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1949/03/01 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 農林委員会 第8号
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1949/03/01 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 農林委員会 第8号

#1
第007回国会 農林委員会 第8号
昭和二十五年三月一日(水曜日)
   午後一時四十三分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○農地証券に関する件
○農地改良助長法の一部を改正する法
 律案(内閣提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(楠見義男君) それでは只今から農林委員会を開会いたします。
 本日は農業改良助長法の一部を改正する法律案の質疑に入るわけでありますが、昨日申上げましたように、緊急の問題として、この法律案の審議に入ります前に、農地証券の買上償還に関する問題につきまして、大蔵当局から出席を煩わしまして、質疑或いは意見の交換をいたしたいと存じます。農地証券の買上償還の問題につきましては、御承知のように、本年度十億、昭和二十五年度四十二億五千万円の償還の方針が決定してあるわけでありますが、この買上償還に関して、先般大蔵省から告示が出たのでありますが、その告示を中心にして問題が起つておるのでありまして、即ちその告示によりますと、買上機関は日本勧業銀行及び北海道拓殖銀行の本店、支店及び出張所というふうに掲げられそおりまして、このことが、非常に数の少ないこれらの金融機関に限られておることが、農村から見れば非常に不利、不便を感ずる、特に全般的ではないと思いますが、一部には、例えば勧銀あたりで預金確約書を徴して支拂いをするとかいうような、これは噂さであれば幸いでありますが、そういうような声が聞えたり、或いは又、買上金額は一世帶一回限り額面五千円までというふうになつておるので、この五千円までということで、いわゆる金額について、勧銀側の自由裁量的に取扱われる虞れがあるということ、或いは又砂糖の購入通帳を提示するというようなことに関連しまして、いろいろ問題が生じておることは御承知の通りであります。農村金融機関としての農業協同組合がネグレグトされておるということと同時に、只今申しましたように、預金確約書を徴して、勧銀がこれを告示の精神なり、買上償還の趣旨に反したようなことが行われんとしており、このことは農村金融の逼迫し、できるだけ資金を農村に滯留せしめて、それを積極的に農業増産なり、その他の面に活用することが強く要請されておるときに、地方的応は問題も生じておるのでありまして、かねてこの問題は両院における農政研究会においても真剣に、又憂慮の念を以て取扱つておりました。昨日農政研究会で大蔵当局と折衝をされたそうでありますが、この委員会といたしましても、かねて重大な関心を持つておりましたので、本日正式にこの問題を委員会として取上げるようにいたした次第でございます。お手許に大蔵省の告示が参つておると思いますから、それを参照しながら御覧頂きたいのでありますが、昨日農政研究会で大蔵省の財務局の小林国庫課長と種々折衝をいたした要領を御参考までに披露いたしますが、小林国庫課長から、次に申上げますような答弁があつたのでありますが、その答弁を逆にして、この答弁から見て、このようなことが問題になつたということを御想像頂きたいのであります。答弁せられましたことは、一つは、告示の三に定めた一世帶一回限り額面五千円までとするとあるのに、勧銀で限度までの買上を拒み、その以内に止めようとする点は不適当であるから、勧銀に連絡して、かかることのないようにする。それから、第二番目には、告示の四で、買上機関を勧銀並びに北拓の本、支店、出張所とすることにより、遠隔農民の買上を受けるのに経費を要する点は同情に堪えぬから、成るべく農業協同組合で代理受領されることを望む、従つて農業協同組合の代理受領に協力するよう勧銀に注意をする。三番目は告示の五、買上請求者が提示することになつている農地買収令書及び砂糖購入通帳に代えるに農業協同組合の代理受領の場合は農地委員会の証明書にせよとの申入れは、自分だけでは決定できぬ。但し一般の個々の買上請求の場合は砂糖通帳の提示だけでなく、支拂月日、支拂金額を記入し、責任者の認印を捺印せしめて、旧地主以外に渡つているものに支拂いのないよう監督する。四、未償還農地証券の担保差入禁止の解除は大蔵省だけではできないが、趣旨には賛成である。以上に対し至急措置し、措置の模様を連絡する、こういうようなお話があつたようであります。本日は改めて理財局長と、国庫課長の両氏を御出席頂きまして、先程申上げましたように、委員会として正式に取上げることにいたしたのでございますが、理財局長は司令部の方の関係でそちらに行つておられるそうでありまして、併し直接担当の主務課長である小林国庫課長がお見えになつておりますので、各委員から御質疑等ありますれば、この際にやつて頂きたいと思います。尚、只今私御披露いたしました回答の点について間違つておる点、或いは足らざる点、その他ございますれば、この機会に小林課長からも御訂正を頂きたいと思います。大体この問題に関する経緯を申上げまして御参考に供します。
#3
○北村一男君 あなたが最初に一番早く五千円、額面五千円についておつしやつたことをもう一遍おつしやつて下さい。
#4
○委員長(楠見義男君) 一世帶一回限り額面五千円までとするとあるのに、勧銀で限度までの買上げを極み、それ以内に止めようとする点は不適当であるから、勧銀に連絡して、かかることのないようにする。これは一応本年十億、明年度四十二億五千万円ということになつておつて、予算の金額が大体決まつておる。一方世帶数というものは、これはいくら調査してもなかなか分らない。そこで大体額面五千円までということにしておるのですが、大体は五千円は出せるんじやないかと思うのですが、それを、この支拂機関の方で自由裁量的にやり、或いは又先程申上げたような預金の確約書を徴するというようなことに引つかけてやれれるということを非常に危惧いたしておる。従つてその点がこの回答から見て逆に想像すれば、昨日の農政研究会で問題になつたのじやないかと思います。私あいにく出ておりませんでしたから詳細は分りません。
#5
○説明員(小林英三君) それでは只今のことについて補足的に私の方から説明して頂きます。先ず買上げ機関のことにつきまして、勧業銀行、北拓の本店、支店及び出張所以外のものについても、特に今お話のように農業協同組合の方を買上機関にしたらどうかという御意見があつたわけでありますが、実はこの国債につきましては、一般的にはいわゆる国債代理店という所でやるのが国債の償還の常道であります。併しそれでは非常に限られておるわけでございますので、特にこの農地証券の方の交付をやつておりましたこの勧銀と北拓を、特にこの農地証券の関係の事務を取扱わせるという法律の規定になつておりますので、これを活用するということにしたわけであります。ただこの問題が国債という関係になつておりまして、いわゆる国庫金の問題になつておるわけであります。そういうさけでありまして、いろいろ農業協同組合の方もいろいろ国会関係の機関というようにして呉れという要望はあるのでございますが、現在の段階といたしましては、まだ研究中でございまして、これも国債代理店というような形にまだなつておらないわけであります。そういう点で私の方としてはこういう買上機関にしたわけでありますが、只今いろいろこの前もお話ありましたような、特に農村に関係の深い金融上の問題のみならず、いろいろな点において非常に密接な関係のあるところの農業協同組合を利用してはどうかと、こういうようなお話でございまして、私の方としてもその点について十分考えたわけであります。ただこの点について私の方としては現在、先程も出ましたようなことで、農業協同組合の方で特にこの一括受領代理と、こう申しましようか、して頂くまうになれば、私の方としても非常に便利で、又速かにできるんじやないか。ただその場合に農業協同組合の方でやつた場合においては、そうした買収令書とか、或いは砂糖購入書というようなものを持つて来ないで、無條件に農業協同組合が扱つたものは買つて呉れんかと、こういうようなお話もあつたわけでございますが、まあ現在私の方でこの砂糖購入書とか、或いは令書とかいうようなものをどうして要るかと言えば、これは一世帶一回限り額面五千円とするということで、先程委員長からお話がありましたように、予算の金額がら制限されておるというので全体にできない。そこで五千円という、初めは三千円でございましたが、できるだけ多く返そうというので、資金的にたまたま約五十何億くらいになつたものでございますから、五千円までとすると、そうしてこれも公平に行き渡るようにして、特に間違いのないはうにいたしたいという関係で、資格を確認する最も簡便な、そうして御迷惑のかからないような方法はどうかというので、実はこの農地証券の買上機関に関する要領全部についても、農林省の関係の向と非常にいろいろ相談してできたものでございまして、まあこれ以外手はないんじやないかということで、実はこうしたわけであります。遠い所から、或いは又勧銀の店と離れておるような方には或いは非常に時間的に、或いは又旅費的にと言いますか、経済的な負担もかかるかと思いますが、先・程出ましたような一括受領というようなことにおいてやつて貰うことにおいて、まあ忍んで貰えるのじやないかと、こういうように考えております。
 それから第二の預金の確約書につきまして、勧銀が云々というお話が出たわけであります。実は昨日お話がありましたので、早速勧銀を呼びまして、いろいろ状況を聞いたわけでありますが、御説の通り中にはそういう店において確約をしたというような点もあつたようでございます。で、この点につきましては、実に国の事務をやる部面と、一つは営業をやる部面と二つになつたという点において、これは出たことかと思いますが、私の方としては一切そういうことはやつて貰いたくないと、こういうようにしておるわけであります。ただ自発的に預金いたしますという方に来られる方については、これは別問題でございますので、ただそうした農地証券の買上事務をやるということを利用してやられることは非常に危険なことではないかと思つております。
