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1949/04/28 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 農林委員会 第33号
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1949/04/28 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 農林委員会 第33号

#1
第007回国会 農林委員会 第33号
昭和二十五年四月二十八日(金曜日)
  ―――――――――――――
  委員の異動
四月二十六日委員柴田政次君辞任につ
き、その補欠として團伊能君を議長に
おいて指名した。
四月二十八日委員團伊能君辞任につ
き、その補欠として柴田政次君を議長
において指名した。
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○狩猟法の一部を改正する法律案(伊
 達源一郎君外九名発議)
○自作農創設特別措置法の一部を改正
 する等の法律案(内閣提出・衆議院
 送付)
  ―――――――――――――
   午後一時四十六分開会
#2
○委員長(楠見義男君) 只今より委員会を開会いたします。
 速記を止めて下さい。
   午後一時四十七分速記中止
  ―――――――――――――
   午後三時四十五分速記開始
#3
○委員長(楠見義男君) 速記を始めて下さい。それでは狩猟法の一部を改正する法律案を議題にいたします。
 この法律案は伊達源一郎君外九名の本院議員の御提案に成る法案でございまして、当方が先議でありますので、至急にこれの御決定を願つて、若し御採決を得れば衆議院に早く送付する必要がありますので、日程の予定を変更いたしまして御審議を煩わす次第でありますが、右申上げましたような事情でありますので、御了承の上御審議を頂きたいと思います。
 最初に提案者を代表せられて伊達源一郎君か提案理由の御説明を伺うことにいたします。
#4
○委員外議員(伊達源一郎君) 只今議題となりました「狩猟法の一部を改正する法律案」場の提案理由につきまして、大要を御説明申上げます。
 我国におきましては、諸外国に比し一般に国民の鳥獣に対する認識が極めて薄く、有益鳥獣保護の方策も不徹底でありましたため、従来鳥獣は、次第にその数を減じて来たのでありますが、戰時中の濫獲は特に著しく、さらに又、森林の濫伐等は鳥獣の自然的生育の條件を奪うこととなりましたため、近頃著くその数を減じ、若し、このままに推移いたしますときは、或る種の鳥獣は、わが国から永久にその姿を没することとなる虞れがあるのであります。
 近時全国的に蔓延して非常なる損害を加えつつあります森林害虫の異常な発生は、害虫の天敵たる鳥類の激減によりますところが多く、まつくい虫、野鼠その他の有害動物の繁殖により農林業等の被る損害は、非常なるものがあります。
 こうした事態に対応いたしまして有益鳥獣につきましては、單にその捕獲を制限するだけでは不十分でありまして、積極的にその保護繁殖を図ることにより我国農林水産業等の発展に資する必要があるのであります。
 次に、本法案の主な内容を簡單に御説明申上げます。
 第一に、現行狩猟法は、鳥獣を保護鳥獣(第十二條の特別捕獲許可以外に捕獲を許さないもの)と狩猟鳥獸(主務大臣が指定するもの)とに区別いたし、狩猟鳥獸を法定猟具(銃器、網等の大量捕獲猟具)を以て捕獲する場合には、都道府県知事の許可を要することを規定しております。而して特殊狩猟鳥獸につきましては、農林大臣が地域を定めてその捕獸を禁止制限することができ、又法定猟具以外の方法による捕獲につきましては、都道府県知事が農林大臣の認可を得て制限又は禁止することとなつておりますが、法定猟具を用いての捕獲につきましては、危険予防に関する制限以外は、何らの制限が設けられておりませんために、従来種々の不都合が生じておじましたので、第一條に、特に「猟法」という字句を入れ、さらに「特殊ノ」という字句を削り、農林大臣又は都道府県知事は、狩猟鳥獣一般の捕獲についても、適宜適切な禁止又は制限をすることができることといたしたのであります。
 第二に、現在空気銃は銃器として規定されておりますので、空気銃を使用して狩猟鳥獸を捕獲するためには三千六百円の狩猟者税を支拂わなければなりませんが、実際上狩猟免許を受ける者が非常に少く、殆んど全部が密猟であり、その取締も全く不可能に近い状態であります。併しこれを全々放任しておきますことは、鳥獣保護の見地からみて適当ではありませんから、特に空気銃につきましては、これを免許の対照たる猟具から除外し、簡易な狩猟登録の制度を設けることとし、その取締を容易にすることといたしたのであります。
 第三に、現行狩猟法によりますと、猟期は、内地におきましては、十月十五日から翌年四月十五日まで、北海道におきましては、九月で五日から翌年四月十五日まででありまして、特殊の狩猟鳥獣につきましては、更に、猟期を限定することができることとなつておりますが、第五條中「特殊ノ」という字句を削ることにより、農林大臣は広く狩猟鳥獣一般についても、猟期を限定し得ることといたしたのであります。尚、猟期外に、法定猟具以外のものを使用して、狩猟鳥獣を猟獲することは違反であるか否かにつきましては、疑問がありましたので、これを明確にし、猟期外におきましては、第十二條の特別捕獲許可による外は、狩猟鳥獣の捕獲は全く禁止する旨を明かにいたしたのであります。
 第四に、狩猟免許及び狩猟登録を受けるにつきましては、五百円を超えない範囲内において省令で定める額の手数料を納付すべきことといたしました外、この法律に基く省令に違反して罰金以上の刑に処せられた者が狩猟免許を受け得ない期間を一年から二年に引上げることにいたしたのであります。
 第五に、鳥獣の積極的な保護繁殖を図るため、農林大臣又は都道府県知事は、鳥獣保護区を設けることができ、鳥獣保護区内には、営巣、給餌、給水等の保護施設を設けると共に、鳥獣の繁殖と生育に支障のある水面の埋立、干拓、立木竹の伐採、工作物の設置等は、農林大臣又は都道府県知事の許可を受けさせることとし、これによつて損害を被つた者に対しては補償を與えることといたしたのであります。
 第六に、狩猟鳥獣の種類の決定、捕獲の禁止若しくは制限又は鳥獣保護区の設定には、公聽会を開きまして、利害関係人及び学識経験者の意見を聴いて手続を愼重且つ民主的にすることにいたしたのであります。第七に、現在わが国におきましては、一部に、第十二條の特別捕獲許可により捕獲した保護鳥獸の飼養が行われておりますが、これにつきましては、特に飼養許可証を発行とて、特別捕獲許可によらないで捕獲したものとの区別を明かにすることによりまして、取締を容易にいたしますと共に、その保護を図ることといたしたのであります。
 第八に、きじ及びやまどりはわが国特有のものでありますに拘らず、近年その数の著しく減少しておりますのでその捕獲数を制限しておりますが、荷十分とは申せませんため、その販売をも禁止いたして、捕獲制限の目的を達することといたしたのであります。
 第九に、鳥獣の輸出及び輸入につきましては、適法に捕獲された旨の証明書を添附せしめることといたしたのであります。これは、従来牝いたちがわが国で捕獲を禁止しておりますに拘らず、その皮が外国に輸出されている事実に鑑みまして、輸出の際に検査を行うことにより、捕獲の段階だけでなく最終的な関門によつて違反の取締を行おうとするものであります。尚現在、米国初め諸外国にもこの制度の例がありますので、輸入の際にも、そうした制度のある国からの輸入につきましては、当該国の証明書を添附せしめることといたしたのであります。
 第十に、その他、検査、報告徴取の規定を整備いたしますと共に、罰則を強化し、体刑をも料し得ることといたしたのであります。
 以上「狩猟法の一部を改正する法律案」の提案理由につきまして、概略御説明申し上げました、何とぞ、愼重に御審議の上速かに御可決あらんことをお願いする次第であります。
