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#1
第096回国会 地方行政委員会 第5号
昭和五十七年三月三十日(火曜日)
   午前十時一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月三十日
    辞任         補欠選任
     江藤  智君     村上 正邦君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         上條 勝久君
    理 事
                亀長 友義君
                名尾 良孝君
                山田  譲君
                伊藤 郁男君
    委 員
                岩上 二郎君
                加藤 武徳君
                金井 元彦君
                小林 国司君
                後藤 正夫君
                斎藤 十朗君
                福田 宏一君
                村上 正邦君
                小山 一平君
                佐藤 三吾君
                志苫  裕君
                和泉 照雄君
                大川 清幸君
                神谷信之助君
                美濃部亮吉君
   国務大臣
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    世耕 政隆君
   政府委員
       警察庁長官官房
       長        金澤 昭雄君
       自治大臣官房審
       議官       小林 悦夫君
       自治大臣官房審
       議官       矢野浩一郎君
       自治大臣官房審
       議官       津田  正君
       自治省行政局長  砂子田 隆君
       自治省行政局公
       務員部長     大嶋  孝君
       自治省財政局長  土屋 佳照君
       自治省税務局長  関根 則之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        高池 忠和君
   説明員
       国土庁土地局土
       地政策課長    木内 啓介君
       農林水産大臣官
       房参事官     中川聡七郎君
       農林水産省構造
       改善局農政部農
       政課長      吉國  隆君
       建築省計画局宅
       地企画室長    黒川  弘君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び
 納付金に関する法律の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(上條勝久君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。世耕自治大臣。
#3
○国務大臣(世耕政隆君) ただいま議題となりました地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨につきまして御説明申し上げます。
 明年度の地方税制につきましては、地方税負担の現状にかんがみ、地方財政の実情を勘案しつつ、住民負担の軽減及び合理化を図るため、個人の住民税所得割の非課税限度額の引き上げ、料理飲食等消費税及びガス税の免税点の引き上げ等を行うとともに、地方税負担の適正化及び地方税源の充実を図るため、固定資産税における評価がえに伴う税負担の調整、法人の住民税及び事業税の徴収猶予割合の縮減並びに不動産取得税等に係る非課税等の特別措置の整理合理化を行い、あわせて、固定資産税、特別土地保有税等につき、市街化区域農地に対する課税の適正化措置等土地税制についての所要の措置を講ずることとするほか、日本国有鉄道の公害防止設備に係る市町村納付金の特例措置の適用期限を延長することとする等の必要があります。
 以上がこの法律案を提案いたしました理由であります。
 次に、この法律案の要旨につきまして御説明申し上げます。
 第一は、地方税法の改正に関する事項であります。
 その一は、道府県民税及び市町村民税についての改正であります。
 まず、個人の道府県民税及び市町村民税につきましては、低所得者層の税負担の実情にかんがみ、所得の金額が二十七万円に本人、控除対象配偶者及び扶養親族の合計数を乗じて得た金額に控除対象配偶者または扶養親族を有する場合には九万円を加算した金額以下の者について、所得割の非課税措置を講ずるほか、配偶者控除及び扶養控除の対象となる者の所得要件である給与所得等に係る所得限度額を二十九万円に引き上げるとともに、父子家庭のための措置として妻と死別し、または離婚した者のうち、年間所得金額が三百万円以下であること等一定の要件を満たすものについては、寡婦控除と同額の二十一万円の所得控除を行うことといたしております。
 また、土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例につきまして、昭和五十八年度以後、特別控除後の譲渡益四千万円を超える部分については譲渡益の二分の一を総合課税した場合の上積み税額により課税するとともに、優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得につきまして、昭和五十八年度以後三年度間限りの措置として、特別控除後の譲渡益四千万円を超える部分については道府県民税二・五%、市町村民税五%の比例税率により課税することとするほか、特定市街化区域農地等を譲渡した場合の長期譲渡所得につきまして、昭和五十八年度以後三年度間限りの措置として、特別控除後の譲渡益四千万円以下の部分については道府県民税一・六%、市町村民税三・四%の比例税率により、特別控除後の譲渡益四千万円を超える部分については道府県民税二%、市町村民税四%の比例税率により、それぞれ課税することといたしております。
 次に、法人の道府県民税及び市町村民税につきましては、法人税割の徴収猶予制度について、確定申告による税額に係る徴収猶予割合を四分の一以下に引き下げるとともに、中間申告による税額に係る徴収猶予制度を廃止することといたしております。
 その二は、事業税についての改正であります。
 まず、法人の事業税に係る徴収猶予制度について、ただいま申し上げました住民税法人税割と同様の措置を講ずることといたしております。
 また、電気供給業に係る課税標準額の総額の関係道府県ごとの分割について、所要の経過措置を講じた上、その四分の三を発電所の用に供する固定資産の価額に、四分の一を事務所等の固定資産の価額に案分して行うことといたしております。
 その三は、不動産取得税についての改正であります。不動産取得税につきましては、カーフェリー埠頭における旅客乗り降りの用に供する家屋に係る課税標準の特例措置を廃止する等特別措置の整理合理化を行うほか、特定市街化区域農地の所有者等が新築した一定の貸家用住宅に係る軽減措置の適用期限を延長する等の措置を講ずることといたしております。
 その四は、料理飲食等消費税についての改正であります。料理飲食等消費税につきましては、大衆負担の軽減を図るため、旅館における宿泊及びこれに伴う飲食の免税点を五千円に、飲食店等における飲食の免税点を二千五百円にそれぞれ引き上げることといたしております。
 その五は、固定資産税及び都市計画税についての改正であります。
 まず、宅地等及び一般農地に係る昭和五十七年度から昭和五十九年度までの各年度分の固定資産税及び都市計画税の額につきましては、評価がえに伴う税負担の調整を図るため、昭和五十七年度評価額の昭和五十六年度分の課税標準額に対する上昇率の区分に応じて定める負担調整率を前年度の税額に乗じて求めた額を限度とするとともに、評価額の上昇割合の実態に応じ負担調整措置の区分を細分化することといたしております。
 次に、市街化区域農地に対する課税の適正化措置につきましては、三大都市圏の特定の市のC農地のうち三・三平方メートル当たりの評価額が三万円以上であるものに拡大することとし、この場合、農業を継続して営むため適当な規模の農地として一定の要件に該当する農地で、現に耕作の用に供され、かつ、十年以上営農を継続することが適当と認められるものについては、五年間またはその後の五年間長期営農継続農地として保全がなされた旨の確認を受けたときは、一般農地としての税額を上回る額の納税を免除することといたしております。
 その他、外国貿易用コンテナーに係る課税標準の特例措置を縮減する等特別措置の整理合理化を行うほか、新築住宅に係る減額措置の適用期限を延長する等の措置を講ずることといたしております。
 その六は、ガス税についての改正であります。ガス税につきましては、住民負担の軽減を図る見地から、免税点を一万二千円に引き上げることといたしております。
 その七は、特別土地保有税についての改正であります。
 まず、昭和五十七年四月一日以後取得される土地及び同日前に取得された土地のうち市街化調整区域内に所在する土地で、その保有期間が十年を超えるものについては、特別土地保有税を課さないことといたしております。
 また、三大都市圏の特定の市の市街化区域内において昭和五十七年四月一日から昭和六十年三月三十一日までの間に取得される土地のうちその面積が、一定規模以上であるものについては、その取得のあった日から原則として二年を経過する日までに住宅等が建設された土地を除き、それ以後の保有について十年度分に限り、特別土地保有税を課することといたしております。
 その八は、自動車取得税についての改正であります。自動車取得税につきましては、国の行政機関の作成した計画に基づく政府の補助を受けて取得する一定の一般乗合用バスに係る非課税措置の適用期限を二年延長することといたしております。
 その九は、事業所税についての改正であります。事業所税につきましては、中小企業者が公害防止事業団から譲渡を受けた共同利用建物に対する事業に係る事業所税の非課税措置の適用期限を二年延長する等の措置を講ずることといたしております。
 その十は、国民健康保険税についての改正であります。国民健康保険税につきましては、被保険者の所得水準の上昇等を勘案して、課税限度額を二十七万円に引き上げるとともに、減額の基準のうち基礎控除額相当額を昭和五十七年度に限り、二十四万円とすることといたしております。
 その十一は、地方税の優先順位についての改正であります。地方団体の徴収金を徴収する場合には、納税の便宜等を図るため、本税である地方税を附帯金に先立って徴収することといたしております。
 第二は、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の改正に関する事項であります。
 日本国有鉄道の市町村納付金につきまして、公害防止設備に係る特例措置の適用期限を昭和五十九年度まで延長することといたしております。
 このほか、地方税制の合理化を図るため所要の規定の整備を行っております。
 以上の改正の結果、明年度におきましては、個人の住民税所得割の非課税限度額の引き上げ、料理飲食等消費税及びガス税の免税点の引き上げ、固定資産税における負担調整率の変更等により三百四十二億円の減収となる一方、法人の住民税及び事業税の徴収猶予割合の縮減等により六百五十二億円の増収が見込まれておりますので、差し引き三百十億円の増収となる見込みであります。
 以上が地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#4
○委員長(上條勝久君) 次に、補足説明を聴取いたします。関根税務局長。
#5
○政府委員(関根則之君) ただいま説明されました地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案の主要な内容につきまして、お配りいたしております新旧対照表により補足して御説明申し上げます。
 第一は、地方税法の改正であります。
 まず、総則の改正であります。
 第十二条第二項から第十四条の五までの改正は、地方団体の徴収金を徴収する場合の本税である地方税と他の附帯金との優先順位を規定しようとするものであります。
 第十五条の三第一項から第三項までの改正は、住民税法人税割または法人事業税の徴収猶予制度について、確定申告税額に係る徴収猶予割合を現行の二分の一以下から四分の一以下に縮減するとともに、中間申告税額に係る徴収猶予制度を廃止しようとするものであります。
 第十七条の二第三項から第二十条の九の四までの改正は、先ほど御説明いたしました地方団体の徴収金の優先順位について、本税優先の原則に改める等の措置を講じようとするものであります。
 次は、道府県民税の改正であります。
 第二十三条第一項第七号の改正は、配偶者控除及び扶養控除の対象となる者の所得要件について、給与所得等に係る所得限度額を現行の二十万円から二十九万円に引き上げようとするものであります。
 第二十三条第一項第十二号、第三十四条第一項第八号、第四項、第五項及び第八項並びに第四十五条の二第一項第五号の改正は、妻と死別し、または離婚した者のうち、年間所得金額が三百万円以下であること等一定の要件を満たすものについて、新たに寡婦控除と同額の二十一万円の所得控除を行おうとするものであります。
 第三十二条第九項及び第三十四条第一項第一号の改正は、豪雪等の災害に直接関連して支出した金額が、年間五万円を超える場合には、その超える金額を雑損控除の対象としようとするものであります。
 次は、事業税の改正であります。
 第七十二条の二十二第四項第九号の改正は、軽減税率の適用される特別法人の範囲から蚕糸業会を除外しようとするものであります。
 第七十二条の四十八第三項の改正は、電気供給業に係る課税標準額の総額の関係道府県ごとの分割について、発電所用固定資産の価額によって案分する部分を現行の二分の一から四分の三に、総固定資産の価額によって案分する部分を現行の二分の一から四分の一にそれぞれ改めようとするものであります。
 なお、この改正に際しましては、附則において所要の経過措置を講ずることといたしております。
 次は、不動産取得税の改正であります。
 第七十三条の五第一項の改正は、国有農地等の取得に対する非課税措置の対象範囲から国に買収された土地の代地の取得等を除外しようとするものであります。
 第七十三条の七第九号の改正は、保安林等に該当する民有林野を国有林野と交換する場合における非課税措置について、新たに適用期限を付し、附則に規定することとしたことに伴うものであります。
 第七十三条の十四第四項及び第七十三条の二十四第四項の改正は、住宅及び住宅用土地に係る課税標準の特例措置等の適用要件である申告について、その内容等を道府県の条例で定めることとしようとするものであります。
 次は、料理飲食等消費税の改正であります。
 第百十四条の四第一項及び第百十四条の五第一項の改正は、飲食店等における飲食の免税点を現行の二千円から二千五百円に、旅館における宿泊及びこれに伴う飲食の免税点を現行の四千円から五千円にそれぞれ引き上げようとするものであります。
 次は、鉱区税の改正であります。
 第百七十九条の改正は、日本国有鉄道に対する非課税措置を廃止しようとするものであります。
 次は、市町村民税の改正であります。
 第二百九十二条、第三百十三条、第三百十四条の二及び第三百十七条の二の改正は、道府県民税と同様でありますので説明を省略させていただきます。
 次は、固定資産税の改正であります。
 第三百四十八条第二項第十五号の改正は、社会福祉事業振興会の事業用固定資産に係る非課税措置を廃止しようとするものであります。
 第三百四十九条の三第四項から第二十二項までの改正は、一般自動車道構築物及び石油公団の業務用固定資産に係る課税標準の特例措置を縮減するとともに、主として遠洋区域を航行区域とする船舶で外航船舶に準ずる一定の船舶に係る課税標準の特例措置を設けようとするものであります。
 なお、無公害化生産設備及び廃棄物再生処理用設備に係る課税標準の特例措置については、新たに適用期限を付し、附則に規定することといたしております。
 第三百四十九条の三第二十九項の改正は、新技術開発事業団の業務用償却資産に係る課税標準の特例措置を設けようとするものであります。
 次は、ガス税の改正であります。
 第四百九十条の二第二項の改正は、ガス税の免税点を現行の一万円から一万二千円に引き上げようとするものであります。
 次は、特別土地保有税の改正であります。
 第五百八十五条第三項の改正は、保有期間が十年を超える土地については、特別土地保有税を課税しないこととしようとするものであります。
 なお、昭和四十四年一月一日から昭和五十七年三月三十一日までの間に取得された土地に対しては、市街化調整区域内に所在する土地を除き、その保有期間が十年を超えるものであっても特別土地保有税を課税することといたしております。
 第六百三条の二の改正は、恒久的な利用に供される建物、構築物または特定施設の用に供する土地に係る特別土地保有税の納税義務の免除制度について、手続の簡素化を図ろうとするものであります。
 次は、事業所税の改正であります。
 第七百一条の三十四第三項及び第七百一条の四十一第一項の改正は、日本科学技術情報センターがその本来の事業の用に供する施設に係る非課税措置を廃止し、課税標準の特例措置を設けようとするものであります。
 次は、国民健康保険税の改正であります。
 第七百三条の四第四項の改正は、課税限度額を現行の二十六万円から二十七万円に引き上げようとするものであります。
 次は、附則の改正であります。
 附則第三条の三の改正は、昭和五十七年度分の個人の道府県民税及び市町村民税に限り、所得の金額が二十七万円に本人、控除対象配偶者及び扶養親族の合計数を乗じて得た金額にその者が控除対象配偶者または扶養親族を有する場合には、九万円を加算した金額以下である者について、所得割を非課税としようとするものであります。
 附則第六条の改正は、肉用牛の売却による事業所得に係る道府県民税及び市町村民税所得割の免除措置の対象となる肉用牛の範囲の見直し等を行い、その適用期間を昭和六十一年度まで延長しようとするものであります。
 附則第九条の二の改正は、沖縄電力株式会社が行う電気供給業に係る事業税の課税標準税率の特例措置の適用期間を五年間延長しようとするものであります。
 附則第九条の三の改正は、事業税について、先ほど御説明いたしました電気供給業に係る課税標準額の総額の分割についての改正に伴う経過措置であります。
 附則第十一条の改正は、不動産取得税について、日本自動車ターミナル株式会社の事業用家屋等に係る課税標準の特例措置を廃止するとともに、政府の補助を受けて取得した農林漁業者の共同利用施設等に係る課税標準の特例措置を縮減の上、適用期限を昭和五十九年三月三十一日まで延長し、また、農業振興地域の整備に関する法律の規定に基づく市町村長の勧告等により取得する農用地区域内にある土地に係る課税標準の特例措置について、その適用期限を昭和五十九年三月三十一日まで延長しようとするものであります。
 附則第十一条の四の改正は、特定市街化区域農地の所存者等が取得した一定の貸家用住宅等に係る不動産取得税の軽減措置の適用期限を昭和六十年三月三十一日まで延長しようとするものであります。
 附則第十一条の五の改正は、昭和四十八年度における水田買い入れ事業の実施により、農地保有合理化法人が農地等を取得した場合における不動産取得税の納税義務の免除に係る期間の特例措置を廃止しようとするものであります。
 附則第十四条の改正は、公害防止設備に係る固定資産税の非課税措置について、その適用期限を昭和五十八年度まで延長しようとするものであります。
 附則第十五条第三項から第十四項までの改正は、固定資産税等に係る課税標準の特例措置を改めようとするものであります。まず、カーフェリー埠頭の用に供する家屋及び償却資産等に係る課税標準の特例措置については、これを廃止することとするほか、外国貿易用コンテナー等に係る課税標準の特例措置については、これを縮減の上、その適用期限を二年延長し、また、原油備蓄施設に係る課税標準の特例措置については、軽減率を縮減するとともにその対象施設の範囲に石油ガス備蓄施設を追加した上、その適用期限を二年延長することとし、さらに、繊維工業構造改善事業の試験研究用設備等に係る課税標準の特例措置については、その適用期限を二年延長しようとするものであります。
 附則第十五条第二十三項及び第二十五項の改正は、固定資産税について、沖縄電力株式会社の事業用償却資産及び大規模地震対策特別措置法の地震防災応急計画に基づき取得された一定の償却資産に係る課税標準の特例措置を設けようとするもので、あります。
 附則第十六条第一項及び第二項の改正は、新築住宅及び新築中高層耐火建築住宅に係る固定資産税の減額措置の適用期限を三年延長しようとするものであります。
 附則第十七条の改正は、次に御説明いたします土地に係る昭和五十七年度から昭和五十九年度までの各年度分の固定資産税及び都市計画税の負担調整措置に関し必要な事項について定義しようとするものであります。
 附則第十八条、第十八条の二及び第十九条の改正は、宅地等及び一般農地に係る昭和五十七年度から昭和五十九年度までの各年度分の固定資産税について、昭和五十七年度評価額の昭和五十六年度分の課税標準額に対する上昇率の区分に応じて、それぞれ前年度の税額の一定割合を限度とする段階的な負担調整措置を講じようとするものであります。
 附則第十九条の三以下では市街化区域農地に外する課税の適正化措置について規定しております。
 まず、附則第十九条の三第一項の改正は、C農地のうち昭和五十七年度における三・三平方メートル当たりの評価額が三万円以上のものを、所要の負担調整措置を講じつつ、新たに課税の適正化措置の対象としようとするものであります。
 附則第十九条の三第二項から第四項までの改正は、昭和五十八年度以降新たに三・三平方メートル当たりの評価額が三万円以上となるC農地、線引きが行われたことにより新たに市街化区域農地となった土地等についても課税の適正化措置の対象とするとともに、その際の取り扱いを規定しようとするものであります。
 附則第十九条の四の改正は、A農地及びB農地に係る昭和五十七年度から昭和五十九年度までの各年度分の固定資産税について、宅地等に準じた所要の負担調整措置を講じようとするものであります。
 附則第二十五条、第二十六条及び第二十七条の二の改正は、宅地等、一般農地並びにA農地及びB農地に係る昭和五十七年度から昭和五十九年度までの各年度分の都市計画税について、固定資産税と同様の段階的な負担調整措置を講じようをするものであります。
 附則第二十九条の五及び第二十九条の六の改正は、農業を継続して営むために適当な規模の市街化区域農地で現に耕作の用に供され、かつ、引き続き十年以上営農を継続することが適当なものである長期営農継続農地として市長の認定を受けたものに係る固定資産税及び都市計画税については、五年間またはその後の五年間、固定資産税額または都市計画税額と農地課税相当額との差額に相当する額の徴収を猶予し、五年間またはその後の五年間引き続き長期営農継続農地として保全されたことについて市長の確認を受けたときは、徴収の猶予に係る納税義務を免除するものとずるとともに、納税義務の免除に関する規定の適用がないことが明らかとなったときは、徴収の猶予を取り消し、収用等一定の事由により長期営農継続農地として保全できなかったことの市長の確認を受けて納税義務を免除された場合を除き、直ちに当該徴収の猶予の取り消しに係る地方団体の徴収金を徴収しなければならないこととしようとするものであります。
 附則第三十一条の四の改正は、先ほど御説明いたしましたように、昭和四十四年一月一日から昭和五十七年三月三十一日までの間に取得された土地に対しては、市街化調整区域内に所在する土地を除き、その保有期間が十年を超えるものであっても特別土地保有税を課税することとしようとするものであります。
 附則第三十一条の五の改正は、三大都市圏の特定の市の市街化区域内において昭和五十七年四月一日から昭和六十年三月三十一日までの間に取得される一団の土地であってその面積が一定規模以上であるものについては、現行の特別土地保有税が課される場合を除き、当該取得のあった日から二年を経過した日以後の保有に対して十年度分に限り特別土地保有税を課することとしようとするものであります。また、この場合において、住宅等の用に供する土地で現行の特別土地保有税が非課税とされる土地に対しては特別土地保有税を課税することができないこととし、事務所、店舗等恒久的な利用に供される建物等の用に供する土地で現行の特別土地保有税が免除される土地については納税義務を免除することとしております。
 附則第三十二条の改正は、政府の補助を受けて取得する地方生活路線バスに係る自動車取得税の非課税措置の適用期限を昭和五十九年三月三十一日まで延長しようとするものであります。
 附則第三十二条の三第一項及び第三項の改正は、中小企業者が公害防止事業団から譲渡を受けた共同利用建物に対する事業に係る事業所税の非課税措置等の適用期限を二年延長しようとするものであります。
 附則第三十三条の改正は、昭和五十七年度分の国民健康保険税に限り、減額の基準のうち基礎控除額相当額を二十四万円にしようとするものであります。
 附則第三十三条の二の改正は、法人税の税率の引き上げ並びに道府県民税及び市町村民税の法人税割の税率の改正に伴い、みなし法人課税を選択した場合の課税の特例におけるみなし法人所得に対する税率等について所要の規定の整備をしようとするものであります。
 附則第三十四条の改正は、土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得に係る道府県民税及び市町村民税の課税の特例について、昭和五十八年度以後、特別控除後の譲渡益四千万円を超える部分は譲渡益の二分の一相当額を総合課税した場合の上積み税額により課税しようとするものであります。
 附則第三十四条の二の改正は、優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得について、昭和五十八年度以後三年度間限りの措置として、特別控除後の譲渡益四千万円を超える部分は道府県民税二・五%、市町村民税五%の比例税率により課税しようとするものであります。
 附則第三十四条の三の改正は、特定市街化区域農地等を譲渡した場合の長期譲渡所得について、昭和五十八年度以後三年度間限りの措置として、特別控除後の譲渡益四千万円以下の部分は道府県民税一・六%、市町村民税三・四%の比例税率に上り、特別控除後の譲渡益四千万円を超える部分は道府県民税二%、市町村民税四%の比例税率により、それぞれ課税しようとするものであります。
 附則第三十五条の二の二及び第三十五条の三の改正は、個人の市町村民税について、農業生産法人に農地等を現物出資した場合の譲渡所得に係る納期限の特例措置の適用期間を昭和五十九年度まで延長する等の措置を講じようとするものであります。
 第二は、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の改正であります。
 附則第十五項の改正は、土地に係る市町村交付金について、今回講じられる土地に係る固定資産税の負担調整措置に対応して価格の修正の特例を設けようとするものであります。
 附則第十六項の改正は、日本国有鉄道の公害防止設備に係る市町村納付金の特例措置の適用期限を二年延長しようとするものであります。
 以上でございます。
#6
○委員長(上條勝久君) これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#7
○佐藤三吾君 世耕大臣の所信はお伺いしておったんですが、委員会で接する機会というのは私はきょうが初めてでございまして、本来なら一般質問等の機会があって、大臣の就任に当たっての決意なりそういった問題をただすべきだと思うんですが、時間の関係でなかなかそうならずにきょうを迎えたわけでございますから、きょうは法案審議の委員会でございますけれども、やはりその前に一つだけ大臣の考え方なり所見をただしておきたい、そういうふうに思いますので、冒頭にお伺いしたいと思います。
 大臣は、自治大臣であると同時に国家公安委員会委員長、同時にまた、鈴木内閣の閣僚の一員でもあるわけです。お伺いしますと、七日会以来ずっと田中派に属しておる、こういうことをお伺いしております。
 田中さんは御存じのとおりに金脈問題で総理大臣を辞任せざるを得なかった。その際に彼は、この疑惑については必ず明らかにして国民に潔白を証明したいと、こういう約束をした経緯がございます。その後にロッキード事件が起こったわけです。いま裁判が結審の時期を迎えておるわけですけれども、田中さんが国民に約束したその真相を私はまだ聞いていないんです。真相は一体どういうことなのか、疑惑はどうなのか、そういう約束にかかわらずまだ明らかにしていない。しかも現在は刑事被告人でもあるんですね。
 私はこの一月の十九日の決算委員会で新潟遊園の問題、東京ニューハウスの問題、この問題を取り上げて追及したんですが、中を見ると、いま週刊誌やその他で報じられておりますように、新たな金脈事件に類する疑いりある行為をやられておる。その事態の中で、一方では田中派というんですか、木曜会というんですか、まるで裁判に挑戦するように鈴木直角内閣と言われるくらい権限を振るっておる、こういうことに対して、国家公安委員長でもあり閣僚の一員である、しかも田中派に所属されておる大臣の所見といいますか考え方を、一体どういうふうに考えられておるのか、まずお聞きしておきたいと思います。
#8
○国務大臣(世耕政隆君) 私は、国家公安委員長を自治大臣と一緒に拝命したわけでございますが、これはやはり一たびこういう国家公安委員長という国の治安を維持するためのこういった業務を担当するからには、公正、中立の姿勢でなければならないという観点に立ちまして、私は所属は御指摘のように七日会、木曜会に所属はしておりますが、それとは別に、やはり金脈事件に対しましても、警察当局が厳正、公正な姿勢で対処することを期待してやみませんし、新たに出てきたいろんな新潟県内の問題に関しましても、そういった立場から調査を進めていくことが期待されるものでございます。
 いろいろ御指摘がございまして、いろんな問題が派生しておりまして、大変遺憾なことではございますが、公正な立場で対処してまいる所存でございます。
#9
○佐藤三吾君 あなたも、田中さんが事実上の盟主ですから、その盟主がこういう世間の疑惑を晴らさないままにさらにまた新しい金脈事件が起こっていることについては、これはやっぱり立場上切ない面もあると思うんですね。歴代総理の発言を聞いていましても、やっぱり真相、疑惑を本人自身が早急に明らかにしてけじめをつけるべきだと、こういうことを再三国会の中で発言しておるわけです。問題は、やっぱり政治倫理の面からいいましても、同時にまた、あなたの国家公安委員長という立場からいっても、ここら辺はやっぱりすきっと、いまあなたは公平に扱っていくという観点を披瀝なされましたが、そこら辺をやっぱりもっと毅然と国民に明らかにしていかないと、新聞等では、田中派は国家公安委員長は絶対に放さないとか、こういうことで、あなたが就任した際にも書かれておりますね。そのことが非常に国民に司法というか、検察に対する不信を招く。ですから、そこら辺はやっぱり言いにくい点はあろうけれどもきちっとしてもらう。同時にまたあなたの盟主だから、田中さんにもやっぱりそこら辺をきちっとしてもらうような派内の意見だって私は必要じゃないかと思うんですよ。そこら辺は今後大臣を続けていく中ではぜひひとつ国民に疑惑を招かないように、きちっとした姿勢を堅持をしてもらいたいということを付け加えておきたいと思います。時間があれば、この問題についてはまたじっくり次の機会に何度か大臣とやりとりしていきたいと思います。
 そこで、あなたと第一回に大臣就任後に私がお会いしたのは十二月の総理官邸だったと思いますね。第十九次地方制度調査会、あの際私はあなたに一つだけ質問をして、あなたからはっきり約束をいただいたわけです。それは何かというと、第十七次の地方制度調査会で答申をしました、いわゆる地方の時代に備えて自治権の拡大を含めたいろんな決議がございます。その中で、特にいわゆる国の機関委任事務に対する地方自治体の監査の権限の強化の問題、それから地方を巻き込む大プロジェクトのことが、国の責任で一方的にやるということについてはよろしくないので、少なくとも地方自治体の連合会の意見を申し入れる機会を法文上も明らかにしろと、こういった幾つかの地方自治法の改正にかかわる決議が答申されまして、それに基づいて政府は自治法改正案を用意をしたんですが、これは大蔵かどこか知りませんが、各省庁の会議の中でつぶされてきた。この問題について九十四国会で安孫子自治大臣は、必ず次の通常国会、九十六国会に提出しますと、こういう約束をした経緯があります。そこで私はあなたに、九十六国会に提出するについてその決意があるのかないのかただしたところが、あなたは必ず提出しますと、こう約束なさった。いまだに法案が出てこないんですが、経緯はどうなっていますか。
#10
○国務大臣(世耕政隆君) 昨年改正しようとした事項は、地方制度調査会の答申の具体化を図るものでございまして、今後の地方自治制度の改善に欠かせないものであると考えております。現在、臨時行政調査会において国と地方公共団体のあり方を審議しておりますので、この審議の展開を十分注意して見守っていく必要があると思います。今後、御指摘のことに関しまして関係省庁の理解を得るよう努力を持続してまいる所存でございます。
 御指摘のように、私は最初お会いしたときの制度調査会でそういう御指摘のような発言をいたしました。今後とも、現在もその気持ちには変わりはございません。ただ、現在の状況から言いますと、なかなか法改正をめぐる環境が昨年同様に非常に厳しいものがあることは事実でございます。しかしながら、私が最初に申し上げた所存については、いまだにこれは変わっておりません。
