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1947/11/07 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 治安及び地方制度委員会 第14号
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1947/11/07 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 治安及び地方制度委員会 第14号

#1
第001回国会 治安及び地方制度委員会 第14号
  付託事件
○地方分權の確立に關する陳情(第二
 十三號)
○經濟緊急對策中、料理飮食店の措置
 に關する陳情(第二十九號)
○料理飮食店の措置に關する陳情(第
 三十五號)
○料理飮食店の休業に伴う藝妓營業に
 對する措置に關する陳情(第三十七
 號)
○地方自治連盟の即時解散に關する陳
 情(第三十九號)
○地方分權の確立に關する陳情(第五
 十四號)
○特別市制實現に關する陳情(第百十
 三號)
○地方公共團體職員の給與に關する陳
 情(第百二十二號)
○地方公共團體職員の暫定加給國庫補
 助その他に關する陳情(第百三十五
 號)
○特別市制施行反對に關する陳情(第
 百三十七號)
○特別市制實現に關する陳情(第百五
 十四號)
○特別市制施行反對に關する陳情(第
 百五十七號)
○特別市制施行反對に關する陳情(第
 百六十五號)
○特別市制施行反對に關する陳情(第
 百八十號)
○特別市制施行反對に關する陳情(第
 百八十六號)
○特別市制實現に關する陳情(第百八
 十九號)
○特別市制施行反對に關する陳情(第
 百九十四號)
○特別市制實現に關する陳情(第百九
 十六號)
○特別市制施行反對に關する陳情(第
 二百十六號)
○特別市制施行反對に關する陳情(第
 二百十七號)
○兵庫縣武庫郡の取扱いを都市同樣と
 することに關する請願(第百二十八
 號)
○特別市制實現に關する陳情(第二百
 二十五號)
○特別市制施行反對に關する陳情(第
 二百二十九號)
○特別市制施行反對に關する陳情(第
 二百三十號)
○特別市制實現に關する陳情(第二百
 四十號)
○地方公共團體職員の給與に關する陳
 情(第二百四十二號)
○特別市制施行反對に關する陳情(第
 二百四十六號)
○特別市制實現に關する陳情(第二百
 五十號)
○特別市制施行反對に關する陳情(第
 二百五十三號)
○特別市制施行反對に關する陳情(第
 二百五十七號)
○特別市制實現に關する陳情(第二百
 五十八號)
○特別市制實現に關する陳情(第二百
 五十九號)
○特別市制實現に關する陳情(第二百
 七十二號)
○特別市制施行反對に關する陳情(第
 二百七十七號)
○特別市制施行反對に關する陳情(第
 二百七十八號)
○特別市制實現に關する陳情(第二百
 七十九號)
○特別市制施行反對その他に關する陳
 情(第二百八十一號)
○特別市制施行反對に關する陳情(第
 二百八十六號)
○地方官公廳職員待遇改善費國庫補助
 に關する陳情(第二百九十號)
○特別市制實現に關する陳情(第二百
 九十三號)
○特別市制實現に關する陳情(第二百
 九十七號)
○地方税法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
○地方自治法の一部を改正することに
 關する陳情(第三百八號)
○特別市制實現に關する陳情(第三百
 十六號)
○特別市制施行反對に關する陳情(第
 三百四十一號)
○特別市制施行反對に關する陳情(第
 三百六十六號)
○特別市制實現に關する陳情(第三百
 七十三號)
○特別市制施行反對に關する陳情(第
 三百七十四號)
○町内、部落會廢止後の措置に關する
 陳情(第三百八十六號)
○特別市制施行反對に關する陳情(第
 三百九十六號)
○地方自治法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
○特別市制施行反對に關する陳情(第
 四百十一號)
○料理飮食店營業の即時開業等に關す
 る陳情(第四百六十四號)
○特別市制施行反對に關する陳情(第
 四百七十三號)
○地方分與税の追加分與増額その他に
 關する陳情(第四百九十四號)
○警察行政權の市長委壤に關する陳情
 (第四百九十八號)
○特別市制施行反對に關する陳情(第
 五百十四號)
○特別市制實現に關する陳情(第五百
 十五號)
○料理飮食店營業の即時開業に關する
