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#1
第096回国会 建設委員会 第5号
昭和五十七年三月二十三日(火曜日)
    午前十時三十一分開議
 出席委員
   委員長 村田敬次郎君
   理事 稲村 利幸君 理事 大塚 雄司君
   理事 住  栄作君 理事 竹中 修一君
   理事 木間  章君 理事 中村  茂君
   理事 薮仲 義彦君 理事 渡辺 武三君
      足立 篤郎君    狩野 明男君
      鴨田利太郎君    川崎 二郎君
      瓦   力君    國場 幸昌君
      桜井  新君    白川 勝彦君
      田村 良平君    塚原 俊平君
      登坂重次郎君    中村喜四郎君
      小野 信一君    前川  旦君
      山花 貞夫君    横山 利秋君
      林  保夫君    瀬崎 博義君
      中島 武敏君    田島  衞君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 始関 伊平君
        国 務 大 臣
        (国土庁長官) 松野 幸泰君
 出席政府委員
        国土庁長官官房
        審議官     川俣 芳郎君
        国土庁土地局長 小笠原正男君
        建設政務次官  村岡 兼造君
        建設大臣官房長 丸山 良仁君
        建設省計画局長 吉田 公二君
        建設省都市局長 加瀬 正蔵君
        建設省河川局長 川本 正知君
        建設省住宅局長 豊蔵  一君
 委員外の出席者
        行政管理庁行政
        監察局監察官  橋元 徹志君
        農林水産大臣官
        房参事官    中川聡七郎君
        農林水産省経済
        局統計情報部経
        済統計課長   岩渕 道生君
        自治省税務局固
        定資産税課長  湯浅 利夫君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月二十三日
 辞任         補欠選任
  金丸  信君     中村喜四郎君
  東家 嘉幸君     白川 勝彦君
  松本 十郎君     狩野 明男君
  保岡 興治君     塚原 俊平君
  甘利  正君     田島  衞君
同日
 辞任         補欠選任
  狩野 明男君     松本 十郎君
  白川 勝彦君     東家 嘉幸君
  塚原 俊平君     保岡 興治君
  中村喜四郎君     金丸  信君
  田島  衞君     甘利  正君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措
 置法の一部を改正する法律案(内閣提出第三三
 号)
 特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正
 化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出第三四号)
 住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進
 法の一部を改正する法律案(内閣提出第三五
 号)
     ――――◇―――――
#2
○村田委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案及び特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中村茂君。
#3
○中村(茂)委員 まず最初に、都市計画法が四十三年に施行になったわけでありますけれども、その中の七条は市街化区域及び市街化調整区域、この設定の条項になっているわけでありますけれども、これが施行されて十数年になるわけです。特に市街化区域を設定して調整区域を設定する、それで、調整区域というものについて、法文上からいけば、七条三項で「市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域とする。」こういうふうになっているわけでありますが、私はこれが実際には逆の現象になってきているのではないかという気がするのです。特に四十八年、四十九年、いわゆる土地ブームから物価狂乱というふうになってきた中で、調整区域に土地の買い占めが相当起きていたわけです。政府機関の一つである公団などについても、いま未利用地というふうに言われている地域は、相当この調整区域の中に土地を持っている。確かに公団は条件が許せば、許可を得れば調整区域で住宅の造成をすることができますけれども、市街化を抑制するというふうにつくった調整区域が思惑で、そこの地域まで市街化区域と同じような土地の買い占めが起きたというこの現象は、制度的に見た場合に調整区域というものが果たしている役割りというか、そういうものが、法律ができた以降、ゆがめられてきているのではないか。そうなってまいりますと、これから指導の面なりそういうところでやはり厳格にしていく必要があるのではないか。線引きという問題があわせ起きてくるわけでありますけれども、市街化区域は市街化、いわゆる都市計画を中心にしてやっていく、それを伸ばしてはいけない、それを抑制していくというのが調整区域ですから、そういう点についてひとつ大臣のお考え方をお聞きいたしたいというふうに思います。
#4
○加瀬政府委員 お答え申し上げます。
 いわゆる線引き制度でございますが、都市計画法が四十三年でございますか、できました後で線引き制度が実施されたわけでございますが、都市計画法施行後十年以上経過しているわけでございます。この間都市の無秩序な外縁的拡大の防止につきましては、線引き制度はそれなりに成果を上げておるというふうに私ども一応の理解はしております。しかしながら、おっしゃいますように、一方市街化区域内での問題のほかに、調整区域内におきます開発許可の運用あるいはその運用に対する思惑が絡んで、調整区域内におきまして一時過剰流動性の時代に土地が買われたり、あるいはそういったことのために、公団が未利用地を抱えるというような結果になっていることもまた御指摘のとおりでございますが、こういった実態を踏まえまして、私どもといたしましては今後の問題として良好な市街地の形成を図るために、調整区域内における保全あるいはしかるべき開発は許されてもよろしかろうと思いますので、そういったもののあり方につきまして、現在建設大臣から都市計画中央審議会にもお願いをいたしまして、どういうふうにあるべきかということの検討をしている段階でございます。御指摘の点十分心して私ども運用に努めてまいりたいと考えております。
#5
○中村(茂)委員 私は、いまもお話にありましたように、線引きの問題をめぐって、将来は市街化区域内に入るのだという思惑が先行したためにゆがめられた結果になったというふうに理解しているのです。その当時、この法律が施行されてきたその段階で、やはり調整区域というのは将来線引きによって市街化区域になっていく、そういうところを調整区域と言うのだという理解があったことも間違いないというふうに思うのです。しかし、市街化を抑制していく区域なんだ、こういうふうに法文上はっきりしているわけですね。ですから、いまお話ありましたように、調整区域というものに対する国民の理解というか、もっとはっきり言えば不動産屋の理解というか、そういうものをきちっとさせて、法文にあるような、しかもいま許されている、一口で言えば公共関係のものについて許可して許す、こういうものを厳格にして土地形成をはっきりさせていくように、いまのお話で結構ですけれども御検討いただきたいというふうに考えます。
 それから次に、同じ関連で、この特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化云々の、いわゆるあめ法というこの法案ですけれども、この冒頭でも言っておりますように、市街化区域農地の上に特定というふうにつけてやっているわけですね。都市計画法からいくと、市街化区域、調整区域、こういうふうになっているわけです。ところが、そこへ特定というふうに名前をつけて、いまこの農地の対象の都市は百八十七だというふうに言われているわけですけれども、市街化区域なら市街化区域になったものに特定というふうにつけて、それでいま市街化区域というふうに絶対的に言われる中で、メリットがあるのは特定というふうについた市街化区域なんですよ。そのほか法的にも、ここで言っているいわゆるあめ法のあめが余りないのですよ。ただ、区域を設定しているだけなんです。そうなっていくと、市街化区域というのはいま言っている特定市街化区域だけでよかったのじゃないか。相当田舎の十万都市以上のところについて、この法に基づいて当初は設定した。いまは十万を超しても設定しませんよ。ですから、市街化区域内に特に特定というふうにつけて、この法律もそうですし、その他の問題についてもこの特定市街化区域だけあめを相当出していく。どうして同じ市街化区域でこういう手法になってきたのか、それから市街化区域内で特定というふうに言う市街化区域以外はどんなメリットがあるのか、御説明いただきたいというふうに思います。
#6
○加瀬政府委員 いわゆる特定市街化区域の線引きの問題についてまず私からお答えさせていただきまして、後に計画局長からもお答え申し上げるようにさせていただきたいと思います。
 まず、線引き制度というのは、おっしゃることは、宅地並み課税と線引き制度というものが整合していなければいかぬのじゃなかろうかという御指摘かと思うのですが、一般的に申しまして、線引き制度と宅地並み課税というものが整合しているということが望ましいということは先生御指摘のとおりかと思います。しかし、一方、都市計画法制定当時の無秩序な市街化の防止とか、あるいは計画的な市街化の推進という観点から見ますと、この制度は今日においてもいわゆる特定市以外でも必要であろうというぐあいに私どもは考えておるわけでございます。したがいまして、御意見につきましては私どもとしても一面理解できないではございませんが、できますならば制度の適正な運用によりましてこの問題に対処してしかるべきかというふうに考えております。
#7
○吉田(公)政府委員 市街化区域、調整区域の区別そのものは、当時、昭和四十三年に都市計画法が制定されたわけでございますが、いわゆるスプロールの抑制あるいは開発の計画化、それから公共投資の投入というような意味から定められたものでございまして、市街化区域の中におきましては農地法のいわゆる許可手続が外されるとか、あるいは公共施設の整備を優先的に行っていくというような点で、一般的に都市整備という観点から施策が進められるというメリットがあるわけでございますが、特定都市につきましては、これはいわゆる宅地並み課税との関連で、一方におきまして宅地需給の不均衡が非常にはなはだしい区域でございますので、一方におきましてこういう課税というものを強化する。反面、市街化をしていくという農民に対して、できるだけ転換をしやすくしていくというメリットをさらに付加するという意味で、こういった制度を設けたわけでございます。
#8
○中村(茂)委員 宅地並み課税をかけてむちをやるから、その反面農地が宅地化されるようにあめを引く、こういうことですけれども、制度そのものは私はわからないことはない。しかし、特定市街化というふうに市街化区域の中に枠をつくって、そこだけむちをやったりあめをやったりしているわけです。そのことが、特定に該当しないところの市街化のところだけ見ると、土地、特に住宅地の高騰、いわば値上げというものに精神的に拍車をかけているんじゃないか。
 実際に私どもの例などを見てみますと、これは二十五万都市ですから、田舎の都市でそう大きい都市ではありません。都市と言っていいかどうかわからないぐらいですけれども、線引きをした。やはり土地が上がっているのですよ。その中でずっと上がっているのです。だから、特定なら農地をやろうとか、需給方法にそういういろいろな施策があるから宅地化が促進するわけですけれども、特定じゃないところの市街化区域で、十万から十万上の二十万、三十万の田舎の都市、これを市街化に設定すると同時に、その枠内は宅地がどんどん上がっているのです。ですから、私は、その面についてはいままで地価の高騰を制度上招いているんじゃないか、こういう気がしてたまらないのです。
 それから、先ほど申し上げました調整区域、それも将来は市街化になるんじゃないかという思惑から土地を買う、全体的に土地の値上がりが起きている。ですから、そういうものを含めて、制度のあり方というものを、十何年たったわけですから、ただ制度をつくることによって土地が値上がりするという面については見直しをする必要が起きているんではないかというのが、いま私の質問しているポイントなんです。その点はどのようにお考えでしょうか。
#9
○加瀬政府委員 お答え申し上げます。
 先生おっしゃいますように、線引き制度というものが市街化区域と調整区域の中での地価に格差をつけるといいますか、そういう影響があるということは一面事実かと思います。ただ、線引きを行わない場合は、どちらかというと地価に対します影響は、調整区域、市街化区域の設定が行われたところよりも、たとえば都心部から外縁にかけまして、なだらかな地価の傾斜といいますか、そういう状況が見られるわけでございますが、線引きが行われたために市街化区域内と外とで地価の格差が生ずるという傾向はあろうかと思います。一面、そのために本来スプロールされることが防げるというメリットもあるわけでございます。
 それからもう一つ、調整区域の中でも線引きの見直し期待で地価の上昇が生じているのではないか、こういう御指摘でございますが、現下の宅地供給の逼迫に対処するためには、調整区域の中で計画的な開発を認めるという必要は当然あろうかと思います。これは良好な開発に限りましてでございます。そういった場合に、線引きの見直し等によりまして計画的な市街化が進めば、その部分もたとえば市街化区域の中に取り込むということになるわけでございますが、そういうことによりまして計画的な市街化が進んで、良好で適切な価格の宅地の供給がふえていくということもまた、一面では全体的に見た地価の安定に寄与するというメリットもあろうかと思います。
 いずれにしましても、先生御指摘のような問題は、私どもも十分理解できるわけでございまして、一月二十六日に、そのこともございまして建設大臣から都市計画中央審議会に、おっしゃいますような趣旨も含めました諮問をいたしておるところでございますので、その審議会の御審議の経過を見ながら適切な対処をしてまいりたいと考えております。
#10
○中村(茂)委員 いまの私の質問と、あなたが言ったそれをもう少し突き詰めて言えば、私は人口の少ないところまでおろし過ぎているのじゃないかという感じがするのです。市街化を設定するところは、人口全体から見ても都市形成が相当密なところ、そういうところで、余り人口の少ないところまでおろすとかえって土地の値上がりなどを招いている現象がある。ですから、専門家ですから私の言っている趣旨はおわかりだと思いますから、そういう点が皆さんも納得できるようだったら、できるだけ取り入れて対処していただきたいというふうに思います。
 それから次に、市街化区域農地が現在どういう状態になっているかということについて、一応お聞きいたします。
 特定市街化区域農地、私のところにある資料では、昭和五十五年度のABC農地、現在のいわゆる地積状況のものは持っているのですけれども、五十五年度より新しいものはあるのでしょうか。
#11
○吉田(公)政府委員 資料としては、五十五年度の数字が最も新しい数字でございます。
#12
○中村(茂)委員 これは、固定資産税宅地並み課税、この制度が始まって、農地が現在までどのように減少してきているのか。言えば、宅地並み課税制度というものが果たして成果を上げているのかどうか、数字的に明らかにしていただきたいというふうに思います。
#13
○吉田(公)政府委員 自治省の固定資産の価格等の概要調書、この資料によりますと、昭和四十八年一月から昭和五十五年一月までの間に、特定市のAB農地でございます、特定市街化区域でございますが、このAB農地は一万六千四百二十五ヘクタールから一万二百三ヘクタールということで、六千二百二十二ヘクタール減少しております。この間の減少率は約三八%となっておりまして、私どもはそれなりの効果があったというふうに思っております。
#14
○中村(茂)委員 現在条例に基づいて地方税をお返ししているという面積はどのくらいになるのですか。
#15
○吉田(公)政府委員 きっちりした数字ではございませんですけれども、大体八千ヘクタールぐらいが対象になっているものと思われます。
#16
○中村(茂)委員 そこで、今回の土地税制の関係についてお聞きしますが、まず最初に宅地並み課税、この改正になった要点だけでいいですから、御説明いただきたいと思います。
#17
○吉田(公)政府委員 従来の宅地並み課税は、いわゆる特定市のAB農地だけを対象にしていたわけでございますが、これに対しまして、今回の改正におきまして対象となる市は百八十七都市でございまして、さっき先生おっしゃったとおりでございますが、対象の市のC農地のうちの三・三平米当たり三万円以上のC農地を対象とするということで、まず対象をふやしたわけでございます。
 それから、従来はいわゆる減額条例の対象ということで、おおむね三年ぐらいの営農が行われるというようなところにつきまして、単年度の判断で一応減額がされていたわけでございますが、今回長期にわたりまして営農の意思のある、おおむね十年以上営農をするという意思のある者につきまして、これを市が認定いたしまして、これに対しまして五年間徴収猶予をいたしまして、五年経過した場合にそれを免除するということで、一定の期間の長期営農と、長期営農をしない者に対します配慮ということを両面として構成しているわけでございます。
#18
○中村(茂)委員 営農を十年間する者について認定する、五年たったら見直しをする、そういう理解でいいですか。今度営農をやめて宅地で出してもいい、こういう見直しを五年でするという意味ですか。五年というのはどういう意味なんですか。
#19
○吉田(公)政府委員 営農の継続は十年ということでございます。その間、従来と変わりまして徴収猶予をするわけでございます。固定資産税は本来宅地並みにかかるべきものとして一応調定をしますけれども、それと農地並み課税との差額を徴収を猶予するわけでございますが、その徴収猶予をしている間に、いわば転用するというようなことが起こりました場合に、さかのぼって徴収することになるわけでございます。そのさかのぼって徴収する期間を、五年で一応の時効になるわけでございますので、五年間経過しましたらそこで一応切りまして、それから次の、六年目からまたその徴収猶予を開始するということでございまして、営農そのものは十年間ということになっております。
#20
○中村(茂)委員 そうすると、十年間営農するという認定を受けた、五年たった、そこでいろいろな事情で営農する必要がなくなったという場合には、農地の固定資産と宅地並みの固定資産の差額を五年間払うということになるわけですか。そうして、たとえて言えば、今度八年目ごろに事情が起きた。そうすると八年間の差額を払うのですか、三年間の差額を払うのですか、そのところの仕組みというか、それをもう少しわかりよく言ってくれませんか。
#21
○吉田(公)政府委員 たとえば四年目に譲渡するというときには、その四年間の分を、さかのぼって徴収猶予の分を徴収するわけでございます。いま御指摘の八年ということでございますが、八年ということは、当然五年の分で一応見直しをいたしますので、そこの五年間経過した時点で五年分はなくなるわけでございます。それで、八年でございますと、三年分がそこで徴収されるということになるわけでございます。
#22
○中村(茂)委員 そういう仕組みになって、言えばこの五年というのは営農を五年やるというふうに言ったのと同じ結果になって、それで、五年のものを五年継ぎ足して十年にした、そういうふうになるので、そこのところが宅地を供給させるという趣旨からすると甘くなっている。その関係。
 それから、いままでAB農地で、先ほど質問しました条例に基づいて一たん出した税金を返してもらった、この条例は全部廃止になるのですね。そうして、いま言ったC農地と同じものが適用になっていく、こういうふうな仕組みだと思うのです。それで、先ほどの話の五年間それから三・三平米三万円、このC農地で今度いく方のもののそういう仕組みというのも、いままでのAB農地に全部適用になって、A、B、C全部総体的に今度の新しい方式でいく、こういうふうに理解してもいいのですか。
#23
○吉田(公)政府委員 長期営農の意思があって、かつ長期営農することがしかるべき土地だというふうに判断される土地につきましては、A、B、C全体にかかるということでございます。
#24
○中村(茂)委員 C農地の現在の全体的な面積、それから三万円で該当しないという点、その点は大体どんな状況になっているのでしょう。
#25
○吉田(公)政府委員 三大都市圏のC農地の面積が約六万三千ヘクタールでございます。ここの中で三・三平米三万円以下の面積がどのくらいかというのは、五十七年度の評価がまだ出ておりませんので正確な数字はわかりませんのですが、大体四割程度になるのではないかというふうに見ておるわけでございます。六割といたしますと、C農地約六万三千ヘクタールでございますから、その六割、三万七千ヘクタール程度が対象になるというふうに考えられるわけでございます。
#26
○中村(茂)委員 そうなっていくと、AB農地の方の条例に基づいて営農をずっとやっていた、税金が返ってきた、それはそのまま営農の方に行く可能性が強いと私は思うのです。
 それから、C農地というのはAB農地よりも営農の希望が必然的に多いと思うのです。そうなっていくと、今度の宅地並み課税のいわゆる地方税の改正によって、範囲は広がりますけれども、どの程度宅地が供給されるかという点が大体見当つくというか、計画上ははっきりしてくると思うのですけれども、それはまた質問しますから、一応その点で保留しておきます。
 そのほか、税法の改正が幾つかありますね。いわゆる譲渡所得税、それから保有税、そのほかの土地の供給に絡む土地税というふうに言われる面で今度の改正、概要で結構ですから御説明いただきたいと思うのです。
#27
○吉田(公)政府委員 御存じのとおり、現在の土地税制の基本的な構成というのは、昭和四十七、八年ごろのいわゆる土地投機が盛んであったという事態を背景に整備されたものでございますので、当時、土地投機についての鎮静化に非常に効果があったわけでございます。でございますから、今日のように投機が鎮静いたしました現状におきましては、かえって土地取引が阻害されまして、それが宅地の供給停滞、土地の流動の阻害というものの要因になっていたというふうに考えているわけでございまして、今回の税制では住宅宅地供給の促進、あるいは土地の有効利用、流動化の促進、こういった見地から所要の改正を行りたわけでございます。
 まず改正の一番大きな点は、一つには、毎年ちょいちょいという改正をするのではなくて、根幹的に長期的に安定的な税制をする、また来年何か出てくるのではなかろうかというような期待をしないよう尺長期的に安定的な税制をとるということが第一点。
 第二点が、長短区分というものを、昭和四十四年一月一日というふうな、非常に特定の日に押さえておりましたのを、十年ということで長短区分をいたしまして、十年以上持っていたものについては長期の対象にするということにしたわけでございます。
 それから三番目は、個人の長期譲渡課税につきましては、従来は四千万までが二〇%、四千万を超えまして八千万までが二分の一の総合課税の上積み、八千万を超しました場合に四分の三の総合課税上積み、こういうふうになっていたわけでございますが、四分の三の総合課税というのが非常に大きな額でございまして、これがある意味では流動化の阻害要因になっておったというふうに考えられるわけでございまして、この点を撤廃いたしました。でございますから、四千万以上につきましては二分の一の総合課税という一本になったわけでございます。
 それから、いわゆる居住用財産の買いかえ制度というものを設けたわけでございますが、これは住みかえの促進を図るということで、たとえば市街地の中にある程度の規模を持っておる方が住みかえようといたもましても、従来の税制でございますと非常に高い税金がかかってくるので、越しても非常に大きな部分がなくなってしまうというような意味で、心ならずもと言ってはなんでございますが、そういった市街地の中で一定規模以上の土地などを持っていらっしゃる方が住みかえをしていくということが容易になるような制度を設けたわけでございます。
 それから、現下の住宅建設の状況にかんがみまして、良好な住宅宅地の供給を促進するという見地から、三年間の時限措置でございますけれども、一定の優良な住宅宅地、こういったものの建設に充てられます土地につきましては、四千万までを二〇%、四千万を超えた場合でも二五%の分離課税というような制度を設けまして、土地を手放すことについての迷いといいますか、いろいろ検討されている方に対しまして、こういりた三年間の期間の中で譲渡が行われました場合には非常に軽課されるというような制度を設けたわけでございます。
 そのほか、せっかく優良な土地を取得しても有効に使わない場合には、これは非常にむだになるという面もございますので、特別土地保有税を改正いたしまして、一定要件に該当するものにつきましては、五十七、八、九の三年でございますが、この間に取得して二年間たっても有効な住宅地として使わないというようなものにつきまして、特別土地保有税をかけるというような住宅建設促進の税制、こういったものを設けたわけでございます。
 それから、先ほど申し上げました宅地並み課税についての改善、これも入れたわけでございます。
#28
○中村(茂)委員 大幅な、いわゆる土地税制と言われる改正が今回行われているわけでありますが、まず宅地並み課税については、私は、いままでの主張は全部かけるべきではない、こういう主張をずっとしてきたのですが、片方のむちで、片方、今度いろいろ税法を改正してあめをやって宅地をできるだけ供給させていこう、こういうことですが、どう検討してみても宅地並み課税をかけて多く税金をかければ、それは土地を取得する人の方へ加算されて、土地の値上げを促進する面がどうしても出てくるのじゃないか、こういう気がしてならないのです。しかも、先ほどの説明のように、五年間でまた見直ししていく。いっそのことやめてしまった方がいいじゃないか。
 今度は譲渡税の方ですけれども、譲渡税の方で質問と意見を申し上げますが、先ほどの話で、こういうものについては一回変えたらもう相当長く変えないというのは本来の私の主張で、そういうふうにしていただくのは結構です。これを本当に十年ぐらい変えないのかどうかということが一つ。
 それから宅地並み課税を私はかけないという反面、譲渡税というものを段階的に、いわゆる逓増というか、かけていく、そうして促進を図る。言えばむちの方はやめて、あめの方だけで土地が出るようにしろ、これが私の宅地並み課税の本来の主張なんですが、質問と意見、その点についてお考えをお聞きしたいというふうに思います。
#29
○吉田(公)政府委員 税制でございますから、現在改正いたします時点におきまして、私ども長期安定的というふうに思っておりますけれども、これを何年問変えないかということは、いろいろな経済情勢あるいは税体系の中で考えられるべきものでございますので、これは何年間ということを申し上げるのはちょっと差し控えたいと思いますけれども、現在の改正に当たりまして私どもが対応している考え方におきましては、これは相当長い期間安定的にこの税制でいきたいということでございます。
 それから、いわゆる宅地並み課税という問題でございますけれども、今回の改正におきましては、確かにAB農地をC農地に拡大しましたけれども、長期営農の意思がある方については、十年以上の営農の意思がある、しかるべき適当な土地であるということでございましたら一応対象外とするということでございますけれども、一方、たとえば従来からも行われておったわけでございますが、宅地並み課税の対象となる土地につきましては、これを宅地化するために譲渡しようというようなことが起こった場合には、譲渡所得税の方に、租税特別措置法の方で四千万までは一五%、四千万を超えた場合には二〇%という非常に低い優遇措置もとられているわけでございます。でございますので、従来AB農地だけが対象でございまして、AB農地の中でも減額条例の適用があったようなケースでございますが、この租税特別措置法の適用は、AB農地の減額条例の対象になっている土地についても租税特別措置法の適用があったわけでございます。今回の改正におきましては、長期営農の意思を表明した土地につきましては、いわゆる保有課税としてはかからなくなるわけでございますが、譲渡所得税の特例も、きわめて特別なものを除きましては、この特例は対象としないということでございますので、この農地を保有されて今後どういうふうに営農を継続していこうか、それとも宅地化を図っていこうかというような迷いを持っていらっしゃる方にとっては、どちらの道をとるかということは一つの判断の要素になることと思います。
 それから、固定資産税そのものについてどういうふうに取っていくかということは、固定資産税そのものの考え方の問題でございますが、これは全体の把握というものを、非常に広い公共団体にまたがって持っている人とか、名寄せの問題とかいろいろ問題もあるかと思いますので、私もそういった意味では地方税法の素人でございますが、段階的というものについてはなかなかむずかしい面もあるやに聞いております。
#30
○中村(茂)委員 今度の宅地並み課税は非常にむずかしいと思うのですが、営農の意思ある者についてはかけない。営農の意思があって、たんぼへ行ってみたら草だらけだった。五年で見直しするから。それを今度初めからあいまいで、営農の意思はない、しかし土地を手放してもいい、または宅地供給をする、こういうものについては税金を宅地並み課税でかけていく。余りはっきり自分の意思が決まらないものについては、一応営農の届け出をしておけ。ですから私は、どうもどちらの方から見てもその点が非常にあいまいになる可能性が強いのではないか、こういうふうに思うのですけれども、その細かい判定をどういうところに置いてどうだというのは、いまお話があったようにその法案を専門にここで審議しているわけではないですから、審議をしていけばその点はきちっとしているのではないかというように思いますけれども、私は、いずれにしてもそういう不安があります。ですから、先ほどはっきり言ったように、営農の意思で出していた、それで手放すなら五年たったときにまた考えよう、こういう仕組みになっていくと、余りそういうふうにやってみても効果が出てこないのではないかな、こういう気持ちが強いのですけれども、それはどんなふうに大体お考えになっていますか。
#31
○吉田(公)政府委員 営農の意思ということにつきましては、現状が農地であるということがまず第一点でございます。それから、御本人が十年にわたって営農をするという意思表示をする。そういった営農をすることが適当かどうかというような判定等については、農業委員会を経由して市町村に申請書を出すわけでございまして、市町村が農地課税審議会といろところに諮って判断をするという制度になっております。そこで長期営農の土地だという判断をされた土地については、いわば宅地並み課税に当たるものについては徴税猶予という形で猶予されてまいるわけでございますが、確かに五年間たつ前に気が変わりました場合には、その分が追徴されるわけでございますが、五年間たちましたらまたそこからやり直しになるという点はございます。
