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#1
第096回国会 災害対策特別委員会 第5号
昭和五十七年四月二日(金曜日)
    午前十時三十一分開議
 出席委員
   委員長 川俣健二郎君
   理事 工藤  巖君 理事 渡辺 秀央君
   理事 池端 清一君 理事 木島喜兵衞君
   理事 柴田  弘君 理事 横手 文雄君
      今井  勇君    木村武千代君
      木村 守男君    笹山 登生君
      田村 良平君    高橋 辰夫君
      近岡理一郎君    戸井田三郎君
     三ツ林弥太郎君    阿部未喜男君
      田中 恒利君    福岡 義登君
      草野  威君    薮仲 義彦君
      野間 友一君    林  百郎君
      石原健太郎君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (国土庁長官) 松野 幸泰君
 出席政府委員
        国土庁長官官房
        審議官     川俣 芳郎君
 委員外の出席者
        北海道開発庁地
        政課長     大窪 敏夫君
        科学技術庁研究
        調整局地震予知
        研究調整官   成松 佑輔君
        国土庁長官官房
        防災企画課長  楢崎 泰道君
        国土庁長官官房
        震災対策課長  小松原茂郎君
        文部省管理局教
        育施設部指導課
        長       福岡純一郎君
        文部省管理局教
        育施設部助成課
        長       逸見 博昌君
        厚生省環境衛生
        局水道環境部水
        道整備課長   田中  収君
        農林水産省構造
        改善局建設部防
        災課長     吉川  汎君
        通商産業省機械
        情報産業局産業
        機械課長    見学 信敬君
        通商産業省生活
        産業局日用品課
        長       坂本 春生君
        中小企業庁小規
        模企業部参事官 熊澤 正光君
        運輸省港湾局防
        災課長     浦江 恭知君
        気象庁予報部長
        期予報課長   渡辺 正雄君
        気象庁観測部地
        震課長     山川 宜男君
        労働省労働基準
        局監督課長   岡部 晃三君
        建設省河川局防
        災課長     狩野  昇君
        建設省道路局企
        画課長     萩原  浩君
        建設省住宅局建
        築物防災対策室
        長       梅野捷一郎君
        建設省国土地理
        院地殻調査部長 藤田 尚美君
        自治大臣官房参
        事官      鶴岡 啓一君
        消防庁震災対策
        指導室長    松田 有弘君
        日本国有鉄道旅
        客局サービス課
        長       佐野  実君
        日本国有鉄道施
        設局土木課長  村上  温君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二日
 辞任         補欠選任
  阿部 昭吾君     石原健太郎君
同日
 辞任         補欠選任
  石原健太郎君     阿部 昭吾君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和五十七年浦河沖地震による災害について説
 明聴取
 災害対策に関する件(浦河沖地震問題)
 派遣委員からの報告聴取
     ――――◇―――――
#2
○川俣委員長 これより会議を開きます。
 災害対策に関する件について調査を進めます。
 まず最初に、昭和五十七年浦河沖地震による災害について、政府から説明を聴取いたします。国土庁川俣審議官。
#3
○川俣政府委員 五十七年浦河沖地震による災害につきまして、その被害状況及び政府として現在講じつつあります対策について御説明申し上げます。
 三月二十一日十一時三十二分ごろ、北海道浦河町西方沖二十キロメートル、深さ十キロメートルの海底で、マグニチュード七・三の地震が発生いたしました。
 各地の震度は、北海道浦河で震度六の烈震、小樽、苫小牧、札幌等で震度四の中震であり、その他広い範囲にわたって地震動があり、また、北海道、東北地方の太平洋岸で小規模な津波が観測されました。
 三月二十九日十五時現在の主な被害状況は、死者、行方不明はございませんで、負傷者百六十九名、うち重傷者二十名、全壊十二棟、半壊十九棟、一部損壊六百七十二棟となっております。また、道路につきましては国道二百三十五号線で、鉄道につきましては国鉄日高本線で一部が不通となり、その他各地で停電、断水等が発生いたしました。
 本災害に対処するため、北海道庁に北海道地震災害対策連絡本部を、浦河町ほか七市町に市町災害対策本部を設置し、消防機関による防災活動、北海道警察による災害警備活動、自衛隊の災害派遣を行うなど、万全の応急対策を講じたところであります。
 政府におきましては、関係省庁において係官を現地に派遣し、被害状況、復旧工法の調査を行い、また、三月二十三日及び三月三十日には災害対策関係省庁連絡会議を開催し、被害状況の把握に努めるとともに、諸対策について協議をいたしました。
 これまでの復旧の状況及び今後の対策は、以下に申し上げるとおりであります。
 まず、交通、通信、公共施設等の復旧についてでありますが、停電、電話回線の不通につきましては、直ちに復旧工事を行い、地震発生の翌日二十二日には復旧をいたしました。
 断水につきましては、自衛隊等の給水車により応急給水を実施する一方、復旧工事を急ぎました結果、三十日までに全面復旧をいたしました。
 国鉄日高本線のうち、現在不通の区間については鋭意復旧工事が進められておりまして、静内−浦河間は四月五日、浦河−様似間につきましては四月下旬をめどに開通を図ることといたしております。
 国道二百三十五号のうち、現在不通の静内橋につきましては、鋭意応急復旧が進められておりますが、四月中旬をめどに小型車の通行の確保を図ることといたしております。
 以上のほか、被災した道路、港湾、漁港等の公共土木施設、農業用施設、公立学校施設、社会福祉施設等につきましては、応急復旧を行いますとともに、現地の体制が整い次第、できる限り速やかに災害査定を実施し、早期に本復旧を行うことといたしております。
 次に、被災者等に対する援助であります。
 住宅被災関係につきましては、住宅被災者に対する住宅金融公庫によります災害復興住宅資金の貸し付けを行うことをすでに決定いたしております。
 中小企業関係につきましては、被災中小企業者に対し、政府系中小三機関によります災害復旧貸し付け等の措置を行うことといたしております。
 また、地方財政上の措置につきましては、被害状況を把握し、財政状況を勘案の上、地方債、特別交付税等の措置を検討することといたしております。
 今後とも、今回の地震による災害につきましては、関係省庁間の密接な連携をとりまして、その対策に万全を期してまいりたいと考えておるところであります。
 以上でございます。
#4
○川俣委員長 これにて説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#5
○川俣委員長 次に、去る三月二十九日、昭和五十七年浦河沖地震による被害状況調査のため北海道に本委員会から委員を派遣いたしましたので、派遣委員から報告を聴取いたします。工藤巖君。
#6
○工藤委員 調査のため、議長の承認を得て、三月二十九日北海道に派遣されました派遣委員を代表いたしまして、調査の概要を御報告申し上げます。
 当日の調査に参加いたしましたのは、川俣委員長を初めとして、日本社会党の池端清一君、公明党・国民会議の草野威君、民社党・国民連合の横手文雄君、日本共産党の野間友一君、新自由クラブ・民主連合の阿部昭吾君、そして私、自由民主党の工藤巖の七名でありました。なお、関係省庁からも同行を求めまして、現地の被害の実情をつぶさに調査してまいったのであります。
 まず、地震の発生状況について申し上げます。
 去る三月二十一日午前十一時三十二分、北海道浦河町沖の西方約二十キロの地点で地震が発生いたしました。気象庁の観測によりますと、その規模はマグニチュード七・三で、震源は浅く、深さ十キロであったとしております。各地の震度は、浦河町において震度六の烈震を記録したのを初め、小樽、苫小牧、札幌等で震度四、また、北海道のほぼ全域並びに東北地方においても強い地震に見舞われました。
 次に、このたびの地震による被害の状況並びに国や地方自治体の対応につきましては、ただいま政府から説明がございましたので、この際省略させていただきますが、一言申し上げるならば、死亡者がゼロであったことと、地震による二次災害として一番恐れられている火災が起こらなかったことが、不幸中の幸いであったと思います。
 次に、視察いたしました個所の現況について、視察の順序に従って御説明申し上げます。
 まず初めに、静内町から申し上げますと、国道二百三十五号における地割れ、陥没等の被害は、まさに今回の地震の強さを見せつけられる思いでありました。
 特に、静内橋は、橋脚の八基中六基に損傷の被害を受け、その中でも静内町側から三番目の橋脚の損傷は特にひどく、斜めに亀裂が入り、横揺れによるずれが見られる状態でありました。これらの破損部分については、政府では、仮設橋脚を設け、復旧作業に取りかかり、とりあえず四月中旬には小型車は通行できるようにし、その後、完全復旧に努めたいとしております。
 現在の車社会において、地元の方々にとっての生命線ともいうべき基幹国道が不通となり、迂回路として十五キロの山回りを余儀なくされております。緊急を要する車両や、間もなく始まる新学期を控え、遠距離を迂回しなければならない小中学生の送迎バスなどのことを考えますと、一日も早い復旧が望まれるところであります。
 次に、三石町について申し上げます。
 まず、三石漁港についてでありますが、ここでは護岸胸壁が傾斜し、岸壁のエプロンが陥没いたしておりました。
 続いて、三石小学校につきましては、木造平屋建ての校舎である教室の壁は崩れ落ち、窓ガラスは割れ、トイレに至っては天井や壁が崩れ落ちまして、足の踏み場もない全壊の状態でありました。また、同敷地内にある校長住宅に至っては、やっと家屋の原型を保っている状態であり、床は波打ち、内部の壁、ふすま、天井も崩れ落ちておりました。
 教育施設の被害を見るにつけ、今回の地震が日曜日で児童のいなかったことに不幸中の幸いを感じるとともに、新学期には速やかに授業が開始できるよう、万全な措置を講ずることが望まれるところであります。
 引き続き、スポーツセンターについて申し上げますと、体育館の床がすり鉢状に沈下し、全面張りかえが必要と思われました。ここにおいても地震の恐ろしさをまざまざと見せつけられました。
 次に、浦河町に入り、浦河町大通五丁目の常盤町商店街を視察いたしました。
 そこは二階あるいは三階建ての建物がずらり並んだ商店街で、ある家は大きく傾き、またある家は外壁が崩れ落ち、ショーウインドーが壊れてベニヤ板で応急処置してある状況等から、このたびの地震の激しさをうかがい知ることができたわけですが、なお店内を見せていただいた建築資材店等では、家の柱が折れ、商品が散乱し、まさに震度六を証明しているかのようでありました。
 こうした被災商工業者に対しまして、一刻も早く低利かつ長期の融資の必要を感じた次第であります。
 続いて、浦河港について申し上げますと、ここでも三石漁港と同様、護岸壁が大きく傾き、また、埠頭エプロンの中央部分が沈下し、大きな段差や亀裂が生じておりました。
 これにつきましても、その利用に際しての安全の確保と施設機能の回復の面からも、一日も早い復旧が望まれるところであります。
 以上、被害の現況について述べてまいりましたが、地元の日高町村会、日高総合開発期成会からは次の七項目の要望がございましたので、この際、御報告させていただきます。
 一、国道二百三十五号静内橋の早期復旧と応急
  仮橋等により、国道の通行可能な措置を早急
  に実施されたい。
 二、公共施設災害復旧事業の全面採択と早期施
  行を実施されたい。
 三、被災住宅の復旧に対する長期低利の融資措
  置を講ぜられたい。
 四、被災商工業者に対する長期低利の融資措置
  を講ぜられたい。
 五、浦河測候所の機能整備と地震予知体制を確
  立されたい。
 六、国鉄日高本線を早期に復旧されたい。
 七、特別交付税、地方債等による地方財政対策
  を講ぜられたい。以上であります。
 最後に、現地調査を終え、現地で感じましたことを申し述べたいと思います。
 まず初めに、今回の地震で最も特筆すべき点は、戦後三度目と言われる震度六の烈震であったにもかかわらず死者がゼロであり、また、火災等の二次災害も発生せず、その被害を最少限に食いとめたことであろうと思われます。これは、日高地方が地震常襲地帯であり、地域住民が日ごろ徹底した防災訓練を積み重ねるとともに、町当局においても、新築住宅には筋交いを多く使用する等の耐震構造にするよう指導したり、防災に関する小冊子を配布したり、いわゆる町ぐるみの防災体制をとってきた成果であり、この地震が残した教訓は今後の防災面に生かされなければならないと思います。
 次に、地震予知体制についてでありますが、政府では、今回の浦河沖地震が発生した地域は地震予知連絡会による指定地域に含まれていないので、同連絡会における専門的な検討を経て、その結果を踏まえ、適切な対応をしたい、また、マグニチュード七・三クラスの地震はその発生機構等が十分に解明されていないので、その予知はきわめて困難であるとしております。しかしながら、今回のような地震がもし大都市に近いところで起これば甚大な被害が避けられないということにかんがみ、政府は積極的にこの問題を検討すべき時期に来ていると思います。
 第三に、被災者等に対する財政金融上の措置についてでありますが、今回の地震による被災地は、昨年の八月にも台風十五号により大きな被害をこうむったところであります。したがって、現地ではたび重なる被害で過重な負担が強いられている現況にかんがみ、政府は、被災自治体に対する特別交付税の交付並びに被災者に対するより長期で低利な災害復興貸し付け等についても特段の配慮をすべきであると思います。
 以上、現地を調査いたしまして感じました点を申し上げましたが、これらの点につきましては、現地からの要望事項等ともあわせまして、今後十分検討し、適切なる措置を講ずる必要があると思います。
 なお、政府におきましても、現地の要望につき、その実現に最大限努力されるようお願い申し上げます。
 最後になりましたが、被災地住民の生活が一日でも早く回復されるよう切望するとともに、日夜復旧活動に当たられている関係者の御労苦に深く敬意を表し、感謝申し上げまして、私の報告を終わります。(拍手)
#7
○川俣委員長 以上で派遣委員の報告は終わりました。
 派遣委員各位にはまことに御苦労さまでございました。
    ―――――――――――――
#8
○川俣委員長 本日は、特に浦河沖地震問題について質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。高橋辰夫君。
#9
○高橋委員 質問に先立ちまして、今回被災されました地域の方々に心からお見舞いを申し上げます。また、災害対策特別委員会の委員長を団長とする調査団がいち早く現地を視察してくださいましたことに対して、深く感謝申し上げる次第でございます。また、わが党においても現地に視察団を派遣をいたしまして、つぶさに視察をしてまいった次第でございます。
 三月二十一日に北海道全域と東北、関東を襲いました浦河沖地震は、マグニチュード七・三という強大なものでありました。浦河沖地震は、北海道では初めて、全国的にも戦後三度目という震度六を記録し、札幌、帯広、苫小牧市などでも震度四を記録いたしました。ちょうど私もそのとき苫小牧市の自宅におりまして、あの苫小牧市で震度四でございましたが、一瞬、樽前山が噴火したのかというような気持ちにもなり、私の自宅でもテレビが十四、五センチずるというような状態でございました。
 当日は現地とも電話連絡がとれず、ようやっと十二時前後に現地の方々と電話することができました。私は次の日、二十二日に浦河町に参りまして、被災された町内をつぶさに視察をし、お見舞いを申し上げたような次第でございますが、このたびの被害は、負傷者百六十九名、うち十八名の重傷者がございます。被害住宅が七百三棟、うち全壊が十二棟、被害総額は五十六億六千六百万円にも上るものでありますが、浦河町に関して言えば、不幸中の幸いといいますか、一人の死者もなかったということであり、また、一件の火災も出していないのでございます。当日の新聞報道によれば、東京が同規模の地震に襲われたとすれば、死者は三万六千人、二十三区の三二%が焼失するだろうと言われております。密集地帯でないとはいえ、住民の方々の冷静な行動というものが被害を最小限度にとどめたと言えるであろうと思います。
 浦河町を中心とする被災地帯は、御承知のとおり、昨年の夏には二、三度の集中豪雨、暴風雨により大変な打撃を受けたところであり、かつまた、二年連続の冷害を受けたところでございます。十日間に近い余震が続いておりまして、その間、被災住民は本当に不安におののいておったと言っても過言ではございません。被災された住民の方々に報いるためにも、国が手厚い保護の手を差し伸べてもらいたいと念願する次第でございます。
 まず、国土庁長官に、今回の地震災害に対する決意をお伺いいたしたいと思います。
#10
○松野国務大臣 お答えいたします。
 今回の地震はマグニチュード七・三の大きな地震であったにもかかわらず、死者、行方不明がなく、地震につきものの二次災害としての火災もなく、被害が最小限にとどまったことは、不幸中の幸いであります。このような被害が最小限にとどまった大きな理由として、住民が十勝沖地震等の過去の地震の経験にかんがみ、防災訓練等を通じて、地震が起きたときにはまず火を始末するなど、地震に対する心構えが十分できていたことが挙げられると思います。私といたしましては、この教訓を今後の地震対策に十分生かしていくとともに、今回の地震被害につきましては、関係省庁との密接な連携のもとに、被害者に対する援助、施設の復旧等、その対策に万全を期してまいりたいと考えております。
#11
○高橋委員 まず最初に、公共災害からお聞きをいたしたいと思います。
 今回の公共災害の中で、公共土木施設の被害と、その復旧対策にどのように取り組んでおるのか、お伺いしたいと思います。
 特に、浦河港等の地方港湾の調査、査定を速やかに行ってもらいたいと思いますが、いつごろ判明するのか、お伺いをいたしたいと思います。
#12
○狩野説明員 お答えします。
 まず、被害の状況でございますが、三月二十一日に発生した浦河沖地震による建設省所管の公共土木施設の被害額は、三月三十一日現在の報告額で、直轄災害では静内橋を含む国道二百三十五号線にかかわるもの八億円、補助災害にかかわるものについては河川、道路等八億円、合計約十六億円となっております。
 次に、復旧対策でございますが、直轄災害にかかわるものは、静内橋について橋脚の復旧工事を進めており、五十七年度内に全体の復旧工事を完了させる方針でございます。補助災害につきましては、被害個所のうち緊急に復旧を要する個所は応急復旧工事を行う等の措置により工事に着手し、また、早期復旧を図るため、被災地方公共団体の準備が整い次第、早急に査定を実施する予定でございます。
