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#1
第096回国会 内閣委員会 第9号
昭和五十七年四月二十七日(火曜日)
   午前十時三十二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十一日
    辞任         補欠選任
     梶原  清君     林  寛子君
     高平 公友君     増岡 康治君
 四月二十二日
    辞任         補欠選任
     増岡 康治君     岡田  広君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         遠藤  要君
    理 事
                伊江 朝雄君
                林  ゆう君
                片岡 勝治君
                柄谷 道一君
    委 員
                板垣  正君
                岡田  広君
                源田  実君
                竹内  潔君
                堀江 正夫君
                山内 一郎君
                野田  哲君
                矢田部 理君
                山崎  昇君
                中尾 辰義君
                峯山 昭範君
                安武 洋子君
                秦   豊君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  渡辺美智雄君
       運 輸 大 臣  小坂徳三郎君
       国 務 大 臣
       (行政管理庁長
       官)       中曽根康弘君
   政府委員
       人事院事務総局
       職員局長     金井 八郎君
       臨時行政調査会
       事務局次長    佐々木晴夫君
       行政管理庁行政
       管理局長     佐倉  尚君
       大蔵政務次官   増岡 康治君
       大蔵大臣官房審
       議官       水野  勝君
       大蔵省主計局次
       長        宍倉 宗夫君
       運輸政務次官   鹿野 道彦君
       運輸省鉄道監督
       局国有鉄道部長  永光 洋一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木 源三君
   説明員
       臨時行政調査会
       事務局主任調査
       員        谷川 憲三君
       厚生省年金局企
       画課長      渡辺  修君
       郵政省人事局厚
       生課長      水町 弘道君
       日本専売公社管
       理調整本部職員
       部長       丹生 守夫君
       日本国有鉄道常
       務理事      三坂 健康君
       日本国有鉄道経
       営計画室計画主
       幹        井手 正敬君
       日本国有鉄道職
       員局長      太田 知行君
       日本国有鉄道共
       済事務局長    岩崎 雄一君
       日本電信電話公
       社総務理事    小川  晃君
       日本電信電話公
       社厚生局長    澤田 道夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○連合審査会に関する件
○昭和四十二年度以後における国家公務員共済組
 合等からの年金の額の改定に関する法律等の一
 部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○昭和四十二年度以後における公共企業体職員等
 共済組合法に規定する共済組合が支給する年金
 の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等
 共済組合法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(遠藤要君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る二十一日、梶原清君及び高平公友君が委員を辞任され、その補欠として林寛子君及び増岡康治君が選任されました。
 また、去る二十二日、増岡康治君が委員を辞任され、その補欠として岡田広君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(遠藤要君) この際、連合審査会に関する件についてお諮りいたします。
 老人保健法案について、社会労働委員会に対し連合審査会の開会を申し入れることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認め、きょう決定いたします。
 なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(遠藤要君) 昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案及び昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。
 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。渡辺大蔵大臣。
#7
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま議題となりました昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 この法律案は、国家公務員共済組合法等の規定により支給されている年金につきまして、別途、本国会で成立いたしました恩給法等の一部を改正する法律による恩給の改善措置にならい所要の措置を講ずるとともに、掛金及び給付額の算定の基礎となる俸給の最高限度額の引き上げ等の措置を講じようとするものであります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一は、国家公務員共済組合等からの年金の額を改定することであります。
 すなわち、旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法、旧国家公務員共済組合法及び国家公務員共済組合法に基づく年金につきまして、本年五月分以後、年金額を引き上げることといたしております。
 この引き上げにつきましては、恩給における措置にならい、昭和五十六年度の国家公務員の給与の改善内容に準じ、年金額の算定の基礎となっている俸給を増額することにより行うことといたしており、平均で五%程度年金額が改善されることとなります。
 なお、年金額の引き上げに関し、増額後の俸給の額が一定額以上の退職年金、減額退職年金及び通算退職年金につきましては、昭和五十八年三月分まで、引き上げ分の三分の一の支給を停止することといたしておりますが、これも恩給における措置にならうものであります。
 第二に、公務関係年金及び六十五歳以上の者の受ける退職年金等の最低保障額を恩給における措置にならい改善することといたしております。
 そのほか、掛金及び給付額の算定の基礎となる俸給の最高限度額につきまして、公務員給与の引き上げ等を考慮し、現行の四十二万円を四十四万円に引き上げることとするなど、所要の措置を講ずることといたしております。
 以上がこの法律案の提案の理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
 なお、本法律案は、その一部の施行期日を昭和五十七年四月一日と提案しておりましたが、その期日を経過いたしましたので、衆議院におきましてこれを公布の日とするなど所要の修正が行われておりますので、御報告いたします。
 以上であります。
#8
○委員長(遠藤要君) 小坂運輸大臣。
#9
○国務大臣(小坂徳三郎君) ただいま議題となりました昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 この法律案は、公共企業体の共済組合が支給しております退職年金等につきまして、別途、本国会で成立いたしました恩給法等の一部を改正する法律による恩給の改善措置にならい年金額を引き上げるとともに、最低保障額の引き上げ等の措置を講じようとするものであります。
 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
 第一に、公共企業体の共済組合が支給しております退職年金等につきまして、その年金額の算定の基礎となっている俸給を昭和五十六年度の国家公務員の給与の改善内容に準じて増額することにより、本年五月分から年金額を引き上げることといたしております。
 この結果、平均で約五%程度年金額が増額されることとなります。
 なお、年金額の引き上げに関し、増額後の俸給の額が一定額以上の者に支給する退職年金、減額退職年金または通算退職年金につきましては、昭和五十八年三月分まで、引き上げ額の三分の一の支給を停止することといたしております。
 第二に、六十五歳以上の者に係る退職年金等及び殉職年金等の最低保障額につきまして、所要の改善を図ることといたしております。
 以上がこの法律案を提案する理由であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
#10
○委員長(遠藤要君) これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#11
○片岡勝治君 年金制度は社会保障のいわば根幹でありまして、国民の大変大きな関心を持っておる問題であります。しかし、これは同時に国の財政状況にも大変大きな関係を持つ内容でございます。今日のような財政状況のもとで、率直に言ってねらい撃ちをされまして、いわゆる福祉切り捨てという政策が出てきているということは否定できないわけでありまして、年金につきましてもあるいは恩給につきましても、本年は公務員の改定の時期よりも一カ月繰り下げる、こういう措置が法案の内容に出てきているわけでありまして、この財政事情に基づく、私どもの言葉で言わせてもらえるならば、福祉切り捨てのいわば象徴的な現象だろうと思うんです。
 大蔵大臣も出席でありますので、昨今、国の財政についていろいろと牽制球が投げられておりまして、税収不足が前年度で二兆円、五十七年度では三兆円ともあるいは五兆円とも言われておるわけであります。ごく概要でありますけれども、現在の財政見通しというものについて私たちがこの年金を審議するに当たってどういう認識を持って対処していったらいいのか、この財政状況の見通しについて、まず初めに大臣の見解をお聞きしたいと思います。
#12
○国務大臣(渡辺美智雄君) 五十六年度及び七年度の財政の見通しについてという問いでございます。
 非常に予想外の物価の安定あるいは円安、あるいは貿易の停滞、消費の伸び悩み、そういうような世界経済の状況というものが日本にも波及をいたしまして、財政についても非常に厳しい状況にございます。では、一体幾ら五十六年度で不足が出るんだと。そうなりますと、具体的な数字は、結論から言えば三月の法人の決算の締め切り、申告の締め切りが五月末でありますから、六月以降、七月近くならぬとわからないというのが結論でございますけれども、しかしそうは言っても現在の状況がもし続くという状態ならば大体どれぐらいだと、こういうお話に私は承ります。
 これは仮定の話ということになりますが、やはり二月の税の収納状況、それからまだはっきりしないんだけれども三月の個人の申告状況、こういうようなものを横目で見るというとどうも思わしくないのであります。したがって、法人の決算もずば抜けてよく出るということはちょっと考えられないのではないだろうかと。そうなりますと、やはり見積もりが三十二兆の見積もりでございますが、それに対して平年度大体五%から七%ぐらいの上下ということはあるんですが、下の方で七、八%ぐらいの不足があるいは出る危険性、可能性というものがございます。といいますと、その数字を言うとじゃ二兆円前後かと、掛け算をすればすぐ出るわけでございますから。大体数字であらわすとそういうふうなことにもあるいはなるかもしれない。
 五十七年度はどうなんだと。すぐ言われるのは、発射台が少なくなったとすれば五十七年度も足りなくなるんじゃないかという御議論であります。これは常識的な普通の、あたりまえの御意見でございます。しかしながら、新年度予算についてはまだ出たばかりでありまして、世界の景気動向との絡みというものもございますが、これも当初のうちは大体ことしの後半は景気は世界的に回復するということが言われておったんですが、最近になるとまたOECDが一年おくれとか言うものですから、これも実際わからないのが現実の姿であります。しかしながら、日本は日本なりに景気の落ち込みにできるだけ有効な手が使えるかどうかということでいま苦労しておりますが、建設工事の前倒しその他をやって防いでいこうということでございまして、実は五十七年度の税収の不足というようなものはいまのところ皆目わからぬというのが実情であります。
 いずれにしても、世界的な状況から見て、日本だけがかけ離れてうまいことをするということは言うべくして不可能に近いことでございますので、非常に厳しい財政状況にあると、一口で言えばそういうことが言えるんではなかろうかと考えます。
#13
○片岡勝治君 そういう財政状況もこれあり、いわゆる五十八年度予算編成も国会明けからいろいろその準備段階に入ると思うわけであります。そこで、大蔵省筋からの報道によりますと、六月ないし七月初めには大蔵省として概算要求の枠を決める、その方針はかくかくしかじかになるであろうという観測記事が報道されておりますけれども、いま大臣のお答えにもありましたような状況からすれば、今度の五十八年度予算編成に当たって概算要求の大枠というものがどの辺になるかということはわれわれなりにも予測ができないわけではありませんけれども、今日時点でこの概算要求についての一つの構想というものがもしあれば、この際発表をしていただきたいと思います。
#14
○国務大臣(渡辺美智雄君) 結論から先に申し上げますと、まだ具体的構想がないと。御承知のとおり、毎日私も主計局の皆さんも国会張りつけでございまして、内部で新しいデータに基づいての協議をやっている時間的余裕がいまのところ全然ございません。したがいまして、これはどうしてももう少しおくれると。国会がどうなるか、今後の問題、日程等もございますが、普通にいけば五月十九日に終わるということでございます。臨調答申がどうなるのかという問題もありまして、去年は六月五日にシーリング枠の発表というものが行われたわけでございますが、ことしはどうもサミットの問題がひとつ、六月四日から総理もおりません、私もおりませんというようなことで、国会がいつまでこれ続くのかという目安がはっきりしない。五月十九日にきちっとやめてもらえるかどうか、これもまあ希望なんでしょうけれども、そうするとそれの問題で協議の時間がないというと決められないわけでありまして、まあ去年のように早くはちょっとむずかしいんじゃないかと、いまのところ少しおくれるかもしれないと。
 いずれにいたしましても、具体的内容について言えることは、いま言ったような財政事情でございますから厳しいんですから、収入の方はそんなに大型増税というわけにはいかぬわけですし、ということになれば、やっぱり歳出の方を極力抑え込んでいく、あるいは切り込んでいくという以外には赤字国債とかその他の欠損額を減らす方法はないわけですから、したがって非常に厳しいシーリングにせざるを得ないんじゃないかという程度のことで、具体的数字というものはもちろんまだ――よく新聞でゼロシーリングとか、やれマイナスシーリングと書かれておりますが、そこらについても計数をまだ詰めておりませんので、きょうの段階では厳しいというものにせざるを得ないということ以外はちょっと申し上げられないと存じます。
#15
○片岡勝治君 まあそうだろうと思うわけですけれども、すでに大蔵省筋からは、概算要求の枠は厳しくしなければならぬ、防衛費を除いてゼロシーリング、マイナスというような表現も使っておりまして、すでにそういう一つの考え方、すなわち防衛費についてはこれを枠外にする、それ以外は厳しくするというような情報が流れているものですから私ども大変心配するわけであります。しかし、これは本日の本論ではありませんので以上でこの問題について終わりまして、具体的なこの年金につきまして質問をしたいと思います。
 いま触れましたように、今度の年金の改定について、公務員の給与にスライドする考え方に立って一連の改定が行われているわけであります。これは例年の措置でありまして、このこと自体私どもは別に異議を持つものではありませんが、その実施時期について一カ月の繰り下げを行った。公務員は四月から実施をしておきながら、年金受給者につきましては一カ月繰り下げをやったということでありまして、大蔵大臣には耳が痛いかもしれませんけれども、これは福祉切り捨ての行政改革の一つの象徴的な現象であると私たちは見ざるを得ないわけであります。
 さきの恩給法の改定におきまして私ども野党が提出いたしました修正につきましても、全野党が、一カ月繰り下げは不当である、これは従前どおり復元すべきであるという意見になったわけでありまして、自民党の皆さんも腹の底では何とか復元をしたいというようなことのようでありますが、いずれにいたしましても、今度のこの措置については私たちとして、やっぱり弱き者へのしわ寄せが来ている、そういうふうに判断をせざるを得ないわけであります。
 具体的に申し上げますと、国家公務員の場合に四月実施を五月にした、これによって給付額はどのくらいになりますか、給付額の差。
#16
○政府委員(宍倉宗夫君) 給付額の節約額は約二十億円でございます。
#17
○片岡勝治君 昨年の恩給法の改定のときに、これも恩給法審議の段階で各党からそれぞれ意見が出されましたけれども、年金の改定の時期は公務員の給与改定の時期と均衡を失しないような措置をとるべきである、こういう附帯決議が出されてきたわけでありまして、これは当然、いつも年金が恩給に連動するというようなことで、きょうの提案説明も、恩給の改善措置にならって所要の措置をしたんだと、こういうふうに提案説明をされておりますが、私たちはそのこともある程度やむを得ないと思いますが、それはさておきまして、実施時期の公務員との均衡、こういうものがこれまである程度定着してきたわけですね。かつては十月であったものが、公務員の給与改定と同じように一カ月、二カ月だんだんだんだんと繰り上がってまいりましてようやく四月になった。公務員が四月であるのに年金受給者が五月ということについては、いまも申し上げましたように均衡を失していることは明らかでありまして、この附帯決議と今度の措置について、大蔵省が事実上恩給等についても査定を行っているわけでありますから、大臣の所見を承りたいと思います。特に国会における附帯決議との関係でどのような考えに立っているのか。
#18
○政府委員(宍倉宗夫君) 恩給法等の一部を改正する法律案につきまして、公務員の給与改定より一年おくれがあるのでおくれをなくすように特段の配慮をするようにという附帯決議がなされておることは承知をいたしております。
 ただ、毎度申し上げていることでございますけれども、恩給の年額改定と申しますのはいわゆるスライドでございまして、四十八年から行ってきておるわけでございます。スライドをいたしますときにどういう指標でスライドをいたしますかということがなかなか現実の問題むずかしいわけでございますが、その年その年の給与の引き上げ額に応じましてスライドをしてまいるということは、現実の問題としてその年初にどの程度の人事院勧告があるかということはわかりませんものですから一年おくれの指標をとっておるということでございまして、各年度におきまして恩給が四月なら四月からということでスライドされていることにつきましては変わりないわけであります。その指標が一年おくれているということでございまして、これは指標そのものの問題でございますから、当然のことでございますが追っかけ追っかけで同じような形になるというようなことで、技術的な問題ということ以上の何物でもないわけでございます。
 ところで、本年の場合に、五月から恩給の方もそれからまた今回お願いしてございます公務員の年金の方もスライドをお願いを申し上げているわけでございまして、これが昨年までの四月とは違うではないか、こういうことでございます。
 先生おっしゃっておられますように、現職の公務員とOBになりました公務員との間のバランスというものを一体どういうふうに考えるかということでございます。
 五十六年のベースアップでございますが、この取り扱いにつきましては、国会の方にいろいろ御相談申し上げまして結果決まりましたことは、五十六年度のベースアップにつきましては、一つに、いわゆるボーナスについては据え置き、五十五年度並みにする、それから管理職、つまり一種、二種の管理職手当をもらっていらっしゃる方につきましては五十七年の四月までベースアップをしない、一年据え置く、こういうことになっておるわけでございまして、そのボーナスの分というのを考えてみますと、ボーナスの分は四・九カ月あるわけでございますが、これが一年間据え置きということになりますと、実際計算を細かくいたしますと細かい計算はいろいろ成り立つと思いますが、ごく大ざっぱに申し上げますと、四月、五月、六月で三カ月、それから六月に一・九カ月のボーナスをいただきますので、結局四・九カ月おくれということは七月実施、三カ月おくれということに概念的には同じようなことになるわけです。ただ、はね返りの計算等ございますので、細かい計算をいたしますと恐らく六月の半ば実施ぐらいのカウントになるのだろうと思います。現職の方は、ボーナスと普通の毎月の給与と合わせたもので考えますと大体二カ月ちょっとぐらいおくれている感じになるわけでございまして、それとOBの方とのバランスを考えますと、OBの方もやっぱり二カ月ぐらいおくれてもいいんじゃないかという議論があり得るわけであります。そういたしますと、昨年まで四月実施でございますから六月実施でもいいじゃないかという議論もあり得るわけであります。
 片や、昨年の七月に出ました臨調の第一次答申では、恩給の年額改定については極力抑制するようにという御指示もございまして、その辺のところを恩給局といろいろ御相談申し上げて、結局のところ、六月じゃなくて五月、つまり二カ月おくれじゃなくて一カ月おくれにしよう、こういうことになったわけであります。それは、現職の公務員とのバランスを考えてみると、さてどっちがいいのか、現職よりもOBの方が少し優遇されたかっこうになっているんじゃないかという御批判はあえていただくかもしれないという心配も実はあったわけでございますが、いろいろいたしましてそういうことになった。そこで公務員の方も恩給と一緒になった。