#11
○佐藤三吾君 大臣、ごまかしちゃいけませんよ。臨時行政調査会で審議をするというのは、国と地方との事務、仕事量、そういうものの配分を含めての分担の問題があって議論はやられていますわね。それは私は知らないではございませんが、いま私が出した問題というのは、せめて国の機関委任事務について、その自治権を保障するという中で、それが県、市町村の監査すらもできない。県の場合に機関委任事務といったら大変な業務量ですよね。そういうものが監査できないとい。うところについては、これはもう国と地方との事務の再配分の問題以前の問題として早急にすべきだというのが答申の趣旨でしょう。
 それから、たとえば四国に三つ橋をつくったり、こういった問題を国が勝手に、やる。それから、たとえば今度の新幹線整備五線でもそうでありますが、国鉄自体がパンクしておる中でこういう法案を自民党の議員立法で勝手にやる。こういうことについては、地方はもうその被害者になる、途端に。自治省の政務次官が反対票を投じたぐらいに抵抗もあったと思うんですよ。こういうことが次々にやられてくる、今日において。ここら辺の問題については、少なくともやっぱり地方の自治権を一定限認めるとするならば、地方六団体の意見をきちっと聞いた上で決定できるような仕組みにすべきだという内容ですから、これは臨調にかかわる問題ではなくて、現に大平さんのときにこれを出して守るのか守らぬのか、いままでは地方制度調査会の答申を一つも守っていないじゃないかと、こういうことで大平さんは二回調査会に引っ張り出されて、出された答申については確実に守りますと約束をされておるわけです。鈴木さんも約束しておるわけです。
 そういう経緯のある中で、五十四年九月に出した答申がずっと持ち越されて――それはやっぱり閣内の調整もあるでしょう。しかし、外国と調整するわけじゃないんですからね。国内で、霞が関中心に調整するわけだから。したがって、五十五年度、五十六年度二年も置いて、そしていまだに調整ができないということについてはけしからぬじゃないか。それに対して、あなたは至極当然のように、今度の九十六国会には必ず出しますと約束したんですよ。そんな答弁はないですよ、はっきりしてください。
#12
○国務大臣(世耕政隆君) いま、関係省庁の理解を得るようにいろいろ努力をしておりまして、最初申し上げましたように、この国会に……
#13
○佐藤三吾君 いつ出すんですか。
#14
○国務大臣(世耕政隆君) 最初申し上げましたように、理解を得ながら所期の目的を達成するようだ努力してまいります。
#15
○佐藤三吾君 わからぬじゃないの。官庁の縄張り意識でしょう、これは。機関委任事務を自治体に委任しておるわけでしょう。そのことについて監査する、それに一番抵抗があるんでしょう。何でその縄張りにそんなにあなたは苦しい答弁しなきゃならぬのですか。それこそ世論に訴えてそういうことのないような、縄張り意識をなくそうというのがいま行革の一番基本でしょう。三年も四年もたって――今国会に出すんですか、出さぬのですか。きちっとしてくださいよ。――いや、大臣に聞いているんだよ、これは。
#16
○委員長(上條勝久君) 補足説明を許します。砂子田行政局長。
#17
○政府委員(砂子田隆君) 実は、地方自治法の原案を私のところでやらなきゃいかぬことになっておりまして、いまお話しのようになかなか調整がとれませんこと、大変申しわけないと思っております。基本的には、いまおっしゃられましたように、国の機関委任事務を監査をするというのは、国の大部分の事務をやっている公共団体としては当然のことでありますし、意見の具申をするということも、公共団体にそういう道が開かれるというのも当然だと思って実は法案の作成をしてきたわけであります。
 しかし、御案内のとおり、なかなか各省の間の調整がとれませんでした。現在も各省との間で調整がとれません。御案内のとおり、法案を出すためには各省の一致がなければなりませんし、閣内の統一の中で法案ができていくわけでありますから、そういうことを考えますと、現在段階で閣内で一致してこの法案が出るというのは大変むずかしい状況にございます。
 そういう周囲の環境があるほかに、先ほど大臣が申し上げましたように、臨時行政調査会を片っ方で行政管理庁がやっておりまして、機関委任事務についても何らかの一つの結論を出すような感じのものをいま審議をしていると聞いております。そういうことになりますと、地方自治法の中でいま申し上げた二つは大変重要なことでありますが、やはりそのやらせている事務自身についても相当関心を払わなきゃならぬということも事実だと思います。
 そういうことを考えますと、そういうものが出ましてから総合的にやるということの方がむしろ公共団体にとりましても望ましい方向ではないか。たとえば、いまの六団体の意見の中でも機関委任事務の廃止の問題――廃止というより整理縮小の問題、いろんなことがやはり公共団体からも述べられてきております。そういう背景を持ちながら、やはり事に当たりませんとなかなかうまくいかないのではないかという感じがしておりますし、そういう点で若干の御猶予をいただきたいものだと思っております。
#18
○佐藤三吾君 そうなると、一体地方制度調査会というのは何なのかということを私は改めて聞きたくなりますよ。これも総理の諮問機関でしょう。そして、地方自治問題に対する専門家が集まって議論をしておるんですよ。その答申は聞かぬで、臨調の方でいま議論しておるので、その答申を待ってした方がいいと、こういう答弁ですね。それならやめなさいよ、地方制度調査会を廃止しなさいよ。そんな侮辱したことをあなたたちがのうのうと言うなら。そうじゃないですか。直ちに廃止しなさいよ。そんな言い方がありますか、あなた。臨調であろうと地方制度調査会であろうと、総理の諮問機関というのは同じでしょう。これはポイして、臨調が議論始めましたからそっちの方にした方が、後の方がいいんじゃないか、そんな論理がありますか。だからこそ、大臣はちゃんと地方制度調査会の場で私と約束したんです。安孫子さんもここで約束したんですよ、委員会で。国会軽視じゃないですか。
 私はなぜあえて言うかといえば、昭和二十九年からずっと大臣の在任月数を見ると、大体七カ月でかわっておるんですよ、大臣が。だから、大臣が自分の限られた短い時間の中で約束したことは、やっぱり一つ一つぴしっと処理する。院に、委員会において約束したことはきちっと守る、これが守られていかなきゃ、何ぼこんなこと審議したって意味ないですよ。そうでしょう、大臣。侮辱ですよ、これは、院に対する侮辱。同時に、そういうことなら、地方制度調査会なんていうのは廃止しなさいよ。大臣きちっと答弁してください。
#19
○国務大臣(世耕政隆君) 地方制度調査会はきわめて貴重な機関であるというふうに考えております。また、われわれの方の意思は、あくまで御指摘のことに関しましていろんな経緯を積みながら何とか実現させていく、この意思には変わりはないので、その点は何とぞ御理解いただきたいと思います。
 それから、臨調の意見、答申云々ということは、一つの政策を実現させていくためにはタイミングとか、各省庁の了解とか、いろんな積み重ねとか、そういうものがあった方がやりやすいからにほかならないと存じております。
#20
○佐藤三吾君 きょうは法案審議ですから、これ以上は言いませんが、しかし大臣、それはやっぱりどうしても納得できないですね。この法案について、臨調にひっかかって今国会の提出を見送ると言わんばっかりの意見ですが、あなたはそういうことで大臣としての約束が守れますか。務まりますか、それで。やっぱりそこら辺は、臨調の議論もありましょう、ありましょうが、しかし私は、臨調は行革ということで議論しておるわけだから、そしてその行政改革は何かというと、国の膨大な行政のあり方を正してわざわざ項目の中に地方と国との事務の再配分を含めていっておるわけだから、まさにそれに見合った法案だから、これらについてそんな言いがかりじゃなくて、今国会に間に合うのか間に合わないのかを含めてもう少し態度を明確にしてもらいたいと思う。そうしないと、私はこれ、また次の国会、また次の国会というかっこうになりかねぬと思うんですよ。どうですか。
#21
○国務大臣(世耕政隆君) 最大限の努力を払ってまいります。
#22
○佐藤三吾君 不満ですけれども、「最大限の努力」をひとつ信じましょう。しかし、これが最大限ができぬときには、また責任追及も含めてやらしていただきます。
 そこで、本案の審議に入りますが、まず、やっぱりこういう重要な法案が一日審議というようなことは、目切れぎりぎりに審議するということは、私は非常に遺憾に思うんです。しかも、去年も言いましたが、もうすでに地方の議会は終わっておる。大体きのうごろで終わっておる。その地方の最大の自主財源である地方税法案をここで審議することについては、私はやっぱりまことに遺憾であり、毎年この改善を考えるということを言いながらできないことは残念だと思うんですが、さらにひとつここは検討していただいて、今後は十分な審議、そして地方における審議ができる状態をつくっていくことを、財政自主権の問題を含んでまず要請しておきたいと思います。
 そこで、昨年私どもの委員会で与野党一致として附帯決議をつけましたですね。この附帯決議がこの一年間、どのようにやられてきたのか、その内容をひとつ聞かしてください。
#23
○政府委員(関根則之君) 御指摘の附帯決議は、昨年の三月二十六日に本委員会でなされたものでございますが、全体で内容的には十一項目にわたっているわけでございます。
 逐次申し上げたいと思いますが、第一につきましては、行政改革に当たりましては、税源配分の見直しをやって、地方の一般財源の強化を図るべきだという御指摘でございますが、私どもも来年度の税制改正に当たりまして、極力地方自主税源の強化拡充の方向で努力をしたつもりでございますが、現在行革を進める過程におきまして、増税なき財政再建という基本的な方針もございまして、国、地方を通じて財政再建を進めるに当たりまして、新規のないしは大型の増税をするということができないという制約があるわけでございます。また、全体として増税はしないにしても、国税から地方税への移譲という問題も検討課題には当然なるわけでございますが、御承知のような国の財政の状況でもございますので、必ずしも大きな項目について税源の地方への移譲というようなことができ得なかったわけでございます。今後とも税制調査会なりあるいは地方制度調査会の御意見を伺いながら地方税源充実の方向で私どもとしては努力をしていきたいと考えております。
 それから二番目の問題は、個人住民税につきましての低所得者層の負担の軽減を図るべきであるという点でございますが、御承知のような厳しい地方財政の状況下におきまして、大幅な本格的な地方の住民税の減税ということは残念ながら実施し得なかったわけでございますが、ただいま提案申し上げております地方税法の中にもありますように、非課税限度額につきましては低所得者層の負担というものについての配慮を加えまして、微調整ではございますが、しかるべき措置を講じたところでございます。
 三番目の問題は、非課税等特別措置の整理合理化を引き続き抜本的に進めるべきであるという御趣旨でございますけれども、私どもは、昭和五十一年以来非課税等特別措置の整理合理化を積極的に進めてきたつもりでございます。特に、臨調の第一次答申におきましても負担の公平というものが税制上きわめて重要であるという御指摘をいただきまして、国の租税特別措置と同様に、地方税につきましても私ども積極的にその見直しを進めたところでございます。ただ、政策税制につきましてはそれぞれ政策目的がございますので、必ずしも大幅な廃止というものができなかったことは残念ではございますけれども、そういう状況下におかれましても、廃止したもの十一件、縮減したもの二十四件、合計三十五件につきまして廃止または縮減を実施をしようとして法案を御審議いただいておるところでございます。
 四番目は、法人事業税の外形標準課税の導入でございますが、従来からの基本的な課題でございまして、私どもといたしましては地方団体の税収の安定化を図る上からもぜひそういう方向で実現を図りたいと考えておりますが、国の税制調査会の議論の過程におきましても必ずしもすぐに実施に移すというような意見の一致までは見るに至っておりませんので、五十五年の十一月の中期答申におきましても、課税ベースの広い間接税の導入問題と一緒にこの問題に何らかの結論を見出すようにしていくべきだと、こういった趣旨の答申がなされております。私どももそれに向けて今後努力をしていきたいと考えております。
 また、デザイン業に対します個人事業税の課税が行われるわけでございますが、「芸術活動によるものを含まないものとすること。」という点が御指摘をいただいておりますが、この問題につきましては、昨年の事務次官通達におきまして、芸術活動によるものはその対象範囲に含まれないことを明確化いたしますとともに、課税に当たって地方団体に対して十分留意するよう指導をしているところでございます。
 次は五番目の問題でございますが、不動産取得税の特例適用を受けます際の申告期限を、いままで法定いたしておりましたものをいま少し弾力的にすべきであると、こういう御指摘といいますか内容でございますが、この問題につきましては、私どもとしても実際の地方団体における適用状況等を従来から調査をし、見守ってまいったわけでございますが、実際問題として制度的にも無理があるという考えに達しましたので、今回の税制改正、御審議をいただいております改正案におきまして、申告期限なり内容等につきまして各都道府県の条例にゆだねることにするよう法律改正をお願いを申し上げているところでございます。こういう形になりますれば、実態に即した規定が各地方公共団体段階におきましてなされ得るものというふうに考えておる次第でございます。
 次の六番目の問題は、固定資産税等についての負担の軽減に努めるべきであるという点でございますが、住宅につきましては従来から一定の新築住宅の税額を三年度間二分の一の額とする措置を講じてまいりました。なお、中高層の耐火建築については五年間二分の一でございますが、そういう措置を講じまして負担の軽減を図ってきているところでございます。今回の改正案におきましては、この軽減措置が期限切れになりますので、三年間延長をする改正をお願いいたしておりますとともに、今回の評価がえによりまして住宅の価格が上昇することが考えられますので、価格要件を引き上げることを考えておるところでございます。
 なお、住宅用の土地の問題につきましては、日常生活に最低限必要と認められます二百平方メートル以下の小規模住宅用地に係る固定資産税につきましては、すでに税負担を四分の一とする軽減措置を講じているところでございますが、今回の改正案におきまして、評価がえに伴う税負担の増加を緩和いたしますため、毎年度の税負担の増加が一定の範囲内にとどまりますよう負担調整措置を講ずることとしております。今回の評価がえの評価の上昇状況等にかんがみまして、その負担調整措置の区分をさらに細分化いたしますことによりまして、税負担の緩和に配慮をしたところでございます。これらの措置を講ずることによりまして、住宅地等に対します税負担についてはかなりの配慮措置がなされているものというふうに考えます。
 七番目は、電気税及びガス税の軽減の問題でございますが、電気税につきましては、この前電気料金の値上げをいたしまして以来格別の電気料金の上昇というものが見られておりませんし、需要家庭の約半分程度が免税点以下になっておるというような状況もございますので、今回はその免税点の引き上げを見送らしていただきましたが、ガス税につきましては、代替燃料との関連等の特殊な事情もガスにつきましてはございますので、一層の負担の軽減を図る必要があると考えまして、免税点を一万二千円に引き上げる内容の法改正をお願いをしているところでございます。なお、今後におきましても地方財政の状況なり料金改定の状況等を勘案しながら国民生活への配慮を十分してまいりたいと、こういうふうに考えております。
 八番目は、軽自動車税の月割課税の問題でございますが、それに関連いたしまして混乱を生じたりしないようにすべきであるということと、自動車税の徴収方法について現行制度を存続すべきであるという御趣旨でございますが、私どもといたしましては、軽自動車税につきましては月割課税に移行したわけでございますけれども、その実施に当たりましてはできるだけ混乱を起こしませんように納税者や関係者等に対しまして周知徹底方を図りますとともに、課税の円滑化を図るよう市町村を指導してきたところでございます。
 自動車税そのものにつきましては税額も大きなものになりますので、月割課税に改めていく考え方は現在のところございません。現行の制度を存続したいというふうに考えておるところでございます。
 次の第九番目は、生活環境施設なり地方道を整備するための地方財源を充実すべきであるという点でございますが、地方の一般的な財源の充実につきましては、第一の項目で申し上げましたように、今後とも私どもとしても最善の努力をしたいと考えております。その中におきまして、生活環境施設等の整備に要する財源につきましても、自主的な財源でできるだけ多くの部分を賄い得るように努力をしていきたいというふうに考えます。
 なお、道路整備財源の道路目的税源につきましても、国道の場合に比べまして地方の特定財源の割合というのが非常に低くなっております。事あるごとに建設省ないしは大蔵当局等とも折衝をしているところでございますが、これにつきましてもなかなか一挙に片のつく問題ではありませんが、今後とも引き続き努力を続けていきたいというふうに考えておる次第でございます。
 十番目の問題は、事業所税の課税団体の範囲の拡大でございますが、私どもといたしましても、税調の場等に議論を持ち出していろいろ各方面のコンセンサスの一致を得べく努力はしているわけでございますけれども、何しろ、たとえば県庁所在の市におきましても人口段階が十万程度の都市もあるというようなこともございますし、また、たとえば同じ二十万という人口規模の都市でありましても、産業構造が非常にばらばらでありまして、必ずしも一概に事業所税の課税団体にするにふさわしいような指標が統一的に見出せないというような問題もございまして、必ずしも関係各方面の意見の一致を見るまでに至っておりません。この問題につきましてはたびたびこの委員会におきましても答弁申し上げておりますとおり、そういった事情を踏まえながら今後とも私どもとしては努力をしていきたいと考えております。
 最後の十一番目につきましては、利子配当所得の源泉分離課税による地方税の減収についての補てん問題でございますが、この問題につきましては、昭和五十九年一月一日から例のグリーンカード制度の導入によりまして総合課税へ移行するということになっております。住民税につきましては翌年度課税でございますので、昭和六十年度から所得税同様総合課税になるわけでございますが、そうなりますと一応片がつく問題ではございますけれども、それまでの間につきましては現実問題として住民税として収納すべきものが徴収できないということになっておりますので、その補てん措置を従来から大蔵省に対しまして折衝し、その結果措置がなされてきております。五十七年度におきましても一応臨時地方特例交付金に相当するものといたしまして、国の財政事情もございますので、交付税特別会計における借り入れによりこの部分を措置し、地方団体に交付する交付税の原資としてこれを充当すると、そういう措置をとらせていただいたところでございます。
 以上でございます。
#24
○佐藤三吾君 いろいろ努力の跡がうかがえるわけですが、肝心な大きなところはなかなか実現していないようで、今後さらに努力をやってもらわなきゃいかぬと思うんですが、ちょっと時間の関係もございますが、そういった観点から二、三ひとつお聞きしておきたいと思うんです。
 一つは、今度、改正案のさっきの説明の中にございましたが、その十一ですか、これが新たに出てきたんですが、いわゆる附帯金の本税優先という改正案ですね。これは私も、国税の場合は本税優先というのはよく承知しております。昭和二十四、五年ごろからだったと思うんですがね。ところが、地方税の場合には附帯金優先という原則で来た。地方税の実態から見ると私はなかなかよく見ておるんだなとこう思っておったんですが、今度はまた国税どおりに本税優先という方向にやられておるわけですが、これはどういう理由ですか。
#25
○政府委員(関根則之君) 今回、地方税の滞納等がありました場合の納税がありましたときに、従来からの附帯金に優先して充当する方式を改めまして、本税優先という形に改めることとしたわけでございますが、現行制度におきましては、地方団体の徴収金の徴収に当たりまして、附帯金を優先して徴収しなければならないこととなっておりますが、この方式でございますと、地方税と国税との間でその取り扱いが違ってしまうわけでございます。従来から違っているわけでございまして、納税者の中に混乱を生ずるといいますか、大体の納税者というのは国税も地方税も両方納めるわけでございますが、その国税と地方税で取り扱いが違うということになりますと、いろいろな混乱も生じ、窓口においてトラブルも生じる例がございまして、多くの地方団体から本税優先の原則に改めるべきであるという意見等も出てまいりました。そういうことを背景にいたしまして、最近地方団体における徴税事務も大分近代化されてまいりまして、昔は、大体役場なり支所なりの窓口で収納をしておったわけでございますが、最近は取り扱い金融機関、銀行等で収納が行われるという場合が多くなってまいりました。その際に、附帯金優先でございますと、納期限の経過をいたしました税金について納めに参りましたときに、附帯金優先でありますと、銀行の窓口で利息計算をまずしなければいかぬというような問題がございまして、そこで間違いが起こったりしますといろいろトラブルのもとになりますので、銀行等でその取り扱いを嫌がるという事例が実は出てまいったわけでございます。たとえば東京都におきましては納期限を一カ月以上経過いたしましたものにつきましては銀行を通じて納税することができない、こういったような取り扱いになっているわけでございます。せっかく一万円の固定資産税を納めようと思って銀行窓口へ参りましても、納期をたとえば十日間過ぎておりますと、利息の額がわからないから受け取れませんというような話になって、帰ってもらわなきゃいかぬと、そういう事態が起こってくるわけでございます。そういった実際上の問題を解決をして新しい事務処理のやり方に合わせていくのも、現在事務処理の簡素合理化という行革の時代でもございますので、ひとつ実際に即した、実態に合ったやり方に改めていきたいと、こういうことで今回本税優先原則というものに改めたいというふうに考えた次第でございます。
#26
○佐藤三吾君 なかなか苦しい答弁のようですがね、言うならば、本税が滞納すればこれは一カ月に日歩二銭、二カ月に一四銭、年利で一四・六%の金利がつくわけですね。だからたまらないから納めると、こういう仕組みになっておるわけです。ところが、延滞金の場合にはこれは何ぼ延ばしたって金利はつかぬわけです。ですから、国税の場合はなかなか税務署が厳しくて、厳しくまたやれる。ところが地方税の場合、滞納しておる層というのは大体どういう層が滞納しておると思いますか。ほとんど地方のボスですよ。県会議員をやっておったり、旅館組合の組合長なり、地方のボスですよ。だからこの層が、今度は地方税の場合徴税に行くと、やかましいと知事に電話しておまえ人事異動でかえるぞと、こういうことをすぐやっちゃう。だからなかなか取りにくい。これがいまずっと滞納している一番大きな原因ですよ。調べてみなさい。だからそういうところが、地方税のいままでの現行でいくと、結局それは金利がついていくわけです。だからたまらなくなって払うわけです。また大きな問題になって、県議会等で問題になる、こういう仕組みで回収されていったのが事例ですよ。そういう意味では、地方公務員の立場から見ると現行制度の方がいいわけです。
 だから、いまの自治体から云々というのは、私は恐らく大都市周辺で銀行経由しておるところが、銀行の方が困るということになったんじゃないかと思うんです。だから、そこら辺は私は本末転倒してはいかぬと思うんです。この制度というのはいまもうずっとなじんでおりますから、そしてまたその意味で実効を上げておるわけだから、ここで突然本税優先になったらこれはどうしようもございませんよ。こういった問題は、もっと当該のやっておる自治体の実務者と相談をして、そして実態に見合った方法を堅持していくと、こういう私は姿勢でなければいかぬと思うんですよ。恐らくあなたのところへ来たのは銀行の圧力だと思うんです。もしくは、地方ボスの圧力があなたのところへ来るはずはないけれども、いずれにしてもその代弁者があなたのところに意見として集約されて、それに見合った改正だと私は思うんです。これはやっぱり納得できませんね。ここに地方自治体の首長をやっていた方も来ていますが、美濃部先生もいらっしゃるけれども、いずれにしてもこういう改正を突然出してくるということについてはどうも納得できない。
 そういう何か銀行筋の圧力があったんですか、どうですか。はっきりしてくださいよ。
#27
○政府委員(関根則之君) まあどこかからの要請で、特に銀行からの要請でという御趣旨のお話でございましたけれども、この問題につきましては、実は古い話でございますが、租税徴収制度調査会の答申や税制調査会の答申でも、附帯金優先を改め、納税者サイドの便宜のために本税優先とした方がいいと、こういう御意見もいただいておるわけです。長い間の懸案をこの際片をつけたいということでございます。
 その背景としては先ほど申し上げたことに尽きるわけでございますけれども、都道府県につきましては調査をいたしまして、四十七の都道府県のうち、改定すべきであるという意見を寄せたところが四十三、改定すべきではないというのがたまたま一県ございます。それから、特に意見なしが三県ということで、圧倒的大部分の都道府県は附帯金優先原則をやめるべきだと、こういう形に国に合わせるべきだと、こういう趣旨の御意見をいただいております。指定都市におきましても、約八〇%の指定市から改定をすべきであるという意見もいただいております。その他の市町村全部悉皆調査をいたしたわけではございませんが、私どもの調査では附帯金優先原則を本税優先に改めるべきだという意見の方がはるかに多い数字をいただいているわけでございます。
 いずれにいたしましても、世の中の税金の徴収の方法が時代とともに変化を来してまいりまして、銀行で取り扱うものが多くなる。そういうところの実際上の便宜、もちろん銀行の方もせっかく来た納税者に帰っていただく、あるいは役場の窓口へもう一回出直してもらうということのないようにするということが銀行のためにも助かることではあると思いますが、やはり基本的には納税者の便宜にも即するものというふうに私どもは考えてこの措置をとったわけでございます。
 御指摘をいただきましたように、確かに地方におきましていろいろ大口滞納の人たちでこの制度が逆に作用するというようなものがあるいはあり得るかと思いますが、滞納いたしております人たちというのは千差万別、いろんな事情でやっているわけでございます。実際現地で徴税に当たっている職員たちの意見を聞きましても、滞納整理に参りまして、せっかくある程度の収納があった、それが附帯金優先で利息にばかり充当されますと、本税がいつまでたっても減っていかない、こういうことがかえって納税意欲を減退させるといいますか、そこまで来ちゃった滞納はもうそのままにしておかざるを得ないじゃないかというような気風を生む傾向があるというようなことも、そういう意見も私ども聞いておりまして、その際、入った金がわずかでも元金に入っていく、元本に入っていくために滞納額そのものは減少していくと、そういうやり方の方がやはりよろしいんではないかといったような意見も聞いておるわけでございますので、主として私どもはそういった方向をねらって今回の改正を実施をしようというふうに踏み切った次第でございます。
#28
○佐藤三吾君 あなたいみじくもさっき言ったように、納税者の意見を聞いてと、税制調査会ですか、納税者の意見を聞いてと言いましたが、その納税者というのは滞納の納税者だ、逆に言えば。だから、泥棒に追い銭みたいなものです。そうでしょう。だから、いわゆる延滞金が先にどんどん優先していきますからね。滞納しないようにすればいいわけだ、一番いいのは。法律というものは、そういう意味で滞納がしにくいようにするのはわかりますよ、あなたの方はいろいろややこしい法律つくっていますけれどもね。逆に今度は滞納しやすいように、ボスの皆さんには優先順位でどんどん滞納してくださいという仕組みにこれはなるわけです。国税の場合はボスの力効かぬですよ。かなり厳しい。ところが、地方の場合はそうはいきませんよ。まして、銀行銀行とあなたはおっしゃるけれども、市町村の段階で銀行どこ使っていますか。そうでしょう。地方の場合だって銀行喜んでいますよ。問題は、大都市周辺の銀行がそういうことを言っておるかもしれません、私は調べていないけれども。普通の地方都市では銀行喜んでいますよ、この扱いは。だから、そういうことから言いますと、私はやっぱり泥棒に追い銭みたいな改正だと思うんです。地方の実情を無視し、実態を知らな過ぎる、そう言わざるを得ない。
 だから大臣ね、これは改正案出ておるんですけれども、いまさら撤回といったってなかなか撤回はできぬだろうけれども、もう少しここら辺の実態はやっぱり判断をしてひとつ決断すべきだと思うんですよ。こんな地方ボスの優先の法改正など私は納得できませんね。どうですか。
#29
○政府委員(関根則之君) 先ほどから申し上げておりますように、滞納者の中にはいろいろなタイプの人もあるものですから一概には申し上げかねると思いますけれども、私どもとしては、善良な滞納者はいないという御趣旨のお話でございますけれども、何らかの事情がありまして、納める意欲はありながら資金繰り等がつかなくて滞納してしまったという場合もあろうかと思います。そういう人たちも中にはいるであろうということを念頭に置きながら、一たん滞納した後の納税があった場合に、できるだけ早く本税といいますか、滞納額そのものが消えていく、そういうシステムをつくることが納税者の便宜に沿うゆえんではなかろうか、こういう全般的な判断をいたしているわけでございますので御理解をぜひいただきたいと思う次第でございます。
#30
○佐藤三吾君 もうこれ以上時間ございませんから言いませんが、皆さん方は、善良な納税者なんかで滞納が生まれれば全部差し押さえしてびしびしやっておるわけだ。ところが、地方ボスだけは差し押さえもできないんだ。そんなのがいっぱい残っている。滞納の最たるものだ。ですから、全部とは言いませんよ、言いませんが、一番地方税滞納の多いのはそこにあると言っていいと思うんですよね。確かに現行制度では、入れても入れても追いつかぬで、附帯金から先に入っていくものだから、それにまた日歩二銭なりこれがついていくものだから、苦しんで悩んでいることは僕も知っていますよ。しかし、そういった者に対して追い銭みたいなかっこうの法改正というものは私は納得できないですね、これは。時間がありませんから私の見解だけ明らかにしておきます。
 それからもう一つ農地の問題について、これは後ほど山田委員から集中的に議論があるようでございますから、私は一、二点だけ聞いておきたいと思うんですが、今度一般農地の評価額、税額を、固定資産税の引き上げを含めて、若干緩和措置をとっておりますが、引き上げなさっておる。これは私はいまの日本の農業の実態で見ると、たとえば貿易自由化なり、さらにまたいまの減反政策という実態、こういったものから見ると、この際もっとシビアに考えて、厳格に現状を見詰めて判断する必要があるんじゃないか。そういう意味合いで、五十三年ですか、この委員会で決議をしていますね。「固定資産税の負担については、農業経営との関連をも十分考慮し、適切な措置を講ずること。」という決議をやっておりますが、それはまだ今日の段階で尊重すべきじゃないか、こういうことが第一点です。
 それから第二点として、たしかこのときの議論もあったと思うんですが、私は多分その際の委員会審議で、これは大臣だったか局長だったか覚えませんが、十分検討をさせていただきますということで答えをいただいたので、実現したんでないかと思っておったところが、それが実現していない。それは何かといいますと、いわゆる農業用施設の農地並み課税の問題ですね。いま、御存じのとおりに牛舎とか、あれはなかなか少なくなって、それは農業機械の倉庫みたいになっておりますが、これが宅地並み課税になっていますね。それから温室とか、そういったところが宅地並み課税になっておるわけです。それをこの際ひとつもう農地並み課税にすべきじゃないか、こういったたしか議論だったと思うんですが、それがいまだに宅地並み課税。しかも、宅地については御存じのとおりに二分の一の税額免除になっていますね。それすら適用されていない。こういう実態があるわけですが、これはこの際ひとつ五十三年の議論もありますけれども、改めるべきじゃないかというふうに思うんですが、いかがですか。
#31
○政府委員(関根則之君) 五十三年の決議の御指摘がございましたが、手元にちょっと五十三年の決議を持ち合わせておりませんが、当然のことながら本委員会におきます決議等につきましては、私どもとしては最大限の尊重をし、その実現のために努力すべき筋合いのものというふうに考えております。
 二番目の御指摘をいただきました農業用施設用地につきまして農地並みの課税をすべきではないかということでございますが、いままでもたびたび御議論をいただいている問題でございますが、何せ固定資産税というのは御承知のとおり物税でございまして、その物の価値に着目いたしまして比例税率で広く薄く税負担をしていただくと、そういう性格のものでございます。その固定資産がどの程度の収益を現実に生むかということと一応切り離して課税がなされる税であるわけでございます。そういう意味で、農地につきましては、農業というのが土地そのものの生産力に依存をしているわけでございますから、土地の生産力というのはおのずから限界があるというようなこともございまして、農地に対する評価額はおのずから農地の収益との関連性も考慮しながら定まっておる、宅地に比べまして相当低い水準で評価がなされておるということは事実でございます。しかし、それはあくまでも農地である場合に農地としての評価がなされるわけでございまして、その土地が宅地として使われている場合にはやはり宅地としての評価にならざるを得ないということでございます。したがって、機械の倉庫でありますとか牛舎でありますとか、そういうものでちゃんと上物が建っておりまして建物の敷地になっておる、しかもその建物の敷地そのものも床張りがなされておりますなりして、いわゆるそこで農耕が行われていないというようなものにつきましてはこれは宅地として考えざるを得ないわけでございます。
