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#1
第096回国会 環境委員会 第2号
昭和五十七年二月二十三日(火曜日)
    午前十時三十一分開議
 出席委員
   委員長 八田 貞義君
   理事 中村正三郎君 理事 藤波 孝生君
   理事 牧野 隆守君 理事 山崎平八郎君
   理事 野口 幸一君 理事 水田  稔君
   理事 岡本 富夫君 理事 中井  洽君
      池田  淳君    畑 英次郎君
      勝間田清一君    木間  章君
      大野  潔君    木下敬之助君
      藤田 スミ君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 原 文兵衛君
 出席政府委員
        公害等調整委員
        会委員長    青木 義人君
        公害等調整委員
        会事務局長   和田 善一君
        環境政務次官  石川 要三君
        環境庁長官官房
        長       山崎  圭君
        環境庁長官官房
        審議官     大山  信君
        環境庁長官官房
        会計課長    森   孝君
        環境庁企画調整
        局長      清水  汪君
        環境庁企画調整
        局環境保健部長 七野  護君
        環境庁自然保護
        局長      正田 泰央君
        環境庁大気保全
        局長      吉崎 正義君
        環境庁水質保全
        局長      小野 重和君
        通商産業大臣官
        房審議官    平河喜美男君
 委員外の出席者
        環境委員会調査
        室長      綿貫 敏行君
    ―――――――――――――
委員の異動
昭和五十六年十二月二十五日
 辞任         補欠選任
  岩垂寿喜男君     勝間田清一君
  森中 守義君     水田  稔君
昭和五十七年二月十日
 辞任         補欠選任
  木下敬之助君     玉置 一弥君
同日
 辞任         補欠選任
  玉置 一弥君     木下敬之助君
同月二十三日
 辞任         補欠選任
  馬場  昇君     木間  章君
同日
 辞任         補欠選任
  木間  章君     馬場  昇君
同日
 理事馬場昇君同日理事辞任につき、その補欠と
 して水田稔君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の辞任及び補欠選任
 環境保全の基本施策に関する件
 公害紛争の処理に関する件
     ――――◇―――――
#2
○八田委員長 これより会議を開きます。
 この際、理事辞任の件についてお諮りいたします。
 理事馬場昇君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○八田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。
 ただいまの理事辞任に伴うその補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○八田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 それでは、理事に水田稔君を指名いたします。
     ――――◇―――――
#5
○八田委員長 環境保全の基本施策に関する件及び公害紛争の処理に関する件について調査を進めます。
 この際、国務大臣から環境保全の基本施策に関する所信を聴取することといたします。原環境庁長官。
#6
○原国務大臣 第九十六回国会における衆議院環境委員会の御審議に先立ち、環境行政に関する私の所信を申し述べ、委員各位の御理解と御協力を賜りたいと存じます。
 環境は、人間の生存の基盤であり、その保全は、私たちの物心両面にわたる健全な生活のための重要な柱であります。
 わが国においては、高度経済成長の過程で急激に生じた公害と著しい自然破壊、とりわけ公害による健康被害の発生が大きな社会問題となり、緊急な対策を求める国民的要請のもとに、環境保全への本格的な取り組みが始められたのであります。