 片方、それでは厚生年金や国民年金はどうか。御承知のように、厚生年金で申し上げれば、五%以上物価が上がりましたときには必ずスライドをするんだという規定が法律にあるわけでございますが、五十六年の物価の上がり方というのは恐らく五%は切るだろう、政府の経済見通しでございますと四・五%ということになっておるわけでございますから。この厳しい財政状況から考えますと、必ずしも物価スライドしなくてもいい範囲に入っているものですから、一年休んだらどうだろうかという議論もずいぶんしたわけでございますけれども、前にもそういうことが一遍あったではないかということも考えてみると、年金受給者の方々があるいは相当に期待しているかもしれない、その期待を裏切ってもいかがであろうかということで、本来法律上は義務的でない物価スライドをいたすことにいたしたわけであります。
 その際も、法律の規定でございますれば厚生年金は十一月から、国民年金は一月から物価スライドをすればよろしいわけでございますけれども、そこのところは法律の規定をもう一歩踏み越えて、つまりもとから数えれば私ども、卑近な言葉で恐縮でございますが、リャンハンかかってと、こう言っておりますけれども、実施時期を繰り上げまして、昨年までの六月に比べまして恩給や共済の年金と同じように一月おくれて七月からということにいたしているわけでございまして、これは例年と比べれば確かに一月おくれているということはございますけれども、先ほど来申し上げておりますように、現職の公務員の方々とのバランス、それから現在の法制上の仕組みからいたしましてやむを得ないものではなかろうかと思っている次第でございますので、何とぞ御理解賜りたいと存じます。
#19
○片岡勝治君 これは、恩給法のときにも大変大きな問題なものですから各党とも質問をしたんですよ。いまの説明は私は初めて聞きました。いままでの政府の答弁は違うんですよ。これは臨調の勧告もこれあり、厳しい財政事情によって年金受給者も痛みを分けてくれと、それで年金の改定の内容を落とすかあるいは実施時期を繰り下げるか、いろいろ苦慮したと、しかし恩給の内容を落とすと将来に影響するから、まあそれは落とさないようにわれわれもがんばったと、そこでこの繰り下げをしたんだと、そういう説明ですよ。それはあくまでも臨調方針に基づいて、厳しい財政事情をおもんぱかって一カ月を繰り下げたんだ、がまんをしてくれ、これが一貫したいままでの恩給法の政府の説明ですよ。私は、いまのは後から非常に巧みな理屈をつけたような数字の――ずばり言ってそうなんでしょう。
#20
○国務大臣(渡辺美智雄君) 簡潔に、わかりやすく言えばいま先生の言ったとおりだと思います。
#21
○片岡勝治君 その点、私はむしろ正直に言ってもらった方がいいと思うんですよ。それで、いまの説明には、聞いているとなるほどと思うようなことがあるけれども、これには前提というか基本の土台がみんな違うわけです。たとえば、年金の場合にはボーナスの要素なんか全然入ってないんでしょう。だからボーナスをくれているならいいんですよ、年金にも、いまのあなたの理論は。ボーナスは全くもう棚上げになって年金受給者というものは計算されておる。それから、すでに一年おくれているということもいまのあなたの理屈からすれば何ら考慮をされていない。そういう点からすれば、何か後からくっつけたような説明の数字に聞こえます。だから大蔵大臣のように、むしろ素直に言った方がいいと思うんです。
 そこで大蔵大臣、厳しい財政事情だからそういう措置をやった、大蔵省なりのあるいは政府なりの意見もわからないわけじゃないんですよ、私は。みんなで痛みを分けるということについても、私はこういう財政事情ですから、国民としてある部分は理解をしていかなければならないだろうと。しかし恩給、年金受給者、これは公務員だけではありません、公企体ももちろんそうだろうし、厚生年金もそうだろうし、他の年金受給者については、この場合国家公務員、公企体の例をとりますれば、すでに一年おくれになっているんですよ、一年おくれ。
 しかも、いまあなた方の答弁によれば一カ月で二十億円かかるというのですね。逆に言えば五月実施を四月にやることによって二十億円の費用がかかる。つまり、五月実施すれば二十億円節約できる、こういうことですから、この数字を使わしてもらえるならば、一カ年おくれということになれば二百四十億円すでに――机上計算ですよ、机上計算によればすでに年金受給者は一年おくれている。その費用は国家公務員で言うならば二百四十億円、財政的に直接国家財政ということではないでしょう、組合から出るんですから。しかし、マクロ的に言えばこれだけすでに年金受給者は協力をしているわけでしょう。その上にもってきて、財政が苦しいからといって二十億円削り取るということについては情けがないじゃないかと、これが年金受給者の率直な声なんです。
 一年おくれでなくて、公務員との改定の均衡がとられた、そういうことであればまだしも、しかしそれでも、現職で働いている公務員は四月から実施しておって、私たち年金受給者についてだけどうして一カ月おくれるのだということになるんです。これは大臣、どうですか。すでに年金受給者は一年おくれということで過分の協力をしている、財政に対して貢献をしている、こういうふうに理解すべきじゃないですか。
#22
○国務大臣(渡辺美智雄君) いろいろ御議論はあろうかと思います。私は財政を預かる者として、国会議員の方も極力これはベアはまたストップということでお願いしたいと、これはお聞き届けをいただいたわけです。国家公務員についても、ともかくできることだったらば九月ごろにしてもらえぬかということで、私は最後の最後までがんばったのですが、しかしながら御承知のような経過を経て院の決定によって四月実施ということになったわけでございます。
 年金については恩給の横並びというようなことで、今度は受給者側からすれば先生のおっしゃるような御議論は私はあろうと思います、それは。しかしながら、こういう時節でもございますものですから、ひとつ少しずつみんなで痛み分けをしてくださいと、公務員についてはボーナスはベアはしないというようなことで御協力をいただいたわけでございます。そういうようなことでございますので、いろいろ私は御議論はあると思いますが、どうぞこれでひとつごしんぼうをお願いしたいということを申し上げるだけでございます。
#23
○片岡勝治君 これは恩給の場合とまた性格が違うと思いますね、共済年金や厚生年金の場合には。なぜかというと、これはいわば労使がお金を出し合って、その金を退職者に対して支給をするというこういうシステムになっていますから。もちろん、使用者側である国の負担というものが法律で決まって出すことになっておりますから、国の財政と非常に密接な関係がある制度であることは言うまでもありません。しかし、恩給の場合には大部分が国の財政でこれを負担をする、こういうことでありますから、これは恩給受給者がだから公務員の共済年金よりも低くていいということを私は言っているんじゃないのです。ただ、性格的に言えば労使が出し合って金を備蓄しておる、それを退職者に支給をするというのが年金の制度でありますから、ストレートに国家財政云々というようなことで直ちに共済組合の年金に手をつける、それの支給を減額するということについてはちょっと私は別の考えを持つべきではないのか、共済年金の場合いわば互助会、互いに助け合おうという制度でありますからね。そういう点については、単なる財政事情ということをストレートに共済の財政運営の中に持ち込むということについて若干問題があるのではないかと私は考えるんですが、これは結構です。
 さて、そこで臨調では「昭和五十七年度においては、恩給費の増加を極力抑制し、新規の個別改善は行わない。」、こういう一つの答申といいますか勧告が出たわけであります。よく読むと「五十七年度においては、」と、非常に明確に書いてありますね。ですから、これは恩給法の審議のときにも各党から、これは五十七年度だけですねと。なぜかと言えば、政府の答弁も、臨調から臨調からということを繰り返し言うものですから、それでは臨調は五十七年度と限定しているから、これは五十七年度だけかと。それに対して、答弁の受けとめ方によってよく解釈する人、悲観的に解釈する人があるいはあるかもしれませんけれども、臨調が少なくとも年次を明確にした以上、これに基づいてわれわれはそういうふうに理解をしているというような意味の答弁をしているんですよ、恩給法について。これは速記録を見ていただきたい。
 したがって、政府も五十八年度からはもうがんばりますというようなことを言っておりますが、しかし、これは恩給に対してだけなぜ臨調がこの答申を出したかと言えば、恩給というのは大部分が政府のお金で出す。もちろん、その昔はごくわずかではありますけれども拠出金を出しましたが、これはほとんど微々たるものだと、そういう性格もこれあり、臨調としては恩給に限ってそういう答申をしたと、抑制しなさいと、それはそのまま国家財政の節約になるから。むしろ恩給受給者よりも共済年金の受給者の方がはるかに多いわけですね。それに対して臨調は一言も言わなかったということは、いま申し上げましたように、共済年金というのは互助会だと、使用者側、労働者側が拠出した金で年金を支払っているというそういう制度的な問題があるから、臨調もストレートに共済年金に対して答申を出し得なかったのではないかと、私はそういうふうに理解をするんです。しかし、これは臨調に聞かなきゃわかりませんが、それは常識的な理解ではないんですか、あなた方が見て。
#24
○政府委員(宍倉宗夫君) 先生おっしゃるように、どういうことで臨調がそうお書きになったのかというのは、臨調に伺ってみないと確かにわからないわけでございます。
 五十七年度の予算編成に関連する事項につきまして昨年の七月に第一次答申があったわけでございますから、答申そのものは先生おっしゃるように五十七年度のことを言っているんだと思います。
#25
○片岡勝治君 これは大蔵大臣、いま答弁がありましたけれども、臨調が「五十七年度においては、」と、非常に明確に書いてありますね。したがって、これは五十八年度は当然復元をする、繰り返して申し上げますけれども、復元してもなおかつ一年おくれだと、私が言うように、一年おくれをがまんして国家財政に協力している年金受給者、そういうことを考えれば、五十八年度には復元をする、こういうふうに理解してよろしゅうございますね。
#26
○国務大臣(渡辺美智雄君) 臨調の答申がまた七月に出て、どういうふうな答申が出るのかわかりません。
 もう一つは、国の財政事情が御指摘のように五十七年も大変だ、五十八年はなお一層大変だというような状況でございますので、いまからそれをなかなかお約束をできるという状況にないと、今後の景気や経済の見通し、それから各歳出の増加状況、そういうものを踏まえて、最終的には予算編成の段階で決めてまいりたいと考えております。
#27
○片岡勝治君 これは繰り返し申し上げますけれども、いまの財政事情は私たちも十分わかっているつもりでありますけれども、少なくとも年金受給者については、それでなくても、いわば弱者という言葉は余りいい言葉ではありませんけれども、弱者と言われている人たちであり、繰り返し申し上げますように、一年おくれというすでに財政的なハンディを甘んじて受けている、国家財政に対して相当の協力をさせられているわけでありますから、これはひとつ来年度復元をすると、臨調だって、趣旨は新規の個別改善は行わないようにしなさいということであって、カットしろなんということの趣旨じゃないと思うんですね。
 いまへ理屈を言うならば、それならば現在公務員が毎月出している拠出金、これ一カ月どこかカットしてくれるんですか、そういう理屈も出てくるんです。われわれはちゃんと規定どおり取られている。大きくマクロ的にとらえれば、労使が出して退職金を出しているわけですからね、拠出金はまるまる四月から取られるわけですよ、拠出金は。その拠出した者が年金をもらうわけじゃありませんけれども、趣旨からすれば、労使が出して年金を出す。支給する方は一カ月おくれ。しかし、組合費の方は四月から徴収するということだって、額はそんな莫大な額ではないかもしれませんけれども、そういう理屈だって出てくるんですよ。
 いろいろ申し上げましたけれども、あらゆる点から考えて、一カ月繰り下げたということについては私としては非常に理解ができない。これは後ほど、この採決の段階には私ども野党はもう一度修正案を出してみたいと思うわけでありますけれども、ぜひこの来年度予算の編成に当たっては、きょうの論議あるいは恩給法の審議経過を十分踏まえて、弱い老いじめだけはひとつしないでいただきたい。大蔵大臣も非常に情ある人と風の便りで聞いていますからね、こういうところで削ったというようなことでは、やっぱり国の方針が福祉切り捨てということを言われてもいたし方がないと思うわけであります。私は、この点だけを大蔵大臣に特に申し上げておきたいと思うわけであります。
 それから、これは直接年金にかかわる問題でありませんが、非常に年金財政と深くかかわりある国鉄の再建問題について、大蔵大臣がいらっしゃる間にお聞きをしておきたいと思うんです。
 それは、この四月の二十二日に運輸省から国鉄改革案なるものが突如報道をされました。衆参予算審議その他の審議を通じてその片りんさえ見せなかったわけでありますけれども、ある日突然その姿をあらわして私ども実は驚いているわけでありますが、それは午後運輸大臣にじっくりとお尋ねをしたいと思います。
 この改革案なるものが出まして、運輸大臣は、これも報道によりますと、鈴木総理大臣に会って説明をしたと、鈴木総理初め政府首脳部、自民党幹部は高く評価をしたと、こういう報道がなされております。少なくとも政府あるいは政府筋、総理大臣がこの改革案なるものを高く評価したということになれば、問題は財政問題なんですよ、端的に言えば。大蔵大臣が知らないで、この改革案に評価をどう与えるかということは、財政事情の考慮なしに評価できないと思いますね。ですから、当然大蔵省も大蔵大臣もしさいに検討した上で高く評価をしたものと私たちは受けとめるわけなんですが、この改革案なるものについて大蔵省あるいは大蔵大臣はどのようにタッチをしてきたか。この改革案について政府があるいは総理が高く評価をしたということでありますから、恐らく財政的な見地から検討した結果これを高く評価した、こういうふうに受けとめてよろしゅうございますか。
#28
○国務大臣(小坂徳三郎君) 午後に御質問があると思っておりまして、いま私のところへノルウェーの貿易大臣が来ることになっておりますので、ちょっと大蔵大臣の前に一言。
 いま大蔵大臣は質問されても困ると思うんです。と申しますのは、実はわれわれもこうした臨調がだんだんといろいろ問題を煮詰めておることは知っておりますが、やはり私個人としましては、国鉄を所管しておる運輸大臣といたしまして、問題の所在なり今後可能な方法、あるいはまたできるならば国民に大きな負担をお願いしている国鉄を改善して、せめて民鉄並みくらいの能率というものをいろいろ考えておったことは事実でありまして、こうしたものをずっと個人的に勉強してきたことは事実であります。ただ、あの案なるものが突如として新聞にスクープされまして、実はたまたま総理には話の筋道だけは報告したわけであります。新聞に出ておりましたような事態、あるいは党の方々にも全然説明をしてあるものではないのでありますから、それを高く評価されたかどうかということは、全くこれは私の関知しないことであります。まして、大蔵大臣にもこの問題について今週からひとつお話をしようやと、こう言っておったところでございますので、大蔵大臣も実は御承知ないのでございまして、新聞に完全にスクープされちゃったので私も非常に困惑をしているのが実情でございますから、また後ほどゆっくりお話しします。
#29
○片岡勝治君 大蔵大臣は全く何ら関知してないんですか。
#30
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま運輸大臣が御答弁なさったとおりでございまして、私は評価をしようにも、中身を聞いてないものですから、評価の点数のつけようがないということでございます。ただ、国鉄の現状というものは、非常に憂うべき状態にあることは言うまでもありません。したがって、現行の経営改善計画というものは私は十分だというふうには思っておりません。しかし、新しい案というのはどういうふうなものかわかりませんので、いまも運輸大臣と話しておったんですが、私きょうから出発して、いない、だけど事務当局にひとつよく詳しく説明をしてほしいということをいま話したばかりでございます。
#31
○片岡勝治君 これは午後、運輸大臣から真意なり経過を十分ただしたいと思うんですけれども、私は、いま運輸大臣いらっしゃらないで言うのもどうかと思うんですが、ああいうような態度でこの問題に対処してきたというのは非常に心外なんです。もっと真剣なものである、もっと慎重に検討した上でのことであろう。しかも文書を見れば相当大胆な、しかも広範囲にわたっての一つの改革案でありますから、これは大臣が言うようなそう何というか、軽いと言っちゃ失礼かもしれませんけれども、そういうものではなかろう。少なくともこれだけの改革案なるものが審議をされ検討をされてきたということは、われわれとして非常に重大視するわけなんです。しかも、すでに総理にも報告をされたということは事実のようでありまして、評価の云々は別にいたしまして、財政当局が何ら関知をしていないということについても私たちは理解ができません。しかし、これは後ほど審議をするということにいたしまして、大蔵大臣の出席時間が非常に少ないために十分意を尽くした質問もできませんが、時間の関係がありますので、私はこの程度で終わりたいと思います。
#32
○中尾辰義君 最初に、大蔵大臣にお伺いしますが、今度の国家公務員共済年金並びに公企体の共済年金、これに対しましてはわれわれといたしましては従来はずっと賛成の態度で来たわけですけれども、今回は残念ながらこれに賛成するわけにまいらない。
 法案の内容につきましては、退職年金等の算定の基礎となっている俸給を昭和五十七年五月から平均五%引き上げる。これはいいといたしましても、そのほかいろいろ問題点があるわけですので、最初に、例年の改定時期が四月であったわけでありますが、今回五月実施になったこと、これについてはただいまも質問あったのですが、これは福祉切り捨てじゃないか、全く私どもも同感でございまして、国家公務員共済組合審議会答申、これにも「今回の諮問の件は、恒例となっている年金額のスライド改定を中心とするものであって、その限りにおいて別に異存はないが、その支給開始時期を年度によって変更することは年金の性質からみてほめられない」、大臣も御存じのようにこういうような答申が出ておるわけですね。
 ですから、こういう答申が出ておるにもかかわらず、答申というのは尊重しなきゃならぬのだけれども、必ずしも尊重されてない。都合のいいときは答申を尊重されるけれども、都合の悪いときは尊重されない。それだったら最初から諮問する必要はないじゃないか、こういうへ理屈も出てくるわけですが、そこでこれに対してなぜそういうふうになったのか、再度大臣の御見解をお伺いしたい。
#33
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは一口で言えば、先ほど片岡先生に答弁を申し上げましたように、一にかかって財政事情ということだと存じます。
#34
○中尾辰義君 財政事情はよく知っておるんですよ。ですから、やっぱりこういう人たちはいろいろと年金で暮らしておる社会的に弱い人でございますので、強いてわれわれは申し上げるわけです。
 それで、財政事情はわかったけれども、大臣は私に答弁するんじゃなしに、あなたの答弁というのはずっと会議録に残って、国民に広く官報で出るわけなんですよ。年金の受給者に対して大臣としてもう少し親切な答弁をしないと、財政事情でぽつんと切ったんじゃ、これはちょっと年金受給者は納得できないと思うのですよ。もう一遍懇切なる答弁をしてくださいよ、国民向けの。
#35
○国務大臣(渡辺美智雄君) 時間の関係もあると思いまして簡単に申し上げたわけでございますが、御承知のとおり非常に厳しい財政事情でございます。したがって、年金にしてもあるいは教育費の問題にしても何にいたしましても、われわれとしては極力要求したものだけを予算をつけてあげなければ申しわけないという気持ちは一方にあるわけでございます。しかし、他方におきましては、そういう予算づけをするということは財源を必要とするわけでございますから、財源との絡み、まあともかく非常な一方は赤字国債をいっぱい出しておる、これも減らさなければならない。赤字国債をふやせなんていう人は余りいません、これは減らしなさいと。そうかといって、増税と言ったらみんな余り賛成はしない。一方どんどん経費の方はみんなふえる。これを一定にふやさないという努力は一方でやっておって、補助金のカットとか何かをいたしております。やはり補助金にいたしましても、もらっている人から見ればそれは減収になるわけでございますから、もう月給の値下げぐらいもらっている人だけはつらいと、これも事実でございます。農家の方の問題を一つ取り上げましても、米が過剰で結局つくれない、そのために転作補助金というようなものを出しておる。これも一昨年はむしろ五千円反当たり減らしたと、一方において物価は上がる、米はそうつくれない、結局補助金は減る、必要経費は上がる、ですから、うんと減ったような感じになる、これも事実でございます。
 そういうような状況にございますので、いわゆる国家公務員等についても、当然人事院勧告どおりに実行しろという意見と、こういう際だからひとつ何とか少し痛み分けでがまんしてもらえぬかという意見と両方ありまして、われわれとしてはそれをお願いしたのですが、ともかく本俸の方は四月実施だと、そのかわりボーナスは凍結と、それから上の方の人はベアも凍結というようなことをやっておるわけでございまして、したがいまして恩給についてもやはり実施時期においてひとつ御協力をいただきたい。一般の民間の厚生年金等もそれと同じということになってまいりますと、国家公務員関係の年金だけを四月一日というわけになかなかいかない。やはりみんな年金は、厚生年金も共済年金も恩給も一カ月ずつ実施時期をおくらせていただきたいということで、全部に痛み分けをしていただいたというのが真相でございまして、この部分だけを取り上げますと、やはりその受給者からの御主張というのは、いま先生方からおっしゃったような御主張が当然あるわけでございます。
 しかし、私としては国全体の財政というものを考えておりますし、その裏づけとしては財源ということを考えておりますから、財源をもっと与えて、それで増税もやむなしとかなんとかというようなことで、財源を与えるからそれじゃふやすものをもっとふやせというのはこれは一つの政策であります。そこの整合性をどういうふうにとっていくかというふうな点から、全体的なバランスを見ながら、これについては少しごしんぼういただいたというのが率直な私の考えでございます。
#36
○中尾辰義君 それじゃ大臣、ことしは大蔵省の意向はそういうことらしいですが、来年度は、来年のことをいまから答弁できないかもしれませんが、もうずっとこういうふうに固定されていくのですか。来年は来年でまた財政事情を考えて四月実施に戻すこともあり得るのか、その辺いかがですか。
#37