 請願(第四百三十五號)
  ―――――――――――――
昭和二十二年十一月七日(金曜日)
   午前十一時十五分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○地方自治法の一部を改正する法律案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(吉川末次郎君) それでは委員會を開會いたします。前會引き續きまして政府より提出中の地方自治法の改正案に對する一般質疑を續行いたしたいと思います。
#3
○羽生三七君 一般的なことでちよつとお尋ねしたいと思います。この提案理由の説明を拜見いたしますというと、地方自治體に對して財政自主權を擴充するようにいわれておるのでありますが、確かにこの改正案の中に地方起債に關する法制の簡素化や、或いはその他いろいろな點が含まれておりますけれども、今後の見通しとしまして、現在の地方財政、地方自治體に對する財政交付金を尚相當期間繼續される意思があるかどうかをこれを承わりたいと思います。この前私一度承わつたことがあるのでありますが、地方自治體に財政自主權を與えまして、中央の財源と別個にそれぞれ自主的な課税方針を取るようにいたしましても、若し財政交付金が急速に打切られるような事態が生じまする場合におきましては、當該市町村或いは府縣等におきましては、擔税力の弱い自治體においては殆んどその運營が不可能になるということは申上げるまでもないと思います。從つて若し當分期間、財政交付金が繼續されるものといたしたならば、私は質問は大して問題にはならないのでありますが、若しお答えによつて近い機會に財政交付金が整理されるというような段階に立ち到るとすれば、重ねて又お尋ねすることが幾つかあるのであります。ちよつと、お尋ねいたします。
#4
○政府委員(林敬三君) 御承知のように地方自治を確立強化するための大きな筋といたしましては、制度を地方自治的にすることが一つ、それから人事を中央から切離すことが一つ、もう一つは財政を切離すといいますか、獨立させる、この三つが大筋だと思います。その中の前二者についてはすでに日本の國の中の憲法との睨み合せとしての制度としては、先ず先ず最小限度というところまで行つておるのではないか、かように考えられます。細部に亙つては今御審議中の法案にもその傾向が出ておるのでありまして、これができ上りましたら、先ず先ず大きなところでは、一應現情においてはできるだけのことができ上つて來るということだと存じます。ただ殘つておる問題は財政の問題であります。これは併し一番本質的な問題であり、或る意味においては實質的な問題であり、又日本の窮迫せる經濟状態から見て一番むずかしい問題だと思うのであります。少しでもその方向に努力して行かなければならない、又できるだけ努力して行かなければならない、かように政府としても考えております。それで今囘の改正案については、制度としての起債を自由に認めるという建前を採りましたが、お話にもありましたように、但書を附けて現状に合せるという止むを得ない實情でございます。お尋ねの見通しでありますが、政府としてはやはりこの地方財政の自主性を強化するということは、もつともつとやつて行かなければならないのじやないか、かように考えております。いかに國と地方と兩方の財政をプラスして全體として考えて見ても、如何に窮乏しておりましても、その窮乏の中にも自主性というものは地方にもつともつと認めて行かなければならんのではないか、かように考えます。そうしなければ結局において地方自治というものは畫龍點睛を缺くという結果になるのではないか、或いは形だけの自治が與えられて、實質上の自治というものは與えられないという結果になるのではないか、これは非常にむずかしいことではありまするけれども、もう思い切つてできるだけの努力をして、近い將來にそういうできるだけのところまで持つて行くべきではないか、まだまだその點においてはやる餘地もあるのではないか、かように考えます。そこで過日來いろいろお話合いをいたしております財政委員會のことでありますが、内務省の解體と前後しまして、地方財政委員會いうものが假に設立されるということにいたします場合には、その委員會の主たる任務というものは何かというと、舊來の法制を墨守して、ただその權限を行うというのではなくて、むしろ主たる任務、その存在理由というものは、地方の行政というものと睨み合せ、中央地方の行政の配分ということと睨み合せて、地方に對して畫期的な、思い切つた財政の自治というものをもう一囘試みる。