 それからおついでまでに、或いは御説明したかと思いますが、実は農業協同組合の方或いは農林中金から聞いた話でありますが、農林中金の方では、今の一括受領というものは一種の預金吸収の手段として歩留りを狙つて預金をして貰うのだという話も聞いておりますが、これも又別の貯蓄奨励という面からそういうふうに考えられるものと思つております。それから例の五千円までの買上の限度でございます。これは五千円までとしたということは非常に誤解があつたかと思いますが、例えば世帶においてすでに三千円しかないものがあるということも考えられるのであります。それから沢山金額を持つておる方があるのは五千円までと、こういうふうなつもりでやつておるのでありまして、決して勧銀が自由裁量において五千円までの買上げの請求権がある方に三千円までしてよいというような自由裁量はないのでございます。これについては勧銀の方としては決してそういうことじやないのだ、こう申しております。理由といたしましては、先程出ましたように昭和二十四年度と申しますか、三月一杯にやるのが十億というようなことになつておりますので、農業協同組合或いは県信連の方といろいろお話して、或いは誤解を招いた点もあつたかと思いますが、決して勧銀としてはそういうように考えておらなかつたのでございまして、私達の考えておつた通りやつておる、こういうわけであります。若し又そういうことがあると困りますので、昨日もお話に出ましたように嚴重に私の方から注意したわけであります。それから先程の脈日お話の要約の点につきまして、大体今私から補足的に御説明した点で触れたと思いますが、残つておる問題といたしまして、或いは五千円の限度というに拘わらず、これを三千円にするというようなことにおいて残りの二千円を証券業者とか、いろいろなものから買う資金にするのじやないかというような誤解もあるという話を聞きまして、又今日もそういう話が出たわけでありますが、この点については勧銀側といたしましても、十分そういうことのないように、実は部内的に勧銀から嚴重な通知が出ておることを実は昨日初めて知つたわけでありますが、こういうように勧銀部内といたしましては、公平に而も旧地主の方にこの金が返るというようにやつておるのでございまして、そういうような事実が私達は今後もないだろう、こういうふうに思つておりますが、嚴重に今そういうことがないように私達の方でも注意して行きたいと思つております。
 尚ここで申添えてよいかどうか分りませんが、勧銀、北拓に対しては、只今ありましたような点、特に文章の点は別といたしまして、趣旨の点につきましては、近く勧銀、それから北拓の方に通知をすることといたしまして、実は今日呼びましてよくその趣旨を話して置きました。
#6
○委員長(楠見義男君) 他の委員から質問が出ると思いますが、その前に一応問題の点だけをはつきりして置きたいと思つております。先程私から披露いたしました答弁で大体間違いないていうことでございますれば、それに関連して二、三お伺いしたいのであります。それは農業協同組合の一括受領、代理受領ということについてはむしろ望んでおられる。従つてその場合に代理事受領に協力するように勧銀に注意する、こういう話ですが、この意味は勧銀はそういうような一括受領の要求があつた場合には拒んではいけない。こういうふうに取扱をすると言いますか、通知をして頂けるものと了解してよいわけでありますが、その点を先ず伺いたいのです。
#7
○説明員(小林英三君) そういうふうに拒むとか、拒まないというようなことでなく、むしろ勧銀へ積極的に協同組合の協力を受けるようにというように私の方はいたしたいと思つております。
#8
○委員長(楠見義男君) その次は、これは質問というよりは希望になるわけでありますが、代理受領の際に、できれば農地委員会の証明書によつてやるようにと、こういう申入れについてはまだ決定的な御意見はなく、自分だけで決定できぬということでありますが、これは希望になりますけれども、その希望も実は強い希望なんですが、それは御承知のように農地委員会というものは国家機関で、そうしてこの農地委員会の決定によつて先祖伝来の農地も国に買上げられるようにする機関でありますから、従つて普通の民間の委員会、機関等の証明というようなものとは、凡そ公証力において格段の差があるもので、一方では農地の買収その他については、今申しましたように国家機関としての使命、強い法的権限を與えておるのでありますから、一々買収令書或いは砂糖購入通帳というものを数多く取纏めて、そうしてわざわざそれを持つて行くというようなことにしないでも、この権威ある国家機関である農地委員会の証明で、政府としては十分足りるのじやないか、でなければ農地委員会を信用しないことになる。而もその信用しない農地委員会に、今申しましたような先祖伝来の農地の買収もさせる、こういうことは如何にも矛盾しておるように思われるので、この要求は私は決して無理な要求ではないように思うので、或いは本日も昨日と同じ程度の御回答しか得られないとすれば、その点は特にお考えを頂きたい、こういうように思いますが、どうですか。
#9
○説明員(小林英三君) 実は農地委員会の方にお頼みしようかということも、案としては出たわけであります。御承知の通り農地委員会は只今非常に忙がしい仕事をなさつておるのじやないか、私の方のことから申しますと、現在農地証券の交付、こう申しましようか、農地を買つた代金としての国債の交付なり或いは代金の支拂という問題が実はまだ残つておるのであります。この点につきましては、恐らく関係方面の方でも早く済ますようにというようなお話もある。或いは私の記憶違いかも知れませんが、新聞によりますと、出たようでございます。前に出ておつて非常に一生懸命やつておるようでありますが、如何せん、現在まだ百六十万件の書類があるのじやないか、これは実は農林省の方の確定的な数字もまだはつきり掴めないのであります。これが遅れておるのは一体どこに原因があるか、実はこの原因すらもはつきりしていないのであります。で私の方としては、実は今年の十二月までに全部終る、この予定も実は九月なり、十月に終る予定であつたのでありますが、これが十二月に延び、又今年の三月に是非共終るべく努力しておつたのでありますが、これもできない。これを又五月までに何とかしようというのでございますが、これもなかなか危ない、こういうことで、むしろ我々の方としては、この交付事務と言いますか、この土地改良の大問題の根本としての代金を渡すということ、それからどういうふうにしましたかというような、そういう少くとも我々の方面から見ましたならば、お願いする仕事が非常にまだ残つておるのじやないか。従つて只今委員長からお話がありましたように、実際にその仕事に携わつてよく知つておるのじやないかというお話もありまして、これも御尤もかと思うのでございますが、只今申上げたようなことで、むしろ私の方として、そういう瑣末と申しますか、困難な仕事を、一々面倒な仕事をお願いするのを遠慮いたしたい、それから逆に今度は勧業銀行側から見ますれば、これを扱つておる勧業銀行とすれば、農地委員会なり或いは県農地事務局の方からきちんとした報告が恐らくあつたことだろうと思いますが、大分訂正もあるようですから、困つておりますが、一応誰にやつたかということについては受領書にきちんと揃えてあるのでございまして、別段農地委員会の方の証明がなくても十分完全に責任を以て果し得るのじやないか、こういうような二つの理由を以ちまして、農地委員会の方の御苦労をお願いすることを遠慮したわけであります。従つて我々の方としましては、この農地証券の交付事務というようなことが進捗するという度合におきましては、これも考慮していいかと思つておりますが、何せ農地証舞の買上げにつきましては、できるだけ早い機会に皆様の方に均等に買えるようにしたい。従つてこれも私共の方としては大体六月一杯までには何としてでも出るようなことで勧銀を督促したい、こういうことでございますので、一つその点については折角今の御意見もありましたけれども、私の方としては更に研究はいたしますが、差当りこういうようなことで私共の方の事務を処理さして頂きたい。こう考えております。
#10
○委員長(楠見義男君) 今の点は農地委員会の事務に対しての好意あるお考えからのことなんですが、実はそれは全国的に見ますと非常に忙しいようなところもあり、又大体事務の完了したというようなところもある。そこで同じ大蔵省で農地委員会は大体仕事は完了に近い。従つて従来の書記二名は一名でもいいというので、明年度予算から書記を一名削つておるような実情でもありましで、一方は非常に好意的に、理財局はお考え下さつておる、同時に主計局は極めて反対な立場でお考えになつておるというような矛盾を、我々今の御意見を伺つて一層深めるわけであります。そこで実際問題として、そういうふうに好意的にお考え願つた上のことであるとすれば、農地委員会の証明書では駄目だと、こういうことではなくして、これこれの添付書類を必要とするの外に、或いはそれに代つて農地委員会の証明書があつてもいい。農地委員会でそういうような証明が事務運営の上から言つても、そうひどい負担ではなくてできるというところでは、そういうふうにして選択的にやれるということになれば、好意を持つてお考え願つておる理財局の御方針にも副うわけじやないか、こういうふうに思いますので、お考え頂きます場合においては、そういうふうに選択的にできると、こういうふうにとつて頂ければ非常に理財局の御趣旨にも副うのじやないか、こう思うのです。従つてそういうふうにお考え頂ければ仕合わせと思います。
#11
○説明員(小林英三君) 実はこれにつきまして、只今委員長のお考えにつきまして反対すると申しますか、私達の意見を述べさして頂きますれば、実は経費的に見ましても農地委員会へ差上げるものではないのであります。従つて農地委員会の方として好意を以て、少くとも費用的に現在の予算の範囲内においてそれに御協力下さるということで、又事実的にどこの委員会においてどうだというような、具体的に言いますれば、私の方は能力的ないろいろな点から見て適当だと思われるという点がございますれば、又農林省当局ともよく打合せしまして、具体的に研究するということにいたしたいと思つております。
#12
○委員長(楠見義男君) 私の方は、できれば制度的に、選択的にできるということが一番望ましいのじやないかと思つていますが、尚この点はよく検討頂きたいと思います。
#13
○説明員(小林英三君) それから今一つ、農地委員会の仕事として正式に農地委員会から証明を出せというようなことは、ちよと告示からは言えないだろうと思うのであります。ですから、これは別に法律の形で委員会の方の仕事として、そういう交付事務を何と言いますか、証明書を出せというような規定を別に設けないと、これはちよつと官庁にそういう仕事を仰付けるわけに行かないのだと、こういうふうに考えております。
#14
○委員長(楠見義男君) 制度的に農地委員会の証明書を出せとか、或いは農地委員会の証明書がなければいかんとか、そういうのじやなくて、これは確認をするための措置に過ぎないのでありますから、従つて農地買収令書及び砂糖購入通帳を添付するということも認める、又それに代つて農地委員会が証明をした場合も認める、こういうふうに強制的でなくて任意的な規定として、そういうことを考えて頂ければ非常に仕合せだと思いますから、よく検討を願いたい。
#15
○説明員(小林英三君) 具体的に実情に即したようなことで考えて行きたいと思つております。
#16
○委員長(楠見義男君) それから最後に、もう一点証券会社の問題なんですが、これは私自信も実は見たのでありますが、昨年の夏頃から、各地方の普通銀行で農地証券の買入広告を出しておるところがございましたし、最近ではこれは具体的な場所を言いますと、新宿の駅の近くに証券会社が農地証券の買入広告のようなものを店頭に出しておる、こういうようなのは一体大蔵省としてはどういうふうにお取扱いになるのか、全然償還の対象にも何もならないというものを証券会社が買うということになれば、証券会社自体の不測の損失ということも考えられるし、又将来そういうことが認められるということになれば、現在証券会社が不当であるという言葉が当るかどうか分りませんが、相当安く買つておる。そうすれば地主に対しての非常な損失を與えておるので、何らかはつきりした態度を示される必要があるのじやないかと思いますが、最も最後の一般的の担保、差入禁止の解除というものが認められるとすれば、これは又別であります。現在の状態では、今申しましたように非常に何と申しますか、奇異の感を持つておる、そういう広告なり、店頭掲示を見ておるような状態なんですが、これに対してどういうふうにお考えになつ百ているか、この際御披露して置いて頂きたいと思います。
