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#1
第096回国会 内閣委員会 第1号
昭和五十六年十二月二十二日(火曜日)
   午前十時一分開会
    ―――――――――――――
  委員氏名
    委員長         遠藤  要君
    理 事         伊江 朝雄君
    理 事         林  ゆう君
    理 事         矢田部 理君
    理 事         柄谷 道一君
                板垣  正君
                岡田  広君
                源田  実君
                竹内  潔君
                林  寛子君
                桧垣徳太郎君
                堀江 正夫君
                山内 一郎君
                片岡 勝治君
                野田  哲君
                山崎  昇君
                中尾 辰義君
                峯山 昭範君
                安武 洋子君
                秦   豊君
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月二十一日
    辞任         補欠選任
     桧垣徳太郎君     杉山 令肇君
 十二月二十二日
    辞任         補欠選任
     野田  哲君     本岡 昭次君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         遠藤  要君
    理 事
                伊江 朝雄君
                林  ゆう君
                矢田部 理君
                柄谷 道一君
    委 員
                板垣  正君
                岡田  広君
                源田  実君
                杉山 令肇君
                竹内  潔君
                林  寛子君
                堀江 正夫君
                山内 一郎君
                片岡 勝治君
                野田  哲君
                本岡 昭次君
                山崎  昇君
                中尾 辰義君
                峯山 昭範君
                安武 洋子君
                秦   豊君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (総理府総務長
       官)       田邉 國男君
       国 務 大 臣
       (行政管理庁長
       官)       中曽根康弘君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  伊藤宗一郎君
   政府委員
       人事院総裁    藤井 貞夫君
       人事院事務総局
       給与局長     長橋  進君
       総理府総務副長
       官        福島 譲二君
       総理府人事局長  山地  進君
       行政管理政務次
       官        中村  靖君
       防衛政務次官   堀之内久男君
       防衛庁長官官房
       長        夏目 晴雄君
       防衛庁防衛局長  塩田  章君
       防衛庁人事教育
       局長       佐々 淳行君
       防衛庁経理局長  矢崎 新二君
       大蔵政務次官   増岡 康治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木 源三君
   説明員
       大蔵省主計局共
       済課長      野尻 栄典君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○調査承認要求に関する件
○一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○委員派遣に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(遠藤要君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨二十一日、桧垣徳太郎君が委員を辞任され、その補欠として杉山令肇君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(遠藤要君) 次に、調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査並びに国の防衛に関する調査を行うこととし、この旨の調査承認要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(遠藤要君) この際、大臣、総理府総務副長官及び政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。田邉総理府総務長官。
#7
○国務大臣(田邉國男君) このたび総理府総務長官並びに沖繩開発庁長官を拝命いたしました田邉國男でございます。
 微力ではございますけれども、所管事項につきましては最善の努力を尽くしてまいりますので、委員長初め委員各位の皆様方に格別の御指導、御鞭撻を賜りますことを心からお願いを申しまして、ごあいさつにいたします。
#8
○委員長(遠藤要君) 中曽根行政管理庁長官。
#9
○国務大臣(中曽根康弘君) 再び行政管理庁長官を拝命いたしました。誠心誠意努力いたします。よろしく御指導をお願いいたします。
#10
○委員長(遠藤要君) 伊藤防衛庁長官。
#11
○国務大臣(伊藤宗一郎君) 先般防衛庁長官を拝命いたしました伊藤宗一郎でございます。
 内外の諸情勢がきわめて厳しいこの困難な時期に防衛行政を担うことに相なりました。その責任の重大さに身が引き締まるような思いでございます。この重大な責任を果たすために誠実に、忠実にこの任務の遂行に当たってまいりたいと思いますけれども、重大な時期だけに、委員長を初め委員各位の御理解ある御支援がなければとうていこの任務を果たすことは相かないませんので、格別に皆様方の御指導、御鞭撻のほどを心より御願いを申し上げる次第でございます。何とぞよろしくお願いを申し上げます。
#12
○委員長(遠藤要君) 福島総理府総務副長官。
#13
○政府委員(福島譲二君) このたび総理府総務副長官を拝命いたしました福島譲二でございます。
 田邉長官のもとで、微力ではございますが、全力を尽くしてまいりますので、委員長初め委員の皆様方の御指導、御鞭撻を心からお願いを申し上げたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
#14
○委員長(遠藤要君) 中村行政管理政務次官。
#15
○政府委員(中村靖君) このたび行政管理政務次官を拝命いたしました中村靖でございます。
 大臣を補佐し、最善の努力をしてまいる所存でございますので、委員長初め委員各位の皆様方の御指導、御鞭撻を心からお願いを申し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。
#16
○委員長(遠藤要君) 堀之内防衛政務次官。
#17
○政府委員(堀之内久男君) このたび防衛政務次官を拝命いたしました堀之内久男であります。
 伊藤長官のもと、最善の努力をしてまいりたいと思いますが、微力でございますので、委員長初め諸先生方の一層の御指導、御鞭撻をお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。
    ―――――――――――――
#18
○委員長(遠藤要君) 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案、以上四案を便宜一括して議題といたします。
 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。田邉総理府総務長官。
#19
○国務大臣(田邉國男君) ただいま議題となりました一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案について、一括してその提案の理由及び内容を御説明申し上げます。
 まず、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 本年八月七日、一般職の職員の給与について、俸給及び諸手当の改定等を内容とする人事院勧告が行われました。政府としては、その内容を検討した結果、調整手当の改定並びに指定職及び百分の二十以上の割合による俸給の特別調整額を受ける官職を占める管理職員の給与改定について、昭和五十七年四月一日から実施することとし、昭和五十六年度に支給する期末手当及び勤勉手当について、昭和五十五年度の俸給等を基準に算定した額に据え置くこととしたほかは、勧告どおり本年四月一日から実施することとし、このたび、一般職の職員の給与に関する法律について所要の改正を行おうとするものであります。
 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、全俸給表の全俸給月額を引き上げることといたしております。
 第二に、初任給調整手当について、医師及び歯科医師に対する支給月額の限度額を二十万五千円に引き上げるとともに、いわゆる医系教官等に対する支給月額の限度額を三万九千五百円に引き上げることといたしております。
 第三に、扶養手当について、配偶者に係る支給月額を一万二千円に、配偶者のない職員の扶養親族のうち一人に係る支給月額を八千円に引き上げることといたしております。
 第四に、調整手当について、甲地のうち人事院規則で定める地域及び官署における支給割合を百分の九に引き上げるとともに、医師等に対する支給割合を百分の九に引き上げることとし、官署が多数移転または新設された場合において、当該移転等の状況等に特別の事情があると認められるときの支給割合の限度を百分の九に引き上げることといたしております。
 なお、筑波研究学園都市移転手当についても、調整手当との均衡上、同様に支給割合の限度を百分の九に引き上げることといたしております。
 第五に、住居手当について、月額九千円を超える家賃を支払っている職員に支給することに改め、その支給月額の限度額を一万四千円に引き上げることといたしております。
 第六に、通勤手当について、交通機関等を利用する職員に対する全額支給の限度額を月額一万七千円に引き上げることといたしております。
 第七に、非常勤の委員、顧問、参与等に支給する手当について、支給限度額を日額二万二千三百円に引き上げることといたしております。
 第八に、筑波研究学園都市移転手当の改廃に関する措置についての人事院の勧告の期限を五年とすることといたしております。
 以上のほか、附則において、俸給表の改定に伴う所要の切りかえ措置、住居手当の改定に伴う経過措置について規定するとともに、管理職員の給与について、非管理職員との権衡上必要な限度において所要の保障措置を講ずるなど、所要の規定の整備を行うこととしております。
 次に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、ただいま御説明申し上げました一般職の職員の給与改定に伴い、特別職の職員の給与について所要の改正を行おうとするものであります。
 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、内閣総理大臣、国務大臣等の俸給月額は据え置くことといたしましたが、その他の特別職の職員の俸給月額については、これを引き上げることといたしております。具体的には、内閣法制局長官等の俸給月額は百八万円とし、その他政務次官以下の俸給月額については、一般職の職員の指定職俸給表の改定に準じ、九十二万円から七十九万八千円の範囲内で改定することといたしております。
 また、大使及び公使については、国務大臣と同額の俸給を受ける大使の俸給月額は据え置き、大使五号俸は百八万円とし、大使四号俸以下及び公使四号俸以下については、一般職の職員の指定職俸給表の改定に準じ、九十一万円から五十九万千円の範囲内で改定することといたしております。
 なお、秘書官については、一般職の職員の給与改定に準じてその俸給月額を引き上げることといたしております。
 第二に、委員手当については、委員会の常勤の委員に日額の手当を支給する場合の支給限度額を三万九千二百円に、非常勤の委員に支給する手当の支給限度額を二万二千三百円にそれぞれ引き上げることといたしております。
 第三に、内閣総理大臣及び国務大臣に支給する調整手当の月額については、当分の間、俸給月額に百分の八を乗じて得た額に据え置くことといたしております。
 以上のほか、附則においては、この法律の施行期日、適用日等について規定いたしております。
 次に、国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 昭和五十六年度に俸給が改定されることに伴い、同年度に退職する職員の間の退職手当について不均衡の生ずることがあり、これを是正する必要があると認められますので、政府としては、このたび国家公務員等退職手当法について所要の改正を行おうとするものであります。
