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#1
第096回国会 内閣委員会 第10号
昭和五十七年五月十一日(火曜日)
   午前十時十三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十一日
    辞任         補欠選任
     桧垣徳太郎君     岩本 政光君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         遠藤  要君
    理 事
                伊江 朝雄君
                林  ゆう君
                片岡 勝治君
                柄谷 道一君
    委 員
                板垣  正君
                岩本 政光君
                岡田  広君
                源田  実君
                竹内  潔君
                林  寛子君
                堀江 正夫君
                山内 一郎君
                野田  哲君
                矢田部 理君
                山崎  昇君
                中尾 辰義君
                峯山 昭範君
                安武 洋子君
                秦   豊君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  渡辺美智雄君
       運 輸 大 臣  小坂徳三郎君
       国 務 大 臣
       (行政管理庁長
       官)       中曽根康弘君
   政府委員
       内閣法制局第二
       部長       関   守君
       臨時行政調査会
       事務局首席調査
       員        山本 貞雄君
       行政管理庁長官
       官房総務審議官  門田 英郎君
       行政管理庁長官
       官房審議官    古橋源六郎君
       行政管理庁行政
       管理局長     佐倉  尚君
       行政管理庁行政
       監察局長     中  庄二君
       大蔵省主計局次
       長        宍倉 宗夫君
       運輸省鉄道監督
       局国有鉄道部長  永光 洋一君
       運輸省自動車局
       整備部長     宇野 則義君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木 源三君
   説明員
       郵政省電気通信
       政策局データ通
       信課長      江川 晃正君
       日本国有鉄道常
       務理事      竹内 哲夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○行政事務の簡素合理化に伴う関係法律の整理及
 び適用対象の消滅等による法律の廃止に関する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○昭和四十二年度以後における国家公務員共済組
 合等からの年金の額の改定に関する法律等の一
 部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○昭和四十二年度以後における公共企業体職員等
 共済組合法に規定する共済組合が支給する年金
 の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等
 共済組合法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(遠藤要君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 行政事務の簡素合理化に伴う関係法律の整理及び適用対象の消滅等による法律の廃止に関する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。中曽根行政管理庁長官。
#3
○国務大臣(中曽根康弘君) ただいま議題となりました行政事務の簡素合理化に伴う関係法律の整理及び適用対象の消滅等による法律の廃止に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 政府は、行政改革を当面する最重要な課題の一つとして位置づけ、その推進に取り組んできているところであります。その一環として、政府は、行政事務の簡素合理化等を進めることとし、去る二月十日に行われた臨時行政調査会の許認可等の整理合理化のための「行政改革に関する第二次答申」について、今般、これを最大限に尊重し、速やかに所要の施策を実施に移すとの基本方針を決定したところであります。この基本方針を踏まえつつ、同答申の指摘事項を初めとして行政事務の簡素合理化に関するかねてからの改革合理化の課題のうち、法律改正を要する事項であって一括して法律改正を提案いたすことが適当と認められる事項について関係法律の整理を行うとともに、あわせて、適用対象等が消滅し及び行政目的を達成したこと等により法律の廃止を行うこととし、ここにこの法律案を提出した次第であります。
 次に、法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
 この法律案は二つの部分から成っております。第一章は、許可、認可等行政事務の簡素合理化に伴う関係法律の整理に関するものであります。その内容といたしましては、許可、認可等による規制等の行政事務を今日の段階において継続存置する必要性が認められないものにつきましてはこれを廃止することとし、現行の規制等の範囲、方法等でこれを現状のまま継続することが適当と認められないものにつきましては緩和その他の改革を講ずることとし、行政事務運営の手続等について簡素化することが適当と認められるものにつきましてはこれを促進することとし、これらに伴い十三省庁の三十五法律の規定の整理を行うことといたしております。
 その内訳を申し上げますと、第一に、臨時行政調査会からの「行政改革に関する第二次答申」関係の事項でありまして、旅券法の一部改正による一般旅券の発給に係る代理申請の範囲の拡大、公衆電気通信法の一部改正によるデータ通信回線利用の規制緩和など十五法律の一部改正を予定いたしております。
 第二に、昨年十二月二十八日閣議了解「行政改革の推進に関する当面の措置について」に係る許可、認可等の整理計画関係の事項でありまして、たばこ専売法の一部改正による製造たばこ小売人の指定期間の延長など八法律の一部改正を予定いたしております。
 第三に、行政事務の簡素合理化に伴う法律の整理に関する従来からの懸案事項でありまして、「トラホーム」予防法の一部改正によるトラホームの予防治療施設に関する必置規制の廃止など十五法律の一部改正、前述の第一及び第二関係事項に係る改正法律と重複する法律を除きますと十二法律の一部改正を予定いたしております。
 第二章は、適用対象の消滅等による法律の廃止に関するものであります。その内容といたしましては、適用対象または関係事務の消滅等によりいわゆる実効性を喪失した法律及び行政目的がほぼ達成され存置の必要性が乏しくなった法律について廃止を行うものであります。これにより、十三府省の三百二十法律を廃止することといたしております。
 以上のほか、これらの措置に伴う所要の規定の整備を行うことといたしております。
 なお、これらの法律の整理及び廃止は、原則として公布の日から行うこととしております。ただし、特別の事情のあるものにつきましては、それぞれ別に定める日に行うことができることといたしております。
 以上がこの法律案の提案理由及び内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
#4
○委員長(遠藤要君) それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#5
○野田哲君 まず中曽根長官に、行革問題について、何回も私は行革問題で中曽根長官とは本会議でも当委員会でも長官の見解をただしているわけですが、またどうしても聞いておかなければならない問題がありますので、基本的な考え方について伺いたいと思うんです。
 先日、五月四日の朝日新聞の夕刊を見ますと、
 「行革失敗なら改憲も出来ぬ 中曽根長官が発言」、こういう見出しの記事、御承知だろうと思うんです、そり新聞の記事は。中身を見ますと、五月四日にある集会に出席をされて、「一万数千人の聴衆を前にした祝辞のなかで「私はまず行政改革を断行し試練にたえる。これに失敗したら教育も防衛もダメになる。いわんや憲法を改正することはできない」と述べた。」と、こういう内容になっているわけであります。行革に失敗したら教育も防衛もだめになる――どういうふうにこれはつながっているのかよくわからないし、まして、行革に失敗すれば憲法を改正することはできないに至っては、どう考えてもこれは私どもにはそのつながりも理解できないし、これをよく読んでみると、行革というのは憲法改正の前提としてやられているのか、こういうふうに私どもは受けとめざるを得ないわけでありますが、この新聞報道に述べられている行革に関連したこの問題これは一体長官の真意はどこにあるのか、まずそれを承りたいと思います。
#6
○国務大臣(中曽根康弘君) その報道は間違った報道でございまして、私は憲法改正という言葉を使ったことはございません。したがいまして、その新聞に対して私から厳重な抗議をいたしました。
 私が申しました趣旨は次のごとくでございます。行政改革というものは自主自立の精神から行うものであり、そして試練に耐えるものであると、もしこれに失敗したならば、それは教育の改革も防衛もできないし、憲法をつくる力もだめになると、憲法をつくる力という言葉を使ったのでございます。憲法をつくる力という意味は、いわゆる憲法典をつくり、これを擁護し、これを改正する、そういう民族のエネルギーの原動力を意味しているわけです。つまり、それは自主自立という根性と申しますか根源的なエネルギーを意味しておるわけでございまして、そういう意味で憲法をつくる力、それは言いかえれば行革をやろうとする試練に耐える自主自立の精神に通ずる、そういう考えがありましたので申し上げたのでございまして、特定の憲法を改正する――憲法を改正するという言葉は使ってはおらないので、新聞記者が間違って報道いたしました。
#7
○野田哲君 いまの長官の説明を聞きますと、私がやはり新聞記者であればこういういま報道されているような書き方になるんだと思いますよ、私の認識としても。それは、憲法改正というような言葉は使っていないと言われたわけですけれども、この行革ができないようでは憲法をつくる力にはならない、そして自主自立のエネルギーは出てこない、こういうふうに説明をされたわけですが、憲法をつくる力というのは、つまりいま現に憲法がある、それに対して別の憲法をつくろうという運動、動きがあるわけであります。その動きは、いわゆる自主憲法、自主的な憲法をつくろう、こういうことで、いまの憲法は自主的ではない、こういうふうに主張されているわけでありますから、いまの長官の説明というのは、やはり自主的な憲法をつくる力が行革ができないようでは生まれてこないと、こういうことで、やはり「行革失敗なら改憲も出来ぬ」ということに、見出しとして縮めて言えばそういう形になってくるんじゃないかと。
 だから、その長官の発言の根底には、やはり行革ができないようでは自主的な憲法をつくるエネルギーも生まれてこないという、つまり改憲もだめだと、こういう意識があったからそういう、表現は直截的でないけれども、やはりいまの説明から言えば、別の憲法をつくる力、自主的な憲法をつくる力は生まれてこないということを表現されているんじゃないんですか。
#8
○国務大臣(中曽根康弘君) この点は、ちょっと御説明申し上げて恐縮でございますが、憲法論の中で私が昔勉強した中で、フランス人のデュベルジェという教授が憲法の制定権力ということと制定された権力ということを言っておるんでありまして、プーボワール・コンスティテユアンというのは制定権力で、プーボワール・コソスティテユエというのが制定された権力。制定されたというものは、成文憲法になったものとかあるいは憲法律になった諸制度を意味している。それをつくる根源的なものをプーボワール・コソスティテュアン――制定権力と訳しておりますが、そう言っているわけでございまして、その根源的な力が憲法を制定し、あるいはこれを擁護し、あるいは改正する、そういう民族のエネルギーの原動力を意味しておるわけです。私は、憲法を制定する、あるいは改正する、あるいは擁護する、そういう現象面のことを言わないで、その根源にある民族のバイタリティーを指して言っておるのであります。それが自主自立あるいは試練に耐えるということと通じておるのでありまして、ちょっと恐縮な御説でございますが、そういう真意で申し上げたのでございます。
#9
○野田哲君 そういたしますと、この新聞報道のあの集会で発言をされた中曽根長官の真意、いま自由民主党の中にも自主憲法制定の動きがかなりテンポを速めて進められている。あるいはまた、民間の団体でも日本を守る国民会議、こういう運動体があって憲法についての動きがいろいろある。こういう状況で、中曽根長官が出席をされたこの団体もやはり自主憲法制定ということに対してかなり強い動きを示している団体でありますが、長官自身は自主憲法制定、いまの憲法を変える、こういう意識で言ったものではないと、こういうふうに明確に答えられますか。いかがですか。
#10
○国務大臣(中曽根康弘君) 私は、いま行政改革を担当しておる責任者でございまして、行政改革のことをもっぱらその場合は訴えたのでございます。
#11
○野田哲君 一応そういうふうに受けとめておきたいと思います。
 次に、行政管理庁に伺いますが、いま各省庁で行っている許可認可の業務、この許可認可の件数というのは一体どのぐらいあるというふうに把握をされているんですか。あるいは行政管理庁もしくは臨時行政調査会の事務局、わかっている方で答えていただきたいと思うのです。ある新聞の報道によりますと一万件を超す内容の報道があるわけでありますが、わかれば省庁別に一体どのぐらい許可認可件数があるのか、お答えいただきたいと思います。
#12
○政府委員(中庄二君) 許認可の数字的な実態につきましては、第一回目の臨調が分析を始めた最初でございます。私どもの方でも許認可の実態をつかみますのにさまざまな方法がございますが、まず法律ではどのくらいの数になるのか、国民の権利を制限し義務を課すると、そういうものから申しますと五百三十ばかりございますので、そういうものを今度枝番に分けてまいりまして、どういうふうな形のが一番実態的な許可認可の手続上のあれになるのかという、分け方がさまざまございますが、そういうものにつきましてずっとフォローしてまいりましたが、五十六年の段階でつかまえております数字が全部で一万四十五でございます。大きなところから申しますと、まず運輸省が二千二百三、それから通産省が二千八十、農水省が千四百四十六、千台のところがそういうところでございますし、次いで大蔵省の九百七十一、それから大きなところでございますと建設省の六百二十等々でございます。
#13
○野田哲君 この一万四十五というのは、これ全部法律ですか、それとも政令等によるものか、その内訳はわかりますか。
#14
○政府委員(中庄二君) 法律、政令それから通達等によるものすべてを含めてございますが、いま手元にその内訳の数字をちょっと持っておりません。
#15
○野田哲君 これは後で、法律によるものとかあるいは法律から委任をされて政令で定めてあるものとか、その根拠の内訳を資料として示していただきたい。お願いをしておきます。
 それから、一口に許認可と言っているわけですが、ずいぶんいろいろな用語があるようですね、法律的にあるいは規則的に。許可、認可とか免許とか特許とか承認とか認証とか、一体行政行為で行っている許認可等の用語はどういう種類があるんですか。
#16
○政府委員(中庄二君) 詳細に分けますと約八十ぐらいに及ぶかと思いますが、一般的なので申しますと、まず許可というのが約千五百ぐらい数がございます。これは学問上は法令によって一定の行為が一般的に禁止されている場合に特定の場合これを解除すると、こういうのが俗に許可と言われておりますが、具体的な適用例、実定法上の問題になりますと大分混同はございますが一般的にはそういうふうに言われております。それから次に、認可というのが千四百ぐらいございます。これは第三者の行為を補充してその法律上の行為を完成させる行為、俗にこう言われておりますが、これも実定法上は使い方等さまざまございますが、一番多いのが、一般的に多いのが許可、認可でございます。それから届け出も数は非常に多うございますが、一般にわかりやすい用語から申しますと許可と認可ではないかということから、許認可という用語を使っておる次第でございます。
#17
