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1949/03/30 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 農林委員会 第18号
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1949/03/30 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 農林委員会 第18号

#1
第007回国会 農林委員会 第18号
昭和二十五年三月三十日(木曜日)
   午前十一時三十五分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○松くい虫等その他の森林病害虫の駆
 除予防に関する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○油糧配給公団法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○食糧管理法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○農業協同組合法の一部を改正する法
 律案(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(楠見義男君) 只今から委員会を開会いたします。
 本日は最初に松くい虫等その他の森林病害虫の駆除予防に関する法律案を議題にいたします。本件は昨日本審査におきまして皆さんから熱心な御質疑がございましたが、尚残つておる質疑がありましたならお願いいたしまして、その後討論採決に入りたいと思います。
 御質疑もないようでありますから、それではこれから討論採決に入ります。
 別に御発言もないようでありますから、本法律案を議題にいたしまて、これより採決に入ります。衆議院送付政府原案通り可決することに御賛成の方の御起立をお願いいたします。
   〔総員起立〕
#3
○委員長(楠見義男君) 総員起立と認めます。よつて本法案は全会一致を以て可決することに決定いたしました。多数意見者の署名並びに本会議における委員長の報告は前例によりまして、然るべく御一任頂いたいと思います。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(楠見義男君) それでは本案を可とされた方は順次御署名願います。
  多数意見者署名
   岡村文四郎   羽生 三七
   岡田 宗司   赤澤 與仁
   徳川 宗敬   柴田 政次
   門田 定藏   池田 恒雄
   藤野 繁雄   北村 一男
   鈴木 順一   石川 準吉
   小川 久義  池田宇右衞門
   深水 六郎
  ―――――――――――――
#5
○北村一男君 幸い大臣の御出版もありますので、本日又全国の購連の方々が、報奬物資の問題についてお集りになつておりますので、その経過について御説明願いたいと思います。
#6
○国務大臣(森幸太郎君) この問題につきましては、たびたびこの委員会におきましても経過を報告しているのでありますが、昨日も党の政調会の要求によりまして、総理大臣、安本長官、私も出まして、この善後処置に対して協議をいたしたのでありますが、大体先般こちらで私が申上げましたような予算措置は取り得られると存ずるのであります。
 これはいろいろの関係がありまして、何割引してあげるというようなことは、はつきりと予算措置関係から申上げられないのでありますが、昨日でありましたか申上げました通り、気に入らんなら返してくれ、こういうのが初めの出初めであつたのであります。それであるから突戻された品物をどう処理するかということはその処置が考えられて来たのでありますが、茗中でやつぱり正直に買うたものも割引して貰いたいというような希望があとから湧いて来て、そうすると、全般的に高くなつた分に対しての措置を取らなければならん、こういうことに結論を下さざるを得ないことになつたのでありますが、大体その筋に沿うて予算措置を取り得られると存じております。併しこれはいろいろの関係がありまして、関係方面との関係もありますので、表面的に処置することが正直困難かとも存じますが、大体先般ここで申しましたような線に沿うて処理ができるようにいたしたい、かように考えております。
#7
○岡村文四郎君 大臣もたびたび我々から質問をし御答弁を願い、非常に歩の惡い立場にあるために苦労されておることは十分分つております。実は遠慮しつつ質問しているわけですが、そうかといつて蔭におります農家のことを考えますと、そうも遠慮できないので、いろいろと申上げておりまするが、実は早心配をして、二十九日に御懇談があつたことを仄聞してのことなんですが、今農林大臣のお話を聽くと、雑穀のような形で売つておるものも値引せよというので、それがいろいろ関係があつて、ここで表面からそれをやるとか、何ぼ引くかということは申上げられない、こういうお話でございますが、大臣の意中にはそのことが十分含まれておると思いまするが、是非残つておるものだけども値引というものは、非常な今後にも影響するし、処置が困難でありますから、一つ特段の御努力を得て、我々が常に申上げておりまする、大臣もさようにしたいというお気持のことを、表面では当分今のお話のようにしなければならんでしようが、実際は希望いたしておりますような処置に是非して頂きますことをお願い申上げて、その御返答を聞かなくてもようございますから……。
  ―――――――――――――
#8
○委員長(楠見義男君) それでは次に油糧配給公団法の一部を改正する法律案を議題にいたします。
 この件につきましては、昨日委員長から当委員会におきまする調査の結果に基いて、別途立法的措置を講じ、その件について関係方面との折衝の経過を御報告申上げたところでありますが、昨日お聽き頂きましたような経過でございますので、その方は取止めまして、政府提出原案衆議院より送付せられました本件について、御審議を煩わしたいと思うのであります。概ねこの法案につきましても、質疑は終了したことと存じますが、尚討論採決の前に御質疑等ございますれば、この際にやつて頂きたいと思います。
#9
○藤野繁雄君 油糧配給公団に砂糖を取扱わしめるのと、食料品配給公団を残して置いて砂糖を取扱わせるのと比較いたしましたならば、政府の案が食料品配給公団に砂糖を取扱わせるのと、事務上、経費上どれだけの利益があるかということをお尋ねしたいと思うのであります。私の考といたしましては、事務は複雑になり、経費は増加いたしまして、閣議決定と相反するところの結果になるのではなかろうかと思うのでありますが、この点お伺いしたいと思います。
#10
○国務大臣(森幸太郎君) 経費がどういうふうに節約されるかという問題よりも油をいつ外ずし得られるか、砂糖をいつ外ずし得られるかと、こういう問題でありますが、食料品公団を残しまして砂糖だけにするということは、この砂糖に対しましては、相当前途近き将来に全面的に廃止ができるとこう思うのであります。台湾との関係から申しましても、砂糖の輸入は前途明るい気持がするのでありますが、油糧の問題につきましては、雑油は統制を外ずしましたが、大豆が輸入されておる関係上、大豆の油又一部の統制をいたしておりまする菜種油というものは、食糧の重要性から申しましても、そう急に統制が外ずせるとも考えられないのであります。それでありますから、食料品公団を尚存続いたしまして、砂糖だけ公団に取扱わせるということは、この際経費とか何とかいう意味ではなしに、近く砂糖は統制解除されるものであるという気持で、一時油糧公団の方と合併して取扱わしめる。そのうちに砂糖も統制が解除されるという機会が近く来るのじやないか。かように考えられるのであります。従つて砂糖だけを残して食料品公団を残して置くということはこの際整理をする上においても適当でない、かような考え方から油糧公団の方に砂糖を併合いたしまして、暫く統制の中に入れて行く、こういう方針で考えておるのであります。
#11
