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#1
第096回国会 本会議 第24号
昭和五十七年七月三十日(金曜日)
   午前十時二分開議
    ―――――――――――――
#2
○議事日程 第二十四号
  昭和五十七年七月三十日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の報告に関する件(昭和五十七
  年七月豪雨災害について)
 第二 災害弔慰金の支給及び災害援護資金の貸
  付けに関する法律の一部を改正する法律案
  (衆議院提出)
 第三 昭和四十二年度以後における地方公務員
  等共済組合法の年金の額の改定等に関する法
  律等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
  議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、議長不信任決議案(市川正一君外三名発
  議)
  (委員会審査省略要求事件)
 一、請暇の件
 一、故元議員太田正孝君に対し弔詞贈呈の件
 一、故国立国会図書館長植木正張君に対し弔詞
  贈呈の件
 一、検察官適格審査会委員、同予備委員及び鉄
  道建設審議会委員の選挙
 以下 議事日程のとおり
     ―――――・―――――
#3
○副議長(秋山長造君) これより会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 市川正一君外三名発議に係る議長不信任決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○副議長(秋山長造君) 御異議ないと認めます。
 よって、本案を議題といたします。
 まず、発議者の趣旨説明を求めます。市川正一君。
    ―――――――――――――
  議長不信任決議案
 右の議案を発議する。
 昭和五十七年七月二十八日
     発議者
      市川 正一   青島 幸男
      中山 千夏    前島英三郎
     賛成者
      上田耕一郎    小笠原貞子
      神谷信之助    喜屋武眞榮
      沓脱タケ子    近藤 忠孝
      佐藤 昭夫    下田 京子
      立木  洋    秦   豊
      美濃部亮吉    宮本 顕治
      安武 洋子    山田  勇
      山中 郁子
  参議院議長 徳永 正利殿
    …………………………………
 議長不信任決議本院は、議長徳永正利君を信任しない。右決議する。
    …………………………………
    理 由
 一、本院議長徳永正利君は、さる七月九日の本院公職選挙法改正に関する特別委員会における公選法一部「改正」案の「採決」が、国会法・参議院規則等に照らしても違法・無効なものであったにもかかわらず、ただちにこれを容認し、野党各派の事実と法的根拠にもとづく正当な主張を無視して、七月十六日の本会議の開会と公選法「改正」案の「可決」、本院「通過」を強行した。さらに七月二十八日の本院議院運営委員会理事懇談会において、自民党は、公選法特別委員会における違法の強行「採決」について、当日の運営が必ずしも円満かつ正常におこなわれたとはいえないことを認め、前島英三郎委員の出席を確認しないまま質疑者として指名したことは遺憾であること、定足数問題では委員長の秩序保持が万全でなかったこと、宮之原委員の問題については、委員長の認定に問題があったので先例とはしないなどの見解を表明した。この事実に照らしても、当該委員長の審査報告書を有効とした議長の措置の不当性はいっそうあきらかになったといわなければならない。
 一、議長は、七月十五日、委員会強行「採決」後の不正常な事態を「収拾」するとして、本院各会派代表者会談の席上で「議長所信」なるものをしめした。しかしこの「所信」は、違法・無効な委員会「採決」を不当にも「有効・妥当」なものとする前提に立ち、参議院議長の職権のおよぶ範囲をはるかに越えて、本院の審議をつうじて違憲・党利党略的内容のまったくあきらかとなった同「改正」案の「無修正成立」を衆議院にも押しつけようとし、しかも「(昭和六十一年の参議院通常選挙終了後)に」「必要により本制度に検討を加えるものとする」などとして、すでに「成立」前に「手直し」の必要な、いわば「欠陥法案」であることを認めながらこれを不問に付して国民に押しつけようとするなど、驚くべき不見識な内容のものである。
 一、議長のこれらの行為は、議院運営の直接かつ最高の責任者たる議長の職権をはなはだしく逸脱したものにほかならず、「参議院改革」をとなえ、「公正な運営」をしばしば口にしてきた議長自身の言にもそむくものであり、到底徳永君は、公正・公平を旨とすべき議長の職にとどまるを得ない。
 これが本決議案を提出する理由である。
    ―――――――――――――
   〔市川正一君登壇、拍手〕
#5
○市川正一君 私は、四名の発議者を代表して、ただいま議題となりました議長不信任決議案の提案理由を説明いたすものであります。
 まず、案文を朗読いたします。
  本院は、議長徳永正利君を信任しない。
  右決議する。
 提案理由のその第一は、徳永議長が、去る七月九日、本院公選法特別委員会における違法、無効な強行採決を、事もあろうに、その直後、何ら公正な事情聴取を行うこともないまま、直ちに有効、妥当なものと断定し、これを容認したことであります。この採決が違法、無効なものであることは、多くの人々が目撃した動かしがたい事実と数々の証拠によってもすでに明らかなところであります。
 すなわち、上田委員長は、当日の委員会運営の協議を整然と進めていた理事会から突如一方的に抜け出し、委員会開会に必要な定足数を欠いていることが明白であるにもかかわらず、あえて開会を強行したのであります。しかも、当日最初の質疑者に予定されていた前島英三郎委員が、委員室に入れず、席にも着けない状況にあることを承知しながら、前島委員を指名するという前例のない暴挙を行い、その質疑の機会を奪ったのであります。
 前島委員は、この不当な審議権剥脱に抗議し、議長に上申書を提出されました。しかるに議長は、宮之原委員の上申書に対しては懇切に回答しながら、前島委員の上申書は一顧だにせず、ついにこれを握りつぶしたのであります。この一事だけでも、議長が公正にその職責を果たしていない責任は断じて糾弾されなければならないのであります。
 さらに、採決に当たって上田委員長は「起立多数」を宣告したのでありますが、これまた事実誤認もはなはだしいと言わなければなりません。なぜなら、当日、社会党の提出法案の発議者として発議者席に着いていただけであって、採決に加わっていないとして上申書を提出した宮之原委員を、採決に加わったものとして「起立多数」を宣告したのであります。これは明白に無効なものであります。
 私が指摘したこれら一連の事実が何びとも否定できない真実であることは、自民党自身が一昨日の議院運営委員会理事懇談会で示した「見解」によっても認めざるを得なかったところであります。すなわち、その「見解」で自民党は、定足数問題、前島、宮之原両委員の問題などを含めて、「当日の運営が必ずしも円満かつ正常に行われたとは言えない」と述べ、遺憾であったとして、みずからの非をみずから認めているのであります。
 このような事実と経過に立つとき、議長にもし一片の良識と良心があるならば、この採決を無効として委員会に差し戻して、審議し直すのが当然であります。にもかかわらず、議長は、それをしないばかりか、問題点を究明し、決着を見るまで努力をするという議院運営の最高責任者たる議長の当然の責務すら果たさず、本会議の開会を強行したのであります。
 提案理由の第二は、七月十五日の本院各会派代表者会談の席上で示したいわゆる「議長所信」なるものについてであります。
 「所信」は、昭和六十一年の参議院通常選挙終了後に本制度に検討を加えるなどといたしております。しかしこれは第一に、同改正案の無修正成立を前提に、法律の内容にまで踏み込んだ点において、第二には、それを衆議院にも押しつけるという点において、ともに本院議長の職権の及ぶ範囲をはるかに超えたものであります。さらに第三には、二回選挙を行った後検討を加えるとして、議長みずから同改正案が重大な欠陥を持った欠陥法案であることを認めるという、まさに前代未聞の「所信」であります。
 四年後の検討を現在の参議院議長が云々することの不当性は言うに及ばず、議会制民主主義の根幹をなす選挙制度に重大な欠陥を有し、かつ憲法にかかわる問題点を放置したまま、これを主権者である国民に押しつけるなどとは、まさに言語道断のきわみであります。このような、議長の職権をも越え、議会制民主主義の基本見地を逸脱してはばからない徳永君が、とうてい議長の職にとどまり得ないことはもはや全く明らかであります。
 本来、徳永君が真に名を惜しむ政治家ならば、みずからその職を辞すべきでありますが、信としていまなお居座り続けている以上、私は徳永議長の暴挙を改めて弾劾するとともに、参議院の権威と名誉を守るためにも、本議案に対する同僚議員諸君の御賛同を心から期待し、提案理由の説明を終わります。(拍手)
#6
○副議長(秋山長造君) 本案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。楠正俊君。
   〔楠正俊君登壇、拍手〕
#7
○楠正俊君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表して、ただいま議題となりました共産党及び一部小会派の提出に係る参議院議長徳永正利君不信任決議案に対し、断固反対の意見を表明するものであります。
 反対の第一の理由は、本決議案が余りにもタイミング外れであり、何の目的を持ち、意図がどこにあるのか、かいもく不可解であるということであります。
 本院公職選挙法特別委員会において公職選挙法改正案の採決が行われたのは去る九日、これを受けての本会議上程は十六日のことでございまして、提案者側が違法、無効をあくまでも譲らないとすれば、その主張は事柄のあった直後に行動をとるべきが筋であります。
 しかるに、公職選挙法改正案が衆議院へ送付され、二十七日の衆議院本会議において公明党を除く各党の代表質問が終了し、翌二十八日の衆議院公選特別委員会においては全党出席のもとに提案理由説明を終え、実質審議が始まった直後に本決議案を出すということをわれわれは何と理解すべきか、余りにも不適切な行動だと言わざるを得ません。違法、無効、反対を唱えるならば、なぜに十六日の本会議に参加出席して、堂々とその主張を訴えなかったのでありますか。
 当日、自民党、日本社会党、民社党・国民連合及び新政クラブの一部議員の出席のもと、合法的に開会した本会議に共産党の諸君は出席せず、また、小会派の諸君は第三号委員室で改正法案反対の決起集会を開き、本会議をボイコットしたのであります。かかる行動は立法府としての議員の職責をみずから放棄するものでありまして、まさに議会制民主政治の否定であります。
 すでに衆議院へ舞台が移り、実質審議の最中に、だれが考えても何ら意義、効果があると思えない本決議案の提出は、本会議ボイコットという振り上げた旗をおろすための道具立てに使ったのだと言われても仕方ありません。
 次に、提案者は七月九日の公選法改正案の採決が違法、無効と主張されておりますが、われわれは、国会法、参議院規則、先例等に照らし、全く合法、適法の措置であると考えております。当日の委員会での委員長のとった措置は適法かつ妥当であると考えており、この採決を違法かつ無効とすることは全く根拠がないと考えるのであります。
 また、七月二十八日の議院運営委員会理事懇談会においてわが党理事より、前島君に対する指名問題、委員長の議場整理及び宮之原君の発議者席での着座の扱いの三点にわたる見解表明がありましたが、このことは、今後の本院各委員会運営について配慮されるべきこととして考えるべきことであります。それを、これらのことを理由に七月九日の委員会採決を違法かつ無効とすべきことは全く別問題なのであります。
 徳永議長が、委員会において合法的に採決された法案を本会議に上程手続をとることは、議長の職責上当然なる措置でありまして、不信任に当たる事由は一切ありません。
 申すまでもなく、議長は本院運営の総括責任者であるだけに、その言動の重きことは当然であります。それがゆえに、徳永議長は、これを補佐する桧垣議院運営委員長に対し、事態の円満収拾に細心の配慮をいたすよう指示されております。これを受けた議院運営委員長は、七月十二日から十五日まで、連日深夜まで議院運営委員会理事懇談会を開き、延べ十五時間にわたって事態収拾に努められておるのであります。これをもってしても明らかなように、議長がいかに心を痛めておられたか、むしろその努力に対し評価いたすべきであります。