#17
○説明員(小林英三君) 只今委員長からお話のあつたようなことを実は私も新宿で見ましたので、実は奇異の感に打たれておるのでございますが、私の方でこれまで措置したということは、閣議決定のあつた即ち去年の八月頃でございますが、これにつきましても直ぐ新聞の方にもできるだけ何と言いますか、我々の方から話をして、損になるのだから、決してそういう悪質な者に売らないように、こういうように言つたわけですが、ただ趣旨が徹底しないで、まあ金に詰つてと、こう申しますならば、売つた方もあるかと思います。実はこの農地証券の売買については全然禁止規定がないのでございまして、これを止めることはできないわけでございます。ただ成るべくこの買上ということが、これまでは資金がないという関係で、特別のものに限つて、いろいろな條件を附けた方に限つて買上げたということで、現在約一億七、八千万円になりましようか、なつている程度でございまして、こういうような大幅な償還があることを徹底できなかつた憾みが、そういうような証券業者の乗ずるところになつたのかと思つております。で恐らく証券業者の方として、こういうようなものを持つということは、只今委員長のお話のありましたように、償還されるということも見越して或いはやつたのかも分りません。或いは又将来これが金融の担保としてできるということを見越してやつたのかも知れませんけれども、その辺のことは私達によく分らないのであります。でこれは好ましくないけれども、禁止することはできない。でその防止策といたしましては、できるだけ早く、まあ今日から始めましたけれども、この買上ということを徹底いたしまして、そうしたものがないように、それから又広告が足りなければ、広告宣伝いたしまして、そういうようなことのないようにいたしたいと思つております。而も又この買上する方の機関としての勧銀なり或いは北拓の方において、そうした業者に対して絶対に償還しないのだということをはつきりしますれば、そういうことも今後なくなるのじやないかと、こういうふうに考えております。
#18
○委員長(楠見義男君) それから最後に、農地証券の担保差入禁止の問題ですが、実はこの委員会としましては、ひとりこの証券の問題に限らず、一般的に現在農地の金融力というものが欠けておりますので、全般的の問題として私金融の問題を取上げておるわけなんです。その一部として農地証券のこの問題も従来から問題になつておりまして、一般的にもこの問題は相当要望がある点なのですが、まあいろいろの関係、特に国内的だけでなくてGHQとの関係等もあるようには承知しておりますが、大体この問題についての経緯というようなものが御披露願えれば、願える程度で一つ御披露して頂けば非常に参考になると思いますから……
#19
○説明員(小林英三君) 今農地証券の担保につきましては法律施行後五ヶ年と申しますか、これは担保に取ることはできないというようになつておるわけであります。これにつきましては、大蔵省の方におきましても、すでにこの委員会でございますか、大蔵委員会でございますかのお話があつたときにおいて、できるだけ早い機会にその解除ができるような措置をしようというので努力して参つたわけでございますが、実は最近におきましては特に農林中金の方の側からも御要望もありますので、私共で目下研究して行きたいと思つております。特にこの漁業関係の方におきましては、こうしたものがないように伺つておりますので、これは法律事項でなしに、向うのメモランダムで来ておりますので、この点について向うの当局にも近く打合せと言いますか、了解を得るように努めてやつて行きたい、こう思つております。
#20
○委員長(楠見義男君) 大体今まで問題になつておりました点を、委員長から一応概略的に代表して質問申上げたのでありますが、尚漏れておる点或いはその後お気付になつております点等で御質問がございますれば、この機会にお願いいたしたいと思います。
#21
○藤野繁雄君 買上金額が一世帯一回限り額面五千円、こういうふうになつておるのでありますから、「一回限り」だから何回でもできるとこう解釈してもいいことになると思いますが、「一回限り」といふのは、今回の償還は一世帶一回でなくちやならないという意味であるかどうか、「一回限り」の解釈を的確にして頂きたいと思うのであります。
#22
○説明員(小林英三君) これは只今御質問のあつたようなことにも解釈されるかと思いますが、実はこの五千円で限りたいという趣旨でございまして、ただ中には今度三千円で、今度二千円ということも理論的には考えられますが、これはそういうことじやなくて、やはり五千円を以て請求を切ろうということでしたわけでありまして、その次又五千円で二回、三回になるということがあつては困るというだけのことで、[一回限り」ということは、そういう強い意味じやないのでございます。この「一回限り」と申しますこれをもう一度、もう少し附加えますれば、実は予算の関係がありますので、実は五千円としたわけでございまして、これが予算さえ二十六年度においてできるということになれば、これが二回と言いますかへ二回目、三回目ということにもなるかと思いますので、ただこの二十四年度、二十五年度といたしましては、まあ一回ということにしたわけでございます。
#23
○藤野繁雄君 今回償還されるのは一定の限度があるのでありますから、その限度内に償還して貰わなくては償還して貰うことができない、こういうふうなことになりますというと、すべての者が急いで償還して貰わなくてはならないというようなことで、支拂銀行の本支店或いは出張所というようなところに沢山の者が押しかけて、却つて混乱状態に陷るようなことになりはせないかと思うのでありますが、そういうふうなことをどうやつて防止すれば防止ができるとお考えであるか、この点お伺いしたいのであります。
#24
○説明員(小林英三君) 只今御質問のような点を私の方も苦慮いたしたわけでございまして、この点につきましては勧業銀行側におきましては、この三月一日から始める前、実は本日はまだ各地の情報もきちんと入つておりませんが、そう立て込んでおらないようでございますが、私の方はこれを心配いたしまして、一人の方が来られた場合において何分間と言いますか、どのくちいの時聞において金をお渡しすることができるのかどうか、それを計算して見て、そうして一体その当該の店において大体どの程度の該当者があるのかどうか、その件数を大体のところ見て、一日にどのくらい来るか、そうしてどうだというようなことで、窓口を幾つにするか、臨時的に何人応援したらいいかどうかということで、よくその部内を訓練して、いつでも蜿蜿長蛇の列を作つて迷惑をかけるようなことがないように、十分手配するようにということを堅く申しておりまして、この点について、私の方としては時間がどのくらいかかるかどうかの計算をしたかどうか、この点については、まだ取敢えずしませんでしたけれども、そういうような点をよく注意して置きまして、尚実行的に見ますと、信連なり、或いは当該の協同組合なり、或いは又農地委員会なり、或いは又県当局の方ともよく連絡できておるようでございまして、実行的には現在、まあ本日からでございますので分りませんが、今後ともそういう御迷惑のかかるようなことのないように、くれぐれもよく注意させて行きたいと思います。又私の方でも、もう一人、二人外へ出しておりますが、各店を廻るようなことで、よくこれを御迷惑のかからないようにするように努力しております。
#25
○藤野繁雄君 只今の御説明のようなことであるといたしましたならば、早く請求したものが早く頂載されるというようなことになつて来ますというと、その地方の交通の便否によつて支拂いを受けるところの金額が非常の差額があると考えられますが、交通の便否によつて各県に支拂われるところの一定の金額の枠を考えられるようなことはないか、お伺いいたしたいと思うのであります。
#26
○説明員(小林英三君) 三月につきましては、これまで資金を交付しましたのが、差当りとして五億を出したわけであります。この五億につきまして、更にこれを勧銀といたしましては各店に配付しておる。資金的に配付しておるようでございます。例えば埼玉県におきましては、約三千五百万でございますか、そうしてこれにつきましては、自分の店に直接来るというのは約三百万円程自分の店に来る、直接来る。そうしてあとは協同組合の方の関係で、先程も問題になりましたような一括受領の形でその残りが来るというようなことで、一応まあよく連絡してやつておるようでございます。従つて私の方として、只今御質問のあつたような御心配としましては、或いはこの十億が只今のようなことで足りないんじやないかというような心配も実は持つておるわけであります。併しこの点につきましても、本日もよく勧銀の者に話したのでございますが、県連なり或いは農業協同組合の方ともよく連絡をとりまして、若し三月中に、御要望があつても金がなくて抑えないような場合におきましては、四月一日まで待つて頂くということにおいて抑えるようにやつて頂く、でこのまだ二十五年度の予算が国会の御承認を得ないので、この点について私の方から措置するのも如何かと思いますが、至急この予算のことが私の方で措置できることになりますれば、至急その点も手配することによりまして、一時的に或いは金がないということも出るかと思いますが、四月一日早てには抑える、でこの資金のやり方といたしましては、毎旬各店の状況を本店で纏めまして、日本銀行に請求する。そうしてその日本銀行から請求のあつた額だけこちらとしては金を渡す。こういうような態勢にしておりまれので、少くとも四月以降におきましては、決して資金的に御心配になるような点はないかと思つております、
#27
○藤野繁雄君 私の質問しておるのは、交通の便利なところが早く書類ができるから、便利なところのものが多く償還をして貰つて、山間僻地の交涌不便なところにおるものが償還をして貰うことができないような羽目に陷るのじやないか。そうでありますから、大体において一定の枠を作つて、そういうふうな交通の便不便によつて、利益を受ける度合の緩和をするようなことは考えておられないか、こういうような点をお伺いしておるのであります。
#28
○説明員(小林英三君) 私の質問の要旨の聞き違いにおいて答弁が不十分でありましたので補足さして頂きます。私の方で一世帶五千円までという計算を立てまじたのは、昭和二十四年度と二十五年度予算の総額の約五十二億余の金を以ちまして、現在の農地証券の交付状況から見まして、大体五千円までは行ける、こういうような見通しを立てたわけでございます。この点について、実は農林省側の方の資料なり、或いは先程出ました農地委員会なり、県なりの資料がぴちつと揃つておりますれば、実はもう少し金額的にもはつきり数字が出るわけでありまするが、まあ與えられた現在の資料からしますれば、五千円を返しても十分である、こういうように認められた次第でございますので、五千円としたわけであります。従いまして只今御心配になられたような点については、時期的な違いというものは早く行くという点もございますが、決して遠いからといつて、その方に五千円じやなくて三千円になるというようなことはないだろう。又あつてはならないというように考えております。
