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#1
第096回国会 科学技術委員会 第5号
昭和五十七年四月二十二日(木曜日)
    午前十時十分開議
 出席委員
   委員長 近藤 鉄雄君
  理事 岸田 文武君 理事 小宮山重四郎君
   理事 保利 耕輔君 理事 与謝野 馨君
   理事 小林 恒人君 理事 関  晴正君
   理事 草川 昭三君 理事 和田 一仁君
      金子 岩三君    中村喜四郎君
      平沼 赳夫君    五十嵐広三君
      竹内  猛君    村山 喜一君
      吉田 之久君    山原健二郎君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      中川 一郎君
 出席政府委員
        内閣法制局第一
        部長      味村  治君
        科学技術庁長官
        官房長     宮本 二郎君
        科学技術庁計画
        局長      下邨 昭三君
        科学技術庁研究
        調整局長    加藤 泰丸君
        科学技術庁振興
        局長      原田  稔君
        科学技術庁原子
        力局長     石渡 鷹雄君
        科学技術庁原子
        力安全局長   赤羽 信久君
 委員外の出席者
        防衛庁装備局管
        理課長     村井  仁君
        防衛庁装備局開
        発計画官    上原 祥雄君
        国土庁大都市圏
        整備局筑波研究
        学園都市建設推
        進室長     久保 敏行君
        文部省学術国際
        局国際学術課長 遠山 敦子君
        水産庁漁政部協
        同組合課長   西川 俊幸君
        資源エネルギー
        庁長官官房原子
        力産業課長   田辺 俊彦君
        資源エネルギー
        庁公益事業部原
        子力発電課長  戸倉  修君
        資源エネルギー
        庁公益事業部原
        子力発電安全管
        理課長     末広 恵雄君
        自治省行政局行
        政課長     中島 忠能君
        参  考  人
        (日本原子力船
        研究開発事業団
        理事長)    井上啓次郎君
        参  考  人
        (日本原子力船
        研究開発事業団
        専務理事)   倉本 昌昭君
        参  考  人
        (動力炉・核燃
        料開発事業団理
        事)      中島健太郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十二日
 辞任         補欠選任
  八木  昇君     竹内  猛君
  山本 幸一君     五十嵐広三君
同日
 辞任         補欠選任
  五十嵐広三君     山本 幸一君
  竹内  猛君     八木  昇君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 科学技術振興の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
#2
○近藤委員長 これより会議を開きます。
 科学技術振興の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 科学技術振興の基本施策に関する件について、本日、参考人として、日本原子力船研究開発事業団理事長井上啓次郎君及び同専務理事倉本昌昭君、動力炉・核燃料開発事業団理事中島健太郎君から意見を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○近藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
#4
○近藤委員長 これより質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。保利耕輔君。
#5
○保利委員 中川長官には、御就任以来、科学技術開発に関して世間の関心を非常に呼び起こさせ、そしてまた科学技術開発の地位向上に大変御努力をしてこられたわけでございます。心から敬意を表したいと思います。
 日本の科学技術、大変進歩してまいりましたが、いまや物まねをする時代ではなくて、従来の発想を超えた科学技術が必要だというふうに言われてきております。時あたかも四月十四日にはフランスからミッテラン大統領がおいでになりまして、フランスの元首として初めて日本を公式訪問をされたわけでございます。
 フランスと言えば、いままでわれわれは、芸術でありますとかあるいはその他の文化面において非常に進んだ国である、ある意味では非常にあこがれの国であるというような気持ちを持っておりましたが、一方、科学技術の面においても大変な先進国であります。それは、コンコルドというような超音速旅客機でありますとかあるいは高速鉄道とかというような分野でもそのことがはっきり示されているわけでございます。そして今回、ミッテラン大統領は科学技術の分野につきましても大変興味を示されて、筑波の学園都市に長官ともどもおいでになって、いろいろのものを見学をされたわけでございます。
 これから先、日本とフランスが科学技術の面で協力をしていくということは非常に大切ではないか、こういうふうに感ずるわけでございますが、大臣、ミッテラン大統領と何日間か御一緒に過ごされて、どういう御感想をお持ちになったか、特に科学技術の分野でこれから日本とフランスがどういうふうな提携をしていかなければならないのか、そういった面につきまして、長官の御意見をまず伺わせていただきたいと思います。
#6
○中川国務大臣 保利先生御指摘のように、科学技術が非常に大事だということが最近国論ともなってき、わが党の政策の重要政策ともなり、鈴木総理も非常に御熱心でございまして、科学技術について新たな認識という感じの中に先般フランスのミッテラン大統領が訪日をされ、日仏両国のシンポジウムにも出席される、非常に忙しい時間ではありましたが、筑波学園都市も見学をされる、そういうことを通じて、フランスの大統領は科学技術に非常に熱心である、それに先立ちまして、大統領になった際、研究技術相というものを新設し、シュベーヌマンという大変な実力者を担当大臣にされる等々、熱心な背景はありましたが、今回の訪日、視察、会議等で示された科学技術への関心、情熱というものが非常に深いということに感銘を覚えた次第でございます。
 そこで、日本も科学技術分野、特に産業科学といいますかあるいは改良科学といいますか、そういう特徴を持っております。またフランスは、先端技術でコンコルドやあるいは海洋開発、深海六千メートルまで入れる船もできております等々、あるいは宇宙開発、特に原子力開発については世界の最先端を行くのではないか、こういうことから、これからの厳しい世界経済に対応するためには科学技術が必要である、日本にも学ばなければならないし、また日本と今後協力をして、そして世界の先端を行く科学技術についての共同研究あるいは情報の交換というものをがっちりやっていき、両国の繁栄のみならず世界の経済、特に第三世界への援助という形を通じて世界の発展に貢献をしていきたい、こういう情熱を持っておられ、終始、いかなる場所でも科学技術の重要性を発言しておられました。
 具体的協力関係の内容につきましては、今後事務レベルで十分話し合いをし、今度のトップ会談、鈴木総理との話でもこの点が十分話し合われておりますので、その線に沿って両国の協力関係を進めていき、大きく言えば、ミッテラン大統領の言う世界の経済、そして両国の発展にひとつ意義あるものにしていきたい、こう思っておる次第でございます。
#7
○保利委員 日仏の大物同士が科学技術について突っ込んだ意見の交換をされる、大変画期的な出来事がこの四月には起こったと私は感じているわけでございます。また、さらにその期間と重なりまして科学技術週間というようなものも持たれて、日本の科学技術がここまで来たんだということが世間に相当広く知れ渡ったのではないかと思うわけでございます。長官、今後ともますますこの科学技術の振興についてお力を発揮していただきますように、ぜひお願いを申し上げたいと思うわけでございます。
 長官のいまのお話の中で出ておりましたが、フランスは原子力の分野で非常に進んでおるというお話がありました。このことは、私がフランスにおります間もそういうことを非常に感じておったわけでございますが、恐らく世界の最先端を行く国の一つではないか、かように存ずる次第でございます。
 そこで、原子力の平和利用の一番大きな眼目でございますところの原子力発電というものがいまフランスでどういうような状態になっているのか、そしてまた、将来の計画というものがフランスではどのように行われているのか、ミッテラン政権のもとでどういうぐあいに原子力の平和利用というものが行われているのか、できればひとつお聞かせをいただきたいと思います。
#8
○石渡政府委員 お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、フランスは原子力の開発に非常に熱心であり、まさに世界の最先端を行く技術を有しているとわれわれ認識しているところでございます。特に炉の関係では高速増殖炉の開発、また、使用済み燃料の再処理の技術という面では、恐らく世界第一位の地位にあるというふうに認識をしているところでございます。
 このようなフランスにおきます原子力の研究開発、利用の推進という政策はずっと長年にわたってとられてきたわけでございますが、政権交代に伴いまして一応見直すという方針が一時出されたわけでございます。
 しかし、結局五十六年五月、昨年のミッテランの社会党政権の誕生に伴いまして、前政権以来の原子力政策をどうするかということでいろいろ議論がされたようでございますが、結論的には、ちょうどわが国と同じようなエネルギー事情にある、国内資源に乏しいフランスにとって原子力が重要なエネルギー源であるという認識のもとに、原子力発電を積極的に推進していこうという政策が改めて確認されたということでございまして、昨年十月には、新たなエネルギー計画が国民議会に提出され、信任を得たということでございます。
 そういうことを背景にいたしまして、フランスにおきましては、一九八一年、ちょうど昨年でございますが、原子力発電の総発電量に占める割合がすでに三七・七%ということになっているわけでございます。電力構成のトップに立っているという状況でございます。
 それで、今後についてでございますが、先ほど申し上げました、昨年十月発表されたフランス政府のエネルギー計画の中で述べられているところによりますと、エネルギーの供給安定化を目指して自給率を高めるということで、エネルギー源の多様化を図る、特に原子力を最重視するという方針が確認されているわけでございます。
 具体的な数字を申し上げますと、その目標では、一九九〇年、つまり日本の昭和六十五年に当たるわけでございますが、この時点では一次エネルギー供給の二六ないし二八%、石油換算にいたしまして六千万ないし六千六百万トンを原子力発電に依存するという計画でございます。そしてその時点では、総発電量のうち六七%を原子力に依存しよう、こういう計画になっているというふうに承知をいたしている次第でございます。
#9
○保利委員 フランスという国は原子力発電に大変力を入れておるということは、いまの御説明でよくわかったわけでございますし、さらに将来展望といたしましても、原子力にかなりの部分を頼っていこうという姿勢がありありとわかるわけでございます。
 そこで、これはお答えができますればで結構でございますが、フランスはなぜ原子力発電にエネルギーを頼っていこうとしているのか、その辺の理由その他どういうふうに理解しておられますか、お答えいただきたいと思います。
#10
○石渡政府委員 エネルギー事情といったものがわが国と非常に似ているわけでございまして、フランスの一次エネルギーの自給率を見てみますと二四%ということになっております。ちなみにわが国のエネルギー自給率は一四%でございます。こういう情勢を踏まえまして、エネルギーの自給率を高めるという観点から、原子力エネルギーを重視するという政策をとったものと考えているわけでございます。
 その点の認識が非常に高まり、国民生活の安定あるいは産業活動の振興といった観点から、原子力エネルギーへの依存を高めるという政策が国民的合意を得て進められているものだ、このように考えているわけでございます。
#11
○保利委員 エネルギー問題を非常に重視しているということがよくわかったわけでございますが、去る四月十六日にミッテラン大統領が国会においでになりました。国会の演説の中で、日本とフランスはエネルギー資源に乏しい、だからエネルギー問題について積極的に考えていかなければならない、共同のエネルギー計画をつくり、力と知識を合わせて新エネルギー開発に努めていけば、一つの道が開けるというような意味のことを、演説の中で言われているわけでございます。
 そこで、シュベーヌマン大臣もおいでになって、そして原子力の分野での日仏の協力というものについて話し合いがなされたと伺っておりますが、その内容は具体的にどういうものであったか、概略御説明いただければありがたいと思います。
#12
○石渡政府委員 お答え申し上げます。
 先生御高承のとおり、日仏間での原子力の平和利用に関する協力関係は非常に古うございます。すなわち一九六五年にすでに原子力平和利用に関する交換公文といったものが交換されまして、これをスタートといたしまして政府間あるいは政府機関の間で原子炉の安全研究あるいは安全規制、さらには高速増殖炉等の分野で各種の専門家の会合、情報交換等の協力が行われているところでございます。また一方、民間ベースにおきましても使用済み燃料の再処理の委託、これは一九七五年にまず契約がスタートしております。また、濃縮ウランを日本に輸入するというお話、これは一九八〇年から十年間という契約で進められているわけでございます。
 このように、枠組みといたしましては、原子力関係におきましてはすでに十分な仕組みができ上がっているという状況を踏まえまして、今回の中川大臣とシュベーヌマン研究技術大臣との会談、さらには鈴木総理とミツテラン大統領との会談等におきまして、これまでの協力関係をなお一層充実させていくんだという点で基本的な合意がなされた次第でございます。今後、この従来の枠組みの中で、あるいは必要があればさらに広げるという形で、日仏間の原子力の平和利用に関する協力を進めてまいりたい、このように考えておりまして、さらに事務レベルでその話を詰めていこうという段取りになった次第でございます。
 一方、仄聞いたしますところでは、わが国におきます第二再処理工場の建設等についても、フランスは喜んで協力したいというお話もあったというふうに承っておりまして、そういうことも含めまして、今後、協力の一層の緊密化ということにつきまして、日仏間で具体的に話し合っていきたい、このように考えております。
#13
○保利委員 ただいま原子力分野での日仏協力の問題についてお答えをいただいたわけでございますが、そのほかの分野におきましても、先端技術開発について日仏が協力をしていこうというようなお話し合いもなされたと伺っております。その概略はいかがなものでございましょうか。
#14
○原田(稔)政府委員 従来から、日仏間におきましては昭和四十九年に日仏科学技術協力協定というのが締結されておりまして、この協定に基づきまして非常に広範な分野におきまして、主として情報交換などを中心とした協力が進んでおります。今回ミッテラン大統領が来日されまして、シュベーヌマン大臣と中川大臣がお会いになりました際にも、従来のそういった協力関係をさらに拡充するとともに、当方としては、たとえばライフサイエンスですとかあるいは新材料の部門ですとかあるいは海洋の資源の問題、あるいは科学技術情報の相互利用の問題、こういったような問題は、日仏両国にとりまして共同研究の実施等の協力によってかなり成果が期待できるのではないか、こういうような話をした次第でございます。
 今後、こういったテーマにつきましてさらに具体的に突っ込んで、どういうテーマを選定していくか、どういった協力の仕方があるのか、そういった点につきましては、日仏両国の事務当局の間で詰めていきたいと思っております。
#15
○保利委員 いまお答えにございましたような、先端科学技術を通じて日本とフランスが非常に強く結びついていくということは、日本というものをヨーロッパ各国において正しく認識させていく上で非常に大きな意味があるんではないかと私は感ずる次第でございますので、今後とも一層の御努力、御尽力をお願い申し上げたいと思うわけでございます。
 いまのお答えの中にちょっと出ておりましたが、海洋技術についてもこれから日仏関係を強化していきたいというお話がございました。文部省の方おいででしたらちょっとお伺いしたいと思いますが、シュベーヌマン大臣が文部大臣にお会いになって、そのときに、日本海溝の調査について日仏が協力をするというお話し合いがあったやに伺っておりますが、その概要についてお話をいただければありがたいと思うわけです。
#16
○遠山説明員 四月十四日の朝にシュベーヌマン大臣と小川大臣との間で会談が行われました。その際には、広く日仏間の学術交流につきまして話題が出たわけでございますが、なかんずく、いま御指摘がございました日仏の研究者の共同によります日本海溝の調査につきまして意見の交換が行われたわけでございます。
 御存じのように、この調査は六千メートル級のフランスの潜水艇を用いまして、日本の列島に沿いました幾つかの海溝におきまして、海洋底のプレートが日本列島の地殻下に沈み込む状況をつぶさに知る、また、必要な試料も採取するというような壮大な計画でございます。そのプレートの沈み込み運動とか造山運動のメカニズムを解明することによりまして、地震の発生についてもいろいろな知見を得るというような計画でございます。
 これにつきましては、これまで専門家の間で、この計画を実行するについての可能性につきましての相互の研究が行われてまいったわけでございます。そういう相互の話し合いをベースといたしまして両大臣の間で話し合われましたことは、この研究というものは学術的にも技術的にも大変有意義であるということで意見が一致した次第でございます。その意見の一致に従いまして、双方でこれを強力に推進していこうということの積極的な発言があった次第でございます。
 以上でございます。
#17
○保利委員 いま文部省の方から御説明がございました日本海溝の調査、御承知のとおり日本は海に囲まれておりまして、そしてまた地震が非常に多いというような状況の中にもございまして、この調査というものは大変意味があると思います。いままでこういったものについて調査が少しおくれていたということを率直にわれわれは反省しなければいけないと思うわけでございます。
 幸いに、フランスが六千メートル級の船をつくって、そして調査に役立たせてくれるということでございますので、積極的に活用して、そして日仏協力のもとに、地震のメカニズムでございますとか、あるいはいままで知られていない資源の探索でございますとか、あるいは最近問題になっております海洋法上のいろいろな問題、そういったことについて日本はこれから相当な予算を投じても研究を進めていく必要があるのじゃないか、私はつくづくそういうふうに感ずるわけでございます。この計画が成功することを本当に私も心から祈らざるを得ません。
 そこで、この計画に使われますSM97という深海潜水艇がフランスでつくられるということでございますが、日本も二千メートル級の深海の潜水船をつくっております。そこで、SM97というのは一体どういう性能を持った潜水船なのか、それからまた、日本はそのSM97に匹敵するような船をこれからつくっていく計画がおありかどうかということについて、お答えいただきたいと思います。
#18
○加藤(泰)政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま先生からお話がございましたSM97でございますが、このSM97の97という意味は、世界の海の九七%はこの深海六千メートルの潜水調査船でもって調査が可能であるという意味からこの名称がつけられたものと、かように聞いております。現在、このSM97は最終的な開発の段階に入っておりますが、その完成は一九八四年の春ごろになるのではなかろうかというふうに予想されております。
 その性能でございますが、最高の到達深度は六千メートルでございまして、その大きさは、長さが約八メートル、幅が三メートル程度のものでございます。空中の重量は約十八トン、乗員三名を収容することができます。最高の速度は約二ノットというぐあいに報じられております。SM97のおもな性能は以上のとおりでございます。
 ところで、先ほど先生から御質問ございました、それではわが国では一体六千メートルの潜水船の開発というものをどう考えていくのかという点でございますが、わが国における深海潜水調査船につきましては、内閣総理大臣の諮問機関でございます海洋開発審議会が昭和四十八年十月の答申におきまして、すでに六千メートル級の潜水調査船の研究開発の必要性を述べております。
 この答申を受けまして、当庁におきましては、わが国の海洋科学技術の自主的な開発を推進する、そういったような観点から、わが国独自で深海潜水調査船の研究開発を行ってきたところでございますが、直ちに六千メートル級の潜水調査船の開発に着手するには、解決する必要のある技術問題がかなり多く残されているということもございまして、先ほどもございましたように、まず二千メートル級の潜水調査船を開発しようではないかということで開発にかかりまして、昨年の十月に、しんかい二〇〇〇を完成させることができまして、現在その潜航訓練等を行っているという状況でございます。今後、このしんかい二〇〇〇の開発をもとにしまして、さらに運航による知見、経験等を重ねまして、できれば将来、六千メートル級の潜水調査船の研究開発を行っていきたい、かように考えているところでございます。
#19
○保利委員 以上、いろいろな点についてお話を伺いました。
 日本とフランス、まあシャンソンとかあるいはブドウ酒とかということだけではなくて、これから本当に実際に役立つ科学技術の面で両国の関係が強くなっていきますことを私は切に希望してやまないわけでございます。
 あと一問お伺いを申し上げたいと思うのです。いま深い海のお話が出たので、今度は空の話でございますが、長官もよく御承知のとおり、航空宇宙技術研究所でSTOLという短距離離着陸の飛行機をいま開発中でございます。これは実験機という段階というふうに伺っておりますが、私も、日本という小さい島国で、狭い飛行場で飛び立てる飛行機を将来日本が独自で持つということに非常に大きな意義を感じているわけでございます。
 そこで、STOLの開発が現在どういうふうに進んでおるか、そしてまた、テスト飛行はいつごろ行われるだろうか、また、テストはどういうことを目的にしてやるんだろうか、あるいは実験段階が終わりまして実用化をするという段階でどういうことをお考えになっているだろうかというようなことについて、概略お話をいただければありがたいと思います。
#20
○加藤(泰)政府委員 お答え申し上げます。
 STOLにつきましては、現在、昭和五十八年度末の実験機の完成を目指しまして、機体並びにエンジン等の製作を進めている段階でございます。また一方では、実験機の製作と並行しまして、いろいろな新しい技術の開発のための飛行シミュレーション試験であるとかエンジンの地上試験、そういったような関連試験も積極的に進めている段階でございます。五十八年度の末に実験機の本体が完成いたす目標でございますが、実験機が完成いたしますと、昭和五十九年度からは、三カ年間かけまして、この実験機を用いました飛行実験を続けてまいる予定でございます。
 この実験機にはいろいろな新しい装置、技術が盛り込んでございます。たとえば、その一番中心の技術はやはり短距離離着陸技術、すなわちUSBと申しますが、USB方式の離着陸技術を着実に取得するというようなことでございますが、そのほかに、従来の機械式のものにかわりまして、電気信号によって飛行制御を行う技術、私どもこれをフライ・バイ・ワイヤーと申しますが、そういったような技術であるとか、搭載をしておりますディジタルコンピューターによりまして、操縦の自動化あるいは安定性の増大を図るシステム、これはSCASと申しますが、そういったようないろいろな新しい各種の技術につきまして多角的に試験を行いまして、その実用性を実証してまいりたい、かように思います。
 なお、先ほどの御質問の、それでは実用化に向けてSTOLの研究開発を一体どのように生かしていくのかというようなことでございますが、STOLのいわば効能と申しますか性能は、いま言った短距離離着陸性のほかに、たとえば低騒音の効果を持つとか、いろいろな意味での効果を持つわけでございまして、こういった技術の実証が必要でございます。
 こういったSTOL機の研究開発によりまして、今後考えられるいろいろな新しい航空機があろうかと思いますが、先ほど申しましたようなコンピューターの制御技術を用いるというようないろいろな新しい要素技術を実証いたします。こういった新しい技術は、今後、わが国の航空機のメーカーによる独自の開発をする場合はもちろんでございますが、国際共同研究で開発をするといったような場合におきましても、わが国が今後進めていく実用航空機開発の場においてきわめて重要な役割りを果たすであろうと思うわけでございます。
 そういった意味におきまして、この実用化にいささかでも役に立つような技術というものを早く開発したい、そしてでき上がった技術で、新しい日本の航空技術を世界に冠たるものにしてまいりたい。そういった意味におきまして、研究の積極的な推進を現在進めている状況でございます。
#21
○保利委員 時間が参りましたのでこれでやめなければなりませんが、長官にひとつお願いを申し上げたいわけでございます。
 科学技術というのは、将来に向かっての投資でございますので、特に若い技術者の方々、科学技術庁にもかなりおられると思いますし、あるいはまた学校関係にもおられると思いますが、この研究者でありますとか技術者、それから科学者、こういった方々をできるだけ海外に出していただいて、そして海外の技術というものを見ていただく。ミッテランさんがおいでになって、日本の技術を見て、なるほどと感心されたと思うのでありますが、若い方々はぜひ外へ出ていただいて、外国の技術を見る。そして日本の技術をこれからまた向上させていくことに資するというような意味におきまして、ぜひ長官に御尽力いただいて、獲得していただきました科学技術振興調整費というようなものもございますので、それをお使いいただいて、積極的に若い技術者を育てるように、そして将来に向けて人的投資をしていただきますようにお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
#22
○近藤委員長 竹内猛君。
#23
○竹内(猛)委員 私は、現在、筑波研究学園の一角に設立を予定されていて、いろいろな問題が起きておりますライフサイエンス施設をめぐる諸問題について、関係者にお尋ねをしたいと思います。
 それに先立って、過ぐる十九日には、近藤委員長を中心とする現地視察に参加をさせていただいたことに感謝したいと思いますし、そのときにも地元から委員長あてに幾つかの要請があったと思いますが、それらもあわせて、ここでただしていきたいと思います。
 まず、P4の問題でありますけれども、その内容が安全であるのかないのかという問題は一応おくといたしまして、日本でどこにもない最初の研究がこれから行われようとするその場所を設定する場合に、もう少しやりょうがあったと思うわけですが、とりあえず、今日までの経過、予算、それからいつこれを仕上げようとしているのかというそのアウトラインを科学技術庁に説明してもらいたい。
#24
○下邨政府委員 ライフサイエンスという学問は、生物学とか医学、農学、さらには化学とか物理学、工学等、広範な知見を活用いたしまして生命現象の解明、あるいはそこで得られました成果を人類の福祉に応用しようというような科学技術でございまして、近い将来、いろいろな面で画期的な技術革新をもたらすものとして期待をしておるものでございます。二十一世紀の目玉技術になるのではないかと言われておりまして、欧米先進諸国もこの問題に積極的に取り組んでおるところでございます。特に遺伝子組みかえの研究といいますのは、そのライフサイエンスの中でも中心になるような研究分野でございまして、ライフサイエンスの振興を図る上できわめて重要なものと考えているところでございます。
 それで、理化学研究所が計画しておりますライフサイエンスの研究施設につきましては、この遺伝子組みかえの研究の推進のかなめとなるような重要な施設でございます。この施設につきまして五十六年度の予算で初めて四億円余りを予算計上いたしました。それから五十七年度の予算では五億円余りを計上いたしたところでございます。
 それで、この施設につきましては、安全性の問題にいろいろと不安を持たれる方もございますので、その安全確保の万全を期すために、私どもの中で、各分野の専門家によります遺伝子組換え研究施設検討会というようなものを開催いたしまして、理研の計画しております施設の設計、それから運営につきまして専門的な検討を依頼したものでございます。ことしの二月にその検討結果が報告書としてまとめられまして、この施設の安全性が十分確保できるという結論をいただいたところでございます。