 徳永議長は、昭和五十五年七月十七日の参議院本会議において、帝国議会以来初めてという各会派出席議員全員の信任を得て議長に就任されたのであります。議長は、就任と同時に、懸案でありました参議院改革に情熱を傾け、委員会制度の革命とも言うべき、予算案に対する全議員参加による審議とも言われる常任委員会及び関係特別委員会における予算案の委嘱審査制度を確立されました。
 今後、中長期的な参議院のあり方についての議長の取り組みに対し、国民、各界各層挙げて、その卓越せる指導力の発揮と、公正無私にして真に国民の負託にこたえる良識の府としての参議院の原動力となられることを期待されておりますことは、御承知のとおりであります。議院の正常かつ円満なる運営について最も意を注いでおられるのは議長であり、われわれはすべての責任を議長に帰するのではなく、われわれ自身の努力の不足を反省し、一体となって議長を盛り立てるべきでありましょう。議長の権威を高め、軽々に議長不信任案を提出することは、国民の参議院に対する信頼にこたえることにはならないのであります。
 以上、私は、議長徳永正利君に対する不信任決議案に対し断固反対の態度を明らかにし、討論を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
#8
○副議長(秋山長造君) 山田勇君。
   〔山田勇君登壇、拍手〕
#9
○山田勇君 私は、ただいま議題となりました議長不信任案に対しまして、賛成者を代表し、賛成の立場から討論を行うものであります。
 私たちは、今回の公職選挙法改正に関しては、これが参議院の存在意義を根本から変えてしまうものであるとして、慎重な審議を要望してまいりました。鈴木総理も、「選挙制度の改革は各党各会派が慎重に審議すべきである」との見解を事あるごとに表明してこられました。また、参考人の意見聴取、公聴会におきましても、自民党案に賛成の立場をとられた参考人、公述人でさえも、この法案が慎重に審議されることを強く要望されていたのであります。
 しかしながら、委員会における審議過程の中で、有権者の選ぶ自由の制限、立候補の自由の制限など、憲法違反の疑いが続々と指摘されています。七月の九日、突如として自民党一党のみによって強行採決されたのであります。しかも、その強行採決によって、当日予定されていました前島議員初め三名の議員の質問が封じられたのであります。この審議権の剥奪は、慎重な審議を望む国民の期待を真っ向から裏切ったものであり、議会制民主主義を根底から覆す暴挙と言わざるを得ないのであります。
 しかるに、その直後、議長は「採決は合法的に行われた」との見解を表明されたのでありますが、この七月二十八日の本院の議院運営委員会理事懇談会で、強行採決を行った自民党でさえ、正常かつ円満な運営でなかったことを認めざるを得ないとし、また、委員会にいなかった前島議員を委員長が指名したことは遺憾であったと言明せざるを得なかった、この事実からも、不正常な状態であったことが証明されているのであります。公正円満な議院運営を旨とすべき議長は、採決が合法的であったかどうかを判断するためには慎重な調査を行わなければならないのであります。
 にもかかわらず、調査を省略して「採決は合法的であった」と判断した議長は、一党一派に偏った不公正な運営を行ったと言っても過言ではありません。もしその意図がなかったといたしましても、議長の言動は軽率のそしりを免れません。国民の期待する良識の府、参議院の議長像とは遠くかけ離れたものと言わざるを得ません。これが議長不信任案に賛成する第一の理由であります。
 議長不信任案賛成の第二の理由は、強行採決の後、事態収拾の際に示された「議長所信」の不見識さにあります。
 「議長所信」なるものは次のとおりであります。すなわち、「参議院全国区選挙制度の改革問題は、国民の間にも大きな関心を呼んでおります。参議院は国民のこの関心にどう応えるべきか、議長としては、本法律案の委員会審査の経過をも踏まえて熟慮いたしました。その結果得た内容を申しますと、「この法律の施行の後(昭和六十一年の参議院通常選挙終了後)に新法施行状況等を勘案し、必要により本制度に検討を加えるものとする」という事であります。各会派におかれましては、右の主旨を了とされ、本法律案を処理する本会議は、円満かつ正常な運営ができますよう、何卒宜しくお願いいたします。」と、以上のとおりでありますが、前段で申されております「国民の関心にどう応えるべきか」ということを真剣に考えるならば、当然、慎重な調査をして、委員会採決が合法的でなかったと判定し、さらに委員会での審議を尽くすよう望まれるべきではなかったのでしょうか。それでこそ国民の関心にこたえることになると考えるのであります。
 しかるに、委員会採決を合法的なものとして認め、その上に「この法律の施行後に新法施行状況等を勘案し、必要により本制度に検討を加えるものとする」という内容の所信を議長は公にされたのでありますが、これは提案理由説明でも指摘されたように、法案の内容にまで踏み込んだものであり、また衆議院の審議にまで不当に介入するものであり、議長の職権をはなはだしく逸脱したものと言わざるを得ません。しかも議長は、二回選挙を行った後検討を加えると、この法案が欠陥法案であることをみずから認めているのであります。この「議長所信」が公表されたとき、国会内のみならず一般世論も、その不可解さ、不見識さにただただ唖然としたものであります。
 参議院は常々良識の府と言われております。その参議院の議長たる人物は、まさに良識、理性の代表者でなければなりません。ところが、今回の公職選挙法改正案の強行採決に際してとられた議長の態度は、以上述べましたように、良識と理性からはほど遠いものであります。議会制民主政治の正しいあり方を議長みずから放棄したと言わざるを得ません。
 以上をもちまして議長不信任案に対する討論を終わりますが、最後に、二院制における参議院のチェック・アンド・バランスの機能を一層高めるため、良識ある正常な国会運営を心から願って、討論を終わります。(拍手)
#10
○副議長(秋山長造君) ただいまの山田君の発言中、不穏当な言辞があれば、速記録を調査の上、議長において適切な措置をとります。
 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#11
○副議長(秋山長造君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#12
○副議長(秋山長造君) 少数と認めます。
 よって、本案は否決されました。(拍手)
     ―――――・―――――
   〔副議長退席、議長着席〕
#13
○議長(徳永正利君) この際、お諮りいたします。
 大河原太一郎君、中山太郎君から、いずれも海外旅行のため十二日間、請暇の申し出がございました。
 いずれも許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○議長(徳永正利君) 御異議ないと認めます。
 よって、いずれも許可することに決しました。
     ―――――・―――――
#15
○議長(徳永正利君) さきに院議をもって永年在職議員として表彰されました元議員太田正孝君は、去る十日逝去されました。まことに痛惜哀悼の至りにたえません。
 同君に対しましては、すでに弔詞を贈呈いたしました。
 ここにその弔詞を朗読いたします。
   〔総員起立〕
 参議院はわが国民主政治発展のため力を尽くされ特に院議をもって永年の功労を表彰せられさきに予算委員長の要職につかれまた国務大臣としての重任にあたられました元議員従三位勲一等太田正孝君の長逝に対しつつしんで哀悼の意を表しうやうやしく弔詞をささげます
     ―――――・―――――
#16
○議長(徳永正利君) 国立国会図書館長植木正張君は、去る九日逝去されました。まことに痛惜哀悼の至りにたえません。
 同君に対しましては、すでに弔詞を贈呈いたしました。
 ここにその弔詞を朗読いたします。
   〔総員起立〕
 参議院はさきに本院事務総長として議院の運営に貢献せられました国立国会図書館長従三位勲一等植木正張君の長逝に対しつつしんで哀悼の意を表しうやうやしく弔詞をささげます
     ―――――・―――――
#17
○議長(徳永正利君) この際、欠員中の
 検察官適格審査会委員、同予備委員各二名、
 鉄道建設審議会委員三名の選挙を行います。
#18
○高平公友君 各種委員の選挙につきましては、いずれもその手続を省略し、議長において指名することの動議を提出いたします。
#19
○野田哲君 私は、ただいまの高平君の動議に賛成いたします。
#20
○議長(徳永正利君) 高平君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○議長(徳永正利君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、検察官適格審査会委員に安孫子藤吉君、矢田部理君を、
 安孫子藤吉君の予備委員に松尾官平君を、矢田部理君の予備委員に立木洋君を、
 鉄道建設審議会委員に町村金五君、藤田正明君、青木薪次君を、それぞれ指名いたします。
     ―――――・―――――
#22
○議長(徳永正利君) 日程第一 国務大臣の報告に関する件(昭和五十七年七月豪雨災害について)松野国務大臣から発言を求められております。発言を許します。松野国務大臣。
   〔国務大臣松野幸泰君登壇、拍手〕
#23
○国務大臣(松野幸泰君) 昭和五十七年七月豪雨による被害の状況と今後の対策について御報告いたします。
 本年の梅雨期は、平年に比べ全国的に少雨傾向にありましたが、七月十一日から前線活動が活発となって、二十三日午後から長崎地方を中心とする九州北部で大雨となり、特に長崎市では記録的な集中豪雨となり、甚大な被害が発生しました。
 七月二十九日十七時現在の被害状況は、死者三百二十二名、行方不明三十七名、負傷者三百五十三名、建物の全半壊千六百五十八棟、床上浸水二万五千五百二十棟などとなっています。特に、長崎市においては、五百ミリを超す豪雨により、各所でがけ崩れが発生し、多くの死者のほか、多数の行方不明者が出る痛ましい被害となりました。
 被災された皆様の御心痛を拝察し、心からお見舞い申し上げるとともに、亡くなられた方々の御冥福をお祈りする次第であります。
 政府におきましては、この災害の応急対策を強力に推進するため、七月二十四日に災害対策関係省庁連絡会議を開催するとともに、国土庁長官を本部長、国土政務次官を副本部長とし、関係各省庁の職員から成る昭和五十七年七月豪雨非常災害対策本部を設置し、直ちに第一回の本部会議を開催し、緊急措置について協議決定いたしました。
 翌二十五日には、私は政府調査団の団長として長崎市の被災地に赴き、被害の実情を調査するとともに、被災者の救出、救護等の活動に御奮闘されている自衛隊、警察、消防などの関係者を激励してまいりました。
 現地調査の結果を踏まえて、七月二十六日、第二回の本部会議を開催し、政府として講ずべき措置を決定し、関係各省庁において強力に推進することとしました。
 その決定された主な点は、第一に、行方不明者の捜索、救出に全力を挙げるとともに、避難されている方々の救済、防疫、生活物資の確保、電気、ガス、水道の早期復旧、応急仮設住宅の設置など市民生活の安定のため全力を挙げることであります。
 第二に、幹線道路、生活道路、国鉄などの早期復旧を行い、交通の確保を図ることであります。
 第三に、被害を受けられました方々に対する税・財政金融上の適切な措置を講ずることとし、特に中小企業関係の被害が甚大であることにかんがみ、政府系三中小金融機関による災害貸付制度を発動したほか、激甚災害の指定について検討することであります。
 第四に、再度、災害を防止するため、緊急砂防・急傾斜地崩壊対策事業の推進及び激特事業を含む河川改修事業の実施の検討をすることであります。
 現在、長崎バイパス、国鉄長崎本線の復旧などにより交通の確保は進み、被災地においても復興に向けて努力がなされており、また、全国各地から救援物資の申し出が相次いでいると聞いております。しかしながら、依然行方不明者も多くに上っております。政府としましても、行方不明者の捜索に全力を挙げるとともに、今後とも一層応急対策及び復旧事業の強力な推進を図ってまいることといたしておりますので、よろしく御協力、御配慮をお願い申し上げる次第であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#24