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはもう一にかかってそのときの財政事情、最終的にはこれはもう国会の判断なんですよ。ある歳出をふやすということになれば、それに伴う歳入もふやすということになるわけですから。歳入なくして歳出はないわけです。だれかが負担をしなければ歳出をふやすことはできない。したがって、どこをふやすのか、どこを減らすのかということは選択の問題でございまして、最終的には国権の最高機関たる国会の選択によるということでございますが、われわれは政府を持っておりまして、政府としてはしかしこういうような考えで御承認をいただきたいということをお願いをしているわけでございまして、政府が自由に決められる案件ではありません。国会の承認がなくして幾ら政府が一方的に発表しても決まるわけでもないですから、したがって最終的には国民の代表である国会の御裁可によって物が決着する、政府は政府の意見を申し上げるという段階でございます。
 したがって、私どもといたしましては、来年の財政事情というものについて、五十八年度の予算編成をこれからやるわけですが、どういうような経済見通しあるいは財源の確保の目安というものを全部ひっくるめた中で、どこをどういうようにその与えられた財源の中で予算を組んでいくかということはことしの末にならないというと決まらない。したがって、いまから来年四月に戻すとかあるいはもっとおくらすとか、固定するとか、そういうことはいまから申し上げられないのはまことに残念でございます。
#38
○中尾辰義君 それじゃ次に、これは引き上げ後の俸給年額が四百十六万二千四百円以上の者に支給される退職年金、減額退職年金、通算退職年金、これについては五十八年三月分まで増額分の三分の一を停止する、こうなっているんですが、この理由はどういうわけなのか、それが一つ。
 それと、いま質問したように年金改定が本年度四月から五月と一カ月おくれるのでしょう。一カ月おくれた上にそれにまた増額分の三分の一が停止と、これは二重の抑制でしょう。年金生活者につきましては非常にこれは耐えられない。現職者以上に不利を強いることになりますが、この点につきましても、財政事情もわからぬでもないが、これもひとつ懇切なる答弁をいただきたい。
#39
○政府委員(宍倉宗夫君) 年金額の高い方につきまして、上がった分の三分の一の分を一年間停止するという措置をお願いいたしておりますその理由でございますが、それは先ほど申し上げましたように、一般の現職の公務員の方々の五十六年度の給与改定につきまして管理職手当一種、二種をもらっている方はベアが一年間ストップになっているわけでございますので、この管理職手当一種・二種をもらっておられる方と同じ程度のOBの方につきましてどうするかという問題になってくるわけでございまして、普通の形で両方完全に平行移動といいますかバランスをとるということでございますれば、現職が一年停止になっておりますからOBの方も一年停止という考え方があり得るわけでございますが、しかし現職の方とOBの方とはそこのところはやっぱり多少違うのではないかとか、四十四年の年金改定のときには増額分の三分の一を停止したという前例もあるということで、OBの方につきましては一年間全部じゃなくて、一年間三分の一だけを停止しよう、こういうことでお願いを申し上げているわけでございます。
 その場合に、管理職手当一種、二種を受けておられる方と同じ程度の方というのはどの辺のところで考えたらいいか。現に退職なさったときに一種、二種を受けていた方と同じ程度の方ということで考えてみますと、それぞれ大ぜいいらっしゃる受給者の方々の一人一人を見ていかなければなりませんのでこれはなかなか容易なことではない。そこで、恩給の方では行(一)の三等級の最高号俸を超えるところで線を引こうということで、六十六号の四百十六万二千四百円というところで線を引いたわけでございまして、その線の引き方を共済年金の方も持ってきてそこで線を引いた、こういうことでございます。
 それから第二点目に、そうなると昨年まで四月から年額改定をしてもらったのが一月おくれて五月になったと、それで三分の一だけまたカットがあると二重になるのではないか、こういうお話でございますが、確かに先生おっしゃるような意味でございますと、管理職の一種、二種を受けている方と同じ程度のOBの方は二重といえば二重でございます。ただ、現職の方も管理職の一種、二種を受けておられる方は、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、給与改定の方は一年間据え置きだということと、それから同時にボーナスの方も一年分据え置きだという意味で、まあ二重といえば二重のような形になっておるということで、バランス的には、現職とOBとの間のバランスというのは大体とれているようなかっこうになっているかと思います。
#40
○中尾辰義君 それじゃこの三分の一を停止される者、対象者はどのくらいいるのか。それと停止される金額はどのくらいになるのか。これは公務員と公企体と両方ひとつ答弁してください。
#41
○政府委員(宍倉宗夫君) 人数でございますが、人数は五十七年三月現在で約三万七千人でございます。それで、全体の退職年金等を受けている方に対して一二%程度の方ということになります。
 それから節約額でございますが、これははっきりしたもう絶対間違いないという数字はちょっと計算できないんでございますが、おおむね概算約十億円程度と推計されます。
#42
○政府委員(永光洋一君) 三公社個別に申し上げますと、国鉄が九千九百九十八名、電電が四千八百八十名、専売が千六百十二名と一応推計が出ておりまして、合計一万六千四百九十名でございます。
 節約額は国鉄が三億六千九百万円、電電が一億七千七百万円、専売が六千万円で、合わせて六億六百万でございます。
#43
○中尾辰義君 それでは次に、五十六年度の公務員の給与改定において管理職手当二〇%以上支給される者の給与が据え置かれた。そういうことの影響で増額分の三分の一が停止するわけでございますけれども、この対象者の中に非管理職の人や、あるいは管理職手当二〇%以上支給されていなかった者も多数いるはずでございますが、これらの者まで三分の一を停止すると、そういうことは妥当でないというふうに思うんですが、この点はいかがですか。これは保険数理上でも問題があるんじゃないかと思いますがね。
#44
○政府委員(宍倉宗夫君) 先ほどもちょっと申し上げましたように、先生いま御指摘のことというのは、そういうことはあり得ると思うわけでございます。先ほども申し上げましたように、お一人お一人やめた時点にさかのぼりまして調査をしてまいって、同じ立場にある方を抽出してまいれば一番その辺のところ納得がいくかと思いますが、しかし現実には一人一人さかのぼって調査するということはとうていできないわけでございますので、そこで先ほども申し上げました四百十六万という数字で線を引いたと。そこのところは現在の三等級の最高号俸を超えるところで線を引いておりまして、恩給の六十六号というのは昔の位で言いますと少将でございまして、少将以上の方あたりのところで線を引くということであるならば、個別に一個一個見てまいりますとあるいは問題もあるんではないかということも出てまいるかと思いますけれども、全般的に言いますと、四百万という数字というのはそう低い数字ではございません。でございますから、全体の決め方としてはそういったことでやらざるを得ないんではないだろうかということでお願いを申し上げている次第でございます。
#45
○中尾辰義君 時間がありませんので、それじゃ、共済年金の改定に当たって最低保障額が若干上がったわけですけれども、退職年金や遺族年金受給者のうちでこの最低保障額に至らない、未満の人は一体何人ぐらいおるのか。またそういう人はどういう職種の人で、俸給の月額で言いますとどのくらいの金額になるのか、その辺ちょっと……。
#46
○政府委員(宍倉宗夫君) 最低保障に該当する方でございますが、全体で三万四千六百人程度でございます。その内訳でございますが、退職年金の関係で五千八百人それから遺族年金の関係で二万七千六百人、それから廃疾年金の関係で千百人ということで、全体で先ほど申し上げました三万四千六百人程度でございます。
 最低保障に該当する方の割合でございますが、旧法の年金関係者に多うございまして、その約三万四千人のうち七四%程度が旧法年金の方でございます。
 それから、どんな職種の方が多いのかということでございますが、全体の状況については既存の統計が実はございません。でございますので、例としては数が少のうございますけれども、幾つか集めてみまして調べてみますと、職種としては用務員の方が多いようでございます。
 俸給の月額は、五十六年度のベースで十八万二千円以下ということになるようでございます。ただ、これはいま申し上げましたように、例として数がそれほど多うございませんものですから、その点お含みの上おとりいただければありがたいと存じます。
#47
○中尾辰義君 そうしますと、旧法適用の人が大方ですけれども、新法適用の人もあるんですか。あればどういう職種の人か。
#48
○政府委員(宍倉宗夫君) 新法の適用者の方も七・六%程度いるそうでございますので、若干おられるようでございます。職種はやはり行(二)の職員の方が多うございます。
#49
○安武洋子君 私どもは、この改正案と申しますのは四月実施を一カ月おくらせておりますので、賛成できません。この点につきましては、また修正案をお出しいたしますので、質問では省かせていただきます。
 そこで、お伺いいたしますけれども、昨年の臨時国会でいわゆる行革一括法、これが成立いたしました。この中に共済の四分の一の減額が含まれております。この対象の中に国公共済も入っておりますので、国公共済の五十七年から五十九年までの間の四分の一の削減額、これは一般会計、特別会計でそれぞれ幾らになるか、額をお教えください。
#50
○政府委員(宍倉宗夫君) 行革関連一括法によります歳出削減額は、国公共済全体で三年間の合計が約四百五十億円、そのうち一般会計分が二百六十億円、特別会計分が百九十億円というふうに算定しております。
#51
○安武洋子君 大蔵大臣、いま四百五十億と聞きましたが、削減額につきましては、適用期間後は必ず差額を繰り入れると、こういう答弁をなさっておられます。しかし、これには財政状況を勘案してということもつけ加えておられます。返すことが大前提ではあるけれども、財政事情を勘案して返すということは一体どういうことなんでしょうか。返済方法というのはもう具体的にお立てになったでしょうか。分割なのか、あるいは一括なのか、また利息はどのぐらいにするとかいうふうなことはお考えになっていらっしゃいますか。
#52
○国務大臣(渡辺美智雄君) 結論から言うと、全く考えておりません。返済の時期が参りましたときに、年金財政に支障のないように、あるいはこれは厚生年金とかいろんな年金みんな同じでございますから、そのときに年金財政に、それがないために払えないとか、支障があるとかということはもう絶対に避けなければならない。あと一方、国の財政の問題もございますから、国の財政のそのときの状況がどうであるか、もう少し待ってもらえるという状況のときは少し待ってもらうし、待ってもらえないときは最優先で払うし、そこらのところは話し合いでお互いに都合のいいように助け合っていこうということでございますから、いま、幾ら、いつ一括して返すということも、それから分割で何年ということも決めておりません。いずれにしても、年金の財政の方に悪影響を及ぼさない、そして支払いに困るというようなことは絶対させませんということだけは確約をいたします。
#53
○安武洋子君 では、支払いに支障がなければさらに待ってもらうと、もっと借り続ける、こういうこともあり得るということでございますね。
#54
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはそのときに御相談をして、国公共済ばかりでなくて、一般の年金、厚生年金等む同じでございますから、そのときの財政事情によって決めたい。国鉄のようなものはどういうふうなことになるのか、こういうところはなかなか財政事情といっても向こうも非常に厳しいわけでございますから、物によって多少差が出るものもあるいはあるかもしれませんが、いずれにいたしましても、そのときに御相談をさしていただきたいと思っております。
#55
○安武洋子君 共済側の財政事情、これも国鉄のようにありましょうけれども、大臣が言われているのは、国の財政状況を勘案してというふうなことも大いにあるということでございましょう。それで私、財政状況について、五十六年度の予算でも、大蔵省の資料をいただきまして推計いたしましたけれども、二兆数千億の歳入欠陥が出るのではなかろうかというふうに思いますし、五十七年度それから五十八年度、さらには大幅な歳入欠陥が生じるのではないかというふうに見通しているわけです。
 財政事情は、いま大臣がおっしゃるように、大変厳しいということになりますと、大臣は、昨日決算委員会で御一緒いたしましたが、そのときの御答弁で、これは世界的な傾向なのであるというふうな御答弁をなさっていらっしゃいました。確かに、世界的な傾向というのもございますけれども、アメリカとか西独とかというふうなところでは財政再建計画を作成して財政再建に当たっていく。私は、日本でも財政再建計画、こういうものをしっかり立てまして、その中で共済などの返還というのもやはり計画を立ててしっかりやるべきだ、こういうふうに思いますけれども、御所見はいかがでございましょうか。
#56
○国務大臣(渡辺美智雄君) 実効のある財政計画ができれば非常にいいと思うんです。アメリカなどでは、いろいろ発表しても半年もたたないうちにさっと直してしまうわけですから。だから、そういうものを、なかなか経済情勢というのは動いていますから、経済というのは生き物ですから、ですから仮につくってみても、こういうように非常に変動の多い、世界的な大変動のあるときには、つくってみても絵にかいたもちのようになってしまうんです、結局は。したがって、それをつくるとすれば大変な苦労も必要ですし、それがともかくそのとおり当てはまらないという問題もございます。計画という以上は、当然何と何と何の収入によってこれだけ毎年入る、毎年これこれのものは確実にこれだけ出る、それでその差額についてはどうするという細かい計画をつくらなければならない。そういうことはやってみても労多くして効果がないというふうに私は考えているんです。
 御承知のとおり、一年先の税収さえなかなか読めないという現実の姿がそうなわけですから、五年も十年も先までそういう数字でぴしっと当てはめてみたところで、毎年それは全部直しているというようなことになりかねない。そういうところから、日本のように一遍数字を発表すると、簡単にちょいちょいちょいちょい直してもいいという国民性なら別でございますが、なかなか日本の場合はそうはいかない。したがって、私としては、気持ちとしては同じなんですよ。気持ちとしては、つくりたいという気持ちはありますけれども、現実問題として、つくっても余り当てにならぬということも言えるんじゃないかと思います。
#57
○安武洋子君 総理は、やはり昨日の決算委員会の中で、歳入欠陥を生じたことは非常に残念である、しかし五十九年度には増税なき財政再建、これをやり遂げて、特例赤字公債から脱却したいというこの信念は不動のものであるということを言われております。しかし、すでに五十七年度の予算が通過した途端に歳入欠陥が生じるということがはっきりしている。わが党はことしの当初からそういうことを申し上げておりましたけれども、私、総理がいかにおっしゃいましても、やはり精神主義では、こういう特例赤字公債から脱却するとか、そういうものはできていかないと思うんですね。
 科学的にしっかりと立脚して、やはり日本の経済をどのように立て直していくのかというふうな計画というものを立てるべきだということが一点と、それを国民的に広く論議をしていくというそういうことがなければ、大臣がさっき言われたように、つくってみても絵にかいたもちなんだ、細かい計画までつくれないんだ、こうおっしゃいますけれども、やはりいままでのいろいろな経済の動きの中から一定の科学的な法則を見つけて、日本経済の再建方向をしっかり立てて、そうしてそれをたたき台をつくって国民的に論議をしていく、こういうことが必要ではないかと思うわけです。私は、やはり精神主義で、口先だけで、赤字特例公債から五十九年度には脱却するんだとか、あるいは増税なき財政再建だとかと言うことだけでは済まないと思いますので、重ねて大臣に御所見を伺いますけれども、やはりこういう方向が必要なのではないでしょうか。
#58
○国務大臣(渡辺美智雄君) 気持ちとしては私も同じ気持ちなんです、気持ちとしては。しかし、自由主義経済体制の中で、アメリカでもイギリスでも、みんないい経済でいい繁栄を図るようにみんなで考えているんです。学者もいっぱいいるんです。ところがどこもできない。ソ連でも中国でも、社会主義計画経済の国でも計画どおりいったためしがめったにございません。おてんとうさま一つで変わってしまう、それが現実の姿でございますから。
 気持ちは私も同じ気持ちなんですよ。総理大臣が言う五十九年度までの赤字国債の脱却というのは精神主義と、こう言われるかもしれませんが、それは固い固い決意表明だと私は思っているんです、実際は。現実の問題としてこれは全く不可能だというふうには思っていないんです、私は。非常になかなか大変でしょうと、いままでの発想からすればそういうことをやるのは大変であろうという御心配はみんなお持ちになるだろうと私は思います。そこが、これは発想の転換をするかどうかという話でございますから、これが。ですから、これは臨調答申を踏まえましていままで考えられないことをやる、考えられないこと、いままでの常識では。そういうようなことを踏まえてやれば、非常に厳しいけれどもできない相談ではない。それをいまのうちからギブアップしちゃって、それはむずかしいんだと、五十九年度脱却をやめちゃうというようなことになれば、じゃいつまで、ずるずるずるずるどこまでなんだという話にすぐつながっていって、言うべくして発想の転換による歳出の大幅カットなんということはこれこそ不可能に近い。
 したがって、われわれとしては極力まずやってみるということを最優先で、おしりを縛っておいて、逃げ口をつくらないでそこを縛っちゃっておいて、そしてやってみると、やってみてもできない場合もあるかもしらぬし、それは。それはしかし、最大のことをやったら国民自身がこれ以上は無理じゃないかというときには、それは国民全体の意思としてまたどういうふうにするかは相談をしていけばいいと、私はそう思っておるわけです。
#59
○安武洋子君 総理の発想の転換、それからいままで考えられないことをやっていくんだということですが、大蔵大臣としてはこの総理の発言をどのように受けとめられて、どのようにされようとしておられるんですか。
#60
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は鈴木総理大臣から頼まれて――頼まれたと言うんですか、任命をされて大蔵大臣をやっているわけですから、私が就任するときから、財政再建をどうしてもやって国の財政立て直しをしなければ、だらだらしちゃったら大変なことになってしまうということで、鈴木内閣としては財政再建というものを大きなスローガンの一つに掲げたわけですから、そのときにともかく私にそれをやれと、やってくれるかどうかという相談の上で、私が、それじゃ極力それは命がけでやりましょうと言ってお引き受けをしたわけですから、やはりこれは一心同体、死なばもろとも、生きるときは生きるということでございます。
#61
○安武洋子君 そんな文学的表現をしていただいても中身はちっともわからぬわけですよ、具体的にどうされるのかというのを答えていただかぬと。いずれにしろ、時間が来ますので、それは後でいまから私が質問することと一緒に答えてください。
 いずれにしましても、私は現在のままでは財政状況の好転というのは望めないんじゃなかろうかと思っております。それで、五十九年の国公共済の財政再計算期ですね、政府は共済組合に対して債務を負っているわけです。この債務というのは、その財政再計算期にどういう扱いになるんでしょうか。当然返済すべきで、組合員にしわ寄せを持っていくというふうなことがあってはならない、こう思っておりますが、この点をお伺いして、先ほどのもう一度、もっと一心同体とか命がけとかの中身をおっしゃってください。
#62
○政府委員(宍倉宗夫君) 五十九年の再計算期にどうするんだというお話でございますが、これは減額措置の分につきまして繰り入れを行うという前提で再計算をするということでございますから、御心配のようなことはないと思います。
#63
○国務大臣(渡辺美智雄君) 死なばもろともの中身と言われましても、私は死ぬことを考えているわけじゃないんですよ。死んじゃいけないわけですから、これは。死ぬということはできなくなってしまうということですから、何が何でも死中に活を求めてこれを切り開いていかなければならない。非常に困難な仕事です、確かに。まして、経済は生き物でございますから、そういう方向を持って努力をしても、雨の日もあれば風の日もありますし、下り坂もあれば上り坂もあると、私の財政演説にちゃんと書いてあるとおりでございます。
 われわれは、まず臨調答申を踏まえて、いろいろないままでの肥大化した歳出構造、こういうようなものを極力切り落とすと。その一つが、いま新聞にちらちら出ているように、電電公社の問題にしても国鉄の問題にしてもいろいろ出ていますよ、食管制度のあり方の問題にしても。そういうようなことについてともかくいままでの既存の発想でなくて、別な発想で考え直していこうということがまず第一だと私は思っております。したがって歳入についても、これは歳入の見直し、洗い直し――私がそう言うと、またすぐ大型増税みたいなことを言われますが、歳入ですから増税も中に入ってしまうかもしれませんが、歳入全体、税外収入も含めて、これは私がいまここでまた言うといろいろ支障があります。申しませんが、やはり国民に肩がわりするものは肩がわりをするとか、いろんなことですよ、そういうことも全部洗い直しを一遍すると。したがってその構想は、これはやっぱり臨調答申が出ないと、私が推測でいまここで――私も想像はしていますよ。こんなことかなあんなことかなと想像はしていますが、やっぱり私がしゃべると必ずまた何かの問題が起きますから、私はそれはしゃべりません。しゃべりませんが、そういうことも含めてひとつやろうということですから、いますぐに具体的に出せと言われてもまだ時期尚早でございまして、もう少し時間をおかしくださいということでございます。
#64
○柄谷道一君 本法案につきましては、国家公務員共済組合審議会と社会保障制度審議会に諮問しておられますが、同僚議員から指摘いたしましたように、国家公務員共済組合審議会は一月二十九日に、「支給開始時期を年度によって変更することは年金の性格からみてほめられない」、このように指摘いたしております。また当内閣委員会でも再三、改定時期については年度当初からの実施を目途とするよう附帯決議を行っているところでございます。
 そこで、実施時期を一カ月おくらしておる点でございますが、ただいままでの答弁によって、財政事情でやむを得なかったと、こういう一言に尽きるわけでございますけれども、性格論をお伺いしますが、大臣、そもそもこの共済年金は財政を横に置くとするならば何月実施が好ましい、こうお考えですか。
#65
○国務大臣(渡辺美智雄君) 何月という別に法律には書いてないわけですが、みんなが好ましいと思う時期が私は好ましいんじゃないかと、そう思っております。ですから、何月という声がいっぱい多いところが好ましいと私は思います。
