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#1
第096回国会 予算委員会 第19号
昭和五十七年三月九日(火曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 栗原 祐幸君
   理事 江藤 隆美君 理事 越智 通雄君
  理事 小宮山重四郎君 理事 堀内 光雄君
   理事 三原 朝雄君 理事 阿部 助哉君
   理事 藤田 高敏君 理事 鈴切 康雄君
   理事 大内 啓伍君
      宇野 宗佑君    上村千一郎君
      植竹 繁雄君    小渕 恵三君
      大村 襄治君    奥野 誠亮君
      海部 俊樹君    金子 一平君
      亀井 善之君    鴨田利太郎君
      後藤田正晴君    近藤 元次君
      塩川正十郎君    澁谷 直藏君
      正示啓次郎君    砂田 重民君
      瀬戸山三男君    根本龍太郎君
      橋本龍太郎君    原田  憲君
      藤尾 正行君    藤田 義光君
      藤本 孝雄君    武藤 嘉文君
      渡辺 栄一君    稲葉 誠一君
      大出  俊君    大原  亨君
      岡田 利春君    木島喜兵衞君
      野坂 浩賢君    武藤 山治君
      山田 耻目君    横路 孝弘君
      大橋 敏雄君    草川 昭三君
      草野  威君    木下敬之助君
      竹本 孫一君    米沢  隆君
      金子 満広君    瀬崎 博義君
      東中 光雄君    山原健二郎君
      依田 一実君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  鈴木 善幸君
        法 務 大 臣 坂田 道太君
        外 務 大 臣 櫻内 義雄君
        大 蔵 大 臣 渡辺美智雄君
        文 部 大 臣 小川 平二君
        厚 生 大 臣 森下 元晴君
        農林水産大臣  田澤 吉郎君
        通商産業大臣  安倍晋太郎君
        運 輸 大 臣 小坂徳三郎君
        郵 政 大 臣 箕輪  登君
        労 働 大 臣 初村滝一郎君
        建 設 大 臣 始関 伊平君
        自 治 大 臣
        国家公安委員会
        委員長     世耕 政隆君
        国 務 大 臣
        (内閣官房長
        官)      宮澤 喜一君
        国 務 大 臣
        (総理府総務長
        官)
        (沖縄開発庁長
        官)      田邉 國男君
        国 務 大 臣
        (行政管理庁長
        官)      中曽根康弘君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 伊藤宗一郎君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      河本 敏夫君
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      中川 一郎君
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 原 文兵衛君
        国 務 大 臣
        (国土庁長官)
        (北海道開発庁
        長官)     松野 幸泰君
 出席政府委員
        内閣官房内閣審
        議室長
        兼内閣総理大臣
        官房審議室長  石川  周君
        内閣法制局長官 角田禮次郎君
        内閣法制局第一
        部長      味村  治君
        総理府恩給局長 島村 史郎君
        臨時行政調査会
        事務局次長   佐々木晴夫君
        警察庁刑事局長 中平 和水君
        行政管理庁行政
        管理局長    佐倉  尚君
        行政管理庁行政
        監察局長    中  庄二君
        防衛庁参事官  新井 弘一君
        防衛庁参事官  上野 隆史君
        防衛庁参事官  冨田  泉君
        防衛庁長官官房
        長       夏目 晴雄君
        防衛庁防衛局長 塩田  章君
        防衛庁経理局長 矢崎 新二君
        防衛庁装備局長 和田  裕君
        防衛施設庁長官 吉野  実君
        防衛施設庁次長 多田 欣二君
        防衛施設庁総務
        部長      森山  武君
        防衛施設庁施設
        部長      伊藤 参午君
        経済企画庁調整
        局長      井川  博君
        経済企画庁調査
        局長      田中誠一郎君
        国土庁長官官房
        会計課長    中村 博英君
        国土庁土地局長 小笠原正男君
        国土庁大都市圏
        整備局長    宮繁  護君
        法務大臣官房長 筧  榮一君
        法務省入国管理
        局長      大鷹  弘君
        外務省アジア局
        長       木内 昭胤君
        外務省北米局長 淺尾新一郎君
        外務省経済局次
        長       妹尾 正毅君
        外務省条約局長 栗山 尚一君
        外務省国際連合
        局長      門田 省三君
        大蔵大臣官房会
        計課長     吉田 忠明君
        大蔵大臣官房審
        議官      水野  繁君
        大蔵大臣官房審
        議官      矢澤富太郎君
        大蔵省主計局長 松下 康雄君
        大蔵省主税局長 福田 幸弘君
        大蔵省関税局長 垣水 孝一君
        大蔵省理財局次
        長       小幡 俊介君
        大蔵省銀行局長 宮本 保孝君
        文部大臣官房長 鈴木  勲君
        文部大臣官房会
        計課長     植木  浩君
        農林水産大臣官
        房長      角道 謙一君
        農林水産大臣官
        房予算課長   京谷 昭夫君
        農林水産省構造
        改善局長    森実 孝郎君
        林野庁長官   秋山 智英君
        通商産業省貿易
        局長      中澤 忠義君
        通商産業省基礎
        産業局長    真野  温君
        通商産業省機械
        情報産業局長  豊島  格君
        運輸大臣官房長 角田 達郎君
        運輸大臣官房総
        務審議官    石月 昭二君
        運輸大臣官房観
        光部長     西村 康雄君
        運輸省船舶局長 野口  節君
        郵政省電気通信
        政策局長    守住 有信君
        郵政省人事局長 奥田 量三君
        労働省労政局長 吉本  実君
        労働省労働基準
        局長      石井 甲二君
        労働省職業安定
        局長      関  英夫君
        建設大臣官房長 丸山 良仁君
        建設省計画局長 吉田 公二君
        建設省都市局長 加瀬 正蔵君
        建設省道路局長 渡辺 修自君
        建設省住宅局長 豊蔵  一君
        自治省行政局選
        挙部長     大林 勝臣君
        自治省税務局長 関根 則之君
        消防庁長官   石見 隆三君
 委員外の出席者
        予算委員会調査
        室長      三樹 秀夫君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二十六日
 辞任         補欠選任
  塩川正十郎君     渡辺 秀央君
  大出  俊君     伊藤  茂君
  大原  亨君     湯山  勇君
  岡田 利春君     関  晴正君
  木島喜兵衞君     後藤  茂君
  武藤 山治君     串原 義直君
  草野  威君     市川 雄一君
  木下敬之助君     横手 文雄君
  大内 啓伍君     部谷 孝之君
  米沢  隆君     小沢 貞孝君
  金子 満広君     中路 雅弘君
  瀬崎 博義君     藤原ひろ子君
  伊藤  茂君     上原 康助君
  後藤  茂君     城地 豊司君
  関  晴正君     清水  勇君
  清水  勇君     新盛 辰雄君
  中路 雅弘君     瀬長亀次郎君
  串原 義直君     鈴木  強君
  市川 雄一君     春田 重昭君
  東中 光雄君     山原健二郎君
  藤原ひろ子君     三谷 秀治君
  上原 康助君     土井たか子君
  城地 豊司君     矢山 有作君
  小沢 貞孝君     中野 寛成君
  部谷 孝之君     和田 耕作君
  三谷 秀治君     小林 政子君
  依田  実君     楢崎弥之助君
  矢山 有作君     吉原 米治君
  渡辺 秀央君     塩川正十郎君
  新盛 辰雄君     岡田 利春君
  鈴木  強君     武藤 山治君
  土井たか子君     大出  俊君
  湯山  勇君     大原  亨君
  吉原 米治君     木島喜兵衞君
  春田 重昭君     草野  威君
  中野 寛成君     米沢  隆君
  横手 文雄君     木下敬之助君
  和田 耕作君     大内 啓伍君
  小林 政子君     瀬崎 博義君
  瀬長亀次郎君     金子 満広君
  山原健二郎君     東中 光雄君
  楢崎弥之助君     依田  実君
同月二十七日
 辞任         補欠選任
  奥野 誠亮君     森   清君
  大出  俊君     岩垂寿喜男君
  大原  亨君     加藤 万吉君
  木島喜兵衞君     清水  勇君
  武藤 山治君     井上 普方君
  山田 耻目君     上田  哲君
  岡本 富夫君     渡部 一郎君
  鈴切 康雄君     有島 重武君
  木下敬之助君     竹本 孫一君
  米沢  隆君     横手 文雄君
  瀬崎 博義君     小沢 和秋君
  岩垂寿喜男君     栂野 泰二君
  横路 孝弘君     竹内  猛君
  渡部 一郎君     長田 武士君
  小沢 和秋君     藤田 スミ君
  東中 光雄君     浦井  洋君
  上田  哲君     水田  稔君
  岡田 利春君     上坂  昇君
  金子 満広君     安藤  巖君
  藤田 スミ君     岩佐 恵美君
  依田  実君     阿部 昭吾君
  加藤 万吉君     池端 清一君
  水田  稔君     広瀬 秀吉君
  長田 武士君     大橋 敏雄君
  草川 昭三君     吉浦 忠治君
  草野  威君     薮仲 義彦君
  井上 普方君     土井たか子君
  清水  勇君     木島喜兵衞君
  竹内  猛君     横路 孝弘君
  安藤  巖君     瀬長亀次郎君
  岩佐 恵美君     村上  弘君
  浦井  洋君     蓑輪 幸代君
  阿部 昭吾君     中馬 弘毅君
  上坂  昇君     沢田  広君
  栂野 泰二君     村山 喜一君
  広瀬 秀吉君     平林  剛君
  有島 重武君     田中 昭二君
  瀬長亀次郎君     渡辺  貢君
  村上  弘君     三浦  久君
  薮仲 義彦君     竹内 勝彦君
  竹本 孫一君     青山  丘君
  横手 文雄君     神田  厚君
  三浦  久君     中島 武敏君
  蓑輪 幸代君     浦井  洋君
  渡辺  貢君     金子 満広君
  大橋 敏雄君     長田 武士君
  吉浦 忠治君     斎藤  実君
  金子 満広君     栗田  翠君
  中馬 弘毅君     菅  直人君
  土井たか子君     中村  茂君
  長田 武士君     岡本 富夫君
  浦井  洋君     野間 友一君
  栗田  翠君     榊  利夫君
  菅  直人君     田島  衞君
  森   清君     奥野 誠亮君
  池端 清一君     大原  亨君
  沢田  広君     岡田 利春君
  中村  茂君     武藤 山治君
  平林  剛君     山田 耻目君
  村山 喜一君     大出  俊君
  斎藤  実君     草川 昭三君
  田中 昭二君     鈴切 康雄君
  竹内 勝彦君     草野  威君
  青山  丘君     木下敬之助君
  神田  厚君     米沢  隆君
  榊  利夫君     金子 満広君
  中島 武敏君     瀬崎 博義君
  野間 友一君     東中 光雄君
  田島  衞君     依田  実君
三月一日
 辞任         補欠選任
  大出  俊君     山本 政弘君
  木島喜兵衞君     小川 国彦君
  野坂 浩賢君     土井たか子君
  武藤 山治君     栂野 泰二君
  山田 耻目君     福岡 義登君
  岡本 富夫君     斎藤  実君
  草川 昭三君     長田 武士君
  草野  威君     北側 義一君
  鈴切 康雄君     石田幸四郎君
  大内 啓伍君     林  保夫君
  金子 満広君     林  百郎君
  東中 光雄君     寺前  巖君
  山本 政弘君     山花 貞夫君
  林  保夫君     竹本 孫一君
  福岡 義登君     川本 敏美君
  山花 貞夫君     佐藤  誼君
  依田  実君     楢崎弥之助君
  佐藤  誼君     新村 勝雄君
  横路 孝弘君     横山 利秋君
  小川 国彦君     矢山 有作君
  大原  亨君     沢田  広君
  横山 利秋君     小林  進君
  木下敬之助君     小渕 正義君
  米沢  隆君     塩田  晋君
  瀬崎 博義君     辻  第一君
  寺前  巖君     野間 友一君
  稲葉 誠一君     上坂  昇君
  新村 勝雄君     井上  泉君
  栂野 泰二君     鈴木  強君
  矢山 有作君     田中 恒利君
  石田幸四郎君     田中 昭二君
  斎藤  実君     玉城 栄一君
  小渕 正義君     部谷 孝之君
  竹本 孫一君     中野 寛成君
  林  百郎君     小沢 和秋君
  岡田 利春君     野口 幸一君
  小林  進君     上原 康助君
  上坂  昇君     高沢 寅男君
  小沢 和秋君     正森 成二君
  井上  泉君     大出  俊君
  上原 康助君     横路 孝弘君
  川本 敏美君     山田 耻目君
  沢田  広君     大原  亨君
  鈴木  強君     武藤 山治君
  田中 恒利君     木島喜兵衞君
  高沢 寅男君     稲葉 誠一君
  土井たか子君     野坂 浩賢君
  野口 幸一君     岡田 利春君
  長田 武士君     草川 昭三君
  北側 義一君     草野  威君
  田中 昭二君     鈴切 康雄君
  玉城 栄一君     岡本 富夫君
  塩田  晋君     米沢  隆君
  中野 寛成君     大内 啓伍君
  部谷 孝之君     木下敬之助君
  辻  第一君     瀬崎 博義君
  野間 友一君     東中 光雄君
  正森 成二君     金子 満広君
  楢崎弥之助君     依田  実君
同月八日
 辞任         補欠選任
  金子 一平君     大原 一三君
  稲葉 誠一君     五十嵐広三君
  大出  俊君     竹内  猛君
  大原  亨君     鈴木  強君
  岡田 利春君     阿部未喜男君
  木島喜兵衞君     清水  勇君
  武藤 山治君     野口 幸一君
  岡本 富夫君     有島 重武君
  草野  威君     武田 一夫君
  鈴切 康雄君     渡部 一郎君
  木下敬之助君     中野 寛成君
  金子 満広君     寺前  巖君
  瀬崎 博義君     辻  第一君
  東中 光雄君     林  百郎君
  依田  実君     中馬 弘毅君
  阿部未喜男君     小林  進君
  野坂 浩賢君     土井たか子君
  山田 耻目君     後藤  茂君
  五十嵐広三君     安井 吉典君
  小林  進君     井上  泉君
  清水  勇君     山本 政弘君
  有島 重武君     斎藤  実君
  草川 昭三君     鳥君 一雄君
  渡部 一郎君     沖本 泰幸君
  中野 寛成君     小沢 貞孝君
  後藤  茂君     福岡 義登君
  安井 吉典君     佐藤  誼君
  沖本 泰幸君     柴田  弘君
  鳥君 一雄君     玉城 栄一君
  辻  第一君     藤原ひろ子君
  寺前  巖君     中島 武敏君
  林  百郎君     榊  利夫君
  玉城 栄一君     田中 昭二君
  中島 武敏君     正森 成二君
  藤原ひろ子君     瀬崎 博義君
  佐藤  誼君     川本 敏美君
  福岡 義登君     高沢 寅男君
  山本 政弘君     中村 重光君
  中馬 弘毅君     菅  直人君
  中村 重光君     伊賀 定盛君
  田中 昭二君     草川 昭三君
  武田 一夫君     春田 重昭君
  米沢  隆君     塩田  晋君
  榊  利夫君     藤田 スミ君
  正森 成二君     四ツ谷光子君
  井上  泉君     上原 康助君
  伊賀 定盛君     木島喜兵衞君
  高沢 寅男君     田中 恒利君
  竹内  猛君     沢田  広君
  土井たか子君     野坂 浩賢君
  野口 幸一君     渡部 行雄君
  柴田  弘君     竹内 勝彦君
  菅  直人君     小杉  隆君
  上原 康助君     岡田 利春君
  藤田 スミ君     山原健二郎君
  小杉  隆君     石原健太郎君
  大原 一三君     金子 一平君
  川本 敏美君     稲葉 誠一君
  沢田  広君     大出  俊君
  鈴木  強君     大原  亨君
  田中 恒利君     山田 耻目君
  渡部 行雄君     武藤 山治君
  斎藤  実君     岡本 富夫君
  竹内 勝彦君     鈴切 康雄君
  春田 重昭君     草野  威君
  小沢 貞孝君     木下敬之助君
  塩田  晋君     米沢  隆君
  山原健二郎君     東中 光雄君
  四ツ谷光子君     金子 満広君
  石原健太郎君     依田  実君
同月九日
 辞任         補欠選任
  植竹 繁雄君     村山 達雄君
  亀井 善之君     原田  憲君
  鴨田利太郎君     藤田 義光君
  近藤 元次君     根本龍太郎君
  宮下 創平君     瀬戸山三男君
  岡本 富夫君     大橋 敏雄君
  草野  威君     正木 良明君
  米沢  隆君     竹本 孫一君
  東中 光雄君     山原健二郎君
同日
 辞任         補欠選任
  大橋 敏雄君     矢野 絢也君
  山原健二郎君     不破 哲三君
同日
 理事大内啓伍君二月二十六日委員辞任につき、
 その補欠として大内啓伍君が理事に当選した。
同日
 理事鈴切康雄君二月二十七日委員辞任につき、
 その補欠として鈴切康雄君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
三月五日
 一兆円減税を中心とする昭和五十七年度予算修
 正等に関する請願(有島重武君紹介)(第一一
 一九号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の補欠選任
 昭和五十七年度一般会計予算
 昭和五十七年度特別会計予算
 昭和五十七年度政府関係機関予算
 主査からの報告聴取
     ――――◇―――――
#2
○栗原委員長 これより会議を開きます。
 この際、理事の補欠選任の件についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い、理事が二名欠員となっております。この際、その補欠選任を行うのでありますが、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議癒し」と呼ぶ者あり〕
#3
○栗原委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 それでは、
       鈴切康雄君    大内 啓伍君
を理事に指名いたします。
     ――――◇―――――
#4
○栗原委員長 昭和五十七年度一般会計予算、昭和五十七年度特別会計予算、昭和五十七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 この際、各分科会主査より、それぞれの分科会における審査の報告を求めます。
 第一分科会主査小渕恵三君。
#5
○小渕委員 第一分科会における審査の経過を御報告申し上げます。
 本分科会の審査は、去る二月二十六日、同二十七日、三月一日及び同八日の四日間にわたって行いました。
 質疑の内容はきわめて広範に及んでおりますので、その詳細は会議録に譲ることとし、ここでは質疑項目のうち主なものについて御報告申し上げます。
 まず、総理府及び防衛庁関係では、同和対策問題、米軍ジェット機墜落事件、米軍の海上訓練と漁業補償、岩国基地の位置づけと沖合い移設など、
 環境庁関係では、都市河川の水質保全対策、地球的環境の保全、志布志湾の石油備蓄基地問題、湖沼問題、ディーゼル車排出ガス規制、ニホンカモシカによる森林の被害など、
 国会、警察庁及び法務省関係では、公務員の週休二日制、産後休暇の延長、国会図書館利用上の諸問題、交通事故の趨勢と対応策、尊属殺の問題、中国残留日本人孤児の日本国籍の取得、覚せい剤対策、在日韓国人の処遇問題など、
 行政管理庁、科学技術庁及び北海道開発庁関係では、特殊法人の人事、給与問題、国際科学技術博覧会の準備態勢、放射能汚染廃棄物の処理問題、宇宙開発、北海道の経済問題などでありました。
 以上、御報告申し上げます。
#6
○栗原委員長 第二分科会主査砂田重民君。
#7
○砂田委員 第二分科会における審査の経過について御報告いたします。
 本分科会においても同様に四日間審査を行い、昨日終了いたしました。
 質疑の主なものは、まず、外務省関係では、日米貿易摩擦への対応、対ソ外交の姿勢と経済制裁、在外公館の情報収集能力の向上と館員の健康管理、海外の子女教育及び海外勤務者に対する医療の充実、竹島の返還と安全操業、韓国に収監されている在日韓国人政治犯の救済、タイ国軍用機の日本国内での修理実績と武器輸出三原則、韓国、トルコ、オーマン、インドネシア等に対する経済協力、技術協力のあり方等であり、
 次に、大蔵省関係では、所得税減税の実施、内職収入への課税のあり方、中小企業の承継税制への配慮、グリーンカード制度導入の問題点、税関手続の簡素化の問題点、米国の高金利政策への対応、銀行金利の自由化、ゼロクーポン債への投資、専売公社の民営化と外国たばこの自由化等であり、
 最後に、文部省関係では、放送大学の開校見通し、青少年非行対策、大規模校の解消、科学技術の振興策、教科書の無償配付制度、教職員の待遇改善や僻地への配置及び同和加配の問題、事務職員や給食調理員の待遇改善、中国残留孤児に対する日本語教育のあり方、未開拓分野の外国語辞書の編さん、刊行に対する国庫補助の見直し、貸しレコードと著作権法、史跡指定や埋蔵等文化財の保護のあり方等でありますが、その詳細は会議録に譲ることといたします。
 以上、御報告いたします。
#8
○栗原委員長 第三分科会主査海部俊樹君。
#9
○海部委員 第三分科会における審査経過を御報告いたします。
 本分科会は四日間審査を行い、昨日終了いたしました。
 質疑の内容の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは主なものを申し上げます。
 まず、厚生省関係、中国残留日本人孤児の問題、原爆医療法と老人保健法との関係、歯科診療のあり方、老人に対する過剰診療、保育行政のあり方、心身障害児・者対策、老人福祉施策の充実、難病の治療研究、投薬証明のないスモン患者の救済など、
 次に、労働省関係では、金融機関における週休二日制の実施及び定年延長、不当労働行為に対する監督機関の姿勢、寡婦の雇用促進、雇用促進住宅の充実、鉱山関係労働者の振動病対策、職業病患者のはり、きゅう治療、労災の休業補償給付のスライド制の改善など、
 最後に、自治省関係では、地方公共団体の区域の変更、統一地方選挙、地方交付税率の引き上げと第二交付税構想、地方単独事業の増加による地方の財政負担、消防職員の勤務体制の改善、ホテルの防火対策と避難訓練、ウタリ対策
などでありました。
 以上、御報告申し上げます。
#10
○栗原委員長 第四分科会主査武藤嘉文君。
#11
○武藤(嘉)委員 第四分科会における審査の経過について御報告いたします。
 本分科会においても同様に四日間審査を行い、昨日終了いたしました。
 質疑の主なものは、まず、経済企画庁の関係では、景気の維持拡大、そのための特に内需拡大の必要性、その関連において減税規模とその効果、雇用者所得の見通し、公共事業の前倒しと公定歩合引き下げの可能性についてなど、
 次に、農林水産省関係では、農産物の市場開放の困難性、水産業の経営対策、沿岸漁業等の振興、水田利用再編対策、干拓等農業生産基盤の整備、米の備蓄と消費拡大策、飼料米研究への助成、蚕糸業等の振興と価格安定、砂糖売り戻し特例法の失効と精糖業界の雇用問題、総合甘味需給対策、中央競馬会の運営、国土保全のための植林政策、農家所得の確保等について、
 最後に、通商産業省関係では、日米の貿易摩擦問題、日米航空交渉、アラスカ石油の輸入、経済協力のあり方、不況産業対策、地域産業の育成、産炭地振興対策、水力、火力発電の将来の見通し、ガス事業のあり方、金の公設取引所の開設に伴う公正の確保、コンピューター産業の安全衛生対策、伝統的工芸品の保存、特許管理士制度と弁理士との関係
などでありますが、その詳細は会議録に譲ることにいたします。
 以上、御報告申し上げます。
#12
○栗原委員長 第五分科会主査後藤田正晴君。
#13
○後藤田委員 第五分科会における審査の経過について御報告いたします。
 本分科会においても同様に四日間審査を行い、昨日終了しました。
 質疑の主なるものは、運輸省関係では、国鉄地方交通線の合理化に係る諸問題、在来線の輸送力増強、騒音対策、東北新幹線の暫定開業、中央新幹線建設計画の見通し、大都市圏の地下鉄網の整備、日米航空交渉の現況、空港周辺の環境保全、騒音対策、運送事業の輸送秩序の改善等、
 建設省及び国土庁関係では、高速道路延伸計画、一般国道の改良改築、首都外郭環状線の建設、東京湾横断道路計画の見通し、大阪湾岸道路の建設、中小河川の改修、下水道事業の整備、海岸保全事業の促進、住宅政策による融資、大都市圏の木造賃貸住宅の改築促進対策、本四連絡架橋工事の進捗状況、三全総の進捗状況と今後の見通し等、
 郵政省関係では、切手発行政策、郵便局のサービス改善、郵便貯金に係る諸問題、電話機の改良改善等でありましたが、
 その詳細は会議録に譲ることといたします。
 以上、御報告申し上げます。
#14
○栗原委員長 以上をもちまして分科会主査の報告は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#15
○栗原委員長 これより締めくくり総括質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大出俊君。
#16
○大出委員 締めくくりでございますから、いままで私どもの党がいろいろな質問を続けてまいりましたが、懸案として残された問題が数々ございます。
 冒頭の武藤質問等の中では、総理に減税問題を背景とする質問等が行われておりまして、財源は、簡単に言えば、皆さんの政党次元でもひとつ相談してみてくれ、与党の方と一致できるものがあればと、そういうニュアンスのお答えも出てまいりました。また、この件は藤田高敏質問で、宮澤官房長官お見えでございますけれども、総理のこの答弁をとらえて減税問題を詰めたのでありますけれども、政府は予算を提案しているという立場だから非常にむずかしい、しかし政党間で話し合いをしてこういう財源がというようなことになるとすれば、そういう場所に政府としても総理答弁を踏まえて資料の提出をするとか、そういうできるだけの協力はしたい、そういう宮澤官房長官の答弁も出てきています。それぞれの経過を踏まえまして、もちろんこれは武藤さんの質問にはハワイ会談等も問題として残っているわけでありますが、きょうはそれらの残っております懸案の問題についての整理を含めまして聞かせていただきたい、こう思っております。
 冒頭に、衆議院議長福田さんの議長見解が明らかにされたわけでありまして、「三月五日、私が各党国対委員長に対し、国会審議の正常化を要請いたしたところ、各党におかれては、その後精力的に努力され」と、こういうくだりで始まっているわけです。
 これについて総理に承りたいのでありますが、この懸案の所得税減税は、何しろ五十二年の福田内閣のときの坊秀男大蔵大臣、このときに課税最低限を決めたわけでありますが、標準世帯四人で二百一万五千円でございますが、それ以来今日まで放置されているわけでございます。だから、昨年の予算書を見ましても二兆七千六百九十億円という所得税の増収を見込んだ予算が組まれている。ことしの予算を見ましても、予算書に一兆八千九百億、約二兆円近い所得税の増収が見込まれた予算が組まれている、こういうことになるわけでありまして、したがいまして、詰まってまいりましたところは、党首会談をやろうということになって皆さんがお受けになった。そこで、党首会談の席で鈴木総理が二回にわたって答えておいでになるのですけれども、一括して申し上げれば、減税の問題は重く、また広く、深くと、三つの形容詞をお使いになっていますが、重く、広く、深く受けとめておいでになる、こういうお答えをなさっています。
 だから、総理、つまり私としては政策担当者間で、つまり政調あるいは政審会長というレベルということをおっしゃっているのだと思うのでありますが、ここでさらに話し合いを続けてもらいたい、こういう総理のお答えが実はございました。これを各党党首が了承して、それではひとつ政調、政策審議会長等のレベルで話を続けさせよう、こういうことにいたしたわけであります。
 このくだりは、総理、お認めになると思うのでありますが、この所得減税あるいは減税問題というものに対する受けとめ方、これは間違いないと思うのでありますが、総理の答えたとおり一字一句も違わずに申し上げているわけではありませんけれども、そういう趣旨でお答えになったはずだと思うのでありますが、お答えをいただきたいと思います。
#17
○鈴木内閣総理大臣 首脳会談におきまして、いまお話しになったような趣旨のお話を、私、申し上げた次第でございます。
#18
○大出委員 私の申し上げた点についてお認めになりました。お認めになるとすれば、つまりその政策担当者レベルで詰めていきまして、ときに書記長、幹事長会談等も交えながら詰めていきまして、最終場面がまた総理がおっしゃっていた政策担当者のレベルの会談になりまして、これがつまり議長見解、こういうことになったわけでありまして、議長見解の中身を読みますと、政策担当者レベルでまとめた中身とほとんど同じであります。つまり総理の御発言、ここが出発点になりまして解決に向かって進んだ、こういうことになります。したがいまして、議長見解と申しますものは、ただ単に与野党の話し合いの結果、そういう問題のみならず、これは行政の責任者としての鈴木総理の政治責任、こういうことになると私は思うのでありますが、その意味で議長見解というものについて、これは厳粛に受けとめて対処いただきたい、こう考えるわけでありますが、いかがでございましょう。
#19
○鈴木内閣総理大臣 議長見解に至るまでの経緯等につきましてお話がございました。まさにお話のとおりでございまして、各党の政策担当者並びに幹事長、書記長レベルの各位が非常に熱心に御検討をいただきました結果、各党の御意見がまとまりまして、それを踏まえて福田衆議院議長の見解というものが発出をされた。それを各党が受けまして、そして、それに向かって今後与野党ともに協力をしていこう、こういうことに相なったわけでございます。
 私は、自由民主党の総裁であり、また内閣の責任者でもございますので、この議長見解というものを私は十分尊重し、誠意を持って努力してまいりたい、こう思っております。
#20
○大出委員 前向きにお答えをいただきましたが、さて、この議長見解なるものは、まず第一に、「所得税減税問題については、国民の強い要望を認識し、」こういうふうにまとめられています。「国民の強い要望を認識し、」こうなっている。この点は、いままでの議論の中でも、さっき私が申し上げたように、長いこと課税最低限も据え置かれていますしいたしますから、また消費支出も非常に落ちている現実もございます。したがいまして、当然これは「国民の強い要望」、こういう認識が成り立つわけでありますが、この点については、総理は議長見解と同意見、同見解、こういうふうに受けとめてよろしゅうございますか。
#21
○鈴木内閣総理大臣 国民の皆さんが、五年間も課税最低限を据え置いておる、また税率構造等につきましても、いろいろ国民の皆さんの中には御要望等があるということを十分私も承知をいたしておるわけでございます。
#22
○大出委員 五年間も据え置いているという点を十分御承知だ、こういうわけでありまして、だから「所得税減税問題については、国民の強い要望を認識し、諸般の条件を整備して、今後できるだけ早い時期にこれを実現できるよう、各党協調し、誠意をもって、最大限の努力を払うこと。」こういうふうに議長さん、おっしゃっておいでになるわけであります。
 これは課税最低限の話が出ましたからそっちが先になりますが、課税最低限は、これはいまやろうったって、ここまでくると、皆さんは予算を出しておいでになって審議をしているわけでありますから簡単にいかない。だから、今回のやりとり等の中でも、だれがどこでどうということは申し上げないけれども、少なくとも五十八年度、ことしは五十七年度予算編成に当たって課税最低限度を引き上げなかったんだから、五十八年度、もちろん税調等もございましょう。しかし、五十八年度は、これはもう課税最低限を何とかしなければならぬ。これは今回の与野党の一連の話し合いの中でもほとんど共通の認識、こうなってきているわけでありますが、いま総理が、五年間も据え置いているから当然国民の皆さんはとおっしゃっているのと絡んで、ここのところはどう御認識をいただいているか。今回のやりとりの中のこれも一つの課題でありますが、いかがでございましょう。
#23
○鈴木内閣総理大臣 各党合意を踏まえて議長見解というものが出されておりまして、その見解の中でも述べておられるように、この五十七年度予算が成立した後においては大蔵委員会に小委員会を設置して、そして、できるだけ早くこの減税の問題についての審議を進める、そういうことで税制及び適切な財源等の問題について検討を進める、こういうことで合意をいたしておりますので、そういう方向で与野党ともに協力して御審議をお進めいただきたい。また、その結論が出た場合におきましては、政府としてはこれを尊重してまいりたい、こう思っております。
#24
○大出委員 先ほどの総理答弁、五年間も課税最低限を据え置いているから当然国民の皆さんは、こういうくだりがありましたから、そこまでの御認識がおありになるなら、六年目もまた据え置きだというようなことをよもやお考えではなかろう、こう実は思いまして、できるできないというのはやってみなければわかりません。先のことですからわかりませんけれども、ただ考え方として、五年間も据え置いている、だから方々から、それじゃ困るという、何とかしてもらえぬかといういろいろな議論が出てくる、要望が出てくる。だから、国民の強い要望だという議長認識も出てくる。だから、少なくとも六年目も据え置きだということでないような御努力は願わなければならぬと私は思うのですが、そこのところはいかがでございましょう。