○野田哲君 要するに国民が申請をしたり届け出なりしてそれを行政機関が承認をするなりオーケーを与えるなりというのは、許可とか認可以外にはほかにどんな用語があるわけですか。
#18
○政府委員(中庄二君) 先ほど申し上げましたようにほぼ八十ほどございますが、一般にポピュラーなものを申し上げますと、まず免許というのがございます。これは先ほど申し上げました学問上の許可とほぼ似たような意味ではないかと思いますが、免許というのがございます。それから特許というのもございます。それから承認、特認、指定、それから登録、登記、それから検定、検査、試験、申告、届け出、報告、同意、協議等というのがございます。
#19
○野田哲君 もう一つ用語のことで伺っておきたいと思うんですが、国民が政府、行政機関に対して手続を経て資格を取得する制度がありますね。この資格を取得する制度についていろいろの名前がついていますね。何々士というようなのがありますね、武士の何々士、行政書士とか司法書士とかというふうな武士の士。それから先生の師というのがありますね、マッサージとかいろいろ先生の方の師というのがあります。こういう政府が認定をして資格を与える名称は大体――上の方の行政書士とか司法書士とかそれはいいんですよ。一番下の武士の士とか、先生の師とか、こういう種類、何々者という者というのもありますね。こういうものは大体どのくらいの種類があるんですか。
#20
○政府委員(中庄二君) 私どもの手元でいまございます資料で、大体資格制度と俗に言われておりますものが全部で三百五十四ぐらいでないかと思います。これにまだなお類似したものもあるのではないかというふうに私どもは考えております。
#21
○野田哲君 私が言うのは、その数を聞いているんじゃないんです。弁護士という制度がありますね、あるいは税務なら税務で資格がありますね、会計なら会計制度についての会計士とかあるいは税理士というような資格があるでしょう。いろいろ武士の士という字を使ったり、先生の師という字を使ったり、者という字を使ったり、いろいろ種類があるでしょう。これは一体どういう種類があるかということを聞いているんですよ。
#22
○政府委員(中庄二君) 急な御指摘でございますので、内訳はきれいに分けてございませんが、手元の資料から見てまいりますと、先生おっしゃいますとおりの武士の士が非常に多うございますし、そのほかでございますと、御指摘のように先生の師もございますし、それから者がございますが、そのほかに資格といたしまして、非常に細かい話になりますが、教諭であるとか助教諭というのも一つの資格と見ております。それから司書、司書補というようなものも入りますし、そのほかでございますと、婦人の関係の何と申しますか保健婦、助産婦、看護婦という婦のつくものもございます。そのほかの種類といたしましては、者のほかで管理人の人というようなものがつくのもございます。大体そういうところが主なところかと思っております。
#23
○野田哲君 国家で一定の学歴なりあるいは本人の実績によって認定する資格について、武士の士を使ったり、先生の師を使ったり、者を使ったり、どうしてこういろいろさまざまに分かれているんでしょうかね。これ何か根拠があるんですか、特に。
#24
○政府委員(中庄二君) ただいま私の方で調査研究を始めておりますが、私のいままでやりました経験からの話で正確なあれではないかと思いますが、業務の実態ごとに、いわば内容ごとにつけ方の違いがございますが、そのほかに立法の年月日の違い等もあろうかと思いますし、それから国が試験をやる場合あるいは団体等がやります場合、あるいは学校等がやります場合、そういうものの横の均衡論があろうかと思いますが、明確な区分につきましてはしばらく勉強してからお答えさしていただきたいと思います。
#25
○野田哲君 今度のこの法律によりますと、三百二十の法律の廃止が提出をされているわけですが、私は、本件の審議がどれだけ続くのかわかりませんが、三百二十本の法律をどさっとそれこそ山積みのようにトラックに積んだような形で提出をされて廃止手続をされるというのは、どうも釈然としないんですが、これ、その都度その都度各省庁でいろんな法律を毎国会毎国会出してこられるわけですから、そのときに、関連がある法律ならば、どうしてその都度その都度廃止の手続がとられないのか。政府の方は法律を提案するときだけは一生懸命に仕事をされるが、つくった法律が御用済みになった、廃止をすることというのは一体念頭にないのか、不思議でしようがないんですよ。
 ちょうど私は決算委員長を一年務めた経験があるんですが、この場合でも、予算委員を務めた経験もありますけれども、予算を成立をさせようというときには、政府は大蔵大臣それからもう各省庁それぞれ一生懸命になって走り回られるわけですが、今度決算の審査をやろうとすると、ちっとも積極的に決算委員会へ出席されようとしない、理由をつけては逃げようとされる。これとよく似ていると思うんですよ。つくるときは一生懸命に法律をつくって、私どものところにも法案を提出されると、もう日参されて、早く上げてください、早く上げてください。今度はどうですか、これ三百二十本も廃止の法律が出ている。一体これ長官、つくるだけはどんどんつくるが、廃止の手続はもう素知らぬ顔してこういう形でどさっと一遍に出してこられる。本当から言えば、これ一本ずつ本当に要らないものだということで、審査しようとすれば一カ月ぐらいかかりますよ、これは、三百二十もあるんですから。こんな席じゃできないですよ、これはもう各省庁全部出席してもらわなければ本当の意味の私は廃止の手続はできないと思うんですね。こういう束にして一山幾らというような扱いは、中曽根長官、妥当な措置だと思われますか。
#26
○国務大臣(中曽根康弘君) 遺憾ながら行政の怠慢と申し上げる以外にございません。政府はさきに、たしか昭和二十九年ごろ三百数十本一括整理しまして以来、今回また初めてやるわけでございますが、こういうふうに何かじんかい処理みたいに一括してやるということは、必ずしも議会政治の理念やシステムから見て適当であると思いません。法律が要らなくなった場合には、三年とか五年ぐらいに固めて、毎年それを監視しながら不必要になったものは処理していくべきだと、そのように思います。
#27
○野田哲君 私が非常に不思議に思うのは、いま中曽根長官も説明されたわけですけれども、いままで何回か不要になった法律を廃止した、そういう手続をとったことがあると、こう言われたわけですが、今度のこの廃止手続に出ている法律を見ると、非常に不思議に思うのは、たとえば大蔵省関係で言えば台湾銀行補助法、明治三十二年法律三十五号というのが出てくるわけですよね。あるいは樺太事業公債法大正七年法律二十一号、台湾事業公債法大正十一年法律十三号、朝鮮事業公債法昭和二年法律十一号、満州事件に関する経費支弁のための公債発行に関する法律、こういうふうな戦後処理でね、まだありますよ、南朝鮮鉄道株式会社所属鉄道買収のための公債発行に関する法律なんというのがありますね。
 こういう戦後処理に関するような法律で、しかもそれ以来若干は経過期間があるいは必要だったのかもわかりませんけれども、その後何回かそれでも必要でなくなった法律の廃止の手続がとられたというふうにお答えになったにもかかわらず、この朝鮮、満州、台湾というふうなこういう地域の法律が今日までまだ残っていたというのは、これは何か特に理由があるんでしょうか。
#28
○政府委員(佐倉尚君) ただいま御指摘ございました台湾事業公債法等の話でございますけれども、これはやはり債権債務に関することでございますので、慎重を期して二十九年の際には見送ったという経緯がございます。先ほど大臣がお答えしましたように、二十九年の際に三百七十五法律を整理したわけでございますけれども、その際にはいま申し上げましたような理由でこの廃止の中に含めないで、たとえばただいま申し上げました台湾事業公債法の場合には、その償還期限が五十年十二月ということになっておりましたので二十九年の際にはもちろん見送ったわけでございますが、今回これをお願いするということで、事情はいま申し上げましたようなことでございます。
#29
○野田哲君 いろいろ説明がありましたが、いずれにしてもどうも私はばかにされたような気がしてしようがないんです。三百二十件もどさっと持ってこられて、これやりますよ、廃止しますよと。これ長官、行政改革の一環として、不要になった法律は、その都度チェックをして処理をしていくというか手続をとっていく、これは政府機関の中にそういうチェック機能を持つことがいいのか、それとも衆議院の議運委員会でも議論になって衆議院の法制局あたりでも検討されているようですけれども、国会がそういう機能を持つことがいいのか、また各省庁で、少なくとも各省設置法を提出するときぐらいは、それぞれの所管の法律の中で不要なものを点検をして提出をするとか、何か適切なその都度その都度の対応、処置、こういうものが必要じゃないかと思うんですが、これはいかがですか。
#30
○国務大臣(中曽根康弘君) その点は同感でございます。
 法律につきましては、五年ごとに見直しをしてその法律が果たして有効に作用しているかどうか行管庁で監察している面もございます。それと同じ精神に基づきまして、定期的に要らなくなった法律を監視して整理していくということは行政としてもやらなきゃならぬことであると思いまして、御趣旨に沿いまして検討してまいりたいと思います。
#31
○政府委員(佐倉尚君) ただいま衆議院の方の話がございました。この一括法案の中に法令整理の章を含めるに当たりましては、衆議院の法制局とも十分打ち合わせして、一致したものについてお願いするということで、十分向こうと相談し協議してやらせていただいているわけでございます。
#32
○野田哲君 臨調の事務局はいらっしゃいますか。――二月十日の答申の内容についてちょっと説明をしていただきたいと思います。
#33
○政府委員(山本貞雄君) 二月十日の許認可の整理に関しまする第二次答申の内容でございますが、許認可の整理に関する基本的な考え方、いわば総論の部分と、それから当面の整理合理化事項といたしまして、二十四の具体的な整理合理化事項を指摘しておるわけでございます。
 例を申し上げますと、一般国民の日常生活を対象としたものといたしまして車検とか免許、あるいは国際経済的見地から早急な対応を要するものとして輸入検査、あるいは国民経済的な見地から対応を要するものといたしましてデータ通信とか、さらには民間活力にゆだねるものが適当であるということで輸出検査等々二十四の当面の事項を指摘しておるわけでございます。
#34
○野田哲君 二月十日の答申によって今回の法律が提出されているわけですが、これ一括法案になっていないものがありますね。
 運輸省に伺いますが、運輸省の関係では幾つかあるわけですが、その中で道路運送車両法の部分だけはなぜ別の法律にされたんですか。
#35
○政府委員(宇野則義君) ただいま、運輸省が所管しております道路運送車両法の一部改正案につきまして国会の御審議をお願いしておるところでございますが、この道路運送車両法の改正内容につきましては、臨時行政調査会の答申をいただきまして、その内容を踏まえた上での改正案になっておるわけでございます。
 具体的に申しますならば、自家用乗用自動車の新車初回の車検の有効期間の延長及び新車初回の六カ月点検の廃止等につきましてこの法案の中に織り込んでおるわけでございますが、今回の法律といたしまして単独法にいたしました理由といたしましては、その内容が行政事務の簡素合理化にとどまらない専門的、技術的な部分を含んでおるということから単独法にさしていただいたと、こういうことでございます。
#36
○野田哲君 いま運輸省の方では、臨調の答申を踏まえた内容になっている、しかし単独法にしたのは専門的、技術的な面があるからと、こういうことですが、これ本当に臨調の答申を踏まえたものなんですか。あなた、そういうずうずうしい答弁をここでしていいんですか。臨時行政調査会の方では今回の道路運送車両法が本当に答申を踏まえたものだというふうに受けとめられているんですか。
#37
○政府委員(山本貞雄君) 実は臨時行政調査会におきまして、二月十日の答申では、いわゆる車検につきましては、この定期点検整備及び検査に関しまして、国民負担の軽減の見地から、特に定期点検整備につきましては新車の初回六カ月点検の廃止とともに点検項目の簡素化を答申いたしたわけでございます。
 これを受けまして、今回の道路運送車両法の一部改正法案におきましては、ユーザーがみずから点検を行うことを容易にするための措置を含めまして、臨調が答申で指摘いたしました事項はおおむね盛り込まれておるわけでございます。反面、定期点検整備の励行を図るという趣旨から、新たに点検の指示及びこれに基づく報告に関する制度を設けまして、その報告を怠った者に対しましては十万円以下の過料を科すということとされておるわけでございます。
 実はこの点に関しまして臨時行政調査会が去る三月二十九日に一つの見解を表明しておるわけでございますが、その内容は、臨調といたしましては、国民負担の軽減を図ることを基本として、定期点検整備については個人の責任に基づくべきものであることを答申いたしたわけでございまして、たとえ秩序罰といえども、新たな担保措置を導入することは答申の趣旨に照らしまして遺憾であるというふうな臨調としての見解を表明した次第でございます。
#38
○野田哲君 いま、臨調としては今回の十万円のペナルティーという新たな制度を設けたことについては不満の表明があったということですが、運輸省は承知なんでしょう、臨調が不満の意を表明されたということは。それでも臨調の答申の内容を踏まえたと、こういうふうに強弁をされる。一体これはどういうことなんですか。
#39
○政府委員(宇野則義君) 今度の道路運送車両法の一部を改正する法律案の作成につ当たりましては、先生御承知のように、上月十日の臨調の第二次答申と、それからかねがね調査審議をしておりました運輸技術審議会の答申を踏まえまして改正の案の作成にかかったわけでございます。その過程におきまして、三月の十九日に政府原案ができ上がりまして閣議決定をいただきまして、三月の二十四日に国会に提出という運びになったわけでございます。
#40
○野田哲君 そんな日程的なことを聞いているんではないんです。あなたの方の運輸省から提出をされた、政府からということなんだけれども、あなたの方の今回の道路運送車両法の改正案の内容と、臨調から出された二月十日の答申の中での道路運送車両法にかかわる部分とは明らかに違う部分があるじゃないですか。それに対して臨時行政調査会からは不満の表明があったということなんだけれども、それでもあなた方の方は答申の内容を踏まえたというふうに言われるのは一体どういうわけなんですかと聞いているんです。
#41
○政府委員(宇野則義君) 先ほどお答え申し上げました内容と若干ダブりますが、二月十日の臨時行政調査会の第二次答申におきましては、自動車の検査整備の問題といたしまして、一つは、定期点検整備につきましては、新車の初回の六カ月点検を廃止するということと、その点検項目の簡素化を図るという指摘を受けておるわけでございます。この点につきましては、新車初回の六カ月点検は廃止するということで道路運送車両法の改正案の中に織り込んでございます。さらに、点検項目の簡素化につきましては、これは法律事項ではございませんので、省令、規則段階で点検項目の大幅簡素化を図る予定にいたしております。
 次に、検査につきましては、自家用乗用車の新車の新規検査の有効期間を現行の二年から三年に延長する、こういう指摘もいただいておるわけでございますが、この内容につきましても今回の改正案の中に織り込んでございます。
 さらに、三番目の答申の指摘事項といたしまして、整備事業者に対しては、基本整備料金表の掲示、整備内容・交換部品の説明等に係る指導を徹底し、ユーザーの信頼確保を図る、こういう指摘をいただいておるわけでございますが、この件につきましては、法律の中で直接項目的にこの事項は入っておりませんけれども、この趣旨を踏まえまして、整備事業者に対する遵守事項の作成等につきまして法律の案の中に織り込んでおるわけでございまして、先ほど臨調の事務局からも御答弁がございましたけれども、おおむね織り込んでおるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
#42
○野田哲君 そんな白々しいことを何もここで答えてもらわなくてもいいんです。問題は、十万円の過料が出たことについて臨時行政調査会は不満を表明しているわけでしょう。なぜ答申にないこういうものをくっつけて単独法で出したのか。これは明らかに答申の内容とは外れているでしょう。こういうものがついているにもかかわらず答申の内容を踏まえたと、なぜこういうふうに白々しい答弁をされるのか、これを聞いているんです。
#43
○政府委員(宇野則義君) ただいま臨時行政調査会からの第二次答申を受けました内容で御説明申し上げたわけでございますが、現在問題になっております定期点検の指示制度並びにその報告義務違反に基づきますところの罰則の問題につきましてお答え申し上げたいと思います。
 この定期点検の制度並びに定期点検指示の制度をこの法律の中に織り込みました理由といたしましては、運輸技術審議会の答申がございます。これは一月二十八日に運輸大臣あてに答申をいただいたわけでございますけれども、その中で、自動車の安全確保それから公害防止の見地から検査期間の延長ということも考えられるけれども、今後の定期点検の励行について重要な役割りを果たすことになるので、この定期点検の励行方につきまして強く指摘をされておるところでございます。
