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1949/04/17 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 農林委員会 第26号
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1949/04/17 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 農林委員会 第26号

#1
第007回国会 農林委員会 第26号
昭和二十五年四月十七日(月曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○肥料取締法案(内閣提出衆議院送
 付)
  ―――――――――――――
   午後二時九分開会
#2
○委員長(楠見義男君) それでは只今から委員会を開きます。
 本日は肥料取締法案を議題に供します。最初に農林大臣から提案理由の説明を伺います。
#3
○国務大臣(森幸太郎君) 只今御審議願います肥料取締法案の提案理由を御説明申上げます。
 現行肥料取締法は、明治三十二年に制定せられ、同四十一年に全面改正が行なわれて今日に至つている極めて古い法律であります。従いまして、時勢の推移に照らし同法には新憲法下の情勢に副わない点が可なり見受けられ、解釈運用でその欠陥を補つているような現状でありますので、この際その全面改正を行なうと共に、肥料取締のもう一つの法規である間接肥料販売制限規則が臨時物資需給調整法に基く不安定なものであるので、これを同法に続一して新しい法律を制定し、以て肥料取締を新憲法下の諸情勢に副うように改めつつ、その簡素強化を図りたいと思うのであります。
 このことをもう少し敷衍して申しますと、
 第一に、現行肥料取締法ではいわゆる直接肥料については製造、輸入、販売の各営業とも知事の免許制で、又間接肥料については農林大臣の許可制をとつておりますが、これら免許可権者である農林大臣や知事の自由裁量の余地が相当大きくありますので、これを改め、肥料の公定規格を設定して生産業及び輸入業については農林大臣又は都道府県知事への登録制とし、公定規格の定められていない新肥料については仮登録制を設けました。又販売業については單に都道府県知事への届出制としました。
 第二に、現行肥料取締法規には條文化されていない事項の中、業者の虚僞の宣伝等を禁止すること、業者に肥料の施用上の注意等を表示せしめること、農林大臣や知事は收去せしめた肥料の分析検査の結果を公表すべきことの外、前述しました肥料の登録や仮登録をしたとき又はその取消をしたときには、農林大臣や知事はその登録番号、仮登録番号、肥料の名称、保証成分量、業者の住所氏名等を公表すべきことをも規定して農民の保護に遺憾なきを期しました。
 第三に、現行肥料取締法の罰則は余りにも軽く、ひとり体刑の規定がないのみならず罰金刑も僅か最高二千円と規定しているに過ぎないので、これを強化する必要があり、体刑、罰金刑の併科もできるようにいたしますとともに両罰規定を設けました。
 以上がこの法律案を提出しました理由の大要でありますが、何とぞ愼重御審議の上御賛同あらんことを切望いたします。
 尚、この際一言お断わりして置きますが、いつかの農林委員会におきまして、食糧対策問題について自由党の諸委員に対して、彼らは素人であるということを申しましたことが非常にお気に障つているようでありますので、その誤まりを訂正いたしたいと思います。
#4
○委員長(楠見義男君) 肥料取締法案についての正誤表がお手許に行つておりますから……。
 それからもう一つ、肥料取締法案に対する修正案というのをお配りしてあります。これは先程も申上げましたようなふうに、他の法律案につきましても、一々農林省の設置法の改正をやつているのでありますが、肥料につきましても、この法律に関連して附則で修正するようになり、この修正案は衆議院で修正をいたしまして、修正したものがこちらの方へ原案として本付託される、こういう手配になつておりますから、御参考までに申上げて置きます。
 これから質疑に入りたいと思いますが、尚この機会にもう一度申上げて置きますが、明日は植物防疫法案と、それから動植物検疫所の出張所設置に関し承認を求める件が出ておりますが、これと、それから農林物資規格法案、この三つを大体御採決頂く予定にしております。それから農業協同組合法の一部を改正する法律案の方は明後日にお願いする予定でおります。それから本日は肥料の方が一応一段落付きましたら、地方税法案に関する修正意見についてこの委員会としての意向を取纏めたいと思いますから、これを最後に御相談頂くことに予定しておりますから、申上げて置きます。
#5
○岡村文四郎君 肥料取締法案についてのことではないのでありますが、御承知のように、先般から炭カルと石炭の融資の不公平な取扱というので、大分陳情運動をやつておつたのでありますが、農林省の方でいろいろ協議をされて、不公平の取扱がないようにして貰うようにやつておるようでありますが、まだそれが片付かないでおるようでありますが、時期を失する憂があると思いますから、丁度大臣もお出でになつておるから、特定の人がどうも頑張つておつては、それじや困るので、一つ両方とも同じような取扱をすることが公平であり、炭カルと石炭についてはおのおの意見を持つておるようでありますが、決して差別待遇をすべきものでないということはよく分つておると思いますから、早速両方とも同じ取扱いにするようにして貰いたいと思うのですが、その点を……。
#6
○政府委員(藤田巖君) 石炭も炭カルと同じように扱うという問題でございますが、これについてはその後本委員会でもいろいろ問題になり、且つ專門家の会合も催し、現在各方面との打合せをやつておるわけであります。私共といたしましても従来炭カルの指導をやつておる経過があるわけでありますから、石炭につきましても、これを認めて行くという方向で研究をいたしております。至急に決定をいたしたいと思います。
#7
○岡村文四郎君 局長もよくお考えになつておるようでありますが、何度も引延ばしておるうちに、そのうちに国会を通るという精神ではなくて、そういう話ですから、そうじやないと思いますから、とにかく一つ局長の言うように早急に解決して貰うようにお願いいたします。
