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1949/02/14 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 農林委員会 第5号
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1949/02/14 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 農林委員会 第5号

#1
第007回国会 農林委員会 第5号
昭和二十五年二月十四日(火曜日)
   午後一時五十一分開会
  ―――――――――――――
  委員の移動
二月十三日委員平沼彌太郎君、高橋啓
君、星一君及び岩間正男君辞任につ
き、その補欠として北村一男君、深水
六郎君及び鈴木順一君を議長において
指名した。
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○理事の補欠選任の件
○小委員の補欠選任の件、
○家畜保健衛生所法案(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(楠見義男君) 只今から委員会を開会いたします。
 最初に御報告を申上げることがございます。それは、農林委員の異動がございましたのでそれを御報告申上げます。民自党の委員の方で、平沼さんが今回農林委員を御辞任になりまして、その代りに北村さんがお入りになりました。それから委員の数の調整によりまして、民自党から深水六郎さんが新らたに農林委員になられました。それから民主党から高橋さんと星さんが委員を辞任になられまして、代つて鈴木順一さんと国井さんがお入りになりました。尤も国井さんは、従来無所属懇談会から農林委員としてお入りになつておりましたが、何と申しますが転籍のような恰好で……それから共産党の委員の方は今回辞任になりました。従つて現在は農林委員は十九名で、一名欠員でございます。
 以上のような委員の異動が、ございましたので、この異動に伴いまして、理事の補欠選挙と、それから水稲単作地帯特別調査の小委員及び公団制度調査のための小委員の補充をいたさなければならんわけでありますが、先例に従いまして、理事は民自党の平沼さんの後任でありますが、この理事の指名及び水稲と公団の小委員の指名は委員長から御指名申上げるということにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(楠見義男君) 御異議ないようでございまするから委員長から指名さして頂きます。平沼さんの後任の理事といたしまして、柴田さんにお願いをいたします。
 それから水稲単作地帯の特別調査のための小委員に北村さんを追加してお願いいたします。と同時に柴田さんに公団の方の小委員にお願いをいたします。それから公団の方に新らたに深水さんと鈴木さんを指名いたします。それから民自党の池田さんは公団小委員の方から落します。
  ―――――――――――――
#4
○委員長(楠見義男君) 次に本日の議題でございます家畜保健衛生所法案について御審議を煩わします。最初に提案理由を坂本農林政務次官から伺うことにいたします。
#5
○政府委員(坂本實君) 只今御審議を願います家畜保健衛生所法案の提案理由を御説明いたします。畜産は食糧の増産、農業経営の改善、食生活の刷新等の見地からその必要性は益々増大し振興を要すること切なるものがあります。畜産の振興は、家畜の生産、育成利用等が農業と相関連して合理的且つ有機的に行われて始めて目的を達しうるものであることは勿論でありまして、現在種々畜産の振興方策が進めかれておりますが、なかんずく家畜の損耗防止、生産率向上の面から家畜衛生に関する学理と技術とを積極的に応用することが当面最も効果的であることは衆人の認めるところであります。
 よつてこの施策の実施を促進強化するために地方における家畜衛生の末端の実践機関として家畜保健衛生施設を設置することとなり、昭和二十三年度以降六ケ年計画を以て五百個所を目標に設置に着手し、すでに華々しい活動を開始し各方面から多大の期待を寄せられるに至つている次第でありまして、この施設の重要性に鑑み、且つ片一層地方の末端における家畜衛生の機構を確立整備し、真に農民と直結する施設としての性格を明確にすると同時に、家畜防疫行政機関としての性格を持たしめることが必要となつて参つたのであります。
 以下本法案の主要な内容について、その概要を御説明いたしたいと思います。
 第一に、今日の家畜伝染病の予防は畜産振興の基盤をなすもので、而もその内容は非常に広汎多岐に亘り又その基礎をなす獣医学は日進月歩著るしい進歩を見つつあるので、遺憾なくこの事業を実施するには絶えず進歩した技術の普及浸透が図られなければなりません。客観的な状勢を観察しまするに、我が国は各種伝染病の常在地に囲まれる地理的関係にあり、常時大陸からの伝染病の侵入の危険に曝されているわけでありまして、一朝侵入しますれば、我が国の畜産の基礎は根抵から崩壊されることは明らかな事実でありますので、強力なる防疫態勢を整えると同時に、迅速果断にこれを処理することが喫緊の要事なのであります。即ちその発生及び伝播の状況を確実に掌握し、発生の初期に迅速な防疫処置も行うがためには、機を失せず情報の鬼集、材料の採取、鑑定等を必要とするのでありまして、このためには施設と組織と機構とを確立する必要があるのであります。
 第二は、寄生虫、骨軟症、其の他家畜に多発する疾病の予防のための検査の実施であります。寄生虫病は一般に慢性経過をとり、その被害も伝染病のごとく顕著でないがために不注意に看過されやすいのでありますが、家畜に於ける寄生率は八〇%以上にも及んでおり、殊に幼畜は抵抗力が弱く栄養を害し、延いては発育を阻害されている実状でありますので、これに対する根本的対策を必要とするのであります。又骨軟症は北海道、東北、北陸等米作地帯、積雪地帯の家畜特に馬に多発し多大の被害を及ぼしている疾病でありますが、近年飼料事情の悪化から一層その発生が激増し、馬のみに止まらず、乳牛にも多発し、又発生地域も全国的に拡大される勢にありますので、これらの疾病の検査を励行して、発生を未然に防止することが必要なのであります。