○藤野繁雄君 只今のお話によりまするというと、砂糖は近く統制を外ずすことになる見当であると、こういうふうなことでありましたならば、徒らに食料品配給公団を廃止して行くよりも、事務上からも砂糖を油の方に併せるためにいろいろなごたごたが起る。却つて政府の企図しておられるようなことに支障を来たすのじやなかろうかと思うのであります。近いうちに外ずすから現在のように二つもののを残して置くよりも一つにまとめた方がいいというその理由に、どうしたつて合点が行かないのでありますが、いよいよ砂糖を外ずして油糧配給公団に入れる、こういうふうなことにいたしますと、今度は清算事務に当つても、砂糖の清算事務は誰が執るか。清算事務を執るところの人間はないのじやないか。こういうふうなことにもなつて来るのじやないかと思うのでありますが、この点更にお伺いしたいと思います。
#12
○国務大臣(森幸太郎君) これは見解の違う点と存じますが、政府といたしましては、油糧公団に砂糖を入れて置いて、その砂糖が中途において脱落いたして、それに対する清算事務というようなものは、やはり油糧公団と一緒にやりました者が責任を持つて、一部事業の縮小ということになるのでありまして、砂糖だけを清算事務に移すという必要がないと、かように考えておるのであります。
#13
○藤野繁雄君 私の質問が惡かつたために大臣誤解しておられるようでありますが、食料品配給公団はなくなつて来るのであります。食料品配給公団がなくなつたならば、これは清算状態に入らなければできないのであります。砂糖はこれが油の方に入つて行くとしたならば四月一日現在で引移つて、その後の債権債務の取扱は清算で行かなくちやできないと思つておるのでありますが、債権債務の取扱は油公団に砂糖が入つた後はどうされるのであるか、この点であります。
#14
○国務大臣(森幸太郎君) これは食料品公団が三月三十一日で廃止されることにつきましては、その段階におけるすべての問題についての清算事務に入るわけであります。四月一日以後新しく油糧公団に砂糖というものを取扱わすのでありまして、そこに一つの節ができて来ると考えます。今日までの債権債務に対しましては、勿論食料品公団として、あらゆる部面における清算事務に着手いたしますが、新しく油糧公団に砂糖というものを取扱わす、ここに一つの段階、区域ができる、かように考えておるのであります。
#15
○藤野繁雄君 どうも私の質問が大臣合点が行かれないようでありますが、砂糖に関係するところの者が油糧に行つたならば、砂糖に従事しているところの者は全部油公団に行つてしまうのであります。そうして見るというと、食料品公団で砂糖の債権債務の清算をするのに、砂糖に関する知識のある者は一人もおらずして、清算事務に入らなくてはならんのであります。そういうふうなことで清算ができるかどうか、私の考では、そういうふうな場合においても、食料品公団と油公団とが一緒になつたその方のものが清算に加勢せなくちやできないようになつて来るのじやないか、この点なんであります。
#16
○国務大臣(森幸太郎君) 公団の清算事務は、別に清算の責任者を指定いたしまして、そうして清算をすることに別の政令によつて行うことになつておるわけであります。砂糖の知つておる者が油糧公団へ行つてしまうから、食料品公団の清算事務に砂糖のことはさつぱり分らんようになるではないかという御心配のようでありますが、そういうことはないと信じておるわけであります。
#17
○藤野繁雄君 次にこれはこの前の委員会から大臣にお尋ねして、大臣の御返事を得ておるのでありますが、その後いろいろの通牒によつて見るというと、大臣の委員会で答弁せられたようになつていないようにも感じられるから、更にお伺いするのであります。菜種の取扱について、政府はどんな方針で今後やられるのであるか、別な言葉で言つたならば、菜種の供出でやられるのであるか、油の供出を認められるのであるか、この点であります。
#18
○国務大臣(森幸太郎君) これは菜種は今まで全国統制をいたしまして、生産者に保有を認めておらなかつたのであります。従つて油というものが少しでも動いておれば、これは統制違反だというので、農業者は非常な迷惑をいたしておつたのでありますが、農家の日常生活の上において菜種油というものは必要であることを考えまして、生産見込数の約六〇%を統制いたしまして、あとの四〇%は農村における保有を認めておるのであります。従つてこの保有のものは自由に処置するわけでありますが、六〇%を統制するということは種油が必要であるためにこれを処理しているわけでありまするから、今後におきましては、この搾油業者との関係もありますが、油を供出さしてもその目的は達成するわけでありますので、そういうふうな方針で今後進みたいという考を持つておるのでありますが、取敢ず六〇%だけは菜種の統制をいたすという方針を持つておるのであります。
#19
○藤野繁雄君 そうして見るというと、こういうふうに解釈していいのであるか、更に念を押して置きたいと思うのであります。農民から菜種の供出は六〇%供出されるのでありますが、その菜種の供出をする場合においては、農民の希望において、菜種で供出したいと思う者は菜種でよろしい、それから油で供出したいと思う者は油の供出を認めるんだということに解釈していいのか、更にお尋ねしたいと思うのであります。
#20
○国務大臣(森幸太郎君) 国産菜種の集荷搾油取扱要領につきましては、事実上の精油供出を認める方策を採つておるのであります。即ち生産者の希望する工場で搾油させること、菜種の自家保有を認めて委託搾油を許すこと、この二つの方法を採用したいと思つております。
#21
○藤野繁雄君 次に、いよいよ食料品公団は廃止になるのでありますが、廃止になつた場合においては、今までまじめに働いておつたところの職員に対しては、各相当の待遇をして行かなくちやできないのであります。予算委員会でも、この問題は質問して置いたのでありますが、この退職職員に対する退職金の支給は政令二百六十三号でやられるのか、二百六十四号でやられるのか、私の聞いておるところによれば、又予算書を拜見して見ますると、政令二百六十三号でやるだけの予算があるように考えられるのでありますが、この点お伺いしたいと思います。
#22
○国務大臣(森幸太郎君) 公団廃止に伴う退職金につきましては、予算の面においては二百六十三号でありますが、やはり予算はあります。併しながら政令の建前といたしましては、二百六十四号に適応せしめるいうことになつておるのでありますが、これはつまり行政整理と同じ気持において考えて行きたいということを考えておりますので、又各公団からもできるだけ待遇をよくしてやつて貰いたいという希望がありますので、目下行政庁とも相談いたしまして、できるだけ待遇をよくいたしたい、かように努力を続けておるわけでありますが、まだ結論には達しておりません。
#23
○藤野繁雄君 食料品公団が廃止されるのでありますから、廃止されるのに伴つて味噌醤油の仕事も廃止されることになつて来るのでありますが、この間からいろいろ輸入大豆の状況を承つて見まするというと、大体において見当がついたようでありますが、まだ明確でないと考えるのであります。食料品公団を廃止したために味噌醤油というような、国民の非常に日常の生活に必要なものが配給に支障があるようなことがあつてはできないと思うのでありますが、この味噌醤油の配給については将来において明確なる支障がないとお考えであるか、この点一応念を押して置きたいと思うのであります。
#24
○国務大臣(森幸太郎君) 味噌醤油は輸入原料等の関係から、非常に生産高が高まりまして、もはやこれは統制を外ずしましても、日常の生活に支障を起すようなことはない程度になつておるのであります。それでありますから、できるだけこれを外ずしてしまいたいという気持を持つていたのでありますが、あれも御承知の原料が輸入されております関係上、関係方面との折衝の上におきまして、尚暫くはフリー・クーポン式によらざるを得ないという方針でありますが、それによりましても決して国民生活に支障を来たすというようなことはない確信を持つておるわけであります。
#25
○委員長(楠見義男君) 大体質疑も終了したようでありますから、これより油糧配給公団法の一部を改正する法律案を議題にいたしまして討論採決に入ります。
 別に御発言もなければ直ちに採決に入ります。政府提出、衆議院送付原案通り御賛成の方の御起立を求めます。
   〔総員起立〕
#26
○委員長(楠見義男君) 総員起立。依つて本法案は全会一致を以て可決することに決定いたしました。
 尚この案件につきましても、多数意見者の御署名を頂くことになつておりますので、御署名をお願いいたします。
  多数意見者署名
   岡村文四郎   羽生 三七
   岡田 宗司   赤沢 與仁
   徳川 宗敬   柴田 政次
   門田 定藏   池田 恒雄
