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#1
第096回国会 商工委員会 第2号
昭和五十七年二月九日(火曜日)
    午後零時八分開議
 出席委員
   委員長 渡部 恒三君
   理事 梶山 静六君 理事 野田  毅君
   理事 森   清君 理事 渡辺 秀央君
   理事 後藤  茂君 理事 清水  勇君
   理事 北側 義一君
      天野 公義君   稻村左近四郎君
      植竹 繁雄君    浦野 烋興君
      奥田 幹生君    亀井 静香君
      島村 宜伸君    田原  隆君
      泰道 三八君    中川 秀直君
      野中 英二君    橋口  隆君
      鳩山 邦夫君    林  義郎君
      宮下 創平君    粟山  明君
      上坂  昇君    城地 豊司君
      長谷川正三君    水田  稔君
      渡辺 三郎君    石田幸四郎君
      長田 武士君    横手 文雄君
      小林 政子君    渡辺  貢君
      石原健太郎君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  安倍晋太郎君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      河本 敏夫君
 出席政府委員
        公正取引委員会
        委員長     橋口  收君
        公正取引委員会
        事務局経済部長 佐藤徳太郎君
        公正取引委員会
        事務局取引部長 相場 照美君
        公正取引委員会
        事務局審査部長 伊従  寛君
        公害等調整委員
        会委員長    青木 義人君
        公害等調整委員
        会事務局長   和田 善一君
        経済企画政務次
        官       湯川  宏君
        経済企画庁長官
        官房長     吉野 良彦君
        経済企画庁長官
        官房会計課長  守屋 友一君
        経済企画庁調整
        局審議官    大竹 宏繁君
        経済企画庁物価
        局長      廣江 運弘君
        通商産業政務次
        官       原田昇左右君
        通商産業大臣官
        房長      小長 啓一君
        通商産業大臣官
        房審議官    斎藤 成雄君
        通商産業大臣官
        房会計課長   浜岡 平一君
        通商産業省貿易
        局長      中澤 忠義君
        通商産業省産業
        政策局長    杉山 和男君
        通商産業省立地
        公害局長    神谷 和男君
        通商産業省基礎
        産業局長    真野  温君
        通商産業省生活
        産業局長    志賀  学君
        工業技術院長  石坂 誠一君
        資源エネルギー
        庁長官     小松 国男君
        中小企業庁長官 勝谷  保君
 委員外の出席者
        商工委員会調査
        室長      中西 申一君
    ―――――――――――――
委員の異動
昭和五十六年十二月二十五日
 辞任         補欠選任
  藤田 高敏君     中村 重光君
  山本 幸一君     八木  昇君
昭和五十七年一月二十二日
 辞任         補欠選任
  武田 一夫君     石田幸四郎君
二月九日
 辞任         補欠選任
  上坂  昇君     長谷川正三君
  石田幸四郎君     矢野 絢也君
同日
 辞任         補欠選任
  長谷川正三君     上坂  昇君
  矢野 絢也君     石田幸四郎君
    ―――――――――――――
一月二十六日
 灯油、燃油の値上げ反対等に関する請願(岩佐
 恵美君紹介)(第一九〇号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 通商産業の基本施策に関する件
 経済の計画及び総合調整に関する件
 私的独占の禁止及び公正取引に関する件
 鉱業と一般公益との調整等に関する件
     ――――◇―――――
#2
○渡部委員長 これより会議を開きます。
 通商産業の基本施策に関する件、経済の計画及び総合調整に関する件、私的独占の禁止及び公正取引に関する件並びに鉱業と一般公益との調整等に関する件について調査を進めます。
 この際、通商産業大臣から、通商産業の基本施策について所信を聴取いたします。安倍通商産業大臣。
#3
○安倍国務大臣 第九十六回国会における商工委員会の御審議に先立ちまして、通商産業行政に対する私の所信の一端を申し述べます。
 わが国は、いま、新たなる発展に向けて、大きな転機に差しかかっております。内外の諸情勢を冷静かつ的確に把握し、深い洞察力をもってわが国の生きる道を見きわめ、みずからの手で将来を切り開いていくことが求められております。
