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#1
第096回国会 建設委員会 第8号
昭和五十七年四月七日(水曜日)
    午前十時一分開議
 出席委員
   委員長 村田敬次郎君
   理事 稲村 利幸君 理事 大塚 雄司君
   理事 住  栄作君 理事 竹中 修一君
   理事 木間  章君 理事 中村  茂君
   理事 薮仲 義彦君 理事 渡辺 武三君
      足立 篤郎君    鴨田利太郎君
      川崎 二郎君    瓦   力君
      國場 幸昌君    桜井  新君
      田村 良平君    登坂重次郎君
      東家 嘉幸君    松本 十郎君
      前川  旦君    山花 貞夫君
      横山 利秋君    瀬崎 博義君
      中島 武敏君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 始関 伊平君
 出席政府委員
        国土庁土地局長 小笠原正男君
        建設大臣官房長 丸山 良仁君
        建設省計画局長 吉田 公二君
        建設省住宅局長 豊蔵  一君
        建設省住宅局参
        事官      松谷蒼一郎君
 委員外の出席者
        行政管理庁行政
        監察局監察官  塩路 耕次君
        大蔵省主税局税
        制第一課長   滝島 義光君
        大蔵省銀行局大
        臣官房企画官  鏡味 徳房君
        大蔵省銀行局保
        険部保険第二課
        長       松田 篤之君
        国税庁直税部資
        産税課長    平北 直巳君
        住宅金融公庫総
        裁       大津留 温君
        住宅金融公庫理
        事       関口  洋君
        住宅金融公庫理
        事       福永 徳一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進
 法の一部を改正する法律案(内閣提出第三五
 号)
     ――――◇―――――
#2
○村田委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木間章君。
#3
○木間委員 公庫法の質疑に入るわけでありますが、その先に大臣に一言お尋ねをしておきたいと思うのです。きのうの閣議後の記者会見で始関大臣は、この国会の中で大変問題になりました談合問題について発表されておるのでありますが、その真意をまずお尋ねしておきたいと思います。
 新聞報道によりますと、「質問は、故意(にわい曲したもの)」であったのだ、このように実はおっしゃっておいでのようです。いろいろ調査をしたけれども、無意味のものだった、このように新聞からは受け取れるのでありますが、大臣の真意をただしておきたいと思います。
#4
○始関国務大臣 読売新聞の囲み記事というのは私はまだ見ておりません。きのう私がお話をいたしましたのは、談合という問題についてのいろいろな側面がございますが、一つの大きい側面は、談合が実際起こった場合にどう対処するかという問題ですね。あとは一般的な意味で談合の防止あるいは発注制度の改善合理化、この二つに大きく分けられると思うのでございますが、片っ方の問題につきましては実はこれは非常にむずかしい問題だし、それから建設省関係の法令を調べましても、談合が違法だというようなことを書いた法律はない。これはおのずから他に司法機関あるいは準司法機関というようなものがありまして、そこで問題にすればなる、こういう性質の問題だと思うのでありまして、特にこれは刑法の贈収賄とか選挙違反の買収とかいうようなことと同じで、双方の一種の共謀によるものでございますから、そういう意味で当事者の一方の発言だけでは証拠能力がないということもございましてめんどうな問題である、こういうことをお話ししたのでありまして、別に突拍子なことを言ったわけでもないし、きわめて常識的なお話をしただけであります。
#5
○木間委員 大臣、大変ひんしゅくを買うような発言をいまも続けられておるのであります。と申しますのは、建設省のいろいろの書類の中に談合罪を規定したものはない、こういう御発言。さらに談合が起こったときに対処をするのだ、こういうことでずっとつづられておるわけですね。となりますと、もちろん工事の発注の役所でありますから、そういうことがないようにかねがね皆さんが万全の注意を払って対処されてきたと思います。そういった面では建設省一連の法律の中にもそれはあるいはないかもしれません。ないからといって官房長以下役所の皆さんは注意をサボってきたわけではないと思うのです。だって大臣もこの間国会で、襟を正していこう、そのためにはいろいろ疑惑を招くようなことがあったやもしれない、そういう発言。さらに幾つかの個々の指摘に対しましてはこれから調査をいたします、まだその報告はこの国会で私どもは聞いておりませんけれども、指摘については調査をしますということだったんですよ。ですから、この談合そのものにずっと皆さんが注意を払ってこられたことに対して、大臣のいまの御発言では私は納得できないのです。もっともこのポストに急につかれまして、いままでの経験がないということであればまだでありますけれども、大臣も議員活動は大変長いんですよ。ある意味では私どもの先輩なんですね。大先輩なんです。そういった意味で国政全般について国民の疑惑がないように、また国民の皆さんが国会のいろいろの制度になじんでいただくようにやってこられたと思うのです。それは確かに建設省の一連の法律の中にはないかもしれませんが、刑法の中には談合罪というのがあるじゃないですか。そういった面では、大臣のいまの認識は全く不届きだと私は言わざるを得ないのです。もう一遍答弁してください。
#6
○始関国務大臣 建設省も発注官庁でございますから、発注の方式、入札制度の合理化とか、談合の疑惑のあることは大変遺憾としておりまして、それに対処することに全力を挙げておるわけでございます。ただ、談合が起こってしまってからのぎりぎりの決着のそれに対する態度と申しますか、国家的な対応というものは、いま申し上げたようにそれぞれの機関がある。われわれの方は強制捜査権はないわけでございますから、その範囲内においてできるだけ事態を明らかにいたしまして、そういう疑惑が起こらぬようにという意味で努力をしておる、こういうことでございます。
#7
○木間委員 ますますけしからぬですね。建設省としては捜査権がないから、いまの段階では全く誤解だったとかあるいはさらにここに出ておるのは、故意に歪曲をしておるとか、調査もなしでどうしてそういうことが言えるのですか。
#8
○始関国務大臣 故意に歪曲したものであるとかなんとかいうようなことは申しておりません。
#9
○木間委員 新聞報道ですから直接私ども聞いたわけではありませんが、結果的には建設省はこの間にたとえば指定業者の数をふやすとか、いろいろ手だてを真剣に考えてきておいでるわけです。それを全く長たる者の責任者が上のそらでやっておいでるのじゃないでしょうか。これはそういうことで厳重に大臣に注意を喚起し、私の気持ちとして抗議を申し上げておきますよ。
 それでは公庫法の中身に入らしていただきたいと思います。
 まず質問の初めは、行革法との関係について若干のお尋ねをしておきたいと思います。
 行革特例法第十七条の政令が去る三月三十日に公布されました。住宅改良について、従来の貸付条件あるいは貸付限度額、償還期間、そして金利あるいは最近の貸付実績等、政令施行後の貸付条件の変化、とりわけ返済金などについて年額どれくらいの負担増になるのか、まずお尋ねをしたいと思います。
    〔委員長退席、稲村(利)委員長代理着席〕
#10
○豊蔵政府委員 お答えいたします。
 昨年暮れに成立いたしましたいわゆる行革関連特例法に基づきまして、本年の四月一日から住宅金融公庫の住宅改良貸し付けにつきまして、従来金利が六%でございましたものを六・五%と引き上げさせていただいたわけでございます。この住宅改良につきましては、従来は貸付限度額が二百七十万円でございましたが、五十七年度からこれを三百万円に引き上げることといたしております。また、償還期間は十年ということになっているわけでございます。
 従来のこの住宅改良の貸付実績を見ますと、おおむね五万戸から六万数千戸の台になっているように思われます。この金利を六%から六・五%に引き上げることによりまして、仮に貸付金を三百万円限度いっぱい借りられた場合の償還金の増加額は、月当たりにして七百五十八円に相なっております。また、今回貸付限度額を三十万円引き上げましたので、このことを考慮いたしまして、仮にその三十万円の金額を民間の住宅ローンによって借りて建設をするとした場合は、民間の住宅ローンの金利が公庫より高くなっておりますので、その分と今回の公庫の条件改善による分とを比較いたしますと、単純に見ますと月当たり千六百円余りの償還金の減に相なっております。したがいまして、限度額の引き上げ等も勘案して両方を考えますと、おおむね現状とほぼ見合うものではなかろうかというふうに考えているところでございます。
#11
○木間委員 同様の中身で、関連公共施設の問題についてもお尋ねをしておきたいと思います。
#12
○吉田(公)政府委員 関連公共施設につきまして、貸付条件といたしまして利率を従来六・五%でございましたものをこの期間中財投の金利、現行で申しますと七・三%に引き上げるわけでございますが、そのほかの貸付条件でございます融資率とか据え置き期間とか償還期間というものにつきましては現行どおりでございます。
 それで、従来の実績でございますが、五十五年度におきましては予算として八十億の予算でございまして、これに対しまして六十七億ほどの支出でございます。五十六年度におきましては同じく八十億でございますが、これに対しまして八十億を使い切っているという状態でございます。
 なお、この関連公共施設につきましては、本来公共団体が行います公共施設の整備に対して、いわゆる五省協定に基づきまして、関係各省が将来の補助事業を約束したものについて立てかえという形で融資するわけでございますので、本来的に将来補助金とかあるいはこれに伴う起債がついてきたときにこれに振りかえてまいるわけでございます。その期間でございますので、そのネットの差額というものが金額の負担としては非常に小さい額でございますし、本来的に宅地価格そのものにはね返る形にはなっていないということでございます。
#13
○木間委員 宅地価格にはね返らないだろう、このようにおっしゃっておいでだと思うのですが、本当にはね返らないのでしょうかね。私どもは公共公益施設等の金利の引き上げは造成後のこういったもろもろのものにはね返るのじゃなかろうかと見るわけです。本当に住宅価格なり家賃の上昇にはね返らないと言い切れますか。
#14
○吉田(公)政府委員 先ほど申し上げましたように、本来的には公共施設の整備というものに対して、将来の補助事業に対して立てかえをするわけでございますので、この立てかえたものは翌年度から、一般的に申しますと三年間の間に補助金としてついてくるわけでございます。補助事業として執行するわけでございますので、補助金の分については国庫から出てまいります。それから、その補助金に伴います起債充当率に当たるものは起債に振りかえるわけでございます。でございますので、そのほかの、その余のネットの公共団体負担という額が残るわけでございますが、これについて先生御指摘の点は、本来公共団体が負担すべきものであるけれども、その面について開発者に負担が転嫁されることはないかというような点の御指摘かと思います。
 この点につきまして、そういう点は全くないとは私ども必ずしも言い切れないと思いますが、たとえば補助事業で申しますと、道路の場合は三分の二の国庫補助でございますし、その上に起債充当率がついてくるわけでございます。それで、関連公共施設の立てかえ分と申しますのは、その事業費に対して七割の分を融資するわけでございますので、大部分が補助金と起債とで戻ってくるという形でございます。そういう意味から、ネットの地元負担分というものについて転嫁が行われたとしても、個々の宅地にかかってくる金としてはそう多額のものになる可能性はないということでございます。
#15
○木間委員 はね返らないということであれば私どもも歓迎をするわけですが、ぜひそういった意味で十分に御配慮をお願いをしたいと思います。
 次の質問に移らせていただきますが、金利が上がれば住宅改良貸付件数は減るのじゃなかろうかと思うわけですが、この見通しを立てておいでになればこの点だけ伺っておきたいと思います。
#16
○豊蔵政府委員 先ほどお答え申し上げましたが、従来二百七十万円の貸付限度額でありましたものを三百万円というふうに改善いたしておりますことと、また、月々の返済額も七百数十円程度ということを考えますと、それほどの負担増にはならないだろうと考えております。また、総額としてもこの程度の金額でありますならば、改良をされる方々にとっても負担増に対する心理的影響もそれほどはなかろうと考えております。したがいまして、今後のニーズの動向ですが、従来どおりその比率が徐々に高まっていく傾向の中で、六万戸程度の利用者はあるものと考えております。
#17
○木間委員 行革国会の中で金利の法制化が外れたわけですが、今般の一部改正も出てきたわけです。三カ年間の有効期間でありますが、この行革特例法の有効期間中に再び政令の可能性はあるのかどうか、お尋ねをしておきたいと思うのです。また、金利の政令加算の対象が拡大されるのじゃなかろうかといった危惧も持つわけですが、現在のお考えをお尋ねしておきたいと思います。
#18
○豊蔵政府委員 行革関連特例法案の国会での御審議をいただいております過程で、政府といたしましては特例適用期間中におきましても、住宅金融公庫の社会的、経済的必要性と財政負担の調和に十分配慮しつつ、慎重に対処するという旨を答弁申し上げております。そういったような立場から、昭和五十七年度の予算の原案の策定に当たりまして公庫金利の扱いにつきまして種々検討いたしましたが、住宅金融公庫の根幹をなしております個人住宅貸し付け等重要なものにつきましては、国民の住宅を求める大きな要望を考えまして、今回特に対象としないということにいたしまして、ただいま申し上げましたような住宅改良あるいは関連公共施設の問題についてのみ特例法に基づく政令を出させていただいたわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、今後ともこの特例適用期間中におきまして、他の貸付種目の重要な項目につきましてはこれを政令に取り上げて金利を引き上げるというようなことはしない考えでございます。ただ、金利が今後どのように動くかわかりませんが、いわゆる財投金利がもし下がってまいりますような場合には、この法律の規定にもありますように、一定の引き上げ幅の枠が決められておりますので、その枠の範囲内で引き下げるということはあり得るかというふうに考えておりまして、でき得ればそういったようなことになることを期待いたしております。
#19
○木間委員 次に、借地権取得に対する融資の問題で若干お尋ねをしておきたいと思います。
 融資を受けた開発者による借地権の住宅購入者への再譲渡についてどのような配慮がなされなければならないのか、そういった点でお尋ねをしておきたいと思いますが、たとえば分譲団地の場合には、その借地権は一人一人に移していくのじゃなかろうか、こう思っておりますが、地主さんと開発者、そして購入者の関係から見た場合に十分にそごを来さないように配慮されなければならないのでありますが、こういった点でお尋ねをしておきたいと思います。
 それから、一人一人に移すような場合に、一定の専用区画と申しましょうか、個々人が専用するであろうといったものについて借地権を設定するのか、お尋ねをしておきたいと思います。
#20
○吉田(公)政府委員 御指摘のデベロッパーが借地をいたしまして造成をいたしまして、これを需要者に分譲するというようなケースの場合に、先生御指摘のように詰めておくべき問題があると思います。
 いまの形で私ども考えておりますのは、一筆一筆をいわゆる宅地分譲あるいは建て売り住宅というような形で分譲が行われます場合には、借地権を譲渡するわけでございますので、その区画については分筆されて、きちっと専用区画として譲渡されるべきものであるというふうに思っておりますし、また、共同住宅のようなものが建つ場合につきましては、その建物の敷地についての共有借地権というような形で譲渡されるべきものと思っております。
 いずれにいたしましても、地主の方にとりましては大事な財産をそうした形で住宅宅地の需要者にお貸しするわけでございますし、需要者の立場で申しますと、また非常に貴重な財産を取得されるわけでございますので、その両者の間の契約関係は、そのスタートの時点においては少なくともきちっとした形になるような形で私ども指導してまいりたいと思っております。
    〔稲村(利)委員長代理退席、委員長着席〕
#21
○木間委員 そういう借地権を設定する場合に、借地権料はどういう形になるのか。また、このときに契約の更新ということが出てくるわけでありますが、そういった地主さんと再契約をする場合に一般的にはかなりの手間暇がかかっておる、こういうことに間々直面をするわけです。せっかくデベロッパーが仲介をされるわけでありますから、デベロッパーも何らかの配慮がなされなければならない、こう考えるものであります。
 もう一点は、そういった場合に当然上物の建てかえといいましょうか、そういったことも将来にわたって考えられるわけでありますが、そういう建てかえ条件も当然に付与されなければならないのじゃなかろうか、こう思うわけですが、そういった御配慮がどうなっておるか、お尋ねしておきたいと思います。
#22
○吉田(公)政府委員 いわゆる借地方式の場合の借地権価格というものをどう考えるのかという点については、これは地域によりましても差異がございますし、また地代の問題とも関連してまいるわけでございます。たとえば大都市周辺の農家等の中には、権利金を必ずしも高く取らないで、地代を相対的に高くして安定的な収入を得たいという意向の者もあるかもしれません。また、一時にできるだけのものを取っておきたいという方もあるかもしれません。一概には言えませんのですが、おおむね底地価格の五割から七、八割ぐらいの範囲ではないか。これは地域によってある程度差があるのではないかと思っているわけでございます。
 それから、分譲いたしますと借地権は本来当事者の方に移ってまいるわけでございまして、デベロッパー自体はそれが移ります際に地主さん、それからその建物を取得した方、その両者の間において、当初の線といたしましては本来きちっとした形で契約ができるというふうなお話し合いを双方に詰めなければならないと思うわけでございますが、本来的に申しますと、借地権の更新の問題とか建てかえの問題というのはかなり後の問題になるわけでございまして、公庫といたしましてはデベロッパーから融資が戻ってきた場合には縁が切れるわけでございます。デベロッパーの場合も、借地権が譲渡されて当事者間の関係に移った場合には法律的な関係としては離れるわけでございまして、当事者間の民事の関係になるわけでございますので、本来的には話し合いの問題だというふうに思うわけでございますが、いままで私ども聞いておりますような形の、非常に有力なデベロッパーであるとか、公的な機関というようなものが介入する場合には、これは制度的な問題を離れまして、一つの運用の形といたしまして、そうしたものが中に入って具体のケースのトラブルが起こらないような形で対処してもらうということは望ましい形だと思いますが、本来的には当事者間の問題にならざるを得ないのではないかと思っております。
#23
○木間委員 確かに民法、借地法等の関係に将来は推移するだろう、おっしゃるとおりだろうと思うのですが、やはり公庫、役所が融資をして開発をされるわけですから、いまちまたに起こっておるようなトラブルがないように、減少するように御配慮をお願いしておきたいと思うのです。
 次の問題ですが、民間マンションの区分所有についてはその敷地あるいは底地、そして建物の所有権、専有権、専用権、まあかなりのトラブルが起こっておるのは御承知のとおりです。そこで、この借地権の場合、公庫法の施行規則にでも、統一的な契約約款といいましょうか、あるいは権利形態でも示しておいていただければ混乱は未然に防げるんじゃなかろうか、こう思っておるわけです。ぜひ購入者の権利を保護する、こういう立場についてひとつ善処をお願いしたいと思います。
#24
○吉田(公)政府委員 借地権の設定でありますとか、譲渡の価格の問題につきましては、これは公庫の貸し付けに係ります造成宅地の譲渡と同じように、公庫が承認した適正な価格で譲渡するというふうにいたすこととしております。
 その後の問題につきましてトラブルが起こらないようにということでございますが、先ほどから申し上げておりますように、少なくとも当初のスタートのときに、両者との関係につきましてはデベロッパーと申しますか、開発主体が両者の間に話をきちっとさせて、その基本的な考え方についてトラブルが起こらないようにするということについては全く私どもも必要だと思っておりまして、そういうものにつきまして準則に当たるようなものを考えたいと思っております。
#25
○木間委員 次の問題に移らしていただきますが、個人住宅の金利制度の改定の問題です。
 規模別金利をさらに今度は細分化されたわけでありますが、現行の百二十平方メートル以下五・五%という金利を今度は百十平方メートル以下五・五に変更されております。いま住宅をもっともっと持ちたい、あるいは住宅改善をやっていかなければならないという建設省の方針からいって、まずこの改正案は現行の方針に逆行するんじゃなかろうか、つまり改悪じゃないだろうか、こう判断するものでありますが、その点どのように判断をされておるのか、お尋ねしておきたいと思います。
#26
○豊蔵政府委員 最近におきます新設住宅の平均の規模について見ますと、昭和五十年度八十二・七平米でありましたものが、昭和五十六年度の十二月までの実績で見ますと九十三・三平米というふうに著しい伸びを示しております。公庫の融資につきましては、従来百二十平方メートルを一つの基準線といたしまして、それより規模の小さいものは五・五%、それより規模の大きいものにつきましては財投金利というふうになっておりましたが、このような規模増の動向、あるいはまた国民の方々の住宅に対する御要望等を考えてみますと、百二十平方メートルをもう少し引き上げるといったようなことが必要であろうかというふうに考えたわけでございます。その際、規模の比較的大きいものにつきましては、やはりそれだけ建築費がかさむわけでございますので、そういうものに対しましては約十平方メートル分を割り増し融資する。で、五十七年度の場合には六十万円の割り増し融資をするというようなことを考えたわけでございます。
 そういうようなことで、いわば従来の二つの区分を三つの区分に分けまして、中間金利的なものを設定いたしまして、その際、百十平方メートルから百三十五平方メートルまでのものをこの中間金利の対象というふうにいたしたわけでございます。百十平方メートルから百二十平方メートルまでのものにつきましては、確かに金利が上がるという問題がございますが、いま申し上げましたように割り増し融資を行うということによりまして、その割り増し融資分が、従来は民間の住宅ローンによって調達をしていたということ等を考えますと、若干の償還金の負担増にはなりますが、月当たりにいたしまして九百円から千円程度の増という程度でありますので、おおむね負担には耐えられるのではなかろうか。そしてまた、百二十平方メートルから百三十五平方メートルまでのものにつきましては大幅な条件改善というふうになっておりますので、従来百二十平方メートルの壁で規模が伸びなかったものが、これによりましてかなり良質なストック形成のための誘導に役立つのではないかというふうに考えておりまして、今回特にお願いをいたしておるものでございます。
#27
○木間委員 財政事情の悪化からか、まあ建設省の大変な苦労もわからないわけではありませんが、しかし結果的には、そうはいうもののこの細分化はあめとむちが同居をするんじゃなかろうか、これは私の実感でもあります。
 そこで、やはりこの金融公庫の政策は確かに金融面から出てくる考え方です。そうはいうものの、もう少し需要層の多いところにむしろ優遇処置をやるべきではないか、こう思うわけです。たとえば五十平方メートルから百十平方メートルは従来の五・五、百十から百三十五が一%上がって六・五、あるいは百三十五から百五十までは財投金利、こういうことになるわけです。一方、見てみますと、所得制限は五十七年度、五十八年度には一千万となっております。このような規模別金利あるいは所得制限は、まあ政策金融であるわけですが、規模を細かく区切って、そして現行金利よりも一%上げる。先ほども申し上げておりますように、最も需要の多い百十平方メートルから百二十平方メートルにそうしたものが集中しておるように私は見受けるわけであります。どうもこの点理解に苦しむわけでありますが、むしろ、こういう細分化をするんじゃなくて、従来どおりの規模別にして所得に応じた金利を導入したらどうだろうか、こう思うわけです。たとえば公庫の財政が大変苦しい、こういう財政問題を中心に考えるならば、民間の貸付金利よりも低く、そして財投金利よりも少し高いような中で処理をされれば、つまりある程度所得の高い人たちにそういうことで貸し付ければ、民間のローン金利よりも安いという点では利用者のメリットもあるでしょうし、また、財投金利よりも少し高くなるわけですから、公庫の財源のプラス面にも反映をするわけです。そういった点で公庫財政を潤すということになりますと、もっともっと所得の低い層に何らかの金利対策ができる、あるいは中古住宅といいますか、既存住宅の購入者への金利対策ももっと手厚いものができるのじゃなかろうか、こう思うわけです。ですから、今度の細分化は十五平方メートル単位に区切られておるわけですが、畳に置きかえてみますと八畳なんですね。八畳間一問一間に金利の格差をつけるという建設省の考え方よりも、先ほど申し上げておりますように、所得階層に応じた金利面を導入すればずっと合理的ではないだろうか、こう考えるものですが、いかがなものでしょうか。
#28
○豊蔵政府委員 先生の御指摘の所得によりますところの金利の区分というのも一つの有力な考え方であると思います。現在の住宅金融公庫におきましても、御案内のとおり昨年度からいわゆる所得制限を導入いたしまして、五十六年度は所得額八百万円以上の方々に対しましては財投金利でお貸しをする、それで所得が低い方々に対しましては五・五%の政策金利で行うという考え方をとっているところでございます。ただ、現在のように財投金利がかなり高い水準になっておりますと、なかなかこれを利用される方が少ないというような問題も一つございます。それからまた、所得というものは、いわばその国民の方々にとってみましても変動というものがあります。またフローという立場からの所得は、利用される方々のいわば財産といいますか、そういったようなものを必ずしも反映できない。また住宅価格というのが地域によって非常に大きな差があるということ等考えてみますと、非常にこの区分がむずかしい点がございます。
 公庫といたしましては、先ほど申しましたような大枠としての所得別金利制を導入しながら、実際には建設をされます住宅の規模によって考えることが結果としては事実上そういった所得の差にもある程度反映できるものとして、この規模別の金利というものを従来とってきたわけでございますが、先ほど申し上げましたように、最近の住宅規模の大きくなっている現状の中で、いま住宅金融公庫が百二十平方メートルというところでかなりの格差のある金利の差をつけておりますことは、公庫の利用者の方々の平均が百七・七平米程度になっておることとも思い合わせてみますと、これが良質ストック形成のために若干壁になっているのじゃなかろうか。せっかくそういうことであるならば、中間金利ではあるけれども、必要な金額を一般のものよりは割り増し融資ということによって補完しつつ、バランスのとれたこのような金利体系にするということも具体的な実践論としてベターではなかろうかということで、このような御提案を申しているところでございます。
#29
○木間委員 割り増しをつけて融資をすることで補完をしていきたい、こういうことであったわけですが、そういった角度からもう一遍この問題について触れてみたいと思います。
 確かに郵便貯金あるいは厚生年金にいたしましても、利ざやを稼いでおるようです。それはやはり弱い層の金利を上げるよりも、高額所得者の金利を上げた方が整合性があると私は思うのです。たとえば五百五十万円を借りた人の金利が一%上げられますと、月々三千三百六十二円、年間四万三百四十四円、支払い総額で百一万円の返済増になっていきます。また、マンション購入の一千万を借りたときは毎月六千七百十四円、年間八万五百六十八円、支払い総額で二百八十一万円の返済増になってくるのは御承知のとおりであります。さらに段階金利制で公庫返済金だけを考えてみますと、現行の五百五十万円の貸し付けでも、十一年目以降は月に約四千円、年間約四万八千円、支払い総額で約七十二万円の返済増となるわけです。これらを規模別と合わせますと、建設省の方から説明もいただいておるわけでありますが、その数字以上の負担増が明らかですし、先ほども言っておりますように、需要の最も多い百十平方メートルから百二十平方メートルの層に照準が当たる。ですからこの層をねらい撃ちしたのじゃなかろうか、こういう気がしてならぬわけです。
 そういったことなどを考えてみたときに、規模別あるいは段階金利制というのは合理性があるようには見えますけれども、その結果は勤労者の負担増になっていくわけでありますから、私は理解ができないわけです。くどいようですが、この部分を修正される意思がおありかどうか、そして公庫の財政のことを考えれば政令ででも処置ができる高額所得者の金利改定をやるべきではないだろうか、こう思うわけですが、決意をお尋ねしておきたいと思います。
#30
○豊蔵政府委員 先ほど来御説明申し上げておりますように、今後の住宅規模の拡大、そういったようなものを考えながら、また、総合的に公庫の財政というようなことも考えますと、私どもといたしましては、この百十平方メートルから百三十五平方メートルまでの規模の住宅に対しまして、割り増しとあわせて六・五%の金利体系というものを導入することによりまして、従来百二十平方メートルで頭打ちになっておりました規模増を、百三十五平方メートルまでのものに誘導されることになるのではなかろうかというふうに考えております。そういうようなことから、また一面、いわゆる高額所得者あるいはまた規模が百三十五平方メートルよりも大きい大型住宅の建設につきましては政令で定める金利となっております。
    〔委員長退席、大塚委員長代理着席〕
現在はこれを財投金利によってお貸ししているところでございますが、この財投金利が現在公庫の五・五%の基本的な金利とかなり格差があることも事実でございまして、現在の財投金利によります融資状況が必ずしも数が多くないということを考えますと、政令金利口もただ上げるということだけで公庫の財政全体のバランスがよくなるというわけでもないようにも思われます。したがいまして、総合的な判断の中で、このような規模別金利体系というものによりまして、必ずや良質ストック形成へ相当大きな役に立つというふうに思いますので、原案によりまして進めさせていただければと考えているところでございます。
#31
○木間委員 この件に関しましては、私は修正を要請しておきたいと思います。
 次に移らせていただきます。
