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#1
第096回国会 本会議 第13号
昭和五十七年四月十四日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十三号
  昭和五十七年四月十四日
   午前十時開議
 第一 臨時石炭鉱害復旧法及び石炭鉱害賠償等
  臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提
  出、衆議院送付)
 第二 郵便貯金法の一部を改正する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等
  促進法の一部を改正する法律案(趣旨説明)
 一、昭和五十七年度の公債の発行の特例に関す
  る法律案(趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ―――――・―――――
#3
○議長(徳永正利君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(徳永正利君) 御異議ないと認めます。始関建設大臣。
   〔国務大臣始関伊平君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(始関伊平君) 住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。−住宅金融公庫は、昭和二十五年設立以来、国民大衆の住宅建設に必要な資金等を融通することにより、国民の住生活の安定と社会福祉の増進に寄与してまいったところでありますが、今後なお一層国民の良質な住宅の取得の促進と良好な居住環境の確保を図っていくためには、住宅金融公庫の融資について、その効率化にも配慮しつつ、諸般の改善措置を講ずることが必要であると考えられます。
 この法律案は、以上のような観点から、今国会に提出された昭和五十七年度予算に盛り込まれている住宅金融公庫の業務に係る貸付制度の改善等に関して、住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法に所要の改正を行おうとするものであります。
 次にその要旨を申し上げます。
 第一に、良質な宅地の供給を促進するため、宅地造成資金貸し付けの対象事業として、借地方式による宅地造成事業、特定土地区画整理事業以外の土地区画整理事業等を追加することといたしております。
 第二に、簡易耐火構造の住宅に一定の耐火性能を有する構造の住宅を加え、住宅金融公庫の貸付内容の充実を図ることといたしております。
 第三に、土地担保賃貸住宅資金貸し付けの対象建築物について、階数が三階以上とされている要件を緩和することといたしております。
 第四に、規模の大きい住宅に対する国民の要望にこたえ、良質な住宅の取得の促進を図るため、個人住宅資金貸し付けに係る貸付金について、住宅の規模に応じて異なった貸付金額及び利率で貸し付ける規模別貸付制度を導入することとし、これに伴い一定の規模の個人住宅に係る貸付金の利率の特例を設けることといたしております。
 第五に、個人住宅建設資金貸し付け及び賃貸住宅資金貸し付けの貸付金について、貸し付けの日から十年経過後においては、当初十年間の利率の上限とは異なる利率を上限とする段階金利制を導入することといたしております。
 なお、所得が低額であり、かつ、特に居住の安定を図る必要がある者については、貸し付け後十一年目以降においても当初十年間における利率を適用することができるよう措置することといたしております。
 第六に、適切な住みかえを促進し、住宅の有効利用を図るため、既存住宅の購入に係る貸付金の利率を引き下げるとともに、貸付条件を法律で定めることといたしております。
 第七に、住宅積立郵便貯金の預金者に対する貸し付けについて、通常貸付分と割り増し貸付分とを分離して貸付金の利率を定めるとともに、みずから居住するため施設建築物内の住宅を購入する場合を貸し付けの対象に加えることといたしております。
 第八に、計画的な貯蓄による住宅または宅地の取得を推進するため、現行の宅地債券制度にかえて、住宅金融公庫住宅宅地債券制度を創設するとともに、債券引受者に対して割り増し貸し付け等を行うことといたしております。
 第九に、公庫融資に係る賃貸住宅の家賃限度額を算定するに当たり、著しい建築物価の変動等が生じた場合において参酌すべき費用に関する規定を整備することといたしております。
 第十に、住宅金融公庫の昭和五十七年度から昭和五十九年度までの各年度の特別損失について、後年度に国が交付金を交付して補てんすることといたしております。
 第十一に、これらの改正に伴い、所要の規定の整備を行うことといたしております。
 以上が、住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
#6
○議長(徳永正利君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。大木正吾君。
   〔大木正吾君登壇、拍手〕
#7
○大木正吾君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案につきまして、質問いたします。
 政府原案につきましては、すでに衆議院の審議の段階で、わが党は反対の立場を表明し、独自の修正案を提案いたしました。政府原案は、全体といたしまして、金利及び公庫融資賃貸住宅家賃の引き上げにより、国、公庫あるいは地方住宅供給公社などにつき、それぞれの財政の効率化を図ろうとするものであります。しかし、その立脚点は、国民の生活安定というよりは、むしろ第二臨調をよりどころにいたしました鈴木内閣の行財政改革の路線、すなわち福祉切り捨ての一環にほかなりません。
 したがいまして、私は、本案を審議するに当たっては、長期的に政府はどのような住宅政策を選択するのか。また、中期的に行財政改革と第四期住宅建設五カ年計画との関係をいかに整合的に進めるのか。そして、当面の経済見通しあるいは家計動向とのかかわりのもとで、勤労者の住宅金利、住宅家賃をどうするかという議論の展開が必要と考えるものであります。
 そこで、私は、まず鈴木総理にお尋ねをいたします。
 すでに総理も御承知のとおり、住宅は、家庭を築き、それを健全に維持するための生活の最大基盤でございます。欧米諸国におきましては、内閣の住宅政策を国民が支持するか否かがその内閣の生命をも左右いたします。同時に、その国の地理的、歴史的条件によって若干の差はあるものの、各国とも国民の住居に対する理念と方針を定めた住居法を持ち、国民の住宅を国の公的保障のもとに進めるという考え方ができ上がっております。
 イギリスにおける社会保障型の住宅政策は、公営住宅を政策の中心に置き、戦後を通算いたしましても公営住宅の全住宅に占める供給割合は五〇%にも達しており、サッチャー保守党政権下においてすら、ロンドンにおける公営住宅の建設は精力的に進められております。フランス、西ドイツ、アメリカ等におきましても、その手法は若干異なりますが、公的住宅の占める割合は高く、しかもこの四カ国に共通して言えることは、勤労者の住生活安定のため、住宅手当あるいは家賃補助を制度的に確立し、実施していることであります。
 鈴木総理は、行政改革に政治生命をかける、また、臨調の答申は政府として全面的に尊重することを再三にわたって表明されております。しかし、臨調が政策の理念、概念まで立ち入ることができないことは明らかであります。政策の理念は、国民の選挙によって選ばれ、主権者である国民に対し責任を持つ政府が方針を決め、国会の議論によって確立することが必要であります。それが政府と国会に与えられた任務と考える次第でございます。
 この際、鈴木総理は、政府の責任者といたしまして、住宅政策について政府の方針を明確に示していただきたいのであります。
 第一に、総理は、すべての国民が健康で文化的な住宅を確保することについて、政府として責任があると考えられますか、あるいは、それは国民自身の自助努力で行うべきことであり、政府としての責任は持たないと考えるか、そのいずれを選択されるか、伺います。
 第二に、国民の住居費について、国民はより多くの負担をすべきと考えられるのか、あるいは、より軽減の努力を政府において行うべきと考えられるのか、あわせて伺います。
 第三に、国の住宅政策の理念と基本方針を定めるべき住宅基本法について、建設大臣は、これまでの政府の国会における約束をほごにし、第二臨調の審議が終了するまでは提出しないといたしておりますが、総理は政策理念まで臨調の審議にゆだねられるのか。また、臨調の審議が終了するまでは基本法を国会に提案しないというのは、総理の方針に基づくものであるのか否かを伺います。第四に、鈴木内閣が閣議で決定されました公共事業の各五カ年計画の達成は、行革によって軒並みにその完成達成が危ぶまれております。特に公営住宅、公団住宅については計画の達成が絶望視されてきています。この点につきまして、総理は五カ年計画の達成に閣議決定の威信をかけて努力されるのか否か。以上の四点につきまして、総理の所信を明らかにしていただきたいと考えるのであります。
 次に、建設大臣にお伺いいたします。
 建設省は、国民の住宅について具体的にどのように行政の責任を果たそうとしておられるのでしょうか。たとえば、公共住宅と民間住宅のおのおのの果たす役割り及びその守備範囲についてはどのような見解を持たれているのか、明らかにしていただきたいのであります。また、民間住宅、特にマンションと呼ばれるものと公団の分譲住宅、そして公庫のマンション購入融資の区別は、その対象階層にどのような差があるのか、所見を伺いたいと考えます。
 第二に、五十七年度の公営住宅、公団住宅予算を拝見いたしますと、五十六年度に比べて戸数が大幅に削減されておりますが、このような措置で第四期の住宅建設五カ年計画、五十七年度経済見通しにおける百三十万戸の住宅建設は達成されるとの自信を持っておられるのかどうか、明らかにしていただきたいところであります。