 わが国をめぐる国際環境は、政治的不安定性の増大、世界経済の低迷、保護主義的風潮の高まりなどまことに厳しい情勢にあります。かかる困難な状況下において、わが国が的確な進路の選択を行うためには、わが国自身、国際社会の責任ある一員としての自覚を持つことが、まず肝要であると思います。換言いたしますと、受け身、消極的な対応から自主的、積極的な役割り分担へと、抜本的な姿勢の転換を図ることが必要であります。
 また、国内面では、来るべき高齢化社会に向けて、国際的な役割りを十分に果たしつつ、活力とゆとりにあふれた福祉社会の建設を進めていかなければなりません。そのためには、エネルギーを初めとする多くの制約条件を克服し、安定成長の持続を達成すべく、みずからの知恵と力によって発展の原動力をつくり出していくことが必要であります。
 かかる基本方向を念頭に、現下の内外諸情勢を展望するとき、解決すべき課題は決して少なくありません。
 その第一は、自由貿易主義の堅持と円滑な対外経済関係の構築、第二は、民間活力の活用等による内需中心の安定成長、第三は、脆弱なエネルギー供給構造の改善等エネルギー安全保障の確立、第四は、独創的な科学技術の振興と産業の創造的知識集約化の推進、第五は、中小企業の発展基盤の確立、第六は、魅力ある地域経済社会の形成と国民生活の質的向上であります。
 私は、以上のような基本認識のもとに、次のような通商産業政策を推進してまいる所存であります。
 現下の国際情勢における最大の問題は、経済的諸困難の一層の悪化と保護主義的風潮の高まりであります。
 ことに、欧米諸国経済には一向に改善の兆しが見られず、むしろ雇用問題は、ますます深刻の度を深めております。こうした状況を背景に、わが国に対するいら立ちと不満がさまざまな形で表面化してきております。わが国市場の開放の要求は一段と高まりを見せており、また、相互主義に名をかりた保護貿易主義的主張も見受けられるに至っております。通商摩擦の再燃は、一刻の猶予も許されない状況となっております。
 しかしながら、保護主義の蔓延は、世界経済の縮小均衡をもたらし、世界の平和と安定を損ないかねないという重大な問題をはらんでおります。世界経済の諸困難の打開と国際社会の均衡ある発展のためには、世界経済の再活性化こそが、唯一とも言うべき方策であります。
 かかる観点に立って、私は、本年一月の日米加EC会合において、わが国の通商政策の基本方針、すなわち、第一に、日本一国のみでなく、世界全体の安定と発展の追求、第二に、保護主義の否定と自由貿易主義の堅持、第三に、世界経済の再活性化、世界貿易の拡大均衡に向けてのわが国の努力と欧米諸国に対する努力の要請、第四に、西側先進工業国の一層の協調と連帯による八〇年代の経済的諸困難の克服、ことに、貿易摩擦問題の冷静、客観的な話し合いによる解決という四原則を強く訴え、各国の賛同を得ることができました。
 わが国は、再度にわたる石油危機を克服し、いまや、米国に次いで第二の経済規模を有するに至っております。また、世界経済の円滑な発展なくして、わが国の繁栄はあり得ないことにも、十分思いをいたすべきであります。いまこそ、わが国は、世界経済の諸困難の克服と国際社会の発展に積極的に貢献するとともに、みずから進んでその国際的地位にふさわしい役割と責務を果たしていくべきであります。
 かかる観点に立って、政府は、昨年十二月、市場開放対策等五項目から成る当面の対外経済対策を決定し、関税率の引き下げの一律二年分繰り上げ実施など特段の措置を講ずることといたしました。また、先般、輸入検査手続等の改善につきましても、早急に着手することを決定いたしました。
 国際的な役割りと責務の遂行には、国民各層、各分野の御理解、御協力が必要不可欠であり、また、その力を結集してこそ、国際社会においてわが国の生きる道が開けてくるものと思います。私といたしましても、市場の開放、製品輸入の拡大に一層の努力を傾注いたしますとともに、過度の外需依存の是正、産業協力の推進等に全力を挙げて取り組んでまいる所存であります。
 また、非産油発展途上国の巨額の債務累積等南北問題の解決は、はかばかしい進展を見ないまま推移いたしております。しかしながら、これら諸国の自立と安定なくして、世界経済の均衡ある発展は望み得ないところであります。経済協力の一層の充実は、経済大国日本に課せられた重要な国際責務の一つであります。
 政府といたしましては、引き続き、新中期目標に沿って、政府開発援助の拡充に努力するとともに、我が国の経験と蓄積を生かし、エネルギー開発、中小企業の振興、製品輸出の拡大、農村、農業開発、さらにこれらの基盤となる人づくりの各分野を中心に、貿易、投資等民間ベースの協力も含めた総合的な経済協力を推進してまいる所存であります。
 現下のわが国経済は、個人消費の低迷、中小企業の設備投資の停滞や住宅建設需要の減退など内需回復の足取りが依然として緩慢なまま、過度に外需に依存した状況が続いております。しかし、先ほど申し上げましたように、もはや、こうした外需依存型の経済を続けることが許される状況ではありません。他方、業種、規模、地域による各種の敢行性も顕在化しております。一刻も早く、内需中心の経済成長を実現するとともに、各種の跛行性解消のため着実な対策を講じ、内外均衡のとれた安定成長路線の定着を図る必要があります。
 かかる観点から、政府は、先般の政府経済見通しにおきまして、来年度のわが国経済は、国内民間需要を中心に実質五・二%程度の成長を遂げるものと見込んでおります。
 しかし、これは、政府の機動的かつきめ細かな政策運営と民間活力とが相まって、初めて達成され得るものであります。