#5
○委員長(楠見義男君) この法案にきましては立案に参画いたしました法律関係では、参議院の法制局の関係者が参つております。それから現行法並びにそれを通じての狩猟鳥獣の問題に関しましては、林野庁の当該担当官が見てておりますから、若し御質疑がありますれば、提案者の外にこういうような方々に対して御質疑をお願いいたします。
#6
○藤野繁雄君 只今拜見したので、余り詳しいことは存じませんが、第一の、この理由に書いてある保護鳥獸と特別狩猟鳥獣の区別を一つ御説明を願いたいと思います。
#7
○説明員(葛精一君) 狩猟鳥獣と申すのは、狩猟秘計を受けまして取れる種類を指しております。それから、それ以外のものは一般に非狩猟鳥獸と申しております。それは取れない種類、特殊というのは、例えば狩猟鳥獸の中で、例えて申上げますと鹿なら鹿、そういうものを指しでそれを特殊の狩猟鳥獸と申します。狩猟鳥獸全体を指しませんで、その一種類を指す場合に特殊と申します。
#8
○藤野繁雄君 それで具体的に狩猟鳥獸としてはまあ一、二の例を挙げて頂いて、それから特殊狩猟鳥獸というものは具体的にこういうものを申すのであるということを、こういうことをお聽きいたしたいと思います。
#9
○説明員(葛精一君) いわゆるきじ、やまどり等が特殊になつております。猟期間は十一月からになつておりますから、短くしであります。きじ、やまどり等でございます。それから一般には一月から二月までの猟期に取れるものでございます。きじ、やまどりは二ヶ月しか取れない、そういうのは特殊という言葉を使います。
 それから普通のかも、すずめ、からすというのは普通の狩猟鳥になつております。
#10
○藤野繁雄君 それからこの理由書の第三の裏の方の、第二條の特別捕獲許可による外は、狩猟鳥獸の捕獲は全く禁ずる旨の規定を明らかにいたしておるのでありまするが……。
#11
○説明員(葛精一君) 特別捕獲と申しますと、学術研究等によりまして大臣の許可を得たもの……。
#12
○藤野繁雄君 第四の手数料ですが、これには五百円と書いてあるし、又第二には三千六百円と書いてあるが、今度三千六百円を五百円に下げられたのであるかどうか、この点をお伺いいたしたいと思います。
#13
○説明員(奧原日出男君) 従来は空気銃もやはり法定の猟法でございまして、従いまして狩猟免許を受けなければ空気銃による猟をしてはならない。こういうことに相成つておつたのであります。これが手数料といいたしまして、三千六百円徴收されておつたわけであります。今回法律を改正いたしまして、空気銃は狩猟免許を要しない、併しながら狩猟登録をしなければならない、その登録料として五百円以内狩猟法の定める額を徴收する、こういうことに空気銃については改めたいと思います。
#14
○藤野繁雄君 第四の理由の狩猟免許及び狩猟登録を受ける、これは空気銃のことですか。
#15
○説明員(奧原日出男君) 狩猟登録はこれは空気銃について取扱うつもりであります。尚その以外の狩猟免許につきましては、従来の税の外に、この法律の規定によりますれば、手数料がかかつて来ることに相成るのであります。これは極く軽徴なほんの手数料程度のものに止められるべきものであると考えております。
#16
○藤野繁雄君 次は第五ですが、第五の終りに「損害を被つた者に対しては補償を與えることといたしましたのであります。」この補償は予算化しておるのであるかどうか、予算化しておつたならばどの位の予算であるか、お尋ねいたしたいと思います。
#17
○説明員(奧原日出男君) 今年度の林野庁の予算の上におきまして、国のやります保護区における補償の経費は計上いたしております。併しながら額といたしましては、狩猟関係り経費が前年度の三百八十七万円に対しまして四百七十九万円に膨らんだのでありますが、その中で、保護区の関係の経費といたしまして八十一万円を予定いたしております。その経費の中から補償いたしたいとかように存じております。
#18
○藤野繁雄君 次に條文でお尋ねいたします。第三條のその他の猟具というものは、どういうものを予定いたしておりますか、お尋ねいたします。
#19
○專門員(永田龍之助君) その他の猟具はかすみ綱とか、それからかも猟に使いますといつたような綱、そういうようなものを指しております。
#20
○藤野繁雄君 そうすると第三條の中ば、銃器、網、罠ということであるからそういうふうなものであつたならば網の中に加わるのじやないかと思いますが、如何ですか。
#21
○專門員(永田龍之助君) 今のは間違いました。申訳ございません。霞網はこの網の中に含まれるわけでありますが黐繩とか、それから筴、鈎、そういつたような罠の特殊なものであります。黐繩というようなものだと思います。
#22
○藤野繁雄君 今の説明では罠と大差ないように考えられるが、何かあるだろうの思つて「其ノ他ノ猟目」と書いたのであるかどうか、お尋ねしたいと思います。
#23
○法制局参事(堀合道三君) 現行法によりますと「銃器、綱、黐縄、筴、鈎又ハ罠ヲ使用シテ之ヲ捕獲スル」という意味になつておますが、改正案では銃器、空気銃を除きまして、そうして網と罠を出しまして、その他のものは「其ノ他ノ猟具」ということで包括的に表現したわけであります。
#24
○藤野繁雄君 第三條の「邸宅」という定義であります。大邸宅には大分大きいところの山も含んでおるが、この邸宅というものは、宅地として土地台帳に載つているものであるか、或いは屋敷に近いところの山であつたならばそれも邸宅に含まれるのであるが、この点をお尋ねしたいと思います。
#25
○委員長(楠見義男君) それは現行法の解釈ですね。
#26
○藤野繁雄君 そうです。
#27
○説明員(奧原日出男君) 現行法におきましては、ここで取上げておりまする「邸宅」は、塀でありますとか、柵でありますとか、そういうふうな、要するに囲障のありまする邸宅と、こういうふうな範囲においてこの「邸宅」を読んでおる次第であります。
#28
○藤野繁雄君 それから第七條です。これには乙種登録免許を受けた者はこういうふうに制限してありますが、甲種はどこに何と書いてあるのであるか、ちよつと見当たりませんが、甲種はどうされるお考ですか。
#29
○法制局参事(堀合道三君) 甲種狩猟角状は現行法と同じでございまして、現行法の第五條の第二項を御覧願いますと、「甲種狩猟免状ハ銃器ノ使用以外ノ方法ヲ以テ狩猟ヲ為ス」場合に限られるわけであります。で銃器以外の猟具によります場合には危険性がございませんので、瘋癲者或いは白痴者に免許してもよろしいと、そういう意味で第七條におきましては、乙種の狩猟免種の場合だけを適格性を規定しておりまして、甲種狩猟免状の場合には特に触れていないわけでございます。
#30
○藤野繁雄君 第九條です、第九條には「禁猟区」がありますし、十條には「銃猟禁止区域」がありますが、「禁猟号」と「銃猟禁域」の区別、及びこういうふうに区別せなければならないところの理由をお尋ねいたします。
#31
○説明員(奧原日出男君) 九條の「禁猟区」は、要するに狩猟そのものを禁止する区域、こういう概念でございまして、第十條の「銃猟禁止区域」は、その中で銃を用いまする銃猟だけを禁止いたしまする区域、こういう概念で両方は相違いたしておるのであります。第九條の「禁猟区は」積極的に鳥獣の保護、繁殖を図りまするため、そういうような積極性を持ちました趣旨を以てこれを設定するのでありますが、第十條の「銃猟禁止区域」は、主としては危険を予防いたしまするためこれを設定いたすのでありましてその狙いといたします趣旨におきまして相違があります次第であります。
#32
○藤野繁雄君 私などは食糧増産上往往にして鳥獣の被害を被ることがあるのであります。又時には短期間の間に非常な損害を受けることがあるのであります。そういうふうな場合における取扱は何とか簡単な方法でできると思うのでありますが、現在の規定においてそれができるのであるか、或いは今度の改正法によつてそういうふうな点については何が特例を設けられたのであるか、この点お尋ねしたいと思うのであります。