#8
○委員長(楠見義男君) 今の問題は大体私としては解決付いたと思つておつたのでありますが、その意味は、問題か価格なんだから、価格が安ければ勿論その差別待遇もしない。価格が高ければ、これはもう農民に高いものを強いるわけには行かないから、こういうことでこの前農政局長からの御説明があつたのであります。
 それから肥料取締法について、一応皆さんも事前に御勉強にはなつておりますけれども、尚参考資料で肥料取締関係法規新旧対照表というのがありますが、こういうものを中心にして御説明して頂くと、尚審議を進めるのに早いと思いますから、お願いいたします。
#9
○政府委員(藤田巖君) それではこのお配りしてあります肥料取締関係法規新旧対照法、これを御覽頂きたいと考えます。今回提案いたしております肥料取締法案は、肥料取締法と、それから物調法に基く命令として出ております間接肥料販売制限規則、この二つのものを合わしまして、一本の法律案として出しておるわけであります。それで主な点についての差還を表に掲げておりますが、これを御説明申上げますと、先ず肥料の定義、定義について変更がございます。それは肥料取締法では植物の栄養に供用するものということがございます。これは窒素、燐酸、加里を対象にしておるわけであります。それから間接肥料販売制限規則では「植物の栽培のため土地に施用し、又は有機物の醗酵促進に供用するもの」、こういうふうに書いてございまして、石灰、苦土、マンガン、硅酸、それから植物ホルモン、細菌肥料、こういうものが従来取締の対象になつておつたわけでありますが、今回の肥料取締法案では、この定義を「植物の栄養に供し、土じように化学的変化をもたらすため土地にほどこされるもの」、こういうふうにしたわけであります。従つてこの肥料取締法の対象のものは、これは当然でありますが、間接肥料販売制限規則では、これは「有機物の醗酵促進に供用するもの」というものがございますが、その点が今度は変つております。従つて「土じように化学的変化をもたらすため貯地にほどこされるもの」ということに相成りました結果、従来の植物ホルモンでありますとか、或は細菌肥料でありますとか、或いは根瘤菌でありますとか、そういうふうなものは今回は肥料取締法の対象外にした、又土地に施されないものは、これも対象外にいたしております。それから次に、事業の資格要件でありますが、肥料取締法では製造、輸入業は知事の免許、それかま売買業は知事の免許、かように相成つております。それから間接肥料販売制限規則では、第一次の販売業は農林大臣の許可、それから第二次販売業は知事に届出、こういうふうに相成つておりますが、これは今回の法案では生産業につきまして、つまり製造業につきましては、化学肥料、それから微量要素及びその配合肥料、これは農林大臣の今度は登録、又は仮登録ということに相成ります。それから有機質肥料、石灰質肥料は、これは知事に登録するというふうに、その種類によつて分けましたわけであります。尚、輸入業につきましては、これはやはり統一をして行く関係でございますので、農林大臣の登録又は仮登録ということにいたしたわけであります。それから販売業につきましては、これは今回は全部知事に届出ということで、特別の許可は要らないということにいたしましたわけであります。それからその次の資格の有効期限でございますが、これは從来は許可又は免許制度であつたわけであります。今回は登録及び仮登録の制度に相成りました。登録は三年、仮登録は一年、こういうふうに変りました。次に、今回は公定規格といたものをはつきりさせた。従来は免許又は許可の制限條件といたしまして、これを附しておつた程度でありますが、今回は肥料取締法規に基きまして、有効成分の最小量、それから有害成分の最大量、こういうふうなもの等について農林大臣が規格を決定いたしまして、これを公表するというたうにいたしましたわけであります。それから保証票の規定、これは従来と大体その趣旨は変つておりませんわけであります。それから次は、肥料検査官の権限でありますが、従来は臨検、收去、捜索、差押というように、肥料検査官は司法警察官吏の権限をも併せて行なつておつたわけであります。これが今回の改正によりまして、司法警察官吏の権限は、これは持てないということに相成りました。検査官は立入検査或いは收去をいたす。若しもこれが犯罪のたるに必要がありまして、捜査、差押をいたしますような場合は、司法警察官吏の協力を求めてやるということに変りましたわけであります。それから行政処分は、大体従来免許の取消、営業の制限又は停止ということがございましたが、今回は登録の取消、讓渡又は引渡の制限又は禁止、これに変る條項が入つておるわけであります。それから聽問、いわゆる公聽会制度でございます。これは従来の法規にはございませんでしたが、今回はこれを他の法律の規定にも倣いまして、登録又は仮登録の取消をいたします場合は、事前に聽問会を行う。それから又不登録、不許可、行政処分というような場合は、事後に公開によつて聽聞を行い、その意見を聞くというふうに仕組に相成つておるわけであります。それから適用の除外でありますが、これは他の用途に供する場合は、一応この取締法規の対象外にいたしております。例えば輸出用にいたしますものでありますとか、これは必らずしも国内の規格には合致しない、つまり他国の注文と申しますか、あちらの規格ということもあるわけでありますが、或いは又工業用にこれが使われます場合、或いは飼料用に供するような場合というようにいろいろございますので、かような場合は、これは適用を除外するのであります。取締法規による適用は除外して行くということにいたしたわけであります。それから罰則につきましては、これは最高の罰金が肥料取締法では二千円でございます。それから間接肥料販売制限規則では、これは物調法関係の罰則がそのまま適用されておりますので、最高懲役十年、罰金十万円であります。これを今回整理いたしまして、他の刑罰法規との均衡も考えまして、最高懲役三年、罰金十万円といふうにこの罰則の強化をいたしましたということであります。大体主な改正点というのは、かような点であります。