○議長(徳永正利君) ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。古賀雷四郎君。
   〔古賀雷四郎君登壇、拍手〕
#25
○古賀雷四郎君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表しまして、今回の九州地方を中心とした集中豪雨災害について、総理ほか関係閣僚に対し、そのとるべき緊急対策について質問を行うものであります。
 まず、質問に先立ちまして、今回、史上二番目と言われる大豪雨により、死者、行方不明の人命被害は三百六十名に達せんとし、家屋の全壊、流失、床上浸水、道路、橋梁の損壊、河川のはんらん、がけ崩れ、土石流等甚大な被害の発生を見て一いるわけであります。被災者の皆様には心からお見舞い申し上げますとともに、不幸にしてとうとい人命を失われました御遺族の方々には謹んでお悔やみを申し上げ、衷心より御冥福をお祈り申し上げたいと存ずる次第であります。あわせて、いまだ三十七名の行方不明の方々につきましては、一日も早い捜索によりこれが救出できますことを心から祈念いたすものであります。
 今回の災害にかんがみて、わが党におきましては、早速、西日本集中豪雨等災害対策本部を発足させ、事態の緊急適確な処理のため、本日、二階堂本部長を長崎に派遣いたしておりますほか、その他の被災地区の実態調査のため数班の調査団派遣も予定をいたしております。
 私は、これら党派遣団に先立ちまして、党代表の見舞い団長として、去る二十六日、長崎市の被災者を見舞い、激励し、被害の実態を時間の許す限り調査いたし、県市等関係当局と打ち合わせをいたしたところでありますが、これまで関係県市町村当局及び自衛隊、消防団等の各機関、さらに民間ボランティア等皆様方が文字どおり昼夜を問わず御尽力賜っておりますことを心から感謝申し上げる次第であります。今後とも一層事態の復旧に対処願いたいと思うものであります。
 今回の豪雨災害の状況につきましては、ただいま国土庁長官より詳細御説明がありました。気象状況、被害現況及び政府の方針の説明もありました。以下、数点につきましてお伺いをいたします。
 まず、総理にお伺いしたいと思います。
 私は、今回の災害は典型的な都市災害と考えるものであります。戦後、台風災害を除く集中豪雨災害の主なものだけでも十一回を数え、すでに神戸、広島、呉、諫早など多くの被害実例があるのでありまして、最近の都市開発の現況からもってすれば、今後も異常気象いかんによっては再び大災害、大事故が懸念されるのであります。総理は、今次災害の実態をどのように受けとめられ、政府として今後総合的な対策をどのように講ぜられるのでありますか、その所見をお伺いいたします。
 これまで災害救助法の適用を受けている市町村は三十三団体、これら団体は国、県による財政金融上の援助を強力に求めています。被災地区の住宅復旧、中小企業対策、農地対策など早急に対処しなければならぬ施策を抱えているだけに、これに対する地方財政措置が必要であります。政府としてはこれらにどう対処されるのか。また、被災地区に対しては激甚災の指定及び天災融資法の発動を速やかに行う必要があると考えるものであります。特に飯盛町を中心とする長崎周辺の九カ町村に対しましては、いまだ調査が済んでいないと存じますが、格段の御配慮が必要と存じます。総理及び国土庁長官より明確な御答弁をお願いしたいのであります。
 今回の災害の特色は、渓流、がけ崩れによる死亡事故、都市河川のはんらんによる被害が多く出ております。急傾斜地危険個所は全国で六万四千カ所と言われているだけに、住民が安心して生活を送れるよう計画的な緊急対策を講ずる必要があると存じます。また、市内を流れております中島川、浦上川が一瞬にして溢水し、地形要因もあったとはいえ軒下まで溢水、はんらんしたことにかんがみ、集中豪雨に対処できるよう都市河川の改修、補強対策も急を要する課題であると考えるものであります。以上の問題につきまして、政府の見解と今後の抜本対策についてお伺い申し上げます。
 不幸にして損壊、流失した住宅については、これらの復興のために住宅金融公庫による緊急融資は言うに及ばず、応急仮設住宅、公営住宅等の建設が必要でありますが、これらの対策につきましていかがなさるのでありますか。
 また、急傾斜立地住宅による災害が人命被害の中心となっているだけに、建築確認のあり方、あるいは建築基準法に基づく災害危険地の指定の問題等、真剣に立法を含め検討すべきと思いますが、いかがでございましょうか。危険地における住宅立地の制限についても、また危険を予想される住宅等の対策についても建設大臣はどう考えておられるのでありますか、お尋ねいたします。
 被災者にとって、応急の生活物資の輸送はこれまた急務であります。長崎市はその地形から陸路の入り口が少なく、国道三十四号線、国道二百六号線、長崎有料バイパスときわめて少ないルートしかありません。幸い、政府の配慮により三十四号国道バイパスを二車線確保、さらに無料開放の措置をとっていただきましたことにつきましては感謝にたえない次第でありますが、主要幹線道路並びに国、県、市町村道の早期復旧に万全の措置をとるべきだと存じます。この対策を建設大臣にお伺いしたいと存じます。
 特に、この際御考慮願いたいと存じますことは、国道三十四号線が不通であるため、長崎から激甚な被災地である東長崎方面に行くのに、通常は十分で行けるところが現在数時間を要している状況であります。長崎――諫早間に臨時列車を増発し、ピストン輸送を願いたいと思うのでありますが、いかがお考えでしょうか、御答弁を願いたいと存じます。
 次に、都市施設対策についてでありますが、都市の市街化に伴って建築物の地下利用及び地下駐車場等の都市施設が急速に整備されております。一面、これらの施設は集中豪雨にきわめてもろい現象を今回呈したのでありますが、今回の経験にかんがみ、火災とあわせ地下利用対策についてどう考えておられるのか、お伺いいたしたいと存じます。
 豪雨による被害は、ひとり人命、施設の被害だけでなく、商店街を襲い、うら盆を前にした膨大な商品を水浸しにし、これによる中小企業者の損害額は莫大な額に上り、その自立復興さえ困難視されているのであります。政府は、政府関係金融機関に対し、被災者の必要な資金について長期低利かつ十分な融資枠の拡大等緊急措置を講ずべきであると存じます。これとあわせて、既往の貸付金の返済に猶予措置をとるとともに、今回の災害によって損害を受けられた納税者に対して税の減免、徴収猶予を行うなど温かい救済措置をとるべきだと考えますが、いかがでありましょうか。
 また、今日国家財政厳しき折ではありますが、政府としてはできる限りの財源対策を講ずべきであります。これに要する災害復旧事業費の財源対策についてどう対処されるのか。
 以上三点について、大蔵大臣臨時代理に見解をお伺いします。
 いま被災者は、不安と憂慮の中から、悲しみを乗り越えてその復興に立ち上がっております。われわれは被災者が安心して生活が送れるように、生業に精励できるよう万全の救済の手を差し伸べる必要があります。総理ほか関係閣僚におかれては、このことに十分心して、確固たる対策を速やかに実施されることを強く要請して、私の緊急質問を終わらせていただきます。(拍手)
   〔国務大臣鈴木善幸君登壇、拍手〕
#26
○国務大臣(鈴木善幸君) 古賀議員にお答えいたします。
 御質問にお答えする前に、先日の長崎市を中心とする西日本一帯を襲った異常豪雨により被災されました地方公共団体と住民各位に対し、衷心よりお見舞いを申し上げます。特に、今回の豪雨により亡くなられたり、いまなお行方不明になっておられる方が多数に上りましたことは、まことに痛ましい限りであり、心から哀悼の意を表します。
 まず、今次災害の受けとめ方などについてお尋ねがございましたが、今回の災害により甚大な被害が生じた原因は、急激にしかも短時間に記録的な豪雨に見舞われ、これに地形的条件などが重なったものと考えられます。今後は今次の貴重な教訓を生かし、所要の総合的防災対策を推進してまいる所存でございます。
 次に、被災地方団体に対する財政措置についてでありますが、災害応急対策及び災害復旧事業を推進するための地方交付税、地方債など必要な地方財政措置を講じてまいる所存でございます。
 なお、激甚災害の指定、天災融資法の発動につきましては、被災額の調査を急ぎ、早急に検討してまいりたいと存じます。
 残余の問題につきましては所管大臣からそれぞれ御答弁申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣松野幸泰君登壇、拍手〕
#27
○国務大臣(松野幸泰君) 被災地方公共団体の財政運営に支障が生ずることのないよう、被害の状況に応じ、地方公共団体に対する普通交付税の繰り上げ交付、災害復旧事業等の経費については地方債の配分あるいは特別交付税措置で対処することとしています。
 激甚災害の指定につきましては、目下関係省庁において鋭意被害状況の把握に努めているところであり、最終的な被害報告がまとまり次第検討することとしておりますが、特に中小企業関係については被害が甚大でありますので、被害額が確定次第、指定手続を行うべく検討を進めております。
 天災融資法につきましては、現在農作物の被害状況の把握に努め、その調査の結果を待って発動するよう検討してまいりたいと考えております。
 激甚災害の指定及び天災融資法の発動のためには、その前提として被害額の把握が必要であり、現在関係省庁で調査を急いでいるところであります。非常災害対策本部としても、被災地についての調査をさらに進め、要件に該当するものについては所要の事務手続を早急に行うべく検討を進めております。
 道路では運送に限界がありますので、開通した長崎本線の新線の能力を最大限に活用するよう努めてまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣始関伊平君登壇、拍手〕
#28
○国務大臣(始関伊平君) お答えいたします。
 土砂災害危険個所におきましては、従来から、御承知のとおり砂防関係事業によりまして積極的に対策を進めてきたところでありますが、今回の災害の実態にかんがみ、土石流危険渓流の周知徹底、警戒避難体制の確立等を内容とした総合的な土石流対策を早急に発足させますとともに、いわゆる急傾斜地崩壊危険区域の指定の促進等についても積極的に進めてまいる所存であります。
 次に、集中豪雨に対処できるような都市河川の改修につきましては、都市化の進展に比べて都市河川の整備は遺憾ながらいまだに低い水準にありますが、今後とも、治水施設の整備を強力に推進してまいりますとともに、適正な土地利用の誘導等の総合的な治水対策をあわせて行うことによりまして、治水安全度の一層の向上に努めてまいる所存であります。
 次に、住宅についてのお尋ねでございますが、住宅金融公庫の融資につきましては、災害復興住宅資金の貸し付けを行うよう措置いたしたところであります。また、被災者用の住宅を確保するため、被災の状況を踏まえ、地方公共団体からの要請がございます場合には、災害公営住宅の建設についても積極的に検討してまいる所存であります。
 次に、建築確認に関する危険地における住宅立地の制限についてのお尋ねでございますが、急傾斜地やがけ崩れなどのおそれのある区域については、地方公共団体が条例で災害危険区域の指定を行う等により建築の規制を行うことができることとなっていますので、その的確な運用を図るよう指導してまいりたいと考えております。
 次に、主要幹線道路、国道、県道及び市町村道の復旧対策いかんとのことでございますが、ただいま主要幹線道路等の早期復旧に全力を挙げて努めており、有料道路の長崎バイパスについては昨日全面開通するとともに、当面、無料化の措置を講じ、すでに実施いたしたところであります。
 さらに、地下街については、関係省庁が協議の上、それぞれ指導監督、検査等を強力に行い、防災その他に関して管理の適正を期するよう指導しております。特に、地下街の構造及び設備については、地震、火災、水害などの災害に対して十分に安全なものとするほか、防災保安、緊急時の措置等に関する管理規程をまた各地下街の設置者に定めさせ、管理の適正を期しておりますが、このたびのような異常時の例も参考にし、さらに安全に対し万全を期する所存であります。(拍手)
   〔国務大臣河本敏夫君登壇、拍手〕
#29
○国務大臣(河本敏夫君) 御質問は三項目ございますが、第一は、政府機関からの貸付枠を拡大せよ、同時に、既往の貸付金については返済猶予をせよと、こういうお話でございますが、すでに政府関係の中小企業金融三機関、住宅公庫、医療公庫及び環衛公庫に対しましては、七月二十四日から二十六日にかけまして災害貸付制度の発動を指示いたしております。また、被害者に対しましては、既往の貸付金の返済猶予についても、災害貸付制度の発動と同時に必要な措置を講ずるようにいたしております。それから低利融資制度である激甚災害貸し付けの適用につきましては、被害状況の取りまとめができ次第、関係省庁と協議をいたしまして適切に対処することになっております。