#29
○藤野繁雄君 告示の五番目によつて見ますというと、農地買収令書を示さなくてはできないのでありますが、不幸にして買收令書を紛失したというようなことであれば、今回の償還はして貰うことができないのであるかどうか、その紛失したところのものの処置についてお伺いしたいと思うのであります。
#30
○説明員(小林英三君) この点につきましては、これまでも大分買収令書を紛失した方もあるようでございます。併しこの買収令書の紛失につきましては、農地委員会なり或いは県の方で令書の写しを再発行して、令書でなくて、その確かにしたという証明書を出しておるようでございますので、それを以て充て得るように、私の方としては事務的にはやらしておる次第でございます。
#31
○藤野繁雄君 さつき委員長から総括的に質問した中の、若し證券業者が、証券を持つているその入が償還を受けるというようなことが誤まつてあるというようなことになりましたならば、その際にはどういたつて、農地の買牧令書まで證券業者が受取つておらないじやなかろうかと想像されるのでありますが、そういうふうな、証券業者や何かに行つているところのものの買収を、不正な買牧をせないために、この農地買収令書というようなものを付けられたのであると、私はこう考えるのでありますが、そういうふうなことはないのでるか、その点を小林課長にちよつとお尋ね申上げます。
#32
○説明員(小林英三君) 私の方としは、只今御質問になりましたように、元の所有者に償還するという建前で、農地買牧令書第二項にございますように、農地買収証明書も含んだこの農地買収令書ということにしたわけでございまして、只今のお話のような不正の業者に、不正と申しますか、そういうのを買つた現在のものに対しては償還するということにしてはおらないのでございます。
#33
○藤野繁雄君 農地証券の金融化の問題でありますが、これは農林委員会において、私は今日の農村の行詰りからは必ず農地証券を金融化されなくちやできない、金融の便を與えなくちやできない。こういうふうなことを強く要求した結果、大蔵省では何とか考える、こういうふうなことを言われて、すでに一年二年と経つておるのでありますが、これを金融化するようなことについて、一方の方において漁業証券が金融化されておるのに拘わらず、現在まで農地証券が金融化されないということは、政府のとつた処置が片手落じやないか、地主の犠牲を余りにも強く要求され過ぎるのじやないか、こういうふうに考えるのであります。又現在の農村の、金融上からいたしましても、金融化を図ることが最も必要であると思うのでありますから、この点は速かに協議を纏られて金融化して頂くようにお願いしたいと思うのであります。
#34
○説明員(小林英三君) 大蔵省当局といたしましても、これを早く実現できるように努力いたしたいと、こう思つております。
#35
○石川準吉君 さつき藤野委員がお聞きになつたのでありますが、もう一回念のために繰返してお尋ねしますが、一世帶一回限り額面五千円というのは、これは初めに行つても終りに打つても五千円ずつ渡すのでございまするか。その点をはつきり……
#36
○説明員(小林英三君) 只今の御質問の趣旨が、初めてというのでございますが、この点につきましては、五千円であれば、初めてであろうと後であろうと、これは五千円をお返しすると、こういうことでございます。
#37
○石川準吉君 質問の意味が非常に簡單だと思いますが、例えば初め五千円ずつの予定で以でずつと拂つて行つた、ところが予算がなくなつたために、併し希望者が非常に多いという場合のことを聞いておるのであります。
#38
○説明員(小林英三君) 先程藤野委員からの御質問に対して……失礼申上げました。委員長かと思いますが、できる限り私の方としては、そうしたことがないということで、全部五千円をやるということで考えておつたのでございまして、若しこれが予算がなかつたらどうするのだというような、殆んど問題はないかと思つておりますが、その点について私共としては少くとも五千円までは全部返せるのじやないかと、こういうような確信を持つておる次第でございます。
#39
○石川準吉君 今の御答弁によつて満足しておりますが、先程勧銀の方の取扱機関の自由裁量を許さないという問題と、これは密接不離の関係を持つものだと思いますので、今の言明通り是非御実行願いたいと思います。
 それから、これは一世帶一回限り額面五千円であつて、而も昭和二十五年の三月一日から一ヶ年間とするということになつておりますが、その後はどうなる見込みでございますか。
#40
○説明員(小林英三君) これは一応の目標をしたわけでございまして、勿論この期間が過ぎてお出でになつても、これはやるつもりでございます。ただできるだけ早くお返しいたしたいということでお知らせするという程度でございます。逆に、今度はこの五千円やつて金が余つたらどうするかという問題が又出て来ると思いますが、これについてはどういうような償還方法をやるか、更に現在やつておりますような、特別の事情のある方について更にその金額をやるか、こういうことも考えられるわけでありまして、要は二十六年度の予質においてどういうことになるか、その点とも睨み合して、若し遺憾があれば、二十五年度において措置できるならば措置し、二十六年度に一緒に考えるならば一緒に考えるということにいたしたいと思つております。
#41
○石川準吉君 そうすると、若し拂い切れなかつた場合におきましては、二十六年度においても予算的措置を講ずる。こういうように受取つてようございますか。
#42
○説明員(小林英三君) 只今の御質問の点が、この五千円の、現在の予算の枠以上に五千円ということでやつておつたならば、出た場合にどうするかという御質問だとするならば、これは私の方としては、予算を超過することはないだろうというように考えております。それから若しこの事務の手続上予算が余つておるに拘わらず、末だ請求が来ない。従つてその予算が余つておるというならば、これは国債整理基金特別会計法によりまして、翌年度にも逓次繰越で使えるということになつておりますので、勿論翌年度でやるということにもなつております。
#43
○石川準吉君 それからこの取扱機関たる勧銀、これの国庫資金を取扱うやはり手数料と称しますか、そういうものは、何ぼやることになつておりますか。
#44
○説明員(小林英三君) 只今のところで、私の方としては予算的には千分の三十でございますか、ということになつております。まだこれは決めておりません。近く決める予定にしております。
#45
○石川準吉君 先程小林さんの御説明によりますというと、農協の方で纏めて取扱機関で持つて来ることを非常に歓迎しておるようでありますが、又是非そうしなければならんと思いますけれども、農協で纏めて行くにつきましても、相当やはり手数がかかると思いますが、この取扱機関の手数料の一部を農協の方に加算するというようなお取計らいはできませんか。
#46
○説明員(小林英三君) これは政府としてそういう点は、これは勧業銀行と農林中央金庫でどのようにお話になるか、その点だと思います。私の方としては、それだからどうだ、こうだということまで手数料のことについて政府としては申上げるべきじやないと、こう考えております。
#47
○委員長(楠見義男君) 外に御質問がなければ、農地証券の問題については一応本日はこの程度にして、更に又進展の度合においてやることにしたらどうかと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#48
○委員長(楠見義男君) それじやそういうふうにいたします。先程来の御研究を願うことになつております点は、よく後刻一つ御研究を願います。
  ―――――――――――――
#49
○委員長(楠見義男君) それではこれから農業改良助長法の一部を改正する法律案につきまして、昨日に引続いて質疑を行なつて頂きたいと思います。
#50
○政府委員(磯邊秀俊君) 昨日御配付いたしました書類について御説明申上げましたことにつきまして、ミス・プリントがありましたので……。それは改良局の普及事業関係の予算のことでございますが、ミス・プリントがございましたので、今日改めて印刷し直してお分かちいたしますから、それについて御了承願いたいと思います。違つおりました点は、研究部の農家負担の合理化に必要な経費、二十四年度が零になつておりまして、二十五年度が二百九十七万五千円となつておりましたのが、これは逆でありまして、二十四年度が二百九十七万五千円で、二十五年度は零、従つてその金額だけ研究部の合計の金額に違いが出て参りましたわけでありまして、その点御了承を願います。
#51
○羽生三七君 細かいことは又後刻伺いますが、最初にお尋ねしたいことは、この農業改良の助長が、日本の農業の発達のために極めて緊要で、そのためにこの法律ができたということはよく分るわけでありますが、この農林委員会でも、日本農業の将来を考えて長期の日本農政を確立するためのまあ研究調査をやつておるわけで、その第一回並びに第二回の学識者の証言の際にも、いろいろの論議があつたのでありますが、例えば大槻教授は、従来の米麦依存の日本の農業を転換して酪農中心にされるというような考え方、これに対して近藤教授は、むしろ米麦を中心にして新らしい技術の目標を考えて行く、そういうような意見もあつたわけであります。このことは直接にはこの農業改良助長法と特別の関係はないわけでありますけれども、私のお尋ねしたいことは、そういう点から考えて、農業改良の目的を単なる技術の改善だけに限定されるのか、或いはそれとも広汎な日本農業の将来を考えて、経営の合理化の問題、或る意味では経営の技術の問題、そういう問題にまで改良助長を適用して行くというお考えがあるかどうか、これがまあ質問したい第一点なんであります。この点は以前から農林当局にいろいろお尋ねしても、農林大臣並びにその他の関係者も、長期の農政を考えることはできない、又当面一年くらいの農業のあり方についても、確乎たる方針が立てられないという意味の御答弁で、甚だ日本農業の将来については心許ない答弁が繰返されて出るのであります。それで私共は、例えば個々の農作物について技術の改善を行なつて反当収量を高めるとか、或いは能率的な研究を個々の農家の中に持込んで行くということの必要性は、もとよりこれを認めておるわけでありますけれども、そういう個々の研究以外に、いわゆる全体として日本農業をどういうふうに持つて行くかという大きな意味の見通しの下に、そういう意味での経営の技術化という問題に可なり重点を置かないというと、本当の意味での農業改良助長法の精神というものが生かされぬのではないかと、私はそう考えておるわけであります。そういう意味で、当局がこの問題について単なる個々の経営の技術の改善なり、或いはその他の研究機関の拡充なりということだけでなしに、全体としての日本農案を世界農業にマツチさせるような観点から、経営の技術化という問題もお考えになつておるかどうかということを承りたいのが第一点であります。
