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#1
第096回国会 商工委員会 第6号
昭和五十七年三月二十四日(水曜日)
    午前十時二分開議
 出席委員
   委員長 渡部 恒三君
   理事 梶山 静六君 理事 野田  毅君
   理事 森   清君 理事 後藤  茂君
   理事 清水  勇君 理事 北側 義一君
   理事 宮田 早苗君
      天野 公義君   稻村佐近四郎君
      植竹 繁雄君    浦野 烋興君
      太田 誠一君    亀井 静香君
      笹山 登生君    島村 宜伸君
      田原  隆君    泰道 三八君
      中島源太郎君    野中 英二君
      橋口  隆君    鳩山 邦夫君
      松永  光君    宮下 創平君
      粟山  明君    上田  哲君
      上坂  昇君    城地 豊司君
      中村 重光君    水田  稔君
      渡辺 三郎君    石田幸四郎君
      長田 武士君    横手 文雄君
      小林 政子君    渡辺  貢君
      伊藤 公介君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  安倍晋太郎君
 出席政府委員
        公正取引委員会
        事務局取引部長 相場 照美君
        通商産業政務次
        官       原田昇左右君
        通商産業大臣官
        房長      小長 啓一君
        通商産業大臣官
        房審議官    斎藤 成雄君
        通商産業大臣官
        房審議官    植田 守昭君
        通商産業省基礎
        産業局長    真野  温君
        通商産業省基礎
        産業局アルコー
        ル事業部長   石川不二夫君
        通商産業省機械
        情報産業局長  豊島  格君
        通商産業省機械
        情報産業局次長 石井 賢吾君
        資源エネルギー
        庁長官     小松 国男君
        特許庁長官   島田 春樹君
        中小企業庁長官 勝谷  保君
 委員外の出席者
        行政管理庁行政
        管理局管理官  坂本 佶三君
        文化庁文化部著
        作権課長    吉田  茂君
        特許庁審査第五
        部審査長    柴田 勝隆君
        労働大臣官房政
        策課長     甘粕 啓介君
        労働省労働基準
        局監督課長   岡部 晃三君
        商工委員会調査
        室長      中西 申一君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月二十三日
 辞任         補欠選任
  水田  稔君     馬場  昇君
同日
 辞任         補欠選任
  馬場  昇君     水田  稔君
同月二十四日
 辞任         補欠選任
  奥田 幹生君     笹山 登生君
  中川 秀直君     太田 誠一君
  石原健太郎君     伊藤 公介君
同日
 辞任         補欠選任
  太田 誠一君     中川 秀直君
  笹山 登生君     奥田 幹生君
  伊藤 公介君     石原健太郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 機械類信用保険法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第二四号)
 アルコール製造事業の新エネルギー総合開発機
 構への移管のためのアルコール専売法等の一部
 を改正する法律案(内閣提出第四一号)
     ――――◇―――――
#2
○渡部委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、機械類信用保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田原隆君。
#3
○田原委員 今回の機械類信用保険法の改正により、従来ハードだけを問題にしておりましたこの法律に、新たにソフトウエアについても考慮する、言うならばコンピューターのプログラムの信用保険制度が創設されることになったわけでございますが、これによって、従来中小企業は資金力や信用力が乏しいためにプログラムの入手がなかなか思うようにいかなかったということが解消されて、円滑化されるであろうということになっておるわけですが、これは大変結構な措置であると考えております。今回、こうした措置がとられることになった背景には、最近における急速な情報化の進展とその対応への必要性があったと考えられます。
 そこで、私は、本日は時間がきわめて限られておりますので、基本的な問題として、今回の法改正の前提となったわが国の情報化政策のあり方を中心に議論を進め、なお時間が許せば、若干改正案の内容、保険制度等にも触れてみたいと思います。
 まず第一に、最近の情報化の波は、オフィスコンピューターやパーソナルコンピューターの著しい普及を背景として、産業分野はもちろん、あらゆる社会や個人の分野にまで浸透してきておるわけでございますが、政府はこうした状況をどういうふうに受けとめておるかということをお聞きしたいと思います。私は、こうした情報化の波に円滑に対応し、健全な情報化社会を構築していくことが、新エネルギー政策と並ぶ、わが国の八〇年代における最重要な政策課題と考えておりますが、政府の基本的な考え方をまずお聞きしたいと思います。できれば大臣にお伺いしたいと思ったのですが、政務次官がお見えでございますので……。
#4
○原田(昇)政府委員 ただいまの田原委員のお話でございますが、まことにごもっともでございます。御指摘のとおり、最近の情報化の進展というものは、単に産業面における生産性の向上とか省エネルギーあるいは省資源に寄与するばかりでなくて、社会的な広がりを持って人間の活動領域にまで及んできているのではないかと思います。こういう状況にかんがみますと、情報化の社会全般に及ぼす影響は、産業革命にも匹敵するような広がりと深さを持っておるわけでございまして、これへの対応いかんというのが、われわれのあすへの社会にうまく対応できるかどうか、社会のあすを決定するといっても過言ではないと考えております。
 そこで、情報化の進展に伴って生ずるいろいろな問題が出てまいると思いますが、これに対して的確に長期的な展望で対処しながら、また世界的な視野に立って、わが国の国民の英知を結集して、実りある、人間中心の情報化社会の構築に努めていかなければならぬと考えておるわけでございます。
 当面の具体的な施策としましては、三つありまして、第一には基盤整備。たとえば回線の自由化等がこれに含まれるわけでございますが、この基盤整備。第二は技術開発。われわれ第五世代のコンピューターの開発等をやっておるわけですが、技術開発というのが非常に大事であります。第三点は国際協力。この三つの基本的な施策を進めていきたい、こういうように考えておる次第でございます。
#5
○田原委員 情報化の進展は、産業、文化、教育、家庭生活等あらゆる分野に大きな影響を与えるものであり、国民的なコンセンサスを得ながら推進していくことが重要であると考えておりますが、こうした視点から、情報化の進展に伴う問題点として、私は、以下の点について政府の認識と対応方針をお聞きしたいと思います。
 言うならば、前提となる環境整備というような問題でございますけれども、三つ、大きく考えられると思うのです。
 一つは、雇用に対する影響がどういうことになるかということ。もう一つは、コンピューターが非常に大きな影響を及ぼしておる社会でございますから、システムなどについてどういうふうに考えるか。第三点は、プライバシーの問題。この三つがあると思うのですが、まずコンピューターの雇用に対する影響という点についてお聞きしたいと思います。
 コンピューターの広範な導入に伴う影響が考えられるのですが、一体どういう認識を持っておるか。また情報化に対応するための労働者の再教育、再訓練の必要性をどう考えるか。たとえばロボットが導入されて職場を奪われるという不安があるのと逆に、一方には、この情報化社会が進むと、逆に雇用の創出効果があるというようなことも言われておりますけれども、まずその基本的な認識をどういうふうにされておるかということをお答え願いたい。
#6
○原田(昇)政府委員 コンピューターにつきまして、特にヨーロッパ諸国等は非常に保守的でございます。私、この前西独の産業界のリーダーと会ったとき、ロボットの導入について、日本は非常にやっておるけれども、西独でもロボットを導入しようじゃないかということを労働組合に提案したら、いや、ロボットはいいけれども、そのロボットはうちの会社の製品を買ってくれないぞ、こういうことを言って労働組合は反対したということを聞いたわけでございますが、まさに雇用の面ではプラスの面とマイナスの面とあろうと思います。
 雇用のプラスの面としては、コンピューター及びマイクロエレクトロニクスそのものの需要拡大とか、あるいは応用製品開発のニーズの拡大とか、コンピューター化によりいろいろ投資が促進されることによる二次需要の拡大といったようなことがかなり出てまいると思いますし、マイナスの面としては、確かに省力化とかいろいろなことで人間が要らなくなる、あるいはさらに需要構造が変わることによって、ある部面からある部面に、別の分野に雇用がシフトするというようにいろいろ摩擦要因もあるわけでございます。
 しかし長期的には、新しい産業が出現する、あるいは新しい雇用機会が創出されることによって雇用のマイナスの面を吸収できると私は考えており、またわれわれの福祉水準あるいは労働条件の改善に大いに役立つように、情報化社会、コンピューターの発展に伴って私たちは積極的に対応を考えていかなければならぬのじゃないか、またそれは可能であろう、このように考えております。
#7
○田原委員 いま政務次官のお答えによると、一方では減るけれども一方ではふえる、差し引きゼロか得だというような感じにも受け取れるのですが、私はずれが生じるのじゃないかと思うのですね。
 コンピューターに適応しないような人が、たとえば高齢の人とかいまさらどうにもならないような人がおる。片一方でそういう雇用創出効果があっても、そういう問題が起こった場合、人間ですから飯を食わなければいかぬという問題があるわけです。そこのところが政策上非常に問題があると思うのです。その辺については、通産省だけでなくて労働省も含めた問題かと思いますけれども、十分認識して、この問題に取り組んでいただきたいと思うのですけれども、その基本的な考えだけをお伺いいたします。
#8
○豊島政府委員 先生御指摘のように、コンピューター導入といいますか、産業用ロボット等の導入を含めまして、そういういままでと違った職場環境になるということは事実でございます。もちろん、たとえば労働力が高年齢化するといいましても、必ずしもロボットの導入はマイナス面だけではなくて、体力が衰えるとか動作が機敏でなくなるということになると、そういう人に適応したロボットの導入ということもあるわけでございまして、一概に高年齢化した労働力があぶれてしまうということではないのではないか。
 それはいろいろあると思います。一概に言えないと思いますが、しかし、いずれにいたしましても、職場の転換あるいは職種の転換ということがございまして、この問題をいかに解決するかということは、非常に重要な問題であろうかと思いまして、現在、労働大臣の諮問機関でございます雇用問題政策会議の場でこの問題は取り上げられておるわけでございます。通産省としても独自の調査会を持ってやっておりますが、そういう労働問題に非常に結びついた点につきましては、そういう会議の場にも出まして、われわれとしての意見も申し上げ、またいろいろ御相談していく、こういうような体制で進めているところでございます。
#9
○田原委員 時間もありませんので、次の第二の問題ですけれども、安全対策といいますか、コンピューターのシステムダウンの問題についてちょっとお聞きしたいと思います。
 災害時におけるコンピューターの安全対策とかコンピューター犯罪防止対策の必要性についてはどう考えておるか、具体的にどういうふうに検討されておるかというようなことについてお聞きしたいのです。
 これは産構審の答申にも問題意識として出ているわけですけれども、エラーとかシステムダウン、災害時の非常システムについて、非常にシステム化された社会ですから、もし何事かが起こると大変なことになる。原子力発電所の安全対策については二重、三重、四重ときわめて大きな安全対策が講ぜられておるのですけれども、コンピューターは原子力発電所のようないわゆる爆発とかなんとかというものとちょっと感じが違うものですから、ついこの点、安全対策とかいうことについておろそかになっているのではないかという気がするのですが、いかがなものでしょうか。
#10
○豊島政府委員 先生御指摘のように、情報化社会が進むということになると、この情報処理システムというのが経済、社会のいわば中枢神経になってしまうということで、その機能がとまる場合には、社会全体が混乱する、こういうことは当然考えられるわけで、部分的にはいろいろな社会現象として出てきておるわけでございます。したがいまして、こういう問題については、われわれもすでに取り組んでおるわけでございますが、たとえば災害時における機能停止防止対策につきましては、すでに電子計算機システム安全対策基準というものを設けまして、いわゆる設備基準でございますが、いろいろとやっておるわけでございます。今後の問題としましては、バックアップセンターあるいは防火等に対する対策、あるいは防水、耐震、そういう問題についてもさらに拡充していきたい、このように考えております。
 それから、システムダウンということでございまして、これも非常に重要な問題でございます。これについては、異常が発生した場合に、もうバックアップシステムに切りかえるようなことはしなくてはいけないのではないか。あるいはそれによって回復時間を短縮するとかいうようなこともございまして、現在その技術開発についていろいろ進めておるところでございますが、いずれにいたしましても、この問題につきましては、一つのガイドラインを設定して、こういう対策を講ずるべきである。すぐよそに切りかえるとか、そういうようなことでいま検討中でございます。
 それから、コンピューター犯罪、これもいろいろ起こっておるわけでございまして、犯罪というものは犯そうとする人がいるとなかなか、あらゆる分野においてむずかしい問題でございます。しかし、そういう問題につきましても、一つは技術開発をする、なかなか簡単には盗めないようなそういう技術開発をシステムとしてする。あるいは電子計算機のシステム安全対策の中でいろいろな運用基準、たとえば入退室規制をちゃんと定めろとか、ハードの面だけでなくて、そういうソフトの面といいますか、そういう規則の面で運用基準をやるように言うとか、あるいはデータ保管庫内の問題につきましては、現在特別な規制がないわけでございますが、これについて何らかの秘密保持のための対策を考える。あるいは現在秘密――窃盗というと物を持っていかなくてはいけないのですから、たまたまそれを盗んでコピーをとったものに対する法的な裏づけがないというようなことも含めまして、対応策を総合的に考えていきたい。相互に関連する問題でございますが、大体そのように考えておる次第でございます。
#11
○田原委員 環境整備の第三の問題として、プライバシーの問題です。
 スウェーデン、米国、西独等においては、情報処理に関するプライバシー保護を目的とした法律が制定されておると聞いておりますけれども、わが国の場合も、法整備を含めた対応策が必要と私は考えるのですが、これについて政府の考えと対応方針を聞きたいところですけれども、この辺は非常に大きな問題で、この限られた時間に、通産省だけの問題というわけにもいかぬでしょうから、ひとつこの問題について、プライバシー保護ということには十分考慮してやっていくという認識だけ持って、覚悟を持ってやっていただきたいということをお願いして、次に進みます。
 情報化を円滑に推進していくためには、情報産業のバランスのとれた発展が必要不可欠であります。わが国の場合には、ハードの分野は相当進んでおって、貿易摩擦も起こしかねないくらいの状態になっておるわけでございますけれども、ソフトの分野については著しくおくれておるのではないかと私は思うのです。このことがわが国の健全かつ円滑な情報化の進展を図る上で大きなネックとなっておるように私は考えるのですけれども、そこで今後はソフトの面に重点を置いた政策推進、特に欧米に比べて著しくおくれておるプログラム流通促進策の積極推進が必要と考えるのですが、少し具体的に、しかも時間を短くお答えいただきたい。
#12
○豊島政府委員 ソフトの面についておくれておることは事実でございまして、この点につきましては、まずソフトの開発のための助成ということもいろいろやっておるわけでございまして、情報処理振興事業協会を通じていろいろなプログラムの開発等をやっておる。そのほかソフトウエアのためのプログラムの準備金制度ということで税制上の措置も講じておる。あるいはプログラムに関しまして、ソフトウエアハウスに対するいわゆる融資制度の問題ということも講じておるところでございます。
 今後、一番問題となっております流通の問題でございますが、この点につきましては、従来も、たとえば通産大臣が汎用プログラムについての調査簿を備えるとか、それを閲覧してどこにどういう汎用ソフトがあるかとかということをあれして、あるいは情報処理振興協会で汎用プログラム登録制度というのを設けて、これを周知させるということでございますが、今度いま御審議いただいております機械信用保険の中にプログラムを加えるということによりまして、いわゆる信用力の補完、中小企業の信用力の補完を通じてその流通を促進さしていく、そういう方向で現在お願いしておる次第でございます。
#13
○田原委員 そこで、ちょっとこれは一言でお答えいただきたいのですけれども、非常におくれておるというんだけれども、おくれて取り返しがつかないくらいおくれておるのか、それともまだまだ十分間に合っていくという感じなのか、その辺をひとつ……。
#14
○豊島政府委員 非常におくれておると申しましたが、いわば量的にはだんだん追いついてきておるということでありますが、質的に見ますと、いわゆる本当に特色を持った、専門技術を持ったような、しかも体力のあるソフトウエア企業、そういうものがまだなかなか育ってないということが一つと、やはりどちらかというと、みずからソフトを開発してどんどん売っていくというよりは、委託されてやるといいますか、そういう独立性といいますか、そういう面で若干おくれておるわけですが、事態は刻々改善といいますか、進歩の方向に向かっておるわけで、育成いかんによっては十分成功する、こういう状況にあるものだと考えています。
#15
○田原委員 プログラムの流通促進を図るのには、まず良質の汎用プログラムを開発、供給するソフトウエア業の振興を図ることが必要でありますけれども、今回の改正で中小企業等のユーザーのプログラム入手は相当円滑化されることが予測されますが、プログラムを提供する側のソフトウエア業の技術開発力や企業基盤が、これもまた米国等に比べて著しく脆弱であると考えておるのですが、たとえば年間売上高一億円未満の業者が半分を占め、売上高利益率税引き後も平均で二%程度というような低いもので、倒産の例も相当見られる。したがって、政府としても、経営基盤の強化、開発生産体制の合理化、高度化、市場開拓、販売促進等の面において指導、助成を一層推進していかなきゃならぬと思うのですが、その点はどうなのか。
 それから次に、ソフトウエア業を支えるのは、基本的には人間である、人材である。特に、優秀なシステムエンジニア、高級プログラマーが米国に比べてこれも非常に著しく少ない。したがって、人材養成、再教育がきわめて必要である。また大学、高校等の教育機関の整備、学者、研究者と情報処理産業の技術者との交流、既存のソフトウエア技術センターの積極活用等を通じて進めていくことが必要であると考えるわけです。さらにソフトウエア業を含めた情報処理産業に優秀な人材が集まるような労働環境の整備、待遇の改善を図ることも必要である。これらについても、政府も指導、助言を行う必要があるのではないかと考えるわけです。
 たとえば、これらの労働環境を調べてみますと、プログラマーその他のソフトウエアに従事する人、高級技術者の出張派遣が非常に多いとか、長時間労働が多いとか、深夜労働が多いとか、あるいは一つには三十五歳定年と言われるように、年齢的なものがあるとか、いろいろあるのですけれども、中小企業が多いこの世界ですから、労働組合をつくって改善を要求するとかいうことはなかなか困難な場合もあると思うのです。そこで、政府の方が実態をよく調査して、指導、助成等をして、その促進、推進を図っていただきたいと思うのですが、これらについて、時間も少ないことですから、基本的な認識と考え方を簡単に述べてください。
#16
○豊島政府委員 第一のソフトウエア業の経営基盤の強化につきましては、先ほども若干触れたとごろでございますが、昭和四十五年設立いたしました情報処理振興事業協会等を通じまして、いろいろな国家的な助成、プログラムに対する助成あるいは金融、税制面でのソフトウエア業への振興策を講じているところでございます。
 第二の、要員の育成の点でございますが、この点についても、情報処理技術者の教育確保ということは、情報化の推進にとって不可欠のものでございまして、人がこのことをやっているということは先生のおっしゃるとおりでございます。この点につきましては、情報処理技術の進歩におくれないように新しい技術を身につけるという意味で、現在、財団法人情報処理研修センターの事業を通じまして、情報処理技術者の教育の充実を図るように指導しておる。それから情報処理技術者試験ということで、一定の水準を目標に、そういう試験制度を設けまして、その社会的地位の確立を図っておるということでございます。
 さらに、情報処理振興事業協会の中で、いろいろなプログラムの委託とか、ソフトウエアの技術開発、いろいろやっておるわけですが、そこに技術センターというのを昨年十月から設けまして、いわゆる先進的な情報技術その他につきまして、各界の、学界、業界あるいは技術者というものを、そういう相互に融合して、一つの訓練の場といいますか、研究の場を設けるという技術交流を鋭意促進しているところでございます。
 最後に、このソフトウエアを支える人材が、いわば企業自身が力がないということで、要員派遣をしたり何かしておるというような実態もございますが、この点につきましては、少なくとも労働基準法に反することのないような対策は当然講ずべきで、そういうことのないように十分指導しておりますが、いずれにしましても、そういう零細企業も多いことでございますので、その実態がどうかということは十分調査をし、対策も考えていかなくてはいけない、こういうふうに考えております。
 ただ、基本的には、その労働条件が悪いということは、やはりソフトウエア企業自身の力がないといいますか、そういうことで、まあ発注者側に引きずり回されるということもあり得るわけでございまして、これはどちらが鶏でどちらが卵かということでございますが、そういう力をつけていくということになりますと、自然に人も集まるし、それからソフトウエアに対する評価も高まるということで、労働条件その他環境もよくなるということで、いろいろと問題があるところを排除するように対策を講ずるとともに、基本的にはその力をつけるということが基本的な対策になるのじゃないか、長期的にはそれが一番重要じゃないか、このように考えている次第でございます。
#17
○田原委員 次に、プログラムの使用権とプログラムの評価というような問題についてお聞きしたいのですが、今回の改正によりまして、新たにプログラム使用権という概念が導入されたような気がするのですが、ユーザー等のプログラム取引にかかる法的関係は従来より明確化されたことになったのですが、プログラム開発者の権利保護について法律上確立されておらないような気がするし、当事者間の契約によってその保護を図っている現状であろうかと思います。当事者間の契約のみでは、第三者に拘束力が及ばないために、きわめて不十分でありまして、今後のプログラムの流通促進を図っていく上において大きな障害があることも懸念されます。したがって、早急にプログラム開発者の法的保護を確立されるための法整備を検討する必要があるのではないかというふうに考えるが、どうですか。
 また、プログラムの評価が現在基準もないと思いますし、私はどういうふうにやっているかと思うのですけれども、ちょっと聞いたところによると、技術者の勤務時間とか、それに単価と歩掛かりみたいのを掛けて積算してやっているような感じであって、いわゆる品質と効用とが実際の価格と結びつかないものがかなりあるのじゃないかという気がするのです。ここらについてもう少し評価技術というものが高まらないものかどうか。先進国ではどうしているのか。他の産業においてどういうふうに考えておるのかというような、類似のものと比較して、私はこういうものの評価基準をもうちょっと確立していただきたいと思うのですが、その点についてお伺いしたいと思います。
#18
○原田(昇)政府委員 田原委員のおっしゃるように、プログラム開発者の権利の法的保護については、従来私的な契約によってのみ保護が図られるということになっております。しかし、これだけではもちろん不十分だというのは御指摘のとおりでございますけれども、一応著作権法はかかることになっておるわけです。これについては、しかしプログラムの性格上、コピーはもちろん著作権法によっていけないわけでございますけれども、なかなか判別が困難だとかいろいろな問題がありまして、著作権法だけではどうも万全ではないというようにわれわれも考えております。
 こういう状況を踏まえて、プログラム保護のあり方について民間の研究会あるいは国際的な知的所有権機関というのがございますから、こういったところで検討が進められておるわけでございますが、政府といたしましても、これらを踏まえて適切な保護のあり方について今後積極的に検討を進めてまいりたいと考えております。
 なお、評価の点については、御指摘のとおり確かにいろいろ問題があるわけでございます。これについても今後の検討にまちたいと思います。
#19
○豊島政府委員 評価の問題につきましては、ただいま政務次官から基本的な態度、方向をお答えしたところでございますが、実は先生御指摘のように、汎用につきましては、一応市場価格その他を見てやっているのですが、受注生産型のものにつきましては、人件費がどうも基本になっておる。たとえば日本だと年功序列制の賃金体系になっておる。そういうことになりまして、いわばせっかく知的なものでありながら、そういう労働価値みたいなものになっておるといいますか、人件費がもとになっておる。現在のところそういう実態が相当見られるということだと思います。
 しかし、これではソフトウエア産業そのものにとっても相当問題がございまして、やはりその価値といいますか、その効用とか、そういう技術的なノーハウというものを反映してやっていかなくてはいけない。そうすることによって、初めてさらにりっぱなソフトウエアもできるわけですし、また企業もよくなるということでございます。
 ただ、社会的慣習としまして、日本では知能的労働に対する評価というのは余り各分野でもないということでございまして、たとえばエンジニアリング、プラント輸出なんかでございますが、これもどちらかというと日本では独立した価値というのはなかなか認められないで、機械代金の中に入ってしまう、こういうことがございます。ソフトウエアの場合でも、電算機の中に組み込まれるというようなこともあるわけでございまして、こういうことを避けるために、エンジニアリングにつきましては、たとえばエンジニアリング振興協会の中で、どうやってそれを評価していくかということを研究しております。このわれわれの情報産業におきましても、ソフトウエア協会におきまして、どういうことでこういう評価をしていくかという研究をいま進めておるところでございまして、そういうことでだんだん方向が定まっていくのじゃないか。しかし、それをまた確立していくためには、こういう著作権法上の問題とか、あるいは保護の問題、あるいは流通を促進するため、こういうソフトウエア自身が単独で流通していくような対策、保険もございますし、税制上の問題、そういう対策と相まってこれをまた確立させていきたい、このように考えている次第でございます。