 第三は、生産衛生技術の普及向上によつて生産の増強を図らんとする点であります。このためには、人工授精による優良種畜の高度の利用及び繁殖障害の除去による受胎率の向上を行うことが、必要であると同時に、種付の指導、早期の妊娠診断、妊娠家畜の管理衛生の指導等を併行して行わなければならないので、この施設を中心にこの事業を強力に推進せんとするのであります。
 第四には、地方における家畜衛生のサービスセンターとして、直接家畜飼養者に接触し、衛生思想の普及を行い、又広く団体の技術者関係獣医師にこの施設を利用せしめ、家畜衛生行政への協力を促進し、真に効果を昂めることとしたいのであります。
 以上が家畜保健衛生所法案の大要であります。何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決せられんことを希望する次第であります。
#6
○委員長(楠見義男君) この法案は公報にも御承知のように予備審査でございますから、それを御了承の上で御審議をお願いいたします。
#7
○政府委員(山根東明君) 只今提案の理由を相当詳細に御説明申上げたのでありますが、この保健衛生所につきましては、前回お集りの機会に、私から極く簡単にどういう計画で、従来どういういきさつを取つて今日に及んでおりますかを極く簡単に御説明いたしたのでありますが、更にやや詳しく従来の経過並びに今後の私共がこれに対して持つております計画について、主任の衛生課長が参つておりますので説明さして頂くことにいたします。
#8
○委員長(楠見義男君) それでは衛生課長から御説明頂きます。
#9
○説明員(齋藤弘義君) 御説明申上げます。大体の骨子は、この提案理由に書いてある次官からお話がありました通りでありますが、この経過を申上げますと、二十二年までは、いろいろの家畜伝染病予防法、畜牛結核予防法、それから馬の伝染性貧血に罹つた馬の殺処分に関する法律、その外、奨励方面としましては、馬の生産率の増進の施設、牛の繁殖障害の除去施設、骨軟症の防止施設、こういうようないろいろの種類の家畜衛生関係の施設があつたのであります。それでそのやり方としましては、いづれも専門的の学問技術を要するものでありまして、専任の技術員が、農林省、府県におりまして、その末端機関としましては、畜産組合等の団体に補助職員がおりまして、全部の仕事をやつておりましたわけであります。それが二十二年になりまして、従来の農業会であるとか、そういうような団体の補助がなくなりましてそういう府県庁以下の末端の、従来やつておりましたところが一応なくなつたわけであります。それに対して、我々のこういうような法律に決められました、或いは農林省の国家方策として奨励しておりまする家畜衛生業務を、うまくやりますためには、どうしでも専門的の技術を、うまい機構で以て、最も能率的な機構で以て末端まで流して、そうしてこの農民にサービスをするのでなければ、うまく行かないわけであります。この最後のところが、終戦後になりまして非常に混乱に陥つてしまつたのであります。従来農業会であるとかそういうような団体におりました技術員も、その後に変化しました協同組合とかそういうところに行つた者もありますしへ或はそのままでなくなつてしまつた事のもあるわけなんであります。で、この畜産の振興のためには、どうしてもこの衛生関係の仕事をはつきりとして、家畜を健康に維持し、そうして能率を一〇〇%に働かさなければ期待はできないのでありまして、それがためにはどうしてもそういうような技術が要る。そうしてその技術を現実に及ぼすのには、どうしてもそれを流す機構が必要なんであります。そういうような関係で、如何なる機構で以て従来の末端機構に代えるべきかということが、非常に問題になつたわけであります。それで、たまたま二十三年から始まりまして、畜産五ケ年計画というものが立てられまして、一定の計画の下に増産をやることになりまして、それに伴つてその末端機構の整備というような意味で以て、この家畜保健衛生所になります以前の、いわゆる我々の申しております保健衛生施設というものが、二十三年の予算で認められまして、五ケ年計画にいたしまして、毎年百ケ所ずつ整備しまして、畜産五ケ年計画の最後の年には五百ケ所でき上ると、こういうようなことでスタートを切つた次第であります。ところが畜産五ケ年計画が、経済復興計画に合せる関係上、一年ずれまして、二十三年から数えますというと、丁度六年目になることになりまして、それで、その計画も初年度百ケ所すでに設置いたしましたが、その後の四年は百ケ所を減らしまして八十ケ所ずつで、最後の年に五百ケ所になると、こういうことで設置の計画が進んでいたわけであります。その後昨年、一昨年からいろいろ獣医師法の改正であるとか、根本的の技術関係の方の向上、そういうような措置を取りましたし、又いろいろその当時まで岐れでおりました伝染性貧血であるとか、畜牛結核予防法であるとか、個々のいろいろな法律で別々にやつでおりましたものも、伝染病予防法の下に一括しまして、整備をいたしまして、結局法定伝染病の予防と、それから法定伝染病以外の寄生虫病であるとか骨軟症に類するもの、或は地方的の疾病とか、そういうものの予防と、更に畜産増殖計画に入つております増殖をする意味におきます生産率の増進、それを牛、馬と分れておりましたものを合せまして、家畜の生産率向上どいうような一節で家畜も含めまして全部統合しまして、こういうような三種類の大きな仕事を現在家畜衛生関係で以てしておるわけであります。その仕事の中でも家畜伝染病予防法に基きます伝染病予防は非常に大きな部分を占めておりますが、その仕事の中でも従来の数次の予防法の改正によりまして県外に移出するものの健康証明書であるとか、或いは検診であるとか、そういうような行政事務も殖えて来たわけであります。それで従来の保健衛生施設としましては、そういうような検診の業務であるとか、或いは予防注射の業務であるとか、或いはそういうような伝染病、或いは普通の法定伝染病弊の病気の予防であるとか、或いは人口受精であるとか、繁殖障害の除外であるとか、そういうような仕事の実務が……いろいろ県の行政事務が非常に殖えて来たわけであります。