 この検討結果を踏まえまして、理化学研究所それから当庁の方から谷田部町と町議会に対しまして、この施設の建設の促進につきまして協力方を要請したところでございます。私どもといたしましては、この研究は非常に重要なものでございますので、この施設の早期完成を願って、地元の方々と御理解を得るようにお話し合いをさせていただいているところでございます。
#25
○竹内(猛)委員 中川大臣にお尋ねしますが、二十世紀から二十一世紀の目玉のものである、そんなに大事なものであり、そういうことであるならば、法律の一本くらいつくってやるくらいの方法がとれないものかどうか。どうです。
#26
○下邨政府委員 非常に大事な研究でございますので、政府に設けられております科学技術会議におきましてもこれが検討されておりまして、総理大臣から、ライフサイエンスにおきます先導的、基盤的技術についての基本計画につきまして、諮問をいただいております。現在、そのことにつきまして検討をしておるという段階でございます。特に法律について検討はいたしておりません。
#27
○中川国務大臣 二十一世紀の目玉であることは間違いないと思います。しかし、まだ基礎的研究の段階であって、いずれ研究が進んでいき、実用化ということになれば、やはりそういった法律、仕組みも必要ではないかと思いますが、いまは基礎研究でございますので、ひとつ研究の推進には御協力をお願いしたいと存じます。
#28
○竹内(猛)委員 そういう重要なものであり、現地にいろいろの意見があるわけです。私自体が別にこれに反対をしているわけじゃありません。だとすれば、そういうものについては法律ぐらいはつくって、それでやはり責任を持って進めていくというくらいのことは、中川大臣はやがて総理大臣になるということで意気込んでいるんですから、そのくらいのことやったっていいじゃないか。何も別に遠慮することはないと思う、こんなところで。どうですか、もう一遍。
#29
○中川国務大臣 せっかくの御提案ですから、研究はさせていただきますが、いまやるという心構えはまだできておりませんけれども、御指導のほどを願います。
#30
○竹内(猛)委員 私は、昨年の四月二十一日に、内閣委員会だと思いましたが、農林省設置法と関連をして質問をしたときに、初めて谷田部町の高野台というところにライフサイエンスの施設をつくるんだということがわかったのです。それまでは全くそれはわからないでおりました。ところが、理研の本拠は埼玉県の和光市にある。その和光市では、P3までの研究はやる。しかし、それより危険なもの、これは筑波でやるんだ、危険という言葉を残して、筑波にそれは持ち込むんだ、こういう話になっているんですね。だから、日本で初めてということと、危険であるということと、現に、和光市に広い土地と研究所があるにもかかわらず、なぜ一体筑波に移すことが必要なのか。それは答えはわかっているのです。
 たくさんの研究所があるからそれと関連をしていくんだということはわかるけれども、そんなことは聞きたくないんだ、それは。和光だって、それほど離してあるわけじゃない。どこかの島のところにあるわけじゃないんだからね。こういう危険なものは、分散をしないで一カ所でやるというのがたてまえでしょう。しかも筑波よりも和光の方が広い土地も持っている。これは科学技術庁の皆さん、そうですね。和光の方が広いでしょう、土地は。
#31
○原田(稔)政府委員 理研の現在の本拠があります地域でございますが、面積はたしか三十万平米ぐらいだったと思いますが、いまほとんど大体建物が建っておりまして、一般的な状況としましては、理研の現在の和光の本拠の土地というのは、その意味におきましてはかなり余裕が少なくなっている状況にあるのではないかと思います。
#32
○竹内(猛)委員 それについても、一軒の家を建てるときにも、その周辺の人々に対して家を建てますからよろしくというぐらいのあいさつをして回るのはあたりまえなんだ。ところが、日本で初めてのP4という、より危険なものを持ってくるというのに、国会で質問をしなければわからない。谷田部の町議会にも一回ぐらいしか話をしてないという。こういう状況では住民が立ち上がるのは無理はないので、あたりまえなんです。大体やり方が常識から外れているんだ。そういうところへもってきて上から押しつけてやれという、そんなばかな話はない。だから、このことがわかると、去年一年間、今日まで、現地はもめにもめているじゃないですか。この一年間何をしてきましたか。
#33
○下邨政府委員 この計画が固まりましたときに、現地におきましていろいろ説明会を開催さしていただきましたし、その後におきましても、いろいろな場におきまして御説明を申し上げて、御理解を得るように努めてきたところでございます。
#34
○竹内(猛)委員 理解は別に現地はしてませんね。だから、去年の九月八日には、谷田部町の町議会は、安全性が確保できないということで、満場一致で反対を決議したでしょう。それから、ことしの二月十九日には、地元の高野台の婦人会の皆さんが、直接に東京に来て下邨局長にお会いをして、約束をしたとかしないとかという話はあるけれども、とにかく現地の皆さんが了解をするまでは着工しないという話をした、こういう形になっている。その後、地元の推進者から三百四十七名の推進の請願があり、これに続いてまた一万二千の反対の請願があるという形で、結局ここではついこの間、四月十七日ですか、その間には賛成の学者、反対の学者等々の意見を聞いたわけですけれども、その結果を持ち寄って採決をする、こういう段取りになったということでありますけれども、このことは間違いないですね。
#35
○下邨政府委員 確かに、谷田部の町議会におきまして、安全性について不安であるというようなことで反対の決議が昨年の九月になされたわけでございます。その後、私どもの方でも、先ほど申し上げました検討会の結果も踏まえて御説明を申し上げ、御理解を得てきたというふうに考えておるわけでございまして、お話のございましたように、ことしの四月十七日に谷田部町議会におきまして、連合審査会でいろいろと検討をされまして、建設促進の採択がなされたというふうに伺っております。
#36
○竹内(猛)委員 それでは、現在予定をされている土地はどこのものですか、これは。理研のものであるのかあるいはそうでないのか、その土地の所有はどうなっているのか、その点について。
#37
○久保説明員 お答え申し上げます。
 ライフサイエンス施設の建設が予定されております土地は、日本住宅公団が土地区画整理事業を行いまして、換地として割り当てられた、こういうものでございます。これは先生御案内のように、筑波研究学園都市の建設計画におきまして、移転機関土地利用等に関する基本方針があったわけでございますが、こういった方針に基づきまして、谷田部町の下横場地区約七十ヘクタールの区域につきまして土地区画整理事業を、先ほど申しましたように日本住宅公団が行ったわけでございます。
 この事業は昭和四十六年から五十三年までの期間で行われておりますが、この七十ヘクタールのうち約二十ヘクタールが昭和四十九年の十一月に住宅公団の方に換地として割り当てられておる、こういうことでございます。この二十ヘクタールが全部ライフサイエンス施設用地というわけではございませんで、公団の割り当てられた土地の二十のうち十ヘクタールは農林団地の方に使われております。さらに、残り十ヘクタールのうち五ヘクタールにつきましては、国際協力事業団それから社団法人日本建設機械化協会に使用されておりまして、残りの五ヘクタールがライフサイエンス用地として予定されておる、現在は住宅公団が持っておる、こういうことでございます。
#38
○竹内(猛)委員 それで、住宅公団が現在持っているわけですから、理研が持っているものではないということは、ただ割り当てをしているということだね。そうでしょう、科学技術庁。
#39
○下邨政府委員 理研のライフサイエンス施設の用地として予定されているということでございます。
#40
○竹内(猛)委員 下邨局長にお伺いしますけれども、二月十九日ですか、地元の高野台の婦人会の皆さんが来た。私は立ち会わなかったけれども、そのときに、現地の皆さんが納得する、了解するまでは着工しないとおっしゃった、その現地というのはどこを指すのです。
#41
○下邨政府委員 地元の理解と協力を得て建設に入りたいということでございまして、地元というのは、いろいろ解釈もございましょうが、私どもは、町の議会というものは地元の意見を代表されておるというふうに考えております。
#42
○竹内(猛)委員 そういうふうに答えるだろうと思ったけれども、やはりそういうふうに答えたですね。そういう答えではこれは当たらないでしょう。あのときは町の議会は反対をしているのですよ。そうでしょう。それから今度皆さんが大分工作をして、いろんな工作をした。農業委員会を使ったり、まああれやこれや、科学博覧会の問題もあるだろう、今後どういうものが出てくるか知りませんが、いろいろなことをやって、そして町議会に持ち込んでいった。町議会の採決はどうなっていますか。自治省、その町議会の採決の状況を説明してください。
#43
○中島説明員 私たちも新聞で承知したわけでございますけれども、十七日の連合審査会におきましては、いま計画局長が御説明されましたように、賛成の決定がされておるというふうに承知しております。
#44
○竹内(猛)委員 どういう内容であるかということをもう少し詳しく説明しなければわからないじゃないですか。賛成だけじゃないでしょう。反対だってあるじゃないですか。白票だってありますよ。どうなの。
#45
○中島説明員 賛成陳情につきまして、賛成が十四、反対が九、棄権が一、反対の請願につきましては、賛成が十、反対が十四ということでわれわれは聞いております。
#46
○竹内(猛)委員 そこで問題は、この連合委員会というのは、これは記名投票をやったわけだ。記名投票をするからには、だれがどうしたかということを要求があれば公表するのが、これが常識でしょう。いまだにこれが公表されてない。十七日に投票をして、きょうは二十二日だ。きょうこれを公表するかしないかということを諮っている。こんなばかな話はないじゃないですか。自治省はこういう問題についてどういう指導をしているのです。
 憲法の九十二条によって地方の自治が決定をし、そして五十七条によれば、記名投票の場合には、これは要求があった場合には明らかにしなければならないということになっている。特別な決まりがない限りにおいては、当然この憲法の規定に基づいて、主権が在民である限りは、有権者は同じなんだよ、町会議員であっても国会議員であっても、公職選挙法によって選ばれている者がやっているのだから、要求があった場合にはこれを明らかにするのがあたりまえじゃないか。
 それを三日も四日も抑え込んでいる。しかも議員の中のほぼ過半数近いものが賛否両論に分かれている。と同時に、一万二千の反対に対してサインをした議員が、記名投票では賛成に回っているという事実がある。だから問題が起こっている。こういうような採決を有効と見るか見ないかということは、これは問題なんだ。どうなんですか、自治省。
#47
○中島説明員 記名投票の結果を公表するか公表しないかということに関しまして、憲法の規定をお挙げになりましたが、憲法の五十七条の規定というのは、本会議の会議録についての規定だというふうに私は理解しております。地方議会におきましても、本会議というのは公開が原則ですから、その会議録というのは原則として閲覧に供するということだと思いますが、委員会の会議の公開、非公開につきましては、それぞれの議会の委員会条例とかあるいは会議規則ということで定まっておりますので、その規定に従ってそれぞれの議会が判断して運営していくということでございまして、私たちの方で特段指導する法的な根拠が国の法令によって与えられているというわけではございません。
#48
○竹内(猛)委員 法律的な根拠が与えられていない、こうおっしゃるけれども、現実に四つの連合委員会をやったわけですが、一万二千名の反対側に署名をした議員が今度は記名で賛成をしているというこの事実、おかしいじゃないですか、そういうのは。それは地方議会でやったことだから知らぬというのですか。それとも、それを調査をして、もう少しまともにしていくという考え方はないのかどうか。しかも事態はP4の問題に関係をしていることなんだ。町自体の問題ではないのですよ。こういうことについて、これは国のしかも大事な科学の進歩、前進のための一つの施設をつくるために起きていることであるだけに、これを黙っているわけにはいかないと思うのですけれども、どうですか、これは。
#49
○中島説明員 議員さんというのは、私たち公務員がいろいろ申し上げるのは恐縮でございますけれども、恐らく当初は、賛成であるとか反対であるとかということでいろいろな意見をお持ちだろうというふうに思います。しかし、議会でいろいろ議論をしあるいは賛成者の意見を聞きあるいは専門家の説明を聞き、いろいろ関係者の方と接しておる間に意見が変わってくるというのは、私は議員さんの一般のあり方として当然だろうと思います。したがいまして、当初は反対だったけれども途中で賛成に変わったからけしからぬというようなことは、私は、議員さんの行動についてはわれわれがとやかく言う限りのものでないというふうに理解いたします。
#50
○竹内(猛)委員 では、そういうことをしてもそれはやむを得ない、自治体の有権者に任せる、あなたはそういうふうにおっしゃるのですね。いいですか。
#51
○中島説明員 議員さんが任期中いろいろなことをなさる、そしてそれは次の選挙のときに有権者が判断してそれぞれの投票をなさるということによっていまの代議制度というのが成り立っているんだというふうに思います。
#52
○竹内(猛)委員 この議論はこのくらいにしておくが、またいずれ時期を見て明らかになるときがあると思う。
 では、今度は安全性の問題について質問します。
 和光でP3を実験するときにさえ、この白い建物を建てるときに児童の通学道路を移転をしてかなり問題が起こったという事実がある記録に残っているのですよ。だから、日本で初めてのまだやったこともない、こういうP4の実験をするということになれば、安全性の問題というのはもう当然問題になるわけです。だから、地元の人たちが、何で第二種住居地区へ黙ってそういうものをつくるんだ、こういうことでいま立ち上がっているわけです。この間までは高野台の人々だったけれども、今度は地域の茎崎村の牧園地区で千五百人が反対の署名を持ってきた、こういうようにだんだん拡大をしているんだ。だから、あなた方が安全だと言えば言うほどに地元の方は心配だ、こういうふうになる。
 なぜかならば、たとえば原子力の問題にしても何にしても、日航の問題にしても何にしても、安全だ安全だと言いながら墜落をしたり事故が起こったり人間が死んだりしている。一〇〇%安全というものはないのでしょう。これが一〇〇%安全だということが言い切れますか、どうですか。
#53
○下邨政府委員 純粋に、科学的な意味で、一〇〇%とか絶対というような言葉を使うことは問題があるかと思いますけれども、常識的な意味で、一〇〇%とか絶対というような言葉は当然使われますし、私ども、そういう意味では一〇〇%絶対安全であるというふうに考えておるところでございます。
#54
○竹内(猛)委員 いま言うように一〇〇%安全じゃない、不安全な部分があると言う。しかもその利用というのは共同利用でしょう。だから、だれが不始末をしたかわからないという状態だってあるわけですね。そういうようなことを考えると、この問題はそんなに簡単に通すわけにいかない問題なんです。厳密に地元の皆さんの了解を得なければならない。地元と言えば町議会がある。町議会というのはあの広い谷田部町の全体の代表であって、P4の施設というのは高野台の第二種住居地区にできるところのものなんですね。
 だから、そういうところを考えて、地元の人たちが納得しなければ何が起こるかわからないのです。だから、私はこうやって強く要求をしている。あの人たちは、全く夜も昼も寝ないでいま町議会の行方を見守っているわけですよ。その人たちに安心だということをどういう方法であなた方は保証しますか。
#55
○下邨政府委員 先ほど御説明申し上げましたように、各方面の第一人者の専門家に御審議いただきまして、安全性が十分確保できるというふうに御報告いただいております。したがいまして、安全だと言うほど不安だ、こう言われますと困るわけでございますが、私ども、その安全性について十分御理解をいただくように従前から説明してきておりますし、これからも御理解をいただくように説明をしていきたいというふうに考えております。
#56
○竹内(猛)委員 私が先ほど法律をつくれと言ったのは、中川科学技術庁長官だってやがて総理大臣になるだろうし、それからそこにいる局長の皆さんだっていつまでも局長のいすに座っているはずはない。二年も三年もそのいすに座っているのはよほど無能か物好きかしかないんだ。そのときに、一遍建てられたものは動かすことはできないのだよ、これは。そこで事故が起こったらだれが補償するのですか、どうですか。中川科学技術庁長官と地元の間で公正証書でもつくって、事故が起こったら国が完全に補償します、こういうことが言えますか。どうです。
#57
○下邨政府委員 十分安全を確保するようにできておりますので、そのような事態は考えられないということでございます。責任は理研でございますけれども、国といたしましても、責任を持って監督をしていきたいということでございます。
#58
○竹内(猛)委員 それはだめなんだよ。和光でおととしの五十五年十二月の末に移転の問題で、実際これを扱っている職員が採決をしているじゃないか。それは自分たちの労働、勤務の状況の問題もありますよ。ありますけれども、やはり移ることについての安全性の問題についてのことで移転反対が二百二十八、移転に賛成が五十一、中立が六十八という結果になっている。これを見ると、一番その仕事をやっている者がこれに対して心配をしているという事実がある。この事実が変わらない限り、私は信用はできない。
#59
○原田(稔)政府委員 一昨年の十二月に、先生おっしゃいましたように、労働組合の中でそういった決議が行われていることは事実でございます。従来から、理研の内部におきましても、いろいろな説明会などを通じまして所員の理解を求めるという努力をしてきております。一昨年、昨年を通じましてそういった努力をしているところでございまして、本年に入りましても、労働組合からの要請などに基づきまして、理研の所側といたしましては二回にわたりまして労働組合との懇談会を持とうということで申し入れをしてきておりますが、まだ組合側の都合がつかないということで、その労働組合との間の懇談会というものは、本年に入ってはまだ実施されておりません。
 しかし、それと並行いたしまして、所側の考え方、そういったものをいろいろな機会を通じて関係の全職員に対して普及徹底をしているところでございまして、私といたしましては、最近におきましてはかなり所員の方々の理解が深まったのではないか、かように考えております。
#60
○竹内(猛)委員 同じ問題を二年もかかってこれがなかなか理解されないということ。それから地元では、依然として町議会に約半数の反対があるということ。それから場所においても、あれは住居地区であって、決してあの地域に場所がないわけじゃない。しかもそのうちで予算は一カ年間手つかずだ。こういうようなことを考えてみると、これからだってどういうことが起こるかわからない。こういう中でこれを強行するということは大変危険なことなんだ。
 これは大臣どうです。場所について一考を促して、もっと相談をする、考え直すというようなことについてはここで軽々に言えないかもしれないけれども、この問題はなかなかそう簡単にはいかないでしょう。
#61
○中川国務大臣 竹内先生の御発言を聞いていますと、危険なものときめつけておられるようですが、危険でなくするためにP4施設という安全な施設をつくっているんであって、私は、危険なものではないと思っているわけです。したがって、地元の皆さんにも日を追って理解していただいておるのではないか。
 電気をつくった時代も汽車をつくった時代も、最初やるときにはいろいろな憶測で危険だ、危険だと扇動した人もおるようですが、人類が進歩いたしますれば、初めは危険だと思っておっても、弾力的な人はだんだん対応していただいておりまして、竹内委員にも、危険だ、危険だとどうかきめつけずに、前向きでひとつ知識を広めて、御協力を賜りたいと思います。
#62
○竹内(猛)委員 そういうわけにはなかなかいかないのだよ。知識を広めれば広めるほどこれはむずかしくなってくるわけだ。だから、理研の職場で働いている皆さんをまだ説得しなければならない。ほかの者が騒いでいるんなら、まだ外部から何を言うんだと言えるけれども、実際仕事をしている皆さんの中に一致がないということは、これくらい残念なことはないでしょう。しかも職員の三分の二が移転に反対をしている。それは和光の方がいいと言う人もあるかもしれませんよ。どういう事情があったとしてもそういうことなんだ。
 だから、この際遺伝子組みかえ法でもつくって、そして目的から安全性から最後の始末までぴしっと法律をつくって、さあこれでどうです、こういうふうにやった方が科学的であり、しかも前向きじゃないですか。そうしてそれを十分に審議をする、その期間は凍結をする、これくらいのことはしたらどうです。その方がむしろ政治家としてやるべきことじゃないか。中川科学技術庁長官の最もいい仕事としてどうです。
#63
○中川国務大臣 職員の皆さんが反対だということは承知してはおりますけれども、反対の理由が、危ないから移転するのは嫌だ、こう言っているのではなくて、それを直接的に危ない方と結びつけられると私どもとしては非常に迷惑でございまして、配置転換、職場が変わることを中心にして反対なのであって、それを危険と混同されては困るのであって、安全性についての問題はない、こう思っております。配置転換に対して職員の皆さんには職員の皆さんの考え方もあるでしょうから、それはそれとして、これから話し合いをし、御納得をいただくようにしていきたい、こう思う次第でございます。
#64
○竹内(猛)委員 署名の中で三百四十七、一万二千、さらにまた千五百というふうに積み上げてきたけれども、数が少なければどうだとか、数が多いから重いという、その比重についてどうお考えですか。
#65
○下邨政府委員 私ども、その陳情を出した人たちの名前というか、そういうものは存じ上げておりません。その辺の内容につきましては、町議会におきまして十分審査され判断されたものというふうに理解しております。
#66
○竹内(猛)委員 その町議会が、さっきも言ったように、一万二千人の反対署名にサインをした者が、何人かひっくり返って賛成の方へ回ってしまった、こういう事態の中でいまの問題が出ているわけだ。だから、三百四十何名という人々ももう一つの考え方ですね。それから一万二千、それに千五百というのもまた住民の皆さんの基本的な権利なんです。こういうように憲法のもとで平等に保障されている権利で、数が多いということはそれだけ反対の人たちなり心配をしている人が多いということなんだから、それはそれなりに配慮してもらわなければ困る、こういうふうに思うのだけれども、とれについてはどう配慮をされるかということなんです。地元だけに任しておいていいのかどうなのか。
#67
○下邨政府委員 反対の署名の中身は、危険な施設に対して反対であるとか、町議会が全員一致で反対しているから反対であるとかいうような内容であるかと思います。危険な施設を置くということになれば反対だというような説、あるいは町議会全員一致で反対しているという状態でつくることに反対だというような説、これはなるほどそういうことだと思いますが、私どもは、町議会で安全性について不安を感じているというようなことでございましたので、いろいろと安全性につきまして御説明を申し上げ、だんだんと理解を深めてきていただいているということでございまして、危険な施設ではない、安全な施設であるということについて御理解が得られてきたというふうに考えております。
 町議会でもいろいろと検討され、先ほどから話が出ておりますように、連合審査会というのは全員が構成員になっている審査会でございますが、その連合審査会で建設促進ということについて採択をいただいたということは非常にありがたいことであり、私どもとしては、今後とも円滑に工事が進められますように努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#68
○竹内(猛)委員 それは円滑に行こうとしたって行くわけがないでしょう。一万二千人の反対署名に賛成をした者が、今度はどういう理由があるかもしれないけれども賛成に寝返りを打って、記名投票を公表するとわかるからそれを公表しろと言っても公表しない、抑えている。こんなばかなことがいま行われているんですよ。だから、そういう状態の中でこれを押し切ろうとしても、それは力で押し切れば押し切れるかもしれないが、そんなことしてまでつくらなければならない、住民を二つに分けてつくらなければならないということは政治的に問題じゃないですか。いまや政治問題ですよ、この問題は。そういうふうに思いませんか。町を真っ二つに分けて、寝返りを打たせて秘密にして、公開すべきものも公開しないでやるということはおかしいじゃないですか。どうですか。
#69
○下邨政府委員 私どもといたしましても、理研といたしましても、その安全性について十分御理解いただくようにいろいろと御説明を申し上げてきたところでございまして、今後とも円滑に工事に入れるように努力をしてまいりたいということでございます。
#70
○竹内(猛)委員 私個人としては、この研究自体に反対をするものではない。研究は安全な場所で、そして住民の理解を得てやることが必要だと思うのです。ところが、いまのような住居地区であり、しかもそれは東京への通勤者がたくさんいるところ、ますますこれから人口がふえるところに、何で一体そんなに強行しなければならないのかということが理解できない。どうしてあそこでなければいけないのですか。
#71
○下邨政府委員 この施設は、遺伝子組みかえの研究施設として総合的な施設でございまして、産学官の協力を得て研究を推進したいというふうに考えておるものでございまして、産学官の試験研究機関が集まっております筑波においてこういう施設ができるということが非常に大事なことだと考えております。また、この研究施設をできるだけ早くつくりまして、わが国のライフサイエンス、特に遺伝子組みかえの研究が欧米先進国におくれをとることがないようにがんばっていかなければならないというふうに考えております。
#72
○竹内(猛)委員 なぜ和光で第三から第四までやれないのか。和光はどうしていけないのですか。
#73
○下邨政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、この施設は産学官の共同研究とか共同利用の場にもしたいということでございまして、それには筑波研究学園都市にこういう施設を置くということが最適であるというふうに考えておる次第でございます。
#74
○竹内(猛)委員 学園都市ならば、何も住居地区でなくても、相談をすればまだ別なところがあるはずなんです。土地はあるのですよ。無理やりにそこのところに押しつけなくてもあるはずなんです。これについては、ここですぐそうだとは言いにくいかもしれないが、ともかく一遍相談をしてみる、検討してみるぐらいのことはしなければ、前の方へ向いたら向きっ切りで、これはだめだということになったら、いままでのいきさつからしてみてもおかしいじゃないですか。
 もうこれで一年は空費してしまった。これからだってまだ簡単にいきませんよ。町議会だってこれは簡単にはいかないですよ、半々ですから。これから何が起こるかわからない。協力しようにも協力ができないじゃないですか。あの一万二千名の署名というのは自民党の代議士が紹介したのですよ。別に社会党だけが危険だと言ったわけじゃない。そうじゃないです、党派を超えているわけだから、そういうことを考えると、これはそんな簡単にはいかないですよ。だから、大いに再検討する、こういうことでいかないと、そう簡単にいかないということをまず申し上げておきたい。もう時間がないから、この辺で中川大臣にひとつ答弁を願いたい。
#75
○中川国務大臣 そういう危険だという御心配もあったようでございますが、だんだんと御理解をいただいておりますし、またさらに一層御理解をいただくように努力をして、大事な二十一世紀に向けての世界的な研究への着手でございますので、ぜひとも一日も早く理解が得られるように努力をしてまいりたいと存じます。
#76
○竹内(猛)委員 時間が来たのでこれで終わりますけれども、私はいまのやりとりの中からまだ了解点に達しない。いずれまた別なところでなお問題を出して、これは騒ぐ必要はないけれども、いろいろと提案をしていきたい、こういうことを申し上げて、ひとまずきょうはこれで終わります。
#77
○近藤委員長 五十嵐広三君。
#78
○五十嵐委員 最初に、放射性廃棄物の貯蔵施設の建設の問題であります。言うまでもないことですが、立地地点に隣接する市町村の意向というようなものはきわめて大切なものではないかというふうに思うのですが、いかがですか。
#79
○石渡政府委員 ただいま御指摘の貯蔵施設を含めまして、一般論といたしまして、原子力施設の場合、地元の御理解と御協力を得ることが絶対必要であるということにつきましては、全くそのとおりでございます。御指摘の件につきましても、今後計画が具体化する場合には、その進展に応じまして、隣接と申しますか、地域住民の御意見を十分反映させるような方策について検討をしなければなるまい、このように考えているわけでございます。
#80
○五十嵐委員 つまり立地しようと思う地点の地方公共団体の意見あるいは住民の意見が大事なことは言うまでもないが、その施設の性格からいって、これに隣接するような地方自治体の意見やあるいは住民の意思というものを非常に尊重しなければいけない、立地地点の地方公共団体と同様に重視しなければならぬということであろう、そういうことですね。