 それから第二点は、そういう角度から農業助長をやつて行く場合に、ここに今回の参考資料の中にある各種の研究機関というものが、それぞれの成果を挙げておると思つておりますけれども、そういうものが末端の実際の個々の農家の経営の中に持込まれて行く場合に、ここでは今度の費目の中にも計上されておる普及員を通じてそれを導入するのでありますけれども、そういう單なる普及員という個々の人の、個人の媒介によつてそれを導入することだけが考えられておるのか、或いはそういう研究機関の成果いうものをも つと大衆的に生かして行くために、もつと何か他に適当な方法というものをお考えになつておるのか、ただ普及員だけが研究成果を農家に持込むための唯一の媒介体で遜るのかどうか、その点がお伺いしたい第二点であります。
 もう一つ、第三点は、ここに示されておる今回の改正案を見ましても、又或いは参考資料を見ましても、大体目途としておるところは公的な研究機関の発達助成の点でありますけれども、これ以外に一般の民間研究機関等に対しては、勿論その補助規定等に示されておりますけれども、従来この法律が施行されて以来、民間の研究機関等がどういう活動をし、又どういう要望があり、それに対してどういう決定なり援助を與えられたか、取敢えず以上の三点についてお伺いしたいと思います。
#52
○政府委員(磯邊秀俊君) お答えいたします。第一点でございますが、お話の通りに日本の農業なり、日本農業を取替経済情勢が非常に変化しておるのでありまして、その点の見通しは先程御指摘の通り、大臣からも又申上げました通りに非常に困難でありますけれども、併し單に技術の普及だけで農業の改良ができるとは考えておりませんで、新らしい改良事業の構想におきましたは、技術の普及と同時に農家の経営改善、もつと端的に申上げれば経営改善というものを目安にして技術の改良をして行く、こういう方向で進んでいろいろなな措置をいたしております。ただ農業改良事業の性質上農家を相手といたしておりますから、その経営の改善もおのずから農家を相手とする範囲に限られる、こういうことに相なつております、その方向に従いまして、改良局所管の研究機関におきましても、いろいろ経営に関する研究をやつております。一、二申上げますれば、昨日申上げました新らしく設置される農業技術研究所及び各地域の農業試験場におきましては、大部分の所におきまして新たに経営部を設けまして、その点に重点を置いてやつて行きたい。それから経済的な社会情勢の変化と非常に強い関係のある社会科学的な色彩又強い研究は、農業総合研究所において一部分担当いたしますし、一荷緊急を要する政策と非常に関係の深い研究にノきましては、研究部の経済研究の関体において研究いたしております。それから、お話の大きな見通しはどうかということでありますが、これは非常に困難な問題でありますが、農家を相手といたしましては、一方におきまして日本の限られたる土地で農家が生活し、国民経済を立てて行きます上におひましては、どうしても限られたる面積から多くの生産或いは生産価値を上げて行く、と同時に能率を上げて行く、私達の見まするところでは、この能率を上げることと土地の生産を高めて行くこととどう調整して行くか、両方どうして一時に高めて行くか、これがむしろ緊急の根本課題であろうかと考えております。それから又そういう観点から見まして、昨日も申上げましたように、従来の試験研究で比較的軽視されました問題を今後大いに取上げて行きたいということが、今機構の改変を進めておるわけであります。
 それから第二の点でありますが、そうして試験研究をやつた結果をどうした方法で一般の農家或いは社会に役立たせるか、こういう問題でありますが、第一の狙いは、申すまでもなく農家にその試験研究の結果を普及員を通して流すということであります。そのために第一の質問とも関連いたしますが、県におきまする専門技術員の中に特に経営関係の専門技術員を設置することにいたしまして、その専門技術員を通じまして経営関係のことをやりますし、その他の個々のものにつきましては、その専門の専門技術員を通じてやる、併しながら試験研究の結果は、單に農家を相手としまする改良普及員を通じてやるのみでなくて、できるだけ早くこれを印刷物その他の方法で一般に関知せしめる、こういう方法もいろいろとつております。尚、緊急を要し、大衆性のある問題につきましては、ラジオその他の方法を通じまして、できるだけ広く普及いたしますように心掛けておるのであります。従来り試験研究機関が、ややもいたしますと試験研究結果を死蔵いたしまして、その結果を極く少数範囲に、悪く申上げますと独占いたしておる、そういうことがないようにいろいろ措置をいたしておりますが、まだ十分なことはないと思つております。
 それから第三の民間の試験研究機関の育成の問題でありまして、これは御指摘の通りに、農業改良助長法の狙いとするところでありまして、いろいろ心掛けておりますが、何分予算が十分とございませんで、十分なことはできないことを遺憾といたしてておりますが、尚この機会に申上げて置きたいのが、いろいろ民間の試験研究の助長という要請がございますが、現在の予算の組み方では、その当初の予算で項目別に組んでおりますので、年度の途中で突発した試験研究に費用を廻すということが非常に困難でありまして、この点を何とかいたしたいと、いろいろやつておりますが、予算の組み方の問題でありまして、非常にむつかしい問題でありまして、又今後その点を努力して行きたい、かように考えております。それから尚今までやりました民間の試験研究機関にどのくらい補助をしたかという問題でありますが、この書類は配付いたしたかと思うのでありますが、予算書の三枚目のところにあります委託費というものが、都道府県の試験場以外の試験研究機関に援助した費用でありまして、その中には国立の入学その他の学校の研究機関も入つておりますが、又民間の試験研究機関も入つております。
#53
○羽生三七君 続いてお伺いしたいここは、この法律の今の現行法を審議する際に問題になりました研究所の機関の数の問題でありますが、全国を通じて今度七十五を越えることはできないということになつておるわけでありますけれども、これらの数が決定されるまでの経緯をちよつと簡單に説明願いたいと思います。
#54
○政府委員(磯邊秀俊君) これは御承知のようないきさつで、従来の指導農業が廃止されまして改良助長法ができたわけであります。その法案のできますときに、丁度試験研究機関の整理統合ということが、その筋の強い示唆もありまして、又国内的な要望もありましたので、又一方研究関係の予算が十分でないときに、余り多くの試験研究機関にそれを配付することは重点的に行かないから、これを制限した方がよかろうということで、こういうことに広まつたように承つております。段々進行いたして参りますと、七十五という数字は必ずしもそれ程強い必要がないように考えられますので、この度お願いいたしました改正案と一緒に、いろいろその点について改正の原案を作つたのでありますが、関係方面でまだ所究中でありまして、この法案提出までに間に合いませんから、取敢えずそれを抜きまして御審議願つたわけであります。
#55
○羽生三七君 そういたしますと、将来或る特定の好ましい地点に、而もどうしても必要だということが考慮されるような場合には、必ずしもこの数にこだわる必要はないというふうに解釈してよろしうございますか。
#56
○政府委員(磯邊秀俊君) 現在のところは、先程も申しましたように、予算も十分でございませんで、七十五という枠に非常に窮屈を感ずるまでにはまた参つておりません。併しながら、今も申上げましたように、意味がないことはありませんが、それ程強い意味を我我に感じませんから、できるだけ早い機会にこの制限は除きたいということで今努力しております、
#57
○羽生三七君 これはちよつと私分らんことがあるのでお伺いしたいのでありますが、現行法の題十六條の第一項の第一号及び第二号については都道府県が三分の一を負担して、第三号については全額補助の建前となつておるという解釈をしてもいいのでございますか。
#58
○政府委員(磯邊秀俊君) 法規上はそういうことになつておりますが、実際の運用ではその三分の一は県が負担して頂いております。と申しますのは、この普及事業関係の予算の九〇何%、殆んど大部分は人件費でございまして、事実これを分割することは非常に困難でございますし、扱いとしてはそういうふうにやつております。併しこれはどういたしましても規則に若干の不備を感じますので、今度の機会に改正いたしたいというつもりでおります。
#59
○羽生三七君 続けてお伺いしたいことは、今度の改正法で十六條中の第四号、つまり現行法の第三号に該当するものでありますが、この場合都道府県は二分の一を負担しなければならないという解釈でいいのでありますか。
#60
○政府委員(磯邊秀俊君) 少くとも二分の一を負担するということで、二分の一を越える負担を我々は希望しておるわけであります。
#61
○羽生三七君 そうすると、二分の一を越える負担を地方がすることを希望されておるわけですか。
#62
○政府委員(磯邊秀俊君) できるだけ国で負担いたしまして、県には二分の一程度にお願いしたいのでありますが、何分経費が十分とれませんので、とれない点は二分の一を越えて負担して頂きたい、こういうことであります。
#63
○羽生三七君 受益者の負担ということもありますから、地元が或る程度負担するということも無理とは思いませんが、併し今の日本の地方財政の現状から考えますというと、日本の農業改良を折角政府がお考えになられるという場合においては、でき得る限り全額負担が適当だと思いますが、まあ予算がないと言えばないようなものの、あると言えばこの前も学界の代表が表明されましたように、非常に沢山の補給金を、何百億の金を使つておるのでありますから、絶対にないとは言えないと私達は考えておるので、そういう意味から言うならば、僅かに十数億の農業改良局の費用なんというものは微微たるもので、日本農業の改良が根本的にできるとは少しも考えていないのです。できることならば、大変心配のことはないのでありますけれども、それにしましても、この程度の負担は地方に負わせずに、政府自体がやるというお考えはないでしようか。
#64
○政府委員(磯邊秀俊君) お説の通りでございまして、私達といたしましてはできるだけ多くの予算をとりましてて、地方の負担をできるだけ軽くしたい。こういうことで努力いたしておるのであります。ただ一つこの改良助長法の考え方といたしまして、これは都道府県と国との共同事業であつて、費用も両方で分担してやろうといいことでありまして、若干の費用は都道府県で御負担願う方がいいじやないかというのが私達の考えであります。
#65
○委員長(楠見義男君) ようございますか。
#66
○池田宇右衞門君 昨日の蚕糸局長並びに農林大臣に対する質問を継続したいと思いますが、大臣が見えませんから、蚕糸当局からも、一つ御答弁頂きたいと思います。
 大臣の談話と申しますか、或いは巷間伝うるところによりますならば、行政整理の対象として蚕糸局、畜産局が相当合併、或いは整理されるように聞きますが、蚕糸行政の進展を要求されておる際に、かような不安の点はあるかないか。これは大臣から聞くのであるけれども、蚕糸局長がお出でになりますから、これに関連してこの点先ず一つお尋ねいたします。
 次に、昨日スタンプ手形の延期、或いは大蔵省に交渉いたしまして、日本銀行、中金その他の機関を通じて相当融資の方法を講じたというようなお話でございましたが、この点どのくらいの額を製糸対策、蚕糸養蚕対策に御交渉になつておりますか。その額がお分りになりましたら、この際お示し願いたいと思います。