 このためには、金融政策の機動的運営等により、設備投資環境の維持、整備に努めるとともに、住宅建設の促進を図ってまいる必要があります。また、公共事業についても、財政投融資、民間資金の活用、さらには、執行面での工夫など可能な限りの政策努力を行っていくことが肝要であります。私といたしましても、経済動向の的確な把握に努めつつ、経済運営に遺漏なきを期してまいる所存であります。
 また、わが国産業の現況を見ますと、アルミニウム製錬、石油化学、紙パルプ等のいわゆる基礎素材産業が、原材料、エネルギーコストの上昇等から、著しく困難な状況に直面するに至っております。
 これらの産業は、経済活動や国民生活に不可欠な基礎素材を供給する重要な産業であるとともに、すそ野の広い基幹産業でもあります。私は、それぞれの産業ごとに、原材料、エネルギー対策、需給の均衡化等きめ細かな施策を適時適切に講じてまいる所存であります。特に、当面の事態にかんがみ、アルミニウム製錬業につきましては、国内製錬能力の削減、エネルギーコストの軽減、地金関税の免除等の措置を講ずることといたしており、また、紙パルプ製造業につきましても、新増設抑制指導に加え、需給見通し方式により需給の均衡化を図る考えであります。
 また、現在、産業構造審議会等におきまして、個別業種ごとに国民経済上、産業構造上の位置づけを明確にしつつ、当該業種の中長期展望とその対策について鋭意検討が行われております。こうした検討の結果も踏まえつつ、基礎素材産業の基盤の強化を図るため、総合的な対策を検討、実施してまいる所存であります。
 わが国の脆弱なエネルギー供給構造を改善し、安定的なエネルギー需給の基盤を確立することは、わが国経済の中長期的な発展を確実なものとするためにも、さらには、わが国の総合安全保障の確保の観点からもきわめて重要な課題であります。幸いにして、最近の内外エネルギー情勢は、小康状態のうちに推移しております。また、わが国の石油依存度が十一年ぶりに七割を下回るなど、官民挙げてのエネルギー問題への取り組みの成果が着実にあらわれてきております。
 しかしながら、中東情勢は流動的であり、また、中長期的には、石油需給の逼迫化傾向は避けがたいところであります。エネルギー情勢の先行きにつきましては、決して楽観は許されません。石油開発、電源立地、新エネルギー技術開発などが、いずれもリードタイムの長い事業であることにかんがみれば、今日のような需給緩和時においてこそ、中長期的視点に立って、総合的なエネルギー政策の一層の推進を図らなければなりません。
 私は、かかる観点に立って、引き続き、重点的にエネルギー対策の拡充を図ってまいる所存であります。
 第一に、原油の供給源の多角化を図るとともに、石油開発、備蓄の増強、重質油分解技術の開発等を推進し、石油の安定供給確保になお一層の努力を傾注してまいる所存であります。
 第二に、原子力、石炭、LNG、水力、地熱、新エネルギー等の石油代替エネルギーの開発、導入の促進を図ってまいる所存であります。特に、原子力発電につきましては、安全性の確保及び環境の保全に万全を期しつつ、国民各位の御理解と御協力を得て、一層の推進を図るべく特段の努力を傾注してまいる考えであります。
 また、今国会におきましては、石炭鉱業の自立を目指し、石炭鉱業合理化臨時措置法等の有効期間を五年延長いたしますとともに、累積鉱害の最終的な解消を図るため、臨時石炭鉱害復旧法等の有効期間を十年延長いたしたいと考えております。
 ところで、昨年は、北炭夕張炭鉱におきまして、痛ましい事故が発生いたしました。まことに遺憾であります。政府といたしましては、従来から人命尊重を第一として、保安の確保を最優先に考えてまいったところでありますが、今回の事故の教訓を生かし、再びこのような事故が生ずることのないよう万全を期してまいる覚悟であります。
 エネルギー政策の第三の柱は、省エネルギーの一層の推進であります。産業、民生、輸送等の各部門における省エネルギー努力は、着実な成果を上げてきておりますが、今後これを定着させるとともに、さらに、省エネルギー技術開発等に努めてまいる所存であります。
 また、エネルギー問題の国際的な解決を図るため、先進工業国間の協力を推進するとともに、経済協力、貿易、投資交流、さらには、対話の増進を通じ、資源保有国との関係の緊密化を深めるなど、エネルギー外交を積極的に展開してまいる所存であります。
 今後、わが国が幾多の制約を打開し、活力を維持しつつ、国際的にも国内的にも均衡のとれた発展を遂げていくためには、わが国の有する唯一の資源ともいうべきすぐれた資質の人的資源を最大限に活用して、独創的な自主技術開発を推進し、産業の創造的知識集約化を図っていくことが必要であります。
 私は、かかる観点から、新たな産業分野の開拓を可能とする新材料技術、バイオテクノロジー等の次世代産業技術開発をさらに強力に推進するとともに、サンシャイン計画等のエネルギー関連技術、大型プロジェクトの開発を積極的に推進してまいる所存であります。
 また、技術的波及効果も大きく、今後の技術先端産業として期待される情報、航空機、宇宙、原子力機器、ファインセラミックス産業等につき、引き続き、その育成振興に積極的に取り組んでまいる所存であります。
 中小企業は、わが国経済の活力の源泉であり、発展の基盤であります。中小企業の健全な発展なくして、わが国経済の真の発展はあり得ません。
 しかしながら、最近の中小企業をめぐる状況は、設備投資の停滞等景気の回復に大幅なおくれが見られ、倒産も昨年秋口以降再び増加するなど、まことに厳しいものがあります。このため、今後の経済運営に当たりましては、中小企業の経営安定、景況の回復を図るべく、金融面を初め、きめ細かな施策を機動的に講じてまいる考えであります。