#81
○石渡政府委員 その関係の度合いに応じて若干の濃淡があり得るのかとも思いますが、御趣旨はそのとおりでございます。
#82
○五十嵐委員 そこで、お受け取りになっているかどうかということだけで結構ですが、幌延町に――幌延町に決まったわけじゃないですよ。決まっているわけじゃないが、しかし、いまのところ、候補群の中では一番チャンピオンということになっているようでありますね。つまり現地の方からぜひという意見があるからでしょう。その幌延町の隣町の浜頓別町の町議会で、三月十七日、幌延町の放射性廃棄物貯蔵施設設置について反対である、こういう決議がなされているわけであります。この決議の内容については科学技術庁にも提出しているようでありますが、受け取っていますか。
#83
○石渡政府委員 当庁は承知をしておりません。
#84
○五十嵐委員 それではまだ着いていないのかどうか知りませんが、三月十七日に決議になっているということで、私の手元には写しは来ておりますが、関係のところへそれぞれ送達中なんでしょう。この点をお含みをいただきたい。そして前段お答えがありましたように、隣接する地方公共団体あるいは住民の意思というものは十分に尊重してほしい、こういうぐあいに思います。
 さて、この際でありますので、廃棄物の問題について、以下ずっと御質問申し上げていきたいと思います。
 それぞれの原子力発電所の敷地内に低レベル廃棄物の貯蔵、保管の施設というものを持っておられる。それで、その保管能力に対して使用率といいますか、現在実際に保管されているのは何割くらいと考えたらいいでしょう。
#85
○末広説明員 原子力発電所から発生いたします低レベル放射性廃棄物につきましては、現在ドラム缶に詰めて発電所の固体廃棄物貯蔵施設に厳重に保管しているわけでございますが、その保管本数は、五十六年二月末現在で、二百リットルドラム缶本数の総計で約二十八万本でございます。一方、固体廃棄物貯蔵施設の保管能力でございますが、現在約四十六万本分ございます。
#86
○五十嵐委員 まだかなり余力がありますね。
 それから、敷地内にそういう貯蔵の施設を持っている、さらに敷地内にその貯蔵施設を増設する敷地上の余地はあるか、それはどうですか。
#87
○末広説明員 正確な数字は持ち合わせておりませんが、現在、サイト内におきます固体廃棄物貯蔵庫のスペースというのは、全体のスペースからしますとごくわずかであると承知しております。
#88
○五十嵐委員 原子力発電所の敷地の中にいま保管している倉庫がある。この倉庫をさらに増設をするという敷地の余裕がそんなにないですか。あちこちたまに見ると、僕はどうもかなり余裕があるように見えるのだけれども。もちろん、それぞれの原子力発電所の個所によって違うとは思うが、かなり余裕のあるところが多いのじゃないですか。
#89
○末広説明員 いまお答え申し上げましたのは、現在の固体廃棄物貯蔵施設の占有している面積が、全体の敷地面積からしますとごくわずかであると申し上げたのでございます。
#90
○五十嵐委員 わかりました。もう一遍聞きますよ。つまり増設する敷地上の余裕は十分にあるということですね。
#91
○末広説明員 現在のサイトのスペースからいたしますと余裕はございますし、したがいまして、放射性廃棄物の保管につきましては、これからの発生量に応じまして、当面必要に応じ増設していくという計画でございます。
#92
○五十嵐委員 この前から御質問申し上げて、お答えいただいているのですが、西暦二〇〇〇年で大体百二十万本くらいになるか、こういうことでございました。そうすると、いま大体三十万本弱、およそ四倍の収容能力が必要だということになるわけですね。四倍というのはなかなか大変ではありますが、それぞれの発電所の敷地余力からいうと、四倍や五倍なんというのはわけはないのじゃないですか。どうですか。
#93
○末広説明員 発電所から発生いたします低レベル放射性廃棄物につきましては、現在のところ、発電所の敷地内の貯蔵施設におきまして安全に貯蔵するということになっておりますが、将来におきましては、海洋処分あるいは陸地処分といったようなものをあわせて行うということで、現在いろいろな具体的方策が検討されているところでございます。
#94
○五十嵐委員 どうも答えになっていないですね。局長さんどうですか。僕はそう思うのですね。
 つまり百二十万本というとえらい数には見えますが、お話によると、現在約二十八万本、これは五十六年の二月というのでありますからもう三十万本でしょう。しかも四十六万本の収容能力を持っているというからまだ余力があるわけだが、百二十万本と考えても、増設をしていけばいい。それぞれの発電所の敷地余力というのは十分にあるわけですから、それぞれに置いたっていいのではないですか。問題ないのじゃないですか。どうなんですか。
#95
○石渡政府委員 ただいまの通産省からの御答弁は、物理的にはそういう敷地はございますという話であろうかと思います。また、先生御指摘のように、それぞれのサイトの状況によりまして、十分まだ余裕があるというところと大分窮屈になってきたところもあるかと存じます。それから、その地域の住民とのお話し合いがどうなっているかという状況も、やはりそれぞれのサイトで違うかと存じます。そういうことも絡めまして、集中貯蔵と申しますか、そういうアイデアも一つのオプションとして出てきた、このように理解しているわけでございます。
#96
○五十嵐委員 陸上集中貯蔵施設に一千六百億もかけるというのですよ。専用の船をつくり、専用の港をつくり、世界に例のないような巨大な集中貯蔵施設をつくろうという。そんなに金をかけてむちゃくちゃなことをしなくてもできるじゃないですか、それぞれの原子力発電所の敷地内で。なぜそんなことをするのですか。財政再建、行政改革の精神にも反するのじゃないですか。僕は納得いかないですよ。よく検討してほしいと思います。
 それから、言うまでもありませんが、それぞれの原子力発電所の中に保管されている廃棄物中に、発電所の一次浄化系のイオン交換樹脂等のいわゆる中レベル放射性廃棄物というものが含まれていると思いますが、これも計画をしている集中貯蔵施設に含めて貯蔵処分をしようという考えですか。
#97
○田辺説明員 御説明申し上げます。
 現在原子力発電所に発生します放射性廃棄物は、将来陸地処分と海洋処分の組み合わせによって処分いたすということが方針になっておりますが、比較的レベルの高い放射性廃棄物は、陸地処分によって対応するということにしております。これらの廃棄物の現在計画している貯蔵施設への処分につきましては、将来、安全な処理、輸送等が可能となった時点で適切な措置を講じてまいる所存でございます。
#98
○五十嵐委員 結論だけで結構なんですが、つまり陸地貯蔵施設にこの中レベルのものも将来貯蔵処分するということですね。
#99
○田辺説明員 いわゆる中レベルの放射性廃棄物に関しては、今後安全な処理、輸送等の検討を待って措置を講ずるということにしております。
#100
○五十嵐委員 待ってから入れるのかどうかということですよ。
#101
○田辺説明員 処理、それから輸送等の面で適確な措置が講じられるという確認ができました段階では、施設貯蔵の一つの対象となり得るものとは思っております。
#102
○五十嵐委員 施設貯蔵以外に陸地処分で考えるとすれば、地中処分か浅層処分でしょう。そんなことあり得るのですか。どうですか。
#103
○田辺説明員 原子力発電所から発生しております、先生御指摘のいわゆる中レベル放射性廃棄物に関しましては、それをサイト外の施設の貯蔵あるいは地中、浅層等におきまして処分するということに関しまして、さらに安全な処理等の検討を重ねた上で処置する。現在は廃液、それから廃液を固化したもの、あるいは固化物を焼却灰にしてセメント固化したもの、そういういわゆる低レベル廃棄物の貯蔵を考えておるという段階でございます。
#104
○五十嵐委員 どうも何だかわからないですね。簡単明瞭でいいのですよ。つまりいろいろ心配な点もあるから、慎重に検討をして、調査をして、研究をして、そして見通しがつけば貯蔵施設の方に持っていって貯蔵処分するということですね。まさか、そこから土の中に埋めるというようなことや何かいきなりするというわけにはいかないわけですから、これは貯蔵施設ができれば、貯蔵施設に入れるということ以外にないわけですね。そうですね。
#105
○田辺説明員 放射性廃棄物の放射能の減衰、それから先ほど申し上げましたさまざまな安全処理の方策、その検討の成果を踏まえて、施設に貯蔵することもあり得るかと思っております。
#106
○五十嵐委員 どうも、あと何ぼ言ってもきちんとしたことが――どういうんだか、まあいいや、そんなことはないのでしょうが、先に進みます。
 きのう、例の長期エネルギー需給見通しが発表されまして、拝見いたしました。ごく短く、端的でいいのでありますが、二〇〇〇年までに新たに原子炉を、あれによりますと幾つぐらいつくるということになるわけですか。
#107
○戸倉説明員 御指摘の点でございますが、二〇〇〇年までの数字というのは、個々の計画を積み上げたものではございませんので、何基というふうな計画にはなっておりません。ただ、ただいま御質問のございました数字からいたしますと、現在原子力発電所が新しく建設されるものはおおむね百万キロワット程度になっておりますので、それの基数に応じた数が必要になるかというふうに考えます。
#108
○五十嵐委員 百万キロワットと考えますと、そうすると幾つ要るということになりますか。
#109
○戸倉説明員 現在すでに運転中のものが二十四基、千七百万キロワットでございます。昨日福島第二で稼働いたしましたのでそういう状況でございます。二〇〇〇年で九千万キロワットと、こういうことでございますから、すでに電調審を通っておりますものが大体三千三百万キロワットございます。こういったものを含めますと、千七百万と九千万の差額の、七千三百万でございますか、そうすると約七十三基というような数が必要になる、単純に計算しますとそういうことになろうかと思います。
#110
○五十嵐委員 つまり西暦二〇〇〇年までに、あと二十年足らずで七十三基原子炉を新たに増設するという考えに立っているわけですね。まあ大変な数であります。そうすると、一方で再処理工場も、いま第二再処理工場の計画が盛んに言われているわけでありますが、二〇〇〇年までにいまのような九千万キロワットというような考え方からいうと、再処理工場は、第二再処理工場なんということではとても間に合わぬことになりますね。その辺はどうですか。
#111
○田辺説明員 原子力発電所から発生します使用済み燃料に関しましては、現在御承知のようにイギリスとフランスに輸送して再処理をしていただいているわけでございますが、一九九〇年以降におきましては商業再処理工場において再処理するという方針で、現在所要の準備を進めているわけでございますが、新しい原子力開発の規模、見通しとの関係で詳細な検討はまだ終えておりませんけれども、私どもといたしましては、一九九〇年代の相当の時期まで、第二再処理工場によってわが国の原発の使用済み燃料を再処理し得るという計画を持っております。
#112
○五十嵐委員 そうしますと、一九九〇年代に第三再処理工場を建設するという考え方と聞き取っていいですか。
#113
○石渡政府委員 先生御高承のとおり、第二再処理工場を一九九〇年を目途に建設を進めようとしておるわけでございます。現在若干見直されたわけでございますが、恐らく九〇年代の後半遅い時期、あるいは遅くても二〇〇〇年には第三の再処理工場の稼働が必要になってくると、このように、将来のことでございますが、考え方としては、そんな姿になるのではないかというふうに考えております。
#114
○五十嵐委員 何か、きのうもですか、東海の再処理工場は故障があったようでありますし、この間来トラブル続きで、あんなような状況ではとてもどうにもならぬ、一年ぐらいまた休まなければいかぬということらしいのでありますが、そんな技術で第二、第三の再処理工場を、しかも大型なものを考えていくということは非常に心もとないという感じがいたしますので、これはきわめて慎重を要することだと思います。
 そこで、廃棄物の問題に戻りますが、廃炉第一号は大体いつごろの予定になりますか。
#115
○戸倉説明員 御承知のように、わが国で原子力発電所が最初に建設をされましたのは昭和四十一年でございます。したがって、現在まで約十五年程度経過をしておるわけでございますが、原子力委員会の廃炉対策専門部会でも指摘されておりますように、現実の原子炉が廃止されるというのは三十年以上先であるということでございますので、昭和七十年代に初めてわが国で廃炉が出てくるのではないかというふうに考えます。
#116
○五十嵐委員 二〇〇〇年まではそう大した忙しいという問題はないのでしょうが、これは二〇〇〇年代に入ってからは大変なことになるだろう。ことにさっきお話しのように、七十三基も二〇〇〇年までにつくるなんということになってくるわけですから、毎年三つや四つの廃炉というものは出てくる、これを処分していかなきゃいかぬということになってくるわけです。この間の三月十六日の廃炉対策専門部会の報告によりますと、わが国の場合には大体解体撤去という方向で行くということのようでありますが、そうですか。
#117
○石渡政府委員 先日答申されました報告書の基本的な考え方といたしまして、「国土が狭あいな我が国の特殊事情にかんがみ、対象となる原子炉の廃止措置後における当該施設の敷地の有効利用が図られるような措置が講ぜられることが適切である。」こういう言い回しをしておりますが、引き続いてその土地が発電所あるいはその関連施設によって使用されるということが望ましいという考え方に立っているわけでございます。
#118
○五十嵐委員 まだ検討中のこととは思いますが、標準的な原子炉を一基解体撤去する場合に、どのくらいな廃棄物が生ずるのか、どのくらいの量になるのか、それをちょっと聞かせてください。
#119
○石渡政府委員 常識的に考えまして、原子炉を解体撤去した場合に、相当量の放射性廃棄物が発生するということは当然予想されるわけでございますが、事例が乏しいこともございまして、現段階で明確にこのくらいということを申し上げるのは非常にむずかしいのでございますが、アメリカの原子力規制委員会の調査におきまして述べられているところを引用させていただきますと、百二十万キロワット級の軽水炉を解体した場合に生ずる放射性廃棄物の総量は、一万五千トンないし二万トン程度と試算されているという事実がございます。これを二百リットルドラム缶に仮に処理をして詰めたと仮定いたしますと、約一万三千本から三万本程度のドラム缶になるのかな、こういう試算を持っているわけでございます。
#120
○五十嵐委員 これはいわゆる極低レベルのものといいますか、いわゆるすそ切りをしていいもの、こういうものは除いた数量ですか。
#121
○石渡政府委員 先ほども御報告申し上げました、原子炉の停止に伴って生ずる放射性廃棄物、その相当量が放射能を帯びていない、あるいはきわめてそのレベルが低いということが予想されますので、そういうものに対して合理的な処理方法が検討されるべきであるという提案がなされているわけでございます。その御提案は、われわれといたしましてはもっともな御提案だと思っているわけでございまして、きわめて放射能レベルの低い廃棄物については、非放射性廃棄物と同等に合理的に処理処分ができるように検討を進めたい、このように考えております。
 念のために申し上げますが、同等に合理的な処理処分ができるように検討を進めるということでございまして、非放射性廃棄物と同様に扱うというような考えをとっているわけではございません。この点は特に申し添えさせていただきます。
#122
○五十嵐委員 質問の趣旨とちょっと違うのですけれどもね。でも、アメリカの例ですから、詳細にわからなければわからないでようございます。一遍調べておいてほしいというふうに思います。
 廃炉の解体の場合の廃棄物の特徴点のようなものがあると思うのですね。通常の原子力発電所の稼働による平常の低レベル廃棄物とはまた異なる特徴点があろうと思います。その点を簡単に……。
#123
○石渡政府委員 原子炉施設の解体に伴います廃棄物の特徴点という御質問でございますが、三点ほどあろうかと存じます。
 一つは、炉内構造物等で高度に放射化されているものがございますし、それから周りの建築、構築物等で放射能汚染のないあるいはきわめて低いというようなものまで、非常に多種多様な廃棄物が出てくるということでございます。
 第二に、通常運転時におきます廃棄物と異なりまして、大型構造物であるとか機器類あるいは配管、またコンクリート等も特殊なものが出てくる。
 いずれも量的に大量でございまして、しかも一時期に集中して出てくる。こういう特徴があろうかと存じます。
#124
○五十嵐委員 お話のような廃炉の解体廃棄物の場合は特徴がある。そこで、この廃炉の廃棄物のうちいま特徴点として御指摘なされた、一つは非常に高い放射のあったもの、高レベルのものについては、解体後どう処分なされますか。
#125
○石渡政府委員 御指摘のように、炉内構造物等は相当高い放射能レベルを持っている、このように考えられます。炉内の構造材あるいはパイプ類、そういったものが考えられるわけでございまして、この辺をどう処理していったらいいのかということは、実はこれが研究課題でございます。
 私どもの計画といたしましては、原研におきまして動力試験炉、相当動かした炉でございますが、この炉を最終的には解体試験を行いまして、適切な対応技術というものを開発していきたい、このように思っております。ただ、技術的に現在でも不可能なことではないわけでございますけれども、やはり作業の安全といったことが非常に気になりますので、この点に重点を置いて技術開発を進めたい、こういうふうに考えております。一口に申し上げまして研究中、研究課題である、こういう状況でございます。
#126
○五十嵐委員 それから、やはりこれも特徴の一つである大型構造物であるとかあるいは機器類、配管、こういういろいろなものが雑多にあるわけですね。こういうようなものは、どういうことになるのですか。全部これは細かく切って、ドラム缶で固化することになるわけですか。
#127
○石渡政府委員 すでに先生御質問の中で御指摘になりましたように、考え方といたしましては、なるべく細かく切って、そしてドラム缶なりに、あるいはより強固と申しますか、もっと頑丈な容器に一時保管をしておくという形になろうかと思います。
 それから、これは技術開発の先の話でございますけれども、安全にそれを何か溶かしてしまって、もっと固化して量を減量するというようなことも研究開発のテーマになろうかと考えております。
#128
○五十嵐委員 できるだけそういうことはするが、そうはいかない変形の廃棄物もかなり少なくないのじゃないかと思いますね。前段申し上げまして、またお答えいただきました高レベルのものあるいは形もさまざまなもの、こういうようなものはいろいろ研究中であろうと思いますが、結局その処分は、海洋というわけにはいかないわけですから、やはり陸地処分よりしようがないわけですね。陸地処分でも地中だとか浅層にいきなりというわけにいかないわけですね。これはサイト内の保管場所にできるだけ保管するということも一つでしょう。あるいは集中貯蔵施設ができればそっちの方に保管するということになるのですか。
#129
○石渡政府委員 サイト内に一時貯蔵して、俗に申しますれば相当放射能レベルが下がるのを待つということ、それと集中貯蔵施設においてそのような行為を行う、この組み合わせが考えられると思います。
#130
○五十嵐委員 そうですね、集中貯蔵施設に廃炉の廃棄物は入るということですね。あるいは先ほどもありましたように中レベルの廃棄物についても、何ですかお答えの仕方としては入ることもあり得るというような答えであったと思うのです。そういう点をこの際ひとつ確認しておきたいというふうに思います。
 しかし、最初に言いましたように、僕は、集中貯蔵施設というものを千六百億もかけていまやる必要はないのではないか、それぞれの発電所の敷地内に増設しようと思えばできるわけですから、いまの四、五倍くらいにしたら二〇〇〇年代くらいのところまで持っていけるわけですから、いいのじゃないかなというふうに思うのでありますが、しかし、以上の質問によってある程度のことはわかりました。
 そこで、もう一つ、いまの廃炉の問題でお伺いしたいと思いますが、三月十六日の廃炉専門部会の報告書によりますと、あの中に「原子炉の廃止措置を進めるに当たっても、原子力発電所が立地している地域社会との協調に配慮する必要がある。」こういう文章があるのであります。当然そうであろうというふうに思いますが、それは具体的にはどういう内容ですか。
#131
○石渡政府委員 御指摘のような記述がございます。このことは当然のことという御指摘でございますが、まさに当然、原子炉を建てるに当たっても地域住民の方々、地域社会との協調が必要であるということと全く同じ気持ちで、廃炉を行う場合にも十分そういう配慮を払わなければならないという精神規定みたいなものがここに述べられていると理解しておりまして、特にそれではどういう処置をという段階までに至った、そこまで検討が進んだものではございません。
#132
○五十嵐委員 しかし、精神規定といいますかそういう一つの基本方針といいますか、考え方を示したということで僕は結構だと思います。つまりそのことは、具体的に言えば廃炉措置の方式、たとえばそれはいまも話があった密閉管理なのかあるいは遮蔽隔離なのか解体撤去なのか、こういう廃炉措置の方式の選択について、あるいは解体撤去という場合であれば、解体撤去をして安全性を確認してその再利用計画について一体どうするのかということなどについて、地元の地方公共団体の合意を得るということだと思うのですが、そういうことですか。
#133
○石渡政府委員 そこまで議論を煮詰めた上での表現でないわけでございますけれども、ただいま先生の御指摘のあったような手続なり行為なりは、当然地元の御理解を得た上で行われるべきものだ、このように考えております。
#134
○五十嵐委員 あともう余り時間がありませんから、もう少しお聞きして、あとはこの次の機会にまたお聞きしたいと思いますが、ずっと法令なんか見たりあるいはいろいろなレポートをお出しいただいたのなんかを見て、少しわからない点があるわけです。つまり放射性廃棄物の廃棄という言葉の意義、あるいは廃棄物の処理、処分という場合の言葉の定義であるとか、あるいはいま盛んに言われている低レベル放射性廃棄物の貯蔵という言葉の概念であるとか、こういうような点がさまざまで、ちょっとなかなか私どもつかみにくい点があるのですが、この際、もしお知らせをいただければありがたいと思います。
#135
○赤羽政府委員 法律上使われております言葉とそうでない言葉とございまして、確かに御指摘のような点があるかと思われます。
 原子炉等規制法におきましては、廃棄物の扱いとしまして運搬、貯蔵、廃棄というような言葉が出てまいります。ただし、これは特別に法律上定義をしてございません。したがいまして、常識的な意味での運搬、貯蔵、廃棄、こういうものと考えられます。ただし、法令の中に一つだけ保管廃棄という変わった言葉がございまして、これは廃棄ではありますが、人間の管理を離してしまわない、管理をしたまま廃棄ということかと思われます。
 貯蔵と廃棄との関係でございますが、貯蔵、これはまだ法令的な解釈ではございませんが、常識的に考えまして、われわれ使っておりますのは、将来何かもう一度使い直すあるいはもう一度処理をする、そういう前提でしまっておく場合を貯蔵、もう二度と有用な使い方をする予定をしない場合を廃棄とわれわれ普通使ってきたように思っております。
 それから処理、処分でございますが、処理は廃棄物を加工いたしまして貯蔵なり廃棄しやすい形に持っていく、これを処理と称しております。処分は廃棄と大体同じ意味に使っております。
#136
○五十嵐委員 たとえば核燃料物質等の工場又は事業所の外における廃棄に関する規則、五十三年十二月ですね、これは当時海洋投棄を想定してのものであったと思いますが、これの一条二号「廃棄施設」こういうのが出ているのです。いま言っている低レベル放射性廃棄物の貯蔵施設というのは、「廃棄施設」という概念に入るのですか。
#137
○赤羽政府委員 御指摘の法令で言っております「廃棄施設」は、現在指定しておりますのはその事業所以外の事業所、すなわち廃棄物が発生した事業所以外で事業所としての許可を得ている場所、そこでの施設を「廃棄施設」と言っているわけでございます。
#138
○五十嵐委員 ですから、いまどこかに集中貯蔵施設をつくろう、こう言っているわけですね。それはこの規則で言う「廃棄施設」という概念に含まれるのか、こういうことです。
#139
○赤羽政府委員 この「廃棄施設」の条項の改正をお認めいただきましたときに予定したのは、一つの発電所から出ました廃棄物を他の発電所の施設に置くという場合が明らかに予定されたわけでございます。集中貯蔵施設につきましては、その性格がそういう事業所の性格になるのかならないのか、これは具体的な計画を見ないとわかりませんので、いまのところどちらとも申し上げかねると思います。
#140
○五十嵐委員 いずれにしても、五十三年に出ているものは全く海洋処分を対象としてできているようでありますから、法令については、集中貯蔵施設をやるとすれば全面的な見直し、改定が必要だということだと思いますが、それでいいですか。
#141
○赤羽政府委員 いろいろな場合が予想されますので、具体的な計画が出てまいりませんと、何とも申し上げられないわけでございますが、いまの法の体系で一つはっきりしているかと思われますのは、廃棄の業者というのを指定するような条項がございません。ですから、廃棄だけを請け負う単独の事業というのが計画される場合には、法律改正ということも必要になるかと思われますが、これも具体的な計画を見ないと、まだ何とも言えないと思います。
#142
○五十嵐委員 しかしそれと同時に、敷地外で処分をするということが、さっきお話しのように、一つのところがやるのではなくて多数のところが集中して処分をするということになるわけですね。こういう点も従前の法律では想定はしていないのじゃないですか。
#143
○赤羽政府委員 計画の方も各事業所の分を共同貯蔵するという計画になるのかならないのか、そこもちょっと私どもわかりません。いわゆる法律上は事業者の体系によるものでございますから、物理的な形とは必ずしも一致いたしませんので、どういう計画になるか、具体的な計画を見てからの判断にいたしたいと思います。
#144
○五十嵐委員 計画を見てからと言ったって、おたくの方でそういう計画を進めているわけでしょう。ですから、僕はいまのお答えにはちょっと納得ができませんが、もう時間がありませんから、そこで最後にあれなんですが、最近の集中貯蔵施設のレポート等をずっと見ますとこういうぐあいに言っているわけですね。
 たとえば、陸地処分の一つの形態として施設による貯蔵をするんだ、こういう表現をとっている。あるいは貯蔵施設による処分、こういう表現をとっている。いまのは、五十六年六月の部会報告の中にそういう表現が出ているのですよ。あるいはちょっとさかのぼりますが、五十一年十月の原子力委員会の決定の文書の中では、「陸地処分のうち貯蔵については、」こういう表現もとっておる。つまり貯蔵による処分、処分としての貯蔵、こう言っているわけですね、繰り返し繰り返し。さっき貯蔵とは何か、処分とは何かというお話を聞いたんだが、いわゆる処分としての貯蔵、貯蔵処分というものはどういうことですか。
#145
○田辺説明員 先生いま御指摘の五十六年六月のレポートは総合エネルギー調査会の原子力部会の報告であろうかと思いますが、通産省といたしまして御説明いたしますと、放射性廃棄物の放射能レベルそのものは、時間の経過とともに減衰がかなり進んでいくこととなります。貯蔵が長期にわたって行われれば、処分と呼んでも差し支えないという状況に十分なると考えられます。したがって、私どもとしましては、施設貯蔵については陸地処分の一つの方策、オプションと考えている次第でございます。
#146
○五十嵐委員 そういう考え方で科学技術庁も差し支えないですね。
#147
○石渡政府委員 そういう考え方もあることは承知をいたしておりますが、さらに原子力委員会で十分その点を整理し、詰めて結論を出したいと考えております。
#148
○五十嵐委員 あなた、おかしいですね。大事な問題で通産省と科学技術庁で見解が食い違うようなことでは困るのですね。しかし事実上、このレポートにはいま僕が言ったとおりのことが各所に出ているわけですね。貯蔵するということが処分だ、処分の定義はさっき聞きました。つまり長期にそこに貯蔵することがもう処分なんだ、一時貯蔵ではないのだということでしょう。どうですか。
#149
○石渡政府委員 世界的な動向を現在いろいろ調査しております。そしてこういう考え方が現実の問題としてあり得るのかということも含めまして検討し、結論を出したいと考えております。
#150
○五十嵐委員 もう時間がありませんからやめますけれども、本当に困るのですよ。つまりこれだけの大問題で、これは皆さん、きのうの長期計画でも九千万キロワット、現状の六倍もの発電能力を持つような状況に原子力は増強していくんだ、こう言っているわけだ。そしてこれから二〇〇〇年までの二十年間ほどの間に七十三基も原子炉を増設していくんだ、こう言っているわけです。そこからどんどん廃棄物が出るわけですよ。いまこの廃棄物が最大の鬼っ子だ。大変な問題になっているわけだ。原子力行政、産業の最大のネックがこの廃棄物の問題でしょう。そこで、貯蔵施設をつくろうかという、これは世界に例のないようなことを持ち出してきて、しかも遠い話じゃないんだ、今明年にもその計画を固め、敷地を選んでやろうじゃないかという話になっているわけです。いまお聞きしましても何のことやらわからぬ。そのときに一時貯蔵なのか長期貯蔵なのかもわからない、そんなことで地域が納得できますか。