それをやりますのに、どうしても県に従来の技術員が全部集結しておつたのでは非常に工合が悪くなりまして、例えば昨年の牛の流行性感冒の場合であるとか、或いは一昨年以来あります日本腦炎の流行であるとか、そういうような場合に、その病気が起つて私共の耳に入つて来るのは一月か二月経つてからであります。その間に非常に急速な勢で以て伝播してしまうような、又県の本部におきましては、そういうような話を早く聞いてやはり二十日とが、一月とか経つた後になります。尚五ケ年計画を立てる場合におきましても、実施する場合におきましても、一々本部から遠い所へ行つて仕事をするときには非常に不便なんで、どうしても県の更に出先機関に従来の団体その他に補助をしまして置いていたような機関が是非必要なわけであります。そういう関係でそういう機関がどうしても必要である。そうしてそれが又こういうような衛生業務のいわゆる行政の一つの核として動かなければ万全を期せられない。こういうことから、これに行政機関の性格を与えるために保健衛生所法というものができたのであります。それで現在この法律ができますというと、それに転換する従来の家畜保健衛生施設は百八十ケ所ございます。初年度に百ケ所、次年度に八十ケ所できまして、二十五年予算でもやはり同じく八十ケ所の増設が認められて、一応今度の予算で御審議を願うことになつておるのであります。そうしてそれによりまして仕事をするのでありますけれども、これが一つの根幹となりますもので、勿論これだけで仕事をするのではないのであります。勿論この場所は、大体理想としましては、目標といたしましては重要畜産地帯で一郡一ケ所くらいの一つのセンターにしたい。そのセンターを指導するものが地方の種畜場或いは国の種畜牧場、或いは県庁のこの関係の課である、こういうことになります。その外に更にこの衛生所の関係の下の機関としましては、開業獣医師その他に家畜伝染病予防法によりまして、家畜防疫委員という制度があります。それを任命いたしましてやることになつております。現在家畜防疫にそういうものは約四千名おります。大体ならしにいたしますと、一郡にこういうセンターがありまして、その下で大体七、八人の、そういうような家畜防疫委員がその下にある。尚町村の技術員であるとか、そういうような民間の技術者、或いは開業の技術者、或いは団体の技術者、そういうものが協力をしてくれることになるわけであります。これはこの衛生所の狙いとします仕事の種類は、この法律に書いてあります通りのことでありますが、大体地方長官に委任せられました家畜伝染予防法のようなもの、それから一般の病気の予防、骨軟症とか、そういうものの予防、それから地方的ないろいろの病気がありますが、それの、その現場でできる試験或いは調査、例えば各地方にいろいろ特殊の疾病があります。滋賀県地方の食はず病と称する、まだはつきりその原因も究明せられておりませんけれども、そういうような病気類であるとか、或いは梁川病、或いは揖宿病、そういうような種類の病気に関して、現場でできる試験調査、或いは簡単な病気の、現場でできます診断鑑定とか、そういうものをやりまして、急速にすぐにできるものはその場で見当をつけまして、その結果処置をする。それから尚もう一つ重要な二とは、その只今申上げましたような、その下の管内と申しますか、その下でいろいろと技術員が、団体の技術員もありますし、個人的に開業している獣医師もございます。或いは町村の技術員もありますけれども、そういう方々が、その専門業務をするに際しまして、我々のような専門的業務になりますと、どうしでも多少の設備が要るわけであります。全然町村だけでははつきりと掴めない場合が多いのであります。例えば顕微鏡も見る必要がありましようし、或いは検便とか、そういうものもしなければなりません。或いは血液の検査をしなければなりません。或いは細菌の培養もしなければならん。そういうような場合に、そういうものがあれば、一日でも二日でも早くその病気の診断ができるわけであります。が不幸にして現在の日本の開業獣医師の大体の多くの基準としましては、そういう設備がないわけであります。それでそういうような場合には、この施設を獣医師に利用させまして行くか、利用した結果現場でできない場合には、遠くの県庁の所在地の研究所とか、或いは農林省の家畜衛生試験場とか、動植物検疫所とか、或いは学校とか、そういう所へ送つて、そうしてその結果を待たなければ結果が分らないわけでありますけれども、その場で、この衛生所でできるようなものは、そういうふうな遠くまで、遠隔の地方まで送らないでも、すぐその場で近くで以て決定ができる。そうしてそれによつて農民の、開業獣医師になり、或いは団体技術員が農民にもつといいサービスを早くできるように、こういう趣旨であります。それが四条に書いてありますが、そういうような趣旨でありまして……尚第七項にございます、地方における家畜衛生の向上に関する義務と、こういうようなものも書いてありますが、例えばこの施設ができました地区が、たまたま獣医のサービスを提出する設備がない場合、或いは開業獣医師がいないという場合、そういう場合には勿論この施設で一応の医療なり、診療なりはやつている。併してこれは建前ではなくて、飽くまでもこの衛生所の建前は予防的の衛生、それから更に積極的な生産増強と、家畜衛生の技術を応用しました生産の増強とか、こういうのが主題目でございまして、勿論診療だとか医療というものが、開業獣医その他の診療機関があればそれに全部任す方針であります。そういうような関係でありますので、民間のこういうような開業獣医とか、そういうものの業務と競合するというようなことを避けまして、むしろそれに施設を利用させまして、或いはそれに技術を指導する。そういう立場に立つて動く構想でございます。現在この施設は百八十ケ所ございます。又来年八十ケ所は殖えるのでございますけれども、各府県共非常にこれに対しまして設置の要望が多いのでありまして。来年八十ケ所ということを予告しましたにも拘らず、百四、五十の要望が出ております。我々の方といたしましては、できるだけ早くこういうような機構を完備しまして、完全な衛生関係の技術のサービスを提供したいのでありますが、何分予算その他の関係で縛られまして、一応毎年八十ケ所ずつの増設ということに決まつているわけであります。これの施設に対しましては、二十三年から予算が決まりまして、その施設設備費と、それからその後の人件費二人の半額を予算の範囲内で助成することになつております。この経費の内訳は差上げております資料の十二表に詳しい金額が出ております。