 その具体的な一例、二例といたしまして、運輸技術審議会答申の中で具体的な項目を指摘したところがございます。それは一つは、ユーザー参加によりまして定期点検の実施、励行が促進されるようにというのが一つございます。そのために、今回の法案の中には定期点検記録簿の整備充実という項目を一つ織り込んでございます。さらには、ユーザーの保守管理に参画をしていただくという見地から、ユーザーに対しますところの点検整備の内容だとか方法等を広く周知いたしまして、それらを活用することによって参加していただくという見地から、運輸大臣が点検整備に関する知識普及のための手引きを作成して交付する、こういうことが指摘を受けておりますが、これも法案の中に織り込んでおるわけでございます。
 それからもう一つ、これは定期点検の励行方を図るために街頭調査等を強化してその励行方を促進すべきであるという指摘も受けておりますし、その定期点検を実施したか否かについてステッカーの制度をつくったらどうだと、こういう具体的な提案もいただいておるわけでございます。そのステッカー制度あるいは街頭検査の充実ということから、検討します過程におきまして定期点検の励行方を図るという一つの手段といたしまして、街頭検査等で定期点検を実施していないということがわかった場合にその定期点検の励行方を指示するという制度を考えたわけでございます。したがいまして、この指示制度を考えました過程におきましては、ユーザーの自己責任に基づくものであるという基本をできるだけ尊重をしたいということから、定期点検の義務違反等につきましては直接罰則をつけるということは避けてまいったわけでございまして、点検の実施に係る行政指導を実効あるようにするための必要最低限の制度として今回の報告義務ということを法案に織り込み、その義務違反に対して実効あるものにするための秩序罰ということを織り込んだ次第でございます。
#44
○野田哲君 私どもが問題にしているのは、そういう経過、内容よりも、臨時行政調査会が二月十日に答申をされたそれに便乗したこういう措置というのが、いまあなたはとうとうと説明されましたけれども、今回の措置が非常に疑惑を持って見られている。すでにマスコミも週刊誌等あるいは新聞等で、自動車整備業界と政・官の癒着だ、あなた方と自動車整備業界との癒着だ、こういう問題を投げかけている、そこに私は非常な問題を感じているわけです。あなたの方は臨時行政調査会が不満を表明したことは承知なんでしょう。そして、臨時行政調査会に呼ばれて、なぜこういう十万円の過料、答申にないものをくっつけたのか、こういう点について事情の聴取を受け、それであなた方の方が説明をしてもなおかつ臨調としては不満を表明した、こういういきさつはあなたは承知されているんでしょう。
#45
○政府委員(宇野則義君) 承知いたしております。
#46
○野田哲君 中曽根長官に伺いたいと思うんですが、前にも私はこの問題に触れたことがあるんですが、これからの基本的な姿勢として、臨時行政調査会が答申を行った、それを受けた政府側の方が、法律をつくっていく過程において答申とはかかわりのない問題を出してきた。そして、それに対して臨時行政調査会が不満を表明をされた、そして国民の側から大きな疑惑、不満が表明をされている、それでもなおかつ押し通していく。これでは私は本当に正しい、適切な国民の期待する行政改革というものはこの問題で崩れてしまうんじゃないか、信頼を失ってしまうんじゃないか、こういうふうに考えるんですけれども、行政管理庁としてはこういう措置についてなぜ同意をされたのか、中曽根長官はこれを認められたのか、この見解を伺いたいと思います。
#47
○国務大臣(中曽根康弘君) この点は御指摘を受けましてはなはだ恐縮に存じておるところでございます。十万円の過料をつけるという報告を私聞きましたときに、これはよくない、ただ法律を十九日までに国会へ提出しないと期限的に非常にむずかしい、そういう段階になっておりまして、とりあえず閣議で認めよう、そのかわり行管と運輸省でよく話し合って事務的にうまく処理するように、そういう指示をして国会へ提出を認めたいきさつがございます。
 自来、運輸省側もその点についてはユーザーの自主的点検を促進する、そういう観点に立ちまして国会答弁も非常に気をつけてやっておりまして、その方針を明らかにしておるわけです。運輸大臣は、衆議院におきましては、これは教育的、啓蒙的な規定であります、慎重にやりますと、あるいは自動車局長は、衆議院運輸委員会における三塚委員の質問に対しまして、質問は、これは暴走族とかあるいは白トラとか不法改造車とかそれに限定するんだろうなという質問に対して、大体そういう線でやりますと、そういう趣旨の答弁をして、そして事実上注意を受けるという場合に過料を適用することはほとんどない、いままでどおり大体やる予定ですという趣旨のことを国会におきましても表明しておるわけでございます。
 衆議院の段階におきましてそういう趣旨の附帯決議を各党でつけようという議があったということを私途中でお聞きいたしましたが、それはいろんな関係でできませんでしたので、参議院におきましてどういう御審議をしていただくか、われわれは注目しておるところでございます。
#48
○野田哲君 内容の問題は、これはまた近く運輸委員会へ付託をされればそこで議論があると思うんですが、私は、いまここは内閣委員会ですから、道路運送車両法の中身のことについてまで深く立ち入ろうとは思わないんです。問題は、政府の姿勢について伺っているんです。ある部分については、国民に非常に抵抗があっても、臨時行政調査会がこうおっしゃったと、こういう答申が出たということで金科玉条にされる。ある部分については、これを変形して、勝手にアレンジして、答申とは違う形のものにしていく、あるいは臨時行政調査会が遺憾の意を表明したものについても平気で押し通そうとする、あるものについては答申があっても見送ってしまう。こういうようなことでは、中曽根長官が政治生命をかけるというふうに言われるこの行政改革、国民の信頼を得ることにならないんじゃないか、こういう基本的な問題について私は伺っているわけなんです。
 今回の答申の扱いについても、運輸省の方は専門的、技術的と言われたけれども、私はこれを単独立法にするのか一括法案にするのかという点から見たときには、むしろ専門的、技術的であって、私どもにとっても一括法案では非常に処理しにくいではないかと思うのはむしろデータ通信の規制の公衆電気通信法、こっちの方こそ技術的、専門的であって非常にこの一括法では理解しにくい面があるんではないか。それはしかし一括法案になっている。こういうところにどうも理解に苦しむものがあるわけなんです。
 そういう基本的な点について、もっと私は中曽根長官は、特に今回のこの道路運送車両法については非常にいま国民から疑惑の目をもって見られているときでありますだけに、勇断をもって対処すべきではないか。こういう点をも含めて、臨時行政調査会の出た答申について余りにも御都合主義ではないか、こういう点を指摘したいんですが、この点いかがですか。
#49
○国務大臣(中曽根康弘君) この点はいろいろお騒がせいたしまして大変恐縮に存じておる次第でございます。
#50
○野田哲君 恐縮に存じただけでは疑惑は解明されないと思うんですが、行政管理庁としては今回の二月十日の第二次答申について一括法案にすることと単独の法案にすることとの判断をどういうふうにされたのか、これはもう各省庁に全くゆだねたわけですか、どうなんですか。
#51
○国務大臣(中曽根康弘君) この点は許認可からの解放、自由化と、そういう面が中心でこの法案が構成されておるわけでございまして、そういう意味におきましてはデータ通信の点は同じように規制を解除すると、そういう趣旨でありますから一括法案に入れさせていただいたわけです。この道路運送車両法の関係は、許認可からの解放という面のほかに車両整備というような面がございまして、そっちの専門的、技術的な面も含まれておりますので、これは分離ということを認めたということでございます。
#52
○野田哲君 つまり、十万円の過料というようなものがくっついていたんでは一括法案では処理しにくいから単独法ということで、結局は行政管理庁もこの十万円の過料をくっつけて出すということを認めたから単独法ということになったわけでしょう。そこに私は問題があるんだと思うんです。
 郵政省の方に伺いたいわけですが、公衆電気通信法の改正案が出ているわけですが、この内容はどういうふうに中身はなっているんですか。専門用語がいろいろあって私ども非常にわかりにくいので、素人でもわかるようにひとつ専門用語を使わないで説明してもらいたいんです。
#53
○説明員(江川晃正君) 今回一括法に含めまして本委員会で御審議いただいております公衆電気通信法の一部改正につきましては、御趣旨はなぜ一括法なのかということでもあろうかと思いますから、その点も含めましてちょっと御説明させていただこうと思います。
 臨時行政調査会の第二次答申でデータ通信回線利用の自由化という提言がありました。それの提言に対処するために立案されたのがこの公衆法改正でございます。
 内容をちょっと若干具体的に申し上げますと、個別認可制度を廃止するというのがございます。たとえば、ちょっと専門語が出て恐縮でございますが、データ通信を行う場合には電電公社から電気通信回線というのを借りなければできない仕組みになっております。私はコンピューターを持っておる、それから一方で端末機器を持っておる、その間をつなぐのが電気通信回線でして、これ自分で引くわけにいきませんから電電公社から借りるという仕組みになっております。それで、借りて私が使うのは自由なわけですが、もったいないですから、コンピューターの能力も高いですから、だれかと一緒に使おうと、こういうふうに出てくるわけです。一緒に使うというのが、制度の言葉で申し上げますと、共同使用と言っております。との共同使用というのがむやみやたらとだれもができるぞという仕組みにしてしまいますと、このコンピューター、それから借りた回線を使いまして実は雲霞のごとく人が集まってこれを全部使ってしまいますと、本来電電公社が行うべき電気通信サービスと同じことをこれがやってしまうという危険が生じるわけです。そこで、共同使用というのもだれもが自由に何でもというふうにはしないという仕組みを四十六年の法改正でつくりました。
 具体的に申し上げますと、だれとだれならば共同使用していいぞというふうに制度をつくったわけでございます。そのだれとだれというのならよいぞと書きますと、ちょっとそれと似ているもう一人の人がいますと、これはじゃどうなのかという疑問が出てきます。AとBならいいぞと言ったときに、じゃCさんはどうなのか、共同使用できるのかという疑問が出てくるわけですが、そういう場合には一個一個見まして、AとBが共同使用する、プラスCが入ってきても電電公社が行う公衆電気通信サービスに支障がないかどうか、そういうところをじっくりシステムについて見まして、そこに支障がないということがわかりますと、それは共同使用してよろしいという仕組みをつくったわけでございます、四十六年ですが。これを個々のシステムごとに見ますので、個別認可というふうに言っております。
 今回の法律の改正では、この個別認可というのをやめようではないか、やめるという言葉は、外すといいますか廃止するといいますか、なしにしようと、じゃどうするのかというと、公衆電気通信秩序の維持というものは考えますと。公衆電気通信秩序の維持といいますのは、電電公社が本来やるべき業務をこの人たちがそのシステムでやらないという保証ですね、そういうものを前提として、できるだけデータ通信のためならば自由に使えるようにしようというふうに、共同使用をできる範囲を、AとBというのではなくて、必要ならばCさんでもDさんでもどうぞというふうに広げようと考えたわけです。そうしますと、それだけ広がってきますと、一々CさんはどうかDさんはどうかと考える必要はございませんから、個別認可というのは必要なくなるという意味で、個別認可を廃止するというふうに制度を考えたところでございます。
 そういう趣旨で申し上げますと、今度の公衆法改正におきますデータ通信の自由化という点では、いわば認可制度の廃止という部分と、ちょっと下世話な言葉で恐縮でございますが、使い勝手をよくするという意味で使いやすくしていこうといういわば制限の緩和と申しますか、そういったものが中心に今度の公衆法の改正をつくり上げているわけでございます。
 そういうことが、実は行政事務の簡素化を図り、これらを通じまして究極的な目的である行政全体の国民との関係の合理化を図ろうというものになりますから、これはまさに行政事務の簡素合理化に資するものだというふうにわれわれは考えているわけでございます。
 ちょっとまとめて申し上げますと、今回の公衆電気通信法の改正といいますのは、臨調の第二次答申の事項に関連するものであるということとあわせて、行政事務の簡素合理化に資するものだというふうに、この二点において一括法案としてその趣旨、目的を共通にするというふうに考えますので、その内容に加えることとした次第でございます。
#54
○野田哲君 いろいろ説明がありましたが、身ぶり手ぶりも交えて。あれだけ説明されてもこれよくわからないんです、われわれには。
 運輸省の方の自動車の関係というのはすぐわかるんです、どこがいいか、どこが悪いかというのは。これはやっぱり逆なんですよ、法律が。むしろ公衆電気通信法の方を単独立法にして、長年そういう問題を審議をしてきた逓信委員会の方で審議してもらった方が適切な審議ができる、私どもはこういうふうに感じるわけなんです。重ねて郵政省の方に伺いますが、この間郵政省設置法をここでやりました、これは設置法ですからここでやりましたが、そのときにたしか、どう言うんですか、一つのいままでの審議会の中からある部分を統合して新たな審議会をつくりましたね。大体そこで検討されるべき課題ではないんですか、今回の問題は。
#55
○説明員(江川晃正君) 審議会自身のことは、ちょっと私、所管が異なりますので責任を持った言い方はむずかしいかと思いますが、確かに本委員会で御審議いただきまして、本年十月一日から電気通信審議会というものが発足、設置できるようになりました。そこで審議していただきますのは、電気通信に関する事項の調査審議と、こう書いてございますから、本件がその時期にございましたらば、当然に御審議いただく、あるいは報告し、また意見をいただくということになろうかと考えております。しかし、いま審議会が、申しましたように十月一日ですから、ございません。じゃ何しているのかとおっしゃいますと、現在郵政審議会のもとに電気通信部会というのがございまして、この電気通信部会が今度発展拡大改組と申しますか、そういうふうに電気通信審議会につながっていく母体になっているわけでございますが、電気通信部会に適時適切に本件を御報告し意見を伺い、そして成案を得て進んでまいった次第でございます。これから先におきましても、電気通信部会から十分御意見などを拝聴しながら、また諮るべきことは諮りながら進めてまいりたいと考えているところでございます。
#56
○野田哲君 この間の郵政省設置法で設置されたこの審議会は確かに十月ですから、それまではいまおっしゃったように部会がありますね。それからもう一つ、郵政大臣の私的諮問機関ということになっているが、大事な相談は郵政審議会の電気通信部会の方に相談しないで私的の方の懇談会、そこでばかりやっているじゃないかというのがこの間の内閣委員会の審議で問題になったんですが、この電気通信部会やもう一つの私的諮問機関である何とか懇談会、そこでは今回のこの法案に盛られているような問題については何か提言、答申等があったわけですか。
#57
○説明員(江川晃正君) 私的とおっしゃいましたのは、郵政大臣の私的懇談会として電気通信政策懇談会という呼び名で五十五年十月から五十六年八月までそういう懇談会が持たれました。現在は、八月に意見を聞き終わりまして、解散して、ございません。したがいまして、本件の公衆法改正そのものの中身とか、あるいはもう少し具体的な省令の中身みたいな話、そういう部分につきましては電気通信政策懇談会に諮るとかあるいはその御意見を伺うとか、そういうチャンス、場面はございませんでした。ただ、じゃ電気通信政策懇談会は何をしたのかと申しますと、八〇年代の電気通信政策が非常に、環境の部分は話は省略させていただきますが、八〇年代には非常に変化に富む時代だと。その中で電気通信政策が過去の十年、二十年、三十年の延長のままでよいのか、それとも一つの曲がり角があるからきれいにカーブをハンドルを切って曲がり切らなきゃいけないのかと、そこら辺の御意見を多角的に伺おう、いただこうという意味で、非常にバラエティーに富んだ分野の識者の方にお集まりいただいて御意見をいただいたという仕組みでございます。そのときにも電気通信部会は当然あったわけですが、そのバラエティーに富むと申しますか、いろいろ各分野の方々からお話を伺うという意味で並行的に設けてその御意見を伺ったところでございます。
#58
○野田哲君 またいずれ同僚議員の方から公衆電気通信法の中身についてはいろいろ具体的に伺いたいと思いますが、いま道路運送車両法の内容あるいはこれを提案される経過を伺ってみても、そしてまた公衆電気通信法の内容を伺ってみても、単独法か一括法かということになってくると、やはり公衆電気通信法があれだけの内容の、専門的なものが一括法案の中で処理できるのであれば、私はこの道路運送車両法も一括で処理できるはずだと、臨調の答申を正しく受けとめておれば一括法で処理できるはずなんだと。単独法なら、私は公衆電気通信法、これは単独法でやる内容はむしろこっちの方にある、こういうふうに思うわけなんです。