 もちろん、皆さんのことだから研究してないわけはないと僕は思うのだ。研究しているのでしたら、その成果をもっと積極的に僕は示してほしい、地域でも十分に論議できるようにしてほしい、われわれがこの国会でも論議できるようにしてほしいと思う。わけのわからぬことで、論議にただ時間をかけているということは非常に残念です。この次の機会には、私はぜひもう少し詰めたいと思いますから、明確な御答弁をいただけますようにお願い申し上げて、質問を終えたいと思います。
    〔委員長退席、保利委員長代理着席〕
#151
○保利委員長代理 関晴正君。
#152
○関委員 去る十四日に石渡局長並びに事業団の理事長が関根の浜の漁協においでになったようでありますが、また市長や知事、漁連の代表にもお会いしたようであります。十四日においでになられまして何をされてきたのか、また何を感じてこられたのか、最初に伺いたいと思います。
#153
○井上参考人 お答え申し上げます。
 当事業団といたしまして、関根浜新定係港の立地調査をいたしました。その結果を先月の十四日に地元に報告をいたしました。その趣旨は、関根浜母港は立地可能だという結論に達したものでございます。
 その後一カ月、地元の皆さんにるる説明を申し上げまして、去る十四日に参りまして、当事業団の使命である新定係港を可及的速やかに建設するという方針でございますので、私、文書をもちまして関根浜漁協組合長に対しまして、その後漁業補償等の交渉に入らせてもらいたいという趣旨の文書を提出したものでございます。
 さらに五者共同声明のメンバーでございます青森県知事、むつ市長、青森県漁連の会長に文書でもって、ただいま申し上げましたように関根浜漁協に対しましてお願いを申し上げましたということと、もう一つは、八月三十一日までに佐世保港を出港しなければならないという約束がございますので、その点も含めて御理解願って、御了解願いたいという文書を差し上げたものでございます。
 いま御質問のどう感じたかということを申しますと、私は、事業団としまして五者の共同声明の線に沿って最大の努力をするという任務がございます。その点から、具体的には今後のことになろうと思いますけれども、大変協力的であると私は感じた次第でございます。
#154
○石渡政府委員 私も原船事業団理事長と同道いたしまして、大臣からの文書といたしまして、ただいま理事長から御説明申し上げました内容の要請を事業団から関根浜漁業協同組合の組合長理事に対してお願いを申し上げましたので、政府の立場からもよろしくこれに対して御理解、御支援をちょうだいしたいという趣旨の文書を差し上げてまいったところでございます。
#155
○関委員 ただいまの理事長のお話によりますと、八月三十一日のこともあるので特にお願いを申し上げたところ、大変協力的であったとの感触で帰ってきた。私はこのお答えを真に受けるわけにはいきません。ちょうど十三日にこの委員会で論議をいたしました。事業団があの場所に母港を建設することは可能であるとのこの判断自体に大きな誤りがある。
 まず第一に、活断層の調査をろくにしないで、東北電力株式会社によって調査されたというものを使って、そうしてある活断層をないことにしてしまって、それで漁民に向かって活断層はないのだということをよく平気で言えるものだ。東北電力株式会社は幾ら出せ出せと言っても、その資料、データを出さないというのです。出さないならば、事業団の自主性においてみずから調査をして、調査の結果やはりないならない、あると言われてきたけれどもそれは正しくはない、こういう事実というものをわれわれに披瀝し、発表していくべきではないでしょうか。秘密のままにしておいて、そうして結果だけないということにしておいて、これで信頼することができますか。そういうことで事業団は事を進めるということに何の抵抗も感じませんか。
 しかもあなたは最近、主務大臣である鈴木総理大臣から理事長として任命された方です。また、この事業団というものの生命は昭和六十年の三月三十一日までしかないのです。あと余命幾ばくもないのにあなたがひょっこり出てきて、どのくらい経緯等について御存じの上で当たっておるかは知りませんけれども、大体、行ってきて非常に協力的であったとは一体何です。漁民はあなたのところに協力的な態度でありましたか。あなたに接したときの漁民の態度はどうでした。
 また、事業団に十二日に要求しておった質問書に対しても何のお答えもしないままに帰ってきたでしょう。しかもあなた方の持っていった文書を受け取るか受け取らないかというて、漁協は役員十名のうち五対四で受け取る、理事長が来たのだからせめて文書だけは受け取ってあげよう、こういうことで受け取るか受け取らないかという論まであなたの目の前でしたでしょう。五対四というのは協力的なことですか。そんなことで原子力船の母港行政というものを進めようとするから誤りが起きてくるのです。いつ返事するのです。漁民は要求しているでしょう、事業団に。回答を求めているでしょう。この調査はでたらめだからやり直せ、この調査には幾多の疑問があるから考えろと言っているでしょう。それに返事するのですかしないのですか。無視して事を進めようというのですか。お答えください。
#156
○井上参考人 ただいまのは公開質問状の件だと私は拝察していますが、その件につきましては、多数の項目にわたっておりますので、十分慎重に検討させていただいて、御返事を申し上げようと思っております。
#157
○関委員 それじゃ、あなたは御返事したその上で建設問題等についての御理解を求めるようにすべきでしょう。何の御返事もないまま、非常な不安があるのに答えないままで、それで漁業補償等の交渉に入らせてくれとは何です。漁業補償等の交渉の等とは何です。お答えください。
#158
○井上参考人 等の意味は、漁業補償の交渉というのは非常に多岐にわたっております。したがいまして、一つ一つを挙げることはできませんので等と入れたわけでございます。
 内容的に申しますと、漁業補償の交渉をする上には、漁業の実態調査にも御協力願わなければいけない、あるいは漁業振興対策というようなものも勉強しておりますので、そういうものについても、一つのテーブルの中でいろいろお話を聞いたり申し上げたりしながらいくという内容のものでございまして、中心は漁業補償でございますが、その周りにはいろいろの事項がございますので等と入れた次第でございます。
#159
○関委員 あなた方がその申し入れをする際に、青森県の知事並びに漁連及びむつの市長は、一応おいでになることはやむを得ないであろう。歓迎しているのは知事、あとはおいでになるのだから仕方がないだろう。むつの市長に至っては、おいでになることはいまは適当ではないと申し上げておる。しかし、権力的においでになるものを来るなと言うわけにはいくまいということなのです。それを快く、おいでになることを歓迎するかのごとく、協力的であるかのごとくとること自体も、まず判断を誤らしめている。
 青森県の知事が何と言ったか知りませんけれども、青森県の知事は私にこう申しておりますよ、漁業補償よりも等の方が大事だと。それで私は、言葉というものは書かれていることに忠実でなければならない、漁業補償よりも等が大事だとは何事だと申しましたよ。
    〔保利委員長代理退席、委員長着席〕
知事ははね上がって怒ったけれども、冷静を欠いていますよ。
 冷静を欠くようになるのも、全部中川長官が――佐世保から八月三十一日までに出てくるからというタイムリミットがあるからです。みんなこれに歩調を合わせよう合わせようというものだから、心ならずも踏み込んでいっているのだ。良心にとがめながらも事を進めているのだろう、こう思うのです。
 私、お見受けしたところ、理事長のお顔はそんなにうそをつくような顔には見えない。お年も相当召されておるし、御経験も深く、御人格も相当におありじゃないかと私は見ます。私の仲間が、理事長が来て、あの理事長の態度はりっぱであったと言っているのです。おまえ、ぺこぺこ頭を下げたからと言って、にわかにりっぱであったなんと言ったって困るよと僕は言っておきましたが……。
 とにかく、そういう点においては、事業団があそこに予定どおりつくるとするならばどうなるかということも、当然示されなければならない。どうなるかというのは少しも示されていないのだ。また、活断層のあることを否定して、ないことにして、ここに建てること可能なりという、この技術上の問題については、なお多くの議論が必要なのだ。
 私は、いまの国会の会期中に、毎回この委員会で技術論を展開しようと思っております。思っておりますけれども、そのことについての明確な結論を得られないままに現地に行って、建設に入るからよろしくと言ってこられた日には、私は姿勢において誠実ではないと思うのだ。
 むつの市長にお会いなされて、むつの市長は何とおっしゃいましたか。お答えください。
#160
○井上参考人 むつ市長さんに今度の協力依頼の文書をお出ししたときに、これは受け取りますということでございまして、ほかに特別なお話はございませんでした。
#161
○関委員 特別なお話もないから協力的であったということであなたは帰ってきたのですか。
#162
○井上参考人 ただいま私が協力的であったと感じたと申し上げたのは、これは私の経験不足かもしれませんけれども、私としては、事業団が一生懸命になって仕事をしているということにつきまして、皆さんの御理解を得ていると思っているのです。特に五者共同声明がございますので、その線に沿って最大の努力をしているということにつきまして、私は、皆さんが協力的だという感じも強く持っている次第でございます。
#163
○関委員 そこで理事長、五者共同声明というのは昨年に出された声明です。そのときの五者の一者である市長は河野幸蔵という者でした。その一考が昨年の秋にかわりました。推進派の市長から慎重派の市長にかわりました。ですから、五者共同声明についても認識が変わっていかなければならないはずです。
 あなたはわざわざ遠いむつまで行ってむつの市長にお会いしたのですから、幸いにしてこの市長は前の五者の市長と違うのですから、特別よけいにお話をして、御納得なり御了解なり御疑念なりを徴してくるべきものだと思うのです。郵便物みたいに物を置いてくるなら何もあなたが行く必要ない、郵便屋さんに頼んでおけばいいのだから。あなたは文書を持っていく郵便屋さんの役目をしてきたのじゃないのでしょう。天下の理事長だもの。それならば、市長と、どう考えるのだ、そういう意見交換なりして話し合ってくるべきじゃなかったのですか。どうなんです。幾らかは話したのですか。
#164
○井上参考人 むつ市長さんとは何回かお会いしてお話もしております。
 ただいま御指摘の、十四日には文書をお渡ししてお願いしますということでございまして、私は、お会いして意見交換なり御希望なりを聞く、あるいはまたこちらからも希望を申し上げるということは喜んでやりたいと思っております。
#165
○関委員 それじゃ、十四日には文書だけ持っていったのだけれども、その前にはしばしば会っていたと言うが、しばしば会っての話の向きはどうです。
#166
○井上参考人 この事業団の使命というものを特に私は強調して、五者共同声明に沿って最大の努力をいたします、よろしくお願いしますということを申し上げた。むつ市長からは、それに対しまして特別な御指示はございませんけれども、そのほかに、私らの方の現地事務所の児玉所長がたびたびお伺いしまして、いろいろな御意見を承っておると承知しております。
#167
○関委員 会ってはいるけれども、話は何にもしていないということと同じじゃありませんか。一方的な懇願で終わっているようなかっこうのお会いの仕方、何にも言わないというのですからね。そう理解するしかない。
 そこで、あなたは現地へ行ったことは行ったのですから、漁民はあなたのところには喜んで来てくれましたか。漁民は鉢巻き姿であなたのところにいろいろとお話をしませんでしたか。どうです。漁民には何にも言わないできたのですか。
#168
○井上参考人 漁民の方々は、私が文書を関根浜漁協組合長にお渡しするときにかなりそこにおられましたが、もう一方、玄関には旗を持って立っておりましたが、話す機会はありませんでした。そういうふうな状況でございました。
#169
○関委員 とにかく、意に沿わないことがあろうとも、そこにおられる漁民は、あなたが行ったのだから、あなたにいろいろお話したいこともあったし、あなたもまたその機会に当然聞くぐらいの構えがあってよかったと思うのです。そそくさと文書を持っていって、すぐ帰ってくるなんということは、みっともないことですよ。
 お隣の中川長官は、意見を異にするけれども、それでも、反対者の諸君についても出てこい、いつでも会って話をする、このくらいの気持ちは持っていますよ。幾ら非科学的な長官といっても、態度はわりあいにいい方ですよ。だから私は、とにかくせっかく行ったのですから、いや頼むと、言うならば、頼むと言うてくればいいでしょう。文書を置いてくる――ああ、こんな姿か、これはすぐ帰るわけにも行かぬな、おれも寝泊まりして漁民と話をしなければいかぬな、このくらいの誠意を持って当たらなければならなかったと私は思う。とにかく、そういう行ってきた姿勢や態度等についてばかり論じていても時間が過ぎますから……。
 それで、大事なのは、これは中川長官の文書の中に、漁民とこの原子力船の母港が共存共栄という言葉で文書を出している。これは長官に聞きます。共存共栄できるのですか。
#170
○石渡政府委員 共存共栄できるように、いろいろ御提案も申し上げ、御希望も伺い、御相談させていただきたいというのが今回伺った主な目的でございまして、ぜひそういう御相談あるいはわれわれの考えも聞いていただきたいという、そういう場面に移らしていただきたいということをお願いした次第でございます。
#171
○関委員 局長は、漁民と会ってきましたか。
#172
○石渡政府委員 当日、交通上のトラブルがございまして、私が関根浜に伺いましたのはその翌日でございましたが、日にちがずれてしまいましたので、組合長理事並びに副組合長さんにお目にかかったわけでございます。
#173
○関委員 どこでお目にかかったのですか。
#174
○石渡政府委員 組合の事務所でお目にかかりました。
#175
○関委員 共存共栄ということは、漁民をいじめることではなくて、漁民のためになることだと思うのです。漁業をつぶすことではなくて、漁業を発展させることだと思うのです。ところが、あそこに母港をつくって千五百メートルも堤防を回して、その隣五百メートルのところにある漁港が生きますか、生きませんか。海藻団地をつぶして母港をつくって、それが漁業の発展ということになりますか。海藻団地に十八億も投じて、それが今度消されるんですよ。消されることが共存共栄ですか。共存共栄というのは何だと思っているのです。答えてください。
#176
○石渡政府委員 漁業に与えます影響より以上のものを何らかの方法でそこに生み出したい、そういう方法について御相談申し上げたい、こういう趣旨でございまして、共存共栄は何としてでもやり遂げなければならないと考えております。
#177
○関委員 何らかのものというのは何です。その何らかのものが、怪しげにいま村の中を舞い過ぎているんですよ。何らかのものとは何です。
#178
○石渡政府委員 そういう事柄について御相談を申し上げたいということを今回もお願い申し上げたわけでございます。
#179
○関委員 千五百メートルも漁港の東側に堤防ができた場合に漁港はどうなるか。それについて、なぜ親切に漁港はこうなりますと言うことができないのですか。そういうことを発表もしないで賛成してくれと言って、どうして賛成できるんです。共存共栄なんと言うものだから、ますます、じゃ漁港が栄えて、そして海藻団地が多くふえて、魚をとる場がふえてわれわれのためになるのかなと迷わすじゃありませんか。共存共栄とは何事です。漁場をつぶし、漁業権を減らし、そうして漁港の機能を失わせ、海藻団地を文字どおり海底の藻くずと化し、そうして共存共栄とは何です。
 当初は三百万ぐらいもらえるかなと思っておった組合員は、いや今度は一千万だ、いやいや、一千万じゃなくてもう二千万にはね上がったと、こう言っておるのですよ。何らかのというのはこういうことでしょう。そんな共存共栄がありますか。札びらで現地を買い占めようというのでしょう、共存共栄というのは。
 青森県のむつ小川原開発というのがあります。あすにでも三十万の都市工業団地ができるであろうということで計画されたものです、これは。そのために農民も漁民も土地の売却に協力し、漁業権の消滅に協力して当たりました。いまは何です。全くその話は備蓄基地で終わりです。石油化学のコンビナートなんて期待したって無理です。金だけもらった当時の諸君は、りっぱな家を建てたけれども、そのりっぱなうちの管理がいまできなくて、働く場所がないままで、ぽつんと寝泊まりしていますよ。哀れも過ぎたるものです。
 ですから、関根の浜の諸君たちも、一千万や二千万で買われていくんだろうなと……。しかし、海に依存して漁業で生きている諸君たちは断固反対。海に生きていないで単なる組合員だというだけで一千万も二千万も入ってくるなら、これほどいい話はない。原子力船「むつ」というのは宝の船だといって書いた週刊誌もありましたが、いまや、それらの諸君にとっては宝の船に見られている。私は、そうした現実をきちんと見てくるのが、せっかくおいでになった理事長の仕事であったろうと思う。これからでも遅くないから、何度でも足を運んだらいいでしょう。
 そうしてやはりだめだなと思ったら、潔くあきらめたらいいでしょう。何が何でも八月三十一日というようなせつない気持ちで行かないで、そこに住んでいる漁民の気持ちを気持ちとして行政を進める、団の仕事を進めるということでやらなければ、よい結果は生まれません。
 今度の問題で、いま漁民が、組合員であるか組合員でないかということでけんかが起きています。農林水産省の方からも代表が来ていると思うのですが、正組合員というのはどういう資格のものですか。お答えいただきます。
#180
○西川説明員 水産業協同組合法上、漁業協同組合の正組合員の資格につきましては、一つは「組合の地区内に住所を有し、かつ、漁業を営み又はこれに従事する日数が一年を通じて九十日から百二十日までの間で定款で定める日数」以上、いま申し上げましたように、「漁業を営み又はこれに従事する」という漁民が正組合員となっております。以上のほかに、漁業生産組合なりあるいは漁業を営む法人につきましても、それぞれ所要の縛りをかけまして正組合員資格を決めております。
#181
○関委員 一年の間で九十日以上漁業に従事する者が正組合員である。ところが、あそこではコンブとりに一年に十日くらいやっている者も正組合員として扱っております。ですから、この際正組合員というものをきちんと整理しようじゃないかということで、組合もこのことに着目していまやっております。相当の数のものが正組合員でなくて準組合員に変わった者もあります。その準組合員の中から、今度は、何せ一千万も補償がもらえるならば、この際みんな認めてくれぬかということが出てまいりまして、余りすげないことをしないでくれないかというのが起こっています。そういうことで、組合員である資格問題がいま出ております。
 五月二日、漁協は総会を開くと言っております。総会を開くというけれども、総会の構成メンバーが、資格者がどうなるかというのはその先の論になってしまうものですから、五月二日の総会はどうなるんだろうなとまた心配されています。
 そこで、これはだれに聞いたらいいのかわからぬが、漁協が総会を開いて、総会の意思というものが漁業補償を受け入れるべしとかあるいは建設しかるべしというようなことになりますというと、当然に漁業権の消滅の問題が出てくる。それに影響を与えるような議決になる場合に、この議決は過半数だけで事が済ませるものと思っておるかどうか。やはりこれは三分の二以上の多数でなければならない性格を持つものなりとお思いになっておるか、お答えください。
#182
○西川説明員 漁業権の消滅に関します交渉そのものを始めるかどうかという、開始か否かのそのものの決定でございますね、これにつきましては、特別の決議ということでなしに、普通の決議でよろしかろうということで青森県が指導しておるということを聞いております。私どもも、それでよろしいのではないか、このように思っております。ただ、漁業権の得喪そのものを議論する、別な話の、さらに一歩進んだ段階、これにつきましては、水協法上所定の特別な決議の規定がございますから、それによっていただく、このように解釈しております。
#183
○関委員 その所定の特別のというのを御説明ください。
#184
○西川説明員 組合員の過半数が出席いたしまして、その三分の二以上の同意ということでございます。
#185
○関委員 そこで、いま過半数で事を進めて、引き続き将来過半数の出席で三分の二を得られなければ事は進まないことを思うならば、いま簡単に、どうでもいいから過半数ということだけで事を進めようとすることは適当ではない、そういう点についてもひとつ十二分に配慮をして物を見ていただきたいものだ、こう私は思います。
 そこで、時間がありませんから、私は技術上の問題でお尋ねいたします。
 活断層の東北電力の資料は幾ら求めても出さない。それならば、貝塚先生を初めとしておるところの東京大学の出版会で出しておる活断層研究会の公にされているものをもとにするしかないだろう。これをもとにして事を進めるというと、あの地域には相当な地震が予想される。この間、専務理事の答弁の中には、四百ガルの地震波、地震動が考えられる、こういうお答えもあったのですが、そういう計算を基礎にしたものは何であるか、示してほしいと思うのです。
#186
○倉本参考人 いま先生がおっしゃいましたその四百ガルという数字、どういう御説明でその数字をお話し申し上げたのか、ちょっと私、記憶がございませんのですけれども、私どもといたしましては、下北半島東方沖にあるということで、活断層研究会の文献には確かにそういうぐあいになっておるわけでございますが、これについては、この前の委員会でも御説明申し上げましたように、東京電力、東北電力さんがその地域について活断層があるかないかという目的のために行われた調査があるということをお聞きいたしまして、そういうものがあれば、これを活用させていただきたいということで、両電力会社とお話をいたしましたところ、これについてデータをお貸ししてもいいという快い御返事がございましたものですから、それをお借りをして、解析につきましては、電力さんの方でそこまでのデータがまだ十分ないということで、これについては私どもの方でこれを解析をしようということで、私どもとしてその解析を専門の民間の機関に委託をして行ったわけでございます。
 その結果につきましては、活断層があるという活断層研究会の御報告ではございましたけれども、どうもその調査結果をいろいろ解析をしたところ、活断層があるというぐあいに認められないという結果を一応得たわけでございます。
 また、その結果につきましても、その調査会社以外の専門の学識経験者の方々に御検討をお願いいたしましたところ、その判断でいいだろうということでございまして、私どもといたしましても、活断層がこの海域にないと判断していいという結果、その判断に基づいておるわけでございます。
 したがいまして、また、いまの地震の問題につきましては、私どもといたしまして、この調査をもとに、関根浜の地域の地質等に基づきました解析あるいは過去の地震、歴史地震の結果等につきましての調査結果に基づきまして、この関根浜地域、東北地域から特に下北地域に影響を及ぼした地震につきまして、その大きさ等についての検討を行いました結果、この関根浜の区域におきましては、一応震度五程度の地震が考えられるということの結論を一応得ておるわけでございます。
 また、これにつきまして、私どもとしては、今回の調査は、定係港として港湾施設等ももちろんでございますけれども、主として、私どもの現地に建設を予定いたしております使用済み燃料の貯蔵施設等について、ここに建設が技術的に可能であるかどうかという点に重点を置いての、その一応の見通しを得るということの調査を行ったわけでございまして、現在一次的に得ました調査結果では、私どもとして、現地にこれだけの私どもの予定しておる施設が建設可能であるという見通しを一応得ておるわけでございます。
#187
○関委員 これはこの間も再三申し上げましたけれども、事業団が独自に活断層の有無をはっきりして当たるべきだと思うのです。その点、主務大臣である鈴木総理にお話をされていますか。
#188
○石渡政府委員 法律上、原船事業団の主務大臣は内閣総理大臣並びに運輸大臣となっております。しかしながら、この日本原子力船研究開発事業団法に基づきます内閣総理大臣の権限につきましては、役員等の任免権及び事業団に対する一般監督権を除いてはすべて科学技術庁長官に委任されているわけでございます。したがいまして、事業団が行います個々の業務に関する権限、監督等は科学技術庁長官に任されている、このように理解しておりまして、この趣旨に沿いまして、本件に関しましては終始科学技術庁長官に御報告申し上げ、また御判断を仰いでいる次第でございます。
#189
○関委員 中川長官はこの問題についてどう処理するつもりですか。あくまでも事業団はやらず、そうして電力会社は出さず、そのまま事を進めるというつもりですか、長官。
#190
○石渡政府委員 今回、三月十四日に御報告申し上げました立地調査の結果は、昨年五月の五者共同声明に基づきまして原船事業団が実施してきたむつ市関根浜地区の調査の結果を取りまとめたものでございます。先月青森県、地元側の関係者の御了解を得て地元に説明を申し上げた、こういうことでございます。
 このデータに関する関先生の御要求は、基本的には、太平洋沖にあるとされておりました活断層に関する原船事業団の判断の妥当性への御疑問から出ているものと思いますが、原船事業団は、当然近い将来、法的手続にのっとりまして新定係港の建設にかかわる設置変更を許可申請する、国の厳正なる安全審査を受けることになるということでございますので、活断層の問題も含めまして、事業団の技術的判断の妥当性につきましては、所要のデータ等の提出のもとに、安全規制当局及び原子力安全委員会におきまして、専門家によって慎重、厳正に審議されることとなると考えております。したがいまして、今回の活断層の問題につきましては、将来の安全審査において、学問的あるいは専門的見地から厳正に判断されるべき問題である、このように考えております。
#191
○関委員 これはもう前のときと同じ答弁、進んでいません。私の聞いているのは、東北電力で出してくれと言ってもこれを断る、それならばあなた方の方は貝塚先生なんかが出しているところの活断層研究会の発表に対して挑んだらどうです。公表されているのはこっちの方なんだ、これが間違いならあなたの方から間違いであったと言うてくださいよ。間違いだということも言わない、出せというものも出さない、だんまり戦術で事を進めようということでしょう。これは科学的じゃない。中川長官、どうです。貝塚先生のお出しになったのは正しくないのなら、正しくないということをひとつ申し入れして話をしたらどうです。国の費用までかけて、堂々と公表されているのですから。あなたの方は隠しっきり、結果を信じろ、まるで宗教みたいな話だ。科学的に処理をするにはどうしたらいいか、長官、これはどうします。
#192
○中川国務大臣 いろいろと御指摘いただきまして、ありがとうございます。
 確かに、東京大学の研究会のデータはあったわけでございますけれども、そのデータをベースにし、さらにそれ以上の音波調査等をした結果、あの地帯に原子力の炉を設置しても支障がない、こういう自信を持った調査でございまして、ましてや、私どもがいま計画いたしておりますのは港湾と附帯施設、新燃料あるいは燃え残りの燃料あるいは廃棄物等の非常に単純なものを貯蔵するだけでありまして、地震について精度を要するのは、原子力発電所をつくる場合には大変な神経を必要としますが、そういったものができるという地域でございますから、いま言った程度のもので地震が危ないからできないというようなものではない、全く自信を持って進んでおるところでございます。
#193
○関委員 これだから日本の科学が泣きたくなるのですよ。とんでもない自信ですよ、あなたの自信は。耐震性を措置するからいいというのはこの間の委員会で答えられました。しかし、いまここでの公の場でも専務理事は震度五と言いましたよ。震度五と見ても、震度五の耐震性で建設していくのは建築工学上大変なことでしょう。幾らわれわれの目にふたをしようとしても、震度五まではあなた方も言わざるを得ないでしょう。しかし、百キロの活断層の場合予想されるものは震度五じゃない。震度六、震度七なんです。あなた方はせいぜいこのところで論争は終わりたいでしょう。いま、五でも大丈夫だろうという耐震設計された建築物が、みんな五以下でひっくり返っていますよ。その例を挙げるのに枚挙にいとまがありませんよ。
 だから私は、この間科学技術の週間があったから言った。昔橋田邦彦という文部大臣が、科学する心という言葉で国民に科学を説いたことがある。この科学する心という提言、指導精神というものはりっぱなものだったと私は思う。しかし、いまの日本の政治家は、科学する心じゃなくて政治する心に変質して、科学する心を失っているのではないだろうか、この点について考えないというと誤りを犯しますよということを申し上げました。
 百キロに及ぶ活断層が走っているならばそれを確かめて、その影響というのは大変なものでしょう。マグニチュードにおいて、八・二近いものになる。震度において六なり七なりになる。ガルにおいては四百を超えることは明らかだと計算されている。そうなると、耐震設計も何も効くものじゃない。長官は、この東京を見ろ、こんなに高層建築物がきちんと建っているじゃないかと言うが、これはここにはそれだけの地層が、地質がそれを受け入れるからでしょう。
