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#1
第096回国会 科学技術委員会 第2号
昭和五十七年二月二十五日(木曜日)
    午前十時三十一分開議
 出席委員
   委員長 近藤 鉄雄君
   理事 岸田 文武君 理事 保利 耕輔君
   理事 与謝野 馨君 理事 小林 恒人君
   理事 関  晴正君 理事 草川 昭三君
   理事 和田 一仁君
      塚原 俊平君    平沼 赳夫君
      前田 正男君    村上  勇君
      武部  文君    山本 幸一君
      斎藤  実君    吉田 之久君
      山原健二郎君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      中川 一郎君
 出席政府委員
        科学技術政務次
        官       林  寛子君
        科学技術庁長官
        官房長     宮本 二郎君
        科学技術庁長官
        官房会計課長  三井 嗣郎君
        科学技術庁計画
        局長      下邨 昭三君
        科学技術庁研究
        調整局長    加藤 泰丸君
        科学技術庁振興
        局長      原田  稔君
        科学技術庁原子
        力安全局長   赤羽 信久君
    ―――――――――――――
委員の異動
昭和五十六年十二月二十五日
 辞任         補欠選任
  北山 愛郎君     小林 恒人君
  上坂  昇君     田邊  誠君
  城地 豊司君     武部  文君
  日野 市朗君     武藤 山治君
  広瀬 秀吉君     山本 幸一君
昭和五十七年一月二十二日
 辞任         補欠選任
  草野  威君     草川 昭三君
同月二十五日
 辞任         補欠選任
  佐々木良作君     吉田 之久君
二月一日
 辞任         補欠選任
  塚原 俊平君     藤尾 正行君
  平沼 赳夫君     藤本 孝雄君
  小林 恒人君     山田 耻目君
同日
 辞任         補欠選任
  藤尾 正行君     塚原 俊平君
  藤本 孝雄君     平沼 赳夫君
  山田 耻目君     小林 恒人君
同月十八日
 辞任         補欠選任
  田邊  誠君     関  晴正君
  武藤 山治君     村山 喜一君
同月二十五日
 理事日野市朗君昭和五十六年十二月二十五日委
 員辞任につき、その補欠として小林恒人君が理
 事に当選した。
同日
 理事草野威君一月二十二日委員辞任につき、そ
 の補欠として草川昭三君が理事に当選した。
同日
 理事八木昇君同日理事辞任につき、その補欠と
 して関晴正君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の辞任及び補欠選任
 国政調査承認要求に関する件
 科学技術振興の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
#2
○近藤委員長 これより会議を開きます。
 お諮りいたします。
 理事八木昇君より、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○近藤委員長 御異議なしと認めます。よって、辞任を許可することに決しました。
 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 ただいまの八木昇君の辞任による欠員のほか、先般、理事でありました日野市朗君及び草野威君が委員を辞任されておりますので、現在理事が三名欠員となっております。この補欠選任につきましては、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○近藤委員長 御異議なしと認めます。それでは、
      小林 恒人君    関  晴正君
      草川 昭三君
を理事に指名いたします。
     ――――◇―――――
#5
○近藤委員長 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 科学技術振興の基本施策に関する事項
