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#1
第096回国会 決算委員会 第5号
昭和五十七年五月十四日(金曜日)
    午前十一時三十一分開議
 出席委員
   委員長 永田 亮一君
   理事 近藤 元次君 理事 東家 嘉幸君
   理事 中川 秀直君 理事 中村 弘海君
   理事 井上 一成君 理事 新村 勝雄君
   理事 春田 重昭君
      伊東 正義君    植竹 繁雄君
      亀井 善之君    桜井  新君
      塩崎  潤君    白浜 仁吉君
      近岡理一郎君   三ツ林弥太郎君
      粟山  明君    田中 昭二君
      和田 一仁君    三浦  久君
      楢崎弥之助君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 渡辺美智雄君
 出席政府委員
        防衛庁参事官  石崎  昭君
        防衛庁経理局長 矢崎 新二君
        防衛庁装備局長 和田  裕君
        大蔵省主計局次
        長       宍倉 宗夫君
 委員外の出席者
        大蔵省主計局
        司計課長    加藤 剛一君
        会計検査院事務
        総局第一局長  佐藤 雅信君
        決算委員会調査
        室長      黒田 能行君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十四日
 辞任         補欠選任
  天野 光晴君     亀井 善之君
  伊東 正義君     粟山  明君
  竹下  登君    三ツ林弥太郎君
同日
 辞任         補欠選任
  亀井 善之君     天野 光晴君
 三ツ林弥太郎君     竹下  登君
  粟山  明君     伊東 正義君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和五十五年度一般会計予備費使
 用総調書及び各省各庁所管使用調
 書(その2)
 昭和五十五年度特別会計予備費使
 用総調書及び各省各庁所管使用調
 書(その2)
 昭和五十五年度特別会計予算総則
 第十一条に基づく経費増額総調書
 及び各省各庁所管経費増額調書  (承諾を求
 (その2)           めるの件)
 昭和五十六年度一般会計予備費使
 用総調書及び各省各庁所管使用調
 書(その1)
 昭和五十六年度特別会計予備費使
 用総調書及び各省各庁所管使用調
 書(その1)
 昭和五十六年度特別会計予算総則
 第十一条に基づく経費増額総調書
 及び各省各庁所管経費増額調書  (承諾を求
 (その1)           るの件)
 昭和五十五年度一般会計国庫債務負担行為総調
 書
 昭和五十六年度一般会計国庫債務負担行為総調
 書(その1)
     ――――◇―――――
#2
○永田委員長 これより会議を開きます。
 昭和五十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、昭和五十五年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、昭和五十五年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)、以上三件の承諾を求めるの件、及び昭和五十六年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その一)、昭和五十六年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、昭和五十六年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)、以上三件の承諾を求めるの件、並びに昭和五十五年度一般会計国庫債務負担行為総調書及び昭和五十六年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その1)、以上の各件を一括して議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。楢崎弥之助君。
#3
○楢崎委員 おととい十二日に質問をいたしました際に、まずリムパック82の予算についてお答えがなかった。そこで、昨日その説明をいただきました。それによりますと、説明書は、リムパック82の総予算は七億一千六百万、そのうち油代が五億一千八百万、教育訓練費が一億百万、航海手当が七千百万、その他二千六百万となっております。
 そこで、十二日にミサイル実射の内容を聞きましたところ、シースパロー七千万円、これが一発、ターター九千万円、これが四発、この費用が四億三千百万円になる。おとといは五億何がしとおっしゃいましたが、計算違いだったと思います。この四億三千百万というミサイル実射費用は、防衛庁説明のこのリムパック82予算の項目のどこに入っておるのでありますか。
#4
