○塩出啓典君 科学的な財務管理という、予算の編成にしても科学的な要素を取り入れていくというそういう方向は非常にいいと思うんですがね。しかし、私たちが感じておる大蔵省の予算の査定にいたしましても、数少ない主計官が本当に徹夜で遅くまで目を真っ赤にして布団まで持ち込んでがんばっておる、こういう姿は余り変わっていないんじゃないかなというそんな感じがする。その点は、科学的財務管理調査によっていろんなPPBSとかそういうものを取り入れてかなり前進してきたのかどうか、その点はどうなんですか。
#101
○政府委員(窪田弘君) まあ予算編成のやり方は、それぞれの国によっていろいろその風土によって特色があるわけでございまして、日本みたいなやり方をしておる国はほかにないわけでございますが、これはまた日本的な風土の中から生まれているものでなかなか変えがたい面もあるわけでございます。
 アメリカで、特に国防予算を中心にしてPPBSとかいろいろ研究されましたが、現在はやはりこういうものも使われないようになっております。それは、計数的にその費用と効果を分析しょうというふうなことを言いましても、たとえば国防予算と社会保障予算の効果を比較するということは、これは言うべくしてむずかしいことでございますので、いまはどこの国でもこういった試みはやや沈滞をしているように思われます。
 ただ、私どものやはり悲願といたしましては、いまおっしゃったような毎日徹夜の連続で私生活ゼロのような予算編成を何とかもうちょっと合理化したい、こういうことでいろいろ外国の仕組みなども研究をしている次第でございます。
#102
○塩出啓典君 これは大蔵大臣にお尋ねをしたいわけでありますが、特に予算編成のあり方について大蔵大臣としては今後こうやっていくべきであるとか、そういうお考えがあるのかどうか、その点はどうでしょうか。
#103
○国務大臣(渡辺美智雄君) まあいままでも予算編成はいろいろ苦労をしてこうやってきておるわけで、そのやり方自体は悪いとは私思っておりません。
 ただ、去年から変わったことは、御承知のとおりゼロシーリングというものを去年はおろしまして、それでその中身については極力各省庁の自主性というものを尊重するというやり方をとりました。しかしながら、尊重はするけれども、それは臨調の中間答申の趣旨に沿って概算要求を出しなさい、それでなければ尊重しないわけですから、そういうようなことでやってきたわけですが、省庁によっては当然赤字国債の対象になるような経費を切ってもらいたいにもかかわらず建設国債の対象になるような経費を切っちゃって、詰めたことは詰めたがというような面も出てきたわけでございます。したがって、こういう点は今度は五十八年度に向けては尊重するといってもやはり御時世に合わないようなものは尊重はできないんじゃないかという気がいたしております。
 後、どういうふうにやっていくかというようなことについては、まだ予算が審議中で相談もしたことはありませんので、それ以上のことはちょっと申し上げるのを差し控えさしていただきます。
#104
○塩出啓典君 まあいままでよく大蔵省の査定を通るには、たとえば各省において目先を変えれば予算が取れるとか、それからまた今回のいわゆるゼロシーリング予算にしても、結局各省から見れはうまいぐあいに大蔵省をだまして取ったというようなことが新聞等に書いてあるわけでね、そういう点を考えると、やっぱり大蔵省の主計官の数が少ないし、各省はやはりそれぞれ大ぜいの人間がいるわけですし、そういうわけで本当に公平な査定なり予算編成が行われておるのかどうか。結局は悪い、頭のいいやつがごまかして得をすると、そういうようなことになっているんじゃないか、なってはしないかということを心配しておるわけでありまして、その点はどうなのか。
 それと、この際、大蔵大臣になってから、大蔵省のいわゆる上級公務員の採用の方針とか、そういう面もかなりいろんなバラエティーに富む人を採用するような方針と承っておるわけですが、どういう方針、どういう人材を大蔵省は求めておるのか。その点どうなんですか。
#105
○国務大臣(渡辺美智雄君) 大蔵省がだまされているということは――ないな……(笑声)そういうことはないと思います。それは多少目をつぶって妥協したところはあるかもしれません。それは、やっぱり各省庁ばかりでなくて、政党の問題も絡んだ問題がございますから、予算がともかく年度内に成立しないということでも困るし、予算案が。したがって、それは必ずしも財政当局の意のままに全部動いたということは、これは申せないこともあろうかと、正直言ってあろうかと存じます。
 大蔵省でどういう人材を採るんだという――別にいまの人材悪いわけじゃない、りっぱな人材なわけでございますが、ただ勉強ができればいい、学科試験がよければいいというだけでは、やっぱりお役人さんはある程度接客業でもございますから、余り感じの悪い人も困るだろうし、多少学生のとき運動の方ばかり集中しておったんで勉強の方は少しおくれたとか、しかしながら運動やらなかったら恐らく一番だつだろうとか、いろいろその人の人柄それからいろいろな実力とか、それから指導力とか統率力とか、いろんな観点から総合的に判断をして、本当に大蔵省の官吏として、公務員として将来非常に適切だというような人を採用するというあたりまえだけのことなんですよ。あたりまえのことを言っただけのことなんだけれども、ああいうふうに報じられたわけでございます。
#106
○塩出啓典君 それからあと、余り時間がないわけですが、今年五十六年度歳入欠陥が出た場合は、決算調整資金さらには国債整理基金から借りる、繰り入れると、このようなお考えのようでありますが、これは先ほどの御答弁では、決算調整資金は約二千五百億ということですけれども、現在、国債整理基金というのはいま残高はどの程度であるのか。