 いわゆる中古住宅の問題ですが、既存住宅購入資金の貸付金利はいままで財投でやられておったのでありますが、今度の改正案では下がっておりますから、まあ歓迎をすべきでしょう。とはいうものの、買う人の立場に立ってみますと、新しい住宅の場合も古い住宅の場合でも住むということについてはむしろ同じなんですね。そこで、いま一つの分析は、中古住宅を買うのは比較的所得の高い方よりも低い方が多いのではなかろうか、こう見たときに、六・五よりもやはり五・五にすべきだと私は思うわけですが、このことについてのお考え、さらに将来に向けて下げることを検討されているかどうか、お尋ねしておきたいと思います。
#32
○豊蔵政府委員 いわゆる中古住宅、既存住宅購入資金の貸し付けにつきましては、今回その金利の上限を法定化させていただくことをお願いしておりますが、お話がありましたように従来は財投金利でありまして、これからの国民の住宅取得と住みかえということを考えました場合に、既存住宅の活用というのが大きなウエートを占めてくるように考えられますので、今回六・五%以内で政令で定める金利ということで、運用上は六・五%ということにさせていただきたいと考えております。既存住宅の貸し付けにつきましても、この金利の引き下げと同時に貸付限度額を七百万円から七百五十万円に引き上げましたし、若干ではございますが、住宅の対象となります経過年数につきましても延長をいたしておりまして、相当御活用いただけるものだと考えております。
 もし将来財投金利が相当大幅に下がってまいりました場合には、公庫の基本となっております五・五%とこの中古住宅の金利と、それから財投の金利とバランスをとりまして、六・五%よりさらに引き下げるという可能性もありますし、私どもはそれを期待いたしておりますが、現時点におきましては相当大幅な金利の引き下げが実現されることになりますし、また、中古住宅というのは一般的に価格は新築に比べて低廉でありますし、またいわば住宅のストックの直接の増加につながらないといったようなこともありますので、従来かなり金利が高かったとも思います。したがいまして、そこら辺のところを総合比較考量いたしまして、このような六・五%の金利体系ということでお願いをしているところでございます。
    〔大塚委員長代理退席、委員長着席〕
#33
○木間委員 次に、融資額の問題でございますが、今回の改正で七十万円上がっておるところです。それで、この公庫法制定の昭和二十五年当時の法律案を読んでみますと、購入住宅あるいは建設住宅の資金の七五%まで融資をいたしましょう、こういうことで発足をしております。今日その七五%が木造については八〇%、あるいは非木造については八五%と、金額的にも割合が上がっておるところであります。しかし、現状はそうはなっていないわけです。公庫の五十六年度の調査を見ておりましても、住宅購入資金の四割程度にしか達していない。あとは自己資金が三割、そして公庫以外の住宅ローンが三割、こういう四、三、三の割合になっております。つまり、公庫利用者は民間ローンとあわせて借りておるという現状であります。現実の問題としてもう少し実際の価格に上げられないものだろうか、購入費、建設費に近づけないものだろうか、このようにかねがね国民世論もなっておったのでありまして、この点について検討の余地がないものかどうか、お尋ねしておきたいと思います。
#34
○豊蔵政府委員 御指摘のとおり、住宅金融公庫が発足いたしました当時は公庫融資額の比率が高かったわけでございますが、現在はおおむね住宅建設費の約四〇%程度になっているかと思います。私どもも公庫融資の限度額の実態に即した引き上げにつきましてはかねてから努力をいたしてきておりますが、五十七年度は財政状況も非常に厳しい状況でありましたが、個人住宅建設につきましては七十万円のアップ、また団地住宅につきましては百二十万円の大幅なアップを行ってきているところでございます。
 そういう状況でございますが、公庫が発足いたしました当時と比較してみますと、現在は、たとえば年金の還元融資であるとかあるいはまた財形貯蓄融資であるとか、そういった他の公的住宅金融につきましても逐次充実してまいっておりますし、そういったようなものと公庫の融資と総合的に御利用いただくことによりまして、相当の取得能力の補完ができるのではなかろうかというふうに考えておりまして、私ども、今後とも公庫の融資限度額の引き上げにつきましては努力を続けることは当然でございますが、バランスからいたしまして、その比率は発足当初ほどではない、またそれでも十分バランスとしてはいけるのではなかろうかというふうに考えているところでございます。
#35
○木間委員 他の公的資金とのあわせ借りということもおっしゃられたわけでありますが、現実は金利の高い民間ローンが大変多いわけです。この問題についてはローン地獄とかねがねこの委員会でも取り上げられてきたところでありまして、後ほど若干触れてみたいと思うのでありますが、法では八〇%あるいは八五%以内で貸すのだ、こうなっております。局長の御答弁では、法ではそうなっておるけれども、現実はいろいろあって四割程度なんだ、こういうことで将来とも検討はやぶさかでないということですが、ぜひ将来に向けて、もっと金利の安いものが借りられればそれだけ住宅政策が進むわけでありますから、努力をお願いしておきたいと思うのです。
 次に、家賃の問題で若干お尋ねしておきたいと思います。この問題については、後ほどわが党の山花委員の方から詳しく質問される予定になっておりますが、この機会に若干ただしておきたいと思うのです。
 今度の改正案が成立すれば、地方住宅供給公社は家賃の値上げを実施ざれるのじゃなかろうか、こう思っておりますが、そのように考えていいかどうか、お尋ねいたします。
#36
○豊蔵政府委員 今回の公庫法の改正につきましては、公庫の融資いたしております賃貸住宅の家賃の限度額の算定につきまして、物価の著しい変動がありましたような場合に、その限度額の計算につきまして変更して計算することができるという規定を整備いたしたいと考えておるわけでございますが、具体的には、たとえば地方住宅供給公社等事業主体がそれぞれの地域の住宅事情、家賃水準、そういったようなものを考えまして御判断になることであろうかと思っております。しかし、御案内のとおり、現実には多くの地方の住宅供給公社におきまして、その管理しております賃貸住宅の設備であるとかあるいはまた環境の問題とか、大規模な修繕等のためにその資金が不足していることも実情としてございます。そういったようなことがございますので、各公社におかれまして、この改正が行われました暁には、それぞれのお立場で実情を踏まえながら改定というふうな問題も生じてくるかと思います。
#37
○木間委員 この改正案を契機にそういうことが心配をされるわけです。私どもは現状の建築費等々の変化もわからないわけではありませんが、やはり利用者の立場に立った場合に家賃の引き上げはやってはいけない、このことをかねがね言ってきた立場でもありますが、この法律が引き金にならないように御配慮をお願いしておきたいと思います。
 それから次に、公営住宅、公団住宅あるいは公庫住宅の家賃で土地取得の扱いが異なっておるのは御承知のとおりであります。この問題につきましても山花委員の方から細部にわたっての質疑が行われると思うのでありますが、しかし公社は公庫から借りた金でやるわけでして、そうした場合に家賃ですべてを減価償却する、こういう考え方です。これは公団住宅よりももっともっと厳密な個別原価主義家賃方式、こういうことであろうと思います。そういったことの中にいろいろ、たとえば中古住宅の場合でも推定再建築費という考え方が入っておりますし、先般の委員会質疑の中でも、新規供給されるであろう住宅の家賃抑制にも使っていく、こういうこと等を伺っておりますと、入居者の立場に立った場合に、政府の責任である、たとえば土地価格などは大変暴騰しております。もっともっと抑える手だてはないものか、論議を呼んできておるところでありますが、そういった土地価格の上昇なども家賃で吸収をしていく、こういうことになってきますと、住宅利用者にとっては大変不当だ、こうなるわけであります。私たちもそういった点では不当だと考えざるを得ないのでありますが、どのように判断をされておるか、お尋ねしておきたいと思います。
#38
○豊蔵政府委員 ただいま御指摘がありましたように、公庫の融資しております賃貸住宅につきましての家賃の限度額の算定は、土地取得費につきましても公庫が融資をいたしております関係上、その土地取得費も含めたものを総合的に住宅建設費として償却する仕組みとなっております。そういうようなことから、若干公営住宅であるとかあるいはまた公団住宅と限度額の計算方式に差がございます。今回お願いしております案は、建築費、物価等が著しく上昇いたした場合に、その住宅の家賃の限度額の算定に当たりまして、建築費についてのみ推定再建築費の考え方を導入いたしまして、家賃の変更限度額が定められるようにしております。したがいまして、土地費につきましては、いま申しましたように当初の仕組みが違いますために、これにつきましては、地価が上昇するということがありましても、今回の改正案につきましてはこれを評価をしないというふうな仕組みといたしているところでございます。
 なお、当然のことではございますが、これを具体的に公庫におきまして運用される場合には激変緩和措置等々必要な諸措置は講じつつ、その適正な運用を図る所存でございます。
#39
○木間委員 次に、昨年八月の住宅宅地審議会の答申の問題にちょっと触れてみたいと思いますが、この答申は、政府や公庫の都合のいいことばかり書いておるわけではないと思うのです。
 一つには家賃を抑制すべきだ、こういう考え方から政府の政策的努力を求めておる部分、あるいは家賃補助の必要性についても指摘をしておるところであります。第二の点といたしましては、五十年答申のときには家賃の負担基準を導入いたしまして今日の家賃体系になっておるわけでありますが、その結果から大変利用者に負担増を強いることになった、こういう反省から、今回の答申はなお基礎的な研究が必要だ、こう言っておるところです。この点につきましては、かねがね労働者代表も主張をしてきたところでありまして、利用者の声が反映しておる、生活実態からそのようになってきておる、私はこう評価をするわけであります。第三の問題といたしまして、家賃変更の場合でございますが、政府や公庫はどのように解釈されておろうとも、それはそれといたしましても、やはり公共賃貸住宅でありますから、その性格に応じた適切な手続づくりが必要だろう、つまりルールづくりが大変大切なんだ、こういうことを言っておるわけです。したがいまして、建設省にとっては必ずしもいまの方向ではなくて、むしろ慎重にやってもらいたい、こういう指摘も同時になされておるところでありますが、このことに対して建設省はどのようにお考えになっておるのか、お尋ねしておきたいと思います。
#40
○豊蔵政府委員 昨年八月に住宅宅地審議会から「現行家賃制度の改善についての答申」をいただいております。その中では、ただいま御指摘がありましたように、公共賃貸住宅の家賃の設定に当たりましては入居者の方々に、施策対象層の方々にとって適正な負担であるような家賃設定ができるように努力をするということと同時に、既存住宅につきましては、その住宅の維持管理あるいは新旧の家賃の格差等も考えて適正な見直しが必要である、そしてまた、これを実施する場合におきましては、それぞれの公共賃貸住宅の性格に応じた適正な手続に基づく必要なルールづくりを行うといったようなことが述べられております。私どもといたしましても最近の地価、建築費の高騰等に伴いまして、新規住宅の家賃が上昇する傾向にありまして、非常に残念なことでございます。関係の事業主体に努力をお願いしておりますが、たとえば住宅・都市整備公団の五十七年度から管理開始いたします賃貸住宅につきましては、家賃の回収コストを従来から一%引き下げることといたしました。そのことは相当に家賃の計算上大きな影響を与えると思います。それによりまして立地条件あるいは規模等につきましても改善ができるかと思っております。
 また、家賃の改定につきましては、この答申の趣旨を受けて私どもといたしましても各管理主体にその旨を通達いたしております。それぞれの事業主体におきましてその地域の実情等々に即して適正な方針が定められることであろうと思っておりますし、また、そういうようなことを前提として入居者の方々の御理解も得ていく、そして適正な管理を進めていくということで、今後とも指導をいたしてまいりたいと思っております。
#41
○木間委員 局長、新しいルールづくりというのは、結局住宅の入居者とコンセンサスを十分に得ていく、こういうことになるわけであります。つまり、私どももかねがね要請をしてまいりました協議体をつくってはどうかと判断をするわけです。そういった点で、今後の賃貸住宅の運営に当たっては、入居者の代表を含めたそういう協議会をつくるべきだと思いますが、そのことについて端的にお答えをいただきたいと思います。
#42
○豊蔵政府委員 公共賃貸住宅の管理に当たりまして、具体的にどのような運営のあり方がいいか、基本的には答申にもありますようなことでございますが、これを具体的に実施してまいりますにはその事業主体の性格の差もありましょうし、また、住宅の戸数あるいは地域等々によりまして、具体的な措置というのは各管理主体と入居者の方々と十分に今後お話し合いもありましょうし、また適切な、地域にふさわしい措置が決められるべきであろうかと考えております。私ども基本的な考え方としては、先ほど申し上げましたような、公共賃貸住宅が本当に適正に管理され、そしてまたその管理が円滑にいくように、みんなで知恵を出していただきたいということをお願いしているところでございます。
#43
○木間委員 みんなで知恵を出すということは歓迎いたしますし、そのことはやはり協議会をつくっていくということにぜひ結んでいかなければならぬわけであります。そういった協議会をつくることをこの機会に要請をしておきたいと思います。
 次に、特別損失の問題について若干お尋ねをしておきたいと思いますが、昭和五十六年度分は六百六十一億円、これは五十七年度から五カ年間で補てんをする、それから五十七年度の五百十七億円、あわせて五十八年度、五十九年度三カ年分は六十年度から五カ年間で国が交付金で全額を補てんをする、こういう理解でいいでしょうか。
#44
○豊蔵政府委員 昭和五十六年度において住宅金融公庫の補給金の一部を繰り延べさせていただきました。昨年の予算編成時点におけるところのその繰り延べの金額は六百六十一億円となっております。これは昭和五十六年度から五カ年間で、五十五年度と五十六年度とのいわば差額分について補てんをしていく、その五分の一は五十六年度で補てんされ、残りの六百六十一億円が五十七年度以降に持ち越されるということでございます。したがいまして、五十七年度で考えますと、五十七年度から四カ年間で補てんをする、こういうようなことであろうかと思います。
 それから、この法案でお願いしております繰り延べについては、五十七年度分として五百十七億円予定されておりますが、これは財政再建期間中についてはいわば据え置きをいたしまして、六十年度以降五年間で措置をするという方針でお願いをいたしております。
#45
○木間委員 五十八年度、五十九年度の分についてのお話がなかったのでありますが、次のときにあわせてお聞かせをいただきたいと思います。
 それから、五十八年度、五十九年度の見通しの問題ですが、財政事情の変化もありましょうけれども、いまの段階でどの程度見込まれるのか、そして、また財投からの一時借り入れが考えられるのかどうか、お尋ねをしたいと思います。
#46
○豊蔵政府委員 ただいま五十八年度と五十九年度分の補給金の繰り延べについて失念して失礼をいたしました。
 五十八年度、五十九年度の利子補給金がどのくらいになるかということは、今後の財政事情であるとかいろいろ詳細を詰めないと十分な計算はできない面がありますが、一応私どもが現在一つの条件のもとに推計をいたしておりますところでは、五十八年度に予定される公庫補給金の総額は三千八百十億円と見込んでおります。また、五十九年度は四千二百八十億円と見込んでおります。これを、五十六年度五百十七億円を繰り延べさせていただいておりますが、これと同様の方式によりまして五十五年度に公庫が借り入れをいたしました金額のうち、その金利が六・五%を超える部分というふうに考えますと、五十八年度に繰り延べられる予定額は四百九十三億円、五十九年度は四百六十九億円というふうになろうかと思います。これらは、先ほど申し上げました五十七年度の考え方と同様に、三年間の据え置きを経て、その後五年間で国から交付金をもらい、これで補てんをするという考え方で進めてまいりたいと思っております。
#47
○木間委員 わかりました。
 今度の改正案では五十七年度から五十九年度までの分について特別損失として扱うぞ、こういうことであります。しかし、それから先の見通しの問題になると思いますが、利子補給に必要な金が足りなくなった場合に、現行法では財投からは借り入れはしない、こういう保障はないわけですね。そこで、そのときになって今回のような法令措置をとられるのか、あるいは五十六年度のときのように予算書の説明書でやっていくのか、いろいろ考えられるわけですが、いまの段階での見通しを承っておきたいと思います。
#48
○豊蔵政府委員 私どもといたしましては、公庫の補給金と申しますのは、公庫が財投金利で借りましたお金を、いわば基本的な金利といたしますれば五・五%で国民の住宅建設にお貸ししておりますので、その公庫の財政構造上当然に利子補給金が必要となってまいりますし、従来とも国はこれを着実に補てんしてきたわけでございますが、最近のような財政事情の中で、このような措置をお願いするようなことになったのは残念でございますが、そういうような立場からいたしますと、国の財政再建期間中におきましてこのような特別な措置をお願いをさせていただくというふうに考えております。したがいまして、公庫法の改正案でも六十年度以降は国が当然に補てんするということを前提といたしておりますので、私どもといたしましては、そのときにも補てんをし切れないのではないかということを予想するのはいかがかと思っておりまして、何とか六十年度以降は本来のルールに戻したいというふうに考えております。ただ、万が一、そのときの財政事情がどうなるかわかりませんが、もしいまのようなことをしなければいけない、補てんが全部できないというようなことが仮にあったといたしました場合、私どもといたしましては、やはり五十七年度以降このような措置をきっちりルール化をしまして、公庫の事業の安定というものが図られるように法律的にも措置をするということでお願いしておりますことから考えてみますと、もし万が一、六十年度以降に国が十分補てんできないというようなことがありました場合には、常識的に言えば、法律の措置によりましてきっちりしたルールでお願いをするのがいいのではなかろうかというふうに考えております。
#49
○木間委員 心配されたときに、ぜひ食い逃げのないように、きちっとルール化を求めておきたいと思います。
 ローン地獄の問題でお尋ねをしておきたいのでありますが、時間が少しなくなってきましたので、五十五年度あるいは五十六年度における公庫の返済延滞事故件数、これにつきましては後ほど資料でお願いしたいと思います。また、その中で保証協会の方へ移ったものについてもあわせて資料で示していただきたいと思います。
 そこで、最近の住宅ローン地獄の激化は政府の持ち家政策と重大に絡んでまいりまして、むしろ持ち家政策に警鐘を鳴らしておるのじゃなかろうか、こう実は思っております。公庫の場合は、民間住宅ローンと違って政策金融、福祉金融の政策を多分に持っておるのであります。
 そこで、公庫融資を受けた者が、返済途中で残念ながら離職をするということも間々直面をするわけであります。そのような場合に直ちに保証協会へ移るというようなことではなくて、世帯が自力更生される期間、若干償還猶予策を考えてはどうだろうか、こう私どもは考えるわけですが、こういった猶予期間あるいは延長期間を認めるようなお考えを持っておるかどうか、お尋ねしておきたいと思います。
#50
○豊蔵政府委員 公庫の融資を受けられました方が、その途中におきまして返済が延滞になるあるいはまた、その結果として保証協会の方に移るといったようなことも、最近若干ふえる傾向にあることは御案内のとおりでございます。資料につきましては後ほどお届けを申し上げたいと思います。
 そういったような状況は本来好ましくないわけでございますので、私どもも公庫に対しましては、貸し付けを行います場合に十分その利用者の方々の将来の返還計画、そういったようなものを考えまして、無理のないような状況の中でお貸しするように指導してきておりますが、いまお話がございましたように、何らかの事情によりまして、たとえば病気であるとか離職であるとかあるいはまたその他特別な事情等によりまして、返済が当初予定したとおりにうまくいかないという場合につきましては、公庫におきましても従来から御相談に乗りまして、割賦元金や利息の一部を繰り延べる等の償還方法の変更を認める措置をとっております。償還期間の変更あるいは償還方法の変更の中に、いまお話しがありましたような元金なども一部繰り延べるというような措置をとることもありますし、またボーナスとの併用を行うとか、あるいはまたそれをやめて毎月毎月にするとか、あるいはまた毎月払いを六カ月払いとするとか等々、いろいろ御相談に乗っております。その件数は従来必ずしも多くありませんが、そういったような事情のある方々に対しましては、公庫に対しましても十分的確な運用ができるように対処するまう今後とも指導してまいりたいと考えております。
#51
○木間委員 大蔵省においでをいただいておると思いますが、この公庫融資以外に民間の住宅ローンが今日たくさん活用されております。いまお尋ねいたしました不測の事態が起こる場合もこれまた間々存在をするわけでありますが、こういった公庫以外のローンについても公的な若干の保証などもやっていただきながら、一時猶予をするような手だてを考えられないものかどうか、つまり更生期間を与えるような手だてができないものかどうか、お尋ねしたいと思います。
#52
○鏡味説明員 先生いま御指摘のケースでございますけれども、建設省の方から住宅金融公庫につきまして御説明がございましたが、民間金融機関においでもそのようなケースについては、個々の金融機関において、または全国五十数カ所に設けております住宅相談所において個々に相談に応じておりまして、その結果、実際に返済方法の変更ということで、返済期間の延長や、ケースによりましては、その個々の返済がむずかしくなった事情や本人の返済能力等を勘案しながら、返済猶予を一定期間設けるというような措置を個々に講じております。
#53
○木間委員 最後に、大臣にお尋ねをしておきたいと思います。
 第二臨調もいよいよ本答申を迎える時期に入ってきておるわけであります。いろいろ精査をされておるようでありますが、しかし今日までの進行過程を見てきたときに、これは各省庁ともに言えるわけでありますが、特に建設省の問題に限って申し上げてみますと、深入りし過ぎていやしないだろうか、こう思うわけです。たとえば個々の問題にも入られております。公共住宅の建設戸数の問題あるいは家賃の問題、さらには建設する場合でも、地域的なものまでも深く精査されておるようです。精査という言葉は大変きれいでありますが、私どもから見ますと介入のし過ぎではないだろうか、こう思って伺っておるところであります。そういうことでどんどん個別政策にまで入られますと、まさに行政改革そのものでありまして、建設省も要らなければ国土庁も要らなければ、また各省庁も要らない、つまり行政管理庁と臨調だけでやっていくような結末になりはしないだろうか、そう実は思うわけです。ですから建設大臣として、いまの臨調が、本来の役所の任務であるべき領域にまで入っておいでることについてどういう所見をお持ちか、お尋ねしておきたいと思います。
#54
○始関国務大臣 ただいまの御意見を拝聴いたしました。臨時行政調査会は昨年七月に第一次答申を行ったのでありますが、政府におきましては、この答申を最大限に尊重いたしまして、速やかに所要の施策を実施に移すことを基本方針としておりまして、行革関連特別法の制定、昭和五十七年度予算等において極力その実現を図っているのでありまして、今後とも臨調の答申はできる限り尊重していく、こういう基本的な立場でやってまいる所存でございます。
#55
○木間委員 私の質問を終わります。
#56
○村田委員長 これにて木間章君の質疑は終了いたしました。
 午後零時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午前十一時三十四分休憩
     ――――◇―――――
    午後零時三十一分開議
#57
○村田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。山花貞夫君。
#58
○山花委員 質問に入るに先立ちまして、新聞報道にかかわる問題について一言お伺いをいたします。
 サンケイ新聞、東京新聞などによりますと、昨日の朝刊でありますが、「住宅金融公庫は五日、五十七年度公庫融資の対象となる建売住宅の譲渡限度額を百万−三百万円引き上げる、など貸し付け条件を改定、四月下旬の第一回募集から実施することを決めた。」として、その他の規模別貸付制度、段階金利制度、所得制限緩和の問題、住宅宅地債券などについて具体的な内容を報道しております。いずれも今年度から導入が決まった主な制度であるというように紹介されているところであります。大臣も恐らくこの新聞記事をごらんになっておると思いますけれども、これをごらんになっての御所見をお伺いしたいと思います。
#59
○始関国務大臣 お答えを申し上げます。
 きょうの新聞は私よく見ておりませんが、ただいま読み上げられましたのは五十七年度予算の編成あるいは税制等で決まっておる制度が出たと思うのでございまして、ただいま金融公庫法の御審議をいただいておりますので、建設省、また金融公庫当局といたしましては、それが国会で成立をいたしました後でこれの第一回の募集をする、かような方針でおる次第でございます。
#60
○山花委員 大臣がおっしゃった趣旨とは新聞記事は違うわけでありまして、まさに法案が国会にかかっているさなかに、しかもきょう審議が始まるというこの時期に、すでに決定したということで報道されているわけであります。いま大臣がおっしゃったような内容であるならばあえて御質問するようなことはしないわけでありまして、こうした新聞記事が住宅金融公庫から発表されて、報道されるということであるとするならば、こうした国会の審議は一体何になるのか。野党の審議権を無視するということだけではありません。与党の先生方も、大変少ないけれども熱心に出席されておられまして、やはりこの議論に参加しておられるわけでありまして、こうした議論をしているさなかに、中身についてすでに決定した、法律ができ上がったということを報道されるということがあるならば、これは国会の審議権を無視するものであると言わなければならないと思います。私は大変大事な問題であると思います。金融公庫の総裁にお伺いする予定はなかったわけでありますけれども、大事な問題でありますから、金融公庫としてこうした国会の審議を無視するような事態になっているということに対してどのようにお考えか、御見解を伺いたいと思います。
#61
○関口説明員 この新聞発表に当たりましたのは私でございますので、私から事情を御説明して御了解を賜りたいと思いますが、私どもとしましては毎年度予算が成立いたしますと、その予算の内容を記者クラブに御紹介をするということが恒例の一つの取り決めに相なっております。
 そこで、五十七年度の事業計画につきまして御説明をするということで発表をさせていただいたものでございますが、その内容といたしましては、いずれも予算で大体決まりましたことを御紹介するということが主でございますが、それは今回の場合、先生御指摘のとおりに単なる予算措置だけではなしに、貸付制度の改善の一環としまして、ただいま公庫法の改正ということで御審議いただいておる内容がこの中に密接不可分に関係するものでございますから、発表に際しましては、発表文の中にその公庫法の改正に関連する事項につきましては、あくまでも法が改正してからこういうことになりますということを念のために一つ一つ注記させていただいておる次第でございますし、また、説明に当たりまして私からも冒頭に、その辺はたとえば五十六年度の事業計画と相当内容が違いますので、御留意いただくようにお願いしますということを申し上げたわけでございますが、冒頭のお断りがあるいは趣旨を欠いたかもしれません。そういうわけで非常に御迷惑をおかけする事態に相なっておりますことにつきまして深くおわびしたいと思います。今後ともこの辺につきまして十分留意し、今後慎重にやっていく所存でございます。
#62
○山花委員 いまお話がありましたとおり、おっしゃったとおりの報道機関に対する発表であるとするならば注として、実はほかの幾つかの前の新聞記事を拝見しておるわけでございますけれども、何月何日から実施される予定とか、法案が成立したら実施される予定、こういう報道になるはずでありますけれども、いま私が指摘したような新聞につきましては一切そういうことはないわけでありまして、すでに法案が成立して内容はこうである、金融公庫としてはこうするという内容でありますから、申し上げましたような指摘となったわけであります。新聞発表の現場にいたわけではありませんから具体的にはわかりませんけれども、しかしこうした事態につきましては、まさに国会の審議であり、かつ法案について全面的に無条件に全与野党賛成という法案ではないわけでありまして、われわれも後ほど修正の問題について主張したいと考えておるわけでありますから、そうした野党の立場がある中でのこのような結果というのは、今後の問題としては指摘しないわけにはいかなかったわけであります。この点につきましては、いま一応遺憾の意思表示がありましたので、きょうは質問を先に続けさせていただきたいと思いますけれども、今後の問題としては十分御留意いただきますことを冒頭にお願いしておきたいと思います。
 それでは住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案についてお伺いをいたします。
 大変たくさんの問題点があるわけでありますけれども、私は金融公庫法三十五条の関係にしぼって本日はお伺いをする予定でございます。ただ、全体の問題として若干お伺いをしておきたい問題もありますので、そこから入りたいと思いますけれども、全体としていまも触れましたとおり、われわれとしては国民の住生活に大変大きな影響を与える法案でありますから、内容をできる限りよくしなければならない。修正の方向でこの法案を検討してきているところでありますけれども、全般的な問題といたしましては、従来からわれわれが指摘しておりました住宅政策の問題点というものが解決されていない。特に第二臨調の第一次答申や、あるいは五十七年度住宅予算の内容を含めて今回の法案について見てみるならば、公庫の金利の政策加算制度の導入であるとか、公団住宅の空き家割り増し家賃の大幅値上げの問題とか、公営、公団住宅の戸数と予算の削減の問題であるとか、あるいは公団の業務及び組織の縮小の傾向であるとか、そして今回の三十五条に触れる公庫法の改悪であるとか、全体として公共住宅に対する政府の施策というものが間違っているのではないか、こういうように考えざるを得ません。冒頭、大臣に、公共住宅について、これを全体の政府、建設省の住宅政策の中でどのように位置づけておられるのか、この点についてお伺いをいたしたいと思います。
#63
