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#1
第096回国会 科学技術委員会 第6号
昭和五十七年五月十三日(木曜日)
    午前十時三十四分開議
 出席委員
   委員長 近藤 鉄雄君
  理事 岸田 文武君 理事 小宮山重四郎君
   理事 保利 耕輔君 理事 与謝野 馨君
   理事 関  晴正君 理事 草川 昭三君
   理事 和田 一仁君
      中村喜四郎君    平沼 赳夫君
      前田 正男君    武部  文君
      斎藤  実君    山原健二郎君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      中川 一郎君
 出席政府委員
        科学技術庁長官
        官房長     宮本 二郎君
        科学技術庁計画
        局長      下邨 昭三君
        科学技術庁原子
        力局長     石渡 鷹雄君
        科学技術庁原子
        力安全局長   赤羽 信久君
 委員外の出席者
        外務省経済局海
        洋課長     渡辺  伸君
        資源エネルギー
        庁石油部開発課
        長       深沢  亘君
        資源エネルギー
        庁公益事業部業
        務課長     植松  敏君
        資源エネルギー
        庁公益事業部開
        発課長     渡辺 光夫君
        資源エネルギー
        庁公益事業部原
        子力発電課長  戸倉  修君
        建設省河川局水
        源地対策室長  佐藤 幸市君
        参  考  人
        (日本原子力船
        研究開発事業団
        理事長)    井上啓次郎君
        参  考  人
        (日本原子力船
        研究開発事業団
        専務理事)   倉本 昌昭君
        科学技術委員会
        調査室長    曽根原幸雄君
    ―――――――――――――
五月十日
 原子力発電所等の防災対策に関する陳情書(東
 海北陸七県議会議長会代表石川県議会議長宮地
 義雄外六名)(第二三五号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 科学技術振興の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
#2
○近藤委員長 これより会議を開きます。
 科学技術振興の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 科学技術振興の基本施策に関する件について、本日、参考人として、日本原子力船研究開発事業団理事長井上啓次郎君及び同専務理事倉本昌昭君から意見を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○近藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
#4
○近藤委員長 これより質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。与謝野馨君。
#5
○与謝野委員 中川国務大臣にお伺いしたいのですが、ことしに入りましてから急速に、ヨーロッパ、またアメリカ、日本で核廃絶の問題が非常に高まりを見せつつあるわけです。核廃絶に対しては、鈴木内閣は、六月の国連軍縮会議で鈴木総理みずからが行かれて日本の立場を表明されるわけですが、中川長官は、核廃絶運動に関してはどういうお気持ちでこの運動を見ておられるのか、その点をまずお伺いしたいと思うわけです。
#6
○中川国務大臣 軍備核については、これはもう人類にとって破滅的なものでありますから、廃絶ということは原則的に賛成のことである、理想である、こう思います。ただ、そのことがアメリカ側の持つ核廃絶、アメリカを攻撃するだけであってはならぬのではないか。やはり全体として核廃絶という運動でなければならないし、またソビエトが相当持っているとすれば、抑止力としての、バランスとしての核保有ということも考えなければならない。そういうことを考えつつ、長期的に全体として核が廃絶されることは望ましい、こういうふうに思います。
 もう一つは、核廃絶に名をかりて平和利用までこれを阻害する、こういう運動になっていくということも、これは間違ったことではないか。軍備核の長期的な意味での廃絶、こういうことで行動を起こすことがあるということには賛成いたしますけれども、一方的であったりあるいは平和利用を阻害するというような運動になっていくことはよくないことではないか、こう思っております。
#7
○与謝野委員 そこで、総理が国連で演説される草稿というのは、いま案文が練られておるわけで、当然閣議にも出てくるはずですが、私は、総理が国連の軍縮会議で核廃絶を全世界に訴えられるのは非常に重要な意義を持ったことだと思いますが、いま中川長官が御指摘になったように、核廃絶という話をしますと原子力の平和利用の方もやめてしまうのだというような誤解を生じる向きもあるわけでございまして、総理は核廃絶という人類の理想を十分国連の軍縮会議で訴えていただきたいと思いますけれども、それと同時に、総理に国連において平和利用の重要性ということも同じ演説の中で私は訴えていただきたいと思うわけです。その辺に対して中川長官はどういう御見解をお持ちでしょうか。
#8
○中川国務大臣 総理は、あるいは政府は原子力の平和利用については積極的に推進の考え方を持っております。私も、代替エネルギーとして、二十一世紀に向かって核融合の時代へのつなぎのエネルギーとしては欠かすことのできないものである、こういう立場をとっておりまして、これはサミットその他においても意見交換を行い、そういう方向に行くのだろうと思うのです。
 軍縮会議においてそういった姿勢を一方で示すかどうかということについては、場所が場所だけに、軍縮ということに限られた場所ですからどの程度言えるかどうか、アピールできるかどうかわかりませんが、そういった気持ちは発言の中に入れていただきたいものだ、こういう気持ちで総理にも話してみたい、こう思います。ただ、どの程度入るかについては、軍縮という限られた会議の中でございますから限度はあろうかと思いますが、御趣旨はよくわかりますし、そういうことで努力してみたい、こう思います。
#9
○与謝野委員 中川長官が冒頭に言われましたように、核廃絶という話をしますとすぐに西だけの核廃絶というような誤解を生む。やはり東西間の核バランスあるいは相互の核軍縮ということが重要なことであると同時に、核廃絶の運動と原子力の平和利用というものが、初歩的な誤解でとかく混同されがちだということに、私は非常に深い憂慮を持っているわけでございます。閣議等におきまして国連軍縮会議におきます総理の演説草稿が出てまいりましたときには、ひとつ総理の演説の中で平和利用というものも一方では強調されるという方向で日本国の立場を明らかにしていただきたい、私は、そういう努力を中川長官に重ねて強く要望いたしまして、私の質問を終わります。どうもありがとうございました。
#10
○近藤委員長 関晴正君。
#11
○関委員 長官が十一時には出ていかれるということのようであります。十一時から十五分までは不在、その後またお見えになる、こういう御予定のようですから、この御予定を了としまして、おられる間先に長官にお尋ねをし、おいでになればまた続いてやりたい、こう思います。
 去る四月二十六日、長官は関根の浜においでになられまして、関根の浜の漁民ともお会いしていろいろお話もされたわけでありますが、まず、長官が関根の浜を訪ねての御感想をひとつ伺いたいと思います。
#12
○中川国務大臣 昨年の五月でございましたか、五者声明によりまして大湊には仮停泊をさせていただく、関根浜に新母港を建設する、そういう基本的な合意ができておりまして、関根浜に母港を建設することについていろいろ話し合いをしてまいり、建設に関して調査の説明をすると同時に補償交渉に入りたい、こういうお願いを文書をもってしておりましたが、私みずから参りまして、国際的なエネルギーの厳しさ、二十一世紀に向けて原子力平和利用が大事である、海運国であるわが国が将来そういう事態を迎えて、舶用炉というものが必要になってくる時代が十分想定される、そういうことからするならば、原子力船「むつ」を推進していきたい、ついては文書をもってお願いしておりますけれども、どうか御協力をお願いすると同時に、建設に当たりましては国と地元関根浜の皆さんとが共存共栄できるように最善の努力をいたしますので、何とか建設に関する補償交渉に御同意を願いたい、こういうことでお願いを申し上げました。
 質問者が一人、二人ございましたが、必ず共存共栄できるようにしてくれという切なる御要望もありましたし、また一部には、こんなところへ持ってきてもらっては困る、いや共存共栄を図るのですからと言ったら、共存共栄も何も要らない、そっとしておいてくれという意見もありましたが、全体的には、国がそういった目的を持っておるなら協力するが、やはり地元がよくなるということも考えてもらいたいというのが大方の御意見ではなかったか、そういう感じで受けとめて帰ってきましたし、その後五月二日でございますか、漁民の皆さんの意をただしたところ、大多数の皆さんが建設に関する補償交渉には同意をする、反対者もございましたが、そういう流れになっておるということでございます。
#13
○関委員 大臣が青森へ行くか行かないかということについてはっきりしない。急にはっきりして二十六日においでになった。せっかくおいでになったのだから少なくとも中川長官は十二分に漁民とのお話もするであろう、こう思っていたのですが、全く漁民とのお話のないままに帰ってきたのじゃないだろうかと私は思う。
 形式的に漁協の役員を並べ、自民党の県連会長を据え、そうして知事、市長らを座には置いたけれども、鉢巻き姿でのぼりを立てて、中川長官に、われわれ漁民としては困るのです、こういう訴えをしておられる漁民に、ひざを交えて心配するなとか、またどういう意見があるのかという時間を当然とってくれるものだと思っておりました。よその人ならばともかくとして、中川長官は反対運動の諸君にも手を挙げて御愛想をしてくれるほどの度量のある方でありましたから、中川帰れ中川帰れというものすごいシュプレヒコールにもかかわらず、にこにこして手を振ってくれる。ですから、当然漁民ともじっくりお話をする、そういうことが必要だ、私はこう思うのですが、どうしてそれをしないままにお帰りになってしまったのか。
 そうして時間がないのかというと必ずしもそうではない。お帰りになる途中で一杯飲んだり歌ったり踊ったりする時間は結構とっているわけなんです。何もそれを悪いとは言いませんよ。しかし、漁民はあすのわれわれの漁業がどうなるのかという心配をしている。しかも長官は、特別に文書をもって共存共栄という言葉を示しているわけです。そうでしたら、心配するな、漁港はこのくらい大きくしてあげるとか、あなた方の漁業権についても特別に考えてあげるとか、そういうような心配は一切要らないのだとか、こういうお話がじっくりされてしかるべきではなかったかと私は思うのです。
 あなたがやあやあと言って歩いているとき、反対だぞ、うそこくなと叫んだ方があった。うそこくなというのは津軽弁でうそつくなという意味です。そのときにあなたは、いや本当ですよ、歩きながらこうおっしゃった。私は、あなたが青森県に来て、あの浜に来て、一挙手一投足全部見ておっただけに、惜しいなと思って感じたのです。やはり大事なことは、反対する漁民に長官の誠意のあるところを、少しはじっくり座ってお茶を飲みながらでもあそこで過ごしてくるべきではなかったのかな、こう私は思うのです。
 特にそう思う理由は、翌日むつの市長はいろいろな点を挙げまして、この母港建設の見通しについては、とてもとてもいまの段階でよしとするわけにはいかないのだという明確な文書を出しているわけなのです。そういうことを思いますと、長官は何のために行ったのだろうな、五月二日の漁協の総会は何が何でも多数で通ればいいだろう、このためのデモンストレーションにすぎなかったのかしら、私はこうまた思うわけなので、長官は漁民の心を肌で酌み取るだけじゃなくて、言葉でも酌み取って当たるべきじゃなかったのか、私はこう思うのです。そういう点について、長官はあれでたくさんだ、もう万事うまくいったのだ、こうお思いになっているのかどうか、伺っておきます。
#14
○中川国務大臣 二十六日に突然行った、こういう話でございますが、実は行くまで国会の都合がありまして、私も自由な身ではありませんで、はっきりお約束しても国会等で御要求があれば約束は守れないわけですから、確定ができなかったということは事実でございます。おかげをもちまして、国会その他の関係から許されましたので二十六日参りました。
 そこで私からごあいさつを申し上げ、漁民の皆さんの忌憚のない御意見を聞かしていただきたい、皆さんの意見も聞きに参りました、こう申し上げて、御意見を伺う時間も十分ではありませんでしたが、どうぞ御自由に、こういう中に二、三の人の御発言がありました。その他御意見ありませんかということでありましたが、御意見がないということでやったのであって、私はその意見を避けてきたということではありません。
 それでもと思いまして、会が終わった後中の方に入っていって鉢巻きを締められた方々にもお会いをして、何か反対ならば――こういう理由で心配だとかということではなくて、ただ反対だ反対だ、来るな来るな、こう言うだけですから、時間をとてっみても、ひざを交えて話してみてもという感じもありました。今後とも、疑問を持っている点、話したいという空気があるならば十分話していきたい。
 港の予定地を見た後も街頭にたくさんの人が立っておりました。そこへ行きまして、どうぞひとつと言ったら、反対だと言うだけであって、反対の理由がこうこうこうだからということであれば十分時間をとりまして申し上げたいと思いますが、ただ反対だと言うだけでは意見の交換にはならない。心配ないようにしますからどうぞ、こう言う以外ありませんで、私としては誠意を持って話をする気持ちもありましたし、また最大限努力をしてきたつもりでございますが、十分でなかったと言われるならばまた反省もいたしまして、今後とも、物事は理解と納得の上に進めなければいかぬ、こういう基本姿勢でございますから、御指摘を踏まえまして、今後とも十分に話し合うという姿勢をとっていきたい、こう思います。
#15
○関委員 関根の浜というのは、本当に漁民の浜なのです。漁民というのはなかなか物を言わない。いまの政治勢力からいけば、まず漁民は自民党の一番の支持層でしょう。そう見ていいと思うのです。漁民は自民党の支持層なのだけれども、それでもあの漁業をやっている方々、漁業で生きるためにはこの浜が心配だという方々、のぼりを立てて鉢巻きをしてなんということは歴史にないのです。あれは、決死の覚悟であれでもあなたを迎えているのです。
 労働組合の諸君たちは、労働運動やそこらで旗を振ったり鉢巻きをしたりするのは日常茶飯事のことで、慣習的にもなれているが、あの関根の浜、本当に開けざる浜と言っていいでしょう。その漁民の方々が権力に物を申すなんということはよほどのことなんです。それでも長官来たんだから静かにというわけにもいくまいと言うて、あれは寝ないでつくったのぼりであったと思うし、旗であったと思う。また真ん前には、補償よりもわれわれの命の海を守るんだというすばらしい絵、ポスター、大変な力作であったと私は見ます。長官もあれはまともに見てきたのだろうと思います。また至るところに、われわれの浜を守るんだ、あれは外人部隊がつくってあげたり書いてあげたりしたものじゃありません。まるっきりあそこの浜の方々が自力でつくったものです。それだけに、あそこの浜の方々の強い反対の意思なんです。
 なあに社会党のやつがまたいいかげんに仕組んでやっているんだろうと思っているとすれば、あんなまねにはならないと思う。われわれが仕組んでそういう指導をしたりしてということは全くありません。むしろ彼らの方には、もっとわれわれのことをよく指導してくれないかという強い要請があります。
 ですから、あなたをお迎えしたときも、言うなれば一般的にこの措置に反対だというわれわれの側の諸君たちと、あの漁民の反対の諸君たちとは隊列を別にして、一緒に見られたくないということで、特別離れてあなたを迎えておるわけなんです。われわれもまた、われわれの運動が彼らを利用しているという形に見られてはいけませんから、彼らの自主性において反対のことは反対のことでやってもらおうということでやっているわけなんです。私は行ってみてびっくりしました。こんなにこの方々がのぼりを立てて長官に反対なんだということを言うために集まったなあ、大した姿勢であった、こう思っております。
 そういう意味で、私は前のときにも、中川長官というのは漁民の心を知ってくれる長官だから、いまはそういうことであるとしても、あるいはまた考えを別にすることもあるのじゃなかろうかと思いましてある程度また期待をしておった。漁民にも、あの人はあなた方の心を知る人だから、せっかく来た機会にはよくお話をしておいたらいいだろう。ところが、時間もなくてさっさと行っちゃった。あなたの方から何かないかと、歩きながら愛きょう振りまいて、中川スマイルよろしくやってくれておることはそれなりにわかります。わかりますけれども、漁民の方々の構え、気持ちというものは、そういう点で、あれはあの非常に封建的な生活の中から立ち上がっている姿なんだということぐらいは、ひとつきちんと長官もとらえておいて位置づけてほしい、こう思っております。
 時間がありませんから、長官が帰ってきてからこの分の続きをまたいたしますので、どうぞ出かけてください。
 それじゃ次に、原子力船事業団の方に、帰ってくるまで質問を続けます。
 私は事業団にとにかく申し上げたいことは、さきの私の最後の質問のときに倉本専務は、室内試験のことについてもいろいろ言うておりました。しかし私は、あの答弁の中で合点がいかないことがあるなあ、こう思いましたから、後刻取り上げますよということもあなたの方に申し上げておきました。
 それは、陸上試験における六つのボーリング、六つのボーリングをしていながら、あなたは二つはN値をはかるためにやった、あとの四つはN値をはかるということが主目的でなくてやった、こうおっしゃいましたよね。それで私は、その後持ってこいと言ったんだけれども、四本のボーリングの結果というものもまだ提示されておりません。また、われわれに提示されている一本のほかのもう一本についてもきちんと見なければならないと思っておりますから、それもひとつ持ってこい、こう言って、見たいと思っておるのですが、問題は、六つボーリングしたならば、六つのボーリングをなぜきちんと私どもに報告しよう、提出しようとしないのです。しかもさきの委員会でお答えになったあの内容で合点するわけにはいきません。
 そういう意味では、あとの四本はじゃ何のために調べて、N値の必要はないとしてN値は調べないまま終わって、そうして過ごしてきているんですか。この間の答弁だけでは私は納得いきません。なぜ六本ボーリングしたなら六本のボーリングの結果を出さないで一本だけ出して、あとの一本はいまもって公式には出しておらないで、そうして四本は一体どんな姿であったんです。出してくださいよ。N値も調べないボーリングというものは何の意味があるのかも示してください。先にその点聞いておきます。
#16
○倉本参考人 このボーリングにつきましては、私どもの方では海の方に三本、それから陸の方で六本のボーリングをやったわけでございます。それで、陸の方の、いま先生がおっしゃいましたこの六本のうち、N値と申しますか、いわゆる標準貫入試験というのをやりまして、N値を測定したのは二本でございます。それから、ほかの四本につきましてはオールコアボーリングというものを実施をしておるわけでございます。それで、このN値を求めますために標準貫入試験に供しました試料は、これはN値を求めますとともに室内試験を幾つかやっておるわけでございます。それでこのN値を求めるために標準貫入試験をやりますと、室内試験を行いますための圧縮試験とかそういうような幾つかの試験項目についてはできなくなる、コア自身の。とにかくこれができなくなりますので、そのN値の測定は一応二本のボーリングに限って実施をいたしたわけでございます。
 それから、ただいま先生お話のございました室内試験等につきましては、とりました土の粒子の比重でございますとか、含水量とか粒度等の試験につきましては、これは標準貫入試験に使いました試料でも試験が十分できるということで、これらの試験につきましてはすでに実施をいたしておりまして、これらのデータ等については地元の方々にはすでにお示しをしてあるところでございます。