○石崎政府委員 ミサイルの金額は、結論から言いますと、リムパックの七億二千万と申し上げた金額の中に入っておりません。リムパックで、訓練で発射いたしましたミサイルは、現にすでに保有しているミサイルでありまして、リムパックをやるに際して新たに調達したとか、新たに支出をしたというものでないものでありますので、現に保有している弾を持っていって発射訓練をやった。そういうことで七億二千万の中へは入っておりません。
#5
○楢崎委員 このミサイル五発の実射計画はいつ決まりましたか。
#6
○石崎政府委員 これは概算要求したときに出ておるわけでありますし、その後通常の予算審議過程で決まっていったわけでありまして、リムパックの経費ということで、いま申し上げました五発の弾はリムパックの総経費の中へは含まれていない、それと別枠で……
#7
○楢崎委員 そんなことを私は聞いていない。このリムパック82でミサイル五発を撃つということはいつ決まったかと聞いているのです。いつ買ったかと聞いているのじゃないのです。
#8
○石崎政府委員 正確に何月何日ということをちょっと私は記憶をしておりませんが、リムパックに参加するということを計画を立てまして、長官の承認を得る、そういう過程でミサイルの射撃ということも決まったわけでございます。
#9
○楢崎委員 五十五年度、五十六年度の予算関係のことをやっているわけですけれども、では、二年前のリムパック80、このときの予算、当初説明は一億数千万であった。防衛庁の説明によれば、結局は四億五千万かかっておる。この差額の金はどこから出したのですか。
#10
○石崎政府委員 リムパック80に要した経費は四億五千万ということでありますが、五十四年度の予算が要求され、審議されたときには、まだリムパックに参加するということははっきり決まっていなかったわけでありまして、それまで何年もずっと恒常的に行ってきました米国派遣訓練という一般的な経費の中で申し上げた数が、国会答弁における一億四千万という数字であったわけでございます。その後、リムパックという、従来の米国派遣訓練にさらに拡充強化したような訓練に参加するということで、それに必要な経費を計算していって、それが四億五千万になった。どこから足りない分を持ってきたかといいますと、一般の部隊訓練経費、そこから回したということでございます。
#11
○楢崎委員 そんなに自由自在に使える金があるのですか。リムパック80は何年何月に出発して何年何月に帰ってきましたか。
#12
○石崎政府委員 リムパック80の場合、二月二十六日から三月十八日まででございました。
#13
○楢崎委員 リムパック80の場合は結局五十四年度予算になりますか。リムパック80で参加した「あまつかぜ」、このときにはターター一発の実射をやった。標的であります高速無人機のドローン、これを撃墜しましたね。これは約一億でしょう。弁済するわけでしょう。どう処理しましたか。
#14
○石崎政府委員 どういう支払いか、細かいことはいま調べておりますが、いずれにしても射撃に要した経費、標的を使わせてもらうとかその種の経費はアメリカに支払われておったわけでございます。それが弁済という名前なのか、どういう形のあれであるかはいまちょっと調べます。
#15
○楢崎委員 たとえ一億であろうと、それはきちんと説明してくださいよ。今回はどうでしたか、今回は。ドローンを撃墜しましたか。
#16
○石崎政府委員 今回は五発撃って、いずれも有効であったという報告を受けております。
#17
○楢崎委員 それは違う。いいですか。今回は「しらね」が旗艦で、「たちかぜ」「あさかぜ」が参加している。この「たちかぜ」「あさかぜ」からおのおのターターを二発撃っている。そのうち「たちかぜ」のターターの一発がドローンを撃墜しているはずです。もしあなたがわからぬならば、これは伊東司令官に聞いてごらんなさい。
#18
○石崎政府委員 先ほど申し上げましたとおり、五発撃ちまして、撃墜はしていないけれども全弾有効であった、こういう報告を受けております。
#19
○楢崎委員 それは違います。すぐ連絡しなさい。いいですか。これは記者団に発表しているのだ。大体、撃墜をしない方がいいのだ。いまおっしゃったとおり、有効にすうっとそばを通るのが一番いいんだ。当たっちゃったんだ、これは。一発はみごと命中したのだ。だから伊東司令官は、これでまた、当たらなければよかったのに一発当たったから一億円弁償しなければいかぬと言っておるじゃないですか。調べなさい。だめですよ。銭を出さなければならぬ。リムパック80のドローンの分と一緒に報告をしてください。大蔵省、こんなことでいいんですか。こんなに自由自在にお金が使われるのですか。
#20
○石崎政府委員 調べろとおっしゃられても、私は先ほど申し上げましたとおり、五発撃って撃墜はしない、全弾有効である、こういう報告を受けておりますから、それ以上のお答えはできません。
#21
○楢崎委員 そんなばかな話がありますか。それでは、伊東司令官に念のために聞いてください。こんなことが実際と報告が違っておったらこれはまた問題だよ。うその報告を防衛庁はしていることになる。
#22