それに關する廣汎なる計畫を策定する機關としての任務が一番、地方財政委員會の重要な任務ではないか、かように考えるのであります。そういう任務は、ああいう民主的といいますか、地方自主的な委員會の組織を持つた政府部内においても、機關としての委員會が作案しまして、そうしてこの次の國會あたりにこれを提案するということが最も望ましいことであり、又必要なことではないか、かように考えております。そこでお尋ねの核心でございますところのそういうことを考える場合に、財政交付金はどうするか、まあ財政交付金と申しますか、これは平易な、實質的な言葉でおつしやつたと思いますが、いわゆる分與税のことが主たるもので、あと補助金などもございますが、主たる問題は分與税のことですが、これは現在よりは分與税の持つ幅といいますか枠というものは、私は縮小すべきものだと考えております。そうしてそれだけを、有力なる税源を地方に分與するということによつて、自主的に有力なる税源を地方が持つて、そうして中央からよい税源を委譲して貰つて、それで自主的にやつて行くということにして、從つてその分に相當する交付金の額というものは縮小せらるべきものだと思います。併しそれでは交付金制度というものを全然廢止できるだろうかということになりますると、これは財政委員會……今後私共も研究を進め、又財政委員會ができてからはそこで一番の問題として研究をして結論を出して頂かなければならぬ問題だと思いますが、やはり最小限度必要な財政調整的な作用としての交付金というものは、結局殘ることになるのではないか。御承知のように府縣としても、全國四十六もあり、これは大きいのから小さいのから、財力があるのから、ないのから、いろいろございます。市町村に至りますると十萬餘りあつて、これは同じ市町村といつても大變な違いだと思います。そこで同じグレイドの自治團體としましても、非常にそこに貧富の懸隔、非常なやりくりのできるできないの違いがあると思います。そこでこれが餘りにその自治體によつてその状態が違うということは、健全なる自治體の發逹、或いは延いては國家全體としての行政機能の發揮ということもできないと思いますので、そこのところを或る程度その財政を調整する、こういう意味においての最小限度の機能を果す意味の財政交付金的なものというものは、結局殘されるのではないか。かような考えを私は持つております。併しこの問題は、できればそういうことをしないでも、今の御質問にもありまするような、運營が可能だというような見通しが立ては、やはりこういうものも地方財政、自主性強化の點からいえば、廢止できればしたい。併し餘りに理想に走つて、そういうことでは實質的には自治體が成り立たない。或いは誠にちぐはぐな不公平なものになつてしまうということであれば、最小限度のものは設けなければならないのではないか、まあ現在のところはさように考えております。併しこの大きな地方財政自主化の法案というものは、財政委員會を作つてから、できるだけ早い期間に作案を終えて國會に提案すべきものと考えております。その作案機關によつて、この問題は引續いて研究されて、大切の問題でありますから、單に理想に走らず、實質に即して、愼重な結論を出してやつて行くべきものだと考えます。
#5
○羽生三七君 只今のお考えにもあり、又且つ我々が先般來關聯を持つておる地方財政委員會というようなものが若し設置された場合におきまして、只今私がお尋ねした問題が、新らしく論議される機會があると思いますので、私はその機會に譲つて多くは申上げませんが、私の見通しといたしましては、日本の現在置かれておるこの財政状態の下におきましては、もつと廣くいうならば、日本の國情の下におきましては、恐らく地方に或る特定の財源を委譲するにいたしましても、最もその有力にして、又根幹になるようなものは、政府が握つておることになると思いますので、恐らく末梢的なものが地方に委譲されて、而もそれは地方財源を維持するになかなか足りないような形のものになる危險性が十分にあると思うのであります。そこで私はこの地方自治法の改正案によりまして、大幅な地方自治の途が開かれることは固より贊成であるし、又そうなければならんと思うし、又同時に財政の面についても同樣と考えておる次第でありますが、先程も申上げましたように、特に財政の面におきましては、極端な財政自主化というような言葉だけの考えから、中央が急速に交付金を打ち切つたような場合におきましては、到底貧弱町村はやつて行けないと思います。特に貧弱町村、或いは貧弱な地方自治體と申した方がいいかも知れませんが、單に大町村或いは政府の交付金だけの問題ではなしに、日常生活において、たとえば非常な山間僻地においては、物を出す場合においては、運賃だけは物を安く賣らなければならないのであります。