 第三に、住宅金融公庫の個人住宅資金の貸付金利五・五%については、政府は根幹的金利と表現し、その維持については全力を挙げて努力すると総理自身も昨秋の国会で表明されております。しかるに、政府改正案におきましては、従来の百十平方メートルから百二十平方メートルの規模の住宅について、五・五%の金利であったものが六・五%に引き上げられるとともに、段階金利制度の導入によりまして十一年目以降は七・三%にも引き上げられるというものであります。このような法案を提出することは、さきの国会における公約に違反することであるとともに、勤労者の住宅改善意欲に水を差す結果となることは明らかであり、絶対に許すことはできません。御所見を伺いたいと存じます。
 第四に、住宅宅地審議会の答申と地方住宅供給公社の賃貸住宅家賃についてお伺いいたします。御承知のとおり、勤労国民の家計は、打ち続く公共料金の値上げ、重税、賃上げの抑制によりましてきわめて深刻な窮乏状態となっております。そうした状況下も顧みず、公社は住宅家賃の値上げを考えておられるようでございますが、私は、今回の改正案に基づく値上げについては二つの大きな疑問を持たざるを得ません。
 その一つは、公社の賃貸住宅家賃には用地の取得費まで含まれており、公営住宅や公団住宅に比べましても、より厳密な個別原価家賃となっております。そうした家賃算定方式からいって、政府改正案にあります推定再建築費をもとに家賃限度額を定めるということは、公社家賃の体系に混乱を与え、しかも家賃値上げ分を新規供給住宅の家賃抑制に使用することは、もはや個別原価主義ではなく、プール方式への変更であり、長年入居されてこられた住民の皆さんの納得を得ることはとうてい無理であると考えるべきでしょう。建設大臣はどうお考えになりますか、伺います。
 二点目は、住宅宅地審議会の答申においては、その最後に、家賃の見直しについては「適切な手続に基づく必要なルールづくりを行い、家賃の変更が公正かつ円滑に行われるよう配慮する必要がある」として答申を締めくくっております。私は、これが答申の結語であって、家賃変更の前提条件であり、かつまた、この適切な手続と必要なルールづくりとは、入居者と十分協議の上、双方の合意と納得によって進められるべきであると理解をいたしておりますが、政府及び公社においては、答申の趣旨を生かすようどのような努力をされ、住民との間でどのようなルールづくりを行っているのか明らかにされておりません。ぜひお示しをいただきたいと考えております。
 次に、大蔵大臣にお尋ねをいたします。
 改正案にあります特別損失の規定についてでございまするが、昭和六十年度以降は、その年度に必要とする公庫への補給金については、政府が毎年度全額責任を持って補給すると約束されたと私は理解するものでございますが、大蔵大臣の御決意のほどを伺っておきたいと考えます。
 最後に、行政管理庁長官にお尋ねをいたします。
 本改正案の衆議院における採決に際しまして、「第四期住宅建設五箇年計画の的確な実施を図るため、三大都市圏及び地方中核都市における公共賃貸住宅の供給の促進に努める」こととする附帯決議がなされております。行政管理庁では、公共賃貸住宅の建設地域の限定、また供給主体の組織の縮小を検討されているやに聞いておりまするが、長官はこの衆議院における全会一致の決議を尊重される意思があるか否か、所見をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣鈴木善幸君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(鈴木善幸君) お答えいたします。
 すべての国民が安定した生活を営むに足る住宅を確保することができるように努力することが、政府の住宅政策の基本的な目標であることは言うまでもございません。このため、国民みずからが自分の住生活を向上させようとする努力と、国及び地方公共団体の適切な施策の両者が相まって、国民の居住水準の向上に努めているところであります。
 国民の住居費負担のあり方についてでありますが、国民それぞれの与えられた条件、住宅に対する考え方が千差万別でありますから、住居費の負担の状況も人によって異なってまいりましょうが、中には、努力をしても一定の水準の住宅の確保がむずかしいという世帯もございます。そのような方々に対しては、公営住宅等の供給が行われていることは御承知のとおりでございます。
 住宅基本法でありますが、住宅政策の基本的な方向を示す法案の作成についての総合的な検討が、現在建設省で行われているところでございます。
 第四期住宅建設五カ年計画についてでありますが、計画の的確な実施を図ることは、国民の居住水準の着実な向上を図る上で重要な課題であると考えております。御承知のとおり、現在大変厳しい財政事情のもとにございますが、今後とも公共賃貸住宅の的確な供給、良質な持ち家取得の促進などを図り、五カ年計画の達成に努めてまいりたいと考えます。
 残余の御質問につきましては所管大臣からお答えをいたします。(拍手)
   〔国務大臣始関伊平君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(始関伊平君) お答えいたします。
 まず第一に、国民の住宅についての行政の責任についてでありますが、政府におきましては、第四期住宅建設五カ年計画に基づく居住水準目標の達成に努めているところであり、公的援助による住宅については、最低居住水準の確保、良質ストックの形成及び良好な住環境の確保を図る見地から実施しているところであります。
 また、公団分譲住宅は都市勤労者等中所得階層を対象とし、公庫分譲住宅融資は一定の所得以下の階層を主たる対象とし、それぞれ的確な供給に努めているところであります。
 住宅基本法につきましては、ただいま総理からお答えございましたが、私からも申し上げておきます。
 住宅政策の目標を初め基本的事項について検討を進めておりますが、住宅政策の体系及び具体的施策については、なお第二次臨時行政調査会の審議経過等を踏まえて広範な検討を行い、その上で諸方面との調整を行って法案の国会提出に努めてまいりたいと考えております。
 次に、公営住宅、公団住宅の建設計画戸数が削減されているが、百三十万戸の達成は可能かとのお尋ねでありますが、昭和五十七年度の公営住宅及び公団住宅の建設計画戸数につきましては、最近の事業実施状況等を勘案して必要な戸数を計上したものであります。一方、住宅金融公庫について貸付戸数の増大、貸付限度額の引き上げ等の措置を講ずる等公的住宅金融の拡充を図るとともに、住宅土地税制の大幅な改正を行い、さらに、民間住宅金融の充実や的確な経済運営により住宅建設は促進されるものと期待いたしております。
 第四に、規模別貸付制度及び段階金利制についてのお尋ねでありますが、規模別貸付制度は、中間金利の設定と貸付額の増額により、住宅の規模を大きくしたいとする国民の要請にこたえようとするものであり、また、段階金利制は、国民が公庫資金を借り入れた場合、十年程度を経過すれば返済負担は所得の伸びなどにより相当程度緩和される実態を勘案し、十一年目以降は当初と異なる利率とすることにより、財政援助を必要とする時期に的確に行い、その効率化を図ろうとするものでありまして、公庫融資の基本は維持されているものと考えております。
 次に、公社賃貸住宅の家賃についてのお尋ねでありますが、昭和五十六年八月六日の住宅宅地審議会の答申では、公共賃貸住宅の家賃のあり方について、家賃が施策対象層にとっておおむね適正な支出の限度内にあり、新旧住宅等の相互間で不均衡が生じないようにする必要があるとした上で、公社賃貸住宅家賃の変更制度を見直す必要があるとするとともに、具体の家賃の変更に当たっては、適切な手続に基づく必要なルールづくりを行い、公正かつ円滑に変更が行われるよう配慮することが必要であるとしております。
 今回の公庫法の改正は、このような答申に基づいて、家賃の限度額の算定制度を改善することとしたものであります。今後、地方公社が家賃の変更を行うに当たっては、答申の趣旨に沿って、地域の実情に即しながら、限度額の範囲内で公正妥当かつ円滑に行われるよう指導してまいる所存であります。(拍手)
   〔国務大臣渡辺美智雄君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(渡辺美智雄君) 住宅金融公庫の特別損失、これの処置をどうするかということでございますが、これは法律に書いてあるとおりでございまして、国の財政事情を勘案しつつ、将来にわたる公庫の事業の安定が損なわれないように配慮しなければならない、そういう考え方から、公庫に対し昭和六十年から六十六年までの間において、毎年度予算の定めるところにより交付金の交付をいたします。
 以上であります。(拍手)
   〔国務大臣中曽根康弘君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(中曽根康弘君) 政府は、国会の御決議を尊重することは申すまでもございません。昨年来、行管庁におきましては、公的住宅の建設及び管理に関する行政監察を実施しておりまして、三大都市及び地方中核都市における住宅問題を調査しておるところでございます。その対象は、主として公営住宅、これは府県、市町村が行っておるもの、公団住宅、それから雇用促進住宅でございますが、まだ結論は得ておりません。
 住宅問題につきましては、国、地方、政府関係機関、民間が、これらの力を適切に組み合わせることによりまして、地域の実情に即して推進することが適当であると考えております。(拍手)
#12
○議長(徳永正利君) 原田立君。
   〔原田立君登壇、拍手〕
#13
○原田立君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま趣旨説明のございました住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案に関連して、若干の質問を総理並びに関係大臣に行うものであります。