#25
○鈴木内閣総理大臣 できるだけ早く税制の改正というようなことで表現はされておるわけでございますが、そういう中でいまお話しになったような点も含まれて御審議をいただけるもの、こう思っております。
#26
○大出委員 深追いはいたしませんが、総理は、総理であると同時に、政党レベルで言えば与党の総裁でもございます。いまお話がございましたように、「今後できるだけ早い時期にこれを実現できるよう、」こういうふうに言っておりますので、そういう意味で、冒頭に申し上げた総理の武藤委員に対する答弁もあり、官房長官の藤田委員に対する答弁もあります。そういう意味で、行政府でありましてもできる限りの御努力をいただかなければならぬ、こう思うわけであります。
 さて、「このため五十七年度予算成立をまって、直ちに」という表現が入っていまして、「直ちに」というのはまとまるときに大分いろいろな議論のあったところでありますが、結果的に「直ちに」を入れるということになった。そこには意味がある。いまここで五十七年の減税という問題についてお約束をせいと言うても、それが補正に絡むなどということになるというと、なかなか予算原案を審議しているところで補正の予約はできない。当然でございましょう。だから、質問をする側もこれは非常にしにくいわけでありますし、物をまとめるに当たってもまとめにくい。そこに「五十七年度予算成立をまって、直ちに衆議院大蔵委員会」、こう言う。大蔵委員会に、いま総理が私が聞かないうちに先取りしておっしゃっている小委員会ができることになる。「中長期的な」「中」というのは何だと言ったら、五十七年だ。「長」というのは何だと言ったら、五十八年だと言う。では「中長」と両方で五十七年、五十八年、こういうことになるわけでありまして、「直ちに」と三点セットになっているわけでありまして、「直ちに」そして「中」で点でございまして「長」。直ちにというのは、五十七年度予算が成立した、したんだからそこからは話がいろいろ出ても、これは補正の予約にはならない。そういうことになると、「直ちに」そして「中」五十七年、「長」五十八年、こういう「観点に立って、所得税減税を行う場合における税制の改正」、制度改正ですね。課税最低限を、基礎控除等三点を上げて直すとか、あるいは適切な財源をどうするか、これを検討する、こういうことなんですが、この後段のところ、これは念を押しておきますが、総理は、総理であると同時に与党の総裁でもおいでになる、二つの人格をお持ちでございまして、「各党協調し、誠意をもって、最大限の努力を払うこと。」これが議長の見解でございますから、ここのところの「直ちに」そして「中長期」私が申し上げた趣旨、御理解をいただけますか。
#27
○鈴木内閣総理大臣 あの見解は各党が合意をされたものを踏まえて衆議院議長見解としてお出しになったものであり、私は自由民主党の総裁として、総理としてこれに同意をいたしたわけでございます。そして、いろいろ解説的にいまお話がございましたが、私は素直にあの見解を読んで受けとめておるわけでございます。
#28
○大出委員 なかなか上手な答弁をなさいますが、「このため五十七年度予算成立をまって、」待ち遠しいんだが、「まって、直ちに」、素直に言うと五十七年度予算が成立したらすぐというわけだから、大変素直に言うと、これはどうも五十七、五十八、こういうことで検討しなければいかぬことになる。これが一番素直なんですが、私が申し上げていることを御理解いただけますか。
#29
○鈴木内閣総理大臣 大出さんの御解釈も私もわからぬではないわけでございますが、私は、五党で合意をされたわけでございまして、そこに至るいろいろ御意見の交換があったろうと思うのでございます。そういうことを踏まえてのことでございますから、そういうことについて各党それぞれのお考えがあるかもしれませんが、それは別といたしまして、私としてはあの見解を素直に受けとめて、そして誠意を持って努力してまいりたい、こう思っております。
#30
○大出委員 どうも一番最後のところは余り素直じゃないのですけれども、五十七年と、こういうふうに言いにくいのでしょう、総理は。しかし、本来五党共同要求という案を総理に差し上げたのは、五十七年度の減税ということで差し上げているわけでありまして、もちろんこれは制度改正ということがございますから、そうなれば、五十八年でなければできない課税最低限の引き上げ等々も出てくるわけでありますけれども、そこを実は素直に――私は言葉に出して言ってくれと言うのじゃなくて、私どもはこういう理解をするが、まあそう違わぬ理解をするというふうにお受け取りいただきたい、こういうことなんです。五十七年そして五十八年、つまり「五十七年度予算成立をまって、直ちに」、この「直ちに」という言葉、そして「中長期」、ここで「中」とは五十七年、「長」とは五十八年、そういう見当で物をまとめて、所得税減税を税制の改正あるいは財源の捻出ということで検討しよう、こういうことなんですけれども、そこのところもう一遍、くどいようですけれども、国民的な要望というふうに書いてある、議長がお認めになっているように私どもも考えておりますので、ぜひそこのところはもう一つ突っ込んでお答えいただきたい。
#31
○鈴木内閣総理大臣 私は、その辺はこの大蔵委員会の小委員会で、直ちに小委員会が設置されてそして審議に入るわけでございますから、これは何年度だ、何年度だと言わずに御審議いただいて結構なのではないか、それが素直な解釈ではないか、こう私は思っております。
#32
○大出委員 つまりこういうことですね。五十七年度予算成立後直ちに大蔵委員会で小委員会に入るわけだから、何年、何年と言わずに、直ちに入るのだからと。わかるような気がするのですがね、これはなかなか。(「五十七年が入らなければおかしいよ」と呼ぶ者あり)だから、それは当然、いま後ろの方から声があるように、五十七年から入らなければおかしいことになる。いまうなずいておりましたからその辺にいたしておきます。そのうなずいたところを素直に受け取っておきましょう。人間、本音というものは、つい人に言われるとそうだとうなずいたりすることになっておりますので、本音を表現されたというふうに受け取らしていただきます。
 次に、ハワイ会談の問題につきましてちょっと承りたいのでありますが、これも先ほど私触れました武藤さんの質問のところで、理事会で検討をする、こういうことになっているのであります。質問者である武藤さんの方には、外務省の担当だと思うのでありますが、何か文書でも差し上げましたですか、いかがでございましょう。
#33
○塩田政府委員 武藤先生に差し上げました。
#34
○大出委員 武藤さんに差し上げたというのでありますが、これを見ますと、「第十三回日米安保事務レベル協議において米側から出されたわが国の防衛力に関する意見」、こう書いてあるわけですね。「一、この協議において米側から、わが国の防衛力整備に当たって次の諸点が重要である旨の意見が表明された。(一)即応性の向上(二)継戦能力の向上(三)指揮、通信能力の向上(四)装備の近代化 二、この協議の過程でわが国の防衛力に関し日米間の対話を行うための一つの試案として、一部数字を交えて意見が出されたことは事実であるが、事務レベルにおける自由かつ率直な意見交換を行うというのがこの協議の趣旨であり、また、米側との約束もあるので、その具体的内容を公表することは差し控えさせていただきたい。」こういう大変味もそっけもない、出しても出さぬでもいいようなものを出しているのですね。これじゃ質問者が納得しようにも納得しようがない。
 実はアメリカの、つまりレーガン政権の与党である共和党の大会でハワイ会談のものについての報告が出ている。数字もこの中に書いてある。米議会でもこれは質問も出ている。そこらまでほっかぶりされたのでは、これは私も納得できない。
 そこで、私はここでひとつ触れたいのだけれども、うそで固めて、特に防衛問題を、非常によくない、ファントムなんかもそうでありますけれども。やはり言うべきことは言い、明らかにすべきことは明らかにして議論をしていきませんと、政治信頼を失うことになりかねないという気がするのであります。私の方からこの資料をお出ししてということになると審議は進まなくなっちゃいますので、ここにあるのは英文ですが、皆さんの方から実は出してもらうことにした。そうでないと、私がこれを出したら、いやそれは違う、こう言われると、違うか違わぬかそれじゃ調べなさいと、こうなっちゃう。出した以上、私も後に引けない。
 そこで、これは表題はこういうことですが、どうあなた方は受けとめているか聞きたいのですが、「日米防衛問題下院共和党調査会調書」、こういうふうに表面に日本語で書いてありますけれども、この一連の書かれていること、これを皆さんはどういうふうに受け取っているのですか。私は、これはハワイ会談で出されたもの、こういうふうに受け取るわけでありますけれども、いかがでございましょう。
#35
○塩田政府委員 御指摘の共和党の文書の中に、ハワイ会談について触れた部分がございます。そのことを私どもも承知いたしておりますが、ハワイ会談の内容につきましては、かねてから申し上げておりますように、また、先ほどのお読みになった文書にもございますように、両方でフリーなディスカッションをしようというような趣旨でやっておりまして、外交上の慣例等もございましてお互いに公表しないということになっていることはかねてから申し上げているところでございますので、御了承を賜りたいと思います。
#36
○大出委員 いいですか、それが私は非常に不愉快なんだ。というのは、武藤さんのところにさっき私が読み上げたのを皆さんがお出しになった。私もこれを見せていただいた、武藤さんに。何でこんなものを持ってきたのだろうか。そこで私は、与党の皆さん、やはり委員会運営のために理事さんともいろいろ相談もいたしますが、防衛庁にひとつこれはぜひ考え直してもらえぬか、共和党大会で、ハワイ会談でこうこういうことになっているんだということが日本側の言った部分も全部載っているじゃないか、そういうものが具体的にあるのに、全くほっかぶりして素知らぬ顔というふざけた話があるか、そんなことじゃまともな審議はできやせぬじゃないか、こういうふうにぶつけたら、そこまで言ったら、いやございますと言う。いいですか、あなた方の言ったのはちゃんとここに走り書きしてありますが、米共和党大会で出したハワイ会談関係の文書、米政府が公聴会で否定をいたしました。どういう否定をしたんだと言ったら、お答えはできませんと否定をした、答えないのだから否定でも何でもない、これは。アメリカの議会の公聴会で、これは日本にぶつけたのかと質問が出ている。それを持っています。そうしたら、アメリカ政府はお答えできませんと言った。それで、防衛庁か外務省か知りませんが、日本政府は、交渉の相手方のアメリカ政府がお答えできませんと言っているのですから日本政府もお答えできません、こう言っている。これは一体何だ。笑い話にもならぬ。
 いいですか、中身はきわめて重要であります。要点を幾つか読みますが、レーガン政権は、日本が現在の政府の計画以上に防衛能力を強化すべきであると考えている、六月にホノルルで開かれた日米の防衛担当者の会談において、米側は、日本が航空兵力の要撃機を増強するとともに対潜機を百二十五機に、護衛艦を七十隻に、潜水艦を二十四隻に増強するよう勧告した。勧告しているのですよ。自由に話し合ったんじゃないじゃないですか。アメリカが勧告しているじゃないですか。この共和党の大会に、レーガン政権の所属している共和党ですから、うそを言いはしないでしょう。あたりまえだ、そんなことば。勧告しているじゃないですか。経費の見積もりは困難であるが、これらの勧告は――ここでも勧告しているじゃないですか、一つじゃないんだ。これらの勧告は、日本の防衛予算の初年度一五%増、五カ年間でかくかくしかじか増強せよ、こういうわけだ。要撃機も三百五十機にしろと言うのですけれども、ここで勧告をしているこの見積もり、これは五年だからわかりません。そういう意味では困難であるが、これらの勧告は、日本の防衛予算の初年度一五%増、その後四年間は継続的な大幅予算増を必要とするであろう、この計画によれば、日本の本土防衛能力とともに日本周辺千海里までのシーレーン防衛を支援する能力を改善するであろう。しかし、この会議で、日本は消極的な提案を行い、また次年度は防衛予算の伸びを七・七五増にとどめるとの考え方を示した。七・七五というのはどこかで聞いた数字なんですがね、これは。総理、これはいかがでございますか。七・七五というのはどこかで聞いたことがあるんですがね。
 ハワイ会談で日本側が、日本は消極的な提案を行い、また次年度は、五十七年度は防衛予算の伸びを七・七五%増にとどめるとの考えを示した。いいですか、アメリカが初年度一五%ふやせと言った、ちょうど半分ですね。足して二で割ったのですか、七・七五というのは。一つ間違うとそういうことになりますが、これはどうなんですか。七・七五というのはことしの防衛予算の伸びじゃないですか。ハワイ会談というのは去年の六月の十日、十一日、十二日でしょう。これは一体だれがお答えいただけますかな、この七・七五%というのは。
#37
○塩田政府委員 まず、いまの件に関しましてアメリカ政府がお答えできないと言っているという点でございますが、今度の、いま行われております公聴会でウェストという国防次官補が証言をしておりますが、その中にSSC、ハワイ会談のことですが、SSCの内容を公開の場で明らかにするのは望ましくなく、また米側より具体的なプログラムを日本に要求したことはない、SSCでは、米側として考える脅威について説明し、日本側の反応を求めたものであるというくだりがございまして、アメリカ側としてもそのSSCにおける内容は公表すべきでないという立場をとっておるわけでございます。
 それから、いま共和党の文書の中でいろいろ御引用になりましたが、いま引用になられました中の、たとえば対潜機の数でありますとか護衛艦の数でありますとかいったことにつきましては、私といたしましては、先ほど来申し上げておるように、これを肯定も否定もできない立場にございます。ただ、日本の防衛予算の初年度が一五%増になり、以降四年間大幅な予算増が必要であろうということが書いてございますが、ハワイ会談ではそういう話は出ておりません。その点は私は否定いたします。
 それから、最後の七・七五のことでございますが、これは私にもわかりませんけれども、あの時点におきましてはシーリングが行われた直後でございますので、七・五の誤りであろう、それ以外には私には考えられないのであります。
#38
○大出委員 そんな子供じみたことを言うんじゃないですよ。ウェスト国防次官補が何を言ったか知りませんが、それはアメリカにいる日本大使というのは日本に都合の悪いところはすぐ米政府に泣き込むわけだから、多少の手直しをして物を言ったりするのはいつものことじゃないですか。後からも出てきますけれども、アメリカが言うことをそのままうのみにして、後で数字が出てきたら全く間違っていたなんということは年じゅうある。いまの七・七五は七・五の間違いじゃないかと言うに至っては、余りと言えばこれまた子供だましじゃないですか。
 しかも、ハワイ会談でそんなものは出てなかったと言うけれども、ハワイ会談というのは当時の新聞にどこの新聞も全部同じように書いている。これはワシントンから行った記者と東京から行った記者と両方いたわけですけれども、片っ方の記者は、ワシントンから行った方の記者は、ワシントンに帰って中身をまた詳しく聞いて電報を打ってきているのですね。両方ある、私調べてみましたが。だから、ここで共和党の大会に述べていることは、七・七五を含めまして一つも間違ってない。本来なら実はここで引き下がる筋合いのものではありませんけれども、どうも後ろの方を見ますというと……。
 これはしかし、もう一遍総理に承りますが、今度の予算の編成をめぐりまして非常に不明朗な幾つもの問題がございます。これは当時の日本の新聞でございますけれども、「ワインバーガー長官は、「(日本の予算決定時に)私はクリスマス休暇でワシントンにいないが、決まり次第、休暇先にただちに結果を連絡するよう」とまで求め、米政府の強硬姿勢を明らかにしたという。首相が、防衛予算の大幅突出に踏み切ったのも、こうした米側の態度を考慮した結果といわれる。異例ずくめとなった今回の防衛予算決定をめぐる“外圧”の影響が明確となったことで“異常突出”への野党などの批判は」云々、こうなっている。さらにこれには、「ヘイグ長官らのメッセージは、首相周辺などによると、首相がテレビ録画どりで、「前年度の七・六%増前後の伸び率を確保する」と言明した二十五日ごろの時期に、首相に伝えられたという。」ヘイグ長官から防衛予算に関するメッセージが。
 この辺で一遍切りましょう。これは昨年十二月二十九日の読売新聞ですがね。世の中に明らかになっている新聞ですから、後の関連がございますから名前を挙げたのですけれども、総理どうですか、否定されますか。まだいっぱいございますけれども。
#39
○鈴木内閣総理大臣 五十七年度防衛予算の編成の時期におきまして、ヘイグ国務長官から外務大臣に対して防衛予算につきましてのアメリカ側の一般的な期待、要望がなされたということは私、聞いております。しかし、数字等に触れたことはなかったということは、私、はっきり外務省から報告を受けております。
#40
○大出委員 総理、そういうことをいろいろおっしゃいますが、アメリカ側は圧力をかけたと言っているのですよ、日本の防衛バジェットについて、防衛予算について。ここに文書がありますけれども、これはアメリカの議会調査局が一九八二年の日本の防衛予算についてというのをまとめて報告書にしている。ザ・ジャパニーズ・ディフェンス・バジェット・フォー・一九八二。これ大変長いものですが、私、まだ訳をつけてありませんけれども、拾い読みをしてみました。これは議会に報告されている。一月末日までにアメリカ議会に出されている。ここで詳細に説明している。ハワイ会談があって、このときにすでに日本側が言ったのです、七・七五というのは。一説には日本側からアメリカに言ってくれということを言った人まであったり、大分複雑なようでありますけれども。こういうからくりがあって、総理が数字は聞いておりませんがなどというそらぞらしい答弁をしちゃいけませんですよ。新聞だっていいかげんに取材しているのじゃないのです。この一つだけじゃないのです、新聞は。幾つも書いている。
 これは渡辺大蔵大臣とのやりとりまで書いてある。「首相は、このテレビ発言について、当時、「まだ何も決めたわけではない」と、渡辺蔵相に釈明していたが、政府首脳によると、首相は、「(このころから)大体このへんの線でと考えていた」といい、首相が、米側の強硬姿勢を念頭に、防衛庁概算要求枠(シーリング、前年度比七・五%増)を突破して七・七五四%増にまで上積みする“政治加算”を当時から決断していたことを明らかにしている。」
 大蔵大臣に聞きますけれども、渡辺さん、このくだりはテレビの録画撮りで総理がぽんと突出発言をなさっている。七・六%前後の伸び率を確保する、こう言った。大蔵大臣の方はそれは寝耳に水だから、総理、一体これはどういうことなんだ、こうなるでしょう。そこのくだりを記憶しているでしょう、渡辺さんどうですか。ちょっと答えてください。あなたもこの数字は聞いてない。どうぞ。
#41
○渡辺国務大臣 よく記憶しておりませんが、大体その程度というくらいのことであります。
#42
○大出委員 ずいぶん歯切れの悪い答弁ですな。ぐあいの悪いときはあなた、いつもそういう答弁をする。あなたのおっしゃることも確かに一つの筋でございますとかなんとか言って、ぶつかるとどうもぐあい悪いところはいつもあなたは逃げてしまう。渡辺流と言うんです、それを。
 つまり、総理が一生懸命逃げますが、この議会に出された報告書の中でいっぱいいろいろなことが書いてある。シーレーン問題なんかでもずいぶん突っ込んだ、総理は一生懸命それは逃げていますが、この辺のこと、もう一遍総理に承っておきますけれども、本当に総理は、このワインバーガーあるいはヘイグあるいはマンスフィールド駐日大使、これらの方々から、ここにも具体的に書いてあるが、口頭のメッセージのほか、ワインバーガー長官は当時伊藤防衛庁長官に親書を突きつけることを一時計画したが、これ、文書じゃどうもぐあいが悪いというのでマンスフィールド駐日米大使らの説得でとりやめた。ここまで陰にこもっていろいろなことになっているというのに、アメリカ側からの圧力めいたことは全くなかった、こう言い切るのですか、総理。
#43
○鈴木内閣総理大臣 米側でどういうことを言っておりますか、私にはその辺はよくはわからないわけでございますが、日本はりっぱな主権国家であり、また民主的なルールがございます。特に防衛の問題につきましては、国民が非常に関心を寄せておる問題でございます。
 私は、防衛力は着実にこれを整備していかなければならない、このように考えておりますが、国民世論、国民のコンセンサスを得ながらこれを進めなければならないというのが私の基本的な考え方でございます。したがいまして、外部からの圧力だとかそういうことになりますと、これは日本国民はこれに対していい感じは持たない、むしろ反発をするということさえ私は予想されるところでございます。そういう点はマンスフィールド駐日大使等はよく御存じのところであろう、私はこう思っておりますから、したがって、米側のある一部の人たちがどういうことを日本側に求めたい、こう言っても、そういうことは日本のこの国民世論なり空気から言って適当でない、それは日本側が自主的に判断をすべき問題である、こういう理解と認識をお持ちになるということを、ああいう日本に対する深い理解を持っておられる方でございますから、そういうようなことをおっしゃったのであろうということは想像にかたくございません。
 いずれにしても、私は数字的に何%防衛予算をふやしてほしいとか、そういうようなことは外務省からも他からも全然伺っていないところでございまして、私が最終的に自主的に諸般の事情を勘案して判断をした、こういうことでございます。
#44
○大出委員 これはここで長く時間をとるわけにまいりませんし、最後の日の質問でもございますから区切りをつけますが、アメリカ側が議会に出しております日本の防衛予算の報告書というのはずいぶん広範囲にわたっている。ここでやりますと切りがなくなりますから改めてまた機会を見つけて承りたいのですが、ただ一つだけ、それにしてもどうも釈然としないもう一点の問題だけ確かめておきます。
 千海里、シーレーンの防衛ですね。これはチャールズ・ドネリー在日米軍司令官、ついこの間、四日の午後、東京都内のホテルで開かれた日米協会、日米協会の会長は岸信介さんでございますね。元総理です。ここで「日米防衛協力」と題して在日米軍司令官の講演が行われたのですね。ここで一千海里の防衛が鈴木総理のアメリカに対する公約かどうかについて、質問に答える形で説明しているのです。「首相は、(昨年五月の日米首脳会談後の)ナショナルプレスクラブでの演説で、極めて歯切れよく言明した。大変困難な任務を引き受けた首相に敬意を払う」、米側としては日本政府がいろいろなことを言っているけれども、日本政府の公式な意思表示とあくまでも受けとめている、こう言っているのです。だから、こういうことは総理、逃げないで言ってもらわぬと。というのは、ここにも明らかになっているし、ハワイ会談のここでも、いいですか、日本の本土防衛能力とともに日本周辺千海里までのシーレーン防衛を支援する能力を改善するであろう。日本がですよ。日本はそう言っている。だから、これは明らかに日本の公約でしょう。ところが、今度の予算委員会を通じて一切否定をなさる。それでおまけにこれは面防衛という受け取り方をしていいのかどうか。単なるシーレーンじゃない。これは扇形の防衛海域、こういうふうに受けとめていい筋合いだと思うのでありますけれども、ここのところをもう一遍少し突っ込んで話していただきたいのであります。時間がありませんから簡単に言いましたが……。
#45
○鈴木内閣総理大臣 昨年、私、訪米をいたしました際にナショナルプレスクラブで講演をいたしました。その際に、聴衆の中から質問が出たわけでございます。その際に私は、わが国の周辺数百海里、シーレーンで言えば一千海里程度、こういうものを守る防衛力を整備をしたい、こういうことを言ったわけでございます。
 それで、このことは帰ってまいりましてから国会でもいろいろ御質問がございました。その際に、私ははっきり申し上げておるのでありますが、このことはわが国の国会でも、防衛庁長官初め、数次にわたって政府の方針、考え方として申し上げておったところでございます。したがいまして、プレスクラブで質問に対して私が、その従来から政府が持っております方針、考え方を明らかにした、こういうことが事実でございます。
#46
○大出委員 余りここで時間もとれませんので、次の問題に移らせていただきます。
 F4ファントムに関する問題でございますけれども、防衛局長にまず確かめておきたいのであります。
 昨年の二月二日から予算委員会が始まりましたが、私の手帳にもございますが、その直前に私は防衛庁に私の部屋にお出かけをいただきまして、「昭和五十六年度業務計画について」という――これは五十七年でありますが、業務計画について例年お出しになる防衛庁の小冊子、もちろんこのほかに幾つも質問をいたしましたから皆さんは印刷をして、兵器の単価その他なども一緒にお持ちになりましたが、五、六人の方、政府委員室を入れまして防衛局長、装備局長以下数名の方がお見えになりました。これは五十六年度の業務計画について及びほかのものもございましたが御説明いただきましたが、覚えておられますか。
#47
○塩田政府委員 先生のところへ伺って御説明をした記憶がございます。
#48
○大出委員 そのときに私は、この一番上に二兆四千億の一九%が装備費だ、こう書いてありますが、これもあなたの説明どおり書いてある。二兆四千億の一九%が装備費に当たるというところから始まりまして、陸上自衛隊からずっと一ページ、一ページ説明を承りながら、ずっと私はおっしゃるとおり書いていった。そして、九ページまで参りまして、九ページをごらんいただくとわかりますが、第八という項に「研究開発事項」というのがございます。この「研究開発事項」の(2)というところに、「F−4型機について、構造安全管理態勢の整備、能力向上のための試改修等に着手する。」こうなっている。このF4ファントムの「構造安全管理態勢の整備、能力向上のための試改修等に着手する。」というのは、これはどういうことですか、中身は何をやるの、私が実は目の前であなたに質問をした。
 そうしたらあなたは、あなたの言うとおりここに書いてありますが、それは先生よく御存じのとおりに、アメリカでは使用年限が三千時間でございます、それをもう少しふやしたい。どのくらいふやすんですかと言ったら、五千時間ぐらい合計で使えるように、二千時間ぐらいふやしたい。そうすると私は、それじゃ七年ぐらいよけいもつようになりますかと言ったら、いや十年ぐらいもたせたい。それだけですかと言ったら、そういうパワーアップ云々は一切触れずに、年数を、アメリカの三千時間、これを五千時間にしておおむね十年ぐらいふやしたい。私はだから、制限飛行でもする気になれば十年でも十二年でももつでしょうと言ったんですけれども、わざわざ私はあなたを目の前にして、あなたに試改修というのは一体何だ、こう聞いている。あなたはそれしかお答えにならなかったけれども、先ほど私のところに説明にお見えになったのを認めておられる。
 さて、あなたは一体全体このときに、つまり昨年の五十六年度の予算委員会が始まる直前という時期に、F4ファントムに爆撃装置がつく試改修である、あるいは各般のパワーアップを含む試改修である、このことを知っておいでになったのか、知らなかったのか。うまく進まなくなるといかぬから、みんな言ってしまいますけれども、もしもあなたは知っていて私の質問にこう答えたんなら、目の前であなたはうそを言って私をだましたことになる。責任を問いますよ。そんなことで防衛局長は勤まりはせぬ。
 もう一つ、この時期にもしあなたが知らなかったということになると、シビリアンコントロールは一体どこへ行く。それなら、だれまでが知っていたんだ。そういういいかげんなことを放任はできない。いずれかに答えてください。そのかわり、どっちにいっても責任は明確にしてください。
#49
○塩田政府委員 当時、各方面にこの説明に参りましたわけでございますが、具体的にどの先生のところに、たとえば大出先生のときにどういう説明をしたかは、いま覚えておりませんけれども、先生の方にメモがございますということでございますから、恐らくそうだったと思いますが、私はもちろん能力アップのことは承知しておりました。(大出委員「爆撃装置は」と呼ぶ)爆撃装置のことも承知しておりました。と言いますのは、これを決めました五十五年の八月の庁議、その前の参事官会議等におきまして、この問題の説明を私ども受けましたし、また上司には私がいたしましてこの予算要求に踏み切って、十二月の予算を認めていただいたという経緯がございますので、私は当然承知しておりました。
#50
○大出委員 承知している防衛局長が、五十六年度予算を審議する予算委員会が始まる前の説明においでになって、目の前で私が質問しているのに、わかっていて言わない。これは一体どういうことになるのですか。しかも、どこからどう調べてもわからない。私はこれは大変に苦労した。概算要求のころから全部調べてみても、どこを探したって出てこない。
 概算要求にどう載っておるかというと、これは五十七年だが、3のところに「国庫債務負担行為・継続費」という項、その(2)「後年度負担額」、この中の「装備品等整備」、この中に載っかっておるのですね。千五百八十九億八千七百万円、この中に載っかっている。これは逆立ちしたってわからぬ、あなた方はそれ以上の資料は出さないんだから。
 片一方、五十六年度業務計画を見れば、「研究開発事項」の中の(2)に「F−4型機について、構造安全管理態勢の整備、能力向上のための試改修等に着手する。」これしか説明していない。
 しかも、来ていただいて、目の前で質問をしてもこれ以上答えない。この間みたいに見つけられて、どうなんだと言われなければ一切言わない。そういうふざけたことで、国民の金を使って、防衛でございますってやっていけるか、そんなばかなことはできぬ。
 しかも、さらに予算書を調べていって、七十六ページ、「国庫債務負担行為」「装備品等整備」千三百十三億円、うち十三億、こういうことなんですが、七十六ページを見る限りはどこにも引っかかりもない。こんなもの初めからわかるはずないじゃないですか。このほかに、七億何がしの機器をそろえて耐久度を調査するという予算が別にあるわけですが、こういうやり方というのは一体何ですか。初めからわからなければやみからやみへ、それっきり。こういうふざけたことをやっておって国民の税金を使って装備を購入をする、これは大変に悪い姿勢です。これじゃシビリアンコントロールもヘチマもあったものじゃない。どこから考えたって、こんなことを賛成のしようもないじゃないですか。
 これは、私にさえこういう説明しかしないのだから、総理、あなたには一体何と説明したのですか、防衛庁は。後から細かく聞きますが、これは総理、あなたも非常に責任がありますよ。あなたは、一つ間違って烈火のごとく憤るなんということになると、これはみんな予算が削られてしまうわけですから、そうもいかぬのかもしらぬけれども、こういうふざけたことを一体総理はどうお考えになりますか。まずひとつ、総理に承りましょう。いま私が御説明したようないきさつなんだが、一体これはどうお考えになりますか。
#51
○鈴木内閣総理大臣 F4ファントムの試改修の問題につきましては、防衛庁当局から私に次のような説明があったわけでございます。それは、この試改修が所期の目的のような成果が上がれば、十年ぐらい使用年数といいますか、耐用年数が延命できるということでございます。それから、要撃機としての戦闘能力もアップできる、こういうことでございまして、私は、財政再建というような時期におきまして、防衛費といえどもそういう十年も延命ができ、そして要撃機としての戦闘能力もアップできるということであればこれは大変結構なことだ、こういうぐあいに受けとめておったわけでございます。
#52
○大出委員 これは、総理にも私に説明した域を出ない。総理は、ほかならぬ国防会議の議長さんでございます。最高責任者でございます。しかも、先般の質問で明らかにいたしましたように、増田発言というのは長年とってきた国会の約束事であり、国会の意思です。これだけのことをだれにもわからぬでやってきた人たちの責任というのは、一体これはどういうことになるのですか。私が聞くところによると、防衛庁の官房長の夏目君あたりまで、私が質問して騒ぎになるまで知らなかった。むちゃくちゃだ。これは明らかな予算隠しだ。
 しかも、これは私が知るところによると、塩田防衛局長と伊藤国防会議事務局長、この伊藤圭一さんは五十三年F15質問の私の相手方の防衛局長ですが、ここで言い争いがあるのですね。場所は総理の執務室。首相の執務室で塩田氏が、F4という既存の戦闘機の性能アップが目的で、それに試改修、つまり実験だから別に問題はないと思ったんだが、そうしたら伊藤前防衛局長、いまの国防会議事務局長、そんなこと言ったって増田見解の相違を野党がついてくることはわかっているじゃないか、ちゃんと説明できるようにあらかじめ国防会議に相談しておくべきだったはずだとやり合っているのですよ。首相も内心戸惑ったようであると書いてある、戸惑ったですか、総理。
 そこで、総理はいまの話、爆撃装置は知らなかった、一機分十億円くらいで十年も耐用年数が延びるというのであれば、行政改革の折でもあり結構なことだと思った、こういうふうに全くの素人じゃ困るわけであります、国防会議の議長さんですから。これは本来なら総理が烈火のごとく憤らにゃいかぬですよ、あなた、議長なんだから。何でおれにそんなことを言わぬのだ。当然でしょう。しかし、そう言ってしまって、けしからぬと言って怒り出せば、つけろと言う方々もいるわけだから、逆になって、総理があんなに怒っているんならいい幸いだというので、じゃ予算みんな削減してしまえなんというようなことになっては大変だというので、あなたは怒るわけにもいかない。これは怒りもならず、かといって黙っているわけにもいかず、あなたの態度というのは、国会答弁用の資料をつくってきてほしいと、こう言ったという。これじゃ総理、私は納得しかねる。一体、今回のこの問題の責任はだれがどこでどうとる。はっきりしてください、総理。これだけ騒がして。
#53
○鈴木内閣総理大臣 これは、大出さんも百も承知でおっしゃっておるわけでございますが、代表一機を試改修するというものでございます。これが幸いにして所期の目的のような試改修の結果ですね、いい結果が出ますれば、これを八十機なり百機なり全体を改修していく、量産をするということに相なるわけでございます。そうなりますと、その段階におきましては日本の空軍力の、大きな戦力の増強になりますし、大きな装備の変更にもなるわけでございますから、これは当然国防会議の議題になるわけでございます。その前段の代表の一機の試改修でございますので、いろいろ私も調べてみたのでありますが、これは防衛庁長官の所掌権限の範囲内でできる、こういうことであろうかと思います。
 ただ、大出さんのおっしゃるとおり、過去において四十二、三年当時からのいきさつがございます。そういうことでございますから、試改修といえども、あらかじめ国会の関係の方々によく説明をして御了解、御理解を得ておくという等の配慮は必要であったろう、私はこう思っております。
#54
○大出委員 私は、一体こんな隠し予算を組んで、私が質問でもしなければ、また時間切れで私の質問が終わっていれば、やみからやみでさっぱりわからない、これだけのことになってしまう、こういうやり方がまかり通る、その責任は一体だれにあるんだ、責任者は一体だれなんだ、これを明らかにしてくれといま申し上げたのだ。いま総理が答えたようなことは、総理が国会答弁用の資料をつくってほしいと言ったというのですが、その結果、これは官房長官の宮澤さんらしい記者発表ですね。試改修、つまり実験だから首相が事前に知る必要はない。これは防衛庁の論理の追認なんですね。防衛庁はそう言っている。
 だけれども、これはかつての日本の戦史を振り返ると、朝鮮軍の司令官が在韓朝鮮軍を独断で満州へ入れさした。これは大騒ぎが起こって、統帥権侵犯だという大きな問題が起こった。ところが、これは政府がこの事実を後から追認してしまった。追認してしまえばこれは問題にならない。防衛庁が隠し予算を組んだのだが、しかし、それは一機だから、試改修だから国防会議にも国防会議議長にも、あるいは国防会議事務局長にも――伊藤事務局長自身が、いかに理屈を言っても、国防会議の事務局長にそれでも相談は当然しておくべきだ、こう言っているわけでありますけれども、それすらない。それを追認をする、こういう姿勢を放任できないです、これは。責任者はだれですか、総理。
#55
○鈴木内閣総理大臣 先ほど申し上げましたように、代表機一機の試改修のことは、これは防衛庁長官の権限と責任の中で行えるものということを御答弁申し上げましたが、私は、防衛庁長官がそのような判断でなさったもの、こう思っております。
#56
○大出委員 そうすると、これはあくまでも政府の方針で試改修をやっているんじゃない、防衛庁長官の判断で試改修をやっている、こういうことになりますな、それでいいんですな。
#57
○鈴木内閣総理大臣 私は、先ほどもよく申し上げましたように、代表機一機の試改修は、これは成功するかしないかめどが立っていない、それが所期の目的のように試改修が成功した場合におきましては、これを量産に移すという場合には、これは国防会議の当然議題として審議しなければいけない、こういうぐあいに考えておるわけでありまして、この一機の試改修については防衛庁長官の権限で十分できる、このように政府としては考えておるわけでございます。
