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#1
第096回国会 地方行政委員会 第2号
昭和五十七年二月十六日(火曜日)
   午後零時十二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月二十一日
    辞任         補欠選任
     原 文兵衛君     江藤  智君
     福田 宏一君     安井  謙君
 十二月二十二日
    辞任         補欠選任
     神谷信之助君     立木  洋君
 十二月二十三日
    辞任         補欠選任
     安井  謙君     福田 宏一君
     立木  洋君     神谷信之助君
 一月二十二日
    辞任         補欠選任
     小谷  守君     山田  譲君
 二月十六日
    辞任         補欠選任
     福田 宏一君    大河原太一郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         上條 勝久君
    理 事
                名尾 良孝君
                伊藤 郁男君
    委 員
                岩上 二郎君
                加藤 武徳君
                金井 元彦君
                後藤 正夫君
               大河原太一郎君
                山田  譲君
                和泉 照雄君
                大川 清幸君
                美濃部亮吉君
   国務大臣
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    世耕 政隆君
   政府委員
       警察庁長官官房
       長        金澤 昭雄君
       自治政務次官   谷  洋一君
       自治大臣官房長  石原 信雄君
       自治大臣官房審
       議官       矢野浩一郎君
       自治省財政局長  土屋 佳照君
       消防庁次長    鹿児島重治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        高池 忠和君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方行政の改革に関する調査
 (地方行財政、消防行政、警察行政等の基本施
 策に関する件)
 (ホテル・ニュージャパンの火災に関する件)
○地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○派遣委員の報告に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(上條勝久君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十二月二十一日、原文兵衛君が委員を辞任され、その補欠として江藤智君が選任されました。
 また、去る一月二十二日、小谷守君が委員を辞任され、その補欠として山田譲君が選任されました。
 また、本日、福田宏一君が委員を辞任され、その補欠として大河原太一郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(上條勝久君) 地方行政の改革に関する調査を議題といたします。
 地方行財政、消防行政、警察行政等の基本施策について、世耕国務大臣から所信を聴取いたします。世耕国務大臣。
#4
○国務大臣(世耕政隆君) このたび自治大臣、国家公安委員会委員長を命ぜられました世耕政隆でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 所管行政の当面する諸問題についての所信表明に先立ち、去る今月八日のホテル・ニュージャパン火災につきまして一言申し上げます。
 このような多数の死傷者を出した火災が発生したことはまことに遺憾であり、不幸にもお亡くなりになった方には心から深く哀悼の意を表する次第であります。
 この不幸な事故を教訓として、今後さらに火災予防対策を講じ、死傷者の防止に努めてまいる所存であります。
 委員各位には、平素から地方自治行政及び警察行政に格別の御尽力をいただき、厚く御礼申し上げます。
 この機会に所管行政の当面する諸問題について所信の一端を申し上げ、各位の深い御理解と格段の御協力を賜りたいと存じます。