○始関国務大臣 公共賃貸住宅の位置づけいかんというお尋ねでございますが、住宅政策につきましては、もう改めて申し上げるまでもございませんが、すべての国民が、国民経済の成長発展の段階に即応いたしまして、その家族構成、それから世帯成長の各段階、ライフステージという言葉があるようでございますが、結婚したとか子供が生まれたとか、そういう世帯成長の各段階、居住する地域の特性等に応じまして、良好な住環境のもとに安定した生活を営むに足りる住宅を確保することができるようにすることが基本の目標でございます。
 ところで、昭和五十六年度を初年度とする第四期住宅建設五カ年計画においては、昭和六十年度までにすべての世帯が最低居住水準、三DK、五十平米でございますが、また半数の世帯が平均居住水準、これは三LDK、八十六平米を確保することができるようにというようなことを目標といたしまして、国民の居住水準の向上に努めることとしております。公共賃貸住宅の供給は、最低居住水準を達成するための主要な施策となっておるわけでございまして、私どもも公共賃貸住宅は住宅政策全体の体系の中で重きを置いておるところでございます。なお、第四期住宅建設五カ年計画におきましては、公的賃貸住宅を五十一万戸建設するということに決定をいたしておる次第でございます。
#64
○山花委員 いま基本的な姿勢についてお伺いしたわけでありますけれども、金融公庫法三十五条の改正はいまの大臣の御見解に反するのではないかというように考えざるを得ません。
 実は、今回の法改正の直接的なきっかけとなりましたのは、間違いなく昨年八月六日付の住宅宅地審議会の答申であると考えます。「現行家賃制度の改善についての答申」が昨年出されまして、そこでは「新しい住宅政策体系にふさわしい家賃制度の確立」を政府に希望する、こういう前文となっておりまして、もちろん金融公庫法三十五条がかかわる公社住宅などだけではなく、民営の借家の家賃及び全体としての公共賃貸住宅の家賃につき、問題点を指摘しまして改善の方向を提起しております。われわれはこの答申それ自体につきましては、全体として住宅関連大資本、デベロッパーの立場、あるいは家主側の立場によって貫かれているのではないだろうか、現実に大変高い家賃に苦しんでいる、これは民営を含めてでありますけれども、それゆえに建設省の住宅の実態調査の中でも高家賃を理由とした住宅困窮を訴える世帯というものが大変ふえている、一方においてローン地獄の問題がありますが、そういうことに対応した勤労者の今日の住宅政策要求というものを裏切るものではなかろうか、このように基本的には考えております。
 また、答申全体を貫く基本的な理念でありますけれども、われわれは、何といっても住宅政策は、根本のところは、すべての国民が健康で文化的な最低限度の生活を確保されなければならないという憲法二十五条の生存権、そこによるものでなければならないと考えます。その観点から国民の住生活をどのように守って健康で文化的な生活を国民に確保したらいいのか、これが特に公共賃貸住宅の基礎にある理念でなければならないと考えておりますけれども、そうした考え方などはこの住宅宅地審議会の答申には、強く言えば一かけらもないと言ってよろしいのではないかと思うのであります。そうした私の主張したような問題点、考え方というものは、公社法の第一条とかあるいは公営住宅法の第一条とかに大変的確に表現されているところであります。そうした問題認識を持ちましてこの答申を拝見いたしますと、要するにここで言わんとしておるところは、民間についても公営、公団、公社につきましても、いかにして家賃値上げを実現するか、いわば家主の側に立った立場で、そのことの手続、ルールをどうやってつくっていこうか、そのことに腐心しているというのが特に指摘いたしましたこの昨年の答申の全体の基調ではなかろうかと考えます。
 全般的な批判ということになりますとその他にもたくさんあるわけでありますけれども、きょうの法案、金融公庫法三十五条の観点で問題を整理していきたいと思いますが、これまでの議論の中でも明らかになっておりますとおり、今回の法改正、三十五条にかかわる部分といたしましては、答申の私のいただいているのでは一ページということになりますが、公共賃貸住宅の家賃の問題点といたしまして、「既存公共賃貸住宅の家賃が、物価の上昇等経済情勢の変化に対応して、賃貸住宅相互に均衡のとれた家賃に円滑かつ的確に変更されているとはいいがたい状況にある。また、地方住宅供給公社の賃貸住宅については、家賃変更の規定が整備されていない。」、こう問題点を指摘しております。こうして、三ページから四ページにかけてのところでありますけれども、既存の家賃の変更のあり方につきまして、「公営住宅及び公団住宅の家賃については、1物価その他経済情勢の変動に伴う場合、2住宅相互間の家賃均衡上必要ある場合等において、変更することができることとなっている。」けれども、「これに対し、公社賃貸住宅については、一般的な変更規定がなく、住宅の維持管理上必要あるときに、維持修繕費のみ物価スライドすることができることとなっている。」、こういうようにあり方についての問題を指摘した後、結論的には、最後の段階でありますけれども、「公社賃貸住宅の既存家賃の変更については、公団賃貸住宅の場合に準じた家賃変更規定を設け、同様の方式で的確に行う必要がある。」、こういうように指摘をしているわけであります。全体としていま申し上げましたのは家賃の改善についての指摘ということになるわけなので、いま引用したような部分での問題提起ということになるわけでありますけれども、ここでも家賃問題を考えるということは、その上台にある公共賃貸住宅についての政策を考えた中でということでなければならないと思います。ところがそういった観点については全体として完全に抜けているのではなかろうか、こういうように思うわけであります。
 本論に入る前にもう一点だけちょっと伺っておきたいと思うのですけれども、いかに勤労大衆が公共賃貸住宅を希望しているか、必要性があるかという観点について、話がちょっと横に行きますけれども、これからの議論の前提としてお伺いしておきたいと思います。
 建設省に対して、個人持ち家住宅資金に占める住宅ローン借入の割合についての実情がどうなっているか、この点を伺いたいと思います。
#65
○豊蔵政府委員 私の方で毎年実施しております民間住宅建設資金実態調査というものがございますが、それによりますと、最近では個人の持ち家住宅の建築資金のうち、住宅金融公庫などの公的な機関からの借入金が約三〇%、民間金融機関からの借入金が二〇%弱を占めております。また、このほかに勤務先とか親戚等からの借入金も含めますと、建築資金に占める借入金の割合はおおむね六〇%強というふうになっております。
 また、個人持ち家の建築をされる方々の中に、土地購入もあわせて行う方もいらっしゃるわけでございますが、その土地購入資金も合わせた住宅建設資金の内訳を見ますと、住宅金融公庫などの公的な機関からの借入金が二〇%、民間金融機関からの借入金が同様に二〇%程度、そしてその他の借入金も含めまして、借入金総額が建設資金の五五%から六〇%程度に相なっております。
#66
○山花委員 先ほど木間委員も触れましたけれども、そことの関連で住宅金融公庫償還金の延滞状況の現状がどうなっているんでしょうか。最近の状況でよろしいですから、ひとつ御説明をいただきたいと思います。
#67
○豊蔵政府委員 昭和五十六年の十二月末現在の住宅金融公庫におきます個人関係の債権の延滞状況は、その十二月末までの貸付残の件数が四百二十八万二千二百四十一件であるのに対しまして、一カ月から五カ月までの短期延滞の件数は二万四千九百八十四件、また、六カ月以上の長期の延滞件数は三千三百八十三件、こういうふうになっております。この長期の三千三百八十三件といいますのは、ただいまの貸付残件数の〇・〇八%ということになっております。
#68
○山花委員 以前に五十年以来の延滞件数についての資料をいただいたことがありますので、五十年といま御説明いただきました五十六年を比較いたしますと、貸付残件数は一・八三倍であります。ところが繰り上げ償還請求件数は十七・五五倍であります。要するに、全体として貸し付けは二倍弱になったんだけれども、払えなくなって、求償の件数というものが十七倍になっているという実情でありまして、従来御説明いただいたところでは、この公庫のお金については、利息の関係もありますけれども、一番最初に返すから延滞件数は非常に少ないというようには伺っておりましたけれども、五、六年たったところで比較をいたしますと、件数が十七倍にふえているということは一つの問題を提起しているのではなかろうかと考えます。
 関連して、次の問題でありますけれども、保証協会の保証委託の実績、保証債務履行状況、求償権の回収状況、同じ傾向が出ていると思いますので、この点についても御説明をいただきたいと思います。
#69
○豊蔵政府委員 昭和五十五年度末におきます住宅金融公庫債権に係る公庫住宅融資保証協会の保証委託契約残件数は二百三十二万五千七十七件でございます。そのうち保証債務履行件数は四百四十三件となっております。なお、保証債務の履行により取得しました求償権の回収状況は、五十四年度末現在の求償権残高が四百八十七件ございまして、昭和五十五年度におきまして新たに取得しました求償権は四百四十三件というふうになっております。
#70
○山花委員 実はこの点につきましても、保証協会の保証委託契約が生まれましたのは四十八年でありますので、歴史はそれほど古くないわけでありますけれども、私の手元に従来いただきました五十年度以降の資料がございます。保証債務履行状況というどころを拝見しますと、五十年三件、五十一年二十件、五十二年が三十九件、五十三年が二百十五件、五十四年が四百四十二件、五十五年が四百四十三件であります。求償権の回収状況について見ると、五十年がゼロ、五十一年が二件、五十二年が六件、五十三年が二十四件、その後、五十五年以降大変ふえまして、いまお話しになりましたような数字になっているわけでありまして、これは何十倍どころか何百倍というようなペースであります。もっとも、何百倍というのは初めが少ないものですからそういう数字になるわけでありますけれども、ここでも異常に問題が増加しているという傾向があらわれております。
 もう一つだけ、これは保険会社の関係は大変だと思うわけでありますけれども、大蔵省に伺っておきたいのですが、住宅ローンの保証保険の収支の関係が最近どうなっているんだろうか。収入保険料の何倍もの保険金を支払っているという現状が特に最近出てきているようでありますけれども、この点についてお伺いいたしたいと思います。
#71
○松田説明員 私どもの保険会社が扱っております住宅ローン保証保険と申しますのは、住宅公庫がお貸しをする以外の、いわゆる民間金融機関がお貸しをするお金に対しまして、保証人をつけるとかあるいは銀行の保証会社を利用するといった以外の方が利用するものでございまして、およそ民間の住宅ローンの四分の一くらいの方が利用しているものでございますので、必ずしも全体の傾向を示すかどうかはわからないということをお断り申し上げますが、いま先生御指摘のように、最近におきます支払いの状況はかなり多うございまして、五十五年度で申し上げますと、支払いの件数が八千件、支払い保険金は七百八十億円ぐらいに達しております。これは、住宅ローン保証保険と申しますのが昭和四十六年から発足をしておりまして、その保証保険自体の保有の残高がおよそ十兆円を超しております。そういう意味から申しますと、十兆円の保証残高に対しまして七百八十億ということでございますので、いろいろな評価があろうかと思いますが、昭和五十二年度以降、若干昔のペースに比べて保証の実行高が多くなっているということは言えようかと思います。
#72
○山花委員 私、その数字を見ておりまして、若干というどころではないのではなかろうかという気がいたします。いまお話がありましたとおり、四十六年からスタートしまして、四十七年は保険料収入が五十七億円、支払った保険金が九百万円からスタートしております。五十年になりますと保険料収入が二百三十九億円、支払った保険金が四十九億円。ところが五十三年になりますと収入の保険料が五百十一億円、支払った保険金が四百三十七億円でありまして、大体保険料収入に追いついてきてしまっております。五十四年について見ますと、収入が四百五十億円、支払いが六百八十一億円でありまして、保険金支払いの方が五割ぐらい多くなっております。五十五年度で見ますと収入が二百五十九億円でありまして、支払った保険金が七百八十億円ということでありますから、収入の三倍のお金が保険金として支払われているということでありまして、原因につきましてはいろいろな分析があるのだと思いますけれども、とにかく契約件数が減っているというのがどうも一つの大きな理由ではなかろうかと判断をいたします。全体百五十万戸ペースから百三十万になり、百二十万になり百十五万になろうかという、こうした全体の新築着工件数が減った中で、保険契約自体が減っている。保険料収入がない。ところが一方、ローン地獄の中で保険金支払いがふえているということではなかろうかと思うわけでして、ここでの話をひとつまとめておきたいと思うのですが、後ほどのわが党が提出する修正案ともかかわりますし、先ほど木間委員の方からも質問をいたしました。住宅金融公庫の側につきましては、いざという場合、困った場合、われわれが法案で準備いたしました文章で言いますと、離職、休業、疾病、負傷その他やむを得ない事由により貸付金の償還が著しく困難となった場合には償還の猶予をしてもらいたい、こういうことで準備したわけでありますけれども、先ほどの質疑の中におきましては、建設省もそのことについては公庫に対して、一言で言いますと指導をしているところであり、実務的には公庫もやっているはずであるというふうに伺いました、大変はっきりした建設省の公庫に対する指導というお話がありましたので、実務的には大変役に立つのではなかろうかと思います。大蔵省につきまして、この点実は先ほどの午前中の議論を伺っておったわけでありますけれども、実は銀行だってそれはやってますよと、ここまでの御説明はありましたけれども、大蔵省はいわば無関心ではなかろうかという気がしたわけでありまして、やはりこの点につきましては何らかの形でこうした実態に照らして、大蔵省としても適切な行政指導なりをしていただく必要があるんじゃなかろうか、建設省のお答えのような形のことを私ども希望するわけでありますけれども、ちょっとこの点につきまして大蔵省のお立場、いまの段階でいろいろむずかしい点あるかもしれませんけれども、お考えありましたならば伺っておきたいと思います。
#73
○松田説明員 私は、実は保険関係の仕事を担当しておりますので、住宅公庫そのものを担当しております立場ではございませんけれども、住宅ローンの保証保険につきまして、最近若干、先ほど申し上げましたように保険の事故がふえているという事態から考えまして、保険を引き受ける側の立場からいたしますと、その審査体制を強化するということによって保険会社の収支バランスを確保するような形を指導いたしております。ちょっと先生の御質問の焦点のところは私の担当ではございませんので、保険関係のことだけお答えさせていただきます。
#74
○山花委員 本来の質問と外れて、若干午前中の議論とのかかわりで質問したので無理ないところもあるかと思いますが、そうした観点につきましては、これは直接の所管官庁である建設省の側にそうした要求が大蔵省に出されるような状況があるんじゃなかろうかということについてはひとつ御理解をいただきまして、また機会を改めてお願いをいたしたいと思います。
 さて、話が横道にそれましだけれども、私が言わんとするところは、要するにこうした事態からも持ち家政策、庭つき一戸建てというのは無理になっているわけでありまして、冒頭大臣がお話しになりましたような公共賃貸住宅についての政策が大変大事であるということであります。そうして先ほど指摘いたしました答申の基本的姿勢と家賃値上げ問題についての問題点ということにつきまして、この答申に基づいて今回の金融公庫法の改正三十五条があると思うのですけれども、答申をどのように受けとめられまして今回の改正に至ったのかという点につきまして、建設省にお伺いをいたしたいと思います。
#75
○豊蔵政府委員 昨年の八月に住宅宅地審議会から「現行家賃制度の改善についての答申」をちょうだいいたしました。答申の内容にはいろいろございますが、特に公共賃貸住宅につきましては、その新規家賃の設定につきまして、最近は建設工事費あるいはまた土地価格の上昇等によりまして新築家賃の上昇傾向が見られる。これにつきましては、当然のことでございますが、コストの低減に努めますとともに、公共賃貸住宅の施策対象層にとって適切なものとなるように配慮すること。また、既存家賃につきましては、物価その他の経済情勢の変動あるいは住宅相互間の家賃の均衡上必要がある場合には、適正な方法にまりまして見直しを行うべきである。また、それらの見直しを行う場合にあっては、公共賃貸住宅のそれぞれの性格に応じた適切な手続に基づく必要なルールづくりを行い、家賃の変更が公正かつ円滑に行われるよう配慮する必要がある、こういったようなところが中心になっておるかと思います。
 私どももそういったようなことを十分踏まえまして、たとえば公団の賃貸住宅につきましては、五十七年度管理開始の賃貸住宅から家賃の回収コストを一%引き下げることにいたしました。これによりまして、単純に見ますと相当の家賃の引き下げが図れることになろうかと思います。もちろんそのことによりましてとかく御批判の多い遠いあるいは狭いといったような諸条件の改善も行う必要がありますので、そういうような総合的な対策を講ずる一つの大きな手だてとなっているのではないかと思います。
 また、今回お願いをいたしております公庫法の改正につきまして、特に住宅供給公社につきまして、公庫法の規定につきまして、若干その規定に新しい状況に対応した整備がなされていないということから、これらの答申を踏まえまして今回御提案申し上げ、御審議をお願いをしているところでございます。
#76
○山花委員 実はいまのお話にも明らかなとおり、そして大臣の本法案の提案理由説明の中でも明らかだったわけでありますけれども、一言で言いますと答申をまるごと受けとめてしまっており、私が指摘したような問題点については全く加味されていないのではないかというのが率直に言った疑問であります。同じような問題点が各地方供給公社からの要請に対する建設省の態度にもあるんじゃなかろうかというように考えるわけでして、五十七年一月十一日、鈴木俊一東京都知事から建設大臣に対して要望書が、筆書きなんでしょうが、出されております。家賃変更規定が不十分であるので、さらに物価上昇等経済事情の変化に的確に対応できないため、公社賃貸住宅相互間の不均衡や修繕費の不足等、公社経営上の問題の一因ともなっている。したがって検討していただいているところであると思うけれども、公社賃貸住宅の家賃変更に関する規定について整備していただきたく特段の御配慮を要請しますということでありまして、やりくり大変だから家賃の値上げをしたい、大臣によろしく頼むというのがこの趣旨でありますけれども、どうもこういうものをまともに受けておりまして、その他の点についての配慮が足らないのではなかろうかということを考えないわけにはいきません。たとえばこの都知事の文章について見ても、現実に公営住宅も含めてでありますけれども、公団でも公営でも公社でも問題点は家賃問題だけではないわけでありまして、先ほど冒頭大臣がお話しになりました第四期五計、第三期以来の量より質という問題の提起との絡みにおきまして、全体として私がいただいている資料では、公営借家で、最低居住水準を達成していないものが、達成率が五八・一%でありますから、その差し引いた額でありますので、四一・九%ある、公団、公社の借家の場合には約三〇%がまだ最低居住水準を達していないというような問題があるわけでありますから、そういった点をこの際同時に検討を進めるということの中から、従来の公共賃貸住宅についての政策全体について検討を行い、その中での家賃問題、こういう観点がなければならないのではないかというのが私どもの主張であります。そういう観点からいたしますと、その点がとにかくまるごと受けとめているということになっているのじゃなかろうかということで、疑問を呈するわけでありますけれども、とりわけいまの都知事の文書などにも出てきておりますとおり、経済情勢の変化とか物価のスライドの問題であります。あるいは住宅家賃の不均衡、格差是正という問題などでありますけれども、こういう問題につきまして、三十五条を改正して行うことができるのかどうかということをわれわれは基本的に疑問に考えているところであります。
 以下、三十五条につきましてちょっと突っ込んで伺いたいと思うのですけれども、三十五条による公庫法上の家賃の計算方式というものは、公営と公団と明らかに違っております。どこがどう違っているのかということをまず冒頭説明していただきたいと思います。
#77
○豊蔵政府委員 公共賃貸住宅の家賃につきましては、それぞれの根拠法令に基づきまして限度額なり基準額なりが定められているわけでございますが、公営住宅、公団住宅につきましては、それぞれの根拠法の中で、たとえば公営住宅につきましては、償却費と修繕費管理事務費、損害保険料及び地代相当額を加えたものの月割り額を限度として事業主体が定める、こういうふうになっておりますし、また公団住宅につきましては、住宅・都市整備公団法の施行規則に基づきまして、同様に償却費に修繕費、管理事務費、地代相当額、損害保険料、貸し倒れ及び空き家引当金及び公租公課を加えたものの月割り額を基準として公団が定める、こういうふうになっております。その点につきまして、たとえば公団の場合には貸し倒れ及び空き家引当金あるいは公租公課、そういったようなものが公営住宅とは違っているところでございます。また公社住宅につきましては、いま公庫法に基づきます限度額というのがございますが、その限度額の範囲内で、地方住宅供給公社法施行規則によりまして、償却費に利息、修繕費、管理事務費地代または地代相当額、損害保険料、空き家等引当金、公租公課等を加えた金額の月割り額を基準として公社が定める、こういうふうになっておるところでございます。
#78
○山花委員 いまの御説明ちょっとわかりにくいところがあったのですけれども、一つの大きなポイントとしましては、公営や公団の場合、いまお話ししましたような家賃の構成要素を積み重ねて決定されるということで大変わかりやすいわけでありますけれども、公社住宅につきましてはそこのところが違っておりまして、建物の減価償却等に要する費用として、公営、公団の場合には一定の計算方法がある。公社の場合には一定の計算方法があるということですが、そこの中身が公営、公団の場合には、土地の上に建物が建っているわけですから、地代相当額というのが家賃の構成要素になっております。ここのところは大変当然のことだと思うわけですが、ところが公社住宅の場合には地代相当額ではなくて、地代の取得費がまるまる家賃の構成要素に入ってきているわけであります。なぜこういうことになっているのでしょうか。大体家賃と言えば、地代までまるごと家賃にはね返らせるというのは世の中ほかには私は例は見たことがないわけでありまして、公社の家賃だけが地代の取得費、造成費までまるごとはね返らせている。だから高くなっているのだということにもなるわけですけれども、なぜそうなってしまったのかということについてお話をいただきたいと思います。
#79
○豊蔵政府委員 いま御指摘の基準につきましては、住宅金融公庫法の第三十五条の第二項に関係いたします条文で、これが住宅金融公庫法の施行規則第十一条によりまして詳細が定められております。住宅金融公庫は、地方住宅供給公社が賃貸住宅を建設される場合にその資金を融資しておりますが、公庫法の性格上、お貸しいたしました資金が的確にその償還計画の中に入っていることが必要であるという立場から、この公庫法の三十五条二項の考え方といたしましては、建設費の中に土地の取得の費用、そういったようなものを含むというふうになっております。しかしながら、また公庫法の持つ性格は、具体的な家賃の設定そのものではなくて、いわば最高限度額を示したものでございますので、その限度額の範囲内におきましてそれぞれの事業主体、この場合におきましては地方住宅供給公社が一定の基準に基づいて家賃を定められる、こういうことであろうかと思うのでございます。
#80
○山花委員 いまのお話ですと、金融公庫法三十五条の規定によって直接家賃が決まるのではない、限度額なのであって、その限度内で事業主体が決めるのであるから構わないのではないか、こういうお話ですけれども、限度額の計算方式が間違っているならば、その最高限度を目安としてできるものについて影響が出ないわけがないわけであります。
 一つここで伺っておきたいと思うのですが、建設省のお考えとして、公社の賃貸借関係につきましては、原則として私法関係として民法の適用があるのだと思いますけれども、この点についてはいかがですか。
#81
○豊蔵政府委員 地方住宅供給公社の賃貸住宅につきましては、当然のことでございますが、民法及び借家法のルールに従うということになっていると思います。
#82
○山花委員 国土庁にお伺いをいたしたいと思いますが、いまのお話ですと、家賃というのは一体何かということを決めておいてから御質問しませんと、話がかみ合わなくなる心配があります。
 国土庁に賃料の、家賃の鑑定の方式につきましてかつて答申が出て、以来この答申に沿って具体的な施策が講じられていると伺いますけれども、賃料についての答申の内容はどうであったのか、その内容はおよそどうなのかということについて伺っておきたいと思います。
#83
○小笠原政府委員 最初に制度のいきさつから御説明申し上げますと、昭和三十八年に不動産の鑑定評価に関する法律ができまして、不動産の鑑定評価制度が発足したわけでありますが、その際、不動産の鑑定評価の統一的な基準を定める必要があるということで、当時の建設大臣の諮問機関であります宅地制度審議会から三十九年三月に、まず価格に関する鑑定評価基準が答申された。それから翌年四十年に宅地見込み地の鑑定評価基準が答申された。さらにその翌年の四十一年に賃料の鑑定評価についての基準が答申をされたわけであります。その後四十四年に地価公示法が制定をされましたのを機会に、以上三本の鑑定評価基準を一本化、再編をいたしまして、不動産鑑定評価基準とすべきであるということが建設省の住宅宅地審議会の答申によって定められたわけでありまして、これを四十九年六月の国土庁発足の際に国土庁が引き継ぎまして、現在これが不動産鑑定士法あるいは不動産鑑定士が不動産の鑑定評価を行う場合の合理的な統一的な基準ということで運用をされておりまして、賃料の鑑定評価基準もその各論部分ということになっております。
 価格と賃料の違いでございますが、まず、不動産の価格というのは、鑑定評価基準の用語によりますれば、不動産が物理的、機能的、経済的に消滅するまでの全期間にわたって不動産を使用あるいは収益することができることを基礎として生ずる経済価値を貨幣額をもってあらわす。それから不動産の賃料の方は、この全期間のうち、一部の期間にわたって、不動産の賃貸借契約などに基づいて不動産を使用することができるということを基礎にして生ずる経済価値を貨幣額をもってあらわすことを中心にいたしまして、賃貸借等一定期間継続するために必要な経費を含むというようなものでございます。
 それからなお、鑑定評価のやり方でございますが、若干価格とそれから賃料について違いがございますが、基本的には原価方式と比較方式と収益方式、三方式を用いて適正な賃料を算定するということに相なるわけでありますが、いずれにしても、地代そのものが賃料の中にそのままはね返るということはないような評価基準になっております。
#84
○山花委員 いまお話がありましたとおり、賃料についての現実の施策の上の取り扱いを伺うならば国土庁ということになると思うので伺ったわけですが、元本と果実を明確に区別されておられます。そして、不動産の賃料部分につきましては、いま引用されました答申によりますと、ずっと使うのではなくて、一定の期間、期間的な設定をした中で、「不動産の賃貸借契約又は地上権若しくは地役権の設定契約に基づき、不動産を使用し、又は収益することができることを基礎として生ずる経済価値(交換価値)を、貨幣額をもつて表示したものを主体とし、」その他、先ほど局長もいろいろお答えになりましたような必要経費が入ってきて賃料が定まる、こういう御説明でありまして、これは大変わかりやすいわけであります。
 先ほど局長の方に、民法の考え方が適用になりますねと伺いました。国の施策として、国土庁は賃料についてこう考えているということについても伺ったわけですけれども、建設省は、こうした一般の世の中の、民法の適用ある、借地法、借家法の適用ある、あるいは国土庁の施策としてこうしているというのとは違った、何か特殊な賃料、公共賃貸住宅についての賃料概念をお考えなんだろうか、それともそれはそのとおりなんですよということなんでしょうか、その点について伺いたいと思います。
#85
○豊蔵政府委員 基本といたしまして、先ほどお答え申し上げましたように、民法なり借家法なりあるいは物によりまして借地法なりの適用があるわけでございますが、公共賃貸住宅の性格からいたしまして、たとえば地方住宅供給公社に対しましては、私どもの立場で施策として、その住宅を必要とする国民の方々に的確に供給できるように、そしてまた、それらが適正な家賃であるように、そういった意味からいろいろな低利融資を行う、場合によりましては公団のように利子補給をするといったような手だてを加えておる。そういう意味で、事業主体に対しましては公共賃貸住宅の目的に沿った利用をしていただくようにお願いをしております。その点が純粋な意味での民間の賃貸住宅の管理、あり方とはおのずから基盤を異にしている面があるというふうに考えております。
#86
○山花委員 民間の賃貸住宅とは違う管理のあり方ということを伺っているのではないわけでして、私は、厳密に局長のお話を伺っていますと、先ほどの答弁といまの答弁とは本質的に違っていると考えます。先ほどの答弁は、三十五条の解釈として上限を決める、限界を決める政策的な規定であるから、現実に賃料を決めるときには基準というものがあるし、公社法の規定もあるんだから、規則もあるんだから構わない、この意味ならまだ三十五条の解釈としてわかりますけれども、いまのお話は実はそうではなくて、公社賃料の考え方というものは一般の言う賃料とは考え方が違うのだ、こういう御説明になるわけであります。前者の解釈であるとするならば、たとえば、普通は賃料の構成要素の中には地代相当額が入るのだけれども、公庫にお金を返す必要があるから、土地の取得費、造成費がまるごと入るということも、考え方としては上限を決めるんだからあるんですよ。これはわかります、こういう説明ならわかるのですけれども、しかし後段にありましたような、民法とか国土庁が考えている賃料の考え方とは違う考え方を持っているんだということになりますと、これは大問題だと思いますから、そこのところを整理しておきたいと思うのです。いろいろな管理のあり方についてはわかりますけれども、賃料そのものについての概念といいますか、その点について国土庁の御説明とは違った考え方を持っているのでしょうか、その点について伺いたいと思います。
#87
○豊蔵政府委員 私がお答え申し上げたのが少し十分でなかったために失礼をいたしました。基本的にはいま御指摘ありましたように、公庫法に基づく家賃の考え方は、これは限度額を決めるものでございます。したがいまして、公社は公社として一定の基準に従って家賃を決められるわけですが、その際、それが民法なり借家法のルールといいますか、適用があるか。まさに適用があると思います。私が申し上げたかったのは、一般の純粋の民間でありますならば、市場価値によりまして自由にお互いに決められるものでありましょうが、公庫法あるいは住宅供給公社法によりますところの施策住宅については、たとえばいま限度額を決めているというのも、一つの公社なり公庫の資金を活用された賃貸住宅事業主体に対する制約でもあろうかと思いまして、そういう側面も持っておると申し上げたわけでございますので、その点は基本的には先ほどお答えしましたように、限度額の範囲内で適切な家賃が決められる、それは民法なり借家法の適用を受けるものでございます。