#33
○説明員(奧原日出男君) 只今の御質問は、作物を非常に荒しまするような猪の害、その他の顯著な被害がありましたときに、この法律の規定に拘らず、とにかくそういうものを捕獲できるというふうな方法が講じてあるか、こういうふうな御趣旨に了解したのでありますが、そういう御趣旨に副いまするために現行法の第十二條におきまして、この法律の規定に拘りませず鳥獸を捕獲いたしまする許可を、有害鳥獸駆除のため、或いは学術研究のため、その他特別の事由によりまして主務大臣又は地方長官が與える、こういうことにいたしておるのであります。而してその有害鳥獸が野兎、熊、猪、からす、すずめ、きじばと等のものでありますときにおきましては、これは都道府県知事、その他の場合におきましては農林大臣がこれを許可するというふうに現在動かしております次第であります。
#34
○藤野繁雄君 今例を挙げられたうちの場合の猪でありますが、私の長崎県のような山の合中に田畑が多い所では、猪の被害が非常に多いのであります。そうしてその猪の被害がある場合に、地方長官の知事まで許しを受けに行く間にやられてしまうのであります。そういうふうな場合においては、猪の被害があるだろうということを、予想して置いて、前以て許しを受けて置いたならば獲ることができるかどうか、お尋ねしたいと思うのであります。
#35
○説明員(奧原日出男君) 只今の御質問にございましたように、危険を予想いたしまして予め或る程度包括的な許可をいたしまするように地方を指導いたしたいと思います。
#36
○委員長(楠見義男君) これは逆に藤野さんに伺いたいんですがね、今お話になつた長崎その他の猪の害について、この委員会等へも陳情を受けてお参るのですが、なかなか地方長官が許可をしてくれない。特に十二條で行くと「前数條ハ規定ニ拘ラス」云々とありますけれども、十五條の「危險ナル若ハ陷穽ヲ使用シテ鳥獣ヲ捕獲スルコトヲ得ス」こういう規定があるので、従つてなかなか許可をしてくれぬと同時に、罠を作るということについてこういうふうに制限規定がある。従つてみすみす食糧が喰い荒されても傍観せざるを得ないという陳情があつたように私承知しておるのですが、そうではなかつたですかね。
#37
○藤野繁雄君 そうです。
#38
○委員長(楠見義男君) そういう場合の取扱い方はついても、現行法においてもあるのですが、それはどういうふうにしておられますか。
#39
○説明員(葛精一君) 危険なる罠と申しますのは、今お話の「おとし」というような、落ちますと人命に係わるようなものを指しております。怪我したり、底に竹槍を立てて置きまして、又括り罠にしましても人間が吊し上げられて怪我をするようなものを使つちやいかんというのであります。
#40
○委員長(楠見義男君) それは命を取られる、そういうものをしないと結局浅い穴ならすぐ飛び上つてしまうんで、それじやいかん、猪の通る道は決まつておるのだから、そこに入れて置けば、人間はよく知つておるから間違いない、だから是非やらせて貰いたいという陳情であつたように思うのですがね。
#41
○説明員(葛精一君) その逆の方を申上げますと、据銃ですね。引金に糸がついていて、猪がかかりますと糸の線に沿つて弾丸が飛んで来ます。これで年々人命をなくしておるような状態で、それが危険な罠その他になつております。非常に簡單な方法でも、現在は猪を獲らなくとも駆逐はできるように思うのでございますが。
#42
○委員長(楠見義男君) そうむずかしいことなしに猪が捕えられるなら、山林地方の食糧を作つておる農民が非常に苦痛を訴えたり、何かすることはないし、又わざわざ東京まで来て陳情する必要がないと思うのですが、今お話になるようなことでなしに何か外に窮屈なことがあるのでしようか。
#43
○説明員(葛精一君) 結局は猪を穫りますには良い犬がないため獲れない。
#44
○委員長(楠見義男君) 犬が。
#45
○説明員(葛精一君) 犬の良いのがないために獲れない、普通は犬さへ良いのがありますと割合にやさしく獲れます。
#46
○委員長(楠見義男君) それはこういうことなんです。食糧々々というけれども、食糧より猪の方が大事な取扱を受けておるような感じを持つて非常に不満を訴えて来ておるのです、国会の方へ。ですからそういう点はよく徹底するようにして頂きたいと思います。
#47
○説明員(葛精一君) よく徹底するように注意いたします。
#48
○山崎恒君 この益鳥でまつくい虫を食べる益鳥があるかどうか、お尋ねしたいのですが。
#49
○説明員(葛精一君) まつくい虫を喰います鳥類、それは大体まつくい虫及び類似の昆虫を食べますのは五十一種類の鳥になつております。これは山料博士がお調べになりました。
#50
○山崎恒君 そうしますと、現在日本の松林を非常に侵蝕されておる大きな被害を受けた、この害を多少でも益鳥が、このまつくい虫を阻止したという事例があるかどうか、その点一つ……。
#51
○説明員(葛精一君) 林業試験場で調査いたしました結果、きつつきの類は殆んどまつくい虫を実際に喰つております。それから私の実験しましたのでは岐阜県の金華山、木曾福島の長野営林局の裏山、そういう所じや実際に食つております。
#52
○委員長(楠見義男君) 提案理由の最初にありますこういうような状態であれば、或る種の鳥獸はわが国から永久にその姿を没することになるという、この或る種のものとはどういうものですか。
#53
○説明員(葛精一君) のがん、以前は沢山内地におつたのですが、殆んどいない、くいなの類、つるくいな、前には相当おつたのですが……。
#54
○委員長(楠見義男君) のがんというのは有益鳥獸ですか。
#55
○説明員(葛精一君) 狩猟鳥獸です。いま日本には殆んどおりません。
#56
○委員長(楠見義男君) 有益鳥獸ではありませんか。
#57
○説明員(葛精一君) 有益鳥でも減つております。
#58
○委員長(楠見義男君) どういうものが。
#59
○説明員(葛精一君) 大体つるの類が減つております。丹頂、それから佐渡におります朱鷺、都鳥、全然絶滅したのは小笠原がびつちよ、小笠原ましこなどいろいろな種類があります。
#60
○委員長(楠見義男君) それはこの表にありますか。
#61
○説明員(葛精一君) これにはありません。これは初中級おる方のものです。
#62
○委員長(楠見義男君) それから十三條の二の改正規定で、きじ、やまどり、こういうものについての特別の制限が設けられたのですが、これはきじ、やまどりというのは有益鳥ですか。
#63
○説明員(葛精一君) 先ずやまどりは山林特に山林に対して大体千二百羽のところを調査しました結果無害です。それからきじは、やまどりに比しまして多少作物を荒しますけれども、一年間を通じて調査いたしますと、耕地附近では割合に作物を荒しておりますが、それでも益の方か多い。
#64
○委員長(楠見義男君) やまどりは無害という話ですが、有益でもないのですか。
#65
○説明員(葛精一君) ちよつと聞き漏らしましたが……。
#66
○委員長(楠見義男君) 第十三條の二できじ、やまどりをこういうむずかしい、込んだ制限をする。その趣旨が、これは有益鳥獸だから保護する必要があつてこういうことをするのか、或いは何か観賞的と言いますかね、それ以外に特別な理由でこういうふうにむずかしくしておるのか、その理由をお伺いしたい。
#67
○説明員(葛精一君) それはちよつと、これは非常に減つて参りまして、それを前の説明員が言われたように保護して置きたい。
#68
○委員長(楠見義男君) その保護する理由がですね、どこにあるのかということ、有益鳥獸だから保護して天敵としての力を発揮させると、こういう意味からですか。そうでなくて、有益でもないがとにかくいなくなると淋しいから置いておくという意味で、こういう制限があるのか。
#69
○説明員(葛精一君) それは今申しましたように、農林関係に対しましては、有益な点もありますし、又非常に利用の価値が豊かなために、沢山殖やして一面利用したい……。
