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#1
第096回国会 商工委員会 第8号
昭和五十七年三月三十日(火曜日)
    午前十時三分開議
 出席委員
   委員長 渡部 恒三君
   理事 梶山 静六君 理事 野田  毅君
   理事 森   清君 理事 渡辺 秀央君
   理事 後藤  茂君 理事 清水  勇君
   理事 北側 義一君 理事 宮田 早苗君
      天野 公義君   稻村左近四郎君
      植竹 繁雄君    浦野 烋興君
      島村 宜伸君    田原  隆君
      泰道 三八君    中川 秀直君
      中島源太郎君    野中 英二君
      橋口  隆君    鳩山 邦夫君
      林  義郎君    松永  光君
      宮下 創平君    粟山  明君
      上田  哲君    城地 豊司君
      中村 重光君    水田  稔君
      渡辺 三郎君    石田幸四郎君
      長田 武士君    横手 文雄君
      小林 政子君    渡辺  貢君
      石原健太郎君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  安倍晋太郎君
 出席政府委員
        経済企画庁調整
        局審議官    大竹 宏繁君
        通商産業政務次
        官       原田昇左右君
        通商産業大臣官
        房審議官    斎藤 成雄君
        通商産業省基礎
        産業局長    真野  温君
        通商産業省基礎
        産業局アルコー
        ル事業部長   石川不二夫君
        通商産業省機械
        情報産業局長  豊島  格君
        工業技術院長  石坂 誠一君
        資源エネルギー
        庁長官     小松 国男君
        資源エネルギー
        庁石油部長   野々内 隆君
        資源エネルギー
        庁石炭部長   福川 伸次君
 委員外の出席者
        農林水産省農蚕
        園芸局畑作振興
        課長      畑中 孝晴君
        参  考  人
        (新エネルギー
        総合開発機構理
        事長)     綿森  力君
        参  考  人
        (新エネルギー
        総合開発機構理
        事)      松尾 泰之君
        商工委員会調査
        室長      中西 申一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 アルコール製造事業の新エネルギー総合開発機
 構への移管のためのアルコール専売法等の一部
 を改正する法律案(内閣提出第四一号)
     ――――◇―――――
#2
○渡部委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、アルコール製造事業の新エネルギー総合開発機構への移管のためのアルコール専売法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本案審査中、新エネルギー総合開発機構から随時参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○渡部委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
#4
○渡部委員長 これより質疑に入ります。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。後藤茂君。
#5
○後藤委員 まず大臣に、本案の提案に至るまでの経過と意義についてお伺いをいたしたいと思います。
 提案理由の説明で承知をしておるわけでありますけれども、この法律案の内容を見ましても、行政機構の簡素化及びアルコール専売事業の効率化に資するために、アルコール専売事業の製造部門を新エネルギー総合開発機構へ移管するという大変重要な法律案でありますので、最初に大臣から、その経過と意義につきまして、もう一度改めてお伺いをいたしたいと思います。
#6
○安倍国務大臣 アルコール専売事業の経営形態につきましては、昭和五十一年から公共企業体等基本問題会議等の場におきまして、多方面にわたって検討が進められてきたわけでございます。政府としては、これらの検討結果を踏まえまして、なおかつアルコールが石油代替エネルギーの一つとして注目されるに至ったという、その後の状況変化をも勘案をいたしまして、昭和五十四年十二月の閣議において、アルコール製造事業の新エネルギー総合開発機構への移管の方針を決定いたしました。さらに、昨年十二月の閣議了解によりその旨を再確認いたしたわけでございます。今回の法律案は、この閣議決定及び閣議了解の趣旨にのっとりまして、これを実施に移すものであります。
 本移管措置は、事業の性格がきわめて企業的な内容を有するアルコール製造事業を政府から切り離して、独立の特殊法人である新エネルギー総合開発機構に行わせるものであります。これによりまして経営の効率化を図るとともに、組織、定員の面においても行政機構の減量化を実現することができ、全体の行政責任の円滑な遂行に資することができる、こういうふうに判断をいたしておるわけであります。
#7
○後藤委員 先ほど御答弁の中で触れておられます昭和五十四年のころ、ちょうど第八十七国会が開かれておったわけであります。その際、衆参両院において国営のアルコール工場の現行体制を維持してもらいたい、こういう請願がなされまして、これが国会においても採択をされているわけであります。この請願を政府はどういうように受けとめてきたのか、先ほどの御答弁の中では、もう一つこの点についての言及がなかったわけでありますけれども、お伺いをしたいと思います。
 アルコール専売事業は、毎年の事業収益を国庫に納付をしているわけでありまして、特に経営形態を変更しなければならないという必要性を持っていたのかどうか、なお疑念がなしとしないわけであります。とりわけ、国営工場の所在の地方自治体やあるいは議会におきましても強くその存続を要請をしておった。新エネルギー機構に移管しようとする積極的な理由、その意図を再度明らかにしていただきたい。
 私がこのことについて特に冒頭に触れますのは、戦後国営工場は十三工場あった。そのうち六工場が払い下げ。もちろん今日と経済の情勢が大きく違っておったわけでありますけれども、その払い下げられた六工場のうち、現在は二工場だけが稼働していて、ほかはすべて閉鎖されているという歴史的経過を見てまいりましても、こうした工場の移管に対して不安感がないようにしていただかなければならない。それだけに、これまで各関係自治体だとかあるいは国会の決議等がなされ、また採択もされてきているわけであります。この点について再度大臣に、大変恐縮でございますけれども、この国会決議なりあるいは各自治体の意向等をどのように反映をされてきているのか、簡潔で結構でございますからお伺いをしておきたいと思います。
#8
○安倍国務大臣 御指摘の請願につきましては、国営アルコール工場の民営化に反対することをその趣旨とするものである、こういうふうに理解をいたしておるわけでございますが、今回の移管の方針につきましては、行政機構の簡素化及びアルコール専売事業の効率化という観点から、国営形態を廃止することとしつつ、工場立地地域の振興等各般の公益的な配慮にかんがみまして民営化が適切ではない、こういう判断の上に立って決定をされたものでございます。したがいまして、本移管措置は、御指摘の請願の趣旨に異なるものではない、沿うものである、こういうふうに判断をいたしております。
#9
○後藤委員 いまの大臣の御答弁をしっかりと踏まえて、この問題に対処していただきたいと思うわけです。
 大臣、もう一つこの法律案で不安に感ずる点があるわけです。それは新エネ機構、これはわが国の過度な石油依存経済を軽減をしていくために石油代替エネルギーの技術開発を目的として設立をされた。この新エネ機構の設立の当時におきましても、やはり新しい特殊法人をつくることはいかがかという政治状況があった中で、特に石油代替エネルギーの技術開発というものは大変大切である、したがって、こういう機構は万難を排していま設立をしていかなければ悔いを残すという角度からつくられていった。私はこのことは大変結構だと思うわけでありますが、その新エネ機構の中に石炭鉱業合理化事業本部の大きな仕事があるわけです。さらにこの機構の中に、今度はアルコール事業本部が加えられて、きょうの質疑が出てきているということです。NEDOの本来業務である新エネルギー開発業務に加えて、異質と言ったらおかしいですけれども、アルコール製造事業を受け入れていくということで支障が起こらないだろうか、こういう心配をするわけであります。機構の中で、どのような体制をもって、この国営アルコール工場を受け入れて運営をしていくのか。これも基本的な問題でございますので、ひとつ大臣から、この点への明確な御答弁をお伺いをしたいと思います。
#10
○安倍国務大臣 新エネ機構が誕生いたしましたいきさつについては、いまお話しのとおりでありまして、行政改革を推進するという立場から二つの特殊法人を廃止をいたしまして、そしてこの新エネ機構に吸収をいたしまして新エネ機構が出発をいたしたわけでございます。これは当面するエネルギーの内外情勢にかんがみまして、代替エネルギー等の積極的な開発推進を行うということが基本的な目的になっておるわけでございます。その中に、このアルコールの専売事業を移管をせしめるということは、エネルギー対策、特に新エネルギー対策を推進しようという一つの大きな方針として、このアルコール問題もとらえていくということで意味のあることでありまして、いまお話しのような異質というふうな感じではなくて、これを入れることがむしろアルコール事業を効率的、合理的に行うことにつながっていくものである、こういうふうに私は判断をいたしております。
#11
○後藤委員 その判断を堅持していただきたいと思うわけであります。
 もう一点、大臣にお伺いをしておきたいのでありますが、このアルコール工場は、国営工場から特殊法人であるNEDOの工場に性格が変わってくるわけであります。今後の問題といたしまして、設備の更新なりあるいは公租公課の賦課によるコストアップ等が、一体どういうように経営の効率化あるいは合理化との関係でうまく吸収されてくるのだろうか、こういう点も一つの心配としてあるわけであります。
 さらにもう一つの問題は、職員の九〇%、九割の人々がこの工場に地元採用されているわけであります。また原料供給農家も相当数に及んでいるという実情を考えてまいりますと、このアルコール国営工場というのが地域経済あるいはまた地域の雇用に大変大きな役割りを果たしてきているわけです。こうした国営工場が新エネ機構の方向に入っていく、移管されてくるということになってまいりますと、先ほども私が指摘をいたしましたように、かつて六工場が民間に払い下げられて、そして四工場が見るも無残に閉鎖されてきているという歴史的な経過等を考えてまいりますと、とりわけ原料供給の農家の方々あるいはそこで働く職員の皆さん方、身分的に大変不安な面があるわけでありますけれども、こうした原料供給農家あるいはそこに働く職員の皆さん方に対して、私は最大の配慮がなされていくべきだと考えておりますけれども、大臣、その点をひとつ明確にお答えをいただきたいと思います。
#12
○安倍国務大臣 従来の国営アルコール工場は、アルコールの長期的な安定供給等の観点に立った地域農産物の原料としての利用や地元からの雇用等を通じて工場所在地域の安定に貢献をしてまいっております。今回特殊法人である新エネ機構へ移管をされるわけでございますが、この移管につきましては、公益的な配慮あるいは効率的な事業運営というものを両立させるように配慮いたしております。機構移管後におきましても、アルコール工場が地元において果たしているところの機能は引き続いて維持されていくべきものである、こういうふうに考えております。
 なお、移行職員の新エネ機構における諸待遇につきましては、同機構において定められることになるわけでありますが、通産省としては、移管が円滑に行われるように関係省庁、機構、アルコール専売労働組合等、各方面の間の所要の調整を行っていくことといたしておりますし、現在もそれを進めておるわけでございますから、実質的には移行職員が移行後も基本的に現在と全く同質の業務を継続するものであるということから、移行後において総体的に見て諸待遇で不利益が生ずることのないように努めてまいりたいと存じております。
#13
○後藤委員 いま明確な御答弁をちょうだいし、とりわけ同質の条件を確保していくという御答弁をちょうだいしたわけであります。
 なお、念を押しておきたいわけでありますけれども、先ほど大臣も御答弁の中で触れられましたように、個々の職員につきましては――全体にはいま御答弁をちょうだいしたわけでありまして、これはぜひひとつ尊重をして対応していただきたいのですが、それにいたしましても、やはり個々の職員はそれぞれいろんな希望なりを持っていると思います。ぜひひとつ、いまの同質の条件を確保していくということとあわせて個々の職員の意向というものも十分に尊重する、聞いてやる、その上に立って対処をしていただきたいと思うわけです。
 たとえば移行する者と、さらに公務員として残っていきたいという者も私はあるだろうと思うのです。つまり移行時の問題、それから移行後の問題、あるいは残留者の問題等の条件につきましても、それぞれ個々の職員の希望というものを尊重してやっていただきたい。これは国の政策変更でありますから、この点をよく要望をしておきたいと思います。とりわけ、いままでは大変良好な労使関係というものがつくられてきているだけに、この労使関係というものを大切にしていってもらいたい。このことを、これは一言で結構でございますから、大臣から御答弁いただきまして、次に局長の方にお聞きしていきたいと思います。
#14
○安倍国務大臣 非常に大きな変更があるわけでございますので、政府としても十分気をつけてやらなければならない。そこで移行時あるいは移行後のあり方につきましては、職員の皆さん方の希望を十分受けとめて、とにかく私は円満な形で移行ができるように全力を尽くしてまいりたいと考えております。
#15
○後藤委員 ありがとうございました。
 そこで、局長に御質問を幾つかしたいわけでありますけれども、いまのと関連いたしまして、特に地元の原料供給農家の問題等とも関連をいたしまして、いままでのアルコール工場というのは、それぞれの立地条件が違いますし、またその規模、能力、生産性等も若干の違いがあるだろうと思うのです。そのことを一つの前提にいたしまして、工場別生産計画等がもし地域的にゆがみが出てくるというようなことになってまいりますと、そのことによってさらに疲弊といいますか、困難になっていくというところも出てくるだろうと思うわけでありますから、この工場別の生産計画等もゆがみが出ないように、ひとつ対処をしていくべきではないかというように考えておりますので、まずこの点、最初に局長にお伺いして、順次質問に入ってみたいと思います。
#16
○真野政府委員 先生御指摘のように、アルコールの現在の国営工場は、それぞれの地域で非常に重要な地位を占めております。その際、全体として効率のある運営と同時に、地域それぞれにおける重要性というものをどう位置づけていくか、こういう御質問だと思います。
 個々の工場の問題なり操業状況の前に、全体として申し上げますと、現在国営工場で生産いたしております発酵アルコールにつきましては、これは逐年需要が増加しております。二回の石油危機の直後に若干減少いたしましたが、その後は常に一定の安定した伸びを示しております。そういう意味で、今後とも一定の需要の増大が見込まれる、こういう背景がございます。それを受けまして、従来、アルコール製造事業につきましては、かなり経営の効率化、合理化を進めておりますので、現在のところ、かなり高い操業度、九割近い操業度を場合によれば維持する、こういう状況になっておりまして、したがって、各工場で全体として非常に成果のあるかっこうになってきておるわけであります。そういう意味で、全体の需要が非常に落ち込みますと、どこを減らすとか、コストの面でどうかということがございますが、全体の状況は、いま申し上げましたように、かなり高い操業度でずっと伸びてきている。そういう意味で、今後ともこういうような需要の増加のもとにおきまして、それぞれの経営の効率化をそれぞれの工場において行うと同時に、全体としては、個々の工場がかなり操業度を維持されるというふうな見込みを持っておりますので、御懸念のような点につきましては、私どもとしても十分配慮はいたしますが、当面の間、そのような状況は出てまいらないというふうに見通されるわけでございます。
#17
○後藤委員 地域農村経済と雇用に果たしている役割りというものが非常に大きい。とりわけ僻地等の問題も抱えているわけでございますから、いま局長の御答弁になりましたような配慮をぜひ続けて進めていただきたいと思うわけであります。
 そこで、ちょっと専売と税制の問題につきまして一点お伺いをしておきたいと思います。
 経営形態のあり方につきましては、これまでも数多くの意見が出されてきておったようであります。その中で専売制によるアルコール管理体制がよろしいという意見と、それから税制に移してはどうか、こういうような意見も出されてきておったと承知をしているわけであります。昭和五十三年の公共企業体等基本問題会議では、税制とすることが望ましい、なお若干の疑点を出しておりますが、そういう意味の意見書が出されています。翌五十四年のアルコール専売事業制度問題懇談会では、税制に移行して関係方面に多くの問題を引き起こすことは適当ではないというような角度から、専売制度を維持しつつ所要の改善を図るべきではないかという報告書を出しているようであります。
 そこで、一、二点お伺いをしたいのでありますが、専売と税制、あるいは税制にした場合の問題点は一体どういう点があるか。それから専売制度存続についての政府の方針。いま大臣からもお伺いをいたしましたけれども、なお局長から具体的にお伺いをしたい。
 それから、諸外国のアルコール管理制度の状況、全部というわけじゃないですが、特徴的な国のアルコール管理制度の状況についてお伺いをしたいと思います。
#18
○真野政府委員 専売制度をとるか税制をとるかということで、まさに御指摘のような議論がございました。ただ、専売制であろうが税制であろうが、基本的な問題としては、アルコールについて何らかの流通規制が要る。これは、アルコールは御承知のように、酒として飲まれるという意味で飲用に供される。この場合はかなり高い酒税が課される。他方、アルコールそのものは非常に重要な工業原料でございますから、これについては低廉、安価な供給が必要だ。そういう場合には、そういう酒に課されているような高い税金は課されない。同じ商品でありながら、そういう二つの種類の扱いをしなければいけない。したがって、そこでどうしても流通規制が要るということから、御指摘のような専売制もしくは税制という形が各国でとられておる、これが前提であろうかと思います。
 その場合に、全く新しく考えた場合には専売制、税制それぞれに理由があろうと思いますし、それぞれのやり方があろうと思いますし、第二の御質問の点に関連いたしますけれども、主要国の状況を見ましても、たとえば専売制によっている国としましては、ヨーロッパの大陸諸国であります西ドイツ、フランス、オーストリア、スイス、スウェーデン、ノルウェー等ございますし、一方、税制によっている国としましては、イギリス、イタリア、カナダ、アルゼンチン、それからアメリカの場合には、州によりまして税制と専売制と多少扱いが違っておりますが、まあ大宗は税制によっている国と見られるわけでございまして、国によって税制の場合と専売制の場合と両方ございます。それぞれに、いま申し上げましたアルコールに対する流通規制の必要というところから出ておるわけでございます。
 ただ、わが国の場合には、御承知のように昭和十二年から専売制をとっておりまして、それを改めて税制に変えることが果たしてどういうような影響が出るかということを考えますと、端的に申し上げまして、いろいろな流通面での混乱がかなり生ずるであろうということが一つと、それから専売制から税制に改めましても、先ほど申し上げましたいろいろな流通規制というのはほとんど変わらない。むしろ税制の場合には、どちらかといいますと、新しく酒税相当分のボンド制度、寄託制度と申しますか、こういうような新しい制度を創設しなければいかぬというような実態もございまして、かえって流通面の状況が複雑化するかどうかはわかりませんが、混乱を来すような事態も生ずるということでございますので、現在までの専売制について、基本的にこれを変える必要はないのではないか。そういう形で、むしろ専売制のもとでどうやってその中における製造事業の効率化を図るかとか、全体の運営の効率化を図るかという観点で考えていった方が望ましいのではないか、こういうことが私どもの結論になったわけでございます。
 そういう意味におきまして、先ほど御指摘の五十四年の公共企業体等基本問題会議においても、基本的には税制ということも考えられるが、経営形態を変更することについては、いろいろな問題が出てくるし、移行に伴う混乱等もあるので、そのあり方については政府で十分検討されたらよかろう、こういうような結論になっておりまして、それを受けまして、ただいま申し上げましたような結論に達したわけでございます。
#19
○後藤委員 特に、この点の念を押しましたのは、この間日米貿易摩擦の問題でアメリカへ行ってきたときに、日本の市場の閉鎖性の中で、こういう行政の機構あるいは制度も閉鎖の一つであるというように、特に専売制度等については、たばこの問題でありますけれども盛んに指摘をしておった面もありますだけに、いま局長御答弁になりました、専売制度をなおぴしっととっていくのだということを明らかにしていただいたわけであります。
 そこで、局長にお伺いをしたいわけですが、先ほどの御答弁の中でも、特に発酵アルコールの需要は一時落ちたこともあるけれども、幸い上昇傾向にあるというように伺いました。しかし、最近は国際的にも国内的にも景気が低迷をしているわけでありまして、こうした減速経済下におけるアルコールの短期的な需要見込みをどう立てておられるのか、さらに今後の中長期の需要見通しについてどういうように見ておられるのか。たとえばGNP年率五%程度の成長というものを考えてみた場合の部門別の需要見通しを明らかにしていただきたいと思います。
#20
○石川(不)政府委員 お答えいたします。
 エチルアルコールといいますのは、飲んでお酒になるように非常に便利な物質でございますが、重宝な物質でございまして、飲む以外にもいろいろな用途に使われております。したがいまして、日本の経済が高度成長になりましたときは、それにつれて需要も非常に伸びましたし、最近もやはり消費関連で堅実な需要の伸びをしております。特に発酵アルコールにつきましては、最近飲食料品工業などの需要が着実に伸びておりまして、今後とも、その他の食酢でありますとかあるいは洗剤、化粧品といったような用途につれて伸びていくものというふうに考えております。
#21
○後藤委員 発酵アルコールと合成アルコールの生産比率は現在どのぐらいでしょうか。先ほどの局長の御答弁をお聞きいたしておりましても、またいまのアルコール事業部長の御答弁をお伺いをしても、発酵アルコールの方の伸びがいいようでありまして、飲食料品工業関係の需要というものがまだ伸びていく傾向にあるのではないかと私も思うわけであります。
 いずれにいたしましても、アルコールの需要の伸びに対して、ぜひひとつ発酵アルコール、発酵法の方の活用を考えていくべきではないかと思いますが、この点はいかがでしょうか。部長、お願いいたします。
#22
○石川(不)政府委員 アルコールの生産につきましては、ずっと伝統的に発酵アルコールでやってきたわけでございますが、日本におきましても昭和四十年から、当時盛んになってまいりました石油化学によりまして合成アルコールの生産も始めております。そして始めました当時は石油価格が非常に安うございまして、発酵原料によりますアルコールと合成と相まちまして、工業用アルコールとしての安定供給、量的、価格的安定を図ってきたという経緯がございます。そういうことで両方が相補いながらやってきたわけでございます。
 最近、二度の石油ショックがございまして、発酵アルコールと合成アルコールの価格差は従来ほどなくなってきたわけでございます。したがいまして、いろいろなユーザーのニーズに応じまして、ユーザーの選択によって供給しておるわけでございますが、飲食料品工業のように、人体の中に入りますものにつきましては、発酵アルコールが使われておりまして、発酵アルコールはどんな用途にでも使われるわけでございます。そういった点で有利さがあるわけでございます。
 最近の生産の比率でございますが、発酵アルコールと合成アルコールが大体半々ぐらいになっておりまして、伸びとしては、最近発酵アルコールの伸びが若干いいように思われます。この発酵アルコールの伸びがいい一つの理由は、先ほど申し上げましたように、飲食料品工業の分野がかなり伸びておりまして、従来、飲食料品、加工食品などの場合に防腐剤がよく使われておったわけでございますけれども、保健衛生の立場から防腐剤をやめたり減らしたりしまして、エチルアルコールの持っている保存作用、殺菌作用といいますか、そういうものを活用した食品の保存料というような面で用途がふえてきておるというふうな背景がございます。
 いずれにしましても、エチルアルコールは非常に使い勝手のいい物質でございます。そういうことで私どもは、これを酒税とは別に消費者のニーズあるいはユーザーのニーズに合わせて安定的にかつ安価に供給していくことが大切だということで従来とも努力してきたわけでございますが、今後とも専売事業とかそういうことを離れまして、そういう趣旨で運営をしていきたい、こういうふうに思っております。
#23
○後藤委員 発酵アルコールの有利性というものの拡大に向かって、これからもぜひひとつ努力を続けていただきたいと思うわけであります。
 そこで合成アルコールの方でありますけれども、また後で同僚議員が御質問すると思いますが、エチレン価格の今後の見通しが一体どういうようになっていくのだろうかということについて局長にお伺いしておきたいと思うのです。
 現在、石油化学工業は大変深刻な不況に陥っているわけであります。コンビナートというものが非常に期待をされて全国各地につくられたわけでありまして、コンビナートで生きていく企業は、それなりにそれぞれ大きなメリットを受けておったと思います。しかし、考えてみますと、これは非常に稼働率の高い高度成長期に入っているような場合というのはメリットが非常に高いのではないだろうか。いまのように石油化学工業が深刻な事態に陥ってくる、こうなってまいりますと、そのエチレン原料を受けております合成アルコール工場の方が影響されないだろうか、このことが一つの心配であります。
 それからもう一つは、最近、中間製品の輸入が大分ふえてきているというように聞いておるわけでありますけれども、これがエチレン生産に影響を及ぼしてコストアップの原因になりはしないだろうか、こういう点も懸念をするわけでありますが、この二点につきまして局長、いかがでございましょうか。
#24
○真野政府委員 先生御指摘のように、ただいま日本の石油化学工業は非常な苦境に陥っているわけでありますが、基本的に申し上げまして、まず日本の石油化学工業の現状から申し上げますと、設備能力としては十分なものを持っている、十分過ぎると申しますか、六百万トン強の能力を持っておりまして、これに対して現実の生産は三百数十万トン、六割操業という状況が続いておるわけでありまして、この原因はこれまたいろいろございますが、基本的には全体の需要の落ち込みとあわせまして、そういった需要がないということからくる生産の低下でありますが、その中において、もう一つ大事な点は、御指摘のような日本の石油化学原料の割り高性という問題がございます。これは特にカナダ、アメリカ等のいわゆる天然ガスを使用する石油化学とのコスト差、これによりましてかなり影響を受けておりまして、その結果として御指摘のような中間製品の輸入がかなり急増しておる部分がございます。
 ただ、国内のエチレン価格そのものとしましては、そういった国際的な市況あるいは全体の需要の不振ということから非常に低位にとどまっておりまして、むしろコスト割れのような形での価格すら出ておる、こういう状況でございますので、少なくとも原料の価格面に関しては、こういう状況は改善するに望ましいにしても、価格は著しく上がるというような事態はなかなか見込めないのではないかと思います。量的にも、ただいま申し上げましたように、かなり設備能力としても余剰を持っておるという状況でございますので、少なくとも合成アルコールの製造という面での原料に関する限り、そういった原料面からの問題は少ないのではないかと思います。
 ただ、全体としての化学工業の不振がこのままでいいということではございませんので、やはり全体としての化学工業の構造改善というのが同時に行われないといけないわけでございまして、この点については現在、産業構造審議会化学工業部会におきましていろいろ検討をして、その方向を見出そう、こういうことになっておるわけでありますが、ただ、中長期的に申し上げましても、世界的に見ましてナフサはやや過剰な国際商品になるであろうという見通し、他方、先ほど申し上げました、天然ガスという、より安価な原料によるエチレン生産が今後かなり増大してまいりますので、そういう意味では、石油化学全体については価格的にはかなり低い状況が続くものと考えられるわけでありまして、そういう意味で、合成アルコールの生産については原料面での問題はないというふうに当面見通されるわけであります。
 ただ、先ほど私どものアルコール事業を申し上げましたように、何しろ二度にわたる石油危機がございまして、かなり石油製品の価格が上がっておりますので、発酵アルコールの原料の不利性というのは逐次解消してまいりまして、最近ではほぼ近いところになっておりますので、今後発酵アルコールと合成アルコール、ほぼ同じようなコストのベースで生産されてまいる、こういうふうに考えるわけでございます。
#25
○後藤委員 いまのと関連いたしまして、いま合成アルコールの方の委託工場が二工場でありますけれども、今後もこの土工場で続けていかれるわけでありましょうか。それから収納価格の点につきまして算定基準を一言聞いておきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#26
○石川(不)政府委員 お答えします。
 最初の方のお尋ねでございますが、現在合成アルコールは二つの工場でつくっております。その能力は各五万キロリットル、計十万キロリットルございまして、現在合成アルコールの需要が約八万キロリットル弱ということで七五%くらいの稼働でございます。最近の合成アルコールの需要の伸びを見ておりますと、この二工場で当分十分能力は賄っていけるという状態でございます。
 それから、収納価格の算定でございますけれども、変動費、これは原材料費でございますが変動費、それから固定費、一般管理費、こういうものから成り立っているわけでございますが、変動費につきましては、相当操業の実績がございまして、燃料とか原料の原単位、これを過去三年の移動平均をとるとか、それから価格につきましてはいろいろ調査いたしまして、当該年度に想定される単価を入れるというふうなことで、適正にそういった経費を算定して決定するようにいたしております。
 以上でございます。
#27
○後藤委員 発酵アルコールの原料別生産数量を見ますと、粗留アルコールの比率が高くて、その次に糖みつが後に続いているわけですね。この粗留アルコールの原料供給地は南米が大きな供給地になるのでしょうか。それから糖みつは東南アジアというように聞いているわけですが、この主たる供給国、資源国の原料供給見通しというものについて不安はないのでしょうか。あるいはこれからの価格高騰の心配というものはないのだろうか。これは先ほども御答弁の中で発酵アルコールの方の需要の伸びが比較的高い見通しの中で、価格が高騰したりあるいは原料確保に不安定性が出てまいりますと、またバランスが崩れるという心配があるわけでありますが、この点はいかがでございましょうか。
#28
○石川(不)政府委員 お答えいたします。
 発酵アルコールの原料でございますが、古くはほとんど国内のカンショとかジャガイモを使いましてやっておったわけでございます。戦後、国の内外の経済情勢が変わりまして、主として経済的な理由から、だんだんと輸入原料がふえてまいりまして、その中でも砂糖の副産物でございます糖みつが逐次主流を占めるようになってきたわけでございます。その後、わが国のアルコールの需要がふえるに伴いまして、糖みつだけではなしに、一応アルコールになったもの、これも輸入するようになったわけであります。
 糖みつは、やはり農産物の特徴といたしまして大体五、六年を周期にして非常に価格が高騰するという傾向がございます。そういったことで、実は先ほど申し上げました合成アルコールを導入いたしましたのは、そういった全体としての価格の安定を図るという意味もあったわけでございますが、その後、糖みつだけの需要もふえまして、当初はフィリピンとか近い東南アジアから主に入れておったのでございますが、わが国の産業規模が大きくなるに伴いまして、次いでオーストラリアとかさらにはブラジルまで糖みつを買いに行くというようなことになってきたわけでございます。さらにもう一つ公害問題。糖みつでやりますと非常に黒い廃液が出る。そういった問題があるし、それからブラジル等から糖みつを買いますと、非常にフレートが高くつく。アルコールにしますと量として三分の一ぐらいになるということでフレートが安くなる。それから原料の多角化、こんなことで、クルードアルコールと称しておるのですが、そのアルコールの形でも入れるようになったわけでございます。もちろん、外国でつくられるアルコールでありますし、タンカーで運ばれていますから、当然品質上合いませんので、さらに国内の工場でレクティファイ、精製しまして、スペックをそろえてユーザーに提供する、こういうことでございます。