#58
○大出委員 五十六年度十三億、そのほか七億一千二百万、さらに本年八十五億、こういうふうに予算を組んでいますね。防衛庁長官独断でどんどん予算化して、百億からの金を出せるのですか。そんな無責任な話がまかり通りますか、世の中を。どうなんですか、総理。こういうことは長官の判断でどんどんやれるのですか。いかがですか、もう一遍答えてください。
#59
○塩田政府委員 予算は別途予算要求をいたしまして、政府案をお決めいただいて、国会に御提出申し上げて、御審議いただいて決まる、これは当然でございまして、いま総理が申されましたのは、一機の試改修についての事柄の判断を防衛庁長官の責任において実施した、こういうことを申されておるわけでございます。
#60
○大出委員 私は懸案になったものをまとめて決着をつけたいと思って聞いておりますから、この際は、本来ならこれでさっきから二つ三つ大きな問題がありますから引き下がれる筋合いじゃありませんけれども、改めていまの点は追及をしたいわけであります。
 一つだけ明らかなことは、少なくとも今回の試改修というのは防衛庁長官の判断でやっているのである。つまり、増田発言なる大方針がありますけれども、これにやれどうするこうするではない。つまり、国防会議の議も経ていなければ政府の方針でもない、防衛庁長官の権限の範囲内においてやっていることだ、試験、実験改修だ。だから、今日の段階では、増田発言に直接にその意味の関係はない。将来出てくる場合があるかもしれない。いまの答弁からすれば、いまのところはこうなると思うのですね。
 そこで、実は皆さんは、深夜におきまして私が幾つか質問をいたしました増田発言問題その他を含めまして、その後私に回答をまだしていただいておりません。一体政府は、後刻検討をしてお答えをいたしますということになっている当時の伊藤防衛庁長官の答弁の裏づけ、きょうで衆議院における予算の総括が終わるわけでありますから……(「終わらないよ」と呼ぶ者あり)終わらないというお話もいま横の方からございますが、ひとつお答えをこの際いただきたいと思うわけでありますが、いかがでございましまうか。
#61
○伊藤国務大臣 お答えを申し上げます。
 昭和四十三年の増田元長官の答弁は、わが国は他国に侵略的、攻撃的脅威を与えるような装備は持たないという基本的な方針を述べ、このような観点に立ち、当時の軍事技術の水準等諸般の情勢を考慮して、次期戦闘機には他国に侵略的、攻撃的脅威を与えるものとの誤解を生じかねないような爆撃装置は施さない旨を述べたものと理解をしております。
 今回のF4EJの試改修は、同機の十年程度の延命にあわせ、低高度目標対処能力の改善、搭載ミサイルの拡大近代化等により要撃性能の向上を図ることを主眼としております。その際、新たにF15と同じセントラルコンピューターを装備いたしますが、この活用により、現在パイロットの技量に依存をしております目視照準がこのコンピューターの計算によって正確なものとなるということで、付随的に爆撃機能が改善されることになるのでございます。この爆撃計算機能は、F4EJの導入時に取り外しました専用の爆撃装置によるものとは異なっておりまして、限定的なものでございます。
 今回の改修は、このような能力向上が実際可能であるかどうか、代表機一機に対して試改修を行うものでございまして、その結果、将来所期の成果が得られますならば、さらに費用対効果等を検討の上、その量産改修について国防会議に付議することになるのでございます。国防会議においてお認めをいただきますならば、F4EJに爆撃計算機能を付与することになります。しかし、その機能は、最近における軍事技術の進歩等を考慮しますならば、他国に侵略的、攻撃的脅威を与えるという誤解を生ずるおそれは全くないものでございます。
 昭和四十三年の増田元長官の答弁を変更したか否かという点につきましては、政府は、他国に侵略的、攻撃的脅威を与えるような装備は持たないという基本的な方針を今日においても変更する考えはございません。しかし、以上の方針の枠内で保有することが許される装備は、軍事技術の進歩等の条件の変化に応じて変わり得るものでもございます。
 昭和四十三年当時から今日までの間に、各国の軍事技術が著しく進歩した等の条件の変化があることは疑いもない事実であり、十数年前には他国に侵略的、攻撃的脅威を与えるという誤解を生ずるおそれがあると判断された装備が、今日ではもはやそのようなおそれはないと判断されることは当然あり得ることでございます。
 現在、F4EJに爆撃計算機能を付与することを検討しておりますが、これは他国に侵略的、攻撃的脅威を与えるような装備は持たないという基本的な方針の具体的な適用の態様は、軍事技術の進歩等の条件の変化に応じて変わり得ること、また、最近十数年間における軍事技術の進歩等を考慮しますならば、F4EJへの爆撃計算機能の付与は他国に侵略的、攻撃的脅威を与えるという誤解を生ずるおそれの全くないものであると判断されますことを踏まえて行っているものでございます。
 以上です。
#62
○大出委員 懸案でございました、私の質問に対する検討の結果回答するという回答をいまいただいたわけでありますが、時間の関係がございますから、ここでもう一つ回答を求めたいのでありますが、PS1の問題等で、つまり武器の共同開発あるいは武器技術輸出等々をめぐる質疑で、皆さん、私に当時回答をよこされましたが、ここで例の四十二年の新覚書、共同開発に関する覚書、安田論文等にございますもの、これについて米側と、もちろんこれはそれだけじゃありませんで、資料交換に関する交換公文、その基本取り決めあるいは附属書、これはどのくらいあって、附属書もその都度決めることになっておりますが、これを出してもらいたい、こういうふうに申し上げたわけでありますが、これについてもまだ回答をいただいていないのでありまして、ひとつあわせて御回答をいただきたいのでありますが、いかがでございますか。
#63
○伊藤国務大臣 お答えいたします。
 去る二月八日の予算委員会においても明らかにしたわけでございますけれども、大出委員からの強い御要請でもございますので、どのようなことが可能か最大限の努力をいたすということをお約束を申し上げました。直ちに在日米国大使館当局に申し入れ、それ以降、これらを国会に提出する件につきまして話し合いを行ってきた次第でございます。
 しかしながら、まず、研究開発に関する覚書の全容を明らかにすることにつきましては、当初から、両当局者間の話し合いの経緯、その内容及び結果等については秘密扱いとすることとなっており、また、ひいては日米両国の安全保障上の観点から適切ではないのではないかとの配慮もありましたこと、また資料交換に関する取り決め及び附属書の全容を明らかにすることにつきましては、当初から両当局者間におきましてその内容を秘密扱いすることとしてきております。また、日米両国の安全保障上の観点から見ましても、両国がどのような項目に関心を有しているかを公表することは適切でないと考えられますこと、これらの理由により、遺憾ながら差し控えさせていただき、これらの資料の概要を申し述べることで御了承をいただきたいと思います。
 以下、これらの資料の概要を申し上げます。
 まず、研究開発に関する覚書について。
 この覚書の表題は「日本国防衛庁と合衆国国防省との間の研究開発に関する覚書」であります。これは、日米防衛当局間で資料交換等を通じまして防衛目的のための研究開発を効率的に推進するための手続等を相互に述べ合った結果を記録するために、昭和四十一年六月十八日に作成されたものでございます。
 この覚書におきましては、資料の交換等を行うに際しての相互に関心のある研究開発の分野の確認、「資料交換に関する取極」(昭和三十七年十一月十五日)及び「防衛目的のためにする特許権及び技術上の知識の交流を容易にするための協定」(昭和三十一年六月六日)の活用、秘密保全に関する考え方、相互訪問についての便宜供与等について、それまで相互に述べ合った結果を記録しております。
 次に、資料交換に関する取り決めについてでございます。
 この取り決めは、日米相互防衛援助協定第一条に言う「細目取極」に基づく当局間の取り決めでございまして、日米当局間が合意した研究開発項目についての技術的資料及び情報を交換することを目的として、昭和三十七年十一月十五日に締結をされております。
 この取り決めは、取り決め本文と附属書(日米双方が合意した研究開発項目についてその都度設定)から成っておりまして、取り決め本文では、対象とする技術資料の範囲、関係する機関及び当局、連絡方法、秘密保全規定等の通則を規定し、附属書においては、日米両当事者間で合意した研究開発項目について、個々に具体的な交換技術資料の件名、範囲及び秘密区分並びに関係する機関及び当局その他について規定することとなっております。
#64
○大出委員 いま、懸案になっておりました二つの回答をいただきましたが、まずF4ファントムの増田発言にかかわるいまのお話でありますが、ここでもう一つ、念を押して承っておきたいことがあります。
 私は、五十三年のF15の導入をめぐりましての質疑をいたしましたが、前回質問をいたしましたときに事の経緯は細かく述べましたから多く申し上げませんが、二月に私が質問をいたしまして、このときにF15導入に関する政府文書を一遍撤回をいたしました。改めて質問をすることになりまして、三月に重ねて質問をいたしました。このときに新しく文書を出してまいりましたが、この間に私が、F15に関してのセントラルコンピーターあるいはアーマメント・コントロール・セットあるいはレーダー、エアデータコンピューター、慣性航法装置、こういうふうなものが一緒になっている空対空、空対地攻撃関連装置ブロック図という図がここにありますが、そして、この爆撃装置をとめると――防衛庁は、ワンセットになっているんだから取り外せないと、こう言う。それはだめだ、取り外せる、いや取り外せません。専門家といろいろ相談をしてみたが、一番中心になっているスイッチのところ、アーマメント・コントロール・パネルなんというのがありますが、このスイッチのところが自動と手動になっておりまして、片っ方をとめると、封印をすると、オートつまり自動は使えなくなる。あるいは、この導線を切断すると自動は使えなくなる、手動だけになる。だから、配線の切断かあるいは封印をするかということで、セットになっているけれども確実にオートというのは使えなくなる。だから、一緒になっているからできない、本当にそう考えるかと詰めましたら、二、三回できないと言ったんですけれども、できたらどうする、できたら外すかと詰められたものですから、皆さんの方はおかしくなりまして、検討したいと。目の前で説明するから製造原図を出せと言ったら、皆さん、ないと、こう言う。持ってなかったのか逃げたのかわかりませんが、そうなって、福田総理の発言もあり、後から詳細に説明に伺うということで、意見はこうなって、おしまいにまとめたわけでありますけれども、あれから何年も私に説明にも来ないと私はこの間申し上げたのですが、その後皆さんの方から説明においでになった。これを見ると、私の言ったとおりであります。
 爆撃計算機能ブロック図、ここに手動、それからスイッチ、こっち側が自動。ここのところを封印なり配線の切断を行うことによってどうでもなる。当時、伊藤防衛局長は懸命に私にうそを言ったことになる。最後は大分ぶれてきましたがね。
 ここのところをひとつはっきりしていただきたい。F4ファントムにセントラルコンピューターを入れたから、F15のものを持ってきたから、爆撃装置は付随的にくっついてしまうから取れないんだ、こう言う。私は、そんなことはない、このスイッチ、自動の方をとめてしまえば何でもない、配線ストップだ。でたらめばかり言っては困る。このいきさつは、どなたが説明なさいますか。皆さんこれは御説明においでになったんだから、そこを改めて確認してください。
#65
○和田(裕)政府委員 お答え申し上げます。
 いま大出先生の御指摘のとおり、アーマメント・コントロール・パネル上のスイッチをいわば封印する、自動のところを封印する、あるいはそのすぐ後ろについております配線をたとえば切るというようなことによって爆撃計算機能を事実上働かせなくすることはできる次第でございます。
#66
○大出委員 だから、これは五十三年のときからうその連続なんですね。私が実は本当に専門家の方々と実際に図面を調べて一緒に研究をした。そして、結論が出て物を言ったわけであります。何回も取り外せない、取り外せないと答えましたが、本当に取り外せないかと詰めましたら、おかしくなりまして、結局、後から検討してと、こうなった。そして、製造原図はないと。
 だから、五十三年ですから、あれからもう何年にもなりますけれども、ようやく私の当時の指摘をお認めになったわけでありまして、ここに書いてありますね。「F15型機の爆撃投下手順は、まず計算盤上のマスター・モード・スイッチをA/Gに合わせて、次いでアーマメント・コントロール・パネルの上の選択スイッチA/Gセレクトによって対地攻撃モード零(自動または手動)を選択し、最後に操縦かんの投下ボタンを押すことによって行われる。このうち、マスター・モード・スイッチ及び操縦かんの投下スイッチに関しては、手動モードと共通であるため改修を加えることは困難である。」手動の方はまさに一本ですから切れない。手動はどうしても残る。これはやむを得ない。「しかし、アーマメント・コントロール・パネルの上の選択スイッチのうち、自動モードの部分を封印したり配線の切断を行うことによって、事実上セントラルコンピューターが対地攻撃の計算を実施することができないようにすることは可能である。」
 当時、まさにできないから仕方がない、こう言ってお逃げになった。それじゃ、できるということを立証したら外すか、こう詰められて皆さんはそこから逃げた。じゃ、私が原図によって目の前で説明をすると言ったら、原図がないと言う。そういうやり方は、私はさっきからも言っておりますけれども、それが一番よくないと思っているのですね。やはりそういうことは、私どももいいかげんで物を言っているんじゃないのですから、だから何年もたっていまになってこれは御指摘のとおりだという答弁が出てくるようじゃ困る。
 だから今回の、この増田長官の答弁がどうなったか云々の問題でいま御回答がありましたが、何もここでこんな苦しい言いわけ、言い逃れを一生懸命、こんなことを言っていたら本当に汗が出るだろうと思うのです。一つ一つ質問されるともうがたがたしちゃうのですね。はっきり言えば、これを一つとめて手動だけにしておけば、こういうばかみたいなことを書かぬでも済む。
 私は恐らくこれをそうするのかと思ったら、そうでもないのですね。これはどうなんですか。手動だけにするのですか、それとも手動もオートも両方使おうというのですか。これはどうなんですか。皆さんは認めてこられたから、私はオートの方はやめて、取れない方だけくっつけて手動でいくのかと思ったが、それはどうなんですか。答えてください。
#67
○塩田政府委員 今度の試改修におきましては、ぜひオートも手動の方も両方残したいというふうに考えております。
#68
○大出委員 また欲張っているね。そうすると、(三)、「この爆撃計算機能は限定的なものである。」という、この「限定的なもの」というのはどういう意味ですか。
#69
○塩田政府委員 四十三年当時にファントムから外しました三つの装置から比べまして、核制御装置がない、それからブルパップ制御装置も今度はつけないという意味においてはこれは当然でございますが、さらに爆撃計算機能の面におきましても、通常の水平爆撃あるいは降下爆撃はできますが、いわゆるトス爆撃と言われるものにつきましては今度はできません。限定的と申しますのは、そういう意味において限定的と私どもは申しておるわけでございます。
#70
○大出委員 つまり、いまの話は、何もあなたは変わったことを言っているんじゃないんだ、限定的と言ったって。F15自体がそうなんだ。F15自体が水平爆撃ができる、降下爆撃ができる、上からおりてきてここで爆撃する、これはできる。ただ、ロー侵入をしていって、低空侵入をしていって反転をする、このときに落とすのは、いまのF15の爆撃装置ではできない。そうでしょう。だから、いまあなたの説明は、今度の試改修でどういうことになるか、水平爆撃ができる、降下爆撃ができる、限定的というのは、ロー侵入をして反転をする、このときに落とす、これができない、これはF15と一緒だ。あたりまえのことだ。限定的も何も、一つも意味がないじゃないですか。全く意味がない。私のいま言ったとおりでしょう。違いますか。
#71
○塩田政府委員 F15と同じという意味におきましてはまさにそのとおりでございまして、ただ、F15の場合も、先ほど御指摘のございました五十三年三月四日の文書にも、F15の爆撃機能についても限定的であるという表現をしておるわけでございまして、その意味は、先ほど私が申し上げましたように、トス爆撃ができないということを指して限定的というふうに言っておるわけでございます。
#72
○大出委員 そこで、もう一つ中心問題を聞いておきますが、一体試改修は何年までかかるのですか。
#73
○塩田政府委員 試改修と同時に、した後また運用試験をやらなくてはいけませんので、運用試験を含めますと五十九年ないし六十年ぐらいまでかかるのではないかというふうに見ております。
#74
○大出委員 そうすると、量産といいますか、たくさん改修をやるというのは、早くても六十年、遅ければ六十一年、こうなりますな。
#75
○塩田政府委員 そのとおりでございます。
#76
○大出委員 これは三年から四年、ひょっとすればそれよりまだ先にいく、こういうことになるんだが、そうすると、国防会議の議を経る、つまり国防会議の承認を求める、ここまでは増田発言というのは現状のまま。そして、この国防会議の議を、六十年か六十一年か、あるいはもう少し先になるかわからぬが、この辺で経るという。それで、国防会議の了承を得られたとすると、爆撃装置は将来ともにつけないという増田発言が爆撃装置をつけるというふうに変わる、こういうことですか、ここで言っているのは。言い回しはいろいろあるが、ずばり言って。
#77
○塩田政府委員 国防会議に付議する時期は、御指摘のような時期になるだろうと思います。そのときに量産改修ということでございますから当然審議を受けるわけでございますが、そのときにお認めいただければ爆撃装置はつけるということになります。
 その限りにおいては、一たん落としました爆撃計算機能が付加されるということになるわけでございますが、それは、先ほど防衛庁長官もお答えいたしましたように、増田発言というものが、基本的な原則は当然といたしまして、いまの具体的な装備の方につきまして、他国に侵略的、攻撃的脅威を与えるおそれがあるという誤解を与えるようなものではいけないという意味で当時外したということでございますので、その後の軍事的な技術の進歩等を考え合わせました場合に、当時そういったおそれがあると言ったものが現在の時点あるいは今後の国防会議の時点でそういうおそれがないという判断をされれば、これはつけるということもあるわけでございます。そういうことでつけたという場合に、それは私どもは、増田発言の趣旨といいますか真意といいますか、それを変えたことにはならないであろうというふうに考えておるわけであります。
#78
○大出委員 つまり増田発言のいまの話は、妙な言い回しだが、具体的には私が言ったようになる。つまり、六十年か六十一年か、三年か四年先にいって、ここで量産をすることになった場合に国防会議の議を経る、ここで初めて――いま試改修というのは、防衛庁長官自身の判断、長官の権限の範囲でやっておる、試験、実験だから。だから、総理が議長である国防会議の議を経ていない。つまり、その意味では国の基本方針ではない。それが六十年、六十一年というところで、三、四年先に行って国防会議の議を経た、承認を得たということになると、爆撃装置をつけるというふうに変わる。ただ後の説明は、思想的に言えば、軍事技術が進歩しているから、いま爆撃装置ぐらいついても、増田発言は、おそれがある、誤解を生ずる、こういうふうに言っているんで、おそれのある、誤解を生ずる、そういうことにはならぬのではないかという時代になっているはずだ、こういう説明がついているというわけですな。
 しかし、具体的には、さっきから念を押したように、総理が知らないわけだから、国防会議も知らないわけだから、防衛庁長官だけの権限でやっているのだから、だから試験改修なんだから、したがって、三、四年先になって国防会議の承認を経るというところで、爆撃装置をつけるならつける。また、そのときにどういう情勢の変化があるかわかりませんが、世の中がまた保革伯仲なんということになると、これはまた変わってきますね。そんなことをするとまたひっぱたかれて、えらいことになるからなんということで皆さんはすぐしり込みするからね。これはわかりませんが、来年のことを言うと鬼が笑う世の中に、三、四年先のことですからこれは議論のしようもないが、ここで一、二点だけ確かめておきたい。
 軍事技術が進歩したから、相手に侵略的、攻撃的な脅威を与えるような誤解を生ずるそのおそれはない、そういうことになったんじゃないか、こう言うのですが、そうすると、具体的にどういうことになるのですか。攻撃的、侵略的な脅威を与えるおそれはないような軍事技術の進歩とは、一体具体的に言うと、どういう進歩があったからおそれがなくなったのか、具体的にどういうことになるのですか。
#79
○塩田政府委員 戦闘機が爆撃計算機能を保有することは、現在、各国においてきわめて一般化しております。また、F4EJの飛行性能、それから航続距離、搭載量といったようなものは、最近の戦闘機の性能の向上に比較すれば、相対的にはその能力は低下しておるというふうに言えると思います。また、今度は守る方でございますけれども、各国とも、侵攻機に対する防御兵器としての性能の高いレーダーあるいはSAM、そういったものが十分に整備される傾向にあります。
 こういったようなことを考えますと、将来、試改修が所期の成果を得てF4EJに爆撃計算機能を付与することになっても、他国に侵略的、攻撃的脅威を与えるという誤解を生ずるおそれはないというふうに判断をしておるわけであります。
#80
○大出委員 そういう、口の先でごまかしてはいけませんよ。具体的に聞きましょう。時間がもうありませんから、余り長い質問はできませんが。
 二つありますが、前の方。石川県の小松基地から平壌まで何キロありますか。それから、福岡の築城、ここから何キロありますか。
 小松は第六航空団です。ここにファントムが約四十機あります。それから、福岡の椎田町、築城です。ここは第八航空団、ここにファントムが二十機あります。忘れておりましたが、あわせて、一体どこで試改修をやるのか、試改修の場所もおっしゃっていただきたいのだが、第六でやるのか、第七でやるのか。第七は四十機ありますが、これは茨城県の小川です。あるいは石川県の小松か、小川か、築城か。北海道の千歳が第二航空団で、二十機やファントムがいますが、ここでやるのか、どこか。
 あわせて、時間がないから言いますけれども、小松基地から平壌まで大体九百キロ。それから、福岡からどのくらいあるかといいますと七百五十キロ足らず、七百四十キロ前後。ですから、これはファントムの足の速さで行きますと、音速で、つまりマッハ一ですね、あるいはちょっと欠ける程度で三十九分。二マッハで飛んでいけばこれは十九・五分、二十分足らず。大変にわずかな時間で飛んでいってしまうわけですね。
 そこで、防衛庁はまたいいかげんなことばかり言うけれども、この「航空情報」等で正確に書いている幾つものファントムの兵装、飛び方、これを見ますと、幾つも幾つもありますけれども、一例を挙げますと、主翼下と胴体下にパイロンタンク三個をつける、胴体と両側につくようになっていますから。離陸して三万五千フィートを巡航する、目標上空で降下する、低空を正規の出力で十分間攻撃をする、そして再び三万五千フィートを巡航する、そして帰投する。対地攻撃専門の場合。戦闘行動半径が四百五十ノーチカルマイルから五百二十ノーチカルマイル、この場合に、三百五十キロ爆弾ならば六発、四百五十キロ爆弾ならば四発、それからスパローミサイルを四発、こういう装備になる。これは五百二十ノーチカルマイル軽く行ってしまいますね。五百二十というと、行動半径が九百六十三キロあります。これはきちっと超高空要撃から始まりまして、幾つもの場合の計算をしてありますが、その一つをいまとってみた。そうすると、音速で飛んでいくとすれば三十九分ですから、ファントムはあっという間に平壌の上だ。ということになると、ここで爆撃が可能である。今度は爆撃装置がきちっとつけられる、計算機もつく、これは脅威にならないとおっしゃるのか。
 それから、あなた方の資料というのは、防衛年鑑だなんだを見ますと、大体内輪に内輪にしか書いてない。だけれども、これは今度は一九六九年、当時の「航空情報」に、皆さんがよく御存じの青木日出雄さんでしたか、ファントムの性能を洗いまして細かく書いております。ここにも載っておりますけれども、つまり爆弾四発を載っけて空中哨戒をやりながら四百海里。四百海里といいますと、これまた七百四十キロ、ちょうどあそこまで届くのですね。さっき申し上げましたように、築城からですと七百四十キロ前後、小松からですと九百前後ですから。ですから、どっちに行ったってこれはあっという間に行ってしまう。この状態が一つも変わっていない。当時もこれは議論されたところですが、だから外した。しかも、ここで時間がないから申し上げておきますが、どうせ大きな議論は後でやらなければいけませんけれども、いまそこまで詰め切れる状態じゃありません、三、四年先だというのだから。
 そこで、ファントムという飛行機の性格を皆さんが一体どう考えているかということなんですね。ファントムという飛行機は、いまだに英国、F4Kですね、海軍で使っているのは。英国の航空母艦というのはアメリカより小さいものですから、脚を一メーター高くして、それだけ早く離陸できるように直して、エンジンもかえてあるわけですね、英国の場合は。それでもファントムです。英国の陸海空いずれも今日ファントムが主力戦闘機、一つも変わっていない。西ドイツにおいても、これまたファントムが主力の戦闘機でありまして、マクダネルダグラスでございますから、F15と同じ会社です。だから、会社にすればファントムの生産を打ち切らぬことには次のF15が売れませんからね、これは。だけれども、ドイツにおいても、英国においても、イスラエルにおいても、どこだってこれはという国はファントムが主力戦闘機、いまなお変わっていない。
 F15というのは将来どうなってしまうか、これはまだわからぬ。時間があれば、事故率その他のあなたの方の答弁のでたらめなところを全部明確にしたいのですが、間違っていますから。アメリカの言うとおりをうのみにしていると、こういう間違いになるのですね。これは公明党の鈴切さんの御質問に対するあなた方の答弁ですけれども。つまり、どっちを向いても今日ファントムが主力戦闘機、戦闘爆撃機であります。しかも、これはベトナム戦争などの戦訓を経ている戦闘機であります。
 あわせて承りたいのですが、ベトナム戦争という戦争で、ファントムというものがどういう立証をされているかということ、これも念のためにあなた方の方から述べておいていただきたいのですが、つまり性能諸元を計算をしてみて、高いから優秀だということにならない。F15のように、こしらえた途端にエンジントラブルばかりで、一年間にあっという間に西ドイツで三回も落っこちてしまったり、パイロットが一人死んだ事故まであってみたり、つまりこういうエンジントラブルで国会で証言しているのは、まだ二年ばかり前です。アメリカのシステム司令官が、スレイ証言というわけですが、明らかにしています。まだ完全に直ってはいない。
 F111というマクナマラ戦闘機と言われた戦闘機が、実はファントムの後継機と言われていた。ファントムという飛行機は本来F110なんです。それをアメリカの制式変更でF4ファントムにした。F110の後は111なんだから、これは後継機だ。このF111が、ベトナム戦争で最初の一機から落とされて、全く使いものにならない。諸元はファントムよりはるかにいいわけですね。だから、F15というのは将来本当に制式戦闘機たり得るかどうか、これはまだわからぬ。だから、どこだっていまファントムが主力です、ミグ21やミグ17とさんざん戦ってきた戦績を持っているわけですから。だから、そういう中心的なファントムをこれだけのパワーアップするということが、相手に脅威を与えるその疑いもなし、そんな変化は一つもない、軍事技術がどう進んだとかいうようなことをあなたはおっしゃるけれども、ファントムというのは、国際航空機年鑑、このことしの資料、八二年のやつを調べてみて、アメリカは五千百七十七機生産をしているのですね。べらぼうなことですよ、五千百七十七機というのは。だから、今日日本の場合だって百四十機ということで入れてきて、百三十二機残っているのでしょう、損耗が八機あったにしても。そうでしょう。いま百三十二機でしょう。主力でしょう。F15というのはまだ五機かそこらでしょう。それしか持っていないでしょう。日本の主力戦闘機は何ですか。F4じゃないですか。そうでしょう。当分の間F4じゃないですか。それをそこまでパワーアップして、軍事技術の変化なんかでごまかしてはいけませんよ。そんなに変わってはいないのだ。国際的にこれはという国の主力戦闘機は全部ファントムだ。それでいまのような言い抜けをしてもそれは通らない。お答えください。
#81
○塩田政府委員 まず、試改修をする場所はどこの基地かというお尋ねでございましたが、これは一機の試改修を工場でやります。(大出委員「場所は」と呼ぶ)それはまだ決めておりません。いまから契約によりまして場所を決めることになりますが、現在まだ具体的には決めておりません。いずれにしましても、基地でやるわけではなくて、工場で行うということでございます。(発言する者あり)いや、工場といいますのは、基地ではないということです。
 それから、ファントムの能力につきましていろいろ御指摘がございましたが、確かに爆弾あるいはミサイル等の積んだ数によりまして行動半径が変わるということは御指摘のとおりでございまして、いろいろなことがございますので、私たちは標準支援戦闘武装時の行動半径ということで、ファントムの場合、五百ポンド爆弾を八発積んだ場合の行動半径を二百五十ノーチカルマイルというふうに申し上げているわけであります。
 平壌等への距離につきましては、先生の方から御指摘ございましたので省略いたしますが、進攻する場合に、先生のいまの御指摘は、三万フィートで行けば何分で行くというようなお話もございましたが、御承知のように、もし仮に本当に進攻するということであれば、当然これは超低空で入らなくてはいけません。したがいまして、ローローローで行ってハイで帰ってくるというようなことを考えました場合に、行動半径がぐっと落ちるということは、当然先生も御存じとは思いますが、そういうことでございまして、実際に行動する場合には、ローローローということを考えておかなくてはならないだろうというふうな点を申し上げておきたいと思います。
 それから、ファントムが非常にいわゆる優秀な戦闘機でございまして、現在各国の主力戦闘機になっておる、その生産機数も非常に多いというような御指摘、すべてそのとおりでございますが、ただ、私ぜひ申し上げておきたいのは、わが国ももちろん現在のところファントムが主力戦闘機でございます。その点は変わりございませんが、わが国の場合は、御承知のように、ほかの国のファントムと違いまして、爆撃装置をいままで外してきております。要撃戦闘機として私どもは日本の場合は受け入れてきたわけでございます。その要撃戦闘機に今回、先ほど来御議論になっていますような能力アップを施したいということでございまして、その点は同じく主力戦闘機であるということでも・ほかの国のファントムと日本の場合とは相違点があるということは申し上げるまでもないと思いますけれども、御理解賜りたいと思います。
#82
○大出委員 だから、問題なんです。日本のファントムは、四十三年の私の質問で爆撃装置を取り外した。つけていない。にもかかわらず、今日、ファントムが主力である。百四十機購入をして、百三十二機今日残っておる。主力戦闘機である。
 しかも、ちょっとこれは念のために申し上げますが、ファントムがどういうふうに取得されてきたかというのを調べてみたのですが、これは昭和四十四年に発注したのですね。それで受領機数、四十四年から発注を始めているのですが、防衛庁に入ってきたのは四十六年から入ってきているのですね。四十六年にファントム二機、四十七年に八機、四十八年に二十四機、四十九年に二十四機、五十年に二十四機、五十一年が十二機へ五十二年が十二機、五十三年が十二機、五十四年が十機、五十五年が十機、五十六年が二機、何と去年まで入ってきている。
 去年のファントム二機というのは新しいのですよ。そうでしょう。まだろくに飛んじゃいない。五十五年も十機、五十四年も十機。五十四年なんというのは、まだそれこそ全く新しい。ここに経験者の方々たくさんおいでになりますけれども、ごらんになってみてください。五十一、五十二、五十三が十二、十二、十二ですからこれで三十六機。五十四、五十五は十、十だから、これで五十六機。五十一、五十二、五十三、五十四、五十五、五十六、ここのところ五、六年ですね。これは五、六年が中心なんです、八機なくなってしまっているんだし。
 それを改修するというのは、これは単なる試改修じゃない。つまり、おんぼろになったからというのじゃない。まだ、みんな五年ももつ。去年のものなんかは、あとまだ九年ある。五十五年のものだって、あと――これは考えてみると、ここのところわずか五年ばかりのところに集中的に入ってきている。十二、十二、十二、十、十、そうでしょう。つまり爆撃装置をつけるために、しかも能力アップをするためにで、耐用年数を延ばすということじゃない。耐用年数を延ばすということじゃなくて、つまり攻撃能力を含めて、これはファントムという飛行機は――翼面荷重というのがございますが、翼面荷重とは何か、一つの飛行機の重量を翼、羽の単位面積でどれだけの重さのものを支えているかという計算です。この翼面荷重というのは小さいほど、小さいという意味は羽が大きいということなんですが、その方が回転性能がよくなるわけです。あたりまえだ。だから、F15というのは14トムキャットよりもはるかに回転性能が高いし、ファントムよりも高い。
 ファントムというのは初めから攻撃戦闘機でできている、これは艦載機ですから。だから、早い話がロケット弾に羽が生えたような形で飛んでいくのが一番早いのですから、ベトナム戦争をやったって、ミグと戦闘をした場合に、すれ違ってサイドワインダーなど撃ち合ったら二度と会うことはないんだ、この飛行機は。そういう性能を持っている。
 だから、ここにデータが細かくありますが、ベトナム戦争をやってみても大変な戦果を上げている。F4ファントムというのは、ミグ17を三十四機撃ち落としている。ミグ21を二十四機撃ち落としている。これは明らかに記録されている。これはアメリカの空中戦、アメリカの全軍機、アメリカ全体の飛行機の総戦果の六〇%をファントム。しかも、ファントムが出撃をするそのほとんどは対地攻撃、爆弾を積んで北爆です。北爆をファントムがやっている。A6というのとF105という全天候性の対地攻撃機があります。それよりは搭載量は少ないわけですけれども、全部対地攻撃、爆弾を持っていって落っことしている。これがファントムの仕事ですよ。これはいまはっきりしている。
 アメリカはファントムを合計百五十機くらい失っていますが、それはみんな地上で爆弾をほうり込まれたりなんかして失っているのであって、空戦ではほとんど損耗はない。幾ら落とされているかというと、計算の仕方ですが、ファントムというのは双発ですから、片方のエンジンを壊しても、片方で帰ってきてしまう。だから、事故率というのは、その意味では非常に少ない。エンジンが二つついているから、一つのものよりは事故率は二倍ある。エンジントラブルは二倍あるはず、二基だから。そこらを防衛庁はごまかして物を言っていますがね、そうじゃない。だから、その意味の、機体の損失という意味の事故率は十万時間単位当たり一・八なんです。めちゃくちゃに少ない。なぜならば、二つあるから帰ってこられるから。だから、落ちたと称するのは四機、ほとんど大破に近いのが一機ありますから四機ないし五機、ファントムというのは、ベトナム戦争全部を通じてこれしかない。
 こういう飛行機が主力なんだから、それが入ってきた年次を見ればわかるように、爆撃装置をくっつけて、目的をそこに置いて、単なる要撃じゃない、そういうパワーアップをする、その目的で試改修をやっている。間違いない。こういう状態を私は放任ができない、だから申し上げているわけであります。
 そこへ持ってきて、今度はFCS、これも黙っているわけにはいかない。FCSというのはファイア・コントロール・システム、火器管制装置であります。今度はF16のFCSをつける、こう言う。これもいままでの答弁は本当のことをおっしゃっていない。もっとも、恐らく二年ぐらいしか防衛局長をおやりにならぬ塩田さんだから、パンフレット学問ぐらいしかしてないのだろうから、それは二年幾らかでおやめになるのだろうから無理もないとは思うけれども、16のFCSというのはコマーシャル型だから15の内にある、そんなんじゃないんだ、アァントムの16のFCSというのは。全然形も違うし、使用方法も違うし、製造した会社も違う。15の内にあるFOS、そんなことはありません。16のFCSを説明してみてください。
#83
○和田(裕)政府委員 お答え申し上げます。