買う場合には運賃だけは高く買はなければならぬのであります。日常生活に非常な困難をしておる上に、更に加えまして先程申上げましたように、殆んど擔税力を持つておらない町村が澤山あるのでありますから、この場合においては、私は最小限度のやはり財政調整ということが必要になつて來る。そういう意味におきまして、私は地方財政の委員會というようなものが強力に、又立派にこの地方財政を調整する意味において、固よりこれは地方財政の自主性を侵害する意味においてではなしに、寧ろその自主性を促進し、且つ健全化のために、十分な方策が取られるべきものであるというように考えております。
#6
○政府委員(林敬三君) 只今の御所論は、全然同感でございます。政府といたしましても、又今後に若し委員會というようなものが設けられますならば、今後における運營の基礎というものもそこにあると思います。尚餘談を申し上げれば、私個人としましても、半年餘り前まで鳥取縣におりまして、その點のことは具さに拜見しております。十分留意してやりたいと思います。
#7
○岡元義人君 只今重複いたすことになるかも知れませんが、現在通り當分の間許可を要するものとすると、こういうような案で行くのでありますが、實際はいま地方自治體そのものは今が一番この問題に關心を拂わなければならん時が來ておるということをば強く申上げたい。というのは丁度新制中學の問題もありますし、このまま放置して置けば、結局町村が持つておる財源というものは、殆んど町村有林が主なのです。先の關東大水害におきましてもよく分つている筈でありますが、あんなものじやなくて、大量的にまさに伐採をば開始しようと、止むを得ないというところまで來ておる實情にある時に、この地方自治法の改正で一番問題になりますのは、やはり先の議員が言われましたように地方財政、これに非常な關心をもつておる。だからこの問題につきましては、見通しという問題について御説明がありましたけれども、私は今申上げましたように非常に切實なものがある。これに對して大體の期日、その他に對するはつきりしたことはお考えになつておらないのかということをば一應御説明をお願いいたします。
#8
○政府委員(林敬三君) お話のように現在地方自治體は財政問題において、最も切實なる問題に直面しておることは私共も全く御同感でございます。その憂を同じくするところでございます。起債、財政の本をなしまする起債の問題にしましても、それから税の問題にしましても、それらの歳入の方の問題、それから歳出の方において今お話がありましたが、教育制度に關する歳出、それから一番大きな分野をなしておりますところの職員費、教員に對する俸給、こういうものの千八百圓ベースの維持、こういうようなことについては、何とかして、ここのところ地方自治體が切り抜けて行くというようなことに、政府としても最大の今與えられた國家が破綻に瀕しておる財政状態において許される最大限度の努力をいたすわけでございまして、職員費の不足という點は、大體今度追加豫算案に計上されております八十億の分與税の追加ということを以てこれを賄い、又諸物價の値上がりというものは一部分のものは、その分與税で賄い、又その他の住民税、その他における基準の引上げ、或いは諸般の地方獨立税の増徴というようなことにおいてやり繰りをやつて參つておる。それでも實際のところ、あの教育制度というものを完全に實施する、或いは完全でなくても不完全でも最小限度實施するには尚足りないものがあつて、各自治體がいわゆる四苦八苦の苦心を重ねておられることと存ずるわけであります。そこで今後のこの財政の一つ思い切つた地方分權の、更に一段進んだ改革案というものについては、もう早急にこれは立てて行かなければならんと存じますし、この國會において若し地方財政委員會法案というものができましたならば、それから後できるだけ早い機會にこの委員會を成立させ、委員會において日夜檢討して、できるだけ早い機會にもつと地方の財政を自主的に健全化して行く、こういう方向に向つて相當思い切つた法案を出さなければならんと存ずるのであります。ただこの問題の基礎は、お話がありますように國も辛い、地方も辛い、地方を裕福にして行けば國はそれだけ苦しくなる。國が餘計取れば、地方はそれだけ苦しくなるというような、乏しいものを中央、地方で或る意味において取り合うと言いますか、そういう状態でありますし、片一方が出れば片一方はそれだけ被害を蒙むるというような現在の状況において非常に苦しい作案だと存じます。併しそれでも尚且つまだ私共はもつとそこを自主性を強化して貧乏を共にしながら自主性を強化して行く途は、まだまだ殘されておると思うのであります。