○石崎政府委員 艦艇部隊はすでに帰っておりますから、もちろん指揮官から詳細な報告を受ける予定ではおります。ただ、何遍も申し上げますとおり、私は五発撃って撃墜はしなかった、全弾有効であったということを責任ある海上自衛隊の幹部から報告を受けているわけでありますから、それ以上のことは申し上げられないと申し上げているわけでございます。
#23
○楢崎委員 だから、だめと私は言っているのです。うその報告を受けていると言っている。これは金額は一億のドローンの問題だけれども、そういう実際と違う報告をしているとすれば、それがまた問題だと私は言っているのですよ。これは、委員長、きちっとしてくださいよ。
 それからリムパック80、これは五十四、五十五に関係しておる。これもどう処理されたかわからないのです。これはアメリカに弁償しなければいかぬのですよ。これははっきりしてもらいたいと思いますね。
#24
○石崎政府委員 まず今回の分をもう一遍申し上げますと、私は事実に反する報告を受けているとは思っておりません。事実に即した報告を受けておると思っております。
#25
○楢崎委員 あなた、何でそんなに気色ばむのですか。伊東司令官が言っていることと違うということを私は言っているのですよ。伊東司令官は「しらね」からその実射を見ているのですよ。そしてその観戦の記者団に言っているのです。だめですよ、こんなことでは。これではシビリアンコントロールを果たせないですよ。何をあなた、いばってそこで言っているんだ。これは委員長、処理してくださいよ。こんなことで信じていますも、信じてないもない。実際にやった人が言っているのだから。
#26
○石崎政府委員 先ほど申し上げましたとおり、部隊の指揮官からは詳細に報告を受ける予定でございます。それで、指揮官が日本へまだ帰ってこない以前から、いまの件については私は報告を受けているわけでありまして、それによればさっき申し上げたような報告なんであります。それで、その指揮官が、当たってしまって、弁償なり何なり困ったことになったというようなことを言ったか言わないのか、それは私は知りません。私が聞いているのは、さっき申し上げたような報告でございます。それで、私は責任ある幹部がきちんと報告してきたのでありますから、そんな事実に反する報告をしてきているはずはないと思っておりますし、その人が新聞記者かだれか知りませんが、どういう機会にどういう発言をしたのか、それは私は知りません。
#27
○楢崎委員 私が変なことを言っているような言い方をしますね。では、はっきりさせましょうか。連絡をして聞くと言えばいいじゃないですか。何を開き直っておるのですか、あなた。きちっとしてくださいよ。
 私がなぜこういうことを言うかというと、深い意味があるのですよ。つまりこの七億何がしと言っているけれども、これはまたふえるはずです。現にリムパック80のときはそうである。それでリムパック80は五十四年度でおさまっておるからまだよかったけれども、今度の場合は五十六年度と五十七年度にダブっている。やり方いかんによったら、これは五十七年度を先取りしていることになる、これがまたふえるとしたら。だから、そういう金はどこから出てくるのだと言っているのですよ。そんな自由自在に使える金があるのかということを私は申し上げておるのであって、しかもこのミサイル実射のあれがたび重なるということは、きょうの主題ではないけれども、やがて問題にするが、自衛艦が専守防衛の海上自衛隊からいまや海洋艦隊へ変貌しつつある、それの象徴的な問題なんです、これは。だから私は問題にしている。はっきりしてください。
#28
○石崎政府委員 今回撃ちました五発については、私は先ほど申し上げましたとおり正確な報告を受けておると思っておりますけれども、その種の報道があったのかもしれませんから、指揮官から詳細な報告をこれから受けましてさらに正確を期するようにいたします。
#29
○永田委員長 ちょっと速記とめてください。
    〔速記中止〕
#30
○永田委員長 速記始めてください。
 楢崎君の質疑につきましては、追って政府から十分確認調査の上、次回本委員会に報告を求めることといたします。
 これにて質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#31
○永田委員長 これより昭和五十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外二件の承諾を求めるの件、及び昭和五十六年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外二件の承諾を求めるの件について、一括して討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。近藤元次君。
#32
○近藤(元)委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書等の承諾を求めるの件について賛成の意を表したいと存じます。
 歳出に見積もった経費に不足を生じた場合、または、全然見積もらなかった新たな経費を必要とするようになった場合に、それが重要なことであれば、臨時国会を召集して補正予算を提出して措置するのが適当である。しかし、国会を召集してまで措置する必要のないような経費で、予見しがたい予算の不足については、何らかの措置を講じなければならない。この不足を補うために、憲法、財政法上、内閣の責任において支出できる予備費の制度が定められているわけであります。