#70
○委員長(楠見義男君) 利用というのはどういう……。
#71
○説明員(葛精一君) 食用。
#72
○委員長(楠見義男君) それから現行法の第十四條ですね、第十四條と、それから新しい改正の第十四條で、改正の十四條では農林大臣の認可を受けてやると、こうなつているのですが、現行法の「命令ノ定ムル所ニ依リ」というのは、そういう内容がどういう内容のものがあるのですか。ということはですね、国が設定をする場合に主務大臣の認可を受けるというのは、如何にもダブつておるような気がするものですから、その点でお伺いしているのです。
#73
○法制局参事(堀合道三君) ちよつと申上げますが、現行法はおきましても、猟区設定につきましては農林大臣の認可を要するわけでございます。国が農林大臣の認可を受けると申しますのは、これは財政収入を伴いますものでございますから、従つてこの財産の主体、特に国有財産の主体としての国が猟区を設定いたします場合に農林大臣の認可を受ける、こういう趣旨でございます。
#74
○委員長(楠見義男君) その次、第二十條の二で「命令ヲ以テ定ムル鳥獣」という、この命令……ですね。定める鳥獸というのは先程の提案理由にありましたような牝いたちのことを指しておるわけですか。
#75
○説明員(葛精一君) これは普通のイタチ、牝イタチ、というのが、これが期間外に獲れる。
#76
○委員長(楠見義男君) ここで伺いたいのは、「命令ヲ以テ定ムル鳥獸」とこうあるから、その命令ではどういうものを指しておるか。又卵とこうあるのだけれども、その卵を生む親の鳥はどういうものを予想しておるかということです。
#77
○説明員(葛精一君) いたち、きつね、たぬき、てんというようなものを予想しておる。卵はきじなんかそういうものであります。
#78
○委員長(楠見義男君) きじですか。それから罰則で、二十一條の二項で、従来は「犯人ノ所有シ又ハ所持」とあつたのが、今度は「犯人ノ所有」というものだけに変つたのですが、これはどういう理由なんでしようか。
#79
○法制局参事(堀合道三君) お答え申上げます。現行法におきましては犯人が所有権を持たないで所持しておる場合も含むということになつておりまするけれども、そこまでこの没収を及ぼすのは行き過ぎではないかという趣旨で削つたのでございます。
#80
○委員長(楠見義男君) 外に御質疑ありますか。若し御質疑がなかつたら、これより討論採決に入りたいと思いますが……。(「略議なし」と呼ぶ者あり)別に御発言もないようでありますから、これより採決をいたします。狩猟法の一部を改正する法律案につきまして、原案通り可決することに賛成の方の起立を求めます。
   〔総員起立〕
#81
○委員長(楠見義男君) 総員起立、よつて本法律案は全会一致を以て可決することに決定いたしました。では例により御署名願います。
   多数意見者署
   藤野 繁雄  山崎  恒
   羽生 三七  岡田 宗司
   深水 六郎  池田宇右衞門
   加賀  操  石川 準吉
   柴田 政次
  ―――――――――――――
#82
○委員長(楠見義男君) 自作農創設特別措置法の一部を改正する法律案について、昨日に続いて質疑をいたしたいと思います。
#83
○藤野繁雄君 最初に農地の闇売買のことであります。農民は農産物価が再生産費を償わないように安いということと重税のために最近は資金難に陥つておることは御承知の通りであります。資金難に陷つておりますから資金の借入れをしなくちやできないのであります。現在の状態では全く借入先がない、こういうような状態にあるのでありますから、先ず取敢ずは自分が持つておるところの農業経営上絶対的に必要な家畜のようなものを処分する、これによつて先ず金を得ようと図つておる。併しこの家畜も段々下落して資金の入手に困難な状態に陥つておる。どうしたつて資金は必要である。こういうふうなことであつたらば、結局のところは自分が持つておるところの土地を何とか処分して資金の途を講じなくちやいけない、こういうふうなことになるのであります。私は芦田内閣以来歴代内閣に対して、自作農の創設をやつても維持の対策を講じなかつたならばだめだということを毎委員会ごとに、毎国会ここに強調して来たのでありますが、これに対するところの対策が政府が立てられないために、現在非常な窮状に陷つておるような次第であります。従つてあらゆる方法を講じて、農地委員会では合理的な手続を採つて、或いは合理的な手続を採らずして農地を処分しておるところのものが、各方面に現れて来つつあるのであります。而して今日の経済状態ではますますその傾向が増大しつつあるかのように考えられるのであります。又農地を処分しなくても耕作権を譲渡するというようなことによつて、従来の小作料よりも農地改革後におけるところの小作料の方が大なる小作料を納めなくちやならないというような現在の状況になりつつあるのであります。こういうふうなことで行つたらば、農地改革の目的を達成することはできないのであります。それは取りも直さず現在の自作農に対して自作農の維持に要するところの資金がないからであります。今度の農調法の第五條の二十一の第一項第三号では資金に関する規定が設けられておるのでありますが、何とか資金を速かに講じなかつたならば、資金対策を採らなかつたならば、現在の自作農の創設は経済界の逼迫と同時に困難な状態に陷るというふうに考えるのでありますが、これに対する金融対策、これは岡田委員の質問に対して一応局長からお話があつたのでありますけれども、更に重大であるからお尋ねする次第であるのであります。
#84
○政府委員(山添利作君) 自作農維持政策といたしまして農地を対象にする維持資金の供給ということも必要でありまするが、その前段といたしまして、そういうところに至るまでにいろいろの農家経営を保障するところの対策或いは生産力を増強するというような対策が必要なわけでございまするが、それにつきましては岡田委員の御質問にお答えいたしましたように、いろんな点におきまして農林省といたしましてはうまくはいかん状況でありまするけれども苦心をいたしておるのであります。自作農を維持するというような狭い意味における維持資金につきましては、実は私共がこの改正法案を考えております時分には、まだいいだろうという考でおつたのでありますが、最近のような物価の状況、特に食糧の闇価格がなくなつた、非常にそれが低落したということが主たる原因であろうと思いまするが、状況が非常に変つて参つております現在並びに今後におきましては、御指摘になりましたような状況が逐次現れて来るということは当然予想せられるのでございまして、従つてこれにつきましては只今は具体的な制度が定まつておりませんけれども、二十六年度予算の編成の時期におきましては、只今お述べになりましたような事態を考えまして、それに即応し得るような適切な方法を考えたい、且つその実現に努力をしたいというふうに考えておる次第であります。
#85
○藤野繁雄君 局長のお話によるというと、二十六年度の予算には考えようとこういうふうなことでありますが、二十六年度の予算まで待つておつたならば、自作農の或る部分は処分しなくちやならん、そういつた自作農創設の目的に反するというような結果を招来するものが相当数に上るのじやなかろうかと考えられるのでありますから、二十六年度の予算を待たずして、来る臨時国会には速かに補正予算を組んでこの対策を講ずることが、我が国の農地改革を完全に維持する唯一の方法であろうと思うのでありますから、二十六年度の予算を待たずして速かに予算化して頂きたいと思うのでありますが、補正予算においてそういうふうな予算を組まれる決心であるかどうかを承りたいと思うのであります。
#86
○政府委員(山添利作君) 農業に対する金融につきましては申上げるまでもなく、この委員会で現にいろいろ御心配を願つておりまするごとく、当面の対策が先ず必要であり、又中央金庫の増資、それに伴う金融債の発行等で対処をいたして行きまして、一面農家の方で土地を売らなければならないような事情にある者等の状況、双方睨み合わせまして、これは状況に即して考えて行きたいと思います。