 ただ、御指摘をいただきましたように、住宅については二分の一なり四分の一なりの特例措置が講じられておる、にもかかわらず住宅よりも生産力の小さい機械倉庫でありますとか牛舎のようなもの、畜舎のようなものが宅地並みというのは、しかもそういう特例措置が受けられないのはおかしいという御指摘でございますが、私どもは住宅に対する現在の特例措置そのものがいわば固定資産税の本来の性格から申し上げますと異例の措置である、一つの政策税制といたしまして、住民の生活に必要最小限度の住宅用地ないしは住宅そのものにつきまして政策的に負担の軽減措置を講じているというものであろうというふうに考えるわけでございまして、一方で固定資産税というものがきわめて市町村にとりましては重要な税源であるというようなことを考えますと、こういった特例措置、軽減措置というのはできるだけ、余り幅広く適用することができない制度ではないかと思います。そういう中で、住宅にだけ特に必要性を認めてそういう制度がとられておる、そのために牛舎の敷地なりあるいは倉庫の敷地とのバランスが見かけ上崩れておるという、そういう事態になっているんではなかろうかと思います。しかし、これはあくまでも住宅の方が本来の固定資産税のあるべき税額に比べて低く抑えられているためにそういうアンバランスが生じているにすぎないというふうに御理解をいただきたいというふうに考えておる次第でございます。
#32
○佐藤三吾君 これは、さっき五十三年と言いましたけれども、五十四年ですね、このときの委員会は、もう与野党を超えてそれはそうだということになって、大臣も、私も聞いておるとやっぱりそう思いますと、こういう委員会だったと私は思うんですがね。これは、住宅は異例中の特例の措置だと、こうおっしゃる。それは都会地の場合はどんどん上がってきますからやむを得ずしておるわけですが、これは町村まで、末端まで全部適用になっておるわけですから。町村の実態で見て、自分の住宅、住んでおるところと、その横に小屋があってわらが敷いてあるところで、こっちの方が税が高い、こっち似特例措置がない、こっちは特例措置がある、同じ宅地の中でも。こういう実態というのは、私はやっぱり実態上から見てがまんができぬと思うんですよ。それが一つ。
 もう一つは、いま農家に行ってみると、昔は牛小屋、馬小屋と、こうあったのが、もういまは年もなかなかおらぬものだから、機械になっているものだから、そこへ田植え機が入ったり、もみすり機が入ったりして、まあ言うなら自分のところの農業耕作用の機械倉庫みたいな、こういうかっこうになって、そこでは物の生産も何もないんですよね、言いかえれば。逆に農地の場合は、つくれば物は売れるし、そういうこともできるでしょう。そういう面から見ると、農地以下にしてもらいたいというのが私は心情だと思うんですよ。それが農地ところか宅地以上になる、こういうことは僕は納得できないと思うんです。これは大臣、あなた聞いておってそう思わぬですか。ここら辺はやっぱり実態から見たって、だれに聞いたっておかしなことで、一つの私は矛盾だと思うんです。そこら辺はやっぱり英断を持って措置をしていくことが正しいんじゃないかと思うんですが、どうですか。――大臣。
#33
○政府委員(関根則之君) その前にちょっと……。
 確かに現実に税負担を見ますと、住宅部分とそういった機械倉庫みたいな形で使われているところとでは、税負担が機械倉庫の方が高いという場合があると思います。しかし、それは確かに税額ではそうなんですが、評価額そのものは同じ宅地でありますれば大体同じ程度の評価になっておるわけでございまして、ただ現実に税額を決定いたしますときに、課税標準の特例を一般的には二分の一、小規模住宅については四分の一という率を使うものですから、その結果として税金の額では逆転していると、こういうことになるのではなかろうかと思います。決して宅地以上に強く評価をしていると、こういうことではないわけでございます。
 しかし、それにしても現実の問題としてそういうアンバランスがあるから、それに対してやるべきではないかというお話でございますが、重ねて申し上げるようでございますが、やはりこの固定資産税というのはいわば非情な税でございまして、それが具体的にどれだけの収益があるかというものと一応切り離して、外形的にそのものの持っておる価値に着目して、価値に比例して課税を行っていく、そういう税であるわけでございます。それを、まあ具体の、個別の事情があるからとバランスをとりながら税額について控除をする、あるいは課税標準について特例措置を設けていくということになりますと、固定資産税全体がなかなかもたなくなってしまうという問題もあるわけでございまして、確かに農業というのは生産性が高くはないということはよく私どもわかっておりますけれども、やはり農業という一つの事業であるわけでございます。生産性はそれほど高くないかもしれませんが、収益もそれほど上がらないかもしれませんが、農業という事業の用に供される機械の倉庫であるということになりますると、やはりそれは一つの宅地といいますか、としての評価をせざるを得ない。農業そのもの、農耕そのものに使われている土地についても、これはあくまでも農地ということで、そこの整理をせざるを得ないということについてぜひ御理解をいただきたいと考える次第でございます。
#34
○佐藤三吾君 だから、私はゼロにしろと言っておるんじゃないんです。農地並みにしなさいと、こう言っておるわけです。だから、農地は生産は上がるけれども、そこは生産も上がりはしないんだよ。そうして、宅地並みにやられてその特例もないと、こういうことだから、どう考えたって常識ある者だったら納得できませんよ。あなたは固定資産税は非情だと言うけれども、これは税そのものが非情ですよ、何でも。非情だからこそいろいろ文句もあり、議論もあるわけだから、ここら辺はやっぱり、血の通った人間のやることじゃないんじゃございませんかと、こう言っているわけだから、これは大臣どうですか。そこら辺から大臣自主性を持ってきちっとやってください。
#35
○国務大臣(世耕政隆君) さっきからいろいろ議論のあれを伺っていまして、私もまだよく納得し切れない面もあるのでございますが、いろんな解釈が集積してこういう形になっていると思うのですが、御指摘の点も私はわからないではないし、こちらの税務局長の言われるのもわからなくはない。私はこの先まだいろいろ検討する余地がこの件に関してはあるのではないかというふうに思っております。
#36
○佐藤三吾君 これはぜひひとつ検討してもらって、ビニールハウスとかガラス製のハウスなんか、従前はやっぱり固定資産税は宅地並みにやられておったのですけれども、これは正すということで農地並みになってきておる経緯もあるわけですから、ぜひひとつ検討してもらって、農民の皆さんがいろいろあるけれどもやっぱりこれならやむを得ないだろうと納得できるそういう施策をやることが私は政治だと思うので、ぜひひとつ検討していただきたいと思っています。よろしいですね。
 それで、時間がございませんから、拾い拾いで悪いのですが、いまの非課税の問題でちょっと気になるのは、局長の説明では、今度十一件廃止をして縮減が二十四件、計三十五件と、こういう報告でございましたね。その結果増収になるのが一体額で何ぼなのか。非課税措置を廃止をしたりもしくは縮減して合理化して三十五件やった結果税額でどのくらい増収になるのか。
 それから、去年の例じゃございませんが、去年もそういう説明で、それでは新設したりそういうものがないのかと聞いたところが、去年も廃止、縮減が十六件で三億と。ところが、新設の方を聞いたところ、しぶしぶと、実は新設が十九件十七億、縮減の上延長が六件二十二億、そうして延長十三件八十一億。ですから去年は廃止、縮減合理化というのは三億で、新設、延長で三十八件百二十億。これはあべこべじゃないかとこうやったところが、安孫子大臣も、確かにこれはまずいですねと、こういうことを言っておるのですが、ことしはそういうことはないでしょうね。どうですか。
#37
○政府委員(津田正君) 五十七年度の改正におきます非課税関係を申し上げますと、廃止は十一件でございます。増収額はこれはカウントできない程度でございます。それから、縮減合理化が二十四件、増収額が二億円でございます。それから単純延長でございますが、期限切れとなったものをまた一定期間延長するというものが十九件でございます。新設拡充が六件でございまして減収額六億円と、こういうような状況でございます。
 なお、国税の影響によりますものを含めますと、五十七年度で非課税措置関係の整理合理化等で五十一億の増収と、こういう状況でございます。
#38
○佐藤三吾君 それは増収ですか。
#39
○政府委員(津田正君) 増収でございます。
#40
○佐藤三吾君 そうすると、やっぱり廃止、縮減合理化というのは金額では少ない、これは二億。それから新設拡充、これで六億。延長分はどのくらいですか。
#41
○政府委員(津田正君) 延長分は計算しておりませんが、内容といたしましては、先生御承知の新築住宅の減額措置であるとか、新築中高層住宅に対する特例であるとか、そういうものでございます。これ自体の計算はしておりません。
#42
○佐藤三吾君 新設拡充というのはどういうしろものですか。
#43
○政府委員(津田正君) 新設のものを申し上げますと、地震対策に係るもの、それから遠洋漁業関係の漁船に対する特例、沖縄電力、それから原油備蓄施設関係、そういうものでございます。
#44
○佐藤三吾君 そういうもので、六件だけでしょう、最後まで言いなさいよ。
#45
○政府委員(津田正君) 申しわけございません。
 六件でございますが、地震対策関係、それから新技術開発事業団関係、それから沖縄電力関係が二件ございます。それから遠洋漁業に絡みます漁船の特例、それと原油備蓄関係の六件でございます。
#46
○佐藤三吾君 これは毎年私は言っておるのですが、いつもこの廃止とか縮減合理化のやつは説明で出してくるけれども、新設の方は、もう黙っていれば言わぬというかっこうなんです。問題は、僕らが言っておるのは、この非課税措置というものはできるだけ縮減しなさいと。大臣の説明の中でも縮減するように努力しましたと、こういう報告が出ていますよね。こういったものがいつも隠されてくる。隠す意味じゃなかろうけれども結果的にはそういうことになる。これをひとつ今後きちっと出してもらいたいと思う。
 時間があれば、この内容についてなぜ新設したか、いろいろ聞きたいんだけれども、時間がないから、これも後でまた別の機会にただしてみたいと思いますが、医師優遇税制の問題とか、去年議論になりました電気税の非課税の問題で、大臣も、五%というのは意味がない、できれば来年は一〇%に上げるように努力したいとこう言っておった。これはどうしてやらないのですか。
#47
○政府委員(関根則之君) 電気税の産業用電気の非課税措置の問題であろうと思いますが、私どもといたしましては、前々から御指摘をいただいております方向に沿いまして、かつ、臨調の答申に基づきます非課税措置等の整理合理化の一環といたしまして、電気税の非課税につきましてもこれを整理すべく各省との折衝を進めたわけでございますけれども、何せ最近の経済情勢、御承知のような状況でございまして、現在残っておる八十品目の中で比較的不況業種と言われる、たとえば繊維関係の産業でありますとか、あるいはアルミニウム関係のものでございますとか、そういった産業が非常に現在景気が悪くて、なかなか営業の継続そのものもむずかしいといったような状況にございまして、必ずしも各省との折衝におきまして了解を得るまでに至らなかったと、こういう事情がありまして、今年度残念ながら産業用電気の非課税品目の整理につきましては実施に至らなかったという事情でございます。
#48
○佐藤三吾君 これは大臣、時間がありませんから要望しておきますが、このほかにも医師優遇税制の問題。おたくの考えでは、去年ですか、おととしですか改正したことによって終わったという感じが強いようですけれども、やっぱり毎年の確定申告を見ると、全国共通しておることは、ベストテンはほとんど医師ですよ。そうしていま医療費はもう十三兆円というそういった国家的な問題になってきている。こういう実態を正していく意味でも、私は国民が納得しないと思うんですよ。ここら辺はひとつぜひ切り込んでいただいて、そうして来年度にはやっぱりこれが実現できるように努力をしてもらいたいと思うのが一つです。
 それから、産業用の電気税の問題は、端的に言えば新日鐵でしょう。鉄鋼でしょうが。なかなか臨調も非常にかけ声勇ましくやりよるのだから、だからやっぱり新日鐵でひっかからぬでそこを飛び越えたらどうですか、鉄鋼を。これは、そのことによって他のいろいろ問題もありましょうけれども、僕はこの五%って何だということで去年かなりこれ時間割ずっと追及してみると、どうも新日鐵ですよ、問題は。ひっかかってくるのは。そこら辺私はもっと勇気を出して切り込んでもらいたいということをつけ加えておきたいと思います。
 それから、当時は電電だけが問題になっておったんですが、去年の委員会審議では、四千八百億国庫納入ということでこの問題が非常に議論になったんですけれども、さらに最近の臨調の動向では、専売公社から三公社全体の民営化の問題等もいろいろ出ておりますが、いずれにしましてもこういった三公社に対して二分の一の課税の特例をつくっておること自体がもう無意味になってきた。むしろこの際これについてはやっぱり全廃すべきだ、そう思うんですよ。ここら辺はひとつ大臣の決意を聞いておきたいと思うんです。安孫子さんはそれで私も断固切り込んでいきますと勇ましく言って、そのまま自治大臣やめちゃったものだから。どうですか。
#49
○政府委員(関根則之君) 御指摘をいただきました医師の問題、すなわち社会保険診療報酬の事業税上の取り扱いの問題でございますが、私どもとしては、従来からこの問題について何らかの決着を図るべく努力をしているわけです。お話しございましたように、必ずしも二、三年前の措置で終わったというふうに私どもは考えておりません。国税の方はそういう説明もしているやに聞いておりますけれども、私どもとしてはなお依然として問題が残っておるというふうに考えますが、先生十分御承知のとおりの経緯をもって存続しているこの制度でございますし、社会保険診療報酬の積算単価の中に事業税分をもし課税した場合に入れなければいけないという問題があるわけです。そういうような話との兼ね合いを今後できるだけ詰めまして、私どもとしては、何らかの改善策を講じるように努力をしていきたいというふうに考えております。
 それから、三公社の納付金の問題でございますけれども、これにつきましては、昭和五十七年度の税制改正に当たりましても各地方公共団体からの要望が非常に強うございまして、私どもとしても何とかして今年度これを実現をしたいものというふうに考えて各方面との折衝を続けたわけでございます。
 御指摘のように、三公社ともすべてやったらどうだという御指摘もございますが、この中に国鉄が入っておりまして、何せ国鉄につきましては現状のような大変な財政の苦しい状況下に置かれておりますので、さらにこの特例を廃止しまして、二百五十億程度になりますか、その程度の納付金の増に耐え得るのか得ないのかという問題が一つございます。それからもう一つ、専売公社につきましては、例のたばこ消費税との兼ね合いの問題も多少あろうかと思います。
 電電公社につきましては、御指摘ありましたように収益も非常によろしゅうございますし、決算状況もいいわけでございます。まして、国に対して四千八百億円の納付金を納めるという制度も新たにできたような状況の中で、私どもとしては、この問題につきましては、できるだけ早く決着をつけるように努力をしていきたい、各方面の了解を得るように引き続き努力していきたいというふうに考えております。
#50
○佐藤三吾君 ぜひそういうことでお願いしておきたいと思いますし、医師優遇税制の問題については引き続きやるんだという決意をもらったので結構だと思うんですが、これはやっぱり局長ではなかなか、大臣がどのくらい決意をするかどうかにかかっているわけだから、この辺はまた後で大臣からもお答えいただきたいと思っております。
 それから、時間がございませんから二つほど申し上げますが、一つは事業所税の課税団体の範囲の問題、たしか石破さんだったと思うんですが、石破自治大臣のときには、私も全くそのとおりだと思う、少なくとも県庁所在地には拡大すべきだと、こういう御意見があって、石破さんは亡くなった。安孫子さんでできない。今度はまたできない。ここら辺をひとつもうそろそろ決断していい時期に来ておると思うんで、それは三十万といっても県によっていろいろありますから、しかしせめて県庁所在地ぐらいはという、これはひとつぜひ念頭に置いて努力してもらいたいということを加えておきたいと思います。
 それから最後になりますが、きょうの国対で参議院としても態度が決まると思うんですが、減税の問題ですね。これは与野党のこの中身としては、これから大蔵小委員会で議論するんですが、私どもの感じとして聞きますと、大体、表にはまだ出さないけれども、確認文書何かきょうの正午ごろ決まるそうですけれども、いずれにしましても五十七年度実施というのはもう避けられない情勢になってきておる。その際に、五野党が要求しておるのは、国税とあわせて地方税が三千億入っておるわけですね。それで、今度の個人住民税のやつを見ると、これは昨年の五十六年度限りというのが、また五十七年度限りという、まさにこう薬で張ったような中身であって、十二、三億の減税ぐらいでこれはもう全然話にならない。これはやっぱり自治大臣としてもっと確信を持って進んでやるべきだと私は思うんですけれども、先ほどの回答と一緒にこの決意だけ聞いておきたいと思います。――いや、大臣の見解を聞いておる。
#51
○政府委員(関根則之君) 最初にちょっと。
 事業所税の課税団体の範囲の拡大の問題でございますが、もちろん従来からいろいろな御議論をいただいており、かつ、こちらからも努力をする旨の答弁がなされておることにつきまして、私も十分承知をいたしております。ただ、この問題につきましては、県庁所在地の都市程度は少なくともやるべきだという強い議論のあることも承知をいたしておりますけれども、県庁所在地の都市というのが非常にまちまち、ばらばらでございまして、十万そこそこの都市もあるというようなこともございますので、なかなかそこのところが一挙に一定の線を引いて踏み切ることができないわけでございます。しかし、この問題については、従来からの経緯を踏まえまして今後とも努力をしていきたいというふうに考えます。
 それから、減税問題につきましての、五十七年度限りの措置といたしまして非課税限度額を設けている問題でございますが、これは地方財政も非常に厳しい状況の中で、本格的な所得控除の引き上げ等によります減税をいたしますための財源を捻出する余裕がないというようなことから、やむを得ず五十七年度におきましても五十六年度と同様な措置をとらせていただき、かつ、その内容的には微調整を加えさせていただいて、これによって五十七年度はひとつ御勘弁をいただきたいというふうに考えておる次第でございます。
#52
○国務大臣(世耕政隆君) 御指摘の、三公社の納付金の特例廃止、それから事業税につきまして社会保険診療報酬の所得計算の特別措置の廃止、それからいま局長が言っておられた事業所、税の問題、これは全部私、昨年からいろいろ再三協議したりなんかして、これを進めていく方向でずっとやってきたわけでございますが、なかなかどちらの思うようにいかなかった点が非常に遺憾でございます。今後とも御指摘の点に関しまして積極的にやっていく所存でございます。
#53
○佐藤三吾君 減税はどうしたんだ、三千億の。
#54
○国務大臣(世耕政隆君) 減税の問題に関しましては、これは与党と野党との間のいろんな折衝もありましたし、議長のいろんなあっせんもありましたことでございますから、これを尊重いたしまして、この国会での審議を見守りながら対処してまいりたいと思います。もちろんなかなか安易に、たちまち右から左にはっと減税をやるというような地方の財政状況ではございませんことを御理解いただきたいと思います。
#55
○佐藤三吾君 終わります。
#56
○委員長(上條勝久君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時二分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時七分開会
#57
○委員長(上條勝久君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 休憩前に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#58
○山田譲君 私は、時間もそうありませんから、主として宅地並み課税の問題について御質問を申し上げてみたいというふうに思います。いただいた要綱がありますので、主としてこの要綱に沿って御質問を申し上げていきたいと思います。
 まず最初に、「三大都市圏」というふうに書いてありまして、「三大都市圏の特定の市」ということがうたわれておりますけれども、この「三大都市圏の特定の市」というのは大体どこかということについてお伺いしたいと思うんです。
#59
○政府委員(関根則之君) 「三大都市圏の特定の市」と申しますのは、東京都の特別区及び首都圏、近畿圏もしくは中部圏内にある横浜市等の政令指定都市並びに首都圏内の既成市街地もしくは近郊整備地帯、近畿圏内の既成都市区域もしくは近郊整備区域、中部圏内の都市整備区域のそれぞれの区域内に所在する市を言うものでございまして、昭和五十七年の一月一日現在におきますこの特定の市の数は百八十七市でございまして、具体的に特定をされている市でございます。
#60
○山田譲君 この百八十七市というのは、たとえば東京都の場合ですと特別区、それが百八十七のうちの一カ所に数えられているわけですか。
#61
○政府委員(関根則之君) 御指摘のとおり、二十三区合わせて一つと数えて、そのほかに百八十六市あるわけでございます。
#62
○山田譲君 何ですか、二十三区合わせて一つというのはどういう意味ですか。
#63
○政府委員(関根則之君) 数え方の問題でございまして、二十三区をまとめて一つの市と考えて数を数えていると、そういう意味でございます。
#64
○山田譲君 そうすると、この百八十七カ所の中にはそれは含まれているわけですか。
#65
○政府委員(関根則之君) 百八十七市の中に一つの市として含まれておるということでございます。たとえば横浜市と二十三区まとめて同格ということでございます。
#66
○山田譲君 次に、なぜこの三大都市圏の特定の市に限定したか、こういうことについて御説明いただきたいと思います。
#67
○政府委員(関根則之君) そもそも、宅地並み課税と通称呼ばれております特定市街化区域内の農地の課税の適正化につきましては、住宅の建設促進のための宅地供給を促進をしていこうと、こういった政策目的を持ってそのためにとられている税制であるわけでございます。その際、住宅なり宅地対策の緊急性には地域によって大変な差があるわけでございまして、その政策の緊急性がきわめて強い三大都市圏に限ってこの政策税制を適用していこうと、こういう趣旨でとられているものでございます。
#68
○山田譲君 次に、三・三平方メートル当たり単位評価額が三万円未満というふうに書いてありますが、この三・三平方メートル三万円というふうにした根拠ですね、それはどういうことですか。
#69
○政府委員(関根則之君) この市街化区域農地の課税の適正化の措置は、宅地供給という政策目的のためにとられている税制でございます。その宅地供給を促進をしていくという目的のためには、市街化区域農地であればすべてすぐに宅地になり得るかというと必ずしもそうではございませんで、まだ都市的な施設等が整っておらない。道路なども入っておりませんし、水道、下水道等の整備もなされていない。中には電気などもなかなか入れるのが大変だというような地域もあるわけでございます。そういうような地域についていきなり宅地並みの課税をいたしましても、実際問題としてそういう土地が直ちに宅地になって出てくるということは期待できない性格のものであるわけでございます。したがって、この政策税制を適用するに当たりましても、もともと宅地化が無理なようなそういう土地についてこれを適用するということは無理でございますので、そういうものを除外する必要があるわけでございます。
 ただしかし、具体的にそれではどのような地域が都市的な施設の整備がおくれている地域がということの判定は、実際問題として非常にむずかしいわけです。たとえば、五メートルの道路がどこまで入っている、五メートル道路から五十メートル以内のところは宅地化が可能であり、それ以上のところは宅地化がなかなかできないという、そういうような分け方もあるわけでございますが、これをやり出しますと、これは非常にむずかしくて繁雑になりますし、実際問題としてそういう線の引き方ができない。都市的な施設が整備されているか否かということは、結果的にはその土地の価格、すなわち土地の評価額に反映するものという前提に立ちまして、おおむね三・三平米当たり三万円未満のような土地については、実際に当てはめてみましたところ、大体都市的な施設等についてもまだまだ整備されていると言うにはほど遠いような地域でございますので、その程度の評価額以下の土地については宅地並み課税の対象から除外をする、そういう措置をとったわけでございます。
#70
○山田譲君 大体全体で何平米くらいあるというふうに計算されておりますか。
#71
○政府委員(関根則之君) 現在この三・三平米当たり三万円という線は、五十七年の一月一日現在の評価額で区分けをしていきたいと考えておりますが、まだ五十七年一月一日現在の評価がえの作業が完了いたしておりませんので、正確にその数字を申し上げることができませんが、五十六年一月一日現在で判断をいたしますと、C農地の面積が六万二百五十七ヘクタールあるわけでございますが、このうちおおむね六割程度が宅地並み課税の対象になってくるものと見込んでおります。すなわち、四割程度が三・三平方メートル当たり三万円未満で落ちてしまうということになると見込んでおります。
#72
○山田譲君 一律に単位評価額三万円以上ということは不公平じゃないか。つまり、場所によってかなり差があるのであって、それを一律に三万円以上というふうにしてべたにしてしまうということは不公平じゃないかという感じがあるんですけれども、その点についてひとつお伺いしたい。
 それからもう一つは、時代によって評価額が変わっていくだろうと思うんですけれども、その場合にこの三万円はある程度不動のものとして考えておられるか。将来はある程度そういうことがあればそれに応じて変更するようなことも考慮の中に入っているかどうか。この点をお伺いしたいと思います。
#73
○政府委員(関根則之君) 現状が農地でございますので、農地の評価につきましては各市町村とも統一的な基準に基づいて評価がなされるわけでございます。また自治省におきましても、各都道府県の評価の公平を期しますために、基準地について基準地価格を示しましてバランスをとりながらやっているわけでございます。したがって、単位面積当たり三万円という線を評価額で引きますと、それは細かい問題についてはいろいろあろうかとも思いますけれども、おおむねバランスのとれた評価がなされていると思いますので、必ずしも不公平になるような事態というものはわれわれとしては予想をしていない。先ほど申し上げましたように、都市的施設の整備状況によりまして一一細かく区分をして判定をするという方法もないことはないと思いますけれども、手続のみが繁雑になりまして、全般的に見てその結果が公平が保てるかというと、必ずしもそうではないんじゃないか。むしろこういう自由主義社会におきましては、価格の上にきわめてすぐれていろいろな要素が反映されてくるという実情にもございますので、そういうやり方が手数の面から見ましても経済的でございますし、結果的にも全体としては公平が得られる方法ではないかというふうに考えておる次第でございます。
 なお、次の問題でございますこの三・三平方メートル当たり三万円の問題につきましては、固定をしていくつもりで考えております。評価額が今後次の評価がえで上がりまして、たまたま三万円をクロスして三万円以上になったという場合には宅地並み課税の対象になってくるという考え方をとっております。
#74
○山田譲君 時間もないものですから、いろいろ深く意見を述べたりなんかすることはちょっと後でまたさせていただきたいと思います。
 それで、先に進ませていただいて、次に、政令指定都市の場合でございますけれども、政令指定都市の場合は同一行政区内とい多ふうに考えられているわけですね。これを政令都市単位に考えたらどうかということなんですが、その点についてのお答えと、つまりたとえば横浜市の場合に、港北区なら港北区、緑区なら緑区があると、その線を挟んで両方で一筆でもって土地を持っている、こういうふうな場合でも区別されるのかどうか。そこら辺をお伺いしたいと思います。
#75
○政府委員(関根則之君) 横浜市のような政令指定都市につきましては、行政区ごとに一農家当たりの面積の九百九十平米というものの判定はやっていきたいというふうに考えております。なぜかと申しますと、固定資産の評価事務なりあるいは実際の課税をいたします場合の免税点の適用などをいたしますときに、所有者当たりの名寄せをいたします。名寄せをする必要があるわけでございますが、そういう名寄せはすべて政令指定都市にありましては行政区単位に行われておりまして、行政区が違いますと名寄せが別に行われるということになっておるわけです。これはなぜそんなことをしているのかといいますと、やっぱり課税事務の簡素合理化のためということに尽きると思いますけれども、そういう実態にもあるわけでございますので、一団地あたりの面積要件の判定につきましては行政区単位に考えていかざるを得ないと考えております。
 また、面積要件につきましては、一つの農地の団地当たり、二団地当たり九百九十平米という要件がございますが、この一団地当たりの要件の方はその団地がたまたま行政区の境にまたがって存在いたしましても、一つなぎの土地として九百九十平米あればそれで要件を満たすものというふうに扱いたいと考えております。
#76
○山田譲君 そうすると、一つの行政区画、たとえば港北区なら港北区の中に点々と土地を持っている、こういうふうな場合はどうなりますか。
#77
○政府委員(関根則之君) 仮に港北区の中に点々と、たとえば二百平米ずつ五カ所持っておりまして、合わせて一千平米になるという場合には、一農家当たり九百九十平米以上持っているという要件は満たすものと考えております。五カ所ばらばらに持っておっても全体として九百九十平米以上あれば要件を満たすものと考えます。
#78
○山田譲君 細かい話になりますけれども、たとえば複数で、二人以上三人ぐらいでもって協同で一つの団地を一緒にやろうというふうな場合に、この適用を受けて、その後一人が営農の意思がなくなった、やめてしまったという場合に、二人はまだまだ続けていきたいんだ、こういうふうな場合はどうなりますか。
#79
○政府委員(関根則之君) その場合には、結論から申し上げますと、その残された二人の農家が、それぞれほかに経営をしているところがございまして、自分の経営面積が九百九十平米を超えておれば、引き続き徴収猶予の適用を受けるものと考えます。しかし、その農家としてはそこだけしかやっておらぬでほかにはやっていない、一農家当たりの面積の要件を満たすことができない、その団地としての要件だけで営農を継続していたという場合には、残念ながらそのとき以降は引き続き徴収猶予を受けるわけにはいきません。ただし、さかのぼって徴収猶予をしておりました税額を徴収をするということはしないという取り扱いにしたいと考えております。
#80
○山田譲君 それでは先へ進みまして、要綱の「適当な規模の農地として」、この「適当な規模」というのは、さっきから言っておられる規模の話ですね。それから「一定の要件」、この「一定の要件」というのはどういうことですか。
#81
○政府委員(関根則之君) 要綱で言っております「一定の要件」というのは、面積要件のことをこういうふうに表現をいたしたつもりでございます。
#82
○山田譲君 そうすると、面積のことを言っているんですか、「一定の要件」というのは。
#83
○政府委員(関根則之君) 御指摘の点は、要綱の十七ページの三行目の「一定の要件」だと思いますが、「農業を継続して営むため適当な規模の農地として一定の要件に該当する農地に限る。」ということでございまして、その「規模の農地として一定の要件」ということでございますので、私どもとしては、これは規模を定めたい、しかもその規模は、一団地当たりの規模というとり方と一農家当たりの規模というとり方と両面から規定をいたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#84
○山田譲君 これはそうすると、「適当な規模の農地として一定の要件」と、こういうふうに続けて読むわけですか。
#85
○政府委員(関根則之君) さようでございます。
#86
○山田譲君 そうすると、これは面積だけというふうに考えていいわけですね。
 それから、それはどこで決まるんですか。
#87
○政府委員(関根則之君) 面積だけの問題と御理解いただいて結構でございます。
 どこで決まるかということでございますが、政令で規定をしたいと考えております。
#88
○山田譲君 続いて、「十年以上営農を継続することが適当であるものとして市長の認定を受けたもの」ということになっていますが、「十年以上営農を継続することが適当であるもの」というのは、これは市長が認定するそうですが、どういう判断基準で認定をするんですか。
#89