 また、一方、国際化の進展、エネルギー制約の高まり、地域社会における役割りの増大等中小企業をめぐる環境変化は著しく、中小企業のさらなる発展のためには、こうした環境変化への円滑な対応が必要不可欠となっております。
 政府といたしましては、中小企業の自助努力を積極的に支援し、その活路を切り開くべく、技術力の強化、人材の養成、情報化の促進等ソフトな経営資源の拡充、エネルギー対策の一層の充実などを中心に、活力と知識を生かす中小企業政策の積極的展開を図ってまいる所存であります。
 また、小規模企業や下請中小企業への十分な配慮を払ってまいりますとともに、中小企業向け官公需の確保、産地、地場産業等地域における中小企業の役割りの強化を図ってまいることといたしております。さらに、大型店の出店をめぐる紛争が各地で発生している状況にかんがみ、当面、大型店に係る届け出、調整についての抑制的運用を行いますとともに、中小小売商業の振興策の充実にも努力してまいる所存であります。
 また、今国会におきまして、中小企業の資金調達の円滑化を図るため、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案を、小規模企業共済制度の整備、拡充を図るため、小規模企業共済法の一部を改正する法律案を、機械類信用保険制度を充実強化するため、機械類信用保険法の一部を改正する法律案をそれぞれ提出いたします。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
 ゆとりのある豊かな社会を実現していくためには、国土の均衡ある発展と魅力ある地域経済社会の形成、さらに、国民生活の質的向上を図ることが必要不可欠であります。このため、産業の適正配置とテクノポリス構想の推進等技術を中核とする地域経済の振興を進める一方、環境の保全、産業保安、良質な住宅供給のための総合的な技術開発、消費生活の環境整備等を引き続き推進してまいることといたしております。
 また、外国商品取引に伴う一般投資家の利益保護につきましては、現在、法的措置も含めて鋭意検討しているところであります。今後、その結果も踏まえつつ、所要の対策を講じてまいる所存でありますので、よろしくお願い申し上げます。
 行政改革は、現下の国民的課題であります。
 通商産業省といたしましても、所管行政の一層の合理化、効率化を図るため、鋭意努力いたしているところであります。昭和五十七年度におきましては、かかる努力の一環として、日本硫安輸出株式会社、日本航空機製造株式会社を解散し、民間移管を図るほか、アルコール専売事業の製造部門を新エネルギー総合開発機構に移管することといたしました。
 特に、アルコール専売事業の製造部門の新エネルギー総合開発機構移管は、従来のいわゆる三公社五現業を三公社四現業とするものであり、公共企業体等の制度始まって以来の画期的な措置であります。この移行措置を講ずるため、今国会に、アルコール製造事業の新エネルギー総合開発機構への移管のためのアルコール専売法等の一部を改正する法律案を提出することといたしております。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
 私は、以上のような基本的な考え方に沿って、各般の施策を強力に展開してまいる所存であります。しかしながら、現在、通商産業行政の直面しております課題は、いずれも国民各層、各位の御理解と御協力なくしては達成し得ないものばかりであります。
 私は、わが国の真の発展、繁栄を目指して、通商産業行政の推進に、全力を傾注してまいる覚悟でありますが、委員各位におかれましても、一層の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。
#4
○渡部委員長 次に、経済企画庁長官から、経済の計画及び総合調整について所信を聴取いたします。河本経済企画庁長官。
#5
○河本国務大臣 わが国経済の当面する課題と経済運営の基本的な考え方につきましては、さきの経済演説において明らかにしたところでありますが、当委員会が開催されるに当たりまして、重ねて所信の一端を申し述べたいと存じます。
 まず、わが国経済の現状について申し上げます。
 第二次石油危機の影響に加え、世界的な高金利のため、多くの国が、いまなおインフレと失業に悩まされている中で、わが国経済は、比較的良好な成果を挙げてまいりました。石油価格高騰のため、一時期、物価がかなり上昇いたしましたが、輸入インフレが国内インフレに転化することを避けることができました。五十六年春以降、物価は、落ちつきを取り戻しております。しかし、景気は、その回復のテンポが緩慢であり、業種別、地域別、規模別の跛行性が見られます。
 強い国際競争力や円安を背景に輸出が増加を続けたほか、大企業の設備投資は堅調であり、在庫投資の減少傾向もほぼ終わったと見られます。この中で、生産や出荷も、昨年秋以降増加を示しております。
 しかし、個人消費は、一進一退を続け、中小企業の設備投資も低調に推移をしております。また、住宅投資は、五十四年末以降、前年水準を下回る状況が続いております。
 このように、内需の回復は鈍く、輸入需要が低迷をしており、経済成長の多くを外需に依存した姿となっております。このため、インフレと失業に悩まされている欧米諸国との経済摩擦が深刻の度を増してきております。
 こうした情勢のもとで、わが国経済は昭和五十七年度を迎えようとしているのでありますが、その経済運営に当たっては、特に次の諸点を基本としてまいりたいと存じます。