 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、職員が昭和五七六年度中に退職をした場合における退職手当の支給に関する法令の適用については、同年度内に俸給月額を改定する法令等が制定された場合において、退職の日における俸給月額がその日の前日までに改定があったとした場合の退職の日における俸給月額に達しないこととなるときは、その者について適用される退職手当の額の計算の基礎となる俸給月額は、改定後の俸給月額とすることといたしております。
 第二に、整理等による短期勤続退職等の退職手当の額の計算の基礎となるべき扶養手当の月額については、改定後の扶養手当の月額とすることといたしております。
 以上のほか、附則において、この法律の施行期日について規定しております。
 以上がこれら法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いを申し上げます。
#20
○委員長(遠藤要君) 伊藤防衛庁長官。
#21
○国務大臣(伊藤宗一郎君) ただいま議題となりました防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、このたび提出されました一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に準じて、防衛庁職員の給与の改定等を行うものであります。
 防衛庁職員の給与の改定等につきましては、参事官等及び自衛官の俸給並びに防衛大学校及び防衛医科大学校の学生の学生手当を一般職の職員の給与改定の例に準じて改定等を行うとともに、営外手当についても改定することとしております。
 この法律案の規定は、公布の日から施行し、昭和五十六年四月一日から適用することとしておりますが、指定職及び管理職員の給与改定について、昭和五十七年四月一日から実施することとし、昭和五十六年度に支給する期末手当及び勤勉手当について、一般職の職員と同様に、昭和五十五年度の俸給等を基準に算定した額に据え置くこととしております。
 以上のほか、附則において、俸給表の改定に伴う所要の切りかえ措置、住居手当の改定に伴う経過措置について規定するとともに、管理職員の給与について、非管理職員との権衡上必要な限度において所要の保障措置を講ずるなど、所要の規定の整備を行うこととしております。
 なお、一般職の職員の給与に関する法律の規定を準用し、またはその例によることとされている事務官等の俸給並びに扶養手当、通勤手当、住居手当、調整手当及び初任給調整手当等につきましては、一般職の職員と同様の改定が防衛庁職員についても行われることとなります。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いを申し上げます。
#22
○委員長(遠藤要君) 以上で説明聴取は終わりました。
 それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#23
○山崎昇君 まず、総務長官とそれから大蔵当局にお聞きをしておきますが、夕べ臨時閣議がありまして、来年度予算の大枠並びにその前提となります経済の見通し等について閣議了解があったと報道されております。私どもは、夕べのことでありますから、新聞でその数字を見る以外にいまのところ資料の入手はできないわけでありますが、きょう私が持ってきておりますのは日経新聞に出ております数字でありますが、大筋これにほぼ間違いないんだろうと思うんですが、まず確認をしておきたいと思います。
#24
○政府委員(増岡康治君) きょうの日経に出ております数字、まだ詳細に主要経済指標についてのお互いの数字を比べておりませんが、ほぼ正しいものと思っております。
#25
○山崎昇君 そこでお聞きをしますが、この閣議了解の見通しによりますと、たくさんの指標がありますけれども、給与に関連をする部分だけ抽出してお聞きをしておきたいと思うんですが、一つは、個人の雇用者所得は来年度六・九%ぐらいの実績を見込む。五十六年度は六・二%でありますが、それより大目の見込みをつけているようであります。したがいまして、経済企画庁長官の発言によりますというと、どうしてもこれは実現をしていきたいということでありますから、当然七%前後の収入の増があるものと私どもは見ます。一方、労働界の方は来年の春闘に向けて九%から一〇%内外が労働四団体の要求金額のようでもあります。どこに落ち着くかはこれからの運動の結果であるわけでありますが、いずれにいたしましても相当な雇用所得というものを見込まなければならないと私は思うんです。
 そこで、公務員給与に関連してお聞きをしたいのは、今日までこの公務員給与が大変揺れました最大の理由の一つは、当初予算に一%前後しか予算を組まないことにある。ことしは労働省の発表でも平均七・九%の民間の収入になっておる。公労協の諸君もまたそれに近い仲裁裁定になっている。したがって、人事院が民間の数字をはじいて、約四カ月ばかりいろんな調査をしながらはじいて出しましたこの勧告がいわば予算で抑えられる。それも当初予算でそれだけの雇用者の所得を見込みながら一%しか組まないというところに最大の原因があるんではないんだろうか、私はこう考えます。
 そういう意味では、来年度予算の大枠が示されたわけでありますし、その前提となる経済の見通しをすでに政府で了解をしたわけでありますから、来年は少なくとも政府で七%前後の収入増があると見込む。だとすれば、公務員給与について一体五十七年度予算は当初予算でどういう措置をとるのか。これは担当する総務長官の見解も聞きたいし、大蔵省の見解もまず聞いておきたい。
#26
○政府委員(増岡康治君) お答えいたします。
 昨日の件でございますが、主要経済指標の中には、まだいま先生がおっしゃるような雇用者所得のことについては明確に触れておりませんし、また確定もしていないと思っておりますし、われわれも資料を持ち合わせておりません。
 それから、来年度の経済背景と給与の問題の見込み方の問題をおっしゃいましたけれども、いずれにいたしましても雇用者所得はマクロ推計でございまして、ベア率を推計したものではないことは、これは先生御承知と思います。性格が違うものでございます。したがって、給与の改善費というものと雇用者所得とは本来関連づけて議論するのはいかがなものであろうと、こういう感じを実は持っておるわけでございます。したがって、まだきょうこれから、今晩御承知のように閣議にわれわれの原案を出す段取りでございますし、これが正確に決まってきますのは恐らく二十八日ごろだろうと思いまして、まだ原案を作成、原案を出したというところでございますし、そういう現状でございますので、計数的な詳細の面についてはひとつ差し控えさせていただきたいとお願い申し上げます。
#27
○国務大臣(田邉國男君) 給与の改善の予算でございますが、この問題につきましては、従来の良好な労使関係というものを維持していくことがきわめて重要でございますので、私ども、五十七年度の人事院勧告の取り扱いに当たりましても、これを尊重するという基本的前提に立って対処をしてまいりたいと思います。
 なお、予算の問題につきましては、これからの閣議の中でいろいろと論議をされることでございますので、その皆さんの御意思を体して私どもは対応をしてまいりたい、かように考えております。
#28
○山崎昇君 それはおかしいじゃないですか。だから、私は最初におおむねこの数字は間違いありませんかということを確認をしている。ただ私は、いろいろなここに数字が挙がっていますが、簡単に言えば名目成長率が八・四%、実質が五・二%。物価は卸売が三%、消費者が四・七%。就業者も一・一%ふえる。完全失業率は二・一%。最終消費支出は名目八・六%、実質が三・九%。そしてその内容として所定内賃金、時間外賃金、ボーナス等がふえるであろう。そういうものを全部ひっくるめて雇用所得というものを六・九%ぐらいふえるであろうとあなた方は見ている。歳入として入ることを見ている。当然これに見合った公務員に対しても処置をあらかじめしておかなければならぬじゃないですか。それが、いままだこれはあれでございまして、まだわかりませんなんという答弁は納得できないですよ、私は。
 そして経企庁長官は、閣議後の記者会見でも述べられておる。ここに述べておりますのは、需要項目別に前年度比増減率を見ると、民間最終消費支出は名目八・六%、実質三・九%、いま申し上げたとおり高い伸びとなる。一人当たり雇用者所得が六・九%、本年度が六・二%でありますからこれも高く見ている。こういう経済指標をもとにしてこれから予算が確定していくわけでしょう。だとすれば、当然公務員の問題についても、今年度一%しか組まなかったからこういう問題が起きているわけなんで、当然所要の財源というものはある程度見なければいかぬのじゃないですか。重ねてこれは聞いておきます。
#29
○政府委員(増岡康治君) 先生のお気持ち、よくわかるわけでございます。いずれにいたしましても、五十七年度の給与改善につきましては、これはもちろん総理がいつも言っておりますように、人事院勧告の趣旨を尊重すると、こういうことがあります。片や財政事情の問題を総合的に勘案して決めることになるわけでございますけれども、人事院におかれては来年の四月ごろいろいろ調査をなさる、片やマクロ的な推計という問題がありまして、いろいろそういう間を見ながら今度の来年度予算編成に当たったわけでございます。
 ただ、先ほど申し上げましたように、ちょうどいぼ原案を作成したばかりでございまして、すべてのまだ了承を得てないと、こういう立場でございますので、そういうものを勘案してというところでひとつ御理解いただきたいと思います。
#30
○山崎昇君 それでは、これから公務員のそういう給与予算等の問題についても大蔵としては考えていくんだ、いまはこれに載っておらぬけれども当然考えなければなりません、こう理解しておきます。
 総務長官に申し上げておきますが、また来年の勧告が出た後、同じようなこういう不手際が生じないようにあなた方もきちんとした予算を組ませるようにひとつ努力をしてもらいたい。
 それから、人事院総裁にあわせてお聞きしておきますが、ことしはいま申し上げましたように一%だけできわめて私は遺憾な状態であったと思う。総裁もたびたびその点については触れられておりましたが、五十七年度の人事院勧告につきましても人事院は毅然として調査されると思う。そしてまた、勧告がその結果によってなされると思う。それらの段取りについて総裁の決意を聞いておきたいと思います。
#31
○政府委員(藤井貞夫君) 人事院の給与勧告制度が制度としてございます限りは、従来の方針にのっとってこれの踏襲の上で方針を固めて、従来どおり進めてまいるということには基本的には変更はございません。従来どおりにやってまいります。
 したがいまして、来年の日程を申しますと、まず最初に取りかかりますのが一月中旬の国家公務員に関する実態調査、詳細にこれは全部について調査をいたします。それから始めます。それから、今度は春闘等の動向を見ながら、四月現在で民間の給与の実態を調査いたしまして、これとの比較検討の上で較差が出てまいりますれば、結論を出して勧告すべきであれば当然勧告をすると、従来の方針はそのまま踏襲してまいる所存でございます。
#32
○山崎昇君 総務長官に重ねて確認をしておきますが、十一月の二十六日に、総理から私に公務員給与についての回答が出されたわけです。その際、私でありませんが、同僚の委員から総理に対する質問がございまして、今度の措置というのは全く異例であって、五十六年度限りで、来年以降はそんなことはやらないんだという趣旨の答弁がございました。そういう意味で言えば、異例の措置という中には、一%も含めて五十六年度が異例であって、五十七年度以降は当然勧告が出れば勧告どおり実施するものと総理の意向を私は考えるんですが、重ねて総務長官からその決心を聞いておきたいと思う。
#33
○国務大臣(田邉國男君) 総理の答弁につきましては、私も先ほど申しましたように、人事院の勧告を尊重するという基本的なたてまえに立って給与問題に対処をしていくと、こういうように私は理解をいたしております。また、私もさようなたてまえに立って対応をしていく、こういう考えでございます。
#34
○山崎昇君 それでは、総理の私どもに対する答弁をそのままあなたは了解をしているわけですね。そういうふうに了承しておきます。
 それから、具体的に質問に入りますまでにちょっと二、三数字を確認しておきたいんですが、総理府にお聞きをいたします。
 今回の措置で給与が凍結されます指定職は何人でしょうか。それから一等級が何人、それから二等級のうちで一種二五%の手当を払う者が何人、二種二〇%の管理職手当を払っている者が何人、この数字をまずお聞きをしておきます。
#35
○政府委員(山地進君) 一般職の職員とそれから一種、二種の職員とそれぞれございますが、指定職の職員から申し上げますと、これは千五百人が一般職の給与法の適用職員でございます。その他裁判官とか検察官とか、そういったような方々を含めますと五千三百人が指定職の相当の方でございます。
 それから管理職員でございますが、同じようにこれは一種、二種、私どもの方の今回の法律がたまたま一種、二種の、つまり管理職手当の二五%と二〇%という方でございますので、そういった分類にさしていただきますと、一般職の給与法の適用職員では、いわゆる管理職員というのが八千人でございます。それでその内訳、二五%、一種の管理職の職員が約三千二百人、それから二種が約四千八百人、合計八千人になるわけです。これが、いまの裁判官とか、そういった方々のほかの俸給表の方も含めて管理職員を計算いたしますと、いまの八千人が九千三百人になります。一種に当たる人が三千七百人、二種が五千六百人、合計で九千三百人、かようになっております。
#36