#20
○田原委員 時間がもう少ししかありませんので、簡単にお答え願いたいのですが、次に、データベースサービスの問題についてお聞きしたいと思います。
 わが国においては、データベースサービスが欧米に比べてこれもまた著しくおくれておると言われておりますし、企業格差も相当大きな開きがある。このようなデータベースサービスの差は、そのまま各産業の国際競争力に影響してくると考えられるわけですが、また欧米の有力なデータサービスが日本で次々にサービスを開始してくれば、わが国では情報の多くを海外のデータサービスに依存することになって、安全保障といいますか、セキュリティーの面からも問題になる。一方、昨今の通商問題をめぐる欧米諸国の対日批判の中には、日本に対する無知や誤解に基づくものがきわめて多い。これは日本に関する適切な情報が欧米諸国で不足していることも原因があるのではないかと私は思うのです。
 ちなみに、米国から流入する情報量と日本から米国へ伝わる情報量の割合は二十対一とも言われておる。したがって、わが国においてもデータベースサービスの振興を積極的に図っていく必要があると思うのですけれども、これに対しての基本的なお考えをお聞きしたいと思います。
#21
○豊島政府委員 先生御指摘のとおり、データベースが非常におくれておるということでございますが、これにつきましても当然振興策を講じていかなければいけない、このように考えております。
 実際問題として、どのようにやっておるかということでございますが、これは情報処理振興金融措置とか、あるいは開銀の情報処理システムへの促進融資とかいうことで企業の基盤の強化を図っておりますが、同時に、情報処理振興事業協会が特定プログラムの委託においてデータベースサービス用のソフトウエアの技術開発ということもやっております。また五十七年度からは、データベースサービスの普及、振興を図るために、データベースの台帳を整備するというようなことで、いままだ黎明期にあるわけでございますが、この発展を図るためにはいろいろな面で関係各省とも相談しながら進めていきたい、このように考えております。
#22
○田原委員 時間が四、五分しかありませんので、あと二、三点お聞きしますので、簡単にお答えいただきたいと思います。
 業務処理の問題ですけれども、一部に、だんだん保険の業務量がふえてきたために、これが業務処理に渋滞を来すのじゃないかという心配をする向きがあるのですが、こういう一番大事な業務を処理しているところがOA化もいまだに図っていないような、何となく古くさい感じがする点が一点と、もう一点は、対象をもうちょっと広げていただけないか。第一種で二十五、第二種が二十九というふうにあるわけですけれども、こういう制度はもう少し対象機種も流動的、機動的に追加して考えていただきたい。要らないものが出てくれば削る。スクラップ・アンド・ビルドの考えで少し対応していただきたいということと、それから最後に、非常にりっぱな改正がなされると思うのですけれども、てん補率が二分の一というような保険で、実際に実力あるものであるかどうか、実力のある改正であるのかどうか。わかりにくいかもしれませんが、果たしてこれで貸す方も借りる方も救われるのかというような点について、ちょっと簡単にお答えいただきたい。
#23
○豊島政府委員 簡単にお答え申し上げますが、第一の保険業務処理体制はちゃんとやっているのかということでございますが、この点につきましては、業務量も五十三年くらいに比べまして倍ということで、非常な勢いで伸びておるわけですが、電算機処理の推進とかあるいは提出書類の簡素化、添付書類等を減らすとかということ、あるいはオフィスオートメーション機能導入等によって合理化を図っておりますので、その点では一応適切な対処をしておる、このように考えております。
 それから、第二の点でございますが、機種をもっと追加して弾力的にやったらどうかということでございますが、これは御承知のように、当初スタートしたときは工作機械等四機種でございましたが、その後だんだんと追加いたしまして、現在先生御指摘のような機種の数になっておるわけでございますが、そういう点につきましていろいろと社会的情勢に応じまして追加をしておるわけでございまして、現在も、五十七年では、たとえば新たに紙工機械、そういうものも追加するということで、全体の財政面ということももちろんございますが、いわゆる中小企業の近代化ということを念頭におきまして、必要なものはどんどん追加していくということで対処しておるつもりでございます。
 それから、第三のてん補率でございますが、これはほかの中小企業の信用保険とか輸出保険に比べててん補率が低いわけでございますが、他の保険につきましては、たとえば中小企業信用保険ですと、信用保証協会の保証の再保険的なということでそういう審査がある、あるいは輸出保険の延べ払い等につきましては、一流銀行のLCとかあるいは政府の保証というようなことがございまして、一応そういう意味でのリスク回避というのが一次的には行われておるということを前提にいたしておるので、同列には論じられないわけでございますが、いずれにいたしましても、五〇%、十分とは思っておりませんが、現在のこの体系としては、一応この程度のもので、年々発達しておるわけでございまして、今回のソフトといいますか、プログラムにつきましても、これによって目的を、一〇〇%いいかということになると、これは問題でございますが、他方、リスクの問題もございますので、一応目的は達成するもの、このように考えておるわけでございます。
#24
○田原委員 プログラムを中小企業に対して余り貸すのを嫌がっておったというのは、信用力が乏しいということが最大の問題であったと思うのですけれども、今度のこの改正で、これに対応するために、中小企業の信用力の調査というものはさらに一層徹底してやるようになるわけですが、信用力とか資金力とかいうものは、調査体制はいままでのままなのか、この法改正を機会にさらに増強されていくのか、その辺の体制はどうでございますか。
#25
○豊島政府委員 いま御質問の趣旨は、この保険の対象となる中小企業につきまして、いままで以上に調査を進めるのかということでございますが、この保険契約者たる政府が契約の対象といたしますのは、いわゆる割賦販売業者あるいはソフトウエアをつくる、プログラムをつくる製作者あるいはこれを買ってリースするリース業者、そういうものが対象でございまして、それをその機関から買う中小企業そのものを対象とするわけではないわけでございます。したがいまして、そういう意味で、中小企業自身の調査を従来以上に厳密にやっていくかどうかということにはならないかと思います。しかし、それはそれといたしまして、従来からも割賦販売業者あるいはリース業者というものがちゃんとした業者であるかどうかということにつきましては、従来の契約関係を通じまして十分把握しておりまして、そういう面でのチェックは従来どおりしっかりやっていかなければいけない、このように考えておる次第でございます。
#26
○田原委員 これで最後にするつもりだったのですけれども、何かいまのリースの問題が出てきましたので、リース事業の一般についてちょっとお聞きしたいのですけれども、リース事業は民間の設備投資の促進や機械工業等の発展にきわめて大きな役割りを果たしてきていると私は考えるのですけれども、この保険制度における付保状況についても、近年リース関係が圧倒的に多くなってきておると聞いておりますが、この実態について、およその数字で結構ですからお答え願いたいと思います。
 それから、リース産業は新規参入が非常に多くて、政府においても必ずしも十分に実態を把握してないと思うのですが、その辺の把握の状況を、ごく概要で結構です。
#27
○豊島政府委員 リース業につきましては、昭和三十八年に導入されたわけでございまして、日本経済が高度成長に伴う設備意欲が非常に伸びた、そういうときに入ってきたということで急速に伸びたわけでございます。
 それで、通産省が実施しております特定サービス産業実態調査によりますと、昭和五十五年度におけるリース業を営む事業所数は六百四事業所、それから従事している従業員は一万一千四百四十九人、年間契約額は一兆五千三十二億円となっておりまして、昭和四十八年から七カ年間で年平均二〇%以上の伸びを示しておるわけでございます。
 それで、このリースの利用状況はどうかということでございますが、中小企業の割合が最近では非常に高まってきておるということでございまして、製造業、サービス業を中心としていろいろ利用しておる。普及度は全産業で四割強、それから全契約に占める中小企業の比率も四割強、こういうのが実態でございます。
 契約額を物件別に見ますと、電子計算機が一番多く二六・六%、それから商用機械が一五・七%、産業機械が一二・二%、事務用機械が九・九%等々でございます。特にオフィスコンピューターその他が最近普及しておりますが、そういう点で非常にふえてきているのだと思います。
 なお、プログラムの中でも最近ではリースが非常にふえてきておりまして、今後のふえるべき分野としては、やはり第三者リースが非常にふえてくる、このように考えております。
#28
○田原委員 まだいろいろ突っ込んで聞きたいことがあるのです。たとえば人材確保の問題についての具体的な問題とか、評価制度について今後どうするかということについて、もうちょっと詳しく聞きたいのですけれども、きょうのところはこのくらいにしまして、機会を見てまたお願いします。
#29
○渡部委員長 城地豊司君。
#30
○城地委員 今回審議をしております機械類信用保険法の一部を改正する法律案の関係でございますが、そのバックボーンといいますか、その改正の要点は、新しくプログラム信用保険制度を導入する、そのための改正ということでありますが、そのプログラムというものは情報産業全体にかかわる大きな問題でありますし、そういう意味では、いまの日本の情報産業全体の中にもかなり伸びてきている部面があると同時に、また伸び悩んでいる部面もある。
 さらに、情報産業そのものを見ますと、田原委員も言われておりましたが、ハードの部面は非常にいいが、ソフトがある意味でおくれている。そういう意味で、産業全体を見ましても、ソフトウエア産業の成熟がおくれていると一般に言われているわけでございます。私は、なぜそういうような事態が現出されたのかということにメスを入れる必要があると思いますし、またそういうところにメスを入れて、今後の産業政策を立てていかなければ大変なことになるような感じがするわけでございます。したがって、通産大臣または政務次官に、それらの産業政策の分野でのこれからの考え方について伺いたいと思います。
 たとえば、いまの情報産業全体の現状からいたしますと、昭和五十五年の資料では、情報産業全体として二兆五千三百五十四億。そして電子計算機産業が一兆八千六百五十六億、情報処理産業六千六百九十八億。本来であれば、電子計算機産業が一兆八千億以上の売り上げという状況になっているわけでありますから、情報処理産業ももうすでに一兆円産業になっていてもいいのではないかというように考えるのですけれども、現状昭和五十五年で六千六百九十八億円という状況でございます。そして、言われているように、情報処理の中でソフトウエアの部分がおくれてきている、成熟がおくれているというふうに表現されて一般に言われています。おくれているのではなくて、成熟がおくれているのだというふうに言われているわけです。私は電子計算機産業の関係者からいろいろ伺いますと、ハードもソフトもいわゆるメーカーとしてはかなり突っ込んでやっているわけでありまして、ハードがよくなるということは、ソフトがよくなければハードがよくならない、それが実情であるわけであります。しかし、日本のこの情報産業の進展の中で、特に電子計算機を導入している企業の多くは、そのソフトの部分も、それに付随して自社で自力で開拓をするというようなことが非常に多く行われてきたわけであります。したがって、日本のこの情報産業全体がここまで伸びてきた。そしてそれらが電子部品その他の関係でさらに発展的に飛躍的に技術開発がなされて、それらが相まってさらにまた一段と進んできているという現状であろうと思います。
 ただ、最近のこの電子計算機の状況は、ただ大型、中型のコンピューターだけでなくて、いわゆるオフィスコンピューターとかマイコンとかいうようなものの登場になって、さらにすそ野が広がってきている。すると、どうもソフトの部分がそれに追いついていかないという、そういう意味での非常に跛行的な現象があらわれてきているのではないかというふうに考えるわけであります。したがって、基本的な問題としては、私は跛行的な、技術の面でソフトが断然おくれているというようなことではないと思うのであります。
 そういう認識に立ちますと、これはもともと産業政策の関係でハードに力を入れる、そしてしかも、それに力を入れると同時に、自社でソフトの面も開発をしているということで来たことに、何ら手をつけずに来たという産業政策の面での問題点があるのではないかと感じておるわけであります。そしていよいよこのコンピューターの普及がどんどん広がっていくにつれて、大企業から中企業、中企業から小企業、さらに家庭にもそういうものが入ってくるというような普及の状況になりまして、ソフトウエアが追いつかなくなってきているという現状ではないかというふうに考えるわけであります。
 そういう意味でいきますと、日本の産業政策の問題点としては、やはり何といいましても、そういうおくれている部面を早く取り返していく。ソフトウエアにもう少し力を入れれば、力としては十分あるわけでありますから、そういう普及の中におけるソフトウエアにもう少し力を入れるような政治的な配慮をなされていくべきなのではないかというふうに考えるわけであります。もともとソフトが非常にだめなんだということではないというふうな認識を持っているわけであります。したがって、ここで今後の産業政策の重点として、そういうおくれているところにどんどん日を当てていくというふうな体制でいかなければならない状況に差しかかってきているというふうに私は認識をしております。
 コンピューターの関係で一般に言われている言葉ですが、「コンピューター、ソフトがなければただの箱」。ソフトがなければただの箱であるわけであります。そういう意味でいきましても、やはり力はあるし、ソフトとハードが一緒になっていかなければ発展がない。したがって、いま言いましたように、そういうおくれている分野にもう少し力を注いで、ある一定のところまで水準を引き上げていく。私はそういうことがいま一番必要なのではないかというふうに考えているのですが、そういう基本的な考え方について、政府のお考えを伺いたいと存じます。
#31
○原田(昇)政府委員 ただいま城地委員の御指摘のとおり、ソフトとハード両面が進歩して初めて情報処理あるいはコンピューター社会の発展があるわけでございまして、わが国の場合、どうしてもソフトがおくれがちになっておるというのは否めない事実でございます。しかしながら、わが国の場合におきましても、このソフトを扱う部面が情報処理産業、いわゆるソフトウエア会社だけでなくて、ユーザーの面におきましてもかなりいろいろ開発が行われておりまして、両方相まってソフトウエアの開発というのは進歩していくものだと思うわけでございます。
 特に、これからの問題といたしましては、情報処理産業の育成、強化ということが何といってもかなめとなるわけでございまして、わが国産業の高度化とか知識集約を高めていく上には、情報処理産業を重要産業として位置づけて、これの育成、強化に努めていくということが何といってもキーポイントだとわれわれは考えております。諸外国に比べますと、たとえば現状からいいますと、アメリカの情報処理産業の企業の規模比較をしてみましても、日本の企業は米国の主要企業の約六分の一にすぎないというような現状でございます。
 したがって、われわれとしては、この情報処理産業の振興のために、情報処理振興のための目標設定あるいは技術開発、企業力の強化のための産業基盤を強化する。それから第三には、情報処理技術者の育成とか、ソフトウエアの流通促進等の情報化促進のための基盤を整備する。こういった三つの点について強力に施策を進めてまいりた
 い、こういうふうに考えている次第でございます。
#32
○城地委員 大臣がお見えになりましたので、くどく言いますと、時間の関係がございますので、もう一度繰り返しますが、わが国の情報産業のあり方についてですが、電子計算機産業の方がそういう意味で非常に伸びてきた。一方、情報処理産業がある意味では伸び悩んでいる、成熟がおくれているというような状況になっているわけですが、それらをいま解決しておかなければ、情報産業全体としての伸びも問題になるというふうに思います。そういう意味で、先ほど言ったことと同じことになりますが、どういうような政策を立てていくか。いま次官からは、基盤整備、技術開発等の、ある意味では抽象的な、根本的なといいますか、そういう答弁がありましたが、具体的に産業政策面でどんなような施策をやっていけば、この跛行的な関係の情報産業全体が伸びるのか。おくれているところを引き上げるためには、やはりそれなりの強力な政策指導、さらには資金的な裏づけ等々が必要じゃないかと思うのです。そういう意味で、具体的にもう一歩突っ込んで、このためには、これこれこういう施策で、しかも裏づけとしては、こういう資金を使い、こういうような力を動員してこうします、そうすることによって、いまおくれているのを三年後にはこういうような状況にまで引き上げられますとか、五年後には完全に追いついて必配がありませんとかいうような政策面での基本的な関係について質問をしておりますので、できれば大臣から、その辺の考え方についてお答えをいただきたいと思います。
#33
○安倍国務大臣 情報処理産業は、わが国産業構造の高度化、知識集約化を担う重要な産業として位置づけておるわけでありますが、御指摘のありましたように、諸外国に比して技術開発及び産業基盤におくれがあることは否めないわけでございまして、これに対しては、わが国としても積極的な振興を図っていかなければならない、こういうふうに考えておりまして、いろいろの角度からこの振興対策を進めていくわけであります。
 たとえば、ソフトウエア業を含む情報処理産業の振興施策の体系というものは、大別をいたしますと、情報処理振興のための目標設定あるいは技術開発、資金確保等の産業基盤の強化、さらにまた情報処理技術者の育成、ソフトウエアの流通促進、情報化促進のための基盤整備というものに大別をされておるわけでありまして、今回のこの制度というものは、プログラムの販路拡大、プログラムの流通基盤たる権利の確立に資することから、産業基盤の強化等に資するものと考えられておるわけでございますから、具体的にはいろいろと予算措置等もとっておりますし、今後の具体的な方策を着実に進めていくためには、いろいろな角度からの努力を重ねていかなければならぬと考えておるわけでございます。
 いずれにしても、日本は先端産業あるいは先端技術というものはいま大変伸びてきておりますが、そういう中で一歩おくれをとっておるこの情報処理産業というものについて、これから通産省として特に力を入れていかなければならぬ、こういうふうに考えておるわけであります。
#34
○城地委員 大綱的な点ではわかりましたが、また全体の終わった後でまとめて要望については申し上げたいと存じます。
 次に、具体的な問題について質問を続けてまいりたいと存じます。
 商工委員会の調査室から出されました資料に、「中小企業におけるコンピュータの利用状況」というのがございます。これでいきますと、五十五年の十二月に中小企業庁が「事務機械の利用に関する実態調査」ということで行ったわけでありますが、それらの中で見ますと、中規模の企業でコンピューターを利用しているというのが約四〇%、その他が利用していないという状況でございます。そして小規模企業では利用が一一%という状況でございます。そしてそれらの中に、今後コンピューターを利用するかどうかという設問に対して、中規模企業の場合には、今後も利用しないというのが一九%ですが、小規模企業は、今後も利用しないというのが五五%、半分以上が今後も利用しないという結果が出ております。五十五年十二月といいますと、いまから一年三、四カ月前でありますから、その後の各種のコンピューターの開発、さらに家庭にまで届くというような状況等考えてみますと、いま調査をすれば、数字が変わってくるかもしれませんけれども、私は、この調査そのものにどうも問題があったのじゃないか、強いて言うと設問そのものが問題なんじゃないかというふうに考えるわけですが、具体的にお答えをいただきたいと思います。
 ちなみに、最近の状況を見ますと、私の調べた範囲では、小規模企業といえどもコンピューターをどんどん導入して各種経営の合理化、経営管理の向上に資しようという動きが非常に見えている、調査をした結果はそういうことになっているわけです。このように、小規模企業の半分以上が今後もコンピューターを利用しないというような状況だとすれば、これからのコンピューター産業の伸びや中小企業の合理化やソフトウエア産業の育成というようなことについて懸念があると私は考えておるわけであって、「中小企業におけるコンピュータの利用状況」の、特に「今後も利用しない」という部分に設問の誤りがなかったかどうか、またこれらについて分析されている結果があれば、簡単で結構ですから御説明をいただきたいと思います。
#35
○勝谷政府委員 先生御指摘をいただきました五十五年度版の中小企業白書の第二部第一章の「中小企業と技術」というところの第四節に「経営管理面における技術革新」ということで御指摘のデータが入っております。御指摘のとおり、中小企業庁が「事務機械の利用に関する実態調査」というものを五十五年の十二月にいたした結果でございます。御指摘のとおりの数字が出ております。これは五十五年度の中小企業白書において公表いたしました。
 この調査によりますと、コンピューター処理になじむ事務量の少ないこと等から、小売業、サービス業を含んだ小規模企業での利用率が低いものとなっておりまして、今後の導入見通しにつきましても、御指摘のとおり、小規模層では相対的に低いものとなっております。しかしながら、同調査におきます今後の利用予定につきましては、一昨年十二月の調査時点の小規模事業者の方々の主観的な判断を聞いたものでございまして、現在では、その後急速に進展しております機械の性能の向上、さらには性能と比較しました相対的な価格の低下、こういうものを考えますと、先生いま御指摘いただきましたように、その後も小規模層における普及が進みつつあるのではないかという感じを私ども持っております。
 ちなみに、私どもこれと同じ調査を五十六年度版の中小企業白書でいたしております。昨年の十二月の時点でいたしておりまして、近く中小企業白書として提出をいたしたいと思っておりますが、その数字は、先生御指摘のとおり低下をいたしておりまして、先ほどのように、今後も利用しないという五五%の数字は三〇%台に落ちているのではないかということでございます。
#36
○城地委員 次に、汎用プログラムの開発促進及び流通促進の関係について伺いたいと思います。
 同じこの資料の中に、五十八ページですが、特に日本における汎用プログラムの流通が悪いという数字が出ているわけであります。日本が三・八、アメリカは五三・一、ドイツが三七・九、イギリス三七・三、フランス二七・二というような数字が出て、けた外れに悪いような数字になっておりますが、これは日本におけるコンピューターに関連する情報産業そのものの伸び方の形態が、先ほど最初の質問で申し上げましたように、ハードとソフトを組み合わせて、ある意味で産業全体としても伸びてきた。したがって、汎用プログラムを市場で活用するというような状況になかった。したがって、ソフトウエア業そのものだってここ十年来の産業でありますし、そういう意味では、そういう特殊事情があるような感じがするわけであります。
 しかし、そうはいいましても、今後の日本全体の情報処理産業を考えますと、やはり汎用プログラムが流通することが非常に必要である。それだけ中規模、小規模の企業にもどんどん普及していく場合には、汎用プログラムが一番手っ取り早いわけでありますし、ある意味では共通性があるというプログラムでありますから、これは望ましいと思うのです。たとえば、これは一九七九年の資料でありますが、今度どういう状況にまで指導したいというお考えなのか。昭和五十九年までには汎用プログラムを二〇%程度にまで高めたいという記事が二月九日の新聞に載っておりましたが、それらとの関連も含めての今後の見通し、考え方について伺いたいと思います。
#37
○豊島政府委員 ただいま先生のおっしゃいました点でございますが、確かに日本の場合、ソフトは独立して販売されるということが少なかったのは、機械と一緒に売り込まれたということもございましょう。またどちらかといいますと、各企業がみずからプログラマーを抱えまして、自分のためだけのソフトウエアをやっていたということで、よそに頼まないということもあったかと思います。
 そういうことでは今後の情報化社会に対していろいろな面で対応できないということで、私どもとしましては、ソフトウエアそのものの社会的地位の確立あるいはそれが流通することというような面でいろいろな対策を講じてきておるわけでございまして、簡単なものから申しますと、汎用ソフトについて通産大臣が調査簿をつくるとか、あるいは情報処理振興事業協会に汎用ソフトを登録させ、その登録されたものにつきましては、税制上プログラム開発準備金制度を適用するとか、そのほかいろいろな面で対策を講じておるわけでございますし、今回プログラム保険を加えるというのもその政策の一環でございます。
 それで、いま先生のおっしゃいました目標二〇%ぐらいというのは、機械情報振興法の中における目標年次の一つの目標として考えておるわけでございまして、アメリカのように五〇%まで一挙にいくことは、社会的風土も違いますので、必ずしもそこまでいくかどうかわかりませんが、二〇%ぐらいは当面の目標としてぜひ達成したい、このように考えておる次第でございます。
#38
○城地委員 時間の関係がありますので、単刀直入に要点について御質問をしたいと思います。
 今度のこの法律の改正でプログラム信用保険制度を創設する。先ほど田原委員も言われましたが、このてん補率五〇%というようなことであります。この法律ができて、昭和三十六年からてん補率五〇%ということでやってきました。今回新たにプログラム信用保険制度を導入するわけですが、最初に申し上げましたように、ソフトウエアを中心にした情報処理産業を、さらに産業としても伸ばしていくという考え方、その裏打ちとしての信用保険制度を創設するという考え方に立てば、私は、てん補率五〇%でなくて、七〇%とか八〇%のてん補率にして、むしろそういう意味での助成策を講ずるのが政策的には必要ではないかというふうに考えるのです。ただ、てん補率を高くすれば。保険料が上がるという点も一面ではありますけれども、それにしても、てん補率を高めることで各種の取引が容易になるし、さらにそういうもので活用がどんどん図られるということになるような考え方を持っているのですが、てん補率の問題についての基本的な考え方を伺いたいと思います。
#39
○豊島政府委員 てん補率でございますが、保険のてん補率につきましてはいろいろございまして、たとえば輸出信用保険でございますと、八〇とか九〇とか、物によって違いますが、非常に高いのもございますし、あるいは中小企業信用保険法によりますものもかなり高いというふうに私ども理解しておりますが、機械保険につきましては、その性格上、従来からいわば保険者たる政府と被保険者たる企業との間で折半ということでずっと進められてきたわけでございます。この点につきまして、従来も問題があったかと思いますが、先ほど田原先生の御質問に対するお答えでも申し上げたのですが、中小企業信用保険の場合ですと、保証協会が一応金融機関的なものの審査をして、それの再保険、あるいは輸出保険ですと、相手国政府の保証とか、一流銀行のLCというようなものが前提になっておる、そういう意味で若干ほかの保険と違うということもございます。