 さらに、こういうものを歳入不足に充てる場合には、これは当然国債の償還の財源で、将来支障を来すんじゃないかと思うんですが、その点はどうなんでしょうか。
#107
○政府委員(吉本宏君) 国債整理基金でございますが、五十六年度末の残高を申し上げますと、二兆五千三百億円ということになっております。
 なお、その内訳でございますが、長期国債が約一兆八千億円、短期証券が約七千二百億円、こういうことになっております。なおこの五十六年度の定率繰り入れ分が九千四百七十二億ございまして、これは五月末までに繰り入れていただくことになっております。それを合わせますと、約三兆五千億円と、こういうことに相なるわけでございます。
 なお、整理基金の金繰りといたしましては、当面決算調整でどの程度金が要るかということがまだわからないわけでございますが、私どもとしては国債の償還、借りかえに支障があるとは考えておりません。
#108
○塩出啓典君 これをもし使うということになりますと、国債を売るとかそういうふうにしなければいけないわけでしょう。
#109
○政府委員(吉本宏君) ただいま整理基金の運用の内訳を申し上げましたが、短期証券が七千二百億ということを申し上げました。これは五十六年度末でございます。それに定率繰り入れの九千四百億というものが入ってまいりますと、大体一兆六千億円程度の、整理基金残高のうち短期証券の保有する分が約一兆六千億円ばかりあるわけであります。したがいまして、この分は仮に決算のために使うということになれば直ちに流動化ができる、こういうことになっております。
#110
○塩出啓典君 時間がなくなりましたので、最後でございますが、私たちは一兆円減税の財源として補助貨幣回収準備資金というものを利用してはどうか、こういうような制度は日本とベルギーですか、にしかないわけであります。こういうときにはそれを活用しろと。
 ところが、いままで政府は、こういうお金はあちこち融資をしておるわけで、いまさらそういう財源をすぐ出せと言っても困るんだ、そう言いながら一方では、歳入欠陥ができたときにはそういう国債整理基金、これはいまはいいにしても六十年度にはどんどん国債の償還に必要な、そのための積み立てたお金ですから、そういうものを運用することに比べれば、補助貨幣回収準備金等を減税財源に充てることの方がはるかに私は理屈にかなっているし、しかも今後に問題を残さない。そういう点、非常に大蔵省の姿勢は理解できない、私はそのように考えるわけですが、その点はどうでしょうか、その御意見を承っておきます。
#111
○国務大臣(渡辺美智雄君) 貨幣の準備資金ですね、回収準備資金につきましては昔からそうやってきた、それは事実でございます。それは一つの考え方、どこの国でもそういうものを持ってないんだから。金本位制の遺物じゃないかという議論もございます。それも一つの私は考え方だと、そう思っております。
 ただ問題は、減税という場合は戻し税と違いまして、戻し税で一年こっきりというんならばそういうこともあるでしょうけれども、減税というのは、ことし仮に一兆円減税をすれば来年またそれはつながっていくわけですから、ずっと。そういうような財産を次々売っ払って充てる場合と同じで、財産を売っ払って減税しても、じゃ来年は何を売っ払うんだという話にすぐなってしまうわけです。来年になって減税やめちゃうんなら別だけれども、一年こっきりというわけにはいかない。
 ですから、そういう点で非常に問題があるということを言っておるわけでございます。
#112
○穐山篤君 最初に、去年当委員会で銀行法の改正について審議が行われました。成立をしたわけですが、いよいよ明日から施行になります。
 そこで、いろいろ御準備をされていると思いますが、私の知り得る限りでは、まだ十分に調整のついていない部分が二つ、三つあろうと思うんですが、そのうちの一つに、銀行法十五条の労働時間、労働日の問題があります。
 これは、私は銀行法が成立する直前に確認をしておきましたが、望むべくは各金融機関が一斉に、同時に四週五休に踏み切ろうと、こういうことを確認をしたわけです。そのために周りの環境整備を十分にそれぞれやろうと、こういうふうにしてあったはずですが、その後どういう状況になっているのか、民間金融機関あるいは郵政省、農林漁業、それらを含めていまの進捗状況並びに政令の準備についてお伺いをしたいと思います。
#113
○政府委員(宮本保孝君) 御指摘のとおり、去年の法律改正によりまして、銀行の休日の規定につきましては法律事項から政令事項にしていただきまして、その意味におきましては、環境さえ整いますればいつでも土曜日の休日を可能とするような体制をつくっていただいたわけでございます。それを受けまして、金融機関側におきましても、世の中の流れというものを十分認識いたしまして、できるだけ早く金融機関が一斉に週休二日制の方に入れるようにしたいというふうな強い希望を持っておるわけでございます。
 ところで、去年の秋に全銀協の方で、月一回土曜日を閉店すると、全金融機関一斉に月一回土曜日閉店するという案をつくりまして、現在各業界にその案を示しまして、鋭意検討をいたしておる段階でございます。この月一回の閉店でございますと、中小企業取引あるいは預金者取引等におきましてもまあ御了承を得られる面がないわけじゃない。あるいは全金融機関一斉に入れる可能性もあるわけでございます。ただ、やはり現在なお商工会議所等の中小企業関係者あるいは金融機関の中でも農協とか信用組合とか、そういう機械化の進んでおりませんところ等におきましては、引き続きなお消極的でございます。したがいまして、精力的に現在全銀協の方でそういうような消極的なところに対しましてできるだけ早くそういう体制になるというようなことを働きかけておるわけでございます。