 御質問の第二点は、災害を受けた地域に対する税の取り扱いをどうするかということでございますが、被害の著しい長崎県の一部の地域につきましては、本日、申告、納付等の期限の延長の地域指定を行ったところでございます。なお、その他の地域の被災納税者に対しましては、個別指定によりまして対処をすることにいたしております。このほか、救済措置といたしまして、災害により住宅、家屋に損害を受けた納税者に対しましては、被災者の申告や申請によりまして、被害の程度に応じて納税の猶予、租税の軽減、免除、それから徴収猶予等を行うことといたしております。これらの救済措置及び手続につきましては、その趣旨の周知を十分に図り、被災納税者の救済に万全を期したいと考えております。
 第三点は、災害復旧事業費の財源をどうするかということでございますが、本年度の予算に災害復旧費が計上されておりますので、それによりまして対処をいたしますが、なお不足をする場合には予備費をもってこれに充てる、このように考えておりまして、災害対策の財源につきましては万全を期したいと考えております。(拍手)
#30
○議長(徳永正利君) 鈴木和美君。
   〔鈴木和美君登壇、拍手〕
#31
○鈴木和美君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま政府より報告のありました昭和五十七年七月豪雨災害の件について、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 七月中旬以来断続的に降り続いた雨は、二十三日夕刻に至って、長崎地方を中心に一時間当たり雨量が百ミリを超える豪雨となり、西彼杵郡長浦岳では最高百五十ミリを記録いたしました。この集中豪雨は、長崎県を初め九州各県、中国地方、さらには四国、近畿にも甚大な被害をもたらし、死者、行方不明者は三百数十人という最近にない悲惨な人的被害を発生させました。
 私は、ここに、亡くなられた方々の御冥福を心から祈るとともに、被災されました方々にお見舞いを申し上げる次第でございます。
 同時に、被災地の現状は惨たんたるものであり、被災者の窮状ははかり知れないものがあります。この災害に当たって政府がとられた緊急措置に対してはそれなりの評価はいたしますが、今日に至るもなお行方のわからない人の発見、収容には万全の対策を講ずるとともに、被災された方々に対しては温かい援護の手を差し伸べ、被災地の復旧作業などには最大限の努力を払われるよう強く要望するものであります。
 さて、長崎市に過去最大規模の被害をもたらした豪雨は、予想を超える降雨量のため、その降った雨は宅地開発などで保水機能を失った山の斜面を伝わって中島川、浦上川などに流れ込み、急速に増水して流下していきました。その流水の猛威は、いまから約三百五十年前の寛永十一年につくられた日本最古のアーチ型石橋、眼鏡橋をも破壊してしまい、濁流に転落した人は、悲しいことでありますが、助ける間もなく水中にのみ込まれてしまうという激しいものでありました。一方、山腹に広がる新興住宅では、がけ崩れや土石流が相次ぎ、家屋は埋没し、多くの人が生き埋めになるという惨状を呈したのであります。
 この豪雨災害の原因を考えてみますと、一つには、記録的な豪雨とそれに満潮時が重なるという自然的悪条件によるものであり、もう一つは、長崎市が地形的にも急傾斜の山に囲まれた坂の町で、住宅地も山の上に向かって無秩序に広がっていったという都市化のあり方に原因が求められると思うのであります。
 こうした原因で災害が発生するのは長崎市に限ったことではありません。全国各地で、特に人口が集中し、都市化が促進されているところでは、今後とも災害が発生することが予想されます。したがって、このまま予防工事をしないまま現状を放置するなら被害はますます大きくなるばかりで、いわゆる人災となるでありましょう。今次の豪雨災害を目の当たりにした国民は、自分の町に集中豪雨があったときのことを想像し、どのような思いをしたことでありましょうか。この豪雨災害の原因を政府はいかに認識しておられるのか、まず総理にお尋ねしたいと思うのであります。
 また、このような災害に当たりまして、政府は、国の責任でなく個人の責任である、すなわち国家賠償や補償の責任はないという考え方に立っておられるようでありますが、福祉国家論からすると誤ったものと言わざるを得ません。たとえば、災害見舞い金制度の設立が議員立法方式によって行われているということを見ましても、政府の基本的態度がここにあらわれています。この自然災害の責任は国が持つべきであるというわれわれ社会党の考え方に対して、総理の基本的な見解をお伺いしたいのであります。
 続いて、集中豪雨による被害を未然に防止し、また軽減するための具体的対策について質問いたします。
 まず、今次災害が想像を絶する局地的な集中豪雨によって洪水、山崩れなどが起こり、多くの家屋が浸水し、押しつぶされたのであります。それにも増して三百数十名の犠牲者を出したことを考えますと、何とかして人命だけでも守ることができなかったかということであります。
 政府がことしの防災白書において述べております「気象観測の充実と予警報の発表」は、局地的な集中豪雨など狭い範囲で時々刻々変化する気象に対しては、その現象を正確かつ迅速に把握して、これをもとに住民に気象情報を提供し、予警報を発表していくこととしております。今回の災害に際しても、長崎海洋気象台は、二十三日の午後三時に大雨洪水注意報を出し、同四時五十分には警報に切りかえたのであります。しかし、それがどのような被害をもたらすか、だれもそれほど深刻には考えていなかったのではないかと思うのであります。その結果、直ちに対処して発令すべきであった長崎市の避難命令もおくれ、事実上間に合わず、市内では帰宅途中で雨宿りしているうちに濁流に巻き込まれた人もおるのであります。
 これらを考えますと、今度の長崎豪雨のように想像を超える雨量と、地形的に洪水になるまでの時間の短い都市河川に適した洪水予報システムや住民への情報伝達システムを開発するとともに、避難誘導などの計画を確立して災害を未然に防止することが急務であると思います。さらに、住民が洪水警報や避難命令を甘く見て、それほど深く心にとめず、早く避難するなど適切に行動しなかった点なども考えると、防災意識向上のため、ふだんからの防災教育を徹底して行うべきであると思いますが、この点に関する今後の政府の対策を自治大臣にお伺いしたいのであります。
 次に、最近の災害の特徴は、大河川のはんらんに比較して、都市中小河川のはんらんが非常に多いことであります。長崎豪雨被害も典型的な都市型水害と言えましょう。この点について、第一に注意しなければならないのは、人口の都市集中によって、これまで遊水地の役割りを果たしていた農地や森林が宅地化され、流域に降った雨の大部分が短時間で河川に流れ込み、被害を増大する結果となっていることであります。
 第二点としては、長崎市において見られるように、平野部が少なく、宅地開発が山間部に広がり、急傾斜地における防災対策が講ぜられないまま都市化が進められているということであります。このため、山は削られ、樹木は切り倒され、水に対して地盤は極端に弱くなり、土砂崩れ、山崩れなどを誘発しやすくなっているということであります。また、長崎市のように、良港に恵まれてはいるが、市街地は平野部が少ないため背後の山地が開発されている町は、神戸や横浜を初めとして全国に多く存在していると思うのであります。このような町では地形性降雨としての集中豪雨が起こりやすいとも言われ、災害の発生が予想されます。
 このような状況の中にあって、中小河川の整備状況は、全国を眺めて、時間雨量五十ミリの降雨に対応できるところは約一七%という低い水準なのであります。地域住民の安全な生活を守るためには、流域における保水遊水機能の維持確保と治水施設の整備を強力に進める必要があると思いますが、建設大臣の見解をお伺いしたいと思うのであります。
 さらに、治水五カ年計画による都市中小河川整備事業をできるだけ繰り上げて実施する考えがあるかどうか、あわせて建設大臣に答弁をお願いします。
 さらに、中小河川の整備基準として、時間雨量五十ミリの降雨に対応した整備が進められておりますが、今回も一時間に百五十ミリという豪雨を記録しております。これを、記録的な思いもかけぬ集中豪雨であるからとして災害発生もやむを得ないという受けとめでなく、このような集中豪雨にも対応できる治山治水施設の整備と安全対策の確立を推進すべきだと思いますが、政府の方針を伺います。
 また、土砂災害危険地の整備状況は、土石流発生危険渓流が約六万三千渓流、急傾斜地崩壊危険個所が約六万四千カ所あるのに対して、土石流発生危険渓流の整備率は五十五年度末で約一三%にすぎないのであります。その進捗率も毎年一%に満たない現状にあります。このため、今後とも治山及び砂防施設の整備を推進することが絶対必要であります。このことは防災白書においても述べられておりますので、この対策推進についての具体策について関係大臣はいかなる見解をお持ちであるのか、伺いたいのであります。
 さらに、山を削ってつくられる住宅開発については、この際改めて点検し、見直すべきではないかと思いますが、建設大臣の見解をお伺いします。
 これとあわせて、背後地としての山地における森林の保護についてであります。
 私は、かつて参議院の災害対策特別委員会においてマツクイムシによる松の被害と災害予防効果を取り上げ、その対策について政府にただしたことがあります。その対策費は関係議員の皆様の努力によって今回も八十億円余になりましたが、政府が購入する戦闘機一機の価格にも及ばないのであります。もちろん松対策だけで十分でないことは当然でありましょう。このような政府のマツクイムシ対策一つをとっても、森林保全が不十分で、結果として森林の荒廃を呼び、ひいてはこれが災害を招くもとになっているのであります。森林の緑を守り、保安の重要な使命を持つこの治山対策の促進について、農水大臣のお考えをあわせて伺っておきたいと思うのであります。
 次にわが日本社会党は去る七月二十八日、総理大臣に対し七月集中豪雨災害対策に関する申し入れをいたしました。
 その中の特徴的なものを挙げれば、激甚災法の指定については、指定基準を緩和し早急に指定されたいこと。被災母子家庭、生活保護世帯の救済のため、母子福祉資金、生活保護援護金の引き上げ及び生活資金貸し付け、住宅復興融資、公営住宅の優先入居などの措置を講ぜられたいこと。被害を受けた県、市町村の行う災害復旧事業及び民生安定施策に要する経費については、特別交付税の交付により全額補てんするとともに、普通交付税の繰り上げ交付について早急に手続されたいこと。中小企業商工業者の事業被害の救済と経営及び従業員の雇用安定のため、政府系中小金融機関による融資などについては、激甚法指定による特例制度を含め、手厚い措置を講ぜられたいことであります。
 これらの諸点について、災害担当大臣である国土庁長官からまとめて見解をお伺いしたいのであります。
 最後に、今回の長崎市を中心とする災害が、先進工業国、経済大国と言われている日本において起きたということであります。雨が多く降ったというだけで多数の犠牲者を出したということは、政府の基本施策が経済偏重の政策であり、さらには軍備増強に走り、国民の生活基盤の拡充、社会資本の整備を怠って、国民が安心して生活できる環境をつくることを考えなかったあらわれだと言っても過言でありません。政府は行財政改革を施策の柱として進めておりますが、真の行革とは、国民生活を安全に、国民のニーズに沿った行政を実行することであり、これが政府の基本方針でなければならないと思うのでありますが、総理大臣の見解を承って、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣鈴木善幸君登壇、拍手〕
#32
○国務大臣(鈴木善幸君) 鈴木議員にお答えいたします。
 最初に、被災地の復旧作業に最大限の努力をせよとの御要請がありましたが、このたびの豪雨災害に対する応急対策と復旧対策につきましては、政府の非常災害対策本部において万全を期するよう指示いたしております。
 なお、豪雨災害の原因につきましては、今回の災害は急激なしかも短時間に集中した記録的な雨量の豪雨に見舞われたことによると考えられますが、これに加えて、平地部が狭く山に囲まれた長崎の地形的条件が重なったため、多くの土砂の流出と河川のはんらんが生じ、甚大な被害が生じたのではないかと考えております。