 原子力の開発利用とその安全確保に関する事項
 宇宙開発に関する事項
 海洋開発に関する事項
 生命科学に関する事項
以上各事項につきまして、本会期中調査をいたしたいと存じます。
 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○近藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ――――◇―――――
#7
○近藤委員長 科学技術振興の基本施策に関する件について調査を進めます。
 中川国務大臣から科学技術行政に関する所信を聴取いたします。中川国務大臣。
#8
○中川国務大臣 第九十六回国会に当たり、科学技術庁長官といたしまして、所信を申し述べさせていただきます。
 わが国は、国土が狭く、石油を初めとする物的資源にも恵まれておりませんが。幸いにして、国民は高い知的能力を有しております。この知的能力を最大限に活用して創造的な科学技術を積極的に振興し、次の世代における発展の礎を築くとともに世界の進歩に貢献していくことが、われわれの世代の果たすべききわめて重要な責務であります。
 特に、近年、科学技術の振興に関しては、広く各界の認識が深まるとともに、その積極的推進に対する機運は大きな盛り上がりを見せております。
 このような状況のもとで、私は、一昨年、科学技術庁長官に就任して以来、科学技術立国政策の推進のために精力的に取り組んでまいりましたが、今般引き続き、科学技術行政を担当することとなり、決意を新たに、従来にも増して、その強力な推進を図ってまいる所存であります。
 以下、昭和五十七年度における科学技術庁の主要な施策につき、所信を申し上げたいと存じます。
 まず第一は、科学技術会議の総合調整機能の強化であります。
 科学技術の一層の振興を図るためには、わが国科学技術政策に関する中核的存在である科学技術会議が広い視野に立って総合調整を行い、わが国の科学技術に対する指導的役割りを強力に果たしていくことが重要であります。
 このため、科学技術会議の方針に沿って運用される科学技術振興調整費の強化拡充を図るなど、同会議の総合調整機能の強化に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 第二は、流動研究システムによる創造科学技術の推進であります。
 わが国は、現在、応用技術、生産技術の面では世界のトップクラスにありますが、世界をリードし、将来の発展への基礎となる先端的、基盤的科学技術の面では、欧米に比べてかなりおくれており、これらの分野の強化が必須であります。
 このため、産、学、官のすぐれた研究者を結集して次代の技術革新を生み出すための研究を行う創造科学技術推進制度の大幅な拡充を図ることとしております。
 第三は、原子力研究開発利用の推進であります。
 エネルギー供給の大部分を海外からの石油に依存しているわが国が、今後、エネルギーの安定供給を確保していく、ためには、石油代替エネルギーの開発を図ることが不可欠であり、その中核である原子力の研究開発利用を強力に推進する必要があります。
 原子力研究開発利用の推進に当たっては、安全性の確保を図ることが大前提であり、原子力安全規制行政の充実、安全研究の推進、放射線障害防止対策の強化等原子力安全対策を強力に展開するとともに防災対策の充実を図ってまいります。
 また、厚子力に関する知識の普及に努めるとともに、電源三法の活用による地域住民の福祉向上を図り、国民の理解と協力を得つつ、原子力発電所の立地の促進を図ってまいります。
 原子力発電を一層拡大していくためには、原子力発電規模に見合った自主的な核燃料サイクルを確立することが不可欠であり、ウラン濃縮の国産化、使用済み燃料の再処理対策、放射性廃棄物の処理処分対策等を推進いたします。また、核燃料の有効利用を図る観点から、高速増殖炉原型炉「もんじゅ」の建設などの新型動力炉の開発、さらに人類の未来を担うエネルギー源として期待される核融合の研究開発をより積極的に推進いたします。
 なお、原子力船「むつ」につきましては、地元の皆様の御理解、御協力を得て、佐世保港における修理を終了し青森県大湊港へ回航するとともに、速やかに新定係港の整備を進めてまいります。
 第四は、宇宙開発の推進であります。