 以来、今日まで、国、地方公共団体、国民が一体となって、汚染され、破壊された環境の回復を図るため、個別発生源に対する排出規制を中心とした対策に全力を挙げてきた結果、一時の危機的状況には歯どめをかけることができました。しかしながら、環境基準の達成、維持のためなお一層の努力を要する分野も多く残されており、かけがえのない自然を保護していく上でもなお多くの課題を抱えております。また、わが国は狭隘な国土に多くの人口を擁し、きわめて高密度の工業化社会を築き上げてきており、今後も社会経済活動が増大、変化していく中で環境を保全していくためには、格段の努力が必要であります。
 こうした状況を踏まえ、私は、将来に向け環境の保全に全力を挙げて取り組んでまいる所存でありますが、今後の環境行政の展開に当たっては、過去の苦い経験を踏まえ、環境汚染の未然防止を第一義としなければならないと考えます。また、従来からの産業公害に対する対策に加えて、交通公害問題、家庭等からの雑排水による水質汚濁、廃棄物、近隣騒音等国民の生活が原因となって発生する公害問題についても有効な対策を講じていくことが必要であります。加えて、生活の質の向上に対する要求の高まりにこたえていくため、汚染の防除にとどまらず、快適で潤いのある環境づくりを目指した積極的な施策の展開も重要な課題となっております。さらに、こうした国内の環境問題にとどまらず、人間活動の規模の拡大に起因する大気中の炭酸ガスの増加、熱帯雨林の減少等の地球的規模の環境問題についても対応が迫られております。
 これまでのわが国環境行政の歩みを振り返れば、その進展をもたらした原動力は、身近な環境を守り、住みよい地域環境をつくり出していこうとする国民の認識と国民、行政一体となった環境保全への努力にあったと考えます。さきに述べました諸課題を解決していくためには、環境問題の現状と将来見通しを踏まえて、公害防止、自然保護、快適な環境の確保を含む地域の環境保全目標を明らかにし、各般の施策を結集して、私たちと将来の世代のために個性ある住みよい地域環境をつくっていく必要があると考えます。
 私は、環境庁長官として、以上のような基本的認識に立って、次のような事項を重点として、環境行政の推進に最大限の努力を払ってまいる所存であります。
 第一に、長期的、総合的、予見的な環境政策の展開であります。
 経済の安定成長への移行、エネルギー需給構造の変化、都市化の進展など社会経済の諸条件が大きく変化していく中で適切に環境を保全していくため、長期的、総合的、予見的な環境政策のビジョンの策定に着手することとしております。特に、エネルギー問題は、わが国が当面する重要な課題でありますが、石油代替エネルギーの開発導入等に対して環境保全の観点から十分な配慮を加え、遺憾なきを期するため、総合的な調査検討を進め、必要に応じ、各般の措置を講じてまいる所存であります。
 また、公害防止、自然保護にとどまらず、よりよい環境を積極的に創造していくため、快適な環境づくりのための施策の検討を進め、身近な自然との触れ合いの増進を図るとともに、地域の特性に応じた環境管理を推進してまいります。
 さらに、環境問題については地球的視野に立って取り組む必要があると考えます。本年五月に国連人間環境会議十周年を記念してナイロビで開催が予定されているUNEPの特別会合においても、地球的規模の環境問題が議論の焦点になるものと思われます。わが国も先進工業国の一員として、これまでの環境保全の努力により培われた知識と経験を生かし、この問題への取り組みを初め環境保全のための国際協力に積極的に寄与してまいりたいと考えております。
 第二に、環境汚染の未然防止の徹底であります。
 かつての著しい環境汚染の経験を踏まえ、今後予想される社会経済活動の増大のもとで着実に環境を保全していくには、環境汚染の未然防止に万全を期することが環境行政の基本でなければなりません。このため、政府は前通常国会に環境影響評価法案を提出し、現在同法案は、本委員会に付託されているところであります。同法の制定は、現下の環境行政の最重要課題であり、国会において御審議を賜り、一日も早く成立させていただくようお願いする次第であります。これを加えて、環境影響評価の実施を一層効果的に推進するための予測技術の充実等に努めてまいりたいと考えております。
 また、化学物質による環境汚染の問題につきましても、未然防止の観点から、その対策の充実を図ってまいりたいと思います。
 第三に、各種公害対策の推進であります。