 それから尚もう一点、今回の法案の十九條というのを御覧頂きたいと思いますが、これが従来と若干趣きが異なつております。これは「生産業者、輸入業者宣又は販売業者は、普通肥料については、登録又は仮登録を受けており、且つ、保証票が附されているものでなけけば、これを讓り渡してはならない。」つまり登録又は仮登録が済んでおつて、保証票が附いておらなければ売渡してはならないというふうな規定でございますが、特にこれは関係方面からの御意向があつたわけでありまして、登録又は仮登録に通らないものであつても、これを売つてはならないということは、これは何と申しますか、憲法上制限になつておる。これははつきりさせて売るべきじやないか、売らして然るべきじやないかというふうな御意見があつたわけでありまして、その結果「生産業者又は販売業者が、第六條の規定により登録又は仮登録の申請をした普通肥料であつて主成分の含有量が公定規格に達せず、又は公定規格の定がある類以する種類の肥料の品質に達しないものについて、省令で定める手続に従い、農林大臣の許可を受けた場合は、生産業者、輸入業者又は販売業者は、前項の規定にかかわらず、登録又は仮登録を受けていない普通肥料であつても、これを讓り渡すことができる。」こういう規定が入つておるわけであります。但しこれはその次に三項がございまして「農林大臣は、前項の規定による許可の申請があつたときは、当核普通肥料が植物に有害である場合又は当核普通肥料の主成分の含有量が公定規格の半ばに達せず、若しくは公定規格の定がある類似する種類の肥料の品質の半ばに達しない場合を除いて、その申請の日から五十日以内に前項の規定による許可をしてはならない。」、つまり公定規格の判分以下しか主成分が含んでいないようなものは、これは当然許可しなくてよろしい。それから植物に有害である場合は、これは当然許可しなくてよろしい。それ以外のものについては一応許可をいたしまして、その代りこはれその趣旨をはつきりさせる、ちやんとすることを記載をさせまして、売らせるというふうなことが適当じやないかというふうなことで、かようになつております。この点が従来と趣きが異なつておりますのであります。御参考までに申上げます。
#10
○委員長(楠見義男君) それじや公定規格の制定についての具体的な内容と言いますか、例えば窒素肥料については、こういうふうにやつて行くのだというようなことについて、肥料課長から説明を聽取いたします。
#11
○説明員(大谷一太郎君) 参考資料の中に例示してあると存じますが、只今考えておりますものは、先ず肥料の種別といたしましては、窒素質肥料で申上げますと、硫酸アンモニア、或いは副産硫酸アンモニア、硝酸アンモニア、塩化アンモニア等々、個別に掲示いたしまして、その含有成分の最低量を、例えば硫安につきましてはアンモニア性窒素二〇・六%、硝安につきましてはアンモニア性窒素一六%、硝酸性窒素一六%というように定めて参りたいと存じております。尚例えば硫安につきましては、制限的な事項として遊離硫酸ポイント五%以下、硫青化物一%以下、全砒素〇・五%以下というような制限事項を、個々に必要があります場合は付けて行きたい、こう考えております。ただ全体につきましては、まだ検討中のところがございますので、資料としてお配りできなかつたわけでありますが、今申上げましたように、公定規格としては肥料の種別、それに含まれる主要成分の最低量、その外に必要があります場合には制限的事項として、只今申上げましたようなものを附加えて公定規格といたしたい、こう考えております。
#12
○委員長(楠見義男君) それではどうぞ御質問お願いします。
#13
○岡村文四郎君 この肥料の仮登録をさせることになつているようですが、期間が登録は三年、仮登録は一年、こういうふうになつておつて、仮登録したものは一年の間に肥料試験をやつて、それに適合するものは登録する、こういうことになつているようですが、輸入肥料を主に考えておられるように思われる、仮登録をしなければならんかということは、私が考えるのには、それは価格によりますが、十分なものとして仮登録をして、買つたあとの結果において、その価値がなかつたということになると、買つたものはそれに対する損害がありませんかということになると思いますが、どういうものでしようか。
#14
○政府委員(藤田巖君) 従来は、かよか、許可とかという制度はなかつたのでございます。併しながら実際問題にぶつかりますと、我々の立場では、これは必ずしも肥料としての効果があるかどうかよく分らない、まだその試験の成績もはつきりしておらないという場合に、併しながら一応申請者の側では、一応試験も済ませて、その結果も有効であるということが出て来ております場合に、必ずしもそれが役所の方の試験が済まらないらとて、それをいつまでも延ばすことが果してよいかどうかということに迷うことが沢山あるわけであります。従つてそういうようなものにつきまして、これは当然我々としては疑わしいというものについては、却下を直ちにいたすわけでありますが、一応この事項についても相当程度、業者の試験によつて信頼し得るというふうな場合には一応仮登録として販売を認めまして、そうして使わせて見て、試験場、検査所その他でもその後の結果も調べまして、そうして一年後において、これを本登録を認めるかどうかということを決定した方が、これは親切でもあり、又効果的ではなかろうかというふうな考え方からいたしまして、この制度を設けたのでありまして、やはり農家の方々におかれましても、仮登録の肥料はさような性質のものであろうということをよく理解いたしまして、使われる場合は注意して頂くということにして、段々農家の今後の何と申しますか、注意を喚起してやつて行くことにいたしますれば、弊害は防げるし、その方が効果的ではいかと考えております。
#15