○山崎昇君 それからもう一つ数字を確認をしておきますが、これは私の方で調べた数字ですが、間違いなければそのとおりと答えてもらいたいのですが、人事院勧告の完全実施をする財源として三千四百十億円、うち当初予算に上げましたものが六百三十億円、追加必要財源二千七百八十億円、これが一つの数字であります。それから今回削減をした財源額、総額で九百億円、うち期末・勤勉手当分が七百十億円、調整手当の見送り分が百三十億円、管理職のいろんな延べたりあるいは凍結したりの分が六十億円、こういうふうに私ども考えておりますが、間違いあるかどうか一つと、それからそれを金額に直してみまして、調整手当の値切り分が七百四十二円、管理職等の値切り分が二百七十四円、言うならば値切る分は一人に直しまして千十余円。そういう意味でいきますというと、今度の人事院勧告は一万一千五百二十八円が平均でありますが、一万五百十余円で五・二三%の勧告というものが四・七七%にしかならない、こう私ども思っておるのですが、間違いありませんか。
#37
○政府委員(山地進君) 私の方の手元の数字、大体先生のおっしゃる数字と合っておるわけでございますが、個々の分につきましては、たとえば調整手当とボーナスがダブり勘定になるとか、どっち側の勘定に入れるかということで右に行ったり左に行ったりするという点がございます。そういう点もお含みいただきますと、大体同じような数字であろうかと思うのですが、念のため私どもの数字を申し上げますと、いまの三千四百十というのは一般会計であるということが一つございます。特別会計の方を入れますと、それが三千四百十に当たるのが三千五百八十になります。それから給与改善費として六百三十上がっていたものが六百十になるというような点がございます。
 それからもう一つ、いまの中で一般会計だけで申し上げますと、先生のおっしゃったような三千四百十とかあるいは九百とかいうようなことでございますが、その中の節減額の内訳になるわけでございますが、ボーナスの凍結で、全部このボーナスの凍結というのが調整手当のところにはね返りますので、これが七百四十と私どもの方でははじいております。そういたしますと、調整手当というのは先生もおっしゃったように百三十本来あるわけですが、この場合には、ボーナスも含めて調整手当をもっと切るとボーナスのはね返り分を入れてどうだという議論をすると百三十になるわけです。それがボーナスの方に勘定が入っちゃいますと、四十億ぐらいが減りまして九十になるわけです。指定職の方も約七十億ばかりあるわけでございますが、そのはね返り等、つまりボーナスの方を勘定しちゃっているというのを減らしますと五十億ぐらい、これを総計いたしますと八百八十、約九百というような数字があろうかと思います。
 それから一人当たりの点については、私どもの方よりもあるいは人事院の方が数字は正確かと思いますので、そちらの方で御答弁願いたいと思います。
#38
○政府委員(長橋進君) これは各給与種目別のトータルの平均的な数字を用いたものでございますから、実態は若干ぶれるかと思いますけれども、御指摘のとおり四・七七ないし四・七八%ということになろうかと思います。
#39
○山崎昇君 そこで総裁にお聞きしますが、いま出されましたこの法律案を見て、たとえば調整手当に手を入れる、あるいは期末・勤勉手当を全く抑えられる、あるいはまた代償機能としての人事院勧告を全く適用されない者が何人か出てくる。こういう事態に対して、勧告した人事院としては一体どういうお考えを持つのか。これは当然遺憾だという答弁になるんだと思うんですが、戦後この人事院勧告が多く出されまして、不完全実施の場合もずいぶんありました。ありましたけれども、今回のようなやり方は初めてなんですね。
 そして、法案の内容を見るというと、附則で多少の矛盾を解決するような処置をとってはおりますものの、初めての今回のようなやり方でありますだけに、私は人事院としてどんな考えを持つんだろうかと思うわけなんです。加えて、いま大筋、多少の違いはあるといたしましても五・二三%が四・七七%にしかならない。言うならば、少し言葉は悪いんですけれども、目玉の中に指を突っ込んでかき回すような今度のやり方というものは私は全く納得できない。特に、これによって給与制度がある意味では根本からひっくり返るようなやり方をしてくる。
 こういうやり方に対して、総裁としての見解を聞きたいし、それから総務長官にあとで具体的にお聞きしますけれども、政府・与党が打ち合わせをされて、もちろん野党にも示したわけでありますが、一体行政を預かるあなたとして、こういう矛盾の多い内容を与党との間にどういう経過で決めたのか、どういうあなた方はアドバイスをしたのか。全く政治だけが一人歩きしちゃって、こういう凹凸だらけの法律を出さざるを得ない、こんなやり方というのは私はないんじゃないかと思う。総務長官の見解も聞いておきます。
#40
○政府委員(藤井貞夫君) お答えを申し上げたいと思います。
 給与に関する人事院勧告制度の持つ意味なりというものについては随時御論議をいただいておりまして、すでにこれは定着をした慣行に相なっておるというふうに思います。一言にして申せば、公務員についてはその特殊性からいって労働基本権が制約をされておる。したがって、それに対する代償機能として人事院勧告制度というものが認められているものと理解をいたします。この点については大方の理解もどんどん進んでまいりまして、ここで申し上げるまでもなく、昭和四十五年以来、時期、内容ともに完全実施をされて定着をした制度として今日まで来ておったわけであります。
 その取り扱いに対して、今年度においては、いま御指摘になりましたようなまことに異例の取り扱いがなされたわけであります。また、具体的にお示しになりましたように、私もこのような取り扱い方がなされたのは初めてであろうというふうに思っておりまして、その意味においてははなはだ遺憾であるというふうに申さざるを得ないと思います。
 むろん客観的にいろんな情勢がございました。厳しい財政状況ということがございましょう、財政再建なんということも至上命令であります。また今年の場合は、特に第二次臨調というものが発足をいたしまして、いち早く臨調の第一次答申というようなもので公務員給与について適切な抑制措置を講ずるというような方針が示されたという客観情勢はあるということは私も十分認識はいたします。認識はいたしますが、しかしいまの制度がある限り、公務員の給与というものは財政状況のいかんにかかわらず、要するに世間並みの相場と申しますか、それ並みの給与というものは確保しなければ公務員の生活安定ということにもならないし、また非常に重要性がどんどんと増してまいります公務の能率的な、公正な運営ということもやっぱり保障しかねるという観念から、いままで大方の支持を得て今日まで非常に良好な慣行として定着をしてまいったと思います。
 そういう面からいって、現在の制度がある限りこれがいろんな角度から論議をされて、結果として政府案としていま決まっておりますようなそういう削減措置が講ぜられることは、これはやはり人事院勧告の制度自体の持つ意味から申しまして、これは繰り返して申しますが、はなはだ遺憾であるというふうに申さざるを得ません。したがいまして、この点はあくまでも異例の措置として、いち早くやっぱり本来の姿に戻していただくということに最大限の御理解を賜りたいというのが偽らざる私の心境でございます。
#41
○国務大臣(田邉國男君) 今回の措置でございますが、政府・与党の数次にわたる協議の結果、終盤国会における情勢判断として、十一月の二十七日の閣議決定をしたような給与改定の取り扱いをするという結論に達したものでございまして、その点を御理解をしていただきたいと思います。
#42
○山崎昇君 理解せいと言っても理解できるわけじゃない。
 そこで、総務長官、具体的にあなたに聞きますよ。たとえばいま二等級十四号の課長補佐がおるとする。この人が、まあ月はどの月でもいいですけれども、来年の三月までの間に課長に仮になるとすれば、いまもらっております三十五万円、この人は二八%の、課長補佐で該当しない人が課長になったと仮定すれば、三十五万円の俸給が三十三万四千円に下がるんです。
 そこで、あなたにお聞きをしたいのは、これは明らかに国家公務員法六十二条の一項に反するんではないか。あなたは御存じかもしれませんが、国家公務員法の六十二条の一項とは何か。「職員の給与は、その官職の職務と責任に応じてこれをなす。」二項で「前項の規定の趣旨は、できるだけすみやかに達成されなければならない。」と、こうなっておりまして、六十三条には給与準則が書かれています。しかし、給与準則ができるまでの間は一般職の給与法の第一条で職務標準表がつくられて、いま扱われているわけです。職務が課長補佐から課長に上がって本俸が下がるなんというばかなことを、あなた方行政屋として、幾ら政治がどうあろうとも黙ってそれを見過ごすということはあり得ないんじゃないんでしょうか。一体これ私から言わせれば六十二条違反じゃないか。法律に違反するような制度を財政だとか政治論だけで片づけるというやり方はとうてい私は承服できない。
 さらに、時間がきょうは余りありませんから続けて申し上げますが、逆転防止なんという言葉で今度の法律が出されているわけですが、一体この逆転防止という附則の条項というのは、給与法上でどういう根拠があってこういうことをやるんだろうか。たとえば差額を支給しますという。いまのような場合に、この人がまた今度違うポストについた場合にまた問題点が出てくる。そういう場合に差額をあなた方は支給すると言うんです。給与法のどこにこういう差額の規定があるのか、根拠を示してもらいたい。
 すべて、立法技術上からいきましても、何にも本法にもないものを、本法を改正する経過措置でもないものを、そういうものを附則でいきなり差額支給だとか逆転防止だとか、こういう形で給与制度をゆがめるというやり方は、行政にとりましてはとるべき態度ではないんじゃないでしょうか。政治がそういう方向をとろうとするならば、当然あなた方は政治に対してその旨をやっぱり説明をして、こんなことの起きないようにするのがあなたの任務じゃないんでしょうか。あなた、当時総務長官ではありませんが、しかしいずれにしても職務は引き継ぐわけでありますからあなたにいま物を言っているわけですが、その根拠を聞かしてください。
#43
○政府委員(山地進君) いま先生の御指摘になりましたように、公務員法の六十二条、職務と責任に応じて給与というのがあるというのは、私どももこれは今後変わらない基本原則であろうかと思います。今回の給与改定の法律は、まさに、いろいろ大臣からも申し述べましたとおり、緊急異常な状態に対処するためのものでございますので、私どもとしては従来から指定職の俸給について十月実施というようなこともやっておりましたし、このような厳しい財政の折から、こういったことをせざるを得なかったというわけでございます。
 そこで、その差額の点でございますが、差額の支給の根拠といいますと、先生のおっしゃるように法律に基づいて出すわけでございますので、逆転防止のための支給される給与というのは、実質的には俸給、扶養手当等と同じような性格のものであるわけでございますけれども、形式的には、これは特別の名称を持たない月額の手当であるというふうに私どもは言わざるを得ないのではなかろうかと思います。したがって、一般職の給与法の本法に基づくものではなく、いまおっしゃったように給与法の一部改正法の附則に基づくというものであるというふうに観念しておるわけでございます。
#44
○山崎昇君 ずいぶん苦しい答弁をしますな。給与法にないもので、また名前もないような手当をどうやって支給するのですか。ただ、附則に確かに書いてありますよ。これは事務当局としては遺憾千万な答弁だ、そういうやり方は。さっきも申し上げましたように、六十二条違反は明らかです。職務が上がって責任が上がって本俸が下がると、本俸が下がるんですよ、これ。こんなばかな給与制度というのはどこにありますか。総務長官は、あなたは知事もやられて幾らかそういうことだってやったと思うんだ。私も今日まで公務員給与専門にやってきた一人ですけれども、こんなやり方は初めてですよ。いまの人事局長の答弁は、名前はないと言う、給与法には根拠はないと言う、やむを得ないから附則で出すと言うんだ。
 そして、一体この差額というのは本俸と見るのですか、これは手当なのですか。本俸と見なければ、自後、退職手当を計算する場合でもあるいはその他の場合でも問題が生じてきますよ、単なる手当ということになれば。そういうものを基礎にして計算せよということになっていないのですから。本俸とみなすのですか、重ねて聞いておきます。
#45
○政府委員(山地進君) これは一種の手当であるというふうに私どもは観念しておるわけでございます。
 いまの退職手当につきましては、退職手当法の適用上、本俸は上がった場合の本俸を用いて計算するという処置を講じているというのが退職手当法の趣旨でございます。
#46
○山崎昇君 だんだん聞いてくるというと矛盾だらけになってくる。幾ら異例の措置といっても、余りにも行政の筋は曲げるべきものではない、それは。曲げていいものと曲げて悪いものとある、やっぱり。戦後三十年間続いた給与制度を、あなた、ことしの異例措置というだけでこれだけの曲げ方をするということはどうしても私は承服できない、これは。だからこれは本来なら、指定職は別としまして、一般職の中で差別することはやめた方がいい。本当は総務長官、これは撤回して、さっき財政を聞きましたら、わずか六十億程度ですな。これぐらいのことができないわけじゃないと思う。このために、これだけ六十二条に違反するような、給与制度を根幹から揺るがすようなやり方というのは変えるべきじゃないだろうか。しかし、いま提案されて、あなたの顔を見て、なかなか撤回するというような顔もしてないようでありますけれども、いずれにしても、今後こういうことを再びやらないようにしてもらいたい。全く異例だ、本当に。異例という言葉だけでは片づかないです、この問題は。この点を強くあなたに申し上げておきたいと思う。