 まず、地方行政、消防行政についてでありますが、私は、かねてから民主政治の基盤は地方自治にあると確信しております。わが国の地方自治は、戦後幾多の試練に耐えながらたゆみない発展を遂げ、国民の間に根をおろしてまいりました。しかしながら、最近における社会経済情勢の著しい変動は、地方自治の上に、また新たな課題の解決を迫ってきております。このような状況に適切に対応し、地域住民の福祉の向上と地域社会の健全な発展を図るためには、長期的な展望のもとに行財政改革を推進し、地方自治の基盤の一層の充実を図ることが必要であります。
 私は、このような認識のもとに、新しい時代に即応した地方自治の確立のためたゆまざる努力を続けるとともに、明年度における所要の地方行財政施策を講じてまいる所存であります。
 以下、その概要について御説明を申し上げます。
 まず、昭和五十七年度地方財政対策について申し上げます。
 明年度の地方財政の収支見通しにつきましては、歳入面においては、地方交付税の所要額を確保する等の措置を講じ、歳出面においては、地方単独事業費の規模の確保に配意しつつも経費全般について徹底した節減合理化を行うこととすること等により、単年度ではありますが収支が均衡する見込みとなりました。
 次に、このほど策定を終え、閣議決定を見ました明年度の地方財政計画について申し上げます。
 明年度の地方財政計画につきましては、引き続く厳しい財政状況にかんがみ、財政の健全化を促進することを目途として、おおむね国と同一の基調によりながら、次の方針に基づき策定することといたしたところであります。
 その第一は、地方税源の充実と地方税負担の適正化を図るとともに、地方交付税の所要額を確保する等により地方財源を確保することであります。
 第二は、歳出全般について徹底した節減合理化を行いつつ、他方、地域住民の福祉の充実、住民生活に直結した社会資本の計画的整備と地域経済の振興、住民生活の安全の確保等を図ることとして、財源の重点的配分を行うことであります。
 第三は、定員管理の適正化等により地方行財政運営の合理化を図るとともに、国庫補助負担基準の改善等財政秩序の確立を図ることであります。
 この結果、明年度の地方財政計画の規模は、歳入歳出とも四十七兆五百四十二億円となり、前年度に比し二兆五千三十二億円、五・六%の増加となっております。
 また、地方公営企業につきましては、その経営の健全化を図るため、引き続き交通及び病院事業の再建を推進するとともに、下水道等生活関連事業を中心に地方債資金の所要額の確保とその質の改善を図ることとしたほか、上水道事業及び下水道事業について、資本費負担を平準化するための地方債措置を講ずることとしております。
 次に、地方税について申し上げます。
 ただいま申し述べましたとおり、明年度の地方財政は、単年度としては収支が均衡する見込みとなったのでありますが、経済の安定成長のもとにおいては、従来のように地方税の自然増収に大幅な伸びを期待することは困難であり、さらに昭和五十年度以降累積してきた巨額の借入金の返済等を考慮すれば、依然として厳しい環境に置かれていると言うことができます。このような事態に対処するためには、歳出の一層の節減合理化に努め、効率的、重点的な財政運営に徹することが必要でありますが、その努力とあわせ、生活関連施設の整備、住民福祉の充実等行政サービスの水準を確保していくためには、税負担の公平確保に努めつつ、今後とも地方自主財源の充実を図っていく必要があるものと考えます。
 明年度の税制改正におきましては、このような基本的方針を踏まえつつ、最近における地方税負担の現状と地方財政の実情とを勘案し、地方税負担の適正化、合理化と地方税源の充実を図ることを基本として、住民税所得割の非課税限度額の引き上げ、料理飲食等消費税及びガス税の免税点の引き上げ等住民負担の軽減合理化を図ることとするほか、法人の住民税及び事業税の徴収猶予割合の縮減、非課税等特別措置の整理合理化を図る一方、固定資産税、特別土地保有税等につき、市街化区域農地に対する課税の適正化措置等土地税制についての所要の措置を講ずることとしております。
 また、基地交付金及び調整交付金につきましては、基地所在市町村の実情にかんがみ所要の額を確保することとしております。
 次に、総合的な地域振興策について申し上げます。
 地域社会の健全な発展を図るためには、それぞれの地域の特性を生かしつつ、その総合的な整備を図る必要があり、そのためには、地方公共団体が主体となってこれに取り組むとともに、国においても積極的に協力する必要があるものと考えます。このため過去十年余にわたり広域市町村圏の施策を推進してきたところでありますが、明年度はすべての圏域において新広域市町村圏計画に基づく事業が本格的に実施されることになります。そこで、その円滑な推進を図るため、明年度予算においては、広域市町村圏における各種行政サービスシステムの中心となる田園都市中核施設の整備に対する助成を初め所要の財政措置を充実することとし、地方の時代にふさわしい地域社会の整備を積極的に推進してまいりたいと存じます。