   藤野 繁雄   北村 一男
   鈴木 順一   石川 準吉
   小川 久義  池田宇右衞門
   深水 六郎
#27
○委員長(楠見義男君) 尚この機会に委員長から大臣にお願いをして置きますが、先程藤野さんからの御質問に対しての大臣のお答で、砂糖の方が早く統制が解除されるのじやないかと、こういうお話でありましたが、実はこの委員会で調査をいたしました結果に基きますと、むしろ油料の方が統制が早くなくなるのじやないか、それは政府の方の説明、或いは又答弁によりましても、大体現在予定しておる輸入計画が達成できれば、本年内において統制が解除されるのじやないか。併し砂糖の方がむしろ統制が長引くのじやないかと、こういうようなことの説明がありました。そのことの相違の如何は別にいたしまして、我々といたしましては、両公団を一緒にするということについては、先程藤野委員からもお話がありましたように、事務上の澁滯、或いは機構の上の変革に伴う事務の澁滯、人事問題等、いろいろいざこざが起りはせんか、公団が短期間の存在であるだけに、その間におけるいざこざは、たとえ一月或いは二月の短期間であつても、そのことは非常に大きいということを心配をして、両公団の合併でない行き方を実は計画をしたような経緯もあるわけなので、従つてそういう心配を我々委員会としては真劍にいたしておりますので、今回この法律が成立し、両公団の合併の際におきましては、我々の心配しておつたようなことが最少年度に止まるように、農林省としては特に特段の御配慮を煩わしたいと思います。
 それからもう一の問題は、これも今藤野委員からお話になりました点で、整理せられる職員に対する退職手当の問題、これは全く昨年の行政整理と同じ状態におかれて罷める人々であるわけで、この人々は今まで、昨年罷めた人に較べて勤続年限が長いに拘らず、同じ政府の整理方針に基いて罷めるに拘わらず、我々の調査によりますと、昨年貰つた退職手当の約半額にしかならないと、こういうようなことになりますと、結局そうした退職した職員ら生産事務に従事させるために、踏み止まらしむるということも事実上極めて困難であり、その結果公団の生産にも少からざる支障を来たすのではないかということを、この委員会としても非常に心配をいたしておりますので、この点は先程農林大臣が御答弁になりましたように、是非昨年の行政整理と同じ気持でやつて行くように努力中であると、こういうことで、それに多くの期待をかけるわけでありますが、是非この問題はおつしやつたような方向に進むように、更に一層の御盡力を煩わしたい。この二つを委員長からも、委員の方々を代表して御願いをいたして置きます。
#28
○国務大臣(森幸太郎君) 承知いたしました。
  ―――――――――――――
#29
○委員長(楠見義男君) それから次に肥料配給公団令の一部を改正する法律案を議題にいたします。この法律案も、藤野さんを小委員長とする公団制度調査小委員会において、愼重に御審議を願い、又本委員会においても、種種質疑を交された問題で、概ね質疑も終了したことと存じますが、尚討論採決に入るに先立つて、残された御質疑がありますればこの際に御願いいたします。御質疑ございませんければ、直ちにこれより討論に入ります。
#30
○羽生三七君 簡單に意見を申述べたいと思いますが、別段この法律自体に格段の反対をするわけではありません。ただ需給の見通し如何によりましては、近く他の公団と同様に、改発の処置が当公団にも採られることと思いますけれども、併し日本の農業の現在から見まして、肥料につきましては、私は強く国家管理的な制度を要求しておるのであります。例えば今日のごとく農業生産物がどのような遠隔な地のものでありましても、或いは都市近郊のものでありましても、同一価格で集荷されて、買上げられておるわけでありますが、肥料なんかにつきましても、若し全く自由放任の状態に立ち至りまするならば、全く遠隔の地のものは生産物も、将来においては、安い価格で出さなければならず、買う肥料は極めて高い値段で、つまり運賃だけ加算されただけで買わなければならないというような非常な、矛盾も起つて来るわけであります。それでありますから、單に需給のバランスだけで将来この公団の改廃等を勘案されずに、日本のこの脆弱な農家を守るという意味で、強く私は国家管理的な方向を考えなければならないと思うのであります。只今そういう段階には立至つておりませんけれども、何らかそういう肥料配給公団の改廃について、当局並びに與党で立案中ということを承つておりますので、以上のようなことを私は條件といたしまして、本法案に賛成をいたします。
#31
○岡村文四郎君 羽生さんの御意見に近いのでありますが、今政府は需給の関係で非常に肥料がよくなつて来て、統制を大巾に弛めて行こうという考を持つておるようであります。何らかの方法によつて軽い統制をしようという考を持つておるようでありますが、実は根本は価格の問題でありまして、私共が考えますときには、このままで肥料行政をやつて参りまして、統制を軽くいたして、肥料価格はそのまま農民の負担にするようになつて参りますと、何年か長い月日を経ないうちに、日本の農業者は高い肥料を、大切な肥料と言いながらも、買い得なくて、生産が減退するということがはつきりすると考えております。で、そうなつてからばたばた慌ててもいかんと思いまするが、日本の生産が減れば輸入をすればよいと、こういう考も一応は出ましようが、日本の輸出を、挙げて食糧を買うという状態になつて来ますと、ますます日本は困つて来ると思いますから、是非統制を……現在の統制方式を私は継続したいとは考えておりませんが、十分に肥料に対する政策は、百姓のみに負担をさせるような立場にせないで、増産をするような方法を十分にお考えになつて、その後において統制方式も措置するように希望を申上げまして、この案に賛成いたします。
#32
○藤野繁雄君 肥料の統制が外ずされるというようなこになり、公団の取扱が変るというようなことになつて来るというと、この際最も考えなくちやいけないのは、肥料資金をどうするかということであろうと思うのでありますから、肥料公団を廃止せられる場合においては、肥料資金に対する完全なる準備を整えてからでなくてはできないと思うのでありますから、この点を希望を申上げ、次には岡村さんからお話があつたように、肥料の値上げはせないというようなことに御努力をお願いするということでこの案に賛成いたします。
#33
○赤澤與仁君 私の次の事項を要望いたしまして、本法律案に賛成をいたしたいと思います。その一つは、いわゆる竹馬経済を脱却するために、肥料に対する価格調整費を削減するということは、一応止むを得ない措置といたしましても、政府は極力肥料の生産とか配給の合理化によりまして価格調整費削減の影響を吸収いたしまして、消費者価格の値上りを最小限度に止めるような措置を取つて頂きたいということ、第二には、肥料の値上りと農村の金詰りのために、肥料の実効需要は減退せんとする傾向にありますことは御存じの通りでございますが、この肥料の実効需要の減退は、直ちに農業生産の衰退を来たすこととなりまするし、国家並びに農家経済上由々しい問題でありまするので、政府におかれましては、速かに肥料の実効需要の減退防止に対しまし前の万全の策を講じて頂かなければならんと思うのであります。第三は、肥料価格の値上りは主段食の値上りを来たすことをでありますし、主食の値上りは国民生活費の上昇を招くこととなることは申すまでもないのでありまして、政府はこの惡循環の防止につきましても、最善を盡して頂かなければならんと思うのであります。尚肥料の値上りが農家の保有米とか、或いは不完全農家の飯米用の生産費の高騰を来たしますし、零細農の生活の脅威となる点から考えましても、その対策に遺憾なきを期して頂かなければならんと思います。第四は、政府の配給機構の改正については、これは單に名目や形式に囚われることなく、実情に即した万全の策を講じて頂かなければならんと存じておるのであります。第五には、肥料とか農薬或いは消耗品的な農機具等のように、生産が年間平均に行われるものにおきましては、需要は麻要期、不需要期との大きな波があることにつきましては、政府はこの需給調整のために、適当な制度を設けられることが必要ではなかろうかと考えておるのであります。最後に、政府はこの肥料種給公団を廃止する場合におきましては、国家財政の負担を配慮いたしまして、離職者の善後処置につきましても、万遺憾なき措置を講じて頂かなければならんと存ずるわけでございますが、これらの点を要望いたしまして、本法律案に賛成するものでございます。