 さらに総務長官にお聞きしますが、仲裁裁定は完全実施ですね。これも労働基本権を制限して、かわりに仲裁裁定という制度をとっている。しかし、これは本俸も手当も完全実施になっている。どうして人事院勧告だけがこういう扱いにならなければならぬのか。法律上の仲裁裁定と勧告制度の違いは私も承知しております。こんなことは言われなくてもわかっておりますが、この仲裁裁定の差というものについてどうお考えでしょうか。
#47
○国務大臣(田邉國男君) 非現業の国家公務員と三公社五現業の職員については、それぞれ人事院勧告と仲裁裁定の制度が設けられておりまして、いずれも労働基本権の制約に対する代償措置の一つであるという点では共通の性格を持っておるわけであります。しかし、給与財源や給与決定方式は、非現業の公務員と三公社五現業の場合とは異っておるわけでございます。
 三公社五現業の給与は労使交渉によって決定をされるたてまえでありまして、紛争調停のための仲裁裁定は、労使に対して最終決定としての拘束力を持ち、政府は実施の努力義務を負う。ただし、当該企業体等の予算上あるいは資金上実施不可能な協定または仲裁裁定については国会がこれに関与するということになっております。
 これに対しまして人事院の勧告は、法律という形で国会で決定をしていただくことになっておりまして、国会のこれらの二つの関与方式が違っているわけでございます。その取り扱いにつきましては若干の差が出ていることはやむを得ない、かように考える次第でございます。
#48
○山崎昇君 制度の違いは私も承知していますよ。しかし、事柄はやはり働いている人の給与の問題ですね。なるほど仲裁裁定という制度でやっている、片方は人事院勧告ですね。しかし、財政的に言っても仲裁裁定の方は全部これは黒字ばかりではありませんね。そういう苦しい中でもやはり仲裁裁定を国会も守りなさいと言う、政府も守った。労使間で話し合いして、労使間の円満な運営というものを基礎に置いてやられている。そうだとすれば、人事院勧告を実施する――法律だからどうやってもいいということにはならない。やはり人事院勧告を完全実施する法律をあなた方は出す義務を負っているんじゃないですか、制度の違いは承知いたしますけれども。ところが片方は、手当も本俸も全部完全実施をやって、同じ働いている一般の公務員だけにはこんなばかな給与法を出してくる。これは政府のとるべき態度じゃありませんよ。この点はきつくあなたに申し上げておきたいと思うのです。
 それから、具体的にお聞きをしておきたいと思うのですが、大蔵当局に聞いておきますが、共済組合法上で矛盾が出てきませんか、今度の措置は。
#49
○説明員(野尻栄典君) お答え申し上げます。
 共済年金は社会保険方式で財政が組み立てられておりますために、新規裁定される方々の年金というのは掛金の標準となった俸給を基礎にして計算すると、これが原則でございます。したがいまして、五十六年度中に退職された方々の中で勧告の趣旨に沿ったベースアップが行われた方々につきましては、その新しいベースを基礎にして掛金の追徴もいたしますし、それによって年金の裁定は行われることになりますけれども、このベースアップが行われないことになります管理職等につきましては、掛金の標準となる給与そのものが動かないわけでございますから、旧ベースといいますか現行ベースでしか年金の算定ができない、こういう仕組みにならざるを得ないわけでございます。
 そこで、そうしますと、管理職になった方々の年金と管理職にならなかった方々の年金とで差が出てくるということは当然起こってまいります。その問題についてどう対処するかということに相なろうかと思いますが、五十六年度中に退職した管理職の方々だけが、将来にわたって年金額が遺族年金につながるまで、何といいますか不公平なというか、陥没した形になるということは好ましくないわけでございますので、将来の年金額改定というところで何らかの調整措置をとっていかざるを得ないのではないかと、こういうふうに私どもとしては考えているわけでございます。
#50
○山崎昇君 なぜ私はこれを聞くかというと、退職手当は救済措置をとるんですね。共済は、いまあなたの言うとおり何にもとらないんですね。将来何らかの措置をしたいと言っても、将来そんなことができますか。
 たとえば、さっき申し上げた人が課長になったら本俸が下がって、なるほど掛金も安くなる。その人がやめると課長補佐でやめるより年金が低いんですよ、これ、現実的に。なぜかといったら一年の平均給ですから。それはそのまま放置していつかの時期に直しますといったって、そんなもの直せるわけがないじゃないですか。共済組合法で、さかのぼって適用して、その間の掛金を取ったり外したりできますか。退職手当だけは今回救済措置を出したのにかかわらず、共済については何も触れないというのはどういう意味ですか。
#51
○説明員(野尻栄典君) いま申し上げましたように、共済年金の基本原則というのは、やはり納めた保険料と関係があるわけでございますから、差額による保険料の追徴した方としない方とがまた同じ年金になるということは、それ自身がまた別の意味でのアンバランスを生むわけでございます。したがって、新規裁定の年金額そのものについての差ができるのは、これはもう制度上やむを得ないというふうに考えております。ただ、そういう方々を将来、年金額改定という法律が出てまいりますですね、毎年、恩給にならって。そのときにどういう措置ができるかについて検討さしていただきたいと、こういうふうに申し上げているわけでございます。
#52
○山崎昇君 そうすると、今回の措置で、いまあなたが言ったように矛盾の起きたものは年金改定の際にあなた方は直したいと言うんですね。すると、具体的に言えばどういうことができますか、具体的に聞いておきます。
#53
○説明員(野尻栄典君) たとえば昭和五十五年以前に退職した方々の年金額改定というのは、恩給における措置にならいまして、また来年どういうことになりますか、これから予算の最終セットまでの間に方向が決まると思いますけれども、そういうものを参考にしながら将来検討するということしかいまのところはお答えできないと思います。
#54
○山崎昇君 それじゃ救済にならぬじゃないですか。そんなものは一般的な共済年金の上げ方であって、今次のこの問題によって生ずる救済にはならぬじゃないですか。事共済組合に関する限りは救済措置ができてないんです。できないんです、現実的に。恩給も上がったから一般の年金も上げますとか、当然のことです。そんなのはスライドですよ。それといま私が聞いていることは違うんです。それから寒冷地給あるいは国家公務員災害補償法に対しても暫定措置をとるようでありますけれども、その中身がよくわからない。
 総務長官、これはきょう時間がもうなくなってきましたから私やめますが、事ほどこういう問題が今度の措置によって出てくるんですよ。一時金で処置できるものはなるほど多少の救済はできているかもしれない。そうでないものは救済できないんです、これ。私はもう本当に行政の怠慢と言ってもいいんじゃないかと思うぐらい、今度のこの法案というものは納得できない。しかし、もう時間が来ましたから進めますが、退職手当についても具体的にどんな矛盾が起きますか。
#55
○政府委員(山地進君) たとえば先ほど先生が例に出されました二等級の十四号の方の退職手当を考えますと、二等級の十四号の課長の方とそれから補佐の方、これ月給は確かに特別調整額をもらうから、月々の手当は課長が多くて補佐が少ない。超勤を入れますとまた問題が出るわけですが、超勤を考えなければ課長が多いからその間の逆転ということはないわけでございますけれども、退職金というのは、先ほど先生御指摘のございましたように本俸をベースにして退職手当を計算する。そうすると、同じ三十年勤めて課長の方が二等級の十四号の場合の計算というのは千九百八十六万円、課長補佐の方は同じ二等級の十四号でベースアップがありますから二千七十九万円、その差が約九十三万円と出る。これはやはり同じ三十年勤めた方がたまたまことしやめるというときに、補佐と課長との間に差ができるというのは好ましくないということで、課長の場合も新しい俸給表が適用されるものとして計算したい、かように考えているわけでございます。
#56
○山崎昇君 私も二、三具体的に計算してみているわけですが、いま二等級の十四号というのが盛んに基礎になる。そこでいろんな手当も平均的なもので計算をしてみて、課長補佐で今度の適用を受ける者とそれから課長でこの引き延ばしを受ける者と月収総額を調べてみると、私の計算では約二万二千円ぐらいになりますが逆転するんですね。これはいろんな手当の基準もありますけれども、平均的でいって。それをあなた方は差額と称して出すわけでしょうね。ですから、私は先ほど来具体的にいろいろお聞きをしてきたんですけれども、どうしても今度の法律は異例だという言葉だけで過ぎ去ってしまうということは、私は給与制度の根幹にかかわる問題でありますだけにまことに遺憾だ、本当に。
 これは人事院として、いま私が二、三指摘しているんですけれども、こういう事態に対して、先ほど総裁からきわめて遺憾だという意思表示がございましたけれども、こういう具体的な問題、いま私が指摘したのを聞いて、改めて一体人事院ではどういうふうにこれ事務的にやられるんでしょうか、お聞きをしておきたいと思います。
#57
○政府委員(藤井貞夫君) 勧告はいろんな点を配慮し、従来の経緯にも立脚し、また法律の精神にのっとってやらしてもらっておるつもりでございまして、勧告自体が一つのセットになっている、パックになっておるということで、何らかそこで一部分に手をつけますと全体としての整合性が失われるということは当然のことでございます。そういう矛盾がいろいろ今度の措置に伴って生じてきておるというふうに私は理解をいたしております。
 なかんずく、いま山崎委員も御指摘になりましたように、私がやはり一番気にしておりますのは、逆転防止の手当ということはそれはそれなりの評価をすることはできますが、しかし本来の給与制度のあり方というものから見て、下の者が昇格をした、その途端に本俸自体が下がるというのは、これは給与制度としてとても容認ができないという点は全く私は同感であります。
 そういう意味も含めてまことに遺憾であるということを申し上げておるのでありまして、この点は事務的な連絡その他を通じて十分関係方面にも申し述べてまいっておりますし、今後ともやはりこういうことの再びないように気をつけてまいらなければいかぬということを痛切に感じております。
#58
○山崎昇君 防衛庁長官もおいでですから一点お聞きをしておきますが、実は私は防衛庁職員の給与法についてかなり議論をしている一人なんです。そして、特に昭和五十二年十一月二十五日の当委員会で、具体的にこの防衛庁の給与体系について私は何点か指摘をいたしました。
 大ざっぱに申し上げますというと、行(一)との対応の仕方、それから自衛官俸給表については将(一)、(二)に区分しておりますけれども、一体それは何なのか。あるいは公安職との対応の仕方、あるいは私傷病療養費控除の根拠等あるいは営内者と営外者の扱い方、これが給与を計算する場合に実に複雑なんですね。そういう点で、きょう議事録を持ってきておりますが、私はお尋ねをしたんですが、その当時人事教育局長は、すべて研究課題にさしてもらいたい、速やかに検討して結論を出したいと、こう答えられたわけなんですが、自来四年たっているんですね。一体防衛庁はどんな検討をして、いまどういう段階にあるのか、そして私の指摘したこれがあなた方もそうだと思うならば、いつごろこれに対してあなた方は結論を出そうとするのか、その見通しについてお伺いしておきます。
#59
○国務大臣(伊藤宗一郎君) ただいま先生御指摘の防衛庁職員の給与につきましては、着任後、事務概況報告等を聞きまして、私自身も改めてその複雑さを認識をしたところでございます。また、先生が大変この問題でわが防衛庁に幾つかの矛盾点を問いただしてその善処方を御要望していただいておるということも十分拝承しておるところでございます。
 いずれ、見通し等につきましては政府委員から答弁をさせますけれども、先生御指摘のお言葉にもございましたとおり、いろいろの問題点、矛盾点がございまして、また防衛庁だけでも解決できない問題もございまして、いま御批判がございましたけれども、大分内部でそういう問題を詰めておるところでございますけれども、なかなか大変な複雑な体系でございまして、今後とも、先生にこの国会の始まるに当たりまして改めて御指摘を賜りましたことを長官としても念頭に置きながら、具体的な検討に鋭意取り組んでまいりたいと思います。
 なお、検討の状況、見通し等につきましては、担当の政府委員から答弁をさせることにしたいと思います。
#60
○政府委員(佐々淳行君) 検討の状況並びに見通しについてお答え申し上げます。
 山崎先生からは、先ほど御指摘のように、五十二年十一月二十五日に御指摘をいただいたほか、数次にわたってこの問題については貴重な御意見をちょうだいいたしておりました。私ども、その御意見を踏まえてこれまで前向きに検討してまいりました。
 多少その改善された面からまず申し上げますが、将(一)、将(二)の問題、すなわち将(一)というのは先生御承知のように指定職ということでございますが、現在将官が陸海空で九十五名おりますけれども、統幕議長であるとか各方面総監、地方総監等、こういうものは指定職ポストになっておりまして五十四名になっておりますが、まだ指定職にならない将がおる。一官一給与という原則から言えば、将というその官職を設けた以上、これを全部指定職といいますか将(一)なら将(一)にまとめるべきではないか、まことにごもっともな御意見だと思います。御指摘をいただきましてから、この将(一)、(二)の問題解決のために関係当局と鋭意交渉をしてまいりまして、今日までにポストにおいて四つ将(二)を将(一)格上げということをいたしたほか、将(一)のポストの非常に格の低かったものを二つ格上げ、合計六つについて改善措置を講じたところでございますが、なお将(二)のポストが相当残っております。今後財政事情あるいはその横並びの関係で指定職の増設というのはなかなかむずかしいかと存じますが、一官一給与にすべきであるという先生の御意見の方向に持ってまいりたいと考えております。