 そういう意味から、私はどうも今回のこの法律については、少し政府の取り扱い方が何か特別の意図を持った不自然な形が、ある部分では非常に強く感じられる。こういう点からも、行政管理庁としてこれから先の答申等の取り扱いについてももっと慎重に、そしていいかげんな――いいかげんなと言えば、あなた方の方ではそうじゃないとおっしゃるでしょうが、ある部分についてはこれは単独法、ある部分についてはこれは一括だとか、ある部分については形を変えると、こういうその場その場の御都合的な対応であってはいけないんじゃないか、一貫性を持ってほしい、こういう点を申し上げ、何か長官の見解があれば伺って、私の質問を終わりたいと思います。
#59
○国務大臣(中曽根康弘君) 公衆電気通信法、データ通信に関する点につきまして、われわれの方は規制からの解除という点をよく見て一括法案にいたしましたが、野田さんは、この解除から生まれる新しい付加価値通信体系の未来性をお考えになっていまのように御指摘になったものと思います。その点も、われわれは将来性については十分心得ております。しかしこの点は、現段階におきましては認識の相違があるんではないか、そのように思います。しかしながらこの問題は、御指摘のとおり非常に重要な問題を将来内蔵していると考えますので、将来にわたりましてはいろいろ慎重に取り扱っていくつもりでおります。
#60
○委員長(遠藤要君) 本案に対する質疑は本日はこの程度にとどめ、午後一時再開することとして、休憩いたします。
   午前十一時三十七分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二分開会
#61
○委員長(遠藤要君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案及び昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。
 前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#62
○山崎昇君 まず、大蔵当局に二、三実務的なことをお聞きをしておきたいと思うんですが、その第一は、昨年の人事院勧告処理の給与法審議の際に、御存じのように二等級の第二種管理職手当をもらっている以上の者の給与を一年間凍結をいたしました。これによりまして大変ひずみが出てまいりまして、退職手当とか一時金的なものについてはその場で一時処理をいたしました。しかし、共済組合に関しましては、その処理がなされておりませんでしたので、私の方からかなりこれは指摘をしたわけであります。今回の法案でその指摘した事項を一応改めてまいりました。この点は率直に大蔵当局もその矛盾を認めて直してきたんだろうと思いますから、これはそれなりに私は了承をしておきたいと思うんです。
 しかし保険数理という、この共済組合という性格からいけば問題がないわけではありません。しかし私は、あえてその問題はきょう触れないでおきたいと思うんですが、そこで大蔵大臣に私は重ねて、ことしの八月にも人事院勧告が出るであろうと思われるんですが、組み立てて制度で出されてきたものを一部手を突っ込むといいますか直すといいますか、縛るといいますか、そういう形のものをやれば必ずいま申し上げましたようないろいろな点にひずみが出てくる。したがって、去年のようなことはことしはやるまいと思いますけれども、その点、まず最初に大蔵大臣の見解をお聞きをしておきたいと思うんです。
#63
○政府委員(宍倉宗夫君) 大蔵大臣がお答えになります前にちょっと申し上げたいと思います。
 いま先生おっしゃいましたように、ことしの、いまお願いいたしております法律によりまして、昨年一年間昇給をいたしませんでした管理職の方たちにつきまして、ことしから年金の年額改定をいたしまして、ただ、三分の一は一年間停止をするという措置をいたしたわけでございまして、この点につきまして、いま先生から、まあよく考えたなというおほめの言葉をちょうだいいたしまして……
#64
○山崎昇君 そうじゃない。問題を間違えるなよ。そんなことを言ってないよ。そんな質問してないよ、まだ。
#65
○政府委員(宍倉宗夫君) そこで、ことし、五十七年もそういう措置についてどうするんだ、こういうお尋ねでございますが、五十七年の人事院勧告につきましては、この八月に例年でございますと人事院勧告の結論が出るんだと思いますけれども、その内容もわかりませんし、いまの財政事情、これから先、大変に先行き見通しのわからない段階でございますので、いまの段階で昨年のようなことをするかしないかということについてはっきりとしたお答えができないことを御理解いただきたいと存じます。
#66
○山崎昇君 質問をちゃんと理解してから答弁しなさいよ。三分の一のことなんて、これから私が質問するんだよ。
 あなた方、去年、制度の中に一部だけ、さっき申し上げたように、二等級の第二種二〇%の管理職手当をもらっている以上の者を一年間給与を凍結した。そこでどういうことが起きたかといったら、課長補佐が課長になったら給与が下がるという事態になって、あわてて退職手当なんかは上がったものとみなしてあなた方は支給するということにしたんです、一時期。共済組合については去年それがやれなかった。それで私から、共済組合はどうあなた方はこれ直すんですかと言ったら、後ろにおられる課長から、共済組合法で今後考えてみたいという答弁があって、今度の法案を見ると、掛金は納めてないんだけれども、その間上がったものとみなしてこの共済年金を払うことになってきた。だから私は、保険数理の理論からいけばおかしいんだけれども、一応そういう直し方をしてきたことについては評価をしておきますという言い方をしているわけです。これは厳密に理論で言ったら、あなた方は答弁できないんだ、これ本当は。掛金を納めてないのに上がった額で払いましょうと、こういうことなんですから、極端に言えば。ですから、それはさておいて、そういうことであなた方はここで直してきたから、それはそれで理解をしておきます。
 しかし、ここで問題になりますのは、去年のようなことをやりますというと、ことし、いまあなたはやるかやらぬか、まだ勧告が出てないからあれですが、そういう一部分だけ指を突っ込んだようなやり方をするというと、またこういう矛盾やひずみが出るから、そういうことはことしはやらぬでしょうねということをいま聞いた。これは大臣、総務長官は、まだ勧告は出ておりませんが、もちろん総務長官は担当でありますから、勧告どおり実施しますと言うのが当然の任務であります。そういう答弁にはなっておりますけれども、大蔵大臣としても、そういう矛盾点が出ているんだということを頭に置いておいていただいて、ことしは、そんな去年のようなことを繰り返さぬように、この機会にあなたにひとつ私から申し上げておきたい。そういう意味でいま質問しているわけですから、ひとつ大臣から、そういうひずみはあなたは知らなかったと思う、正直に申し上げまして。こんな細かいことをとても大蔵大臣はわからなかったと思うんですが、ことしはそういうことのないように願っておきたい、こう思うんです。
#67
○国務大臣(渡辺美智雄君) 非常に専門技術的な問題なので、私もよくつまびらかにいたしておりません。しかし、制度としていろいろ関係がありますから、その一部分だけをつまみ食いをすれば確かにどこかにその副作用が、反動が出るということもあろうかと存じます。問題は、これは財政上の問題として、御承知のとおり管理職手当の据え置きということは大所高所からやったわけであります。しかし、それだけでは年金に影響が出てくるというようなことから、年金等については別途の措置を講じた。掛金を払ってないんだからその分だけ、じゃだれが負担するんだという数理上の矛盾が私は出てくるのもこれは当然だと思います。できるだけそういうことのないように考えなければならないと思っておりますが、いずれ、専門的な問題でございますので、検討をさしていただきます。
#68
○山崎昇君 そこで、先ほどあなたから先回りして三分の一の話が出ましたから、私の方から質問さしてもらいますが、まず第一に、この三分の一の物の考え方が私にはわからない、何が基準で三分の一になったのか。そして三分の一の中には老齢加算も入ってこれは切っているわけですね、一つは。
 それから、私は恩給に右へならえしたんだろうと思うんですが、考えてみれば、恩給も共済年金もそうでありますが、在職中の公務員から一年おくれで実施しているんですね、去年の勧告の分をことしやるわけですから。ことしは、財政ということもあったんでしょうが、さらに一月おくれまして十三カ月おくれで実施をするわけです。したがって、私はあなたに聞いておきたいのは、もしも共済年金でも恩給受給者でも在職者と合わせるというなら、その年から、在職者と同じように去年の四月から年金や恩給が改定をされる。そこで、在職中の者が去年のような状況で、特異な事情だというんで一年間凍結したんだから、せめて高い人は三分の一ぐらいがまんぜいというなら、まだこれは理屈の上で私は理解できないこともない。
 しかし一年一カ月おくれで、さらに在職中は、去年は、総理大臣の言葉でありませんけれども、特別な事情だというのでごく一部分の者だけ凍結したのに右へならえして、ことしまたさらに加えて四百十六万二千四百円以上の者を老齢加算も含めて三分の一減額をするというのは、これは二重に減額ですよ。こんなことをどうして在職の者とこれは共済組合がリンクしなきゃならぬのか。どんなに考えてもこれは理屈に合わない。
 いま申し上げたように、全く在職中の者と同じ年度から同じ月で改定されるんだったら、去年一部の者といえどもそれに見合うものを多少抑えるということはあり得るかもしれない。そうでないんだ、年金受給者、恩給受給者は、重ねて言いますけれども、一年おくれで実施しているんだから本来ならそれは返さなきゃいかぬのですよ。その上にさらに、わずか何%までいかないような人の給与を凍結したというので、それに右へならえをして老齢加算まで含めて三分の一を減額するというやり方は、私は承服できない。一体三分の一というのは何の基準でやったんですか。どうしてそんなことをしなきゃならぬのですか。その点明らかにしてください。
#69
○政府委員(宍倉宗夫君) お尋ねが二つあったかと思います。
 一つは、十二カ月おくれているではないかと、こういうお話でございます。
 この問題でございますが、十二カ月――一年おくれだというお考えもあるわけでございますが、私どもは必ずしもそのように考えてございませんで、毎年毎年の年額改定をいたしますときの指標を何に求めるか。すると、いまのお話で詰めていきますと、たとえば五十七年の年額改定なら五十七年の人事院勧告と同じようにしたらいいじゃないかというお話が当然出てくるかと思いますけれども、それがいまの時点ではとても五十七年度の分はわからないということで、どうしても一年前のものを使わざるを得ない。これは、従来年額改定をずっといたしておりませんでしたが、いたしました初めの四十八年でございましたか、あのときに、要すれば一年前のものを使わざるを得ないという指標のとり方だけの話でございまして、先生おっしゃるように、一年実質的におくれているんだというようにおとりいただかなければありがたいと存じているわけでございます。
 それからなぜ三分の一かということでございますが、これは先生いまおっしゃいましたように、恩給の場合に仮定俸給六十六号以上の者につきまして三分の一を停止する措置が講じられまして、その措置と合わせまして共済年金におきましても三分の一停止の措置をとっておる。これは恩給がありまして、それから共済年金がございまして、それから現役の公務員がございまして、それから共済年金受給者、それから恩給受給者、それぞれのバランスというものがやっぱりOB、現役という意味で必要かと存じますが、その辺のところのバランスから三分の一ということでお願いを申し上げているわけであります。
#70
○山崎昇君 あなた、物の考えを改めなきゃいかぬですよ。昭和四十三年に恩給審議会の答申が出まして、恩給は公務員給与にスライドすることを方針としてずうっと通してきた。在職者にスライドするんだったら、去年の勧告は八月に出ているけれども、在職者は四月から給与を改めているんですよ。当然それにスライドするというなら恩給受給者も、それに右へならえするというなら年金受給者も去年の四月から改定すべきなんです。何で一年おくれでことしからやらなきゃならぬのか。だから絶えずこの委員会で附帯決議がついて、実施の時期を繰り上げるべきだという必ず附帯決議がつくのはそこにある。
 ところが、ことしは、大蔵大臣、さらに一カ月おくれて五月から改定ですよね。在職者の給与に比べたら一年一カ月おくれなんです。さらに、さっき申し上げたように三分の一も根拠がない。私は恩給法でここで聞いた。根拠がないです。示されないです、これは。そして、いまのお話じゃありませんけれども、恩給の右へならえというだけの話であって、共済組合としての理論は一つもないですよ。これ何もないじゃないですか。共済組合は恩給部分についてはなるほど政府の資金が入っているかもしれない。あとは労使折半ですよ、多少の公的負担はあるにいたしましても。それがすべて恩給の右へならえでなきゃだめだという考え方も改めてもらわなきゃ困るんです、それは。
 そして、いま申し上げましたように、わずか二等級、本省の課長以上ぐらい、去年の質問で私が明らかにしたのは九千人ぐらいでしたね、国家公務員で。その諸君の賃金を抑えたばかりに三分の一カットする。老齢加算も入れてそれもカットする。そしてこの間公明党の中尾先生の質問に対して、ざっと三分の一でどのぐらいになるか、国家公務員で三万七千人、公企体で約一万六千人、これが該当だというんですよ。国家公務員八十五万人おって三万七千人だけこれ減るわけですね。どうしてそんなことをせんきゃならぬのか。本当のわずかの人間に、なぜ退職者もこんなことまでしてあなた方は削らなきゃならぬのか。その物の考え方は、これは大蔵大臣、私は財政の議論もあると思う。財政の議論もあると思うけれども、やっぱりきちんと共済組合は共済組合の理論でやってもらいませんといかぬのじゃないかと思うんです。
 さらに私は、保険数理と言うなら、これは保険事故に対して、共済組合でも厚生年金でもあるいは一般の保険でもそうでありますが、その法律で規定した保険事故に対して払う。いま保険事故で払えないのは何かと言うと、共済組合は三つありますよ。犯罪行為による場合、懲戒処分による場合、年金外の高額所得のある場合、これは年額六百万と言われていますが、そういう場合には年金を一部削ったり払わぬでもいいという規定はある。しかし厚生年金にはそういうものがない、同じ保険数理でやっておりましても。それが何で財政論だけで、こういう該当にもないのに改めて在職者にリンクさしたようなかっこうでわずか三万人ぐらいの人のカットをするんだろうか。これは理屈がないじゃないですか。いま、もう法案が出てきておりますからここであなた方削除はできぬでしょうけれども、これは篤と大蔵大臣、私は考えてもらいたいと思うんです。
 もらう方から言わせればとんでもないことです、これは。在職者から一年おくれるのはあたりまえみたいな考え方は大蔵当局はやめた方がいい、そういうことは。当然恩給審議会の答申にのっとってやるというなら、その年の四月から在職者の給与が改定になるんですから、それに準拠して、スライドしているんですから、そういう方針をとっているわけだから、当然それはその年の四月から、言うならば去年の四月から改定すべきなんだ、これ。そういう考え方だけ改めるように強くきょうは指摘をしておきたいと思うんです。
 私は、五十分しかきょう時間ありませんので、本当は細かにいろいろ聞きたいと思って計算をかなりいろんなことをやってきました。たとえば、さっき保険数理で問題があると私言いましたけれども、掛金を納めないで処置だけはするわけですが、納めなかった掛金とカットされる分と比較したらどうなるかというのも私は二、三これ計算して持っている。カットされる分が相当大きいですよ、掛金を納めなかったものより。たとえば去年の四月一日からことしの三月三十一日までの間にやめたものを計算してごらんなさい、あなた。そういうことは大蔵当局でやっておらぬでしょう。だから、仮に上がった分で掛金は後で追徴されたとしても、それと三分の一カットするのと比較したら三分の一カットの方が大きいんです。これは後であなた方十分計算してください。もしあれなら、私いま二、三計算したのを持っています。
 そういうやっぱり矛盾もこれもらう人から言えば大変なんです、他に収入がないんですから。在職中の人はことしの四月になれば上がるんだ。そして期末・勤勉手当もやっぱり上がった分でもらえる。しかし年金受給者というのはそういうものがないんですよ。そういうことを考えたときに、やっぱりもう少し、私は大蔵当局が余り財政財政と財政論だけでこの問題を見ることについては反対がありますから、指摘をきょうはしておきたい、こういうふうに思っているわけです。
 それから、実施期日を一カ月おくらして五月にしたわけですが、国家公務員共済組合の審議会あるいはその他の審議会から大蔵大臣に答申が出されております。それを見てもやっぱり好ましいことではない。年度年度によって実施期日が変わるということはよくない、こういう指摘もあなた方にしているではないですか。臨調の指摘なら何でもかんでも聞いて、既存のあなた方が一番メーンで行われる審議会の意見をほとんど無視されるというやり方は、これも私は不当だと思う。いまさらこの内容を読むまでもないと思いますけれども、この点も大臣、私はきょうあなたに指摘しておきたいと思うんです。