#34
○委員長(楠見義男君) 大体御意見の御発表も盡きたようでありますから、これより採決をいたします。
 肥料配給公団令の一部を改正する法律案を議題にいたします。本法案について衆議院送付、政府原案通り御賛成の方の御起立をお願いいたします。
   〔総員起立〕
#35
○委員長(楠見義男君) 総員起立。よつて全会一致を以て原案通り可決することに決定いたしました。
 尚この案件につきましても、多数意見者の御署名を頂くことになつておりますので、御署名をお願いいたします。
  多数意見者署名
   岡村文四郎   羽生 三七
   岡田 宗司   赤澤 與仁
   徳川 宗敬   柴田 政次
   門田 定藏   池田 恒雄
   藤野 繁雄   北村 一男
   鈴木 順一   石川 準男
   小川 久義  池田宇右衞門
   深水 六郎
  ―――――――――――――
#36
○委員長(楠見義男君) 午前中はこれで休憩いたします。一時半より再開いたします。
   午後零時十四分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時四十四分開会
#37
○委員長(楠見義男君) それではこれより午前に引続いて委員会を再開いたします。
 食糧管理法の一部を改正する法律案を議題といたします。この法律案につきましては、前後五回に亘つて委員会において御審議を煩わしたのでありますが、本日は討論採決の運びにいたしたいと思います。そのてに御質疑の残つておるものがございましたらお願いいたします。
#38
○池田宇右衞門君 これと直接の関係はさ程深くはないと思いますけれども、現在供出によりまして、農家の方方に対して報奬物資として木綿、その他自転車等の報奨物資が配給されておりますが、税の撤廃と同時に価格の低下によりまして、これを配給いたしました農業協同組合等において、これが金融操作の上において、非常な困難を来たされておるということは大臣、長官もお知りの通りでありまして、この点につきまして非常な苦心、御努力を拂よれて、漸く解決の運びに相成るように聞いておりますが、一日も早く御解決のことができるならばゐ農村を直接指導し又供出に関係ある農業協同組合といたしましても、金融の行詰りに対しましても安心いたしまして、これが運営の堅実さを図ることができると同時に、農家をして一層作業にいそしませ、政府の方針たる供出に寄與することができるということは言を俟たないのでございます。かかる見地がらいたしまして、今日政府のこれに対する打つ手に対して、重ねて大臣から御答弁を煩わしたいと、かように思うのであります。
#39
○国務大臣(森幸太郎君) この問題につきましては、先刻一応お答えいたしておつたのでありますが、重ねての御質問でありますので、現状を御報告申上げたいと存じます。
 この問題は皆さんにも非常に御心配をして頂きまして、先般来いろいろとその善後措置について、政府といたしましても、考究を進めて来たのでありますが、取敢ず手形の期限が将に経過せんといたしておる重大な問題にぶつかつておりますので、一日も早くこの問題を解決しなければならないことが一つと、そうして農家が折角供出に協力してくれられた、それに対する報奬物資のことでありますから、普通の労務者に特配するという品物でなしに、報奬という名の付く性質のものでありまするから、どうかして農家にその品物を渡したいというのでありますが、その品物がたまたまお話のように税の関係等によりまして時価が下りまして、二、三割の開きができておる、こういう関係から、先に配給いたして受取つたものが高いものを買わされたというような工合になつておりますのと、又いろいろ金融等の関係、又はそういう価格等の関係でこれを返すというような立場もありますので、いずれにしましても、この二つの問題を解決しなければならんのでありますが、政府におきましては相当の金額を要するのでありますが、取敢ず一応返還された品物に対しましては、適当の処置を採りまし前、手形の割引等の不都合のないようにいたすと同時に、農家に配給せられたものに対しましても、これと同樣な処置によりまして、価格を引下げるような方法にいたしたいと、かように画策をいたしておるのでありまして、昨日の閣議には一応手形の問題についての処置は表明されたのでありますが、それだけではいけないので、更に案を練りまして、大体今申しましたような線に沿うてなし得ると考えますので、明日の閣議におきましては、大体これまで皆さんに申上げておりました程度の実現ができようと、かように考えておるのであります。
#40
○藤野繁雄君 私は芋類の統制撤廃後における生産確保及び流通対策について、昨日総理大臣に予算委員会で質問したのであります。ところが総理大臣の代りに小澤国務大臣が、予算には計上していないが、予算の運用によつて昨年の十二月九日に閣議決定したところのものを実行しようと思う。こういうふうなことを言明されたのでありますが、大臣は、総理大臣の代理として答弁された小澤国務相の答弁をどういうふうに予算的に処置されるお考であるかお伺いしたいのであります。
#41
○国務大臣(森幸太郎君) これは先に食糧確保臨時措置法の問題に絡みまして、いろいろの條件が挙げられておつたのであります。
 第一には、芋を統制を緩和いたした、その残りのですの処理に対して政府は適当な処置を取れということ。それから農機具の取扱を必要なものを農林省に移をという問題、或いは報奬、今問題になつておりますが、報奨物資を全面的に協同組合に取扱わせること。それから家畜奨励のために飼料を栽培する段別は二十五町歩でありますが、特に食糧の生産計画より除外しろというような八項目が出て参りまして、これは農林委員会の要請ではなかつたのでありまするが、それを出されましたので、取敢ず政府といたしましては、これらの問題を速かに解決しようという閣議了解事項として取扱つたのであます。その中におきまして報奬物資の取扱の問題も大体了承を得たわけでありますが、まあ飼料栽培の段別につきましては、芋の一部緩和によりまして転作等の自由が許されましたので、これ又解決いたしたのであります。農機具の問題につきましては近く通商産業省、安本等との協議によりまして、大体農林省の考えておりますような数字に決定することと思います。残されておりますのは、今御質問になりましたこのですの統制緩和による転作、或いは加工等についての処置でありますが、これに誠きましては予算措置が要るのであります。大した金額ではありません。一億円足らずの金でありますが、その方法につきまして、どういうふうにしてこれをやるか。協同組合を主体といたしまして芋の加工をせしめて、これによつて協同組合の第一次加工するもの、若しくは他に企業的にやつておる加工者に連絡を取つて、利用の道を開くというような方法も今いろいろ案を練つておるわけでありますが、いずれにしましても、この食糧以外のですの加工、又は転作等に対しまして、作付転換等に対しましては、指導揮の必要もあります、指導等の関係もありますので、これに対しては大した金額ではありませんが、その案を立てまして、僅かな金額でありまするから、予算措置によつてこの閣議了解の事項を運用いたしたいと、かように存じておる次第であります。
#42
○藤野繁雄君 今のは食確法が通つたのに伴つて、民主自由党の決議に対する閣議了解事項であつて、これは昨年の十一月二十五日に了解になつておるのであります。それに今お話になつたようなことも書いてあるのであります。併し昨年の十二月の九日の閣議決定では、次の経費を二十五年度予算に計上するとこう決定せられておられるのであります。その経費は昨日も申上げたのでありますが、芋類の良質品種への転換助成施設経費、芋類の他作物への転換助成施設経費、芋類の加工工業の振興対策費という、こういうふうなのは二十五年度の予算に計上すると、こう閣議で決定しておられるが、併し閣議で決定されたのであるけれど、予算に計上しておらない。それは一億円ぐらいの金であるから何とかするというようなことであつたらば、それでいいのでありますが、ただ閣議では、決定されたものと、予解事項と両方ある。こういうようなことを御了承お願いしたいと思います。
#43
○国務大臣(森幸太郎君) その十二月五日のは閣議決定まで至らなかつたのであります。それは大蔵省といたしましても、それを決定すれば直ぐ予算措置を取らなければならないのでありますが、まだその当時具体的に細かい数字が出ておりませんので、農政局として一応そういう案は持つて来たのでありますが、閣議決定をして予算にこれを措置するまでの段階には運んでなかつたと私は記憶いたしておるのであります。いずれにしましても僅かの金でありますので、是非この問題は私といてしまして責任を持つて処理いたしたいと、かように考えます。