#88
○山花委員 いまのお話で、公庫法についての御説明としては理解をいたします。ただ、限度額といえども土地の取得費や造成費までまるごと入れて、それを家賃として取るということであるとするならば、一般のごく常識的な家賃の考え方からするならば、その部分は不当利得になるのじゃないかという気すらするわけであります。しかし、公庫法は限度額、公社法は基準額という建設省側のお考えを一応頭に置きまして、大事なところは、家賃の基本、性質については民法あるいは国土庁の御説明と同じである、ここのところだけは、ここは大事なところですから確認をしておきたいと思います。
 さて、そこで家賃の決定方法でありますけれども、個別原価主義の問題、公営については若干法律の改正その他がありまして、厳密な意味で個別原価主義というものが現在の基本とされているかということになると、若干の疑問があると思いますけれども、公社家賃とか公団の家賃につきましては、現在なお基本的には個別原価主義という原則が土台となっている、こういうように理解してよろしいでしょうか。
#89
○豊蔵政府委員 家賃の決定に当たりまして、特に当初におきましては一般的には個別の住宅の原価というものを基本にしつつ家賃の算定が行われる、そういう意味におきましては御指摘のとおりであります。ただ、現在の公庫法なりあるいは公団の法なりに基づきましても、一部は団地間、住宅間相互のバランスのために、この原価主義に対する特例が認められておりますので、そういう意味では部分的な修正が加えられておる、そういう点もあるということでございます。
#90
○山花委員 個別原価主義を原則として考えた場合には、先ほど来の答申や鈴木都知事の要請にありましたような、物価にスライドさして賃料を上げることができるようにするという考え方は、根本において誤っているのではないかというように考えざるを得ません。先ほどの御説明で、それはそれとして、最近、若干の調整というお話もありましたけれども、どうも若干ではないのではないかということと、実態に即して問題を考えなければいけないと思うわけでありまして、三十五条によって改正される部分というのは、全体の家賃構成の中で公庫に対する償還金のはずであります。その部分ということになると思うのですが、したがって経済情勢の変化に応じてスライドさせるということになりますと、その他の公租公課とかそういったものについても基準で出てきてしまうわけでありますから、物価スライドと考えられるのは償還金の部分ということになると思いますが、全体の家賃の中で償還金の部分というのは何%ぐらいのパーセンテージを占めているのでしょうか。これは質問通告をしておりませんので、約で結構でございますけれども、大体何%ぐらい償還金部分が占めておるかどうか。
#91
○豊蔵政府委員 いま厳密に細かい計算をいたしておりませんが、一般的には、償却費部分が家賃の中において占める比率は大体四〇%程度であろうかと考えております。
#92
○山花委員 実は、私がたまたま持っておる資料がちょっと古いわけでありますけれども、これは薬王寺住宅というところにつきましての二Kのものでありますが、この場合にはその構成比率五八%が公庫償還金元利部分であります。それから富士見町第二住宅というところについて見ますと、七二%がその構成比率となっております。あるいは祖師谷住宅というところについて見ますと、大体八一%が公庫償還金ということになっておりまして、あるいは和泉町住宅におきましては、七一%が償還金部分ということになっております。
 ちょっと私の持っている資料が古いものですから、最近はずいぶん変わっているのかもしれませんけれども、とにかくちょっと以前ですといま申し上げましたような七〇%、八〇%になっているし、いまの局長のお話ですと、四〇%はあろうということでありますので、ちょっと幅があり過ぎはしますけれども、とにかく家賃構成の中の非常に大きな部分というのが公庫に対する償還金の元本利息であるということだと思います。その一番大きな部分がスライドして変わるということになってくるわけでありまして、そういたしますと、一体どの程度スライドしていくのだろうか、この点が大変問題になると思います。具体的には今度の改正によりまして、どのくらいの増収を各地方供給公社が見込んでいるかということについて、これは建設省に資料要求したわけでありますけれども、決まってからでないとわからぬということで、お答えとしてはいただけませんでした。そこで、およその算式と申しますか、三十五条改正ということになった場合には、どういう仕組みで具体的に値上げ幅が決まっていくのかという仕組みについて御説明をいただきたいと思います。
#93
○豊蔵政府委員 今回御提案申し上げておりますようなことで新しい条文が入りますれば、これは建築物価等の相当大幅な上昇がありました場合に、その建築費につきましての償却費につきまして新たなる計算ができるということにしたわけでございますので、その点についてだけが改正されるわけでございまして、その際、公営住宅等とバランスをとるために、建築工事費につきまして、公営住宅法に定められております償却費の率、これを定めまして、この償却費の新しい率に対しまして、毎月元利均等償還するものとして算定した額、こういうふうに基本としては考えております。しかしながら、仮にそれによりますと、償却費の基礎となります推定再建築費の割合といいますか、率が相当高くなるということも考えられますので、激変緩和措置ということを当然考慮する必要があると思っております。私どもは、指導といたしましては、その家賃が現在定められております限度額に比べまして四〇%を超えるような場合にはそれ以内で、また、金額といたしまして七千円を超えるような場合にはそれ以内で当分の間定めていくといったような方法によりまして、指導したいと考えております。
#94
○山花委員 どのくらい上がるのかということについて、個別事例では幾つか御説明いただいたものもありますし、いまの局長のお話もあるわけでありますけれども、激変緩和措置をとるということにつきましては、これは大変大事な問題でありまして、先ほど申し上げました四割になるか、七割になるかという公庫償還金の部分についてのスライド問題を考えますと、推定再建築費ということになってくると思います。建設省告示の第千六百九号、五十六年の九月二十八日の告示でありますけれども、実はこれを拝見いたしますと、公営の場合、「簡易耐火構造」云々、「特殊耐火構造」云々というところまで含めまして、そのスライドするパーセンテージが出ているわけであります。
 では、一体どのぐらいのスライドになるかということについて、いまの資料ということにならないかもしれませんけれども、私が持っております資料によって見当をつけてみますと、たとえば西台住宅というところがありますけれども、これは土地取得費を含めまして、建設費が二十二億五千四百九十万円かかっておったようであります。昭和四十七年の建設でありまして、これはその戸数で割りますと、一戸当たりの建築費が大体五百六十五万円ということになります。四十七年の先ほどの推定再建築費の償却の表に当てはめて考えますと大体二・五三倍ということになりまして、建築費が現在に換算すると五百六十五万だったものが一千四百三十三万になる、こういうことになるわけです。あるいはもっと古い例で見てみますと、江古田の公社住宅について見ますと、これは大変古かったわけでして、三十三年の建設です。当時の建築費を戸数で割りますと大体九十五万一千円であります。百万足らずで三十三年ぐらいにはできておったわけでありますけれども、これを先ほどの告示に当てはめますと、三十三年度のところは六・四六倍ということになりますから、九十五万一千円でかつて建ったものについて、これを六百十四万六千円に換算をするということになってまいります。こういうように換算の比率を高いものとずっと比較していきますと、倍とか三倍ということにはならないのじゃなかろうか。それが全体の四〇%か八〇%かということはありますけれども、もしこの三十五条がストレートに通りまして、この告示に沿ってその減価償却、再評価をしていくということになりますと、五倍である、六倍であるという数字が実は理屈の上では出てくるわけでありまして、そうなってくると、激変緩和といいますか、この辺については大変大問題を生ずるのではなかろうか。従来、公社の関係で資料をいただいているような、大体この程度ですよ、二倍以下でこのぐらい、七千円ぐらい、こういう話にはならないのじゃなかろうかというように思うわけでありまして、いまの私の方の方式から考えました心配について、そういう心配はあるのかないのか、あるとするならば建設省としてはどういう措置をお考えなのかということについてお伺いをいたしたいと思います。
#95
○豊蔵政府委員 いま先生がお話しになりましたように、単純に推定再建築費、これはそのままではございませんが、公営住宅の仕組みによりました場合には、その推定再建築費の上昇分の三分の一程度を率として運用しておりますが、それにいたしましても、仮に相当期間経過いたしまして物価の上昇率が高い場合には、その比率も高くなる可能性がございます。したがいまして、私ども、もしこの法律の御審議をいただきましてお認めいただけましたならば、公庫法の施行規則を定めることにいたしておりますが、その施行規則によりましても、細かい具体の措置は、公庫が公社と御相談をして判断をして、一定の範囲内で認めたものを運用するということになろうかと思います。その運用につきまして、私がいま申し上げましたように、単純に計算をいたしまして、率が非常に高くなる場合には、その限度額家賃間の比較をいたしまして、四〇%を超える場合にはそれ以下、また絶対額として七千円を超える場合にはそれ以下というふうに運用して、今度は各公社の具体的な家賃決定の指針とさしていただきたいと思っております。
#96
○山花委員 現実にはこうやるから心配するなというのがいまの御説明の趣旨ですけれども、もともと三十五条の家賃の決定方法につきましては、申し上げましたとおり、土地取得費、造成費込みであるという根本の問題があるわけでして、幾ら限度だから心配するなと言っても、限度が青天井的に高くなった場合には、その後の家賃値上げというものがそれに沿って将来行われる心配というのはどうしても残ってくるわけでありまして、そういう観点からいたしますと、実は公庫法三十五条の改正というのは大変大きな問題であるというふうに言わざるを得ないわけであります。実は、公社の関係ですけれども、先ほどの鈴木知事の文書など見ますと、大変経営、やりくり困っている、赤字が出ている、こういう御説明なわけなんですけれども、公社の実態は建設省として把握しておられるのでしょうか。本当に赤字が出て困っているという実態なのかどうかということについてお伺いしたいと思います。
#97
○豊蔵政府委員 たとえば東京都の住宅供給公社の賃貸住宅の事業損益等私どもちょうだいして見せていただいておりますが、その事業損益で見ますと、最近におきましては各年度を通じまして赤字になっておるというような実態でございます。また、東京を初めとする各住宅供給公社につきましては、現在のルールによりまして定められております公庫法に基づく家賃限度額、これに大半のところがいっぱいまで家賃として決定さしていただいておる、しかしながらそれでもなおかつ団地の環境整備あるいは設備の更新、大規模な修繕等が公営住宅等に比較いたしまして所定の期間内に整備できない、その所定の期間といいますのは、たとえば計画的な修繕をやりますためには大体この程度の期間が望ましいということがあるわけでございますが、それが必ずしも思うようにいかなくて、相当期間経過しないとそれだけの措置ができない、こういうふうになっていると聞いております。
#98
○山花委員 たとえば、いま具体的にお話しになりました東京都住宅供給公社の場合、建設省には大変困っているという説明をしておられるようでありますけれども、東京都議会では余裕があるというようなことになっておる、これは一体どういうことなのでしょうか。実は、過日新聞報道、四月二日の朝日によりますと、東京都住宅供給公社が、オーナー東京都の要求に応じて、三月の初め公社の所有地を住宅整備公団に売った代金から百二十億円を東京都に返すことが決まった、こういう記事が出ておりました。この問題についての都議会の議事録を私拝見したわけでありますけれども、これを拝見すると、わが党の斉藤都会議員が質問しているのですが、五十六年の財政事情につきまして、住宅供給公社の貸付金百二十億円を都の収入とするのですかという質問に対する財務局長の回答でありますけれども、実は二十六年から四十六年まで貸し付けたものが三百十五億円残っておる、これは無利子である、たまたま住宅供給公社に資金上の余裕が生じたということであるので、返す時期は来てないのだけれども早目に返してもらってしまった、こういうことでありまして、供給公社は余裕がある、余裕があるから、都財政苦しいから先に返してもらった、こういう説明になっているわけであります。大体が公庫の金を全部返した後に東京都に返せばよいお金であります。それをいまになって先に返してしまっている。利息のついていないお金であります。利息のついているお金から返すのならまだ話はわかりますけれども、そうじゃなくて、いま返さなくていいようなお金を百二十億円、無利子のものを期間を早めて返してしまったというくらい余裕があるわけでありまして、こういう状態からいって、公社は、東京都に対しては余裕があるといってお金を返しながら、国会では建設省に対して赤字だから三十五条を変えてくれというのは、これはおかしいのじゃないかと思うのですが、これはいずれも新聞記事と都議会の議事録に基づいてのお伺いでありますので、建設省、こういう事態に対してはどうお考えでしょうか、伺いたいと思います。
#99
○豊蔵政府委員 ただいまのお話の具体的内容は私もちょっと承知いたしておりませんが、多分公社が保有をしておられました土地の売却処分による収入、これに対する東京都と公社との間の措置ではなかろうかと思います。私が申し上げましたのは公社の賃貸住宅についての事業収支、これにつきまして申し上げましたので、恐らく土地の関係の経理と賃貸住宅の経理とは区分されておるものではなかろうかと思います。
#100
○山花委員 実は私は賃貸住宅の管理事業損益の支出の明細あるいは現在の財産目録について検討をいたしました。その中では一つの問題点として、いざというときに備えてということで、特に修繕費のうちのかなりの部分を蓄積している、こういう状態があります。一体なぜ蓄積するのかということに対する公社の回答としては、いざという災害に備えて蓄積するのだという趣旨の御説明があったように伺っておるわけでありますけれども、まさにそのいざという、たとえば大震災に備えて、そういうことまで含めて、それを日常の家賃で取り上げた中から積み立てておくというくらいの苦労をするならば、たまたま余裕金が生じたならば余裕金はそういう蓄積に充てるとか、その他のところに回せばよいではないかということになるわけでありまして、この問題につきましては、先ほども申し上げましたとおり、もし返すならば公庫のお金を先に返して金利負担が助かるようにすればいいではないかということでもありますし、別に公庫のお金だってずっと返す年度が決まっているわけですから、先に返す必要はないわけでありますから、当面赤字でお金に困るということならば、そういうところに充てる金として余裕金については使うべきではなかろうか。きょう公社いらっしゃいませんから、建設省に対して文句を言っても直接的ではありませんけれども、ということからいたしますと、先ほどの都知事の、財政上苦しくなっているからということで、そういう余裕金があることについては全部伏せまして、上限青天井かと言われるような三十五条を改正するというやり方というものはどうも理解できないというのがわれわれの考え方であります。この問題点につきましては、なお今後とも具体的な問題として建設省を通じていろいろ資料をお願いしたり、お伺いしたりすることがあると思いますので、この点はひとつよろしく御協力のほどをお願い申しておきたいと思います。
 あと時間が少なくなってまいりましたので、幾つかの質問、残るところ伺っておきたいと思いますけれども、とにかく三十五条が法文として欠陥があるかどうかということもさらに議論したいと思うのですけれども、そのことはちょっと横に置きましても、法案が通りますと急に値上がりすることについては建設省指導すると先ほどおっしゃっておりましたけれども、値上げすることは間違いない、増収になってくるだろう、増収になったお金は一体どこに使うのかということにつきまして、概略の見通しをお伺いいたしたいと思います。
#101
○豊蔵政府委員 家賃の変更につきましては、先ほどもお答え申し上げましたが、各地方住宅供給公社におきましてそれぞれの事情に応じまして決められることでございます。しかしながら、もし仮に公社が家賃変更されて若干の増収分があったというふうにいたしますと、一般的には現在不足しております古い住宅団地におきますところの大規模修繕、計画的修繕を進捗をしたい、それからまた団地の環境整備、特に駐車場、集会所あるいは公園等の、そういったような環境の整備を図る必要があると思っております。それからまた、各住戸の設備につきましても時代の進展に伴いまして相当の傷みも来ておりますでしょうし、また、最近の新しい設備システムに切りかえていくことも必要かと思います。そういった意味での改善等にも充てられるであろうというふうに考えております。
 また、これも公社においての御判断でございますが、新旧の住宅間におきますところの総合的な家賃の調整にも充てられる場合があるだろうというふうに考えております。
#102
○山花委員 いまお話しの中での問題は、新旧家賃の格差是正、この点であります。実はそのために先ほど国土庁の見解を伺いまして、家賃の概念、そしてそれは基本的には民法の考え方と違わないのだというお答えを聞いておったわけですが、家賃というのは、先ほど国土庁から御説明いただきましたとおり、ある不動産を借りた、その使用収益に対する対価として払うものであります。同時に個別家賃主義、原価主義という原則から考えるならば、そこに住んでいる方がほかの団地、使っていないところの家賃を払う必要は全くないわけでありまして、二つの点から大変問題であると言わなければなりません。個別原価主義につきましては、完全に政策家賃ということで、八十平米、標準家族で収入の一〇%の家賃ということを決めるならば別ですけれども、そうじゃないわけなのですから限界があるはずでありまして、そこからも問題でありますし、民法の考え方、借地借家法その基本については変わりがないとおっしゃった。国土庁の説明のとおりであるということですと、自分で使う、使用収益するから家賃を負担するということでありますから、そこでは高い安いの議論があるといたしましても、これからできる新しい家賃の抑制に使うとか、そういうかっこうでほかのところに使うためにやるというのは間違っているのじゃなかろうか。まず民法の原則にも反することと思いますけれども、先ほども基本はそうなのだとおっしゃいましたが、そこが違っているのかどうかということ、これが一つ。
 もう一つは、民法の原則ということでいきますと、家賃をスライドさせて上げる問題と格差是正の問題、双方にかかわってくるわけでありますが、実は時間がないので一言だけ伺いたいと思うのですけれども、家賃につきまして草分けの理論というのがあります。これは私もずっと調べてみたわけでありますが、大審院の判例以来ということでありまして、一番古いのは昭和七年三月二十五日に大審院の判例が出ておりますけれども、要するに古くから住んでいた人はいま住む人よりも家賃や地代が安いのはあたりまえではないか、こういう理論であります。長年、公社に何十年も住んでおった方は、いま公社に入るという方よりも草分け的な賃借人なのですから安いのがあたりまえである、こういう考え方があるわけでありまして、この考え方というのは一般の公社の場合にも当然通用する問題ではないだろうか。草分け的な公社住宅居住者の場合には、いま入ろうとする人よりも安くてよろしいということだと思うのです。先ほどの民法の原則は、基本は変わらないということであるといたしますと、その点について一体どうお考えなのかを伺っておきたいと思います。
#103
○豊蔵政府委員 住宅の家賃につきましては、先ほど来お話がありましたように使用収益の対価として支払われるものであろうと思いますし、そのことにつきましては金額の多寡は別といたしまして、それが基本であろうかと思っております。ただその際、これの具体的な収入につきましての使途、これは当然のことでございますが、基本といたしましてはその住宅の維持、修繕あるいは環境整備等に充てるというのが一般的通則でありますが、公社の総合的な収支計算の中で彼此融通することも、それはある程度あり得るのではないかと考えて申し上げたところでございます。
 また、ただいまの草分け論というものにつきまして、いわば継続家賃と新規家賃につきましての比較を考えました場合に、これも一般的には継続家賃の方が低く、新規家賃の方が高いという傾向があることも事実でございますが、ただ、これが草分け論としていわば家賃の設定につきましての理論的根拠となるかどうか、これは必ずしもそういうことで割り切れるものでもないのではなかろうか、やはり家賃というものは先ほどもお話がありましたが、原価なり収益なり、それからまた他のバランス等を考えた比較なり、そういったものに基づきまして総合的に判断されるものであろうかと思っております。ただ、その際継続家賃につきましては、借家人と賃貸人との間の相互の関係もありますので、一般的にはそういう相互の信頼関係等の中で、新規よりはやや低くなっているという実情にもあろうかと思います。
#104
○山花委員 時間の関係がありますが、最後に局長が触れられた相互の関係ということについて伺っておきたいと思うのです。
 ただ、いまちょっとなお確認的に伺っておきたいと思うのは、原則は賃料なんだから、使用収益している物件に対する対価であるということなんだ、しかしということで若干言葉を連ねておられたわけですけれども、原則がそこであるということははっきりしておいていただきたいと思うわけであります。大事な点です。
 第二番目の問題として、とは言いながら、問題点としては、三十五条の中身は、それが再評価ということになりますと五倍にも六倍にも再評価される枠ということになってくるわけでして、そこで一番大きなスライド分というのが出てくるわけでありますから、その使途ということにつきましては、単に一方的に事業主体の方が決めるということではなくて、十分住んでいる入居者の側の意見も聞いていただかなければならないのではなかろうか、こういうように考えるところです。
 結びとして、初めの答申に戻りますけれども、答申の一番最後のところがいわばまとめになっていると思います。答申の一番最後のところでルールづくりということについて触れております。この答申のまとめの部分の指摘でありますので、いわば家賃に対する答申の結び、結語というところになると思います。それは、してみると今後の家賃変更を行うという場合の前提条件ということになるのじゃないだろうか。読めばわかるとおり、この文章の締めくくりとしてもそういうように考えざるを得ません。この点からきょうの三十五条の改正問題を考えると、家賃の基本の性格にも変更を与えかねない三十五条の改正ということでありますから、本来ならばルールをつくって、そこで話した中での一定の方向に基づいて三十五条改正をやるべきではないかということをわれわれは主張をする次第であります。
 第二番目の問題として、「適切な手続きに基づく必要なルール作り」という表現は、公営、公団、公社という多数の賃貸住宅を抱える管理主体とその入居者の関係にあってはもとより、借家法の適用を受けるとはいうものの、事前の日常的な管理運営に関する協議体制なくしては家賃の変更が公正かつ円滑に行われないという、公団の家賃戦争を初めとした、都営住宅や公社住宅の家賃値上げの際のトラブルの経験を生かしてのものであるというようにわれわれは考えます。したがって、ここで言う「適切な手続き」とは、管理主体と入居者の合意を前提として確立されるものでなければならないと考えますし、「必要なルール作り」とは、家賃限度額の範囲内にあって相手方が納得するようなシステムと協議体制を意味している、「公正かつ円滑」とは、紛争の回避努力を指すものとわれわれは考えるところであります。こうした「ルール作り」という答申の指摘に対して、答申を忠実に実行するというところに一つの責務ありとするならば、建設省の側の答申のこの部分についての御見解と今後の御決意を伺いたいと思います。
#105
○豊蔵政府委員 昨年の住宅宅地審議会の御答申を受けまして、私どももその趣旨を関係の事業主体に連絡いたしたところでございますが、それぞれの地域の実情あるいは事業主体の規模あるいはいろいろな居住者の方々との間の従来の経緯、そういったようなものがありますので、私たちといたしましては、この答申の趣旨を特にこの際生かしまして、今後とも入居者の方々に対しましても十分な御理解が得られるように、また、供給公社につきましてもこれらの答申の趣旨が具体的に生かされるように、今後とも強く指導をしてまいりたいと考えております。
#106
○山花委員 最後に、いまの点に関しましては実は公社の自治会といいますか、お住みになっている皆さんと各事業主体との間には、従来、特に前回の家賃値上げに際しまして話し合いが行われた経過がございます。以降一定のルールができまして、今日まで東京の場合ですと毎月一回くらいのようですけれども、話し合いが行われているというように伺っておりますし、きょう関西関係の資料についてもいただきましたけれども、ほぼ同じルールができ上がっているようであります。ルールができておらないところに問題があるのは実は公団の関係でありまして、そのルールづくりがうまくいっていない公団の、その点についての姿勢が悪いから裁判になったんだというような問題もあると思います。この点についてはまた機会を改めますけれども、公社の場合にはそうしたルールがきちんとあり、現実に運用されてきているわけでありますから、いまお話しいただきましたとおり、答申の趣旨に沿って、その点について建設省の側の指導をさらにきちんと行っていただくことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。
#107
○村田委員長 これにて山花貞夫君の質疑は終了いたしました。
 次に、薮仲義彦君。
#108
○薮仲委員 ただいま審議しております住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案の質問をする前に、けさほど来同僚委員の方からもちょっと問題として指摘されました大臣の御発言について、私は確認をさせていただきたいことがございます。この大臣の発言は必ずしも正確ではないということを前提にして、大臣の真意といいますか、政治姿勢に対する基本的なお考えを私はお伺いしたいと思うのです。
 ここにいるわれわれ国会議員、もちろん大臣もそうでございますけれども、今度の国会に当たって、この厳しい財政再建、さらには国民的課題として国会に課せられております行政改革、これはどうしても断行するという鈴木内閣の政治姿勢、さらにはわれわれも現下の情勢の中から、その点を踏まえて今日まで真剣に国会において論議を尽くし、審議を尽くしてきたわけでございます。当然予算審議ということは国会においては重要な課題であり、予算案が通過しているということは一つの流れであるかもしれませんけれども、関連する法案はまだまだ委員会でも審議ざれます。そうすると、われわれ建設委員に課せられた一番重要な使命は何だったのだろうか。今国会で私たちこの建設委員会に身を置く者として、国民の負託にこたえようと思って一番努力してきたことは、国民の一人一人の方が納めてくださったとうとい税金で執行される公共事業が、いわゆる巷間言われるような不正常な、不公正な取引、簡単に言えば談合、それによって税金がむだに使われてしまったり、公正あるいは正しい競争原理を阻害するような契約のあり方というものは排除していこう、そして国民の批判だとかそういうもののない、むしろ政治に国民の信頼を取り戻すように、建設省はもちろんのこと、行政各省庁は国民の前に襟を正し、しっかりしょうと今日まで努力を重ねてきたところでございますし、われわれも建設委員として評判や何かでここで論議した覚えは一つもございません。政治に対して国民の信頼を取り戻そう、そのためには、いま言われる批判に対して国は、政府は、各省庁はどう取り組むかということで、われわれは真剣に大臣に政治姿勢を問い、また改めるべきは改め、国民に信頼される公正な契約のあり方を一歩一歩築いていこう。何百年と続いた今日までのすべての慣行や何かをだめだと言うのではなくて、よりよいものに、より公正なものに、より適正なものにしていこうと、われわれは今国会今日まで一生懸命努力してきました。しかし、大臣の御発言をここにいる与野党の議員を問わずどれほど残念に思っているか。一体建設委員は何をやってきたんだ、建設委員会は何をやっているんだ。私も地元に帰りまして選挙民に会います。絶対に建設省は大丈夫です、建設委員会でこの問題については鋭意審議を尽くして皆さんの期待にこたえますよとわれわれは努力してきました。これは単なる一野党の問題ではないと思います。与党野党を問わず、当該委員会に身を置く委員すべては大臣の発言に非常に心を痛め、あれはうそだと私は信じておりますし一あんなことがあってはならない。それでこそ国民の政治に対する信頼が私は返ってぐると思うのです。あのような報道のされ方についで私は非常に残念であります。大臣の真意をここで伺うと同時に、大臣は国民の信頼にこたえられる、一番上に立っている方なんでございますから、そういう立場で大臣の真意と、また、記者にあるいはマスコミに対する発言等については誤解を招かないように十分御注意いただきたいと思うのでございますが、大臣の真意をまずお伺いしたいと思います。
#109
○始関国務大臣 お答えいたします。
 容年の暮れに私は建設大臣に就任いたしまして、真っ先に最も心配をし、かつ関心を持ちましたことば、いわゆる談合の問題を中心にしてでございますが、これは次官、官房長を初め各局長も呼びまして、談合問題について基本的にはどう考えるかという相談をいたしました。これにつきましては、とにかく談合というものは、指名であろうがなかろうがいわゆる競争入札の趣旨を根本的に没却するものでありますし、また、いまお話しのように国民の税金の使い方に関するものであるからこれはもう絶対に認める余地はない、こういうやり方の、こういう程度の談合ならいいのじゃないかというようなことはない、すべて談合は政府と申しますか、建設省としては認めるべからざるものである、この点は完全に省内の意見が一致したところであります。
 ところで、談合の問題につきましては非常に多面的な問題がございまして、それなら好ましくない、不当であるというところから一歩進めまして、違法であるのか、談合が罪であるのか、したがって国家の処罰権につながるのか、そういう問題はどうなっているのかということも相談いたしたのでございますが、この点につきましては、建設省の建設業法その他にいろいろ規定はございますがい初めに談合そのものを違法である、どういう罪に当たるんだということを建設省自体がどうこうという立場にない。それでいいのかどうかという点もいろいろ省内で議論もいたしましたが、それはそうなんです。私がそういうことをあえて申しますのは、これだけ国論を沸かしておる大問題でございますから、国家の各機関、各発注官庁はもちろんですが、司法機関とか準司法機関とか言われるものもそれぞれの立場において、それぞれの法律を駆使して国全体としてこの問題に取り組むべきである、こういうことが私の持論でございまして、この間の記者会見でもそういうことを申したのであります。何かちょっと気にさわるような文句があったかもしれませんが、ああいうことは申しておりません。根本のところはそこでございまして、談合はどうでもいいとかなんとか言うのじゃなしに、国家の諸機関が協力いたしまして、共通の目的に対してそれぞれの分野でひとつ全力を尽くしていこう、こういうことを申したのでありますから、その点はひとつ御了解をいただきたい、かように存じます。