 すなわち、昭和五十五年度一般会計予備費使用総調書(その2)の使用総額は一千百二十億七千八万六千円で、その主なものは、国民健康保険事業に対する国庫負担金の不足を補うために必要な経費八百二十二億八千七百三十一万五千円、旧軍人遺族等に対する恩給費の不足を補うために必要な経費百三億五千六百四十九万五千円、豪雪に伴う道路事業に必要な経費七十五億四千二百六十万円、義務教育費国庫負担金の不足を補うために必要な経費四十九億六千百万円等となっております。
 また、特別会計予備費使用総調書(その2)の使用総額は、外国為替資金特別会計外六特別会計の合計で一千八十二億五千四百四十万九千円となっております。
 さらに、特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書(その2)の経費増額の総額は、資金運用部特別会計外二特別会計の合計で六百五十一億六千七百四十一万九千円となっております。
 次に、昭和五十六年度一般会計予備費使用総調書(その1)の使用総額は四百三十四億四千四百八十八万六千円で、その主なものは、河川等災害復旧事業に必要な経費二百三十六億三千八百三十一万三千円、退職手当の不足を補うために必要な経費五十一億四千四百四十九万八千円、スモン訴訟における和解の履行に必要な経費十億九千二百三十三万七千円、森林災害復旧事業に必要な経費四十九億六千七百九十万六千円等となっております。
 また、特別会計予備費使用総調書(その1)の使用総額は、港湾整備特別会計外一特別会計の合計で十二億五千七万三千円となっております。
 さらに、特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書(その1)の経費増額の総額は、治水特別会計外三特別会計の合計で八十五億九千四百二十五万円となっております。
 これら予備費の使用は、いずれも予見しがたい予算の不足を補うための経費と認められます。
 ただし、昭和五十五年度一般会計予備費予算額三千五百億円に対し、使用総額は二千五百二十億六千五百四十四万二千円で差し引き使用残額は九百七十九億三千四百五十五万八千円の多額になっております。
 このような、実情にかんがみ、予備費の予算計上に当たっては、なお一層適正な配慮を望みます。
 以上、一言希望を申し上げまして賛成の討論といたします。(拍手)
#33
○永田委員長 新村勝雄君。
#34
○新村委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました昭和五十五年度及び昭和五十六年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書等の六件について不承諾の意思を表明いたします。
 予備費の大半は、災害復旧、社会保障関係費、選挙経費などであり、これらについては承諾できます。
 しかし、予備費使用の中には、承諾できないものがあります。
 昨年の総理の訪米は、共同声明において軍事を含む日米同盟、防衛力増強をアメリカに約束し、わが国の防衛費の突出増額、危険な軍事大国化へ向かわせる要因をつくったものであり、わが党は承認できません。
 昭和五十五年度における国民健康保険に対する国庫負担金の不足を補うための支出は、その必要性を認めます。しかし、医療費のむだ遣いをなくすための薬価基準の適切な引き下げ、領収明細書の発行などを怠っているのであります。
 引き続きスモン訴訟の和解、損害賠償に要する経費が支出されておりますが、予算編成時に予見されるこのような経費は、予算に計上し、患者に対する和解、謝罪の国の意思を明確にするべきであります。
 電源開発促進対策に予備費が計上されていますが、これは交付金等により原子力発電所の建設等を強行しようとするものであり、誤ったエネルギー政策に基づくものであります。発電所等についてのパブリックアクセプタンスは、安全性や必要性についての点検、国民的討議に基づいてつくられなければなりません。
 特別会計の予備費において例年多額の不用額を生じております。昭和五十五年度の予備費予算額が三兆三千四百四十四億円であるのに対し、使用額はわずか千百九十四億円、使用残高は三兆二千二百五十億円にもなっております。この傾向は五十六年度においても改まっていないものと推定できます。現実に即した額を計上し、財政の効率的運用を行うべきであります。
 予備費の計上は、憲法八十七条に基づき予見しがたい予算の不足に充てるのに必要な額に限るべきであり、不必要に多額の予備費を計上することは、行政による恣意的な支出を招き、予算の国会による議決制度を損なう危険があります。
 以上の理由により、六調書に対し、不承諾の意思を表明し、反対討論を終わります。(拍手)
#35
○永田委員長 春田重昭君。
#36
○春田委員 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書等の承諾を求めるの件について、不承諾の意思を表明するものであります。
