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#1
第096回国会 内閣委員会 第11号
昭和五十七年五月十三日(木曜日)
   午前十時三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十二日
    辞任         補欠選任
     岩本 政光君     桧垣徳太郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         遠藤  要君
    理 事
                伊江 朝雄君
                林  ゆう君
                片岡 勝治君
                柄谷 道一君
    委員
                板垣  正君
                源田  実君
                竹内  潔君
                桧垣徳太郎君
                堀江 正夫君
                山内 一郎君
                野田  哲君
                矢田部 理君
                山崎  昇君
                中尾 辰義君
                峯山 昭範君
                安武 洋子君
                秦   豊君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (行政管理庁長
       官)       中曽根康弘君
   政府委員
       臨時行政調査会
       事務局首席調査
       員        山本 貞雄君
       公正取引委員会
       事務局経済部長  佐藤徳太郎君
       行政管理庁長官
       官房総務審議官  門田 英郎君
       行政管理庁長官
       官房審議官    古橋源六郎君
       行政管理庁行政
       管理局長     佐倉  尚君
       行政管理庁行政
       監察局長     中  庄二君
       郵政省電気通信
       政策局長     守住 有信君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木 源三君
   説明員
       警察庁刑事局保
       安部保安課長   仲村 規雄君
       大蔵大臣官房日
       本専売公社監理
       官室長      平岡 哲也君
       大蔵省理財局国
       有財産第二課長  太田 幸維君
       通商産業省機械
       情報産業局総務
       課長       棚橋 祐治君
       運輸省自動車局
       総務課長     荘司 晄夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○連合審査会に関する件
○行政事務の簡素合理化に伴う関係法律の整理及
 び適用対象の消滅等による法律の廃止に関する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(遠藤要君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨十二日、岩本政光君が委員を辞任され、その補欠として桧垣徳太郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(遠藤要君) この際、連合審査会に関する件についてお諮りいたします。
 行政事務の簡素合理化に伴う関係法律の整理及び適用対象の消滅等による法律の廃止に関する法律案について、逓信委員会からの連合審査会開会の申し入れを受諾することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(遠藤要君) 御異議ないものと認め、さよう取り計らいます。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(遠藤要君) 行政事務の簡素合理化に伴う関係法律の整理及び適用対象の消滅等による法律の廃止に関する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#7
○矢田部理君 最初に、七月にも予定をされる臨調の本格的な答申について伺いたいと思いますが、いまの作業状況等をまず概況的に御説明をいただきたいと思います。
#8
○政府委員(山本貞雄君) お答えいたします。
 臨時行政調査会におきましては、先般、ただいま先生のお話しのとおり、七月の基本答申に向けてのおおよその取り扱うべき主要課題、それからスケジュールを一応決めたわけでございます。これによりますと、まず第一部会は、行政改革の理念及び重要行政施策のあり方ということで、これはただいまのところ五月の二十九日に部会から調査会に報告を出す。それから第二部会でございますが、これは内閣の総合調整機能あるいは行政組織論、これにつきましては現在のところ五月の二十四日に部会報告を提出する。そして、公務員制度の問題につきまして、特に給与の問題につきまして、これは五月の三十一日に分科会から部会を通じて調査会に報告する。そして、第三部会のいわゆる国、地方の問題につきまして、これも五月の二十四日に部会報告をする。そして最後に、第四部会の三公社それから特殊法人の問題につきまして、これは五月の十七日をめどに部会報告する。こういうふうな予定でございまして、これを受けまして、調査会におきまして検討の上七月中に調査会としての答申を行う。大体このようなスケジュールで進めておるわけでございます。
#9
○矢田部理君 中曽根長官に伺いたいと思います。
 七月に本格的な答申、基本答申が出てまいりますと、当然のことながらかなり膨大な内容のものが出されてまいりますから、それに対応する臨時国会等は必要になろうかと思うわけでありますが、臨時国会でやるのか、それとも来年の通常国会で主として審議に供するというようなことになるのか、その辺の政治的なスケジュールはどうお考えでしょうか。
#10
○国務大臣(中曽根康弘君) 臨時国会で行われるか通常国会で行われるか、まだ白紙の状態でございます。七月答申の内容を見まして、それに対する手順を考えまして、それによりましていろいろ判断してまいりたいと思っております。
#11
○矢田部理君 政治スケジュールはまだ未定だということでありますが、基本答申が、各部会の報告などでそのデッサン的なものが出てきているわけですね、すでに。その中で、これは本格的においおい問題にもしなければならぬわけでありますが、二つの点について少しく臨調なり大臣の方から伺っておきたいと思うのですが、一つは、防衛問題についてかなり立ち入った議論や問題が出されているように思われるわけですが、こういうことまで臨調にやってもらう、あるいは臨調がやるという考え方なのでしょうか。
#12
○国務大臣(中曽根康弘君) 臨調の審議につきましては聖域はない、こういう大前提でもってやっておりますが、そういうかげんもありまして、第一部会において行政全般の中に防衛問題も入っておりまして、いかにこれを簡素化し合理化し、あるいは新しい時代にたえ得る行政体系にしていくかという点から点検、検討はされております。
#13
○矢田部理君 単に防衛問題についても簡素化、合理化するためにということを越えて、国家の基本政策にかかわるような部分まで相当踏み込んだ議論がなされ、かつ動きがあるように思われるわけですが、それもやってもらうということでしょうか。
#14
○国務大臣(中曽根康弘君) 聖域はないと言いましても、おのずからそれは限界はあるだろうと思います。政治の領域に深く踏み込んだものは臨調におきましても抑制しているようでございまして、その過程におきましてはいろいろな議論がありますけれども、最終的結論というものはちゃんとした抑制した良識の範囲内にあるものが出てくると思っております。
#15
○矢田部理君 各論的な内容はもう少し見てからにするといたしまして、もう一つは、国鉄の再建に関連して、臨調で六十年をめどにして国鉄を分割して民営化に持っていく、特殊法人的なものにしていくというようなことが論議されているように思われるわけでありますが、その状況はどんなふうになっているでしょうか。
#16
○国務大臣(中曽根康弘君) その点も、ここ一両日あるいは数日の間に最後の詰めをやっておるところでございまして、まだここで御答弁を申し上げる程度に熟してはございません。ただ、国鉄問題というものは非常に重大な問題で、長期的視野に立ち、かつ国民の世論の期待にこたえるような改革を行わなければならぬ段階であろうと、こういう考えでは一致いたしております。
#17
○矢田部理君 詰めの段階に入ってきているということでありますが、分割して民営化にするという方向はほぼ動かない状況になっているんでしょうか。
#18
○国務大臣(中曽根康弘君) その点も、これは一つのことが全般的に関連性を持つことでございまして、その機能の問題あるいは時期の問題等々いま詰めておる最中でございますので、御答弁は留保させていただきたいと思います。
#19
○矢田部理君 第四部会でしょうか、国鉄問題を扱っておりますのは。この分割・民営化の方向に対しては国鉄と運輸省が猛烈に抵抗している、実現が大変むずかしい、拒否することで一致したというような記事も流されておるわけでありますが、この点はいかがでしょうか。
#20
○政府委員(山本貞雄君) 国鉄の経営形態問題の取り扱いにつきましては、部会といたしましても、運輸省及び国鉄等から再度にわたりましていろいろ御意見、実情を伺っておる段階でございまして、そういった国鉄側なりあるいは運輸省側の事情説明をも十分配慮いたしまして、ただいま真剣に最後の詰めを行っておる状況でございます。
#21
○矢田部理君 事情説明と言ったって、それはもうずいぶん前から行われている審議でありますけれども、いまさら事情説明を伺っているということではなくて、むしろ臨調が出そうとしている方針について非常に抵抗が強いと、現実性に乏しいとか実現がむずかしいというようなことの意見が中心なのではありませんか。特に何といいますか、国鉄再建監理委員会というようなものを設けて、運輸大臣よりも強力な権限を行使してこれに当たるというようなことも構想されているようでありますが、この監理委員会の性格等々についてもいろいろ問題ありというようなことで、議論がかなり国鉄や運輸省との間でも行われているのではありませんか。
#22
○国務大臣(中曽根康弘君) 運輸省当局あるいは国鉄当局と臨調側の態勢は必ずしも意見が一致しているものではないようであります。中にはかなり対立の際立ったものもあると思います。いまのこれを実行し推進していく上についてどういう手だてを講じていくのが適当であるかという点も論ぜられていることは事実でございますが、それらの内容につきましても、いままだ決定的な考え方がまとまった段階ではございません。ここ数日の間、いろいろ諸般の意見もお聞きいたして考えを深めていくという段階でございますので、その点も御答弁を留保さしていただきたいと思っております。
#23
○矢田部理君 きょうの主題ではありませんから概況をお聞きするという程度にとどめたいと思いますが、国鉄問題に限らず他の行革問題についてもいろいろな議論が各界にある。それからまた、それぞれ専門的な立場で関心も持ち、いろいろな提案や論議もあるわけでありますが、今後これだけ大がかりなものが、国鉄だけに限らず電電公社や専売公社等も含めて、公共企業体や特殊法人についても出るでしょうし、その他の問題についても盛りだくさんの言うならば答申が出てくることが想定をされるわけですが、これを政治的にどういうふうに扱っていくのか、あるいは対応していくのかというのは、出てからでなければ政治スケジュールは組めないということにしかならないのでしょうか。それとも、やはり政治的な対応をいまから準備もし、スケジュール等もある程度構想をしなければならぬ時期に来つつあるのではないかと思われるのですが、再度中曽根長官の御見解を承っておきたいと思います。
#24
○国務大臣(中曽根康弘君) 私は、鈴木内閣の一員として、また政治家の一人として、こういう重大な政治問題の取り運びについては個人的にいろいろ考え、思索をめぐらしておることはございます。しかし、何と申しましても七月の答申が権威を持って出てこないうちは、具体的にどういうふうになるかということは決定的なアイデアも出てまいりません。そういう意味におきまして、七月答申を待ちまして正式にいろいろ段取りを考えてまいりたいと思う次第でございます。
#25
○矢田部理君 それでは、議題となっております本法律案について逐次伺っていきたいと思いますが、最初に、許認可からの解放といいますか自由化の問題を含めてかなり数多くの法律を一括して提案をした理由、一括法案にしたいきさつ等について御説明をいただきたいと思います。
#26
○政府委員(佐倉尚君) いまお願いしております一括法案でございますが、これは提案理由説明等にもございましたように、まず臨調の第二次答申――提言の中で、法律改正が必要なものと、その次に昨年末の許認可整理計画中のうち当面法律改正を必要とするもの、この二つにつきまして許認可の簡素化あるいは緩和という点。それから九十五国会におきまして御提出して廃案となっておりました法令整理の問題でございますが、これを行いたいということで御提案申し上げたわけでございます。それで、結局行政事務の簡素合理化という点で、これらの問題が全部共通している、趣旨、目的が同一であるという点で一括させていただいたということでございます。
#27
○矢田部理君 臨調からの答申が基礎にあるということでありますが、同時にまた、そこの中に含まれているにもかかわらず一括にしなかった法律もあるわけですね。それとの仕分けはどういう基準でやられたんでしょうか。
#28
○政府委員(佐倉尚君) 臨調答申のうち、この一括法案の中に含まれていないものとしましては、自動車の車両検査の問題と電波法に関係します市民ラジオの問題があるわけでございます。
 車検の問題につきましては、これは運輸技術審議会等においていろいろ御審議もいただき、許認可の緩和ということ以外にいろいろ技術的な面も一緒に法律改正する必要があるということで道路運送車両法の改正として単独に国会にお願いするということになったわけでございます。
 それから電波法の関係の問題でございますけれども、これは、臨調からの御答申では市民ラジオに関係するものだけでございましたけれども、ほかに当局の考えておりました電波法の改正、すなわち船員の電波取り扱いの従事者の資格の問題等の改正等もございまして、それらも一緒に改正したいということで、電波法の改正ということで一括法から外しましてそちらでお願いする。
 いま、この二つにつきましてはそういうことで一括法に含まれていない。要するに一括法の先ほど申し上げました趣旨、目的から見て、行政事務の簡素合理化という観点と違うものが含まれているというものを単独法でお願いするということにしたということでございます。
#29
○矢田部理君 許認可問題をできるだけ解放するあるいは簡素化していくということは、一面でわかることも多いわけだし、またこんなものがいまだに残っていたのかというような印象を受ける部分もあるわけでありますが、同時に、この許認可問題というのは、環境を保護するとか消費者の立場を考えるとか、あるいは住民の立場で問題を処理するということで、許認可によって守られている部分があるわけでありますが、どうも今度出てきたものの一つの傾向は、たとえばデータ通信の自由化問題あるいはいまお話のあった道路運送車両法の一部改正の問題、さらには法案にはなっておりませんが、電源立地をめぐる許認可事務の簡素化、迅速化というような問題等々、一連のものを見ていきますと、どうも財界とか業界からの強い要請が中心になって仕切られているきらい、傾向を見るわけです。御承知のように、今度の行革は財界主導型だというようなことが端的に出てきているような事例が今度の法案の問題及びそれに関連した問題に出てくるわけでありますが、この点は長官としてどんなふうにお考えになっているでしょうか。
#30
○国務大臣(中曽根康弘君) 必ずしも財界主導型というふうには思いません。行政事務の簡素効率化のために法律を改正するというそういう考えが基本でございます。旅券の問題であるとか、あるいは輸出検査の問題であるとか、あるいはここにありますようなデータ通信の問題であるとか、あるいはトラホームの関係、あるいは狂犬病の予防注射、そういういろんな面で業者にもあるいは市民にも関係のある煩瑣なことをみんな解除しておこうと、そういう基本的観念に立ってやっておるのでございまして、必ずしも財界ばかりを見てやっておるというものではございません。
#31
○矢田部理君 一つ一つ伺っていきたいと思いますが、道路運送車両法の一部改正、運輸委員会に審議を依頼しているようでありますけれども、これはどういう事情で改正する運びになったんでしょうか。
#32
○政府委員(山本貞雄君) 車検の問題でございますが、先生御承知のとおり、実は昨年の七月十日の臨調の第一次答申でこれについて言及をいたしておりまして、ただし非常に専門的な面にもわたりますので、ひとつそういった専門的な面からの検討をまずしていただきたいと、こういった趣旨の答申を出したわけであります。そして二月十日の臨調の第二次答申、許認可問題を扱うところで本件の答申を出したわけでございますが、その際、運輸技術審議会の専門技術的な検討の結果を待ちまして、運輸技術審議会ではいろんな実験をやったわけであります。その実験の結果に基づいて運輸技術審議会の答申が出てまいりまして、臨調では、運輸省等からそういったいろんな実験の結果あるいは運技審の答申の趣旨等を十分聴取いたしまして、その趣旨が適切であるというふうに判断いたしまして、定期点検整備、六カ月の初回の点検整備の廃止だとか、あるいは徹底した検査項目の簡素化だとか、あるいは新車初回のいわゆる車両の新規検査の検査証の有効期間を二年から三年にする、こういった答申を行ったわけでございます。
#33
○矢田部理君 なるほどその限りでは簡素化、合理化するということの趣旨に沿うているように思われるわけですが、同時にまた、罰則をつけるようになったこの経過はどういうことでしょうか。
#34
○説明員(荘司晄夫君) お答えを申し上げます。
 道路運送車両法の改正の経緯につきましてはただいまお話があったとおりでございますが、私どもといたしましては、各方面からの御指摘によりまして、運輸技術審議会において専門的、技術的にこれを検討しておったわけでございますけれども、その検討の結果、新車新規の車検については二年から三年に延長が可能である、また新車初回の六カ月点検については廃止することが可能であるというふうなことを中心といたしまして答申を得たわけでございますが、この答申におきまして、自動車の使用者が御自分の車につきまして定期点検を行い、必要に応じて整備をするという制度をとっておるわけでございますけれども、この定期点検制度については、安全の確保、公害の防止の見地からさらに一層の励行を図る必要があるという御指摘を運輸技術審議会から受けたわけでございまして、このために、私どもといたしましては、この定期点検制度というものがユーザーの自主的な自分の車の管理責任ということに基づいて行われるべきであるという基本的な考え方をできる限り尊重しながら、この定期点検の実施にかかわります行政指導を実効あらしめるために、この点検の指示という制度を最低限必要な制度として設けるというふうにしたところでございます。
#35
○矢田部理君 ユーザーの自主的な点検とか、立場での整備とかということはわかるわけですが、それに罰則を付するということになると、これは自主性を逆に損なうことになるわけでありまして、むしろ罰則ではなくて、行政的な指導等を中心に自主的にということであればやるのが筋なのでありまして、どうしてもやっぱりいま罰則をつけたということの意味が説明にもかかわらずわからないのでありますが、その点再度答弁を求めます。
#36
○説明員(荘司晄夫君) 定期点検指示の制度につきまして若干具体的に申し上げますと、先ほど申し上げましたように、自動車の使用者は定期的に御自分の車を点検をしていただく義務があるわけでございますが、この結果につきまして定期点検記録簿に記載をいたしまして、車内に備えつけておいていただくというふうに考えておるわけでございます。それで、街頭検査等におきまして陸運当局の係官がこれをチェックいたしまして、点検を実施しておられないということが記録簿の記載等で確認できました場合に、ひとつこの点検をやっていただきたいということを申し上げるわけでございまして、この指示に従いまして点検を実施していただいた場合は、それをさらに定期点検の記録簿に記載していただいて、その写しを添えて十五日以内に陸運当局の方へ御報告をいただく、こういう制度でございまして、この報告がない場合に初めていわゆる過料という行政的な秩序罰を科するということでございます。
 私どもといたしましては、定期点検制度が自主的な責任に基づくものであるということを尊重しながらいま申し上げましたような制度を考えたわけでございまして、定期点検をやっておられないことそのものでございますとか、あるいはこの指示に従わなかったことにすぐ罰則をつけておるということではございませんで、そういったことから、私どもとしては、自主的な点検をやっていただくための行政指導を実効あらしめるためのぎりぎりの制度と、安全を確保し公害を防止するためのぎりぎり最低限必要な制度であるというふうに考えておるわけでございます。
#37
○矢田部理君 臨調に伺いますが、もともとこの一連の措置というのは、ユーザーの負担の軽減とか行政の簡素化という臨調の掲げている方針に基づいて出された答申なわけです。また、それに沿うた一連の改革がなされていると思うんでありますが、そういう考え方とあわせて、今度は自主的にやらせるという考え方から見て、いまの秩序罰、行政罰であるとは言っても、罰則を付することとの関係はどんなふうに臨調としては受けとめておられますか。
#38
○政府委員(山本貞雄君) 今回の道路運送車両法におきましては、臨調の答申の趣旨はほぼ取り入れられておるわけでございますが、ただいま先生の御指摘の過料の問題につきましては、先生が御指摘のとおり、臨調の第一次及び第二次答申を通じまして、この車検の問題につきましては、一つは国民負担の軽減という見地、それからもう一つは、定期点検整備につきましてはユーザーの自己責任に基づくという考え方、こういった考え方に立ちまして答申いたしておりまして、したがいましてこの過料の問題につきましてはそういった答申の趣旨から見て遺憾であると、こういった見解を臨調としては先般表明したといういきさつがあるわけでございます。
#39
○矢田部理君 臨調が遺憾であると。一方、鈴木内閣は、中曽根長官を中心にして臨調答申を最大限に尊重する。尊重していないということに運輸省はなるわけですが、これはいかがですか。
#40
○説明員(荘司晄夫君) お答えいたします。