 それから、N値を測定をいたしましたのは二本でございますが、この二本のうち私どもの方の立地といいますか、新定係港建設が技術的に可能であるという結論につきましての御報告書の中には、代表的な例としてその一本の方についてのみデータをそこにお出しをしたわけでございますが、残りの一本のものにつきましても、これは地元の方々には私どもの調査をいたしました生データを皆すべてお出しをいたしておりますので、地元の方には、県、市、漁業組合等にはこれらのデータもすべてお渡しをいたしておりますし、また、御説明の段階でもこの面についての御説明をいたしておるわけでございます。
#17
○関委員 ボーリングも、陸上のボーリングを六本して二本はN値をはかった。四本はN値をはからなかった。はからなかった理由は、N値をはかると他の室内試験ができなくなるからだ、そうですか。理由はそうですか。そういうものですか。
#18
○倉本参考人 私ども今回の技術的な可能性を一応つかむというために、必要最低限のものとしてN値を二本、それから残りの四本のボーリングにつきましては、これはフルコアをとりまして、これらのとりました試料に基づいて室内での各種試験を行うということで、その試験結果につきましては、これは今後の設計を行ってまいりますための資料として使うということで現在解析をいたしておるところでございます。
#19
○関委員 N値にしろあるいは室内試験にしろ、一体のものでしょう。N値だけでその土壌の、その土質のかたさの測定というものは適当でないから、室内試験というものもやってさらにそれを裏打ちできるような結果が出るかどうか。N値も室内試験も一体でしょう。N値をとれば室内試験ができない、室内試験をやるためにはN値はできない、そんなものですか。そういうふうにできていますか。それはうそじゃありませんか、あなたの話は。四本のことだって、あなたの方はN値をとったんでしょう。とっているんだけれども、余りよくないからないことにしたんじゃないですか。N値と室内試験の関連は何も出てこないじゃないですか、そんな調べ方で。
#20
○倉本参考人 私ども決してうそ偽りを申しているわけでございませんで、この六本のうちN値をとりましたものは二本だけでございます。
 それで、陸域で行いました、N値をとりますその標準貫入試験を行いました二本のボーリングのコアにつきましては、土の粒子の比重、それから含水量、湿潤密度等の試験は行っているわけでございますが、これは先ほども申し上げましたように、これらの結果につきましては、むしろ今度の技術的な可能性の判断といいますよりも、今後のほかの試験結果とともに総合的に解析評価を加えた上で、今後の設計に反映をしていくための試験でございます。
 それから残りの四本のボーリングにつきましては、ただいま申し上げましたN値をとったそのボーリングといいますか、そこで行っておりますと同じ土の粒子の比重、含水量、湿潤密度等の試験のほかに、粒度、液性限界、塑性限界、それから一軸圧縮あるいは三軸圧縮とか岩石比重、それから動的な単純勢断等の試験を行うことにいたしておるわけでございまして、これらの結果につきましては、これも総合的に解析評価を加えて、今後の設計に反映をしていくことにいたしておるわけでございます。
 それでこれらは、今回の技術的な可能性等についての判断ということにつきましては、もちろんN値の問題、それからまた、さらに別途行っております弾性波探査の問題、これらをあわせまして地質構造がどういうぐあいになっておるかということの判断をいたしまして、その判断の上で、今回あの土地に定係港をつくることが可能であるという判断をいたしたわけでございます。
 それから、室内試験といたしましての土質試験とか、それから岩石試験とか、こういったものにつきましては、その結果を今後の設計に反映をさせていくということで、技術的には、あの土地に港をつくるかどうかという判断を下すために特にこれらの結果がなければ判断をし得ないというものではなく、これらのものは今後の設計に反映をさせていこう、こういう考え方でございます。
#21
○関委員 もう一回確認したいと思います。じゃ陸上で行われた四本のボーリングにおいてはN値はとらなかった、これは本当ですか。
#22
○倉本参考人 とっておりません。
#23
○関委員 N値もとらないでそうして室内試験だけやったというならば、室内試験の結果はいつ出せるのですか。
#24
○倉本参考人 これは現在まだ解析中の段階にございますので、これが終わり次第、これについて設計の方へ反映をさせていこう、こういうぐあいにいま考えておるわけでございます。
#25
○関委員 いつ終わるのです。いつ出せるのです。
#26
○倉本参考人 いままでも、済んでおります海域についての室内試験の結果、粒子の問題、粒度の問題等についてはすでに御報告もいたしておりますし、また、陸域の方も結果の出たものについては一応資料としてお出しをしておるということでございます。
#27
○関委員 私の聞いているのは、あなたの方で室内試験をやって発表したものとまだ発表できないで解析中だというものがあるのでしょう。全部終わったのですか。室内試験の結果の発表は全部終わったのですか。どうなんです。
#28
○倉本参考人 これはまだ全部は終わっておりません。
#29
○関委員 何が残っているのです。
#30
○倉本参考人 室内試験の方の岩石試験等の方がまだ終わっておらないということでございます。
#31
○関委員 私の言いたいのは、少なくともあなた方がここの場所が適地だというならば、適地だというデータは調べたものすべて出して、その上において発表すべきものだと思う。液性限界の問題にしても、あるいはまた含水の比率の問題にしても、とっているところもあるし、出ているところもある。あるいは一軸圧縮試験についても三軸圧縮試験についても、やったのかやらないのかわからないものもある。大事な室内試験に大変な金をかけているはずだし時間もかけている。それがまだ出てこない。まだ出せない。それでいて適地でありますなんというのが言えるのですか、言えないのですか。適地であると発表した後に幾多のデータをこの後に出さなきゃならないという。これは物の進め方においてでたらめじゃありませんか。
 少なくともこの地域が適地だとするならば、ボーリングをした結果についてもきちんと発表して、この点についてはウイークポイントがございます、この点においては大丈夫であります、こういうふうにすべきでしょう。あなた方の出しているものを見なさい。いいどころについてはちゃんと、これは良質であります、この程度のものはよろしいと思いますと、こう書いています。しかし、悪いところについては悪いと書いていませんよ。悪いところには悪いと書いてない。数値だけを出してそのままにしておる。これは忠実でありませんよ。いま例を挙げて申し上げますから。私はうそを言っているのじゃないのですから。
 そのほかに大事な室内試験においてすべきこと、あるいは単位体積における重量であるとか、それらのものを白紙のままにしてあなた方の方は出しているのでしょう。あるいは一つの地耐力といいますか、一平方センチメートル何キロまでいいのだ、一平方メートルにおいて何トンまで可能だとか、こういうのは出しているのですか出していないのですか。三月十四日に発表した段階においてあなた方は適地なりとして、その後なお調べて、これこれについていま検討中、解析中。しかも地質の調査というのは重要な部分ですよ。そういうやり方で何でいいということになるのです。しかもいま、これから発表します、こう言っているのでしょう。その性質の発表というものはそれほど後でもいいものなんですか。それは後でくっつけて出せば済む資料なんですか。そこを教えてください。
#32
○倉本参考人 今回の私どもの報告は、いまの新定係港の関係の施設を技術的につくることが可能であるかどうかということについての見通しを立てたものでございまして、したがいまして、今後その技術的な見通しの上に立ってどのような具体的な設計をしていくか、この設計をしてまいりますためにはいろいろなデータがもちろん要るわけでございます。現在までの調査の結果では、確かに不十分なものもまだあるわけでございまして、これらについては現在も調査を継続しておるものもございますし、今後設計のための調査を改めて行っていくというものもあるわけでございます。それらの点を含めまして、私どもといたしましては、今回の技術的な可能性の確認ということに必要な調査はすべて一応やっておるというように考えておりますし、その上に立って、今後安全な施設の建設を行うための設計も十分できるという確信を持っておるわけでございます。
 そのために、私どもといたしましては、今後とりましたデータをもとにしてきちんとした設計ができた段階におきましては、設計の基礎になりましたものについて、もちろんはっきりさせていかなければならないと思いますし、また、当然これらの施設につきましては政府関係機関の審査、特に安全審査等もございますので、それらにたえ得るための設計、また、これらの審査にたえ得るためには当然バックデータ等もきちんとしたものを整えておかなければ、これはもちろん許可、認可も得られないわけでございますが、それらについては今後の調査、設計の段階で十分それが達成できるということに私どもは確信を持っておるところでございます。
#33
○関委員 液性限界試験と塑性限界試験と一軸圧縮試験、この結果は出ておるのですか。出ておるなら数値を示してください。
#34
○倉本参考人 この液性限界試験それから塑性限界試験でございますが、現在、この海底の方で行いましたボーリングについて通常行われる試験、これは比重試験とか含水試験、粒度試験等を実施をいたしておるわけでございますが、この液性限界試験、それから塑性限界試験といいます試験は粘土のような非常に細かい粒度に対する試験項目でございまして、この関根の地区のように、基礎地盤となりますのは砂質土でございますが、この砂質土につきましては、これらの試験は意味のないものでございます。
 それから陸域についての室内試験といたしましては、比重試験、含水試験、粒度試験等のほか、上層にある一部の粘性土のものにつきましては、液性限界試験、塑性限界試験というものを実施することにいたしておるわけでございます。が、この粘性土の部分は、附帯陸上施設をつくります場合におきましても、その基礎地盤となる層ではございませんで、これまでに得られたデータから見て、これらはまだ解析を今後やっていくわけでございますけれども、現在までに得られたデータから、今後の技術上問題になるようなものではないというような結果が出ておるわけでございます。
 それで、先ほど先生がおっしゃいましたいろいろやることになっておる試験がやられてないじゃないかという点につきましては、この試験のデータを記入いたしますその用紙が、一応決められた形の特定の用紙を使っておりまして、その中で試験を行った項目についてのみそのデータを記入しておるということでございまして、空欄の場合は、必ずしもそれらの試験を行うということにいたしておるわけでございません。
#35
○関委員 一軸圧縮試験の答弁、残っていますよ。
#36
○倉本参考人 この一軸圧縮試験の問題でございますが、これは先ほど申し上げましたが、いまの液状化の問題と同じように、海域のボーリングにおきまして、やはり砂質土の場合には一軸とか三軸の圧縮試験というものは行わないのが普通でございますので、今回は実施をいたしておりません。
 それから陸域の方のものにつきましては、これは今後陸上附帯施設を建設する上で三軸の圧縮試験等を行うことにいたしておるわけでございまして、現在これは解析を行っておる段階でございまして、それらの結果が出ましたら、今後それを設計の段階で反映をさせていきたい、こういうぐあいに考えております。
#37
○関委員 そういうような試験というものはやってもやらぬでも適性である、そういうようなものは用のないものだとあなた方は見ておるのですか。私の聞きたいのはここです。そういう結果なんというのは後でもいいことであって、どうあろうとこうあろうと、その試験の結果というものは母港の建設には関係のないことだ、こういうふうにお考えですか。
#38
○倉本参考人 これは先ほども申し上げましたように、施設と申しますか、定係港関係をそこに建設するということについての技術的な見通しを立てる上では、それらの試験結果を必要としない。しかし、これらの試験の結果が全く不要であるということでございませんで、この施設の建設のために必要な設計をやっていく上におきましては、これはもう当然私どもとしてはやるべき試験についてはやって、そのデータを用いてその設計を進めていくという点で、この設計、建設の段階におきましては、当然行うべき試験、データまたは解析等は手を抜いていくとか、そういうようなことは全く考えておらないわけでございます。
#39
○関委員 非常に事の進め方の論理が相反しているわけだ。私どもの場合は、これが適当なその条件を持っていると言える限りは、あなた方が誠意を持って調査した内容――必要だから調査したんでしょう、適性の可否を調べるためにした調査でしょう。必要でないと言うなら何も調査しなくてもいい、決まった後でもやればいい。少なくともあなた方が必要だと認定したところには理由があってやったわけなんだ。その結果が出ないでも適なり不適なりという判断ができるんだというこの態度が私は正しくないと思っている。要らない資料なら金かけなくてもいいんですよ、あなた。適地であるかどうかということのためにした調査でしょう。建築設計のためにというのも当然そのことです。建築設計のために必要な資料というのは、適、不適についてもまた比較検討すべき必要な資料なんだ。それを、あなた方が三月十四日の段階において出したものと、後でいいというものとに区別をして当たっていることについて、私どもは合点がいかない。
 もう一つ申し上げます。
 あなたは、陸上部面においては必要だけれども海上部面においては必要でない、海上部面でとったものについてはすべて可なり、こういう態度なんでしょう。それでは、海上部面でとったところのM2のボーリングの問題です。M2のボーリングの内容はどうです。このボーリングの内容というものはりっぱなボーリングの結果でしたか、答えてください。
#40
○倉本参考人 このボーリングでございますが、そこの試験の結果によりますと、この土の粒子の比重でございますが、これは約二・七程度でございまして、いわゆる砂質土としては一般的な値を得ておるわけでございます。また、粒度分析の結果でございますが、その結果は砂分が七〇から七五%でございまして、また一方、粒度配合のよしあしの指標となります均等係数と申しますが、これが約五〇前後でございまして、そういった点からは粒度配合のよい土質であるという結果を得ております。また、含水比でございますが、これは標高マイナス五十メーター付近で五三・八%となっておるわけですが、そのほかは全般的に二〇ないし三〇%でございまして、この含水比が大きいというものではございません。
 それから、いまの含水比の五三・八%というところが若干高いわけでございますが、この土層につきましては、粒度分析の結果やはり砂質土という判断が下されております。しかもこれは海底面下三十五メーターのところでございまして、またその層の厚は三メーターないという程度のものでございまして、この点については地盤として問題になるようなものではないということでございます。
#41
○関委員 ただいまの発言は大変重要です。含水比が五三・八ということは、体積で比較しますと、水が五九%で土粒子が四一%ということになります。水の中に浮くような土粒子です。土粒子の中に水があるのじゃなくて、水の中に土粒子が浮くような状態ですよ。これを、どうして大したことはないとあなたは言うのです。しかも海底の近いところならばまだわかります。海底の深いところですよ。三十五メートルのところでしょう。標高からいけばマイナス四十五、六メートルになるでしょう。そういう深いところに含水比が五三・八、簡単に言えば、水の中に砂が浮かぶような状態です。六割が水で四割が砂ということでしょう。どうしてそれが大したことないのですか。これは判断の誤りじゃありませんか。誤りでないと言うなら答えてください。
 上部にあるならば水分は幾らか多いなということもある。深いところにあるわけだ。しかもこの場所は深くとらなければならないだけの理由があってとったところでしょう、他の場所と違って。ただ深くとっているのじゃない。必要があってとっているのです。その深いところにおいてそんな姿、あとその下の方はいいからいいだろう、これはサンドイッチ地盤の最たるものでしょう。そうでないと言うなら答えてください。そうしてこれが良質だなんて、どうして良質だなんて言えるのです。だれがそんなことを言って教えているのです。そこまで答えてください。
#42
○倉本参考人 いまお話に出ました含水比でございますが、土の含水量の定量的指標となりますこの含水比でございますが、これは、ある質量の土の中に含まれる水と土粒子の質量との関係でございまして、いまの含水比五三・八%といいますのは、いわゆる水がどの程度入っておるかという含水率に直しますと、含水率は三五・〇%に当たるわけでございます。
 それで、この土の含水比は構造物の基礎地盤として考えます場合、それ自体が問題になるのではなく、含水比が多いか少ないかということが土の間隙の大小をあらわすといった点から、その土の強度特性とか圧縮特性というようなものを判定をする指標となるわけでございます。この支持特性と申しますか、上部の構造物を支持します支持特性から見ますと、海底面から深さ三十メーター程度のところまでにN値が五十以上の十分な厚さの土層があるわけでございまして、これらの層が施設の荷重を支持いたしまして、それより深いところの土層はそれほど問題にはならないのでございます。
 また、そこに設置しました構造物が、年がたつにつれまして沈下したり不等沈下とかそういうようなことを起こす可能性があるかどうかということを判断いたします圧縮性の問題でございますが、これらの点で、私どもの方の得ましたデータから見て、この点については問題がないという判断をしておるところでございます。
 それから、ただいまサンドイッチ地盤というようなお話が出たわけでございますけれども、サンドイッチ地盤といいますのは技術的用語ではございませんで、地震等のありましたときに、いわゆる上の方で粘土層と申しますか、非常に薄いシラス層とか、非常にかたい地盤のところに、埋め立てのようなところでやわらかいような地盤があって、そのためにそこに建っておった建築物等が倒れたとか、地震のときにいろいろそういうようなことが確かにございまして、このサンドイッチ地盤とかいうような言葉がその段階で出たようでございます。
 この関根浜の地盤につきましては、大体三百メーター近くのところまでは非常に安定した地層が続いておりますが、その中で、確かに多少N値の低い部分も出ておるわけでございますけれども、そのN値の低いところがあるからといって軟弱な地層ということは言えないというぐあいに判断をいたしておるわけでございます。また一般に、その建物を地盤に支持させた場合に、力は下に行くほど分散をいたしまして、下の方に、深いところに多少N値が小さいという部分があっても、これは問題にならないということでございます。
#43
○関委員 これはとんでもない話です。しかもいまの場合、含水比が五三・八%、高いということについて、下の方であれば、下がるほど、そのくらいに高いたって大したこともない、いまの発言は誤りだと私は思います。問題は、そういうところにあるということは、下になるほどかたいというならいいですよ。下になるほど怪しいものがあるということは、その下に行けば、またN値は五十で何とか救われるだろう、これはわかります。この高いところと高いところに引っ込んだ低いものがある。それがあることによって受ける影響というものは、至るところの地震において事を起こしているわけですよ、いわゆるサンドイッチ地盤というのは。何も学者の言葉ではないけれども、経験的にそういう言葉が出てきた、取材した記者のところから出てきた言葉だと言われますが、なかなかうまく言った言葉じゃないだろうかと思うのです。
 ですから、表面に近いところであれば、耐震性の設計だとか何だとかいうものはある程度考えられるでしょう。しかしながら、深くなったら技術的に施すことは大変でしょう。あと、それ以上やらないからいいのだと考えているとすれば、それも間違いです。その下にそういうものがあるとなれば、自信を持ってやれないでしょう、その上が幾らかたいったって。ですから、あなた方が言っているのは、何でもかんでもいいようにいいようにとりたいという心情が働き過ぎている。そしてそういうことでもちょっと言う御用学者があれば、その方に耳を傾けたくなる。でも科学というものは客観的でなければならない。学者によって違うなんというところにいまの日本の混乱があると思うのです。だれが見ても真理は真理、しかし、クエスチョンがつくものはクエスチョンがつくものとしておくならばいい。