 それから、現実に機械保険発足以来今日まで続いておるわけでございますが、その間におきまして、やはり相当な赤字を累績しておるということでございまして、そういうことで、てん補率は高ければ高いほど利用促進のためにはいいわけでございますが、現在新制度を発足させるに当たりまして、先生おっしゃいました御趣旨も十分勘案したわけですが、まず制度の確立が何よりも優先すべきであるということで、従来のてん補率をそのまま踏襲した、いわば機械と同じ扱いをいたしたということでございます。この点につきましては、今後十分検討さるべき問題だと思いますが、発足に当たりましては、とりあえず五〇%でやらざるを得なかった、このようなことを考えておる次第でございます。
#40
○城地委員 そうすると、率直に伺いますが、従来折半ということで五〇%という数字があった。ですから、今回はそういうものをとりあえず導入する、創設をするという意味で五〇%にしたということで、将来の課題としては検討する余地があるというお考えですか。
#41
○豊島政府委員 プログラム保険、今回、法案が成立すれば発足するわけでございますが、その辺の利用状況あるいは利用者の意見というものを聞きましてこの問題はやるわけでございます。したがって、五〇%ではとても使えないという事態が起これば、また考え直さざるを得ないかとも思いますが、この問題は何分にも、いわゆる財政的な問題あるいは保険料との関係あるいは従来の機械保険、機械類についてとのバランス問題、ソフトとハードでは違うじゃないかという御意見もあろうかと思いますが、それを総合的に考えていかなくちゃいけない問題でございまして、私、この席で必ず再検討してどうこうするということを申し上げるわけにはいかないわけでございますが、てん補率の問題というのは、あらゆる保険につきまして常に問題とさるべきことでございまして、そういう意味で、その保険の効果といいますか、利用価値を高めるという意味で常に再検討さるべき問題だと思っております。
 ただ、機械保険につきましては、これまで五〇%ということで長年いたしておりまして、それによって相当程度の効果を上げておるということでございますので、その辺も十分考えていかなくちゃいけないのではないか、このように考えております。
#42
○城地委員 そのてん補率の問題については、後で締めくくりのときに私の考え方を申し述べたいと思いますが、しからば、今年度この新しいプログラム保険制度を導入して三億円の出資をする、そして引き受け限度額を六千五百億円というふうにしてございますが、それの根拠はどういうことか伺いたいと思います。
#43
○豊島政府委員 五十七年度の出資三億円の予算措置につきましては、これはプログラム信用保険制度の創設に伴いまして保険金支払いの準備金を増額するためでございます。したがいまして、資本金はこれによりまして従来の二十一億七千万円と合わせまして二十四億七千万円、こうなるわけでございます。
 なお、次の御質問の保険金引き受け限度額というのを六千五百億円といたしたことでございますが、これは実際の引き受け保険金額、これは従来の機械が中心でございますが、大体一定の計算をいたしますと、四千五百億円ぐらいになるということでございまして、限度額というのは一定の契約引き受けの予想でございますが、ある程度余裕を持たせるということで、四割ぐらいの余裕を見たということで六千五百億円にした、こういうことでございます。
#44
○城地委員 三億円出資をするというのは、従来の考え方を継承しているということだけではなしに、さらに新しくプログラム信用保険制度を創設する、そのものをプラスをして当然出資をするということになるのだろうと思うのです。従来のままでいきますと二億円である。プログラム信用保険をあれしたので、さらに一億円増加をしたというのか。その三億円そのものの考え方について伺いたいということです。
#45
○豊島政府委員 現在の資本金そのものにつきましては、二十一億七千万と申し上げましたが、これも必ずしも十分ではございません。しかし、今回の三億円の出資の目的は、全額新設のプログラム保険のためである、こういうことでございます。
#46
○城地委員 それは後ほどまた総括で要望については申し上げたいと思います。
 調査室から出た資料の五十三ページないし五十四ページのところに、機械類の信用保険制度の従来の運用実績の表がございます。これで見ますと、保険引き受け実績が毎年毎年非常に急増している。それだけ信用保険制度の活用が広がってきているというわけでございますが、その中でも特にリースの関係が多くなってきているわけであります。
 この資料によりますと、昭和四十八年から昭和五十六年度の実績見込みまで含めて九年間の実績があるわけでありますけれども、最初のころはリースが非常に少ないのだが、最近に至ってははるかにリースが多くなっている。五十六年度の実績見込みでは、リースが三千億円に対してその他は七百三十四億というような状況になっているわけであります。これは今回の新たなプログラム信用保険制度を創設することによって、私の感じではますますリースが多くなるのじゃないかというような感じを持っているのですが、五十七年度の見込みとしては、どういうふうに内容としては考えておられるのか伺いたいと存じます。
#47
○豊島政府委員 全体の引受額としまして、先ほど四千五百億程度と申し上げましたが、その中でリースが三千六百七十億ということで、非常に大きなウエートを示しております。
#48
○城地委員 トータルでそういうことでなくて、今年度新しくプログラム信用保険制度を発足させますね。そうしますと、プログラム関係では初年度見込みどれくらいになるとお考えか。さらにそれらの内訳の中でも、リースとその他に分けてどういうような関係になるか。
#49
○豊島政府委員 プログラム保険につきましては、制度発足初年度でございますので、私どもとしては、とりあえず十億ぐらいだろうということで見込んでおります。
 その中で、リースで行われるものはどのくらいかということでございますが、この点は予想でございますが、実際問題として、現在プログラムにつきまして流通しているのが、リースによるものが大体三分の二ぐらいあるということだったと思いますので、大体七割がリースになるんじゃないか、このように考えております。
#50
○城地委員 そうすると、この法律をことしつくっても、十億円程度という非常に少ない利用しかないというお考えですか。
#51
○豊島政府委員 この保険、ことしからでございます。大体、時間的に準備期間もございますので、七月からということでございまして、最初の年でございますので、契約の相手方あるいはどういう審査をしていくかということで、いろいろと初めての問題につきましての詰めが要るかと思います。そういうこともございまして、初年度は私どもも非常に低目に見ておるわけですが、この制度が確立いたしました場合には年々大幅にふえていく、こういうことでございまして、スタートにつきましては、やや慎重に低目に見積もっておる、こういうことでございます。
#52
○城地委員 それならば、来年度はどういうように考えておられるのですか。
#53
○豊島政府委員 役所でございますので、控え目にということで、いま事務当局に聞きますと三割ぐらいということでございますが、実際問題として七月から始まって、しかも初年度でございまして十億ということですと、私が考えておりますのは、少なくとも倍以上にならないとおかしいという感じでございます。
#54
○城地委員 次に、この資料の五十九ページのところに「汎用プログラムの取引形態」の表と「プログラムのリース等の実績」の表がございます。プログラムの実情を調べた表なんですが、プログラムが非常に高くなっている、利用がまだまだであるということが分析されている。そしてこの表で見ますと、一本の価格ということで百万円未満、さらには百万円から一千万円未満、一千万円以上というように三つに分けて、過去の実績、さらに五十六年度、五十七年度の見込みの表が出されておるわけであります。この表は非常に荒っぽい表だという感じが率直にするのですが、実際にきめ細かく、たとえば百万円未満ならわりあい活用しやすい、二百万円ぐらいなら小企業でも活用されるだろう、五百万になると大変だというように、いろいろ活用する側、さらにはそれをいろいろに政策面で指導したり助成したりする側の考え方からいきますと、こんなくくり方で、百万円から一千万円の間のものが全体の六十何%ですよというような表の出し方ではどうも不親切じゃないかと私は思うのです。こういう表そのものにしても、もう少しきめの細かさが必要なのじゃないかと考えますので、今後の課題としては、細かく区切れば区切るほどいいのですが、技術的な問題等もありますからなかなか区切れないと思いますけれども、最低でも、この第二ランクの百万円から一千万円未満というところは、五百万円未満と一千万円未満の二段階ぐらいにむしろすべきだ。非常に安いプログラムは百万円未満、その次が五百万円未満のプログラム、五百万円から一千万円のプログラム、そして一千万円以上の非常に高いものというふうなことに区分けをした表を出していただかないとまずいと思うのですが、今後そういうような形で資料の取り扱いについてやっていただけるかどうか、伺いたいと思います。
#55
○豊島政府委員 確かに先生の御指摘のように、ちょっと粗っぽいということかと思います。プログラムの値段につきましては、そのプログラムの内容によりましていろいろと段階があるのじゃないかと思います。いま御指摘の金額的な方法でやるのかどうか。その点も、一方では、汎用がよく流通していくと、そういう意味でコストダウンになる面、一方、プログラムが複雑になると、またそれなりに価値が上がっていく面と両方ございまして、どういう切り方をやるのがいいかという点につきましては、十分考えなければいけないと思いますが、いずれにいたしましても、もう少しきめの細かい資料といいますか、分類をしていくことが必要かと思っております。
#56
○城地委員 さらに、現在の法律で決まっております各種の機種の指定等につきましては、先ほども要望がありましたが、もう少し弾力的に運用していただいて、範囲を広げるような配慮も必要なのじゃないか。二十五機種と二十九機種というようなことではなくて、もう少し広げる。広げることに問題があれば、それが弾力的に運用できるような何らかの措置を立てておくべきではないかと考えますが、それについてはどのようにお考えになるか。
#57
○豊島政府委員 機種につきましては、割賦その他については二十五機種、リースについては二十九機種ございますが、このほか道府県でやっております四十六の貸与機関がございまして、これが行います中小企業の設備の近代化助成のための機種につきましては五十機種あるわけでございます。
 いずれにいたしましても、保険を利用する機種というのは、その時代によっていろいろ変わってくるわけで、最初は工作機械その他の基礎的なものから、最近ではコンピューター等にも広がっていくわけでございまして、これにつきましては、いわば保険上の一定の財政的制約というものはあるわけでございますが、機敏に必要なものはどんどん追加し、また余り使われなくなったものは落とすということで、全体のバランスをとりつつやっていこうと考えております。
 この手続としては、政令でございまして、特に法律ではございませんので、そういうことに十分対応できるような制度になっておるわけでございまして、今後とも先生の御指摘のような方向で進めていきたいと思っております。
#58
○城地委員 最後に、通産大臣と中小企業庁長官に、時間の関係で余り細かい点とか突っ込んだ点での質疑ができませんでしたが、要望を含めて申し上げたいと存じます。
 日本の情報産業の将来の位置づけ、あり方というようなものについて、きょう現在で考えてみましても、日本国内では、もうすでにアメリカとのIC戦争、集積回路その他の関係を含めた電子戦争が行われていると言われています。そのことは事実なんでありますし、さらに日本の産業全般を通じましても、アメリカのコンピューター産業を追い抜くのもある意味で時間の問題だと言われております。いろいろな意味で日本が力をつけてきている。しかも、最初に言いましたように、ハードの面だけではなくてソフトの面でも相当力をつけてきていますが、さらに国内の中小企業にまでそれらを及ぼしていくとすれば、その面だけが私は心配だと思うのです。ソフトの面でも、汎用プログラムその他の利用状況でアメリカ、西欧に非常におくれているような資料が出ておりますが、これは日本のコンピューター産業のあり方がそういう過程を通ってきたので数字として出ている。しかし、中小企業にまでどんどん活用するのには、これからの施策とか行政指導とかいうようなことが必要になってくるのじゃないかと思うのです。
 先ほどてん補率の問題で、五〇%にこだわらないでという要望を申し上げました。そういう意味で、ことしスタートして予算化するのでなかなか問題かもしれませんが、それらの問題や、政府からの出資の問題にしても問題があるし、それからいま通産省側で、ことし、来年の実績についての見込みを発表していただきました。私はそういうものでないような感じがいたします。このプログラム信用保険制度ができて、もっと大きな意味で活用といいますか、この保険を利用することがふえるのじゃないかと考えるわけでございます。そういうような考え方に立ち、さらには中小企業が――私の知っている百人前後の二、三の中小企業であっても、そういう意味では、コンピューターを入れて、それをかなり活用することによって、たとえば見込み生産というようなことまでもやるような中小企業がもうすでに出てきたり、さらに財政の健全化を図るためにコンピューターをかなり活用している、材料の購入にまで中小企業といえども活用しているという状況等を見ますと、私はこれからさらに伸びていく余地が非常に多いと思いますし、ソフトウエア業そのものもこんなところにとどまっていないと考えるわけでございます。
 そういう大きな意味で、産業政策の面からも十分な通産行政としての立場で対策を立てていただきたいと思いますし、さらに中小企業の育成については、具体的にもっともっと助成をする。これは保険法の関係ですが、その他の助成の関係についていろいろやられています。たとえば合理化関係とか資金の面でもやっておられますけれども、さらに一歩、二歩突っ込んだ形での助成策を進めることが、日本の産業全体の、中小企業も含めて、経営の近代化、合理化というようなものにつながっていくのじゃないかと考えますので、そういう面での対策をお願いし、最後に、通産大臣、中小企業庁長官から、私の考え方についての大臣もしくは長官としての考え方をぜひお聞かせいただきたいと思います。
#59
○安倍国務大臣 わが国は技術立国を目標として、これから進んでいかなければならないわけでございますが、そういう立場からしましても、この情報産業を積極的に推進いたしまして、国際競争力をつけていくということは大変大事なことであろうと思うわけであります。
 そういう中で、わが国の経済の非常に大きな基盤をなしておるところの中小企業に情報産業を大きく活用させるということは、非常に大事なことであるし、中小企業に大きな活力を与えることになりますし、競争力を中小企業につけることになるわけでございますので、われわれとしては、今回のこの制度が実施されることによりまして、中小企業につきましても、さらに情報産業の面についての一つの大きな前進が図られるもの、こういうふうに期待をいたしておりますし、政府としても、この制度が実施されるに当たりましては、いまお話がありましたような、いろいろな面からの中小企業に対する対策を積極的に進めまして、本制度の趣旨が完全に生かされて、そして中小企業が大きく進んでいくように、これからも力を尽くしてまいりたい、こういうふうに考えております。
#60
○勝谷政府委員 ただいま大臣から御発言がありましたとおりの方向で、中小企業庁といたしましても、中小企業の情報化の育成のために全力投球することで行政を進めてまいりたいと思っております。
#61
○城地委員 以上で終わります。
#62
○渡部委員長 渡辺三郎君。
#63
○渡辺(三)委員 引き続いて質問させていただきますが、今回プログラムを機械類信用保険法の対象に加えたということについては、私ども基本的に賛成であります。そういう前提に立ちながら、しかし、今度の改正法案を見てまいりまして、どうしても今後の一層の進展のために必要だ、問題があるというふうに思われる点を中心にお聞きをしてまいりたいと思います。
 まず最初に、若干前の質問と重複する点が出てくると思いますけれども、全体的な問題について若干お伺いをしたいと思います。
 いまもいろいろな角度から質問がございましたが、ソフトウエア産業振興のための人的な養成が非常にいま急がれているのではないか、こういうふうに私は考えるわけでありますけれども、たとえばソフトの基本設計を行うシステムエンジニアあるいは上級プログラマーといったような人数は、実際の需要から見て非常にまだ不足しておるのではないか、こういうふうにも考えますし、あるいはオペレーターの場合なんかでも、まだ十分な充足率になっておらない、こういう点を考えますと、この人的な養成というものが非常に重要なんじゃないかというふうに考えますが、通産省としては、そういう面についての施策、考え方をどのようになされておるか、まずお伺いしたいと思います。
#64
○豊島政府委員 ソフトウエア産業そのものが人がやっておるわけでございまして、その人的な能力というのがソフトウエアそのものの盛衰を握っておる、こういうことでございます。したがいまして、私どもとしましては、ソフトウエア産業に従事するプログラマー、それからエンジニアリング担当の者につきましての育成、訓練ということを考えておるわけでございまして、情報処理研修センター等を通じましてそれを育成する、あるいは試験制度を設けまして一定の社会的地位を確立するというようなこと、あるいは情報処理振興事業協会における国の助成を通ずるいろいろな委託開発あるいは技術センターにおける人的交流というような、あらゆる面を通じましてこの育成、強化に努力しておるところでございます。
#65
○渡辺(貢)委員 ソフトウエア産業の個々の企業の基盤といいますか、そういう点を見てまいりましても、これは全般的に言ってまだ非常に脆弱な面があるのではないか、こういうふうに私は理解をするわけです。たとえばソフトウエア産業振興協会、ここには百二十社ぐらい加盟しているんだと思いますけれども、これ以外のいわゆるミニ会社といいますか、零細な会社が相当あるのではないか、こういうふうに考えておるわけでありまして、その辺の実態をどのように機情局ではつかんでおられるか、もしおわかりになればお答えいただきたいと思います。
#66
○豊島政府委員 私どもの特定サービス業実態調査によりますと、企業数は大体千三百四十三社、事業所数にしまして千七百三十一事業所、従業員は九万三千二百七十一人ということでございます。その内訳について申しますと、管理部門に一万二千人ぐらい、あるいはプログラマーが二万人とか、オペレーターが一万一千人とか、キーパンチャーが二万二千人ということでございまして、売上高は六千六百九十八億円ということでございます。
 それで、それの中身でございますが、先生が御指摘のように、非常に零細なところが多いわけでございまして、上位十社の規模でアメリカと比較すると、先ほど政務次官もお答え申したと思いますが、六分の一ぐらいという非常に小規模なもので、大部分はかなり小さな企業が中心である。こういうことが言えるのではないかと思います。
#67
○渡辺(三)委員 いま局長も御指摘されましたが、この中身を見てみますと、いまおっしゃったような内容になる。しかも、産業内部における企業の系統といいますか、そういうことを考えてみましても、独立系のソフトウエア企業というのは非常に割合が少ない。これはわが国のソフトウエアの現状がそのまま照応しておると思うのですけれども、そういう意味では、メーカー系列あるいはユーザーの子会社といいますか、そういうふうなものが全体の大部分を占めておって、いわゆる独立系の企業というものは非常に少ない。ここに実態があるように思います。
 こういう状態の中で、特に問題になると思われますのは、汎用プログラムが、先ほども指摘されておったと思いますけれども、この開発が非常におくれておる。こういうふうな状態で、たとえばユーザーから特定のプログラムが求められて、それに見合ったような形で出していくとか、あるいは一つのハードに一体のものとしてシステム化されていく。そういうふうなものの受注が多くて、言われるところの汎用プログラムの開発というものが非常におくれておる。
    〔委員長退席、梶山委員長代理着席〕
ここにいろいろな問題が現状内在しているのじゃないかというふうに思うのですけれども、この汎用プログラムの開発についてはどのように基本的にお考えでしょうか。
#68
○豊島政府委員 確かに日本の場合、汎用プログラムの流通というのは、アメリカで五割ぐらいということでございますが、四%弱という微々たるものである。その原因は、先生御指摘のように、企業が自社内でやるとか、あるいは人に頼む場合でも、自分のところだけのプログラムを頼む、あるいはメーカーがハードと一緒に売ってしまうということが原因でございまして、その中には、やはり日本固有の社会風土といいますか、そういうのが原因しておるところも相当多いと思います。
 しかし一方、電子計算機のハードの方はだんだん安くなっていくということになりますと、ソフトのウエートが非常に高くなるということでございまして、そういう意味から、従来のように物を買ってくれればソフトは相当まけてやるというようなことがだんだんできなくなる。それからコンピューターの利用も、コンピューターの性能といいますか、中身がどんどん進んできますと、非常に利用が広範になる。そうすると、ソフトというのは非常に大事になってくる、こういうことになろうかと思いますが、いずれにしましても、そういう汎用プログラムというものが今後十分開発されないと、今後の日本の情報化社会というのは進んでいかないということが大前提でございまして、これを何とか流通させるといいますか、独立して取引されるように持っていく必要があるんじゃないか、こういうことを考えておるわけでございます。
 まず、そういうものが開発されるという点から見ますと、情報処理振興事業協会でいろいろと委託開発したものを、汎用プログラムとして、これをまた売っていくというような方法、これについては政府も助成をしているわけでございます。さらにアンバンドリング、ソフトとハードを分けるということにつきまして、いわゆる汎用プログラム開発準備金制度というのを設けて、ハードから切り離したソフトの開発ということを進めておる。そのほかプログラムの調査簿を通産省が備えたり、あるいは情報処理振興事業協会に汎用プログラムを登録させる、こういうこともいたしておるわけでございまして、現在の社会情勢の変化とともに、適切な政策を伴えば、この汎用プログラムというのはますます進んでいく、そういう意味で、今回御審議いただいておりますプログラム信用保険というのも、こういう汎用プログラムの流通促進、流通するためには開発も前提となるわけでございますが、そういう点でお願い申し上げておるわけでございます。
#69
○渡辺(三)委員 少し具体的にお聞きしてまいりたいと思います。
 本法において、保険の対象とするプログラム、これは次に申し上げます三つの条件を具備しなければならない、こういうふうになっておるわけですが、つまり一つは、情報処理振興事業協会等に関する法律第二条第二項に定めるプログラムであること。これが一つです。それから二番目は、中小企業の経営管理の合理化を図るために必要なものであること。それから三番目は、ソフトウエア業の振興に資すると認められるものであること。この三つが本法における保険の対象になるプログラムだ、このように指摘されていると思うのですが、具体的に特にお聞きしたいと思いますのは、二番目の、中小企業の経営管理の合理化を図るために必要だ、そういうものであること。それからソフトウエアの振興に資すると認められるもの。これは具体的にどのように表示されるんでしょうか。
 それから、その判断のといいますか、指定の基準。これをできれば具体的にお答えいただきたいと思います。
#70
○豊島政府委員 三つの条件で、一は定義でございますのであれでございますが、土の中小企業の経営管理の合理化に資すると考えられるものということでございまして、これは中小企業が経営管理のためにいろいろ使いますソフトウエアというものは、大企業のような膨大なものではないということで、おのずから中小企業が必要とされるものというのは、中身もでございますが、金額的にもそうべらぼうに大きなものになるわけはないのじゃないかということで、判断基準といたしましては、中小企業が一般に使うような汎用的なものという性格、それからその中でももう一つの付随的な条件としては、金額も入るんじゃないか、いわばシーリングということになろうかと思います。
 それから、第三番目のソフトウエア業の振興に資するということでございまして、この点につきましても、非常に簡単なものというのは、特にこの制度のものを使わなくてもキャッシュで売買されるものもございまして、金額的に見ると、ある一定以上高くて、この保険を使わなければ流通がスムーズにいかないという意味で、いわばすそ切りといいますか、下の基準、これは必ずしも金額面だけではないわけでございますが、その性格にもよるわけでございますが、一つの基準として、金額も加味して考えていきたい、このように考えております。
#71
○渡辺(三)委員 非常に一般的な概念の御説明でありましたけれども、たとえば、この対象の範囲として、汎用プログラム、それから委託生産のプログラム、こういうふうな形になると思います。さらにまた、オペレーションプログラムとアプリケーションプログラム、あるいはソースプログラム、オブジェクトプログラム、こういったようなものがすべてここに言うところのいろゆる保険の対象になるかどうか、その点をお伺いします。
#72
○豊島政府委員 いまおっしゃいましたこと、いろいろあるわけでございますが、一つは、アプリケーションプログラムとシステムプログラム、いろいろあると思いますが、主としてアプリケーションプログラムということになろうかと思いますが、システムプログラムの中でもいわゆるデータベースをやる場合のプログラムとか、いろいろユーザー側で汎用的に使えるものも相当ございますので、この点は必ずしもアプリケーションだけではなくて、システムプログラムも一部は当然入るものと考えられます。
 それから、いわゆる汎用プログラムの中に委託のものが入るかどうかということでございますが、委託されて開発したというものは、そもそも所有権は委託した側にあるわけでございますので、これはちょっと、汎用といいますか、そういう取引の対象になるかどうかということはわかりません。ただ、ならないんじゃないかとむしろ思います。ただし、その中で、たとえば情報処理振興事業協会などが委託をし開発する、それを買い上げて自分が汎用プログラムとして流すというものもあろうかと思いますが、その辺のところになりますと、そもそも委託関係があるかどうかじゃなくて、その結果得られた権利の譲渡がどういうふうになるかということと相関連してくるのではないか、このように考えています。
#73
○渡辺(三)委員 それから、先ほど局長が金額の問題もおっしゃいましたが、金額といいますか、たとえば現在の割賦・ローン、それからリース、これは先ほども御質問ありましたが、二十五機種、後者は二十九機種、それぞれ区分が決まっておりますし、通産からいただいた機械類の明細表、政令で定めておりますところの明細表を見ますと、これはいまの二十五機種、二十九機種、この細かい内容が全部出ております。ですから、この内容についていまお伺いしようとは思いませんけれども、金額という面で、プログラムの特性からして一応の金額帯というものを考えなければならぬ、こういうふうになりますと、おおよそどのぐらい程度を考えておられるのか、腹の底で決まっておるのだと思いますけれども、もしも発表できれば、その金額面も明らかにしていただきたいと思います。
#74