 そういうことで、最近は輸入粗アルコールの量が非常にふえまして、私どものケースで言いますと六〇%から七〇%ぐらいになってきております。それから糖みつが二〇%ぐらいということで、国産原料がだんだん減ってきておるような実情にございます。ただ、カンショにつきましても引き続き買って使っておりますし、特に最近は、農産廃棄物の中で、いままで捨てておったもの、あるいはお金をかけて捨てておったようなものを利用してアルコールの資源にするというようなことで研究をいたしまして、ミカンからジュースをつくりましたときのしぼりかすをさらに処理しましたミカンジュースの廃みつというのをつくりまして、これをかなりな量、アルコール原料として使うようになっております。そういったことで原料の多角化をいたしましてやっております。
 将来の糖みつとかアルコールの供給の安定性とか価格の問題でございますが、糖みつも、フィリピンあるいは東南アジアのタイ、いろいろな国を含めた数カ国から輸入しておりますし、アルコールにつきましても、豪州を初め、ブラジル、フィリピン、タイというふうに十カ国程度から輸入しております。少量でございますが、アメリカからも入れております。そういったことで非常に供給先を分散化しておりまして、いまや、それらがお互いに競争状態で日本に納入するというふうな状態が出てきております。
 ただ、これから後でもお話があろうかと思いますが、ガソホールといいますか、アルコールを燃料にするということで、ブラジルが大々的にアルコールの生産を始めると同時に、むしろ国策としてそれを国内の燃料に使うために、日本に来なくなるんじゃないかという不安が一時ございましたが、やはりたくさんつくれば、それだけ出回るわけでございまして、この心配は一応杞憂に帰したということで、これからバイオマスエネルギーの一番有力なものとして発酵アルコールの生産あるいは開発が世界的に進みますと、むしろそういったものはだんだん豊富になってくるというふうに長い目では見られるのじゃないか、こう思います。
#29
○後藤委員 国産原料との価格差によって輸入原料への依存が高くなってきた経過、今後の見通し等についてお伺いをしたわけでありますが、安易ではなかったと思いますけれども、安い海外原料に依存しておったのを、もう一度国内の資源を見直していくという立場から、国産原料活用の可能性をぜひ拡大していただきたい。とりわけ、先ほども御答弁の中にありましたように、ミカン等いわゆる果汁廃みつというのですか、こうしたものの活用のための研究等もさらに進めていただきたいと思います。このことを申し上げますのは、これはまた地域農業と結びついていくわけでありますし、地域経済あるいは雇用との関係においても良好な方向を来すと思いますので、この点を要望しておきたいと思います。
 そこで大臣、十一時から参議院の方に行かれるというようにお聞きをいたしておりますので、二点だけちょっとお伺いをしておきたいと思います。細かくは、エネ庁長官もおいでになっておられますので、そちらの方にお伺いするわけであります。
 昭和五十四年の八月三十一日に総合エネルギー調査会の需給部会が「長期エネルギー需給暫定見通し」の中間報告をされているわけであります。この委員会でもしばしばこの長期エネルギー需給見通しに対する改定というものを私も指摘をしてまいりました。この改定の作業というものがどういうように進んでいるのか。特にこれは大変重要な需給見通しでありますから、これに対しましての改定の基本的な方向についてお伺いをしておきたい。これが一つです。
#30
○安倍国務大臣 長期エネルギー需給見通しにつきましては、現在総合エネルギー調査会の専門委員会におきまして検討をしておるわけでありますが、四月の末から五月にかけまして成案を御報告いただけるもの、こういうふうに期待をいたしております。
 検討の方向につきましては、東京サミット等で決定をされました昭和六十年六百三十万バレル・パー・デーの石油輸入目標を、現在、省石油、省エネルギー等が進みまして、相当程度下回りつつあるわけでございます。その中でいかにしてエネルギーの安定供給の確保を図るか、こういうことであります。
 第二番目としては、昭和六十五年度七億キロリットル、これは原油換算でございますが、このエネルギー需要の相当程度の引き下げを目指す必要があるのじゃないか。いまの需給の状況から見ますと、六十五年度七億キロリットルということは必要はない、そういう状況になっておりますから、どの程度までこれが引き下げられるかということについて検討をお願いいたしておる。
 それから、石油代替エネルギーにつきまして、これから長期的に可能な範囲で供給の増加に努めてまいらなければならぬわけでございまして、十年間で石油依存度を五〇%にする、こういう目標ですでに七〇%を切っておるわけでありますが、この方向を着実に進めていくためにどういうことをなすべきか、こういうことについて御答申をいただけるものと考えております。
#31
○後藤委員 もう一点だけ。
 実は私、今度の法律と関連いたしまして、アルコール専売法を読んでみたわけであります。これは御承知のように昭和十二年につくられて、かたかなの法律であります。通産省所管では、かたかなの法律が弁理士法と、この前も私は指摘したのですけれども、商工中金法がこれまたかたかな法であります。この辺でこうした法律は整理をして、ひらがな法に変えていくべきじゃないか。とりわけこれは、御承知だと思いますが、目的が明確ではない。戦時、燃料アルコール確保のためにつくられてきた法律であるということでありますけれども、法律の目的が明確にされていないし、中身が、たとえば「当該官吏ノ承認ヲ受ケズシテ製造場ヨリ移出スルコトヲ得ズ」だとか、それから読めない字がたくさんあるわけですね。
 今度の法律を提案する過程におきましても恐らく議論もなされたんだと思いますし、時間的ゆとりがなかったわけではないと思いますが、これは大臣、一言で結構でございますけれども、やはりこうしたかたかな法というのはもう少しわかりやすいように、つまりこれは立法府ですし、国民の法律でありますから、国民がこれを読んで、私も三回ぐらい読んだって、なお理解ができないような文章がいっぱいあるわけであります。こうしたものは、せっかく本法律案が出ているわけでありますから、この法律そのものが改正をしていないのだということを言わないで、すぐにとは申し上げませんが、大臣ぜひひとつ、かたかな法についての整理をお考えになるべきではないか。その御見解をいただきまして、参議院の方へ結構でございます。
#32
○安倍国務大臣 現行の法律がそういうことになっておるわけですが、これからの法体系を統一していくためにも、今後の課題としては、やはり一般的に使われておるひらがなの法体系に統一する方向で、これから整理をしていくのが国民にとっても非常に親切であることじゃないか、こういうふうに考えております。そういう方向につきまして、私もまたいろいろの機会を通じまして意見を述べたいと考えます。
#33
○後藤委員 先ほど大臣に「長期エネルギー需給暫定見通し」の改定作業の方向についてお伺いをいたしました。近い時期に答申が出されるというようにお聞きをいたしております。
 エネルギー庁長官、この中で供給目標、この改定の中身、これはもちろん審議会の答申を受けるわけでありますけれども、この供給目標の改定につきましても、どの程度の動きが出てきておるのかお伺いしたい。これは後でのアルコール燃料との関係もありますので、お伺いをしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#34
○小松政府委員 先生からお話のございました石油代替エネルギーの供給目標、これは五十五年の十一月に策定されたわけでございますが、この根拠になっておりますのが、先ほど大臣からも答弁申し上げました「長期エネルギー需給暫定見通し」ということになっておるわけでございまして、これが現在総合エネルギー調査会でいろいろ検討されておるということでございますので、その検討結果、これも先ほど大臣から申し上げましたように、大体四月から五月にかけて御報告がいただけるものというふうに考えております。その結果を踏まえまして、当然のことということになると思いますけれども、供給目標についても改定を加えることになるのではないかというふうに思っております。
 現在は、大体五十五年十一月にできました供給目標をベースにいたしまして、代替エネルギーの開発、導入をしておるわけでございますけれども、石炭、地熱、水力、こういう関係の資源の開発、これも順調に進んでおりますし、代替エネルギーの利用技術の開発、また新エネルギーの技術開発、これも当初の路線に沿って進められております。
 それから、具体的には石炭、LNG、原子力、こういうものの導入が相当進んでおるわけでございまして、今後は現在の需要動向その他から見ますと、当初の見通しに比べて全体の需要が落ち込むということになっておりますが、その中で代替エネルギーの供給目標を五〇%というのは、パーセントとしてはぜひ達成したいということで現在施策を進めておりますし、それから今後の見通しにつきましても、こういうものを踏まえて御検討をいただくことにいたしておるわけでございます。
#35
○後藤委員 需給暫定見通しの中では、新燃料油として、石炭の液化と並んでアルコールの開発の必要性が強調されておったと思うわけです。この石炭液化とアルコール、そのアルコールは大体どのぐらいの量を確保することを考えておったのか。それから、これからアルコールのウエートというのが高まる方向をエネルギー庁としては望んでおられるのかどうか。そういった見通しの点につきまして、答申作業をしている段階でありますけれども、もし差し支えなければお伺いしておきたいと思います。
#36
○小松政府委員 燃料用アルコールということで、これはアルコールを燃料に使うわけですので、先ほど先生から御指摘のございました、新エネルギー全体の昭和六十五年度目標の原油換算三千八百五十万キロリットルの中に、当然この燃料用アルコールも入れておるわけでございますけれども、具体的な数字ということになりますと、なかなかむずかしい問題がございます。
 ただ、燃料用アルコールにつきましては、私どもとしては、一つは、これは石油に直接代替し得る液体燃料であるということで、今後その活用を図ることが脱石油という観点からも非常に重要であるというふうに考えておりますし、またこれがガソリン等に混合されて使われるということでございまして、今後石油の原油面での重質化が進み、また一方需要面での軽質化が進むわけですから、そういう意味での軽質留分の需給ギャップ、これに対してこたえていくために、かなり有用ではないかというふうに思いますし、さらに日本独自の立場から見ましても、セルローズ分解発酵技術のようなものが確立されますと、農産廃棄物とか林産廃棄物、こういう未利用バイオマスの資源の有効利用、こういうものにも役立つのではないか、こういうことで、現在もアルコール特会の中でも研究開発をしておりますが、その他関連民間も含めまして、いろいろの研究開発を進めておるわけでございます。
 今後とも、こういう面におきまして、生産面それから利用の面での技術開発を進めまして、できるだけ燃料用アルコールの活用をできる量を高めていきたいというふうに思いますが、いかんせん、いまのところでは研究開発段階でございますし、また今後の量の確保の問題、それからコストの問題、こういう面についてもさらに検討すべき問題が残されているというふうに思いますので、現在全体での長期需給暫定見通しをいたしておる段階でございますので、その中でできるだけこの活用を図る方向で検討をしてまいりたいというふうに考えております。
#37
○後藤委員 先ほど御答弁がありましたように、アルコールは再生産可能な資源でありますし、特に長期的な視野に立てば、私は、アルコールのこれからの技術開発というものは大変大切だと思います。
 特に心配なのは、NEDOの理事長がお見えになっておられますので、後でお伺いもしたいと思うのですが、最近石油需給が緩和してきているということで、ともすれば代替エネルギーに対する技術開発の意欲が少し冷えてきているのではないかということを心配をいたしますだけに、政府としての新エネルギーのエネルギー政策上の位置づけというものを明確にしておいてもらわないと、時の情勢によって動くという危険性がありますので、この点を指摘をしたいために、私は重ねて質問をしておいたわけであります。
 とりわけ、新技術の浸透を分析していくような場合には、新技術のコストの評価だとかあるいは商業化の時期であるとか、さらにはまた新技術の市場における開発や確立に必要な資本の調達とか、不確定な要素がたくさんあるものですから、ともすれば長期に展望を持ちながら、その一歩を踏み出していくのに非常にちゅうちょする面がありますので、特に燃料アルコール等に対しましては、ひとつ積極的な開発の努力を進めていただきたいということを要望をしておきたいと思うわけであります。
 そこで、時間があればまた諸外国における燃料アルコールの開発、導入等の状況についてもお伺いしたいと思いますが、あと二十分ばかりになってまいりましたので、せっかく新エネ機構の理事長お見えになっておられます。理事長から新エネルギー開発事業の状況と今後の積極的な対応方針について最初にお伺いをいたしまして、二、三、具体的な問題について御質問申し上げたいと思いますが、ひとつよろしくお願いします。
#38
○綿森参考人 新エネルギー総合開発機構の理事長をやっております綿森でございます。大変重要な仕事をやらさせていただいておりますが、諸先生方の御指導によりまして、今日まで一年半を務めさせていただきました。
 後藤先生の御質問にお答えいたします。
 御指摘のように、石油需給が最近緩和いたしまして、価格も低下するというような現象が出ております。しかし、これはあくまでも一時的な現象にすぎないととらえるのが正しいことであろう、こう存じております。また、米国におきましては、レーガン政権になって以来、代替エネルギーの予算の削減が伝えられておるのでありますが、これは米国という大きな国でありまして、エネルギーの分野におきます余裕が反映しておるものであると考えております。資源のないわが国におきましては、米国に比べまして圧倒的に高い輸入石油の依存度、またおくれているエネルギー開発の段階といった弱点を考えまして、決してこれらを見習ってはならないと考えております。むしろ私は、この際、石油代替エネルギーの開発の努力を強化して、着実に、わが国の脆弱なエネルギー構造のかぎとなる技術開発を進めていかねばならないと考えておる次第でございます。
#39
○後藤委員 財源の問題ですけれども、理事長、原重油の関税、これは従量税ですから、量が少なくなってまいりますと財源も減ってくるのではないかというように考えるわけです。あるいは石油税あるいは電源開発促進税等の財源、最近の経済動向から見まして、発足の際は、これは相当ふえていくのではないかという見通しであったと思うのですけれども、最近これが少し心配の面があります。
 この財源につきまして、このままでよろしいのか、あるいはもっと手当てをしていかなければ、これは二十年、三十年先のことにもかかわってくるわけでありますから、新エネルギーの開発のために、もっと財源を確保していく道を考えていく必要があるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
#40
○綿森参考人 NEDOの新エネルギー関係の予算は、まだ仕事を始めたばかりでございますので、五十五年度は百八十億円、五十六年度は三百八十億円、五十七年度は要求五百十億円と確実に伸ばさしていただいております。これは現在パイロットプラントをつくっておる段階であったからだと思います。しかし、これからはデモンストレーションプラントに入りますし、さらに大型化しました実用化への方向段階を考えますと、資金需要は相当増加するものと考えねばなりません。したがいまして、御指摘のように、資金確保の必要性はきわめて重要であると考えておりますけれども、現在決められております特会その他の資金を使わしていただきまして、資金の有効利用ということに努力しながら、さらに努力していきたい、こう考えております。各方面の御理解と御支援をお願いしたいと考えております。
#41
○後藤委員 もう一点、理事長にお伺いしておきたいのですが、技術開発プロジェクトに対するNEDOの国際協力はどういうようになっているのでしょうか。
#42
○綿森参考人 新技術開発というものをやるのに、国内の技術と国外の技術と二つございまして、私どもはまず身近な国内の技術を開発するように努力いたしております。
 しかし、海外の技術というものは非常に規模も大きいし、われわれよりも進んでいる場合も多くございます。したがいまして、さきにSRCIIの石炭液化プロジェクトというようなものにつきましても、国際協力して一緒に技術開発をしようとしたのでございます。現在やっております国際協力のプロジェクトは、日本と豪州の間にあります褐炭液化の開発でございます。またEDSプロジェクトにも参加いたしております。
 このように、海外の技術と自主技術開発との関係は、一般論として考えますと、明らかにすぐれた知見だとかあるいは要素技術の開発がある場合は、海外技術でありましても、これを取り入れるべきであろうか、こういうように考えております。したがいまして、海外技術の開発の動向にも十分に関心を払っておく必要があると思います。特に今後の規模がスケールアップして大型になってまいりますと、日本のパイロットプラントが小さいだけに、これの海外の技術の導入ということが必要になろうか、こう考えております。しかし、具体的な国際石炭液化プロジェクトへの参加に当たりましては、その技術的な評価あるいは参加体系の状況あるいは共同開発の内容というようなものを慎重に検討いたしまして、ケース・バイ・ケースで判断していきたい、こう考えております。
#43
○後藤委員 アメリカは最近、国が直接開発に手を染めることをレーガン政権はやめようとしているようでありますけれども、わが国とアメリカとの場合というのは非常に違うと思うのですね。エネルギー資源の条件を考えてみますと、アメリカは国内に御承知のように膨大な石炭やオイルシェール等を持っているわけですし、また石油や天然ガス等も持っているわけです。メジャーがいますし、民間の資金負担やリスクの負担能力もあるわけでございますが、日本はこうしたアメリカとの国情といいますか、エネルギーに対する条件が違っている。それだけに、国なりNEDO等の役割りというものが非常に高くなってくると私は考えるわけです。
 そこで、これは原田次官お見えになっておりますので、少し哲学をお聞きしたいのですけれども、このNEDOの自主判断能力がまだどうも十分でないんじゃないかという気がいたします。先ほども大臣に御質問をしたわけですけれども、まあこれで発足をいたしまして一年半ばかりになりますか、発足する前には行政機構の改革等の声が強かった中で、この新エネルギー開発のための機構というものは、何を差しおいても優先的に取り上げていかなければならぬということでつくり上げた。ところが石油需給が若干緩和の方向に行く。生み落としてしまうと、どうもそれに対するめんどうを見ることを忘れているのではないだろうか。そのことが結果的にはNEDOの自主判断能力というものを不十分にさせていはしないだろうか。あるいはいろいろなプロジェクトが上がってくるだろうと思うのです。そのプロジェクトに対する評価をする能力が十分なのかどうか。もしこれが十分でないと結局資金配分の機関だけに成り下がってしまう。私はこれはもっと成長してもらいたいし、そこでは人材の確保なりプロパーの養成なりというものも取り上げていただきたいと思うわけでありますが、こうしたNEDOの役割りというものに対して、次官、ひとつ積極的なお考えをお聞かせいただきたい。特にコスト評価だとかフィージビリティースタディー等の問題等についても、いろいろな点で私、NEDOの皆さん方にお聞きしましても、やりたいことと資金的な面、人的な面あるいは機構の裏づけ等についてのひ弱さというものがまだあるようでありますので、次官からひとつお答えをいただきたい。
#44
○原田(昇)政府委員 後藤委員の御指摘のとおり、NEDOは発足後まだ一年半ぐらいのところでございます。われわれもNEDOに対して非常に期待をしておるわけでございますけれども、なかなか期待どおり仕事がいってないのじゃないかという御印象をあるいは持たれるかもしれません。しかしながら、このNEDOの本来の目的は代替エネルギーの開発であり、しかも、いままで代替エネルギーとして実際に実用になっております原子力とか石炭等は、これから除いておりまして、非常にむずかしい新しい分野の開発ということになっておるわけでございます。したがって、この開発には相当長期でしかも根気の要る仕事をやっていかなければならぬということではないかと思います。それには予算の面でも人的スタッフの面でも相当充実してくる必要があることはもちろん言うまでもございませんが、まずこの一年半ぐらいたったところで、こういった点を十分再検討して、効果的にやっているかどうかということを評価するということは確かに必要なことだと思います。
 しかし、いま申し上げましたように、きわめて長期の根気の要る仕事でございますし、長期エネルギー需給見通しから見ましても、六十五年が長期エネルギー需給見通しの目標年次ですが、それにはこの代替エネルギーのNEDOでやらなければならぬものの供給というのは、そう大きくは見込めないと私は思うのです。しかし、そうだからといって、この仕事が必要でないということではなくて、とにかく石油需給はいま若干緩和しておっても、将来にわたって見ますと、石油の供給安定ということについては政治的な面もあって、なかなかわれわれとしてもう大丈夫だということは予断を許さないわけでございますから、どうしても長期的にこの仕事をやっていかなければならぬ。またわれわれとしてはそれだけの期待を持って予算なり人員の確保をしていかなければならぬ。一年半でございますので、相当の予算も獲得はされておりますけれども、まだまだ十分ではないし、人員の面でもまだまだ十分整備されておるというわけにはいきませんけれども、NEDOは理事長以下みんなやる気になって、もう非常に一生懸命開発に取り組んでおるということだけは申し上げられると思うのです。
 したがって、今後の問題として、さらに代替エネルギーのいろいろな開発に取り組んでいる分野についての評価をするシステムを、どういうようにうまく導入していくか、あるいは今後の本当に長期的にやっていく体制を、さらに予算、人員の面でどういうように整備していくかということが今後の課題だと思いますが、この仕事は、六十五年までに相当の成果を上げなければ話にならぬとい小ごとではなくて、もう少し長期に考えていかなければならぬようなものばかりであるということも、ひとつぜひ御理解をいただき、その上に立って長期的な観点から、このNEDOの仕事について、ひとつ御理解と御指導、御鞭撻をいただきたいと存ずる次第でございます。
#45
○後藤委員 よほどてこ入れしていかないと、こういう財政的にも非常に苦しい状況、景気も停滞してくる状況、しかも幸い石油需給が緩和してきているということになりますと、すぐにどうしても政治の場では、長期だ長期だと言いながら、短期的視野に振り回されていく危険性がある。これは一つの大きなプロジェクトでありますから、特に相当なてこ入れをしていくように、ひとつ努力をしていくべきではないかと考えるわけであります。
 そこで、時間がなくなってまいりましたので、最後に一点だけ申し上げたいのでありますが、NEDOができた当初は、石炭液化の問題に対しまして大変な熱意を持って取り組むということであったわけですけれども、どうもこのSRCIIにいたしましても、各地のプロジェクトについても一とんざしておる、御破算になってきておるという動きにあるわけです。これは大変困ったことだと思うのですが、この石炭液化を早急に実用化していくということは、石油の国際価格の上限を規制していくという道につながっていくだろうと私は考えているわけです。適正な価格安定のためにも、石炭液化の問題に対しましては、もっと積極的に取り組んでいただかなければならないと考えているわけでありますけれども、これはエネ庁長官からお聞きしましょうか。石炭液化に対する基本的な姿勢、どうも最近余り声を聞かなくなってきておりますので、改めてお伺いしておきたいと思います。
#46
○小松政府委員 いま先生からお話がございましたように、最近石油の需給が緩和しておりますので、代替エネルギーの開発、導入について若干緩みがちではないかということでございますけれども、代替エネルギーの開発、導入というのは、先ほど政務次官からもお話し申し上げたように、非常に息の長い、リードタイムの長い研究開発でございます。それからまた、同時に先生から御指摘がございましたように、将来石油資源というのは非常に枯渇いたします。それから石油の値段というのは中東情勢その他を踏まえて暴騰するというようなこともございますが、こういうものに対して、石油の上限価格を抑えるというような意味もありまして、石炭液化というのは私どもとしても非常に重要な代替エネルギー開発の一つであるというふうに考えております。
 特に、石炭液化の場合は、先ほどお話の出ました燃料アルコールなどと同じように、直接石油にかわって使えるものでございます。ただ現在は、すべて研究開発段階ということで、今後の研究開発にまつわけですし、コストの問題につきましても、今後の技術開発の動向いかん。また石炭の値段がどうなるか。それから将来それが商業ベースで実際に利用される段階になりますと、その当時の石油の価格がどうなるか、こういう問題との関連で、具体的にどの段階でどの程度利用できるかという点については、いまつまびらかに申し上げるわけにまいりませんけれども、基本的に申し上げまして、日本の場合には脱石油を図る観点から、原子力、LNG、石炭とあわせまして、将来の石油に直接かわる新エネルギーということで石炭の液化も位置づけておりますし、そのための研究開発については手綱を緩めずに、今後とも重点的に研究開発を進めていこうということでございます。現在サンシャイン計画の中で石炭液化、歴青炭については三つの方式の研究開発を進めております。それから、先ほどNEDOの理事長からも話がございました褐炭液化、これは豪州との共同でやっておりますが、EDSプロジェクトへの開発参加というようなことで着々といま進めております。この成果を踏まえまして、それからさらに今後のエネルギー事情も踏まえて、石炭液化についても政府としても積極的に助成し、また新エネルギー開発機構を中心に、その研究開発を進めてまいりたいというふうに考えております。
#47
○後藤委員 時間がもうなくなってまいりましたので、理事長、もう一点。
 NEDOが発足をいたしまして一年半、その中で、通産省の機構で工業技術院があります。それからまた各大学の研究室、研究所等もあるわけであります。あるいは民間の研究機関等もあるわけです。これとの役割りという面が不明確なところがないだろうかという心配をいたしております。基礎研究、応用研究あるいは実用化にかかわるNEDOの役割りというものを一体どうされているのか、あるいはこれからどういうようにしていったらいいか、時間もございませんので簡単にお答えいただきまして、また機会を得て質問したいと思います。
#48
○綿森参考人 お答えいたします。
 NEDOは自分のところに研究設備あるいは製造能力を全く持っておりません。したがいまして、学界あるいは産業界の研究設備の力を一〇〇%利用してやらしていただいております。しかし、NEDOは、そういう研究開発は委託してやりますけれども、その成果は自分で取り上げまして、その成果をもとにいたしまして、プラントの設計、建設、運転、研究並びにデータの集積というようなことは全部NEDOでやっております。そしてその成果を踏まえまして、さらに大型の商業化、工業化という方向まで持っていくのがNEDOの仕事だ、こういうように考えております。
#49
○後藤委員 では、最後に次官に一点だけ。
 国営アルコール工場が今度新エネルギー機構に移管されてくるわけでありますが、やはり国営アルコール工場の中において研究開発の面でいろいろなノーハウなり技術なり等も蓄積されていると私は思うのです。眠っているものもあるでしょうし、それを刺激していけば花開いていくものもあるだろうと思うのです。とりわけバイオマスだとか、あるいは燃料アルコール等の開発に対しまして、こうした蓄積された技術、研究なりノーハウなりというものを大きく花開かしていくように、新エネ機構の中におきましても活用していくように、ひとつ進めていただきたいと思うわけでありますけれども、次官にこの点に対する御答弁をいただきまして、私の質問を終わりたいと思います。
#50
○原田(昇)政府委員 後藤委員がおっしゃいますように、まさにアルコール工場が持っております蓄積された技術を大いに活用し、新しい燃料油を開発していくことがNEDOに移管する最大の根拠になっておるわけでございます。したがいまして、NEDOに移管した後、バイオマスとかあるいは新しい燃料油の開発について積極的にそうした蓄積も加えて技術開発に全力を尽くすように、われわれとしても期待しておるわけでございまして、またそういうことがNEDOに持っていく目的でもございますので、私どももぜひともその点を遺憾ないように見守り、また指導していくつもりでございます。
#51
○後藤委員 終わります。
#52
○渡部委員長 中川秀直君。
#53
○中川(秀)委員 同僚委員のお勧めとお許しをいただいて、初めて質問をさせていただくわけでありますが、本会議も入りまして、時間が急になくなりましたので、はしょってお尋ねをさせていただきますので、御答弁の方も簡潔にお願いをしたいと存じます。
 まず、アルコール専売法の一部改正案について五点ほどお尋ねをさせていただきます。
 このたびNEDOにアルコール専売事業を移管することになったわけでありますが、代替エネルギーあるいは新エネルギー開発というNEDO本来の業務に支障を生ずるおそれはないのか。NEDOの性格が不明確にならないか。その辺の御配慮はどうなさっているか、簡潔にまずお尋ねをしたいと思います。
#54
○真野政府委員 先生御承知のように、今回NEDOに移管いたしますのは、現在のアルコール専売事業の中の製造事業でございます。そのアルコール製造業務についてNEDOの中において本来業務とどういう形で整理するかということでございますが、まず第一に経理面につきましては、法律上他の業務と区分経理を行う、こういう形で、いわば企業経営的な運営ができるように経理面から措置いたすつもりでございまして、法律面においてもそういう規定を設けております。
 それから第二に、組織面、実際の運営の組織面でありますけれども、この点につきましては、アルコール製造事業を専任に担当する理事を置きまして、そのもとに事業本部制をとる、そういうことによりまして人事、労務管理等を一元化して、いわば独立した形で自主的に運営できるようにいたす、そういう形にいたすことを考えておりますので、御懸念のような、NEDOの本来の業務との混淆を来すようなことはないと考えております。
 ただ、御承知のように、今回アルコールの製造事業をNEDOに移管する一つの目的は、新エネルギー開発に対する、特にその中における燃料アルコール開発に対して、現在まで国営のアルコール製造事業が保有しておりましたいろいろな技術、ノーハウ等を将来の新エネルギー開発に生かす、こういう趣旨でございますから、その辺については、新しいNEDOにおける新エネルギー開発の業務と、この移管されますアルコール製造事業の持っておりますノーハウ、これを有機的に連携するという形になると思いますが、そのやり方については、新しい分野と既存の生産技術の面で、それぞれ分けた形で運営される形になろうかと思います。
#55
○中川(秀)委員 大変な人数が移管をされていくわけで、しかも現業部門という、いままでのNEDOの組織にない組織が新しく事業本部としてつけ加わるわけでございますので、ただいまの御答弁で結構でございますけれども、その専任理事のもとでいろいろな労務管理その他も一括をして、NEDO本来の業務にいささかも支障のないように運用面で十分御配慮をお願いしたい、このように存じます。
 次の質問をさせていただきますが、移管後のアルコール専売事業の合理化あるいは効率化というものをどう進めていくかという点であります。
 第一の問題は、これはいろいろむずかしい問題もあるように伺いますので、御答弁はあえて求めませんが、移行職員の待遇問題等につきましても、国家公務員から特殊法人職員になるわけでありますから、その職員の意向というものも十分尊重していかなければならない、損のないようにしていかなければならない、これは当然であります。しかし一方、行政改革の一環で行われることでございますから、国民の目から見て不当な待遇だということにならぬように配慮もしていかなければならないだろうと思います。行革焼け太りなどという新聞の見出しに踊るようになってはならないわけでありまして、その点は十分御配慮願いたい。これはあえて御答弁は要りません。お願いだけ申し上げておくわけであります。
 そこで、御答弁を求めたいのは、現在でも工業用アルコールの製造事業というものが約五十億ぐらいの収益を上げておりますけれども、現在まで投じている人あるいはいろいろな資金というものから考えれば、大ざっぱに言えば収支とんとんという形ではないかと思います。移管の後に、さらに生産性が向上する見込みはあるか。あるとすれば、その理由はどういうことか。
 それから、行革の一環というけれども、国営工場の人員をNEDOに移すだけで、実質的な人員は移管前とそう変わらないと思いますが、その辺はどのようになっていくのか、その辺をお尋ねをしたいと思います。
#56
○真野政府委員 先生御指摘のように、今回アルコール製造事業につきまして、NEDOに五百三十六名の人員が移管するわけでありますが、今後の合理化の前に、現在までこのアルコール製造業、非常に合理化の実を上げておりまして、物的な生産性の数字で申し上げますと、昭和四十年当時を一〇〇といたしますと、五十五年度には三〇六、こういう私どもの物的生産性についての指模がございます。またこの間にこれはアルコール専売事業全部でございますけれども、行政事務を含めまして千二百余名の定員が現在九百名弱という形にかなり人員の面でも合理化されてきているわけであります。
 これからのNEDOにおける合理化の問題でございますが、いままでアルコールの発酵技術につきましては、新しい技術の開発、基本的に申し上げますと、いわゆるバッチシステムから、できるだけ連続的に発酵アルコールの生産を行うといういろいろな技術開発をいたしまして、それを現実化いたしております。そういうような連続化によります合理化というのは、引き続きさらに続けるかっこうが必要かと思います。
 さらにもう一つは、先ほど御答弁申し上げました中にございましたように、長期的に見ますと、発酵アルコールの需要がかなり堅調で伸びておりますので、こういう伸びる需要に対して現在の能力を最大限に活用する、こういう形でさらに全体としての効率が上がるという形が予想されるわけでありまして、そういう意味での全体の需要増の中での生産性の向上というのがかなり見込まれるわけであります。