 その第一は、内需中心の着実な景気の維持、拡大を実現し、雇用の安定を図ることであります。
 現下の最重要課題である行財政改革を円滑に進めるためにも、また、現在緊急の課題となっている対外経済摩擦の解決のためにも、内需を中心にわが国経済の着実な成長を図ることが肝要であります。
 このため、昭和五十七年度予算においても、できる限りの工夫をこらして、景気に対する影響にも配意したところであります。しかしながら、財政に多くを期待し得ない現状において、国内需要の拡大を図るに当たっては、民間経済の活力が最大限に発揮されるような環境を維持、整備することがきわめて重要であると考えております。このため、物価の安定基調を維持することによって個人消費回復の基礎を固めるとともに、引き続き、金融政策の適切かつ機動的な運営を図ることなどにより、設備投資の足取りをより確実なものとし、技術革新の推進、生産性の向上をもたらすことが大切であります。また、景気回復の跛行性に留意して、個別不況産業対策等を円滑に進めるとともに、中小企業対策の推進を図ることが重要であります。
 住宅建設は、国民生活向上の基礎となるものであり、かつ、民間需要喚起のためにも大きな効果が期待されます。このため、政府としては、第四期住宅建設五カ年計画の的確な実施を目指し、住宅金融の充実、宅地供給の促進など諸般の対策をきめ細かく進めることといたしました。これらの対策の効果もあり、現在低迷している住宅建設も、今後、回復に向かうものと考えております。
 一方、これまで景気回復の足かせとなっていた在庫調整もほぼ終わり、今後は、在庫投資も増加に転ずると見込まれております。
 さらに、世界経済の今後の動向につきましても、国際石油情勢が安定的に推移すると期待される中で、OECDの見通しでも、多くの先進諸国で第二次石油危機の影響が徐々に克服され、本年後半から景気の立ち直りが予想されております。
 以上述べましたように、政府の諸施策と民間経済の活力とが一体となり、五十七年度のわが国経済は、実質で五・二%程度の成長が見込まれております。
 第二は、物価の安定を図ることであります。
 最近の物価動向を見ますと、卸売物価、消費者物価ともに、落ちついた動きを示しております。
 もとより、物価の安定は、国民生活安定の基本条件であり、経済運営の基盤となるものであります。政府としては、現在の物価の安定基調を維持するため、引き続き、通貨供給量を注視するとともに、生活関連物資等の安定的供給の確保を初めとする各般の物価対策を総合的に推進することとしております。
 政府は、五十七年度の物価は引き続き安定的に推移し、卸売物価は前年度比三%程度、消費者物価は四・七%程度の上昇と見込んでおります。
 第三は、調和ある対外経済関係の形成に努めることであります。
 いまなおインフレと失業の問題に悩む欧米諸国が、わが国の市場開放を求める態度には、きわめて厳しいものがあり、保護貿易の動きが強まることも懸念されます。
 第二次世界大戦後の世界貿易は、IMF、ガット体制のもとで飛躍的な拡大を続け、世界経済の発展の原動力として大きな貢献をしてまいりました。戦後、わが国経済が目覚ましい発展を遂げた背景には、自由貿易体制下での世界貿易の順調な拡大がありました。また、わが国の貿易は、今日、世界貿易の一割もの比重を占めるに至っております。このため、わが国としては、保護貿易主義の台頭を防ぎ、世界経済の調和ある発展を推進するために大きな責務を負っております。
 このような観点から、政府としては、内需の回復を基礎とし、貿易の拡大均衡を目指して、昨年十二月、市場開放対策、輸入促進対策、輸出対策など五項目から成る対外経済対策を決定いたしました。すでに、東京ラウンド合意に基づく関税率の段階的引き下げの一律二年分繰り上げ実施を決定し、また先月三十日には、輸入検査手続等の具体的な改善措置を取りまとめました。今後とも政府を挙げて、積極的に市場開放問題に取り組む方針であります。
 申すまでもなく、保護貿易への動きは、根本的には各国経済の停滞に根差しているものと考えられます。私は、世界経済の再活性化のために、各国が相協力して、積極的な努力を重ねることが最も肝要であると考えます。
 以上、わが国経済の当面する課題と経済運営の基本的な考え方について所信の一端を申し述べました。
 現在のような世界的な経済の激動期において、当面する多くの諸問題を解決し、さきに申し述べましたような経済の姿を実現するためには、機敏、適切な経済運営が必要であります。これとともに、エネルギー対策の推進、科学技術の振興等に引き続き力を注ぎ、わが国経済の長期的な発展基盤の整備に努めることが重要であると考えます。
 本委員会の皆様の御理解と御協力を切にお願いいたします。
#6
○渡部委員長 以上で両大臣の所信表明は終わりました。
 次に、昭和五十七年度通商産業省関係予算の概要について説明を聴取いたします。原田通商産業政務次官。
#7
○原田(昇)政府委員 昭和五十七年度の通商産業省関係予算案及び財政投融資計画について御説明申し上げます。
 お手元の昭和五十七年度通商産業省予算案等についての要点を御説明いたします。
 まず、昭和五十七年度における通商産業省の一般会計予定経費要求額は、七千九百十一億七千万円でありまして、前年度予算額七千百九十三億三千八百万円に対し、一〇・〇%の増となっております。