 本来、住宅は、ただ単に人が住むというのみならず、家族とのコミュニティー形成の場であり、あすへの英気と活力を養う憩いの場でもあります。住宅は衣食とあわせて国民の生活安定向上のために欠くことのできない基本的な三要素の一つであります。衣食に比べて大幅に立ちおくれているのが住宅であり、早急な対応が必要であります。
 ところが、政府は住宅対策を景気対策の一環として利用し、戸数消化に主眼を置いて、住宅の質的向上への配慮を欠いているばかりか、住宅に困窮する勤労者のための住宅建設もはなはだしくおくれていることは全く遺憾なことであります。しかも、住宅対策のかなめである宅地供給面においても効果的な対策を怠っていたため、地価は異常な高値を示し、サラリーマンからマイホームの夢を奪ってしまいました。
 さきに国土庁が発表した五十七年土地公示価格によると、住宅地価格の上昇率は全国平均で八・三%と依然高い上昇率を示しているにもかかわらず、国土庁は今後の見通しについて「鈍化から横ばい傾向」と楽観視しています。このような国土庁の認識は全く甘いと言う以外にありません。この住宅地価格の上昇率八・三%は、昨年同期の消費者物価上昇率四・九%のおよそ一・七倍にも相当するものであります。しかも、政府が住宅建設を五十七年度の内需拡大の柱に据えたことによって、再び高騰するのではないかとの懸念も持たれております。
 私は、このような実情を踏まえ、以下具体的な点について質問を行います。
 質問の第一は、地価の抑制についてであります。
 住宅建設を円滑に推進するためには、住宅価格高騰の元凶である地価を抑制することが急務であり、そのため国土利用計画法の的確な運用が望まれます。御承知のように、国土利用計画法第十二条において、知事は土地の投機的取引や地価高騰の著しい地域に対し規制区域の指定を行うことができることになっています。規制区域に指定されると土地取引はすべて知事の許可制となるため、地価抑制効果は相当期待できます。また、十三条では、総理大臣が同様の趣旨で、国の立場から特に必要と認めた場合には、知事に対し規制区域の指定を指示できるようになっています。
 しかし、現実には、年々地価が高騰しているにもかかわらず、国土利用計画法の制定以来、規制区域の指定は全く行われておりません。規制区域の指定がただの一度も行われなかった理由、また、規制区域の指定が的確に行われ地価抑制効果を発揮するためにも法改正をすべきだと思うのでありますが、総理並びに国土庁長官の御見解を求めます。
 第二は、段階金利制についてであります。
 個人住宅建設資金貸し付け及び賃貸住宅資金貸し付けの貸付金について、貸し付け後十一年目から金利が引き上げられる段階金利制の導入が計画されておりますが、低所得者には若干の配慮があるとはいえ、一般的には所得の伸びが必ずしも従来のように期待できない経済状況のもとでは、十一年目以降における償還額の増大は、公庫利用者に対し経済的、心理的に過重な負担をかけることになるのは明らかであります。このような国民の期待に反し、住宅行政に逆行する段階金利制については、その導入を撤回すべきだと考えますが、建設大臣、大蔵大臣の見解をお伺いしたい。先ほど大蔵大臣は、法の定めるところにより云々というような簡単な御答弁だったけれども、なおもうひとつ突っ込んでの御答弁をいただきたい。
 質問の第三は、賃貸住宅の家賃問題についてであります。
 公庫貸し付けに係る賃貸住宅の家賃限度額に関する規定の改正で、家賃を引き上げることが容易にできるようになっていますが、もしこれが実施されることになれば、住宅によっては相当大幅な家賃の増額が行われることが必至であり、居住者に過重な経済的負担を強いるおそれがあります。公庫貸し付けに係る賃貸住宅の家賃については、現行法においても維持及び管理に要する費用については増額が可能であり、本法律案のようにわざわざ規定の改正を行うことを容認することはできません。この条項は削除すべきだと思いますが、いかがですか。
 第四は、土地担保賃貸住宅事業制度についてであります。
 この事業制度については、住宅・都市整備公団の行っている民営賃貸用特定分譲住宅事業制度や国と地方自治体で行っている特定賃貸住宅事業制度とともに、大都市地域における遊休地の活用や木賃アパートの建てかえに有効な制度として期待されているものであります。ところが、残念なことに、土地担保賃貸住宅事業制度の貸付戸数は、昭和五十三年をピークに漸減傾向にあります。本法律案では階数要件が緩和されるようでありますが、その程度の要件緩和措置では利用者の増加はとうてい見込めません。この際、この事業制度の市街地住宅の質的向上と都市整備への有効性を十分認識して、大幅な改善措置を講ずべきだと考えますが、いかがですか。
 第五は、中古住宅購入資金貸付制度についてであります。
 最近の傾向として、住宅を購入する場合、買いかえの人が多く、二千五百万円台では六割から七割、三千万円台では八割以上の人が買いかえを希望しております。しかし、肝心の買いかえを希望しても、自分の家が売れないため新規の住宅購入計画がスムーズに進展しない場合が多いのであります。五十七年度から中古マンションに限って最高限度額七百五十万円まで貸し付けの道が開かれましたが、一戸建て住宅は依然として貸し付けの対象から除外されています。住宅建設促進という視点からも、一戸建て中古住宅についても公庫の貸付対象にすべきだと考えますが、どうか。また、年金福祉事業団の行っている被保険者住宅資金貸し付けのように、耐火構造であれば一戸建て中古住宅でも貸付対象とすべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 最後に、住宅基本法の早期制定についてであります。
 わが党は、かねてより、国民の住宅権を保障する国の責任、住宅に対する国と地方の供給体制の明確化、居住水準の設定、宅地供給、財政金融措置、住宅白書の国会提出など、住宅問題解決への基本的方途を明確にした住宅基本法の早期制定を訴えてきました。この件につき、ただいま大木議員の質問に対し、総理は、現在建設省で検討中だという簡単なお答えでありましたけれども、総理、この住宅の憲法とも言われる住宅基本法の早期制定に対して積極的な姿勢を持つべきであると思いますが、いかがですか。
 以上六点について総理並びに関係大臣の詳細かつ具体的な御答弁を求めて、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣鈴木善幸君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(鈴木善幸君) お答えいたします。
 まず、国土利用計画法に基づく規制区域についてお尋ねがございましたが、この制度は、土地投機の集中による急激な地価上昇という緊急な事態に対処するためのものでありますが、政府は国土利用計画法の施行以来、投機的取引の再発防止に努めておりまして、規制区域を指定するような事態には至っていないと考えております。また、需給不均衡による地価上昇という現状のもとで、法改正を行い、区域規制のような強い規制を行うことは、かえって円滑な土地の供給を阻害する結果になるのではないかと思います。
 次に、住宅基本法についてのお尋ねがございましたが、先ほど大木議員にお答えをいたしましたとおり、臨調の御答申を待つまでもなしに、政府としてはこの重要性を考えまして、あらゆる角度からいま建設省で検討を進めておる段階でございます。成案を得ますれば、国会に御提案して御審議を煩わしたいと思っております。
 以上二点につきましてお答えをいたしましたが、その他の点につきましては所管大臣から答弁をいたします。(拍手)
   〔国務大臣始関伊平君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(始関伊平君) お答えいたします。
 まず第一に、段階金利制の導入を撤回すべきではないかという御質問でありますが、段階金利制は、国民が公庫資金を借り入れた場合、十年程度を経過すれば経済負担は所得の伸び等によりまして相当程度緩和される実態を勘案し、十一年目以降は当初と異なる金利とすることにより、財政援助を必要とする時期に的確に行い、その効率化を図ろうとするものであります。この措置により、将来にわたり公庫補給金の増大がもたらす財政負担が軽減されるとともに、公庫融資の拡充を含む住宅政策の円滑な実施が確保されるものと考えております。
 次に、賃貸住宅の家賃の限度額に関する規定の改正についてのお尋ねでありますが、昭和五十六年八月六日に住宅宅地審議会から「家賃制度の改善について」の答申をいただいており、今回の公庫法の改正は、この答申の趣旨に沿い、物価その他経済事情の変動等を考慮した家賃限度額の算定制度に改めようとするものであります。
 なお、各管理主体が家賃の変更を行うに当たっては、それぞれの地域の実情に即しながら、公正妥当かつ円滑に行われるよう十分指導してまいる所存であります。
 第三に、住宅金融公庫の土地担保賃貸住宅貸付制度の改善措置についてのお尋ねでありますが、この制度は、土地所有者による良質な民間賃貸住宅の供給の促進を図るため、建築費のほぼ全額を長期低利で融通しているものであり、五十七年度においては、大都市地域の低質な木造賃貸住宅の建てかえを促進するため、建物の階数要件等融資条件の緩和を図ることとしております。今後とも土地所有者による良質な賃貸住宅の供給促進に努めてまいる所存であります。
 第四に、住宅金融公庫の既存住宅貸し付けの対象住宅に一戸建て中古住宅を加えるべきではないかとのお尋ねでありますが、住宅金融公庫の既存住宅貸し付けについては、住みかえによる居住水準の向上を図るため逐年制度の改善を図ってきたところであり、昭和五十七年度におきましても、貸付金利の引き下げ、貸付限度額の引き上げ等の措置を講じることとしているところであります。なお、一戸建て中古住宅を融資対象に加えることにつきましては、審査体制の整備等の問題があり、今後十分検討してまいりたいと考えております。
 最後に、住宅基本法でございますが、住宅政策の目標を初めとする基本的事項について検討を進めておりますが、住宅政策の体系及び具体的施策については、なお臨調の動向等も踏まえて広範な検討を行い、その上で諸方面との調整を行って法案の国会提出に努めてまいりたいと考えております。