 私どもといたしましても、できるだけそういう状況ができるように努力いたしたいと思っておりますが、とりあえず信用金庫とか信用組合等におきましては、いまなお交代制によります四週五休制もおくれております。信用金庫でございますと七、八割、それから信用組合でございますと五割ぐらいまだ交代制によるものも進んでおりませんので、とりあえずことし中には信用金庫、信用組合につきまして交代制によります週休二日制をぜひ実現してもらいまして、そうすることによりまして、いわゆる閉店によります四週五休制をできるだけ早く実施に移したいと、こういうふうに考えておるわけでございます。
#114
○穐山篤君 いまの状況を復習をしてみますと、都銀、地銀関係についてはある程度準備が進んでいる。それから、信金、信組については交代制もおくれているので、まずそこが手始めである。それから、農協については十分な説明がなかったわけですが、これは大分距離があるというふうに思いますね。それから、郵政については一郵政当局おいでになりますね、から説明をいただきますが、郵政の場合、全体としての四週五休の問題と、それから金融機関としての四週五休の問題と二つに分かれますから、その点をもう少し解明をしてもらいたいと思います。
#115
○説明員(西井烈君) 郵政省の週休二日制の現状につきまして、御説明さしていただきます。
 私ども、週休二日制の実施につきましては社会的趨勢であるというふうに考えておりまして、今日まで各種の事業にわたる機械化や合理化を実施をいたしまして、逐次週休二日制の実施の拡大を図ってきてまいりました。
 現在では、郵便局を中心にしまして約二千局余を対象にいたしまして、対象人員約十万人という状況になっております。新年度に入りましてからさらに六万人ぐらいを追加したいということを考えておりまして、実施割合は六割程度になろうかというふうに考えておりますが、いずれにいたしましても、御承知のように人力依存度が非常に高い事業でございまして、なかなか全体的に実施するというまでには至っていないというのが実情でございます。
 私どもといたしましては、今後とも要員の問題、財政の問題、各種機械化、合理化、あるいはサービスの適正化等を検討いたしまして、週休二日制実施上の問題点をさらに詰めまして、全体的な週休二日制が実施できるように労働組合とも協議しながら進めてまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
 それから、郵便局の窓口閉庁の関係につきましては、窓口を閉庁いたしますと窓口を担当しておる職員の週休二日制が可能になるわけでございますけれども、郵便局の中の方で働いております、いわば交代制で勤務しております主として郵便関係の職員につきましては、週休二日制を実施いたします場合には、それに相応いたしました後補充の要員が必要だというようなこともございますので、全体的に勤務条件としてバランスのとれた週休二日制を実施していかなければならないというふうに考えておるところでございまして、そういった意味から、郵便局の窓口閉庁につきましては省内に検討のための対策小委員会を設けまして、目下郵政事業にふさわしい窓口のあり方というものを検討をいたしておるところでございます。
#116
○穐山篤君 大蔵大臣、去年その週休二日制を議論をしたときとほとんど理屈が変わりないですね。都銀、地銀については積極的に国際的な足並みにそろえよう、そういう意味で非常に意欲がありますし、現に準備も進めています。その点、私は評価したいと思います。それから、信金、信組につきましては、地域金融機関としての特色がありますから、これは多少の時間のおくれはしようがないと、しかし、理由は去年と現在もほとんど変わってない、来年も同じ理屈が述べられもわけです。
 そこで、準備を急いでいただいて、移行のめどというものをある程度示さないと努力をしなくなっちゃう、この心配があります。それと同時に、最近一、二の信金、信組に聞いてみますと、それだけではないと思いますが、預金の状況も悪くないという事例があるわけです。都銀、地銀の方で四週五休、月一回閉庁をやった場合に、預金なり引き出しが他の金融機関に相当流れ込んでしまうということになると、せっかく都銀、地銀がやったことがむだになる、こういうおそれはあるわけですね。したがって私は、信金、信組についてはもっと努力を払ってもらってめどをつけてほしい。
 それから農協の金融でありますが、これは連合会は了承しましたが、単位農協が強い抵抗を示しているわけですね。事情がわからないわけでもないわけですが。しかし最近農協は、たとえば二百五十人ぐらいの組合員で資産を何百億と持っているところもあるわけです。これは非常に、問題がないとは言えないと思うわけです。そこで農協については、農民感情・農協感情はあろうと思いますけれども、もっとこれは促進をしてもらいたい。ある意味で言うと決断をしなければできないというふうに思うわけです。
 いままでたとえば、まあ農協共済にしろあるいは今回の租税法改正にしましても、わりあいに農協に対しましては法律的にいろいろな事業を補強をしたり保護をしたり、いろいろな支えをしてきているわけです。しかし、ここの部分になりますと非常に消極的になっていることは非常に遺憾だと思う。ぜひ農協についてもっとしっかり週休二日制の四週五休の問題について念押しをして、少なくとも今年度内が無理だとするならば明年度ぐらいに移行ができるような方法をぜひ考えてほしいと思うんです。もしこの間に金融資産が大きく移動するようなことがあるとするならば、他の金融機関から相当な規制なり牽制を受けることは当然だと思うんです。現に衆議院の方でもこの問題が議論されまして、まあペナルティーを科したらどうだろうというふうな厳しい意見のあったことも記録に残っているわけですね。そういう点をひとつ考えてもらいたい。