○政府委員(関根則之君) 十年以上営農を継続することが適当であるかどうかについての判断は、最終的には認定を行います市長の決定事項になるわけでございますが、市長は、これを認定するに当たりましては、まず本人から申請をとります。その申請につきましては、当該市の農業委員会を経由して提出をしていただくということになります。提出のありました申請につきましては、農地課税審議会の議を経て最終的に市長が決定をする、こういう手続になるわけでございます。
 農業委員会というのは農家から選挙によって選ばれる組織でございますので、その経由をすることによりまして、その農地の所在が真実であるのかどうか、その農業の経営の実態というものがどうなのか、そういったことについての参考資料等も経由の過程で得られるものということを期待をいたしておりますし、また、課税審議会につきましては、都市計画関係の方も入っておりますし、あるいはまた農業関係の方もメンバーとして入っていただいております。こういったところの各方面の意見等を聞きまして、営農を継続することが適当であるかどうかを全体的に市長が判定するものと、こういうふうに考えております。
#90
○山田譲君 まあそれは後の方の話になってしまったわけですが、いまと同じ問題になりますけれども、農地課税審議会というもの、これの議を経るということになっておりますけれども、そうすると、いまおっしゃったことによると、特別な判断基準というふうなものはなくて、それはもう完全に審議会なり市長の自由裁量に任しておくと、こういうことですか。それとも特別に何か基準をつくられるかどうか。
#91
○政府委員(関根則之君) 法律上の裁量の分類といたしましては、市長の自由裁量と言えると思います。しかし、これを格別、恣意にわたってあるものについては認定をし、あるものについては認定をしないということを予定をいたしておるものではございません。また、個別にある一定の基準を用いて、この程度以上のものは認定をすべきである、あるいはこの程度以下のものは認定をすべきでないということは、面積要件等は別といたしまして、特に設定をすることは考えておりません。したがって、私どもとして予定をいたしておりますのは、面積要件等を満たしておるものが正規の手続によって農業委員会を経由をして、しかもそこで特に格別の反対意見等もなしに出てきておるものにつきましては大方認定をされ得るものというふうに考えております。
#92
○山田譲君 要綱といいますか、法律がそうだと思いますが、これによると、「該当する旨の認定を受けようとする者は、」「申告しなければならない」と、こういうふうになっていますけれども、本人の意思というようなものは申告したことをもって、それで十分足りるんだというふうに考えるのか。それとも申告だけじゃ足りないので、改めて本人の意思を確かめるというふうなことを考えておられるかどうか。
#93
○政府委員(関根則之君) 本人からの申告に基づいてすべての手続が始まっていくわけでございます。もちろん真正な申告でなければ意味がないわけでございますけれども、真正な申告が出された場合には、それはもう一回本人の意思を確認するということは考えておりません。
#94
○山田譲君 要するに、それはうそを出せば話は別だけれども、大体においてこの申告をもとにして課税審議会の議を経て大体それに従って市長が認定すると、こういうふうになるわけですか。
#95
○政府委員(関根則之君) 本人からの真正な申告に基づきまして、それを経由庁といたしまして農業委員会を経由していただく。出てまいりましたものを農地課税審議会の議を経て市長が認定すると、そういう手続をとるわけでございます。
#96
○山田譲君 同じくこの要綱の六の2の(十)ですね。十八ページの終わりころから始まるやつですが、「当該固定資産税又は都市計画税について納税義務の免除に関する規定の適用がないことが明らかとなったとき」と、これはどういう場合ですか。
#97
○政府委員(関根則之君) これは、収用等一定の事由があります場合には、徴収猶予をした税額について免除をすることができるわけでございます。収用以外の一定の事由というのは、たとえば耕作をしていた人が死亡をしてしまうとか、そういう場合のことでございますが、一定の事由がありましたときに、そういうことによりまして徴収猶予されておりました税額をさかのぼって取るということをしない、そういう場合のことでございます。
#98
○山田譲君 それは十九ページの真ん中ごろにあります「市長の確認」ということになっていますけれども、これは市長が一方的に確認するんですか。
#99
○政府委員(関根則之君) 市長が市長の権限におきまして事実確認をいたします。もちろん補助職員としての税務課の職員等が実際の補助事務をとり行うということは当然のことでございますが、あくまでも権限としては市長の権限において行うということでございます。
#100
○山田譲君 そうすると、これは本人の意思というのはそこに全然働かないわけですか。
#101
○政府委員(関根則之君) 長期営農継続農地を営農を継続できなかったようなケースの場合でございますので、そのときに本人がいろんな事情で営農継続をしなくなるということはあるわけでございます。したがって、本人がただ単に自分の都合だけで格別の事由がない、たとえばやむを得ないと思われるような、死亡でありますとか、あるいは収用されてしまうとか、そういう一定の事由に該当しないで、全く本人の任意に自分の都合だけでやめてしまうという場合には、これは徴収猶予された税額について納税義務を免除されるということはないと思います。しかし、そういう事由に該当するかしないかということは、あくまでも市長さんが自分の権限に基づいて認定をしていくと、こういう性格のものであろうと思います。
#102
○山田譲君 本人がやろうというときは申告する、そうでないときは一方的に市長の方が認定してしまうというふうな感じでとられるわけですけれども、その点はどうなんでしょうかね。
#103
○政府委員(関根則之君) 税額を免除いたします場合のケースというのはすべて政令で細かく書き上げていくつもりでございます。それに該当するかどうかということは市長の認定、確認事項になるわけでございますけれども、当然その段階で本人等からの事情の説明を受けるというような場合というのは、市長が確認をする確認行為の中で必要な限度において行われるものというふうに考えます。
#104
○山田譲君 時間がなくて残念なんですが、税金の問題で、延滞金の問題ですけれども、地方税の延滞金一四・六%と、こういうふうになっている。ところが、それがたまたま農地相続税の特別措置によりますと利子税が六・六%になっておりますけれども、この六・六%並みにこれについても考えるというふうな余地はございませんか。
#105
○政府委員(関根則之君) 長期営農をやりますという約束をして――約束といいますか、申告をいたしまして宅地並み課税から除外をされた農地を、だれでももっともだと思われるような事由以外の、逆に言いますと本人の都合でやめてしまう、その場合に、徴収猶予しておりました税額をさかのぼって徴収するということになるわけです。いわば約束が違うではないかということでそれをさかのぼって徴収をするわけでございますので、通常の地方税の延滞がありましたときの延滞金の税率を適用するのが至当であろうという考え方で一四・六%、これは納期経過後一カ月以内につきましては七・三%で、一カ月を経過した日以降につきまして一四・六%の率が適用されるわけでございますが、こういう一般の延滞金の計算方式によるのが最も適当ではないかというふうに考えておる次第でございまして、お話のございました六・六%税率を使うということはいまの時点では考えていないところでございます。
#106
○山田譲君 最後に、農林省に質問をいたします。
 一つは、農業委員会が実際に事務をやるということになると思うんですが、相当いろんな事務がふえてくる。それに対する予算措置あるいは人的な措置を考えておられるかどうか。
 それからもう一つは、営農しようとした人については、その農地については、これから農業を本格的にやろうという人たちなんですから、農用地利用増進法の適用を受けるようなことは考えていないか。
 それからもう一つ農林省にお伺いしたいのは、この問題非常に都市農業の問題に関連してくることだと思うんですけれども、この都市農業について将来どういうふうにしようとしておられるか、それをお伺いして私の質問を終わります。
#107
○説明員(吉國隆君) 最初の二点につきまして私の方からお答えを申し上げます。
 第一点の、農業委員会の事務に要する経費の点でございますが、この事務は今度の地方税法の改正によりまして市町村の納税事務の一環として農業委員会に経由の仕事が課されると、こういう関係に相なっておるわけでございまして、私どもといたしましては、基本的には市町村において適切な措置が講ぜられるものであろうというふうに考えておる次第でございます。
 第二点の、市街化区域内の農地に対しまして農用地利用増進法を及ぼさないかという点でございますが、市街化区域の性格からいたしまして、一般原則といたしましては農用地利用増進法が及ばないことになっておるわけでございますが、市街化区域と調整区域をまたがりまして一体的に農作業の協同化とか作付栽培の申し合わせに従いました農作物の栽培の改善、こういうことをやる必要がある場合には、またがった形で農用地利用増進法が活用できるという道を開いておるわけでございまして、今後そういった農用地利用増進事業の活用のほか、一般原則として認められております経営の受委託とか農作業の受託、こういったものも含めまして幅広く市街化区域内の農地の利用の改善に努めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#108
○説明員(中川聡七郎君) 第三点についてお答え申し上げます。
 御案内のように、都市農業は野菜とか花等の供給、あるいは都市に対する線あるいは空間の提供といった役割りを果たしておるわけでございまして、また、都市地域におきましては農業に意欲的に取り組む農家もかなり存在しております。こうした都市農業の一部を形成いたします市街化区域農業につきましては、御案内のように都市計画制度というのは市街化区域はおおむね十年以内に市街化を図るべき区域とされておりまして、市街化区域内の農地はやはり段階的に宅地等に転換されていくというふうに見込まれるわけであります。したがいまして、土地基盤整備事業等の効用の長期に及ぶ施策は実施しておりませんけれども、都市施設整備のテンポあるいは市街化のテンポとの関係もございますので、当分の間農業は存続する場合が十分あり得るわけでございますから、野菜関係の諸施策あるいは当面の営農の維持に必要な災害復旧事業あるいは病害虫防除事業、公害防止対策事業等については実施することといたしておるわけでございます。
#109
○山田譲君 いろいろ問題ありますけれども、これで終わります。
#110
○大川清幸君 私は、初めに地方財政ないしは地方財政の運営にかかわる問題からお伺いをいたしたいと思うんです。
 五十七年度の歳出四十七兆五百四十二億円で、五・六%の伸びを見込んでおりまして、これは形の上で見ますと財政不足がほぼ解消したというふうに読めば読めるわけです。ところが、五十年以降今日まで毎年二兆円前後の財政不足が出てきた経緯もありまして、これらについては交付税特別会計の借り入れ、あるいは地方債の増発等で補う形をとってこられたわけでございますが、そうした結果、借入金あるいは地方債の累積残、これは大ざっぱに言って五十七年度の見込みで四十二兆円前後になるだろうと、こう思うわけです。こういう形の上から考えますと、地方財政の状況は決してよくはなっていないのでありまして、今後の地方財政の運営の立場から考えますと、これら累積した赤字、負債というものを解消しながらやっぱり健全財政の確立ということをねらっていかなきゃならないわけですから、今後の地方財政計画を策定する場合この辺を十分配慮した形でやっていただかないと、地方公共団体の方もそれら基本線を見込んで財政運営というか、行政を行うわけですから、ある程度のそういう点では張り合いのある形にしておいてもらわぬと大変困るわけなんで、こうした実情を踏まえまして自治省としてはどうお考えになっておるか、この点をまず伺いたいと思います。
#111
○政府委員(土屋佳照君) ただいまの御指摘でございましたように、地方財政は五十七年度単年度におきましては収支が均衡する見込みになっておるわけでございますが、一方、五十年度来の収支不均衡の状況のもとで、五十七年度末の見込みにおきまして、地方債の残高は、普通会計債で三十四兆円、交付税特別会計の借入残高が八兆円、おっしゃいますように四十二兆でございますが、率直に申し上げましてこれ以外に、公営企業債のうちでも普通会計で元利償還を負担することになっておるものが七兆円ございますので、全体的に見れば五十兆円にもとどこうとする借入金を抱えておるわけでございまして、今後地方行財政の円滑な運営を図りながら、しかもこうした累積した借入金の返済を行っていくことは容易ではないということでございまして、私どももそう認識をしておるわけでございます。
 そういったことで、毎年の地方財政計画を立てる際は、私どもとしては累増する借入金の返済金等も含めて地方財政の運営が円滑にいくように、そういった形で財政計画を立てておるわけでございますけれども、さらに中長期的に考えますと、地方財政の構造的な改善を図るべき方策を考える必要があると考えておるわけでございまして、それは御指摘のとおりでございます。ただ、御承知のように、今後のわが国経済の推移もなかなか予断を許さない状況でございますし、また、国の財政事情もきわめて厳しいという状況のもとにあることでもございます。さらに行財政の簡素効率化なり、国、地方間の事務再配分等について臨時行政調査会において検討がされておるという段階でございますので、私どもいろいろ考えてはおりますが、現時点においては具体的な方策についての結論を見出すことが困難な状況にあるわけでございます。
 いずれにいたしましても、御指摘のように、私どもとしては毎年度の地方財政計画を作成するに当たりましては、それぞれの年の経済情勢なり税収の状況、行財政事情の動向等に対応いたしまして地方財源を確保いたしまして、財政に支障のないようにいたしたいと思っておるわけでございまして、おっしゃいましたような状況を踏まえて、なお私どもも基本的な改善策について検討を重ねていかなければならないというふうに考えております。
#112
○大川清幸君 ところで、まだ五十六年度の決算期を迎えておりませんので、五月を過ぎなきゃ実際に税収の見通し等も国税の方も見当がつかないわけですが、予算委員会の補正予算の審議をした段階と、それから五十七年度の予算を審議する経過の中で、私も税収の見通しについては大変心配ですから大蔵大臣等にもかなり確度の高い税収見込みのことでやり合ったわけでございまして、対民間収支ベースの日銀ベースに、大蔵省ベースの計算をして五十七年は四、五月まで取り込んだ推定で試算をいたしまして、私の推定ですと一兆二、三千億は歳入欠陥ができるわけです。国の租税収入の予定が補正後では三十一兆六千億でしたか八千億でしたか、それに対して一兆二、三千億はこれは完全に穴があくことになっております。
 そういたしますと、御承知のように地方税というか、住民税ですね、道府県民税とそれから市町村民税、これはいずれも所得税なり法人税を大宗にいたしておりますので、実績の上では、五十六年度がそういうふうに落ち込んでくると五十七年度の地方税収入はそれだけ見合いで落ち込んでくることになりますね。したがいまして、いま推定するのはむずかしいかもしれませんけれども、試算で一兆二、三千億落ち込むと、これら地方税の落ち込み、道府県民税なりあるいは市町村民税の落ち込み、ほぼ見当はつきますか。ちょっとここで無理なら数字は結構ですけれども。どうですか。
#113
○政府委員(関根則之君) 一定の理論式を置いてやれば計算できないわけではございませんが、こういう問題は非常に微妙な問題でございますので、仮に五十六年度で国税で一兆何千億へこんだ場合に地方税が幾らというような数字を出しますと誤解のもとにもなりますので、御勘弁をいただきたいと思います。
#114
○大川清幸君 ところで、先ほどもちょっと触れたんですが、地方財政が大変厳しいことは御説明があったとおりでございまして、形の上ではかっこうがとれていますが、現実には各都道府県等でやはり減収補てん債等の要望が五十七年度についても出てきておると思いますが、その状況はどうなっていますか。
#115
○政府委員(土屋佳照君) 五十六年度におきましては法人関係税につきまして落ち込むところが考えられるわけでございまして、そういった団体からは減収補てん債について要望もございました。私ども、財政の状況等を見ながら、必要に応じまして減収補てん債による財源措置をもう三月末にいたしたところでございます。大体それによって関係団体の財政運営には支障を来さないものと思っております。
#116
○大川清幸君 ところで、そのように住民税等が落ち込んでまいりますと、これは先のことで推定だから余りはっきりしたことは言えないのはもう当然のことだと思うんですが、こちらで試算してみたんですが、大ざっぱな推定ですけれども、五十六年度一兆二、三千億国税で落ち込みますと、交付税関連の国税三税で二十五兆一千二、三百億で、その落ち込み額が推定ですが九千三、四百億になるでしょうか。これの三二%ということですから約三千億円、こういう推定ができるわけです。交付税関係でこれだけもし落ち込んできた場合には、自治省としては対処するにはどうされますか。
#117
○政府委員(土屋佳照君) 五十六年度の補正に係ります減収分については借り入れで補ったわけでございますが、私どもとしては、今後どういうことになるのか確たる見通しを持っておるわけではございません。国税三税の収入見込み額は、大蔵省で現段階においてできる限り適切と思われる方法で見積もりを行われたものでありましょうから、そのとおり確保されることを期待をしておるわけでございます。
 しかし、お尋ねでございますので、仮に見込みどおりの税収が確保されなかった場合どうなるかということでございますけれども、通常は昭和五十八年度において精算をすることになります。五十八年度で精算減ということになるわけでございますが、そういった状況になりました場合は、五十八年度におきます地方財政収支の見込みがどうなるか、また、地方交付税の総額がどうなるか、その他もろもろの状況を考慮いたしまして対応の方法を検討する必要があると考えておりますが、いずれにいたしましても、私どもとしては地方財政の円滑な運営に支障を生ずることのないよう、その段階において最も適切な方法で対処いたしたいと思っております。
#118
○大川清幸君 あとは、五十七年、八年の財政運営までいこうと思ったけれども、余り先のことを話しても時間の浪費だから、次へ移りましょう。
 これはごく基本的な問題ですが、地方の自主財源の確保の問題、これは長年論じられてきたことなんですが、ただいまの国税の落ち込みなどを見てもすぐやはり地方には響いてくる関係性がございまして、御承知のように、税収の上で言うと、よく言われておるように国と地方では七対三、こういうことになっておりまして、構造的に言うと、たとえば、国税のうち六二、三%、これが地方への交付に回ってきますわね、例年。その交付されて回ってきた分で言うと、これが地方の方の歳入構造で言うと五四%前後になりますか。それに対応して地方税そのものが四五から四六%、これで一〇〇になるわけですね。ですから、今度は地方の歳出の方へ対応する財源構造で言うと七対三に逆転をする。これは世間の通説でこう言われているわけです。したがいまして、この三二%の交付税率を上げろというようなことについてはさんざん言われていることでございまして、財政運営の安定のためにはこの辺の考慮をしていただく必要があるんだろうと思うんですが、三税の交付税率の手直しなんというのはなかなか大蔵省との間の話し合いでもうまくいかぬようでございますが、こうした国税からの影響を考えますと、地方財政運営上の安定、財源の確保という点から考えたならば、せめてたとえば所得税だけでも取り出してフィフティー・フィフティーにするというような改革などを考えてはどうかとも思うわけですが、これは長年折衝をしてきてどんな知恵を出してもなかなか大蔵省で譲らない問題らしいですけれども、今後の地方財政の展望を考えた場合に御所見を伺っておきたいと思いますが、どうですか。
#119
○政府委員(土屋佳照君) 御承知のように、地方交付税率は国と地方の財源配分のまさに基本にかかわる事柄でもございまして、過去の地方財政の不均衡のときにも地方交付税法六条の三第二項の規定の趣旨を踏まえて私どもいろいろ交渉したわけでございますが、なかなか交付税率の引き上げということは国の厳しい財政状況もございましてできなかったわけでございます。私どもとしては、今後、臨調でも検討することにされております今後の国、地方間の機能分担とこれに対応する事務配分のあり方との関連を踏まえて、今後どう国と地方との財源配分があるべきか、したがって交付税率等もどうあるべきかということも慎重に検討していく必要があるというふうに思っております。
 なお、現在の国税三税の三二%というものを少し変えて、所得税についてはたとえば五〇%といったようなことはどうかというようなお尋ねでございますが、現在の地方交付税の対象税目がいわゆる所得税、法人税、酒税の三税とされておりますのは、これは言うまでもなく国税の基幹税目でございますし、これらの税目を組み合わせることによって収入の伸長性とか安定性を期することができるという趣旨によるものでございまして、それなりにいろいろとバランスを考えてできておるわけでございます。御指摘のような税目によって税率を異にすることが適当であるかどうかについては、こういった経緯も踏まえながらやはりこれも慎重に検討していかなければなかなか簡単には答えの出にくい問題だと思っております。
 いずれにしても、私どもとしては今後の国と地方との機能分担のあり方を踏まえて地方財源の充実強化ということは考えていかなきゃならぬというふうに考えております。
#120
○大川清幸君 これは具体的にどれをどうするかということはいま御答弁があったとおりで、三税のバランスも考えておることで大変むずかしいと思うんですが、もう長年論じられてきた問題でもございますので、大臣もぜひとも大蔵省との折衝を、今後のことも踏まえまして改善に特段の御努力をお願いしたいと思いますが、所信を伺っておきたいと思います。
#121
○国務大臣(世耕政隆君) 御趣旨の地方交付税の引き上げ云々の問題は、これは法律にもあります問題ですが、現実に引き上げようとすると、なかなかいろいろむずかしい問題、財政上の問題もありまして難航するわけでございます。しかしながら、わが方としましては、あくまで御指摘のような趣旨に立ちまして、今後とも関係省庁といろいろ折衝を重ねていきたいと思っております。
#122
○大川清幸君 次に、税金関係の問題に入りたいと思いますが、その前に、状況として、所得税の課税最低限が御承知のとおり五年連続で据え置かれて今日に至っておるわけでございまして、住民税においても昨年に引き続き減税を見送った形に、これがなっておるわけでございます。数字を挙げるまでもないと思いますが、最近総理府で発表した結果によりますと、五十六年度の平均の家計調査報告、これによりますと、サラリーマンの世帯で税込み収入が一カ月で平均三十六万七千百円と前年比で五%の増にとどまっておるわけですが、一方所得税の方は前年比で一二・九%の増、その他の税金で一四%の増、社会保障費関連で一二・五%の増、いずれも二けたの上昇になっておりますから、結果として可処分所得は落ち込んできますし、物価の上昇分もある、こういうことで実質で一%のマイナス。この一%のマイナスは二年連続でございまして、予算委員会の質疑のやりとりもお聞きになっておったでしょうから、大臣としてもこの一般国民のふところが大変苦しくなっているということについては御認識は深刻にお持ちでしょうね。
#123
○国務大臣(世耕政隆君) 私自身の周辺を参考にしましても、余り楽ではないと存じております。
#124
○大川清幸君 そこで、住民税は生活保護世帯との関係で昨年一年限りでああいう処置をとったわけですが、ことしも課税最低限を二年連続据え置いておりますので、住民の負担の見地から考えますとこれは問題はやっぱり深刻なんですな。政府の税制対策というか姿勢は、どうしても財政面からのことしか考えていないように受け取れるわけなんですけれども、こういうような昨年と同じようなやり方をことしもとったわけですけれども、今後もこういうようなことをいつまでも続けていくことは好ましいことではないと思っているんですけれども、このことについてはどう考えておられますか。
 また、来年度のことは返事ができないだろうと思うんですけれども、去年どことしだけでやめてもらいたいと思いますが、どうですか。
#125
○政府委員(関根則之君) 御指摘をいただきました、非課税限度額を設けるような制度そのものについては、私どもも恒常的な制度として適当なものでおるというふうには考えておりません。やはりこれは臨時的な制度として低所得者に対する緊急の対策を講じる必要があると、そういう場合に臨時的に採用される方法としては一つの方法であるのではないか、いつまでも恒久的に続けていくべき制度とは考えていない次第でございます。
#126
○大川清幸君 大臣、いま局長から答弁ありましたけれども、これは本当にその方向で努力をしていただきたいと思いますが、お約束できますか。どうですか。
#127
○国務大臣(世耕政隆君) ただいま局長が申されたように、なかなか財政が厳しくて課税最低限の引き上げができにくい、しかしこのままで放置しておいていいかどうかというので、そのために実は非課税限度額を引き上げたわけで、苦しい中で何とか方法を講じようという一つの苦肉の策でもあるわけでございますが、これをずっと続けていくことがいいとはこれは決して思っていないので、いま、減税の問題が出ておりまして、住民税の方はどうするか、こういういろんな角度からの御質問があったわけでございますが、もちろん財政的なゆとりとして住民税を減税の対象とするような現在の状況ではないわけでございますが、この間与野党の間の一つの話し合いの場が出てきまして、議長さんのいろんなあっせんみたいな形がありまして、予算が済みますとすぐ小委員会でいろんな減税の問題を検討するということになっております。われわれの方はあくまで国会の審議は尊重しなければなりませんので、その線に沿いましてその推移を見守りながら対応を決めていきたいと思っております。ただしかし、五十七年度に住民税減税といってもなかなか技術的には非常にむずかしい問題があろうかと思っております。
#128
○大川清幸君 前向きでひとつ御努力をお願いいたしたいと思います。
 次に、今回の土地税制の中で譲渡所得税及び土地保有税、宅地並み課税について、それぞれ改正が行われたんですが、この主たるねらいは何かということについて御説明願います。
#129
○政府委員(関根則之君) 私ども、国税の方とも平仄を合わせて地方税法の改正を、土地住宅税制について行ったわけでございますが、基本的に両税の改正を貫く方針といたしましては、宅地の供給を促進するということ、そういう政策目標に対しまして税制の上からも補完的ながら協力をしていきたい、こういう意識で税法の改正に取り組んだわけでございます。
 その際の基本的な考え方といたしまして、宅地につきましての税制を立ててまいりますためには、臨時応急的な措置を何遍立てても余り効果が上がらない、宅地なり住宅税制というものは長期的安定的な税制を確立することが何よりも大切である、こういう基本的な認識に立ちまして、地方税の場合には従来から懸案となっておりました宅地並み課税につきまして、いろいろ御議論のあるところではございますが、私どもとしてはここで従来からの議論に終止符を打って、これでともかく当分の間はいくんだと、こういった安定的な税制をつくるというつもりで作業に当たったわけでございます。
#130
○大川清幸君 そこで、宅地供給の促進策の一端を担うということは結構なんですが、譲渡所得税の場合でも実際に考えてみますと、これは税法そのものがいいとか悪いとかの論議よりも、社会的な状況からいって残念ながら政府の方に地価対策がきちんとないために、地価の上昇率が多少鈍化してきたとはいいながら、やはり他の資産運用をするよりは土地を保有しておいた方が資産運用上の観点からいうと魅力があると、こういうような社会的な条件が手伝いますからね。地主の方からいうとやっぱり手離さずにいようではないかと、こういうような傾向が現実には強かろうと思うのです。そういう点から考えると、せっかくの緩和措置ですけれどもどれほどの効果が上がるか疑問だと、こう思っているんですが、その辺についての観測はどうでしょう。
#131
○政府委員(関根則之君) 宅地の供給ということを政策目標として行うわけでございますけれども、あくまでも税制の立場というのは補完的な立場の域を出ることはできないだろうと思います。もともと土地の有効利用ということをねらうのであれば、政策的には土地利用規制なり何なりというものがまず政策面で先に出ましてリードしていくと、そういうことが必要であろうと思いますけれども、必ずしもそういう面の施策というのが明確な実効ある制度がとられていない。しかしそうは言いましても、宅地の供給が不足しているということがいろいろな社会的な弊害のもとにもなっておるということでございますので、税サイドにおいてもできるだけの協力をすべきであるという考え方において今回の税制改正に踏み切ったわけでございます。
 実際どの程度の効果があるのかということにつきましては、以上申し上げましたようなことでございますので、必ずしも具体的な計数をもって、住宅にして何万戸分ぐらいの土地が供給されるということが申し上げられないわけでございますけれども、土地税制全般といたしましては、譲渡所得の長短区分の改正、十年をもとにいたしまして長短を区分するといったようなやり方に変えてきておりますので、そういうものと宅地並み課税ないしは今回とられます。その他の土地税制改正によりまして、相当の効果は上がるものというふうに私どもは期待をしておるわけでございます。
#132
○大川清幸君 それでは次に、宅地並み課税で、三大都市圏でA農地B農地の固定資産税の適正化措置が講じられまして、四十八年度から現在まで、これはどんな宅地転用の推移になっておりますか。状況を御報告願いたいと思います。
#133
○政府委員(関根則之君) 昭和四十八年度におきましては、三大都市圏の特定の都市に所在するA、B農地の地積は一万六千四百二十五ヘクタールでございましたけれども、それが昭和五十六年度には九千八百二十ヘクタールに減ってきております。この間六千六百五ヘクタールが減少したわけでございまして、このほとんど大部分のものは宅地等に転用されたものと考えております。率にいたしまして四〇%が減少をしておるということでございます。
#134
○大川清幸君 税制からの宅地供給ということで考えると、どの程度この制度が機能したかというのはなかなかむずかしいと思うのですが、それなりの効果は一応出ている数字かなと思うわけですが、ところが、途中五十一年で改正がなされて、地方公共団体なんかでそれぞれ条例をつくったりして対応いたしました。これが、せっかくの宅地供給促進の一端を担う税制であったものに対して効果の上でブレーキをかけるというか、余りうまく機能しない側面があったんじゃなかろうかというようにも思うんですけれども、そういう経過があって今回の宅地並み課税を進めることになったんですが、この中で営農継続五年ごとに見直すということになっています。これは、いろいろお聞きすると、事務量やその他のことで大変らしいんでこういう手法をとらざるを得ないようなんですけれども、営農継続期間の途中で農地を売った場合、さかのぼって宅地分の税金を徴収する課税猶予期間ですね、これは五年で更新となる仕組みになっていますから――これは妥当な例がどうかわかりませんよ、しかし仮に六年目に売った場合、一年分は宅地並み課税で徴収されるけれども五年分はこれはそうはならないという、ちょっとまずいケースもあるんですけれども、これは捕捉の仕方で何か改善の方法はないんですか。いまこれは技術的にはやむを得ないことですか。
#135
○政府委員(関根則之君) 確かに、おっしゃるような設例につきましては、御指摘いただきましたように、前の五年分についてはすでにもう租税債権はそこで一たん清算をしたような形になっておりますので、さかのぼって徴収はしない。したがって、六年目にやめた場合には一年間分の遡及の徴収が行われる、それだけになってしまうわけでございまして、どうも実際上余り適当でないではないかという御指摘もいただくわけでございますが、これも御指摘いただきましたように、課税の事務の簡素化を図るという要請も非常に必要でございまして、十年間課税債権をずっと取っておきまして徴収を続けていくということになると、取っておく資料も膨大なものになってしまいますので、事務の簡素化の要請からどうしてもそうせざるを得なかったということでございます。
 別途何かうまい方法はないのかという御指摘でございますけれども、私どもとしては、やはり手続的にあくまでも十年間営農の継続の意思のある人がその旨をみずから申告をいたしまして、しかも農業委員会という農家のいわば良識を代表する機関をも経由をいたしまして、しかも課税審議会の議を経てやっていく、そういうところで、まあまあ常識のあるといいますか、一般の良識のある方々については、本当に真の意味で十年間営農を継続する意思があるということが確認し得る、そう法の網を逃れて何かうまいことをやろうという人たちがうまくやれるような制度にはなっていない。また、運用の面におきましても、その辺を十分気をつけて運用していきたいというふうに考えております。
#136
○大川清幸君 ところで、それでは営農継続の十年ですね。これは、十年が経過した後は法律上どういたしますか。
#137
○政府委員(関根則之君) 十年経過した後、引き続き十年以上営農を継続したいという意思のある農家につきましては、もう一回長期営農継続農地としての申告をしていただきまして、同じような手続が繰り返すことができるように法制度として仕組んでございます。
#138