 さらに基本的には、この合理化の中で、いわゆる省エネルギーの問題あるいは原料の効率的な獲得、安い原料を安定的に入れるというような原料面での合理化等も引き続き必要とされるわけでありまして、この点につきましては、新しい事業本部のもとにおきまして、一体的にそういうまさに経営そのものを中心に見る。従来の専売事業の場合でございますと、製造事業のほかに、いわゆる専売事業としての行政事務が併存した形で運営されておるわけでありますが、今回、NEDOにおきまして、まさに行政事務から切り離して企業的な合理化なり能率の向上、コストの引き下げということを一元的にかつ集中的に管理する体制ができるわけでありまして、そういうので一層の合理化、コストダウンあるいは安定的な供給ということに資するものではないかと考えております。
#57
○中川(秀)委員 目下、七月の臨調基本答申を受けて、これから政府も、また立法府たるわれわれも一体になって、国民の期待する行政改革という方向で努力をしなければならないときでありますから、従来の物的生産性その他の御努力はよく理解をし、また敬意を表するものでありますが、さらに一層の努力をしていただきたい、このことをひとつお願いを申し上げておきます。
 それからもう一点、先ほどからお話が出ておりますように、アルコールの用途が、飲むあるいは工業用原料というものから、さらにこれからは新エネルギーとしての燃料用アルコールというものが使われる可能性が強まっておるわけでありまして、国連やあるいはIEA等でも、その開発促進を唱えておるわけでありますが、アルコール製造事業をNEDOに移管するゆえんというものもその辺にあるわけでありますけれども、燃料用として使うための条件、これは当然安くて大量に生産をする、そういう技術開発体制あるいは将来は生産体制、こういうものにいかなければ、なかなか言うはやすく行うはむずかしいというのが現状ではないかと思います。
 そういう体制をどう整備していくか。たとえばアルコール製造部門の中にアルコール燃料の技術開発をする機能あるいは機関というものをNEDO移管後も当面は置かれるようでありますけれども、しかし、本来新エネルギーの開発でありますから、NEDOには新エネルギー部門というものがすでにあるわけでありまして、その辺は現業並びにその管理をする部門と、それから新エネルギー、燃料用アルコールを開発する部門というものは機能を分けまして、将来はNEDOにある新エネルギー部門へ現在アルコール専売の中で燃料用アルコールの開発をしている部門も移管をしていくという形態が本来望ましいのではないか。素人考えかもしれませんが、何事も機能というものは一元化をして、有効に作動していかなければいけないわけでありますから、そういうお考えがあるかどうか、ひとつお尋ねをしたいと思います。
#58
○真野政府委員 先ほど申し上げましたアルコール製造事業のNEDOに移管後の体制に関連して、ちょっと技術開発の点を申し上げましたが、若干補足させていただきますと、現在までアルコール製造事業につきましては、その必要な生産技術の改良、これを附帯業務として行っておるわけでありますが、新しい燃料アルコールの開発につきましては、これは全く従来の工業用の発酵アルコールの分野と違う、いわゆる研究開発の分野でございまして、私どもがいままでしておりましたのは、いわゆる日常の生産技術の面でございます。その生産技術の成果をNEDOの新しい燃料用アルコール開発事業の中に生かしていただく、こういう趣旨で申し上げたわけでございまして、この両業務、片っ方は研究開発でございますし、片一方はいわゆる日常の生産業務の合理化という一環の技術開発でございますので、基本的には相分かれた形で運営さるべきものと理解しております。
#59
○中川(秀)委員 特殊法人の機構の中のことでありまして、これは理事長以下あるいは監督官庁たる通産省以下幹部の方々が十分御検討いただく問題だと思いますが、先ほど申し上げたような意味で御努力をいただいて、そういうような機能の分化あるいは効率的な運用ということにひとつ精力的に取り組んでいただきたい、こう思います。
 せっかく参考人として綿森理事長もお越しでございますので、最後に、この法案に関連をしてもう一点、NEDO本来の使命、責務という問題についてのお尋ねをさせていただきたいと思います。
 発足設立の趣旨からNEDOの課せられた責務、使命というものの重大性を認めて、行政改革の厳しい状況の中でも設立が認められた特殊法人でありますから、その認識を十分お持ちいただいていると思いますし、今後一層お持ちをいただいて、さらにそうした期待にこたえるべくダイナミックな事業展開を進めていただきたいと大いに御期待を申し上げておるわけであります。NEDOのそうした、特に期待をされているのは新エネルギー、代替エネルギー、原子力を除くそうしたものの開発ということなんでありますから、その辺の事業展開の決意、方向というものについて参考人から一言お伺いをしたい、このように思います。
#60
○綿森参考人 いま御指摘くださいましたように、特殊法人としてできましたときは非常に苦しいときでございました。しかし、現在は幸か不幸か石油の情勢が緩んでおりまして、私どもといたしましては、この石油の緩んでいるときにこそ日本は代替エネルギーの開発をやりまして、諸外国に対して、日本のエネルギー構造の脆弱性を改めて、追いつけ、追い抜けというときではないか、こういうように考えております。
 先ほど石炭エネルギーの液化について、少し元気がなくなったのではないかというようなお話もございましたけれども、NEDO発足以来今日までに、当時始めておりましたパイロットプラントが三つともやっと全部整いまして、これから本格的にこの三つのパイロットプラフントについて研究をいたしまして、この中で本当に世界に誇るような日本に適したパイロットプラントというものをつくり上げるという非常にむずかしい問題点が出てまいります。さらにそれを大型化するというときになりますと、SRCIIその他でいただいた技術もいよいよ有効な話になってくると思いますし、そういう大きな仕事を、与えられた予算の中で最も有効的にやるためには、日本じゅうの学者も科学者も私たちの関係者も全部が力を合わせてやる必要がある、こういうように考えておりまして、こういうときに選ばれたNEDOの使命というものは非常に大きいものであろう、こういうように考えております。NEDOはこの目的に向かって積極的にかつ最も効率的な事業の運営をやっていかねばならないと思っております。その期待に沿うべく努力いたしますので、ケース・バイ・ケースで、また先生方の御指導、御鞭撻をお願いいたします。
#61
○渡部委員長 午後零時四十五分から再開することとし、この際、休憩いたします。
    午前十一時五十四分休憩
     ――――◇―――――
    午後零時四十七分開議
#62
○渡部委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。中川秀直君。
#63
○中川(秀)委員 午前中、アルコール専売法の一部改正案について数点お尋ねをしたわけでありますが、その肯景になる国際エネルギー情勢あるいは国内のエネルギー政策等について、午後、非常に短時間ではありますが、お尋ねをさせていただきたいと思っています。
 まず、三月二十日のOPEC臨時総会において、基準価格が一バレル三十四ドルという現行価格体系を維持するということと、価格維持のための千八百万BPDへの減産が決まったわけであります。そこで、OPECの減産が世界の原油需給関係に今後どう影響していくと政府は考えているのか。今度の減産でも、実際のいまの世界景気の停滞の中で、生産水準そのものが千八百五十とか千九百とかなんとか言われているわけでありますから、減産といっても百万バレルぐらいしか違わないとも言われていますし、これから秋口にかけては、西側各国も二、三百万バレルぐらい石油需要が減少するのが例年の通例のようであります。また在庫も、IEA加盟国だけでも百日分、輸入量に対しても百六十日分くらいある、こういう状況であります。
 そんなことを受けて、三十四ドルの価格維持ということになっていますが、スポットの方の実況は二十九ドルくらいをうかがうわけでありまして、OPECは、三十四ドルというのを守るのだと言っておるわけでありますが、五月二十日のエクアドルにおけるOPECの通常総会あたりでは、値下げの問題も討議をされるのではないか、こんな気もするわけであります。その辺について政府の見解をお伺いをしたいと思います。
#64
○小松政府委員 お答え申し上げます。
 いま先生からお話がございましたような状況で、今後の見通しはなかなかむずかしいわけでございます。
 ただ、言えますことは、一つは、OPECが総会として生産の上限数量を決めたというのは画期的なことでございます。ただ実際には、先ほど先生からお話がございましたように、実際の生産レベルがすでに二千万バレルを相当割っている状態の中で千八百万バレル、特に、その後サウジが五十万バレル落とすことを言っておりますので千七百五十万バレルということになるわけでございますが、そういうことで、実際には現実的に下がっているものの後づけだという評価もございますけれども、いずれにいたしましても、総会として上限の生産数量を決めたというのは今回初めてでございまして、これはOPECとしては一つの団結の成果というか、そういう方向として一つの示唆になるのではないかという気がいたします。
 こういう中で三十四ドル維持ということを決めたわけですが、これもすでに先生から御指摘ございましたように、現在のスポット価格が二十九ドルを割るというような状況の中で、しかもOPECの中でも、たとえばイランは三十ドル台に下げるとか、非OPECの北海原油が三十一ドルに下がるというような状況の中で、果たして三十四ドルが守られるかどうかという点についてもいろいろ悲観視する向きもございます。ただ、今回OPECの総会が行われた以後、たとえばサウジアラビアのヤマニ石油相それからUAEのオタイバ石油相、この辺は三十四ドルをぜひ守りたいということを言っておりますし、また加盟国の中で、たとえば北海原油の影響を受けやすいナイジェリアなどについては、百三十万バレルの生産を維持するためにサウジその他も全面的に協力するというようなことも言っておりまして、今後の動向というのは非常にむずかしいわけですが、OPECとしては相当の意気込みで、現在の減産それから価格維持――若干三十四ドルにつきましては、中、軽質油につきましてのディファレンシャルの減少ということは行われておりますが、こういう決めたことを守ろうという決意が相当強いということが一方でうかがわれるわけでございます。
 ただ、先ほど先生からお話ございましたように、現在は依然として在庫も過剰でございますし、相当の在庫取り崩しが行われておるという状況の中で、果たしてこれが維持できるかどうかという点については、五月二十日のキトの総会まで、OPECがどういう状況か、こういう状況が維持できるかどうか、さらに見守っておく必要があるんではないかという気いたします。
 ただ、在庫調整も相当進んでおりますので、全般的に見て在庫水準は落ちてきているという状況の中で、夏ないしは秋口で在庫調整は終わるんではないか。一方、これは景気の問題でございますが、世界景気がどの辺で回復に向かうか。後半については回復を期待する向きがございますので、そういうことになりますと、石油の需要も上向いてくるかもしらぬ。一方、在庫調整が終わるということになりますと、OPECの現在の千七百五十万バレル程度の生産というのは、実際の実需から見ますとそれを下回っておるという問題もございますので、その辺でクロスしてくる問題も出てくるというような心配もございます。
 それからもう一つ、私ども全体として心配いたしております点は、中東の政治情勢でございます。中東の政治情勢については、四月後半のシナイ半島の返還時期をめぐり、またイラン・イラク戦争その他含めまして、いろいろ問題を包蔵いたしておりますので、この中東情勢についても今後慎重に見守っていく必要がある。こういう状況でございますので、今回のOPEC総会後の石油価格の動き、それからOPECの今後の動勢、それからさらにそういう政治情勢、こういうことを踏まえまして、なかなか先行きは見通しがたい状況でございます。
 いずれにしましても、五月二十日のOPECの総会まで、この事態をもう少し見守っていきたいというふうに考えております。
#65
○中川(秀)委員 大変各般にわたっての説明、見解を伺ったわけでありますが、いまお話があったような北海あるいはメキシコ原油等、いわゆる非OPEC原油、これがもう日産二千二百万バレルから二千三百万バレルというような状況だと伺っているるわけで、OPECを完全に上回るという状況になってきているわけであります。そういう関係も、今後この価格あるいは減産、生産動向を相当左右すると思われるわけでありますが、わが国として、そういう情勢の中でOPECを今後どういうふうに位置づけていくのか、どのように対応していくのか。これはあくまで政策の問題でありますが、その点について、ひとつお伺いをしたいと思います。
 それともう一つは、ついでにお伺いをしますが、いまの御説明の中にも、やっぱり過剰在庫がある、相当の在庫がある、こういうお話ですが、取り崩しも相当進んでいるわけであります。取り崩してもなお相当の在庫がある、こういうような状況になっているわけでありますが、数量的な把握はなかなかむずかしいと思いますけれども、政治的判断といいますか、明敏なる通産当局の総合的な判断で、国民にある程度の、わが国の対応も含めてシナリオというようなものも一応提示していく必要があるのではないか、こう思うわけでありますが、その点について、ついでにお尋ねをしたいと思います。なるべく簡潔にひとつお願いします。
#66
○小松政府委員 まず第一点の、OPECを日本の石油政策ないしは石油情勢の中でどう位置づけていくかというお話でございますけれども、この点につきましては、日本の場合にはOPECの依存度というのは非常に高いわけで、特に中東依存度が高いわけでございますので、今後ともOPECとの関係を緊密にしていくということは非常に大事でございます。そういう意味で、こういう事態ではございますが、今後ともOPECとの経済関係を緊密にしていく。これは単に油を買うというだけではございませんで、技術協力、資金協力その他も含めた全体の観点からOPECとの関係は今後とも緊密関係を保っておくということがまず基本的に必要ではないかという気がいたします。
 さらに、OPECの今後の価格動向に対しましては、消費国全体としてこれに対応する必要がございますので、そのためにはIEAという組織の中で、こういう石油情勢の中でも省エネルギーとか代替エネルギーの開発、導入を含め、OPECの価格政策に対する消費国の対応というものがあるわけでございます。これは国際協調路線に乗りまして、そういう観点から今後のOPECの価格動向に対しても十分対応し得るような体制を同時に備えていくということが日本の石油政策という立場からは大事ではないかという気がいたしております。
 それからもう一つは、今後の需要動向とも絡むわけですが、在庫の状況がどうなっているか。これは実際、在庫はなかなかむずかしいわけでございます。特に流通在庫に至りますと、これはほとんど私どもとしても全体をキャッチできていないという状況でございますが、昨年の大体八、九月ごろで精製段階で五億バレルぐらいの過剰在庫があったわけですが、それが昨年後半からことしの前半にかけて相当急速なペースで取り崩されております。これは石油の価格が非常に低迷したという点と、それから金利その他が非常に高かったために在庫コストが高くついたというような問題、こういう問題がいろいろ重なりまして、在庫調整が行われております。
 この在庫調整については、当初はこの三月末ぐらいで終わるのではないかというふうに言われておりましたが、さらに現在の先行きの需要の動向その他を踏まえて、在庫調整は若干おくれぎみでございますし、この在庫調整が終わるのは、大体夏から秋口にかけてではないかというのが、いま一般的な見方になってきております。そういう状況でございますので、今後の景気動向いかんによりましては、現在のOPECの生産上限が維持されるというようなことになりますと、秋口あたりが一つの需給面ではターニングポイントになる可能性もあるわけでございます。そういう短期的な問題と同時に、中長期的には発展途上国、それから産油国の石油需要というのは非常に伸びてまいりますので、そういう観点から中長期的には油が逼迫する事態がくることは、これまた間違いないようでございますので、それに対応するための他のエネルギー政策を推進するということを怠ってはならない、かように考えておるわけでございます。
#67
○中川(秀)委員 わかりました。
 それでは、そういう国際エネルギー情勢の現状を踏まえて、国内エネルギー政策について二、三点だけ、時間がありませんので、本当に簡潔に願いたいのですが、お尋ねをしたいと思います。
 第一点は、最近産油国側のいわゆる軽質油温存政策というものが顕著であろうかと思うわけであります。また反面、わが国の方としては供給の多角化ということで、どうしても重質油を引き取らざるを得ない。そういうことで、わが国の輸入原油の重質化というものが見込まれるだろうと思うわけであります。しかし一方、消費面いわゆる需要面では、中質油というか軽質油というか、そういう傾向が一層顕著になってきておるわけでありまして、そういう供給面の重質化と需要面の軽質化、こういうギャップがますますこれから広がっていくだろうと思うわけであります。昨年の十二月の石油審議会の小委員会の報告にも、共同重質油センターとか記載されてありますけれども、そういう重質油の軽質油への転化、そのための技術開発あるいは技術革新あるいは体制というものが相当加速度的に準備をされなければ、こうした今後の国際エネルギー情勢に対応できないと思うわけでありますが、その点が第一点。
 それから第二点は、端的にお尋ねしますが、いま申し上げた昨年十二月の石油審議会の小委員会の中間報告で、たとえば共同化とか集約化とか、あるいは生産・物流面における合理化といった形で、わが国の石油業界の体質改善、強化ということがうたわれているわけですが、この中間報告を、通産当局として今後の行政の中でどう生かしていかれるのか。
 第三点は、石油の需給緩和が顕著であるとはいえ、エネルギー資源小国であるわが国としては、これからも省エネ努力というものはいささかも怠ることはできぬと思うわけであります。ところが五十六年まで続けていた省エネ目標値というものが、五十七年度においては設定されていない、こういうことであるわけですが、それはどういうことなのか。必要ないということなら、それでも結構なのですが、理由があるならば、その理由を。個人的な見解ですが、やはりそれは続けていくべきだ、このように私は思うわけであります。
 その三点、簡潔に二、三分で答えてください。
#68
○小松政府委員 まず第一点の原重油の供給が重質化する中で需要が軽質化してくる、こういう需給ギャップに対してどう対応するかということでございますが、この点につきましては、まさに今後の石油政策の中の基本にかかわる問題でございまして、私どもとしては、その重質油をできるだけ分解し、中、軽質油の供給をふやすという観点から、全般的に行われておる施策といたしましては、一つは石油製品価格の改定、重質油対策技術開発、さらにはそれに必要な共同重質油処理センターの設置とか、こういう業界の重質油化に対応する体制に対していろいろの助成を行う、こういうことで今後の原重油の重質化、需要の軽質化にこたえていこうというふうに考えております。
 これとも関連するわけでございますが、現在の石油産業が非常に窮況に立っている基本は、こういう需要の低迷の中で石油の需要構造が変わってきている。しかも、それに対する石油業界の体制が十分でないということで、先ほど先生からお話がございましたように、昨年の暮れに石油審議会石油部会小委員会の報告があったわけでございますが、この線に沿いまして、まず石油業界の設備過剰を中心とする過当競争体質を除去していくという観点から、石油業界全体の体質改善、さらには、そのための対応策を検討しているわけですが、同時に個別問題といたしましては、為替リスクに対する業界の対応について十分指導をしていく。それからさらに価格形成その他の問題については、できるだけ政府介入を排除して市場メカニズムで価格が決まるというようなことで、需要構造に合わせた価格体系に持っていく。こういう諸般の措置を講じまして、業界が新しい事態に対応できる体制を整備してまいりたいというふうに考えております。
 それから第三点の御質問の、省エネルギー目標として、いままではパーセンテージとか、また実際に石油を消費する目標数字を掲げておったのに、五十七年度目標から、これを掲げないのはなぜかということでございますが、確かに、いままで五十四年には五%、千五百万キロリットル、それから五十五年度につきましては七%の節減で二千万キロリットルというふうに決めてまいりましたけれども、五十五年度の石油需要が相当落ち込みましたので、五十六年度につきましてはパーセンテージをやめまして、二千五百万キロリットルという目標数値だけを掲げたわけでございます。五十七年度につきましては、すでにこういう形での一般的な省エネルギーの手法その他が民間それから産業界でも定着してまいりましたので、この点については、今後着実な定着を図ると同時に、これから考えられる省エネルギー施策というのは、どちらかといいますと、そういう運用管理面だけではなくて、設備投資とか技術開発とか、そういう長期的な期間をかけて産業構造を変え、生産工程を変え、さらにはそういう観点からの省エネルギーを図っていくということになりますと、単年度で幾らという目標を出すことは非常にむずかしいという点もございますし、それから現実に一般的な石油需要が落ち込んでおるという経緯もございまして、こういう段階で具体的な数字を出すのは必ずしも実態にそぐわない、こういうことでございますので、今後とも、従来民間それから産業界に定着した省エネルギー体制は着実に推進してまいりますと同時に、新しい角度から長期的な視野に立った省エネルギー体制も進める、こういうことで今年度は特に、具体的に一年としての節減目標というのを置かなかったということでございます。
#69
○中川(秀)委員 最後のことでちょっと簡単に。その長期的な省エネ計画といいますか、それは具体的にいつ、どのようにおやりになるおつもりなんですか。
#70
○小松政府委員 今回、省エネルギーのための設備投資については、税制面それから金融面での助成措置を講じておりますし、さらに省エネルギー関係の研究開発ということでは、大型のものとしてはムーンライト計画その他を含めて民間の省エネルギーの研究開発については相当の助成を行う、こういう観点から生産面、技術面での省エネルギーを推進する。同時に、産業構造面での省エネルギーが今後とも進められてくることはもう当然のことでございます。
#71
○中川(秀)委員 時間がありませんので、大臣に一つだけお尋ねをしたいと思います。
 いまいろいろお尋ねをしておったわけでありますが、従来、石油は世界の政治経済情勢を大きく揺さぶってきたわけでありますけれども、最近の需給緩和というのは、石油をめぐるパワーゲームを振り子にたとえるならば、振り子が戻ってきた。OPECに握られていた振り子が、過去十年問握られていたわけでありますけれども、いまや主導権は明らかに消費国側の手に戻ってきたような感じを受けるわけであります。しかし、そういう需給緩和時だからこそ、産油国と消費国の対話というのは可能になるし、また大切なのではないか、こういう感じがするわけであります。時あたかも大臣は四月二十九日から中東を御訪問になるわけでありますが、これはまことに時宜にかなったことだと大いに御期待を申し上げておるわけであります。そこで、わが国として積極的に、欧米諸国とも協議の上で、確固たる姿勢で、望ましい石油価格水準を目指す対産油国外交というか、産油国と消費国の対話、そういうことを大いにいままさに進めていくべきだ、こう思うわけです。大臣の中東歴訪の機会を通じて、ぜひそういう方向で御努力をいただけたら大変すばらしいことだと思うわけであります。中東御訪問の目的と御決意について、ただいま私が申し上げたことについての御見解をお伺いしたいと思います。
#72
○安倍国務大臣 五月の連休に、お許しをいただきまして、サウジアラビア、首長国連邦を訪問をしたいと考えております。
 先ほどからお話がありましたように、最近の石油をめぐる需給関係は非常に緩和をいたしておるわけでございます。しかし、政治情勢によってはどういうことが起こるかわからないというふうな面も、一面あるわけでございます。そういう中にあって、実はこれまでの場合は、日本として産油国に閣僚等が行く場合は、いわば油請い外交といいますか、そういうことにあったわけでありますが、今回はOPECの総会でも見られるように需給が安定をしておる。同時にまた産油国も、そうした情勢の中で、これから新しい世界政治経済に対する対応を迫られておる。またいろいろと経済開発の面でも問題が生じてきておる、こういう状態でございます。そういう中に参りまして、そして今回はいわば幅広い対話を、そういう情勢だけに行うことができるのじゃないか、こういうふうに私は考えておるわけでございます。
 サウジアラビアにしても首長国連邦にしても、わが国にとっては今後とも非常に重要な関係にあるわけでございますから、幅広い対話を通じまして、特にこれからの日本とサウジアラビア、あるいは日本と首長国連邦との経済協力等の面につきまして話し合いをいたしてまいりたい。そして長期的展望に立った日本と産油国との間の友好関係といいますか、親善関係の基礎を築き上げてまいりたい、こういうふうに考えておるわけです。
#73
○中川(秀)委員 大いに御期待を申し上げまして、質問を終わります。
#74
○渡部委員長 水田稔君。
#75
○水田委員 アルコール専売の製造事業部門を分離するということでありますが、これまでにアルコール専売事業というのが、一体わが国のアルコール政策の中でどういう役割りなり機能を果たしてきたのか、あるいはまたその中で国営の製造部門、一部は民間へ払い下げ等もしておりますが、その国営の製造部門というものが果してきた役割り、機能というものは一体何だったのだろうか、そのことについて、まずお答えいただきたいと思います。
#76
○真野政府委員 お尋ねの点で、まず第一の日本におけるアルコール専売事業の役割りでございますが、これは歴史的には御承知のように経緯がございまして、第二次大戦中に、航空機用燃料を含むアルコール燃料、これの確保ということと、当時非常に不況、疲弊状態にございました農村の振興という見地から、国産の資源を使いましてアルコール燃料を製造するという形で始めたわけでございます。
 その後、戦後に至りまして、こういった必要性が薄れるかわりに、新しく工業用の原料としてのアルコール需要が出てまいりました。そういたしますと、この工業用の原料としてのアルコールの供給ということについて、引き続き国営のアルコール工場及び専売事業が非常に効果を果たしてきたわけでございますが、その際に、これは戦前からございますけれども、一つは、アルコールの場合には飲料として使うということから、その場合に高額の酒税を課せられておる。他方、いま申し上げましたような工業用原料としてのアルコールについては、低廉、安価な供給をしなければいけない、こういう要請がございまして、そこでどうしても同じアルコールについて両方の機能に応じまして、用途に応じまして流通の分離、規制というのが不可欠になりまして、そのための仕事がアルコール専売事業の主たる目的に入ってきたわけでございます。
 したがって、現在の専売事業につきましても、そういう歴史的経緯も踏まえて果たしている機能と申し上げますと、一つは、工業用アルコールとして製造されたものが、飲用のアルコールとして酒税を通脱しないように、流通規制を含め、用途規制を含めチェックをする。それによって、一方では酒税の確保を図ると同時に、他方では工業用原料としてのアルコールの低廉、安価な供給ということをいたす、こういうことが一つでございます。
 さらに、専売事業でございますから、製造事業その他流通に至りますまで国の一つのモノポリーと申しますか、専売権のもとに行使されますので、そのうらはらとしまして、国民的需要にこたえる、国内の需要にこたえるだけの必要なアルコールの安定供給ということが専売事業のもう一つの使命になってまいるわけでございまして、そういう意味で、従来から国営アルコール工場につきまして、それの合理化、効率化を図って低廉、安定供給を図るということをいたしてきたわけであります。
 いま申し上げました全体としての専売事業、いわゆる酒税確保のための流通規制及びアルコールの安定供給のための製造事業という不可欠な両者の関係があったわけでありますが、その場合におきまして製造部門の果たす役割りにつきましては、いま申し上げました専売事業のもとで、日本の国内経済にとって必要な工業用アルコールの供給の確保と需給の円滑な調整ということが重要な役割りでありましたが、同時に、先ほど申し上げました歴史的な経緯から国産のカンショ等を使って製造してまいりました。またそういう意味で、工場の立地条件も、そういう農村地帯、日本の地方の産業として育成してまいりました経緯がございますので、その形での地元での雇用あるいは地元原料の活用を図るという地域経済に対する貢献ということを現実の役割りとしていままで果たしてきたわけでございます。
 御承知のように、発酵法によるアルコールを国営の製造事業でいたしておりますけれども、これが戦後いわゆる石油化学法の発達によりまして、コスト的にかなり割り高になった時期がございます。その当時には、当時の石油の低廉な供給が潤沢にあったという背景がございました。そのために石油化学法の方がよりコスト的に有利である。そのために従来民間で委託生産というかっこう等を含めて行われておりました発酵法のアルコール工場というのは競争できなくてやめておる、休止してしまったという事態で、したがって、以前には発酵法のアルコールも民営工場がございましたが、そういう経緯がございまして、すべて国営工場になってきたという経緯がございます。ところが最近では、またエネルギー事情の変化によりまして、石油化学法の方のコストが上がってくるということによりまして、発酵法のアルコールのコストが今度は相対的に引き合うようになってきた。そういう意味で、先ほど御質問にもございましたが、今後の発酵法のアルコールの需要というのはかなり有利な条件が整ってきたわけでございます。そういう意味で、かつて日本にございました発酵法のアルコールの製造技術、これが恐らく専売事業のもとで国営事業として行われることによって維持されてきておる。ところが、それがエネルギー事情の変化で再び競争力を持ち有効に活用できる時代が来た。こういうふうに歴史的な経緯をたどりながら今日に至っているわけでございます。
#77
○水田委員 そうしますと、今度の法律改正というのは、アルコール専売はそのままで、アルコールは飲料に使えるという酒税の関係がある。しかし、製造だけはいわゆる新エネルギー機構へ移す、こういうのですね。しかし、いま言われた農業との関係、国産の原料を使うということ、あるいはまたその地域の経済を考える、これはまさに政策的なものなんですね、これは変わってない。そうすると、何も変わりはないのに、何で専売事業からいわゆる製造を離すのか、なかなか理解しにくいわけですね。その理由というのは一体何なんですか。
#78
○真野政府委員 現在までのアルコール専売事業につきまして、先ほど御説明申し上げましたが、同時に、このアルコール専売制度につきましては、従来いろいろな観点から議論がなされておるわけでございます。その中で最も大きいものは、やはり国みずからがこういう企業経営的なものをやることが果たして効率的であるかという意見あるいは考え方、さらに現在の行政機構として、こういうものを維持することが行政機構全体のあり方、効率化の観点からいかがか、こういう議論等がなされておりまして、この辺が五十三年六月に出ました公共企業体のあり方を検討いたしました会議の結論として、専売制度については税制移行の議論もあり得るということがまとめられたわけでございます。
 したがいまして、いまの専売制につきまして、まず第一点としては、税制と専売制をいかにするかという問題が先に出てまいったわけでございますが、この点につきましては、現在の専売制度であろうが、あるいは諸外国がとっている税制であろうが、いずれにしても、酒税との関係で流通規制を要するわけでありまして、その面での行政の簡素化ということが、必ずしも専売制から税制に移ったからといっても、そのとおり出るものではない。逆に若干複雑化する要素もあるということで、まず専売制は維持するという基本的な考え方が妥当であろう。
 その中におきまして、今度は製造事業をどう考えるかという第二点の問題になるわけでありますが、製造事業につきましては、いわば事業そのものが一つの企業的な内容を有するものでございますから、企業経営的な効率化を図る意味で、いかなる形態が妥当かということがもう一つの論点として議論されてきたわけでございます。
 その点につきまして、確かに現在アルコール製造事業、特に合成アルコールにつきましては民営に委託しておりますが、同時に、先ほど申し上げましたようなアルコールの製造を国営でやってきた経緯がございます。それからただいま御指摘のような、特に地域経済に対する寄与ということの機能は引き続き果たしてまいる必要があるということがございます。さらに専売制のもとでは、当然国として安定的な供給を図る意味で、どこかが製造してくれなければ困る、必ず製造させなければいけないという、それによってアルコールの安定的な供給を図るという義務が逆に課せられるわけであります。したがって、その中において、いま申し上げましたような公益的な見地を考えますと、やはり単なる民営論よりは別の形態が妥当であろう。その際に、できるだけ企業経営的な効率性を追求するという意味で、製造事業という部門と専売の規制という行政事務の分野、これを分離する形が一つ妥当な形式として取り上げられてきた、こういう形でございまして、そういうような結論を受けまして、二年前に閣議決定によりましてアルコール専売事業は維持するが、その製造事業については特殊法人NEDOに移管する、こういう結論をいただいたわけでございます。そういう意味で、公益的な配慮と企業経営的な効率化の両面を図るということがこの製造部門移管の一つの理由になろうかと思います。