 いまのようなところは、はっきりとあなた方の方の図面においてもあらわれているわけですよ。あなたがいまこの答弁のところで、三十メートルのところはN値が五十だからいいだろう、こう言う。その下のところになると十とちょっとのところなんです。N値が四十と五十の間を高くなったり低くなったりしているというならば何もサンドイッチとは言いませんよ。二十以下なんです。十とちょっとのところなんです。あなたは三メートルやそこらなら大したことないと言う。これは大変な話ですよ、下がもたないんだから。
 こういうところも気をつけなければならない、こういうところについても考慮されなければならない、こういうことであなた方の方の文章が表現されていればまだわかるのです。ここについては何の論評も加えていませんよ。さすがに良心があったから、いいとは言えなかったとみえて、これは加えていない。この点は、こうして指摘しているのもたまたま一つなんです。
 ですから、陸上部面においての室内試験というものもちゃんと出して、六本ボーリングしたら、二本だけN値を見てあとの方は見なかったなんて、初めはそうじゃなかったですよ、あなたは私に答弁したときは。同じようなものだったから出すこともなくておきましたと言ったんです。これは完全にうそであった。うそなんです、あなた、私が一番先に問うたときに答えた答弁というのは。だから、倉本専務というのは、うそを言うこと平気なのかしらとときどき思う。長年の経験者であれば巧みに言葉を使うことができるとしても、うそを言っては困りますよ。
 しかも活断層の生データについて、いまもって私どもには見せない。しかもこの活断層では、震度六、七が予想されると言っている。震度六、七が予想されても、耐震設計が可能だと言うことができるのですか。できないからこそ、活断層がない方がよいから、解析の結果ないと判断したのでしょう。ないと判断したならば、どうです、貝塚先生なんかがお出しになった資料について、間違っているという申し込みか申し入れかして理解を求めるとか、あるいはあなた方の方での見解を正式に言っておくとか。そうでないと、何をわれわれが信頼します。あれだって三年の年月を費やし、しかも整理するのにまた二年もかけ、そうして国民に発表したものです。そのうちの一部をあなた方だって使ったでしょう。北にある活断層については、これを使って、大したことはないという言葉で終わっている。こういう態度だから私どもは疑いだらけなんです。
 東北電力あるいは東京電力の両社の活断層の生のデータというのはまだお出しにならないつもりですか、もうそろそろ出さなければならないなとお考えになっていますか。お答えください。
#44
○倉本参考人 最初の、ボーリングでございますけれども、ボーリングにつきましては、N値を測定したのは二本であるということにつきましては、これも三月二十三日、また四月二十二日のこの委員会でも御説明申し上げたところでございます。それで、この一本のデータだけ出しましたのにつきましては、先ほど御説明申し上げましたように、代表的なものとして一本のデータをお出しをした。それからもう一本の方については、地元の方へお渡しをしました生データの方に一応入っておるわけでございますが、この二本のボーリングのN値の値を見てみますと、ほとんどが変わらないというような結果、むしろ出してない一本の方が、データとしてはあるいは出したものよりはもっといいんじゃなかろうかと思っておるわけでございます。
 それから先ほどちょっとお話が出ておりましたが、含水比の問題でございます。含水比が五三・八%というのは非常に高いというようなお話でございましたが、これは先ほども御説明申し上げましたように、含水率にしますと三五%程度になる。ただ、ほかの例で見ますと、泥炭土のあたりですと、神奈川県とか静岡県あたりですと含水比は二〇〇から一〇〇〇ぐらいになりますし、東京の関東ローム層の場合にはこれが一二三ぐらいの値でございます。確かに、こういうような値は余りよくないと言えるのではなかろうかと思いますが、洪積粘土で東京駅の辺でございますと、含水率が大体五八・六%程度というような数値もございますので、これら過去のものなりこういう技術的ないろいろのデータというものを基礎にして、その判断の上に立って、私どもとしてはそれほど技術的にむずかしいことはないという判断をいたしておるところでございます。
 それから活断層の問題でございますが、これにつきましては前々回いろいろ御説明を申し上げましたところでございます。その後私どもとしましても、電力さんの方でおやりになりました結果をベースにしての検討、また解析等の結果につきましても、この私どもの判断は間違ってないという結論には変わりはございません。
 このデータそのものにつきましては、安全審査等が当然控えておるわけでございまして、その段階におきましては私どもの建物、施設等の設計をもちろんお出しをし、そのバックデータ等も当然御説明を申し上げ、専門家の先生方の御判断をその段階で仰ぐことになるわけでございますので、私どもとしては、それまでに設計のために必要なデータ等もなお今後調査、解析をいたしまして、十分安全な建物の設計をいたし、それによって安全審査を受けていきたいということで考えておるところでございます。
#45
○関委員 重ねて申し上げますが、安全審査を受けるときにそれを出す。いまどうして出せないのです。いまなら出せなくて、安全審査の段階なら出せる。どうしていま出せないのです。幾ら言うても電力会社がだめだと言うのですか。もうそろそろ電力会社も、こんなにいじめられてはかなわないから出さなければならないと言っているのじゃないですか。どうです。あなた方は何度折衝しました。だれに折衝しました。いつ何どきだれに折衝して何と断られました。具体的に答えてください。
#46
○倉本参考人 私どもといたしましては、一応現在の段階で活断層についての判断というものをいたしておるわけでございますけれども、それらをベースにしまして、今後の設計等をこれから進めていくわけでございまして、この設計をいたします段階においては、当然この地盤、地質、また地震の大きさ等も考慮をして、その上できちんとした建物の設計をやっていくわけでございますので、私どもとしては、総合的な判断は、これらの設計を行う上でこれから下していくということにいたしておるわけでございます。
 また、電力会社さんの方におきましても、現在これらの計画等も進めておられるということでございますので、それらの結果等の判断を下された上で、これは大丈夫だということを見た上で、これを御相談していきたい、こういうことでございます。
#47
○関委員 はっきり答えよ、だれに、いつやったか。
#48
○倉本参考人 このデータの問題につきましては、こちらの委員会でも前にいろいろお話がございまして、先生からもいろいろ御要望が出ました。したがって、それらに基づいて科技庁の方からも御指示もございまして、電力との話し合いを進めておるわけでございます。これにつきましては事務的な折衝を初め、また関係の幹部とも私は直接お話も申し上げておるわけでございますけれども、現在までのところ、お出ししていいという回答をまだ得るには至っておらないのでございます。
#49
○関委員 もう二カ月ですよ。あなた方の発表は三月の十四日、きょうは五月の十三日、二カ月なんです。電力会社だって、隠している、隠していると言われて信頼は上がりませんよ。あなた方が持っているんだもの、しかるべき手段で、これは出さなければならぬので了承願いたいとか、出さざるを得なくなったから御了承願いたいとか、それでもだめだと言うでしょうか。あなた方だけ見て、大丈夫だ、あれは北大の教授をされておった湊教授が見てそのとおりだと言ったって、今日の学者の中では湊さんだけがひとり学者じゃないでしょう。「日本の活断層」を発表した四十名の学者、九名の編集委員がいる。そうそうたる学者です。何もこれは社会党の学者じゃない、日本の学者だ。これらの方々が責任を持って出した「日本の活断層」ですよ。あなた方の方の判断というものはそれに挑戦しているわけですよ。出さざるを得なくなってしまっているんじゃないの。
 これも示されないままで事が進むと思っているのですか。心配ないと言うなら、心配ないと言ってちゃんと出していいんじゃないですか。何で電力会社の言うことを一々そんなに恐れねばならないのです。あなた方が電力会社を説得したらいいでしょう。電力会社がだめだと言うことをいいことにしていませんか。電力会社だって、東北電力なんて、青森県民が株を相当持っているのですから。
 ことに原子力の問題について、あるいはまたこうした調査に御協力をするという意味であなた方に見せている内容でしょう。秘密にして調査資料を示しているのじゃないでしょう。原子力行政というのは、自主、民主、公開という三原則があるのです。どうしてこれは秘密になるのです。なぜ公開ができなくなるのです。それで行政をしているということにあなた方は満足しますか。この点、中川長官はどう思っていますか。何度も長官にも聞いて、長官は出せるものはすべて出す、こう言ってきている。この期に及んで、二カ月たってもまだ出していない。長官から電話一本で、社長におい、出せよと言えば、恐らく出てくるだろうと私は思いますよ。何もむずかしいことではない。
 気持ち悪くないですか、あなた方、隠したままで大丈夫、大丈夫と言って、信頼しろ、信頼しろと言って。宗教じゃない。僕は何度も言っていることです。そうして安全審査のときには出すんだから、そのとき出せばいいと思っているかもしらぬけれども、そのとき出せて、いまなぜ出せないんだ。その審査にかかる前にも、堂々とこうなんですよと出していいでしょう。私にはそこがわからないのです。
 また、科学技術庁長官も、電力会社にそう言われて引き下がっておるという手もない。天下の中川長官なんだ。この人にはこわいものはない。私はその辺がわからない。これはひとつ近いうちに提示いたします、このくらいのことはしてくださいよ。長官にお答えいただきます。長官だよ、あんたじゃないんだ。あんた長官か。長官に聞いているんだ。
#50
○石渡政府委員 まず事務的にお答え申し上げます。
 活断層のデータの問題につきましては、その経過等につきましては大臣にも御報告申し上げ、その御意向も踏まえた上で事業団に対しまして、電力側と十分お話し合いをし、納得を得た上で行動するようにということで指示をしてございます。現在の段階では、電力側におきましても、事業団との話し合いは、最高の責任者まで報告して判断を仰いで対処しているというふうに聞いております。したがいまして、本件につきましては、御指摘の点も踏まえまして、事業団と電力との間でもうしばらく話し合いをさせていただきたい、このように考えているわけでございます。
#51
○関委員 これは局長からの答弁だけでは不十分。長官、ひとつかたいところを出してください。
#52
○中川国務大臣 いま局長が答弁したとおりでありまして、出せるものなら出したい、こう思っておりますが、何分にも相手のあることでありまして、版権は相手が持っておりまして、相手の意向というものも無視するわけにはいきませんので、今後とも話し合いをして、できるだけ御趣旨に沿いたいと思いますが、しばらくお待ちいただきたいと思います。
#53
○関委員 長官がしゃべれば、私は大方のことは了解がいくと思うのです。あなた、総理大臣よりもきつい大臣でしょう。ですから、電力会社の事情を相手もあることなんて、そんな素直な話で答えることはないと思う。電力会社も出してもらおう、中川長官の考えはこうだ、これでいいじゃないですか。そんなに相手を尊重しなくたっていい。自主、民主、公開の原則からいって、資料として使っているんですもの、自分たちは使う、国会で問われたときには出さない、そんな理不尽なことはないでしょう。長官、がんばってください。長官、もう一遍お答えいただきたい。
#54
○中川国務大臣 せっかくではございますけれども、なかなか皆さん理解してくれない人が多くて、関根浜で苦労しているのもそのとおりでございます。御同様に一生懸命やります。
#55
○関委員 午前の分はこれで終わります。
#56
○近藤委員長 午後一時から再開することとし、
 この際、休憩いたします。
    午前十一時五十九分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時五分開議
#57
○近藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。関晴正君。
#58
○関委員 原子力船事業団の方に先にお尋ねをします。
 昭和四十九年の十月十四日、原子力船が大湊に帰ってきたときに受け入れる条件として四者協定というのがあったわけです。そのいわゆる四者協定というのは、三年以内に新定係港を定め、二年半以内には大湊港を撤去するというのが骨子でした。もう一つ、県と事業団で結んでおった協定があったわけです。その協定というのは、環境保全の協定であり、住民安全にかかわる内容の協定であった。この協定を四十九年の八月の二十一日に結んでおりまして、船が事故を起こして帰ってきたときに、十月十四日に、その協定を二者の協定から、県と事業団の協定からここに市長と漁協の代表を入れて事業団とで改正した。
 その改正の内容というものは何かというと、第一条に二項を起こしまして次のようにしているわけです。一条の二「丁は、青森県の区域内において、原子力船むつ(以下「むつ」という。)の原子炉に装荷されている核燃料の抜取り、陸揚げ及びむつからの放射性廃棄物の陸揚げを行わないものとし、むつの原子炉の制御棒を完全に挿入した状態に保つものとする。」第一条の二であります。丁というのは今度は事業団のことですからね。事業団は青森県の区域内において原子力船「むつ」の原子炉の使用済み燃料の抜き取り、陸揚げあるいは廃棄物の陸揚げ等を行わないものとする、こういう協定があるわけです。
 ですから、長官が四月の二十六日においでになりました際に、私どもの方から、長官、もう青森県にこんなものを持ってくるのはおよしなさい、ちゃんとした協定もあるのですから。その際、長官は、そんなのあるかね。そうしたら、あたりにおった知事や知事側近の諸君が合唱して、ない、ないと叫びましたよ。そのときに長官は、知らないおれをだましちゃいかぬよ、こう言った。私も、長官をだますようなことはわれわれはいたしませんよ、その協定文書は後刻出しましょう、こう申し上げて別れました。
 そこで、私は、この第一条の二というものを事業団はどのように理解しておるのか、第一条の二というものを尊重すれば、昨年の五月の五者声明などというものも出てこないはずだ、明らかに事業団はこの第一条の二に抵触して仕事をしているのじゃないか、こう思うわけです。そういう意味で、事業団はおのれの結んだ協定にもっと忠実でなければならない、行き過ぎておることについてはこの段階においてはっきりと断念しなければならない、こう思うのです。どう思っています。理事長、それから長官、それぞれからお答えいただきます。
#59
○井上参考人 お答えいたします。
 ただいま先生が御指摘になりました環境保全協定の存在は私も承知しております。しかし、この経緯は、いま先生も御指摘になったように、最初は青森県と事業団の二者の協定であったのです。それが、不幸にも放射線漏れを起こしたために四者協定というものができまして、その中で、ワンセットと申しましょうか、四者協定とこの環境保全協定が一対となるような形で一条の二が加わったと私は承知しております。
 いまお話のあった制御棒を入れたまま停泊するんだという趣旨は生きておるのでございますが、「むつ」が現在のような状態のときに今後の方針はどうかということになりますと、五者の共同声明というのがございますが、その線に沿うてやることになります。したがって、いま先生が御指摘のように「青森県の区域内において」という文言は、少なくともこの時点において「むつ」を凍結したまま大湊港に停泊するんだという趣旨で書かれておって、その線は五者共同声明に肩がわりと言ったら言葉は悪いかもしれませんが、一応新しい形で出ておるというように私は承知しております。
 したがいまして、いま先生の御指摘、矛盾するんじゃないかというお話でございますが、その点は、事業団といたしましては、「むつ」のこれからの姿というのは五者の協議で入港もあるいは停泊も、その取り扱いについて協議するということになっておりますので、その線に沿って努力するつもりでおります。
#60
○石渡政府委員 ただいまの御指摘の第一条の二のつけ加わった経過につきましては、ただいま原船事業団の理事長から御説明申し上げたとおりでございますが、これらも含めまして、昨年五月二十四日、五者共同声明につながってきているわけでございます。
 具体的には五者共同声明の第三項「「むつ」の大湊港の定係港への入港・停泊にあたっての取扱い及び大湊港の定係港の取扱いについては、今後、協議するものとする。」という項で受けとめているというふうに理解をいたしておりまして、これも協議の一つ、この四十九年十月十四日に結びました四者協定をどう扱うか、どういうふうに判断するかということも一つの協議事項であろう、このように考えております。
#61
○関委員 事業団のいまのお答えなんですが、理事長にお聞きしたいのですが、四十九年十月十四日に結んだ、青森県の区域内においては原子力船「むつ」の核燃料の抜き取りも陸揚げもしないんだ。大湊の区域内においてじゃないのです、青森県の区域内においてはしないのだ。これは四者協定においてもう大湊港を撤去することになった、今後再び青森県に来るようなことはしないのだということの一つのまた内容にもなるわけなんです。
 そこで、五者共同声明のときに、この第一条の二というものを事業団は承知しておやりになりましたか、承知しないでやりましたか。
#62
○井上参考人 私は前任者からお聞きしたことでございますけれども、この時点で、いまのこの五者共同声明におきまして、青森県の外洋へ新定係港をつくるということで合意されたということを承知しております。したがいまして、いま先生が御指摘の四者で結ばれた環境保全協定につきましては、それを踏まえた上の五者共同声明と私は承知しております。この協定自身は、事業団としましては、環境保全について現在でもモニタリングをやっておりますし、実行している分もございます。いま御指摘の点は、いま言ったような五者共同声明の中で吸収されていると私は理解しております。
#63
○関委員 理事長さん、あなたは知らない人なんだけれども、後で就任したのだから前任者の行為としてのお話をいまされたと思う。でも、これからそちらの局長もそうなんだが、少なくとも事業団がこの協定を尊重して、青森県の区域内においてはできないなということを承知しておれば、五者共同声明というものができないことになる。しかし、あなたの言うように承知して五者共同声明になったということになるというと、私もちょっと疑問が出てまいります。正直なところはどうなんです。この第一条の二というものについて、五者共同声明を出すときに御承知になっておったのでしょうか。こういうりっぱな協定のあるのを忘れておったんじゃないだろうかとも思われるのですが、これをもう一遍確認しておきたいと思う。承知してやったのか、失念して行われたのか、この点だけもう一遍お答えください。
#64
○井上参考人 いま先生のお尋ねの件でございますけれども、この趣旨は、放射線漏れを起こした「むつ」を凍結状態で大湊港に停泊さすというふうな線でこの協定が結ばれたというように私は拝察しております。もちろん、この文言には「青森県の区域内」とございますけれども、これは、そういうふうな原子力船「むつ」を凍結状態という姿で置きたいとの趣旨から出たものでございまして、それも踏まえて五者の共同声明ができたと承知しておりますので、先生が言ったように矛盾するのじゃないかというふうな意味では、あるいは言葉が足らぬかもしれませんが、そういう条件を乗り越えて五者の共同声明ができたと私は了解しております。
#65
○関委員 私は、理事長のいまの態度が仮に本当だとするならば、一応そのつもりで質問いたします。本当に御承知であったとすれば当然この協定に拘束を受けるわけですから、協定の改正をしなければならないと思う。しない限りは、あなた方が幾ら母港を青森県につくりますと言っても、母港をつくっても青森県の区域内においては抜き取りはできないのですよ。ちょうどシェークスピア物語の「ベニスの商人」じゃないけれども、シャイロックが一ポンドの肉をもらうことはできたかもしれぬけれども、血は上げないよというところで倒れちゃったですね、目的を果たすことができなくて。似たようなことです。母港とは書いてないから、あなた方は母港はつくれるかもしれないと言うが、抜き取りもできない母港はどうなりますか。瓦解するしかないでしょう。知ってやったとすれば、とるべき手だてをあなた方は踏み外しておる、そう思うのです。