 ただいまも御答弁申し上げましたように、点検指示の制度につきましては、ユーザーの自己責任に基づくものであるとの基本をできる限り尊重いたしまして、定期点検義務違反等に直接罰則をかけるというふうなことは避けまして、先ほど申し上げましたような最後の段階におきます報告義務に秩序罰を科するという制度としたわけでございまして、私どもとしては最低限必要な制度というふうに考えておるところでございます。
 この点検の指示に従いまして点検を実施いたしまして御報告をいただきますれば、当然のことながらこの秩序罰たる過料を科されることはないわけでございまして、実態上、この規定の対象となって過料を科されるというふうなケースはきわめて少ないものというふうに考えておるわけでございます。
 なお、この制度の運用に当たりましては、御指摘にもございましたように、ユーザーの自主的な定期点検の実施の確保をねらいとするものである点に十分留意いたしまして、慎重に運用をしていきたいというふうに考えております。
#41
○矢田部理君 運輸省、直接過料に付すということではなくて、ワンクッション置いている、だからいいんだということにはならぬのです。運用は慎重にやる、だからこれもいいんだということにもならぬのです。何度説明をされても、経過の説明じゃないんですよ。臨調は遺憾だとそれを言っているわけです。こういう臨調答申を尊重するという内閣の方針にも反した、罰則をつけた、これは間違いじゃありませんか。臨調答申を尊重していないということになるんじゃありませんか。
#42
○説明員(荘司晄夫君) お答えいたします。
 繰り返すようで恐縮でございますけれども、私どもとしては、先ほど申し上げましたような考え方で、安全の確保、公害の防止にぎりぎりの制度であるというふうに考えて、所定の手続を経て提出さしていただいたわけでございまして、先ほど申し上げましたように、制度の趣旨あるいは国会での御審議等にかんがみまして、運用は慎重を期してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
 なお、今後とも国会におきます御審議の動向を私どもとしては十分勘案してまいりたいというふうに思います。
#43
○矢田部理君 そんな経過や内容の説明を何度されても遺憾だという事実は変わらぬのでありまして、長官、これは、鈴木内閣が繰り返し臨調答申は最大限に尊重すると、その中心の任に当たられる長官としては、臨調までもが遺憾だと言っている状況についていかがお考えでしょうか。
#44
○国務大臣(中曽根康弘君) 私も恐縮している一人であり、また、この法案を認めた責任者の一人でありまして、いわば臨調からしかられている立場にもあります。
 実は、この法案が出てきたときは、これは余分なものだと思いましたが、法案提出の期日や何かのかげんでやむを得ず認めるけれども、しかし事実上これはユーザーに対していままでと変わりのないような扱いをするように、そういうことを事務当局に命じて、事務当局間で話し合いまして、大体そういう線で固まって出てきておったわけでございます。しかられればしかられた責任がないとは言えませんけれども、しかしまあ、いろいろ政党政治の運営上やむを得ぬところもございまして、おしかりを受けなければならぬこともあるかもしれないと思っております。
#45
○矢田部理君 前回も長官そうだったのですが、期日が切迫していたから検討もせずに任せた、あるいはまた今後運用を慎重にやるということでやってもらうしかないということでも少しく無責任に過ぎはしないのか。これでは国民の負担軽減とか、行政の簡素化とか、自主的にとかということには全くそぐわないことになってしまう。国民に義務を課し、強制を強いるということになるわけでありますから、こういうものは時間が足りなかったからそうなってしまったんだということでは、これは大変なことなんでありまして、やはり臨調の言っておるようにやめさせるべきではないかというふうに思うのですが、いかがでしょうか。
#46
○国務大臣(中曽根康弘君) 私としましては、無害なものにして実は法律として出さした。いま運輸省の御答弁あるいは昨日の本会議における総理や運輸大臣の御答弁等々は政府間で打ち合わせておる内容でございまして、事実上は負担を増すということにはならない。むしろ、他面におきましてはユーザーの方に警告を出しておる、自己責任で点検をやりなさいよ、そういう警告を出しているという教育啓蒙的な面がまた片方ではあるわけでございまして、そういうような面で恕すべきものでもあると、こう思っておるわけであります。
#47
○矢田部理君 罰則をつける法律を出しておって、しかしそれは無害なものにする。これもいかにも提案が権威がないだけではなくて、国会の実は権威にもかかわるわけです。十万円の罰則をつけておいてこれは無害にするんだ、つまり適用しないんだ、最初から死に体なんだというような法律なら、われわれとしてもこれはむしろ審議すること自体がおかしいのでありまして、これはやっぱり長官、削除すべきじゃないでしょうか。それが理の当然だと思うのですが、いかがでしょうか。
#48
○国務大臣(中曽根康弘君) これは国会の御審議に従っていきたいと思っております。
#49
○矢田部理君 ところで、その運用を慎重にするということの意味について長官からも具体的なお話があり、運輸大臣等もきのうでしたか、本会議で説明をされておるわけでありますが、これはどんなことを考えておられるのでしょうか。
#50
○説明員(荘司晄夫君) お答え申し上げます。
 点検指示の対象は、制度的には定期点検を怠っているすべての車両でございますけれども、ただいま御指摘のありましたように、制度の趣旨及び街頭検査における要員の制約等もございまして、不正改造車、違法な行為を行っている白トラやダンプカーその他の整備不良車等を中心に行うものとし、これ以外の車両については運用上の行政指導である勧告にとどめることといたしたいというふうに基本的には考えております。
#51
○矢田部理君 これは法律上どうなんでしょうか。法律は、憲法で言うまでもなく、すべての国民に平等にあまねく適用されなきゃならぬわけですね。法のもとの平等というのはまさにそのことを言っているわけなんでありまして、特定の白トラだとかダンプカーだとか暴走族だとかという限定をして、それに適用するんだ、その他の人たちには適用しないというような法律があるんでしょうか。また、そんな条項になっているんでしょうか。
#52
○説明員(荘司晄夫君) 法律的には、先ほども申し上げましたように、定期点検を怠っているすべての車両に対して指示をすることができるということになっておるわけでございますが、先ほど来申し上げておりますように、趣旨にかんがみまして慎重を期するということから、先ほど申し上げましたような不正改造車、違法な行為を行っている白トラやダンプカーその他の整備不良車等を中心に行うものとしというふうに申し上げたわけでございまして、白トラとかダンプカーに限るということではございませんで、違法な行為を行っておりましたり、あるいは不正改造を行っております車等につきましては非常にその整備不良である危険性が高いわけでございまして、運用上の結果としてそういったものに対する適用が中心になるということでございまして、それの趣旨といたしましては、車種をそういうものに法律上限定するということよりは、そういったものを中心とする整備不良車、これについて重点的に行っていくものといたしたいということでございます。
#53
○矢田部理君 罰則を付するのにそんなあいまいな議論でやられたら国民はかないませんよ。
 では、一般のユーザーが、白トラでもダンプカーでもない、整備不良車でもない、しかしいろいろ指示を受けたけれども点検をしなかった――絶対に処罰されることはないんですか。
#54
○説明員(荘司晄夫君) 先ほど来申し上げておりますように、整備不良車等を中心に行うとするということでございますので、通常のケースの場合に、明らかな安全上問題がある整備不良といったものも街頭検査において見受けられないというふうな使用者の方に対しましては、先ほど申し上げましたように、原則として運用上の行政指導であるまず勧告というふうな形で、定期点検をひとつ自主的にやっていただきたいというふうな御注意を申し上げるというふうな運用といたしたいということでございます。
#55
○矢田部理君 ある構成要件を確定をして、それに違反をした場合には罰則を付するということでありますからね。しかも、それは法律ができてしまいますれば、総務課長がこの法律を運用したり適用したりするわけじゃないのでありまして、そんな答弁をしたから法律はそういう方向で動くんだというような保証はどこにもありませんよ。それから整備不良車を処罰するということじゃないんですよ、これは。点検をしなかった、点検をしなさいとまた指示を受けたけれどもなおかつしなかったというその形式的な事実、状況に対して処罰規定が置かれているわけでありますから、整備不良車などという構成要件はどこにもここには入ってない。そんな解釈はあなたひとりの解釈であるし、評判が大変悪いものだから便宜的にやっている解釈にすぎないんでありまして、そんなことでは納得できませんな。どうですか。
#56
○説明員(荘司晄夫君) お答えいたします。
 御指摘のように、法律の規定自体には、整備不良車に適用するということではないことはもちろんでございまして、定期点検の実施の確保を図ろうという趣旨でございますから、定期点検をやっておられない方が確認されましたときは、その使用者の方に対して指示ができるという規定であることは御指摘のとおりでございますけれども、先ほど来御説明しておりますように、この法律の趣旨が、ユーザーの方の自主性を尊重しながら、定期点検を自主的にやっていただきたいという趣旨であるということにかんがみまして、また街頭検査においてチェックをするということが中心になるわけでございますが、その際におきます要員の制約等もありまして、法律の運用といたしまして、先ほど来申し上げておりますような車両を中心としてこの法律的な指示の制度を運用していくというふうに申し上げておるわけでございます。
#57
○矢田部理君 この過料というのは一体だれが科すのですか。
#58
○説明員(荘司晄夫君) お答えいたします。
 先ほど来申し上げておりますような運用によりまして、最終的に過料を科すべき事態であるということが認定されました場合は、陸運当局から所轄の裁判所に連絡をいたしまして、裁判所において審理が行われた結果、過料を科すべきか否か、いかなる内容の過料を科すべきか決定されるというふうに承知いたしております。
#59
○矢田部理君 陸運事務所ということになりますか、あるいは所長ということになりますか、裁判所に通知をして裁判所が処理をするということになっているということなんですが、この陸運局長なりあるいは現場的に言えば陸運事務所の所長の通知というのは、過料を科す要件でしょうか。
#60
○説明員(荘司晄夫君) お答えいたします。
 ただいま概略を申し上げました手続につきましては、非訟事件手続法という法律に基づいて行われるというふうに私ども調査しました結果ではなっておるわけでございますが、いまおっしゃいました陸運事務所から裁判所へ通知が参らなければ裁判所の審理は開始しないものというふうに理解をいたしております。
#61
○矢田部理君 非訟事件手続法のどこに書いてありますか、それ。
#62
○説明員(荘司晄夫君) 大変恐縮でございますが、いま法令集を持っておりませんが、さきに調査いたしましたところでは、住所地の裁判所に対し過料に処すべき旨及び根拠条文等を記載した公文書により通知するというのが、いま手元のメモでございますと同法の二百六条の規定というふうにメモではなっておりますが、ちょっと法令集を持ってきておりませんので大変恐縮でございますが、メモでお答えさせていただきます。
#63
○矢田部理君 その通知というのは、過料を科する裁判所の手続の必要条件でしょうか。
#64
○説明員(荘司晄夫君) 大変恐縮でございますが、非訟事件手続法につきまして、現在、資料もございませんので、詳細を承知いたしておりませんが、私どもから手続、通知をするという以外に裁判所による職権探知という規定もあるというふうに承知いたしております。
#65
○矢田部理君 非訟事件手続法というのはもともと裁判所がやる手続なんですよ。別に通知なんというのは、職権の発動を促すために事実上行われることがあるかもしらぬが、それにかかわりませず裁判所がやる手続なんです。そうなんじゃありませんか。
#66
○説明員(荘司晄夫君) 非訟事件手続法の十一条におきまして、裁判所は職権探知を行うという規定があるというふうに承知をいたしております。
#67
○矢田部理君 だから、私が言っているのは、通知のあるなしにかかわらず裁判所が独自にやる手続でしょう。もともと非訟事件手続法というのはそうじゃありませんか。
#68
○説明員(荘司晄夫君) 御指摘のように、十一条の職権探知という規定もございますけれども、私どもの調査いたしました範囲では、事実上、過料の手続の発動につきましては、そういう事実を知った行政庁からの通知によるケースが多いというふうに私どもの調査では理解をしておるところでございます。
#69
○矢田部理君 これからつくる制度なんだから、それはどっちが多いなんということはわかりません。非訟事件手続法というのは、もともと通知を受けたから、行政官庁から連絡を受けたから開始するということにはなっていないんです。きょうは法制局を呼んでおりませんけれども、これはもう職権でやる手続ですよ、きのう私が詰めたところ。職権でやる手続について裁判所は整備不良車だけ、どこにも法文には書いてない、整備不良車だけやるなんというやり方はとりませんよ。この規定に違反をすれば裁判所は職権を発動することになるのでありまして、国会で幾らこの法案の抵抗を少なくするために運用を慎重にするという説明をしたって、運輸省がやる手続じゃないんです。政府がやる手続じゃないんです。司法が独自に開始する手続なんであります、原則的に言えば、制度から言えば。だから、あなたが何ぼ説明したって全く説得力がないということなんですよ。
#70
○説明員(荘司晄夫君) お答えを申し上げます。
 過料を科せられる構成要件といいますか条件につきましては、私どもが指示をいたしました場合に、法律の規定によりまして十五日以内に報告がない場合に過料が科せられるわけでございまして、整備不良車に直ちに過料が科せられるとかそういうことではございませんので、私どもが先ほど来申し上げておりますのは、指示をするという対象として運用上整備不良車を中心に運用をするということを申し上げておるわけでございまして、まず指示という私どもの行為がございまして、その指示を受けた後に、法律の規定に従いまして十五日以内に報告がない場合に過料の手続に入るわけでございますので、整備不良車であるかないかということが直ちにこの過料を科する構成要件にすぐつながるということではないのではないかというふうに考えておるわけでございます。
#71
○矢田部理君 法律の運用というのは客観的でなければならない、法律のどこにも書いてない整備不良車についてだけ指示を行うというやり方は、法律を現場の恣意的運用に任せることになる。整備不良車以外は指示をしないというやり方をとるんですか。そうすると、やはりここで少なくとも整備不良車についてのみ指示をするというその限定的なやっぱり条項にしなければならぬでしょう、少なくとも、そういう本意であるとするなら。法文は抽象的、一般的になっておって、法文が成立する前から整備不良車、法文のどこにも書いてない整備不良車についてだけやるんだというような解釈論は独断にすぎない。現場では非常に恣意的に運用されやすいし、法制度としてこれからつくるということにおいては非常に問題があるというふうに思うのですが、いかがですか。
#72
○説明員(荘司晄夫君) 若干御説明が不足したかと思うのでございますけれども、整備不良車などを中心にという考え方といたしましては、一般の健全なユーザーの方にあってはこの定期点検整備が基本的には自主的な管理者の責任において行われるという趣旨を勘案いたしました場合には、やはり整備不良車といいますのは、交通の安全上あるいは公害の防止上、私どもといたしましては放置することについては問題があるわけでございますので、そういった観点から整備不良車などを中心にこの指示の規定を運用してまいりたい、運用についての基本的な考え方をそういうふうにいたしたいということでございまして、現場における運用につきましては恣意にわたることのないように十分指導してまいりたいというふうに考えております。
#73
○矢田部理君 それならば、整備不良車そのものを対象にする、整備不良車の運行そのものをやっぱり取り締まる規定を、この法律ではなくて、この部分ではなくて別途に考えるべきである。これは恐らく、ちょっといま私も法文を持っておりませんけれども、整備不良車に対する取り締まり条項というのは他の法令等にあるんじゃありませんか。
#74
○説明員(荘司晄夫君) お答えいたします。
 道路運送車両法の五十四条におきまして「陸運局長は、自動車が保安基準に適合しなくなるおそれがある状態又は適合しない状態にあるときは、当該自動車の使用者に対し、保安基準に適合しなくなるおそれをなくするため、又は保安基準に適合させるために必要な最小限度の整備を命ずることができる。」という趣旨の規定がございます。
#75
○矢田部理君 それで賄えるじゃありませんか。運用上の問題は少なくともそこで賄えるんじゃありませんか。それで賄えるのに、もう一つ規定を置いて罰則をつけるということになったら二重規定になるんじゃありませんか。
#76
○説明員(荘司晄夫君) ただいまの整備命令の規定につきましては、先ほども条文に即して申し上げましたように、自動車の具体的な部位につきまして保安基準違反がある、またはそのおそれがあるという場合に発動する規定でございまして、今回の定期点検の指示につきましては、そういった具体的な保安基準の違反以外に定期点検を法令の規定どおりやっておられないということに対して、その定期点検を基準に従ってやっていただきたいという指示をするわけでございまして、この具体的な部位についてふぐあいがある場合に発します整備命令とは趣旨を異にしておるというふうに考えておるわけでございます。
#77
○矢田部理君 違うよ。あなたは、しかしそういう制度であるにもかかわらず、運用上は具体的な部位に問題がある整備不良車を中心に指示をし、この罰則の適用をすると、こういうふうになるわけであります。その運用の実態と整備不良車に対する別の規定ですね、これとは重複するじゃありませんかと、こういうふうに言っているわけです。
#78
○説明員(荘司晄夫君) 整備命令につきましては、ただいま申し上げましたように具体的に保安基準違反車があります場合に、その部分について保安基準に適合させるように整備を命ずるわけでございまして、定期点検につきましては、具体的にどこが保安基準違反という要件ではなくて、そういった保安状態の悪い車につきましてチェックいたしました結果、定期点検についても義務が履行されていないということが明らかになりました場合に、具体的な部位につきましての整備命令とともに一定期間ごとの定期点検をやっていただきたいという指示をあわせて行うと、こういう考え方でございます。
#79
○矢田部理君 いや、法律は違うのですよ、中身は。しかし、あなたが言っている運用ならば、要するに整備不良車で運行している、これはやっぱり交通安全上危険だということを押さえるためを自主的な目的にして運用をするということならば、前のすでに整備不良車に対するいろいろな行政措置等々が規定されている規定で十分賄えるのではありませんかと、こう言っている。わかりませんか。
 いずれにしても、この罰則を付するというのは大変な問題なんです。運輸委員会の問題ですから、これはわれわれとしても限界があるわけではありますけれども、ただこれを委員長にお聞きいただきたいのは、その臨調が出した答申、本来ならば一括法案に組ませるべき中身のものだったはずなんですね、行政の簡素化とか負担の軽減とか。それを運輸委員会の方に持っていってしまう。そして臨調ですらも遺憾の意を表明するような内容の法律を出している。こういうことがやられるようでは何のための行政改革かということに実はなるのでありまして、当委員会としても無関心ではいられないわけであります。これは運輸委員会とやっぱり連合審査をひとつ御検討いただきたい。
#80
○委員長(遠藤要君) いま矢田部委員の御発言、臨調の一括法案の中に含むべきでなかったかということに対しては、先ほど中曽根長官からもお答えがあったようでございますから、そういうような点でいろいろ問題があるということでございますが、いずれ後刻理事会において協議したいと、こう思いますので、よろしく。
#81
○矢田部理君 私はもともと一括法案については必ずしも賛成ではないのですが、政府の一括法案に対する説明のようであるとするならばそこに含ましむべきものであるという趣旨でございますから、そのように御理解をいただきたいと思っております。
 それで、長官に締めくくり的に伺っておきたいと思いますが、いま幾つか少しくくどいぐらいのいろいろな議論をしたわけでありますが、やはりこの問題点の解明はなされていない。非常に運用で気をつけるということは、逆にいろいろな問題が、現場の恣意的判断や司法との関係等々が出てくることでもありますので、この点は時間がなかったから認めちゃったんだということでは、実は国民の重大な権利と義務にかかわる問題でありますから、許されないわけでありまして、その点ひとつ再検討を行管庁としても、あるいは政府部内でもいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
#82
○国務大臣(中曽根康弘君) 法律の規定によりますと、矢田部さんも御存じのように、宣言的な条文もございますし、教育的な場合もあると思うのでございます。それで、運輸当局としては自己責任で点検し整備してもらう、そういうことが趣旨で、必ずしも罰則を適用するというのが本意ではないと私たち考えております。そういう点も勘案いたしまして認めたわけでございますけれども、自由民主党の内部におきましてもいろいろのお考えがあるようでございますので、国会における審議をよく見守ってまいりたいと思いますし、ここで政府が答弁したことはこれは厳格に守っていくべきである、そういうように思っております。
#83
○矢田部理君 政府の答弁だけでは法律上不安があるし、そのとおり法律が適用されるということには必ずしもならないわけなんでありまして、依然として問題を感ずるわけでありますが、次の質問の予定もありますので、その方に移したいと思います。
 今度の一括法案の中にデータ通信の自由化問題にかかわる部分があるわけでありますが、これはどんないきさつから一括法案にすることになったのでしょうか。
#84
○政府委員(守住有信君) 第二次臨時行政調査会の第三部会の中で行政事務の簡素合理化という角度での御審議がなされておりまして、その中で国民生活といった国民経済に必要な対応を要するものという項目の中で、このデータ通信の自由化と申しますか、その問題が取り上げられたわけでございまして、要するに四十六年にデータ通信制度というものが公衆電気通信法の中でできたわけでございますが、その後のコンピューターの高度な発達、あるいは分散処理等の面、あるいはまた通信技術の発達、そういうことで現在のいろいろな個別認可等の制約があるわけでございますが、その制約をもっと自由に、使い勝手がいいようにという御趣旨での御判断というものが出たわけでございまして、私どもはその答申を踏まえましてデータ通信回線利用の自由化というもののためにこれを法律案として考えたわけでございます。