 人類の新たな活動領域である宇宙空間を利用することにより、国民生活の向上を図るとともに、宇宙開発の世界的進展の一翼を担うべく、人工衛星及びそれらの打ち上げ用ロケットの開発等宇宙開発の積極的な推進を図ってまいります。
 このため、昭和五十七年度におきましては、通信衛星二号、技術試験衛星V型を打ち上げるほか、放送衛星二号、静止気象衛星三号、海洋観測衛星一号等幅広い分野における各種人工衛星の開発を推進いたします。また将来の大型人工衛星の打ち上げに対処するため、自主技術により、打ち上げ重量を飛躍的に高めたHIロケットの開発を進めるなど人工衛星打ち上げ用のロケットの開発の推進を図ります。
 第五は、海洋開発の推進であります。
 国土が狭く、資源に乏しいわが国においては、海洋の豊富な資源、エネルギー等の活用を図るため、海洋科学技術に関する研究開発を積極的に推進していく必要があります。
 このため、昭和五十七年度におきましては、水深三百メートルまでの潜水作業技術の研究開発に不可欠な海中作業実験船の建造に着手するとともに、昨年完成した二千メートル級潜水調査船による深海調査活動を開始するなど総合海洋科学技術プロジェクトを積極的に推進することといたしております。
 第六は、防災科学技術の研究開発の推進であります。
 防災科学技術は、地震災害、雪害等のさまざまな自然災害の防止、軽減を図り、国民の生命、財産を守る上できわめて重要であり、その研究開発を積極的に展開することとしております。
 特に、地震予知につきましては、地震予知推進本部を通じて関係各機関における観測、研究の総合的な推進を図るほか、当庁といたしましても関東、東海地域における観測、研究の強化等を積極的に進めてまいります。
 また、雪害対策につきましても鋭意研究を進めてまいります。
 第七は、各般の重要な総合研究の推進であります。
 生命現象や生物機能の解明とその成果の応用により、広範多様な分野における技術革新と人類福祉への寄与が期待されるライフサイエンスにつきましては、人工臓器等の研究開発を推進するとともに、遺伝子組みかえ研究の一層の推進を図るため、最高度の物理的封じ込め機能を有する総合的な研究施設の建設を進めてまいります。
 また、航空技術の研究開発につきましては、空港の敷地問題を解決するとともに、航空機騒音の軽減に役立つファンジェット短距離離着陸機の実験機の製作を昭和五十八年度の完成を目途に進めてまいります。
 さらに、リモートセンシング技術の研究開発、レーザー科学技術などの基礎的な研究、極限科学技術関連材料などの材料技術研究開発、資源の総合的利用方策の調査を進めるとともに、独創的な国産技術の企業化を委託開発により推進することといたします。
 第八は、科学技術振興基盤の整備であります。
 科学技術に関する基本的な計画の策定、筑波研究学園都市における研究交流活動の促進、科学技術の普及啓発活動の推進を図るとともに、高度な知識と多額の投資が集約された科学技術情報の効率的な流通を図るため、科学技術情報の全国的流通システムの整備を促進いたします。
 第九は、国際科学技術博覧会の開催準備の促進であります。
 二十一世紀を創造する科学技術のビジョンを内外の人々に示し、科学技術に対する理解を深めるとともに、わが国技術水準の向上、科学技術の国際交流の促進等を図ることを目的とした国際科学技術博覧会を昭和六十年に筑波研究学園都市において開催することといたしております。
 このため、昭和五十七年度からは、会場及び政府館の建設に着手するとともに、諸外国の出展を促すための招請活動を積極的に進める等国家的事業としてふさわしい博覧会となるよう精力的に開催準備を進めてまいりたいと考えております。
 第十は、科学技術に関する国際協力の推進であります。
 わが国の国際的地位の向上に伴い、わが国が科学技術を通じて、人類の繁栄と幸福へ貢献することが期待されており、科学技術における国際交流の重要性が高まっております。このため、エネルギー分野及び非エネルギー分野における日米科学技術協力など先進国との協力の推進を図るとともに、中国、東南アジア地域等の開発途上国との科学技術協力を推進してまいります。
 以上、昭和五十七年度における科学技術庁の施策に関し、その概要を申し上げましたが、これらの諸施策を実施するため、昭和五十七年度予算といたしまして、一般会計三千百九十二億円を計上いたしますとともに、総理府、大蔵省及び通商産業省の共管による電源開発促進対策特別会計におきまして、科学技術庁分といたしまして、六百六十八億円を計上いたしました。