 F4の試改修に採用することとしておりますFCSの目玉、レーダーでございますが、これは米空軍等が使用しておりますF16型機に搭載のAPG66というものでございます。
 これの諸元等につきまして公刊のデータで申し上げますと、体積は〇・一四立方メートル、それから重量が二百十キログラムというものでございます。
 性能につきましては、恐らくF15のFCS、APG63との比較での答弁を求められているかと思いますので、それを申し上げますと、APG63につきましては体積が〇・四立方メートル、重量が三百六十キログラムでございます。性能上につきまして申し上げますと、防衛上の観点から詳しいことを申し上げることは差し控えさせていただきたいと思いますが、探知能力につきまして概括的に申し上げますと、APG63、F15のようなものでございますが、APG63の方がAPG66、F4のレーダーよりもすぐれておるというものでございます。
 なお、これにつきまして、御参考として公刊資料によりますレーダーの探知距離を申し上げますと、APG66の探知距離は、ルックアップにおきまして二十五ないし四十ノーチカルマイル、海里一でございます。それから、ルックダウンの方につきましては、二十ないし三十海里ということでございます。それから、APG63、F15用のものでございますが、これにつきまして、同じく探知距離でございますが百海里以上というふうに知らされております。
 製造会社につきましては、両方ともヒュ……、失礼しました。APG63はヒューズでございますし、APG66の方はウエスチングハウスでございます。
#84
○大出委員 和田さんね、あなたそういういいかげんなことを言っちゃいけないんだ。これは細かくここに載っているんだ。あなたは両方ヒューズだと思っている。これヒューズと争ったんだ、ウエスチングハウスと両方で。争って、いろんな試験実験を米軍のところに出かけていって両社がやってみせたんだ。やってみせて、16を採用するときにはAPG63を採用しなかった。なぜならば、ヒューズのAPG63よりもウエスチングハウスの方がいいということになった。優秀だからそっちにしたんだ。簡単に防衛局長、この間、15の内側ですなんて、そういうものじゃない。ケース、ケース、ちょうどこのときの試験実験の所見まで全部載っていますよ。
 しかも、レーダーの次元が違うんだ。いいですか、このウエスチングハウスの新しい形は新しくできている。年次が新しいんだからいいに違いない。その対応性は近代レーダーとしてあたりまえ。そうでしょう、後からできたんだから。だから、イスラエルが16を買って、16を使ってイラクの原子炉を爆撃したんですよ。大変に爆撃能力が高い。しかも、16という飛行機は本来全天候性を要求していない。晴天目視というところで一番働ける飛行機なんだ。そのためにつくっている火器管制装置なんだ。爆撃機能、大変高いんだ。だから、ウエスチングハウスの方を採用したのです、ヒューズじゃなくて。
 つまり、F4ファントムの――制服の方ならこれは知っている、まだ新しいんだ、ファントムというのは。五十五年に十機入って、五十四年十機入って、まだ入ったばかりだ、みんな。五十三年十二機、五十二年十二機、五十一年十二機でしょう。五、六十機ずらっと入ってきているのはみんな新品なんだ。これに爆撃装置をこしらえて、それにいまのウエスチングハウスの新しいFCS、火器管制装置、ファイア・コントロール・システムをつけた。大変な爆撃能力のアップですよ。しかも、一気に飛んでいける。ファントムというのは、翼面荷重の面からいうと旋回性能は余り持たない、そういう攻撃的な戦闘機なんだから。そうでしょう。
 全然いままであなた方が説明していることはうそばっかり。いま装備局長がたどたどしく答えるが、ヒューズと言って、あわてて見てウエスチングハウスと言い直した。そんなこと、ヒューズと同じだぐらい思っていたのじゃだめですよ。全然違う。これは話にならぬ。三年先か四年先か知らぬけれども、その間に改めてやり直しましょう。
 時間が大変残り少なくなりましたが、ひとつここで細かい質問がしたいのですが、つまり武器技術輸出について外務省の事務当局がこしらえたと称する案があります。これは武器技術輸出になっていない。これは園田外務大臣が当時の答弁で事務当局案であると言っている。これは一体どういうことになるのですか。武器の技術輸出ではなくて武器輸出そのもの、アメリカには安保条約があり、その三条があり、地位協定もあるなどなどだからというので、アメリカに対しては武器禁輸の三原則の枠を外して武器輸出をしたいという意思があるのですか、これ。この辺で総理にひとつ承りたいのですが、どうですか。武器技術輸出、武器輸出、どういうわけで政府はそれだけ積極的なんですか、総理に承りたいのですが、いかがでございますか。
#85
○淺尾政府委員 いまお尋ねが、外務省事務当局の案ということでお尋ねでございますので、私から答弁させていただきます。
 これは十一月に日本経済新聞が報じたことを指してのお尋ねかと思います。その後国会で園田当時の外務大臣から再三答弁しておりますように、これは外務省の事務当局が考えている一つの案でございます。
  もう一つのお尋ねの、外務省はアメリカに対する防衛技術等の交流について積極的でないかどうか、こういうことでございますが、この点についても、従来から御答弁しておりますように、昨年の夏、当時の大村防衛長官が訪米されまして、従来武器技術の流れが一方通行であった、それを両面通行にしたい、こういう要請がございまして、それを受けて政府部内で現在検討中でございまして、外務省は主として条約、協定の関係での検討を行っておる、そういうことでございます。
#86
○大出委員 つまり、外務省案ということを認めたんだが、「「対米武器輸出」政府見解(案)の全文」ということで当時新聞が書いた。この中には、武器輸出が主なんだ、で、武器技術もこの中に含まれるものとするというのがぽこっと一項入っている。武器技術はつけ足りなんだ。武器なんですよ。どうもそうなると、三原則の枠を外しそうな気がする。そうすると、これは国会決議ですからね、国是だから。これは総理に後で聞きますが。
 そこで、その前にスムースに進行するように私の方から言いますけれども、日本の武器技術というものは、実は調べてみると大変に水準が高くなっている。驚くほど高い。しかも、これは会社名を挙げたくないから気をつけながら物を言いますが、また時期が来たら改めて言いますけれども、まず空対艦のASM、それから光ファイバー、ここらの例を挙げますが、ASM1、つまり今度ファントムに取りつける空対艦のミサイル、日本が開発をした。ファントムにつけるASM1、これは高度十数メートルで飛んでいくんですよ。千メートルを大体三秒、これはレーダーにつかまらない。命中精度が非常に高い。地球は丸いですから、三千メートルぐらい先へ行って十数メートルだというと、これはつかまらない。十数メートルで飛んでいきまして、慣性誘導していくわけでありますけれども、中にジャイロが入っておりまして、ジャイロというのはこまですが、目標近くになってから少し高度を上げていく、そしてレーダーで目標を再確認をする、そこで飛んでいって当たるという仕掛け。
 これで見ますと、ハプーンというのがアメリカにあります。ハープンというふうに書いてあるところもありますが、これが七七年に生産開始をしています。射程が二百三十八キロあります。フランスにエグゾセというのがあります。射程が百六十五キロ。西ドイツにコルモラン、これは百六十キロ射程があります。七四年の開発、フランスが七六年、米国が七七年、これに比べて日本は七九年ですから大変に新しい。最高の最近の技術を入れてこしらえられたものです。超しSIなんというものが使われたりしているわけでありますけれども、これは非常に優秀なものでございまして、アメリカ側にとってはこれが欲しい。
 LSIにつきましては、いまのF15がスパローを載せますけれども、スパローというのはめくらだ。なぜならば、セミアクティブといいまして、飛行機が相手の飛行機の立つのを見ていて、ここから電波が出ていってはね返ってくる、それをホーミングしてスパローが飛んでいく、だから飛行機の機首をほかに向ければ当たらない、当たるまで向けていなければいけない。ところが、日本の超しSIを持っていくと、F14トムキャットの方のミサイルには一〇%ぐらいまで近づくとホーミングを自動的にしていくようなコンピューターが中に入っているわけです。超しSIというのはマイクロコンピューターと言っていいのでしまう。ですから、日本の技術を導入すればこのスパユーもその中に組み込めるわけですから、一発ばんと撃つと、すぐ機首をほかに向けていい、またそこで撃つとほかへ向けていい、五発撃てるわけですね。そういう高い性能がありますから、これは欲しいと言う。
 しかし、これは明らかに破壊能力をふやそうというところに日本は大きな手をかすことになる。そういう形のものを、総理は、アメリカが幾ら欲しい欲しいと言ったからといって、それは大量に人を殺戮する武器になる、近代的兵器の頂点になる、それがわかっていて一体積極的な協力をしようとなさるのか。
 光ファイバーについて申し上げれば、コアといって抜いて調べる。道路なんかでも抜いてやる。これをやはりコアと言います、二十五センチなら二十五センチなど調べるものを。同じ意味で一つところを抜いてみると二十分の一ミリ。これに電話ならば二千本分、テレビならば五十チャンネル分載せられる、光ファイバーというのは。これはガラスです。ガラスにまぜ物を入れて引っ張る。引っ張って、米国は千メートルつくるのに一時間かかる。日本は千メートルの光ファイバーをつくるのに六分。一時間と六分の違い。ちょうど十分の一。だから、日本の方が生産コストが十分の一安い。アメリカの十分の一でできてしまう。だから、光ファイバーを欲しがるのはあたりまえです。フランスだっていま一生懸命日本の光ファイバしに注目している。コストが高くてどうしようもない、こういう状態です。そして、ガラスだから軽いケーブル線を引っ張る。これの最大の特徴というのは核攻撃に大変強い。核に強い。てっぺんで、空で核爆発が起こるとすると遮断器は焼けて落ちてしまう。いろいろないま使われている各種のスイッチ、線は全部焼けて落ちてしまって使いものにならない。一遍にだめ。ところが、光ファイバーならガラスだから落ちない。だから、核の優位よりミサイルギャップということが言われていた時代は過ぎて、核攻撃が行われた場合にあらゆる通信がとまらない、的確に対応できる、そういう能力が高くなった方が優位に立つというのがいまの常識。一九八八年を目標にそういう方向で進んでいく。だから、アメリカも光ファイバー、光ケーブルをつくっているけれども、コストが日本の十倍につく。そして、C3と通常言っているわけでありますけれども、それでコロラド州北米防空司令部、ここからシャイアンという洞窟、ピーターソン基地をつなぐ二十九キロはもうすでに架設してしまっているのですよ、日本の光ファイバーを持っていって。軍用に向こうで使ってしまっている。それでNORAD、北米防空司令部、宇宙基地をこれと結ぶ。いまこの予算を組んでいるのですね。これにも光ファイバー。ところが、もっと大きな問題は、NATO軍との関係で大西洋横断の通信線をつくろうというわけ。一九八八年、光ファイバーは大西洋を横断するのです。太平洋からハワイ4、これも一九八八年にここに光ファイバーのハワイ4という通信線を入れよう、そして核攻撃の優位に立とう。
 つまり、こういう動きは何を意味するかというと、共同開発もそうなんですが、日本単独で開発すれば日本が勝手に使う。アメリカが介入して共同開発にアメリカが手を入れておけば、アメリカででき上がったものがいただける、持っていけるというねらいの共同開発。軍事技術協力というのは、大量なつまり人殺し兵器の中心に使おうという。超しSIなんというものは政府が二百億も金を出している。業界は会社が集まって連合をつくって研究を始めた。六年ぐらいかかった。聞いてみたら、トータル七百億かかっている。二百億の政府が出した金は返さなければならぬ。七百億もかかっているのだから、政府の方がパテントを持っている民間に補助金を出しているからというので、おまえさんの方はやってやってくれなんと言われたのでは迷惑だという会社がたくさんある、民間レベルで苦労してきているのだから。だから、そういうことも考えて、しかも、それが武器である。
 これは総理に申し上げておきたいのだが、そういうことに手をかすという姿勢をとるべきでない。しかも、それが国会決議である限りは、非核三原則だって国会決議、同じものであって、片一方に例外をつくるとすれば、片一方にもやがて穴があけられる。ライシャワー発言ではありませんが。そこらのところ、総理どうお考えになりますか。時間がないから一括申し上げましたが。
#87
○鈴木内閣総理大臣 いろいろ広範にわたる御意見、御質問がございましたが、いままで防衛関係の技術協力につきましては、米側から一方的にわが国に技術の提供があったわけでございます。技術交流はその意味において一方通行であったわけであります。これは日本の技術が比較的今日のように高度の面で、分野で発達していなかったということ等もあったと思いますが、今日におきましては相当日本の先端技術、高度技術も水準が高くなってまいっております。そういうような関係から、米側としては、この技術交流は一方通行でなしに相互交流するようにしてほしい、こういう強い要請がありますことは御承知のとおりでございます。しかし、わが国としては武器輸出禁輸の三原則、政府の方針もあり、この技術の面におきましてもそれと同じような精神の上に立つわけでございますから、私どもは一方において日米間には日米安保条約及び日米相互防衛援助協定等がございますが、それとの関連でどのようにこの米側の要請に対処するか、こういうことでただいま関係各省庁の間で検討を深めておる、こういう段階でございますが、結論が出ておりません。
#88
○大出委員 最後ですが、一つは、ホテル等の消防施設の適格性についてということで野坂浩賢委員から質問をいたしまして、調査をする。危険なニュージャパン火災に発しましての問題がございました。聞くところによると、東京都と消防庁と連絡をとられて、大変にまずいのが二十カ所くらいあるという話で、これは来週明らかになさるようにも聞いておりますが、ぜひひとつこれは質問者の方にもあらかじめ御連絡をいただきますようにお願いをしておきたい。この点が一点。
 それから、防衛施設庁の談合問題での横須賀の二棟の建物の一つでありますが、銭高組でございましたが、これともう一カ所のジョイントであります。だが、これは言えば切りがありませんので細かいことを申し上げませんが、シロかクロかわからぬ、あるいは半クロかもしらぬ、わからぬ。しかし、新聞にも大きく載りましたし、質問も出ました。野坂浩賢氏の質問にもありました。疑わしいことについては間違いがない。割愛文書なんというものもございます。予定価額を公取その他幾つかそういうところからの調査に対して知らせていたりするようでありますけれども、それは疑いがあるからということだったようであります。つまり、そういうところについては、大変言いにくいけれども、防衛庁、百年の大計を考えてそういう疑わしいところにはやらせない、すでにそういう決断をしたところ、人もございます。したがいまして、やはりきれいにやっていこうということで決断をする必要がある。長い目で見ればそれが正しいと私は思う。入札はやり直す、そういう疑わしい業者には御遠慮をいただく、私はそれが正しい、こう思っているのですが、この点について施設庁に一言御答弁をいただきたい。
 それから最後に、貿易摩擦が大変なことになっておりまして、五十二品目、品目リストまで挙げてマクドナルド通商代表部次席ですか、また江崎使節団に対しましてのアメリカ側の対応、農産物等に対するアメリカ側の非難あるいはある政党についての選挙基盤である云々まで表に出ている。ここのところ、国内的ないろいろなまずい問題を一つ間違うと、どうも日本をスケープゴートにと言いかねないような動きさえ見える面も実はございまして、実情に沿わない言い方も新聞で見る限りは出てまいります。防衛問題もございます。この貿易摩擦を総体的に見て一体どういうふうに総理は、あるいは関係通産大臣等を中心にして、あるいは農水大臣等を中心にしてお考えなのか、聞かしておいていただきたいと存じます。
 以上三点、お答えをいただきます。
#89
○世耕国務大臣 最初のホテル関係のあれについてお答えいたします。
 東京消防庁がホテル・ニュージャパンの火災を機会にホテル全般に関して調べているのは大体九百六十一件でございます。そのうち大体三五%がどうも余り芳しくないホテルである。建築法にも、それから消防法にも違反している、それから幾ら勧告してもそれに応じないホテルだけを大体第一回に選びまして、今週いっぱいかかればこの予算委員会の理事会に発表できるもの、そういうふうに考えております。
#90
○吉野(実)政府委員 施設庁の発注する工事につきまして疑惑が持たれたということはまことに遺憾なことでございまして、われわれとして深く反省をいたしておるところであります。今後のわが庁の工事発注に際しましては、先生の御趣旨にのっとりまして、一層の厳正、公平さを確保できるように万全の努力をいたしたいと思います。
#91
○鈴木内閣総理大臣 貿易摩擦が国際経済の中でいま大きな問題になっているわけでありますが、これは日本対アメリカ、日本対ECというだけでございません。アメリカとECの間にも大変厳しい状況が存在するわけでございます。これは要するに世界経済が全体的に第二次の石油ショック以来生産は停滞をする、インフレは高進する、失業は増大をする、国際収支は悪化する、こういうような経済諸困難に当面しておりますから、そういう観点に原因するところが非常に大きい、私はこのように思います。
 したがいまして、私は世界経済全体が再活性化をし、底上げをして、景気も雇用もよくならなければ根本的な改善には至らない、このように考えておるわけでございます。しかし、わが国は世界のGNPの一〇%国家、経済力の大きな国になりました。したがいまして、日本のこの国際社会における経済的な役割りというのは私は非常に大きい、こう思っております。いま経済の厳しい中で保護貿易主義の台頭、それが非常に圧力が高まっておりますが、私はそういうものを抑えて、どうしても貿易立国で立っておりますわが国としては、自由貿易体制の維持、強化、発展ということを図っていかなければならない、そういう観点に立ちまして、日本としてもこの際できるだけのことはやらなければならないということで、関税の東京ラウンドの二年間前倒しもやることにいたしました。国会の御承認をいただきたい、こう思っております。それから、非関税障壁、この問題もいままでもやってまいりましたが、今回さらに謙虚に受けとめて、見直しを行ったところでございます。また、OTOという制度も設けまして、各国からの指摘、要請があればわれわれ見直しをする、こういうこともやっておるわけでございます。
 しかし、どうも十分、日本のやっておりますこと、実情というものが正しく理解をされていないという面も多々あるようでございます。誤解もあるようでございます。誤認もあるようでございます。そういう点を私は十分説明をいたしまして、この問題を解決したい。そうして、これは経済問題でございますから、特に日米の間は六百億ドルというような年間の大きな貿易量でございますから、ある程度の摩擦があるのはこれはやむを得ないことである、こう考えておりますが、この問題はできるだけ話し合いによって、経済問題は経済問題として解決をして、政治問題に発展させることのないよう最善の努力を払ってまいりたい、こう思っております。
#92
○大出委員 ありがとうございました。
#93
○栗原委員長 これにて大出君の質疑は終了いたしました。
 午後一時三十分より再開することとし、休憩いたします。
    午後零時四十六分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時三十二分開議
#94
○栗原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。草川昭三君。
#95
○草川委員 公明党・国民会議の草川昭三でございます。
 まず最初に、総理に減税問題についての質問をさせていただきます。
 今回の減税問題は、国民の皆さんにも非常に強い関心と話題を呼び、そしてまた、与野党の合意の経過についても、従来とは違った意味での一つの動きがあったのではないだろうか。そしてまた、国民の皆さんにも、今日の財政の苦しい問題、あるいはそういう中で減税のあり方あるいは要望、非常に私は従来とは違った意味での真摯な要望があったことは間違いのない事実だと思うわけであります。
 そういう意味で、国民の非常に強い期待というものが今回の議長裁定にも相なっていったわけでございますけれども、総理は、本会議を初めこの予算委員会でも、所得税の現行の課税最低限を長期にわたって固定化することは適当ではないと言われておられるだけに、改めて減税を要望する国民の声をどのように受けとめておみえになるのかお伺いをしたい、こういうように思います。
#96
○鈴木内閣総理大臣 ただいま草川さん御指摘になりましたように、所得税減税の問題につきましては、五年間も課税最低限が据え置かれておる、また税率構造も固定をしておるというようなことから、確かに国民の皆さんには重税感というようなものがあるということは、私、よく理解がいけるところでございます。しかし、当委員会でもしばしばお答えを申し上げましたように、財政再建を私ども強く実現をしたいということで推進をいたしておるところであり、また、現在の税収その他の動向からいたしまして、非常に減税には厳しい条件下に置かれておるということも申し上げておるところでございます。
 しかし、議長見解にも出ておりますように、国民的な強い御要請のあることを私どもも認識をいたしまして、そして与野党の国対あるいは政策担当者あるいは幹事長、書記長レベルで御協議いただいた結果、あのような話し合いがつきまして、それを議長見解という形で御提示になり、これに各党が合意をしたということを私は非常に重く見ておるわけでございます。したがいまして、この五十七年度予算が成立をした後、直ちに衆議院の大蔵委員会に設置されます小委員会の御審議を私は注目をいたしておるわけでありまして、その結論に対しましては政府としても最大限の御協力をいたしたい、こう考えております。
#97
○草川委員 いま総理の方から、いわゆる小委員会を設置してその結論については最大限これを尊重する、こうおっしゃっておられますのでくどくどと申し上げませんけれども、ひとつぜひ国民の新しい期待というものを受けとめていただきたいことを強く申し入れをしておきたい、こういうように思います。
 減税問題は以上で終わりまして、第二番目に、国有財産の関係についてお伺いをいたします。
 いま、皆様の方にちょっと資料をお配りいたしましたが、若干数字で訂正をさせていただきたいことがございます。
 二枚目の「四十七年調査で未使用土地等と判定されて五十四年にも未使用等土地とされたもの」という各省別のところの文部省の「非効率使用土地」、真ん中のところですが、「5」とありますのを一万五千平米、「15」と書き直していただきたいと思います。
 それから、その下の「郵政省その他」と書いてあるところの「(0)」、その下に「17」と書いてありますのを七千平米、「7」という数字に置きかえていただきたいと思います。この二点でございます。
 まず、皆さんも御存じのとおり、国有財産法の規定で行政財産とされているものの中に、各省庁の庁舎や学校だとか宿舎、こんなものはそれぞれ各省庁が直接の管理責任を負っておるわけであります。これは毎年台帳に記載をいたしまして、報告書を毎年大蔵省に提出をすることが義務づけされておるわけであります。たとえば、新しい建物をつくるとか古い宿舎をつぶして新しく建てかえをしろというような指導を大蔵省はやっておるわけでございますが、それで要らなくなった、使用計画のなくなった土地については普通財産ということになりまして、これは大蔵省が引き継ぐわけであります。それで、大蔵省が一括管理をいたしまして有効的な運用を図るたてまえになっておるわけでございますが、それがうまくいっていないという問題点を私はいま提起をしたいわけでございます。
 国有財産の合計というものが三十三兆円になるわけであります。行政財産と言われるのが約二十兆円でございます。いま申し上げました普通財産というのは十三兆円、こういう内訳になるわけですが、そのうちで皆様方、ここに大臣がお集まりになっていただく省庁の、実はどれは五十四年度に大蔵省が調べた行政財産使用状況を見ますと、文部省が二十七万三千平米、非効率的な使用の土地がございますというような分け方、判定になっておるわけでありますね。文部省が百三件、法務省が四十一件、厚生省が三十一件、農林水産省が三十七件、運輸省が三十四件、総理府三十二件、郵政省二十五件、その他五十一件、トータル三百五十四件。これは調査対象が千八百五十七件でございまして、二割近い一九%が未使用土地であり、非効率的な使用土地であるということが、これは人口十万以上の都市について指摘をされておるわけでございますし、トータル面積は三百六十四万二千平米になっておるわけでございまして、これも調査対象の一割近い九%ということになっておるわけであります。
 同じく二番目に、これは大蔵省は五十四年だけ調べたわけではなくてもう足かけ十年近い前、四十七年、九年前に同じような調査をしておるわけでございますが、このときには文部省を初めトータルで九十六万二千平米だ、非効率的な使用土地は十七万七千平米だ、そしてトータルの件数は八十八件、百七万九千平米だというような調査をしておるわけであります。さらに、この二番目の表の中から、国が使う必要がないのだ――これは私が言ったのではないですよ、大蔵大臣の所管の財務局が御指摘なすって、理財局が指摘をなすっておみえになるわけでございますけれども、もう国以外に売りなさい、地方自治体だとか特殊法人にと指摘をしておるのが、文部省、厚生省、農水省、その他で七十万平米になるわけであります、これは未使用地が。非効率的な使用土地が一万八千平米ある。件数で二十七件、全部で七十二万平米あると言っておるわけでございますが、この表について、私が訂正したことを含めてこの表に間違いがあるかないか、まず理財局の方にお伺いします。
#98
○小幡政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま先生から御指摘いただきましたように、私どもは行政財産の有効利用を図るという観点から、昭和四十七年及び昭和五十四年度におきまして各省庁の行政財産の実態調査を行いまして、各省庁に対しまして、その内容について適正な措置をとるように要請をしておるわけでございますが、その数字につきましてはただいま先生から御指摘があったとおりでございます。
#99
○草川委員 いまおっしゃられましたように、大蔵省は真剣に行政財産の使用状況についてしっかりとした指摘をしておるわけでございますが、これが四十七年に調査をしたものが五十四年に調査をしても動いていないところに問題があるわけですよ。五十四年だけ調査してどうのこうのということは、私はここで申し上げるつもりはない。四十七年に指摘をしておきながら、なおかつ五十四年に同じ指摘をしなければいけないというところに、私は今日的な、これは行革でもあるいは現在臨調でも指摘をしておるところでございますけれども、問題があると思うのです。これは細かい話は別でございますが、大ざっぱにいきまして、千万人以上の都市ということに限られておるわけです、国の持っておるところについて。ですから、大阪、東京あるいは大都市ということになるでしょう。この地価が一体幾らぐらいの相場になるのかということを私どもも、これは国土庁にお聞きする以外にはないと思うのですけれども、一回ちょっと聞いてみたいと思うわけでございます。念のために平米当たり、公示価格というのがありますけれども、これは時価ではもちろんございません、十万都市の場合は平米四万四千円だと言われるのですけれども、これは国土庁、どうでしょう。これは坪当たりにいたしますと十四万五千円になります。逆に、東京都内のようなところでの金額は一体幾らぐらいになるのだろうかというようなこともできたらあわせてお伺いしたい、こう思います。
#100
○松野国務大臣 お答えいたします。
 地価公示による昭和五十六年一月一日の住宅地の一平方メートル当たりの平均価格は、三大都市圏以外の人口十万人以上三十万人未満の都市で四万四千円、人口百万人以上の都市で十万六千五百円、東京都二十三区で二十五万二千五百円となっております。不動産関係業者の店頭表示価格などのいわゆる実勢価格については、国土庁では調査を行っておりません。
#101
○草川委員 私は、これだけの土地を直ちに売ったらかくかくしかじかの金額になるから、それを減税に回すなんという、そういう短絡したことは申し上げません。だけれども、少なくとも大蔵省が指摘をしておるわけですから、何らかのまじめな対応があってしかるべきではないだろうか。
 これは大蔵大臣、非常に同意の意を表しておみえになりますから、もう少し声を大きくして私申し上げますけれども、これはいま国土庁長官がおっしゃいました四万四千円で計算したって千六百億になるわけです。大きい金額です。しかも、この公示金額で物が売れませんから、たとえば平米当たり七万と計算をいたしたって二千五百億になるわけです。これは大変な含みのことになるわけでございますし、企業ならば内部留保で、これはこれで担保価値がふえるわけでいいわけですけれども、国の運営にとっては、少なくとも理財局は、財務局は必要ないと言っておるわけですから、それなりの処分があってしかるべきだと思うのです。
 そこで、具体的な例で、これはひとつ運輸省にお伺いをいたしましょうか。運輸省は東京都内で、海上保安庁の第一分室というのを目黒の三田に持っておりますが、これは千六百六十二平米、約五百三坪です。二階建ての宿舎というのでしょうか、研修所というようなものを持っておるんですけれども、建物だけはわずか八十六坪なんです。だから、五百坪じゃもったいないじゃないか、その土地を何とかしなさいと大蔵省は言っておるわけです。ところが、いまその点について運輸省は研修施設として使用中だと言ってこれは認められませんが、その点どうなんでしょう、運輸省は。
#102
○角田(達)政府委員 お答えいたします。
 いま委員のお話しのとおり、運輸省で目黒区三田に海上保安庁の第一分室ということで、職員の研修、会議、宿泊ということで利用しておる施設がございますが、これは敷地の約三分の一が進入路、道路の用地、それから、がけ地となっておりまして、土地が非常に効率的に悪いわけでございます。それから、施設も老朽の木造の建物でございまして、一部使用不能となった部分がある、こういうことで大蔵省から非効率という指摘を受けているものでございます。
 私どもといたしましては、現在、会議それから研修等に利用しておりますものですから、今後も有効に利用したいという希望は持っておりますが、今後の問題といたしまして、建てかえ等の効率的な転用を大蔵省等とも相談いたしまして検討してまいりたい、かように考えております。
#103
○草川委員 郵政省も旧世田谷の郵便局、これを転用可能だというので、何か区の方と話し合いが進んでおるようでございます。飯倉分館、これは旧郵政省の本省のことでございますが、これもかねがね指摘をされておみえになるわけですが、現在、国土庁とか公取が入っておみえになりますから、これが出た後、どのように転用されるのか。詰めてまいりますと、郵便局が入っておるからだめだとおっしゃられる、あるいは外郭団体が多数入っているので、これまた問題があるとおっしゃられるわけであります。
 きょうは、時間がないので一々くどく申し上げませんけれども、郵政省の場合あるいは農林省の場合と、こう申し上げると切りがないわけでございますが、厚生省の場合も日本社会事業大学を抱えておる、国立大蔵病院で指摘を受けておる、国立東京第二病院についても指摘を受けておる。農林省の場合は、京都府左京区にあるところの高野宿舎というのが千平米あるわけでございますが、これも宿舎の建てかえということを大蔵省から指摘をされておるのですけれども、なかなか動こうとしないわけであります。ここら辺の問題を一つ一つ詰めてまいりますとい各省ともそれぞれ意見を言われて、大蔵省の言うとおり、はい、わかりましたと言って素直にその大蔵省の指摘というものを受け入れないわけですね。結局、要らぬことを言うな、これはいずれこの土地を持っておれば何か役に立つからというので持ってみえるのですが、それが先ほど申し上げましたように、四十七年に指摘したものがなおかつ五十四年に指摘をせざるを得ないのが八十八件、百万平米もあるわけであります。ここら辺の実情について、一体、大蔵省はどのように指導をなされるのでしょうか、お伺いします。
#104
○小幡政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま先生御指摘ございましたように、四十七年度の調査におきまして未使用等と判定した土地で、さらに五十四年度の調査におきましても再び未使用等と判定した土地が約百ヘクタールあるわけでございますが、これは未処理となっている理由といたしましては、実はいろいろ理由があろうかと思います。国有地というものは、やはりまず公用、公共用に優先して処分するというのが大原則であろうかと思いますが、そういたしますと、たとえば売り払いを予定いたしております地方公共団体、こういうところの具体的な財政計画というふうなことになりますと、そこに公園をつくる、あるいは高校をつくる、あるいは美術館をつくる、あるいは下水処理場をつくる等々、いろいろ地方団体で御計画がある。そしてまた、大きなそういう移転跡地等になりますれば、その地方公共団体が将来使いたいという御希望もこれまたごもっともだ、そして地方団体の財政状況も直ちにはそれを買う状況にない、まあこういうふうなことが未処理になっている一つの理由かと思います。
 また、もう一つの理由としては、やはり国の施設を集約する、あるいは移転するといいましても、これまた相当な予算措置を伴うわけでございますので、そういうふうな観点から、いろいろ時間がかかっているということだと思いますが、私どもの方もいろいろまた各省の方にもお話しし、各省の方におきましても、これらの問題につきましては真剣に取り組んでいただいているというふうに考えておる次第でございます。
#105
○草川委員 大蔵省はそういう御答弁をなされるから問題があるんですけれども、大蔵省もこの行政財産だけではなくて、一般会計所属の普通財産もあるわけですよ。処分をしなければいけないものを大蔵省自身がたくさん抱えておる。しかも、私どもが非常に不満に思いますのは、五十四年の調査あるいは四十七年の調査については、大蔵省は公表していないんですよ。私どもが要求をいたしまして、なかなかこの資料も発表をしていただけなかったわけでございまして、昨日ようやく具体的な数字の発表があった、私どもにお示しを受けた、こういうわけでございます。どうしてこれを公表しなかりたんですか、お伺いします。
#106
○小幡政府委員 お答え申し上げます。
 行政財産の実態調査を行いますことは、各省庁が管理しております行政財産についてその有効適切な管理をしていただくということでございますから、直接的には私どもが調査をいたしました当該相手官庁に対しましてその内容を要請するということがその目的でございます。したがいまして、私どもといたしましては、そのような措置をしておるということでございます。
#107
○草川委員 そういう態度ですから、第二臨調は、これは行管庁にお伺いをいたしますけれども、これは行政上どういうことかという問題があるわけですし、たまたま臨調の第一特別部会では、大蔵省所管の一般会計所属の普通財産については売り払い等の処分の促進を求めておるわけです。あるいは学校の特別会計等の各省所管の財産及び、きょうは触れておりませんけれども特殊法人の財産、これは百十五兆円に及ぶと言われておるわけでございますけれども、この中にも追及をしていくならば、未利用地の売り払いを促進する点がたくさんあると、こう臨調は指摘をしておるわけですよ。こういうものについて、まじめな受けとめ方をしないとだめだと私は思うのですよ。これは行管の態度はどういうことになりますか。
#108
○中政府委員 お答え申し上げます。
 国有財産の管理は非常に重要な問題でございますので、行政監察でも大体十年の周期を置きまして監察をし、勧告をし、これは発表しております。
 昨年ちょうど全国の実態調査をいたしまして、いままとめているところでございますが、ただいま御指摘ございました特殊法人につきましても調査をしているところでございます。臨調とタイアップをして調査をやっておりますし、一定の周期を置きまして常に監察をやっているということでございます。
#109
○草川委員 いまのような現状を踏まえて、大蔵大臣、それはやっぱり一番の責任者でございますから、どのように今後指導なされますか。
#110
○渡辺国務大臣 残念ながら御指摘のような問題がございます。これは、やはり売り払い等について規則その他やかまし過ぎて、公共団体以外は原則的にだめみたいなことでも困る、時世が違いますから。そういういろいろな規則その他で売り払いがうまくいかないというようなことは再点検をして、公正な時価で民間にも売れるように改善を加えていく必要がある。これは各省庁も、抱えたら自分のものだと思って絶対放さないというような嫌いなしとしない。したがって、これは各大臣からきちっとしてもらうようにお願いをしたいと思っております。
#111