 次に自然災害の責任は国が持つべきであるとの社会党の考え方についてお尋ねがありました。
 申し上げるまでもなく、自然災害の態様も多種多様でありますので、国、地方公共団体はもとより、地域住民につきましても、それぞれの責任に応じまして必要な措置をとるということが適当であると思います。国といたしましても、災害対策基本法を初めとする各種の法制に基づいて、災害対策を国政の重要な課題として推進しているところであり、今次の災害につきましても、被災者の救済と早期復旧に万全の措置を講じてまいりたいと存じます。
 最後に、行財政改革に関連して、国民生活の安全確保を行革の基本方針とせよとの御要請がございました。
 御指摘のとおり、国民生活の安全確保は行政に課せられた基本的な使命の一つであり、政府としてもかねてからこの点につき配慮してきているところでございます。ただ、この点を含めて、真に必要な施策が十分達成できるようにするためにも、行財政改革の徹底的な推進が必要であるという事情についても十分御理解を賜りたいと存じます。
 残余の点につきましては所管大臣から答弁をいたさせます。(拍手)
   〔国務大臣松野幸泰君登壇、拍手〕
#33
○国務大臣(松野幸泰君) 各般にわたり申し入れを受けましたが、政府としては、さきに申しましたように、非常災害対策本部を設け、速やかに今後とるべき対策を決定し、その推進を図っているところであります。
 関係者の御尽力により、すでに市民生活と密接な関係にある電気等回復のための措置、道路、鉄道等の交通確保等の応急対策は相当の進捗を見ておりますが、今後ともこれら応急対策を推進するとともに、被災者や被災中小企業等の救済措置、公共施設の復旧措置など必要な対策を関係省庁及び地元地方公共団体との密接な連携のもとに講じてまいる所存でございます。(拍手)
   〔国務大臣世耕政隆君登壇、拍手〕
#34
○国務大臣(世耕政隆君) お答えいたします。
 災害の予報あるいは情報の伝達を厳しく行って今後の対策に資するにどうであるか、こういう御質問でございますが、まことにそのとおりでございまして、住民に対する気象情報とか災害情報の伝達、避難の指示などについては、地方公共団体の地域防災計画に定められているところであります。しかしながら、今回の教訓を生かしまして、厳しく災害危険性の見直しを行って、日ごろの防災教育一避難訓練の徹底を今後期してまいりたいと存じております。
 災害時における避難の勧告、指示につきましては、無線あるいはサイレン、半鐘、広報車、職員の巡回などあらゆる情報連絡手段をとって、迅速な伝達が確保できるように指導しているところでございますが、状況に応じて的確に対処できるよう今後とも一層の努力をしてまいる所存でございます。
 その次に、議員御指摘の防災教育をさらに徹底しなければいかぬのではないか、こういう御指摘でございましたが、まことにおっしゃるとおりでございまして、非常に防災教育の重要性については日ごろから強く認識しているところでございます。
 二つの方向で今後行ってまいらなければならないのでございますが、一つは、積極的に国民に対して防災知識の提供をしなければならない。これは自主防災組織とか婦人団体あるいは婦人防火クラブなどの民間防火防災組織の活動を通じまして、この知識の修得に努めていただくように指導しているところでございます。二つ目には、平常における防災訓練の実施が教育の上で最も大きな効果をおさめているという実績がございまして、今後の教育訓練において、災害の予報とか警報と並行して、これに対応する速やかなる避難について特に重点を置いて教育活動を行ってまいりたい、こういう所存でございます。(拍手)
   〔国務大臣始関伊平君登壇、拍手〕
#35
○国務大臣(始関伊平君) 私に対する最初の御質問は、治水施設、特に都市河川整備事業を急ぐべきではないかという点についてでございますが、都市化の進展が著しい河川につきましては、治水施設の整備を強力に推進いたしますとともに、御指摘のように流域の保水遊水機能の維持確保、それから水害に安全な適正な土地利用の誘導というようなこと等を内容とする総合的な治水対策を推進しておるところでございます。
 また、都市の中小河川の整備につきましては、第六次の治水事業五カ年計画というものがございますが、その中でも特に重点事項といたしておるわけでございまして、この計画の着実な達成を図ることによりまして都市部中小河川の整備率の大幅な向上を図ってまいりたいと考えております。すなわち、このために昭和五十七年度を初年度とする第六次治水事業五カ年計画におきましては、著しく整備の立ちおくれている中小河川、特に都市河川の整備について促進を図るとともに、土石流等土砂害対策等に重点を置いて事業の推進を図ることといたしております。
 さらに、事業の実施に当たりましては、災害発生の状況等を勘案いたしまして対処をすることとしており、安全な国土の保全に今後とも努めてまいる所存でございます。五十ミリというのは一応の標準でございまして、場所によりましては七十ミリ、八十ミリというようなことを前提といたしまして、河川の整備に努めておるところでございます。
 それから次に、総合的な土砂災害対策についてでございますが、土砂災害の危険個所におきましては、従来から積極的に整備を進めてきたところでありますが、今回の災害の実態にかんがみ、砂防関係事業の促進に加えて、土石流危険渓流等の周知、それから急傾斜地崩壊危険区域の指定の促進、また警戒避難体制の整備、住宅移転の勧告等を内容といたしました総合的な土砂災害対策を関係省庁と調整を図りながら進めてまいる所存でございます。
 次に、山を削って住宅地をつくった丘陵地などの傾斜地における宅地開発の問題について、これを見直すべきではないかという点についてのお話でございますが、この問題につきましては、都市計画法による土地利用上の規制がございますし、また宅地造成工事に対する規制、これは宅造法でございます。それから建築行為に対する規制、これは建築基準法に基づくものでございます。それから危険がけに対する対策等を行っているところでございますが、今回の一連の災害における被害の実態を踏まえまして、それぞれの視点から急速に必要な検討を行いまして今後に備えることといたしたい、かように存じております。
 以上お答え申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣中川一郎君登壇、拍手〕
#36
○国務大臣(中川一郎君) 治山事業につきましては、従来から緊急かつ計画的な実施に努めてきたところでありますが、今後とも、先般閣議決定された第六次治山事業五カ年計画に即して、山地災害危険地区の整備を重点的に促進を図ってまいる所存であります。
 また、森林を開発等から保全するため、森林法に基づき国土保全等の機能の大きい森林については保安林制度により、また、保安林以外の森林につきましては林地開発許可制度等により対応してまいりたいと考えております。
 今回の災害を教訓として、今後とも治山事業及び森林保全施策に万全を期してまいりたいと思います。(拍手)
    ―――――――――――――
#37
○議長(徳永正利君) 原田立君。
   〔原田立君登壇、拍手〕
#38
○原田立君 私は、公明党・国民会議を代表して、長崎県、熊本県、大分県等を襲った昭和五十七年七月豪雨災害について質問を行います。
 質問に先立ち、まず今回の集中豪雨で不幸にして一瞬のうちにとうとい生命を失われた三百二十二名の方々に対し、深甚なる哀悼の意を表し、心より御冥福をお祈り申し上げます。
 また、一週間を過ぎた今日、いまだに行方がわからない三十七名の方々に対して、一日も早い発見と、三百五十二名にも及ぶ負傷者の方々の回復を祈念いたしますとともに、罹災者の皆様に心からお見舞い申し上げるものでございます。
 私も、直ちに二十四日、二十五日と、救援物資を持ち、罹災者の激励と現地の災害実態を調べてまいりました。山肌をつめでぐっとひっかいたような跡、あるいは乗用車の横転した姿、ごみの山、あるいは胸まで、首までもつかる水の量、多くの人々のがっくりした顔等々を見、その悲惨な状況は目を覆うような実態でございました。
 さて、今回の長崎県地方を中心に襲った集中豪雨は、幾つかの悪条件が重なった結果とはいえ、私は人災によるところがきわめて強いと指摘しなければなりません。私は、西日本各地を襲った昭和四十二年七月豪雨災害に対して、同じこの本会議場で、二度とこのような災害が起こらないよう、とうとき人命と財産を守るためにも万全の対策で臨むよう関係各省庁に対してその対応を指摘してまいりました。にもかかわらず、今回の大惨事を引き起こしたということは、政府の災害に対する対応の甘さを私は責めずにはおられません。
 当時の佐藤総理は、「災害から国土と国民の生命、財産を守ることが政治上の基本的姿勢である」と、こう言っておりました。しかし、長崎県にあっては、昭和三十二年七月諫早市の集中豪雨、四十二年七月佐世保市、そして今回五十七年七月の長崎市を中心とする集中豪雨による大災害、三回も受けております。すなわち、政府の災害対策の甘さから大惨事は起こるべくして起きたものと指摘せざるを得ません。
 総理、今回の事故について、その責任をどう考えておられるのか。また、今回の災害に対しては、現地では、激甚災害法を早急に適用して災害復旧に全力を挙げて取り組んでくれという要請が強く出ております。調査調査と言って後に延ばすのではなしに、即刻早急に指定をすべきであると思いますが、総理大臣のお答えをお聞きいたします。
 さて、質問の第一は気象観測と予報体制についてであります。
 長崎市の場合、今月十日過ぎからの降り続きで、二十三日以前ですでに六百ミリを超す雨を吸い込んでおり、気象台では七月十日以降五回にわたり大雨洪水警報を発令して、二十三日は六回目の警報を出して市民に注意を呼びかけていたにもかかわらず大惨事に至った原因は、適切な避難命令の発令が県及び市当局からなされていなかったからだと、こういうようなことを聞いております。予報体制及び避難命令が欠けていたのではないかと思うのであります。気象台、県、市当局との横の連絡など、防災体制の確立や気象観測技術の面からも抜本的対策が必要だと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 第二に、無秩序な開発造成による都市化対策についてでございます。
 今回の災害の実態を見る限りにおいては、昭和四十二年七月の集中豪雨災害の教訓が全く生かされていないばかりか、十分な防災安全対策がなされないまま安易な開発造成を許し、都市化を促進させてきた結果が被害を倍加させたものであり、無計画な都市化が招いた人災と言わざるを得ません。
 長崎市は、旧市街地は三方を山に囲まれているため平野部はきわめて狭く、宅地開発が山の傾斜地にへばりつくように上の方に広がっている。皆さん方も御承知でございましょう。山腹に広がる新興住宅地ではがけ崩れや土石流が発生し、鳴滝、本河内奥山、川平の三地区では地区の大半が押し流され、生き埋めなどの惨事を招いております。私はその現場に行って本当に悲しいことだと思いました。
 こうした危険地帯は全国に点在し、がけ崩れが心配される急傾斜地危険個所、地すべり危険個所、土石流危険個所は全国で十三万二千三百三十三カ所、そのうち長崎県は千八百二十二カ所の多きを数えております。地元長崎県で本年五月策定した水防計画では、土石流発生危険地区は県下四千四百三十八カ所、対象家屋十五万三千八百八十一戸、長崎市内では五百六十七カ所、一万三百四十七戸と明記しております。
 この災害防止の立場から、山の傾斜地での宅地開発や高台に集中している宅地造成規制法等についてこの際厳しく見直すべきだと考えます。これらの地域については整備を今後どう進めていくのか、お伺いしたいと思います。
 第三に、河川対策についてでございます。
 最近の水害は、今回の集中豪雨同様の都市河川のはんらんが多いことであります。洪水、浸水対策のかなめは何といっても河川対策であります。建設省は昭和五十七年度から第六次治水事業五カ年計画がスタートしておりますが、現在の整備率は、大河川五八%、中小河川一八%、このうち浸水の危険がある都市河川の整備率も三八%土石流の危険のある渓流の整備率もわずか二一%と低く、全国的に多くの危険地域を抱えております。しかも、都市河川の場合、一時間の降雨量が五十ミリ程度を目標にした改修であり、ある程度の集中豪雨があればすぐ事故の発生につながり、一時間百ミリもの降雨量には全く手の施しようがないというのが現在の都市河川対策の実態であります。国民の生命、財産を守る立場から、都市河川の場合、一時間百ミリ以上まで耐えられるようにすべきであると思うのであります。