 それから公安職とのリンクの関係でございますが、警察予備隊以来公安職俸給表を準用するということで、これを引っ張ってきているわけでございますけれども、公安職の相当官職七等級の間に二佐以下の十三階級がひしめいておる、こういう状況でございまして、特にこの前も御指摘をいただきましたのは、准尉、曹長、こういうものを新設した結果、公安職の(一)の五等級、ここに三尉、准尉、曹長、一、二曹と五つの階級がひしめいてしまいまして、給与格差が百円から三百円ぐらい、御指摘のように大変不合理な状態だと思います。この点につきましては、この前私五十五年でございますが、当委員会で御答弁申し上げましたときに、部分手直しで済むものか全体の見直しをせにゃいかぬのか、その問題をまず検討すると申し上げましたが、現時点は全体手直しはこれはなかなか一朝一夕にできませんので部分手直しでまいりたい、すなわち三尉の階級にあるものを公安職の上位等級に格上げをすることができないだろうかということを現在庁内で検討しておりまして、結論を得ました段階で関係省庁とも協議をいたしたい、かように考えております。
 それから調整率の問題、これもいわゆる公安職における二十一・五時間という平均の超過勤務、これは昭和二十九年の数字でございまして、これを換算して一〇・〇二という調整率を掛けておるわけでございますが、御指摘のように不利な点が出ているんじゃないか、こういう点もございますので、この点もまだ解決をされておりませんけれども、検討いたしておるところでございます。
 それからさらに、その一番大きな問題、すなわち防衛庁職員給与法が行政職(一)、(二)それから公安職、さらには指定職につきましては制服もシビルも指定職俸給表の月額をそのまま準用しておる、さらに事務官以下につきましては事務官等俸給表で一般職のをそのまま適用になっておる、この三つの給与体系、指定職を入れますと四つになりましょうか、こういう複雑多岐なよくわからない体系を何とか解決すべきである、こういう問題につきましては、先ほど長官答弁にございましたように、防衛庁単独では何ともいたし方ない問題でございます。人事院の方におきましても、公務員給与制度全体の見直しということを打ち出しておられますし、その大きな流れの中で私どもも鋭意改善の努力をいたしたいと、かように考えております。
 なお、将補が二等級であったという問題につきましては、これはもう御指摘のとおりでございまして、将補――ゼネラルが課長補佐だというのはどうもおかしいわけでございまして、これを一」等級にリンクせいという点につきましては、その後五カ年間で改善措置をとりまして、二百二十二名の将補のうち百七十一名、すなわち将補昇任が大体四十八歳、将昇任が五十二歳でございます。その横並びの他官庁との経験年数その他を勘案いたしまして五十歳をもって一等級リンクと、こういうことで百七十一名を一等級リンクにいたしております。
 まだいろんな問題がございますが、先生御指摘の点のうち多少改善された点は以上でございます。
#61
○山崎昇君 時間を過ぎちゃって恐縮ですが、重ねて。
 私は本当に、防衛庁の給与体系、見れば見るほどわからなくなってくる。よくこんなややこしい計算をするものだと思うぐらいややこしいです。これはやっぱりもっと簡素化してきちっとしてもらいたい。
 それから総務長官、先ほど来述べましたように、もう再びこんなことをやらぬように、五十七年度はすっきりしてもらいたい。総理が言われたように、異例中の異例の措置だというんですから、私ども納得いたしませんけれども、きょうはこれで質問時間が切れましたのでやめますが、いずれにいたしましても、今後はこういうことのないように厳重に改めてもらうことを申し上げて、私の質問を終わります。
    ―――――――――――――
#62
○委員長(遠藤要君) 委員の異動について御報告いたします。
 ただいま、野田哲君が委員を辞任され、その補欠として本岡昭次君が選任されました。
    ―――――――――――――
#63
○峯山昭範君 私の方からは人事院勧告と防衛庁関係について質問をしたいと思います。
 総務長官にお伺いしますが、人事院勧告につきましては先ほどからいろいろと質問ございましたけれども、初めてでありますので、基本的な問題をきょうは二、三お伺いしておきたいと思います。
 初めに、何はともあれ人事院勧告、これは総理府にとりましても非常に重要な問題であります。したがいまして、ことしのことにつきましてはこれから二、三お聞きはしたいと思いますけれども、人事院勧告についての基本的な考え方ですね、そして、これから政府に対して予算の要望の中でもこの問題が大きなテーマになるわけでありますが、この二点、人事院勧告についての基本的な考え方並びに大蔵に対する要望、要求等も含めまして、総務長官の基本的な姿勢を初めにお伺いしておきたいと思います。
#64
○国務大臣(田邉國男君) 人事院勧告につきましては、政府は昭和四十五年以来十年以上にわたりましてこれを尊重をし、厳しい財政事情にもかかわらず一般職員の給与改善の完全実施をしてきたところであります。今回の措置は、第二臨調を設置するなど、国の行財政の全体が危機的な状態にある中で、労働基本権の制約及び、またこれまで維持されてまいりました良好な労使関係、現下の厳しい財政事情、行財政改革が推進をされている中での国民世論の動向等を総合的に勘案をいたしまして、臨時緊急の措置として行ったわけでございます。しかし、人事院の勧告を尊重するという政府の立場には変わりはございません。私といたしましても、今後良好な労使関係を維持することがきわめて重要であると考えておりますので、この基本的な考え方に立って今後も対処をしてまいる考えでございます。
#65
○峯山昭範君 人事院勧告は、昭和四十五年以来歴代の総務長官が相当苦労して完全実施されてきたわけですけれども、ことしも前の総務長官は相当、人事院勧告は尊重しなければならない、あるいは完全実施ということで当委員会でも大分声を高くしてがんばっておられたわけですけれども、結局は完全実施できなかったわけであります。やっぱりそこら辺についての責任、どこら辺に問題があったかということは、ある程度反省なり、これからの完全実施するための対策としても考えなくちゃいけない問題だと私は思うんです。
 そこで、やっぱり一つは最近変な慣例みたいなのが出てきちゃって、こういう問題についてどう考えているかということも一遍大臣の考えを聞いておきたいと思うんですけれども、去年の給与関係法案を審議するに当たりましては、御存じのとおり昨年は定年制の法案とか、それから退職手当法案とかいう法案がいわゆる給与と絡み合って非常に複雑な動きをしたわけでありますし、ことしは行革関連法が取引の材料みたいになってしまった。こういうことは、これはいいことではないわけです。まことにけしからぬことであります。ここら辺の問題について大臣はどういうふうに考えているのかということ。
 それからもう一つは、これは大蔵にも関係があるわけでありますが、先ほども政務次官の方から御答弁ございましたように、給与関係のいわゆる改善費、これが非常に少ないということがあるわけです。これは大蔵の方にはまた別にお伺いするとしまして、先ほども同僚議員の方から質問ございましたが、総理府として予算要求の中でこのくらいはもうちょっと給与改善費として盛り込んでいただきたいという要求なり要望なりというものがきちっとしていないと、やっぱりことしみたいなことになってしまうのじゃないかと私は思うんです。
 この二点をちょっとお伺いしておきたいと思います。
#66
○国務大臣(田邉國男君) 政府といたしましては、人事院勧告の取り扱いを他の法案との取引に使おうというようなことはございません。法案をどのように扱うかということ、これは国会の御判断にかかわることでございます。私といたしましては、人事院勧告の趣旨を十分体して、その趣旨に沿って基本的態度として進めてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
#67
○峯山昭範君 後段の方。
#68
○国務大臣(田邉國男君) 給与改善費の問題でございますけれども、私といたしましてはできるだけ人事院勧告の線に沿ってこの対応をしてまいりたい。また、これから閣議もございますので、私どもは皆さんの御意思を体して対応をしてまいる考えであります。
#69
○峯山昭範君 やっぱり大臣、総理府が昭和四十四年ごろからですか、給与関係のいわゆる改善費として大体五%ぐらいずっと例年ちゃんと大蔵の方で予定していたわけですよ。予算措置をちゃんと初めからしでいたわけですよ。ところがことしは一%でしょう。去年が二%ですか。その前の年が二・五%で、だんだん減ってきているわけですよね。そこら辺のところにやっぱり財政的に厳しいとか財源がないとかいう根源があるわけですから、初めからもう少し予算を組むように、給与関係の大臣としてそれを大蔵に対して徹底的に言う、そして初めからもう、どうせ後でけんかしなければいかぬわけですから、初めから組んでいただくということは大事なことだと思うんですよ。
 ですから、これから閣僚会議があるとか何とかかんとかいう問題ではなくて、総理府としてこれだけは最低入れてもらいたいと、先ほどからたとえば経済成長率とか経済見通しとか、雇用者の所得の伸びとか、そういうような問題については、すべてこれは数字は先ほど同僚議員の方からありましたから言いませんけれども、当然そこら辺のところは総理府として、総務長官としてこれだけはというのをもうきょうぐらい決めておかないと、きょうの夕方閣議で決定をして内示があるわけでしょう。ですから、総理府自身として腹を固めて大蔵に折衝するというような方向でお願いしたいと思うんですが、そこら辺の基本的な考え方、数字がもしわかればこの程度というのは一ことしの一%というのは余りにも少な過ぎると私は思うんですが、これ、あわせてお願いします。
#70
○政府委員(山地進君) 事実関係をまず申し上げておきたいわけでございますが、予算でございますから各省から大蔵省に要求するというのが通例でございますが、人件費というのは各省の人件費で各省の要求の中に入っている。総理府としての人件費の要求はあるわけでございますけれども、公務員全体の人件費をうちが大蔵省と折衝するというようなことにはなっていないわけでございます。したがって、閣議の中でいろいろ御議論いただく場合に各省の大臣としても御関心がある。総理府としてはそれをまとめて非常に関心があるという立場にあるということだけ申し添えたいと思います。
#71
○国務大臣(田邉國男君) いまお話し申し上げましたような経過でございますけれども、私といたしましては、閣議におきまして人事院の勧告に沿った基本的態度でこの問題については十分要望もいたしますし、対応をしてまいる考えでございます。
#72
○峯山昭範君 いや大臣、よくわかります。けれども、勧告、これから調査をやりまして来年出るわけです、これ。来年何ぼ出るかわかりませんが、いずれにしてもある程度これから予想される数字というのは、たとえば先ほどから問題になっておりますいろんな問題、いろんな数字がいっぱいあるわけですね。たとえば来年度の経済見通しについてのそれぞれの数字が全部出ておりますね。そういうところからある程度の予測はできるわけです。そこら辺のところは総務長官がある程度腹を決めて、そしてそのことを閣議で物を言わないと、またことしと同じように一%になっちゃうわけです。ですから、人事院から勧告があってからというんじゃ、もうこれ遅いわけですよ。そこのところはそう、心得ていただきたいと思いますし、そういうふうな発言をしていただきたいと思います。
 それから大蔵当局にこの点もお伺いしておきたいわけでありますが、現実の問題として給与関係改善費というのが非常に少なくなってきているわけですね、各省庁で見るにいたしましても。ですから、したがって大蔵省当局としましても、ことしの改善費の関係を考えてみましても、現実の問題としていろんな面で苦労していらっしゃるわけですね、実際問題として。したがって、そういうような点から考えてみましても、この給与関係改善費につきましては、大蔵省自身がいろんな経済見通し等から考えても、ある程度予想される点でもあると私は思うんです。したがって、そこら辺のところについての大蔵省当局の考え方を一遍ちょっとお伺いしておきたいと思います。
#73
○政府委員(増岡康治君) 給与改善費につきましては非常にたくさんの議論が従来からあります。皆さん方御承知と思っておるわけでございますし、また先ほど人事院総裁からの筋論も十分われわれも拝聴しておりますし、総務長官の話もよくわかるわけでございますが、大蔵財政当局としては、いろんな御意見がございます。その中ですべてのいろんな御意見を十分ひとつ配慮しながら適切な結論を得ようという、そういう努力は一生懸命やっておるわけでございます。ただ御承知のとおり、来年度の人事院勧告はどうであろうかというものは、ただ単なる来年度の経済指標等からはなかなか推測できるものではございませんし、その点は御理解をいただけるものと思っておるわけでございます。したがって、従来御承知のように機械的に一定率を計上しておるという経過はございます。
 ただ来年度につきましていまどうかとおっしゃいましても、先ほど山崎委員に申し上げましたように、ちょうどいまそういう時期でございまして、非常に私もう事実本当のこと知らないんでございまして、いわゆる大きな問題ばかりありまして、私自身はまだ十分存じ上げてないような段階ぐらいいろいろと苦慮をしてきておるはずでございまして、具体的な計数が申し上げられないのは非常に残念でございますが、ひとつよろしくお願いをいたします。
#74
○峯山昭範君 わからないのにお伺いしてもこれはいかぬわけでありますから、これ以上言いませんけれども、いずれにしましても昭和四十四年から昭和五十三年までは五%近く計上されていたというのは事実なんですね。そういうようないろんな関係から見ましても、ことしの一%というのは全体として少ないというのはおわかりいただけると私は思うのですよね。そういう点、ぜひあれしていただきたいと思います。