 しかし一方、譲渡所得税の方の適用は、長期営農ということで手を挙げた方については、原則的には譲渡所得税の特例はかからないというかっこうになっておりますので、これは長期営農というものは五年、五年で切れますけれども、しかしこの判断というのは十年間ということで意思を決めているわけでございますから、一度そういう判断をした場合には、途中で譲渡をするということになりました場合に、原則的にはいわゆる優遇課税の適用はないわけでございます。ですから、固定資産税だけの面で見ますと、そういった面で不確かな面があるかと言われますと五年間で切れるという面はございますけれども、譲渡所得税まで含めて見た場合には、どちらかと申しますと、そちらの方がはるかに金額が多いわけでございますので、農民の方が実際どういうふうにすべきかというのは御自分の生活設計、農業の継続についての意欲、そういったものを総合的にお考えになった上で判断をされることになる。そういうことが、いままでの農業関係者の御意見等を伺いましても、全部が全部ずっと永久に農業を継続するという意思を持っていらっしゃる方ばかりでもないわけでございまして、こういった特定市街化区域の中で農地をお持ちになっていらっしゃる地主の方の中には、ある程度のものは宅地化して、それからある程度のものは保有してとかいう意思はいろいろおありのようでございますので、そういったものの判断をする上におきまして、かなり大きなきっかけとなるべきものであるという意味で、私は効果があるのではないかと思っておるわけでございます。
#32
○中村(茂)委員 確認しますが、譲渡税の方は、もう十年営農の意思がある、それで五年間で見直しがある、見直しがあろうがなかろうが初めに十年の営農意思ありというふうになれば、五年の見直しのときも、その中間のときもこの譲渡税の恩恵は浴さない、こういうふうに理解していいのですか。
#33
○吉田(公)政府委員 ここのところ、ちょっと私も正確な申し上げ方ではありませんでしたが、譲渡所得税の特例自体は、今度の改正でも三カ年間の時限的な規定になっております。これは、四十八年に初めに制度を設けたときから三年間の経過ということで、三年ずつ更新して現在にまいりまして、また今回三年間の延長ということでございますので、現在のところは適用されますのは七、八、九、この三年度に限るわけでございますから、その五年度目がかかるところまではいまの特例規定はなっておりませんが、今度これが延長されるときの物の考え方として、私は長期営農の土地については、現在の規定そのものが長期営農の措置については対象としないという条文でございますので、その考え方が、延長される場合には貫かれるのではないかと思っております。
#34
○中村(茂)委員 次に保有税ですけれども、私は保有税は十年たったものについてこれを外すということについては反対なんです。特にいま十年以上たっているというのは、先ほども話がありました四十七、八年、一番物価狂乱、土地狂乱と言ってもいいのですが、買い占めが行われた時期なんですね。それが全部解放になるということなんです、私に言わせれば。何でかけたかというと、やはり保有税というのは、そういう土地をできるだけ放出させるように、持っておれば税金はうんとかかりますよ、ですから土地はできるだけ出しなさい、それが私は保有税だと思う。それをこの際外すというのはいかがか、こう思うのです。
#35
○吉田(公)政府委員 特別土地保有税そのものが設けられましたのは、御指摘のとおり一つは投機的な土地保有というものについて、取得あるいは保有について課税をするということによって、投機的な土地保有を防止しようということが一点。それからもう一つは、その持っている土地について早く提供しなさいという供給促進的な意味での面と、二つの面があると思うわけでございます。
 それで、今回の改正では市街化調整区域については十年間の保有で切ったわけでございます。それから、今後取得するものについては十年間ということで切ったわけでございますが、この考え方は、一つは投機的な土地保有ということで見ますと、過去の土地価格の推移等を見た場合に、土地を十年間保有して投機的な利益というものに連なるようなケースには、今後の経済情勢から見てなかなかなりがたいのではないかというような面もございます。それから宅地供給促進という立場から申しますと、確かに市街化区域のようにいつでも供給ができるものを保有しているというものにつきましては、これの吐き出し効果をねらうために保有税を残すことはそれなりの理由があるわけでございますが、本来開発が抑制されている市街化区域におきましては、供給促進という意味での効果というのはほとんど期待できないわけでございます。そういう意味で十年間の保有ということに対する保有税ということで、ペナルティーを科したというふうに判断し得るのではないかということで、今回これ以上長いことかけるというのは酷ではないかという意図もありまして、これは宅地供給促進そのものと直接絡むものではございませんが、課税の均衡という意味から、調整区域につきましては十年経過した場合には外すという考え方がとられたと思うわけでございます。
#36
○中村(茂)委員 なおわからなくなってきたのですがね。土地供給という面からじゃなくて、ペナルティーをかけてきた、もう十年もたったのだからそんなに長くやる必要ないじゃないか、こういうふうに受け取れるのだが、私はあくまでも土地供給という立場で物事を考えているのですが、保有税をかけるというのは、この土地をいつまでも持っていれば税金は高いのがかかっているから、できるだけ土地を出そう、そういう作用が働くから保有税をかけていると思うのです。それならさっきの宅地並み課税だって、農地の課税よりも高いのをかけておけばよけい税金を払わなくてはいけないから、どうせ土地を出すなら、譲渡税やいろいろなもので有利なときに出そうという仕組みなんでしょう。こういうふうに土地の供給を求めているときに、十年やればペナルティー大丈夫だという考え方で外したとすれば間違いだし、供給の面から保有税はかけて、そして土地を供給させる。特に保有税をかけられているのは、私は企業の持っている土地が多いと思うのですよ。この際外すのはどうしても納得できません。もう一度へ土地供給という面からわかるように説明してください。
#37
○吉田(公)政府委員 先ほども申し上げましたとおり、市街化区域のように本来市街地とすべき土地であって、持っている土地をなるべく早く市街化すべきだというような土地についての特別土地保有税については現状どおりでございまして、これは変えてないわけでございます。変えておりますのは調整区域だけでございまして、調整区域は本来開発を抑制されている地域でございます。この保有税があるからといって供給促進に必ずしもつながらない。どちらかと申しますと当初の、法制定のときの投機的な土地保有に対するペナルティーとしての色彩が強い土地でございます。これについて、開発もできない、ペナルティーがかかっているという状況が十年間続いてきているような土地については、解除してもしかるべきではないかという判断があったものと思っておるわけでございます。
#38
○中村(茂)委員 だから、また一番さきの話に戻るわけですが、その当時調整区域に土地をあさって皆買った、ペナルティーで保有税をかけた。そういう人たちがその時期に何で調整区域内でそんなに土地を買ったか。先ほど言ったように、恐らくいずれは市街化区域になるという思惑があったからこんなに土地を持ったわけです。ところがいろいろな変動が起きてしまった。物価狂乱になった。それこそ日本列島改造までいかなかった。さまざまなそういう政治現象があった。もっとペナルティーかけておいてもいいじゃないですか。これは意見の相違ですからこれで打ち切ります。
 そこで、項を改めてお聞きしたいのですけれども、宅地の需給長期見通し、その内容を明らかにしていただきたいと思います。
#39
○吉田(公)政府委員 宅地需給長期見通しと申しますのは昭和五十六年から六十五年まで、前期五年、後期五年のそれぞれについて、どのくらいの需給量があるかということを従来行っております事業でございますとか、いろいろの推計値を入れて積算したものでございまして、ベースは住宅建設五カ年計画、その延長というものから出ているわけでございます。その住宅建設の中で新規の宅地を必要とするものがどのくらいあるか、その新規の宅地の中でそれぞれの原単位と申しますか、戸建てでございますとか連棟式でございますとか共同住宅というものによって、それぞれに戸当たり面積があるわけでございますので、そういうものをそれぞれ推計いたしまして、それにミディアムグロスということで、住宅、宅地の建設に伴って必要ないわゆる宅地周りの公共施設を加えました数字を推計したものでございまして、前期の五カ年におきましては六万二千五百ヘクタール、後期の五カ年におきましては六万七百ヘクタールということで推計をしたものでございます。
#40
○中村(茂)委員 その中に期待推計量というのがあるのですが、この需給見通しというのは、先ほども話がありましたように住宅建設五カ年計画、五十六年からですよね。これも五十六年からで、今度の土地税制いろいろなものを含めて、いま審議しておる法案を含めて、この長期見通しというのはいまでも大体このくらいは必要だというふうに思っていますか。それとも若干幅がある、それは期待推計量というもの、これをどういうふうに位置づけてこの数字が出ているのか私よく知りませんけれども、大体このくらいは必要だ、こういう長期見通しなんでしょうか。
#41
○吉田(公)政府委員 少なくとも前期の五カ年におきまして住宅の建設戸数、五カ年計画から出ているわけでございますので、この中で新たな宅地を必要とするものがどのくらいかということで、新規宅地を必要とする戸数を大体四百二万戸と想定したわけでございまして、これにつきまして必要な宅地の原単位を掛けて出しているわけでございますので、これだけの土地が必要であり、かっこれだけあれば十分だというふうに算定した数字でございます、六万二千五百ヘクタールにつきましては。
 それから基礎推計量と申しますものは、従来宅地供給と申しますのは規模の大きなものになりますと相当の年月のかかるものもございます。従来手をつけているもの、あるいは従来からのトレンドによってこれぐらいのものがたとえば農地から利用転換されてくるであろうとか、いろいろなファクターを考えまして、現在のいろいろのデータあるいは制度、そういうものを前提にして積算されたもの、これは精密に計算、推計したわけでございますが、これが基礎推計量という数字であらわれているわけでございます。
 期待推計量につきましては、今後の、この数字を作成したとき以降におきますいろいろの政策努力といったもの、こういったものをなお努力して供給をすることにいたしますれば、この需給量がバランスするというふうな考え方でつくったものでございます。
#42
○中村(茂)委員 これだけ宅地の土地あるでしょうかね。というのは、先ほどからきましたいわゆるABC農地ですね。この特定市街地、こういうところの需給計画の中から言えば、三大都市圏が大体見合うわけですけれども、前期で六万二千、そのうち、その他のところが三万二千ですから半分以上、C農地だけを見ても六万二千、そのうち四〇%ぐらいは三万で外れる。いろいろな施策が施される。先ほどの状況から見ると、この長期需給見通しはとても追っつかないのじゃないですか。そこら辺のところはどういうふうに考えておりますか。
 それで、逆を言うと、いままでの農地減少率が施策によってどのくらいよくなるとか、そういうものとの関連で長期見通しの関係を説明してください。
#43
○吉田(公)政府委員 市街化区域の土地自体は農地だけではないわけでございます。先ほど申し上げましたのは三大都市圏の数字でございまして、いまの数字は、御承知のとおり全国の数字でございますが、三大都市圏におきましても、従来からいろいろ公的主体あるいは民間主体が手をかけておって、逐次できてくるもので想定されるものも相当ございます。たとえば多摩ニュータウンでございますとか、港北ニュータウンでございますとか、そういったすでに着手しているものから出てくるものが相当ございます。それから、おっしゃるとおり、農地の転用、そのほかのいろいろの供給、総体を含むわけでございまして、宅地並み課税そのものによって農地がどれだけふえて出てくるかということは、それによってということを決め手にして計算することは非常にむずかしゅうございますが、C農地の六割程度に当たるものを対象といたしまして、長期営農と宅地供給との判断をしてもらって、供給に回って出てくるもの、そういうものは従来よりは相当程度期待できると私ども考えておるわけでございますが、数量としてこれが何ヘクタールかということまではちょっと困難かと思います。
#44
○中村(茂)委員 次に、法案の中で、要請土地区画整理事業、いままでの実績はどのくらいでしょうか。
#45
○加瀬政府委員 要請土地区画整理事業は、現在まで、埼玉県新座市におきます一件でございます。
#46
○中村(茂)委員 この法律が施行になってから要請が一件しかなかったということですが、法律に決めておく意味がないのじゃないですか。これは削ったらどうですか。
#47
○加瀬政府委員 いま申し上げましたように、いままで一件しかないわけでございますが、三大都市圏の特定市におきまして、昭和四十八年度以降四百七件、面積で一万七千ヘクタールの事業が行われているわけでございます。要請という手続を法律で定めたわけでございますが、この要請という手続を経ないで、現実にはかなりの事業が行われているわけでございます。それは、やはり背景に伝家の宝刀といいますか、こういった要請制度があるということもこのように事業が円滑に実施されることに間接的に役立っているというぐあいに私ども理解しております。
 なお、いろいろ原因もあるわけでございますが、土地区画整理事業の施行の要請というものが現在まで一件しかない背景には、要請をしようとする方々が、区域内の土地について所有権あるいは借地権を有するすべての者の三分の二以上の同意を得なければならないという手続上の問題もございます。
 さらに、本制度の対象地域は、農地、宅地が混在しているという場合が多うございまして、農地所有者、宅地所有者等の関係権利者の意向調整というものが非常にむずかしいわけでございます。そういう事情もございまして現在まで要請が非常に少ないわけでございますが、五十七年度以降、農地を残しつつ市街地を段階的に整備する段階土地区画整理事業というものをこれから推進しようとしております。こういった事業が実施されますと、今後は要請も増加するのではなかろうかというふうに考えております。
#48
○中村(茂)委員 伝家の宝刀と言うけれども、それがわからないんだね。これは土地区画整理法で大体間に合っているのですよ、これだけのりっぱな法律があるのだから。この法律で施行するのを拒否するというのは、そんな法律があろうとなかろうと、やりたいという地域が出てくれば市町村と話をしてやる。市町村は、それは受けませんということはなかなか言いませんよ。それを市町村が、そこはだめですよ言った場合に、この法律を適用して、施行しようとする人たちが要請できるというのでしょう。この土地区画整理法がうまく有利に動いておる背景に、いまの要請があるから、これが伝家の宝刀だと言うのはちょいと思い上がりじゃないですか。まあ法律でできているから置くというような程度で、その位置づけは、もうこんなりっぱな土地区画整理法というのがあるのだから実際はそれで間に合っているのですよ。いままでだって一件しかないのだから、あってもなくても同じようなものだが。この法律の中でこれを位置づけした時代はそういう時代だったかもしれませんけれども、ここまで来てみて、どうも一件しかなかった、片方では土地区画整理法というきちっとしたものがある、こういうことですから、あっても余り意味ないのは削ってもいいじゃないか、こういう主張です。皆さんの方で置きたいと言うなら置いても結構です。これは私の主張ですから。
 そこで、土地区画整理法に基づくものが四百七件というふうに言われましたが、いま、区画整理ができて未利用地になっているところはどのくらいあるのですか。
#49
○加瀬政府委員 私どもで調べましたのは、三大都市圏の数字でございますが、ちょっといま手元に細かい数字はないのですが、三大都市圏合わせまして八千数百ヘクタールという数字が一応ございます。これは三十七年度以降に土地区画整理事業の認可を受けた土地でございまして、三十七年から五十六年度までに土地区画整理事業の施行認可を受けたものにつきまして、もうすでに完了したもの、あるいは工事中でございましても認可後六年を経たもの、こういったものにつきまして調べまして、現状まだ宅地化されてないというものの数字でございます。
#50
○中村(茂)委員 土地区画整理やって、いま未利用地で残っているものですよ。
#51
○加瀬政府委員 いま申し上げたのは、三大都市圏におきます未利用地で、残っている土地の面積でございます。
#52
○中村(茂)委員 私は、それが非常に問題だというふうに思うのです。金をかけて援助してやって、そして区画整理をきちっとやった。土地が必要だ、ところが、そんなりっぱなうちもすぐ建たぬところがいっぱい残っているという、これが私はどうしてもわからないですよ。ちょうど、公団で空き家があるようなもので、そういうものに対しての施策というものを積極的に進めてもらわなければ、どんなに机の上で長期需給見通しをつくってみたところでどうにもならぬですよ。何かそういう積極的な施策をやっているのですか。
#53
○加瀬政府委員 土地区画整理事業と申しますのは、御案内のように、地権者の方々の土地の権利関係をそのままにしまして、換地処分という形で土地の区画整理を行っていくわけでございまして、結局、土地の保有者の保有意向というものにどうしても左右されやすいという側面を持っているわけでございます。したがいまして、こういった土地区画整理済み地が市街化されるためには、私どもとしましては、従来から通達をもって都道府県を指導しているわけでございますが、その内容を申し上げますと、保留地の処分に当たりまして、たとえば建築計画を提示させるなど、可及的速やかに建築行為が行われるよう措置するとともに、住宅を供給する公共的な機関に対しまして優先的に分譲するように努めるということ、あるいは施行地区内の権利者や保留地の購入者に対しまして、住宅を建設するための金融、税制等につきまして必要な情報の提供に努めること、あるいは施行地区内におきまして学校、病院、店舗等の公益利便施設の誘致等に努めること、こういったことを行いますことによりまして、なるべく土地区画整理済み地の市街化が促進されるということを、従来から期待しているわけでございます。
 こういったことの効果が出ることを期待しているわけでございますが、こういった土地区画整理済み地が市街化されないまま置かれるということにつきましては問題でございますので、先ほどお答え申し上げました審議会の諮問の中には、この問題の解決についての施策ということも含めまして、お願いしているわけでございます。
#54
○中村(茂)委員 これはもう非常に問題だということをひとつ認識してください。法律に基づいて相当な援助をして、法律の保護でりっぱな宅地ができた。それがただ草になっているなんということは、これは施策が悪いのかどうか知りませんけれども、そういうものについてはまた新たな施策を考えて、一日も早く解消できるようにしなければならぬと思うのですね。まあ構造的なものもあると思うのです。先ほど話があったように、そこへうちをつくっても学校が遠いとか公的な施設が少ないとか、いろいろあると思うけれども、また、そういうところを許可して土地の区画整理をするということも問題なんですが、ですから公団の空き家と全く同じだと私は言っているのですよ。
 次に、特定土地担保の賃貸ですけれども、これは大いに進めてください。これは積極的に進めてもらいたい。こんなものはまだ数が少ないと思うのですよ、せっかく法律があって仕事をするのですから。
#55
○吉田(公)政府委員 特定土地担保賃貸住宅につきましては、この制度ができましてから、五十六年十二月までに七千六百六十一戸という貸付契約をとっているわけでございます。この制度は、一般の土地担保賃貸住宅が五・五%という貸付金利に対しまして、四・五%ということで、いわゆる施策の金利といたしましては非常に低い金利になっておりまして、農地所有者が自分の土地を有効に使って生活を図っていこうという上には相当の効果のある制度でございますので、こういったものをもっとよく、PRと申しますか、農民の皆さんによく理解してもらい、さらに活用されるように、いろいろな機会を通じて努力してまいりたいと思います。
#56
○中村(茂)委員 次に分譲住宅ですけれども、これはやはり六・八で普通の金融公庫よりも安くなっているのですが、これはどうしてゼロなんです。
#57
○吉田(公)政府委員 御指摘のとおり、特定土地担保分譲という制度は、一般の団地住宅と言っております分譲住宅でございますが、これが八・二五でございますのに対しまして、六・八という非常に低い金利で融資しているわけでございますが、原則的に申しますと、農地の所有者の方がその土地を生かして住宅を建てようとする場合に、は、どちらかといえば賃貸住宅を建てて、その賃貸住宅の収入で生活の計画に当たっていこうというケースが多いのであって、分譲住宅を建てて処分をするということですと、むしろもう土地の段階で譲渡してしまう。家を建てて分譲するという事務そのものが非常に大変でございますので、住宅の建設までしないで、土地で売ってしまっているというケースが多いのではないかと思います。
 それから、実際のところは、賃貸住宅の場合でございますと、これは家賃としてずっと後々までに響くわけでございますが、分譲住宅の金利と申しますものは、いわば建設期間の中の、金を支払って、それから分譲収入、代金収入が入ってくる間の金利でございますので、処分価格の上に反映されるものは少ないという面もあるかと思いますが、基本的には、土地を有効に使って生活の計画を立てていこうとする方は、むしろ賃貸住宅を志向するという、本来的にそういう性格を持っているのではないかと私ども思っているわけでございます。
#58
○中村(茂)委員 いろいろ理屈並べてみたって、いままで一件もないものを、法律で存在したってしようがない。
 いろいろ意見を申し上げてきたわけですけれども、全体的に見て、この法律の土台になっているいわゆる宅地並み課税、これが範囲が広がりました。それから、土地税制の中で保有税、これを十年ということで切った、そういう土台がありますので、この法案については、私ども社会党としては反対の態度を明確にして、終わります。
#59
○村田委員長 これにて中村茂君の質疑は終了いたしました。
 午後一時より委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時一分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時一分開議
#60
○村田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。山花貞夫君。
#61
○山花委員 私は、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案及び特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案、両案につきまして、前者については賛成、後者については反対の立場で質問をいたします。
 質問に入ります前に、緊急のことではありますけれども、国土庁長官に一点だけお伺いをさせていただきたいと思います。
 去る二十一日、北海道浦河沖地震と名づけられておるようでありますけれども、マグニチュード七・三、震度六の大地震が発生をいたしました。冒頭、被害を受けた皆さんに心からお見舞いの意を表し、なお、一日も早い復旧作業の前進をお祈りする次第であります。
 実は、この問題については、北海道の皆さんだけではなく、全国のかなりの地域の皆さんが大変大きな関心を持ったと思うのであります。東海地震の影響をこうむる地域の都市の皆さん、あるいは東京もしかりでありまして、マスコミなどにおきましても、たとえば東京に起こったらどうなるかということにつきまして、各紙が報道しておったところであります。
 五十五年修正されました東京都地域防災計画、東京都防災会議が作成したものであります。この計画は、「海洋型地震及び直下型地震をあわせて対象とする」とされておりまして、マグニチュード七・九、震度六ということでありますから、今回の浦河沖地震とほぼ同程度のものを想定しているわけでありますけれども、木造建築物の全壊で六万二千棟、以下被害の状況というものが想定されておりまして、東京を中心として、二十三区内ということで考えただけでも三百五十万人が罹災をし、百二十万世帯が罹災をする、負傷者が六万三千、死者が三万六千人に達するであろう、このように被害を想定しているわけであります。したがいまして、今回の地震が海洋型の地震であるか、直下型地震であるかということにつきましてはなお分析を要するようではありますが、もし想定しておりますような地震が東京に起こったらという心配など、東京だけではありませんでして、都市に、あるいは今度のような午前十一時過ぎということではなく、夕食時などに起こったら一体どうなるかということにつきましては、大変大きな不安を持ちながら、今回の地震は皆さんの関心を集めているところだと思います。
 海洋型地震であるか、直下型地震であるかということについては、新聞報道などは内陸直下型であるとしたものが多いわけでありますけれども、学者の皆さんに言わせますと、そうではないかもしれないという意見もあるようであります。しかし、気象庁の見解によりますと、詳しいデータを分析しないと断定はできないけれども、どちらかと言えば、海洋型というよりも直下型に近いのではないか、こういう分析をされておるわけでありまして、してみると、東京などの場合におきましては、マグニチュード七クラスの地震につきましては予知観測の盲点になっておる。しかも、直下型であるということをあわせますと、その意味でも大変に不安がつのるわけであります。
 法案審議の際でありますけれども、冒頭、この問題につきまして長官の御見解と、この浦河沖の地震を教訓といたしまして、防災対策についてはこれまでのペースを上げて、なお一層努力をするべきではないかと考えるわけでありますけれども、御所見を一言お伺いいたしたいと思います。
#62
○松野国務大臣 まず、地震の状況から御報告をさせていただきます。
 今回の地震による被害の詳細については調査中でありますが、大きな地震であったにもかかわらず、死者、行方不明がなく、また火災の発生もなく、被害が最小限にとどまったことは不幸中の幸いでありました。
 二十二日十八時現在判明しておる被害状況は、負傷者は百二十四名、重傷者七名、全壊七棟、半壊十二棟、一部損壊九十二棟となっており、また土砂崩壊等により、道路は、国道二百三十五号で通行どめ二カ所、鉄道は、国鉄日高本線の一部が不通となっており、その他各地で停電、断水等が発生しました。
 北海道庁に北海道地震災害対策連絡本部、浦河町ほか七市町に災害対策本部が設置され、現在、災害応急対策が実施されております。また、要請に基づきい自衛隊第七師団の約百名が給水活動に当たっております。
 これら災害応急対策の結果、停電は三月二十一日二十三時十三分に、電話は二十二日零時五十分に全面復旧し、断水していた十一町についても、六町ですでに復旧しております。また、国道二百三十五号については、道道と迂回路により通行が確保されており、国鉄日高本線の不通区間のうち、鵡川―静内間は復旧し、静内―様似間は本日復旧計画を作成することとしております。
 なお、国土庁、北海道開発庁におきましては、昨日係官三名を現地に派遣し、被害実情調査及び現地との連絡調整に当たらせました。
 今回の地震災害についての今後の対策につきましては、本日夕刻、国土庁において災害対策関係省庁連絡会議を開催することとしており、関係省庁間の密接な連絡のもとに、その対策に万全を期したいと考えております。
 なお、先ほど冒頭に御質問のありました、もし東京でこういうことが起こったらということに対する参考になる御意見を拝聴いたしましたが、国土庁としましても、いまお話のありましたようなことは大変心配をいたしております。そこで、静岡地震に対しては非常な調査が進んでおりますので、こういう大きな地震の予知はまずできるであろうという確信を持っておるようでございます。ところが、直下型の地震に対しては、東京でいま三カ所と、もう一カ所いま計画中でありますが、四カ所でいろいろ調査を進めていく段取りをして滞りますけれどもしかしかしながら、直下型地震の予知というものは、私は専門的な知識はありませんけれど七、専門家の話を聞きますと、現時点においては大変むずかしいというような話を聞いております。なお一層の問題については最善を尽くしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いたします。
#63
○山花委員 国としても災害対策について、きょうの夕方から会議が始まるということでありますけれども、最大限の努力をされますことをお願い申し上げる次第であります。
 また、いま東京の問題についても長官に触れていただきましたけれども、五十三年六月に大規模地震対策特別措置法が制定されまして以降、特に東海地震関係、いま触れられましたこれに対する対策ということにつきましては、予知の体制も大変進んでいるようであります。お話がありましたとおり、東京の場合には、東海地震が発生した場合にも震度五程度ではなかろうかと予想されておるところから、強化地域ともなっていないわけでありまして、そうした意味におきましては大変まだ不安が残るわけであります。
 いろいろな資料を拝見してみますと、明治以来、明治十三年、十七年、二十二年、二十五年、二十七年、二十七年は二回、二十八年、三十九年、大正十一年、十二年、十三年、そして昭和四年と、マグニチュード六以上の地震が発生しているわけでありまして、明治、大正年間は非常に頻繁でありましたけれども、最近では昭和四年以降発生していないということから、そうした意味におきましてはやはり都民の警戒心というものにつきまして、不安はありながらなお不十分であるという面があるのではなかろうか、こういう気がいたします。予知体制について、直下型地震に対する問題が大変むずかしいというお話はありましたけれども、いまも三カ所から四カ所にというお話は伺いましたが、ぜひ今回の地震を契機として、特に一層大都市の災害対策ということにつきましては御努力されますことをお願い申し上げる次第であります。
 一応緊急のテーマでありますので、希望を申し上げまして、以下法案につきましてお尋ねをさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、いわゆる農住法についてお尋ねをいたします。
 先ほど申し上げましたとおり、私たちは基本的には賛成の立場に立つわけでありますけれども、実はこの法律が制定されて以降、今日までの経過を振り返ってみると、単に言葉の当否はさておきまして、マンネリ的に延長を繰り返すということでありましては、法律の実効性という観点から疑問の生ずることになるのではないだろうか。本法は、第二期五カ年計画の初年度であります昭和四十六年に水田の宅地化を目的といたしまして制定されたわけでありますが、当初五年間の臨時立法でありました。以来、五十一年、五十四年、各三年ごとの延長がなされまして、今回三たび三年の延長ということでありますけれども、こうした臨時措置法の延長ということでありますから、過去の実績を振り返りながら、先ほど午前中の質問にも宅地化促進法に関連してありましたとおり、中身に積極的な施策を盛り込むような、新しい観点などにつきましても議論をしていく必要があるのではないだろうか。同時に、従来の法律の具体的な適用に当たっての問題点につきましても、綿密な検討と反省の上に新しい三年間のスタートをしなければならないだろう、このように考えるわけでありまして、そうした観点から、幾つかの問題点につきましてお伺いをさせていただきたいと思います。
