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1949/03/23 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 農林委員会 第15号
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1949/03/23 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 農林委員会 第15号

#1
第007回国会 農林委員会 第15号
昭和二十五年三月二十三日(木曜日)
   午前十一時五分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○新農業政策確立に関する調査の件
 (農業関係税法に関する件)
○食糧管理法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(楠見義男君) これより本日の委員会を開きます。
 先ず新農業政策確立に関する調査の件を議題にいたします。ちよつと速記を止めて下さい。
   午前十一時六分速記中辞
   ―――――・―――――
   午後零時二十九分速記開始
#3
○委員長(楠見義男君) 速記を始めて下さい。それでは休憩いたします。
   午後零時三十分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時零分再開
#4
○委員長(楠見義男君) では休憩前に引続き会議を開きます。食糧管理法の一部を改正する法律案を議題にいたします。速記を止めて下さい。
   午後二時二分速記中止
   ―――――・―――――
   午後二時十八分速記開始
#5
○委員長(楠見義男君) 速記を始めて下さい。
#6
○國務大臣(森幸太郎君) 政府の食糧の国内需給度向上の必要を説いておるがその目標如何。これは今日の人口が八千二百万と推定されておりまするが、八千二百万の国民を養つて行くについてどれだけの食糧が要るか、こういう問題でありますが、今日二合七勺ということに基準を定めておりますが、この二合七勺は決して滿足する食糧の量ではないのであります。又質の上から申しましても、外に蛋白質給源等の必要がありまして、栄養食糧の立場から日本が今まで戰前においては二千五百カロリーを標準とされておつたのでありますが、今千四、五百カロリーに制約されておるというような状態でありまして、これが一人前の国になつて、一人前の人間として国民として食べるようになると、どれだけの食糧が要るかという問題であります。これは過去の統計によりましても米で一石七升かそこらであります。その外麦とか或いはいもとかいうものは統計を計つておりません。そういう時代の、いわゆるパンも食い菓子も食い、酒も鱈腹飲むというような時代の標準でありますが、果して今後日本の絶対必要量というものが二千五百カロリー許された場合において、どれだけ要るかという見通しを考えますと、まだまだ日本の需給度は低いのでありまして、今後この国内食糧の需給を米めて行かなければならない。それは自給自足ができるとは私はどうも考えられないのであります。限りなく殖えて行く人口と極限された耕地、而も耕地の生産力は大体限度に達しておる場合もあります。過去の富民協会にありました八石四斗も取る、これもレコードに出ておりましたけれども、これは全国的にさようなことを望んでも駄目であります。今では米におきましては二石四斗そこそこが標準とされておりますが、併しまだまだ私は平均收量を上げ得ると考えるのであります。米にしましても、麦にしましても、又その他の食糧にいたしましても、まだ上げられる余地があると存じます。それはどうするかという問題が起つた場合におきましては、これはあらゆる施設がありまして、これは幾たびもこの委員会で申上げました通り、耕作の安全性を第一に考える、それは少々の雨が降つても、風が吹いても被害がないという耕地の状態に置くということが、先ず第一、私は国土の上から考えて行かなければならん、それには治山治水に力を入れて、いわゆる耕作の安全性を求める。それから病虫害の発生ということについては、年々悩まされるのでありますから、この科学的な駆除予防ということも取り入れて行かなければならない。又栽培におきましては、品種改良或いは栽培法の合理化ということは、まだまだ地区的に残されておりますので、政府といたしましては、全国各地に散在いたしておりまする篤農家、精農家等の意見を集めまして、果してそれが普及し得られるか、或いは合理的であるかということを科学的に実際的にこれを調べて、そうして果してその考え方がよいというのならば、これを農業普及の組織によりまして普及して行きたい。そういうような方面からあらゆる作物の増産を図つて行きたいと考えておるのであります。