 その次に第三といたしましては、一人当り六千円の国費を通じて指導員養成をいたして、指導員の安定策といたすという答弁でありましたけれども、六千三百人の六分の一でありまして、これを順次広めて行くというような増員の方法をとられるというように思いますが、むしろ都道府県が、これが協力して、都道府県の府県費によりまして、これが補いを付ける、協力御指示の方法をとられるかどうかという点を重ねてお尋ねいたします。
 次に、現在お聞きの通り、技術員の指導者は、繭一貫目当り二十円を製絲家から寄付さして、いわゆる養蚕家の繭代金から引いておるというような現状でございます。繭価が若し非常な権衡の場合に、製絲家がこれを負担するよりか、むしろ養蚕家の負担が過重されて行くような傾向がありますが、とれに対する対策如何。更に、養蚕家といたしまして、事業税は撤廃を叫ばれ、当委員会においてもしばしば論ぜられたことでありますが、漏れ承わるところによりますと、千五百万貫の繭に対しまして、事業税は撤廃されましたが、税制改革で附加価値税が百分の四取立てられるということに聞きますが、若しそれが現在の価格から見まして、千五百万円程度の税を負担しなければならないというようなことに相成りまするならば、養蚕農民の負担の上に、更に二重負担をかけるような経過と相成るように考えられるのであります。この附加価値税を蚕糸方面に対して、いわゆる養蚕農民に対して廃止の方法を農林当局でお考えになつておつたかどうか。或いは大蔵当局に対して、これを廃止するの方策を進言して御交渉なさつたがどうかという点を一つお尋ねいたしたいと思います。
 更に、改良局長にお尋ねしたいことは、蚕糸業に対しては、助長法は適用しないということはすでにお分りの通りでありますが、蚕糸業に対しまして、現在の見らるるごとぎ同じ指導でありますが、極めて僅かの補助をし、或いは技術員指導者でありますが、これが連絡をとりまして、蚕糸業の進展に対し、十分にその方途を講ずるのお考えがあるかどうか。助長法によりまして、市町村に普及員の二名の設置は、順次お置きになるということでありますが、同じ町村でも人口の程度が違う。而も市町村とありますが、市などは郡より大きな、人口五十万も百万もある市に対しましても一名というのは当を得ない。殊に市農業にありましては、それだけその普通の農村とは経営も違うのでありまして、これに対して増員の考えがあるかどうか。又方途を講ずるの御意見があるや否や。更に普及員はその町村に駐在しておる以上、町村自治統制の下にあるのでありますけれども、現在町村は農業協同組合が主として農業の指導徹底を期せられでおるが、これと連絡を密にして、市町村の農業の普及徹底をいたすのが当然でありますが、これらの連絡協調の方法、或いは農業協同組合の事務所にその椅子を置いて、協力態勢を作つて農業の改良助長に対する方途を講ずるのお考えありや否やという点についてお尋ねいたします。
#67
○政府委員(最上章吉君) 只今の御質問に対して答弁申上げます。
 第一に、行政整理等の問題につきまして、蚕糸局或いは畜産局云々のお話がありましたが、そういうことは全然聞いておりません。又そういうことはないものと確信をいたしております。と申しますのは、戦争中及び戰後におきましても、食糧その他の関係から蚕糸業が非常な打撃を受けまして、その経営規模等、或いは生産額等が戦前から見ると非常に激減をいたしておることは御承知の通りでございますが、御承知のように蚕糸業は我が国特有の産業でございまして、世界の市場に出ます糸の八割乃至九割は日本の生糸で占めておりまする独特の産業であります。又それは輸出を主といたしまして、この蚕糸関係の輸出は他の輸出品と違いまして、原料を海外から輸入して加工して輸出するというものではなくして、日本の土から生れ、日本人の力によつて、労力によりできるものでございまして、全く純国産物でございますので、他の輸出品よりもそれだけ輸出をしましたものが全部手取りとなるという意味におきまして、外貨獲得上は一番力があるものだと思うのであります。又終戰後国内の食糧事情、その他或いは海外の事情、殊にアメリカ等におきましても、戰争中の生糸の輸入杜絶による消費分野の変遷というようなことで非常な打撃を受けたのでございますが、終戦後関係方面の特別の援助等によりまして、相当程度回復の緒についたのでございまして、今後適切なる策を施しますならば、相当輸出等も明るい見通しが持てるのでありまして、蚕糸業が本当に伸びるのは今後である。今からであると、かように考えて軍る次第であります。従いまして我が国経済再建上、蚕糸業が果すべき重要な役割は戦前にも増して大きくなるのでございまして、そういう事情からいたしまして、蚕糸業というものは、政府といたしましても今後において力を入れなければならない最も重要なる産業であると、かように考えておる次第であります。尚、現在の糸価対策といたしまして、金融的の措置についての御質問でございましたが、これは昨日もここでいろいろ申上げましたように、現在の糸価の状況、或いは製糸家の手持繭の不足というような見地から相当の金融的の援助をいたしまして、現在の難局を打開するという方針で、大蔵省或いは日銀当局、或いは地方銀行等といろいろ協議をいたしまして、スタンプ手形の返済の期間の延長とうことは大体方針が決まつているのでございますが、尚地方によりましては、製糸家が手持繭が少いために、又現在の状況等から見まして相当窮境をいたすものが多いのでありますがそういう場合には特別の金融的の援助を得るということで協議をいたしておるのでございますが、この問題は大体の根本の趣旨といたしましては、金融業者も十分了解をいたしておるのでありまするが、その金額等につきましては、個々の金融機関と個々の製糸業者の折衝になりますので、ここで幾ら融資するという金額を申上げることはちよつと困難でございますが、現在の状況からいたしまして、金融機関も十分なる援助をして呉れるものと確信をいたしておるのであります。
 尚次に、この指導員の身分の安定の問題でございますが、これは先程池田委員からお話になりましたように、現在蚕業技術指導員といたしましては、全国に約六千人程度協同組合内を主といたしましておるのでありますが、これに対しまして技術普及強化の費用といたしまして、六百万円程度を二十五年度におきまして予算を計上いたしておるのでありますが、この経費等を使いまして、普及員としての身分安定に資したいと考えておるのでありますが、これは先程お話がありましたように、金額は非常に少いのでありまして、私共といたしましても、今後この種類の技術普及強化の経費は十分増額を、毎年増額を要求いたしまして、身分安定に資したいと、かように考えておる次筆あります。尚この問題は国庫の費用のみでなくして、府県等におきましても相当考慮いたすべき問題でありますので、この問題につきましては、或いは蚕糸業の主任官、或いは私共も直接地方に参りまして、いろいろの機会にこの種の経費を県当局にも計上して、蚕糸業の振興を図るように話をいたしておるのでございますが、相当程度の府県におきましては、金額の程度はいろいろございますが、最近の国の内外の情勢、或いは蚕糸業の要請等よりいたしまして、蚕糸業の重要性を認識いたしまして、相当の予算の増額を計上いたしておるのであります。又府県、例えば兵庫県のようなところにおきましては、この経費を全額県費で負担するというようなところもあるのでございます。従つて政府といたしましても、この種の技術普及強化の費用は今後とも予算の増額を要求すると同時に、府県においてもこの種の経費を計上して貰いまして、この技術員の身分の安定に資したい。かように考える次第であります。
 次に、税制の問題でございますが、これは農業事業税は御承知のように、廃止になつたのでございますが、この附加価値税の問題につきましては、これは大蔵省の関係でございますが、実は私直接この問題を今日調査して参つて来なかつたのでありますが、私の知つておる限りは、養蚕についても一般農業と同じように取扱うということで、附加価値税はかけられないものと考えておるのでございますが、この点につきましては、尚正確に調査をいたしまして、お答えいたしたいと思います。
#68
○政府委員(磯邊秀俊君) 池田さんの御質問は三点だと思います。第一点は蚕糸業との関係でございますが、これは御承知のように、助長法では一応蚕糸業は除くということになつておりますが、日本の蚕糸業の実態から見まして、蚕糸業と全然離れまして農業改良は困難であります。殊に農家の経営の改善を強く考えますと蚕糸業との関係は深くなつて参りますので、御指摘の通りに十分連絡をとつてやつて行くなようにいろいろ努力をいたしておりま
 第二の点でありますが、市にただ一人でよろしいかという点でありますが、これも御指摘の通りでありまして、市にはいろいろ、大小等がございますが、市町村一人、とし申しますのは、大体平均その程度を目安にして充員しようということでありまして、大きな市におきましては二名、五名を置かなければならんことは当然でありまして、この助長法改正によりまして、市町村数割方を入れましても、そういう点から起きまする不都合は最後の二割の自由裁量と申しますか、いろいろの事情を考慮する、そういう場合に考慮いたしまして、不公平がないようにいたしたいと思います。
 最後の協同組合の関係でありますが、これも御指摘の通りでありまして、日本のような零細農業の農業改良をいたします場合には、協同という面が非常に重要でありまして、普及員にも協同組合と十分過絡を保つように十分の指導をいたしておるつもりであります。又その普及員の所在する事務所につきましても、これはその地方々々の事情がいろいろありますので、農林省といたしましては、画一的にどこに置けという指示はいたしておりませんのでありますが、地方によりましては、すでに協同組合に事務所を置かれた地方もあるように承知いたしております。それでこの辺は地方の実情に応じましてやつて行きたい。いずれにいたしましても協同組合とは緊密な連絡をとつて行くように、又普及員がいろいろ技術の指導を普及いたしましても、さて資材問題になりますと、これはどうしても協同組合の力を借りなければならない問題であります。その点においても折角指導いたしておるつもりであります。
#69
○池田宇右衞門君 税の問題については大蔵当局に尋ねたいと思います。
#70
○政府委員(最上章吉君) 附加価値税の問題は私が申上げた通りであります。要するにかかりません。
#71
○門田定藏君 農事試験場の整理問題についてお尋ねしたいと思いますが、大体今回の整理は不必要な試験場を整理するといういうことが目的であると思いますが、我々は従来全国とは申しませんが、北海道、中国その他相当廻つて見ておりまするのに、例えば綿なんぞの作れぬ稻の適地に持つて来て綿の試験場をやつて見た。その成績を調べて見ますと、稻を作るところに綿の試験場に置いているが、綿なんというものは到底できない、そういうことを何年も続けとやつておる、反面考えて見ますと、稻の試験場がその土地に必要であるにも拘わらず、そういう実績のない試験場をそのままやつておるのがあります。こういうものは根本的に改革して、稻の適地には稻の試験場、こういうふうにやつて貰いたい、こういう考えを持つております。これについての御方針を承わりたいと思います。