○草川委員 この件について総理に、こういうことについて総理に答弁を求めるのは大変恐縮でございますけれども、一つの例を挙げても、二つの例を挙げましても、やはり各省の縄張りというのがございまして、それは幾ら大臣が言おうと、それぞれの部局にとってみては、財産を私物化したとは私は申し上げませんけれども、かわいいわけですから、とにかく手放さないわけです。だから、よほどの強いリーダーシップというものがないと、私はこの処分もできないと思うのです。せっかく大蔵省が指摘をしておるわけですから、私どもが言っておるのではなくて、理財局が言っておることでございますから、どのように今後御指導になられるか、お伺いします。
#112
○鈴木内閣総理大臣 第二臨調からもこの点は強く指摘をされておる問題でございますから、ただいま大蔵大臣の考えも申し述べましたが、そういう方向で臨調の答申を実行に移すようにいたしたい、こう考えております。
#113
○草川委員 では、次の問題に移ります。
 これはひとり戦後処理は本当に終わったかどうかという形で問題提起をしたいわけでございますが、これは分科会等でも問題になりましたように、中国の残留孤児がさまざまな問題を残しましで日本を後にしたわけでございますけれども、なおかつ未帰還を含めて数千人の方々が、日本に親探しあるいはまた日本に居住をしたいという要求がさまざまあるようでございます。
 ところが、厚生省の予算等を見てまいりましても、五十七年度の予算で百二十人呼ぼうではないか。とりあえず判明しておる分でも、残りは八百五十人もおみえになるわけでありますから、このペースでいきますと、数年かがってしまいます。戦後もう三十七年になるわけでございますから、お願いをいたしました中国の方の養父母の方々も年ごとに老いていくわけでありますし、日本の方の受け入れる肉親の方々も非常につらい思いをしながら苦しんでおみえになるわけでございますから、この際何百人という単位で日本にお招きをして、戦後処理を怠ってきた責任をひとつ果たさなければいけないのではないかと私は思うわけであります。
 そこで、この問題についてはくどくどと申し上げませんが、総理に率直に私はお伺いをするわけでございますが、日中国交回復を記念して、十年になるのでしょうか、総理もこの秋には中国を訪問なされるのではないだろうかということを私どもも漏れ承るわけでございますが、そのお気持ちがありたらその機会に、中国で孤児の方々のめんどうを見ていただいた養父母の方々に何らかの感謝の念を表することが非常に大切ではないだろうか。それが人の道でもある。総理の日ごろの哲学を持っておみえになります理念を発揮されることがちょうどこの機会に大切ではないだろうかと思うので、お伺いをしたいと思います。
#114
○鈴木内閣総理大臣 中国残留孤児の問題につきましていま草川さんから御指摘がございましたが、きょうも実は閣議の場におきまして厚生大臣、郵政大臣、法務大臣等からも、日本へお迎えをして、そしてできるだけ多く肉親の方々に面接、確認ができるように予算措置その他諸般の準備を強化すべきである、また、NHKあるいは民放その他の御協力もいただいて、そして現地でそういう残留孤児の方々の環境、また置かれておる立場、日本国内の肉親に呼びかけておるその実情、そういうものを放映する、そういうようなことがこの肉親探しに非常に役立つのではないか、こういうお話も出たわけでございます。
 その際に、私は、ちょうどいま草川さんがおっしゃったように、この秋に私が訪中をいたしました際におきましては、一中国の政府首脳に対しまて、今日まで日本の残留孤児のためにいろいろお世話をいただいた、養育をしていただいた養父母の方々に対する感謝の気持ちを中国の政府を通じてお伝え方をお願いしよう、そして日本の感謝の気持ちをはっきり示そう、こういうことも閣議の席でもお話をしたわけでありますが、今後この問題につきましては政府としてもできるだけのことをいたした、こう考えております。
#115
○草川委員 ぜひそれを要望申し上げておきたいと思います。
 なお、不幸にして肉親が判明をしなかった孤児のうち、日本への永住帰国を希望する方々の受け入れについて、里親制度というのがあるのですが、中国ではこの言葉は大変きつい言葉になりますので、これは言葉はどうでもいいのですけれども、私は、ぜひ身元引き受けをして永住ができるような配慮をすべきだと思うので、これを厚生省からお伺いをしたいと思います。
#116
○森下国務大臣 今回、六十名の方が二班に分かれて帰国と申しますか訪日をされたわけでございます。そのうち七割の四十二名の方が肉親にお会いできた、あとの方は残念ながらそのままさびしい思いでお帰りになったわけであります。そういうような身寄りのない方でございますけれども、今回おいでになった方々は日本人に間違いないという太鼓判が押されて中国の政府の方から特に選ばれておいでになった方でございますし、また今後もそういうことが続くわけでございまして、身寄りのない方でございましてもこれは日本に永住していただく、そのためには、御本人の希望によって、お帰りになった場合には社会福祉施設などの施設、これに一定期間収容いたしまして、社会生活への適応、それから就職の問題、それから言葉が非常に不自由でございますから、そういう問題の解決等の相談相手となるいわゆる身元引受人、いわゆる里親でございますけれども、そういう里親制度をとりまして、それに対するごあっせんを申し上げまして新たな援護の措置を講じていきたい、こういうふうに考えております。
 なお、総理から大変積極的な御発言をいただきまして、私どももこの意を踏まえまして強力に進めていきたいと思っております。
#117
○草川委員 いま総理あるいは厚生大臣から非常に積極的な御発言がございまして、われわれも喜んでおるわけでございますが、実は、次に申し上げる問題はもっと深刻な問題があるわけであります。
 実は樺太に旧日本人として、朝鮮半島を戦前は日本は占領したわけでございますから、強制連行をして樺太の炭鉱で強制労働に従事させた旧日本人というのが約四万人いるわけであります。この方が寒い樺太の中でいまなお望郷の念に駆られて苦しんでおみえになるわけです。四万人です。しかし、その四万人という数は帰還団体の推定でございまして、残念ながら日本政府としては実態把握をいたしておりません。きのう私は法務省の分科会でもこの問題を取り上げたわけでございますが、旧日本が朝鮮半島へ行って徴用だといって夜中に若い青年を引き連れたまま、四十年近く樺太に放置をしておるわけです、日本は。そのような事実について総理の私は本当の御見解を賜りたいと思うのです。
 これはもう外務省だとか法務省とかいろいろな御意見がございますが、過去の経過はいいです、何回か私ども取り上げておるのですから。しかし、残念ながら、もう八十幾つになったおじいちゃんがあの寒い樺太で、炭鉱で働いておみえになって、日本に帰りたい、あるいは韓国へ帰りたいと言っておみえになるけれども、その手段がないわけです。樺太に放置をされておるわけです。家族の方々が日本政府に裁判をやっておみえになりますし、私自身も、八十を過ぎた老婆に私の部屋で五時間ぐらい泣きつかれました。日本はひどいじゃないか、品物だって持っていったら返すじゃないか、日本人として樺太へ連れていったら日本人として帰せと言うのですよ。そうして、韓国籍の方が多いのです。四万人ですよ。そして、日本政府も途中で渡航証明書を出したのが二千人です。だけれども、いまのソ連の政府の態度によってそれが認められておりません。私は、理屈は抜きにして政府がまず調査をすべきだ、そして、政府が表へ立ってできなければ赤十字を通じて話し合うべきだ、こう思うのですよ。その点について、総理、どうでしょう。
#118
○鈴木内閣総理大臣 ただいまの旧樺太における韓国人の方々、しかも、これが炭鉱等に強制的に連れていかれた方々、こういう方が、四万人を超える多くの方がいま望郷の念に駆られておるという悲惨な状況、これは私もよく承知をいたしておるところでございます。
 日本政府としてもこの状態に放置できない、人道上もこれは何とかしなければならないということで、ソ連政府に対してしばしばその送還方、また実態の調査等につきまして申し入れをいたしておるところでございますが、ソ連政府は、日本国籍にないこれらの方々に対して日本政府の発言権というものを認めない、こういう非常に私どもとしては残念な回答に接しておるわけでございます。先般柳谷審議官がモスクワに参りまして、しばらくぶりで事務レベルの日ソの交渉をいたしました。その際にも、この問題を提起いたしましてソ連側の善処を求めたところでございますが、残念ながら、この際にも友好な、好意的な、可能性のある回答を引き出すことができなかったということを大変残念に思っておるところでございます。
 なお、草川さんから赤十字のルートを使ったらどうかというお話がございましたが、ソ連はああいう体制の国でございまして、赤十字もソ連政府もほとんど余り実態的には変わりがないというようなことからいたしまして、この問題は非常に困難な状況下に置かれておることを御了察願いたい、こう思います。
#119
○草川委員 実は赤十字は過去一回接触した経験があるわけです。当時ソ連政府は、これは四十年代のことだと思いますけれども、日本政府が受け入れるならば出国させるというところまでいった。しかし、そのときに日本政府は、もはや樺太在住の元朝鮮人の方々は日本人ではないと言って受け入れなかったのですよ。ここにそもそもの最初の過ちがあったわけです。それからいろいろな運動が起きて、日本政府も態度を変えてまいりました。変えてきたら、今度はソ連政府が、いやだ、こう言い出してきたわけですよ。
 だから私は、実は昭和四十二年六月に、与党の自民党幹事長は福田さんの時代でございますけれども、もはや戦後の処置は終わったという一つの線引きというようなものがあるわけですけれども、いまのような話を訴えておるわけですけれども、四十何年にわたって流した涙が川になると韓国の人は言うのですね。本当にあなたたちはわれわれの気持ちがわかるのか、日本は高度成長しておるけれども、後始末ぐらいしたらどうだと訴えておみえになるわけですから、これは何らかの方法でもいい心ですから取っかかりをつかんでいただきたいし、それができるのは総理の決断なりリーダーシップ以外にないと私は思うのです。これこそ、中国の残留孤児の問題を含めて、まだ戦後は終わっていない、この後始末がなければ先進諸国の日本の国の政治というのはあり得ない、こう私は思うわけでございます。
 この問題はぜひもう少し、赤十字の問題等についても考えていただきたいわけでございますし、幸い総理府の方としては、戦後は終わったというものの、今度新しく戦後処理についての懇談会というのを五十七年度の予算に設けられたそうであります。これはぜひ主要な議題として、懇談会の中で大きな柱にしていただきたいということを要望したいと私は思うのですが、どうでしょう。
#120
○田邉国務大臣 お答えをいたします。
 さきの大戦で国民は何らかの犠牲を余儀なくされました。私ども、この戦後処理の問題につきましては、先般総理も本会議場におきまして戦後の処理は終わったということを申しました。しかし、戦後三十数年たってなおいろいろの問題が現在残っております。それはシベリア抑留問題あるいはまた恩給欠格の問題、その他いろいろの問題がございました。
 そこで、私どもとしては、この問題につきましてどう対応するか、総理府としてはいろいろと検討をいたしました。したがって、今年度の予算に約五百万の検討費を計上いたしまして、今後この戦後処理に対して有識者の皆さんがどうこれを検討するか、そしてまた、これにどう対応していくか、これを御検討していただくということを考えております。したがいまして、近く私の、総理府長官の諮問機関として戦後処理の問題検討の協議会と申しますか、審議会が開かれる予定になっております。
 その中にいろいろの問題が提起されると思いますけれども、それは審議会から求められましたら、私どもはそれに対していろいろの問題に対して説明はいたしますけれども、これとこれとを検討するということを私どもから言うべきことではない、こう考えております。いずれにいたしましても、非常に困難な問題でもあり、また慎重に対応しなければならないと考えております。
#121
○草川委員 私がいまこの問題を取り上げたのは、各大臣の形式的な答弁ではなくて、心の問題だと思うのですよ。日本の過去の歴史的な過ちということを反省しながら、対処すべきものはしたいわけ。だから、ソ連の態度がむずかしいということも百も承知です。僕が聞きたいのは、人間的な答弁を求めておるわけですよ。だから総理、このことについて最後に一言でいいですからもう一回、私は赤十字という問題を取り上げました。いま総理はむずかしいとおっしゃられました。そのとおりだと思うのです。しかし、それをさらにもう一歩突っ込んだ御指導があるべきではないだろうかと思うのですが、その点だけお伺いいたしたいと思います。
#122
○鈴木内閣総理大臣 先ほども申し上げましたように、ソ連との接触の際には、機会あるごとにこれらの問題につきましては私どもは粘り強く今後も交渉し、対処していきたい、このように考えておりますし、赤十字等の問題、あらゆる観点からも努力をいたしたい、このことをはっきり申し上げておきます。
#123
○草川委員 では、それは強く要望して、もう時間がございませんので、残り四分間しかございませんので、日米貿易摩擦について。それぞれの各大臣の方のお考えもあるわけでございますし、本日も小委員会が外務省で開かれておるわけでございますので……。
 いわゆる日本からアメリカに売る場合、これは通産大臣にお答え願いたいわけでございますが、付加価値の高いものを売るわけですから、どうしても質が高いわけです。値段も高い。向こうに目立つわけです。同時に、失業者もふえるという形になります。われわれが買う場合の方は、これは農林水産大臣にお伺いをしますけれども、付加価値の低いものを受け入れるわけでありますから、かなり大量のものを買っても付加価値の高いものとはバランスがとれないわけですよ。それで、向こうの国はますますいら立ちを感ずるわけですよ。だから、午前中にも出ましたように、私どもにとってみればいかがなものかというような批判まで日本に寄せられてくるわけです。特に日本の選挙制度までどうのこうのというようなお話がございます、われわれ国内で真剣に考えなければいけない問題なのでございますけれども。
 私は、これは非常に重要な問題だと思うので、まず売る方、受ける方の一番大きな農水省、そして最後に総理の方から、いわゆる日米問題というもの、この貿易摩擦というものが非常に重要な時代になっただけに、私は、腰を落としてよほど慎重な対応を立てないと大変なことになる、歴史を過つのではないだろうかと思うわけでございますので、通産、農水、そして最後に総理の御三方の御意見を賜って質問を終わりたい、こういうように思います。
#124
○安倍国務大臣 確かにおっしゃるように、日米の貿易については、アメリカから買う方は、航空機とかコンピューターは別として大体原料でありますし、わが国から輸出するものは鉱工業品を中心とする付加価値の高い製品でございますが、これは自由貿易という原則の中でやはりお互いに欲しいものを求めるということでありますから、私は、自由貿易の今日の実態の中でそういう形が世界各国の中で生まれてくるのは当然のことであるし、やむを得ないことであろうと思うわけでございます。
 ただ、現在日本の場合はアメリカに対して百八十億ドルとかあるいは二百億ドルと言われるほど非常に出超が続いておる。こういうところにアメリカも非常にいら立ちを感じておる面もありますし、また日本の市場の開放性の問題についても、相当日本は高い、先進国の中では市場開放としては非常に高いレベルにあるわけですけれども、アメリカから見ればまだまだ市場開放が足らないということで要求してきておるわけでございますが、いま貿易小委員会でアメリカ側の要求が出ております。いろいろと誤認に基づく要求等もありますから、われわれはこれに対しては反論を加えながら、さらに関係各省と相談をしながらこの貿易摩擦の問題には対処して、経済的な問題としてこれは処理をしていかなければならぬ、話し合いで処理をしていきたいと考えております。
#125
○田澤国務大臣 対外経済摩擦の解消につきましては、すでに草川委員御案内のように、さきの対外経済閣僚会議において五項目にわたる対外経済対策を決定して、その線に沿うて進めておるわけでございまして、農林水産省としましても、大変苦しい中で関税率の前倒しをやり、あるいはまた輸入検査手続の緩和等を進めてまいったわけでございます。したがいまして、私たちとしましては、いまの貿易小委員会の機会あるいはまた他のいろいろな機会を通じてわが国の農林水産業の現状をアメリカあるいはECによく理解していただく、あるいはまた、貿易拡大に対するいま申し上げましたいわゆる態度も、こういう態度でいっていますよということも理解していただくということを進めてまいりたいと考えておるのでございます。
 ちなみに、いま農産物だけを、穀物だけとりましても、大豆あるいは小麦、トウモロコシ、飼料作物等、アメリカから約二千万トン以上輸入されているわけでございます。しかも、その額にいたしますと、農林水産業全体で百二億ドル輸入しているという状況で、全くアメリカにとっては日本はお客さんなんでございますので、そういう点はわが国としても、食糧の自給力の維持確保ということは基本でございますけれども、輸入しなければならない分はできるだけ輸入して全体を調整しながら、食糧の調整を図りながらいま農林水産行政を進めているというこの実態をよくアメリカに理解していただいて、今後できるだけ農林水産業に影響のないような方向で対処をしてまいりたい、かように考えております。
#126
○鈴木内閣総理大臣 日米の貿易摩擦の問題は、草川さん御指摘のように、この貿易収支に百数十億ドルのインバランスが存在をする、ただそれだけでなしに、質的な問題も確かに御指摘のようにあるわけでございます。食糧、農産物関係では、日本は七十億ドルないし八十億ドルの輸入超過に相なっております。ところが、機械類その他の工業製品等におきましては、二百億ドルの輸出超過というような形になっております。
 でありますから、いま農林大臣から言いましたように、食糧、農産物では世界一アメリカから輸入をしておりますけれども、自動車を初めとするところの鉱工業製品、これが二百億ドルにもなっている。アメリカも先進工業国でございますから、私はもっとアメリカにも御努力を願って、そして、この面でも大きなインバランスができないように日本もできるだけ市場を開放する努力をいたしておりますし、現にヨーロッパに比べても開かれておる、私はこう思っておりますが、米側においても機械類等の日本への輸出等に対する努力を大いにやっていただきまして、そして相互の努力と理解の上にこの日米の貿易摩擦を解消しなければいけない、このように努力してまいりたい、こう思っております。
#127
○草川委員 終わります。
#128
○栗原委員長 これにて草川君の質疑は終了いたしました。
 次に、竹本孫一君。
#129
○竹本委員 まず最初に、私は、この間この国会の大きな課題でございました減税問題をめぐりまして各党の幹部の皆様が非常な御努力をいただいて議長見解にこぎつけていただいた、このことに対しまして、議長並びに御苦労願った各党の幹部の皆様に深甚なる敬意と感謝を表したいと思います。おかげさまで強行採決もなく、また暫定予算も組む必要がなくて、ようやく国会は正常な姿で審議ももう一遍軌道に乗ったということでございまして、私は大変これを喜んでおります。
 一部には、今回の議長見解をめぐりまして、玉虫色であるというようなことでいろいろの批判があることも私、承知しておりますけれども、しかし、これは与党、野党それぞれできるだけの知恵をしぼって、お互いに知恵を出し合って最後にそれが集約されたものでございまして、この知恵の総合的な集約であって、玉虫色というのはむしろそこに政治的、審美的価値がある、こういうふうに私は評価しております。したがいまして、私はこの問題を根掘り葉掘りほじくって、お互いにあらを探したり問題を起こしたりすることは避けてまいりたいと思います。
 ただ、総理に伺っておきたいことは、玉虫色でいろいろ言われましたけれども、この議長の見解に至るまでの過程において各党がいろいろ苦心して議論をされた、その過程だけは十分踏まえて、これから誠意を持って善処してもらいたいと思います。
 念のために、私どもが減税を求めた理由を少し個条書きに、六つほど理由がありますので、ちょっと申し上げておきたいと思います。
 その第一は、御承知のように、憲法八十四条には税金をかけるときには法律によれ、税率を変更するときでも法律の定める条件に従わなければならぬということが書いてあるのにかかわらず、自然増税というのは、課税最低限をそのままにしておいて法律によらずして実質的な増税を行ったものである。したがいまして、これは憲法の精神から申しましても、はなはだどうも心配な、問題な点がある。特にこの金額が少なければいいんだけれども、われわれ民社党では地方税も含めまして二兆二千億円くらいあるのではないかというふうに思っておりますが、この点に関しましては、税制調査会長の小倉さんも非常に良心的に、五年間も課税最低限を据え置くということは忍びないことであるとおっしゃった。総理も同様な発言をしておられますので結構でございますが、そういう問題が一つ。
 次には、不公平税制が、不公平な問題の面がいよいよ拡大されたのではないかという問題が二つ。
 三番目には、やはり内需振興の問題と減税の問題とを絡め合わせて考えますときに、最近における国内経済の最悪の問題点は、まじめに働いておる人の可処分所得がだんだん減ってきたということである。二年連続減であるということであります。そのために、全世帯の実質消費支出のごときも、五十五年度はマイナス〇・六、五十六年度はマイナス〇・八というようなことに数字も出ております。この内需の一番基礎である可処分所得あるいは消費支出というものが減っておる、これをふやさなければならぬということが減税を求める第三であります。
 第四番目は、経済摩擦はどうしても国内の需要をふやすこと以外には本当の意味の解決の方法がないということです。本来ならば、内需、外需の関係は七対三ぐらいであるべきだと私は思うのです。ところが、実質は四%の経済成長の、アメリカあたりも言っているように、八割近くが外需である、海外依存である。これは順序が逆だという点が問題の一つであります。
 五番目は、労使関係であります。日本の労使関係が非常にスムーズに円満にいっておる、これがある意味においては日本の最大の強みでございますが、労働者が、春闘その他でこれから減税のない場合にどういう動きをするか。七・七%上がった去年でも、中小企業まで含めまして計算すれば五・六%前後ではないかという意見もある。そういう情勢でございますので、労使関係にひびを入れるということがあってはならないということも一つの問題点であります。
 最後に、行政改革の問題との関連でございますが、減税と行政改革は矛盾するものではない。行政改革を大いにやって、そこから生み出した財源を減税に回すならば、いわゆる行革デフレの問題もなくなる。そういう意味で、行革デフレということを解消するためにも、行革そのものを推進するためにも減税はやるべきである。
 以上、六つの観点からわれわれは減税問題に真剣に取り組んで、これからは政府の熱意のある善処をひとつ求めていきたいと思いますので、御理解をいただきたいと思うのであります。
 もちろん、今度の議長見解にも若干の疑問もないではありません。「中長期的な観点」とは何か、「税制の改正」とは何を含むか、「適切な財源」とは何を意味するかといったような問題もありますし、さらには財政の技術的な問題に問題が多くいっているようでございますが、本当の意味の財政の再建は、先ほど来申しますように、経済の再建ということが前提になる、その問題に来るべき小委員会はどういう取り組みをするのか、若干疑問がある。そういう意味で私は疑問を持っておることも申し上げておきたいと思います。
 次へ参りまして、先ほど申し上げた点に関連いたしますけれども、「国民の強い要望を認識し、諸般の条件を整備して、」ということが今度の議長見解に書いてあります。従来、委員会における各大臣の答弁を聞いておりますと、条件が整えばというような言い方であった。私は、そうではなくて、やはり条件を整えて減税をするという積極的な面がなければうそであると思いました。今度は幸いにして、諸条件を整備してということになっておりますが、この条件整備して減税を実現するということについて、もう一度改めて総理の主体的な積極的な熱意のほどを伺っておきたいと思います。
#130
○鈴木内閣総理大臣 ただいま竹本さんから、六項目にわたっての減税の必要性につきまして御見解の表明がございました。私は、今日国民の皆さんが所得税減税を求めておることにつきましては、六項目の中のそれぞれの問題を頭に置きながら、自分たちの立場において御要求が行われておるものだ、こう思っております。しかし、いずれも、それを打開いたしますためには困難な諸条件が横たわっておるわけでございます。
 しかし、今回の場合は、各党の責任ある立場の方々が粘り強いお話し合いの上で合意に達しまして、それを議長見解という形でお示しになったわけでございますから、諸条件を整備してということも、これは与野党協力してそういう条件を整備するごとに御努力を願うということで、私は非常に力強く受けとめておるわけでございます。したがいまして、政府といたしましては、大蔵委員会に設置されます小委員会の御検討の結果、合意の結論が得られました場合は、それを最大限に尊重いたしましてこの実行に当たってまいりたい、こう思っております。
#131
○竹本委員 なお、この際私は念のために、政府の御答弁のときに、景気が停滞しておる、あるいは歳入は欠陥を生じておる、だから、そういう余裕がないのだというような御答弁をときどき聞いたと思いますが、これはどうも話が逆になっておると私は思いますので、一言申し上げておきたい。
 と申しますのは、私どもは、今日景気が悪いから、あるいは歳入欠陥が生じていくような状況だからこそ、先ほども申しました六つの理由によって、特に内需振興の立場も含めてひとつ減税をしていただきたいということを言っておる。一体、新聞に出ておるところの経済不況というものを政府はどの程度真剣に受けとめておられるかということについて、私は若干疑問がありますので、一言申し上げておきたい。
 たとえば百貨店の売れ行きというものを見ますと、大体五%前後、前年同月比の増ですね。そうでしょう。ところが、物価だって大体五%上がっておる。労賃は五%以上上がっておる。一体、これで百貨店はどうして成り立つかというのですね。コストの方は、給料も上がった、売り上げの方も値段が上がっておる。そういうときに百貨店の売れ行きは前年同月比で五%というようなことではなくて、あるいは一〇%、一五%伸びてくれなければ百貨店の経営は楽でない、そういう状況であります。
 私は、特に日銀券の動きを非常に注目しておるのですけれども、日銀券の動きも、一時は二〇%もふえたことがありますけれども、最近は大体五%でしょう。五・一か四・九か、知れたものだ。これでは、いかに経済の動きが活発でないかということがよくわかる。特に個人消費は、先ほども申しましたように、政府は来年は非常に大きく期待されておりますけれども、去年で見ると、最初の予算では五・三であった、後には一・八である。そうしていて今度は、来年は三・九なんです。一体、五・三が一・八に落ちたものが、急に来年は三・九になるというのは、よほどの魔術を使わないとこれはできない。よほどの新しい工夫をしなければできないと思うのですね。政府の経済成長そのものが実は根底から危うくなっておる。特に大きな設備投資の問題について考えてみましても、これまた設備投資は、あるいは政府も〇・五とか七・七とか言っておりますけれども、まあ新日鉄を初めとして、専門家の連中は三・六だなんて言っておる。そういうふうになりますのは、場合によっては、ことしの一−三月の設備投資も下手をすればマイナスになるのではないかということが言われておる。経済の主なる指標を見てまいりますと、一体、どこに新しい経済の躍進の芽があるかということについて、私は非常に悲観的であります。
 したがいまして、どこかで何かの大きな手を打たなければならぬではないかということなんです。可処分所得が大きくならない、物は買わない、買わなければ売れない、売れなければつくらない、つくらなければ残業も要らない、そういうことになりますと、悪循環で生産はいよいよ落ちる、四・三%。設備投資も落ちる。そうなれば海外へ出ていく以外にはないので、また摩擦を起こす。内外ともに経済は悪循環をやっておるので、ここで一遍大きなメスをふるって景気の好転ということについて積極的な転機をつくらなければならぬというふうに私は思うのです。
 総理大臣に伺いたいのは、いま私が申し上げました数字のどれでも、どこにか、本当に経済はもう立ち直った――たとえば経済企画庁は、昨年ずいぶん早く、景気は底をついたと言われましたけれども、底をついたかもしらぬけれども、それからさっぱりはい上がらない。あるいははい上がっておるにしても、テンポが非常に遅い。この点の経済の実態について、総理大臣はどの程度の危機感を持っておられるかをちょっと伺っておきたい。
#132
○河本国務大臣 経済の実態についての考え方を申し上げますと、一つは、いま世界的に激動期でございますから、経済の状態が刻々に変わっておる、こういうことでございます。ここしばらくの間の日本の経済の流れを見ておりますと、一昨年の夏ごろ一番大底に達したと思います。そこで、これは大変だ、こういう乙とで、政府の方では一昨年の九月と昨年の三月に若干の対策を立てました。そうして五、六月ごろからようやく緩やかな回復の方向に向いたのではないか、こう思っております。しかし、残念ながら世界経済の状態が依然として非常に悪い、こういう状態でございまして、秋ごろからは貿易も伸び悩むということでどうも停滞状態、言葉をかえて言いますと足踏みのような状態になっておるのではなかろうか、このようにいま考えておりまして、現状について私どもも大変心配をしておるのが現状でございます。
#133
○竹本委員 世界経済は、いまお話もありましたが、何しろ失業者がアメリカでも大体一千万に近い、もうECは一千万を超したと言われる。これだけの失業者を抱えておるときでございますから、世界が不景気であるし、また、それの中での日本の経済のやり方がむずかしくなるということはよくわかります。しかし、同時に、だからこそ先ほど来申しますように、減税というのを一つの転機に使って、もちろん減税をやるということが財政上むずかしいことはよくわかっておりますけれども、転機に使うということをして、ここで先ほど申しますように、足踏みをしておるものを前に出すという必要がある。
 河本さんからも一御答弁をいただきましたので、ついでに私、一つ申し上げたいのでありますが、数年前でございますが、フォードさんがアメリカで減税をやりました。これは日本でわれわれが一万五千円の減税をやったときの一つの先例になり、いろいろ教えてもらったわけですが、そのときのフォードの減税を見て、その経過を見ながら国内の新聞に打ってきたある特派員の報告がありますので、非常に要領を得ておるので簡単に申し上げてみたい。
 結論から言えば、「フォード大統領は今年秋の選挙を控えて、」云々というところから始まっておりまして、一〇%、最高二百ドルのリベートをするということになった。それで、こういうふうに書いてあるのです。「現実に国税庁から各家庭に百ドルから二百ドルの小切手が送られてきたのである。まさか小切手にフォード大統領の写真こそなかったが、国民にとっては大統領からの思わぬプレゼントだった。この減税は沈滞していた個人消費を一挙に上昇させた。」と書いてある。途中は省略いたしまして、個人の可処分所得が前期比これこれふえたのは「その六割は減税に見合う分であり、物価の低下傾向と相まって、その後の個人消費の急増にハズミをつけた。」と書いてある。私が言うのはこの点なんですね。一挙に個人消費を上昇させるとか個人消費にはずみをつける。そして最後に「GNPのうち六三%を占める個人消費が上向かないかぎり景気は立ち直らないのが米国のいつものパターンである。今回も個人消費の回復が最大の功労者であった。」こう書いてある。
 この記事がどれだけ正確で的確であるかはちょっと議論があるかもしれませんけれども、しかし私は、ここに言われておるようなはずみをつけるために、個人消費、この個人消費にはずみをつけるのが減税だ。そして、六割を占める個人消費が伸びなければ景気回復はできないというのがアメリカのいつものパターンであるだけではなくて、日本の経済にとっても全く同じではないか、こういうふうに思うわけですね。
 そこで、アメリカのレーガンが、あれだけ苦しい一千億ドルあるいは九百十五億ドルの赤字を出しながらも、減税についてはわりに断固として減税をやろうというような気構えで今日まできておるのも、こうした事実を知っておるからだと思うのです。したがいまして、日本におきましても、減税問題に取り組むときには、財源がないということだけでなくて、どうしてはずみをつけるか、どうしてここで気合いをかけるか、活力を出すかという点についてひとついかなる工夫をすべきであるか、河本長官のお考えも承っておきたい。
#134
○河本国務大臣 わが国の経済がただいま足踏み状態になっておりますのはそれぞれの大きな理由があると思いますが、いまそれを分析されたわけでございますが、一つは世界的な不況、したがって貿易などが、先ほど申し上げましたように、最近はむしろ減少ぎみになっておる、こういう状態でございます。それからもう一つは、アメリカの高金利で日本が低金利政策をやれない。それから、公共事業がここ数年来横並び状態であるということ。それともう一つは、実質可処分所得がここ二年間伸び悩みになっておるということ、ときには減少ぎみになるということ。この四つだと私は思います。したがいまして、この四つに対する対策が必要である、このように考えておるわけでございますが、ただ、わが国の経済は三百兆近い大きな経済の規模になっておりますから、この経済の活力を取り戻すということのためには相当な対策が必要だと思うのです。
 景気刺激という点から減税という御議論がございますが、そのためには、よほど大きなことをやらないと効果は余りないのではないか。たとえば、ことしアメリカのやろうとしております所得税減税は七百五十億ドルでございますから、日本の金に直しますと十七兆でございます。来年はさらにその規模が拡大をされる。アメリカの経済はざっと日本の倍でございますから、税制や経済の仕組みも若干違いますからそのとおりはまいりませんけれども、景気対策としての減税ということになりますと、これはとても一兆やそこらやりましても余り効果がないのではないか。別の意味で、いまおっしゃったような減税というようなことであれば、これまたそれなりに理由はあると思いますけれども、ただ減税を一兆、二兆やったからといって、いま経済が立ち直る、そういう簡単な状態ではない、こう思っております。
#135
○竹本委員 経企庁長官の言われるとおりに、減税というものは相当大きくなければ、この前、去年われわれがやりました五百円のラーメン減税なんというものでは役に立たない、おっしゃるとおりであります。
 そこで私は、希望を申し上げるにとどめておきますけれども、今度大蔵小委員会でいつ、いかなる結論を出されるか存じませんけれども、やる以上は少なくとも一兆円減税くらいでなければ減税の意味をなさないというふうに思います。しかし、何兆円もと言えば大蔵大臣がお困りになるでしょうから、一兆円と謙遜しているわけですが、しかし、その一兆円もまた無理だということならば、五十七年あるいは五十八年に一遍にやれとは申しません。五十七年度から五十八年度にかけて二年間でこなしてもらっても結構だ、それ以外に方法がないとおっしゃるなら、それもやむを得ないではないかというふうにわれわれは幅を持って受けとめておるということも申し上げておきたい。
 いずれにしても、総理、ここで重大なことが一つあるのは、最近において日本経済は、世界の一番模範生だというふうに言われておったのだけれども、国民自身においては、最近はどちらかというと萎縮した感覚が強い、活力がなくなっておるということが問題なんです。
 これを経済的に申しますと、日本の経済の潜在成長力というのは大体一〇%だ。それがいつの間にか五%になっておる。最近では、このままで行けば、どうも景気も悪い、経済摩擦も深刻になる、これでは設備投資もやめておこうかということになれば、だんだん萎縮して、この心理作用の拡大でますます萎縮して、潜在成長力はいまは一〇%が五%に、そして今日では三%に落ち込む危機があるのではないか。そういう意味で、ここでそんなに萎縮させてはいけない。一歩後退二歩前進という言葉がありますが、私は、日本国民の潜在的な能力、潜在的な成長力というものは非常に強い、この期待と信頼を持っておりますので、それを伸ばすようにやるのが政治であって、萎縮させるのは政治ではありません。
 ある経済学者が書いたものに、経済力というものはダイナミックピープルのストラテジックプランによって決まると書いてある。どういうことか。経済は国民がダイナミズムを失ったらだめなんです。ダイナミックピープルでなければだめだ。同時に、それを動かしていく、引き出していくストラテジー、戦略的なプランというものが巧妙に立てられなければだめなんです。そういう意味で、全部とは申しませんが、最近の日本経済の運営には、どちらかというと消極的な方へ行くような傾向が強過ぎるので、この辺で、日本国民の持っておる潜在力、日本国民の持っておるダイナミックなパワーを十分引き出すように、国民を萎縮させないように、これから政策のむしろ転換と申しますか、活を入れると申しますか、そういう転機にいま立っておると思いますが、総理はいかがでございますか。
#136