 以上でございます。
#13
○浦江説明員 浦河港の被害状況につきまして御説明申し上げます。
 現在までの調査によりますと、今回の地震によりまして、浦河港の被害は、外郭施設であります防波堤と、係留施設であります岸壁や物揚げ場に発生しております。その被害額は約八億円程度ではなかろうかと推定しております。
 災害復旧についての現在までの進みぐあい、今後の対応でございますが、民生安定上早期に港湾施設の機能回復を図る必要から、現地におきます準備が整い次第、四月中を目途に実施することを考えております。また、災害復旧につきましても、その調査結果に基づきまして早期復旧のために努力してまいりたいと思います。
#14
○高橋委員 ただいまの静内橋のことも、今月中旬には何とか通したいというようなことがございましたが、日高管内は橋梁が非常に多いわけなんですけれども、その中で静内橋が被害をこうむったというような状態でございます。この橋は四十七年完成ですから、十年たった橋がこういう状態になったということは、私も橋の状態を見てみましたが、この橋の復旧というものが、一体今後地震多発地帯におけるその地震に耐えられる補修ができるかどうか、その工法を研究して復旧に当たっておるのかどうかということをお伺いいたしたいと思います。
#15
○萩原説明員 お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、国道二百三十五号線は日高の海岸線を結ぶ唯一の幹線道路でございます。この幹線道路の中の一つの静内橋が、今回の浦河沖地震によりまして非常に大きな被害を受けてございます。八基あります橋脚のうち、三基についてはかなり大きな破損、その他の三基については比較的軽微な損傷を受けてございます。したがいまして、現在、歩行者及び自転車を除き通行どめになっておりまして、地域の方々に多大の御迷惑をおかけ申し上げて、まことに申しわけなく存じておる次第でございます。
 本橋の応急復旧につきましては、先ほども総括の御説明にございましたように、致命的な被害を受けました第三番目の橋脚のそばに仮設橋脚を設置いたしますと小型車が通せる、こういうふうに考えております。それを四月中旬までに行いまして、四月中旬には小型車が通行できるようにいたしたいと思います。
 本格的な復旧につきましては、被害の大きい三基の橋脚につきまして橋脚を取り除いた後に新たな橋脚を設置するなどの措置を行いまして、あるいは軽微な損傷にとどまったものにつきましては補強を行うなどの工法によりまして、五十七年度中には全体の復旧を完了いたしたい、こういうふうに考えてございます。
 ただいま高橋先生から御指摘がございましたように、あのように大きな被害を受けるということについて一体復旧工法あるいはその他の問題はないのかという御指摘でございますが、確かに私どもは、今度の橋の一部が致命的な破壊を受けたということにつきましては非常に大きなショックを受けております。
 構造物といたしましては、大体二百ガルの水平加速度を受けるということを想定いたしまして設計いたしました橋でございますが、今回は現地から七十キロほど離れております広尾町で二百ないし三百ガルの水平加速度が作用したという強震計の記録がございます。したがいまして、予想よりはかなり大きな水平加速度が作用したということが言えるのでございますが、この程度の予想よりオーバーするような力によりまして壊滅的な破壊を受けるというようなことは、ちょっと考えられないことでございます。軽微な損傷は確かに受けますが、このP3に見られますような壊滅的な打撃を受けるということについては、非常に私どもショックを受けまして、部内で技術の検討グループを設けまして、懸命にこの問題点について解明をいたしたいと思っております。それを本復旧の設計にも反映させたい、このように考えておる次第でございます。
#16
○高橋委員 このたびの地震というものはそういう結果があるわけでございますが、個人的な災害が非常に大きな状態でございます。公共災害の被害は二十四億円であるのに対して、住宅の被害の三億五千万円と商工業の被害の十二億円、合わせて十五億五千万円という個人災害の被害が大きな割合を占めておるわけでございまして、それが今回の災害の特色でもあろうかと思います。
 そこで、住宅被害を受けた被災者に対して住宅金融公庫による災害復興住宅の資金貸し付けを行ったと聞いておりますが、その概要をお伺いいたします。
#17
○梅野説明員 お答えいたします。
 私どもといたしましても、被害の実情の把握に努める一方で、いま先生から御指摘ございましたような住宅の被害に対する復旧対策の検討を進めていたわけでございます。住宅の被害が金融公庫の災害復興住宅の資金貸し付けの発動条件に該当するということが判明いたしましたので、直ちに同貸し付けの適用をすることを住宅金融公庫に対しまして指示したところでございます。
 この災害復興住宅の資金貸し付けといいますのは、一般の住宅貸し付けに比べまして幾つかの点で有利な条件でお手伝いしていこうということでございます。たとえば、利率は一般の住宅貸し付けが五・五%というものに対しまして、災害復興住宅は五・〇五%ということでございます。また、貸付限度額につきましても、北海道地域におきます場合には、一般の場合には木造で五百七十万円、耐火構造で六百七十万円ということでございますが、この対象になりますと、木造では五百七十万円が七百三十万円、耐火の場合には六百七十万円が八百四十万円というような限度額になるわけでございます。また、償還関係の条件も、年限そのものは変わりございませんが、三年以内という据え置き期間をつけております。
 そのほか、補修につきましても似たような有利な条件でございまして、利率は六・〇%を五・〇五%、貸し付けの限度額も二百七十万円を三百六十万円というような条件のものでございます。
 この災害復興住宅資金の貸し付けというものを発動しろということで、先ほど申し上げましたように住宅金融公庫に指示をしたわけでございますが、早速その準備に取りかかりまして、三月二十六日までに地元の町当局に対する御説明とか罹災者の方々に対する周知方というような準備を進めまして、現在この貸し付けの準備を終えておるという状況でございます。
#18
○高橋委員 北海道では八百四十万円にしてもらいましても、これはもう手の届くところではございません。特に先ほども調査団からも報告があったわけでございますけれども、防災訓練を徹底してやって、それが被害を最小限度にとどめたというようなことでもございますし、そういった全壊等の建物に対しては、これは規定がございましょうけれども、もう少し弾力的な運用をして、今後そういった地震に対処できるような住宅を建てるように金利等も十分ひとつ考えていただきたいと思います。
 次に、中小企業に対する措置でございますけれども、被災中小企業者対策として、国民金融公庫あるいは中小企業金融公庫の災害貸し付けがございます。この金利は八・二%になっておるわけでございますが、特に私は北海道で有珠山対策委員長をやりまして、当時福田総理にも直訴いたしまして閣議で特別な措置をしていただいたわけでございますけれども、今度の被害は商工業者の個人災害が大変大きな状態でございましたので、これらの商工業対策としてさらに低い金利の融資を行うことを考えているかどうかをお伺いいたしたいと思います。
#19
○熊澤説明員 お答えいたします。
 中小企業庁といたしましては、現在、被害状況の調査をいたしますとともに、すでに先生から御指摘ございましたように、三月二十五日に政府系中小企業金融機関でございます中小公庫、国民公庫によります災害貸し付けを発動しますとともに、商工中金につきましても被災中小企業者に対する融資条件の緩和を実施いたしております。この災害復旧貸し付けにつきましては、その実施に当たりまして既往貸付金の返済についても弾力的に対処するという措置をあわせて行うことになっております。
 また、同時に、三十日、三十一日に、被災地におきまして政府系三機関の支店も参加いたしまして被災中小企業者の金融相談を実施いたしまして、どの程度の資金が必要かというようなことにつきまして調査して、現在取りまとめ中でございます。
 先生御指摘のさらに低利の融資制度を実現できないかという点につきましては、こういう地域的に大きな事故が起こる場合に備えまして中小企業体質強化資金助成制度がございまして、これは都道府県と国とが協力いたしまして、災害等がございました場合に経営等が不安定になっております中小企業者に対しまして低利の融資をするということで、基準金利につきましては昨日から七・四%でございますけれども、一%程度の引き下げもできることになっておりますので、地元北海道庁の意向も酌みながら鋭意検討をしてまいりたいというふうに考えております。
#20
○高橋委員 次に、医療施設並びに社会福祉施設の復旧についてでございますけれども、公的医療機関は災害補助が二分の一ありまして、私的医療機関は特別融資のみであります。これを早期に優先的に貸し付けてもらいたいと思いますし、また、償還期限の延長等の措置は考えているのかどうか。
 次に、老人ホーム、福祉センター等には、一般補助扱いではなく、早期査定による速やかな国庫補助を考えてもらいたいと思いますが、これに対してお伺いをいたします。――それでは、別の課長さんが来ていますから、ひとつ十分な対策をしてもらうように言っておいてください。本当は通告してあるのですから、当然来ておると思ったのでありますけれども……。
 次に、水道関係でございますが、一週間断水をして、自衛隊の出動で給水を非常に効率的にやっていただきました。水道は御承知のように生活に不可欠な問題でありますけれども、浦河町は早いのは昭和二年に管を埋めたというふうに言っておりますが、そういったことで大変管が割れたりひびが入ったりというようなことで断水になったわけでございます。これらの今後の水道の復旧等についても災害に強いものが考えられてしかるべきだと思うが、そのような方法はあるのかどうかをお伺いいたしたいと思います。
#21
○田中説明員 かなり水道の施設は耐震的であるということが水道法の方でも規定されておるわけでございますけれども、水道のパイプは地中に埋設してございますので、地震が来ますと被害を多少とも受けるわけでございます。特に新潟地震の場合には大きな被害を受けましたし、宮城沖地震の場合も大きな被害を受けております。したがいまして、それらの経験を経まして、その都度耐震工法の基準というものを改善してきておるわけでございます。また、水道用の資機材の面につきましても改良が進められておりまして、水道施設の耐震化につきましては、工法並びに資機材の面からかなり強化が図られているわけでございます。
 しかしながら、先ほどおっしゃいましたように、浦河町の施設は布設年次が比較的古いものが多うございまして、そういう意味で漏水個所が約百五十カ所ほど生じまして、地震発生後完全に復旧いたしましたのが三十日の夕刻、十日目、その間は部分的に断水して応急給水活動をしたわけでございますが、復旧に際しましては新しい資機材を使い、新しい耐震工法を用いて復旧すべきものであるというふうに考えている次第でございます。
 以上でございます。
#22
○高橋委員 今後とも、水道復旧あるいは水道の管を埋めることについて、十分ひとつ方法を講じていただきたいと思います。
 先ほど調査団からも報告がありましたように、公立学校施設の被害というものは部分的、地域的にも大変ひどいところがあったわけでございますけれども、その災害復旧事業にかかわる国庫補助の実態をひとつお伺いいたしたいと思います。
#23
○逸見説明員 御説明いたします。
 公立学校施設の復旧につきましては、公立学校施設災害復旧費国庫負担法に基づく補助を行うわけでございますが、いまのところ、四月中旬までに設置者の方から災害復旧事業計画書が提出される予定でございます。これを受けまして、四月下旬までに現地調査を行い、引き続き速やかに所要の措置をとる、こういう手順でございます。
#24
○高橋委員 次に、地方財政対策でございますけれども、被災地方の公共団体は、税の減免、徴収猶予等による減収に加え、災害対策のための特殊財政需要が大変増大し、財政運営に影響を与えることが予想されるわけでございます。これらの問題に関連して、特別交付税、地方債等による財源措置の用意はあるかどうか、また、国民健康保険の保険料の減免が予想されるが、特別調整交付金の交付について考えているかどうかをお伺いいたしたいと思います。
#25
○鶴岡説明員 今回の災害に関係します地方団体の財政措置の関係でありますが、まず、特別交付税につきましては、省令の定めるところによりまして、公共災害復旧事業費、罹災世帯数、損壊家屋数、それから農作物被害面積、死者、行方不明者等、あるいは災害救助費の額等に応じまして従前から所要の額をそれぞれ措置してきているところでありまして、今回の災害につきましても、関係地方公共団体の被害状況あるいは財政状況を勘案しまして適切に対処してまいりたいと考えております。
 また、地方団体が実施いたします災害復旧事業につきましては、災害復旧事業債を各省の災害査定等と合わせながら実施してまいりたいと思っております。
#26
○高橋委員 交通対策としてお伺いいたしたいのでありますが、先ほどの説明で日高本線の復旧の見通しがございましたが、その中で、浦河地区は四月下旬になるようなお話でございました。現在は浦河の高校は春休み中でございまして、いまバス運行をやっておりますけれども、学校が始まればバス運行を増発しても大変混雑をするような状態にあるのじゃないか。特に浦河高校では、新入生を含めて生徒九百九十五名のうち三分の一に当たる三百二十名が汽車通学の予定であり、始業式が四月八日、入学式が四月九日に迫っているわけでございますけれども、こういった状態からすると、バス運行でも一般利用客にも大変迷惑をかけることになるわけでございまして、昨年も集中豪雨で長期間不通であったような状態でもございます。特にそういう通学生対策もあるわけでございますから、一日も早い開通を望むわけでございますけれども、先ほど報告されましたより早く復旧ができるかどうかをお伺いをいたしたいと思います。
#27
○村上説明員 お答えいたします。
 日高本線でございますが、三月二十一日の地震で線路、それから橋梁、トンネル、建物等で約百四十件被害がございました。鋭意復旧に努めまして、静内までは翌日すぐ開通をいたしましたし、それから浦河までは、先ほど国土庁から御説明がありましたように、四月五日の新学期からということで鋭意努力をしておりましたが、幸い進捗状況が非常によく、一部徐行個所を残してはおりますが、実は昨夕遅く開通することができました。
 浦河から様似までの間でございますが、この間は橋梁が四カ所ばかり壊れておりまして、現在、橋梁の改築をやっております。一応四月下旬という見通しはほぼ確実と思われますが、一日も早く復旧をしたいというふうに考えてございます。
 それから、輸送につきましては、担当の旅客の方から御説明いたします。
#28
○佐野説明員 先生御指摘の新学期の輸送でございますけれども、高校生の登下校に合わせましてできる限り増便をして対処するということで、開通までの間、対応してまいりたいと思います。
#29
○高橋委員 農業用施設の問題でございますけれども、私も浦河、三石町を回っていろいろ調査したのでありますが、農業用施設の暗渠排水は、現在被害として調査もできませんし、また、報告もありません。これが農耕期になれば、水を入れて通らなかったとか、あるいはそれらの被害というものが出てくると思うわけでございますけれども、この被害報告並びに復旧方針をひとつ。この春先、北海道はまだ雪が降っておりまして、それが農耕期になって出てくると思いますけれども、その復旧対策に対してどう考えておるかをお伺いしたいと思います。
#30
○吉川説明員 お答えいたします。
 今回の地震による農業用施設の被害額といたしまして、北海道庁から、四月一日現在におきまして農業用施設三十四カ所、四億一千五百九十万円の報告が出ております。ただいま御指摘のとおりまだ積雪もございますので、さらに道庁と密接な連絡のもとに被害の実態把握に努めるとともに、御指摘のとおり今春の作付等に支障を来さないように、事前に点検を行うとか、あるいは早期に復旧するべきものにつきましては早期に対応するというようなことで、強力な指導をしてまいりたいというふうに思っておりますので、御了承いただきたいと思います。
#31
○高橋委員 最後に、地震観測体制の整備についてでございますけれども、釧路周辺の道東地域が地震予知連絡会の特定観測地域に指定されておるわけでございますが、どうも聞いてみますると浦河周辺はその指定が困難であるというようなことも聞いておるわけでございます。いろいろ規約、規制等から言うと何か大変むずかしいようなことを言っておりますけれども、要するに、浦河町はそういう防災体制を整えて訓練をしておったということで、今回人命もあるいは火災もそういう被害がなかったということにいたしましても、そんな規制からああでございます、こうでございますなんと言わずに、やはり、ここでは戦後三回大きな地震を経験をいたしておるわけでございますから――地震予知なんということは私は非常にむずかしいと思います。私は噴火のときもいろいろ調べてみましたけれども、予知なんということははっきり言ってでき得ません。人間の生命の終局を予知できるのかということと同じことですから、それは住民に日ごろ防災というものに対してそういったことを植えつけておくことで被害が最小限度になるとするならば、そんな規定を度外視をしてこの地域を指定すべきだと私は思いますけれども、それについてお答え願いたいと思います。
#32
○藤田説明員 説明いたします。
 この地域の周辺では、一九五二年マグニチュード八・一の十勝沖地震、一九六八年マグニチュード七・九の十勝沖地震が相次いで発生しております。この地域周辺の地殻エネルギーは相当量解消しているというふうに考えられております。したがって、この地域でマグニチュード八クラスの巨大地震が発生する可能性は低いと見られております。また、この地域の陸上部では活断層がほとんどないというような理由によりまして、特定観測地域の指定基準、四つございますが、そういう基準に照らしますと地域指定からは外れるという事情がございます。
 昨日、地震予知連絡会の特定部会を開催いたしまして、その場で、今回の浦河沖地震に関する学術的検討とともに、地域指定についても専門的な見地から検討を加えました。その結果、今回の浦河沖地震がマグニチュード八クラスの巨大地震に結びつく可能性は低いであろうという結論を得ました。
 しかし、この地域には、北海道大学で微小地震観測網及び地殻変動観測所を設置しております。さらに、今回を契機にしまして、臨時に地震観測網を展開しております。国土地理院でも、今年度早々に水準測量百十キロを実施いたします。今後も各種の地震観測を強化するということで各機関の一致を見ました。同地域を特定観測地域に指定するというまでには至りませんでしたが、実質的には特定観測地域に準じた観測、測量を行っていきたい、こう考えております。
#33
○高橋委員 そういった四つの条件なんとか言わずして指定していただくようにお願いをいたしまして、質問を終わります。
#34
○川俣委員長 この際、関連質疑の申し出がありますので、これを許します。渡辺秀央君。
#35
○渡辺(秀)委員 同僚議員の浦河沖地震に際しての質問の関連の一環として、この際、国土庁、建設省に考え方をお聞きいたしておきたいと思います。