 そういう意味で本来なら細かな点二、三時間お聞きをしたいと思って準備したんですが、きょう時間ありませんから、国鉄の方に移らしてもらいたいと思うんですが、国鉄共済につきましてもこの間この委員会で同僚委員から質問がありまして、いろいろ答弁されたのを私も記録をしております。そこで、まずそれと関連しまして、大蔵が中心になりまして共済年金制度基本問題研究会というのがあるわけなんですが、これは昨年のこの委員会で、ことしの春に何とか結論を出したい、こういう答弁が行われました。また、先般三月の二日の官庁速報でありますが、これを見ると、六月ごろに結論を出したいというようなことが速報として出されておりました。そこで、いま研究会ではどんな現状にあって、一体いつごろその結論を出す見込みなのか、その内容についてかいつまんでひとつ説明願いたい。
#71
○政府委員(宍倉宗夫君) 研究会は、ただいま先生おっしゃいましたように五十五年の六月から研究をしていただいておりまして、今日まで二十四回、ほかに小委員会が六回ずつ十二回開かれておりまして、勉強を進めていただいております。
 それから小委員会としての意見の取りまとめは、それなりに親の方の委員会の方に出されて、親の方の委員会といいますか研究会でその総まとめをいま鋭意やっていただいているところでございます。
 それで、御意見の取りまとめはできれば本年の六月ぐらいまでの間にはお願いを申し上げたいということでお願いをいたしているわけでございますが、皆さん方、そういうことでやろうというふうにお考えいただき、御議論もいただいておりますが、はっきりと六月に必ずできるのかどうか、ただいまのところ断言的には申し上げられない状況でございます。
 内容でございますが、内容につきましては、共済年金制度がいまのままでいいのかどうか、いろんな問題が現実に派生いたしているわけでございます。一つには、共済年金制度が将来とも健全な財政運営をやっていけるのかどうかという問題、それからいわゆる官民格差と言われる問題がございまして、その是正といいますかそういう格差に対する考え方というのはどうあるべきかというようなこと、それから現に国鉄共済が非常にその財政が苦しくなりまして問題になっているわけでございますが、この国鉄共済を一体どうするんだといった問題、そういったことが中心で御議論を進めていただいているわけでございます。
#72
○山崎昇君 六月ころに何かいま何とかしたいというお話でありますが、そうすると、恐らくその前に第二臨調の答申というものの方が先に出てくるんではないだろうか、一体それとどういうふうにあなた方は関連づけるのか、これが一点。
 それから巷間伝わっているところは、いまもちょっと触れられましたけれども、この研究会の中で、国鉄共済の赤字の問題と関連をしまして三公社五現業、国家公務員共済のこれは制度を統合するというのか長期経理だけプールするというのかわかりませんが、そういう点はどういういま方向で検討されているんですか。どっちなのか、制度までも統合するというのか長期経理だけプールするというのか、その辺ひとつ明らかにしてくれませんか。
#73
○政府委員(宍倉宗夫君) 後の方の話から先に申し上げますと、研究会では、いま先生おっしゃいました財政調整とそれから統合と、両方をそれぞれ長所、短所ございますわけでございますから、それぞれについて御議論をいただいております。どちらかというと、財政調整では結局物の解決にならないんではなかろうかというような御意見がいま強いように思いますが、結論的にどうなるか、そのことはもう少ししてみませんとわかりません。
 それから最初の第一点の臨調の答申が出された場合一体どうなるんだと、こういうお尋ねでございますが、臨調の最終答申は恐らく七月になるんだろうと思いますので、いま申し上げましたように研究会の方の意見の取りまとめが六月中でございますれば、研究会の方が若干早くなるんだと思います。
 いずれにいたしましても、研究会の意見があり、それから臨調の答申があり、これが仮に食い違うようなことがございますと一体どうするんだという重ねてのお尋ねになるかと思いますが、私どもといたしましては、研究会はこの問題につきましての専門家の方々といいますか斯界の権威の方々にお集まりいただいて御議論いただいておりますので、臨調の方でもこの斯界の権威の方々が一部ダブって入っている方もおられます。でございますので、両方の御意見が食い違うというようなことはまずないんじゃなかろうかと、楽観的かもしれませんけれども、そのように思っております。
#74
○山崎昇君 そこで、国鉄当局にお尋ねいたしますが、いま臨調で十七日に三公社の経営形態の問題で部会報告がなされようとしているわけですね。そこで、私がお聞きをしたいのは、巷間私どもに伝わるところによりますというと、国鉄の地域分割――経営形態を変えるという意味で地域分割、いまのところ何か北海道、四国、九州は決まっているようでありますけれども、本州は幾つに割るのかわからぬ。これたとえば人体にたとえて申し上げれば、言うならば国鉄の輪切りがいっぱいできるわけね。たとえば、北海道から九州までずうっと眺めてみて、北海道だけ切るといったら頭だけは北海道切られちゃう。胴体の中で足の部分という意味じゃありませんが、人体で言えば大体そこら辺に位するのが九州じゃないか。これ九州も足を切られる。四国は何かもものあたりの肉がそがれる。それで、残った胴体は幾つに割るのか知りませんが、四つか五つに輪切りにされちゃう。
 一体国鉄がこういうふうに、最終的にどのぐらいになるかわかりませんが、いずれにいたしましても輪切りになって、それが第三セクターになるとか民営になるとか、特殊法人だとか赤字清算委員会だとか、さまざまなことが伝わるわけでありますけれども、そうなった場合に一体国鉄の全国一つのネットワークとしての公共的な輸送体系というのはどうなっていくのか。
 それから国鉄の共済組合は、いま研究会の方は国家公務員共済とか他の共済と合併したい、統合したいと言う。しかし、経営形態がそうなればこれは共済組合でなくなる可能性もある。一部厚生年金に行くものもある。一体共済というのはどういうこれまた形になっていくんだろうかと、いま年金をもらっている人も自分たちの年金は今度どこからもらうようになるんだろうか。それから、それまで勤めて、たとえばいま昭和六十年と言われておりますが、けさのテレビではそれではだめだから昭和六十二年がどうかとか、いやそれはとても期限つけるのはおかしいから国会の判断とか政府の判断に任せたらどうかというようなことを何か言われているようでありますが、いずれにいたしましても、それまで国鉄なら国鉄で働いた人は自分の年金は、さてやめるときになったら、分割であなたは北海道、別ですよ。そうなった場合に一体どういうふうにこの年金体系というものはなっていくのか。私がいま大蔵にもお聞きをしたいと思うのは、なるほど専門家で研究会でやっているんでしょうけれども、片や臨調は根本から変えるような考え方になっているわけでしょう。
 そこで、国鉄に重ねてお尋ねしますが、一体あなたの方は経営形態、国鉄と運輸で相談されて反対だという意思のようでありますが、どうなっていくんだろうか。それとあわせまして、いま一番焦点になっておりますこの国鉄の共済年金というものはどんな形になっていくんだろうか。あなた方の見解をお聞きをしておきたい。
#75
○説明員(竹内哲夫君) ただいま先生からお話のございましたように、新聞紙上等には国鉄の分割であるとか民営であるとか、いろいろな報道がなされておりますけれども、私どもは、これらについては、目下の段階ではきわめて非公式なものであるというふうに考えております。私どもといたしましては、昨年運輸大臣から御承認をいただきました経営改善計画を現在一生懸命になって推進をしているところでございます。この計画がほとんど目下のところも着実に遂行されてまいっておりますし、そういう観点からいたしまして、国鉄を分割して云々というようなことについて、私どもはその点に煩わされることなく、もうあくまでも現在の形態でこの経営改善計画を推進していくということを基本といたしておるところでございます。
 したがって、ただいまお話のございました年金等の問題につきましても、これを前提にしての解決をしていただきたいということを強く望んでおるところでございます。
#76
○山崎昇君 運輸大臣、あなたにお聞きしますが、先般のこの委員会であなたが出されたものが小坂私案というふうに変わっているようですね。それから前運輸大臣をやられました田村さんのまた私案もある。それから最近の新聞報道によりますと、いまお話ありましたように、国鉄と運輸省で相談されて、地域分割その他反対である、いまの経営形態で行くべきである、こういう御趣旨のようです。
 そこで、運輸大臣にお聞きしますが、第二臨調のどうも方向は、けさの報道でも分割の方向のようですね。政府は第二臨調の答申については尊重しますと、こうなっている。そうすると、あなたの私案や田村私案や、いま国鉄から答弁のありましたこの分割その他に反対だという方針はどうなっていくのか、これは運輸大臣としてひとつ御答弁願いたい。
#77
○国務大臣(小坂徳三郎君) ただいままでのところ臨調ではいろいろな検討をしておるようでございまして、またこの臨調の結論が、十七日に第一原案ができるという報道を聞いておりますが、私はまだその内容はつまびらかにいたしておりません。一応骨子案と称するものについてのきわめて非公式な部内の報告を受けただけでございまして、これが今後どうなっていくかということについては、私も新聞紙上で見る限りにおける予測は立てておりますが、これが最終のものであるかどうかということについては、私いまここで何とも申し上げかねるわけでございます。
 ただ、私が一応の国鉄問題についての運輸大臣としての所見を持っておりますことは、いかにもこの国鉄の現状というものが大変な事態でありますし、また同時に日本の財政そのものも大変な重大な局面に立っておるし、したがってこうした中において国鉄が今日よりもさらに改善されて国民に対する負担をみずからの力でなるべく減らしていくという努力をするのは私は当然なことではないかと思います。そうしたような問題は、先ほども国鉄当局が申しましたように、いわゆる経営改善計画を進めるということ、しかしそれではひょっとすると財政的な要求には間に合わないかもしれないということで、この深度化を図るということを私は運輸大臣として進めたいと思っておるところでございます。
 なお、この将来の形につきまして、いまも委員が御指摘になりましたように、共済年金初めあるいは膨大な累積赤字、あるいはまた累積債務と申しますか、この中には国の税金が多額に入っておるし、こうしたような問題を何とかここで改善をしていくということも同時に国鉄の赤字改革への大きなステップになると考えまして、これらの問題を解決する方途として、私は私なりに、いわゆる機能別の分割というものをしたらどうかという私案を出したことは事実であります。そうした問題を私なりに提案をいたしておりますが、現在臨調でも精力的にいろいろと検討をされておるようでございますし、私といたしましても、臨調の出された結論に対しまして慎重にこれを検討し、尊重していくという政府の方針に対してはこれを守っていきたいというふうにいま思っておるところでございます。
#78
○山崎昇君 運輸大臣、国鉄はさっき明確にいまの改善計画を忠実にやっていきたい、それからあわせましていま運輸大臣から、それでは財政的に間に合わぬ場合もあるかもしれぬから多少改善計画の深度化を図りたい、こういういま答弁であります。
 そうすると、基本的にはいまの形態を多少どこかいじるかもしれませんが、昭和六十年に三十五万人体制をあなたの私案では二十六万人と、赤字を担当する法人ですか二万人、言うならば二十八万。最近出ております方針によれば二十九万人体制と、こう言う。それを全部つないでみますと、基本的には臨調のいま言っております十七日に部会報告と、こういうんですが、言っておりますこの地域分割ということについては賛成しませんよ、こう理解していいですか。地域分割についてはいまの立場としては賛成できない、あくまでもいまの改善計画は少し速度を進めなきゃならぬ、こういう考え方は持っておる。したがって経営形態はそんなに変わらぬから、さっきの国鉄の答弁では共済組合もそのままですと、ただ収支のバランスがいろいろ問題になっているので、その面から言えば、基本問題研究会で言う他の公社との統合かあるいは財政調整か、統合の方が強いというお話でありましたけれども、そういう程度で終えるんだと、こういうふうに私は理解をしておきたいと思うんですが、どうですか、いいですか。国鉄もあわせて答弁を願いたい。
#79
○国務大臣(小坂徳三郎君) 特に年金の問題につきましては、現状の中でこれを民営に分割するということで果たしてどのような形になり得るのか、私は予測できないわけでありますので、やはり現状のような体系の中での他の三公五現その他との合体というようなことが可能ならば、一つの有力な解決策ではないかというふうに考えております。
#80
○説明員(竹内哲夫君) 私どもはただいまの経営改善計画を推進してまいりたいと考えております。その際に、私どものこの計画で目標としております幹線における収支の均衡であるとか、利子あるいは助成金等を除きます一般営業損益と言っている部分でございますけれども、ここでできるだけの多くの黒字を出したいということを考えているわけであります。
 これを六十年度に達成するためには、現在のままでいいのかどうかということになりますと、若干問題があるであろう。これは特に貨物収入の分野におきましてかなり大幅な減収を来しております。これは大変に私どもにとっては影響の大きい問題でございまして、これにつきましては収入の足りない分を経費を切り詰めまして対応していかなければならないであろう。経費の中には当然人件費も含まれますし、物件費も含まれるということでありまして、三十五万人という数そのものがもう固定化しているとは必ずしも考えておりませんが、いずれにいたしましても、基本的にはこの経営改善計画にかなりのローリングをかける必要があると思いますけれども、基本線はそれでまいりたいというのが私どもの考え方でございます。したがいまして、年金問題につきましてもただいま大臣からお話のありましたような方向で御処理いただくのが望ましいのではないかということでお願いをいたしておるところであります。
#81
○山崎昇君 私の方も電電の皆さんに聞いてみても、国鉄の赤字のために電電だとかその他の国家公務員が黒字だから一緒になりなさい、これは反対です、政府は何の努力もせぬで共済組合だけ何か集めて処理をするということには反対ですというのがまた私どもに来ている意見でもありますね。ですから私は簡単にはいかないというふうに考えますが、いまいずれにいたしましてもより基本的な問題は、国鉄や電電その他の経営形態がどうなるかということがより根本の議論になってきているものですからいまお聞きをしているわけです。
 そこで、くどいようですけれども、いま私が運輸大臣あるいは国鉄当局の答弁を私なりに整理して聞けば、臨調は十七日に部会報告を出すという、七月十日前後には正式な臨調としての答申が出てくる。しかし、いま臨調の第四部会で進んでいる方向というのは、どういう報道を見ても、また何人かの臨調の委員の方にお話を聞いても、分割案の方向の方が強いと僕らは聞きます。
 そこで先ほど、国鉄が輪切りになって分割されて、ずたずたになってどういう一体全国的な輸送のネットワークというのができるんだろうかと、極端なことをお聞きしますが、たとえば時刻表一つつくるにしても、北海道は北海道で何か第三セクターか何か知りませんけれどもやる、本州は五つ六つになってそれまた何かできる、四国はできる、九州はできる、時刻表一つつくるんでも何かその下に集まっておまえのところはこれからどんな運送計画なんだとやらなかったらできないんじゃないですか。まあ端的なことをお聞きしますがね。
 それからたとえば、私は北海道でありますけれども、稚内から列車に乗れば、いままだ青函トンネルはありませんから・どうしても函館で一遍乗りかえしなきゃなりませんね。連絡船をおりて青森から乗って、上野で一遍乗りかえなきゃなりません。上野から東京駅に出て、東京駅で乗ったら鹿児島まで行きますね。しかしこれが、一体国鉄が六つにも七つにも輪切りになって、それぞれセクターだ、法人だいや何だ、民営だとなったら、稚内から鹿児島へ仮に行くとしたらどんなふうになるんだろうか。これは本当に考えてみたら、単に私は国鉄を輪切りにすればいいという問題ではないと思う、利用者の方から今度言えば。
 その一つのファクターとして、この運輸省の共済年金の問題が一つのファクターとして挙げられているだけに、国鉄共済というのは私は重要な課題だと思うからいま聞いているわけなんですが、そういう意味で、先ほどつないだことを整理して言えば、運輸大臣も国鉄当局も、どういうものが出てくるかわからぬけれども、いまの段階では分割には賛成できません、できた改善計画、昭和六十年三十五万人体制は多少直さなきゃいかぬでしょう、運輸大臣の小坂私案というのを見ても、形態はいまのままで多少、二万人程度の別な法人ができるようでありますが、いずれにいたしましても大きな変更ではない。そうすると共済組合はそのまま残って、いまもらっている人、またこれからやめてもらう人は、ああ、おれはやめたら共済組合から年金をもらって老後の生活ができるんだなあ、こうなりますね。しかし、そうでなければ不安で、それはどうにもなりませんよ。仮に分割になって、北海道にいて国鉄から共済年金をもらっておった者がどこかに住所を移したら、あなた今度違います――厚生年金ならそういうことはなくなりますけれども、別なものになったら一体どうなるんだろうか。