#66
○柄谷道一君 みんなが思っておるのは、附帯決議のように年度当初が適当である。これ国会の意思ですね。そして、年度によってばらばらにしては余り褒められませんよと、こう審議会が答申しているんですから、みんなが好ましい時期というのは端的に言えば四月である、そういうことでしょう。
#67
○国務大臣(渡辺美智雄君) 財政を横へ置いてというお話がございましたから、財政関係を横へ置いてということならば、そういう議論になるかもしれません。
#68
○柄谷道一君 それはどう言おうと四月が望ましい、四月であるべきだということは一致しておると思うんですね。それが財政上、本法案では実施することが困難であったと、これの素直な受けとめをしていただきたいと思うんですね。
 そこで、恩給法の一部改正案を審議いたしましたときは、同様の趣旨に立ちまして、総理府総務長官は私の質問に対しまして、明年度は四月実施に戻すように最善の努力を傾けていきたいと、こう答弁をされたわけでございます。閣内で意見が分かれるはずはないと思いますが、国家公務員共済を主管される大蔵大臣としても同様のお考えと理解してよろしゅうございますか。
#69
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは閣内でと言っても、決まらない問題については、みんな立場によって違うんですよ。やっぱり大蔵大臣というのは、そういうような歳出の予算や何かを組む方ですから、そのかわりそれだけの税の収入も責任を持って集めてこなきゃならない。ところが、使うだけの方はある程度気の楽なところがもちろんありますよ、それは。ありますし、やはり立場立場がございますから、いろいろな省庁その他の立場も代表しておりますので、予算要求というのはそのためにあって、予算要求があっても大蔵省は要求どおり全部認めたことはめったにないわけですから、これは。当然に向こうはこれだけよこせと言っても、半分だ、いや三割減だとかだめだとか言ってやっているわけですから、そういう時点で閣内が不統一とかなんとか言われましても、それは困るわけであります。いろいろ議論があった末に決まった問題については一緒にやる、決まらない問題については多少立場によって意見が違うのは、これは私は抑えようがないしやむを得ないし、そう思っています。たとえば文部大臣に対して、教科書のともかく無償交付はやめろと私はいまでも言っているわけですから、文部大臣はとんでもないと、こう言っているわけですから、ですからこれは仕方のないことであります。
#70
○柄谷道一君 私、こう一連の質問をしておりますのは、恩給法並びですね、この共済は。その恩給法の改正に関して衆参両院の内閣委員会は、何回も何回も四月実施の過去の実績を確保することは最低の条件である、むしろ国家公務員給与改定の実施時期より一年おくれていることが問題であるから、これの是正を図りなさいというのが国会の意思なんです。それは財政事情で来年度予算がどうなるか、ここでは確言を求めることはできないでしょう。しかし、その姿勢としては、四月実施に戻すというために最善の努力を傾ける、その姿勢があってしかるべきじゃないんですか。その姿勢というものが貫かれるかどうかというのは、これは財政とのにらみ合わせということが生まれるのであって、当初からこの五月実施は当然であるという姿勢で予算を編成するということは国会の意思を無視することになりませんかと、こういうことを私は指摘しておるわけです。どうですか。
#71
○国務大臣(渡辺美智雄君) 国会の意思をできるだけ尊重するように努めてまいりたいと存じます。
#72
○柄谷道一君 そこで、国家公務員と公企体職員の共済制度に関しましては、この実施時期以外にも多くの附帯決議を今日まで行ってきておるところでございます。その中では、部分的に実施したものもありますけれども、たとえば「共済組合の給付に要する費用の負担、財源方式は他の公的年金制度との均衡を考慮して適切に措置すること。
 旧令、旧法による年金額の改善について一層努力すること。家族療養費の給付は他の医療保健制度との均衡を考慮しつつ改善すること。既裁定年金の実質的価値保全のための具体的対策を早急に進めること。高齢者の勤続が不適当と考えられる重労働職種や危険職種に長期間従事していた者が退職した場合における減額退職年金の減額率について緩和する途を講ずること。」等の附帯決議はいまだ改善の実を上げていない、これは事実でございます。
 そこで、いま大臣は、できる限り院の附帯決議を尊重する基本的姿勢をとりたい、こう言われたわけでございますけれども、実施時期はいまお伺いしましたから、その他の今日までいまだ実現されていないこの附帯決議をどのような姿勢で是正しようと努力してこられたのか、これからはどうなのか、簡潔にお答えいただきたい。
#73
○政府委員(宍倉宗夫君) いまおっしゃいましたように、附帯決議はこれまで幾つかいただいているわけであります。どんな状況かということでございますが、それぞれ検討中のものもございますし、それから改善をいたしたものもあるわけでございます。個別に申し上げることは省略させていただきますが、ただいま大蔵大臣から申し上げましたように院の附帯決議でございますから、私どもとしてはこれをできるだけ尊重するという基本方針に立ちまして今後とも検討し努力してまいりたいと存じます。
#74
○柄谷道一君 これはちょっと意見の形にしておきますけれども、附帯決議を私は私なりに一覧表をつくってみたんですね。古くは昭和五十年の附帯決議がもう七年たっているんですけれども、全然検討改善の実効が上がっていないというものもたくさんあるんですよ。私は、いまのような次長の御答弁であるとすれば――これは一挙にはできないでしょう。しかし、この附帯決議に盛られた精神というものが、法改正の都度、一つや二つはたとえ漸進的であっても法改正の法案の中に盛り込まれてくるというのが、言葉ではなくして、附帯決議を真剣に検討し、その改善に努力しておるという証明ではないか、私はこう思うんです。この点につきましてははなはだ遺憾であるという意を表明いたしておきます。
 そこで、私は時間がないので、午後から国鉄その他の共済問題に触れたいわけですが、大臣にお伺いしますが、大臣のもとに共済年金制度基本問題研究会を設置しておられるんですが、これは昨日総理が是正を善処するとお答えになりましたいわゆる私的諮問機関でございます。行き過ぎはないものと思いますけれども、これからの老齢社会を控えて、いま厚生年金は社会保険審議会、国民年金は国民年金審議会ですね、共済問題はこれも私的諮問機関で検討せざるを得ない。各個ばらばらに検討されておりますけれども、老齢化社会の接近を控えて、これを統合的にその統一の手順、プロセス、こういうものを検討し国民合意を形成していくという機構がいまだつくられていない、そこに政策的怠慢があるんではなかろうか、私はこう思うんです。
 私的諮問機関たるこの種の研究会で、個々の意見を並列して私は意見書が出てくるはずはないと思うんですね。これは一つにまとまって出てくる。それが今後の政策決定の重要な資料といいますか方向を示唆するものになることは避けられない。そのことの判断と統一の場づくり、これはいま臨調でも大分議論されておるところでございますが、その場づくりに対する大臣の御所見をお伺いをいたしたい。
#75
○国務大臣(渡辺美智雄君) 具体的な問題は、目先に臨調答申というものがいま出ることはほぼ確定的なわけですから、その答申を待ってやらしていただきたいと考えています。
#76
○柄谷道一君 私的諮問機関。
#77
○政府委員(宍倉宗夫君) 大蔵大臣の私的諮問機関として共済年金制度基本問題研究会を五十五年六月につくりまして御検討いただいているわけでございますが、この研究会は八条機関ではございません私的諮問機関でございますから、そういった制約のもとではみ出さないようにということを注意しながら私どもとしては御検討をいただいているつもりでございます。
#78
○柄谷道一君 もうあと二分しかありませんので、大臣に率直にお伺いしますけれども、鈴木総理はたびたび、特に昨年秋の行革臨時国会で、年金制度の一元化問題につきまして非常に積極的な姿勢を示されたわけです。いま臨調で検討中でございますけれども、どういうプロセスを踏むかは別にして、打ち出してくるであろうと思われるものは、国家公務員共済と公共企業体共済との統合の方向が出てくるであろうということは、もう傾向として明らかなんですね。ただ一挙にできないから、どういう段階を踏んでいくかということがいま臨調で詰められている内容ではないかと思うんです。しかし、それをやっていくにはいろんな障害があります。これは午後の質問でまた指摘をいたしますけれども、この一元化の構想、そしてその第一段階としての国家公務員共済と公企体共済との統合問題に対する大臣としての基本的な認識をお伺いしまして、以下の質問は午後に譲ります。
#79
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは経営内容のいいのもあるし、えらく悪いのもありますし、給付に多少の差のあるところもございますし、利害の絡んだ問題もありますから、組合同士だってどうだと、一緒になれ一緒になれと言っても余り違い過ぎると嫌がる人もあるんですよ。どこでそこのところを調整をするか、方向としてはやっぱりそういう方向しかないんじゃないかなと私も思っております。しかし、それにはそれだけの手だてが必要でございますから、そこらを含めて今後の大きな検討課題、方向としては私も同じ認識です。
#80
○柄谷道一君 終わります。
#81
○委員長(遠藤要君) 午後一時三十分から委員会を再開することとして、休憩いたします。
   午後、零時二十三分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十四分開会
#82
○委員長(遠藤要君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案及び昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#83
○片岡勝治君 午前の質問の折に大蔵大臣が早退する、退席をするということでありますから、大蔵大臣に対する質問ということで、今度出されました運輸省の国鉄改革案なるものについて問うたわけであります。先ほどはほんの一言の質問でありましたので、この点について詳しく経過その他についてお尋ねをしたいわけでありますが、御承知のように、この年金問題についての財政的に最大の課題と言うべきは国鉄の共済年金財政です。これは、今日の共済の仕組みからいって、それだけで解決する問題ではない。共済組合の運営いかんによって国鉄の共済財政というものを解決していくということは事実上不可能だと思いますね。突き詰めて言えば、いまのシステムを維持する限り、国鉄そのものの財政再建というものが達成されない限り、共済年金の危機的状況から抜け出すことはできないということが言えると思うんです。そういう点で、国鉄再建、国鉄財政再建というものはそのまま国鉄共済の財政再建につながるどいうことであって、今度の運輸省改革案その他を含めて、国鉄の問題解決は重要になってきていると思うんです。
 そういう立場からこの問題について若干お尋ねをいたしたいと思うわけでありますが、まず初めに、先ほども質問申し上げましたように、国鉄再建案なるものが四月の二十二日に突如として私どもの目に触れたわけであります。昨日質問要綱を説明したときに、この国鉄再建案なるものの資料を要求いたしました。けさほど届きましたが、新聞報道等によればさらに相当詳しく報道がされているわけでありまして、私の手元にある数枚のこの案だけではなくてもっと細かいものがあると思うんですね。それを御提出願いたいと思うんです。まず初めにその資料の提出をお願いをしたい。
#84
○政府委員(永光洋一君) 先生がおっしゃっておられますのは、朝日新聞の文書のほかに資料の表がございまして、そういうものをということだと思いますが、いわゆる運輸大臣のこの再建の方策と申しますのは先生にお渡しした資料でございまして、新聞に出ております数字その他はいろいろ事務的に検討しておる途中段階での表でございまして、ある程度の何といいますか真正な数字もあるし途中段階で消えた数字もございますげれども、先生いまおっしゃいましたようなこれの新聞と同じものでなく、この再建方策案の一応裏になるようなこういう表をよろしければ出したいと思います。
#85
○片岡勝治君 ですからその資料を御提出願いたいということ、いまそこに御準備ありますか。――ずばり申し上げて、この朝日新聞の国鉄再建方策の要旨ということに相当詳しくこれを裏づけるようなものが掲載されているわけです。このとおりだというならそれでも構わないんですが、いまの答弁では必ずしもそうでないようでありますから、その附属書類とも言うべきものですか、それをひとついただきたいと、こういうことです。
#86
○政府委員(永光洋一君) 事務的にいま持ってきておりますので、お渡しいたします。
#87
○片岡勝治君 昨日この要求をしたときに、本文だけしか届かなかったので、出していいものならばそのときあわせてぜひ提出してもらいたかったと思うんですが、それを見ませんと、率直に言ってこれから質問ができないということになってしまうわけでありますが、新聞報道の資料をもとにして若干の質問をいたしたいと思います。
 今回の改革案に関連いたしまして、これまで国鉄は昭和四十四年第一回の再建計画がつくられまして以来、何度も再建計画がつくっては中止され、つくっては中止され、率直に言ってそういう繰り返しですね。いまだかつて一度も再建計画が、たとえば五カ年計画、十カ年計画、いろいろありますけれども、最後まで遂行されたことはただの一度もない。これで何回目になるんですか、この今度の国鉄再建方策というものは何回目の、再建計画の今度はまだ案でありますけれども。
#88
○政府委員(永光洋一君) 現在改善計画に基づいてやっておりますものが第四次の再建計画でございます。現在これを実現すべく最大限の努力を払ってやっておるところでございます。
#89
○片岡勝治君 過去の計画の行き詰まりについて、いろいろありましょう、当初の計画したとおりの運賃の収益がなかったとか、その他さまざまな要因があるにいたしましても、それにしても数回の再建計画をつくってはだめ、つくってはだめというような歴史を繰り返してきたわけでありまして、しかし当時の文書を見ると、これがいわば最後の計画だと、そしてこれを遂行することによって国鉄は再建できる、あらゆる努力をしてこの計画の遂行にというような力強い決意が表明されておったわけでありますが、ひどいのは、一年たつともうだめ、そういうのがあったわけであります。今度の計画案を見て、ああこれは何回目になるのかなというようなことを、ふと国鉄再建の歴史を見て、大変失礼ではありますけれども、そんな感じも持ったわけであります。
 それは別にいたしまして、今次運輸省の再建計画なるものはいかなる意図で出されたのか、この点をまずお伺いしたいと思うのですが、すでに経営改善計画なるものが、関係法案の議決等も含めて、国会の議決を含めて現在進行中であります。しかも、その内容については定かでありませんけれども、臨調は近く国鉄についてその経営形態をも含めた答申を出すやに聞いております。そういうことでありながら、なおかつ運輸省が極秘のうちにこういった作業を進められてきたその理由、意図、こういうものについてお伺いをいたします。
#90
○国務大臣(小坂徳三郎君) 午前中もちょっと私お話しといいますか御答弁申し上げたとおりでございまして、別に極秘で秘密裏にやったものじゃないんであります。ただ、われわれは来年度の予算ということを考えますと、今年度も大変な巨額の国家財政の援助をいただいたり何かしておるし、値上げもしてしまったりして、このままいきますと、やっぱり来年度一体どういうふうになるのかなあということは、やはり担当省としては、私としては大変気になるところでございます。また、結論的に申し上げると、現在の計画をこのまま伸ばしていっても、六十年度には一兆四千億くらいの赤字が出る、しかも国家財政の補助が八千億程度のものをいただかなくてはだめで、いただいてもなおかつ一兆四千億の赤字が出る、こういうことでありますると、これはなかなか国鉄のこれからの財政問題その他一体どうなるのかということは大変気になっておるわけであります。
 たまたま臨調においても国鉄の再建問題が大変議論され、またいろいろな形で意見が発表されております。各党もそれぞれの形で意見を発表していらっしゃいます。私そういう意味において、担当大臣である私自身がやはりこういう問題をどこまで深められるか、これは行政の責任の衝にある者として当然考えなきゃならぬと思っていろいろと検討をし、また一部については事務当局に計算してもらったりなんかをしたことは事実でございますが、これを大々的に発表する意図は全くなかったのであって、ただ、こんなような方向でいくということについて一応総理の感覚というものも聞きたかったということで、総理には一応のアウトラインを話したわけであります。
 問題は、こうしたような現在経営改善計画が進んでおりまして、今日まで国会においても私からこれを着実にやるのだということを御答弁申し上げておるということは十分わきまえておったのでありますが、しかしこのままいっても、それでは来年度の予算編成ということはいずれにしましてもことしの六、七月から始まることでもございますし、そのときに一体いままでどおりのやり方で予算が組めるのかどうか、いろいろ考えたわけでございます。それでこれをひそかに練って、ひそかに発表してというような気持ちは全くなくて、これはスクープされちゃったものですから、したがいましてこの内容についてもっと個別的に各方面とも話し合いをしなきゃいけないと、またできたらば各方面の意見もさらに伺わなくちゃいけないと思っておったんですが、ああでかでかと新聞にやられてしまいますともうどうにもならない。ほかの新聞がまた翌日怒って、ともかく出せと言うものですから、お手元に差し上げたのと同じようなものでございますが、手書きにしたものをとりあえず刷って渡したというのが実態でございまして、ただ、そういうようないきさつから公表されたのであり、私が意図して小坂私案を出したというものではないということだけはひとつ御理解を賜りたいのであります。
#91
○片岡勝治君 来年度予算ということが当面の課題ということが一つの要素になっているようです。それはいま遂行しているいわゆる経営改善計画を遂行する上で、さて来年はいかにあるべきかということであれば、これはもう当然むしろやらなければならない問題ですね。ところが、この出てきたものはそういう問題じゃないんですよ、来年のらの字も書いてないんですね。言ってみれば、経営改善計画をはるかに上回る、むしろ基本的にそういうものを変えた一つの長期計画案というものですから、いまの大臣の答弁とは大分違ってるんですよ、この内容、実態は。そういうことではありませんか。非常に膨大なものですよ、しかも長期計画で。いまの大臣の言いわけと言っては大変失礼でありますけれども、これをつくった意図といいますか精神といいますか、それは来年の予算に対応するための資料だということにはならぬと思いますね、これは。
#92
○国務大臣(小坂徳三郎君) 委員はそうおっしゃいますが、しかし来年もあり再来年もございますし、やはり先行きがどうなるかということも十分考えなくてはならない、来年度だけの問題というわけにもまいらない。そうしたことから、基本的にせめて民鉄と同じくらいの経営形態であって、そしてまたいままで累積されている膨大な赤字を何とか消していくというような一つのプロセスを考えるのは私は当然のことではないかと思うのでございまして、その辺のところは、委員はそうではないとおっしゃいますが、私の意図は、来年度を考える場合にはやはり相当長期のものも考えていかなくちゃならぬ。たまたま現在やっております改善計画は六十年度まででありますから、六十年度の事態でどうなるかということについても考えてみなければならないわけでございまして、そのような意味合いで考えた私案でございますから、そのように御理解を願いたいと思います。
#93
○片岡勝治君 来年度を考える場合に長期的な展望を踏まえた上でということは、言葉として私も理解します。それはそのとおりでしょう。であれば、つまり来年度がむしろ当面の目標で、それを検討する上で長期的に考えた、そういう発想はわかるんですが、なれば、来年度はこうなるなどということは一つもないんですよ、この中に。あるいは後で資料がもらえるそうでありますけれども、これを裏づけるいろいろな数字なり説明を見ましても、来年はこうなる、それは長期計画の中の一つの部分としてこういう位置づけになるなどということは何も触れてないじゃありませんか。それは、運輸大臣のせっかくのお答えでありますけれども、理解できないんですよ。もっとずばり言ったらどうですかね。つまり、いま臨調でやっているいろいろな作業があるということを踏まえた上で運輸省自体として考えた一つの基本計画ではなかろうかというふうに私はそんたくするんですが、これは後からまたただすことにいたしまして、この計画をつくるにおいては、これは国鉄当局、一番当面の責任と言えば国鉄当局でありますが、国鉄当局はどういう資格であるいはどういう形でこの案をつくるときに参画をしておりますか。
#94
○説明員(井手正敬君) お答え申し上げます。
 運輸大臣がお示しになられたと伺っております案につきまして、私ども国鉄は、事前に御相談なり御連絡にはあずかっておりません。また私たち、新聞報道されました以降、特別な御説明も伺っておりませんし、内容につきましては新聞報道で私は知っている程度でございます。
#95
○片岡勝治君 これほど重大な基本的な再建計画なるものについて国鉄が全く関知してなかったということについても、常識的に私たちはそんなばかな話があるかというような、ばかという表現は悪いんですけれども、そういうことが常識的にあるのかなということで、これまたわかりませんね。この計画案を出されて、大臣の説明によれば、スクープされたと言われておりますけれども、しかしこれだけの案がすでにできておったわけでありますから、いつの日かはそれが正式に発表され、どういう手続をもってどういうふうに処理されるか別にいたしまして、発表される筋のものだろうと思うんです。永久に、永遠に運輸省内部でお蔵にしまうというような内容でもなさそうでありますが、この案を二十二日に総理に提出したということが報道されておりますね、先ほども触れましたけれども。これはどういう意味で総理大臣に報告をされ、総理大臣は、先ほども触れましたけれども、新聞報道によれば高く評価をしたということでありますが、これについて総理大臣はどのような見解なりあるいはお話がありましたか。
#96
○国務大臣(小坂徳三郎君) やはり政党政治であるし内閣制の問題でありますから、私が運輸大臣としてこのようなことを考えたということは、一応方向あるいはきわめて概論的なことは、総理の感触を知っておきたかったというわけであります。またその上に立って、あなた方もそうでありましょうが、やはり各組織がありますから、そうしたところで問題をより具体的に検討してもらうという段階に入るものだと、私は普通の手続だと思っております。ところが、総理に会った翌日にこれが発表されてしまって、新聞に出されてしまったので、もうすべて計画がめちゃくちゃになっておるわけでありまして、そのことは先ほどから何回もお答えしているとおりであります。