大體これはいつ頃やるかという問題でございますが、なかなか大問題でもございますので、明確にいつやるということは私一存では申上げられないところであり、恐らく政府全體に圖りましても直ぐに結論は出ないと存じます。ただ若し私の今知り得るところのあらゆるいろいろな情勢というものから判斷いたして行きますならば、いわゆる來年の二、三月頃までにはこれは出し得るように政府としては最善の努力をなすべきものだと考えております。恐らくそのつもりで、きつと政府全體も努力することだと存じております。ただこれは中央と地方の行政の配分というような根本問題も一つひつからんでおりますので、それらの見極めをつけて、そしてそれに即應する財政というものをどうやつて行くかということをやつて行くべきものである。政府としての努力の目標としては當然明年の二、三月の頃にはお出ししなければならないというふうに考うべきだと思つております。
#9
○岡元義人君 今の御説明でよく分りましたのでありますが、私が危惧するのはすでに伐つてしまつたらどうするか。背に腹は代えられないというような行詰つた實情にあるということを強く御認識して頂くと共に租税がもう底を突いておる、これ以上町村は負擔に堪えられないというのが私は實情だと思うのであります。私約一週間に亙りまして九州の田舎をこの休會中を利用して廻つて參りましたが、殆んど底を突いております。これを賄うものは結局町村自體が或る程度の企業に若手して、そうして町村民の負擔をば少しでも輕くするというような手を打たない限り全く更正の途はないじやないか。今國全體としての睨み合せということを特におつしやつたようでありますが、それであればある程こういう問題は大英斷を以て私はやつて頂きたい。でない限り木も伐られてしまうでしよう。恐らく伐らざるを得ない實情にあるのでありますから……、そこのところをよく含んでいただきまして、この問題に關する限りはもつと速かに、そして英斷を以て斷行して欲しいということをば特にお願いして置きます。
#10
○政府委員(林敬三君) 今お述べになりましたことは私も全くその通りだと思うのであります。政府としてはそのおつしやつた方向で最善を盡してやつて參りたいと存じます。現在一つ一つの町村についてはいろいろ實情を私共のところに訴えて來られまして、今のようにもう伐つてしまうかどうかというような境目の所に來ておるものもあります。租税も非常に納税が苦しくなつて來ておるということも私共非常に心配しておるわけであります。ただ國全體から見ますと、私は決して楽觀も何もいたしておりませんが、國全體と言いますか、全國の府縣市町村というものの總計をしましたやり繰り状態というもの、總計論で參りますと、全體を計算して私共のところでもいろいろ收支を付けておるわけであります。それで行きますと先ず八十億の分與税の追加と、それから後若干の税金その他の地方税の増徴ということで以て先ず先ず不足勝ちではあると思いますが、收支をどうやら今のところ償つて行けるという計算に相成つております。併し決して十分でもなければ、一々の町村にしたらもつと切實なものが出て來ると思うのでありますが、取り敢えずのところは國としての努力はそれを以てこの場を凌いで、そして次のできるだけ早い機會にこれに對する財政の自主化という問題の作案を終了いたしたいと思います。そういうことをやつて參ります間にもこういう經濟状態でありますとか、いろいろな直ぐ解決しなければならない問題も出て來ると思いますが、そういうときは大藏當局と折衝をいたしまして、そのときどきにおいて必要な手を打つように努めたいと思つております。
#11
○委員長(吉川末次郎君) 他に御質疑はありませんか……。小野さん、この間まだ殘つていたんじやないですか。
#12
○小野哲君 前囘私から主として地方公務員制度の問題と地方行政機構との問題について質問といたしまして、政府委員から御答辯を得たのでありますが、それに關聯いたしまして、特に地方公務員の問題について所見を伺つておきたい、かように思うのであります。先程も地方財政との關聯において、職員費の問題が政府委員からもお話がございましたが、正しく地方自治體の財政の中で人件費の問題は非常に大きな負擔になりつつある。然るにこの地方團體を強化して行くという點から申しますというと、それぞれの自治體において、その財政と睨み合せをして職員費の負擔を考えて行かなければならない。これが地方財政から見た一つの制約であろうと思います。然るに一方におきましては、勞働組合の關係から申しますというと、高きにつこうとする傾向があるがために、地方財政と關係なしに相當の負擔としなければならないというような客觀的な情勢が出來るわけであります。