 しかも原子力船の問題と原子力発電所の問題とでは違うんだ、弱くていいんだと言わんばかりのお答えがいまありました。これも容認できません。むしろ向こうの方が、原発の方がいいのです。原子力船の方がむずかしいのです。原子力船というのは波の上ですよね。揺れの上ですよね。固定されていませんよ。しかも核燃料を引き抜くときには、引き抜くための作業というのは何週間かかるかわからないでしょう。数週間と言われる。さて取りかかろうといって取りかかった場合に、あそこには燃料体が三十二本入っている。大湊を予定したときの説明で引き抜く能力が一日一本ですよ。しかも揺れが一度以上ならだめなんだ。それほど大事に扱わないと大事が発生する。
 この間われわれ科学技術委員会が筑波を訪ねまして、防災科学センターに行ったときにちょうど地震が起きましたよ。地震が起こらないと思ったら、われわれ科学技術委員を歓迎して地震が起きて、その地震の結果、針の動きが全国みんなどの辺にどうなるかということがあらわれてきました。われわれには大変いい勉強でもありました。
 この原子力船から使用済み核燃料を引き抜く場合に一日一体ですよ。三十二体だというと三十二日かかる。しかも波の上で、一度の揺れであるというとやめなければならない。それほど厳しい条件下にこの作業は行われなければならなくなる。引き上げているときに地震が起きたらどうなるのです。キャスクも何もひっくり返っちゃうでしょう。そうして廃液が流れちゃうでしょう。この作業はむずかしいのです。大湊だというと、すぐそばにくるっと回るとまだ置けるでしょう。あの場所だというと、置き方はどうなるんだろうか、運び方はどうなるんだろうかという問題が出てきます。
 しかも地質の弱さ、しゅんせつ土を建設用材として適材なりとしたり、あるいはこの地質はかたいものなりと言うてみたり、何の根拠もない軟岩そのものです。弾性波速度が一・九なんというのは軟岩、三・〇までは軟岩と称せられる部類です。N値だけで発表してかたさがあるなんというけれども、N値だけでかたさの表現にはならない。一平方センチメートル幾らの重量がかかるか、あるいは一平方メートル何トンのものになるか、このことがなきやならないでしょう。これは何も示されないじゃありませんか。
 しかも三月二十三日に私が質問した際に、陸上地域におけるボーリングについてのデータを出せと言ったら、同じようなものなのだから現地の方には見せているけれども先生にはまだお見せしておりません、追ってお見せいたしますとの御答弁があった。いつお見せいただけるかと待ったけれども来ない。最後には実はそのデータはないのですと言うじゃありませんか。これは本当のでたらめというものでしょう。六本ボーリングした、一本しかボーリングの内容を出しておらない。あと五本出せと言ったら、同じようなものだから出すのをしませんでしたと専務理事は言ったでしょう。同じようなものなら同じようなものでもいいから持ってこいと僕は言った。そうしたら、二本だけはあるけれども、あとのは別な方に使ってないと言うじゃありませんか。
 そこで、別な方に使っているというのは何に使っているんだ、室内試験をしているのでしょう。室内試験の結果を出しなさいよ。この材質はどんなものであるか出してごらん。そうしたらまだ調べた結果がありませんと言うじゃありませんか。
 土壌の検査においてもでたらめ、すぐ調べて出せ、出せるものも出さないで、調べもしないものを調べたと言って答えたり、国会の委員会を何と思っているのです。委員の諸君は知らないからどうでもいいと思っておるならば出直してください。こんなに日にちがたって、室内試験についての発表が何でできないのです。流砂の発表は何でできないのです。しゅんせつ土の品物がどんなもので、何でこれが建設に適材なんです、不適材でしょう。
 あなた方の発表しているものは全部ごまかし、それで立地可能、よろしく、こんな盗人たけだけしいことができますか。幾ら中川長官自信を持ってと言っても、こんな自信危なくてついていけない。もっと信頼できるようなことをして、なるほどなということにさせない限り、原子力船の母港の問題について事を運ぶことは無理です。
 二十六日に長官が出かけていくと聞いているんですが、長官、出かけていって何をするんです。最後にそれだけ聞いて終わります。
#194
○中川国務大臣 二十六日に出かけていくと決まっておるわけではありませんし、できるだけ早い機会にお伺いをしてぜひ御協力を願いたいと、共存共栄の精神でやってまいります。安全性についても十分自信を持っております。地元の御納得をいただく努力をしたい、こう思っております。
#195
○関委員 そうすると、二十六日の日はお出かけになりませんか。
#196
○石渡政府委員 お答えいたします。
 なるべく早い機会に現地をお訪ねいたしたいという長官の御意思でもございますので、現在、事務的にいろいろ調整をとっているという段階でございます。
#197
○関委員 二十六日の日に行きますか、行きませんかと聞いているんです。お答えください。
#198
○中川国務大臣 それを含めて日にちが決まっておらないということで、何日行く、何日行かない、もうすべてこれからでございます。
#199
○関委員 実はこれは大事なことなんです。現地ではもう二十六日に長官が来るということになってしまっている。マスコミはもうそれを伝えている。あなたはマスコミが伝えておる場合ははっきり返事する方でしょう、うその場合はうそと。ですから、二十六日は少なくとも行けませんというならそれだけで結構です。現地では来るものとしてスケジュールまで組んでいますよ。ですから、決まっていないなら、そこだけはっきりしてください。そして二十六日でなく近い日だというなら、それで結構です。時間がありませんから、そこだけ答えてください。
#200
○石渡政府委員 現地ということは青森県を初め地元の方々と存じますが、私がその折衝の当事者でございますので、現在相談中ということでございます。
#201
○関委員 きょうは二十二日ですよ。二十六日は月曜日ですよ。その日程がまだ決まらないというのですか、隠しておこうというのですか、どっちです。
#202
○石渡政府委員 まだ決められないという状態でございます。
#203
○関委員 決められないでしょう。決められないというところまで考えるようになったことは一応評価します。少なくとも出かけていく場合は、この委員会の論議を踏まえて、単なる空自信じゃなくて、科学的な自信が備わったときにお出かけになるようにしてください。それを希望申し上げて、終わります。
#204
○倉本参考人 先生からただいま私どもの調査についていろいろ疑念、またあるいはおかしなところもあるというような御指摘がございましたが、私どもとしてはそのような調査はいたしておりませんで、ボーリング等につきましても確かに六本やりまして、そのうちの二本につきましてはN値を初めからとるということで、N値をとるためのボーリングをやったわけでございますが、残りの四本につきましては、最初からN値をとるということじゃなしに、その岩盤の状況等を調べるということで、これは一応フルコアと申しますか、これをとってそれについての試験を現在行って、これは将来の設計の基盤になるためのデータということで、資料をとったりして解析を行っておるところでございます。
 その他先生からいろいろお話がございました。これらにつきましては、なお御疑念等もあるかと存じますが、また改めて御説明をさせていただきたい、このように存じます。
#205
○関委員 せっかくの答弁が出てしまったのだから言わざるを得ません。あなたは前に私が聞いたときには、現地にはみんな示していますと言ったでしょう、先生方には出しておりませんけれどもと言って。出さない理由は何かと聞いたら、同じようなものだからと言ったでしょう。何が同じようなものです。しかもあとのものは、資料として十分試験しなければならないものとしてとったというのでしょう。とったならば、それを出してくださいよ。室内試験の結果をいつ出すのですか。あなた方が私どもに出した文書の中にちゃんと室内試験と書いているのだから。その室内試験をいつやっているのです。その結果をいつ出せるのです。
#206
○倉本参考人 室内試験といたしましては、海域、水域それぞれのボーリングについてこの実施の内容等若干違っておりますが、いままでに結果を得ておりますものにつきましては、土粒子の比重試験でございますとか含水量の試験、粒度試験あるいは液性限界試験、塑性限界試験等をやっておるわけでございます。
 それで、特に海域地盤につきましては、地盤を構成する各土層の物理的性質を明らかにするために、土粒子の比重試験あるいは粒度試験等を行っております。それで、この比重につきましては、砂質土としては一般的な二・七程度という結果を得ております。それからまた粒度特性につきましては、砂分が七〇から七五%で、粒度配分のよしあしの指標であります均等係数につきましては五〇前後ということで、粒度配分のよい土質であるという判断を下しておるわけでございます。
#207
○近藤委員長 関委員、時間ですので……。
#208
○関委員 せっかくそういうお答えをするのなら、なぜ出さないのです。言葉だけじゃなくて、持ってきてください。出せるものは出したらいいでしょう。しかし、きのうおいでになった方は、それはまだできてないと言いましたよ。とにかく、あなた方は誠実に当たるならばちゃんとやってください。さきに答えたことに誤りがあったなら直ちに直してください。黙っておればそのまま、そのままということじゃ間違いを大きくするだけです。この次に私二、三日中にやりますから、ちゃんとやってください。
 終わります。
#209
○近藤委員長 午後二時三十分から再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後一時三十三分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時三十四分開議
#210
○近藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。質疑を続行いたします。草川昭三君。
#211
○草川委員 公明党・国民会議の草川昭三でございます。
 きょうは、昭和五十七年度の科学技術庁の予算の中の科学技術振興費の問題をお伺いをしたいと思います。なお、時間に余裕がございましたら、ホルムアルデヒドの発がん性問題、これは、私、昨年予算委員会あるいは外務委員会等で取り上げておる問題の、その後のフォローの問題についてお伺いをしたいと思います。
 まず最初に、科学技術振興調整費の経過等をお伺いをするわけでございますが、その前に、ことしの科学技術庁の予算というものは、一般会計の伸び率に比べますと非常に手厚いものがある。いわゆる科学技術立国としての長官の努力も大変あったと思うのでありますけれども、一般会計の伸びは六・二%でありますけれども、その中からいわゆる国債費等を除きます一般歳出の伸び率は、一・八%であります。それに対しまして、五十七年度の科学技術庁の予算の伸びというのは、電源特会等を入れますと、三千九百億を超すわけでございますので、四・七あるいは四・八%とも言われておるわけであります。
 まさしく科学元年、これは昨年使われました言葉でありますけれども、技術立国としての日本のあるべき姿勢というものが非常に顕著に予算の中にも出ておるわけでありまして、私どもも、非常に大切な日本のこれからの柱になっていく省であり、あるいはまた技術開発をここでやっていただかなければいけない、こう思うわけでございますけれども、問題は、その開発のあり方が、日本の憲法なりあるいは国是なり――あるいはかつての、忌まわしい戦前の苦しみというものを二度と繰り返さない、人類の平和の目的のためにこの技術開発、科学予算というものがぜひ使われなければいけない、こう思うわけであります。
 そういう意味で、今日のこの科学技術振興というものの発展のために、従来の縦割り行政を乗り越えまして、各省庁のいわゆる調整をしながら振興を図るという意味でこの振興調整費というものが昨年からつくられたわけでありますけれども、ひとつ改めて科学技術庁の方から、この科学技術振興調整費の活用の基本方針というものを述べていただきたいと思うわけでありますし、科学技術振興調整費というのは昨年に比べまして七九%の大幅なアップになっておるわけでありますから、その中に必然的に省としてのポリシーがあると思うので、その点についてお伺いをしたいと思います。
#212
○加藤(泰)政府委員 御説明申し上げます。
 科学技術振興調整費、これは昭和五十六年度からスタートをしたものでございまして、科学技術の新しい施策の一つの中心になるものであると私たちは認識しまして、それを有効に活用しようということでございまして、もともとこの科学技術振興調整費は、科学技術会議の、いわば活力といいますか、調整機能を強化するということの意味合いも含めてついたものでございまして、昨年の三月に科学技術会議によりまして決定されました「科学技術振興調整費活用の基本方針」に基づいてこれが支出されているものでございます。
 いまも御質問ございましたその基本方針でございますが、この基本方針には幾つかの柱がございまして、第一点は、先端的、基礎的な研究を推進すべきである、二番目は、複数機関の協力を要する研究開発の推進を図るべきである、三番目は、産、官、学の有機的連携の強化を図るべきである、四番目が、国際共同研究の推進、五番目が、緊急に研究を行う必要が生じた場合の柔軟な対応、六番目が、研究開発の調査、分析等、そういったものに充当することを基本としてその運用を図るということでございまして、私どもも、その基本方針に沿いまして、五十六年度以降この有効利用を考えているところでございます。
#213
○草川委員 いま六点にわたる基本的な運用についての方針が発表されたわけでございますが、ついでながら、この具体的な運営に当たります、決定をしてもらう科学技術会議、いまも触れられておりますが、この科学技術会議の構成内容はどのようになっておりますか。
#214
○下邨政府委員 科学技術会議は、科学技術振興についてのわが国最高の審議機関ということで設置されておりまして、議長は内閣総理大臣でございます。それから、議員といたしまして大蔵大臣、文部大臣、経済企画庁長官、科学技術庁長官が入っております。それから、学術会議の会長が構成メンバーの一人でございまして、その他学識経験者五名ということで構成されております。また、関係各省の大臣も臨時に議員として参加することができることになっております。
#215
○草川委員 大変りっぱな組織になっておるわけでございまして、ここの会議のもとに振興調整費等も決まるわけでございますが、昨年、五十六年の予算の場合、三十三億だと思いますけれども、これの場合に各省庁から要求がありました研究課題は何件上がってき、そして何件決定したのか、大要で結構でございますから、お伺いしたいと思います。
#216
○加藤(泰)政府委員 お答え申し上げます。
 昭和五十六年度の科学技術振興調整費につきましての各省等からの提案でございますが、各省庁から提案されました課題の数はおよそ百五十ぐらいでございます。また、そのほかに各省庁以外のところからも若干の提案がございまして、合計いたしますと約二百課題程度の提案があったわけでございます。いまの、二百課題の提案がございましたが、その二百課題の提案の中で、新しい研究のテーマとしてスタートいたしましたのは七課題でございまして、そのほかに、私どもの言葉を使いますとフィージビリティースタディーと申しますけれども、フィージビリティースタディーを三テーマ採択しているというところでございます。
#217
○草川委員 それでは今度は五十七年度、ただいま予算が通った段階でございますし、いよいよこれの配分というのですか、その時期になってきたわけでございますが、五十七年度に各省庁から課題として何件申し込みがあるか、その省庁をごく大ざっぱに言っていただきたい。課題件数とトータルの件数を報告していただきたいと思います。
#218
○加藤(泰)政府委員 昭和五十七年度の振興調整費につきまして、各省庁から提案がございました課題数の総計は、ほぼ百三十数課題ということでございます。関係する省庁といたしまして主なところといたしましては、数の多いところとしましては通商産業省、農林水産省、郵政省、運輸省、それからみずからでございますが科学技術庁というところが主な省庁でございまして、その他の省庁も若干数ずつございます。
#219
○草川委員 いまの五十六年、五十七年、それぞれ課題が申請され、決定をされておるわけでありますし、五十七年の分については、ただいま鋭意検討中のことだと推察をしますが、百三十五の課題件数が出ておるというように聞いております。通商産業省三十八件、農林水産省十一件、北海道開発庁三件、防衛庁一件、環境庁五件、運輸省十五件、警察庁八件、自治省一件、郵政省十六件、厚生省五件、建設省五件、科学技術庁二十七件、計百三十五件。五十七年度の経費といたしましては、百三十一億の金額の申請があるやに聞いておりますが、それは間違いございませんか。
#220
○加藤(泰)政府委員 ただいま先生がおっしゃったとおりでございます。
#221
○草川委員 この中で防衛庁が申請をしておるわけでございます。防衛庁は五十六年、去年も申請をしておるように聞いておりますが、去年はどのような理由からこれが漏れておるのかお伺いをしたいと思いますし、それから、防衛庁の申請をいたしております課題というものは何か、その内容についてお伺いをしたいと思います。
#222
○加藤(泰)政府委員 お答え申し上げます。
 先ほども申しましたように、各省庁等から要求された課題の数が非常に多かったことにかかわりまして、採択される数が非常に少ないといったようなことから、かなりの課題が結果として採択から漏れたということでございます。ただいま先生から御質問がありました防衛庁からの課題でございますが、昨年も防衛庁からの課題の中には、光ファイバージャイロの研究等数課題の申請がございましたが、科学技術会議の運営会議の下部機構として課題を選定する研究調査委員会というのが設置されておりますけれども、その研究調査委員会等で採択の採否を決定する際に、結論的にそれらの課題の採択がなされなかったといったような事情がございます。
#223
○草川委員 漏れた理由が、結局選に漏れたということだけで、特段の明確な理由はないわけでございますので、防衛庁にお伺いをしたいと思います。
    〔委員長退席、与謝野委員長代理着席〕
 防衛庁の方から要求をされましたこの研究課題、光ファイバーというのですか、レーザージャイロコンパスというものは一体何なのか。私どもが聞く範囲内では、地球ごまの原理を応用した輪転羅針儀とも言われておるようでございます。地球ごまというのがありますけれども、あのようなこまのかわりにレーザー光線を応用したものと言われております。この特徴というのは一体何なのか。
 そしてまた、防衛庁として要求なされました事業規模というのですか研究費用というものはどの程度のものをお考えになっておられるのか。あるいは、この調整費というのは、通常三年なり五年単位で、一つのチームを組みまして助成を受けながら研究をするわけでございますが、防衛庁としてはどのような機関を考えて要求をなされたのか、お伺いをします。
#224
○上原説明員 お答え申し上げます。
 まず、この光ファイバージャイロの内容でございますが、これは半導体レーザーとそれから光ファイバーの両方の技術を組み合わせまして、現在普及しておりますいわゆる剛体回転型ジャイロといいますか、これにかわる非回転型の非常に信頼度の高い、しかも小型で高精度のジャイロ装置を実用化するために、そのための技術的な技術資料を得ようということを目的とした研究でございます。
 これの特徴といいますのは、先ほども若干出ましたが、信頼度が非常に高いということ、それから小型でかつ高精度だということのほかに、非常に検知感度が高い、それからダイナミックレンジが大きく、かつ直線性が非常によい、それから普通のジャイロにございますようなウォームアップする時間がございません。ほとんどそのまま使えるということ、また、量産化が容易になりますと製作費のコストダウンが非常にメリットが大きいというふうな特徴を持っております。
 私たちとしましては、今年度の要求につきましては、五十七年度約一億円の経費についての提案をさせていただいております。
 なお、関連する共同研究機関としまして、一応通産省、科学技術庁、文部省を考えております。
#225
○草川委員 いま防衛庁としては一億の予算というようなことを言っておみえになりますが、これは研究規模全体の金額でございますか。
 それともう一つの質問は、防衛庁独自の自省庁分の予算を、五十七年度どの程度組まれているのか、お伺いをします。
#226
○上原説明員 お答え申し上げます。
 研究計画の規模といいますか、年度としましては、一応三年間をめどにしております。
 それから、現在防衛庁としては若干の研究費をこの光ファイバージャイロに対して計画しております。その金額は約六百万ということでございます。
    〔与謝野委員長代理退席、委員長着席〕
#227
○草川委員 六百万を五十七年度の予算に計上している、こういうことでございますか。
#228
○上原説明員 さようでございます。
#229
○草川委員 私どもが手にしておりますところの五十七年度の経費、防衛庁は七千万を五十七年度の予算に計上しておるという資料を持っておりますが、これは違うわけですか。
#230
○上原説明員 現在光ファイバージャイロ関係にそのような予算は計上しておりません。
#231
○草川委員 光ジャイロ関係の自省庁分の五十七年度経費、防衛庁は七千万というものを計上しておるというのを、私は実は科学技術庁の方の資料で申し上げておるわけでございますが、これは事業規模の間違いでございますか。あるいは三年間の計画なりの、そのうちの当年度分という意味の計画になるわけですか。
#232
○上原説明員 お答え申し上げます。
 私の方の誤解がちょっとあったようでございますが、現在、先ほどの七千万と先生が言われた額でございますが、これはわが方の一億円の予算の中の防衛庁分ということでございます。そういう意味では、先生の御指摘のとおりでございます。
#233
○草川委員 それはそれで結構でございます。
 そこで、いま文部省を初め通産等と共管でこの研究をしたいという申し出でございましたが、光関係の、レーザー関係というのですか、あるいはファイバーでも結構でございますが、今回の振興調整費の活用の申請をしております各省庁の中から、レーザー関係あるいはジャイロ関係等で何か共通するような研究はないだろうか、こう思いまして、運輸、通産、郵政、科学技術庁等に尋ねてみたわけでございます。
 本来ならば各省庁から意見を求めればいいのですが、ちょっと時間が過ぎておりますので、私の方からごく簡単に言いますと、通産省の場合は電総研でレーザー、光ファイバーの研究をかなりたくさんやっておみえになります。レーザーというのはあらゆる面に利用されますから当然のことながらでございますが、比較的これに近いものは、振興調整費の方ではございませんけれども、電総研の場合は光ファイバー干渉計の研究、これをやっておみえになりますが、多少――多少というよりも、本件とは全然異質な研究のようでございます。
 それから、私どもも筑波の方へ行っていろいろと勉強させていただいたわけでございますが、高性能のレーザーセンシングシステム、これは全く民間用というのですか医療用に使われておりまして、がんの診断等にこれが使われておるというわけですから、これも別の領域になるのでしょう。
 あるいは郵政省の方の光通信に関する研究開発等についても、同じようなレーザーセンシングシステム、これは今回の振興調整費の方にも要求をしておみえになりますが、これも環境用のモニターに使う。
 それから、航空機搭載レーザーとして、距離をはかるという意味でレーザーを使いたい、そのことによって地球の地殻変動等も予知をしたいというような研究もあるわけですが、これも同様なものではないということになってまいります。
 運輸省の海上保安庁の水路部の測定技術等もありますが、比較的似たようなものには、宇宙開発事業団のレーザージャイロの研究というのがございます。
 これはかなり進んでおりまして、レーザージャイロは、完成すれば、従来の機械的なジャイロに比べて大きな角速度に対する追従性が非常にいいということ、機械的な部品が少なくて信頼性が高い、また軽量化が図れる等のすぐれた特徴を有しているので、宇宙開発事業団は、将来のロケット、人工衛星の姿勢センサー等として有望であると考えて、レーザージャイロ(リングレーザー方式)こう言っておるわけですけれども、この研究をしている。これについては、ミラーやブロックの研究だとか、レーザー部品の寿命が長くなるという要素技術の研究のためにやっていきたいというようなことを言っておみえになるわけでございます。
 どうでしょう。科学技術庁の方にお伺いをしますが、いまの防衛庁が出されましたのは、複数の省庁に対してなじむようなものがあるのかないのか、お伺いをしたいと思います。
#234
○加藤(泰)政府委員 ただいまの御質問は、防衛庁の方から提案のございました光ファイバージャイロの研究について、ほかの省庁の研究になじむものがあるかどうかという御趣旨でございますか。(草川委員「そうです」と呼ぶ)
 光ファイバージャイロは、これは先ほどもございましたような、従来のいわゆる剛体回転型のレーザーに比べてさらに精度もよろしい、軽量であると、先生のお話にあったとおりでございますが、そういった意味におきまして、もしこういったような技術が開発をされ実用化されれば、それなりの効果は十分にあるであろうと思うわけでございます。
 現在、私どもが防衛庁の方から提案を受けている当該テーマにつきましても、幾つかの他の機関と共同をして開発をしたいといったような希望があるように承っております。したがって、そういった意味におきまして、こういったような研究がそれぞれの機関の力を結集していけば、それなりの意味は十分にあるんではないかなというふうに考えております。
#235
○草川委員 いまの答弁は非常に私問題だと思うのですけれども、私が事前に、いま筆頭に防衛庁が言われました文部省、私は文部省の方にけさもいろいろと問い合わせをいたしましたら、文部省は特段、このレーザージャイロの研究等については興味を持っていないという御意見でございました。だからいまの御意見は、この防衛庁の提議をされておるところの研究について他省庁の方からも希望する点がある、こうおっしゃっておられますが、いま一度、どこの省のどの課がこの防衛庁のジャイロの開発について興味を持っておられるのか、お伺いをします。
#236
○加藤(泰)政府委員 お答え申し上げます。
 先ほど幾つかの省庁と申しましたが、これはあくまで防衛庁が提案をするときに防衛庁の側から見てこういうところと一緒に研究をいたしたいという、防衛庁のいわば希望、提案の中に入っているものでございます。関係省庁の方とどのようなコンタクトがあったかという点につきまして、私どもはまだその点まではフォローはいたしておりません。
 ではどういったような機関と共同して研究したいかという防衛庁の御希望の機関といたしましては、いま課の名前までというような御質問でございますが、私ども実は課の名前まではちょっとこの段階で詳しく存じ上げておりませんが、機関といたしましては、通商産業省の工技院の電子技術総合研究所、東京大学の境界領域研究施設並びに科学技術庁の航空宇宙技術研究所、そして宇宙開発事業団、そういうところが防衛庁からの御希望に入っているということでございます。
#237
○草川委員 だから、私の前の質問に対して局長が答弁されたのはちょっと言い過ぎだと思いますね。いまの答弁は明らかに防衛庁の方からの希望を言っておみえになるわけでありますから、科学技術庁としてフォローして、確かに防衛庁の研究は文部省も言っておりますよ、だからしなさいよ、そこまで立ち入った答弁じゃないでしょう。本来それはできないはずですよ。ただ防衛庁が言っておるというだけにすぎぬわけですから、その点は間違いのないように答弁してください。
#238
○加藤(泰)政府委員 私の答弁の不分明な点についてはおわびします。私が申し上げたかったのは、あくまで防衛庁の方が提案をするときに、こういう省庁と一緒に組んでいきたいというようなお話があったという点でございます。
#239
○草川委員 ですから、いま宇宙開発事業団のお話が出ましたが、宇宙開発事業団の方はレーザージャイロの研究をすでになされておるわけです。そしてこれも非常に性能がよくて、こちらの方は当面の役に立つ仕事なんですね。防衛庁の方はもっとロングランの話をしておみえになるわけですが、宇宙開発事業団のレーザージャイロは、すでにアメリカ等においてはボーイング757あるいはボーイング767に使用されるような状況にまでなっておるわけですよ。それを、日本の宇宙開発事業団もやりましょう、これはいいわけですね。日本もどうぞおやりなさい、そして衛星につけてもらいたいあるいはロケットにつけてもらいたいという意味ではいいのですが、防衛庁の方は、同じようなジャイロコンパスなんですけれども、もっと違う立場から要求をしておるという事実だけは科学技術庁としてはきちんとつかんでおっていただきませんと、六十億の配分等についても重要な問題になると私は思うのです。この点はひとつはっきりしておいてもらいたいと思うのです。
 そこで、時間が余りございませんから前へ進みますけれども、問題は、これは仮定の話でございますけれども、防衛庁の方の予算がたとえば認められたということになってまいりますと、私はこれは特許という問題も出てくると思うのです。特許庁の方もお見えになっておられますね。問題は、科学技術庁の予算で研究開発をした場合には、当然特許を取る場合が出てくると私は思うのです。特許というのは当然公開制でございます。