○大川清幸君 また十年延長するということですが、私どもの党でも、宅地並み課税のことはいろいろうまい手法がないかと思っていろいろ考えて苦労しているんですが、たとえば次の段階で改めて考える場合に、選択宅地並み課税みたいなもので新しい対応をするようなこと、合理的に運営する上でそういうような配慮はできないかということです。どうですか。
#139
○政府委員(関根則之君) 選択的宅地並み課税の方式につきましては、私どももいろいろと勉強をさせていただいたつもりでございます。そういう制度につきましても今後もちろん検討対象にはしていく必要があろうかと思いますけれども、先ほども申し上げましたように、現時点におきましては、長短区分の改正と一緒にここで土地政策についての一応の長期安定的な制度として私どもこの宅地並み課税制度を仕組んだつもりでございますので、しばらくの間はこれでやらしていただきたいという気持ちでございます。
#140
○大川清幸君 ところで、先ほどもちょっと論議になっておったんですが、C農地で三・三平米三万円以下は対象から外されましたね。これは、その地域によっていろいろ特殊事情があるので、全体的な論議はなかなかむずかしかろうとは思うんですが、やはりこの税制が土地供給にどう機能するかということで考えると、これは足切りしちゃったのはちょっと宅地供給の機能の点で何かまずい点はなかったんだろうか、その辺の検討は十分なさったんだろうかという心配があるんですが、どうなんですか。
#141
○政府委員(関根則之君) この三万円未満の農地につきまして適用を除外するということにつきましては、単に論理の組み合わせだけから三万という数字が出てくるものではございませんで、私どももそこで線を引きますにつきましては、各地方団体の実際に担当している人たちの意見も聞き、また、現場に大体当てはめて、どの程度のものが適用対象になり、どの程度のものが適用対象外になるかということについても調べたつもりでございます。
 たとえば、制度本来の問題として線引きの問題がいろいろの問題を含んでおるということは言えると思うわけでございますけれども、三大都市圏の特定の都市といいましても、茨城県の水海道でありますとか岩井市でありますとか、ああいうところまですべて入っているわけです。こういうところへ現実に、宅地並み課税を適用いたしましても、それこそそういう茫漠たるたんぼがすぐに宅地化されるということはとても期待できないであろうというふうに判断いたしました。そういうところが大体どの程度の価格になっているのかといいますと、これは三万円の線を引きますとほとんど落ちてまいります。したがって、大体実態に合うのかなという感じもいたしておりますし、また、三大都市圏の特定の市のすべての全平均でC農地の平均をとりますと二万七千円程度、今度の評価がえを経ますと三万円をちょっと超すかなという程度の数字でございます。そういう程度のことも頭に置きまして、大体三万円というラインが実態に合って無理のない線ではなかろうかということで判断をして決めたわけでございますので、その辺のところをひとつ御理解をいただきたいと考えております。
#142
○大川清幸君 それでは次に、先ほどもちょっと論議になっておりましたが、三公社の納付金の金額、これが五十五年で四百八十七億二千万円ですか、この二分の一の特例措置をなくせば、およそこの同額ぐらいが入ってくるという勘定にはなるわけですよね。それが市町村の増収になるということを考えますと、地方団体の状況は財政が決して好転していない、そういう点から考えたら、これはできればいつの日か撤廃をするというか、改善をする方向で努力をしていただいた方がよろしいのではないかと思いますが、これについてはいかがお考えですか。
#143
○政府委員(関根則之君) 御指摘をいただきました三公社の納付金の問題につきましては、私どもは基本的にはやはり固定資産税相当額程度のものはこういう公社から地方団体、特に市町村が中心でございますが、市町村にいただきたいものと思っております。
 それぞれ、たとえば電報局などは相当りっぱな施設が田舎の市町村に所在をしておるわけでございまして、そこでの業務活動については、いろんな意味で市町村の公共サービスを受けて、その中で営業が続けられておるわけでございますから、受益との見合いにおきましても、民間事業であれば当然固定資産税を納めているわけでございますので、固定資産税相当額ぐらいのものはまるまるいただきたい。現在のような二分の一特例につきましては、できるだけ早く廃止をしていただきたいという気持ちでございます。
 特に地方団体からのそういう強い要望があるわけでございますので、基本はそういう考え方でおりますけれども、何せ三公社の中には国鉄のようにきわめて財政の厳しい公社も含まれておるわけでございますし、専売公社のように別途専売納付金で国庫に収入が入るとともに、地方団体に対しましては、たばこ消費税が七千億を超えるような金額、相当な額で入ってきておる、こういうような状況もあるわけでございます。必ずしもそれが入るから納付金は入らぬでいいじゃないかということにはなりませんけれども、そういった現実の問題もあるわけでございまして、それらとの調整をできるだけ経まして、また、所管の省もあるわけでございますので、関係方面とも十分議論を尽くしていきたい。私どもとしては、できるだけ早く何とかこの問題を解決したいという気持ちで折衝を続けていきたいと考えております。
#144
○大川清幸君 せっかく御努力をお願いしたいと思います。
 それから、これは直接関係はないといえばないんですが、実は昨年の十月に一建設省から、「都道府県宅地需給長期見通しの策定について」、こういう依頼通達が各県に出ております。自治省の立場で言うと、交付税だとか、あるいは公務員の給与だとか定数だとかというようなことを主に指導監督をしておりますので、余り直接こういう建設省あたりから出ている都道府県に対する依頼通達については直接関知しなくてもよろしいのかもしれませんが、実は、この宅地供給に関連をして、首都圏の関係都県の状況を見ますと、東京都なんかは宅地供給については限界にきておるというような解釈をいたしておりますし、一方千葉県のように宅地供給のゆとりを持っているところでは、そういうものに協力するのはいいんだけれども、それに関連した公共施設等の設備、施設の対応するとなると容易なことではないし、抱えている市町村なんかでは財政力のきわめて弱いところもある。いろいろな事情があるものですから対応がむずかしくて、なかなか政府、とりわけ建設省の言うようなこうした宅地供給の見通しについての策定計画がうまくいかぬみたいなんですよ。建設省の予定どおりこれは関係都県から計画が上がってくるんだって多少おくれたりいろいろあると思いますけれども、直接には関係ないんですが、いずれこういうものが計画されて実施されることになりますと、地方公共団体における宅地造成だとか、あるいは何ですか、学校だとか保育所だとか、道路、下水道なんというようなことになって交付税やいろいろな基準財政需要額やなんかの問題で積み上げていけば、それなりに仕事は運んでいくわけですけれども、こうしたものが自治省の頭越しに動いていってしまうことについて全然知らなくていいことかどうかということは、私はちょっと危惧を抱いているわけです。
 一方、地方税法を改めて宅地供給なんかの一端を担おうといっているんですけれども、前にも笑い話になったんですが、安孫子自治大臣のときに、安孫子大臣の地元である山形市で何か厚生省とあれば労働省か文部省が、どこだったか、三省庁の関係で一つの施設を建てるのに、縦割りだものだから、どうしても入り口が三つないといけないという奇妙な建物が建ったりというようなことがあって、そのときに、自治省は直接関係ないかもしれぬけれども、受け皿の県なり市の方で困っている場合については、何かもっとかっこうのいい、効率のいい建物ができるような仲介の労ぐらいとれないといけないんじゃないですかという話をしたことがあるんです。
 ですから、事務的には直接関知しなくても、いままでの慣習から言えば別段問題ないと思うんですけれども、こうしたものがどこかでどんどん進んでいて自治省は頭越しで知らない、計画になってから対応しなきゃならないというようなことではまずかろうと思うんですよ。報告ぐらい受けるなりなんなり、工夫をしておいた方がいいんじゃないかと思いますが、どうですか、これは。
#145
○政府委員(小林悦夫君) ただいま御指摘の問題でございますが、確かに自治省は了知しておりませんが、先生御指摘のように昨年の十月に出ておるようでございます。これから報告を徹せよということでございますが、確かにいまの地方財政法の規定によりますと、法令案に基づくものとか、また概算要求に基づいて地方負担を伴うもの、こういうものにつきましては自治大臣の意見を聞かなければならない、こういうことになっておるわけでございまして、それ以外のものにつきましては協議等の体制はできておりません。しかしながら、先生おっしゃいますように、将来の地方財政に重大な影響を及ぼすものにつきましては、各省と協議の上了知し得る状態にいたしたいと存じておる次第でございます。
#146
○大川清幸君 大臣、これは直接自治省にまずい点があるとかなんとかという意見では全然ないわけです。やっぱり私は、先々行政上関連してくるものを、全く知らなくていいものもあると思うんですけれども、ある程度の状況、進みぐあい等は承知しておくような仕組みにしておいた方がいいんじゃないかと思いますけれども、この点はどうですかね。
#147
○国務大臣(世耕政隆君) どうしても自治省の場合は、地方の市町村単位ですと、直接というよりはやはり都道府県を通じていろんな勧告とか指導とかを行っていきますので、ちょっと間接的になる嫌いはあるんですが、御指摘のようなことはなるたけ細かく市町村とも、地方自治団体とも連絡を密にしながらやっていく必要が今後あるのじゃないかと思っております。その点でまた実際どういう方法が、間接的でなくて直接的にできるかどうか、これはいろんな検討をする必要があると思いますし、その点でいろいろ考えてみたいと思っています。
#148
○大川清幸君 次に、先ほどもちょっと問題が出ていたかと思いますが、地方公共団体側から言いますと、やはり財源確保のためにいろんな工夫をしているわけで、事業税の外形課税、これについても何とか実現をしてもらいたいという要望があるわけです。この外形課税についても、私もちょっと中小企業の立場なんか考えると別に意見はあるんですけれども、これは考え方としては、地方公共団体の強い要請におこたえする方向で検討をなさっているのですか、どうなんですか。
#149
○政府委員(関根則之君) 地方団体の財政なり行政なりにつきまして、地方自治行政がスムーズに展開されること、そのための仕事を預かっているのが自治省でございますから、地方団体のこういった要望につきましても、できる限り沿うような形で物を考えていきたいというふうに考えております。
 ただ、御承知のとおり、この問題というのは大きな問題でございますし、長い間の経緯を経てなかなか踏み切れないでいる問題であるわけです。税制調査会等におきましてもたびたび議論をいただいておりまして、現在の時点では、一応将来検討される、課税ベースの広い間接税を検討をする際に一緒にこの問題を処理すべきではないかと、こういった考え方が政府の税制調査会の基本的な考え方として答申されているところでございます。
 私どもも、棚上げしていつまでもほっておくというつもりはございませんけれども、そういう意味で常々研究は怠ってはいけない、続けていくべき筋合いのものだと思いますが、何せ問題が問題でありますだけに、簡単に片のつく問題ではないということを感じている次第でございます。今後とも基本的にはこれを実現する方向で努力していきたいというふうに考えております。
#150
○大川清幸君 ところで、これは二十八日の新聞報道なんですが、大蔵省ではなかなか税収が厳しいものですから、何とか財源をということでいろいろ知恵をおしぼりになっているようなんですわ。「大蔵省は二十七日までに、赤字企業へ課税する場合の具体案をまとめ、細目の検討に入った。1法人住民税(地方税)のように資本金の規模に応じて一定額を企業に納税させる均等割りを導入する」、あるいは「2フランスにならって収益とは無関係に法人税の最低納税額を設ける」と、こんなようなことの検討に入ったというんですが、これは国税の方の財源発見のための努力だろうと思うんですけれども、これをもし実施するようなことになりますと、地方の行っている税金の方への影響なんというのがこれは心配されるわけですよ。これから諮問をしたりいろいろ検討をする期間はあるんだろうと思いますけれども、これがこのままずるずる進んじゃって、答申が出るまで徒手空拳で見ている立場にはなかろうと私は思うんですよ、自治省としては。これ、検討に入ったことについては御承知なんですか。それから、これが具体化する段階まで全然ブレーキも何にもかけずにほっておきますか、どうしますか。
#151
○政府委員(関根則之君) お話のような作業が具体的に大蔵省で進められているということにつきましては、自治省は何ら連絡も受けておりませんし、正式には聞いておらぬわけでございます。
 なお、仮にもしそういう動きがあった場合にどうするのか、ほっておくのかというお話でございますが、地方税におよそ何らかの関係を持ち、しかも予想されるところが悪い影響が出そうなものがもし議論をされる、あるいはそれが実施の方向へ向いているというような事態がありますれば、われわれは地方税を守るという立場からしかるべき措置をとる方針でございます。
#152
○大川清幸君 これは大蔵省の中のどこか事務レベルで進めていることですかね。大臣もお聞きになっていないですか。
#153
○国務大臣(世耕政隆君) 聞いておりませんですが……
#154
○大川清幸君 それでは、もしそういうようなことがあれば、いま局長の答弁のあったとおり、御努力をしていただけますね。
#155
○国務大臣(世耕政隆君) そのように処置する所存でございます。
#156
○大川清幸君 終わります。
#157
○伊藤郁男君 最初に、大臣にお伺いをしたいと思うんですが、御承知のように、政府は五十七年度の予算の編成に当たりまして、五十七年度から五十九年度までを財政再建期間として位置づけておるわけでありますけれども、地方財政も同様に、国と同じような基調の上に立っているものと理解してよろしいかどうか、その点をお伺いします。
#158
○政府委員(土屋佳照君) 御指摘のございましたとおり、国は昭和五十九年度までに赤字公債をゼロにするという目標を立てて財政再建を進めておるわけでございます。地方財政についても、財政健全化に今日まで努めてきたわけでございますが、五十七年度におきまして、単年度としては収支が均衡する見込みになっております。そういったことで地方の場合でも、赤字公債ではございませんが、財源対策債を措置する必要もなくなったわけでございます。しかし、地方財政そのものは五十七年度末見込みで申しましてもかなりな借入金を抱えておりまして、普通会計債の残高と交付税特別会計の借り入れ残高と、公営企業債のうち普通会計で元利償還を負担するものを合わせますと、全体では五十兆円にも及ぼうとしておるわけでございまして、まあこういったことでございますので、累積した借入金の償還に対応しながら地方財政の円滑な運営を図っていくということでございますので、今後とも各般の情勢を見ながら、引き続いて財政の健全化のために努力をしてまいる必要があると思っております。
 同時にまた、地方公共団体においても国と同様の基調に立って極力行政の簡素効率化と歳出の節減合理化に努めていくことが必要でありまして、その点について強く指導しながら地方財政の構造的健全化を私どもとしても強力に進めてまいりたいというふうに考えております。
#159
○伊藤郁男君 それではお伺いしますが、五十三年か四年ころまでは地方財政収支試算というものがつくられておったわけでありますけれども、その後はこういうものはないですね。なぜそういうものがつくられなくなったのか、その点をお伺いをします。
#160
○政府委員(土屋佳照君) お尋ねがございましたように、昭和五十一年度から五十五年度までの間は、国の財政収支試算に対応するものといたしまして、経済計画なり国の財政収支試算を手がかりにいたしまして、地方財政収支試算をつくりまして国会に提出してきたわけでございます。従来は、御承知のように国も地方も経済計画に示されております目標年度のGNPなり公的固定資本形成なりあるいは国民の租税負担といったようないろいろの指標を前提といたしまして、基本的には計画の出発年度の計数と目標年度の計数とを機械的に結んだものとしてお示しをしておったわけでございます。ところが、国におきましては、昭和五十六年度から、いわゆる後年度負担額積み上げ方式ということでいろいろと財政需要を積み上げまして、そういった形で財政の中期展望を作成することといたしました。従来のような財政の収支試算の作成を取りやめましたために、地方の財政収支試算も作成しないようにしたわけでございます。
 それならば、国と同じような方法で国の中期展望のような積み上げ方式というものは地方ではできないのかということになるわけでございますけれども、御承知のように地方財政は三千数百の地方団体がそれぞれ自主的な判断に基づいて財政運営を行っておるということでもございますし、また、地方財政は地方交付税なり国庫支出金等、国の財政ときわめて関連する面が多いわけでございます。したがいまして、国の計画との整合性を図りながら、多様な地方団体固有の施策を織り込んだ地方財政収支見通しというものを国と同じような形でつくっていくということは容易ではございません。そういったことで、きわめて技術的にも困難な問題が多いわけでございます。当面、国の中期展望方式の収支見通しを示すということはできないということで実は取りやめておるような状況でございます。
#161
○伊藤郁男君 そうすると、地方財政の場合には、結果として借金は後年度にずっと繰り延べていくということであって、非常に財政が厳しい厳しいと言いながらも、その明確な方向というんですか、そういうものがないように私ども受け取らざるを得ないんですが、その点についてどうですか。
#162
○政府委員(土屋佳照君) 最近、五十六年度からただいま申し上げましたような理由で、国と同じ形の中期展望というものはつくっておりません。それはいま申し上げたような、きわめて困難な、技術的に困難な問題が多いからでございます。しかしながら、先ほどから申し上げておりますように、累積した巨額の赤字を抱えております。こういった状況のもとでどういう形で健全化を図っていくかということになりますと、一定の中長期的な展望に立って計画的に健全化を図っていかなければならないわけでございます。
 そういったことで、地方財政、地方団体の財政運営に資する参考資料として何らかの形で中期的な見通しを立てなきゃいけない、また、そのことはきわめて意義のあることだと考えておりますので、国と同様の手法ではございませんが、一定の前提を置きながら、何らかの形で地方財政の中期的な見通しを立てることを現在検討しておるところでございます。
#163
○伊藤郁男君 それでは次にお伺いをするんですが、これは総理も大蔵大臣も、五十九年度まで、いわゆる財政再建中は大型増税はしないとはっきりと明言をしているわけでありますけれども、地方税についても、これから大きなそういう意味の増税はしないんだと、こういう考えでおるのかどうか、その点の基本的なことをお伺いをしたい。
#164
○政府委員(関根則之君) 地方財政の財政再建を進めるに当たりましても、国の財政再建を進める基本方針と平仄を合わせたような形で進めるべき筋合いのものというふうに考えております。そういう意味におきまして、当面、地方財政の財政再建というのは国と同様に行政の簡素効率化なりあるいは既存経費の見直し等、歳出の徹底した節減合理化によりまして、主として再建を進めていくということでございまして、できる限り増税に頼ることなく財政再建を進めようというのが私どもの方の基本的な態度でもございます。
#165
○伊藤郁男君 それでは次にお伺いをするのですが、例の法人住民税の延納制度の縮減の問題でございますが、これ国税の改正に準じまして地方税の場合においてもこの制度が取り入れられたわけでありますけれども、これはどういう理由によるものですか。理由をお伺いします。
#166
○政府委員(関根則之君) 法人住民税の延納制度につきましては、御指摘いただきましたように国税の方の法人税の延納制度に平仄を合わせたわけでございます。道府県民税もしくは市町村民税の法人税割なり法人の事業税の延納制度と申しますのは、地方税では徴収猶予制度という名前を使っておりますけれども、この徴収猶予制度は、沿革的には、昭和二十六年の十一月に当時の法人企業の金融事情にかんがみまして、大変タイトな金融事情にありましたころにできたわけでございまして、その税額の二分の一の額について納付期限を延長するという趣旨のもとに法人税法の改正と同じ歩調をそろえまして特別に設けられたものでございます。
 今回、法人税におきまして、所得税における延納制度とのバランスを考えて、ということは、所得税につきましてはこういったような延納制度が必ずしもとられていないということと平仄を合わせまして、縮減を図ることにしたわけでございます。地方税におきましても同様な措置を講ずることといたしたわけでございます。
#167
○伊藤郁男君 結局、この効果というものは五十七年度一回限りですね。だから、二十六年度から定着しているものを、いまお話しのあったように、国と合わせでそういう制度を取り入れたと、そういうように変えていったと、こう言うのですが、理由が私にとっては納得できないわけです。五十七年度の一回限りの効果しかないものをなぜ地方税の段階で取り入れなければならないのか。その辺のもっとはっきりした理由を聞きたかったわけでありますが、その点どうですか。
#168
○政府委員(関根則之君) 御承知のとおりでございますけれども、地方税の法人住民税ないしは県税としての事業税というものは、その法人の所得に対して現在課されているわけでございますけれども、所得につきましては、国税の方の所得をほぼそのまま使ってくると、こういうシステムにたっております。しかほどさように、国税と地方税というのは絡み合ってお互いに関連をしながら制度として存立をしているものでございますので、国税の方で所得税に合わせて、所得税との平仄をとるためにこういう延納制度というものを、従来から二分の一でありましたものを四分の一にしてそういう制度を持つ、そのときに、地方税の方で従来どおり二分の一徴収猶予制度にしておきますと、そこのところの平仄が合ってこない。同じもとについての課税でございますので、その課税のやり方としてはできるだけ同じような制度を持っていることが望ましい、こういう考え方に基づきまして一地方税として何か財源を確保するためにこの制度をとるという考え方はありません。むしろ地方税といたしましては国税との平仄を合わせるということに主眼を置いてこの改正を考えたといいますか、お願いを申し上げている次第でございます。
#169
○伊藤郁男君 これは、実は中小企業への影響が物すごく大きいわけですね。中小企業としては、この延納制度があったから、これを十分に活用していたわけですよ。資金調達力が弱いですからね。本来ならば一括納入すればそれだけ安くつくんだけれども、これがあるからこれを利用してやっていたと、こういうことなんですね。だから、そういう資金調達力の弱い、しかもこのような経済が落ち込んできたときに、背に腹はかえられないということで、滞納がふえていくんじゃないかというように考えられますけれども、そのように予想されませんか。
#170
○政府委員(関根則之君) 金融が円滑に行われるという前提を置きますと、この制度を二分の一で置くのと四分の一で置くのとでは、要するにその間の金利差の問題であろうと思います。延納制度、わが方で言えば徴収猶予制度によりましても、徴収猶予をしている期間につきましては一定の率で延滞金をいただくわけでございます。一方、徴収猶予をしなかった場合には、その分の資金繰りを銀行から融資を受けるなり何なりして調達をしてくる、そのときに利子がかかります。その金利差の問題でございまして、仮に、私どもで百万円の税額が出てまいる中小法人を考えまして、手持ち資金が五十万円ありまして五十万円の資金繰りがつかないと、こういう場合を想定してやりますと、いま比較的市中の金利等弱含みに推移をしてきておる関係もありますけれども、税額にいたしまして改正による影響はわずか八円程度という試算結果も出ているわけでございます。したがって、それはそのときの延滞金の金利の水準と市中の銀行等の貸出金利の水準との兼ね合いていろいろな変化は出てくると思いますけれども、いまの金利情勢においてはほとんど大きな影響はないというふうに考えております。
 ただ問題は、その資金繰りを融資をお願いしたときに、いまの設例で言いますと、銀行の方で五十万円を貸してくれるのか、貸してくれないのか。二分の一が四分の一になるわけですから二十五万円の話ではございますが、もし銀行が貸してくれないためにその資金繰りがつかないということになりますと、資金繰りのために相当無理をしなければいかぬと、そういう問題は起こるものと考えますが、金利負担そのものにおいてはそう大きな影響は出てこないというふうに考えています。
#171
○伊藤郁男君 それでは、個人住民税の問題でお伺いをしますが、今回の改正で住民税所得割の非課税限度額の引き上げをしているわけですね。これはどういう理由によって引き上げをしているのか。理由をお伺いしたい。
#172
○政府委員(関根則之君) 昨年昭和五十六年度の税制改正におきまして、住民税の所得割の課税最低限が標準世帯におきまして生活保護基準を下回ってしまうと、こういう事態が発生をいたしました。税法上もやはり問題があるということで、それに対する措置といたしまして、本来であれば所得控除の引き上げ等によりまして正式な減税をしていくべきことが最も望ましい方法でございますけれども、地方財政の現状からいたしましてそれが無理であり、臨時的な措置といたしまして非課税限度額という制度をつくりまして、生活保護基準との不合理をクリアをする措置をとったわけでございます。
 今年度におきましても、五十七年度の税制改正に当たりましてやはり同じような、直接生活保護基準を下回るという問題は起こりませんけれども、しかし、それがほとんどすれすれの線まできてしまっておると、そういう事態が生じているわけでございます。そういう事態の中で低所得者層特に生活保護基準すれすれのところの方々に住民税の所得割が課税される、そういう事態をわれわれとしてはできるならば避けたいと、こういう趣旨で、それを避けるための一つの臨時的な方策といたしまして、昨年とほぼ似たような方式ではございますが、非課税限度額という措置を単年度限りの措置としてとらしていただくことにしたわけでございます。
#173
○伊藤郁男君 去年の引き上げの場合も、これはもう五十六年度限りだと、こういうことでしたですよね。ことしも五十七年度限りだと、こういうことでまたいくわけですね。これはたとえば五十八年度にそうなった場合もまたそれでいくのか。これはずっとそのまま続いていくのかどうか。その辺どうですか。
#174
○政府委員(関根則之君) 住民の最低生活費がインフレ等に伴いまして年々向上してくる、そういう事態の中で、課税最低限をどうするかという問題を迫られるわけでございますが、その対策といたしましては、本来は所得控除の額を事態の推移に見合って引き上げていく、その結果として、課税最低限が引き上げられると、そういう方式をとることが最も望ましいことは言うまでもないわけでございますけれども、それを実施をいたしますためには相当多額の財源を必要とするわけでございます。現在のような地方財政の状況の中でそれだけの財源を捻出することができませんのでそういう方法がとれない。一方、先ほども申し上げましたように、低所得者については生活保護基準ぎりぎりの線での所得しかない方々がいらっしゃる。従来のまま置いておきますとその人たちに所得割が課税されるということになるわけでございますから、そこのところの手当てを何とかしてやらなければいけないということで、あくまでも臨時的な措置としてこういう制度をとらしていただいたわけです。
 本来、臨時的な制度でございますので、昨年も五十六年度限りの措置としてああいう措置をとらしていただいたわけでございますし、また、五十七年度も、あくまでも臨時的な措置として単年度限りの制度改正という形でお願いを申し上げているわけでございます。このやり方をいつまでも恒久的な問題処理の方法として据え置くということは私どもは考えていないところでございます。
#175
○伊藤郁男君 とにかく今年度限りというのは今年度限りであって、これは今年度限りが毎年毎年今年度限りということになっていけばまさにおかしな話で、しかも、去年は今年度限りだと、こう言っておいてことしもまた今年度限りと、まさに公約違反だと私は思うわけですよね。
 それから、本来、生活保護基準との比較でこの問題が論じられるというところに私は重大な問題があると思うんです。だから、いまおっしゃったように、やはり課税最低限を引き上げていく、こういう目標がなければ、これはいつまでも今年度限り今年度限りでずるずる続いていってしまうのではないかと、そういうことを危惧するわけであります。
 したがって、所得税の課税最低限の標準世帯二百一万五千円ですね、ここにやはり住民税の課税最低限も積極的に近づけていく、こういう方向がなきゃならぬと思うんですね。われわれ税金を納める側は国税も地方税も一緒ですからね。所得税、住民税を分けて考えてはいませんから、そういう意味で、できるだけやはりそういうところに近づけていくと。近づけられない理由というものはどこにあるんですか。
#176
○政府委員(関根則之君) 前々から、住民税の課税最低限と所得税の課税最低限を合わせるべきではないかという御議論を各方面からいただいていることについては承知をいたしておりますが、やはり現在のような地方財政の厳しい状況の中で減税を実施をするだけの財源が生み出せないということが当面の問題として課税最低限の引き上げを困難にさせている大きな理由であると思います。しかし、そういう当面の問題を離れましても、やはり住民税というものの持つ意味と所得税の性格というのはややその性格を異にいたしているわけでございまして、細かく申し上げる必要はないと思いますけれども、住民税につきましてはできるだけ幅広く地域の地方公共団体の住民に負担を分任をしていただく、こういった趣旨もあるわけでございますので、所得の再分配というものを中心に据えた税制度であります所得税とは、この課税最低限のあり方というのが必ずしも一致しなければならないものというふうには私ども考えていないわけでございまして、両者の課税最低限の間にある程度の幅があってもそれはそれなりに理由のつくことではなかろうかというふうに考える次第でございます。
 なお、今後いつまでも一定の所得控除をそのまま据え置いていくということは許されないというふうに考えております。けれども、そのためにはやはり財政の問題との兼ね合いがあるわけでございますので、国税におきますと同じように、私どもとしても、将来課税最低限の引き上げなり何なり、そういう本格的な制度改正ができ得るための各種の条件の整備というものが早くなされることを期待をいたしておるような次第でございます。
#177
○伊藤郁男君 財政が厳しいということはよくわかるわけです。そこで、地方税には均等割と所得割、この二つがあるわけですが、所得割というものはどういう考えのもとに基づいてやっておられるのか、均等割というものはどういう考え方によって行われておるのか、その点ちょっと説明してください。
#178
○政府委員(関根則之君) 平たく申し上げまして、均等割というのは頭割りの税制だというふうに考えます。したがって、一種の応益と申しますか、一人の人間がある地方団体の中に住んでおればそれだけの地方団体のサービスを要求するものでもございますので、一人幾らというような形で納税をしていただく、そういう性格のものであろうと思います。
 一方、所得割につきましては、所得の多寡に応じまして、所得税ほどではございませんが、ある程度の累進構造を持ちました税率で課税をされる応能原則を中心に据えた税であるというふうに理解をいたしております。
#179
○伊藤郁男君 そのような原則に立ては、この課税最低限を引き上げて、均等割の税率を引き上げる、そういうことによっていまの課税最低限をぐっと上げることもできるわけですね。そういう考えはどうなんでしょうかね。とにかく一方は、そこの地域に住んでいるんだから、いずれの人もみんな住んでいる以上はそこから利益を得るんだということで、それに基づいてそれぞれ均等割で平等の額で税金を納めて、そして何かをやってもらう、こういうことになるわけですね。だからそういう考え方に立てはその金額もこういうような情勢の中では引き上げていく、こういうことによって整合性がとれてくるのではないかと思うのですが、この点いかがでしょうか。
#180
○政府委員(関根則之君) お話はよくわかりますけれども、実際問題として均等割の額は現在都道府県が五百円、市町村で一番小さいところで千円という程度でございますけれども、それにしても、納税をする側にとりましては、いろんな議論をいただいておるところでございます。これを上げていくということも実際問題としてなかなか非常にむずかしい問題がございます。
 また、課税最低限を引き上げるということについても、課税最低限のかすかすのところの人たちというのは、一人当たりの納税額というのはそう大きなものではございませんけれども、やはり人数が非常に多いわけでございます。したがって、いま所得控除を各一万円ずつ上げるということになりますと七百億からの減収が生じるということになってしまうわけでございますので、課税最低限を引き上げるということ自身は非常によくわかるのでございますけれども、結局財政の問題に帰着をしてしまって、それだけの税収が得られない、それだけの減収につながってしまう、そこが耐えられないためになかなか課税最低限を引き上げていくということがむずかしいということになっているわけです。