 それから郵便局、これは昨年の審議の際に、私のところが先に出るわけにいきませんが、よそ様がやるときには必ず後にくっついていきますというふうにこの場で約束をした話であります。いまになって、できませんとかおくれていますということになりますと、これは郵政省の態度を十分に私ども吟味しなければならぬと思います。しかし、全体の四週五休、労働時間短縮とのかかわり合いがありますから、ある程度の猶予は率直に申し上げてできるとは思いますけれども、前回御答弁になりましたように、よそ様がやるときにはうちは必ずついていきますというその気持ちは大切にしてもらわなきゃならぬ、こういうふうに思いますが、総括的に大蔵大臣の意見をいただきたいと思います。
#117
○国務大臣(渡辺美智雄君) 去年よりはかなり進んでいるんです、実は。いま銀行局長が言ったように、信金、信組についても今年じゅうに全面実施をするように、月一回土曜日閉店を強く指導しますということはかなり進んでいる。実はなかなか信金、信組、農協まで連れていってやるといったってそれは簡単にできないだろうと、実際間願として。できるところだけやったらいいんじゃないかということを私はずいぶん言ったんです。
 ところが問題は、いま手形、小切手の扱いというものがあって、それでどこかの店が休みになっちゃったと、それで片一方じゃ開いているというようなことはどうも困るんですと、休むとすれば全部一律でないと困ると言うものですから、そういう困ることなら私もそれ以上強くも言えないのでやっぱり一律かと。
 それで問題は、信用組合、信用金庫は、私はやってできないこともないんじゃないかという気がするんですがね、問題は農協でしょう。これは同じ窓口の中で金融担当も販売担当もあるわけですから、田植えで忙しいときに、片一方はみんな一生懸命働いている、担当が違ったら休んでいるということになるとこれは組合内部のけんかになっちゃいますわね。それから、農民との争いになる。そういうむずかしい問題があるから、何かそこらのところをうまくできないかどうか。そういう特殊なときにはやめるとか何かできないか。全部そろってということはなかなか私は言うべくしてむずかしいんじゃないかと、できるところだけ先にやるということの方が、みんな待っているというようなことをやったらできないから、何かそういうところで工夫がこらせないものかということで検討をさしておるわけでございます。
#118
○穐山篤君 まあこれ以上申し上げることはないと思いますが、いずれ政令は準備され出されるものと思いますけれども、その後の作業をぜひ促進をしてもらいたい。
 それから、御案内のように銀行法改正の際に、銀行の証券業務の取り扱い、窓販の件について、大蔵省からは原則を三つ掲げながら三人委員会に問題を移したわけです。その状況についてこの際明らかにしてもらいたい。
#119
○政府委員(禿河徹映君) 国債の窓販問題につきましては、いまお話がございましたとおり、昨年、いわゆる三人委員会におきまして十月からいろいろ御検討をお願いしてきたところでございましたが、去る三月十一日に御報告をちょうだいいたしましたので、その御報告の趣旨を踏まえまして、長期国債につきまして窓販を五十八年四月から実施するという方針を決めたわけでございます。
 あわせまして、具体的な方法といたしまして、たとえば対象有価証券を長期利付国債と政府保証債及び地方債とするとか、あるいは業務の範囲は募集の取り扱いのほかに、はね返り玉の買い取りは認めるとか、対象金融機関といたしまして都銀、地銀のほかに、長銀、信託、相互、信金及び農林中金という対象金融機関の範囲を定めるとか、そういう方針を決定いたしたわけでございます。
 なお、この三人委員会におきましては、さらに国債等のディーリングの問題、あるいは中期利付国債の問題等につきましても今後さらに検討が行われるということになっておりますので、私どもも、その三人委員会の御意見が出ました場合には、それを踏まえまして具体的なやり方を検討していきたい、かように考えている次第でございます。
#120
○穐山篤君 そうしますと、とりあえず五十八年の四月からは長期国債に限り実施をして、なおその他、中長期のもの、ディーリングまで含めてやるかどうかというふうな問題は今後に残ったと、こういうことになるわけですね。
 そこで、御案内のように、五十九年一月からグリーンカードが実施になるわけですね、発足をするわけです。もちろんその名寄せは五十八年から始まるわけですけれども、当然この窓販問題は証券業界も金融業界も一定の節目ですね、この五十九年一月というものも一つの節目に物を考えているのではないかと思いますが、残された問題について三人委員会はいつごろまで最終的な答申をされるかどうか、あるいは大蔵省と三人委員会との間に最終の答申をいつごろまでに欲しいというふうなやりとりがされているかどうか、その点をお伺いします。
#121
○政府委員(禿河徹映君) 三人委員会におきましては、先ほど御答弁申し上げましたとおり、ディーリングの問題あるいは中期利付国債の取り扱いの問題につきましては、今後さらに検討を続けるということになっておりますが、その結論を出される時期につきましては、特にいつまでにとかいうことを私どももお願いはしてございませんし、また三人の方々もいつまでに出そうとかいうふうな方針を現在決めておるわけではございませんので、いつ結論を出されますか私どもにはいまのところわからないというのが率直なところでございます。
#122
○穐山篤君 証券、銀行それぞれいろんな思惑があってやむを得ず三人委員会になったんですが、大蔵省として、どの程度の範囲まで話し合いがまとまるならばこの窓販問題については決着をしたいという、一応の概念があらかじめあろうと思うんですね。こういう点をまとめてほしい、こういう点の答申を欲しいというふうな、何といいますか、土俵ですね、そういうものがあろうと思うんですが、その点いかがでしょうか。
#123