#44
○藤野繁雄君 次は二十五年度予算の基礎となつておりパリテイーの百六十八、米の値段が四千五百六十二円という、この算出の基礎と、肥料が値上りするとしたならば、肥料の値上りによつてどのくらい米価に影響するのであるか、その割合を一つ御承知であつたならばお知らせを願いたいと思います。
#45
○政府委員(安孫子藤吉君) パリテイー指数の予算編成上の推移につきましては、いろいろな角度から想定をいたして、百六十八という数字を基礎にして予算をはじいておるわれであります。これは米におきまする、まあ去年の十二月頃想定をいたした数字でありますので、現実的には又変つて来ておるわけでありますが、例えば織物消費税が外ずれるとか、又は肥料の値上げがあるとか、或いは漁の統制撤廃があつて、その方面から上るとか、そういういろいろの資料を基礎にいたしまして、想定パリティ指数というものを出したわけであります。大体そういうことでありますが、これの算定基礎というふうなものについては、別に今手持いたしておりませんので、後刻提出することにいたします。
#46
○藤野繁雄君 肥料の値上りもこれに……。
#47
○政府委員(安孫子藤吉君) 肥料の値上りも一応の想定といたしましては、二期か、三期に分けて織込んでおると承知いたしております。
#48
○藤野繁雄君 昭和二十五年度の予算には、早期供出の奨励金、超過供出の奬励金を計上してあるのでありますが、今のいろいろの新聞の報告によれば、早期供出の奬励金であるとか、或いは超過供出の奬過金の倍率が変更するというような話も伺つておるのであります。これはいよいよ私なでが農業の奬励をやるという段になれば、徹底して指導奬励をしなくちやできないと思うのであります。これについて、予算の通りに支出されるお考であるか、或いは何か変更されるお考であるか、この点をお伺いしたいのであります。
#49
○国務大臣(森幸太郎君) 食糧特別会計の予算を編成いたします当時には、一応の目安を付けまして、超過供出の奬励につきましてはこれだけの費用を見積る、又早場米の奬励代には、これだけのものを見積るというふうにして、予算が組立てられておるのであります。昨年は三倍という予算が編成されておつたのでありますが、二倍の実行を見たわけであります。今年は予算には二倍と見ておるのでありますが、二十五年産の麦、若しくは米、これに対する超過供出の場合において、これを予算通り二倍にするかどうかということは、まだ今後の食糧事情等の考えによりまして、閣議で決定いたす。予算におきましては、従来通りの二倍という数字によつて予算は立つておりますが、この予算通り二倍にするか、或いはい倍半になるか、これはまだその当時の事情によつと決定されるのであつて、まだはつきり申上げることはできない状態であります。
#50
○藤野繁雄君 食糧も段々或る程度多くなつた結果、食糧の保管が必要であるのであります。現在までの食庫の状態を考えて見まするというと、戰時以来倉庫の手当がしてなかつたのと、新たな倉庫の建設がされなかつたというようなことで、いろいろ保管上に支障があると思うのであります。而して二十五年度の予算を拜見して見まするというと、農業倉庫の整備に或る程度の金は出るようになつておるように考えるのでありますが、このくらいのことでは完全なるところの食糧の保管はできないと、こう思うのでありますが、農業倉庫の整備に対して、政府は如何なる方策を持つておられるのであるか、この点お伺いしたいのであります。
#51
○国務大臣(森幸太郎君) 予算編成当時におきましては、この商品取引所というような問題は考えられていなかつたのでありますが、取敢ず現在借用若しくは使用いたしております倉庫の小修繕くらいの程度に考えておつたのであります。併し御承知の商品取引所法ができまして、而もその取引所の品目といたしましては、農林省関係では絹糸、乾繭、米等が、農林省所管の商品取引所が開始されることになり得るようになりまして、御承知の通りでありますが、併し米穀の商品取引所ができまするならば、一にこの倉庫の信用によつて取引が行われるのであります。併し現在の倉庫は今お話の通りに、ただ一時そこに集荷すればいい短期間の貯蔵でありましたので、ルーズになりまして、随分鼠も暴れる、雨も漏るというような倉庫も、とうとうそのままに経過いたして来たのでありますが、今申しますように、商品化していよいよ取引をするということになりますれば、その倉庫の信用によつて取引が行われるわけであります。それで政府におきましては、速かにこの全国の倉庫の調査をいたしまして、そうして完全なる貯蔵の効く、駆除のなし得るような立派な倉庫にし、商品価値を落さないような倉庫になさなければならんと思うのであります。これは更に案を立てまして、この倉庫の修理等につきましての計画を今後早急に進めたい、こういうふうに考えておるわけであります。
#52
○藤野繁雄君 私などは外国食糧の依存度をできるだけ減少して、国内食糧の自給度を高めなくちやできないのであります。国内食糧の自給度を高めるためには、御承知の通り土地改良であるとか、干拓であるとか、或いは災害復旧であるとかということをせなくちやできないのであります。然るに政府のこれらの方面に出しておられるところの金額を考えて見まするというと、私らの希望に対して非常に少いのであります。又一方においては政府は融資するということを言明しておられて、その融資を望んであるのでありますが、例えて見まするというと、昭和二十四年度の対日援助見返資金のようなものは十九億の融資をやるということを決定しておられながら、今日一文も貸付がない。恐らく二十四年度の土地改良に対しては対日援定見返資金が一銭と雖も貸出さない、こういうふうな結果になつて来ておるのであります。こういうようなことであつたならば、土地改良費であるとか、或いは災害復旧費であるとか、干拓工事であるとかいうようなものは、全く計画はしてあつても実行が伴わないというようなことになつて来るであろうと思うのであります。又昭和二十五年度の予算を拜見して見ましても、土地改良事業の経費には八十五億、耕地災害復旧の経費には七十二億、合計いたしまして百五十七億を計上しておられるのでありますが、これに対する地元負担の七十七億というようなものも、資金的の措置は講じておらないのでありますが、これは予算委員会でも大蔵大臣に質問して見るというと、何とか金融の措置は講ずるということであるのであります。併し金融の措置を講ずると言つてでも、昭和二十四年度の十九億の金が出ないということは、これは手続が非常に煩雑であるということなんで、それで今後において食糧の自給態勢を整えようとして、土地改良、干拓或いは災害復旧をやろうとしたならば、どうしたつて現在の融資の手続を簡單にせなくては、農村には融資ができないんじやなかろうか、又現在の見返資金の手続を拜見して見まするというと、僅かな資金を融通して貰うためにはその手続が煩雑であつて、却つて経費倒れになるというようなことになつて来るんじやなかろうか、こう想像されるのであります。それで私は、この際土地改良であるとか、災害復旧であるとか、或いは干拓であるというような事業に、より以上の政府に予算を計上して頂くと同時に、融資の金額を増して頂き、更に根本であるその手続を簡單にせなくちやできないと思うのでありますが、手続を簡素にされる農林大臣のお考があるかどうか、お伺いしたいのであります。
#53
○国務大臣(森幸太郎君) この問題につきましては、予算委員会でも藤野君から御質問がありまして、大蔵大臣がお答えいたしておつたと私承知いたしております。見返資金の前年度の放出ができませなんだことは、当時大蔵大臣も申しましたような理由であるのであります。併し結論にお述べになりました通り、見返資金の借入等につきましては、非常に煩雑な手数が要りますので、私が見ましても、これだけの手数をかけなければ金が廻せないのかと不審がる程複雑な手続を要求されておるのであります。これは見返資金そのものの性質にもよるものとは存じますが、今少しく簡單にできないかということを痛感いたしておるわけであります。これは一に大蔵事務当局の裁量を要するわけでありますので、農林省といたしましては資金融通の面から、できるだけその簡素化の図れるように交渉もし、努力もいたしたいと考えております。農林中央金庫の手続等によりまして、できるだけ農林水産業の資金は農林中央金庫を通じて貸出すというような方針を取つて行きたいと存じます。