 それから、四者協定の延長線上に五者声明はあるとこれまで言ってきた。これは局長も言ってきた。長官も言っておる。四者協定の延長線上になれば、この協定が拘束するものですからね。外港は青森県の区域でないと理解しておるならば別ですよ。いまの理事長の答弁からいけば、外港はまるで青森県の区域でないように認識しているようなお答えになりますが、外港といえども、むつ市の外港は青森県の区域内なんですから、外港だからいいなんという話にならない。あくまでもこの五者共同声明というものは、この協定に違反する共同声明になっていると思うのです。
 ですから、事業団として、こういうことがあるならば、これはちゃんとこの規定の中にもある、条項の中にもある、改正しようとする者は申し出ろ、申し出た場合にお互いに協議すると書いてある。何の申し出もしない。悪く勘ぐれば、あなた方は知っておったけれども黙っておった。青森県の知事や漁協の会長やむつの市長はこれを知らないんです。その当時、人がかわってしまっていますから。もし彼らが昨年の五月二十四日の五者共同声明のときにこれを承知しておれば、ああいう共同声明の前にいろいろまた協議が起こっておった。残念ながら青森県の諸君たちは、人がかわっておったために知らなかった。
 私は、恐らくあなた方も知らないでやったんだろうと実は思っておったんだが、ただいまの答弁は、重ねて聞いた結果承知の上でやったと言うのです。承知の上でやったとするならば、あなた方はひどいことをしたことになりませんか。こういうことになっておるんだけれども、この部面については改正をし、お願いしなければならないんだ、こう言わなければならないじゃないですか。なぜ言わないんです。
#66
○井上参考人 くどいようですけれども、私の理解するところでは、この環境保全協定、これは先ほども申しましたように、四者の協定というのがございますが、言葉は悪いかもしれませんが、それとワンセットになっておる、対になっておる。したがって、先ほど先生も御指摘のように、四十九年の八月二十一日のものが、さらに四十九年十月十四日に改定というのか一部修正されて、そのときに追加されて入ったと承知しております。
 その意味で、四者協定とこの環境保全協定というのはワンセットというふうに解釈いたしますと、五者の共同声明というのは前の四者協定を踏まえての発展ということになりますので、それを踏まえてという意味は、こういうことのあるのを承知の上というか、言葉が悪いかもしれませんが、それの理解に立って、新しい観点からの外洋への新母港の建設というふうな合意になったと解釈しておりますが、いま申しましたように、この「青森県の区域内において、」という意味は、この当時「むつ」を凍結状態に置かなければならないという事情を反映しておるものと理解しております。
#67
○関委員 理事長、理事長は余り知らぬのだから正直にしゃべった方がいい。そう言われるが、私は余りわからなかったから専務に答えさせますとかなんとかと言っておいた方がいいのですよ。無理にがんばって事を運ぶよりは。私も、あなたが最近総理から任命された方だからそんなに無理強いしようとは思っていないのです。何にもあなたには責任ないんですよ、本当言えば。あなたの来る前のところで責任ある者がちゃんと受け継いでおればよかったと思う。
 そこであなた、踏まえてと言うけれども、四者協定を踏まえてならいいのです。踏まえてというのは基本としてという意味でしょうが、踏まえてないんです。あなたの方のやっているのは踏みつぶしている。踏まえてと踏みつぶしてとは大変な違いですよ。踏まえれば、この第一条の二というものの拘束を受けるから、青森県の区域内においてはできないな、これは五者共同声明無理ですよ。しかし、それでもいいとおっしゃるならばここのところは改正しましょうよ、将来はいいんだという意味で。わざわざ十月十四日に大湊の区域内においてというふうに言ったのかなと思ったら、いや、大湊の区域内どころじゃない、青森県どこでもだめなんだ、将来青森県のどこにもこれは来てはならぬのだし置くのじゃないんだ、この意思が明確にここに盛られているわけなんです。
 ところが、いまの青森県の行政をやっている諸君たちはすっかり忘れちゃって、この条項は母港のことを意味しているんじゃないと言って答えているんですよ。答え方はなってないのです。それなら母港をつくりなさいと私は言いました、抜き取りのできない母港をつくりなさいよと。またベニスの商人に戻るけれども、シャイロックみたいなことになるじゃないのと言った。
 そこで、私はこれは大事な協定だと思うのです。あなたは踏まえてと言うけれども踏みつぶしたんだから。踏まえてやったと思ったら踏みつぶしてやったということになったわけですよ。それから、延長線上にあるとわれわれは思っていたのです。いままでみんな四者協定の延長線上に。何も延長線上じゃなく、断続線ですよ。これは延長になりません。延長線上にあるというものではありません。別個です。
 こういうことを思いますと、あの場所の条件からいっても適当でもないし、社会的な条件というものもよくないし、それに忘れておったけれどもこういうような条項というものがあったかということを思うときに、原子力船「むつ」の定係港は関根浜なんということを考えるわけにいかない、これは別に考えるしかない、こう方針をとるべきものじゃないだろうかと思うのです。
 そこで、この点は事業団を監督する責任者であるところの主務大臣鈴木善幸氏にお答えしてもらわなければならない。これは鈴木善幸主務大臣にお答えをいただきたいと思うのです。主務大臣を呼んでくれませんか、委員長。
#68
○中川国務大臣 関先生お尋ねの点は一条の二の問題だろうと思うのです。これは先ほどから答弁がありましたように、事故を起こして凍結しておかなければならない状態のときに結ばれたものなんです。ですから、ああいう事故を起こしている状態では青森県では抜き取りその他のことは行わないという約束になっているわけです。
 しかもその背景には、新定係港を探します、そして青森県から出ていきます、こういう約束だった。ところが、私が就任して、さあどこかへ行こうかと思って約束に基づいて探したがなかなかなかった。そこで、過去のいきさつはあったんだが、まげてもう一度大湊に入港をお願いしたい。そうしたら向こうの人が、過去のことはいろいろあったが、「むつ」について反対するものではない、しかし、湾内は漁業者に影響を与えるから湾の外に、関根浜なら結構でございます、しかも港ができるのには相当時間がかかりますので、それまでの間は大湊に入って結構でございます、こういうことなんです。
 そこで、では抜き取りその他はどうなるのかねということになっていくと、五者共同声明にあるように、その取り扱いについては五者で協議をする、この中に吸収されておるのであって、事故の状態のものがあるから、健全になった船の作業まで絶対やらせないというようなことは、もうその段階でその中に吸収されておって、新しい段階の協定ですから、事故の状態のときの条項を持ってきて、これがあるからだめなんだ、だからやらせないのだという理論は全く通らないことであって、健全になった「むつ」は健全な「むつ」としての取り扱い方があるのであって、これは総理大臣が来ようとだれがかわろうと、私が結んできたことでございますから、総理大臣の考え方と一致をいたしておりますので、明確に申し上げておきます。
#69
○関委員 私の言っているのは、中川長官は科学技術庁長官としていろいろなことを考えてやっていることはわかります。しかし、事業団は長官に、事を進める場合にこういうお話もされて、長官はまたこの事情を承知して、いいからそんなの構わぬからやれ、こう言ったとするならば、それはまた別ですよ。長官、この条項あるけれども構わぬからやれ、こうおっしゃったのですか、長官に聞きます。
#70
○中川国務大臣 事業団に命令したものじゃなくて、事業団を含めて政府と地元との間に話し合って決まったものなんです。その話し合いというのは、さっき言うように、出ていくときの条項は不健全なときの条項ですから、健全になってきたときには健全なときの取り扱いは今後また四者、五者で話し合っていこうということであって、不健全なときの約束を、これを踏みにじったとか踏み越えたとか、何でそこをこだわるのか私には全くわからない。健全になった船は健全になった船でどうあるべきかということを考えるべきであって、命令したわけでも何でもない。
 当然、何の疑問もなく五者の間で円満にこれから話し合っていこうということになっておりますから、命令とかなんとかでなく、みんな紳士的に五者でやっていきますから、どうか五者のことは五者にお任せいただいて、われわれはもう民主的に話し合っていくのですから、解釈はわれわれにお任せいただきたいと思います。
#71
○関委員 私は何も五者の声明は五者の声明でどうのこうのとは言ってない。しかし、この五者の声明も四者協定の延長線上にある、四者協定を踏まえての五者の声明である、こういうことで説明もし、そう思ってきたのです、事実は。しかし、この四者協定の中の第一条の二に、青森県の区域内においてはそんなことはしないんだということをうたっているわけですよ。これは協定なんだ。知らなかったからといって許されるものじゃない。知っておったとするならば、知っておった段階ですべき手だてがあって、しなければならなかったと思うのです。
 だから私は、事業団を監督する任務にあるところの主務大臣が、この点についてはどう思っておられたんだろうかということが聞きたかった。主務大臣にかわる資格はない委任大臣がいまお答えをしたわけだ。私は主務大臣としての総理に聞きたかったのだが、委任大臣が同じだ、こう答えているわけですから、一応政府の考え方という意味においての御発言だと、こうまた見ます。見るけれども、これはただ、中川長官も第一条の二というものを認識しておったれば、また別なところに行ったと思うのですよ。がしかし、大体あなたは、四者協定で大湊港なんか撤去するんだと言うのにもかかわらず、そこへ突っ込むんだなんというほどの勇敢な長官なものだから、誤りはそこから生じているわけですよ。
 そのときに私は、鈴木善幸大臣にも言いましたよ。あなたの部下の委任大臣は、あなたが撤去するという大湊に突入しようというんだから、とんでもないじゃないか、あなたうそつき総理になっちゃ困りますよ、こういう論戦をしてきているわけだ。そのおかげであなたも御注意を受けたと見えて大湊の方は断念したのだろうと私は思っている。しかし、この協定の第一条の二に、青森県の区域内においては置かないんだということは、本当言えば案外にきちんと認識がなかったのだろうと私は思うのです。
 あの四月二十六日にあなたにもお会いして、青森県の区域の中には置かれないのですよと言ったら、あなたもびっくりした顔をして、そんな文章あるかねとおっしゃいましたね。そうしたら、北村知事以下がないないないないと合唱したでしょう。大コーラスだったですよ、茶坊主よろしく。私はないものをないと言ったならば了解します。ないのを忘れて、知らないくせにないないなんと言うことは大変な間違いだと思う。これをはっきり認識しておれば、何も関根浜なんというところに事を構えなくてもよかった。
 私は、そういう意味において、やはり初めに返って、第一条の二というものを尊重して、別個に物を考えるときにいま来ているのじゃないだろうか、こう思うのです。もしそうでないとするならば、第一条の二というものをあなた方は生殺しにしたままで行政をしようということになりますよ。しかもこの協定は生きているのです。この協定は死んでいる協定じゃない。五者共同声明によってこの協定が死んでいるものと見ることは乱暴でしょう。しかも五者共同声明というのは、単なる声明ですよ。お互いの自治体を拘束する、お互いの機関がこれについて協力する、そういうためには五者協定というものが必要になるでしょう。声明で終わっているのです、協定に至っていないのだ。これから今度は協定の作業に入るでしょう、あなた方がやるとすれば。そうなると真っ先にこの内容がまたぶつかってきますよ。
 ですから、地質上の問題もあるし、活断層のこともあるし、それからよしとして見られておった当時の社会条件というものがいまでは全く変わって、むつの市長も少なくとも賛成とは言っていないのだ。長官に言わせれば反対でないんだからいいんだ、こう言うけれども、少なくとも賛成とは言っておりません、むつの市長は。二十六日にあなたがおいでになって、一緒にいろいろと歓談をされた、会談じゃありませんよ、歓談ですよ。歓談はなされておったけれども、まじめな会談はされておらない。あなたが東京へ帰った翌日にむつの市長は、とてもじゃないけれども、いまの段階で関根浜の母港建設の見通しは確認できるものではない、こう声明されましたよ。
 この間漁協の諸君が来て、採決の結果百二十二対七十でございます、多数を得ましたから漁業補償交渉には入って結構でございますと言ってきたでしょう。これだって、漁業権の消滅を議決する場合には、二分の一じゃいけませんよ、三分の二なければならない。二分の一で入っていって、おしまいで三分の二でくぐるときにくぐれなくなったら、これもまたつまらぬばかなことをしたということになってしまうでしょう。
 しかもあの西口という組合長があなたのところに来たときに、組合の副組合長と組合の代表幹事が辞表を出していますよ。彼は帰ってきてびっくり仰天した。これは組合の内部にいろいろな問題が出てきたからです。このことをこの委員会で詳しくは申し上げようとは思いませんよ。やがて司直の手にも渡っていくでありましょう。間違いありません。それほど内部における不正があっている。
 五月二日の総会の朝に、漁獲の量と砂の売り上げ料を手数料に置きかえて、手数料というのは水揚げの五%ですから、逆算して一億二千万を超える水揚げを置いて、決算報告しておる。これは幸いにも指摘する人があって是正されて、粉飾するのを幾らか免れたかっこうで済みました。しかし、六百数万のものを、権利金であるとか砂の売り上げ代だとか異常発生したウニの代金だとかを合わせての代金を手数料に置きかえて、それに二十倍して一億二千万余円を水揚げのあったことに見せかけて、四億余の水揚げでございますというのをつくったんです。大変なことです。
 それで、あそこにおける組合員は、九十日以上の正組合員というものは厳密に言ったらずっと少ないのです。ずっと少ないのだけれども、コンブとりに一年間十日ぐらい費やした諸君をも九十日以上働いたものとみなしての慣行が若干あったために、コンブとりと補償取りが組んで百二十二という数字になっているのです。七十という反対の諸君たちは純粋に魚とりの人々で、反対だという意思表示なんです。だから、いまのところ二分の一で、やがていろいろな手だてを講ずれば三分の二になるだろうと思ってあなた方は踏み込みたいかもしれません。踏み込みたいかもしれませんけれども、やはりこれは考えなければならないなということに私はしてほしいと思うのです、しゃにむに進んできたからしゃにむにやるのだということじゃなくて。
 しかも原子力船の問題については、この実用化は二十世紀では無理だろう、まあ二十一世紀近いだろう、これはあなたの方の局長もちゃんと答弁で答えておるのです。そんなにせかぬでもいいよ、とにかくゆっくり落ちついて当たらなければならないだろう、こう見ているわけです。またそう答えてもきているわけです。
 ですから、とにかく進めたいでありましょう、やりたいでありましょうが、この条項ということもあるし、また現状というものもあるし、現市長も積極的に賛成と言っているわけじゃないし、また消極的にも賛成と言っているわけでもないし、いまのところ態度については保留です。こうなりますと、幾ら進めようといったって、市長がオーケーしない限り、市長がサインをしない限り、飛び越えてやるということはできないでしょう。市長がオーケーしなくても中川長官は事を進めよう、こう思っておるのでしょうか。この点だけお答えいただきたいと思います。
#72
○中川国務大臣 お答えする前に、一つ名誉にかかわることですから、大湊に突入するという勇敢な行動なんて私は全く考えておりませんで、あくまでも民主的に、礼を尽くして十分話し合って、納得がいただけるならばということで言ったのであって、突入するなんということは言ったこともありませんし、心の片隅にもなかったことだけはっきり申し上げておきます。
 その次に、協定違反のことですが、これはくどいようですが、五者の問題は五者、四者の問題は四者で話し合っていくのであって、第三者から見ればいろいろありましょうけれども、五者の間ではいま言ったような議論は出てこない、こう自信を持っております。青森県の中で燃料棒の抜き取りはやらないとか、そんなことで新定係港として成り立つわけはないわけですから、新定係港を認めたということはもうその条項は吸収されて解決済み、こう五者の間では話がつくものと思っております。五者の間からいま関先生の言うような意見が出てきたら、新定係港として成り立たないわけですから、大変なことでございますが、少なくとも常識ある五者の間からはそのようなことは出てまいりませんということでございます。
 市長さんがどんな考え方を持っているか、私はわかりませんが、市長さんも、これだけ政府が誠意を持って関根浜につくるのだ、あの五者共同声明の中の問題が残っているのは新定係港建設可能性の確認という問題であって、可能性があるということをお認めいただけるならば、前任者の市長さんの決めたことではあっても、前市長さんの責任は現在の市長さんもあるわけでございますから、そんな変わったことを発言される市長さんとは思っておりません。常識ある市長さんでありまして、御理解をいただいて新定係港の建設、そして大湊への入港ができるものと確信をいたしております。
#73
○関委員 時間がありませんからよけいな話はしないで、私の聞いていることに答えてください。
 むつの市長が、あなたが東京へお帰りになった翌日、現段階においては、関根浜の母港着工の見通しを確認するなんということについて自分が同意するようなことはとてもできない、建設してもよろしいなんということに了承するわけにはいかぬ、しかじかかくかくの条項についてなおお尋ね申し上げる、疑問があります、こういう発表をしているわけです。市長も了承されたならばあなた方は進めるということになるだろうが、市長が了承しないままでもあなた方は時間が来ればさっさとやってしまうのですかということを聞いているのです。権力をもってやるのですかということを聞いているのです。
#74
○中川国務大臣 確かに疑問の点を投げかけてまいりました。いまの段階では無理だということもありました。しかし、その後事業団が疑問の点を十分説明いたしておりますし、これからも十分説明すればわかることばかりであろう、こう思っておりますから、市長さんも納得してくれるもの、こう信じております。
 もしどうしてもだめなときどうするか。仮定のことにはお答えできません。
#75
○関委員 仮定のことじゃないのです。あなた方のおつくりになったタイムリミットがあるんですね。これに拘束されているからといって、そのタイムリミットに相手もまた拘束されなければならないということはないわけです。そこで、あなた方が設定しておるタイムリミットの間に、了承します、わかりました、見通しについても確認いたしますということが出てくるならば、これは何も文句はありませんよ。しかし、そういうようなことに少なくともいまのところはなっていない。なっていないときに、あなた方はでは外してやっちゃえ、知事がいいと言っているしよさそうだ、漁連もいいと言っているしよさそうだから、一人くらいむつの市長が了承しないと言ったってもう進めようじゃないか、こんなことになるとするならば私は大変だと思うのです。そういうことは考えていないだろうと思うが、あるいはまたそんなことをするのかなと思ったりもするものですので、そんなことはありませんよということはきちんとお答えいただければと思うのですが、どうです。
#76
○石渡政府委員 五者共同声明を具体化していくに当たりまして、基本は関係する五者が納得して事を進めていくということでございますので、市長さんの御理解、御協力が得られるよう最善の努力を尽くすというのが現在の私どもの方針でございます。
#77
○倉本参考人 市の方から中間結果につきましての文書を私ども四月二十七日にいただいたわけでございますが、事業団といたしましては、早速理事長が現地に参りまして、これに対して四月三十日付で御返事を申し上げたところでございました。ちょうど必要な御説明をするつもりでおりましたが、市の方では時間がないということでございました。昨日私どもの担当者が出向きまして、地元の事務方の方々十三名ほど出られたそうでございますが、数時間の長い間にわたって両方がもう疲れ果てるまで議論を闘わしたというような報告を私ども受けておるわけでございます。
 なお、今後も市の方になお疑問の点があれば、いつでも私どもとしてはこれに対して御納得いく御説明をしたいということでお話をいたしておるところでございますので、私どもとしては十分御理解がいただけるのではなかろうか、かように存じております。
#78