 また、地域的な連帯感に支えられた近隣社会としてのコミュニティーの形成を図るため、コミュニティーにおける生活環境の整備、コミュニティー活動の促進など、その施策の一層の推進を図ってまいりたいと考えております。
 さらに、地域社会の均衡ある発展に不可欠な地域経済の振興についてもあわせてその対策を推進してまいりたいと存じます。
 行政改革は、今日における政治、行政上の最重要課題であり、国民の最大の関心事の一つでもあります。また、一方においては、住民生活に身近な行政に対する国民の関心と期待は一段と高まりつつあり、地方行政の果たすべき役割りはますます重要となってきております。このような状況のもとで、今後行政改革を進めるに当たっては、国、地方を通ずる行財政の簡素効率化を図るとともに、自主的、自律的な地方行政を実現し、地方分権を推進することを基本的な方向とする必要があり、また、地方行政の運営に際しては、最小の経費で最大の効果を上げることにより、住民福祉の向上に努める必要があると考えております。
 このため、地方制度調査会の答申を踏まえ、さらには臨時行政調査会の審議の動向にも留意しつつ、国と地方公共団体との間の事務の再配分、国の地方出先機関の整理縮小、地方財政基盤の確立と国庫補助金などの整理合理化などについてその実現が図られるよう一層努力するとともに、地方公共団体における事務事業の見直し、機構及び定員管理並びに給与の適正化などを強力かつ計画的に推進するよう指導に努めてまいる所存であります。
 地方公務員行政につきましては、かねてより公務員秩序の確立と公務の公正かつ効率的な遂行に努めてまいったところでありますが、今後ともこの方針に基づき、公務能率の向上、厳正な服務規律の確立、正常な労使関係の樹立等を図るとともに、地方公務員の給与及び退職手当については、その是正を強力に進めることとし、特に給与水準が著しく高い団体等に計画的に是正措置を講ずるよう個別に助言、指導を行うこととしており、また、定員管理についても、その適正化を一層推進し、もって住民の期待と信頼にこたえるよう、さらに積極的に取り組む所存であります。
 また、さきの国会におきまして成立いたしました地方公務員の定年制度につきましても、昭和六十年三月三十一日から円滑に実施されるよう地方公共団体に対し所要の助言、指導を積極的に行い、進展する高齢化時代の要請にこたえてまいりたいと考えております。
 次に、わが国の消防は、戦後自治体消防として発足して以来、制度、装備等着実に充実強化されてまいりました。私は、国民の生命、財産を火災を初めとする災害から守るため、今後とも人命尊重を最優先として、災害の複雑化、多様化に対応し、住民、事業所及び消防機関が一体となった安全な地域社会を実現するための消防防災体制の確立を効率的に推進してまいりたいと考えております。
 まず、消防機関の施設、装備の重点的な整備を図るとともに、小規模消防、特に組合消防の基盤の強化に努めてまいりたいと存じます。
 次に、警防、予防及び救急救助業務の高度化に対応して、これらに従事する消防職団員の専門的教育訓練の充実を図るとともに、消防職団員の処遇の適切な改善に努めてまいる所存であります。
 また、震災そのほか大規模災害に備えるため、消防施設の整備と情報連絡体制の確立を図るとともに、危険物施設、石油コンビナート等に係る総合的防災体制の整備を推進してまいりたいと存じます。
 さらに、地域における自主防災活動の拠点施設の整備及び事業所の防火管理体制を強化し、国民に対する防災知識の普及啓発に努めてまいる所存であります。
 次に警察行政について申し上げます。
 言うまでもなく、治安の維持は、国家の基盤をなすものであり、一たん治安が乱れると、その復元は容易でありません。私は、流動する社会情勢に的確に対応する警察運営の推進を図り、引き続き治安の確保に努めてまいる所存であります。
 最近の犯罪情勢を見ますと、刑法犯の認知件数は、昨年百四十六万件に達し、昭和二十三年、二十四年に次ぐ戦後第三位の発生となり、その内容においても、通り魔事件、金融機関対象の強盗事件、コンピューターシステムを悪用した犯罪、国際的な保険金目的殺人事件等のいわば社会の変化を反映した新しい形態の犯罪が多発しております。
 このような厳しい犯罪情勢に対処するため、警察はさらに捜査体制の整備充実、科学器材を活用した捜査活動の推進を図るとともに、国際犯罪に対しては、外交ルートによるほか、国際刑事警察機構を通じて外国警察との捜査協力を一層推進してまいる所存であります。
 さらに、民事事案への介入等一段と知能化、巧妙化の傾向を強めている暴力団に対しては、組織の根絶を目指した総合的な取り締まりを強力に推進するとともに、国民各層に蔓延し、さまざまな社会的な弊害を引き起こしている覚せい剤事犯に対しても、その取り締まりを徹底するほか、覚せい剤を拒絶する社会環境づくりに取り組んでまいる所存であります。