#10
○委員長(楠見義男君) 御質疑をお始め願います。
#11
○岡村文四郎君 この事業は今お始めになるのではなくて、あつたものを増加しようというのでありますが、五百ケ所という目標になつておるが、どんどん申込がある。それを認めるといつも費用があるところが先になつて、ないところが後廻しになつて、数に制限があつてできないということになりやしないか。もう一つは実は家畜の価格が急激に下るものですから、今までの価格は妥当なものではなくつて、インフレに呼応して高過ぎたとは言いながら、下れば畜主は下るつもりで悲観的な考えを持つて、例えば二十五年度は相当なものでなければ売れないというようなことを言つているものもあるし、豚にせよ、綿羊にせよ、牛は又少し殖えておりますが、非常に突き進んでこういう設備をしようという心構えは非常に薄らいでいるものが多いと思います。それでどうしても国の方でこういう施設を作るとなれば、人件費の分はどうでもいいですが、施設に対する助成をもう少し出すようにすることが非常に大切なことだと思うが予算の関係があるというお話ですが、それは考えよう、やりようによつてはそう含むところはないと思いますが……
#12
○政府委員(山根東明君) 先程衛生課長からもちよつと御説明いたしましたように、施設が二十三年度から開始されたわけであります。
 初年度は新らしい最初の試みでもありましたし、必ずしも私共の計画全部が、府県において受入れたいという希望とは必ずしも一致しなかつた面がありまして、府県側におけるこの施設の認識も足りなかつた点もあると思うのでありますが、或る県では、自分の県では今年はこれはどうも設置するわけには行かないというように、こちらの示した計画を返して来たような県も実はあつたのでありますが、昨年度、二年度以降からは先程御説明しましたように、非常にこの施設の効果が各県に亘りまして、私兵の計画として県に内示します計画とは遥かに上廻つた希望を実は府県が出して来ているような実情であります。そこで来年度におきましても、やはりすでに各府県から公式、非公式に相当な要望が参つているわけでありまして、これを配置いたします場合にには、お話のように偏つてこれを分布するというようなことでないように、そのためにはそれぞれの県の畜産振興計画、その本となつております家畜の現在頭数、或いは飼養農家の数と、こういうようなものを基礎といたしまして、私共といたしましては各府県の非常な熱望の中にも、若干の熱心さのありましたものはございますけれども、府県の五ケ年計画に即応した計画で本省の方では計画を立てましてそれで以て非常に要望の強い県にはまあ遺憾ながら待つて貰う。ゆくゆく特定な県で設置ができなかつたような場合がありまして、余裕ができましたような場合に、そちらの要望の程度に応じて優先的に回して行くという考えでおりますので、この施設の普及状況は、御心配になりますように、特定の地点にだけやつているということは、今日までのところそういう事情にはなつておりません。
 それから価格の値下りにつきましては、これは私共が今日一番頭を惱ましておる問題でありまして、まあ一時の非情な好景気が、これは必ずしも正常なものでなかつたことは、岡村委員もお認めになつておつたようでありますが、今日急転直下値下りが招来いたしましたので、これに対しましては、私共も勿論かねてからこういう事態に対しましてはいろいろ対策について苦心はいたしておつたのでありますが、現実にこういう事態が発生いたしまして、今後私共の一つの大きな課題として家畜並びに畜生物の消費の面について、私共は対策を十分考えて行きたいつもりでおるのであります。更に現在の予算が施設費等において少し低過ぎはしないか、こういうお話でございますが、実はこの点は予算書を御覧になればお分りになりますように、一ケ所当りの単価は非常に少いのであります。これだけのことで決して十分の施設は今日なかなかでき得ないだろうという意味で、この予算の増額については極力大蔵省と折衝を続けたのでありますが、予算の関係上一応こういうことになつたのであります。ただここで御参考までに申上げて置きたいことは、この保健所に、これは別の法律で又御審議願ふと思うのでありますが、人工受精の施設をこれを大体において併置する計画でございまして、この方の経費もこれも極く少額ではございますけれども、施設費、人件費がこれに見積られております。この両者を合せまして一応保険衛生所、更に人工受精施設だという看板に必ずしも十分ふさわしいとは申上げかねますが、この二つり経費を合せて用いますならば、不完全ではありますけれども、一応の支障ない程度の設備はできるのではないかと、かように考えております。尚予算の増額につきましては私共も引続いて、明年度予算はこういうことでありますけれども、今後機会がありますれば、この施設を立派にするための予算の増額については努力をいたしたい、かように考えております。
#13
○岡村文四郎君 そこでこの事務の範囲を見ると、熱心にやれば相当掛り切りに二人ぐらいの職員が掛らなければできない仕事です。そこで畜産でも何でもそうなんですが、非常に熱心な、どんどん発展をしておる地方は、さしたる、余りに手を増さなくてもどうにか曲りなりにもやれるのです。これは余りに発展をしない土地に却つて伝染病その他の不幸になるものが非常に多いと思うのです。そこでどんどん希望を申込んで来るのではなくて、畜産局の方でよく検討をして是非ここに作つて欲しいということを県の方に要望を申入れる。そこで初めて畜産の仕事ができると思うが、どうなんですか。
#14