 いままでの質問の中にもるる出ておりましたとおり、まず、この地域は戦後三回の地震に見舞われた、いわゆる地震危険地域と言える地域であろうと思います。全国何カ所かこれらに相応する地域があるわけでありますし、また、非常に日ごろの日常生活に不安を来している住民の皆さん方のことを考え、あるいはまた、その地域における経済活動、教育活動等々、いろいろ考えてみた場合に、まず一つとして、公共事業あるいは公共建築物、こういうものに対して、言うならば全国一般平均一律の基準で建築をしたり、あるいはまた、公共事業の工法といいましょうか、そういうことで果たしていいのであろうかということが、この際、真剣に考えられなければならないことではなかろうかと思うのです。私も現地を自由民主党を代表して視察をいたしてきた一人として、あの現地の状況を見たときに、いわゆる災害危険地域と想定される地域であるにもかかわらず、全く工法としては全国並みの、同じたとえば道路のアスファルトの厚さであるとか、あるいはまた学校の建築基準であるとかというようなことに、一つの疑問が出てまいったわけであります。
 それらのことについて、今後一体これでいいかどうかということをまず一点お伺いを申し上げたいと同時に、先ほども、中小企業問題を初めとして住宅問題、いろいろ質問が出ておりましたが、言うならば激甚指定なりあるいは局地激甚指定なりという激甚指定基準の問題について、前々から豪雪災害においてあるいは地すべり災害においてよく言われてきたことでもありますけれども、この基準の見直しということについて政府は一体どう考えておられるか。災害が大きければこの基準に当てはまり、災害が小さければ当てはまらないという矛盾したこと、しかし、災害においては言うならば被災者の立場から見れば同じことではないか、あるいはまた、町村の地域においてもそういうことは言えると思うのでありますが、それらについて、財政当局との関連性もあろうと思いますけれども、この際の国土庁あるいは建設省の考え方、あるいは中小企業庁まではいかなくても、その辺のお考え方をただしておきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
#36
○川俣政府委員 激甚災害の指定基準の見直しについてのお話でございますけれども、御案内のとおり、災害対策には災害の予防あるいは災害復旧、被災者に対する援助等々の対策があるわけでございますけれども、これらは原則といたしまして、災害対策基本法なりあるいは災害関係の諸法令によってこれらの事業を実施する者がその費用を負担するという原則があると思うのでございます。ただ、その原則ばかりを貫きますと、甚大な被害を受けた市町村等におきましては財政的にも非常に困難が生じてくるというようなところから、実施責任者の費用負担の原則の例外といたしまして、国として援助すべきものがあるではないかというようなことで激甚法ができ、また災害救助法等があるというふうに考えておるわけでございます。
 したがいまして、国として援助すべきものについてどの範囲のものを考えるかということになりますが、これはやはり一定の基準というものを設けなければならないということになると思います。そういったことで、激甚法に関連いたしますところの指定基準というものが現在あるというふうに思うわけでございます。現在の指定基準が果たして妥当なものかどうかということにつきましては絶えず検討しなければならない、私どももさように考えております。現実に局地激甚につきましても、先生方の御理解を得まして、森林災害の復旧事業に対する補助が局地激甚の対象になっているわけでございます。
 ただ、たとえば局地激甚の場合に、公共土木施設災害については、現在、査定事業費と当該市町村の標準税収入を比較をいたしまして、それを超えるかどうかというところで基準に該当するかどうかを決めておるわけでございますけれども、これらについてもいろいろ見直しの御意見のあることは十分承知をいたしております。市町村の財政力というもの、あるいは地方団体の財政力をどう評価するかという問題とも関連いたすわけでございまして、私どもといたしましては、ただいまのお話につきましては関係省庁と十分協議をしながら慎重に検討させていただきたい、かように考えております。
#37
○萩原説明員 ただいま先生の御指摘がございました建造物に対する耐力の問題でございますが、御指摘のように、地震多発地帯とそうでない地域につきまして色分けをしました取り扱いを従来はやっておりました。今回問題になっておりました静内橋は、実はそういう色分けのもとでやりました設計でございます。ところが、その後研究が進みまして、最近では地域の色分けよりも地盤の状況が非常に大きく効くということで、地盤の要件をかなり大きく入れた設計に現在はなっておりますが、静内橋は当時は別のやり方で、地域でやっておりました。したがいまして、先ほど申し上げましたように、あのような壊滅的な破壊を受けるということについてはちょっと私どもショックを受けておりまして、この事実につきましてはいろいろ検討いたしまして、それなりの対策を今後講じていきたいと思っておる次第でございます。
#38
○渡辺(秀)委員 どうぞ御検討をお願い申し上げまして、終わります。
#39
○川俣委員長 これにて関連を含め高橋君の質疑は終了いたしました。
 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午前十一時三十四分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時四分開議
#40
○川俣委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。池端清一君。
#41
○池端委員 私も、冒頭、今回の浦河沖地震によって被災された皆さん方に対し、心からお見舞いを申し上げる次第でございます。
 さて、今回の浦河沖地震は、戦後では三回目の震度六という烈震でございました。しかし、先ほど御報告がございましたように、一人の死者もなく、二次災害で最も恐ろしい火災も発生しなかったということは、日ごろから町ぐるみで防災に取り組んできておること、そして住民の冷静な行動によるところが大きいと思うわけでございまして、今後の地震対策の上でも大きな教訓を示したものだ、こう思うわけでございます。備えあれば憂えなしという言葉がございますが、しかし、この備えが国を初めとする行政の施策によってではなくて、もし個人の努力によって多く支えられているとするならば、それは大きな問題があるのではないか、こう思うわけでございます。そういう観点から、まず最初に、地震予知の問題について幾つかお尋ねをしたいと思うのであります。
 三月二十一日、この浦河沖地震の当日でございます、北海道大学の地震予知観測地域センターによりますと、前震と見られる小さな地震が、午前六時三十六分から九時三十三分までの間に計六回観測されているのでございます。そのうち有感地震、体に感じた地震は午前七時三十五分に発生をしておりまして、これはマグニチュード五・一でございました。浦河では震度三、帯広、広尾では震度一、これが記録されているのであります。私ども素人目で見まするならば、六回もの地震の前ぶれがあったということであるにもかかわらず、今回もその本震が予知されなかったというのは、やはりどこかに問題点があるのではないか、こういうふうに思うわけであります。
 御承知のように、すでに三十年前の昭和二十七年三月四日には十勝沖地震が発生をしております。そして、十五年周期で大きな地震が起こっておる、こういう地震多発地帯、常襲地帯であります。また、地震の銀座であるというふうに言われておるわけであります。朝方にこのような前震があったにもかかわらず、なぜこの本震を予知できなかったのか、その理由は一体那辺にあるのか、その辺の事情についてまず最初にお尋ねをしたいと思うのであります。
#42
○山川説明員 御説明申し上げます。
 気象庁では、全国的にマグニチュード三クラス以上の地震の観測を担当しておりまして、マグニチュード二クラス以下の小さい地震は、大学等の研究機関がその観測を担当することになっております。北海道大学で観測されました六回の地震のうち、ただいま先生御指摘の五クラスの有感地震以外は、いずれもマグニチュードが二クラス以下の微小地震であったと聞いております。
 実は気象庁でも、このうち大き目の二つほどは観測をしたのでございますけれども、現在の地震学の技術水準では、この時点で、これらの地震が来るべき大きい地震の前震であるという判断はできなかったわけでございます。今回のようにマグニチュード七クラスの地震は、発生機構も前兆現象のあらわれ方もまだ十分解明されておりませんので、残念ながらその予知はきわめて困難なのが現状でございます。
#43
○池端委員 重ねて端的にお尋ねをしますが、いまのお答えは、現在の科学技術のレベルではマグニチュード七程度の地震予知は一〇〇%不可能、こういうことですか。それとも、北海道は東海地方や首都圏に比べて予知体制がおくれているので、今回は予知できなかったということなのですか、そのいずれですか。
#44
○山川説明員 マグニチュード七クラスの地震は、海洋型の巨大地震でございますマグニチュード八クラスの大規模地震と異なりまして、先ほどの御説明でも申し上げましたように、発生機構が十分わかっていないということでその予知がきわめて困難でございます。そういう意味では、業務的に予知を行う段階には至っていないわけでございます。仮に東海地方のように観測網を充実いたしましても、現在の地震学の水準では、防災に直結するような予知を行うことはやはりきわめて困難でないかと考えております。
#45
○池端委員 政府はそういう言い方をするのですけれども、北海道内の学者や研究者の皆さんは、一様にそういう政府の考え方に対して否定的な見解をとっております。はっきり申し上げますが、たとえば地震予知連絡会の委員でもございます阿部勝征北大理学部助教授は、いま政府が言われたようなことは決してない、もし東海地震並みの観測体制がとられていれば今回の地震も予知できたということを、明快に言われているのであります。
 また、北海道大学の地震予知観測地域センター長であります島村英紀氏によりますと、これは北海道新聞の三月二十九日の論稿で明確に言われておるわけでありますが、「日本の地震予知は、まだ、マグニチュード七クラスの地震には無力だと言わざるを得ない。これは、研究や手段のおくれ、というよりは、研究観測を密な網目の実用観測にもっていくための予算上の制約なのである。正直に言うと、北海道は、そのなかでも、東海地方や首都圏にくらべて中央の関心は低く、手当てが遅れている。」こういうふうに述べられているのであります。いま言われたように科学技術のレベルあるいは研究のおくれというようなものではない、要は予知体制の問題だ、そのために金も人も惜しんではならない、こう言っているのでありますが、この見解については、それではどのようにお考えですか。
#46
○山川説明員 たしか阿部先生も委員をしておられます地震予知連絡会の特定部会というのが昨日開かれまして、そこでもこの問題が議論されたというふうに伺っております。その席上でも委員の先生方から、今回の地震を予知できるような前兆現象はとらえていなかったというふうに御発言になったと伺っております。
 それで、私どもといたしましても、もちろんこの程度の地震の予知も防災的に非常に重要であると考えておりますので、地震予知連絡会等関係機関とも十分協力し合って、こういうものが予知できるように、今後も学問、技術水準の向上に努めていきたいと存じております。
#47
○池端委員 いや、学問、技術の水準というものは非常に向上しているのですよ。だから、これらの先生方は、われわれの地震学の到達の段階ではもうこれは十分予知できる、しかし、問題はこの体制がおくれていることだ、しかも、全体的には北海道は東海地方や首都圏に比べて非常に関心が低い、こういうところに問題があるのだということを言われている。そのことを謙虚に受けとめて行政に反映してもらわなければ、北海道民は浮かばれないわけですよ。いや、北海道ばかりじゃないのです。マグニチュード七程度の規模のものはいつどこで地震が発生してもおかしくないと言われる地震列島日本です。そういう状況で、いま、あなたのようなそれこそ非常に自信のない態度では、私どもとしても全く遺憾に思う。このことだけははっきり申し上げておきます。
 特に、私から申し上げるまでもなく、浦河沖から八戸沖にかけては、太平洋プレートが千島海溝と日本海溝の両方からいわばせめぎ合っているところなんです。そうして地球の中にもぐり込んでいる。ですから、ふだんから地震活動が大変活発で、世界でも有数の地震多発地域でございます。特にこの浦河沖というのは、北海道では平均年間約三千回の有感あるいは無感の地震が発生しておりますけれども、そのうち四分の一がこの浦河沖で起こっている。まさに地震の巣なんですよ。ところが、先ほどの質問にもお答えがありましたように、特定観測地域にもなっていない。釧路、根室、道東は特定観測地域に指定はされているけれども、この浦河沖は全く無防備と言っていい状況なんです。研究機関があるのは、浦河の付近に北大の地殻変動観測所がわずかに一カ所あるのみであります。
 しかし、先ほど申し上げましたように、一九五〇年代から七〇年代初めにかけて、マグニチュード七・四から八・一の地震が実に六回も起きているのですよ。その中の大きいのは一九五二年の十勝沖地震であり、一九六八年のこれまた十勝沖地震。文字どおり十五年周期で来ている。こういうことをとらまえて、予知体制の強化というものが私は焦眉の急であると思うのであります。具体的には、地震予知連絡会の特定観測地域に指定して予知体制を強化する考えがないかどうか、この点を改めてお尋ねをしたいと思います。
#48
○藤田説明員 説明いたします。
 この地域の周辺では、いま先生が話されましたように、一九五二年のマグニチュード八・一の十勝沖地震、一九六八年のマグニチュード七・九の十勝沖地震というのが続発しております。この地域のいわゆる巨大地震の平均間隔は八十五年と見られております。それで、一九五〇年代、六〇年代、七〇年代に千島海溝沿いに巨大地震が軒並みに起きました。そういうことで、この地域周辺の地殻のエネルギーというのは相当量解放されていると見られております。
 したがって、きのうの地震予知連絡会の特定部会の結論でございますが、いろいろ検討いたしました。これには北大の阿部先生も出席されております。それで、いろいろ検討した結果、今回の浦河沖地震というのがマグニチュード八クラスの巨大地震に結びつく可能性はきわめて小さいという結論になりました。そして、えりも観測所の各連続観測についても、注意深い専門的な見地から検討が加えられましたが、長期的、中期的、短期的な明瞭な前兆現象はございませんでした。そして、そういった結果を踏まえて、指定基準、これは四つございますが、そういったものとの突き合わせで、この地域は特定観測地域には該当しないという特定部会の結論になったわけでございます。
 しかし、この地域には北大のえりも地殻変動観測所及び微小地震観測点が九カ所展開しております。これはテレメーターで札幌に送られております。さらにこれを契機にして、微小地震観測点十二カ所、これは臨時でございます、それから海底地震計、これは各大学共同で四カ所海底に設置いたしました。さらに強震計、プロトン磁力計、こういったものを追加してございます。
 そういったことで、国土地理院でもこの四月、五月にかけまして浦河を中心に水準測量を百十キロ実施するということで、各種の地震観測を特定観測地域並みに強化してやっていきたいというふうに、きのうの特定部会では申し合わせがなされました。
#49
○池端委員 巨大地震に結びつく可能性はないということで、いかにも大地震が起こらないような言い方をしているのですが、あなた、震度六の烈震というのは、関東大震災も震度六ですよ。関東大震災はあれだけの大災害が起こった。今回はたまたま、先ほどからいろいろお話があるように、住民の防災意識、あるいはすぐストーブの火をとめた、こういう生活の知恵とかいろんなことがあって大惨事を招かなかった。不幸中の幸いなことだと思うのです。しかし、巨大地震が起きないからいいのだというような、そういう発想ではだめなんだ。マグニチュード七程度のものはもうしょっちゅう起きる可能性はあるし、特に浦河沖はそういう多発地帯だということであれば、やはり今度の経験に照らして観測体制を強化する、そして、特定観測地域並みになんというようなあいまいなことではなしに、これはこの間委員長も地元で言われておったお話でございますが、やはりこれはわれわれ政治の責任だ、こういう状況から特定観測地域というようなふうにもぜひ持っていきたいということをおっしゃっておった。私も全く同感でございます。並みにとか、準じてとかと、あいまいな言葉ではなしに、明確にやったらどうですか。もう一回お尋ねします。
#50
○藤田説明員 お答えいたします。
 昨日の地震予知連絡会の特定部会では、一応の結論は先ほど説明したとおりでございますが、この結論は五月二十四日の地震予知連絡会の総会に諮るということになっております。そこではっきり最終結論が出ようかと思います。
#51
○池端委員 先ほども言いましたように、震度六の烈震というのはあの関東大震災のときの規模と同じであります。国土庁にお尋ねをしますが、もしこの震度六の烈震が東京を襲ったとすれば、今日時点でどのような被害が発生したというふうに想定されておりますか。そういうような調査等がありましたならば、ひとつ明らかにしてもらいたい、こう思うのであります。
#52
○川俣政府委員 浦河沖地震の規模はマグニチュード七・三であったわけでございますけれども、七・三の規模の地震が都心部に発生をいたしました場合の被害がどうなるかということは、残念ながらその調査をいたしておりません。おりませんが、大都市、特に南関東地区におきまして関東大地震クラスの大地震が発生した場合にどのような被害が生ずるかということにつきましては、私どもも重大な関心を持っておりまして、実は五十六年度、五十七年度の二年度間で、関東大地震の規模、つまりマグニチュードで申しますと七・九、約八でございますけれども、それと同じ地震が南関東に起こった場合の被害想定調査を現在実施中でございます。これが水道、電気等のライフラインに与える影響、地下街に与える影響、特にいわゆる社会的混乱が予想されますが、そういった点に重点を置いて現在調査を進めておるところでございます。この結果が出ましたならば、次には災害応急対策システムの再検討に取りかかりたいと存じておるわけでございます。
 ちなみに、五十三年の五月に、東京都の防災会議が、二十三区区部を対象にいたしまして関東大震災級の地震が起こったという想定で被害想定をやっておりますが、この調査の数字を申し上げてみますと、焼失家屋数で四十七万棟、死者三万六千人、罹災者三百五十万人と想定されております。
#53
○池端委員 そういう大変な惨事を惹起する結果にもなるわけでありまして、もう一回、今度の地震予知連絡会の総会でございますか、この中で、今度の浦河沖地震というものをもうちょっと重視をしていただいて、予知体制の強化、観測体制の強化に努める方向での結論をぜひ私はお願いをしたい、こう思います。これはひとり私、池端だけの個人の問題ではなしに、この間浦河に視察に行かれました皆さん方のお気持ちでもあろうかと思いますので、そういう点を十分体してひとつ御検討を賜りたいと思うわけであります。
 そこで、国土庁長官にお尋ねをしたいわけでありますが、今回の地震は、住民の冷静な対応あるいは大都市と違った町並み、交通量に余裕があった、あるいは家屋が耐震性のものであった、こういうような条件によって、その被害は最小限度にとどまったわけであります。しかし、私は、これが大都市で起きた場合には、あるいは日曜日でなかったならば、夜間であったならばと、こういうふうに考えた場合、実に慄然たる思いに駆られるわけでございます。したがって、地震予知体制を含め観測体制の強化、抜本的にやはり見直す必要があるのではないか。今日、行革が声高に叫ばれておりますけれども、一たん大災害が起きました場合のその被害を考えてみると、ここにやはり金や人を惜しんではならない、私はこう思うのであります。