 以上お答え申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣松野幸泰君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(松野幸泰君) お答えいたします。
 国土利用計画法第十二条による規制区域制は、土地の投機的取引が相当範囲にわたり集中して行われ、かつ地価が急激に上昇するという緊急の事態に対処するために、地域と期間を限定して土地取引についてきわめて強い規制を行う制度であります。
 国土庁といたしましては、国土利用計画法施行以来、規制区域指定事前調査により、土地取引に係る各種動向について常時監視するとともに、規制区域の指定を行うべき事態に常時対処できる体制を整えているところでありますが、ここ数年投機的取引の徴候は見当たらず、規制区域の指定を必要とするような事態には至っておりません。また、宅地供給の増大を図ることが急務となっている現在の状況のもとで、法改正を行い、地価の高騰のみを理由に土地取引を凍結することは、かえって円滑な宅地供給を阻害し、土地問題を混乱させるおそれがありますので、適当でないと考えております。(拍手)
   〔国務大臣渡辺美智雄君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(渡辺美智雄君) お答えいたします。
 先ほど補給金特別損失金の取り扱いについて簡潔にお答えいたしましたが、結論はそのとおりでございます。
 しかしながら、もう少し解説的に申し上げますと、公庫補給金の繰り延べに伴うものでございまして、これは五十七年度における繰り延べ額が五百十七億円。五十八年、九年についてはいまのところはっきりわかりませんが、五十七年と同一のルールで繰り延べるということにすれば、おおよそ三カ年で千四百から千五百億円というように考えられます。なお、後年度における補てんの措置は、五十七年、八年、九年度分それぞれについて三年据え置き、五年間で行う、予算の範囲内で行うということでございます。
 それから次に、段階金利の導入撤回ということではございますが、これもいま建設大臣からお答えがありましたとおり、結論から申しますと、撤回する考えはございません。
 御承知のとおり、公庫の融資は住宅政策、経済運営の面で重要な役割りを果たしております。しかし、最近における補給金の急増というのは何千億円という数字になってまいりまして、その負担も非常に大変である。との補給金は当然国民の税金でしょっていくわけでございますが、国民、納税者のすべてがこの補給金を受けているというわけでは実はございません。したがって、一方においては重税感が非常に強いというようなこともあり、国の財政負担も大変だという問題もあり、そういうようないろいろな点を勘案いたしまして、ただいま建設大臣からお答えしたように、最初十年間、比較的若い、月給の低いときには低く、十一年目以上になってある程度、多少のインフレ率もあるでしょうし、それに対する賃金のスライドもあるでしょう、そういうような段階になってから少し負担をふやすというようなことにしたわけであります。しかしながら、それとまた別に貸付限度の引き上げとかステップ償還期間の延長というようなこともあわせて軽減措置等も実情に合うようにしておるわけでございますので、私はワンセットでこれはいいのではなかろうかと、さように考えております。(拍手)
#18
○議長(徳永正利君) これにて質疑は終了いたしました。
     ―――――・―――――
#19
○議長(徳永正利君) この際、日程に追加して、
 昭和五十七年度の公債の発行の特例に関する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○議長(徳永正利君) 御異議ないと認めます。渡辺大蔵大臣。
   〔国務大臣渡辺美智雄君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(渡辺美智雄君) 昭和五十七年度の公債の発行の特例に関する法律案の趣旨を御説明申し上げます。
 御承知のとおり、わが国財政は、現在なお大量の公債に依存せざるを得ない状況にあります。このような財政の状況にかんがみ、長期的な経済の安定的発展と国民生活の安定に資するため、できるだけ早く財政の公債依存体質からの脱却を図り、高齢化の進展等将来における社会経済情勢の推移に弾力的に対応し得るよう財政の再建を進めていくことが最も緊急かつ重要な課題となっております。
 昭和五十七年度予算は、このような観点から、何よりも行財政の徹底した合理化、効率化によって財政再建を進めるべきであるとの世論がつとに高まったことにかんがみ、行財政改革による歳出削減を中心として、昨年春以来の一連の行財政改革の基本路線に沿って編成いたしました。
 まず、歳出面におきましては、各省庁の予算要求に当たって原則として前年度と一律同額にとどめるという方策、すなわちゼロシーリングに基づきまして、経費の徹底した節減合理化によりその規模を厳しく抑制してまいりました。特に、国債費及び地方交付税交付金以外の一般歳出の規模を極力圧縮したことにより、一般歳出の伸び率は、前年度当初予算に対し一・八%と昭和三十年度以来の低い水準にとどまっております。
 また、歳入面におきましては、経済情勢の変化等により、昭和五十七年度の自然増収が、ゼロシーリング決定の際参考とした財政の中期展望における自然増収より約七千億円不足することが見込まれましたので、経済の実態に即し、この不足分を補うため、まず税外収入において極力増収を図り、それでもなお残る不足分を税制面の見直しにより措置することとしたところであります。
 このような歳出歳入両面にわたる見直しにより、公債につきましては、その発行予定額を前年度当初予算より一兆八千三百億円減額いたしましたが、昭和五十七年度においても、なお引き続き、財政法の規定により発行する公債のほかに、特例公債を発行せざるを得ない状況にあります。
 このため、昭和五十七年度の特例措置として、国会の議決を経た金額の範囲内で特例公債を発行できることとすることを内容とする本法律案を提案するものであります。
 しかし、このような措置はあくまで特例的な措置であり、政府といたしましては、昭和五十九年度特例公債脱却を目指し、引き続き財政の再建に全力を傾注する決意であります。
 以上、昭和五十七年度の公債の発行の特例に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#22
○議長(徳永正利君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。鈴木和美君。
   〔鈴木和美君登壇、拍手〕
#23
○鈴木和美君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました昭和五十七年度の公債の発行の特例に関する法律案につきまして、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 御承知のように、緊急避難的措置として、昭和五十年度に経常部門の歳入不足を補てんする赤字国債を発行しました。ところが、この臨時異例の措置があたかも当然のことであるかのように、今回で八回目を数えているのであります。私どもは、このような特例に特例を重ねてきた本法律案を審議することにむなしさを感じます。しかしながら、財政再建の名のもとに福祉が切り捨てられ、所得税減税が見送られ、その結果重税を強いられている国民の強い怒りを前にして、政府・自民党の政治責任を問わないわけにはいかないのであります。
   〔議長退席、副議長着席〕
 すなわち、五十六年度には、逆進性の強い酒税、物品税、さらには中小企業に過酷な重税となる法人税率の引き上げなど史上空前の大増税を強行することにより、国債減額二兆円を政府は約束したではありませんか。ところが実態はどうでしょう。補正で赤字公債三千七百五十億円を含む六千三百億円の国債増発を余儀なくされ、その上さらに二兆円を超える大幅な歳入欠陥が不可避とされているのであります。国民に過酷な重税を強制し、国債減額の約束をほごにした総理の責任は重大であります。
 もし総理が「赤字公債の減額方針は当初予算編成段階のことで、年度途中に生ずる歳入欠陥の穴埋めに赤字国債を増発することは公約違反とならない」というような安易な考え方であれば、国民の納得は得られないと断言します。このことを踏まえて、総理みずからの政治責任を明らかにしていただきたいと思います。
 しかも、五十六年度二兆円規模の歳入欠陥が生じた場合の対応策として、決算調整資金法の規定により国債整理基金からの借り入れで処理するということでありますが、そうなれば当然五十八年度予算を拘束することになり、税収不足と相まって予算編成を著しく困難にすることは必至でありましょう。すなわち、財政の中期展望に示されているように、赤字公債の減額一兆九千六百四十億円に加え、国債整理基金への返済も必要となり、もはや五十八年度予算編成は不可能と思わざるを得ないのでありますが、大蔵大臣の御所見を伺いたいと存じます。
 今年度予算は去る四月五日成立したのでありますが、これにも顕著にあらわれておりますように、財政難を理由として社会保障関係費の対前年度の伸び率を二・八%にとどめるなど福祉を後退させ、また国鉄運賃や消費者米価などの引き上げで家計を圧迫させる一方、防衛費の伸びを七・八%と突出させ、他国に脅威を与える軍拡予算への道に進む政府・自民党の姿勢に対して、国民は本当に疑問を持っているのであります。
 加えて、防衛力の増強を目指した五六中期業務見積もりの原案が昨日固まったようでありますが、政府内部の調整がまだ難航しているようであります。その間の事情について防衛庁長官にお尋ねをいたします。
 さらに、財界からは、防衛産業拡大をもくろみ、武器の国産化要請がなされていると聞いておりますが、総理に、今後における防衛政策についての基本姿勢を明らかにしていただきたいと存じます。
 次に、今後の経済運営方針についてお伺いします。