○政府委員(山根東明君) 実は今日までの行き方としましては、私共の方でそれぞれの県に二ケ所なり三ケ所というようなことで、その二ケ所の具体的な設置個所につきましては県に一任しておるような状況であります。県側から先程申しましたように評判がいいものですから、県内で引張り凧になりまして、なかなか県では決めかねる、こういう候補地があるが、どつちがいいだろうという御相談を県から受ける場合もありますけれども、こういうような場合も私共の方で、今お話のように明らかに、何と言いますか、御意見のような点で非常に発展しております場合には、そういう方針で結構だと考えるのでありますけれども、今日のととろでは設置個所の具体的な個所については、これは県にお任せしておるような実状であります。尚全体として、お話のように畜産が未発達の県にこういう施設を置いて、そうしてそれを中心にして畜産の発達を図つて行く。こういう全体的な問題としてのそういう考え方はこの施設を今後の運用において御意見の線に沿つて考えて行きたいと、かように考えております。
#15
○藤野繁雄君 今の箇所の数ですが、全体を五百ヶ所としましたならば、大体、平均して一府県十ケ所になるのでありますが、そうするというと、さつきの説明では、管轄区域は大体において郡の区域による、こういふうなことでありますが、そうしますと、郡が小さい所は二郡或いは三郡、こういうふうな計画でありますか。その点一応お伺いしたいと思つております。
#16
○説明員(齋藤弘義君) そういうことになるのであります。これは重要畜産地帯ということで、大体私共の方の数字で以てずつと出したのでありますが、頭数にいたしますというと、大体一ヶ所当りの頭数一万五千見当でずつと押えて行きますと、こういうことになるわけで、そうして生産頭数一千頭ということになります。もう一つ郡の数から言いますと、六百十幾つの郡があるわけですが、そのうちでも大して畜産として重要でない郡がございます。そういうものを引きますと、やはり大体五百ヶ所くらいになるのであります。又地方事務所の数から申しますと、四百四十五ケ所北海道のように一支庁になりますと非常に多いので、そういうものを考えますと、やはり五百くらいの單位になるわけであります。そういう意味で以て小さい郡の場合には、やはり一ヶ所で一郡、或いは二郡、或いは三郡というのが管轄区域になる場合はあると思います。又その家畜の密度が非常に低い場合……
#17
○藤野繁雄君 只今の御説明の通りといたしますと、この保健所を作ろうと思つて知事の方からこれだけの区域だけ、こういうふうなことで申請したらば、大体において大臣は無条件でお許しになる考えでありますか、或いはそれに何とか指示をされるのでありますか。その点を伺いたいと思います。
#18
○政府委員(山根東明君) どういう御趣旨でありますか分りませんが、先程ちよつど私がお話ししましたように、府県に本年度は三ヶ所なら三ケ所、こういう内示をいたしまして、それによつて府県に設置計画をさせるわけです。そうしまして府県がその内示の範囲内で設置希望を申出でますれば、勿論その事業計画は私の方で拜見をいたしますけれども、規模、設備の規格等が合致しておれば、勿論私の方で承認を与えると、こういうことに手続上はなるわけでございます。
#19
○藤野繁雄君 今のはですね、最初は百ヶ所、それから八十ケ所、今度八十ケ所とこういうことになれば、全県下に及ばないというようなことになりますから、最初の区域は或る程度広い区域にして、全部のものを網羅し、段々数が多くなるのに従つて区域を狭めて行くというようなことが適切じやないかと考えておりますから、最初からの理想の図域である一部一ヶ所というようなことでやられるかどうか、その点はどうですか。
#20
○政府委員(山根東明君) その点は今のお話のように考えて差支ないと思います。やはり最初は数が少いものですから、或る程度管轄区域を広くして、貰つた翌年度の計画でそのうちの半分のところは新らしく設置して行くと、こういうことでやつて貰つて結構だと思います。
#21
○藤野繁雄君 そうしますと、第一条の第二項に書いてある条例ですね、条例というようなものは、政府の方で模範条例というようなものを示されるのでありますか。或いは各県で自由にやらせられるというお考えでありますか。この点お伺いしたいと思います。
#22
○政府委員(山根東明君) まだ私の方で案は具体的にできておりませんけれども、私の方で模範的な計画条例と申しますか、条例のモデルを必要あれば考えたいと思つております。
#23
○藤野繁雄君 今提案の理由をいろいろ伺つたのでありますが、伺つたのによりますと、私の解釈ではこの家畜保健衛生所の仕事というものは、事務ではないような気がいたしますが、やはり事務でありますか。これは事務と言うとちよつと余り範囲が狭過ぎるというような気がいたしますが、どうも事務じやないような気またしますが……やつぱり事務でありますか。’
#24
○政府委員(山根東明君) 事務とおつしやるのはどういう事……
#25
○藤野繁雄君 第三条の「左に掲げる事務を行う」とありますね。
#26
○政府委員(山根東明君) 特に事務と書いてありまして、事業なり、これに対する言葉として事項という言葉があつたと思うのでありますが、事務と書いて置けばですね、そうした事業を含んで読めると、こういうことの法制局の解釈だと思います。
#27
○藤野繁雄君 今のは法制局の解釈かあなたの解釈か分りませんが、私なぞの常識的の解釈からすれば、事務というのはちよつとおかしいような気がするか……
#28
○政府委員(山根東明君) これは私直接聽かなかつたのでありますがね、法制局では事業と書くよりは事務と書いた方が広くていいじやないか、こういうむしろ好意的な……初めの案は事業とか何とかという案だつたそうですけれども、こつちの方が広いんだから、こうして置いた方がいいだろうというような趣旨だつたそうでありますがね。
#29
○藤野繁雄君 これは一つ御検討を要します。事務というとどうしたつて私などは、範囲が狭くて、余り保健所が事務的に流れてしまつて、本当の保健所の目的を達成することができないようなことに陥りはせないかという心配があります。
#30
○政府委員(山根東明君) これはもう一度当時のあれを研究してみます。
#31
○藤野繁雄君 それからこれを読んでみますといふとですね、獣医師に利用させる……これは利用させるということは非常にいいことだろうと思いますが、獣医師に利用させられるのは、無料で利用させられるのであるか、或いは有料で利用させられるのであるか、利用に対する御意見を拝承したいと思つております。