○鈴木内閣総理大臣 竹本さんの非常に積極的な意欲的な経済政策への転換、これは私もわからぬわけではないわけでございますが、先ほど来お話がございますように、世界経済が深刻な事態にある、そういう中で日本経済をさらに今日以上にいい状態に持っていこうとするわけでございますが、その際に、いまの金利政策一つとった場合におきましても、現在以上の低金利政策をとって、そして中小企業初め設備投資を喚起する、あるいは住宅の投資を引き出す、こういうようなかぎになるところの金利政策というものも、非常に困難なむずかしい条件下に置かれておりますことは御承知のとおりでございます。と同時に、一方におきまして、私どもはまず最優先として、五十九年、特例公債依存の体質を脱却する、一兆八千億なり二兆円なりの、とにかく行財政の節減合理化によって浮いたものはまず真っ先に特例公債の削減に充てよう、そういう中での減税、いま減税に大変力を入れてのお話でございますが、私は、減税の効果も評価をいたしておりますけれども、そういう非常にむずかしい条件がたくさんここに重なっておるわけでございます。
 そういう中で、いかにして具体的に積極的なダイナミックな経済政策を打ち出すかどうかと、意欲は私も持っているつもりでありますけれども、実際の問題として非常に困難な状況がたくさんある。それを一つ一つ打開をしていかなければいけない、このように考えておりますが、先ほど来経企庁長官からも申し上げますように、一つ一つの景気打開あるいは景気政策につきましでの積み上げ、相乗効果をねらっての努力を私どもは粘り強くやっていくほかないのではないか、こう思っております。
#137
○竹本委員 総理大臣も大変な意欲と熱意を持っておられるようで心強く存じておりますが、好漢惜しむらくは兵法を知らずということにならないように、ひとつ具体的な戦術、戦略を考えてもらいたいということをお願いしているわけであります。
 そこで、私の基本的な考え方を一つ申し上げますが、財政というものは、予算というものでも、大体三つに分けて考えなければならぬと思うのですね。それは大蔵大臣よく御存じのように、租税によって賄うべき経常的な経費、場合によっては四条公債を出して賄ってもよろしいキャピタルバジェットの部門、第三の部門は民間のエネルギーも十二分に活用するような官民一体になった福祉部門、私はこのように財政は三つに分けて交通整理をして考えなければいかぬと思っているのです。
 そこで、税制で、税金で賄う部門は、国民の税負担の問題ですからできるだけ削ったらよろしい、できるだけ節約したらよろしい。臨調にまつまでもなくどんどん削減してもらって、むだなものは一切、また会計検査院から指摘されるものは一切ないように削ってもらいたい。しかし、投資部門のキャピタルバジェットの部門は、いままでは大蔵大臣が特に心配されたようだけれども、公債を、建設公債といえども出して、果たしてどれだけの建設であるか、果たしてどれだけの財産が残るのか、果たしてどれだけの寄与率があるのか、また金融市場にどれだけの圧力、圧迫があるのか、これは大蔵大臣がいろいろ御心配になっておる点で、私も同感であります。しかし、それらを踏まえながらも、なおかつこの際は、資本勘定においては少なくとも今日以後は積極的にやるべきだと思うのです。
 そこで、もう一度申しますと、税の部門はどんどん削って、行政改革を思い切ってやってもらいたい。しかし、これだけ不景気で、景気が好転する見通しが余りないんだから、投資部門については、公共事業の前倒しというようなこともありましたけれども、もっともっと積極的にやってもらいたい。また、福祉の部門は、年金の一本化とかいろいろ問題がありますが、これは官民一体でみんなが取り組まなければ、政府が全部しりぬぐいやっておったらたまったものじゃありません。官民一体でやる。この三つに交通整理をして考えるべきだと思うが、大蔵大臣のお考えはどうかということです。
#138
○渡辺国務大臣 基本的には私も同感です。問題は、税金で賄うべき部門を赤字国債で賄っておるということは間違いでありますから、やはり税金で賄うべきものは税金で賄うようにしなければならぬ。そのためには、容易に赤字国債を乱発をして経費を増大させるということをまずやめなければならない。だから、それをまず総理は言っておるわけです。それから節約、会計検査院から指摘されるようなことはするな、全くそのとおりでございます。ところが、これは問題は、むしろ建設国債を出して公共投資をやっているようなところが、やれ談合だ何だかんだとやられているのが現状の姿であって、やはりこういう部門においてもそういう指摘を受けないようにしなければならない。福祉部門は、これも御指摘、全くそのとおりであって、これはやはり官民一体でやらなければならぬ。経済は生き物でございますから、そのときに臨機応変なことは、原理原則の中でのやり方としては必要だろう。したがって、一日も早く五十七年度予算を成立させて、住宅を初め公共事業の前倒し等いろいろな手はずを講じてやりたい、私はこう思っておるわけでございます。
 公共事業のために建設国債を増発してはというような御趣旨の質問でございますが、これもわれわれは前倒しでやればかなりやれるわけですから、消化できないことがあるわけだから、問題はその後の問題。その後の問題は、経済は生き物ですから、経済の動向を見ながらいかなければならぬ。
 ただ、日本も世界の中の日本であって、世界じゅういまインフレ防止に躍起となっている。幸い、日本はインフレの点は世界の中で一番鎮静化しておるということでございますので、そういう国と全く同じ政策をとるというわけにはいかない。したがって、日本には日本のやり方があるわけでございますが、世界の経済と連動しているという面もあるのは事実であります。どういうように選別をしながら具体的に実効ある方法をとっていくかということについては、いろいろと検討して実行に移してまいりたいと思っております。
#139
○竹本委員 ただいまの大蔵大臣の御見解についてはまだ論じたいこともありますが、時間がありませんので……。
 先ほど申しましたまず削るべきところは削れという意味で、私はその点では、総理大臣が二兆円の赤字公債減額を言われたのは非常に高く評価しておるのです。これで日本のでたらめな財政に歯どめがかかった。日本の予算は、御承知のように、一時は年間二五%も伸びたでしょう。そんなばかな国、どこにもありませんよ。しかも、一年だけじゃない。何遍もやっている。そういう意味で、日本のだらしのない野方図な財政にここでけじめをつける、その一つの歯どめとして二兆円、これは非常によかった。一番高く、最近の傑作だと私は思っておりますが、細川隆元さんがこの間、日曜日のテレビで総理大臣と話した。素人だからこれを考えついたのだというような話がありました。私は、まあこれは素人でなければ考えつかないかもしれぬし、言って悪ければけがの功名でも結構ですが、とにかく二兆円はりっぱなことだ。ぜひこれは貫いてもらいたいし、五十九年度までには赤字公債をなくするという基本問題については、政治責任をかけてでもやるのだという総理の御決意には変わりはないか、もう一遍念を入れて聞いておきます。
#140
○鈴木内閣総理大臣 あらゆるものを犠牲にし、国民の皆さんに御苦労をかけておりますのも、これを達成をしたいという熱意がそこにあるからでございまして、私はそのために全力を尽くす考えでございます。
#141
○竹本委員 次に、中曽根長官に伺いますが、行政改革ということを含めて、日本の財政のふくらんでいくものを抑えるという意味において二つほどお伺いしたいのですが、時間がありませんので一緒にやります。
 一つは、五十八年度の予算の編成については、経常部門についてはマイナス成長にしたらどうかという意見も財界等にもあるようですが、政府にそれだけの決意があるかどうかということ。
 それからもう一つは、中曽根長官が答申分割案を御発言になったというのだけれども、その真意はどうであるか。また、臨調側はこれをどう受けとめておるとお考えになっておるかを伺っておきたい。
#142
○中曽根国務大臣 答申分割案を述べたということはないのであります。臨調はいま一生懸命おやりいただいておりますので、七月答申を期待しております。その七月答申は、前から私がお願いしておりますが、骨太で、そして目玉をつくっていただきたい。そして、国民が一番待っておる、また一番むずかしい仕事を今度はひとつやらせてください。体力、気力があるうちに一番むずかしい問題にぶつかることがいいと思います。七月答申で万一漏れた問題がありましたら、随時答申ということを言っておりますから、その後で御答申なすっても結構で、いわゆる三月というものに必ずしもとらわれる必要はない。三月に臨調が解散してしまいますから、そのときじゃしり切れトンボというふうに言われるおそれがあります。そうであるならば、その前に答申することもお考えなすって結構です。しかし、これはいずれみんな臨調がお決めなさることで、私らがとやかく言う問題ではございません、そういう意味のことを申し上げました。
 それから第二番目に、ゼロシーリング、マイナスシーリングのことでございますが、これは臨調におきまして、来年度予算との絡みにおいて、行政と財政との関係をどういうふうに関連づけるか、目下鋭意検討しておるところでございまして、まだ申し上げる段階に至っておりません。
#143
○竹本委員 とんでもない考えはないのだというお話でございますが、結構でございます。それがまた当然でもあると思います。
 いずれにいたしましても、行政改革も大いにやっていただく。削る方の行政改革あるいは租税負担を減らす方の改革、どんどんやってもらって結構です。その中で行政改革の目玉の問題が出たから、運輸大臣に国鉄の問題を一つだけ聞いておきたい。
 大臣は実業界御出身の専門家でございますから伺っておきたいのだが、国鉄というものは一体経営になっておるとお考えかどうかということをお聞きしたい。三兆円の収入に対して、人件費が二兆五千億。八割まで人件費を出しておるばかな会社が日本のどこにあるか。これが一つ。
 次に、今度は七千三百億円と一兆四千億近くで、二兆円からの赤字である。七千三百十九億円の補助金も、大蔵大臣がずいぶんむずかしいことを言われる、そのむずかしい中から出されるのだから、出したお金が一体生きていくのかどうかということについての見通しはどうだ。七千億円出したおかげで、来年は二兆円の赤字が一兆円になるというなら話はわかりますよ。しかしながら、国鉄の赤字は聞くたびにだんだんふえるじゃないの。こんなばかなところに金を投げ込むなら、その金を減税に回しなさいとわれわれは言うのですよ。経営感覚というものからいって、一体これはどういうことだ。しかも、借金もいま十六兆円でしょう、下手をすればまた十八兆円でしょう。国鉄を分割するとかしないとかいうけれども、最後にその十八兆円は、総理大臣、だれが背負うんですか。だれがしりぬぐいやるのですか。一体そういう企業経営の原則を全然無視したようなあり方をどうして許しておくかということが私にはわからない。国鉄は一体経営なりや。経営ならば、経営原則は何か、伺っておきたいと思います。
#144
○小坂国務大臣 国鉄を担当いたしております運輸大臣といたしましては、いまの竹本委員の御意見、率直にお答えを申し上げれば、経営になっておらぬと言わざるを得ません。しかし、一面におきまして、いまわれわれが努力いたしておりますことは、これでもなおこの国鉄の中に新しい労使慣行ができ、そして相協力するという意欲が失われないならば、現在非常に無理をして国からいただいておる助成金、補助金、こうしたものを必ず生かすことが可能であるではないか、まずその可能であるようにすることがいま一番国鉄再建の重要な課題であると考えております。
 時間もないところでございますので長々と御説明することは省きたいと思いますが、たとえば現在最も重要なことは、新聞その他に指摘されておりますようなやみ給与であるとか、久しく慣例となっているような悪慣行というものは、これは単にコスト計算から見ての問題以上に、経営体としてはまことに遺憾なことだと思うのでございまして、これを直すということに現在全力を挙げてもらうように指導しておるところでございます。
 いずれにいたしましても、この国鉄の赤字は年とともに拡大する傾向にあるわけでありますので、せめて五十七年度からはこれに一応の歯どめを加える、それが私に課せられた最大の任務であると思っておるわけでございまして、努力をいたしたいと思っております。
#145
○竹本委員 国鉄が、あるいは満鉄の従業員を引き受けるとか、あるいは地方の国策的なローカル、まあ実態は選挙対策かもしらぬけれども、とにかく地方の住民のためというようなことで、公共的な負担をしている面がたくさんありますよ。だから、二兆円全部赤字と言ったのでは残酷であるから、私はいろいろ計算したり聞いたりしておるが、幾ら割引して公的な負担を全部差し引いても、少なくとも三千億円以上の純粋な企業欠陥、経営の欠陥が出ている。三千億円といえば、千億円もうけた会社が幾つあるか知らぬが、その三つだ。大変な赤字ですよ。あらゆる割引をして、なおかつ純粋の経営面からきた矛盾、借金、欠陥というものが年々三千億円ある。そういうことは許されないということだけ厳しく警告を申し上げて、この問題は終わります。
 次に、時間がなくなりましたから、経済摩擦の問題について私の意見を一言だけ言って終わりにいたします。
 と申しますのは、今度のことでいろいろ新聞を毎日にぎわしておりますけれども、経済摩擦について言いたいことは幾つもあります。まず第一に、日本の対応が常に遅い。先ほど農林大臣、通産大臣、いろいろお話をいただきました。御答弁がありましたけれども、全体として見れば、特にアメリカ人なり外国人の立場から考えてみれば、これは私がよく言う言葉であるが、日本の対応は常にツー・レートだ、遅過ぎる。ツー・リトル、少な過ぎる。ツー・ロー、次元が低い。この三つであります。
 ヨーロッパのある雑誌にうまいことを言っている。日本の自由化の努力というものは、ステップ・バイ・ステップではないんだ、ステップ・バイ・ノーステップだと言うんだ。(笑声)これはしかし、笑い事じゃないんだ。外国の受けとめ方ですよ。だから、これからもいろいろ小委員会もやられるけれども、話はますますむずかしくなってくるんだ。自分だけ説明ついたってだめですよ。外国はそう受け取っているんだから。そして、われわれから考えてみても、非関税障壁の問題を見てみても、まだそんなのが残っておったのか、RとLがどう違っておるのかというようなことで、まだそんなのが残っておるかということで、驚きましたよ。御努力は高く評価しますけれどもね。
 さらに、ツー・リトルの方でいうと、最近アメリカでは、日本の障壁というのはタマネギみたいなもので、一枚皮をむいて出ていったら、またその次に皮が出た。幾らいっても障壁はなくならないということを言っておるようでございましたけれども、その点もある。
 また、次元が低い、ツー・ローというのは、特に農村その他の問題もありますが、確かに農村を守ることは当然のことだと思いますけれども、この機会に、日本が世界に開かれた日本経済にするのでなければ、あるいはその決意があるのでなければ対応はできませんよ。その点の三つの矛盾を感じますから、ステップ・バイ・ノーステップでは困りますから、本気でやってもらいたいということ、これが一つ。
 しかし同時に、私が言いたいことは、アメリカの最近における要求というのもけしからぬと思っているのです。
 第一に、アメリカは自己反省なり、自己革新というものが全然ない。少なくともそういう徴候は見えない。そういう点から見て、やはり日本の政府はアメリカに対してもう少し強く言うべきことは言ってもらいたいということが一つあります。
 それからもう一つは、日本の国民も、あるいはアメリカにもPRが足らぬと思うんだけれども、たとえば自動車についても、ITCの審決は明らかにシロとなって、日本が悪いんじゃないんだという審決が出ているでしょう。
 それから、最近、イギリスのマークレーという「コンシダー・ジャパン(驚くべき日本)」を書いたあの有名な評論家が、この間日本に来て何と言ったか。日本は、戦後三十五年間にすばらしい経済成長をした、さらに今後三十五年間ますます大きな成功をするであろう、しかし、日本のこの三十五年間の経済成長のおかげで、ヨーロッパのわれわれは、家庭生活、台所において豊かで安くて美しいものを、たくさん消費財をそろえることができるようになった、もう三十五年たって、もっとりっぱなものをたくさん売ってくれるならば、われわれの生活はどれだけ豊かになるかわからない、これは国連総会におけるいかなる名演説よりも効果的なものである、役に立つものだ、こう言っている。そういう考え方もほとんどだれも知らない。
 そういう意味で、最近は、今度はダンケル・ガット事務局長は、日本の努力をむしろ逆に、評価しておる。最も愉快なのは、アメリカのレミントン社長が、ヨーロッパの連中は泣いてばかりおる、ひとつ舞台に上がって日本と勝負をやったらいいじゃないか、おれのうちの商品は貿易負けはしていない、日本にできないものをわれわれがつくればいいんだ、こう言っている。そういう意味の自己反省なり、自己努力なりが全然ないままに、日本はまるでスケープゴートになっちゃって、そして、おわびばかり言っているようなかっこうでは、はなはだどうも残念だ。そういう意味で、アメリカのあり方というものについても、ひとつ大いに言うべきことは言ってもらいたい。
 さらに、最後になりますが、私が最近読んだもので一番わが意を得たのは、ニューヨーク・タイムズの二月三日の社説です。これには、前半の方において、これは通産大臣も言われたのかどうかと思うんだが、いずれにしても、日本はコンシューマーズディザイヤー、消費者の要求をよくとらえている。そして、高い貯蓄率と高い生産性と、それからエネルギーショックに対する適応能力を十分に発揮して今日まで持ってきたというところも十分書いてありますが、終わりの方にいろいろと日本に言いたいことも書いてある。日本はスペンドリトル、セーブマッチだ、消費生活を余り本気でやらないで節約ばかりして、それで貯蓄の方は大いにやる。その貯蓄が設備投資に回って競争力が強くなる。そういう形でやってきておる、それが日本のやり方だけれども、結果として日本は驚くべきロー・リビング・スタンダードだ、驚くべき生活程度の低さ、特にハウジングはなっとらぬ。そこで、この辺で日本はタックスカット、減税をやり、それから、ソシアルスペンディング、社会的な投資を多くする。そうすれば、彼らはこの高度成長の成功の果実をエンジョイすることができるであろう。そして、国内の、ドメスティックなエコノミーに刺激を十分与えるならば、それによって競争相手の外国の業者に対する立ち直りの時間、余裕を与えることができるであろう、ぜひこれをやれ。偉そうなことを言う前に、まず国内に高度成長の成果を十分に分け与えるようなそういう努力をしなければ困るんだ。そうでなければ、結論は、世界はますますプアラーだ。ますます貧乏になり、ますます苦しくなって、ますます日本を恨むようになるぞ、こう書いてある。
 総理大臣、これをいかに受けとめられるか伺って、終わりにいたします。
#146
○鈴木内閣総理大臣 大変傾聴に値する御意見を承りました。特に最後の結びとして、所得税減税をやるべしと、こういう結論に対しましては、十分私も耳を傾けておるところでございます。
 貿易摩擦の問題は、これは日本もあらゆる努力をしなければならない、私はこう考えておりますが、やはりアメリカもあるいはECもみんなでこれは努力をして、そして世界経済全体の再活性化を図って、そういう中で貿易摩擦を解消しなければいけない、このように考えておるところでございます。
#147
○竹本委員 終わります。
#148
○栗原委員長 これにて竹本君の質疑は終了いたしました。
 次に、山原健二郎君。
#149
○山原委員 ちょっと質問の順序を変えまして、最初にF4ファントムの爆撃装置の問題についてお伺いをいたします。
 佐藤総理大臣の時代に、爆撃装置を外すことが憲法を守る証左であるということを明言をしているわけでございますが、この考え方は、鈴木総理大臣、お変わりになっておりませんか。最初に伺いたいのであります。
#150
○鈴木内閣総理大臣 他国に攻撃的、侵略的脅威を与えるというおそれのあるような装備等をすることは、専守防衛というわが国の基本的な防衛政策から見てとるべきではない。この基本的な方針につきましては、佐藤総理時代と全く同じでございます。変わっておりません。
#151
○山原委員 けさほど発表されましたいわゆる政府の統一見解、これは、読んでみますと、明らかに量産を前提としておる、そういう計画であると思われます。したがって、いま御答弁がありましたが、侵略的、攻撃的脅威を与えるものとして装置を取り外した見解を変えて復活、強化するものではないか、こういう疑問を持つわけでございますが、改めて御見解を伺いたいのであります。
#152
○伊藤国務大臣 総理からもお答えがございましたように、また、先ほど私が大出委員にお答えいたしましたとおり、他国に侵略的、攻撃的な脅威を与えるような装備を持たないという基本的な方針は変わらないのでございます。
#153
○山原委員 この問題が今国会で重大な指摘を受けまして、現在、予算の執行停止となっているわけでございますが、現在、基本設計がすでにひそかに三菱重工において進められております。私どもが三菱重工本社広報を通じて名古屋航空機製作所に照合しましたところ、いろいろ準備している、設計準備ということだと、こういう回答があっております。これは基本設計費の執行停止という、この国会での経過から見まして、まさに一方ではひそかに事態が進行しておる。国会では執行停止しておるということのごまかしですね、それを感じるわけでございますが、このことについてどういう事態になっておるのか、伺いたいのです。
#154
○和田(裕)政府委員 お答え申し上げます。
 F4EJの試改修の設計につきましては、防衛庁はいまだ契約を締結していないわけでございますから、したがって、これに関する作業をしてないことは御承知のとおりでございます。
 企業がどういうふうな作業を行っているかという御質問でございますが、防衛庁としては企業が内部でどのような作業をしているかにつきましては正確には承知しておりませんけれども、一般的に言いまして、契約を希望する企業、この場合には、三菱重工がこれまでファントムをつくってきたというような経緯もございまして、三菱重工があるいはそれに当たることが十分あり得ると思うわけでございますが、そういったような一般的に契約を希望する企業が、正式契約に先立ちましてみずからのリスクで見積書の作成その他の準備を行うということは十分あり得ることだろうというふうに考えております。
#155
○山原委員 三菱側ではこの作業が防衛庁の指示に基づいて行われておるものであるということを言っております。名古屋航空機製作所で興そのためのスタッフ十名ほどが航空自衛隊担当官らと打ち合わせをしつつ爆撃装置取りつけの計画図を作成している。三菱本社並びに同名古屋製作所ともこういうふうに言っております。防衛庁との契約はこれからにしても、防衛庁の指示がない段階から勝手に改修設計などやるわけがない。たとえ予算が一時停止になっていても、いずれ解除されるのはわかり切ったことだと話しておるのでございますが、この点についてはどうお考えになりますか。
#156
○和田(裕)政府委員 私ども、そのようないずれ執行停止の方は解除されるのであろうから云々というような話は一切聞いておりませんし、私どもはいま試改修につきましては御承知のような経過で執行停止をしているところでございます。これにつきましては三月三十一日までには契約を締結できるようにぜひともお願いしたいということを申し上げているわけでございますが、とにもかくにもそういうことでとめているわけでございますので、それを全く一方的に会社の方が無視するような発言をしたというようなことはあり得ないことだというふうに考えております。
#157
○山原委員 けさほどの答弁でも、大出議員に対する答弁で、工場も決まっていない。いまは三菱の話が出ているわけですね。この国会でももうすでにその話は出ているわけですが、そういうふうに答弁をいろいろ変えてはいかぬと思うのですよ。三月三十一日までにというお話もいまあったわけですが、私が指摘したことはこれは調べていただきたい。こんなことで文民統制だとか言ったところでどんどん制服が一緒になって先へ進んでいる。国会では大問題になって予算執行をストップしている、凍結しているにかかわらず、一方では進んでいるということになりますと、これは本当に重大な問題ですね。
 これは、防衛庁長官、こういう点をどういうふうにわれわれとしては受け取っていいのですか。こんなことを許しておったらもう次々と先行していく。ひそかにどんどん事態が進んでいくということになりませんか。
#158
○伊藤国務大臣 この件に関しましては何度かお答えを申し上げておりますけれども、今回の問題につきまして補正予算審議が中断するという異例な事態となりました。そういうこと、さらにまた、この機会に国民の理解が得られるように引き続き御説明を申し上げまして、円滑な形でこの予算の執行を図りたいということ等を総合的に勘案をいたしまして、きわめて異例の措置でございますけれども、試改修のための契約の締結を一時見合わせることにいたしました。いま装備局長からもお答え申し上げましたとおり、現在本件に関する契約関連の業務を停止しているところでございます。
 しかし、私といたしましては、本件予算はすでに国会の議決を受けており、政府として執行する責務がございますので、本件について十分御説明を申し上げた上、防衛庁の業務の遂行に支障のないよう、先ほど政府委員からも申し上げましたとおり、本年度内に一日でも早く契約の締結ができることを切望するという状態でございまして、何とぞ御理解をちょうだいしたいと思います。
#159
○山原委員 問題は防衛庁の願望とは別なんですね。国会の審議としては、これはもう時間の関係で長く申し上げる必要はないと思いますが、本当にこれだけ大もめにもめてきた問題でしょう。そして、予算の執行についてはとまっているわけですからね。それを一方ではひそかに事態は進んでおる。これははっきりと調査をしていただきまして、そして、この国会における事態が終わるまではこれは中止をすべきだと思うのですが、その点を伺っておきます。
#160
○和田(裕)政府委員 まず、第一点でございますが、答弁をいろいろと申し上げたという御質問がございましたが、実は参議院の秦先生のときにも、F4試改修については三菱重工が常識的に一つの候補になり得るだろうという点をもうすでに申し上げてございまして、その点については私ども一貫しているわけでございます。ただ、正式に決まってないという点につきましては、けさほど防衛局長が申し上げたとおりでございます。
 次に、調査をしろということでございますが、一般的に、私企業がみずからのリスクで、契約を希望するという観点から、いろいろな準備をするということは、自由経済の社会でございますから、それはそういうことはあり得ると思いますけれども、一方、国会での御審議についてこれを全く軽視するような発言があったという点につきましては、私どもはそういうことはあり得ないと思っております。
#161
○山原委員 私はこれで時間をとりたくないわけですけれども、防衛庁との契約はこれからにしても、防衛庁の指示がない段階から勝手に改修設計などやるわけがないと、こう言っているのですよ。たとえ予算が一時停止になってもいずれ解除されるのはわかり切ったことだというこの立場でやっている。これなら、国会で幾らまじめな審議をして、いままでの政府答弁と違うから、約束と違うからということで事態がストップする、この議会の審議がストップするまでの状態が起こっておることと比べまして、いずれ解除されるから大丈夫だ、あるいは防衛庁の指示がなくてやるはずがないじゃないかというような態度で、ほうっておいていいのかという問題です。これは、防衛庁長官、はっきりとお答えをいただきたいのです。あなたのお答えによって私は次へ移りたいと思っています。
#162
○伊藤国務大臣 先ほど政府委員からもお答え申し上げましたとおり、また、私自身も先ほど申し上げましたとおり、二月十日のあの時点で予算の審議が問題になった時点におきまして停止をいたしまして、また、契約も一時見合わせるということにしておりまして、先ほど政府委員が申し上げましたとおり、私企業がおのがリスクによってやっているということにつきましては私どもは関知しておりません。
#163
○山原委員 もう一言、長官、私が言っておりますのは、私企業がやっておることに対してとやかく言うということでなくて、私企業そのものが、防衛庁の指示がなくしてやるはずがないじゃないか、こう言っているでしょう。しかも、スタッフの十名と防衛庁とが一緒になって計画図をつくっておる。こういうことを私は指摘しておるわけですから、それは行き過ぎですよね。三菱重工がどういうことをやられようが、あなたは私企業がやることに対しては文句を言えない、こうおっしゃるけれども、私の指摘しておりますのは、防衛庁との関係で進められているのじゃないかという、私は私どもの調査に基づいた事実を言っているわけですから、それがなければないでいい。あれば、それはこの国会の審議が済むまでは打ち切っていただきたい。それは当然のことじゃないでしょうかね。
#164
○和田(裕)政府委員 先ほどから申し上げておりますように、私どもは、二月十日以降、調達実施本部長、空幕長に対しまして、試改修に関します契約の準備作業等は、これを停止するようにということで申し渡してございます。したがいまして、そのように防衛庁の中は動いているというふうに確信しております。
#165
○山原委員 いまの答弁で、そうしますと契約もストップになっているわけですから、防衛庁が指導したりすることはないという観点に立っておると思いますが、これはお調べになって、そういうことがあればやめていただく、これは当然のことだと思いますが、その点長官よろしいですか。
#166
○伊藤国務大臣 先ほど来、私なり政府委員がお答えしたとおりでございまして、現在は一切執行を停止し、契約を見合わせているということでございますので、くれぐれも御理解をいただきたいと思います。
#167
○山原委員 結局、私が指摘した事実がないということになるわけですね、いまの答弁を正確に理解しますと。しかし、私はそういうことがあると言っているわけで、これは調査をしていただきたいと思います。そして、私の指摘が正しければ、いま長官がお答えになったとおりの処置をしていただきたいと思いますが、その点よろしいですか。事実がなければいいですよ。事実があったら、やめていただいたらいいのだから。
#168
○伊藤国務大臣 何度もお答えを申し上げ、同じことを申し上げるわけでございますけれども、そういうことではございませんし、また、私企業が自分のリスクにおいて研究なり対処をしているということについて、防衛庁は、この企業の問題につきましては一切関知をしておりません。
#169
○山原委員 関知していないという、防衛庁としては、さっきからの答弁では当然のお答えだと思います。関知しておれば――私は関知しておるからやめていただきたいということを言っているわけで、お調べになって、防衛庁長官のとおりになっていなければ、これは当然中止をされるものと理解をして、次へ進めたいと思います。
 今度の減税問題についてですが、国民が一番期待しておるのは何かということですね。そして、現在一番知りたいのは何かということを考えてみますと、これは、今度の国会でいわゆる一兆円減税、しかも、それは五十七年度の当初予算における一兆円減税問題がここまで政治的問題として発展をしてきたわけでございますから、国民が一番期待し、一番知りたいのは、五十七年度の大幅減税が行われるかどうかということなんです。その点について、総理は午前中の御答弁で、テレビを見ておりますと明言を避けたというふうに報道されておったわけでございますが、これは、五十七年度減税については明言を避けたということは、いままで五十七年度減税はやらないということを言い続けてきた総理大臣としての御見解を変更されたものと私は解釈をしておりますが、それでよろしいでしょうか。
#170
○鈴木内閣総理大臣 午前中の大出さんの御質問に対して私がお答えいたしましたのは、所得税減税については各党の代表の皆さんが熱心に御審議をされて合意に達せられた、それを踏まえて衆議院議長見解というものが出された。それには、国民的なこの願望を認識をして、そして五十七年度予算が成立を見た段階においては直ちに衆議院の大蔵委員会に小委員会を設置して、そこで税制及び適切な財源等について中長期的な展望に立って御審議をされる、その審議をされた結論に対しましては政府としては十分尊重して対処してまいりますと、こういうことを申し上げておるところでございます。
#171
○山原委員 五十七年度の当初予算は現在審議中なんですよね。まだ衆議院の審議も現在行われているわけで、私どもも予算の組み替え動議を提出するという、まだ審議は衆議院においてもなされておるわけですし、さらに、参議院ではまだ審議をしていない、言うならば審議はまだ明らかに途中であるわけですね。その際に、この予算の成立を見てといういま総理大臣のおっしゃり方ですけれども、これは考えてみますと、五十七年度当初予算についてはまだ修正される可能性だってあるわけです、参議院の審議だって残っているわけですからね。そういう点から考えまして、五十七年度当初の予算について減税をやらないということなのか、あるいは修正も行われる可能性を持っておると。そして、予算が通った後で大蔵小委員会をつくるというお話であったわけですが、そういうふうに理解してよろしいんでしょうか。要するに、五十七年度の当初の予算は変えないというのか、あるいは修正をすることもあるわけですからね、その点はどういうふうにお考えになっておりますか。
#172
○鈴木内閣総理大臣 私は、権威のある衆議院議長見解を申し上げておるととろでございます。
#173
○山原委員 いや私は、減税問題については、それは話し合いというものがあるわけですから――でも、政府の責任はあると思うのですよ。減税問題についての、たとえば大蔵委員会に小委員会をつくられる、それができたからすべてそこへお任せするということじゃないでしょう。日本の財政をどうしていくか、あるいは国民の要求にこたえて減税をどうするかという点については、政府の責任は、いかにどんな事態でも私は回避されることばないと思うのです。また、回避してはならないと思うのですよね。そういう意味では、これからも予算審議はまだ続くわけですから、その中で五十七年度の当初予算における減税修正というものを行われる可能性だってあるわけですね。そういうことを、もう全く五十七年度当初予算では減税はないんだというふうなつかまえ方をしておることに私は不思議を感じております。その点いかがでしょうか。
#174
○鈴木内閣総理大臣 私は、あなたがいろいろおっしゃっていることを全部踏まえて申し上げておるのでありますが、結論から申し上げますと、各党の代表の方々があれだけ真剣に掘り下げた御検討を願って、そして合意に達せられた、それを踏まえて衆議院議長が見解を出された、その見解の中にそういうぐあいに書いてございます。そういうぐあいに運んだ場合におきましては、小委員会の結論が各党の大蔵委員会における御審議で出た場合には、政府としては尊重いたしますということを申し上げておるだけのことでございます。予算についての、政府に責任があるとか、そういうことはもう当然のことでございまして、それらを踏まえた上で議長見解に対する私の考えを申し述べたと、こういうことで御理解を願いたい。
#175
○山原委員 五十九年度までは増税をしないと、こういうことをおっしゃってこられましたが、この考えはお変わりはありませんね。
#176
○鈴木内閣総理大臣 私は、五十九年度、特例公債依存の財政体質を脱却をする、その五十九年度、特例公債脱却のために、増税などをするのではなしに、行財政の思い切った見直し、節減合理化によってそれを達成をしたい、こういうことを申し上げてまいっておるわけであります。
#177
○山原委員 いままで減税ができない理由といたしまして、総理大臣も大蔵大臣も、それなりの理論を持っておったわけですね。財源の問題、あるいは課税最低限は国際的に比べて高いのだとかいうような問題、あるいは所得税の負担率も低いのだとかいうような幾つかの理論を構成されて、いままでは減税要求に対して非常に厳しく拒絶をされてまいったわけですね。今度は、大蔵小委員会の結論が出ればそれを尊重する、これは当然のことであろうと思いますが、いままで持ってこられた減税を拒否された理論的な根拠というものは、これはもうお使いにならないということでしょうか。
#178
○渡辺国務大臣 お使いになります。(山原委員「ちょっと聞こえなかった」と呼ぶ)使います。
#179
○山原委員 ずいぶん簡単な説明をいただきましたが、要するに、お聞きしておりますと、五十七年度についても少しあいまいですね。国民の要求は、先ほど言いましたように、五十七年度に大幅な減税をやれ、やってほしいということでございますから、この点も何となくあいまいでございますが、これは五十七年度の減税も含んでというふうに解釈してよろしいでしょうか。
#180
○渡辺国務大臣 議長の見解に書いてあるとおりでございます。できるだけ早く、あのとおりでございます。
#181
○山原委員 五十八年度はどうなんですか。
#182
○渡辺国務大臣 これは議長見解に書いてあるとおりであります。
#183
○山原委員 こういうかっこうになるわけですね。議長見解に書いてあるとおりということで、あっさり言いますと、税制あるいは減税問題についての論議がここで行き詰まるのです。政府の見解がここからちっとも進まないわけです。恐らくこれから参議院で、もし仮に予算が回りまして減税論議がなされる場合でも、そういうお答えで終始するのでしょうか、伺っておきたいのです。