 それから、総理が何を言ったかといいますと、別にここで申し上げなきゃならぬということではないと思いますが、少なくとも私は総理に会ってから新聞記者会見は全くしておりませんから、総理がこれに対して評価をしたというような話は私自身から新聞記者に漏らしたことは全くないのでございます。
#97
○片岡勝治君 スクープされたから計画がだめになったということにはならぬでしょう、せっかくこういうものができたんだから。それはスクープされようと正式に発表されようと、案そのものには変化がないはずのものでしょう、本来は。まあいいですよ。スクープされたからめちゃくちゃになっちゃってというようなことにはならぬですよ、それは。そんな軽いものですか、これは。私たちはそうは思ってないんですよ。現在進行している、そういうものに変わるべき全く基本的な重大な再建案だというふうに受けとめているんですよ。
 臨調には報告されたんですか。報告されたとすれば、これまた高く評価されているとの報道があるが、どのようなお話がありましたか。
#98
○政府委員(永光洋一君) 先週ああいう形で公になったと申しますか、いわゆる計画と申しますか大臣の一つの構想と思いますけれども、出ましたので、臨調の方にも一応事務的に御説明を申し上げております。国鉄の問題は第四部会で議論をされておるのでありますが、部会の非公式、公式の批判はまだ存じておりません。
#99
○片岡勝治君 自民党首脳にも報告したと、説明したということがありますが、差し支えなければどなたに説明をしたのか、報告したのか、そうしてどういう見解が表明されたのか、これもあわせてお知らせいただきたいと思います。
#100
○国務大臣(小坂徳三郎君) 委員の追及はまことにどうも検察官みたいで困るんです。まあひとつ、首脳と言えば幹事長でございます。いずれも新聞にでかでかと出てしまったので、おくればせであって大変みんな嫌な顔をしましたが、しょうがないから見せたというようなわけでございまして、どうか余り検察官のようにぎりぎりやらないで、騎手やわらかにお願いします。
#101
○片岡勝治君 きわめて冷静に、静かにお尋ねをしておりますので、こちらこそよろしくお答えをいただきたいと思います。大臣ももう少し胸を張ってやったらいいと思うんですよ、びくびくしてないで、これだけのものをつくったんだから。
 そういう手続をいたしますと、やはりこれは正式に運輸省の案として、運輸大臣の再建計画案なるものとして総理にも報告をする、臨調にも説明をする、与党である幹事長にも説明をしたということになりますれば、これは運輸大臣の再建計画として今日なおかつ完全に生きていると私たちは受けとめるわけでございます。よろしゅうございますね。
#102
○国務大臣(小坂徳三郎君) そこが大変むずかしいところでありまして、まだ党の方には御説明をする機会がないのでございます、幹事長にだけでありますから。したがいまして、これが運輸省案ということにはならないのでございまして、小坂私案という形でございます。
#103
○片岡勝治君 そういうことじゃないでしょう、もうすでに責任者に報告をするということになれば。総理大臣はやっぱりそれはそういう意味で受けとめているんじゃないんですか。臨調だってそれをどういう立場で検討されるかどうかは知らぬけれども、単なる活字の文書として棚に積み上げておくというものじゃないですよ。そういう報告の手続をした以上、それは運輸大臣の案なるものとして恐らく受けとめられていると思うんですよ。
 さて、そういたしますと、これはどういうふうな手続で今後処理をされていくのですか。全くこれがほごにされたということではない。いまの答弁を聞いていてもこれを破棄したということでもありませんし、われわれは正規の、正式の改革案として、あくまでも案ですけれども、案として表に出てきたわけでありますから、これがどういう手続で、今後どういうところに行って審議なり検討なりそういうものがなされるのか。
#104
○国務大臣(小坂徳三郎君) どうも新聞のスクープのせいにばかりするようで申しわけないのでありますが、あんまり唐突としてやられたものですから、前後の手だてがうまくいかないんです。それはひとつ御理解いただいて、ですから実はいまこれをどうするかと言われてもどうしようもないのでありまして、これからおいおいと、多少でも鎮静されてくるということを期待しておるわけでございまして、これからの手はずその他までがっちりと組んでおればもうちょっと胸を張って言うのかもしれませんが、なかなかそこまでまいらないので、ひとつその辺はもうちょっと時間をかしていただかないと何とも申し上げられない。
 もう一つは、臨調の方も五月十日ぐらいに何か出すんだそうでありますが、そちらの方が出てきますと、やはり一応臨調の答申を最大限に尊重するというのが鈴木内閣の基本方針でございますので、そうしたものの出てきたときにどう対応するかということなどもまたいろいろとこれから考えていかなければなりません。非常に率直に申し上げて、どうも委員の質問をはぐらかすようなことを言って申しわけないんですが、あれでごたごたしちゃっていてどうにもならぬということをひとつ御理解いただきたいと思います。
#105
○片岡勝治君 運輸大臣と言えば運輸行政の最高責任者ですから、それががたがたしているということはわれわれは信じられないんですよ。そういうことはもうあるべからざることでありまして、多少、スクープされたということですから、前後の手続なり何なりについて、そういうものを一切踏んだ上での発表でないということについては私は理解するけれども、内容自体の重さから言えばそう軽々しく受けとめるべきものではないし、しかもいま年金財政をこれから審議をしようとするときにこれはもう大変大切な資料なんですよ。しかもこれは単なる課長とか局長とかが出した、そう言えば失礼ですけれども、最高責任者の案ということですから、単なる事務当局の一つのたたき台ということではない。しかもあなたの案によれば、三十五万人体制がさらに減らして二十九万ですか、これはもう容易ならざることなんですよ。こういう問題が出れば、はて年金財政は一体どうやってやっていくのか、そういうものがこれを見ると抽象的には書いてありますけれども、具体的に何ら触れられていない。意地悪く言えば、これは一体どうしてくれるんだ、それがなけりゃ審議なんかできないじゃないかということまで、そういう発言だってできるんですよ。それほど私たちは重大にこれを受けとめているんです。
 たとえばこういう内容は含まれているんですか。このあなたの案によれば、六十年さらに六十五年、その年次に対して収入がこう、支出がこう、あるいは人員がこうなるというようなことまで表になっておりますね。この中には運賃改定というものがあるのかないのか、何回ぐらいやる予定なのか。そういうものがない限りこの収入なんという計算が出てこないはずですね。
 それから整備新幹線、これはたしか五つの線ですか、これもいま経営改善計画の中では一応載っておりますね。こういう取り扱いについては一体どうなっているのか。
#106
○国務大臣(小坂徳三郎君) 多少具体的な詰めば事務当局にいろいろやってもらったことは事実でございますが、大体収入増を年間五%くらいふやそうということが基本になっておりますから、その中で運賃をどれぐらいのパーセントにするかということにつきましてはまだ十分に練っておりません。ただ、私は今回の六・一%の値上げには非常に困ったことだと思いまして、これはもうすでに今年度の予算の決まったときから、一応政府内部では千五百億の運賃改定による増収ということが一つの柱になっておりましたので変えることができなかったのでありますが、来年度におきましては、国鉄当局並びに省内には運賃の値上げはいじるまい、いじらぬで何とかやろうじゃないかということを私は盛んに呼びかけておるところでございます。もう五回も連続上がってきちゃちょっとこれは大変なことでもありますし、その前に何らか合理化をして国民の運賃に対する負担をひとつ減らしたいという意図があることははっきり申し上げられると思います。
 新幹線の方のことは、いまの再建私案には一応入れておらないわけでございます。
#107
○片岡勝治君 事務当局から詳しくというのはないんですか。
#108
○政府委員(永光洋一君) 詳しくというお話でございますが、いま大臣がおっしゃいましたように、旅客につきましては一応五%の収入増というのがこの考え方の基礎になっておると思います。これは臨調で国鉄問題につきましていろいろ議論がされておりまして、運輸省としても事務的にもそれに対応するためにもいろんな考え方で検討をしておるわけでございまして、そういう中での、この大臣の構想の中での収入の見積もりというのは、いま申しましたように年間五%程度の増収を、運賃改定も含めて増収努力を入れてそのくらいいけるんではなかろうかということで入っておりまして、ただし貨物につきましては若干六十年度まではいわゆる直行型ということで考えておりますので、やや抑えた形になっておりますが、六十年以降はやはり旅客と同じような形で収入が伸びるんではないかというような考え方――まあこれ増収の考え方はいろいろあると思いますが、この考え方はそういう考え方ではじいたものをお取り上げになったと、こういうふうに考えていただいていいと思います。
 整備新幹線についてはこの案では入っておりません。
#109
○片岡勝治君 いま進行している現行の経営改善計画――仮にこれを運輸省改革案と申し上げましょうね、これから。運輸省改革案との違いというのは数字で出ておりますけれども、特に特徴的な違いというものはどこなのか。これ数字に出ていますから、どういう積算の違いによってこういうふうになってきているのか。
#110
○政府委員(永光洋一君) 現在の改善計画とこの構想の対比はどうかというまずお話ですが、六十年度までにつきましては、この大臣の構想と申しますか小坂私案と申しますか、大臣の構想も現行の経営改善計画を基本にしましてその深度化を図るということではないかと思いまして、ただし現在の改善計画は三十五万人体制ということになっておりますが、要員につきましてはさらに欠員を補充しないというような考え方から、現状の三十五万という、若干六十年度まで欠員を補充していくという形から、さらに厳しい現在の情勢を踏まえましてその深度化を図るという観点から、三十二万の数字とさらにいわゆる鉄道プロパー以外の自動車、工場というようなものを分離・民営化するというようなことを踏まえまして六十年までに二十九万という考え方に立っておりまして、その点がわりにというか基本的に大きいところではないかと思いますし、さらに設備投資等につきましても、現状よりも二割程度を削減をするというような考え方に基づいておるわけでございます。
 そこで、この表でございます現行の五十年度の計画と改革案につきましては、収入につきましては、やはり現状の非常に厳しい情勢から見て厳しく抑えた形で収入を見ておりますし、経費につきましては、いま申し上げましたように人件費のさらに削減等あるいは物件費の、まあこれも余り細かい積み上げというわけではございませんですけれども、削減等踏まえまして、そして何とか現行計画の一兆四千億の総体の赤字をさらに切り込んでいきたいと、こういう考え方になっておるわけであります。
#111
○片岡勝治君 私がくどく申し上げますのは、今度の国会を振り返ってみて、この一月以来、衆参でそれぞれの立場で国鉄再建について真剣な論議をしてきたことは御承知のとおりなんですが、運輸大臣、あなたが一番よく御存じだろうと思うんです。参議院の予算委員会を振り返ってみましても、この問題をこの委員でいらっしゃいます伊江さんも取り上げられたし、私どもの目黒議員も取り上げて、いろんな角度から質問をいたしましたね。そのときに一貫していることは、政府の答弁は、現在の経営改善計画をとにかく遂行する、あらゆる努力を払って遂行することによって再建のめどをつくり上げたい、終始一貫そういう説明をされてきたわけでありまして、いささかもそれがだめになりそうだとか、修正をしなければいけないとか、抜本改革をしなきゃいけないとかという言葉、そういう答弁は全然出ておらなかったわけです。
 ですから、スクープということがあったにしろ、こういう計画が出され、しかもいまの御説明を聞くと、すでに経営改善計画はもうだめなんだと、だから六十年度計画を見ても、いま答弁のあるとおり、五十七年度予算に比べまして、これは六十年度の改革案、五十七年度の予算案と、それから今度の改革案を見れば、収入も経費も純損失もみんなこれ違うじゃないですか、数字が。これはやっぱり机上計算で何となく書いた数字じゃない、あなた方が真剣にあらゆる角度から検討した結果、いま遂行しておる経営改善計画ではだめだ、こういうふうにしなければいけない、あるいはこうなってしまう、そういう計画上の問題点を検討した結果こういうものができたんじゃないですか。
 ですから、今度の計画案というものは、裏返せばいまの経営改善計画というものについて、まあ抜本的という言葉はちょっと大げさかもしらぬけれども、これをも相当大修正をして、こういうことでなければ昭和六十年度までの当初見積もった再建計画というものができない、したがってこういうものを出さざるを得なかったというふうになるんじゃないですか、この数字が正しければ。
#112
○国務大臣(小坂徳三郎君) 私もしばしば委員会において経営改善計画をやりますと、またそれを一生懸命やりますということはお答えしております。しかし、その経営改善計画をまともにやりましても、六十年度においてのいわゆる国鉄の状態というものがこれは大変なことなんでありまして、果たしてそれでいいのかなということは私は担当者として非常に憂えておったわけであります。したがいまして、それじゃこのいまの経営計画をベースにして、そしてどこまでやれるかというようなことを考えてみたいというのがそもそもの発想の根本であります。
 そうした意味におきまして、幸いにといいますか私らの御答弁は一貫して一生懸命やります、同時にまた経営改善計画の深度化を図ります、深めていきますということを御答弁いたしておるわけでございまして、その一つのあらわれとして、貨物輸送等については相当抜本的な改善をしなければならぬだろうということをお答え申し上げておるわけでありますが、それらのものを踏まえてのこの六十年までのいわゆる経営改善計画の深度化という意味において、いろいろな諸点を私なりに考え、またある程度計算をしてもらったのが今度の案でございますから、その点についても、いまここで今日までの改善計画を破棄するんだというものではないのでございますから、その点を御理解いただきたいと思います。
#113
○片岡勝治君 しかし、いまのお答えでもわかるとおり、経営改善計画を従前のものをそのまま踏襲をしてやっていったのでは再建計画というものが実効を上げ得ないということはいまの答弁でも出ておりますね。そういたしますと、この経営改善計画というものを改めて、次の来年度予算か何かになるかもしれませんけれども、あるいは臨調答申が出て行政改革に合わせて出されるのかもしらぬけれども、いずれ現行の経営改善計画案なるものは大幅修正をするというお気持ちですか、いま。当然そういうことにならざるを得ないと思うんですがね。仮にこの改革案を離れてみましても、いままでのずっと答弁を聞いておりますと現実にそういうふうに帰結されるんですが、いかがですか。
#114
○政府委員(永光洋一君) 大臣の説明を補足いたしましてなおさらに答弁さしていただきますが、御案内のように再建法におきましては、改善計画をつくった場合に、毎事業年度その実施状況について検討を加えて、必要があると認めるときはこれを変更するという一つのシステムがございまして、したがいまして五十五年につくった改善計画の一つの数字と申しますか、そういうものが実情に応じてローリングと申しますか変化、変更することは一応予定をしておると思うわけでありまして、したがってそういう意味で先ほど大臣が経営改善計画をベースに深度化をするという考え方を述べられたわけでございまして、そういう意味でまだこの案そのものが固まったわけでも何でもないわけでございますが、今後五十六年の実績等を踏まえて、現在の改善計画について、やはり六十年度経営基盤を確立するためにはどういうような計画にしたらいいかということの検討はしなければならない、こういうふうに考えております。
#115
○片岡勝治君 経営改善計画、いま遂行しておりますその計画で一番予想と狂っているのはどの部分ですか。やっぱり旅客が少ない、貨物が当初の計画よりも予想が狂ったという部分。
#116
○政府委員(永光洋一君) 一番大きいのは、やはり貨物輸送の落ち込みではないかと、こういうふうに考えております。
#117
○片岡勝治君 この中で特に年金にかかわる部分は、国鉄職員の大幅削減、現行経営改善計画によればいわゆる三十五万人体制、これを二十九万にいたしますからさらに六万人減らす、こういうことになりますが、この人数はこのとおりの計画ですか、新聞の報道のとおり。たとえば、自動車、工場、病院はすべて直営をやめて民間に移管をすると。これがもうゼロになりますね、改革案によれば。
#118
○国務大臣(小坂徳三郎君) そのとおりであります。
#119
○片岡勝治君 それまでには現行の年金制度そのものについて改革されるであろうというようなことを一つの想定にしておりますが、つまりこの改革案によれば、「年金及び退職金問題の処理」という項目の中では、「年金については、国家公務員共済と三公社共済との統合を図る。年金及び退職金の水準については国家公務員並みとする。」、こういうふうになっておりまして、したがって三十五万人体制からさらに六万人減らして二十九万人体制にする。これは国鉄共済にしてみれば大変な問題でありまして、そこまで行く間にもうすでにパンクしてしまいますけれども、これがプラスされれば容易ならざる事態になることははっきりしておりますね。ですからこの計画は、年金の問題についても非常に重大な問題提起をするわけでありますが、その中でこういうことも触れているんですね。再建方策の附属文書になるのか知りませんが、要旨説明の中に、「国家公務員との給付格差については速やかにその是正を図る。なお、国鉄の年金負担のうち恩給分等については別途特別の措置を講ずるものとする。」と、こういう文言が入っておりますね。年金問題の処理について国家公務員との給付格差、こういうことが指摘されておりますが、これはどういうことを意味しているのですか。
#120
○政府委員(永光洋一君) 年金の問題の格差と申しますか、これは一般的にいわゆる官官格差と言われるようなもので、まあ非常に細かく計算したわけではございませんが、年金上の問題としては、御案内のように年金の最低基礎俸給は国家公務員共済と公共企業体職員等共済では、いわゆる退職時の前一年平均かあるいは最終俸給かとか、あるいはいわゆる俸給なり年金算定額の最高額の限度があるかどうか等二、三そういうものがありますので、そういうものにつきましては、やはり国鉄の現状にかんがみて突出と見られる部分については国家公務員並みということを一応想定していろいろ議論をしたということはございます。
#121
○片岡勝治君 そこで、ひとまずこの国鉄改革案なるものを離れまして、国鉄を主とした年金問題について触れていきたいと思いますが、先ほどもちょっと触れられたことですけれども、国鉄の年金財政というものに非常に危機的状況が迫っているということも、大蔵省に検討委員会ですか、そういうものが設置をされて、さっき指摘されましたけれども、これはもう設置をされて一年十カ月ぐらいたちますか、二年近くなるんではないですか。具体的にそこでどういうことが論議され、何か方向性なり何なりが決まったのかどうなのか、一年十カ月というもう相当の期間審議をされておりますから、その経過なりいまどういう方向になっているのか。
#122
○政府委員(宍倉宗夫君) 共済年金制度基本問題研究会は五十五年の六月に発足いたしておりますので、一年十カ月ぐらい経過をいたしているわけであります。この間何を御検討願ってきたかということでございますが、職域年令制度としての共済年金のあり方はどういうものであるべきか、給付水準でございますとか支給要件等はどういうふうに物を考えていったらいいのでございましょうかというようなことでございますとか、他の公的年金制度との整合性それから調整をどうしたらいいか、いわゆる官民格差の問題ですね、どういうふうに考えるか、それから国鉄共済の問題を含めて財政問題をどういうふうに考えていったらいいのかというようなことを御議論いただいて、発足以来二十三回開会をしていただいております。この二十三回の開会のほかに分科会を二つ設けて、これはそれぞれ六回ずつ開会をいたしております。まあ本年の五月か六月ごろまでにはひとつそれぞれの委員の方々の結論を出していただきたいということでお願いを申し上げてございます。いま最後の詰めといいますか精力的に御審議いただいておりまして、たとえば来月の四日というのはちょうど連休の間でございますが、その連休の間にも皆さんお寄りいただいてひとつ議論をしようというようなことで予定になっておりますので、大変にそれぞれ一生懸命御議論をいただいているところであります。
 それで、どんなようなことになりそうかということでありますが、これはもう少し、先ほど申し上げましたようにあと一月ちょっと、長くても二カ月以内にその最終的な意見の取りまとめをいたす予定になってございますので、もう少しのところでございますから、ひとつこの際私からこれはかくかくこうなりそうでありますとかなんとかということを御報告するのは控えさしていただきたいと存じます。
#123
○片岡勝治君 スクープされないように気をつけなさい。もう少しでいいところへいくというんですからね。
 行政管理庁長官がお見えであり、お忙しいようでありますから、ちょっとここで運輸省関係は中断いたします、もちろん年金問題でありますから関連する事項でありますけれども。
 長官、この内閣委員会でさきに恩給法を審議し、そしていま公務員、公企体の年金問題を審議しているんですが、臨調から五十六年七月十日、「昭和五十七年度においては、恩給費の増加を極力抑制し、新規の個別改善は行わない。」、こういう答申が出たわけです。これをめぐって恩給の審議のときにもいろいろ論議を展開したのでありますけれども、この恩給に対する答申、そして恩給法で措置をされた事項はそのままこの年金に連動してくるわけですね。たとえば今回、恩給でも従来四月改善四月実施、恩給の端的に言えばベースアップをいままで四月であったものを五月にしたと。したがって年金も、恩給がそうなったんだからそれにならって共済年金もそうしますよという提案の趣旨なんですよ。
 それで、特に長官においでをいただいて申し上げたいことは、そもそもこの実施時期については、恩給もそれから共済年金も公務員の給与改定に比べてすでに一年おくれているんですよ、一年。ですから、昨年四月一日から給与改定が公務員には実施された。それに見合う改定はことしの四月一日から恩給受給者、年金は実施される。一年おくれるわけですね。したがって、内閣委員会としては、恩給なり年金のいわゆるベースアップは公務員の給与改定の時期と均衡を失しないようにしなさい、そういう附帯決議をいつもつけているわけなんです。
 これは何を物語るかというと、当然公務員とスライドするんですからその時期は同一であるべきだ、それを一年おくらせているんだから、すでに恩給受給者、年金受給者は国の財政に対して相当大きな寄与をしている。たとえば、今回一カ月おくれでどのくらい予算が助かるのかといったら、月に二十億だというんです。そうすると、一年待たされているわけですから二百四十億円。それから恩給の場合に一カ月幾ら助かるのかといったらば、一カ月でたしか六十億でしたね、ちょっと数字はあるいは定かではないかもしれませんが、たしか六十億という、修正案を出したわけですから、これが一年待たされるからすでに七百二十億円を恩給受給者はがまんをしている。つまり、国家財政が非常に厳しいからという理由なんですよ、それもみんな、いままでの答弁によれば。