 まず冒頭、建設省に伺いますけれども、これまでの農住法の実績につきましてどのように把握をされておるか、そして、その点をどのように評価されていらっしゃるんだろうか、この点についてお伺いをいたします。
#64
○豊蔵政府委員 お答えいたします。
 本制度ば昭和四十六年度に創設されたものでございますが、以後、昭和五十五年度までの実績で見てみますと、建設戸数は一万三千百六十七戸、対象となります融資額は五百九十六億八千四百万円、これに対します利子補給の総額は百七十二億一千四百万円と相なっております。
 この実績につきましては、他の民間の賃貸住宅に対します助成制度にない水田要件あるいは団地要件等の条件が必要でありますこと、あるいはまた、建築費等の上昇の時期も幾つかあったこと、また、借家の需給につきまして若干緩和傾向にあること等もあわせて考えますと、それなりの実績を上げていると評価をしているところでございます。
#65
○山花委員 それなりの実績をというお話があったわけでありますけれども、実はこの法案が審議されましたかつての建設委員会の議事録を拝見いたしますと、まず冒頭この法案が提出された段階でありますけれども、申し上げましたとおり、第二期住宅建設五カ年計画のスタートということもありまして、それとのかかわりで大変重視されておったということだと思います。当時の大臣の見解について振り返ってみますと、第二期新五カ年計画全体として九百五十万戸を達成するのである、そのうち農住法関係につきましては五万戸ということが約束されておるわけであります。
 五万戸ということなんだけれども、いまお話を伺いますと、五十五年までの計が一万三千百六十七戸でありまして、私がいただいている五十六年の参考の数字千五百四戸を加えても、一万四千六百七十二戸であります。当初第二期五計のときに五万戸である、臨時措置法は五年間でありますから、趣旨としては五年間で五万戸ということではなかったかと思うわけですけれども、実はその後三年たち、また三年たち、そして今後の見通しということを考えましでも、今年度は計画が前集の半分となりまして二千戸というように伺っているわけでありますが、全体としてこの五万戸ということにつきましては、当時の見通しは全く誤ってしまったということになるのではないかと思うわけで、そうした経過を振り返りまして、ちょうど九年から十年たっているということでもあります、過去の実績についていまおおむね評価できるのではないかというお話はありましたけれども、しかし、かなり不満足な部分もあるのじゃなかろうかということを指摘しないわけにはいきません。
 実は、若干細かいととになるかもしれませんけれども、年度別の予算ということでありますと、四十六年度と四十八年度が二千戸でありまして、四十七年度及び四十九年度以降は四千戸ということで計画をされてきておるようであります。ところが、この二千戸ないし四千戸の計画に対して、実績ということで振り返ってみますと、四十六年度はスタートした年でありますからやむを得ないといたしましても、三百五十一戸の建設でありますので、大体達成率が一七・五五%であります。四十七年は四千戸に対して一千三百八十四戸でありますから、三四・六%の達成率ということで、年度ごとに達成率を見ますと、四十八年が六八・五%、四十九年が四〇・〇三%、五十年が四七・六%、五十一年が五七・四八%、五十二年が四八・〇五%、五十三年が一八・六%、五十四年が二七・二%、五十五年が一二・五三%、五十六年参考の数字について計算しますと三七・六%でありまして、四十六年スタートいたしましてから五十五年までの間の平均は三六・五八%というのが実績であります。大体、目標に対して三五%ということでありますと、宅地促進法の関係ではゼロという部分もあったわけでありますから、それに比べればということにはなるかもしれませんが、しかし、三五、六%の達成率で非常によかったということにはながなかならないんじゃないだろうか、こういうふうに思います。同時に、初めは五年間、次、三年間、三年間ということでありますので、そこでの特別措置法の期間ごとの実績についてもう一遍別の角度から検討いたしますと、たとえば第一期の五年間、四十六年から五十年までの間は六千六百十戸であります。第二期の三年間、これは五十一年から五十三年でありますけれども、四千九百六十五戸であります。そして、その次の三年間、五十四年から五十六年まで、一部参考数字でありますけれども、三千九十三戸であります。最初の五年間は六千六百十戸建っておったわけですけれども、その後、期間は短くなりましたが、初めの三年に比べるとその次の三年の方が悪いということでありまして、一言で言いますとじり貧の状態になっているんじゃないだろうかということが年度別からもうかがわれるわけでありまして、もし、これから三年間さらに延長するということになるならば、ひとつ腰を入れて本格的に取り組んでいただかなければならないのではなかろうかと思うのでありますけれども、お立場から、評価するしないの問題についてはいろいろ議論があるかもしれませんけれども、われわれは基本的には賛成であるし、これは延長してひとつがんばってもらう必要があるんではなかろうかという立場に立ちまして、いま言った実績を振り返ってみると、やはう評価といっても、その程度というものは若干薄いんじゃなかろうか、この点について、これまでの実績を振り返って、改めて御見解と、これからに臨む基本的な積極的な姿勢をひとつお伺いいたしたいと思います。
#66
○豊蔵政府委員 御指摘のとおり、本制度が発足いたしまして十年に相なりますが、地域的にも若干のばらつきがあり、また、私どもが当初予定いたしましたほどに実績が上がってないというようなところがございます。これは、一つは水田要件というような問題があることもございますが、それ以外には、私どもが地方公共団体あるいは農協等を通じまして本制度の普及に必ずしも十分でなかった点もあるのではないかと、反省をいたしております。今後につきましては、やはり長期に安定した賃貸住宅の経営が行えるというような意味での、いろいろな普及、指導を通じまして本制度の活用を図る。また一方、新しく発足いたします農住組合制度等におきましてもこれらの活用が考えられますので、そういった各般の諸施策を総合的に実施してまいりたいというふうに考えております。
#67
○山花委員 いまも触れられたところでありますけれども、地域によって格差があるということも、この法律の実績を検討するに当たりましては見逃すことのできない観点ではなかろうかと思います。地方によりましては大変たくさん建築されたところもあります。一覧表を見ますと、愛知県では二千六百六十戸、静岡県では二千四十三尺兵庫県では千九百五十三戸、石川県では千二百一戸ということでありますけれども、三大都市圏ということで見てみましても、埼玉県は実績ゼロであります。千葉県につきましては、五十年に十六戸と五十五年に三十二戸、四十八戸というのが過去の実績であります。もっとも五十六年には百二十戸加わるようでありますけれども、しかしそれにしても大変少ない。東京におきましては五十五年度四十四戸というのが過去の実績でありまして、たった一カ所だけであります。愛知、三重について見ると、愛知につきましては二千六百六十戸と全国一の建築でありますけれども、お隣の三重県の場合には、五十年に一カ所、五十六戸というのがあるだけでありまして、その他九年間はゼロということのようであります。京都におきましては過去実績がゼロであります。大阪におきましては、五十二年度に五十六戸あっただけでありまして、地域的に大変格差があるというところにつきましては、この法律の実際の施行に当たりましてやはり問題点があったんじゃないだろうかと、こういうように考えざるを得ないわけでありますけれども、先ほどの御答弁とも関連する部分かもしれませんが、なぜこういうように地域的な大きな格差ができてしまったのであろうか、そうした空白県につきましては何らかの具体的な対策がないのだろうか、対策をしてもむだなのだろうか、やれば実績が上がるのだろうか、こういう点につきまして建設省としての御見解を伺いたいと思います。
#68
○豊蔵政府委員 御指摘のとおり、地域によってかなりの格差がございます。その大きな点といたしましては、この制度が水田の要件がかかっているというようなことから、首都圏におきましては本制度に適しました団地が少ないといったようなこともあろうかと思われます。また一方、制度的に歴史も古い、またよく一般に知られております住宅金融公庫の土地担保賃貸住宅の制度というようなものが活用されているといったようなこともあろうかと思われます。しかしながら、本制度は、いま申しましたように農協等のいろいろな指導、援助を通じまして、農家の方々が安定した賃貸住宅の経営を行うことができるように、そしてまた一方、農業政策の上からの、水田を宅地化するといったような総合的な目的によってつくられたものでございますので、これらの点につきまして、関係の公共団体であるとかあるいはまた農協等におきましてもっと積極的に取り組むように、私どもも普及をする、また十分に今後の経営につきましての指導等、お手伝いをさしていただくというようなことが必要でなかろうかというふうに考えております。
#69
○山花委員 いまお話しになりました、一言でいいますと若干PRが不足しておったのではなかろうかと、この問題点につきましては、実は三年前の改正の時点におきましても、全体の傾向は先ほど私が申し上げた状況でありますので、当時の建設大臣みずからが、これはPR不足である、しっかりがんばらなくちゃいかぬと、こういうお話だったわけですが、実はそれから三年間たちまして同じ問題がなおあるということでありますと、やっぱりここはもう一遍腰を据えていただく必要があるのじゃなかろうかということを実は強調して、指摘をさしていただきたいと思うのであります。
 実は私、東京にもこの農住住宅があるというように伺ったものですから、ある現地の状況について、現地の農協その他からいろいろお話を伺いました。そこで、もう一つほかにも進まない問題点があるんじゃないだろうかという気がいたしますので、全般的な状況についてお伺いする中から、私どもの問題提起をひとつさしていただきたい、こういうように考えるところであります。
 さて、実は先ほど申し上げました東京の唯一の実績であります四十四戸というのは、都下稲城市の平尾の地区にある住宅であります。全体が二十二ヘクタールを団地面積といたしまして、ここは東京でも水田が比較的広くあった土地のようでありまして、水田が七・八ヘクタールこの中に含まれております。全体の団地面積から公共施設の用に供している面積を引いた残りに対する水田面積の割合は三七・五%でありますから、比較的この法律案に即した形で団地の建設がなされたのではなかろうか、こういうように考えているところであります。
 実はこの団地の条件ということについて、後の質問に関連いたしますので、伺ったところを御紹介したいと思うのですが、担当は稲城の農協でありまして、資本量、資金が約百億円ということでありますから、比較的小じんまりとした農協であります。職員が四十人、二人の職員がこの団地にかかりっきりで担当して仕事をしておるようであります。ただ、都市型の農協でありますから、正組合員が五百二十名、準組合員が千名ということのようでありますけれども、年間六十日以上の就農ということで、何か正会員の要件としては五畝で正会員になれる。百五十坪で正会員になれるということでありますから、きわめて都市型の農協であります。
 ここでこの事業に取りかかりまして、私が伺いましたところ、ちょうど四、五日前、先週だったものですから、新しい住宅建設が終わりまして入居の申込者がたくさんいらっしゃっているというような、環境は比較的よいところということもあったわけですけれども、こうした状況についていろいろお伺いした中では、農協としてはこの法案にかなり期待をしておるようである、こういうように私は伺いました。全体の都市農業を守るということをスローガンとして掲げながら、一方においてその都市農業を進めるためにはある程度のこうした対策が必要である、こういう観点から非常に期待をしておるということだったようなんですけれども、実はその期待の中で、もう一つの問題点と申しますのは、不安があるそうでございます。どこに不安があるのかといいますと、十年間で利子補給が打ち切られるということについての不安であります。これは立法技術もあるでしょうし、大蔵省の関係もあるでしょうし、さまざまな技巧をこらした中での十年間という制度だと思うのですが、十年たって利子補給を切られたならば、あと一体どうなるだろうか。今回の制度は土地を売ってお金をつくって団地をつくるという必要がなくて、土地を持ったまま利子補給していただいて農住住宅を建てることができるから、いまはいいのだけれども、十年たったところで現に利子補給がなくなってしまったならば、追い詰められてせっかくつくった土地をまた売らなければいけないとか、そういう問題が出てくるのじゃないだろうかといったような、十年の期限というところに大変大きな不安を持っておうたというのが農協の皆さんの期待と同時に不安であります。したがって、この十年間ということにつきまして、改めて検討していただく余地がないだろうか、これが農協の皆さんの強い希望でありましたので、建設省としてはさまざまな技巧はあると思いますけれども、この点について検討する余地が少しでもあるかどうかということについてお伺いをさせていただきたいと思います。
#70
○豊蔵政府委員 賃貸住宅の経営につきましては、この制度の発足の当初からそうでございましたが、おおむね十年程度たちますれば安定的な経営が図れるというようなことで、十年間の利子補給制度というふうになっているものと考えております。もちろんいろいろな諸条件を考えました場合に、この補給期間が長ければ長いほどいいわけでございますが、私どもいろいろと検討させていただきましたが・現在の財政状況等にかんがみてみますと、現行の制度で進めさせていただくことが現状としては妥当なところではなかろうかというふうに考えているところでございます。
#71
○山花委員 現在の財政状況からということになりますと、新規財政需要に係るものにつきましては、新しい方針が大変出しにくいということについては理解するにやぶさかではありませんけれども、実はちょうど十年たち始めているわけでありまして、私が伺った限りでも、一番最初、昭和四十六年に建築されました三百五十二戸のうちの一部につきましては、今年三月三十一日ぐらいで大体十年経過ということになりまして、利子補給が打ち切られるケースがことしから出始めるということであります。
 そういたしますと、十年たってことしから利子補給が打ち切られるというような状態が出てきた中で、一体その団地の、いわば一つは所有者側、農協側、農家の側でどんな問題を感じておるだろうか。あるいは居住されている側からいたしますと、それまでは利子補給がありましたから、その分がはね返りまして家賃について抑えられてきたということもあると思うわけですけれども、利子補給がなくなったならば家賃問題などが一体どうなるんだろうかということも含めて、所有者、居住者、貸し主、借り主双方に、ちょうど十年たったところで新しい問題がこの四月から始まっていく、こういう段階を迎えているのが今日の時期であろうと思います。
 そういたしますと、今日の財政事情からということでは、いまのお答え上なかなか出にくいかもしれませんけれども、先ほど申し上げましたとおりどうも実績がじり貧であるという状態の中で、やはりそうした不安が具体的に宅地化を進めようとしている農家、農協の側にあるとするならば、この点につきましては、十年たったところにつきましての実情について、たとえば今年度あたり少し調べていただきまして、もし改善の余地なり、仮に何らかの直接的な、私のお願いの趣旨とは違ったといたしましても対策があるとするならば、そうした十年たったら利子補給が切れるから不安である、こういう農家の側の不安を解消するような政策につきまして、ひとつ御検討していただく必要があるんじゃないだろうかというように考えますけれども、その点についてはいかがでしょうか。
#72
○豊蔵政府委員 御指摘のとおり、現在はまだこの利子補給制度が十年を経過しておりませんので、五十七年三月三十一日に利子補給が終了する予定のものが現在二団地、百二十九戸ばかりございます。これらの住宅につきまして、今後どのような家賃の変化になっていくか、また、その経営がどうなるかということにつきましては、私どもも十分事業者の方々ともよく御相談をしながら、その実情等を踏まえて今後の検討課題とさせていただきたいと思っております。
#73
○山花委員 問題は、十年を過ぎるというところで貸している側にも借りている側にも起こってくるわけでありまして、その場合の中心は何といっても家賃の問題であろうと思います。家賃の算出につきまして農住法の仕組みをひとつ御説明をいただきたいと思いますが、仕組みを御説明いただきますと同時に、もしできれば、一つでも結構ですから具体的な例でこのように算出されているということにつきましても、あわせて御説明いただけますとありがたいわけですが、いかがでしょうか。
#74
○豊蔵政府委員 本制度によります家賃につきましてのルールは、法律の施行規則の第十六条によりましてルールが定められております。
 申し上げますと、家賃の限度額につきましては、第一には、利子補給の対象となっております融資の償還額に対しまして、年利五・五%、償還期間二十五年、元利均等半年賦で償還するものとして計算をいたしました月額分でございます。
 第二には、融資の対象となっておりません、自分の資金によりまして建設された分の費用についての償還額は、年利九%、償還期間二十五年、元利均等半年賦ということによって計算をいたしました月額分、第三番目には維持管理費でございまして、これは一般的な対象の融資額の〇・一五%の月額分、第四番目には土地建物に対します公租公課、これは実際に要する額の月額分。第五番目には損害保険料、これも実際に必要といたします額の月額分。第六番目には地代相当額でございますが、これは土地の時価につきましてその五%相当分の月額分。なお、引当金といたしまして以上の六つの項目につきましての合計額の二%、これらを総合計いたしたものがその家賃の限度額というふうになっております。
 具体の例といたしましては、たとえば東京都の稲城市の農協で融資されました平尾という団地につきまして、昭和五十五年に建設をされたものでございますが、規模はRC三階建て、一戸当たり約七十平方メートル程度の住宅でございますが、これの戸当たりの規則に基づきます限度額家賃は、月にいたしまして十五万四千円となっておりますが、実際の徴収家賃につきましては七万八千円程度というふうに聞いております。
#75
○山花委員 いまありました平尾の農協の団地の場合を見ましても、御説明のありましたとおり限度家賃は十五万四千円あるいは十五、六、七万というあたりであります。実際に今日段階で貸しておる家賃は大体七万六千円、六万一千から七万六千円というのが値段であります。従来の法案審議に関連して私がいろいろ教えていただきました資料を拝見すると、利子補給があるのだから民間の家賃よりはかなり安いのだ、こういうたてまえにはなっておるわけでありますけれども、率直に申しますと、これは実勢価格といいますか、町の相場ではなかろうかというように思うわけであります。実は、同時にもう一つの問題は、この限度家賃というのが大体実勢家賃の二倍くらいになっている。これは実は農住住宅の家賃だけに起こっている問題ではありませんで、その他の制度にも同じような問題が出てきているわけであります。家賃の算出の中で、先ほど法律規則に従いまして御説明いただきました各項目の中で特に問題があるのは、先ほどの規則の第十六条第四号にあります敷地の取得に要する価額に年利五%を掛けるというところに、非常にはね返りが大きくなりまして家賃が高くなる、こういうところが大変問題なのではないかというように思うわけです。御説明いただきました平尾の農住住宅につきましても、土地の時価は大体六十万ぐらいということで計算をされているわけであります。全般的なこの農住制度がスタートいたしまして以降の議事録を拝見しますと、水田の宅地化ということでありますから、土地の時価はもっとずっと安く見ておったようでありますけれども、現実に三大都市圏、特に東京ですとただ一つある前例ということになるわけですが、時価六十万の土地の上に家を建てるということになりますと、この六十万を、まるごとその価格を預金に入れたと同じように年利五%ということで計算いたしまして、それを基礎としてはね返らせて計算いたしますと、大体実勢価格の二倍くらいの家賃が限度価格ということになってまいります。貸す農協の側でも限度価格いっぱい、十五、六万で貸すと言いましたならば、お客は一人も来ないわけでありまして、大体相場か、相場よりちょっと低目ぐらいをにらまなければお客が来ないわけでありますから、現実には限度価格の半分である。限度は上まで二倍ぐらいあるわけであります。したがいまして、この利子補給の期間は、建設省の省令などによって貸さなければいけませんよということになっておりますし、権利金その他は取ってはいかぬということになっておりますし、敷金は一定の限度があるということになっておりますし、いろいろ形の上では制約があって、家賃についても市価よりもむちゃくちゃに高いものであってはいけないというような、仕組みとしてはそういうようなことになっているわけでありますが、現実にはそれが実勢家賃の倍ぐらいのはね返りの家賃ということになってまいります。こういうことからいたしますと、この家賃問題につきましては、この点につきましてもすぐ御答弁いただける問題ではないと思いますが、この土地、特に都市近郊の農地といっても、六十万から百万というのが大体東京二十三区周辺の農地の値段であり、百万を超しているところもあるわけでありますから、そうした地価の高騰した中で金利五%回しというようなことでこの地代の計算をしたり、あるいはこれを家賃にはね返らせるということにはどうしても無理があるのではないだろうか、こういうことを考えざるを得ないわけでありまして、きょうは農住法案でありますから、農住法の家賃についてということで伺いますけれども、その五%金利ということについては検討する必要があるのではないだろうか、こういう疑問についてひとつ御見解を伺いたいと思います。
#76
○豊蔵政府委員 地代相当額というものも、やはり一定の範囲内でその賃貸住宅の土地に投資されたものといたしまして、家賃限度額を計算するというふうになっておるわけでございますが、先生の御指摘がありましたように、実際の家賃の運用につきましては、地代相当額を相当程度減額をいたしまして家賃の計算をしているというのが実情のように聞いております。しかしながら、これはまた賃貸期間が長期にわたります場合には、当然ながら物価の上昇あるいは地価の上昇等がございますので、そういったようなものを反映しつつ、適時適切な家賃の改定というようなことが必要になってくるのではないかと思っております。そういうような意味におきまして、限度額というものは、一応こういったような民間の方々が経営される場合の上限を示したものでございますので、その範囲内におきましてその地域の賃貸住宅の家賃状況あるいはまた経営の安定性等々を考えながら、必要に応じてその中で運用していくというようなことではなかろうかと考えております。
#77
○山花委員 後の質問と関連する部分もありますので、国土庁に二つの問題についてお伺いをした上で、さらに建設省からお話を伺いたいと思います。
 一つは未利用地に対する総合的な施策につきまして、午前中もちょっと建設省側で触れられたところでありますけれども、この点について国土庁からお伺いしたいと思います。
 もう一つの問題は、三大都市圏、特に東京を中心といたしました地価の上昇のこれまでの経過につきまして、農住法がちょうど十年でありますから、十年ぐらいの流れで地価の上昇につきまして若干御説明をいただきたいと思います。
#78
○小笠原政府委員 最初のお尋ねの中で、未利用地でありますが、未利用地の定義をどうするかということによっても違ってまいりまして、人によりましては農地も未利用地だという方もいらっしゃるわけではございますが、私ども現段階で考えております未利用地というものは、全くいかなる目的にも利用されていない土地ということであろうというふうに思っておりまして、これの積極的活用、有効活用ということが、特に大都市の土地政策上非常に重要な問題であるというふうに考えておるわけでありますが、実際問題としては、これが個々に開発利用されるということではさまざまな問題が出てきておりますので、国土庁といたしましては土地利用転換計画をつくっていただいて、合理的な土地利用計画を策定していただくという仕事を手がけておりますほか、建設省にお願いをいたしまして、関連公共施設の整備を急いでいただく、それから民間の宅地開発に対する政策金融を強化をしていただく、あるいは未利用のままである現状を分析してみますと、開発許可の申請をしながら五年も六年も開発許可がおりないというようなことで、これらの事務のスピードアップなどの要請をいろいろとしていただきまして、これらの対策を強化していただいております。このほか、特別土地保有税の活用でありますとか、国土法によります手続を経て取引したものにつきましては、遊休土地制度の活用でありますとか、こういうものをいろいろと組み合わせまして有効活用を図っておりますし、これからも拡充をしてまいりたいと考えております。
 それから、もう一つのお尋ねの、過去十年間の地価公示による東京圏の地価の動きでございますが、ここで私どもが公表しております住宅地の地価あるいはその変動率というものは、現況農地あるいは林地という、宅地見込み地ではなくて、すでに造成され、利用されております既存の宅地の地価の変動率であるということで御承知をいただきたいと思います。
 昭和四十六、七年当時は、その前の高度成長期の名残で、大体一五%から二〇%というところで上昇をしておりました。その後四十八、四十九年、これは過剰流動性を背景にいたしまして、東京圏で三五%前後の上昇が二年続きました。それから国土庁の創設、国土利用計画法の制定等によりまして、五十年には一一・五%の地価下落ということになっております。その後五十一年〇・六%、五十二年一・七%、五十三年三・五%という上昇でございましたが、五十四年、五十五年、五十六年、少しずつ上昇傾向を示しまして、東京圏の住宅地で八・三%、一八・三%、一四・一%というふうに上昇してまいりましたが、近く公表を予定しております五十七年地価公示におきましては、おおむね昨年の半分ぐらいの七%ちょっとの上昇にとどまるのではないかということで、現在集計整理中でございます。
 以上が過去十年間の地価、特に東京圏の既存の住宅地の地価の動きでございます。
#79
○山花委員 いまお話を伺いました土地利用の観点につきましては、本法案の実績ということで、団地面積としては七百九十八・三ヘクタール、水田面積としては四百二十四・一五ヘクタールの宅地供給になっているようであります。この点につきましても、後に時間がありましたらお伺いいたしたいと思いますが、質問の流れもありますので後段の問題とかかわって建設省にお伺いしたいと思います。
 実はいま国土庁から過去十年間、ちょうど農住法がスタートして今日までの間の地価上昇の全体の流れについてお話を伺いました。三五、六%の時代、一五、六%の時代、五十七年度は去年の半分の七%前後というお話でありましたけれども、いずれにしても地価の上昇は法定利回りの五%よりはもっともっと多い上昇率であることは間違いないわけであります。そうして、地価全体が非常に大きなペースで、一〇%以上で上昇する。そうした地価の、その五%の利回りということを考えて家賃を算出するのは、やはりどこかに無理が出てくるのではなかろうか。現在家賃が実勢家賃とかけ離れて、本来安く抑えるというところが非常に高値を示しておりまして、逆にそこまでは上げられるのだということになってもいけないわけで、どんどんそれを利用されて上がるということであってもいけないと思うのです。そういう意味でも五%の利回りということで家賃を算定する問題につきましては、これは他の家賃算定につきましてもかかわる問題でありますが、農住住宅につきましては具体的に、十年利子補給が切れたときに家賃が一体どうなるかということについては、私の聞いた範囲では大変関心がありますので、この点について先ほどお話しありましたとおり、十年切れたところの状況につきまして、今後一、二年ということになりますか、ひとつ御検討いただきまして、対策を考えていただきますことをこの際希望申し上げる次第であります。
 蛇足でありますけれども、現実の農住住宅の賃貸借の契約書というものを拝見いたしますと、具体的には先ほど御説明いただきました条文が賃貸借契約の中に羅列されているわけでありまして、そういう意味では政令がそのまま利用されて契約書ができております。十年たちますとそれがすっぽりなくなるということになりますから、では一体その後どうなるかということにつきましては、貸している方、借りている方、双方が不安でありますので、くどいようでありますけれども重ねてその点についての御検討を希望しておく次第であります。
 それでは、次の関係に移っていきたいと思います。
 もう一つの法案とのかかわりもあるわけですけれども、いまの話での都市周辺の農家が、一方においては農業をなお進めながら一他方においては賃貸住宅を建てていくということの中で、一言で言いますと、現在市街化区域内の都市農業が一体どうなっているかということ、これについても念頭に置いて両法案について検討することが必要ではないかと思います。農水省から、都市農業の実態をどのように把握されておられるのか、現状大体どうなっているのか、将来の見通しはどうなのかということにつきましてお話を伺いたいと思います。
#80
○中川説明員 お答えいたします。
 都市農業は、御案内のとおりに都市住民に対する野菜、花卉等の供給あるいは都市に対する緑の空間の提供等の役割りを果たしておるわけでございますし、また、都市地域には農業に意欲的に取り組む農家も相当数存在しているということも事実であります。
 こうした都市農業の一部をなしております市街化区域農業につきましては、一つは都市計画制度において、市街化区域はおおむね十年以内に市街化を図るべき区域とされておりまして、市街化区域内の農地というのは、今後次第に宅地等に転換されていくものと見込まれております。したがいまして、農政と一たしましては、効用の長期に及ぶ土地基盤整備事業等の施策につきましてはこれを行わないことといたしておりますが、市街化区域内において、都市施設の整備のテンポあるいは市街化のテンポ等の関係もございますので、当分の間農業が存続するということは実態上あるわけでございますので、野菜関係の諸施策あるいは当面の営農の継続に必要な災害復旧事業なり病害虫防除事業あるいは公害対策等については、これを実施するということで進めておるわけでございます。
#81