 その次に、この間委員長は東畑、大槻諸先生を招聘して、我々は委員として講習を受けたのでありますが、或る教授は酪農がいい、或る教授は酪農はいけない、うんと増産しなければいけない、こういうふうなことでお話もありましたし、尚、日本の農業が将来世界の農業国の一環として我々は競争するに当つて、平均水田七反や七反半の耕作反別で、数町、数十町の耕作をしておる農業国を相手としては、到底この人口が繁殖して行く日本は太刀打ちができない。これらについて将来我々日本の農業が一体どういう方針で農業経営をやつて行くか、これらに対する方針について、この間も開きますと、要するにどういう方針で行くかということは考えていない抽象論であつて、我我には何とも分らない。この点について当局は日本の現在の農業を世界の農業国の一環として、これから活躍して行くに当つて、この農作物その他についてどういう御方針を立てておられるか、将来これを農事試験場に持つて行つて、これを試験するに当つては如何なる方針を立てておられるであろうか、そういうようなことについても我我はよく方針を承わりたいと思います。
 それから第三点は、「今後における試験研究の重点たるべき畑作改善、労働生産性の向上、土地の総合利用開発、未利用地開発等に関する試験研究の推進を期するため、従来ややもすれば水田稻作を中心として配置せられた試験研究機関の立地を再検討し、今後の要請に即応し得る最適の地にこれを再配置することを目標とする。」とありまして、私ら米作に従事しておる者は、将来日本の人口の増加と国際情勢から言つても、どうしても増産を期せねばならん、そうするというと、品質も品質であるが、とにかく病虫害に耐える、増産のできる品種を奨励するということは、これは大きな増産の一つの原因だと思いますが、これらについて稻作の稻の品質の改良は、外の果樹なんぞと違つて、五、六年したら改良品種ができると考えて、それに対して全国の農事試験場その他府県の様子を見ましても、稻の改良品種の発表は我我の見ておるところではどうも手ぬるいような感じがします。これらについて、こういう日本の国際情勢から言いましても、稻の改良品種の試験ということは、これは最も我々は期待するところでありますが、これらについての御方針を承わりたいと思います。
#72
○政府委員(磯邊秀俊君) お答えいたします。第一点でございますが、これも御指摘の通りに、従来の試験研究機関のある場所、即ち立地配置を検討して見ますと、いろいろ改善を要する点がありまして、いろいろ立案いたしましたが日本の財政の現状からいたしますと、これを一挙に理想に近付けますために厖大なる経費を要しますので、その財政の事情を睨みまして、現存のこの改正案を作つたわけであります。でありまして、段々御指摘の通りに適地で試験ができて、そうして余り能率が挙らない、重要性の低いところを整理いたしまして、これを重要のところへ持つて行つて重点的にやつて行きたい。かような方針であります。それから第二の点は、これは非常にむずかしい問題でありますが、先程から酪農のいろいろのお話しが出ますが、私達は農業改良をやつておる責任者として考えておりますことは、酪農と申しましても、どこもここも酪農ができるわけではなくして、又酪農が駄目だといつても、そうでなくて、適地にやればいいのでありまして、要は経済情勢の変化を見まして、一般に経営の行われる立地條件をそれぞれ吟味いたしまして、その立地條件に即応するような方法を相当研究して進めて行く、かようにいたしたい、そういうことを考えまして、先程申しました経済の関係におきましては、日本農業の地域区分ということに重点を置きまして、行政区分でなくて、根本的にいろいろな條件を科学的に検討して農業地域を確定しよう、それに応じまして試験研究をもつと具体的に計画的にやつて行きたい、かように考えて措置いたしております。要はその土地の天然資源と申しますか、土地資源、農家の持つております農業労力というものを最大限に活用できますように資金も動員いたしまして、やるということに盡きるかと思うのでありましてどうもこれは学者の御議論のように抽象一点張りでは参らぬように考えております。
 それから第三の点でありますが、ここに書いておりましたものは、決して稻作を不当に縮小するということではなくて、新らしい日本の経済情勢の安定を考えますと、稻作だけではどうにもいかない、例えば開拓の問題を考えて見ましても、いろいろな隘路議案あつたようでありますが、その隘路の一つの大きな問題は、この試験條件に恵まれない開拓適地で、どういう技術を入れ、どういう経営をすればいいかという研究が足りなかつた点にもあるんじやないか、そういう問題を考えて来ますと、或いは又日本全体の耕地の半分を占めております畑作については、水田に加えられた研究努力に比べれば、非常に軽いのじやないか、こういう点を日本の経済の要求しますところに従いまして調整をとつて行きたい、こういう趣旨に外ならないのであります。それからそれに関連してお話のありましたように、品種改良しても、それを般一の農家に、或いは一般の社会に知らせることが遅いじやないか、こういう点は、先程来申上げますように、試験研究機関の整備刷新に従いまして、もう少し農業の実態の動きについて研究者が十分なる感覚を持ちますようにいろいろやつておりますが、これは何分研究者のトレーニングの問題でありまして、短期間に成果を挙げ得ないでおりますが、方向はその方向に動いております。
#73
○石川準吉君 今回提出になりました農業改良助長法の一部を改正する法律案の内容につきまして、ちよつとお尋ねしたいと思いますが、第一は提案理由の説明中には、第十六條の補助金の創当基準を変更するのは、普及関係職員、殊に改良普及員の経費の問題というような説明であつたのでありますが、ところが法律の十四條によりますと、補助金の対象となつておりますものは、専門指導員の巡回指導、農場展示或いは出版物の配付、或いは実地展示というようなことで限定されているようでありますが、この外にいわゆる普及員の助成というのがどこにあるのか、この中に入つておるのか、その点を第一点に聞きたいと思います。それから第二点は、第二十條二項の改正でありますが、この改正におきまして、十七條によつて都道府県が提出したところの事業の実施状況が悪いときには補助金の全部又は一部を交付しないことができるということになつておりますが、これは結構なことだと思いますけれども、これと同じような理論を適用するならば、第六條のいわゆる資金の割当をした場合におきましても同様なことがあり得ると思う。この六條の場合には都道府県その他の試験研究機関になつております。これに対しまして委託事業その他が実施状況が悪かつたというような場合には、同じようなことが理論的に言えると思いますが、これをやらなかつた点はどうか。これは簡単な点でありますが「第十七條第一項」ということに書いておりますが、第二国会の参議院の編纂法を見ますと、第十七條には二項がない。第一項しかない。どこかにミス・プリントがあると思いますが、その点をもちよつと……。三点お願いいたします。
#74
○政府委員(磯邊秀俊君) 第一点でございますが、第十六條は御指摘の通りに農業普及事業関係の費用を全部含んでおります。従いまして農業改良普及員の人件費は勿論、今お話の印刷物その他の費用を含んでおります。ただ私が申上げましたのは、現在の予算の実情は、農業改良普及関係補助金の大部分が人件費になつておるので、私共といたしましては、人件費若しくは活動費を殖やしたいということでいろいろ努力いたしております。その次の第二十條と第六條の関係でございますが、御趣旨の通りに、理論的に申上げますれば、第六條も第二十條と同じように取扱わなければならんのでありますが、ただ試験研究機関というものは、そう簡単に計画通りやつておるかどうかということの判断が付きませんし、一方普及事業はその通り使えたかどうかという判断が付きますし、取敢えず第二十條だけの改正の必要を考えてこの追加をお願いしたのであります。でありますから、第十六條につきましても御指摘のような点が起りましたら、又そのとき考えたい、かように考えます。それから第十七條ですか。十七條は御指摘の通りでありまして、ミス・プリントであります。
#75
○石川準吉君 第一点につきましてお伺いいたしましたのは、第十六條の問題でなくて、実質の問題として私は十四條の問題を聞いておる。十四條には「補助金を交付される「協同農業普及事業」」云々と書いてあります。この中に人件費が入つておるかどうかということを聞いておるのです。
#76
○政府委員(磯邊秀俊君) これは入つております。
#77
○加賀操君 今のに関連しておりますから、二、三お尋ねしますが、改正の要点は第六條の第一項の割当基準と思いますが、今まで耕地面積と農家の戸数によつて割当てたのでありますが、それは実情に即しないと、こういうので二年おやりになつたので、その結果実情に即しないので変えられたと思いますが、理論的に考えますと、普及員というものは農家が対象だと思うわけであります。そうすると、中間にある町村というものは、その普及員がいる場所であるが、大して重要でないと理論的には考えられるのであります。それを町村に入れたということは、この前も聞きましたが、これから町村に一人ずつでも置こうと、こういうお含みがあつておやりのことですか、理論的には私は町村というものはそう重要に考える必要のないものだと、かように考えておるのであります。この点を一つお聞かせを願いたいと思うのであります。それから第二十三條の第四項によりまして不要額となる金額があると、こういう予想でございますが、果してこういうことが実際に起き得るかどうか、こういうのであります。若し起きたとすれば、非常に大きな問題だと思うのであります。起き得ることを予想されてそれを第十六條の第一項の四号に入れたわけですが、そういう実際上の問題は起きるかどうか、こういう点をお尋ねいたします。
#78
○政府委員(磯邊秀俊君) お答えいたしますが、第一点でございます。それは率直に申しますと、農業改良助長法ができましたときに、多分にアメリカにおきまする例のカウンター・エージェントという考え方が入つていたような考えておるのでありますが、段々これを実施して見ますと、日本の農村の機構と申しますか、従来の発達から考えまして、町村單位という考え方が非常に強うございまして、方々の要望は、自分の村に一人置いて呉れと、こういう考え方が非常に強うございまして、それで今進んでおります方向は、取敢えず先程来申上げましたように、一ヶ市町村一名当り充員したいということで進んでおりまして、そうなつて参りますと市町村数割というものを入れまして、できるだけ市町村との関連を付けて行くということが必要になつて参つたのであります。それから又理論上というお話でございますが、理論上の問題といたしましても、お話の通り農家を相手とする問題でございますが、個々の農家を漫然一人々々相手とするということは非常に困難でありましてやはり協同組合とか、村とかいうようなものが、いろいろな形において問題になりますし、又村の方の連絡を付けることによつて事業が円満に行く、こういう関係がありますので……それからその次に、不要額云々の問題は、現に起きました問題は農業改良普及の補助金を配付いたしまして、その場合には人件費が大部分を占めておるわけでございますが、その配付する人員だけを県がいろいろな事情で置けないという問題もありまして、そういう場合にこの問題を考られて来るわけであります。でありますから、実際は年度末までは県としては非常に努力しておられるのでありますが、いよいよ置かれないことが年度の途中においてはつきりいたしました場合には、こういう措置も講じ得ると、そういうことで努力はいたしましても、こういうことが非常に起るということは考えておりません。
#79