 わが党は、かねてより予備費使用について、財政の国会議決主議の原則にかんがみ、予備費使用の基本的かつ重大な問題を指摘してきたのでありますが、政府は依然として姿勢を改めようとはせず、遺憾と言わざるを得ません。
 さらに、予備費の設定に関しての基本的な問題を指摘しなければなりません。
 その一つは、総理の海外訪問に要する費用についてであります。
 昭和五十六年度一般会計予備費使用総調書(その1)によれば、一二億七千六百十八万三千円となっており、五十五年度では二億四千九十五万四千円、五十四年度には一億四千三百六十七万三千円がそれぞれ予備費より支出されているのであります。
 日本を取り巻く国際環境が厳しさを増している今日と、これまでの歴代総理の海外訪問の頻度を考えるならば、当然のこととして当初予算に計上し得るものと考えるのであります。
 さらに、薬害として多くの犠牲者を出したキノホルム禍のスモン訴訟における和解の履行に必要な経費は、昭和五十六年度一般会計予備費使用総調書(その1)ではすでに三十九億八十二万七千円が支出されており、五十五年度では百三十二億五千十九万円、五十四年度には百六億四千二百九十九万円が支出されているのであります。
 予備費設定の原則は、憲法八十七条を踏まえ、財政法二十四条に規定された「予見し難い予算の不足に充てる」との基本認識となっているのでありますが、これまで申し述べたいわば恒常的な性格を帯びるこれらの費用は当初予算に計上されるよう努力すべきであると考えるのであります。
 他方、昭和五十五年度一般会計予備費の決算を見ると九百七十九億三千四百五十五万円余の不用額が生じており、財政が逼迫している現今の予算編成として検討を加える必要があると思うのであります。これは、予算編成のあり方と予備費使用のあり方の基本に関することとして承服できないところであります。
 以上の理由から、予備費使用等の承諾を求めるの案件につきましては不承諾の意を表明いたしまして反対討論といたします。(拍手)
#37
○永田委員長 和田一仁君。
#38
○和田(一)委員 私は、民社党・国民連合を代表し、ただいま議題となりました昭和五十五年度及び昭和五十六年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書等の承諾を求めるの件について賛成の意を表します。
 わが党は、各予備費の使用状況等についてそれぞれ検討いたしました結果、昭和五十五年度総理府所管の沖縄における人身被害者特別支出金等は、あらかじめ計上し得ると思われる支出であり、当初予算の不足を補うために支出されていること等から、財政法第二十四条の予見しがたい予算の不足に充てるとする予備費使用の規定に妥当性を欠くとの疑点が残ることを指摘し、今後の厳正な姿勢を望むものであります。
 子備費の使用状況全般については、突発的災害の復旧に要する費用、訴訟における和解の履行に要する経費、補欠選挙に要した経費等、使用目的を特に逸脱しているとは認められません。
 最後に、国費が正しく有効に活用されるよう一層の配慮を希望し、賛成の討論といたします。(拍手)
#39
○永田委員長 三浦久君。
#40
○三浦(久)委員 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となっております予備費使用等承諾案件のうち、昭和五十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、昭和五十六年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、昭和五十六年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)の三件について不承諾の意を表明いたします。
 これらの予備費使用等の主なものは、退職手当、災害関係費、スモン等賠償金、社会保障関係費、選挙経費、利子、糖価安定対策費などであり、その使用目的、予備費使用の理由はおおむね妥当なものであり、承諾できるものが多数あります。
 しかしながら、本予備費使用等のうちには、わが党が認めることのできないものが含まれております。
 第一に、総理の訪米についてであります。
 総理は、日米首脳会談とそれに基づく日米共同声明を通じて、レーガンの核軍拡戦略に全面的に同調し、日米軍事同盟関係の一層の強化、とりわけ極東における日本の役割り分担というきわめて危険な対米公約を行ったものであり、今年度予算における軍事費の突出など、アメリカの圧力のままに日本国民を果てしない軍拡路線に縛りつけることはいまや明白であります。このような予備費支出は断じて認められないものであります。
 そのほか、訟務費における自衛隊員死亡事故に対する国の控訴費用等は、原告に過酷な措置であり認められないものであります。
 国土総合開発事業調整費は、その多くは地域住民に役立つ事業でありますが、むつ小川原国家石油備蓄基地建設関連事業を初め、三全総に基づく、大企業本位の開発関連事業を柱としたものであり、不要不急の経費支出に当たるものであります。また、目未定で当初予算に計上し、年度途中に配分する方法は予備費支出の本旨に反するものであり、全体としては認めることはできないものであります。
 以上、不当な予備費支出を含むこれら調書を承諾することにわが党は反対であります。