○岡村文四郎君 局長の今のお話のようで、農家がそこまで理解をされるようであるならば割合楽なんですが、なかなかそういうわけには行かぬと思う。私は実は仮登録という制度を一体設けることが、余り気に食わぬわけでありますが、と申しますことは、価格を公定価格のように決めて、そうして仮登録のものは何ぼ何ぼ安いということになつておる。それはいいかも知れぬが、そうでなければ、買う農家が局長の今のお話のように仮登録のものは不十分なものだということを知つて買うようであれば、これは討論もないわけで、実はなかなかそこまでは行かぬことで、若し農家が知らなくても、取扱う方、例えば協同組合が扱えば、そういうことくらいは気を付けると思うのです。そうでない一般業者になると、むしろ仮登録というものは、非常に甘味のあるという時分には、割合に勧めはせんかということを考えるものですから、若しそれを買つて、前に申上げたように取消になるような肥料であつたとするならば、価格の点において百姓が損を蒙むることになりはせんかということなんです。本来ならば今までなかつたようですが、私は仮登録というものは非常に気に食わぬ一体施設じやないかということを考えておる。それはそこまで行つておらぬことはよく承知だと思うのですが、そういうわけで法律を決める者、又提案をする人が、そういう気持で、大事な肥料ですから、やることは軽率じやないかということ。その次は、成分を検査した結果、規格の半分の成分に足らぬものは、他へ讓つちやならぬ、売買しちやいかぬ。こうなつておるようですが、これは価格の問題なんですけれども、何も価格さえ安ければ、それ程度は、これを造つておるものは投げる必要もないので、使わしていいと思う。ということは、半分なら半分、三分の一なら三分の一しかないということをはつきりしておつて、それを使うならば、場合によつては却つてそれを沢山使つた方がいいということも一体ありはせぬかということを考えておるのですが、どういうものですか。それは絶対売つちやならぬということになると、造つた人は困ると思うのですが、そんな価格で売るならば、それを売らせぬということも……。前にはそういうことはあつちやいかぬということで、大分直したようになつておるが、後じや売つちやいかぬということですから、それは肥料というものの施肥の関係から言つて、それは使つてならぬとか、売つてならぬとかいうことには、少し行過ぎじやないか、こう思うのですが、どうでしようか。
#16
○政府委員(藤田巖君) 仮登録の問題は主として新らしい肥料、新肥料についてそういう問題が起つて来ると思います。まだ農林省では何らそれについての肥効も試験しておらない。併し業者の方は非常にこれを効くということを言つて申請して来られた場合に、どうするかという問題です。農林省の検査所に対する陣答その他が完備しておりまして、早速にもやれるならば、迷惑もかけずに、てきばきと処理ができると思いますけれども、陣容も非常に不足でございますので、徒らにそれを待たせるということもどうかというような考え方もありますので、やはり仮登録の制度というものを認めて行くことが適当ではないかというふうに思つたのです。それから価格につきましては、仮に登録又は仮登録で受付けてございませんでも、受付けることのできない肥料でありましても、つまり保証成分が足らないというような場合には、併し場合によりますと、それは倍使えば同じ程度の肥効があるわけで、それから値段が安ければ農家として或いはそれは買うかも知れない、こういうこともあるわけでございまして、だから必ずしもそれを抑えるということも如何なものかというような意見に基いて、今回のようにいたしたのであります。従つて一応決めておりますところの公定規格の判分以上、例えば窒素成分が二〇%といたしますれば、一〇%以上仮にあるような場合に、半分以上に達しておるようなものについては、これま許可を認める。それを認める。併し余りに少いものにつきましては、やはりこれは農家の方もその点の判断が非常にむずかしいわけでありますから、農家に対して迷惑がかかつてもいかぬわけでありますから、余りに少い数量の成分量しかないものについては、これを認めないというようにいたしまして、大体半分というところで線を引いてやつたわけであります。従つてかような建前になります以上、おのずから価格等についても、たれに合せたような措置を講じて行くことは当然であります。自由なものについては、当然そういうふうに経済的の値開きが出ておりますし、それから統制しておるものについては、さような考慮を今後価格を決める折には考えて行かなければならんというように思つております。
#17
○岡村文四郎君 先ず第一、根本なんですが、肥料の価格は当分政府の方でお決めになるお考ですが、又これは段段自由の建前に進んで行くと思うのですが、どういうお考ですか。
#18
○政府委員(藤田巖君) 我々の建前といたしましては、肥料価格も相当高くなつております。従つて価格自体を、今後も需給の関係さえ調整がとれて参りますれば、価格自体もむしろこれは外して行くべきだというふうに思つております。ただ現在は補給金等の関係もございますので、その点の考慮は必要かと思つております。我々の気持はできるだけ早く価格自体についても、むしろ外して行つた方がいいと思つております。
#19
○委員長(楠見義男君) 今岡村さんの御質問の後の品質の半分とか、規格の半分という点、十九條、これはこういう場合を除いては必ず許閣をしなければならない、こうあるのだが、品質半ばに達しない場合は許可してはいけないということは、これから逆に出て来るわけなんですか。
#20
○政府委員(藤田巖君) 必ずしもそうは出て来ないと思いますけれども、我我の気持としては、これに達しないものは許可しないということで行きたいと思います。
#21
○岡村文四郎君 どうもちよつと腑に落ちない点があるのですが、これからこういうものを製造したいが如何でしようかというて持つて来られたものについての分析の結果が、規格の半分に足らぬものは、それはそれでもいいと思う。ところが、相当に造つておるものならば、成分は規格の半分以下でも客土をするつもりならばちつとも差支ないので、若し造つておるものならば、その需要によつては讓ることを許して行つたつたいいんじやないかと思うのですが、どうですか。
#22
○政府委員(藤田巖君) これは五項というのをちよつと御覽頂くと、その一つの場合が書いてあるわけであります。「天災地変により肥料が登録証又は仮登録証に記載された規規格を下廻つた場合及び省令で定めるやむを得ない事由が発生した場合において、命令の定めるところにより、農林大臣又は都道府県知事の許可を受けたときは、生産業者、輸入業者又は販売業者は、第一項の規定にかかわらず、普通肥料を讓り渡すことができる。」何か化学肥料で機械設備に故障があつたとか、何か事故がありまして、このいわゆる公定規格を下廻つたというような場合には、現実に物ができてしまつたわけであります、例えば硫安について二〇・六%、こういうふうなものを決めておりましても、何か設備の関係その他で一八%というものができて来た、こういうふうなときには、それだけはどうしても売れないということも、無駄にするということも考えものでありますからして、さような場合には、その事情が分りますれば、これは価格その他の点についていろいろ考えるとか、措置を講じまして、許可をいたしまして、それは売ることができるというふうにいたしておるわけであります。