 建設大臣、いかがですか。山、坂の多い長崎市の中島川、浦上川のような特殊な地形、都市構造などから、一時間百二十ミリ以上を想定して整備をすべきだと思うのであります。建設省もそういう指導をしているようでありますけれども、大蔵省で予算をつけない、だから七十ミリ、九十ミリぐらいの整備しかしてないというのが実態であります。日常生活に隣接している都市河川の整備促進についても急を要する重要課題であります。整備率の引き上げについてどのような計画で進めていくのか、お伺いいたします。
 第四に、防災に対する財政対策についてでございます。
 さきに指摘したとおり、災害防止、最小限度に災害を食いとめるためにも財政の裏づけがなければ進みません。気象観測技術の向上や、きめ細かな予報体制の確立、あるいは治山治水対策の強化による危険地域の整備率の引き上げなど、財政面の強力な援助が必要だと考えますが、御所見をお伺いしたい。
 第五に、被災地では再興、復旧を目指して懸命な努力が続けられておりますが、先立つものは何といっても資金でございます。何年、何十年とかかって築いた財産を一瞬のうちに倒壊された方々、あるいは地元商店街では中元商品や旧盆を迎える商品が山積みにされておりましたが、そのほとんどが水浸しに遭い、壊滅的な打撃を受けております。この際、災害復旧のための政府系資金の融資拡大、借入金の返済繰り延べや、民間金融機関にあっても借入金の返済繰り延べなどの指導をすべきだと考えますが、これらの点についてどう対処されるのか、お伺いいたしたい。
 私は、現場の被災地に入ったとき強く感じたことは、まず消防団、警察官等々を初め、多くの人たちが泥まみれになって救援活動に従事しておられる姿に深い感銘を受け、心から感謝いたした次第であります。また、人命救助は当然ながら、国鉄、道路決壊の修理、水、電気、ガス等の復旧促進がもっと手早く行われなければならないということであります。人命救助に投入する機械、人員の増強と同時に、まず道路の改修であります。基幹となる道路が改修されなければ救援物資も送れない。皆いらいらとした焦燥感を持つのみであります。強力な人力、機械力を投入すべきであると思うのであります。この道路はいつごろでき上がるのか、国道三十四号線、長崎バイパス・喜々津――長与時――津を回る道路の改修はいつごろか、また、水、ガスはどの方面はいつごろでき上がるのか等々、スケジュールを明確にしてほしいと思うのであります。
 政府の温かい血の通った施策を強く強く求め、誠意ある御答弁を要望し、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣鈴木善幸君登壇、拍手〕
#39
○国務大臣(鈴木善幸君) 原田議員にお答えいたします。
 まず、このたびの災害がこのような大きな被害をもたらした原因につきましては、急激なしかも短時間に記録的な雨量の豪雨があったこと、平地が少なく急峻な山地が多い地形などの要因が重なり合って生じたものと考えております。
 なお、自然災害に対しましては、国、地方公共団体はもとより、地域住民においてもそれぞれの責任において必要な措置をとることとなっておりますことは御承知のとおりであります。
 激甚災害の早期指定の問題でございますが、その前提となる関係省庁の被害額把握を急ぎ、要件に該当する場合にはできる限り速やかに指定するよう最善の努力を払ってまいりたいと存じます。
 残余の問題につきましては所管大臣から答弁をいたします。(拍手)
   〔国務大臣松野幸泰君登壇、拍手〕
#40
○国務大臣(松野幸泰君) 自然災害に対しては、国、地方公共団体はもとより、地域住民においてもそれぞれの責任において必要な措置をとることになっております。
 このたびの災害がこのような大きな被害をもたらしたのは、急激にしかも短時間に記録的な雨量の豪雨に見舞われたことによるものと考えるが、平地が少なく急峻な山地の多い地形などの要因が重なり生じたものと受けとめております。
 激甚災害の指定については、目下関係省庁において鋭意被害状況の把握に努めているところであり、最終的な被害報告がまとまり次第検討することにしておりますが、特に中小企業関係につきましては、被害が甚大でありますので、被害額が確定次第、指定手続を行うべく検討を進めております。
 基幹道路の復旧を急いでおりますが、国道三十四号線は崩壊個所が多く、復旧にはなお一カ月程度を要する見込みでありますが、長崎バイパスは二十九日二車線開通し、無料化を実施しています。国道二百七号は県において鋭意努力しているところであります。
 また、水道施設の被害により断水した戸数は、長崎の約十三万戸を初め、佐賀、熊本、大分の各県を含め、合わせて約十五万戸に達しましたが、七月二十九日現在、断水戸数は長崎市を中心とする約二万戸にまで回復しました。水道の未復旧地域においては給水車、給水船による応急給水を実施しておりますが、おおむね今週末までに平常に戻る見込みであります。
 ガスの供給再開については、保安確保に万全を期するため、作業員が各戸を巡回しながら確認し開栓作業を行っており、八月二日ころまでに全戸に供給できる見込みであります。(拍手)
   〔国務大臣小坂徳三郎君登壇、拍手〕
#41
○国務大臣(小坂徳三郎君) 気象業務の重要性につきましては十分認識をいたしておりまして、従来からも充実強化に努めておるところでございます。今回の豪雨災害にかんがみまして、今後なお一層情報の迅速な伝達提供等に努力をしてまいりたいと考えております。
 なお、気象庁長官とも、この豪雨災害以後、種々こうした問題について具体的に前進を図るよう協議をいたしておるところでございます。(拍手)
   〔国務大臣始関伊平君登壇、拍手〕
#42
○国務大臣(始関伊平君) 第一点は、今回の宅地災害の状況にかんがみまして、宅地造成等規制法を見直すべきではないかという御質問であったと存じます。
 この点につきましては、ただいままでの調査によりますと、今回の災害の場合、同法の対象区域における造成宅地につきましては、そこに宅地造成をしたということが直接の原因となって被害が生じている事例は少ないのではないかというふうに見受けております。しかしながら、市街化区域であるということで余り住宅建設に適当でない場所に住宅がつくられる、また既成の市街地についても被害が起こっておるのでございますので、今後とも住宅を建設すべき区域の適切な指定、それからまたいろいろ宅造法あるいは建築基準法等によりまして規制がございますが、規制の的確な運用等を図りまして宅地災害の発生防止に万全を期してまいりたい。さらに、今回の災害の状況を詳細に分析いたしまして、法制度の見直し、強化の必要があるかについても十分研究してまいる所存でございます。
 それから次に、急傾斜地崩壊の危険個所につきましては、これは非常にたくさんあるわけでございますので、危険度が高く保全人家戸数の多い個所から計画的に崩壊防止工事を進めているところでございますが、今後とも急傾斜地崩壊危険区域の指定の促進を図り、また崩壊防止工事を実施いたしますとともに、警戒避難体制の整備を進めまして災害の防止に努めてまいる所存でございます。
 次に、河川の改修につきましてただいま二つの点について御質問があったと思います。一つは、地域の実情に応じて河川改修計画を策定すべきではないかということであり、いま一点は河川、特に都市河川の整備率をもっともっと引き上げるべきではないかという二つの点でございまして、二つともごもっともと存じております。
 河川改修計画の策定に当たりましては、過去の主要な洪水と災害の発生の状況など地域の実情を総合的に考慮しておるのでございまして、その実施に当たりましては、地方河川もあるわけでございますから、地方公共団体を十分指導しているところでありますが、今後なお一層配慮してまいる所存でございます。
 それから整備率の問題でございますが、昭和五十七年度を初年度とする第六次治水事業五カ年計画を策定いたしまして治水事業を強力に推進しておるわけでございまして、河川改修率の引き上げをその結果図ることといたしておりますが、今後とも、治水事業五カ年計画は枠が決まっておりますけれども、その中で都市河川等特に重点順位をも決めまして、大事なところから整備率が上がっていくということについて万全の努力をいたしたいと、かように考えております。
 以上お答え申し上げます。
   〔国務大臣河本敏夫君登壇、拍手〕
#43
○国務大臣(河本敏夫君) 治山治水事業の取り扱いをどうするかという御質問でございますが、これは事業の重要性にかんがみまして、五十八年度予算編成の基本方針におきましても、マイナスシーリングという原則がございますが、その対象外として取り扱っていく、こういうことになっております。
 それから罹災者の金融対策でございますが、その一つであります災害貸付制度につきましてはすでに発動をしております。また、既往の貸付金の返済猶予につきましては、災害貸付制度の発動と同時に、必要に応じて措置をすることになっております。
 さらに、民間の問題でありますが、民間の金融機関に対しましては、現地の財務部を通じまして、災害の状況等を勘案して適切な措置を指示しております。これを受けまして現地金融機関は、債務者の被害の状況等の申し出に応じまして、既往の債務の返済繰り延べ措置を含めました弾力的な対応を行っておるところでございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#44
○議長(徳永正利君) 下田京子君。
   〔下田京子君登壇、拍手〕
#45
○下田京子君 私は、日本共産党を代表して、長崎県を中心にした九州地方で多数の人命を奪った豪雨災害とその対策について、緊急に総理並びに関係大臣に質問いたします。
 質問に先立ちまして、亡くなられた方々と御遺族の皆さんに心からのお悔やみを申し上げ、被災者の皆さんにお見舞いを申し上げます。
 同時に、私は、毎年豪雨や台風シーズンの訪れとともに繰り返される悲惨な事故に対して、深い悲しみと同時に、防災に対する行政の大きな立ちおくれに強い怒りを抑えることができません。このたびの大惨事で、長崎県飯盛町では、出産のため里帰りしていた姉と妹が、二人とも生まれたばかりのかわいい赤ちゃんともども土砂の下敷きとなって亡くなられたということです。また、長崎市では、二歳の坊やをかばうように抱きかかえたまま息絶えていったお母さんの姿などが、災害の悲惨さをまざまざと物語っています。
 私は、まず、国の政治の最高責任者としての総理に対して、この災害に対する御見解をお伺いいたします。
 また、私は、このたびの大惨事で犠牲になられた皆さんに対していま政治が報い得ることは、第一に、直ちに万全の応急救済措置をとることはもちろん、二度と再びこうした被災を繰り返さないというかたい決意と具体的な防災対策を示すことだと思いますが、いかがでしょうか。
 次に、防災行政の基本についてお尋ねします。
 災害対策基本法には、「国は、国土並びに国民の生命、身体及び財産を災害から保護する使命を有することにかんがみ、組織及び機能のすべてをあげて防災に関し万全の措置を講ずる責務を有する。」と、明確に災害対策に関する国の責任をうたっています。この精神を受けて、政府は、このたびの長崎県を中心とする災害からどんな教訓を引き出しているのでしょうか、また今後の防災のあり方についてどのような対応をされるのか、国土庁長官からそのお考えをお聞かせください。
 第二に、洪水対策のかなめと言われる河川改修のあり方について、総理並びに建設大臣にお尋ねいたします。
 その一つは、大幅におくれている河川改修をどうするかという点です。特に、このたび長崎市ではんらんした中島川、浦上川のような中小河川の整備率は、一九八一年度末でわずか一八%にすぎません。政府は、今年度から新たに第六次治水事業五カ年計画をスタートさせましたが、五年後の一九八六年度末でもこの整備率は何と二三%、わずかに五%のアップにとどまっています。もしこのまま推移したとすれば、整備完了は実に七十年も先のことになるのです。
 私は、昨年、第九十五臨時国会の行財政改革に関する特別委員会の質問で、治水対策、河川管理のおくれを指摘しましたが、その際鈴木総理は、「特に災害復旧、また災害が起こらないようにという防災の問題、これは今後も重点的にやってまいりたい」と答弁されています。ところが、実態はどうでしょうか。総理の答弁とは全く逆に、本年度の河川改修のための予算は臨調によるゼロシーリングを受けて前年度に比べ一%も削られているのです。金額にして十七億九千五百万円です。総理、あなたはこの事実をどう説明されますか。責任ある答弁を求めます。
 二つ目には、その具体的な施策として第六次治水事業の見直しをぜひとも行うべきであると思いますが、そのお考えがあるかどうか、建設大臣にお伺いします。