#184
○渡辺国務大臣 これはもういろいろいきさつがございまして、国会正常化をするために各党で話し合いをした結果、議長見解というものが表明をされたわけでございまして、これについては、大蔵委員会の中で各党の権威者が集まって今後相談をしていく、その中で当然政府は、見解を聞かれればいろいろな見解も申し上げるし、いろいろな材料等についても積極的に提供していきたいということを申し上げておるわけであります。
#185
○山原委員 はっきりしたことを申しませんけれども、かなり問題のある発言ですよ。減税問題についてこうした公式の場所で、あるいは予算委員会で堂々とやり合うということが国会でしょう。だから、その際に、政府としてはそれに対してできないならできない理由を言い、あるいは各党がこういう財源があるじゃないかということを言い合うことが国会の論議ですよね。ところが、いまの御答弁を聞いておりますと、全部議長見解の方に流れていく。そうじゃなくて、議長見解はあってもよろしいわけですけれども、しかし、政府としては、今日の一億の国民の期待というものがどこにあるかということをつかんで、これに対して、減税の問題ではこういう確固たる方針を持っておるのだということをやはり論議の中に据えなければ、話がもう進まないですね。そこに私自身は非常に問題を感じておるわけです。本当に審議がいつもそこでとまってしまう。総理大臣に聞きましても、大蔵大臣に聞きましても、大蔵小委員会の結論待ちですということになりますと、これは国会全体としての論議は、もう非常に制約を受ける感じを受けるわけですね。そういうことはないのでしょうか。そういう点では確信を持っておられるのですかね。
#186
○鈴木内閣総理大臣 この国会が始まりましてから、最大の政治課題、政策課題として、所得税減税の問題は本会議でも当委員会でも、もう本当に真剣に、あらゆる角度から御論議をいただいてまいりました。政府も考えを申し述べてきたところでございます。しかし、そういう経過も踏まえて、最終的には予算委員会の現時点で減税問題について結論を出すことは、時間的な余裕からいってもなかなかむずかしい。これを大蔵委員会の小委員会に移して、さらに広く深く掘り下げた論議をしよう、こういうことで各党が合意をされて議長見解というものに相なった、こういうぐあいに私は理解をいたしておるわけでございます。
 私は、小委員会で結論が出た暁におきましては、政府としてはそれを十分尊重して対処してまいるということを申し上げておるわけであります。予算委員会等でこの所得減税の問題はもう一切論議はやらないで、それをすべて問題を大蔵委員会に移した、こういうことでないことはあなたもよく御存じのことだと思います。
    〔委員長退席、江藤委員長代理着席〕
#187
○山原委員 私の言っているのは、今度の第九十六通常国会が始まりました冒頭から、五年連続の課税最低限の据え置きによる実質増税ということ、あっさり言えば、国民の方はいままで払い過ぎておるのだから戻してくれというぐらいの気持ちでこの国会を見ておると思いますよ。そういう中で、五十七年度の予算の中で修正なら修正をして、一兆円減税を実現してもらいたいということがあれだけの大きな国民的運動になってきたわけですから、それに対してどうこたえるかということが、いま国会は問われておると思うのです。したがって、私は、五十七年度の大幅減税というものを実現をするために、まだ国会の審議は残っているのですよ、この中で徹底的にやらなければいかぬということを言っているわけです。それは、単に予算成立後の小委員会だけではなくて、これはもう本当にフリーでやれるような体制でなければならぬのが、そこがどうなっておるかという意味でいままでお聞きしておったわけでございまして、私は納得しませんけれども、時間の関係もありますから、これで次へ移りたいと思います。
 財源の問題につきまして、いままで財源がないということをずいぶんおっしゃってこられたわけでありますけれども、私どもは財源があると思っています。だからきょう、委員長のお許しをいただきまして資料を配っておるわけでございますが、たとえば今度の国会でずいぶん問題になってまいりました談合問題、あるいは課税の対象とならないいわゆる所得隠しとも言える非課税対象の部分がたくさんあるわけです。
    〔江藤委員長代理退席、委員長着席〕
たとえばキャピタルゲインの問題にしましても、あるいは退職給与引当金の問題にしましてもありますし、あるいは使途不明金などというのは、当然これに対するメスは加えなければならぬわけです。
 私がいまお配りしました財源というのは、不公平税制をなくするための財源でございまして、こういうものについて、無理やり全部吐き出せなどということを言っているのではなくて、これを二分の一に抑えても三兆円を超す財源が生まれてくるという資料として差し上げておるわけでございます。
 こういった点について、たとえば談合の問題にしましても、本当に政、官、業界の癒着を断ち切れという主張が新聞に出るほど、腐敗の体質というものが談合問題から出てきております。よその国ではずいぶん厳しくやっておりますが、こういうことについても一向にきっぱりとした態度が出てこない。
 これは建設大臣に一言伺いたいのですが、これについてはどういう態度をとられるのですか。中央建設業審議会に任すなどという問題ではなくて、政府みずからがこの問題について毅然たる態度をとるべきだと思いますが、そういうお考えを持っておりますか、ここでちょっと伺っておきます。
#188
○始関国務大臣 お答えを申し上げます。
 われわれといたしましては、公共事業の発注に当たりましては、かねてから公正かつ効率的な執行を図ってまいっておるのでございまして、執行に関してはいささかのむだもない執行をいたしておる、かように存じております。
 なおまた、談合問題に対してどう処置するのかという問題でございますが、いまお話しのとおり、中建審の答申を待つまでもなく、まずこれをやったらいいというものもございますので、そういうものは早急に実施いたしております。たとえば、指名入札制度の場合の指名の数を十から二十に増したというようなことでございます。なおまた、談合が行われる、本命はだれだというようなことがわかった場合に、後で入札が行われてそのとおり決まる、非常に嫌な問題でございますが、これにつきましては、それぞれの発注省におきまして、たとえばもうその工事をやめてしまうとか、あるいはやり直してそういううわさのあった者は指名から除外するとか、毅然たる態度をとっておるものもあるのでございまして、だんだんといろいろな経緯を踏まえて談合に対する態度というものも決まってくるだろう、われわれもそういう意味におきまして極力業界全体の指導に努めてまいる、かように存じております。
#189
○山原委員 談合の問題、裏ジョイントの問題、あるいは使途不明金、これは大蔵省所轄の企業におきましても三百三十四億という使途不明金が出ております。これはフジタ工業事件の東京地裁の判決を見ましても有罪が決定をしておりますが、政治家工作に使われているのは常態化しておる、判決文の中にそういうことが書かれるような事態もあるわけでございまして、全くあたりまえのようなかっこうになってこういう使途不明金が出ておる。これについても厳しく目を向けるべきでしょう。
 それから、有価証券の譲渡所得にいたしましても、現在東京証券取引所の累計、四十三年から五十五年までを見ましても七兆二千億、これを一般の利子より低い五%課税をしましても、三千五百億の財源を生み出すことができると思うわけです。
 そういった問題とか、それからさらには退職給与引当金、これにしましても、これを政府は検討課題にしておったわけですが、それが五〇%、四〇%なり三〇%の検討課題、これがやまってしまう、ここらも国民が不思議に思っておるところでございまして、これなど大蔵大臣、どうなんですかね、こういう点について大胆にメスを向けられないような体質があるのですか、伺っておきます。
#190
○渡辺国務大臣 ただいま山原委員から御提示がありましたこの一覧表ですね、われわれはこれを全部認めないと言っているわけじゃないのでございまして、すでに同じような考え方で課税強化をしておるものもございます。
 たとえば一番なども、五十六年度で課税強化の方向にやっておりますし、それから二番についても、これは五十五年度で課税強化しておりますし、さらに、この退職給与繰り入れ限度の問題は、実態と違うから、今後引き続きもっと検討していきたいと、私は目を離しておりません。
 それから、四番から十三番まで、いろいろ書いてありますが、これは五十年、五十一年、五十三年、五十四年にかけまして、課税の強化ということで見直しをしております。今後とも、こういうものは実態に合うように考えていきたいと思っております。
 減価償却法定耐用年数延長問題等も、これも見直しを今後しなきゃならぬと考えております。
 それから、十五、十六、十七、十九等については、考え方の違いでございまして、同じ考えを持っておりません。
 それから、十八番の問題は、五十六年度で二%引き上げをやってきたところでございます。
 それから、第二番目の利子配当課税の総合課税の問題は、これはそういうことで、グリーンカード制というようなものを予定をしておるわけでございます。
 二番、三番、四番、特に二番、三番は、これは考え方の相違でございます。それから、四番については、かつては一〇%青天井だったものを、控除額を五%にしたわけでございますから、これは課税強化の方向を出したわけでございまして……(「大蔵大臣、時間だ」と呼ぶ者あり)はい、わかりました。
 有価証券譲渡課税の問題も、これは五十四年度で課税強化の措置はとってきたわけでございます。
 したがいまして、われわれとしても、見れるところについては、そういう趣旨は尊重もいたしてやっておるわけでございますから、何とぞ御了解を願いたいと存じます。
#191
○山原委員 時間がもうなくなってきましたが、実際にこういった問題を詰めていけば、いま大蔵大臣のお答えになったことに反論をしなければならぬものもありますけれども、しかし、財源がないなどということでは私はないと思っています。だから、一兆円減税ということにしましても、五十七年度にできないことではない、まだ審議の途中であるということをはっきり申し上げておきたいと思うのです。
 そういう意味で、本当に国民の今日の期待にこたえるだけの決断あるいはそれに対する決意といいますか、そういうものの欠如がこういう事態を起こしておるのじゃなかろうか。五十七年度にやるかやらぬかわからぬというような国民の不安ですね、そういうものに対しては、はっきりと今後の審議においてこたえていってほしいということを要請をしておきたいと思います。
 最後に……
#192
○栗原委員長 時間ですよ。
#193
○山原委員 政治倫理の問題について、もう時間がありませんから申し上げませんけれども、一つだけ。
 今度の国会で、二階堂進氏に対する鈴木総理の御発言ですね、これは反省をしておられるので、これについてとやかく言うのはどうか、否認するというのはどうかというお話がありましたが、少なくとも国会におきましては、二階堂氏の問題につきましては、福田一議長に出されました上申書しかないわけですね。その中には反省の言葉はありません。事実無根である、著しく私の人権が棄損されたということになっておりますが、これは総理大臣はどういう根拠に基づいて反省をされたと言われるのか、その点を伺っておきたい。
#194
○栗原委員長 時間です。(山原委員「答えだけ」と呼ぶ)
#195
○鈴木内閣総理大臣 私は、二階堂氏の問題につきまして、参議院において御質問がありました際に御答弁を申し上げてございます。
 それは、政治倫理の問題につきましては、国民の厳しい批判、そういうものを謙虚に受けとめて姿勢を正し、そして国政に専心をするということで国民のそういう御批判にこたえていこうということについて、私が理解のある答弁をしたということでございます。
#196
○栗原委員長 これにて山原君の質疑は終了いたしました。
 次に、依田実君。
#197
○依田委員 私たちに与えられました時間は二十分弱でございます。簡単に要領よくまたお話をさせていただければ、こういうふうに思うわけであります。
 まず最初に、日米経済摩擦の問題についてお尋ねをさせていただきたい、こう思うのであります。
 昨日、通商代表部のマクドナルド次席代表が参りまして、いまいろいろとまた事務的レベルで交渉が行われておるわけでありますが、私自身も今月の初めにワシントンを訪問いたしまして、昨年いろいろ日本に関係のある決議案を出された議員に何人かお会いをさせていただいた。共通して言えることは、それぞれ選挙区の利害関係をしょっておる、そしてまた、日本に対して必ずしも正しい知識を持っておるかどうかについてはいろいろと疑問があった、こういうことはあるのでございますけれども、しかし、いま本当にアメリカの国民の皆さん方、これは有名な経済学者でありますけれども、その方でもひそかにプライベートの席では、私たちに、日本は戦後ガリオア、エロアの資金で復興したのではないか、アメリカが困っているときには助けろ、これが本当に偽らないアメリカ人の感情だと思うのであります。
 そういう意味で、この問題は手おくれになればだんだん感情論にエスカレートしてくることは間違いないのでありますけれども、きのう私、気になりましたのは、二階堂幹事長がこう反論された。つまり、いろいろ圧力をかけられるとわれわれ自由民主党が困る、こうなると日本の政界が混乱するんだ、こういうことを言われたのであります。私は、この発言は非常に問題があると思うのであります。こういう次元で日米間の経済交渉に当たられておるというのじゃ困るのであります。たまたま私がワシントンを訪ねましたときに御一緒した自由民主党のある代議士の方も、同じような論法を用いられた。こういう論法は非常に古いのじゃありませんか。そういうことは抜きにいたしまして、一言だけきょうは総理にお尋ねをさせていただきたい。
 総理、どうでしょうか。日米フォーラムでアメリカの駐日大使が提言された。総理が、サミットの前にひとつアメリカ大統領に会って、この問題についていろいろ心を開いて話し合ったらどうだ、こういう提言をされておるわけであります。聞くところによりますと、フランスのミッテラン大統領はアメリカの高金利を非難するためにアメリカに行かれる、こういうことが報道されておりますけれども、総理どうでしょう、サミットの前にアメリカ大統領にお会いになるスケジュールがあるかどうか、この点についてだけお尋ねをさせていただきたい。
#198
○鈴木内閣総理大臣 日米の間におきましては、政府間は絶えず緊密な連絡をとり合い、情報の交換をし、また対話を続けてきております。
 私も、オタワ・サミットにおきましても、アメリカの高金利の問題等につきましてレーガン大統領とも隔意のないお話し合いをいたしましたし、またカンクンのサミットにおきましても同様に、お会いした際にいろいろ世界経済全体の問題について話し合いをいたしておるわけでございます。こういうぐあいに絶えず機会あるごとに私はお会いをして、そして二国間の問題だけでなしに、世界の平和と安定、そして国際経済全般についても話し合いをいたしております。今回も安倍通産大臣が訪米をいたしまして、レーガン大統領にも会われた、また江崎調査会長も会われた。さらに、三月の連休には外務大臣も訪米をする、こういうぐあいに絶えず接触をし、忌憚のない意見の交換をいたしております。
 私は、六月のベルサイユ・サミットの際にもお目にかかりますから、ぜひその機会を利用して、公式の全体の会談のほかに、レーガン大統領とも十分腹蔵のない意見の交換をしたい、こう考えております。
#199
○依田委員 次に、グリーンカードの問題について伺いたい、こう思うわけであります。
 五十九年度、われわれが前から唱えておりました不公平税制の一環であった利子配当分離課税の是正のために、グリーンカードを導入される手はずになっておるわけでありますが、最近にわかに政界といわず財界といわず、この問題についていろいろやかましい議論が出てまいりました。見合わせたらいいだろう、こういう議論が出ておるわけであります。
 私は、この分科会でもこの問題についていろいろ質問させていただいた。技術的な問題について、きょうお尋ねする時間もございません。銀行間の過当競争、あるいは銀行と証券との間のいろいろな分野調整、あるいは郵貯の名寄せの問題等、それはいろいろ行政の中で解決をする問題だろうと私は思うのでありますけれども、最近の議論の中に、これが導入されると金融界に非常に混乱が起きる、特に換物運動というか、資金の流れが好ましからぬ方向へ行く、こういううわさがある。その例として、金だとかゼロクーポンというものが取り上げてあるのでありますけれども、果たしてそんなに重大なる変化が起こり得るのかどうか。私は、起こり得るとは思わないのであります。
 大蔵省にお尋ねしたいのでありますが、最近の金あるいはゼロクーポンへどれだけ実際に資金が移動したのか、お尋ねをさせていただきたいと思います。
#200
○矢澤政府委員 金でございますが、昨年一年間の輸入額は五千億円でございまして、そのほぼ半分が個人の保有に回ったと思われております。
 それから、ゼロクーポンでございますが、ことしの一月までで七百億円の払い込みがございました。二月は証券会社の売り込みが激化したこともございまして、これよりはかなりふえている数字になっていると思います。
#201
○依田委員 金が個人用約二千五百億円、こういうことであります。いま個人の金融資産は約三百兆と言われておる。その中で二千五百億円ですから、パーセンテージにすれば〇・〇七であります。あるいはゼロクーポン、いま七百億円と言われましたけれども、ドルにすれば約三億ドルぐらいですか、五十六年中の外資の証券投資というものは六十億ドルあるのであります。その中のたったの三億ドルであります。このくらいのことで、グリーンカードを導入すると問題があるとか、そういう理論では私は困ると思うのであります。
 先ほどから言いましたように、郵貯あるいはまたマル優の中に、不正に、架空に設けられておる預金がたくさんある、こう言われておるわけであります。これは、言ってみればわれわれの税金でもってその利息を払っておるのであります。今度は、たとえ金やゼロクーポンに逃れようが、それは自分たちのリスクでやるわけであります。そういう意味で、これを保護することは問題があるのではないか。
 そういう意味で、大蔵大臣に伺いたいのでありますけれども、五十九年度、グリーンカードを予定どおり導入するかどうか、私はぜひ導入してもらいたい、こう思うのであります。いまの大蔵省のお話を聞いていると、何ですか、水鳥の羽音に驚く平家の軍勢みたいなことで驚いておるようでありますけれども、そんなことではだめじゃないかと思うのでありますが、大蔵大臣の御決意やいかに。
#202
○渡辺国務大臣 同じ考えでございます。
#203
○依田委員 ぜひひとつそのお考えで邁進していただきたい、こう思うのであります。それは、たとえば郵便貯金や何かの名寄せの問題で、二年間ぐらいはいろいろ多少の技術的混乱はあるかもしれませんけれども、必ず将来についてはいわゆる不公平税制の是正につながるのじゃないか。こういう意味で、いまの大蔵大臣の決意はひとつ守っていただきたい、こういうふうに思うわけであります。
 残り時間が十分しかなくなりましたから、今度は住、宅問題について伺わせていただきたい、こう思うわけであります。
 政府は、五十七年度内需の振興は住宅から、こういうことで力まれておるわけでありまして、いろいろ土地税制の改正であるとか、あるいはまた住宅金融公庫の融資枠あるいは条件の緩和、いろいろ手を尽くされておるようでありますけれども、われわれがいままでの常識から考えてみますと、これはいたずらに土地の高騰と、そしてまたスプロール化を招く以外の何物でもない、こういうふうに考えておるわけであります。
 この間、たまたま私、NHKの番組を見ておりました。「アンコールアワー」という番組でありまして、これは聴視者からもう一回放送してくれ、こういう要望にこたえる番組でありますから、それだけ関心があった番組だろうと思うのでありますが、「持ち家エレジー」というのがあった。この中で取り上げられておりましたけれども、いま二千万円台の建て売り住宅を買おう、こういうことになりますと、要するに東京の中じゃ買えないのであります。千葉県なら市原、埼玉県なら川越の先に行かなければそういうものは買えない。そしてまた、二十年の月十万のローンに呻吟しなければならぬということが放映されておりました。しかし、それじゃいま東京の中に土地がないのか、こういうことになりますと、そうじゃないのじゃないか、たくさんあるのであります。いわゆる公用地やあるいは公有地がたくさんあるわけであります。
 この臨調の答申の中にもこういうことが書いてある。「国及び特殊法人の遊休資産処分」、都市及び都市周辺における処分可能な国有地等については売り払い等の処分を促進しろと書いてあるのであります。
 そこで、その一例になるかどうか、ひとつお尋ねをさせていただきたいのでありますが、戦後農地改革があった。東京でももちろんお百姓さんがいましたから、農地の買い上げがあった。その農地改革の名残の土地が、いろいろな事情がありましていわゆる小作人に売り渡せなかった、こういう土地がいまだにたくさん残っておるのであります。この間、東京都で調べましたけれども、約二千カ所、六十六万平方メーターもあるのであります。
 こういう問題について農林省はこれを可及的速やかに処置をされたい、こう思うのでありますが、農林省のお考えはいかがでありますか。
#204
○森実政府委員 お答え申し上げます。
 四十六年当時約百五十七ヘクタールありました土地のうち、現在残っておりますのは六十六ヘクタールでございます。このうち宅地等に充てられるいわゆる市街化区域の農地は、その全部ではございませんで、五十七ヘクタールということになっております。
 そこで、私どももこれは従来から売り払いの促進に努めておりましたけれども、実は相続人間でかなり争いがあるとか占有の問題で争いがあるとか、それから時価の七割で売り戻すということでなかなか一回に払えないということで、おくれている事情がございます。しかし、住宅用地とか学校とか幼稚園等の公共用地に充てられる土地でございますので、司法手続の促進等も含めまして売り払いの促進に努めたいと思っております。
#205
○依田委員 諸般の事情があることは私もわかっております。しかし、これは長く置けば置くほど権利義務関係がふくそうするわけでありまして、ますます売りにくくなる。そしてまた、その管理は東京都がやっておるのでありますが、管理費用がないために近隣の方に非常に迷惑をかけておる。そういう意味で、これを可及的速やかに処分されるようにひとつお願いをしたい、こう思うのであります。
 同じようなことで、官庁の宿舎、この問題を取り上げてみたい、こう思うのであります。
 実は東京都が出しております企画の中に、どういうところが暮らしやすいか、こういう指数が出ておるのであります。暮らしやすさ、指数の計算の基準になるのは駅の数であるとか小売店の数とか公園の面積だとかスポーツ施設だとか病院の数だとか、いろいろあるわけでありますが、この指数を当てはめて東京で一番暮らしいいのはどこかというと、千代田区であります。二番目が中央区であります。三番目が港区であります。ところが、そういうところに官庁の宿舎がたくさんありまして、それがまた必ずしも有効に、効率的に使われてないのであります。調べましたところ、東京で合同宿舎と言われるところが大体百三十カ所ある。そのうち一階建てが十一カ所、二階が九カ所、三階が三十カ所、四階が三十九カ所、五階が二十七カ所、あとはほとんど微々たるものでありまして、大体三階から五階建てであります。そして、それがいま言いました一番暮らしいい千代田区や中央区、港区にたくさんあるのであります。
 私はこの間、その中でとりあえずいま東京で一番高級じゃないかと言われておるような港区を訪ねさせていただきました。この官庁の宿舎を合同宿舎だけについて調べさせていただいたのであります。
 宿舎名麻布。これは南麻布四の六、有栖川公園のすぐ隣にあります。隣はまた麻布のプリンスホテルがある。地価はいま坪百六十万円以上しておるのであります。ここは三階であります。白金住宅。これは白金の迎賓館のすぐ隣にありまして、これまた坪二百五十万円もする場所に、これも四階建てであります。赤坂の一ツ木。これはTBSの高台の上にありまして、赤坂の夜景が一望に見渡せる、坪四百五十万円、こういうところで四階であります。霊南坂。これはホテルオークラのすぐ隣にありまして、これまた最高級地でありますが、これまた坪百七十五万円以上で四階建て。赤坂。これは大使館街にあります。これも四階建て、坪二百万円以上。赤坂第二。これは超高級の場所でありまして、カナダ大使館の裏であります。これも坪二百万円以上のところでありますが、これも四階建てであります。
 こういうところには、たくさんあるのであります。そして、それがまた必ずしも満杯になっていない。霊南坂なんかほとんど半分しか入ってないのであります。こういうものを、さっきの臨調の答申ではございませんけれども――私はそこに行ってちゃんと調べてまいりました。容積率から何階が建てられるか調べましたら、大体みんな六階以上オーケーだ、こういうふうに区役所で言っておるのであります。そういうところへ、いま言ったようなぜいたくな建て方で建っておるわけであります。いま申し上げたのは合同宿舎だけで、こういうような官庁の宿舎は東京百三十カ所、そのほか、あと各省とも大体三十カ所から四十カ所ずつ各官署それぞれ別の宿舎を持っておるわけであります。
 大蔵省はこういうものを合理的に建て直しするなりあるいは一カ所に集中させるなり、余った一等地は売って財政の足しにするなり、そういうことをしたらどうかと思うのでありますが、大蔵大臣、いかがですか。
#206
○小幡政府委員 お答え申し上げます。
 宿舎建設に当たりましての土地の効率的な使用ということにつきましては、基本的に先生のおっしゃるようなことで私どもも考えておるわけでございますが、ただ建築基準法等のいろいろな法的規制もございます。また、周辺に現に建っておる住居との関係ということもございまして、なかなか高層化ということはむずかしい面もあるわけでございますけれども、私どもといたしましては、この建てかえ等に際しましてはできる限り高層化ということに努力をし、土地の効率的な使用について努力をしてまいりたいというふうに思っております。
#207
○依田委員 建築制限とかいろいろおっしゃいましたけれども、私はちゃんと区役所に行って全部調べました。一カ所を除いて全部高層オーケーだ、こういう結論を港区だけに関しても得ておるわけであります。ぜひひとつそういうものをまじめに調べて、そして高層化をし、不要のところはほかへ譲っていただきたい、こう思うのであります。
 もう時間がなくなりました。あと二、三分でありますけれども、最後に、建設省にお尋ねをさせていただきたい。
 先ほどの指数で、いま東京で一番暮らしいいのは千代田区、次が中央区、次が港区、こういうふうに出たのであります。ところが、意外や意外に、そういう暮らしいい順番に、夜間人口と昼間人口の差が激しいのであります。つまり、一番暮らしいい千代田区が一番夜間人口と昼間人口の差が激しい。二番目の中央区がその次、港区が三番目。不思議に暮らしいいところにはいま人が住んでいないのです。住宅地になっていない。私は、二時間もかかって遠くから来る人にとってみれば、これは本当に嘆かわしいことではないか、こういうふうに思うのであります。
 そこで、これは大阪市立大学の宮本憲一先生が提唱されておるのでありますが、昼間人口と夜間人口の差がある一定以上に激しくなってきた場合は、オフィスを建てる場合に必ず住宅を併設しろ、こういう議論があるのであります。そうなれば、たとえば三菱重工がオフィスをつくる場合はその上に必ず住宅を併設しなければならぬ。それは三菱の社宅だろうが分譲住宅だろうが何だろうが構いません。そういうことを義務化して、なるべく都心へ人口を、つまり暮らしやすいところへ人を集める、これが本当の住宅政策ではないかと思うのであります。パリでもニューヨークでもロンドンでもみんなそうであります。都心の住みよいところへ住んで、十五分も郊外電車に乗れば緑の中に行けるというのが本当の都市政策じゃないかと思うのであります。政府は、ただ家を建てればいい、どこの田舎でも建てればいい、これでは住宅政策にならないと思うのでありますが、建設省、いまの提案はいかがですか。これから都市の改造をやるかどうか、お尋ねさせていただきたいと思います。
#208
○始関国務大臣 お答えを申し上げます。
 住宅建設を促進するに当たりまして、都会の中の比較的住環境の整っている地域の有効利用を図ったらどうか、特に夜間人口の減少しているような地域につきましては、民間のオフィスなどに住宅を併設させるというような方法を講じたらどうかという御意見でございまして、職住近接というような理想から申しましても、ただいまの御意見には私どもも全く賛成でございます。
 ただ、これをやってまいるにつきまして、たとえば都市計画上の用途地域の見直しでありますとか、特定街区あるいは高度利用地区の活用といったような都市計画法上の手段を活用いたしますとともに、そういったビルの上の方に住宅をつくる場合には、いわゆる住宅金融公庫の金を貸し付けてやるとかいろいろな助成、誘導の方法を講じてやってまいりたい。法律で強制することはちょっと無理だと思いますが、できる限りの政策を活用いたしまして誘導してまいりたい、かように存じております。
#209
○依田委員 時間が短かったものですから、少し早口で速記者の方に大変申しわけなかったと思いますけれども、以上で質問を終わります。
#210
○栗原委員長 これにて依田君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして締めくくり総括質疑は終了し、昭和五十七年度総予算に対する質疑はすべて終了いたしました。
    ―――――――――――――
#211
○栗原委員長 ただいままでに、日本共産党の金子満広君外二名から、昭和五十七年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出されております。
 これより、本動議について趣旨弁明を求めます。金子満広君。
    ―――――――――――――
 昭和五十七年度一般会計予算、昭和五十七年度特別会計予算及び昭和五十七年度政府関係機関予算につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#212
○金子(満)委員 私は、日本共産党を代表し、ただいま議題となりました昭和五十七年度予算三案につき、政府がこれを撤回し、編成替えを求めるの動議について、提案理由及び概要を御説明いたします。
 なお、動議の案文はすでにお手元に配付してありますので、簡単にいたします。
 言うまでもなく、政府提出の来年度予算は、まず第一に、米レーガン政権の核戦略に呼応した軍事費の異常突出に示される大軍拡予算であり、第二に、大企業への補助金を厚くし、不公平税制を温存するなど、大企業奉仕を貫いた予算であり、そして第三には、軍拡と大企業奉仕といういわゆる二つの聖域によって国民の暮らしと福祉、教育を踏みつぶす反国民的な予算であります。
 しかも、国民生活犠牲による深刻な消費不況はすでに今年度に巨額の税収欠陥をつくり出し、来年度予算案は初めから大きな破綻が確実な欠陥予算、粉飾予算であることがますます明らかになっています。
 このような予算の成立を許すならば、アジアと世界の平和、安全が脅かされ、国民生活と日本経済、財政危機を一層激化させることは明白であります。
 したがって、政府予算を歳出、歳入の両面にわたって抜本的に組み替え、来年度予算を平和、軍縮、国民生活防衛に役立つものに切りかえることは絶対に必要であります。
 以上が、撤回、編成替えを求める理由であります。
 次に、組み替えの主な内容について申し上げます。
 その第一は、軍事費の大幅削減であります。
 後年度負担を加えると四兆三千億円を超える軍事費の異常突出は、レーガンの限定核戦争構想に巻き込まれ、日本をその戦場にするというこの上もない危険な道に通ずるものであります。しかも、この軍事費の異常突出こそが福祉、教育、国民生活圧迫、大増税の元凶となっていることは、すでに広く指摘されているとおりであります。軍事費の大幅削減なくして、平和、国民生活防衛、財政再建はもはや不可能でさえあります。P3C、F15などの装備増強予算、在日米軍へのいわゆる思いやり予算の全額削除などによって一兆円以上の削減が可能であります。
 第二に、国民生活防衛のための予算を拡充することであります。
 国民の消費支出は二年連続のマイナスを示し、これが今日の不況の最も大きな原因となっていることは天下周知の事実であります。その克服のためには、まず、国民の切実な要求である一兆円の所得減税を断行することであります。わが党が提案する税額控除方式により、四人世帯で四万円の所得税減税を行えば、現在二百一万五千円の所得最低限は二百六十二万円となり、低所得者はもちろん、国民生活の困難を軽減する上で大きな役割りを果たすことになります。
 さらに、歳出面では、老齢福祉年金の三万円への引き上げなど、福祉充実に五千億円を追加することを初め、教育、雇用、生活密着型の公共投資、農業、中小企業、地方財政対策に計一兆九千億円を追加すべきであります。
 第三に、国民生活防衛のための財源対策であります。
 歳出面では、軍事費一兆円以上の削減とともに、年間二千億円を超える大企業への補助金及び不急不要の経費九千億円などを大きく圧縮すべきであります。
 また、歳入面では、国民の怒りが集中している大資本優遇の不公平税制、これにメスを入れることであります。
 わが党の試算によれば、この不公平税制をなくすことによって三兆円を超える増収が可能でありますが、来年度はさしあたってその半分程度、一兆七千億円の増収をやるだけでも、予想される歳入欠陥を軽減することができるのであります。
 最後に、政府は、この夏に予定されている臨調の基本答申によって本格行革なるものを強行しようとしておりますが、これが国民生活及び農業、中小企業の圧迫、財政危機を一層深刻なものにすることは、すでに指摘されているとおりであります。
 行革を言うならば、まず最初に手をつけるべきは、本委員会でもわが党が明らかに指摘をいたしました高級官僚の天下りによるいわゆるおみやげ発注、悪質談合を徹底的に改め、公正な入札が行われるようにすべきであります。これができるなら、血税の浪費を断ち切って、新たな財源を生み出すことも可能であります。
 以上、私は、編成替えを求める動議についてその理由と概要説明を行いましたが、これが平和、軍縮、国民生活防衛、財政再建の出発点となることの確信を表明し、委員各位の御賛同をお願いして、提案の趣旨説明を終わります。(拍手)
#213
○栗原委員長 これにて動議の趣旨弁明は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#214
○栗原委員長 これより討論に入ります。
 昭和五十七年度予算三案及びこれに対する撤回のうえ編成替えを求めるの動議を一括して討論に付します。
 討論の通告がありますので、順次これを許します。堀内光雄君。
#215
○堀内委員 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となっております昭和五十七年度予算三案について政府原案に賛成し、日本共産党提出の編成替えを求める動議に反対の討論を行います。
 御承知のとおり、昨年は、多くの先進工業国が、インフレと不況、ことに失業者の増大に悩んでいる中で、ひとりわが国においては、物価は安定し、国際収支は着実な黒字を続け、経済全体としてはなお多くの課題を抱えているとは言いながらも、景気も緩やかな上昇の兆しを示しております。
 このように、わが国経済が、諸外国に比べ、比較的良好な回復経過を歩むことができましたのは、国民各位の良識ある努力と日本経済の適応能力の高さに負うところが大でありますが、同時に、政府・自民党が経済の動向に注目しつつ、早目早目に、諸施策を機動的に運営し、経済環境の整備を図ってきたからにほかなりません。
 一方、財政面におきまして、わが国は、石油ショックにより五十年度以降、大量の公債発行に依存せざるを得ず、その発行残高も巨額に達しております。すでに財政は新たな施策を講ずる余力を失っており、公債残高の累増は、経済、金融政策の円滑な運営に大きな影響を及ぼすに至っております。したがいまして、今日、最も緊急かつ重要な政策課題は、財政が一日も早く、このような公債依存の体質から脱却して、速やかに財政の対応力を回復することであります。
 五十七年度予算は、まさにこのような決意のもとに、歳出面においては行財政改革による歳出削減を、また歳入面においては公債発行額を着実に縮減することを基本方針として編成されており、財政再建二年目にふさわしい予算であると言うことができます。まずもって政府、財政当局の努力に対し、心から敬意を表するものであります。
 以下、私は、本予算に賛成する理由を申し述べます。
 第一は、行財政の徹底した合理化、効率化によって財政再建を進めるべきであるとの世論にこたえていることであります。すなわち、予算編成上画期的な方策であるゼロシーリングを採用するとともに、第二次臨時行政調査会の第一次答申の趣旨に沿って、経費の徹底した整理合理化を図り、歳出規模を厳しく抑制しているのであります。
 この結果、一般会計予算の伸び率は六・二%という低い伸び率となっており、このうち一般歳出の伸び率は一・八%と、昭和三十年度以来の緊縮予算となっているのであります。