#110
○薮仲委員 それでは重ねて、午前中の大臣の御答弁は後ほど会議録で読ませていただいて、不正確であれば申しわけないので、私の聞いた範囲内で私はこういうふうに理解しておるということで申し上げますが、大臣は現行法制の中の建設業法には談合はない、確かにそのとおりだと思います。しかし、今回のこの問題等を通じてわれわれは国会の中でずっと審議してまいりました。われわれは決して建設業法だけを取り扱ったわけではございません。われわれは建設委員会でございますから当然建設業法も扱いました。しかし、刑法にはどうなっているのだ、あるいは私的独占禁止法いわゆる公正取引の確保に関する法律にはどうなっているのだ、あるいはまた地方自治法、会計法、あるいは裁判の判例等までわれわれはこの問題を研究しまして、その上でわれわれ公明党として、契約の公正化というのは大事なことだ。国民の負託にこたえよう。われわれは、指名競争入札の必要性、税金を適正に使えないような業者あるいは技術力がそれまでない業者については、それはまだまだということもあって、指名競争入札の必要性は私十分わかっておりますし、その上に立って、二の建設業法の第一条にはこう書いてあります。「この法律は、建設業を営む者の資質の向上、建設工事の請負契約の適正化等を図ることによって、建設工事の適正な施工を確保し、」こうなっておりますが、この請負契約の適正化ということが一番問題になったのです。談合そのものは、われわれは話し合うことがいいとか悪いとかでなくて、そこで問題になって世間の非難を浴び、糾弾を浴びたのは何かというと、不公正な契約の仕方はやめましょう、やめてほしいということだけだったのです。この建設業法の二十八条にもございます。「建設業者が請負契約に関し不誠実な行為をしたとき。」これは建設業法上罰せられるのです。談合そのものは書いてございませんけれども、談合の中で、不誠実な行為はいけませんというふうにきちんとここでうたわれてございますし、また同じく四十二条の中でこうなっているわけでございます。建設業者が十九条あるいは二十四条の三、四あるいは五に違反しているときには「その事実が私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第十九条の規定に違反していると認めるときは、公正取引委員会に対し、同法の規定に従い適当な措置をとるべきことを求めることができる。」いわゆる公正取引委員会に対しての措置請求のこともここにうたわれているわけでございます。第十九条は、御承知のように、ここにございますように、「不公正な取引方法の禁止」、「事業者は、不公正な取引方法を用いてはならない。」われわれは全部話し合いをしてはいけないとか、そういうことを言っているのではなくして、そこで言われるような不公正な契約内容あるいは取引行為というのは、それは決して国民のためにならないし、いわゆる社会資本を後世に残すためにもならないから、公正な形で取引を行えるようにしましょうということにしぼって私たちは努力してまいりましたし、建設業法を読んでみましても、なるほどそうだと私たちは理解しております。そういう立場に立って、大臣の御発言に多少誤解を招く部分があるのじゃないか。建設業法で言っていることは、不公正な契約や、適正な競争を阻害するということは好ましくないよということをうたってあります。今後の大臣の御発言というものは、日本の建設業界全体に影響を及ぼしますし、大臣の政治姿勢そのものが本当に国民に信頼される建設業界全体の形にもなってまいりますので、この法律をもとにして、本当に明朗ですばらしい建設業界が築かれていくという立場に立っての大臣の御決意を重ねて伺っておきたいと思うのですが、いかがでしょう。
#111
○始関国務大臣 ただいまの薮仲先生の御意見と私どもの考えておりますことと全く同様でございます。私は、他の法律、談合罪もございますし、いま御指摘のように一番広く網をかぶせているのは公取の競争制限の法律だと思いますが、会計法、いろいろございます。そういったような立場にある人もいますから、みんなが協力して共通の目的に向かってやっていこう。建設省にだけ全部言われても法のたてまえ上はちょっと無理だ。行政官庁でございまして、司法官庁でも準司法官庁でもない。そういうことを御理解いただいた方がかえって全体としての談合の退治のためによかろう、これが出発点でございます。いま御指摘がありましたが、建設業法の中にもいろいろな規定がございます。たとえば他の法律によって、たとえば談合罪で起訴された。公取の方から課徴金を取られたとか、他の法律によっていろいろ談合の存在が認められました場合には、こちらでは建設業法の規定によって営業の停止、もう一つは登録の取り消し、これはしばしばいたしておりまして、厳正に措置をいたしておる点でございます。
 また、申し上げるまでもございませんが、一般的な指導監督の官庁でございますから、そういう立場からは建設業の多くの団体を通しまして建設業界の自重ですね。それから法令の厳守等を呼びかけておりますし、また、実際問題といたしまして談合の発生に非常に大きな関係がありますのは、いろいろな発注方式の問題だと思うのでございます。これらの問題が残っております。私見でございますが、将来とも指名競争入札というのが主流である。六割か六割五分のところまでいくと思うのですが、これにも若干の欠点もあるように思われますのでさらに随契、それから制限つき公開入札、こういうものを適当に組み合わせまして、そしてそちらの方の競争入札の体制からも談合が行われない、こういうことを深く期待しておる次第でございまして、何か誤解を与える点があったといたしますればおわびをいたしますが、今後引き続いて御鞭撻を賜りますようお願いいたします。
#112
○薮仲委員 私も今日までの建設業界の日本の国に果たした役割りは非常にすばらしいものがあると思っておりますし、変な形で建設業界が萎縮したり明朗さを欠いたり、明るさを欠くようなことが断じて業界にあってはならないと思いますし、やはりこれから国民経済を発展させる上でも、建設業界の持つ役割りは非常に大事でございますから、どうか大臣の適切な指導監督等によりまして、業界がますます健全な発展、前進をするように、世界に冠たる技術を持った日本の国でございますので、その辺も十分御留意いただいて、国民に信頼される業界の育成に努めていただきたいし、ただいまの大臣の御発言にはそのことがうかがえますので、この問題はこれで了としてこの法案の方に入らしていただきます。
 それでは、いま問題になっておりますこの法律の改正について何点か御質問をさせていただきたいと思います。
 最初に住宅局長にお伺いしたいのでございますけれども、まず現行の公共賃貸住宅、公団、公社、公営、この三つあるわけでございますけれども、所得階層で見た場合にどういう段階でこれを考えるかということ、たとえばこういう分位は公営、ここは公社、これは公団というようなことが決まっておりましたら、まずその辺の点から局長に御答弁をいただきたいのです。
#113
○豊蔵政府委員 公共賃貸住宅につきましては、公営、公団、公社それぞれの役割り分担ということをしていただいているわけですが、一番基本となりますのは公営住宅であろうかと思います。公営住宅にも一種と二種とございますが、私どもは、二種の公営住宅が所得五分位でまいりますと一分位の大体一六、七%程度ぐらいまでのところ、一種公営につきましては二分位の中位程度、全体といたしまして所得で言いまして三分の一ぐらいのグループを考えておる。そして公社住宅あるいは公団住宅につきましては大体三分位までを考える。そういったようなことでそれぞれの供給主体の役割りを見ながら、私どもも国として必要な助成を行っていくということを基本にいたしております。
#114
○薮仲委員 じゃ家賃の算定の基本的なあり方についてお伺いしたいのですけれども、借り入れをして賃貸住宅を建て、そこに入居するというケースがいろいろな形であるわけです。民間等を含めまして、土地担保賃貸住宅あるいは特賃と言われる特定賃貸あるいは農住と言われるような形での借入金によって賃貸住宅を建設し、そこに入居者を募集してそして償還していく、そのときに、いわゆる考え方ですけれども、借入金の償還が終われば家賃が安定するんじゃないかという期待感は入居者は持っているわけでございます。たとえば特定賃貸の償還は二十年、土地担保三十五年、農住は二十五年です。そうしますと、二十五年過ぎますと償還することが不必要になりますので、家賃そのものは全部残ってくるわけです。ということは、二十五年もしくは二十年過ぎますと家賃というのは安定した形におさまってくるのじゃないか、それが賃貸住宅に入っていらっしゃる方の一つのまた期待でもあろうかと私は思うのです。いまの算定の仕方で問題になってきますのは、当初の土地家屋の建築費を元利均等で償還していくいまの公社のやり方が現状では合わないということで、今度法律改正ということをおやりになる。土地の固定資産評価額あるいは再建築費から経年変化分を引いて、それをまた算定基準に入れていくというやり方にしたいんだというそのことはわかるのですけれども、家賃の算定のあり方として、たとえば一戸建ての住宅を公庫のお金を借りて建てた場合、公庫に返す償還金を二十五年で返してしまうとその家と土地は自分のものになるわけです、民間が個人でおうちを建てた場合。また、農住あるいは特賃も二十年、二十五年借りたお金を返せば、あとは返すお金はなくなってその家賃というのは全部収入になってくる。そういうことを考えますと、やはり公営、公社に入っていらっしゃる方も、償還金が終わればあと家賃は安定するのじゃないかな、確かに公社については償還五十年ということはあるかもしれませんけれども、やはり五十年たてば家賃がもっと安定してくるかなという期待感は当然持っていると思うのですね。こういう家賃のあり方というものを考えると、最初の入居するときに期待して入った方、これを払い終われば安定するかなという期待感を相当阻害する形になるんじゃないかということが一つ。それから、公社だけ家賃の算定の仕方を公団や公営と違うやり方が、昭和四十年に公社法ができて始まったわけでございますが、その時点でこの考え方が間違っていたのか、いま振り返ってみてもこの公社の家賃の設定の仕方は間違いだという判断で今度改正なさるのか、その点はいかがですか。
#115
○豊蔵政府委員 いまお話がありました公営住宅あるいは公社住宅あるいは民間の政府の施策によりますところの賃貸住宅、それぞれにつきましての借入金の償還につきまして、お話のとおり年数に差がございます。確かに早い年数の民間賃貸住宅につきましては、借入金の返済が終わりました後は、いわばその賃貸住宅としての所有者の立場から見ますと、市場競争力とでもいいますか、そういったようなものが大きくなるということは事実であろうかと思いますし、また、借金を返さなくていい状態になった場合における当該家賃はどのようになりますかこれは市場一般の家賃との比較においても決められる面がありますので一概には言えませんが、やはり償還という問題がなくなることによるバラエティーはいろいろあるかと思います。しかし、また一面、私どもが公団であるとか公社につきまして、公庫の償還期間を長くいたしておりまして、その期間の長いことに基づいて家賃の限度額等を定めていることになっておりますが、償還期間が短うございますと、そのための償却に充てる費用というのが家賃にかなり強くはね返ってまいります。償還期間を長くすることによりまして、そしてまた低利の融資を長期間継続することによりまして、相対的に政府の施策住宅としての位置づけの家賃が成立し得るということを考えまして、若干住宅の種類相互間に年数の差があることになっているわけでございます。そういう中で、公社住宅につきましては、一般的には公庫からの融資を受けて建設しておりますが、それをさらに設立団体であります地方公共団体がいろいろな角度から助成をすることによりまして、先ほど申し上げましたような施策住宅としての位置づけが行われているかと思います。そのときに、公庫法の三十五条の規定は、いま御指摘のように、物価が著しく変動した場合におきますところの家賃の限度額の算定に当たっての償却費の計算方式が、いわば当初の原価を基本として決められております。これはその他の修繕費であるとか公租公課等につきましては、ある程度必要に応じましてその分の計算が変更できることになっておりまして、恐らく公庫法でこの規定が設けられました当時におきましては、長期間にわたっての最近のような物価の異常な上昇ということは予想しておりませんで、当分の間はこれでいけるであろうということで規定がなされたものではなかろうかというふうに考えております。しかしながら、現実の時点に立って考えてみますと、公営住宅あるいは公団住宅におきますと同様な、やはりいろいろな費用にも事欠く状況にもなっておりますし、また、新旧の住宅相互間のアンバランスというものも出てきておりますので、そのあたりはやはり一定の限界を置きながらも、ある程度の変更ということも限度額の上で措置をすることが必要じゃなかろうかということで、今回お願いをしておるところでございます。
#116
○薮仲委員 重ねてお伺いしますけれども、公社家賃の算定方式を建設省は間違いと認識していらっしゃるのかどうか、簡単にお答えいただきたいと思いますのが一つと、もう一点は、古くから入居なさった方、既得権云々ということは私は申し上げませんけれども、その方々が法律の定めによって投下した資金を家賃という形で着実に回収してきているわけですから、これは入居していらっしゃる方は何にも間違いがないし、既設の住宅に入っていらっしゃる方がそのとき早く入って、そのときの計算式で払ってきた、このことは問題ないのじゃないか、何にも間違いないのじゃないか、こう考えるのですけれども、今度変えようというのは、率直に言って公社家賃の算定の仕方が根本的に間違いだから、これは土地が上がるとか建築費が上がるといっても、そのときに建ててそれを減価償却して支払っていきますという考えに立てば、後で土地が上がろうと建築費が上がろうと、当時入居した方が法律に基づいて入居した以上、それは入居した方にとって何にも関係ないことなんですね。そのときの法律に従ってきちんと正しく回収が行われているのですから、現行法制上何にも問題がないし、それをとやかく言われる筋は本当はないわけです。それを今度改正しようという点は非常に説得力に欠けるというか、問題が大きいなと思うのです。これは一番答えにくい点かもしれないのですが、簡単にお答えできますか。
#117
○豊蔵政府委員 現在の公庫法の規定、いま先生からお話がありましたような当初の建築原価でもって家賃の計算をするという基本的な考え方、それはそれとして十分正しいものだと私思っておりますし、また当然のことではございますが、それに従ってお入りになって家賃を払っていらっしゃる方についてもそれで問題は一切ございません。
 ただ、この公庫法の規定が、時代の変化に伴いまして物価が著しく変化した場合に、上昇した場合において、長期的に見ました場合それに適切に対応できなくなっている側面もあるというふうに考えまして、いわばこの公庫法の規定につきまして、基本は基本としつつも、一部事情の変更による補完をさせていただきたいというのが今回のお願いの趣旨でございます。
#118
○薮仲委員 私はここで問題点を二点ほどちょっと指摘しておきますけれども、一つは、古い既設の住宅ですね。二十年代に建てた公社住宅の建てかえの時期がやがて来るだろうと思うのです。建てかえの時期に来ましても、そこに入っていらっしゃった方は土地代の償還がもう終わっておりますので、そこの上へ建物を建てるというと建築費だけなんですね。ですからその方が、やがて何十年間かたって建てかえたとしても、そのときの家賃というものは、その団地一棟なら一棟について考えれば相当低額に抑えられるということはあると思うのです。
 そういう点と、いま入居している方の家賃を値上げして、現在建てている新しい土地、建築費の値上がりを引き下げるために使いますよということを言われているわけです。それは、いま私が質問すれば、それは公社の判断でとお逃げになるでしょうけれども、現実にはそうなると思うのです。それは、いままで入居していた方にとっては、言うならば余り関係のないというか、それをそちらに持っていかれること自体不本意な点ではなかろうかと私は思うんです。こういう点、ここで論議しても明快なお答えは返ってこないと思いますので、しかし問題点としてこれは非常に後に残る課題ではなかろうかと思うのです。この点を私指摘しておきますので、これはよく心にとどめておいていただきたいと思います。
 それと、先ほど公営と公社の所得によっての入居基準等を確認させていただきました。いま問題は何かというと、公社と公営の家賃が逆転しておる。当初家賃から徐々に上げてき、問題として出てくるのは五十五年の七月から逆転しているということなんですね、私の手元にいただいた資料でいきますと。いわゆる二十五年当時建てた都営一種住宅、公社賃貸住宅がどの時点で逆転したかといいますと、これは、当初から二十五年たったものは五十一年の十二月に家賃を改正しております。公社家賃も改正しております。その時点ではまだ逆転現象はございませんでした。都営一種は平米当たり百六十九円七十銭ですね。それから公社賃貸は平米当たり二百五十八円四十銭、こうなっているわけでございます。それで五十五年七月に都営の方、いわゆる公営の方は改正した。しかしここの段階で、公社の算定方式でいくと逆転現象を直せないというところから始まったわけでございますが、私はここで問題にしたいのは、先ほど来、というよりはこの委員会でいつも問題にするのは、土地の値段に対して何ら抑制策を講じないじゃないか。土地が年々上がっておるでしょう。消費者物価というと文句は言う、いろいろなことを言うけれども、消費者物価よりもずっと四年間立て続けに上がっている、あるいはいろいろな金融機関の金利よりも上がっておるということになって、土地政策を完全にして土地の値上がりを抑えておいて、これだけ政府は努力しました、努力したけれども、土地がこれだけ上がったからその分は何とかしてくださいと言うなら、入居していらっしゃる方もわかるかもしれませんけれども、私は国民の一人として、いまの政府が土地政策を完璧にやって地価の鎮静化のために努力している、努力したけれどもこれだけ上がったから、この逆転現象は、どうしても計算式を直さなければならないからやらしてくれというんだったらある程度説得力はあるけれども、以上申し上げた三点ですね、とても説得力に欠けると私は思うのです。もっと土地政策をしっかりやるべきじゃないか。きょうはたくさん聞きたいことがあるのですけれども、もう持ち時間がないものですから、これは問題指摘としておきますから、これもよくお考えおきいただきたいと思うのです。
 あと、今度具体的に申し上げます。具体的な例で質問した方がよろしいと思うのです。「都営一種住宅と公社賃貸住宅家賃比較」というのがあるわけでございますが、そこで公社賃貸として挙がっておりますのが建設省からいただいた資料で二つございます。福生加美平第二、福生市福生一五三〇、それから芦花公園前第二、世田谷区南烏山二の六、二つの団地が出ているわけでございますが、現在徴収している家賃が福生加美平第二団地は平米当たり三百三十二円です。それから芦花公園前第二団地、平米当たり三百五十一円です。これを改正方式によって限界家賃、どこまで取れるかという限界家賃を算定してみますと、三百三十二円が六百十七円、三百五十一円が六百五十円まで上げられるわけです。先ほど来激変緩和というお話は何回も伺っているわけでございますが、これは公社と入居者との話し合いあるいはその契約等によって決まりますという御答弁が当然返ってくると思うのでございますけれども、これは単純に言って倍上げられるのです。今度の法律の改正によってどれだけ上げられるか、倍上げられるのです。もっとたくさん資料を下さればいいのですけれども、いただいておりませんので、いただいた二つだけで申し上げると倍上げられる。倍も上げられる限界家賃はあるけれども、建設省としては、では大体目安としてこの辺のところで話し合いをしなさいという指導をするか、どの辺の家賃で指導なさるのか。こういう具体的な数字で申し上げましたから具体的にお答えください。御答弁はなるべく短く簡単にお願いしたいのですが。
#119
○豊蔵政府委員 ただいま御指摘がありました団地につきまして、公営住宅法十三条に基づきますところの建設大臣が定めております変更率、それをそのままに使いました場合の限度額はこういうふうな計算になるということでお示し申し上げたのであろうかと思います。しかしながら、これは当然のことですが、激変緩和措置を講ずべき必要があるというふうに考えておりまして、現在の徴収家賃の限度額が、たとえば芦花公園前の第二でまいりますと四百四十一円というふうになっておりますが、その率が四〇%までを限度とする、またトータルの家賃額が七千円以上アップする場合には七千円でもってとめる、いずれか低い方でとめるというように計算をいたしまして、公社に対しますところの指導とさせていただきたいと思っております。もちろん、それは限度額の運用でありますので、地方住宅供給公社の方でそれぞれの実情によってそれ以内でどのように定められるか、これはまた具体の個々の問題として御判断になるということであろうかと思います。
#120
○薮仲委員 私はこの法案は反対でございますけれども、どうも賛成多数で残念ながら通るのではなかろうかと思って、いま切歯扼腕しておる一人でございますけれども、でも、この激変緩和ということは非常に大事だと思うのです。本来そういう家賃によって苦しむ必要のない方に、法律の改正ということでこれがまかり通っていく、こういう点で、少なくとも何年間かの経年変化を経て、非常にソフトな形でいま逆転している家賃が直るという形にしていただきたい。逆に言えば、公営の方の立場から言うならば、公営の方は本来公社より安い家賃に入れるというのに、行政のあり方が不当なために公社より高い家賃に入るということは、逆の立場から言うと非常に問題が多いのじゃなかろうかと思うわけでございますが、その点はその点として、どうか激変緩和には十分御配慮いただきたいと思います。
 次の問題でございますけれども、建設省の四期五計でいきますと、昭和六十年までにすべての国民が最低居住水準をクリアする、こういうことを目標にして四期五計ができているわけでございます。現在公営、公団、公社に入居なさっている方の中に、いわゆる最低居住水準を満たしていない方がいらっしゃるのではなかろうかと思うのですが、大体何%くらい、と同時にこういう方々に対してどういう形でこの居住水準を満たすようにはからっていこうとなさるのか、お答えいただきたいのです。
#121
○豊蔵政府委員 昭和五十三年の住宅統計調査によりますと、公営住宅に入っていらっしゃる方が百七十二万世帯ばかりいらっしゃるわけですが、私どもが昭和六十年度に目標といたしております最低居住水準未満の世帯の方は約七十二万世帯、比率にいたしまして四一・九%となっております。また、公団、公社の住宅につきましては、その細分類がございませんので一緒にして申し上げますと、全世帯が七十二万三千世帯に対しまして、最低居住水準未満の世帯の方が二十万八千九百世帯、比率にいたしまして二八・九%となっております。これは、これらの住宅のストックが古いものが多い、そのために規模が小さいといったようなことがこのような現象を招来していると思います。
 私どもといたしましては、まず公営、公団、公社等のそれらの施策住宅につきまして、新規に建設されるものにつきましては、この六十年度の目標を展望しながら着実にその規模の増大を図ってきております。しかしながら、古いストックがかなり多うございますので、これにつきましては、住宅の建てかえあるいは住戸改善と言っておりますが、たとえば一部屋増築、そういったようなことを積極的に進めております。さらに、同じ住宅種類相互間で規模の大きい住宅への住居変更という、住みかえによりましても相当解消ができると思います。したがいまして、先ほど申し上げましたが、六十年度までの五カ年間で公共賃貸住宅を五十一万戸建設することを目標といたしておりますが、そういう新規のストックの良質なものを供給すると同時に、既存のストックの最大限の活用、そういうことを図りましてこの目標を達成したいと思っております。
#122
○薮仲委員 どうかしっかりと御努力をいただきたいとお願いをしておきます。
 次の問題ですが、これに対して局長はどうお考えか、お伺いしておきたいのです。
 いわゆる公営、公団、公社の一つの団地ができるわけです。いまその入居基準というのは、どちらかと言うと所得水準といいますか、所得によって入居者が決まってくるというのが一つのあらわれでございます。しかし、私も地元あるいは都内のいろいろな団地を見てしみじみ思うことは、巨大な団地ができると、そこは一つの社会といいますか、一つの町のような形になるわけでございます。所得水準等でいきますと、特に市の中心部分から団地が遠くにかたまってできます。そこへ入居する方というのは、いわゆるニューファミリーといいますか、若い世代がどっと入ってきます。若い方ばかりがたくさんいる一つの社会、特別な社会とは言いませんけれども、普通の社会とは異質な社会がそこに一つぽんとできるわけです。普通われわれの育っている社会というのは、お年をとられた方あるいは壮年の方、赤ちゃん、そしてお体の不自由な方まで、いろいろな方が社会の中で調和を保って生活していらっしゃる。
 そういうところのお医者さんに行ってちょっと聞いてみると、若いお母さんは、赤ちゃんが病気でちょっと熱を出した下痢をしたでふっ飛んでくる。昔はお年をとったおじいさんおばあさんが、ぽんぽんとおしりでもたたいて寝かせれば治るようなことまで顔色を変えてふっ飛んでくる。あるいは簡単なことで、漬物の漬け方も知らないとか、冠婚葬祭あるいは社会の慣行も知らない。だからそれにふさわしい本が飛ぶように売れるとか、いろいろな話題があるわけです。若い世代の人たちが入ってぽんと一つの社会をつくると、そこでは日本の古い先祖から伝わったいろいろな社会の慣行、しきたり、よりよい伝統というのはぽんと断ち切れる。そうすると、こういうときにはどうすればいいの、これはどうすればいいのということをまたゼロから積み上げなければならないような特殊な社会ができてしまう。ただ最低居住水準をあるいは平均的な居住水準をクリアすればいいということではなくて、そこに一つの団地をつくると一つの社会ができるわけです。そこにはお年寄りもお体の不自由な方も、すべての方が住めるような何か一定の枠をつくって、お年寄りはこれくらい入れますよ、お体の不自由な方もいらっしゃい、一つの普通世間にあるような社会を団地の中につくっていきませんと、小学校が足りなくなった、何が足りなくなったということが地方自治体にとって大きな問題になるのです。普通は問題にならないことが団地の周辺にはたくさん出てくるのです、お医者さんから学校から関連公共施設、当然ですけれども。そういう居住水準だけの問題ではなくして、そこに団地をつくるということは一つの社会ができるのだなという発想をこれから建設省として持っていただいた方が、そこに普通平均的な日本の社会ができるような入居基準を検討していただいた方がよろしいのではないか。いまはそんなこと言っていられないのだ、つくる方が忙しいのだ、その気持ちはわかりますけれども、やはり五十年百年という歴史を考えると、そういうことも十分配慮すべきじゃないかと思いますが、局長のお考えいかがでしょう。
#123
○豊蔵政府委員 御指摘のように、公営にいたしましても公団にいたしましても、新しい団地をつくりました場合に、とかく若い世代の方々が多く入居されるという側面もあるように見受けられます。これは一つには、住宅の建設がやや画一的であったのではないかと思います。やはり大きなコミュニティーを形成する場合には、供給される住宅につきましても、賃貸、分譲、戸建て、中高層といったようなもののバランスのとれた配置が必要であろうかと思います。
 それからまた、入居管理につきましても、単に一般抽せんによるだけではなくて、それぞれの目的に即した入居管理のあり方も必要であろうかと思います。特に公営住宅につきましては、従来より特定目的公営住宅ということで、老人同居の方々あるいはまた身体障害者の方々等につきましては、優先いたしましてそのようなニーズに合致しました住宅を建設しておりますし、公団住宅につきましても、最近特にそういう老人同居の方々の抽せん比率を一般の方の十倍まで高めまして、優先入居の方式を講じております。いずれにいたしましても、そういったようなハードとソフトの組み合わせをうまくやることによりまして、よき地域社会というものをつくるように私たちも努力をさせていただきます。
#124
○薮仲委員 いま急にやれと言っても非常にむずかしいことを私は言っているわけでございますが、しかしこれはやはり必要なことであろうかと思いますので、いまの局長の御答弁のような形で、どうか住宅建設の中ですばらしい地域社会の建設を進めていただきたいということをまた重ねてお願いをいたしておきます。
 次の問題でございますけれども、今度のこの住宅金融公庫法の改正の中で、やはり検討してもらいたいと思っておるのは、中古住宅に対する貸付限度額。いわゆる中古住宅もマンションには貸しますね。ただ一戸建ての中古住宅の貸し付けがその対象になっておらないわけです。しかし公庫の公平で適正な貸し出しの情勢を考えますと、マンションだけではなくして、一戸建ての中古住宅も貸し付け対象として十分検討の余地があるのじゃなかろうか、こう思っておりますので、中古に対して貸し付けの考えはないのかどうか。
 それから、私は土地の問題をいつも言うわけでございますけれども、いま公庫の土地に対する融資額が大体四百五十万限度ぐらいではないかと思うのですが、これではとても十分な用地費にはならないのではないか。やはり土地の貸し出しの限度額を検討の余地がある。特に、これは三大都市圏に限って言うならば、地方の土地代と三大都市圏とは格段の差があるわけでございますから、その辺にある程度、あんな変な形の段階金利なんというのはよくありませんけれども、地域によって、北海道は割り増しをしますよというのはわれわれは理解できます。同じように土地の高いところについては、やはりそれなりの配慮というものがこの法律の中に生かされてきていいのじゃないかなと思うのですが、この二点について局長はどうお考えでしょうか。
#125
○豊蔵政府委員 今回、いわゆる中古住宅につきまして金利の引き下げを図りますため、また、これを将来とも安定したものにするために法定化をお願いしておりますが、その対象はいわゆるマンション、すなわち中高層耐火建築物といったものに限られております。かねてからこの対象範囲を拡大する要望も強く、私どもも検討をさせていただいておるところでございますが、いまの時点では、木造戸建て住宅につきましては、その評価の問題であるとか、あるいはまたその建物の性能、耐久性等につきまして、これはかなり幅がありまして、そのため融資対象とするのに若干解決しなければいけない問題があるように見受けられます。今後、これらの建物につきまして融資する場合のいわば審査、そういったようなことをどのようにしていって的確な融資ができるかということを、早急に検討をさせていただきたいと思っておりますが、本年度は金利の引き下げにも特段に力をいたしてまいりましたので、そしてまた一方、この検討が十分に進んでおりませんでしたので取り上げることができませんでしたが、今後の重要な課題とさせていただきたいと思います。
