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1949/03/07 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 農林委員会 第11号
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1949/03/07 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 農林委員会 第11号

#1
第007回国会 農林委員会 第11号
昭和二十五年三月七日(火曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○農業災害補償法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○農業災害補償法第十二條第三項の規
 定の適用を除外する法律の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○肥料配給公団令の一部を改正する法
 律案(内閣送付)
○油糧配給公団法の一部を改正する法
 律案(内閣送付)
  ―――――――――――――
   午後三時十四分開会
#2
○委員長(楠見義男君) それでは委員会を開会いたします。
 先ず農業災害補償法の一部を改正する法律案及び農業災害補償法第十二條第三項の規定の適用を除外する法律の一部を改正する法律案、この二件を議題にいたします。この二件の法律案に場つきましては、本日衆議院本会議で可決されまして、正式に本付託になりました。荷この二つの案件につきましては、両三日に亘りましてこの委員会といたしましては予備審査をいたし、大体予備審査としての質疑は終了いたしましたが、その際にも申上げましたように、討論採決に入るに先だりて、尚最後の御質問が留保されておりますので、この際その質疑をやつて頂きたいと存じます。
#3
○藤野繁雄君 私は農業災害補償法については、本委員会が要望した事項は、常に次の国会では改正案として出されておるどいう政府当局の御努力に対して謝意を述べるものであります。ただこの際二、三お伺いしたいのでありますが、昨年の六月八日付法律二百一号で改正されました八十四條の規定に基いて、農業共済組合の共済事業となつた事業が現在どういうふうな状態になつておるか。又これに対する政府の指導方針はどういうふうであるか。こういうふうなことをお伺いしたいのであります。政府の方から示された「農業災害補償制度のあらまし」というものの三頁の四によつて見ますと、特に家畜共済は農家から非常に獄迎され、発展の途上にある。こういうような家畜問題だけはこれに書いてありますが、その他のものについてもどういうふうな状態であるか。又指導方針はどうであるかお伺いしたいのであります。
#4
○委員長(楠見義男君) では庄野保險課長から……。
#5
○説明員(庄野五一郎君) 八十四條の新らしく加えました任意共済の実現でございますが、現在のところ事業開始に至りておりますのは、そのうちの家畜共済についてでございます。家畜共済は全面的に開始の運びになつておりますが、現在のところ実際に引受けをやつておるのは十数件になつております。その後は二十五年度の新規事業年度から開始するように料率の調査、或いは宣伝、こういうような準備を進めております。そういう状態であります。
#6
○藤野繁雄君 今度改正案で病害虫及び鳥獸害の追加を見たのでありますが、その結果鳥獸の害をどんなにして政府は予防駆除をされようとしておるのでありますか。この点から言えば狩猟件に関係があると思うのであります。狩猟濃の改正案が出されるような模様でありますが、狩猟法が規定するところは、ますます鳥獸を保護する規定になつて来るるのであてつ、農産物に害があつてもこれを簡単に農家が駆除することができないような規定に現在はなつているのであります。例をとつて申しましたならば、猪のようなものが出て、一晩の間に「いも」畠一反を食い潰すのであります。こういうふうな場合においても、猪を捕ることも殺すことも現在の規定では簡単にできないのであります。こういうふうなことは災害の中に鳥獸害を加えたけれども、加えた結果は政府り負担が大きくなつて駆除の方法ができないということだつたらば非常に困るような状態に陥るのではなかろうかと、こう思うのでありますが、狩猟法との関係はどういうふうに考えておられるか、この点お伺いしたいのであります。
#7