#32
○政府委員(山根東明君) これ私共の気持といたしましても、こういう公共的なものでありますので、できるだけ高い利用料は取らせたくないつもりでおります。ただこうした地方自治法の規定の関係上、こうした特定な施設を特定の人に利用させるために、これは自治法の二百二十二条に、「普通地方公共団体は、特定の個人のためにする事務につき、手数料を徴收することができる」と、まあ、「ことができる」という規定にはなつておりますけれども、この規定がありまして知事といたしましては恐らく手数料を取ることになると思いますが、最初申しましたように、できるだけ廉い手数料、更に極く簡單な利用等につきましては、この設備をそのために特に損耗するような問題も余り起さないような、至極簡単な利用については、例えば参考文献をそこへ来て見て行くとか、こういうようなことについてはできるだけ廉いか、更にそういう特定のものについては、まあ無料でも利用できるというようなふうに指導いたして参りたい、かように考えでおります。
#33
○藤野繁雄君 それからこの法律を読んでみまするというと、常時に報告を取るというような規定は覆いのでありますが、私などはこの設備をどのくらいの程度に利用しているのであるかというようなことを調査しなくては、効果が政府の方に分らない、又県の方でも分らない、こういうふうに考えられるのでありますが、常時の報告を取るというようなことを書かずして、ただ特別の場合において特別な事項に報告を取る、こういうふうなことで、この設備利用の結果を知らずして、更に仕事を進めて行くということが適切であるかどうか、この点お伺いしたいと思つております。
#34
○政府委員(山根東明君) 法律の書き方としましては、必要があると認めるときは必要な報告を求めると、こういうふうになつておりますが、私共の考えは今のお話と同じ考えでありまして、将来この保健所の運営の改善、或いはそういうようなものの参考に資するためて定期的にお話のような事項の報告はこれを求めたい、かような考え方で、法律としてはそういうことになつておりますけれども、これは私共の方でこの第五条に基いて命令を出し、或いは報告を求めることにつきましては、異は私は先程申しましただけでなく、部内でも大体いろいろどういう事項の命令を出す、或いはどういう事項の報告を求めるとこういうようなことについで只今研究をいたしておりまして、大体の考え方を申上げますと、私共が命令として考えておりますことは、職員の資格に関する事項、建物及び試験検査に関する設備の基準でありますとか、こういうようなことをこの五条に塞いで知事に一応私共の方から指示命令をいたしたい、報告を求めたいと考えております事項は、家畜保健衛生所に関するどういう条例を作つたか、或いは処理規定はどういうことになつておるか、庶務細則はどういうことになつておるかと、こういうことのこれらの諸規定類の制定改廃に関する事項、それから事業計画及び事業成績に関する事項、これは随時取るのでなしに、やはり毎年定期的に取つて行きたい。かような考え方で研究を進めております。法律はこういうことになつておりますけれども、私共の考え方は大体御趣旨の通り、このように考えております。
#35
○藤野繁雄君 今お話の通りといたしましたならば、そういうふうなことは命令を減てこれを定むとか、何とかいうようなことを書いてあるのが普通の法決のように考えられますが、そういうような命令を以て定むというようなことを法律の中に規定せずして、そういうふうな報告を求めるし命令が出されるのでありましようか。
#36
○政府委員(山根東明君) 命令が出されるか出されないかというこうになりますと、これは命令の内容は省令によつて定めると、成程ここに書いてございませんけれども、五条でこういう権限が農林大臣に与えでありますから、これは出されるか出ざれないかということになれば、これはもう明らかにこの条文で差支えないだろう。ただ政令で以て定めると書きますと、政令を以で命令事項を具体的に列挙しなければならんということになるわけですが、ここではそれが書いてございませんので、或いは政令でそういうことをするという形を取りませんことになるかと思うのでありますが、広い範囲でこういう命令ができますので、私共としましてはまあ随時に、例えば省令で以て特定の命令事項を定めますと、まあやかましく言えば、その省令でこういうことに限定してあるからできんじやないかと、こういうようなことの起る問題でも、例えば随時に伝染病が発生したと、その状況の報告を求めるとか、こういうことも省令で書いて書けないこともないのですけれども、むしろ広くこうしてあれば、極端に言えば、勿論家畜衛生の向上を図るための必要という制約はありますけれども、その見地からすれば一々列挙されるよりか、更に私共としては命令なり報告を求めることが自由に広くできると、だからできるかできないかということになりますと、勿論こう書いてありますので、この条文でできる。こういうことになると思います。
#37
○藤野繁雄君 この法律全体として別の法律と違つておる点は、禁止の規定がありながら、禁止を犯したところのものに対する処置の規定がないのでありますが、禁止を犯したものに対する処置を書かれなかつたところの理由はどこにあるかお伺いいたしたいと思います。
#38
○政府委員(山根東明君) これは私共の方でこの法律の、まあ何と言いますか、その一つのモデルになるものが人間の保健所法というものがあるわけで、その人間の保健所法というのは、厚生省の法律で、昭和二十二年の九月五日に出ております。これはお手元にお配りしてありますが、名称禁止の規定があるわけでありますけれども、この法律にもこれを犯したものに対する罰則の規定がないわけです。これはどうして罰則を設けないかということになりますと、一つの法律の議論になると思うのでありますが、まああらゆる禁止事項はすべて罰則を伴つておるということでもありませんし、従つてこの名称禁止の規定を私共も必ずしも軽く見ているわけではありませんけれども、この性質上そういう保健所の前例もありまして、私共としてこれを犯したものに対する法的な罰則をこれは考えなかつたようないきさつだと思います。
#39