 御承知のとおり、この答申を受けまして、政府全体としてこれを最大限尊重して法的措置等必要な実施を行う、こういうことでございますので、その許認可制あるいはまた第二次の答申、こういうものと内容、趣旨等を共通にいたしておりますので、今回の一括法に公衆法のデータ通信自由化の問題につきましても含めた、こういう次第でございます。
#85
○矢田部理君 なるほど許認可からの解放という面で一部共通する点もあろうかと思いますが、この法案は、同時に単なる許認可からの解放、自由化というだけでは済まされない、より基本的な問題が含まれているように思われるわけです。言いかえれば通信回線のあり方についての大幅な変更を伴うもの、あるいはまたその端緒となるものというふうにも考えられますので、一括法案としてこの部分はまとめたことについてはむしろ問題があるというふうに思うのですが、いかがでしょう。
#86
○政府委員(守住有信君) 先生御指摘のような面と申しますか、私どもは、このコンピューターと通信技術の発展あるいは将来の情報化社会あるいは情報通信化社会と申しますか、そういうものを念頭に置いたときに、単にデータ処理のための自由、回線利用の自由というだけではなくて、新しい民間の活力を持った高度通信のための通信業の出現というものが想定されるということを実は問題意識として持っておりまして、アメリカ等ではVANというふうにも称せられております。ただし、これはいままでの、日本の現在の通信法制度の中では、こういう分野につきましては電電公社、KDDだけが行うという公衆通信事業体でございますが、新しい通信事業体の出現という問題でございますので、この問題につきましては非常に基本的な先生御指摘のような問題を含めておる。
 したがいまして、電気通信秩序の中での公共性なり、通信の秘密の保護体制なり信頼性なりを十分踏まえた制度、枠組みでなければならない、こういう考え方でいろいろ構想は持ったわけでございますが、政府部内のまだ意見一致という状況でございませんので、現在ある公衆電気通信法のデータ通信制度の枠内で共同使用、他人使用、相互接続等の枠の中でのいろいろな制約のある認可手続等を緩和する、こういう枠の中だけでの問題でございまして、前段申し上げましたような問題を含めておれば、これは非常に通信政策、通信制度の抜本的な問題になる、このような問題意識を持っておりますけれども、今回の内容といたしておりますのは、データ処理のためであれば現在の回線利用制度のいろんな諸制約を緩和する、こういうものでございますので一括法になじむ、また目的、手段等を共通にする、こういうことで一括法に入れさせていただいた次第でございます。
#87
○矢田部理君 特に現行法令の枠内で処理するんだということでありますが、法律の枠内とは言いながら、相当重要な部分を省令でこれから決めていくということになろうかと思うんですが、その内容がいまだ定かでないわけですね。特にデータ通信の自由化問題については、自由民主党の政調会から中曽根長官の依頼に基づいて意見調整をやった文書があるわけでありますが、これなどを読んでみましても、こんなことが現行法令上できるんだろうかというようなくだりがあります。たとえば「業務上緊密な関係にある中小企業者のために使用されるものに限り、一定の条件の下に、他人の通信の媒介を認めるよう措置すること。」とあるわけですね。現行法令では通信の媒介を行う他人使用は認められていないんでしょう。それはいかがですか。
#88
○政府委員(守住有信君) これは公衆電気通信法の五十五条の十三でございますけれども、データ通信のための特定通信回線の利用につきまして「他人使用の制限」という条項がございます。その中で、第二項でございますけれども、禁止ではございませんで、一部のものにつきましては例外的にこれを認めておる法律上の規定があるわけでございます。御案内のとおり、「特定通信回線使用契約者は、公共の利益のため特に必要がある場合で郵政省令で定める場合に該当するとき、及び公社又は会社と前項」――というのは第一項でございますが、第一項の「契約を締結し、その契約に従ってする場合を除き、業としてその電気通信回線を用いて他人の通信を媒介し、その他その電気通信回線を他人の通信の用に供してはならない。」、この二つのケース以外は禁止でございまして、したがいましてこの規定全体も「他人使用の制限」と、こういうことになっておる次第でございますが、その中での第二項の「特に必要がある場合で郵政省令で定める場合に該当する」と、これの範囲内で、ただし第一条の公衆法全体の目的、いわゆる電電公社あるいはKDDが果たすべき公衆通信事業者としての職務と申しますか業務、そういうものとの調整を十分念頭に置いてこの省令を定めていかなければならない、こういうふうに考えておる次第でございます。
#89
○矢田部理君 いま説明がありましたし、私からも申し上げたように、通信の媒介を行う他人使用というのは原則禁止なんですね。例外的に認められる場合がある。その例外条項は五十五条の十三のいまの規定でありますが、災害などが考えられるわけですね。しかしその基本は、その条項にもありますように、公共の利益ということに合致する場合にのみ認められるということに条項はなっているはずなのでありまして、この田中政調会長が出した中小企業者のために使用されることが公共の利益だというのは、いかにもこれは解釈上無理があるので、そういう省令の制定はできないんじゃありませんか。
#90
○政府委員(守住有信君) 田中裁定におきましてお示しになっておられますのは、「業務上緊密な関係にある中小企業者のために使用されるものに限り、一定の条件の下に、他人の通信の媒介を認めるよう措置すること。」というのが本筋の内容――いろいろ条件はついておりますけれども、内容でございますが、この趣旨と申しますか、その背景と申しますかにつきましては、いわゆる制度上の共同使用の場合の特定通信回線を利用できる場合の業務上緊密なものの関係という場合と、他人使用の回線、いわゆる計算センター等の他人使用ということに相なるわけでございますが、これは計算センターが使用契約、公社と契約しておる回線でございますので他人使用にならざるを得ないわけでございますが、自分でコンピューターを持ってない、どうしても共同使用でだめで、いわゆる計算センター等に頼らざるを得ないという中小企業者の問題との間に実施事業のアンバラが出てくる――実態上の問題でございますが、それが出てくるのではないか、こういう要望、御意見が非常に強かったわけでございます。
 私どもといたしましては、これは、制度上は共同使用と他人使用というのは基本的に性格が違うわけでございまして、いわば共同使用の場合は電電公社と共同使用される企業等が直接契約をなさるわけでございますが、他人使用の場合は計算センターと公社との契約の回線を顧客等がお使いになる、こういう仕組みでございますので、その性格、趣旨が基本的に違うと認識いたしておりますけれども、実態上そういうアンバラと申しますか、が出てくるというのは問題ではないか。特にまた、そういうものが広範囲な中小企業というものを背景にしておるし、中小企業の問題というものはやはり通信政策全体の中でまた重視してしかるべきではないか、こういう背景をもちましてこの裁定が出たというふうに私どもは受けとめておるわけでございます。
 したがいまして、これの具体化に当たりましては、そういうものの範囲なりあるいは基準などを含めまして、認める条件につきまして、これはやはりどうしてもシビアなものにならざるを得ないと考えておりますけれども、裁定の趣旨を十分踏まえて今後検討していかなければならぬ、このように考えておる次第でございます。
#91
○矢田部理君 言われるように、大企業は共同使用ということでやられる、しかしなかなか中小企業はそうばかりもいかないということがあって、この種条項でいかないという考え方が出てきたことは私も理解できないわけではない。また、中小企業について、大企業だけに共同使用を認める、実際はそれから排除されるといいますか、それが事実上できないですね。中小企業対策を一定限度で考えなきゃならぬということは全くわからないわけではないのでありますが、ただ、現行の法制でできる限界というのがあるわけですね。つまり、五十五条の十三を読んでみましても、やっぱり公共の利益のためにそういうことができるんだ、そこを中小企業のためにできさせるためには法制上非常にむずかしいのではないかと私は思われるわけです。
 私が問題提起をしたい主眼はしたがってそこにあるのではなくて、もともとこのデータ通信の自由化問題についての基本政策、これが本格的に確立しないまま、この田中政調会長の考え方の中にも出てくるわけでありますが、臨時暫定的にとか、今後この自由化のあり方について改めて早急に結論を得るように努力されたいとか、あるいは公社との調整を行うとかいうことで残された課題、あるいは持っている本質的な問題が余りにも大きい中で、そこら辺の基本問題を十分に論議しないまま、あるいは最終的に煮詰まらないままこういうことに走ることに大変問題がある。いずれにいたしましても、この問題は私は全く素人でありますし、どうもデータ通信の自由化の問題は、何回も私も話を聞くのでありますが、なかなか実感的に受けとめられないわけです。
 したがって、結論的に申し上げたいのは、冒頭にも言いましたように、こういう専門的あるいは技術的な問題が内容になる法案についてどうして逓信委員会に持っていかなかったのか。先ほどの道路運送車両法はこっちでやるべきものをなぜ運輸委員会に持っていってしまい、こっちでやるには少しく荷が重いなと思われるものを逓信委員会からこちらへ持ってきてしまう、こういう一括処理のありよう、くくり方に私は問題があるというふうに思うわけですが、その点いかがでしょうか。
#92
○政府委員(佐倉尚君) 車検の問題をこの一括法案の中でお願いするということにつきましては、これ先ほどのいろいろ答弁と重複するわけでございますけれども、やはり運輸技術審議会等の御答申がございまして、そういうものを実施していくためには専門的、技術的な問題が入っているということで、道路運送車両法の改正として一括法から外しまして単独法でお願いする、そういうもので一緒にお願いするということにしたわけでございます。
 それで、ただいまデータ通信の問題がなぜ公衆電気通信法、これほどの問題を一括法に入れたのかという御指摘でございますけれども、先ほど電政局長から御答弁がありましたように、この公衆電気通信法の今回の一括法の中における改正というのは、かいつまんで言いますと四点ございますが、これは、特定回線共同使用契約の申し込み個別認可制の廃止、これは五十五条の十一でございます。それから二番目に、公衆通信回線契約に係る電子計算機等の共同利用の制限の廃止、これは五十五条の十八。それから三番目に、他人使用の特定通信回線と他人の設置する電子計算機等との接続の容認、これが先ほどの五十五条の十三の二でございますけれども、それから四番目が、公衆通信回線と特定通信回線との相互接続の問題でございますが、これが五十五条の十五、十六ということでございます。
 これらの改正は、先生の御指摘のように、国民経済に与えるいろいろな影響等がございます。それが先ほどの大企業と中小企業というものの観点にも通ずるわけでございますけれども、この公衆電気通信法の一部改正は、ただいま申し上げましたように規制の緩和、個別認可制の廃止といったような行政事務の簡素合理化であるところの許認可事務の規制の緩和あるいは廃止ということでございますので、一括法としましてまとめさしていただく趣旨、目的に合致しておるということなのでこの一括法に入れさしていただいたというわけでございます。
#93
○矢田部理君 必ずしもいまの答弁には納得しない。したがって、また当委員会でも連合審査ということで考えていただいているようでありますからこの程度にいたしますが、もう一点だけ郵政省に聞いておきたいのは、一般の電話利用と、いま問題になっている通信の自由化問題に関連して、専用線を借りた場合、料金的には、これはすぐ平場で比較できるかどうかわかりませんが、どんな違いが出てくるでしょうか。
#94
○政府委員(守住有信君) これは、歴史的に見ますと電話の専用線、まず電話時代が基盤でございましたので、電話の専用線から始まるわけでございますが、電話の専用線につきましては、まず定額制ということを料金制度上従来からとっておりまして、それが一日当たり百分使用されておるというのを一つの計算のめどにいたしまして定額制を決めておるわけでございます。ところで、コンピューターが発展いたしまして、コンピューターと電話回線等の接続ということの時代になってまいりましたときに、いわゆる特定通信回線、実はこれはデータ通信のための専用線とお考えになっていただければ結構でございますけれども、それと全く同じ定額制、こういう料金制度でいままでも、いま現在もいっておる、こういう状況でございます。
#95
○矢田部理君 きのう私は説明をある程度受けたわけでありますが、一般電話利用の場合で、専用線との比較において百分を超えた場合は専用線が非常に安くなるというふうに伺ったのですが、いかがでしょう。
#96
○政府委員(守住有信君) その回線を共同利用等で高密度利用になる、あるいは高速利用になるというふうなことで、百分以上になればそれは経済的になるということでございます。
#97
○矢田部理君 そうなってきますと、今後自由化問題が本格的になってきますと、企業グループなどは一般の電話利用よりも専用線を使った利用方式の方がはるかに割り安になるということも考えられるわけなので、そういうことになってきますとやっぱり電電公社の経営そのものにもいろんな響きを持ってくる。企業がずうっとそちらになだれるということにもなりますれば経営上の問題が出てきはしまいかという心配もしているわけですが、その点はいかがでしょう。
#98
○政府委員(守住有信君) これは公衆電気通信、電話等、データ通信も含めましての全体の問題になるわけでございますけれども、現在は、まず遠距離が高いという問題が日本の全体の電気通信の料金体系の中に非常に大きな問題としてあるわけでございますが、したがいまして電話の料金を基本として専用線を決めておりますので、専用線自体についても遠距離が高い、こういう問題がございます。
 ただ、データ通信の方の、これは回線サービスの方でございますが、電電公社の収入といたしましては、ネットワークあるいは高密度利用ということでシステムが六千システムにもなっておりますけれども、この回線収入というのは年間二〇%ぐらいのスピードで非常に伸びておると、電話の方の収入は三%、四%とある程度の成熟時代と申しますか、入りつつありますけれども、データ通信の回線料金の方では非常な伸びが高いというのが一方であるわけでございます。しかしながら、今後電電公社自体もいわゆる電話のアナログ回線の時代から、高速で高信頼性のあるディジタル化の道というものをどんどんいま進めておるわけでございまして、このディジタル回線の普及によりますと、従来のような料金体系からいわゆる情報量課金と申しますか、そういう発想に変えていかなければならないという問題もあるわけでございまして、この点につきましても、郵政省なり電電公社と一緒に料金問題につきまして、学者その他実務家の方が入っていただきまして研究会を設けて、現在進行中でございますけれども、こういう問題についても、全体の問題と特定通信回線の回線料金の問題等々もあわせて整合性を持った研究をしていこうと、このように考えておる次第でございます。
#99
○矢田部理君 そろそろ時間が来ましたのでまとめたいと思いますが、そのほかにいろんな問題が実はあるわけですね。たとえばCCITTの勧告とのかかわりの問題。本格的な自由化になった場合に、外資などが入ってきて、それとのかかわりが一体どういうふうになるのかというような問題等も含まれておるわけですね。いずれにいたしましても、よりデータ通信の自由化問題などについては、やっぱり基本的な政策、考え方をきちっと立てないと、それを立てずして部分的に問題を処理していくということになると非常に大きな問題を場合によっては将来に禍根を残すというようなことにもなりますので、その点で私は、やっぱり基本政策をきちっと立てる、特別立法なども検討されておったようでありますけれども、そういうことを急いでほしいということを特に要望しておきたいと思います。
 それから中曽根長官に特に指摘を申し上げたいわけでありますが、もう一点、実は電源開発立地にかかわる許認可業務をもうちょっと精力的にやる。もたれ合いなどをなくして迅速に行うべしという答申が出されているわけです。実はこの答申にも、環境を守るとか原子力の安全性を考えるという立場から言うと迅速化の議論というのは大変問題が多いわけでありますから、本来的に言えばこの点をもうちょっと私は時間をいただいて議論をしたかったのでありますが、議論はまた別の機会に譲ることにいたします。
 ただ、共通して言えることは、先ほど冒頭に指摘をしました道路運送車両法で罰則を設けたのも、どうも業界の圧力が非常に強い、いろんな癒着や問題も取りざたされているわけでありますけれども、そのためにああいう罰則を入れた疑いが非常に強い。それからデータ通信の自由化問題も、基本政策を十分に確立しないまま、言うならば財界の圧力、企業の要請、通産省の力、これが働いて動いた形跡が感じられる。さらには、最後に電源開発の問題もそうなんですね。電力関係の需要団体から再三にわたって要請があった。それを受けた形で電源立地等が迅速にできるだけ早目に許認可事務をやっぱり処理すべし、こういう臨調答申になってあらわれている。こういう背景があるように思われるわけです。
 こういう点で、いずれも業界とか財界から非常に強いプッシュがあった。表向きは許認可事務の自由化だとか簡素化だとかということを言いながら、その背景が非常に気になるわけであります。その点をわれわれは察して、どうもやっぱり財界主導型じゃないかということを指摘したいわけでありますけれども、その点今後やっぱり長官としても、そしてまた臨調としても十分に心して対処をしていただきたいということを特にお願いをして、私の質問を終わりたいと思います。
#100
○峯山昭範君 それでは、午前中ちょっと少ししか時間がございませんので、初めに大臣にお伺いしておきたいと思います。
 鈴木総理が政治生命をかけるとまで言明されました行政改革、この七月いっぱいをめどといたしまして、それぞれ最後の検討課題に臨調の方も入っているようであります。先ほどから答弁もございましたが、その最後の詰めの作業が行われておりまして、七月いっぱいにほぼ最後の答申が出されるようであります。そういう点からいきますと、行革いよいよ本番であります。その本答申を前にいたしまして、担当大臣でございます中曽根大臣の決意を初めにお伺いしたいと思います。
#101
○国務大臣(中曽根康弘君) 国民の皆様方やジャーナリズムや各党各派の御支援をいただきまして、行革もいよいよ本番に差しかかりまして全国民注視の的にあります。自由民主党といたしましても、また鈴木内閣といたしましても、厳粛に国民に公約したことをいよいよ実行する段階になりまして、私たちも答申をいただきましたならば誠心誠意これを実行に移すように努力してまいりたいと存じております。
#102
○峯山昭範君 確かに大事な問題であると思います。政府といたしましてこの答申をどのように尊重し、そしてどのように具体化していくのかという問題は非常に重大な問題であろうと思います。そういうような中から本当は具体的に、先ほどの法案の分割とか一緒にするのかどうかという問題とあわせて非常に大事な問題なんでありますが、そういう問題は別にいたしまして、最近総理の発言の中に、答申については段階的に実施したいというふうな発言があります。それからもう一つは、これは自民党の首脳の発言として、いわゆる七月の基本答申を一括処理するのは見合わせよとか、そういうふうな意味の発言があるわけでありますが、これは非常に重大な問題であろうと思います。こういうような発言とあわせまして、いまの長官のこの実行という問題と絡んでくるわけでありますが、これらの臨調の答申を政府としてどう尊重し、どう具体化していくかという問題がこれから非常に重要な問題になってくるわけでありますが、この問題についての長官のお考えもお伺いしたいと思います。
#103
○国務大臣(中曽根康弘君) 今回期待される答申は非常に重大な内容を持っておるものであると予想しております。それだけに、答申をいただきましたらよく点検をいたしまして、そして従来どおりこれを最大限に尊重して速やかに実行に移すと、そういう基本姿勢を貫いてまいりたいと思っております。
#104
○峯山昭範君 それと、次にこれは臨調スタートのときの総理並びに中曽根長官の決意であったわけでありますが、いわゆる増税なき財政再建というのが、これはもう土光会長のこれを貫くという姿勢が何回も打ち出されましたし、また中曽根長官もこのことについては何回か発言をしていらっしゃいます。
 そこで一つは、この七月の基本答申の理念でも、やっぱり厳密な意味では増税なしというそういう方針が貫かれているような話が何回も出ております。それからまた、それを避けてほしいというような政府の要望もあるやに聞いております。この点はどうかというのがまず第一点。
 それからもう一つは、歳出削減策は政治的に実現可能なものに限定すべきであると、こういうふうな意向を非公式に臨調に伝えていると、こういうふうに新聞で報道されているわけでありますが、こういうふうな事実関係とあわせまして、この増税なき財政再建という初めの所信とのかかわり合いですね、これについてどうお考えなのか、これも一遍お伺いしておきたいと思います。
#105
○国務大臣(中曽根康弘君) 委員会の審議におきましては、増税なき財政再建を貫くという基本姿勢は変わっていないと考えております。
 それから歳出削減につきましては、これは昨年七月十日の答申もございますし、それからいま今日におきましてもまたいろいろ検討を加えられておるところでございますけれども、やりやすいものだけをやると、そういう考えは毛頭ございません。
#106
○峯山昭範君 最近の財政再建策というのは非常に厳しい状態になってきているようであります。大蔵大臣の発言によりますと、三兆円を超す歳入欠陥が出てきているようであります。そういう問題と絡んで、これは非常に重要な問題になってくる可能性があります。この点についてはきょうは主題ではありませんので、大臣にお伺いするのはやめておきたいと思います。
 次に、五月十一日の閣議で、いまの本答申の中に各省庁、特に具体的に名前も出ているわけでありますが、各省庁の統廃合という問題が伝えられております。そういうような問題に関連をいたしまして、それぞれ大臣から相当いろんな発言があったやに新聞に出ております。
 新聞報道によりますと、田邊総理府総務長官からは、沖繩開発庁と国土庁を統合することが臨調で検討されているようだが、沖繩県民に不安を抱かせないよう配慮してほしいとか、箕輪郵政大臣から、私の地元は北海道開発庁と関係が深く、省庁の統廃合問題で閣僚が自由に発言してよいというのなら私も言いたいことがたくさんあるとか、これはこのとおりあったのかどうかわかりませんが、いずれにしても現職の閣僚が大なり小なりこの臨調の審議に対しましてそれぞれ発言をしているようでありますが、または長官からも、この問題については静かに答申を待ってもらいたいという発言もあったやに聞いておりますが、ここら辺の問題についてはどうお考えなのか、そのいきさつ等もあわせてお伺いしておきたいと思います。
#107
○国務大臣(中曽根康弘君) 閣議におきまして一部の閣僚から伝えられるがごとき発言がございましたが、閣議の内容をここで公開して申し上げることは差し控えさしていただきたいと思います。