 また、石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計予定経費要求額は、五千四百三十五億五千百万円で、前年度予算額五千億四千六百万円に対し、八・七%の増、電源開発促進対策特別会計予定経費要求額は、千八百四十二億二千六百万円で、前年度予算額千七百十八億七千三百万円に対し、七・二%の増となっております。
 財政投融資計画は、五兆七千八百五十八億円でありまして、前年度計画額五兆四千五百三十三億円に対し、六・一%の増となっております。
 次に、予算及び財投の重点事項ごとに、その概要を御説明申し上げます。
 第一は、総合エネルギー政策の着実な展開であります。
 まず、一般会計では、石特会計への繰り入れに三千八百五十億円を計上しております。
 次に、石特会計では、他省分を含め、五千四百三十五億五千百万円を計上しております。
 石炭勘定につきましては千三百六十二億五千万円、石油及び石油代替エネルギー勘定につきましては四千七十三億百万円を計上しております。石油及び石油代替エネルギー勘定のうち、石油開発、石油確保、石油備蓄、技術開発等の石油対策が三千五百三十五億二千四百万円、石炭資源開発、代替エネルギー導入促進、技術開発等の石油代替エネルギー対策が五百三十七億七千七百万円であります。
 電特会計では、他省庁分を含め、千八百四十二億二千六百万円を計上しております。
 電源立地勘定につきましては七百十九億三千二百万円、電源多様化勘定につきましては供給確保対策、導入促進対策、技術開発、原子力開発利用対策等で千百二十二億九千四百万円を計上しております。
 財投におきましては、日本開発銀行について資源エネルギー枠四千五百五十億円、石油公団について事業規模七千五百六十七億円を確保しております。
 第二は、調和ある対外経済関係の形成と世界経済への積極的貢献でありまして、二百七十八億七千二百万円の予算を計上しております。なかんずく、政府開発援助(ODA)につきましては、対前年度比一〇・七%増の百三十三億七千四百万円を計上しております。
 財投につきましては、日本輸出入銀行について総貸付規模一兆千六百六十六億円を確保しております。
 第三は、活力を生み出す産業政策の展開と技術開発の推進であります。
 まず、情報産業の振興を図るため、第五世代コンピューター研究開発四億二千六百万円、次世代電子計算機用基本技術開発五十六億二千百万円を計上するとともに、航空機産業の振興を図るため、YXX開発十四億九千万円、YX開発三億九千八百万円、XJB開発五十三億二千二百万円を計上しております。
 技術開発については、次世代産業基盤技術研究開発四十七億八千六百万円、サンシャイン計画四百十六億三千六百万円、ムーンライト計画九十四億九千万円を計上しております。
 財政につきましては、日本開発銀行について技術振興枠千八十億円を確保しております。
 また、生活関連産業の振興に十億千八百万円、資源安定供給体制の整備に六十七億三千七百万円をそれぞれ計上しております。
 第四は、新たな時代の要請に即応する中小企業政策の積極的展開であります。
 中小企業対策費につきましては、一般会計では政府全体で前年度と同額の二千四百九十八億七百万円を確保し、うち千八百十億五千二百万円を当省で計上しております。また、財投につきましては、政府系中小企業金融三機関の貸付規模を、対前年度比約六%増に拡大することとしております。
 まず、中小企業の環境変化への対応を促進するため、人材の養成、技術力の強化、情報化の促進を図ることとし、中小企業大学校地方校の拡充等を行うとともに、中小企業のエネルギー対策、国際化対策を推進してまいります。
 中小企業の経営基盤充実対策については、商工中金出資百二十億円、中小公庫出資二十億円、信用保証協会補助十一億円を計上するとともに、下請企業振興対策八億五千八百万円、中小企業倒産防止共済事業出資六十億円等を計上しております。
 小規模事業対策としましては、経営指導員の増員等を行うこととし、三百六十五億八千四百万円を計上するとともに、小企業等経営改善資金融資制度の拡充を行い、また、小規模企業共済事業出資三十億円を計上しております。
 地域中小企業育成のための対策としては、産地中小企業振興対策六億二千四百万円、地場産業振興対策十五億五千八百万円を計上しております。
 また、中小小売商業振興対策二億七千八百万円、中小企業事業団融資等事業出資六百十八億四千五百万円、組織化対策三十八億七千百万円をそれぞれ計上しております。
 最後に、魅力ある地域経済社会の形成と国民生活の質的向上であります。
 工業再配置促進対策事業費百二億二千六百万円、工業用水道事業費百二十九億五千九百万円、休廃止鉱山鉱害防止工事費三十六億五千万円等を計上するとともに、重要地域技術研究開発制度等に一億五千五百万円、新住宅開発プロジェクトに六億三千五百万円をそれぞれ計上しております。
 以上の一般会計、石特会計、電特会計のほか、アルコール専売事業特別会計につきましては歳入三百九十六億三百万円、歳出三百七十六億八千四百万円、輸出保険特別会計につきましては二千七十七億四千二百万円、機械類信用保険特別会計につきましては百七億六千四百万円を計上しております。
 以上、通商産業省関係予算案及び財政投融資計画につきまして、その概要を御説明いたしました。
#8
○渡部委員長 次に、昭和五十七年度経済企画庁関係予算の概要について説明を聴取いたします。湯川経済企画庁政務次官。
#9
○湯川政府委員 昭和五十七年度の経済企画庁関係の予算及び財政投融資計画につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 総理府所管一般会計歳出予算のうち経済企画庁の予算額は、百十九億一千万円となっており、これは前年度予算額に比べて一億七千七百万円の増額であります。