 低迷を続ける景気情勢のもとで、公共事業の上期七七%前倒しなどを決めたということであります。私は、これをもってしても景気の下支え程度の効果しか見込めないと思うのであります。むしろ下期の景気対策をどのようにするかが心配であります。巷聞伝えられておりますように、二兆円規模の大型補正を組むことにでもなれば、またしても増税なき財政再建は虚像と化し、国民の負担増だけが強要されることになると思いますが、総理の御認識を伺いたいと存じます。
 同時に、経企庁長官には、現下の経済情勢の分析と今後の景気対策の基本方針についての御所見をお伺いいたします。
 さらに、家計部門に目を向けますと、賃上げ率の低下、減税見送りによる負担増などにより、勤労世帯の実質可処分所得並びに消費支出はいずれも二年続きの減少を来しております。私どもは、これまでも所得税減税の要請を続けてまいりましたが、いまこそ景気対策上「個人消費の意欲を高めるため、所得税の大幅減税を断行すべきであると考えるのであります。
 そこで、大蔵大臣並びに経企庁長官に、五十八年度以降は当然でありましょうが、五十七年度分の早急な所得税減税実施の意思及びその必要性があるのかないのか、明確な態度を示していただきたいのであります。
 次に、今年度国債発行額のうち、資金運用部は三兆五千億円もの巨額を引き受けることとなっておりますが、最近の郵貯不振を反映して資金繰りが悪化しているということであります。資金運用部資金は財政投融資の原資の八割以上を担う重要なものであります。国債の大量引き受け、郵貯不振で財政投融資計画の運営に重大な支障を来すことが憂慮されますが、大蔵大臣の御見解を伺いたいと存じます。
 以上述べてまいりましたように、ここ数年、財政再建に向けてのポーズは当初ベースだけの見せかけで、実際には財政危機がますます深刻化していると言っても過言でありません。
 総理、総理はかつて昭和五十九年度を目標とする増税なき財政再建に政治責任をかけて貫くと表明されました。私どもはこの不退転の決意を心強く感じたのであります。しかし、五十六年度に巨額の歳入欠陥が避けられないことから、もはや総理の公約は実現不可能となったと言わざるを得ません。ところが、総理は依然として、増税を行うことなく厳しい行財政の縮減で公約達成ができると言明しておられますが、私どもが納得できる根拠を示した上で、総理の財政再建に対しての御決意を再度お伺いしておきたいと思います。
 いずれにしても、総理の公約は現実的でないと言えましょう。そうだとすると、公約の五十九年度赤字公債不発行は当初予算ベースに限定し、補正で赤字公債を発行したり、国債整理基金からの借り入れなどによるつじつま合わせば公約違反にならないということでありますか。また、総理の言う財政再建は六十年度以降の赤字公債発行もあるという意味なのか、総理に明確な答弁を求めます。
 次に、本年度末の国債残高を見てみますと、赤字公債三十七兆円を含め総額九十三兆円に達しようとしております。このうち赤字公債は、償還期限の到来をもって全額借りかえなしで現金償還することが義務づけられております。すなわち六十年度以降、赤字公債償還財源として毎年度二兆円から七兆円の調達が必要となり、国債整理基金もこのままでは六十二年度には底をつくとも言われています。大蔵大臣は、この赤字公債の本格的な償還についていかがなされるおつもりなのか。よもや赤字債に借りかえを考えておられるというようなことはないでしょう。御所見をお伺いします。
 ところで、国ばかりでなく地方財政においても法人事業税の不振などで税収不足が心配されております。その上、国税の大幅な減少による地方交付税へのはね返りもありますが、自治大臣はこの事態に対してどのように対処なさるおつもりか、五十六年度税収見通しを含め、今後の地方財政運営について基本姿勢を伺っておきたいと存じます。
 次に、第二次臨時行政調査会に対して、公務員制度審議会、税制調査会などの各種審議会、調査会の高い見識に立った答申などを十分に尊重することなく財界主導の運営が行われているとの批判がなされておりますが、これに対する総理の御見解を伺いたいと存じます。
 さらに、臨調は五十八年度予算に対しマイナスシーリングの実施を求めるであろうと言われておりますが、財政再建の名のもとに、これ以上福祉が切り捨てられ、所得税を初めとした各種税負担が加重されることは、国民の納得し得る限度を逸脱するものと考えます。財政再建は国民の立場に立って進められるべきであり、臨調の運営が慎重に進められるよう要望するところでありますが、総理の見解を伺いたいと存じます。
 また、最近特に心配されるのは急激な円安傾向であります。政府、日銀は円安の歯どめ策として、対外資本取引に対し、きわめて異例な有事規制の発動をも辞さずとの強い姿勢を打ち出しておられますが、大蔵大臣の円相場についての動向分析と有事規制発動の有無についてお伺いしておきたいと存じます。
 最後に、グリーンカード制度についてであります。
 この制度の導入は、すでに五十五年に法律が通り、その実施が既定の事実とされているのであります。にもかかわらず、自民党の内部からこれを廃止に持ち込もうとする動きがあります。これに対し、去る三月三十日の本院大蔵委員会で総理は、「自民党総裁の意に反した党議が決まることはないと確信する」と力強く言明し、私どもは総理の見識を高く評価したところであります。ところが、旬日を置かず自民党政調会長が、源泉分離選択課税制度は存続し、グリーンカード制度を三年間凍結するという構想を打ち上げられたではありませんか。私どもは実のところ唖然としているのであります。総理はこのような動きに対して、「まだ自民党の党議として決まったわけではない」と問題の所在をはぐらかしているのであります。
 周知のように、グリーンカード制は、利子配当所得の総合課税化を実現するための有力な手段として法制化されているのであります。本来厳しく課税されるべき脱税預金や架空名義預金が他の金融資産へ急激にシフトしているからといって、公正な税制を確立するための本制度が廃止されるとなれば、本末転倒であり、まさしく不正義、不道徳がまかり通る暗黒社会と言えましょう。総理のグリーンカード制実施に向けての不退転の決意をお伺いして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣鈴木善幸君登壇、拍手〕
#24
○国務大臣(鈴木善幸君) お答えいたします。
 まず、五十六年度予算の補正による国債の増発及び予見される歳入欠陥についてのお尋ねがありましたが、私は、五十六年度予算作成の当初においては予想しなかった税収の伸び悩みに見舞われましたことは、まことに残念に存じております。しかしながら、五十九年度特例公債脱却という財政再建の基本路線は変更することなく、今後ともその実現に向けて最大限の努力を傾けてまいる所存であります。
 防衛政策の基本方針でありますが、これまでしばしば申し上げてまいりましたとおり、現在の国際社会におきましては、一国の安全を単独で確保することは困難であります。わが国の場合も、みずから適切な規模の防衛力を保持するとともに、日米安全保障体制を堅持することによって国の安全を確保することといたしておりますが、他方、憲法に認められた範囲内で必要最小限度の防衛力の整備を着実に進めることはわが国の当然の責務であります。このため、私は、わが国の基本的防衛政策にのっとり、専守防衛に徹し、近隣諸国に軍事的脅威を与えることなく、かつ非核三原則を堅持しつつ、わが国の防衛力を防衛計画の大綱の水準にできるだけ速やかに到達させるよう努めてまいる所存であります。
 公共事業の前倒しで下期に息切れがするのではだいかとの御意見でありましたが、確かに、まことにむずかしいかじ取りが求められておるのでございます。今年度下期の経済運営につきましては、今後の経済動向をよく見定めながら適切に対処してまいります。いずれにしても、政府としては、今後とも機敏かつ適切な経済運営を通じ、国内民間需要を中心とした景気の維持拡大を図ってまいりたいと存じます。
 五十九年度特例公債脱却は政府の基本方針であり、その実現に向けて最大限の努力をするという考えは、これまでしばしば申し上げてまいりました。私のこの考えは、途中年次で歳入欠陥を生ずるような事態に見舞われたからといって、くじけるものではございません。また、歳出の合理化節減を旨として財政再建を進めるという考えも変わっておりません。当面の問題として、税収不足が生ずるような場合には、歳入歳出の全体を通ずる決算見込みを踏まえ、適切に対処してまいりたいと考えております。
 臨調が財界主導の運営であるとの批判があるとの御意見でありましたが、私はそうは考えておりません。国民的な視野に立った大所高所からの検討が行われていると思います。また、臨調の運営について私の見解を求められましたが、臨調はこの夏の答申に向けて鋭意審議を行っているところでありますので、現段階で私の見解を述べることは差し控えたいと存じます。
 最後に、グリーンカードについてのお尋ねがありましたが、予算委員会等でこれまでしばしば申し上げてまいりましたとおり、政府は法律に定められているところに従ってこれを実施してまいりたいと考えております。
 残余の御質問は所管大臣から答弁をいたさせます。(拍手)
   〔国務大臣渡辺美智雄君登壇、拍手〕
#25
○国務大臣(渡辺美智雄君) 非常に経済の見通しがむずかしいと同じように、税収の見通しも大変むずかしいのも事実でございます。過去において物価が非常に高騰したようなときは見積もりが二〇%ぐらい少なかった、つまり余分に税金が入った、あるいはそれが非常に安定したというような場合にはまた二〇%ぐらい税収不足になったという実例がございます。今回も残念ながら、まだ確定的なことは申されません、三月の法人税があるから確定的なことは申されませんが、七、八%ぐらい足りなくなるのじゃないかとか心配はしておるところでございます。
 これについてどうするのかというお話でございますが、御承知のとおり、いま補正予算を組むということはできないわけでございますから、当然法律で手当てがされておりまして、決算調整資金あるいはそれでも足りない場合は国債整理基金の活用というようなことが法律であらかじめ準備をされております。これはもちろん予見しがたい問題が起きた場合のことでございます。しかしながら、そういうことをやると借りた金を来年返さなければならぬじゃないか、五十八年度の予算編成が非常に苦しくなるじゃないか、まことに御指摘のとおり、そのとおりでございます。