○小川久義君 これは御説明にありました通り、是非やらなければなりませんし、現在効果を挙げておるようなことなんですが、七条を読んでみると、国は経費の二分の一以内の補助金を交付するとありますが、僕は地方行政の委員会に一年半程おりまして、地方行政関係の法律を審議したのですが、あそこで作つた法律は補助金だとか、以内とかいうことをむしりまして、国がはつきりと責任を負担する、二分の一の負担をする。以内とか補助金とかいうことを皆むしりましたが、国としてやるべき事業であれば、国の負担をはつきりとここに決め置く方がよい。只今申上げました通り、他の地方行政に関する法律は皆国が三分の一負担する、二分の一負担するとはつきり法文に書いてある。この以内といふ二字をよく地方ではこれによりまして、二分の一貰えると思つて仕事をしたが、予算が少くなつたからということで少くなる。叱言を言うと、何を言う、二分の一以内じやないかということで、どうも地方で困る場合が多々あるので、これは一つ是非二分の一国が負担すると、こういう責任をはつきりしたように一つ改めて貰いたいと思いますが……
#40
○政府委員(山根東明君) 法律としましては、経費の負担区分に対する一つの原則を決めるというような法律が、今お話の地方自治関係の法律であると思うのですが、そういうところでは、ことができるという条文が恐らく通用しないと言いますか、おかしいことになるだろう、こう思うわけですが、まあこれもお話のように書くことについては、これは結構な話だと実は思うのですが、実はこの法律の書き方としては、或いはちよつとごたごたしましたけれども、お話の法律は或いはこういうことを書き得んような書き方の性質のものと、或いはお話のように二分の一を政府は補助すると言い切る書き方と二つ書き方があるわけで、実は私共もそういうふうにはつきり将来も保証されれば非常に私共も安心できるわけで、その方が非常に結構だと思いますけれども、まあ来年度予算がはつきりいたしておりますので、あと三年間でありますが、この間にそうはつきり書き切つて、新らたにもう三年間保証されたような形になつて、そういう意味では若干不安もありますが、この施設に対して地方のそうした要望が強いこと、更にこの法律が効果を挙げでいるというような点から、大蔵省も係は変り、大臣が変れば、又話がどうなるかという問題はありますけれども、現状では、問題なく認めてくれるというような実状にありますので、大蔵省も、まあそう必ず交付するという書き方でなしに、こういうことにしておいてくれ……こういう書き方も他の法律にもあるわけで、こういうようないきさつもありまして、私共も現在の情勢というか、空気を前提にして、法律で「以内」だから補助金が途中で三分の一に減らすとか、今年はやらんとかというよろなことは、今の見通しではないという前提で、法案としては一応こういうことに落着いているわけです。
#41
○小川久義君 それはあなたのお話を聞いて、それがずつと法律の裏附になればいいのですが、いろいろの変遷があつて、猫の目の変るようなものであつて、いろいろ同じ国会の会期中に又変更するような法律が出るような時機ですから、尚更はつきりして置く必要がある。
 もう一つは、地方から要望があるということも事実でしようが、国が法律を決めて、法律で制定してこの仕事を政府にやらせるには、国が責任を負うべきである。こういう仕事をやらして貰いたい、だから幾らか補助は貰えんか、こういう仕事と違う。法律を制定してこの事業をやるからには、政府もはつきりとした責任を背負わにやならん、僕はそういうふうに考えるのですが、これは途中で押付けられで困つた問題が沢山ある。土地改良あたりでも手を付けて全部遂行して貰いたい問題、災害復旧にしてもそういう問題が沢山あつて困つている問題がある。政府がやりたいということでやるのでなしに、国が法律を制定してやるからには、はつきりした責任を国が持つべきである。
#42
○石川準吉君 関連して……今小川さんの質問しているモデルの保健所法ははつきりと書いであるのだが、「以内」というのはどういうわけですか。
#43
○委員長(楠見義男君) それはこういうことじやないですか。家畜伝染病予防法は、殺処分とかいろいろなことを必ず府県がやらなければならんということになつている。そこで手当金を都道府県知事は交付しとあつて、従つてこの国会で、我々委員会でやつている二分の一としと、こういうふうに必ずやらなければならんものははつきしりとしている。それは義務を命令しているからで、やつてもやらなくてもいいような、いわゆる昔の省令施設ですね、省令施設は大体こういうふうな書き方になつているのじやないですか。今の人間の保健所なんかも必ず置かなければならん。従つて義務費だから、それの二分の一は必ず出す。
#44
○石川準吉君 「以内」と書いてある。
#45
○委員長(楠見義男君) そうするとやはり義務じやないのだ。人間も……義務的の場合とそうでないものと違いますよ。同時に僕は今の小川さんの議論は趣旨において非常に賛成なんだ。同時にそれは不徹底で、その議論はむしろ我々の、食糧増産確保基本法のごとく、毎年度予算とかいう字句を全部削らなければ不徹底だと思う。
#46
○小川久義君 一歩々々進めて行けばいい。
#47
○石川準吉君 これは或いは形式の問題かも知れませんが、先程藤野さんから保健所の利用につきまして、使用料はどうかという問題があつたのですが、モデル保健所法を見るとはつきりと「命令で定める場合を除いては、使用料、手数料又は治療料を徴收してはならない。」と書いてある。これはどうしてそういうものを採入れなかつたか、御趣旨から行けば入れていいのじやないかと思いますが……
#48
○政府委員(山根東明君) 保健所法の九条と、私の方の利用は、その保健所を一般の農民が利用して、例えば土地の医師の診断を請うとかいうことでなしに、私共の方の法律の利用というのは、先程説明しましたように、獣医師がちよつと顕微鏡を借りたいとか、或いは「かんかん」を借りたい、こういうようなことでやつて来るその利用であつて、保健所法の九条とこれはちよつと違うのじやないかと思います。
#49
○石川準吉君 第九条の方の施設の利用の中には、保健所法の第五条の医師、歯科医師、薬剤師その他のものがここに入つて来ると思う。その点から行けば今度の法律案の第四条と同じだ。勿論或いはあなたの今おつしやつたようなことで命令で除くかも知れませんが……