 それでは、税率構造なり何なり変えて、課税最低限を引き上げて、上の方にいま少し持たしたらいいんじゃないかと、こういうような議論も当然出てくるとは思いますけれども、この税率構造そのものにつきましては、単に住民税の所得割だけで独立に物を考えるということができません。やはり所得税の方で、国税で累進構造を持っておりますので、それと合わせた場合に一定金額の所得の方の税率が全体として幾らなのかと、そういう全体判断をせざるを得ないわけでございます。そういうものとの兼ね合いの中で税率構造もそう自由に動かせないという問題もございますので、一概に課税最低限を引き上げた分を税率を上げることによってという手も効かないというようなことでわれわれとしては苦労をしているところでございます。
#181
○伊藤郁男君 先ほどもお答えをいただいたんですが、今後、財政再建期間中は大幅な増税は行わないとすれば、先ほども議論がありましたが、法人事業税の外形標準課税、こういうものを速やかに実施をすることが必要だと思うんですが、これがなかなか実施ができないということはどんな理由があるんでしょうか。
#182
○政府委員(関根則之君) 一口に申し上げて、やはり外形標準課税ということになりますと、その企業なり法人の収益と関係なしに事業税をいただくということになるわけでございまして、赤字であろうと黒字であろうとかかわりなく課税するわけでございます。特に中小法人等につきましては赤字企業が相当多いわけでございますので、そういった法人に対して外形だけで課税が実質的に、しかも税収を上げていくだけの外形標準課税ができるかと、そこに非常に大きな問題があるものと私どもは理解をいたしております。
#183
○伊藤郁男君 まあ事業税というのは結局さまざまな問題を含んでおるわけですが、特にこういうような低成長時代になると非常に弱いわけですね。したがって、やっぱり長期安定的に税収を確保するということになれば、この外形標準課税というものが私は真剣に議論の対象になってこなければならぬと思いますし、検討されなければならぬと、こういうように思うんですが、もう一度御見解を伺いたい。
#184
○政府委員(関根則之君) 先ほど申し上げましたのは、むずかしい点があるという意味で申し上げたわけでございまして、外形標準課税の問題につきましては、自治省としても前々から地方団体の税収の安定的確保のためにはそういう方式が望ましいという考え方をずっと堅持をしてきたつもりでございます。しかも、地方団体からのそういう要望も非常に強いわけでございますので、税制調査会等におきましても自治省は地方団体のサイドに立ちましてそういう主張も従来からしてきたところでございます。
 ただ、一応現在の議論は、税制調査会におきまして、課税ベースの広い間接税を導入していく、国税、地方税を通じてそういう制度をとるときの一つの関連部門としてこの問題を取り上げて具体的に検討すべきではないかと、こういう議論になっているわけでございます。私どもといたしましては、引き続き、基本的には先ほど申し上げましたように、外形標準課税の導入の方向へ向かって努力を続けていきたいと考えておる次第でございます。
#185
○伊藤郁男君 さっきも一部話がありましたけれども、地方税法第七十二条の十四及び七十二条の十七で、社会保険診療報酬に係る所得の課税除外制度というのがありますね。これは廃止の方向で検討すべきではないかと、こういう御意見がありましたが、私も同様なんですけれども、まあいまはお医者さんが低所得者だというようにとうてい考えられないわけですね。それと同時に、これを廃止したとしてもこれがもう大きな医療費の値上げにつながるというようなことでもない。したかってこのような優遇措置というものはもはや速やかに廃止すべきだと、こういうように私は思うんですが、その方向で検討されますかどうか。
#186
○政府委員(関根則之君) 社会保険診療報酬に対します事業税上の取り扱いにつきましては、私どもは基本的にはやはり何らかの改善措置をとっていかなきゃいかぬというふうに思っております。
 御指摘をいただきましたように、これに課税をするといった措置がとられた場合に、必ずしも医療費の値上げに直結するとは思っておりません。しかし、この事業税というのは経費として考えられるべき性格のものということになっておりますので、社会保険診療報酬に対して事業税を課するということになりますと、そのもとになります社会保険診療報酬の単価の中に事業税部分というものを織り込んでいくべきであるという議論にも合理性が生じてくるものというふうに考えられるわけです。その辺のところが従来の議論でも一番大きな問題となってきたというふうに承っておるわけでございます。
 今後ともそういうむずかしい問題はあるわけでございますけれども、私どもとしては何らかの解決策をこの問題について見出していきたいということにつきまして努力を続けてまいりたいと考えているところでございます。
#187
○伊藤郁男君 それでは、次に木材引取税、これは昭和二十五年度から始まっているわけですけれども、当時は五%の税率だったわけですね。それが現在では二%、こういうことになって、しかもこれは市町村税で最も税収の少ない税になっているわけですね。果たしてこのような税をこのまま置いておく必要があるかどうか、これについての御意見をお伺いします。
#188
○政府委員(津田正君) 木材引取税の問題でございますが、確かにこの税の税収額というのは五十五年度の実績を見ましても三十二億程度でございます。しかしこの税は、山林市町村にとっては非常に有力な財源になっておりまして、税収中の四分の一をこの木引税によって賄っておる団体もあるわけでございます。要するに、地域的に非常に特色のある税でございますし、また、山村におきます林道その他の整備というものを進めるに当たりましてやはり貴重な財源であると、このように考えておりまして、この税をにわかに廃止するというようなことは、財源の乏しい山林所在市町村への財政に対する影響というものを考えますときにとうていできないのではないかと、かように存じております。
#189
○伊藤郁男君 それはそういう特殊の地域についてはもう特別の措置を講じて、その地域の地場産業になっているわけですから、そういう産業のために特別の措置を講じて、その上で年間三十五億程度の非常に少ないものは廃止をすると、こういうように整理はできないですかね。
#190
○政府委員(津田正君) 地方税源全般の問題としましても、総体の比率というものがそれほどないにしましても、やはり地方自治の観点から申しますと貴重な財源でもございますし、特に山村におきましてはこれにかわるような税源もないというような事情もございますので、私どもとしてはやはりこの税を堅持してまいらなければならないと、かように存じております。
#191
○伊藤郁男君 こういうことが指摘されているんですね、その問題について。たとえば立木の量、これにはどの程度の税を訳せればいいかということですね。この判定がまず非常にむずかしい、税を取る方の側がですよ、徴収側からすると、それが非常にむずかしいということが一つですね。それから、わずかな予算をそのために計上しているけれども、申告がない、したがって経費の割合には効率の悪い税である。こういうような批判もあるわけですね。
 だから、そういう批判にこたえる意味でもこれはもう廃止をして、そういう特殊地帯には特別の措置によってその地場産業を確保し、育成していくと、こういうことで整理をすればかなり――先ほども非課税措置の整理合理化ということが議論になっておりましたけれども、そのことにも通ずるのではないかと思うんですが、もう一度お考えをお伺いします。
#192
○政府委員(関根則之君) 確かに徴税効率の点から言いますと、絶対枠も小そうございますし、各市町村によりましても、先ほど審議官が申し上げましたように、多いところでは税収総額の四分の一も入ってくるところもあるんですが、細かいところもあることは確かでございます。
 しかし残念ながら地方税というのは小さい税目も細々と拾いながら、それを集めてやっと三十数%の税収を確保していると、こういうような実情でもございますので、現に定着をしている特定の町村等ではこの税を本当に頼りにしているという面もございますので、しばらくはこの税についてこのまま存置をさせていただきたいと、こういうふうに考える次第でございます。
#193
○伊藤郁男君 それでは時間がありませんので、宅地並み課税の問題に移りたいと思います。
 国土庁にお伺いをします。
 先ほども議論がありましたが、C農地のうち三・三平方メートル当たりの評価額三万円未満のものについては課税をしない、これを対象外にしたわけですけれども、当初の国土庁、建設省の考え方の中にはこういうものは入っていなかったと思うんですね。これが突然入ってきた理由、入るには入っただけの理由があると思うんですが、その理由は何でしょう。
#194
○説明員(木内啓介君) お答え、申し上げます。
 先生御指摘のように、税制当局に要望する当初の案にはそういう点まで触れてございませんでした。しかし、いろいろ宅地並み課税のあり方等を議論していくにつきまして、だんだん市街化区域農地の中の都市施設整備の状況あるいは土地の利用の実態、そういうふうなものを研究してまいりました結果、どうも現状におきましてはすべてのC農地に課税するというふうなことはちょっと無理ではないかというふうに判断しまして、検討の過程において現在のような形に変更したわけでございます。
#195
○伊藤郁男君 先ほども議論の中でいろいろ聞いていますと、道路がちょっと狭いとか、ところによっては電気を入れるのに大変困難なところがあるとか、下水道もないとか、そういうところがあるんだと。下水道はいまはないでしょうな、農地ですから。下水道をつくるのにも大変だと、こういうことなんですが、三大都市圏、しかもプラス特定市の市街地ですよ。市街地にそんな農地がたくさんあるんですかね。そうでしょう。市街化区域というのは駅から近いとか商店街がいっぱいあるとか、こういう地域でしょう。その地域に電気を入れるのに大変困難なところがあるということを先ほど聞いたんですが、そんなようなところがたくさんあるんでしょうかね。
#196
○説明員(木内啓介君) 市街化区域でございますから、そう住むに住めないというふうなことは私はないかと思いますけれども、やっぱり宅地として評価し、それなりの税金をいただくというふうなことを考えてみた場合には、まだ都市整備の状況が十分でないというふうに思われるところがある程度あろうかと考えているわけでございます。
#197
○伊藤郁男君 そういうところの面積、先ほどは聞いてみると、自治省の方はC農地の中で約四割がそういう地域だと言うんですね。本当にそんなに四割もありますかね。
#198
○説明員(木内啓介君) 御指摘のように金額で三万円というふうにしてございますので、一つ一つの地域を対照してみますと、それが先生がおっしゃるような形の都市整備と全くパラレルになっているということではないかと思いますけれども、この施設整備の状況等が総合的に単位評価額に反映していると思われますので、三万円未満のようなところというふうな都市整備の熟度から申しまして、やはり全体の市街化区域の現在の対象の四割くらいになりますけれども、そういったところとほぼ概略一致するというふうに考えておるわけでございます。
#199
○伊藤郁男君 それでは、これも先ほど余り明確な答えがなかったんですが、営農の継続が認められて課税が免除される農地の規模というものはどのくらいのところをいうんでしょうか。
#200
○政府委員(関根則之君) 長期営農継続農地として一定の要件を持っているものとして私どもが考えておりますのは、その農地の一団としての面積とそれから別途経営主体が一つの農家とした場合に、それが経営している農地がどの程度あるのかと、そういう二つの側面から要件を設定したいと考えております。一団の農地につきましては、考え方の基本として、従来と同じように〇・一ヘクタール以上ということを基本にいたしまして、しかしそれにいたしましても、従来から日本では反という面積が使われておりますので、一反というものにつきましても要件を満たすものとして取り扱いたいという農業関係の方々からの御意見もございまして、政令では九百九十平米以上の一団の農地というものを書いていきたいというふうに考えております。また、一農家当たりの経営面積といたしましては、同じように九百九十平米以上、これが大体一反に相当するわけでございますが、そういう書き方をしていきたいというふうに考えております。
#201
○伊藤郁男君 そうすると、この関係資料の中にあるように、いまおっしゃったように、面積からいけば三百平方メートル以下ですね。そうじゃないですか、九百九十平米、そういうことになるわけですか。それはそれでいいんですが……。
 そこで、その「十年以上営農を継続」の意思を確認をするわけですね。そういう意思を確認をしておきながら五年に区切ってその見直しをすると、この辺のところがよくわからないんですが、十年以上おれはやるぞと、とにかくここで専業農家としてがんばるぞと、こういう意思を確認をしておきながら五年で見直しをする、その意味はどういうことでしょうか。
#202
○政府委員(関根則之君) 先ほどの答弁であるいは明確を欠いたかと思いますので申し上げておきますが、一団の面積及び一農家当たりの経営面積が九百九十平米以上の農地のことを考えております。従来の坪で申しますと、三百坪ということに相当すると思います。
 それから、「十年」の問題でございますけれども、あくまでも長期営農継続農地としての認定を受け、税額の徴収猶予を受けたいと、こういう制度に乗るためには、経営の意思を十年以上持っていなければいけないという考え方でございます。十年以上営農をしたいということで申告をしていただき、それを農業委員会を経由して市長に出していただきまして、市長が農地課税審議会の議を経て、確かに十年以上本人が営農の継続の意思があると、しかもその土地の面積等について要件を満たしておるということを確認をしていただきました上で長期営農継続農地としての取り扱いを受けると、こういう仕組みになるわけでございまして、制度そのものはあくまでも十年の営農継続意思というものを基本といたしております。
 ただ、問題は、そういうことで、それじゃ長期営農継続農地としての取り扱いをいたしましょうというふうになりましたものを、毎年農地並みの課税を上回る部分についての税額の徴収猶予をしていくわけでございますが、その課税債権というのは十年間毎年毎年出てくるわけです。それを調定をし、かつ長期営農継続農地でございますので徴収猶予をいたしますと、この手続を十年間繰り返すということになりますと、課税手続上の大変な手間がかかってくるわけでございます。保存しなければならない書類の量も相当大きなものになってまいります。まあ、事務手続なんかはどうでもいいじゃないかという議論もなきにしもあらずかもしれませんけれども、やはり役所のやる仕事でございますので、できるだけ簡素合理化を図りながらやっていきたいという要請もございます。
 また、一方、余りいつまでも課税債権というものを長い間不安定な状態のまま置いておくということは、これは税本来の制度からも必ずしも望ましいことではございません。租税の債権の時効が五年間というようなことにもなっておりますし、そういった税に関連をいたします債権の取り扱いの一般原則からいたしましても、五年というのがおのずから一定の限界であるというふうに私ども認識をいたしておりますので、そういう面からも徴収猶予手続、そういう手続だけは五年間で一たん区切っていくべきではないか、いくことが一つの賢明な方策ではないかということを考えて、そういう制度をとらしていただいたわけでございます。
#203
○伊藤郁男君 それでは農水省にお伺いをするんですが、いま三百坪以上ということがありましたですね、面積からいけば。そうすると、その適正な営農ですね、農業をやって生産をしてそれを売って利益を得るという、その適正な農業というものについてどういう考えを持っていて、適正な農業とは一体何なのか、これをちょっと農水省にお伺いしたい。
#204
○説明員(吉國隆君) 御質問の御趣旨は、農業の適正な規模を面積との関係でどう考えるかという御趣旨であろうかというふうに思いますが、先生御案内のように、農業経営は地域により作目によりましていろいろな形態がございまして、どれだけの面積があれば適正規模であるというふうには一概に申し上げられないという実態がございます。都市近郊におきます生鮮野菜の農業につきましては、比較的小規模でかなり高回転の、また高所得の生産を上げておるという実例もあるという状況に相なっておる次第でございます。
#205
○伊藤郁男君 一概には言えないと、こういうことですか、適正な農業というものは一概には言えないと。
 そこで、この営農継続の意思ある者は、その旨農業委員会を経由して市長に届け出することによって税金の免除が受けられると、こうなるわけですが、それじゃ、こういう適正な農業を営んでいるのかいないのか。たとえば、その市街化農地でキャベツをつくっている、そのキャベツが本当に収穫されて市場に持っていかれて売られて、それから利益を得ているのかどうかということを一体だれが確認をするのか。最終的には市長がということになっているんですが、だれがそれを確認をするのか。農業委員会を経てというんですが、その前段で、果たして本当に適正な農業を営んでそれによって利益を得ているということを絶えずチェック、確認をする者はだれかということですね。それがなければ、土地は農業をやっているということで認定をされていながら、実際は、中身を見ると草ほうほうと同じような状況で営農も何もやっていない、こういうことにもなりかねないですね。だから、絶えずそれをチェックしていかなければわからないですよ、本当は。それをだれがやるのか。市の職員がやるのか農業委員会の関係者がやるのか、その辺はどうなんでしょうかね。
#206
○政府委員(関根則之君) 最初、長期営農継続農地として認定をいたします段階におきましては、本人の申告に基づきまして、それを農業委員会を経由することによりまして、最も農業の実態についてよく知っている方々で組織している機関でございます農業委員会を経由すれば、そこで実態が申告書とまるで違うといったようなことはいろいろと教えていただけるんじゃないかと、そういうことを私どもは期待をいたしているわけです。しかも、手続の慎重を期するために、市長が認定をいたします前に農地課税審議会の議を経るという手続をとりまして、スタートの時点で間違いのないようにまずするということがあるわけでございます。しかし、その後、最初はまじめに農業を経営をしているけれども、途中で荒らしづくりのようなものに変わっていってしまうという心配も確かになきにしもあらずでございますが、これはあくまでもそういう状態の継続がなされているかどうかの確認は、市長が市長の責任において行うということになります。もちろん市長さん一人で全部回って歩くわけにはいきませんので、市長の補助職員としての税務課の職員なり何なりを動員をいたしまして、そういったものの確認はしていく、現状把握というものはしていくことになるものと考えております。
#207
○伊藤郁男君 もともとこの今回のC農地の課税ですね、この問題は宅地供給が目的でしょう。いま宅地というのは非常に供給状態が悪いわけですね。民間が住宅建設のために持っている土地もそんな大きなものじゃないですよ。したがって、その宅地供給のために市街化農地についてはこの法改正があると思うんですね、その目的があると思う。
 したがって、これは建設省にお伺いをするんですが、今回の法改正によって、来年からすぐ効果が出るとは私は思えないですよ。しかし、経済企画庁なり政府なりが、建設省もそうですが、百三十万戸をつくるんだと、この見通しも大変僕は怪しいと思うんですが、もちろん景気浮揚のためにこれは積極的にやってもらわなければいかぬわけですが、そういうことで宅地供給というものは現下の重大な問題ですね。
 そこでこの改正によってこれから五年の間に、即来年これだけ供給できるとは、私はそんなことを質問しているわけじゃないんですが、少なくとも五年の間にはこの法改正の効果というものはどのように出てくるのか、そしてそれが宅地化される見通しですね、これをお伺いしたい。C農地だけではちょっとむずかしいかもしれませんが、A、B、C農地を含めてどの程度今後五年間に宅地供給ができるのか、それを最後にお伺いして終わります。
#208
○説明員(黒川弘君) 今後五年間に今回の宅地並み課税の改正によってどの程度宅地が供給されるかという御質問でございますけれども、宅地供給量の数量そのものを出します際は、各種のいろんな社会的、経済的な諸条件によって影響を受けますし、各般のいろんな総合的な宅地供給施策の総合的な結果として把握すべきものでございますので、今回の改正でどれだけ出るかということを数量的に具体的に申し上げることは非常に困難でございますけれども、今回の改正の中身がA、B農地からさらに三・三平方メートル当たり三万円以上のC農地まで拡大すること、それから長期営農者に対する配慮につきましても、長期営農の意思を従来の三年から十年に延ばしていること、あるいは実際上それを宅地化しようとする農家に対しましては別途譲渡所得税の軽減という措置を今後三年間に限り講ずることにしております。
 こういうことによりまして、相当程度農地の宅地化が推進すると考えておりますが、ちなみに従来の宅地並み課税が行われておりました特定市のA農地、B農地につきまして、昭和四十八年から五十五年度までの間に大体六千ヘクタール農地が減少しておりまして、この間の減少率は約三八%でございました。そういう全体の中で、われわれとしましても昨年三月に宅地需給の長期見通しというものを立てておりますが、それに見合うような形での宅地供給が行われる。そのほか、もちろん宅地並み課税だけではございませんで、そのほかの土地税制あるいは各般の宅地供給事業の推進、そういったことによって達成されるものというふうに考えております。
#209
○神谷信之助君 まず、大臣に基本的な問題でお伺いしたいと思うんです。
 私は、毎年この地方税法の審議をするに当たっていつも疑問に思うわけですが、たとえば、きょう当委員会で審議をして採決まで行う予定になっています。あした、三月三十一日ぎりぎりに地方税法は成立すると、こうなるわけですね。そうしますと、地方議会の方は、これ全く審議をする期間がなくて、大体長の専決事項ということになってしまう。しかし、地方税というのはその地域住民が負担をするわけですね。地方自治体が、その地域の住民自身がその負担を、自分たちの暮らしを守るために自分たち自身の組織としてつくっている、何といいますか、地方議会で自分たちの代表が審議できない、それで国会でやらなきゃならぬ、こうなってきます。しかし、その国会の審議もきょう一日しかないということで、相当多くの問題をはらんでいるんだけれども、あとは法ができてからでもやろうかと、こういうことにせざるを得なくなっておる。そうすると、本当にそれで国民、特に地域住民自身が納得する税金という、そういうことになるのかどうか、この点私は非常に地方自治とのかかわりから問題に思うんですけれども、大臣はどういう御見解が、まずお聞きしたいと思います。
#210
○国務大臣(世耕政隆君) 御指摘のように、大変時間が切迫した中で御審議いただくのは非常に心苦しく思っております。しかしながら、これらのいろんな地方税に関する法案も、やはり直接に地方の住民に四月からいきなり影響してきますので、そういう意味で少しでも早くという気持ちでございまして、御審議をお願いしているわけでございます。
#211
○神谷信之助君 私はいろいろ考えるのですが、幾つがその原因はあると思うんです。一つは大体提案が遅いという問題がありますね。これは政府自身の責任であるという問題があります。それから第二は、やっぱり地方税法自身の中身が非常に細かく規定してあって、ある意味では地方議会がそれほど審議をしなくてもいい、そういう地方自治体自身の裁量権が極度に制限をされておるといいますか、そういう内容になっているから、ぎりぎりにやってもそう支障を来さない、そういう面も一つある。これはやっぱり、特に後段の問題は、地方自治の問題から言うと私は大変問題だというように思うんですね。
 だからやっぱり、少なくとも地方税法に規定すべき内容というのは、地方税の税の種類といいますか、税目、それから課税客体あるいは標準税率、上限、下限を決めるかどうか、そういった点、これらを含めまして基本を法定する、そして、それぞれの地域で住民自身の判断でそれぞれ決めていく、こういうように、最大限に地方自治権を生かしていく。そうすれば、自分が税金を出すんですから、それがどう使われるか、もっともっと密接になっていくし、自治意識の向上にもなっていくというように私は思うんです。ただ、そういう意見を言うと、ばらばらになって、アンバランスがあってどうのこうのという意見がありますけれども、今日のように交通あるいは経済、あらゆる面で境界線自身もわからなくなってきている状況ですから、若干の混乱は一定時期起こっても、それは全体として統一されてくる。その中でそれぞれの地域の特殊性に応じて、この事業をやるためにはこういうそれだけの財源を、よその市は税率が五%なら五%だけれどもうちは六%にしてその分をどうしようとかいう、もっと自分たちのふるさとを生かす、自分たち自身で計画をし発展をさせる、そういう芽が伸びていくんだろうと思う。本来私はそういう方向に地方税法自身も考えなきゃ――もちろんこれは地方税法だけじゃなしに、自主財源の問題あるいは起債の自由の問題、あるいは国と地方との事務の再配分の問題等とも相またなければ、これだけではそうはいきませんけれどもね。だから、そういうことを私はもっと考えなきゃならぬのじゃないか。
 いわゆる第二臨調で国と地方の事務の再配分問題が議論になる予定になっておりますし、その報道もされていますが、それを聞いている範囲では大体国の立場からいろいろ検討をされているように考えられる、われわれから見ますと。本当にこの地方自治をどう発展をさせるかという、そういう立場からの議論というのが余り出ていないように思う。この点は大臣自身も所信のところで地方自治を確立をするという、これを重大な柱にされておるわけですから、私は、大臣自身の任期も最近は短いですからなんですが、ぜひ私は大臣自身の任期の中でひとつそういう方向づけといいますか、それから自治省自身がやっぱりそういう立場で実際の意見もくみ上げながらこの機会に地方自治を確立をする方向を目指す、そういう検討をすべき時期ではないかというように思うんですが、この点について大臣の所見をお伺いしておきたいと思います。
#212
○国務大臣(世耕政隆君) ただいまおっしゃる御意見は、一つ一つ首肯できる面が非常にあるかと思います。ただ、もちろん住民の需要、住民の声、そういったものを基調にすべきでございますが、一方、地方自治体の自主性の尊重、それから自律性、そういったものを尊重して、またそれを強化していく、こういうことはもちろん地方自治行政の一番根幹になることでございますが、一方においては国、地方間の税源の配分があるかと思います。それから地方税法の中では国民の地方税負担の全国的な均衡、こういうものをこちら側としては考えていかなきゃならないし、また、全体としては、そういう方向をもちろん考えた上での地方税法をやっていかなきゃならない。それからもう一つ、各地方団体間における地方税の課税権の調整、これを図っていく必要があるのではないか。また、一方では、年度末に各地方団体の条例改正がそこの首長の専決処分による場合が多いわけでございますが、そうした場合においても、たとえば事前に議会に説明するとか、急にそれを施行するような場合に、改正部分以外は専決処分から外していくとか、別途議会審議によらしめるなど、議会の意思を十分尊重するように工夫していくべきであると、こんなふうに私どもも考えておるわけでございます。こちら側としても、十分地方自治を尊重しながらいろんな工夫をしていくべきではないか、そのように考えているところでございます。
#213
○神谷信之助君 大臣の見解はわかりましたが、私は、先ほど税務局長もおっしゃったように、現に地方税は全体で言うなれば必要財源の約三分の一、三〇%程度でしょう。残りは交付税とそれから補助金、国庫支出金、その他と、こうなるわけです。言うなれば、補助金というのは一遍国に吸い上げてそれからおろすわけです。だから、実際仕事をするのは自治体がその合計の仕事をやる、交付税を含めましてやっているわけでしょう。本来は、もっと地方に税目を回してそれでやれば、いわゆる補助金行政の、いろいろ国会でも私も取り上げてきたようなそれにまつわる汚職、腐敗とかいうやつはなくなってくるんだし、もっとはっきりでぎてくる条件はあるわけですね、もっと具体的に。だから、そういうことを明確に言い得るのはやっぱり地方自治の確立を目指す自治大臣の立場でしか私は言えないと思う。これはほかの人は言わない。だからそういう点を私は一つは考えてもらいたい。
 それから、確かに専決事項でない一定の部分は後でまた議会で議論される部分も若干あります。それは一定の幅のある税目に限ります、あとは地方税法でこう決まりましたからという説明をするだけなんです。だから、それでは議会自身の決定権はないんです。だって法律で決まったやつを変えるわけいかぬのですからね。もうそういうように厳格に決まっている。地方税法には非常に細かく決めていますよ。ですから、そういう点はひとつ含めまして検討してもらいたいということを要望しておきます。きょうはそれを中心に議論しようとは思っておりませんが、その点特に新大臣に要請をしておきたいと思います。
 時間が限られておりますから、あとは衆議院で取り上げました問題以外の点で二、三、時間の許す限りただしていきたいと思うんです。
 第一の問題は、住民税の問題です。これは御承知のように、五年間所得税は減免がなされていないという状況があるし、住民税も五十五年ですか、やってからですからこれで三年目になるんですね。こういう状況になっています。実質の所得の目減り、可処分所得の減少、こういうことから今日の消費不況時代になってきて、一兆円減税問題というのが非常に強い要求になってきているわけです。ですから、所得税の減税と同時に住民税の減税というのも各党が要求をして、合わせて一兆円ということになっております。私どもの党は、同じ減税をするなら、同じ減税財源ならば、低所得者にとって有利になる税額控除方式というのを提起をしているわけですけれども、本当にこういった現実に住民の生活を守るそういう自治体行政、あるいは自治体とそれぞれの地方の政治を全体として把握をしている自治大臣として、今年度予算を編成をする昨年の暮れの段階で、住民税の減税が必要であると、そういう御主張はなさったでしょうか。
#214
○国務大臣(世耕政隆君) 御存じのように、地方の財政状況が、五十六年度の地方財政の一番終末で大体四十兆円、それから五十七年度の一番最後で四十二兆円の借金、それから公営企業で借りている地方のいろんな借金を入れますと大体五十兆ぐらいで、財政的な状況が非常に厳しいので、課税最低限の引き上げというのが、実際にはやりたい気持ちもありましたんですが、現実問題としてできなかった。けれども、このままでいいかということになりますと、何か努力する方向はないかというので五十六年度も非課税限度額を引き上げた。それから五十七年度もやはりこういった――五十六年度に余り今年度限りと言った手前、五十七年度はどうかということもいろいろありましたんですが、五十七年度に限り非課税限度額を引き上げるという、まあ言うなれば苦肉の策ということでございますが、こういうことでお許しをいただいたような次第でございます。
 ただ、先般から国会で与野党のいろんな一兆円減税に関する話し合いがありまして、それに議長のいろんな調整もありまして、これが恐らく予算が終わりますと小委員会で審議にかかると思うのでございますが、われわれの方も、これは減税の問題が審議されるその進行状況に応じていろいろ対応する体制を検討しながら組んでいかなきゃならないのではないか。
 ただ、五十七年度に地方税それから住民税に関する減税云々になりますと、非常に技術の上で困難が生じできますので、その点をどういうふうに考えていくか、これは当然重要な検討課題であるかと存じておる次第でございます。
#215
○神谷信之助君 いまの大臣の答弁で、引き続いてちょっとただしたい点もありますが、ここはひとつ財政局長なり税務局長であれしてもらいたいと思うんですがね。
 私は、本来住民税減税をすべき状態が住民の生活の実態から生まれている。それで、苦肉の策といま大臣もおっしゃったけれども、まさにこそくな手段で非課税限度額を九万円加算をするという今回の措置を去年に続いてあえておとりになるということで糊塗されておるんですよね。本来住民税減税が必要だ、たとえば、三千億なら三千億の住民税減税が必要だということになれば、五十七年度の地方財政計画といいますか、これは財源不足額が出てくる、三千億なら三千億。ほかにもいろいろ操作されているように私は見ているんだけれども、それは触れませんけれども。だから、とにかくプラス・マイナス・ゼロにするために、しなきゃならぬ住民税減税も九万円加算するということでごまかして、とにかくそのほかいろんな操作もしながらプラス・マイナス・ゼロにするというように考えざるを得ないんですよね。その点はどうです。
#216
○政府委員(関根則之君) 財政計画の収支じりを合わせるために減税をしなかったというわけでも実はないわけでございまして、私どもといたしましては、基本的には、やはり正規の課税最低限が生活保護基準額を下回ってしまっておる、こういう事態というのは確かに正常な状態であるというふうには思っておりません。変則的な事態であるというふうに考えておる次第でございますけれども、いかんせん、やはり一方で増税なき財政再建ということで、財政の再建は進めなきゃいかぬ。そのかわり増税の方は、安易に増税に頼るべきではない、こういう枠をはめられた中で住民税減税をもし本格的にやりました場合に、それの財源をどこから見つけてくるかということになりますと、実際問題として財源の調達が非常にむずかしいわけでございます。そういう中で、財源の制約から住民税の本格的な減税というものができ得なかったというふうに御理解をいただきたいものと考えております。
#217
○神谷信之助君 従来から住民税減税というのは、地方財政が豊かだからやれたという問題ではないんだ。たとえば、五十五年度に若干ではあったけれども減税をやられた。豊かでなかったんでしょう。財源不足額があった、あったけれどもやる必要があったからやる。いまの大臣の答弁ですと、やる必要があったんで本来はやりたかったんだ、しかし、財源がないからと。だから、結局三千億なら三千億の住民税減税をやればその不足は出てくるんだし、したがってその不足の補てんについては臨時特例交付金なり何なり、あるいは特別会計を使うなり、交付税特会を使うなり、いろんな措置ができるんですよ。やろうと思えばできる問題である。問題は、やろうと思わないのはなぜかと言えば、それほどの必要性を感じてなかったところに問題があるんじゃないか。だから、大臣の先ほどの答弁と事務当局の方の考え方とは若干食い違いがあるように、大臣の答弁を善意に解釈すれば、私はそうとらざるを得ないんだけれども、大臣どうですか。