○政府委員(禿河徹映君) いわゆる国債等の窓販、いわゆる募集の取り扱いにつきましては、長期国債に限ってではございますけれども、一番大宗をなしております募集の取り扱いの長期国債についての方針は決まったわけでございます。その後の問題といたしまして、その募集の取り扱い以外の有価証券の売買、いわゆるディーリング、この問題はさらに別途検討をしていこうということでございまして、私どもといたしましては、やはり中立的な大変有識であるその三人の方々に御苦見をちょうだいいたしたいということでお願いをいたしておりますので、私どもの方からあらかじめ土俵をつくる、あるいはその方向について事前に余り申し上げるのはいかがと、こういう姿勢で臨んでおるような次第でございます。
#124
○穐山篤君 大蔵省が最初に出しました三つの原則というのがありましたね。対象は公共債に限る、二つ目は不特定多数を相手とする、営業する場合は証券取引所の認可を必要とする、法制化しても認可はしないと、まあ言い方は適切であるかどうか知りません、おおむねこういうものが出でいる。
 したがって、答申を受けてそれを法令あるいは省令いろんな形で出すわけですが、法制化しても当分認可しないというものは、この原則で倒すことになるわけですね。逐次答申をされたものをもってそれで全部おろしていくと、こういう考え方でいいですね。
#125
○政府委員(禿河徹映君) 実際上の認可は、その行為を行う前に認められた範囲内でこれを行うということでございますが、ただ法制上の取り扱いといたしまして、新しい銀行法あるいは改正証取法がこの四月の一日、あしたから施行になるわけでございまして、その法律を受けました必要最小限の政令というものは、新しい法律が施行になりますのに合わせまして一応出しておかなくてはならぬであろうということで、それを急いでおるわけでございます。しかし具体的な認可に当たりましては、三人委員会の御意見、それを受けました大蔵省の方針というものに従いまして、その方針の範囲内におきまして具体的な認可を行っていくということに相なるわけでございます。
#126
○穐山篤君 最後に、銀行法の改正とともに、ともにというか、関連してというのか、いま私が申し上げた窓販の問題とか四週五休の問題だとかというふうな問題を除いて、ほかに改正銀行法の施行に伴って重要な課題はまだ残っておりますか。どうでしょうか。
#127
○政府委員(宮本保孝君) 先生御指摘の証券業務のところと週休二日制でございますか、この点が今後残された大きな課題だと思っておりまして、そのほかのことにつきましては大体今明日出します政省令及び通達等によりましてほとんど解決済みでございます。
 ただ、法律の運用といたしまして、ディスクロージャーの規定とかいろいろ盛り込んでいただいておりますので、この辺はこれから運用の問題しいたしまして問題は残されていると思います。
#128
○穐山篤君 その次に、きのうの関税の問題に関連をして少しお伺いをするわけです。
 仄聞するところによりますと、三十日の閣議では外務大臣の訪米の状況あるいは自民党が派遣をしました江崎代表団、その御報告が行われたにとどまったという話を聞いておるわけです。いずれサミットを念頭に置きながら具体的なことを相談をする、こういうふうに聞いておるわけです。
 そこで、新聞には残存何品目であるとか、あるいはアメリカから注文をされたのは何品目であるとか、ECからの注文は何々品目であるとかというふうに報道をされております。それも十分私ども読んでいるつもりであります。それと、外務大臣は具体的に何々品目というところまでは言われてこなかった、概括的なアメリカの言い分はありましたけれども、何と何と何というふうにきめ細かい品目はまあ私どもの知っている限りでは言われなかった、こういうふうに聞いているわけです。
 そこでお伺いをするわけですが、新聞にはいろんな品目が出ていますが、外務大臣が訪米をしたときにアメリカから具体的に品目なりあるいは中身なり、いろんな検査手続などのことについてきめ細かく注文をされてきたかどうか、まずその点からお伺いします。
#129
○説明員(朝海和夫君) 先般の外務大臣の訪米の際は、国際関係につきまして広く米側と意見交換いたしました。
 その一環としまして、経済問題についても意見交換をしたわけでございますが、先生も御指摘のとおり、個別の問題についてこれがどうだ、あれがどうだというような話はアメリカ側の方からも出ておりませんし、そういう話にはなっておりません。
 アメリカ側の方から期待の表明がございましたのは、現在世界的にいろいろな国で保護主義的な動きも台頭している、そういうことも頭に置いて、かつ日本が今日世界的に有数な経済大国になったということも踏まえて、サミットまでに早急に市場開放努力をしてほしいという期待の表明がございまして、外務大臣の方からは、いままで日本側としてもすでにいろいろな措置は講じているというようなことを指摘しました上で、今後もサミットということを念頭に置いて引き続き市場開放努力をしていきたいと、こういうふうに述べたわけでございます。
#130
○穐山篤君 アメリカの意思というのはよくつかみ得ないんですが、たとえば、今月の四日にアメリカの商務省が発表しました日本の貿易障害リストというのがあるわけですね。これがアメリカ政府を代表するものの考え方であるのか、あるいはこれは念頭には置くけれども、アメリカの意図というのは個別の積み上げでなくて、劇的な、総括的な解決というものが真のねらいであるのか、その辺のことが私どもとしてはまだ十分解明がつかないところですが、外務省としてはアメリカの真意、態度というものがどこにあるというふうにお考えですか。
#131
○説明員(朝海和夫君) 先生御指摘の商務省のリストは、四日のアメリカの議会の公聴会で示されたものだと思います。