 もう一つは、二年ほど前の議論のときに、当時のエネルギー事情を反映いたしまして新しく新エネルギー総合開発機構が創設されたわけでありますけれども、その際、従来の工業用原料としてのアルコールのほかに、将来の燃料アルコールの開発ということの重要性が認められまして、それが新しい代替エネルギー開発の一つの重要な部門になる。それが新エネルギー総合開発機構の職分、責務として課せられる。したがって、そことの関係において、従来の発酵法アルコールの製造事業というものは何らかの技術的コントリビューションをなし得る、こういう考え方に基づきまして、この両者を一本にするという考え方が出てまいったかと思います。
 したがいまして、単にアルコール事業自身の効率化ということのほかに、燃料アルコールの開発という新しい政策なり行政なり経済の方向に寄与するという意味で、この製造部門の移管という形がとられるべきであるという結論になろうかということになったわけであります。
#79
○水田委員 アルコール専売、アルコールの製造を実際担当しておられた責任者の方が、簡単に効率化という問題を使われるのはいかがかと思うのです。私は民間の出身ですから、民間企業の厳しさというのを知っております。全部が全部官営が効率的だとは言いませんけれども、現実に所管してやってこられたわけでしょう。どれだけアルコールが原単位を上げていくために、あるいはまた合理化を今日まで進めてきたかということは、一番よく御存じなんですね。そのことをもって製造事業をよそへ移すということは、それほど最大の理由として挙げることにはならぬと私は思うのです。
 それからもう一つは、後で言われました、気がねしながら言われるのですけれども、NEDO、新エネルギー総合開発機構というのは、まさに新しいエネルギーを――アルコールの事業そのものをもっていったのでは、これは異質のものですね。いままでのアルコールを製造する部門というのは、アルコール専売の中である程度の量を確保するために、国内でつくるというだけなんです。NEDOへもっていくということは、少なくとも後で言われた新しい、アルコールを燃料として使っていくということの方が大きな眼目で考えられたのではないだろうか。そうでなければ、いまの官営で製造というのが、私はその案は認めませんけれども、効率化あるいは競争原理を導入するということなら、効率の上がると思われる組織をつくればいいわけです。NEDOへ持っていく理由はないわけです。NEDOへ持っていくというなら、少なくとも燃料アルコールを大々的に開発していこうじゃないか、まさに新しいエネルギーを開発する、そういう積極的な面がなければならない。消極的な、単に経営を少し効率化したり、競争原理を入れて原価を安くしようというようなちゃちな考え方なら、こんなことをする必要はないと私は思うのですよ。その点はいかがなんですか。そういう点にお考えのウエートがあるからNEDOへ持っていこうということを考えられたのじゃないか。現実の問題を引き継いでもらうだけだというのなら、私は異論があります。
#80
○原田(昇)政府委員 水田委員御指摘のとおりでございまして、単に能率を上げるというだけであれば、あるいは政府出資の株式会社という方式、第三セクターのような方式でもいいと思うのです。しかし、NEDOに合併しようという法律を出しておりますのは、これからNEDOにおいて新燃料油を研究開発する。それにはいまの製造部門の持っておる人的な資源とかノーハウとか技術といったようなものを基礎にして、新しい一つの総合的な開発の施策をここで実施するというところに眼目があるわけでございまして、そういう意味でもアルコール部門が新しい使命を帯びて、従業員がみんなやる気になってやっていただくというところが、非常に効果として出てくるのではないか、こういうように私は考えておる次第でございます。
#81
○水田委員 そういうねらいもあるのだろうと思うのです。
 そこで、新エネルギー総合開発機構の理事長が参考人としておいでになっておるのですが、新エネルギー機構、NEDOでは、燃料アルコールの製造技術開発を引き受けたと仮定したら、機構とか、あるいは研究のスタッフ等はどういうぐあいにお考えになっておるのか。これはいまアルコール専売自身も研究開発の陣営を持っておるわけです。しかし、それはいまのアルコール専売制に基づくアルコール供給ということが前提ですね。燃料アルコールをということでは人員も足らないと思うのです。そこらあたりは、新エネ機構の方で、そういう職制なり研究スタッフなり、これを引き受けるのならちゃんと入れて、期待にこたえるものをやりますという体制ができておるのかどうか、お伺いをしたいと思います。
#82
○綿森参考人 お答え申し上げます。
 アルコール部門が新エネに来るということでいま検討されておりまして、私がいま、これを将来こうするということを申し上げるのは早計かと思いますが、五十七年度の研究スタッフとして八名の方が予定されておるように聞いております。今後の技術発展の状況に応じまして、これをさらに増強していくことになる、こう思うので、御協力をお願い申し上げます。
#83
○水田委員 八名もらうというだけで、それはどういうメンバーなんですか。たとえば研究員だけなんですか。いままで私のところへいただいた資料では、通産省の人数で言うと、全体で相当の人数がおるわけです。本省が九十二名、各通産局で二百四十八名、それから工場も五百四十七名で、いまのアルコール専売あるいはアルコール製造をやっておるわけです。燃料アルコールをやろうとすれば相当な人数が要るわけですね、後でまた量の問題は触れますけれども。
 それで機構、NEDOでは理事を一名ふやす。そして本部スタッフが大体三十二名。八名というのはその中に入るのですか。工場はさらに四十三名減らして五百名でやろうとかいう計画を持っていますね。通産省との間にそういう話があるのなら、どういうことをやるのか。というのは、われわれが、あるいはアルコールの現場で働いておる人たちが、そんなことになって一体おれたちが希望を持ってやれるのかどうかということは、それじゃ全くうかがえぬでしょう。そういう点はどうなっておるのですか。NEDOへ移るというのなら、それは燃料アルコールを大々的にやっていこうということをいま次官も言われたのですね。それにこたえる組織は検討されて――まだ最終的に決まってなければいいですよ。いま引き受けるのなら、こういうことでやりたい。こういうことでやってもらうのは困るということで話ができておるのか。単に聞いております、八名ほど将来いろいろなデータ、資料等を集めて燃料アルコールをやるためのメンバーをもらったのですということなのですか。いかがですか。
#84
○石川(不)政府委員 ただいまの件にお答えいたします。
 アルコールの製造部門を新エネ機構に移管いたしまして、アルコール専売の製造部門が従来持っておりますアルコールに関する基礎的な技術あるいはノーハウ、そういったものを燃料アルコールの開発に役立てていこう、こういうことでございます。
 そういう構想があるわけでございますが、アルコール専売の製造部門につきましては、従来千葉工場に技術開発課というのがございまして、アルコール専売事業を行うのに必要な工程の改善でありますとか品質の確保、変性法の改良といったふうな附帯的な研究をやっております。かたがた、こういう時代のニーズを感じまして、すでに一部セルローズを原料とする発酵の研究でありますとかあるいは発酵とか蒸留のプロセスを省エネルギー化する研究というものも徐々に手をつけておりまして、そういうグループを母体にして、今度持ち込みまして、そういう燃料アルコールの開発に役立てていきたい、こういうふうに考えております。
 新エネ機構の方とは、まだ具体的には十分話しておりませんで、これからいろいろ御審議を待った上で検討していきたい、こういうふうに思っております。
#85
○水田委員 いままでの答弁ですと、単にアルコールの製造だけどこかへ持っていく。それだけなら、いま次官が言われたように、別の政府一〇〇%出資の会社でやってもいいということになるでしょう、いまの答えから。
 それなら、人の問題も機構の問題もはっきりしてないのなら、一体予算はどうなのですか。五十七年度からやるというのなら、NEDOでは燃料アルコール開発のための予算というのは通産との問で話をして、これぐらいで、これからやろうということでもらっておられるのかどうか。これは正式の方で出ていなければ裏の話で、協議の段階で、このくらい出してもらってやろうという気でおるのだということをひとつお答えいただきたいと思います。
#86
○小松政府委員 実は五十七年度は初年度でございまして、しかも、法律を通していただいてから実際にアルコール製造事業関係の移管が新エネ機構になされるわけでございまして、そのために、五十七年度は相当時間とあれを要するのじゃないかというふうに思っております。
 ただ、燃料用アルコールについては、先ほどから答弁がありますように、すでにアルコール事業特会の方でもいろいろの研究開発をやっております。それ以外にも、たとえば新燃料油技術研究組合に対して、燃料アルコールの研究開発のための助成も私どもの特会としてはいろいろしておる。こういう問題がございまして、今後製造部門を新エネ機構に移すということは、そこに蓄えられたいろいろなノーハウや技術スタッフ、こういうものが活用されるということでございますので、五十七年度はそういう意味で非常に期間も短いということになりますし、その辺の準備に相当時間がかかるということで、特に新しく研究開発のためのNEDOの予算というのは計上していないわけでございます。むしろ五十八年度以降、既存のそういう研究開発体制、それからアルコール製造事業が持っておりました研究開発のいろいろの予算、こういうものを総合いたしまして、NEDOとして総合的な研究開発体制を進めるということになると、むしろ五十八年度になるのじゃないか。こういうことで、現在の五十七年度の予算という形では特別には計上いたしておりません。
#87
○水田委員 まさに準備不足もはなはだしいと思うのですよ。
 それから、たとえば燃料アルコール開発の予算というのはNEDOで別に持ちます。アルコール特会というのは全然手をつけません。その中に研究陣があって現に研究しておるわけでしょう。それは予算上どうなるのですか。そういう詰めもなくて、一方でいえばアルコール専売というところへ勤めた人たちは決して給料はいいことないですよ。公務員の給料はそれほどいいと私は思っていない、現場の人はね、高級官僚は別ですよ。その中で、しかし安心して働けるというのは、やはり公務員であるという気持ちで、一生ここで使ってくれるだろうという安心感があるから、少々安くてもしんぼうして、それぞれの地域で働いてきたのでしょう。その人たちが今度一体どうなるのかと心配しておることに対してこたえたことには全くならぬ。将来に向かって展望が開けるんだ、おれたちがいままで培った技術があるいは燃料アルコールで生かされるという希望が持てるならともかく、人数は減らします、通産省とは離れて、何か新しく一年半ほど前にできて、将来どうなるのか、そう言うと失礼なんですが、まだきちっとしたあれができてない、まだまだ草創期のところへ行ってどうだろうかという心配を持っていますよ。それに対して、いまのお答えのようなことで、安心してどうぞそっちへ行ってやりますということにはならぬでしょう。少なくとも次官が言われたように、NEDOへ移すというなら、燃料アルコールに対する見通しを明らかにして、こういうことでやってくれぬか、生きがいを持って、意欲を持ってやれるのだからやってくれということが、いまの答弁で全くそういうことはないわけですね。ですから、それは私の意見として申し上げて、では予算を別会計にするのなら、どういうことになるのですか、そこは。いままでのアルコール専売の会計でやってきた研究費、これはあるわけですからね。それとまた燃料アルコールというのは違った面があると思うのですね。そういう予算はどうなるのか。
#88
○小松政府委員 私が先ほどお答え申し上げましたのは、NEDOとして新たにそういう予算を組まなかったということを申し上げたのですが、五十七年度予算としては、アルコール専売事業の方も五十七年度の製造要素技術の研究開発ということで千六百万計上いたしておりますし、その他民間の研究組合にセルローズの分解発酵技術とか固定化酵母発酵技術、こういう研究開発をやらせるための予算として五十七年度は十一億一千六百万というのを特会として計上しているわけでございまして、こういう予算はそのまま当然、特にアルコール専売事業の予算は、直接NEDOに引き継がれるわけでございます。問題は、現在民間でも進められ、それからアルコール専売事業でもやっているこういう研究開発を、今後総合的にNEDOを中心として研究開発体制を進めるというのは五十八年度になるんではないかということで申し上げたわけでございまして、既存の予算は五十七年度それぞれ計上してございますし、アルコール専売事業の予算は当然NEDOに引き継がれるというふうに考えております。
#89
○水田委員 答弁が通産省なりエネ庁ばかりですね。僕はNEDOの方で答えてほしいと思うのは、一年半前にまさに石油の状態が非常に危機的な様相の中で、新しいエネルギーを開発する、非常に期待を持ってできた組織なんですね。聞いておりますと、どうもアルコール専売をもらうのは余りありがたくないというような感じ、これはいままでの御論議の中からの感じですよ。意欲を持ってやろうというあれがない。われわれも期待を込めている。しかし地熱の問題、たとえば磁気探査をやるとかあるいは深部へ還元する研究を九州でやるとか、やられておることもよく知っておるし、あるいは太陽熱の利用なり発電のあれも見せてもらいました。しかし、全体的に期待されただけの意欲的な取り組みというのが感じられぬわけですね。というのは、それはやむを得ない理由もあると思います、寄り集めですから、寄り合い世帯でまだ一年半ですから。そういう点では、きちっとした体制をつくってもらいたいと思うわけです。
 そして特に、アルコールの現場を引き継ぐというのは、燃料アルコールの開発部門だけを持つというのなら、いま持っておるものと同じですね。研究開発と、そしてあとはほとんどは補助金を流すか委託研究という仕事なんですね。アルコール専売というのは、現場は製造現場なんですから、いま一年半やってきたNEDOの体質からいうと、違ったものを受け持つわけですね。そういう点で僕はいままでの御答弁をずっと聞いていまして心配でかなわぬわけですね。そういう点はきちっとやれるのかどうか。これはNEDOの方からお答えをいただきたいと思います。
#90
○綿森参考人 お答えいたします。
 まだ移管しておりませんので、私の意見は特に申し上げなかったのがいかにも消極的である、こう御理解されたのではないかと思います。代替エネルギーの中でバイオマスというものをやっておらない国はないのであります。私どもはまだバイオマスのエネルギーを大々的に利用しようとしておりません。これがアルコール部門がこちらに来るということから、アルコール部門がいままで長年培って持っておる技術を利用して、バイオマス資源をアルコールに変えるという燃料部門が大きく栄えていくものであろう、こういうように理解しております。しかし、まだ来ておりませんので、これをどういうように変えてどうやっていこうということは申し上げなかっただけのことであります。
 さて、これの実働部門をもらって、これができるのかということにつきましては、もうすでに実働部門だけについて専任の理事がついてきてくれることでもございますし、内容が燃料アルコールを含めた従来のアルコール製造でございますので、これができないわけはないと考えております。
#91
○水田委員 できないわけがないと言っても、さっきもちょっと言いましたように、いまアルコール専売という制度と製造部門というもので本省で九十二名おる、出先の通産局に二百四十八人おるのですよ。これはもちろん全部製造部門ばかりやっておるわけじゃないですけれども、それがおらなくなるわけですよ。それでNEDOでは理事が一人と本部のスタッフが本部機構で三十二名、その中にはさっき言われた、何か燃料アルコールの研究をやるのが八名ぐらいおるわけですから、全然管理機構は、人間の点では、まあ能力はそれぞれあるにしても、数の上ではがたっと減るわけですね。そして現場も四十三名減らすというのですが、そういう中で管理がいいようにいくのですか。そういう点の詰めば通産省とやられておるのですか。
#92
○綿森参考人 先ほど申し上げましたように、アルコール製造事業をもっぱら担当する理事が一人、さらに管理部門の要員が二十名予定されております。この二十名のスタッフと十分活用すれば、同時に製造部門はできるものと考えております。
    〔委員長退席、森(清)委員長代理着席〕
#93
○水田委員 私が言っておるのは、聞いてくださいよ、三百何十人という人たちがおるのが二十何名になるのですよ、心配ないんですか。そこらの話は、たとえば内容的にこれだから心配ないということが話がされておるのかどうかということ、おまえこれでやれと言われたら仕方がございません受けますということでは、そこで働いておる人は心配でかなわぬわけですよ。だから具体的な数字で、通産省がアルコール事業部を持って本省で九十二名、出先の通産局で二百四十八名、工場でいま五百四十七ですか、持ってやっておるわけです。それが二十三名でいいんですか。それはどういう話でいいということが言われるのですか。
#94
○真野政府委員 アルコールの製造事業について移管する場合に、現在のアルコール専売事業としていたしております本省業務ないし通産局業務は、相当部分が先ほど申し上げました専売事業としての流通規制、ここの部門が大半でございまして、いわゆる固有の行政事務の部分が多いわけでございます。今回移管いたしますアルコールの製造事業につきまして、それぞれの各工場にもちろん管理部門がございますし、その上で中枢に当たりますNEDOの管理部門として、先ほど先生のおっしゃいました数字の人間が当たる、こういうことになりますから、従来はこの辺が一本でございまして、いわゆるアルコールの専売規制という行政事務と、それから製造事業という企業経営的な部分が中央で一本でやっておったわけでございますが、それをむしろ性格に基づいて分ける。それにあわせて、かつ管理部門の長が、先ほど理事長から申し上げましたような理事以下のスタッフということで集中的に行う。しかも、こういう理事その他の方々のキャリアは当然かなり経験を積まれた方がなられるわけでありますから、そういう意味で管理的な機能において重々任にたえ得るものと私ども考えて、いまの仕組みを考えたわけでございます。
#95
○水田委員 抽象的な答えじゃなくて、私は具体的にこれだけ人数がおって、これだけでやれるのかと言っておるのですから、それはこういう仕事ですと具体的に言えるわけでしょう、通産省は。それでNEDOの方は、いままでやっておったのはどういうことですかと見ないで、これでやれと言われて、やれますということを言えるわけがないわけなんです。だから、抽象的な答えじゃなくて、たとえば私が申し上げた数が違っておれば訂正してもらって結構です。本省九十二名、出先の通産局で二百四十八名、そしてその周辺の工場を管理しておったわけですよ。もちろん専売事業というのはやっておるでしょう。その管理にどれだけの人間がおって、これが二十名でやれるんですということを言ってくださいよ、やれるというなら。私はむずかしいと思うから聞いておるわけですよ。
#96
○石川(不)政府委員 お答えいたします。
 私どものアルコール専売事業、国営工場によります生産と民間に委託します生産、収納合わせまして、それを専売制度のルートに乗せまして流通管理しておるわけでございます。それがこの十月をめどに今度生産部門の移管を計画しておるわけでございますが、人員の関係で申し上げますと、今年度末でもって本省、通産局、工場全部合わせて約八百八十七名おるわけでございますが、これが十月以降時点におきまして、新エネルギー機構の方に参ります者を五百三十六名ばかり予定しております。そのうち約五百四名が工場の職員でございまして、そういった工場におきます生産管理、労務管理をやる者、それから先ほど申し上げました技術開発をやる者、これを合わせまして三十二名でございます。合わせて五百三十六名を予定しておるわけでございます。
 それから、来年度末におきます通産省に残りましてアルコール専売事業の流通行政をやる者が三百十三名になるわけでございます。これが本省及び通産局に配置されておりまして、アルコールの生産の指示とか収納、それから販売、管理、検査、取り締まり、こういうようなことをやるわけでございます。
 そういうことで、移行後、この陣容で十分従来と同じように専売アルコールの運営におきます生産並びに流通管理ができる、こういうふうに思っております。
 なお、燃料アルコール開発のための陣容につきましては、いささか人数が手薄ではないかというふうに思われるかと思います。こういう時期でございますので、いきなり急にその目的のためたくさんの陣容と資金を準備できなかったのは残念でございますけれども、これからの燃料アルコール開発プロジェクトとあわせまして体制を強化していきたい、こういうふうに考えております。
#97
○水田委員 どう聞いてみてもアルコールの製造事業をNEDOへ移すという積極的な理由というものは私は受けとめられないわけですよ。燃料アルコールという、NEDOですから、アルコールのいまのだけを持ってもらいたいというのなら、別に考えたらいいですよ。だから、いままでの答弁を聞いて、そういう気がして仕方がないのですが、積極的な理由があると言われるなら、そのことをお答えいただきたいと思うのです。
 それからもう一つ。委員長、とにかく私は具体的に本省幾ら、出先機関幾らでやっておるが、これでやれるのかという数字を聞いているので、これは後で結構ですから、委員長の方でひとつお諮りいただきたいのですが、資料で、こういうぐあいになりますというのを、数字だけで結構です。それがどうなるかはいいですけれども、本局はどうなります、出先はこうなります、その仕事はこうなります、NEDOの方では、二十名か二十三名か知りませんけれども、こういうあれでやるんだということを資料としていただきたいと思います。私は、いままでの答弁では、NEDOへ持っていくという積極的な理由が見出せない。燃料アルコールを積極的にやりますというのがここで大きく出てくるならともかく、いままでの答弁からは、まあこれから、いただいてからぼつぼつやります、こういうことでは、持っていくという理由はまだ十分な論議がされていない、詰まっていない、私はそういうぐあいに受け取らざるを得ないのですが、いかがですか。
#98
○真野政府委員 最初に数字の点、後ほどさらに御説明申し上げたいと思いますが、基本的に申し上げまして、現在アルコール専売でいたしております業務として、大きく申し上げまして、いわゆる生産関係が一つ、もう一つがアルコールの専売事業でございます。その中には管理関係、検査、取り締まり関係、販売関係、収納、技術関係、おおよそ申し上げまして四つの分類がございます。その場合、先ほど先生の御指摘になりました通産局の定員はほぼ全部がアルコール専売固有の業務でございますから、いわゆる製造事業の管理業務とは関係がない職員でございます。なお、そういたしますと、本省における管理関係の数字でございますが、その管理関係の業務の内容として、さらに総括、法規、調査、予算関係、厚生関係、管財関係、労務関係、以上申し上げましたような業務が管理部門でございまして、その部分の中で、本省では主として労務関係、厚生関係の一部が業務としてNEDOに移管されるということになろうかと思います。したがって、先ほど申し上げました三十二名というNEDOの本部の職員というのは、大体そういう従来アルコール専売の中におきまして本省のアルコール事業部の中の管理関係の中の一部の業務を分担するわけでございますから、ほぼこの人数によって充足し得る業務であろうかと考えております。生産関係につきましては、工場でございますから、このまま移管すればそれだけの人数が移る、こういう形になろうかと思います。
#99
○水田委員 数字はいただいのですが、私が積極的な理由は見当たらぬじゃないかと言ったことについての答えがないのですが、次に含めて、またお答えいただきたいと思うのです。
 これはぜひ次官にお答えいただきたいと思うのですが、日本のいわゆる発酵化学、醸造化学というのですか、これは世界的なレベル以上にあるでしょうね。いまブラジルでタピオカからアルコールをつくってやろうというので、日本の技術も使いたいというので、私の地元にあります林原生物化学研究所に一%の株を持ってくれ、こういうことで持たされておるわけです。さらに、これは農水で、この問衆議院は通りましたけれども、異性化糖をとにかく糖安法の中へ入れていくという問題があります。その異性化糖についても、従来の水あめでは砂糖に対抗できないけれども、この林原等の研究の、とにかく三百から特許を取っておるわけですね。そしていわゆるバッチシステムじゃなくて、連続で異性化糖をつくる、転化をするという技術を開発したわけです。バイオマスがこれなんです。そしていま異性化糖五五というのが大量にずっと市場を制覇しておる、こういうことになっておる。そういう技術をいま日本は持っておるわけです。
 そして、いままで皆さんの答弁の中でも、全部がアルコール燃料を使うというのはまだ先のことです。それはいわゆる麦わらとか、あるいは材木の切れっ端とか、いわゆるセルローズを糖化してアルコールにしていく、こういうことが工場生産に乗るか乗らないかということで頭の中で考えられておると思うのですね。しかし、現実にブラジルはドルがないために、仕方がないから国内原料を使ってアルコールをやろう。アメリカはどうなんですか。アメリカは日本と違って、日本は九九・八%以上の石油を輸入しておる。それがガソリンをぷっぷっと噴き飛ばして走り回っておるわけですが、国内で半分以上の油が自給できるアメリカが、これはアルコールを一〇%入れて使えということでガソホールを使おう、こういう政策をとっておる。いわゆる政策目標をちゃんと定めれば、日本でいま使っておるアルコール、これはもちろん原料の値段の問題がありますが、後で値段の問題に触れますが、そういう政策、ポリシーがきちっとあれば、燃料アルコールというのは、いま新エネ機構の理事長がまあ受けてから考えます、あるいはいまアルコールの千葉の工場でこういう研究をしていますというようなことではなくて、もっと現実の問題として、それが進んでいくだろうと思うのですね。
 通産省としては、やはりそういう燃料全体の問題として政策を定めるべきじゃないか、目標をきちっと打ち出して、それに向かって、きょうは農水も来ていますから、そこへも農業問題としてお伺いしますけれども、そういうものをやはり持つべきじゃないか、そういうぐあいに思うのですが、次官いかがですか。
#100
○原田(昇)政府委員 御指摘のように、燃料体系の中にきっちり位置づけをして新燃料油の開発というものをやっていかなければならぬわけでございますけれども、何としてもまだ、一部では確かに、それはブラジルとかアメリカ等で実用化しておるのもありますけれども、体系的に技術開発を進め、そしてその成果を見たところで、これをしっかりした燃料体系の中に位置づけをしていかなければならない、どちらかというと基礎的な段階ではないかと思うのです。余り功を急いで一つの方法を取り上げるよりは、いろいろな方法を試みて、それらの比較研究をしながら体系づけていくということが必要ではないかと思うのです。特に製造面、利用面、両方の方面において技術開発を進めていかなければならぬという方針でいままでやってきておりまして、すでに一部省エネの蒸留法とか、あるいは発酵法については一億円をかけてパイロットプラントが完成するという段階になっておりますし、さらにこれからいろいろな技術を総合的に駆使してNEDOにおいてやってもらわなければならぬ、こういうように考えております。
 そこで、いまお話のありました岡山の某研究所が非常に成果を上げておるということは、私も聞いて知っておるわけでございますし、大変心強い次第でございます。日本におけるバイオテクノロジーの開発につきましては、中には世界に冠たるものもありますけれども、世界じゅうがいま一生懸命この分野において競っておるわけでございまして、われわれもその面ではこれから大いにこの技術を助成し育てていかなければならぬという段階だと思うのです。
 そこで、いまエネルギー資源の足りない日本としては、現段階においてコスト的にも、ガソリンに比べればまだまだ一歩も二歩も問題があるという段階でございますので、成果を余り急がないで、基礎的に、体系的にひとつつくり上げて、でき上がったときはもう不敗の体制でやれるというぐらいにやっていかなければならぬと思っておるわけでございますので、この点はひとつ、もう少し長期的な観点から御指導、御鞭撻をいただきますようにお願いする次第でございます。
#101
○水田委員 いま次官は一歩も二歩も研究がということですが、そうじゃないのですよ。それを使おうという意欲が一歩も二歩もおくれているということじゃないかと私は思うのですよ。さっきも言いましたように、日本にはほとんど油はとれない。それでガソリンをぷっぷっとけつからたれ流すような形で飛ばしておるわけでしょう。アメリカは国内で半分以上の石油はあるわけです。それでもなおかつ燃料問題を考えれば、エネルギー問題を考えればということでアルコールを使っておる。そうすると、日本は研究がおくれておるのではなくて、そういうことをやろうという政策が一歩も二歩もおくれているのではないだろうかということを私は申し上げたいのです。
 そこで、日本の技術というのは、いま次官もお認めになったように、たとえばインターフェロン、日本でも林原もいま世界で最高の単位のあれができるようなことを研究しておる。ところが各社で開発しておるということで、やはりイギリスから技術を導入するということもやらざるを得ない。画期的な技術開発については、日本は若干おくれというのがあるのです。日本の特質というのは、外国から技術導入をしてそれを改良する、その技術がすばらしいのですね。そしてこれをマスプロでやっていくということで高度経済成長をやってきた。
 たとえば真空管がICに変わるというのは画期的な技術革新ですね。そこからこれをいかにたくさんぶち込むかという技術、これは改良なんですね。その点では、日本がいまや大量生産では追い抜いた形が、いまのLSIの経済摩擦の問題になってきておる。これを今度は十六Kから六十四Kビットに変えるというのは、アメリカではまさにこれは線が非常に細いですから大変な技術革新です、同じ五ミリ四方に入れるのは。日本は発想を変えたわけですね。それをちょっと大きくして六十四Kビットをつくったわけです。だからその点では日本の方が先になった、そういう日本の特質があるわけです。
 アルコールについては、セルローズからいくのは先の問題としても、でん粉なりあるいは糖分からいくのは世界最高の技術を持っている。問題はコストの問題だけなんですね。だから、それが実用化できるような政策をつくることが大事なのではないだろうか。これは考えてみますと、いま専売アルコールでつくっておるアルコールは大体十五万キロリットルぐらいですね。たとえば日本で三千五百万キロリットルの燃料を使っておる。その一〇%アルコール燃料を混入ということになれば、三百五十万キロリットルのアルコール燃料をつくらなければならぬ、あるいは輸入しなければならぬということになるわけです。ですから、そういうものを政策的に持ち込めば、それに向かっていく技術というのは日本にある。量をたくさんつくることによってコストを下げることもできるだろうし、あるいはいま国内原料として使っておるのはカンショを使っていますね。あるいは使おうと思えばサトウキビもバレイショもあるいはビートでも、さっき答弁もありましたように、ミカンの果汁の廃液は幾らでもあるわけです。一方ではミカンが余るから、とにかくミカンの木を少し切ろうじゃないか、あるいは生産制限をやれ、こういうようなことをやっておるわけです。ですから、そういうことを現行の日本の技術でいかに安くつくるかということについては、日本が大変な技術を持っておるわけですから、やろうと思えばできる。そして三百五十万キロリットルを全部日本でつくるといったら、いまの農地を、休耕地を全部使ってもとてもできっこない。そうすると、日本では一リットルが大体二百五十円につくわけですから、たとえば三百五十万キロリットルの中の一割を国産のアルコールでやる。そうすると、いまのアルコール専売の十五万キロリットルの倍以上になるわけですから、それは農業地帯にいわゆる一つの地域産業を興すこともできる、雇用もそこで興ることもできるわけです。
 値段で言いますと、アメリカはガソリンが大体一リットル八十円です。向こうでアルコールは八十円なんです。アルコールのカロリーというのは大体六〇%ですから、アメリカはアルコールに一ガロン六十セントですか補助金を出して、やはりガソホールという形で誘導政策をとっているわけなんです。日本の場合は大体二百五十円として、ガソリンが百六十円です。これを一対九でまぜたら、値段の点では一リットル大体百六十五円ぐらいになるわけです。そうすると、いまガソリンは大体百六十円で、あるいは百六十五円のところもありますが、いままた原油は下がりつつあるというのに国内では油の消費価格を値上げしようという。ですから、まさにいま日本が国内で使う一〇%のガソホールの中の一割を国内でつくる、そしてあと九割を輸入ということにすれば、値段の点ではアメリカと余り変わらないわけです。これはそういう政策があれば、この値段を下げることはもっとできるだろうと私は思うのです。ですから、一歩も二歩も研究がじゃなくて、そういう政策目標をきちっと出すか出さないかによって、燃料アルコールは進むか進まないかということが決まってくるわけです。
 これはまだほかの大変な効用があるのは、たとえば日本の油は中東からホルムズ海峡を越えて七五%来る。非常に危険なわけですから、これを分散していくという点では、特に貿易問題を考えても、たとえば非産油国である開発途上国に設備を持っていって技術指導をして、そして大変な太陽熱を年じゅう受けておる、そこで三毛作ぐらいのタピオカならタピオカをつくって入れてくるという形なら貿易がさらに拡大する。あるいはアメリカは貿易収支の赤字を文句を言いますけれども、油を売ってくれと言ったら売らぬわけです。これは中東から入れておるのを少しでも肩がわりすればこの差は大分縮まるのです。油を売らぬのならアルコールで買おうじゃないか、あるいはアルコールが十分できぬのなら、その原料のトウモロコシを入れようや。国産ではカンショなりバレイショのでん粉と、いわゆるコンスと混合してつくれば、アルコールは二百五十円が百八十円ぐらいになるかもしれない。
 そういう形を政策的にとるかとらないかが、この燃料アルコールを早急に進めるか進めないかにかかっておると私は思うのです。一挙両得という言葉がありますが、これは一挙三得にも四得にもなるのです。だから、そういう点はやはり通産省の大臣なり次官、政策的なものですから、そういう点一私が申し上げた状況をどういうぐあいに受けとめ、そういう政策目標をきちっとつくってやるというお考えがあるのかどうか、あるいはやろうとされるのかどうか、お伺いしたいと思います。