○山花委員 一つ伺っておきたいと思うのですけれども、農家の姿勢とか取り組みと申しましょうか、農水省が調査する観点ということになりますと、農地の現状、農業の構造、農業労働力の問題、農業生産の問題といろいろあると思うのですけれども、都市農業についての実態を調査された中で、現状を率直にお話しいただきたいと思うのです。あきらめてしまって意欲がなくなっているのか、あるいは中堅農家が少なくなっちゃっているのか、農家の労働力がどうなっているのか、全国的なレベルと比べて、三大都市圏あたりのそうした農家の取り組みの現状は一体どうなっているか。全国のレベルと比べて都市農業がそういう面では落ち込んでいるのだろうか、それとも上にあるのだろうか、こういう問題について現状をお話しいただければと思います。
#82
○中川説明員 お答え申し上げます。
 市街化区域内の農業の状態というのは、御案内のように市街化区域そのものが地形、地物あるいは字等によって決められておりまして、統計上は、私ども農林水産省が行っております農業センサス等による以外にはない。農業センサスも、基本的には市町村単位の統計でございますので、お答えになるかどうかわかりませんが、一応線引きのある市町村を単位として統計的につかまえてまいりますと、三大都市圏の線引き市町村の中にある農家の数というのは五十万戸でございまして、全国四百六十六万戸に対して一〇・七%ということでございます。やはり第二種兼業農家のウエートが高いわけでございますけれども、ただ、こういう五十万戸の農家の中でも、いわゆる中核農家と言われる農家が、全国二二・二%ございますけれども、三大都市圏のこの線引き市町村の中では二一・五%というように、ほぼ全国並みの中核農家が存在いたしております。特に、首都圏におきましては二九・三%というふうなことで、ある程度意欲的な農家も布存しておる実態にございます。
 なお、農地につきましては、全国の農家の経営耕地面積が四百七十一万ヘクタールでございまして、三大都市圏の特定市町村では三十二万ヘクタール、六・八%、先ほど、農家戸数にして一〇・七%と御紹介いたしましたので、経営規模から申しますと、一戸当たりの経営耕地規模はかなり小さいという実態にございます。
 大体以上でございます。
#83
○山花委員 いまのお話にもありました農業センサスなどを検討いたしますと、お話でも触れておられましたけれども、たとえば六十歳未満の男子農業専従者のいる農家、すなわち中核農家の存在割合は、全国二二・二%に対して首都圏が二九・三%でありますから、首都圏の方が三割方多いわけであります。あるいは農業就業人口から見てみましても、農家一戸当たりの農業就業人口は、全国平均が一・五人でありますけれども、首都圏の場合には一・六人ということで、これまた全国平均より高いわけであります。この点から見ますと、首都圏の農家は、宅地化の波はあるものの、農業をやっていこうという皆さんの場合にはむしろ意欲的に農業に取り組んでいる。全国平均以上にこうした中堅農家が多く、農業従事者の数が多いということがあらわれているわけであります。
 なお、私どもがいただいております首都圏の市場占有率ということで見てみましても、東京都中央卸売市場における東京都下産野菜の占有率、全国からいろいろ入ってくるようでありますが、特に鮮度が重要な軟弱野菜などにつきましては、東京都産のもので、東京都中央卸売市場の県別入荷量の一位を占めるものがたくさんあるわけであります。ツマミナ、コマツナあるいはウド、ホジソ、シュンギク、ホウレンソウ、こういうものはほとんどが全国の一番、二番ということになっているわけです。これは東京都に入るものでありますけれども、そういう意味では、東京周辺の都市農家が一方においては非常に意欲を示しながら実績も上げている、こういう状態ではないかと思います。したがいまして、両法案とのかかわりで考えましても、そうした意欲的な都市農業に従事している農家の存在、このことを正確に位置づけた中で、それぞれの法案について運用を考えていく必要があるのではないだろうか。十年たったら市街化区域内の農地は全部宅地化されるという前提だけで考えることはいけないのではないだろうか。そういう観点から、前段の法律が十年たったところで利子補給が切れたらというような心配があるとするならば、それはそれとしていろいろめんどうを見ていただいて、農家が両立できるようにというようなことを提案したわけでありますけれども、いまの都市農業の実態から見ましても、くどいようですが、先ほど申し上げた問題点につきまして、さらに強調できるのではなかろうかと思うところであります。
 同時に、もう一つだけ、若干くどいようでありますけれども、家賃問題とのかかわりで農水省に農業所得について伺っておきたいと思うのです。
 農地面積がどのくらいに対して農業所得がどのくらいになっているかという問題につきまして、これは首都圏ということでは出てこないかもしれませんが、全国的な平均的な数値についてお伺いしたいと思います。
#84
○岩渕説明員 お答え申し上げます。
 農産物生産費調査によりまして、昭和五十五年産の主な農産物につきまして、十アール当たりの所得を申し上げますと、米が約七万四千円、小麦が約三万円、大豆が約二万四千円、温州ミカンが約十万円、野菜のうちの秋キャベツが約十万円となっております。
#85
○山花委員 いまの農業所得との関係で先ほどの問題にまたちょっと触れますけれども、たとえば十アール当たりの所得がミカンやキャベツで十万円程度ということで考えますと、十アール、三百坪ということで、先ほど例に挙げました平尾の団地などですと、これに地価の六十万を掛け算をいたしまして、そうして五%の利回りを考えるということになりますと非常に高い金額が出てくるわけでありまして、農業所得と比較して、六十万という価格から年五%の利回りで地代を計算し、家賃にはね返らせるという問題につきましては、そういう観点からも問題があるのではなかろうか。都市農業の現状は、全国平均ですから、いまもうちょっと高いところになっておる、二倍か三倍になっておると思いますけれども、それにしてもかなりの差があるわけでありまして、双方のバランスという問題点も考える必要があるのではないだろうか、このように考えるところであります。
 さて、次の質問に入りたいと思います。
 先ほど中村先生の方からも質問があった宅地並み課税関連の問題でちょっと伺っておきたいと思うのです。
 建設省の側から、宅地並み課税につきましての新しい制度について御説明もありましたが、実はその御説明の中で、特にきょうの法案とのかかわりで、補足的にさらに伺っておきたいと思いますことは、徴収猶予の制度と、仮にそれを途中でやめて、取り消せといった場合の効果の問題、その問題とこれに対する農家の姿勢という観点で伺いたいと思うのですけれども、自治省、いらっしゃってますでしょうか。
 自治省の側から、新しい制度の中で、特に特徴的ないまの問題に触れましてちょっと御説明をいただきたいと思います。
#86
○湯浅説明員 昭和五十七年度以降におきます市街化区域農地に対する課税の問題につきましては、税制調査会の答申を踏まえまして、関係省庁あるいは関係団体の御意見を伺いながら検討を行った結果、二つの点を骨子といたしまして改正を行うことといたしまして、現在、関係法案の御審議をお願いしているところでございます。
 その第一は、三大都市圏の特定の市のC農地につきましても、所要の負担調整措置を講じつつ、課税の対象に加えるということでございます。ただし、都市施設の整備状況や土地利用の実態等にかんがみまして、三・三平方メートル当たり評価額が三万円未満のものは対象外にする、これが第一点でございます。
 それから第二点は、この課税の適正化に当たりまして、長期にわたり営農を継続する意思のある方々に対しまして配慮を行うことといたしまして、現在行っております減額制度を廃止して、これにかわりまして徴収猶予の措置を講ずることとしたわけでございます。具体的には、現に耕作の用に供されている農地で、当該農地の所有者が営農を継続する意思を持ち、かつ十年以上営農を継続することが適当と認められるものにつきましては、一般農地としての税額を上回る分を徴収猶予いたしまして、そして五年間、またその後の五年間営農が継続されている場合には納税義務を免除するわけでございますが、途中で転用した場合には徴収猶予を取り消しいたしまして、収用など一定の事由による転用を除きましては、その徴収猶予税額をさかのぼって徴収をする、こういう制度に改めることとしたものでございます。
#87
○山花委員 いま全体の概要についてお伺いしたわけでありますけれども、実は、そこでの一つの問題は、新しい制度によりますと、十年間の営農の意思を農家が固めるかどうか、いわば選択を迫られるわけであります。そうして、もし営農の意思ということを表明していった場合には、五年以内にやめれば、そこで徴収猶予が取り消されて、まとまって税金を取られるわけでありますから、一たん農業をやりますよと言った場合には、五年か十年か続けて農業を営もうとする、そちらの選択をして、そういう気持ちが固まるんじゃないだろうか。そういたしますとこの問題は、実は宅地並み課税は宅地供給のための制度である。スタートの段階におきましては税の公平という問題がかなり強く強調されておりましたし、今日でもその問題は残っておりますけれども、私は率直に、これまでの宅地並み課税の全体の法改正、その後のいきさつを見ておりますと、何といっても宅地供給という面に重点があるのだというように考えざるを得ないと思うのですけれども、その場合に、今度の新しい制度によりますと、営農意思を表明して、税金を五年、十年猶予してもらうということになりますと、腹が固まるとなかなか宅地化していこうという気にはならないんじゃないだろうか。むしろ、それは宅地供給という観点からしますと足かせになる可能性があるんじゃないだろうか、こういうように思うわけでありますけれども、この点につきましては、自治省はその点どういうふうにお考えになっているのか。自治省の関係は宅地供給という観点は抜きでということかもしれませんが、自治省はそういった農家の受けとめ側の気持ちをどういうふうにとらえるだろうかということを伺って、その後、そうなるのじゃないでしょうかということについて建設省の御見解を伺いたいと思います。
#88
○湯浅説明員 市街化区域農地の課税の問題につきましては、昭和四十八年度に三大都市圏の特定市に課税を行うという制度が固まってからかなりの年月がたつわけでございます。この間に、減額制度というものができまして、一部ではかなりしり抜けになってしまっているのではないかというような話もございましたけれども、面積的に見ますと、AB農地につきましてはこの十年間でかなり市街化区域農地が減ってきているということも事実でございまして、これが相当部分は宅地化されているというふうに考えるわけでございます。
 この市街化農地の課税の問題につきましては、現在やっております減額制度につきまして非常にいろいろな批判がございまして、市街化区域農地の課税の問題につきましては、もっと強化すべきではないかという意見が、むしろいままで出てきた話としては強かったんじゃないか。この市街化区域農地の課税をさらに強化することによって、宅地の供給の促進を図るという観点が従来からあったというふうに記憶いたしておりますし、また、税制調査会の答申におきましてもその種の答申をいただいているところでございます。今回、そういう意見を十分踏まえながら、減額制度というものを、いろいろな批判もございますのでこれをやめまして、そして徴収猶予制度ということで、関係各方面で一応一致した形でこの制度がいいだろうということで決まったわけでございます。
 なお、途中でやめたという場合におきましても、先ほど申しましたように、収用等一定の事由に該当する場合には、これは後ほど政令で具体的に列挙する予定でございますけれども、内容によりましては、宅地の供給に結びつくようなものにつきましては、途中でやめた場合にもさかのぼって税を徴収しないというようなことも現在検討をしているところでございます。
#89
○吉田(公)政府委員 大都市圏の特定市の農家と申しますか、農業を継続していらっしゃる方の中で、先ほどもいろいろ例を挙げてお話ございましたけれども、現在の農業を相当程度続けていこうという意図を持っていらっしゃる方、それからその一部なり全部なりを転用しようと思っていらっしゃる方、いろいろな方がいらっしゃるわけでございます。たしか五十五年度の政府税調の宅地並み課税に関します御答申におきましても、その際宅地並み課税の強化ということでは御提言があったわけでございますが、長期営農の希望の者については、その営農の意思について十分配慮するようにという触れ方があったのは、まさしくそういう点を指していらしたのだと思っておりますが、今回の固定資産税の適用の問題に当たりましても、農家自身が長期営農の意図というものと、それから転用をいたしましてそれを新しい生活の計画の中でどう生かしていくかという、二つの目的を持っていらっしゃるということが把握できるわけでございますので、そういったものに適合しまして、長期にわたりまして農業を継続するという意思が明らかな土地についてはそのような税制をとっていく、また、転換していくという形のものについては、早くそういった意思を表示していただきまして、宅地供給に連なっていただくというようなところから今回のような改正が考えられたと思うわけでございます。
 そういう意味で、長期営農の方を希望したというと、それは逆に言えば宅地としての供給の阻害になるのではないか、ちょっと極端に言うと先生の御指摘はそういうふうになるかと思いますが、それはもともとそういう長期営農の希望のあった土地について、宅地並み課税をすることは不当ではないかということに対応するものでございまして、宅地化していく土地についてはそれなりに税制の面あるいはその他の面、譲渡所得税でございますとか、あるいはいろいろ関連する施策の面、そういったものでカバーしていく、それで転換をしやすくしていくということを用意して、その両者の選択をしていただくということだと思うわけでございます。先ほど自治省の方からの御答弁もございましたけれども、その長期営農ということで選択をした中でも、たとえば収用事業でありますとかあるいはそれに準ずるようなものであって、よい宅地供給に連なるもの等については、私どもの方も自治省の方と現在御相談を申し上げているところでございます。
#90
○山花委員 それぞれの御見解は伺った次第でありますけれども、いまお話の中にもありましたとおり、農家で長期営農希望の数というものが、いろいろな調査のデータもありますけれども、私が拝見している農水省の方の資料によりますと、市街化区域内農地の今後の利用にかかわる農家の意向といたしまして、全国農業協同組合中央会が行った調査によってみると、農地の全部また大部分について農業を続けていきたいとする農家が七一%に達している、このように報告されております。あるいは、これはまた別な資料でありますけれども、全国農業会議所都市農政対策協議会、これは宅地並み課税が固まる前の去年の五月の段階の資料でありますけれども、その当時関係市長さんを対象にいろいろアンケートをいたしまして、そこでの細かいデータについては省略いたしますけれども、今後十年たって一体どうなるかというところまで見通しまして、大体五年後でまだ半分以上の農地が、十年たっても四割以上の農地は残るであろう、こういうような各自治体の行政担当者からの見方も出ておるわけであります。そうした点からいたしますと、営農希望の農家というものは、先ほどの都市農業のところでも触れましたけれども、かなり営農意欲を持って現在農業に従事しているということでありますと、先ほど来、この宅地並み課税の実績ということで、過去これだけの実績が上がっている、こういう御説明も建設省からあったわけでありますが、では、一体今後そのペースでいくのかどうかということは、新しい制度によりましても、実はその長期営農の場合には五年、十年単位で徴収猶予の制度があるということですと、私はむしろそれが足かせになるというような流れもこれから出てくることがあり得るんじゃなかろうか、こういうふうに考えているわけでありまして、これはきょうの時点でどちらが正しいということにはならない議論でありますけれども、そうした問題点があることについて指摘をさせていただきまして、今後の運用の中でまた議論をさしていただきたいと思います。
 最後に、時間が少なくなってまいりますので、一つだけ伺っておきたいと思うのですけれども、きょうの両法案とかかわります、市街化区域内農地の宅地化とも関連をいたしまして、従来から宅地開発指導要綱の問題について議論があるようであります。この問題につきましては、昨年も自治省と建設省の両省で打ち合わせをいたしまして、実態調査をしているということが伝えられました。最近、ちょっと前の時期でありますけれども、この問題について両省で問題を調査しておる、こういうお話がありましたので、これはきょうは建設省の側に伺っておきたいのですけれども、宅地開発指導要綱につきまして、大体全国の状況がどうなっているのか、その点について建設省の側から調査をしているということがあるんだろうかということについてお伺いをいたしたいと思います。
#91
○吉田(公)政府委員 宅地開発指導要綱と呼ばれておりますものは、いわゆる宅地化に伴いますいろいろの公共投資等から自治体の財政に大きな負担がかかる、この負担是正の立場から、自治体がそれぞれ開発を行う方々に対しまして要綱という形で協力をお願いしたというのが実態でございまして、大体四十年代の初めからこういったものが指導要綱という形で出てきているわけでございます。現在三大都市圏におきまして、これは五十二年に建設、自治両省で調べました数字でございますが、五十二年十二月一日現在の数字といたしまして、三大都市圏におきまして三百六十三の市町村、これは全体が五百八十四ございますから六一・五%になります。こういった市町村が指導要綱を定めておりますし、その他の地域を含めまして、全体といたしまして八百八十五の市町村、二七・二%になります。全国の市町村数三千二百五十六に比較いたしまして二七・二%の市町村が、何らかの形で指導要綱のごときものをつくっているわけでございます。
 これは、それぞれの自治体の実情あるいはその自治体の区域の中において行われます宅地開発等との関連から出てきているものでございまして、ある面においてはやむを得ないと見られる側面もございますけれども、中には社会通念上行き過ぎと見られるものもあるわけでございまして、こうしたものに対しましては、その是正を求めるという声もかなりあるところでございます。こういったところから、私ども、現在自治省と共同いたしまして、改めてその指導要綱の内容、運用の実態について調査を行っているところでございます。
#92
○山花委員 大体の現状を伺ったわけでありますけれども、この宅地開発指導要綱をめぐる議論は、それぞれの自治体が地域の行政責任者として大変苦労に苦労を重ねた中で制定され、以後、現実の運用におきましても、法的効果というところからはいろいろ問題がありますので、行政指導という観点で自治体の担当者が大変苦労をしてきた実績があるわけであります。したがいまして、この問題についての、問題ある場合にはというお話がありましたが、それはそれといたしまして、各自治体の実績につきまして、ひとつじっくりと調査していただき、各自治体の意向につきましても最大限尊重していただいた中で、この問題についての対策を立てていただきたい。これは現場の要請ということにもなると思いますので、この点につきましては時間切れでもありますので、要請をしておきたいと思います。
 最後に、せっかくですから大臣に一言お伺いをしておきたいと思うのですが、申し上げましたとおり、前半の法案については賛成であるということで、いろいろ疑問と感ずる点についてお伺いをいたしました。とにかく当初五年間で五万戸という意気込みでスタートしたものが、事志に反しまして、その後三年間延長して、さらに三年間延長して、その後さらに今日三年間の延長を迎えているわけであります。全体の実績は、いささかなりの評価というお話もありましたけれども、全体の具体的な実績で見る限りではどうもじり貧であるということが心配なわけであります。
 したがいまして、この法案につきまして、本日採決ということになるんだと思いますけれども、その後の運用に当たりましては、いろいろ、私を含めて当委員会で問題提起が出てくる問題について、ひとつぜひ御検討いただきまして、これは当局の皆さんにお願いすることになるかもしれませんけれども、いろいろと新しい積極的な政策意図を盛り込んで運用していただきたいと思いますことと、それから、きょうの質問で触れることはできませんでしたけれども、実は本法案成立の冒頭におきまして附帯決議がついておるわけでありまして、附帯決議につきましても、それぞれ検討いたしますと大変もっともな内容でありまして、こういうことも含めて、今後の運用に当たりましては、そうした御検討をしていただいた上で積極的な施策を展開していただきますことをお願いしたいと思いますが、この点について大臣に所見を最後にお伺いして、質問を終わりたいと思います。
#93
○始関国務大臣 先ほど来、農住利子補給制度に関連いたしまして、大変詳細な点に立ち入って慎重な御審議を煩わしたわけでございますが、当初の意気込みのとおりにはまいっておらない、また、地域的に大変いいところと悪いところがあるというような御指摘、いろいろの点を御指摘いただいたわけでございますが、何と申しましてもこの制度は、農地等の所有者が土地を手放すことなく、住宅地として利用するものであるという点、それから水田等の再編対策にもなるということ、さらに農業経営にかわる生活安定の基盤となるものであるということ、さらに農協といたしましても非常に手ごろな仕事ができるわけでございまして、農協資金等の民間資金を活用することができるものであるというような点からいたしまして、今後ともこの制度の実施につきましては、関係自治体また農協等とも十分に御相談いたしまして、また、先ほど来御指摘のいろいろな問題点につきましては今後検討をし、改善を重ねながら推移してまいりたい、かように存じておりますので、以上、お答え申し上げます。
#94
○山花委員 ありがとうございました。
#95
○村田委員長 これにて山花貞夫君の質疑は終了いたしました。
 次に、薮仲義彦君。
#96
○薮仲委員 私は、ただいま提案されております農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案並びに特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案、以上二法案について順次質問をさせていただきます。
 最初に、通称農住法といわれる方からやらせていただきたいと思うのでございます。
 午前中から同僚議員の方からいろいろ指摘されておるわけでございますが、通称農住法と言われるこの法案が、成立の当初から、二つにはただいまの大臣のお話にもございました水田再編並びに農協の資金を有効にかつ適切に運用して、所期の目標を達成しようということで、住宅事情が著しく困窮している地域の新しい手法としてこれが取り入れられたということで、昭和四十六年から始まって五十一年、五十四年とそれぞれ三カ年ずつ延長され、今回また三年ということになっておるわけでございますが、改めて私も伺っておきます。
 この法案による今日までの計画戸数、そして実績、数だけで結構です、ごく簡単に御答弁ください。
#97
○豊蔵政府委員 本制度によります計画戸数は、予算上の戸数でございますが、四十六年度から五十五年度までの計画といたしましては三万六千戸を予定しておりました。実績は、建設戸数にいたしまして一万三千百六十七戸というふうに相なっております。
#98
○薮仲委員 ただいま局長が御答弁のとおり、パーセントで言えば三六・六%。その目標は達成しておらない。
 それではこの計画に対して目標が下回った原因、その要因は何だとお考えですか。
#99
○豊蔵政府委員 実績が必ずしも私どもが考えておりましたほどに伸びなかった理由としてはいろいろ考えられますが、一つには大都市に人口の移動が激しかった時代から、いまのように安定した時代になってくるといったようなことから、借家の需要が緩和しているといったような問題もあろうかと思いますが、それと別に本制度独特の問題といたしましては、水田の要件あるいは団地要件等の条件があること、あるいはまた地域によりましては、この制度よりも古い、また一般的によく知られております住宅金融公庫の土地担保賃貸住宅の制度の活用が別途あるといったようなこと、また、農協あるいは公共団体等によりまして、この制度の普及が地域的に必ずしもまんべんなく普及してなく、今後まだまだ検討すべき余地があること等が考えられます。
#100
○薮仲委員 いま局長が御答弁なさいましたけれども、それでは私は、三度目の延長ですので局長にお伺いしますけれども、あなたがおっしゃったその計画に対して目標が達成しない理由は、少なくとも公共団体、農協中央会を通じて各単協に対してこの建設省の法案を実際に十年間運用してみて、どのような問題点が指摘されますか。少なくとも、件数で言ってわずか一万三千百六十七戸しかいってないわけでございますから、ことごとくのケースを調べたとしても大したことではない。具体的に各地域、三大都市圏はもちろんのこと、この法案では新産都市あるいは県庁所在地等では運用ができるわけです。なぜこれが具体的に運用できなかったのか、少なくとも実態をアンケート等によって調査をしたことが一度でもありますか。
#101
○豊蔵政府委員 本制度の円滑な運用を図りますために、私どもは関係の公共団体等とも連絡をとっておりますが、また一方全国農協中央会あるいは全国農協連合会等が会員で組織しております社団法人地域社会計画センターというものが昭和四十九年に設立されて、現在農住都市建設に関しますいろいろな調査、研究、指導等を行っておりますが、これらの関係の機関とも随時御相談をさせていただき、また、私どもこれらの団体を通じまして研修であるとかあるいはまたこれらの制度についての管理運営の手引き等々を作成する等、いろいろと普及啓蒙に当たっております。また、これらの団体におきましていろいろな御調査をされておりますので、そういったような資料等もちょうだいをいたしまして、制度の問題点あるいは今後の改善方策等について研究はいたしております。
#102
○薮仲委員 じゃ農協中央会からどんな要望が出ておりますか。それと、私は静岡が地元ですけれども、ここに県別の資料を私は持っております。たとえば静岡県の農協からどんなことが具体的に指摘されていますか。
#103
○豊蔵政府委員 私どもはいままでいろいろな団体から御意見を伺っておりますが、その中の特に大きな御要望の一つといたしまして、利子補給期間の延長をしてほしいといったような御要望をちょうだいいたしております。
#104
○薮仲委員 それだけですか。
#105
○豊蔵政府委員 私が承知しておりますのでは、一番大きな問題としては利子補給期間の延長でございますが、それ以外の問題といたしましては、住宅でない、いわゆる非住宅の各施設等につきましても利子補給が行ってもらえれば、なお効果的であるといったような御意見もちょうだいいたしております。
#106
○薮仲委員 私は、この法案審議に対して建設省に資料要求をしたのです。わずか一万三千戸しか契約しておらぬでしょう。ならば、団体でやっている場合、それから個人でやっている場合があるでしょう。しかも先ほど審議の中に出てくるように、あと二年たつと利子補給が打ち切られるケースが出てくるわけです。あるいは十年たつと、少なくとも五年程度たっている住宅もあるわけです。もしも個々のケースできちんと建設省が調べれば、この委員会の法案審議のときに具体的に何が問題なのか、この中でもっと検討し、改正し、改めなければならない点は多々あるのです。でも私は、日切れ法案だからきょうは問題提起だけしておきますけれども、こういうような他の第三者機関にどうのこうのではないのです。私が地元の静岡へ帰って、農協中央会の方に、建設省がこういう法案をやっておって、静岡は愛知県に次いでいいのですよ。でも問題をたくさん抱えているのです。私が担当の方にいかがでしょうと言ったら、その方は私にるる説明をしてくださった。その中でも数多くの問題点は出てきました。
 私がいまこれから具体的に言いますけれども、最もいけないのは建設省は法案をつくりっ放しで、それが具体的にどうなっているかという追跡調査をやってない。それで法案だけ延長しなさい。もってのほかです。私は建設省に何回も聞いた。一つの問題は利子補給を打ち切られる点、あるいは農家の方が個人の場合一番困っているのは家賃の交渉をどうしようか。建設省に悪い例を持ってこい。持ってこない。家賃が順調に上がっている例しか持ってこない。前の法案審議のときにおおむね十年間で一五%の家賃を改定していけば利子補給を打ち切られても大丈夫です。十年間で一五%ですから、わずか二年なり三年に数%の家賃の改定をすれば済むのだから大したことではないと言うけれども、局長、現実に一軒、一軒調べてごらんなさい、上げられなくて困っているのだ。建設省がようやく渋々春日井の例を持ってきた。五年間四万円の家賃を一円も上げられない。今後あと五年間で利子補給が打ち切られるまでに、当初の一五%まで上げなければならない。そうするとあと五年間でどうやって家賃を上げていくか。これはまた大変です。そういうようなことを含めまして、この法案の冒頭にこう書いてあるので私はちょっと読み上げたいと思うのです。今回は大臣ではなかったのですけれども、この法案の提案理由の説明の中にこういう文章があるのです。「三大都市圏など都市地域においては、良質な賃貸住宅の供給の促進を図ることがなお大きな課題であり、」ここにちゃんと書いてある。ならばこの法案が三大都市圏にどれほど有効に働いているかというのです。提案理由では「三大都市圏」とおっしゃっているけれども、三大都市圏、東京はどうですか、四十四戸。大阪はどうです、五十六戸。辛うじて愛知が進んでおるというだけで、三大都市圏の中の埼玉、千葉、神奈川あるいは京都、大阪、兵庫、こういうのを見ますと、兵庫は辛うじて進んでいますけれども、京都、大阪、こういうような地域を見てみますとほとんど進んでない。あるいはこの法案によって、契約戸数は十六県がゼロです。なぜゼロなのか。理由は何ですか。
#107
○豊蔵政府委員 一つにはやはり水田要件というものがあるからだと思います。特に首都圏におきましては、水田が必ずしもそう多くないといったようなことによりまして、本法の制度の適用がなかなかむずかしいという点があろうかと思います。また、この制度は実質的には農協の融資を通じて行われるという面が多いわけでございますが、これらの農協機関におきますところの具体的な農家の方々の経営指導あるいは御協力、そういったようなものが地域によってかなり差があるといったようなことも考えられると思います。
#108
○薮仲委員 実態調査のない建設省に余り私が言うこともいかがかと思いますけれども、いま局長のおっしゃった水田要件が満たされないというのは正しい意見なんです。私の静岡県でもこれはやりたいのです。しかし、昨年確かに一ヘクタールから〇・五ヘクタールに緩和されたのです。でも県庁所在地のようなああいうところで〇・五ヘクタールの水田をまとめるということは非常に困難なんです。進んでいる静岡でもそれが一つの壁になっている。進まないところはそれが大きな一つの壁になっている。やりたいと思うけれども、その要件緩和の中で〇・五ヘクタールをさらに緩和できないか。さらにはもう一つ、畑であるとか果樹園であるとか、採算性が非常に悪くなった農産物についても、水田の再編成もさることながら、農業の今後のために畑とか果樹園も入れていただけないだろうかという切実な声があるんです。しかし、この水田要件があるものですから進まない点があるのです。わずか一万数千戸なんですから、これも私は実態をちゃんと調べてごらんなさいというのです。
 そうすると、進まない理由の一つがいまおっしゃった水田要件ですと、私、資料をもらっているのです。これは今後どうします。
#109