 そういう意味での地震対策の強化、人的な強化も含めて――聞けば、国土庁の震災対策課は十何人かでやっているというのですよ。これで日本の東海沖から首都圏からのあれを全部やるなんということはとうてい不可能であります。人的な配置も含めて財政的な投資を惜しむべきではない、私はこのことを強く求めたいと思うのでありますが、長官の御決意のほどを承りたいと思います。
#54
○松野国務大臣 政府の震災対策として重要と考えておりますのは、特に東海地震対策と大都市震災対策であります。
 政府といたしましては、中央防災会議において決定された大都市震災対策推進要綱等に基づき、第一に、避難地、避難路の整備、建物の不燃化の促進等による都市防災化の推進、第二に、防災訓練、自主防災組織の充実等による防災体制の強化と防災意識の高揚、第三に、地震予知の研究の推進に重点を置き、その推進に努めているところであります。
 地震による災害から国民の生命、身体及び財産を守ることはきわめて重要なことでありまして、私といたしましては、災害担当大臣としてこれまでも震災対策の推進について最善の努力をしているところでありますが、今回の地震を契機に、さらに科学技術の研究、災害予防、国土保全及び災害復旧等の各般にわたり、関係各省庁と十分連携をとりつつ、防災体制の整備に一層の努力をしてまいる所存でございます。
 なお、現在、南関東地域地震被害想定調査を実施しておりますので、この結果をまとめ、災害応急対策活動システムについて検討し、防災体制の再点検をいたす予定であります。
 また、国土庁におきましては昭和五十七年度より防災業務課を新設し、災害対策時における対応をさらに迅速かつ適確に進める体制を整備することとしております。
#55
○池端委員 大臣、私は、東海沖地震対策あるいは大都市における地震対策、これはもうゆるがせにできないと思うのであります。しかし、目がそういうところにばかり向いておって、地方がどうも切り捨てられがちではないか、こういうふうに思うのですね。先ほどから言っておりますように、M七程度の地震というのは日本列島のどこでもいつでも起きても不思議でないと言われているわけでありますから、東海沖地震に対する対策ももちろん強化しなければならないけれども、それぞれの地域別にやはりいろいろな問題点があるわけですから、こういう点もきちっと重視をしていくという姿勢を貫いていただきたい、そのために金も人も惜しんではならないよということを申し上げたのですが、くどいようですが、もう一回大臣の決意を聞きたいと思うのです。
#56
○松野国務大臣 貴重な御意見として、最善を尽くすようにいたします。
#57
○池端委員 大臣はまだ食事もされておらないようですから、私、一応大臣に対する御質問を終わりましたので、どうぞお食事をなさってください。
 必ずしも答弁は十分でありません。また改めてこの問題をやることにいたしまして、次の問題に移らせていただきます。
 次は、北海道日高地方における幹線道路の建設の問題でございます。
 日高地方唯一の幹線ルートであります国道二百三十五号線は、御承知のように、昨年夏の集中豪雨の際に随所で寸断されました。完全に麻痺したわけであります。あわせて、これに並行して走っております国鉄日高本線も長期不通に陥ってしまった。地方住民はその足を奪われ、大変生活に困窮を来したわけでありますが、今回もまた、同様な状況にいま置かれているわけでございます。
 そこで、いま地域住民から、幹線道路をいまの国道二百三十五号線のほかにもう一本つくってほしい、どうしてもあの地域ではもう一本国道クラスの道路が必要だ、そうでなければ大変なことになるという切実な声が沸き上がっているという状況でございます。具体的には、日高管内の門別町から様似町まで約百十キロございますけれども、既存の道道、町道をつなぎ合わせて国道並みに整備をしてほしい、こういう要望等がございまして、道議会でもいま検討中であります。これについて建設省としてはどういうふうにお考えなのか。もうすでに昨年、ことしと本庁からも皆さんが行かれて、あの状況はつぶさに御承知のことでございますので、第二国道というのでありますか、第二幹線道路といいますか、この建設についての御見解を承りたい、こう思うわけであります。
#58
○萩原説明員 先生御指摘の日高地方の内陸部に国道二百三十五号線の代替的性格を有します道道というものがとりあえず必要ではないかということにつきましては、北海道庁からその概略について聞いております。道道の認定につきましては建設大臣の認可が必要でございますので、道道としての必要性であるとか、現実の道路の実態等につきまして北海道庁から詳細に説明を受けました後に、道道認定の要件を充足するかどうかということを判断いたしたい、こういうふうに存じておる次第であります。
#59
○池端委員 道議会としては、六月の道議会でも道道昇格の議決をするようにも聞いております。建設省はこの問題については前向きに対処してもらいたい。二百三十五号線一本だけが日高の住民にとっての生命線になっておるわけであります。今度のように、道路も寸断される、それから国鉄も浦河までは開通したけれども様似まではまだ四月いっぱいかかる、こういう状況でございます。したがって、あの生命線を確保するためにも、幹線道路の建設について建設省としては前向きに取り組んでもらいたいということを強く申し上げておきます。
 次に、先ほどもございましたが、静内橋の復旧の問題でございます。
 仮復旧をして、四月中旬をめどに小型車を通す、しかし、全面復旧までは約一年間を要する見込みだ、こういうことのようでございますが、もうちょっと具体的なスケジュールについて、私はもっと早めてもらわなければどうにもならないと思うわけでございます。そういう観点から、今後のスケジュール等についてお聞かせをいただきたいと思っております。
#60
○萩原説明員 先生御指摘のとおり、四月中旬をめどといたしましてとりあえず小型車の交通開放を図るということで、現在作業を急いでおるところでございます。これは先ほどから御説明申し上げておりますように、P3、右岸から三番目の非常に破損のはなはだしい橋脚に仮設の橋脚を設置いたしまして、とりあえず小型車を開放しよう、こういうものでございますが、引き続き橋脚の本復旧工事全体を完了いたすには五十七年度いっぱいを要するであろうという見込みでございます。
 しかし、完全な全面の復旧まで大型車の交通開放ができないかどうかについては、まだ非常に検討を要するところでございます。損傷の著しい橋脚の三基の復旧工事をいたしますれば、とりあえず大型車の交通開放はできますけれども、その損傷の著しい橋脚三基の復旧工事の前にも大型車の交通開放ができないかということで、現在その方策について検討しているところであります。私どもとしては、一日も早く一車線でも大型車の交通開放を急ぎたいということでいろいろ検討しているところでございますが、とりあえず小型車を通してから、その橋のいろいろなたわみの状況とかそういうものを検討した上で、はっきりした期日といいますか、予定が立てられるのではないかということで、とりあえず中旬までの復旧を急いでおるところでございます。
#61
○池端委員 御承知のように、あの地域は日本の七割の軽種馬を生産する地域でございまして、いま種つけのシーズンでございます。これからあの悪路によって一頭数千万円もする馬を運ぶということになれば、生産者にとっても大変なことなのであります。そういうことから、決して軽種馬農家の皆さん方だけではございませんが、一日も早い開通をというのが住民の悲願でございますので、昼夜兼行とは言いませんけれども、全力を傾注して一日も早い復旧を心から期待をいたしますので、ぜひそのように努力していただきたいということを申し添えておきます。
 次に、被災商工業者に対する融資の問題でありますが、先ほどの御答弁では、政府系金融機関で災害貸し付けを行っている、しかし、これは利率が八・二%なんであります。これはいかにも高いのであります。なぜ高いか。先ほど同僚委員からも御質問がありましたように、激甚災の発動もない、あるいは災害救助法その他の発動もないということで利率が高い。これでは、商品をめちゃくちゃにされ、家屋もほとんどいかれてしまった商工業者の皆さん方にしてみれば、浮かばれないのであります。激甚災であるとか、災害救助法とか、この発動が前提になるという仕組みは、本委員会においても十分検討していかなければならないのではないかと思います。
 しかし、従来も、激甚災の指定がなくとも、たとえば有珠山の問題の場合、あるいは昨年の五六豪雪の場合、激甚災に準じた金融措置を行っているわけでありますから、被害規模が小さかった、地域も非常に小さかったといっても、被災された方は一〇〇%被災されているわけでありますから、同様な扱いをすべきだ、これが災害対策の基本だ、こう思うのであります。そこで、激甚災に準じた措置がとられないかどうか、この点についてお伺いをしたいと思います。
#62
○熊澤説明員 お答えいたします。
 現在、被災中小企業者の被害状況について、道庁を通じまして調査中でございます。先ほど先生の御指摘がございましたように、政府系金融機関によります災害貸付融資を発動いたしておりますけれども、金利につきましては八・二%、御指摘のとおりでございます。そのほかの対策としましては、閣議決定によりまして金利を引き下げるという措置もございますけれども、ある程度小さい地域の被害につきましては、中小企業体質強化資金助成制度というのが設けられておりまして、これは都道府県と国とが協力いたしまして、被害の実情に応じまして機動的に対応するという制度でございます。この金利は今年度から七・四%が標準金利でございまして、そこから一%程度は引き下げができるということになっております。現在、北海道庁とも御相談いたしておりまして、道庁の資金状況がどうなるかという状況によりまして、この制度の活用を含めまして所要の対策を講じていきたい、かように考えております。
#63
○池端委員 八・二%ではどうにもなりませんので、激甚災に準じた措置をこれまでもとってきた経過が幾つもございますので、それらも十分参考にしながら、被災商工業者に対する十分な配慮をひとつお願いをしたい、こう思います。
 時間が来ましたので、あと要望だけにとどめておきます。
 公立学校の災害復旧。この間も三石小学校を見せていただきました。大変な被害状況であります。四月七日の新学期には応急措置で何とか間に合うようではございますけれども、あの際、川俣委員長も、この学校で仮に応急措置ができても、授業を再開するということについてはどうかなと、こういう御所見を述べられておりましたが、大変な被害の状況でございますので、これらの公立学校の災害復旧については、文部省としてもひとつ特段の配慮をしていただきたいということを要望申し上げておきます。
 それからもう一つは、日高線の問題であります。先ほどの御報告にありましたように、浦河まではきのう開通したそうでございまして、本当に御苦労さまでございました。ただ、様似までは四月いっぱいかかるようでありますが、去年も四カ月もの間大変な苦しみを余儀なくされたわけでございますので、これも一日も早い全面復旧、全面開通ができるように、国鉄当局の一段の御努力をお願いをしておきたい、こう思います。
 そこで、最後でございますが、実は前回の委員会で、ことしの農業気象の状況はどうなるか、農家の皆さん、生産者の皆さんは大変関心を持っているということで、気象庁にお尋ねをしましたところ、三月十日にならなければ、ことしの夏の気温の状況が判明しないということでございました。もうすでに三月十日を経過しておりますので、ことしの夏の気温の状況、農業気象についてどういう見通しを持っておられるか、これをお尋ねをして、私の質問を終わりたいと思います。
#64
○渡辺説明員 ことしの夏の気象の見通しということでございますが、お答えいたします。
 ことしの梅雨期は、昨年と異なりまして比較的晴れ間が多く、気温は平年並みか、やや高いと見込んでおります。梅雨はほぼ平年並みに明け、夏らしくなりますが、暑さは長続きしない見込みであります。八月は北日本を中心に寒気が入り、このため局地的な大雨のおそれがあると見込んでおります。八月の平均気温は、全般に平年並みか、やや低いと予想しております。なお、秋の訪れは早いだろうと考えております。
 以上のような見通しでございますので、ことしの夏は、一昨年、昭和五十五年のような北日本を中心にした異常冷夏はないだろうと考えております。
 以上でございます。
#65
○池端委員 どうもありがとうございました。
#66
○川俣委員長 これにて池端君の質疑は終了いたしました。
 次に、草野威君。
#67
○草野委員 今回の北海道浦河沖大地震に際しましては、当委員会といたしましても、去る三月二十九日に視察をさしていただいたわけでございます。現地におきまして、時間の許す限り、いろいろな個所を視察をさしていただきましたし、また、関係者からも数々の陳情、要望等もつぶさに伺ってまいりました。
    〔委員長退席、渡辺(秀)委員長代理着席〕
特に、最後の浦河町における合同陳情、また記者会見等におきましては、当委員会の川俣委員長からも、災害復旧に対して当委員会としても最大限の努力をしたい、このような力強いごあいさつもあったわけでございます。
 そこで、各町長さん初め関係者からも具体的な陳情、要望があったわけでございますけれども、北海道の知事さんの方から、代表いたしまして要望事項が出ておりますが、これによりますと、災害の早期復旧、医療施設の災害復旧、また社会福祉施設の災害復旧等々、地震観測体制の整備についてに至るまで、十一項目の陳情があったわけでございます。
 これらの点につきまして、初めに大臣にお伺いをしたいわけでございますけれども、まず、これらの現地の要望に対しまして、被災地に対する援助についての国の基本的な取り組み方、姿勢というものにつきまして、長官のお考えを承りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
#68
○松野国務大臣 被災地に対する援助につきまして、政府といたしましては、関係省庁と十分連携をとりつつ、できるだけの措置を講ずることといたしております。
#69
○草野委員 長官に引き続き二、三お尋ねをしたいと思います。
 今回の浦河沖大地震について、その教訓を大臣はどのようにお受けとめになっていらっしゃるか、また、この教訓を生かして、今後地震防災という問題についてどのような重点的な施策を講ぜられようとしていらっしゃるか、この二点について御意見を伺いたいと思います。
#70
○松野国務大臣 今回の浦河沖地震の被害が御承知のように最小限でとどまった大きな理由としては、過去の地震の経験や防災訓練等を通じて、住民に地震に対する心構えがしっかりできており、今回の地震の場合も、発生直後に各家庭で火の始末をするなど、適切な対応措置がとられたことが挙げられると思います。
 政府としては、毎年九月一日の防災の日に総合防災訓練を実施して、国民の防災意識の高揚を図っておりますが、今回の地震の教訓を踏まえ、さらに、平時における防災訓練を重視して、大都市における震災対策を進めてまいりたいと思います。
 なお、国土庁では、五十七年度から新たに、防災の日を含む一週間を防災週間として定め、各種の防災行事、訓練を実施して、国民の防災知識の普及に役立たせてまいりたいと考えております。
#71
○草野委員 続いて、大臣にお尋ねしたいのですが、三月三十一日参議院の審議におきまして、わが党の藤原議員の質問に対しまして松野長官は、今回の浦河沖地震について激甚災害並みの適用を考えたい、こういうような趣旨の答弁をされたと伺っておりますけれども、この趣旨につきまして、具体的にどういうことを大臣はお考えになっていらっしゃるのか、お尋ねをいたします。
#72
○松野国務大臣 お答えいたします。
 今回の地震災害に対する対策の具体的内容につきましては、先ほど政府委員より御報告申し上げましたとおりですが、被害者に対する援助としては、第一に、住宅被害者に対し住宅金融公庫による災害復興住宅資金の貸し付けを行うこと、第二に、中小企業者に対し政府系中小三機関による災害貸し付け等の措置を行うことといたしております。政府としてはできるだけの措置を講じてまいりたいと存じますが、関係省庁とも十分連絡をとって、御期待に沿うように努力いたします。
#73
○草野委員 大臣からいろいろと御答弁をいただいたわけでございますが、ともかく当地は、昨年の風水害に続きまして今回の大地震ということで、大変なダブルショックを受けたわけでございますので、先般来いろいろな御答弁がございましたけれども、ひとつ全力を挙げて被災地の援助に当たっていただきたい、心から御要望を申し上げたいと思います。
 続いて、国土庁に伺いたいと思いますが、このような今回の地震程度の災害が、東京とか横浜だとか、こういう大都市で起きた場合に予想される被害、また混乱状態、こういうものについての御見解をひとつ初めに伺っておきたいと思います。
#74
○川俣政府委員 東京、横浜等の大都市におきまして関東大震災クラスの地震が生じました際にどのような被害を生ずるかということについては、私どもも強い関心を持っておりまして、先ほどもお答え申し上げましたように、五十六年度、五十七年度の二年度間にわたりまして、現在、被害想定調査を実施いたしております。
#75
○草野委員 その内容について、もう少し詳しく御説明いただきたいと思います。
#76
○川俣政府委員 具体的な内容でございますけれども、南関東域内、一都三県ございますけれども、一都三県の地質、地盤、市街地現況等について可能な限りの即地的な調査を行いまして、関東地震と同程度の地震が発生いたしました場合の罹災者数、倒壊家屋数、焼失面積等を推計しようと考えております。なお、同地域は都市的機能が特に高度化しておる地域でございまして、電力、ガス、水道、電話等のライフライン施設の破損、中枢管理機能への影響、あるいはターミナル周辺の混乱、都心部滞留者の発生等のいわゆる社会的混乱も調査の対象として取り上げておるところでございます。
 この調査がおおむね完了いたしました暁には、その結果をもとにいたしまして、情報収集伝達の中枢となります本部機能のあり方、消火あるいは警備等の初期活動のあり方、応急物資の調達の方法、道路及びライフライン等の復旧方法について総合的な調査をいたしまして、地震発生後の応急対策活動システムの検討に移ってまいりたい、かように考えております。
#77
○草野委員 これは東京都の計算でございますけれども、関東大震災クラスの地震があったときに、東京区部だけで三二・五%が焼失して、三万六千人が死亡して、負傷者が六万三千人に上る、こういうふうな想定が出ております。これには、超高層ビルとか、それから高速道路、地下街、こういうようなところの被害、混乱状況というものは入ってないわけでございますので、実際の被害はこれを上回る、こういうような予想が出ておるわけですね。
 今回の浦河の地震についても、われわれが現地へ行って一つ気がついたことは、地震の際のガラスの破損の仕方というのは意外にひどいものだということをまず一つ感じました。それから、自動車交通の問題ですけれども、実際に地震の当時運転していたドライバーに直接話を聞いたところでも、その瞬間には自動車を運転することが全く不可能なような状態であった、こういうような話も伺ったわけでございます。
 そこで、この程度の地震がもしこういう東京等の大都市で起きた場合に、まずビル等から落下するガラスの破片、それからビルの屋上についている巨大な看板の落下、これによってまたかなりの負傷者が出るのじゃないか、こういうことが一つ心配されるわけでございます。
 それからもう一点は、自動車の問題ですけれども、たとえば時速八十キロから百キロで高速道路を走っていた場合、たとえば震度六でもいいですけれども、震度六程度の地震が発生した場合、高速道路にどの程度の被害がまずあらわれるのか、それによって発生する交通事故だとか混乱だとか、こういうものについてはどういうことをいま想定されていらっしゃいますか。