 エネルギー問題を初め、わが国が現在直面している諸問題を解決し、豊かで明るい人類の未来を建設するためのかぎとなるのが科学技術であります。私は、科学技術行政を担当する者として、その使命の重大さを深く認識し、科学技術の振興に誠心誠意努力してまいる所存でありますので、委員各位の御指導、御支援をお願い申し上げますとともに、国民の皆様の御理解、御協力を衷心よりお願い申し上げる次第であります。(拍手)
#9
○近藤委員長 この際、林政務次官より発言を求められておりますので、これを許します。林政務次官。
#10
○林政府委員 このたび、科学技術政務次官を拝命いたしました林寛子でございます。
 国土が狭く、資源に乏しいわが国が、資源エネルギー問題の解決など現下の社会的要請に対処していくとともに、二十一世紀への発展の礎を築いていくためには、創造的な科学技術を積極的に振興し、科学技術立国の実現を目指すことが不可欠の条件となっております。
 このようなときに、科学技術政務次官の職務を担うこととなり、その責任の重大さに身の引き締まる思いがいたしております。
 私、微力ではございますが、この重大な職責を果たすため、誠心誠意努力してまいる所存でございます。
 委員長を初め、委員各位皆様の御支援、御協力を賜りますよう心からお願い申し上げまして、ごあいさつにかえさせていただきます。(拍手)
#11
○近藤委員長 次に、昭和五十七年度科学技術庁関係予算について説明を聴取いたします。宮本官房長。
#12
○宮本(二)政府委員 それでは「昭和五十七年度科学技術庁予算案総表」につきまして御説明申し上げます。
 お手元に横書きの表が行っておろうかと思いますので、この表に即しまして御説明申し上げます。
 昭和五十七年度一般会計予算におきまして科学技術庁の歳出予算額は、三千百九十二億五千万円を計上いたしております。
 また、総理府、大蔵省及び通商産業省の共管による電源開発促進対策特別会計のうち、科学技術庁分といたしまして、歳出予算額六百六十八億三千八百万円を計上いたしておりますが、両会計を合わせました科学技術庁の歳出予算額は三千八百六十億八千八百万円となり、これを前年度の当初歳出予算額に比較いたしますと百七十八億一千八百万円の増額となっており、その比率は四・八%増となっております。
 この歳出予算のほか、国庫債務負担行為限度額といたしまして一般会計一千二百七十六億三千二百万円、電源開発促進対策特別会計七十二億一千百万円を計上いたしております。
 また、一般会計予算の予算総則におきまして原子力損害賠償補償契約に関する法律第八条の規定によります国の契約の限度額、これを二千二十五億円にいたしますとともに、動力炉・核燃料開発事業団法第三十四条の規定により、政府が保証する借り入れ等の債務の限度額を九十三億円とし、これを使用済み燃料再処理施設の操業費等の一部に充てることといたしております。
 次に、一般会計歳出予算額のうち重要項目につきまして、その大略を御説明いたします。
 横書きの表の二ページ以降でございます。
 第一に、科学技術会議の総合調整機能の強化の一環といたしまして、昭和五十六年度に創設されました科学技術振興調整費の拡充強化を図ることとし、同調整費に六十億円を計上いたしました。
 この調整費は、科学技術会議の方針に沿って、わが国の科学技術振興に必要な重要研究業務の総合推進調整を実施するための経費でございます。
 第二に、流動研究システムによる創造科学技術の推進といたしまして、産、学、官のすぐれた研究者を弾力的に組織化して、次代の技術革新を担う創造性に富んだ新技術を創出するための研究を推進することとし、これに必要な経費として新技術開発事業団に十九億八千万円を計上いたしました。
 第三に、原子力研究開発利用の推進といたしまして一千七百六十二億円を計上いたしております。
 まず、原子力安全規制行政及び環境安全対策につきましては、原子力利用における安全の確保に万全を期するため、原子力安全委員会の運営、放射能測定調査研究などに必要な経費として二十一億三千百万円を計上いたしております。