○門田定藏君 もう一つお尋ねしたいと思いますが、昨年の全国的稻の収穫について政府の発表された予想収穫によりますと、全国的に大豊年であるという大きな評判であつた、一反に一俵以上も予想が狂つて、御承知の通り二千万石の補正を全国を通じて要求するというような状態になつたことはこれは事実でありまして、ところがこれに対して私の県から昨年の減收は昨年の暖冬のためである。冬暖かかつたので夏の気候が悪くて稻が減収になつた。もう一つ篤農家の説では、それに対処するために暖床苗代を作つて、そうして薄蒔きにして稻を作らなければならん、こういう説を語つておる人が近いうちに東京に来て、農林省だかに説明するというようなことを新聞で見ているのです。我々はもとよりこの稻の増産については、多年の経験によりますと、薄蒔きにして丈夫な苗を作るということはこれは條件になつておりまして知つておるけれども、去年の稻の減收は、去年の冬暖かかつために稻が減収になつた、こう考えていないのです。それでいろいろ調べて見ると、我我が今まで知らなかつた稻の花を食う何というか目に見えぬ蝿のような虫がわいて稻の花を食つてしまつた。それで減収になつたという説もあるし、果して去年の減收がそういう稻の花を食う害虫が全国的に繁殖して減収になつたものであるか、まあ温床のある人は、これは分つたことですけれども、これが日本の農業を経営しておる人が本当のところを掴んでいない。多分豊年であろうと思つておつたのが、そういう結果を見ているのですが、この昨年の稻の減収について如何なる、或いは東北地方はどうとか、中国はどうとか、九州はどうかというような、こういうような稻の減収の原因を当局は研究しておられるのであろうか。又これがそういう害虫のために減収になつたとすれば、その害虫を防ぐ研究を、これは大きな課題であると我々は考えているのですが、こういうことについてどうお考えになつておりますか。この問題について御意見が承わりたいと思います。それからもう一つは、さつき申しましたこの立地條件、農事試験場の整理ということ、これを成るだけ試験場を整理統合するということでなくして、立地條件に即した試験場を設定して行く、こういう方針で行つて貰いたいと思います。これについて御意見を伺いたいと思います。
#80
○政府委員(磯邊秀俊君) 収穫の問題が予想に比べまして非常に少なかつた、その凶作の原因どこにありや、こういう御質問であかますが、この点につきましては、先般来試験場関係技術者が集まつていろいろ検討いたしておりますが、まだはつきりした結論を私は聞いておりません。できましたら又御報告いたします。
 それから今の害虫のお話でありますが、稻の稈縄が若干の地方で発生したということは聞いておりますが、お話のように全国的に重大な支障を来したということも聞いておりませんので、尚よく専門家に調査いたさせましてお答えいたします。
 それから第二の点は、若干の試験場は整理統合の結果廃止になりますけれども、結果はそのために試験研究機関に重大な支障を来しはしないし、又来さないように、廃止になる試験場でやつておりました試験研究で重要性のあるものは外の試験研究機関に移してやる、こういう措置は十分講じておるつもりであります。何分全体の予算が、定員がこういう都合で殖えませんので、限られた予算と定員で効率を挙げようとすれば、どうしても若干の試験場を廃止しなければならない、こういう状態になつているわけであります。
#81
○門田定藏君 この昨年の減収についての問題は、これは全国的に大きな問題であると思いますので、我々国会が済みましたら地方に帰つて、中央のこの試験に関する報告等も農民によく話して、今年の稻作状況について大いに利用したいと思いますので、本国会中に成るだけこの委員会において昨年の、或いは区分をして、中国はどうであつたとか、どこはどうであつたとかというような的確なる一つの報告をお願いしたいと思います。その点一つ……
#82
○委員長(楠見義男君) それではあなたの方で相談して……それから門田さんは島根……
#83
○門田定藏君 私は鳥取です。島根県、鳥取県、大抵気候は同じことです。
#84
○羽生三七君 ちよつと……末端の個個の経営を担当しておる農家に技術を導入する場合のことを先程お尋ねいたしましたが、その結果経営の能率が上るとか、或いは栽培の技術が向上するとか、そういう判定を或る一定の期間そ区切つてやるというような場合に、どこを基準にしてされるかということが今私疑問になつたのであります。例えばそういう県なら県自体の成績或いは試験場のある地域的の成績、そういう一般概念的なものでなしに、個々の農家が研究所の技術なり、或いは普及員の指導なりに基いて農業経営をやつて行く場合に、そういうものが一体ごの程度の成果を挙げたかどうかを判定する基準というものは、どういうところに求められておるのか、この辺ちよつと伺いたいと思います。これはまあ非常に抽象的な問題でございますが、実際問題として能率が上がつたか上らんかという判定は一体何を基準にされるかということは、これは非常に大きな問題だと思います。
#85
○政府委員(磯邊秀俊君) これは科学的な基準を出せと言われるなら非常にむずかしい問題で、恐らくできないのじやないか、と申しますのは、農家が單に経営改善をいたしましても、その改善が何に基くかということは、その農家の努力にもよりましようし、或いは場合によつては天候にもよりましようし、殊に経営政善となりますると、経済情勢の変化ということもありましようし、これは非常にむずかしい問題にありましてただ反当収量が高まつたかどうかということなら分りましようけれども、これは総合的に判定して行くより外仕方がないのじやないか。その基準までまだ研究いたしておりませんが……
#86
○羽生三七君 そういう場合に、私のお尋ねしたい点はこういうことなのです。或る一定の期間を限つて、二年とか三年とか区切りまして、その後総合的な調査を行なつて確認する、そういうこともお考えになつたかどうかということであります。
#87
○政府委員(磯邊秀俊君) そういうことでございましたら、段々計画して行きたいと思います。それから又私の方り経済関係でいろいろ調査をいたしておりますから、その調査を若干の期間を隔ててやりますれば、その結果がすべて改良助長に基くものとは考えられなくても、或る程度の判定はできるのじやないか、それから又改良助長というものは非常に効果が目に見えないものでございますので、事情が許しますれば、これを査察と言いますか、絶え研究いたしまして、改良事業のやり方にも研究を加える。こういう予算を実は本年度考えましたが、予算が取れませんので、その関係について一つ考えて見たい、かように考えております。
#88
○羽生三七君 もう一つ。勿論今度の普及員を設置する場合には、その資格とかいろいろ條件があると思うのでありますけれども、まあ失業救済的に一人でも多く就職のできるということは結構でありますが、取敢えずこの研究の成果を、媒介する人間の問題になるのですから、非常にそういう場合、やはり農村の将来に対する熱意とか研究に対する努力とか、そういうものが非常に大きな條件になつて来る、それがないと單に就職というような意味でこれを採用しても、必ずしも所期の成果を挙げ得られない。その点は非常に重要な條件になると私考えるのでありますが、どういうふうにお考えですか。
#89
○政府委員(磯邊秀俊君) この点も御指摘の通り私達も非常に重要な点だと考えております。端的に申上げますと、この問題は段々遡つて見れば農業教育の問題、技術者をどうして教育するか、こういう問題に絡まつて来まして、農林省を離れた大きな問題になつて参るのでありますが、取敢えず改良局といたしましては、従来ありました試験場に設置されました農業技術員養成所というものをもつと刷新いたしまして、学校機関で講習できない普及員の候補者を養成すると同時に、すでに配置いたしました改良普及員に新らしい技術が生れます度ごとに、これを迅速的確に伝えますために、できるだけ多く再教育をいたしたい、こういう措置も講じておるわけであります。
 それから又この資格試験をいたします場合にも、單に学校の入学試験のような、ただ單なる試験ではなくて、その人の今お話の農村に対する熱意であるとか、人物だとか、従来のそういうことに対する経験だとか、こういうものを強く考慮いたすように指導いたしております。
#90
○加賀操君 第六條の改正によりまして、相当都道府県の補助金の割当が変つて来ると思いますが、只今局長の申されました点で大体了承できましたが、非常に変りますと、又都道府県でいろいろな問題が起るかも知れません。大体府県別に計算はなさつておられると思いますが、非常に政府としてこれは困ると思うのであります、実際問題として……。その点影響が非常に大きくない範囲で何か調節しなければならんと思いますが、その点で新らしい改正の方で、農業の天災開発不十分の部分に二割が大体保有してあることになりますが、この保有分の二割を町村の少い、且つ人口が比較的まばらな、一面から言えば、日本の端の方で生産力の弱い、或いは單作地帶、こういう方面にこの二割をどうしても配分してやらなければならんと思いますが、その点是非お願いしたいと思いまするし、どういう御意見でありますか、一応お聞きして置きたいと思います。
#91
○政府委員(磯邊秀俊君) そういう点も、お話の点も考慮いたしまして、自由裁量が従来一割でありましたものを、この度二割に拡げたのであります。それから又従来二十四年度までに配布いたしました普及員の実員が減るというようなことになりますと、お話のように、県によりましては非常に困りますから、この二千五百人の増員の機会に、増員の数を配付いたしますときに、できるだけ考慮いたしたいということで、緊急に改正案をお願いしたわけであります。でありまして、今お話のように地勢が非常に指導上不便であるとか、交通が不便であるとか、或いは災害がしばしば起るとか、或いは市の数が非常に多くて、これを町村並に扱つては困るというようなこと、そういう点はこの二割の自由裁量の場合に十分考慮いたしたい。いずれにいたしましても、二十四年度の配付数よりも減らないように、ただ増し方が多少減るということが、若干起きる程度だと思います。
#92
○委員長(楠見義男君) 外に御質問がなければ、本日はこの程度にして、できれば他の法律案も大分押し寄せておりますので、明日これを上げるようなふうにお計らい願えれば、大変進行上仕合せと思いますから。もう一度御検討頂きまして、最後の仕上げを明日して頂きたいと思います。明日は午後一時から開会いたします。本日はこれで散会いたします。
   午後四時四分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     楠見 義男君
   理事
           羽生 三七君
           石川 準吉君
           藤野 繁雄君
   委員
           門田 定藏君
          池田宇右衞門君
           北村 一男君
           深水 六郎君
           加賀  操君
           徳川 宗敬君
           山崎  恒君
  政府委員
   農 林 技 官
   (農業改良局
   長)      磯邊 秀俊君
   農林事務官
   (蚕糸局長)  最上 章吉君
  説明員
   大蔵事務官
   (理財局国庫課
   長)      小林 英三君
ソース: 国立国会図書館
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