 同時に、ほぼ同じような内容のリストが同じ公聴会で、USTRの方からも、通商代表部の方からも示されております。そのほか、これまで三回にわたって開きました日米貿易小委員会におきまして、アメリカ側が具体的にどのような点に期待を寄せているのか詳しく意見交換をしてまいったわけでございます。私どもの方としては、日米貿易小委員会において明らかにされたようなアメリカ側の期待も踏まえて、これから具体的に何ができるかということを検討してまいりたいと考えておるわけでございます。
 劇的という言葉がときどきアメリカ側の方から使われることは事実でございますが、私どもの理解では、たとえば商務省が四日に出したリストの中には、日本の流通機構の問題であるとか、そう簡単に変わる性格でない問題も入っておるわけでございますが、そういうすべてのものを一気に向こう一、二カ月の間に変えてほしいということでは必ずしもなくて、日本が自由貿易を守っていくんだという姿勢が十分伝わるようなことを考えてもらいたいということだと理解しております。
#132
○穐山篤君 予算委員会でもそうでありましたが、日本側の態度として、従来の貿易摩擦というのは、たとえば繊維であったとか電機であったとか自動車であったという、その個別のものが摩擦の対象になっていたわけです。最近のアメリカは日本語そのものが障害になっているやの主張をするように変わってきた。
 そこで、もう少し明らかにしてもらいたいのは、日本側としては、政治的にはなるほどいろんなことを考えなければならぬと思いますが、個別の積み上げでものを解決するような態度をあくまでも堅持をするのか、それともまとめて一本で、この際アメリカの意見を鎮静させるという意味で、劇的でかつ総括的なふろしきを広げてやるんだという考え方に立つのか。
 それからもう一つは、どの程度まで日本が門戸の開放をすれば――もちろん門戸の開放の中にも誤解をしているものもあります。いろんなことがありますから機械的には言えませんが、どこまで問題を整理をすれば、もうその次には少なくとも今日のような貿易摩擦は起きないというふうに判断ができるか、ある程度のものを出したけれども、まだまだ来年も再来年も続くということならば、これは政治的に利用されるだけで、余りにもつまらぬ話だと思う。
 その点についての政治的な見通しをどういうふうに考えられているか、その点を明らかにしてもらいたい。
#133
○説明員(朝海和夫君) 私どもといたしましては、アメリカが関心を寄せております事項、分野は大変幅広いものでございますので、それらについてすべて一気に短期間のうちにいわば解決するということは、問題の性格上むずかしいものもあるんではないかと考えております。
 ただ、事態は相当切迫しておりますので、サミットを念頭において、アメリカの関心を寄せている中でできるだけのことはしたいというふうに考えておるわけでございます。その後も、アメリカの経済の状況であるとかいろいろの要素がございますので、あるいはアメリカが最近言っておりますように、たとえば日本の流通機構のようなそういう性格の問題でございますと、これは長い歴史に基づくものでございますし、一朝一夕に国際化といいますか、一挙に合理化というわけにもいかない面があろうと思いますので、そういった点につきましては、今後もなお引き続き国際化、市場開放に努力していくべき分野ではなかろうかというふうに考えております。
#134
○穐山篤君 時間の関係で細かく詰められませんが、たとえば前回たばこの問題について、率直に言いますと譲歩を日本はしたわけです。また今回もアメリカからたばこの専売制度が悪いというふうな内政干渉のような発言のもとに、葉たばこの購入、あるいは製品たばこの輸入についてとてつもない話をしてきている。ことしは中間選挙の年です。必ず選挙の年には、その出身の議員が政治的に全部利用して、それが対日圧力にかかってくる。歴史的に見ても明白です。ですから、どの委員会でも、もっと日本は正しく対応しろと、もっと厳格に厳しく対応じるというのが共通した意見だというふうにぜひ認識をしておいてもらいたいと思います。きのう採決をして成立しました関税の前倒しにしましても、この程度のものはあたりまえだというふうに思われたんでは、これは政策的に問題を提起せざるを得ないと思います。ですから、外務省にしろ、関係当局は厳しくひとつ対応してほしい。
 それからごく簡単で結構ですが、EC全体として、あるいはECの中の十カ国、それぞれ日本に対します貿易摩擦、要求が違いがありますが、ガット二十二条を飛び越えて二十三条で提訴したいと、こういうふうに言われているわけですが、日本としては受けて立つという情報もあるわけですが、その点は方針的にはいかがでしょう。
#135
○説明員(朝海和夫君) ECの側からは、若干アメリカと似ておる面もございますが、一連の市場開放についての関心の表明がなされております。それと同時に、先生御指摘のようにガット上の手続をとるという話もございますが、日本側の方でこれにいかに対応するかについては現在検討中と承知しております。
#136
○穐山篤君 時間ありませんから、大蔵大臣に予算編成上の問題に、次移ります。
 まあ、手順からいきますと、予算編成の苦しみ、悲しみというようなところから入らなきゃならないんですが、時間もありませんから、私飛び飛びで質問をします。
 ことし、予算書を見ますと、日本国有鉄道特定債務整理特別勘定というのがございます。これは国鉄の赤字を、いうところの棚上げですね、特定繰越欠損金で資産の部で五兆三千二百二十一億四千九百万円計上しています。負債・資本の部で同様に財政再建借入金と特定長期借入金両方合わせて五兆三千二百二十一億円、こういうものが計上されているわけです。こういった特別勘定はそのほかに、四十九兆円のわが国の予算の中にはこういう特別勘定のものはございましょうか。
#137
○政府委員(窪田弘君) ちょっと突然の御質問なので、全体をまだ点検をしておりませんが、この国鉄のいま御指摘のやつが最大のものだと思います。他にはこれに類したものはちょっとないんじゃないかと思います。