 それからまた、土地の融資額についてでございますが、御指摘のとおり、最近、土地につきましては最高四百五十万円ということになっておりまして、引き上げを行っておりませんが、たとえば団地住宅のような良質な、計画的につくられましたものにつきましては、いわば土地代も建築費も込みにしまして千百二十万円まで限度額を引き上げておりますので、土地と一体としての住宅を購入される場合には、実質的には相当大幅な改善ができているのではないかと思います。しかしながら、また個別に土地を取得され、自分で住宅を建てられるという方につきましては、やはり土地費というものがもっと比率が高まっている現状にかんがみまして、私たちも重要な検討課題だと思っております。今後さらにその限度額の引き上げに努力してまいりたいと思っております。
#126
○薮仲委員 それでは次の問題。
 土地局長、どうも大変長らくお待たせして申しわけなかったのですが、前回御答弁いただかなかったので申しわけございませんが、その前にちょっと住宅局長、これは簡単にお答えいただきたいのですが、やはり住宅局の住宅政策の基本として、首都圏において、東京駅を中心として通勤圏、大体何時間ぐらいとお考えか、何時間と簡単にお答えください、限界まで入れて。
#127
○豊蔵政府委員 通勤時間というのは、その方の職業であるとか、また利用する交通機関であるとか、混雑度とか、住んでいらっしゃる地域とかによって差がありますので、確定的なことはなかなか申し上げられませんが、ただ、一般的に申し上げますと、五十三年の住宅事情実態調査によりますれば、東京圏に居住していらっしゃる通勤者のうち、通勤時間六十分以内の方が七一%を占めております。また、九十分以内というのは九四%となっております。また、通勤について非常に苦痛であるといったような、いろいろな御意見等も比較いたしてみますと、九十分以内六十分以上という方々の中で、やはり通勤時間が苦痛であるという方が約半数いらっしゃる等々を考えますれば、理想と現実となかなかギャップがありますが、やはり一時間程度が望ましいのではなかろうかというふうに考えております。
#128
○薮仲委員 土地局長、この間の公示価格に関連して、通勤時間一時間以内の地価、平均で結構です。二時間程度の地価、平均で結構です。それから逆に、坪三十万のは通勤距離で言ったら何時間ぐらいのところか、この三つ、簡単にお答えいただけますか。
#129
○小笠原政府委員 私ども、通勤時間ということで集計はいたしておりませんが、実情からいたしまして、大体通勤一時間と申しますと、東京駅までの自宅からの距離で三十キロからせいぜい三十五キロまでではなかろうか。そうしますと、沿線別にかなり格差はございますが、公示価格で平均十一万八千四百円でございます。それから一時間を超えて二時間ということになりますと、大体五十キロから六十キロ圏ということになりまして、これも方面別にかなり違っておりますが、平均いたしますと平米八万四千二百円でございます。それから坪三十万円以下の公示価格の所在でございますが、これも沿線別で、たとえば東海道線方面は六十キロ行かなければないが、総武、京成線方面は三十キロ行けばあるというようなことでございまして、平均すると約四十五キロ離れないとないということでございます。
 なお、以上、既成の宅地でございまして、市街化区域の中の宅地見込み地、現況は農地あるいは山林、これにつきましては大体この価格の四割ぐらいの水準でございます。
#130
○薮仲委員 ちょっと公庫総裁、時間がありませんのでこれは確認だけなのですが、先般私が質問させていただきましたときに、年収の四倍という御答弁がございました。建設省がよく使われるのは、京浜地区の勤労世帯の年間収入でありますが、これが五百二十四万でございます。四倍といいますと、簡単にやりますと大体二千万ということになります。土地と上物の比率、一応伺っているのは六対四ぐらいだと聞いておりますが、間違いございませんか、ちょっとそれだけ。簡単にお答えください、そうだ、そうじゃないでいいですから。
#131
○関口説明員 これも住宅の建て方によるとか土地の形状とかによっていろいろ違いますが、おっしゃるとおりにおおむね六対四ぐらいだろう、かように推定いたしております。
#132
○薮仲委員 きょうは時間がありませんから、これも問題指摘だけにしますけれども、六、四にしますと、二千万の六割ですから一千二百万が土地代になってきます。平均的な土地の広さはどのぐらいかというと百五十平米、これで割りますと平米当たり八万円でございます。坪当たりが大体二十六万という単価が出てまいります。いま土地局長並びに住宅局長から、住宅局長は、通勤圏一時間ぐらいというお話の中で単価を出したのでございますけれども、もう首都圏では、一時間以内では購入可能な土地がなくなっているなということは、きょう、本当はもっとこの点を問題にしたいわけでございますが、非常に問題が多過ぎるのじゃなかろうかと思うわけでございます。
 それで最後に、時間でございますので問題指摘だけして終わりますけれども、今回の住宅金融公庫法の中で、いわゆる借地による宅地造成にも融資をするということが出ております。私は、やはり現在の借地、借家法、それから区分所有法等の法律の中身から言うと、借地ということには非常に問題が多くて、この問題が建設省において整理された形でこの宅地造成に対しての融資というものがなされたのかどうか。これは私、問題点として指摘をさせていただきたいと思いますし、また、宅地造成の中で、公的な宅地造成と民間宅地造成の間に条件に非常な開きがあり過ぎます。この点はなぜこうなっているのかというのを後日御説明をいただきたいと思うのです。特に公営の場合には余り条件がないのに、民間でやるとなりますと、たとえば道路、公園その他公共用地の面積が原則として計画面積の二五%、こういうことがまず条件としてつけられますし、一団地の計画面積が五ヘクタール。首都圏で五ヘクタールの面積を集められますか。この間私は農住の中で、〇・五ヘクタールでも大変ですよということを指摘しておきました。五ヘクタールというのが何でできるのだ。さらに、一戸建ての場合として一区画二百平米程度に区分された、こんなきれいな土地がいまあるのですか。これは、法律はできても民間では絶対この法律を使えないのじゃないか。さらにまた、公共施設の用に供する土地の取得に要する費用の三〇%しか貸しません。公的な場合は八〇%です。こんなに融資の限度額にも差がございますし、さらにここでは、公庫が譲渡価額を一千九百万、これは改正するようでございますが、仮に一千九百万で計算しますと、二百平米一千九百万ですと坪単価三十万です。首都圏において三十万の土地というのは一体どこにありますかというと、もう二時間以上離れませんとね。さっき土地局長に御答弁いただいたのはそのためなのです。ここで、いわゆる借地に対する造成に金を貸しますよというけれども、実際はこの民間部分は何ら動かないと私は思うのです。
 きょうは、時間がなくて一つ一つを指摘できないのが残念なのですが、これは問題があり過ぎます。こんなものをやっても役に立たないと私は思うのです。これでできるわけがないと思うのですけれども、一言住宅局長から、借地の問題も含めて今後の課題として御答弁いただいて、最後に、私はこの住宅建設についていろいろと問題点を指摘しましたけれども、こういう点を含めて大臣のお考えを簡単で結構ですから伺って、私の質問を終わりたいと思います。
#133
○吉田(公)政府委員 ただいま、民間の宅地造成に対する公庫融資についていろいろ御指摘がございました。それからまた、借地方式による点についてもいろいろむずかしい問題点があるのではないかという御指摘がございました。それぞれ御指摘の点を私どももいろいろよく承知し、検討しておるところでございます。簡単にということでございますので、今後とも鋭意努力いたしまして、民間融資についての改善、それから借地方式につきましては、いろいろむずかしい問題点について地主さんあるいは需要者、それぞれの立場が損なわれないような、すっきりした形になるような努力をいたしたいと思っております。
#134
○始関国務大臣 借地方式の問題につきましては、御指摘のとおり非常にたくさんのむずかしい問題があると思いますが、いま計画局長が申しましたように今後一層研究いたしまして、善処してまいりたい、かように存じております。
#135
○薮仲委員 終わります。
#136
○村田委員長 これにて薮仲義彦君の質疑は終了いたしました。
 次に、渡辺武三君。
#137
○渡辺(武)委員 質疑に入ります前に、先ほど来の、言ったとか言わぬとかいう問題について、私も一言付言をいたしておきたいと思います。
 大臣、世はまさに花咲き鳥歌う好季節でございます。予算も通ったことだし、多少の浮かれる気持ちはわからぬわけではございませんが、あなたの立場を忘れた放言というのはよろしくないですよ。あなたの立場を忘れた放言によって、昨日来あなたの部下は下げなくてもいい頭を下げてあちこち走り回らなければならぬ、こういう他に大きな迷惑の波紋を広げているのです。本来あってはならないことなのですね。私は十数年来この建設委員会に身を置いておりますけれども、こんなつまらぬ論議をすることは初めてなのですよ。二度とあってはならないことなのですから、今後に臨む大臣の決意をまず最初にお伺いしておきたいと思います。
#138
○始関国務大臣 さっきからるる申しておりますように、私といたしましては十分に研究いたしまして、また一つの信念を持って発言いたしておるのでございますが、人に迷惑をかけるのはよろしくございませんし、ただいまの御注意もございましたので、今後注意してまいりたい、かように存じております。
#139
○渡辺(武)委員 心の底から反省したというふうにはなかなか聞こえにくいような答弁でございましたけれども、ひとつしっかり忘れないようにしておいていただきたい。くれぐれもお願いをしておきます。本来われわれは、建設委員という立場では、本当はおらが大臣を擁護し、かばっていくという立場を一面的には持っているのですよ。そうしできているのだ。ところが、今度の発言はかばうにかばえない。まことに残念だと思う。ひとつしっかりと肝に銘じておいていただきたいと思います。
 そこで質問に入りますが、いま、公共住宅一種、二種、公社住宅、公団住宅それぞれございますが、これには入居基準がございまして、所得による上限制限がございますね。まず最初にそれをちょっとお聞かせ願いたい。
#140
○豊蔵政府委員 具体的に所得によりますところの入居基準を定めておりますのは公営住宅でございますが、公営住宅につきましては、標準世帯の場合につきまして、第一種公営住宅の場合は三百七万五千円以下、第二種につきましては二百四十万円以下というふうに相なっております。また、公団の賃貸住宅につきましては、いま申し上げましたように特定に入居基準として法定化しているものはございませんが、私たちの施策対象といたしましては、所得分位でいきまして大体第三分位の上位程度までの方々を対象としていくというふうに考えておりまして、その際、所得の低い方々に対しましては倍率で優遇措置をとるという措置をとっております。
#141
○渡辺(武)委員 それはいつ設定をされて、改定はいつごろでしょうか。
#142
○豊蔵政府委員 公営住宅の入居基準につきましては、昭和五十四年の暮れに設定をいたしました基準を使っております。しかしながら、現時点におきましては、その後二年有余経過いたしておりますので、早急に改正をしたいと思っておりまして、現在関係省庁と最後の調整をいたしております。近々その内容につきまして措置ができる予定になっております。
#143
○渡辺(武)委員 今回の法改正の中で、段階金利制導入に伴って特例が設けられておりますね。その特例を具体的にひとつ御説明願いたい。
#144
○豊蔵政府委員 今回の段階金利制を導入いたしますにつきましては、法律をもちまして、所得が低額であり、特に居住の安定を図る必要があるという方に対しましては、当初十年間と同様の利率でもって償還をしていただくというふうにいたしております。その考え方といたしましては、収入がおおむね公営住宅の二種程度の所得以下の方でありまして、母子世帯であるとか身体障害のある方とかあるいは長期の病気でいらっしゃる方等、特別な事情のある方につきまして、省令でもって定めていきたいと思っております。
    〔委員長退席、竹中委員長代理着席〕
#145
○渡辺(武)委員 公営住宅の二種以下というのは年収にして二百万そこそこですね、先ほど御説明ありました。本来そういう人たちは、いわば公営住宅の二種賃貸に入れるのがやっとというような人たちが、果たしてそうお金を借りて分譲住宅なりあるいはいろいろな持ち家を取得するということがあるでしょうか。
#146
○豊蔵政府委員 現在の公庫を利用していらっしゃる方々につきまして所得分位別に見ますと、第一分位と第二分位合わせまして実は五〇%近い率になっておるように思われます。そういったようなことから考えますと、単純にその時点におきますところの収入だけがその方の取得能力を左右しておるとも思えない。たとえば将来の展望であるとか、あるいはまた土地等につきましていろいろと両親の援助をいただくとか、そういったような傾向もあるように思われます。
 それからまた十年後の判断でございますが、十年後になりまして、本来通常の方々は生活設計を立てられて、大体所得も伸びてまいりまして、一般的には負担率で考えますとおおむね半分以下くらいの負担率になるような状況の中でございますし、また、先ほど申しました入居基準の金額につきましても、今後はでき得れば毎年的確に改定していくことが必要であると思っておりますし、そのように努力をするつもりでございますので、入居基準の改正、そういったようなものと比較いたしますれば、ほかの方々に比しまして金利を上げるということが特に気の毒であるという場合の低額というには、一つの基準といたしまして、そのような基準でも十分対応できるのではなかろうかというふうに考えております。
#147
○渡辺(武)委員 これはせっかくの特例が設けてあるのだけれども、私は逆に空文に等しいのではないだろうかと思う。つまり、いかにも困窮者を救ってあげますよという見たところいいような特例ですが、ところが、実際にじゃその特例に該当する人はどなたでしょうかとお聞きしますと、公営住宅二種に入居できる程度の収入の人、こういうことになりますと、本来住宅を取得しようとする、分譲住宅など買おうとする人は、必ずしもそんな自己資金だけでは、公庫の融資資金だけでは、年金融資も受けておる、労金の融資も受けておる、あるいはそれでも足らぬ人は親兄弟からの援助も受けておる、こういう形で分譲を受けておられると思うのですよ、実際は。そうして十年たって、やっとこれから不義理をしているところにぼつぼつ返していこうかというときに金利が上がる、そして金利が上がる特例として救済措置があるのは何だろうかと見ていくと、いまもおっしゃっておるように二種公営住宅にやっと入居できる基準の月収しかない、それ以上の人はだめだということになると、これはまさに空文に等しいではないか。いかにも助けてやるぞと言っておるが、実質あるだろうか、こう見ていくとほとんどその該当者はない、こうならざるを得ないのじゃないですか。
#148
○豊蔵政府委員 私が申し上げましたのは、やはり十年もたちますれば一般的には所得も伸びていくということがございますし、また、物価の上昇その他によりまして、償還金の返済額の収入に占める割合というものも非常に小さくなってまいります。その小さくなってまいりました償還金を、いわゆる段階金利の導入によって返済することが困難であるということを考えました場合には、やはりいま申しましたような公営住宅の入居基準もかなり年とともに上がっていく、そういう中での金額を比較いたしました場合には、それ相当の、いわばほかの方に対しまして特例を設ける理由になるような基準の一つとして考えられるのじゃなかろうかということで、いまさっき申しましたようなことを現在考えているところでございます。
 それから、私、先ほど省令と申し上げましたが、これは政令の誤りでございますので、訂正さしていただきます。
#149
○渡辺(武)委員 せっかくの特例が有効に働かないのではないかということなんですよ。つまりは七・三%になるわけですからね。相当金利としては上昇してしまう。ところが、本来はその住宅金融公庫の資金だけで家が建つものじゃないのです。この間も質問しましたけれども、住宅金融公庫がまるまる貸してくれるとしても、実際に家の建つ四〇%程度、半分にも満たない。だからこそ公庫以外からも相当な融資を受けなければならぬ。こういう状態の中にあるわけだから、その中でその一部分が十年たつと利息が上がっていくということは、これは大変な問題なんだ。だから何とかその救済事項はないだろうかと見ていったら、たまたま特例事項があった。じゃその特例に該当する人はどうだろうかと思ってお聞きすると、それは二種住宅に入居できるくらいの月収の人ならば、病気だとかその他の条件が整えば特例を適用していくのだ、こういうことなんですけれども、実際には現実の問題として、これは同じことなんですよ。法律を読んでいくと住宅金融公庫が八割貸すと、こうなっているのだ。ところが実際には、お聞きしているように四割くらいしか貸してない。それと同じことであって、大変な問題なんですね。救済しますよと言いながらも、じゃ実際だれが救済されるだろうかと見ていくと、ほんのわずかの人しか、ほんの特殊な人ですね。私はそういう人は分譲住宅に入るよりも、むしろ公営賃貸に入っている人だと思うのですよ。公営賃貸に入っている人を救済しようと思ったってどうしようもないわけでしょう、実際には分譲を受けた人なんだから。だからそこで線を引かれるということは、せっかくの特例が何ら生きたものにならないではないか。もう少し考え直す余地はございませんか。
#150
○豊蔵政府委員 先ほどもお答え申し上げましたが、現在の住宅金融公庫を利用していらっしゃる方々に第一分位、第二分位の方がかなりいらっしゃるわけでございます。もちろん先ほど申しましたような、十年間の時の経過ということを考えますと、それぞれ皆さん所得も伸びられる、また、一方で貸付金の償還も楽になるというふうに思われますが、そういうような状況の中で、なおかついま申しました、十年たちましても第一分位程度のところにしか所得がない気の毒な状況の方につきましては、このような規定によりまして金利の引き上げを行わないという特例を開くということにするのが、恐らく実態としてもおおむね妥当なところになるのじゃなかろうかなというふうに考えておるところでございます。これも過去の結果でございますので、これをもって将来を直ちに推測するわけにはいきませんが、仮に昭和四十七年度に公庫資金を使われた方が、ちょうど十年たちました現時点におきまして、そのときの公庫の融資に対しまして段階金利が適用されたとした場合、月額どのくらい償還金がふえるかというのを計算をいたしてみますと、月額ではおおむね千円程度となっております。これがそのとおりにはいかないかと思いますが、こういう感覚が、今度これからの十年たちましたところで、現在の融資額に対してその償還金がふえる率あるいは額が、いま私が申しましたような程度の主観的な受けとめ方もできるのではなかろうか、それらを勘案いたしまして、特定の段階金利が、やはり適用をほかの方と違えるに最もふさわしい基準というのはこの程度でなかろうかというふうに考えておりますが、今後の社会情勢の変動も、十年の間にはどのようなことがあるかわかりませんので、この法律の趣旨に照らしまして適切でないということであれば、その段階におきまして是正をするということを考えていきたいと思っております。
#151
○渡辺(武)委員 本来公営の一種、二種くらいの収入しかない人であるならば、つまりは分譲住宅を購入すること自身にも無理があるわけですね、月収からいけば。そういう人を救うというために特例を設けた、こうおっしゃるわけですけれども、そういう人を救うならばむしろ公営の賃貸一種、二種をふやせばいいわけですね。そして救うというのが本命でありて、それを少なくしておいて、無理をして家を買わせておいて気の毒だから若干救ってやろう、こういういわば逆転した発想に立っておられるような気がするのですが、いかがですか。
#152
○豊蔵政府委員 私が申し上げましたのは、現在一分位、二分位の方の利用者が実態として公庫の利用をかなりの比率でしていらっしゃるということを申し上げたわけですが、いまお話ありましたように、それらの方々が自分で住宅を取得することができないという場合には、私ども政府の施策のいろいろな賃貸住宅等の供給によりまして、住宅政策を遂行していく基本に変わりはございません。ただ、十年後においてなおかつそのような低所得者の方に対しては、いまのような特例措置を適用することがよろしいのではないかということを申し上げたわけでございまして、いまは十分の所得がありましても、十年たちました十一年後に私が申しましたような基準に該当されたというような場合に、金利をそこで上げるのはいかがだろうか、こういうふうに御理解いただければよろしいのではないかと思うのでございますが、現実の問題といたしまして、一応基本のルールはルール、特例は特例ということを考えますと、いまのようなのが一つの考え方として整理できるのじゃないかということで申し上げたところでございます。
#153
○渡辺(武)委員 住宅政策の欠陥を補うのだ、こういうことならわからぬでもないのですよ。そうではなくて、分譲されたその方々の利息が十年たつと上がるから、それを何とか気の毒な方には救う道を設けておこうという趣旨ですから、そう見ていくと余りにも基準が低過ぎる、低過ぎるがゆえにそれは空文に等しいのではないか、こういうふうに申し上げておるわけです。
 いまお聞きしたように、二種賃貸住宅にやっと入れる基準の人を対象にして救済をしていきますということですが、本来分譲を受けておる人の中にそんな人はそんなにたくさんおるわけないのだ。おるとすれば収入を実際ごまかしておるのだ。だから、少なくとも公営住宅の一種以上の月収のある人くらいを救っていこうというならわからぬでもないけれども、最低の基準ですね、最低やっとこれくらいの家賃がどうやら払える、その程度の基準の人、それしか入れないようになっているのだからね、いま。その人を救っていこうというのだからこの法律は空文に等しいのではないのか。そういう住宅政策の誤りがあるからここで何とかひずみを直していくのだ、こうおっしゃるならわからぬでもないと言っているのですよ。そうではないわけでしょう。そういうことは認められないわけでしょう、いかがですか。
#154
○豊蔵政府委員 住宅政策もいろいろな角度からの対策を講ずる必要があるわけでございまして、公庫を利用される方という立場から見ますと、いわば国民の自助努力を前提としつつその取得能力を補完をして、良質な住宅ストックを形成するようにしようということでございまして、これは国民の住宅を求められるニーズに対するお手伝いという面があろうかと思います。したがいまして、みずからが住宅を建設してこれを国民の方々に直接供給するというものとは違いますので、若干そこには間接的な側面があるかと思うのでございますが、その中で、今回一般的な所得の上昇等を考え、また一面、公庫の将来の財政状況を考えまして段階金利制の導入をお願いしているわけでございますが、それはやはり現実問題といたしましてそういう段階金利制をとることがきわめて不適当である、そういう方々につきまして特例を開くというのが制度としての趣旨でもあろうかというふうなことも考えまして、いま申しましたような基準の案を考えているわけでございます。もちろんこの公庫の融資に具体的に段階金利が適用になりますのは十一年目以降のことでございますので、その間におきまして私どもが考えました一つの原案が実勢に即さない、この制度の本来の趣旨を生かすためにはそういう基準ではおかしいということになりますれば、私どももその時点におきまして必要なときどきに修正をし、的確な対応をすることを考えてまいりたいと思っておるところでございますが、現在の段階では、政策の総合的な制度の整備の中の一環で、こういったようなことも含めて考えることがバランスのとれたものじゃないかということで申し上げておるところでございます。
#155
○渡辺(武)委員 私は、前回の討議のときに、このようなことをして財投資金を借り入れてくる、そして七・三分ですから、七・三分で貸し付けるならば補助政策というのはゼロになるのではないか、こういうふうに申し上げたのですが、よく考えてみるとゼロになるどころか金もうけが始まるわけじゃないですか。つまり財投資金というのは安い、低利な資金コストのものをたくさん抱えて、それで十分見合うように七・三が決められておるわけでしょう。そうじゃないですか。何ですか、そうしたら。答えてください。
#156
○豊蔵政府委員 財投資金は資金運用部資金として公庫が借り入れておるわけでございまして、それはそのときそのときの預貯金金利等とも関連いたしまして動いているわけでございますが、政府の資金運用部資金の経理といたしまして、私も詳細は承知いたしておりませんが、その資金を借りる公庫といたしましては、少なくともそのときに借りました金利は二十年なら二十年、二十三年なら二十三年の間お払いいたすわけでございますので、仮に十一年目以降七・三%の段階金利をとりました場合に、公庫はそれによって利益を得るということはないわけでございまして、あくまでも同じ金利を支払わせていただいておる。厳密に申しますと、そのための、いろいろな回収のための事務費等々の費用はございますが、それは別の計算といたしまして、国が利子補給する対象となっております。
 それからまた十年間というのは、御承知のとおり五・五%を基本とする金利でお貸ししておりますから、その間の十年間は国の利子補給は続いております。また、毎年毎年新しい方にお貸しいたしますから、公庫の補助金の総額といたしましては相当程度依然として維持されている、そういうような構成になるのではなかろうかと思っております。
#157
○渡辺(武)委員 確かに公庫はそれはもうからぬでしょう、七・三で借りてくるんだから。七・三でやって対々になる。私は公庫がもうかるとかもうからぬとか言っているわけじゃないんですよ。国の立場で見ればもうちょっと安い資金コストの金を集めてきているはずなんだ。郵便貯金なんかでももっと安いわけだからね。それを七・三で貸すということは、多少なりとも利益がそこにあるわけなんだ。それをストレートにそのまま貸していくと、いわば国の中で土地転がしのようなものだ。同じ会社が違う名目でダミー会社をつくっておいて、あっちやったりこっちやったり、それぞれ会社は違ってしまっておるからおれのところはもうかっておらぬと言う。公庫というものはおれはもうかっておらぬとおっしゃるけれども、国という立場で見るとそんなことはないはずだ、こう言わざるを得ないのですが、いかがですか。
#158
○豊蔵政府委員 資金運用部資金につきましては、恐らく預貯金金利等と連動し、若干の事務費等が必要でございますから、そういうコストにつきましては金利の中に含まれておると思いますが、国がそのことによってもうけるというような仕組みのものとしてでき上がっていると私は思っておりませんので、でき得れば低いにこしたことはございませんが、私ども公庫を運用する立場としては、資金運用部資金を公庫にお回しして、それでもって運用しているというところでございますので、国全体としてのあり方は、よもやそういうことはないと思いますが、今後私も勉強させていただいて、できるだけ低くしたいという気持ちは変わりありません。
#159
○渡辺(武)委員 そのような形で進んでいくと、住宅政策そのものが一体何だろうかというふうに私には思われてくるのですね。国の住宅政策というのは一体何だろうか。国というものがあって、建設省というのは別の会社であるわけじゃないですよ、住宅公庫というのが別の会社であるわけじゃないのだ、一貫しておるわけなんだ。だから、その一貫の中で国の住宅政策を十分に発揮できるように考えていかなければいけないのではないだろうか。ましてやことしの政府計画では約百三十万戸ということにしていらっしゃいますね。その百三十万戸の建設戸数ということを前提にして実質成長率五・二%というものを実際にははじき出しておられるのですよ。ところが、建設省が二日発表いたしました二月の新設住宅着工戸数は七万九千四百二十六戸なんですね。これは前年同月比で九・三%のマイナスなんです。このマイナスはどういう傾向になっているのかなと調べていきますと、もう九カ月連続して前年を下回っておるのですね。このペースでいきますと、本年の目標百三十万戸なんというのはおよそ達成不可能ではないだろうか、こう見ざるを得ないわけです。せいぜい百二十万がいいところではないだろうか、こうなるわけですけれども、いろいろな経済研究所等が一斉に本年度の経済成長率の見通しを大体三%台だというふうに発表いたしておりますが、政府も五・二%の経済成長率というものの予測の修正を余儀なくされておる。そういう中で、仮に住宅建設が十万戸減少するとどの程度経済に与える影響があるのでございましょうか。これは総額あるいは成長率等でちょっとお答えを願いたい。
#160
○豊蔵政府委員 私も細かくは計算ができませんが、概して言いますと、十万戸は直接投資といたしまして一兆二、三千億円程度になろうかと思います。その場合にこれが実質的にどのくらいの比率になるかということになりますが、仮に実質一〇・四%の住宅投資の伸びがあるといたしますと、それの五十七年度の経済に対する寄与度は〇・六%ということになっております。いま十万戸程度というのを仮にこの一〇・四%のバランスにおいて考えてみますと、あるいは五%程度に当たるのかなというふうな感じがいたします。それで見ますと〇・三%プラスになるか、あるいはまた十万戸落ち込めば〇・三%程度引き下げるというような結果になるのではなかろうかという推測をいたしたところでございます。
#161
○渡辺(武)委員 住宅の建設戸数だけをとってみても、そのようにもう大変シビアな問題が出てきているわけですね。だから、私は少しでも住宅が楽に建てられるような、特に民間自力建設というのを重視しているわけだから、その民間自力建設の、国民の皆さん方がお金を借りて自分の家を建てようとする意欲を何か摘み取ってしまうような政策ではないだろうか、こう思えて仕方がないわけです。だから、全体的に見て、確かに住宅金融公庫制度があって、金の不足している国民の人たちにお金を貸し与えるというのは大変いい制度だと思います。本来いい制度だと思うのだけれども、なかなか法律どおりにそれが行われていない。どちらかといえば資金枠が少な過ぎるということが言えるかもわかりません。ために、本来建設費の八〇%ぐらい融資しなければならぬのが、実際には別の単価を設けて、標準単価か何か知らぬけれども、そういうものをつくって、それの八〇%に、無理に法律に合わせておる。では実質的にどうなのかと見ていくと、もう半分以下の四〇%になってしまうというのが現実なんですから、実際はむしろそういうところを直していった方がよいのじゃないでしょうか。その基本になるところをそのままにしておいて、いわば枝葉の方を少しずついじってみたところで大した影響はない。貸付限度額を若干広げてみたところで、資金枠全体が広がっていかなければ、これはより一層競争が激しくなるし、大した恩恵を国民に与えていかないわけですね。そういう面ではより容易に家が建つような方向で基本的に考えていくべきではないだろうか。だから、何回も何回も建設委員会でも論議されたと思いますけれども、法律の趣旨にのっとってもう少し資金、貸付限度額をふやせ、こういうことが、いま貸し付けられている限度額は、われわれがもう七、八年前にもっと上げなければだめじゃないかと言った限度額よりもまだ低いのですよ。それは低いはずだ。いま実際に家が建つのは幾らぐらいでしょうか、幾ら公庫は貸しておられるのですかと聞くと一いや、実質的には四〇%程度です、こういうことになってしまうわけですからね。だから、相当無理をしないと家は建たないという現状にあるわけですよ。だから、公庫だけの金ではない。いまも申し上げておるように、私は最近売りに出たある団地をざあっと一遍調査をいたしましたけれども、ほとんどの入居者が公庫と年金のあわせ融資を受けているのですよ。そういう方々はまた労金にも借りていらっしゃる、それでも足らぬ人は親きょうだいからの援助を受けていらっしゃる、そうしてようやく分譲住宅を購入していらっしゃるのですね。だから、これはどのくらいになるのだろうかと試算をしてみましたら、月収二十万円の人だったら月に十一万ぐらいの返済ですよ。そういう中で段階金利制と言って十年以降は上がっていくということですから、これは相当問題にしておかなくちゃならぬ問題だと思う。