 また、歳入面の見直しにつきましても、税外収入の確保に最大限の努力を尽くすとともに、税制面においても、租税特別措置の整理合理化、交際費課税の強化、貸し倒れ引当金の見直し、法人税の延納制度の縮減等々を行うことといたしている点は高く評価されるべきものと考えます。
 第二に、公債発行額の縮減であります。
 政府は、五十六年度予算において特例公債二兆円の減額を実行し、財政再建を本格的軌道に乗せたのでありますが、引き続いて本予算においても、一兆八千三百億円の公債減額を行っております。この結果、公債依存度は二一・〇%と、前年度当初の二六・二%から実に五・二%も改善されて、財政再建へ向けて大きく前進しているのであります。
 なお、公債の縮減が全額特例公債にならなかったことについて、一部に、これをもって財政再建は破綻したとの意見もありましたが、これは各種施設費を削減したこと、並びに公共事業費の特定財源収入の増加が見込まれたことなどによるものでありまして、財政再建への基本方針はいささかも揺るいでおりません。
 何よりも経済は生き物であります。枝葉末節にとらわれず、機動的な運営の中で五十九年度赤字公債脱却の実現に向かって、わが党は政府と一体となって邁進していきたいと存じております。
 第三は、全体として歳出規模を抑制している中で、中長期的視野から、必要な経費については、重点的に確保が図られている点であります。
 たとえば、エネルギー対策でありますが、わが国を取り巻く石油情勢等にかんがみ、エネルギーの安定的供給を確保し、経済の安定的成長と国民生活の向上を図る観点から、厳しい財政事情のもとにおいて、二二・二%増と、特にその充実を図っておりますことは、きわめて適切な処置であると存じます。
 また、経済協力の問題でありますが、わが国はODAを三年で倍増するという国際公約を五十五年度に達成した後も、新たに中期目標を設定し、政府開発援助の拡充に努めておりますが、本予算におきましても、経済協力費一〇・八%増、中でもODA予算は一一・四%増であり、わが国の国際社会に対する責任を十分に果たしているのであります。
 さらに、社会保障についても、来るべき高齢化社会に対応すべく総合的な老人保健制度を実施するほか、心身障害者対策の拡充など、恵まれない人々に対する各種の施策の充実を図っております。
 また、特に住宅対策につきましては、国民の持ち家取得に対する強い要望にこたえるべく、住宅建設融資枠の拡大、宅地供給の促進など、思い切った諸施策を推進しようとしているのであります。
 なお、この予算案審議の中で、野党から要求のあった減税問題につきましては、自民党と各野党との間で連日、真剣な討議と精力的な努力が積み上げられ、その結果、与野党の合意に達し、五十七年度予算の成立を待って、大蔵委員会に小委員会を設置し、中長期的な観点に立って、所得税減税を行う場合における税制の改正並びに適切な財源等について検討が行われることになりましたことは、まことに御同慶にたえない次第でありまして、今後、わが党は、野党の方々と十分な検討を行ってまいりたいと存じます。
 以上のような理由によりまして、私は五十七年度予算に賛意を表するものでありますが、この際、政府に若干要望をいたしておきたいと思います。
 すでに当委員会の論議にもしばしば取り上げられておりますが、現下の国政の最大課題は、行財政改革の推進といわゆる国際経済摩擦の解決であります。
 私は、鈴木総理が行政改革と財政再建にかけておられる情熱を当委員会でも伺い、非常に心強く感じた一人でありますが、今後、臨時行政調査会の方向づけと相まって、国民的な課題である行政改革による歳出削減にさらに一層の英断をもって取り組まれ、民間経済の活力を引き出しながら財政再建への道をさらに力強く進まれんことを御期待申し上げる次第であります。
 次に、国際経済摩擦の解決につきましては、このところわが国に対する風圧が一層高まりつつありますが、節度ある輸出と市場開放への努力を積み上げる傍ら、わが国の事情についての国際理解を深めることが必要であります。その一方、国内では民間需要の安定的な拡大によって、景気の着実な維持拡大を図ることが急務であることは申すまでもありません。政府としても、物価には引き続いて十分に配意をしつつ、景気の浮揚に努力されるとともに、国際的な対応についても、十分な配慮を払われるようお願いをいたしておきます。
 なお、日本共産党から提案されました編成替えを求める動議は、こうした観点から見てとうてい現実的な提案とは言いがたく、反対を表明するものであります。
 内外の諸般の情勢は、今後ますます厳しさを増すばかりでありますが、私ども自由民主党は、政府と一体となって、困難な諸問題に正面から立ち向かい、その一つ一つを着実に解決することによって国民生活を発展、繁栄させ、国民各位の御期待にこたえるべく全力を尽くしてまいる決意であることを表明し、私の討論を終わります。(拍手)
#216
○栗原委員長 次に、山田耻目君。
#217
○山田(耻)委員 ただいま議題となりました日本共産党提出の編成替えを求める動議には、わが日本社会党は反対の態度を表明いたします。
 次に、私は、日本社会党を代表して、ただいま議題になりました昭和五十七年度一般会計予算、同特別会計予算及び同政府関係機関予算の三案に対し、反対の討論を行います。
 経済の先行きに期待が持てず、行革予算の名のもとに福祉、教育の切り詰めと不公平な実質増税がつのり、その一方で軍事費は優先増額が行われ、輸出主導の経済成長は厳しい対外経済摩擦となってはね返っており、国民は前途に明るい展望を抱けないままに年度を迎えようとしております。しかも、鈴木内閣は、和の政治を掲げて登場したにもかかわらず、その実態は、平和な環境をつくるどころか、防衛関係費の聖域的扱いを深めて、わが国を危険な軍事大国化に向かわせようとしております。国民の切実な要求と、それを受けての野党の声にも耳をかそうとしない姿勢が強まってきているのであります。
 まず、鈴木内閣の政治と経済を集約して指摘しておきたいことは、経済財政運営が完全に失敗したことを率直に認め、国民の要求にこたえるべきであります。一兆円所得減税は生活に苦しむ国民の声であり、それは国民の生活から発した経済政策転換のための知恵でもありましたが、総理の入れるところとはならなかったことに深い悲しみと強い怒りを覚えるものであります。税金問題は、経済問題以上に政治の問題であることからして、今回の措置はとうてい思いやりのある政治とは言えないのであります。ところで、政府の大義名分は財政再建でありますが、この予算はそれに値するかと言えば、大いなる粉飾が施されております。言うなれば、虚飾の財政再建予算とも断定されるべきものであります。前提となる経済見通しは誇大であり、それに基づいて税収は過大に見積もられており、歳出面では、年金等の国庫負担分の繰り入れを減額し、国民健康保険への補助金支出も一カ月分を先送りしており、さらに地方交付税交付金への繰り入れを減らすだけでなく、逆に借り入れも行っており、また財政投融資への肩がわり、公務員給与改善費の一%計上など、あらゆる便法を講じて収支バランスをとった予算を編成しているのであります。それは、一般会計の欠陥を将来にわたり他会計と地方財政に負担を転嫁させたツケ回し予算であると言わざるを得ません。そして、やみの特例公債を発行した予算とも言えるのであります。
 このように国民ごまかしの予算であり、一方では軍事費突出の予算を編成しているのであります。軍備増強予算の危険性は、F4ファントムの問題で露呈したように、制服組の独走、文民統制の形骸化を一段と強めるおそれがあるのであります。
 わが国の経済発展を可能にした要因の一つには、軍事費負担の軽さがあったことは事実であり、この両者の関係については、昨年十月の国連軍縮問題専門家グループが報告した「軍縮と開発の関係」においても指摘されているところであります。報告では、一九八〇年の世界の軍事支出は五千億ドルに達し、世界全体のGNPの六%を占めていると明示し、今後軍事費の増加を考慮すれば、二〇〇〇年には世界のGNPを三・七%も伸ばし、九・七%になるとの試算を明らかにいたしました。その上、軍備増強と安定した社会経済開発の同時達成は不可能と明言しています。
 わが国は、みずから軍事大国化の道を歩まず、軍事に頼らず、世界に向かって軍縮の先導的役割りを果たすべきであり、対外的には、イデオロギーを優先させた軍事につながる援助をやめ、社会経済開発に寄与していく援助の道を選択すべきでありますが、今回の予算にはその片りんすらもうかがわれないのであります。まことに残念至極であります。
 以上、私は、総論的に問題点数点にしぼり意見を申し述べ、日本社会党を代表して反対の討論を終わります。(拍手)
#218
○栗原委員長 次に、草川昭三君。
#219
○草川委員 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました昭和五十七年度予算三案に対し、反対の討論を行います。
 反対する第一の理由は、所得税減税に関し、与野党合意が成立しているものの、当初予算においては切実な国民的要求である所得税減税が見送られていることであります。
 御存じのとおり、所得税の課税最低限は五十三年以来据え置かれ、所得税は、給与所得者を中心に著しい実質増税となっております。国民への実質増税は、個人消費の伸び悩みを招き、景気動向に重大な影響を及ぼし、貿易摩擦を激化させようとしていることは多くを論ずるまでもありません。
 共産党を除く五野党は、こうした事態をさらに悪化させることを憂慮し、五野党の最小限度の要求として、実現可能な財源を明示し、所得税七千億円、住民税三千億円の一兆円減税を強く要求いたしました。
 幸いにも、減税に対する国民の強い要望を背景に与党と野党五党との合意が成立し、五十八年度の減税とともに五十七年度の減税実施の手がかりが得られたのであります。この与党と五野党の間の真摯な協議によって得た合意は、この報告を受けた衆議院議長見解によってさらに確認され、当初予算の成立に附帯するものであり、その重みは、かつてない重要性を持つものであります。
 鈴木首相は、本日の本予算委員会において、この与野党合意を最大限に尊重することを明言されました。私どもは、与野党合意に沿って五十七年度内における所得税減税の実施に全力を挙げて取り組む所存であります。
 反対する第二の理由は、福祉、文教予算の後退であります。
 五十七年度の福祉予算は、活力ある福祉社会の実現という政府の公約とはうらはらに、その具体像も実現へのプロセスも全く示されないまま、伸び率を二・八%に抑え込んでしまったのであります。中でも国民年金、厚生年金など各種年金の物価スライド時期の繰り下げ、高額療養費自己負担限度額の大幅引き上げ措置がとられ、さらに老齢福祉年金などがほんのわずかな増額しかされていないのは、とうてい納得できません。第二臨調第一次答申をつまみ食いし、抵抗が少ないお年寄りなど社会的に弱い立場の人たちにしわ寄せしたものと言わざるを得ないのであります。
 文教関係予算も、同様に厳しく抑制されておりますが、特に公立文教施設費の大幅削減は、見過ごしにできません。公立文教施設費の中の公立学校危険建物の改築等は、用地購入費のかからない効率的な事業であり、その事業費の確保は教育の円滑な実施とともに、景気対策の面からもきわめて重要な要素となるはずであります。
 反対する第三の理由は、政府予算案は政府の掲げる内需主導の景気回復を裏づけする具体策を欠いているということであります。
 率直に言って、五十七年度経済は、きわめて厳しい見通しに立たざるを得ません。五十七年度において、五十六年度の二の舞を繰り返さないためには、個人消費の喚起策を初め、十分な政策努力が払われなければならないことは言うまでもありません。個人消費の実質伸び率を政府見通しの三・九%確保するには、年度内の所得税減税は避けて通れないのであります。
 内需不振を打開するには、個人消費の喚起とともに実効ある住宅対策が急務であります。しかし、政府が景気対策の柱として宣伝する住宅政策は、抜本的な地価対策を欠くなど実効ある具体策とは言いがたく、目標とする百三十万戸の住宅建設を達成することはきわめて困難視されるのであります。
 反対する第四の理由は、鈴木総理が政治生命をかけるとまで言明した行財政改革が、財政の帳じり合わせに終始していることであります。
 確かに政府予算案は超緊縮型に編成され、表面上は行財政改革が進んだように見えるかもしれません。しかし、その実際は、福祉、文教予算の抑制、公共料金の値上げを初め国民健康保険助成にかかわる会計区分の変更、地方交付税特別会計からの借り入れなど、特別会計、財投への安易な肩がわり、さらには負担の後年度回しなど、とにかく財政の帳じりを合わせたというのが実態であります。
 五十七年度における行財政改革は、来るべき本格的な行財政改革への突破口であり、本格的な改革に連動させる重要な役割りを担っていることから見ても、こうした措置に国民が疑問を持つのは当然であります。
 本来であるならば、五十七年度における行財政改革は、不公平税制の是正とともに行政の合理化、効率化を積極的に進め、行政機構の簡素合理化、特殊法人の統廃合などに一歩踏み出さなければならなかったのであります。
 さらに、五十五年度決算検査報告が指摘する事業執行のむだ、非効率、不公正を排除する具体策を何ら講じようとしていないのも、まことに遺憾と言わざるを得ません。
 政府予算案に反対する理由の第五は、他の一般歳出を厳しく抑制する中で、防衛予算を大幅に突出させていることであります。
 鈴木首相は、防衛予算を聖域化しないことを再三にわたって言明してまいりました。ところが、一般会計の伸び率が六・二%にとどめられたのに対し、防衛予算は、概算要求のシーリング七・五%さえ上回る七・七五四%もの伸び率が確保されたのであります。実にこの伸び率は、福祉予算の伸び率を二倍以上も上回っているのであります。その上、正面装備の大半は後年度負担に回し、後年度負担の累積額を著しく膨張させていることも重大であります。
 私は、少なくとも五十七年度防衛予算のうち一般会計の伸び率を超える突出部分は削減し、福祉、文教関係予算に振り向けるよう強く要求するものであります。
 以上、五十七年度政府予算三案に反対する主な理由を申し述べましたが、改めて所得税減税に関する与野党合意の重みを強調し、なお、日本共産党提出の組み替え動議に反対の意を表明し、討論を終わります。(拍手)
#220
○栗原委員長 次に、木下敬之助君。
#221
○木下委員 私は、民社党・国民連合を代表いたしまして、ただいま議題となっております昭和五十七年度一般会計予算、同特別会計予算及び同政府関係機関予算に対し、一括して反対の討論を行うものであります。
 わが国経済は、昨春政府から景気の底入れ宣言が出されたにもかかわらず、その後一進一退の横ばい状態を続け、特に素材産業や中小企業の経営はきわめて困難な状況に立ち至っているのでありますが、今日の景気低迷の最大の原因は、輸出にかわって景気先導の役割りが期待されてきた個人消費が低調で、回復らしい回復が見られないことであります。
 最近の消費者物価が安定基調を維持しているにもかかわらず、個人消費の回復がおくれているのは、一般の勤労者の実収入が伸び悩んでいる上、社会保険料負担の増大に加え、昭和五十二年以来所得税の課税最低限が据え置かれているため、所得税負担が累進的に増加し続けていることによるものであり、これが消費者の消費マインドを萎縮させ、物価が安定すれば消費が回復する、これがきっかけとなって中小企業の設備投資も上向きに転ずるという政府の予想を大きく狂わせてきたのであります。
 政府は、五十六年度当初の経済見通しにおいて、内需主導型の経済成長を予想したにもかかわらず、現実には、この逆に輸出による外需依存型の経済成長となったわけでありますが、このままでは五十七年度においても内需主導型の成長への転換は図れず、経常収支の大幅黒字を招き、さらには対外経済摩擦の激化をもたらし、諸外国の保護貿易主義化の動きにはずみをつけることは必至であり、このため、非関税障壁の抜本的改善やより一層の市場開放を行うとともに、内需を拡大し、輸出入の均衡を図らなければならないと考えるのであります。
 わが党は、このような見地から、来年度予算においては、行財政改革の断行と減税の実施による内需拡大型予算を編成するよう強く主張してきたのであります。しかるに、政府の予算案は、いまや緊急かつ最大の国民的要望となっている所得税、住民税の減税実施を軽視し、国債減額を単なる見せかけの数字合わせによって行い、さらには本格的な行財政改革に着手しないまま福祉の後退を図るなど、内需低迷、国民生活圧迫型予算と言わざるを得ないのであります。
 特に、政府の予算案において所得税減税の実施が見送られたことは、所得税の実質増税が著しく進んでいる現実を全く無視しているばかりでなく、最近の個人消費を中心とする内需の不振をさらに長引かせ、政府の目標とする五・二%の実質経済成長率の実現は困難となり、ひいては、それに伴う税収減が財政再建をおくらせるという悪循環に陥る危険性をはらんでいるものであり、きわめて遺憾であります。
 また、五十五年における納税者の比率は、給与所得者が八三・〇%であるのに対し、事業所得者は三七・五%、農業所得者は九・八%となっており、これらは給与所得者に重い負担を強いているいわゆるクロヨンなどと言われる徴税面での不公正を間接的にあらわしているものと考えられるのであります。これは、事業所得者の必要経費が毎年物価上昇に応じて改善されるにもかかわらず、給与所得者の必要経費に該当する給与所得控除が五十年以来据え置かれていることを最大の原因とするものであり、このような現行税制に存する不公平に対しての給与所得者の不満は、もはや抑え切れない段階にまで達しているのであります。
 以上のように、給与所得者に重い負担を強いている現行税制の不公正を是正するためにも、給与所得者に十分配慮した所得税、住民税の減税実施が不可欠であるにもかかわらず、政府・自民党が五十七年度当初予算において実施を拒否したことは、国民生活の実態とわが国経済の現状に対する認識が完全に欠落したものと言わざるを得ないものであります。この点に対する政府・自民党の猛省を促してやみません。
 また、本予算案におきましては、総額としては当初の公約どおり一兆八千三百億円の国債減額が図られたわけでありますが、それは二千六百九十億円の建設国債の減額をも含めてのことであり、政府が言い続けた赤字国債の一兆八千三百億円の減額目標が守られなかったことはきわめて遺憾であります。
 さらに、政府は、五十九年度に赤字国債から脱却するための機械的な国債減額にこだわる余りに、表面上の国債減額の陰で、地方交付税交付金などの繰り延べや住宅金融公庫補給金の財投からの借り入れを行うなど、実質的な赤字国債を発行することによって、当初予定の国債減額を何とか果たしたのであり、まさに単なる見せかけの数字合わせによる国債減額と言わなければなりません。このような後年度へのツケ回しによる国債減額では、何ら財政再建にならないことは明らかであります。
 また、財政再建の大前提であり、国民的課題ともなっている行財政改革については、第二交付税制度の見送り、定員の実質削減の不足など、わが党のかねてよりの主張を無視しているばかりでなく、国鉄経営の合理化を行わないままに安易な運賃値上げを図り、国民負担を増大させていることは国民の要求に反したものであり、まことに遺憾であります。
 以上申し述べましたとおり、本予算案は、わが国経済と国民生活の現状を全く無視したものであり、とうてい国民からの納得が得られるものではありません。
 幸い、先日、不満足ながらも所得税減税の実現に一歩踏み出した与野党合意がまとまりましたが、政府・自民党がこれをその場逃れの口先だけの約束とせず、国民のひとしく願っている所得減税をできるだけ早い時期に実施すべく、誠意を持って最大限の努力をするよう強く求め、私の反対討論を終わります。
 なお、共産党から提案された組み替え案に対し、反対の意をあわせて表明いたします。(拍手)
#222
○栗原委員長 次に、瀬崎博義君。
#223
○瀬崎委員 私は、日本共産党を代表して、政府提案の五十七年度一般会計予算、特別会計予算、政府関係機関予算三案に反対し、日本共産党提案の予算組み替え動議に賛成の討論を行います。
 いま国民が求めている来年度予算は、生活防衛のための予算であり、平和と軍縮のための予算であり、そして民主的な財政再建を目指す予算なのであります。ところが、政府が提出した五十七年度予算案は、これらの要求に全く逆行する大軍拡、大企業奉仕、国民生活破壊のきわめて反国民的な予算案であり、断じて認めることはできません。
 以下、政府提出予算三案に反対する主な理由を述べます。
 本予算案に反対する第一の理由は、一般会計の実質的な伸びが一・八%にすぎないのに対し、軍事費を七・七五四%増の二兆六千億円と異常突出させていることであります。
 しかも、F15やP3Cなどの正面装備を充実させるために後年度負担方式がフルに利用され、五十七年度軍事費の後年度負担は一兆七千五百億円、五十六年度の一兆三千五百億円の実に二九・八%増になっているのであります。
 アメリカのレーガン大統領は、昨年、二回にわたって限定核戦争があり得るということを表明しました。そして、鈴木内閣が五十七年度予算案を決定すると直ちに、アメリカ国務省、国防省は異例の歓迎声明を発表し、さらに、ロング太平洋軍司令官は総理及び防衛庁長官を訪問して、社会保障費を削って軍事費を伸ばされた御努力に敬意を表すると述べたのであります。アメリカの核の傘のもとでの軍備増強が、アメリカの恐るべき核戦略の一環、一翼に置かれていることはきわめて明白であります。
 当委員会においても、わが党の不破書記局長は、本予算案で大量導入しようとしているP3Cが、極東有事に際して米軍に情報提供することで、国会も国民も知らない間に日本が米軍の引き起こす限定核戦争に巻き込まれていく危険を明確に指摘しました。この、憲法はもちろん日米安保条約をも乗り越える戦争加担行為の重大な問題を追及したわが党の不破議員の質問に対して、軍事機密を口実に答弁を拒否し続けた鈴木首相の態度は、不当きわまるものと断ぜざるを得ません。
 F4ファントムの爆撃装置復活問題でも、従来の政府の国会答弁、統一見解を根底から覆し、総理にも真実を知らせないままに防衛庁が改修予算を組んでいた事実は、シビリアンコントロールが空洞化されつつあることを浮き彫りにしたのであります。
 鈴木内閣の進む方向は、日本民族の破滅的不幸を自分の手で進めるものであり、私は再びあの忌まわしい侵略戦争を繰り返さない決意を込めて、本予算案に反対するものであります。
 反対理由の第二は、本予算案が、国民には犠牲を押しつけながら、大企業への補助金や優遇税制には手をつけず、軍事費とともに聖域扱いをしていることであります。
 戦後最高の失業の発生、史上第三位の中小企業倒産に示される国民の生活苦をよそに、大企業は巨額のもうけをため込んでいます。わが党の調査によれば、大企業五十社の内部留保は、昨年九月期で、前年同期比一兆七千五百億円増の十五兆六千億円にも達しているのであります。ところが、政府はこの大企業に至れり尽くせりの優遇策をとっているではありませんか。たとえば、わが党の渡辺議員が明らかにしたように、三菱重工、石川島播磨重工、川崎重工、東芝、日立のわずか五つの大企業に対する通産省の補助金だけでも五十六年度二百九億円、五十七年度二百二十六億円に上り、また、政府が、利益が出れば返還させることになっていると説明しているコンピューター業界への開発費補助金は、昭和四十七年度からの五カ年間に計六百八十六億円が支出され、国庫に戻ったのはわずか二億円、〇・三%にすぎないのであります。
 公共事業においても、全体の伸び率がゼロに抑えられている中で、財政投融資を使った高速道路建設費は八・八%増、本四架橋は四六%増と、大企業奉仕の大型プロジェクトは依然として大きく伸ばされています。
 税制の面でも、政府が当初予定した企業税制のわずかばかりの手直しさえ、財界の反対でたちまち骨抜きにされるなど、大企業奉仕が貫かれているのであります。
 反対理由の第三は、本予算案が、軍事費と大企業奉仕という二つの聖域によって福祉、教育、国民生活が踏みつぶされる最悪の生活破壊予算となっていることであります。
 全く許せないのは、政府の五年連続減税拒否によって、五十二年から五カ年間に、給料は一・五倍にしかふえていないのに、国民の所得税負担は実に二・三倍、納税者一人当たり二十万円もの実質大増税が強行されていることであります。
 このほど発表された総理府の家計調査は、国民の実質消費支出とサラリーマン世帯の可処分所得が、昭和五十五年、五十六年と二年連続マイナスとなったことを明らかにしているではありませんか。これは総理府の家計調査統計が整備されて以来、史上初めてという記録であります。首相は、政府の発表したこの調査結果に痛みを感じないのですか。
 そのほか、来年度予算では、年金、恩給物価スライドの一カ月延期、老人医療の有料化、児童手当の削減、四十人学級計画の凍結、公立学校施設整備費の削減など、福祉、教育の全分野に大なたをふるおうとしており、この面からも本予算案を通すわけにはいかないのであります。
 第四の反対理由は、本予算案が、歳入欠陥確実の粉飾予算になっていることであります。
 自民党と鈴木内閣の国民生活犠牲の政治によって深刻な消費不況を引き起こし、それがいま空前の歳入欠陥として財政にはね返り、五十六年度一兆円をはるかに超える税収不足が不可避になるとともに、また五十七年度にもそれが引き継がれることが動かしがたい事態となってきています。
 ところが、この事実を指摘し、対策を要求したわが党の質問に対し、鈴木首相、渡辺蔵相は、六月になってみなければわからないなどと無責任な答弁を繰り返し、ついには、一々責任をとっていたのでは首が幾つあっても足りないと開き直ったのであります。もはや、鈴木内閣には、財政を正常に運営し、責任を持って国政を担う意思も能力もないと断ぜざるを得ません。
 第五の反対理由は、本予算案が、政官財癒着の腐敗構造と、それに起因する行政の大きなむだを温存した予算案となっていることであります。
 当委員会におけるわが党の村上副委員長の追及で、鈴木首相以下四十七人もの国会議員が国の公共事業を受注している企業から違法な選挙資金を受けていた事実や、私が示した資料によって、田中角榮元首相以下八人の政治家が公共工事の入札に際し、受注工作に関与していた疑いが明らかになりました。同時に、公共工事をめぐっての持参金つき天下りや、発注官庁による入札以前の発注先決定、裏ジョイント指示などの生々しい事実も明らかになりました。公共工事がこのような政官財癒着によって私物化されている事態をなくすためには、受注企業の政治献金の禁止、民間企業への天下り規制強化、入札制度の民主的改善などの抜本的防止策を講ずることが緊急に必要であり、これこそ国民が求める腐敗と浪費をなくし、一兆円減税と財政再建にも役立つ行政改革として真っ先に着手すべき課題であります。鈴木内閣がこれらの具体的な提案をすべて拒否し、臨調では検討課題にすら挙げていないという事実は、鈴木首相が政治生命をかけるという臨調行革が、国民の願いといかにかけ離れているかを改めて示したものにほかなりません。
 私は、ここで特に議会制民主主義の根本にかかわる重大な問題を指摘しておきたいのであります。
 去る二月二十五日夜の当委員会の理事会では、第一に、日本共産党から、一兆円減税を含む予算組み替え要求が、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、新自由クラブ・民主連合の四会派から、一兆円減税共同要求が出され、自民党は、党に持ち帰り、検討の上回答する、第二に、自民党の回答を受けて、減税問題及びそれと関連する集中審議のテーマ、日数を理事会において協議する、第三に、分科会の日程に入ることが全会一致で決められたのであります。
 ところが、その直後から、国会の機関、会派とは全く別に、一部野党の政党間協議並びに自民党との折衝が始まり、予算委員会の運営が不正常な状態に置かれることとなったのであります。この一部野党と自民党の政党間協議は、わが党のたび重なる申し入れにもかかわらず、党首会談までが、国会を構成する公党として議会運営に責任を持つわが党を排除して、しかも、終始国民に隠された密室で行われたのであります。
 こうした事態の異常さについては、栗原予算委員長も理事会において、いままでの慣例を破った会合が開かれ、それがすべて不調に終わっており、きわめて異例であり、遺憾であるとか、理事会で決めたことが他の要因で動かされたことは遺憾だったと言明せざるを得なかったのであります。
 国権の最高機関である国会の運営を、正規の国会の機関を離れて、党略に従属させた自民党と一部野党の責任は、断じて許されることではありません。
 さらに、自民党と四会派が密室の協議でつくり出した合意なるものに対して、宮澤官房長官は、国会というのは大変なところだ、このように明確にして不明瞭なみごとな文章をつくると指摘したと伝えられており、そうした合意がつくられたということは、議会制民主主義を真っ向からじゅうりんするものと言わなければなりません。内容においても、軍拡、大企業奉仕、国民生活破壊の五十七年度予算を、事実上無傷で成立させることを前提として、減税については最大限の努力をうたうだけで、すべてを大蔵委員会小委員会にゆだねるものであり、一兆円減税、軍事費の削減を初めとする国民の切実な要求にこたえるものでないことを率直に指摘するものであります。
 いま、われわれは、アメリカの核戦争政策に追随して軍事費を限りなく増大させ、国民犠牲の道を進むか、それとも国民の暮らしを守り、平和で民主的な日本につくりかえる道を進むのかという、わが国の進路をめぐる二つの道の選択を問われているのであります。
 わが党が示した歳入、歳出の両面にわたる全面的な組み替え提案こそが、日本を核戦場とさせないための軍縮への第一歩であり、一兆円減税を初め、福祉、教育など国民生活を守ることによって消費拡大、不況打開の道を開き、さらに不公平税制の是正で当面の税収欠陥にも対処し、真の財政再建への出発点となるものであります。
 以上、わが党提案の組み替え動議に賛成、政府提出予算三案には強く反対して、討論を終わります。(拍手)
#224
○栗原委員長 次に、依田実君。
#225
○依田委員 私は、新自由クラブ・民主連合を代表いたしまして、ただいま議題となっております五十七年度予算三案に反対の討論をいたします。
 まず第一に、私たちを含め野党がそろって一兆円減税を要求したのにもかかわらず、政府・与党はこれに対し誠意ある回答を示さず、いたずらに国会を七日間にわたり空転させ、最後は議長見解による収拾を図ったものの、その回答は玉虫色に終わり、特に本予算案の中では減税について少しも解決がなされていないのはまことに遺憾であります。
 ここ数年の課税最低限の据え置き、毎年増大する社会保険料等、勤労者世帯は実質賃金の低下に苦しんでいます力その上、不況が重なり、いまや国民の多くは中産階級意識に疑問を持ち始めています。また、政府の言う内需振興のためにも大型減税が必要なことは、多くの有識者が説くところでもあります。しかるに、政府は、財源難を理由にこれを本予算案では拒否いたしました。
 私たちは、早くから行財政の改革と不公平税制の是正により減税は生み出せると主張してまいりました。減税はまさに天の声であり、民の声でした。それに耳をかさぬ政府は、真に政治の要諦の何たるかを理解しないものと言わざるを得ず、今回の予算には反対せざるを得ません。
 第二に、政府は、そもそも行財政改革は至上の命題と言い、第二次臨時行政調査会を設置し、一方では、国民に受益者負担の必要性を訴えております。国民は、国の苦しい財政の現状、そして受益者負担の必要性についても理解を示すことにやぶさかではありませんが、この理解は、行財政改革の徹底という前提の上に成り立つものであります。この意味では、臨調の出した第一次答申は、それ自体必ずしも満足するものではありません。
 さらに、政府のたび重なる公約にもかかわらず、予算の中での答申の実施はきわめて不十分なものとなっております。小手先だけの補助金整理を行い、財政のつじつま合わせだけのようなことでは、とても行財政改革とは言えません。歳出のむだの象徴とも言われる三Kについては全く手を触れず、国鉄のやみ手当にもあらわれたように、その現状はますます悪化の一途をたどるばかりです。これでは効果的な予算運用がなされていると言えず、われわれはここで政府の行財政に対する理念と信念そのものを問い直さなければならないと考えております。この観点からも今回の予算には反対であります。
 第三に、政府の経済見通しに対する誤りを強く指摘したいと思います。
 政府は昨年じゅう終始、物価が安定すれば個人消費が回復し、内需中心に景気が好転すると主張しました。しかし実際は、物価が予想以上に落ちつきを取り戻したのにもかかわらず、景気は一向に上昇せず、ことしの政府が掲げている名目八・四%の経済成長は、多くの人によって疑問を持たれています。もし、これが実現しないとすると、直ちに税収見積もりの誤りにはね返り、経済政策は破綻すると言わざるを得ません。これも長期間にわたる減税の見送りからくる国民の消費動向の変化を見誤ったためであります。
 第四に、こうした内需不振とも絡まる最近の日米間の経済摩擦についてであります。
 アメリカ議会でうわさされる一連の相互主義法案は、それぞれの選挙区の利益を代表するアメリカ議員の所産かもしれませんが、しかし、いまや経済大国になった日本がそれにふさわしい役割りを果たしていないことへの批判は、アメリカばかりでなく世界にも広がっております。これに対し、日本政府は、何ら具体的なビジョンを示すことなく、小手先の対応で切り抜けようとしてまいりました。しかし、今日この対応を誤ると、日米関係は決定的な危機を迎えるとアメリカの知日派の人々も忠告しております。日本は、思い切った構造改革を行い、経済大国にふさわしい門戸の開放をすべきであり、それには、これまでのような特定の産業保護政策等についての見直しを行うべきであります。
 政府・与党は、口を開けば食糧安保を唱え、農民の生活を守るためだと言いますが、本当のところは、自分たちの利益を失うことがこわいからであります。自分たちの利益のため国家百年の大計を誤ることがあってはなりません。
 今回の予算が、そうした過去のしがらみの温存を図り、そのために現下の国際情勢に対応するものとなっていないことを指摘しなければなりません。
 第五に、防衛問題についてであります。
 今回の予算審議のたび重なる中断の原因になったF4ファントムの問題に象徴されるごとく、政府の防衛政策には一貫した方針がなく、またシビリアンコントロールの有効性についても改めて検討の必要性が出てまいりました。私たちは、自国を自分たちの手で防衛することの必要性を認め、それにふさわしい防衛力の整備に反対するものではありません。しかし、今回の政府のとったその場限りの対応の仕方を見ると、五十七年度防衛予算そのものの性格に改めて疑問の目を向けざるを得ません。
 以上の点から、私たちは、五十七年度予算に反対するものでありますが、この際、もう一度政府が、現在、日本が世界の中で置かれている立場に深い認識を持ち、また、行財政改革の原点に立ち戻り、その初心を貫く努力をされることを強く望むとともに、長く放置されている税の不公平を速やかに改善し、国民の不満を解消されるよう望んで、反対討論を終わります。
 また、日本共産党提案の編成替えを求める動議についても反対であります。(拍手)
#226
○栗原委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#227
○栗原委員長 これより採決いたします。
 まず、金子満広君外二名提出の昭和五十七年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議を採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#228
○栗原委員長 起立少数。よって、金子満広君外二名提出の動議は否決されました。
 これより、昭和五十七年度一般会計予算、昭和五十七年度特別会計予算、昭和五十七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して採決いたします。
 右三案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#229
○栗原委員長 起立多数。よって、昭和五十七年度予算三案は、いずれも可決すべきものと決しました。(拍手)
 お諮りいたします。
 一委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#230
○栗原委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#231
○栗原委員長 これにて昭和五十七年度総予算に対する議事はすべて終了いたしました。
 この際、一言ごあいさつを申し上げます。
 去る一月二十九日より総予算の審査を開始いたしましてから、終始真剣なる論議を重ね、慎重審議を尽くして、本日、ここに審査を終了するに至りましたことは、ひとえに委員各位の御理解と御協力のたまものでありまして、衷心より感謝の意を表する次第でございます。
 ここに、連日の審査に精励されました委員各位の御労苦に対し、深く敬意を表し、一感謝の意を申し上げましてごあいさつといたします。
 ありがとうございました。(拍手)
 本日は、これにて散会いたします。
    午後五時二十分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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