#102
○原田(昇)政府委員 水田委員の非常に見識のあるお話を承りまして、われわれも大変参考にさせていただきたいと思っております。そのようなことを、まさにわれわれとしても頭に描きながら、バイオマスあるいは新燃料油の開発に取り組んでおるわけでございまして、確かにこの技術が十分な成果を上げることができ、さらに政策的にも成果が十分実行できることになりますれば、日本の農業にも大変なインパクトを与えることになるし、発展途上国にも大きなバーゲニングパワーを持つことができます。貿易関係においてもいろいろな改善が図られるということは、われわれとしてもぜひ期待しておるわけでございます。
 そこで、すぐこの政策をいまおっしゃったような形で政策的にやれと言われましても、まだ私は基礎的に技術開発をもう少しやってめどをつけたい。現に現在の技術では、どうしてもコスト的に相当高いものになり、かなりの費用負担をしなければ消費者に使えない、使用者に使えない。また一使用技術の方でも、もう少し改良を要するという段階でございますので、いまおっしゃったことを参考にしながら、またそういうことを頭に描きながら、まず第一に技術開発に力を入れ、そして政策的にも今後のあり方を検討していくという段階ではないかと思っております。いずれにいたしましても、いまの御見解について大変私は評価し、大いにこれを参考にしながらやらせていただきたいと思っております。
#103
○水田委員 評価だけされても困るのでして、私はこのアルコール事業部なりあるいはいろいろな答弁を聞いて、日本のエネルギーの危機というものに対して、いま少し石油事情が緩んだということだけで、どうもそういう点危機感がないのじゃないか、もっと危機感を持つべきではないだろうか。そのためには、私はたとえば公害対策で自動車のNOx、の問題、業界は猛反対しました。しかし、それは国民の健康なり命を守るために、マスキー法的な発想でやっていった。通産省はそういうものは政策として、エネルギーの問題は代替エネルギーはやれるものは何でもやっていくのだというふうに言っておるわけです。書いておるものを読むと言っておるけれども、実際にいま燃料アルコール一つとってみても、もうほんのわずかのところを努力すればできるにもかかわらず、そういう目標を決めてないために、セルローズからできたら大量に安くできるだろう、こういう考え方、そうは言っても、まだまだ石油は少しは値が下がったじゃないかという安易さがあるのではないかと思うのです。答弁はいいですから、私はそういう意味でのひとつ早急な、アルコールを燃料として使用することについての積極的な政策立案なり施策に取り組んでもらうように要望しておきたいと思うのです。
 それでは同じことで、農水省おいでになっておりますね。
 これはいま申し上げましたように、ガソホールで一〇%自動車に使おうとして、そのまた一割を賄うとして三十五万キロリットルのアルコールを国内でつくらなければならぬわけです。そうしますと、いま大体米は減反しろ、あるいはビートをつくって転作でやると、北海道ではこれ以上つくると、とにかく砂糖との関係で関税が足らなくなる、原資が足らなくなるから、これで抑える、そういう農林水産省の農業政策というのは、防衛的なというか、後へ下がるようなことになっているわけです。これはアルコールをつくる方で考えれば、たとえば休耕田にアルコールになるバレイショとかカンショとかあるいはサトウキビ、ビートでもいいし、ミカンの果汁の廃液でもいいわけです。そういうものをとにかくやれば、その地域の農家収入が保障されるわけです。たとえば単価は少し下がってもいいと思うのです。それはそこまでのことは言わぬで、いまの値段でもいいのですが、大量につくって一年間でこれだけの現金収入があるということなら、その地域で住もうかという気になるのです。そこで農業をやって全きていこうかという気になる。
 特に、いま葉たばこの問題がある。葉たばこというのは、農林水産省ではなしに専売公社が農村地帯の過疎化をとめるという役割りを果たしてきているのですね。これがまた国際摩擦ということで、高いから、ストックは一年分余分にあるからということで、これはまさに農村の過疎化が急激に進むあれになるわけですね。そういうものに対してむしろ積極的に、どうですか、日本でアルコールをつくる原料は現在こういうものがございます、これを使ってやればこうなりますというような積極的なものを出していくべきではないかと思うのです。もちろん国内の馬でんにしたってカンショのでん粉にしたって、これは国際価格から言えば高いわけですから。私がさっきから言っておりますように、日本で全部アルコールをつくって賄うことは、耕地面積からいって不可能なことなのです。たとえば北海道の休耕田にバレイショをつくってアルコールにしたら、休耕田の半分あれば大体一〇%は賄える。しかし鹿児島の休耕田で一〇%まるまる賄おうとすると、休耕田の倍のカンショをつくらなければならぬということが、細かい計算をすれば出てくると思うのです。そういう国内における農産物としての利用できるアルコール、そういうものをある程度計算して、これをこういうぐあいにやって、たとえば足らない分はアルコールで輸入する、精製されたものでないアルコール、あるいは乾燥したでん粉で輸入するとか、そういうことの両方で大体ガソリン全体の一〇%、九割は輸入ということになりましょうけれども、そういう形で国内の農業が成り立つということを考えるべきではないか。そしてそういう立場で、逆に言えば農業政策として燃料アルコール推進を通産省――さっきから言いますように、お説はよく拝聴するということですが、まだすぐやろうということにならぬのです。農水省としてはまさに――これは日本の一番悪いところですよ。各省ごとに独立しておるようですが、両方まとめてやればまさに農業政策としても大変積極的な面が出てくるし、あるいはエネルギー対策としても通産としても出てくるけれども、そこらの話というのがそれぞれが十分できていないところに私は問題があるのではないだろうかと思うのです。
 農水省としてはこの燃料アルコールを進めていく、たとえば転作の奨励金がついたものなら二百五十円のアルコールはもうちょっと下がるわけでしょう、そういう方法もあるわけですね。ですから、そういう点での農水省の燃料アルコールの原料を確保するという立場での農作物をどうしていくかということについてのお考えと、それから場合によっては通産省へ積極的に申し入れていく、協議をしていくというお考えはないかどうか、お伺いしたいと思います。
#104
○畑中説明員 お答えを申し上げます。
 先生御指摘のように、六十万ヘクタールを超える水田転換をしなければいけないということで、農林水産省としては転作が最大の課題になっておるわけでございます。そういう意味で、非常に生産性の高いといいますか、農家が喜んでつくっていただける作物、それは新しい作物であれ古い作物であれ、とにかく探し出してその地域に定着をさせていくということが非常に大事なわけでございます。そういう意味でアルコールの原料作物、カンショとかバレイショとかいろいろなものについても、それが採算的に引き合うというようなものであれば、私どもとしても生産奨励をしたいわけでございますが、いま通産省の次官からもお答えがございましたように、なおいろいろな試験研究を経ませんと、そこまでの状況になっていない。これは先生よく数字を挙げておっしゃっていただいておりますので御存じのように、やはりどうしても割り高になる。これは転作の奨励金をつぎ込みましても割り高になるというような問題もございますので、いましばらくそういったものが進みます間、私どもとしては見守っていきたいというふうに思っております。
 やはり私どもは食糧をつくるということを出発点にした官庁でございますので、どうしても人間の食べ物の方に目が行くわけでありますが、このアルコールにつきましては、いま通産の方からいろいろお話がございましたように、前から農業地帯にアルコールの製造工場をつくっていただいて、両方が協調してやってまいりましたし、私どもも通産省との間でいまでもカンショのアルコール化というような問題について緊密に連絡もいたしておりますので、いわゆる縦割りというような弊害はこの問題に関してはないわけでございます。私どもも、そういう開発が進んで国内で原料ができるような状況になれば、そういった生産の振興をしたいというふうに思っておりますが、いまの状況では、私どもとしてももう少しカンショなりバレイショなりの生産性を上げて、もっと安い、安定した原料として供給できるような試験研究もやりませんと、いまのままでは、なまで食べるということを中心に発達をしてきたというようなこともございますが、かなり割り高なものになっておりますので、にわかにお願いに参るというような状況にはまいりませんけれども、私どもとしては大変関心を持って見守っているというふうに申し上げたいと存じます。
#105
○水田委員 これは通産省と農林省、両方へ申し上げるのですが、私は、とにかくまだ相当程度の技術開発をしなければ、日本のアルコールが高くてどうにもならぬということを言っておるのじゃないのです。現実にいまアルコール専売で売っておるアルコール、リッター二百五十円だと言っておる。それを使って計算しても、ガソリンと九対一で使えるではないか。まさに政策としてそれをとるかとらないかにかかっておる、こう言っておるのですよ。だから、確かにバッチシステムではなくて連続的な発酵ができるような開発なり、あるいはいまイオン交換膜の技術が進んでいますから、蒸留するのにエネルギーが相当要るわけですから、逆にそれを浸透膜でアルコールをとるとか、そういう点はまさにこれ以上に安くする技術開発なんですね。二百五十円が二百円になり百五十円になるということならなおいいわけですね。そうしてアメリカとの対比で言えば、私が言ったように、アメリカではガソリンが八十円でアルコールが八十円で、それで使えと言っておるのです。向こうの方は石油を持っておるのです。日本は持っていない。それを一〇〇%ガソリンを吹かして走っておるわけでしょう。日本ではガソリンが百六十円で、もっと上がるでしょう。そして二百五十円のアルコールと、輸入したあるいは国内で安くつくったアルコールをまぜたら、大体百六十五円ぐらいになるわけですね。そこは政策的に税金を何とか考えるとかいうようなことで同じぐらいでやれば、いまアメリカと同じ条件なんです。だから政策的な決め方いかんによって燃料アルコールを進めることができるかできぬかにかかわっているということを申し上げておるのですから、間違わないでほしいのです。もう少し技術ができれば、あるいはもう少し芋が安ければ――いまカンショは一キロ三十五円でしょう。そこで焼き芋を買ったらこのぐらいのが五百円取られたというのですよ。こんなばかげた流通機構ではなしに、もう少し本当に農業が生きていける、そういうことを農水省は考えるべきじゃないですか。これは答弁はよろしいです。まさに私が申し上げておるのは、技術開発されたら、もう少し安くなったら使えるということではなくて、いまのアルコールの値段で国際的な環境をつくっていけばやれる、まさにいまやるべきじゃないか、こういうことを申し上げておるのです。
 それから次には、アルコールの燃料を使う自動車の開発についてどういうぐあいにいま進んでおるのかということをお伺いしたいわけです。一〇〇%のアルコールでも自動車は走ります。これは私がいまから三十七年前に、何カ月かアルコールだけで空を飛んだのです。飛行機でも飛ぶのですから、これは間違いないですね、私が実証しておるわけですから。アルコールを使う場合の問題点も私は知っておるわけです。いい面は、アルコールを一〇%入れることによって、これはいろいろな実験をやってみぬとわかりませんが、恐らく圧縮比を高めることはできるのじゃないか。というのは、飛行機エンジンでもメタノール噴射をやって馬力を上げていくということをやっておりますから、そういう点もあるわけであります。ただ、カロリーが六〇%ですから燃費が高い。しかし、これはガソリンとエマルジョンの状態で使えばそれほどのものではないだろうと思うのです。ただ問題というのは、一つは水分をどうしても含みますから、そういう点でいまのエンジン系統あるいは燃料系統に腐食が生ずるという問題がある。あるいはガソリンでは起こらないが、アルコールというものは、金属が触媒になって、その中に幾らかの化合物ができて、燃料パイプを詰まらすということはないだろうかというようなことでありまして、レシプロエンジンの原理が根本的に変わってしまうという技術開発ではないわけですね。まさに日本独特の、日本が一番得意とする分野の技術開発なんですが、これも先ほど言いましたように、日本でアルコールを必ず一〇%入れて使えということになれば、自動車の開発も早まっていくわけですね。そして、当然これは電気自動車というのも優遇策をとってなにしたけれども、余り高いせいか伸びておりませんけれども、取得税とかあるいは重量税あるいはアルコールを使うそのものに対する税金の問題等、これは誘導策でしょう。あるいは一方で言えば、日本の自動車は全部ガソリン車は一〇%使えと強制的にやるというのがいいのかどうか別として、そういう政策をきちっとやれば開発は進むと思うのですが、いまのアルコール燃料を使う自動車の開発はどういうぐあいになっておるのか、ひとつお聞かせいただきたいと思うのです。
    〔森(清)委員長代理退席、委員長着席〕
#106
○豊島政府委員 アルコール自動車の研究開発につきましては、メーカーあるいは民間研究機関、大学等でも当然行われておるわけでございますが、通産省でもこれを促進するという意味を含めまして、アルコール混合ガソリンを、現在、いま動いております自動車に利用した場合の、先ほど先生御指摘のような耐久性の問題あるいはエンジン性能あるいは排ガス等の問題につきまして、委託調査を実施しております。五十五年度特別会計から二億円、五十六年度一億五千万円ということで、この面で着々と進んでおると思います。
 それからまた、アルコールを燃料といたします自動車の実用化開発、すなわち現在走っておる自動車にアルコール混合のガソリンを使うのじゃなくて、新しくアルコールだけを燃料とする自動車の実用化の開発ということにつきましても、石油代替エネルギー関係技術実用化開発費補助金ということで、同様の自動車研究所に補助金を交付しておりまして、五十五年度一億九千万円、五十六年度九千七百万円、五十七年度三千六百万円という予算を計上しまして出しております。開発の内容としましては、火花点火方式のアルコールエンジンの試作、それからアルコールディーゼルエンジン開発及びその実車走行という点について補助金を出しておるということでございます。
#107
○水田委員 通産省として、燃料アルコールという政策目標については確たる答弁はないのですけれども、ある程度そういう目標をつくってやらぬと、こういう技術というのは――たとえば将来の画期的な、レシプロエンジンとは違う形で、燃料も全然違う、水素を使ってとかいうのならともかくも、これはレシプロエンジンですし、アルコールで動くことはもう間違いないわけですから、ある程度の予算がどうついておる、研究していますというのじゃなくて、少なくとも目標はこういうところで、このぐらいにはやはり実用化していきたい、そのためにはこういう考え方で強制するのかあるいは誘導策でやるのか、そういうものを明らかにすべきじゃないか。だから、さっきも言いましたように、エネルギー問題に対する真剣味がどうも足らぬのじゃないかという感じが私はして仕方がないのですよ。ちょっともう一遍お答えいただきたい。
#108
○豊島政府委員 先生いま御指摘のように、このアルコールを使う自動車というのは、いま申し上げたような技術的な問題のほかに、結局は安定したアルコールの供給源、それから価格が安く入るかどうか、これにかかっているということになると思います。したがいまして、そういう目標がはっきりすれば、いついつ時点でどのくらいの量が、アルコールの値段もこのくらいでということが目標がつけば、それに応じて業界は政府が言わなくても当然やっていく。しかも、そういう特殊な車であれば、それなりに量産しないと安くならないわけでありまして、ガソリンを使う乗用車と同じようにするためには、量産効果をそのアルコールを使う車についてもやらなくちゃいけない、こういうことになろうかと思います。したがいまして、そういうアルコールの供給体制あるいは価格というものを待っていたのではしようがないわけで、そういう事態を想定いたしまして、技術的な問題を優先して解決していく。したがって、その問題は、燃料問題の解決についてのめどが一応つけば、いつでもそのアルコールを使う自動車が走れるようにする、そういう対策をわれわれとしてはやっておる、こういうことでございます。
#109
○水田委員 私は、通産省全体として、エネルギー問題に対するもう少し危機感を持って取り組みをしてほしいと思うのです。これはたとえば醸造のアルコールだけじゃなくて、石炭の液化という問題も大変むずかしいし、非常に高い。これも技術的には戦争中に開発されておるけれども、コストの点でとてもじゃないが使えないと思いますね。しかし、石炭ガス化ということは、これは昭和四十年代までは、ナフサを使う前は、石炭ガス化でいった化学産業の原料というのはたくさんあるわけですね。ですから、たとえば醸造だけのアルコールじゃなくて、石炭ガス化からくるアルコール、それは工業用の原料としても使えるわけですね。ですから、化学産業の原料として、醸造とそれから石炭ガス化によるアルコールとを含めた新しい原料体系なり燃料体系というものまで、いまこれだけ厳しい国際環境に置かれておるエネルギー問題ですから、原子力ばかりに目を向けるのじゃなくて、多様な燃料についてもっと積極的な取り組みが必要だろうと私は思うのです。
 これは質問に出していなかったのですが、石炭ガス化のいま申し上げたそういう点の研究開発、液化はよく言われるのですが、ガス化についてはどうなんですか。これも技術はまさに日本で持っておるわけですね。いかに効率的にこれを使うかというだけにかかっておると思うのですが。
#110
○小松政府委員 石炭のガス化の問題につきましては、石炭液化と並んでというよりは、むしろ石炭ガス化の方が実用段階が早いのではないかというふうに思っておりまして、現在、高カロリーガス化と低カロリーガス化、両面にわたりまして研究開発を進めておる段階でございます。
#111
○水田委員 たとえばいま東京瓦斯とか東邦瓦斯とか大阪瓦斯というのはLNGが入れられるわけですね、大きな船で来るから。中小は入れられぬわけですね。仕方がないからナフサを分解したりLPGを分解したりオフガスを使っておるわけですね。しかし、もともとは石炭のガス化でやっておったわけです。そのままいまやれということじゃないのですけれども、石炭よりはナフサが安いからというので使った。そういうところで技術は皆持っておるわけですね。そしてナフサが高くなった。ですから、アルコールとかアンモニアというのは、石炭ガス化からいけるわけですね。そういうものまで含めた現実の問題ですよ。これは技術開発はそれほどないわけです。現実にある技術をどう改良するかということで実用化できるわけですからね。そういう点ではいまの答弁では大変不満ですし、ぜひさらに積極的に進めてもらいたいということを申し上げておきます。時間がもうなくなりましたから……。
 最後に、大臣ちょっと抜けておられましたけれども、とにかくまさにアルコールというのは、いまの日本の技術でコスト計算しても、少し政策的なものをやれば使えるところへ来ておるわけですね。それをさらに安くということになれば、当面するものでも、たとえばさっきも言いましたイオン交換膜によって蒸留するエネルギーをずっと減らすとか、あるいは一遍煮てからでないと糖化できない、あるいはアルコールに転換できないという問題がある。それを新しい菌で、煮ないで生のままでやる。これは得率がいま非常に悪いようでありますが、これはそういう現用のでん粉をということなんですね。それはまさにやりようによったら、政策の決めようによっていまからすぐでも手がつけられる。同時に中期長期にわたっては、いわゆる稲わらとかあるいは材木の廃材のようなセルローズを糖化して、それからアルコールへ持っていくという形にはなるだろう。そしてガソリン自動車だけで私は申し上げたのですが、いま申し上げたように、たとえば工業用の原料として使えるわけですね。石炭ガス化とそれから発酵法のアルコールを使って、そういうもので原料なり燃料を供給していくということも当然考えるべきである。それから自動車について言えば、たとえば材木の廃材からとれるようになれば、ディーゼルエンジンを三分の一でもかえれば、少なくとも一千万キロリットルぐらいは、アルコールの需要が国内で起こってくるわけです。そういうような展望があるわけですね。ですから、燃料アルコールについて私はいろいろ質問いたしましたけれども、どうも危機感が足りないような気がして仕方がないし、それからもう少し意欲的な取り組みをしてほしいと思うのです。
 もう一つは、どう考えてみてもアルコールの製造現場を新エネルギー総合開発機構へ持っていくというのは時期尚早といいますか、受け入れも、持っていく方も、本当に燃料アルコールを開発しようという意欲は、とてもじゃないが、数字の上でも、あるいは答えられた内容では詰められてないと思いますので、その点はもう少し慎重に考えるべきではないかと思うのですが、その二点について大臣の所信を伺いまして、質問を終わりたいと思います。
#112
○安倍国務大臣 お話を承ったわけですが、石油についてはこれは有限でありますし、しかしアルコールについては、これはまさに無限であると言ってもいいんじゃないかと思います。そういう意味で、いまのお話を聞いておりまして、アルコールを燃料その他で大きく活用していくということは決して夢のような話じゃなくて、まさに現在のエネルギーのこうした状況の中においては、非常な現実性を持った課題であろうと思うわけでありまして、これは何としても日本のような特に無資源国は、このアルコール資源というものをやはり積極的に活用していくということは非常に必要なことじゃないかと思います。
 すでにブラジルなんかでは、御承知のように、もうアルコール燃料が現実化されておるわけですから、日本の場合でも、相当アルコールについての技術は高いわけでありましょうし、さらにまたこれを大量に生産をする、あるいはまたコストの面でもいろいろと努力、研究をすればもっと低廉なものが実現ができるんじゃないか、こういうふうに思っておりますし、まさに今日、これから将来またどういう危機がエネルギーの上で起こってくるかわかりませんので、そういうものをにらんで、やはり新エネルギー対策の有力な一環として、これは積極的な政策の課題として取り上げるべきであろうと思います。私は同感でございます。今後ともそういう方向で努力してまいりたいと思うわけです。
 そういう中で、今日アルコールを新エネ機構に合体をしたということは、これはいろいろと問題はあるでしょうけれども、しかし、新エネルギーという立場でアルコールを将来大きく活用していくということになれば、これはむしろ新エネ機構の中に吸収していく、そしてこれを大きく伸ばしていくという意味においては、むしろ非常に積極的な意味があるんじゃないだろうか、こういうふうに私は思うわけでございますが、しかし、合併に当たりましては、いろいろと問題もありますから、これはまさに円満にスムーズに移行できるように、現実の課題として努力をしてまいりたいと考えております。
#113
○水田委員 終わります。
#114
○渡部委員長 長田武士君。
#115
○長田委員 まず安倍通産大臣にお尋ねをいたします。
 アルコール専売事業につきましては、昭和十二年以来四十五年間も続けている事業でございますし、その形態についても、戦後各種審議会や閣議決定などによりましてさまざまな意見が交わされておるわけであります。たとえば工場を民間へ払い下げることを決めた昭和二十五年の閣議決定を初めといたしまして、昭和三十五年には専売制の必要なしとする意見や、民営方式を取り入れるべきである、こういう行政審議会の答申なども延べ十数回にわたって出されておるわけであります。そこで、今回アルコール専売事業が新エネルギー機構に移行するに至った経過及び理由について、簡単に御説明をいただきたいと思います。
#116
○安倍国務大臣 アルコール専売事業の経営形態につきましては、昭和五十一年から公共企業体等基本問題会議の場で多方面にわたって検討が行われたわけであります。政府としては、これらの検討結果を踏まえまして、アルコールが石油代替エネルギーの一つとして注目されるに至ったというその後の状況変化も勘案をいたしまして、昭和五十四年の十二月の閣議で、アルコール製造事業の新エネルギー総合開発機構への移管の方針を決定をいたしました。さらに昨年十二月の閣議了解によりまして、その旨を再確認をいたしたわけでございます。今回の法律は、この閣議決定及び閣議了解の趣旨にのっとりましてこれを実施に移すためのものでございます。
#117
○長田委員 次に、本法案と現在進めておりますところの行政改革、この関係についてお尋ねをしたいと思います。
 御存じのとおり、国全体の行政改革が第二次臨調で検討されておるわけでございます。そこで、第二次臨調で検討されておりますこのアルコール専売事業、これについても第四部会で検討されておると私は聞いておるのでありますが、臨調からのヒヤリングはどの程度行われておるのか、またその内容について御説明をいただきたいと思います。
#118
○真野政府委員 御指摘のように現在、臨時行政調査会におきまして、アルコール専売事業を含めましていわゆる三公社五現業のあり方について検討いたしております。その担当の部会は第四部会でございまして、私ども通産省に対するヒヤリングが、昨年の十一月一日とそれからことしの三月三日、二回行われております。主として第一回、第二回通じまして、現在のアルコール専売事業の業務運営なり内容についていろいろ説明を求められており、その中において、専売事業というのはいかなる機能を果たしておるか、あるいは国内で製造しているアルコールというのは発酵法では国営、合成アルコールでは民営委託でございますが、そういう実情等についていろいろヒヤリング、聴取を受けたわけでございます。
#119
○長田委員 三公社五現業の行政改革につきましては、この七月にも予定されております基本答申の骨格をなすものであります。いま本法案を臨調の答申前に出すことは、アルコール専売事業についての行政改革について、すでに臨調が十分理解しておるのかどうか、その点はどうでしょうか。
#120
○真野政府委員 私ども公式には、先ほど申し上げたように二回のヒヤリングに呼ばれまして、アルコール専売事業の内容について私どもの方から説明申し上げたわけであります。ただ、その中でいろいろ御意見なり御質問がございまして、私どもの方が従来進めております、今回法案にしてさらに提出いたしましたいわゆる製造事業の移管について、その背景、過去の歴史等について御説明は申し上げました。しかし、具体的にこうすべきではないか、ああすべきではないかという臨調部会全体としての御意見という形では、まだそういう議論は私どもは受けておりません。
#121
○長田委員 そうなりますと、アルコール専売事業の行政改革につきまして、臨調が今回の法案の趣旨と違った答申を出した場合、これはどうなるのでしょうか。
#122
○安倍国務大臣 いま説明をいたしましたように、この新エネ機構への移管は、閣議決定をいたしておるわけでございます。そしてその後臨調に対しましても、政府としてこれまでとった措置、とろうとしている措置については十分説明をいたして今日に至っております。私は臨調も、この新しい措置に対してはそれなりの評価をしていただいておる、こういうふうに考えております。
#123
○長田委員 そう願いたいわけでありますけれども、去る昭和三十八年十月三十日に行われました臨時行政調査会では、「公益専売によってアルコールの供給を確保すべき社会的必要性は全くない。なお、アルコールが飲料用に供しうるため、脱税の機会が多くなるとしても、これらは酒税に関するものと同様の監督をもって十分カバーしうる。民営に移管すべし。」こういう答申が出ておるわけであります。つまり専売制による規制よりも税制による規制で十分である、こういう結論のようであります。当然、当時と現在では社会的にも経済的にも条件は異なっておりますが、現時点での専売制の維持を決められた理由、この点はどういうことなんでしょうか。
#124
○真野政府委員 先生御指摘のように、昭和三十八年に臨時行政調査会においてそのような報告がなされているというのを私どもも存じております。
 ただ、この当時、御承知のように、戦前からございました現在の発酵アルコールの製造に対しまして、戦後、工業用アルコールの需要の増大、さらに石油化学を原料とするアルコールの製造というのが比較的割り安な石油系原料を使って行われ出したという時期に当たるかと思います。したがって、そういう意味で、どちらかといいますと発酵アルコールより合成アルコールの方がかなり安くできてくるというような状況のもとにおいて、戦前からございました国営工場の発酵アルコールの製造がやや競争的に不利な条件にあった時期がございます。そういう意味で、この民営論は、一つはそういうような背景のもとに発酵アルコールの機能について将来の、当時から見れば将来でございますが、現在置かれておりますような発酵アルコールの機能ということはまだ出てこない状況ではなかったかと思います。
 その後、先ほどから御答弁申し上げている中にございますように、国営工場の合理化も非常に進みまして、四十年当時の物的生産性に比べまして現在その三倍ぐらいの能率を上げておりますし、所要人員も相当な減少をする、少ない人数で生産を上げる。しかも年々アルコールの生産量、需要量というのはふえておりますから、そういう意味で国営工場の能率というのは非常に向上したわけでございます。
 他方、先ほど申し上げましたように、石油化学原料の値上がりによりまして、合成アルコールの方のコストも上がってくる、こういう状況で、現在コスト的に発酵アルコールも合成アルコールもほぼ似たような状況に入ってきておるという状況でございます。そういう意味で、当時の経済的情勢とは相当変わってきておるということが一つ挙げられると思います。
 そういう状況のもとにおきまして、専売制をどうするのかという議論が従来からも何度かございました。全く新しくアルコールの流通制度、酒税の確保のための工業用アルコールの流通制度を考える場合には、専売制、税制いずれも考えられると思いますし、各国とも、税制をとっておる国、専売制をとっておる国、それぞれ区々ではございますが、現在までのところ、以上申し上げましたように、製造部門を含めまして日本のアルコール専売事業というのはかなり効率的に運営をされておりますし、かつ、現在までの国営工場の歴史から見まして、産業としてそれぞれの地域社会なり地域経済に対する貢献を現実に果たしているわけでございまして、そういう背景の上で専売制度をどうするかというふうに考えました場合に、現在ある制度の変更に伴う混乱、さらに新しく税制をいたします場合に、行政的な規制がほぼ同じように行われるのみならず、税制の場合には新しいボンド供託制度等も必要になるというような事情、さらに現在アルコール専売事業で国営事業として働いております職員の身分の変更等、いろいろな問題がございますので、むしろそういう状況のもとにおきましては、専売制を維持しながら、その中で運営の効率化を図っていくという方が現実的であり、かつ妥当であろうということで、今回、専売制の維持のもとに国営製造事業をNEDOへ移管するという考え方をとったわけでございます。
#125
○長田委員 専売制を維持するというのは一応理解できたわけでありますが、経営形態についてはさまざまな形態が考えられるわけであります。そこで、今回、なぜ特殊法人であります新エネルギー開発機構に移行しなければならなかったのか、その理由について御説明をいただきたいと思います。
#126
○真野政府委員 現在のアルコール専売事業の製造部門を新エネルギー総合開発機構へ移管するという方針は、二年前に閣議決定をいたしたわけでございますが、そのときの事情として、一つは、専売制度のもとにおいて、専売制度は維持するにしてもその中における製造事業というのはいかなる形で効率的に運営すべきかということが一つ判断の根拠になろうかと思いますが、その場合に、製造事業はやはり一つの事業でございまして、非常に企業経営的な体質を持っておりますので、その効率化という観点から、企業経営的なセンスをどこまで貫徹できるかということが一つ経営形態の場合の基本にあろうかと思います。
 他方、当時の事情といたしまして、今日も妥当といたしておりますけれども、新しい燃料エネルギーの開発、燃料アルコールの開発の必要性ということが重要視されまして、これを新エネルギー総合開発機構の一つの重要なテーマとするということがNEDOの発足当時ございまして、それとの関係で、現在の国営アルコール製造事業の技術を活用するということが有利ではないかという観点が一つ考えられたわけであります。
 さらに、国営製造事業を直ちに民営等に移管する場合には、従来この国営製造事業が果たしてまいりました地域経済に対する貢献という要素、これを果たして維持できるかという点もございまして、そういうような公益的な機能も従来のアルコールの国営製造事業が果たしてまいりましたということから、その機能をなお維持しつつ、しかも製造事業としての効率化を図るということから、特殊法人であるNEDOへ移管する、その中において新しい燃料アルコールの開発のための技術、これに何らかのコントリビューションする、寄与をしていくということが考えられましたので、この特殊法人、NEDOに国営事業を移管するという考え方をとったわけでございます。
#127
○長田委員 新エネルギー開発機構の目的は、代替エネルギーの開発及びそのために必要な業務の推進であるということですね。われわれもおととしですか、この委員会でこの審議をやったわけであります。アルコール専売事業は主に工業用アルコールの製造でありますから、そういう点で、私はどうもNEDOの目的にそぐわないという感じを抱くわけでありますけれども、その点どうでしょうか。
#128
○真野政府委員 御指摘のように、NEDOの目的は新エネルギーの開発でございますが、今回移管いたします国営アルコール製造事業は、現に工業用アルコールとして製造している分野でございますが、ただ、そういう製造を効率的、技術的に進歩させるために必要な技術研究というのは、従来から積み重なっておりまして、発酵法のアルコール製造技術としては独自のものを開発し、かつ、実際にその生産に応用してまいったわけでございます。