 こういう点等も考えますというと、この国鉄の経営形態の変わることによって、年金受給者やその他の方々が、職場でいま働いている方々は不安です、どうなっていくんだろうか、余りにもいろんなことが個々勝手にばらばらに言われて、そして大臣が何か案を出されるとすぐそれが私案に変わってみたり、こんなことは私は本当に行政機構論としても、何かもてあそんでいるじゃないだろうか、そういう気さえするんです。
 いずれにいたしましても、そんな国鉄がずたずたになって逆に今度は運営ができないようなことにならぬように、私は運輸大臣にも国鉄当局にもきちんとした態度をとってもらいたいし、それから財政を預かる大蔵大臣の方も、これは最後はあなたの方にいろいろ意見がいくんでしょうが、やっぱりそういうことをすべて頭に入れておいていただいて、この問題についてはひとつ御処理を願いたいというふうに思います。
 もう時間が来ましたので、もう一点だけお聞きをしてやめたいと思うんですが、今度、運営審議会の委員の任命を政令に移行するということにしておりますね。そこで、大蔵に聞いておきますが、今日までの経過では組合員からもやっぱり審議委員が入ってやられておるんですが、政令に移行した場合に、いますぐはそれがどうこうということはないでしょうけれども、今日までの経過とか、それからそういう実績とか、そういうものをあなた方は認めて、委員の選考等については従来と変わらないが、ただ政令で任命するんだ、こういうふうに理解していいですか。
#82
○政府委員(宍倉宗夫君) いま先生おっしゃいましたように、委員の任期につきまして今度政令にゆだねさせていただくということにいたしてお願いをしているわけでございますが、その具体的な委員さんの任命等につきましては、それぞれの組合の実態に応じて適切な処理をしてまいりたいと思います。
#83
○山崎昇君 端的に言って、任命の仕方については従来と変わりありませんと確認をしておきたいと思うんです。
 もう時間が来ましたので質問を終えたいと思うんですが、きょうは三分の一ぐらいの時間になりましたので、はしょって物を聞いておりますから、ずいぶん私の方もつまんで、抜き打ちしましたので唐突な点もあったと思うんですが、大蔵大臣ね、先ほど来述べておりますように、この年金の問題はやはり人事院勧告をどう扱うかによって結果としていろんな場面が出てまいります。そういう意味では、ことしもまた仲裁裁定ももちろんこれからでありますけれども、人事院勧告の処理を誤りますと、こういうふうに年金あるいは恩給受給者、そういうものに深刻な影響を及ぼしてくる。この点を大蔵大臣、やっぱりしかと頭に入れておいていただいてこれからの一連の給与問題等についてきちんとした態度をとってほしい、そのことだけ大臣に要望して、私の質問を終えておきます。
#84
○峯山昭範君 初めに、大蔵大臣にお伺いをいたします。
 もうすでに共済問題につきましてはわが党からも相当質問いたしましたし、余りやることもないのですが、二、三質問して、おきたいと思います。
 昨年のあの行革国会のときにもこの年金の問題が相当議論をされました。その際の鈴木総理の発言は、もう大臣もお聞きだと思いますが、私のメモによりますと、次のように答弁をしておられます。現在、八つの年金制度があり、給付、負担の面あるいは財務内容においていろいろまちまちである。年金制度には所得保障の問題、老後の生活安定という観点からそういう格差をなくしたい、それには制度の一本化に向かって努力するというのが年来の私の主張であります。その目標に向かって、当面各制度間の合理的でない面の改善に関係省庁は全力を挙げて、その格差を縮め、その上に立って一本化が可能な条件を整備していく、この方向で努力していきたいと総理大臣が御答弁になっておられます。
 また、これを受けまして、村山厚生大臣でありますが、この総理の発言を受けましてこういうふうに答弁をしておられます。総理の話は、根本的かつ長期的な見通しの上に立っての考えである。厚生省の基本構想懇談会の意見を引かれまして、「分立を前提としながら制度間の不均衡の是正」も終局的には同じ線上にある。厚生年金が問題となるのは恐らく三十年、四十年後である。この辺をめどとして最終的な一本化を図ってはどうか、これが最も実効的であろうというのが厚生大臣の答弁であります。
 こういう答弁からわかりますように、幾つかの問題があると思います。
 一つは、政府の方針としては将来的な見通しとしてやっぱり一本化したい、これは一致しているみたいですね。これが大体最終的な目標になっているようであります。それから、その目標をどのくらいの時間をかけて実現するようにするかという問題と、それからもう一つは、どういう手順で進めていくかというこの二つの問題についてはまだ明確になっていないようでありますけれども、これらの点について大蔵大臣はどういうふうに理解しておられるか、この点まずお伺いしておきたいと思います。
#85
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま御質問のあったように、各年金の一本化ということは望ましいだろうと、大体これは一致している。しかしながら、それぞれ年金の性格が多少違うとか沿革が違う、いろいろな給付の内容に多少の違いがある、それから将来に向かって極端に後から続く人が減るところもある、公務員全体としてふえることはないと思うんですね、これから。その点は一致しているが、国鉄のように極端に減るというものもありますから、一緒にすると言ってもなかなか急にむずかしい問題もございます。どういうようなことにすればみんながそんなに不安がなく、がまんするところはみんなでがまんし合ってやっていけるのか、これはきょう、あすの話じゃありませんし、私はよく検討をして今後の社会の方向というものを見きわめた上で決めていきたい。したがって、具体的にいつごろから、どういう手はずでということはまだ決まっていないと言って差し支えないかと存じます。
#86
○峯山昭範君 確かに大臣おっしゃるとおりだろうと思いますけれども、やっぱり目標と手順というのは、これ大事だと私思うんですね。そういうふうな一環として、先日から大分議論にもなっおりますけれども、大蔵省にあります共済年金制度基本問題研究会ですか、ここで検討をしていらっしゃるのだろうと私は思うんですが、これは手順とかそういう問題は別にいたしまして、それは一たん棚上げしてお伺いしたいと思うんですが、この研究会で検討をしていらっしゃる検討の方向ですね、その検討の方向もやっぱり年金制度を一本化といいますかそういうふうな方向で、そういうような枠内といいましょうか方向といいましょうか、そういうことを前提にして研究を進めていらっしゃる、こういうふうに理解してよろしいでしょうかね。
#87
○政府委員(宍倉宗夫君) 研究会での検討の基本線は、いま先生おっしゃいましたように、将来少なくとも被用者年金は一元化するということを前提にいたしまして御議論を行っていらっしゃいます。
#88
○峯山昭範君 そうしますと、世間でいろいろ言われております官民格差の問題ですけれども、こういうような問題もやっぱり漸次解消の方向といいますか、解消の方向に向けて一歩一歩改革していく、そういうふうな方向と理解してよろしいでしょうか。
#89
○政府委員(宍倉宗夫君) いわゆる官民格差の現状につきましても御議論いただいております。それからその官民格差と言われているもの、まあいろいろあるわけでございますが、本当にそれが是正すべき格差であるのか、格差と本当の意味では言えない格差であるのかというようなことで話は違ってくるかと思いますけれども、その辺のところ、是正すべきものにつきましてはその方向も御一緒に御議論をいただいております。
#90
○峯山昭範君 それからこれはちょっと違うあれですが、今度の行革と絡みまして経団連が行革についての要望を五十七年の四月十三日付で出しておられますが、この要望意見の中で、特に五十八年度の予算編成に関連をいたしまして、これに盛り込むべき重要施策の一つとして年金についての部分があります。これによりますと、「年金財政は、給付水準の一方的引上げと年金受給者の増大により、早晩、厳しい事態に陥り、積立方式から賦課的方式へ移行を余儀なくされることすら予想される。例えば、厚生年金の保険料率は、現在の一〇・六%から昭和八十五年度には、積立金の激減により三〇%以上に引上げなければ成立たないと試算されている。この際、給付水準と保険料率のバランス確保のため、受益と負担の関係について国民の正しい理解を求め、早目に対策講じなければならないが、とりわけ支給開始年令、給付水準等に見られる官民格差の是正は、行政改革の精神に則り当然の第一歩である。」云々と、こうあるわけでありますが、これは主に厚生年金に関することであろうと私は思いますが、特に財政に関することでありますので、大蔵省当局はこの問題についてどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、お伺いしておきたいと思います。
#91
○政府委員(宍倉宗夫君) いま先生がお読みになりましたように、厚生年金におきましても、それから共済年金も同様でございますけれども、将来の給付と将来その時点におきます負担との間の関係がどうもいま考えましてうまくいくんだろうかと、給付の額が非常に大きくなり、それにそれだけの給付をいたしますと、いまの時点で考えます限り負担し切れる範囲をどうも越えているんではなかろうかというような心配があるわけでございまして、その辺のところをどういうふうにこれからしていくのか、給付と負担とがバランスがとれませんと制度そのものが崩壊してしまうわけでございますから、その辺のところは給付をあるいは下げるのか、負担を上げるのか、負担を上げるといたしましても、本当にその限界があるのか、限界以上には本当に上げられるのか、こういう問題があるわけであります。
 ただ幸いなことに、一般的に申し上げれば、きょうあすといいますか、来年、再来年という短期なことではなくて、二十年先とか二十五年先とかいうような時間があるわけでございます。でございますので、その時間の中で処理をしていかなきゃいかぬ、こういう宿題がみんなあるわけでございます。ただただ、そう申し上げましても、問題でございますのは年金でございますから、何らかの制度改正をいたしますとその改正が現実に働きますまでに相当長期の経過措置が必要になってまいりまして、これが十五年とか二十年とかかるのが普通でございますから、いま私が申し上げました、給付と負担とのバランスがとれずにどうにもこうにもならなくなってしまうのではないかと心配される時期が、二十五年とか三十年とかと申しましても、経過措置のことを考えてみますと、なるべく早く、ここ数年の間で将来を見越した改正措置というものが必要になってくるんではなかろうかというふうに思っております。
#92
○峯山昭範君 そこで、大蔵大臣にお伺いをしたいんですが、いまも次長の御答弁にもございましたように、特に共済年金、共済年金だけではなくてそのほか厚生年金とかいっぱいいろいろあるわけですけれども、八つの年金制度の中のすべての問題にかかわるわけでありますが、これ非常にここ数年の間にやっぱり抜本的な対応策を考えないといけないということになるわけでありますけれども、その対応策は大臣としてはどういうふうにしてやっていかれるおつもりなんですか。
#93
○国務大臣(渡辺美智雄君) 非常にむずかしい質問でございますが、皆さんの意見も十分聞いて対応しなきゃならぬじゃないかと、事務当局としてもまた具体的にどうこうという案はまだ持ってないわけでございます。
#94
○峯山昭範君 いや、それはそうでしょう。もっと違う方向から質問いたしますと、共済年金制度基本問題研究会というのがありますね。昨年の当委員会における審議におきましてもこの研究会の問題が出てまいりましたのですが、これの果たす役割りというのはどういうふうなことになりましょうかね。
#95
○政府委員(宍倉宗夫君) 共済年金制度基本問題研究会は、御承知のとおり大蔵大臣の私的諮問機関でございます。私的諮問機関ではございますが、共済年金という横断的にある五つの共済年金を一元的な目で一遍物を考えてみようと、こういう意味合いにおきまして非常にユニークといいますか、いままでに例がないといいますか、そういった性格の研究会かと思います。先ほど来の御議論の中でこの研究会を考えてみますと、つまり、各共済年金あり、それから厚年、国年、それから船員保険というふうにあるわけでございますが、そういったものを一元的に何か物を考えていくといういまその場が実はないわけでありまして、事共済年金だけに限ってはおりますけれども、共済年金という場で一元的に物を見ていくという意味におきまして新しい役割りというのがあるのかなというふうに思っております。
#96
○峯山昭範君 これは大臣、共済年金制度基本問題研究会、これは確かにいま次長おっしゃるように、五つの共済年金の中でいわゆる総合的な立場から年金を見直していくと、非常にユニークなそういう機関であるということなんですけれども、私はこれ非常に問題が大変な問題ではありましょうけれども、実際問題大変な問題だと思います。
 そこで、何でこんなことを、多少わけのわからぬようなことを言っているかもわかりませんが、厚生大臣の私的諮問機関としてやっぱり同じようなものがあるんですね。これは大分前に設置されまして、現在は解散になっているかもしれませんが、年金制度基本構想懇談会というのがありましたね。そして、そういうものもやっぱり私的諮問機関なんですね。そして、また国鉄の中にもやっぱり国鉄の問題を考える総裁の私的諮問機関がございますね。こういうふうな重大な問題をどうして私的な諮問機関で議論をするのかと、もう少し正式に政府の諮問を受け、あるいは大臣の諮問を受けて、本気でこの問題を議論する機関をつくるべきじゃないのか、どうしてこれを私的な諮問機関でこういうふうにやっていくのかと、大臣はどういうふうにお考えなのか、これは明確にすべきだと私は思うんですよ。
#97
○国務大臣(渡辺美智雄君) 実は研究会の中でもあなたのような意見があるんですよ。聞くところによると、臨調の中でも、そんな幾つも幾つも諮問機関を持っていたって中途半端でだめじゃないかと、総理の諮問機関としては社会保障制度審議会というものがございますから、その中で部会でもつくった方がいいのか、やたらに委員会ばかりつくっても困りますからね。それはそういう意見がございますので、みんな中途半端でも困るから、何とか今後の問題として検討してまいりたいと考えます。
#98
○峯山昭範君 大臣がそこまでおっしゃるならあえてもうこれ以上余り言いませんけれども、これは、たとえば私たち内閣委員会でいま議論してこの問題は大きな問題になりかけているわけですけれども、いまここに書いていらっしゃる、私の手元にも、共済年金制度基本問題研究会がいままでどういうことをやってきて、どういうふうな人が委員で、どういう問題を審議したか、その審議内容ですね、そういうふうなもの。それから先ほどからいままで二十四回も開かれて、小委員会が六回、六回と十二回開かれてその内容を取りまとめてというふうなあれになっているわけですね。
 ということは、逆に言えば、こういうふうな私的諮問機関というのは、こういうふうに取りまとめもし、そしてそれを報告書としてつくる、そしてそういうふうなことをやるということは国家行政組織法に違反するわけですね、言うたら。しかも行政管理庁もこういうふうなことはいかぬと言って通達をしておるわけですね。そういうふうなことをやるということは非常に遺憾なことだと私は思います。その点についてのお考えも明確にしておいていただきたい。そういうことについては全く違反にならないとお考えになってやっていらっしゃるのか、あるいは多少これは差しさわりがあると思ってやっていらっしゃるのか、これも明確にしていただきたいと考えております。
 それから、いま大臣がおっしゃった正式の八条機関として社会保障制度審議会がありますね、これは正式の八条機関としてあるわけです。これは行政管理庁から各省庁に通達が出ておるわけです。それは私的諮問機関を余りつくらないようにという通達のときに、現在ある公式の、いわゆる大臣のおっしゃったことが通達で出ておるわけです。社会保障制度審議会という審議会があったら、その審議会の部会なり何なりをきちっとつくって、そして正式の機関として議論をし、検討をやりなさいという通達が出ておるわけです。ですから、そういう通達から考えましてもこれが非常におかしいわけです。
 しかも私何で言うかといいますと、私の手元にあります厚生白書ですけれども、こういうふうな厚生白書の中でも、これは厚生年金の問題ですけれども、いわゆる厚生年金制度基本構想懇談会というこれは厚生大臣の私的諮問機関としての意見なんですけれども、それが堂々と出ておりますし、先ほども私ちょっとわざと申し上げたわけでありますが、長々と先ほど引用した厚生大臣の国会における正式の答弁でも、その答弁がいわゆる正式の基本構想懇談会、私的な諮問機関の意見が公式の本会議場や予算委員会の席上で堂々と意見として述べられている。それは、結局そのこと自体は私はわけがわかっていいことだからそれはそれでいいとしても、これはやっぱり法律上非常にまずいことなんですね。