 もし防衛庁の技術開発をしたものが特許を取るということになると、防衛庁もいまたくさん、全部で三百何件の特許を取っております。めんどうくさいから私の方から申し上げますと、防衛庁の方は現在特許権を二百九十六件、実用新案を八十七件のものを持っているわけでございますけれども、実は防衛庁の方としては、明らかにこれは軍事研究になりますから、軍事技術の研究ということになりますれば、優位性ということが基本的になりますから、特許を取ったって意味がないわけですよね。
    〔委員長退席、岸田委員長代理着席〕
 技術が公開をされるということでは、兵器の優位性というのは失われるわけですから、アメリカ等においては秘密特許という形になっております。日本の場合は秘密特許は昭和二十三年まで有効でありましたけれども、特許の公開、民主制という意味で、昭和二十三年に特許というものは秘密特許ではなくなったわけですね。こういう点を考えますと、これは防衛庁にお伺いをした方がいいですかね、防衛庁がもしこの研究で成功した場合には特許は取られるのか、あるいはその特許は全くのオープンの特許になるのか、お伺いをしたいと思います。
#240
○上原説明員 お答え申し上げます。
 現在、この研究に関して得られました特許につきましては、あくまで公開という立場をわれわれとりたいと考えております。
#241
○草川委員 とりあえずという言葉が私は防衛庁の正確な答弁だと思うのです。だから、防衛庁はこれから軍事技術の研究をされる場合に、特に兵器の発展等については必ずしもすべて特許を取るというわけにはまいらぬわけであります。
 実は私の手元に、アメリカのアビエーション・ウイーク・スペース・テクノロジーという技術研究の本が出ておりますけれども、ここの中に出ておりますのは、光ファイバーあるいはジャイロの研究というのはまさしく核心技術、クリチカルテクノロジーだと言っておるわけです。それで、これは非常に重要な技術なので世界が注目をしておる、こういうことを言っております。
 いま、たまたまとりあえず特許は考えておるけれども、もしこれが成功したときに日本とアメリカとの関係で――日米のいろいろな軍事技術協力という問題がいま話題になっております。特に、日米装備技術定期協議というのも開かれておるわけでございますけれども、ここでもしアメリカの方から、防衛庁の提議しているレーザージャイロコンパスというものは興味があることだから共同研究をしようじゃないかという場合に、防衛庁は一体特許というものを要求をされるかどうか、お伺いします。
#242
○上原説明員 これは、まだ具体的にそのようなことが起こっておりませんので、ちょっと答えにくい問題なんでございますが、われわれとしては、国内での特許に関してはあくまで公開ということでこの件に関しては行きたいと考えております。
#243
○草川委員 だから、それは国内ではなくて、私がいま御質問申し上げておりますが、少なくともアメリカあたりではこのレーザージャイロコンパスというものは非常に興味があるものだ、こう言っておるわけです。日本の中でも宇宙開発事業団の方は、別の意味で同じようなジャイロの研究をなされておるわけです。だから、防衛庁としてはどこか違う立場からの研究をされたいわけです。僕はそれは悪いとも何とも言いませんよ。当然のことですから、ぜひ防衛庁は防衛庁でそういう研究をなされればいいのだけれども、その場合には、特許はいわゆる公開ですから特許の申請なんかできっこないでしょう。
 特に、日本とアメリカとの関係におきましては、長い間いろいろな話し合いというのがなされておるわけですよ。日米共同開発をめぐる法律問題もあるわけでございますし、それからこれは鳩山総理大臣、外務大臣が重光さんのときに、防衛目的のためにする特許権及び技術上の知識の交流を容易にするための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定というのがございます。
 いろいろな特許権及び技術上の知識の所有者と他方の国におけるこれらの特許権及び技術上の知識の使用権者との間の現存の商業上の関係の問題等についてとか、いろんなことがございまして、「もつとも、そのような取極は、秘密の情報に関する場合には、防衛上の秘密保持の要件に反してはならず、また、これらのすべての取極の条項は、両国の関係法令に従うものとする。」ということから、実際はアメリカ側の方は、日本と共同の軍事技術の開発についてたくさんの要求があるんだ、日米装備技術定期協議の中でもいろいろと言いたいことがあるんだけれども、ここの特許の問題にひっかかって、この問題はただいま休眠中なんですね。
 これは防衛庁おわかりのとおりだと思うのですけれども、日米装備技術定期協議が何回か開かれておりまして、昨年の暮れもインフォーマルな形でいろいろな論議がされておるようでございます。ここの中でも、光ファイバー関係のことについては、アメリカの方としても非常に興味を持っておるというような態度表明があるやに聞いておるのですが、その点はどうでしょう。
#244
○村井説明員 お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、過去日米の間でいわゆる装備技術協議という形で会合を持っておるわけでございますが、この会合で、実は具体的にこういう技術について供与をしてくれというような意味でのお話はアメリカ側からはございません。そういうことでございます。
#245
○草川委員 公のというのですか、オフィシャルな形でのお話はないようでございますけれども、私どもがいろんな防衛庁関係の方々の論文等を見てまいりますと、日米共同開発をめぐる法律問題、たとえば防衛大学の教授の安田先生なんかの論文等を見ましても、私がいま指摘をしたようなことがこの中には書いてあるのですよ。いま課長がそういうことはございませんというのは、それは公の、正規のメモに残るような会合ではないのですけれども、向こうとして盛んにそのことを要求しておるというのは、ことしの予算委員会の議論の中でも何回か出ているのです。私は素直な意味で問題提起をしておるわけですから、私の言っていることが全くないならないと、僕は違うと思うのですが、もう一回答弁してください。
#246
○村井説明員 お答え申し上げます。
 要するに、アメリカに対しまして防衛関係の技術を供与する、この問題につきましては、外務、通産それから私ども防衛庁、この三省庁で現在鋭意検討中でございます。そういう背景でもございます。実はアメリカからは、一方的にアメリカから日本にいままで与えられてきた技術を逆に日本からも少し返してくれ。もう少し具体的に申しますと、たとえばエレクトロニクスですとかロボット技術ですとか、日本の技術水準も最近非常に高くなってきておる、そういうものを例示しまして、こういう高い技術水準を持っておる日本と、防衛技術の分野でただいま申し上げましたような相互交流を図りたい、こういう意味での希望というものは表明されている、これは事実でございます。
 しかしながら、具体的に個々の技術を挙げて、その供与を要請されているというような段階では実はないわけでございまして、さような意味合いにおきまして、私申し上げましたのは、光ファイバーという具体的なことにつきましては、アメリカ側から要請は現在の段階であるわけではございません。そういう意味でお答え申し上げたわけでございます。
#247
○草川委員 ちょっと時間がないので、いまのお話をトータルでまとめてみると、光関係という大きな意味では、先端技術という意味で向こうからの非常に強い要求があるわけです。これは事実です。
 だとすると、今度はもう一回科学技術庁に戻りますが、そういうものに拡大するおそれのあるものに対して科学技術庁はいまなお認めようと、これはいま審議中でございますけれども、他省庁との関連があるならば許可の対象にしようとお考えになっておられるのですか。これは、過去国会で何回か議論をされておりますところの科学技術庁設置法の基本原則、設置の目的はあくまでも平和目的であるということから、基本的な目的違反になるのではないかと思うのですが、その点はどうでしょう。これはもう局長いいですから、大臣もお暇なようでございますので、ここら辺から少し大臣の御意見を承りたいと思います。
#248
○中川国務大臣 御指摘の点でございますけれども、科学技術庁は、御承知のように科学技術の振興を図り、国民経済の発展に寄与する、こういうことを中心に置いております。したがって、軍事を目的とした研究開発ということをやる役所ではございません。ただ、研究した結果がそちらに利用されるということを妨げるものでもない、こういうことでございまして。御理解をいただきたいと存じます。
#249
○草川委員 大臣は非常に重要なことを言っているんですね。平和目的のためにやる、軍事目的のためには使わない。しかし、結果として軍事目的に使われることまでは知りませんということは一言余分なんですよ、大臣としては。科学技術庁長官としては、その前段でとめるべきなんですよ。要らぬことを言う必要ないのですよ。その要らぬことが、実は日本のいま選択というのですか、非常に基本的な科学技術政策の哲学になるのですよ。
 だから、私は前回の科学技術委員会のときにも、科学技術というものを国家目的のために使うのか、その国家目的というものはわれわれのサイドで言うならば、あくまでも平和利用のために使ってもらいたい。しかし、科学技術庁長官だってどうなっていくかわからないそのときに、忌まわしい話ではありませんけれども、ナチスのような時代になって、国家目的というもののために学者が動員される、あるいは国の費用が動員されるということがわかったとするならば、いまのような答弁にならぬと私は思いますね。極端なことですけれども、そのような議論が議事録を見ますと、科学技術庁設置法のときにも、宇宙開発事業団法案のときにも何回かなされておるわけであります。
 そしてこの宇宙開発事業団法の第一条にも、宇宙開発事業団はあくまでも「平和の目的に限り、」という言葉が入っておるわけですよ。いま私が問題提起するのは、まさしく宇宙開発の一つの部品、パーツの問題を言っておるわけですよ。あるいは原子力利用についての原子力基本法等についても第二条の基本方針で、原子力の研究というものは平和の目的に限るし、民主的な運営のもとに自主的にこれを行うものだということが明確に書いてあるわけでありますし、この問題は、明確に宇宙開発大綱の文章の中にも書き込まれているわけであります。宇宙開発大綱の第二節第一の「我が国の宇宙開発は、平和目的に限り広範かつ多様の社会的ニーズ」という条件のもとに、日本は科学技術立国としてこれから生きていこう、こういうようにわれわれは考えておるわけですから、長官、これは軽々しく言ってもらっちゃ困ると思うのです。もう一回答弁してください。
#250
○中川国務大臣 確かに、宇宙開発と原子力開発については平和利用の目的に限り、こうはっきり書いてありますが、科学技術全般は国民経済の発展に役立つもの、こういうことになっているわけでありまして、軍事目的で研究するということはもちろん書いてありませんが、広く国民経済の発展に役立つものが結果として防衛の問題に使われる、これを妨げるものであると、ここで責任者として申し上げるわけには私はまいりません。
 世界の科学が非常に発展している中で、防衛に利用されるから光ファイバーの研究は一切やらない、これで世界の科学技術におくれることがあって、国民経済にマイナスになるということがあってはならないし、またわが国は、ナチスのような時代と言いますけれども、決して侵略的なことではなくて、国土を守る、生命、財産を守る、これも、戦争抑止力も平和の目的であるということさえも言えるのじゃないかと思います。そこまでは突っ込んで言いませんが、科学技術庁で関係しているものが、広く端的に国民経済に役立つものであるということであるならば、それで目的は達しておる、法律にも反しておらない、こう思っております。
#251
○草川委員 だから、ますます話がおかしくなってくるし、中川長官の基本的な考えが出ると思うのですけれども、私どもは何回か言っておりますように、あくまでもこれは科学技術の平和的な利用が基本なんですよ。結果についてはそこでそれぞれの制約が出てくるわけですよ。だから、今回の場合、明らかに宇宙開発事業団の方ではジャイロを研究しておるわけですから、そこへ防衛庁が独自の立場から研究を申し込んできたら、それはおい、ちょっとおかしいじゃないか、それだったら、防衛庁の予算というのは昨年に比べて五・七七四でございますか、とにかくほかの省庁よりもたくさんの予算がついておるのだから、防衛庁の中の予算でどうぞ御検討くださいでいいわけですよ。
 この仕分けだけは明確にしておきませんと、中川長官はこの振興調整費はいずれ五百億にしようと言っているのでしょう。日本の平和発展のためにどうぞしてくださいよ、中川さんならやれるのだから。しかし、五百億も将来振興調整費がつくならば、ちょっとおれのところも分けてもらおうじゃないか、興味のある話で行こうじゃないかとなって、そしてできたところが、特許が取れなくなってくる。いわゆる技術は公開ですから、アメリカの方から、おいそれは非常にすばらしいからちょっとおれも一枚入れてくれよ、こう言ってきたらやはりそれは協力しなければいけない。これは当然ですね、それはそれでやればいいのだから。ということになってまいりますと、科学技術体系というのはくしゃくしゃになるのですよ。
 だからこそ、科学技術会議というのがあって、諮問第六号「長期的展望に立った総合的科学技術政策の基本について」という答申案が昭和五十二年五月二十五日に出ておるわけですよ。いいですか、長官。長官には釈迦に説法ですから大変失礼な議論になるかもわかりませんけれども、ここの中には、国民の税負担に基づいて多額な研究開発投資を行うのだから、研究開発の必要性、その計画の健全性、目標の妥当性等については国民の十分な理解を得ることが必要であり、そのために云々ということを言っておるわけであります。これからの科学技術振興の根本は、少なくとも国民の理解と協力を得なさい、そして研究開発の必要性等については計画の健全性が必要だ、こう言っておるのですよ。
 健全ですか。結果としてはそれなら何だって使われますよ。レーザーだって何だって使われるのだから、そのことはわれわれはいま議論をする必要はないのですよ。とにかく、そういう軍事目的になるようなおそれがあるならば、それはやめてくれ。しかもこのレーザーの問題等については、せっかく宇宙開発事業団で、もういいところまで行っておるわけだから、そのノーハウを防衛庁はつかみなさいよ、そしてあなたたち勉強してしっかりやりなさいよ、防衛庁の予算のためには不肖中川は幾らでも努力しますと言えば済む話です。どうですか。
#252
○加藤(泰)政府委員 ただいま先生のお話に出ました宇宙開発事業団がいま研究開発を進めておりますレーザージャイロでございますが、これはリングレーザー方式と申しまして、いま防衛庁の方から申し越しの光ファイバー方式とは、原理並びにそのメカニズムがかなり違ったものでございます。
 いずれにしましても、これからさらに開発を進め、実用にまで持っていくためにはかなりの研究を重ねなければ、それはしょせん実用化にならないという段階で、どういったような方式が、今後たとえば実用衛星打ち上げのためのロケットにとって一番正確であり、ふさわしいジャイロであるかということの比較検討は、科学技術全般いずれでもそうでございましょうけれども、レーザージャイロの場合につきましても幾つかの案について比較検討をして、いいものをさらに検討する、採用するというようなプロセスは当然あろうかと思うわけでございます。
 で、私ども科学技術庁と申しますか、科学技術会議と申しますか、防衛庁の方からお申し越しのこの新しいテーマについて、いまの段階でもってこれが採択されるとか採択されないとかいうような時期ではございません。先ほどからも申しましたように、非常に数多い中からいま研究調査委員会が選定を進めておる段階でございます。
 もし仮の話でございましても、宇宙開発事業団の方で開発をしているレーザージャイロのほかに、それでは別に新しいアイデアがあってももう研究する必要がないのかといえば、もしかしてもっといい知見に基づいていいジャイロができれば、そっちの方をさらに開発を進め、将来仮に宇宙事業団が開発しているジャイロが成功しても、将来また新しいジャイロに切りかえるというような可能性も当然あろうかと思います。一般論でございますが、宇宙開発事業団が開発をしているジャイロの計画と、いまわれわれが議論しているジャイロというものの両方の検討があってもいいのではないかと思います。
#253
○草川委員 だから、科学技術庁は財政制度調査会の答申を読んでないのですよ。いまのようなことは財政再建の折からだめだと財政制度調査会は建議しておるじゃないですか。いまのようにこちらの研究があってもいいし、こちらもあってもいいではないか。だれだって、技術者ですからいろいろなアイデアを欲しいですよ。それでは、日本の国の立場からいっても問題があるから研究は調整をしなさい、調整をするのが科学技術庁ですと財政制度調査会は提案しておるじゃないですか。それを読んでいませんか。
#254
○加藤(泰)政府委員 先ほどからも申し上げておりますように、このテーマについてもまだ採否が決まったわけではございません。あくまで検討中でございます。私が申し上げましたのは、そういった先生がいまお申し越しのように、国のいわば予算ですから、いかに有効にそれを使うかということは、われわれもその点についてはきわめて重く考えているところは間違いございません。
    〔岸田委員長代理退席、委員長着席〕
 しかしながら、どのような科学技術の場面をとらえましても、幾つかの例があろうかと思いますけれども、何か一つの新しい仕組みをつくろうという場合において、さらにそれよりかはもっと効率的でもって、もっといい仕組みがあるとした場合においては、それはもちろん財政の制限があります。むだ遣いはできません。しかしながら、むだ遣いはしないその有効な範囲において、幾つかのいいものを検討していくという、その新しいものに対するところの研究開発の心がけと申しましょうか、その方向につきましては、やはり科学技術の進歩というものを考える場合においては必要条件ではないかなということでもって申し上げたわけでございます。
#255
○草川委員 時間が来ておりますから、せっかく法制局に来ていただいておりますので、法制局には本件の問題は別といたしまして、いわゆる軍事技術、軍事研究のために今回の調整費をもらうというのですか、申し込んだ場合に、振興調整費はなじむ制度かどうか、一言だけお伺いします。
#256
○味村政府委員 科学技術振興調整費の性格につきまして、私、科学技術庁の方に伺いましたところ、経済の安定成長と国民生活の向上のために科学技術の振興が不可欠であるという認識のもとに、科学技術会議の方針に沿って、科学技術の振興に必要な重要研究業務の総合推進調整を行うために設けられた経費であるということでございます。
 そういたしますと、もっぱら防衛目的の科学技術の研究――科学技術の研究にはいわゆる民生用、民間用、そういった目的もございましょうし、あるいは防衛目的と民間目的とを併用しているというような場合もございましょうが、もっぱら防衛目的のための科学技術の研究は、このような性格を持っております調整費の対象とするのにはなじまないのではないかと考えます。
#257
○草川委員 時間がございませんので中川長官にお伺いしますが、実はいまのような御答弁が、科学技術庁ができたときの基本的な本当の柱だと思うのです。ですから、昭和三十一年の衆議院の科学技術委員会で齋藤次官は、国民の英知を求めて、平和的なりっぱな国家の建設を図るためにやっていきたいと思う、このようなことを言っておみえになるわけですし、同じく、正力さんですか、当時の国務大臣は、科学技術の振興はどうしても平和利用ということが主な目的だから、そのために考える、こう言っておみえになるわけであります。
 いま防衛庁の方は、ジャイロについては大量生産ができるのだ、コストが安くなるのだということを言っておりますけれども、実は軍事研究、軍事技術というのは、あくまでも相対的に相手より優位な立場に立たなければなりませんから、鉄砲の弾なんというのは別でございますけれども、ジャイロのようなものはどうしても小さい範囲内での生産に落ちつくわけであります。一般の国民が利用する、国民にはね返ってくるような器具に利用されずらい問題が多いわけであります。一般に手に入るようなものなら、分解してノーハウというのは全部わかってしまうわけですから、どうしても少数になります。それであっては結局国民の利益にならない。
 軍事兵器なり軍事技術というのは、国民の生活水準の向上につながらないところの消費的なものでありますから、全くのむだでありますから、生産性に影響しないわけであります。いままで、民間の労働者が歯を食いしばって生産性向上に努力してきたからこそ今日の日本があるわけですね。そういう成果というものを下手をすると壊してしまう。
 戦争は科学の母だという言葉が一時使われたことがあるわけです。しかし、私どもは、科学を平和の母にしなければいかぬわけですよ。だから、科学というのはうらはらなのです。これはスペースシャトルだって同じなのです。ロケットだってそうだし、遺伝子工学だって同じなのですよ。
 だから、日本の国の長官、科学技術庁というものは、物すごい平和の理念というものを掲げながらやるべきものはやりなさい、研究すべきはしなさい、各省庁の派閥を乗り越えてやれ、この理念、哲学というものがない限り、日本の国民は安心して科学技術庁に予算をつけるわけにはいかぬと思うのですよ。その点についての中川さんの答弁をいま一度お願いしたいと思います。
#258
○中川国務大臣 先ほどから私が申し上げているとおりでして、科学技術は、科学技術振興をすることによって、国民経済の発展に寄与する。国民経済の中には、産業の発展あるいは民生の安定、いろいろあるわけでございます。もちろん、科学技術庁は、軍事目的をもっぱらとしたものを対象として予算を計上しておりませんし、また振興調整費もそちらに使うものではない、こういうことでは、法制局も、科学技術庁も、私も、どなたも一致しておるところだと思うのです。
 そこで、たとえばジャイロについて、これはもっぱら軍事技術なのかどうなのか。船舶や飛行機のような、一般に使えて、それが国民経済の発展に寄与するかどうかというようなことについては、専門家が専門的に調査し、研究し、結論を出すであろう、そういうことでございまして、御指摘のように、もっぱら軍事研究であるということであるならば、そういったものに使う気持ちはございません。
#259
○草川委員 時間が来ましたのでこれで終わりますが、科学技術の振興ということが平和目的のためにぜひ利用されるように、この科学技術振興調整費がそのように人類の平和のために使われることを非常に希望いたしますし、また、今回の審査が今月末か来月の上旬に決まるように聞いておりますが、ぜひ私どもの意を体して行われるよう希望して、終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
#260
○近藤委員長 吉田之久君。
#261
○吉田委員 原子力の問題につきまして若干御質問をいたしたいと思います。きょうの新聞に一斉に報ぜられているところでございますが、「通産省は二十一日、六十五年度を目標とする長期エネルギー需給見通しを改定した。省エネルギーが一五・五%進むため、総エネルギー需要も当初見通しに比べ一六%減り、原油換算で五・九億キロ・リットルにとどまる」この辺が骨子のようでございますが、それはそれで非常によくわかることではあります。この修正と相まって、これからの原子力開発というものはいままでどおりの計画とほぼ一致するのかどうか、まずその辺のところからお聞きしたいと思います。
#262
○田辺説明員 御説明いたします。
 きょう発表になりました長期エネルギー需給見通し、これは閣議決定を経まして、供給目標として政府として決定することになるかと思います、その中におきまして、代替エネルギーの開発促進ということが、従来の政府の方針どおりに強調されるべくいま案がつくられつつあるところでございます。
 原子力に関しましては、現実の立地の状況、それから全体としての需要の低減を反映いたしまして、原子力開発規模は、一九九〇年ベースでは、五千百万キロワットないし五千三百万キロワットという当初の目標からやや下がりまして、四千六百万キロワットという形で目標が設定されることになると思います。
 しかしながら、全体としてのエネルギー供給における原子力のシェアは前回見通しよりも少し上がりまして一一%を超える、一九九〇年段階で一一%を超えるという状況になります。原子力開発に対する代エネの中での位置づけ及びその促進への政府の強い意思というものは前回に比べて一向に変わっておりません。そういう方向で政策が進められることになるかと思います。
#263
○吉田委員 六十五年度末で計五十四基、四千六百六十二万キロワット、六十六年度末で五十八基、五千百二十万キロワットまで高めたいと考えている。いまも御説明がありましたけれども、大体その辺はわかるといたしまして、それでは昭和七十年度あるいは七十五年度あたりでどの辺まで持ち込もうとするのか。在来のいろいろな、電事審等の計画もございますけれども、まず、この辺は同じように見込んでこれから計画を進めようとするのかどうか。その辺を御説明いただきたいと思います。
#264
○田辺説明員 エネルギー調査会の需給見通しにおきましては、昭和七十年度に関しましては見通しを設定しておりませんが、昭和七十五年度、二〇〇〇年におきましては約九千万キロワットが原子力の開発の見通しといいますか目標といいますか、一つの想定をしております。これは一九九〇年の見通しのように個別に積み上げたものではございませんけれども、代替エネルギーの中での原子力の位置づけを一つ明確にする意味で、想定的目標として掲げてあるものでございます。
 昨年度までの電力施設計画等々の数字に比べると多少落ちていると思いますけれども、二〇〇〇年段階におきまして、電力が全体のエネルギーの中で四割を超えるようになります。その電力供給の中で原子力の位置づけがまた四割近くになるということで、原子力の位置づけはますます大きくなるという方向づけが行われております。
#265
○吉田委員 そこで、核燃料サイクルの樹立の問題につきまして、まず天然ウランの確保の問題から伺っていきたいと思うわけでございますが、昭和六十八年ごろから天然ウランの需給のバランスは崩れてくるのではないか。十九万ショートトン、このイエローケーキを確保する計画は立てられておりますけれども、各電力が個別の長期契約に基づいて確保しているのがほとんどでありますけれども、昭和六十八年、約十年後、この辺で明らかにバランスが崩れてくるように思われるわけでございますが、こうした天然ウランの需給の将来について、どうお考えでございますか。
#266
○田辺説明員 先生御指摘いただきましたように、現在、電力会社は十九万三千ショートトンの天然ウランを、主として長期契約ベースによって確保しております。今回の見通しの変更に伴いまして、私どもいま精査しておりますけれども、一応の計算では、先生申されましたとおり、一九九〇年代前半まで、六十七、八年ごろまで、現在の契約ベースの保有量で持ちこたえられるという見通しになると思います。しかしながら、六十七、八年以降、これは新しい長期的視点に立ったウランの安定的供給対策を進めていかなければならないというふうに感じております。
#267
○吉田委員 昭和六十二年あたりから年間のバランスは崩れまして、三千二十二トンくらいマイナスになってくる、それがだんだんと年々大きくなりまして、いまお話もありましたけれども、昭和六十八年の時点では一万一千三百十三トンぐらい足らなくなってくるのではないか。だから、累計で眺めましても、この時点からがかなりピンチになってくると思うのです。
 そこで、そういうことを想定いたしまして、現在カナダ、オーストラリアあるいはイギリス、フランスあるいは南アフリカ、アメリカの一部等と契約を結んでいるわけでございますけれども、相手国の事情によって、国際情勢もなかなか波乱があり得ますし、微妙な状態が続くと思います。供給にいろいろなつまずきを生ずる懸念なきにしもあらずというふうに思うわけでございますが、この辺をどう見通して、どう対策を講じようとなさいますか。
#268
○石渡政府委員 先生御指摘のように、昭和六十年代後半にバランス上マイナスが出てくるではないかという御指摘でございますが、私どもといたしましては、もちろんいままでの契約は確保したいし、また、たまたま契約先も比較的政治情勢の安定している国々であるというような事情もございますけれども、むしろ積極的にわが国で探鉱活動あるいは外国企業の行います探鉱、採鉱に積極的に経営参加していくといったようなことによりまして、供給源の多様化、そしてまた日本の自主性が相当確保できる形でのウランの供給の確保ということを考えてまいりたいと思っているわけでございます。
 具体的には、まず動燃事業団での海外探鉱活動がございます。豪州、カナダ、そしてアフリカを主体に、十幾つのプロジェクトで探鉱をやっております。希望といたしましては、成績のいい結果を得ましたならば、それを民間企業に受け継いでもらって、でき得れば日本企業の、あるいは合弁による開発に進みたいということ、また、外国企業の行っております探鉱活動にも積極的に参加をする、共同開発をするというようなかっこうで、六十年代後半以降の天然ウランの供給確保に努めたい、このように考え、また現実に実施をいたしているところでございます。
#269
○吉田委員 国は、まずこれから新規の調達の二分の一ぐらいを自主探鉱開発、あるいはいまお話のありました経営参加方式に求めていこうというお考えのようでございますけれども、しかし、自主探鉱開発というのは、いろいろ民間が寄って行う経営でありまして、かなりリスクを伴うものだろうと思うのです。それぞれ、商社にしても、電力会社にしても、あるいは非鉄金属にしても、株式会社でございますから、なかなかリスクが把握しにくい、そういう事業について積極的に乗り出すことに多くの制約を受けていると思うのです。しかし、この問題を見通しつけないことには、これからのエネルギーの確保はできなくなってくると思うのです。国として、さらに、安心してついていけるような、そういう対策をいろいろ講ぜられなければならないと思うのですが、そういう点について、重要な政策判断の一つだと思いますが、どのようにお考えでございましょうか。