 今度の一カ月おくれも、これだけ国家財政が厳しいから年金受給者、恩給受給者も痛みを分けてもらいたい、こういうことで一カ月がまんをしてもらったと、こういうことなんですが、すでに一年も実施時期をおくらしてそれだけ寄与しているのに、なおかつ臨調は恩給受給者あるいは連動する年金受給者に対して抑制措置を要求しているということは、臨調自身がそういう事実を知らないのではないか。わかっていないのではないか。わかっていれば、ああそうかと、すでにそういうふうに協力をしてもらっているのかと、それじゃまあまあという気持ちになると思うんですよ。それにもかかわらず、今回一カ月、公務員は四月からちゃんとベースアップしているのに一カ月おくらして、あなた方はだめですよ、五月からですよということは余りにも酷ではないか、こういうふうにわれわれは考えるわけなんです。臨調の答申についてここまで、私がいま指摘することまで検討されてこういうことをなされているのかどうか、長官御存じであったら、長官の見解を承りたいと思います。
#124
○国務大臣(中曽根康弘君) 臨調の皆さんは恩給制度、年金制度につきましては非常に懸命な勉強をしていらっしゃいまして、特に年金問題につきましては、格差の是正とかあるいは一元化とか、将来の展望やら負担のことまで考えて非常によく勉強もしていらっしゃる状況でございます。そこで、恩給局あるいは各省庁の担当官を呼んでヒヤリングもしておりまして、そういういろいろ勉強の結果も踏まえてああいう答申を出したのでございます。
 その趣旨とするところは、給与体系全般を抑制するという考えにあったのではないかと思います。その中で恩給だけが特にひずみを受ける、年金だけが差別を受ける、そういうことがないように全般的にこの際抑制してもらいたいというのがあったと思います。公務員につきましては、一部でございますが、給与を凍結させられております。あるいはまた、ボーナスその他についても抑制措置をとられております。そういう面もわきまえて恩給の方もあわせて御協力を願いたい、そういう精神もあったと思います。しかし、実施の具体的な段階になりますといろいろな曲折もございまして、一律に全般的に公平に行われるということが果たしてそのとおり行っているかどうか検討の余地もございますが、趣旨におきましてはそういう趣旨で行ったものと考えております。
#125
○片岡勝治君 現象的にはそういうお答えになると思いますけれども、私が申し上げるのは、すでに一年もおくれて実施されているのはこれは不公平じゃないかということがいつもこの委員会で論議されるわけです。衆議院でも論議されているわけですよ。その上に、ですから十二カ月いま実施時期がおくれているわけですからね。今度含めれば十三カ月になるわけです。それでは余りにも酷ではないか。これは公務員の場合と私は違うと思いますよ。公務員はもういままで人事院勧告どおり、昨年はちょっと手直ししましたが、勧告どおり実施時期も四月一日からにしなさいと言えば、これはもちろん政府の努力もあったと思うんですけれども、四月一日からちゃんと一〇〇%実施をしてきた。ところが恩給、年金受給者に限ってはそれから一年おくれるわけですから、そういうことを実施されている上でなおかつまたここで一カ月というのはこれは酷だということなんですから、これはひとつその趣旨を長官も臨調の方に十分伝えていただきたいと思います。
 たとえば、去年こういうことがあったんですよ。これは恩給でありますけれども、公務扶助料、これは本来四月から実施すべきものを公務扶助料は八月から実施、これもおかしいと。去年は恩給も年金も四月実施をしたわけでありますが、これも四月からにしなさいと言ったところが、いや今日の国の財政からこれはひとつがまんをしてもらいたい、たとえば公務扶助料を一カ月操り上げることによって五十億円の金がかかってしまうんです、だから四、五、六、七、この四カ月はがまんをしてください、政府の答弁なんですよね。これは去年の話ですよ。去年の恩給の公務扶助料、つまりすでに亡くなられた遺族の扶助、こういうふうに恩給受給者、年金受給者は臨調の答申前にそういうことで協力させられてきている。
 そういうことを踏まえた上で果たして臨調がこういうことを言っているのかどうか疑問なんですよ。ですから、長官はぜひそういう点をもう一度検討されて、ああそうかと、それじゃというようにお考えを改めていただきたいと思う。今度の恩給に対する臨調の勧告についても「五十七年度においては、」と、はっきり年度が書いてありますね。「五十七年度においては、」云々と年度を明確にしておりますので、さっきも大蔵大臣に聞いたんですよ、これは臨調は五十七年だけだから来年はもとに復するでしょうねと。大蔵大臣は銭こを握っているものですからはっきり答弁しませんでしたけれども、恩給のとき総務長官は、われわれはそういうふうに理解をしていきたい、したがって来年は四月実施に復元するように最大限の努力をすると、こういう答弁があったんですが、これはどうですか、長官。「五十七年度においては、」と、五十七年以降というふうには書いてないんです。長官はどうですかね、これ。答弁しにくいかな。
#126
○国務大臣(中曽根康弘君) 恩給の問題は、これは内閣全体の政策としてやることでございますが、総務長官が担当で、具体的な問題になりますと財布のひもを握っている大蔵省と総務長官の方との折衝というのが具体的なケースでございますが、われわれといたしましては、臨調の精神にのっとりまして全般的に給与を抑制するという一般方針のもとにいろいろ作業を願います。しかしながら、いろいろ内容によっては考えるところもあると思います。五十七年度についてはそういう御措置を願いたいと思いますが、五十八年度以降については五十七年度のやり方その他財政状態等も見てまた考えると、そういう考え方に立って書かれておるのではないかと思います。
#127
○片岡勝治君 大蔵大臣の答弁と同じですね。
 そこで、非常にくどく申し上げましたけれども、恩給年金の一カ月繰り下げは、ああやっぱりいまの臨調の方針は福祉、教育の切り捨てだと、世間でそう言っていますね。その象徴だと、こう言われているんですよ。私もそうだと思うんですよ。いままで申し上げましたような論理からして、すでに相当の抑制をされ、カットされて、なおかつじっとがまんをしておる、そういった人たちに対して一カ月を繰り下げたということは、まさしく福祉切り捨ての象徴だと。ですから私は、本当の行政改革、能率を上げるとかむだを省くとかあたりまえの話で、そういう行政改革は大いに推進しなさい、しかしそれをやる上で、こういういわば弱い部分についてもう少しきめ細かな措置、行政があってしかるべきだと思うんですよ。
 もし、こういう方式で臨調が、あるいは臨調を受けて政府がどんどん進んでいくならば、私は非常に憂慮すべき段階だと思う。今日の国家財政の危機、それは私も私なりに理解をし、これは大変だ何とかしなきゃならぬと思いますけれども、そのやり方についてもう少しきめ細かな、特に弱者、弱い層の人々に対してカットをしていくということについては慎重に対処すべきだろうと、こう考えます。この点のひとつ、さらに臨調は重大な答申を近く出すようでありますから、長官もその意を体して、臨調を指導する立場ではもちろん長官はないと思いますが、臨調に十分本委員会の趣旨を、あるいはいままで内閣委員会で論議された恩給年金の附帯決議その他について十分踏まえた上で臨調に接触をされたい、このことを長官には希望を申し上げまして長官に対する質問は終わりたいと思いますが、よろしくお願いいたします。
 さて、いま国鉄の年金制度の今後の方針として統合問題が出てきておりますが、ここで他のたとえば電電あるいは郵政とか専売、この将来展望ですね。時間がありませんからなるべく要領よくお答えいただきたいと思うのですけれども、どういう推計といいますか推移になりますか。これが非常にどんどん先行き豊かになれば、貧乏世帯の国鉄がなだれ込んでいってもまあまあそのくらいは引き受けましょうということになりますが、ひとつ関係の他の財政について要領よくお答えをいただきたいと思います。
#128
○説明員(澤田道夫君) お答え申し上げます。
 日本電信電話公社の共済年金の財政でございますが、最近の決算でございます昭和五十五年度の決算の例を見てまいりますと、収入では掛金、負担金あるいは若干の資産を持っておりまして、それの運用益、これを含めまして一千八百九億円でございます。それに対しまして年金支給のための支出、これが八百七十九億円、したがいまして収支の差額が九百三十億円ございまして、これを積立金に回すことができております。なお、五十五年度末の積立金、これは八千七百三十億円でございます。
 したがいまして、現状を見る限りにおきましては一応健全な状態と言えるかと思いますが、将来の見通しを二つの条件を立てて考えてみますと、現在財源率は千分の百二十二・五でございますが、これをそのまま適用する、それから今後の事業規模、これは事業の拡大あるいはまた要員の合理的配置、いろんな要素がございますが、現在の職員数がふえもしないし減りもしない、そういう前提で考えてまいりますと、大体五十七年度から十年間ぐらい、この間は収支の均衡が何とか維持できるというふうに考えております。したがいまして、昭和六十八年度ごろから単年度の収支が赤になってまいりまして、これから積立金の食いつぶしが始まるわけでございます。昭和七十八年度、このあたりになりますと積立金も底をつく、大体そういうふうに見通しております。
#129
○説明員(丹生守夫君) 専売共済組合の財政の見通しでございますが、現在の収支状況でございますけれども、五十五年度で収入が二百五十八億円、支出は二百四十六億円でございまして、収支差は約十二億円、積立金は約八百四十五億円を保有している状況でございます。現在成熟度が四七・九%、こういう状態でございます。
 先々の見通しでございますけれども、五十六年――昨年の四月が財源率の再計算期でございましたので、この時点での試算に基づきますというと、現行財源率が千分の百三十八・五でございまして、このまま推移するといたしますというと、昭和六十一年度で収支が逆転する見込みでございます。その後、十数年程度で積立金がなくなるということが考えられます。したがいまして、今後五年目ごとの再計算期に財源率の見直しを図りまして財政の維持を考えていかなければならないということで、この場合の前提は、人員が現在の組合員数、このまま動かないとした場合の試算でございます。
#130
○片岡勝治君 国鉄は私もよく研究しておりますから……。
 そうしますと、これはなかなか容易ならざる問題だと思いますね。電電さんなど、現状では九百何十億かの積立金ができる状態でありますけれども、十年たつととんとんになり、それからは食いつぶしといいますか取り崩しをやっていかなきゃならぬ。多かれ少なかれ国家公務員、公企体にいたしましても、将来の推計をすればそういう状態になってくるということですから、当面統一、連合するということで、ここ二、三年は――何年かわかりませんが、四、五年ですか、帳面づらは黒字になるかもしれませんけれども、行く行くは容易ならざる事態になってくる、こういうことでありますから、これはもっと抜本的な対策で国鉄共済というものを考えていかなければならぬということに尽きると思うのです。もちろん、その前提には国鉄再建というものがございますけれども、そういう点について、すでに時間がなくなってまいりましたので、その程度で、またの日にこれらの問題について見解を承りたいと思います。
 最後に、人事院の方は見えておりますか。――これは恩給年金で私は番たび審議する都度申し上げるんですが、たとえば遺族年金あるいは障害年金をもらう場合には、亡くなられた時点の給与が年金算定の基礎になる、これは今日の制度でそうなっているわけであります。ですから、三十歳で亡くなられた遺族年金というのは、もちろん最低保障はありますよ、ありますけれども、その遺族年金というのは、その人の三十歳のときの号俸が永遠に変わらないわけです。あるいは片腕を公務で失った、二十五歳のときに失った、その補償年金というものはその人の二十五歳のときの号俸、これももちろん最低保障があって低い方は救われておりますけれども、死ぬまでというか定年退職まで、あるいはやめてからも二十五歳の号俸だ。ですから、若いときに絶対死んだら損だ、若いときに負傷したら損ですよということになるわけです。
 そういう矛盾をいつも私は感じておって、この点について何か是正措置が考えられないのかということを番たび質問するんです。これもきわめて重大な課題となっておるので検討を続けているという答弁でございますが、時間がありませんから端的にお伺いしますが、検討の結果、何かいい方法なり何なりのめどがつきつつあるのかどうなのか、全くまだそういった改善についての方法がないのか、この点ひとつごく簡潔にお答えをいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
#131
○政府委員(金井八郎君) 御指摘の若年者の補償の問題につきましては、かねてから御指摘をいただいておりますし、私どもの方でも内部で専門家会議を設けまして、若年者の補償の手厚さをもう少し増すべきではないかということで、検討を従来から行ってきたところでございます。なかなか問題がむずかしゅうございまして、将来の昇給分を見込めばこれは一番いいわけでございますけれども、やはり労災制度との均衡ということも補償法では要請されております。民間企業におけるそういう昇給の態様というものが公務員と違いまして非常に種々さまざまであります。そういうことから、内部でいま少しでも手厚くしようという方向で鋭意検討をしておりますけれども、的確な結論というものはいまだ残念ながら出ておらないわけでございまして、今後も引き続きその点については検討を進めたいと思っております。
#132
○片岡勝治君 終わります。
#133
○中尾辰義君 それでは、午前中に引き続きまして質問を続けます。
 一番最初に、先ほどの質問にもありましたけれども、国家公務員共済それから公共企業体共済、それぞれの財政の現状、成熟度、それから将来の見通し、そういう点につきまして大蔵省、運輸省、郵政省に説明を願いたいと思います。
#134
○政府委員(宍倉宗夫君) 最初に、国共済の財政状況について申し上げます。
 五十四年十月の財政再計算の際に試算した結果によりますと、退職年金の成熟度は連合会加入の一般公務員の場合に昭和七十五年に約四〇%になるという見込みでございます。
 収支の状況でございますが、将来のベースアップをどう見るか、それから年金改定をどう見るかということで違ってまいりますが、仮に五%アップだということで計算をいたし、現行の財源率が千分の百二十三でございますが、これが据え置きだということで計算をいたしますと、昭和六十六年に単年度で赤字になりまして、昭和七十五年には積立金もなくなる、こういうような計算になるわけでございます。財源率を五年ごとに改定をしていこうということで昭和七十五年に千分の二百三十三ということになるという前提にいたしますと、六十六年で単年度赤字というのが七十五年に赤字になる、こういうことになるかと思います。
 それから郵政の共済の方も大体同じようなことでございますが、国共済一般の場合より多少悪うございまして、退職年金の成熟度は七十五年に四一%、収支の状況は同じような前提で現行の財源率が千分の百三十三でございますが、これがずっとそのままということでございますと、一般よりも二年早く六十四年に赤字になる、七十一年には積立金もなくなる。で、あとそれでは困るからというので、財源率を上げてまいりまして七十五年に千分の二百六十三にするということにいたしましても、七十五年に単年度で赤字が出ると、こういうような状況でございます。
#135
○説明員(岩崎雄一君) 国鉄の場合を申し上げます。
 三十一年七月に現在の制度が発足しておるわけでございますが、五十一年度以降主として成熟度の高度化に伴いまして収支が悪化しておりまして、五十一年、五十二年それから五十四年、五十五年というように赤字が連続をいたしております。特に五十五年度には成熟度が七四%、つまり組合員百人に対しまして七十四人の年金者を抱えている、こういう状態になりまして、赤字額は百六十八億円ということになっております。こういうことで五十六年度から保険料率を三%引き上げております。そういう措置を講じました結果、五十九年度までの四年間、何とか収支均衡の見通しが立っておるという状況でございます。しかしながら、六十年度以降は成熟度が一〇〇を超える状況が続きます。それに伴いまして大幅な赤字を生ずることになりまして、六十二年度には積立金が完全にマイナスに転ずるということで、もはや年金財政の単独維持は困難だ、残念ながらこういうような見通しでございます。
#136
○説明員(澤田道夫君) 御説明申し上げます。
 日本電信電話公社共済年金の財政状況は先ほど申し上げたとおりでございますが、現在、成熟度、これは昭和二十七年に公社が発足いたしまして以来、事業規模の急激な拡大がございまして、十六万人体制から三十三万人体制というふうに要員規模が伸びております。したがいまして、現在のところ成熟度は比較的低く、五十五年度末一八・二でございます。ただ、先ほども若干申し上げましたが、今後増員というものを考えない経営をしてまいりますと、退職者の割合というものはどんどんふえてまいりまして、昭和七十六年度の見込みといたしましては五一・九%というふうに考えております。
 それから財政の見通しでございますが、昭和六十八年には単年度収支が赤になり、昭和七十八年には積立金を取り崩すということであります。なお、電電公社の年金につきましても、今後五年ごとに財源率の見直しというものをしてまいることを前提に考えますと、単年度の赤字が昭和七十七年度、それから積立金の取り崩しが昭和八十六年度というふうに、これは条件がいろいろございますが、一つの条件で計算いたしましてそういう見通しを持っております。
#137
○説明員(丹生守夫君) 専売共済組合の年金財政の見通しでございますが、先ほど御説明申し上げましたとおりでございますけれども、現在年金受給者が約一万八千人でございます。今後年々少しずつふえてまいります。片方で組合員の数はもろもろの合理化を進めるということもございまして、これまでも人員の抑制をしてきておりますし、今後もふえるという要因はございません。というようなことで、年金財政は逐年少しずつ苦しくなってくるということかと思います。現在危機的な状況にあるということではございませんけれども、いまの財源率一三八・五ということでございますが、これをこのまま据え置くといたしますと、六十一年度では単年度で収支逆転、赤字になってしまいますので、それ以後五年ごとの財源再計算期に財源率の引き上げを行いながら財政の改善を図らなきゃならないということで、先に行くに従いましてだんだん苦しくなってくるということでございます。
#138
○中尾辰義君 いずれも財政事情が心細いわけでございますが、とりわけ国鉄の場合、これは退職者が増加をする一方、組合の方は昭和六十年度三十五万人体制ということで年金財政が非常に危機に瀕すると。ただいまの説明を聞いておりましても六十年度でしたか、成熟度が一〇〇を超えると、六十二年度になると積立金がマイナスになるというような説明でありましたけれども、この現状をどのように考えて、将来これをどういうように考えておるのか、お伺いしたい。
#139
○説明員(岩崎雄一君) 御承知のように、現在は七四%でございます。四十二万人が分母でございまして、ちょうど年金受給者が三十一万人おると、こういうのが現在の状況でありますが、六十年度にはちょうどこの数字が逆転をいたしまして、御承知のように経営改善計画によりまして分母が三十五万人、分子が四十一万人ということになります。このことが国鉄の年金財政を非常に圧迫をしておるということは、先生も御承知のとおりでございます。
 この問題につきまして、先ほど来お話が出ておりますが、国鉄の総裁の諮問機関でございます俗に船後委員会と申しておりますが、五十五年の五月に答申を出されまして、この現況を救う方法というのは、国家公務員と国鉄を初めとした三公社の年金グループを統合する、比較的制度の似ている、もとは同根であったわけでございますが、こういうものを統合することによって当面救う以外に道はないと、しかしそれが最終目的ではなくて、いずれは被用者年金の大統合ということを目標にしなければならないんだけれども、国鉄財政の現状はそれまで待てないので、とりあえずの統合をすることによって財政的余裕を生み出し、その間に抜本的な対策庁検討すべきであると、このように述べられております。
 現在、先ほど大蔵省からもお話がありましたように、大蔵省の研究会でも検討されておりますが、それらの研究会の結論が出まして、そして長期対策が確立されて、それに基づく所要の措置が――国鉄はお助けをいただく方でございますので、国鉄側からあれこれと言うことは差し控えたいと思いますが、そういう強力な抜本的な措置ができるだけ早く講ぜられるように希望しておると、こういうことでございます。
#140
○中尾辰義君 いま説明がありましたけれども、国家公務員共済と公共企業体共済を一本化すると、これはなかなかむずかしい問題ですけれども、もし一本化した場合に将来の収支についていつまで黒字が維持できるのか、その辺の試算といいますか、そういうことは検討されたことはありますか。
#141
○政府委員(宍倉宗夫君) おっしゃるように試算でしかあり得ないわけでありまして、いま申し上げようと思いますのは、先ほどそれぞれのところで申し上げました財政再計算時に行いました収支見通しをそのまま単純に合計するということでやってみますと、三公社がみんな寄り集まった場合、これは五十九年度まで黒字で後赤字になる。それから三公社共済と国共済と集まった場合には、六十二年まで黒字でございますが、その後赤字になる。こういう計算になります。ただ、いま私申し上げておりますように、それぞれの公企体共済の場合の給付は前のままという計算になっておりますから、現実にたとえば三公社と国共済とが合体、統合するといった場合に給付を一体どうするのかという議論が当然出てまいりますが、その辺のところの計算の仕方によってまた違ってまいろうかと思います。
#142
○中尾辰義君 いずれにしても、これは両者統合しても六十二年までは何とか黒字だと、それ以上は余り責任を負えないという御答弁でしたが、これは、またこの議論はこの次にしまして、むずかしい問題ですから。
 いま臨調で三公社を特殊会社、民営化と、こういうふうな方向でちらほら新聞にも出ていますけれども、そうなった場合に既得権擁護とかいったような問題、この年金制度の適用ということはどういうふうになるのですか。その辺ちょっと説明してください。
#143