#138
○穐山篤君 まあ、かつて政管健保の赤字三千何百億の処理という問題が残っていますが、私の知る限りでも国鉄が大口だというふうに思うんです。
 さて、大蔵大臣、この処理ですね。まあ経理上はこういう措置をしているわけですが、棚上げをしましても、それに対しまして三千四百四十七億の再建利子を毎年毎年払っていくわけですね。こういうものが当分の間続くことになるわけですが、実際の処理をどういうふうにされようとするんですか。五兆円でも十兆円でもいいですよ。国の総予算の一〇%を超える特別勘定が現にここに厳然としてあるわけですね、棚上げしているものがあるわけです。最終的にこれをどういうふうに大蔵大臣としては始末をしようとしているのか。棚上げのしっ放しというわけにいかないですね。利子を毎年毎年補給をしなきゃならない。新しいまた負債もしょっていくわけですから、どういうふうに処理をされるんでしょうか。
#139
○国務大臣(渡辺美智雄君) 国鉄問題は、これはもう国民にとっての大問題でございます、こちらで二兆円の国債減額とか赤字国債の減額とか言ってみても、国鉄の方は二兆円借金がふえるというわけですから。それで十六兆も債務残高があって、昭和六十年には二十数兆円になると。これはもう結局は政府の国有鉄道ですから、政府保証債とか何かで政府がじかに貸したり保証人になったりしているわけですから、結局は国民の税金で始末をつけなきゃならぬ、結論はそういうことですね、結論は。
 しかしながら問題は、国民の税金で始末をつける以上、国鉄自身がもっと減量経営をやってもらって、生産性の向上と合理化、徹底したことをやっていただくと、その上においてやはりどう処理するかという問題は臨調答申等を見た上、国鉄の実施状況を見て国民の理解と協力を求めていくという以外にはないんじゃないか。それには国民の理解と協力が求められるように、まず国鉄自身の徹底した合理化、それから減量化をやっていただきたいと、こう思っております。
#140
○穐山篤君 臨調の参考人の意見、私も聞いておりますが、たとえば分割民営論の人でも、過去の債務については棚上げというふうに単純に言っているわけです。棚上げというものが財政的にどういう処理をするかということをほとんど知らないで棚上げということを単純に言っている学者が多い、これは困ったものだと思うんですね。
 そこで、現実にいま長期負債が十六兆円です。たとえば民営とか分割とかいろんなことがあるにしてみても、それを始末しなければならないという運命になるわけですね。そこで、少なくともいま棚上げをしました五兆円にしろ、現実にあります十六兆円という長期負債を少し分割をしてみたならばどうだろうかと。国鉄経営のまずさから生じたもの、国鉄が自分でやろうとしてもどうにもならないような構造的なものというふうに、少なくとも債務についても分割をして、ここの部分は国民の皆さんにお願いしよう、ここは国が考えましょう、これは国鉄が一生かかっても処理をしなさいというふうに、この企業会計を整理整とんをしてやるという必要もあろうと思うんです。きょうはここで議論をするつもりはありませんけれども、そういう方法をとらないと、こういう予算書を見ておりましても本当にどうなるかという心配の方が先に出てしまうわけです。その点をきょうは、まあ私の意見として申し上げておきます。
 その次に、特別会計というのはたくさんあるわけです。目につくものをちょっと申し上げて考え方を伺いたいんです。
 たとえば、あへん特別会計というのがあります。御案内のとおり、これはアヘンの売り払い代金六億七千八百万、雑収入百万、前年度剰余金が十億六千六百万円、そこでまあ合計十七億四千五百万円と、こういうことになるわけですが、金額としては私は大したものにならないと思いますが、この予備費のところで九億八千四百万円、こうなって出ているわけですね。これの特別会計の性格から考えてみて、こういうふうに予備費をがくっとためておく必要はなかろう、こういうものにつきましては一般会計に転移をするとかというふうな方法を講じていくことによって特別会計の整理も、私はもっともっと縮減ができるだろうと、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
#141
○政府委員(窪田弘君) 予備費の前に、あへん特別会計には積立金が十六億円ございますが、それに見合いましてアヘンの在庫が約八億五千万円相当分ございます。したがいまして、まあアヘンというのは非常に国際的に値動きの激しい商品でございますので、医療に不可欠なモルヒネの安定供給を図るという観点からこの特別会計ができているわけでございまして、大部分インドからの輸入に頼っているわけですが、価格が非常に変動いたしますので、この程度の予備費は必要なものと考えておりますけれども、なお御指摘をいただきましたので、今後厚生省とも十分この規模につきましては検討してまいりたいと思っております。
#142
○穐山篤君 その次に、一般会計の公共事業の関係費の問題です。
 きょう本会議で漁港整備の法律も通りました。
 そこで少しお伺いをしますが、この公共事業費が六兆六千五百五十四億四千八百万円、五十七年度があるわけですが、この予算でいきますと、もう五十七年度から六十一年度あるいは六十二年度までの長期計画があらかじめ設定をされていて、全体の投資規模も決まっているわけです。こうなりますと、少なくともこれの削減あるいは優先度ということは、とてもこういうふうに組み込まれると柔軟性がない。言いかえてみますと、硬直的な予算、そのために国民の負担が毎年変わらずにいってしまう。
 なお、この長期計画が済みますと、道路でも何でもそうでありますが、その次の新しい五カ年計画ができて、公共事業費は待ったなしで予算化しなければならぬという問題が現実に起きてくるわけですね。その点は考え直すべきではないかと、こういうふうに私は考えます。そうしませんと、いつになっても予算の削減とか節約ということがこの部門ではできない仕組みになってしまうわけです。