 それで、きょうはあれですから簡単にお伺いしますが、人事院総裁にもせっかくお見えになっていますので一言、これは一遍お伺いせにゃいかぬわけですが、これは総務長官、人事院が八月に勧告をいたしまして、それでこの法案が今度の国会ですよね。とにかく政府の取り扱いというのは遅過ぎる。ぼくはいつも人事院に勧告を早くせい早くせい、もっと早く調査して何とかならないかと一生懸命言っているのに、国会と政府に対して人事院の方から勧告が出ましてからきょうまでの期間というのは本当に長過ぎるわけです。これは、これだけ長くなる責任というのは政府にあると私は思うのですよ。ですから、来年またどうなるか私わかりませんけれども、こういうふうな問題については、とにかく早く給与関係閣僚会議というものをどんどん詰めて、そして早く実施できるように全力を挙げていただきたい。また完全実施できるように全力を挙げてもらいたい、こう思います。
 それから人事院総裁、今回のいきさつは、総裁は行革の委員会にもお見えになっておりましたので深くあれこれお伺いいたしませんが、特に先ほどから管理職の皆さん方何人か、これは相当な数でありますけれども、給与の凍結という問題がありましたんですが、これは実際問題として人事行政あるいは人事院としましては非常に問題が多いと思いますが、この問題については総裁どういうふうにお考えになっているのか。ことしの勧告についてのいろんな問題があったわけですが、今回こういうような法案が出てきたわけでありますが、人事院としてこれから勧告するに当たってもいろんな問題が出てくるんじゃないかと私は思います。ここで人事院総裁の今回の法案に対する基本的な考え方だけきょうはお伺いしておきたいと思います。
#75
○政府委員(藤井貞夫君) 勧告を出しておりまするので、これを完全実施していただくことがわれわれの年来の考え方、お願いでございます。したがいまして、いろんな事情がございましたにしろ、今日御審議をいただいておるような内容の法律案が提出をされたということについては大変残念に思っております。また、私自身としても公務員の諸君に大変申しわけない仕儀であるという感じをぬぐい切れません。
 したがいまして、今回の措置等に対しては、いろんな角度からの私なりの思い、批判というものは当然あるわけでございますが、その中で特に気になりますことは、いま御指摘になりました、一部ではありますけれども、管理職員について凍結が行われるということでございます。この点は余りにも矛盾が多過ぎるということで、手当でもって逆転防止の措置が臨時的に講ぜられておりますが、先刻来の御指摘もございましたように、私は二点に重要な問題を含んでいると思います。
 一つは、給与制度自体の問題でございます。いかなる理由があるにせよ、財政的な見地から給与制度の根幹に触れるようなこういう措置は大変問題であろうと、また将来にも尾を引く給与制度自体としての問題点が一つあります。もう一つは、私の立場からいたしまして、公務員についてはいろいろの御指摘もございましょうけれども、大部分の公務員は一生懸命に私は働いてもらっておると思います。そういう職場における中心として、管理職員は先頭に立って日々むずかしい仕事に取り組んでやっておるわけであります。こういう諸君の立場から言いまして、自分は上級の方だからやむを得ぬというふうに思われる方もありますかもしれませんが、しかし内心は大変どうも、なぜおれたちにしわ寄せが来るんだろうかという気持ちは、私は覆い隠すことができないと思います。そういう意味で、職場のやはり士気に大変影響する、こういう点は私は大きく言って大変なマイナスではないかという感じを持っております。
 いろいろ申し上げたい点は多々ございますけれども、それは一つの繰り言にもなろうかと思います。今後はやっぱりこういうことのないように、私自身もさらに自粛自戒して努力はしていかなければなりませんが、こういうことが今後繰り返されることは絶対ないように皆さんにも御協力を願って対処をしてまいりたいという気持ちでいっぱいでございます。
#76
○峯山昭範君 余り時間がございませんので、総務長官にももうちょっといろいろお伺いしたいと思っていましたけれども、きょうは防衛庁長官もお見えになっておりますので、防衛庁長官にもちょっとお伺いしておきたいと思います。
 給与の問題は別にいたしまして、防衛庁長官、長官が大臣に就任されましてしょっぱなの記者会見で、非常になかなか、今度の長官は自分の口でちゃんと物を言うから本当にすばらしい大臣だなと私は思っておりました。ところが、すぐ訂正されましたんで、これはまたと思って私は非常にがっかりしているわけですけれども、大臣、いろいろと時間があればもう少し時間をとって議論をしたいわけでありますが、まず一つはGNPの問題であります。大臣の初めの記者会見の発言によりますと、日本が軍事大国にならないためにもGNP一%以内の方針は堅持すべきである、なかなかかっこうのいいことをおっしゃっているわけであります。ところが、この問題についてすぐ歯どめがかかりまして、その日の夕方にはこれ多少軌道修正がなされているわけであります。ここら辺のいきさつ並びに大臣の御真意はどこら辺にあるのか、一遍その点ちょっとお伺いしておきたいと思います。
#77
○国務大臣(伊藤宗一郎君) やはり日本が戦前歩んだような軍事大国になってはならない、また、すべきではないという信念につきましては変わりありません。ただ、対GNPの問題は、いわゆるGNPに対しての比の問題でございますから、目下作業を進めております五六中業等の問題でGNPがまだきわめて流動的な段階でもございますし、それとの比で、また防衛計画の大綱の水準を決めたのは五十一年でございますから、そのときには当面一%以内でやるということでございました。その後の経済情勢、また国際情勢等もきわめて大きな変化を遂げている段階でございますので、そういうようなことも考えますと、目下作業の段階で、私自身いま申し上げる段階ではございませんけれども、五六中業の段階でそういうようなことがあるいは起こり得るかもしれない。そういう場合には、防衛庁としてもそうならないようにぎりぎりの努力は続けますけれども、そういう場合には国防会議等に御審議をお願いするような事態が起こり得るかもしれないというようなことを申し上げたのでございます。
#78
○峯山昭範君 いや、もう大臣、その議論はこれは行革の最終段階でも総理もやっぱりその問題、大分詰められまして、これはもう少なくとも総理の答弁だけ聞いておりますとGNPの一%以内の方針というのは変えないと、要するに。それで五六中業という問題があるけれども――あるけれどもという前提がついて変えないということは行特の委員会でも明確に総理はおっしゃったわけです。だからそれを受けて伊藤長官は、それにまた日本が軍事大国にもならないだめにと、えらいかっこういいことをおっしゃっていますな、これ。それでいいわけですよ。その考えでぜひ貫き通していただきたいわけです。
 ところが実際問題として、防衛庁内局の方としては、いわゆる五六中業を試算する段階では、これはもうGNPの一%の中に入り切れないというふうな議論はもう何回も出てきているわけです。何回も出てきて、総理の前で何回も議論したあげく総理のさっきの答弁になっているわけであります。それをあえて今度は大臣が、要するに記者会見した答弁はどうも意を尽くしてなかったからというて記者会見してわざわざ答弁をやり直すというのは、これはやっぱり防衛庁当局としては、このGNPの一%についての考え方というのが大臣も就任してぼっと言った当時の発言とは大分後退していると、私はそういうふうに思いますが、ここら辺のところ、時間ありませんから、その点についてもお答えいただくといたします。
 それからもう一つは防衛に対する基本的な考え方。これやっぱり大臣、今度わが内閣委員会に初めてお見えになりましたので、国防に対する基本的な考え方、こういう基本的な考え方でやってまいりたいと、これも一遍お伺いしておきたいと思います。
 それからもう一つは、先ほどから大激論を闘わしておりますいわゆる人件費別枠論ですね、これは大蔵当局と防衛庁と全然違うわけでありますが、この点についてはまだ決着ついていないと私思うんですが、この考え方、どういうふうになっているのかということ。その三点をちょっとお伺いして、私の時間も来そうでありますので、終わっておきたいと思います。
#79
○国務大臣(伊藤宗一郎君) まず、先ほどのGNPの問題は、いまのところは、当然のことながら五十一年のときに閣議決定しております当面GNPの一%を超えない方針のもとに防衛計画の大綱を達成するという、こういう方針においては現在も変わってはおりません。
 そういう方針のもとに、われわれは「国防の基本方針」にのっとり、近隣諸国との友好、協力関係を確立して国際緊張の緩和を図る等の外交施策。これが第一点。
 次には、経済的社会的発展を図るに必要な内政諸施策を講じること。これが第二点でございまして、実施面に入りますと、防衛計画の大綱に従い、わが国みずから適切な規模の防衛力を保有して、これを最も効率的に運用し得る体制を整備し、さらに米国との安全保障体制を堅持して、その信頼性の維持及び円滑な運用体制の整備に努めることによってすきのない防衛体制を保持し、初めてわが国の平和と安全が保障されるものと考えております。
 さらに、最も大事なことは、国の防衛は侵略に対する国民の抵抗意思が旺盛でなければなりません。したがって、国民の広範な支持と協力がなければ国の防衛は成り立たないものでございますので、防衛につきましての国民の広範な支持が得られるよう防衛庁といたしましてもさらに一層努力をして防衛基盤の強化に努めてまいりたいと考えております。
 これが私の基本方針でございます。
 なお、人件費の問題は、ただいま間もなく御審査を受けますけれども、われわれのこの間要求をいたしました概算要求の中には、七・五%の中には人件費のアップ率は含まれておりません。そういう方針のもとにこれからも大蔵省と折衝してまいりたいと考えております。
#80
○安武洋子君 昨日、衆議院の内閣委員会で本法案の審議がなされております。その中で総務長官とそれから山地人事局長が、今回の人勧の取り扱いについては参議院の行特委の最終盤で各党問の話し合いがあってその結論を知らされた、こういう趣旨の御答弁をなさっておられます。しかし、「各党間」と言われておりますけれども、わが党はそのような話し合いには全く関知をいたしておりません。ここで確認をしておきますが、「各党間」の中にはわが党は入っていないということは御承知でございましょうね。御答弁をいただきます。
#81
○政府委員(山地進君) 前国会の終わりの状態につきましては、先ほど総務長官からお答えいたしましたとおり、政府・与党の協議会というのがすぐ持たれまして……
#82
○安武洋子君 知っているかどうかだけでいいんです、時間がないから。
#83
○政府委員(山地進君) どんなような話し合いが行われたかとか、どことどこがやったとか、あるいは与野党で話し合いがあったかとか、そういうことについては私どもは一切関知しておりません。
#84
○安武洋子君 長官は。
#85
○国務大臣(田邉國男君) ただいま人事局長が申したとおりでございます。
#86
○安武洋子君 だから、今回の人勧の取り扱いについては参議院の行特委の最終盤で各党間の話し合いがあってその結論を知らされたという御答弁がありましたから、ここではっきりさせておきますが、わが党はそういうことには全く関知をしていないということを御承知おき願いたい。
 人事院勧告という重大な問題ですね、これは「各党間」というのは私はどの党とどの党かは知りません。しかし、公務員制度の根幹にかかわるような形のこういう値切りというふうなことを話し合ったという党の責任というのは私は重大だと思います。
 それとともに政府の責任も大変重大です。今回の値切り額九百億、こういうのは人勧史上の最悪の値切りですね。公務員労働者の労働基本権を奪った最低の代償措置、この人事院を否定して人勧を形骸化する、公務員労働者に対して私は政府として許しがたい背信行為ではなかろうかと思います。一体公務員労働者に対して何と言って釈明をなさるおつもりなんでしょうか、長官に承りとうございます。
#87
○国務大臣(田邉國男君) 人事院の勧告につきましては、政府は四十五年以来十年以上にわたってこれを尊重し、また厳しい財政事情の中にもかかわらず一般職員の給与について完全実施をやってまいりました。本年の人事院勧告の取り扱いにつきましては、政府は臨調の答申を踏まえまして、人事院勧告制度を尊重するたてまえに立って、数次にわたりまして給与関係閣僚会議を開催をいたしまして財源確保のためには異例の努力を払ってまいり、既定の経費の節減、また税外収入の増収等に努めるとともに、既定の経費の見直しを行うなどいたしまして、誠心誠意その実施のために最大限の努力を傾けてきたわけでございますが、公務員の労働基本権の制約及びこれまで維持されました良好な労使関係、現下の厳しい経済情勢、危機的な財政事情、行革が推進をされている中での国民世論の動向等を総合的に勘案をいたしまして、臨時緊急の措置としてその決定を行ったわけでございます。公務員諸君もこれらを御理解されるよう期待をいたしておるわけでございます。
#88
○安武洋子君 公務員労働者がそんなものを理解なんかできませんですよ。人事院勧告を値切るということは、単に金額――金額も大変ですけれども、それだけの問題ではございません。十一年間貫かれてきた政府の方針を変更するというもう本当に重大な問題なんです。