○関委員 しゃにむに進むという意向については私はわからないわけでもありません。だがしかし、この船を進めてみたところでどうなるかという一つの展望もあります。ましてや、いまの段階において漁業を専業とする諸君たちははっきり反対である。そうして組合員ではあるけれどもほとんど漁業をしておらない諸君たちが多数であります。だからといって三分の二をとれるかというと、これもまたきわめて疑問があります。あなた、あの静かなる村にこのことのためにあらぬ騒ぎを起こして、買収、供応を好きなままにして、そうして歓心を買うなんということは適当ではない。賛成する諸君のところには、とにかく酒が持ち運ばれています。選挙法の法令からいけば適用にならないから、まあいいのかなと思っている向きもあるかもしれませんが、北の誉という酒がみんなに配られていますからね、知らせておきます。
 決して事業団の誉れになる話じゃありません。こんなことをしてまでもしなければならぬのかなと思うと、本当に情けなくも思いますし、本当に漁業を専業としている諸君は反対しているんだということを思ったら、考え直さなければならなくなるだろうし、ましてや、むつの市長は、関根浜の見通しというものの確認はとてもとてもいまできるどころじゃない、こうも言っております。まああなた方はあなた方でやるのでしょう。だがしかし、先ほど申し上げた事業団の結んだ協定の第一条の二というところを踏まえますと、これを踏みつぶして事を進めていることについては、やはりここで引き戻さなければならないなというふうに考えてもらいたいと私は思うのです。
 少なくとも、新理事長さんがこのことを見まして、良識をもって見るならば、これは困ったことじゃわい、こう思うはずです。知っておったというなら、直さなければならない。改正もするわけじゃない。それを体につけたまま新しい門をくぐろうとしている。これはくぐれっこないですよ。既成事実だけを積み重ねたからといって、これは権力者のやることではあるかもしれませんけれども、少なくとも今日の民主的な国政の運営からいけば、これはやはり考え直さなければならないものだ、私はそう思います。そういう意味において、ひとつ一大反省をされて当たっていただきたいという希望を申し上げておきます。
 それから、おしまいになりましたけれども、突っ込むほどの勇敢な話から、私は突入なんということはしないんだと、こう言っておりましたが、これは大湊港を母港としたいという申し出をしたことを指して私は言ったのであります。撤去するといって鈴木総理が来て結んだ四者協定、そういう協定があるにもかかわらず、科学技術庁長官は大湊の方をひとつ考えてくれ、こう言ったのだ。ひどいことなんです。協定がありながらも、この協定を尊重するどころじゃない、無視してここにもう一遍だということを私は突入と言ったのであって、決してその他の意味で言ったのじゃない。勇敢なる水兵の話をしているのじゃないのですからね。その点については正しく理解をしておいて――総理が決めたことでも構わないで入っていく男なんだという意味で私は突入という言葉を使ったんだということを解説しておいて、私の質問を終わりたいと思います。
 終わります。
#79
○近藤委員長 斎藤実君。
#80
○斎藤(実)委員 中川長官に原子力発電所の問題についてお尋ねしたいと思うのですが、大臣御承知のように、北海道は構造的な不況体質でありまして、きわめて電力が高いわけです。いま石炭火力、水力、油を使っておりますね。それで、本州の企業が北海道へ出てくるのに、電力料金が高いということで大変足踏みをしておるわけでございまして、何とか電力料金を安くするためには原子力発電所が必要だという認識の上でお尋ねをしたいのですが、これからもう油専門というわけにはいかないと私は思いますし、じゃ何が代替エネルギー源として活用されるかというと、これはもう世界じゅう原発ですね。原子力発電所ということで一斉に成果を上げておるわけです。
 そこで、石油の問題についてはもう見通しはきわめて不透明だ。エネルギー情勢の深刻化する中で、開発がきわめておくれておる北海道においても、今回初めての原子力発電所である共和・泊発電所一、二号機が、三月二十六日に電源開発調整審議会において国の基本計画に組み入れられました。まことに時宜を得たものだというふうに私は考えるわけですが、今後の北海道における需給の安定化あるいはエネルギーの多様化にこたえる電源として、特に安全性を第一とした上で、原子力発電所の早期建設を早急に図るべきだ、積極的に早く進めるべきだと私は考えるのですが、長官の所感を伺いたいと思います。
#81
○中川国務大臣 石油が非常にむずかしい時代を迎えて、代替エネルギーとしての原子力発電の位置づけはきわめて重要だと思いますが、なかんずく、北海道は原子力発電はいままで一基もありません。したがって、本州に比べて電力コストが高い。このことが北海道の企業に大きな影響を与え、特に苫小牧にございます日軽金等は、これは電力料金次第で、拡張もできれば、閉鎖もしなければならぬ、こういうところでございまして、これに端的に象徴されるように、北海道の産業を活性化するというためには、電力料金を安くしていくという努力が必要である、こういう中に初めて、共和・泊に地元の皆さんの建設同意が得られたということは本当によかったことだと思っております。
 そこで、これを一日も早く着工ができるように、これは通産省がやっておりますけれども、私も安全性について担当する立場にもありますし、地元出身でもありますから、これから北海道に原子力というものがなじむように、一日も早く着工して完成を急ぐと同時に、また第二、第三の立地点を求めて、長期的に原子力による安い豊富な電気を供給できる体制をとり、そして北海道に産業が入りやすくする、またあるいは安定、発展しやすくする、こういう努力をしていきたい、こう思っておりますが、十二年間に及ぶ地元の反対がございましたけれども、昨年私、よくお話をいたしまして、地元の皆さんが気持ちよく納得をしてくれた。一部イデオロギーで反対の人もありましたが、関係する地域の皆さんは気持ちよく御同意をいただいて、感謝をいたしておるところでございます。
#82
○斎藤(実)委員 具体的な問題は後ほど触れますが、本州の原発所在の地域ですね、原発ができたが、そのできた後、町村地域がさびれてしまう、これは困ると私は思うのですね。原子力発電所ができたおかげでその地域の産業が発展をして地域住民が潤う、そういう施策が並行していかなければ、これからも北海道にまた原発が出てくるでしょうけれども、そういう並行した地域住民対策がなければスムーズにいかないだろうと私は思うのですね。
 それで、昨年福島県の要請を受けた電源開発振興制度研究会が、原子力発電地域の総合的な振興を図るために、仮称電源地域の振興に関する特別措置法の制定を提言をしておるんですね。これは私は細かく申し上げませんけれども、この立法によりまして地域住民が潤う、また産業が発展していく、雇用も解決していくというきわめて前向きな提言なのですが、政府として、この提言をどういうふうに受けとめて、どう評価をしているのか。また、この電源地域の振興策を改善する御意思があるのかないのか、伺いたいと思うのです。
#83
○渡辺(光)説明員 いま先生の御指摘がございました福島県の例でございますが、昨年、県の中に研究会を設けまして、原子力を含めまして、発電所の先進地域といたしまして、いろいろな問題を真剣に御議論いただきまして、今後どういう姿が望ましいかというのを研究されたわけでございます。その中に、いま先生の御指摘のございました電源地域の振興と発電所の立地とを円滑に進めるための総合的な立法をしてはいかがか、こういう御提言が含まれておるわけでございます。
 御提言の趣旨はそういうことで、発電所の立地に当たりまして、その地域の生活基盤を整備するということはもちろんのこと、さらに進みまして地域の雇用を確保し、将来にわたってその地域の発展が図られること、また、地方の財政の面でも安定した制度が確立されること、そういうことが必要だ、そういうことによって、その地域の将来にわたる自立的な発展が可能になる、こういう考え方でございます。
 私どももこういう考え方には全く異存はございません。従来かち原子力の発電所につきましても、安全性でございますとか環境の保全には万全の措置を講ずるという一方で、地域の振興のためにいろいろな施策を講じてきておるわけでございまして、福島県の提言されております考え方に沿って、五十七年度におきましてもいろいろな地域振興のための施策を拡充したところでございますが、今後とも、そういう地域の御要望も踏まえまして、引き続き地域振興のための施策の拡充に取り組んでまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
#84
○斎藤(実)委員 ぜひひとつ積極的に取り組んでいただきたいと思うのですね。
 それから、原子力発電所の立地の公表から運転までの期間、リードタイムがだんだんだんだん長期化して十四年も十五年もかかる、こういう傾向にあるのではないかと思うのですね。手続が非常に複雑でなかなか進まない、こういう問題も私はあるのじゃないかと思うのです。実は長官、トヨタ自動車が士別にテストコースをやるのですが、農地転用に四年間かかっているわけです。それから富良野のスキー場のわきにゴルフ場をつくったのですけれども、これは林野の転用に三年かかったのです、私、調べたのですから。農地転用だとか林野の転用に三年も四年もかかっている。これでは民間の投資意欲というのはなくなってしまいますね。これは一つの例ですけれども、なぜ十四年も十五年もかかるのか、実態をひとつ教えていただけますか。
#85
○渡辺(光)説明員 先生いま御指摘ございますように、原子力発電所の最近運転開始に至っているものの例をとりますと、地元に正式に立地の意向を表明いたしましてから大体十五年ぐらいかかっておる、こういう数字になっております。もっと早い時期のものにつきますと、十年未満でできておるものもございますので、そういう意味ではリードタイムがだんだん長くなってきている、こういう状況にございます。
 なぜ長くなっているかということにつきましては、いろいろな理由が挙げられますが、一つには、地元、立地住民との関係で安全性の問題、環境保全、あるいは先ほど出ました地域振興の問題とか、いろいろな問題を総合的に非常に慎重に時間をかけて御議論をいただいているというようなことから、どうしても最終的に御了解いただく時間が長くなってきているという面もございます。それから、設備の大きさが従来のものに比べまして、最近は百十万キロワットというようなものが標準的な大きさでございますので、そういうもののために工事の期間も長くなっておるというような面もございます。
 しかし、私どももよくしさいに見ますと、御指摘のありましたような、政府ないしは地方公共団体で行っておりますいろいろな許認可をめぐって時間がかかっておるという例もないわけではないというふうに見ておるわけでございます。特に、去る二月の第二臨調からの御指摘も受けておりますが、たくさんの関連法令があるために、その間相互に、いわゆるもたれ合いと言われるようなことがあって、それが許認可手続の円滑化を妨げているという面があるという御指摘をいただいておりますので、現在、通産省といたしましては、政府としてそういう許認可手続の円滑化を図るという閣僚協議会の御了解も得まして、関係の各省と鋭意その改善策につきましてお話し合いをしている最中でございます。
#86
○斎藤(実)委員 北海道で初めての共和・泊原発を建設するわけでございますが、従来の手続では、いつごろ運転開始になる見込みなのか、おおよそのめどをひとつお答えいただきたい。
#87
○渡辺(光)説明員 ことしの三月末に北海道電力から、将来の長期施設計画の提出を得ておりますが、それによりますと、一号機が六十三年の末に運転開始を予定する、そういう計画になっておると承知いたしております。
#88
○斎藤(実)委員 この原発の設置許可申請、それから電気事業法の八条許可申請、これを手続の順序として提出をして、それから受理した後にいきなり炉をつくるわけじゃありませんね、安全審査に一年半ないし二年半かかるわけですから。その間、たとえば本体工事は別といたしまして、準備工事というものがあるわけですわ。たとえば道路つけかえ工事ですとか、それから港湾の埋め立てですとか、それから岩盤の掘削あるいは造成工事ですね。いま国道の切りかえをしなければならないわけだ。そういう道路工事に手続が必要なんですな。
 ところが、この手続はやはり非常に各省にまたがっておりまして、農地転用、保安林解除、森林開発、これは農林水産省。公有水面の埋め立て、国道のつけかえは建設省、それから地方自治体からいろいろな手続が知事を通して上がってこなければ本省に来ない仕組みになっているわけですね。ですから、農林省、建設省あるいは環境庁、地方自治体が一体にならないとこれは進まないわけです。炉の本体の安全審査は一年半でも二年でも結構なんですけれども、受理をされた場合に並行してこの手続を進めてもらわないと準備工事ができないわけです。
 大臣御承知のように、通産省の地域別経済動向を見ましても、北海道経済はがばっと落ち込んでいるわけですね。水産はだめ、農業はだめ、パルプはだめ、鉄鋼はだめ、アルミはだめ、本当に人間の病気で言えば北海道経済は重体です。私は、そういう意味で、並行してこの手続を敏速にし、速やかに許可ができるような行政指導なり、また大臣から各省に対して働きかけをしていただきたいと思うのですが、大臣いかがでしょうか。
#89
○中川国務大臣 原子力発電の建設について少し時間がかかり過ぎるという一般的な御意見もございます。それから余りまた急いで安全性を失ってはいかぬという点もございまして、これは慎重に対処しなければならないことではございますが、安全性を確保しつつ前向きで、できる手続、認可等について短縮すべきである、こういうことで通産省でも努力をしていただいておるようでございますので、われわれもそういった気持ちでお願いしておりますが、通産省から実態について答弁があると思います。
#90
○渡辺(光)説明員 先生御指摘のございましたように、原子力発電所を一つつくります場合にもいろいろな関連の許認可が多うございます。その中に最初に出てまいりますのが準備工事の関連でございますが、こういうものも含めまして、関連許認可に当たってできるだけ円滑化を図ろうということで、昨年の九月、総合エネルギー対策推進閣僚会議におきましてその円滑化の考え方の基本的な御了承をいただいておるわけでございます。これに沿いまして、現在通産省が中心になりまして関係の各省とも御相談しながら、具体的に個々の事例ごとにどうしたら円滑に進むかということを検討中でございます。ただ、私ども実際にいろいろ調べてみますと、やはり地点ごとにそれぞれの事情に差がございますので、これは地点に即した個別の解決を図っていかなければいかぬというふうに考えております。
 三月に電調審を通りました共和・泊の発電所につきましても、そういう観点から個別に必要な許認可が円滑に進むようにということで、関係各省とも十分御相談しつつ、また北海道庁とも十分相談して万遺漏ないように進めてまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
#91
○斎藤(実)委員 実はこれはちょっと名前ははばかりますが、いろいろな調査をしまして、安全審査に一年半も二年も本体工事にかけることは当然なんですけれども、それに入るまでの準備工事、たとえば道路のつけかえとか、港湾だとかその辺の保安林の解除だとか、それから道路をつける場合の農地転用だとか、本体に関係のない原発を建設するための補助的な工事に対する手続を並行してやってもらいたいということなんですよ。安全審査に一年半も二年もかかって、終わってからじゃなくて、そういうことを私は申し上げているのですよ。
 たとえば公有水面の埋め立て工事をしようとしまして保安林解除の申請をするわけでしょう。ところが、公有水面埋め立て免許の写しを持ってこい、こう言われる。また、農地転用許可書の写しを持ってこいとか、何か一つの申請をしようとすれば、関係する他の許認可の写しを持ってこいというもたれ合いが随所に見られるわけですね。各省とも自分の縄張りをがっちり固めておりまして、なかなか壁が厚いのですよ。しかし、国家的なエネルギー問題を解決するための原子力発電所の建設の場合は、電調審を通っているわけでしょう。内閣総理大臣の許可が出たわけですから、それは計画の確実性が担保されているというふうに私は認識をしているのです。
 したがって、事前準備工事については、関係許認可業務が並行してスムーズにいくようにひとつぜひ御努力いただきたいと思います。また中川長官、そういう意味で申し上げているわけですから、準備工事のためにぜひ早い許可がおりるように、地元はいま非常に景気が落ち込んでおりますので、そういう準備工事でも早くやれば地元の経済が潤う、こういう意味で申し上げているわけですから、ひとつ御理解と御協力を特に私は長官にお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
#92
○中川国務大臣 そういう方向で最善の努力をしたいと思います。
#93
○斎藤(実)委員 外務省にお尋ねいたしますが、資源小国のわが国にとりまして海洋開発、特に深海底にはニッケル、マンガン、コバルト、クロム等の鉱物資源が多量に存在しているということはわが国でも確認されているわけでございますが、これらの深海底に眠っている鉱物資源の開発を推進するということはいまや国家的な課題だというふうに私は考えているわけでございます。
 そこで、五月一日に第三次国連海洋法会議で十年越しの難航した審議の末に海洋法条約が採択されたわけでございます。したがって、このことで世界は新しい海の時代に入った、私はこう言っても過言ではないと思うのですが、この中の深海底鉱物資源に関する条約についての概要を簡単に御説明いただきたい。
#94
○渡辺(伸)説明員 お答え申し上げます。
 このたびの国連海洋法会議は、簡単に経緯を申し上げますと、実は一九六七年にマルタの当時の国連代表でありましたパルドという方が、深海底及びその鉱物資源は人類共同の財産であるという有名な演説をいたしまして、さらに一九七〇年に至りまして、国連総会で深海底及びその鉱物資源は人類共同の財産であるということをうたいました国連決議が採択されました。で、今次海洋法会議は一九七三年から始まったわけでございますけれども、深海底開発問題につきましては人類の共同の財産であるという考え方を国際法化する試みとして、この海洋法会議が行われてきたというふうに理解してよろしいかと思います。
 それで、まず開発の仕組みでございますけれども、当初、開発途上国の方は先ほど申し上げました原則宣言に沿いまして、とにかくこういう資源は一元的に国際機関のみによって開発されるべきであるということを主張いたしました。それに対しまして先進国は、確かに国際機関が深海底開発について管理する必要はある、しかし、国際機関だけの開発というのはやはり問題なので、国とか私企業もあわせてあの開発に参加できるようにということを主張いたしまして、結果的には、国際機関、エンタープライズと呼ばれますけれども、エンタープライズによる開発と国、私企業による開発という二本立ての開発仕組みになっております。
 それで国際機関としては、深海底開発国際機関、オーソリティーというものとか総会とか理事会とかいうものがつくられますが、先進国といたしましては、そのエンタープライズが実際に開発のできるように資金とか技術の面で全面的な協力をするという仕組みになっております。
#95
○斎藤(実)委員 今回の条約草案の採決に当たりまして、反対投票をした四カ国の中にアメリカが入っているわけです。また、棄権した十七カ国の中にはイギリス、ソ連も入っておる。いわゆる超大国抜きの採択になったわけです。特に、深海底開発のためには、長年にわたって技術と資金を投入してきたアメリカの不参加をどういうふうに認識しておるのか。また、十二月にカラカスで行われる予定の条約調印会議においても、アメリカは反対投票をしているわけでございますから、これは当然もう署名する可能性はないと見なければならぬと思うのです。そうしますと、海洋法条約の実効が懸念されるわけです。この海洋法というのは、深海底鉱物資源の問題だけではなくて、領海、国際海峡、大陸棚、紛争の解決等いろいろな要素が入っておるわけでして、私は、アメリカ抜きでは海洋法条約が形骸化してしまうのじゃないかと思うのですが、この点どう認識されておりますか。
#96
○渡辺(伸)説明員 お答え申し上げます。
 実は四月三十日に会議が終わったばかりでございまして、先生がいまおっしゃられましたような点につきまして、深い分析をするにはまだちょっと時期が早いという問題がございますけれども、とりあえず、当面現時点で私どもが考えておることをお答えさせていただきます。