#218
○政府委員(関根則之君) 財源が苦しいときでも減税をしたではないかというお話でございますが、確かに財源が必ずしも十分税で補てんされないまま減税を実施した事例はないことはございません。ただ、五十五年度の税制改正等の場合におきましては、減税を実施するに際して課税最低限は引き上げましたけれども、税率構造をいじりまして、上の方に多少重くかけまして、住民税全体としては何とか減税といいますか、補てんを済ましたような形で処理をしたということもあるわけでございます。
 今回、確かに財源なしにでも減税すべきではないかという議論はわかりますけれども、やはり地方財政が厳しい中、しかも厳しい地方財政を穴のあいたままいりまでも放置をしておいてよろしいという情勢ではございません。国の方でも財政再建を本格的に軌道に乗せていって、五十九年には特例公債の発行額をゼロにしよう、そういう体質改善を図っていこうというときでもございます。地方財政におきましてもそういう考え方で財源確保をし、財政の健全化を図っていこうというような過程の中でございますので、ここで税において補てんのないままある特定部門において減税をするということがなかなか困難であったというわけでございます。
#219
○神谷信之助君 大臣、やっぱり私は、たとえば輸出問題というのはだんだん厳しい条件に置かれてきている。いままでの成長率というのは、輸出に支えられて一定の水準を保ってきた。ところが、その輸出がいま鈍化をしてきている。したがって、内需をふやさなきゃいかぬというのが大体政府側の答弁ですね。それが大方の認識になりつつあります。
 そこで、それじゃ内需をふやす措置として一体何が必要だろうかということで出てきているのが、いま全体の国民的要求になっているのが国税、地方税を通じての一兆円減税の要求になっていますね。これはNHKの調査なんかを見ましても、非常に大多数の国民の願いという状況になってきている。しかも、それは何といいますか、いわゆる低所得者層といいますか、そこに減税の恩典ができるだけかぶるようにする。というのは、そこはもうぎりぎりの、買うべきものも買わないで、生活に必要なものであっても抑えて、そして生活を切り盛りするわけですから、そこに収入が少しでもふえれば、これは商品化します。しかし、逆にそれほど必要性を感じないところでは、じっと持つ。商品を買うということにならないわけでしょう。だから、本当に内需に刺激を与えるということになれば、低所得者層に対する減税措置というのが必要だろうと思うんです。
 だから、そういう意味でわが党は税額控除方式というのを提案しているわけです。そうして商品の流通を刺激をし、そうして内需を高めないことには、恐らく五十七年度あるいは五十八年度にかけて大変な事態を再び三たび迎えなきゃならぬという、そういう状況になってきているというように認識しているんですよ。
 ですから、それだけに確かに政府閣僚の一員として単純に、率直に大臣の個人的見解を述べるわけにいかぬだろうと思いますが、しかし私は、そういう認識については大臣も御同様ではないかと思うので、そういう認識の上に立って、国税、地方税を通じての減税の問題、いま国会でいろいろの動きがありますが、わが党はもっと思い切って軍事費一兆円以上の削減あるいは大企業に対する優遇措置にメスを入れるということによって、単に一兆円減税だけじゃなしに、福祉、教育その他の生活擁護の充実を要求する組み替え案を出したわけですけれども、少なくともそういう方向に向かって、国会の動きもあるでしょうが、やっぱり努力をしてもらうし、とりわけ自治体における住民税減税については最大限の努力をすると。当然のことだと思いますが、その決意を伺っておきたいと思うんです。
#220
○国務大臣(世耕政隆君) 御指摘のこともよくわかります。われわれとしては、あくまで国会の情勢の推移、それから国会でのいろんな御議論の経過を見ながら、十分に検討しつつ対処してまいりたいと思います。
#221
○神谷信之助君 それは一般的ですわ。自治大臣の見解を。
#222
○国務大臣(世耕政隆君) 自治大臣といたしましても、これは当然国の行財政改革の一翼を担うものでございまして、その上に立ってやはりいろんな税制の措置とかそういうことを行いながら今日に至ったわけでございます。したがって、減税に関しましてもそういった考え方を基礎に入れまして対処しているわけでございますから、先ほど申し上げたお答えと同じことになると思います。
#223
○神谷信之助君 それじゃそういうことにしておきます。
 それで、少し具体的な問題に入りますが、非課税限度額の問題ですが、いわゆる四人の標準世帯でこれは九万円ですが、四人で一体幾らになるか。その場合の所得の金額と給与所得控除前の収入の金額、この二つの点についてお答えいただきたい。
#224
○政府委員(関根則之君) 配偶者または扶養親族を有する者に対しまして、一世帯当たり九万円の追加を今回お願いを申し上げているわけでございますが、その結果といたしまして、標準世帯における非課税限度額は百八十八万五千円になります。
 その際の所得金額でございますが、給与世帯として考えておりますので、給与所得控除を差し引きました金額は百十七万円でございます。
#225
○神谷信之助君 現在の住民税の標準四人世帯の課税最低限は百五十八万四千円ということですが、その次にちょっとお伺いしておきたいのは、これで減税額といいますか、減収額が幾らになるかという問題です。それは、一つは非課税限度額の引き上げによれば一体幾らになるかということと、同じ水準でいまおっしゃった百八十八万五千円ですね、これまで課税最低限の引き上げを行ったという場合の減収額というのは幾らになるか。この二点です。
#226
○政府委員(関根則之君) 非課税限度額の今回の九万円プラスによる引き上げによる減収額は、初年度十二億円でございまして、平年度は十四億円と見込んでおります。
 それから二番目の、課税最低限を百八十八万五千円相当額まで引き上げる場合の減収額の見込みでございますが、初年度三千百六十四億円、平年度三千六百八十五億円を見込んでおります。
#227
○神谷信之助君 仮に課税最低限を九万円加算をするというのに相当するところまで引き上げるだけでも平年度で三千億余りになりますね。というのに対して、今度の措置というのはわずか平年度で十四億でしょう。だから、そういう意味では、何といいますか、苦肉の策にしても余りにもけたが違い過ぎるという点が私は非常に問題だと思う。だから、実際は、逆転現象をなくすためのいわば姑息な手段にすぎないのであって、苦肉の策とまでも言い得ないものではないかというように思うんです。
 しかし、いずれにしても九万円加算をするということになったんですが、その基礎になるところの生活保護基準額、これを標準世帯いわゆる四人世帯でどのくらいとして計算をされたのか。この点はいかがですか。
#228
○政府委員(関根則之君) 生活保護基準は、私どもが住民税の課税最低限と比較をいたしますときには、住民税が前年所得課税でございます関係で前年の生活保護基準と比較をさしていただいております。したがって、五十七年の非課税限度額を考えますときに比較対象となりますのは五十六年度の生活保護基準でございまして、三扶助を含みまして百七十五万三千円という金額を頭に置いて検討を進めたわけでございます。
#229
○神谷信之助君 そうすると、五十六年度の、現行の非課税限度額でいきますと百七十五万七千円だから、いわゆる近づいているわけだね、あと四千円というところまで来ている。ということで、百八十八万五千円まで限度額を引き上げる、こういうことになるんでしょうね。
#230
○政府委員(関根則之君) 一応標準世帯に関する限りは、かすかすではございますが、このまま全然手を入れませんでもクリアはしているわけです。しかし、余りにもかすかすのわずか四千円ぐらいで置くということはやはりいかがなものか、何らかの措置を要するというふうに判断をいたしまして措置をしたような次第でございます。
#231
○神谷信之助君 そこで、生活保護を受けておられる方に非課税措置をする理由ですね、その理由は一体なぜですか。
#232
○政府委員(関根則之君) 生活保護基準というのは、生活保護法にも規定をいたしておりますように、国民の最低生計費を賄うに足りる金額でなければならないし、また、それ以上であってはならないという考え方に基づいて定められている金額でございます。所得課税を私ども考えます場合に、やはり所得課税というのは課税される人の最低の生活費に食い込んで課税がなされるということは避けるべきであるという考え方に基づいて生活保護基準と課税最低限とを比較を常に検証を怠ってはならないというふうに考えておる次第でございます。
#233
○神谷信之助君 そこでさらにお聞きしたいのは、この非課税限度額の制度は所得割について行うということですが、均等割の場合はどういう措置をおとりになっていますか。
#234
○政府委員(関根則之君) 均等割につきましても非課税限度額を定めているわけでございますが、これはあくまでも基準を国の段階で定めまして、実際の適用につきましては各地方団体の条例でその金額を定めている、こういう仕組みになっているわけでございます。
#235
○神谷信之助君 具体的にちょっと言ってください。
#236
○政府委員(関根則之君) 均等割の非課税基準は今回の改定後におきまして百六十四万二千円でございます。
#237
○神谷信之助君 そうすると、均等割の非課税になる人は百六十四万二千円以下だと、こういうことですね。ところが、先ほどのいわゆる生活保護基準以下の者、先ほどの案でいきますと百八十八万でいくか百七十五万三千円で見るか、いずれにしても、その差というか、それ以下の人が、均等割が課税をされるということになってしまうということになりますが、いかがですか。
#238
○政府委員(関根則之君) この均等割というのは、できるだけ広く住民に地方団体の要する経費を分担していただくという趣旨の非常に強い、いわば人頭割的な税金であるわけでございます。そういうことも含めまして、もともとできましたときには所得に関係なくすべて納税をしていただく、こういうシステムをとってきたわけです。その後、しかしそれにいたしましても余り低所得者にまで負担を求めるということは適当ではないということで、だんだんと収入の低い方々に対する非課税措置というものを導入をしてきたわけでございます。御指摘のように、夫婦子供二人での三扶助を含めました金額には達しませんけれども、五十六年度の生活保護の一番中心でございます生活扶助額だけをとりますと百六十二万八千円でございますので、私ども均等割につきましては、この基本となります生活扶助額を下回ることのないようにということを念頭に置きまして金額を定めておるわけでございます。
#239
○神谷信之助君 まあ生活扶助額の百六十二万八千円を基準にしてお考えになっているということなんですけれども、しかし片一方では九万円加算をする、それに該当する収入といいますか、控除前の収入でいけば百八十八万五千円、それと同じように均等割も措置するとか、あるいは所得割も含めて非課税措置をすると保かということであれば、当然そこは非課税措置にすべきラインじゃないか。あるいはそこまでは無理にしても、百歩を仮に譲ったとしても、少なくともいわゆる一級地を基礎にした、先ほどの生活保護基準の支給の百七十七万三千円ぐらいまではこれは均等割の対象にしない、均等割を非課税にするという措置を考えなければ、これは税の公平という点からいうと、不平等が起こるということになりはしないんですか。私はこの点が一つ問題ではないか。あるいは矛盾ではないか。いわゆる加算額のそういう措置だけをすると、そうすると、片一方の生活保護を受けている人と、実際に一定の収入があり、いろんな控除がされたにしても、収入としては、それから控除されるわけですからね。そうすると、これは働いている方が税金を取られる、収入が少ないのに税金は出さないかぬという矛盾が起こってくる。だから、少なくとも私は百八十八万五千円ぐらいのところまで考えるべきじゃないかと思いますが、最低少なくとも百歩譲っても百七十七万三千円というところの辺までは検討すべきではないのかというように思いますが、いかがですか。
#240
○政府委員(関根則之君) もともと生活保護というものと、課税最低限なり税法上の非課税限度額というものをストレートに比較することがいいのか悪いのかという問題はもちろんあるわけでございます。もともと制度が違いますし、そもそも生活保護基準を設定をし、かつそれを実際に支給する段階になりますと、単なるフローの所得だけではなしにストックまで実は手を入れまして、資産がどの程度あるのか、あるいは貯金がどの程度あるのかと、そういうものの処分によって生活維持ができるのかできないのか、そこまでの判定をした上で生活保護の実際上の支給が開始される、そういったような問題もあるわけでございまして、そういった絡み合いの中で、先生御指摘のような方法にするのも一つの方法であるとは私ども思います。きれいな形で説明ができるという方法ではあると思いますけれども、やはり均等割については住民である以上は、できるだけ数多い方々にその団体の少なくも人頭割的な一番基本になるような税というものを分担していただいたと、納める人にとってもそういう自覚を持っていただくというような意味もあるわけでございますので、そういう意味を含めて一番基本となる扶助額、これをもう下回るということはやはり問題があろう。そのほかの住居でありますとか、教育でありますとか、こういったような扶助額まで加えた額のものまですべて非課税にしてしまうということはやはりいかがなものかということで、そこのところの区分けをしているわけでございます。何せ相当低所得者に対する課税でございますから、私どももできるだけその辺のところは配慮を加えていきたいというふうには考えておりますけれども、やはりシステムとしてはこの程度のシステムしかつくれないというのが現実でございます。
#241
○神谷信之助君 局長もおっしゃったように、理論的にもまた実態的にも若干問題は私はあると思うんです。ただそれを、均等割はできるだけ多くの人に負担をしてもらうということを、そういう立場から強調されるんですけれども、私はそこにやっぱり発想の根本の誤りがあるんじゃないか。上から、均等割三百円でも五百円でも出せということで自治意識が高まるものではない。だから、一番初めに私が言っているのは、自分たちが負担をする税金について自分たち自身が判断できる、そういう条件をどうつくるか、このところから出発をすることこそ、実は、自分たちで自治体をつくり、自分たちで自治体を支えているんだという考えが広がっていくので、頭から、もうできるだけたくさんの人に出してもらうんだ、おまえは所得は少ないけれども、それでも一人は一人だといって、人頭税的なそういう税金の取り方自身に私は問題がある。これは後段の部分です。前段の部分は、一定の御認識の点では一致をする面があるんで、これはひとつそういう点も含めて検討してもらいたいというように思うんです。
 そこで、もう時間がありませんからあれなんですが、続いて所得割の問題についてお聞きするんですが、いまの百七十五万三千円に少なくとも生活保護者の生活保護の勤労控除分、これはプラスされるということになりますわね。
#242
○政府委員(関根則之君) 生活保護基準の扱いの問題でございますので、直接私どもが有権的な答弁の資格があるかどうか疑問でございますけれども、承るところによりますと、そういう、勤労をしてそれに伴う収入がある場合に、収入の中にそれをカウントしないといいますか、収入があるからといって生活保護を外すというようなことはしていないというふうに聞いております。
#243
○神谷信之助君 さらに、生活保護の住宅扶助についても、各都道府県知事の権限で特別の基準を設けてかさ上げをしているという実態があります。これをプラスするという実態がある。だとすれば、この百七十五万三千円にこれらをプラスをして、それに見合う限度額というものを、これもまた考える必要があるのではないのか。そうでなければ、生活保護受給者以下の人が課税をされるという、そういうことにまたこれなってきますわね。こういう問題もこの所得割の問題では起こってくるんじゃないかというように思うんですが、どうですか。
#244
○政府委員(関根則之君) 片一方課税を受ける方の方の所得というものを固定をいたしておきまして、生活保護を受ける方について、標準世帯で百七十五万三千円あり、その上に一定の勤労に伴う収入がある、そういう人たちを比較いたしますと、確かに先生のおっしゃるような問題が起こると思います。しかし、そういういろいろなケースをとりまして、それぞれ、片方が幾らふえ、片一方の方がどれだけふえたからということでやっていきますと、実は、所得があって課税をされる方方の方にもいろんな問題が実はあるわけでございます。たとえば、少額貯蓄についてのマル優制度によって利子所得がありながらそれがカウントされていないというような問題もありますし、いろいろ言い出せば切りがない問題があるわけです。そういうものをやはりカウントしていくということになりますと、一番基本になる生活保護基準、夫婦子供二人の標準世帯で基本的にどうなのかというものと、私の方では、非課税限度額との金額を対比させていただかざるを得ないということで現在はやらしていただいているわけでございます。
#245
○神谷信之助君 もともと、歳入歳出をプラス・マイナス・ゼロにするという方向でいろいろお考えになるからそうばらざるを得ないし、そういうことにまたそれはそれなりの理屈も立つわけですよ。しかし、いずれにしても生活保護受給者以下の所得の人で、この非課税限度額による救済から漏れているという人が多数おる。たとえば、先ほどの非課税限度額ですと減収額十四億だけれどもそれに見合う課税最低限の引き上げをやれば約三千億余りの減収になる、こうなるんですから相当数あるし、その中には、いま取り上げた生保基準以下の人、あるいは生活に若干、働いている人で勤労控除やらあるいは住宅控除を受けておる、そういう人なんかから比べると不公平が起こっているという現象はやむを得ない。そういう状況があるというように思うんです。
 それで、これは私は国の方で救済ができないとすれば、実際には現場の自治体の方でそういう矛盾というものを解決しなきゃならない。そういうことに当然追い込まれざるを得ないし、それで現に、市町村税の減免については三百二十三条ですか、それから四十五条には道府県民税の減免の規定がありますわね。だからこういう点を考慮をして、現に私ども調べてみますと大阪府下の幾つかの自治体でこの三百二十三条を活用してそういう不合理を直していくといいますか、いわゆる「貧困に因り生活のため公私の扶助を受ける者その他特別の事情がある者」とありますから、「その他特別の事情がある者」というのを条例で規定をして、そしてできるだけそういう不公平をなくすというような措置がとられているのを幾つか調べてみました。
 私はここで自治省に申し上げたいと思うのは、そういういま提起をしたようないろんな矛盾なり何なりは当然起こってくる。しかし、それの解決、根本問題の解決というのは現在の時点では直ちに図るということはむずかしいにしても、やっぱりこれはできるだけ早く解決をしなきゃならない問題だろうと思うんです。いわゆる住民税の減税にもならないようなああいうこそくなことではなしに、本来的にはやっぱり減税方式というものを考えなきゃならぬだろう。それで、私はそういう大阪の府下の自治体でやっているようなことを自治省自身としてそれを活用してどんどんうまくやりなさいということを奨励してもらったら一番いいけれども、仮に奨励しないまでも、そういうことで自治体がそれぞれの議会の承認を得て独自の措置として矛盾を解決されるために努力をしているということは少なくとも妨害はしないだろう、こういうように思うんですが、この点はいかがですか。
#246
○政府委員(関根則之君) 税の減免規定につきましては、先生御指摘のような法律の条文がありまして、それに基づきまして各地方団体におきまして条例を制定し、その条例に従って市町村長が個別の判断をして減免を行っているものと考えるわけでございます。あくまでもそういう法律の規定に従う自主的な各地方団体における判断に基づいて行われているものでございますので、それについて私どもがとやかく申し上げる筋合いのものではないというふうに考えております。
#247
○神谷信之助君 では、そういうことで住民税問題はこれで終わります。
 あと、特別土地保有税問題をやろうと思いまし、だがもう時間がありませんから、宅地並み課税の問題で、特に政令の内容の問題で一、二聞いておきたいというふうに思います。
 一つは、改正案の附則二十九条の五で、徴収猶予になる農地について、政令が一定の基準を定めることになっていますわね。これは先ほどからも話がありましたように、九百九十平米ですか、そういうことをお考えになっているわけですが、その点での問題で、一団の農地の認定の問題、これはどういうようにお考えかという点と、それから二以上の行政区にまたがる農地について、これが九百九十平米以上であっても対象にはならないのかどうか。ならないとすれば不合理であり、何らかの調整措置が必要であるのではないか。こういった点についてまずお聞きしたいと思うんです。
#248
○政府委員(関根則之君) 一団の農地につきましては、九百九十平米以上あれば適格でございます。したがって、二以上の行政区にまたがっておりましてもその農地がつながっておる場合には、いわゆる一団を形成している場合には、行政区が幾つまたがっておりましても対象となります。
#249
○神谷信之助君 それから二以上に離れてある場合は。
#250
○政府委員(関根則之君) 一団の農地の判定をいたします場合には、二以上に離れている場合にはそれは一団ではないわけでございますので、何とも対象にはなりかねるわけでございます。
#251
○神谷信之助君 なかなかむずかしいのでありますが、大体九百九十というのは一反歩でしょう。ちょっと足らぬ、九百平米こっちにある、こっちにも八百平米ある、それでどちらにも税がかかる。これが一緒やったらかからぬのに。一緒だと合計九百九十を超えますから猶予措置を受ける、こうなってきますわね。ちょっと不合理でしょう。
 だから問題は、そういう点についての調整措置というのは考えられないものかどうかという問題です。
#252
○政府委員(関根則之君) したがって、私どもは、この二つの方法で適格性を判断しているわけでございまして、一つは、一団の土地として、一まとまりの土地として九百九十平米以上なければいかぬ。あるいは、それに欠けておりましても一農家当たり九百九十以上持っていればよろしゅうございますということを申し上げているわけでございまして、いま先生御指摘のような、片方が八百で片方また別なところに八百ある、しかしその経営を同じ一人の農家がやっておるというのであれば、二つ合わせれば千六百でございますから、九百九十を超えますので、それで適格性があるというふうに考えます。
#253
○神谷信之助君 だから、一行政区にまたがってもいいと。
#254
○政府委員(関根則之君) ただその場合に、いま御指摘のように行政区が離れて持っている場合には、これは行政区単位で名寄せを行いますので適格性がない、こういうことになります。
#255
○神谷信之助君 だから、それに対する調整措置は必要ではないのかという問題ですよ。
#256
○政府委員(関根則之君) まあ何事も一定の線を引きますと、そのボーダーラインで上になったり下になったりいたしますと、なかなか理屈で説明できないいろいろな問題が起こってくる。これもそれの一つの例ではないかというふうに考えます。制度本来が、市街化区域内の農地でございまして、宅地化を本来進めるべき土地ということに、都市計画上規定されている土地でございます。しかし、そうは言いましても、営農を継続する、しかもそのことに価値があるというものについて、営農の継続をできるような税制にしていこうということでございます。一種の政策税制でございますので、そういう分界点で多少問題が起こるのも私どもとしてはやむを得ないかなということでございまして、格別うまい調整措置もないものでございますから、やむを得ないということでございます。
#257
○神谷信之助君 大企業があっちこっちに事業所を持っている、そういう場合の固定資産税をどう分割するかとかあるでしょう。あるいは、たとえば国鉄なら国鉄の納付金を何を基準にして実際に配分をするかというような問題もあるでしょう。だからそういう点は、僕は皆さんの頭なら知恵を働かしてもらえればいろいろ方法はあると思うので、これはひとつ御検討をいただきたいというように思うんです。
 それから、おくれましたが、こういう時間の関係で、建設省、国土庁、せっかく来てもらっておりますが、きょうはえらい済みませんがお引き取りいただいて結構です。
 最後にもう一つ質問いたしますが、この宅地並み課税による増収見込み、これは固定資産税で三十四億円ですか、それから都市計画税で十四億円と見込んでおられるわけですが、この算出の基礎なんです。逆に言うと、これを積算をするためには大体徴収猶予されるであろうという面積をある程度つかんでいなきゃならぬだろうと。だから、現在全体の量に対して、その中で恐らく徴収猶予されるであろう面積というのを、具体的に数字がわかれば数字でいいし、パーセントでもいいですが、お答えいただきたいというように思います。
#258
○政府委員(関根則之君) 徴収猶予割合は、おおむね五割程度が徴収猶予されるものという前提に立って推計をいたしております。なお、新たに拡大されますC農地のうち、課税対象になってくるものはおおむね六割程度というふうに考えております。四割程度が例の「三万円未満」ということで外れてまいりますが、しかしこれは私どもは面積で把握をするだけではなしに、いわゆる金額を計算いたしますために評価額で計算をいたしているわけでございます。おおむね六割程度という見当で御理解をいただきたいと思います。
#259
○神谷信之助君 もう時間が来ましたからなんですが、これはいままで宅地並み課税の議論をする場合に、私はしばしば繰り返すんですが、自治省の地方税の税の徴収の基本と税の賦課の基本というのは、その土地、固定資産税の賦課の、何というか、その土地の実態、地目とか名称の問題ではなしに、実態に応じて課税するわけでしょう。だから、本来宅地並み課税というものはあり得ないわけです、自治省の指導されている方向で言ったら。宅地は宅地なんであって、農地は農地なんです。農地なのに宅地並みだというような考え方という発想はあり得ない。だから、私はそこに無理があって、そしていろんな問題を兼ね備えているというように思います。これは、きょうは時間になりましたからおきますが、いずれ改めて特別土地保有税の問題とあわせて議論をするということを申し上げて、私の質問を終わります。
#260
○美濃部亮吉君 私は、三大都市圏の特定都市における農地のいわゆる宅地並み課税にしぼってお伺いをしたいと思います。
 最初にお伺いしたいのは、現状と申しましょうか、現在どうなっているか、大川委員の質問と若干重複する点があるかとも思いますけれども、それをお伺いしたいと思います。
 第一に、三大都市圏の中の特定都市以外の都市、あるいは大都市、それから市町村をも含めまして、日本全体の市街地の中のいわゆる農地で、A、B、Cに相当する農地はどのくらいあるのでございましょうか。
#261
○政府委員(津田正君) まず、お尋ねの全国におきます市街化区域の農地の状況でございます。関係市町村では八百七市町村がございますが、全体のA、B、C農地合わせますと、二十万九千二百二十七ヘクタールでございます。そのうちA農地が三千四百七ヘクタール、B農地が一万四千三十三ヘクタール、C農地が十九万一千七百八十七ヘクタール、このような状況になっております。
#262
○美濃部亮吉君 それでは、いまの大都市圏の特定都市ですね、法律で決められましたそういう特殊の地域の農地はどのぐらいでございますか。
#263
○政府委員(津田正君) 宅地並み課税の対象となります三大都市圏の特定の都市は、市の数で申しますと百八十五、農地の面積は七万七十七ヘクタール、そのうちA農地が千九百八十七ヘクタール、B農地が七千八百三十三ヘクタール、C農地が六万二百五十七ヘクタール、大ざっぱに申しますと、A、B農地が一万ヘクタール弱、C農地が六万ヘクタールと、このような見当でございます。いままで申し上げました数字は五十六年一月一日現在の数字でございます。
#264
○美濃部亮吉君 それでは、その農地の中で、四十八年から五十六年までの数字がございます。そうですけれども、五十六年まで宅地に転換をした面積、農地から宅地に転換した総面積はどのくらいでございましょうか。
#265
○政府委員(津田正君) 全国A、B、C農地合わせまして、四十八年現在が二十七万三千四百五十三ヘクタール、それが五十六年で、先ほど申しましたように、二十万九千二百二十七ヘクタールでございますので、二三・五%の減になります。全国の場合はそのような数字でございます。
 それから三大都市圏でございますが、三大都市圏のA、B農地は、四十八年現在一万六千四百二十五ヘクタール、これが五十六年が先ほど申しました九千八百二十ヘクタールでございまして、四十八年に比べまして四〇・二%の減、このようになっております。
 なお、三大都市圏のC農地は、四十八年で八万八千八百六十二ヘクタール、五十六年現在で六万二百五十七ヘクタールでございますので、三二・二%の減ということで、宅地並み課税を実施しましたA、B農地の面積の減少率は高くなっておる状況でございます。
#266
○美濃部亮吉君 それでは、これは数字的には捕捉できないかと思われますけれども、その四十八年に農地から宅地に転換をしたその土地に建設された住宅はどのくらいであるか、それはわかりませんか。
#267
○政府委員(関根則之君) 私どもの方でそこまでの数字を捕捉をいたしておりません。
#268
○美濃部亮吉君 それでは、その住宅の数まで知りたいんですけれども、わからないだろうと思います。それはいたし方ございませんけれども、とにかく相当広大な土地が農地から宅地に転換されたということは事実であろうと思うんです。
 そこで、大都市、ことに三大都市圏及び特定都市の側から見ますと、こういう宅地に転換されるということは非常に迷惑なことだということに。たとえば東京都の知事という点から見れば、私はそれに対して非常に反発を感ずると思うんです。それはなぜであるかというと、稠密な大都市の中においては少しでも広場が欲しい、何もない空き地が欲しい、それは墓地であっても何であってもいい。それが侵食されて稠密な宅地になる、住宅が建てられるということは極力避ける必要がある。その広場はなぜ大事であるかといえば、それは大気汚染から都市を守ることであるし、より重要なことは非常事態における避難地になる。つまり、環境をよくするということと避難地になるということと二つのことから、あるいはそのほかにも騒音を少なくするという点もございますが、そういう点で非常に必要だと思うんです。そしてそれが特に日本の大都市において必要であることは、それは日本の大都市にある公園の面積が非常に少ないことから言えると思うんです。
 たとえば、人口一人当たりの公園の面積は、これはちょっと年次がでこぼこしておりますけれども、手に入る数字から言いますと、最近東京は二・二平米、それに対しましてワシントンは四十五・七平米、ニューヨークは十一・九平米、モスクワは十・九平米、ロサンゼルスは十九・七平米、ベルリンは二十六・一平米、こういうふうに一番小さいモスクワでも十であり、一番大きいワシントンに至っては四十五平米、つまり東京の二に対すると何倍ですか、二十何倍になるというふうに、比べものにならないほど公園の面積が広い。そして、その公園が避難地にもなり、また空気をよくする、環境をよくする役割りを演じている。
 しかるに東京においては、あるいは日本の大都市においては、非常に公園が少ない。それで、それにかわるものとしては、そういう広場、オープンスペースというのがぜひとも必要になってくるということは御理解できるでしょうか。
#269
○政府委員(関根則之君) 大都市等におきます農地が災害等の際の避難地等として活用され得るものである、ないしは緑地等として住民の生活に潤いを与える役割りを果たすということについてはおっしゃるとおりかと思います。
 しかし問題は、そもそも宅地並み課税云々が議論をされますのは市街化区域でございまして、市街化区域というのは、都市計画法に基づきまして線引きをいたします。線引きをいたしますのは多分都道府県の知事さんではないかと思うわけでございます。近い将来において市街化を促進すべき地域として、市街化区域として線引きをしたその地域の問題でございますので、その地域については当然のことながら順次市街化を進めていくべきそういう性格のものとして地域を指定しているということをまず御理解をいただきたいと思います。
 それから、そういう市街化区域につきましては、当然のことながら、必要な公園面積でありますとか、あるいは墓地の区域でありますとか、そういうものは、都市計画上当然に必要な面積を確保し、その中に当然避難地的な用途を持った公園、空地等も入れた形で都市計画をつくるべきもの、これも最終的には知事がそういう都市計画決定をしていく分野が相当あるのではなかろうかと私は考えるわけでございます。
 また、現在、緑地等を守る制度といたしましては、生産緑地地区というようなものでありますとか、農地につきまして緑地保全地区等を設けてそれを保全していくという制度もあるわけでございます。そういうものも活用することによって必要な空地等を確保する方法は法律上相当残されておるというふうに考えておる次第でございます。
#270