 なお、沖縄県における人身被害者特別支出金の不足に充てるため予備費を支出した件につきましては、この予備費支出を承諾すること自体にわが党として反対するものではありませんが、人身被害者特別支出金の交付をもってアメリカ軍人等による沖縄県住民に対する人身被害の補償にかえようとする政府の態度は、政府が沖縄県民の要求を踏みにじって沖縄返還協定において対米請求権を包括的に放棄したことにかんがみ、断じて容認できるものでないことを改めて表明するとともに、放棄請求権のすべてについて、政府の責任で速やかに完全な賠償を行うことを、この際強く要求するものであります。
 昭和五十五年度の特別会計予備費使用総調書、及び特別会計経費増額総調書、昭和五十六年度特別会計予備費使用総調書、昭和五十五年度一般会計国庫債務負担行為総調書、昭和五十六年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その一)の五件は、支払い利子等の義務的経費、退職手当、災害関係費、中高年齢者の雇用増により不足した雇用安定給付金の支出、国立病院等の収入増に対応する必要経費を内容とするものであり、予備費使用の目的と内容、国庫債務負担行為等の理由は特に問題ないと認められるので、承諾をいたします。
 以上であります。
#41
○永田委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#42
○永田委員長 これより採決に入ります。
 まず、昭和五十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)について採決いたします。
 本件は承諾を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#43
○永田委員長 起立多数。よって、本件は承諾を与えるべきものと決しました。
 次に、昭和五十五年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)及び昭和五十五年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)、以上二件について採決いたします。
 二件はそれぞれ承諾を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#44
○永田委員長 起立多数。よって、二件は承諾を与えるべきものと決しました。
 次に、昭和五十六年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)及び昭和五十六年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)、以上二件について採決いたします。
 二件はそれぞれ承諾を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#45
○永田委員長 起立多数。よって、二件は承諾を与えるべきものと決しました。
 次に、昭和五十六年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)について採決いたします。
 本件は承諾を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#46
○永田委員長 起立多数。よって、本件は承諾を与えるべきものと決しました。
 次に、昭和五十五年度一般会計国庫債務負担行為総調書及び昭和五十六年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その1)の両件について討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もございませんので、直ちに採決いたします。
 まず、昭和五十五年度一般会計国庫債務負担行為総調書について採決いたします。
 本件は異議がないと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#47
○永田委員長 起立多数。よって、本件は異議がないと決しました。
 次に、昭和五十六年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その1)について採決いたします。
 本件は異議がないと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#48
○永田委員長 起立多数。よって、本件は異議がないと決しました。
 なお、ただいま議決いたしました各件についての委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#49
○永田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#50
○永田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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