#87
○藤野繁雄君 次は農地改革と農業改革というような点についてお尋ねしたいと思うのであります。私は農地改革は手段であつて、最後の目的は農業改革でなくちやいけない、而して農業改革をやるためには、どう言つたつても、土地の交換分合をする必要があると思うのであります。耕地の交換分合をやるためには、土地改良法によつてやるのが一番いいと思うのであります。土地改良によつて耕地の交換分合をやつたらば、その跡始末であるところの換地処分をせなくちやできないのであります。土地改良の結果、耕地の交換分合をやつたならば、交換分合の登記があつて初めて所有権が確立するというようなことになつて来ると思うのであります。然るに耕地整理組合法によつて、土地改良をやり、或いは交換分合をやつたものの中に、未だ換地処分ができておらず又、登記が未完成のものが相当数あるのは事実であるのであります。政府においては、耕地整理工事の完了地の換地処分未済地の換地処分を、三ヶ年計画を立てて完了しようということで、二十五年度予算においては四万五千町歩を予定しておられるようであるのであります。併し、これを実行するためには、これに担当するところの技術者が必要であるのであります。而してこの技術者として政府は九百名養成するというような予定のようであるのでありますが、この点についてどんな方法によつて補助金を交付される予定だか、その計画の内容をお伺いしたいと思うのであります。
#88
○政府委員(山添利作君) 只今御指摘になりましたように、現在二十万町歩換地処分が未了になつておるのでありまして、これに対しまして、その完了に要する費用の二分の一を国から助成することになつているのであります。表向きは二分の一になつているけれども、実際はもつと経費がかかるからというお話が、この前に、この委員会でもありました。二十六年度の予算のときに、単価を是正したいということを申上げましたら、それではいかんから補正予算のときに努力せよ、こういうお話でありました。その趣旨に従つて大体考えておるのであります。この事業を行いまするのには実測、測量いたしませんければなりませんので、その技術者は、概ね今まで府県にございまする耕地協会等で、プールしていると申しますか、そういう人も非常に少くなつておりまするので、これを技術者をも殖やして行く必要があるわけであります。換地処分の技術者の養成、経費といたしましては、予算書にもございまするように、四十八万四千円計上してあるのでございます。これにつきましては、府県にその事業を行わせまして、府県に要しまする経費の五割を国から助成する、こういうことになつております。
#89
○藤野繁雄君 換地処分の事務は、確定測量の実施であるとか、確定名簿調書の作製であるとか、知事宛の申請書の作製であるとか、賃貸価格配付申請書の作成であるとか、登記申請書の作製であるとか、いろいろあるのであります。而してこれらの事務は従来各都道府県にあるところの開拓協会であるとか、或いは耕地協会であるとかいうようなものが代行して参つたようなのでありますが、今、お話の通りであるといたしましたならば、これは、これらのものは代行させられる考であるかどうか、又、さつきお話のあつたのは、予算委員会の分科会の際に、局長にお尋ねしたのであつたのでありますが、私などの計算によつて見まするというと、反当五百円ぐらいは経費がいるのじやなかろうか、こう想像されるのであります。而して、今日の金融状態からいたしましたならば、半額の補助を頂くといたしましても、二百五十円を農民が負担しなくちやできない、こういうふうなことになつたらば、非常に農民の負担が過重であつて、折角の換地処分も完了することができないというようなことになるのじやなかろうか、こう想像されるのであります、こう考えて行きましたならば、農地改革の最後の仕上げをするための仕事であつたらば、政府は思いきつて必要経費の半額を補助して頂き、而も現在の予算は余りにも僅少であるから増額して頂く、こういうふうにせなくちやできない、こう思うのであります。そこで従来通り、民間の団体にこういうふうな仕事を委託してやらせるという考であるかどうか、これをお伺いしたいのであります。
#90
○政府委員(山添利作君) これは、事業の完結を図りまする地元の耕地整理組合が、耕地協会等におりまする技術者を頼みまして仕事をするのでありまして、そういうところにおりまするような技術者等に委託するわけであります。お説のように、全体の予算といたしまして三千八百万円ございまするが、実情に副わないという点につきましては、これを是正するように努めたいと考えております。
#91
○藤野繁雄君 次は交換分合の五ヶ年計画であります。政府は二十五年度予算においては、一県当り二十ヶ町村、全国で九百二十ヶ町村、反別といたしまし三十六万三千五百町歩を指定し、その中の十八万四千町歩を模範的に交換分合をやらせられる、こういう計画のように承つているのであります。この模範的に交換分合をやられる具体的のものが現在お分りであろうと思うのでありますが、その内容のお示しを願いたいと思います。
#92
○委員長(楠見義男君) それじや田邊農地局管理部長から……。
#93
○説明員(田辺勝正君) 交換分合をやる指定村でありますが、これにつきましては現在公示を要する交換分合の指定村と、公示を要しないで交換分合をやれるというようなのと、両方共希望を私共聞いておりますが、大体公示をやるというのが八百ヶ村で、公示しないのが七百ヶ村と思いますが、これを私共の方で集計をして、その中で適当なものを選んで指定するということになります。今事実上は大体分つておりますが、正式な指定はこれからすると……。
#94
○藤野繁雄君 それはやり方ですか……、そのやり方を……。
#95
○委員長(楠見義男君) その指定ですね、それが、交換分合はどういうふうにしてやるか、そのやり方を……。
#96
○説明員(田辺勝正君) それで交換分合のやり方でありますが、その交換分合のやり方は、実際の面と、それから土地改良法によつてやる面と二つあるのでありますが、実際の面は大いに宣伝その他をやつて、そこで意見をまとめて貰うということがまあ第一でありますが、その中で土地改良法によつてやるということになりますと、この中で農地委員会がやる場合、それから土地改良局がやる場合、それから協同組合がやる場合というように、その主体を分つて、そうしてそれが先ず第一にどれがやるかということを決めなければなりませんが、それと、今のところ事実上指定してくれと言つて来ておる者の内容を調べますと、大体誰と誰が一緒になつて大体やろうと……、村長さん、協同組合長、農地委員長等が全部相談ずくでやるというようなことになつております。併し法律上の形式から申しますというと、農地委員会でやる場合と、協同組合でやる場合と、土地改良局でやる場合と、おのおの違つておりますが、大体大部分の人間が賛成すれば、少しの者が同意しなくても農地委員会がやる場合は強制されるという形でやるのでありますが、それをやるにつきましては、私共の方でやり方の指令をいたしまして、極めて無理のないようにやるということで、土地の調査というものを細かくやりまして、交換分合を行います。土地交換をする場合大体全体から見て二割を越してはいけない。二割を越して来ましても、その当事者の同意があれば差支ありません。配分についても生産のやり取りをやつて、そうして損得の行かないようにするというふうに、計画書が、細かいものができますと、農地委員会でやる場合におきましては、県の農地委員会の認可を経てやる、その他の協同組合と改良局によりますと、地方知事の認可を経るということで、それが報告されますというと、その効力が発生する、こういうような手続であります。
#97
○藤野繁雄君 次は農地改革と登記の問題であります。農地及び牧野の買収、及び売渡しということは、登記によつて初めて完了するのであります。又完全に登記が行われて所有権も分けになり、徴税上も便利になつて来るのであります。そういうふうにいろいろの関係がありますから、これ又毎国会ごとに急いで登記事務を完了するようにという督励を加えて来たのでありますが、遂に今日まで現在の状況になつて来たと、こういうふうな状況であるのであります。