○豊蔵政府委員 水田要件につきましては、ただいま御指摘がありましたように、昭和五十六年度から〇・五ヘクタールというふうに緩和いたしておりますので、この制度の本来の趣旨からいたしますと、水田の宅地化と、また一方都市地域における良好な賃貸住宅の建設、そういったようなことをあわせ持っている制度でございますので、これにつきましては当面この制度で運用したいというふうに考えております。
 しかしながら、また一方、御案内のように農住組合法の制度であるとか、あるいはまたその他の制度におきまして水田要件の適用を除外しているケースもございますので、それらの制度の活用も考えられるのではなかろうか。さらにまた一方、住宅金融公庫によりますところの土地担保賃貸住宅の融資といったようなこともありますので、それぞれの地域のそれぞれの実情に合わせました各融資制度の活用がうまくいくということがよろしいんじゃないかというふうに考えております。
#110
○薮仲委員 私は、この法案を審議するために、いまおっしゃったことは全部調べたんですよ。いまおっしゃった横並びの法案の実態がどうなっているのか、私の手元にありますし、静岡県でも聞きました。農住あるいは特賃建設の戸数がどうなのだ等々、横並びの法律の実態を手元にいただいておりますし、その実態にかんがみてどうなんだということを聞きました。その上で、なおかつこの水田要件の緩和はこの法律を運用する上で必要です、そういう声があるんです。他の法律にかえられないから水田要件を緩和してほしいという要望のあること、これは今後弾力的に運用するなりなんなり、真剣に検討する必要があるということを指摘しておきます、実態を持っていらっしゃらないから。
 次に、私はどうしておたくは進まないのかと、ちょっと二、三の県に聞いてみました。私は、県の名前を挙げるのは差し控えますけれども、局長がみずからの力で進んでない県に聞いてごらんになるといい。一つは、横並びの法律もそうなんですが、民間家賃が非常に低いところにおいてはこの法律を運用しにくいのです。実際始めたけれども、いま本当に困っておりますという問題がございます。低廉な家賃の地域においてこの法律をどうやったら運用できるか、これも問題点の一つです。どう考えています。
#111
○豊蔵政府委員 御指摘のとおり、地域によりましては借家事情というものが相当緩和しているというようなところがございます。したがいまして、家賃が必ずしも物価の上昇等に即応したような形で設定されていないというケースもあろうかと思います。そういうような場合に、この制度によります賃貸住宅を建設いたしました場合を想定いたしますと、建築費というものが著しく上昇いたしました場合には非常にむずかしくなるというふうに考えられます。しかしながら、また一方、建築費も安定してくるという中で、やはり賃貸住宅というものもある程度の供給ということが必要であるといったような都市地域におきましては、その時期時期におきましてまた伸びが相当見込まれるというような点もございますので、その時期、その地域の実情といったものに即応しながらこの制度の活用が図られるべきものと考えております。
#112
○薮仲委員 局長、最後にもう一度言いますけれども、いまちょっと言っておきたいのは、横並びの一つ一つの法律が進まないのはなぜなのか。農住あるいは特定賃貸、土地担保賃貸と横並びの建設省の法令はたくさんあるわけです。こういうものの中で建設戸数を見ていきますと、地域によってそれを確かに利用している、全然利用してないとあるんです。それを局長、一欄表にしてごらんになって、一つ一つの問題点をどなたかにきちんと整理させて、実態をまず手元に――この建設委員会で法案を審議してくれというときに、委員が要求して出てこないようなのであっては私はいかがかと思いますので、みずからの手で、この横並びの法案のどこがすぐれてどこがだめなのかというのは、きょうは私、具体的にいま何だといってどうのこうのは言いませんけれども、これはやはり持っていらっしゃることが、少なくとも法案を成立させ、それを十年間も執行した責任官庁として、私は責任ある行政の対応と言えると思うのです。私も、法案が提案されてからごく短時日で今後また三年間これが延長されていくということについて、いささか資料不足の点は残念に思いつつ質問しているのですけれども、局長はもっともっと責任がある立場だと思いますので、実態だけはもっと正確にやっていただきたいと思います。
 もう一つの問題点は、局長がおっしゃった、利子補給が十年で打ち切られて十一年目からどうなるか。静岡の例を二つだけお見せしますから、ちょっと済みません、委員長、資料を渡させていただいてよろしゅうございますか。
#113
○村田委員長 結構でございます。
#114
○薮仲委員 これは静岡の例です。静岡が愛知に次いで一番進んでおるのですけれども、ここに出ておりますのは、書いてありますように個人と団体でやった農住の実例でございます。静岡市下島農住RC三階建て二十四一尺建築費が一億一千百五十万、もう一つは個人でやっております静岡市の下川原東農住RC三階建て十四戸、建築費が七千八百万、この二つの例ですけれども、その表を見てください、局長。最初の団体でやった建築費が一億一千万の方の収入と支出と実際はどうなっているかという一覧表でございます。
 まず、赤字になってくるのが十一年目、利子補給が打ち切られたときから二十三万二千円、十一年、十二年、十三年、十四年とずっと計算の上でも赤字が出てきているわけです。初年度の本当は黒になるべきところが赤字で、二十七万一千円の赤になっているわけでございますけれども、やはりここでも指摘されるのは十一年目以降の赤字の問題です。これを言うと建設省は、建築物は大体二十五年終わったあたりから急激にもうかるのですよということを言うかもしれない。そうじゃないということも私は後で指摘します。
 二枚目、もう一つ見てください。これは個人でやった方、下川原東農住七千八百万の方、これも十一年目五十八万七千円の赤字、以下六十四万三千円、七十万円と赤字がどんどんふえています。しかも、これは非常にばらつきが多いという不安点があるのです。ちょっと私が一、二例くださいと言っただけで、こういう十一年目から赤字の実例が出てきます。
 もう一点は、最後についている半ぺらのところ、これはもう局長も御承知だと思いますが、いま出ております日本住宅協会がつくっております「住宅」の四十六ページを刷ってお渡ししたのです。なぜこれをお渡ししたかといいますと、公営住宅の年齢別修繕費、これは一つの修繕費の参考として申し上げるのですが、修繕費が、建築してから十一年目から非常に急激にふえるのです。これも農家の方は不安に思っているのです。十一年目以降どのような修繕費になるかはまだかいもくわからないのです。一戸当たりいままで二百九十円とか二千九百円のものが一挙に三万、九万五千円十八年目には十一万と上がってくるのです。こうなってまいりますと、やったけれども利子補給は打ち切られる、ちょうどそのころから修繕費が猛烈にかさんでくる、どうしようか。いま農住法の運用の中で、いざやった方がいま何に心を痛めているかと言えば、打ち切られたときから赤字になるということ、二つには修繕費が非常に困るということ、しかも家賃は上げにくいということです。この間も私、前の委員会で、マンションを改築する段階には非常に困りますよということを問題点として一度指摘したことがあるのですが、こういう建物を修繕しなければならない。特に大がかりになったときに、六十年、七十年もつでしょうと言いますけれども、使い方によっては修繕費が非常にかさんでくる。いまからこういうことを事前に建設省が手当てをし、この法案の運用の中で今後やろうとする方に不安を与えないようなケースをつくっておかなければいけません。
 きょう皆さんには資料を渡しませんでしたけれども、私はここに資料を持っているのです。これから、最近建築する場合どうなるかという資料をここに私は持っているのです。きょうはお見せしません。余りに建設省の権威にかかわってはいけませんし、要らざる不安を与えてもいけません。これは妥当な全国の例だとは言えないので、きょうお見せしませんけれども、これからやろうとする場合に不安要因がまだあるのです。そういうことも含めまして、私がいま申し上げたことは非常に大事な点の一部だと思うのです。もっといろいろあるかもしれません。
 こういうことを含めて、私は局長に重ねてお願いしておきたいのは、建設省が実態を詳細に掌握することが将来に起きるいろいろな複雑な問題を未然にというか、あるいは最小限に食いとめられることになると思うのです。三年間延長をここに諮る以上、日切れだから何とか通してくれ、それも結構です。私はこの法案の持っている重要な意味合いはわかっています。でも、私がちょっと調べただけでも不安要因があるのに、建設省が具体的な実態調査をせずに当委員会に法案の審議をかけること自体、非常にいかがかとは私申しませんけれども、もう少し真剣に取り組まれたらいかがかと思うのでございますが、そういう意味を込めて、実態について掌握をしていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
#115
○豊蔵政府委員 私たちも、かねてから関係の公共団体なりあるいはこれに関連いたしております各種団体ともよく御相談しながら、実態の把握に努めてまいったつもりでございますが、いまお話しのように、これらの賃貸住宅の経営というのはいろいろなむずかしい問題もあろうかと思いますし、さらによく調査し検討させていただきまして、今後この制度が円滑に働きますように勉強させていただきたいと思います。
#116
○薮仲委員 では、もう一つつけ加えておきますけれども、問題点の一つに家賃の改定の問題があります。これも私のところにこういう言い方で指摘されております。
 経営試算においても、収入は家賃値上げを三年なり五年に一回見込んでいますが、現状は農家は入居者とのトラブルを恐れ、家賃値上げは非常にむずかしい問題です。一部の農住では傾斜家賃を導入しましたが、個々の農家ではそこまではいきません。これをどうやって農家の方に不安を与えないで、トラブルを起こさないで、入居者の方に円満な形で、喜んでいただきながら、経営する方にも家賃の値上げで不安を与えないような施策が今回の法案改正の中に盛り込まれてこないということ等々、私が問題として言ったことは、本来この法案を三年間延長するときに、建設省としてわれわれにこういう問題点があります、今後はこうします、ですからこうなりますよということぐらいはおやりいただきたいと思うのでございますけれども、きょうは時間の関係で、もう一つの法案を私がやらなければならないものですから、もっと言いたいことが山ほどあるのですが、きょうはこのくらいにしておきます。どうか実態を調査して、今後のこの法案の運用に誤りないようくれぐれも御努力をいただきたい、このことを重ねてお願いをして、この問題はこの程度にしておきます。
 それでは、次の問題に入らせていただきます。法案名が長いので、一々表題を見ないと大変なんです。
 いわゆるあめ法ですか、特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案、私は、当然これは農地を宅地化する場合におおむね必要であると認めます。ただし、この法案の中で第八条、所得税の軽減措置、これについて、私は非常に問題が多いと思う。この所得税の軽減について、きょうは的をしぼってちょっとお伺いしたいのでございますが、建設省は、今回のこの譲渡所得税の緩和によって、宅地の供給がどの程度見込まれると考えていらっしゃるのか、農地並びに一般の土地の供給がどの程度なのか、その見通しについてお伺いしたいと思います。
#117
○吉田(公)政府委員 お答え申し上げます。
 今回の土地税制は、これは従来の四十七、八年以降の土地投機抑制という骨組みの中でできております現行制度が、どちらかと申しますと現在土地取引を阻害しまして、宅地需給の不均衡の一因となっている、こういった面を是正しようというところに主眼があるということは申し上げていますとおりでございます。
 今回の土地税制の改正におきましては、個人の長短区分を、従来昭和四十四年一月一日ということで分けておりましたのを、十年というふうに期限を明確にいたしましたこと。個人の長期譲渡所得に関します課税におきまして、譲渡益が八千万を超える場合に、従来四分の三の総合課税をいたしておりましたのを廃しまして、四千万以上は全部二分の一の総合課税ということにいたしましたこと。それから、住みかえの促進のための居住用財産の買いかえ制度を設けましたこと。あるいは従来行われております立体買いかえにつきまして、四階を三階まで下げまして、いわゆる市街地の高度利用を促すことといたしましたこと。それから、現下の住宅建設の状況にかんがみまして、良好な住宅宅地の供給等の促進という見地から、三年間という時限を切りまして譲渡所得課税の軽減措置を講じましたこと。それから、いわゆる宅地並み課税につきまして、長期にわたります営農を継続する意思のある者に対する配慮を講じまして、都市農業との調整を図りながら、適用対象を、従来の特定市でございますが、AB農地の外側のC農地につきましても、三・三平米当たり三万円以下のものを除きましてこれを対象とする、そういたしまして、長期営農の意思を有する土地についてはこれを除きまして、従来のいわゆる減額条例を廃止いたしまして、徴収猶予、それから一定期間経過後の免除ということをあわせたわけでございます。
 こういうことをいたしまして、一般税制におきましては、従来の土地の譲渡に伴います高額の税制、これが土地を手放すことを非常にちゅうちょさせるという面がございました点を是正いたしまして、かつまた住宅宅地供給の促進という意味での買いかえの特例あるいは特別の臨時措置等を講じ、また市街地におきます農地を保有している農家の方々につきましても、農業の継続と土地の有効利用を図る意味での調整をしていただきまして、そうした面からの宅地供給の促進を図るという意味におきまして、数量的にどれだけの面積の土地が出るか、これは単に土地税制だけでございませんで、いろいろの社会的、経済的な諸条件からの影響を受けるわけでございますので、数量として申し上げることは非常にむずかしいわけでございますけれども、今日のこういう状況の中でこうした税制改正を行うことによりまして、相当程度の土地の流動化、宅地供給の増加という面につながる効果があるというふうに私ども思っております。
#118
○薮仲委員 答弁は時間がないですから、この法案を審議するためには関連の法案を少なくともわれわれは勉強してきているのですから、御説明はなるべくいただかなくても結構でございます。
 私は、土地が出るか出ないか、出るとすればどのくらいか、それしか聞いていないのです、最後の方しか聞いていないのです。面積はどのくらい出るのですか、もう一回聞きましょう。
#119
○吉田(公)政府委員 土地の取引というものは、ただ単に税制だけから決まるものでございませんで、そのほかのいろいろの経済的、社会的条件から決まってくるものでございますので、現在数量としてこれを申し上げることは困難であると先ほども申し上げたわけでございますが、ただ、総じて言えますことは、こういう今回の改正が土地の流動化を促進いたしまして、宅地供給の促進にかなりの効果を持つであろうということを確信していると申し上げたわけでございます。
#120
○薮仲委員 それでは、今回の土地税制の緩和に対する批判の一つは、譲渡所得税の軽減と特別土地保有税制度を見直した、その中で調整区域は外した、この二つは四十七、八年当時の土地を買い占めたいわゆる大手デベロッパーに対する優遇措置じゃないか、こういう批判がありますけれども、これに対してどうお答えになりますか。
#121
○吉田(公)政府委員 土地の長短区分を十年にいたしました。その十年の線にひっかかってくるところ、これは四十七年度ですか、から以降のものということになるわけでございますが、いわゆる法人だけを限るものでございませんで、一般的な制度でございます。
 それから、特別土地保有税自体は、これは先ほども申し上げたわけでございますけれども、本来投機的土地取引の抑制と、この保有課税を強化することに伴います土地の吐き出し効果と申しますか、供給促進と申しますか、そうした効果の二つをねらっているものでございます。そういう意味、特に後者の目的から申しますと、造成して供給するということに連なるところについてこういう縛りをかける、促進効果をねらうということは非常に意味のあることでございますので、この線は堅持しているわけでございますが、本来市街化を抑制している市街化調整区域につきましては、これを供給させるという圧力には保有課税の強化が必ずしもならないわけでございます。それで、この税制が土地の取得そのものについての抑制という意味においてかけられましたことが、従来からずっと継続してきているわけでございますので、十年を経過した今日におきましては、見直されてもしかるべきではないかという判断があったものと考えているわけでございます。
#122
○薮仲委員 それでは、もう少し具体的にお伺いしますけれども、今度農地の宅地化促進を進めようということでございますけれども、私はこれによって非常に出にくいのじゃないか、いま出てくると言いましたが、出にくいのじゃないかということでちょっとお話をさせていただきたいと思うのです。
 一つは、今度所得税の軽減されたことによりまして、個人資産の価値がふえたわけですね。全部百分の二十になった。ということは、譲渡所得税の軽減でございますので、個人資産の価値が非常に上がってきた。もう一点は、いま日本の国に資産運用の面で土地神話というのが根強く残っております。土地を持っていることが、これほど安定して、しかも有利な資産の運用はないよという神話はいまだにあります。今度の税制緩和がこれに該当しないかどうか。これは建設省も、いま土地は年々二けた近く上がっているのは先刻御承知のとおりです。では、局長も御承知だと思うのですけれども、いまグリーンカード等が問題になっています。マル特、マル優、郵貯、それぞれ三百万という枠でいっております。たとえば国債。ここで利率答えろと言ってもお気の毒ですからやめておきますけれども、十年債で七・七、中期の二年で六・九。もっとずっと言えば全部ありますけれども、それはやめておきましょう。ただし、これがその枠を超えると分離課税は三五%です。定期預金一年もの五・七五%以下ですね。二年もの六%、これもマル優の三百万を超えていると分離課税三五%です。たとえば土地、農地をずっと五年なり十年なり持っている、あるいは今度の延長の間、三年でもいいです。どっちが安全だろうか。土地がじわじわ上がっていくのが目に見えている。しかも、片や農地の場合は二〇%の分離課税。こっちは三五%です。だれが考えたって農地のまま持っていた方がいいと思いませんか、いかがでしょう。
#123
○吉田(公)政府委員 これから土地を買うという立場と、従来から持っているという立場とは違うことは先生御存じのとおりでございますので、現在土地を持っていらっしゃる方がその土地をそのままで持っているか、あるいはそれを有効に使うかということについては、いろいろな考え方があることと思います。
 従来土地を持っていらっしゃった方が、その土地を譲渡してしまうことによりまして非常に大きな税率で税金がかけられるということで、それをもっと有効に使うということについて非常にちゅうちょする面があったのではないかと思われるわけでございますが、そういったものを今回の税制改正、農地については従来から宅地並み課税の対象地になっておりますが、こういう税制によりまして譲渡した後の資産運用についてもっと有効なことが考えられるとすれば、それはそういう選択をする方があるのではないかと思います。また、新たに土地を取得しようといたしますれば、十年間は非常に重課されますのでほとんどキャピタルゲインは得られない、これはもう先生御承知のとおりでございます。
#124
○薮仲委員 私が聞いているのは、農地の宅地化を促進するためにこうしたのでしょう。ということは、新たに買うのじゃないのです。私が農地を持っておる、じゃこれを売ってたとえば八千万の収入を得ようか、そのまま農地のままに置いておいた方が、この八千万をたとえば運用するときに、いまのまま八千万の土地の評価額がある、このまま持っていた方が得だな。たとえばこれを売却したところでほかに資産運用のいい方法がありますか。だったら、土地のままにしておいた方が、農地のまま持っていた方がいわゆる資産運用としては一番安全でしょう。農家の方がいま持っていらっしゃる土地をなぜ出さなければならないのと言うのです、これだけ軽減、緩和されてくれば。これがたとえば三年間で打ち切ります、三年以降はこの特例はございません、また前に戻って重くなりますよ、四分の三の総合課税になりますよというような三年間だけの問題であれば、これは農地を持っている方が、三年先じゃいまやった方が得かな、こういう判断は一応成り立つかもしれません。でも、三年先またこれがずっと延長されるのかもしれないと思ったら、いま私が農地を持っておる、じゃこれをわざわざ売って国債を買おうか、あるいは何かほかに運用しようか、それよりもいま農地を持っていた方が資産運用の面では子供のためにも一家のためにも安全だな、こう考えませんか。あなたが農地を持っていらっしゃったらどうなさいます、出しますか。
#125
○吉田(公)政府委員 私、残念ながらたくさんの農地を持っているという身分でございませんので、いまの先生の御質問に的確に答える能力があるかと言われますとそのとおりでございますが、ただ、土地の値上がりというのは最近鈍化しでおります。場合によってはそのほかの資産運用の方が有利なケースもございます。将来の経済の見通しその他については、それぞれの方にそれぞれの判断があるわけでございまして、少なくとも従来とられていた制度よりも、今回土地について、譲渡した場合の負担が軽くなるということが次のものを考えるのにプラスに作用するということは、私は事実だと思います。特に三年間の期限を切りました、たとえば四千万まで二〇%、四千万を超して二五%という制度は、三年間だけに限って適用される制度でございます。こういったようなものを前にいたしまして、いまどうしたらいいかという選択の際に、いろいろな判断をする方がそれぞれおありになるんじゃないかと思います。
#126
○薮仲委員 それじゃお伺いしましょう。三年間で延長しないのですね、この点いかがですか。これは三年間の時限立法ですね。
#127
○吉田(公)政府委員 二〇%、二五%の臨時措置というのは、現在、五十七、五十八、五十九と三年間でという時限でございます。
 これについてどうするか、その時点での考え方と思いますが、私ども立法の意図からいいますと、これは現在の緊急対策ということで考えられたものというふうに考えております。
#128
○薮仲委員 重ねて聞きますけれども、三年間で打ち切って延長はしないというのが建設省の見解でございますね。
#129
○吉田(公)政府委員 租税特別措置法によります二〇%、二五%の線、これは本来税務当局の方の考えることでございますが、宅地供給の立場から申しますとこれは臨時措置ということで、本来永続的なものではないというふうに理解しております。
#130
○薮仲委員 局長をあんまり追い詰めてもいかがでしょうからこのくらいにしておきますけれども、それではもう一点、土地を持っているより他にもっと有効な、いわゆる効率のよい資産運用があるというような御発言が、いまのあなたの御答弁の中にちらっと出ました。何があります。
#131
○吉田(公)政府委員 それは一般的に何がということではなくて、それぞれの方がそれぞれの計画の中でいろいろな可能性は考えられるべきものだと思います。そういうものがおありの方はそういうものを選ぶであろうと申し上げたわけでございます。
#132
○薮仲委員 建設省は確かに土地が動く、土地が出てくるということをおっしゃる。ただ出てきても何にもならない、私に言わせれば。出てくればいいんじゃないですよ。この問題は、私はこれからも何回もずっと質問してまいりますけれども、いまに建設省が何に行き詰まるか、このままほっておくと、いまに住宅政策行き詰まりますよ。なぜかというと、土地がただ出てくればいいんじゃないです。幾らで出てくるかが問題なんです。地価を安定させることが必要なんです。建設省は四期五計の中でも、二月建てを七〇%台の目標を立てた。建てても買えない、建てられない事態が来ているのですよ。後でこの問題に入っていくのですけれども、出てくればいいんじゃないです。
 今度の税制緩和の中で、建設省は面積はわからない、先ほどの質問から見て、この税制緩和で土地が出てくるのか、どの程度出てくるのかわからない。じゃ出てきた土地として、どの程度の値段の土地ならば建設省は好ましい、それよりもどの程度の値段の土地が出てくると考えているのか、いかがですか。
#133
○吉田(公)政府委員 わが国の経済は本来自由経済体制をとっておりますので、土地の価格自体はその経済のメカニズムの中で本来決まるべきものでございます。でございますから、統制的な価格をどうするということは、現在では非常に無理だと思いますが、少なくとも土地の需給が非常にアンバランスになっている、そのアンバランスの一つの大きな原因が、宅地と申しますか、素地の供給が非常に停滞している、そういう点にあるわけでございますから、素地の供給の阻害要因の一つであった非常に大きなものは税制でございますので、これを改善することは必ず土地の流動化にプラスになることだと確信しているわけでございます。それが流動が円滑化してまいりますれば、それは量的にもプラスでございますし、価格の面におきましても、需給の極端な不均衡ということが改善されれば、その面でもプラスになると思うわけでございます。ただ、その出てくる土地が幾らになるのかということは、その土地その土地、個別の取引の中で決まるわけでございますので、一概には申し上げられないわけでございますが、私はどちらの面にとってもプラスに作用すると思っております。
#134
○薮仲委員 それでは今度住宅局長に、いまおっしゃったことが本当かどうかという意味で、ちょっと具体的にお伺いします。時間がございませんから、簡単にお答えだけおっしゃっていただきたい。
 前々から聞いておりますが、勤労所得者の年間所得の何倍ぐらいが取得可能な一戸建て住宅の値段とお考えですか。
#135
○豊蔵政府委員 住宅の取得能力につきましては、地域差あるいは個人差等がありまして、一概に幾らというふうなことは言いにくいところがございますが、ただ一般的に、たとえば首都圏におきますところの関係の業界の団体等からいろいろと伺っておりますところでは、庭つきの戸建て住宅で言いますならば大体年収の五倍程度、またマンションで申しますと年収の四倍程度のところであれば相当売れ行きが進む。また、これを大幅に超えるようになると売れ行きが非常に落ちてしまうというふうに聞いておりますので、一応いま申しましたようなところが一つの目安かなというふうに考えております。
#136
○薮仲委員 これは建設省が住宅取得能力の試算としてお出しになったマンションの例でございますけれども、この中で、いわゆる五百二十四万という所得を出しているわけでございますが、この五百二十四万については、政府の経済見通しの雇用者所得の推計で五百二十四万という所得を出しております。建設省の計算はこれに一・三一倍して取得能力を出していらっしゃる算式でございますけれども、仮にいまおっしゃった所得が五百二十四万、これも年間所得で総理府の平均でいきますと四百万程度なんですけれども、建設省の百万多い五百二十四万でも結構ですから、これで計算しますと、大体五倍ですからざっと二千五百万。局長に簡単にお伺いしたいのは、この二千五百万のうち土地と上物と、首都圏の場合比率は何対何で見たら大体よろしいですか。五分五分とか四分六とか、概算で結構です。
#137
○豊蔵政府委員 いま手元に詳細な資料を持ち合わせておりませんが、マンションで考えました場合には若干土地代の比率が下がりますが、それにいたしましても土地代の比率がやはり五割を超えるところであろうかというふうに考えております。
 それからまた、一戸建ての場合でございますが、私どもが聞いております民間の不動産経済研究所におきましての五十六年度の平均的な戸建ての住宅につきましては、三千四百万円程度が売り値と聞いておりますが、土地代は恐らくそのうち六割から七割を占めるのではなかろうかというふうに考えております。
#138
○薮仲委員 大体その見当ですね。四分六というのが六割が土地代です。先ほどの二千五百万の六割といいますと一千五百万。建設省に伺ったのですけれども、これは国土庁でも大体同じ答えが返ってきておりますが、大体土地はどのくらいかというと、一戸建ての場合百平米だ。いまおっしゃった土地代が千五百万。平米当たり十五万、坪に直しますと四十九万五千円ですね。いま局長がおっしゃった三千四百万の一戸建ての土地代としても七割ということですけれども、いまおっしゃった一番取得可能な二千五百万でやっても土地代が千五百万。しかも坪で四十九万五千円ぐらいの土地じゃないとサラリーマンは買えない。いま局長がおっしゃった三千四百万の土地代は、時間がありませんからこちらで計算して申し上げますと、六掛けしますと二千万です。二千万の坪単価は幾らかというと、六十六万です。いま東京都のこの周辺、もちろんここはちょっと高過ぎますけれども、仮に居住可能な、住めるところで坪六十六万の土地が、局長が胸の中で考えてもあるかないか。首都圏と言われるところで六十六万なんというのは大変なことです。私の方にあるいろいろな資料の中で、坪百万と言っても大変、この坪六十六万なんという土地はもう夢みたいな土地の値段です。ですから、私は、税制を緩和して土地が出てくると言うけれども、坪単価四十九万五千円でサラリーマンが一戸建て取得可能な土地代なんです。しかも、いま三千四百万というと、これはもう買えない一戸建てです。買えない一戸建てでも坪単価に直すと六十六万です。今度税制緩和して六十六万以下で土地が出てくる可能性があるのですか、これが一つ。六十六万以下になるのだったら、私はさっきの計画局長の答弁をなるほどと納得しますよ。来年の今月今夜じゃありませんけれども、また来年のきょう同じことを私はまた質問させてもらいますよ。計画局長の言ったことが正しかったのか、われわれが不安と思ったのが当たったのかどうか。六十六万で土地が出たら、私は出てきっこないと思う。
 さらに申し上げますと、三千四百万は、仮にこれは建設省の方に計算してもらったのです。公庫プラス銀行ローンで年間の返済金額はどれくらいになりますか。公庫と銀行ローンでいきますと、一年間に返す金額は二百五十七万七千六百八十円、月々全部ならして均等割りにして二十一万五千六百四十円です。先ほど建設省が年収五百二十四万と言った。三千四百万の二戸建てを買おうとすれば、二百五十七万七千六百八十円、ローン返済で年収の半分取られてしまう。これは買えないのです。しかも、これでもざっと計算して土地代が六十六万なんです。粗っぽい計算ですけれども、私が何を言いたいか。土地対策をよほどしっかりやりませんと、ただ税制緩和して土地が出てくればいいのだ、これではもう建設省の住宅政策は土地の高騰によって行き詰まりますよ。建設資材の行き詰まりよりも土地の値上がりでまいってしまう。先ほど来申し上げておるように、これは本来建設省が望んでおる宅地の供給とは違った時点で、資産運用というような形で土地が動けばいいのじゃないのです。動いても、建設省がねらいとする宅地供給のためにどれだけ出てくるかということなんです。出てこなければ建設省がいま持っていらっしゃる政策がどんどん行き詰まりますよ。今度の法案で出てくる住宅金融公庫法を変えたところで、七十万程度の貸出枠を広げても、これは買えないのですよ。建設省の住宅政策そのものが見直されなければならない事態、行き詰まりが来ると思うのですが、いま申し上げた点、いかがでございますか。
#139
○吉田(公)政府委員 おっしゃるとおり、土地問題が非常に大きな問題だということについては私ども常日ごろ肝に銘じて感じております。