 古来人々の生活と生産活動を支えてきた湖沼は、それ自体かけがえのない国民的資産でありますが、河川、海域に比べて環境基準の達成率が低いことに加え、富栄養化に伴う種々の利水障害が著しくなっており、特に抜本的な対策を講じていく必要があります。このため、湖沼の水質保全のための法制度の検討を進めているところであり、成案を得次第、国会に提出したいと考えております。
 次に、自動車、航空機、鉄道等交通機関の運行に伴い発生する交通公害は、各地で深刻な問題となっており、総合的かつ抜本的な対策が強く要請されております。このため、現在、中央公害対策審議会において、環境保全の観点から望ましい物流や土地利用のあり方を中心に御審議をいただいているところであります。環境庁としては、従来からの発生源対策、周辺対策などを関係行政機関との連携のもとにさらに推進するとともに、中央公害対策審議会の審議経過を踏まえつつ、総合的な交通公害対策の樹立を図ってまいりたいと考えております。
 さらに、窒素酸化物対策について総量規制の円滑な実施等その強化を図るほか、ばいじんを初めとする粒子状物質対策、騒音対策、富栄養化及び赤潮対策、生活系排水対策など各種公害対策の一層の推進に努めるとともに、公害対策を総合的に推進するため公害防止計画の策定及び推進を図ってまいります。また、エネルギーの石炭への転換等に対応する公害防止融資等公害防止事業団の事業の推進を図ってまいる所存であります。
 第四に、公害健康被害者救済対策の充実であります。
 公害による健康被害を未然に防止することは、環境行政の基本でありますが、不幸にして公害による健康被害に苦しんでおられる方々に対しては、その迅速かつ公正な保護に万全を期することが環境行政の重要な責務であります。このため、今後とも、公害健康被害補償制度の円滑な実施に努めるとともに、水俣病認定業務の促進、国立水俣病研究センターの研究体制の充実等を図ってまいります。
 第五に、自然環境の保全であります。
 私たちは、変化に富んだ美しい国土の中で生活し、独特の文化を築いてきました。このように、自然は経済活動のための資源としての役割りを果たすだけでなく、それ自体私たちに限りない恵みを与えてくれます。しかし、自然は一たび失われると、その回復は著しく困難であります。このかけがえのない自然を守り育て、子孫に伝えていくことは、私たちに課せられた重大な責務であります。
 この責務を果すべく、広くわが国の自然環境の現状を明らかにするための情報の整備、自然保護に国民の参加を求めるための新たなる方策の検討等自然環境の保全に関する調査研究を推進するとともに、自然公園等の保護管理の充実を図り、自然との交流を深めるため新たな首都圏自然歩道の整備に着手するなど施設の整備を促進してまいります。また、鳥獣保護の分野においても、絶滅のおそれのある野生動物の保護に力を入れるとともに、日中、日豪間の渡り鳥保護協定の締結に伴い、アジア地域の渡り鳥保護に資するための共同研究を行うこととしております。さらに、これらの施策とあわせて、国民の自然保護思想の一層の高揚を図ってまいりたいと思います。
 最後に、国立公害研究所の充実強化等環境行政の基盤の充実であります。
 現在の環境行政の諸課題を解決し、将来に向けて的確な行政の展開を図るには、これを支える科学的基盤を整備、強化することが不可欠であります。特にその中核となる国立公害研究所については、なお一層の充実強化に努めてまいります。
 また、環境問題の解決のためには、近隣騒音、空き缶問題等に示されるように国民の理解と協力が不可欠であることから、環境保全に関する広報活動や環境教育にも力を入れてまいりたいと考えております。
 以上、私の所信の一端を申し述べましたが、環境行政の推進に当たっては、十分に国民の声に耳を傾けていかなければならないことは言うまでもありません。
 私は、国民の健康と生活を守り、かけがえのない自然を保護し、よりよい環境をつくり出していくという環境行政の原点に立って、全力を尽くす決意であります。本委員会及び委員各位におかれましては、環境行政の一層の進展のため、今後とも御支援、御協力賜りますよう切にお願い申し上げる次第であります。どうぞよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
#7
○八田委員長 以上で国務大臣の所信表明は終わりました。
 次に、昭和五十七年度環境庁関係予算の説明を求めます。山崎官房長。
#8
○山崎(圭)政府委員 昭和五十七年度の環境庁関係予算案について、その概要を御説明申し上げます。