 そこで、五十八年度の予算編成の進め方については、今後の経済情勢等の見通しという問題もございますし、臨調答申を受けて、どの程度発想の転換を図って思い切った歳出カットができるかという問題等にもこれはかかわり合いのあることでございまして、収入が少なければ歳出をぶっ切ればいいわけですから、どこまでぶっ切れるか、これはもちろん今後の判断の問題でございます。いずれにいたしましても、全力を挙げて歳出の削減合理化に徹底をするということと、もう一つは歳入面においてもやはり見直し、洗い直し、それをやってまいりたいと考えております。
 それから景気対策上所得税減税をやれというお話でございます。私は、課税最低限が五年間にわたって据え置かれたということに対して、納税者の中から所得税減税を望む声が強いということはよく認識しております。しかしながら、現在の財政事情等を考えまして直ちに応ずるわけにはいかないということで、これは与野党の幹部が集まってひとつ相談をしようということで、衆議院大蔵委員会の中の減税問題に関する小委員会というようなものでもうすでにスタートをして、勉強会といいますか、一つの検討を始めておるところでございますから、その結果どういうふうなことになるか。われわれとしてはその結果を尊重していきたい、そう思っております。ただ景気対策としての減税、強いて私の意見を問われれば、これは効果が非常に少ないというように見ておるわけでございます。
 それから次に、国債の大量引き受け、郵便貯金の不振で非常に支障を来すのじゃないかということでございます。最近における郵便貯金が伸び悩んでいるということは事実でございまして、したがって五十七年度は財投の原資として、去年よりも新年度は一兆円減らしまして七兆九千億円しか実は見込んでいないわけでございます。したがって、民間資金をもっと活用していかなければならぬ。幸いに民間資金の方はかなりだぶだぶ、貯蓄が多いものですから。去年一年間で個人の金融資産が三十五兆円もふえたというようなことから、これをどういうふうに利用するかという点で、その一環として政府保証債のようなものも去年より六千二百億円増額するというようなことをやっておるわけでございます。なお、運用部の国債引き受けについては去年と同額三兆五千億円というように、これはよけいに見込んでおりません。しかしながら、郵便貯金もほどほどに伸びてもらった方がいいのは当然でございます。
 それからその次は、赤字公債の本格償還が六十年から始まるのだけれども、借りかえなんということをまさかやらないのだろうと。これは、御承知のとおり法律で建設国債については借りかえの制度がございますが、赤字国債については現金で返せということになっておりますので、政府としてもその法律を忠実に守っていきたい、その決意でがんばっていきたい、そう思っておるわけであります。
 また、国債の償還の方法等の問題でございますが、これはもうすでに法律で書いてあるとおりでありますから、専門家の鈴木議員に私がここでよけいなことを申し上げる気持ちはありません。法律どおり償還の方法はやってまいりたいということと同時に、やはり歳出のカット、それから景気といいますか、それの持続、落ち込まないように手当てをしていくというようなこと等も必要なことでございます。いずれにせよ、いろいろなことをやりながら、鈴木議員が御心配になっているように、本当に六十年以降になったらこれは全く大変だと、私もその危機感については同様でございますので、今後とも引き続き真剣に対処してまいりたいと考えております。
 それから円相場の動向でございますが、これは二百四十七円とか六円、八円とかという相場は、決して日本の経済の実態を反映していない、ちょっと安過ぎると私は思っております。基本的には、世界の大蔵大臣の会議等においても、やはりアメリカの高金利、これは倍も違うような金利政策をとっておるわけですから、どうしてもそういうところに流れる。ヨーロッパにおいても同じような悩みを持っておるわけであります。しかしながら、ちょっとしたはずみで、一部の投機家が円売りドル買いというようなことをやるものですからときどき非常に上下する。そういうような場合においてはわれわれとしては黙ってこれを放置するというわけにはまいりませんので、積極的に日銀を通じて介入政策を行っていきたい、そう考えておるわけであります。
 有事規制については、これは軽々に発動すべきものでなくて、やたら有事規則をやるということになれば、これはある意味では円安になるのです。円を持っていてもいつ規制されるかわからないと不安感を与えたのでは、やっぱり円の信頼を損ねるわけでありますから、われわれとしては有事規制というものはよほどのときでないとやらぬ。国際収支の不均衡、為替相場の急激な変動、国内金融とか資本市場に極端に悪い影響が出るというようなこの三つの事態が法律でも定められておるので、そういうような場合には規制があるのですから、やらないとは申し上げませんが、これは慎重に対処したい。しかしながら、現在の状況では、有事規制をいまやるというふうなそんな状況にはないというように考えております。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣伊藤宗一郎君登壇、拍手〕
#26
○国務大臣(伊藤宗一郎君) お答えいたします。
 防衛予算の編成に当たりましては、従来から憲法及び基本的な防衛政策に従い、経済財政事情を勘案し、国の他の諸施策との調和を図りつつ、必要最小限の防衛力を着実に整備するということを基本方針としております。
 五十七年度防衛予算もこの基本方針に従いまして、財政再建が現在の緊急課題であること、防衛計画の大綱の水準をなるべく早く達成する必要があることなどを総合的に勘案して編成したものでございます。国の防衛は国家存立の基本とも言うべき重要な問題でございまして、今回の防衛予算はわが国防衛のために必要最小限度のものでございまして、軍拡予算へ進むものとの御批判は全く当たらないものと考えております。また、五六中業の作成作業は、昨年の国防会議で了承されたとおり、おおむね一カ年の作業期間を予定いたしまして、防衛庁において鋭意作業を進めております。現在のところ、特におくれているというわけではございません。防衛庁としては、五十八年度の予算概算要求に間に合うよう五六中業の作成に全力を挙げているところでございます。
 お答えを申し上げました。(拍手)
   〔国務大臣河本敏夫君登壇、拍手〕
#27
○国務大臣(河本敏夫君) 現在の経済情勢をどう考えるかという御質問でございますが、わが国の経済は、過去二カ年余りは貿易を中心に成長を続けてまいりました。輸出貿易が非常に大きく伸びたということが成長の背景にあったわけでありますが、昨年の秋ごろから輸出の伸びが急速に停滞をしてまいったのでございます。非常に大幅な円安でありますから、普通の状態ですと輸出が相当伸びるのですけれども、一向に伸びない。これは要するに、世界経済が現在、戦後最悪の状態になっておるという、そこに私どもは問題があるように思います。そこで、第三・四半期の成長率はマイナス〇・九%でございます。ただし、これを分析いたしますと、貿易の関係でマイナス一・三%、内需の関係はプラス〇・四%、こういう数字の内訳になっております。
 そこで、さしあたっての政策でございますが、金融政策につきましては機動的な運営を続けていく、これは先般決定したところでございます。また、財政の分野では公共事業をできるだけ前倒しをしていく、さらに災害復旧事業、それから住宅のうちの公的住宅、これもできるだけ前倒しをする、そういう考え方でいま臨んでおります。後半はどうするのかというお話でございますが、後半は経済全体の動きを見ながら、機敏で適切な経済運営を展開してまいりたい、このように考えておるところでございます。
 次に、減税の問題についての御質問でございますが、これは大蔵大臣がただいまお答えのとおりでございまして、国会の委員会の結論を待ちまして、政府はそれを尊重するというたてまえでございます。(拍手)
   〔国務大臣世耕政隆君登壇、拍手〕
#28
○国務大臣(世耕政隆君) 税収見通しと今後の地方財政の運営についてお尋ねでございました。
 昭和五十六年度におきましては景気回復のおくれが目立っております。その影響を受けて、法人関係税は地方財政計画で当初見込んだ額を確保することが困難な状況となってきております。したがって、必要に応じて減収補てん債による財源措置を講じたところでございます。
 また、昭和五十六年度の国税三税について減収が生ずることとなった場合には、昭和五十八年度において地方交付税の精算減が生ずることになります。このようなことから地方財政は今後ともやはり厳しい環境下に置かれるものと見込まれますが、いずれにしても、地方財政の円滑な運営に支障を生ずることのないように適切に対処してまいる所存でございます。(拍手)
#29
○副議長(秋山長造君) 多田省吾君。
   〔多田省吾君登壇、拍手〕
#30
○多田省吾君 私は、公明党・国民会議を代表し、昭和五十七年度の公債の発行の特例に関する法律案について、総理並びに関係大臣に対し質問をいたします。
 単年度の時限立法であるはずの特例法による赤字国債の発行は今回で八年目であり、国債残高は五十七年度末で実に九十二兆八千億円となり、国債費も本年度は七兆八千億円の巨額に達しております。財政危機を深刻化させたこの間における歴代自民党政府の財政経済運営の責任は重大であります。この危機的状況をもたらした総理の政治責任をどう認識しておられるか、まずお聞きしたいと思います。
 次に、総理が財政再建元年として編成した五十六年度予算は、赤字国債の発行を二兆円減額することを至上命題に掲げておりました。そのため所得税減税の見送りによる実質増税、また酒税、物品税など一兆四千億円の大増税、さらに福祉の後退など国民に多大の負担をかけてまいりました。政府は財政の帳じり合わせのみを優先し、口先では内需拡大を唱えながら、実際には国民生活の向上や景気の維持回復を軽視してきたのであります。