 一方、新しい燃料アルコールの開発は、そういった技術的な面のみならず、かなり幅の広い原料源の確保、そのために必要な栽培技術等、いろいろな各方面の多面的な新しい技術開発を必要とするわけでございますが、その際に、発酵技術に対しましては、従来の国営アルコール工場におきまして開発いたしました技術、これを一つ基礎として使い得る。その上で全体としての新しい燃料アルコールの開発システムの中に組み入れていく、こういうことが可能になろうかと思います。そういう意味におきまして、既存の技術、これもかなり年々営々として開発し進歩させてきたわけでございますけれども、既存のそういう生産技術、発酵技術、これを新しい燃料アルコールの開発の際の一つの技術的なスタートとして利用できる、こういう関係が新エネルギー総合開発機構と今回移管をお願いしています国営アルコール製造事業との関係に見出せるわけでありまして、そういう意味におきまして、一方ではアルコールの製造と供給という現実の経済のニーズに備えて商品を供給するという役目もございますが、他方、今後新しく必要とされるアルコールの需要、そのために必要な技術、それに対する基盤を提供する、こういう意味において、両者は非常に連携関係があるという形で、今回新しいNEDOに国営アルコール事業を移管する、そういうことによりまして、それぞれの分野に応じて協力し合う体制ができるのではないか、こういうように考えております。
#129
○長田委員 通産大臣の諮問機関でありますアルコール専売事業制度問題懇談会、これが昭和五十四年七月五日に提出した報告書によりますと、「製造部門については、民営への移行に伴う問題点の円滑な処理が可能となる状況に至っていないので、現段階において民営化することは適当ではなく、」こういうふうに報告されておるわけであります。また昭和五十六年十一月十一日の臨調の第四部会におきましてのヒアリングのときに、製造一部門の民営化に対する答えの中で、通産省は、「NEDOに製造部門を移管する途上にあるので、まず改革をする」、こうしておるわけであります。こうした内容の中で、「現段階において」とか「まず改革をする」とか、こういう表現は、将来民営化を意図したかのように受け取れるわけでありますが、この点はどうなんでしょうか。
#130
○真野政府委員 先生御指摘のように、このアルコール専売事業の経営のあり方につきましては、まさに十年来いろいろな議論がなされているところでありますが、基本的には、アルコール専売事業というのが、アルコールの低廉かつ安定的な供給の責任を果たすために、製造についてはやはり相当部分国が供給責任を負わなければいけないという要素がございます。その際に、従来国営アルコール事業が果たしてまいりました地域経済に対する寄与という問題、さらに現在国営アルコール事業で働いております職員の身分の保障の問題等々の問題がございますので、それらの議論を踏まえまして、通産省の中におきまして、そういう諮問機関で二年間にわたり議論いたしまして、その結果として、特殊法人である新エネルギー開発機構のような機構において現在の国営製造事業を続ける必要性があるという結論に達しました。その上におきまして、今回お願いしていますような法案の形で提出したわけでございまして、従来の民営化への経過措置というようなことではなくて、多年にわたる経営形態についての検討の結果でございますので、まさにこれが一つの決着であるという形に私どもは理解しております。
#131
○長田委員 NEDOに移行する主な理由につきましては、提案理由の中で明らかにされておるわけであります。その中で、行政機構の簡素化というものが挙げられております。通産省においてはどの程度の改革ができるのか、またNEDOに移行した場合どのような機構になるのか、この点お尋ねをいたします。
#132
○真野政府委員 現在、御承知のように、アルコール専売事業として通産省の行っております業務に携わっております人員は八百八十七名の定員を擁しておりますが、製造事業につきまして、今回NEDOに移管することによりまして、こういう国家公務員としての定員は五百七十四名の減を生ずることになろうかと思います。そういう意味におきまして、まず一つ挙げられるのは、こういう現業部門の定員の減少ということでございます。
 さらに、本省における組織といたしまして、現在アルコール事業部のもとに二課一室ございますが、製造事業移管に伴いまして、この部制の廃止と、さらに職員管理室という職員管理部門を担当いたしております一室の廃止という形で、機構の簡素化が行われるわけでございます。
 他方、これを受けまして、新エネルギー総合開発機構におきまして、新しく製造事業を担当いたします管理部門としまして、専任の担当理事のほかに事業本部制を設けまして、そのもとにおいて管理を行う、こういうことを想定いたしておりまして、したがって全体としての国の行政における機構及び定員の減少が行われるわけでありますが、他方、全体の行政の効率化という意味では、従来の専売業務につきましては、いわゆる専売固有の行政事務、先ほど申し上げましたいわゆる流通規制を含めました専売固有の行政事務、それから発酵アルコールの製造という現業の業務、二つが現在アルコール専売事業の中にございますが、その中の固有の行政事務の部門に国の行政部門は集中化するという形になり、行政事務として必要なものを適切に行うという形が一方でとられるわけでありまして、他方、より企業経営的な効率性を必要とする国営事業につきましては、NEDOの方におきまして、それに応じた管理体制のもとに効率的に遂行されるという形になろうかと想定いたしております。
#133
○長田委員 現在進めておりますところの行政改革は、単に中央官庁の統廃合にとどまらず、特殊法人なども含めた広範にわたるものであります。その意味から申しますと、二名の管理職は減るものの、NEDOの機構の中で管理職は理事を含めて八名ということになっております。こうした点を見ますと、行政機構の簡素化という趣旨にちょっと逆行するのではないかと思いますが、どうでしょうか。
#134
○真野政府委員 御指摘のように、新しくNEDOにおきまして、アルコール製造業務を管理いたします管理部門といたしまして、専任の理事以下二部四課という構成を考えておりますが、実はこれは全国七工場のアルコールの生産及びそこに働く五百人余の職員の管理をいたすための機構でございまして、地域的にもかなり散在しておる工場の管理でございますし、かつ従来からあるNEDOの業務とやや異質のもの、御指摘のように従来なかった新しい製造業務を加えるわけでありますから、そういう意味におきまして、必要とされる最低限の管理部門ということで私どもの方で考えたわけでございます。したがって、場合によれば、これは足りないという御意見もございましょうし、あるいは全体としての過大ということもいろいろ御意見ございましょうが、少なくともこういうような、一つではなくて全国に七工場あって、それを管理するというかなり広域的な管理を必要とすること及び単なる普通の民間の企業活動と違いまして、やはり専売制のもとにおいて適正な運用が行われることが同時に期待されるわけであります。かつ、先ほど申し上げましたようにいろいろ地域経済に対する寄与等も、公益的な機能も果たしつつ行われる事業でございますので、このような組織にし、独立した管理体制をとることによって、既存の形のもとにおいて最も効率的に運用できるように、今後とも運んでまいりたいと考えておるわけであります。
#135
○長田委員 特殊法人における理事などの役員人事につきましては、しばしば国会でも問題になっているわけであります。
 そこで、NEDOにおける現在の理事の任務分担、それはどうなっておるのか。または私は現状の七名の理事で分担できるように思いますが、この点はどうでしょうか。
#136
○小松政府委員 新エネ機構が発足いたしましたときに、合理化事業団の理事の数で新エネ機構は合理化事業団の事務を引き継ぎ、なおかつ新エネルギーの研究開発業務を行うということで、現在七名の理事がおるわけですが、新エネルギー開発関係、それから石炭の合理化事業団関係の業務それぞれにバランスをとって七名が分担しておるわけでございます。こういうところへ新しく、先ほど基礎産業局長からお話し申し上げましたような、全国に七工場を持つアルコールの製造事業部門を受け継いだわけでございますので、現在でもぎりぎり、しかも今後新エネルギー総合開発機構にかけられる期待が非常に大きいわけですので、そういう観点からいいますと、現在の理事はもう精いっぱいということでございます。
 それから、新たに参ります業務についても一名の理事でこれを担当するわけですが、相当無理をして一名の範囲にとどめたということでございまして、私どもとしては十分本来の合理化の趣旨に沿って今回の機構を決めたものというふうに考えております。
#137
○長田委員 それではいまの七名の分担を細かく言っていただけますか。
#138
○小松政府委員 七名の内訳は、まず総務、経理、その他運営委員会の事務局とか秘書室、こういうのを担当している総務担当理事が一名ございます。それから新エネルギー事業部門の中での企画、国際関係に関する業務及び技術開発の総括を行う理事、これが一名ございます。それから新エネルギー開発事業部門中の地熱開発資金に係る債務保証に関する業務、それから地熱技術開発室及び立地対策室に関する業務、これが一名。それから新エネルギー開発事業部門中の太陽技術開発室及び燃料・貯蔵技術開発室に関する業務の担当の理事が一名。それから石炭鉱業合理化事業本部長を担当し、かつ支部及び事務所に関する業務を行っておる理事が一名。それから石炭鉱業合理化事業本部中の企画審査部、融資部及び電力用炭販売に関する業務並びに新エネルギーの開発事業部門中の海外炭に関する業務をやっておる理事が一名。それからもう一名が、同じく石炭鉱業合理化事業本部中の業務部、管理部並びに新エネルギー開発部門中の石炭のガス化に関する業務をやっておる理事が一名。以上で七名でございます。
#139
○長田委員 どうも細分化されているようでありますけれども、もう少し合理化した方がいいのではないかと思いますが、ここは無理なんでしょうか。
#140
○小松政府委員 研究開発部門はそれぞれ専門にわたる事項でございますから、石炭に関する業務も非常に多岐にわたっておりますので、現在の事務分掌が精いっぱいではないかというふうに考えております。
#141
○長田委員 次に、本法案の提案理由の中には、アルコール専売事業の合理化に資するためとうたっておるわけであります。これはこれまでの努力によりまして、生産体制の合理化及び事務の簡素化、この点は私はいまの役員人事とは逆に相当合理化されているように伺っております。
 ちなみに、定員数を見てまいりますと、昭和三十年が千五百五十名、四十年が千二百五十五名、五十年が一千七十四名、そして現在では八百八十七名と、昭和三十年に比べますと約半数となっております。その点、関係各位が大変努力をされておる跡が見られるわけであります。
 そこで、今後NEDOへ移行することが事業の効率化にどのようにメリットがあるのか、この点私はちょっとどうかなという感じがするのですが、どうでしょうかね。
#142
○真野政府委員 現在アルコール専売事業の中でいたしております製造部門につきましては、国の現業でございますので、予算上あるいは国有財産法でありますとか物品管理法等のいろいろな法的規制がございます。今回製造部門をNEDOに移管いたすことによりまして、まずこういった国の事業としての種々な法的な規制が必要でなくなる。私ども専売事業としては、でき上がった製品を適正な価格で買う、収納するということだけでございますから、特殊法人としては、まさに私企業的ないい面を生かして無益な、無益とは申しませんが、民間では必要のないいろいろな法的な規制なしに効率的に運用できるというメリットが一つ考えられると思います。
 それからもう一点、従来このような合理化、能率の向上が図られてきました背景には、もちろん技術的な進歩もございますし、また経営面での改善がございますが、他方、国内のアルコール需要が非常に安定的に伸びてきた、その中において既存の施設、技術等を非常に効率的に運用できた点があろうかと思います。二回にわたる石油危機の直後におきまして、需要の減少、生産の減少を来したことはございますが、幸いにいたしまして、それ以外では常に安定的な需要の増加を国内において見ることができるわけでございまして、今後ともこの発酵アルコールにつきましては、そういった国内での安定的な需要の拡大が見込めるわけでございます。その中におきまして、従来から行っておりました技術的な改善と経営の効率化を行う。しかも、新しくNEDOの機構におきましては、先ほど申し上げました国の事業としてのいろいろな法的規制を必要とせずに弾力的に運営できること、さらに従来の専売事業におきましては、行政事務としての専売事業と、こういう物の製造という企業活動的な分野とが併存しておったわけでございますが、今回NEDOにおきましては、もっぱらそういうアルコールの製造という私企業的活動の面に考え方を集中して管理できるという面におきまして、従来よりも一層効率的かつ合理的な運用が行われるということを私どもは期待しておるわけでございます。
#143
○長田委員 どうもよくわからないのですけれどもね。どういうふうに簡素化できるのかあるいは効率化できるのか、余りはっきりしないので。
 一方、NEDOに移行した場合、これまでは国営工場でありましたから公租公課、これは免除されておりました。今後は固定資産税の負担や投資に伴う公租公課が当然新たにコスト増の要因になってくるのではないかと私は思う。そこで、こうした税の負担などどの程度見込んでおられるのか、この点どうでしょうか。
    〔委員長退席、梶山委員長代理着席〕
#144
○石川(不)政府委員 お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、従来は国営ということで税金はかからなかったわけでございますが、NEDOに移りますと幾らかかかってくるようになるわけでございます。まず、製造事業の移管に際しまして、通常ですと賦課されます登録免許税、不動産取得税、それから土地保有税及び自動車取得税、これは承継する分につきまして非課税とすることになっております。それから移管した後におきまして、製造事業につきましては、法人税法上非収益事業ということにいたしまして、法人税を非課税とするということでございます。それから承継いたしました固定資産につきましては、移管後三年間について固定資産税の課税標準を二分の一にするという軽減措置をとることにしております。これ以外の税は払うことになるわけでございますが、いま申し上げましたような税金を合わせますと、コスト的に見ますと約〇・三%ぐらいのコストアップの要因になります。
 それから、移管しました後で取得しますいろいろな設備投資をやりました場合でございますが、従来の例で申しますと、年平均六億から七億円くらいの投資をしておりまして、その約二割が不動産取得税、登録免許税及び固定資産税等の対象になるというふうに見込まれます。そういうことで、移管後もこの程度の設備投資を行うといたしますと、これらによります税負担による新規のコスト増は約〇・一%程度になるというふうに考えられます。こういったコストアップ要因がございますが、従来からやってきました合理化、効率化を今後とも進めまして、可能な限りこれを吸収していきたいというふうに考えております。
#145
○長田委員 次に、アルコール燃料の研究についてお尋ねをいたします。
 私も、先日千葉のアルコール工場を視察する機会を得ました。研究室などを見学してまいりましたが、内容が非常に貧弱ですね。研究室といっても研究しているような感じは全くないのであります。調べてみますと、予算が年間九千八百万円しかないということなんですね。これでは民間の研究レベルから見ましても相当おくれてしまう、事実おくれているようでありますけれども。研究内容につきましても、これまでは工業用アルコールの製造過程におけるその問題、つまり省エネルギーや効率化などについての研究が中心であったようであります。しかし、NEDOのもとでは、石油代替エネルギーとしてのアルコール燃料の実用化が当然大きなテーマとなってまいります。こうしたことから、NEDOにおける今後の研究体制については、人員、予算、この研究内容などをどのように考えていくのか、私はそこらが非常に心配なんですが、どうでしょうか。
#146
○石川(不)政府委員 お答えいたします。
 最近の日本の産業におきます研究開発投資というのは非常なものでございまして、一流企業におきましては中央研究所をつくりましたり、大変な人材と装置をつぎ込んでおるということでございます。私どもも大いにやりたいと思ってやってきたわけでございますけれども、従来は、基本的には専売アルコールの製造をやっていくというときの技術の開発でありますとか品質の改良というようなことでやっておりまして、研究開発分野は比較的特定の分野に限定されざるを得なかったというふうな事情がございます。そういった点で御視察なさりますと、最近の開発投資を大いになさっている企業に比べて見劣りがしたのではないかと思います。
 私どもの研究は千葉で主にやっておりますが、そのほかにも九州の出水工場でもある程度の装置を持ちまして、そういった研究をやっております。それから過去の実績につきましては、そういった開発投資の割りにはかなりの成果を上げておると思っておるわけでございまして、過去には連続発酵、連続蒸煮のようなことを工業化いたしましてパテントを取得したこともございますし、それから製品の品質を改良するために減圧蒸留法というものを開発いたしまして、この特許はほとんどの国内のメーカーにライセンスをしております。そういったこと等々ございまして、開発投資の割りには幾つかの特許も取得しておりますし、それなりの効果を上げてきたというふうに感じておるわけでございます。
 今後の燃料アルコールの開発につきましては、NEDOに移管することになりました経緯と趣旨にかんがみまして、大いに燃料アルコールの開発の努力を今後積み上げていくべきであろうというふうに思っております。
#147
○長田委員 非常に貧弱なんというものじゃないですね。そういう意味でやはりもう少し力を入れませんと、私は今後大きな立ちおくれを見るのではないかという危惧をしておるのです。
 そこで、今度変更後の機構を見てまいりますと、技術開発研究室はアルコール事業本部に入っているのですね。アルコール燃料がガソリンにかわる代替エネルギーの開発、これは当然行われるわけでありますが、私はNEDOの中に新エネルギー部門を入れるべきである、そういうふうに考えるのです。そこで、技術開発研究室がなぜこのNEDOの中に入らなかったのか。この点、非常にうまくないのではないでしょうか。
#148
○石川(不)政府委員 お答えいたします。
 アルコールの生産部門のNEDOへの移管に際しまして、技術開発部門をどういうふうに位置づけるかという議論があるわけでございます。私どもの技術開発部門は、従来アルコール専売事業をやっておる中での工業用アルコールの品質の改善でありますとか製造技術の向上、改良というようなことをやっているわけでございます。そういった従来の技術の積み上げあるいはノーハウ、それから設備、それからマンパワー、そういったものを活用いたしまして、NEDOにおきます燃料アルコールの開発に活用していきたいということで、そういう燃料アルコールの技術開発につきましては、NEDO全般の問題、全体として取り組むということになると思います。まずそういった意味で、移管いたします国営アルコール工場のいろいろな施設とかマンパワー、そういったものを燃料アルコールの開発に活用していくという段階があるものでございまして、移管に際しまして、まず技術開発部門をアルコール製造本部の中に一応位置づけたというわけでございます。
    〔梶山委員長代理退席、森(清)委員長代理着席〕
#149
○長田委員 そこいらは、私はちょっとやりにくいのではないかという感じを強く抱くわけであります。
 アルコール原料につきましては、現在糖みつが主力のようですね。それから合成アルコール、アルゼンチン等から輸入してくるようでありますけれども、ほかの工場では生カンショとかミカンの果汁、その廃みつなどが使用されているわけであります。その原料は、ほとんど主力は海外に依存しているという現状のようであります。そういった意味で私は、この原料を、今後バイオマスの研究を一層充実しなくてはいけない、そういう感を強く抱きました。
 そこで、現在バイオマスの研究に対する政策及び現状はどうなっておるか、この点簡単に御説明いただけませんか。
#150
○真野政府委員 現在のバイオマス研究の現状につきましては、このバイオマスの利用が将来非常に拡大した分野で行われるだろう、こういうことが基礎にあろうかと思いますが、その場合に、当然大量のバイオマス資源の利用ということになりますので、幾つかの分野が考えられると思います。
 一つは、バイオマスの資源、原料の面における栽培技術等の改善ということでございまして、どういうようなバイオマス資源を利用すれば一番コスト的に安い成果が得られるかということでございます。したがって、この分野につきましては、従来からあるいろいろな動植物の資源の活用、その栽培方法なり利用ということが一つ考えられるわけであります。
 もう一つは、従来利用されていなかったようなバイオマス資源の利用ということでございまして、この点については、いわゆる木材のガス化でありますとか未利用資源のいろいろな活用の仕方を考える分野が一つ出てまいるかと思います。
 その上で、これをアルコールその他にするための発酵技術という工業的な技術的な面での技術開発、こういう分野がございます。現在わが国におきましてもバイオマス利用技術が実用段階にまだ達しておらないという状況でございますので、アルコールでありますとか木材のガス化でありますとか海洋のバイオマス資源に関するフィージビリティー調査を一方で行っておりますし、また未利用資源として大事なセルローズ分解によるアルコール発酵、こういうような技術開発も同時に進めておるわけであります。
 なお、バイオマス研究の中で最も重点的に開発に取り組んでいる燃料アルコールにつきましては、先ほどから御指摘のような、今後の新しい体制のもとにおきまして、新エネルギー開発機構において、NEDOにおいて既存のアルコール製造事業の技術的な力、ノーハウ、それを基礎にいたしまして、新しい燃料アルコールの開発という形が中心となって進められる形になろうかと思います。
#151
○長田委員 考えてみますと、現在七工場がありますけれども、その工場そのものは国内の生カンショを使って生産をしようということ、発想がどうもそこにあったようであります。しかし、現在においては生カンショは部分的にしか使われておりませんで、糖みつであるとか合成アルコールとか材料そのものはほとんどが海外に依存しております。そういう点を考えますと、以前は地域経済にずいぶん貢献したわけでありますけれども、現状においては地域経済に対しては生産面、原料面においては余り貢献してないんじゃないか、そういう感を強く抱きます。そういう意味で今後国内の原料を使ってどう発展させるか、そういう点はどう具体的にお考えですか。
#152
○石川(不)政府委員 お答えいたします。
 経済的な理由によりまして国内原料を使用する割合が非常に少なくなっておりまして、一割を切っておるというような状態でございます。しかし、いろいろ原料問題のセキュリティーなども考え、それから将来の燃料アルコールの開発、そのために必要な原料というものを考えますと、国内にあります資源、特に未利用資源をアルコール原料として資源化していくということが非常に重要だと思います。
 そういうことで、その一例といたしまして、ミカンの産地でできますミカンジュースをつくりました廃液からミカン廃みつをつくりまして、これはそういったミカンの農協と共同で開発したわけでございますが、そういったものをかなり使うようになってきたというふうな例がございます。そういったことで、今後いろいろ研究開発を促進いたしまして、まずそういった未利用資源の活用ということから始めて、国内資源の利用をふやしていきたい、こういうふうに思います。
 それから、バイオマスエネルギーといいますのは、アルコールとかメタンガスといったものに代表されるわけでございますけれども、これは一つのローカルエネルギーの代表でございまして、地域にありますバイオマス資源をうまく使ってエネルギー化するということでございます。そういったことで、現在七つございますそれぞれの工場の立地条件を生かしまして、それぞれ個性のある開発を行っていきたい、こういうふうに思っております。
#153
○長田委員 材料のほとんどを海外に依存をしておる。日本の材料を使っておるのは大体数%のようであります。そうなりますと、政変でも起きますと輸入は閉ざされますし、石油と同じような経緯をたどる、そういう危惧が当然起こるわけであります。そこで、国内のそういう資源を求めてもっともっと研究を精力的にやるべきである、そういう観点に私は立っているわけであります。先日、私見てきたんですが、稲のわらなんか有望だと言うのですが、どうでしょうか。
#154
○石川(不)政府委員 かなり前から研究をやっておりますが、実用化するまでにまだ大分改良が要ると思います。特にセルローズを溶かしまして糖分にかえますセルラーゼがまだ高うございます。それからそれの適用の仕方、使い方、こういったものの研究が必要でございます。セルローズ系の原料を使いますアルコールの製造につきましては、先進工業国のアメリカとかフランス、わが国もそうでございますが、中長期的な課題として非常に熱心に取り組んでおるのが現状でございます。
#155
○長田委員 変更後のアルコール事業本部の資金につきましては、これまでどおりアルコール特別会計によることになりますが、技術開発研究部門が事業本部に組み込まれるわけであります。これでは十分な研究資金が出せないのじゃないかと思いますが、この点、どうでしょうか。
#156
○真野政府委員 今度NEDOにおきまして新しく事業本部が設けられる、その中に従来国営アルコール製造事業において行われておりましたいわゆる技術研究部門が含まれる、これは御指摘のとおりでございますが、これは従来からございました生産の能率を上げ効率化を図るという、そういう意味での生産技術の改善のための技術研究部門でございまして、新しい燃料アルコールの開発というような総合的な技術開発を必要とする分野につきましてはNEDO本体の方の仕事になろうかと思います。そういう意味におきまして、従来から生産技術を中心に行われておりました技術開発部門が新しいNEDOの事業本部に入るということでございまして、新しいアルコールの燃料としての新エネルギー開発という総合的な大規模な研究開発をそこで行うということにはならないのではないかと考えておりますので、むしろそういう意味での新エネルギー開発の一環としての燃料アルコールの開発、これはNEDOの基本的な業務として行われるということになろうかと思います。
#157
○長田委員 そうなりますと、研究費に相当金をつぎ込むということになりますと、アルコールのコストアップにつながりませんか。
#158
○真野政府委員 ただいま申し上げましたように、従来からアルコール製造事業につきましては、附帯する業務としての技術研究をいたしております。そういう意味で、そのコストは全体のアルコールの原価に入っておるわけでございますし、全く新しい総合的な燃料アルコールの開発につきましては、まだ商品化し企業化する以前の研究開発段階でございますから、これについてはむしろ研究開発事業としてNEDO本来の予算なり会計の体系から資金的に賄われる性格のものでございまして、アルコール製造事業につきましては、国として必要とする発酵アルコールの製造に必要な範囲で製造技術の改善、能率化を図っていくということでございまして、全体としてのアルコールの製造コストは、できるだけ低廉に供給さるべきものでございますから、その範囲内において適切と認める範囲で行われることになります。したがって、資金的には別のソースから賄われるものでございますので、今後行われる大規模な燃料用アルコールの開発費が、現在の工業用原料としての発酵アルコールのコストに入るという形にはならないように運営されてまいると考えております。
#159
○長田委員 そうなりますと、研究開発はこの部門では大したことはやらぬということですね。
 じゃ、時間がありませんので、綿森理事長にお尋ねをいたします。
 今後、NEDOの運営に当たりまして、設立の趣旨でありますところの石油代替エネルギーの開発のために尽力をしていただきたいわけでありますが、そのためには、機構のあり方や業務の内容の検討を初め、実用化のための新技術の開発、育成、その資金面についても十分な処置が必要だろうと考えます。そこで、新エネルギー開発への今後の取り組みについてお答えをいただきたいと思っております。
#160
○綿森参考人 お答えいたします。
 NEDOが発足して一年半になります。発足当時はまだパイロットプラント以前のものをやっておったのでございますが、現在ではもうすでにパイロットプラントがほとんど本格化して、これが実働になる段階にまで入ってまいりました。したがって、私が常に申し上げておりますNEDOの三つの柱、すなわち石炭と地熱と太陽というものについてはいよいよ具体的に動き出した、こう申し上げていいのではないか、こういうふうに思っております。しかし、いま審議されておりますバイオマスの利用についてはNEDOではいままでやっておりません。将来バイオマスについてやることになりますならば、私たちもこれを四つの柱といたしまして大きく取り上げていきたい、こういうふうに考えております。したがいまして、これに伴う予算も相当多くのものがかかってくると思うのでありますが、まだ移管もしておりませんし、私のそれに対する考え方につきましてはまとめておりませんので、何とも御返事申し上げられません。
#161
○長田委員 次に、アルコール燃料の研究につきましては、すでにブラジルとかアメリカにおいてはガソリン代替エネルギーとして実用化されておるわけであります。そこで、新エネルギー開発の中でアルコール燃料をどのように位置づけ、開発研究をされるのかお尋ねをいたします。
#162
○小松政府委員 燃料用アルコールについてでございますけれども、新エネルギー機構につきましては、製造部門が引き継がれるということになりますので、それを契機にいたしまして、燃料用アルコールの研究開発については新エネルギー開発機構を中心に今後進めるということになります。全体の中での燃料用アルコールの位置づけということになりますと、現在ではまだこれは非常に値段も高いということで、問題はいかにコストを下げるか、それから製造その他の面での研究開発を行うか、また利用面でどういう技術開発を行うかという問題はございますけれども、将来の問題として、私どもといたしましては、燃料用アルコールが石油に直接かわる代替エネルギーであるという点、それからさらに国内の廃棄物その他の原料も使えるという面もございまして、こういう面からも今後非常に活用の余地があるのではないかのと考えております。こういうことで、将来の新エネルギーの中では相当有望なエネルギーの一つということに位置づけまして、今後研究開発を進め、将来のエネルギー需給の動向を見ながらこれを実用段階に移していきたいと考えております。
#163
○長田委員 次に、NEDOへの移行に伴いまして、工場部門で働いていられる方々の身分保障や待遇の問題についてお尋ねをいたします。
 現在、全国七工場の製造部門で五百三十六名の方々が働いていらっしゃるわけでありますが、七工場体制及び雇用関係については変更しない旨を明確にしていただきたいのですが、どうでしょうか。
#164
○真野政府委員 現在、国営工場で働いておられる職員が五百三十六名、御指摘のとおりでございます。現在、アルコール専売事業につきましては、三公社五現業のいわゆる現業の扱いでございまして、公共企業体等労働関係法によって規律されているところでございまして、その労働条件、勤務条件等について法律で定めるもの以外は労使間で話し合いによってまとめられたラインによって運営されているわけでありますけれども、新しくNEDOに移りました場合には、新しいNEDOの労使間の交渉によってそういう条件が決められてまいると思いますが、その際に、従来からある勤務条件その他の待遇等につきまして、できるだけ現在の状況を維持し、かつ制度変更に伴います不均衡、不利益を生じないように、現在、私ども関係省庁、NEDO及び労働組合等の間で鋭意調整中でございます。そういう形で、できるだけスムーズに円滑に移行が行われるように最大限の努力を傾けてまいるつもりでございます。
#165
○長田委員 こうした働いている方々は国家公務員として採用されているわけですね。そして現在までその待遇を受けて今日に至っております。
    〔森(清)委員長代理退席、委員長着席〕
それが今回の法改正によりまして、本人の意思とは関係なく特殊法人の職員として扱いを受けることを余儀なくされておるわけであります。こうしたことから、給与、年金、退職金あるいは定年などさまざまな問題が今後出てくるだろうと私は思いますね。そこで、これらの問題について現在どのように検討されているのでしょうか。
#166
○真野政府委員 御指摘のように、今回の移管に伴いまして国のアルコール専売事業からNEDOへ移行する職員につきましては、政府を退職してNEDOによって新たに採用される、こういう形になろうかと思います。その場合に、従来から国家公務員として受けておられた待遇、年金あるいは退職手当、給与といろいろな経済的な条件がございます。これにつきまして、私ども予算の中においてもできる限りそういう必要な措置をとるように従来から交渉しておりましたが、さらに実際に移管に当たりまして、具体的な条件に即して従来の待遇が不利益にならないように、現在、私ども労働組合、それから関係省庁含めて調整中でございまして、具体的な結果を得る段階にまだ至っておりませんが、鋭意そういう方向で努力をしてまいるつもりでございます。
#167
○長田委員 こうして働いている皆さんは、たとえば国家公務員としてどうしても残りたい、こういうケースが私は当然出てくると思いますね。そうした場合は、現場で大変技術を持っている方々ばかりでありますから、職場転換といいますか、そういう点はなかなかむずかしいなという感じ、限度があるように私は感ずるわけですね。そうなった場合、出向的なそういう立場をとれるのかどうか、その点どうなんでしょうか。
#168
○真野政府委員 現在、出向制度、確かに国家公務員と特殊法人の間でございます。ただ、この場合は職務に必要とする範囲が原則でございまして、そういう意味におきまして、今回の移管においては、工場を含めて従来からの職場にそのまま同じような仕事をするという形で移管されるわけでありますから、基本的にはそういう中で、新しい機構の中でありますが、従来からある国営事業としての製造事業の中で働いておられた方が移行されることが望ましいわけであります。