 御指摘のとおり、アメリカは条約草案に反対投票いたしました。その理由は、深海底開発問題について、アメリカが先ごろ打ち出しましたレーガン声明というのがございまして、結局、今次会期の交渉の結果でも、そのレーガン声明が意図したところが達成されていないという理由から反対投票したわけでございます。ただ、ここで反対投票した国は四カ国ございましたけれども、この深海底開発問題で反対投票をしたのはアメリカだけでございます。それ以外のイスラエルとかトルコとかベネズエラとかという国は、深海底開発問題以外の別の条項について問題があるということで反対投票したわけでございます。
 それから、棄権は確かに十七カ国ございましたけれども、そのうちの大部分、たとえばイギリスとかそういう国を含めましたEC諸国も、投票が行われたから反対した、もし投票がなくて条約全体がコンセンサス採択ということになった場合には、あえてそのコンセンサスの成立に異議は唱えないという態度でございました。したがいまして、深海底開発問題を不満として反対投票したのは、実質的にはアメリカだけということになります。
 それから、ではアメリカが不参加の場合にどういうことになるかということでございますが、実は海洋法条約の発効要件といたしまして、六十カ国が批准ないし加盟をした後、その十二カ月後に発効ということになっているわけでございます。通常こういう条約の例ですと、この程度の国の数が批准、加入するには相当時間がかかる、海洋法条約の場合でも七、八年はかかると言われているわけでございます。
 他方、深海底開発問題自体につきましても、まだ技術的に解明されなければいけない問題が多々ございまして、実際にその開発が可能になるのは、早くても一九九〇年ごろあるいは一九九五年ぐらいになるのじゃないかというふうに言われております。したがいまして、深海底開発問題に関しましてアメリカが非常に大きな貢献をすべきことはもちろんでございますけれども、アメリカの条約への参加が本当の意味で必要になるのは、その条約が発効になるころ、つまりこれから七、八年先のことではないかと思います。それで当面は、深海底開発問題については特に支障は生じないということではないかと思います。ただ、もちろん、いまの時点から、アメリカは条約に参加しますということをはっきり言ってくれていればこれにこしたことはないわけでございます。しかし、とにかく条約のもとでの開発体制が動き出す、アメリカの力が必要になるというのは、実際問題としては当面まだ先のことであるということでございます。
 それから、もう一つつけ加えますと、アメリカとして確かに反対投票をいたしましたけれども、だからといって、条約に参加しませんということを明言したわけではございません。また、日本にとりましても、もちろん、この深海底開発問題のみならず、条約の全般的な有効性という観点から、アメリカが条約に参加することは不可欠と考えておりまして、もうすでに外務大臣からヘイグ国務長官に対して、アメリカは態度を再検討してやはり条約に入るという方向で考えるべきではないかというようなことを申しておりますし、今後とも、機会あるごとにアメリカの態度の再検討ということについて、政府としては申し入れていきたいと考えております。
#97
○斎藤(実)委員 これはアメリカに対してぜひ参加要請を強くしてもらいたいですね。
 今後、新国際機関の設置、これは国際海洋機関とか開発公社とかいうものが設置されるのでしょうけれども、国連の事務当局の試算によりますと、この建設費が一億三千八百万ドルとか、年間運用費が六千百万ドルとか新たに必要だというふうに言われておるのですが、アメリカが条約の枠外にいると日本に物すごく負担がかかるだろうと心配するわけです。一時アメリカが提唱した、先進国の四カ国ないし五カ国だけで相互協定で鉱区の線引きをやろうという動きがあったことは御承知のとおりですが、またこういう動きがあるのかどうなのか、その辺の判断はいかがですか。
#98
○渡辺(伸)説明員 いまの先生御指摘の点ですけれども、これがまさしく当面の大問題でございます。先ほど申しましたように会議が終わったばかりで、アメリカを含めまして各国がどういう態度をとってくるのか、いまのところはっきりとわかりません。もちろん、われわれも情報収集には最大限努めております。
 ただ、これも当面のわれわれの考え方ということでお聞き願いたいわけでございますけれども、今後、条約発効までの間の深海底の開発問題、具体的には探査活動でございますが、これがどういう形で進められていくかということにつきましては、二つコース、選択がございます。一つは、今度の会議で決まりました先行投資保護決議に従いまして、国連の傘のもとで探査活動を続けていく、いわば国際的な承認を受けた形で続けていくという方法でございます。もう一つは、先ほど先生御指摘のいわゆる相互協定の方で、国連の枠外であるいは国連の先行投資保護決議を無視した形でやっていく。大きく言いましてこの二つがあるかと思います。
 ただ、私どもといたしましては、この第二番目の方法で行くということは、現実問題としては非常にむずかしくなっているのじゃないかと思います。と申しますのは、それで行くということは、結局国連決議に挑戦することでもありますし、いわば国際社会全体の総意に対して挑戦するということでございまして、そういうことでやっていくことによって果たして国際的な認知が得られるかどうか。たとえば先進国の企業が活動を続けるに当たっても、早い話が、銀行なんかが果たしてお金を貸すかどうかという問題もございまして、相互協定で行くという場合、決してそれは安定した開発の仕組みではないんじゃなかろうかと私どもは考えております。
 わが国といたしましては、今度の条約及び決議案に賛成投票したということもありまして、基本的には、国連尊重主義という立場から、国連決議のもとで探査活動を続けていくべきものと考えております。
#99
○斎藤(実)委員 条約によりますと、先行投資をしている国家プロジェクト、日本、フランス、ソ連、インド、十二月の海洋法条約の最終議定書調印までに開発をしようとする鉱区の届け出をしなければならないことになっているわけですね。この場合、国内法の裏づけがないと不利になるのではないかと思うのですが、この国内法に基づいて実際に開発権の設定を申請する母体を設立させる必要があると思うのですが、どのようなプロジェクトを想定しているのか、伺いたいと思います。
#100
○深沢説明員 お答え申し上げます。
 まさに先生御指摘のとおり、国内法に基づいてできた場合でございますけれども、どういう母体を考えていくかということが検討しなければならないテーマでございます。先生御案内のとおり、マンガン団塊のいろいろな事業、これはもう本当に多面的な技術等々の開発をしながらでもやっていかなければならない問題でございます。したがいまして、母体の性格と申しますでしょうか、あるべき姿としましてはやはり関連業界の活力と申しますでしょうか、そうしたものが結集されたような母体が望ましいと考えております。
 現段階におきましては、昭和四十九年に深海底鉱物資源開発、この円滑な推進を図ることを目的といたしまして、非鉄金属会社等々関係会社いろいろ集まりましたかっこうで、現在深海底鉱物資源開発協会というものも設立されてございます。今後の内外の情勢いかんにもかかるわけでございますけれども、かかる協会の活用なんかも含めながら、また関係の皆様方といろいろ御議論させていただきながら、検討させていただければと思っております。
#101
○斎藤(実)委員 確かに、深海底鉱物資源の開発については、技術面ですとかあるいは機械力だとか多額の資金を必要とするわけでありまして、相当長期的なプロジェクトになるわけですね。民間の経済力の活力を結集するといいますけれども、この不況下にあって、投資的な効果も少ない息の長いプロジェクトに金を出す企業が果たしてあるかどうか。ある程度政府もてこ入れをしなければならないと思うのですが、いかがですか。
#102
○深沢説明員 お答え申し上げます。
 いま先生御指摘のように、確かに資金的にも、それからいろいろな技術面のリスクをカバーする意味でも、業界だけの力で、民間だけの力でということにつきましては限界があるところはそのとおりでございます。それで、たとえば現在まで第二日嶺丸等を使いまして賦存状況の一般的な調査を進めてきておりますし、それからまた、技術開発のための探査につきましても国の助成によりますいろいろなことをやってきております。
 それからたとえば、先生も御指摘になられましたように、探査の次の段階というのはマンガン団塊を引き揚げるということを考えていかなければならない問題でございます。この問題につきましては、もう先生御案内のとおりかもしれませんが、五十六年度から、大型プロジェクト制度によりましてこういった技術開発を精力的に進めるべくいま進めているところでございます。これは非常に長期かかります。九年間ぐらいのとりあえずの予定で、膨大な資金なんかも考えながらやっているところでございまして、官民いろいろ合わせまして、民間の方々の活力の活用も含めまして、やはり総体として取り組んでいかなければならない問題だ、かように考えております。
#103
○斎藤(実)委員 ぜひ積極的に取り組んでいただきたいことを御要望申し上げて、私の質問を終わります。
#104
○近藤委員長 和田一仁君。
#105
○和田(一)委員 ことしの三月十六日に、原子力委員会廃炉対策専門部会の方から、「原子炉の廃止措置について」という報告書が出ておりますけれども、これについてきょうはお伺いしたいと思うわけでございます。その前に、けさ新聞を見ますと、原子力の新しい長期計画案というものがまとまった、こういう報道でございます。これは、この三月十六日の原子炉の廃止措置、いわゆる廃炉問題についての報告書もこの中に生かされている、こういうふうに思うわけでございますが、初めに、この新長期計画案について御説明をいただけたらと思うわけでございます。
#106
○石渡政府委員 原子力の研究開発利用長期計画の見直しを現在やっておりますが、ここ一日、二日、新聞でその内容がやや早目に報道されているわけでございますが、実際最終的に報告がまとまるのは六月の半ばぐらいになるかと思っておりまして、現在、幾つかの問題点につきまして最終的な詰めを行っている、大筋はできたわけでございますが、そういう段階にあるということを御報告申し上げます。
 その全体の長期計画の見直しのためにいろいろな委員会、分科会と申しますかが設けられて、それぞれの問題につきまして検討が進められて、大部分まとまっているわけでございますが、そのうちの一つといたしまして、いわゆる恒久的な運転を終了した原子炉の廃止措置に関してどう考え、今後どういう計画でその時期に来た場合に対応すべきであるかという検討を行った部会が、先生ただいま御指摘の報告を三月に出したということも事実でございまして、この長期計画の中にその趣旨は当然織り込まれた形で報告がまとまる、こういう段取りになっているわけでございます。
#107
○和田(一)委員 六月の半ばごろにまとまるということなんで、具体的にまだ御無理だったら結構なんですけれども、しかし、大枠そういう素案ができているということなんで、もう一点お伺いしておきたいのです。
 報道されておる中身によりますと、いま大変懸案の高速増殖炉についても、見通しが相当具体的にこの計画案の中で示されているかに伺っているのです。これは先般、日米でFBRの協力関係もやっていこうじゃないかというような報道もございました。そういうことと関連して、このFBRの方の目標、報道によると九〇年ごろに臨界に至らせて、同じころ、次のステップである実証炉の着工、二〇〇〇年の初め、二〇一〇年ごろには実用化を目指す、こういう急ピッチでやれるというような目標になっているというふうに伺っているので、この点が一つ。
 それからもう一つ、夢の核融合についても、新長期計画案の中では相当具体的に触れておるように報道されております。私の手元にあるのでは、いまやっておるJT60ですか、これで八五年ころに、というともうわずかですけれども臨界プラズマ条件を満たし得る、そして九〇年代半ばには炉としての実現が可能かというふうにまで、これは報道でございますので、その辺がどんなふうに計画案の中では示されてくるのか、できたらお知らせをいただきたいと思います。
#108
○石渡政府委員 最終的な詰めを原子力委員会ベースでまとめつつあるという段階でございますので、若干不正確な点があることを御容赦願いたいわけでございますが、まずFBRにつきましては、先般、わが国としては原型炉の建設についてきわめて最近地元合意を得た、これから安全委員会の安全審査を経、その上で建設に取りかかっていく、それで、できれば昭和六十二年、あるいはスタートがおくれておりますので二、三年程度のおくれが出るかもしれません、日本はそういうやっと原型炉に手がつくという段階にあるということでございます。
 一方、イギリスあたりでは原型炉はもう相当運転の経験を持っております。それから米国は、原型炉の建設中に、前政権の時代にストップがかかっているという状況にある。一方フランスだけが非常に先行しておりまして、実証炉を建設している段階にある、こういう状況でございます。そこで日本に対しまして米国から、イギリス、日本を含めた形で原型炉の次の実証炉の設計研究を一緒にやろうじゃないかという声が民間を通じ、あるいはやや非公式な形で政府ベースからも伝えられてきておりまして、この辺、日本はこれから原型炉をつくろうという段階、しかし、次の段階の実証炉の設計研究くらいはっき合えるのかなという感じで、どう判断していくか、これから検討をいたしていきたいというふうに思っております。
 米国からの働きかけと申しますか話は、まだ話だけの段階でございまして、もう少し具体的に提案をしてくれないと、日本としても検討のしようがないという状況でございまして、早ければ五月中にでも、米国案と申しますかアメリカの考えている案を提示してくるのではないかというようなタイミングと考えております。これは内容を見ました上で、どの程度日本として協力できるのか、あるいはしていった方がいいのかという判断をしなければなるまい、このように考えているわけでございます。
 そういうことも含めまして、FBRの実用化時期を御指摘のように二〇一〇年くらいというふうににらみますと、原型炉をやり、そして余り期間を置かずに実証炉を、実証炉は一基で済むのか二段階くらいやってみなければならないのか、恐らく二段階くらいやってみないと、とうてい実用炉の段階にいかないのじゃないかというのが現在の技術的な判断でございまして、一方二〇一〇年くらいということを頭に置くと、それは相当詰まった形での開発計画が進められていかなければなるまい、こんなふうに、まだこれは高速増殖炉の分科会ベースでの報告の内容でございます。
 後ほど申し上げます核融合の計画等々、非常に金を食う話ばかりでございますので、その辺全部あわせてというわけにも、全体を見ます場合に、資金計画等も最終的には配慮に入れなければなりませんので、それぞれの分科会の希望どおりというわけにはいかないのだろうという気はいたしますけれども、一応高速増殖炉についてはそういう形。それから国際協力ということもうまく織り込んで、できれば織り込んでいくことによって全体のスケジュールを早めたいものだ、このような基本的な考え方をしているわけでございます。
 それから核融合についてでございますが、確かに、いま現在おかげさまでJT60建設の真っ最中でございまして、大体六割くらいでき上がってきているという段階でございますが、これも六十年に臨界を目標といたしております。
 そこで問題になりますのは、これはトカマク方式で進めているわけでございますけれども、各大学、京都大学あるいは大阪大学あるいは名古屋大学、筑波大学等々で別の方式の核融合の研究が進められております。
 段階といたしましてはまだ基礎的な段階でございますが、最終的に、現在時点での判断ではトカマク方式が一番実現性が高いと言われているわけでございますけれども、ほかの方式もいまの段階で切って捨てるわけにはいかない、相当将来性もありそうだという状況でございますので、むしろ私どもの基本的な考え方といたしましては、JT60で臨界プラズマ条件はぜひ実施をいたしたい、その時点でほかの方式、ステラレーターでありますとかレーザー法でありますとかいろいろございますから、それらの方式の開発の進みぐあいも見まして、その時点で、その後のわが国としての核融合の焦点をできるものならばしぼりたい。またしぼりませんと、一つ一つがまた数千億あるいは一兆円に近いようなプロジェクトに次の段階なっていくわけでございますので、その時点で慎重な配慮、選択を行わなければならないという時期がやってくるというふうに考えておるわけでございます。
 現在、トカマク方式、日本と大体肩を並べましてアメリカ、ソ連、そして欧州連合、四つのプロジェクトが世界的に進められているわけでございまして、それぞれ特色はございますが、ねらっているところは同じという状況でございますので、しかしJT60の場合二千億円、その次の段階をもし考えるとすれば五、六千億円のプロジェクトになるということでございまして、各国とも資金的になかなか単独ではしょい切れぬなあという感じが持たれておりまして、核融合のプロジェクトにつきましても何とか国際協力、国際分担でやっていかないと、それぞれがつぶれてしまうかもしれぬ、俗な言葉で申し上げますと金がもたなくなるという心配もそれぞれの国が持っております。
 そういう意味での今後の国際分担といった話も内々始まっているということでございますので、JT60、トカマク方式で突っ走るとすればという意見は当然日本の核融合研究者、現在JT60を中心にやっている研究者はそういう意見が強いし、また、ほかの方式を研究しておられる学者の方々は、いや、それよりもこちらの方が将来性があるかもしれぬという意見をお持ちでございます。そういう意味では、まだとても一本にしぼり切れる段階にはないわけでございますので、その辺の状況を最終的な報告書にどういうふうに表現されるのか、まだはっきりしない点が残っているわけでございます。
 いずれにしろ、何らかの形で日本も一翼を担って核融合技術の開発に貢献するということは、先進国としての重要な使命であろうということは感じているわけでございまして、現在時点では、とにかくJT60の完成を急ぎ、至急臨界に達したい。また、各大学での研究も、それぞれのお立場で精力的にやっていただくという姿でここ数年は進めたい。ここまでははっきりしているわけでございますが、それから先につきましては、前向きではあるにしろ、どういう形でということについてはなかなかはっきり書き切れないのではないかというふうに考えているところでございます。
 以上、御報告を申し上げます。
#109
○和田(一)委員 ありがとうございました。
 こういった大型プロジェクト、FBRについてはすでにこういった国々との協力が具体化されそうでございますけれども、将来、核融合については非常に巨大なプロジェクトになっていくわけなので、いろいろな研究方法、アプローチの方法はあるにしましても、人類の次の夢である核融合を、なるべくそういった国際協力の中で一日も早く手に入れていきたいものだ、とにかくそれまでのつなぎにいまの原子力発電をやっておるんだ、私どもはそう認識しておるので、ぜひ早くしていただきたい、こう思うわけです。
 それにしても、最近大変急速に新型炉の開発であるとか、核燃料サイクルの確立ということが出てまいりまして、そういう意味では、きょうは、冒頭申し上げたいわゆる廃炉について御質問していきたいと思うわけなのですが、大変むずかしい問題なものですから、できるだけひとつわかりやすい説明をお願いしたいと思います。
 私どもの認識といたしましても、いま運転されておる原子力発電の炉がやがては運転を停止する時期が来る。物理的な耐用年数は三十年ないし四十年、こういうふうに聞いておるわけなんですが、物理的な耐用年数からいっても早いのは七十年代には廃炉の運命にある。ましてや、こういう新型炉がどんどん開発をされてくることになれば、経済的な廃止措置というのも急速に早まってくるのではないか、こういうふうに思うわけですね。したがいまして、これの対策というものは大変大事だとかねがね思っておったわけなんですが、それについての報告が出たわけなので、これについてお伺いしたいわけでございます。
 まず、この答申の基本的な点でございますけれども、いろいろな方法等が書かれておるようでございますが、廃炉対策の基本としてどういうふうな取り組みをされていくわけでしょうか。
#110
○石渡政府委員 お答え申し上げます。
 原子炉の廃止措置と呼ばしていただきますが、その基本的な考え方といたしまして三つの点を考えております。
 第一は、現実にはがっちりできた原子炉を壊すわけでございますから、そういう作業の安全、特に作業環境で作業員の被曝という問題が心配されるわけでございます。なるべく人が近づかないで炉の停止措置を講じていくということ、そのための技術開発をいまから始めていこう、こういうのが第一点でございます。