#270
○田辺説明員 先ほどの原子力局長のお答えにまたつけ加えつつ御説明いたしますと、先生御指摘の、今後のウラン確保に関しまして二分の一を開発輸入でもっていこうという御指摘でございまして、これは、総合エネルギー調査会の原子力部会におきまして、昨年六月そういう方向が出されております。通産省としましても、そういう方向で電力業界を指導しております。
 御指摘の自主探鉱開発あるいは経営参加に伴うリスクに関しましては、科学技術庁の支援しております動燃事業団の調査探鉱活動のほか、私どもとしましては、民間企業に対して海外探鉱の成功払い融資制度、あるいは開発に係る債務保証制度といったものを整えております。これは、金属鉱業事業団、あるいは場合によっては経済協力基金等から融資される制度でございまして、そのような助成措置をもってそういう民間の方向を応援していきたいと思っております。また、探鉱あるいは経営参加に伴う開発への参加、こういう場合には、相手国との安定的な関係、あるいは政治経済的関係が重要だと思います。国としても、そういう面でのフレームワークを安定化させるという努力も続けていきたいと思っております。
#271
○吉田委員 いまおっしゃるとおり、いろいろな角度から安定させていかなければならないと思うのですが、同時に、不測の事態が起こってもなおかつエネルギー供給に支障を来さないためには、やはりウラン資源の備蓄体制というものも、そろそろ当然考えられてしかるべき時期に来ているのではないかと思うわけですが、そういう点についてはいまどのように構想を持っておられますか。
#272
○石渡政府委員 ウラン資源の備蓄に対する考え方でございますが、イエローケーキのような形で備蓄するということも一案かと存じますけれども、私どもといたしましては、むしろ濃縮された形での備蓄の方がより効率がいいのではないかというような考えを現在とっておりまして、現実に、後ほど御報告する機会があるかと存じますが、濃縮ウランの形ではある程度の実際的な、備蓄とは考えておりませんが、現実には若干の余裕があるというような姿になっております。話が先に飛んで恐縮でございますが、国内での濃縮というようなことが考えられる段階では、その工程においての備蓄といった形が一番受け入れやすいのではないかというような形で考えておりまして、鉱石そのものというよりも、別の形でのウラン資源、ウラン燃料の余裕を持つという方針の方がよろしいのではないか、こんな考え方をとっているところでございます。
#273
○吉田委員 よく海水の中からウランを回収することができるということを聞いておりますけれども、また一説には、世界の海水の中からは三十億トンの天然ウランが回収できるんだというようなことも聞いております。これは挙げて科学技術庁の方の分野になるのではないかと思うのですが、科学技術庁や通産省として、こういう新しい供給源の開発、そういう点については御研究は進んでいるのですか。
#274
○田辺説明員 海水からウランを採取するという技術がございますが、海水に十億分の三ほどウランが含まれておるということで、私ども海洋国家日本としましては、重要なウラン資源源として考えるべきものと思っております。それにつきまして、自来さまざまな研究所で開発が進んでおりましたけれども、そろそろ実験段階に至っているという認識でございます。
 通産省としましては、昨年度よりモデルプラントを設置いたしまして、まだ小さな規模でございまして、年間十五キログラムのウランを採取するというプラントをいま建設しつつございます。昨年の七月に着工いたしまして、香川県の仁尾町でモデルプラントの建設に着手いたしました。昭和六十五年度ごろ、その運転結果を見まして、今後の実証から商業化へ向けてどう考えるかということを検討を進めていきたいと思っております。
 しかしながら、当面問題はコストでございまして、御承知のように、いまウラン価格はスポット市場では低迷しつつあるわけでございますが、今後いろいろな変動があるかと思います。こういう技術によってウランをつくるというプロジェクト自体は、そういう天然ウランの採取の価格のシーリングとして非常に重要な意味を持つ、それからわが国がウラン国と話し合う際の一つのバーゲニングパワーとしても重要な意味を持つと思っておりまして、今後ともその開発を続けていきたいというところでございます。
#275
○吉田委員 おっしゃるとおり、大変多角的な意義とメリットを持ってくると思うのです。進められている日本のこの研究、それは国際的に比べてみてかなり進んでいるのか、おくれているのか、規模とかその技術の中身についてお話を伺いたい。
#276
○田辺説明員 国際的に非常に基礎的な研究は、アメリカにおきまして、それからイギリス、フランスにおきまして進んでいると聞いております。海水からウランをとる学会なども国際的にあるようでございます。しかしながら、プラントを設置して、先ほど申し上げましたような規模での実験を始めたのは日本が最初であると聞いております。
#277
○吉田委員 大臣、お聞きのとおり、海水からウランをとるということは大変夢のある、また、日本の遠き将来のためにも非常に意義のある研究だと思うのですね。したがって、ひとつ科学技術庁の方でも、将来こういう問題につきましてさらに積極的な、かなり大胆なそういう対策を講じられていいのではないかと思うわけなんですが、いかがでございましょうか。
#278
○中川国務大臣 ウランの確保というのは非常に大事な問題でして、日本も、ウランを持たない国でございますから、それだけに非常に深い関心を持っておらなければならない。そこで、海水からのウランの摘出といいますか採取は非常に大事なことでございますので、基本的な、基礎的なことについての研究を進めていきたい、こう思っております。
#279
○吉田委員 次に、濃縮ウランの点について御質問をいたしたいと思います。
 原子力の今後の進展の度合いあるいは需要の変化、こういうことで、このとおり計画どおり進んでいくのか、あるいはユーザーの方でいろいろ節約をしたりまた省エネルギー等の進みぐあいとも見合った中で供給をしていくことでございましょうから、場合によれば一〇%程度予定よりも消費の方が下がっていくのではないかというような、いろいろな推定もあるようでございますけれども、どっちにいたしましても、六十年代、六十八年から六十九年ごろ、このころにかなりアンバランスにこちらの方もなってくるのではないかというふうに思います。
 いま米国の方とは五千百万キロワット分、それからEURODIFの方、フランスの方でありますけれども、九百万キロワット分、合計いたしまして六千万キロワット分が一応トータルとしては確保されているわけでございますけれども、これだけではとても心配だと思うのです。その心配な分をどう補っていこうとなさるのか、お答えいただきたいと思います。
#280
○石渡政府委員 数字につきましては先生御指摘のとおりでございます。それで、六十年代後半、まあ七十年近くにマイナスになる分をどう考えるかということでございますが、基本的には、その辺で、その時期をねらいまして、国産による濃縮という計画をぜひ実現させたい、このように考えているわけでございます。これが基本でございますが、一方、濃縮の市場について見ますと、現在のところ、またその時点をにらみましても、わりあいに世界的には緩んでいるのではないかという感じがしているわけでございます。
 その理由の一つといたしまして、ウラン鉱石の輸出国でございますオーストラリアなどは、鉱石で輸出するよりも自分の国で濃縮をして、濃縮ウランとして日本に供給したいというような希望も持っている。それではどこの技術を使って濃縮をするかというような議論が現在日本も加わった形で行われているというような状況もございます。
 また、最近フランスは相当大規模な濃縮工場を、これは方法は違いますけれども、完成をしたというような事情もある。わが国はわが国で、できれば需要の三分の一ぐらいは国内で濃縮したいという計画を持っているというような状況がこの六十年代後半に出てまいるわけでございまして、私どもといたしましては、今世紀末までぐらいには日本の需要の三分の一ぐらいはぜひ国産で濃縮をしたい、国内で濃縮をしたい、このような計画を持っておりますので、これが実現をいたしますれば、世界的な濃縮市場の緩やかなこと、また三分の一ぐらいは国産で行くというような方針が実現できれば、この濃縮の問題については需給バランス面からは心配ない、むしろ先生御指摘の石の確保という方がうまくいけば、そこまでは何とか行けるのじゃないか。
 また、二〇〇〇年を越えた時点では、プルトニウムの実用化という問題も入ってまいりますので、濃縮ウラン・プラス・プルトニウムの利用ということで、燃料問題に対しましては対応できるのではないか、このように考えているわけでございます。
#281
○吉田委員 供給を多角化すること、だから、おっしゃるとおり一方で国産化を進めることと、さらに対外的に相手を広げていく、この二つしかないと思うのですが、そういう点で、URENCOですね、イギリス、西ドイツ、オランダ、三国共同で濃縮の事業会社をつくっているようでございます。これがすでに商業工場を建設中でありまして、いま世界の各国に対して需要を求めておるというふうに聞いております。だとするならば、そろそろその方も一応こちらは名のりを上げておくというか、ある程度の予約の希望なんか、物を申しておくことは決して悪いことではないと思うのです。ちょっとその辺、話は先走るようですが。
#282
○田辺説明員 一九九〇年代におきます濃縮の需要に対しまして、先ほど来ございましたように、ベースはアメリカのエネルギー省からの供給ということで、これは二〇〇〇年ぐらいまで確保しているわけでございますが、その上に国産ということは御説明があったとおりでございます。
 先生御指摘のように、六十七、八年ごろから未手当て分が出てくるかと私ども想定しております。これにつきましては、やはり新規の海外事業者ということも当然視点に入ってくるかと思います。しかしながら、今後の濃縮市場の推移を見つつ、また、わが国の国産濃縮工場の進展を見つつ、電力業界とも十分調整をしつつ決めていかれるべきものと思っております。現在のところ、URENCOについて取引を持つということは、まだ視点の中に入っておりません。
#283
○吉田委員 国産化の方で濃縮の方法でありますけれども、一時遠心分離法かガス拡散法か、ずいぶんこの委員会でも論議されたわけでございますけれども、今後日本としては人形峠で動燃がやっております遠心分離法一本でやっていこうとするのかどうか。この辺もはっきりしておいた方がいいのじゃないかと思います。
#284
○石渡政府委員 一応、御指摘の人形峠でのパイロットプラントが完成したばかりの段階でございますので、当面遠心分離法で進んでいこう、このように考えております。
 なお、その技術一本やりということの体制を補完する意味で、旭化成に委託という形でございますが、化学法による濃縮ということも研究開発を進めているところでございます。
 なお、先ほどURENCOからの供給を考えてみたらどうかという先生の御提案でございましたが、基本的にはわれわれそういうことは現在のところ考えていないということでございますが、URENCOの技術は、ちょうど動燃が開発いたしました遠心分離法と同じ技術を持っているわけでございまして、製品をもらうという考え方をもし考える時点では、むしろ技術協力と申しますか、一緒にやっていける相手としても考え得るのじゃないかという考え方も一つのアイデアとしてお考えいただければと存じます。
#285
○吉田委員 URENCOに対しては、そういう積極的な技術協力の面からいろいろ双方技術を公開して、その成果を分け合っていくということであるならば、なおそれだけいいことだと思いますし、ひとつ大いに注目しながら対応していただきたいと思うのです。
 ところで、動燃のパイロットプラントから原型プラントまではわかるのですけれども、その後商業プラントをどういう形でやっていこうとするのか。その時期、方法、見通し等についてお話をいただきたい。
#286
○田辺説明員 先生御指摘になられましたように、原型プラント、これは動燃事業団、そして科学技術庁がいま支援いたしつつ計画を策定中でございますが、商業プラントに関しましては、これは遠心分離機の継続的な製造という観点から、原型プラントと商業プラントのタイミングの間隔を余りあかさない形で原型プラントから円滑に商業プラントに移る計画が重要だと思っております。
 私どもとしましては、総合エネルギー調査会等で、それから原子力委員会の方向づけを経まして、現在具体的に電力業界等とその計画について策定中でございますが、できる限り早い機会に、原型プラントの建設あるいはそれ以前の段階から商業化に対応する体制が民間ベースででき上がって、原型プラントの開発プロセスにおいて相互に技術のトランスファー、あるいはさまざまな経営のあり方について確立を図りつつ、昭和六十年代の半ばごろには、商業プラントによる濃縮ウランが生産され得るような計画をいま持っております。関係業界と話し中でございます。
#287
○吉田委員 うまくつながっていくために、そういう民間の関係会社といろいろ技術の交流を行ったり、その辺のスイッチをうまくつないでいこうとすることはよくわかるのですけれども、しかし、実際企業体が大きく変貌していくと思うのです。規模も変わっていくと思うのです。あるいはそういうものを受け入れる場所も、そろそろ設定していかなければならないのではないでしょうか。昭和六十四、五年と言ったってそう遠い先ではありません。
 同時に、私たちの聞いておりますところでは、そのころに一応年百五十トンぐらい生産し、かつ、昭和七十五年、したがって西暦二〇〇〇年のころには、三千トンぐらいの規模にしていこう、そうすれば、大体三分の一を確保することができるでしょう。長期的な計画がかなり早くから立てられないと、おっしゃるそういうスムーズな継続というものができないのではないか。何となく気になるわけなのでございますが、大丈夫ですか。
#288
○田辺説明員 商業プラントにつきましては、先生御指摘のように、できるだけ早い機会に遠心分離機製造の円滑な商業化への移行、それから原型プラン、から商業プラントへの移行のために準備体制を整えるべきだと思っております。現在、原型プラントにつきまして、動燃事業団を中心に具体的な検討が進められておりますが、私ども商業プラントを支援する立場からも、速やかに会社なりその体制ができ上がって、用地を含め、技術を含め、検討に入るよう関係業界を指導しているところでございます。
#289
○吉田委員 それから、先ほどお話がありました化学交換法、旭化成が独自に開発に着手しているようでございますけれども、これはこの分野で将来どの程度のシェアを持つものと期待しているのか、あるいはその将来の展望について、技術的にかなり安心できる見通しをすでに持っておられるのかどうか、もう少し御説明いただきたいと思います。
#290
○石渡政府委員 化学法による濃縮につきましては、基礎的な研究部門を科学技術庁が支援し、さらにその先の段階については通産省が応援をするという態勢で進んでおります。それで、すでに試験的にではございますが、三%の濃縮に成功したという結果も得ておりまして、相当将来性があるとは考えておりますが、この後将来どの規模までにということにつきましては、やはりコストの問題が大きなファクターになろうかと思っております。そういう意味では、まだパイロットプラント等の研究開発の段階が必要かと思っております。
#291
○吉田委員 次に、再処理の問題について御質問いたしたいと思います。
 昭和六十五年までの再処理の計画の一部は、動燃東海の再処理施設と、それからイギリス、フランスへの再処理委託によることとしているはずでございます。昭和六十五年ごろには、第二再処理工場を建設するために、すでに日本原燃サービス株式会社を設立して、現在鋭意立地の選定等に当たっている現状だと思います。
 このことに関しまして、通産省としては東海以外のところに新しくそういう規模のものを設けようとするのか、あるいはやはりきょうまでのいろいろな成果を踏まえながら、東海を中心としてそういうものができれば、新しい工場として確立させていこうとしているのか、あるいは用地的に東海に限定するとして、それくらいのことで長期的な対応ができるのかどうか、いろいろ御説明をいただきたいと思います。
#292
○田辺説明員 先生御指摘いただきましたように、第二再処理工場、すなわち商業再処理工場の建設に向けていま日本原燃サービス株式会社が準備中でございます。立地地点につきましては、現在のところまだしぼり込んでおりませんが、日本列島全体に関しまして広く図上調査をしておりまして、年内にはかなりの程度しぼり込むよう私どもは期待しているわけでございます。
 東海工場との関係につきましては、現在、原燃サービスの立地調査につきまして申し上げますれば、東海村への立地ということを考えていない、それ以外の広い分野にわたって調査しているという状況でございます。
#293
○吉田委員 次に、資金の面からでございますが約八千億円の金が第二再処理工場をつくることに対して必要であるというふうに聞いております。したがって、八割は開発銀行を主体とした市中銀行から協調融資を受けるのだろうと思いますが、あるいは二割は原燃サービスの増資によって賄うことになるのではないかと考えられるわけですが、資金面で、まず政府の方でかなり積極的な協力態勢を進めてやるべきだと思います。その点と同時に、再処理技術の実証性に関する研究の助成がいよいよ必要になってくると思うのです。こういうことに関しまして、通産省等ではどういう対応をしようとしているのか、御説明をいただいておきます。
#294
○田辺説明員 御指摘いただきましたように、第二再処理工場の建設資金、これはかなり膨大なものになることが見込まれております。八千億円という御指摘ございましたけれども、私ども予算べースで検討しております数字は七千億円ということでいま考えております。昨年度来、この建設所要資金に対しまして、国として日本開発銀行を通じまして長期低利の融資を行うということで融資枠を確保しております。これは対象工事に対する約六割の融資ということでございまして、大体三千億円くらいになるかと思っております。それ以外につきましては、まさに御指摘いただきましたように、市中の借り入れあるいは増資という形で確保いたします。
 それから、商業工場建設のための技術の確証ということでございますが、この技術自体はすでに確立されている、さらにまた東海村におきまして運転経験が積まれているわけでございまして、通産省としましては、大型化に伴う再処理の主要機器、主要なプロセスに関しまして確証試験を行うべく、原燃サービスに委託調査を依頼しております。
 今度決定いたしました予算案の中では、電源特別会計から今年度約二十六億円、前年度は約二十二億円でございました。総額約百五、六十億円の技術確証試験によって、この第二再処理工場が信頼性のある、かつ安全な技術を持った商業工場になるよう支援していきたいと考えております。通産省としては、そういう意味での支援策その他広報対策、それから立地に伴う環境調査等々、今後の進展に応じて電源特別会計の方から一応用意しているという状況でございます。
#295
○吉田委員 次に、再処理の許可条件について、特に日米原子力協定等で、米国の燃料を再処理する場合はその再処理についての許可条件をアメリカが持っておるわけでありまして、これはプルトニウムが原子爆弾等に使われないためのチェックである点はよくわかるわけなんですが、しかし、許可の簡素化とか円滑化ということは非常に必要なことでありまして、特にカーター時代、それからいまのレーガン時代、大統領によってかなりその辺の扱い方が変わったりすることが現に経験されたわけであります。こういう外交上の問題、政治上の問題も大きくこの分野では絡んでくると思われるわけでございますが、そういう点で、通産省や科学技術庁としてはいろいろな御苦労があるだろうと思いますが、なさっている御苦労やあるいは懸念等につきまして、あれば申していただきたいと思います。
#296
○石渡政府委員 先生御指摘のように、日米原子力協力協定におきまして、米国から受けました核燃料の再処理をわが国で行う場合、八条C項によって一件一件両国が共同決定をするということが要求されているわけでございます。これは東海村で処理をする場合でございます。それから海外に委託します場合には、また別の非常に小うるさい手続が必要だったわけでございます。
 そういう状況だったわけでございますが、昨年の十月に新しい日米の共同決定によりまして、昭和五十九年十二月末まで、現在東海村にある再処理施設については、十分な保障措置が講ぜられるということを条件に、能力いっぱい稼働することは結構であるということになりましたし、また、第二再処理の建設に向かってもいろいろな処置を講ずることは結構であるということになったわけでございます。そういう意味では、現在時点では前よりは相当好転を見たということが言えるかと存じます。
 ただ、この現在の決定も、昭和五十九年十二月末までということでございますので、表面上は期限が切られているということでございますが、昨年十月に日米間でいろいろ議論をした過程におきまして、何も五十九年十二月末までに切るというという意味ではなくて、それ以前に、なるべく早い時期にもっと恒久的な解決策をお互いに相談してまとめましょうという話になっているわけでございます。
 そういうことで、私どもといたしましては、日本側といたしましてそういうより長期的な、ロングタームあるいはパーマネントという言葉を使っているわけでございますが、再処理問題についての解決を急ぎたいということをいろいろな機会をとらえて米側に申し入れているわけでございます。
 ところが、最近その状況を見ておりますと、米国側の状況が、あるいは担当者が急にかわってしまうとか、あるいはプルトニウムの政策について、原案はできたのだけれども、なかなか最終決定に至らないといったようなことで、どうもこちら側の希望のようにスケジュールが進んでいないというような感じが出てきております。
 そういうことでもございますので、恒久的な解決に向けまして、一日も早く日米間でテーブルについて相談を開始するという機会を何とか早くつかみたいということで、そのチャンスを模索している段階でございまして、場合によりましては、相当の責任者の方にアメリカに行っていただきまして、その辺の促進方を図るということも考えなければならないのではないかというふうに内々相談をしている段階でございます。
#297
○吉田委員 許可とか認可とか、これは日本もアメリカも役所の世界というのはなかなか大変だろうと思うのです。まして国が違うわけでございますから、いまお話がありましたとおり、必要な折衝は随時強力に進めて、かつ双方の間に深い理解と信頼関係が、絶えず安定的に約束されておるというようなことに間違いのないように、一層の御努力をお願いしたいと思うのです。
 最後に、廃棄物の処理の問題でありますけれども、五十七年の一月末に、低レベル放射能の廃棄物でありますけれども二十八万八百トンのドラム缶が、その処理の方法が定かでないままに積み上げられると聞いております。十年後で、このままでいけば大体どのぐらいのドラム缶の数になるのか、あるいは昭和七十五年、われわれの聞く話によりますと、それは二百万本を超えるのではないかというようなことも聞いております。そうなればなかなか容易ならぬ問題だと思うのです。まず、その辺の数の見通しについて、お述べいただきたいと思います。
#298
○石渡政府委員 まず、廃棄物の発生量の予測でございますが、まず現状から申し上げますと、現在ため込んでおります低レベルの廃棄物が、各発電所にきわめて安全な形で保管されているわけでございますが、可燃物あるいはセメント固化体がそれぞれ三分の一、残り三分の一が不燃物という形になっております。
 それで、今後の発生量につきましては、やはりまずそういう廃棄物が出るのをなるべく抑える、減容技術を大いに発展をさせて、余りふえないようにするというのが手っ取り早い話でございまして、こういうことでいろいろな技術開発をあわせ進め、そしてそれを採用していくという形で、恐らく、一九九〇年ごろで二百リットルドラム缶で約百万本程度に抑え込めるのではないか、このように考えております。二〇〇〇年時点ですと、それが約倍になりまして約二百万本ぐらいになろうか、このような予測でございます。
 では、それをどうするかということでございますが、やはり基本的には海洋投棄と陸上処分の併用で行くべきであるというふうに考えておりまして、量的にはそれぞれ半分ずつくらいの姿になるのかなとは思っております。海洋処分につきましては、御存じのように国内の関係業界あるいは関係諸国と申しますか、その地域の方々といろいろ御相談をさせていただいておるという状況でございます。また、陸地処分につきましては、まだ基礎的な技術開発と申しますか、特に安全性の問題をどのようにチェックするか、陸上処分に対する安全確保という点につきましての研究開発を進めているということでございます。
 なお、最近新しい一つのアイデアとしまして、集中的に保管したらどうかというような考え方も出てきておりまして、それも一つのオプションであるかなということで検討を始めようとしているところでございます。
 なお、先生十分御承知のことと存じますが、発電所から出てまいります低レベルの廃棄物の質的な検討をしてみたわけでございますが、大体九〇%ぐらいは線量率が十ミリレントゲンということでございまして、俗な表現で申し上げますと、そのドラム缶に二、三時間抱きついていると、レントゲン写真一枚撮った分ぐらいの線量率であるというようなものでございますので、安全性については十分対応策がとれるわけでございます。
 あとは、そういう海洋処分あるいは陸地処分につきましての、国民のあるいは諸外国の理解を得るという点が一番のポイントであろうかと考えておりまして、そういう観点のもとに、さまざまな努力をいままでもやってきたつもりでございますが、今後とも一層強力に進めてまいりたいと考えている次第でございます。
#299
○吉田委員 いろいろ詳しい御説明があって、その努力を多とするものでありますけれども、しかし、中川長官にも御相談があるのです。
 われわれ原子力発電所なんか見学に行きますねヘルメットをかぶって、それから軍手をつけて、それから靴にカバーをかけますね。聞くところによりますと、ああいう軍手とかあるいはカバーはそのまま全部ドラム缶に詰められる、こう聞いているわけなんです。いまのお話でしたら、可燃物と不燃物とを分けてやられるようでした。あんなものは燃えるものですからもっと小さくできると思うのですね。原子力発電に取り組んだ初期の時代においては、できるだけ完璧を期すためにいろいろと神経質なばかりに、それを隔離したりあるいは特別な処分をすることを考えられた時代、それは私は間違いではないと思うのです。
 しかし、かなりの経験を経た今日、もっと処理の方法で努力と知恵を働かせれば、たまってくるドラム缶というものも、結果はずいぶん違ったものになるのではないかというふうに思うのです。大臣がどっかで、おれはドラム缶に抱きついたけれども何の変化もなかった、結構それが大事なことだと思うのですね。必要以上な、余りにもアレルギーの過ぎた体質があるとするならば、そういう点を徐々にみんなが理解と納得をしながら、この問題に対応をしていくという時代にそろそろ入っていいと思うのです。それは決して放射性物質を侮れということではございません。その辺の限界はきちんとわきまえながら、この廃棄物の処理についてもいろいろ知恵と検討を加えるべき時期ではないかと思うわけですが、長官はどのようにお考えでしょうか。
#300
○中川国務大臣 御指摘のとおりでございまして、放射性廃棄物の処理は国民の皆さんに迷惑をかけてはいけないということを基本に置かなければなりませんけれども、もう少し研究の余地があるのではないか。確かに使用したものではあっても、全く国民に影響のない、人間生活に影響のないというようなものを仕分けをして、もう少し減容技術というものを開発すべきじゃないか、こういうようなことで、科学技術庁としてもそういったことに深い関心を持ってそれぞれ研究を進め、もちろん、これを軽視するというようなことではなくして、きちっとある線をわきまえながらそういった努力をして、量を減らしこれに対する対応をしやすくする、こういうことで努力をしたい、こう思っております。
#301
○吉田委員 それからこれも長官にお伺いしたいのですが、海洋処分と陸地処分と二つの方法しかないと思うのです。いろいろマリアナ諸島初め太平洋の島々の住民たちはいやだという反応をきつく示しておりますね。むしろあなた方の国よりもおれたちの東京の方に近いのだと説明はしてみても、やはりこの種の問題は、外国の人たちを納得させるのになかなか難解な問題があると私は思うのです。
 そこで私は、できることならば、海洋処分もそれはそれなりにいいとは思うのですけれども、まず陸地処分というものを基本として考える。時間とともに減衰していく性質のものですから、それから最終的に、もうこれでだれが見たって大丈夫だという段階で海洋処分をする方法もあると思うのですね。わが国は小さい国でありますけれども、まだまだ百万本や二百万本ぐらいのドラム缶ぐらいは、何とか努力すれば処理できるキャパシティーはあるはずでございます。また現に、北海道の幌延町あたりでは、環境整備センター等にかなり積極的な誘致の動きがあるやに聞いておりますが、そういう基本的な考え方の点で長官はどうお考えになりますか。
#302
○中川国務大臣 低レベルの放射性廃棄物については、長期的には陸地処分、海洋投棄、この二本立てになっております。そこで、国際基準等にも照らして、南太平洋の国々と日本との中間よりむしろ日本に近い側の海洋に投棄したい、そこで試験投棄をしようということでございましたが、まだ納得をいただいておりません。