 人勧を値切らないというこのいきさつですけれども、昭和四十五年三月二十七日、当時の佐藤総理が参議院の予算委員会で、「人事院勧告の完全実施、これは長い間の問題でありまして、政府としても完全実施のできておらない現状をまことに遺憾に思っております。」、遺憾に思っているという御発言がございました。そして、「どういうものが出てこようと完全実施する、こういうことで予算編成と取り組む」、こういう御答弁をなさっておられます。さらに当時の山中貞則総務長官も、四十五年三月二十六日の参議院内閣委員会で、四十四年度まで完全実施をしてこなかったのはわが党内閣でありますがはなはだ遺憾であると、こういうことを言い、仮に予備費等において途中で災害その他予期せざる支出があって完全実施が困難であるような財政状態になったとしても、完全実施は四十五年から貫徹する方針は変更しない、人事院の国家公務員の身分を保障する役目についての政府の対応する姿勢は大変おくれたけれども、四十五年からきちっとした姿勢をとる、そのことは大変当然のことである、そして正しい状態に到達できるのだと喜んでいる、こういう御答弁があってこの値切らないで実施をするということが発足しているわけですよ。
 ですから私は、大変厳しい財政状態だ云々というふうなことはこれは問題にならない。私は、この貫いてきた、ここで立てられた政府の方針を変更するという重大な政治責任は免れないと思います。このことをどうお考えか、御答弁願います。
#89
○国務大臣(田邉國男君) 先ほども申し上げましたような異常の経済情勢、また第二臨調等を踏まえまして、私どもはできるだけこの問題に対応すべく、数回にわたる給与関係閣僚会議も開き、そしてこの問題に対応をいたしてきたわけでございます。したがいまして、今回の緊急措置はやむを得ないものであるわけでございまして、ただ私どもは、先ほどから申しましたように人事院勧告を尊重するという政府の立場には変わりはございませんし、私といたしましても、今後良好な労使関係を維持することはきわめて重要なことでございますので、この基本的な考え方に立って今後もこの給与の問題については全力を挙げて対応をしてまいりたい、こういうことでございます。
#90
○安武洋子君 そういうことは私はもう御答弁にならないと思います。異常だからやむを得ないとか、数回にわたって努力をしたとかいろいろおっしゃいますけれども、やっぱりどんなものが出てこようとちゃんと実施をしていくんだということを当時の佐藤総理も言われておりますし、それから、大変おくれたけれども、当然のことであるけれども正しい状態に到達するんだと、こういうことを言われている。私は、そういう政府の方針を曲げるというふうなことは、単に緊急避難的だとか云々とか、財政とかということで済まされる問題ではないと思います。公務員労働者に労働基本権を返してから、おっしゃるならおっしゃるべきではなかろうかというふうに思うわけです。
 そこで、少なくとも今後の問題ですが、私は先ほどから長官の御答弁を聞いておりまして、人事院勧告は尊重するというふうなことをおっしゃっておりますけれども、できるだけ対応していきたいと一できるだけという御答弁が出ておりますが、できるだけということは、できないこともあるという前提も含まれるというふうに私は解釈をいたしますが、そういうものではないということで、物価上昇率に見合ったぐらいの給与改善費というものを組むために長官は全力を挙げるべきだと、そして四十五年当時の政府方針に立ち返るために全力を挙げて努力をし、人事院の勧告というのはどんなことがあってもこれは値切らないで実施をしていくんだという御決意をはっきりさせていただきたい。御答弁をお願いいたします。
#91
○国務大臣(田邉國男君) 先ほどから申し上げましたように、私どもは昭和四十五年以来人事院勧告に沿いまして完全実施をやるべく努力をしてまいりました。また、その十年間というものはそのような形で実施をされてまいりました。しかし、最近の経済情勢、いろいろの諸般の情勢を勘案いたしまして、今回はまさに異例の措置であると私どもは考えております。御指摘のように人事院勧告を完全に実施したい、これは担当大臣としてはそういう考え方でございます。しかし今回の場合、そういうやむを得ざる事態であったということも御理解をいただきたい。私自身としては、良好な労使関係を維持していくためには、やはり人事院勧告を十分尊重をしてやってまいりたい、そういう考え方には少しも変わりはございません。
#92
○安武洋子君 今回が大変諸般の情勢で異例だというふうなことで済まそうとなさっていらっしゃいますけれども、「どういうものが出てこようと」云々というこの四十五年の姿勢に立ち戻ってくださいと、当時の総理が言われていると、こういうことを言っております。だから、一%の給与の改善費しか組まないというふうなことで、これは台風災害なんかがあってもそういうことはしわ寄せしませんということも四十五年当時に言われているんです。それで、台風災害がありましたとか財政収支の見通しが誤りましたとか、こういうことは口実にはならないということで、何としても基本的な姿勢に立ち返ってもらう必要があるということ、政府方針を変更するという重大な政治責任をもっと感じていただかなければならない、緊急避難的なもので済ませる問題ではないということを重ねて申し上げとうございます。
 さらに、今回の措置といいますのは、期末・勤勉手当につきまして算定基礎を五十五年度ベースに据え置いております。この特別給は、人勧でも民間より〇・〇八カ月分低いということになります。また、五十一年に五・二カ月から五ヵ月に削減したとき、これは御存じのように衆参両院で「可及的速やかに従前の支給割合に回復するよう努めること。」というふうな附帯決議も行われているわけです。ところが政府は、みずからこの国会でいままで答弁をなさって、人事院の勧告についてはこれを値切らずに実施をしていきたいと、完全実施をしていきたいと、こういう御答弁を再々繰り返された。そういう国会答弁を踏みにじるとともに政府の政治姿勢を変更する、しかも衆参両院で行われた国会の意思、これにも逆行する、こういう立場をとられるという、私はこういうことは大変重大だと思います。この国会の意思に逆行することをなさろうとすることについてどうお考えか、お伺いをいたします。
#93
○政府委員(山地進君) 私どもといたしましても、今回の処置はきわめて異例の処置であるということから、民間においても不況の場合にはボーナスというものから手をつけていくという例もございますので、財政の厳しい折から、また国民の世論の動向等も勘案いたしまして今回の処置をとらざるを得なかったということでございます。
#94
○国務大臣(田邉國男君) いま事務当局から話がございましたように、今回の措置は異例の措置である、今後は人事院の勧告については私どもは十分尊重をしてまいりたい、こういう考え方であります。
#95
○安武洋子君 国会の決議をそのまま棚ざらしにしているというふうなことは間々よくあることですが、国会の意思に逆行するという措置をとったということは大変政治責任が大きいと思うんです。そういう点の御自覚はございますでしょうね。そしていまの御答弁でしょうね。ちょっと重ねて確認しておきます。
#96
○国務大臣(田邉國男君) 国会における審議につきましては、私ども十分拝聴をしてまいる考えであります。
#97
○安武洋子君 拝聴だけしてもらったら困るので、その結果をちゃんと政府として実行していただきたい。逆行することをしてくださいなんてお願いしているわけじゃないのですからね。逆行する政治責任を考えてほしいということ、その重大さを認識してほしいということを私は申し上げているんです。そういう御答弁が出るところを見ると、認識なさっていらっしゃらないんじゃないかという危惧を私は大変持ちます。しかし、大変時間に追われておりますので次に移りますけれども、そこらはしっかり踏まえておいていただきたい、その踏まえた上で聞いておいていただきたいのです。
 長官は、まだ長官になられて間がございませんので、せんだっての退職手当の削減法案の質疑をお聞きでございません。ですから、長官にいま直ちに御答弁をいただくということは私は無理だと思いますので、これは宿題としてお預けをいたしとうございます。
 そういう意味で聞いていただきたいのですが、十月二十九日でございます、私は、日経連が大変官民格差があるというふうなことで資料を出しております、それにははるかに官の方が高いんだというふうな資料を出しておりますけれども、それに便っている資料というのは大変間違っているということを御質問申し上げまして、これは人事院も総理府もお認めになりました。ところが十一月二十六日付の「日経連タイムス」、これに「承服しがたい人事院総裁発言」というふうな「主張」が載っております。これは、私の質問に答えて「日経連の生涯賃金官民格差に使われた公務員モデルは、超スピード出世を例にとっており、承服しがたい。日経連自身も誤りを認めている」と、こう答弁をされた人事院総裁はけしからぬと、そして「安武議員と人事院は、この官のモデルは、本省の課長、部長に到達できる超スピード昇格者を対象としたものであり、一方民間は」云々というふうなことで、私の名前も挙がっているわけなんです。
 そこで、私ははっきりさせていただきたいということは、これは国民的な世論の総合的な動向も考えるというふうなことをおっしゃいました。人事院勧告を尊重はするけれどもというふうな前提として言われますので、この「主張」だけを読みますと、国会の中で人事院総裁もあるいは総理府も認められたこういうことが間違っていて、こちらの反論にもならない反論、大変これ珍論としか言いようのない反論が載っているわけです。ですから、こういうものが本当かという世論が広がっていくということになりますと、公務員の給与を担当なさる大臣として、国民の中に正しい公務員の給与はどんなものかという世論構成をなさる、こういう責任がおありだろうと思うんです。
 そこで、私はあのときも申し上げましたけれども、やはりきっちりと日経連に物申すべきだというふうに思います。ですから、当時の状況を十分に人事院総裁なり山地局長、あるいは会議録をごちんいただいても結構です、踏まえられた上で日経連に対して、官民格差については日経連が誤りであると、やはり官民格差の分についてはこれは官の方が低いんだという点ではっきり、きっちり物を申していただきたい、このことを要望いたしまして、時間になりましたので私の質問を終わります。
#98
○国務大臣(田邉國男君) 要望として承っておきます。
#99
○柄谷道一君 最後の質問になりましたが、鈴木総理は去る十一月二十六日、行財政改革特別委員会及び内閣、地行、大蔵の連合審査で、私の質問、すなわち明年も明後年も財政上の理由で人事院勧告が完全に実施されなければ人事院制度は形骸化するのではないかという設問に対しまして、本年度の措置は異例であるとされた上で、次のように答弁されております。
 毎年毎年ことしのような異例の措置が繰り返
 されるようであれば、これはまさに人事院制度
 の根幹に触れるような結果に相なると思いま
 す。政府といたしましては、ことしは御承知の
 ような非常に財政非常の事態でございますので
 異例の措置をとったわけでございますが、今後
 は人事院制度の持つ権威なりあるいはその勧告
 の重みというものを十分心得まして、誠意をも
 ってこれに取り組んでまいる所存でございま
 す。これは総理の答弁でございます。私はこれ何回も読み返して会議録を見たんでございますが、私はこの総理の答弁は、異例の措置は本年度限りのものであって、五十七年度以降は人事院制度を完全に実施するという決意を率直に表明されたものと受けとめております。
 そこで、総理府長官も鈴木内閣の一員でございますから、当然明年度は人事院勧告を完全に実施するという御決意と確認してよろしゅうございますか。
#100
○国務大臣(田邉國男君) 総理の答弁も、私が先ほど申し上げましたように、人事院勧告を尊重するという基本的なたてまえに立って給与問題に対処をしていくということを言われたと理解をいたしております。私もさような考え方に立って対応をしてまいる考えであります。
#101
○柄谷道一君 総理の答弁は、尊重するじゃないんですね。来年もやれば形骸化する、そのことは避けていきたい、この御決意ですから、単なる尊重というものを超えた総理の決意である、こう私は理解しておるんです。その点はっきり言ってください。
#102
○国務大臣(田邉國男君) ただいま申し上げましたように、私も総理の答弁同様、人事院の勧告を尊重するという基本的なたてまえに立って給与問題に対処していくという、こう私は理解をいたしておりますし、私もそのように対応をしてまいる考えであります。
#103
○柄谷道一君 人事院総裁にお伺いしますが、同じ連合審査の際、これまた私の質問に対しまして人事院総裁は、大変厳しい財政事情その他があるということは私自身も重々存じておりますが、給与に関する勧告のたてまえは、これを別個のこととして尊重していただかねばならぬ。勧告は完全実施すべきであるということは私の変わらざる信念でございますと、こうお答えになっております。本日、同僚議員の質問にも同様の趣旨を答弁されております。また今回の法案については、管理職員の給与の凍結は給与制度の根幹に触れること及び職場の士気に悪影響を及ぼすこと、この二点からしてもはなはだ遺憾であると、こういう趣旨の答弁をされております。
 したがって、明年度人事院の勧告が完全に実施されないということを仮にも招来するとするならば、私は総裁として重大な決意をされるのではないか、長官の誠実な人柄を知るがゆえに私はそのように思うわけでございます。人事院総裁としての明年度勧告に対する決意と姿勢をお示しいただきたい。
#104
○政府委員(藤井貞夫君) 本年度の人事院の勧告に対する取り扱いについてもいろいろ申すべき点がございます。また完全実施にならなかったということにつきましては、私といたしましては大変遺憾千万であるということは終始変わらざる信念でございます。したがいまして、この措置が仮に最終的に確定をいたしましたとしても、あくまで異例の措置としてとどまらせなければならないことでありまして、これが将来にもわたって同じようなことが行われてくるということになりますれば、それこそ人事院の給与勧告制度自体の根幹に触れる問題であるという認識は私としてもかたく堅持をしてまいりたいと、かように考えております。