#23
○委員長(楠見義男君) 二点だけ伺いますが、一つは販売業者の届出ですが、その他のいろいろな制限があるのですが、農業協同組合は販売業者として取扱われるですか、その点一つ。もう一つは、特殊肥料について、製造業者その他のいろいろの制限があるのですが、例えば魚肥のように、魚が腐つたから肥料にする、それまでは食用にするつもりであつたのだが、肥料にするというような、そのときの状態によつて変る場合があるのですが、こういう場合の取扱は、これは特に二十三條と関連しての問題なんですが、それから前の販売業者の関係は十八條の関係なんですが、この二つを御説明して頂きたいと思います。
#24
○政府委員(藤田巖君) 協同組合も販売をいたす場合は、これは販売業者として取扱つております。それから魚肥等のごときは、第二條の二項に「この法律において「特殊肥料」とは、農林大臣の指定する米ぬか、たい肥その他の肥料をいい、」と書いてございますが、只今お話のございました魚肥のごときものも、その他の肥料として指定をするつもりでおります。従つていわゆる特殊肥料というふうな取扱になります。従つてそれについては普通肥料と特殊肥料とは條文を変えておりまして、例えば公定規格であるとか、いろいろの面倒なことは全部除外されております。
#25
○委員長(楠見義男君) いや、僕の聞くのは、食用にするつもりだつたけれども、腐つて肥料にするという場合には、予め肥料にするつもりで製造したのじやないのだから、二十二條、二十條三の関係なんですけれども、その場合には販売する者だけが届出するのか、生産業者の届出は要らないのか、そのことなんです。
#26
○政府委員(藤田巖君) これは対象にいたしておるものが、いわゆる業でありますから、従つて魚肥でも、やはり魚を買つて来て、魚肥として継続的にやつておるというふうなものについては、勿論対象になりますが、誰かたまたま営業でなく食べるつもりで、魚屋さんなら魚屋さんが買つて来たが、腐つて食べられないから売る。たまたまそういうふうな特別一時的な事態が発生するというようなものについては、格別この肥料取締法で製造業者とか、輸入業者とか、販売業者というふうなものとは見なくていいんじやないかと思います。
#27
○委員長(楠見義男君) 具体的に言うと、例えば東京魚市場で恒久的にやつておるのがおりますね。そういう場合には、魚市場のものは生産業者じやないから届出ないでいい、そういうふうに腐つたものを常に肥料に廻す人間だけか二十三條の販売業者として届出を要する、こういうことですか。
#28
○政府委員(藤田巖君) さようであります。
#29
○岡村文四郎君 普通肥料に二種あるのですが、公定規格のない普通肥料というのは何と何ですか。
#30
○委員長(楠見義男君) 肥料課長から御説明させます。
#31
○説明員(大谷一太郎君) 普通肥料には原則として公定規格を設けると書いてありますが、今一般に認められておる植物の栄養素以外のものが現われることも予想されます。主として新らしい品種を想定しております。そうしてその際に、先程御質問がありました仮登録を行い、従つて仮登録は公定規格がない、こういうことになります。
#32
○藤野繁雄君 第一條によつて見まするというと、公正なる取引を確保するためということで、公正な取引をすることが本取締法の目的であつて、農業生産力の維推増進ということは従たるようにこの法律では読まれるのでありますが、私らから申上げるというと、農業生産力の維持増進のために肥料の取引を確保すると、こういうことになつて来なければいけない、こう考えるが、この関係を一つ御説明をお願いしたいと思います。
#33
○政府委員(藤田巖君) これは農業生産力の維持増進に寄與する、これがつまり最終の目的と私共考えております。
#34
○羽生三七君 輸入肥料については、輸入業者が勿論責任を負うことになると思うのですが、今の管理下においては、やはりその業者自体が責任を負うことになるのですか。何か特別の処置ができるのですか。その辺どうですか。
#35
○政府委員(藤田巖君) 現在では、御承知の通り肥料公団というものかございまして、輸入いたします加里肥料とか、硝安とかは全部この公団で買つております。
#36
○羽生三七君 その場合は責任はどういうことになるのです。公団自体の責任になるのですか。
#37
○政府委員(藤田巖君) 責任は公団が持つことになると思います。
#38
○羽生三七君 自由になつた場合も同様に、今の公団が業者になつた場合は、業者自体の責任でそれを持つわけですか。
#39
○政府委員(藤田巖君) 自由になつた場合は、公団というものはなくなりますわけですから。
#40
○羽生三七君 だから輸入業者が…。
#41
○政府委員(藤田巖君) 輸入業者が責任を持つ……。
#42
○羽生三七君 責任を持つということになるのですね。
#43
○藤野繁雄君 今肥料公団の問題が出たのでありますが、肥料の配給について、近く肥料公団はなくなると思うのでありますが、いつ頃廃止して、廃止後におけるところの肥料配給の組織及び方法はどういうふうにお考えになつておるか、この際お尋ねしたいと思います。
#44