 それで食糧の需給の好転に伴つて食糧の供出制度の変更の構想如何という問題でありますが、これは果して日本の食糧需給が好転したかという問題であります。これは相変らず日本の食糧は不足しているのであります。食糧事情は好転したということは、結局外国の食糧が入り易くなつて来ているということと、外国の食糧事情がよくなつたということに帰するのでありまして、決して日本自体の食糧事情がよくなつたとは考えられないのであります。結局入る食糧はガリオアで入りますものは特別といたしまして、その他は日本の輸出力によつて買わなければならんのでありますから、結局金が要るわけであります。それでありますので、食糧事情は世界的に見ればよくなつたかは知れませんが、日本から見ましては結局安易に食糧事情がよくなつたとは言えないのであります。併し日本は敗戰治下にありまして、この食糧需給推算につきましても、本当にいろいろな予算等の関係がありますので、こちらの考え一方においてこれを処理することが困難な事情にあることも御承察願えることと存じます。現に我々は「いも」類を主要食糧の一部に加えておつたのであります。然るに昨年の九月から日本は「いも」を主要食糧から外してもよいのではないかというような向うから指示をしますことは、日本の食糧の事情がよくなつたのではない、輸入食糧の事情がよくなつたのだというようなことからさようなことになつたということも考えられます。併しこれは自主的の立場から「いも」は一応主食から撤廃いたしましたけれども、日本の国民の食糧事情から申しまして、やはり「いも」類というものは主要食糧の相当重要な比重を以ておのずからこれは進むべきものであろうと存じます。従つて「いも」類の生産はできるだけ落さないようにして行きたい。本年度は御承知の通り四億万貫は買入れます。そのあとの推定十一億万貫の「いも」はどうするか、こういう問題でありますが、これは自家用消費が五億万貫ぐらいありますが、あと六億万貫は工業原料として浮び出て来るのであります。「いも」の利用の方法は相当研究されております。これも経済的の考えも持つて行かなければならんのでありますけれども、恐らく二十億万貫ぐらいの「いも」は工業原料、食糧として消化される研究も積んでいるのでありますから、十一億万貫の「いも」につきましては、決してこれを工業原料に持つて行くことについてそうむつかしい問題でないのであります。ただ政府におきましては、おつ放して全然消費の見通しなしでは、折角ここまで進んで参つた「いも」の生産に対して迷惑を蒙らすわけでありますから、相当今予算措置を研究いたしているわけでありますが、協同組合を通じましてそうして加工施設と連絡を取つて、そうして第一次加工、第二次加工というふうに連絡を取りまして、そうして折角できました「いも」を意議ある加工をしたい、かように考えているわけであります。
 尚作付転換の問題でありますが、これは農家一戸々々の農業経営の面から検討を加えて行かなければならんと存じます。所によりましてはやはり「いも」類を作つた方がいい、農業経営から作つた方がいい、こういう限定された土地もあります。又この都会地地方の郊外農業におきましては、更にこれを外の園芸作物或いはその他の蔬菜類に転交した方がいい、こういうような面もあろうと思います。これはその個個の農業の経営ということによつて考えて行かなければなりませんので、これは農業協同組合の指導の面から十分こういう方面に指導して貰つて、それに対する指導、或いは種苗等の面においても、農林省はできるだけの便宜を図りまして、そうしてこの作付転換に対して措置をいたしたい、かように考えているわけであります。
 それから外国食糧輸入の対策でありますが、これはこのあとにもちよつと書いてあるようでありますが、三百四十万トンの計画に基きまして一応日本がこの輸入食糧の量を決めたわけであります。併しこれはどのくらいがガリオアで来るか、どれだけがコンマーシヤルで入るかというこの問題は、あとにも質問が出ているようでありますが、これははつきり申上げましてもその通り行くかどうか分らんのでありますが、大体ガリオアで入りますのは百四十万トンぐらいでないかと考えているわけであります。従つてそのあとのものが日本の輸出力によつて輸入される、こういうことになりますので、結局いわばはつきりとそれを把握するまでは、どうも輸入食糧を輸入したということは言えないのでありますが、併しこれは貿易の情勢から考えまして、三百四十万トンが或いは三百万トンに終るかも分りませんけれども、大体三百四十万トンの外国食糧を輸入することによつて需給推算を立てているわけであります。
 それから国際小麦の協定の問題でありますが、これは外国電報であります。
 それから国際小麦の協定の問題でありますが、これは外国電報でありますので内容がはつきり分りませんが、日本の加入を延期いたしましたことについては、アメリカから買うか、或いはその買先によつていろいろの国際的な関係があるらしいのでありまして、この六月まで待たなければはつきりしたことは分らないということであります。併しこれは決定ができますれば安い麦が入つて来るわけでありますが、五ヶ年目においてこの国際小麦協定の価格によりますと、大体今日の日本の小麦の値段ととんとんぐらいな値格になると予想されるのでありますが、現在では日本の小麦よりは相当上廻つているのであります。将来幾らかでも外国食糧を輸入しなければならないというこの日本の実情から考えまして、国際小麦に協定を許されることが、日本の食糧確保の上においては利益である、かように考えるのであります。ただその価格の問題につきまして、国内の作物の価格との関係、これは又別に考えなければならんことと考えております。
 それから逐條審議につきましては、これは後程事務当局より説明をいたさせます。
 第三の飼料その他のことについて、二十五年米穀需給による、この問題でありますが、この持越米につきましては、今までより余計残るのではないか、それでは余計配給するつもりか、又こういうような事情であるのに尚雑穀を統制しているではないかというようなことも先程の質問の中にあつたようでありますが、雑穀も実はこれはいつかもこの委員会で申上げました通り私は止めたいのであります。併し一応二十五年の米穀年度の需給推算を立てます上において、米の割当等の関係から雑穀の生産状況を見まして八十万石割当をいたしているのであります。併しこの持越米の現状がまだ全部ガリオア物資として来ない関係上どうなるか分りませんが、この七月に至りまして米国から日本に対する食糧がどういうような対策を講じられるかということの目度がつきました場合におきましては、この雑穀の中で特殊なものを除いてこれは外してもいいのではないかと私は考えるのであります。