#54
○政府委員(安孫子藤吉君) さつき藤野さんからお話のありましたパリテイー指数でございますが、ちよつと控えがございますので、簡單に申上げて置きたいと思います。私の承知いたしておりますのは、一月が一六六・一六でございます。二月に入りまして一六五・三倍、これは繊維の下落を見込んでおります。三月が一六六・二九、これは肥料の値上りを織込んでおります。四月は一六七・五七、これが魚価が上るだろう、一面繊維が下落するだろうというような材料を織込んでおります。五月が一六六・三七、これは魚、薪炭類の下落を織込んでおりますが、一面パキスタン棉の関係がありますので、その方面から上つて来るんじやないか、六月が一六六・五九、それで七、八月と経過しまして、九月には一七一・〇〇、これは肥料の値上り等を織込んでおるわけであります。この辺を総合いたしまして、予算上は一六八というようなパリテイーを基準として計算をしておるのであります。
#55
○岡田宗司君 丁度食糧庁長官、農林大臣とおいでになつておるので、非常によいと思いますが、過日の新聞によりますと、二十五日、二十六日に湯河原で、食糧庁の方々と、それから自由党の政調会の方々が、懇談会をやつて、主食の統制の問題について、いろいろ意見の交換が行われたということが新聞に伝えられておりました。二十九日の読売新聞によりますというと、その際に祕密申合せが行われたと、こういうことが書かれております。そうしてその内容として伝えられておるところは、一が「超過供出価格が既定どおり二倍の場合は統制を継続し、これ以下となつたときは供出完了後自由販売とする」、二が「配給制度については、輸入食糧の政府管理が継続されるならば、明年四月一日以降統制を廃止する」、三が「本年産米、雑穀については、先に指示した供出割当量を軽減する」というようなことが伝えられておるのであります。この與党の方と、それから農林省の高級官吏諸君との間に、こういうような点について話が行われたと、これが相当大きな影響を各方面に與えておるのでありますが、先ずお伺いしたいことは、大臣がこの会談を御存じであつたかどうか、大臣は、自由党に所属せられておつて、非常に有力な地位におられる方であります。同時に農林行政の最高責任者でございますが、この党とそれから農林省の役人との間の懇談会が行われたこと、それからそれによつて、こういうような意味の話合がつくということについて、予め承知せられたかどうか、その点をお伺いしたいのであります。
#56
○国務大臣(森幸太郎君) この問題は、少し党といたしましては、その手続を簡略にいたしたかと思うような節があるのでありますが、正直に私はざつくばらんに申上げますが、司令部の方から、現在の供出制度は今すぐ改めろというのではありませんが、現在の供出制度では、政府も困つておるし、司令部としてもいろいろ煮え湯を飲まされたような立場にもなつて困る、何とか一つよい方法に変えたらどうかということは、まとまつた意見でなく、これは個人の意見として、私に示唆があつたのであります。併し、事重大な問題でありますのと、御承知の通り、来年の三月一杯で現在の食糧法等が一応終りまするので、何とかせなければならんということは当然のことでありまして、研究を進めているのであります。たまたまこういう問題がありましたので、事務当局に、一応の案を研究を進め早めるということにしたらよかろうということを命じておつたのであります。それが政調の方に伝わりまして、政調の方でも、それはどういうわけだと、内容を聽かせろというお話でありましたので、私は今申しましたようなことについて、概略報告しておつたのであります。ところがその後、それでは一つ專門的に研究をしようというので、何だか五人か委員ができまして、委員ができましたけれども、素人ばかりの集まりでありますので、事務当局に出席を要求せられて、共に研究をすると、こういう態度を採つたらしいのであります。それで二回ぐらいはいろいろ協議があつたのでありますが、安本の事務当局、農林省の事務当局といたしましては、ただ自分の考え方をお話し、まあ参考になる程度の折衝に與つておつたことと私は存じております。ところが二十五日でありましたか、湯河原で会議をするというお話でありましたので、それは委員の自由でありますから、どこでしようと、これは私のかれこれ言うべき問題ではありませんが、その湯河原で会議がありました。こう新聞に発表されまして、これは委員会の意見であり、政府が責任を持つべきものでもありませんし、又その内容の如何は別問題といたしまして、正式に党の調査会を経、役員会を経たものでもないのであります。一つの私案として発表されたのでありますが、そういう問題につきまして、私はこの案の内容について意見を申上げることを差控えたいと存じまするが、そういう態度で発表されたのであります。
#57
○岡田宗司君 これは安孫子長官もおいでになつておりますから、尚その事情についてお伺いしたいと思うのでありまするが、與党側のそういう委員と、それから安孫子長官初めその他の方々がお集まりになつて、そこで一つの案を研究された、これは勿論そういうことはよくあることだと思うのでありますが、新聞に伝えられるところによりますと、祕密協定なるものができたと、こういうことなんであります。何のための祕密だか私共にはよく分らないのでありますが、或いは大臣を出し拔いたという意味の祕密かも知れないのでありまするが、(笑声)一体自党の大臣を除いて、そうして農林当局、或いは安本当局の方々と、與党のどういう資格を持つて行政にタツチされるか分らん方々との間に、こういう何箇條かの祕密協定が結ばれて、それに何か参加された方の署名があつたというようなことを聞いておるのであります。そういうことが行われたとすると、これは非常に不可解なことなんでありますが、その点につきまして、参加者の安孫子長官から、経緯を少しお聽きしたいのであります。
#58
○政府委員(安孫子藤吉君) 会合につきまする経過については、只今大臣のお話の通りでありまして、実は安本長官官邸におきまして、この問題をいろいろな角度から三回に亘りまして論議を進め、又整理もいたして来ておるのであります。湯河原におきましても、その延長としていろいろ論議を重ねた次第であります。今後の食糧管理方式のあり方、或いはその段階的な措置をどうするか、又本年度の問題についてはどう考えるべきであるか、輸入食糧を全面管理することが日本としては絶対必要であるのできないかというような点やら、まあいろいろな点について論議を重ねて来ておりましたものを、日曜日にも実はその論議を重ねて来たというわけであります。その結論というものは、実はまだ得ておらんのであります。勿論これは大臣、又民自党といたしましても、最高幹部において決定をさるべき性質のものでありまして、論議をいたした程度であるのであります。いわゆる新聞に報道されておりまする祕密文書なるものは、これは論議をいたしました要点を整理いたしたというものであります。五人委員会の方におかれましても、政調の方にいろいろ御報告なさる都合もあろうと察知されるのでありますが、論議をいたしました点について、整理をいたされたものであると私共は了解いたしております。出席者の署名があるというお話でございますが、そうではなく、その場に出席をいたしておりました者の氏名はこうであるということを備考的に付けておるのであります。これが祕密文書というような形になりましたのは、当時山村委員長から記者団に対しまして、大体の経過をお話になつたのでありますが、それよりも多少詳しく論点を整理いたしたものが、メモとして作られたと言いますか、ありますので、それがいわゆる祕密文書というような名前になつたのだと私は了解いたしております。従いまして、従来と同様にこれはいろいろ議論を進めて参ります上においての整理をいたしたものであるというふうに私共は了解いたしております。
#59