○政府委員(藤田巖君) これは公団で審議の際、衆議院の農林委員会でも意がいろいろあつたわけでありますが、我々の現在の予定といたしましては、肥料公団は七月末を以て、春肥の完了後これを終えたいと考えております。併しながら肥料のごとき農業用の生産資材として重要なものについては、これを單に自由に放任するということは、これはやはり問題があるのでありまして、工場生産品であり、各月ごとに生産はできる。而も農家の施肥する時期は年に二回であります。その間その需給の時期的な、或いは地域的な調整をとるところの機構というものが、公団がなくなりました後もやはり必要であろうと思つております。従つて現在衆議院の議員提出法案といたしまして、肥料の需給調整法でありますとか、或いはこれに伴う特別会計法というものが、現在関係方面の方に承認を得るために提出いたしておりますが、私共といたしましても、かような組織によつて一応自由になりましても、何らか国が一定数量を買付けて置いて、そうして時期的な、或いは又場所的な需給の調整をやつて行く。必要なところで若し不足をいたしまする場合は、これをすぐさま出す。或いは価格が暴騰いたしますれば一定値段で売出すというようなな、仕組みの面でこの肥料の円滑な輸入を図りたいと、かような状況で今進んであります。折衝いたしております。
#45
○藤野繁雄君 現在の農村の金詰りの状況から考えて見ますというと、肥料は絶対的に農手でなくてはできない。併しその資金に困るというようなことが当然であるのでありますが、この肥料資金に対する具体的の案は、農業手形で全部解決するというお考えであるか。若し農業手形で決済するといたしましたならば、昨年の台風のようなことを考えて来て見ると、供出するところのものは台風前にあつたんだ、然るに台風があつたために供出するものが一つもなくなつてしまつた、こういうふうなことになつて来るのでありますが、肥料資金を農業手形で出すといたしましても、こういうような天災地変のあつた場合の肥料資金はどういうふうに一応考えておるか、又現在農業手形で未決済のものがあると考えるのでありますが、その未決済の農業手形はどう処理するお考であるか、この点お伺いして置きたいと思います。
#46
○政府委員(藤田巖君) 御承知の通り農業手形は共済保險金額というものを一応見合にして出しております。従つて共済保險、災害補償法による共済制度がございますわけでありますからして、たとえ天災がございましても、災害による共済金額というのは当然取れるわけであります。それを担保といたしまして、農業手形を出しておる仕組で参りますれば、これはそれでやつてよかろうと思います。それで我々といたしましてはこの肥料を購入するに必要な資金は、相当これは多く、今後多くなると考えますが、その必要な資金量は必らずしもこれを確保して、やはり農家における金融というものは、農業手形制度で考えて行く以外に方法はなかろうというふうに思つております。それから尚昨年度の農業手形がまだ落ちないという問題もあると思います。これはむしろ我々といたしましては、協同組合全体の最近の金詰りで貯拂資金等に対する対策も講じております。而も貯拂資金等の対策を講じ、且つ又農家の協同組合の再建計画というものをはつきり立てさせまして、必要な資金を面倒を見て行く場合に、その点も考慮して参りたいと思つております。
#47
○藤野繁雄君 九州各県の農業手形の状況を伺つて見るというと、今私が申上げた台風のために、災害補償の金では足りずして、現在或る程度未決済になつているものがあるのじやなかろうかと思うのであります。こういうふうなものに対しては何か特殊の手続きをして頂かなくちやできないのじやなかろうかと、こう考えるのであります。又農業手形の関係については、予算委員会でも申上げたのでありますが、九州、中国、四国というようなところは、御承知の通り十二月末では供出が完了しないのであります。完了しないのに農業手形の期間は十二月だということだつたならば肥料代金の決済ができない、こういうふうなことになるのであります。然るに一方煙草及び桑の手形の方を考えて見ますると、東北の特殊の地帶には、收穫が遅れるからといつて特例を設けて翌年の二月まで延ばしたのであります。煙草や桑は特殊地帶と認め、農業手形に特殊地帶を設けられないところの理由はどこにあるか、こういうふうなことをお尋ねしたところが、それは何とか考えるということであつたのでありますが、その農業手形と決済との関係を、特殊地帶にあるところの供出が遅れる中国、四国、九州というようなところにも、煙草のように翌年の二月までこれを延期して貰いたいという希望を持つておるのでありますが、これに対するところの、具体的の話を進めておられるならば、どの程度進んでおるか、その点をお伺いしたいと思うのであります。
#48
○政府委員(藤田巖君) これは農業手形全般については官房の方でやつておりますわけでありますが、我々といたしましても、農業手形のうち大部分が、肥料代金相当部分が、半分以上だつたと思いますが、肥料代金になつております。非常に重要な部分を占めておりますので、これは公団機構の改編に伴いまして、金融の対策として農業手形をもつと……何と申しますか、有効適切に利用し得る方法を現在研究をいたしております。それで只今御指導の点についても、私共も御尤もな事情であると考えておりますので、今度農業手形を、肥料代金についての農業手形制度を具体的に実施する場合は、今お話のありましたような点も実現するように努力して参りたいと今折衝いたしております。
#49
○委員長(楠見義男君) ちよつと藤野さんに申しますが、先週金融の問題を取扱いまして、そこで農業手形の問題については、丁度先程まで官房長がおつたのですが、今帰りましたけれども、官房長、それから金融課長を呼びまして、見返資金の問題と併せて検討したのですが、その際に例えば昨年の農業手形の未決済分についての取扱いについては、例えば三月末日で一応締括つて、未決済のものの処理はどうするかというようなことだとか、それから見返資金の現在までの経過並びに本年の見通し、こういうようなものが、書き物でできたものが一つ届けられたのでありますが、後程お届けいたします。
#50
○山崎恒君 只今藤野さんの質問に引つかかる問題ですが、農業手形の大体見返りが、農業災害の補償金が見返りの対象になる仕組みであるというような点ですが、農林大臣おいでですから、この点お聞きしたいのですが、最近災害補償金に対して税金をかける、この点はどういうふうなのですか一つお聞きして置きたいと思うのですが。
#51