○豊島政府委員 まだ正確には決めておりませんが、中小企業の場合、一億以上のようなプログラムを買って、それにはプログラムを買っただけでは動かないのでハードの面もございますから、そんな高いものは、例外は別としまして、一般にはないのじゃないかということで、私どもいま考えておりますのは、一億よりももう少し低いところくらいのプログラムを前提に考えておりますが、この辺ももう少し検討したいと思います。
 それから、最下限でございますが、これはどの程度のものが最下限かというと、なるべく広く対象にした方がいいかと思いますが、余り少額の金額のものが保険にかかるというのは、保険手続が双方マイナスでございますし、実際問題として、中小企業の経営をやっておられる方が二、三万のものを、仮にあるとしても、この保険を利用することもないということも考えられますので、その辺は余り下のものは考えない、しかし、百万より上というような大きな金額ではない、まあ十万単位のどこかで下を切ればいいのじゃないか。百万より多いというような、そういう大きな数字を最下限としては考えておらない。もう少し低い、十万円にするか二十万にするか、その辺はまだあれでございますが、大体現在流通しております最下限が十万円から二十万円の範囲にあるということでございますが、その辺を、現在流通しておるものを前提として下を考えていきたい、このように考えております。
#75
○渡辺(三)委員 いまの問題の関連は、関連といいますか、先ほど同僚の城地委員が質問された点とも関連をして、私、いま少し中身を具体的にお聞きしたわけですが、同じように、たとえば割賦・ローンにいたしましても、あるいはリースの場合、いまあるものですね。それから今度新たにプログラムを加えられる、こういうような状況の中で、政令で機種を指定されるわけでありますから、中小企業の経営基盤の確立、それから振興のために、そして今度は、さらにそれに加えてソフトウエア産業の開発、振興のために役立つようにというふうな条件もわざわざついておるわけです。したがって、この機種の指定については、いま金額面での御質問も申し上げましたけれども、ぜびとも中小企業が大いに利用できるような、そういうふうな目的にかなうような形で考えていただきたい。あるいは金額も、いま局長からお伺いしましたからほぼ了解はしましたけれども、そういう点を十分に配慮していただきたいというふうにこの点については強く要望申し上げておきたいと思うのです。
 次に、今回新たにプログラムの使用権という概念が導入されておるわけです。これは一体どういう権利なのか。プログラムの流通取引においてどのような法的な効果を持つことになるのか、この点をお伺いします。
#76
○豊島政府委員 プログラム使用権と申しますのは、プログラムの販売において販売業者からプログラムユーザーに移転する財産権ということでございまして、プログラムを無期限に計数型電子計算機による情報処理のために使用し得ることを内容とする契約上の地位ということでございまして、その地位は、他人に対してある作為、不作為を求めることのできる権能ということで、いわば。契約に基づく権利ということが言えると思います。
 それから、法的効果でございますが、プログラムの流通取引における効果としましては、プログラムの取引に係る行為が法的に認知、定義されることによって、プログラムの流通の円滑化が促進される、こういうふうに考えております。
#77
○渡辺(三)委員 そうしますと、プログラムの使用権というのは、情報処理振興事業協会等に関する法律、この第二十八条の一項二号に規定されております特定プログラムの利用に関する権利、これは二十八条にそのような権利が明記されておるわけでありますけれども、これとは具体的にどう違いますか。
#78
○豊島政府委員 プログラムに関する権利関係は、法律上必ずしもはっきりしてないわけですが、現実的には、プログラムの開発者が自己の開発したプログラムに関する権利全体を譲渡する場合と、プログラム開発者が自己の開発したプログラムの使用を許諾するいわゆる使用許諾権と二つあるわけであります。
 ところで情報処理振興事業協会法のプログラムの利用に関する権利というのは、これは法律の条文をちょっと忘れましたが、プログラムを使用する権利のほかに、プログラムを複製、販売する権利等一切の権利を含むということでございまして、協会がそういうものを買って自分で売るというための業務として規定されておるわけで、いま申しましたように、使用する権利のほかに複製、販売する権利でございますが、この法律で言っておりますプログラム使用権というのは、代金を支払うことによってプログラムを永久に使用する権利ということで、プログラムの販売ということになるわけでございますが、そのほかの複製したりそれを再販するという権利は含まれておらない、使用するだけの権利、こういうふうに違うものでございます。
#79
○渡辺(三)委員 そうすると、いまの使用権あるいは私が先ほど申し上げました関係についてはほぼわかりましたけれども、この使用権とか利用権という権利、その権利はプログラムの開発者には残りませんか。
#80
○豊島政府委員 プログラムの使用権の方につきましては、これを与えた場合に、プログラムの開発者の権利には何ら影響がない。利用に関する権利全体を仮に相手方に与えてしまえば、開発者には残らない。あえて残るといいますと、著作者の人格権といいますか、自分がこういうものを開発したのだぞというようなことは名目的には残るかもわかりませんが、それ以外は実質的には何も残らない、こういうことでございます。
#81
○渡辺(三)委員 念のために、もう一つ重ねてお伺いしますけれども、ユーザーが販売業者から取得する、これはプログラムの使用権だと思います。そうすると、販売業者とかリース業者がソフトウエアの業者から入手する、これはどういう権利になりますか。
#82
○豊島政府委員 販売業者が取得して、それをユーザーに与える権利は何かということでございますが、これはいわばプログラムを開発した人から販売業者はその使用を許諾する権利を与えられた、それに基づいてユーザーの使用を許諾する、こういう権利かと思います。
#83
○渡辺(三)委員 これはまた後で少し時間をとって質問をさせていただきたいと思うのですが、プログラムの使用権という概念を今回導入しておるわけです。わざわざこういう使用権という概念を導入するに際しては、このプログラムの法的な地位というものをもっと明確にする必要があるのじゃないか。そして開発者の権利擁護の確立を図る、このことが非常に必要なんじゃないのか、こう考えておるわけですけれども、その点についてはどうお考えですか。
#84
○豊島政府委員 プログラムの開発者の権利につきましては、現在、著作権法上の保護と、それからもう一つは私契約による保護ということでございますが、必ずしもそれが万全ではないということでございます。著作権法上の保護と申しますのは、それを複製したり何か翻訳したりすることに対する権利でございまして、そのプログラムの使用権自身については、必ずしも保護されてないというのが現状ではないかと思います。
 したがいまして、こういう状況を踏まえまして、プログラムの保護のあり方につきましては、民間の研究会あるいは国際知的所有権機関、WIPOと言われますが、そういうところでも検討を進められておるわけでございますが、通産省としても、今後プログラムが流通するといいますか、そのためには、その使用権自身が対象として保護されなくてはいけない、こういう考え方で、いろいろと保護のあり方について検討を進めていきたい、このように考えております。
#85
○渡辺(三)委員 せっかく使用権という概念が本法によって導入をされるわけでありますから、いま申し上げましたように、開発者の法的な保護もより明確化する必要がある、こう私は考えながら御質問を申し上げたわけであります。
 ところで、プログラムの法的な保護の問題でありますけれども、これは言うまでもありませんが、現状では、いま局長もお答えになったように、プログラムに関しては、当事者間の契約によって、企業秘密として、その盗用の防止が図られておるわけであります。この条項に違反した場合には、損害賠償の請求が当然できる、こういうふうに思うわけでありますが、しかし、これは契約当事者間だけを拘束できるわけでありますから、第三者によるプログラムの盗用というのが発生した場合には、これを差しとめる権利はない、こういうふうになってくるんだと思うのです。そこにこの新しい法的な保護の問題というものがどうしてもやはり必要になる、このように私は理解をするわけでありますけれども、このプログラムは、後で関係省庁もおいでになっておりますから、少し中身にわたって聞いてまいりたいと思いますけれども、いわゆる作成者の知的な努力の所産として、無体財産という性格を持っているのだろう、こういうふうに思います。でありますから、この無体財産を保護する法律であります特許法あるいは著作権法、これによる保護というものが当然問題になってくると思います。
 そこで、特許庁にお伺いをいたしたいと思いますが、いままでプログラムの特許についての出願の事例があるかどうか。仮に出願があった場合には、特許庁ではどのように対応されるのか、この点を最初お聞きしたいと思います。
#86
○島田政府委員 お答え申し上げます。
 プログラムの関係の特許への出願の状況、その取り扱いというお尋ねであろうかと思います。御案内のように、特許法上のいわゆる発明という概念でございますが、これは特許法の二条にございますように、「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう。」ということにされております。したがいまして、いわゆる暗号とかあるいは計算方法、こういったものは、いま申し上げましたような考え方からして、発明には入らないというふうに考えているわけでございまして、プログラムはこの範疇に入るということで、特許の対象にはならないというふうに一応考えておるわけでございます。ただ、一部コンピュータープログラムが装置のハード部分と一体になっているというような場合には、むしろハード部分との関係で、それと合わせて全体として特許の対象となるということがございます。
 そういうのがわれわれの扱いでございまして、それを前提にしていま数字を申し上げますと、コンピューター関係全体の出願、これは五十二年の二月から五十七年の二月まで、この最近五年間に公開されました公開公報によりまして調べますと、大体約三万五千件ぐらいの数字でございます。そのうち審査請求されたものが約一万二千件ということでございます。
 そこで、先ほど申しましたコンピュータープログラムに関連すると申しますか、組み込んだ装置というものに関連する出願というものを取り出してみますと、これは分類上そういうふうに定義されておりません関係上、正確な数字は把握いたしておりません。ただ、われわれの経験からして、感じで申し上げますと、数%程度ではないかというふうに考えております。実数は明確に把握できていないというのが現状でございます。
#87
○渡辺(三)委員 特許庁が、コンピュータープログラムに関する発明についての審査基準、こういうものをお出しになっておるわけでありますけれども、この基準に基づく審査によって特許権の付与が認められる、こういうふうなプログラムというのは、いまちょっとお答えいただきましたが、具体的にどういうプログラムなんですか。この基準によってその特許権の付与が認められるというプログラムは、どういうふうなプログラムを指して言われるのでしょうか。
#88
○島田政府委員 ちょっと技術的になりますので、担当の者からお答えさせます。
#89
○柴田説明員 お答え申し上げます。
 プログラムは、基本的には手順でございますので、一定のプロセスを対象としていると考えられるわけでございます。したがいまして、特許庁に出願されるプログラムは、先ほど長官が申しましたように、自然法則云々ということで、発明の対象にならないわけでございますけれども、方法として出してきた場合に限りまして、しかもハードと組み合わさっている場合には特許の対象とするということでございます。
#90
○渡辺(三)委員 ハードと組み合わさった場合のみ、こういうふうに理解される答弁でありますけれども、そうしますと、今度の法改正によって保険の対象になってまいりますプログラム、先ほど通産省の方からそのプログラムの種類、どういうものが対象になるのかということをいろいろお伺いをしたわけでありますけれども、そういう範囲のプログラムの法的な保護に関して、特許法に基づく法的な保護というものは万全には与えられない。万全に与えられないというよりは、むしろ非常になじまないといいますか、そのように理解してよろしいでしょうか。
#91
○島田政府委員 お答えいたします。
 特許庁の取り扱いにつきましては、いま御答弁申し上げましたような考え方でございます。したがいまして、先ほど局長がいろいろ説明を申し上げました、いろいろな汎用プログラムですとかアプリケーションプログラムだとか、そういったようなもの、こういったプログラムは、普通いわゆるハードと一体化してというふうなものではないと考えられますので、そういったものは、いまわれわれの方の特許法の対象としてはおおむねならないというふうに考えられます。
#92
○渡辺(三)委員 そこで、局長に再びお伺いをしますが、このプログラムの権利保護に関する国際的な動向といいますか、これは時間の関係もありますから、大ざっぱで結構でございますけれども、大体どういう趨勢、動向になっておるか、これを最初にお伺いしたいと思います。
#93
○豊島政府委員 各国の動向でございますが、アメリカにおきましては、一九七六年にコンピュータープログラムが著作物として対象となるように著作権法が改正されました。さらに八〇年には著作権法が改正されて、コンピュータープログラムというのが、これが明文上著作権法上の著作物というふうに定義されるということで、一段と進んでおるということでございます。さらにアメリカにおきましては、プログラムの法的保護は、このような著作権法による保護のほかに、米国のコモンローとして成立している企業秘密に係る民事的、刑事的保護法としてのトレードシークレットによる保護ということによって実施されておる。企業が企業秘密として持っているものについても保護されておる、こういうことでございます。
 それから、米国以外について申しますと、英国におきましては、プログラムの実施を含め著作権の対象とすることについては検討されているわけですが、その他の諸国ではまだ議論も余りなされていない、こういうのが実態でございます。
 なお、国際的なプログラム保護の動きといたしましては、先ほどもちょっと触れたところでございますが、一九七八年に世界知的所有権機関すなわちWIPOから、コンピューターのソフトウエアの保護に関する国内法のためのモデル条項というのが発表されておりますが、まだその見通しがどうなるかということはわからない段階でございます。
#94
○渡辺(三)委員 そこで、プログラムの権利保護については、いまお伺いした範囲内でも、たとえば米国の場合についても、これは特許法上の権利というふうな形ではなくて著作権法上の権利、こういうふうな方向性に行っているというふうなことは理解できるわけですが、わが国の場合、現在のこの著作権法でプログラムが著作物というふうな形でなり得るのかどうか。もしなった場合にどういう法的な効果があるか。それからその限界も当然出てくるでありましょうけれども、これは文化庁の方からお伺いをしたいと思います。
#95
○吉田説明員 プログラムの著作物性についてでございますが、昭和四十七年に著作権審議会に第二小委員会という組織を設けまして検討を開始したわけでございます。翌四十八年にこの第二小委員会が報告した内容によりますと、プログラムの多くは、その内容が幾つかの命令の組み合わせになっておりまして、その組み合わせ方にプログラムの作成者の学術的思想というものが表現されており、かつその組み合わせ方とその表現は、そのプログラムの作成者によって違いが出てくる、個性的な相違が出てくるということがございまして、こういうことを根拠にしてプログラムは著作物であり得るという見解を示しておるわけでございます。要するに、創作性のあるプログラムは著作権法の保護の対象となる著作物概念になじむということでございますので、プログラムの無断複製ということになりますと、これは著作権法上違法、認められないということになるわけでございますが、御承知のように、著作権制度は、表現の内容ではなくて表現自体、表現の形式を保護するという制度でございますので、その面からの法的保護という面での一定の限界があるわけでございます。プログラムを実施していくということについて、直接著作権法がこれを規制の対象にはしていないということがあるわけでございます。
#96
○渡辺(三)委員 著作権法によりますと、著作物というのは、作者の思想や感情が創作的に表現されたもの、こういうふうになっておるわけでありますけれども、多くのプログラムの場合は、この要件を満たしておるというふうに認識をしてよろしいでしょうか。
#97
○吉田説明員 プログラムの内容次第だと思いますが、多くの場合はその要件を満たしているというふうに考えてよろしいかと思います。
#98
○渡辺(三)委員 そうしますと、先ほどちょっと答弁がありましたが、多くの場合にはそれは満たしておるというふうになれば、複製権を初めとして各種の排他的な権利が当然生じてまいりますし、その侵害に対しては差しとめ、停止などが可能になる、こういうふうに思われるわけです。ただし、プログラムを内部記憶装置に蓄える行為あるいはプログラムのコンピューターによる実行等が複製に該当するかどうか、こういう問題ではもっと整備を必要とされる面があるのではないかと思いますけれども、その点では文化庁の方はどのように御研究をなさっておるのですか。
#99
○吉田説明員 プログラムの実施が著作物の複製に該当するという議論も、御指摘のようにあるわけでございますが、一方で複製につきましては、従来有形的に再生されたものが瞬時よりも長い時間知覚することができる程度な永続性または安定性を有することが必要であるというような理由その他によりまして、これを否定する見解も強いわけでございます。私どもとしては、そのあたりのことは非常に重要な問題であろうというふうに考えておるわけでございまして、内外のコンピュータープログラムの利用の実態その他を見ながら、検討をしてまいりたいと思うわけでございますが、諸外国におきましても、コンピューターのプログラムについて実施についての規制ができるかどうかという問題につきましては、否定的な見解が強いわけでございます。そこら辺もにらみ合わせながら検討を続けていきたいというふうに考えておるわけでございます。
#100
○渡辺(三)委員 先ほどアメリカの場合の例のお答えがありましたけれども、いま概略お聞きをしましたように、いわゆるプログラムの法的な保護ということになれば、特許法上ではなかなかなじまない。やはりそういう意味では著作権法によるしかないだろう、こういうふうに考えられておるわけですけれども、これにもおのずからプログラムという特性からして必ずしも万全にはならない、いま研究過程ではあるけれども、そうはならない。こういうふうになってまいりますと、この法的な権利の保護という問題については、もっと新しい法律をつくるなりそういうふうなことで、この問題について明確な対応をしていかなければならないのではないか。私はどうもこの問題を突っ込んで考えてみますと、そのように思わざるを得ないわけです。しかし、せっかくわが国では文化庁を中心にしながら、世界の先例を見ながら、この問題について研究を進められておる。さらにはまたソフトウエア関係の民間団体においても、この問題について相当長い時間をかけていろいろな立場から法的な保護の問題は検討を進められておるようでありますけれども、これもなかなかむずかしい問題で、まだ決着がつかない。結論めいたものはまとめられておらない。こういうふうな状況のようにお伺いをするわけであります。
 そこで、どうでしょうか。これは文化庁にお聞きした方がいいのか、あるいは通産省の方からお聞きした方がいいのか、いずれこの問題については相当はっきりした形のものを出さないと、混乱が増幅されるのではないか。とりわけソフトウエア産業の開発促進、振興、こういうふうな問題あるいは情報化社会というものがもうすでにわが国の場合でもだんだん定着をしてくる、こういう状況になりますと、これに対応する明確な政府の立場というものを明らかにしないと、混乱が増していくのではないか、こういうふうに思いますから、その辺の見通しといいますか、いや、もっと著作権法をずっと研究していけば十分これで対応できるのだ、こういうふうにお考えなのでしょうか。その辺どうでしょう。
#101
○豊島政府委員 私ども著作権法の専門家でございませんので、今後関係の特許庁あるいは文化庁とよく相談して考えていかなければいけないと思っております。
 しかし、いずれにしましても、現在の法体系の中ではどうもそれを翻訳したり複写するというのはあれでございますが、使用権自身が単独で保護されているというふうにはなかなか見られないということでございまして、アメリカで著作権法を二回も改正したりあるいは解釈でやったりいろいろやっておりますが、その辺の動向、あるいは国際的な動きを見つつ、どの法体系でやるかということにつきましては、世界的な動きあるいは日本国内における従来の考え方を参考としつつ、いずれにしても、法体系は別として、何らかの形でこれが権利として保護されるような方向で措置を考えていく、それは絶対しなければいけない問題であろうか、このように考えております。
#102
○渡辺(三)委員 文化庁からもいまの問題でお聞きしたいと思います。
#103
○吉田説明員 文化庁といたしましても、先ほど御紹介いたしました第二小委員会の検討結果を踏まえまして、特に工業所有権等の他の制度との関係についても十分注意を払ってまいりたいと思います。
 それとともに、内外のコンピュータープログラムの利用の実態あるいは実務界の契約の慣行の生成状況あるいは国際的な検討の動向、こういうものを見きわめながらコンピュータープログラムを著作権制度上どのように位置づけるか、関係省庁とも連絡をとりながら、さらに検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
#104
○渡辺(三)委員 実はこの問題につきましては、大分前、六、七年前だと思いますが、コンピューターの法的な権利の問題について、当時大型プロジェクトを進めておりました関係上、工業技術院の方にも工業所有権の問題などを含めてお伺いをしました。しかし、なかなかこの問題については明確なお答えがいただけませんでした。特許庁しかり、それから文化庁の方の検討はずいぶん進んでいるとは思いますけれども、いまお答えのような状況であります。したがって、今後の課題に当然なりますけれども、少しでも早く法的な権利がより明確化される、このことはどうしても必要だと思う。そういう点について、ひとつこの問題については大臣から、いまの質疑を受けてどのような御決意であるかお伺いをしたいと思います。
#105
○安倍国務大臣 プログラム開発者の権利の法的保護につきましては、現在のところは著作権法と契約によって保護が図られておるわけでございますが、いろいろと御指摘もございました。必ずしも万全とは言いがたい状況にあることは事実であります。こうした実情を踏まえまして、プログラムの保護のあり方につきまして、民間の研究会あるいはまた国際知的所有権機関等におきまして検討が進められてきておるわけであります。通産省としても、これらを踏まえまして、今後とも適切な保護のあり方についてひとつ検討してまいりたいと考えております。
#106
○渡辺(三)委員 次に、情報化社会といいますか、個人情報システムの開発あるいは普及に伴いまして、世間でずいぶん議論になっておりますプライバシー保護立法の問題について考え方をお伺いをしたいと思います。
 行管庁お見えでありますから、行政管理庁にお伺いをしたいわけですけれども、これについては行政管理庁長官の諮問機関でありますプライバシー保護研究会の報告がすでに出たのかどうかわかりませんが、プライバシーの保護に関しての長官に対する答申、お答えがもうすでにまとまったのかどうか、この点をまず最初にお伺いしたいと思います。
#107
○坂本説明員 お答えいたします。
 おととしになりますが、五十五年の九月にOECD、これはパリに事務局がございますけれども、プライバシーの問題につきまして加盟各国それぞれ対策を講じなさい、こういうふうな勧告が出まして以来、行政管理庁で先ほど先生のお話しの研究会を持ちまして、去年の一月以来研究を重ねてまいっております。
 私どもの目標といたしまして、今年度中に終わりたいということで進めてまいりましたけれども、いまの作業の進捗状況から申し上げますと、あと二カ月くらいは時間を必要とする、そういうふうに考えております。
#108
○渡辺(三)委員 ある一部の報道機関では、何か三月の中、下旬にこの報告がまとめられたと報道されておる新聞もありますけれども、いまのお話のとおり、まだそこまではいっていない、あと二、三カ月かかるということですか。
#109
○坂本説明員 お答えいたします。
 実は三月の十五日でございますけれども、私どもの方の事務局案というものを研究会に出したわけでございます。それで先生方の忌憚ない御意見を聞きまして、この四月二十六日に最終の研究会を開きたい、こういう考え方で進めてまいりましたが、三月十五日に出しました事務局案が何らか若干漏れたようでございます。そういうふうなことでございまして、まだ正式の報告書はできていない、こういうことでございます。
#110
○渡辺(三)委員 これは個人情報システムの開発、普及という現在の段階、これからますますそれが強まっていくという情勢のもとでは、プライバシーの保護というものはきわめて重要だ、こういうふうに私は考えるわけです。今回、法律の改正でプログラムが保険の対象になる、そういうものを契機としながらプログラムの開発、ひいては、ソフトウエアの全体の産業振興というものがどんどん進んでいく、そういう状況の中で、この情報化社会というものが定着してまいりますと、それに必然的にプライバシーの問題が出てくると思うのですね。いつか前に、行革に関連をして本会議の質問で、これに答えた中曽根行管庁長官が基本的な考え方をお述べになっておったわけでありますけれども、いまお話を聞きますと、事務局案が提示をされた、この中身といいますかあり方がどのようなものであるかということは、やはりわれわれ重大な関心を持たざるを得ないわけであります。
 アメリカの場合を見ますと、プライバシーとは、各個人がそれぞれ自己に関する情報をいつどのようにどの程度他人に伝えるかを自分が決定し得る権利を主張することを言う、こういうふうに考え方がきちんとなっておる。つまり自分に関して集められた情報がどのような形で利用されていくのかあるいはそれがどういう経路を通じてだれに伝播されていくのか、こういうふうな点について自分自身が決定する権利を持つんだ、このことが前提にならなければこのプライバシーというものは守れないという考え方が相当確固として確立されておるのではないかというふうに考えるのですが、これから諸先生方がいろいろ検討されるのだと思いますけれども、行管庁の出された事務局案というものは、いまここで細かにお聞きしようとは思いませんけれども、どういう考え方を基本にしながらこれが事務局案として示されているのか、その辺、答弁できる範囲内でお答えをいただきたいと思います。
#111
○坂本説明員 お答えいたします。
 事務局案でございまして、詳細申し上げるわけにいかないわけでございますけれども、基本的な考え方といたしまして、先ほど先生のお話がございましたが、そういう一つの時代の潮流といいますか、そういった流れを一応私どもも考えまして、なおかつOECDの八原則、いろいろございますけれども、そういったものをやはり十二分に酌む必要があるのではないか、基本的にはこんな考え方で報告書をまとめております。
 ただ、やはりわが国独特の風土がございますので、わが国に合った。プライバシー対策を考えていかないといけない、こういう考え方も大いにございますので、その辺につきまして先生方の御意見を聞きまして、りっぱな報告書にまとめたい、こういうふうに思っております。
#112
○渡辺(三)委員 これはまた別な機会にいろいろお伺いをしなければならない問題だと思いますが、ただせっかくの機会でありますから、私は幾つかの原則的な考え方、これについて、もし事務局でお示しになった原案なるものが、私がこれから申し上げる幾つかの考え方と、それは違う、わが国の実情からしてそれは違う、こういうふうな点があれば、それに対して反論といいますか、お聞かせを願うという形での質問を申し上げたいと思うのです。