#78
○川俣政府委員 ただいまお話のございました高速道路にどのような被害が生ずるか、高速道路の構築物が実際壊れるのかどうか、こういった点につきましても、先ほど申し上げました被害想定の調査項目として取り上げて、検討をしておる段階でございます。
 また、ガラスの破損の問題も、きわめて私どもといたしましても注目をしておるところでございまして、たとえば東海地域におきましても、いわゆるビニールの被膜を張りまして、それでガラスの飛散を防止するといったような施策もいろいろ考慮されておりますし、実は私どもは、今年度も既存の建物についてビニールの被膜を張った場合において税制上の優遇措置を講じてもらえないかというような要望も関係県から受けているようなことでございまして、ガラスの問題についても今後十分に検討をいたさなければならないというように思っております。
 また、現在のふくそうする都市の交通事情からいたしまして、地震発災時における自動車の問題も確かにございます。こういった点も、私どもとしては現在調査の対象として検討しておる段階であります。
#79
○草野委員 その調査は、いつごろ結果が発表されますか。
#80
○川俣政府委員 先ほどから申し上げておりますように、被害想定調査は五十六、五十七年度の二年度でおおむね完了するようにいたしたいということで、いま鋭意努力をしておるところであります。
#81
○草野委員 続いて、建設省にお尋ねをしたいと思います。
 国道二百三十五号の復旧問題でございますが、われわれも現地に行きまして、比較的新しい静内橋の橋脚が六基破損をしているということで、非常に驚いて現地を視察したわけでございます。
 そこで、特に三番目の橋脚が大きな破損をしたわけでございますけれども、なぜこれだけの破損があったのだろうか。お隣の国鉄の橋については何でもなかったわけでございますけれども、この新しい橋がどうしてあれほど破損をしたのだろうかと、ちょっとわれわれ素人としては異常に思えたわけです。やはりこれは設計構造上に何か問題があったのじゃないかな、こんなような気がしたのでありますけれども、この点についてどうなんでしょうか、建設省の御見解をひとつ聞かせてください。
#82
○萩原説明員 お答えを申し上げます。
 先生御指摘のように、静内橋のうちの橋脚三基がかなり大きな被害を受けておりますが、特にそのうちの一基、三番目の橋脚が非常に壊滅的な被害を受けております。これが完全な剪断破壊を起こしておりまして、すでに九センチの沈下を起こしておるわけでございます。あと数センチ沈下をいたしますと橋げたに影響が及ぶということで、現在、交通をとめざるを得ない状況になっておるわけでございます。
 本橋の設計に当たりましては、水平方向の加速度を二百ガルと想定をいたしております。ところが、広尾町の強震計のデータからもわかりますように、今回の地震で三百ガル以上の加速度が作用いたしまして、剪断破壊を起こしたものであろうというふうに考えられます。
 今回の地震によりまして、特に静内橋だけが著しい損傷を受けた原因の究明に当たりましては、今後さらに詳細な調査が必要と思われますけれども、現在までのところ、おおむね次のようなことが考えられるというふうに思えるわけでございます。
 それは、本橋の橋脚は上部工の構造を考慮いたしますとわりあいスレンダーな構造になっております。一般的に、このような構造になりますと剪断抵抗力が構造物の最終耐力を支配する、こういうことになってまいります。鉄筋コンクリート構造物の剪断抵抗力につきましては、実は従来十分な解明がなされておりませんでした。最近に至りまして、いわゆる剪断の許容応力度を下げるべきであるというような議論が出まして、ごく最近でございますが、これを下げるような規定の改定が行われたいきさつがございます。したがって、この構造物の形体等を考慮いたしますと、その安全度二百ガルの水平加速度では絶対に破壊をいたしませんけれども、通常はそれを超えてもまだかなり安全度があるわけでございますが、その安全度が少なかったのではないだろうかというふうに考えられるわけでございます。
 先ほどからも申し上げましたが、一般的には設計荷重以上の荷重が作用いたしましても、すぐにそれが壊滅的な打撃に及ぶというようなことはないわけでございます。これはいろいろまだ余裕があるわけでございますが、この余裕が余りにも少なかったのではないかということの予測ができるわけでございますので、技術関係の検討グループを設置をいたしまして、早急に検討いたしたいというふうに考えておる次第でございます。
#83
○草野委員 いま調査検討中ということでございますけれども、ともかく橋が壊れたということは事実でございまして、大きな問題であろうかと思います。いまの御説明によりますと、工事上の問題ということではなくて、やはり安全設計上のどこか狂いがあったのではないか、こういうような気がするわけでございます。そこで、この問題に関連をいたしまして、全国の河川について総点検などをする必要も起きてくるのではないかという気がするわけでございますけれども、全国の他の河川の橋脚に対して、特に地震の多発地帯における総点検、そういうお考えはありますかどうか。
#84
○萩原説明員 ただいま申し上げました技術検討グループにおきましては、とりあえずこの静内橋の三番目の橋脚がどういうことでこういう状況になったのかということの解明をいたします。その結果によりまして、同時期の同じような構造物について同じような危険があるのかどうかということがわかってまいりますので、もし危険があるということになりますれば、それの危険を除却するためにどういうような対策をするかというその対策まで、この検討グループで仕上げたいと思っております。
 なお、先生先ほどおっしゃいましたが、設計上の問題であるかどうかということにつきましても、総合的に検討をするつもりでございまして、現在のところ、設計上の問題であるというふうに断言できる段階にはございません。
#85
○草野委員 次に、港湾施設の問題についてお伺いをしたいと思います。
 各漁港の港湾施設がこれもかなり被害を受けたわけでございますけれども、簡単に被害状況、復旧の見通し、また、この復旧作業中において漁業に支障が出るかどうか、出なければ出なくて結構でございますけれども、その点について伺いたいと思います。
#86
○浦江説明員 運輸省で所管しております浦河港につきまして御説明申し上げます。
 現在までの調査によりますと、外郭施設の防波堤に若干、大部分は係留施設の岸壁とか物揚げ場に生じております。現在の被害状況は、いま水中部を含めまして調査が完了したばかりでございまして、内容の検討まで十分に行われておりません。ただ、感覚的なもので申し上げますと、本体部分をどうこうするというところまで行かずに処置できるのではなかろうかというような心証をいま持っておりますけれども、これはこれから技術的に詳細な検討を待って結論を出すことだ、こう思っております。
 現在利用されております漁船関係の部分の漁港区につきまして、これは管理者と十分に御相談しながら、安全性の方とのにらみで使用を制限する場所が出てくれば、その部分につきましては制限をする、こういうことで対応してまいりたいと考えてございます。
#87
○草野委員 他の港湾施設についてはどういう状況でしょうか。
#88
○浦江説明員 ほかの商港部分の施設につきましても、亀裂部分とかございます。そういった部分につきまして、空隙部分があるとかないとか、そういったところにつきまして十分に調査を進め、安全性に問題がないかどうかを確認した上で、使用制限とかその辺に対する処置をすることにしておりまして、現在その調査を進めている段階でございます。
#89
○草野委員 復旧の見通しはいつごろでしょうか。
#90
○浦江説明員 一連の調査を四月中に終えたいと思っております。
#91
○草野委員 調査じゃなくて、復旧の見通しなんですが。
#92
○浦江説明員 現在調査中と申し上げましたのは、災害査定のための準備を含めてでございまして、その完了次第、早急に復旧の方の手だてに入りたい、努力してまいりたいと思います。
#93
○草野委員 そうしますと、現段階において復旧の見通しは全く立ってない、こういうことですね。そういうことだと、あれだけの大きな被害ですから、漁業においてもかなりの支障が出てくるのじゃないか、こういう心配がされるわけなんですけれども、この辺のところをもう少しはっきり御答弁いただきたいのですが。
#94
○浦江説明員 運輸省といたしまして、災害が発生いたしましてから直ちに本省からは災害対策室長が現地に参りまして、それから現地では北海道開発局及び道の技術者が現地に乗り込みまして特別の調査班を編成しまして、水中部も含めまして現在まで精力的に調査を進めてまいりました。その結果がやっと現在まとまりつつございますので、これから施設の一つ一つにつきまして、水中部、基礎部、そういった部分につきまして技術的な点検を早急に進めるということでございまして、現在までそういった調査に対する努力を最大限度やってきた、こう考えてございます。
#95
○草野委員 支障の問題、どの程度の支障が出るかということについて、どうもはっきりしたお話がないのですけれども、実際これから技術検討が終わって、それから復旧作業に入るわけですね。そうすると、その間、どの程度あの漁港、岸壁が使用できなくなるのか。
    〔渡辺(秀)委員長代理退席、委員長着席〕
実際使用できなくなるとかなりの支障が出てくるわけですけれども、そういう点について具体的な見通しをひとつ示していただきたい、こういうことなんです。
#96
○浦江説明員 先ほど、心証的には本体部分にそれほど被害が及んでないのではないかと思っているということを申し上げましたけれども、そういった点から考えまして、安全に留意しながら各施設について係留する程度のことはいけるのじゃないかというような見通しをいま持っております。
#97
○草野委員 では、次に入ります。
 文部省関係をお願いしたいと思いますが、まず初めに、今回の被災地の学校施設の被害状況、復旧の見通しについて、簡単にひとつ説明をしてください。
#98
○福岡説明員 御説明申し上げます。
 今回の浦河沖地震による学校施設の被害状況は、三月三十一日現在で公立学校百七校、被害金額は約七千三百万円、私立学校四校、被害金額約一千万円でございます。
 公立学校につきましては、公立学校施設災害復旧費国庫負担法の規定に基づきまして、これから四月中旬に国庫負担の事業計画書が設置者かち提出されますので、それを待ちまして直ちに現地立会調査を行い、所要の手続をとる予定でございます。
 私立学校につきましては、通常の場合、日本私学振興財団からの融資で復旧をする予定になっております。
#99
○草野委員 かなりの学校がいろいろな被害に遭われたわけでございますけれども、われわれが当日視察をさせていただいたのは三石町の三石小学校、この学校を視察させていただきまして、余りにその被害が大きいので大変驚いたわけでございます。
 全体的に言えることは、まず新学期を目前にしてその対策は十分に間に合うかどうかという問題でございますけれども、特にこの三石小学校の場合、被害が相当ひどいということで、しかもまだ余震が続いているという中で果たしてここで新学期を迎えることができるのかどうか、こういうような心配も現地でしたわけでございますけれども、そういう点はいかがでしょうか。
#100
○福岡説明員 先生御指摘の三石小学校でございますが、復旧につきましては設置者と十分協議をいたしまして、十分安全な復旧方法をとるように指導してまいりたいと思っております。
 なお、これは一般の学校でございますが、応急のためにガラス等を入れかえて新学期の授業に差し支えのないようにすでに指示をしてございますし、また、三石小学校につきましては、先生御指摘のように、応急の対策につきましては設置者とも十分相談をいたしまして遺漏のないようにいたしたいと考えます。
#101
○草野委員 十分にひとつやっていただきたいと思いますが、いまの応急の対策ということはどういうことか、ちょっとわからないのです。たとえば応急対策をしてあの学校でそのまま新学期を迎えるのか、それとも、かなりの大がかりの復旧工事だと思いますので、それを済ますまではどこか他の学校に一時通わせるのか、そういう問題についても恐らくもうはっきり方針が決まっておると思うのですけれども、どうなっているのですか。
#102
○福岡説明員 現地で設置者の説明によりますと、当面はあの校舎を復旧して使いたいということでございましたが、先生並びに委員長から御指摘のありましたように、それでよろしいか、もう一度十分検討をさせていただきたいと思います。
#103
○草野委員 その点はひとつ十分に現地とも連絡して対策を立てていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それからもう一点、交通関係の問題になるのですけれども、これは文部省の方でいいのです。
 現在、日高本線の浦河町と様似町の間が不通になっているわけでございます。こういう本線が不通になっているところは、バスによる代替輸送とか何かいろいろやっていると思いますけれども、当然のこと、そういう通学生に対する交通費の負担の増というようなことも現実には出てきているのじゃないかと思いますが、ここら辺の対策について何か考えられていることがあるのですか。
#104
○村上説明員 お答えいたします。
 先生御指摘のように、昨日、浦河まで開通いたしましたが、浦河と様似の間はまだ不通でございます。この間に高等学校が二つございますが、通学生のふえる時間帯、朝と夕方に列車の代行のバスをふやすという計画になってございます。これは通学定期でそのバスに乗れることになってございますので、一応いまのところは通学費の負担の増というのはないというふうに考えております。
#105
○草野委員 いまのその浦河−様似間、これは四月中開通の予定というように先ほど伺いましたけれども、連休前には間違いなく開通いたしますか。
#106
○村上説明員 橋梁が四カ所ばかり壊れておりますが、地震でけたが動きまして橋台を押し壊したというもので、現在、地元の建設会社が入って鋭意復旧に努めております。ほぼ確実に復旧すると思いますが、工事のことでございますので今後の天候その他にもよるわけでございますが、とにかく一日も早く開通させたいというふうに考えております。
#107
○草野委員 次に、通産省に伺いたいと思います。
 まず一点は、石油ストーブの問題でございますけれども、今回の地震で現地のお話をいろいろ伺いますと、現在では石炭ストーブはまるっきり使ってない、すべての家庭が石油ストーブを使っている、こういうことでございまして、地震の瞬間には対震装置が作動する前にほとんどの人たちが火を消しとめた、また、対震装置についても、これがついているおかげで非常によかったとか、こういうような話も出ておりました。そこで、石油ストーブはいま全国的に普及しているわけでございますけれども、現在発売しているすべての石油ストーブには対震装置というのはついているのかどうかということが一つ。
 それから、この対震装置の基準といいますか、どの程度の規模の地震が起きたとき、何秒間で消えるようになっているのか。
 それからもう一つは、対震装置のついた石油ストーブでもかなり時間を経過した古いもの、こういう古いものについても作動はきちんとするのかどうか、これら三点についてひとつお伺いいたします。
#108
○坂本説明員 お答えさせていただきます。
 まず、三点のうち最初の問題、すべてのストーブに対震自動消火装置がついているかどうかという点でございますが、これは現在、対震自動消火装置はJISの基準として四十七年に取り入れられまして、それ以降、四十八年、五十五年の改正を経まして、現在もJISの基準として入っております。それで、石油燃焼器具につきましては、財団法人日本燃焼器具検査協会というのがございまして、ここが全部検査をしまして合格証を張って発売するということになっておりまして、ここの基準はJISを準用いたしております。ですから、石油ストーブにつきましてもここで検査を受けた上で市場に出ておりますので、ほぼ一〇〇%合格証を張ってありますし、そのものについては対震自動消火装置はついております。
 それから、第二点目でございますが、基準につきましてはいま申し上げましたJISの基準でございますけれども、これは先ほど申し上げましたように数回の改正がございましたが、現在では、対震自動消火装置が作動しますのは下限が百ガル、上限が二百ガル、この間で作動するということが決められております。それで、そういう揺れがありましたときに十秒以内に作動するのがJISの基準でございます。
 それから、三番目の御質問、古いものはどうかということでございますが、これにつきましても、ただいま申し上げましたように、四十七年にJISの基準として取り入れられておりますので、それ以降のものにつきましては、基準値は若干違いますが、対震自動消火装置はつけられているものが大部分と思います。同様に、先ほど申し上げました日本燃焼器具検査協会でも、四十七年よりこの対震自動消火装置の取りつけを義務づけて合格証を発行しておりますので、四十七年以降のものについては間違いないと思います。それ以前のものについては若干問題があるかもしれません。
 以上でございます。
#109
○草野委員 続いて伺いますが、今度は石油ストーブではなくて一般の家具類の問題でございますけれども、今回の事故におきましても、たんすが倒れたとか戸棚が倒れたということで負傷された方がいるように聞いております。東京都内なんかの場合に、団地等におきまして、テレビだとか、ピアノだとか、たんす、戸棚、こういうものが部屋じゅうにたくさんあるわけでございまして、地震が発生した場合にそういうものが倒れてきて負傷するというケースが十分に考えられるわけでございます。こういう家具等に対する安全対策というのですか、事実、今度現地におきましても、そういう家具には何か装置がついていたけれども、実際にはそれが全部外れて倒れてしまって、けがをした、こういうケースが起きているわけですが、こういう家具類に対する安全対策はどうなっているかということが一つ。
 それからもう一つは、自動販売機の問題でございます。これは設置基準が決まっておりますけれども、現実には、今回現地においても自動販売機が倒れているという状態が大分出ております。この設置基準について、現状どおりでいいのか、見直す必要があるのかどうか、こういう二点についてお伺いをいたしたいと思います。
#110
○坂本説明員 第一点の家具の問題について私からお答えさせていただきます。
 家具につきましては、とめ金をしっかりとめるということが現在の対応策として考えられているわけでございますが、実は家具類をとめる金具の問題につきましては、どれだけの金具をつければ安全かということを現在はっきりさせるのがむずかしゅうございます。と申しますのは、やはり家具自身の置き方とか家の構造とかいろいろ違うわけでございますので、困難はございますが、先生御指摘のとおり、その辺は地震の際にたびたび問題になるところでございますので、今後JISの中でその基準を考えていきたいということで対応いたしたいと思っております。
 以上でございます。
#111
○見学説明員 自動販売機についてお答えいたします。
 自動販売機の安全対策につきまして、安全設置の問題でございますが、先生御指摘のとおり、昭和五十四年の十二月来、JIS規格によりまして自動販売機の据えつけ基準というものを設けておりまして、この中には、地震の問題につきましてもそれを反映させていただいておるわけでございます。そのほか、自動販売機安全推進月間等を設けまして、その据えつけ基準の普及徹底を図っているところでございます。
 御指摘の見直し問題につきましては、私ども自動販売機安全推進委員会というものを機情局長の私的諮問機関として設けておりますので、ここで今後とも検討を続けていきたいというふうに思っております。
#112