○政府委員(藤田巖君) あれは、この災害の起りましたときの共済金額につきましては、これは本来やはり所得と見るべきものであるという観念であります。それで但し必要なる経費はこれを見合いにして十分計上いたして置くわけであるからして、その所得と見合つた必要経費を操作いたしまして、大体において災害についてはかからないような建前で、大蔵省方面でも考究をされ、通牒が出ておるわけであります。併し尚その点について各税務署の実際の扱い方について相当いろいろ一律でない点もあると思います。場所によりますと、共済金額と見合いにした必要経費として、実質にかからないように措置いたしておるところもあるわけであります。我々といたしましても、その点について尚はつきりして頂きたいのであります。殊に米麦についての共済金額というものは、これは所得の代りだということは一応言えるわけでありますが、家畜保險なんかについて考えますと、これはちよつと同じ考えではいけないわけであります。損害保險の保險金については所得税はかけないという原則があるのであるから、家畜保險についても当然同じ扱いをしても然るべきじやないか、そういうことを交渉しております。尚この点については更に折衝を重ねて、不当な課税の起らないようにやつて行きたいと思つております。
#52
○山崎恒君 この問題は肥料の問題と別でありまするが、折角この補償法ができて、保險金をとる目的で農家は作物を作つておるのではなくて、とにかく一ケ年間粒々辛苦して生産して、ぱつと災害のためにそれを無にしてしまう、そのためにとられる保險制度でありますので、折角保險制度が一反歩千円かそこらの金が来ましたところが、それに対してぼかつと税金を取られるということになつてしまつては、全く百姓も辛苦が泡になつてしまうので、只今農政局長の話されましたように、事実本年度そういう実例が各地にあるのです。それから、これらも大蔵省と特に緻密に折衝して、局長名なり或いは次官名なりで、一応通知を出して頂くような方法でもとつて貰いたいと、こう思うのですが、尚この問題は一つ本委員会等でも、委員長に要望するのですが、できれば大蔵省等とも一つこの委員会等ではつきりして頂きたいと、こう思いますが、希望を申上げます。
#53
○委員長(楠見義男君) 承知しました。
#54
○山崎恒君 次に、只今審議されている肥料取締法でありますが、この十二條に、登録の有効期間を三ケ年とし、仮登録の期間を一年という期限を法制化してあるのでございますが、勿論これは仮登録というものは、いわゆる本登録になるまでの仮登録の制度であつて、肥効の程度がどうであるか、或いは肥料の成分がどうであるかというようなものがはつきりしないため、仮登録制を暫定期間として設けるというような考え方に私は考えるのでありますが、これについて一応三年と一年という期間を設けた理由をお聞かせ願いたい。それから次に、更新の制度をとつてあるのでございますが、この更新制度は、單にこうした点については余り煩雑じやないか、こういうような点でありまするが、その点も一つお聞かせ願いたいのであります。
#55
○政府委員(藤田巖君) この三年、一年にいたしました理由は、一応決めて……、現在の事情から一応各肥料ごとに公定規格は決めるわけでありますが、公定規格自体もその後の研究進歩によつて、時代の推移と共に当然変るべきものだと考えます。従つてさような意味合で、これをいつまでも長くそのままの公定規格で置くことも適当でございませんので、一応の規格といたしまして、これを三年としたというわけであります。それから仮登録につきましては、これはお話のございましたように、本登録に移すべき間の仮の期間であります。できるだけ早くそれは結論を出して処理することが適当でありますために、一年と、そういうふうに短くしたのであります。それから最後の点についてちよつと御質問の趣旨を聞き洩らしましたので、もう一度ちよつと……。
#56
○委員長(楠見義男君) 更新の手続についてです。
#57
○政府委員(藤田巖君) これはやはり期間とも関係するわけでありまして、三年の一応の区切りといたしまして、その間に何ら公定規格その他を変える必要もないなら、そのまま更新して行つて差支えないことだと思つております。ですから更新の手続というものは、そう煩雑にすることも考えておりません。極く簡單に処理して行きたいと思つております。一応の期間を置くわけでありますから、期間の済みますものにつきましては、併しながらもう一度審査しまして、そうして必要ないものは再びこれを更新するというふうな手続をとる。
#58
○岡村文四郎君 特殊肥料についてでありますが、外のものは特殊肥料としてここにあるようなことができると思うのですが、魚粕の取締も何もない、規定も何にもないのですが、これはどういうふうに扱つて行かれるのか、これは御承知のように非常に甲乙があり、若し惡い人であつて一番腐り易いもの、そんなものを入れて売つたのではしようがないので、どういうことにせられるのか、一つお聞きして置きたいと思います。それから腐つておるものでも何でも、腐れば成分も減りますけれども、そういうものはどういうことになるか、お聞かせ願いたいと思います。
#59
○説明員(大谷一太郎君) 魚粕の点は非常にむずかしいのでありますが、従来通りと申しますが、今度の新らしい農産物規格検査法が成立いたしますれば、それに基きまして検査を行なつて参りますということになります。ただ魚粕の粉末につきましては、我々の方はこれをなかなか品質の識別が困難でありますから、普通肥料の中に入れたい、かように考えております。従つて普通肥料の中に入れて公定規格を設定いたして、これに従つて検査をする、こういうわけであります。
#60
○山崎恒君 仮登録という意義については、先程大体説明で分つたのですが、仮登録の肥料も登録した肥料も同様に、これはもう同等に取扱つて自由に販売することができるのかどうか、その点一つお伺いしたいと思います。
#61
○政府委員(藤田巖君) 仮登録のものも本登録のものも、その期間中には販売については同じように扱われる。自由であります。
#62
○山崎恒君 期間中と申しますのは、登録肥料は三年、この仮登録は一年ということで承知してよろしいのですか。
#63
○政府委員(藤田巖君) その通りであります。
#64
○山崎恒君 そうしますと、この肥料の取締法案は、もう当初大臣の提案理由の説明にもありましたように、農業保護上、これはこうした取締法をとるのだということでありまするが、仮登録は肥効のはつきりしないものを、はつきりしておるのは本登録になるのですが、肥効のはつきりしていないものを一年間仮登録にしてやらせようというのですから、それならば当然農業保護上、農家のための保護上とするならば、はつきりしないものならば、これは抑圧して売らせない。はつきりするまで抑圧して売らせないというのが農業保護上の一つの政策ではなかろうかと思いまするが、その点如何なものですか。