 それで、先ほど申し上げました土地税制によって土地の流動化がある。ただ、土地の流動化が行われやすくなりました場合に、量的にも質的にもプラスに作用すると私は申し上げましたけれども、その作用したものが金額として六十万であるかどうかということについて、私としては必ずしも保証したわけではございませんが、宅地の需給について二つの大きな問題があると思っております。
 一つは、確かに素地の供給が停滞しているということでございます。もう一つは、宅地供給に関しますコストの非常な増大が挙げられると思います。コストの増大は土地の造成費そのもの、あるいは関連公共施設の負担でありますとか、そのほかのいろいろの負担、そうしたものの合成されたものでございますが、この第二の点につきましても、私ども関連公共施設整備の問題でございますとか、あるいはいわゆる宅地開発指導要綱等を初めといたします公共団体の行き過ぎについての指導でございますとか、総合的に対処してまいるつもりでございます。
 そうしたものを総合いたしまして、また、土地の供給につきましてはもう少し幅広い見地から、現在都市計画審議会でも御審議いただいておりますように、市街化区域内のみならず、利用可能である、条件のいい調整区域等におきます開発についての見直し等も含めて、総合的に対処してまいりたいと考えておるところでございます。
#140
○薮仲委員 私の質問に的確にはお答えになっていらっしゃらないけれども、答えろと言う方が無理なのかもしれませんけれども、建設省は私がいま指摘した土地対策を真剣にやらないと、建設省の住宅政策は行き詰まりが参りますよ。きょうは時間がないからその点だけ指摘しておきますけれども、あと三点簡単に聞きますからお答えください。
 一つは、宅地並み課税に関係して、たとえば営農の意思が十年間あります。十年間営農した後の税率はどうなるのか。いわゆる十年間は六年なり七年目なり、途中で売っても特例法は適用になりませんということになりておるわけでございますので、では十年間営農した後売ろうとしたときにはどうなるのか、これが一つ。
 それからもう一つは、当初十年間営農しようという意思で始まったけれども、五年たったらその営農の中心者が事故があったとか、不測の事態で営農を継続することができない。本人の意思にかかわらず、客観的に見てもこれはいかんとも営農ができない、土地を手放さねばならない、そういうときに税制の特例措置が適用されないとなると、その方が土地を手放すということが逆に非常に困難になる。では、なぜそういう不測な事態に対しても特例を認めないのか、これが二つ目。
 それから、国土庁もお見えでございましょうけれども、私は、やはりこれからの住宅土地政策の中で必要なのは、国土利用計画法の運用という問題がどうしてもこれから検討されなければならない。あそこの十二条で、集中的な投機的取引、そして地価の急激な高騰、この二つの要件を満たさないとこの国土利用計画法は発動してこない、知事が規制区域として指定できない。しかし、これから本当に建設省がこの宅地政策を推進しようとすれば、この国土利用計画法の運用というものは非常に大事ではないか。どちらか片方でも満たされれば運用しなければならないのではないか。また、この取引規制対象が二千平米ですが、これをもっと下げてはどうかという意見がありますが、この件に関して国土庁にお伺いをしたいと思います。
 最後に御答弁いただきたいのは、私は大臣に二つの法案の問題点を何点か指摘させていただきました。その最初の農住法並びに後のいわゆるあめ法と言われる法案に対する大臣のお取り組みを最後に伺って、私の質問を終わりたいと思いますので、順次お答えいただきたいと思います。
#141
○吉田(公)政府委員 長期営農の意思を表示した方の十年後の宅地並み課税の取り扱いという御質問でございますが、これは附則二十九条の五の四項に書いてございまして、当該十年を経過した日以後新たに到来する期日に係る年度に限り、第二項の申告はもう一度行うことができるとなっておりますので、再度長期営農の意図のある方は、その際申告をされれば農地としての扱いになります。それから、そういう申告をなさらなければ宅地並み課税になるわけでございます。
 それから、十年の意思表示をしましても、不測の事態が起こった場合、その耕作者が死亡されたとかそういう不測の事態が起こった場合、この場合には税法上もいわゆる徴収猶予は免除されるわけでございますし、また、租税特別措置法上現在これは三年ということでございますけれども、この三年の間に起こりました場合には、譲渡した場合に軽課措置がとられることになっております。(薮仲委員「十年営農したときの譲渡所得はどうですか。十年以降の譲渡所得税を聞いているのです」と呼ぶ)譲渡所得税は、三年の時限立法でございますので、その三年の間に不測の事故が起こった場合にはその適用がございます。
#142
○小笠原政府委員 御案内のとおり、国土利用計画法第十二条の規制区域につきましては、土地投機の集中による急激な地価上昇という緊急事態を一時的に回避をするというために、期間と地域を限定をいたしまして、原則的には土地の取引をさせないということが大きなねらいの制度でございます。私どもは、こういう制度をいつでも発動できますように、全国の地価動向を常時チェックをしておりますが、現在全国的にこのような発動要件にすぐに該当するような取引は実例としてないというふうに判断をしております。それよりも二、三年前に地価が上昇いたしましたのはやはり供給不足でありまして、宅地供給の増大を図るのが急務であると思っておりますが、今回の土地税制の改正の中で、単に土地が流動化するということではなくて、この三年間の税率が非常に低いときに取引された土地につきまして、新しい特別土地保有税制をもちまして必ず住宅建設等に利用させる、つまりできるだけ流動化させる、それを実需に結びつける、こういう政策をきめ細かくとっていくことが必要であろうかというふうに思っておりまして、その辺を中心にして運用してまいりたいというふうに思っております。
#143
○始関国務大臣 先ほど来薮仲委員から、ただいま御審議をいただいております二つの法案につきまして、多くの重要な問題点について御指摘をいただき、また、貴重な御意見を拝聴いたしました。さっき局長も申しましたように、これらの点につきましてはさらに関係方面とも意見を交換いたしまして、調査と検討を重ねまして、改むべき点は今後適切に改めてまいりたい、かように存じておりますので、よろしく御了承のほどを願います。
#144
○薮仲委員 終わります。
#145
○村田委員長 これにて薮仲義彦君の質疑は終了いたしました。
 次に、林保夫君。
#146
○林(保)委員 議題となっております特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案並びに農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、若干の質問をいたしたいと存じます。
 まず最初の特定市街化区域農地の云々法でございますが、長い歴史を持ってこのたびC農地まで加える、こういうことでこのたび改正になるわけでございますが、その経緯につきまして御説明を一応伺っておきたいと思います。
#147
○吉田(公)政府委員 この法律は、昭和四十八年にいわゆる土地投機ブームというものが起こった際、政府におきまして地価対策閣僚協議会等の議論を経まして、いわゆる宅地並み課税を具体化したわけでございますが、その宅地並み課税が具体化した際にこの市街化区域の農地所有者に対しまして、一方で宅地並み課税ということを行う反面におきまして、そういった土地を有効に宅地化していくというための、必要な措置をあわせ講ずるべきではないかという強い声がありましたことに伴いまして制定されましたのがこの法律でございまして、特定市街化区域におきます農地の所有者が、宅地的な土地利用をいたします場合に、たとえば要請区画整理という制度を設けるとか、あるいは公庫の融資を使いまして賃貸住宅を建てる、分譲住宅を建てるというような場合に、その金利につきまして特例を設けて助成いたしますとか、あるいは後で出てまいります農住賃貸住宅につきまして水田要件の緩和を行いますとか、そのほか有効な農地の利用というものを図る場合に、所得税でございますとか、不動産取得税、固定資産税、そういったものの特例を設けるということを行ったものでございまして、これが三カ年の期間ということでおりましたので、この附則の中で要請区画整理という問題あるいは公庫融資の貸し付け申し出という問題につきまして、三年間の時限で切れておったわけでございます。それが五十一年、五十四年と二度にわたりまして延長を図りまして、今回五十七年の三月三十一日で延長の期限が切れるわけでございますので、この延長のお願いを申し上げているという内容でございます。
#148
○林(保)委員 ABC農地は現在どのようになっておるか数字をお聞きしたいのと、なぜC農地なのか、こういうことをひとつお聞きしたいと思います。
#149
○吉田(公)政府委員 ABC農地と申しますのは、宅地並み課税を行います際に、周辺の宅地等との間の負担の均衡という見地から、特定市につきましてA農地、B農地、C農地ということで区分をしたわけでございまして、A農地につきましては町村ごとの市街化区域内の宅地の平均価格以上であるもの、または三・三平米当たり五万円以上であるものをA農地というふうにしたわけでございます。それからC農地というのは、市町村ごとの市街化区域内の宅地の平均価格の二分の一以下のものまたは一万円以下のものをC農地といたしまして、その間のものでございますが、これをB農地としたわけでございます。それでこのうちのA農地、B農地を宅地並み課税の対象ということで運用してきたわけでございます。
#150
○林(保)委員 その効果を承りたいのでございますけれども、まず特定市街化区域農地の対象都市百八十七市は当初以来一貫したものでございますか。
#151
○吉田(公)政府委員 この特定市は首都圏、近畿圏、中部圏の三圏におきまして、既成市街地と、それから首都圏で申しますと近郊整備地帯、これに当たります中の市を指しているわけでございまして、町村が市になりました場合には、町村の場合には対象となっておらなかったものが、市制をしくと同時に対象になったという意味において、市数は若干ふえております。
#152
○林(保)委員 重ねて承りますが、現在これが不適正だという問題は全然ないわけでございますね。
#153
○吉田(公)政府委員 議論としてはいろいろあるかと思いますが、昨年の秋以来の、税制についての各省間におきます話し合いその他におきましては、この考え方について特に動かすという積極的な意見はございませんでしたように記憶しております。
#154
○林(保)委員 せっかくの機会でございますから、議論としてはあるというお話でございますが、どんなものがあるのでございましょうか。
#155
○吉田(公)政府委員 これはそういう議論もあろうかということでございますが、たとえば介在した町村も対象にしてはという議論もあるかとは思いますが、立法過程において、立法と申しますか、昨年末におきます税制改正についての議論の過程で、具体的にそういう議論はございませんでした。
#156
○林(保)委員 私は一貫して公平という観点からこういう問題をいつも聞いておりますので、実は率直にお答えいただきたかったわけでございます。
 こういうことで、負担の均衡と宅地化促進という二つのねらいを持って今日まで本法が運用されてきたわけでございますが、その効果につきまして、建設省はどのような御認識を専門的な立場で持っておられますか、承りたいと思います。
#157
○吉田(公)政府委員 個々の制度の実績というものにつきましては、たとえば土地担保賃貸住宅などについての実績等は比較的まとまった数字がございますが、ケースによりましては、たとえば要請土地区画整理というものについての件数は、従来一件ということで余り多い数ではないとか、いろいろな面はございますが、総体として申し上げますと、市街化区域内にAB農地で約一万六千ヘクタールの農地があったわけでございますが、これが約六千ヘクタール、三八%程度のものがこの制度発足以来五十五年度までに市街化されておるという実績から見まして、私どもそれなりの効果があったものというふうに考えております。
#158
○林(保)委員 それは宅地化促進という視点でそういうふうにおとりになっているわけでございますね。
#159
○吉田(公)政府委員 私どもの一番大きなねらいは宅地化促進という面がございますので、そういった客観点から効果があったというふうに見ております。
#160
○林(保)委員 じゃ税制上の問題に入りまして、負担の均衡という点ではどういうふうに御判断をなさっておりましょうか。周辺地区の課税の問題とあわせましてお答えいただきたいと思います。
#161
○吉田(公)政府委員 農地という土地につきましては、その土地から上がってくる収穫というものが限定されているわけでございまして、都市農業そのものは非常に長い沿革もありますし、それなりの効果は持っておるわけでございます。また、農家の皆さんもそうした農業経営というものを従来やってきておるわけでございますので、そうした前提に立って考えた場合に、たとえばその付近地におきます宅地と評価上の問題としての均衡の議論はあるかと思いますが、土地利用の実態等から見た場合に、課税の額につきまして、宅地並み課税と農地並み課税との間に差があるということは事実でございますが、それ自体が土地の利用の実態に即して考えた場合の均衡ということで、現在考えられているわけでございます。
#162
○林(保)委員 それはひどいという一般の意見もございます。農業者にとってみればそれは当然だということもございます。そういった点で、一体農地とはどういうことで定義していられますか。その辺からまた伺いたいと思います。
#163
○吉田(公)政府委員 農地は、現在耕作の用に供されておりまして、継続的に耕作をして農業生産を営んでいる土地というふうに考えるべきと思います。
#164
○林(保)委員 細かいようでございますが、休耕田はどういう扱いになっておるのでございますか。
#165
○吉田(公)政府委員 これは農地行政のことで、私は本当に権威を持って申し上げられる能力はちょっとないわけでございますが、休耕田というのが農業の施策の対象としてあるとすれば、農地として見られているのではないかと思います。
#166
○林(保)委員 実は休耕田の問題は、御承知のようにいまの農業政策上も、また実際の農業上も非常に大事な問題でございます。こういう中での仕分けからいきますと特に大事でございますので、追ってひとつ御返事をいただきたいと思います。
 つきましては、新しい保有税、譲渡税について
 一応の御説明を承っておきたいと思います。
#167
○吉田(公)政府委員 土地税制全般についてということでございますか。
#168
○林(保)委員 農地に関するものだけでも結構です。
#169
○吉田(公)政府委員 農地につきましては、従来大都市地域のいわゆる特定市につきましては、AB農地ということで、先ほど申し上げました定義のA農地、B農地に対するものにつきまして、いわゆる宅地並み課税が段階的には行われることになったわけでございますが、ただその中で、いわゆる減額条例の適用になっているものも相当あったわけでございます。C農地に対しましては宅地並み課税の適用はございませんでした。また、AB農地につきましては譲渡所得税についての特例の延長を今回またお願いしているものでございますが、この特例の適用はございました。それから、今回の改正におきましては、AB農地のほかにC農地につきまして、これは五十七年度の評価でございますが、C農地のうち三・三平米当たり三万円以下のものは除くわけでございますが、それ以上の農地については課税の対象に含めることといたしました。ただ、現状農地であり、継続して十年以上耕作する意思があり、かつ耕作することが適当であるということを、農業委員会を通じまして市町村が農地課税審議会の意見を聞いて認定いたしました農地につきましては、長期営農の対象ということで宅地並み課税との差額は一応五年間徴収猶予が行われまして、五年間徴収猶予された後で農業が継続されていれば免除されるということで、それが継続して十年営農されるということが対象となるわけでございます。
    〔委員長退席、大塚委員長代理着席〕
こういったものはABC農地いずれにも適用されるわけでございますが、ただ、譲渡所得税の特例につきましては、原則といたしまして、この特例のかかっている土地については、譲渡所得税の一五%、二〇%という特例はかからないということになっております。
#170
○林(保)委員 先ほど御説明が多少ございましたが、営農の意思の確認の手続をもう一度詳しく、農業者が出すわけですね、どこの機関を通してどういう形でやるのか、御説明いただきたいと思います。
#171
○吉田(公)政府委員 農業者が農業委員会を通じまして特定市に出しまして、市が農地課税審議会、これは学識経験者なり農業関係者なりを集めている審議会でございますが、ここに諮って認定をするということでございます。
#172
○林(保)委員 その実績がA農地、B農地、C農地、Cはこれからやるわけでございますね、そういう手続になりましょうか。
#173
○吉田(公)政府委員 対象となる農地がA農地、B農地、それから三万円以上のC農地という三つになるわけでございますが、その三つの対象となる農地の中で、長期営農を希望する方が、その中からいまの手続を経て長期営農の認定をしてもらうということになるわけでございます。
#174
○林(保)委員 私どもとしては五年よりも十年という主張をしておったわけでございますが、なぜ五年ごとの確認あるいは十年間営農の継続の意思ということにされたのか、どういう理由がありましたか。
#175
○吉田(公)政府委員 十年間の営農の継続の意思ということは、当初から私どもの主張でもございましたし、そのままになったわけでございますが、五年間で徴収猶予を免除する、徴収猶予をした額が五年たった場合に免除されるわけでございます。これはもっぱら税法の技術上の問題ということで、地方税当局がそういった形をとられたわけでございます。
#176
○林(保)委員 いろいろ資料を拝見いたしておりますが、要請土地区画整理事業の今後の活用、展望について承りたいのでございます。従来の実績は一体どうなっておるか、そしてまたいま申し上げましたようなこれからの見通しを承りたいと思います。
#177
○加瀬政府委員 要請土地区画整理事業の実績でございますが、現在まで埼玉県の新座市におきまして一件だけでございます。
 それから今後のことも含めまして、こういった要請土地区画整理事業というものが少ないわけでございますが、これは背景に要請しようとする者が、区域内の土地につきまして、所有権あるいは借地権を有するすべての者の三分の二以上の同意を得なければならないこと等とされているものの、制度の対象地域が農地と宅地が混在していることが多く、農地所有者あるいは宅地所有者等関係権利者の意向調整が非常にむずかしい、こういうような場合が多々ございます。さらに、農地を残しつつ市街地を整備していくという手法も必要かと思いまして、今後はそういった要請にもこたえまして、段階土地区画整理事業というものも五十七年度から実施することを考えております。こういったことによりまして、今後は要請土地区画整理事業が若干ふえるのではないかと期待しております。
#178
○林(保)委員 御説明ございましたけれども、これは法の一つの柱になっておると思いますが、なぜ一件なのか、ちょっと理解に苦しむのでございます。これからの運用上、何か配慮してこれをふやすとかということが非常に大事なのではないかと思いますが、改めてもう一度承りたいと思います。
#179
○加瀬政府委員 現在まで実績まさに一件ということで、非常に少ないわけでございますが、三大都市圏の特定市の中におきます土地区画整理事業の全体を申し上げますと、四百七件、面積で一万七千ヘクタールの事業が行われているわけでございます。このうち地方公共団体が施行しているものが八十件、面積で四千六百ヘクタールほどございます。これは要請に至らないでも地方公共団体施行ということでございまして、こういった背後に要請という手続があるものですから、したがいまして公共団体施行という事業も円滑にいっているのではないかというふうに推測しているわけでございます。
 それから、先ほどこの要請土地区画整理事業が行われにくい背景について申し上げたわけでございますが、こういった要請土地区画整理事業が行われにくい原因の一つの解消策としての、段階土地区画整理事業の実施というようなことも考えておりまして、農地をある程度集約的に残しつつ、段階を分けて土地区画整理事業を実施していくという手法によりまして、土地区画整理自体が行われやすくするとともに、宅地の供給につながるような方向を目指しておりますので、そういった方法も考えながら制度が進められるように考えているわけでございます。
#180
○林(保)委員 もう一つ、住宅金融公庫の資金の貸し付けの特例でございますが、これの実績、どうも余り上がっているような感じではないと思いますが、この事情と展望をひとつ承りたいと思います。
#181
○吉田(公)政府委員 住宅金融公庫の特例措置につきましては、特定市街化区域農地を転用いたしまして賃貸住宅を建てます場合には、一般は五・五%の金利でございますが、これを四・五%にして、優遇してお貸しする、また同じく分譲住宅を建設しようとする場合には、これは一般が八・二五%でございますのを六・八%に引き下げて優遇しよう、こういう制度でございます。
 特定土地担保賃貸住宅、これは前者の賃貸住宅を建てるケースでございますが、これは四十八年から五十六年の十二月までの数字で全体として七千六百六十一戸の住宅が建ってございます。ただ、分譲住宅につきましては実績はございません。この実績がないという点についての私どもの分析でございますが、これは農地所有者が資産として土地を有効に使おうという場合には、保有を継続する意味での賃貸住宅を選ぶことになるようでございまして、土地を手放す場合には、自分で分譲住宅まで建てて手放すよりは、むしろ農地そのものを売却することが多かったというふうに考えられるわけでございます。
 今後の問題といたしましては、賃貸住宅について四・五%という非常に優遇されている制度でございますので、こういったものをよく徹底いたしまして、皆さんに活用していただくようなお努力をしていくということ。また、特定分譲住宅につきましても、そうしたことを企画されるような方方がもしあります場合に、そういった制度、メリットがあるということを十分周知していただくような措置を十分講じてまいりたいと思っております。
#182
○林(保)委員 何年間も一件もないとか、あるいはただ一件だとかということではちょっといかぬと思うのでございますが、これに対する法の趣旨の周知徹底といったような問題あるいは地方公共団体に対する行政指導そのほか、どういうような視点で努力しておられますか。
#183
○吉田(公)政府委員 地方公共団体に対しましては、機会あるごとに宅地供給の一環といたしましてこういった制度の周知を図っておりますが、なお五十七年度の現在要求いたしております予算の中で、これは行政部費でございますが、市街化区域内の農地の宅地化を促進するために、社団法人の地域社会計画センターというところと協力いたしまして、農地所有者の意向でございますとか、それぞれの地域の特性に即しまして、住宅宅地供給の促進方策についてノーハウを提供するとか、あるいは農協の代表者の方とかあるいは市町村の末端の行政に関係されている方等のお集まりをいただきまして、こういった方にそういったノーハウについての指導をするというようなことも企画いたしておるところでございます。
#184
○林(保)委員 次に、農地所有者等云々法律案につきまして、いわゆる農住法ですが、承りたいと思います。
 この法ができました経緯と運用の趣旨を承りたいと思います。
#185
○豊蔵政府委員 農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法は昭和四十六年四月に制定されたわけでございますが、住宅不足の著しい地域につきまして、農地の所有者の方がその農地を転用して賃貸住宅を建設する、そしてまた、その建設に要する費用を農業協同組合等の融資機関がお貸しして、また経営的にもいろいろと助成する、指導するといったようなことを念頭に置きまして、これらの機関に対しまして政府が利子補給をするという制度を創設したわけでございます。特に大都市地域におきまして、こういったような住宅を建設する用地が非常に払底しておる、あるいはまた当時の状況からいたしまして水田の宅地化を促進する、そういったようなことを考えまして、総合的な立場から創設をされて現在に至っているものでございます。
 また、この法律が制定されましてから現在まで十年余りを経過しておるわけでございますが、その間に約一万三千戸余りの住宅の建設がこれによって図られておるというような実績を持っているものでございます。
#186
○林(保)委員 これまた同じ視点から承りたいのでございますが、住宅不足の著しいところということで、大都市を対象にしていることはわかるのでございますが、この範囲でよろしいのでしょうか。どうでしょうか。
#187
○豊蔵政府委員 この制度が対象としております地域は、政令でその地域を定めることといたしておりますが、法制定当時におきましては、首都圏の既成市街地及び近郊整備地帯、近畿圏の既成都市区域及び近郊整備区域、中部圏の都市整備区域、新産業都市の区域、工業整備特別地域及び人口五十万以上の市ということであったわけでございますが、法制定時におきますところの衆議院の附帯決議で、「地域は、実情に応じ、地方都市にまで拡大するよう配慮する」という附帯決議が付されたわけでございます。そういうことを踏まえまして、昭和四十七年の七月に政令改正を行いまして、首都圏、近畿圏、中部圏の都市開発区域、それから都の区域、道府県の県庁所在の市を加えますとともに、人口二十五万以上の市も新たに加えたところでございます。
 私どもといたしましては、こういったような大幅な対象地域の拡大を行いましたので、現時点におきましては、一般的な賃貸住宅に対しますところの需要の強い都市につきましては、一応の制度の整備が図られたものというふうに理解をいたしております。
#188
○林(保)委員 実績の点については後で触れるといたしまして、こういう対象地域の問題は、たびたび私はこの委員会でも取り上げるのでございますが、やはり私は問題があろうかと思います。ずっと三大都市圏から広げていったら、残っていったのはわずかな地域だ、哀れなのはわが子でございというようなのが都市公園法にもございますし、また、農住組合法でもそういう問題があったかと思いますし、住宅・都市整備公団の適用対象地域もやはり同じようになっていると思います。そういう視点でこれを拡大するということが衆議院の決議でも出ておりますが、これからどういうテンポでそういうことが全国公平にいくようになるのか、ひとつ御質問申し上げたいと思います。
#189
○豊蔵政府委員 ただいま申し上げましたように、昭和四十七年の改正におきまして、かなり大幅な地域の拡大を行いましたので、賃貸住宅を必要としておりますような都市地域につきましては、おおむねカバーされているのではないかというふうに考えますが、なお対象地域の拡大につきましては、その他の地域の賃貸住宅の需給動向、住宅事情、そういったものをさらに検討させていただきまして判断させていただきたいというふうに思います。
#190
○林(保)委員 この点はまた厳重にひとつ大臣に最後に御要望しておきたいと思いますが、先ほど来問題になっておりました団地要件、水田要件が厳し過ぎるという批判が出ております。これについては事務当局はどのようにお考えになり、また運用の上で、政令そのほかで対処されようとしておるのか、承りたいと思います。
#191
○豊蔵政府委員 本制度におきますところの要件に、いま御指摘の一般的な団地の規模要件と水田要件とございますが、一団地の規模要件につきましては、当初面積が二ヘクタール以上、または住宅の戸数が二百五十戸以上となっていたのでございますが、その後この基準を緩和いたしまして、現在は一ヘクタール以上、または五十戸以上というふうにしておりまして、また、その団地規模も全体の計画の中でこのような判断をさせていただき、年次ごとに若干弾力的な運用ができるようにいたしておるところでございます。
 また、水田要件につきましては、この法律の目的から、水田の宅地化に資するということになっておりますので、原則といたしまして、一定の量以上の水田が宅地化されるということが必要であろうかと思われるわけでございますが、その水田要件につきましても、制度発足当初におきましては、一団地の面積の二分の一以上水田がなければいけないというふうになっていたわけでございますが、これも当委員会におきますところの附帯決議もありまして、その後昭和四十七年と昭和五十六年の二回にわたりまして政令改正を行いまして、現在は一団地の面積の二分の一以上、または〇・五ヘクタール以上というふうになっておるところでございます。
 なお、この制度の特例といたしまして、農住組合法あるいは現在御審議をいただいております特定市街化区域内の宅地並み課税がかかります農地等につきましては、水田要件がなくともいいというようなことになっておりますので、これらの経緯あるいは現行の特例措置等を考えますと、現行制度といたしましては、これの円滑な運用は図れるものであろうかと考えているところでございます。
#192
○林(保)委員 第二条になろうかと思うのでございますが、利子補給契約の件につきまして、農地所有者、いわゆる事業主体ですが、申請によって利子補給契約ができ、そしてその建設資金を約束することになっております。申請はどこにどういう手続でやればいいのか、そしてまた、建設資金はどことどこが出すのか、この点をお答えいただきたいと思います。
#193
○豊蔵政府委員 この制度は、主として農協等が中心になりまして、賃貸住宅の建設資金を融資されるわけでございますが、その金融機関が、県を通じまして国に利子補給金を支給してもらうというための契約の申請をなされるというふうになっているわけでございます。
#194
○林(保)委員 資料によりますと、「農業協同組合、同連合会、銀行等の融資機関」というふうに出ておりますが、実績上はどこを使うのが一番多うございましょうか。
#195
○豊蔵政府委員 実績といたしましては、いわゆる農業協同組合が最も多く、九〇%を超えているような実態でございます。
#196
○林(保)委員 銀行は、どういう銀行になるのでございますか。
#197
○豊蔵政府委員 農協以外の金融機関といたしましては、信用金庫等がそれに次ぐようなものでございます。
#198
○林(保)委員 続きまして、住宅の規模が、床面積が三十平方メートルから百二十平方メートル以下であることとなっております。都会と田舎とは大分違ってまいりますが、これではちょっと枠が厳し過ぎるのではないだろうかということも考えられますし、賃貸住宅ですからこのくらいでいいということなのでございましょうか、この辺はどのように御判断なさっておられますか。
#199
○豊蔵政府委員 この利子補給の対象となっております住宅につきましては、賃貸住宅として必要な規模を有していなければいけないというところから、同法の施行規則によりまして、床面積が三十平方メートル以上百二十平方メートル以下といったようなことになっております。
 いままでの実績で見ますと、平均して大体七十平方メートルというふうになっておりますが、一般的な賃貸住宅の規模といたしましては、七十平方メートル程度あれば一応の居住水準に達しているかなと考えているところでございます。
#200