 ただ、申し上げたいと思いますことは、臨調がいま誠心誠意精力的に努力しているところでありますから、党あるいは内閣の側において事前にこれに影響を与えるような、あるいはプレッシャーをかけるがごとき態度は望ましくない、できるだけ臨調側のお考えを盛った純粋な手あかのつかない答申をいただくことがわれわれの本旨である、そういう意味において各閣僚とも自重してもらいたい、みんなでがまんすればこわくないと、そういうことでいってもらいたい、そういうことを申し上げた次第であります。
#108
○峯山昭範君 国民の立場からいたしますと、要するに福祉とか教育とかいう面が第一次答申で国民の方はもう先にがまんをしているわけでありますので、そういうふうな意味では本格的な答申の中で、いわゆる機構改革とかそういうような問題でそれぞれ臨調の答申が十分実施されないというようなことではやっぱり困るんじゃないか、そういうふうに思います。私たちも、いろんな問題がありましたけれども、今回のこの行政改革の問題につきましてはいろんな角度から賛成をしてまいりましたし、多少無理な点がありましても、その精神を生かして、何とか今回の行政改革を成功させなければならないと、こういう精神でやってきたわけであります。
 そこで、先ほどから車検の問題はございましたが、この問題も中曽根長官の先ほどの発言を聞いておりますと、どうもすっきりしないわけであります。国会の中で十分審議してもらいたいというふうなことをおっしゃっておりますが、それはそれとして、やっぱり臨調のいわゆる行政改革を進める上でもう少しPRが不足しておるんじゃないか。最近はどうも行政改革の熱がさめてきたように私は感じておるわけです、実際問題として。それで、これはもう少し国民に対するPRもありますし、やっぱりとるところだけとらえて、痛い目は国民だけ遭って、いわゆる抵抗するところは徹底的に抵抗するというんでは困るわけです。
 そういうような意味では、もう少し国民の世論の結集というのがどうしても必要じゃないか、そういうような意味でまだPRが不足しておるんじゃないか、私はそういうふうに思うんですが、そこら辺のところ、大臣はどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか。もう少し国民の理解が得られるようないわゆる話し合い、PR、どういうことを考えればいいのかわかりませんが、マスコミ等も十分使って、あるいはそういう宣伝物等も含めて行革に対する国民の熱がより以上私は盛り上がるような対応をとっていただきたいと思うんですが、そういう問題について大臣はどういうふうにお考えになっているのか。これも一遍お伺いしておきたいと思っておりましたんですが、どうでしょう。
#109
○国務大臣(中曽根康弘君) おっしゃいますとおり、PRが不足しているということは私も痛感しております。ただ、最近はいよいよ胸突き八丁にかかりまして、新聞の皆さんも異常な取材熱を持って取材をしていただいておりますが、そういう新聞やテレビの方の取材だけでなくして、大事な国民の皆様、特に家庭の主婦の皆様方等に対する御理解をいただくことがまだ足りないような気がしております。東京の市民を中心に、自発的に先般海運会館で七百人ばかりお集まりいただいて、土光さんを激励する会というようなのがございまして、また八月四日には日比谷公会堂を借り切って、その人たちがさらに拡大して市民の行革を叱咤激励する大会を開くというお話も最近承りましたが、こういう自然発生的な力が盛り上がっているということは、国民の皆さんが内心いかに今度の行革が重大であって、それをやらせなければならぬという御決意があるということを感ぜさせるものがございます。そういう自然発生的な御熱意と比べて、われわれがいまの国民の皆様方の、特に主婦やその他の方々に対してPRする力、到達する力が足りないのをいかにしてこれをやったらいいか、私たちもさらに深刻に考えてやっていかなければならない、そう感じております。
#110
○峯山昭範君 それから先ほどの中央省庁の統廃合の問題ですが、これは先ほどから大臣の答弁もありましたが、さらにもう一歩突っ込んで大臣のお考えをただしておきたいんですが、現在出ておりますのは、国土庁ですとか北海道開発庁とか、あるいは経済企画庁とか沖繩開発庁、あるいは行政管理庁、総理府人事局あるいは人事院の一部を統合とか、こういうようなのが名前に出ているわけでありますが、こういうふうな名前が出てまいりますと、いわゆる各省庁間の縄張り意識――実は大臣、大臣が閣議でくぎを刺されたのは、それはそれなりに私は意味があると思うんですね。私は、それ以上にやっぱり一番のあれは、官僚の抵抗もあると思うんですね。やっぱり、そこら辺のところにももう少しくぎを刺さないといけないんじゃないかと。大臣が閣議でいろんなことを言うのは、もちろん地元の意識もあって言うかもわかりませんが、それより以上に、やっぱりそれぞれの官庁の官僚のいわゆる入れ知恵と言おうか、そういう抵抗がずいぶん強いんじゃないかと、現実に私はそういう声も聞いておりますし、そういう動きが現実にあるわけですね。そういうような問題についてやはり事前にもう少し手を打っておく必要があるというのが一つ。
 それから、もし出てきた答申に対しては、もうそれこそ勇断を持って実現すると、そういう決意がないと、これはもうそこだけ飛ばしちゃっていわゆる臨調の答申を法案として出すということになってしまいます。そういうような意味では非常に大事な問題だと思うんですが、大臣、この点についてはどうお考えですか。
#111
○国務大臣(中曽根康弘君) 御指摘いただきましたように、国民はもうすでにがまんしたので、今度は公務員ががまんする番だと、そういう御指摘は私は確かにそのとおりであると思いまして、官公庁の改革の問題については、臨調から答申が出てまいりました場合には公務員にがまんをしてもらうように、各責任者、大臣、次官を初めといたしまして、大いに協力してもらうようにいたしたいと思っていますし、それを実現していくためにも内閣の官房とも総理とも話しておりまして、必要な対策を講じてまいりたいと思っております。
#112
○峯山昭範君 ぜひそこの問題は強烈に取り組んでいただきたいことを要望しておきたいと思います。
 それから大臣、第一次臨調の答申のときと違いまして、今回の臨調の答申に対しまして、大臣の希望として、これはそういうことなのかどうか私わかりませんが、いわゆる実現可能な答申をというのが大臣の希望やに聞いておりますが、これはそのとおりなんでしょうか。
#113
○国務大臣(中曽根康弘君) 昨年臨時行政調査会が発足しましたときに委員、専門委員の皆さんに私が申し上げた中で三つの点がございまして、その一つは、官民協調でやってもらいたい、初めから役所を敵に回すような小さな根性ではだめですと。それから自分たちの所属を離れて大局的見地に立った御判断を願いたい。それから実現可能でしかも国民の皆さんからよくやったと、そういう評価される案をおつくりくださいと、初めからできもしない案を出してもらったってこれはだめですと。やはり射程圏内にあって、もう汗みどろ一生懸命やればできる仕事で、しかも国民からよくやったと、そういうものをお出し願いたい、そういうことを申し上げました。
#114
○峯山昭範君 大臣、それは確かにそのとおりで、私は大事な問題であろうと思います。
 ところが今度は臨調の中に、最近、この実現可能な案をつくるためにという口実のもとに、この本答申の最終段階に入って、いわゆる政府・自民党とのすり合わせをやる必要があるということで、この改革案の中身についていろんなすり合わせが行われているようでありますが、これは大臣はどのようにお考えなんでしょうかね。実際問題として非常にむずかしい問題だと私は思っておりますが、そこら辺のすり合わせは当然やるべきとお考えなのか、あるいはやるとすればどういうふうに対応すべきなのか、あるいは野党に対してはどういうふうにお考えなのか。いろんないま国鉄、電電を初め第四部会の三公社の問題とかそのほか機構改革の中の本省庁の統廃合の問題等、非常に大事な問題がありますね。実現可能なという問題と、そこのすり合わせという問題、あるいはその相手との問題、これは大臣はどのようにお考えなのか、それも一遍聞いておきたいと思う。
#115
○国務大臣(中曽根康弘君) その点は臨調の皆さんが自主的に御判断になっておやりになることで、われわれが側面からとやかく申し上げることではございません。しかし、臨調の皆さんがすり合わせを必要とする、あるいは関係者の意見を聞きたいと、こういう場合に便宜を供与するということは十分やっております。臨調の皆さんがそういうふうにいろいろ意見交換をなさるということは、私はむしろ歓迎すべきことであると思っております。いずれ案ができましたら、野党の皆様方のところにもその案について御理解をいただくように御説明に上がる機会があるだろうと思っておりますし、また、その以前におきましても関係諸団体の御意見はよく拝聴していきたいと思っております。
#116
○峯山昭範君 それでは、午前中の最後としてお伺いしておきたいんですが、今回いわゆるその基本答申に盛られなかった議題というのがありますね。これは大臣でなくても結構ですが、大臣御存じでしたら大臣からお答えいただけば結構ですが、今回、答申三十六項目中、何か二十四項目を基本答申の中に盛り込んで七月の答申の中に入れるというふうに聞いておりますが、それから以後の問題ですね、これはどういうふうにお考えなのか。そして、それから本答申された以後のいわゆる手順、手続等についてはどういうふうにお考えなのか、この二点お伺いしておきたいと思います。
#117
○国務大臣(中曽根康弘君) 臨調は、皆さんでスケジュールをお話しになりましたときに、この七月答申、そして最終的には来年の三月答申ということを予想しておりましたが、随時答申をするという基本原則もまた持っておりました。したがって、この七月の作業ぐあいによりまして、もし七月答申に漏れたものがあったならば、これは三月に回るということもあり得ましょうが、しかし三月では遅過ぎると、また一応三月に初め予定していたことでも繰り上げてやる方がいい、そういうものがある場合には秋に、その中間に随時答申ということで答申される可能性もある。いずれこれらはすべて臨調が御自分でお決めになることである、そういうふうに考えております。
#118
○委員長(遠藤要君) 午後一時から委員会を再開することとして、休憩いたします。
   午前十一時五十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時一分開会
#119
○委員長(遠藤要君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、行政事務の簡素合理化に伴う関係法律の整理及び適用対象の消滅等による法律の廃止に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#120
○峯山昭範君 それでは順次質問をしてまいりたいと思います。
 初めに、これは午前中にも多少議論になりましたけれども、今回の法案提出と関連をいたしまして、どういうふうな場合に一括法案として提出をするのか、あるいは単独法案として提出するのか、その基準はどういうふうになっているかという問題について質問をしたいと思います。
 政府は、法律改正案を国会に提出するに際しまして何を一括し何を単独法案にするかについては、従来の経緯を見てまいりますと、政治的な考慮を先行させ、一貫した基準、原則を持ち合わせていないように思えます。昨年暮れの臨時国会におきまして、行革国会の名のもとに教育、福祉などのあらゆる行政各分野にわたるものをすべて一括して行革関連特例法案として国会に提出した経過がございます。今回臨調の第二次答申、今回の法案の許認可に関する整理合理化法案でありますが、これを答申を受けまして、二月の十五日に自民党は行財政調査会において次のような決定を行っております。
 その決定は、臨調第二次答申については大筋を了承し、これを尊重しつつ、今国会において法律改正を行うため法律案作成作業に入る、法律案は原則として一括で処理したい、このようにわざわざ原則として一括で処理したい旨をうたいながら、結局臨調第二次答申指摘事項中、法律改正を要するもの十法律のうち道路運送車両法の一部改正案、電波法の一部改正案の二法律は単独法案となり、残る八法律のみが一括となったわけであります。そしてまた、このような結論に至るまでには公衆電気通信法の一部改正案を単独提案とするよう郵政省側からの強い働きかけがあったと聞いております。そして、道路運送車両法の一部改正案が単独提案と決まった時点ですでに過料十万円の規定の追加というような今日の事態が予想されたとの行管庁筋の観測もあります。
 従来、国会答弁では、内閣法制局は一括法案の基準として次のように述べております。内閣法制局として一応三つの基準というものを立てております。第一には、法案に盛られた政策が統一的なものであること。その結果として法案の趣旨、目的が一つであると認められる場合。第二は、内容的に法案の条項が相互に関連していて一つの体系を形づくっていると認められる場合。第三は、これは実際上の理由であるが、やはり関連を持って国会の委員会でできるだけ円滑に審議していただくという見地から、原則として一つの委員会の所管に属する範囲内のものでまとめる。無論これは例外はあるけれども、できるだけそういう原則をとる。しかし、このような法制局の見解は、あとで考えた理由づけとしか受け取れないわけであります。従来の事例を見ると、この第三項目の例外的な処理が多過ぎるように思います。
 そこで、私がいまこのことをあえて取り上げましたのは、この七月の臨調の基本答申を受けた際、政府がその実現のための法案をどういう形で提出するのかの態度とすぐ結びついてくるからであります。昨年の行革国会のようにすべてを一括法案というような形にしてくるのか、あるいは今回のようにばらばらにしてしまうのか、ここら辺の原則的な問題について行管庁の所見をお伺いしておきたいと思います。
#121
○政府委員(佐倉尚君) 一括法案、どういうものを一括するかということに関しまして、ただいま先生からお話のございましたように、法制局の方から見解が三つの点で示されておることでございます。今回のこの一括法案は、この三つの原則のうちでは法案の趣旨、目的が一つであると認められる場合ということに概略当たるのではないかというふうに考えております。
 それで、ただいま御指摘のとおり、臨調の第二次答申の法律改正事項の必要な十法律のうち八つをこの一括法案の中に盛り込んだわけでございますが、先生お話しのように、自動車の点検の問題、車検の問題、それと市民ラジオの免許、この問題につきましては単独法で出させていただいたわけでございます。道路運送車両法の一部改正として出した車検の問題はそうでございますが、これは、この臨調答申をやるに当たりまして運輸技術審議会等の御答申もございまして、かなり専門的、技術的な内容が付加され、それと一緒に法改正が必要であるという観点に立ちまして単独法で出させていただくということになったわけでございます。
 それから市民ラジオの免許の件でございますが、これは電波法の改正ということになるわけでございますけれども、この電波法に関しましては、在外公館の外国との相互の関係でございますけれども、両方からその電波を出すようなことができるような国際協定の問題あるいは船員の無線従事者の資格の問題等、別にそういう電波法の改正を要する事項がございましたので、そちらと一緒にして電波法の改正として単独法として出させていただくということでございます。でございますので、臨調答申のうち八つをこの一括法の中に盛らさせていただいたということでございます。
 それで、この一括法に盛ったということは、先ほど申し上げましたように、趣旨、目的が同一であるというふうに考えられるという点に当たっているということで、このような措置でよろしいというふうに考えておる次第でございます。
#122
○峯山昭範君 これは、本答申になった場合はどういうふうに判断をしますか。今回の本答申、いまやられていますね。これから出てまいりますね、七月には。その場合、これはいろんな問題が私はあると思うんですね。このいわゆる一括法案にまとめるということも私は大事な問題であると思います。といいますのは、やっぱりこのそれぞれ三つの原則で、政策的な問題あるいは内容的な問題等いろいろありますけれども、実際それを実践する、実行するというふうな意味では、この委員会の構成というふうな問題も大変大事な問題になってくると私は思います。
 そういうような意味では、断固実践するという決意ですな、たとえ統一、一括にならないにしても、やっぱりどういう形にしろ、それをがっちり実践するという決意は必要だと私は思います。ですから、いわゆる一括にするかどうかという問題とは別なんだというお考えでいらっしゃるわけでしょうか、そこのところは。
#123
○政府委員(佐倉尚君) 行政改革に関する種々の法律を順次改正していく必要が当然生じてくるわけでございます、特に臨調の答申を受けまして。政府としてはこれを尊重してそういう措置をとっていくわけでございます。いま先生御指摘のとおり、これは一括法でお願いするのかあるいはそれぞれの法律でそれぞれの委員会にお願いするのかということは、その中身、内容それからその改正する趣旨等によって決まることでございまして、政府としても提案する際にそれらを十分考えて御提案申し上げるわけでございます。
 今回のこの措置其許認可の簡素化と事務簡素化につながる許認可の整理という意味で、この一括になじんだ部分があったわけでございます。臨調答申に即して言えば、十法律のうち八つはそういうことでこの一括法案としてお願いしているわけでございます。ただ、臨調答申はもう各般にわたってまいると考えられますので、これをどのように政府として今後取り扱っていくかと、法律改正の必要なものをどのように取り扱っていくかということは、十分それらを見きわめた上でないと申し上げることはできませんけれども、趣旨としましては、先生のおっしゃるとおり、たとえ単独法でお願いするにせよ、どういう形でするにせよ、当然それぞれの関連する法律というものを全部ひっくるめて考えまして行政改革というものを推進していくのであるというふうなことが基本的な立場であると存じております。
#124
○峯山昭範君 いまの問題をもう少しあれして言いますが、今回の法案は根本になる法律が許認可ですね、いまおっしゃるように。そして、第一次答申のときには、許認可というよりもいわゆる一般的な政策あるいは内容的に政策的なものがいっぱいあったわけですね、各般にわたる政策だったわけですね、言いましたら。それでそれを一括したわけですね、第一次答申のときには。今回は許認可だったので、許認可は許認可関係でまとめて、そしてそれを多少はみ出すものを別にしたと、こういうことになりますか。
#125
○政府委員(佐倉尚君) この法律案は、もう御存じのとおり、許認可の部分と法令整理の部分とがあるわけでございますが、許認可のうちには臨調答申に基づくものと政府で考えております許認可整理計画に基づくものとがあるわけでございますけれども、臨調の答申の部分に関して言えば、いま先生がおっしゃったように、この第二次答申というのは特に許認可について御答申をいただいたわけでございますので、そのうち、この一括法になじまない部分を持っているもの、ほかのいろいろな事情もございますけれども、つけ加わったものを単独法の方にお願いし、その他をこの一括法に入れたという趣旨は、先生の御指摘のとおりであると存じております。
#126
○峯山昭範君 余り細かいことをごちょごちょ言っても仕方がありませんが、いずれにしても一括法案というふうな形でがちっと処理するのが一番いいんじゃないかという気がしているわけであります。
 次に、実効性喪失の法律の廃止の問題についてお伺いをしてみたいと思います。
 戦後、昭和二十九年に四百二件の実効性喪失の法律についてまとめて廃止する措置をとったわけでありますが、今回、この法律で同様三百二十件の法律を廃止しているわけであります。実に約三十年ぶりに実施するということになったわけであります。政府は昭和四十三年から四十五年の行革三カ年計画におきまして法令の整理をうたいながら、実際問題としてはなかなか実現できなかったわけであります。
 その際、昭和五十五年三月五日、第九十一回国会衆議院予算委員会第一分科会におきましてこの問題が取り上げられております。当時の質疑から読んでまいりますと、制定時の状況から情勢が変わって不要となった法律を見直していくのは国会の重要な任務ではないのかと衆議院法制局に見解をただしたのが契機となりまして、政府の行革の一環としての法令廃止についての検討作業及び衆議院法制局での検討作業が並行的に行われまして、両者調整の上で三百二十件の今回の廃止となったわけであります。
 そこでお伺いしたいのですが、その衆議院における質疑の際、廃止すべき法令の例示として、実効性喪失の法律のほか太政官布告、ポツダム勅令、かたかな書きの法律、旧憲法下にできた法律でいま現在若い人たちから見れば読んで理解するのに大変むずかしい法律等を挙げ、これらをそのまま放置することは立法府の怠慢ではないのかと、こういうふうな質疑が行われております。今回の廃止、整理にはこういうものにまで及んでいないが、この点、政府側はどういうふうに考えているのかというのが第一点であります。
 それから今回対象に挙がっている三百二十件の件名を一覧表にしてみまして、明治、大正の郡制時代の法律など、よくも今日までこのように古いものをそのままにしておいていたのかと感心するようなものがたくさんあります。役人というものは新法をつくるにはきゅうきゅうとしてやっているわけでありますが、法律ができてしまえば後は知らぬ顔という役人かたぎ、役人風土丸出しであるわけであります。法律の受け手の国民の立場は眼中にないと、そういう態度ではないかと私は思うわけであります。
 そこで、私は提案したいわけであります。
 一つは、今後十年置きに、たとえば昭和七十年とか昭和八十年とかあらかじめ時期を指定して、その年次までの実効性喪失の法令を一括して廃止するよう制度化してみてはどうかということが一つであります。それからもう一つは、今後新規立法する場合にはサンセット方式の励行を心がけ、できるだけ時限立法とするよう法制局としても一段と配慮をするようにしてはどうか。それからもう一つは、行政目的が達成されたかどうかの認定は各省に任せず、もっと国民の意見を反映し得るような民主的な機関の設置を考えてみてはどうか。この三点につきまして御意見をお伺いしておきたいと思います。
#127
○政府委員(佐倉尚君) 今回のこの一括法案で盛られております法令の整理の問題でございますが、先生御指摘の二十九年以来のことでございます。二十九年には三百七十五件の法令整理が行われたというふうに私どもは承知しておりますが、今回は狭義の法律に限りましたので、太政官布告あるいはポツダム勅令・政令、そういったものは今回の整理対象からは除かれているわけでございます。
 ただ、二十九年以来のことでございますけれども、いま先生お話しのように、そう長くほうっておいてはいけないんじゃないかというふうには当然私どもも考えているわけでございますけれども、それで何年置きにやるように制度化しろというお話でございますが、これらにつきましては、あるいは新しく法律をつくる場合にはできる限りサンセットの条項をつけるといったようなことにつきましては、今後とも関係当局とも相談の上いろいろと検討さしていただきたいというふうに存じます。