#65
○政府委員(藤田巖君) お話の通り、これが植物に害があるとかというようなものについては、これは絶対に売らせないということは言えると思います。ただ果して肥効がどうであろうかというような、こういうことになります場合に、完全な試験の成績はないけれども、害はないというような場合に、絶対にこれをいかぬというふうには、相当の何と申しますか、試験もして確信がなければ言えないと思うのです。その点について従来の陣容で考えますと、徒らにまだ肥効がはつきりしないからといつて抑えておるばかりでも、これはやはりいけないのじやないか、そういうふうな考え方もあるわけでありまして、従つて一応の業者の試験成績によつて、或る程度の肥効はあるということの見究めが付くならば、それは一応仮登録という制度で使わして見る、そうした又試験場その他でも試験をして見る、そうしてこれを決めて行くという態度をとることが却つて合理的でもあつてよいのじやないか、徒らに抑えるよりもよいのじやないかというような考え方です。
#66
○羽生三七君 只今お話の試験をする場合の、特に栽培試験の場合には、試験する場所は国なり県なりの試験場ですか。
#67
○政府委員(藤田巖君) 大体においてさような場合が多いと思います。国の試験場によつてそれを試験して貰うということが通常だと思います。
#68
○羽生三七君 別に肥料検査所に附属した場所というものを作るのではなく、県なり国に委託をするわけですね。
#69
○政府委員(藤田巖君) 仮登録をいたしました肥料を我々の方で審査をいたします場合には、肥料検査所においてやうして行くというような考え方でおるわけであります。従つて先程の点は訂正いたします。
#70
○羽生三七君 肥料試験所で栽培試験をやるのですが、私の言うのは成分の試験ではなく栽培試験の場合です。
#71
○説明員(大谷一太郎君) 肥料検査所は各地の肥料検査所で栽培試験をする施設を持つておりませんけれども、東京の肥料検査所で栽培試験を行う予定にしております。只今の圃場試験は農事試験場等を借りておりますけれども、肥料検査所で圃場肥効試験まで行なつております。附加えて申しますと、仮登録の申請をする場合の申請者が付けて来る試験の成績は、成るべく公的な機関のものを要求いたしますけれども、必ずしも国又は地方公共団体の試験場における成績でなくてもよろしい、こう考えております。
#72
○羽生三七君 それ以外の場合ですと、プライベートにどこかの農家の証明でもあれば、それでいいということになりますか。
#73
○説明員(大谷一太郎君) それは客観的に見て信用がおけると考えられる研究所乃至は試験所の成績と、こう考えておりますが、それは施行規則等で明示したいと考えております。
#74
○山崎恒君 十九條の第二項の規格外肥料の制度を設ける事由は……どういうわけでこの規格外の肥料の制度を設けるかということを一つお聞かせ願いたいと思います。それと関連して、規格外肥料は農家では肥料の選択を誤まる虞れがある、非常に危險が多いので、保証票に規格外と記入するばかりでなく、肥料の名称にも規格別なることを明瞭に表示を行わせたらどうかというようなことで、そうしたことによつて農家を十分に指導すべきであると、こう思うけれども、これはどうかという点をお聞きしたいと思います。
#75
○政府委員(藤田巖君) この点は率直に申上げますと、非常に疑問があつた点でありまして、私共の当初の考えは、本登録又は仮登録、いずれにしても登録をしたもの以外き売らせないというふうな、従来のような考え方で行くようなことで考えておつたんです。ところが一方別に憲法上、一応できておる製品を、それが仮に仮登録ができないものであつても販売を禁止するということは、そういうことは憲法上違反ではないかというふうな有力な意見が出て来たわけであります。先程もお話のございましたように、たとえ成分量が足りなくても、はつきりそれを表わす、表示をする、それから規格外肥料であることも明示をし、農林省は何故これを規格外肥料にしたかというようなことをはつきりすれば、あとは農家がそれをよく認めて、そのつもりになつて貰えばいいじやないか、買う買わぬについては農家の自由意思に任せることが穏当である。政府が徒らに一定のもの以外は売らせないということは憲法上おかしいという意見が出ました結果、いろいろ交渉をいたしました結果、最終的には、それではこの主成分の含有量が公定価格の半分だ。又はそれに類したような場合は、これは認めなくてもいい。半分以下の場合は認めなくてもいい。併し半分以上はやはり許可をして、その趣旨を明かにして売らせるということがいいじやないかということで、かような案に落着いたと、こういうわけであります。
#76
○委員長(楠見義男君) ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#77
○委員長(楠見義男君) 速記を始めて下さい。それでは本日は、この程度にいたしまして、あとで打合会の形式で以て、地方税法案に関する修正意見について御協議を申上げることにいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十一分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     楠見 義男君
   理事
           羽生 三七君
           石川 準吉君
           藤野 繁雄君
   委員
           門田 定藏君
           深水 六郎君
           柴田 政次君
           加賀  操君
           山崎  恒君
           岡村文四郎君
  国務大臣
   農 林 大 臣 森 幸太郎君
  政府委員
   農林事務官
   (農政局長)  藤田  巖君
  説明員
   農林事務官
   (農政局肥料課
   長)      大谷一太郎君
ソース: 国立国会図書館
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