○岡田宗司君 自由党の委員の方々が政策を研究するために、行政部の人々と会われて、そういう研究をされて、その結果をまとめる、これは誠に結構な話であります。又その得られました結論を、自由党の政策としてこれを発表されるということも、これは私公民として当然なことと思うのであります。併しながら両者の話合いの結果、主務大臣を差置いて、まあどちらが発表したかと申せば、これは自由党の方々の発表でありましようが、同時にこれによりますと、藤田農政局長からも、それから安孫子食糧庁長官からも何か発表されておるようになつておるのでありますが、両者が共にこういうものをどつかで発表したということになつて参りますと、それの政治的な意味というものが、自由党の政策として発表されたものと非常に違つて来る、こういうことが言えるのであります。私はこういうものが発表されて、而もこれが、そういう形式で発表されたために與えましたところのいろいろな影響というものを考えましたときに、こういう形でやられることは非常に重大なことである。特に行政庁といたしましては、かくのごときことはよく考えてやつて貰わなければならんことと思うのであります。内容等を見ましても、果してこの内容を、今責任を持つて、自由党の大臣である森農相が行い得るものであるかどうか、又行政当局の方においても、これを責任を持つて行い得るものであるかどうかも、非常に疑問に思われるような節もあるのであります。その点について私は聊か行政当局において手落というか、軽卒であつたのではないかと思うのでありますが、その点についての農林大臣の見解を伺いたいと思います。
#60
○国務大臣(森幸太郎君) これは事務当局も手落でありましたが、新聞記者の諸君の取扱い方が甚だ適切を欠いておると思うのであります。與党、政府意見一致するというとか何とか表題があつたように思いますが、農林省におきましては、この問題はまだ審議にもかけておりません。ただ私は先程ざつくばらんに申しましたように、こういうヒントはある、それについては研究を進めなければならん、先ず以て責任の位置にある二三のもので、極く祕密において研究を進めて呉れ、この程度になつて、まだ成案も何もできておりません。その成案ができれば勿論私も十分研究しまして、又省議にもかけて、省内の意見も質して、そうして政党と交渉するなら政党と交渉いたして、又政党は独自の立場で考えたのをこちらに申入れて、これを内閣が採るか採らんかはこつちの自由でありますから、十分検討の上で政策を決定するわけであります。そういう関係でありますので、私は事務当局に、その研究をして貰うことにいたしておりまして、まだその成案を得ておらんのであります。ただその慌てられた五人の連中が、何だか決定したかのごとく、政府の意見と一致したかのごとく発表したのか、新聞記者諸君がお取扱いになつたのか分りませんが、非常に世間の誤解を招くような事態を致したことは、甚だ申訳なく考えております。二十五年の食糧政策といたしましては、すでに確然といたしておるのであります。これは決して移動がありません。特別に司令部の方から指令でも来れば格別でありますが、現在ではすでに計画を立てております通りに進捗するつもりであります。ただ先程も申しました通り、二十六年度に亘つてはどうするか、この法律案の現在の法律案が失効する場合においてどういう変つた法律を出すか、どういう制度を変えて行くかということを早急に、これは決めなければならぬ問題でありますので、と申上げますことは、今生産計画を立てておりますのは、今年の米の生産までであります。この十一月に播きつける麦からは、現在の生産計画より後のことになるのでありますから、急いでこの方法を定めて行きたい、こういう気持は持つておるのでありまして、今新聞等にいろいろと発表されておりますが、その内容について私の意見を附加えることは差控えたいと思いますが、いずれにいたしましても、そういう段階になつておることは御了承願えると存じます。今後こういうものの取扱につきましては十分愼重な態度を以ちまして農民の諸君の迷わないように十分注意をいたしたいと存じます。この問題につきましては、食糧庁長官、農政局長にも、少しそのやり方が余り完全ではなかつたのではないかという注意はいたしておるわけでありますが、今後一層の注意を拂つて行きたいと存じます。
#61
○岡田宗司君 内容につきましては今私、かれこれ申上げようとは思わないのであります。私共は尚研究して行かなければならないと思つておりますので、これが政府の案として、或いは與党と政府と一致した案として私共も別に受取ろうとは思いませんが、ただこれが與党と政府側の方々との間に意見が一致して、そういうメモができたということになりますと、大体において拘束はされないけれども、この内容については食糧庁なり或いは安本なりの当局において、或る程度これを認めるということになるのだろうとも考えられる。大体その中でたつた一つ、私、重要な点を挙げてお伺いしたいのであります。今農林大臣のお話ですと、本年度の計画は変らない。こういうふうにおつしやつておるのでありますが、この條項の中に、本年産の米、雑穀については、先に指示した供出割当量を軽減する、こういうことがあるのであります。これはやはり與党側と、それから安孫子長官、或いは藤田農政局長、或いは東畑生活物資局長との間に一致した意見なんでありますか。
#62
○政府委員(安孫子藤吉君) その点は一致をいたしておらんのであります。私共は本年度供出割当はやはり一定の基礎の下に、これを指示いたしておるのであります。生産量から保有量、これを引いた供出量というものは、一定の基準の下にこれを指示いたしておるのであります。それを何らの理由なく減らすとか何とかということは、行政当局としてはできないという見解を持つております。ただ従来の経過から御承知のように、減額補正というものが生産者の要望と甚だしく距つた数量になつておるのであります。これが災害農家に対しまして、相当苦しい思いをさせておるこの実情だけはどうしても本年は打開をいたしたい、従つて減額補正について適切な数量を決定することに最善の努力をいたしたいという、そういう方向で私は行くべきである、こういう見解を持つておるのであります。新聞等に載つておりますのとは私共は別の意見を持つておる次第であります。
#63
○岡田宗司君 只今大臣並びに長官からのいろいろのお話で、この会議の内容というものはならら正式に今日の農林省の食糧政策を左右するものでないということが明らかになつたわけであります。私共といたしましては、先程大臣の言われましたように、こういうことが軽卒に発表されまして、農民に非常に動搖を與えるということにつきましては、これは今後愼んで貰わなければならんことと思うのでありますが、尚この発表されましたものについて、大臣から正式になんらかの形で取消をお願いしたいと思うのでありますが、その点についての大臣のお考はどうでしよう。
#64
○国務大臣(森幸太郎君) いろいろ間違つて、この内容は、私今貰つておるのですが、新聞の記事と大分違つておる点があるようでありますので、これは一層はつきりして置く必要があろうと存じます。取消しするか、或いは訂正するか、或いは私としての考え方を申上げるかいたしたいと存じておりますが、これはいずれにしましても、先程一番先に申しました司令部からこういう事態だが一つ研究をして案を持つて来て見てくれ、こちらでも一分研究して見るから、共々に研究しようではないかということであつたのでありますが、これはどういう案を拵えるにしましても、一応そういう経路を経なければ、実際問題としてならぬのでありますから、一般農民諸民なり消費者諸君の誤解のないように、適当な処置を今後私共として取りたいと考えております。
#65
○岡田宗司君 私は以上で終ります。
#66
○委員長(楠見義男君) 外に御質問ございませんか。それじや委員長から皆さんに申上げますが、この法律の最終決定に至るまでに、現在の食糧公団が明年三月までの存続期間の間に、末端の配給機構について卸売機構、或いは小売機構がどうなるかということの具体的な説明を、概括的な説明はその前食糧長官から伺つて、その具体的に固まつた方針については、今申しますように我々が最終的決定に至るまでに、詳しく御説明を伺うという約束になつておりましたが、関係方面との関連等におきまして、本日伺うことができません。併しこの法律は今朝程も申上げましたように、明日上げなければならんものでありますから、その説明はこの法律が成立いたしましたあとにおいても、引続いて御審議を頂く、こういうことにいたしたいと思いますから、その点は御了承頂きたいと思います。
 それからもう一つ公団関係で、二十六條の兼業禁止の問題については、修正意見等も衆議院並びに当方にございましたが、これは実現不可能になりました、併し狙うところは先般安田企画課長からこの委員会で御説明がありましたようなことで、何らか便法も講ぜられるようでありますから、その問題はその程度にいたしたいと思います。質疑が概ね終局したようでありますから、これから本法律案を議題といたしまして討論採決に入りたいと思います。
#67