 昭和五十七年度総理府所管一般会計歳出予算要求額のうち、環境庁予算要求額は四百六十一億一千九百八十一万九千円であり、これを前年度の予算額四百六十億一千三百八十八万四千円と比較すると、増加額は一億五百九十三万五千円であり、その増加率は〇・二%であります。
 次に、予算要求額の主要な項目について御説明いたします。
 第一に、公害対策について申し上げます。
 まず、環境保全企画調整等の経費については、長期的、総合的、予見的視点に立った環境政策の展望を検討するための経費、環境影響評価法制度の実施を推進するための経費、瀬戸内海の環境保全対策を推進する経費及び公害防止計画策定を推進する経費のほか、地球的規模の環境問題に関する調査のための経費及びエネルギーと環境問題について基本的な考え方等を総合的に検討するための経費等、これらを合わせて五億一千九百五十八万円を計上しているところであります。
 次に、公害健康被害補償対策費については、公害健康被害補償制度の円滑な実施を図るほか、水俣病の認定業務を促進することとし、これらの経費として百八十四億八千六百二十八万円を計上しております。
 公害防止事業団につきましては、事業団の事業運営に必要な事務費等の助成費として四十四億六千四百二十八万円を計上しております。
 次に、大気汚染防止対策の経費については、新たに、緊急性の高い有害物質の大気環境濃度等の調査を実施するなどのほか、従来に引き続き、石炭利用の増大に対応した大気汚染防止対策を策定するための調査を行うとともに、窒素酸化物対策として、総量規制の円滑な実施のための各種の調査検討を行うなど、大気汚染物質対策の推進を図ることとし、また、交通公害防止対策については、新たに、物流に伴う交通公害に対する中長期的な交通公害対策の検討を実施するなどのほか、従来に引き続き、交通施設周辺における環境保全対策についての検討調査を実施するなど、総合的な交通公害対策の検討を行うとともに、自動車公害、騒音、振動及び悪臭についての対策を推進するため調査を実施するなど、八億九千九十九万円を計上しております。
 水質汚濁防止対策の経費については、湖沼環境保全対策として、新たに、富栄養化に係る環境基準の類型指定を行うための調査について、地方公共団体に対する助成を行うほか、従来に引き続き、湖沼の特性に応じた水質管理指針策定のための調査検討などを実施するとともに、次期の水質総量規制基準を策定するための調査等を行うこととし、さらに、新たに、瀬戸内海の富栄養化対策の強化を図るための調査等を実施するほか、従来に引き続き、富栄養化及び赤潮防止対策を推進するための調査を行うなど、九億七千五百十七万円を計上しております。
 このほか、地盤沈下及び廃棄物対策費として一億二千二百三十一万円、土壌汚染防止及び農薬対策費として二億一千百三十四万円をそれぞれ計上しているところであります。
 次に、公害監視等設備整備費については、地方公共団体の監視測定体制等の整備に必要な経費として十一億三千九百十九万円を計上しております。
 公害防止等に関する調査研究の推進のための経費については、科学的な調査及び試験研究を一層促進するため、総額四十三億八千二百六万円を計上しております。
 このうち、国立試験研究機関等の公害防止等試験研究経費として三十二億四千八百四十四万円を環境庁において一括計上し、各省庁の試験研究機関等における試験研究の総合的推進を図ることとしております。
 また、光化学スモッグに関する調査研究費及び公害による健康被害、大気汚染、水質汚濁、自然環境保全等に関する調査研究費として九億四千五百三十二万円を計上し、必要な調査研究を進めることとしているほか、環境保全総合調査研究促進調整費として一億八千八百三十万円を計上し、関係省庁が所管する各種の環境保全に関連する調査研究の総合的調整を図ることとしております。
 さらに、科学的な行政を推進するため、国立公害研究所の機能を充実強化することとし、これに必要な経費として四十七億三千六百八十六万円、国立水俣病研究センターに関する必要な経費として四億四千九百五十五万円、公害研修所に必要な経費として一億九百十万円を計上しております。
 第二に、自然環境の保全対策について申し上げます。
 まず、自然環境の保全対策及び自然公園等の維持管理等経費については、自然環境保全施策を適切に推進するため、原生自然環境保全地域の調査等を実施するとともに、国立公園等の保護管理の強化を図るために必要な経費として十九億三千八百七十二万円を計上しております。
 鳥獣保護については、国設鳥獣保護区の管理強化を図るほか、特定鳥獣の保護事業及び渡り鳥の保護対策を推進するなど、一億九千五百八十一万円を計上しているところであります。