 また他方、この新しい機構におきますいろいろな経済的な条件も、現在明確ではございませんが、現在のいろいろな私どもの調整過程におきまして、不利益の生ずることがないように解決してまいるつもりでございますので、その新しい条件のもとにおいてできるだけそういった方々が安心して働ける、そういう状況をつくり出すということが先決問題でございまして、現在の状況のもとにおいて職務上の必要以外に出向制度をどう活用するかということについては、直ちにそれを一つの形として想定することにはまいらない状況にございます。そういう意味におきまして、全体のそういう経済的な待遇その他を含めての調整を行いました上で、個々に必要な条件のもとにおいて必要な職務上の出向制度というのは考えられると思いますが、現状においては、できるだけ安心してそういう移行をしていただけるような条件をつくり出すという形にいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
#169
○長田委員 私が心配していますのは、移行が決定しました、国会で通りました、その話し合いでは職員の皆さんも大変不安だろうと思うのです。そういう意味で、私はこういう具体的な詰めというのはすでにやっておかなくてはいけないのじゃないかという感じがするのです。その点、まだこれから相当煮詰めなくてはならないようでございますから、通産省で決められる問題、あるいはNEDOで決めなくてはならない問題、これは両者があると思います。
 そこで、私は、この移管後の問題としまして、通産省とNEDOとそれから組合、この三者で十分協議をする機関を設置したらどうかと思いますが、どうでしょうか。
#170
○真野政府委員 現在、まだ法案を提案いたしまして御審議いただいておる状況でございますから、公式にはそういう形はとっておりませんが、従来からNEDO、労働組合を含めまして随時かつ密接に協議をいたしておりまして、この法案の進行状況に応じまして、さらに充実した環境をつくり上げていくように努力いたしたいと思います。
#171
○長田委員 綿森理事長に再度お尋ねをいたします。
 今回、アルコール専売事業のNEDOへの移行に伴いまして、NEDOの職員は三百四十五名から今度は八百八十一名と倍増するわけであります。こうしたことから、人事管理を初め経営面あるいは運営面、いろいろな問題が生ずるのじゃないかと私は思うのであります。今後こうした問題にどのように対処されるのか、理事長としての抱負を伺いたいと思っております。
#172
○綿森参考人 お答えいたします。
 五百人を超える製造部門を引き受けることになりますので、これは決して容易なことではない、こういうように考えております。しかし、いま検討しておられる案の内容を見ますと、アルコール製造部門にはもっぱらこれを担当する理事が一人置かれ、またそのほかに人事管理等の管理部門の要員も予定されておりまして、その人たちで十分これを管理できるような体制を整えるということになっております。なっておりますが、実際の運営につきましては大変なことだと思います。その点は、実際に私もその人たちとお会いしまして、十分活動できるように持っていくべきである、こういうように考えております。
 たとえば私ごとで恐縮でございますが、私がかつて勤めておりました会社では、一つの課で五百人という課をやっておりました。課長が一人でございます。したがって、できないことではないと私は思っております。
#173
○長田委員 新しい機構で、また人員もふえますので、その点はどうかひとつ真心ある対応をしてもらいたいと思っております。
 次に、新エネルギーの見通しについて若干お尋ねをしたいと思っております。
 現在、長期エネルギー需給暫定見通しの改定作業が行われておるわけでありますが、作業状況はどの程度進んでおるのか、各種政策等の検討を加えた新しい数値はいつごろ仕上がる予定なのか、この点をお尋ねをいたします。
#174
○安倍国務大臣 長期エネルギー需給見通しにつきましては、現在総合エネルギー調査会に専門委員会を設けて検討中でありまして、大体四月の末から五月の初めにかけまして成案を御報告いただけるもの、こういうふうに期待をいたしております。
 検討の方向につきましては、東京サミット等で決定をされました昭和六十年六百三十万バレル・パー・デーの石油輸入目標を相当程度現在下回りつつあります。その安定供給の確保を図ることが第一。
 第二番目としては、現行の見通しにおける昭和六十五年度は七億キロリットル、これは原油換算でありますが、エネルギーの需要が見通されておるわけでございますが、これを相当下回るのではないか。この辺の問題点。
 さらにまた、石油代替エネルギーについて、可能な範囲で供給の増加に努める。目標を設定をいたしておりますから、そういう中で、これから長期暫定見通しの中でどういう代替エネルギーを促進していくか、こういう点について答申を得るもの、こういうふうに考えております。
#175
○長田委員 最近の石油情勢を考えてみますと、需給の緩和基調で推移しております。OPECの動きも非常に落ちついているようにも思いますし、こうした状況の中で長期需給暫定見通し、この目標の前提となる昭和六十五年度の輸入石油の供給を五〇%に下げる、その当初計画は基本的に修正せざるを得ないと思いますが、その点どうでしょうか。
#176
○安倍国務大臣 六十五年に五〇%に持っていく。現在も省石油が相当進んでおりまして、五十五年度では七〇%の依存度を切る、こういう状況でございます。そして今後とも民間において省エネルギー、省石油の方向が引き続いて続いていくと思いますので、私どもは昭和六十五年度には五〇%、あるいはもっと低い水準でこれを実現できれば、その目的を達することができる、こういうことで、少なくともいまの目標に向かってこれから力を尽くしてまいりたい、こういうふうに考えております。
#177
○長田委員 NEDOが担当しておりますところの地熱につきまして、六十五年度の需給見通しとして一%の七百三十万キロリットル、こういうふうになっておりますね。そこで、現在の研究開発状況から見てまいりまして、この目標値は達成できるのかどうか、この点どうでしょうか。
#178
○小松政府委員 地熱開発につきましては、現在環境問題との調整を図りながら開発を進めておりますが、現在、地熱発電所として稼働中のものが七カ所で十六万五千キロワット、それから建設中のものが一カ所五万キロワットがございます。こういうことで、今後とも地熱の開発、これは日本の場合には豊富に賦存する国内資源、しかもローカルエネルギーとしての活用をするという面で非常に重要でございますので、昭和六十五年度の三百五十万キロワットの供給目標に向かって鋭意努力をしておるわけでございまして、実際には、先ほど先生からお話がございましたNEDOを中心にいろいろな調査を行っております。
 たとえば、地熱につきましては、概査と称する賦存状況の全国調査をいたしておりますし、また開発の可能性を明確にいたしまして、企業化を誘導するための精密調査というものもいたしております。さらには環境その他の面で、三千メートルから四千メートルの深部を掘った場合に、環境に影響がないということを実証するための大規模深部地熱発電所の環境保全実証調査というようなものもいたしておりますし、さらに、深部地熱を対象といたします探査技術の検証を実証するための地熱探査技術等検証調査というようなこともいたしております。それからまた民間の開発業者がやる調査井の掘削につきましては補助も行うというようなこともいたしておりまして、確かに環境その他との調整で問題がないことはないわけでございますが、今後とも、その辺の調整を図りながら、この開発目標に向かってぜひ努力をいたしたいと思っております。
#179
○長田委員 それでは最後に、地熱以外の新エネルギー開発、これは昭和六十五年には五・五%、三千八百五十万キロリットルというふうに見通しが立てられておるわけでありますが、この点は達成できますか。この点だけ質問いたしまして、私の質疑を終わります。
#180
○小松政府委員 新エネルギーということで石炭液化、太陽エネルギー、こういうものの開発促進ということで、目標としては一応三千八百五十万キロリットルというのを立てておりまして、これも新エネルギー総合開発機構を中核的な推進母体として現在進めておるわけでございます。
 ただ、それぞれにつきまして、これはまさに研究開発段階でございまして、具体的な利用面で、実際に利用段階に入っておりますのはソーラーシステムそれから一部廃棄物エネルギー利用という程度でございまして、現在でまだ五十万キロリットル程度でございますので、この目標に対しては相当厳しい状態にはなっておるわけでございますけれども、今後のエネルギー動向を踏まえ、また研究開発を積極的に推進いたしまして、この目標にできるだけ近づける努力をしてまいりたいと思っております。
#181
○長田委員 終わります。
#182
○渡部委員長 横手文雄君。
#183
○横手委員 私は、まず、本改正案に対して、そのねらいということについて確認をしたいと思いますけれども、一つは行政の簡素化のために、一つはアルコール専売事業の効率化を図る、そしていま一つは、石油代替エネルギーの一つとしての開発利用の推進を図る、この三つが本改正案のねらいであるというぐあいに理解をいたしますが、それでよろしゅうございますか。大臣にお願いします。
#184
○安倍国務大臣 いまお話しのような基本的な考え方で今回のこの新エネ機構への合体というものを進めていきたいと考えております。
#185
○横手委員 そうしますと、まず一つは、行政の簡素化のためにということでございます。行政の簡素化、すなわち、今日のわが国の財政状態を再建していかなければならない。その一つとして、行政の簡素化を図るということがいま鋭意進められていることでございます。私は、その方向に対して賛成をいたします。
 ただ、本案を見ましたときに、なるほど、これを新エネ機構、つまりNEDOに移行することによって、通産省では一部長、一室長が簡素化されるということになっておりますが、ここに出されました商工委員会調査室の資料によりますと、新しくそれを引き受けるNEDOでは、アルコール製造事業の本部に理事を一人ふやす、さらに二つの部長を置く、さらにこの中に四つの課長を置く、さらに研究室長を置く、こういうことで、一方では簡素化される、それは二つの部署である。しかし一方では、いま申し上げたような形でかえって広がってしまう。役所で減る以上のものを特殊法人の中に抱えてしまう。これでは特殊法人を肥大化させてしまう、こういうそしりを免れないと思いますが、この点についていかがですか。
#186
○安倍国務大臣 これは、いま御質問がございましたように、行政の簡素化、効率化を進めるという一つの意味があるわけでございますけれども、長い間の議論の結果、民営という議論もあったわけでございますが、最終的には、政府の決断として、新エネ機構に合併をする、こういうことに相なったわけでありまして、これからのアルコール専売事業、そしてこの新エネルギー開発への一つの大きな目標を持った新しい立場というものがこの事業にも付与されていくわけでございます。そういう中でのこの合併の意味は非常に大きいと思っておりますし、政府全体として、この合併によりまして事業そのものの効率化、同時に簡素化というものは、今後にわたって推進をされていくものである、こういうふうに理解をいたしております。
#187
○横手委員 なるほど、表面的に見ると、そういうことで特殊法人に対して肥大化を図っていくように見えるけれども、それは今後移っていった中で多くの目的を持ち、後ほど触れますけれども、石油代替エネルギーとして発展をせしめる、そういった大きな目的を持ってそれを達成しなければならない、そのためにこういった機構も多少ふくれざるを得ないのだ、こういうぐあいに理解していいわけですか。
#188
○安倍国務大臣 私は、基本的にはそういうふうに考えておりますし、この新エネ機構に移ることによっていろいろの面で、今後にわたっての効率化というものはやはり大きく進んでいくのじゃないか、また進めていかなければならないと思うわけでありますし、また新しい立場、新しい役割りというものが付与されるわけでございますから、そういう面での大きな意味があるのではないか、私はこういうふうに思っておりますし、またそういう方向に進めていかなければ意味のないことである、こう考えております。
#189
○横手委員 参考人にお尋ねをいたします。
 いま大臣から繰り返し、効率化を図る、こういうことが述べられました。私も大変大事なことだと思うのであります。効率化すなわち省力化を進め、合理化を図っていく、こういうことであろうと思うのでございます。そういった中にありまして、このNEDOは、石炭合理化事業団という大きな組織をこの機構の中にそっくり吸収をされたこと、その後、こういった事業団の中で、いま申し上げましたように効率化を図っていく、そのためには労使関係というものが大変大事なことだと私は考えますが、いま申し上げましたような吸収後の業務及び労使関係についてお知らせをいただきたいと思います。
#190
○綿森参考人 お答え申し上げます。
 組織が所期の成果を上げる前提といたしまして、御指摘のように、円滑な労使関係が成り立つことが非常に重要であるということを、私、十分承知しております。これまで公務員であられた方々が新しい組織に移るということでありますので、いろいろの不安があろうかと思われるのでありますが、これは移行される前において、通産省の方で労働組合と十分に調整をとっておいていただきたいと思うのであります。しかし、NEDOに移った後においては、円満な労使関係を図るべくあらゆる努力をいたすつもりでございます。私自身、かつて民間におりましたときに、労働組合の執行委員をやっておりましたので、この件は十分理解しておるところでございます。
#191
○横手委員 私が御質問を申し上げましたのは、現状の労使関係はいかがでございましょう、こういうことを御質問申し上げたわけでございますけれども、その後のことについても決意を承ったわけでございます。私は、これが効率化を進めるためには、いまもおっしゃいましたように、労使関係の安定ということがきわめて重要な問題だというぐあいに考えます。
 私自身、労働組合は大変大事なものであり、なければならないものだと思っておりますけれども、現在、一部の労働組合において、一方で労使対決、一方で労使癒着、こういったような現象があることも事実であります。たとえば、いま問題になっております国鉄、こういったところについては、違法なストライキをやる、こういう一方ではやみ手当だとかあるいはやみ給与、先般新聞紙上を見ますと、労働組合の支部長が発行した組合員証が乗車券のフリーパスの役割りをしていた、これはまさに癒着であろうというぐあいに考えるわけであります。私は、そういった労使関係の中には健全な事業の発展というものは望めまいし、やがてそれは労使崩壊の道へつながると思う次第であります。したがいまして、新しく迎えられる専売の人たち、今日までの業績を見ましても、人は減った、しかるに生産量は上がった、一人当たりの生産量についてもきわめて大きな数字を示しておられます。そこに健全な労使関係があったということを十分に承知はいたしておりますけれども、いま申し上げたような一部の労働組合があるということも大変残念なことであります。そういう労使関係がもしこの新機構の中に、NEDOの中に発生するようなことになると、まことに憂うべき状態だと言わなければなりません。いま理事長は、私もかつて労働組合の役員の一人として活躍をした経験を生かしてと決意を述べられたわけでありますけれども、そういったことに断じてならないような労使の円満な形で、所期の目的を遂行していく、そして国民の期待にこたえる、こういった決意がございましたら、ひとつ披瀝をしていただきたいと思います。
#192
○綿森参考人 全く同感でございます。
#193
○横手委員 続いて参考人にお伺いをいたします。
 新エネ機構には運営委員会が設置をされておりまして、このNEDOの方針といいましょうか、運営の基本的な問題については、ここで相談がなされるわけでございますが、今回のアルコール事業を抱えるということについての運営委員会の意見はいかがでございましたか。
#194
○綿森参考人 お答えいたします。
 アルコール事業のNEDOへの移管につきましては、三年にわたる各方面の検討を踏まえまして、これがベストであるとの政府の判断によって決定されたものと承知しております。運営委員会におきましても、この趣旨を了解されまして、お引き受けをいただいております。
 NEDOとアルコールとを結ぶものにつきましては、御指摘のように、燃料としてのアルコールでありまして、現在のNEDOにおいて、先ほど言いましたように、石炭、太陽、地熱と三つの柱に加えて新しく燃料アルコールという柱を立ててやっていきたい、こういうように考えております。この新しい柱がりっぱに立ち上がるべく努力いたすつもりでおりますが、関係当局、また諸先生方の御支援をお願いする次第であります。
#195
○横手委員 大臣にお伺いをいたしますが、いま理事長さんからは、運営委員会も挙げてこの方針をというようなことでございましたが、私が聞いたところでは、一部、反対というところまでいかなかったのでしょうが、意見があったということも聞いておるわけであります。そこで、これはあるいはうがったような見方であるかもわかりませんけれども、昭和五十四年十二月の閣議で、新エネルギー総合開発機構にアルコール製造部門を吸収するということが決定をされた、そして今日、二年たって吸収されるようになった。一方、いま国民的注目を集めております第二臨調、この中でも三公社五現業の問題について検討が加えられておるところであります。その中には当然アルコール部門も入っております。仄聞をいたしますと、この点については民間払い下げといったような意向が強いというような話も聞くわけでございますけれども、こういうことの結論を前にして、この際、言葉は悪うございますけれども、駆け込みを図ったのではないか、こういった一部の意見もあるわけでございますが、これに対する大臣の所見をお伺いいたします。
#196
○安倍国務大臣 三公社五現業のあり方につきましては、これまでも政府の中におきましてはしばしば論議をされてまいりました。そういう論議の中で、このアルコール専売部門を民間に移すべきであるという議論も相当強力に出たこともあるわけでございますが、一方、先ほどもお話し申し上げましたように、この新エネ機構というものが生まれまして、そして今後のアルコール事業のあり方というものを政府がいろいろな角度から検討をいたして、この新エネ機構にアルコール専売事業を移すことが、将来のアルコール専売のあり方、あるいはまた、いま理事長もおっしゃいましたように、アルコールの将来の新しい新エネルギーとしての分野というものを考えるとき、最も妥当な方向ではないかということで閣議決定になったわけでございまして、私たちは、この新エネ機構への吸収といいますか、合併は最も時宜を得たものではないか、こういうふうに思います。
 いまわれわれも、臨調の皆さん方にもこの間の経緯を説明をいたしまして、最も妥当なあり方として、この新エネ機構への合併というものを決めたわけであって、この点については理解を求めたいということを申し入れておるわけでございますが、臨調の空気としては、この行き方が最も現実的であるといいますか妥当である、こういうふうな空気になっておるというふうに私は判断をいたしております。
#197
○横手委員 それでは、入り口における法改正の目的である行政機構の簡素化あるいは効率化、この問題についてはこの辺でおきたいと思います。
 そこで、このアルコールが石油代替エネルギーとして立ち上がってくる、こういった問題について御質問を申し上げたいと思いますが、その前に、現在の一般エネルギー関係あるいは景気対策、こういったことについてお伺いを申し上げたいと思います。
 三月の十九日から開催をされましたOPEC総会におきましては、原油の値崩れを防ぐために、操短、つまり産油量を減らす、こういうことが決定をしたのでございまして、一九七三年の最盛期に比べて五六%減である千七百五十万バレルにして原油価格の維持を図ろう、こういうことでOPECの方針が決まったわけでございますけれども、こういった結論がわが国の石油需給に及ぼす影響について、大臣、いかがでございましょうか。
#198
○安倍国務大臣 今次のOPEC総会で、御承知のように千八百万バレルの基準が決まったわけでありますが、サウジアラビアは、さらに独自の立場で五十万バレルを削減をする、こういうことですから、千七百五十万バレル、こういうことになるわけでございますが、しかし、現在の需給関係を見ますと、二千万バレルを相当割っておるんじゃないか。ですから、いまのOPECの決定でもって現在の石油をめぐる情勢に変化というものは考えられないというふうに、私どもは判断をしております。当面の事態が続く限りは大きな心配はないんじゃないか、こういうふうに考えております。
#199
○横手委員 いま大臣のお答えの中で、こういった動きにあっても現時点においてはわが国における影響はないのではないか、避けられるのではないか、こういうことでございます。現時点においてはと、こういうことでございまして、これが将来的にどんどん発展をしていく、さらに強化されるということになりますれば、これはやはり大きな影響をこうむってくるだろうと思う次第であります。かようにいたしまして、わが国のエネルギーについては、OPECの動向ということを常に見ながら、見ながらというよりも、むしろ一喜一憂しながら、あるときは祈るような気持ちでその動きを見ていかなければならない、こういう状態にございます。
 そこで、今日まで省エネが叫び続けてこられましたし、国民の皆さん方もこれに呼応し、そして民間企業でもこれが実施をされてきたわけでございますけれども、そのようにして現在石油がだぶつきぎみであるといったようなことで、これが今日まで進められてきたことに対する緩みみたいなものを私は大変憂うるのであります。むしろ、こういったものは余裕のあるときにこそ、そういった省エネに対して、あるいは将来のエネルギー供給の安定、こういった目標を掲げて進んでいくべきではないかというぐあいに考えておりますが、通産大臣のお考えを聞かせていただきたいと思います。
#200
○安倍国務大臣 全く私はお考えと同感でありまして、いまは確かに落ちついておるわけですが、石油問題というものはまさに政治問題でありますから、いつ何が起こるかわからない、こういうことですね。中長期に見ると大変われわれとしては心配であるわけでございます。したがって、私たちは、やはり将来にわたっての石油の問題というものを深刻にとらえまして、いま安定しているからといってここで緩みを見せてはいけない、私はそういうふうに思っております。そのためには、やはりこれまでわが国として努力してまいりました省エネルギー政策というものは、今後とも推進をしていかなければなりませんし、さらにまた、やはり石油の依存率というものを、今後代替エネルギーの開発推進等によって、これを少なくとも六十五年までに五〇%以下に抑える、この基本方針は貫いていかなければならぬ。あるいはまた備蓄の問題でも、いま緩んでいるからといって備蓄を大きく緩めるということは大変危険なことであろう、私はこういうふうに考えておりまして、私どもはあらゆる努力を、やはりこの安定した時期にたゆみなく今後続けていくことが大事なことであって、どうも私、全体的に見ると、エネルギー問題というのが何か少し緩みが出てきておるような感じがしないでもないわけでございまして、そういう点は民族のまさに大きな問題、私は、八〇年代の最大の課題であると思っておりまして、まさに気持ちを引き締めて、こういう時期にこそがんばっていかなければならぬ、こういうふうに決意をいたしております。
#201
○横手委員 そこで、いま大臣がおっしゃいましたように、備蓄もこういうときにこそ強化していかなければならない、こういうことでございまして、私も、その方向については基本的に賛成をいたします。そういったものは、しかし国の、あるいはある特定の民間の業界といったところが、これを積極的に、国民の理解をいただきながら進めるということであります。
 もう一つの具体的な提案といいましょうか、たとえば昭和五十五年度は、国民に対して国は二千万キロリットル、そして五十六年には二千五百万キロリットルという省エネの目標を掲げて推進をしてきたところでございます。国民の皆さん方も、そして民間産業、あるいは文字どおり官民挙げてこの達成のためにがんばってまいりました。ところが五十七年についてはその具体的な目標が掲げられておりませんけれども、たとえばあと五百万キロリットルふやして三千万キロリットルというような目標を明示して、国民の省エネに対する意識の高揚を図っていくべきじゃないか、国としてそういった目標を出しながら国民に対する意識の高揚をさらに図るべきだと思いますが、いかがですか。
#202
○安倍国務大臣 基本的には、省エネ対策というものはこれまでどおり進めていかなければならぬと思っております。ただ、五十五年には二千万キロの省石油を行い、実現したわけでありますし、五十六年度二千五百万キロも、これ以上の省エネが実行されたんじゃないかと思っておりまして、国民の間において、これは民間、産業を問わず、やはり省エネ、省石油という一つの方向というものはまさに定着をしてきている、私はこういうふうに判断をいたしております。ですから、今後とも私どもは省石油、省エネルギーの政策を着実に進めていけば、いまここで目標をつくるとか、そういうことまでしなくても、私はいまの状況なら大丈夫そういう方向で具体的に推進ができる、こういうふうに考えております。
#203
○横手委員 先ほど大臣は、現在の世界的な石油のだぶつき、そしてOPECの動き、こういったもので省エネに対してその緩みが出ているのではないか、こういうことが危惧されるということをおっしゃったのであります。私もそのことを憂うるのであります。したがって、そうではなくて、長期的にやはりわれわれはエネルギーを大切にしていこうではないか、むだ遣いをやめていこうではないか、この際にこそ国家備蓄をふやしていこうではないか、そしてお互いに去年達成をしたこの省エネをことしもさらに進めようではないか、こういうことを、具体的な数字を示しながら国民の理解と協力を得るということが省エネが国民の中に定着をしていく道だ、そしてきわめて大事なことだというぐあいに考えますので、御提案を申し上げたのでございますが、大臣、再度ひとつお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#204
○安倍国務大臣 この脱石油、省エネの措置というものは、目標を掲げてそれに対して具体的に措置していくということを三年にわたって続けて行ったわけです。これはまさに成功いたしたわけでありまして、そういう意味で、国民はこの省エネ、省石油というものに対して、その方向というものは国民の間にはまさに定着をした、そういうふうにいま私は思っております。
 そこで、これからは何もやらないということではなくて、個別的なこれまでとってきた節減措置というものは行って、そしてこれを積み上げていって、省エネ意識をさらに一層定着させるということをやっていけば、新しく目標をまた設定してやるということまでしなくてもいいのではないか。これはああした第二次石油ショックというものを受けて、この省エネルギーを国民の間に徹底させなければならぬということで、いわば緊急措置として呼びかけた措置でございますから、一応この辺でそうした目標設定というのはやめても、個別的な措置をこれから続けていけば、いまの日本人の意識からすれば大丈夫である、そして省エネはこれからも進んでいく、こういうふうに私は考えておるわけであります。
#205
○横手委員 それでは、総合エネルギー調査会で昭和五十四年の八月に中長期エネルギー需給暫定見通しを出されました。先ほどの質問の中にもございましたように、国民の省エネ対策というものが進んで、その必要量の見直しを行うべきだ、こういった意見も出てきておるわけでございますが、この石油代替エネルギーの中長期展望の見直しをやろうではないか、こういうことで改定作業が始まったということを聞いておりますけれども、その中身と現在の進捗状態等について具体的にお聞かせをいただきたいと思います。
#206
○小松政府委員 現在、先ほど先生からお話がございました石油需給も緩和しておりますし、それから省エネルギー、代替エネルギーの開発、導入が進みまして、私どもが昭和五十四年につくりました長期需給暫定見通しの路線から見ますと、相当省エネまた代替エネルギーの開発、導入が進んでおりますので、この時期に現在ございます長期需給暫定見通しを見直す必要があるのではないかということで、昨年の五月に総合エネルギー対策推進閣僚会議で見直しを行うことが決定されまして、それ以降、現在、総合エネルギー調査会の需給部会の中に専門委員会を設けまして検討いたしておるわけでございます。
 そういうことでございまして、特に代替エネルギーにつきましては、この前そういう需給見通しをつくり、代替エネルギーの開発目標をつくった以降、原子力、石炭、LNG、それぞれについて相当の開発が進んでおります。こういうことで、結果的には昭和五十五年には石油依存度が六六%ということで、七〇%を割るというような事態が来たわけでございますが、現在、さらに一般炭の海外開発の問題にいたしましてもLNGの開発輸入の問題にいたしましても、徐々にその方向が定着してきております。こういうことで、将来の需要見通しを含め、さらにその中で代替エネルギーの開発、導入を促進するという観点から、全体の長期需給見通しの見直しとあわせて、当然のことながら代替エネルギーの開発、導入の見通しについても、その一環として現在検討されておるわけでございます。
#207
○横手委員 その検討の結果、あるいはその具体的な中身というものはございませんか。
#208
○小松政府委員 先ほどお話し申し上げましたように、これは総合エネルギー調査会で現在検討されておりますので、具体的な数字はまだ決まっておりません。そういう段階でございまして、私どもとしても、私どもの見通しをここで述べる状況にはないと思っております。大体四月から五月の初めにかけて専門委員会の報告がいただけるのではないかと考えております。
#209
○横手委員 そういうことで、いま鋭意努力をなされておるということでございます。したがいまして、いま私の手元にありますのは、昭和五十四年度につくられた中長期暫定見通しであるわけでございます。この中で、いわゆるその他の石油代替エネルギーということで、昭和五十二年に三十一万キロリットルで構成比が〇・一%のものが、昭和七十年度には六千百万キロリットル、構成比七・六%、つまり十二倍にその量をふやしていこうというようなことが明らかにされておるわけでございます。
 私は、このその他の新エネルギーというものの中には、太陽エネルギーあるいは地熱、風力その他が入っておると思いますし、その中の一つとしてバイオマスエネルギーが含まれておる、その主役はアルコールだろうというぐあいに考えておりますが、いかがですか。
#210
○小松政府委員 五十四年度の長期需給暫定見通しの中の石油代替エネルギーの供給目標の中で、その他の代替エネルギーということで太陽エネルギー、石炭液化、アルコール、こういうものが含まれておるわけでございまして、その現在の状況は、太陽エネルギー、それから石炭液化については、それぞれ研究開発が進められておる段階でございまして、現在実用段階に入っておりますのはソーラーシステム等でございます。
 それから、いま先生お話のございましたアルコールにつきましては、すでにそういう意味での製造技術はあるわけでございますけれども、今後アルコールのコストをどこまで下げ得るか、それから利用面でこれをどう利用できるかという生産、製造技術の面、それから特に原料の問題としてのセルローズの分解発酵技術それから固定化酵母によるアルコールの製造技術開発、こういう原料開発、さらに製造技術を開発してコストを下げるという問題、それから利用面の研究開発、こういうものを進めておりまして、こういうことによりまして、先ほど先生のお話にございました中長期目標のその他エネルギーの暫定目標に向かって、私どもとしても最大限その実現を図ろうということで努力をいたしておるわけでございます。
#211
○横手委員 いまお話がございました、その新エネルギーの中の一つとしてアルコールを位置づけて、そしてサンシャイン計画あるいは地熱等については軌道に乗った。アルコールについては製造技術は現存をしておる。これをいまの使用目的からさらに発展をさせて、新エネ機構にふさわしい、アルコールを石油代替エネルギーとしての位置づけをさせていかなければならない大きな役割りを持ってこれは発足をするわけであります。いま御指摘になりましたように多くの問題点がございます。
 アルコールは、現在の製造原価、市販の原価は幾らですか。
#212
○石川(不)政府委員 お答えいたします。
 発酵アルコールの市販といいますか、政府が販売業者に売り渡す価格で、発酵アルコールの一番標準的な九十五度一級で一キロリットル当たり二十三万七千円ということでございます。(横手委員「一リッターは」と呼ぶ)一リッターでございますと二百三十七円ということになります。
#213
○横手委員 私は、そういうことでアルコールが石油代替エネルギーとして伸びていくためには、このコストの面が大変大きな問題であろうというぐあいに思うわけであります。たとえば、これを使って自動車を走らすということになりますと、いまガソリンが大体百六十円前後ということでございます。さすれば、これを混入をするということになると、いろんな燃焼機関等の改造も必要であろうし、そうすればガソリンより高かったらこれはどうしようもない。こういうことでございますし、製造コストを下げていかなければならない。あるいは先ほど指摘されたような多くの宿題を持っておりますけれども、今日まで石油代替エネルギー法ができて、そしてこのアルコールは新エネルギー機構に編入をするということが二年前から決まっていたということが、先ほど大臣の答弁で明らかになったわけであります。それは何遍も申し上げますけれども、アルコールを石油代替エネルギーとしての位置づけをという目的を持ってその方針が決められたわけでございますが、現在、この二年間における研究開発といいますか、それらの問題点が解決されたのかどうか、この点についてどの程度進捗をしたのかということについてお伺いをいたします。
#214
○小松政府委員 液体燃料としてのアルコールの利用という面では、まだ問題が解決されているわけではございませんで、現在引き続き研究開発が行われておるわけでございます。そういうことで、まず製造面からいいますと、アルコール価格の低下のために未利用資源の活用によります原料コストの引き下げ、それから生産プロセスの改良ということでいろいろの研究開発が進められておりますし、さらに利用面では、アルコールの混合燃料の各利用分野ごとにおける課題をどうやって処理するかということで研究開発が進められておるわけでございます。