○草野委員 時間が参りまして恐縮でございますが、最後に一問だけお願いしたいと思います。
 予知体制の問題でございますけれども、今回の地震について一部の学者の方に、浦河沖地震は震度五程度の強震ではないか、こういうような説もあったようでございます。これについては、その学者の方の話では、被害状況から見ると震度五の強震と判定するのが妥当、烈震に対するイメージが今回の地震で誤って定着しては今後の防災上マイナスになる、こういうようなお話でございますけれども、この問題は私は重要であると思いますので、この点に対する気象庁、国土地理院等の御見解をいただきたいと思います。
 なお引き続き、こういう問題がございますので、今回の地震に対して特に日高地方は特定観測地域に指定する必要があるのではないか、このように私も強く感じるわけでございますけれども、国土地理院の御見解をいただきたいと思います。
 もう一点、M八級の大規模地震についてはかなり強力な予知体制がございますけれども、M七級の地震に対する予知体制というものは全くなしと言っても過言ではないと思います。この点については、現在でも年一同程度のM七級の地震が発生しているわけでございますので、どうしてもこの予知体制を強化すべきである、このように強く感じるものでございますが、この点についての政府の御見解をいただきたいと思います。
#113
○山川説明員 震度の問題についてお答え申し上げます。
 震度六、烈震の気象庁で出しております定義によりますと、多くの人が立っていられない程度の震動、地割れが生ずる程度の地震、それから家屋の倒壊が起こるような地震というふうに震度六を定義しております。報道機関等の、それから先ほどから御報告になっております先生方からの御報告によりましても、たとえば地震が襲いましたときに浦河の市民の皆様方ほとんどの方が立っていられなかったというふうに報道されております。それから、地割れあるいは家屋の倒壊も生じておりますので、私どもは、浦河測候所の震度六の判定は正しかったと確信いたしております。
#114
○藤田説明員 お答え申し上げます。
 特定観測地域に指定する件につきましては、昨日の特定部会では、一応の結論といたしまして、その基準に該当しないという結論になりましたが、これは五月二十四日の地震予知連絡会の総会でさらに議論されることになります。その際、先ほどからの先生方の御意見も十分反映して議論をさせていただきたい、こう考えております。
 それから、七クラスについて絶体絶命の状態ではなかろうかという御指摘でございますが、国土地理院で行っております精密測地網測量という測量がございまして、これは水平及び上下の測量を五年をめどに全国的に繰り返していきたいという計画でございます。これの目的は、七クラスといっても、たとえば新潟地震がマグニチュード七・五でございますが、七半程度以上の地震をつかまえようということで鋭意努力中でございます。地震は、タイプによりまして地殻変動が出やすい場合もあるし、出にくい場合もあります。そういう非常に微妙な問題もございますが、できるだけ七クラスの地震について測量し、なおかつ、十分研究を進めていきたい、こう考えております。
#115
○草野委員 いま気象庁の方から、震度六程度の地震であると確信を持って言える、こういうお話です。確信を持って言えることは結構なんですけれども、それを裏づける観測体制をきちっと整備しなさい、こういうふうに言っているわけですね。ですから、いまこの特定観測地域の指定にもされないようなお話でございましたけれども、大臣、ぜひこれは特定観測地域に指定するようにあなたからもひとつ努力をしていただきたい。要望いたします。
 それから、M七級の観測の問題についても、M七級だからといって決して安心できるものじゃなくて、特に直下型地震についてはもう予測の方法もないくらいなんですから、この問題についても、政府は金を惜しまないで十分に予知体制を強めるように努力をしていただきたい、このことを要望して、質問を終わります。ありがとうございました。
#116
○川俣委員長 これにて草野君の質疑は終了いたしました。
 次に、横手文雄君。
#117
○横手委員 去る三月二十一日突如襲ってまいりました浦河沖地震は、北海道日高地方を中心にして大きな被害をもたらしたのであります。私も本委員会の調査団の一員として、その災害のつめ跡を視察した一人であります。被災者の皆様方に心からお見舞いを申し上げると同時に、復旧の一日も早からんことを念じつつ、以下、御質問を申し上げます。視察の現地におきまして、北海道当局並びに浦河町、三石町、静内町の皆様から御陳情を受けました。その中からの幾つかについて御質問を申し上げたいと思うのでございます。
 まず、一つは、観測網を充実し、地震予知対策を強化してもらいたい、こういうことがございました。先ほど来多くの方々から論じられていることでございますけれども、わが国は世界で地震の多発国であり、その研究も世界のどの国よりも進んでいると聞いておるのであります。そして、巨大地震の発生のおそれあり、それが最も高いと言われる東海沖に対して大規模地震対策特別措置法がつくられて、これに基づいて予知体制はつくられております。さらに、この法律以外で地震予知連絡会が設置をされ、特定地域を指定し、対策が進められているのでございますけれども、その地域についてまずお答えをいただきたいと存じます。
#118
○成松説明員 お答えいたします。
 わが国の地震予知につきましては、内閣に科学技術庁長官を本部長とする地震予知推進本部を設置いたしまして、これは五十一年十月でございますが、以来、各省庁間の連絡協議を図りまして、観測網の整備、地震発生機構の研究、新しい観測技術の研究などについて積極的な推進を図っているところでございます。
 観測網につきましては、地震計、傾斜計、地下水の測定等、こういった地震予知に必要な観測点がこれまで全国で六百五十点ほど整備されておる状況でございます。
 地震予知にかかわる観測研究としましては、気象庁において全国の地震観測及び関東、東海における体積ひずみ観測、国土地理院におきまして全国の測地測量、地質調査所におきまして地下水観測、活断層調査、海上保安庁水路部におきまして海底地形、地質の調査が行われております。これとともに、大学において基礎的な研究が行われておるところでございます。また、科学技術庁におきましては、国立防災科学技術センターにおきまして、共通的、基盤的な研究としまして、地震発生機構の解明のための研究、新しい地震予知観測技術の開発研究等を行っておるとともに、関係省庁の協力のもとに、科学技術振興調整費という研究費がございますが、これを使用しまして、関東及び首都圏におきまして海溝型の地震及び直下型の地震に関する研究を総合的に行っております。これらの研究成果は、わが国の他の地域におきましても地震予知の確立に非常に寄与するものと考えております。
 観測研究の現状につきまして御説明いたしました。
#119
○横手委員 特定地域に指定されております各地域、全国八カ所と聞いておりますが、その地域を明らかにしてもらいたい。
#120
○成松説明員 これは、地震予知連絡会は国土地理院が事務局をなさっておりますが、ここで指定されておりまして、強化観測地域としまして南関東及び東海。特定観測地域としまして、北海道からまいりますと、北海道東部。東北では、宮城県東部、福島県東部。三番目が、秋田県西部、山形県西北部。次に、新潟県南西部、長野県北部。それと、長野県西部、岐阜県東部。次が、名古屋、京都、大阪、神戸地区でございます。中国にまいりますと、島根県東部。それと、最後に伊予灘及び日向灘周辺、この地域でございます。
#121
○横手委員 先ほど来指摘がされておりますように、特定地域の中に今回起こりました地域は入っていないわけであります。しかし、この地域、つまり十勝、日高沖は地震の多発地帯であるということはお認めになっておりますし、現実にそういう地域になっておるわけでございますけれども、この地域が入っていないということに対して先ほど来疑問が投げかけられております。私も大変そういうぐあいに思うわけであります。
 そこで、全国的に見て、こういった今回起こりました十勝、日高沖のように、地震の多発地帯であるけれども特定地域に指定をされていない地域は、ほかにどんなところがございますか。
#122
○藤田説明員 予知連で地域指定しております特定観測地域、これは昭和四十五年に指定されまして、その後、昭和五十三年に見直しがなされました。それで、特定観測地域の指定の基準というのは、過去に大地震があって、最近大地震が起きていない地域というのが一点でございます。二番目に、活構造地域、三番目、最近地殻活動の活発な地域、四番目、東京などの重要な地域、こういう四つの基準がございます。
 それで、見直しに際しましては、全国的に総点検いたしましてこの基準で洗ったわけでございます。昭和五十三年に洗った結果が、特定観測地域が全国に八カ所、それから観測強化地域が南関東、東海の二カ所でございます。それで、この基準に二つ以上該当する地域を選んだわけでございます。
 第一につきまして、過去に大地震があって、最近大地震が起きていないということは、現在の予知技術のレベルも考慮しまして、太平洋沿岸につきましてはいわゆるマグニチュード八クラスの巨大地震を一応想定しておるわけでございます。この浦河地区につきましては、一九五〇年、六〇年、七〇年代に千島海溝沿いに八クラスの地震がずっと並んで起きた、それの平均間隔が八十五年ということで、一応いわゆる八クラスの大地震は起きない、ただし、その八クラスの中に若干のすき間がございまして、マグニチュード七になりますとエネルギーは三十分の一であります。したがって、そういうすき間に七クラスが起きる可能性はあるわけであります。それの地殻変動あるいは地震活動あるいはその他の諸現象に、前兆としてあらわれやすい場合もあるし、あらわれにくい場合もある。八の場合には前兆が広範囲に大きな量として出てきます。長期間出ます。したがって、観測を充実させると非常に把握しやすいのでございますが、七になるとそれがぐんと小さくなるというような困難性もございまして、七については、目下のところかなり困難であるというふうに言われております。
#123
○横手委員 いや、私がお伺いをいたしましたのは、こういう十勝あるいは日高沖でも、その七クラスのものはたくさん起こっておるということがあるわけですね。しかし、その特定地域の中に入っていない。それは八ほどのものが予測できないからだ、こういうことですね。ならば、日本のほかの地域に、これに似たようなことで、地震は多発しておるけれども特に特定地域には指定をしていない、こういった地域がありますか、あったらどこでございますか、こういう質問でございます。
#124
○藤田説明員 お答えいたします。
 地震の多発地帯といいますと、たとえば千葉県中部とか茨城県南西部、ここでは常時地震が起きておりますが、この地震は幸いにも数十キロ−八十キロというようなかなり深いところで起きているので被害を及ぼさないというような、似たような地域がございます。しかし、そこは、千葉県中部につきましてはたまたま南関東の観測強化地域の区分の中に入りますが、茨城県南西部になりますと境目程度でございます。
#125
○横手委員 ほかにはございませんか。いま十勝沖と同じような形のが千葉あるいは茨城、こういうことでございますけれども、よその地域にはないわけですね。
#126
○藤田説明員 特には、ないかと思います。
#127
○横手委員 この予知連では、それぞれ特定地域が指定をされ、そこで地殻あるいは地下水の問題、その他いろいろの資料が集められて、それを年四回持ち寄って検討する会議が開かれておるというぐあいに聞いておるわけでございますけれども、最近の例では、年四回の定例が二月の一日に開かれたというぐあいに聞いておりますが、その中におけるいろいろの検討資料の中で、今回の十勝沖の地震の発生だとかあるいはおそれがある、こういったものは、一切資料としては出されなかったし、議題にもならなかったのでございますか。
#128
○藤田説明員 お答え申し上げます。
 二月一日の地震予知連絡会では、それが終わりますと、通常、記者レクチュアと申しまして新聞記者、テレビに対して説明をいたします。そこで出るのが、予知連の中で議論された主な問題がピックアップされまして発表になるわけでございますが、最近では、通常、東海地域の水準測量あるいは伊豆半島北東部の地殻変動、そういったところが主なトピックスでございます。予知連では、北海道から始まりまして九州鹿児島に至るまで、いろいろ最新情報を各機関から提供していただきまして、それを検討するということをやっております。
 そこで、この地区につきましては、最近地震活動はかなり活発で、そういった報告が北海道大学からなされております。それから、前々回の地震予知連絡会では、国土地理院の水準測量の結果等も出ております。
#129
○横手委員 さらにこの予知連は、いまお話の中にございますように、特定地域以外のところでも、ほかの大学の研究室だとか、あるいはそれぞれの自治体等で行っている地表の隆起、あるいは地盤沈下、あるいは地下水の水位の異常、こういったことがあれば特定部会が開かれるといった機構になっておるというぐあいに聞いております。
 それで、昨日、今回の地震に対して部会が開かれた。きょうの新聞にもそのことが報道をされておりますけれども、「これが新たな巨大地震の前兆とは考えられず、日高地方一帯を特定観測地域に指定することは考えない」こういう結論であったということが新聞の報道としてはなされているわけでございます。こういうことについて、その他この会議の中で議論をされたようなことがあったのか、あるいはこれにつけ加えなければならないような議論が何か行われたのか、その模様についてお聞かせをいただきたいと思います。
#130
○藤田説明員 お答えいたします。
 特定部会の部会長は力武日大教授でございます。きのうは浅田予知連会長も出席されまして、北海道からはオブザーバーとして阿部先生に御足労願ったわけでございます。そこで気象庁を初め地理院、水路部、地質調査所、もちろん北海道大学からこの地震に関連するいろいろなデータを交換いたしまして、検討がなされたわけであります。
 そこで、はっきりした結論というのは、北海道大学のえりも観測所、これは今度の浦河沖地震の震源から約六十キロ離れた点に設置されてございますが、そこでの土地の傾斜計、伸縮計あるいは地震活動、そういったものの長期的、中期的、短期的な記録を検討したわけでございますが、はっきりした前兆というのは見出すことができなかった。あの付近には、水路部の所属の浦河の験潮所がございます。験潮所、海面の上下を記録した記録でございますが、それを見ますと、一九七八年ごろからかすかに変動があるようにも見えるのですが、これも誤差の範囲内ということで、顕著な現象ではないという結論になりました。
 そのほか、余震の状況につきましては、余震の減り方が若干鈍いというような報告が北大の方から出されましたが、こういった特徴は海溝沿いのある地域では見られるというような指摘もございまして、はっきりした前兆と言えるものはないというような結論になりました。
#131
○横手委員 地震が起こった後、その資料を持ち寄ってこれからの予知対策のために資料とするということも大変大事なことでございます。最も大事なことは、これが起こる前に異常が発見できなかったかということなのでございますけれども、いまの話を聞きますと、この特定部会を開くような、この地域に何かがありそうだという前兆がなかった、したがって起こった後であるけれどもこの会議は開かれたのだ、こういうぐあいに私は理解をするところであります。さすれば、この地震の予知というものは大変むずかしいものだという気がつくづくとするわけであります。
 現在、先ほど申し上げましたように、この法律に基づいて東海沖にはかなりの機具が海中に、あるいは地中に埋められて観測が行われているわけでございますけれども、これだけの観測網をしいて、どの程度の地震なら予知できる、こういうことはいかがですか。
#132
○山川説明員 御説明申し上げます。
 大規模地震対策特別措置法によりまして、地震防災対策強化地域に指定されております東海地方につきましては、現在の技術水準で必要とされるかなり綿密な、詳しい観測網をしかさせていただいているわけでございまして、気象庁としても、そういう施策をとらせていただいているわけでございますけれども、それ以外に、大学等他機関からのデータもテレメーターしていただいて、気象庁の現業室で二十四時間監視をしているわけでございます。これにつきましては、私ども、発生機構が十分解明されておりますマグニチュード八クラスの海洋型巨大地震につきましては予知ができると考えているわけでございますけれども、このような地域でございましても、マグニチュード七クラスの地震は、現状ではまだ確実に予知できる段階には至っていないというふうに考えているわけでございます。
#133
○横手委員 先ほど来、多くの方々が述べられて、地震の予知については今後とも万全の体制を期していきます、こういう御答弁をされておるわけでございますけれども、いまお話を聞きますと、あれだけの観測機を入れて、そして海の中にも入れ、あるいは陸地にも入れる、それだけやっても、なお七以下を予知することはできません、これが現在のわが国における地震の予知の実力だ、こういうことでございますか。
#134
○山川説明員 御説明申し上げます。
 先ほどからいろいろとおしかりをちょうだいいたしております。(横手委員「いや、怒っておるのじゃない。実力はどうだと言っておるのだ」と呼ぶ)私どもといたしましては、温かい励ましのお言葉というふうに受け取っております。
 確かに、御指摘のとおり、日本付近には年一回、マグニチュード七クラスの地震が起こっているわけでございますので、その地震を予知して防災活動に役立てるということは大変大事なことだと思っております。残念ながら、現状ではそれができませんので、気象庁といたしましても、大学等関係機関あるいは地震予知連絡会等とも緊密に連絡をとり、そういうものが可能になるための観測データを得るような整備を進めているわけでございます。また、それ以外にも、発生機構の解明、それから前兆現象のあらわれ方等の研究もやっているわけでございますので、こういうものが技術的に開発された段階におきまして、気象庁の予知業務に取り入れていきたいと思っているわけでございます。
#135
○横手委員 人類は宇宙に飛んでいって、火星の、あるいは金星の地表がどうなっておるかというところまで知るほど科学は発達いたしましたけれども、肝心の、自分が住んでおる地球の中はどうなっておるのか、そして、われわれの生命と財産を奪う地震のメカニズム、それがマグニチュード七程度だったら、まだ起こってみなければわかりません、これが今日の人類の科学の実力だ、こういうことでございますか。
#136
○成松説明員 先ほど地震課長の方から御説明がありましたとおり、海溝型につきましてはマグニチュード八程度と予測されておりますので、これまでの各省庁連携しました研究と大学の成果等を入れまして、予知体制はかなりの確度でできるというところまでに達しておるわけです。直下型につきましては、現在科学技術振興調整費でやっておりますが、これにつきましては、地震課長からの説明にありましたとおり、きわめてむずかしい。これは内陸に起こる地震がかなりマグニチュード七付近にあるということで、内陸の地震発生メカニズムにつきましては、現在の地震学の水準でも発生機構をつまびらかにすることはできないという現状でございます。そういうことで、関係機関が協力しまして直下型地震の予知技術の確立を図るということで、技術的な指針を得る新しい観測方法あるいは測量方法あるいは活断層の調査方法といったものを現在鋭意研究しておるところでございます。
#137