 次に、動力炉・核燃料開発事業団におきましては、高速増殖炉実験炉の運転等新型動力炉の研究開発を進めるとともに、ウラン資源の海外調査探鉱、遠心分離法によるウラン濃縮パイロットプラントの運転等核燃料サイクル確立のための研究開発を進めることとし、これらに必要な経費として同事業団に対する政府出資金と補助金を合わせ七百二十六億七千五百万円を計上いたしました。
 また、日本原子力研究所におきましては、原子炉施設の安全性及び環境安全に関する試験研究を進めるとともに、臨界プラズマ条件の達成を目指しました臨界プラズマ試験装置の建設など、核融合の研究開発を強力に推進することといたしております。
 また、多目的高温ガス炉に関する研究開発、材料試験炉その他各種原子炉による研究開発を行うなど、これらに必要な経費として、同研究所に対する政府出資金と補助金を合わせ八百四十六億百万円を計上いたしました。
 さらに、日本原子力船研究開発事業団につきましては、原子力船「むつ」の新定係港の整備、改良舶用炉の研究開発等を行べために必要な経費として七十一億九千七百万円を計上いたしました。
 また、放射線医学総合研究所におきまして、低レベル放射線の影響に関する研究、内部被曝実験棟の建設等を進めるため五十八億五千百万円を計上いたしましたほか、国立試験研究機関及び理化学研究所における原子力試験研究等に必要な経費として三十七億四千五百万円を計上いたしております。
 横書きの表の三ページでございます。
 第四に、宇宙開発の推進といたしまして八百七十六億六千六百万円を計上いたしました。
 まず、宇宙開発事業団におきまして、昭和六十年代の大型人工衛星の打ち上げに対処するため、自主技術による液酸液水ロケットエンジン、慣性誘導装置等を用いたHIロケットの開発を進めることとしております。また、技術試験衛星III型及び通信衛星二号を昭和五十七年度に打ち上げるとともに、昨年打ち上げた「ひまわり二号」に次ぐ静止気象衛星三号の開発に着手するほか、放送衛星二号、海洋観測衛星一号等幅広い分野の衛星の開発等の推進を図ることとしております。これらに必要な経費として同事業団に対する政府出資金と補助金を合わせ八百六十三億七千六百万円を計上いたしました。
 次に、航空宇宙技術研究所における宇宙開発関連研究につきましては、液酸液水ロケットエンジン要素の研究、衛星基礎技術に関する研究等宇宙開発の基礎的、先行的研究を行うために必要な経費として七億五千八百万円を計上いたしました。
 第五に、海洋開発の推進といたしまして五十五億八千五百万円を計上いたしました。
 まず、海洋科学技術に関する研究開発を強力に推進するため、海洋科学技術センターにおきまして、水深三百メートルまでの潜水作業技術の実海域実験に使用する海中作業実験船の建造に着手するとともに、水深二千メートル級潜水調査船による深海潜水調査研究を開始するなど総合海洋科学技術開発プロジェクトを進めることとし、これらに必要な経費として同センターに対する政府出資金と補助金を合わせ五十三億五千八百万円を計上いたしました。
 また、関係省庁の協力を得て、黒潮の開発利用調査研究、海洋遠隔探査技術の開発研究等を進めることとし、これらに必要な経費として二億二千七百万円を計上いたしております。
 四ページでございます。
 第六に、防災科学技術の推進といたしまして二十三億一千七百万円を計上いたしました。
 まず、地震予知研究の推進につきましては、関東、東海地域における観測、研究を強化するため、地殻活動観測網の整備を進めるとともに、岩槻、下総及び府中の深層観測井等の既設観測施設による観測、研究、平野部直下型地震及び海溝型巨大地震の予知研究等を行うこととし、これらに必要な経費として十一億四千五百万円を計上いたしました。
 次に、地震防災関連研究として、耐震実験及び軟弱地盤の振動挙動に関する研究等を実施するため一億五千八百万円を、また、雪害対策研究のための経費六千五百万円をそれぞれ国立防災科学技術センターの予算を中心に計上いたしております。
 第七に、重要総合研究等の推進といたしまして二百五十一億三千八百万円を計上いたしました。
 まず、ライフサイエンスの振興につきましては、理化学研究所のライフサイエンス部門におきまして、最高度の物理的封じ込め機能を有する遺伝子組みかえ研究施設の建設を進めるとともに、人工臓器等の研究開発を推進するための経費など十億九千八百万円を計上いたしました。