○政府委員(藤田巖君) 災害補償制度の趣旨は、消極的に災害がございました場合の共済だけに止まらず、積極的にその災害を防止する、こういうふうな面も重要であるのでありまして、御指摘のございました鳥獸害についての被害を未然に防止するための措置をどうするか、こういうことであるわけであります。これは御指摘のございましたように、狩猟法にも関係する部分が沢山あるわけであります。現在いろいろその方面も研究をいたしているわけでありまして、具体的にこれをどうするということについては、まだはつきりいたしておりませんわけでありますが、これについても一つできるだけ鳥獸害を未然に防除するために必要な措置の取れるように、これは林野庁及び関係方面とも折衝いたしまして解決して行きたいと思います。
#8
○藤野繁雄君 次は農業共済組合が品物を取扱つた場合に、まだ現在取扱つておられんのであるが、そういうような場合に事業者団体との関係はどういうふうになつているか、この点伺いたいのであります。
#9
○説明員(庄野五一郎君) 只今共済団体の物品の取扱についての御質問でございますが、これは共済団体が積極的防除のためにみずから事業を、積極的防除の活動或いは仕事をする、こういうふうにみずから買つてみずからこれを使う、そういうような関係におきまして需要者としてこれを購入している次第でありまして、事業者団体との関係は現在のところ問題になつていないと思います。
#10
○藤野繁雄君 次は前に私共が可決しまして家畜保険衛生所法というものができ上つたのでありますが、この家畜保險衛生所と農業共済組合の家畜診療所との関係はどういうふうに考えてられるか、お伺いしたいのであります。
#11
○説明員(庄野五一郎君) 私の方の共済組合でやつております家畜診療所、申しますものは、加入いたしております家畜につきまして疾病傷害、こういうふうな場合に現物給付ということをやるものでございまして、それから又加入家畜の積極的な事故の防止、そういう面を担当するわけでありまして、現在のところ無獸医地帯にこれを設置するという方針で進んでおります。それからこの畜産局において今度できました衛生所、これにつきましては私の方といたしましては、こういうところをよく連絡を取りまして、こういう衞生所の指導、或いは協力を得まして家畜共済事業、事故防止に努力したい、そういうふうに考えております。
#12
○藤野繁雄君 次は農業共済保險組合の災害評価委員の評価の問題でありますが、この問題が食糧供出にも関係があると思うのであります。この被害評価委員が本年の実収査定委員会とどういうふうな連絡によつて、今年の供出をやろうとしておられるのであるか、この関係をお伺いしたいと思います。
#13
○政府委員(藤田巖君) 損害評価の委員につきましては御承知の通物、共済組合に損害評価委員というものが約二十名乃至二十五名のものが、ございまして、災害がございます場合は現地に立会つてその損害を一筆ごとに嚴重に大定をいたしておりますわけであります。これについては別途作報関係で曲べております災害の報告とも緊密に拙絡をいたしております。大体今回の二十四年産米の災害に関する損害評価につきましてもうその作報の災害報告を基礎といたしまして、それよりも多く出ないというふうなことで査定をいたしております。尚現実にそれが殖えております県につきましては、どういう理由でそれが殖えたがということの現状を調査いたしまして、その理由を審かにいたしました上損害の評価をやつておる、こういうような建前でやつております。
#14
○藤野繁雄君 昭和二十五年度の農作物及び蚕繭共済金額は約六十億であります。そのうち農家の負担が三十二億で政府の負担が二十八億、こうなつているのでありますが、私の考えといたしましては米麦の事前割当をしておられる、且つ現在のように政府が一方的に安く米価を決定する以上は、災害によつて生ずるところの米麦の損害額というものは全額政府が負担するのが当然であると思うのであります。この点お考えをお伺いしたいと思うのであります。
#15
○政府委員(藤田巖君) 災害制度の建前といたしまして全額国庫が、これを負担すべきであるという御意見も私共尤もな点があると考えております。併しながら現在の財政その他の事情を考慮いたしまして決定をいたさなければならんと思つておるわけでありまして、私共の意見といたしましては現在御承知の農家の負担分と国庫の負担する分との割振りであります。これは農家負担は農業経営に支障のない限度に止める、その他の分についてはこれを国庫において負担する。こういうふうに差当りのところは国庫負担分をできるだけ沢山持たせる、こういうふうにいたして進んで参りたい、かように思つております。
#16
○藤野繁雄君 農家は災害を受けましたならば、それによつて収穫は皆無になるのであります。そうしますとその牢には收入の途はなくなる、全くなくなつてしまつて、次の収穫年度までは再生産の資金とは生活に必要な資金とが要る、こういうようなことになつて来るのであります。補償金によつて再生産に必要な資金は得られるといたしましても、生活資金の不足を訴えるのであります。従来であつたならばこういうふうな場合においては、農地を担保として金融の途が講ぜられたのでありますが、農地改革の結果農地は担保権もなくなつてしまつたのでありますから、金を得ようとしても金を得る方法がないのであります。災害というものは人の力を以て如何ともすることができないところの不可抗力であります。この不可抗力から生じたところの損害を善良なる農民に負担せしめるということは、これは不合理であると私は信ずるのであります。私はこんな不幸に陷つたところの農民に対しては食糧の増産に努めしむるためにも、政府が全額負担しなくちやできないというふうに考えるのでありますが、更にこの点についてお伺いしたいと思うのであります。