 また、財政投融資計画につきましては、海外経済協力基金に係る分として、二千二百二億円を予定しております。
 以下、重点事項につきまして、その内容を御説明申し上げます。
 第一に、経済政策の総合的機動的推進に必要な経費として、三十五億七千八百万円を計上しております。
 この内訳の主なものは、物価の安定を図るための調整費等であり、生活必需物資の需給、価格動向の調査監視、物価に関する的確な情報の提供、その他各省庁の所管する物価対策を機動的に実施するための経費として、三十二億三百万円を計上しております。
 また、内外の経済動向を調査、分析するための経費として三億一千七百万円、基本的経済政策の企画立案を進めるための経費として二千一百万円を計上しております。
 第二に、国民生活行政の推進に必要な経費として、二十七億五千三百万円を計上しております。
 この内訳といたしましては、国民生活センターの機能を充実するとともに、消費者行政を推進するための経費として二十四億六百万円、省資源、省エネルギー型生活の定着を促進するための経費として二億三千九百万円、国民生活政策体系の検討等のための経費として一億七百万円を計上しております。
 第三に、経済社会に関する長期的総合的な調査研究に必要な経費として、十八億八千三百万円を計上しております。
 この内訳といたしましては、わが国経済社会の長期的進路の検討等のための経費として五億二千五百万円、総合研究開発機構の行う総合的な研究開発を推進するための経費として六億七百万円を計上しております。
 また、世界経済の動向予測に関する研究、新国民経済計算体系の整備等のための経費として七億五千一百万円を計上しております。
 第四に、経済協力等対外経済政策の総合的推進を図るための調査、検討等に必要な経費として、一億六千三百万円を計上しております。
 最後に、海外経済協力基金でありますが、昨年一月に定めた新中期目標に沿って政府開発援助の拡充を図ることとし、そのため同基金の事業規模として、五千三百五十億円を予定しております。
 この原資は、一般会計からの出資金が一千四百七十億円、資金運用部資金からの借入金が二千七十二億円、政府保証債が百三十億円、自己資金等が一千六百七十八億円となっております。このうち一般会計からの出資金は、大蔵省に計上しております。
 以上、五十七年度における経済企画庁の予算及び財政投融資計画について、その概要を御説明申し上げました。
#10
○渡部委員長 以上で関係予算の概要説明は終わりました。
 次に、昭和五十六年における公正取引委員会の業務の概要について説明を聴取いたします。橋口公正取引委員会委員長。
#11
○橋口政府委員 昭和五十六年における公正取引委員会の業務について、その概略を御説明申し上げます。
 昨年のわが国経済は、第二次石油危機の影響をほぼ克服し、緩やかながら安定成長軌道に向かってきたと思います。このような中で、物価の安定的状態を維持しつつ民間活力が発揮されるような経済環境を整備することが重要となっており、公正取引委員会といたしましては、競争秩序の維持、促進を通じまして、わが国経済の健全な発展を図るべく、独占禁止政策の適正な運営に努めてまいったところであります。特に昨年は改正独占禁止法の適正かつ効率的な運用を図り、独占禁止法違反行為に対する監視を強化するとともに、近年わが国経済に占める非製造業分野の比重が増大していることにかんがみ、流通分野及び自由業における競争阻害要因を解明しその是正に努めました。また、違反行為の未然防止を図るため独占禁止法の運用基準の明確化等予防行政を推進いたしました。
 まず、独占禁止法の運用状況について申し上げます。
 昭和五十六年中に審査いたしました独占禁止法違反被疑事件は三百件、同年中に審査を終了した事件は百二十五件であり、このうち法律の規定に基づき違反行為の排除等を勧告したものは十四件であります。また、昨年における課徴金納付命令事件は七件であり、合計八十二名に対し、総額三十二億一千二百三十一万円の課徴金の納付を命じました。
 次に、届け出受理等に関する業務でありますが、合併及び営業譲り受け等につきましては、昭和五十六年中に、それぞれ千三十八件、七百三十五件、合わせて千七百七十三件の届け出がありました。また、昭和五十五年に公表した「会社の合併等の審査に関する事務処理基準」を補足し、小売業に係る合併案件の審査事務を適切かつ効率的に行うため、「小売業における合併等の審査に関する考え方」を作成公表しました。さらに、株式所有の審査を効率的に行うため、「会社の株式所有の審査に関する事務処理基準」を作成し、重要案件の審査体制を整備するとともに届け出様式の簡略化を図りました。
 事業者団体につきましては、昭和五十六年中に成立届等千百七十六件の届け出がありました。また、近年、一部医師会の活動に関しまして独占禁止法違反行為が見られたため、「医師会の活動に関する独占禁止法上の指針」を公表し、違反行為の未然防止に努めたところであります。
 なお、各省庁の行う行政指導につきましては、「独占禁止法と行政指導との関係についての考え方」を取りまとめ、関係省庁に対して配慮方を要望いたしました。
 国際契約等につきましては、昭和五十六年中に、五千七百九十三件の届け出があり、改良技術に関する制限条項、競争品の取扱制限条項等を含む国際契約についてこれを是正するよう指導するとともに、届け出義務者の負担を減ずるため届け出様式を簡略化いたしました。