 ですから、予算の編成の場合に、大蔵省としては各省庁、各部門との予算折衝をやると思いますけれども、今日まではやむを得ないにしてみても、これから発想を変えていきませんと、財政再建と銘を打ちましても物理的には財政再建をしませんよという予算編成になっているわけなんです。その点いかがです。
#143
○政府委員(窪田弘君) 御指摘のように、公共事業の長期計画は現在十四本ほどございますが、これが予算の一つの制約というほどじゃございませんが、予算編成にとっての参考にすべき要素であることは御指摘のとおりであります。
 これは、昭和二十九年に道路の長期計画ができたのが第一次でございますが、その後経済計画と見合っていろんな長期計画がつくられました。日本の経済の将来の発展を展望しまして、それに見合う公共投資を行っていこうという考え方でございますが、日本の経済の変動が予想を超えて大きいものですから、途中ではもう五カ年計画をつくっても五年もたずに三年でもういいところまでやってしまったような例もございますが、最近では御指摘のように、むしろ消化できないものが残っております。
 ただ、この五カ年計画を決める場合、具体的には閣議決定でございますが、その場合には必ず弾力条項というのを入れることにいたしておりまして、「今後の経済、財政事情等を勘案しつつ、弾力的にその実施を図るものとする。」、こういう条項を入れまして、この運用は必ずしも等伸率というふうなことではなくて、そのときどきの情勢によって弾力的にやるということにしております。現に公共投資は、こういう十四本も長期計画がありましても、ここずっと据え置きになっているわけでございまして、ただし御指摘のように、いまの長期計画のあり方自体には問題はございます。それは今後経済計画というようなものが見直される時期に、やはりその規模について見直されるようなことになるのではないかと、こう考えております。
#144
○穐山篤君 先ほど大蔵大臣もお話がありましたが、たとえばある事業について一般会計でやってほしいなというものが一般会計に上がらず特別会計なり財投の方に来ている、また逆なことがあるわけですね。これはある程度基準といいますか、そういうものを設定をして、可能な限り目的に合うような金の使い方をやるべきではないだろうかなというふうに思うわけです。
 たとえば、今年度も建設国債、特例公債を発行するわけですが、建設国債五兆何千億かの金が建物なりその他のものに使用されるわけです。そのことは結構だと思うんですが、通常の施設、官庁の施設というのに安易に使われておる。この予算書を見ますと、ほとんど各省庁にわたっているわけですね。あるいは国会の予算でもそういうものがあるわけです。これは客観的に見ますと、ずいぶん荒っぽいやり方ではないかと思いますし、もっと建設国債というものを発行する場合には節度を持ったものでなければならぬというふうに思うわけですが、この予算書を見ますと、安易にほとんど各省庁がこれに金を依存をしているという傾向が強いと思う。そういうものの手直しをしっかりやる必要が私はあろうと思うんですが、考え方をひとつ大蔵大臣からお伺いをしたいと思うんです。
#145
○国務大臣(渡辺美智雄君) 御趣旨はごもっともだと思います。本当に一刻も早くそういうような事態に持っていかなきゃならぬと、そう考えております。
 いずれにせよ、これは景気対策だとか、やれ公共事業を減らすどころかふやせというお話だし、財源はないし、御趣旨は全くそのとおりなんですが、いまのところもうどうしようもないというのが実情でございます。
 しかしながら、財政再建という大眼目があるわけですから、そのためにはやはり、建設国債といえども借金であることには間違いないわけで、利息もつくわけですから、けじめはだんだんつけていく方向に努力をしてまいりたいと考えております。
#146
○穐山篤君 それから、予算の整合性という意味で、大蔵大臣ぜひ聞いてもらいたいんです。
 わが国には一定の農業政策があります。国会の決議で農業の自給力も高めよう、そういう特別決議も行っているわけですね。片方からはECにしろアメリカその他からも、農産品の問題について相当の厳しい注文がついている。そこで、私は農業関係、山林を除いて農業、畜産というものを対象にして予算を拾い上げてみますと、大ざっぱに言いますと、農業者の年金の問題であるとか、それから農業改善であるとか、総合農政であるとかいろんなものを総合しますと、最低限この予算書にありますものは二兆円を優にオーバーしているわけです。私はそのことについてけちをいささかもつけるつもりはありませんが、日本の農業政策をどういうふうに持っていくかということと予算との整合性がないと、ただお金をむだに使ったんではつまらない。もっと農業を近代化して、コストの面でもアメリカ、ECとの間に競争ができるような、たとえば飼料をつくっていこうじゃないかというならば、それに対して優先的に政策的な金の投入というものが必要だろうと思うんです。
 ところが、率直に申し上げてこの予算の上では、農業政策と予算の整合性という上で非常に疑問が現に残っているわけです。時間がありませんからこれで終わりますけれども、今後この種の問題については、かねてから大蔵大臣もお考えでありましょうと思いますけれども、予算編成の最初からそういう政策と財政の整合性ということについて十分配慮をめぐらして予算の段取りをつけてほしいということを最後に申し上げておきます。
#147
○委員長(河本嘉久蔵君) 本件に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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