○政府委員(宍倉宗夫君) 三公社の民営化の議論が現に出てございますので、現実にもしも民営化する場合にはどういうふうになるんだろうということにつきまして、先ほど来お話し申し上げております共済年金制度基本問題研究会でもいろいろ御検討を願っておりまして、御議論もいただいておるわけでございます。一般論といたしますれば、民営化すれば共済から抜けまして厚年グループになるのが普通ではないだろうかと、こういう考え方もあるわけでございますが、しかし公共的な部門に所属いたしますところでも厚生年金の適用になっているものもある。たとえば公庫、公団のたぐいがそれでございますが、逆に民間部門でありながら共済制度になっているものもございます。私学共済とか農林共済とかがその例でございます。適用区分は、民間なら厚年、公共部門ならば共済ということで直ちに分けなきゃいけないものだということにもなっておらないということでございますので、それぞれいま議論されておりますような大きな公共企業体がたとえば民営化に現実になるということになりましたといたしましても、それはそのときに、そこの従業員の方々が厚年になるのか共済制度のままにするのかどちらにするのかということは、そのときの立法政策の問題ではなかろうかというような感じの御意見が強いようでございます。
#144
○中尾辰義君 厚生省は見えていますか。――一問だけお伺いしますけれども、年金制度の一本化の問題につきましては、鈴木総理も予算委員会等で再三一本化をやりたいと、これが一番いいと、こういうふうに考えている。「一本化の方向に向かって早急に私ども制度の改革をいたしたい、」と、こういうふうに三月十日の予算委員会でも述べていらっしゃるんですが、実際にその窓口になる厚生省はどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、その辺をちょっとお聞きしたい。
#145
○説明員(渡辺修君) 総理の御発言にもございますとおり、厚生省といたしましても、年金制度の一元化につきましては将来の方向としては望ましいものというふうに考えている次第でございますが、先ほど来御審議がございますように、それぞれの年金制度は目的、沿革あるいは現在の財政状況、いろいろな面で差異がございまして、一元化の実現までにはいろいろと検討すべき点が多いものと認識しているところでございます。したがいまして、当面はそれぞれの所管省庁が責任を持ちまして制度間の不均衡の是正に努めるということが第一ではないか、それによりまして制度全体の均衡ある発展を図っていくのがよろしいのではないか、厚生省としてはかように考えている次第でございます。
#146
○中尾辰義君 それでは少し問題を変えまして、運輸大臣にお伺いしますけれども、新聞報道によりますと、臨調と白星党有力者が合意をしたと、こういうことで国鉄の分割化、特殊会社化を骨子とする第四部会報告が提出されるのではないかと、こういうような大きな報道が出ておるんですね。分割化、特殊会社、行く行くはこれは民営化が大きく前進していくだろうと思いますけれども、そういう中でけさほども質問がありましたけれども、運輸大臣は、地域的に分割するのでなく、債務処理や資産管理の業務を遂げる保有会社といいますか、それと輸送部門を担当する運輸会社とに分割する運輸省案を発表された――発表されたのか新聞がスクープしたのか、新聞にでかでかと出ておるわけですが、発表したと思いますけれども、その背景ですね、臨調もすぐ出るわけですけれども、その背景と意図につきましてお伺いしたい。
#147
○国務大臣(小坂徳三郎君) 先ほど来もお答え申し上げましたが、この新聞報道は全く抜き打ちにやられまして、十分われわれとして部内並びに政府内部その他に、また党とのすり合わせもできない時期に大々的に発表と申しますかスクープをされてしまいましたので、大変に私も困却をいたしております。ただ、私は国務大臣として国鉄を担当しておりますが、いまの現状から申しますと、とてもこれは将来、特に来年度予算を考えましても、いまのままで果たして予算がどれほど国としてつけてもらえるのか、いろいろなことも考えました。したがいまして、就任以来、国鉄の再建という方途については私なりに検討してまいったわけでございまして、もちろんその間には事務当局にもいろいろな面で手伝ってはもらっておりますが、しかし私としては、この国鉄の再建というものは少なくとも六十年度までの再建計画がございますから、この六十年まである再建計画をもう少し深度化することができないか、そしてもう少し経営状態を改善することができないかということが一つの大きな課題であります。そのことは、逆に申しますと来年度あるいは再来年度に対する予算というものについてのある程度のめどをつけなくてはならぬ、そのように思ったわけでございます。
 しかし、それをやっていくうちにどうしても一番ぶつかるのが、先ほど来問題になっております年金の問題あるいはまたいろいろな投資額を全部ほとんどが借入金でやっておりますから、膨大な赤字になってそれが負債になってたまってきておる。これが十六兆のものがことし五十七年度には十八兆になるだろう。そして、このままいけば六十年度には二十四兆になるだろう。一体こんな膨大な赤字をただ抱えて問題を次送りにしてみたってどうしようもないじゃないか。これはいずれにおいても全部国民の負担でまた何とかしなきゃならぬ。言うならば、やはりこれが将来の形において多少解決する方法はないかということをいろいろ考えたわけであります、少し長くなって恐縮ですが。
 しかし、そういうような考え方の中から、私は国鉄そのものの体質はこれは国民の財産でありまして、資産である。したがいまして、これを能率的な面からだけ見て小割りにして、分割にして民営にすればそれは確かに能率はいいだろうとは思いますが、しかし今日までつぎ込まれた、端的に申し上げれば今年度で十八兆に及ぶ国家の資金でございます。こうしたものを一体どう評価して、それをどうやって民間に渡すのか。ただで渡すのかあるいは有償で渡すのかという問題をいろいろ考えましたが、結局こういうことをするのには、一つの国鉄の企業体というものが言うなればもう破産しているということを考えますと、一般の社会で言うところの再建計画というものの中には、まず第一段階には経営と資本の分離をしなきゃならぬ。
 経営の方は経営の方、そして資本の方は資本の方でそれぞれそれを運営していく中から次の発展を求めていくというのは、私は私なりの発想であるわけですが、こうしたようなことを考えて六十年までのいろいろな問題を考えてまいりましても、一体六十年になってもそんなはかばかしい改善はないのでありますから、当然それから後はどうなるんだということになりましょうし、また一方、臨調の方も将来の形についていろいろと新聞に報道されておりますので、私は私なりにその問題の取り扱い方をいわゆる特殊法人による経営と資本の分離をしてみたらどうかということを考えたわけでございます。
 これが一つの参考にされれば大変いいという気持ちはございましたが、ああした形で世間に公表されたような状態になりまして、もっと根回しをし、皆さんに御説明もし、一つの思想としてこれがある程度皆さんに理解していただけるようにするのが私の本旨だったのでありますが、言うところのスクープでどうにもそれがならなくなってしまったというのが実態でございまして、いま申し上げたのは、私がこうしたものを個人的に私案としてまとめた基本はそこにあるということを御理解いただきたいと思います。
#148
○中尾辰義君 これも私は真意、わかりませんけれども、新聞の報道ですけれども、こういうことを書いてあるんですよ。これは、ある新聞は、福田派議員の臨調路線への歩み寄りのあわただしい動きの中で、田中派に属する小坂運輸大臣が運輸省案を出されたことは福田派ベースに対する田中派の巻き返しだと報道をしていると、これは新聞が言っているのですからね。国鉄の破局的状況からの脱却という国民的課題が派閥等の政争の具とされたのでは真の解決はできないのではないか、こういうことです。それに対する……
#149
○国務大臣(小坂徳三郎君) あなたもお読みになったからにはそのことを是認しておっしゃったというふうに考えますが、私はそういう意図は全くございません。また、国鉄の問題は、最近もわれわれが国鉄と一生懸命やっておりますことは、国鉄の内部の規律の紊乱であり、やみであり、もろもろの事態の大変なだらしのない状態、これを改善することが第一歩であるということはもう申し上げるまでもございませんが、私は、国鉄の再建ということが即国民の生活面にもまたすべての問題に非常に深くつながっておるということで、大変失礼な言い方でありますが、そうした記事を書かれた方はどういう意図か存じませんが、私はより高い国民的課題として国鉄問題に全力を挙げてまいりたいという決意でおるわけでございまして、そうした意図が一新聞の記事によって誹謗されたということは、まことに私は残念に思っております。
#150
○中尾辰義君 まあ、いいでしょう。それはそれとして、派閥問題は別として、先ほど答弁がありましたけれども、国鉄としてはこういうような考え方も持っておると、相願わくば臨調も取り入れてくれたらというような気持ちだろうと思いますけれども、臨調は臨調でいろいろな分割案、民営案が出ておるわけですが、もし基本答申等で出た場合は、それに対して運輸省としてはどういうように取り組まれるのか、尊重されるのかどうか、その辺いかがですか。
#151
○国務大臣(小坂徳三郎君) 一応、鈴木内閣の姿勢といたしまして、臨調答申は尊重するということでございます。
#152
○中尾辰義君 それでは、今度は別に国鉄総点検の問題につきまして、国鉄さんは見えていますか。――これも新聞にでかでか出ていまして、国鉄の労使問題、職場規律の乱れ、こういうことで職員は国鉄再建への使命と勇気が失われておるのではないか、こういうふうに危惧するわけですが、このような状況では、どんなに組織を変えてみても真の国鉄再建はあり得ないと思うわけです。
 そこで、去る二十三日、運輸大臣に対して国鉄の総裁から、職場規律の総点検結果、これについて報告がされたわけですが、その結果につきましてお伺いしたいと思います。それから運輸大臣はどうお考えになっているのか、まずその点について。
#153
○国務大臣(小坂徳三郎君) 国鉄の現在の職場規律の乱れは、これはもう大変な事態であると考えまして、一日も早い改善をしなければ国民がさらに国鉄に対する信頼を失う、またそうしたことがいろいろな社会的な影響を持つということで大変憂慮をいたしておりまして、二十三日に一応の報告を受けましたが、昨日国鉄に参りまして、各管理局長以下担当の人々の出席のある会合に出まして、重ねてぜひ職場の規律の改善ということの実効のある活動をしてほしいということを強く要望したところでございます。
#154
○説明員(三坂健康君) 膨大な財政赤字を抱えております国鉄の職場がきわめて世論の厳しい非難を受けるような状態にありますことを非常に申しわけなく思っております。
 かねてからわれわれも問題職場の把握に努め、全国百七十数カ所の職場の是正に努めてまいったのでございますが、去る三月四日、運輸大臣から国鉄の実態把握はさらにすべての職場においてやるべきではないかという厳しい御指示をいただきまして、全国約五千ございますわれわれの職場の一斉総点検を実施したわけでございます。
 その結果を見ますると、われわれがかつて把握しておりました職場の実態以上に職場規律の乱れが広範であり、かつ深刻である。また、その中身もいわゆるやみ休暇の日数でありますとか、あるいは管理職によります理由のない金銭負担でありますとか、これまでわれわれが把握していた以上の実態が明らかになってまいりまして、まことに残念に思っておる次第であります。そのような結果でありますので、いままで国鉄がとっておりました改善成果で満足することができないということは認めざるを得ないのでありまして、決意を新たにしてこの問題に取り組みたいというふうに考えております。先生御指摘のとおり、国鉄再建にとりまして、職員がいかに真剣に国民のために奉仕するか、職場規律がいかに正されるかということがすべての問題に先行する問題であると思いまして、この問題にこれから取り組んでまいりたいと思います。
 先ほど大臣のお話にもございましたが、全国の管理局長会議にわざわざ大臣も御出席いただきましてその趣旨の徹底を図っていただいたところでございますが、この連休中に本社役員をすべて地方に派遣いたしまして、さらに現場にその趣旨を徹底さしたいというふうに考えております。
 なお、具体的措置につきましては職員局長から御回答いたします。
#155
○説明員(太田知行君) ただいまお話ありましたように、三月いっぱいかけまして全国の約五千職場を対象に総点検を実施いたしました。その際に点検いたしました項目は約七十でございます。その時点で想定される是正を要する項目のほとんどを網羅しているわけでございます。そして、この七十項目をもう少し大きくまとめますと四つになろうかと存じます。
 一つは、いわゆるやみ協定、悪慣行と称するグループでございまして、社会通念、社会常識に反するものであり、かつそれぞれの現場において現場長が決めることのできないものを周囲の状況に押されて決めてしまった――たとえばやみ休暇などがその例でございます。
 それから第二の分類は、いわゆる現場協議の乱れに関するものでございまして、現場協議制というのは、昭和四十三年に公労委の勧告を受けまして現場の業務がスムーズに運営できるようにとの配慮のもとにつくられた協定でございます。その後きわめて運用が乱れた面が出てまいりまして、その中でいろいろな問題が発生しております。その現場協議にかかわる部分の実態がどうであるかというのが第二の部分でございます。
 それから第三は、いわゆる職場規律ないしは現場管理の現場業務の執行体制の問題でございます。先般名古屋におきまして大変お恥ずかしい酒酔い運転事故が発生したのでございます。ああいうことのないように現場の管理体制をきちっとする、あるいは昇給昇格問題で適正な管理をするといったような部分でございます。
 それから第四に、管理者の問題でございまして、いわゆる突発休によりまして一般職員の肩がわりに管理職が代行をやっている、そのために非番日や公休日、年休がとれない。大変心身ともに疲弊しておるといったような状況にあるわけでございますが、それらが具体的にどうなっているかという、この四つに大きく分けますとなるわけでございます。
 それぞれについて調査いたしまして、大変問題を抱えているということが判明したわけでございます。大変お恥ずかしいことでございますが、この調査に対しまして、現場の管理者が率直に実態を報告してくれることが問題解決の前提でありまして、しかるがゆえに、私どもも懸命にいわば国鉄再建のきっかけをつくる最後の機会である、率直に実態を告げるようにと指導してまいったところでございます。その結果は、おおむね実態を率直に告げてくれたものとこれは評価してよろしいかと思います。
 次には、このやられました状況をいかに速やかに是正するかということに課題があるわけでございます。もうすでに判明している部分については、是正、解消措置をやっているわけでございます。さらに、この総点検の内容、結果に基づきまして、その是正措置を急ぎたいという決意を固めている次第でございます。
#156
○中尾辰義君 これで終わりますけれども、国民の非難ごうごうたるものでしょう。新聞に大々的に連続報道されて、国鉄はたるんでおるじゃないか、そういう中で毎年値上げばかりしておる。非常に厳しい批判があるわけでありますから、もう少しこういうことになる前に、国鉄はみずからの責任におきまして調査をしたり努力したりすべきじゃなかったのか、その姿勢を私どもは非常に心配しておるわけなんですが、調査の結果、いま長長と報告ありましたように、非常に憂慮すべき状態であるわけですが、再度国鉄側の責任について今後どう対処されるのか、決意を聞きまして終わります。
#157
○説明員(三坂健康君) 先ほども申し上げましたように、国鉄の再建というものは、単なる財政問題だけではなくて、四十万の国鉄職員が国民にいかに真剣に奉仕するかという国鉄本来の原点に立ち返って努力することが最も緊急を要することであるというふうに考えております。
 かつて国鉄は国民の誇りであった時代があり、世界の国鉄と言われた時代もあるわけでありまして、一刻も早くそのような評価を国民の皆さんから得られるように管理者、職員一体となりまして今後努力をいたしたいと思いますので、よろしく御指導のほどをお願いしたいと思います。
#158
○安武洋子君 私は、午前中にいわゆる行革一括法によりまして生じました共済の長期経理の国庫負担金の四分の一削減の問題についてお伺いをいたしました。
 五十七年から五十九年までの間に政府は共済組合に債務を負うわけなんですが、これは法的にどういう債務になるんでしょうか。大蔵省はどういう債務だとお考えなのかということをお伺いいたします。
#159
○政府委員(宍倉宗夫君) 法律的に言うとどういう債務かというのはなかなかむずかしいと思いますが、法文に従って申し上げますれば、繰り入れをしなかった部分につきましては、年金財政の安定を損なわないように国の財政状況を勘案しつつ、財政再建期間といいますか、特例適用期間後において繰り入れその他の適切な措置を講ずるものとすると書いてありますから、特例適用期間後に繰り入れその他適切な措置を講ずる責務を政府は負っておる、こういうことかと思います。
#160
○安武洋子君 いずれにしても、共済からお金を借りているというかっこうであることは間違いないわけですね。ということは、私はやっぱりこれは国庫負担の未収金として削減分を計上するのが至当ではなかろうかというふうな考えを持っておりますけれども、これを返すとき、利子を含めてお返しになるんでしょうか。利息というのは法定の五分五厘なんでしょうか、あるいは、運用益を含めた六分四厘でしょうか、その点をお伺いいたします。
#161
○政府委員(宍倉宗夫君) 先生おっしゃった中で、借りているのは間違いないだろう、平たく言えばそのとおりだと思いますが、厳密に言いますと、借りる、返すという表現じゃなくて、特例適用期間中は繰り入れをしない、こういうことでございまして、特例適用期間後におきましてその差領分を再繰り入れをするといいますか、繰り戻しをするといいますか、そういう性格のものと思っております。
 それから利子はどうするんだ、こういうお話でございましたが、利子相当分、運用利益相当分につきましては、元本部分といいますか、その差額に相当する部分と一緒に取扱って適切な措置を講ずる、こういうことを昨年の秋に何遍か申し上げているわけであります。
 それでは、その場合の利率といいますか運用利回りといいますか、それは幾らにするんだ、こういうお尋ねでございましたが、その辺のところはまだはっきりと決まってございません。先生おっしゃるように、五分五厘とか六分五厘とか、いろんな考え方があろうと思いますが、はっきりとは決まってございません。
#162
○安武洋子君 おっしゃるそれは、法律にはそう書いてありますけれども、しかしいずれにしても共済側からはこの当然来るべき国庫補助金が来ない、削減されているんだということですから、私はこれは運営協議会の理事者の方から、潜在的債務であるというふうな規定をなさったというふうなことを聞いておりますけれども、やっぱり私どもとしては、これはあくまでも国庫負担未収金というふうな性格を持つのではなかろうかというふうに思っているわけです。
 そこで、臨調にお伺いをいたしますけれども、臨調で年金につきましていろいろと論議をなさっているようです。第一次答申では、現行の制度、これを前提にいたしまして年金給付の抑制を答申しておりますけれども、七月に行われるという基本答申、これでは、マスコミなどの報道によりますと、制度そのものについての答申をなさろうとしているというふうに聞いております。年金問題につきまして、いまのところどのようなことを論議なさっていらっしゃるんでしょうか、お伺いをいたします。
#163
○説明員(谷川憲三君) お答えいたします。
 臨時行政調査会では、現在四つの部会で七月の基本答申に向けて精力的に審議をいたしております。年金問題につきましても、第一部会、第二部会、それから第四部会それぞれ検討をいたしております。
 第一部会では、重要行政施策のあり方の検討の一環としまして社会保障政策が取り上げられ、将来を展望した年金制度のあり方については、年金財政の長期的安定確保の問題、それから制度間の格差の是正の問題、それから年金制度の一元化の問題等の問題を中心に検討を行っております。
 それから第二部会では、中央省庁の組織の問題などを分担しておりますが、年金行政についても、年金制度改革の推進にあわせて行政機構や体制の改革が必要であるという認識のもとで、年金行政機構の一元化あるいは年金業務処理体制の一元化などの問題を中心に機構、体制のあり方について検討をいたしております。
 それから第四部会におきましては、三公社、特殊法人等の合理化の問題を分担いたしておりますけれども、国鉄の経営形態の見直しを含めた改革案の検討の一環としまして、国鉄の年金問題について検討いたしております。
 各部会とも、関係省庁、学識経験者等からのヒヤリングあるいは意見交換を行いますとともに、自由討議を重ねているところでございまして、現在のところ、具体的な改革案をまとめる段階には至っておりません。
 以上が現在までの検討状況でございます。
#164
○安武洋子君 一元化ということが再々出てまいりましたが、国鉄共済に端を発しまして公企体と国公の共済の一元化、これが臨調でも論議をされていると思いますが、いま、論議はどの点まで進んでいるでしょうか。
#165
○説明員(谷川憲三君) 年金制度全体として将来一元化する方向でということは議論されておりますが、そのステップ、具体的な段階等については必ずしもまだ現在方向が決まっておりません。議論はされております。
#166
○安武洋子君 私は、当面国鉄の共済が大変厳しい状態だというふうなことで他の共済と一緒にするというふうなことは、これは一時的に時間延ばしを図ろうというふうなもので、これも根本的に考えない限り、行く行くは他の共済も退職者がふえるというふうなことで、財政的に行き詰まってくるというふうに思います。ですから共倒れになる危険性もあるわけです。大蔵省は一元化の問題点はどのようにお考えになっていらっしゃるんでしょうか、お伺いいたします。
#167
○政府委員(増岡康治君) 大蔵省の立場で申し上げますと、国共済と公企体共済と仮に一元化するという、仮に統合した場合の問題点を申し上げます。
 まず第一に気がつくことは、大体ほぼ同一の内容を持っておりますけれども、最初に給付算定の基礎俸給が国共済の場合は退職前の一年間の平均でやるということになっております。ところが、公企体共済は退職時の俸給そのものでやるということで出発点が異っておるということがございまして、これらをどういうように調整するか。これらはいずれも既得権あるいは期待権というものがひそんでおりますので、ここらは技術的にも相当むずかしい問題があります。それから、これはけさほどからずっと出ておりますように各保険集団の財政状況が全部違う、こういうことでございますし、また沿革もいろいろ歴史的な背景がある、こういうことで、まともにぶつかりますとこれは非常な利害関係の問題が出てくるということで、これもなかなか合意するには問題点があろうかと思っておるわけでございますが、結論といたしまして、先生おっしゃるように単なる統合でございますと単なる一時しのぎになろうかということをわれわれも実は考えておるわけでございますが、御指摘のとおり、今後は給付と負担とのバランスのとれた安定した年金制度にしていくという方向が一番大切でございまして、やはり長期的には公的年金の統合一元化、これしか方向がないんじゃないか、こういうような見方をしておりますし、臨調さんのいろんな答申をじっと眺めておると、そういう立場であります。
#168
○安武洋子君 では運輸大臣は、国鉄共済と他の共済の一元化、たとえば電電とかあるいは郵政とか、あるいは国公とかといろいろ言われておりますけれども、こうした問題に対してはどのような御見解をお持ちなんでしょうか。