 ただ、いろいろ説明しても納得しがたいところがあるんですが、現地の方々に、品物そのもの、現物を見せる、原子力発電を見てもらう、そういうことが一番理解が早いのではないかということで、今後はそういった理解を深める方法もやっていきたいし、また御指摘ありましたように、安全なものであるということを示すためには陸地処分についても進めていく、これも必要だと思います。
 幸い、幌延町では貯蔵施設でという声もありまして、いま環境整備センターの方でどう対応するか、非常に強い地元の要請でございまして、この点ありがたいことだと思っておりますが、今後そういったこともどう対応するか検討して陸上、海洋投棄ともに進めながら、ともに成功させたい、こう思っております。
#303
○吉田委員 嫌がられる海に無理に捨てるよりもおれたちの方で考えてやろう、そういうありがたい地域も現に出てきておるわけでございますから、あくまでも国内で処理する、まずはわが国の領土の中で処理するんだ、そのぐらいの毅然たる決意と自信をそろそろ原子力の分野でも持った方がいいのではないか。海に捨てるのもそんなに危険だとは思いませんけれども、いつでも捨てることができるわけでありますから、そういう方針を持っていいのではないかと思うわけなんです。
 同時に私は、低レベル放射能よりももっと重要なのは、高レベルの放射能の廃棄物をどうするかという問題だと思うのです。ガラスによる固化を図るとかあるいは地層処分をするとかいろいろなことが言われておりますけれども、昭和六十二年ころにこれが本当に実用化するのかどうか。
 時間がなくなってまいりましたので、あわせて聞きますけれども、廃炉の問題につきましてもこの委員会でもときどき質疑が交わされているようでございます。どう対応するかということはそろそろ考えていい時期に来ているのではないかと思うわけでございます。高レベル廃棄物をどうするか、あるいは十五年先あたりから起こってまいります原子炉の廃炉そのものと、その後の活用や処理をどうするのかということにつきまして承りまして、私の質問を終わりたいと思います。
#304
○石渡政府委員 高レベルの廃棄物につきましては、現実に東海村の再処理工場から発生しているわけでございますが、これのガラス固化の技術につきましては、昭和六十二年度から固化貯蔵パイロットプラントの運転による実証試験を行うという計画のもとに、きわめて計画どおり研究開発が進められております。
    〔委員長退席、岸田委員長代理着席〕
これはフランスではすでに成功している技術でございますので、わが国でできないことはないというふうに信じているわけでございます。その後、三十年ないし五十年間完全な管理のもとに冷却期間を置いて地層処分をするというのが基本的な考え方でございまして、そういう意味では来世紀の話になるわけでございますから、今日から計画的に研究開発をきちんと進めていくというかたい方針のもとに、一歩一歩進めさしていただいているという現状であることを御報告申し上げます。
 それから廃炉につきましても、これはまだ十何年先に現実の問題になるんだということではございますが、今日からその問題意識を持ちまして、いろいろ海外での事例、また図上での研究に加えまして、現在原子力研究所にございます動力試験炉を、将来炉の解体のモデルといたしまして解体してみるということまで含めまして、約十年計画で炉の解体の技術開発を進める。現在の技術でも可能であるとは考えられているわけでございますけれども、やはり作業の安全性、特に作業者の被曝の問題、また、その結果出てまいります廃棄物の処理の問題をも含めまして計画的な研究開発を進め、その時代に備えたい、このように考えている次第でございます。
#305
○吉田委員 ありがとうございました。終わります。
#306
○岸田委員長代理 山原健二郎君。
#307
○山原委員 最初の質問は、去る四月十九日に当委員会が筑波研究学園都市へ参りましたときに、いわゆる遺伝子組みかえ研究施設の問題につきまして地元の代表から要請を受けたんです。委員長は代表にお会いしたわけですが、私どもは会っておりません。ただ文書で地元婦人の会の代表の方、それから谷田部町の建設地区に隣接する茎崎村牧園地区のP4反対同盟の文書をいただいておるわけです。
 この問題はけさほど竹内委員の方から質問がありましたので、できるだけダブらないように質問をしたいと思いますが、そのほか昨日学研労協の方が記者会見をしておりまして、科学技術庁を含めて要請書を出されておると聞いております。その中には、谷田部町議会の連合審査の議事録が欲しい、それから設置区域は住居専用区域である、こういうところにP4を置くのはふさわしくないではないか、三番目は、安全性が確認されたと発表しているけれども、その場合のバックデータと議事録を提出してほしいなどの要請が出ているわけであります。経過についてはもう申し上げませんが、この問題は科学技術庁という国家機関が直接関係をしておる問題でございますから、当然地元との間の問題は処理すべきだと思います。
 まず最初にお伺いしたいんですが、遺伝子組みかえ施設の検討会ができましたのはいつでございましょうか。
#308
○下邨政府委員 遺伝子組換え研究施設検討会を設置することを決めましたのは、五十六年の八月三日でございます。
#309
○山原委員 経過を見ますと、ライフサイエンスP4の予算というのは五十六年度の予算でついております。五十六年度予算でつくということは、五十五年の八月の概算要求ですでにこの計画が出されていると見なければなりません。そしてさらにさかのぼって、五十五年の六月以降、科学技術庁におきましてライフサイエンス部会で検討されておりますし、それが地元で表面化しました、たしか五十五年の十二月に谷田部町に対してあいさつ程度の申し入れをして、そこから次第に地元新聞も取り上げますし、表面化してきたというふうに私は聞いているわけですが、この段階ではまだ地元の関係機関もほとんど知らないという状態でございます。
 五十六年の予算が通り、五十六年の五月にはブルが入りまして工事が始まる、こういう事態を迎えるわけでございます。そのときにはすでに恐らく設計ができておったと思いますし、その後この検討会がいまおっしゃったように五十六年の八月に生まれるということですね。そして文書を読みますと、この検討会が五十六年の九月に検討を始めまして、本年の二月に安全であるという結論を出しておるわけでございます。
 こういう経過を見ますと、いかにも、地元が騒ぎ出したから、安全性を含めての点検をする検討会が後で生まれるという事態になっているのではないかと思いますが、私は、少なくとも科学技術庁の関係するこういう重要な施設を設置する場合に、これは逆のやり方ではないかと思いますが、これは矛盾がないとお考えでしょうか。
#310
○下邨政府委員 検討会の設置につきましては早くから考えておったわけですが、メンバー選びに時間がかかりまして、八月三日に正式に決定したというようなことでございます。予算の段階で概念設計と申しますか、そういうものをつくって要求するわけでございます。それが決まったところで実施設計に入っていくわけでございまして、そういう段階で安全性について十分検討するということで始めたものでございます。
#311
○山原委員 この検討会が安全であるという結論を検討結果として本年の二月に出されておりますが、これは単に安全だというだけでなくて、この基礎となる資料、あるいは検討会で論議されました会議録を当然明らかにすべきだと思いますが、そういうお考えはございませんか。
#312
○下邨政府委員 この遺伝子組みかえ研究施設が計画されたわけでございますが、この施設に関しまして、安全確保に万全を期すために先ほど申し上げました検討会を開催したわけでございます。そこで各方面の第一級の専門家によって検討されまして、施設の設計とか運営について、その安全性に問題がないという結論をいただいておりまして、その結果について報告書として取りまとめ、すでに公表したところでございます。
 この検討会を始めるに当たりまして、先生方の忌憚のない御意見を遠慮なく開陳していただくことが必要でございますので、だれが何を言ったとか、そういう審議の過程については公開しないというお約束をいたしまして議論をしていただきました。途中の議論の内容については公開することを考えておりませんが、報告書を取りまとめてその結果について公表しておりますので、この報告書によって御理解をいただけるものと考えております。
#313
○山原委員 この報告書は説得力がありません。これは、関先生おいでになりますけれども、この間から関根浜周辺の活断層の問題でも、それはないのだという資料が出てまいりましたが、それの背景になる資料を出しなさいというとなかなか出さないということですね、これは東北電力の場合ですけれども。これは単なる営利企業と違いまして、科学技術庁という国の機関がやっているわけですから、安全だという結論を出す限りは、住民を納得させるだけの資料に基づいて出すのが私は当然だと思うのです。
 これを見ましたら、確かに「検討結果」として、「排気処理方式、負圧管理方式、排水処理方式、火災対策、地震対策、安全管理体制等について検討した結果、その設計及び運営に係る安全性は十分に確保されると知見されるとの結論を得た。」これだけです。中身何にもないのです。ただ安全だ、安全だ。原子力発電所の問題をめぐって、至るところで電力会社の資料について問題が起こるわけですね。そういう経験をみんなしているわけですが、少なくとも科学技術庁が直接関係しておるこの問題、しかも住民の反対があるという事実はけさほど竹内さんがお話しになったとおりでございますから、それに対して単に報告書を出した、しかも報告書を読みましたら、たとえば住民がどうなっているなんか、全然出てないのですよ。
 これはどういうことかといいますと、六ページから七ペーシに予定地の検討が出ておりますけれども、これは産学官の研究に都合がよいということだけ出ているのです。確かに、筑波研究学園都市ですから、筑波につくることは産学官の研究には都合がいいでしょうけれども、しかし、予定地域の周辺には、五ヘクタールの外側には普通の民家があるわけでしょう。そういうことを考えましたときに、学者の皆さんはいろいろ意見を出されたと思います。その意見が率直に出るために議事録は見せないということはわからぬではありませんけれども、しかし、少なくとも安全だという問題については、これだけの資料に基づいて安全なんだということを示さなければ、住民が納得するはずはないと私は思うのです。住民の方に私は会っておりませんけれども、しかし、よくよくこの私どもに対する要請文を見てみますと、こういう疑問が起こる、あるいはまた反対をしたいという気持ちが起こるのも当然だなという気持ちがするわけです。むしろその意味では、私は同情的ですね。
 まだこの問題は論議されると思うのですが、長官、これはいわゆる国家機関がやる仕事ですね。二十一世紀を展望するライフサイエンスということで、これからこれがどういうふうに発展していくか、無限の能力を持った研究をされるわけでございますから、その研究に反対をするわけではありませんが、そういうものをつくる上では、立地条件その他については国として相当責任のある態度を確立して、住民の方たちに対する話が行われるべきだと思いますが、その点は長官、どうお考えになっているでしょうか。
#314
○下邨政府委員 この報告書がまとまりましてから、地元の谷田部町長、谷田部町議会に対しまして建設の促進方につきまして協力要請を行い、その後各地で本当の技術的な検討会を催されましたが、理研からも私どもからも、また反対の立場の方からもいろいろと御議論がなされたというふうに伺っております。そういうことで、いろいろな御説明を申し上げまして、御理解を得てきていると考えているわけでございます。
#315
○山原委員 理解を得ているのだったら、きょう社会党の竹内さんが質問されましたね、あんなことは起こらぬはずでしょう。それでも理解を得ているというふうなお考えですか。
    〔岸田委員長代理退席、委員長着席〕
#316
○下邨政府委員 私ども誠心誠意御説明を申し上げておりまして、町の議会でも、連合審査会におきまして建設促進について採択をするというようなことをやっていただきました。非常にありがたいことだと考えておりますし、私どもの御説明が御理解いただけたものというふうに考えております。
#317
○山原委員 これはけさ説明がありましたように、連合審査会でも、反対と賛成、同数とは言いませんけれども、相当接近した数字が発表されましたね。それで、少なくとも国家がまかり間違えば危険なものを包含をするものを設置する場合には、住民の大半が納得するというぐらいの努力は必要なんですよ。連合審査で、その中身も発表されないようなところで納得したのだからいいのだというような横着な考えでは、また「むつ」と同じ失敗をしますよ。私は、そのことを指摘して、きょうはおいておきたいと思います。
 次に、動燃事業団に関する今回の再処理工場のトラブルの問題でありますが、御承知のように四月十一日に溶解槽に生じた事故、特にピンホールが生じた場所についてお伺いしますが、これは溶接部のところでございますか。どこがピンホールを起こしたのですか。
#318
○中島参考人 お答えいたします。
 溶接部とはまだ限定しておりません。現在、その可能性も含めて検討中でございます。
#319
○山原委員 最近のピンホールによるトラブルを見ますと、この再処理工場で五十三年八月に蒸発缶に生じております。その次に、五十六年の二月に精留塔で生じていますが、いずれも高クロムニッケル鋼のパイプ、腐食に強いと言われる高クロムニッケル鋼になぜ穴が生じるのかということですね。
 時間がございませんから、私の党の瀬崎議員が、昨年の三月二十四日に、前の精留塔におけるピンホール事故について質問をいたしております。それは、耐用年数数十年と説明している高クロムニッケル鋼がこんなに早く腐食して穴があくとなると、材質に問題があるのではないかとただしております。これについてただして、さらに溶接部の安全審査上の見直し、材質の再検討の必要性を指摘をしたのでありますが、赤羽政府委員はこのことにつきまして、再処理工場の安全対策に基本的に関係するとは思わない、こういう答弁をされております。
 それから、もう一つ議事録を見てみますと、昨年の四月二十一日に水田議員が、今後もこういうトラブルが生じることが考えられるので、より抜本的な検討を要求をいたしておりますが、これに対しまして参考人として中島さんが、「あの部分は何が何でも穴があいてはいけないというものとはわれわれも考えておらないわけで、いわゆる工場の安定運転のために、いかにそういうことによる停止を少なくするか」を検討したいという答弁をされております。これは少し後で釈明をされているわけでございますが、こういう答弁をされて、ずいぶん軽い認識を持っておられるという印象を受けるわけであります。
 ところが、今度は穴があいてはいけないというところに穴があいたわけでしょう。だから、徹底した抜本的な検討をしなさいと私の党の瀬崎議員も言うし、水田議員も、社会党の方だと思いますが、質問しておるのに対して、そんな大したことはないのだ、穴があいてもいいところなんだと言わんばかりのことを言っておるのですが、今度は穴があいてはいけないところにまたピンホールが生じたということに対してはどういうお考えを持っておるか、責任を含めてしっかりした答弁をしていただきたい。いかがですか。
#320
○中島参考人 昨年のことでございますけれども、穴があいていいという言い方ではないと思いますが、いずれにいたしましても、硝酸濃度が濃くて温度が高いところというのでは、ある程度のそういうトラブルと申しますか、リークの可能性はあるだろうということを申し上げたわけでございます。
 それから、そのための安全対策といたしましては、万が一漏れた場合に備えまして、その下にドリップトレイという受け皿を設けてありますし、それに漏れた場合には、次のベッセルに送れるような装置もできております。それから、今回のものはドリップトレイとかなんとかでございませんで、加熱用の蒸気の凝縮水の方に入ったわけでございます。したがいまして、一切そういう容器から外へ漏れたというものでもございません。まして、それがまたそういう場合に備えまして、系統は廃棄物処理系に行きますので、そういう意味では、従業員に対する問題はもちろんのこと、環境に対しても全く影響がないというところで、これは安全性が確保されているということを申し上げたのだと思っております。
#321
○山原委員 いまの御答弁なんかもずいぶん人を食った話だと思うのですよ。ピンホールというのは皆さんの方が言われているわけですね。
 それではお伺いしますけれども、この修理はどうするのですか。この改修、修理は大体どのくらいの期間でできるのですか。どれだけの費用が要りますか。御答弁いただきたい。
#322
○中島参考人 私、決して軽く考えているわけではございません。
 それからいまの御質問でございますが、まずやることは原因の調査でございます。この調査によりまして、その次のステップを考えたいというふうに考えております。
#323
○山原委員 確かに、外部に出なかったとかあるいは作業員に支障がなかった、それは結構なことで、前の精留塔のときの経験が警報機その他に生かされたということについては、私は動燃の方の努力に対して結構なことだったと思っていますよ。思っていますけれども、いまおっしゃったように、まだその故障の原因の究明ができていない。昨日もお伺いしたのですが、非常に懇切な御説明を関係者の方からいただきまして大変感謝しているわけですけれども、しかし、これを修理するということになりますと、前の精留塔の場合には中へ入って修理ができたのだけれども、今度の場合はどうするか、修理対応策としてロボットで修理をしなければならぬ。そういうロボットはあるんでしょうかと言ったら、ロボットは開発しなければならぬという。こういうことですよ。
 そうしますと、これは単なる放射能が漏れて人がけがしたということではなくて、あってはならない事故がここに発生しているわけでしょう。しかもその原因をこれからりかまえなければならない。原因をつかんで修理する、その修理ずる機械を開発しなければならぬということになると、もともと三基つくるというのが二基になっているわけですね。一基が今度故障しておりますから、一基で処理できるからいいんだ、こうおっしゃるけれども、あっさり言えば片肺飛行です。片肺の方に重みがずっしりかかってくるわけでしょう、素人が考えましても。期間がいつまで続くか、原因がわからぬと期間がわからぬでしょう。これは科学技術庁長官に対して動燃事業団がどういう報告をするのですか。
#324
○中島参考人 いろいろ御心配いただいておりまして、ありがとうございます。
 それで、われわれさっきから申し上げておりますように、原因究明中でございます。その原因究明をしたら、その先の話でございますが、これはその結果を見なければまずいけない話でございますけれども、実はあの傷んだ方の溶解槽、これは加熱系が二系統ございます。今回のものは下の、そのうちの一つでございます。われわれとしましては決して楽観してはおりませんけれども、いままでの経験から照らしても、その原因を明らかにした上で、もう一つのジャケットを使っての運転ということを、これは当然関係当局とも御相談いたしますけれども、そういうことの可能性について私は十分あり得ると思っておりますが、そういうことについて御相談したいというふうに思っております。
 それから、いま先生おっしゃいました修理の話でございますが、これはいろいろ調べておりますけれども、全く同じというものはございませんけれども、現在かなりその方面の技術も進歩しております。これは特に日本が進んでおるのではないかと思いますので、それらの進んだ技術も十分に取り入れて、それはそれでまたもう一つの解決策として進めたいというふうに考えております。
#325
○山原委員 私のような素人が余り声を荒らげるのはおかしいのですが、いまの処理能力は現在の状態でどの程度なんですか。いままでの処理の能力に対しまして、現在どの程度になっているか、教えていただきたいのです。
#326
○中島参考人 ちょうど二基ありますのが一つになりましたので、約半分でございます。
#327
○山原委員 そういうことで、やはり再処理工程から考えまして、かなり未完成の部分があるのではないかということを感じるわけです。先ほども第二再処理工場の話が出ましたけれども、むしろこういう経験を生かして、再処理工場におきましては、実験あるいは研究のプラントとして本当に基礎研究を徹底的にやっていく必要があるのではないかと私は思っております。
 そして科学技術庁として、動燃事業団に対して各種の点検を去年の一月十七日に指示されておりまして、その報告が出ているわけです。このピンホール問題についての点検指示、それについての動燃の報告書、これは昨日見せていただいたのですが、それによりますと「内部点検等」というのがありまして、「セル外の酸回収精留塔については」ということで、精留塔についてのチェックはここに出ておるわけでございます。やはり瀬崎さんや何かが指摘しましたように、本当に安全審査について絶対にトラブルが起こらないようにチェックする、いわゆる安全審査基準をもう少し厳密に見直すべきではないかという点から見ますと、これはかなり不十分な報告がなされていると私は思うのですが、これは、科学技術庁としてはこの報告で十分だとお考えになっているのかどうか、これをお聞きしたいのです。
#328
○赤羽政府委員 再処理施設につきましては、同じ科学技術庁でございますけれども、私ども安全規制の立場からの監督と、それから再処理技術を確立し、再処理事業を進めていくという立場の監督と、二つの監督が行われているわけでございます。
 私どもは、安全面だけを強調して監督いたすわけでございますし、また運転、修理その他につきましても、安全面の方を優先して考えるという立場でございます。その立場から見まして、前回いろいろな点検をしてもらったわけでございますが、安全面を第一に考えます場合に、こういう高濃度の硝酸を高温度で使う場所といいますのは、現在のところ、かなりの技術が確立されて安定した運転をできるまでになってはおるわけでございますけれども、まだ溶接あるいは加工の面で、事前に予測できないピンホール等のトラブルが起きる可能性というのが絶無ではございません。したがいまして、安全面だけから見ますと、そのようなことをあるものと前提いたしまして、あった場合に、たとえば放射性物質が系外に漏れたり、あるいは従業員に被曝を与えたりしないような対策を十分にしているかどうか、この点に重点を置いて点検しているわけでございます。
 このウラン溶解槽につきましては、御承知のとおり非常に高濃度の放射性物質を含んでいるところでございますので、ときどき細かいピンホールまで点検するということは実質上不可能でございます。安全規制の立場からは、仮にあったとしてもそれが十分食いとめられる、それからいち早く察知できる、そういう体制が確立していることを確認させた上で安全とみなしているわけでございます。
#329
○山原委員 きょうはこれ以上やりませんけれども、本当にこういう点については厳密な姿勢をとっていただきたいということを要請いたしたいと思います。動燃の方、どうもありがとうございました。
 次に、「むつ」の問題について、もう時間もありませんが、一つは原子力船研究開発事業団、これは昭和六十年三月三十一日までしか存在しないわけで、その後どういうふうになるかということは論議されているわけですが、六十年三月三十一日までといいますとあと三年ですね。この間に一応の原子力船「むつ」についてのめどをつけなければならないという事態を迎えておると思うのですが、その間に新母港をつくる、あるいは各種の試験を済ます、それぞれに伴う地元との相談を済ます、実に盛りだくさんの仕事量、こういうものが残っているわけでございますが、科学技術庁が考えているこの問題についてのタイムスケジュールというものはどういうことになっておるのか、最初に伺いたいのです。
#330
○石渡政府委員 先般の法律改正によりまして、現在の日本原子力船研究開発事業団は昭和五十九年度末までに他の原子力機関と統合するものとするという規定がございます。しかし、その節にるる御説明申し上げましたように、この現在の事業団が持っております機能はそのまま存続するのだということを申し上げている次第でございまして、五十九年度末という時点で看板は変わりますけれども、機能はそのまま継続するのだ、特に研究開発機能は手つかずでという形で継続いたしたいというのが基本的な考え方でございますので、五十九年度末に何かが切りがついていなければならないという考え方はとっておりません。
 そういう前提で考えまして、今後のいろいろなプロジェクトの推進、研究開発の推進を考えてまいりたい、このように考えている次第でございます。
#331
○山原委員 もし「むつ」が出力試験その他をやりました場合に、今後事故が起こるという場合には、どこで修理をするというお考えですか。新定係港で修理をする、新定係港に修理施設をつくるというようなお考えを持っているのですか、どうですか。
#332
○倉本参考人 現在私ども、遮蔽の改修工事を行っており、また一方におきまして、安全性の総点検の中で、ハードの点検等を行い、また、さらに安全性向上という面からの補修工事を行っておるところでございます。
 現在の私どもの行っております総点検及びこれからの、工事の完了時の試験等におきまして安全性の確保は十分にやっていきたい。また、私どもとしては、安全確保に自信を持って対応できるということでございますが、将来またいろいろトラブルが起きるかどうかということにつきましては、私どもとしては、そのようなトラブルはもう二度と起こしたくない、起こさないということで対応をしていきたいと考えておるところでございます。
#333
○山原委員 これは天下の名言になるわけでして、これだけの船、これだけの施設、この安全性について疑問を抱く者は現代の科学に挑戦するものだという、かつての森山長官の話があって、そして無理にやったら途端にああいう事故が起こったということでございますから、これはやはり相当慎重な姿勢が必要だと思うのですが、そこを幾ら聞いても、事故は起こらないようにするのだということを言われるだけで、あっさり言えば、やってみなければわからぬという、いかにも科学にふさわしくない答弁を聞くわけですね。これでは前進はないと私は思います。人を納得させる力もないと思います。
 ところで、原産会議の原船懇談会の諮問を受けるような形で、海運業界が日本船主協会の中に幹事会を設置して、原子力商船の実現への展望を検討してきておりまして、先ごろ検討結果を意見にまとめております。その中身は申し上げませんけれども、とにかく経済的、社会的、あらゆる面から見て、今世紀中の原船の商船への適用は不可能との結論を出しておりますが、これは御承知でしょうか。
#334
○倉本参考人 原子力産業開発会議の方で現在、原子力船の経済性の問題を含めて検討しておられるということについては承知いたしております。それが近く最終的にまとまるというお話は聞いておるわけでございますが、その報告書については、私どもまだ拝見しておりません。
#335
○山原委員 最後の質問になりますけれども、これは日刊工業新聞に「原子力商船 今世紀実現はムリ 高価格、寄港に反発も 海運界が判断」ということで出ておりまして、私も、昨日連絡をしまして、この協会の方からけさ、この報告書をいただいたわけであります。
 その中身を見ますと、経済性の面から検討を重ね、一九九〇年をめどとした荷動き量の需要予測、技術面から原子力船の船種、船型、航路を想定して、そのメリット、デメリットを比較したということです。その結果、実現の時期については、一、まだ原子炉の技術が確立していないことに加えて高価である、二、社会的環境が原船を容易に受け入れる状態ではないことなどから、今世紀中の原船の商船への適用は不可能との結論を出しております。特に原船の価格の試算もしておりますが、三十万トンの専用船の場合、原船の価格は、十二ノットの場合で二百六十三億、二十二ノットの場合で四百六十九億、普通の商船の倍以上かかります。しかもこの試算の中には、廃船になる場合の費用は含まれていない。廃船費用は莫大なものになる。こうなると、二十一世紀に入ってからも原子力商船時代が来る見通しは立たないのが現状であると思われるわけでございまして、現在、資本主義の国でも原子力船は動いておりません。
 こういう実態から考えまして、「むつ」の問題につきましては、この性格としまして、拙速に走ることなく、広範な専門家を結集して、あるいは審議会をつくるなど、技術的、経済的、社会的側面から慎重に検討して対処すべきものであって、ごり押しや無理押しは絶対すべきものでないと私は思っておりまして、そのことを強く科学技術庁並びに事業団に対して申し上げておきたいと思います。
 近いうちに五者の会議が開かれる予定があるでしょうか。あるとすれば、そこではどんなことをお決めになるおつもりでございますか。最後に伺っておきたいのであります。
#336
○石渡政府委員 五者の間の御相談、事務レベルあるいはさらに上のトップレベルといろいろ考えられますが、まず事務レベルでいろいろ今後の進め方について御相談をさせていただきたいと思っております。
 それから、先ほどの原子力商船の実用化の見通しについての考え方でございますが、昭和五十五年に原子力委員会におきましても検討いたしまして、主として経済性の問題から、その実用化の時期は二十一世紀に入るころというふうに見通しておりまして、長い目で見て研究開発を進めていきたい、このようにわれわれも考えているところでございます。
#337
○山原委員 終わります。
#338
○近藤委員長 次回は、来る五月十三日木曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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