從つて今囘この地方自治法の一部を改正して、公務員制度を確立されることになるのでありますが、ややともいたしますると、地方自治の強化というものが勿論中央政府の干渉を排除して行くということは必要でありますけれども、少くとも公務員のごとき、特に公務員の給與或いは能率というふうな點から申しますというと、これは國家公務員と地方公務員とは理論的には區別ができても、實際は區別してはならないものではないか、かような點を考えまして、例えば具體的に申せば、制度自身は法律を異にし、又性格も違つておるという點もありましようけれども、その運用の上においては、從來のやり方のみを踏襲することは避けなければなりませんが、適當なる人事の交流を行うとか、その他給與等の點につきまして、地方財政との調整においてどういうふうに持つて行くことが妥當であるかということについては、事務能率の増進とも關聯して、私は重要な問題ではないかということを心配するものであります。從いまして今後一體國家公務員と地方公務員との間におきまして、人事行政においてどういうふうな處置を採ろうとされておるか、この點につきましての政府の所見を伺つておきたいと思ます。
#13
○政府委員(林敬三君) 地方の自治體と運營いたしますために、一番一つの大切なことはそれを、運營する人の問題であると存じます。昔から地方行政は特に人にありということもいわれておりまするし、これ等の人が、特に地方というものは中央からは一段低い職員であるというような、ややもすれば從來ありましたような觀念を一切拂拭して、そうして元氣に或る程度の誇りを持ち、そうして能率を上げて行くということは是非地方自治を發展させる上において必要なことだと存ずるのであります。今お話がありましたところいずれも私は全く同じ考えでございます。それで地方職員に對する、地方團體の職員に對する公務員制度というものにつきましては、過日も御質問があり、又現在法律案として御審議を願つておりますように、至急地方方面團體に對する公務員制度というものを確立する、そうして遅くも四月一日までにはこれを成立させ實施するという背水の陣を布きましてやるということに、この法律の中にこれを明記したわけでございます。これにつきましては、過般も申上げましてやや重複になりまして恐縮でありますが、これを今はこういうことをやるという目標をつけて、實は事務當局で議論をやつている最中でございまして、この次の國會にこれを提出する、必ず提出する、こういうつもりで、法律の中にもこの次の國會に出して4月一日までに作り上げるというつもりで書いております。從つていかなる措置を取らんとするということは、その内容を確定いたしました上で御審議願いたい、又お話も申上げたいと思うのであります。ただ私が今作案中にいろいろ局員の諸君、その他の方といろいろ議論をやつておるのでありますが、今もお話がありましたように、やはり適當なる人事交流というものは圖れるようにしなければならない、地方は地方らしい特色を持つた公務員というものを作り上げることも必要でありますけれども、餘りにそれに拘泥し過ぎて、いわゆる有爲な人材というものを廣く求めることを忘れてしまつて、普通の言葉で言えば、井の中の蛙みたいになつてしまつて、一向進歩性がない、こういうことになつたら、地方自治の退歩を來たすことになる、これは私の最も憂える問題だと思うのであります。お話のように中央が餘り干渉して、こういうのをこういうポストに入れろということを餘りやるのはいけないと思いますが、中央と地方が一つの美しい調和を持ちながら、中央の空氣を吸つた人も地方の行政に携わり、地方の實情を知つてる人が中央に入つて中央の仕事に携わるということも、いわゆる適切なる人事交流というものは、その制度の中で行われるようにしなければならない。又地方公務員法というものを作るゆえんのものの狙いは、一つはそこにあると思うのでありまして、これを放任いたして置きますと、どうしても交流がしにくい、殆んど同じような法律を作つて、同じような資格と、同じような訓練と、同じような制度、同じようなものを作つて置けば非常に交流がし易くなるのじやないか、これによつて地方の人事の中にも新しい血が導入されて活發な伸び方をして行くのではないか、かような考え方を持つておるのであります。