 埼玉の越谷にできて最近分譲に出た住宅の入居者の月収調査から全部私はやってみました。これは大変われわれが参考になる資料がたくさん出てきたのです。われわれがここで論議しているのは雲の上の論議ではいけないわけであって、現実に密着した論議がされていかなければならぬ。十年たつと月収もふえて生活が楽になるだろうから十分返していく能力が出てくるだろう、こういう推定の上で論議をしておったのでは、本当に入居者は大変なんですよ。だったらもっと資金コストの安い、五・五%で借りられる金の枠をふやしてくれるというならいいけれども、そうじゃない。それには一定の限度があるから、四〇%程度だ、だからもっと高い金利のものを借りてこなければならぬ、こういう現状にあるわけですからね。そして、頼みの綱としている住宅金融公庫の五・五%の金利が今度は引き上げられてしまうということですから、これはちょっと問題だと思う。その辺はどうお考えでしょうか。
    〔竹中委員長代理退席、委員長着席〕
#162
○豊蔵政府委員 五十七年度の住宅金融公庫の貸付条件につきましては、まだまだ不十分でありますが、最近におきましては数少ないかなり大幅な改善を行ったつもりでおります。限度額あるいはステップ償還あるいは所得制限の問題等々幾つか行ってきております。中古金利の引き下げもその一環でございます。これらを御指摘のように着実に改善をしていくということが必要であるわけでございますが、一方公庫の補給金がいろいろな状況の中で、戸数も充実をする、限度額も引き上げるという中で、将来の展望といたしましては非常な増大をいたします。そういたしますと、これまた現在の財政状況の中では非常な圧迫要因になるわけでございまして、これをこのまま放置しておきますと、私どもが考えております適時適切な貸し付け内容の充実ということが十分にできないおそれもある、そういうような考えもありまして、段階金利の考え方の基本には、本当に公庫の施策融資を必要とする方に、必要とするときに的確に行えるということをするのも一つの大きな要因であったかと思います。この段階金利が導入されますれば、将来におきます公庫の補給金の展望というものは安定をするわけでございますので、そういう中で今後とも各年度ごとに必要な施策を充実していく努力を続けられるし、またそれによって実現をしていく道が十分に開ける、こういうふうに考えておりますので、その点をひとつ御理解をいただきたいと思います。
#163
○渡辺(武)委員 局長は一定の枠の中でお考えですから、だから自分のやっている仕事の中であれも改善したこれも改善した、相当の改善だ、こうおっしゃるわけですけれども、むしろこの際発想を一大転換をしてしまって、全然別個のことを考えていったらどうか。そしていまくらいの住宅政策はできないだろうか。こういう発想の転換も一応必要ではないだろうか。私この前にも言いましたけれども、日本の住宅政策、住宅局がことしの予算を一体何ぼ計上しているのかというと、七千数百億程度。大臣、七千数百億というのは、国鉄が赤字を出しておりますね。それの一部の助成金として国が出している金額ですよ。それがわが国の住宅政策だとすると、余りにも住宅政策に使う金が少な過ぎるのではないか。その枠の中で考えてしまうから局長はそれ以上発想が発展しないわけですよ。だから資金枠もふえないし、貸付限度額もこれ以上には――ちょっと直したら相当な改善をいたしました。あれもこれも改善しました、こう言うのだけれども、じゃ総枠は一体どうなっているのだろうかと見ていくと、国鉄の赤字に国が出している助成金に等しい。それがわが国の住宅政策。これは余りにも過小ではないか、こう思うわけですが、大臣、いかがですか。
#164
○始関国務大臣 お答えをいたします。
 ゼロシーリングという財政再建の厳しい状況のもとにおきまして、住宅政策が内需拡大の柱として取り上げられましたのは、一般予算によるものよりは、いわゆる財政投融資を主としてやるということが、住宅政策が選ばれてきた根本的な事情によるものと思うのでございまして、民間の住宅でございますから金を貸してやる。そして、それに対して利子補給をやってやるということでございますから、一般予算からのあれは財政の金利補給の金と、あとは公営住宅等の資金になるわけでございまして、私どもはどちらかというと財投というものを主体にしてこれを考えていくという点が基本になっております。確かに不十分ではございましょうけれども、しかしどうも私の感じでは、公的資金による住宅建設というものはかなり進むのじゃなかろうか。あと一カ月、二カ月たちますと着工戸数が出てくるわけでございますが、そうじゃなしに、銀行ローンを主にします純粋の民間資金による住宅、こちらの方に非常に問題が多いのではないか、こういう点を考えますと、確かに不十分だと言えば不十分でございますが、いままでやってまいりましたことから言えばかなり前進している。これでとにかく一生懸命やってみたい、かように存じておる次第でございます。
#165
○渡辺(武)委員 大臣も枠の中で考えていらっしゃるからそういうお答えしか出てこないのですけれども、本当にそうだろうか。発想の転換が必要だと先ほども申し上げましたけれども、じゃ住宅公団というのはわが国の住宅政策に本当に寄与しておるのだろうか。あれだけの住宅を建てながら、何万戸という空き家を抱えながら、狭くて遠くて高いと嫌われながらどうなんだろうか。これをもっと全然別な形で住宅政策を推進する方法はないだろうか。同じ資金量でもっと有効にやれる方法はないだろうか。実際にはこういうことはあると思うのです。だからそういう方向に発想を転換してもらう、思い切った転換が必要じゃないか。そうすることによって同じ資金量でもっとサービスのよい、家賃の安い住宅が提供できるようになるんじゃないだろうか。いまの場合、五年も十年も建てたままほっておいても、それらが全部資金コストとして次に入る入居者の方に転嫁をされていっておるわけですよ。だからそういうつまらぬことをやっておるならば、もっと民間活力を活用して、民間に全部任してしまったらどうだ。民間ならあんなばかなことをしておらぬですよ。ああしたら一遍につぶれてしまう。それは国が負担しておるならまだしも、プール計算して家賃へ家賃へと、原価主義ですからみんなかかっていってしまうのですよ。そうすると既存の枠の中はやめてしまって、わっと発想を転換して、わが国の住宅政策を一大転換させる方法はないだろうか。こういう発想が出てくるべきだ。これを御指摘申し上げておるのですが、いかがでございましょう。
#166
○豊蔵政府委員 従来から行ってきたそれぞれの住宅政策の各手法、私はそれなりに意義があったかと思います。しかしながら御指摘のいろいろな隘路もございまして、そういうものにつきましては早急に打開をすべきであろうかと考えております。その打開策を模索する中では、いままでと同じ考え方では当然打開の道が開けない要素もありますので、私どももできるだけ視野を広くして、発想の転換をしなければいけないと思っております。その中で、たとえば大都市の中にございますいわゆる低質な木造賃貸アパート群等につきまして、住居の水準も低うございますし、また環境も悪いという面がありますので、これらはせっかくわりと立地条件のいいところにありながら、良質の住宅ストックとして役立てられておりませんので、こういったものをどのように誘導していくかということで五十七年度から新しい制度を導入することといたしましたが、これらを進める中で、足らざるところがあればさらに充実をさせていくというのも一つの方法ではないかと思いますし、先ほど来御議論になっております公団なんかでも考えるべきかと思いますが、借地方式などどのようにしたらうまく展開するか、こういったことも組み合わせて考えていきたいと思っております。
#167
○渡辺(武)委員 現在マンション等購入しておる購買層、これを調べてまいりますと、その大半は三十代とその前後の人たち、こういう結果が出てくるわけですけれども、いわゆる何百万円という自己資金にはなかなか手が届かない人たちも中にはいる。したがって、親きょうだいの援助を仰いで、そしてそのマンションを購入するわけでございますけれども、御承知のように親族間の金銭のやりとりというのは贈与税の対象になってしまうのですね。したがって、やむなく一戸を共有するという形が出てきているのです。ところが、その共有登記というのは、同居をしなければならぬということになっておるようなんです。だからこの辺はもうちょっと改める余地があると思うが、いかがでございましょう。
#168
○福永説明員 先生おっしゃいましたように、公庫の融資をいたしました場合に、共有登記の相手が同居をすることを公庫では条件といたしております。これは公庫の持ち家融資は公庫法の十七条一項で決めておりまして、「自ら居住するため住宅を必要とする者」にその住宅を取得する費用を融資するということになっております。したがいまして、融資を受けました方はその住宅にみずから居住をしなければいかぬ、それから、かつ所有をすることが要件になっておるわけでございます。こういう趣旨から考えまして、債務者以外の方が融資を受けた住宅を共有される場合におきましても、一定の親族等に限りまして申込人と生計をともにして、かつ同居をする場合に限り認めているというのが現状でございます。なお、申込者等が高齢である場合に、後継者を指定しましてその方が返済を継続していくという承継償還制度というのもございますが、この場合におきましても、後継者の方が原則としては同居をするということにいたしておりますが、何らかの事情でどうしても同居ができないというような場合につきましては、特に将来同居をするということを条件に共有を認めているのが現状でございます。
#169
○渡辺(武)委員 先ほど来から討論しておりますように、住宅金融公庫がお貸しになるお金は実際の住宅の費用が四〇%程度ということだから、資金量が不足するからまだまだほかでも借りなければならぬし、さらに自己資金を増すために親きょうだいからも借りなければならぬ。ところが、親きょうだいから借りると贈与税の対象になってくるからやむなくそれを共有にしようという形にしようと思うと、今後は規則によって同居しなければだめなんだ、こういうふうにはねつけられておる、それが現状なんですね。だからその辺はもう、少し考慮する余地はないだろうか、こうお尋ねしておるのですよ。規則はわかっておりますからね。
#170
○福永説明員 ただいま申し上げましたように、公庫の融資制度上から、共有につきましては同居を条件といたしております。これを全面的に廃止いたしますことは公庫法の趣旨からして適当ではないと思いますが、先生おっしゃるようなこともございます。今後におきましては、共有者の事情等に応じまして、融資住宅の入居時期等について一定の期間猶予をするというようなことについては、引き続いて検討をしていきたいというように考えます。
#171
○渡辺(武)委員 それから中古マンションの活用といろことも大切な問題でござやます。ところで、この中古マンションはどんなに新しいものでも返済期間が二十年というふうに限定されておるのですね、だから、実際には貸し付けの際には物件を検査、審査されるわけですから、その築後の程度などの審査のリストをつくって、もう少し柔飲にそれに対応できないのだろうかどうだろうか。ほとんど新品と変わりないような中古マンションでも償還は二十年だ、こういうふうになってしまっておるのですから、余りにもしゃくし定規ではないだろうか。その辺はいかがですが。
#172
○豊蔵政府委員 御指摘のとおり、いわゆる中古マンションにつきましては、従来からその価格も比較的低廉である、ある程度住んでいらっしゃるというようなところから、償還期間は二十年ということになっておりますが、今回金利の引き下げあるいは限度額の引き上げ等を行いましたので、そういうような意味におきまして相当の条件改善もされたかと思います。これらの活用状況も見ながら、具体的な対策につきましては将来検討させていただきたいと思っております。
#173
○渡辺(武)委員 それでは最後に具体例を一件お聞きをして私の質問を終わりたいと思います。
 海外の駐在員というのがおりますね。わが国はいろいろの産業が海外に発展いたしておりまして、海外駐在員というのがふえておるわけですけれども、その海外駐在員であった人が帰国して早々にまた社内の転勤命令を受けた、したがっていま持っておった家を処分をしなければならぬ、こういう事情が発生をしたわけです。ところが一年以上住んでいないために居住用資産譲渡の控除が適用されないのですね。この場合は三年間以上も海外に行っておって帰ってきて間もなくですから、とても一年間というような期間居住をしておることは現実にできないわけです。こういうものは何か特例を設けて考慮してあげるということが必要ではないかと思うのですが、いかがでございましょう。
#174
○滝島説明員 お答えいたします。
 いま先生御質問の点は、いわゆる居住用財産を売られた場合、課税上三千万円の特別控除というものが認められております。この三千万円の特別控除が認められるための条件でございますが、一般の土地等の譲渡をいたしました場合には控除額は百万円でございます。ところが生活の本拠をお売りになるという場合には、これを三十倍の三千万円にしているわけです。そのかわり生活の本拠でなければいけないという要件加重が行われてやるわけです。五十二年まではこのお売りになる時点においてまさに生活の本拠でなければいけないということになっておりまして、国内でちょっと転勤になって一年あるいは二年後に帰ってこられる、あるいは先生御指摘のような海外転勤から帰ってこられるという場合がすべてアウトということになっていたわけです。これは酷であるということで改正をいたしました。よく四月東京駅なんかに行きますと行ってらっしゃいとやっておりますけれども、転勤になります。四月転勤で家を離れます。それから三年、つまり三年後の四月を含む年ですから、三年後の十二月末までの間は、そこの家を本拠として使っていないわけでございますけれども、お売りになった場合に、三年前までは生活の本拠であったのだから、これについてば三千万円の控除を認めるという改正をいたしました。恐らく先生御指摘の点は、これが三年以上海外におられた、あるいは国内でも三年以上おられたという場合にはこの対象から外れるのではないかということかもしれませんが、これについては五十三年の税制改正をする際に十分検討いたしたようです。私は担当者でございませんでしたが、その場合どういうことを検討いたしましたかといいますと、お売りになる方の立場からしますと、それが三年前でも四年前でも五年前でも長ければ長いほどいいということになります。ところが、税務執行の立場からいたしますと、毎年納税者の方が四千万人近くおられて、大量の行政処理をしなければいけないわけです。しかも、その方々の中から実は五年前にあそこに住んでいたのだということを言われた場合に、本当に住んでい五のかどうかきちんと調べなければいけない。調べる義務があります。その辺ルーズにいたしますと会計検査院の指摘を受けます。ということで、執行上の立場からしますと、さかのぼる期間は短い方がどちらかというと好都合である。しかし納税者の方々の事情もわかりますので、できるだけさかのぼろうということで、ぎりぎりどこまでさかのぼれるかということを検討いたしました結果、三年という結論に達したわけでございます。
 もう一つ、この三年ということは、労働省所管の財形貯蓄というのがございますが、これも、財形貯蓄をやって海外に行って長くたちますと、その財形貯蓄から生ずる利子について課税が行われることになるんですが、三年程度であれば、その間留守をしておられても利子には税金をかけないという制度ができております。その制度も、実態を労働省の方が調査をされまして、大体三年という期間を置けば大多数のケースがカバーされるという判断に基づくものと聞いております。
#175
○渡辺(武)委員 特定な人が不利益を受けないように、今後ひとつ十分にいろいろな特例を設けて、それは柔軟に対応していただくように要請をして質問を終わりたいと思います。
#176
○村田委員長 これにて渡辺武三君の質疑は終了いたしました。
 次に、瀬崎博義君。
#177
○瀬崎委員 政府は住宅建設を景気対策の主要な柱に上げて、五十七年度の住宅着工数の目標を百三十万戸にしているわけですね。しかし、五十六年度はほとんど毎月対前年比を下回ってきているわけなんで、間もなく最終的な確定数字は出るわけなんだけれども、まずは五十六年度の住宅建築着工の実績は百十万戸台、こう見るのが至当なんじゃないですか。
#178
○豊蔵政府委員 先日、五十七年の二月分の新築住宅の着工統計がわかりました。それを加えまして五十六年度の二月までの実績をみますと、総計で百四万五千戸となっておりまして、対前年同期比マイナスの六・四%、戸数にいたしまして約七万戸の減少となっております。三月の動向がまだわかりませんが、このような状況で推移してまいりますと、昭和五十六年度の新設着工統計にあらわれます住宅の建築は、おおむね百十五万戸をあるいは若干下回るといったようなことになるのではないかと予想いたしております。
#179
○瀬崎委員 ちょうど一年前の予算委員会で、私は、住宅着工の年別推移を見た場合、五十二年百五十三万一尺五十三年百四十九万戸、五十四年百四十八万戸と徐々に下がってきて、五十五年は百二十万戸程度に落ち込んでくるんじゃないか、これが急速に回復するという見通しが立つのか、こういう質問をあなたにしたわけですね。そのときに豊蔵住宅局長は、「五十六年度も相当程度回復の見込みがあるというふうに考えております。」こうお答えになっておるわけですよ。ところが五十六年度は、五十五年度をさらに下回って百十五万戸を若干割るんじゃないか。十万戸近くこれはまた減ってくるわけですね。一年前国会で「相当程度回復の見込みがある」と答えた局長として、こういう事態をどう説明されるのか。また、たった一年前の見通しすら全く狂うという結果、正反対になったわけですが、その要因は何だと考えているんですか。
#180
○豊蔵政府委員 私どもといたしましては、昭和五十四年、五十五年に影響を受けました第二次オイルショックによりますところの建築費の高騰あるいは金融の引き締め、また高金利、そういったようなものがあったほか、御案内のとおり地価の急激な上昇というようなことが昭和五十五年度の住宅着工に大きく響きまして、百二十一万四千戸程度に落ち込んだわけでございますが、昨年の予算委員会当時におきましては建築費がようやく安定をしてまいりました。また、地価の上昇率もある程度鈍化をしてまいりました。そういったようなことから、五十五年度に比べて五十六年度はある程度回復するのではないかというふうに見ていたわけでございますが、その後国民の住宅取得につきましては、一般的に住宅価格と取得能力との乖離がどのように縮まるか、またはどのように開くかということが大きな要素になるかと思われますが、その住宅価格と取得能力との乖離につきましては、一般的な経済の動向、それによるところの国民の所得の上昇、そういったようなものが裏づけされる必要があるわけでございますが、遺憾ながら昨年一年間の勤労者の可処分所得につきましては、実質はかなりマイナスを続けております。そういったところから、若干の建築費の安定あるいは住宅ローン等の改善がありましても、この取得能力を回復するには至らなかったということが挙げられようかと思います。
 また一面、土地の価格にいたしましても、上昇率は鈍化いたしましたが、過去三年間で公示価格によって見まして総じて五〇%近くの値上がりがされており、また今回、四月一日に発表されました五十七年一月の地価公示も、確かに上昇率は鈍化いたしましたが、住宅地で全国平均八・三%程度であったかと思いますが、そういったようなことが取得能力を縮めるということではなくて、乖離を大きくする要因の一つでもあったかと思います。
 そんなようなことで私どもが当初に予定といいますか、見込んでおりました五十六年度の住宅建設は、予期に反しましてこのような落ち込みを見せているものと思っております。
#181
○瀬崎委員 たった一年前のあなたの国会での答弁が単に淡い期待であったし、きわめて無責任な答弁であったわけですね。しかも、あなたがいまるる説明したようなことは、去年私自身が質問の中で指摘してあるわけですね。国民の実質所得が低下してきた、一方土地の高騰が続いているし、建築費も余り下がってないし、ローン金利も〇・三%程度の引き下げにすぎない、こういう状況のもとでは公共住宅に力を入れない限り住宅建設の目標は達成できないのではないか、こう指摘してあるのですよ。これに対して当時の斉藤建設大臣は、先生の御指摘のとおりだが、財政事情の中、前向きで取り組むという以外にいまのところお答えの言葉を持たないわけでと、きわめて苦しい弁解答弁をしておったわけでしょう。ただ、あなたはその後を引き取って、五十五年度の住宅建設の落ち込みについて、御指摘のような地価の上昇、建築費の上昇、住宅ローンの高金利、所得の伸び悩みがその大きな原因だと認めながら、回復の可能性はある、こう言ったわけですよ。それがまた同じ理屈であなたはいま弁解せざるを得なくなったわけでしょう。
 そして五十七年度はどうかとなると、前向きに取り組むと申し上げる以外ないと言ったその公共住宅、これを約六千戸近く減らしているわけでしょう。そしてまた百三十万戸を目指そうというんでしょう。少なくとも五十六年度の実績よりは二十万戸ふえなければいかぬわけでしょう。こういう状況のときに、五十七年度として百三十万戸建設に有効な政府の住宅対策として胸を張って言えるものは一体何なんですか。
#182
○豊蔵政府委員 一つには、住宅金融公庫あるいは財形融資、そういったような関係におきまして貸し付けの限度額を上げました。それからまた、ただいま御審議いただいております中古住宅につきましての金利の引き下げあるいは所得制限の緩和、ステップ償還の延長、そのほか財形住宅融資につきましては新しく利子補給制度を導入いたしまして、当初二年間二%、次の三年間は一%というような措置を新たにとったところでございます。こういったような公的住宅金融を格段に充実いたしましたこと、また、かねてから問題になっておりました住宅土地税制につきまして大幅な改正を行うこととしたこと、これらが相当大きな効果があると思っておりますし、政府の経済見通しにおきましても、今後の経済の運営が的確に行われて、物価が安定する中で国民の所得の伸びも相当に期待されるということ、そういったようなことを総じまして、住宅をめぐる環境も好転をしているというふうに判断をいたしております。
#183
○瀬崎委員 土地税制の問題がどうなるか。いずれにしたって現在庶民の手の届くような値段に土地がなるということはすぐには考えられないわけですよ。われわれはむしろ逆になるのじゃないかと思っているくらいです。しかし第一番に挙げられたのが、公的住宅金融について格段の充実をしたとあなたはおっしゃったわけですね。実は昭和五十三年あるいは昭和四十八年にも同じような趣旨、つまり住宅の建設を促進するためとして、公的住宅金融制度についていろいろな措置を講じられているわけですね。あの五十三年及びその前の四十八年のときの諸措置のうち、主なものだけごく簡単に答えてください、余り長い答弁は要らないから。
#184
○豊蔵政府委員 四十八年あるいはまた五十三年におきましては、限度額の引き上げが中心であったかと思います。ただ、五十三年は、御案内のように財投金利が六・〇五というところまで格段に下がりましたので、それに合わせまして住宅金融公庫の貸付金利も五・〇五%というふうになったことも特徴的なことであったかと思います。
#185
○瀬崎委員 その五十三年は公庫法の改正も同時に行われていますね。そのとき本委員会で当時の救仁郷住宅局長がこう答えているのですよ。「償還期間の延長のほかにも、利子を下げたり、限度額を上げたりするような方策があるわけでございますが、とりあえず法律改正が必要だということで、償還期間の延長ということをお願いしているわけでございます。それとあわせて、それは住宅政策基本の問題でございますが、当面の課題たる景気対策上も、こういった対策」、つまり限度額の引き上げ、利子の引き下げですね。「というものが非常に緊急を要するということでお願いしている次第でございます。」つまり、緊急に講じなければならない住宅政策として三つ挙げているわけです。法改正を伴うものとして償還期間の延長、あと住宅政策として行うものとして利子の引き下げ、限度額の引き上げ。住宅建設の回復に配意をする、格段に充実したというなら、少なくともこの三点は中心になってなければいけないのじゃないですか。
#186
○豊蔵政府委員 ただいまお答え申し上げる中で、償還期間の延長を失念いたしておりましたが、五十三年に償還期間の延長も法律改正で認めていただきました。現段階で考えてみますと、木造住宅につきまして考えた場合に、償還期間は二十五年となっておりまして、これは相当程度の措置がなされているというふうに考えております。耐用年数その他のことから考えまして、これを余り延長するということは、延長に伴う償還金の額の減少にはそれほどつながらない、やはり十八年を二十五年にするあたりで非常に大きく効くということがあったかと思います。
 それは別といたしまして、貸付限度額につきましては、先ほど申し上げましたように個人住宅建設につきましては七十万円、また、団地住宅につきましては特段に百二十万円の引き上げが図られておりますし、また、財形融資につきましても財形貯蓄額の……(瀬崎委員「私が聞いたのはこの三つが中心でなければならぬ。それだけ答えればいいので、ごたごた説明は要らぬ」と呼ぶ)限度額につきましてはそのとおりでございますし、そのほかの金利につきましては、これは財投金利の今後の変動を見なければとてもいまの状況ではむずかしいわけですが、しかしながら中古住宅につきましての金利は初めてでございますが、格段の引き下げを行ったところでございます。
#187
○瀬崎委員 そのとき私も質問しているわけですね。五十三年度からの貸付金利の引き下げについては〇・三%ぐらいと伝えられているが、もう少し配慮してもいいのじゃないか、こう質問したのに対して当時の櫻内建設大臣は、「手持ち資金と借入資金との割合も借入金がふえておるじゃないか、」借りている方ですね。「これは端的に言えば、借入者の内容というものがだんだん悪くなってきておる傾向を示しておると思います。一般的な経済情勢も反映しておるようにも思えますが、できればこういうような点が改善されて、より堅実なものになるような施策、方向が望ましいことは言うまでもない次第でございます。」これは所得をふやす政策がとれればそれにこしたことはない。「したがって、金利の点もできるだけ下げ幅が大きい方を望んでおるわけであります。」これは当時の櫻内建設大臣の答弁なのです。いまの建設大臣は金利についてどういうお考えですか。
#188
○始関国務大臣 昨年の第二臨調におきましていろいろ議論はございましたが、基礎の数字は五・五%ということで、本年もその方針で五・五%に据え置いた、こういう次第でございます。
#189
○瀬崎委員 ここで、いわゆる借入者の内容が悪くなっているということを当時の大臣が認めているわけですね。
 公庫に伺いますけれども、私がもらった資料で見る限り、いわゆる所得の低い方の方、第一分位の方は昭和五十一年一〇・一%の利用者だったのが五十五年は二〇・九%と、一番所得の低い層で倍増している。それから第二分位のところでは、二七・三%が二六・一%でほぼ横ばい。第三分位は二六・七%が二二・四%に減っている。第四分位は二二・七%から一八・八%にこれも減っている。第五分位は一二・二%から一一・八%にこれも減っている。つまり、公庫を御利用なさっている方はだんだんと所得の低い方にウエートがかかっている、こういう傾向ではないのですか。時間がないから簡単にやってください。
#190
○関口説明員 五十五年の各分位の利用率は、個人住宅については先生御指摘のとおりでございまして、そういう意味では分位は、言葉は悪うございますが下方シフトの傾向を見せているというふうに私ども考えております。
#191
○瀬崎委員 これは公共賃貸住宅の家賃が高いものだから、無理をしてでも持ち家を持とうかというふうな一つのあらわれではないか。そういう点では当時の建設大臣が心配した、つまり所得の低い人が借り入れに頼るわけですから、借入内容が悪くなってきている。こういう点では現在は実質所得が減っているだけに、なお厳しい状況になっていると見るのが至当ではないでしょうか。大臣いかがですか。
#192
○関口説明員 ちょっとその前に事務的に御説明申し上げます。
 数字の上ではただいま申し上げたとおり、私どももそういうふうに認識をしておりますが、これはある意味で、先ほど来住宅局長が御答弁申し上げておりますように、公庫の融資制度の改善に伴いまして、皆さんが御利用しやすくなったという一面があることは否定できない、かように考えております。私どもはそういうふうに見ております。
#193
○瀬崎委員 つまり公庫の方は、これまでの政府の持ち家政策で若干の改善があったと、ところが、賃貸住宅の方はもう家賃は上がるに任された、むしろ高い方へ高い方へと修正されていった、そういうことの結果のあらわれではないかと思うのです。
 それはともかくとして、とにかくそういう所得の低い層の方がお金を借りて、無理をして家を建てていらっしゃるという傾向が現在続いているという事実については御認識なさっていますね。
#194
○始関国務大臣 家に入るにつきまして、相当高い家賃を払うのならむしろ自分で家を建てた方がいい、そういう心理的な状態が働いておることは事実だろうと思いますが、その辺の具体的な兼ね合いの問題につきましては、私といたしましては、どうも詳細お答えいたしかねます。
#195
○瀬崎委員 こう言っちゃ失礼ですけれども、あなた、建設大臣なららしく、やはり政府の住宅政策に関係のある国民の状態をもう少しつぶさにちゃんと承知してほしいと思うんですよ。私は、前の大臣の答弁についてあなたがいまどういう認識を持っているかを聞いているのに、それすらはっきり言えないなんて、これは本当にどうかと思いますよ。
 さらに、昭和四十八年、五・二%の金利にしたでしょう。五・五から〇・三下げた。このときの議事録もちょっと繰ってみたのですが、当時の沢田住宅局長はこう言っていますね。「私どもはいままでのところ、いろいろ住宅政策上の公庫のあり方、これは理想的な姿をかなり描くわけでございますが、そのときでも現在の五分五厘程度のこと、非常に長期間に考えまして、これをもとにして住宅政策をやるということは一つの筋はあろうかと考えております。」「低い情勢ができればそれは低いほどよろしいし、それは何にはね返るかと申しますと、住宅の質なり、あるいは支払いの負担の減なり、こういうことにはね返りますので、そういう点は十分にやっていきたい。これは五%に下がっても何でも私はけっこうだと思います。」つまり二つのことを言っているんですよ。つまり五・五%という金利はきわめて長期的な期間を見通した水準のものである、時々の経済事情とか財政事情とか、こういうものに余り左右されないで貫くべき金利だという認識を述べている。もう一つは、同時にやはり政府の公的金融と言う限りは、できる限り国民の金利負担を下げられるなら下げた方がよいという思想を述べている、こう思うんですね。こういう国会答弁が過去に出ていることはよもや忘れていないでしょうね。