 然るに先般その筋からの要請もあつたために、本年に至つてから政府の方では非常手段を講ぜられて、各都道府県知事を督励せられて、三月末で登記が完了するようにという督励をされて、ややその成績を現わしたであります。政府が参考資料として示された資料によつて見まするというと、農地で買收登記が済んでおるのが八二・二%、この売渡し登記が済んでおるのが六二・六%、牧野で買収登記が済んでおるのが四三・五%売渡し登記が済んでおるのがと二七・三%であります。而して私の想像するのに、この登記が完了しておると、こういうふうなものでも、本当に完全に登記が済んだものはその或る部分で、ただ登記所が登記書類を不完全ながら受理したのみである、こういうふうなことに私は考えておるのであります。然らばなぜそういうふうに登記が遅れたのであるか。こういうことを考えて来ますというと、登記が遅れたところの原因は、農地委員会の人員が手不足であつたということ、又土地台帳関係の事務が税務署から登記所に四月一日から移管されたということ、その移管されたためにいろいろの仕事がごたごたとしたというようなこと、又登記所の人員は何人増加されたか存じませんけれども、登記所の人員に限りがあり、而してその登記所は一般の登記所でなければできない、農地改革の登記のみに専念することはできない、こういうふうなことで登記が遅れたのじやなかろうか。又各登記所の実際の状況を見てみますというと、税務署から土地台帳は送り込まれたが、これを完全に整理するところの設備もない。それで四月一日になつて、受付けたところのものを整理しようと思つても、完全に整理することができない、こういうふうなのが現在における登記の遅れておるところの原因、或いは現在まで進行しないところの原因ではなかろうかとこう思うのであります。又登記事務ということは国家の事務でありますから、これに要するところの経費は全額国家負担としなくちやできないにも拘らず、その登記事務に要する経費を政府から支出される登記の金額が少いからであるという、こういうふうに断ぜざるを得ないであろうと存ずるからであります。この点については予算委員会で農林大臣に質問をしたのでありますが、私の計算によつて見まするというと、政府が過去において支出されたところの費用が二億二千六十万円、一筆当りの費用が八円弱であります。実際に要した一筆当りの費用は十五円乃至三十円で、平均二十五円ぐらいじやなかろうかと思うのであります。そういたしますというと、一筆当りの支出金が約十七円になるのであります。必要の総経費は四億四千九百二十万円になるのであつて、四億四千九百二十万円の内、政府が支出したところの金が二億二千六十万円というような数字になつて二億数千万円の経費が足らなかつたために登記が遅れたのだ。そうして一例を挙げて見まするというと、私の村は、完全に予定の期日までに登記が済んだ、こういうふうなことでお褒めを農林大臣から頂いたのでありますが、これには土地を自作農にして貰つた、自作農になつたところの農民が、各反別に応じて相当の負担をやつたからである。即ち農民の犠牲によつて初めて登記が完了したのだ。こういうふうに考えられるのであります。私は一日も早くこの登記の完了を希望しておるのでありますが、又今後残されたるところの登記というものは、所有権の移転その他について非常に煩雑なものであつて、簡單に登記が済むことはないのであります。こういうふうな残されたところの登記を完了するためには、又残務を整理するためには、担当の費用を要して行くのにも拘らず、今回農地委員会の員数を減少せられたということは如何なる理由であるか。農地改革は大体においてでき上つたというようなことでありますけれども、農地改革は登記完了して初めてでき上り、更にさつき申上げたように、農地改革から農業改革に進んで来なくちやできない、こういうふうになつて来るのでありますが、現在の予算では、農地委員会の書記を減少しておられるのでありますが、現状から考えて見れば、これは減少したのは間違つておる。予算作成の当時は三月末日で完了しようとする見込であつたからあの予算でよかつたのであるけれども、現在で行つたならば間違いであつた。であるから減員するということにせずして、従来通りにして、一日も早く登記を完了させる。こういうふうな考があるかどうか。未済の登記をいつまでに完了される見込であるか。又現在の予算で一人減しておるのであるから、これは二人にすることは予算上できないということで行かれる考であるかどうか。この点お伺いしたいと思うのであります。
#98
○政府委員(山添利作君) 登記事務が遅れましたにつきましては、今お述べになりましたようないろいろな原因が多かれ少かれ作用いたしたのであります。元来私共の考といたしましては、二十四年度中にこれを完了するというずつと前からの、又当初からの考えを持つておつたのであります。ところが実際問題といたしまして予算関係が十分でなかつたために、なかなか進行をいたさなかつたのでありまして、年度の途中におきまして一億円特に登記のために補正予算の支出をいたしたいのであります。これも併し十分ではない。まあそういう事情がございますに拘らず、主として市町村農地委員会における書記諸君の絶大なる努力によりまして現に見まするような成績に漕ぎつけましたことを誠に感謝をいたしておるのであります。登記所の方から見ます数字は、買収登記の完了は八二%でございまするが、農地委員会の受持つております分についての事務は、買収登記につきまして九六%に達しておるのでありまして、残つておりまする土地と申しまするのは、先程の話のございました換地処分がまだ済んでいないというような特殊の事情のある地域につきまして、まだ事務が残つておるようなわけであります。従つて登記事務におきましても、これは一般的に遅れておるということではなく、特殊の事情がございまする地域について残つておる。かようにお考え頂いてよろしいと思うのであります。この事柄に関連をいたしまして市町村農地委員会における書記を従来二名ございましたのを、二十五年度予算から一名になつております。これは予算がそのまま施行せられましてそういうことになつておるわけでございまするか、それともそれを以て登記事務の完了の成算ありやいなやという御質問でございます。二十四年度におきましてこの成績を改めましたにつきましては、国費の外に事実問題といたしまして、府県又は市町村等において相当額の経費の支出を煩わしております。その経費を以ちまして臨時に人を頼むというようなことをいたしまして、これだけの仕事を成し遂げられたようなわけでありますから、今申上げますように、登記が残つておりますのは特殊の事情のあります所で、これは一般的の現象というわけではございませんので、一般論といましましては、農地委員会の書記が一名に削減せられましたこともこれは止むを得ない次第でありまして、登記の完了ということには支障なくやつて行けるというふうに考えておる次第であります。尚二十五年度分といたしまして、登記の費用も若干……、三千六百万円でございますが、計上してございますが、これも多くは二十四年年度使いました部分の穴埋めの一部というものに廻るだろうと思うのであります、いずれにいたしましても、残つております土地につきましてはこのスピーデイーに馬力をかけて頂いた勢いを緩めることなく、速急に仕事を完了するようにいたし、又その経費の配付等につきましても、その辺の事情は勘案をして適正を期したいという考でおります。
#99