 それから達成されて実効性が喪失したかどうかということの判定というものは、これはやはりその法律を所管しております省庁が一番実情をよく知っているわけでございまして、この法律の適用対象がなくなったのかどうかというようなことはその関係部局が一番よく知っているということでございますので、別の機関でやれという御提案は、この辺を考えることはちょっと慎重にしたいというふうに考えますけれども、いずれにせよ、こう長い間法令の整理という観点から実効性のなくなった法律を放置しておいていいというふうには考えておりませんので、先生のいまのお話、御提案、基本的には十分検討して考えさせていただきたいというふうに思います。
#128
○峯山昭範君 これは大臣にお伺いしておきたいと思います。午前中にもちょっとお伺いいたしましたが、今回の鈴木行革は、総理、中曽根長官の演出の妙もありまして、昨年の三月十八日の総理発言、これは行政改革に政治生命をかけるという発言でありますが、それ以来、行革ムードというのが大変盛り上がりまして、昨年暮れの行革関連特例法案に見られるように、その行革のムードばかりが実際は先行しているように見られるわけであります。そのために、国民一般は経済活動、消費行動を萎縮させ、昭和五十六年度の税収は御存じのようにがた落ちとなっております。最近の渡辺大蔵大臣の発言によりましても、昭和五十六年度の歳入欠陥は三兆二千億円を超すという事態に立ち至っているわけであります。政府は完全にこの見通しを誤ったものと断定せざるを得ないような状態になっておりますし、その政治責任というのがこれから国会の中でも相当問題になるのではないか、こういうふうに私は考えております。これでは、昭和五十九年度までに赤字国債の依存体質から脱却するという総理のもう一つの公約、増税なき財政再建路線、これは完全に行き詰まったと言わざるを得ないような状況であります。現在の政治状況は行革を続行し得る政治状況なのかどうかということを大臣にお伺いしておきたいと思います。
 それから中曽根長官は、当初から行政改革と財政再建という問題について、行政改革と財政再建とは一線を引いて、財政改革のために行政改革をやるのではない、行革の結果財政が恩恵を受けるというのが筋である、行革は幹であって財政はその反射的効果を受ける枝か花に当たると、行革には行革特有の原理があり哲学がある、こういうふうにおっしゃってきておりますが、実は鈴木総理は多少ニュアンスが違うわけであります。行政改革と財政再建とを不離一体のものとしてとらえ、みずからは意識的に行財政改革と、こういうふうにおっしゃっております。この姿勢が鈴木内閣の姿勢であり、鈴木行革と言われるものであろうと思います。
 土光臨調会長も鈴木総理の増税なき財政再建という公約を信頼して老骨にむち打つことになったと、そういうふうに聞いております。行革をしっかりやって冗費を生み出し、昭和六十年度までに財政危機を突破する、これが土光臨調の姿勢であるように聞いております。
 中曽根長官は鈴木内閣の大黒柱として、はたまた土光さんを担ぎ出した張本人として、土光会長と心中する旨の意思を何回か明らかにされております。この巨大な歳入欠陥を抱えたこれからの財政再建、景気政策など経済のかじ取りの政策転換などもいま云々されているときであります。こういうふうな時期に行革についてどういうふうな道をとっていったらいいか、あるいはどういうふうにお考えになっているのか、あるいはこの行革と財政再建の問題について鈴木総理にどういうふうに御進言をしておられるのか、大臣の御所見をお伺いしておきたいと思います。
#129
○国務大臣(中曽根康弘君) いまの状況が行革をやるに適しているかというまず第一の御質問でございますが、私は、これぐらい国民の関心が高まりを見せたことはございませんし、国民は行革を断行せよという声に包まれていると私らは解釈しておりまして、行革はいよいよ国民の支援を受けて力強く推進されなければならぬ、またそういう絶好の機会でもあると考えております。厳しくなればなるだけやはりみずからを矯め、また試練にこたえていくというのが行革の正しい道であり、またわが国民性でもあると考えております。
 私は行財政改革という言葉は使わないと、われわれ行管当局は行政改革という言葉を使うと申し上げましたのは、前にもすでに申し上げましたように、行政という概念は非常に広義の概念で、福祉も教育も防衛も外交もあるいは財政も入ると。その大きい意味の行政全般の体質改善をやろうとしておるのであって、財政はその一部である。しかし、財政問題が急迫してそれに触発されたということも否定はしないし、またその結果、いろいろ官民の機能の分担であるとか、あるいは行政水準の見直しであるとか、あるいは国のめんどうを見る部分と個人が自分の責任で行う部分とか、そういうような見直し等々を通じて財政が非常に助かってくるということも事実であって、それまで否定するものではない。そういう意味で大蔵省は財政再建を言うでしょう。したがって、内閣とか総理のレベルで行財政改革と言うことは、これは理解し得るところであります。われわれはしかし行政改革ということを言っておるのです。そういうことを申し上げてきておるのであります。
 それで、行革デフレという言葉がございましたが、まだ行革も本格的にやらないうちにこういう経済状況になってきておるのは行革のせいではない。これは世界経済全般あるいは石油危機を何回か受けた後遺症が日本経済に影響を及ぼしておるのでありまして、行革がデフレを呼んでいるのではない。むしろ行革によって身ぎれいにして、小さな政府にして、そして健康体を回復するということは景気を呼ぶもとになるし、また減税を呼ぶもとになる。そういう行革の路線を通じた財政再建というものでなければ、それは粉飾になるであろう。結論的に見て、長い時間をかけて見れば国民の負担にそれはまたはね返ってくるのであって、費用と効果という面から見ても、いままでの経験で見てよほどそれは戒心しなければならぬポイントである、こう考えておるわけであります。
#130
○峯山昭範君 次に、臨調各部会の七月答申に向けての作業の状況等についてお伺いしたいと思います。これは午前中にも多少質疑がございましたが、お伺いしておきたいと思います。
 衆議院の内閣委員会の会議録を先日読んでみましてわかったことでございますが、中曽根長官は、臨調の七月の基本答申に関する質疑についてはほとんど白紙というふうな答弁で押し切っておられるようであります。何ら具体性のある答弁はしていないようであります。わずかに事務当局者が各部会の作業状況について事務的な答弁を行っているようであります。
 中曽根長官の言葉に従えば、今度の行革は明治維新、戦後のマッカーサー改革と並ぶ三大改革とも称すべき大事業である。その大事業のもととなる七月の答申について、この機会に国会を通じて国民にできるだけその内容を伝え、その反響を呼び起こし、国民の支持を求め、その協力を得るという姿勢がなくしてどうしよう。この機会を逃せば七月答申前に国民に呼びかける機会を失うのではないか。
 聞くところでは、臨調の瀬島委員以下が、各部会の最後の詰めの作業の一環として、政党関係を含め各方面と裏折衝に当たっておられるように聞いております。この点については午前中もお伺いしましたが、長官はその点については十分御存じだと思います。私も最後の詰めの段階で公表を差し控えなければならない微妙な点もたくさんあることは十分承知しているわけでありますが、各部会が現在抱えている問題点、それから作業のまとまりぐあい、まとまりの見通し等について、これは新聞記者会見等で新聞にも発表されて部会報告の概要が出ているようでありますが、きょうはこの席上で、現在の作業のまとまりぐあい、まとまりの見通し等についてお伺いしておきたいと思います。
 それから国会の場を通じて国民に物を言わないでどうして国民の信頼を得られようかということがあります。先ほど大臣から御答弁いただきましたが、財政危機の中から行革に対しても国民がさめた気持ちになっている現在、いまこそ行革内容について国民に対しても、政府としていまこういうような状況にあるんだということを述べる必要があるんじゃないかと思いますので、そういう観点から、同僚議員に対して午前中も多少経過の説明がございましたけれども、概要をお述べいただきたいと思います。
#131
○政府委員(山本貞雄君) お答えいたします。
 臨調の各部会の作業の進捗状況でございますが、午前も御報告いたしましたように、ただいま四つの部会がこの五月末までに調査会に部会報告を出すということで大詰めの作業に入っておるわけでございます。
 第一部会は行政改革の理念、それから重要行政施策のあり方の問題といたしまして、農政、社会保障、文教、住宅、土地行政あるいはエネルギー行政、科学技術行政等と、こういった事項につきまして取りまとめておる最中でございます。五月三十一日をめどに部会報告を出す予定でございます。
 それから第二部会でございますが、総合調整あるいは行政組織の問題を扱っておりまして、内閣の機能の問題あるいは中央省庁の問題、さらに各省の内部組織あるいは出先機関につきまして一つの合理化基準を立てまして、これをもとに秋以降具体的な合理化案をまとめていくということで、そういった事項その他組織の弾力化の問題等も含めまして、ただいま大詰めの作業をやっております。大体五月二十四日には部会報告をしたい。また公務員の分科会におきましては、給与問題等を中心に取りまとめ中でございまして、五月二十九日にはひとつ部会を通じて調査会に報告をしたい。
 さらに第三部会におきましては、国、地方の問題を扱っておりまして、国、地方の機能分担あるいは財政制度の問題、その他補助金あるいは広域行政、減量化問題等々につきまして取りまとめ中でございまして、これも五月二十四日をめどに部会報告を提出したい。
 さらに第四部会におきましては、三公社の問題を中心に特殊法人の問題につきましてもただいま取りまとめ中でございまして、ひとつ五月十七日には部会報告を提出したいということでただいま大詰めの作業中でございます。
 これを受けまして、調査会におきまして六月から七月にかけて審議を進めまして、七月中には調査会の答申を提出したい、このような作業状況でございます。
#132
○峯山昭範君 臨調各部会の報告と基本答申についてお伺いしたいと思います。
 ただいま第一部会から第四部会における作業状況の大要について御説明があったわけでございますが、そこでもう一つお伺いしておきたいんですが、昭和三十九年の第一次臨調の際は、各専門部会から答申を受けて、そして七人の委員が箱根かどこかにこもりまして、各委員がそれぞれ分担を決めて、そして最終答申をまとめられるに当たっては相当突っ込んだ検討をした、こういうふうに聞いております。そしてその結果、結局専門部会かち出た答申とは相当違った臨調の委員独自の案がまとめられた、こういうふうに私記憶をいたしております。
 今回の場合はどういうふうになるのかということになるわけでありますが、いま御説明にございましたように、各部会の報告の概要についてはいま新聞にずっと報道されていますね。そういうふうなものが七月の基本答申になった場合にどうなるのか、基本的にはやっぱり部会報告が大体そのまま出てくるのかどうかという、これはいろいろこれからの問題もありましょうね。その点ちょっとお伺いしたいんですが、去年の第一次答申のときには、いわゆる部会報告がそんなに大幅に変更はされませんでしたですね。そういうような観点から考えまして、今回の場合はどういうふうになるのかということですね、これちょっと一遍お伺いしておきたいと思います。
#133
○政府委員(山本貞雄君) 第一次臨調のときと違いまして、あのときは、たとえば今回の第二次臨調が昨年の七月十日にいわゆる五十七年度予算編成等の問題につきまして答申をやったわけでございますが、したがいまして基本答申につきましては九月から主として作業に入ったわけでございまして、期間はかなり短いわけでございます。したがいまして、臨調におきましては部会と調査会との関係を相当円滑に調整していく必要がある、また調査会におきましても、それぞれの事項についての制度の概要あるいは運営の現況等につきまして相当勉強しておく必要がある、こういったことから、実は部会の審議と並行いたしまして、非常にしばしば調査会におきまして、それぞれの部会で取り上げております事項につきまして場合によっては部会長、部会長代理も出席いたしまして御説明いたしますとともに、部会の審議状況も御報告し、また御意見も伺いながら両者非常に密接に作業、審議を進めておるわけでございます。
 それで、実は最近は、調査会といたしまして、土曜日も含めまして大体週二、三回の審議をやっておりまして、部会長等も出席されまして非常に熱心に部会の検討の内容につきまして御議論もいただいておるわけでございます。したがいまして、部会の報告が五月中に出てまいりますと、調査会では大体二カ月間ぐらいの審議の期間があるわけでございますが、調査会といたしましてはそれぞれの問題につきまして、六月に入りますと部会長、部会長代理あるいは分科会の主査にも御出席いただきまして共同の討議も進めていく。そして十分部会の考え方、問題の現況というものを把握した上で、今度は調査会としての独自の審議をいたしまして全体としての調査会としての答申を取りまとめて答申をいたす、こういった考え方で調査会はおるわけでございます。
#134
○峯山昭範君 これは大臣にお伺いしておきたいんですが、基本答申に対する政府の態度であります。
 大臣に、七月の基本答申が出たらその取り扱いをどうするんだと、こういうふうにお伺いしてもこれはおしかりを受けるかもしれませんが、昨年の十月二十日の衆議院の行革特別委員会での大臣の発言でありますが、ちょっと気にかかることがありますので、一遍これもただしておきたいと思うんです。
 この衆議院の行革委員会の発言によりますと、大臣は基本答申に対する政府の態度のところで、昭和五十七年夏――ことしの夏ですね、昭和五十七年の夏と五十八年の三月にいただく答申は非常に大がかりなものになるであろう。これを実行するについて、一年や二年でできるものとは限らない。恐らく内閣の数幾つもかかるのではないか、重さから見てそのぐらいではないか。したがって、そういう答申が出た場合、どういう順序、段取りでやっていくのか政治的プログラムが必要であろう。国民の皆が見守っていると思うので、政府の方もそれに対応すべき長期の計画を策定して、計画的に断行していくプログラム、シナリオが必要であろうと、こういうふうに発言をしておられます。
 大臣のこの発言からいきますと、ことしの夏の答申そして来年三月の答申、これは非常に大事な答申が出てくるということはもう明らかであります。それでいま、部会のいろんな議論を見ておりましても、国鉄、専売、電電のいわゆる再編の問題を含めまして、あるいは第二部会の、それぞれいまお話もございましたけれども、非常に大事な問題がありますね。確かに大臣おっしゃるように、一年や二年でそう簡単にできない問題かもわかりませんが、これはやっぱり財政再建という問題と絡めて考えてみますと、あるいは長期的になってしまって、むずかしい問題が後に残されて、結局行革のこの答申が実現されないということがあるんではないかと、そういうことを非常に心配をしているわけでありますが、そういうような意味では、大臣がこのとき発言になったように、政府としては相当こういうようなプログラムというのは必要だろうと私は思うんですが、そこら辺のことについては現在はどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、一遍ちょっとお伺いしておきたいと思います。
#135
○国務大臣(中曽根康弘君) 私の考えはその当時と変わっておりません。今回の行革は非常に重要な問題が内容にありまして、答申も重要な答申が出てくると期待しております。
 したがいまして、たとえば国鉄の問題を一つ考えてみましても、これは一年や二年で簡単に片づくようなものではございません。累積債務の処理とかあるいは経営形態そのほか問題を考えてみますと、やはりある程度の時間をかけてじっくりじっくり取り組まなければとうてい改革は期し得ないものであると、それぐらい重大な問題であると考えておりますし、年金の問題を一つ考えてみましても、言われておりますような年金の統合ということを心がけてまいりますれば、これもかなりの時間がかかり、いろいろな段取りを必要としていると考えられます。
 事ほどさように短期間で簡単にやってのけるというような性格のものではございませんので、答申が出ましたら、おのおののアイテムについてやはりある程度の長期的な計画性を持った構想をまとめる、そしてできるだけ速やかに軌道を設定することが大事だと思うんです。その軌道を設定するについては、国民的合意を得てやることが大事であると思いますし、その軌道が設定されましたならば、だれがこれをやろうと営々としてこれを引き続いて続行して完成していくと、そういう責任分担が必要ではないかと思うのであります。もちろんその過程において、状況の変化に応じて多少のモディファイは行われることはやむを得ぬと思いますけれども、やはり基本線というものはよほどの事情変更がない限りは断じて貫いていくという、そういう相引き受けて続行して努力をやっていくというそういう構えが必要ではないかと思います。
#136
○峯山昭範君 臨調の行政改革に関する第二次答申、特に許認可等の整理合理化の問題についてお伺いをしておきたいと思います。
 本法案は、臨調の第二次答申中、指摘事項二十四項目の中の法律改正を要するもの十七法律のうち、単独法として別途提案をされているもの二件、これは先ほどから申し上げましたが、を除いて、十五法律の改正が一括して取り上げられているわけであります。臨調答申にはこのほか政省令改正、行政通達改正等の分野に及んでおりますが、この際、臨調の第二次答申全体を問題としてここで一遍お伺いしておきたいと思います。
 第二次答申の性格でありますが、昨年七月の臨調の第一次答申は、昭和五十七年度予算編成に反映せしめ得るものということで、主として福祉、教育面での国民に対するしわ寄せが真っ先に取り上げられ、評判が非常に悪かったわけであります。そこで、総理のたっての希望から、国民に喜ばれるものということで許認可、それも特に国民生活に直接結びつくという観点から、旅券交付、車検、自動車免許証等の問題が取り急ぎ答申をいただけるようとの強い催促でこの答申に至ったという経緯のあることは周知の事実であります。
 このような経緯から、この答申はきわめて部分的な許認可等、特に目立つものだけが象徴的に取り上げられているにすぎないのであります。答申自身、国民の要請が強く、結論の得られたものから順次答申することが適当と、こういうふうに述べていることでもわかります。
 そこで、今回の二十四項目はいかなる基準で選択されたかということであります。その特色、これは当委員会におきましても先日も御答弁ございましたが、現在約一万件もある許認可について、臨調は各界から改正の要望のあった約二、三千件を中心に検討したということでありますが、結果的には経団連などの財界からの要求に沿ったものが半数以上を占めるに至っております。答申は、表面、国民負担の軽減を前面に掲げ、自動車運転免許更新手続の簡素化、一般旅券発給の代理人申請範囲の拡大、狂犬病予防注射期間の延長、医師などの年次届規制の緩和、歯科技工士などの住所届け出制の廃止など、国民にとって不必要な許認可や繁雑な事務の整理合理化をねらうものを掲げているようでありますが、同時に、財界の要求にこたえて大企業の自由を拡大し、国民に犠牲を押しつける改悪案を盛り込む結果となっております。この批判に対してどういうふうにこたえるかというのが第一点であります。
 さらに今回の答申は、前回、昭和三十九年の臨調答申の際は、整理簡素化すべきものを類型的に示して、具体的事項は例示として示されたにすぎないのであります。そのためもあって、例示されたものの多くが未措置のまま現在に至っております。そのことの反省から、今回は実現可能性を第一として、アンケート調査等により各界各層の要望の強いものを重点的に選んだとされております。そのためもあって、このたびの答申項目は非常にしぼられた具体的なものとなっておりますが、反面、実現可能性というものを考え過ぎて、規制の廃止、規制の緩和についての基準が消極的に過ぎるものとなっております。
 たとえば医師などの年次届については、前回の臨調答申では廃止するかまたは何年か置きに実施することに改める旨述べておりましたが、今回の答申では二年ごとというように非常に緩和された形となり、自動車の免許証についても警察庁との意見調整で、また車検についても運輸技術審議会等の答申などにより内容自体が非常に薄められたものとなっております。このような点についてどのように考えていらっしゃるのか、御見解をお伺いしておきたいと思います。
#137
○政府委員(山本貞雄君) ただいま先生御指摘のように、許認可等は約一万件あるわけでございますが、臨時行政調査会といたしましては、この許認可の整理合理化というものを非常に重要な課題の一つであるというふうにとらえまして、専門の分科会を設けまして、国民負担の軽減あるいは行政事務の簡素合理化、さらには民間活力の活用という観点から全面的な見直しを行うべきであるといったようなことで、ただいま系統的に取り組んでおるわけであります。
 その際、先ほど先生のお話ございましたように、政策推進労組あるいは地方制度調査会、さらには全国知事会、経団連、あるいはかつての行政監理委員会とか第一次臨調の未措置事項、さらには行政管理庁でいろいろアンケート調査をいたしておりまして、そういった各界各種の意見、要望というものを約二千数百の事項を参考といたしまして、それをベースにただいま取り組んでおる最中でございます。
 そのうち、すべてがまとまった上で答申するというよりは、国民の要請も非常に強く、また順次まとまっていったものから早急に実施すべきものは実施した方がいいと、こういった考え方で、実は二月十日に第二次答申におきまして、許認可の事項につきまして当面の二十四事項の合理化措置について答申をいたしたわけでございます。その際、許認可整理についての基本的な考え方もあわせて答申をいたしまして、今後それ以外の事項についても、たとえばいろんな検査、検定制度あるいは資格制度、あるいはいろんな業種規制等々、横並びで系統的な整理合理化作業をそれに基づいて進めていくということでやっておるわけでございます。
 大体そういったようなことで、今回の二十四事項につきましては、一つは一般国民の日常生活を対象としたもの、あるいは国際経済的な見地から早急な対応を必要とするもの、輸入検査とかいろいろございますが、また国民経済的な見地から対応を要するもの、あるいは民間活力にゆだねるのが適当なもの、さらに民間等から改善要望が非常に多いものでいまだ実現していないもの等々、そういった観点で二十四事項を取り上げて具体的に早急に実施すべきであるというふうな答申をいたしたわけでございます。
#138
○峯山昭範君 今回の答申はすぐ間に合う処方せんと、そういうことで手近な二十四項目についてはそれなりの解答が出ているわけでありますが、根本の解決策が提示されておりません。すなわち、個々の許認可を判断するには、その個々の許認可による規制行政が現在本来の目的を果たしているかどうかを評価しなければならないのでありますが、そのことが避けられているように感じます。