 ですから、そこら辺のあり方というのはやはりきちっとしていただかないと、これだけ重大な年金制度という問題をこれから検討するに当たっては、それなりにきちっとした方向で検討していただいた方がいいんじゃないかと、こういうふうに私は考えております。きょうは運輸大臣もお見えになっておりますので、これは運輸省の年金のこれからの検討の問題とも多少絡んでまいります。両大臣のお考えをお伺いしておきたいと思います。
#99
○国務大臣(渡辺美智雄君) 実はこれは先週でしたか、中曽根行管長官から発言がありまして、閣議の席上であなたと同じような話が実はあったんです。私的諮問機関で答申があったとしても、あたかもそれが行政機関の答申のごとく何々の委員会の決定に基づきとかなんとか、そういうように一つの行政機関の決定事項のように言うことは差し控えてもらいたいという指示でございました。それはどこまでもその大臣の勉強機関でございますから、大臣が意思決定をする際にそれは尊重されることも参考にされることも御随意だけれども、行政機関の審議会ではないというような指示がございましたので、われわれとしても今後そういうように誤解を与えないようにやっていきたいと、そう思っております。
#100
○政府委員(永光洋一君) 研究会につきましては、運輸省としましては、国鉄の問題は非常に従来から重大な問題でありまして、国鉄あるいは運輸省でもいろいろ頭を痛めておったわけでありますが、そういう意味では大蔵省にこういう識者の方々がお集まりになっていろんな御議論を闘わせる研究の場ができたということ自体が、いまユニークというお話がありましたが、ありがたいということで、いろいろわれわれもデータを出し、いろいろ御意見を承っておるわけでございますが、いま先生がおっしゃいますようないろいろな議論があると思いますので、大蔵省とも相談しながら対応いたしてまいりたいと、こう思います。
#101
○峯山昭範君 終わります。
#102
○安武洋子君 共済組合の貸し付けの問題についてお伺いをいたします。
 現在、共済組合の一部の組合では一般貸し付けそれから特別貸し付け、住宅貸し付け、こういうようなのがございますけれども、この住宅貸し付けにつきまして現在八百万円が上限というふうに聞いております。都会地では八百万円ではマンション一つ購入するにも不足であるというふうなことで、組合員の方から一千万円に引き上げてほしいと、こういう要求が出ているように聞いております。大蔵省もこれは検討中と聞いておりますけれども、いつから実施をなさいますのでしょうか。
#103
○政府委員(宍倉宗夫君) 住宅貸し付けにつきましては、先生おっしゃいますように目下八百万円でございます。これを引き上げるかどうかということでございますが、年金福祉事業団の被保険者住宅の貸し付け、これは一千万円に上がっておりますが、土地の購入費、住宅建設費の動向、長期経理の財政状況などを総合勘案していま検討をいたしておりますが、いつからどういうふうになるかということは、ただいまここではっきりと申し上げることはお許しいただきたいと思います。
#104
○安武洋子君 大体の実施をしようという意向はお持ちなんですね、時期は言えなくても。そして、もしそういう制度を一千万というふうになさるというふうなことになりますと、これは貸付利子を引き上げることとセットでというふうなことで検討なさっていらっしゃるんでしょうか、その点もお伺いいたしておきます。
#105
○政府委員(宍倉宗夫君) 先ほど申し上げましたように、八百万円が限度でございまして、その金利が五・六四%というのがわりあいと多い。高いところですと六%ぐらいのところもあるようでございますが、それを八百万円を一千万円にしたら金利をさらに上げるのかと、こういうお尋ねかと思いますが、この貸し付けの金利というのはなかなかむずかしいわけであります。むずかしいわけだと申しますのは、借りる方の人の身になってみますと金利はなるべく低い方がよろしいわけでございますが、共済組合に加入しておられる一般の組合員にとってみますとなるべく高い方がいいわけであります。みんな仲間同士のお金の貸し借りでございますし、それからこの原資につきましては五・五%で少なくともまいりませんと共済の方の財政がうまくいかないということでございますから、それを五・五%を超えたところはなるべく多ければ多いほど、つまり後代の方が住宅貸し付けを受けるときの原資にもなるということになりますものですから、その意味では、いま申し上げましたように高い方がいいという面もあるわけでございます。でございますので、その辺のところの兼ね合いにつきましてなかなかむずかしい問題がございます。
 一般的に申しますと、いま貸付事業の資金にあてるための積立金というものが、過去三カ年平均貸付残高の一〇%を積み立てることになっているんですけれども、大半の組合におきましてはそこまで至っておりませんものですから、もう少し積立金をふやしていくという方向をとらなければならないんじゃなかろうかなというふうには思っております。思っておりますが、いま先生おっしゃいました問題につきまして金利を上げるのかどうかということにつきましては、まだ貸付限度額を引き上げることと一緒に検討中でございます。
#106
○安武洋子君 では確認しますけれども、一千万円に引き上げるということを検討中、しかしその金利をセットにするかどうかということも検討中、すべて検討中、そして、何もこの期限もわからない、こういうことなんですか。
 それで、時間の関係であと質問を続けますが、いまいろいろとおっしゃいましたけれども、貸し付けの原資の内部留保を高めよというふうな意向をいまおっしゃいましたが、そういうことで貸付利子の引き上げを各省庁に指示をなさっているということで、五・六四未満ですね、こういうところは五・六四%まで引き上げよ、これは行政指導である、引き上げないで現行のまま事業計画を大蔵省に持ち込んできてもこれは承認になるかどうか考えさせてくれと、こういうことを言っておられるというふうなことを聞いております。すでにこの四月から、こういう行政指導があったからでしょうか、通産省、総理府、衆議院、参議院、こういうところでは五・五%から五・六四%に、防衛庁では五・八%に引き上げられたというふうに聞いております。
 それで、大蔵省、こういうふうな五・六四未満のところは五・六四まで引き上げよ、これが行政指導だ、現行のまま事業を持ち込んできてもそれは考えさせてもらうというふうなことでありますと、大変私は脅迫的な行政指導ではなかろうかと思うのですが、こういうふうなやり方で行政指導をなさっていらっしゃるんでしょうか、お伺いいたします。
#107
○政府委員(宍倉宗夫君) 確かに五・六四%まで少なくとも引き上げてほしいという指導をいたしたことは事実でございます。そういうふうにしなければいかぬという脅迫じみたようなことは申していないと思いますが、現実の問題として、先生おっしゃいましたように、各共済組合では、つまり私が先ほど申し上げましたように金利を上げるということは積立金をふやすということで、それは後代の人々が住宅貸し付けを受ける便宜になるものでございますから、そういった趣旨をおくみ取りいただきまして、みんな五・六四%を超える金利に改定をしていただいているということでございます。
#108
○安武洋子君 共済組合の問題というのは、私は根本的に解決をしなければならない問題であると思います。ただ、いまおっしゃるような一現象面だけ見て貸付金利だけを引き上げるというふうなことでは、組合員に私はしわ寄せを持っていくだけということになろうかと思います。そういうやり方については私は納得できませんし、そして脅迫的ではないとおっしゃいますけれども、やはり大蔵省の、五・六四まで引き上げないと事業を持ち込んできてもそれは考えさせてもらうというふうなことになりますと引き上げざるを得ないということで、各共済組合の自主性を損ねていくことはなはだしいというふうに思うわけです。私はそういうふうなことではなくて、共済問題をやはり根本的に考え直すという観点に立って、すべてを組合員にしわ寄せをしないというふうにやっていただくべきではないかと思います。その点についてお伺いいたします。
#109
○政府委員(宍倉宗夫君) すべてを組合員にしわ寄せをするということでやっているわけではございませんで、先ほどの貸付金利の引き上げを行うに際しましても、再三申し上げておりますように、私どもからその趣旨を申し上げ、同時に各省庁の事務担当者会議でございますとか担当課長会議等で御議論いただきまして、申し合わせがそれぞれ行われまして金利の引き上げが行われたというようなことでございますので、一方的に私どもから強制をしたというようなことではないことを御承知いただきたいと思います。
#110
○安武洋子君 強制はしてなくても、事業計画がうまくいかないというふうなことを言われれば、やっぱりこれは強制的になるということをお考えいただきたいのです。
 私はここで、共済組合連合会の直営病院である稲田登戸病院ですね、この空調それから給排水工事、これにかかわる不正問題が起こっておりますけれども、この汚職事件の概要をお述べください。
#111
○政府委員(宍倉宗夫君) 国家公務員共済組合連合会の営繕部技術専門役が病院整備工事に関連しました事件の概要でございますが、次のとおりでございます。
 まず冷暖房工事、給排水工事等の請負業を営みます特定の業者を元請人等に対して下請人として採用するようにと推奨したという事実があるようでございます。
 それから二番目に、連合会が設計を外部委託いたします際に、特定の業者のボイラーを採用するよう指示するなど好意ある取り扱いをしたようでございます。
 これに対し金銭の給与を受けたという収賄容疑で起訴をされまして、五月二十六日に第一回の公判が予定されております。
 このような不祥事が発生したことはまことに遺憾なことでございますので、直ちに連合会に対しまして厳重に注意し、私自身、連合会の理事長さんによく今後そういことのないように御注意申し上げたところでございます。
 なお、連合会におきましては、本人及び関係者の処分につきまして現在検討中でございます。また、こうした事件が発生したことにかんがみまして、事務処理体制について鋭意見直し中と聞いてございます。
 以上でございます。
#112
○安武洋子君 こういうふうな事件、これは私はたまたま明るみに出た事件ではなかろうかというふうに考えます。と言いますのは、共済組合連合会からは年間四十億から五十億に上るというふうなお金を扱っているわけですけれども、今後汚職、談合事件こういうものを起こさないためにも、私は、いまの事件ですね、稲田登戸病院のこういう事件の内容というのを徹底的に調査をしていただいて、すべてを明らかにして公表すべきだということが第一点です。
 それから、いやしくも公務員の掛金を扱っているわけですから、こういう公金を扱っているということになりますと、それに携わる職員の綱紀粛正、これをやっぱり厳重にやらなければいけない。ただ口先で綱紀粛正をしますということでなくて、具体的な手だてが要ろうかと思います。監督の責任を負う大蔵大臣の御見解をお伺いいたしたいと思います。
 ですから二点、まず先ほどの病院のすべてを徹底的に調査をして、そして公表していただきたいということです。それからいやしくも公務員の掛金を扱うわけですから、綱紀粛正と、ただ単にそういうことだけではなくて、どういうふうに綱紀を粛正していくかというふうなことを、監督の責めを負う大蔵大臣の御見解を伺っておきたいと思います。
#113
○国務大臣(渡辺美智雄君) 公金を扱う立場でございますから、それは綱紀をきちっと厳正に守っていく、当然のことでございます。これは実情を調査をしてきちんと報告を求めて適切な処置をとりたいと、そう考えております。
#114
○安武洋子君 事務当局に伺いますけれども、先ほど私が御質問いたしましたように、この問題を徹底的に調査して公表していただけますね。そして、いま大臣の政治的な御答弁がございましたけれども、それをもっと具体的に、綱紀粛正というのは実際にこういうふうにやっていくんだという監督省庁としての責任があろうかと思います。その点を御答弁をいただきたいです。
#115
○政府委員(宍倉宗夫君) 事実関係等につきましては、いま私、概要をここで御説明申し上げましたが、そのときにも申し上げましたように、五月二十六日から公判が予定されております。でございますので、事実関係につきましてはこの公判、裁判所の審理に待つということが一番私としては穏当なことかと存じます。その裁判の結果を待ちまして、いま先生おっしゃいましたように、こういうことが他にあっては大変なことでございますから、その裁判の結果を教訓にいたしまして、他にそういうことのないよう、また起こらないよう、十分な措置を講じていかなければならないかと思っております。
 なお、綱紀粛正の問題につきましては、具体的な手段を連合会におきまして検討、実施させ、報告を求め、私どもも通り一遍の綱紀粛正通達だけではなくて、現実の問題として処理をしてまいりたいと思っております。
#116
○安武洋子君 もう時間が参りましたので最後に要望しておきますけれども、今度の病院の事件という、それはなるほど裁判もございましょう。しかし、こういう問題を裁判、これは長くかかりますから、そういう結果を待つだけでなくて、やはり具体的に調べていただかなければならないというのは、四十億から五十億に上る発注がなされている。だから私は、これはたまたま起こった事件ではなかろうかと、こういう類似事件があってはいけないので、そういう点も十分に御調査をいただくということでなければいけないということで、この問題がどういうふうに起こったかということを具体的に独自に御調査なさって公表していただく、そしてほかのものについてもやはり徹底的に、こういうことが起こらないように調査を進めていただく。そして、綱紀粛正の問題についてもちゃんと歯どめがかかるようにやっていただきたい、こういうことをお願いしておりますので、その点、どうぞちゃんとやっていただいて、そしてこの登戸病院の問題につきましては、わかり次第、公表をしていただきたい、このことをお願いして、質問を終わります。
#117
○柄谷道一君 大蔵大臣にお伺いいたしますが、行革臨時国会を初め、鈴木総理はしばしば国会におきまして年金一元化の方向を明確に答えられております。また、社会保障制度審議会、これは基礎年金構想という具体的な問題を織り込んではおりますけれども、方向としては年金制度の一元化を答申いたしております。さらに、私的諮問機関ではございますが、共済年金制度基本問題研究会、また国鉄総裁の諮問機関である船後委員会、さらには運輸大臣の出されました国鉄再建の中のいわゆる小坂私案、さらに現在第二臨調の第二分科会で検討されております審議の経過等を踏まえますと、いずれも年金制度を一元化せよという方向に向かってとうとうと時代は動いていると、こう受けとめられるわけでございます。
 ところが実態を考えてみますと、この前私が質問いたしました際にも、電電、専売の両共済としては、負担の平準化について私としては強い抵抗があるということを答弁の中で受けとめることができました。したがって、今後年金の一元化、特に国公及び三公社の年金一元化を第一段階として推進していこうとする場合、一番焦点になるのは、どういう経過措置をとっていくのか、いわばどれぐらいの期間においてどういう階段を上がっていくのか、これが年金一元化の成否を決する重要な問題になってくると私は受けとめるわけでございます。したがって現在、大蔵大臣として、非常に反発の強い国公及び三公社共済を一元化するに当たって、その経過措置として具体的にどういうことをお考えなのか、これを明確にお答えをいただきたい。
#118
○国務大臣(渡辺美智雄君) 先ほどもお答えをいたしましたように、残念ながらまだ明確な段取りがないということであります。
#119
○柄谷道一君 そこで、さらにお伺いをいたしますが、その場合、国公関係には審議会があるんですね。三公関係はいわば運営審議会があると、こう私は理解いたしておりますが、いわば共済制度というのは相互扶助を理念とする制度でございます。したがいまして、この制度を大きく変えて統合一元化を図るということになれば、その相互扶助の対象になっている共済組合員の了解を得るということがまずその前提でなければならないと思います。この具体的方法について、具体的な調整、暫定措置の期間は、これはわからないということでございますが、どういう方針で共済組合員の了解をとろうとしていらっしゃるんですか。
#120
○政府委員(宍倉宗夫君) 柄谷先生の御質問を伺っておりまして、一々みんなつぼを突いていらっしゃって、大変に大事な問題なんでございますが、しかし、いまの時点でございますと、まだ国公共済と公企体共済と統合するということを政府として決めている段階ではなくて、まだ共済の基本問題研究会におきましてもそこまでの結論にはなっていない段階でございますので、先生お尋ねの点につきましては、そういう結論が出ました暁におきましては早急に詰めなければならない大事な問題だと思いますが、現時点におきましてははっきりお答えできるだけの用意がございません。
#121
○柄谷道一君 形式的にはまだ一元化の方向を政府として決定していない、それはそのとおりでございましょう。しかし、私言いますように、総理答弁から一連の動きを見ておりますと、いわゆる国公と三公社共済の一元化という方向以外に新たな道はないと。この前の私の質問に対して、頼む、助けてもらう国鉄としては何も言えないけれども、それ以外に方法はございませんというところまで言っているわけですから、必ず六月に報告――答申と私言いませんよ――報告が出ましたら、ことしの秋口ぐらいには完全にこれは表面化してくる問題であることだけは事実であろうと思うんです。その場合、いかなる暫定措置をとるのかということと、いかなる方法で共済組合員の了解をとるか、これは表裏の問題でございまして、これに対して円滑な処理ができなければ、幾ら方針を打ち出しても空中分解の危険があるということを私は指摘しておきたい。態度がないと言うんですからこれ以上の質問をしてもお答えはないと思いますが、問題の指摘だけはこの際明確にいたしておきたい、こう思います。