 それから第二の基本方針でございますが、その壊した後どうするのだということになるわけであります。壊す前にまず停止をするわけでございますが、先生御案内のように、そのまま危険な部分は取り除いて、後は封鎖して置いておくということが、その時点では経済的には一番簡単な方法でございますけれども、私どもの基本的な考え方といたしましては、この狭い国土であり、また、原子力発電所の立地ということで非常に御協力を願った地域である、したがいまして、できることであれば、またその跡をきれいにして再び発電所として使う、あるいはその他の産業施設を建設してその土地を有効に使うということを前提に考えたい。そのためには、炉の停止からの時間のファクターはございますが、できるだけ早く解体撤去をいたしまして、その跡地を有効利用するということを前提に考えたいということでございます。
 それから第三の重点といたしましては、これは当然のことでございますが、建設に当たりましても、いろいろ地元の方々との協調関係ということが重視されているわけでございますけれども、その廃止の時点におきましても十分な御理解を得てやっていかなければいけない。このことは作業の安全性と、それから停止になった後の措置にどう対応するのかという点、その二点にまた戻るわけでございますが、この三点を基本的な考え方として、これから最初の廃止の炉が出ますのが約十五年後と予想されますので、それまでに完全な技術開発を進めて、技術を十分確立しておいて、その時点に対応できるようにいたしたい、このように考えてリポートがまとめられているわけでございます。
#111
○和田(一)委員 確かに、地元の理解を得るということは大事ではないかと思います。大変むずかしい条件の中で同意を得て運転しておる原子炉がとまってしまってから後は、ここは墓場になるのではないかということになりますと、これからの立地的な条件というのはますますむずかしくなってしまう。そうではなくて、おっしゃるように安全に、地元の人たちに何ら迷惑をかけずにこれが再利用できる、完全撤去した後、また新しい炉をここにつくれるのだという技術開発がどうしても必要だろう、こう思うわけでございます。
 そういう観点からなおもう少し伺いたいわけなんですけれども、最初に出てくるのはそんなに大きいものはないと思うのですが、どんどん大きい炉になっておりますので、この技術開発を進めていく上で、どういう体制でこの技術開発をなさっていこうとしているか。基本的なことはもちろん国がおやりになると思うのですが、具体的な発電をしておるのは民間会社でございます。具体的に廃炉に取り組むのも民間の会社がその主力になるわけですけれども、そういう意味でこの技術開発をどういうふうに進めていくか。そして官、民の役割りというようなものをどんなふうにお考えになっておるか、お聞かせいただきたい。
#112
○石渡政府委員 原子炉の廃止の措置につきましては、基本的なところは科学技術庁が担当いたしまして、実は日本で最初に試験的ではございますが発電をいたしましたJPDRという炉が、原子力研究所にございます。約九万キロの実験炉でございますが、相当運転もやっておりますので、この炉を対象にいたしまして具体的な解体技術の開発をやっていきたいというスケジュールを持っております。
 そのために、約十年間で二百億円くらいの規模の研究開発計画を考えているわけでございますが、具体的には、まず基礎的な研究調査といたし住しては、相当長期間稼働した原子炉のどの部分静どんなふうに汚れているのかというあたりから調査が開始されるわけでございます。それで、その汚れている部分を除染する技術がどんなことがあり得るか。除染をいたしましていよいよ解体にかかるわけでございますが、この解体をどんなふうにやっていったならば一番合理的に危険性を少なくしてできるか。さらにはなるべく人が近づかないで遠隔操作でそういう技術をやりたい、こういった一環の技術開発を考えまして、まず十年間と申し上げましたが、前半五年間くらいで解体に関する総合的な技術開発を行う、また後半の五年間くらいで実際にこのJPDRという炉を解体してみるということで、十年間二百億円のプロジェクト、小さなプロジェクトでございますが、非常に大事なまた非常にいい例、実物がございますので、これを十二分に活用いたしました形で炉の解体技術の開発を進めたい、このように考えておるところでございます。
 一方、通産省からも御説明があると存じますが、この原研の炉を使いましての解体の技術開発につきましては、民間の方々にもできるだけ多く参加していただくという形で、共有の技術として解体技術の開発を進めたい、このように考えているところでございまして、すでにこの計画はスタートしたところでございます。
#113
○戸倉説明員 通産省が進めております対策について御説明をさせていただきます。
 先生先ほど御指摘ございましたように、わが国の場合には、まだ実用発電炉の廃止措置というものは現実に具体化しているわけではございません。ただ、海外におきましては、小型炉ではございますけれども解体の実績もございますし、あるいは遮蔽隔離、密閉管理といったような多数の経験もございまして、小型炉についての実績はある程度ございます。したがって、技術もある程度蓄積されているわけでございます。
 そういったものを私ども調査研究をいたしましたところ、一応既存技術あるいはその改良によって対応はできるという見通しは得られているわけでございますが、この問題は、先生も御指摘のように、大変重要な問題でございますので、私どもといたしましても、これからより安全にかつ経済的に解体等をやるためにはどうしたらいいかということで前向きに取り組んでいるところでございます。
 具体的に申し上げますと、昭和五十四年度から資源エネルギー庁の中に廃炉調査委員会という委員会を設けまして、海外の実例等を勉強しながら、将来における技術基準策定のための調査を開始しております。これは具体的に原子炉の廃止措置をどういうふうな手順等でやったらいいかという、最終的には法令の技術基準をどういうふうにつくったらいいかというようなところの調査を開始いたしております。
 それからさらに、昨年度から特に重要な技術、たとえて申し上げますと、大型の容器とか配管を切断する技術、これはある程度ロボットのようなものを使いまして遠隔操作をしなければいけないわけでございますが、そういうもの、あるいはコンクリートについております放射能を除染する技術、そういったものの重要な技術につきまして安全性、信頼性の観点から確証試験を実施するというようなことで、数カ年計画でこれを実施することにいたしておるわけでございます。先ほど原子力局長からもお話がございましたように、具体的には昭和七十年代の後半にはそういったような廃止措置が必要になる場合も考えられますので、私ども、今後とも、こういった解体技術の向上あるいは技術基準の整備等に前向きに取り組んでいきたいと考えております。
#114
○和田(一)委員 ぜひ効率的な開発を、官側でも相互に連絡をとりまた民間とも技術交流をして開発をしていただきたいと思うわけです。
 同時に、これに附属して出てくる問題ではないかと思いますが、解体をするようになった場合は、これは大変費用がかかってくると思うのです。外国などでは、この解体のことも含めて、廃炉の費用についても受益者の世代間の負担が、先に行ってしわが寄ってくるという不公平はなくすべきだ、こういう配慮がもうすでに行われているという状態ですが、全体的に言って、これはまだはっきりした費用についての算出はむずかしいのかもしれません。非常に幅のある答申のようでございますけれども、この辺はいかがでございましょうか。
#115
○戸倉説明員 原子炉の廃止に伴う費用でございますが、先生御指摘の原子力委員会の廃炉対策専門部会でも指摘をされております。わが国の場合には実例がございませんのであれでございますが、海外の事例で申し上げますと建設費の数%から二〇%程度まで、かなり幅のある試算が得られているわけでございます。ただ、この問題につきましては、どういうような技術を使用するか、あるいは原子炉施設のうちにどの程度再利用できるものがあるか、それからまた廃炉方式の具体的なやり方、組み合わせ等によって異なりますので、現段階で明確な見積もりを持つことは非常に困難でございます。ただ、先生御指摘のように、この原子炉の廃止に伴う費用というのは将来必ず発生をするわけでございまして、この費用については、理論上やはり発電を行っている時点における費用として計上すべきであるという考え方を私ども持っております。
 これは昨年十二月に、私どもの電気事業審議会料金制度部会というのがございますが、そこで原子力のバックエンド費用、主として再処理費用について御検討していただきましたときに、廃炉の問題につきましても御議論いただいたわけでございますが、こういったような一応の中間的な考え方が出されております。ただ、私が申し上げましたように、現時点で明確な見積もりをすることが非常に困難でございますので、今後、わが国に適しました廃炉技術の開発等と相まって検討していく必要があろうかと思います。この費用をどういうふうに電気料金に組み入れていくかにつきましても、この廃炉の具体的な費用の見通しがある程度得られた段階で判断をしていくべき問題だと考えております。
#116
○和田(一)委員 バックエンド費用については、これからの原子力開発についても廃炉の問題あるいは再処理の問題、こういった費用が――いままで原子力発電はコスト的には安いんだ、しかし、これから廃炉なんという大変なものに取り組むようになるとこれはそうは言っていられないぞ、結局は高いものにつくのじゃないかという懸念も一部には起こっておるのですが、今度の答申を見ますと、そんなでもないように私は思うのです。具体的に言って二〇%ということになると、百万キロワットくらいの原子力発電の建設費は三千億くらいですか、そうすると六百億というような費用になろうかと思うのですが、それが電力コストにはね返ってくる程度というのはどれくらいだと見積もっておられますか。
#117
○戸倉説明員 私どもが試算をしております原子力発電所のコストでございますが、これはモデル試算でございまして、地域によって大分違いますが、昭和五十六年度の運開の標準的なプラントで申し上げますと、キロワットアワー当たり十一円ないし十二円という試算がございます。これにはウランの鉱石あるいは濃縮、再処理等の費用がすべて入っております。これに入っておりませんのが最終的な処分の費用、それから、ただいま御指摘をいただきました原子炉の廃止に伴う費用は入っておりません。仮に、先生御指摘のように原子炉の廃止に伴う費用が建設費の一〇%あるいは二十%というような仮定を置きまして、これが現在の耐用年数期間中稼働いたしまして、キロワットアワー当たり幾らになるかという試算をいたしますと、数十銭というような単位でございまして、現在の十一円ないし十二円という単価に比べましても一割には達しない、数%というような影響ではないかと考えられます。
#118
○和田(一)委員 時間がなくなりましたので簡単にお聞きいたしますけれども、そういう中で、各先進国ではすでに、まだ廃炉にいたしてないうちからこういう費用については引き当て、積み立てあるいは料金原価に算入するという方法もとっておるということでございます。わが国でもそういった点について、電事審の方の料金制度部会の中間報告によりますと、「炉内で燃焼している時点で引当金を積立てる方式により、料金原価に算入することが適当である。」こういう答申が出されております。さらに「引当金方式の採用に伴い、企業会計及び税制上の取扱いとの整合性が図られることが望ましい。」こういうふうに結論が出されておるわけですが、こういう方向づけについて、積極的にそういう方向がとれるかどうか、ひとつ御見解を伺いたいわけです。
#119
○植松説明員 税制上の取り扱いでございますけれども、使用済み核燃料の再処理費用の方でございますが、これは先生いま御指摘いただきましたとおり、昨年の料金制度部会でも、現在すでに料金といいますか費用としてどのくらいかということが合理的に見積もれるということで、料金原価にも織り込むべきであるし、また、その際税制上あるいは企業会計上との整合性をとる必要があるということで、再処理費用につきましては五十七年度の税制改正におきまして、通産省としましては大蔵省に税制上も非課税扱いにしてほしいということで要望し、また折衝したのでございますが、五十七年度には実現に至りませんでした。しかし、これは費用としてももう見積もれるということで会計処理もしていかなくちゃいけない問題でございますので、できるだけ早い時期に税制上の取り扱いも非課税扱いになるように今後とも折衝をしていきたいと思っております。
 なお、その他廃炉費用につきましては、先ほど答弁がございましたように、まだ見積もりができません状況でございますので、経理処理もむずかしいわけで、したがいまして、税制上の取り扱いも現段階では措置が困難かと存じております。
#120
○和田(一)委員 五十七年では税制上非課税ができなかった、こういうことですので、五十八年ひとつ引き続いてその方向で御努力を願えれば、こう思うわけです。
 同時に、解体撤去ということになりますと、それに伴って出てくるのに壊した後の大量の放射性廃棄物があるわけです。これの処理について、答申の中を見ますと、いままでは管理区域内から出てきておる廃棄物についてはすべて放射性廃棄物、こういうレッテルを張って管理保管を厳重に規定づけられている、ところが、そういう中には大したものでないものがある、言いかえれば産業廃棄物と余り変わらぬものも全部放射性廃棄物として厳重な処理が要求されておる、これを見直そうではないか。そして実際には十五万トンぐらい出るその中で、大部分はそういったものに該当するので、本当に放射性廃棄物として処理しなければならぬものは二万トンぐらいだというふうにも聞いておるわけですが、そういった廃炉に伴って出てくる大量の放射性廃棄物の処理の仕方についてどういうふうな方向づけをされるのか。
 いわゆるすそ切りということについてもこの際前向きに取り組んでいくのかどうか、そういう点についても御見解を伺いたいと思います。
#121
○石渡政府委員 御指摘のように、原子炉の廃止に伴いまして、きわめてレベルの低い大量の廃棄物が出てくるというのがわれわれが考えるべき大きな問題でございます。先生御指摘のように、その中には、管理区域内にあったにしろ全く汚染していないものもございます。それから、除染をすることによってレベルを非常に下げることができる、あるいはもともと汚染のレベルがきわめて低いものが大部分であるということは御指摘のとおりでございます。この廃炉対策専門部会の報告書におきまして、放射能レベルがきわめて低い廃棄物については、非放射性廃棄物と同等に合理的な処理処分ができるよう検討する必要があるという御提言があったわけでございまして、私どもこれは非常に重要な問題として受けとめて、この検討を前向きに進めるべきだと考えております。
 ただ、問題が非常にむずかしいわけでございます。非放射性廃棄物と同等に合理的にということでございまして、同様にとは決して書いてないわけでございます。このさしあたって思い当たる問題点といたしましては、それではどのようなレベルならば同等に扱っていいのかという点、またそれをどのように確かめる手段があるのか、これは非常に公正を期してやりませんと、非常に混乱をするということでございますので、姿勢としては前向きに、また慎重にこの御提言を受けとめまして検討してまいりたい、このように考えている次第でございます。
#122
○和田(一)委員 ありがとうございました。時間がなくなりましたので、終わります。また続きをやらせていただきます。
#123
○近藤委員長 山原健二郎君。
#124
○山原委員 科学技術会議が昭和五十二年の五月に第六号答申を出しております。科学技術会議は、もちろん科学技術庁が事務局的な役割りを果たしております。そういう意味で、この答申の内容と関連をして質問をいたしたいと思うのです。
 いま申しましたように、五十二年五月に第六号答申、そして一番新しいのは五十六年七月に第九号答申を出しておりまして、たとえば精度の高い危険地域地図の作成あるいは集中豪雨の観測と一体化したシステムをつくって、山崩れあるいは土石流の発生を予知する技術等を確立するというふうな答申が出されておるわけです。
 この点に関係しまして、最初に、建設省の方においでいただいておりますから伺いたいのですが、高知県の大渡ダム、四国で第二番目の巨大ダムでありますが、これが試験貯水に入りましたとこころ、四月十九日に大規模な崩壊を起こしておるわけです。これは非常に重大な問題になっておりまして、地域の住民の不安、また県議会その他におきましても、またこのダムの存在します高知県吾川郡吾川村、高岡郡仁淀村の村議会、村長たちも大変心配をしておりまして、建設省に対していろいろな要請もなされておるという、現在その最中でございますが、これは今後におけるダムの地すべり等に対する大きな教訓を投げかけておると思います。
 その意味においてお伺いするわけですが、まず第一番に、今回の大規模な崩壊の原因がどこにあるのかという問題ですが、建設省としてはどういうふうに把握をされておりますか。
#125
○佐藤説明員 先生お話しの大渡ダムの件でございますが、大渡ダムにおきましては、昭和五十五年十一月から、ダム及び貯水池の安全性を確認するということで、試験湛水を開始いたしております。その後段階的に水位を上昇あるいは低下させまして、五十七年四月十九日に、標高二百四メーターの貯水池の常時満水位まで水位を上昇させました。この昭和五十七年四月十九日に、貯水池右岸側の仁淀村戸崎地区におきまして、つけかえ村道を含む斜面に地すべりが発生しております。次いで、四月二十日には左岸側の吾川村鷲ノ巣地区におきまして、つけかえ国道の下部標高に亀裂が発生しまして、地すべりが確認されております。また、四月二十四日には右岸側仁淀村三島神社下地区の道路路面にひび割れが確認されております。
 これらの地すべり発生の原因でございますが、試験湛水によります貯水池の水位の上昇に起因しているということも考えられますが、詳細な調査を現在実施しておりますので、この結果を待って判断いたしたいというふうに考えております。
#126
○山原委員 試験湛水の水位の上昇、いわゆる常時満水位のところまで、二百四メートルまで来たときに起こっているという、その因果関係については認めておられるわけですね。
#127
○佐藤説明員 先ほど申し上げましたように、試験湛水によります貯水池の水位上昇に起因しておるということも考えております。
#128
○山原委員 今回の崩壊地域は、建設省としては大体五カ所というふうに把握されておるように思いますが、地元の両村におきましては、そのほかに七カ所を指摘しておりますが、そのことは御承知ですか。
#129
○佐藤説明員 一応そのような話は伺っております。
#130
○山原委員 この防災工事はずいぶん長い間論議があったところでございまして、実は私が県会議員の当時、もう十八年も前になるのですが、その当時この大渡ダム問題を県議会の中で取り上げまして、自分でもこういう大渡ダムの危険性その他についてパンフレットを出しているのです。これは最近まで自分の手元になくて、今度探しておりましたらやっと出てきたのですが、約八十億の防災事業費を用いまして、そして工事の必要なところに対しては建設省はそれに対する一定の工事を行っておるわけでございます。その際に要工事地域を指定しましたが、それはどういう根拠に基づいてやられたのですか。
#131
○佐藤説明員 この大渡ダムにつきましては、地質的にもいろいろ問題があるということは大渡ダム建設前から建設省としましては承知いたしておりまして、建設後も各種の調査を行ってきたわけでございますが、五十三年に学識経験者によります委員会をつくっていただきまして、その先生方の意見を聞きながら各種の調査を行いまして、現在の科学的知見に基づきまして妥当な範囲についてそれぞれ対策工事を現在まで行ってまいっております。
#132
○山原委員 五十三年にできたというのはいわゆる大渡ダム貯水池検討委員会のことですか。
#133
○佐藤説明員 そのとおりでございます。
#134
○山原委員 そのこともわかっておりますが、その大渡ダム貯水池検討委員会という学識経験者をもって構成される委員会によって検討されたということで、実はその会も七回やっておられるそうですが、その検討委員会の議事録とか結論とか、建設省に対する報告書とかいうものはございますか。ありましたら提出していただきたいのですが、いかがですか。
#135
○佐藤説明員 この委員会は正式な委員会と申しますよりは、四国地方建設局で私的といいますか、個々の専門の先生方の御意見を伺えばよろしいわけでございますが、せっかくということで集まっていただきましていろいろ討論し合うという趣旨の委員会でございます。したがいまして、特に議事録等につきましては取りまとめておりません。
#136