 許認可事項を検討する際には、利用者の保護を目的として設定された規制であっても、現実には事業者の保護に利用されているということは往々として起こりやすいのであります。特に日本の運輸業界においてはこの傾向が強い。日本の運輸行政の大半は許認可行政であると言われておりますが、運輸業界は、既存の事業者は、参入規制の廃止は過当競争を招き、業界に混乱を招くとして規制緩和に常に反対しております。このたびの道路運送車両法改正に対して、自動車整備業界が自民党に政治的圧力を加えたことはよい例であります。規制緩和によって一時的な混乱を引き起こしても、それによって市場効果を呼び戻し、それによって技術革新が促進されるなら、国民経済にも終局的には活力を与え、国民にも利便を与えるのであります。
 その意味で、今回の答申は財界の意見を偏重することにより、代表的経済界にとって有用とされる競争制限的な規制を維持したまま煩瑣な行政機関の関与を排除しようとの意図が読み取れるわけでありますが、真の意味の民間活力の助長、すなわち市場原理の高揚になっているかどうか疑わしい点がございますが、この点に対する御見解をお伺いしたいと思います。
#139
○政府委員(山本貞雄君) 先ほども御答弁いたしましたように、臨時行政調査会といたしましては、許認可の整理合理化につきましては国民負担の軽減あるいは行政事務の簡素合理化、民間活力の活用と、こういった観点から取り組んでおりまして、今回の第二次答申におきましても、その整理合理化の基本的な考え方のところで、この整理合理化についての基準を具体的に提示しておるわけでございます。たとえば規制の合理化につきましては、廃止する場合はこういった基準で廃止を検討する、あるいは統合とか移譲とか、規制の緩和、あるいは運用の合理化についてもこういった観点、基準で整理合理化を検討すべきであるというふうなことで、そういった考え方に基づいて個々の問題を客観的に検討いたしまして今回の答申にこぎつけた次第でございます。
#140
○峯山昭範君 公取はお見えになっていますか。――法案の中身について二、三お伺いしておきたいと思います。
 今回の法案の中で私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律についての部分があります。これは昨年十二月二十五日に、経団連の独禁法研究会が独占禁止法による許認可、届け出事項の改善に関する要望を政府に提出し、そこにおいて国際的協定、契約の届け出について述べている事項をおおむねそのまま臨調が答申に取り上げて、それが今回の法改正となっているようであります。すなわち、現行の独占禁止法第六条においては、一回限りかつ一年を超えない取引を除いて、あらゆる国際的協定、契約は成立の日から三十日以内に公正取引委員会に届け出ることが義務づけられておりますが、今回、これについて独占禁止法上ほとんど問題がないと考えられる種類の協定、契約については届け出を不要とすることとして届け出義務条件の緩和を図っております。
 しかしながら、いままで独占禁止法のこの第六条の規定の存在の重みにつきましては、ロッキード事件の際非常に国民に印象づけられた経緯があります。あのとき、もうすでに御存じのとおり、丸紅がロッキード社と代理人契約を結びながら独禁法第六条に違反して届け出ていなかった点であります。公正取引委員会は事件が問題になってからこの事実を知って、この規定に基づいて丸紅に契約の提出を要求し、履行さしたのであります。この点につきましては、すでに参議院のロ特委で明らかになっております。
 こういうふうにいたしまして不正事件の取り締まりに実効のあったと認められる規定が、いかに民間企業の負担の軽減という立場があったにしても、財界の要望を受け入れてこのような条件の緩和を行うことは国民の立場から許せないと、そういうふうに考えております。
 臨調では、届け出対象の中に借入金、貸付金契約等の独占禁止法上問題となるおそれが少ないと考えられる種類の契約が含まれていることを今回の緩和の理由としているようでありますが、提出させてみなければ独占禁止法上問題となるかどうか判定できないのではないか、こういうように考えておるわけであります。独占禁止法の骨抜きの先駆けとならぬよう注意する必要がありますが、この点についてのお考えをお伺いしたいと思います。
#141
○政府委員(佐藤徳太郎君) 先生御承知のとおり、ただいまの国際契約につきましては、現在年間約六千件程度の届け出がなされておりまして、その届け出につきまして、私どもは、不当な取引制限または不公正な取引方法に当たるかという競争政策の観点から内容を審査しておりまして、必要なものについては指導をいたしております。指導をいたしておりますのは年間で三百件ないし四百件ということに当たっておるわけでございますが、現在までの指導の状況等を見ますと、ほとんど独占禁止法上問題がないとして指導をする事例のないものがかなりございますわけでございます。
 また、ただいまも御指摘がございましたように、臨調からも御答申がございまして、独占禁止法上問題となるおそれが少ないと考えられる種類の協定または契約については届け出の対象外とするようという御答申をいただいておるわけでございます。
 このような状況を踏まえまして、また届け出制度というものが届け出者に及ぼしております負担等も考えまして、独占禁止法上問題となるおそれが少ないと考えられるものにつきましては届け出の対象外とする趣旨でただいま法改正をお願いして、対象外とするものは公正取引委員会で定めるということでお願いしている次第でございます。
 なお、この法律の運用に当たりましては、ただいま先生からも御指摘がございましたように、国会でもたびたび御議論があり、また峯山先生御自身からも何回か御指摘をいただいておるところでございまして、私どもはこの法律の適正な執行に心がけておる次第でございまして、届け出の励行という点につきましても関係団体あるいは関係会社等に十分指導に努めておりますし、また今回届け出制を外すようなものがございましても、その内容等に、その関連します情報等については十分配慮をいたしまして、法律の適正な執行には、仮にこの法案がお通しいただくことができました後でも、その執行に当たりましては従来同様十分気をつけてまいりたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
#142
○峯山昭範君 警察庁はお見えになっていますか。――今回の法律の改正の中に風俗営業等取締法の一部改正も含まれているわけでございますが、現在、風俗営業を営もうとする者は、当該都道府県が条例の定めるところによって都道府県公安委員会の許可を受けなければならないことになっております。風俗営業のうちマージャン屋、パチンコ屋等の遊技場営業の許可は、六カ月ごとにその更新を受けなければ当該各期間の経過によってその効力を失い、営業できないことになっております。このように短期間に営業の許可を更新させている目的の一つは、娯楽施設利用税の滞納防止のためであったと聞いております。
 これらマージャン屋、パチンコ屋についての営業許可の短期間更新については、従来からその改善が要望され、昭和四十九年十一月の行政監理委員会の許認可等に関する改善方策についての答申でもこの更新期間の延長が指摘され、その際、警察庁では昭和五十年十二月の許認可整理法において現行のように一律六カ月と改正されたわけであります。しかし民間団体では、この更新制度を廃止するか、もしくは少なくとも期間を三年以上に延長するよう要望していたわけであります。
 今回の臨調はこの要望を受け入れたわけでありますが、期間については現行六カ月をわずか一年に延長することを答申したわけであります。臨調の言うには、前述のように、制度の目的は滞納防止にあるが、現在では遊技場組合等が納税貯蓄組合を兼ね、娯楽施設利用税の徴収及び納付等の事務を代行しており、徴収は円滑に行われていること及び風俗営業のうち営業の有効期間を設けている例は少なく、また徴税とリンクした営業の許可はほかに例がないことを挙げております。
 私たちは、この営業許可の更新制度そのものを見直し、廃止してもよいのではないかと、こういうように考えているわけでありますが、警察庁当局の御意見をお伺いしておきたい。
#143
○説明員(仲村規雄君) 遊技場営業の許可更新制度は、遊技場の営業というものはその他の風俗営業と違いまして非常にその経営が不安定である、またはその経営者の変動が非常に激しいということから、先生御指摘のように、遊技場営業の娯楽施設利用税の滞納防止を図るとともに、不良営業者の排除等を目的として設けられたものでございます。しかし、現在におきましては遊技場営業も年を追って経営が安定化してまいっておりますし、営業者も固定化してまいっておるところでございます。したがいまして、今回臨調の御答申もございましたので、その期間を一年に延長したいというふうに考えたところでございます。
 しかしながら、現在もなおこの遊技場営業は、他の風俗営業の業種と比較いたしまして非常に営業者の変動が高い状況にございます。ほかの風俗営業と比べまして三倍ぐらい変動が激しいということでございます。したがいまして、この更新期間を一年以上にするとか、あるいはまたこれを廃止するとかいうことにつきましては、現在の状況から考えまして、不適格者による営業の余地を拡大するおそれがございますし、また徴税上も滞納者が増加するというおそれもございますので、現段階ではこの一年が至当な更新期間であろうというふうに考えておるところでございます。
#144
○峯山昭範君 それではこれでもう終わりますが、専売公社はお見えになっていますか。――今回の許認可整理法の中のたばこ専売の問題と、それから塩の専売の問題についてお伺いしておきたいと思います。
 いま現在、臨調が七月の答申に向けて専売公社の経営形態については検討を続けているわけでありますが、民営化の方向すら示唆されている現在の時点におきまして、許認可整理計画に含まれているゆえをもってこのような小売人の指定期間を現行の三年から五年に延長するというような末梢的な改正を急いで行うというのは多少おかしいのではないかという気がいたしますが、この点についてどうお考えかという点が第一点。
 それから塩専売法の一部改正の中で、これもこの改正は、塩販売人に対する指定期間を三年から五年に延長しようとするものであります。昭和三十九年の第一臨調の答申では、「塩専売制度には多くの問題点があるが、特に塩の流通管理については徹底的に簡素合理化をはかるべきである。このうち、民間からの要望の強かった特殊用塩小売人の指定制度は、廃止しても塩専売法益の侵害はないと認められる。販売人全体の指定、その他流通面の制度の再検討を行ない、その結果とあわせて所要の法改正を行なう必要がある。」というのが第一次答申の勧告であります。この第一次臨調の答申は全く無視したままで、これを現在まで実施しようとしないで、そしていま第二次臨調が専売公社の経営形態について基本的な検討がなされている段階で、その検討の結果はこの七月にも答申が出るという時点で、許認可整理計画に載っているという理由だけでいまこのような中途半端な改正をやるということは多少不可解と言わざるを得ませんが、この点についてはどういうふうにお考えなのかお伺いしたいと思います。
#145
○説明員(平岡哲也君) ただいまの、まず、たばこの関係でございますけれども、たばこ小売人の指定期間の延長等につきましては、五十五年十二月の閣議決定におきまして、「今後における行政改革の推進について」というものを受けまして、許認可の整理簡素化の趣旨に基づきまして検討を行いました。
 まず一つには、最近では流通秩序の安定が図られまして、期間満了時に不継続となる小売人はきわめて少なくなってきておるということが一つ。それから二番目には、多数の小売人、全国で約二十六万人の方がおられるわけでございますが、その多数の小売人の負担の軽減が図られる、また、あわせまして専売公社の事務の軽減にもつながるというようなことから指定期間の延長を御提案申し上げたわけでございます。
 なお、たばこの専売制度につきまして、現在三公社の経営形態とあわせまして、臨時行政調査会において検討をされておることは十分承知をしておるわけでございますが、この小売人指定期間の延長につきましては各方面から要望もございましたし、この際改善ができるものは改善をするというのが行政改革の趣旨という点からも適切ではないかというふうに考えておる次第でございます。
 次に、塩の関係でございますけれども、塩の販売人の指定制度につきましては、先生御指摘のように、第一次臨調の中で指摘がなされておるわけでございます。これに対しまして、臨時行政調査会の意見に沿いまして、昭和三十九年一月から特殊用塩、これはたとえば「アジシオ」でありますとかゴマ塩でありますとか、こういったたぐいの特殊な塩でございますけれども、こういった特殊用塩の小売人指定事務につきまして、それまでの一般用塩と同様の取り扱いを改めまして、実質的には指定制度の廃止に近い簡略な方法を採用することといたしまして、実質的に実効の上がる措置をすでにとっておるところでございます。
 また、今回の塩の関係につきましても、販売人の指定期間の延長を御提案申し上げておるわけでございますが、先ほどたばこについて申し上げましたのと同じような事情がございまして、一つには流通秩序の安定が図られてきておること、あるいは指定更新のときにおきます塩の販売人の――塩の販売人の方は全国に約十万人余りいらっしゃるわけでございますが、そういった方々の負担の軽減にもつながる、あるいは公社の事務の軽減にもつながるというようなことから、今回、塩販売人の指定期間の延長を御提案申し上げたわけでございます。
 なお、塩の専売制度あるいは公社の経営形態につきましては、先ほど申し上げましたように、たばこと同じように臨時行政調査会で検討をされておるわけでございますが、改善すべきは改善するということで、行政改革の趣旨からも適切ではなかろうかということで考えておる次第でございます。
#146
○安武洋子君 私は、まず最初に中曽根長官にお伺いをいたします。
 長官はこの四日、生長の家の相愛会男子全国大会で、行革が失敗したら憲法をつくる力がだめになる、こういう趣旨のごあいさつをなさっておられます。この件につきましては、先日この委員会で同僚議員が質問をなさっております。それに対しまして長官は、憲法を改正するということを言ったのではないと、憲法をつくる国民の自主自立の根源的なエネルギー、行革をやろうとする自主自立の力がだめになるというふうなことを言ったのであって改憲発言ではないというふうな答弁をなさっていらっしゃいます。
 しかし長官は、このごあいさつの中で、「いよいよ、時の潮は満ちて参りました。私はまず行政改革を断行して成功しよう」――少し飛ばしますけれども、「この大きな仕事が失敗したならば、教育の改革もできなくなる。防衛の問題もダメになります。いわんや憲法を作る力はダメになってしまうのであります。」と、こういうふうにごあいさつをなさっていらっしゃいます。これはだれが聞きましても、文脈から申しますと、行革に失敗したら――教育の改革ということをおっしゃっておりますが、教育の改革もできないし、防衛の問題もだめになる、いわんや憲法をつくる力もだめになると。行革は教育改革をやるためだとまずずばりとおっしゃっているわけですが、さらに防衛の問題を挙げておられます。
 いわんや憲法をつくる力がだめになると言っておられることは、いま厳として憲法があるわけでございますから、教育を改革するというふうなのと同じように、だれが聞いても憲法を改革すると、変えると、その力がだめになるということで、明白に憲法を変えるというふうに私どもはとる以外にはないと思いますけれども、せんだってはフランス語などでお答えでございましたけれども、そういうことではなくて、ちゃんとお答えを願いたいと思います。
#147
○国務大臣(中曽根康弘君) 私があのとき申し上げましたことは、野田委員にもお答えいたしましたとおり、自主自立、民族の試練に耐える力、そういう民族のバイタリティーの根源を指し示して言っておったのでございます。教育の問題でもあるいは防衛の問題でも、これを支えているのはそういう自主自立の民族のバイタリティーが根源にあってそれができるのだと私は思っておりまして、そのバイタリティーというものがやっぱり憲法を支え、あるいは憲法を擁護し、あるいは憲法を改正する、そういう国の主人公になるそういうバイタリティーの基本と通ずるものがあると、そう思って言ったわけでございます。
#148
○安武洋子君 長官が主観的にたとえどう思われようとも、このごあいさつ、これは日本文でございますから、日本語でおっしゃっておりますから、この文脈からとりますと、これはだれが聞きましても、先ほど私が申し上げましたように、行革に失敗したらということは、行革というのは教育を改革するためにやるんだと、防衛の問題もあると、そしていわんや憲法をつくる力なんだと、そのために行革をやるんだというふうにとれるわけです。現在憲法がなければ別ですけれども、ちゃんと憲法があるわけですから、この憲法をつくる力もだめになってしまう、行革に失敗すれば。ということは、明らかに行政改革をやるというのは憲法を改革することだと、変えることだと、こうなるわけですが、これ以外に読みようは日本語ではないと思いますけれども、もう一度御所存を伺います。
#149
○国務大臣(中曽根康弘君) そう短絡的にお考えにならないで私の考えをよく聞いていただきたいと思いますが、私は年来、民族が持っておる根源的なエネルギーというものを非常に重要視してきておる人間なのであります。それで、あの生長の家の団体というのは、「生命の実相」等を読んでみましても、キリスト教あるいは仏教あるいは神道を融合した一つのお考えが新しく展開されておりまして、その背後にあるものは、やはり一つの生命哲学と申しますか、そういうようなものに近いものではないかと拝察しておるのであります。
 私は、そういう一種の国民や人民の陰にひそんでおる根源的なバイタリティーというものは、イギリス民族にはイギリス民族のそういうものがありましょうし、アメリカ民族にはアメリカ民族のそういうものがございますが、日本には日本のやっぱりそういうものもあるんだと、そういう力をかれさせてはいけない、そういう考えを持っておりまして、それは教育にも発現されるし文化にも出てくるし防衛にも出てくるし、あるいは憲法をつくり擁護し改正すると、そういう根源的な力にも出てくると、それをからしてはならぬ、そういう意味で言っておったわけであります。
#150
○安武洋子君 では長官に伺いますが、先日の同僚議員の質問に対して、朝日新聞にこの五月四日付の記事は抗議をしたというふうなことでございましたけれども、どこがどう違うというふうに抗議をなさったんでしょうか。
#151
○国務大臣(中曽根康弘君) 憲法を改正するというところは、これは憲法をつくるというところで、その言葉がまず間違っている。そういうことを指摘してきたところであります。
#152
○安武洋子君 憲法をつくるとおっしゃいますけれども、現行憲法がちゃんと厳存すると、そうしたら、つくるということは、いまの現行憲法を否定して新しい憲法をつくるということで、朝日新聞が報道したのは、現行憲法の一部を改正すると、そんなスケールの小さなものではないと、もっと大きく現行憲法を否定して新しく憲法をつくるんだと、取り違いをするなと、こういうことでございますか。
#153
○国務大臣(中曽根康弘君) そこがこの学説の深いところで、微妙なところなのであります。つまり、この前申し上げましたように、デュベルジェ教授の憲法制定権力、プーボワール・コンスティテュアンという思想は、いまある憲法典をどう改正するとかなんとかという、それを直接的には言っているのではないのであって、その根源にある主権としての人民のバイタリティー、それを言っておるわけなんでございます。
#154
○安武洋子君 学説をだれもそこのところで――長官はそれを頭に置いて言われたとはおっしゃっても、そういうことを皆が皆知っているわけではありません。確かにフランスでは憲法をつくるのはだれかと、こういう憲法制定権というのと、それから憲法によってつくられた権力、これは日本で言えば三権分立ということで三つの権力がありますけれども、この関係がどうなのだというふうなことがあるのは知っておりますけれども、しかし、この長官のいまおっしゃった、そういうことではなくて、日本語であいさつをなさっている、フランス語で言われたわけではありませんからね。日本語では、だれが聞きましても先ほど私が申しましたように、そして朝日新聞に長官は改正ではなくてつくるんだと、こうおっしゃれば、明らかにこれは現行憲法を否定してその一部を改正するのではなく、全面的につくるというふうに受け取らざるを得ないわけでございます。
 真意が明確に伝わっていないのであれば、私は、このつくるという意味は明らかに新しく憲法をつくるんだと日本語ではそうなりますし、それでなければそういう考えは毛頭ないんだとか、どちらかはっきりやっぱりなさるべきだと思いますが、いかがでございますか。
#155
○国務大臣(中曽根康弘君) 新聞に対しては、憲法をつくる力というのはこういう学説に基づいてこういう意図で言っておるのであって、憲法をつくる力とはっきり言ったのを改正するというふうに書いたことは明らかに間違いである、新聞というものは正確に報道しなければならない。その部分だけを出しているわけでありますから、意訳して、推察して出した文章にはなっていないわけであります。したがいまして、その誤謬について抗議をいたしました。また、私の考えにつきましては、前からこういう考えを言っておりまして、そして、そのあいさつ、演説の中におきましても、そういう民族のバイタリティーの話をずっとやってきておるのでありまして、その点は聞いている人はわかってくれているだろうと思います。新聞がそういうふうに書いたから、知らない方々はそういうふうに誤解しておるんではないかと思います。
#156
○安武洋子君 私は新聞は誤解しているんじゃないと思います。長官が抗議をなさったこと自体がおかしいと思います。長官のごあいさつはその後にまだ続いておりますが、いま問題になっているところから続いて、「したがって、行政改革で大掃除をしてお座敷をきれいにして、そしてりっぱな憲法を安置する。これがわれわれのコースであると考えておるのであります。」と、こうなっております。ということは、行政改革で大掃除をしてお座敷をきれいにして、そしてりっぱな憲法を安置する。いま憲法があるわけですから、りっぱな憲法をつくってそれを安置する、これがわれわれのコースであるというふうにおっしゃるなら、前からの文脈と考えて、ますます憲法を新しくつくってそれを安置をしよう、その座敷をきれいにするのが行政改革であると、これは日本人であればだれが見てもこういうふうになりますが、いかがでございますか。
#157
○国務大臣(中曽根康弘君) いまの憲法は、私はなかなか歴史的な意味のある、戦後の日本を建設するについて非常に功績のあった憲法であると思っています。もちろん、それは一〇〇%完全なものであるとは思いませんし、憲法についてはいろいろ議論のあるということも私は知っております。私自体もまたいろいろ考えを持っておりますが、鈴木内閣の閣僚である間は個人の意見を言うのは慎んでおります。そういう意味におきまして、行政改革という現在のことをともかくやり抜いて、お座敷をきれいにして、そうしてその上で憲法をりっぱに安置しておこう、ちょっとお座敷が汚れたりしているからふいたらどうか、そういう意味があるわけであります。
#158
○安武洋子君 では、お座敷をきれいにしてふいて、そこにりっぱな憲法を安置するとおっしゃっているから、このりっぱな憲法というのは現行憲法のことでございますか。
#159