 少年非行は、ここ数年来増加傾向を示し、特に最近は、校内暴力事件や少年による通り慶事件等の凶悪粗暴事犯が続発するとともに、非行の低年齢化の傾向が進むなど、きわめて憂慮される状況にあります。このため少年非行抑止のための警察活動を一層強化するとともに、関係機関、団体とも連携を図りながら長期的な展望に立った総合的な少年非行防止を推進してまいる所存であります。
 次に、交通問題について申し上げます。
 昨今の交通情勢は、運転免許保有者数の増大及び自動車台数の増加による大量交通化の進展に伴い、一段と複雑化し、特に、交通死亡事故は、昨年若干減少を見たものの、交通事故発生件数は昭和五十二年以降増加を続け、年間六十万人を超える死傷者が生じるなど厳しい状況にあります。そのため、警察といたしましては、国民各位の理解と協力を得つつ交通事故防止を図るため、第三次交通安全施設等整備事業五カ年計画、運転者対策等の諸施策を一層充実、強化してまいることとしております。
 なお、四千五百万人に及ぶ運転者の免許証更新時の負担軽減を図るため、更新手続の簡素合理化等の諸施策の推進にも鋭意努力してまいる所存であります。
 次に、当面の治安情勢でありますが、極左暴力集団は、引き続き新東京国際空港に対する反対闘争を当面の課題としながら、テロ、ゲリラ闘争への動きを強めており、また、陰惨な内ゲバ事件を敢行するおそれもあります。さらに、右翼の動向にも警戒を要するものがあります。警察としては、強靱な体制を確立し、法と秩序を破壊する暴力的行為の取り締まりの徹底を期する所存であります。
 以上、警察当面の諸問題について申し述べたのでありますが、流動する社会情勢に的確に対処し、治安の万全を期するためには、警察体制の整備、充実を図り、警察官の資質の向上を図ってまいることが肝要であります。このため、昭和五十七年度におきましては、緊急に体制の充実、強化を要するものについて、地方警察官一千五百人の増員を行うこととしたいのであります。また、警察官の資質の向上を図るため、警察教養の徹底と処遇の改善についてさらに配意するとともに、警察職員の規律の保持並びに士気の高揚についても一層努力をいたし、もって国民の信頼にこたえてまいる所存であります。
 以上、所管行政の当面の諸問題について、所信の一端を申し述べましたが、委員各位の格別の御協力によりまして、その実を上げることができますよう一層の御指導と御鞭撻をお願い申し上げる次第であります。
#5
○委員長(上條勝久君) この際、各自治政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。各自治政務次官。
#6
○政府委員(谷洋一君) 私は、このたびの内閣改造に当たりまして、自治政務次官に任ぜられました谷洋一でございます。
 地方行政委員会は、国民生活の基盤である地方自治の振興に関しまして、いろいろと諸施策を御審議いただく重要な委員会と心得ております。委員各位におかれましては、多年の御経験と深い学識のもとに、地方自治振興のために御尽瘁いただきますことに関し、心から感謝申し上げるものでございます。
 私も、地方行政に関しましては深い関心を持っておったものでございますが、自治政務次官就任に当たり決意を新たにいたしまして、諸先生方の御指導をいただき、がんばりたいと思っております。よろしくお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(上條勝久君) 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。世耕自治大臣。
#8
○国務大臣(世耕政隆君) ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。
 今回の補正予算において、昭和五十六年分所得税の特別減税措置等によって所得税が減額補正されることに伴い、地方交付税においても、当初予算計上額に対して四百三十九億六千八百万円の落ち込みを生ずることとなってまいったのであります。
 しかし、現下の地方財政は、すでに決定された地方交付税の総額を減額できるような状況ではありませんので、昭和五十六年度分の地方交付税について、交付税及び譲与税配付金特別会計における借入金を四百三十九億六千八百万円増額することにより当初予算に計上された地方交付税の総額を確保することとし、さらに、当該借入額のうち、昭和五十六年分所得税の特別減税による地方交付税の減百五十四億八千八百万円に相当する額の償還については後年度における償還額に見合う額を、残余の額については後年度における償還額の二分の一に相当する額を、臨時地方特例交付金として一般会計から交付税及び譲与税配付金特別会計に繰り入れることにより、地方財政の運営に支障のないようにいたしたいのであります。
 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#9