○藤野繁雄君 局長のお話によれば、委員会の事務としては殆んど完了したと、こういうふうなことになつておるようでありますが、それは表向きのことであつて、いよいよ登記所の方で土地台帳も整理するという場合になつて来れば、次から次へ附箋が付いて又農地委員会の書記の手を煩わさなくちやできないというのが実情じやなかろうかと思うのであります。そういうふうなことにいたしますとしたならば、この登記というものはさつきも申上げましたように、一日も早く完了せなくちやできないのだ、一日の早く完了せなくちやできないのだというようなこととすれば、その完了するまでは暫定処置といたしまして、予算の範囲内において適当の人数を使用する。近く臨時国会もあるのでありますから、その際に不足分は補正予算で組んで穴埋めする、こういうふうなことにやつて行つた方が最も登記を完了するところの早道ではなかろうか、こういうふうに考えるのでありますが、局長が直ちにそういうふうなことをするという言明はできないだろうと思いますけれども、そういうふうなことをやつたらどうかというような御意思があるかどうか、お尋ねしたいと思うのであります。
#100
○政府委員(山添利作君) 登記の手間取りました原因の一つとしまして、税務署にある土地台帳がよく整備されていない、そこに誤りがある、このことが原因でございまして、登記所へ持つて参るよりは、藤野さんの方がよく御存知なんだが申請書を作り、それから税務署へ行つて土地台帳と照合してその手続を調べまして登記所へ持つて参るわけであります。登記所へ参りましても更に還つて参りますのは少いのではないかというふうに考えでおります。尚将来開かれますが、臨時国会において補正予算を肚積りにして特別の処置を採つたらどうかという御意見でございますけれども、この農地改革に関する予算を編成いたしますのにつきましては、これは並大抵のことではないのでありまして、はつきり申上げますと、これはいつも日本政府の部内では、この予算がまとまらないのでありまして結局関係方面に問題を持込んでやつさもつさやりました挙句決まるという実情になつておりますので、この予算を途中から変更するということは至難に属するのではないかと考えるのでありまして、従つてお求めになりましたような処置をいたしますことは、これは危険であると考えるのであります。
#101
○藤野繁雄君 次は農地証券のことをお尋ねしたいと思うのであります。四月二十五日の読売新聞によつて見まするというと、「買叩いた農地証券廿億円、五億円濡れ手で粟、早耳か漏洩か買上げに北叟笑む証券業者」、こういうような記事が載つておるのであります。農地証券の問題でも私は片山内閲以来、農地証券を金融の対象とすることにして頂きたいとこういうようなことを要求し、大蔵当局も何とか考えるとこう言つたものの、昭和二十四年の補正予算まで対策を立てなかつたのであります。然るに農村の不況が段々段段と深刻になり、又私共の何とかして貰わなくちやいけないという強い要求の結果、二十五年度予算には相当額の償還をするということになり、更に予算委員会でいろいろ交渉した結果、農地証券は全額一時拂をする、こういうふうなことになつたのは、私などが片山内閣以来要望したことが実現して喜びに堪えないのでありまするが、その半面証券業者は北叟笑んでおるかも分りませんが、農民は金融難に追われて金融化することができないところの証券を処分をして買叩かれて、半額ぐらいに処分したものもおるとこういうふうなものもおるというような状況であるのであります。こう見て来てみますると、私は半額で売つたということは農民が、悪いのである、併しながら地主から土地は取上げてそれに対しては金融的措置ができないところの農地証券をやつて、而して地主をいじめて今日になつたというようなことになつたならば、私は何とか、これには対策を講じなくちやできないとこういうふうに考えるのであります。又私は漏洩や何かではないと思うのでありますが、この新聞記事を御覧になつて、どういうふうなお考を持つておられるか、又これに対する対策を何とか考えておられるかどうか、お尋ねしたいと思うのであります。
#102
○政府委員(山添利作君) 農地証券につきましては昨年の秋頃でございましたか、二十四年度中に三十億程度は還すということを決めまして発表までされたのでありますが、具体的には時期等も遅れました関係上、二十四年度内においては十二億円余りでありますか、それから二十五年度になつて更に四十億円程度還すというのが決まつておりましたラインでございます。全額還すということになりましたのは、これは関係方面が容認をせられた結果ああいうことができたのでありまして、それは恐らく関係方面の同意を得ると共に即日発表されたものと思いますが、これにつきましては、実は大蔵省で扱つておりまするので、私共は知らないのでありますが、決まりましてから承わつたのであります。従つて政府といたしましては、私共直接ではございませんけれども、事柄が決まりますれば、これはそのときに余裕を置くことなく直ちに発表はいたしておる。併し世の中の早耳する人もございまするが、多少そういうような経緯について聞き込んでおつた人が、少し買漁りをしたというようなことはあり得ることだと想像はいたしておりますが、併しその実情がどういうことであるかということにつきましては、私共には分つておりません、元来この農地証券を還すにつきましては、私共は農地証券を償還すると同時に、その資金を農村方面の生産上必要な方面に廻すようにいたしたいという考を持つておりましたのでありますが、又その企画もされたのでありまするけれども、この方は現在における協同組合系統の金融逼迫のために、予期のごとき結果は挙げ得られないように考えておるのでありますが、何れにいたしましても、農地証券はできるだけ早く還したい、それから今までの関係方面の考え方としては特別会計で金のある部分はいいけれども、それ以外の財源を以てすることは、インフレーシヨンの防止という意味から見れば、どうしても農地証券を償還すれば消費財源に廻り易い、それよりも銀行の持つておりまする国債等の償還をいたすのが順ではないかというようなことで、全額還すというようなことは賛成をされておらなかつたのであります。いろいろな金融情勢を考えられて、或いは国債償還の状況を考えられて、今回農地証券を全額還すということになつたものと思います。これは途中変えたのでありまするが、そういうふうに、他の方面に使いたいという農地証券償還金を、農村方面に役に立つように使いたいという考は実現しないのでありますけれども、併しその償還金は農協の方に預金となつて、今の農協の金融難を緩和する一助にもなるということにつきましては、私共非常に希望をいたしておるところでありまして、前々この農地証券の償還につきましては、従前窓口は勧業銀行一本でございましたが、農業協同組合等におきまして取りまとめて償還を受けるその手続等を取りまとめてやるというような方法で、できるだけこれを農村の利益になる方面に資金が廻るように措置を、これは役所の仕事ということではございませんが、そういうふうにいたしておつたのでありまして、まあそういうようなことで、農村におきましても農地証券の償還ということには前々関心があり、且つそれについて農協等の斡旋等で相当程度の、何と言いまするか、そういう方法が講ぜられておつたと思うのであります。併し事実は、新聞にありましたことがどの程度事実であるかは存じませんが、そういうこともそれはまああつただろうと思います。でこれに対して特別の措置を探るかということにつきましては、別に考えておらないのであります。
#103
○藤野繁雄君 次は土地改良事業資金と災災害復旧資金についでお尋ねしたいと思います。この問題についても各委員会でお尋ねし、又特に各方面からも来て頂いて話を聽いたのでありますけれども、どうも意見が齟齬して的確を得ないのでありますから、当の責任者であるところの局長からお伺いしたいと思うのであります。二十五年度の政府の土地改良事業の予算を拜見して見まするというと、公共事業費の国庫負担が一般で八十五億、災害復旧が七十二億、計百五十七億であります。地元負担金が四十一億一千余円、一般公共事業、災害で三十五億八千七百四円、計七十六億九千八百万円で、私がお尋ねしたいのはこの地元負担金であります。この農林委員会で西村安本政務次官は、それは地方債として全額引受けることになつているから、地元負担は完全に消化ができるのだとこういうふうな話をされておるのでありますが、七十六億九千八百万円というものは、西村政務次官がお話の通り、全額地方債引受によつて地元負担ができるのであるかどうか、この点お伺いしたいと思うのであります。