○横手委員 いま一連の答弁を聞いておりまして、私が理解をしておりますのは、M八程度のいわゆる巨大地震であったならば、これは前兆も確かなものがあろう、したがって、それをつかまえるということは可能だ、しかし、それ以下のもの、特に直下型等についてはいまのところ予知するのはほぼ不可能である、それで、多くの前兆がある、これがM七程度につながるのかどうかということも、起こってみなければわからない、結果としてあれがいわゆる前兆であったということを知るためには、起こってみなければわからないといったところまでしか科学の水準は来てないのだなという感じを持ったわけであります。さすれば、私は、そういった研究もこれから鋭意開発をしてもらわなければならないのは当然のことでございますけれども、それを待つと同時に、国民の一人一人が、地震が起こってしまったときにみずからが第二次災害をいかにして防ぐか、そして、みずからの生命をみずからがどうやって守っていくかということの周知徹底は大変大事なことだということを、つくづくと感ずるわけであります。そのために、先ほど長官も、九月一日を防災の日と定めて、いろいろの訓練を行い、国民に対しても啓蒙を行っておるということを発表になったわけであります。
 今回、北海道地震で私どもが行く前から、すでに地震が予知をされている地域の皆さん方が北海道を訪ねておられました。それは、今回第二次災害、つまり火災が起きなかった、そして死者が出なかった、これに対して各自治体の、そして一人一人の心構えはどうであったのか、テレビを見たら、子供がはいずっていってストーブを消した、奥さんはテーブルにつかまりながらもガスを消した、あれが第二次災害を防いだ、これは大きな教訓だということで、たくさんの方々がその実態を知りに来ておるというようなことも聞いたわけであります。大変大事なことであります。そして、出席された皆さん方はもらってこられたわけでありますけれども、こういったものが静内町では各戸に配布されておる。子供がぐらっときたときに瞬間的にストーブに飛びついていって火を消したということは、よほど日ごろからの訓練ができていなければできないことだろうというぐあいに思います。そこまで徹底をされた自治体の皆さん方に、心から敬意を表するわけでございます。
 もしこういったものが大都会で起こったときに、これほどの訓練ができているであろうかということを心配するわけでございますけれども、これは消防庁になりますか、この辺の対策についてお聞かせいただきたい。
#138
○松田説明員 お答えいたします。
 ただいま先生御指摘になられましたように、災害発生直後におきます行政なり市民の対応いかんが、その後における被害を拡大するかしないかを大きく左右するポイントになるわけでございます。
 今回の浦河沖地震に関しまして私どもが得た情報でも、かなりの被害がある中で死者ゼロ、それから火災発生ゼロということでございまして、被災地域の市町村の日ごろの啓発の状況を調べてみましたところ、まず火を消すこと、二番目にあわてないこと、三番目にすぐ外に飛び出さないこと、この三点がかなり市民の間に徹底をしておりまして、その結果がこういう結果をもたらしたというふうに私ども考えておる次第でございます。したがいまして、地震発生と同時に、その後におきますところの同時多発火災にいかように対応しようとするか、これはまずもって住民が火の始末をする、初期消火等につきまして適切な防災行動をとるということが一番肝要になるわけでございます。
 そうした意味合いにおきまして、消防庁といたしましては、住民の防災意識を高揚するということに力点を置きまして、さらにまた、意識だけではなくて、それをみずからの行動力として体得をしておくために、テレビ、ラジオ等の媒体を通じまして、あるいはまた出版物等を利用いたしまして、防災知識の普及啓発に努めているところでございます。さらに、地方公共団体に対しましても、やはり初期的な住民の対応が肝心でございますので、自主防災組織というものをできるだけつくっていただき、そうした自主防災組織を通じまして、次いで実践的な地震防災訓練を実施する、こういうふうなことでただいま私どもは努力をしておるところでございます。
 今回の被災市町村におきましても、地震発生時刻におきまして大体七割の家庭が火を使っておったそうでございます。その七割の家庭の中で大体六五%の方がすぐに火を消されたということでございますので、こういった実践例等を今後の震災対策の上に十分に生かしまして、自主防災組織の育成強化等を初めといたしまして、さらに訓練等を含めて積極的に国民の防災行動力、防災意識の向上に努めてまいりたい、かように考えておるところでございます。
#139
○横手委員 大変むずかしい、答えにくい質問かもわかりませんが、あえて御質問さしていただきますけれども、いま御指摘のとおり、この地域ではいま数字を並べられたようなことで各自が初動の対策に当たったということでございますが、もし大都会でこういった地震が起こったら、大体どのくらいがそれをやってくれるに違いないという自信がありますか。
#140
○松田説明員 たとえて申しまして東京で考えました場合に、まだ自主防災組織は六割程度の組織率でございまするし、さらにまた、地震発生直後における道路あるいは二次火災の発生状況等によりまして、あるいはまた、避難地確保と避難路の確保もございますが、そういった面からいたしましてどの程度このようなみごとな対応ができるか、私どもいろいろ予想はいたしますが、この程度のことはできるというような確たることはちょっとお答えいたしかねるわけでございます。
#141
○横手委員 みごとな対応をした、こういう評価をしておられるのですけれども、いまも言われたように、幾つかのメニュー、各自治体はこういうことをやります、そして一人一人の意識の喚起を促します、こういうことはあしたにでもできることであります。要は、それを一人一人の心構えの中にいかに入れるか。地震が起こってから広報活動はできないのでございます。したがって、常日ごろから一人一人の心の中に準備をさせておくことが最も大事なことであります。幾らメニューを並べるか、幾ら訓練をするかということよりも、たったその一つが大変なことでありまして、まさにそれが勝負であります。そして、まことにみごとであったという評価を受けられる、そのことの実現のためにいかなる対策を今後とろうとしておられるのか、このことについてお伺いをいたします。
#142
○松田説明員 お答えいたします。
 やはり先ほど申し上げましたような自主防災組織を中心とする啓発活動あるいは訓練というものをさらにきめ細かく全国的に展開していくということが、まず第一に必要ではなかろうか。私どもの調査によりますと、啓発活動はかなり普及をしてまいっております。しかしながら、訓練ということになりますと、今日までに被害地震を経験したかしないか、都市なりあるいは住民の関心度によりまして若干の差がございますので、やはりそういう点を克服しながら、今後先生御指摘のとおり、積極的に防災行動力を国民の一人一人が体得していく、高い防災意識に支えられたものとして行動力を高めていくという点に、最大限、関係省庁並びに地方公共団体を通じまして施策を展開してまいりたい、かように存じます。
#143
○横手委員 私は、このことがきわめて大事なことだというぐあいに考えます。それは何を言うかではない、何をなすかだということにかかっておるというぐあいに思うわけであります。みごとであったという評価をされるその啓蒙が全国に行き届いて、そして、M七程度だったら予知ができないという実態にかんがみ、国民の一人一人がそれに備える心構えをまさに国民運動として、一人一人の生命と財産を守る運動として徹底していただく、その具体的な方策を地方自治体あるいは地方自治体の下の地域の自衛団あるいは町内会、こういったところまできちっとおろしてこれが徹底できるように、日本全国がみごとであるというような体制になるようにひとつ御努力をお願い申し上げる次第であります。
 時間が参りましたが、あと一、二点お伺いをいたします。
 先ほど来、中小企業対策、特に商店街の皆さん方に対する融資等の問題がございましたが、今回は激甚災害の指定を受けておりません。したがって、他の方法によってこれを救っていこうということが披瀝をされたわけでございます。激甚災害、特に中小企業の場合には、その前提として災害救助法が発動されていなければならない、あるいは中小企業者の所得の一〇%以上に被害を及ぼす、このときに激甚災害を発動する、そのときのメニューといいましょうか、救済の種類は、一つは貸し付けの金利を六・〇五、あるいはひどいところには三%ということで金融措置を見る、もう一つは、賃金保障の別枠を設ける、あるいは設備近代化資金の返還猶予を設ける、こういった三つの措置があろうと思いますけれども、今回、何らかの形でこれを救済するということでございますが、こういったメニューをお示しになる用意があるのかどうかということをお聞かせいただきたい。
#144
○熊澤説明員 被害の実情につきまして、現在、道庁を通じまして調査中でございまして、まだ結果は判明いたしておりませんけれども、結果をもとに、御指摘のような点を含めまして、現在用意しておりますのが中小企業体質強化資金制度でございますけれども、これの活用も含めまして、できるだけ被害の実情に応じて救済措置が講ぜられるよう検討してまいりたい、かように考えております。
#145
○横手委員 これから被害の実態を調べてということでございますけれども、いまのところ、激甚災の指定には遠かろうという見方ですね。これから被害調査をしてみても激甚災害指定にいくまでには至らないであろうということが、ほぼ結論づけられているような感じがするわけでございます。そうなりますと、他の自治体と共同した形での対策、そういったものがこれからとられなければならないというぐあいに考えておるわけです。
 私は、先ほどから議論になっております中小企業の一〇%の被害の見直しということも大変大事なことであろうというぐあいに考えておりますけれども、それ以下の人たちをどこかで線を引かなければならない。そうすれば、線を引いたその下の人たちを一体全体どうするのかということが大変議論になってくるわけであります。この法律というものは、そういうことで発想したということよりも、むしろ被害が小さいときには自治体がこれに対応していく、そして一定限度以上になった場合には、自治体ではとてもその対策をすることはできないであろう、したがって国が直轄的にこれの救済に乗り出す、こういう形のものが激甚災の法律ではないかというような気がするわけであります。
 しかし、もう時間が参りましたので、次の機会にでももう一遍ここら辺は議論をしてみたいと思いますけれども、そのことについて一言でいいですからお考えをお聞かせいただきたい。
#146
○川俣政府委員 被災者に対する援護の問題あるいは被災地方団体の災害対策に関する経費の負担の問題は、ただいま先生が御指摘になりましたような考え方で現在の制度は成り立っておるというふうに考えております。
#147
○横手委員 時間が参りましたので、これで終わります。ただ、私も行ってまいりました、そして地元の皆さん方からたくさんの願いを聞きました。しかも、それはまことに切実な願いでございました。そのことについては先ほど来触れられたとおりでございますし、政府としてもこれらに対処するために力を尽くすというようなお約束の決意が述べられたわけであります。どうか、被災地の皆さん方が勇気を持ってつち音高く復興への道を歩まれるように、国もこれに対して大きな力添えをしていただきますように心からお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
#148
○川俣委員長 これにて横手君の質疑は終了いたしました。
 次に、野間友一君。
    〔委員長退席、池端委員長代理着席〕
#149
○野間委員 最初に、いわゆる浦河沖地震に関して、大変な被害を受けられた皆さんに心からお見舞いを申し上げますとともに、先ほどからも言われておりますように、日ごろの大変な訓練、努力によって、あれだけの大きな地震であるにもかかわらず、死亡者がゼロ、火災発生がゼロということで、今日まで非常に努力された関係者の皆さんとそれぞれの被災者の皆さんに、この点についても心から敬意を表したいと思います。私も調査団の一員として現地をつぶさに見てまいったわけでありますけれども、死者がゼロだというようなことで軽視をせずにこの委員会で調査団を派遣したということは、非常によかったと思います。私たちはいろいろな教訓を学んできたと思います。私は、その中で幾つかの点を取り上げまして御質問をいたしておきたいと思います。
 まず、激甚災害の問題でありますけれども、被害実態がいまだんだん明らかになりつつありますが、これについて指定の可能性があるというふうにお考えなのかどうか。もしいまの法律の弾力的な運用によっても困難だということであれば、この激甚災害の指定制度そのものについて、いまの時期にもう一遍検討し直す必要があるのじゃないかと思いますけれども、この点についてどういうふうにお考えなのか、国土庁長官にまずお伺いしたいと思います。
#150
○川俣政府委員 詳細な被害の状況が判明いたさないと、本激甚災害なり局地激甚災に該当するかどうか判断いたしかねるわけでございますけれども、現在のところでは、局地激甚の指定基準に該当することはないのではなかろうかと思っております。
 激甚災の指定につきましては、本激甚の場合におきましても、あるいは局地激甚の場合におきましても、指定基準が明確に定められておりますので、激甚の指定について弾力的な運用というものはないわけであります。
 見直しの話がございますが、先般もお答え申し上げたのでございますけれども、たとえば公共土木施設等の災害復旧費につきましては、被害額と当該地方団体の標準税収入額、つまり財政力とを比較して決めるという仕組みに相なっておるわけでございます。これらの点について、地方団体の財政力とそれからいまの被害額との相関関係をどう考えるかということについては絶えず検討をしなければならないと考えておりますけれども、いろいろむずかしい問題がございますので、私どもとしては慎重に取り組みたいと考えておるところでございます。
#151
○野間委員 長官、いまの見直し、検討はいかがですか。
#152
○松野国務大臣 いろいろな角度から検討をしておりますけれども、やはり現段階では非常にむずかしいように聞いております。
#153
○野間委員 ぜひ検討をお願いしたいと要求しておきます。
 関連して、災害資金等について先ほどからも、あるいは現地でもたくさんの要請を私どもは受けてきたのですけれども、有珠山の場合は、御案内のとおり法律にとらわれずに、適切なと申しますか、具体的な要求にこたえる施策を行ってやってきたわけであります。有珠山の場合には閣議にかけてここでやったわけですね。国土庁長官、先ほどからも要求があったやに思いますが、ぜひこのケースにならって、閣議にでもかけて、被害者の復旧あるいは救済に支障のないようにお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#154
○熊澤説明員 事実関係でございますので、前もって御説明させていただきます。
 有珠山の場合につきましては、五十二年八月に噴火がございまして、八、九月継続して噴火活動があったということから、十一月に閣議決定いたしまして、激甚災害並みの低利融資をするということが決定されたわけでございます。今回につきましては、被害状況につきまして現在鋭意調査中でございまして、被害状況の判明によりまして、北海道庁の意向等も聞きながら、連携をとりながら対応してまいりたいと考えております。
#155
○野間委員 いかがですか、長官。
#156
○松野国務大臣 ただいまお答えいたしましたように、適切な処置がとられるように最善を尽くしてみたいと考えております。
#157
○野間委員 国鉄の日高本線、それから二百三十五号の国道、この早期開通についてはもう皆さん要求されましたし、現地でも私たちは聞いてきたわけです。これについての一定の行政の対応は私どもも承知しております。
 これに関連して、一つは、これは池端委員もやられたわけですが、通称第二国道、これをぜひつくってほしい、災害に弱いいまの線ではどうにもならぬ、こういう声が現地では非常に強いわけであります。これについてぜひ住民の要求にこたえてほしい、こう思いますけれども、建設省、どうでしょうか。
#158
○萩原説明員 先生御指摘のように、現在の国道二百三十五号線は、日高地方の海岸線を結びます唯一の幹線道路でございます。したがいまして、もう一本、内陸部にその代替的性格を有する道道が必要ではないかというようなお声が北海道から出ておりまして、北海道庁からもその概略についてお聞きをしている次第でございます。
 道道の認定は、道議会の議決を経て道から御申請をいただいた後に、建設大臣の認可が必要でございます。道道としての必要性あるいは現実の道路の実態というものを踏まえまして、北海道庁から詳細に説明をお聞きして検討をいたしたい。しかる後に、道道認定の要件を満たすかどうかということを判断することになろうと思います。今後も検討させていただきたいと存じます。
#159
○野間委員 いわゆる静内の大橋についてお伺いします。
 現地調査の結果でも明らかになりましたように、特にP3、この橋脚はいわゆる座屈していましたね。専門家の目で見ますと、ああいう現象は、鉄筋の帯筋あるいは横帯筋の間隔が長過ぎる、あるいは取りつけについて何か弱かった、いわゆる欠陥ではなかろうかということが専門家の問でも言われているわけです。
 これは建設省にお伺いしますけれども、この原因等について調査されることのようですが、設計、施工、特にいま私が指摘したような点について問題があると専門家は言っておるわけです。これについていまの時点でどう思うのか、これらも含めてぜひ調査すべしというふうに要求したいわけですが、いかがでしょう。
#160
○萩原説明員 この静内大橋は、二百ガルの水平加速度を目標といたしまして、それを想定いたしまして設計いたしたものでございます。今回の地震は、広尾町の強震計のデータなどでもわかりますが、大体三百ガル以上の水平加速度が作用したであろうということが十分予想されるわけでございます。その結果、あの橋は剪断破壊をいたしておりまして、座屈ではございません。その剪断破壊の機構につきましては、鉄筋コンクリートにつきましていまだ従来解明されてない点がございました。その点で、今回の橋がどういう形でこのような決定的な破壊を起こしたかということについて、技術的な検討グループを設けて検討いたそう、こういうことになっております。
 いま御指摘の帯鉄筋でございますが、これは主鉄筋ではございませんで、計算に乗らない鉄筋でございます。いわゆる用心鉄筋と言われているものでございます。この用心鉄筋であるとか、あるいはいわゆる許容応力度と破壊応力度の間には差がございます。そこにわれわれ安全率と称するものを持っているわけでありますが、この安全率と用心鉄筋との関係というようなものはまだ解明が非常にむずかしい、計算に乗らないということでございますので、この用心鉄筋が即今回の破壊につながったかどうかということも含めまして十分な検討をいたしたい、しかも早急に検討をいたしたい、こういうふうに考えているわけでございます。
#161
○野間委員 昨年の大雨と今度の再度の災害について、建設省にお伺いしたいと思います。
 浦河町で、たとえば小絵笛川が去年の八月の大雨で被害を受け、この三月やっと完成する予定ですが、この床止めに亀裂が入り、町では取りはずしてやり直すしかない、こう考えておるわけです。これはちゃんと災害査定をするべきだと思いますが、この点についてどうなのかということ。
 もう一つ、ウロコベツ川、これも大雨との関係で被害がある。こっちはもうすっかり復旧が完成した護岸の壁が崩れたり、はみ出したりしておりますが、これは約二十メートルに及んでおります。これらの点について早期に復旧をしてほしい、こういう強い要請があったわけですが、これについて簡潔に答弁いただきたいと思います。
#162
○狩野説明員 お答えします。