○羽生三七君 社会党といたしましては、食糧管理法の一部を改正する法律案については反対をいたします。その理由を以下簡單に申述べますが、概括的に先に一応の考を申述べますというと、この法律が議題になつてから、しばしば論議され、今又岡田君からも種々湯河原会談に絡んで質疑がありました問題でありますけれども、要するに日本に食糧事情の全般を考慮して考えられるべき食糧管理法が、たとえ一部でありましても、かくも簡單に改正案として提出されることをば誠に遺憾であります。少くともこの法律の中に含まれておるものが、主として甘藷、馬鈴薯だけの問題でありますけれども、全体としての日本の食糧問題を勘案いたしまして、尚外国食糧、輸入食糧の見通しとも関連して、根本的に日本の食糧管理機構を再検討して、而もその結果後段の附則に示されておりますような食糧確保臨時措置法との関連において、本法が十分に審議されなければならないと思うのであります。それが少しもそういう関連なしに、ただ芋の問題だけを突如としてここに持出してこの改正案を提出されたということは、我々の了解に苦しむところであります。特に藤野議員が指摘されましたごとく第三條第一項中の甘藷、馬鈴薯の問題につきましては、全く農民の要望と食違つておる。これ又二億貫の買入れにつきましても、資金の操作で行うと言つておりますが、具体的に何らの見通しもついておらないこと、こういう点を考えましても、農家に與える影響というものは極めて大きなものがあります。尚又第二十六條のこの兼業禁止の問題につきましても、今委員長からお話がありましたが、非常に問題がありますが、私はこの詳細は申述べません。更に附則に示されておる食糧確保臨時措置法が先般の国会において、参議院において審議未了になり、ポツダム政令という形まで取つて発動されたこの法律が、而も若干の一部改正法律の中に附則として示されておるというような、こういうことは私共は更に了解に苦しむところであります。あれ程重大性を持つた食確法がこの法律の全く末端に單なる附則として改正されておるというような形を採るということは、極めて本末転倒でありまして、この点についても私共は賛成し得ざるところであります。細かいことは一々申上げませんが、要するに全般としての食糧機構の全面的改革を企図して、この線に副つて当面の甘藷、馬鈴薯の問題も解決されるということならよく分りますし、又その面に副つて改めて別途に食糧確保臨時措置法の改廃という面でこの問題を採上げるということなら、これは分ります。ところが今申上げましたような理由によつて、全くこれが一時便法的に取扱われておることからいたしまして、私共は遺憾ながら本法案に反対せざるを得ないのであります。以上申上げました理由によりまして私共は本法案に反対いたします。
#68
○藤野繁雄君 私は先の事項を要望いたしまして、本法律案に賛成するものであります。第一は速かに新しい事態に即応した食糧政策を確立して、日本農業の向うところを明らかにし、農民をして安んじてその業に就かしめるよう措置すること、第二、食糧政策は国力需給の基調として一つは農村の保護に努め、他は民主の安定に資すること。第三、無分別に自由経済を強調し、徒らなる混乱を招き、禍根を将来に残すことを嚴に戒め、現実を熟視して政策の樹立実行に万全を期すること。第四、食糧の国内自給を増大して輸入食糧を抑制し、輸入食糧の価格調整費を節減して、これを国内食糧の自給及び農村保護に必要な経費に充てること。第五、芋類の統制撤廃に伴う品種の改良、加工、利用等の諸政策に遺憾なからしめ、芋類の価格の低落及び需要の減退を防ぎ、以て芋類生産の安定を期すること。第六、食糧配給機構の改正は名目な形式に捉われることなく、実状に即応して万全を期すること。尚食糧配給機構の改正に伴い、食糧配給公団を廃止する場合は、国家財政の負担を排除し、離職者の善後措置に善処し、一方かかる際に起りがちなボス的行動及び不正行為を嚴重に警戒すること。第七、土地改良、干拓及び災害復旧費等を拡大すると共に、融資手続きを簡素化すること。第八、食糧の保管に遺憾なきを期するため、農業倉庫の整備を図ること。第九、早期供出奬励金及び超過供出特別価格買入れを継続実施すること。
#69
○委員長(楠見義男君) 他の御発言ございませんか。
#70
○鈴木順一君 私は民主党といたしまして、要望をして本案に賛成するものであります。御承知のように、農村は非常な危殆に瀕しておりまして、金詰りと重税とそれから最近食糧が沢山輸入され、而もこれには補給金が非常に多い。肥料は値上りである。又聞くところによれば、重税のうちにも農業用の山林に対して落葉をかいたために、一反歩で三百円の所得を課すとか、鶏一羽で七百円の所得を見ておる。こういうような重税を課される農村が非常な恐慌になつているときに、生産ができ食糧状況が多少よくなつたということによつて、徒らに野放しにこれを撤廃する。而も四億貫の買入れをすると言つても、先程羽生委員から言われたように、これに対する資金の操作もまだ確定したものではないというような不安に晒される状況にあることを非常に遺憾とするものであります。政府におきましては農民をしつかりとした経営につかしめるような、そうして安心させるような方向に持つて行くように、金詰りと重税とを緩和しながら、安心して農業につけるような方策を、抽象的でありますが、芋類の統制撤廃をする場合に、早急にすることを要望いたしまして賛成をするものであります。
#71
○小川久義君 私も要望いたしまして賛成いたします。特に農林大臣に要望して置きたいのですが、一月二十七日の私の食糧問題に対する質問において、国内需給態勢を整えることが、食糧自給度の向上ではないか、農林大臣はこれに対してどう考えるかと質問したときに、国民の力で輸入食糧を入れることが自給の向上だとお述べになつておるのであります。そういう考え方でなく、どこまでも国内産食糧で自給できる態勢を基本にして、できるだけ輸入食糧を少くするという方向にお進め願いたい。それから最近農村の金詰りは、大臣特に御承知の通り窮迫しておるということは過言ではないと思います。特に農林省の調査統計には一町歩未満の農家は、二万五千円赤字になるという調査統計が出ている。一町歩未満と申しますと、日本の四千万農民が悉く赤字経営状態にあるということになる。平均耕作反歩は八反乃至八反五畝であるという現実においては、悉く赤字になる。これは農産物価格が適正でないということに帰着すると思う。どこまでも適正なる農林物価格を制定して頂きたい。この二点を要望いたしまして賛成いたします。
#72
○委員長(楠見義男君) 討論はこれで終結したものと認めます。食糧管理法の一部を改正する法律案についてこれより採決をいたします。衆議院送付原案通り賛成の方の起立を求めます。
   〔起立者多数〕
#73
○委員長(楠見義男君) 起立者多数と認めます。よつて本法案は多数を以て可決することに決定いたしました。賛成者の署名並びに委員長報告は先例によつてよろしくお願いいたします。
 それでは順次御署名願います。
  多数意見者署名
   岡村文四郎   小川 久義
   赤澤 與仁   柴田 政次
   石川 準吉   鈴木 順一
   深水 六郎   北村 一男
   藤野 繁雄  池田宇右衞門
  ―――――――――――――
#74
○委員長(楠見義男君) では本日はこの程度で散会いたします。
   午後三時四十七分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     楠見 義男君
   理事
           羽生 三七君
          池田宇右衞門君
           石川 準吉君
           藤野 繁雄君
   委員
           岡田 宗司君
           門田 定藏君
           北村 一男君
           柴田 政次君
           深水 六郎君
           鈴木 順一君
           赤澤 與仁君
           徳川 宗敬君
           池田 恒雄君
           岡村文四郎君
           小川 久義君
  国務大臣
   農 林 大 臣 森 幸太郎君
  政府委員
   林野庁長官   横川 信夫君
   食糧庁長官   安孫子藤吉君
   農林事務官
   (農政局長)  藤田  巖君
ソース: 国立国会図書館
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