○林(保)委員 賃貸の条件でございますが、対象融資を受けて建築された特定賃貸住宅は、利子補給期間中特別の制約が若干あるのはやむを得ないと思いますが、いま、どういうような借家人の資格あるいは家賃の額、その他賃貸条件を建設省は固定しておられますか、あるいは行政指導しておられますか。
#201
○豊蔵政府委員 御案内のとおり、本制度に基づきまして国が利子補給をいたします関係上、この制度によりまして建設されました賃貸住宅につきまして、ある程度の所要の規制を行っているところでございますが、家賃につきましては省令でその限度額を定めておりまして、具体的には、対象となりました融資の額及びその他の建設費、これらにつきましての償還額、維持管理費、地代相当額、公租公課、損害保険料等の合計額を一定の限度額といたしまして、それ以内で家賃の設定を行うように規制されておるところでございます。
 また、これ以外に、たとえば敷金等につきましては三カ月を超えない範囲のものとする、あるいはいわゆる権利金等の受領を制限する、その他の賃貸の条件といたしまして、賃借人の募集を公募とする等々の規制を定めているところでございます。
#202
○林(保)委員 平均でどのくらいな家賃になっておりますでしょうか。
#203
○豊蔵政府委員 家賃の額につきましては、その地域の賃貸住宅の実情等によって相当の幅があると聞いておりますが、一般的には、おおむね五万円から七万円程度の月額であると聞いております。
#204
○林(保)委員 それは一般の自己資金によって建てた賃貸住宅に比べてどれくらいの割り安になっておりますか。
#205
○豊蔵政府委員 他の一般の、いわばこのような利子補給等を受けておりません、純粋の民間資金のみによって建築されました賃貸住宅の新規のものと比較いたしますれば、相当割り安のものとして供給されていると聞いております。
#206
○林(保)委員 それはやはり平均値だけでも一応は出しておかれるべきだと私は思いますけれども、改めてまたぜひ聞かしていただきたいと思います。
 それで、先ほど公募と言っておられましたが、どういう形で公募するのでございましょうか。建設省がそういうものについて指導といいますか、許可というのですか、認可というか、家賃を含めてどこまで目を届かしておられますでしょうか。
#207
○豊蔵政府委員 公募につきましては、新聞等の広く知ることができる一般的なものによりまして公募をいたしているところでございまして、また、これらの具体的な指導につきましては、関係の都道府県知事を通じまして指導させていただいているところでございます。
#208
○林(保)委員 利子補給契約に対する違反が出た場合の措置も規定しておられますが、こういう違反のケースはございましたか。
#209
○豊蔵政府委員 現在まで違反の事実は私ども掌握いたしておりません。
#210
○林(保)委員 違反を摘発しろと言うのじゃございませんけれども、厳密に見ていくと、やはりいろいろと問題があるのじゃなかろうか、私はこのように思います。ひとつしっかり監督していただきたいと思います。
 それで、先ほど来問題になっておりました、利子補給期間はなぜ十年なのか。これはもちろん早くお金を返してもらうためには期限を早い時期に設定するということが一つ大事でございましょうし、また、建物が陳腐化していく、そうした点からいくと長い方が実情に合っているという二つの側面があろうと思います。十年後がどうなるのかという問題を含めまして、その二つの視点でどうお考えになっておるか、伺いたいと思います。
#211
○豊蔵政府委員 本制度は、賃貸住宅を建設いたしまして経営をお願いいたします場合、おおむね十年程度経過いたしますればこれらの経営も安定化するといったようなことを考えまして、十年間というふうにいたしたものでございます。他の諸制度等と比較をいたしまして、それぞれの制度のできました経緯等によりまして若干の差はございますが、私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、主たる金融機関が農協等であり、また、この農協等がいろいろと経営につきましての指導、助成を行うといったようなことから、ある程度の期間経過いたしますれば十分経営的にも成り立つであろうということで、十年間の利子補給というふうにいたしたわけでございます。
 もちろん、十年たちまして利子補給が打ち切りということになりますれば、そういう意味では十一年目以降の償還額というものがふえることになるわけでございますが、物価その他の経済情勢等の変動を考えました場合には、十年の間にいわば家賃限度額として考えられております諸要素の中で、償還金に当たる部分の比率というものは相対的に下がってくる、そういったようなこともありまして、利子補給が切れましても各経営主体におきまして計画的な家賃の変更等を実施されるならば、わりと早い段階でそういったような段階的な差というものは吸収できるであろうというふうに考えて運用してきたところでございます。
#212
○林(保)委員 先ほどお触れになったように、四十六年度から五十五年度のいわゆる利子補給契約戸数が一万三千百六十七戸でしかないという問題ですね。ここに建設省が計画された戸数がずらっと出ております。いま計算してみますと四万二千戸に当たります。つまり計画戸数に対して三分の一以下だ、こうなっておりますか、計画戸数はどのようにしてはじかれておられますのか、またなぜこれが三分の一以下なのか、もう一度ひとつ御説明願います。
#213
○豊蔵政府委員 私どもが予算を定めます場合には、そのときにおきます住宅建設五カ年計画を頭に置きながら、また、一方におきまして各年度の実績をも考えまして、必要な戸数を計上してまいったわけでございますが、この実績が必ずしも十分伸びておりませんという実態があることは承知しております。このことにつきましては、一つには水田要件という問題もございますし、また、各地域の農協あるいは公共団体等の熱意といいますか、そういったようなことによりましてもかなりの地域差が出ておるように思われます。
 しかしながら、今後農地を積極的に宅地化をしていく、そしてまた、都市内におきまして良好な賃貸住宅の建設を促進するというような必要はやはり強いものがございますので、私どもといたしましては、関係の公共団体あるいはこれに携わります農協あるいはまたこれらによって組織されております公益法人、そういったような各団体を通じまして、この制度の特色なり、これからの経営につきましてのいろいろなノーハウというものを十分皆さん方に知っていただきまして、これらの制度の活用を図りたいというふうに考えているところでございます。
#214
○林(保)委員 まさに御指摘のとおりでございまして、もっともっとノーハウを周知徹底しなければ、この法の生きたあれはできない、このように考えざるを得ないと思います。
 農住建設の戸数を県別の資料としてちょうだいしておりますが、見てみますと、愛知が一番、それから静岡、岐阜、石川、兵庫、山口あたりは非常に熱心だ、というよりも実績が上がっているけれども、ゼロのところがかなりあります。ちょっと読み上げてみましても、北海道、青森、秋田、茨城、栃木、埼玉、山梨、京都、和歌山、鳥取、島根、愛媛、大分、宮崎、鹿児島、沖繩と、ゼロ地帯がございます。岡山が入ってないだけ幸せでございますけれども、なおこれを見てみますと、これでいいんだろうか。こういうところは賃貸住宅の必要性が乏しいところでもあるとは思いますけれども、一体これらは、まあ地方公共団体に任してはおるのでございましょうけれども、どういうルートでどういう宣伝、広報をしながら運用しておられるか、伺います。
#215
○豊蔵政府委員 先生御指摘のように、全国的に見ますとかなりの地域差があるわけでございます。首都圏につきましては、先ほど申し上げましたように、どちらかというと水田が少なくていわゆる畑が多いといったようなところから、水田要件の問題が一つありまして、一般的にそれほど戸数が建っていないというふうに考えられますが、しかし、それにいたしましても中部圏につきましては相当の建設を見ておりますし、また、その他の地域につきましても、客観的にそれほど差がなくても、かなり戸数にはばらつきがあるといったようなことが見られるわけでございます。これは、一つには、公共団体あるいはまた中核となります農協等の熱意の問題もあろうかと思いますし、また私どもも、これらの趣旨あるいは制度の運用といったような問題につきまして、農家の方方に対するPRといいますか、周知徹底が必ずしも十分に行われていなかったといったような感じがいたしております。
    〔大塚委員長代理退席、委員長着席〕
こういった点につきまして、先ほども申し上げましたが、農協等を中心といたしまして地域社会計画センターといった公益法人も四十九年に設立されておりまして、非常に熱心にいろいろなケースにつきましてケーススタディーも行い、また普及啓蒙に努めておりますので、これらの団体も含めまして、関係の皆様方と十分御相談をし、積極的な普及に努めていきたいというふうに考えております。
#216
○林(保)委員 もう一つ、私もやはり近い方がよくわかりますので承りたいのでございますが、なぜ鳥取、島根がゼロで、岡山が五十年十八、五十二年十二で三十、広島が五十五年四十二で四十二、山口がずっと多く、近ごろなくてなお七百三十九、徳島が七百、香川が百五十三、愛媛がゼロ、高知が三十と、ちょっとどういうふうな感じで分析したらいいのかわかりませんので、どうしてこうなっているのか、くどいようですがひとつ聞かしてください。
#217
○豊蔵政府委員 いわば、農地を転用いたしまして賃貸住宅を経営するということは、農業を経営していらっしゃった方々にとりましては、やはり全く新しい方向の問題だろうと思うわけでございます。一般的には、もし都市化が進み、宅地というものが非常に需要が強いという場合には、いわば土地を切り売りするという形でいままでは進められてきた点があろうかと思いますが、最近のように、やはり土地を手放さないで、何とか維持しつつ、農業所得にかわる新しい所得を得る、そして生活の安定を図っていくというようなことは、いずれにいたしましてもやはり最近の新しい事象であろうかと思うわけでございます。そういうような時代に対応いたしまして、個々の農家の方々ではなかなかこういった問題につきましての知識が十分でない、こういったようなことを農協の専門の方々がいろいろと勉強され、新しい知識を普及し、また、こういったようないろいろな施策を活用するというようなことでPRされるということが、大きな眼目になってきているのではなかろうかと思うわけでございます。いま御指摘がありました各県につきまして、一般的に言えますことは、その県におきますところの農協の中心となられる方々が、新しい時代の新しい農家のあり方ということで、そういった特定の分野につきまして専門の方を養成され、そしてその専門のスタッフの方々が農家の方々に相談をし、そして御指導をするというようなことが熱心であったところはかなり伸びておる。また、そうでなかったところは必ずしも私どもが意図したほどに伸びていない、そんなようにいままでのところ、実績から見まして判断されるところでございます。
#218
○林(保)委員 これは、農協中央会では地域社会計画センターが担当していると聞きましたが、そのとおりでございますか。
#219
○豊蔵政府委員 公益法人といたしまして、いま御指摘ありました地域社会計画センター、これが中心となって各地方につきまして資料をつくり、あるいは研修を行う等々していらっしゃるわけでございますが、また、具体的には各地域の農協の活躍も大きいというふうに考えております。
#220
○林(保)委員 きょうは農林省を呼んだつもりでしたが、手違いが私の方にあったのか、よくわかりませんが、来ておられませんので、また後日に譲るといたしまして、先ほど局長は、水田要件があると、畑地でないから県の差が出ているようなお話がちらっと先ほどございましたが、なぜ畑地をこれに入れないのでございますか。
#221
○豊蔵政府委員 本制度が発足いたしましたときには、米の需給関係というようなことがありまして、水田の宅地化を促進するというような事柄もありました。そういったようなことと、いま申しました都市における住宅問題というものが、いわば総合化することが必要であろうということで、この制度は基本といたしまして水田要件というものがあるわけでございまして、そういう意味で、一般的に東京周辺におきましては、どちらかというと水田よりも畑地が多いというようなことが、水田要件を満たすことができないというようなこととなって、実績の上であらわれたのではないかということを先ほど申し上げたつもりでございます。
#222
○林(保)委員 もう一押しですが、畑地は永遠にこの法には入れられないのでございましょうか、今度は間に合わないと思いますけれども。
#223
○豊蔵政府委員 御指摘のとおり、そのような地域におきましては水田要件をさらに緩和する、あるいはまた、できれば廃止してほしいという御要望もあると伺っております。しかしながら、本制度が、やはりいま申しましたような、水田の宅地化とあわせてまた住宅の建設というようなことを本法の目的といたしておりますところから、いま直ちに水田要件を廃止するということは非常に困難ではなかろうかと思っております。ただ、この水田要件の例外といたしまして、農住組合法による特例であるとか、あるいはまた本日御審議をいただいております特定市街化区域内のいわゆる宅地並み課税のかかっております農地であるとか、そういったものにつきましては要件の特例が図られることになっておりますので、そういった面での活用もあろうかと思います。しかしながら、いずれにいたしましても、この問題につきましては今後の検討の課題とさせていただきたいと思います。
#224
○林(保)委員 水田は一度つぶしたらもとへ戻りませんが、畑地は幾らでも使える、そういうことこそ私は住宅対策として必要じゃないかと思います。水田の休耕田ももうすでに限度にきておりますので、いろいろとこれから新しい時代を見詰めての法整備をやっていかなければならぬのじゃないだろうかと、こういう感じがいたします。
 大臣、以上のように二法につきましていろいろやはり問題があろうかと思います。しかしなお運用の面でしっかり対応すれば解決できる面もあろうかと思います。そして、何より、重ねて申し上げますけれども、全国をにらまれまして不公平にならないような形での、いろいろと実績が出るように、ひとつ建設省御苦労ですけれども、やはりがんばっていかなければならぬと思いますが、御所見を承りたいと思います。
#225
○始関国務大臣 先ほど来農住利子補給制度について林委員と政府委員との間の質疑応答を拝聴しておりまして、この制度のよって来るゆえんのもの、また背景、今日なお抱えている問題点、かなり詳細に御意見を拝聴したと思っております。大変おもしろい、独特の制度でございますので、ただいま御指摘のございました問題点につきましては、今後関係方面とも相談をしながら、是正すべき点は是正をいたしまして、今後ともこの制度の普及、活用について努力してまいりたい、かように存じております。
#226
○林(保)委員 以上をもつて終わります。
#227
○村田委員長 これにて林保夫君の質疑は終了いたしました。
 次に、中島武敏君。
#228
○中島(武)委員 私は、農地所有者利子補給法改正案、それから特定市街化区域農地宅地化促進法改正案について、これから若干の質問をしたいと思いますが、午前中から熱心な論議によってやられておりますので、余りダブらないで質問をしたいと思います。
 まず最初ですが、農住利子補給法、この問題について質問いたします。
 農住利子補給法は、主として農協が融資機関になっておるわけでありますが、その農協は、この利子補給年限の延長、それから対象物件を店舗等非住宅物件への拡大を要求しております。建設省の方でも、利子補給年限を現行の十年から二十五年に、また、店舗等の非住宅部分を利子補給対象とするように大蔵省に要求をしていたようでありますが、どうなっておりますか。
#229
○豊蔵政府委員 お答えいたします。
 ただいま先生御指摘ありましたように、関係の団体等から利子補給期間の延長、あるいはまた非住宅部分に対する利子補給等の要望が出ていることは承知いたしております。
 私どもといたしましても、せっかくの本制度がさらによりよく運用されていくために、できれば期間も延長したい、あるいはまた非住宅に対しても利子補給ができたらと思いまして、概算要求の中にそういったような要望を盛り込んできたところでございますが、御案内のような財政事情でございますので、現段階ではこれらが実現を見るに至っておりません。
 しかしながら、他の諸制度等とのバランスを見ましても、まあこの制度はこの制度なりに独特の内容を持っておりますし、また、いまお話がありましたような、農協等におきまして積極的な経営に対するいろいろな普及、指導等を行うことによりまして、十分活用できるのではなかろうかというように考えているところでございます。
#230
○中島(武)委員 これは農協等のなかなか強い要求なんですね。建設省の方でも要求を概算要求でされて、しかし大蔵省で認められなかった、こういう経緯を持っているわけで、この農民の要求にこたえるという点からいっても、ことしは残念しましたけれども、来年はもっと強力に要求する、そして来年は実現できるというようにぜひやってもらいたいということを私はまず指摘をしたいと思います。
 引き続き、この特定市街化区域農地宅地化促進法の改正案、この問題についてまず最初に大臣にお尋ねをしたいと思います。
 都市農業は非常に重要な役割りを果たしておるわけであります。たとえば東京都においてはどうか。この点は、島嶼部分を除きましても、四万人以上の農業就業者がいるわけであります。そして、一千万都民に対する野菜その他の供給を行っております。東京都から一番新しい資料で、どの程度自給をしているかということを聞いてみましたところが、都民が消費する野菜の一〇・九%、牛乳の六・五%、食肉の四・五%、鶏卵の四・五%を供給しているわけであります。いまここで宅地並み課税がC農地にまで適用されるということになりますと、この都市農業が衰退をしていくことはもう言うまでもないわけであります。そうなりますと、生鮮野菜の値上がりを招くのではないか、あるいはまた、季節感のある豊かな野菜の安定した生産と供給が損なわれる、こういう事態が生まれてくると思うのです。この点で私は、近郊農村というのは非常に重要な役割りを果たしているのだから、十分守られなければならないというふうに思うのですけれども、この点は大臣は一体どう考えておられるものかなと思いますので、まずこの点をお尋ねしたいと思います。
#231
○始関国務大臣 お答えをいたします。
 最近十年来と申しますか、五、六年来と申しますか、住宅建設のために都市の中でできる限り多くの土地を住宅用に供出してもらいたいということからいたしまして、農地をできる限りそういう線に沿うてやってもらいたいという意見が非常に強く起こってまいりましたのとほぼ同時に、一方におきまして、都会地の中の農地を見直すべきであるという非常に強い意見が起こってまいった。その一つの理由は、いまあなたがおっしゃったような生鮮食料品その他の供給の問題でございますし、また、もう一つは都会の中にそういう意味で空閑地と申しますか、緑地が保全されるわけでございまして、そういうような意味におきまして、やはり都会地の中の空閑地あるいは農地、そういうものを余り邪魔者扱いにしては困るという思想が、非常に一方において起こってまいったと思うのでございまして、たとえば生産緑地という制度がございますが、これもそういうふうな考え方によるものと思います。
 それから宅地並み課税の改正の場合に、ある期間営農を継続する意思がある者については、宅地並み課税はこれを結局その期間まで農業を続けておれば免除する、こういう制度になっておりますのも、都市における農業というものの価値あるいは存在理由を認めたその反射と申しますか、反映がこういう宅地並み課税に対する考え方になっていると思うのでございまして、ただいまお話しでございましたような、中島委員と私どもとほぼ見解を一にしておる、かように存じております。
#232
○中島(武)委員 大臣の方からお答えがありましたが、この際、国土庁にもちょっと聞いておきたいと思うのです。
 近郊農村、AB農地はもちろんですけれども、特にC農地、ここも含めて、東京はいつ震災にやられるか予測できがたい。直下型地震でやられるかあるいは南関東地震でやられるか、どっちにしろ避けがたい状態にあるわけですね。そういうときにも非常に大きな役割りを果たすのじゃないかということを思うわけです。その点国土庁は大体どういうふうな見解を持っておられるか、これもあわせてちょっと聞きたいと思うのです。
#233
○川俣政府委員 市街化区域内農地につきまして、震災対策の面からどのように考えているかという御質問だと思うのでございます。
 市街化区域内の農地の中には、その立地条件あるいは規模によりまして災害の防止に相当の効用を有する等、公共用地として適するものがあるというふうに思います。このような土地につきましては、すでに都市計画としまして生産緑地地区に指定されているものもあるわけでございます。たとえば東京都区部におきましては、第一種生産緑地として三十九カ所、十五ヘクタールが指定されておりまして、いま申し上げましたような効用を持っておるのではなかろうかと思います。
 ただ、大震災等の大規模な災害に伴います市街地大火、こういったものに備えるために設けられます広域避難場所ということになりますと、おおむね十ヘクタール程度以上の規模が望ましいということにされておりまして、東京の場合をまた例に申し上げますと、広域避難場所として指定されておりますもののほとんどが公園あるいは河川敷、グラウンド等の空地でございまして、市街化区域内の農地が広域避難場所として指定されている例はわずかであります。このことは、市街化区域内農地で広域避難場所として適切なものがやはり少ないのではないかというふうに考えるわけでございます。
 いずれにいたしましても、個々の地方公共団体におきましてその地域の実情に応じ、防災上必要であると考えられるものにつきましては生産緑地等に指定する等、防災上の考慮を払うことが必要であり、また一方、宅地化促進の要請にこたえていくことも必要であろうというふうに思うわけでございまして、地方団体におきまして適切な運用をされることを期待しておるわけであります。
#234
○中島(武)委員 建設省に伺いますが、宅地並み課税をC農地にまで適用するということになりますと、これは土地の売買が盛んになって相当な地価の高騰、値上がりを招くおそれがあるんじゃないかと思うのですけれども、この点はどういう見解を持っておられるか、伺っておきたいと思います。
#235
○吉田(公)政府委員 三大都市圏の特定市の中におきまして、農地の占める面積の中では、AB農地に比べましてC農地の面積が非常に大きいわけでございます。この三大都市圏のようなところでは、非常に宅地需給のアンバランスと申しますか、住宅建設のための宅地需要が非常に大きいところでございまして、かねてからC農地について、これも固定資産税の見直しを図るべきではないかという御意見がございまして、去る五十五年度税制のときの政府税調におきましても、五十七年度の税制のときにはこの対策を考えるべきだという御指摘があったわけでございますが、ただ、その際にも、長期的に営農を継続する希望の者についての配慮は十分に行いなさいということがございました。でございますので、今回の見直しに当たりましても、長期的に営農を希望する者についての配慮については十分に考えた形になってございまして、大都市地域におきます住宅宅地需要と、それから都市農業の健全な保全と、両者の調和のとれた形で今後の対策を進めてまいりたいという形になっていると思います。
#236
○中島(武)委員 この点は後でまたお尋ねしたいと思いますが、関連してこの問題をお尋ねしたいのです。
 それは、都市計画中央審議会にことしの一月二十六日に諮問をしておられますが、これは一体何を諮問したのか、その趣旨を最初に聞きたいです。
#237
○加瀬政府委員 都市計画法が施行後十四年を経過いたしまして、この間に市街化区域及び市街化調整区域に関する都市計画、いわゆる線引き制度でございますが、これによりまして都市の無秩序な外延的拡大を阻止しながら、市街化区域内の整備に一応の進展を見てきているというのが私どもの理解でございます。一方、しかしながら、市街化区域内における都市基盤の整備には、まだかなりの立ちおくれが見られるわけでございまして、また、市街化区域内におきましては、農地等の空地が依然多量に残っておるわけでございます。一方、住宅宅地需要は特に大都市圏において依然厳しい、こういう状況にございます。こういった状況に対処しまして、良好な市街地の形成を図るための都市整備の具体的方策について検討する必要がある、こういった観点から、一月二十六日に建設大臣から都市計画中央審議会に対しまして、良好な市街地の形成を図るための都市整備の具体的方策はいかにあるべきかにつきまして諮問がされたわけでございます。
#238
○中島(武)委員 大変抽象的なんで、ちょっと具体的にお尋ねします。
 これは、いわゆる線引き見直しを諮問したものですか。
#239
○加瀬政府委員 線引きの制度の見直しそのものを諮問したというよりは、むしろ現在の線引き制度の運用でございますか、これに伴いましていろいろ問題点が指摘されているわけでございまして、そういった事柄について、私どもとしては運用の改善を主として御検討いただければという観点から諮問しているわけでございます。
#240
○中島(武)委員 逆線引き、いわゆる市街化区域内の農地を調整区域へ編入するという、この逆線引きの問題もこの諮問の中には含まれているのか、それから調整区域内における開発許可の弾力化といいますか、これもこの中には含まれているのか、この点を伺いたい。
#241
○加瀬政府委員 問題として指摘されておりますのが、まさに、一つは市街化区域内に農地が多量に残存しているということでございます。
 これにつきましては、市街化区域内農地というものについての考え方が、当初私ども線引き制度が始まったときには、どちらかといえば市街化区域内は農地をやめて、開発をするという考え方だったことは事実でございますが、その後の都市住民のいろいろな御要望の変遷等もございまして、必要なものは緑地としてあるいは農地として保全する必要もあろうかというような声も多うございます。そういった点を含めまして、都市の中に残っている農地というものについては、ある場合には生産緑地あるいは緑地保全地区といったものとしての位置づけが必要でございましょうし、本当にまとまって永久に農地であった方がいいという部分につきましては、場合によりましては逆線引きということも考えられるのではないかということも、諮問した問題意識の底流にはございます。
 それから、調整区域内の問題につきましては、おっしゃった点もないわけではございませんで、どういうところを保全し、どういう開発なら許可してしかるべきかということも、当然検討の過程では含まれるものという理解をしております。
#242
○中島(武)委員 それでは、もう一つお尋ねしたいのですけれども、いま都市局長のお話では、線引き制度そのものを諮問したのではないのだというお話でしたけれども、建設省の内部には、この線引き制度というのはもう撤廃したらよいというようなことも議論されているのですか。
#243
○加瀬政府委員 私どもの役所は非常に自由濶達な雰囲気で、言論も自由に行われますから、議論の過程でいろいろなことを申す人間は、私を含めましておるわけでございます。しかしながら、制度の見直しの方が、線引き制度そのものをやめた方がいいというような考え方につきましては、少なくも私の前でそういう議論をしている者はございません。
#244
○中島(武)委員 それでは、宅地並み課税の問題なんですけれども、宅地並み課税で十年以上営農継続の意思を表明する、そういう人が多い地域、そういう市街化区域は、市街化調整区域に編入するということも考えておられますか。
#245
○加瀬政府委員 相当大規模にわたりまして農地がございまして、しかもそれが長い間農地として残した方がいいということでございますれば、むしろ調整区域に編入すべきではないかということは考えております。
#246
○中島(武)委員 ちょっと具体的な問題なんですけれども、東京都の例です。東京都は、昨年三月三十日の都計審で、一部の市街化調整区域を市街化区域に編入をして、一部の市街化区域を調整区域へ編入したのです。これは御存じだと思うのですが、このことに関して幾つかのことをお尋ねしたいのです。
 八王子の場合ですけれども、調整区域から市街化区域へ編入されたのは四百九十六ヘクタール、それから市街化区域から調整区域に編入したのは十一ヘクタール、したがって差し引きしますと四百八十五ヘクタールが八王子で市街化区域へ編入されたわけです。このうち大企業が買い占めている、どれだけの保有地を持っているかということを企業別に明らかにできますか。
#247
○加瀬政府委員 八王子市では市街化区域の拡大面積が、おっしゃるように四百九十六ヘクタール、企業による開発地が、八社ございまして、三百五十一・六ヘクタールとなっております。それで、現在事前協議中が九十四・三ヘクタール、それから事業中が百七十五・〇ヘクタール、完成済みが八十二・三ヘクタールというふうに聞いております。
#248
○中島(武)委員 私の方でもいろいろ調べたのですけれども、そうしますといまの四百八十五ヘクタールのうち三百五十四・七ヘクタールが大企業の持っている保有地なんですね。つまり私の方の数字を使いますと、七三%が大企業の保有地ということになるわけですね。それで、線引き見直しをやったときにかなりのところが実は開発をしていたわけですけれども、開発をしていないところがあったわけです。これは私どもの調査によりますと、日本電建と第一生命と殖産住宅ということであります。それで、これらの土地は一体いつ取得したのかということを調べてみますと、日本列島改造論のブームが起きる直前の七〇年代後半に大体買い占めがやられているものです。当時一体幾らで買ったのかということについて、調べておられますか。
#249
○加瀬政府委員 価格までは調査しておりません。
#250
○中島(武)委員 国土庁の方で調べておられますか。
#251
○小笠原政府委員 私どもで調査をしておりますのは、資本金一億円以上の企業が現在持っております販売用土地の中で、四十四年から四十八年の当時に購入されたもの、国土庁発足前に購入されたものが多いということだけは調査しておりますが、国土庁発足前のことでありますし、当時の価格等の調査はいたしておりません。
#252
○中島(武)委員 これは私らの調査によりますと、三・三平米で三千円から四千円ぐらい、それから飛び切り高い場合でも一万円ぐらいで取得しているのですね。市街化区域に編入することによってどれだけ値上がりしているかという問題が問題になるのですけれども、国土庁、八王子の場合この辺は調べておられますか。
#253
○小笠原政府委員 私どもが地価調査の対象といたしておりますのは、市街化区域の中にあります現況宅地、これが中心でございまして、新たに調整区域から市街化区域に編入されたものでまだ宅地になっていないものについて、特に調査はいたしておりません。
#254
○中島(武)委員 これは地元不動産業者などに当たって聞いてみましても、三・三平米、つまり一坪大体五十万円ですね。三千円か四千円で買ったものが五十万円になっているのですよ。しかもさっき言いましたように、相当部分は実は大企業が保有しているということなんですね。