 第一点の小絵笛川の件でございますが、先生御指摘のように、昨年の七月の集中豪雨によりまして被害を受けております。被害の大きかった区間につきまして、災害関連事業で改良復旧により復旧工事中でございます。今回の地震によりまして、そのうちの帯工の一部に亀裂が生じておるという報告を受けております。この分については、先生御指摘のように、三月末までにすでに竣工していた部分でございますが、これらにつきましては早速調査いたしまして、必要な措置を災害復旧事業ということで早急に実施することにしたいというふうに考えております。
 それから、もう一つのウロコベツ川の復旧対策でございますが、浦河町の管理しておりますウロコベツ川の護岸につきまして、御指摘のように被害が発生しております。現在、浦河町におきまして、査定申請の準備と並行しまして、被災個所のうち緊急を要するものについて応急復旧工事に着手するための手はずを整えるよう指導もしております。建設省としましては、早期復旧を図るために、現地の準備が整い次第、早急に査定を実施することにいたしております。
#163
○野間委員 よろしくお願いしたいと思います。
 次に、国土庁長官にお伺いしたいのは、負傷者に対する見舞い金の問題であります。
 私ども日本共産党では、地震直後からいろいろ現地の調査あるいは要求を聞き取りして、三月二十六日に共産党外尾静子災害対策本部長から国土庁長官にも御要望申し上げたわけですが、負傷者に対する見舞い金はないということですね。これは大変な問題であります。折々われわれもこれに対してどうするのかということで検討を進めておるわけです。
 現地へ行きまして、浦河の町長も言われておりましたが、ちょうどお彼岸で、お墓参りをして帰りにおそばを食べた、表へ出た途端に上から何か物が落っこって、そしておばあさんと娘さんがけがをされていま入院されておる、こういう説明がありましたが、こういう場合に、実際ないわけですね。この場合には、町が三万円見舞い金を出したというふうに聞いたわけです。こういう点から考えまして、自然災害の場合の負傷者に対してやはり適切な見舞い金を出すべきじゃないかというふうに思いますが、この点についての長官の見解をお聞かせいただきたいと思います。
#164
○川俣政府委員 事務的にわたる部分がございますので、まず説明をさせていただきたいと思います。
 御案内のとおり、いわゆる災害弔慰金法がございまして、災害救助法等の適用がございますような自然災害で死亡された方につきましては、災害弔慰金の支給がなされておるわけでございます。現行制度のもとにおきましては、負傷者に対する見舞い金の制度はございません。いわゆる災害援護資金の貸し付けという制度がございますけれども、負傷者に対する見舞い金の制度はないわけでございます。ただ、仄聞いたしますところ、重傷の負傷者に対する見舞い金についていろいろ御検討がなされている向きがあるというふうには聞いておるところであります。
#165
○野間委員 それに対して、長官、所見を聞かしていただきたいと思います。
#166
○松野国務大臣 いま事務当局から御説明しましたように、やはりちょっと矛盾した点があると思いますので、御意見に対しましてよく検討させていただきます。
#167
○野間委員 こういう複雑な社会情勢ですので、歴史的あるいはいきさつ、目的は違いますけれども、いわゆる無過失の場合のさまざまな救済措置が講ぜられておると思うのです。たとえば学校安全会法で、クラブ活動中の児童の負傷とか、あるいは運動場でけがをしたとかいうさまざまな問題に対する救済措置とか、あるいは交通事故の場合でも、いま引き逃げ等加害者がわからない場合でも国が立てかえて支払うという制度がありましたり、いろいろあるわけです。それからもう一つ、例の通り魔に対する被害救済がありますね、これはまだ不十分ですけれども。だから、それぞれの複雑な社会的な事象に対して適切に措置を講じていくというのが、やはりわれわれの任務だと思うのです。ですから、長官もいま検討したいというふうに言われましたけれども、こういうケースがこれからふえてくると思いますので、十分なそういう措置を講ぜられるように、われわれもやりたいと思いますけれども、ぜひ国の方においてもそれに対する対応をひとつお願いをしたいというふうに思います。
 それから、気象庁に対してお伺いしたいと思いますけれども、今度の地震についてですが、浦河は震度が六、ところが、三石町あるいは静内町、これはまだ気象庁の方としては震度幾らということを出してないと思うのですけれども、三石の町長は、太田さんですが、証明書を出せと言われても困るが三石もたしか浦河と同じだ、こういうふうに言われております。ですから、これについて、浦河だけでなくて三石あるいは静内の震度は幾らか、お聞かせいただきたいと思います。
#168
○山川説明員 お答え申し上げます。
 気象庁では、震度につきましては日ごろから震度観測の訓練をいたしております気象庁職員が観測いたしましたものを正式の震度として採用しているわけでございまして、地震発生後、直ちに報道機関、防災機関に発表いたしまして利用していただいているわけでございます。
 いま御指摘の三石、静内町には気象官署がございませんので、気象庁の正式震度は出ないわけでございますけれども、私どもも、今回のような大地震が発生いたしますと直ちに調査員を派遣いたしまして現地調査を行って、その結果、聞き込みや被害も勘案いたしまして参考震度というものを求めまして、そのようなものを震度分布図というような形にあらわしていくことにいたしております。これまでもそういうことをいたしておりましたし、今回もそういうものをつくるつもりでおります。
    〔池端委員長代理退席、委員長着席〕
#169
○野間委員 浦河は震度六、それから札幌、帯広は震度四ですね。一体、六はこのほかにあるのかどうか、あるいは五の範囲はどうなのか、これがわかりませんと、地震の全体がつかまれないわけですね。被害との関係あるいは地盤との関係、これはやはり今後の防災対策、特に関連して、たとえば建物を建てる場合でも、一つの地震があればそれに対して全体を科学的にとらえていくということは不可避じゃないかというふうに思うわけです。
 そこで、お伺いしたいのは、いわゆるマイクロゾーニングというのでしょうか、面分布ですね、こういうもので科学的に地震の実態をつかまえるということの必要性ですが、その等震動線をぜひこの場合でも出していただいて、いろいろ手数はかかると思いますが、それをもとにして面分布図をぜひ早期につくってほしい、これが防災対策として大変大事だというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#170
○山川説明員 御説明申し上げます。
 現地調査の結果を解析いたしまして、そういうようなものをつくっていきたいと思っております。
#171
○野間委員 ケース・バイ・ケースでなくて、面分布の図面、実態を科学的にとらえるということを制度的にしなければならぬというふうに私は思うのですけれども、国土庁長官、いかがでしょうか。
#172
○川俣政府委員 ただいま申されたような地震の資料につきましては、私どももそういうものを作成することは望ましいというふうに思うわけでございまして、気象庁の方でしかるべき措置がとられることを願うものであります。
#173
○野間委員 人員の増加は必要だと思います。われわれはもう力いっぱい応援したいと思いますので、ぜひそういう面で努力をしていただきたいと思います。
 国土地理院、お見えですね。――地震の予知についてお伺いをしたいと思います。
 前後の地殻の変動を調べることの必要性は言うまでもありません。この浦河の場合、水平方向の測量は特に大学は力を入れてやっておられるようですが、お聞きしたいのは上下方向の水準測量ですね。これについて測量あるいは分析はぜひする必要があるのではないかというふうに思いますが、これについてやられるのかどうか、それから同時に、五月の予知連の会議に結果を出す必要があるのではないかと私は思いますが、出されるかどうか、この点についてまずお伺いしたいと思います。
#174
○藤田説明員 お答えいたします。
 この地域では、昭和五十五年、五十六年の二年間にわたりまして水準測量を実施しておりますが、今回の地震発生にかんがみ、本年度早々、四、五月にかけまして、えりも町から門別町に至る水準路線百十四キロを再度実施いたす予定にしております。そして、地震の前後における地殻変動を調査する。これは地震の発生メカニズムを押さえる上できわめて貴重な資料になろうかと思います。四、五月に実施しまして、そして五月の地震予知連絡会に提出するように考えております。
#175
○野間委員 せっかくの努力を期待したいと思います。
 八〇年、八一年の測量の前は、六九年の測量があるだけだというふうに私は思うわけですね。十年以上たっておる。地理院としては、五年に一回測定することになっておるはずなんです。特定観測の地域に指定されている根室でも、七四年から七六年ですか、ずっと測定している。その後八年もたつのに、次の測量の計画すらない状況だというふうに私は思うわけですが、この測量の強化についてもっと努力をしていただきたい。いま言われたわけですが、地震予知のためのまさに基礎をなす仕事であるからであります。東海地域の予知対策も、この地殻のひずみの変化、それから蓄積の把握から手がかりを得ていったという面もあると思います。これについていかがお考えになるか、お聞かせをいただきたいと思います。
#176
○藤田説明員 お答えいたします。
 国土地理院としましては、五年周期の繰り返し測量を目標として努力しておりますが、いま先生御指摘のように、そういった目標に若干遠い面があることは事実でございます。根室地域の水準測量につきましては約六年、浦河地域の水準測量につきましては約十一年という長い繰り返し周期でございまして、その間、浦河地域につきましては、水路部の検潮記録あるいは北海道大学の地殻変動観測所における傾斜計による連続観測等により補完しつつ進めておるわけでございますが、今後は、両地域において重点的、機動的に測量を実施するように考えていきたいと思います。
#177
○野間委員 次に、津波対策についてお伺いしたいと思います。
 今回の浦河沖地震の津波の第一波、これはいつというふうにお考えでしょうか。何時何分でしょう。
#178
○山川説明員 第一波は、地震発生が十一時三十二分でございましたが、四十分ごろに来ているようでございます。ただ、この第一波の波高は二十センチ程度でございまして、十二時二十分に参りました最大波高八十センチと比べると、かなり小さかったようであります。
#179
○野間委員 そうすると、三十二分の地震後、四十分ですから、八分後に第一波が発生しておるわけですね。
 気象庁、津波についてですが、気象庁として津波警報を出されたのは何時何分でしたか。
#180
○山川説明員 まず、気象庁で津波警報を出す作業についてごく簡単に御説明申し上げますと、(野間委員「後で必要になったら聞きますので……」と呼ぶ)それでは、津波警報は十一時四十五分に発表いたしております。
#181
○野間委員 そういうことですね。第一波が来たのは十一時四十分、地震が三十二分ですね。警報が出されたのが十一時四十五分、こういうことになるわけで、そうしますと第一波の後ということになるわけですね。これはいろいろございまして、気象庁としては何とかできるだけ早く、発震後二十分以内にというふうに努力されておるということを私もよく承知しております。ところが、この間隙と申しますか、乖離と申しますか、実際に警報が発令される。ところが、本件の場合にもその前に第一波が来ておる。たしか関東大震災のときにも、地震発生の七分後に熱海に第一波の津波が来ておるわけです。そうしますと、二十分以内に警報を出すという大変な努力を皆さんはやられておるわけですけれども、それにしても間に合わないということが当然あり得るわけですね。これはあり得るということはお認めになりますね。
#182
○山川説明員 気象庁では、津波の警報作業を少しでも短縮するようにいろいろな努力をしているわけでございますけれども、確かに海岸近くで起こりました地震につきましては、先生御指摘のように、地震発生直後あるいは数分以内で襲ってくることもあるわけでございます。
#183
○野間委員 この間隙をどうするかということが一つの大きな問題でなかろうかと思うのです。ぐらっと来ますと、家の中で皆さんはテレビを見るわけですね。あるいはラジオを聞きますね。津波警報、われわれもよく経験しておりますけれども、そうするとあわてて避難する準備、段取りをしていく。ところが、実際に第一波が警報前に来るということになりますと、避難手だてをする段取りは逆になるわけですね。ですから、この間の矛盾を一体どうするのかということが一つの大きな問題ではなかろうかと思うのです。
 そこで、お伺いしたいわけですが、最寄りの測候所か何かで市町村長、地方公共団体が十分協議して、生命、身体あるいは財産にかかわるような緊急な、しかも警報が間に合わないというような場合には、市町村長が何らか適切な警報、法律上の警報かどうかはともかくとしても、そういう措置ができるようなことが必要ではなかろうかと思うのですが、いかがですか。
#184
○山川説明員 気象庁では、沿岸の監視所につきましては緊急に必要な場合には津波情報を出すことができるようにしております。これにつきましては、確かに先生御指摘のように、どんなに努力しても津波予報作業というものは十数分はかかる作業でございますので、気象庁といたしましては、日ごろから機会あるごとに防災機関とか海岸地方の自治体の皆様方にお願いをいたしまして、津波に関する教育をやっていただく、それから自衛措置をお願いしているわけでございます。たとえば、少なくとも強い地震を感じられましたような場合に、海岸地域の皆様方には、気象庁から津波に関する情報が届きます三十分ぐらいまでは自衛措置として海面を監視していただく、そういうようなことを機会あるごとにお願いしているわけでございます。
#185
○野間委員 避難する指示は市町村長が出すわけですね。これは警報の有無にかかわらず出せるわけですね。だから、警報についても制度的に何か、気象庁が非常な努力をされても科学的にそんなに全部が全部捕捉はできないわけですから、市町村長が適宜適切に判断してそういう措置ができるような制度が必要ではなかろうかと私は思うのですけれども、そういう点についてどうお考えでしょうか。
#186
○川俣政府委員 私どもの方でお答えするのが適当かどうかと思うのでございますけれども、市町村長が津波に関する警報を出すということについては、これはやはり気象庁の関係の法令との関係も調べないと、早計にそれができると申し上げるのは適当でないと思うのでございますが、いわゆる津波常襲地帯につきまして、発災後に住民の方が避難されるということは必要であろうと思うわけでございまして、そういう意味合いにおきまして、市町村の地域防災計画の中でいろいろその措置をすでに検討されているところもあると聞いておりますし、適切な対応措置が防災計画の中に盛り込まれることが望ましいのではなかろうかと考えます。
#187
○野間委員 大変時間のかかる、じみな、非常に基本的な大事な仕事をされている気象庁やあるいは地理院の方々、これからもぜひよい仕事をしていただきたいと思います。人が足りなかったら、われわれができるだけふやす努力をしたいというふうに思います。
 最後に、地下街対策について、労働省がお越しですので、お聞きしたいと思います。
 今度の浦河沖地震の後、マスコミは一斉に、あれだけ大きな地震だから、これがもし東京で起こったらどうなるのか、こういうようなことが指摘をされましたし、その中で特に問題になりましたのは地下街の問題だと思います。防災上これ以上地下街をふやさないというのが政府の地下街についての方針であるやに聞いておるわけですが、こういうようなことの中で、地下街の労働者の労働条件あるいは災害防止対策、これは非常に重視をしなければならぬ。例の静岡の駅前のガス爆発の事故の後、一斉に地下街の調査をされた。この中で、地下街の労働対策協議組織がまだつくられていないところが六カ所、それから非常災害時の避難及び消防作業等についてのマニュアルの作成すら行っていないところが十六カ所あるという指摘を、調査の結果発表しておりますね。これらはその後どうなっておるのか、簡潔にお答えいただきたい。
#188
○岡部説明員 地下街労働対策要綱の施行につきましては、私ども重点的にやっておるところでございます。いまお尋ねの昭和五十五年九月から十月にかけて行いました全国一斉監督の結果の中で、その柱でございます自主的管理活動を行うための協議組織の設置につきましては、監督実施地下街九十八のうち九十二ですでに設置されておりましたが、あと六地下街につきましてはまだ未設置であったわけでございます。しかしながら、その後改善指導いたしまして、現在すべてにつきまして設置が完了いたしております。
 それから、避難訓練時に用いる避難及び消防作業についてのマニュアルの作成でございますが、これは九十八地下街中八十二地下街においてはすでに作成されておりましたが、なお十六の地下街につきましては未作成であったわけでございます。その後の改善指導の結果、現在までその十六のうち十一地下街につきまして作成が完了いたしております。残る五地下街につきましても、現在作成をいたす方向で検討をしておるというふうに聞いております。
#189
○野間委員 つい最近、労働省にこの結果について掌握しておるかどうか聞いたときには、まだ調べていないということでありましたけれども、きょうの時点までにお調べになったということで、それはそれで結構だと思いますが、やはり労働省がせっかくこういうことを要綱まで決めておるわけですから、こちらから指摘するまでもなく、すべてを十分に把握をしておく必要があると思います。
 この地下街の労働対策が進んでいないということは、例のニュージャパンの災害でも、不当労働行為やさまざまな問題が労働者対策の中でもこの災害との関係でも論じられましたし、たくさんの問題があったと私たちは思います。監督署の人員をふやす、これも大変なことになると思いますけれども、やはり調査と指導の強化に必要な人員は何としても確保していかなければならぬ。
 特に、聞きますと、この地下街二百六ですか、この中で働く労働者と、地下街を利用する通行者、お客さん、これらを合わせますと毎日千二百万人、大変な数ですね。人口の約一割が地下街に何らかの関係でかかわっておる。そうなりますと、実際にこういう地震の災害が発生しましたらこれは大変なことになりますから、きょうは労働省だけしかお呼びしておりませんけれども、労働省に対しては、労働者対策としても誘導もしなければなりませんし、みずからの被害から守らなければならぬという点からも、避難誘導等も含めて労働者に対する対策をきちっと立てていく必要がある。この点について調査あるいは指導監督を今後もさらに強化をしていくように要求したいと思いますけれども、この点についての御答弁と同時に、時間がありませんから最後に、国土庁に対して、地下街対策をぜひ強化していただきたい、これについての所見を承りまして、質問を終わりたいと思います。
#190
○岡部説明員 地下街対策につきましては、私どもは、来年度の行政運営方針の中でも実は重点の一つとして掲げたところでございます。今後とも関係行政機関とも連携をとりながら、地下街に働く労働者の方々の労働条件の十分な改善も含めて、私どもとしては努力をしてまいりたいと考えております。
#191
○松野国務大臣 地下街対策について貴重な御意見として、各省とも連携をとりながら最善を尽くしてまいります。
#192
○野間委員 終わります。
#193
○川俣委員長 これにて野間君の質疑は終了いたしました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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