 一つは、およそ個人データ記録保存システムであって、その存在が秘密であるようなものがあってはならない。こういうふうな考え方が当然基本にならなければならないと思っておるわけです。この点については、まとめられた事務局としてはどのようなお考えを持っておられますか。
#113
○坂本説明員 お答えいたします。
 その辺につきましては、私どもは若干の除外事項というものはあり得るのではないか。特に国防、外交その他、あるいは個人にとっては非常にセンシティブなデータもあるのではないかと思います。たとえば医療情報とかいうふうなデータもあると思いますので、私どもは、いま考えております案では、その辺は若干の除外事項があるのではなかろうか、こういうふうに思っております。
#114
○渡辺(三)委員 時間の関係もありますから、論争はしないで考え方をずっとお聞きをしてまいります。
 第二番目は、それぞれの個人には自分に関するどんな情報が記録に入っていて、それがどういうふうに用いられたか、これをはっきり知る権利を持っているというふうに私は考えるわけです。いわゆるプライバシーを守るあるいは個人に関する秘密を守るということは、一方においては、これはうらはらの関係で公開の原則といいますか、自分が知っておるというふうな知る権利、これとのかかわりが非常に重要でありまして、ただ守秘義務といいますか、秘密義務だけでは問題にならない。本当の意味での民主的な体制にはならない、こういうふうに考えるわけであります。自分の情報がどんなように記録に入っているのか、それがどういうふうに用いられたのか、それをはっきり知る権利が個人にはあると思いますが、その点はどうでしょうか。
#115
○坂本説明員 お答えいたします。
 個人に閲覧あるいは訂正の権利を認めるという点につきましては、諸外国の法制もおおむねそうなっているわけでございまして、私どもとしましては、先生のお話のようなことは考える必要がある、こういうふうに思っております。
#116
○渡辺(三)委員 あと二、三重ねてお伺いをしますけれども、ある目的のために収集された自分に関する情報、これが自分の同意なしに他の目的に用いられる、こういうことのないように、その個人が阻止をする方法が保障されていなければならぬ、与えられていなければならぬ。これは明確な目的のもとに集められた情報が、その目的以外に利用されるということについては、これを阻止する権利を個人が持つ、これを保障しなければならぬ、そういう方法が与えられておらなければならぬ、こういうふうに思いますが、その点はどうでしょう。
#117
○坂本説明員 お答えいたします。
 たとえば公示という制度がございまして、たとえば使用目的、そういったものを公示しております場合には、ある程度国民一般はわかるわけでございまして、そういう場合には、そういう同意とかそういったものが必ずしも必要ではないと思いますが、そういうちゃんと国民に知り得るように、その知り得るような対策が講じられていない場合には、先生のお話のような措置が必要である、こういうふうに思っております。
#118
○渡辺(三)委員 それからあと二つでありますけれども、各個人が自分に関して識別可能な情報の記録、これがもし間違って記録されておるというふうな場合には、これを訂正したりあるいは補修したりする権利あるいは方法が、当然その機会が与えられておらなければならない。そうでないと、これは識別できないものが大部分かもしれませんけれども、識別可能なものについてはそういうふうなことでないと、誤った自分に関する情報というものが広く伝播される、こういうふうな危険性があると思うので、その点も当然保障されなければならないと思うのですが、その点はいかがでしょうか。
#119
○坂本説明員 お答えいたします。
 本人が請求いたしましてわかる場合と、それからデータ管理者が発見する場合と、二つの場合があると思いますけれども、いずれの場合も、やはり速やかに訂正するということが必要であろうと思っております。
#120
○渡辺(三)委員 いま、本法とは直接関係ないようなことをお聞きしたわけでありますけれども、しかし、本法の改正によってこの産業が振興され、個人に関する情報の累積もどんどん増幅されていく、こういうふうな状況の中では、プライバシーの問題が必然的に関係をしてまいりますから、そういう点でお聞きをしてまいったわけでありますけれども、しかし、この問題については、また場所を改め、時間を改めて詳しくお聞きをしてまいりたいというふうに思います。
    〔梶山委員長代理退席、野田委員長代理
    着席〕
 いずれにしましても、こういうふうに発展をしたこの情報化社会の中では、基本的人権を守るということは非常に大切でありますから、ぜひともそういう点に心しながら対策を万全に進めていただきたい、こういうことを要望しておきたいと思います。
 時間が迫ってまいりましたので、リース関係について若干お聞きをしたいと思うわけであります。実はリース関係については相当細かいことをお聞きしようと思っておりましたが、そう時間が残っておりませんので、あと二、三問にしぼってお聞きをしたいと思います。
 実は、前回のこの法の改正の際に、リースが新たに本法の対象として加わりましたから、その際に、税務上のいろいろな問題についてお聞きをした経過がございます。その際相当長い時間をとってお聞きをしたのですが、答弁を必ずしも私理解できない面もございました。改めて今回この問題について簡単にお聞きをします。
 一つは、リース会社の貸し倒れ引当金繰入額の損金算入、この問題が一つであります。それからもう一つは、特別償却の適用の問題、これが第二の問題であります。それから第三の問題は、リース取引の税務上の取り扱い、この問題について、実は四十八年の法改正のときにいろいろお聞きをいたしました。議事録を今回また読み返してみておるわけでありますけれども、当時は機情局長ではなくて重工業局長ですかに代表していろいろ御答弁をいただいたわけでありまして、質疑応答の結論としては、非常に前向きな考え方で通産は考えておるな、こういうふうに思っておったわけでありますけれども、その後これはどのように進展をしておるのか。もし質問が不十分であれば一項、一項詳しく申し上げますけれども、大体おわかりになっていると思いますので、その三点それぞれどのような経過、考え方で現状こうなっている、あるいは少しも進んでおらない、こういうことなのか、その結果をお答えいただきたいと思います。
#121
○豊島政府委員 三点あるわけでございますが、そのうちの一点は一応解決している。あと二点は解決してないというのが全体的な結論でございます。
 第一のリース会社の貸し倒れ引当金繰入額の損金算入につきましては、これはいずれにいたしましても、貸し倒れ引当金も損金算入に繰り入れてほしいというのが当然リース会社の要望でございますが、現在までのところ依然として期限未到来のリース料債権につきましては、その対象にならない。わずかに期限が到来したリース料については貸付金に準じて取り扱うということでございまして、この基本的考え方は、リース契約が金銭消費貸借契約とそれから賃貸借契約という二つの面を持っているということがございます。それから後で申し上げますが、ユーザーの方のリース料が全額損金に算入されている、こういうバランスの問題がございまして、これは解決されておらない。わずかにすでに到来したものだけが対象になっている、こういうことでございます。
 それから、第二のリース会社の特別償却の適用でございますが、法律上の規定につきましては、先生十分御承知かと思いますので、省かしていただきますが、いずれにしても、所有はリース会社である。しかし、事業の用に供するのはリース会社でないということでございまして、所有して事業の用に供する資産ということに法律上の規定がなっております。これも解決しておらないということでございます。
 それから、第三点でございまして、リース取引、これはユーザーの側に立ってのことでございますが、この点につきましてはいろいろ問題があったと思いますが、国税庁とリース業界との間で議論されてきましたけれども、結局その末に昭和五十三年七月二十日付で国税庁長官から通達が出ております。その背景としましては、リース業界の基盤が強化された、それからリース取引に対する税務上の取り扱いが国際的にも整備されてきておる、それから税務取扱基準を設けて税負担の公平を図ることが必要であるというようなことを国税庁の方でも考えられたわけでございまして、法人税及び所得税に関する通達が出ておりまして、その中でリース期間が法定耐用年数の七割、十年以上でございますと六割でございますから、たとえば十一年であれば六・六年というでしょうか、それ以上のものであれば、税務上ユーザーの支払ったリース料は全額損金に算入するということではっきり決まっておるわけで、この点は五十三年に大きな解決を見た、こういうことでございます。
#122
○渡辺(三)委員 三ついろいろ御質問申し上げた中で、いまの答弁の順序によれば、結果的には第三の問題についてはその後改正になって前進を見た、こういうふうになるのでしょうが、第一の問題は、これはあくまでも仮定の設問になりますけれども、リース契約は金銭消費貸借契約、こういうふうに割り切れば損金算入というかっこうになるのですか。ユーザーとのバランスの問題といまおっしゃいましたけれども、基本的にはこの問題なんでしょうか。通産はどう考えておられますか。
#123
○豊島政府委員 基本的問題はそこにあるようでございます。
#124
○渡辺(三)委員 そこで、まとめてお聞きをしますが、第一、第二の問題は、国税当局の理由も大体それなりに理解できます。それができない理由は理解できますが、リースの現状からいって、通産省としてはこの一、二の問題についてはどのようにお考えでしょうか。現状こうだということなんですけれども、これでやむを得ないのではないか、こういうふうにお考えでしょうか、それとももっと大蔵も考えなければならぬというふうな立場にお立ちになっておるのでしょうか、どちらでしょうか。
#125
○豊島政府委員 非常にお答えしにくい問題でございますが、正直言いまして、リース事業の発展のためには、リース業を行う者の立場ももう少し考えてやらなければいけないということは当然のことだと思います。バランスの問題から言いますと、リースを受けるユーザーの方の税金上の措置とのバランスと言われますと、一方を立てれば一方立たず、こういうことになるわけでございますが、しかし、よく考えてみますと、たとえば特別償却につきましても、リースは、船の場合は例外を認めておるわけです。船というのは、御承知のように、オーナーとオペレーターが本来違うという基本的性格もあろうかということで、社会的背景も一般のリースとは違うのかもわかりませんが、いずれにしましても、税法理論というのは社会的実態を踏まえて考えるべき問題であろう、われわれ産業政策をやっている当局としては、そういう考え方を常に持っておりまして、単純な税法上の取り扱いといいますか、既存の税概念だけでなくて、われわれとしては、そこに何らかの新しい考え方が導入されることを強く期待しておるものでございますが、これは全体の税を所管しておるところの御意見もあろうかと思いますので、一方的な発言もいかがかど思いますが、われわれとしては、基本的にはそういう考え方でおる、そういうことでございます。
#126
○渡辺(三)委員 この問題については、残り時間がありませんから、以上をもって終わりますが、最後にリース契約の適正化の問題でお伺いをしたいのです。
 割賦の場合には割賦販売法があるわけですけれども、リースの場合には法律はないわけですね。リース契約が適正に行われているかどうか、こういう点についてはいろいろな行政上の考え方がおありだと思いますけれども、どうお考えでしょうか。
#127
○豊島政府委員 私ども通産省では、リースに関しましては産業政策局が直接担当をいたしておりまして、私ども直接担当しておらないので、やや横から見た議論になろうかと思うので、その点お許しいただきたいと思いますが、リース取引の適正化を図るという観点からは、やはり何らかの行政指導というのも必要かということでございまして、利用者が多様化しつつある現状にかんがみまして、契約書の統一問題等を現在リース事業協会において検討さしておる、こういうことでございます。
 それから、割賦販売法があるけれども、リース事業法は必要でないかどうかということでございますが、この点につきましても、サービスの強化や取引内容の理解ということを消費者対策として一層進めていくことが必要かと思いますが、現在までのところ、リース事業の取引の実態、取引の慣行等から見まして、法的規制が必要な社会的弊害が現に発生しているということではないわけでございます。そういう意味では、リース事業法をいま直ちにどうこうという情勢にはないのではないか、このように感じておる次第でございます。
#128
○渡辺(三)委員 本法適用の円滑な運用というふうな面で、たとえば割賦・ローンの場合には相当サービスが行き届いているといいますか、それを運用する人員の配置その他から見ても比較的スムーズに行われている。ところがリースに関しては、まだずいぶん滞りている面もあるのではないかと思いますが、その点などはどういうふうにお考えでしょうか。
#129
○豊島政府委員 先生御指摘のように、リースにつきましてはこのところ非常に伸びておるわけでございます。当然のことながら日進月歩の世の中で、だんだん機械も陳腐化していく、そういうときに割賦よりもリースによることが非常に有利であるということもございましょうし、あるいはユーザー側としていろいろな会計上の処理とか保管上の問題がないということでふえておるわけでございまして、そういうことで、この保険でも非常に業務量はふえておるわけでございます。その点につきましては、先ほどもお答えしたかと思いますが、提出書類の簡素化あるいは電算機の導入あるいはオフィスオートメーション化で業務の処理に当たりましては合理化を図っていくということで、サービスは保険業務面からいえば十分行えるような体制に持っていっているところでございます。
#130
○渡辺(三)委員 質問の冒頭で申し上げましたとおり、本法の改正については私どもも基本的に賛成であります。いろいろ御質問申し上げましたが、要望の点を含めて、それらが今後の運用で十分満たされるように強く要望申し上げながら、あと六、七分残っておりますが、一時でありますから、以上をもって終わりたいと思います。
#131
○野田委員長代理 石田幸四郎君。
#132
○石田(幸)委員 それではただいま議題となっております機械類信用保険法の一部を改正する法律案に関連をして若干の質問をいたします。本法案におきます問題点、その背景になっている情報産業等の問題は、次の機会に譲ることにしまして、法案に関連してのみ若干質問をいたし、その後私が質問をする主題は、本日はロボットの問題を取り上げたいと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
 まず趣旨説明の中に、わが国のコンピューターの設置台数はアメリカに次いで世界第二位になっているけれども、プログラムの流通は諸外国に比較して著しくおくれている、こういうふうに言われておるわけでございます。このおくれている理由、それから中小企業対策は今度の法案で若干進むわけでございますけれども、いわゆる全体像としてはどんなふうにこれを推進をしようとしているのか、ここら辺の問題についてまずお伺いをいたしたいと思います。
#133
○豊島政府委員 第一の点でございますが、なぜ日本でプログラムの流通がおくれているかということでございますが、これは先ほども先生方の御質問にあったかと思いますが、要するに、日本の場合、知的な労働といいますか、そういうものに対する評価というのはどちらかというとなかなか行われない社会的な風土の中にあるということで、ソフトといいますか、エンジニアリングフィーというものはなかなか値がつかないということもあったのではないかと思います。たとえば電子計算機を売る場合にも、ソフトを込めて売るということでございまして、極端に言うと販売競争になるとまけるところはソフトから、こういうことも一つあろうかと思います。それから大企業がプログラマーを抱えて自分のソフトは自分で開発するということで、よそへ頼まないこともある、あるいはよそへ頼むにしても、自分のところのソフトとして頼んでくる、こういうのが現状としてあるということで、いろいろそういう社会的な背景もあろうかと思います。
 ただし、この点につきましては、御承知のように最近ではハードそのものはだんだん安くなる、いいものが安くできるということで、一方その利用につきましてはだんだん複雑になり高くなる、こういうことでございますから、そういうものをまけてやることもなかなかできないということで、ソフト自身、プログラム自身が独立していかざるを得ないことになります。そういう客観情勢もございますし、ソフトがだんだん複雑になってくると、それをやる場合に、自分のためだけに開発することも非常に不経済な話でございまして、いわゆるだれにも共通する汎用のものを開発し、それを流通さしていくということが必要になってきた、まだその途中の段階にあるということでございます。
 なお、ソフトにつきましては、中小企業は信用力その他の面から言って、そういう複雑な高いソフトを買うだけの信用力がなかなかないということで、今回の保険制度の創設をお願いすることになった次第でございます。
 なお、中小企業のそういうソフト関係についていろいろやっておるようだが、全体としてソフトに対する政策はどうかというのが第二の御質問の御趣旨が、このように考えるわけでございますが、その点につきましては、まずソフト開発をすることについてのいろいろな助成といいますか政策が行われているわけでございまして、たとえば典型的なものは、情報処理振興事業協会に対する政府の助成を通じまして、民間ではできないようなソフトの開発をいろいろやって、これを流通さしていくということもやっております。あるいはソフトウエアハウスといいますか、ソフトウエア企業に対しまして税制、金融上のいろいろの措置も講じておるということでございます。
    〔野田委員長代理退席、委員長着席〕
 さらに、ソフトウエアに必要な人材の育成という点につきましては、情報処理研修センターを通じてやるとか、あるいは技術者の試験をやって、それに合格した者に資格といいますか、そういう試験制度を通じまして一つの社会的地位を確立させるとか、万般の策を必要に応じてやっておる、こういうのが現状でございます。
#134
○石田(幸)委員 最近の情報化社会でございますから、ソフトな面、特にプログラムの作成については大変に経費がかかる時代になっておるわけでございますが、そうかといって、この問題は発展途上にあるわけでございますから、もちろん制御するとかなんとかという意味ではありませんけれども、やはりこれを野放しにしておくこともできないわけで、できるだけ価格の上昇というものを克服していかなければならない。これに対してはどういう手だてがあるというふうにお考えでございますか。
#135
○豊島政府委員 いま先生の御指摘の点につきましては、一つは、情報処理振興事業協会等が、なかなか民間では独力で開発できないようなソフトを国の助成によって開発して、これを一般に販売していくとい表庭とで、そういうリスク面ないしはそういう負担をしていくという新しい開発を国の力をかりてやっていくというのが一つです。
 それからもう一つは、まさにソフトをいかにして安くするかということでございますが、これはやはり一つのソフトをなるべく共通して使えるような基盤をつくっていく。自分のところだけのためにソフトを開発させて、それを自分だけで使う、似たようなものをもう一つの企業が開発して使うということでは非常に高くなるわけでございますから、そのためには汎用ソフトというのをいかに流通さしていくかということが非常に必要であるということでございます。したがって、この保険制度の創設もそういう意味から出てきておると思います。
 なお、関連することといたしましては、これはそういうことになるかどうかでございますが、ソフトウエア企業の力がつかないと、どうもそういう人の開発というのは買わないということで、なるべく企業が自分のプログラムを使ってやってしまうということですから、やはり基本的にはソフトウエア企業が力を持って、安心してそういう人のつくったものを買える、またそういうのが技術があって積極的に買いたくなるようなソフトウエア企業の基盤を強化していく。そのためには、いろいろ先ほども申し上げましたように、税制その他ございますが、そういうソフトウエア企業の力あるいは能力というのがついていくということが、汎用プログラムの値段を安くするといいますか、ソフトの値段を下げるということに役立つのじゃないかと思います。
#136
○石田(幸)委員 ソフトの流通の整備をしなければならぬということでございます。今回のこの法案ですね、プログラムの割賦販売、リース等の信用取引の増大というようなことに対抗してこの法案が出てくるわけでございますが、この信用取引が増加傾向にあるという状況についても御説明をいただきたいのです。
 同時に、この法案の対象となっている中小企業、中小企業と一口に言いますけれども、大体どこら辺の会社の規模、どこら辺のところを想定してこれを推進しようとしているのか。恐らく零細企業などでは、この法案ができたからといって直ちにこれを採用して活用するというふうにはなかなかまいらないと思うのですけれども、そこら辺の最もねらいにしている中小企業のランクづけといいますか規模といいますか、それはどこに置いていらっしゃるのですか。
#137
○豊島政府委員 最初の、プログラムの取引がどういうふうにいま進んでいるかということでございますが、現在のところいろいろな形態があるわけでございますが、今後伸びる形態としては、特に第三者リース、リース会社がソフトを、プログラムをつくったところから買いまして、それを販売する、そういうものが一番伸びていくのじゃないかということでございまして、その件数はだんだんふえていく、このように考えております。
 それから、第二番目の点でございますが、どのくらいの規模を対象とするかということでございますが、その点につきましては、非常に零細な企業は必ずしも、コンピューターを相当入れて、コンピューター化していろいろな在庫管理とか生産管理をやっていくというわけにはまいらないわけでございますので、どちらかというと、中小企業の中でも中規模以上といいますか、まあ数人というようなことではなく、ある程度の規模の企業が一番使うようになるのじゃないか。しかし、これも業種によっていろいろ違うと思います。メーカーの場合と販売業者の場合、卸、小売ということでありますが、その辺のところは業種によって相当違うと思いますが、余り小さいところを考えていても、これは実際そういうメリットもないわけでございまして、その辺はどちらかというと、中小企業の中でも中規模のものになるのじゃないか、このように考えております。
#138
○石田(幸)委員 そこら辺の表現というのは抽象的に表現をする以外仕方がないと思うのですけれども、いわゆる中小企業となると、三百人以下の従業員数というようなことで考えられるわけですが、このリースの制度を拡大するに当たって、製造業、販売業、いろいろ業種はあるわけだけれども、やはり百人以上二、三百人というような感じでございますか。
#139
○豊島政府委員 手元に十分資料を持っていないので恐縮でございますが、最近出てきておりますコンピューターの中には、いわゆるオフィスコンピューターというような小規模のものも出てきておりまして、そういうこともございますので、必ずしも百人とかそこまでいかなくても、五十人ぐらいの規模でもいろいろな面での活用範囲があるわけでございまして、非常に限られた面でのコンピューター利用ということになりますと、相当規模が大きくならなければいけないと思いますが、活用する範囲がだんだん広くなる、それこそまさにソフトプログラムの設定いかんによっては広くなるわけでございまして、そういう意味で、もう少し小さいものも当然対象になるのじゃないか。まあ五十人ぐらいという数字が適当かどうかわかりませんが、私どもはそのくらいまでなり得る、こういうふうに考えております。
#140
○石田(幸)委員 それから、きょう委員会に配付されました月刊「中小企業」のあれを見ておりますと、「昭和五十七年度の情報化対策」というのが出ておりまして、まさにこの問題が解説をされておるわけでございますけれども、「五十七年度からは、外部データベースからの情報を、地方の中小企業者が容易に受け得るよう、地域情報センターに汎用の端末機を設置し、」云々というふうにありますね。これを見ておりますと、五十七年度には、先進的な地域情報センター六カ所、通商産業局単位に各一カ所となっておりますが、北海道、四国、沖縄は地域センターが未設置というふうになっているわけでございます。特にこの情報問題においては、大企業中心に利用されてきているわけであって、大企業と中小企業の格差というのは、情報収集のいわゆるギャップが総体的に広がっているし、特に地方の中小企業の場合においては、そのギャップがさらに大きく広がっていくというふうに考えられるわけですね。したがって、そういった地方の地域産業を育てていくというような意味合いにおいても、やはりできるだけ各地方にまんべんなく、公平にこの地域情報センターが設置されなければならないと思うのですけれども、この北海道、四国、沖縄が除かれているのは、何か特別な理由があるのですか。
#141
○豊島政府委員 まことに申しわけございませんが、これは中小企業庁の所管でございますので、責任あるお答えがちょっとできないのですが、まあ予算上数の制限があったのじゃなかろうかという推測でございます。正確には企業庁に確かめた上でお答え申し上げたいと思います。
#142
○石田(幸)委員 じゃ、後ほどその問題については御報告いただくとしまして、この情報化システムの利用促進ということについては、特に中小企業向けにこれらの施策が出されているわけですけれども、地方の中小企業者が利用できるように、積極的にこのPRをしていかないと、先ほども申されておったいわゆるソフトウエアの方の流通基盤の整備もできないわけでございますので、そこら辺のところはどういうふうにお考えになっていますか。
#143
○豊島政府委員 先生のおっしゃるように、当然この制度によって恩恵を受けるのは、もちろんソフトウエア業者もそれによって販売が促進される、その振興に役立つわけでございますが、最大の目的は、中小企業の設備近代化といいますか、経営の合理化ということでございますので、そういう点でのPRにつきましては万全を期していきたい、通産局もございましょうし、商工会議所とかいろいろなルートを通じて地方にもPRに努めていきたい、このように考えております。
#144
○石田(幸)委員 この法案は本日で成立するものと思いますけれども、特にいまのPR問題を積極的にひとつお願いしたい、御要望を申し上げておくわけでございます。
 以上でこの法案に対する私の質疑は終わりまして、ロボット問題についてこれから若干議論を展開してみたいと思うわけでございます。
 大臣にも聞いておいていただきたいわけですが、この産業用ロボットというのは、いまもうすでに問題になりつつありますが、今後五、六年のうちに産業界における大きな問題に発展をするであろうということが考えられるわけでございます。四十年代に日本で初めて産業用ロボットが導入されたわけでございますが、その後の推移を見ておりますと、生産金額は五十五年度で七百八十四億、五十六年度で一千二百億、五十七年度は一千八百億ぐらいに増加をするのではないかと言われておるわけでございまして、恐らく一九九〇年には一兆円産業に成長するであろうというようなことが言われておるわけでございます。今度のパリ・サミットにおいても、フランス側からこのロボットの問題が議題として提案されるというようなことが三月九日の日経新聞に載っておるわけでございます。国際的な産業の一つの大きな話題にもなってきていると思うのでございます。
 まず最初に、通産省にお伺いをしたいのでございますが、このロボットの定義というものをこれから考えていかなければならない。先進国いずれの国もロボットを導入しようというような大きな流れになりつつあるわけでございまして、それ自体がまた貿易摩擦の焦点にもなりかねない性質を持っておるわけでございますので、このロボットの定義を、国内的にもまた国際的にも進めていかなければならぬと私は考えるわけでございます。