 私たちは、具体策といたしまして、所得税減税の実施と福祉の充実を強く要求してまいりました。しかるに、政府は、このようなわれわれ野党の要求を聞き入れず、その結果、実質可処分所得は二年連続マイナスとなり、内需の伸び悩みを生じ、経済成長の著しい低下とともに、財政面では補正予算で三千七百五十億円の赤字国債の追加発行に追い込まれ、なお現状では、その上さらに二兆数千億円の歳入欠陥が明らかにされております。
 こうした財政経済の異常事態を招いた政府の責任は不問にできません。総理は歳入欠陥と政治責任は関係ないとして責任を避けようとしておりますが、政府が財政再建元年の最善の予算であると強弁した五十六年度予算の膨大な歳入見積もりの狂いは、単に見積もり違いとして責任を免れ得るものではありません。総理並びに大蔵大臣は今日の状態に至った責任をいかに感じられ、どう対処されるのか、その所信をしかと承りたいのであります。
 政府は、五十六年度歳入欠陥対策として、決算調整資金の取り崩しと国債整理基金からの借り入れでこれまた帳じり合わせをするようでありますが、国債整理基金からの借り入れは五十八年度までに償還しなければなりません。そのための歳出の増加要因は数兆円と見なければならず、さらに五十七年度の税収不足も三兆円以上と言われ、特例公債を増発せずに同じように国債整理基金から借り入れを行うならば、わが国財政はまことに大変な事態を招きます。これで果たして五十九年度に赤字国債からの脱却が可能なのですか。公約どおり実現できるおつもりか、その方法はどうするのか、この際明らかにしていただきたいと思います。
 また、五十六年度の税収をもとに算定された五十七年度の税収見通しや、中期展望による五十八年度以降の財政見通しは、五十六年度の二兆円以上の歳入欠陥で大きく修正する必要がありますが、どう対処されますか。
 私たちは、総理が行政改革と財政再建に政治生命をかけると決意されたときは、一縷の期待感もあったのでありますが、五十六年度及び五十七年度予算の内容や、国会内外の総理の御発言を見ますと、大蔵省が描いた財政収支のつじつま合わせにほかならず、しかも国民に多大な負担を負わせたものとなりました。勤労者の実質可処分所得の二年連続マイナスをもたらした五年続きの所得税減税見送り、また、社会保障関係費の伸びはわずか二・八%に抑えるという福祉切り捨て等を強行して、その結果、内需は停滞し、財政の危機はますます強まったのであります。
 ここで改めて申し上げるまでもなく、行政改革は、国民の要望に適合した行政サービスを効率的に供給できるよう、機構、組織、政策、制度を改革するのが本来の目的であります。総理並びに大蔵大臣に対し、行政改革と財政再建についての理念と財政運営の基本的な考え方を改めてお伺いしておきたいと思います。
 また、五十六年度の税収欠陥をもたらしている経済の動向並びに中期展望に描かれている歳入を得るためには、今後どのような経済政策をとるべきだと考えておられるのか、経企庁長官にお尋ねいたします。
 次に、国債の償還財源について伺います。大蔵省の試算によれば、国債整理基金は六十二年度に償還財源が枯渇するということでありました。ところが、さきにも述べましたように、五十六年度に大幅の歳入欠陥が生じ、基金から借り入れて、五十八年度にこれを償還しなければならない。また、五十七年度においても大幅な歳入欠陥が予算審議中にも明らかにされている状況であり、基金からの借り入れも容易に想定される状態にあります。現在の財政運営の姿のまま五十九年度赤字国債脱却を目標とする以上、国債の償還に支障を来すことにならないのかどうか。支障がないようにするためには予算繰り入れを行わなければなりませんが、その財源はどのような手段で調達されるつもりですか、お尋ねいたします。
 最後に、当面する財政経済の重要課題について二、三お伺いいたします。
 その第一は、現在の落ち込んでいる景気をどのようにして回復を図るかということであります。すでにこのままでは五十七年度の実質成長率も三%台にとどまり、五十七年度の歳入欠陥も三兆円以上に及ぶと推定されております。政府は公共事業の七七%以上の前倒し実施や、あるいは災害復旧事業や住宅建設をうたっておりますが、すでに前年度実施した例もあり、これだけでは景気回復はとうてい不可能であるというのが大方の見方であります。先ほど経企庁長官は後半の動きを見て機敏に対応すると答弁されましたけれども、政府は年度後半において建設国債発行等の補正予算編成を考えているとも言われておりますが、総理並びに経企庁長官に今後の具体的な景気回復策をお伺いしておきたいと思います。
 その第二は、欧米各国との貿易摩擦問題であります。総理は、六月の先進国首脳会議、いわゆるベルサイユ・サミットに向けて市場開放第二弾の取りまとめを指示しました。総理みずから陣頭指揮をとられているようでもありますが、サミットに向けて摩擦解消の決意をお伺いしたいと思います。なお、摩擦要因として相互間の誤解によるものも存在しているようですが、相互理解をどう推し進めていくお考えか、お聞きしたい。また、米国の高金利の是正など、わが国の要求は要求として堂々と主張すべきでありますが、それらの具体策をあわせてお示しいただきたいと思います。
 その第三は、政治問題化しておりますグリーンカード制の実施についてであります。グリーンカード制のそもそもの目的は、所得税に内在する負担の不公平を是正することにありました。そのため、マル優等非課税貯蓄の適正な利用を促し、高所得・高資産家の利子配当の総合課税化を図るものであります。しかるに、不公平税制是正の他の具体的な方策もないままに、自民党内ではグリーンカード制実施を三年延期する議員立法の動きがあります。予算審議中にはグリーンカード制の実施を総理も大蔵大臣も強く強調されたわけでございます。総理は先ほどの答弁で、法律に定められているとおり実施すると申されましたけれども、このような自民党の廃止や三年延期の強い動きに、総理・総裁としてどのような指導力を発揮するのか、決意を伺いたいと思います。
 以上で私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣鈴木善幸君登壇、拍手〕
#31
○国務大臣(鈴木善幸君) お答えいたします。
 第一次石油危機後の五十年度から八年間にわたり、特例法によるいわゆる特例債の発行が続いておるわけでございますが、この間のわが国経済が、波乱の中でも諸外国との比較においてきわめて良好かつ安定した状況を維持してきていることは、世界じゅうに認められている事実であります。
 その要因の一つに、積極的な財政運営が果たした役割りも大きかったと思いますが、他面、財政にとっては特例公債を含む巨額の財政赤字を抱える結果となっておりますので、このような異常な状態は放置するわけにはまいりません。私は、総理就任以来、財政の健全性の回復を図り、わが国の将来の基盤を確かなものとしたいと考え、昭和五十年度以来の特例債の発行を、十年を一区切りとして五十九年度にはゼロに持っていきたいという目標のもとに財政の再建に努力してきておりますが、今後も引き続きこの基本方針のもとに全力を傾注してまいりたいと存じます。
 五十六年度予算が当初予想しなかった税収の伸び悩みに見舞われましたことはまことに残念に思っておりますが、税収不足を生じた場合におきましては、歳入歳出の全体を通ずる決算見込みを踏まえ、適切な措置を講じてまいりますと同時に、今後におきましてもさらに一層歳出の節減合理化を徹底して、五十九年度赤字公債からの脱却を図り、財政の再建を貫徹いたしたいと考えております。
 次に、貿易摩擦に関するお尋ねでありますが、最近、欧米諸国の経済の停滞を背景に保護貿易主義の圧力が高まっておりますが、このような状況のもとにあっては、世界経済の再活性化を促進し、自由貿易の維持強化と世界貿易の拡大を図っていくことが肝要であると考えます。わが国は、このような見地に立って昨年来、関税引き下げのスケジュールの二年分前倒し、輸入検査手続等の簡素化など一連の市場開放措置を講じてきたところでありますが、さらに一段の前進を図り、比較的近い機会に第二弾の対策を取りまとめるよう検討を進めているところであります。
 わが国に対する欧米の批判の中には、多田議員御指摘のとおり誤解や認識不足に基づくものもございますので、そのような誤解を正す努力、あらゆる機会をとらえて真実を知ってもらうじみちな粘り強い努力を続けて、相互理解を深めてまいりたいと存じます。
 もちろん、わが国として他に求める点は堂々と主張すべきものと心得ておりまして、御指摘の米国の高金利につきましても、わが国の懸念は昨年来機会あるごとに米側に指摘してきております。最近米国のインフレが鎮静化してきておりまするので、今後金利も低下の方向に向かうのではないかと期待しておりますが、今後の成り行きを見ながら、必要に応じ米側にわが方の関心を強く伝えてまいりたいと存じます。
 グリーンカード制につきましては、先ほど鈴木議員にお答えをいたしましたとおり、政府は、法律に定められているとおりに従いましてこれを実施してまいる考えでございます。
 以上お答えいたしましたが、残余の点につきましては所管大臣からお答えをいたします。(拍手)
   〔国務大臣渡辺美智雄君登壇、拍手〕
#32
○国務大臣(渡辺美智雄君) お答えいたします。
 五十六年度の歳入欠陥に当たりまして、政治的なといいますか、原因と責任を追及する質問がございました。歳入不足、見積もり不足ということは事実でございますが、顧みますると、去年の予算委員会等においては、政府の見積もり方が足りない、もっと自然増収があるはずだといって多く言われてきたわけでございます。そのように、一年半先を見通すということは非常にこれはむずかしい問題でございます。
 これは一にかかって物価の安定、そういうようなものが、卸売物価は四・一%ぐらい上がるだろうと思ったところが、これが一・四ぐらいに平均してなってしまった。これはどこから来たか。もちろん世界経済との関係がございます。日本だけで経済が繁栄するものではありません。と同時に、やはり一つは消費節約、省資源、省エネルギー運動というものを国を挙げて官民で展開をいたしました。このことは当たりました。石油においては非常にそれによって節約されましたが、一般の消費物資についてもかなり節約になった。一方においては、非常に苦しい生活であるという、実質賃金が伸びないと言われながら、賃金は伸びないと言われながら貯蓄は非常に伸びた。個人貯蓄が伸びて、先ほど言ったように、一年間に個人の金融資産が三十五兆三千億もふえたというようなことは、確かに景気の、消費の足を引っ張ったことは事実でございます。