 このほか、自然公園等の整備を図るため必要な施設整備費として三十億九千八万円を計上しております。
 以上が環境庁予算案の概要でありますが、このほか、建設省所管予算案として、国立公害研究所の施設整備のため十二億三千二百万円、国庫債務負担行為三億六千万円がそれぞれ計上されております。
 以上をもちまして、昭和五十七年度環境庁関係予算案の説明を終わります。
#9
○八田委員長 次に、各省庁の昭和五十七年度環境保全経費等について、便宜、環境庁から説明を求めます。清水企画調整局長。
#10
○清水政府委員 各省庁の昭和五十七年度環境保全経費等の概要について御説明いたします。
 まず、歳出予算について御説明いたします。
 昭和五十七年度における環境保全経費の総額は一兆一千九百二十三億円であり、前年度の当初予算に比べ百六億円、〇・九%の減となっております。
 このうち、一般会計分は一兆五百四十九億円であり、前年度の当初予算に比べ八十一億円の減、また、各特別会計分は一千三百七十四億円であって、前年度比二十五億円の減となっております。
 次に、事項別に主要な項目について御説明いたします。
 第一に、各種基準等の設定としては、環境庁の大気汚染防止対策に係る経費三億一千六百万円、水質汚濁防止対策費一億八千六百万円など、総額十億九千六百万円を計上しております。
 第二に、監視取り締まりの強化のため、総額五十一億八千四百万円を計上しております。
 このうち主要なものは、環境庁の公害監視等設備整備費十一億三千九百万円、運輸省の自動車公害審査体制の強化費六億六千四百万円、海上公害監視取り締まり体制の強化費二億四千八百万円、環境庁、厚生省、通商産業省等に計上されている化学物質安全確保対策費四億八千八百万円、警察庁の公害関係事犯の取り締まり強化費三億円などであります。
 第三に、公害防止事業助成のため、総額八十六億一千二百万円を計上しております。
 このうち主要なものは、環境庁の公害防止事業団助成等経費四十四億六千四百万円、農林水産省の漁場環境保全対策費十五億一千三百万円、養殖共済赤潮特約事業費五億八千二百万円、通商産業省の金属鉱業事業団事業運営費十二億円などであります。
 第四に、公害防止関係公共事業等の推進のため、総額一兆八十三億二千三百万円を計上しております。
 このうち主要なものは、建設省等に計上されている下水道事業費六千九百五十八億三千二百万円、公共用飛行場周辺及び防衛施設周辺における騒音防止対策等の経費として、運輸省の千二十九億一千七百万円、防衛施設庁の八百七十五億九百万円、厚生省、運輸省等に計上されている廃棄物処理施設整備費七百六十億八百万円、地盤沈下対策として農林水産省の地盤沈下対策事業費六十億九千七百万円、通商産業省の工業用水道事業費三十三億一千五百万円、建設省等の緩衝緑地整備事業費五十一億一千五百万円、通商産業省の休廃止鉱山鉱害防止工事費三十六億三千百万円、運輸省の海洋環境整備事業費二十五億九千五百万円、港湾公害防止対策事業費二十五億八千百万円、農林水産省等の公害防除特別土地改良事業費二十一億三百万円などであります。
 第五に、公害防止調査研究の推進のため、総額三百四十九億一千八百万円を計上しております。
 このうち主要なものは、環境庁の国立公害研究所経費四十七億三千七百万円、国立機関公害防止等試験研究費三十二億四千八百万円、通商産業省等の省エネルギー技術研究開発経費八十一億七千九百万円、通商産業省の新エネルギー技術研究開発経費六十二億二千二百万円などであります。
 第六に、公害被害者保護対策の充実のため、環境庁の公害健康被害補償対策経費百八十四億八千六百万円など、総額で百九十三億八千万円を計上しております。
 第七に、自然保護対策の推進のため、総額千八十三億六百万円を計上しております。
 このうち主要なものは、環境庁の自然公園等施設整備費三十億九千万円、建設省等の公園事業費八百十一億六千万円、古都及び緑地保全事業費二十二億六千五百万円、文部省の史跡等の買い上げ及び整備費八十八億九百万円、運輸省の海岸環境整備事業費三十四億六千三百万円、運輸省の港湾環境整備事業費二十八億八千六百万円などであります。
 第八に、その他として総額で六十五億二千五百万円を計上しております。
 次に、公害防止関係財政投融資の概要について御説明いたします。
 昭和五十七年度における公害防止関係財政投融資は、貸付規模等において総額一兆三千億円を予定しており、前年度の当初計画額に比べ三百四十五億円の減となっております。