 西ドイツ連邦のエレクトロニクスコミュニケーション技術・物理技術部長のトーマスという人は、四関節以上の機能を持ち、自由にプログラムできるのがロボットと定義しているわけです。また日本産業用ロボット工業会あたりでは、一つにはマニュアルマニピュレーター、二番目に固定シーケンスロボット、三番目に可変シーケンスロボット、四番目にプレイバックロボット、五番目に数値制御ロボット、六番目に知能ロボット、この六段階があると規定をいたしておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、この辺のロボットに対する定義というものは、まさにいま成長し始めた産業界であるだけに、定義が定かでないわけでございますけれども、冒頭申し上げたように、この定義の国内的な明確化あるいは国際化の一つの定義の仕方、そういうものを進めていかなければならないと思うのでございますが、これに対する通産省のお考えをまず伺っておきたい。
#145
○豊島政府委員 ロボットの定義につきましては、先生いま御指摘なさいましたように、産業用ロボット工業会でも一応の定義を出したようでございます。それからさらに、引用なさいましたマニピュレーター云々というのは、産業用ロボット用語ということでJISを制定しておるわけでございまして、そういうことでございます。
 しかし、国際的にはまだ確定した定義はないということですが、いずれにしましても、ロボットが国際的な問題として、今後いろいろと議論の爼上にのるということであれば、当然その定義から決めていかなくてはいけないということは先生おっしゃるとおりだと思います。そこで現在、ISO、国際規格機構ですか、インターナショナル・スタンダード・オーガニゼーションで本年六月に産業用ロボットのテクニカルコミッティーというのを設置して、初会合が行われることになっておるわけですが、これに対応するものとして、私どもとしましても、先ほど名前が挙がっておりました社団法人日本産業用ロボット工業会にISO対策委員会を設置することにいたしまして、その委員会を窓口として、国際的な定義の統一ということに協力していきたい、このように考えております。
#146
○石田(幸)委員 次に、中小企業といいますか、下請産業との関連において、若干お伺いをしたいわけでございます。
 まず、普通親企業が下請を利用する理由、これを静岡県の中小企業振興協会が調査をいたしておるわけでございますが、一つには生産コストが安いというのが一八・八%、二番目に特殊技術・設備があるというのが二九・九%、生産能力を補うというのが三六・六%、四番目が自社でつくるには生産量が少な過ぎるというのが八・一%、こういう数字になっておる。
 これが果たして通産省あたりでお調べになっているのと合致しているのかどうかわかりませんけれども、いま申し上げた特殊技術・設備があるということ、それから自社がつくるには生産量が少な過ぎるということ、これはいわゆる特殊事情でございまして、もし親企業が下請を利用しないで自分のところでこのロボットを積極的に導入するということになりますと、生産コストの問題と生産能力を補うという問題は、一挙にその理由が消滅してしまう。中小企業、下請を使わなければならない理由が消滅をしてしまうわけですね。これだけで実に五五・四%になるわけでございまして、そういう意味では、これがどんどん普及してくることになると、中小企業の倒産が出てくるおそれがあるのではないかというふうに一つの議論があるわけであります。
 またもう一つは、中小企業は生産コストが安いというような問題が消滅をしてしまう。たとえばロボットを導入するということになりますと、いままで下請企業が支えていた価格というものが、親企業あるいはその他の中小企業で競争相手が出てきてロボットを導入した、そういう競争相手が出てくると、がくっとコストが減るわけですから、いわゆるロボットコストというような問題も発生するおそれがある。
 そういう意味からいって、確かにいまの段階においてロボットの導入が仮に盛んになったとしても、直ちに影響は出てこないにしても、将来こういう問題が出てくるおそれがあるというふうに私は思うのですけれども、ここら辺に対するお考えはいかがですか。
#147
○豊島政府委員 現在までに導入されておりますロボットというのは、いわば人間が嫌がる仕事とか危険な仕事、そういう悪い労働環境あるいは危険な労働環境に対してロボットが代替していくということでございまして、特に問題はないということでございます。
 ただ、いま先生の御指摘のように、いろいろコスト面その他から見て、ロボットがどんどん出てくると下請との関係はどうなのか、あるいは中小企業の切り捨てがあるのじゃないか、こういうことでございますが、現在までのところの動きを見ますと、ロボットの導入というのは、最近中小企業はどんどん入れておるということでございまして、いわばどちらかといいますと、中小企業の熟練労働者が集まらないとか、あるいは中小企業に合ったロットがまとまらないものを――これは大企業との関係がありますが、そういう意味で、どちらかというと中小企業の普及の度合いが非常にふえておるというのが実態でございます。極端な例を言いますと、ロボットの導入に関しまして、親企業が下請企業ないしその関係の企業に力をかしているという例まであるわけでございます。
 将来のことを言いますと、いろいろと複雑な問題を想定していかないといけないことは確かにございますが、何と申しましても、日本の今日の産業の競争力、特に典型的な自動車産業について見ましても、これはいわば下請産業といいますか、関連産業が非常に強い。内製率が諸外国に比べて非常に低いわけでございまして、そこに基本的なポテンシャルがあるわけでございます。日本の産業については、そういう意味からもいろいろと客観情勢の変化はありましても、下請と親企業というのは共存共栄の姿をとらなければ、本当の意味での発展はできない、こういうことをわれわれは考えております。
 それから、親企業と下請の関係というのは、いわば地域社会の問題でございますので、その辺は今後事態を十分見守らなくてはいけないわけですが、何としても共存共栄のかっこうで持っていくということがぜひ必要なものではないか、このように考えております。
#148
○石田(幸)委員 ぜひそうあってもらいたいというふうに思うわけでございますが、この下請関係にあるすべての会社がロボットを導入するということではないわけでありまして、そうしますと、必ずそういったロボットコストという問題、あるいは従来の人件費に基づくところの中小企業コスト、そういうものとに大きな格差が出てくることは事実なわけですね。ここら辺の調整は将来大きな問題になろうと思います。
 それからロボット問題今後の推移を見たときに、自動化を強力に推進をするわけでございまして、そのために企業に大きな収益性をもたらして、そういうものがまた経済成長を促していくだろう、こういうふうに言われているわけですね。そこで、経済成長が進んでいれば雇用については心配ないのじゃないか、いままでの議論の中にはそういうような論理が圧倒的な大きさで論じられておる、こういうふうに思うわけです。そうしてみますと、結局ロボットを導入しての産業構造というものは、一定の経済成長があるということが一つは前提になっている、こういうふうにも考えられなくもないと思うのです。
 いまはロボットを導入した端緒についた段階でございますから、私はその問題はそう心配はないと思うのですけれども、このロボット問題がどんどん推移してくる、科学技術というのは日進月歩でございますから、そういうような状況になっていったときに、たとえば南北問題なんというのが出てくるわけですね。現にアメリカの企業あたりでも、ロボットを導入したから発展途上国からいろいろな企業が進出したのを引き揚げる、そういう傾向もないわけではない。現実に出てきている。そういうようなことを考えてみますと、ロボット問題というものは経済成長を一面において促すかもしれないけれども、たとえば南北問題あるいは日本におきます立場を考えれば、中高年齢層の雇用機会の減少という問題も当然考えなければならない。いまちょっと話題にしました下請との関係、そういうようなことで下請不要論、そういうふうにならないようには期待をするのですけれども、しかし、企業の本質という問題を考えると、必要のないものは当然合理化によって除去していかなければならないわけでございまして、そういうような下請不必要論というようなことも出てきやしないか、こんなふうに考えるわけでございます。経済成長があれば雇用がなくなるという問題をロボットの立場から考えてみたときに、果たしてこれは正しい論理であろうかという疑いを抱かざるを得ない、そういう面が出てきているように私は思うのですけれども、ここら辺についてはどうお考えになりますか。
#149
○豊島政府委員 ロボット問題は、現在における一つの技術革新といいますか、機械化の一つの動きでございますが、これは歴史的に見ますと、産業革命で蒸気機関ができて機械が導入されたというときにも、非常な不安とこれに対する抵抗をもって迎えられたというのが歴史上の事実であるわけでございまして、その後は人間の英知によって、あるいは経済発展によって解決されてきた、こういうことになろうかと思います。現在基本的に世界経済は悪いということの原因はいろいろあると思いますが、結局経済成長のポテンシャルがないということでございますので、そういう観点から言いますと、マイクロエレクトロニクスを中心とする技術革新というものが世界の経済を発展させる、その上において雇用の問題がマクロにおいて解決される。ロボットはその中の一つの分野を占めておるということになろうかと思います。
 具体的にいま先生御指摘の高年齢者層の問題について申し上げますと、確かに仮に雇用が全体的には減らなくても、そういう人たちの職場というものは失われるのではないか、こういう問題はあるわけでございますが、しかし他方、労働力が高年齢化してきますと、当然のことながら体力が弱る、あるいは判断力が若いころに比べていろいろあれする、あるいはソフトウエアとかプログラマーになり得ないという問題はあっても、そういう現実の問題から考えますと、ロボットというものは、やはり人間に役に立つということであれば、体力がなく、あるいは機敏に動けなくても、その中でロボットを使って働くということも十分考えられるわけでございまして、そういう意味から、むしろロボットそのものをそういう労働力の変化に対して前向きで解決していく、そういう人間の英知を出すべきではないか、またそうなるはずである、こう考えるわけでございます。
 それから、発展途上国の問題でございますが、発展途上国に対する協力として、賃金が安いから発展途上国へ行くということは、一方の経済原則としてあるわけでございますが、しかし、その基本的な問題というのは、やはり先ほどの技術革新が世界経済を発展させるポテンシャルであると同様に、発展途上国の潜在的な需要といいますか、いわゆる所得が低いために発展途上国の経済が伸びないといいますか、需要が潜在化するということで、先進国には物があふれて、これ以上需要がない、消費も停滞するということがあっても、発展途上国は、政策のよろしきを得れば、当然それは大きな世界市場となってくる、こういうことが基本にあるわけでございます。したがって、技術革新、ロボット時代に、発展途上国は安い労働力を使ってやれるということで、そのままほっておいたのではもとのもくあみになるわけで、やはり発展途上国そのものの開発というものは、そういうロボット時代を迎えても当然やらなければいけない。それでこそ初めて世界全体が繁栄する、こういう基本的な姿勢は崩せないわけでございまして、その中でロボットをどう調和させていくか、こういうことになるのではないか。簡単にいまコマーシャルベースで賃金が安いから行く、高いから引き下がるというようなことでは、今後の発展途上国に対する経済協力は得られないわけで、そういうことは絶対あってはならない。世界の政策、日本の対外政策も、そういうかっこうで進められるべきである。その中で個別企業の利益の問題とをどう調整していくか。これも国の政策として解決していかなければならない、このように考えております。
#150
○石田(幸)委員 時間が余りないので、たくさんの議論ができないのは残念なんですけれども、労働省においでいただいておりますので、このロボット問題をいわゆる雇用問題としてとらえた場合に、これからいろいろな調査をしなければならないと思うわけですね。特にマクロの立場で考えた場合には、日本の企業はいわゆる終身雇用制を前提としてそういう制度が組まれているわけで、その点においては余り心配ないかもしれませんが、ミクロでとらえた場合には、配転もしくは転職というようなことも当然ロボット導入に伴って出てくるわけでございまして、果たして労働者がこれに十分対応できるだろうか、こういうような問題があるわけでございます。たとえば科学技術庁がお調べになった「都市生活における精神健康度に関する総合研究」というのがあるのですけれども、三十五歳未満でうつ病の男性が、そのうつ病の原因としているのは、転勤というのが非常に多くて五九%、三十五歳以上になると実に六五%で、三分の二以上が転職問題でうつ病になっている、そういう調査が出ているぐらい職場の変更というものは個人にとって非常に大きな問題であるわけでございます。そういうようなところから、このロボット問題が今後の労働問題にどういうような影響を与えてくるかということを研究してもらわなければいかぬ、そういうふうになっていると思うのですね。
 新聞報道によれば、そういうような問題も若干進んできているように思いますけれども、特に私が要望したいのは、こういう問題は、今後それこそ何十年にわたって考えていかなければならない問題だと思うのですが、それだけに適時適切に、いわゆる一つの単位を区切って、きちんきちんとした調査をかなり広範囲にわたってやっていかなければならない、こういうふうに思うのですね。そこら辺のことについて簡単にひとつ御答弁をいただきたい。
#151
○甘粕説明員 いま先生のお話にありましたように、産業用ロボットを初めといたしましたME化の進展ということにつきましては、雇用の量の問題も当然ございますけれども、それが職場環境の問題あるいは作業態様ということにもいろいろ影響を与えてくると思います。また職務配置転換、そういうような問題に伴う訓練問題とかいろいろございまして、私ども五十七年度からこの問題につきまして、雇用の問題、それから能力開発の問題あるいはそういう作業態様の変化に伴ういろいろな心理的な問題、あるいは安全問題、労使関係と労働関係全般にわたりまして、今後技術の進歩がどういうふうな影響をもたらすかということにつきまして調査研究をしたいと思っております。
 なお、この調査につきましては、当面、五十七年度から二カ年程度で取りまとめたいと思っておりますが、先生御指摘のように技術革新、これは非常に日進月歩の問題でございますので、そのときそのときの実態に対応いたしまして、適切な調査研究をなお進めていきたいというふうに考えております。
#152
○石田(幸)委員 もう時間がなくなりましたので、簡単に大臣にお伺いをいたしたいのですが、一つは、いまちょっと話題にいたしました南北問題、新聞等の報道によりますと、逆ブーメラン現象というようなことを言っておるわけでございますが、やはり発展途上国に先進国の企業が進出した一つの原因は、何といってもやはり低賃金なんです。それだけで発展途上国の援助をしているわけではないけれども、そういった形の進出というのはかなりやりやすいといいますか、そういうようなことでこれが進んできたわけでございますけれども、このロボット化が先進国で進みますと、コストの問題が解消するわけでございますから、そういう意味で、逆にブーメラン現象が起こってくるというふうに考えられる。それからまたこのロボットによっていろいろな製品のコストが下がるわけでございますから、いわゆる発展途上国が原材料等を先進国に売る、そして生活用品なんというものは、特に電気製品その他の機械に関する生活用品というものは、先進国から安い値段でどんどん流れ込んでくるということになりますと、いわゆる貿易収支の問題についてもだんだん悪化するのではないかという心配が起こるわけでございます。そうすると、極端な言い方をすれば、物は売ったけれども、取り立て不能の債権だけが残ってしまうというようなこともあり得るわけで、これも一つのロボット導入に伴う危険性として考えなければならないので、やはりこの発展途上国に対する援助の方式というものは、こういう時代が来ると大きく考えなければならぬ。当然外務省あたりと十分な協議をしてもらわなければならぬのではないかというふうに思いますので、ここら辺の考えについて、大臣のお答えをいただきたいのが一つ。
 それから、先ほども申し上げましたように、パリ・サミットにおいてフランスからロボット問題が提示されるというふうにいわれております。それによりますと、具体的には技術に関する国際情報センターの創設、それから多国籍企業の行動規制の確定、それから南北技術協力、それから労働条件研究のための国際的プログラムの開始、それから国際教育と新技術形成のための大規模な国際協力、こういう問題の検討をフランスではやっておる、こういうものをサミットに持ち出したい、こういうふうに言っておられるわけですが、新聞報道によりますと、政府部内にもロボットと雇用問題に取り組む機運が盛り上がっておる、このために政府はサミットでフランスの提案に積極的に応じる意向、こういうふうに報道されておる。確定的な問題ではないようには思うけれども、六月といいますと、あと二カ月であるわけでございますから、このパリ・サミットでロボット問題が提案をされようとしているのに対して、政府は一体どんな姿勢でこれに臨もうとしていらっしゃるのか。そこら辺のことについて大臣から御答弁をちょうだいをいたしたい、こう思います。
#153
○安倍国務大臣 産業用ロボットにつきましては、いま御議論がありましたように、これから非常に有力な先端産業として伸びていくわけでありまして、現在は世界の中で大体七割、日本で活用されている、こういうことでございますが、現在の状況では、先ほどから答弁いたしましたように、産業用ロボットというものは、いわば過酷な、危険な、単純、繰り返し作業を行うわけでございまして、そういう意味では、生産性を高める面とともに非常に大きなメリットを持つわけでございます。また労働福祉政策を進める上においても、私は非常に大きな意味を持ったものであると思うのですが、反面また御指摘がございましたように、やはり労働力代替という役割りを持つわけでございますから、これから大いに伸びた段階において雇用との問題がどういうふうになるかということは十分考えておかなければならない、こういうふうに思っております。
 そういうことで、現在では人間とロボットとの間では、役割り分担というものが非常にうまく進んでいるわけでありますが、これから長い将来ということを考えると、やはりそうした社会的、経済的あるいはまた雇用といった面から、あるいはさらにまた開発途上国との関係等も踏まえながら全体的に検討しなければならぬ、そういう段階にも来ておるわけで、いまそういうことで通産省でも委員会をつくりましていろいろと研究、勉強をいたしております。また労働省でも雇用との関係で検討を進められておる。これは各省間で綿密に連絡をとりながらこの問題に対処していきたい、こういうふうに考えております。
 開発途上国から、進出した企業が産業用ロボットの発展によってUターンする、そういう現象が生まれるのではないかという危惧を持たれているわけでありますが、私はいま直ちにそういうふうなことが起こるというふうには思ってないわけでございます。しかし、長い将来を考えますと、わが国と開発途上国との関係をより緊密に進めていかなければならぬ、そういう観点からいえば検討はしていかなければならない、こういうふうに思うわけでございます。
 いずれにいたしましても、この産業用ロボットは、これからの非常に将来性のある先端産業、また世界全体の工業の近代化という面からも大いに取り組んで検討してまいりたい。そういう中で、ベルサイユ・サミットでこの産業用ロボットの問題がフランスによって取り上げられる、こういうふうな報道があるわけでございます。確かにいま事務当局間でベルサイユ・サミットについての議題の整理をいたしておるわけでございますが、この中身については各国それぞれの立場がありまして表に出さない、こういうことになっておるわけでございます。したがって、ここでこれがフランス政府の提案としてはっきり出されるということを申し上げる段階にないわけでございます。しかし、私の想像するに、いま貿易摩擦と絡んで先端技術の問題が大きな課題として世界的に登場しておる時期でございますから、そういうことも可能性としてはあるのじゃないか。そういう面もわれわれは踏まえながら勉強をしてまいりたいと考えております。
#154
○石田(幸)委員 予定の半分も行かないわけですけれども、もう時間がなくなりました。いずれにしても、いま産業界にとってロボット導入という問題が出てきまして、その効用のいわゆる優秀性といいますか、いい面だけがクローズアップされていると思うのです。しかし、これが五、六年先になりますれば、当然ロボット導入に伴う労働問題の研究であるとか、人間に心理的にどういう影響を与えるとか、ロボットを国策として推進をしなければならないのなら、特にどの方面をやるべきであるとか、そういう問題が年々やかましくなってくることは事実なんですね。いままでこれを勉強してみて、通産省にしても労働省にしてもロボット問題に対するいろいろな調査研究をした資料はほとんどないのですね。そういう意味で、これからひとつタイムプログラムみたいなものをつくって、きちんとした形で掌握したなら、問題点がどこにあるのか、どういう方向に行くべきかということを示唆できるような検討の成果をどしどし発表していただきたい、これだけ要望いたしまして、時間がありませんので、残念ながらこれで終わりにします。
#155
○渡部委員長 宮田早苗君。
#156
○宮田委員 まず初めに第一条関係、「目的」についてでございますが、この法律の改正点の中心が「プログラムを含む。」ということになっておるわけでございまして、諸般の関係から当然理解はできますが、いままでのプログラムについてどのような措置をとられておったものか。たとえばコンピューターの中に当然プログラムは含まれるわけでございますから、コンピューターと一緒に保険の対象にされていたものか、あるいはまた別々の場合には全く対象にならなかったものかどうか、そういう点についてちょっとお聞きをいたします。
#157
○豊島政府委員 現在の保険でプログラムがどのような取り扱いを受けていたかということでございますが、これは機械類について、その代金に一緒に売られている場合においては、それは機械と一体として保険の対象になっていたということでございます。しかし、機械と別にプログラムが単独で売られるものにつきましては、従来は入っておらなかったというのが現実でございます。
#158
○宮田委員 そこで、近年情報化の進展に伴って情報処理技術者が年々ますますふえてきておりますものの、現在ではまだ米国等に比べますと大幅に不足しておるというふうに言われておるわけでございます。したがって、政府としても、情報化社会の健全な発展を図っていくためには、積極的な人材養成のための施策を展開していく必要がある、こういうことでございましょう。またオフコンとかパソコンとかマイコン、これらが著しい普及をしておるわけでございまして、そういう情報化の波が職場とか家庭へ浸透するに伴って、高齢者あるいは主婦等の再訓練、再教育も重要になっておると思いますが、政府としてはこれらについてどのような考えを持っておられますか。またそれに対する対策でもございましたらお知らせ願いたい、こう思います。
#159
○豊島政府委員 情報技術者が不足しているかどうかという点でございますが、確かに先生御指摘のような点がございまして、ソフトウエア産業といいますか、情報処理産業を育てていくためには、やはり何としても人材の育成ということが必要でございます。そのために私どもとしましては、財団法人情報処理研修センターの事業を通じまして情報処理技術者の教育の充実を図るというようなことはやっておりますし、あるいは情報処理技術者試験ということで、情報処理技術者として備えるべき技術水準を示して目標を与える。それでいわば技術の向上を図るということのほかに、そういう試験に合格した者ということで、それに対して一定の社会的地位を与える、地位を確立するということを考えておるわけでございます。そのほかに、情報処理振興事業協会でいろいろな国の助成によりまして委託開発をするということで、そういう委託開発を通じて技術者の育成ということも国としていたしておるわけでございます。
 なお、最近のコンピューターの、オフィスコンピューターあるいはパソコンというものの発展は著しいものがございまして、これに対しては、民間でもいろいろなメーカーが教育訓練をやっていると思いますが、五十七年度から中小企業振興事業団で中小企業者を対象にいたしまして、そういうものの利用技術の講習も始めるということで、中小企業を対象とした利用の促進といいますか、教育ということも進めておる次第でございます。
#160
○宮田委員 もう一つは、現在の情報処理産業におきます技術者、それから従業者の労働環境についてでございます。企業の零細性とかあるいは長時間労働とか、さらには深夜労働、派遣労働の連続、長時間出向、こういうものもあると思いまして、総体的に余りよろしいとは言われない状態にあると思うわけでございます。こうした情報処理産業は、企業規模が小さいために、組合があって、その活動を通じての職場環境の改善というものもなかなか望めないのではないかと思いますし、またこれら技術者は、わが国の健全な情報社会構築という大きな政策課題の重要な担い手でもあるわけでございまして、政府はこうした状況をどう認識されておるか、同時にまた、それに対してどう対応されていくつもりか、お知らせ願いたいと思います。
#161
○豊島政府委員 情報処理産業におきましては、先ほどから申し上げておりますように、情報処理技術者の役割りが非常に大きいということでございまして、そういう労働環境という点についても十分配慮しなければいけないと考えております。
 当然のことながら、企業としてもいろいろと努力をしているわけでございまして、本年二月に、業界団体が協力して、この業界における情報処理技術者の福祉厚生面を充実させるための情報処理産業厚生年金基金というものも発足しておるように聞いております。
 ところで、労働状況は一体どうだろうか、どのように把握しておるかということでございますが、われわれの知るところでは、これは労働省の統計でございますが、給与その他におきましては他産業と変わらないということでございますが、残業時間はいずれにしても相当長い。平均で十八時間ぐらいというのに対して、三十時間ぐらいやっているということで、これはちょっと問題ではなかろうか。少し長過ぎるという感じはわれわれも受けております。それを除くと、給与面ではいいと思うのですけれども、新しい産業で零細なものが非常に多いということで、その実態は十分把握しておりません面も多いのじゃないかと思いますので、この点については、一体どういうところに問題があるか、零細企業のことでございますから、先生の御指摘のような問題も恐らくあろうかと思いますので、その点は十分調査をし、関係各省とも連絡をとって対策を考えていきたいと思っております。
 なお、要員派遣の問題につきましては、これはたびたび問題となるわけでございますが、いずれにしましても、そういう需要が現実にあるということでございますが、いやしくも労働基準法その他関連法規に違反するようなことは絶対あってはならない、こういうことで指導をしておるわけでございます。
 しかし、いずれにしましても、労働時間が非常に長い、あるいは要員派遣が起こるその根本原因はどこにあるかということになりますと、しょせんはソフトウエア企業の力が足らないということではないか。ソフトウエア企業に対して労働力の参入が十分行われれば、労働時間は当然短くて済むわけです。なぜ参入が行われないかというと、新しい企業であるというほかに、ソフトウエアそのものの価値がやはり十分認められていない、先ほど来問題になっているように、いわば評価が行われていない、したがって、十分な収入が得られないから、どうしてもよく働かなくちゃいけない、したがって、来る人も少ない、こういう悪循環だと思います。