○美濃部亮吉君 線引きですね、いわゆる市街化地域と市街化調整地域、それを線引きしろというのは建設省の命令でやられたんですよ。ぼくが都知事のときにやられたんで、非常に迷惑した。こんなばかなものをしたったって何になるかと思いまして、できるだけ市街化調整地域を多くして市街化地域を少なくしようと。大体そんな市街化地域を決めて、そこを稠密地域にして、どんどんどんどん詰め込む、そんなばかなことはあり得ない。公園はそういう地域であればあるほど必要なんですよ。市街化調整地域よりも市街化地域に広場が必要なんです。それだから、あなたがいまおっしゃった二つの理由は、ともに納得できかねる理由であります。
 それから、公園を予定していると。それはどのくらい予定しているかというと、あれは六平米、都市計画法によると六平米の公園をつくれと。しかし、そんなことできるものじゃないんですよ。人家があるところに空地をつくってそれで公園をつくる、そういうことは、あなたが知事になってごらんなさい、できるものじゃないんだ。私は十二年間、いま言ったように、非常に稠密であって震災が起こったらば一体どうするのかと。最大の救済策は避難地をつくることだ。避難地をつくるということは平時には公園にしておく、空き地をつくることだということを考えまして、公園をつくることに全力を傾けたんです。それで、私が知事になったときには人口一人当たり約一平米にすぎなかったのを、苦心惨たんをして倍にして、二平米になったんです。とにかくいまあなたがおっしゃったように、市街化地域には六平米の公園をつくらなきゃならないと規定されるのはそれは絵にかいたもちです。中央政府の命令は、できもしないことを押しつけられるんだ。それであなたのように、こういう規定があるじゃないかと言われてもはなはだ迷惑をいたします。
 ここに知事をされた方々もおられますけれども、やはり農地は何とかしてそっとしておきたい。それを宅地にかえて人口を稠密にすることはやめてほしい。住宅問題は住宅問題として解決しなきゃいけない。基本的には、やはり国民の、市民の購買力をふやす、そうして自分の住宅を建てる資金を自分で、あるいは借りて融通する、住宅を建てる資金の能力を備えさせるということが僕は最も重要な政策であって、こういうふうな他方において非常なマイナスを招来するような施策は、地方自治体側から言えば大変に迷惑だと言わざるを得ないと思うんです。
 大臣、私の言うこと、どうお考えになりますか。
#271
○国務大臣(世耕政隆君) 大変よくわかりまして、おっしゃる方向と若干――若干どころか大変、市街化区域の農地に関して考え方が大分違うわけでございますが、私自身はどちらかというと御指摘の方向に近いわけでございます。大変近過ぎるんで、都市に緑が乏しいというのは非常に残念でございます。それから、東京よりもむしろ大阪なんかの方がもっと少ない、大変少ない区域があるわけでございますが、かといって一方ではやはり住宅の問題を控えておりまして、日本の場合はまだ、最近はマンションみたいなものがどんどんできてきましたけれども、ああいうふうに集団的に幾つかの家族が同じ大きな建物の中に入っているという外国式のいろんなあり方になかなかなじまない点があるせいか存じませんが、一戸建ての建物というものを欲しがる。それも都会の中とか都会の周辺とか、そういうところにどうしても集中していく傾向がございます。そのために宅地の供給ができなくて、このようないろんな方法を講じていくわけでございますが、われわれの方としまして、さっきいろんな御指摘がございまして、避難地それから緑地、公園をどうするか、外国は日本と比べると二十倍に近いような一人当たりの公園の空間が違うという御指摘でございまして、そのとおりかと思うのでございますが、今後やはりこれも御指摘のいろんなそういう点を配慮しながら、私は農地の問題を、余り農地を宅地にするなど、もう絶対するなというふうにおっしゃられると非常に困ってしまうのでございますが、そういう点を今後の宅地政策、それから土地政策に十分反映させていきながら、適正に農地を宅地に切りかえていく、こういった配慮が必要ではないか。そういうときに都市空間をどういうふうに広げて、緑地の空間を広げていくか、こういうことは今後の大きな課題だと思います。
 私は、地方行政をやってまいりますのに、役所へ来て第一番に言いましたことが、大体御指摘になったようなことに近いことを申したわけでございます。自然の空間が都市の中で失われていくのが非常に残念である、これを、いまはいろいろな方法があると思いますので、いろいろな方法で、そういう知恵を結集しながら、何とかそういったきれいな空気ときれいな緑を持った空間を都市それからその周辺に残して、しかも、欲張った言い方かもしれませんが、その中に住宅というものをどういうふうにはめ込んでいくか、こういうことを志向しておった次第でございます。
#272
○美濃部亮吉君 本質的には私と同意見でございまして、まことにありがとうございました。どうぞそのつもりで、僕は、いまの宅地化の問題は、住宅政策という見地から、つまりほかのマイナスを生じないような方法で住宅を供給する、それも一時とは違いまして絶対的な住宅不足はないんで、むしろ統計的には住宅は過剰になっている、つまり質の問題になっておりますので、何といいますか、一時よりも住宅を急いで建てなければならないという時期は過ぎ去って、もっといい、先ほど大臣も言われました一戸建ての家とか庭のある家とか、そういういい家を建てる方に向かうので、妙な宅地並みとかいう方法をとっていぶり出しをしたような土地の上にはそういう住宅はなかなか建たないんじゃないかと思いますので、もっといい方法をお考えになって住宅問題をぜひとも解決していただきたいと思います。
 終わりでございます。
    ―――――――――――――
#273
○委員長(上條勝久君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、江藤智君が委員を辞任され、その補欠として村上正邦君が選任されました。
    ―――――――――――――
#274
○委員長(上條勝久君) 他に御発言がなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#275
○委員長(上條勝久君) 御異議ないと認めます。
 本案の修正について、山田譲君及び大川清幸君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。山田譲君。
#276
○山田譲君 私は、日本社会党を代表し、本案に対し修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。
 これより、その趣旨について御説明申し上げます。
 昭和五十七年度地方財政対策に当たって、自治、大蔵両大臣の合意により地方財政収支が八年ぶりに均衡し、さらに国に二千四百億円地方財政が貸し付けたことをとらえ、地方財政危機は解消したばかりか、きわめて裕福な状態に転化したとして盛んに地方財政裕福論が宣伝されています。
 このような裕福論は、地方財政の実態を無視し、国から自治体へ、自治体から住民へという負担転嫁を容易ならしめ、ひいては国、自治体間の税財政制度の再編成を企図するものであることは明らかであります。
 申し上げるまでもなく、五十七年度地方財政はきわめて不安定な税収見込みと高い住民負担によって支えられた上げ底財政の観を免れない内容となっております。すなわち五・二%実質成長というきわめて過大な経済見通しを基礎として、一一・七%増という高い地方税収入を見込む一方、住民負担においては約八千億円の実質増税を課しているのであります。このように構造的な不安定要因を抱えた地方税収入見込みに加え、所得税以上に重い税負担を住民に課している地方税の状況を直視すれば、地方財政裕福論がまかり通る余地は全くないばかりか、地方財政の構造的危機要因は何ら解消されていないと言うべきであります。
 しかしながら、政府は、こうした地方税財政の状況を直視することなく、財政再建の意義を歪曲し、ひたすら帳じり合わせに終始し、住民負担の強化、地方財政の国への従属によって現状を糊塗しようとしております。二年続きのごまかし的住民税減税、特別土地保有税の緩和等五十七年度地方税制改正によるわずか五十億円の減税額及びその内容は、住民の期待に全く反するものであります。
 日本社会党は、国、自治体間の税財政の根本的改革こそ財政再建の大きな課題であるとの立場から住民負担の軽減、法人課税の公正、強化を中心とする地方税源の強化を図り、もって地方自治の強化を図ることを要求してきましたが、本年度政府案について、このような立場から特に緊急と認められる事項について所要の修正を行うこととしたのであります。
 以下、順を追って修正案の概要を御説明申し上げます。
 第一は、個人住民税についてでありますが、基礎控除、配偶者控除、扶養控除をそれぞれ二十五万円に引き上げ、課税最低限を百七十六万九千円とするとともに障害者控除、老年者控除、寡夫控除、寡婦控除及び勤労学生控除の額を二十三万円に、特別障害者控除の額を二十九万円にそれぞれ引き上げ、老人の扶養控除額及び老人配偶者控除額をそれぞれ三十三万円に引き上げております。
 また、障害者、未成年者、老年者、寡夫及び寡婦の非課税限度額を九十万円に引き上げるとともに、白色事業専従者控除限度額も七十万円に引き上げております。
 第二は、法人についてでありますが、企業の都市集積による社会的費用負担を強めるため、均等割の税率を五〇%引き上げることといたしております。
 第三は、事業税についてであります。
 当面、所得税を納付するに至らない者に対する個人事業税の解消を図るため、事業主控除額を二百六十万円に引き上げるとともに、中小事業者の負担軽減を図るため、白色申告者の専従者控除額を七十万円に引き上げることといたしております。
 また、社会保険診療報酬課税に係る特例措置については、不公平税制の最たるものの一つとしてこれを廃止することといたしております。
 第四は、電気税についてであります。
 産業用の電気税の非課税措置については、当面、製品コスト中に占める電気料金の割合が一〇%以下の品目について銑鉄等二十七品日に係る非課税措置を廃止することとし、紡績糸等に係る税率の特例措置についても廃止することといたしております。
 第五は、特別土地保有税についてであります。
 政府案は保有期間が十年を超えたものについては課さないことといたしておりますが、土地投機に対するペナルティーを緩和する合理的理由はいまだ見当たらないとの立場から、従前のとおり課税することといたしております。
 以上が本修正案の提案理由及びその概要でありますが、この際、いわゆる農地の宅地並み課税について申し上げておきたいと存じます。
 すでにわが党は、農地はあくまでも農地課税であるとの原則に立ち、同地域内における都市農業振興の具体策を提起し、目下農林水産委員会に、都市農業振興法案(仮称)を提案すべく準備をいたしております。政府案においてはひたすら農地追い出し、民間開発業者による宅地化促進を企図し、農地課税の原則及び都市農業の今日的意義を否定しており、その手段としての宅地並み課税については、わが党は強く反対であることを明らかにしておきたいと存じます。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#277
○委員長(上條勝久君) 大川清幸君。
#278
○大川清幸君 私は、公明党・国民会議、民社党・国民連合を代表し、本案に対し修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。
 これより、その趣旨について御説明を申し上げます。
 現在、国、地方間の税財源の適正化、住民の税負担の軽減など地方税制度の抜本的改革が望まれているところでありますが、中でも当面の重要課題は、住民税の減税であります。
 しかしながら、政府の五十七年度地方税法改正案は、従来とられてきた課税最低限の引き上げを行わず、生活保護費の引き上げに伴って、五十六年度に引き続き非課税限度額を引き上げるという措置をとったにすぎません。
 五十二年度以来の所得税減税見送りとともに、昨年に引き続いての住民税の減税見送りによって、国民の税負担は年々増大する。一方であり、特に低所得者にとっては、所得税より住民税の方が重くなっているのが実情であります。
 したがって、この際、住民税の大幅減税を行い、住民の税負担の軽減を図るとともに、法人住民税均等割の引き上げ、三公社の固定資産に係る納付金の特例措置の見直しを行うことが必要であると考えるものであります。
 以下、修正案の大要につきまして御説明申し上げます。
 第一は、住民税減税についてであります。
 住民税の基礎控除、配偶者控除、扶養控除をそれぞれ三万円引き上げ、課税最低限を百七十六万九千円としております。また、これに関連して障害者控除等につきましても引き上げ措置を講ずることとしております。
 第二は、法人住民税均等割についてであります。
 道府県民税、市町村民税の法人均等割の税率を五〇%引き上げることとしております。
 第三は、三公社有資産所在市町村納付金についてであります。
 現在、二分の一となっている三公社が所有する固定資産に係る所在市町村納付金の算定標準額の特例措置を廃止することとしております。
 以上が修正案の提案理由並びにその内容の大要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げる次第であります。
#279
○委員長(上條勝久君) これより原案並びに、修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
#280
○志苫裕君 私は、ただいま議題となりました地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案に対し、日本社会党提出修正案に賛成し、原案に反対する立場で討論を行います。
 申し上げるまでもなく、昭和五十七年度における地方税制改正の課題は、第一に、所得税以上に過重となっている住民税の負担を制度的に緩和するため、大幅減税を実現することであります。第二には、財政再建を単なる帳じり合わせに終わらせないために、国、自治体間の税財政制度に根本的なメスを入れること、そして第三には、増税なき財政再建のもとで、とかく現状維持に陥りがちな不公平税制、とりわけ企業優遇税制を整理すること、この三つであります。
 しかしながら、今改正案に見る政府の態度には、こうした課題の解決に努力する姿はなく、逆に住民負担の増大を図りつつ、国、自治体間の税財政制度に国から自治体へ、自治体から住民へという新たな負担転嫁を持ち込み、両制度間の秩序を一層下請関係に改変しようとさえしております。
 すなわち、広範な勤労国民の一兆円減税要求に対しては、住民税においてわずか十二億円のお涙減税でごまかしつつ、約八千億円に上る実質増税を住民に課しているのであります。自治、大蔵両大臣の覚書による地方財政から国への貸付額二千四百億円があるならば、野党がこぞって要求している住民税減税も十分可能なはずであります。切実な要求である住民税減税を、国の財政の帳じり合わせの犠牲にした政府と自治大臣の責任はきわめて重大であると言わなければなりません。
 また、地方財政が八年ぶりに収支均衡したことで地方財政の裕福論が叫ばれ、これが臨調や政府部内において、地方財政、とりわけ地方交付税の削減論の論拠とされておりますが、果たして地方財政が裕福になったでありましょうか。事実は全く逆であります。過大とも言える政府の経済見通しの結果、地方税収入は一一・七%増と前年度に比べて大幅な増収を見込んでおりますが、五十六年度における四・一%という下方修正された政府の経済成長さえもはや実現困難となっている実態のもとでは、五十七年度政府見通しの達成に期待をかけるわけにはまいりません。したがって、地方税収入社当初どおり見込むことはきわめて困難と言うべきでありましょう。事実、都道府県の五十七年度当初予算案を見れば軒並み税収見込みを抑制しておるのであります。事ほどさように、地方財政の収支均衡はきわめて不安定な税収入に支えられているのであり、地方税がこければ地方財政が軒並みこけてしまう実情であります。
 加えて、今改正案に対し、政府やマスコミは、厳しい国税に比べて地方税は減税ラッシュと宣伝いたしておりますが、これまた数字のごまかしにすぎず、個人住民税の実質増税はもとより、固定資産税等においても大幅な負担増となっております。すなわち、地方税制改正において、料飲税、ガス税を初め固定資産税の負担調整率等において差し引き五億円の減税が行われているとされておりますが、固定資産税の負担調整率はこれまで評価がえの都度ルールとなってきたことであり、これをもって百九億円の減税というのは明らかにごまかしであります。地方税自体における税改正においても、住民負担との関係で見れば五十億円の減税どころか逆に増税なのであります。このように住民に対しては数字のごまかしによって実質増税を図る一方、特別土地保有税においては企業の土地投機に対するペナルティー課税を緩和するなど不公平税制を拡大をしておるのであります。不況を口実とする産業用電気税の非課税措置の固定化、社会保険診療報酬課税の特例措置による医師優遇税制の温存などは、増税なき財政再建の真のねらいがどこにあるかを明確に示しているものと言えましょう。
 以上、私は、今改正案に対し反対の具体的な理由を申し上げましたが、この際、いわゆる農地の宅地並み課税について付言いたします。
 農地はあくまでも農地課税であることを基本とし、都市農業の新たな振興策と一体となった課税制度を創設することをわが党は強く求めてまいりました。しかしながら、政府においてはこのような視点が見当たらず、農地を追い出して民間開発業者による宅地供給というすでに破産をした土地対策に終始しておることは無責任のそしりを免れません。したがって、都市における農業の今日的意義の再認識と具体的振興策を一方の柱としつつ、営農を継続する意思のない農民による土地の供給は、これを自治体その他公的機関の利用に誘導する土地政策がセットされてしかるべきであります。
 なお、公明党・国民会議、民社党・国民連合の修正案は、多くの点でわが党と一致するものでありますけれども、非課税措置等の不公平税制の是正が不十分であるので反対であります。
 以上で私の討論を終わります。
#281
○亀長友義君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表し、両修正案に反対し、政府原案に賛成の意を表します。
 政府原案は、住民税所得割の非課税限度を引き上げるとともに、料理飲食等消費税、ガス税の減税などを実施し、住民負担の軽減に努める一方、宅地供給の促進、負担の適正化を図るため、土地税制、その他の地方税制について所要の改正を行おうとするものであります。
 地方税源の充実は、地方自治の根幹にかかわる問題でありますが、同時に、納税者の立場に立って適正な税負担について配慮がなされなければなりません。
 わが党は、中長期展望を踏まえつつ、社会経済情勢の変化に即応するよう税制の改正の問題に取り組んでおりますが、政府原案は、厳しい財政再建のさなか、住民負担の軽減に配慮をしつつ、所要財源の確保を図ったものであり、当面の措置としてはまことに適切なものであると考えます。
 以上の理由により、両修正案に反対、政府原案に賛成するものであります。
#282
○和泉照雄君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました政府提案の地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案、並びに日本社会党提出の同修正案に反対し、公明党・国民会議及び民社党・国民連合共同提案の同修正案に賛成する討論を行うものであります。
 まず初めに、住民税についてであります。
 住民税に対する政府の改正案は、従来よりとられてきた課税最低限の引き上げを二年引き続き見送り、生活保護費の引き上げに伴って非課税限度額をわずかに引き上げるという措置にとどまり、減税は二年連続して見送っております。保五年間にわたる所得税の減税見送りとともに、引き続く住民税減税の見送りによって国民は増税を余儀なくされており、可処分所得の減収を招いている人も少なくありません。
 また、昨年来の景気の停滞を考えたときに、政府の言う内需の拡大を図るためには、いまどうしても実現しなければならないのは国民の実質所得の増大による消費の拡大、そして景気の盛り上げであります。
 こうした点から考えて、住民税の課税最低限の引き上げを断行する必要がありますが、政府原案にはこの措置がとられておりません。したがいまして、公明党・国民会議並びに民社党・国民連合提出の修正案のように、課税最低限を百七十六万九千円に修正すべきであります。まずこれが第一の理由であります。
 次に、国、地方間の税源配分についてであります。
 今日の国、地方の財政構造は、税収では国二、地方一となっているのに対し、歳出面ではこれと全く逆転しております。
 現在の社会経済情勢を見るとき、国民の価値観の多様性と住民要求の多面化がますます高まっております。こうした事態に対処するためには、現在のような中央政府の画一行政では、自治体の対応が不可能な事態を迎え、地域の実情に沿った行政運営を推進しなければなりません。そのためには、権限、財源の地方分権化をその基本に置かなければなりません。特に自主財源の確保は、その中心的課題であることは言うまでもございません。したがいまして、こうした事態に対処するためにも、自主財源の拡充は不可欠の課題であります。
 しかしながら、政府案では、このような行財政改革を行おうとする姿勢がありません。これが反対の理由の第二であります。
 次に、土地税制についてであります。
 土地税制の改正の大きなねらいは、言うまでもなく宅地供給であります。しかし、三大都市圏の特定市街化区域の農地の宅地並み課税については、政府案では、十年間営農を継続する人に対し、五年ごとの見直しを行うこととして、一般農地並みの課税としております。このために政府案によりますと、十年間の期限を定めているというものの、実質的には五年間の営農を義務づけるだけであり、これでは宅地供給という本来の目的を達することは不可能であると考えるものであります。これが第三の理由であります。
 次に、地方税及び国の租税特別措置等に伴う地方税の減免措置についてでございます。
 国の経済政策のために地方税は各種の減免措置がとられているとともに、国の租税特別措置等によって国税を減免した場合、地方税もその影響を受けて減収する仕組みになっております。このような制度は税の公平を欠くとともに、地方自治体の課税自主権をも損ねる結果になることは明らかであります。
 したがって、課税自主権の拡大と各種減免措置を自治体の条例で行うようにすべきであるとともに、国の租税特別措置等による地方税の減収を遮断すべきでありますが、これらの措置がとられておりません。これが第四の理由であります。
 以上が政府案に対する反対の主な理由であります。
 なお、日本社会党提出の修正案についてでありますが、減税案につきましては考えを同じくするものでありますが、その他の点については検討を要する点が少なくなく、この際、反対を表明するものであります。
 以上、申し述べて、私の討論を終わります。
#283
○神谷信之助君 私は、日本共産党を代表して、政府提出の地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案に反対、社会党提出の修正案、公明党・国民会議、民社党・国民連合、両会派共同提出の修正案のいずれにも棄権の意見を述べます。
 まず、政府案について反対の理由の第一は、地方税における住民負担がますます強化される点です。
 総理府の家計調査報告によれば、勤労者世帯の家計の実収入は、第一次石油危機以来六年ぶりに実質減少となった昨年とほぼ横ばいでありましたが、可処分所得は実質で一%減となり、昨年に引き続いて実質減少となっています。これは実収入の伸び以上に税金や社会保障費などの非消費支出の伸びが大きかったことによるものですが、このような非消費支出の割合は年々増加しており、五十六年には一三・六%にもなっています。こうした勤労世帯の実態があるからこそ、減税を求める声が大きな国民世論となっているのです。
 ところが政府は、こうした国民の要求に反し、本年度もまた個人住民税の減免、課税最低限の引き上げを見送っています。減税見送りによる増税は住民税だけでも七千六十一億円、納税義務者一人当たり一万七千五百円の負担増になります。
 住民税の減税見送りは、地方税収に占める個人住民税の割合をますます大きくしています。昭和四十五年度と五十五年度を比較してみると、道府県税に占める個人住民税の割合は、一二%から一九%へ、市町村税でも二六%から三三%へと、いずれも大きくはね上がっており、この十年間いかに住民負担の強化が図られてきたかがわかります。
 本年度限りとされた非課税限度額方式が来年度もまたとられますが、こうした糊塗的なやり方でなく、低過ぎる課税最低限が問題なのですから、これを抜本的に引き上げることによって解決すべきであり、わが党は低所得者層に有利となる税額控除方式を提案しているのであります。その財源としては、一兆円以上の軍事費削減及び大企業優遇措置にメスを入れるなら、所得税、住民税の一兆円減税はもとより、福祉、教育及び地方財政などを充実させるに十分なのであります。
 負担の強化は住民税だけではありません。評価がえに伴う固定資産税、都市計画税の大幅な引き上げが行われます。宅地の場合、基準地の評価額の上昇の平均が前回の一・一一倍を上回る一・二四倍ですから、全国の評価額の上昇の平均は前回の一・一九倍を大きく上回ることは確実であります。
 こうした評価額の上昇が、固定資産税や都市計画税の引き上げに連動する結果、負担調整制度までとらざるを得ないほど、納税者及び関係者にとって大きな負担となります。
 反対の理由の第二は、住民負担を強化する一方で、大企業、資産家に対する土地税制の緩和が図られていることです、
 市街化調整区域内の土地に対する、特別土地保有税に対する課税期限を十年間に限ったことや、土地等の譲渡所得の課税の特例の緩和など、税制改正に当たっての大手不動産業界の要望を実行したものであります。とりわけ特別土地保有税の緩和については、宅地供給につながらず、土地投機の抑制のためにも緩和には応じないと主張していた自治省が、業界の圧力に屈し、緩和を内容とする改正案を提出した責任は重大であります。
 第三は、農地の宅地並み課税の拡大、強化がなされていることであります。
 都市農業は、新鮮な野菜や緑を都市住民に保障するだけではなく、農地の空間が災害対策の避難場所や火災の延焼を防ぐ空間として、防災上も都市計画上も重要な役割りを果たしております。こうしたことを無視して、しかも税法上問題があるみなし課税で農地の宅地並み課税を実施することは、都市農業の崩壊だけでなく、災害時における都市住民の生命の安全に大きな危惧を抱かせるものであり、撤廃すべきであります。
 第四は、大企業を中心とする優遇税制の温存であります。
 物税である法人事業税の所得課税による損金算入問題、あるいは巨額の収益を上げている電力会社等に対する償却資産減税、そして産業用電気非課税等々、年々負担を加重する個人住民税に比べて、これら大企業優遇税制は、国民にとって全く納得のいかないものであります。
 国民には重税、大企業には減税という不公平な税制について、何ら改善が行われていないものであり、とうてい認められるものではありません。
 最後に、社会党修正案については、大筋において賛成できるものでありますが、一部に認めがたい項目もあり、また、社会党及び公民両会派提案の両修正案とも、減税分の補てん財源が明確にされておらず、修正案そのものに限るならば、地方自治体に新たな負担を強いる結果となり、首尾一貫を欠くものであります。したがって、両修正案については棄権するものであります。
 以上で討論を終わります。
#284
○伊藤郁男君 私は、民社党・国民連合を代表して、政府提出の地方税及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案並びに、日本社会党提案の修正案に反対、公明党・国民会議、民社党・国民連合共同提案の修正案に賛成の立場から討論を行うものであります。
 御承知のように、現下の日本経済は、オイルショック以来厳しい低成長が続いており、景気の低迷が税収の低迷を招き、財政危機をいよいよ深刻化させるという悪循環に陥る危険性をはらんでいるのであります。
 特に、最近はこれまで辛うじて景気を支えてきた輸出が伸び悩み、一方では内需が依然として伸び悩んでおり、今後このまま内需が低迷を続けていくようなことになれば、それにつれてますます不況が深刻になっていくことが予想されるのであります。
 一方、すでに御承知のとおり、所得税は昭和五十二年以降、住民税は昭和五十五年以降それぞれ課税最低限が据え置かれており、所得税では一兆七千億円、住民税では五千億円、実に二兆二千億円が勤労者にとって実質増税となっており、このため勤労者の手取り収入である実質可処分所得は、五十六年で前年比一%減と二年連続して減少するという異常な状況が続いているのであります。
 われわれ民社党は、このような現状にかんがみ、勤労者家計の赤字を少しでもなくし、勤労者の生活を守るとともに、当面する景気回復のおくれを打開するための個人消費を呼び起こすために不可欠な手だてとして、所得税七千億円、住民税三千億円、合わせて一兆円の減税を断行するよう政府に対して要求してまいりました。
 所得税については、昭和五十七年度予算成立を待って、衆議院大蔵委員会において減税実施の検討を行うことで、自民党と五野党との間で一応の決着を見たのでありますが、住民税に関しては、依然として減税実施の方向性が明確になっていないのであります。
 われわれは、この際、所得税と合わせ、三千億円規模の住民税減税を行うよう、強く政府に要求するものであります。
 その財源は、すでにわれわれが主張してまいりましたように、その大部分を、公務員の高給与の是正等、行政経費の節減によって充てるべきでありましょう。
 われわれの主張する住民税減税は、圧倒的多数の国民の世論を背景としたものであることを申し添えまして討論といたします。
#285
○委員長(上條勝久君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#286
○委員長(上條勝久君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。
 まず、山田譲君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#287
○委員長(上條勝久君) 少数と認めます。よって、山田譲君提出の修正案は否決されました。
 次に、大川清幸君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#288
○委員長(上條勝久君) 少数と認めます。よって、大川清幸君提出の修正案は否決されました。
 それでは、次に、原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#289
○委員長(上條勝久君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、佐藤三吾君から発言を求められておりますので、これを許します。佐藤三吾君。
#290
○佐藤三吾君 私は、ただいま可決されました法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党・国民連合の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
   地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正 する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、住民負担の現状と地方財政の状況にかんがみ、左記事項について速やかに検討し、善処すべきである。
 一、行政改革にあたっては、補助事業、補助金を整理し、税源配分の見直しにより地方自治体の一般財源の強化を図ること。
 二、個人住民税については、税率のあり方等を含め、引き続き低所得者層の負担の軽減を図ること。
 三、地方税における非課税措置、課税標準の特例及び租税特別措置については引き続き抜本的な整理を図ること。
 四、法人事業税の外形標準課税については、速やかな実現に努めること。
 五、宅地に対する固定資産税等の負担の軽減について引き続き検討すること。
 六、市街化区域内における農地については、営農の継続に配意すること。
 七、農地の固定資産税についての急激な負担の増加が生じないよう軽減措置を図るなど、農業の経営の実態を考慮し、今後とも、農業に係る固定資産税負担については、適切な配慮を検討すること。
 八、家庭用電気税の軽減に努めること。
 九、生活環境施設及び地方道を整備するための地方財源の充実を図ること。
 十、都市税源の充実を図るため、事業所税の課税団体の範囲の拡大に努めること。
 十一、利子、配当所得の分離課税による地方税の減収については、総合課税に移行する間、明確な補填措置を講ずること。
 右決議する。
#291
○委員長(上條勝久君) ただいま佐藤三吾君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#292
○委員長(上條勝久君) 全会一致と認めます。よって、佐藤三吾君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、世耕自治大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。世耕自治大臣。
#293
○国務大臣(世耕政隆君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重いたしまして善処してまいりたいと存じます。
#294
○委員長(上條勝久君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#295
○委員長(上條勝久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時三十四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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