それに今後の作業について特に注意をして行かなければならんもう一つは、やはり御指摘の通りでありまして、それは給與の問題でありますが、これは放任をいたして置きますと、地方は地方で随意にやつたらいいじやないかという美名の下に、結局財政の貧弱な地方では給與が悪くなつて、從つて劣等觀を抱き、又どうしても人が落ちて來る、こういう結果にもなつて來る、同じ公けに對するサービスを以て事とする、主たる義務とするところの國の官吏と、地方の團體の公務員というものとの間に、その間に何ら給與においても差別をつけるべきものでないと思います。勿論東京に勤務しておるものと、それは極く田舎に、片田舎で農業をやりながら勤めておる人との間に地域給の差はあつてもいいと思いますが、東京に勤務しておる官吏と、東京に勤務しておる公吏との間、地方の田舎に勤めておるところの官吏と、田舎に勤めておるところの公吏との間、その間においては何ら差があつてはいけない。かように考えるのであります。そういう點からも、この地方公務員制度というものはやはり作るゆえんがあるのではないかとも思います。お話の點は作案の中に十分盛り入れてやつて參りたいと考えております。
#14
○小野哲君 只今政府の委員の御答辯で了承したのでありますが、幸い國家公務員法も施行されまして、臨時人事委員會も成立しておりまする今日でありまするので、臨時人事委員會におきましては、恐らく職階制その他の具體的な問題を取り上げることになると存じまするので、只今私からも質問いたしました内容、亦政府委員からもお答えのありました内容等を十分に取り入れられまして、臨時人事委員會とも緊密な連繋の下に、よろしく地方公務員制度の案ができますように格別なる御努力をお願いいたして置きたいと思う次第であります。
#15
○政府委員(林敬三君) 今小野さんのお述べになりましたお言葉を十分拜承いたしまして、そのお言葉の通りに努力いたします。
#16
○委員長(吉川末次郎君) 他に一般に御質問がなければ、逐條審議に入りたいと思いますが……。
#17
○岡本愛祐君 委員長もう一つお尋ねいたしますが、この案の中に地方公共團體の中には圖書室を設けることができるというようなことを言われてあるのですが、ここまで漸進的に進んで來たことに對しては非常に私は喜びに堪えないのですけれども、もう一歩前進して頂いて、實際に地方で只今青年團という一つの組織があるのですが、この青年團の組織に對して非常に漠とした指示の下にこれを編成されておつた。それがために地方の郷土色をもつた、そうして文化の向上を圖る、そういうような指令の下にこれをやれというような地方廳からの簡單な指令の下にそういうものをつくらせられておる實情でありますが、苟くも青年團たちが現在まで働いて來た姿というものは、單に警防とか自警というような類にしか本當の實績を收め得ていないというのは、その裏に運營の指示というものが全然これに附帶しておらなかつたということなんであります。いかに青年たちが高遇な理想を持つてそうして再建日本というものに對して有らゆる情熱を傾けているにも拘わらず、そういうような一つの制度が非常に指示が不完全なために、總て希望は途中で以て挫折せられるという實情にあります。ここまで來たならばもう一つ何か青年團というものの運營について一つ設けて頂いて、或いは豫算の許す範圍においてこういうような經濟的に行き詰つておる現状でありますし、これらをば有益に誘導して行くと共に、生産を興すというようなふうに結び付けて何等かの方法があるのじやないかと考えられておりますが、これらについてお考えを政府がお持ちになつておりませんでしようか。
#18
○政府委員(林敬三君) 文化方面のお尋ねでございますが、この圖書室ということはお尋ねの範圍外であつたと存じますが、やはりこういうことは是非必要であり、又文化國家を建設し、又それから地方の自治運營というものが非常に文化的水準の高い自由と自律とを備えた立派な自治運營がなされるために、又それの基礎をなしますところの公務員というものの程度を上げますためにも、この圖書室というものは是非必要と思いましてこの條文を入れたわけでございます。それでこれについては實は内輪を申しますといろいろ議論もありまして、「こんなものを作つたつて使えやしないじやないか。」「そんなことを、何を言つてんのか。」という大擔率直な内部における意見もいろいろありました。併しこれはやはり成る程現實においてはそういうところがあるとしましても、これはこういうものを作つてどんどん利用するようにして努力をして行かなければ駄目だという議論が大勢、脇を占めてこの提案になつた次第であります。そこで青年團の方の話になりますが、これはいわゆる役所の所管から申しますと文部省の所管になりまして、私から申し上げてはいかがかと存じますが、併し折角お話もございましたし、それから若し委員長のお許しを得ますなら、私も政府の一員としてといいますか、私の意見を述べさして頂だきたいと思いますが。