 次に、当庁の附属機関のうち、航空宇宙技術研究所の航空技術部門におきまして、国情に合った短距離で離着陸が可能な低騒音のファンジェットSTOL機の実験機の製作を前年度に引き続き行いますほか、航空技術に関する各種研究を実施いたしますため八十九億五千二百万円を計上いたしております。また、金属材料技術研究所及び無機材質研究所における極限科学技術関連材料など材料技術研究開発のための各種試験研究及びこれに関連する施設の整備のため必要な経費として五十六億七千二百万円を計上いたしております。
 理化学研究所につきましては、前述の原子力関係及びライフサイエンス関係に計上いたしました経費のほか、レーザー科学技術の研究等の各種研究を推進するための経費として六十九億二千万円を計上いたしております。
 資源の総合的利用方策の推進といたしましては、自然エネルギーの利用を中心とした地域エネルギー総合利用の実証調査を行うほか、資源調査所における各種調査等のため必要な経費として三億七千九百万円を計上いたしました。
 新技術開発事業団につきましては、前述の流動研究システムによる創造科学技術の推進のための経費のほか、新技術の開発を効率的に行うとともに、その成果の普及を行うための経費として、同事業団に対する政府出資金と補助金を合わせ二十億九千百万円を計上いたしております。
 五ページでございます。
 第八に、科学技術振興基盤の整備といたしまして、まず、わが国における科学技術を長期的な観点に立って、計画的、かつ、総合的に推進するための基本的な計画の策定等研究基盤の強化等に必要な経費として四億八千五百万円を計上いたしております。
 次に、日本科学技術情報センターにおける内外科学技術情報の収集、整理及び提供業務の充実強化等科学技術情報の流通を促進するために必要な経費として四十三億七百万円を計上いたしましたほか、科学技術の広報啓発活動の推進に必要な経費といたしまして二億三千七百万円を計上いたしております。
 第九に、昭和六十年に筑波研究学園都市において、国際科学技術博覧会を開催するための準備に必要な経費として四十七億五千二百万円を計上いたしました。
 本博覧会は、科学技術の重要性に関する国民の理解を深めるとともに、科学技術の国際交流の促進に寄与すること等を目的として開催するものであり、昭和五十七年度においては、会場及び政府館の建設、政府出展展示物の設計等を行うことといたしております。
 第十に、国際協力の推進を図りますため、エネルギー分野及び非エネルギー分野における日米科学技術協力を初めとする先進国との科学技術協力に必要な経費として、日本原子力研究所、理化学研究所等に百八億五千五百万円を計上いたしましたほか、東南アジア地域等の開発途上国との科学技術協力に必要な経費として七千五百万円を、また、国際連合等国際機関との協力に必要な経費として二億三百万円をそれぞれ計上いたしました。
 以上、一般会計の歳出予算につきまして、その重点項目を御説明いたしましたが、次に、電源開発促進対策特別会計のうち、科学技術庁分の重要項目につきまして、その大略を御説明いたします。
 横書きの表の六ページでございます。
 まず、電源立地勘定におきましては、原子力施設の立地を一層促進する見地から、原子力施設の周辺地域の住民等に対する給付金の交付及び周辺地域における雇用確保事業の推進に必要な経費として十四億六千八百万円を計上し、新たに、立地地域における企業立地を促進するための金融制度の整備をも図ることといたしております。また、地方公共団体の公共用施設の整備に必要な交付金に充当するため二十一億八千百万円を計上いたしましたほか、放射線監視対策、原子力防災対策などの原子力安全対策等に必要な経費として六十一億九百万円を計上いたしました。
 また、電源多様化勘定におきましては、高速増殖炉等の新型動力炉の開発、使用済み燃料再処理技術の開発及びウラン濃縮技術の開発に必要な経費として動力炉・核燃料開発事業団に対する政府出資金と補助金を合わせ五百三十八億六百万円を計上するとともに、廃炉技術の開発、原子力施設の従事者の被曝低減化技術の開発、放射性廃棄物処理技術の開発等を推進する経費として三十二億七千四百万円を計上いたしました。
 以上、簡単でございますが、昭和五十七年度科学技術庁関係予算につきましてその大略を御説明申し上げました。
#13
○近藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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