 第三に、今回の災害で特に人命被害を大きくした問題点として指摘しなければならないのは、がけ崩れによる死亡者が現在確認されただけで九十三人にも達していることです。そしていまなお、がけ崩れの土砂の下で多くの行方不明者がいるという事実であります。
 坂の町と言われる平野部の少ない長崎市、そこで都市の拡張に伴ってがけ崩れの危険の大きい地域にまで住宅が建てられたこと、これが被害を大きくしたのは明白です。まさに無計画で、安全を無視した都市づくりを野放しにしてきた行政の責任が厳しく問われなければなりません。このがけ崩れ防止の対策が早急に必要な危険個所が現在全国で実に五万五百カ所、うち工事完了がわずかに十三%です。ところが、ことしの予算は伸び率ゼロ、このまま行ったら危険個所の解消にあと二十年以上もかかるというスローテンポです。しかも、長崎県において危険個所の見直しを行った結果、危険個所が現在の四倍以上にふえていたことが明らかになっております。
 私は、この際、危険個所の一斉見直しを実施するとともに、国のがけ崩れ防止対策五カ年計画を策定し、計画的に事業を進めるよう提案するものです。建設大臣に見解をお伺いします。
 第四に、住民に対する警戒避難体制がどうだったかという点であります。
 大雨が続いた後の集中豪雨だっただけに、大災害が十分予測されたことであり、住民への緊急避難指示を早期に出しておれば犠牲を最小限にできたのではないかと残念でなりません。こうした避難体制は、災害対策基本法に基づく防災基本計画や地域防災計画に定められていますが、これが真に実効あるものと言えるのでしょうか。
 私は、防災対策の中に民主主義を貫く必要があると思います。地域の防災計画は、地域住民も参加した調査、点検に基づき、歴史的に蓄積された住民の経験や知恵を生かして作成すること、こうした地域の総力を結集した防災計画こそが住民の防災意識も高め、防災対策のエネルギーになると確信します。私はこの際、防災計画の責任者である総理に、その抜本的な見直しを要求するものです。
 最後に、私は、緑豊かな日本、安全で平和な日本の国土づくりのために、二つの点でいま行政の転換が必要であることを指摘し、その対応を求めます。
 一つは、公共投資の流れを変えることです。大企業中心の港湾、道路などの産業基盤への投資を生活基盤の充実や安全な国土づくりのための投資に大きく切りかえることです。このことがいかに軽視されてきたかは、戦後の水害被害額が約二十四兆円に対して治水投資額が約二十兆円という事実からしても明らかです。
 さらに重大なことは、アメリカのレーガン政権の限定核戦争構想にくみして、軍事費を異常に突出させるために、臨時行政調査会路線により福祉、教育予算とともに防災予算を抑えてきた鈴木内閣の姿勢にあります。いまこそ軍事費を削って国土の保全と災害から国民の生命と財産を守ることを最優先させるべきではないでしょうか。これ以上の誤りと災害を繰り返さないために、人間の命を最も大切にする政治の実現のためにも、総理が真の勇気を持って災害対策に当たられることを重ねて要求するものです。
 日本共産党は、当面の災害復旧はもとより、災害に強い国土づくりのために全力を尽くす決意を表明して、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣鈴木善幸君登壇、拍手〕
#46
○国務大臣(鈴木善幸君) 下田議員にお答えを申し上げます。
 このたびの九州地方の豪雨災害により多数の死者を出しましたことは、まことに痛ましい限りであります。これまでも応急対策には万全を期してまいりましたが、今回の災害の教訓を踏まえ、今後とも防災対策を国の重要課題として取り組んでまいる所存であります。
 次に、河川改修がおくれているとの御意見がありましたが、治水事業は国民の生命、財産を守る基本的な事業として長期的な視野に立って計画的に進めているところであります。このたびの災害を踏まえ、今後とも事業の計画的推進に努めてまいりたいと存じます。
 なお、警戒避難体制を実効あるものとするため防災計画を見直せとの御意見がありましたが、御承知のように、地域防災計画は、防災関係機関を網羅した地方防災会議において策定され、防災行政の総合性と計画性の確保を図っているところであります。もとより地域防災計画に定められた避難体制を住民に周知せしめることはきわめて重要でありますので、平常時における住民参加の訓練の実施につきましても、より一層指導を徹底してまいりたいと思います。
 次に、国土保全優先の公共投資をせよとの御意見についてでありますが、治山治水などの国土保全のための投資につきましては、これまで他の社会資本との均衡を図りながら十分配慮してきているところであります。今後とも国土の安全を図るという観点から必要な配慮をしてまいる所存であります。
 最後に、防衛費を削っても国土保全を優先せよとの御意見がありましたが、国土保全の重要性につきましては申すまでもないことであり、今回の概算要求枠でも、これを含む投資部門の経費は削減対象から外すことといたしております。
 残余の点につきましては所管大臣から答弁をいたさせます。(拍手)
   〔国務大臣松野幸泰君登壇、拍手〕
#47
○国務大臣(松野幸泰君) このたびの豪雨災害により、多くのとうとい命が失われたことはまことに遺憾であります。急激にしかも短時間に記録的な雨量の豪雨に見舞われ、急峻な山地の多くの個所でがけ崩れ、土石流等の土砂災害が生じたため、このような甚大な被害が生じたものと考えられます。今次災害の経緯にかんがみ、治山事業、都市河川の改修、急傾斜地崩壊対策事業など防災事業をより一層推進するとともに、住宅地開発における防災対策の一層の推進が必要であると痛感した次第であります。(拍手)
   〔国務大臣始関伊平君登壇、拍手〕
#48
○国務大臣(始関伊平君) お答えいたします。
 このたびの集中豪雨被害などの実情にかんがみまして、第六次治水事業五カ年計画の見直しをいたしまして、そこで予定しておる事業の繰り上げ実施を行うべきではないかという点が第一点の御質問かと存じております。
 御承知のように、第六次治水事業五カ年計画におきましては、中小河川、特に都市河川対策と土石流対策等に重点を置いて事業の推進を図ることといたしております。また、本計画におきましては、河川流域の開発、災害復旧事業の進捗状況等を総合的に考慮いたしまして弾力的にその実施を図ることとしておりまして、今後とも計画的に五カ年計画を推進していくよう努めてまいる所存であります。
 治水事業五カ年計画をいま直ちに見直すというわけにもまいらぬと思いますけれども、これは五年間の全体の計画を予定しておりまして、毎年毎年の予算はそれに基づきまして年度別に決まるわけでございますので、幸いと申しますか、本年は公共事業につきましてはマイナスシーリングの枠から外されましてゼロシーリングである。また、シーリングとは別に、公共事業の実態にかんがみまして、国民経済への重要性からいたしまして、予算の査定の際にも十分配慮しようということになっておるわけでございますので、予算の獲得についても万全な努力をし、かつその予算の執行に当たりましても緊急度を見まして御期待にこたえるようにしたい、かように存じております。
 また、急傾斜地崩壊危険個所の問題、がけ崩れの危険のある個所の問題でございますが、この点につきまして全国的に見直しをしたらどうか、またさらに、がけ崩れ対策事業の五カ年計画を策定すべきではないか、こういうお話でございます。
 がけ崩れは、今回の災害におきましても被害の程度を非常に大きくした大きな要因でございまして、ただいま五十六年度から全国的に崩壊危険個所の調査をいたしております。現在集計中でございますので、その結果を見まして、急傾斜地崩壊対策事業五カ年計画とともに今後検討してまいりたい、かように存じております。
 以上お答えいたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#49
○議長(徳永正利君) 伊藤郁男君。
   〔伊藤郁男君登壇、拍手〕
#50
○伊藤郁男君 私は、民社党・国民連合を代表いたしまして、九州地方を中心に襲った今回の集中豪雨災害に関し、総理並びに関係大臣に対して若干の質問を行うものであります。
 まず初めに、今回の集中豪雨によって亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げるものであります。また、いまなお行方不明となっている方々の救出及び被災地の復旧作業、防疫対策などのため、日夜挺身されている関係者の皆さんの御労苦に深く感謝申し上げるものであります。
 さて、民社党は、水害発生後直ちに党内に豪雨非常災害対策本部を設置いたしまして、七月二十四日から調査団を長崎に派遣してきたところでありますが、祈りと坂の町長崎は、無残にも土砂と瓦れきの町と化し、根こそぎ流失した石橋や立ち木の残骸、陥没した道路が被害の悲惨さを物語っておりました。被害の範囲は長崎県にとどまらず、九州、四国、中国、近畿の十四府県にも及んでおり、死者、行方不明者は三百人をはるかに超える数となっております。
 そこで、まず、政府として今次災害にいかに対応されたか、また今後緊急に取り組むべき施策をどう行っていくかという点に関してお尋ねしてまいりたいと思うのであります。
 最初に激甚災害の指定についてであります。
 今回の集中豪雨の被害が災害対策基本法に言う激甚災害に当たることは、いまさらここで指摘する必要もないでありましょう。政府は速やかに今次災害を激甚災害に指定すべきだと考えるのでありますが、総理の御見解を承りたいのであります。
 また、国土庁長官は、すでに委員会審議を通じて激甚災害の指定をお約束なさったと承っております。にもかかわらず指定がおくれているのは、指定までの事務処理に時間がかかるためと聞いておりますが、これは事実でありましょうか。
 そうであるとすれば、きわめて重大な問題だと言わざるを得ません。被災地長崎のまず最初の要望はこの激甚災害の指定でありました。被災した自治体は一刻も早く災害の処理のため全力を尽くすのでありますが、当然財政的な制約がかかってまいります。これに対し国がいち早くバックアップの体制を整えるならば、自治体の対応の度合いもおのずからより迅速に、より積極的に行うことができるようになるでありましょう。にもかかわらず、一刻を争う災害への処理に対し、国の事務手続に時間がかかるために激甚災害の指定がおくれるという仕組みはいかがなものでありましょう。この点についての総理並びに国土庁長官のお考えをお聞きしたいのであります。
 次に、集中豪雨による土砂の堆積と道路の陥没は、九州の主要幹線道路及びその他の国・県・市町村道をずたずたに切り裂き、通行不能といたしております。道路交通の遮断は住民生活にさまざまな影響を与え、食糧の不足による物価の高騰、給水車、じんかい収集車等の通行不能などの状態を引き起こしております。また、御承知のとおり、夏から秋にかけてが集中豪雨の最も多い季節でありますし、復旧のおくれはより被害の拡大をもたらしかねません。したがいまして、再度の災害防止のために主要河川の改良普及、砂防対策、急傾斜地崩壊対策を早急に行う必要があります。よって政府は、被災地に対しこれら公共事業の早期重点配分を行うべきであると思うのでありますが、これを行う用意があるか否か。
 また、これを行うためには予備費を取り崩す以外にありませんが、それだけでは恐らく十分な改良復旧事業はできません。五十七年度の補正予算を組んで災害復旧関係の公共事業の大幅な増加を行う必要があると考えるのでありますが、総理、大蔵大臣はこの点についてどのように対処されるおつもりなのか、明確なる御答弁をいただきたいのであります。
 次に、今回の水害によって中小企業者並びに農業従事者の方々は大きな痛手をこうむっております。特に、中小小売業者の商品並びに店舗施設は甚大な被害を受けているため、政府金融機関の特別融資、商品被害に対する救済措置をさらに拡充していただきたいのであります。また、被災した農家に対して、天災融資法の適用による天災資金枠の配分並びに自作農維持資金の災害特別枠の配分等について特段の配慮を行うべきであると考えるのでありますが、これらについて関係大臣の御答弁を承りたいと存じます。
 次に、流失、損壊した家屋の再建を急ぐべきでありますが、とりあえず、いまなお体育館等に避難している関係住民のための仮設住宅の建設を行う必要があると考えますが、政府としてどのように対応しておられるのか、お尋ねいたします。あわせて、小中学校等の学校施設の被害も多大であり、その早期復旧によって第二学期の学校運営に支障を来さないようにすること。また、その後三十度を超す炎暑の中で水道がいまなお使えず、炊事も洗濯もままならぬ状況を強いられている主婦の皆さんの疲れはピークに達していると伝えられています。したがって、衛生、防疫面の対策は緊急の上にも緊急であると考えます。この面の徹底を期さねばなりません。対策をお聞きいたします。