○委員長(上條勝久君) 本案に対する質疑は後日に譲りたいと存じます。
 どうぞ大臣は御退席ください。
    ―――――――――――――
#10
○委員長(上條勝久君) 再び地方行政の改革に関する調査を議題といたします。
 ホテル・ニュージャパンの火災に関する件について、政府から発言を求められておりますのでこれを許します。鹿児島消防庁次長。
#11
○政府委員(鹿児島重治君) ホテル・ニュージャパンの火災の概要につきまして御報告を申し上げます。
 この火災の出火日時でございますが、去る二月八日三時二十四分ごろと推定されております。消防機関が一一九番で覚知をいたしましたのが三時三十九分、鎮火に至りましたのが午後になりまして十二時三十六分ということでございます。
 出火場所は、ニュージャパンの九階の九百三十八号室ということでございます。
 出火原因につきましてはなお調査中でございますけれども、この九階九百三十八号室の宿泊者のベッド付近から出火していると見られておりますので、たばこなど微小な火源によるものというぐあいに推定されております。
 損害につきましては、死者三十二名、負傷者三十四名を出しております。物的な損害といたしましては、焼損床面積が四千百八十六平米でございまして、九階部分が千八百七十平米、十階部分が二千二百平米、屋上部分九十四平米、七階が一部燃えておりまして二十一平米ということでございます。
 この建物の概要を申し上げますと、地下二階地上十階の建物でございまして、地下二階は機械室、地下一階及び地上一階、二階、三階の大部分、これが食堂その他のテナントでございまして、三階の一部分と四階から十階までが宿泊室ということに相なっております。延べ面積は四万六千六百九十七平米でございまして、収容人員は二千九百四十六名ということでございます。
 この建物の消防用設備の設置状況でございますけれども、法律に基づきまして必要とされております各種消防用設備のうち、消火器、屋内消火栓、放送設備、避難器具、誘導灯、連結送水管等につきましては一応設置済みではございました。しかしながら、昭和四十九年の法律改正によりまして遡及適用がなされましたスプリンクラーにつきましては、この建物が昭和三十五年に供用を開始をされているという関係もございまして、大部分が未設置でございました。
 過去の消防機関による指導の経過でございますが、毎年必要な立入検査を実施していたわけでございますけれども、その都度、スプリンクラー設備の一部未設置、それから防炎対象物品、これはカーテン、じゅうたん等でございますが、防炎対象物品の防炎性能を持ったものに置きかえるようにという点を主な点といたしまして指導を重ねてきたところでございます。そして、昭和五十二年以降四回にわたりまして所轄の消防署より文書を交付いたしまして改善を求めてきたわけでございますが、ホテル側といたしましては、その都度改修計画を提出いたしましたりあるいは一部の防火区画を着工いたしまして今日まで至ってきたわけでございます。そこで、東京消防庁といたしましては、昨年の九月十一日付をもちまして消防法の第十七条の四の規定に基づきまして、スプリンクラー等の設置をするように履行期限を付しまして、措置命令を発したところでございます。
 なお、旅館、ホテルにつきましては、一昨年の川治温泉ホテルの火災にかんがみまして、消防法上の一定の基準を満たしておりますものにつきましては、消防法上の「適」マークを交付するという制度を実施しておりますが、このホテルはスプリンクラーの未設置等がございましたために、「適」マークは交付されておりませんでした。
 次に、防火管理でありますが、防火管理者及び消防計画は一応作成され、届け出が行われておりました。
 避難訓練につきましては、一昨年は未実施でございまして、昨年末に一回実施されております。
 なお、この火災に伴います消防機関の出動状況でございますが、東京消防庁は第四出場をかけまして、百二十三台の消防車両が出場をいたしております。
 この消防隊の活動によりまして救急救助をいたしました人員が六十六名でありまして、搬送いたしました人員が三十四名ということに相なっております。
 以上、概要を御説明申し上げました。
    ―――――――――――――
#12
○委員長(上條勝久君) 次に、派遣委員の報告に関する件についてお諮りをいたします。
 昨年十二月に当委員会が行いました地方行財政等の実情調査のための委員派遣については、各班からそれぞれ報告書が提出されておりますので、これを本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○委員長(上條勝久君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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