○山原委員 あなたに対して大変きついことを言うようですけれども、討議の内容もわからないし報告書もない、そういう私的諮問機関である、しかもそれがわが国の最高権威の学識者を集めたものだとおっしゃって、そして建設省の方では地すべりの危険はないと太鼓判を押したというふうに地域の人に言っておられるわけです。ところが、その実態というのは全くいまあなたがおっしゃったようにないわけでして、そうして今回初めて貯水を始めますと地すべりが出てきたわけでございます。建設省はこの大渡周辺は地すべり地帯があるというふうにお考えになっておられたでしょうか。
#137
○佐藤説明員 先ほども申し上げましたように、大渡ダム貯水池周辺の地域でございますが、これはダム建設に伴いまして部分的に地すべりが発生する可能性がある、またその対策も必要であるということにつきましては、大渡ダム建設に先立ちます調査によって十分承知いたしておりました。このため、貯水池周辺の全域につきまして必要な調査を実施しまして、先ほど申し上げました学識経験者等の意見を参考にしまして、現在の技術的水準に照らして妥当な範囲で地すべりの発生のおそれのある箇所について判断を行いまして、鋼管くい工法あるいは押さえ盛り土工法、排土工等の対策を現在まで行ってまいったわけでございます。
#138
○山原委員 一例を挙げますが、今度崩壊の起こりましたところ、私はもう自分で行って恐ろしくなったんです。があっと落ちているんですね。そして幅が百五十メートル、きれいに舗装した村道ですけれども、あれが湖水にずり落ちている。上の百メートルくらいのあれが崩壊したら、これはもう大変なことですね。しかもひび割れが入っておるわけですね、今度の場合に。そばへ行きましたら恐ろしいような、写真も写してきたのですが、あの地点は大見槍というところなんですね。今度崩壊が起こっているところは一番大きいのは大見槍、ここは地すべり地帯ではなかったんですか。
#139
○佐藤説明員 地すべり地帯というふうには判断しておりませんでした。
#140
○山原委員 私、地図も持ってきておるのですが、あそこは、四国は破砕帯の多いところでして、ここは秩父破砕帯が通っております。それで、建設省はここは地すべりでないといって防災工事をやってないところががあっと落ちているわけですね。ところが、林野庁の治山課の調査によりますと、これは地すべり地帯なんです。もうすでに指定された個所がこのダムの周辺に、吾川村では潰溜、森山、大尾、仁淀村では桂、沢渡、本村、大見槍、これを地すべり危険区域として指定をしているのですね。
 これはおわかりになりますかね。私の方は現地の方は詳しいからちょっとお答えしにくいかもしれぬけれども、これは「日本の地すべり」国会図書館で借りてきたんです。この中にございまして、委員長に先ほどお断りしたんですが、よろしかったらこれをちょっと見せていただきたいのです。きちんと出ているのですね。
 それからもう一つ大事なことは、今度一番崩壊の起こりましたところは地すべりの地区ではないといま佐藤さんおっしゃいましたけれども、ここは特にこういうふうになっているのですよ。ここが百五十メートルの幅で百メートルの高さでダムへすべり落ち始めておる仁淀村別枝というところ、そして別枝の大見槍、小字が戸崎というところですね。戸崎がいま崩れているのです。ここは農林省の構造改善局の資源課の調査によりますと、昭和五十年の十二月二十二日官報告示千二百十一号によりまして危険地区として法的に指定をしています。
 すなわち、これは地すべり等防止法第三条による指定をされているのですね。で、これは指定をされますと第十八条によりまして行為制限が行われて、地すべりを活発化させる行為は制限されている地域なんです。そういうこの地域に対して、建設省は地すべり地区ではないという判断のもとに何らの防災工事をやっていない、そこが大崩壊を起こしているという。これは建設省としてどういう説明をされるのか、伺っておきたいのです。
#141
○佐藤説明員 先生御指摘の危険地域等でございますが、いますべっておりますところが、そこの地区がその範囲に含まれておるかどうかにつきましては、私、手元に資料ございませんのでちょっとよくわかりませんが、必要な個所については対策は行ってまいっております。
#142
○山原委員 これはもう本当に一目瞭然、皆さん専門家ですからね。「日本の地すべり」これは建設省が調査をするところもありますね。それから林野庁がやるところもあります。それから農林省の構造改善局がやるところがあります。その三つが統合されているんですね。共同作業、共同著書になって発表されているわけですね。そこの中には、いまお話をしましたように、農林省の構造改善局が地すべり危険地帯として法律的に指定をしているのです。それだけ明確な地すべり地帯を建設省は地すべりを地帯ではない、こういうことになりますと、そこへ何らの防災設備もせずにやるということになりますと、これは建設省、大失態ですよ。これはすべて建設省が責任を負わなければならないことになるわけですが、それでよろしいですかね。
#143
○佐藤説明員 先生御指摘の林野庁等の危険地域の範囲は、ダムと相当――どの位置にあるのかちょっと詳細なことはわかりませんが、先ほど申しましたように、委員会におきましてはそういったことも十分検討の上必要な対策を行ったというふうに理解しております。
#144
○山原委員 そんなこと通りませんよ。これは有名な日本の地すべり地帯の調査地図ですよ。その中にこの大渡周辺に地すべりというのは集中しているのです。農林省もあるいは林野庁も集中しているのです。もう点、点、点です。これは前からある地図なんですよ。大渡ダム建設の前からある地質調査によってつくられておるものなんですね。それが、幾ら日本の学者の粋を集めてやられたと言っても、林野庁、農林省自体が地すべり地帯として法律に基づいて指定をしている地域さえ知らずに、だから、何らの防災工事をやってない。そして湛水を始めて二百四メートルまで水が上がってきますと、ぐっと崩れ出した。
 あなたイタリアのバイオント・ダムというのを知っておりますか、どうですか。
#145
○佐藤説明員 存じ上げております。
#146
○山原委員 これは勉強してもらわないといかぬと思いますよ。
 私はここへ――早明浦ダムという私の郷里にある大きなダム、四国第一のダムです。大渡ダムは第二番目のダムなんです。そのバイオント・ダムというのは今度と同じなんです。大激論の末あの巨大なダムをつくったんです。世界屈指の高いダムをつくって、そして今度と同じように試験貯水を始めたんです。試験貯水を始めますとどういうことが起こったかといいますと、今度と同じように山塊がすべり落ちたわけですよ。すべり落ちたものが、それが水に落ち込みまして、そして水が対岸の山へ二百四十メートルはね上がるわけです。水の恐ろしさというものは、もう大変な状態をつくるんですね。そしてそれがダムの堰堤を溢水するんです。ダムは壊れていないんですよ。現在の日本の技術で大渡ダムが崩れるなどとは思っていません。
 問題は、ダムの最大の被害は、山の崩壊によって、そしてダムの水が溢水をして下流に流れたときに事故が起こるわけでございまして、バイオント・ダムの場合はこの溢水のために水が流れたために、その下にあった村が一瞬にして地上から消えてしまった。大問題。内閣が倒れるくらいの大騒ぎになった。それが昔のことじゃないのです。一九六三年ですから、ちょうど十九年前ですね。そのときは二千六百人が一瞬にして死んでいます。負傷者より死者が多かった。
 このバイオント・ダムが教訓としてあるわけでございますけれども、ちょうどこの大渡の場合は、破砕帯は通っている、ダムの周辺は地すべり地帯、それを考えますと、建設省ももう少し綿密な調査をしまして、それに対する防災措置を講じなければならぬということを地元の住民の人たちみんなが言ってきたのに、大丈夫だ、学者に頼んでいるから大丈夫と太鼓判を押しているということで、今度の貯水を始めてみますとこういうふうになったわけですね。おわかりになりますかね。これは本当に建設省としては大きな責任問題で、科学技術委員会でこれ以上やることは差し控えますけれども、お考えになっていただきたいと思うのですが、どうですか。私の話を聞きまして、室長としてどういうふうな御感想を持ちますか。
#147
○佐藤説明員 先生御指摘のとおりでございまして、事前の調査によりまして予測できる個所につきましては、先生御指摘のような資料等も参考にしながらいろいろな対策を行ってまいっております。そして事前に予測できないような個所につきましては、先ほども申し上げましたが、試験湛水におきまして地形の変形等を勘案しながら、所要の対策を行っていくということで対処をいたしております。
#148
○山原委員 これは別の委員会で建設大臣に対して申し上げなければならぬ。
 この地図の裏にこういうことが書かれているのです。農林省中四国農政局計画部の解説が出ております。昭和四十八年の「日本の地すべり――中国・四国地方」というので、この解説にはこう書いてあります。「地すべりの発生時期は、降雨ときわめて密接な関係があることは今日では広く認められている。」ということが書かれておりまして、そのすぐ後に、四国中南部地域は全国でも有数の多雨地域で、高知県吾川郡と同県と徳島県境の地域に最大極三千五百ミリ以上の降雨量がある、こういうふうに述べております。
 いま降雨期じゃありませんよ。今度貯水を始めたのは雨が降らない時期ですからね。しかもこういう最大極の数値を持つこのダムの周辺でございますから、そんな点から考えますと、こういうデータに基づきまして、あるいは農林省、林野庁などの指摘に基づいて検討委員会が検討されたというならば、私はその証拠が欲しいのです。報告書もなければ議事録もない。そんな検討委員会は必要ないですよ。金のむだ遣いだ。それでこれから先も今後の調査をやられるとするならば、私どもは信用しません。学者の名前などは私知りませんから。どういう人で構成されておるか調べればわかるでしょうけれども、人を傷つけるのはいやですからね。でも、こういうことでは私はいかぬと思うのですよ。
 科学技術庁の方が科学技術会議をやっておられますが、建設省と林野庁、農林省の所管の区域、調査の区域が違いますけれども、それを総合するのがやはり科学技術会議だと思いますので、そういう意味では、防災問題については、特にきょうは地すべりの問題ですけれども、今後も十分な対策を考えていただきたいと思います。
 もう時間がございませんので、次の問題は、今度調査をするのにはどういう形態で調査をされますか。
#149
○佐藤説明員 やはり従前と変わりませず調査の現場の第一線は当然大渡ダム工事事務所でございます。ここで航空写真による調査、あるいはボーリング、弾性波による調査、そういった調査あるいは地下水の観測、そういったことも含めまして引き続き慎重な調査を行いまして、そういう調査に基づきまして、さらに学識経験者の意見も聞きまして、万全の対策はとりたいというふうに考えております。
#150
○山原委員 いま資料を配りました。説明しませんでしたが、枠を入れておるのですが、見ていただいたらわかります。今度崩壊したところは地すべり危険地域としてあらかじめ全部指定されておるところですよ。これを知らないなどと言われると本当に何とも言いようがございません。
 それからもう一つ、いまおっしゃったことですが、二百四メートルの常時満水から今度徐々に一日五十センチずつ下げているのです。そして最後は百七十七・五メートルのところまで下げる。百七十七・五メートルというのは予備放流水位なんです。五十センチずつ下げますと大体五十三日かかるのです。だから六月の下旬まで水を下げていくわけです。その間調査できないのです。建設省はそういうふうに県に対して答えておりますが、何で百七十七・五メートルの予備放流水位まで下げて調査をするのかというその根拠がわからないのです。どうですか。
#151
○佐藤説明員 百七十七・五メートルという水位でございますが、この水位は大渡ダムにおきます計画上の洪水調節開始水位でございます。それで、現在のところ大渡ダムは工事中でございますので、特に洪水の調節等による操作運用は行いませんが、やはり洪水期を迎えるに当たりましては、一応この水位を目安として低下しようと考えたものでございます。それで、百七十七・五メートルという標高以下では、現在までの試験湛水の結果によりますと、地形の変形等徴候があらわれておりませんから、一応この水位を目安にしたわけでございますが、対策工事あるいは調査に必要がございましたら、この水位をさらに下げて必要な処置はとっていきたいというふうに考えております。
#152
○山原委員 その点はぜひ御考慮いただきたい。私は方々の学者に、ダムの専門家に聞きましたら、予備放流水位の百七十七・五メートルというのはダム操作上の問題なんですね、ダムの災害との関係であるわけじゃないのです、だから、水位というのはもっと下げて調べるべきだというのがほとんどの学者の意見です。それから村当局も県の方も百七十七・五メートルではだめだ。百五十三メートルまで下げてもらいたいというのが両村の村議会の建設省に対する要請でございます。
 ところが、五月二日の地元の高知新聞を見ますと、地元の吾川村の百五十三メートルまで下げてもらいたいという要請に対して、建設省は仮に申し入れどおりコンジットゲートが開放された場合――コンジットゲートというのは、百五十三メートルまで下がる、下に五つの水門がございましてそこの一番下のところですね。コンジットゲートが開放された場合、ダム湖の水位は現在の標高二百四メートルから百五十二メートル近くに下がります。そうしますと、四国電力大渡発電所の発電は不可能となります、だから御要請に応じることはできないのですというのが建設省のお考えです。すなわち、これだけの事故が起こっているのに、水位を下げてそして調査をするという姿勢でなしに、この水位を守らなければ、四国電力の発電に影響があるということをずばり言っているのですよ。
 調べてみると、大渡発電所というのは稼働していると私は思ってなかった、まだダムができて貯水が始まったばかりですから。ところが、大渡ダムの発電所はすでに試験運転が始まりまして、そして本年四月には試験運転の第二段階に入っておりまして、二万六千キロワットの電力を発生し、配電線に乗せて売電営業をやっています。この発電所の最高のキロは、フル回転をしますと三万三千キロワットですが、約その八割の二万六千キロワットがすでに送電が始められている。したがって、これを守るために、学者も言う、地元の町村の言っておる水位を下げるということに対して、建設省が抵抗しているという結果が出ているのです。
 それでお願いしたいのですが、試験運転に入るに当たりましては、試験運転についての建設省と四国電力側との取り決めが当然あると思いますが、それはございますか。中身はどういうふうになっていますか。
#153
○佐藤説明員 現在のところ、あくまでもダムにつきましては工事中でございます。したがって、先ほど申し上げましたように、試験湛水という管理に入る前の必要な措置を行っておる段階でございまして、当然、その段階ということは発電の方も試運転ということになるわけでございます。
#154
○山原委員 十分お答えできないと思いますが、あなたはその方の室長さんですから、全部知っておっていただきたいのですけれども、すでに去年の七月から第一次試験運転に入っております。それから、この四月から第二段階へ入って、この十一月に計画としては第三期の試験運転に入るというのが、いままでの建設省も認めておる計画なんですね。だから、試験運転は始まっているわけです。試験運転が始まるについては、どこのダムだって一緒ですが、電力側と建設省側に試験運転に関する取り決めがあるというのはあたりまえのことなんです。それもなしに試験運転をやらすなんて、建設省、そんなことをするはずがありませんし、それはあるんでしょう。
#155
○佐藤説明員 ございます。
#156
○山原委員 それはどんな中身ですか。
#157
○佐藤説明員 ちょっと手元に資料がございませんので、お答えすることができません。
#158
○山原委員 時間がありませんから、それは後で御提出をお願いします。これは大問題ですからね。それはよろしくお願いします。
 それで、もうわずかの時間でございますから。いま申し上げましたように、建設省、もうちょっとしっかりした形でこの事態を把握していただかないと、相当これから問題が起こります。県議会満場一致ですからね。そしてこの前に、昭和五十年、五十一年に連続災害が起こりました、早明浦ダムの放流による大災害が起こりまして、そのときに大渡ダムの問題についても、地元の町村から建設省に対して申し入れを何遍も何遍もやっている。もうちょっと操作規程あるいは計画等については検討してもらいたい、もっと危険防止についての調査をしてもらいたいというような要請をしてきたわけですけれども、さっき言いましたように、学者によって検討されているのだ、大丈夫だ、大丈夫だと、同時にまた建設省はいいことを言っているのです。災害が起こった場合にはすべて建設省の責任でございますということは文書でも出しておるわけでございまして、その点では、責任をとろうとしておることについては、大変よいことでございます。
 そこで、これだけの崩壊が起こりますと、この工事は相当時日も要すると思いますし、同時に相当の費用が要るのじゃないか、現地に行って私は痛切にそれを感じたわけでございますが、それについては、建設省としてはどういうお考えを持っているかということが第一点です。
 それからもう一つは、いわゆるダムの調整計画、いままでの計画あるいはダム管理、ダムの操作規程というものにつきましては、この災害についての調査の結果、変更することも当然あり得ると思っておりますが、そういう点については、いま建設省としてはどういうお考えを持っておりますか。
#159
○佐藤説明員 今後十分な調査を行いまして、住民の方々には不安をかけないように、十分な対策を施していきたいというふうに考えております。
 それから、現在は工事中でございまして、工事中の操作規則で行っておるわけでございますが、現在の計画につきましては、事前に十分な検討を行って定めたものでございまして、これからその計画をどういうふうに管理の面で実現していくか、十分に検討いたしまして、操作規則を定め、運転に入るようにしたいというふうに考えております。
#160
○山原委員 工事費はどうですか。
#161
○佐藤説明員 対策に必要な費用につきましては、十分に措置したいというふうに考えております。
#162
○山原委員 現地では、これは議会の方もそうですが、もちろん科学的な技術は持っておりません。だから結局、幾ら言っても、それを立証するだけの能力は、本当言えば住民にはないわけですね。しかし、一面では建設省の言うような、学者によって調査をして大丈夫だということに対する不安の中から、むしろ地元の故老に聞けという言葉もあるのです。地すべりのことなんかも知り尽した年寄りもおるわけですね。そういう点から考えまして、こういう場合には地元の住民の意見も聞くということです。そして本当に専門的な、科学的な立場で原因の究明並びに調査を完成していくという立場をぜひとつていただきたいと思いますが、その点はよろしいですか。
#163
○佐藤説明員 今後の問題につきましては、地元の関係機関とも十分によく協議してまいりたいというふうに考えております。
#164
○山原委員 時間が参りましたが、長官がじっとして退屈されたと思います。科学技術会議というものは非常に重要な答申をなされているわけで、今度の場合も総合的に――たとえば建設省がこの地域の地すべりの調査をやる、こっちは林野庁がやる、こっちは農林省がやるという形で、地域が違うと、こっちに起こっているものを建設省は一切知らない。それではいけないわけで、科学技術会議としては、そういう総合した立場で、日本の地すべりあるいは日本の危険地域の解消のために努力をすべきだと思いますので、その点では実際に事務を担当する科学技術会議の主要な官庁である科学技術庁長官としても、十分これに対する注意をしていただきたいと思いますが、その点よろしいですか。
#165
○下邨政府委員 御指摘のように、わが国におきましては、いろいろなところで自然災害が起きております。私どもといたしましては、防災につきましての研究開発を推進することが、自然災害に対する有効適切な対策を立てる上で非常に重要なことだというふうに考えておりまして、先ほど御指摘のありましたような長期的な答申がございますし、また、防災に関する研究開発基本計画に対する答申もございます。その防災に関する研究開発基本計画の答申を受けまして、政府におきましても、同じ趣旨の基本計画を策定いたしました。これに基づいて、国立試験研究機関や大学や民間企業を通じまして、有機的に連携を強化して、総合的な研究開発を推進してまいっておるところでございます。今後とも、効率的な研究開発を進めるように努力してまいるつもりでございます。
#166
○山原委員 終わります。
#167
○近藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後四時散会
ソース: 国立国会図書館
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