#105
○柄谷道一君 総理の御答弁、長官のただいまの決意、そして総裁の決意にもかかわりませず、給与改善費をながめてみますと、これは昭和四十四年に政府が人事院勧告を完全に実施するという姿勢を示すために五%計上されました。そしてその五%は、五十三年度までその率を維持してきたわけでございます。ところが、五十四年度はその半分の二・五%、五十五年二%、五十六年一%と年々下降いたしまして、本年度次官はまだ数字を掌握していないということで、これはそこら私よくわからないんですが、昨年度と同額を給与改善費として計上するということになりますと、一%を割って〇・八ないし〇・九%程度の計上にしかならないのではないか、こう巷間言われておるわけですね。
 私は、同僚議員が質問いたしましたように、同じ政府の経企庁が一人当たり雇用者所得の伸びを名目六・九%と計上しておる、こういう実態からいいましても、この給与改善費の計上というものは全く実態にそぐわない予算編成であると思うのでございます。そこで、このような大蔵省の予算編成の姿勢は、当初から明年度も人事院勧告を完全に実施するということは財政上無理であるということを前提として組まれているのではないかという批判がございます。
 ここで端的にお伺いしたいんですが、大蔵省としても今回の措置は異例の措置である、こうお考えでございますか。
#106
○政府委員(増岡康治君) 私もいろいろ先般の連合審査における総理答弁をずっと読ましていただきました。そこに流れるものは、やはり人事院勧告はこれを尊重しようという従来の政府の基本的なたてまえを述べられておりまして、その中において本年度の、この五十六年度のこの法案までに至ったものについて「異例」というようなお言葉をお使いになったんだと思いますけれども、そういう基本的な態度につきましては、財政当局も実は同じ立場であるわけでございます。
 しからば来年度どうするかという先生のお尋ねでございますが、先ほど諸先生に申し上げたとおり、いろんな経済的な指標が出ましても、やはり人事院勧告というもの、来年度のことでいろんなものを予測するというのは非常にむずかしいわけでございまして、特に重要な予算編成の中において実は非常にむずかしいことでございます。皆さん方におわかりいただけると思うんでございます。人事院勧告そのものを尊重しながらも国家公務員の給与等についてもいろいろと意見がございまして、そのいろんな御意見を十分参酌しまして一生懸命ひとつやろうというのがいまの姿勢でございます、はっきり言いまして。
 先ほど申し上げましたように、来年度それじゃどうするか、これはやはり予算を組む以上は、そういう精神を尊重するというたてまえを頭に置きながら来年度の予算を組まにゃいけないということで、やっぱり一定率をどうするかという問題が大きな問題だろうと思いまして、これはわれわれよりさらに上の段階のマターであろうと思います。そういう意味で、きょうはそういうことについて詳しく触れることを差し控えさしていただきたいと申し上げた次第でございます。
#107
○柄谷道一君 どうもわからないんですが、副大臣ですからね。
 そこで、ではもう少し突っ込んでお伺いしましょう。いずれにしても総理は、来年度人事院勧告は完全に実施しなければならぬ、人事院勧告は尊重していかねばならぬ、これは明確に言われているんですね。ところが、きょうは夕方閣議で決められます予算編成は、世間一般の予測からして、それにはるかに及ばない低額のものであろう、これは総理府長官もっとがんばってもらわなきゃなりませんが、幾らがんばられても五%の計上は無理だと思いますよ。そうしますと、結局その二つを継ぎ合わして考えれば、予備費の流用もしくは補正予算をもってしても人事院勧告は実施すると、この裏づけの答えがなければいままでの答弁は何の意味も持たないと私は思うんですよ。そこらはそのとおり解していいですね。
#108
○政府委員(増岡康治君) ただいまの現時点においての答弁は、私が先ほど申し上げたことになると思います。これは毎年のことでございますけれども、いわゆる勧告が出た段階で、財政状況その他いろんな事情がございまして、総合的に決めていくというのが従来のことでございますので、財政当局とすれば、やはりそういう勧告が出た段階で一生懸命ひとつ勧告を尊重しながらやろうということ以上は申し上げられないわけでございます。よろしくお願いいたします。
#109
○柄谷道一君 予算内容はいろいろ報道されておりますけれども、歳出もゼロ・シーリング、もう精いっぱい削っていると思うんですね。一方、歳入見通しは甘いと思われるほど精いっぱい高く見ておるわけですよ。したがって、来年容易に税収の伸びが予想以上にあって、人事院勧告を完全に実施するだけの財源が楽々と生まれてくるような予算編成ではないと思うんです。すると来年もまた、総理はそう答えておられるけれども、財政上の理由によるということがどうも頭をもたげてきそうな傾向にあると、私はそう受け取らざるを得ない。そこで総理府長官もう一度、尊重尊重はわかりましたから、やりますという答えをほしいのですよ、お願いします。
#110
○国務大臣(田邉國男君) 先ほどから申し上げておりますように、私どもは人事院勧告につきましては完全実施をしたい、そのことについては変わりございません。やはりその基本的姿勢を持ってこの給与の問題には対応をしてまいる、そういう決意でございます。
#111
○柄谷道一君 新大臣、きょうの場でこれ以上突っ込みましてもそれ以上のお答えはなかなか答弁されないと思うんですけれども、私はただいまの長官の御答弁を不退転の決意と、こう受けとめておきます。今後の長官の手腕を私は注目し続けたい。
 そこで、この問題の最後でございますが、もういまさら私は人事院勧告の持つ権威なり重みというものはくどくど申しません。長官にその認識を改めて伺っておきたいと思います。
#112
○国務大臣(田邉國男君) 私は、先ほどから申し上げておりますとおり、人事院の勧告というものは非常に重要なものである、そういう認識に立って今後の給与問題に対しては最善の努力を払ってまいる考えでございます。
#113
○柄谷道一君 人事院総裁にお伺いいたしますが、私は、現行の公務員制度の中で、たとえば採用時の競争試験とか特別昇給制度とか、昇給昇格とか勤勉手当等に成績主義ということが取り入れられておる、こう理解しております。しかし、そのような現行の制度があるにもかかわらず、本年度の勧告の中で、給与における成績主義の一層の推進を強調され、「給与制度に関しては、職務給の原則及び成績主義の原則を踏まえ、適正な給与配分を確保するための給与体系の確立を目指す」ということを特に最後に強調されているわけですね。そこで、その意図及び背景について端的にお答えをいただきたいと思います。
#114
○政府委員(藤井貞夫君) 公務の場においても成績本位の原則、いわゆる論功行賞的な運営を図ってまいらなければならぬことは当然のことであります。運営自体についてもそうでございますが、制度自体としてもこのことは大変重要に考えてまいらなければならないと思っております。
 いま御指摘になりましたように、いろんな方面で成績主義の原則を貫徹できますような制度的な措置は一応は講じております。いま詳しく全部を網羅はいたしませんが、任用制度については、採用試験を初め昇任昇格について成績主義というものを反映できますようにやっておりまするし、また給与の関係については、これもお話がございましたように特別昇給あるいは特別給というような問題の運用に関してその趣旨が貫かれるように配慮をいたしております。この点は各省庁においても当然のこととして大変重点的な課題として取り組んで日々その運営に心しておられるところでございますが、人事院といたしましては、事あるごとにまた各省庁の具体的な人事運営の実態について調査等をいたしまする際に、それらの点については特に力点を置いて指導に当たっておるつもりでございます。
 ただ、この点につきましては、公務の特殊性というようなものもございまして、各省各庁でいろいろその勤務の実態、組織等について相違がございますので、一律的にやれないというような問題もございますけれども、それはやっぱり排して、それを押しのけてこの趣旨が達成されなければならぬという私は考えを持って従来も対処してきているつもりでございます。
 昨年出しました今後の中長期にわたる展望の際に、この勤務成績あるいは成績主義本位の一層の徹底を図りましたのは、一つはやはり民間の企業の実態等を見ますると、何としても公務におけるよりももう少し深刻な努力がなされておるということは、私は実態として認めるべきだと思います。そういう点もありますので、制度としてもそういうものをさらに取り入れていく余地がまだまだあるのじゃないだろうかと、そういうことを具体的に検討していきたい。また、運用等についてもさらに厳しくやって、そのことが結局は士気の高揚にもつながる、職場の規律維持にも貢献するというような方向で努力をしていきたいということを考えまして、これを一つの努力目標に掲げた次第でございます。
 いずれにいたしましても、成績主義の観点ということ、大変重要なことでございます。特に、それは公務であるからなおさら必要であるという信念に立って今後も善処をしてまいる所存でございます。
#115
○柄谷道一君 時間がまいりましたので、あと一問だけさしていただきたいと思います。
 いま総裁お答えになったんですが、それを現実化するために、たとえば職務遂行の能力基準の策定等を検討されるお考えありやなしや、これが一つでございます。
 それから、総理府長官に最後にお伺いしますが、公務員の平均年齢は五十五年で四十・六歳になっております。しかも、四十八歳から五十三歳までの層が一番大きいわけですね。これ、民間に比べまして非常に高齢化といいますか、高齢化現象が進んでいるというのが公務員構成であろうと思います。もちろん、これは定年制の実施、それまでは勧奨退職制度の活用以外に道はないわけでございますが、そのほかにも省庁間の配転等にも問題が出てくると思います。これら公務員の高齢化の現状に対して今後どのような方針で対応していかれるのか、この二つをお伺いしまして、私の質問を終わります。
#116
○政府委員(藤井貞夫君) 時間の関係等もございますようですので、簡単に申し上げます。
 いまお尋ねのございました仕事別の能力判定基準の問題でございますが、これは各省庁とも勤務評定というものをやっておりますので、おのずからなるそういう判定基準は持っておるというふうに思います。また、各省いろいろ仕事が異なっておりますので、形式的に一律的な判定基準をつくることが果たして可能かどうか、そういう点の問題点は確かにあると思いますが、しかしわれわれが検討いたしておりまする中長期計画の中において、勤務成績というものをさらに向上していくという観点から、いまの御提案になりました点も一つの重要な研究課題として取り組んでまいりたいと思います。
#117
○国務大臣(田邉國男君) 近年、職員の年齢構成の高齢化傾向が著しくなってまいりまして、特に五十一歳前後の年齢層に一つのピークがございます。これが今後引き続き年齢を加えつつ推移していくのは御指摘のとおりだと思います。
 去る六月には、国家公務員に定年制を導入するということ、そのために国家公務員法の一部改正が行われたわけであります。昭和六十年からは原則として六十歳の定年制度が実施をされることになりましたが、これも高齢化社会に備えて組織の活力を維持し、職員の士気を高揚させる一つの方策であると考えております。また、人事院においては、職責の高齢化等に対応するために、任用、給与等の人事管理制度全般にわたって見直し、検討を行っておられますので、その成果を期待いたしておるところでございます。
#118
○委員長(遠藤要君) 質疑の終局を前に、委員長として一言給与担当大臣に申し上げておきたいと思いますが、いまいろいろ各委員からの御質疑がございましたけれども、公務員に与える影響、人事院の制度、こういうふうな点を考えると、やはり政府側として給与関係等については特に慎重を期してほしいということを申し入れておきたいと思います。
 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#119
○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認めます。
 それでは、討論を省略させていただき、四案について順次採決に入ります。
 まず、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#120
○委員長(遠藤要君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#121
○委員長(遠藤要君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#122
○委員長(遠藤要君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#123
○委員長(遠藤要君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、四法律案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#124
○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認め、きょう決定いたします。
    ―――――――――――――
#125
○委員長(遠藤要君) 委員派遣に関する件についてお諮りいたします。
 自然休会中の委員派遣につきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#126
○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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