#17
○政府委員(藤田巖君) 災害によつて発生した事故に対して保険金の、共済金の支拂はすべて国庫負担によつて賄うべしということであります。これは先程も申上げました通り、私共はその理論において、これは決して間違つておらないと考えます。我々もできるだけそういうふうな目的に到達するように努力すべきだと考えております。ただ実際問題といたしましての措置は、そのときそ、の財政事情をも考慮いたしまして決定しなければならんわけであります。先程申上げましたように理想はその通りであるが、国家財政上全額を負担されない場合におきましても、農家の負担する部分というものは、農家経営に支障のない限度に止めて置くというふうな考え方で行きたいと思つております。
#18
○藤野繁雄君 財政上というお話であつたのでありますが、昭和二十五年度の政府予算を見てみまするというと、輸入食糧に対しては四百五十六億五千万円の補給金が出ておるのであります。これだけの金を政府が出すという気があるといたしましたならば、僅か総額六十億の中、政府負担が三十八億ぐらいであるのでありますから、出そうと思えば出ざれないことはないのであります。若し又こういうふうなことによつて政府が災害を負担して呉れる、食糧の増産に農民がいそしむというようなことだつたらば、輸入食糧も減少になつて来るのであります。輸入食糧が減少したならば、さつき申上げた補給金も自然減ずるということなあつて、政府の負担することが一挙両得であると考えるのでありますが、この点更にお伺いしたいのであります。
#19
○政府委員(藤田巖君) たびたび申上げましたように、趣旨におきましては私共全然同感でございます。従いまして我々といたしましては、財政の許す限りというふうな方向に進みたいと考えておりますので、今後とも政府も努力いたしたいと存じますから、議会方面におきましても、そういうふうな趣旨が貫徹いたしますように御協力を頂きたいと考えております。
#20
○委員長(楠見義男君) これで質疑も終了したようでありますから、これから討論採決に入りたいと思います。先ず最初に農業災害補償法の一部を改正する法律案を議題にいたします。
#21
○藤野繁雄君 私は次の希望條件を付して賛成するものであります。
 公定価格で供出するところの農作物の農業災害補償金というものは全額国庫で負担して貰いたい。速かに農業災害の防止がでぎるように関係法を改むると共に、事務的及び資金的の措置を講じて貰いたい。共済組合が病虫害防除のための機械器具及び薬剤等を取扱う場合は農協と十分な連絡を取つて遺憾なきを期せられたい。共済組合の損害決定はできるだけ速かにして、以て供出及び課税の軽減に寄與するように指導督励せられたい。
#22
○委員長(楠見義男君) 外に御発言がなければこれよわ採決いたします。農業災害補償法の一部を改正する法律案につきましてへ衆議院送付原案通り、御賛成の方の御起立をお願いいたします。
   〔総員起立〕
#23
○委員長(楠見義男君) 総員起立でありますから、全会一致を以てこの法案は可決することに決定いたしました。
#24
○委員長(楠見義男君) 次に農業災害補償法第十二條第三項の規定の適用を除外する法律の一部を改正する法律案を議題にいたしまして、これより討論、採決に入ります。
#25
○羽生三七君 この法律案には賛成でありますが、この法律の臨時立法的性格を速かに止めて、恒久立法化するということを希望して賛成するわけであります。尚その詳細については前に質疑の際に申述べたので繰返しません。
#26
○岡村文四郎君 羽生さんの御発言に賛成いたします。同様本案を決定することに異議ありません。
#27
○委員長(楠見義男君) 外に御発言がなければこれより採決に付します。農業災害補償法第十二條第三項の規定の適用を除外する法律の一部を改正する法律案につきまして、衆議院送付原案通り可決することに御賛成の方の御起立をお願いいたします。
   〔総員起立〕
#28
○委員長(楠見義男君) 総員起立、よつて全会一致を以て本案は可決することに決定いたしました。
 尚委員長報告その他におきましては、例によりまして委員長にお委せを頂きたいと思います。
 それでは両案を可とせられた方は順次御署名を願います。
  多数意見者署名
   藤野 繁雄  柴田 政次
   羽生 三七  赤澤 與仁
   加賀  操  徳川 宗敬
   山崎  恒  池田宇右衞門
   北村 一男  門田 定藏