 機関別の内訳としては、公害防止事業団が契約規模で七百八十億円、日本開発銀行が貸付規模で八百二十億円、農林漁業金融公庫が貸付規模で二十五億円、金属鉱業事業団が貸付規模で二十四億円、日本私学振興財団が貸付規模で七億円をそれぞれ予定しております。
 また、地方公共団体の下水道整備、廃棄物処理施設整備等の事業を推進するため一地方債計画において一兆一千三百四十四億円を予定しております。
 このほか、中小企業金融公庫、国民金融公庫、環境衛生金融公庫、北海道東北開発公庫、沖縄振興開発金融公庫、船舶整備公団、中小企業事業団において、産業公害防止対策等所要の融資を引き続き行うこととしております。
 最後に、環境保全関係税制改正措置について御説明申し上げます。
 昭和五十七年度から公害防止用設備の特別償却制度について、償却割合を百分の二十七から百分の二十五に引き下げるとともに、適用期限の到来する対象設備の見直しを行い、適用期限を一年または二年延長すること等各般の措置をとることといたしております。
 以上をもちまして、昭和五十七年度の各省庁の環境保全経費等の説明を終わります。
#11
○八田委員長 次に、昭和五十六年における公害紛争の処理に関する事務の概要等について説明を求めます。青木公害等調整委員会委員長。
#12
○青木政府委員 公害等調整委員会が昭和五十六年中に行いました公害紛争の処理に関する事務及び昭和五十七年度総理府所管一般会計公害等調整委員会歳出予算要求額について御説明申し上げます。
 まず、公害紛争の処理に関する事務の概要について申し上げます。
 昭和五十六年中に当委員会に係属しました公害紛争事件は合計九十九件で、その内訳は、水俣病に関する調停事件七十八件、大阪国際空港騒音被害に関する調停事件十八件、仙台湾における養殖ノリ被害原因裁定申請事件一件、佐伯湾における養殖真珠被害責任裁定申請事件一件及び仙台湾における養殖ノリ被害等に関する調停事件一件でございます。
 昭和五十六年中に処理が終結しましたものは四十八件でございます。うち四十七件は水俣病に関する調停事件でございまして、これらは、水俣病と認定された患者六十九人に対するチッソ株式会社の損害賠償について、患者個々人ごとに具体的な支払い金額等を定める調停を成立させたものであります。
 他の一件は仙台湾における養殖ノリ被害原因裁定申請事件でございますが、審理を進めた結果、紛争を互譲により円満に解決しようという機運が生じましたので、職権で事件を調停に付し、調停案を提示しましたところ、当事者はこれを受諾し、円満に解決したものであります。
 その他の係属中の事件につきましては、目下手続を進めているところであります。
 次に、全国の公害苦情の実態について申し上げます。
 当委員会の調査によれば、昭和五十五年度の総苦情件数は約六万五千件となっております。この苦情件数は、四十七年度をピークに以後減少を続け、五十二年度以降はほぼ横ばい状態となっておりましたが、五十五年度は再び減少となりました。
 これを公害の種類別に見ますと、騒音、振動に関する苦情が最も多く、三七%を占め、次いで、悪臭二〇%、大気汚染一四%、水質汚濁一三%の順であり、これらで全体の八四%を占めております。
 当委員会といたしましては、公害苦情相談指導者研修会等の実施、公害苦情処理の参考資料の作成、配布、あるいは個別の事案についての指導、助言等、地方公共団体が行う公害に関する苦情の処理について積極的に指導等を行っているところであります。
 引き続き、昭和五十七年度の公害等調整委員会の歳出予算要求額について、その概要を御説明いたします。
 昭和五十七年度の総理府所管一般会計歳出予算要求額のうち、公害等調整委員会の歳出予算要求額は三億八千八百六十六万六千円でありまして、これを前年度歳出予算額三億六千四百六十万三千円に比較いたしますと、二千四百六万三千円の増額となっております。
 歳出予算要求額の内訳は、当委員会に係属する事案の審理及び一般事務処理等のための経費六千五百四十五万九千円、公害苦情の処理についての指導、研修及び情報提供等を実施するための経費二千八百二十六万六千円のほか、人件費であります。
 以上が、昭和五十六年中に公害等調整委員会が行ってまいりました公害紛争の処理に関する事務及び昭和五十七年度の歳出予算要求額の概要でございます。
 何とぞよろしくお願い申し上げます。
#13
○八田委員長 これにて本日の議事は終わりました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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