 尚この超過供出奨励金、或いは早場米の奨励金をどうするかという、これは重大な問題であります。そういうように食糧の供出制度を緩和して、そうして超過供出の奨励金を出すか、或いは早場米の奨励金を出すかということが、非常な問題になつて来るのでありますが、政府におきましては、この二十五年の米の供出制度はこのまま私は押して行つて、来年の三月の三十一日において一応二十五年の産米も供出が終るわけでありますから、その後において来年の「いも」から新らしくなつて行くわけであります。そうすると、今年の十一月に先ず麦がいわゆる二十六年度の米穀年度の関係を持つて参りますので、少くともこの八、九月頃までには今後の供出制度に対しての、若し現状でいかんとするならばその根本策を立てまして、そうしてその方針に向つて伸びて行くということにしなければならない、かように考えておるわけであります。併しこの二十五年産米の超過供出奨励金に対しましては、政府の現在持つております方針によつて進んで行きたい、かように考えておるわけであります。それからこれはいろいろどういう事由でそういうことをやるかと、いろいろ御質問を各委員会で承わるのでありますが、余りにも持越米が多いではないか、なぜそんな必要があるのか。そんな必要があるならば、二合八勺の配給したらいいじやないか、こういうお説も承わつておるのであります。ところが今申しました通り、三百四十万トンというものが、或る一部は今申しましたような輸出力によつて輸入する、こういう関係もあるのであります。又日本の食糧の供出状況が、昨年三千二百余万石を割当てまして、又今年の生産に三千二百余万石を割当てましたが、農家としてはそんな生産はできない、そんな割当を受けることは到底でき得ないということが強く主強されておるのであります。現に未だに東北地方の八県でありましたが、末端に下せない、そんな生産計画では応じられないというところまで強き主張があるのであります。そうしますと、この日本の食糧は一体どの程度に実收がつかめるかということと、それから風水害等が年々ここ二、三年続くために一千万石以上の減收があるとまで予想されるような被害があるのであります。そういうようなことを考えますと、この食糧基準配給をやつておりまする責任の立場といたしましては、相当の食糧というものの手持ということも一つ考慮の中に入れておかなければならんではないかと思います。で、それについて考えておりますことは、各地方に散在しておりまする倉庫であります。この倉庫が非常に戰争中貯藏の余り長期な必要がなかつたので、相当荒廃いたしておるのであります。これは今後米の自由市場等も一部において考えておられる事情から申しましても、又政府が或る一定期間この米穀を、輸入食糧も国内食糧も管理して行かなければならんということを予想いたしましても、やはりこの地方における倉庫というものに対しまして今から注意を拂いまして、この倉庫の完備を期しておくということも、併せてこの際必要であろうかと、かようなことも考えておるわけであります。
 尚その他につきましてお答が残つておりましたら申上げたいと存じます。今年の麦作の実況でありますが、これは今年も暖冬異変でないかということを心配いたしまして、各試験場へこの一月の末でありましたが、臨時に調査をさしたのでありますが、一時暖冬異変というような心配もあつたようでありますが、昨年のようなことはなくて順調に発育をいたしておるようであります。昨年は暖冬異変で相当麦作の上において騒ぎましたけれども、試験場等の調査によりますと暖冬異変の被害は約一割だということを報告いたしておるのであります。むしろその暖冬異変においてはなかつたが、脆弱に育つたために病虫害に遭つたということも、これは一つの暖冬異変が遠因となつておつたということも言えますが、あの暖冬異変におきまして寒冷地方において寒害、雪害等がなかつた九州、中国、四国方面において異変があつたというような結論から申しまして、大して昨年は暖冬異変の被害はなかつたようでありますが、本年も昨年に比較いたしますと頃常に害がない。先ず今では肥料の施量方法等を注意いたしますならば、別段惡い作況ではないという報告を受取つておるわけであります。
 尚後段の「いも」切乾、「いも」粉、澱粉等のことは、こういう問題は事務局からお答えいたします。大体概略でありますが、答弁をいたします。
#7
○委員長(楠見義男君) 申上げますが、速記は大蔵委員会の方から拝借をしておりまして、その方はもう暫くしますと、採決に入るそうでありますからお返しをいたしますから、御了承頂きます。それでは速記を止めて下さい。
   午後二時三十八分速記中止
   ―――――・―――――
   午後四時十四分速記開始
#8
○委員長(楠見義男君) 速記を始めて下さい。それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十五分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     楠見 義男君
   理事
           羽生 三七君
          池田宇右衞門君
           石川 準吉君
           藤野 繁雄君
   委員
           北村 一男君
           柴田 政次君
           國井 淳一君
           徳川 宗敬君
           山崎  恒君
  国務大臣
   農 林 大 臣 森 幸太郎君
ソース: 国立国会図書館
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