○国務大臣(中曽根康弘君) 現行憲法のことであります。
#160
○安武洋子君 それなら長官、大変鈴木内閣の閣僚として私は矛盾すると思うんです。といいますのは、この生長の家政治連合の国会議員連盟の長官は顧問であられるはずです。ですから、ここにおいでになってごあいさつなさった、やはり身内だからというふうなことでつい本音が出たのではなかろうか、なるほどとある意味では私は思うわけですけれども、これが現行憲法ということであれば、現行憲法を行政改革でりっぱにお掃除をして、そしてこの憲法を安置すると。この憲法を本当に安置するということは、揺るぎなくりっぱに置いておくということでもありますから、じゃこういうところにおいでになって顧問におなりになるということは矛盾をいたしております。それから長官御自身が自主憲法期成議員同盟にお入りになっていらっしゃる、これもまたおかしい。じゃ私は、この二つとこのごあいさつは矛盾をいたしますので、この二つから脱退をなさるべき、顧問を辞退なさるべき、そう思いますが、いかがでございますか。
#161
○国務大臣(中曽根康弘君) 私は鈴木内閣の閣僚をしておりますから、鈴木総理の方針のもとに従っていま進退しておるわけであります。現行憲法の問題につきましても鈴木内閣の閣僚としての考え、解釈でやっておるわけでございまして、それでいまのように申し上げたわけでございます。自主憲法期成議員同盟に入っているからといって、いま憲法改正論を私が閣僚として言っているわけではございません。やはり思想、信仰の自由を日本憲法は保障しておるのでありまして、国務大臣としての分限をよく考えながら活動しておる分野においては差し支えないと考えております。
#162
○安武洋子君 鈴木内閣の閣僚としていまのようにあいさつをしたと。しかし長官、大変私は苦しいと思うんですけれども、この文面をずっとごあいさつを流して読みますと、これは現行憲法だと言われるのは、それは閣僚としてそうおっしゃらないと物事がおさまらないからとは思いますけれども、しかし大変この文脈上矛盾をいたします。やっぱり行政改革を成功させなければいけないと、こういう大きな仕事が失敗したならば、教育の改革もできなくなる、防衛の問題もだめになる、いわんや憲法をつくる力もだめになってしまう、バイタリティーとおっしゃいますけれども。で、行政改革でそういうふうにして大掃除をしてお座敷をきれいにして、そしてりっぱな憲法を安置すると、これがわれわれのコースであると考えていると、一つのこのコースというものを、こうおっしゃっているわけです。
 前後の文章から拝見いたしましても、私は、長官がこのりっぱな憲法というのを、いま現行憲法だとおっしゃいましたので現行憲法と承らせていただきますが、それにしても、じゃ閣僚でなければこういうごあいさつはなさらないと、ここのりっぱな憲法というのは、閣僚でなかったらこの憲法は現行憲法でないと、こういうことになるわけなんでしょうか、念のために伺っておきます。
#163
○国務大臣(中曽根康弘君) 閣僚でなかったならばどういう演説をするか、それはそのときの心境になってみないとわかりません。
#164
○安武洋子君 では、閣僚である限り私は厳に身を処せられるべきだと。だからこそこういう誤解を招かないためにも、私はこういうところに行って、本当に身内になるわけですから、ここで顧問をなさっていらっしゃると、こういうことではなくて、やはり自主憲法を制定するというふうなこういういろんな団体に加盟をするというふうな誤解を招きやすい立場、こういうものははっきりしてけじめをおつけになるべきではないでしょうか。
 そして、念のために伺っておきますが、いま私が申し上げたこのごあいさつ、これはこういうふうな趣旨でごあいさつなさいましたですね、このことを確認しておきたいと思います。
#165
○国務大臣(中曽根康弘君) 生長の家の生命の実相哲学は私は学生時代から読んでおりまして、非常に私に対しましていいことを教えてくれた教えであると思っています。それから、その後におきましてもいろいろわれわれは宗教を模索しております。学生のころからやっぱり皆さん同じように神様を求めながら神様を否定しているようなところがある。そういうようなところもあったりしていろいろ遍歴しているわけでございます。その中におきましても、生命の実相という哲学は日本人がつくった哲学の中では昭和世代においては非常にりっぱな、出色したお考えであると思っております。そういうわけで、その集団に対しましてはかねてから敬愛の念を持っておるので、それは私の思想、信仰の個人の問題でありまして、その個人の思想、信仰の問題につきましては、公共の秩序を維持していく、また公の分限を心得ている限りは人畜無害であるだろうと私は思うんです。それについてとやかく制肘を受けるということは憲法上いかがであるかと私は思います。そういう分限やら節度というものは十分心得てやっておるものでございまして、その辺はぜひ御心配なきようにお願いいたしたいと思います。
#166
○安武洋子君 私は、長官と生命の実相とかなんとかというふうな哲学論争をいたしているわけではございません。長官が、それはその面で敬愛なさろうとなさるまいとそれはいいことですが、しかしこの団体が自主憲法制定国民会議の主要な加盟団体になっていると、そういうところでこういう御趣旨のごあいさつをなさるというふうなことは、閣僚としては私はこれは正しくない。先ほど無害であると、こういうふうにおっしゃいました。そして憲法は確かに私どもの思想、信仰の自由を保障はいたしております。しかし、鈴木内閣の閣僚として行動なさる限りは、私はこういうところにおいでになって、そして紛らわしい――現行憲法だとおっしゃいますけれども、行政改革でお座敷をきれいにしてりっぱな憲法を安置すると、これがわれわれのコースだというふうな御自分の所信を述べられるというふうなことはおかしいのではないかということを申し上げております。
 そして、さっき一つ御答弁ございません。いつまでもこれに時間をかけているわけにはまいりませんので、長官がこういう趣旨の御発言をなさったかどうかということの私の質問に対してお答えがございませんので、そのお答えをいただきとうございます。
#167
○国務大臣(中曽根康弘君) 大変失礼でございますが、どういう趣旨の発言ということでございますか。
#168
○安武洋子君 先ほど私が全部読ませていただきました。いま抜き出したところだけです。
#169
○国務大臣(中曽根康弘君) 行政改革がだめになったら教育もだめだ、防衛もだめだ、あるいは憲法をつくる力もだめになる、そういうところでございますか。
#170
○安武洋子君 そしてお座敷をきれい……
#171
○国務大臣(中曽根康弘君) それは発言いたしました。
#172
○安武洋子君 では、それは確認させていただいておきまして、残念ながら私は、こういうことをなさる長官、本当に改憲発言とも私どもは受け取っているわけですけれども、こういうふうなことをなさるということに対して、本当に抗議を申し上げたいということを申し添えまして、時間の関係上、次に移らしていただきます。
 公益法人の許認可についてお伺いをいたします。
 公益法人にもいろいろありますけれども、やっぱり画一的な規制とか監督の緩和、こういうことには問題があろうかと思います。この点で、財団法人日本自動車査定協会、略称して日査協と申しますのでこの後は日査協ということで発言させていただきますが、ここの不正乱脈な法人運営について私はお伺いいたしとうございます。
 この日査協は、中古車の流通で消費者を保護する、流通秩序を維持すると、こういう立場から、下取りの中古車の価格の査定を販売店が行っていたのを公益法人として公正中立に行わせるために設立されたというふうに思っております。この設立の根拠といいますのは、割賦販売法の第九条に基づく標準条件の告示に関連して発せられました通産省の行政通達、こういうふうに思っておりますけれども、この通達の要旨はどのようなものか、お聞かせいただきます。
#173
○説明員(棚橋祐治君) お答えいたします。
 日査協が設立された昭和四十一年当時の自動車の販売は割賦販売を通例といたしておりましたが、販売面における過当競争が大変激化いたしまして、販売条件が急速に悪化したわけでございます。このような販売条件の悪化は、中小ディーラーの経営のみならずメーカーの資金繰りの悪化あるいは部品業者、原材料メーカーにも影響するところが大きく、このため、自動車産業において販売条件の確立を図ることが焦眉の急務となったわけでございます。また、販売業者の不振は、アフターサービス等に支障を来し、消費者にも必ずしもプラスにならない、弊害が多いということで、先生御指摘のように、割賦販売法第九条に基づきまして標準条件を設定いたしました。
 標準条件の設定に当たりましては、頭金の率が定められておりますが、下取り車の評価を恣意的に行いますと標準条件の設定が実効性を失いますので、適正な中古車価格の設定という観点で、公正な第三者を加えた公益法人が査定を行うという制度をつくる必要があるということで、当時、通産省から日本自動車販売協会連合会等関係四団体に公益法人の設立を要請したわけでございます。
#174
○安武洋子君 この日査協は昭和四十一年の六月一日に設立されております。この設立の趣旨、これは公正中立、いま御答弁の中にもありましたけれども、こういう公正中立という私は機能を果たしていないと思います。下取りの中古車の査定といいますのは、これは販売店の職員が査定士の資格を取る、こういうことで、販売店の従業員である。しかし、販売店から給与をもらっていながら一定の資格を取って、日査協からの派遣査定士と、こういうことになって査定を行っております。日査協にも査定者がおりますけれども、ほとんどがこういう販売店の従業員であって、その販売店から給与を受け取って、そして日査協からの派遣査定士ということで査定を行って、いかにも公正中立というふうに見えます、日査協の査定士として査定しているというふうな形を取っておりますから。
 しかし、日査協の看板を使っておりますけれども、販売店の従業員がそういう資格を取って査定をするというふうなことになりますと、販売店の一員として自分の社の下取り車の査定をするわけですから、結局販売店のもうけ本位のカムフラージュ、こういうことに私はこういう制度はすぎないのではなかろうかというふうに思います。これは、昭和五十四年に下取りの中古車の査定を販売業者が一定の条件のもとで独自に行えるというふうに制度が改正されても変わっていないと思います。
 せっかく公正中立の査定ということで日査協をつくったというふうなことでありながら、このようになってしまっているというのは、これは、日査協ができましてから販売店が一貫して人事、運営、経理、こういうすべてを牛耳っているからだと思うわけです。日査協の業務の運営については、これはかねがね問題があるというふうに通産の方でも運輸の方でもごらんになっていたと思います。ですからこそ通達もお出しになっていらっしゃいますね。これは通産、運輸両省で昭和四十三年五月二十八日に業務改善計画についての通達をお出しになっていらしゃいますけれども、私はこれは全く守られていないというふうに思っております。それからまた、日査協が設立されましたときにも、日査協の運営について、基本財産を増額しなさいというふうなことを求めております。しかし、これも実行されておりません。私は、日査協はいままで通産省とか運輸省とかの指導に対して業務を改善していないと思うんです。通産省はいままで日査協に対してどのような実情を把握して指導をなさってこられたのか。日査協はその指導を受けて実行しているというふうにお考えになっていらっしゃるのか、この点をお伺いいたします。
#175
○説明員(棚橋祐治君) お答えいたします。
 先生御指摘のように、昭和四十一年設立当初にも運営についての通産省及び運輸省からの方針について通達を出しておりますし、さらに四十三年には、特に査定の公正な機関としての中立性と自主性を維持させる見地から、役員とか支所長とか、査定長等の管理職の要職にある人たちの独立性の確保ということについては特に注意を払ってきておる次第でございます。それから基準価格委員会の委員の構成等についても、できるだけ一つのディーラーあるいはメーカーの色が濃くならないように、公平な価格委員会になるように委員の構成についてもいろいろ指導をしてまいっている次第でございます。五十四年には、先ほど先生がおっしゃいましたような問題もございましたので、査定士制度という試験制度を設けまして、厳正な試験を行いまして資格を与えるということで、査定士の質の向上にもいろいろ両省力を合わして指導をしてまいっているところでございます。
 なお、協会の健全な運営を図る見地から財政的な基盤を強化すべきであるという御指摘はごもっともでございまして、この点については、残念ながら、確かに基本財産は昭和四十一年の六月に最初二百万で発足いたしまして基本財産そのものはふえていないわけでございますが、その後、剰余金とか各種準備金引当金の充実にはわれわれも配慮いたしておりまして、昭和五十五年度の決算ベースで見ますと、準備金引当金の総額は約七億七千六百万円、それから資本の総額は約四億九百万円ということで、少しずつではありますが、体質の改善もその点では見られると思います。
 なお、御指摘のように、一層査定士の質の確保とか財政の健全化というものを図る必要性は痛感いたしておりますので、今後なお十分指導に努めたい、このように考えております。
#176
○安武洋子君 私はいま問題を一つ提起をした。それは、この査定士の資格を与えたと、質の向上を図ると、しかし、これ日査協にいるのはたった四百人、そして民間に四万人いるというふうに聞いております。ですから、この年間四百万台の査定をするというふうなことになりますと、日査協の査定士だけでは年間一人一万台やらなければならないというふうなことになりますから、とてもできる相談ではないわけですから、この民間の査定士、自分のところの販売店の従業員がそこで給料をもらいながらその資格を取って査定をする、ここに一つ問題があるということを申し上げております。
 しかし、ちょっとこれは後でもう一度質問するということにいたしまして、私は内部からの告発者からの情報を得ておりますけれども、日査協は、これまで通産とかそれから運輸、こういう指導に対しまして業務改善計画とかいうふうに出しておりますけれども、全くこの計画というのが実行されていないというふうに聞いております。
 それで、この日査協の設立当初、販売店が行っておりました下取りの査定台数ですね、それと査定料収入、これは日査協が把握をいたしておりました。ところが、その後この状態がつかめなくなってしまった。で、昭和四十八年に自販連の流通合理化委員会が下取りの査定を販売店独自で行うことを決議をしております。これ以来、販売店が行いました査定台数の報告、これが完全にとだえてしまった。査定料の収入もなくなってしまっている。日査協にはいかないわけです、台数もこの収入も。こういうことを把握なさって御存じでございますか。
#177
○説明員(棚橋祐治君) 一応把握いたしております。
#178
○安武洋子君 おわかりのように、販売店は日査協の公正中立の看板だけを利用する。そしてユーザーから査定料を取る。日査協には賛助金という名の看板料だけを納める。残りは販売店がすべてふところに入れてしまっている。このふところに入れた査定料というのは、十年間で推定いたしますと約数千億円に上るというふうに試算ができます。
 そこで、日査協の方の財政は、これはですから苦しくなってまいります。基本財産というのは設立当初の二百万円のままになってしまっている。こういう関係にあるからこそこの設立当初の基本財産がふえていないんだというふうなその内情も把握なさっていらっしゃいますでしょうか。
#179
○説明員(棚橋祐治君) 把握いたしております。
#180
○安武洋子君 しかし、この日査協にも大変問題があります。この日査協は、先ほど御答弁の中で剰余金、引当金、これが大変ふえてきたというふうなことで評価をなさっていらっしゃる。ところが、この日査協は、剰余金が出たときにこれを基本財産の増額というふうなことには充当いたしておりません。経理操作をして剰余金を隠すというふうな不正な、乱脈な経理操作をいたしております。これは昭和五十年度に各支所長にあてまして「第十期決算対策について」、こういう文書を出しておりますけれども、こういう文書が出ていることを御存じでございますか。
#181
○説明員(棚橋祐治君) 承知いたしております。
#182
○安武洋子君 承知をなさっていらっしゃるんですか。
#183
○説明員(棚橋祐治君) はい。
#184
○安武洋子君 ということになりますと、実に大問題だと思います。これは脱税文書だと思いますね、脱税を指示した。この「第十期決算対策について」というふうな中に、「徒に剰余金を出して税金を支払うような決算は慎むべきものと考えます。」と、こういうふうに書いてありまして、いろいろとやり方を指示しているわけです。「賞与引当金の計上」ということでやり方を細かくずっと書きまして、これで「今までの倍近くの引当金を計上することが可能となります。」と、こういうふうに書いてあります。また「未払人件費の計上」も指示しております。それから「期間損益の特例に関する取扱いの届出」、この取り扱い方も指示をいたしております。そして「以上三点ほどの節税方法をお知らせいたしました」、こういうふうに書きまして、「合法的に節税を図り、内部留保されるよう併せてお願い申し上げます。」と、こういう文書が公然とばらまかれ、通産省も御存じになっている。「節税」と書いてありますけれども、これは明らかに脱税を指示する文書ではないですか。
 こういうことを通産省が御存じになっていて全くこれについて何もなさっていない、許容されているということは全く解せませんが、どういうおつもりなんでしょうか。
#185
○説明員(棚橋祐治君) 残念なことにこの文書が出たことを知りましたのはかなり後の段階でございまして、私どももこの文書が税法上の脱税行為を奨励するような疑いを持たせるようなものであるならば問題であるということでいろいろ検討いたしておりまして、私どもの検討、いまの段階では、確かに賞与引当金の計上とか未払人件費の計上あるいは期間損益の特例に関する取り扱いの届け出等について、当時協会は、いわゆる節税であって脱税ではないということで、一応関係法令を調べて、一時的な剰余金の処理に関してできるだけそれを節税の形で留保できるようにすべしということで通達を出したというように私どもも受け取っております。
 ただ、確かに先生がおっしゃいますように、若干この表現に穏当を欠くところもございまして、会計処理上の専門的見地を含めてさらに調査検討を行いまして、その結果についてはまた御報告を申し上げたい、こう思います。
#186
○安武洋子君 私は、これは御存じになったのが後だと、後にしても、もう少し十分中身を検討なさって、ここで明確な御答弁を当然いただきたいわけですが、さらに調査をして報告をしてくださるということですので、この件に関しましては御報告をお待ちいたしております。
 そこで、続きましてこの査定料の問題でお伺いをいたします。
 日査協がユーザーから依頼があった場合、中古車を査定する、そして査定料を取るというのは、それなりに私は筋が通ると思います。しかし、日査協とかあるいは査定士が、中古車の下取りに当たりまして、ユーザーが依頼もしないのに、公正中立を看板にして、そして実際は販売店の査定士が査定を行うということになりますと、いかにあなたたちはいろいろ基準を設けているのだからというふうにおっしゃるかもわかりませんけれども、やっぱりこれは自分のところの利潤を追求するという立場に立つのが当然になると思います。
 そして、日査協がたとえ行ったとしてもそれは営業に必要な査定であるはずです。ユーザーが必要というのであればユーザーが依頼するはずですけれども、ユーザーが依頼もしない。しかしこの料金はいま約五千五百円です。これをユーザーに負担させるというのは私は全く本末転倒、おかしいと思いますが、しかしこういう注文書、いろんな会社の注文書の中には、もう明らかに最初から下取り査定費用ということでこの金額が印刷してございます。ということになれば、ユーザーというのはほとんどこういうことを知らないわけです。だから査定料というものは取られるものだというふうに思っているでしょうし、中には取られているのを知らない人もあるかもわかりません。
 しかし、依頼もしないのを、自分のところの営業に必要な査定であるのにそれをユーザーに負担させる、こういうふうにしてユーザーがいままでに不当に取られたという査定料、これは中古車の販売台数は年間約四百万台です。査定料が約五千五百円、こういうことになりますから年間約二百二十億円、こういう巨額に上るわけです。二百二十億円ものお金が、これが販売店が自分のところが販売するために査定をするというのに、ユーザーが依頼もしないのにユーザーに負担をさせている。私は、こうした不当な査定料、この徴収は直ちにやめるということを通達すべきだと、こう思いますが、いかがでございますか。
#187
○説明員(棚橋祐治君) ユーザーが新車を購入する場合に中古車を下取りとして出す場合が一般的通例でございます。先生がおっしゃいますように、ユーザーの同意、依頼なしに、あるいはユーザーの理解が不足している段階で一方的に査定をしたと称して査定料を取るというのは、これは正しくないという考え方で私どもは今後業界を指導してまいる方針でございます。もちろん、ユーザーが同意をして査定を第三者機関に依頼する場合には、通常なかなか客観的な査定が一般ユーザーではできかねますので、そういうケースが多いと思いますけれども、その場合には適正な査定料を支払うということはこれまた当然なことではないかと考えます。
#188
○安武洋子君 だから私は、ユーザーが自分で必要だと認めて査定をしてくれと言った分について査定料を払うというのは筋が通ると申し上げております。しかし、いま中古車を販売して新車を買おうと、下取りをしてほしいと、こういうユーザーは査定料を取られるものだと思ってしまいますね。こういう注文書の中に――最初からこれは通産省も御存じのはずです。これを黙認されるからこういうことになってしまう。ここのところに「下取査定費用」と、こういうふうに金額がちゃんと印刷をして初めから載ってしまっておりますね。ですから、依頼もしないのに、ただ下取りをしてもらうのにそれを取られてしまうと、こういう仕組みになっている。それが年間約二百二十億の巨額にも達していると、こういうことになってしまっているんです。
 ですから、中古車の下取りの査定料というのは、これは本来販売店が負担すべきものです。ほかのものなら、本人が幾らで買ってほしいと、それなら幾らで買おうと、こういうふうに折り合えば査定そのものも要らないわけですね。ほかではこういうことがたくさんあるわけです。この中古車だけは勝手にユーザーに負担させて査定料を取っていってしまう、これは巻き上げるといってもしようがないと思いますよ。年間二百二十億も販売店がこういうふうにして取ってしまっている。一体、いままでこういうふうにユーザーに一方的に負担させてきたというふうな、これは何か法的な根拠がございますか、それをお伺いいたします。
#189
○説明員(棚橋祐治君) ユーザーが査定料金を強制的に支払わなければならないという法律的根拠はございません。
#190
○安武洋子君 では、私はここでしっかり確認をさせていただきたいんです。全国にたくさんおりますユーザーの人たちに大きな影響を与えますので、下取りの査定料、これをユーザーが支払う義務、法的な根拠、これは何もないと、ユーザーはこういうものを支払わない、拒否をしようと思えばできるということ、これは間違いございませんね。確認したいんですが。