 したがって、そういうソフトウエア企業が力を持つ、技術力を持つ、しかもそれが十分評価される、そういう環境をつくり、ソフトウエア企業を育てていくということがこの問題のすべての基本的解決になるのではないか。これに対しては、若干時間がかかると思いますが、いろいろな方面から真剣に取り組んでいきたい、このように考えております。
#162
○宮田委員 この種の産業は、統計にも出ておりますように、年々ふえていっておりますし、それだけに掌握もなかなかむずかしいのじゃないかと思いますが、ここに働く者にとっては大変大事なことだと思っております。労働省の管轄ということだけでなしに、もとは通産省自体の立場でございますので、その点は、いま御答弁なさいましたような考え方で十分に対処してほしいということを要望としてお願い申し上げておく次第であります。
 さらに、この雇用問題といいますのは、これだけでなしに、文化あるいは教育、家庭生活にも非常に大きな影響をもたらすわけでございまして、その推進に当たっては根本的なコンセンサスの形成が必要である、こう思うわけです。こういう観点から、産業構造審議会の情報産業部会等の場に労働者等の意見が十分反映するような体制になっておることが好ましい、重要である、私はこう思っておるわけでございますが、現在の構成率はどういうふうなことになっておりますか、わかっておりますならばお知らせ願いたい、こう思います。
#163
○豊島政府委員 先生御指摘のように、情報処理産業技術者の労働環境の問題、あるいはその他福祉面、文化面、いろいろ関係するところが多いわけでございまして、われわれとしても、労働界を含めました各方面の御意見を十分反映していく必要があると思いますが、実際問題としまして、現在設置しております産業構造審議会の部会の中におきましては、まだ労働界の代表が十分加わっているという段階ではございませんで、この点、情報部会に労働界の代表を加えることも検討してまいりたいと思っております。
 なお、五十三年から機械情報産業局に情報化対策委員会というのを置きまして、ここにおきましても、労働者の意見を反映した調査研究はいろいろと行っているわけでございまして、本委員会に直接労働界代表の委員を加えることについても十分考えていきたい、このように考えております。
#164
○宮田委員 もう一つは、従来から情報化に関する基本法の制定が主張されてきておるわけでございますが、政府として検討すべき時期に来ておるのではないか、こう思いますが、どういうふうにお考えになっているかということ。特に、情報化に関する基本法の制定につきましては、昭和四十五年四月二十三日の本委員会で、情報処理振興事業協会等に関する法律ができ上がったときの附帯決議として、「可及的すみやかに情報化に関する基本法を提案するよう努力すること。」、これが決議されておるわけでありまして、その後十年以上も経過しておるわけでございますが、政府としてのお考えを聞かしていただきたい、こう思います。
#165
○豊島政府委員 先生御指摘のように、今後の情報化社会といいますと、国民の理解と協力を得て、大きく幅広くやっていかなければいけない。そのためには、基本的な方向をはっきりする必要があろうということは、私ども通産省も同意見でございます。われわれも、昭和四十五年の法律改正の附帯決議において御指摘を受けておりますことも十分承知しておるところでございます。しかし、そういう問題を実際にいたしますに当たりまして、私どもとしては、まず当面の大きな問題としては、たとえば通信回線の利用の自由化とか、コンピューターのセキュリティーの問題、あるいは技術開発の問題、あるいは国際協力の問題等、産業構造審議会の答申にいろいろと盛られたような具体的な事項がございまして、まず、これを一つ一つ解決していくということが先決である。もちろん基本法の制定ということを忘れているわけではございませんが、当面その辺のところを着実にやっていくということが急務であろうかと考えておりまして、基本法の制定について、ただいま直ちに出すというようなことをまだ考えるに至っておらない段階でございます。
#166
○宮田委員 わが国の場合に、情報化はハードウエア部門が先行して進んできておるわけでございますが、ソフトウエア部門が著しくおくれておりまして、アンバランスになっておることは御承知のとおりと思います。特に、プログラムの流通が欧米に比べておくれておりまして、健全な情報化の進展を図る上でこれがネックになっておるのではないか、こう思います。
 そこで、早急に促進を図ることが必要であると考えますので、そのために、まずソフトウエア業の育成、振興、二つ目がプログラムの権利保護の明確化、それと三番目にプログラムの評価方式の確立、四番目にシステムエンジニア、プログラマー等技術者養成等の積極的推進が必要であると考えますが、政府の対応策をひとつ聞かせていただきたいと思います。
#167
○豊島政府委員 先生御指摘の四つの問題について、一つずつお答えしたいと思います。
 第一のソフトウエア業の育成、振興につきましては、特定機械情報産業振興臨時措置法ということで、いわゆる機情法に基づきまして、ソフトウエア業の高度化計画を定めるという基本的な方向を示すとともに、金融面につきましては、いわゆる情報処理振興事業協会の保証による興長銀の融資あるいは開銀融資その他いろいろな融資制度、あるいは税制面ではプログラム準備金制度というようなことで、基盤の強化を図っておるわけでございます。
 次に、法的な権利の保護でございまして、これは先ほど渡辺先生の御質問にもいろいろございましたように、現在の著作権法では非常にごく一部が保護されておるということで、使用権自身は保護されてない、あとは契約によって私契約上の問題としてやられておる、こういうことでございまして、この点につきましては、諸外国の動向あるいは国際的な動き、WIPOその他の動きをも見つつ、かつ現在の日本におけるいろいろな法体系の問題もございまして、その辺を十分踏まえて関係各省とも十分御相談をした上で、なるべく早い機会に、このプログラムの権利の保護、使用権の保護ということを確立していくことが必要である、このためには鋭意努力していきたい、このように考えております。
 それから、第三のプログラム評価方式の確立でございまして、この点につきましてはなかなかむずかしい問題があるわけでございまして、どうも従来の日本のしきたりでございますと、労賃掛ける工数といいますか、人工といいますか、そういうものを単純にやったケースがわりと多いということでございますが、こういうことではなかなかソフトウエア業も伸びないということになろうかと思います。したがいまして、ソフトウエアの効果といいますか、価値というものを、ノーハウ、技術等をあれしまして、プログラムの効用という観点からの評価方式というのを早く導入していくということが必要かと思います。この導入に当たってどういう点を考えていくか、これからの問題でございまして、ソフトウエア協会でもいろいろと検討をしておるわけでございますが、できるだけ早い機会にそういう評価方式というのを確立していくということが何よりも必要じゃないかというふうに考えております。
 最後に、教育の点でございまして、これは冒頭御質問でもお答え申し上げたかと思いますが、財団法人の情報処理研修センターの事業を通じて教育をしていくということと、あるいは試験制度によって技術の向上と社会的地位の確保ということを考えているわけでございますが、この辺のところにつきましては、今後、多々ますます弁ずということかと思いまして、いろいろな手段を通じて教育を進めていく必要があろうか、このように考えております。
#168
○宮田委員 教育の問題について、ちょっと聞きたいことがございますのは、技術者養成の問題についてです。中小企業大学校というのがございますね。これでは養成に携わっておると思いますが、ほかに、制度としてこの種の養成をしておる機関があるところがございましたら、お知らせ願いたいと思います。
#169
○豊島政府委員 私ども十分情報を把握しておりませんが、一つは、先ほど申しました情報処理研修センターでやっておる。それから中小企業大学校はあれでございますが、あと中小企業振興事業団の中で技術者の訓練というか、利用方法につきましての教育をやるということを進めております。このほか労働省関係の職業訓練センターでやっておるかどうか、その辺のところは私どもよく存じておりませんが、その辺もやっておるんじゃないかと思います。
#170
○宮田委員 次に、保険対象機械類についてお聞きをいたします。
 まず一番に、本保険の対象機種の指定に当たっては、中小企業の設備近代化と機械工業の振興に資する機械類が選定されることになっておりますが、具体的にはどんな基準でこれが選定されるものか、御説明願いたい、こう思います。
#171
○豊島政府委員 先生御指摘のように、対象とすべき機械類は、中小企業の設備の近代化を図るためとか、それから機械工業の振興に資するということでございますが、具体的な基準というのはいろいろございまして、最初のうちは工作機械からほかを含めまして四機種ぐらいできたわけでございますが、われわれの基本的に考えておりますのは、中小企業で最も使われる比率の高いものというのが一つの基準でございます。それから必ずしも中小企業で使われる比率が高いとは言えないけれども、たとえば公害防止関係とか社会的要請の強い機種というのもその対象に入れておるわけでございまして、いずれにしましても、現在行っております機械保険の対象機種というのは、ほとんど大部分は中小企業で保険が利用されている、こういうのが実態でございます。しかし、世の中の情勢はいろいろ変わりますので、最近においては、たとえば省エネルギーとか省力化とか安全機械とか、そういうような、そのときどきの時代に応じて追加していくということも当然考えております。
#172
○宮田委員 いまおっしゃいましたように、非常に激動する経済、社会の環境の中で、時代の変化に対応して、また時代を先取りして機動的に設備投資を行っていけるように、本保険の対象機種もまた時代の要請に敏速に対応して追加指定をしていかなければならぬ。さっきもおっしゃいましたけれども、この時代の要請に敏速に対応して追加していく必要があるということがまず一番でございます。その場合、中小企業の導入比率の高いものを極力指定することはもちろんでございますが、そうでないものであっても、社会的要請を背景として開発された機種については、時期を失することなく指定追加を行っていくことがさらに必要と思うわけですが、これについての見解と、さらには現在の指定機種、第一種が二十五ですか、第二種が二十九、こうなっておりますが、この中で中小企業の導入比率の高いものはどんなものがあるか、社会的要請の強い機種として指定したものはどういうものがあるか等々、わかっておりますならば御説明願いたい、こう思います。
#173
○豊島政府委員 中小企業の比率が高いというものとしましては、具体的には印刷機械、それから工業窯炉、鋳造装置、自動包装機械等が非常に高いと思います。それから時代の要請ということで、これは刻々変わるわけでございますが、最近までの動きを見ますと、公害防止装置とか公害関係計測器というもの、あるいは省エネルギー関係の機械あるいは安全化機械というようなものが今後考えられるというふうに思います。
#174
○宮田委員 今回新たに指定されます中小企業の経営管理の合理化及びソフトウエア業の振興に資するプログラムとはどんなプログラムか、説明をお願いしたいと思います。
#175
○豊島政府委員 プログラムの種類といたしましては、特に書くかどうかは別でございますが、中小企業の経営に役に立つ、あるいはソフトウエアの振興に役に立つということから申しますと、一つは、余り高くて大げさなものというのは中小企業のためではない。むしろ中小企業で一般的に使われるものというと一定の金額以下のものじゃないか。逆にソフトウエア企業の育成ということからいいますと、別に保険に頼らなくても売れる程度のものであれば、それは保険の対象にする必要がない。ある一定金額以上のもの、これは先ほど御質問ございまして、私ども確定的に考えているわけじゃございませんが、中小企業のためというと、一億を超えるようなものじゃなく、もう少し低い水準のものじゃなかろうか。あるいはソフトウエアの振興というと、余り小さい金額のものじゃなくて、しかし、そうかといって百万円以上ということもあるまい、何十万単位の下の水準じゃなかろうか、このように考えます。
 なお、種類につきましては、これはケース・バイ・ケースで非常にむずかしいのでございますが、少なくとも汎用プログラムということで流通するわけですから、具体的に委託を受けてソフトウエア・プログラムを開発するというときに、その資金を見るかどうかということでございますが、これはどちらかというと所有権は委託する方にあるので開発する方にはないということでございまして、この辺はむしろそういう資金は入らない。それからソフトウエア自身でございますと、広く言いますと、コンピューターの基本的な、コンピューターにくっついている、離れられないようなものもあろうかと思いますが、そういうものじゃなくて、どちらかというと応用的なソフトウエア・プログラムということですが、しかし、言葉の議論といたしましては、システムプログラムであっても独立して流通するものもございますので、その辺は弾力的に考えていきたい、このように考えております。
#176
○宮田委員 機械類の指定要件であります機械工業の振興に資するというのは、本邦、日本の機械工業のことと考えますが、保険引き受けに当たりまして輸入機械はどういう扱いをしておられるか。さらにソフトウエア業の振興に資するとしておるわけでございますが、外資系のソフトウエアハウスのプログラムについてはどういう扱いになるのか、この点お聞きいたします。
#177
○豊島政府委員 機械信用保険ができた当初におきましては、どちらかというと日本の国内情勢も日本の機械工業が先進国に追いつけ追い越せ、こういう意気込みでやっていたわけでございますから、当然のことながら国産機械を対象にしておったわけでございます。しかし、現在のところすでに日本の機械工業の水準も非常に高くなってきている。国際的にもいわゆる市場開放というような問題もございますので、そういう観点からもございまして、五十六年度から輸入機械も対象にするということでございます。
 それでは、そんな輸入機械を入れることは、中小企業の近代化には役立つわけでございますが、日本の機械工業の振興に役立つかという御疑問もあろうかと思いますが、やはりいい、新しい機械、特徴のある機械が、輸入品であっても入ってくるということは、日本の機械工業に対しても一つの刺激になるわけでございまして、そういう意味で、間接的には当然機械工業の振興にもなる、しかも、現在の国際環境を考えたとき、当然そうあるべきだ、このように考えておる次第でございます。
 なお、次のプログラムにつきましても、私どもとしましては、現下の情勢あるいは日本のソフトウエア産業の振興のためにも、そういう刺激剤としても、外資系のものも当然入れていきたい、このように考えております。
#178
○宮田委員 次に、制度の運営についてお伺いをいたします。
 まず、通産省の保険関係業務量は近年大幅に増大してきておると思うわけでございまして、この点もちょっとお聞きしたいわけでございますが、通産省の担当人員は数年前から地方局員も含めて三十三、四名程度で運営してきておる、こう言われておるわけでありまして、また昨年から機械保険課が機械保険室に、これは私の解釈でございますが格下げされておるというふうにも見えるわけでございます。行政簡素化というのは大いに推進しなければなりませんが、それが保険業務の処理の遅延や保険サービスの低下につながってはならない、こう考えるわけでございまして、したがって、これを機会に業務の処理体制の一層の合理化を図る必要があると思いますが、その点はどうかということ、さらに未経験のプログラム関係業務への対応については、万全の体制ができておるものかどうか等々をお聞きをしたいと思います。
#179
○豊島政府委員 保険の業務処理につきましては、五十三年度以来三十四名ということで、業務量は倍になっておるわけでございますが、実際問題として人はふえておらないわけでございます。しかし、そういう体制にございますが、やはり人をふやすだけが能でないということで、業務の電算機処理の推進あるいは提出書類の簡素化、まあ不必要というのはあれでございますが、省けるような添付書類はできるだけ省くということ、あるいはオフィスオートメーション機器の導入を積極的に図るということで、むしろサービスの向上にも努める、単に業務を処理するだけではなくて、そういうところまで持っていきたい、このように考えております。
 なお、プログラム信用保険ができまして、業務量もふえるわけでございますが、苦しい全体的な中で一名の増員ということでとりあえず賄うということでございますが、これも一名だけでやるわけではなくて、従来の人員、現在人員を含めまして、全体的な合理化といいますか、電算機の利用その他のいわゆる合理化によりまして、一名の増員で賄っていきたい。これによって決して利用者に御迷惑をかけるようなことのないようにしたいと考えております。
#180
○宮田委員 次に、最近の保険の運営状況あるいは財務状況をお聞きいたします。
 五十六年度に一般会計から五億円の出資が行われております。五十七年度にも三億円の出資金が計上されておるわけでございまして、二年続けて資本金を増額されておるわけでございますが、この理由は何か、お聞かせ願いたいと思います。
#181
○豊島政府委員 機械保険の利用状況につきましては、年々非常に伸びておりまして、業務量も五十三年から倍に伸びるというようなことをいま申し上げたわけでございますが、五十四年度については、企業倒産が非常に多かったということでございまして、一年度で八億七千万円ぐらいの赤字となり、累計で九億四千万と、これまでの赤字の中で一番多い赤字を出したわけでございます。そういうこともございまして、五十六年度におきましては、五億でございますか資本金の増加を図ったわけでございますが、五十七年度分につきまして三億の出資をお願いしたのは、そういう従来の事業に対する赤字といいますか、そういうものに対する財政面での補強ということではなくて、新しくプログラム保険を創設する、そのためのいわゆる準備が要るんじゃないか、こういうことで三億いただいているわけでございまして、従来の保険につきましては、今後いろいろな面での対策を講じて解決していく、こういうことになろうかと思います。
#182
○宮田委員 五十七年度の保険引き受け額の見込みがどの程度かということ。そのうちにプログラム保険の引き受けはどの程度見込んでおられるか。五十七年度の引き受け限度額六千五百億円の積算根拠、これをひとつ教えてほしい、こう思います。
#183
○豊島政府委員 五十七年度の総引き受け額は四千六百億でございますが、そのうちプログラム保険は、初年度でございまして、七月発足、いろいろな事務がございますし、契約関係もずいぶん時間がかかると思いますので、大体十億程度、先ほど非常に少ないという御指摘がございましたが、とりあえずそのくらいの規模でスタートするのではないかと思います。
 なお、限度額につきましては、一応四千六百億ということを見込んでおるわけでございますが、実際くるのはそれ以上になるかもわからないということで、せっかく利用者があるのに予想より上回ったとき対応できないということでは困るわけでございますので、従来大体四割増、四割くらいの余裕を見て限度額を決めておるということでございますので、四割の余裕ということで四千六百億に対して六千五百億になる、こういう計算になるわけでございます。
#184
○宮田委員 次に、プログラムの保険料率はどの程度予定しておられるかということが一つ。
 もう一つは、中小企業に対します本制度の普及活動については従来どうしておられたかということ。今回の制度充実に伴って一層のPR活動が必要と思いますが、その展開をどうなさるのか。その場合に割賦・ローン、リースのそれぞれのメリットを明示してやることが重要と思いますけれども、この点についてはどういうふうにお考えか、お聞きいたします。
#185
○豊島政府委員 プログラムの保険料率につきましては、基本的には通常どのくらいの事故が起きるかあるいは回収がどのくらいあるかということでいろいろと勘案してやるわけでございますが、スタートということで、従来の一般並みよりはやや高目にせざるを得ないのじゃないかと思います。しかし、できるだけ低い方がいいわけでございますので、大体めどとしては、現行のリース信用保険料率に近いものにしたい、このように考えております。現在のリース保険料率は六十カ月物で〇・五二六、まあそこまでいけるかどうかわかりませんが、なるべくそれに近い数字にしたいと思っております。
 それから、普及といいますか、PRについてでございますが、従来からパンフレット等を作成して随時説明会を開催するほか、業界団体あるいは各道府県貸与機関、これは中小企業の設備近代化のために四十六の道府県では財団法人による貸与機関をやっておりまして、この関係で相当利用されておるわけですが、そういう機関等を通じまして中小企業への普及、中小企業者に対してPRを行っておるということでございまして、新しいプログラム保険についても同様の方法で進めていきたいと思っております。その節、いま御指摘のありましたように、リース、割賦、それぞれにつきましてどういうメリットがあるかということは、当然のことながらPRの対象といいますか、中身となることは言うまでもございません。
#186
○宮田委員 次に、最近の中小企業の設備投資動向と今後の見通しをお示し願いたいということが一つと、もう一つは、中小企業の設備投資を促進するためには、現状での保険制度の拡充や金融緩和のみでは何の効果もないのではないか、こう思うわけです。内需の拡大策を積極的に推進することが最重要と思いますが、この点はどういう考え方をお持ちかということ。三つ目は、最近の設備投資に占めますリースの割合、リース取引の中小企業の利用比率、これはどうなっておるか、この三つをお聞きいたします。
#187
○勝谷政府委員 中小企業の設備投資について申し上げます。
 中小企業の設備投資は五十五年度下期以降低迷状態を続けております。最近におきましても、個人消費や住宅投資等の内需の伸びの鈍さを反映いたしました中小企業経営者の景気に対します先行き不透明感を背景にいたしまして、十分な動意が見られておりません。しかしながら、中小企業の設備のうちかなりの部分が老朽化しておりますことから、潜在的な設備投資意欲には根強いものがございます。したがいまして、今後中小企業に大きな影響を与えます個人消費の回復とか住宅投資の促進及び公共事業の促進執行等の内需拡大策等によりまして、景況感が改善いたしまして、投資意欲が顕在化することが期待されるわけでございます。私どもといたしましても、現行中小企業施策の機動的、弾力的運用によりまして、投資環境の整備に十分配慮してまいりたいと考えております。
 中小企業の設備投資の促進のためには、内需の拡大策が重要という先生の御指摘、まさにそのとおりでございます。
#188
○豊島政府委員 先生の第三番目の御質問の設備投資に占めるリースの比率、その中で中小企業がどのくらいかということでございますが、これに関しましては、昨年の九月十五日の時点で実施した調査によりますと、通産省所管業種の設備投資全体に対して一〇%超の比重を占めておる。しかもそれが年々増加しておるわけでございまして、全体の動きとしては今後もふえていくのではないかと思います。
 それから、その調査の回答企業の契約相手先の企業の規模を見ますと、資本金一億円以下、必ずしも中小企業の定義と一致しているかどうか問題でございますが、資本金一億円以下の企業の比率が四四%ということでございまして、官公庁等を除けば五割強ということでございまして、民間の場合は大体五割強が中小企業である、こういうふうに言えるのではないかと思います。
#189
○宮田委員 最後に、要望を申し上げておきます。
 この法律の改正による効果というのは非常に大きいのではないか、今日の状況が状況だけにそう思います。さらに期待も非常に大きいと思うわけでございますが、要は、受け入れ側の企業経営者が積極的にこれを取り入れてくれなければ意味がない、こう思っておるところでございまして、そのためには中小企業経営者に対する教育、PR活動を、さっきも答弁の中でいろいろおっしゃっておりましたけれども、活発にしてほしいということ、それからできれば共同利用の活用ということも一応考えておいてほしい、こういうことを要望として申し述べて、私の質問を終わります。
#190
○渡部委員長 渡辺貢君。
#191
○渡辺(貢)委員 今回の機械類信用保険法の一部を改正する法律案の中で、第一条の目的規定が変わるわけであります。特にこの目的規定の中で二つの点で重要な改正だというふうに思うわけであります。
 一つは、中小企業の経営管理の合理化ということが改正点にうたわれております。もう一つは、ソフトウエア業の振興でありますが、この法改正の目的を現実のものにしていくためにも、法の運用が大変必要だというふうに思うわけですね。プログラム使用権などを保険の対象にした、一つの政策手段だと思いますけれども、中小企業の経営の合理化ということになるといろいろのプロセスを経なければならないというふうに思うわけなんですが、まず、その点についてお尋ねをいたしたいと思います。
#192
○豊島政府委員 この制度の目的に、いま御指摘の中小企業の経営の合理化、ソフトウエア業の振興ということが加わったわけでございますが、中小企業の経営の合理化という点について申しますと、この保険が裏づけとなって、信用力がないといいますか、信用基礎が不十分な中小企業も割賦やリースで容易にプログラムが利用できる、こういうことでございまして、コンピューターの活用といいますか、一層高度な利用が可能となるということで、中小企業の経営の合理化に役立つ、このように考える次第でございます。
 それから、ソフトウエア業の振興につきましては、制度創設によりましてプログラム需要が安定的に拡大して、プログラムの効率的な開発が促進される。また安定的な販売活動も可能になる。それからプログラム開発につきましては、非常に多くの資金といいますか、コストが要るわけですが、基盤の脆弱なソフトウエア業者にとりましては、リースやローンを通じてたくさん売れるということになると、資金の回収ができる。このことは同時に、プログラムを買う側の中小企業にとりましても安く手に入るということにもつながるわけで、両々相まつわけでございますが、こういう効果を持つわけでございます。
 したがいまして、この保険制度の運用をどうするかということでございますが、以上のような目的に沿った効果が十分上がるように、私どもとしましては、中小企業に制度の趣旨を十分御理解いただくように努める、他方保険契約を締結するに当たっては、契約者にもその趣旨を十分説明して、この二つの目的が十分達せられるように運用面でも努力していきたいと思っております。
#193
○渡辺(貢)委員 本法の中では機械類の割賦、リース等についての保険もすでに担保されているわけなんですが、今度こうしたプログラム使用権も担保されるわけですけれども、中小企業にとってみれば、コンピューターの導入というのは経営の合理化にも確かに大きなメリットがあるというふうにいろいろの調査の中でも明らかであります。ただ、コンピューター本体も全体としてはコストダウンが図られてなかなか安くはなっておりますけれども、これは「電算マネージメントの虚実」という日本興業銀行中小企業センターの分析なんですけれども、中堅中小企業にとってはコンピューター使用は決して安くない、こういうふうな分析も書かれておりますし、またコンピューター費用の中の人件費は、機器費用の三〇%ないし四〇%を占める、こういうような分析があるわけであります。ですから、保険で担保される、だから販路は拡大するということで割賦販売業者、リース業者が一生懸命売るという、ある意味での条件はつくられるというふうに思うのですけれども、先ほどの御答弁の中でもございましたように、設備投資も非常に低迷をしておる、中小企業の置かれている経済条件もよくないという中で、それだけの費用をかけなければならないというのは大変だと思うわけなんですね。昨年六月十五日の産構審の情報部会の答申の中でも、こういうふうに言われていますね。たとえばソフトウエアの保守を本質的に必要とする、つまりハードな機械本体をもっと有効に使っていく上ではソフトウエアの保守を本質的に改善をしなければならない、しかしソフトウエアのライフサイクルコストを占める保守コストの割合は七割にも上る、こういう分析がされているわけでありますが、この保守コストの七割というのはどういうものを指して七割というふうにしていくのか、この点についてちょっとお尋ねをしたいと思います。