 独占的状態に対する措置に関する業務といたしましては、昭和五十五年九月に改定いたしましたガイドラインの別表掲載の事業分野について、実態の把握及び関係企業の動向の監視に努めました。
 価格の同調的引き上げにつきましては、昭和五十六年中に価格引き上げ理由の報告を求めたものは、魚肉ハム、ソーセージ、建設用トラクター、陰極線管用ガラスバルブ、食缶及び鋳鉄管の五品目でした。
 独占禁止法上の不況カルテルは塩化ビニール樹脂等九品目について、合理化カルテルは合成繊維用染料一品目について認可いたしました。なお、独占禁止法の適用除外を受けている共同行為の総計は、昭和五十六年末現在で五百十五件となっておりますが、その大半は、中小企業関係のものであります。
 次に、経済実態の調査といたしましては、事業活動実態調査、生産集中度調査等を行いました。
 流通分野につきましては、百貨店、スーパー、化粧品、自動車など十二業種について流通の実態調査を行い、これらのうち、独占禁止法上問題のある行為につきましては、その是正に努めました。
 また、不公正な取引方法に関しましては、その明確化を図る等の見地から、不公正な取引方法を指定している昭和二十八年公正取引委員会告示第十一号、いわゆる「一般指定」の見直しのための検討を開始いたしました。
 政府規制及び独占禁止法適用除外分野につきましては、わが国経済における民間の活力と効率性を維持促進していく見地から、前年度に引き続き、わが国の政府規制等の現状について、政府規制が強く行われている分野を中心として基礎的な調査を行うとともに、諸外国における規制緩和の動向について調査いたしました。
 国際関係の業務といたしましては、アメリカなどの先進国の独占禁止当局との間で意見交換を行ったほか、東南アジアなどの発展途上国の独占禁止当局と資料の交換、研修生の受け入れを行うなど国際的な連携に努めました。
 次に、下請代金支払遅延等防止法の運用状況について申し上げます。
 下請事業者の保護を図るため、一件の勧告を行い、九百八十二件について支払い改善等の措置を指導いたしました。また、親事業者及び親事業者団体に対して法遵守の要請を行うなど法の周知徹底を図り、違反行為の未然防止に努めました。
 最後に、不当景品類及び不当表示防止法の運用状況について申し上げます。
 昭和五十六年中に同法違反の疑いで調査した事件は千九百十件で、このうち排除命令を行いましたものは七件、警告により是正させましたものは八百二件でありました。都道府県の行いました違反事件の処理件数は、昨年一月から九月末までで三千二百十二件となっており、今後とも、都道府県との協力を一層推進してまいる所存であります。
 公正競争規約につきましては、出版物小売業における景品類の提供の制限に関する規約など四件について認定し、昭和五十六年末現在における公正競争規約の総数は九十四件となっております。
 以上簡単でございますが、業務の概略につきまして御説明申し上げました。今後ともよろしく御指導のほどお願い申し上げます。
#12
○渡部委員長 次に、昭和五十六年における鉱業等に係る土地利用の調整に関する事務の処理概要について説明を聴取いたします。青木公害等調整委員会委員長。
#13
○青木政府委員 公害等調整委員会が昭和五十六年中に行いました鉱業、採石業または砂利採取業と一般公益等との調整に関する事務につきまして、御説明申し上げます。
 初めに、鉱区禁止地域の指定に関する事務について申し上げます。
 これは、各省大臣または都道府県知事の請求に基づき、鉱物を掘採することが一般公益または農業、林業その他の産業と対比して適当でないと認めた地域を鉱区禁止地域として指定するものでありますが、昭和五十六年中に当委員会に係属した事案は二十五件であり、うち五件は新規に請求のあったものであります。これを請求理由別に見ますと、ダム等の施設の保全に関するもの二十三件、環境保全に関するもの二件であります。これらについて、通商産業大臣等関係行政機関の意見聴取、聴聞会の開催、利害関係人の審問等所定の手続をとるとともに、地形、地質、鉱床等の状況及び一般公益の具体的な内容について詳細に検討する等審議を進め、四件について処理を完了いたしました。
 第二は、不服の裁定でありまして、鉱業法、採石法、砂利採取法等に規定する特定の処分に対する不服については、もっぱら当委員会が審査庁として裁定を行うものでありますが、昭和五十六年中に当委員会に係属した事案は三件であります。これらの事案の内訳は、採石法の規定による知事の処分に対するもの一件、砂利採取法の規定による知事の処分に対するもの二件となっております。
 これらのうち、一件について裁定を行い、一件は取り下げられ、残り一件は審理中であります。
 第三は、土地収用法等の規定に基づき、収用裁決等に対する不服申し立てについて、主務大臣が裁決等を行う場合には、当委員会の意見を聞かなければならないこととされておりますが、昭和五十六年中に当委員会の意見を求められたものは十一件あり、うち九件について処理し、残り二件については審査中であります。
 以上が昭和五十六年中に公害等調整委員会が行ってまいりました鉱業、採石業または砂利採取業と一般公益等との調整に関する事務の概要でございます。
 今後ともこれらの事務の処理に当たっては、法の趣旨にのっとり、鋭意審理を進めてまいる所存でありますので、よろしくお願い申し上げます。
#14
○渡部委員長 以上で両委員会の業務の概要説明は終わりました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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