#196
○豊蔵政府委員 私も、前の沢田局長が述べられておりますそういう施策金融のあり方につきましては同じ考えでございます。
#197
○瀬崎委員 そこで、政府が今回改正案で、十一年目から財投金利、つまり現在で言えば年七・三%にする段階制金利を導入しようとしているわけですね。それで、たとえば個人向け一般融資で新しく設定しようとしている最高限度額六百二十万円を借りた場合です。これは政府からもらった資料で計算してみたのですが、現行五・五%で二十五年間返済する場合と、もし改正案が通ったとして、十一年目から七・五%になった場合を比較すると、金利は、改正前は五百二十二万一千九百円、改正後は六百四万八千八百二十円、差し引き八十二万六千九百二十円、こういう負担増になるのではないかと思うのですが、間違いないでしょうか。
#198
○豊蔵政府委員 先生御指摘の数字はほぼ、細かい点は、七・五とか七・三という金利の差がございますが、大局はそのようになっております。
#199
○瀬崎委員 これは支払い金利総額で見ますと、実に一六%の増加に当たるんですよ。一挙に国民に一六%もの金利負担を増加させておいて、果たしてこれで住宅の取得をしやすくしてあげた、本当に住宅建設の促進に役立てるのだと言えるのかどうか。また、過去一貫して国会で政府が述べてきた方針は、常に金利は下げる方向下げる方向だったのです。今回初めて段階制金利というごまかしで、実質的には大幅な金利引き上げになっているわけでしょう。これはこれまでの政府の方針の根本的な転換、こういうふうに受け取らなければならないのじゃないですか。
#200
○豊蔵政府委員 住宅金融公庫の融資につきましては、昭和四十年代の戸数は三十万戸ぐらいまでだったかと思います。その後、金融公庫を利用される希望者の方々が非常にふえまして、抽せん制というのはいかがであろうかということで戸数も大幅に増加いたしまして、無抽せん制を現在維持させていただいております。また、第一次オイルショックまでにおきます高度成長過程の中での財政構造と、現時点で置かれております国の財政事情というのは質的にも大きく変わってきております。また、公庫の利用者の方々の実態から見まして、十一年目以降におきましてはその負担が相当軽減されているということ、そういうようなことから、公庫の、国の施策融資としての役割りを考えました場合には、必要なときに必要な金額をお貸しをするといったようなことも重要でありますので、それらを総合して考えました場合に、一つの解決方法として段階金利というものをお願いしておるところでございまして、また、そのことにより公庫の将来の財政基盤が安定するというところから、必要な公庫の資金の的確あるいは効率的な使用もなされ得る、また、毎年度必要に応じて改善もなされ得る、そういったようなことが総合的に考えられますので、四十八年当時におきまして考えておりました事柄が、現時点におきましては、どうしてもある程度の仕組みの変更というものをお願いせざるを得ないというのが現状でございます。
#201
○瀬崎委員 明らかにやはり仕組みの変更になっていたわけですね。
 そこで、先ほどの、ちょっと計算例を申し上げた金利の増加ですが、これを平均金利に直しますと、段階制金利でなしに平均金利に直しますと、五・五%をほぼ一%引き上げ、六・五%ぐらいにしたのと同じぐらいのことになるのじゃないですか。
#202
○豊蔵政府委員 私もこの計算がちょっとよくわかりませんが、元金の残存率等によります計算もいたさなければいけないと思いますので、ちょっとこのような数字になるかどうか、私も承知いたしておりません。
#203
○瀬崎委員 ごく大まかに言えば、大体そうなりますよ。
 そこで、昨年の臨時国会、行革国会です。十月十九日の行特委と建設委員会の連合審査で、住宅金融公庫の金利をもしも一%上げると大体何万戸くらい落ち込むのか、答弁いただきたいという質問に対して、当時の斉藤建設大臣は「もとよりアバウトな数字かもしれませんが、一%で十万戸くらい減るというように言われております。」こう答えているんですよ。つまり、これから二十万戸ことしふやさなければいかぬと言っているときに、金利を実質一%上げて十万戸減らすようなことをする、きわめて矛盾した話じゃないかと思うのですが、どうでしょう。
#204
○豊蔵政府委員 昨年、斉藤前建設大臣がそのようにお答えされましたことは私も記憶しております。ただ、御理解いただきたいことは、いま一番必要としている時期に必要な御援助をするということは、まさに当初の何年間かということが大きな問題であろうかと思うわけでございまして、十一年目以降につきまして過去の実績値等を見てみますと、住宅を建設される方々の借金の返済額の所得に占める割合というものは、率として半分以下に減っているというのが実情でございます。したがいまして、十一年目以降もその率はどんどん下がるわけでございますが、一年程度その率の下がり方が若干低くなる程度の感覚としてとらえられるのではなかろうかと思いますので、金利を一番最初から一%上げるのと、十一年目以降に段階金利を導入するのとでは、おのずからその質は変わっているのではないかと思います。
#205
○瀬崎委員 結局、住宅建設で景気対策を図ろうというのだけれども、これまではそのために大体金利を下げるという方法をとった。また、去年の国会でも、やはり金利を上げると住宅建設は減るというような方向を打ち出しながら、いまごろになってそういう理屈をあれこれつけるというのは、私は言い逃れだと思うのです。やはり見通しにしろ何にしろ、国会での答弁にもう少し責任を持ってほしいと思うのです。これは、お金を借りる方に対する負担が結果的には重くなるという仕組みに変わったわけです。
 次に、先ほど来問題になっている公社の家賃問題であります。今回の三十五条改正案と深い関係のある東京都知事の要望書でありますが、これには、公社の方は「家賃変更の規定が公営、公団住宅に比べて整備が不十分で都営住宅家賃が公社賃貸住宅の家賃を上廻るという不均衡が生じております。」だから、公社の家賃変更規定を整備しろ、こういうことだと思うのですね。つまり、都営住宅と公社賃貸の家賃の不均衡は、公社の家賃変更の規定の整備が不十分なのだと言っているわけです。
 そこで伺いたいのだけれども、では、都営住宅と公社賃貸住宅の家賃不均衡という事態は、公社住宅発足当時から存在したものなのかどうかということを伺いたいのです。公社は二十六年ごろからですね。
#206
○豊蔵政府委員 公社住宅というものもいろいろありますが、現在の住宅供給公社法が制定される以前の、実質的に引き継がれた住宅協会等も頭に入れまして総合的に考えました場合には、恐らく従来は公営住宅と公社の住宅の、いわば限度額家賃で比較した場合には公営住宅の方が低かったかと思います。
#207
○瀬崎委員 ということは、こういう東京都知事が言っている不均衡というものは、都営住宅の方の家賃が大幅に上げられてきた結果不均衡になったのであって、あえて不均衡の原因をと言うならば、都営の家賃の値上げにあった、こう言うのが正しい指摘ではないかと私は思うのですが、どうでしょう。
#208
○豊蔵政府委員 公営住宅につきましても、その維持管理を適正に行う、あるいはまた新旧家賃間に不均衡が生じたような場合に、一定のルールに基づきまして家賃の変更ができることになっておりますが、たとえば東京都にいたしましても過去に引き上げを行ってきております。そういうようなことが、結果としては現在の公社の賃貸住宅の家賃と比較いたしまして、公営住宅の方が高くなっているということになっております。
#209
○瀬崎委員 それならあえて聞きますが、公庫法の三十五条には、これまでもちゃんと家賃決定のルールが決められているわけですね。そこには「住宅の建設に必要な費用、利息、公課、管理費、修繕費、火災保険料その他必要な費用を参酌して主務大臣が定める額をこえて、当該貸付金に係る住宅の家賃の額を契約し、又は受領することができない。」と、一種の禁止規定的な条項になっているわけでしょう。とにかくこういうものを超えて家賃を決めたりもらったりしてはならぬぞ、こういう規定まで設けた理由は一体どこにあったのですか。
#210
○豊蔵政府委員 住宅金融公庫が国の財政投融資を活用しつつ、長期、低利で賃貸住宅を経営される方々に融資をされるということは、やはり政府の施策の一環でもありますから当然ではございますが、その住宅の家賃につきまして一定の限度を設けて、その範囲内で家賃を決定することが施策の趣旨に合致するということで、このような規定が定められているものと考えております。
#211
○瀬崎委員 そうでしょう。わざわざそういう歯どめをつける必要があったからやったわけですね。ところが一方、都営の方はどんどん上げたわけでしょう。住民の側から言えば、いまあなたがおっしゃった公社住宅の家賃決定の規定の方が整備されていて、どんどん上げることのできる都営の方がむしろ不十分なのだ、そういうことになってくると私は思うのですよ。だから検討すべきは、どんどん値上げして不均衡をもたらした都営の方の家賃変更の規定についてこそ見直しをすべきであって、そっちの方を絶対化して公社の方だけ変えていくのだ、これはきわめて片手落ちだ。少なくとも不均衡の原因は、都営の方が上がったから不均衡になったという事実は事実なのですから、そちらの方の家賃決定の仕方がよかったのか悪かったのか、そういうことも含めて、両方勘案するのが適切なやり方じゃないかと私は思うのですが、いかがですか。
#212
○豊蔵政府委員 私どもかねてから家賃問題につきまして住宅宅地審議会に諮問を申し上げておりましたところ、昨年の八月に「現行家賃制度の改善についての答申」をちょうだいいたしました。その中で、公共賃貸住宅につきましては、施策対象層にとっておおむね適正な負担限度内にあるように努力すると同時に、既存の住宅につきましては、物価の変動に対応し、新旧住宅の家賃の不均衡というものにも着目して適正な改定を行うべきである。ただ、その家賃を変更するに当たっては、それぞれの公共賃貸住宅の性格に応じた適切な手続に基づく必要なルールづくりを行って、家賃の変更が公正かつ円滑に行われるよう配慮する必要があるというふうにされております。
 かねてから公営住宅につきましては、そのような家賃の変更につきましては規定がありまして、それぞれの公営住宅の管理主体が必要に応じて変更を実施しておりますが、公社の賃貸住宅につきましては、基本的にそういったようなことについての規定が十分整備されておらなかったというようなことにつきましても、本答申で若干の指摘がございますので、そういうことも配慮いたしまして、今回このような改正をお願いをしているところでございます。
#213
○瀬崎委員 そういう審議会の答申はわれわれは百も承知しているわけですよ。私が聞いたのはそうじゃなくて、東京都の知事が出してきた要望書は、都営住宅家賃とそれから公社賃貸住宅の家賃の不均衡を改正の要因にしてきているわけですね、改正してほしいという原因に挙げているわけなんです。その不均衡をもたらした要因が、公社の家賃変更の規定の整備が悪い、こうなっているわけでしょう。そうなりますと、どんどん上げた都営の方がよくて公社の方が悪いんだと一方的な決めつけの上に立っているが、そういう考え方は公正ではないのではないか。都営の方上げ過ぎたかもしれない。両方をよく考えて検討するのがまあ普通民主的なやり方ではないか、こういう意味のことを私は言っているわけですよ。何も審議会の答申がどうかこうか聞いているわけではないですよ。こういう点ではこういう要望書は片手落ちではないかと私は思うのですね。改めて局長の見解を聞いておきたい。
#214
○豊蔵政府委員 東京都の方からの御要望は私も見ておりますが、これは都の方のお立場での御要望でありますので、それにつきましてとやかく私申し上げるつもりはございませんが、私どもといたしましては、現在の公庫融資にかかりますところの公社賃貸住宅が、物価の著しい変動等が生じました場合にそれに対応した家賃変更の規定がない、また、一面団地の環境整備あるいは設備の改善、計画的な大規模の修繕、そういったようなことも現実にできないという状況を考えまして、公営住宅法におきますところの家賃変更につきます一定のルールがございますが、それらも参考にいたしまして、この際このような変更のための一つの計算の根拠となるべき規定をお願いしているところでございます。したがいまして、そのことが公営住宅と部分的に一致していないということも一つの例示としてのお話にはなりますが、あれがこうだからこれがこうだということが直接につながるのではなくて、これはこれとしてやはり適正な規定、それに基づく一つのルールというものが必要ではなかろうかということを考えております。
#215
○瀬崎委員 いまいろいろな修繕とか管理が必要になろうかと言われたけれども、そういう修繕費とか管理費等なら、こういうものが物価の変動に応じて上がったというのなら、何もわざわざ新たな条項を設けなくたって、現在の三十五条の第二項にそういうものがちゃんと家賃に算入できるようになっているわけだから、それでも改正ができるし、現に改正が行われているでしょう。そうじゃないのですか。あなたの答弁は長いから、もっと簡単にやってください。
#216
○豊蔵政府委員 確かにそういう規定がございますが、現実に必要としております住宅の管理の総合的な費用につきましては、それをもってしてもカバーし切れないというのが実情でございます。
#217
○瀬崎委員 総合的な管理の費用というのは、当該値上げ対象になった団地だけのこと、そういうふうに理解していいですね。ほかに使うことは絶対ない、そう言えるのですね。
#218
○豊蔵政府委員 当該団地の環境整備あるいは当該住宅の設備改善あるいは大規模な修繕、そういったようなものを頭に置いております。ただ、その使途につきまして、使うとか使わないとかいうことは、これは一切供給公社の事業主体において決められることだと思います。
#219
○瀬崎委員 それじゃ、問題になっている新しい公社住宅はどうしても土地代が高い、建築費が高い、したがって家賃が高くなる、それを下げるために一種のプール資金として利用する、こういうことを公社がやったとしてもそれは別段どうということはない、そういうことですね。
#220
○豊蔵政府委員 基本といたしましてはその当該住宅あるいは当該団地に充てられるのが基本でありましょうということを申し上げました。しかしながら公社につきましては、また一面新旧家賃等のバランスも考慮した抑制に一部充てることもあり得るのではないかということを申し上げたところです。
#221
○瀬崎委員 そもそも土地が高くなったとか、建築費が上がったとかいうのは、居住者には何の責任もない話なんですよ。むしろそれは政府の住宅政策や土地政策に問題があったから起こっていることなんでしょう。これを政府が責任をとらないで過去の居住者に責任をとらせる、負担をさせる、これは私、決定的に筋違いだと思うのです。
 ちなみに、これは東京都ですが、過去の公社住宅の家賃がそのときどきの勤労者の収入にどんなウエートを占めておったか、ちょっと調べてみたのです。二十六年度の家賃は三千三百五十円なんです。このときの労働省がやっております毎月勤労統計調査による平均月収は一万五百三十七円なんです。ですから、月収に占める家賃の割合は実に三一・八%に上っているわけですね。それから昭和三十年、このときの家賃は四千三百六円なんです。勤労者の平均月収が一万五千七百四十一円ですから、家賃の占める率は二七・四%なんです。三十五年、家賃が五千二百三十七円、平均月収が一万九千六百十七円、二六・七%なんです。四十年、家賃が八千九百四十五円、平均月収が三万九百三十六円、二八・九%です。昭和四十五年、家賃一万二千五百円、平均月収が五万五千八百二円、ようやくここへきて占める率が二二・四%、四十七年、家賃が一万八千九十四円、平均月収が七万三千八百六十円、二四・五%、こういうわけですから、公社にお入りになっていらっしゃる方々は、入居された当時というのは非常に大きな家賃負担を背負っていらっしゃった。いまやっと少しましになったかなというときなんです。そのときに、また新しくできた住宅の家賃を、新旧格差是正と称してその負担までかぶせられたのでは、こんりんざいほっとするときがない、こういう事情もあるのですね。こういう点について、やはり家賃が適正かどうか、どういうふうに決めるべきかを考えるときには、十分こういう実情も配慮しなければならないのだと思うのですが、いかがですか。
#222
○豊蔵政府委員 御指摘のとおり、当初の住宅が建設されましたときの家賃と一般の所得水準とを比較いたしますと、負担率は高かったかと思います。しかしながらまた一面、相当長期間を経過いたしまして物価の変動等が大きくございますと、現時点におきましてはかなりその負担率も下がっているということも実情でございます。また、先ほど申しましたような住宅の総合的ないろいろな管理を進めていきますためにも、ある程度の家賃の変更ということもお願いをする必要があろうかと思っております。もちろん公庫法に定めております基準はあくまでも限度額の基準でございますので、その範囲内におきまして各事業主体がどのような家賃決定をするかということでございますので、それはそれとして、一に事業主体のお考えによるところであろうかと思いますが、私どもといたしましては、いま先生から御指摘がありましたいろいろな実情に配慮ということにつきましては、激変緩和措置も十分に考慮して、必要な範囲で適正な額となるように十分指導してまいりたいと思っております。
#223
○瀬崎委員 これはやはり住んでいらっしゃる方に直接影響をする問題です。だから、入居された当時が一体どんなだったのか、いま不均衡不均衡と言うけれども、決してそんな楽々と公社住宅に住んでいらっしゃったのではない、そういうことも、本来ならば本委員会がそういう方々に参考人としておいでいただいて、十分お聞きをして審議をすべきだ。だから、私は理事会でもそのことを強く要望したし、中島議員もせんだっての委員会で要望されたのですね。まあ委員長は比較的慎重な扱いをしていたようだけれども、他党の同意が得られなかったために実現を見ないのは大変残念であります。特に住宅金融公庫の安い政策金利を使って建てる公社住宅だから、そのためにわざわざ勝手に家賃を決めたらいけませんよ、主務大臣の定めたこの額を超えて家賃を取ったら絶対いけませんよ、こういう規定までつくってあったと思うのです。それを逆に限度額をうんと引き上げて、その中で自由にお上げなさい、これもまた今回の改正の中では最悪の方針転換の部分に属すると私は思うのです。だから、政府としては、みずから撤回するぐらい、もう一遍慎重に検討し直してほしいと思うのです。
 時間がないので次に進みますが、この時間では行管庁にまで質問する余裕がないと思いますので、せっかくおいでいただいてお待ちいただいて恐縮なんですが、お帰りいただいて結構です。申しわけない。
 特別損失の問題です。特別損失を制度化する附則部分が今回提案されているわけでありますが、これが法制化されていない五十六年度においても、本来必要となる利子補給金二千七百八十七億円に対して、実際の利子補給金措置が少なかったために、六百六十一億円、財投金利の引き下げで四百五十一億円程度で済むようでありますが、これだけの繰り延べ措置、つまり、特別損失と同様の扱いが起こっていたのではないのですか。
#224
○豊蔵政府委員 五十六年度におきましては、御案内のとおり、当初六百六十一億円程度の繰り延べを予定しておりました。その後、金利の変更等、事業の実施状況等によりまして、最終的には若干これを下回るような金額となったわけでございます。
 ただ、現時点におきまして、五十七年度に予定されております繰り延べは五百十七億円でありますが、これにつきましては、おおむねそう大きく動かないだろうというふうに思っております。
#225
○瀬崎委員 いや、私が聞いているのは、金額は私が言っているのだから、要は、法律改正は別に行われていないけれども、いま政府が法律を改正しようと思っている同じ措置が、五十六年度では実質先取りで行われているんじゃないか、このことを聞いているのですよ。
#226
○豊蔵政府委員 五十六年度におきまして繰り延べられましたものは、五十六年度を含みましておおむね五カ年間で措置することとして、五十六年度は五分の一を予算の中に計上さしていただきました。五十七年度は、残りの金額のいわば四分の一を計上しております。これは五十六年度の予算審議に当たりましていろいろ御説明を申し上げ、御理解をいただいたところでございますし、政府といたしましても、当初の予定どおり、各年度必要の金額を補てんをしていくという考えに変わりはございません。
 ただ、今回お願いしております五十七年度以降の措置につきましては、いわば据え置き的な期間を含んでおりますので、その点が五十六年度の措置とは内容が若干違っておることでございます。
#227
○瀬崎委員 繰り延べということを行ったという点では一緒じゃないですか。
#228
○豊蔵政府委員 その点につきましては同じでございます。
#229
○瀬崎委員 そのことを一言答えればいいわけなんですよ。回りくどい説明をするからややこしくなっていかぬ。
 では、そこで今回改正をして附則にしようとしているわけですが、これは三年間の措置ですね。三年経過した後に、もし何らかの事情で利子補給の一部繰り延べ措置がまたしても必要だ、こういうことが起こった場合、五十六年度の例にならえば、別に法律の有効期限が切れておっても可能ということになるんじゃないですか。可能か可能でないかだけ。
#230
○豊蔵政府委員 五十六年度に予算で措置しましたことを考えてみますと、そういうような措置も可能でないとは言えません。ただ、私といたしましては、そういうようなことは、こういう法案をお願いし、国としても必要な手続きをとってお願いしております関係上、六十年度以降はきちんと補てんされるものと考えております。
#231
○瀬崎委員 たとえば財政再建が順調に進んだと仮定して、昭和六十年度にどんな事態が起こってくるか。五十九年度予算に計上されるはずの利子補給金の額に対して、六十年度に増額計上しなければならない要素を、非常に概略の数字で引き出してみたのですよ。つまり六十年度の予算を予想して、それが対前年比、五十九年度に比してどれだけふえるか。
 まず第一は、五十七年度の特別損失五百十七億円を六十年から六十四年までの五年間で交付金として補てんしなければならないでしょう。そうしますと、五分の一を六十年度で交付するとすれば百三億円が必要になり、これが五十九年度よりは増額になる。第二、五十九年度において特別損失として繰り延べる利子補給の額を、一応五十七年度並みの五百十七億円といたします。六十年度はもはやその繰り延べ措置はとれなくなるわけですね。そんなことはないといまおっしゃっておるわけですから、繰り延べ措置がなくなります。したがって、本来必要利子補給額の全額を計上しなければならなくなるので、五十九年度に比べますと、その分の五百十七億円が増額になってきますね。第三、政府に提出してもらった公庫補給金の推移表によりますと、本来必要となる利子補給金そのものが、六十年度は五十九年度より三百五十億円増加することになっていますね。この三つを合計すると、実に九百七十億円、これだけのものが六十年度は五十九年度よりはふえてくるのではないか。きわめて大ざっぱな計算ですが、そう思うのですけれども、いかがでしょう。
#232
○豊蔵政府委員 詳細の数字は推計がありますのでいろいろございますが、流れとして先生の御指摘のようなことに相なります。
#233
○瀬崎委員 そうしますと、五十九年度にどれほどの公庫補給金が計上されているかということになるのですが、これも政府に提出してもらったあの推移表で見ますと、本来必要となる利子補給金は四千二百八十億円となっていますね。そこで五百十七億円は一応繰り延べ措置、特別損失にしますからそれは引く。そうすると、若干仮定が入りますが、三千七百六十三億円が五十九年度予算に計上される利子補給金と見れると思うのです。そうしますと、五十九年度は三千七百六十三億円だった公庫に対する利子補給金が、六十年度では利子補給金プラス交付金で九百七十億円増額しなければならないことになるのですから、この増加率は実に二六%になってくるわけなんですよ。しかもこれが住宅金融公庫だけだったらいいですが、たとえば昨年行革国会で問題になった厚生年金の国庫負担率の引き下げの特例についても、これもまた再建が終わったら繰り延べ措置をしようというのでしょう。そんなことを考え合わせますと、六十年度になって一挙に対前年比二六%増といった公庫に対する予算が組めるのか。全くそんなことは心配ありません、こう言い切れますか。この点いかがです。これは大臣に答えてもらうかな。
#234
○豊蔵政府委員 大臣がお答えになります前に一言御説明申し上げます。
 政府といたしましては、財政再建期間中に必要な補給金が十分に交付できないというようなこともありまして、このような制度の創設をお願いしておりますが、これを定めるに当たりましては、当然のことですが、政府全体として意思決定をしたわけでございますので、六十年度以降におきましては、従来の繰り延べた補給金につきまして的確にこれを補てんするということは、また本来必要な補給金についてもこれをきちんと補てんをするという決心でございます。
#235
○瀬崎委員 決心だけで済む問題ではない。しかも六十年度というのはどんな年かというと、赤字国債の本格的な償還の始まる年で、御承知と思うけれども、国債費だけでも十兆円を超えるのではないかと見込まれているのでしょう。そういうところにぶつかるわけです。大臣、そういう六十年度に公庫に対する国の支出二六%増、こういうことが絶対に間違いなくできるのだと国会で言えますか、むしろそういう点、いろいろ心配があるのだというのが本当にまじめな考え方ではないかと私は思うのですが、大臣はどう考えるのですか。
#236
○始関国務大臣 住宅建設に対する所要資金の利子補給は非常に長い年月続くものでございますから、ただいまお話がございましたようにだんだん雪だるま式にふえてまいります。そういう心配がございますから十一年目からの段階金利というものが実施された、こういういきさつになるわけでございますが、そのかわり政府部内では大蔵省が責任を持ってその間善処する、こういう約束になっておりますので、確かに心配もございましょうけれども、われわれはその点がうまくいくもの、かように期待いたしておる次第でございます。
#237
○瀬崎委員 結局期待にすぎなくなると私は思いますよ。しかもこれが年度を追っていくと、たとえば六十一年度の場合ですと、交付金は二年分かかってくるわけです。五十八年度の分も出てくる。六十三年度を考えてくると、五十七年、五十八年、五十九年の交付金が重なってくるというようなことで、いよいよもって国の財政にかかる負担は重くなるわけなのですね。だから、こういう措置は結局先へしわを送るだけなのですから、よほど先の見通しを十分考えてやるべき問題だと私は思うのです。
 そこで、これは公庫の総裁に伺うことなのですが、特別損失というと何か公庫が欠損を出したような感じがするのですが、公庫としては、貸し出しの方の金利の利率とかその他の条件、逆に原資の方の金利の利率とか条件、すべて政府の方で決められるわけですね。だから計算上必要となってくる利子補給金は、公庫の方にしてみれば当然もらえる権利のあるお金だ。これを補給金の繰り延べだといって穴のあいた分を損失、これは言葉としてもおかしい、むしろ逆に公庫が国にその分は貸している、こういうふうに見るべきものではないか、こう私は思うのです。これが一点。
 それと、先ほど申し上げましたようにしわを先へ送っているわけですから、昭和六十年以降の状態を考えますと、これはなまやさしいことではないのです。下手をすると、先ほどの大臣の雪だるまの結果、いまの程度の段階金利制では済まない、もっと早い時期から財投金利を導入しなければならない、そういうことにつながる危険も全くなしと言えないと思うのです。そういう場合に公庫を預かる総裁として、公庫が国民に果たしている役割りから、今回安易に国の施策を受け入れるのではなくて、公庫の総裁としてがんばるべきところはがんばる、そういう用意があるのかどうか、この二点伺っておきたいと思います。
#238
○大津留説明員 補給金につきましては、大蔵大臣も必要な額全部国が責任を持って補てんするということを国会でもしばしば言っておられますので、この補給金についてはいずれ全額補てんしていただけるもの、この点については疑問は持っていません。ただ、おっしゃるように国の財政が大変窮屈なものですから、繰り延べてくれということで、まことにやむを得ないものということでそういう措置になったわけですが、それが将来だんだんたまっていって、公庫の貸付業務自体をいろいろな形で圧迫するのではなかろうかということは私としては大変心配をしております。そこでまことにやむを得ない措置ながら、段階金利制というのもまことにやむを得ざる措置として今回導入せざるを得ないのじゃなかろうか。もしそういうことをいたしませんと、貸し付けの戸数とかあるいは融資の額その他大事な点がかえって損なわれるということを心配するものでございます。
 なお、公庫に対する国民の皆様方の御期待は大変高うございますので、この御期待に沿うべく全力を挙げて努力するつもりでございます。
#239
○瀬崎委員 じゃあ最後、一問だけ。
 もう一つはいわゆる規模別金利の問題です。これは建設省に要求して出てきた資料がきわめて不備な資料でありますので、それをもとにしてこちらの方で一応計算し直した数字ですから微妙なところで違いがあるかもしれません。われわれが計算した数字によりますと、規模別に見た利用状況ですが、五十五年度を見ますと、百平米以下が五二・四%、それから百平米を超える百十平米以下が一五・八%、百十平米を超える百二十平米以下が二二・四%、百二十平米を超える百三十五平米以下が二・六%、わずかに二・六%、百三十五平米を超える百五十平米以下が六・八%、大体こうなっていると思うのです。そうしますと、規模別金利の導入で金利を七・三から六・五に下げた下げたと言うけれども、この下げた方の恩恵に浴する人、これは百二十平米を超える百三十五平米以下のわずか二・六%、逆に五・五%から六・五%に引き上げられる、つまり金利負担の増加する方が百十平米を超える百二十平米以下で二二・四%、これはどう計算してみたって金利の軽減ではなくて負担増である。しかもどちらかと言えば、所得が低くて援助してあげなくちゃならない層、百十平米から百二十平米、こういう層の負担をふやしているという点では、これはきわめて悪質な金利操作だと私は思うのです。これは是正すべきだと思うのですが、いかがですか。私が言ったことが事実かどうかを含めて。
#240
○豊蔵政府委員 現在住宅金融公庫では百二十平方メートル以上のものにつきましては、いわゆる大型住宅として財投金利になっておりますので利用率がきわめて低いというのが実情でございます。そういうことも考慮いたしまして中間金利を導入し、百三十五平方メートルまでのものを六・五%にしたこと、またこの六・五%の中間金利口のものにつきましては、五・五%のものに比しまして十平方メートル分の割り増し融資を行うこと、そういったようなことを総合的に組み込みまして、この規模別金利というものを考えたわけでございますので、部分的には御指摘のような側面もございますが、割り増し融資ということと、百二十平方メートルの壁を超えてこれらの方々の相当数が百三十五平方メートルまでのうちに入り得る、そういうことも合わせますと、総合的に見まして、これはこれとして評価していただける制度ではないかと思っております。
#241
○村田委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
 次回は、来る九日金曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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