#194
○豊島政府委員 保守コストの中身というのはいろいろございましょうが、メンテナンス費用の中にも入るのじゃないかと思いますし、メンテナンス費用というのが一番かかるんじゃないかということだと思います。
 メンテナンス費用は何かといいますと、物理的なものというよりは、たとえば一定のプログラムを売った場合におきましても、その会社がだんだん発展していくあるいは内容が変わっていくということに関して、環境の変化に応じましてその中身を常時直していく、そうしないと、いままでのものだけでそのまま適用できない、したがってプログラムを有効に利用するためには常に不断の改良、改修を行っていく、そういうことが必要であろうか、それが保守コストになろうかと思います。
#195
○渡辺(貢)委員 そうしますと、かなり日常的にそういうメンテナンス業務が必要になってくるし、ハードそのものの性能を高めていくという努力が放置されたのでは、中小企業の経営の合理化に資することができないと思うわけですが、それが七割を占める、さらに八〇年代にはハードそのものよりもソフトの比重が高くなる、こういうふうに言われているわけであります。そういう点で、情報化社会だあるいは保険で担保されているんだからということで、リース業者あるいは割賦業者の皆さんが拡販競争で売らんかなということで市場の拡大を図っていく、しかし受け入れの措置が十分にないということになりますと、せっかく買った本体部あるいはプログラムも十分に活用できないということになってしまうわけであります。
 そういう点で、冒頭に触れましたように、法の適正な運用を図っていく上では、中小業者の皆さんにも十分な御理解をいただき、同時に、割賦業者やリース業者の方々に対しても、法の趣旨を十分に徹底することが必要だと思うわけですね。よく言われておりますように、日本の農業も大変近代化したけれども、農村に行ってみると、各種の農業機械が購入されて、それが必ずしも有効に活用されていないという批判もございます。そういう点で、ひとつ通産大臣から、この法の運用に当たってどういう姿勢で取り組んでいくかということにつきまして、改めて御見解を承りたいと思います。
#196
○安倍国務大臣 本法が制定をされますと、割賦業者等はユーザーの効果を無視した売り込みを行う、そうすると、中小企業の経営管理の合理化を図る立場から見ますと、本法の運用に当たってはユーザーの効果が出るように配慮すべきだと思うがという御見解でございますが、近年中小企業におけるコンピューターの利用が非常に活発化いたしております。しかし、プログラムの入手に当たりましては、信用力が非常に乏しいということもあるし、なかなか割り高でもありますし、中小企業は購入がむずかしい。そこでリースあるいは割賦販売を受けられない場合が見られるわけでございます。そのために、中小企業のプログラムの入手を円滑化し、その経営管理の合理化を図ることが本制度の創設の目的であるわけです。
 制度運用に当たって、保険契約を締結するリース事業者等について、従来の取引実績をよく勘案をして、押し込み販売等を行う事業者が対象とならないように、十分これは配慮をしていきたい。
 また、中小企業者がプログラムの購入に当たり、その効用が十分に評価し得るように、情報化システム利用センターの創設あるいは中小企業大学校のコース拡充等の施策を講ずることといたしておるわけであります。
#197
○渡辺(貢)委員 若干食い違った面もあるかと思うのですが、ひとつ十分リースあるいは割賦業者に対する法の精神に基づく指導、運用を要望しておきたいと思います。
 そこで、現行法の運用の実態でございますけれども、信用保険特別会計の損益計算でございます。昭和五十三年から五十七年、これは推計でありますけれども、それぞれ決算がされ、あるいは推計がされていると思うわけでありますが、現実に全体として保険会計がプラスなのかマイナスなのか。またマイナスであるとすれば、どういう点が問題なのかという点についてお尋ねをいたしたいと思います。
#198
○豊島政府委員 機械保険の収支でございますが、五十四年度には保険金請求額が急増いたしまして、損益計算上八億七千万円の赤字になりまして、累計損益も約九億四千万円。それ以前は余りなかったわけですが、五十四年度に非常にふえたということで九億四千万円になったということでございます。それで五十五年度におきましても、保険金の請求は一向に減らないということでございまして、さらにこの赤字幅はふえたということで、大体累計は十五億三千万円の赤字というのが実際でございます。
 保険会計の収支がこのようにこの二年間にわたりまして大きく悪化しました原因は、企業倒産が非常に多く発生して、特に昭和五十五年度の史上第二位の中小企業の倒産件数を記録した年ということと相関連しているのじゃないかと思いますが、いずれにしても倒産が多かったということでございます。
 なお、五十六年度を見ますと、資本金の繰り入れを五億円ぐらいいたしまして、そのほか一部機種の保険料の引き上げも実施しましたことによりまして、会計はかなり健全化している。それから単年度の収支といたしましても、大体一億円ぐらいは五十六年度は黒字になるのじゃないか、このように予定しております。
#199
○渡辺(貢)委員 背景には中小企業の倒産など経済動向が大きく左右をしておるというのがポイントだと思います。私も、決してこれが赤字だからだといって単に批判をするだけではありませんが、もう一つ考えてみなければなりませんのは、この保険制度というのは、中小企業のユーザーの皆さんが直接保険を掛けるわけではないわけですね。つまり割賦業者、リース業者が被保険者になるという制度でありまして、そういう点からいくと、この保険の運用に当たっては、被保険者のモラルの問題というのは看過することができないと思うのですが、この運用に当たっていろいろ正しくないといいましょうか、不十分な運用の結果、ペナルティーを科せられるというふうな事態も若干起きているやに聞いておりますけれども、その点の現状はいかがでありましょうか。
#200
○豊島政府委員 この保険は、政府が割賦販売業者、リース業者と保険契約を結ぶわけでございますが、てん補率が、先ほど諸先生から御指摘がありましたように、五〇%とほかの保険に比べまして非常に低いわけでございまして、この点、中小企業者との面どうなっているか、あるいは機械工業の振興のために不十分じゃないかという御指摘もあったのですが、その反面、機械メーカーないしは業者が売るにつきましては、自己危険負担も非常に多いわけでございます。したがいまして、そういう無理な売り方とか変な売り方をすることによる被害というのは、直接売った方にかかってくるわけで、てん補率が非常に高い場合は、利益がないけれども、大体元は回収できる、こういうこととは大分違った状況で、余りそういうことはないんじゃないかというふうに考えております。
 ただ、保険金の支払いの際に、本当にその事故が起こったかどうかということが問題でございまして、実際事故が起こらなかったり事故が発生してないようなものについての請求があるということ、あるいは故意または重大な過失があったというようなことでは、とても保険金としては払えないものでございますが、この点については厳重に審査を行っているわけでございまして、なお回収についても同様厳重に監視をしておるというのがわれわれの運営方針でございます。
#201
○渡辺(貢)委員 必ずしも事故が多いということではないという御説明でありますけれども、今後の問題として、拡販の競争が激しくなっていけば、あるいは経済状況が悪いということになると、そういうおそれも十分あります。その面だけをチェックして強化するというだけではなくて、保険制度そのものの運用あるいは担保率の問題、あるいは保険の料金の問題など、さらに研究を深めていく必要がある、こういうふうに私は考えるわけであります。
 そこで、法改正の第二の目的でありますソフトウエア業の振興の問題でありますが、今日の日本のソフトウエア業の現状といいますか実態について、端的にどういう実態なのかということについて御説明をいただきたいと思うのです。
#202
○豊島政府委員 ソフトウエア業の実態でございますが、情報処理産業としてとらえますと、全体の数字から申し上げますと、企業数が千三百四十社、それから事業所数でいきますと千七百三十一事業所、従業員は全体として九万三千二百七十一人、その中でプログラマーが一万九千九百人、オペレーターが一万一千人ぐらい、あるいはキーパンチャーが二万二千人、そういう管理部門も一万人以上いるということでございまして、売り上げは大体六千七百億円というのが、この全体的な数字でございます。
 それで、そういうソフトウエア業が実際どうなっているかということでございますが、先ほどもほかの先生から御指摘がありましたように、メーカーとか銀行とか、いまいろいろ企業の系列系のものがわりと多いというので、独立系のものはまだ少ないじゃないか。あるいはその規模から見ましても、非常に小規模のものが多くて、アメリカの企業なんかと比べますと、上位十社と比べれば六分の一くらいの規模しかないということでございます。
 それからさらに、ソフトウエアの実態をあらわすものとして、いわゆる汎用プログラムの流通がどうなっているかということでございますが、アメリカあたりは五割ぐらいが全体のうちで流通しておる、日本はわずかに四%ぐらいしか流通してないということでございまして、これはいろいろな見方もありましょうけれども、日本の社会においていわゆるソフトといいますか、頭脳的な労働といいますか、そういうものがなかなか評価されない、あるいは自分の会社でいろいろなものを処理してしまう、あるいは自分のためにだけソフトを開発してくれということで、いわば独立したソフト企業というものが十分認められてないというところに基本的な原因があろうかと思います。そういう意味で、いわゆる流通が非常に少ない。そのほかいろいろあろうかと思いますが、それが一応の実態として御報告申し上げることができようかと思います。
#203
○渡辺(貢)委員 具体的な数字を挙げられて実態が述べられたわけでありますが、いまの局長さんのお話の中でも、端的に言うならば情報処理産業、ソフトウエア業界というのは比較的下請的業務が多い。そして大ユーザーやコンピューターメーカーの採算のもとで、分断されて一部の業務を請け負うということが支配的だ、こういう御見解だと思うのです。これは産構審の情報部会の答申そのものでございますから、いまのお話全体を集約するとこういうふうになると思うのですが、非常にそういう性格を強く持っておる。同時に、通産省の機情法に基づく昭和五十三年十二月二十一日の告示第六百四十八号におきましても、「現状は、総じて手工業的、一品生産的生産体制のもとで、」「電子計算機ユーザーの行うソフトウエア開発を部分的に補う受動的な形態」である、こういう指摘があるわけなんですね。
 そこで、こういう業界の実態からして、つまり電算機メーカーやあるいは大ユーザーに従属的な地位にあるという点から、取引の面においてもいろいろの問題が起きているというふうに私は考えるわけでありますが、公取おいでですね。――独禁法における不公正取引という独禁法第十九条の概念、同時に昭和二十八年九月一日の公取の告示の中で、不公正取引についての解明がされているわけでありますが、その趣旨について御説明をいただきたいと思います。
#204
○相場政府委員 独占禁止法十九条で不公正な取引方法を禁止いたしております。その不公正な取引方法とはいかなるものかということを独禁法第二条で規定いたしておるわけでございます。
 幾つかの項目を規定いたしておりますが、その中で「自己の取引上の地位を不当に利用して相手方と取引すること。」というのがございます。そういった独禁法第二条の項目をさらに具体化したものが、先生御指摘の昭和二十八年九月一日付の告示ということになっておるわけでございます。その告示の第十号で「自己の取引上の地位が相手方に対して優越していることを利用して、正常な商慣習に照して相手方に不当に不利益な条件で取引すること。」いわば相手方に対しまして非常に不利益な条件を押しつけて、これでもって取引するんだということを、不公正な取引方法の内容として指定いたしまして、これを禁止いたしている、こういう趣旨でございます。
#205
○渡辺(貢)委員 そこで、通産省にもう一度お尋ねしたいと思うのですけれども、たとえば電算機のメーカーとソフトハウスとの間でプログラムの作成の請負契約を結ぶとか、あるいは業務の委託契約を結ぶというふうな場合に、何かきちっと決まったような契約書というものがつくられているのかどうか、その点についてちょっと一言……。
#206
○豊島政府委員 当然契約に基づいてやっておるわけでございますが、その契約の中身につきまして、現在のところ、こういう契約でなくてはいけないということまで立ち入ったことは言っておりません。しかし、基本的には、このメーカーあるいはソフトハウスの関係で情報処理産業が健全に発達するためには、そういう不公正な契約が行われるというようなことは非常に避けなくてはいけない問題でございますので、もしそういうことがあれば適切な指導をしていきたい、このように考えております。
#207
○渡辺(貢)委員 これはわが国でも大手のコンピューターメーカーの契約書でありますけれども、たとえばその第二十条の中に、「債務不履行と契約解除」という項があるわけですね。「システムエンジニアリング業務委託契約書」というものでありますが、この中に「受託者が次の各号の一つにでも該当する場合は、A社は何らの通知催告をすることなく本契約を解除することができるものとします。」ということで、各号が一から十まであります。たとえば、SE業務が実行できないというふうにA社が認めたときとか、あるいは受託者に労働争議等が発生し、本契約を必要な期間内に実施することが困難であるとA社が認めたとき。つまりA社という大メーカーとB社というソフトハウスとの間で結ばれている契約書でありますけれども、こういう解約条項の中に、いつでもA社が一方的に通知催告することもなくて解約することができるという規定があるわけであります。これは業務委託契約でありますけれども、「ソフトウエア作成請負契約書」の第十七条でも同じような規定があるわけなんですね。やはり優越した地位にあるからこういう契約が結ばれる。
 これは書面の上だけではなくて、現実にどんなふうに契約が遂行されているかというと、これは調査の結果でありますけれども、電算労というソフトウエア業界の皆さんがつくっている労働組合の調査であります。普通、こういう複雑な高度に知識が集約されたプログラム等をつくる場合に、仕様書が文書によってつくられるのが当然だと思うのですけれども、契約時においては文書でまとまっていないというのが四三%を占めているわけですね。さらにいよいよ実施段階に入ると、仕様の変更だといって大幅に変更される、これが五三・三%。作業中に仕様が変更されるというのが六六%を占めるわけなんです。そして契約の条件の変更というのは、そういう仕様の変更があっても納期などは変わらないというのが六四%なんです。
 こういうふうに途中での仕様の変更などがあると、せっかく作業をしてきたのが役に立たなくなってしまう。やむを得ず長時間の残業をしなければ仕事を完成させることができない。もしうまくいかなかったらいつでもA社から解約されてしまう。こういう危機に直面をするわけですから、B社としては、ソフトハウスとしては大変な努力をしなければならない。にもかかわらず、納期等の条件はほとんど変更されないということなんですね。つまり最も先端的な情報処理産業において、知識集約型と言われているこの分野において、こういう契約はある意味では前近代的なものだ。最近までは念書であるとかあるいは誓約書というものだけで契約が結ばれていたというふうに聞いているわけであります。私はこれは、個々の企業の問題もありますけれども、現実にやられている一般的な問題として指摘しているわけでありますが、こういうものが普遍化をしていきますと、やはり不公平な取引を生むおそれがあるのではないか。ひいてはソフトウエア産業の健全な発展にとって大きな桎梏になってくると考えるわけでありますが、この点について公取の方の御見解をまず承りたいと思います。
#208
○相場政府委員 十九条の不公正な取引方法ということで禁止いたしております項目、先ほど申し上げたとおりでございますが、これらはいずれも、そういったものの中でいわば公正な競争を阻害するおそれの強いものとして、私どもはこれを指定いたしておるわけでございます。果たして公正な競争との関連でどうであるかという問題も、さらに検討する必要があろうかと思いますが、その前に、御指摘のような問題というものは比較的新しい問題かと思うわけでございます。そういうこともございまして、現在まで公正取引委員会でこういった問題を取り上げて調査したというような経験が実はないわけでございます。これが不公正な取引方法に該当するかどうか、いわば法律に違反するかどうかという点につきましては、さらにいろいろな実態その他十分検討する必要があろうかと思っておるわけでございます。御指摘の点も含めまして、私どもといたしましては、さらに勉強させていただきたいと考えております。
#209
○渡辺(貢)委員 公取からそういう御答弁でございますけれども、法の目的からいって、ソフトウエア業の正常な振興を図っていく上で、やはり正常な商慣習、商取引が確立されていかなければならないと思いますので、その点を通産省の指導に当たってもひとつ強く要望しておきたいと思います。
 労働省、お見えですね。――こういう先端技術産業の中で、労働者の置かれている実態は、実は大変深刻な事態でありまして、ここにも実態調査がございます。たとえばここで働くシステムエンジニアあるいはプログラマー等の調査を見ますと、健康であるというのは一二・五%、そして何らかの疾病、疾患があるというのが圧倒的でありまして、視力が落ちたというのが四一・五%、胃腸が不調というのが三一・七%、精神的に非常に不安定な状況に置かれているという方が二一%を占めているわけなんです。
 なぜ、特にこういう状態が起きるかということになりますと、一つは、長時間の残業、そしてソフトウエア業界における特徴としての派遣という形があるわけでして、三六協定では、大体最高五十時間ぐらいで協定が結ばれておりますけれども、ほぼ五〇%近い人が六十時間以上の残業なんですね。月に百二十時間以上の残業というのが一五%を占めておりますし、中には三百時間の残業――三百時間の残業というと、一日八時間としまして三十日間、一日十五時間働かなければ三百時間の残業をこなすことができないわけなんです。こういうふうに労働基準法の上でもいろいろ問題がある、あるいは疾病が非常に多いということで、労働衛生上でも問題がたくさんあります。さらに三十五歳限界説と言われているように、プログラマーなどもう体力的にも三十五歳が限界だ、こう言われているわけなんですが、このソフトウエアを支えていく一番根幹になる労働者がこういう現状であります。
 そういう点で、労働省においても、こうした産業で働く労働者の実態等についての研究やあるいは労基法上の問題などいろいろ御検討があろうかと思うのですけれども、御見解を承りたいと思います。
#210
○岡部説明員 ただいま先生からコンピューター関係労働者の労働時間のお話があったわけでございます。
 平均的な姿でございますが、賃金構造基本統計調査によりますと、これは五十五年の数値でございますが、全産業の労働者の月の労働時間は百九十七時間でございます。これに対しましてシステムエンジニア男性の場合百九十四時間、プログラマー男性の場合は百九十七時間、オペレーター男性の場合百九十時間ということでございまして、全労働者の労働時間と比較をいたしますと、大体平均値前後の数字でございます。女性同士を比較いたしてみますと、女性につきましては大体同じような数字でございます。
 ただ、残業というのは労働時間の内数でございます。全労働者平均が月十五時間に対しまして、システムエンジニアの男性の場合が三十時間、プログラマー男性の場合が二十九時間、オペレーター男性の場合が二十一時間ということで、残業数自体は多少高目に出ておりますが、しかし、問題は総労働時間でございまして、冒頭申し上げましたように、この時間数はそう全産業平均と変わりはございません。
 ただ、一部に非常に長時間になる場合があるというふうに私ども聞き及んでおるわけでございまして、したがいまして、関連企業の集中している地域におきましては、労働時間の適正化を中心に集団指導を実施するあるいは個別監督指導を実施するということで、今後ともコンピューター関係労働者の労働条件の改善に努めてまいりたいというふうに考えております。
#211
○渡辺(貢)委員 新しい分野でありますので、さらに一層の研究と適切な御指導を要望したいと思います。
 最後に、先ほども触れました通産省のソフトウエア業の高度化計画、昭和五十三年十二月二十一日の告示第六百四十八号の中で、こういう叙述があるわけです。「昭和五十九年度におけるプログラム作成費その他合理化の目標」ということで、「ソフトウエア開発用の電子計算機及びその周辺端末装置の設置の促進、技術の向上等により生産性の向上を図り、プログラムの作成費を昭和五十二年度における処理内容が同等のプログラムの作成費の実質六〇パーセント以下とする。」つまり昭和五十九年には五十二年度作成のプログラムの原価をさらに下回る六〇%で作成をするという、こういうかなり高い高度化計画があるわけであります。そうすると、ややもすると、十分に条件が整っていない間に、いま指摘いたしましたように、労働者の大変な過密労働という事態も起こりかねない。そういう点で、ソフトウエア業界全体の振興を図るということであるならば、業界そのもの、そこで働く十万の労働者の実態を十分に把握をして、全体としての総合的な振興策が必要であろうというふうに考えるわけでありますが、最後に、この点について局長並びに大臣の御所見を承りたいと思います。
#212
○豊島政府委員 先生御指摘のように、ソフトウエア業の振興のためには、そこで働く人たちの労働環境といいますか、そこに働く人たちの能力が十分発揮されるということが一番大事でございまして、われわれとしましても、新しい産業だけに非常に末端といいますか、全体の業態の把握ということがいずれにしても必ずしも十分でないということは認めざるを得ないと思います。したがいまして、今後ともそういう実態について十分把握をしていきたいと思っております。
 なお、先ほど来御指摘の取引の問題いろいろございますが、要はソフトウエア業そのものの地位がまだ低いということに基本がございまして、そのためにはソフトウエアのプログラムのたとえば使用権の問題、いわゆる法的な保護の問題あるいは評価の問題、あるいはその企業基盤の強化、そういうことを通じてソフトウエア企業が一人前になれば、おのずからそこにおける労働環境もよくなるわけでございまして、いわゆるゆがめられた点について是正するということと同時に、その基本となる企業の基盤の強化、産業基盤の強化ということを図っていくことが必要でないか、そういう方向で邁進したいと思っております。
#213
○安倍国務大臣 情報処理産業、これからどんどん伸びていくことは間違いないわけで、いまお話しのように、売り上げも伸びていくでしょうし、それから従事者も大きく伸びていくわけでありますから、そういう面で社会的あるいは経済的に与える影響というものも相当出てくることは否めないわけでございます。そういう中にあって、やはりこれは将来最も必要な産業の一つとして基盤を強化していくために、いろいろの対策を強力に推進していかなければならない。いま局長が申し上げましたようないろいろの施策を、今後とも通産省としては総合的に進めてまいりたいと考えております。
#214
○渡辺(貢)委員 終わります。
#215
○渡部委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#216
○渡部委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 機械類信用保険法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#217
○渡部委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました本案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#218
○渡部委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
#219
○渡部委員長 次に、内閣提出、アルコール製造事業の新エネルギー総合開発機構への移管のためのアルコール専売法等の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。安倍通商産業大臣。
    ―――――――――――――
 アルコール製造事業の新エネルギー総合開発機構への移管のためのアルコール専売法等の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#220
○安倍国務大臣 アルコール製造事業の新エネルギー総合開発機構への移管のためのアルコール専売法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 わが国におきましては、昭和十二年のアルコール専売法の施行に伴い燃料用アルコールの自給力を急速に向上させることを主たる目的として、国みずからによるエチルアルコールの製造が開始され、その後工業用アルコールの安定供給等にその役割りを変更しつつ、国営によるアルコール製造を行ってまいりました。
 しかるに、最近に至り、行政の簡素化及びアルコール専売事業の効率化を図る観点から、その経営形態のあり方について学識経験者から成る機関において慎重な審議が重ねられてきたところであります。
 政府としては、これらの審議結果を踏まえ、かつ、石油危機以降アルコールが将来の石油代替エネルギーの一つとして世界的に期待を集め、わが国においてもその開発利用の推進が必要とされている事情を勘案し、アルコール専売事業の製造部門を本年十月に新エネルギー総合開発機構へ移管することを決定いたしました。この決定を実行に移すため、今般アルコール専売法等について所要の改正を行うことを内容として、この法律案を提出いたした次第であります。
 次に、この法律案の要旨につきまして、御説明申し上げます。
 第一は、アルコール専売法を改正いたしまして、政府が新エネルギー総合開発機構にアルコールの製造を行わせることであります。政府は、毎年度開始前にアルコールの収納に関する計画を定めて機構に通知し、これを受けて機構はアルコール製造に関する業務を行うこととなります。これに伴い、機構におけるアルコール製造業務に係る経理区分等について所要の規定の整備を行うこととしております。
 第二は、アルコール製造事業の機構への移管に伴いまして、通商産業省基礎産業局アルコール事業部を廃止する等通商産業省設置法の改正を行うことであります。
 第三は、アルコール専売事業を公共企業体等労働関係法の適用対象から除外することであります。
 第四は、アルコール専売共済組合を廃止し、通商産業省共済組合へ統合するため、国家公務員共済組合法を改正することであります。
 その他国から機構への権利義務の承継等所要の規定の整備を行うことといたしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#221
○渡部委員長 次回は、来る二十六日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時二十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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