#19
○委員長(吉川末次郎君) 一つ簡單に……。
#20
○政府委員(林敬三君) これは確かに現在の青年團というものは終戰後においては昔とすつかり變つて參りまして、お話のように郷土色を持つた文化運動を主にした團體、それに自警とか警備とか加えたという動き方で今動いております。この青年の運動或いは青年團の活動というものは敗戰日本を一歩一歩築き上げて行く一つの大切な運動であると思うのでありまして、國家としても國民としてもこれは大切に守り上げて行かなければならない。唯併し今の政府のやり方というものは、やはり自由と自律というものを認めて、そうしてやつて行こうという行き方だと思うのでありまして、これを餘りに天降り的の……、一歩誤ると天降り的になるわけで、餘りに運營基準というものを出しますと、これが天降り的になつしまつて、その戰時中の青年團のようなことになつて行くのではないか、そのときには能率を擧げても、青年の一人一人の心の中には自治的にしつかりしたものを持たなくなつて、自由な自律的な精神を持たなくなる。破壊になる。放縦なる自由というものが跳梁することにもなる。こういう状態になつてしまうのではないかと思います。そこで少しまだるつこいということもありましようが、やはり青年の自律意思、自由意思というものを基礎にして、本當の意味の盛り上がるような青年團というものを作つて行くべきであつて、地方の気持も分るのでございますが、運營についての基準というものを國の方から示すか。或いは法律で書いて行くという點については非常に愼重なる態度を要するのではないかという感じを持つております。公民館というようなものも旁々設置されておるのでありますが、ああいうものを中心としてそういう方面の運營がなされるということが現状においては望ましいのではないかと思います。
#21
○羽生三七君 問題がこの地方自治法に直接關係はないのでありますが、丁度今のことに關聯してちよつと申上げたいと思いますが、私は地方局長のお答え誠に結構だと思つております。私、昔二十數年前に青年運動をやりまして、當時青年自治化運動ということを私強力にやつて參りました。それは二十數年前には中央も、縣も、市町村においても、青年團の動きについて強力な指令を出したり、或いは財政で、僅かな補助金をくれるために青年の自治的動きを全く拘束したために、これに反發するいわゆる青年自治化運動を展開したわけであります。最近におきまして、先程前職員からお話がありましたように、青年の動きについて何等か獨自の啓蒙の示唆を與えた方がよいのではないかという動きは確かにありますが、併しこれはそれをやりますというと、全く青年の自治化を損うので、戰時中の統制を再現する危險性があると思いますので、私は地方局長の答えられた方針で進めることを希望いたします。それから圖書館は各村にできることは非常に結構でありますけれども、又現に公民館運動が盛んになつて、政府の原案にこれは盛られなくても、この運動は除々に起こつております。そういう面で公民館なり、當該府縣市町村自治體に作られる圖書室なり、或いは青年團の圖書室等の施設の點で、今お話しになつた文化的の面の擴張、昂揚は期せられると思うのでありまして、その精神の内容に立ち至つては地方局長のお答えのように進めて頂きたいと、こういうふうに考えるのであります。
#22
○委員長(吉川末次郎君) 十二時になつたようでありますから、一應休憩いたしたいと思いますか、先般もお話し申し上げましたように、速記能力が非常に缺乏いたしておりますので、引續き逐條審議に入りたいと思つておりますが、速記は或いはできないかも知れませんが、そのように一つ御了承願いたいと思います。これで散會いたします。
   午後零時零分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     吉川末次郎君
   理事
           鈴木 直人君
   委員
           羽生 三七君
           村尾 重雄君
           奥 主一郎君
           大隅 憲二君
           黒川 武雄君
           青山 正一君
           岡本 愛祐君
           岡元 義人君
           小野  哲君
           柏木 庫治君
           阿竹齋次郎君
  政府委員
   内務事務官
   (地方局長)  林  敬三君
ソース: 国立国会図書館
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