 いろいろな理由がありますが、いずれにしても物価の安定ということによって国民にいい生活をもたらしたことは、これは事実でございます。一〇%賃金が上がっても、一〇%物価が上がったのでは実際上がらないと同じわけでありますから、そういう点はまあ功罪両方ございます。しかしながら、なかなか見積もりがむずかしいということについては私も率直に認めておるわけであります。
 問題は、こういうようなことで今後どうするかということでございますが、われわれとしても一年半、昔は一年前を見越したのですが、いまは一年半まで見越すような予算の仕組みにしたものですから非常にむずかしい。しかも、三月決算にみんな集中するように制度が商法の改正等で変わったというようなこともあって、非常に困難である。世界経済が非常に激動しているという、いろいろな問題があります。そういうようなことでひとつ御了承を賜りたいと存じます。
 五十九年度の赤字公債からの脱却の公約は実現できるのかということでございますが、これにつきましては、いろいろ総理からもお話がありましたように、大型増税ということは念頭になくて、歳出のカット、節減合理化、そういうふうな行政改革、歳入の見直し、洗い直し、そういうものを総合的にやって、これを脱却する最大限のまず努力をする。最初からギブアップしてしまうというのでなくして、出口を決めて、全然届かないというのでは困りますが、あるいは届くかもしらぬ、あるいは届きそうもないと言われるかもしれませんが、そういうととろに目標を置いて、最大限の努力をしてみたいと考えております。
 それから中期展望の改定が必要じゃないかということでございますが、中期展望は、御承知のとおり、その歳入面は経済見通し、七カ年の経済計画のあの見通し、一応あれを下敷きにしておりますから、それが実態に合うかどうなのか、そこらのところの問題もございます。ございますが、いずれにしても高度成長から安定成長に切りかわっているということは間違いないことであって、高度成長的発想のままこれから下敷きを変えていくといつでも間違ってしまうということにもなりかねません。そういうところもあわせまして、これは国会でも終了いたしましたならばよく勉強させてもらいたいというふうに考えております。私は、やはりいまのままでいいとは思っておりません、中期展望についても。しかしながら、その本当の経済の改定の見通しが出ないとまた下敷きが違ってしまうわけですから、ですから、いまそこのところが断定的に変えるということも申し上げられませんが、変えた方がいいのかどうか、そこらのところも含めまして検討させていただきます。
 行政改革一財政再建の理念、これは総理大臣がお話しいたしましたとおりでございますから省略させていただきます。
 それから国債の予算繰り入れについて、これは非常に大変だということで、財源をどうするということでございますが、これはいずれにしても借財をしたものはお返しをしなければならないことでございますから、どんな工面をしても借財はお返しするというだけの努力をさせていただきたいと思っています。
 グリーンカードの見直し論については、これも総理からお話がございましたとおりでございます。グリーンカードは、これはよくわからないでみんな御心配になっている節もかなりございます。この間テレビのアンケート調査みたいなことをやったところが、百万円以下しか貯金を持たないという人も含めて、グリーンカードに関心があるというのは六割、七割ぐらいありまして私はびっくりしたわけでございますから、こういうことはもう少し、グリーンカードというものは少しも心配のないものであるということをよく知ってもらうための政府の努力も必要であろう、そう考えております。(拍手)
   〔国務大臣河本敏夫君登壇、拍手〕
#33
○国務大臣(河本敏夫君) 経済の現状につきましては、よく御承知のとおりでございますが、いまわが国経済が停滞をしております原因は幾つかございます。その第一はやはり貿易の落ち込みだと、このように思っております。戦後最悪の状態であると言われる世界経済、その背景がこの貿易の落ち込みに一つございます。それから第二は実質可処分所得が過去二カ年間伸び悩んでおる。これもやはり一つの大きな背景になっておる、このように考えております。そのために住宅と消費が伸びない。住宅と消費に関係のある中小企業の状態がよくない、この悪循環の繰り返し、こういう感じがいたします。それから国内の物価は非常に安定をしておりますので金利はもっと低い水準に持っていくことが可能でありますが、アメリカの高金利のためにこれが不可能になる、そういうことのために中小企業の投資が計画どおり進まない、こういうこともございます。
 要するに、最終需要が伸び悩んでおるというところに問題があるわけでございまして、しかりとすれば、今後どのような経済政策を展開するのか、こういう御質問、特にこの中期展望はどうするか、こういうことでございますが、わが国経済をいろいろ分析してみますと、物価の安定、それから失業率、貯蓄率、金利水準、経済の国際競争力、労使関係、こういう分野では欧米諸国よりずば抜けていい条件にございます。したがいまして、欧米諸国よりも相当高い成長が可能でございますので、日本の持っておりますこれらのすぐれた経済の特徴を生かしていきながら安定成長路線にわが国経済を定着させる、こういう方針でもちろんやらなければならぬと考えております。
 そこで、後半一体どうなるのか、こういうお話でございますが、私どもは公共事業、公的住宅あるいは災害復旧、これをとにかく上半期に最大限集中してみよう、そしてこれを景気回復の誘い水にしたい、こう思っております。そうして後半、住宅とかあるいは民間の設備投資、これを計画どおり軌道に乗せたい、これにつないでいきたい、このようにいま考えておりますが、そのようにいかない場合は一体どうするのか、こういう御質問でございますが、その場合には、その時点におきまして先ほども申し上げましたように適切な対応をしてまいりたい、このように考えております。(拍手)
#34
○副議長(秋山長造君) これにて質疑は終了いたしました。
     ―――――・―――――
#35
○副議長(秋山長造君) 日程第一 臨時石炭鉱害復旧法及び石炭鉱害賠償等臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。商工委員長降矢敬雄君。
    ―――――――――――――
   〔降矢敬雄君登壇、拍手〕
#36
○降矢敬雄君 ただいま議題となりました臨時石炭鉱害復旧法及び石炭鉱害賠償等臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、商工委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、現在なお復旧すべき累積鉱害が相当量存在している実情にかんがみ、鉱害復旧の促進と鉱害賠償の円滑化を図るため、臨時石炭鉱害復旧法及び石炭鉱害賠償等臨時措置法が廃止するものとされる期限をそれぞれ昭和六十七年七月三十一日まで十年間延長しようとするものであります。
 委員会におきましては、鉱害復旧の実績と見通し、法律の期限延長を十年間とした理由、鉱害賠償資金の貸付条件等の諸点、並びに石炭政策、エネルギー政策全般についての質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終わり、討論なく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し、村田理事より、各派共同提案による鉱害復旧長期計画の速やかな見直し等四項目にわたる附帯決議案が提出され、全会一致をもってこれを当委員会の決議とすることに決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#37
○副議長(秋山長造君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#38
○副議長(秋山長造君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#39
○副議長(秋山長造君) 日程第二 郵便貯金法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。逓信委員長勝又武一君。
    ―――――――――――――
   〔勝又武一君登壇、拍手〕
#40
○勝又武一君 ただいま議題となりました郵便貯金法の一部を改正する法律案につきまして、逓信委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、郵便貯金の預金者の利益の増進を図るため、預金者貸付制度における預金者一人に対する貸付金の限度額を現行の七十万円から百万円に引き上げようとするものであります。
 委員会におきましては、預金者貸付制度の一層の改善方策、郵貯資金自主運用の必要性、郵貯不振の原因と今後の増強対策、郵貯事業の経理内容の明確化等の諸問題について熱心な質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。
 質疑を終わり、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#41
○副議長(秋山長造君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#42
○副議長(秋山長造君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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