#191
○説明員(棚橋祐治君) その点については間違いございません。
#192
○安武洋子君 私は、やっぱり通産省は責任を感じていただかないといけないと思うんです。いままでこういうものがあるというのは、これはいかに何でも御承知だろうと思います。ここにこういうふうに書いてあるというふうなことを黙認なさってきたということは、法的に何の根拠もない。そしてユーザーのほとんどはこういうことを知らないわけですよ。私自身も本当に調べるまではこういうことがあるということを知りませんでした。ですから、通産省がはっきりした態度を打ち出さないために、圧倒的多数のユーザーがいままで非常な不利益をこうむっている。こういう査定料を取られてしまっている。支払う義務がない、拒否すれば――中には拒否している人もあります。ですけれども、こういう拒否する自由もあるんだということがはっきりしないといけないわけですから、通産省は今後こういうことを絶対に見逃さずに、この点しっかりと販売店を指導し、そして再びこういうことのないようにしていただきたい、そのことをお願いいたしますが、いかがでございますか。
#193
○説明員(棚橋祐治君) ユーザーの依頼または明白な同意なしに査定料を支払わなければいけないということのないよう業界を指導してまいる所存でございます。
#194
○安武洋子君 それでは、先ほど申しました日査協の内部の経理の乱脈さ、そしてまたいまのユーザーから同意もなく査定料を取るというふうなことのないように厳重に指導をしていただくということを確認いたしまして、次の問題に移らせていただきたいと思います。
 今度は国有地の貸付料についてお伺いをいたします。
 普通財産の土地とそれから建物の貸付料につきまして、昨年の三月末に貸付料の算定基準が改定をされております。昭和三十七年以前から土地、建物を借りている人たちの地代、家賃が大幅に引き上げられることになっております。たとえば住宅用の地代の場合、従来は前年分の相続税課税標準価格の百分の二が年額でございました。ところが昨年の改正でこれが百分の二・五に引き上げられております。したがって、路線価の上昇に伴います評価額の上昇に加えまして、地代の係数が百分の二から百分の二・五と、一気に一二五%に引き上がるという二重の値上げが行われております。
 具体的に金額で示しますと、従来の評価額が一千万というふうなことに仮定をいたします、借地の場合ですね。地代は百分の二でございますから年額二十万円。ところが三年たって路線価が三〇%上昇した、こうしますと算定基準が二五%引き上げられるわけでございますから、千三百万円掛ける百分の二・五イコール三十二万五千円と、実に地代が一・六倍以上も引き上げられることになるわけです。貸付料の改定というのは三年に一度更新されることになりますので、この新たな算定方法による更新、これが昨年からことし、そして来年と行われていくことになりますけれども、各地で大変な影響が出てくるわけです。
 そこで、まず昭和三十七年以前から国有地を貸し付けているものに対して今回こういうふうな大幅な貸付料引き上げを行うことにした理由、根拠をお伺いいたします。
#195
○説明員(太田幸維君) お答え申し上げます。
 まず、国有財産の貸付料でございますけれども、これは財政法第九条第一項という規定がございまして、適正な対価によらなければならないということにされているわけでございます。この適正な対価としての貸付料の算定についてでございますけれども、国有財産の中の普通財産の貸し付け、これは私法上の賃貸借であるということでございまして、その貸付料につきましては、従来から民間の一般的な借地、借家の賃料の水準に応じたものにすることが最も妥当である、そういうふうな考え方で処理してきているわけでございます。このため三年に一回、全国の民間賃貸の実例のサンプル調査を行いまして、この調査によって得た民間の貸貸料の水準に比準いたしまして算定基準を定めている、こういうことでございます。
 そこで、いま先生の御質問の、昨年三月の国有地の貸付料の改定でございますけれども、これは一昨年九月に私ども全国の民間賃貸実例調査というのをやりまして、その結果、国有地の貸付料が民間の賃貸料を下回っていると、こういう事情が判明いたしました。そこで、貸付料率を改めることによりまして、民間の賃貸料との不均衡を是正するためにこれを行ったと、そういうことでございます。
#196
○安武洋子君 この貸付料の改定というのは、これは借地人、こういう人に一人ずつ通知をなさっておりますか。そして了承を得ておられますか。
#197
○説明員(太田幸維君) お答えいたします。
 これはもちろん個々の借地人と私どもの財務局のあるいは財務部の職員と話し合いをいたしまして、きちんと御説明をしまして、それで実際の賃貸料が決まっていくと、そういうことでございます。
#198
○安武洋子君 財務局と住民との間にきちんとした話というのは、いつどこでそういうことが行われるんですか。私が知っているところでは、一切何の通知もないと、こういうことを聞いておりますけれども。
#199
○説明員(太田幸維君) これは個々の借地人との話し合いでございます。別に大ぜい集まってそこで一遍に賃料を決めると、そういう性格のものではございません。
#200
○安武洋子君 では、個々の借地人のところに財務局が一軒一軒全部足を運ばれてきっちり話をなさいますね。そういうことですか。
#201
○説明員(太田幸維君) 一々足を運ぶということでは必ずしもございませんで、通知をしてそれで御納得いただくということが非常に多いわけでございます。
#202
○安武洋子君 どういう形で通知をなさいますか。
#203
○説明員(太田幸維君) 文書で通知をいたします。
#204
○安武洋子君 その文書が問題なんですけれども、あなたたちはこういうふうに改定した、別に基準も何もなくて、何月何日から幾ら幾らの金額にすると、こういうことを一方的に言われるだけじゃないんですか。
#205
○説明員(太田幸維君) これは、最初に貸し付けということを開始いたします際に契約を結ぶわけですね。それで契約書を交わすと。その契約書の中に国の方から貸付料を通知するというそういう定めがございます。
#206
○安武洋子君 いかにそういうことが書いてあるにしても、あなたたちがなさっているやり方というのは、借地をしている人たちが何も知らない間にぽんと値上げ額が通知されると、こういうやり方なんですよね。私は、民間でもいろいろと貸貸契約が結ばれますけれども、そういう契約のときに、大家さんとたな子さんというのは、やっぱり話し合いをして納得し合ってやるというふうなことをやりますよね。国だからといって、貸してやっているんだと言わんばかりにただもう値上げ額を一方的に自分の方で決めてそれの金額だけを通知すると、こういうやり方というのは私は余りにもひどいやり方ではないかと、こう思いますけれども、その点いかがですか。
#207
○説明員(太田幸維君) 何分国有財産の貸付案件というものが大変多数に上っていると、全国で二万七千件ほどございます。一方、こういったことを担当しております財務局あるいは財務部の職員というのには非常に限りがございますので、非常に少人数で大量の案件を処理していかなければならないというふうな、その辺の便宜上のやり方であろうかとも思っております。
#208
○安武洋子君 そんな便宜で借りている人たちにしわ寄せをしてもらっては困ると思うんです。私は、どういう計算方法で、そして何に基づいてそうなるんだというぐらいのことは、そしてこれに対して異議があればいろいろ話し合いをするという道も開けているんだというふうなことぐらいは、書いた紙切れをやっぱりきちっと入れてこういうことを通知すべきではないかと。余りにも不親切過ぎるというふうに思います。
 そして、いまは貸付基準の改定、これは民間の賃貸料との整合性を考えたというふうな、貸付地の周辺の民間と比べて国有地が安くなっているから上げたんだと、こういうことを御答弁なさいました。私は、どういうふうな調査をなさったのか、具体的にその国有地の周辺の民間と比べるときにどういうことを留意されて比較なさったのか、その点をお答えいただきます。
#209
○説明員(太田幸維君) 私どもの民間賃貸実例調査といいますのは、地代家賃統制令の適用の有無であるということとか、それから住宅用、営利用等の用途の別、それから賃貸契約開始の時期がいつごろであったか、そういった別に区分いたしまして、近傍類似地の民間賃貸実例を選定してこれを調査すると、そういうやり方でございます。
#210
○安武洋子君 では具体的に聞きますけれども、私が問題にしております統制令適用外の昭和三十七年以前から貸し付けている地代につきまして、民間実例を対比上選ぶといたしましても、当然最近の取引例は除いて、昭和三十七年以前の類似の時期から賃貸関係にある民間の実例を選んで比較すべきだと思いますけれども、そういう配慮は行っておりますか。
#211
○説明員(太田幸維君) 当然そういう配慮をやってこの調査を行っているわけでございます。
#212
○安武洋子君 では、民間では更新料に当たる部分、これは貸付料にどう反映させたのですか。それから更新料の慣行がないというふうなことで、周辺地域との慣行の違い、こういうものはどう考慮したんですか。
#213
○説明員(太田幸維君) 国有地の貸付料算定基準を定めるに当たっては、民間におきますいわゆる期間更新料でございますね、これを反映させるという取り扱いはいまのところ行ってございません。私どもの調査の際に期間更新料についても調査いたしましたけれども、この更新料につきましては、いまだ全国的に確立した慣行というふうには判断されなかったので、いまのところこれは反映させていないということでございます。今後の調査においてこれが確立した慣行というふうに認められることとなった場合には、その点を考慮いたしまして適正に処理してまいりたいと、こういう考え方でございます。
#214
○安武洋子君 では、その調査資料というのがあるわけでしょう、調査なさったんですから。その資料を提出していただけますか。
#215
○説明員(太田幸維君) これは調査のサンプルが約四千件近くございますけれども、これは個々の方々にお会いしまして、そこでいろいろと調査をさせていただく、そういうことでございます。それをお出しするということになりますと、これは個々の方々の名前とか貸し付けの状況とか、そういうふうなことになりますので、その点の公表とかお教えするというようなことはひとつ御勘弁願いたいと思います。
#216
○安武洋子君 名前なんか、それは匿名で結構ですよ。ですから場所だって明記していただかなくたって、どこどこだということを明記しないでも、どういう資料なのかと、どういう調査をなさったのかということを知りたいわけです。
 というのは、調整措置で毎年貸付料の引き上げの上限、これはいかに一・一五倍以内にするといいましても、毎年一・一五倍これ上がるということになりますと三年で五二%アップでしょう。五年で二倍を超えることになりますでしょう。そして毎年地価が六、七%上がるというようなところの地代ということになりますと、五年で二倍になるというのが今回の改定の内容なんですよ。ですから、こういう大変な値上げというものをどういうふうな調査をなさったのか、先ほどから調査調査とおっしゃいますので、その調査資料を求めているわけです。ですからそういうことで、何も私は名前とか地名をはっきりせよとか申しませんので、資料をお出し願います。
#217
○説明員(太田幸維君) 総括的な資料ということであれば御要望にお答えできるかと思います。
#218
○安武洋子君 では貸付料の算定率の引き上げ係数、これ都市、農村を含めて全国での平均的な率を出しまして一律に引き上げておりますから、中には周辺の実勢に比べまして国有地の地代の方が高いというケースが当然出てくると思います。各財務局で民間実例を調べたわけですから、国有地の方の側が高い、こういうケースが当然あって、そのことは承知されていると思います。昭和三十七年以前からの分で、そのような例が全国での貸し付け件数のうちに一体どれぐらいあるでしょうか。
#219
○説明員(太田幸維君) 国有地の貸付料、これもう先ほどから再三申し上げておりますけれども、民間の貸付料を調査していわば民間事例に対して後追い的に定めてきている、こういうものがございます。それからまた、先ほど先生も一・一五というふうな数字をおっしゃいましたけれども、いわゆる激変緩和措置ということも講じてございます。前年に比べて、たとえば二〇%も三〇%も一挙に上がるというのはどうかというような場合には一五%に抑えるとか、そういうふうな激変緩和措置も講じておりますので、したがって国有地の貸付料は一般に民間水準を上回るということはないというふうに考えております。
#220
○安武洋子君 実際に調査をされた。で、こういうふうな民間の方よりも上回った国有地、こういうところはなかったということで承知をしていいんですか。
#221
○説明員(太田幸維君) 先ほど申し上げましたサンプルの四千件それぞれについての詳しい検討、つまり民間のそれぞれの地点について近くの国有地と比較検討するという、そういうことはいまのところやっておりませんので、ちょっと正確な御答弁は御容赦願いたいと思います。
#222
○安武洋子君 でも、近傍の民間地と比べてそこの方が高いので、それに合わせるために国有地の値上げをするんだという御答弁があったわけですから、私はやはり民間実例をいろいろ調べられた、そうすると国有地の方が高くなっているというケースも、これ一律に上げられたわけですから当然出てくる、出てきてあたりまえだと思うんです。その件数も把握なさっていらっしゃらないんですか。私は早急に把握をしてこれも御報告いただきたいと思いますが、いかがですか。
#223
○説明員(太田幸維君) 先ほども申し上げましたこの四千件につきましての民間の事例ですね、賃貸料のそれぞれの年額がそれぞれの調査地点の相続税標準額、これに比べまして何%になっているか。これは百分の二・五とかそういうふうな数字になるわけでございますけれども、そういった調査をやったわけでございます。ですから一つ一つの地点について、これは国有地の方が高いとかあるいは安いとか、安いのは国有地の方が安いのは一般的でございますけれども、一つ一つの地点についてそういった検討をしたということではございません。あくまでも百分の二・五とか百分の二というような民間の場合の賃貸料の年額が相続税標準額に比べて何%になっているか、百分の二とか二・五とか、そういう調査をやったわけでございます。
#224
○安武洋子君 では借地人の側から、今回の改定で周辺の実勢よりも高くなる、こういうふうな陳情とか申し出とか苦情とか、こういうものは全然出てきていないんですか。もし出てきているとしたら何件ぐらいあるのか、そしてどういう対応をされているのか、それもあわせてお伺いをいたします。
#225
○説明員(太田幸維君) いまお話しの賃貸料の引き上げに対します苦情等でございますね。これはかつて昭和四十七年ごろの改定の際、関西を中心に寄せられたというふうに私ども承知しているところでございます。しかし、最近は国有地の賃借人の方々からのこの種の苦情等は少なくとも本省では具体的に聞いておりません。
#226
○安武洋子君 では財務局の方にそういう苦情が出ているということも把握をなさっていないということでしょうか。私はそれなら早急にそういう実例を把握をしていただきたい。これは私の方にも苦情が参っております。陳情も参っております。やはりそういうふうに全然実情を把握なさらないというのは、私はやっぱり困ると思うのですね。
 もう一つお伺いいたしますけれども、昭和三十七年以前から貸し付けをしております国有地で、借地人がまとまった数に上るというふうな代表的な地域、これを幾つか挙げていただきたいのですが、どういう地域があるでしょうか。
#227
○説明員(太田幸維君) 借地人がまとまっているというケースにつきましては、たとえば相続税物納によりまして複数の借地人のいる土地が国有財産になる、それに伴いまして国が複数の方々に国有地を貸し付けることとなる、そういうふうな事例があることは承知しておりますけれども、具体的にどこにどれだけあるかということはいまのところ把握してございません。
#228
○安武洋子君 何にも把握なさっていないんですか。国有地を今度値上げだけはばあんと調べて、調査してみたら周りの近傍の民有地よりも国有財産が安いんだから上げるんだと、これだけはぱっと強行されておりながら、国有地で借地人がまとまっているところはどこだろうと、そういうことぐらいはやはり把握なさらないと、直接被害を受けるのはそういう人たちなんですよね。私は、すぐにこういう代表的にまとまっている人たちがいる地域、これをお調べ願って何件かは御報告をいただきたい、資料としてお出しをいただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
#229
○説明員(太田幸維君) どの辺の地域であるとか、そういうふうな地域をある程度指定していただくとかいうことをしていただきますと、これから調査いたしましてサンプル的にお出しできるものはあろうかと思います。
#230
○安武洋子君 まとまっているところをきちんと一から十までずうっと順位を並べるのが間違ったからとか、そういうようなことは言いませんので、全国でよくまとまっているところ十ぐらいは選び出して私の方に御報告をいただきたい。これくらいのことでしたらおできになりますでしょう。
#231
○説明員(太田幸維君) その点、ちょっと帰りまして検討させていただきます。
#232
○安武洋子君 そんなことは検討しなくたって調べればできることですから、私は必ず資料を出していただきたいと思います。
 それで、この調整措置の一つとしまして、貸付年額が近傍類似の貸貸実例よりも著しく乖離をしているというふうなときには修正することができると、こうなっておりますね。こういう例があるんでしょうか、修正をするということで。こういうことをなさったことがあるのかどうか。それで、「著しく」という基準ですね、これはどの程度なんですか、お伺いいたします。
#233
○説明員(太田幸維君) 貸付料算定基準におきまして、基準貸付料等が近傍類似の民間賃貸実例に比べて著しく開差があるというふうに認められる場合には、先生おっしゃるとおり、当該実例に比準して修正することができるということにしております。各財務局におきまして、私ども「著しく」というところ、何%を超えたら「著しく」というのかというようなことで画一的な指導というものは行っておりませんで、各財務局等において社会的通念にのっとりましてケース・バイ・ケースで処理しているわけでございます。
 先ほど御説明いたしましたとおり、国有地の貸付料は民間の貸付料に対しましていわば後追い的に決められると、こういうふうな仕組みになっておりまして、したがって正確にこれを何件ということは把握してございませんけれども、各財務局の感触等を聞いてみますと、そのような修正が必要となるケースはほとんどないということでございます。
#234
○安武洋子君 では、地価評価額の一定割合を地代額とみなす算定方式ですね、その算定係数を引き上げるということは、地価の上昇率より地代の上昇の方が急テンポであると、こういう前提です。それで、土地賃貸における近年の投機的傾向、これがございますから、長期に貸付契約関係にある借地人、こういう人たちにまで投機的な傾向を押しつけるというふうなことになると思います。しかも全国一律の引き上げです。ですから、民間の賃貸実例を上回るところも私はかなり出てぐるというふうに思うわけです。
 いろいろ調査をされた調査をされたと、一番最初のころは御答弁の中にしょっちゅう出てきたわけなんですよね。しかし、それを具体的にお伺いすると、把握をされていない把握をされていないという御答弁が返ってくるわけですので資料を御要求したわけなんですけれども、先月の二十六日に建設、自治両省が、今回の固定資産税の評価がえに当たりまして、地代、家賃の不当な便乗値上げ、これを厳に抑制するようにというふうな次官通達を出しております。しかし、今回の大蔵省のやり方というのを見ておりますと、まさにこの趣旨に逆行する、全国平均での一律係数の引き上げというふうなことによりまして一定の地域では便乗値上げが行われるということにもなりかねません。ひいては近傍の民間の地代を押し上げていくという結果も招きかねないわけです。私は大変不当だということを申し上げざるを得ないと思います。
 それで、この貸付地周辺の民間実例、これを再度正確に捕捉し直していただきたい。先ほど捕捉をなさっていないということがはっきりいたしましたので、そういう点もう少し綿密に捕捉をし直していただく、そして算定基準の合理的な見直し、あるいは貸付料に必要な修正も行うというふうなことで、おのおののこの貸付国有地ごとに正しい貸付料と、こういうことが算定されるようにすべきだというふうに思いますが、御見解はいかがでございましょうか。
#235
○説明員(太田幸維君) 先生のお話しの中のこの通達、これは固定資産税の引き上げに伴う地代の便乗値上げを防ぐという、そういう趣旨のものであるというふうに私ども承知しておりますけれども、私どもの昨年の賃貸料引き上げは、従来と同じように民間の一般的な借地料の水準に近づけようと、そういうものでございまして、したがってこのような便乗値上げというようなことともう全く性格の異なるものであると思います。
 それから最後に先生の御指摘の、調査の際いろいろもっと細かく調べたらどうかというようなそういうお話につきましては、三年に一度の調査でございまして、次の機会にはいま先生御指摘の点も十分注意しながらやりたいと思います。
#236
○安武洋子君 中曽根長官に私は行革の点でお伺いするように準備していたんですけれども、時間がなくなって残念で、また今度やらせていただきます。
 いまの御答弁、全く気に食わない。それで、これはあなたは便乗値上げじゃないというふうにおっしゃいましたけれども、やっぱりいまの地代の上昇の方が急テンポ、こういう前提ですよね。近ごろ土地の賃貸における投機的な傾向、こういうものがありますから、こういうことを借地人にまで押しつけることになりますよというふうに言っているわけです。しかも全国一律という乱暴なやり方でおやりになるから、これは民間の方よりも上回るところもかなり出るのではなかろうか。こういうところでもっと近傍の民間地代というふうな、これも押し上げていったら大変ですので、十分に調査をなさって、そして正確な捕捉をなさって、算定基準の見直しとかあるいは貸付料の必要な修正、こういうこともやっていこうという姿勢をやっぱり示されないといけないんではなかろうか。何でも国民に、ぱんと上げて、さっきの通達の仕方も申し上げましたけれども、国が貸してやっているんだからこういうものは承知せよというふうなやり方というのは改めるべきではないか、このことを申し上げまして、時間が参りましたので、質問を終わらせていただきます。
#237
○委員長(遠藤要君) 本案に対する本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後三時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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