 そこで、仮に統合しても、国公と三公社共済が収支いわゆる黒を出すというのは六十二年までですね。それから統合しても赤字に転落していくわけですから、いわば国公及び三公社の共済統合というのは、言葉をかえれば五年間の暫定措置だとしか私は受けとめられないわけでございます。当然、その次のステップに来る問題は、厚生年金との統合問題が爼上に上がってくる。そこで、第二臨調第二部会からはいま二つのことで恐らく答申が出てくると私は思うんです。一つは、各年金制度を通じ、記録、裁定、支払い等を一元的に処理する体制をとる、これが一つ。これは事務管理、処理の一元化体制の問題。第二に出てまいりますのは、各分立した年金制度の所管を越えて、全政府的な立場で改革の具体案、手順等を示し得る場を一、二年の時限で設置する。いわゆる既設審議会の改組を含めて、時限的審議会を設けてこの大事業に取り組むべきである。この二つが臨調報告の中に盛られてくることは必至であろう、私はこう思うんです。その準備はしておられるんですか。具体的なこういうものが出てきたときにどう対応するお考えですか。
#122
○政府委員(宍倉宗夫君) いま先生お読みになりましたような検討を臨調の内部としてなさっているやに私ども伺っております。伺っておりますが、それは部会の報告でもない、まだ検討の途中の話でございますので、それに対しまして具体的に私どもでどうするこうするということをまだ議論もいたしておりませんし、それからその問題に対する答えも固めておりません。
#123
○柄谷道一君 それでは、七月に臨調答申が出ましたら、その考え方を具体的に処理する場はいつでございますか。臨時国会ですか、来年の通常国会ですか。
#124
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはまた大問題な質問なんです、実際これは。どんなものが出てくるんだかわからないわけですから、私は一年でやるとか三年でやるとかいうようなことは言えない。いずれにしても、いま新聞に出ているようなことしか私知りませんよ。あれだけだって大変なことでして、半年や一年でできる話ではない。幾つかに分けてやはりやらなきゃならぬ問題であるというように考えておりますし、大変なこれは発想の転換、国民の皆さんの理解と協力、そのPRの時間もかかるでしょう。それは、やはり国民が理解していただかなければ、国会議員は国民の代表、代弁者ですから、理解できないわけですから。そういう意味で、もう臨調答申が出たからそれで全部できちゃったということはない。私は、それからが大変な仕事の始まりであると、そう思っておるわけでございます。それ以上のことは私はわかりません。
#125
○柄谷道一君 わからぬと言われたらこれ質問のしようがないんですけれども、僕は、これもし統合ということになれば、三つのステップを踏むと思うのです。
 一つは、国公と三共済の統合が第一次ステップでしょう。第二ステップは、厚生年金との統合に入る前に、たとえば自治省、農水省、文部省等が所管しておるその他の共済、三公社以外の共済との統合問題が一体どうなるのか、これが第二段階のステップとして必ず出てくる。そして、仮に共済のオール統合ができ上がった暁に、今度は被用者保険たる厚生年金との統合問題、こういうステップを踏んでいくと。これは常識的な物の考えです、期間をどれだけかけるかは別でございますが。
 そこで、時間が十五分しかないのであれでございますけれども、ここで率直にお伺いしますが、運輸大臣も大蔵大臣もそれぞれの所管をお持ちの大臣であると同時に国務大臣である。しかもお二人ともニューリーダーですね。わが国の老齢化社会がピークに達するのは二〇〇二年です。あといまから二十年後。その前後にはニューリーダーたるお二人は総理大臣と国民から期待されている人材でございます。そこで、このお二人に雇用保障、生きがい保障を含めて、これからの深刻な老齢化社会に対応していかなる基本方針を持って臨もうとしていらっしゃるのか。総理大臣のテストではございませんけれども、ひとつ抱負経論をこの際明確にしていただきたい。
 さらに、私は一つの考え方として、これだけの大事業をなし遂げようと思えば、当然いまの第二臨調のような、いわゆる国会で設置する権威ある総合審議会を設けて国民意識の合意を図りながら、この老齢化社会に対応するいわゆる体制づくりを少なくともいまから準備しなければ、あと二十年先の深刻な老齢化社会に対応できない。こういう考え方を持つ者でございますが、この考え方に対してどうお考えか。以上二点、お答えをいただきたいと要求しまして、私の質問を終わります。
#126
○国務大臣(渡辺美智雄君) 西暦二〇〇〇年のころになれば私は地球にいないかもしれませんから、それは別でございますが、しかし老齢化社会が進めば、これはもう大変な変革が起きてくることは事実でございます。年金についても、現在の給付水準のままでも年金受給者が毎年百万人ふえるということははっきりしておるわけですから、だれがこれを負担をしていくのかという大きな問題がございます。現在は、厚生年金などももう毎年改善をやってまいりまして、十万七千円ぐらいの平均手取りになっております。これはドイツの年金と大体同じぐらい。しかしながら、ドイツは約一八%以上の負担をしておりますが、日本は一〇・六ぐらいですか、もらう金は大体同じで負担は約六掛けで、そして向こうは六十五歳から、こちらは六十歳から。早くもらった方が長生きして、後からもらった方が先に死んで――ドイツの方が先に死にますから。平均寿命は日本よりも低いですから。したがって、日本の厚生年金だけをとっても、一番いいと言われる厚生年金でも大変な問題であります。
 したがって負担が、現在の給付水準を維持していくとすれば、すでに現在の倍ぐらいにしなければ実はやっていけない、これも明らかなわけであります。さらに給付水準を上げると、もっともっと負担をふやさなければならない。できるのかということになると、当然そこには支給年齢の開始年限についてどうかという問題が一つ。それからもう一つは、やはり老人に働いていく雇用の機会というものを与えていく必要がある。こういうような両方をどういうふうに調和させるか、若い人の負担というものの限界がどれぐらいあるのか。また長生きになった以上は、当然自分自身で働く期間というものをどこまで長く延ばすのか、こういうような幾つかの問題を組み合わして老齢化社会には対応していく必要がある、そう考えております。
#127
○委員長(遠藤要君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#128
○委員長(遠藤要君) 速記を起こして。
#129
○国務大臣(小坂徳三郎君) 私は、高齢化社会の中で最も重要なことはやはり活力のある社会だろうと思います。この活力ある社会をどうやって維持するか。その一つの方法として、年金制度というものが大きな役割りを果たすことは認めるわけでありますが、やはりそうした意味において活力のある社会でなければならないということを最も政策の重点に置かなければならないし、その中の一つとしての年金問題であり、かつまたいわゆる社会の構造の変化等々いろいろな問題を考えていかなければならぬと思います。
 同時に、こうしたことに対して、先ほど委員がおっしゃいましたが、第二臨調のようなもので思う存分な議論をすることもどうかという御提案でございますが、私はなかなか、こうした国会の審議のほかに、さらにまた臨調のような一つの組織を持つことも一法であるかとも思いますが、やはりこれは現在の臨調がどんな仕事をやり、どんな結論を出し、それがどのように実現されるかというところまで十分な配慮があっての答申を出してもらうのを見てから考えるべきであって、本来はこうした国会内において各政党、そして各議員の方々の自由な意見の討論の中から総合的な観点を見出していくということが最も適当な方法ではないかというふうに思っています。
    ―――――――――――――
#130
○委員長(遠藤要君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 ただいま、桧垣徳太郎君が委員を辞任され、その補欠として岩本政光君が選任されました。
    ―――――――――――――
#131
○委員長(遠藤要君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めます。
 両案の修正につきまして片岡君及び伊江君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。片岡君。
#132
○片岡勝治君 私は、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党・国民連合を代表して、ただいま議題となっております共済関係二法案に対し、修正の動議を提出いたします。その内容はお手元に配付されております案文のとおりでございます。
 これより、その趣旨について御説明申し上げます。
 両法律案は、恩給法等の一部を改正する法律の改正内容に準じて、共済年金受給者の年金額等の引き上げ等、処遇の一層の充実を図ることとしておりますが、年金改定の実施時期は例年よりも一カ月繰り下げられて五月からとされております。共済年金改定の実施時期につきましては、昭和四十八年の十月から逐年改善が図られ、五十二年度以降は四月実施が確立した慣行となったわけであります。ところで、四月実施であっても、年金受給者にとりましては、現職公務員の給与改定と比較しますと一年おくれの改善に甘んじているという実情なのであります。それをさらに一カ月おくらせようとする今回の政府の提案は、従来から進められてきた年金充実の方針のまさに百八十度の方向転換にほかならないと思わざるを得ません。
 現在の年金受給者は、国家公務員三十七万人、公共企業体職員三十九万人の合わせて七十六万人でありますが、これらの方々にとっては、今回の政府の提案は、処遇の改善どころか福祉の後退となることは必定であると思います。今後高齢化社会を迎えるに当たっては年金制度の充実は不可欠のものでありますが、今回の措置はそれに逆行し、老後の生活に深刻な不安を抱かせるものであり、かかる福祉の後退は、これを認めることができないのであります。
 私たちは、このような立場から共同して修正案を提出するものでありまして、その内容は、共済年金改定等の実施時期の五月を一カ月繰り上げ、例年どおり四月から実施すること及び両法律案の施行期日を公布の日に改めるとともに、昭和五十七年四月一日にさかのぼって適用するために必要な修正を行うものであります。
 以上が修正案の提出理由とその内容の概要であります。
 なお、本修正により必要とする経費は、国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関しては約十四億円と見込んでおります。
 委員各位の御賛同をいただき、速やかに可決されるよう要望して、修正案の趣旨説明を終わります。
#133
○委員長(遠藤要君) 伊江君。
#134
○伊江朝雄君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表して、ただいま議題となっております共済関係二法案に対し、修正の動議を提出いたします。その内容はお手元に配付されております案文のとおりでございます。
 これより、その趣旨について御説明を申し上げます。
 両法律案の施行期日については、原案では昭和五十七年五月一日とありますが、すでに同日を経過しておりますので、昭和五十七年五月一日を公布の日に改めるとともに、昭和五十七年五月一日にさかのぼって適用するために必要な修正を行うものであります。
 以上が修正案の提出理由とその内容の概要であります。
 委員各位の御賛同をいただき、速やかに可決されるよう要望して、修正案の趣旨説明を終わります。
#135
○委員長(遠藤要君) ただいまの片岡君提出の修正案のうち、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本修正案に対する意見を聴取いたします。渡辺大蔵大臣。
#136
○国務大臣(渡辺美智雄君) この修正案につきましては、政府としては反対であります。
#137
○委員長(遠藤要君) それでは、これより直ちに原案並びに両修正案について討論に入ります。――別に御意見もなければ、これより両案について採決に入ります。
 昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案の採決を行います。
 まず、片岡君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#138
○委員長(遠藤要君) 少数と認めます。よって、片岡君提出の修正案は否決されました。
 次に、伊江君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#139
○委員長(遠藤要君) 多数と認めます。よって、伊江君提出の修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部の採決を行います。
 修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#140
○委員長(遠藤要君) 多数と認めます。よって、修正部分を除いた原案は可決されました。
 以上の結果、本案は多数をもって修正議決すべきものと決定いたしました。
 次に、昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案の採決を行います。
 まず、片岡君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#141
○委員長(遠藤要君) 少数と認めます。よって、片岡君提出の修正案は否決されました。
 次に、伊江君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#142
○委員長(遠藤要君) 多数と認めます。よって、伊江君提出の修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部の採決を行います。
 修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#143
○委員長(遠藤要君) 多数と認めます。よって、修正部分を除いた原案は可決されました。
 以上の結果、本案は多数をもって修正議決すべきものと決定いたしました。
 この際、柄谷君から発言を求められておりますので、これを許します。柄谷君。
#144
○柄谷道一君 私は、ただいま可決されました共済関係二法案に対し、各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案及び昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、共済組合制度の充実を図るため、次の事項について、なお一層努力すべきである。
 一、国家公務員共済組合等及び公共企業体職員等共済組合からの既裁定年金の年金額の改定実施時期については、従来の経緯にかんがみ、恩給法の施行時期との関連につき今後引き続き検討すること。
 一、遺族年金については、給付水準、遺族要件等の適正化につき更に検討を進めること。
 一、共済年金の成熟度の進行に伴い、その財源措置及び制度の充実に努めること。
 一、年金制度の充実のため、逐次その統合化について検討を進めるとともに、国の社会福祉に関する使命にかんがみ、各種年金制度の整合性について、更に国民の合意が得られるよう十分検討すること。
  右決議する。
 以上でございます。
#145
○委員長(遠藤要君) ただいま柄谷君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#146
○委員長(遠藤要君) 全会一致と認めます。よって、柄谷君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、渡辺大蔵大臣及び小坂運輸大臣からそれぞれ発言を求められておりますので、この際、順次これを許します。渡辺大蔵大臣。
#147
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。
#148
○委員長(遠藤要君) 小坂運輸大臣。
#149
○国務大臣(小坂徳三郎君) ただいま附帯決議のありました事項につきましては、政府といたしまして、御趣旨を体し十分検討いたしたいと思います。
#150
○委員長(遠藤要君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#151
○委員長(遠藤要君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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