#104
○政府委員(山添利作君) 公共事業費の中におきまして地元負担金になります数字、恐らく藤野さんからお述べになりましたのは、農地局で調査いたしました数字がお手許に行つておるのかと思いますが、これはあらゆる全事業量のうち、国の支出します事業の方はこういう仕事になる、金額になるということをそのまま書き出した数字でありまして、現実に金融等を考えなければならん数字ではございませんのでありまして、八十五億の中の仕事を取つて見ましても、現実に問題になりまするのは、府県営の仕事についての地元負担金、それから又国営につきましても若干の地元負担金でありまして、この灌漑排水系統の仕事は総額が三十二億でございましたが、そのうち相当数十三億円は国の直轄事業でありまするし、北海道の直轄を引きますと、府県営並びにほんの僅かの団体を合せまして、これは十七八億になるかと思うのでありますが、それに対応するくらいの金が地元負担金になる、かように考えていいと思うのです。
 それから災害復旧の点は、これは相当額地元負担になりまするけれども、大体災害につきましては、地元負担といいますことは、結局地元の労力ということが主でありまして、現実に地元から金を出さなければならん関係はそう多くはございませんのであります。これらの金の調達につきましては、従来農林中央金庫の世話になつておりまして、今年もそういうつもりでおります。農林中金の現状でどうするかというお尋ねはあるかも知れませんけれどもう地元負担金と現金に調達いたしまするのは、今直ぐという必要もない、もう少し先のことでよろしいのであります。その時分には中金の増資もでき、金融債の発行等も現実になつておると思いますので、そこで処置をいたしたい、こういう考でおるのです。国営事業等に伴いまする府県の負担金、これらのものは当然地方債の引受の中に入つておるのでありますから、私が今言いますように農業者の団体が直接持たなければならんという資金につきましては、これは地方債とは関係ないのでございます。
#105
○藤野繁雄君 今局長さんからお話になつた私の心配の点は、後段の問題なのであります。西村政務次官は、全額地方債で引受けるのだから問題はない、こういうふうな話であつたように記憶しておるのでありますが、全額地方債で引受けないということであつたならば、耕地整理組合であるとか、或いは水利組合であるとか、その他のものが調達をしなくちやならない。この調達をする金に現在は困つておる。例えて申しましたならば、毎回私などが申上げておるように、昭和二十四年度の予算では大体十九億くらいの見返資金も出る、こういうふうなことで計画を進めておつたのにも拘らず、現実には七千万円くらいが農業資金に出ただけだ、こういうようなことであれば、今回の金も或いはおいそれとは出て来ないのじやなかろうか、こういうふうな必配があるからお尋ねしておるようなわけであるのであります。この点は今お話の通り中央金庫を通じて出されるお考であるかどうか、何か別な方法があるかどうか、お尋ねして置きたい次第であります。
#106
○藤野繁雄君 今局長さんからお話になつた私の心配の点は、後段の問題なのであります。西村政務次官は、全額地方債で引受けるのだから問題はない、こういうふうな話であつたように記憶しておるのでありますが、全額地方債で引受けないということであつたならば、耕地整理組合であるとか、或いは水利組合であるとか、その他のものが調達をしなくちやならない。この調達をする金に現在は困つておる。例えて申しましたならば、毎回私などが申上げておるように、昭和二十四年度の予算では大体十九億くらいの見返資金も出る、こういうふうなことで計画を進めておつたのにも拘らず、現実には七千万円くらいが農業資金に出ただけだ、こういうようなことであれば、今回の金も或いはおいそれとは出て来ないのじやなかろうか、こういうふうな必配があるからお尋ねしておるようなわけであるのであります。この点は今お話の通り中央金庫を通じて出されるお考であるかどうか、何か別な方法があるかどうか、お尋ねして置きたい次第であります。
#107
○藤野繁雄君 それから水利組合であるとか、或いは耕地整理組合であるとか、こういうふうなものに対しては、別途で十億円くらいの資金を計画しておられるように承つておるのでありますが、これについての大体の見通しはどういうふうなものであるか、お伺いしたいと思うのであります。
#108
○政府委員(山添利作君) 見返資金につきましては、全体の枠が非常に縮小せられております関係上、農業方面に枠を期待するということは困難でございまして、現実の問題といたしましては、昭和二十五年に十九億見返資金から政府が放出するという計画を以ちまして、地方の申込を取りましたところ、農林省に対して五億二千万円融通の申込が来ております。ところが二十四年度内には遂にそれが実現できなかつた。これが非常に問題になつておるのでありまして、これを果しまするように、今努力をいたしておる最中でございまして、それを越して新しい計画のものを考えるということは、資金の実情から見ますると困難のようであります。
#109
○藤野繁雄君 現在農村から吸い上げであるところの金は、簡易生命の金であるとか、或いは簡易保険の金であるとかというようなものが相当額あると私は信ずるのであります。そういうふうな金が相当額あるといたしましたならば、食糧の自給度を向上するために絶対的に必要である土地改良であるとか、災害復旧の資金にして貰う、地方還元の意味からいたしましても、これらの資金を流すべきであると確信するのでありますが、このお金を政府はどういうふうに流す計画であるか、或いは農村にはこういうふうな金は流すことができないような状態であるか、できるならば、私がさつき申上げましたように、我が国の再建に最も必要である食糧の自給度向上のために土地改良及び災害復旧資金として、この金を流すべきであると、こう固く信ずるのであります。その点局長の意見を承りたいと思うのであります。
#110
○政府委員(山添利作君) べきであるということにつきましては全く同感であります。
#111
○委員長(楠見義男君) それでは、大分時間も経ちましたから、本日はこの程度で散会をいたしたいと思いますが、明日本会議がありますから、一時から委員会を開きまして、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律案について御審議を頂くことにいたします。
 それではこれで散会いたします。
   午後五時四十四分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     楠見 義男君
   理事
           羽生 三七君
          池田宇右衞門君
           石川 準吉君
           藤野 繁雄君
   委員
           岡田 宗司君
           深水 六郎君
           柴田 政次君
           加賀  操君
           山崎  恒君
  委員外議員
           伊達源一郎君
  国務大臣
   農 林 大 臣 森 幸太郎君
  政府委員
   農林事務官
   (農地局長)  山添 利作君
  事制局側
   常任委員会專門
   員       永田龍之助君
  法制局側
   参     事
   (第三部第一課
   長)      堀合 道三君
  説明員
   農林事務官
   (林野庁林政課
   長)      奧原日出男君
   農 林 技 官
   (林野庁猟政調
   査課)     葛  精一君
   農林事務官
   (農地局管理部
   長)      田辺 勝正君
ソース: 国立国会図書館
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