 それで、非常に粗っぽい私の試算をやってみたのです。非常に粗っぽいから御了解をいただきますが、購入単価、それから線引きを変更したときに、いま言ったように五十万ですね。仮にこれを売却するという場合のことなんですけれども、銀行の金利負担、それから特別土地保有税、宅地造成費、それから有効宅地率を五〇%ぐらいと見るというふうにして、土地の譲渡税の問題だとか、これらを計算しますと、純利益だけでも原価の三倍から四倍ぐらいのもうけになる。つまり百億、仮に名前を挙げておきますとへ第一生命が三十二ヘクタール持っているのですけれども、それぐらいになるということなんですね。これは線引き見直しというのは、調整区域に投機を目当てに買い込んでおった大企業にとっては大変な救いになるという問題であります。しかも非常な地価の高騰をもたらすということにもなりまして、また企業の大変大きなもうけを保障するという結果にもなるわけですね。
 そういう点から埼玉県の場合についてもちょっと伺いたいのですけれども、埼玉県における調整区域内の大企業の所有地が一体どれだけあるかということについて、わかれば企業別に、企業別がぐあいが悪いというのでしたら総トータルでお尋ねしたい。
#255
○小笠原政府委員 国土庁の行っております企業土地調査につきまして、都道府県別の厳密な集計をいたしておりませんが、たしか埼玉県の中で、資本金一億円以上の企業が調整区域の中で保有している土地は、一昨年現在千ヘクタール前後であったはずでございます。
#256
○中島(武)委員 千ヘクタールですか。私が県の方に聞いたところによりますと、二十ヘクタール以上の大規模の場合でも約二千ヘクタールというふうに聞いています。それから、それも未利用地として残されているかどうかということになると、もうほとんどが未利用地として残されている、こう聞いているわけです。それから五十ヘクタール以上だったらどうだということになりますと、これも相当なものが調整区域内にあると聞いていますけれども、この辺も国土庁は調べておられますか。あるいは建設省でもよろしいです。
#257
○小笠原政府委員 私どもの調査に上がってまいりますのは企業が保有している土地でございまして、その結果からすれば、私の記憶ではたしか千ヘクタール、調整区域でございますから、当然のことながら約九割が開発に着手できないということであります。
 なおそのほか、これは想像でございますが、農地については所有権の移転ができませんので、仮登記の形で保有になっていないものもあるいはあろうかというふうに思っておりますが、それは私どもの調査には上がってまいりません。なお企業別のデータ等は、私どもの方では掌握をいたしておりません。
#258
○中島(武)委員 実は埼玉県の資料によりますと、五十六年の四月調べによりまして、五十ヘクタール以上の大規模未利用地、これは千四十五ヘクタールあったわけです。それが今日に至るまでに開発に手をつけたというところがありますので、それが三百三十五ヘクタール、残っておりますのが七百十ヘクタール、これは八二年三月二十三日調べであります。実はどこが持っているかということもわかっているのですけれども、時間の関係もありますので省略しますが、ほとんど民間デベロッパーが持っているということであります。
 それでは地価の状況はどういうふうに変化しているか。これはもう私の方から言いますけれども、五十五年七月一日の埼玉県の調査によりますと、調整区域の平均が七・七%の値上がりです。これに対して市街化区域に編入したところは一八・五%の値上がりだった。五十六年七月一日調べでは、平均が六・二%で、編入されたところは一八・五%の値上がり。値上がりの傾向というのは非常にはっきりしているわけです。この点が、先ほどの線引きの見直しの諮問問題と関係して言いますと、自治体が硬直的だからもっと開発規制を緩めなければならぬというようなことになりますと、結局大企業がほとんど土地を持っている、しかも膨大な土地を持っている、それの開発に許可を与えてやるということによって、大企業がいままで陳情これ努めてきたというようなことが実現をしていくということになるわけですね。しかも地価が非常に高騰する、こういうことが生じてくるわけです。
 時間がありませんから私はもうこの辺で申し上げませんけれども、三大都市圏における資本金一億円以上の企業の販売用土地で、市街化調整区域にある土地、面積は幾らあるかということについては国土庁が発表されております。そのうち開発に未着手のところは幾らあるか、これも国土庁がその面積を発表しておられる。八四%でしょう。だからほとんどのところは開発に着手されていない。さて線引き見直しを行うあるいは開発規制を緩和するということになれば、私が先ほどから言っているような問題が生じてくるのじゃないか。これは主として調整区域の問題ですけれども、しかし宅地並み課税との関係でいいますと、土地の取引が非常に活発になる、そういうところから地価の高騰を招くということになると思うのであります。この点を国土庁、建設省に伺いたいのですけれども、地価の抑制の手だてというものをきちんと持っておられるのかどうか、この点を伺いたいと思う。
#259
○小笠原政府委員 お答え申し上げます。
 国土庁として地価抑制策の内容を申し上げますと、やはり二つあると思います。
 一つは、かつて四十四年から四十八年の間に企業に、必ずしも当面の利用目的なしに土地が大量に買われた、こういうような投機の再発を防止する、土地の取引をできるだけ実際の需要に結びついた形に誘導するということが大事だろうと思っております。
 それから第二は、特に三大都市圏を中心に、やはり何といいましても根強い住宅宅地需要に対しまして、ここ数年供給量が落ち込んでおります。これはいろいろな形で供給量をふやしていく、そのための総合的な対策をいろいろと組み合わせて講ずる、それと同時に、新規宅地の供給ばかりに依存することなく、既成市街地の中の土地の高度利用についても宅地供給の一環としてこれを考えていく、これらの対策を総合的に講じていくことが地価抑制の決め手ではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
#260
○吉田(公)政府委員 地価対策といたしまして直接的な価格統制ということは非常に困難でございます。
 私ども考えておりますのは、土地の円滑な供給を進めることによって需給のアンバランスを是正するということが一番大きな対策だと思っております。その過程におきまして、良好な土地が適正な値段になっていくようにいろいろの努力をしていくべきだと思っております。そういう意味で、市街化区域の中におきますたとえば長期営農の意思のない農地について、これを的確なタイミングで宅地化を図っていくということも一つの方策でございます。
 それから調整区域でございましても、これの見直しをしていくとかあるいは開発許可をして、都市計画上支障のない宅地というものが良好な状態で供給されるような形になってまいりますと、これも宅地需給のアンバランス是正には役立つというふうに思っております。
 なおまた、宅地供給に当たりまして、関連公共施設の整備の問題でございますとか、宅地のコストアップを来しているいろいろの事情がございますので、そういったものに対します対策、たとえばいろいろの公共団体の指導によります問題の中で行き過ぎた面もございますので、こういうものについての適切な指導、その他総合的な対策を講じまして、良好な宅地を円滑に供給していくということによって、宅地需給のアンバランスの是正ということで努めてまいりたいと思っておりま
#261
○中島(武)委員 宅地需給のアンバランスの是正というお話なんですけれども、現実にはそうはなってないから、先ほどから私言ったように大変な値上がりが起きているわけですね。三、四千円で買ったものが五十万円だ、こういう事態が生まれてくる、これでも国土利用計画法というのは適用できないのですか。これは国土庁ですか。
#262
○小笠原政府委員 私どもの価格の計算の仕方でございますが、たとえば線引きの変更によりまして、従来農地あるいは林地であったものが市街化区域の中に編入をされたということは、宅地ではなくて宅地見込み地になったということであろうかと思いますが、それから仕上がってくる土地というのが逐次既存の宅地の値段に近づいてくるということであろうというふうに思っております。
 たとえば十年前に、将来線引きがかなり行われてここは市街化区域になるかもしれないとかあるいは土地利用は考えていないけれども、あの当時のことですから、単に転売利益を期待をして取引を行うということが横行いたしますれば、当然のことながらいずれも規制区域を発動すべき事態と言えると思います。ただ、最近、国土利用計画法施行以後そのように、これからあるいはいつ調整区域から市街化区域に線引き見直しされるかもしれないということで、計画なしにそのような土地の投機的取引を行うという事例は、五十年代に入ってから影をひそめているというふうに思っております。ただ、そのような事態が発生をいたしますれば、当然法の対象として取り上げるということになるべきものでございます。
#263
○中島(武)委員 いまいろいろ答弁がありましたけれども、実際には非常に地価が高騰している。先ほど言ったような具体的な事実を挙げて私申し上げているのですけれども、これを抑えるための手だてというのが、いろいろ言われましたけれども、国土利用計画法がつくられたというのもそういうことだった。だけれども、国土利用計画法の十二条、これを見ても縛りが二つかかりておりまして、土地の投機的取引とそれから地価の急激な上昇、これも見方によっては、しかも二重の縛りになっているものですから、これは一回も適用されていない。私らは、そうなるのではないかということをこの法案ができたときから指摘をしてきたのですけれども、しかし、やはり現実に役に立たないということになってきていると思うわけであります。やはり線引き見直しとか開発規制ということは、大企業を救ったりあるいは地価の高騰を結局招くだけではないかということを私は指摘をしたいのです。
 それから、時間の関係もありますのでちょっと次に移らせてもらいたいのですが、特定市街化区域農地宅地化促進法、これに関連して私はちょっと伺いたいのですけれども、タウンズファーム、分区園緑地の制度ですね、これを今度建設省でつくられた。これの制度をごく簡単に御説明願いたい。
#264
○加瀬政府委員 今回タウンズファーム、これは分区園緑地と言っておりますが、これを五十七年度予算から採択したい、かように考えておるわけでございます。これは市街化区域内農地をおおむね十年ぐらいの期間で借地をいたしまして、そのうちの半分を一般の方も利用できる公園施設として整備する。一方、残りの半分につきましては、一般の方に貸し農園として、それぞれの方が農地を耕すことを楽しんでいただく、こういったことによりまして、都市住民への菜園等の提供とあわせまして、都市の緑、子供の遊び場の不足の解消、こういったことを考えたいということでございます。規模といたしましては、おおむね〇・五ヘクタール以上のものを考えております。
#265
○中島(武)委員 大都市では多くのところでそうですが、この東京でも農民は宅地並み課税を払うよりはということで区や市に貸して、区は、これを区民農園あるいは市民農園として大変区民に親しんでもらっているわけです。非常に区民農園に対する区民の要望が強いわけでありまして、これは板橋区の場合をいいますと、二十七農園、三千三百七十二区画、総面積七万五千二百三十七平米。ところが申し込み者数は二・二倍の七千五百名に達しているわけですね。
 そこで、いまの局長から説明をいただいた点では、タウンズファームの制度は板橋の場合適用されないわけですよ。幾つかのネックがあるのです。それは借地期間が十年、これだと農民の中には不安があって、これでは長過ぎて困る、とられてしまうのではないかというような心配があったりする。それから、一般園地の広さが、先ほど半分半分と言われましたけれども、これは大き過ぎて、実際にはトイレや水飲み場やパーゴラや農具の収納庫などはあるのですけれども、しかし二倍を超える倍率で申込者があるものですから、一般園部分を小さくせざるを得ない、こういう点が生じるのです。
 そこで一般園地は小さくてもこの制度が適用できるように、実態に合わせて検討できないものかということですね。それから借地期間も十年、こういうのではなくて、これを短縮できないものか、その辺は検討できないのかということを伺いたい。
#266
○加瀬政府委員 御指摘の点は私どもよく理解できるのでございますが、何分都市公園としての都市計画決定をし、それから補助事業として採択するということでございますので、若干の縛りもやむを得ず必要かと考えております。その場合に、これは始めたばかりの事業でございますから、やはりその半分ぐらいは一般の方々の御利用に供せる部分がなければいけないだろうという考え方が一つ。それから、せっかく補助金を投じまして施設整備をするという関係もございますので、少なくも十年ぐらいは借地する必要があるのではないか、こういう考え方でスタートしたわけでございます。なお、事業を進めながら御指摘の点も十分踏まえまして、どういうふうに運んでいったらよろしいか、考えてみたいと思っております。
#267
○中島(武)委員 もう一点だけこの問題に関して質問しますが、この制度そのものは私は非常に大事な制度だと思うのですね。そういう点から一つだけ聞いておきたいのですけれども、一般園地のいろいろな施設をつくる、このほかにも一般園地を整備する整備費も補助対象になるわけでしょう。そこはどうですか。
#268
○加瀬政府委員 公園施設の整備に要する費用は補助対象になります。
#269
○中島(武)委員 ただ、来年度、五十七年度の予算で組まれているのは非常に対象が少ないのですね。ぜひひとつ、これをもっと拡大するように要請しておきたいと思います。
 それからこれも関連して伺いたいのですが、行管庁は来ておられますか。
 三月一日付の新聞で公的住宅の建設及び管理に関する行政監察結果報告書案というのが報道されました。そこに何が書いてあるかといいますと、住宅・都市整備公団が建設する賃貸住宅は東京圏に、また分譲住宅は東京圏、大阪圏に限定する、こういうことを提言しているというのですね。それから建設が完了しているのに入居募集をしていない保守管理住宅などは、公営住宅化するほか民間へ譲渡する。それから取得後三年以上住宅用地に利用されていない長期保有土地は、学校、工場、病院、農地などとする。それから現行の家賃、分譲価格の算出方法などを改善し、その引き下げを図る云々ということが書かれているわけであります。
 そこで、報道されたこの行政監察結果報告書案は大体このとおりなのかどうか。
#270
○橋元説明員 行政管理庁では昭和五十六年の四月から六月にかけまして、公的住宅の建設及び管理に関する行政監察を実施しておりまして、この監察結果につきましては現在取りまとめ中でございます。したがいまして、先生御指摘の結果が出ている段階にございません。以上でございます。
#271
○中島(武)委員 そうすると、この新聞報道は全く事実無根ですか。それから、まだいま報告を取りまとめ中だといういまのお話なんですけれども、事務局案あるいは担当者の案として、一応このような案を取りまとめたのではないか。正規に番だまとめているわけではないけれども、担当者がこういう案を取りまとめたんじゃないだろうか、あるいは事務局案としてつくったんじゃないだろうかという気もするのですが、いかがですか。
#272
○橋元説明員 まだ調査結果を取りまとめ中でございます。調査結果を取りまとめるに当たりましては、報告書の内容につきまして事実確認が非常に大事な作業でございます。したがいまして、事務局としましては現在関係機関と報告書に盛るべき事実確認作業を急いでおりまして、新聞に書かれたことにつきまし三その事実確認の過程で一応議論したことはございますけれども、行政管理庁、少なくとも行政監察局内ではっきりした形で確定したものではございません。
#273
○中島(武)委員 そうすると、議論したことはあるというのがいまの答弁でございますね。議論したことがある、そういうふうに受け取っていいですか。
#274
○橋元説明員 議論している当事者は監察官以下の段階でございます。
#275
○中島(武)委員 この公的住宅建設及び管理に関して監察を一年間やられた。これはどういう項目で一体おやりになっておられるのか。この点、項目を伺いたい。
#276
○橋元説明員 項目は公営住宅、公団住宅等の公的住宅を対象としまして、住宅の需給状況、住宅の供給体制、公的住宅の建設、公的住宅の管理の四項目でございます。
#277
○中島(武)委員 このねらいは一体どういうところにあるのでしょう。四項目と言われましたね。
#278
○橋元説明員 この監察は、最近の住宅事情が、全国的には住宅数が世帯数を上回っておりまして量的には充足しているものの、大都市圏を中心に住宅に困っているとする世帯が多いので、このような住宅を含めまして、公的住宅の供給をいかにすべきかという点をねらいとして実施しております。
#279
○中島(武)委員 さっき四項目の中に供給体制についても監察をしているというふうに言われましたが、東京圏、大阪圏以外で公団住宅を建設する必要があるかどうかというようなこともこれは含まれているのですか。
#280
○橋元説明員 住宅の供給のあり方につきましては、全国的に見ましてどこに住宅需要が強いかという点については調査してあります。
#281
○中島(武)委員 結果が取りまとめられて、そして何が勧告されるかということを見なければわからぬのです。そしてまた、いまの段階では先ほどまでの答弁しか出てこないのですけれども、しかし項目という点から言いましても供給体制とか需給状況とかいうようなことがやられているわけですね。
 そうすると、大臣、これはちょっと伺っておきたい点なんですが、これは新聞で報道されるようなことが議論はされていたというわけです。事実無根というのじゃない。さて、実際問題として、公団住宅の場合、賃貸は東京圏とかあるいは分譲は東京圏と大阪圏だというようなことになってくると、これは非常に重大な問題なんですね。大臣御存じのように、住宅・都市整備公団法の第一条、ここには「大都市地域その他の都市地域において健康で文化的な生活を営むに足りる良好な居住性能及び居住環境を有する集団住宅及び宅地の大規模な供給を行う」ということがうたわれているわけですね。それから四期五計におきましても、これまたすでに閣議決定に基づいて、しかも建設省としましても地方の住宅建設計画というものについて言っておりますが、公団住宅だけに関してみましても二十万戸建設をすると言っているのは何も東京、大阪圏に限るわけではないのです。私は、そういうふうに監察結果報告が出てくるとか、勧告がされるに違いないなどということを言うのじゃないのです。しかし、議論はされていた。それでそういうことが対象になっている。それが出てこないということでもない。出てきたという場合には、私は住宅・都市整備公団法の目的の第一条あるいは四期五計の計画というものにも違反すると思うのですね。これは非常に重大な問題になってくると思うのです。その点で大臣の見解を聞きたいのです。
#282
○始関国務大臣 公的住宅の建設及び管理に関する行政監察につきましては、昨年来行政管理庁による監察が進められておりまして、現在担当者レベルにおいて調査事実の確認を行っている段階であると事務当局から報告を受けておりますが、その具体的内容については承知いたしておりません。でありますから、いろいろな問題について論評を加える段階ではないと思いますけれども、ただいまやっております住宅建設五カ年計画は、住宅の量を問題にしておると申しますよりは、質の向上を問題にしておるのでございまして、そういう意味において大変問題が多い。なおまた地域のいかんによりまして、最低居住水準という観念があるわけでございますが、自力で最低居住水準を確保できない階層が少なからずおる地域というものは、日本全体を通じてほぼ言えるところだろうと思うのでございまして、建設省といたしましては、今後需要動向等を十分勘案しながら、これらの地域における公団住宅の的確な供給を図っていくことが必要であって、これはやはり公団の設立の趣旨に合致しておるものだと考えております。
#283
○中島(武)委員 時間が全くなくなりまして、実は三月十九日、当委員会で小林進委員に対して川本局長から雨量レーダー問題について答弁がありました。私は、この局長の答弁ははなはだ納得できない答弁だと思っているわけです。それで、このことについて私はきょう質問をしようと思ってわざわざ局長に来てもらったのです。しかし、見ますと時間が過ぎてしまっているということで、私は決してこのままにはしておきません。しかし、きょうはこれをやる時間的余裕がありませんので、非常に残念ですけれども、次回の機会にもう一回出てきてください。この問題について、きわめて納得できない答弁でありますので、もう一度やりたいと思っています。
 これで質問を終わります。
#284
○村田委員長 これにて両案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#285
○村田委員長 これより農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案について討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#286
○村田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#287
○村田委員長 次に、特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案について討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。山花貞夫君。
#288
○山花委員 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案について、反対の立場から討論をいたします。
 本法案は、前述の法律を三年間延長しようとするものでありますが、これは地方税法附則で定めるいわゆる農地の宅地並み課税を前提とした措置となっております。
 わが党は、この宅地並み課税について、土地税制の原則を逸脱し、農民の職業選択の自由を奪うとともに、健全な都市の育成を妨げ、ひいては大都市住民の健康を阻害するものと考えます。わが党は、農地はあくまでも農地課税であるとの原則に立ちつつ、十年間営農の意思あることを条件とする市街化区域内農地の課税制度と、同地域内における都市農業振興め具体策を提起し、目下農林水産委員会に仮称都市農業振興法案を提起すべく準備いたしております。
 しかし、政府が今国会に提案している地方税法改正案は、ひたすら農地の宅地化、民間デベロッパーに対する農地の切り売り促進を図るものであり、農地課税の原則及び都市農業の今日的意義を否定しており、さらにはあるべき住宅建設をも軽視したものとなっており、わが党は強く反対するものであります。
 政府みずからが参加をした、五十一年に開催された国連人間居住会議、いわゆるハビタットにおいては、その国内行動勧告で、「農用地から都市用地への転換は、公的管理、規制に従うべきである」と特別にうたっており、また近年へ自民党政府は都市の活力と農村のゆとりを結合したところの田園都市国家構想を提起しておりますが、農地の宅地化促進は、ハビタット、田園都市構想の理念に全く相反しております。
 また政府は、五十七年度の土地税制改正案において、特別土地保有税について、保有期間が十年を超えたものについては課税から外すこととしておりますが、一方において農民から農地を奪い、一方においては投機を目的として土地購入を行った者が持つ未利用地に対する課税をやめることは不合理というしかありません。さらに、農地を民間デベロッパーに開発させようとすることも住宅、宅地政策上の誤りであり、農民に勤労者の住宅建設を行わせようとするのも誤りであります。
 土地価格の抑制のために公的規制を強力に実施する、また、市町村における長期的な土地利用計画を住民の参加のもとに定め、農地の永久保全を図るとともに、公有地の拡大、公共住宅の建設を促進する、これらの措置こそ今日において早急に実施、推進すべきものであり、都市近郊農地及び農民に土地住宅政策の矛盾を転嫁しようとすることは本末転倒であると考えます。
 したがって、わが党は本法案に反対するものであり、政府の姿勢の転換を強く要求し、討論を終わります。
#289
○村田委員長 中島武敏君。
#290
○中島(武)委員 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました特定市街化区域内農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部改正案について反対の討論を行います。
 反対の理由の第一は、本改正案が、三大都市圏の市街化区域内農地への宅地並み課税を実施する地方税法改正案とセットで出されていることからも明らかなとおり、都市農業と都市近郊農地の果たしている役割りを全く無視した、農地の宅地化促進をねらったものであるからであります。
 周知のように、都市農業は新鮮な野菜や牛乳などの供給源として、また、地震などの災害の避難地として、さらには緑豊かな環境を保全する意味でもきわめて重要であります。
 しかるに政府は、本改正案と同時に提出した地方税法改正案で、三大都市圏のC農地まで宅地並み課税を拡大し、しかも従来あった減額制度を廃止したのであります。これは明らかに宅地並み課税の恒久化であります。本改正案は、このような都市農業破壊の一環として提出されたものであり、宅地並み課税の撤廃を求める農民と国民の声にこたえるものではありません。
 反対の第二の理由は、本改正案による農地の宅地化が土地の高騰を招くことについてであります。
 すなわち、新たにC農地まで宅地並み課税が拡充されることにより、民間デベロッパーなどの土地取引が活発化し、土地の高騰化を招くことは必至であります。政府は、本改正案による宅地供給によって大都市周辺における住宅問題を解決すると言っていますが、本改正案は良好で低廉な住宅を望む国民の声に背くばかりか、都市農業の役割りを全く無視したものと言わざるを得ません。
 二年続きの実質所得の低下と五年連続の実質増税によって、国民の生活はきわめて深刻なものとなっています。政府はこのような国民泣かせ、農業破壊の住宅土地政策ではなく、いまこそ賃貸住宅の大量建設を行うとともに、調整区域に土地を買い占めている大企業への適正な規制を実行すべきであります。
 以上のような点から、本改正案に反対するものであります。
#291
○村田委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#292
○村田委員長 これより採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#293
○村田委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 ただいま議決いたしました両案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#294
○村田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
#295
○村田委員長 次に、内閣提出、住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。始関建設大臣。
    ―――――――――――――
 住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#296
○始関国務大臣 ただいま議題となりました住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 住宅金融公庫は、昭和二十五年設立以来国民大衆の住宅建設に必要な資金等を融通することにより、国民の住生活の安定と社会福祉の増進に寄与してまいったところでありますが、今後なお一層国民の良質な住宅の取得の促進と、良好な居住環境の確保を図っていくためには、住宅金融公庫の融資について、その効率化にも配慮しつつ、諸般の改善措置を講ずることが必要であると考えられます。
 この法律案は、以上のような観点から、今国会に提出された昭和五十七年度予算案に盛り込まれている住宅金融公庫の業務に係る貸付制度の改善等に関して、住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法に所要の改正を行おうとするものであります。
 次にその要旨を申し上げます。
 第一に、良質な宅地の供給を促進するため、宅地造成資金貸し付けの対象事業として、借地方式による宅地造成事業、特定土地区画整理事業以外の土地区画整理事業等を追加することといたしております。
 第二に、簡易耐火構造の住宅に一定の耐火性能を有する構造の住宅を加え、住宅金融公庫の貸し付け内容の充実を図ることといたしております。
 第三に、土地担保賃貸住宅資金貸し付けの対象建築物について、階数が三階以上とされている要件を緩和することといたしております。
 第四に、規模の大きい住宅に対する国民の要望にこたえ、良質な住宅の取得の促進を図るため、個人住宅資金貸し付けに係る貸付金について、住宅の規模に応じて異なった貸付金額及び利率で貸し付ける規模別貸付制度を導入することとし、これに伴い一定の規模の個人住宅に係る貸付金の利率の特例を設けることといたしております。
 第五に、個人住宅建設資金貸し付け及び賃貸住宅資金貸し付けの貸付金について、貸し付けの日から十年経過後においては、当初十年間の利率の上限とは異なる利率を上限とする段階金利制を導入することといたしております。
 なお、所得が低額であり、かつ、特に居住の安定を図る必要がある者については、貸し付け後十一年目以降においても、当初十年間における利率を適用することができるよう措置することといたしております。
 第六に、適切な住みかえを促進し、住宅の有効利用を図るため、既存住宅の購入に係る貸付金の利率を引き下げるとともに、貸付条件を法律で定めることといたしております。
 第七に、住宅積立郵便貯金の預金者に対する貸し付けについて、通常貸し付け分と割り増し貸し付け分とを分離して貸付金の利率を定めるとともに、みずから居住するため、施設建築物内の住宅を購入する場合を貸し付けの対象に加えることといたしております。
 第八に、計画的な貯蓄による住宅または宅地の取得を推進するため、現行の宅地債券制度にかえて、住宅金融公庫住宅宅地債券制度を創設するとともに、債券引受者に対して割り増し貸し付け等を行うことといたしております。
 第九に、公庫融資に係る賃貸住宅の家賃限度額を算定するに当たり、著しい建築物価の変動等が生じた場合において、参酌すべき費用に関する規定を整備することといたしております。
 第十に、住宅金融公庫の昭和五十七年度から昭和五十九年度までの各年度の特別損失について、後年度に国が交付金を交付して補てんすることといたしております。
 第十一に、これらの改正に伴い、所要の規定の整備を行うことといたしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。(拍手)
#297
○村田委員長 以上で趣旨の説明聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ります。
 次回は、明二十四日水曜日、午前九時三十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時五十五分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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