#50
○政府委員(山根東明君) ちよつと調べてあとでお知らせします。
#51
○石川準吉君 今度家畜保健衛生所ができますれば、今もできつつあるのですが、家畜伝染病予防法との関係はどういうように噛み合せて行つたらいいのですか。ここですべての事務が扱われるのですか。
#52
○説明員(齋藤弘義君) 家畜伝染病予防法の事務は県庁の本部が統制をしまして、年間の事業計画を立てまして、予防計画、検診計画を衛生所長が管内の様子を見るわけです。それからこれでく間が足りませんから、その場合には家畜防疫委員でその地方の者でやらさして、それから本部からも手伝いに行く、或いは突発事項につきましては、その管内から伝染病、或いは伝染病の疑いのあるものが出たならすぐとその衛生所において処置をして、知事の権限がありますから、知事の名においてできるわけです。
#53
○石川準吉君 そうすると簡單に考えれば、衛生試験所で家畜伝染病予防の事務を一緒に扱つて貰うのだ、こういうふうに考えていいわけですね。
#54
○説明員(齋藤弘義君) そうです。
#55
○岡村文四郎君 これは今できないという御返事があるかも知れないが、実は水田の單作地帯、秋田、富山、新潟という所に行つて見ますと、非常に骨軟症が多い。それから衛生施設も不完備であります。こういう所には一つ、何らか府県知事の名において防疫ができるように思うのでありますが、補助金を増すとか、或は個所を多く置いてやるとかして貰いたい。行つて見ると駄馬は多く骨軟症になつておる。施設を見ると二十三年度はさつぱりそういう点の考慮がない。富山、新潟はそういうわけで、こういう所は何がしか手を伸ばしてやるのでなければ、あすこの家畜の衛生といろもりは全く改善できないと思うが、どうですか。
#56
○説明員(齋藤弘義君) この仕事は二十三年度に始めまして、復旧がしなかつた関係か、或いは尚二十三年の予算関係は、御承知のように、予算が決まりましたのは十月頃だつたと思います。ずつと臨時国会であつたものでありますから……それで二十三年度のやつは非常に設置が遅れまして、そうして富山のような所はできなかつたわけであります。それで二十四年、それから二十五年は勿論富山も計画がございます。それから尚この骨軟症関係の方では、特にそういうような重要地帯には我々の方でもできるだけ設置するように県の方にも慫慂いたしますし、又只今、そういうような特殊の地帯、例えば新潟県はこれは現実にやつておりますけれども、こういう補助の二ケ所分を一ケ所に打込んでやつておる所もあります。その重要性に応じまして、それは県の方と実情を相談しましてその配付をやつております。
#57
○小川久義君 僕は富山ですが、岡村さんの言われた通りなんで、この積雪地帯ですから、冬は厩に馬を置き放しにする習慣が多い。従つて骨軟症が多い。春の時分になるとひよろひよろの馬を借りていまして、今まで造らなんだ理由も、今お話の点もあると思いますが、これは本省からも一つ強力に言つて下さつて、僕も冨山へ帰りますれば強く県の方へ要望したいと思つておりますが、特に先程お話のありました一万五千頭の飼育、又生産が千頭だというような標準で一ケ所ということになると、僕は富山県一ケ所というのは、大体、そんな数じやないかと思うのですが、こういう所は特に頭数にこだわらないで施設さして頂くようにお願いしたいと思います。
#58
○政府委員(山根東明君) 石川さんにちよつとお答えしますが、この保健所法の命令で定める場合以外には取つちやいかんと、こういうことで施行規則が、これはお配りしてございませんから何ですが、十三条でそれに関する心のがあるわけです。更に十三条と十四条がそれに関する命令事項のようでありまして、保健所法の九条には使用料手数料、又は治療料を徴してはならないということになつておりますが、但しX光線を使つたり、或いは疾患で入歯して貰つたりした。こういうものは、これは治療料をまあ取ると、こういうことで、それ以外のものは取つちやいかんということが十三条に書いてあるところを見ますと、この使用料、治療料を取つてはいかんというのは、大体さつき私がちよつと申上げましたように、これは診断、治療を受ける場合、これは無料でなければいかんと、こういう規定のようであつて、施行規則の十四条で、地方のお医者さんがこれを利用することについては、この第九条で徴收してはならないという規定は、まあこの規則を読んでの感じですけれども、その問題とは別に規則で扱つておるようでありますので、結論は私共の方の法律も、六体先程申上げましたような方針で運用して行きたいと思いますし、保健所法も、お医者さんがいろんな設備を利用した場合には、やはり第九条の規定はこうなつておりますけれども、手数料は、そのために特に費用を要するような場合には、これは取つて行くと、こういうようなことにまあなつているんじやないかというふうに読めます。まあもう一度ここは研究はして見ますけれども……
#59
○石川準吉君 よく地方庁では自由にやつてしまいますからね。
#60
○岡村文四郎君 こちらは予備審査だから、余りやると何だから、今日はもうどうですか。
#61
○委員長(楠見義男君) 同感です。それでは本日はこの程度で散会いたします。
   午後三時十五分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     楠見 義男君
   理事
           羽生 三七君
           石川 準吉君
           藤野 繁雄君
   委員
           北村 一男君
           柴田 政次君
           徳川 宗敬君
           山崎  恒君
           岡村文四郎君
           小川 久義君
  政府委員
   農林政務官   坂本  實君
   農林事務官
   (畜産局長)  山根 東明君
  説明員
   農林事務官
   (畜産局衛生課
   長)      齋藤 弘義君
ソース: 国立国会図書館
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