#169
○国務大臣(小坂徳三郎君) 大変虫がいいんですが、一緒にさしてもらったらありがたいと思っております。
#170
○安武洋子君 いまも問題点をお出しになりましたけれども、私は単に国鉄共済と国公共済、運輸大臣は一緒にしてもらったらありがたいとおっしゃいますけれども、これは国公共済の方から見てみますと、やはり給付率等こういう低下が予想されるわけですね。私は、いずれにしてもどの共済組合の組合員にしてもしわ寄せを組合員のところに持っていく解決方法というのはやるべきではないと、そういうふうに考えているわけです。
 そこで、非常に気になることですのでお伺いをいたしておきますけれども、大蔵省の野尻栄典さんとおっしゃるんでしょうか、大蔵省の主計局の共済課長さんでございますね。この方が大蔵省の主計局の共済課長という肩書きで「共済新報」十一月号に論文を書いてなさいます。私拝見をいたしました。一応私見であるという断りを書いておられます。しかし、共済組合連盟の発行の雑誌、それに大蔵省主計局の共済課長と、こういう肩書きで執筆をなさいますと、これはやっぱり世論に与える影響は大きかろうと、大体大蔵省としてはこういう考え方であるのだなと皆が思うわけで、世論形成に大きな役割りを果たすわけなんです。
 そこで、ここに書いておられる中身について、これが大蔵省の御見解なのかどうかということを順次伺ってまいりたいと思いますが、まず最初に、この方は、年金の支給開始、これは公的年金の支給年齢というのは六十五歳に引き下げるという方向でなければならないということを示唆されております。大蔵省の方針は公的年金は六十五歳ということでございましょうか。
#171
○政府委員(宍倉宗夫君) 野尻共済課長が書きました論文は、確かに私見を述べますということは書いてありますし、肩書きとして共済課長ということになってないわけであります。何といいますか、しり書きみたいな形で共済課長という最後に出ておりますけれども、肩書きで自分でやったんじゃない、私見でありますと、こういうふうにお断りをしてあるわけであります。中身につきましては、ただ、そうは申しましても、確かに共済課長をやっておられる人が書いているわけでございますから、私も見てみましたけれども、中で書いてあることは、それぞれ皆問題としてみんなで考えていくに値することが書いてあろうかと思います。
 先生いまおっしゃいます六十五歳にするのが大蔵省の方針かというようなお尋ねでございましたが、まだ六十五歳にするのがいいんだということを大蔵省として決めたことはございません。それらの問題も含めまして、いま共済年金制度の基本問題研究会でいろいろな議論をいたしていただいておりますが、基本的にはこの論文の全体を通して言っておりますことは、給付と負担の双方がバランスがとれませんと年金というものはもたない。先生が先ほど来おっしゃっておりますように、それぞれの共済組合、厚生年金だって広く言えばそうでございますけれども、保険集団がいろいろあるけれども、それぞれみんなどうか、将来不安ではないかと、それぞれ一緒になっても一時しのぎにすぎないんじゃないかと、抜本的な問題が必要なんじゃないだろうかと、こういう仰せでございますが、まさにそのとおりでございまして、その基本的な面というのは、まさに給付と負担双方のバランスをどうとるか、六十五歳支給の問題というのは、給付面の調整を考える場合におきまして、御承知のように日本の場合は皆六十歳ということになっておりますけれども、外国はほとんどみんな六十五歳ということでございますので、日本と外国との年金制度を比較した場合に、六十五歳にすることを問題としてみんなで考えていこうということは当然ではなかろうかと思っております。ただ、結論的にいま六十五歳にすべきであるかどうかということを大蔵省が決めたことはございません。
#172
○安武洋子君 バランスの問題が重要なのでと、ここではバランスの問題を大変訴えているんだということでございましたが、そのバランスのとり方に問題があるということで私は御質問を申し上げているわけなんですが、給付の重複部分の整理ということも言われているわけです。これも一つのバランスのとり方として、勤労世代の所得水準に比べて老齢世代の年金所得の水準が一世帯二年金の場合も、それから同一人二年金の場合も割り高になるというふうなことで、一世帯一年金というふうな方向を示唆もされていると、それからこれが大蔵省の方針かどうかということも伺いたいわけです。
 さらに、現職者の実収入というのをこれを家族一人当たりに換算されております。私、このやり方に疑義がございますが、これで三十六歳から三十七歳の中堅職員の実所得の方が高齢者世帯の所得よりも少ない云々というふうなことで、両者のバランスをとらなければならないとしながら、年金を減らすのは一挙には無理だと、こうは書いてなさいますけれども、一挙でない、やっぱり減らす方向を示唆されている。年金を減らしていくというバランスのとり方というのが大蔵省の方針かどうかということ、あるいは現職者の受け取る可処分所得ベースと適切なバランスを保つ年金水準と、こういうことで臨時給与からも保険料を取る必要が生ずるのであるというふうなことを書いてなさるというふうなことで、こういうバランスのとり方も大蔵省の方針かどうか。私はバランスというものは、やはり上位にとっていくべきであって、いい方にバランスをとっていくというとり方をすべきなのに、これはすべてそうではなくて、反対方向にバランスをとるというふうなところに大問題があるのではなかろうかと思いますが、大蔵省はこういう方針を持ってなさるのか、御答弁願います。
#173
○政府委員(宍倉宗夫君) おっしゃいますように、給付と負担のバランスをとりますときに、できるだけいい方にバランスをとっていくというのは大変に望ましいことだと思いますが、しかし現実の問題といたしまして、先ほど来御議論がございますように、各年金制度がいまのままの制度でございますといずれ財政上の破綻がくるということは、相対的に給付と負担と比べてみますと、給付が上位にあって負担が少ないということを端的にあらわしているわけでありまして、でございますから、いい方にさやを寄せていくということにいたしますと、負担を当然引き上げていかなきゃいかぬということになります。
 先ほど来各保険集団が申し上げておりますように、財源率を上げてまいりましてもなかなかつじつまが合わないというようなことでございまして、じゃどこまでその負担を上げていったら上げ切れるんだ、これも限度というものがおのずからある。ただ、問題なのは、負担の限度というのはどの辺だろうかというふうないろいろ議論ございます。で、いまは西ドイツの保険料が一番高い。西ドイツの保険料は年収ベースで一八・五%ということになっておりますが、これが一番高い。そこに行き着くまでには日本の場合はまだかなりの幅がございますけれども、しかし西ドイツの水準まで、一番世界で高いその水準までいったところで、やはりいまの給付水準ではどうもやっていけそうもないというような心配がございますものですから、給付の面で、たとえば一人で二つの年金を取るとかといったようなものについてはやっぱり調整をしていって、みんな何といいますか高いところで皆さんが給付を受けられればよろしゅうございますけれども、そうでないならば、年金を受けられる方の何人かは二つの年金を受けられるというようなことではどうもおかしいんじゃないだろうか、皆さんが平等にといいますか一つずつの年金でやっていっていただくということを考えることも必要なんじゃないか。
 この種の議論というのは、何も共済制度に限りませんで、全般的な議論としてあり得るのではなかろうかと思っておりますが、具体的に大蔵省として個々の問題点につきましてかくかくあるべしという結論はいまは得ておりません。先ほど来申し上げておりますように、幾つかこれ、今後国会を含め国民の皆様方に御議論いただき、選択をしていただかなければならない問題だろうと思っております。
#174
○安武洋子君 異論はありますけれども、残念ながら時間が来ましたので、また次にやります。
#175
○柄谷道一君 国鉄共済の長期経理の収支状況でございますが、私自身の調べましたもの及びただいままでの答弁を総合いたしますと、昭和五十一年度以降成熟度の高度化に伴って収支が悪化してまいりました。五十五年度では成熟度が七三・八%に達し、収支は百六十八億円の赤字を計上し、積立金は三千八百四十三億円と減少しております。
 そこで、これに対応するために組合員の掛金率、国鉄負担金率のいわゆる財源率を五十六年度以降引き上げまして、五十九年までは何とか収支の均衡をとろうとしておりますが、収支計画策定審議会の答申を眺めてみますと、昭和六十年には成熟度一一六%、一千七億円の赤字、さらに六十一年度は成熟度が一二一%に達し二千七百十六億円の赤字、そして積立金はついに六百五十二億円となり、六十二年は成熟度一二三%、三千二百五十五億円の赤字、そしてこの時点で積立金は底をついてなお二千六百三億円の赤字を生ずる、これが国鉄共済の全貌であろうと思います。
 そこで、端的に確認をしたいと思いますが、このような現状のもとで国鉄当局としての考えは、他にお世話になることで余り積極的には物が言えないが、総裁の諮問機関である船後委員会の答申による国家公務員共済及び他の二公社の共済組合と統合する以外に手はないと、こういうお考えであると理解してよろしゅうございますか。
#176
○説明員(三坂健康君) 先生御指摘になりましたように、国鉄は給付者が、戦中戦後採用いたしました職員が急激にふえてまいりまして、他方、組合員の方は合理化でどんどん減ってまいりますので、御指摘のような状態ではもはや単独の年金として維持していくことはきわめて困難になってまいっておりますので、やはり先ほど来話の出ておりますような方向で救済措置を考えていただく以外に方法がないというふうに考えております。
#177
○柄谷道一君 運輸大臣にお伺いいたしますが、五十五年度、国鉄からは三千二百四十七億円の国鉄負担金と追加費用が年金に投入されております。これが国鉄財政圧迫の一つの大きな要因になっておるということは否定できません。今後、ただいま国鉄の当局から言いましたように、国鉄の負担額というのは年々増加してまいります。したがって、国鉄再建を考える上で年金問題をどう処理するか、これは避けて通ることができない重要な課題になっておると思います。
 そこで、運輸省のお考えは、まだ大臣私案の段階でございますけれども、この国公及び公社統合それのみでございますか、共済年金対策はその一点のみでございますか、他に方法をお持ちでございますか、お伺いします。
#178
○国務大臣(小坂徳三郎君) いまの現時点では、残念でございますが、合体を希望するというところでございます。
 ただし、その他の経費あるいは人件費全般において節約をして国からの助成をなるべく減らそうということは、他面において努力をしていくのが当然ではないかというふうに思っております。
#179
○柄谷道一君 私的諮問機関の問題はこの際余り触れませんけれども、大蔵省にお伺いしますが、一昨年六月以来持たれております共済年金制度基本問題研究会、本年六月ごろ答申が出ると聞いておりますが、その方向としては、おおむね国家公務員、三公社統合という方向であろう、こうもっぱら言われております。国鉄の諮問機関の答申も同方向でございます。運輸大臣の私案ではございますが、これも同方向でございます。また第二臨調の答申も同じような方向がいま検討されていると聞いているわけでございます。
 そこで、お伺いしたいことは、この国家公務員及び三公社が合体しても収支が均衡するのは六十二年までということですね。したがって、暫定的に国鉄共済の財政問題を切り抜ける、ないしは財政処理の解決を先延ばしするという方法としてこの問題は考えられても、これは根本的な各種共済の将来恒久策ではあり得ない、これはもう明確な事実でございます。そこで、いまのところはその検討までしかいかない、先のことは先のことだというお考えかどうか、お伺いします。
#180
○政府委員(宍倉宗夫君) 先ほども申し上げましたように、合体しましたときに六十二年度まで単年度で黒字で六十三年度から単年度で赤字になる見込みですと、こう申し上げたわけでありますが、それは各年金の財政再建時の財政収支見込みを単純に合算したものでございますから、もう少し実際には長くなると思います。それにいたしましても、先生御指摘のように、じゃこれで昭和百年までもつのかと、いやもちません、こういうことになるわけでございますから、それで永久の解決方法ではないではないかというのはそのとおりでございます。
 それで、いま研究会等で御議論いただいておりますのは、公企体共済と国共済と統合をすればそれですべて終わりだというようなことだけではございませんで、年金制度が被用者年金、少なくとも被用者年金を越えまして、国民年金も含めまして公的年金全体として将来一元化をしていくと、大きな保険集団の中で考えていくと、そういった大きな流れの中のワンステップとしての位置づけでこれを考えていこうという取り組みのなさり方をしていると思います。
#181
○柄谷道一君 その場合、現在の財政負担率のあり方についてこの際抜本的に検討をするということは検討課題に入っておりますか、いませんか。
#182
○政府委員(宍倉宗夫君) 御承知のように、日本の年金制度は諸外国の年金制度に比べまして財政負担が多いというのが特徴でございます。すでに多いというのが特徴でございますから、財政負担でこの年金制度の問題、年金制度の財政の窮迫をよく支えられるかどうかという問題があるわけであります。
 それで、年金は掛けた方々、国民の皆さんの保険料が基本でございまして、事業主の負担金もございますが、じゃ財政負担をしたらどうかと。財政負担も同じく国民の皆様の負担であることには変わりがございませんものですから、税金で皆さんが負担なさるか保険料で負担なさるかということでございまして、全体としての年金と保険料を合計しました国民の負担というのは一体どのくらいまで耐えられるのか、またどのくらいまでなら国民の皆様に納得してお出しいただけるのかというところに、問題の最後はそういうところに帰着いたすわけであります。いずれにいたしましても、将来昭和八十年前後になりますれば、いまのような年金といたしましての積み立て方式というのが恐らくみんなできなくなりまして賦課方式になると思いますが、賦課方式になりましたときにはもっともっといまよりも、年金の財源が税金とそれから保険料という形で毎年のフローの中から出てくるわけでございますから、その辺の国民の負担と給付とのバランス、しかもOBと現役とのバランスという面の意識がいまよりもさらに鮮明になってくるということになろうかと思います。
#183
○柄谷道一君 この問題は私、年金論を闘わせる時間的余裕がございませんけれども、この問題は世代間の負担の問題であり、また本人のいわゆる保険料ないしは共済掛金という負担の比率といわゆる税金というもので負担する比率、これは社会保障の根幹にかかわってくる私は論議であろうと思うんです。したがって、単に機械的に統合して平準化すれば事足りるというのではなくて、私はこの際根本的なそうした今後の共済の財政負担のあり方、これが真剣に検討され、その結論を導くという姿勢が当然あってしかるべきだと、この点だけは指摘いたしておきたいと思います。
 そこで、電電にお伺いいたしますが、これも時間の関係で私の方から申します。
 電電共済は現在成熟度一八・二%、本人及び使用者の掛金率はそれぞれ五・一五%、七・一%と、他の共済に比べて最も少のうございます。昭和六十五年の成熟度見通しも三二%と考えられる。したがって、この一元化というものになりますと、仮に実現をいたしますと、最も掛金率が上がり、かつ積立金がなくなる時期を早めるのは電電共済であろうと、こう思うんでございますが、このような統合案を受け入れる労使の体制づくりについて確信がございますか。
#184
○説明員(小川晃君) お答えいたします。
 ただいま先生御指摘のように、電電の共済の成熟度につきましてはきわめて良好な数値になっております。組合員の掛金も千分の五十一・五ということで、国家公務員と大体同様の数値になっております。また、今後の収支見通しにつきましても現行の財源率千分の百二十二・五を適用していきますというと、相当の期間、単独運営が可能であるというふうに考えております。したがいまして、仮に三公社共済、国家公務員の共済組合の統合一元化が図られました場合には、当電電の共済組合自体に関係のない理由によりましてきわめて急激な負担の増加等の結果を強いられるというようなことにもなります。また、私どもの組合にとりまして、年金財政の面におきましても長期的な安定化が保障されるかといいますと、これも将来に問題が残るというようなわけでございまして、組合員の合意を得るというのはきわめて困難だというふうに考えております。
#185
○柄谷道一君 大蔵省にお伺いいたしますが、同様国家公務員共済、現在成熟度二八・二%でございますが、これは漸次高まり、昭和六十五年には五〇%に達すると推定されております。電電ほどではございませんが、これも掛金率の増加を招くことは避けられません。当然この問題は国家公務員共済組合審議会の意見を徴し、その意見を尊重されるものと考えますが、間違いございませんか。
#186
○政府委員(宍倉宗夫君) そういうこと、つまり統合ということになりますれば、国共審の意見を聞くということは当然であります。それで、先生いま御指摘のように、国共済は国鉄共済よりも状況よろしいわけでございますから、短期的といいますか中期的といいますか、に見れば、国鉄共済と統合、一緒にならない方が国共済としてはよろしいわけであります。しかしながら、国共済にいたしましても、それから電電の共済は国共済よりさらによろしいわけでございますが、しかしどこの共済にいたしましても、単独運営でやってまいりますれば遅かれ早かれ、何年か遅いか、何年か早いかというだけの話で、皆おかしな状況になるということは、これは数理計算してみれば明らかなわけでありますからして、そこのところをどういう見地に立って物を考えていくかということだと思います。国共審でも当然いろいろ御議論があろうと思いますけれども、そこのところは、私ども研究会の結論でございますとか臨調の答申が出ました暁におきまして、もしもそういう方向で進めということでございますれば、それぞれ御納得が得られるように説得を続けてまいらなければならないと覚悟いたしております。
#187
○柄谷道一君 専売共済でございますが、現在成熟度は四七・九%、国鉄に次いで高い成熟度を示しておりますし、昭和六十五年になりますと成熟度は七四%、現在の国鉄共済とほぼ同様の姿があらわれてくる、これはもう計数的に明らかでございます。そこで、専売といたしましては、共済一元化に対してどういう姿勢で臨もうとしておられますか。
#188
○説明員(丹生守夫君) 専売共済の年金財政でございますが、先生御指摘のように、現時点では危機的な状況にはございませんけれども、長期的に見てまいりました場合には、先々問題が出てまいるということでございます。年金制度を統合いたしまして保険集団を大きくしたらいいじゃないかという議論がございますが、年金財政を安定化させていくという面では一つの見解であろうというぐあいに私ども考えております。ちょうど共済年金制度基本問題研究会の検討が続いているところでございますので、その結果を踏まえまして対処をさしていただきたいというぐあいに考えております。
#189
○柄谷道一君 郵政当局にお伺いいたしますが、郵政共済は現在成熟度三九・三%、六十五年には約五三%に達すると推定されております。しかし、郵政の共済につきましては、国家公務員及び三公社と若干異なる条件を持っている、こう私は思うのでございますが、統合に関する郵政の御所見をお伺いしたい。
#190
○説明員(水町弘道君) 国鉄を含めました三公社と国家公務員の年金を統合いたしますことにつきましては、掛金率、負担金の率それから財政状況、そういったことにつきまして大きな影響があらわれるのではないかと考えておるところでございます。したがいまして、郵政省の共済組合という立場におきましても、これらの問題につきまして慎重に検討してまいらねばならないのではないかというふうに考えております。
#191
○柄谷道一君 時間が参りましたので、最後に行管長官にお伺いいたしますが、鈴木総理は行革臨時国会で、年金の統合化、この問題について非常に積極的な姿勢を示されたわけでございます。年金統合化にはいろいろの段階を踏んでいかねばならぬ、その一段階として生まれてきておるのが、国家公務員及び三公社共済の統合というものがいま表面に浮かび上がってきておるわけでございますが、ただいま御答弁がありましたように、これは負担の平準化というものを伴うものであるだけに、スムーズにさっといくものでもなければ、これに到達するにはいろいろの階段を上がっていかねばならないと思うんです。しかも、この階段を登り詰めれば、次は厚生年金等の被用者保険との統合問題が浮かび上がってまいります。
 ところが、わが国の状態を見ますと、厚年は社会保険審議会、国民年金は国民年金審議会、国家公務員は国家公務員共済の審議会、公社関係はそれぞれの労使の交渉、統一的に高齢化社会を展望してその方向、そして調整の審議をする場というのが全くないというのがこれ実態になっておるわけです。大蔵省は辛うじて私的諮問機関という、まあ行政組織法八条をある程度無視したと言えば失礼でございますが、そういう便法を講じなければならぬと、こういういま実態ですね。
 そこで、行管庁長官として、今後の年金問題というのは老齢化社会を控えて大変重要な問題でございますが、これを全国民的な視野で検討し、そのプロセスというものをつくり上げていく、そして国民合意を形成していく、そのような場づくりについてどういうお考えをお持ちなのか、これを伺って質問を終わります。
#192
○国務大臣(中曽根康弘君) 臨時行政調査会におきましても、この年金の統合問題というのは一大問題でございまして、つとに検討されておるところでございます。恐らく今回の答申に際しましても、各種の歴史と伝統を持っておる年金をどういうふうに統合するか鋭意研究が進められておるはずでございます。大体粗ごなしに大きい土くれをひっぱたいて主ならしをやると、方向を大体指示すると、こういう形でまず進められるのではないかと思います。そういうような場合には、当然各種審議会にそれは諮ってまいりますが、しかる上に今度は各論に入ってまいりまして、どういうふうに具体的に統合していくか、格差をなくすか、負担の公平を期するか、問題の障害物を排除していくかというような問題が次に具体的に出てくると思いますし、またいずれそれらをつかさどる監督官庁につきましても、それを分立したまま各所の役所がやっていいのかどうか。年金関係やらこういう保険関係につきましても、統一ある所管官庁が必要ではないかというような議論もございまして、そういう関係の行政機構についてもいずれ論及されていくものではないかと、そう思っております。
 いずれにいたしましても、この年金の統合問題というものは非常に大きな重要な問題でございまして、臨時行政調査会においても非常に精力的にやっておるところであり、われわれはその答申を期待して待っておるという状態でございます。
#193
○委員長(遠藤要君) 両案に対する質疑は本日はこの程度とし、散会いたします。
   午後四時十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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