   池田 恒雄  岡村文四郎
   小川 久義  石川 準吉
#29
○委員長(楠見義男君) 次に先程申上げましたように、肥料配給公団令の一部を改正する法律案、及び油糧配給小団法の一部を改正する法律案、この二件を議題にいたしまして、本日は提案理由だけ伺うことにいたします。
#30
○政府委員(坂本實君) 肥料配給公団令の一部を改正する法律案の提案理由を簡単に御説明申上げます。
 改正点は二つございまして、第一の点は肥料配給公団令の有効期間の延長であります。本公団令はその附則におきまして、昭和二十五年三月三十一日を以て失効することになつておりますが、肥料の需要と供給の現況及び現在進行中の春肥の配給途上に機構を改革することは時期尚早と考えられますので、一応本公団令の期間を一年延長し、同公団は現在の春肥配給終了の上成るべく速かに本令第七條の経済安定本部総務長官の解散命令により廃止することといたしたのであります。改正の第二の点は、基本金の増額であります。同公団に必要な什器、備品は基本金により購入することとなつておりますが、すでにこれが損耗甚だしく業務上甚だしく支障を来すに至つておりますので、五百万円を増加して最小限の補充をいたすこととしたのであります。
 何とぞ愼重御審議の上御賛同あらんことをお願いいたします。
 更に油糧配給公団法の一部を改正する法律案につきましてその提案理由を御説明申上げます。
 食料品配給公団法又び油糧配給公団法は、御承知のごとく当該公団法の規定により本年四月一日失効することとなるのでありますが、食料品配給公団が取扱つている味噌、醤油又び乳製品については、漸次需給状況が好転し、もはや公団による一手買取販売による強力な統制を必要としないと認められるに至りましたので、今回政府は、食料品配給公団法の有効期間の延長の措置をとらず食料品配給公団を解散せしめることに決定したのでありますが、同公団の取扱つている砂糖又び油糧配給公団の取扱つている油脂、油脂原料等だついては、未だ供給が不足しており、一手買取販売による強力な統制を行なつて行くことが国民生活安定のため必要であると認められますので、油糧配給公団法の効力を一年延長し、同公団の名称を「油糧砂糖配給公団」に改めると共に砂糖をも同公団に取扱わけることとするのが本法律案提案の目的であります。この法律案におきましては効力延長に関する改正規定は昭和二十五年三月三十一日以前に、その他の改正規定は同年四月一日から施行することとなるのでありますが、これによつて、油糧配給公団の法人格財産関係等については何等変動がないものと解しております。又砂糖に関する業務の取扱については、食料品配給公団の四月一日現在の在庫品を油糧砂糖配給公団に売り渡すことにいたしたいと考えております。
 政府は、油糧砂糖配給公団の在続を一応一年延長することとしたいのでありますが、政府としまじては砂糖及び油糧の輸入量の増大によりましてその需給の均衡が得られ次第同公団をも廃止する予定でありまして、これは今後の輸入その他の需給事情によりますけれども、昭和二十五年度中には恐らく実現し得るものと期待している次第であります。公団の一手買取販売を止めることとなつだ味噌、醤油及び乳製品につきましては、民間企業による取扱に委ねまして、自由の範囲を極力拡げ、必要に応じまして最小限度の簡素な需給調整をすることにしたいと考えているのであります。更に油脂、油脂原料等にづいてもその必要のなくなつたものについては、逐次公団による取扱を止め、民間企業に委ねて行きたいと考えています。
 以上簡単に提案理由を述べたので宝りますが、何とぞ愼重審議の上速かに御可決あらんことをおい願いいたします。
#31
○委員長(楠見義男君) それでは本日はこの程度で散会いたします。
   午後三時四十三分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     楠見 義男君
   理事
           羽生 三七君
           柴田 政次君
           石川 準吉君
           藤野 繁雄君
   委員
           門田 定藏君
          池田宇右衞門君
           北村 一男君
           赤澤 與仁君
           加賀  操君
           徳川 宗敬君
           山崎  恒君
           池田 恒雄君
           岡村文四郎君
           小川 久義君
  政府委員
   農林政務次官  坂本  實君
   農林事務官
   (農政局長)  藤田  巖君
   食糧庁長官   安孫子藤吉君
  説明員
   農林事務官
   (農政局農業保
   險課長)    庄野五一郎君
   
ソース: 国立国会図書館
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