 次に、家屋を流された被災者の中で、高齢者世帯は家屋再建の能力を持たず、あるいは新築した住宅のローンの返済が始まったばかりのときに土砂崩れで家屋を失った方々もおります。これらの方々の家屋の再建、修築等に対し特段の措置を講ずる必要があると考えるのでありますが、建設大臣はいかがお考えでありましょうか。
 最後に、戦後四十年に至ろうとする今日まで、わが国は数々の水害を経験してまいりました。この間、防災対策に関して相当の成果を上げていることを認めるのにやぶさかではありません。特に台風についてはそうであります。しかし、今回のような局地的な集中豪雨による土石流、河川のはんらんなどの災害への対応はいまなお不十分であると言わざるを得ません。
 特に、今回の災害の例をとりましても、人口の都市集中による都市生活圏の増大、急傾斜地への家屋の密集及び急速な乱開発、低平地への住宅地域の拡大など都市水害の危険性は十分に指摘され得たはずであります。今後政府に課せられた大きな課題は、単なる治水工事の促進のみならず、国土開発、都市開発を進める上でいかに災害対策の面から考慮するか、突発災害に強い町づくりをいかに進めるかという点であろうと思いますが、今後の防災対策の基本姿勢を総理にお伺いいたすものであります。
 強力な台風や梅雨前線による今回のような豪雨は日本の宿命であり、毎年襲ってまいります。これらの災害に備え抵抗力をいかにつけるか、抜本的な対策の確立の必要性を訴えまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣鈴木善幸君登壇、拍手〕
#51
○国務大臣(鈴木善幸君) 伊藤議員にお答えいたします。
 先般、記録的な豪雨により長崎県を中心に各地で大きな被害を生じましたことはまことに残念であります。政府といたしましては、現在応急対策の実施、早期復旧の推進に全力を挙げて取り組んでいるところであります。
 激甚災害の指定につきましては、その前提となる関係省庁の被害額把握を急ぎ、要件に該当する場合にはできる限り速やかに指定するよう最善の努力を払ってまいります。
 次に、被災中小企業者に対する救済措置についてでありますが、政府は、すでに長崎、熊本、大分の三県において政府系中小企業金融三機関の災害貸付制度の発動を指示いたしております。この結果、被災中小企業者は通常の借入額とは別枠で災害復旧資金の借り入れなどが可能となっております。
 最後に防災対策の基本姿勢についてお尋ねがございましたが、わが国土は台風常襲地帯、地震多発地帯に位置するなど、自然的、気象的条件により自然災害に見舞われやすい状況にございます。このため、国土開発、都市開発を進めていく上では、このような国土の自然的条件に即応した配慮を行っていくことが特に重要であると考えており、今後これらの施策を強化してまいる所在でございます。
 残余の問題につきましては所管大臣から御答弁をいたします。(拍手)
   〔国務大臣松野幸泰君登壇、拍手〕
#52
○国務大臣(松野幸泰君) 激甚災害の指定については、目下関係省庁において鋭意被害状況の把握に努めているところであり、最終的な被害報告がまとまり次第検討することとしておりますが、特に中小企業関係については、被害が甚大でありますので、被害額が確定次第、指定手続をとるべく検討を進めております。
 今回の災害により住宅をなくされ、自力では住宅を確保することができない方に対しましては、災害救助法による救助として、応急仮設住宅を可能な限り設置することとしております。
 現在までのところ被災地において伝染病の発生があったとの報告はありませんが、被災地におきましては、県の指示のもとに市町村が消毒の実施、総合的な防疫活動を進めておりまして、特に被害の大きい長崎県では隣接県、福岡県、佐賀県の応援を得て防疫対策に万全を期しているところであります。
 被害を受けた小中学校については、第二学期からの教育に支障を来さないよう適切な措置を講ずるよう指導しており、また、公立学校施設の災害復旧については、早急に復旧費の補助等の所要の措置を講ずることとしております。
 わが国は、台風常襲地帯、地震多発地帯に位置するとともに、平地に乏しく、沖積平野を中心として経済社会活動を営む宿命にあり、自然災害により被害が起きやすい状況にあります。国土開発を進めていく上では、このような国土の自然的条件に即応した防災事業の実施、土地利用規制など、防災上の配慮がきわめて重要であると考えております。(拍手)
   〔国務大臣始関伊平君登壇、拍手〕
#53
○国務大臣(始関伊平君) 今回の集中豪雨災害によりまして被害を受けました公共土木事業の復旧の問題でございますが、この点につきましては現地の体制が整い次第、つまり、ただいま調査なり設計なりをいたしておりますので、そういうものができ上がるのを待ちまして緊急査定をいたしまして、予算を配分して復旧の事業に取りかかりたいと、かように準備をいたしておる次第でございます。
 道路等につきましては、長崎バイパスあるいは三十四号国道等につきまして相当程度の復旧が進められておることにつきましては、すでに御報告を申し上げたとおりでございます。
 それから防災対策についての基本姿勢の問題でございますが、これはただいま総理大臣から御答弁がございました。要するに、元来自然的な条件が災害が起こりやすいのでございますが、都市化の進行がこの災害を非常に多発させ、また大きくしているわけでございます。したがいまして、国土開発、都市開発を進めるに当たりましては災害からの安全性の確保に配慮しながら進める、これが根本でございます。要するに新たに市街地をつくる場合には災害の発生の危険性のある区域を避ける、これが重点でございまして、これを実施するためのいろいろな法的手段も講ぜられておりますので、この措置に従いまして総合的な意味での災害防止を進めてまいりたい、かように存じております。
 それから住宅の問題についてお尋ねでございますが、返済能力のない高齢者などについてどうするかという点が一点であったと思いますけれども、住宅金融公庫法には、災害によりまして元利金の支払いが著しく困難となった場合には、償還期間、利率等貸付条件の変更措置を講ずることができるようになっておりますので、この制度によって善処するよう住宅金融公庫を指導してまいります。
 それから被災者が住宅の建設または補修を行う場合につきましては、住宅金融公庫において一般の貸し付けよりも有利な貸付条件、金利が安いとか、それから据え置き期間があるとかいうような点で有利な災害復興住宅資金貸付制度という制度がございますので、これによってやらせるように公庫に通知をいたしたわけでございます。
 それから被災者収容のための収容施設として公営住宅をつくろうというふうなお話がございますれば、現地の計画を聞きまして、政府といたしましてもできる限りの援助、御協力を申し上げる、かように考えております。
 以上御答弁申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣中川一郎君登壇、拍手〕
#54
○国務大臣(中川一郎君) このたびの豪雨災害に際しては、被災後直ちに担当課長及び係官を現地に派遣し、災害状況の把握に努めるとともに、緊急地区の応急工事、被災個所の復旧工法等について指導を行っているところでございます。
 また、復旧事業については、事業主体の準備が整い次第、緊急査定を実施し、早期着工が図られるよう努めてまいります。
 次に、今次豪雨による農作物被害についての天災融資法の発動及び自作農維持資金の融資については、目下被害状況の把握に努めているところであり、判明次第実情に即した適切な措置をとってまいります。(拍手)
   〔国務大臣河本敏夫君登壇、拍手〕
#55
○国務大臣(河本敏夫君) 災害の財政措置をどうするかということでありますが、災害復旧の緊急課題であるということ、またその重大性にかんがみまして、災害復旧に支障のない財政措置を講ずるつもりでございます。
 お尋ねの第二点は、中小企業の商品被害をどうするかというお話でございますが、これは災害貸付制度はすでに発動しておりますが、この制度が発動されますと、商品被害に対しても対応できることになっております。同時に、既往の貸付金の返済猶予に対しましても対応できることになっております。
 以上でございます。(拍手)
#56
○議長(徳永正利君) これにて質疑は終了いたしました。
     ―――――・―――――
#57
○議長(徳永正利君) 日程第二 災害弔慰金の支給及び災害援護資金の貸付けに関する法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。災害対策特別委員長福間知之君。
   〔福間知之君登壇、拍手〕
#58
○福間知之君 ただいま議題となりました災害弔慰金の支給及び災害援護資金の貸付けに関する法律の一部を改正する法律案について、災害対策特別委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、衆議院災害対策特別委員長提出に係るものでありまして、その内容は、法律の題名を「災害弔慰金の支給等に関する法律」に改めるとともに、災害により負傷し、または疾病にかかり、治ったときに著しい障害がある者に対して、市町村が一人当たり百五十万円を超えない範囲内で災害障害見舞い金の支給を行うことができることとし、その費用については市町村と都道府県が四分の一ずつを、国が二分の一を負担する制度を設けようとするものであります。
 委員会におきましては、趣旨説明を聴取した後、別に質疑もなく、鈴木和美理事より、本法律案を昭和五十七年七月十日以後に発生した災害にさかのぼって適用するものとする各派共同提案の修正案が提出されました。
 次いで討論に入りましたが、発言なく、修正案並びに修正部分を除く原案について順次採決の結果、いずれも全会一致をもって可決され、本案は修正議決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#59
○議長(徳永正利君) これより採決をいたします。
 本案の委員長報告は修正議決報告でございます。
 本案を委員長報告のとおり修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#60
○議長(徳永正利君) 総員起立と認めます。
 よって本案は全会一致をもって委員長報告のとおり修正議決されました。
     ―――――・―――――
#61
○議長(徳永正利君) 日程第三 昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員長上條勝久君。
   〔上條勝久君登壇、拍手〕
#62
○上條勝久君 ただいま議題となりました法律案は、地方公務員共済組合の退職年金等の額を、恩給の改善措置に準じ、本年五月分から平均約五%増額し、最低保障額を引き上げるとともに、市町村職員共済組合の短期給付に係る財政調整事業を実施するほか、地方団体関係団体職員及び地方議会議員の年金制度についても年金額の増額等所要の改正を行おうとするものでありまして、衆議院において施行期日等につき所要の修正が行われております。
 委員会におきましては、年金の統合問題、年金改定の実施時期、既給一時金の控除方法等について熱心な質疑が行われました。
 質疑を終局し、次いで日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合の共同提案に係る年金改定を四月から実施することを内容とする修正案について山田委員より趣旨説明が行われました。
 採決の結果、修正案は賛成少数をもって否決され、本法律案は賛成多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して、共済組合制度の充実を図るための措置について全会一致の附帯決議を行っております。
 以上御報告いたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#63
○議長(徳永正利君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#64
○議長(徳永正利君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十三分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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