 具体的には、まずアルコールの生産面から申し上げますと、未利用資源でありますセルローズの分解発酵技術開発、それから連続発酵技術開発、それから利用面ではアルコールと石油製品の混合利用に関するフィージビリティ調査等の各種の調査研究、それから技術開発ということを鋭意進めておるわけでございまして、まだ今後の研究開発にまつという段階でございます。
#215
○横手委員 参考人、理事長にお伺いをいたします。
 いまそういうことで研究開発の最中でございますけれども、いま法律が通りますと、おたくの方にこの工場は移管をし、それらの研究開発がほとんどすべてがゆだねられるということに相なってまいります。これらの問題に対する現時点における理事長の取り組みに対する、いわゆるNEDOの取り組みに対する姿勢だとか、そういったものの受け入れ体制はどうなっておるのか、ここら辺についてお伺いをいたします。
#216
○綿森参考人 お答えいたします。
 何分まだ法案が審議中でございまして、私の所感を申し上げたいのはここまで来ておりますけれども、大いにやるということだけで御了解いただきたいと思うのでございます。
#217
○横手委員 そういうことで、たくさん言いたいことはあるけれども、まだ法律の審議の最中だからと、こういうことでございます。
 それでは、通産省、いまいろんなことをしなければならないということでございますけれども、すでにブラジルあたりではサトウキビによって製造されたアルコールがガソリンに混入をされ自動車を走らしておるといったような現象があるわけでございますけれども、こういったことがわが国において行われるのはいつだというような見通しでございますか。
#218
○小松政府委員 先生からお話ございましたように、ブラジルとかアメリカではすでに自動車用燃料としてガソリンに混合されて使われておるわけでございますが、日本の場合には、まず原料事情の関係がございまして、どうしてもアルコールがガソリンに比べて割り高であるということでございまして、今後、先ほど来私申し上げておりますが、たとえばセルローズの分解発酵技術の開発とか、こういうことでアルコールの製造コストを今後下げていかないとなかなか実用化できないという面がございます。
 さらに、利用面におきましても、アルコールが自動車のいろいろの部品材料とか運転性能に与える影響、これも現在、研究開発、実証、いろいろ行われておる段階でございまして、こういうものを総合勘案しますと、日本で実際にアルコールをこういう分野で使えるということになりますと、価格の問題その他を考慮しますと、なかなか見通しはむずかしいのですけれども、一九九〇年前後になるんではないかというふうに考えております。
#219
○横手委員 先ほど指摘をいたしました、いまもおっしゃいましたように、価格の面、コスト面、こういったことも大変大事なことであると思いますが、そういったことを含めて、一般利用、国民の日常生活に供することができるという時期は、この価格も含めてと、こういうことでございますか。
#220
○小松政府委員 先生からお話ございましたとおりでございまして、大体一九九〇年前後にそういうことになるんではないかというふうに思っております。
#221
○横手委員 そこで、いま長期見通しを立てながらアルコールが石油代替エネルギーとして花開く、こういった目標に立ってこの法案が提案をされたわけでございますけれども、このためには膨大な資金というものが予測をされるわけでございます。そういった問題に対しまして、新エネ機構は、石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計の枠内で行われるわけでございますけれども、財源等について、あるいは原重油の関税、石油税、電源開発促進税、こういったようなものがあるわけでございますけれども、このどれで対応をされようとするのか。あるいは現在のアルコール専売事業の特別会計との関連についてはどうなりますか。このことについてお伺いいたします。
#222
○小松政府委員 燃料用アルコールを実用化していくということになりますと、今後、研究開発のために相当の資金が必要になるわけでございますし、私どもとしても、代替エネルギーの将来の大事なものの一つということで、今後ともこの研究開発は進めていきたいというふうに考えております。
 こういうことで、現在までも、昭和五十五年以降、私先ほど来申し上げておりますが、研究開発ということで、新燃料油の技術研究組合などに研究開発のための助成をするというふうなことも含めていろいろの予算措置を講じてきておりますけれども、今回アルコールの製造部門がNEDOに移ったのを契機といたしまして、新エネルギー総合開発機構を中核といたしまして、今後の燃料用のアルコールについては、その開発を進めていきたいというふうに考えております。
 当然のことながら、そのための資金は石油及び石油代替エネルギー勘定の中で処理をしていきたいというふうに思います。先生から御指摘がございましたように、確かにその財源については今後むずかしい問題がございますけれども、私どもとしては、こういう石特会計を中心にその財源の確保には万全を期していきたいというふうに思っております。
 それからさらに、アルコール専売事業特会との関係はどうかというお話でございますけれども、アルコール専売特会の方は、まさにアルコールの製造、販売等に関する経費を賄う特会ということで、それに関連した製造技術面についての研究開発は、従来もその予算の中で見られておりますけれども、将来燃料用のアルコールの研究開発ということになりますと、アルコール特会では見るというわけにはまいりません。そういうことで、先ほど申し上げましたように、石特会計の中の石油及び石油代替エネルギー勘定の中で今後はその研究開発の資金手当てをしてまいりたい、かように考えております。
#223
○横手委員 いま新しいエネルギーをつくる、アルコールを新しいエネルギーの柱の一つにしよう、そのために多くの問題があり、そしてこれを実現するためにたくさんの財源も必要である。いろいろむずかしい問題だけれども、思い切った処置をとっていく、こういった決意が披瀝されたのでございます。私はそのとおりだろうと思います。
 そこで、ローカルエネルギーの関連予算を見ますと、アルコールに関するものとしては「燃料用アルコール製造要素技術の研究開発」ということでいっておるのでありますけれども、五十六年度の一億円から五十七年度には二千万円に減っておりますが、これはいかがでございますか。
#224
○石川(不)政府委員 お答えいたします。
 ただいま先生から御指摘がありました研究開発費は、アルコール専売事業特別会計の方でやっておるものでございます。石特会計からのものは別でございます。それで、五十六年度につきましては、例年より多くなっておるのでございますが、これはまだ移行前でございますけれども、そういう今後の研究開発に備えまして、従来基礎研究を手がけておりましたものの小型のパイロットプラントをつくったということでございまして、フラッシュ発酵法といいまして、発酵タンクを少し真空状態にいたしまして、非常に発酵を速やかにやって、しかも熱エネルギーを節約するというアイデアによる試験設備でございます。
 それからもう一つは、省エネルギー型の蒸留装置でございまして、アルコールの製造では蒸留に非常に熱エネルギーを使う。この場合に、二本の塔でやりますような場合に片っ方の塔を加圧してやりますと、トータルとして三〇%から四〇%ぐらいエネルギーが節約できる、こういう理論がございます。そういったものを応用いたしまして研究をしようというものでございます。
 こういう大きなものが五十七年度はなくなりまして、五十七年度につきましては、高分子膜による分離ということで、つまり熱を使わないアルコールの分離の試験装置をつくろうということで小さくなっておるわけでございます。
#225
○横手委員 いずれにいたしましても、新しい国民の期待を担ってこれが発足をしようということで提案をされたわけでございます。今後、これらの問題について、まだ多くの問題があろうと思いますけれども、日本のエネルギーの将来のためにひとつ尽力をお願い申し上げる次第でございます。
 なお、最後に、これは直接法律とは関係ございませんけれども、私自身かたかなで学校で字を教わったという経験が余りないわけでございますが、この法律案を見ますと、かたかなでそのまま残されるということでございます。何か読んでみますと、「機構ニアルコールノ製造ヲ行ハシム」、こういったような表現になっておりますが、これは全く今日の国民生活になじみません。二年間もこういう方向を示しながら、そうして新しい法律を出されたにしては、なぜこのような形で出されたのか、そこら辺のことをお伺いして、終わります。
#226
○真野政府委員 今回のアルコール専売法の改正は一部改正でございまして、従来の専売事業の基本的性格を変えるものではない、そういう形で、特にその中における製造事業に関する部分だけの改正を行う形になりましたので、したがって、アルコール専売法の相当部分について現行のシステムを維持する、こういう改正になったわけでございます。そういう意味で、必要部分の改正のみにて足りるという形で従来扱っておりますので、たまたま珍しいかたかな法ではございますが、一部改正という形でかたかな改正をするということが法制的な審議の結論でございまして、ただ、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、非常に読みにくい、わかりにくいという御指摘もございます。そういう基本的な考え方はぜひこれから考えてまいりたいと思いますが、ただいまのところ、そういう意味での法制技術的な観点からかたかな法にせざるを得なかったということでございます。
#227
○横手委員 いま話を聞いておりますと、技術論からこういった問題が論ぜられるということであります。私はもう終わろうと思いましたけれども、ちょっとひっかかります。
 大臣、二年間も、この問題について閣議決定をしてその方向に歩んでこられたわけであります。そして今日では国民生活の中にかたかな用法というものはほとんどないのであります。この二年間一体全体何をしておられたのでございましょうか。部分改正であるからというようなことではちょっと納得できないわけでございます。そのため二年間もあったわけでざいますので、この際やることが行政改革ではございませんか。国民に対する親切ではございませんか。この点について、大臣、お答えいただきたい。
#228
○安倍国務大臣 技術的にはこれでいいということなんでしょうけれども、しかし、いま御指摘がありましたように、やはり法律というものは国民にわかりやすくなければならぬと思うし、それが本当に親切であるということであろうと思います。したがって、文語体を使ったり、かたかなの法律はほかにもあるわけで、ですから、法制局としてもこれを認めたということになるのでしょうけれども、しかし、これはやはり将来にわたって基本的に法律全般について統一していかなければならぬ、統一していくことが正しい方向であろうと思います。したがって、今後につきましては、私もいまの御意見も踏まえまして、法制局等にもその趣旨をよく伝えて、私自身もそういうふうに考えておりますので、改める方向で努力をしてまいりたいと考えます。
#229
○横手委員 終わります。ありがとうございました。
#230
○渡部委員長 小林政子君。
#231
○小林(政)委員 アルコール専売の事業形態につきましては、すでに戦後の行政改革との関係の中でいろいろと論議が続けられてまいりました。その論議の焦点の一つは、何といっても専売制度の維持の必要性、あるいはまた税制への移行化、第二には、製造部門について国営か民営かというようなことをめぐってでございましたけれども、ところで、五十四年十二月二十九日の閣議決定において、当面専売制度を維持することとして、製造部門については、二年以内に新エネルギー機構に移す、こういう決定が行われたわけでございます。この閣議の決定に基づいて、五十六年十二月二十八日に閣議了解が行われております。その一つは、アルコールの「製造部門を昭和五十七年十月に新エネルギー総合開発機構の事業部門とする。」こういうことがはっきりとうたわれ、さらにそれに伴って通商産業省の基礎産業局に設置されているアルコール事業部を廃止する、さらにはアルコール専売事業に対する公共企業体等労働関係の法律の適用を除外する、さらにはまたアルコール専売共済組合を廃止して、通産省の共済組合への統合を図る、このように書かれているわけでございます。
 今回の改正の一つの柱は、そのねらいは行政簡素化がうたわれておりますけれども、今回の措置でどの程度の行政の簡素化ができるのかどうか、この点についてまず大臣にお伺いをいたしたいと思います。
#232
○安倍国務大臣 いま御指摘のような経過を経て、今回、新エネ機構へ吸収するということで法案の提出を行ったわけでございますが、今回の措置によってどの程度の行政簡素化が図られるかという御質問でございますが、アルコール製造部門の新エネルギー総合開発機構への移管に伴って、政府の組織につきましては、通産省基礎産業局アルコール事業部及び同部職員管理室を廃止することといたしております。また、アルコール専売事業の定員につきましては、五十六年度末に八百八十三名、これは三条定員のみでございますが、八百八十三名であったものが、五百七十二名の削減、そのうちで新エネ機構への移行をするものが五百三十六名ということで、定員削減が三十六名ということになりますが、これを行うことによりまして三百十一名、こういうことになるわけでございます。このような措置によりまして、行政機構の簡素化というものが図られていく、こういうふうになるわけであります。
#233
○小林(政)委員 行政の簡素化の点につきまして、ただいまお答えがございましたけれども、政府は国家公務員の数を五百七十二名縮小されるから、いわゆる行政機構としてはこれが縮小されることになるんだ、こういうことを説明しておりますけれども、私、特別会計の中を調べてみますと、予算の上で見るとどうなっているかといいますと、これは計上する場所が移動したということにすぎない。いわゆる歳出規模全体は変わらないのです。これまで人件費として八百八十七人分計上されていたのが、そのうち新エネルギー機構に移管するアルコール工場の労働者五百三十六人分、この人件費が今後新エネ機構から政府が買う製品の購入費の中に含まれる、こういうことだけであって、実際には基礎産業局のアルコール事業部部長のポストと職員管理室の室長のポストが減るということだけにすぎない。こういうことを見てみますと、一体これでどういう行政簡素化になるのだろうか、こういうことを考えなければならないというふうに思いますが、いかがでしょう。
#234
○安倍国務大臣 先ほど申し上げましたように、定員の削減が着実に行われるわけでありますし、もう一つ、やはり行政の簡素化、効率化というものについて大きなメリットが出てくるのはこれからの問題であろうと私は思うわけです。というのは、アルコール専売事業を新エネ機構に吸収をするということになりまして、先ほどから理事長が申し上げておりますように、新しいアルコール部門についての役割りというものが今後さらに付与されていくわけです。それは燃料アルコールの開発促進とか、そうした新エネルギーの開発研究、実用化といったものについて、この新エネ機構に吸収されることによってこれが進められるわけでございますから、今後とも大きな分野においてこのアルコール専売事業というものが進められていくわけですから、そういう意味では非常な行政の簡素化にも今後はつながっていくものである、私はこういうふうに考えております。
#235
○小林(政)委員 国家公務員の身分を持った職員の数が確かに五百七十二名は減るわけですね。ですから、いままで五現業と言われていたものが四現業になるということでございますけれども、この移管に当たって国家公務員の身分がなくなる、新エネ機構に移るというこの職員にやはり不安感が相当出てきているということを考えますと、この移管に当たって国がしっかりとした保障をすべきではないか。たとえば給与だとかあるいは年金だとか、こうした労働条件、こういった問題で絶対に後退はさせないということがはっきりさせられなければならないというふうに思うのです。さらに移管した後、工場労働者を削減するようなことは絶対にしないのだということも、やはり政府の都合でかわるわけですから、こういう立場に立っている労働者の身分関係あるいは労働条件、こういったものはやはりはっきりと後退はあり得ないということを、大臣、言明していただけますか。
#236
○安倍国務大臣 確かにいまの事業に携わっておられる方は、みずからの意思じゃなくて、政策の変更によって移っていかれるわけでございますから、そういう面ではやはり政府としてもそれなりの責任がある、また移られる方については不安があるだろうと思います。私たちは、この移管に伴う措置は円満に行わなければならぬ、こういうふうに基本的に考えております。これまでも労使の間で移行についての具体的な話し合いも行われておる、こういうことでありますし、その間にあって通産省もいろいろと調整をいたしておるわけでございますが、移行後もこの新エネ機構の中にあって労使の関係でいろいろな今後の問題についても話し合いが行われるわけでございますが、ただ、労使の関係に任せるということじゃなくて、やはり通産省としても、その中にあってあっせんあるいは調整等に努力をして、職員の皆さんが安心して円満に移って、そして今度新しい役割りも付与されるわけでありますから、これから希望を持って働ける、そういう状況に何としても持っていかなければならぬ、そういうふうに考えて、通産省としてもそうした基本的な考え方で取り組んでおるわけであります。
#237
○小林(政)委員 労働条件などもいままでより引き下がらないというように受けとめますけれども、現在、工場で働いている労働者が、何か聞くところによりますと三交代制がとられているということでございますけれども、この場合も手当といいますか、こうしたものについては新エネ機構へ移ってもやはり従来どおり保証をしていくべきだ、このように思いますけれども、いかがでしょう。
#238
○真野政府委員 御指摘のように、現在アルコール専売事業の現場におきまして三交代制職員に深夜勤務にかかわる手当の制度がございます。私どもは、この手当、こういう深夜勤務手当については、現行の支給基準をそのまま承継するような形で、予算の面では計上しておりますが、この勤務条件につきましては、いずれ新エネルギー総合開発機構におきまして、移行後の労働条件を決めるときのテーマになろうと思います。私どもとしては、先ほど大臣から御発言申し上げましたように、そういった予算措置も講じてございますし、それに応じて引き続きそういう措置がとられることをぜひ実現したい、こういうふうに側面からお願いするつもりでございます。
#239
○小林(政)委員 次にお伺いしたいのは、やはりこの際私は、行政の簡素化ということを理由にして専売制というものを崩していくべきではない、このように考えておりますけれども、五十四年七月のアルコール専売事業制度問題懇談会の報告書でもその点が指摘をされておるところですけれども、やはりこの問題について、専売制度はこれからも引き続いて守るべきであるという立場からお伺いをしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#240
○真野政府委員 現在アルコールにつきまして専売制をとっておりますが、これは御承知のように、アルコールについて飲用に供するアルコール、これは非常に高い酒税を課せられておるわけでありますが、それと低廉、安価で供給すべき工業用アルコール、この二つを区分して流通させなければいけないという必要からとられている制度でございますが、いずれにしましても、どういう事態においても、同じアルコールを用途によって区分して流通を規制する必要はございます。その際、現在のアルコール専売制度につきましては、従来から非常に効率的に運用しておりますし、これを税制にあえて変える場合には、かえって規制の面で緩和されるどころか、新しいボンド制度等の導入も必要でございますし、流通面での混乱を伴いますので、やはり従来からなじんでおるこの専売制を基本的に維持すべきであるという考え方に立ちまして、今回の製造事業移管の考え方をつくったわけでございます。したがって、この法案の基礎になっておりますのは、専売制度を維持するという考え方からつくられたものでございます。
#241
○小林(政)委員 もう一遍、これはやはり大臣にお伺いいたしたいと思うのですけれども、やはり効率化を高めるという理由で、従来からいろいろと懸念をされておりました民営化という点について、これはやはりいまの工場が新エネルギー機構に移管されるわけですけれども、もし将来民営化を行うというようなことになると大変な事態を招くであろうと思われますが、これらの点についてお答をいただきたいと思います。
#242
○安倍国務大臣 この事業の民営化についての議論はずいぶん長い間行われてまいりまして、そういうことを主張する向きもずいぶんあったわけでございますが、最終的には、今回の措置によって新エネ機構に吸収するということになったわけでざいます。これはやはり先ほどもお話がありましたように、いまつくっておるアルコールの公益性といいますか、そういうものも考えまして、こういう措置をとったわけで、民営化が適切でないという判断に立ったわけでございますから、私どもは新エネ機構のもとにこの体制というものを今後も堅持していかなければならぬ、こういうふうに考えております。
#243
○小林(政)委員 この系統を見てみますと、やはり農村地域に七工場が分かれてできておりますし、そういった点からも、やはり農産物を原料とする発酵をやるべきだというような農村地域経済の振興という点からも、この問題は大変重要だというふうに思いますし、またいままで過去六工場が民営ということで払い下げられた経過がございますけれども、こういった点を見ましても、やはりこれも閉鎖につながっていくというようなこともいわれておりますし、こういった点を考えると、やはり民営化という方向は絶対に避けなければならないというふうに思います。国営七工場については、やはり民営化はしないんだというふうに、くどいようですけれども、重ねてお答えをいただきたいと思います。
#244
○安倍国務大臣 いまのお話にありましたように、私どもも閣議決定をして今回の法律案を提出したわけでございますから、民営化は一切考えてない、新エネ機構のもとでこのアルコール事業のこれからの推進を確実に図っていきたい、この方針は堅持してまいる、こういうことであります。
#245
○小林(政)委員 この問題につきましては、関係する六県の知事さんからも、かつてアルコール工場の現行体制による維持存続に関する要望書というものが出されておりましたけれども、やはり雇用の確保と原料生産という点が非常に大事である、農家の経営安定を図ることにとっても、これは欠くことのできないものだという立場から要望書が出されておりますけれども、やはり私はもっと国産原料というものの振興を重視をして、前向きに検討していくお気持ちがあるかどうか、この点についてお伺いをいたしたいと思います。
#246
○真野政府委員 御指摘のように、現在国営七工場、いずれもかつて、最近工業化しておるところもございますが、基本的には農業地帯で、その地元の産品を使い、地元の雇用を集めるという形で運営されたわけでございます。ただ、その後、国産原料の値上がり、コストアップということで、次第に輸入原料を中心の現在の生産形態になっておりますが、やはりそういう意味の過去の歴史も踏まえ、またこれからの日本の国内の未利用資源の活用という見地からも、ぜひ技術的な開発を含めてそういう方向に運営してまいりたいと思います。現実にここ二、三年来、まだ全体の量の中では少ないわけでありますが、急激に量をふやしてまいりましたのがミカンのしぼりかすを使ったアルコールの製造でございまして、これは量的にはかなりのスピードでふえてきておるわけでありまして、こういう意味での未利用資源の活用はまだまだ余地があろうと思いますし、そういう意味での技術開発も含めて、この事業として運営してまいる必要があるというふうに私ども考えております。
#247
○小林(政)委員 そこで、私は新エネルギー総合開発機構の理事長の綿森参考人にお伺いをいたしたいと思いますけれども、当面は民営化はしないんだという政府の立場がいままで述べられてまいりましたけれども、新エネルギー機構の目的を見てみますと、法律の十一条に「石油代替エネルギーに関する技術でその企業化の促進を図ることが特に必要なものの開発、」とこれには規定されています。製造事業を営むことが予定されていない開発事業に、製造事業を目的とした事業がこれから入っていくわけですから、こういった点について整合性という点では、一体どのような基本的なお考えをお持ちになっているのか、お伺いをいたしたいと思います。
#248
○小松政府委員 いま先生からお話がございましたように、研究開発をするところ等に製造事業が入るということで整合性がとれないのじゃないかというお話でございますけれども、確かに製造と研究開発という面で相違はあるのですけれども、製造の部門につきましては、担当の理事を置きまして区分経理をし、そこで責任を持って運営するということをやると同時に、また製造の面におきましても、技術開発に対してベーシックになるノーハウとか技術を提供するというメリットもあるわけでございまして、このメリットを生かしまして、将来の燃料用のアルコールの研究開発に役立てたいということで、製造部門の技術をむしろ積極的に活用できるというメリットの面も非常にある。
 それから、管理の面でのむずかしさという点につきましては、担当の理事を置くことによってその面はカバーしていく、こういうことでデメリットは防ぎメリットを十分活用するということで処理していきたいというふうに思っております。
#249
○小林(政)委員 いまの御答弁でございますけれども、代替エネルギーの開発、導入の促進というこの関係法十一条、これとアルコール専売法の改正案の第三条及び第二十九条ノ二との関係から、国民の常識ではこういうことはちょっと特異な感じを受けるのではないか。本当に政府が将来とも民営化はやらないんだということであるならば、逆に代替エネルギー法の第十一条の開発研究というところをいじるべきではなかったのかな、むしろ私はこのように思うわけです。ですから、こういう点についていまのままでいきますと、将来の民営化のワンステップというふうにも受け取られる面もあるのではないか、このようなことが大変心配されておりますので、その点については明確に大臣からお答えをいただきたいと思います。
#250
○安倍国務大臣 いま十一条その他の法律から、そうした民営化の考え方が生まれるのじゃないか、こういうふうな御指摘でございますが、ちょっと私はこれは思い過ごしじゃないだろうかと思っております。アルコール事業を新エネ機構に吸収をする、それによってこれからの新エネルギーの一環としてのアルコール事業を大きく伸ばしていこう、こういう一つの大きな役割りがあるわけでございますし、私たちもそうした一つの目的を持って今回の措置をお願いしているわけであります。まだ法律も通っておりませんし、私たちはいまから始めるという段階にありますし、いまのアルコール事業のあり方から見まして、この新エネ機構に吸収するのが非常に妥当なことであるというふうに考えておりますから、これを将来的に、引き離して、また民営に戻すというふうなことは毛頭考えておらない、この新エネ機構の中で大事に育てて大いに花を咲かせなければならない、こういうふうに思っております。
#251
○小林(政)委員 将来ともその立場を貫いてもらいたいというふうに思います。
 次に伺いたいのは、政府は技術開発や合理化がやりやすくなるといいますか、いままでですと、特別会計の中で費目ごとのチェックがあって、予算上機動的な措置がとりにくかったということもあったやに聞いておりますけれども、今度は製造コストを下げるあるいは合理化を図っていくあるいは工場の人減らしなどもできるというような点も踏まえて、逆にやりやすくなってきたんだというようなことを説明の中でちょっとお聞きいたしましたけれども、こういったようなことが何を指しているのか、明確にお答えをいただきたいと思います。
#252
○真野政府委員 合理化という言葉を人減らしというふうに解釈されますと、非常に誤解を招くわけでありますが、このアルコール製造事業に関する限り、従来から非常に能率的な生産をいたしておりますし、かつ発酵用アルコールについては、一定の安定した国内需要の拡大がございまして、それに応じて生産をふやしてきておる、そういう意味で、現在、工場の設備の稼働率は相当高い状況に入っております。今後ともこういった発酵アルコールの需要が伸びるにつれまして、できるだけ効率的な生産を行うということが私どもが考えております効率的な運営ということでございまして、現在のアルコール事業について非能率である、あるいは過剰人員を抱えているというようなことではないというふうに私どもは考えております。むしろこれからの需要に応じて効率的に低廉な価格で安定してアルコールを供給する、こういう職務を有している、そういう形での運営が行われるべきものと考えております。
#253
○小林(政)委員 これもアルコール専売事業制度問題懇談会の報告書の中に書かれていたことでございますけれども、事業規模がどんどん拡大するという中で、最近十年間職員が二割減った、その中で合理化が行われて一人当たりの労働者の生産性は約二倍に向上しているということが言われ、それが逆に改善だというふうにも書かれておりますので、私は当然人減らしにつながるものではないとは思いますけれども、具体的にどうなのか、そこいらをはっきりさしておいていただきたいと思います。
#254
○真野政府委員 御指摘のとおり、現在の国営アルコール工場の能率、生産ともに非常に向上してきておりまして、物的生産性も非常に上がってきておる。昭和四十年当時に比べまして、昨年あたりで三倍くらいの物的生産性、他方、従来発酵用アルコールに比べまして合成アルコールの方が原料である石油製品、ナフサ等が安かったためにコストが安いという事態がございまして、したがって価格的に競争上やや不利であった状況がございましたが、その後の石油製品の値上がりによりまして、現在では発酵用アルコールのコストと合成アルコールのコストとほぼとんとん、同じくらいという状況に入っております。さらに国内の需要でも、そういう全体的な価格差の縮小に伴いまして、発酵用アルコールの需要がふえてきておりまして、特に人体に近いところで使用する場合には発酵アルコールを使うというような形に需要も変わってきております。そういう意味では、今後とも需要はふえるわけでございまして、そういった高能率の生産性のもとで、発酵アルコールが合成アルコールに比べてしかるべき競争上の地位を持ちながら国内の需要にこたえていく、こういうことが期待される状況にございます。さらに、今後とも必要に応じて需要の拡大、それに応ずる生産の拡大あるいは設備の拡大等も時宜に応じて考えてまいらなければいかぬというふうに考えておるわけでございまして、御指摘のように、かつてアルコール事業六工場が民間へ払い下げられて閉鎖したという時期がございました。これは確かに一つは戦争中の工場の拡大の過剰設備があったということと、国内の需要が激減したこと、さらに合成アルコールとの価格差と申しますか、コスト上の競争力等々の悪条件が重なっておったわけでございますが、そういうような条件がいま変わってきておりまして、今後とも安定した発展を遂げられるような客観情勢にあろうかと考えております。
#255
○小林(政)委員 当面、人減らしは考えないというように受けとめておきます。
 次に、私が伺いたいのは、いままで幾つかの問題についてお伺いをしてまいりましたけれども、現行体制のままで、本当に効率化を阻んでいる障害が一体どこにあったのかなと思いますし、御承知のとおり、アルコール専売は特別会計で毎年収益を計上しておりますし、年に四十億から七十億も国の一般会計の中に入れているわけですから、こういった点からも何が原因で今回こういった措置がとられなければならなかったのか、どうも納得ができません。アルコール事業の将来展望などについてもこの際伺っておきたいと思いますけれども、アルコール燃料が、これから新エネルギー機構の中でどのような位置づけがされていくのか、この点をお伺いいたしたいと思います。
#256
○小松政府委員 燃料用のアルコールは、石油に直接かわります代替エネルギーということで、私どもは、石炭液化とかオイルサンドとかオイルシェールとかいうものと並びまして今後の非常に大事な新エネルギーの一つだと考えております。特にアルコールの場合には、再生可能な農産物とか各種廃棄物などを原料といたしましてできるわけでございますし、また用途といたしましては、ガソリンとか灯油とか軽油とか、将来の石油需要から見ますと需給ギャップとして問題になります重、軽質油に代替する、こういういろいろの面で長所がございます。こういうことで、今後とも燃料用アルコールの開発は積極的に進めていきたいと思っております。
 すでに海外では、ブラジルとか米国等において実用化されているわけでございますが、わが国の場合には、原料事情その他も変わりますので、どうしてもコストがまだ高いということで、今後製造コストの引き下げのための研究開発を進める必要がございます。こういうことで、セルローズの分解発酵技術などを初めとしますコストの低減化の研究開発、さらに利用面での研究開発などを進めているわけでございますが、今後はこの燃料用アルコールの研究開発の中心を総合開発機構に置きまして、これを中心に民間の研究開発その他との整合性も保ちながらアルコール燃料の研究開発を進めていきたいと思っております。そういうことで、将来の見通しといたしましては、一九九〇年前後を目標に燃料用アルコールが実用化できるように努力をいたしていきたいと思っております。
#257
○小林(政)委員 いま、これからの開発の努力を続けていきたいということでございますけれども、すでに米国やブラジルではアルコールが二〇%のガソホール、混合ガソリンということで使われておりますし、ブラジルでは一九八五年に約一千万キロリットルのアルコール生産が国家アルコール計画で進められているというふうに書かれております。わが国の石油代替エネルギーの供給目標、これは閣議決定によれば、具体的に石油代替エネルギーの換算で六十五年度三千八百五十万キロリットルと言われていますけれども、アルコール燃料はその中でどの程度含まれるものなのか、この点をひとつ伺っておきたいと思います。
#258
○小松政府委員 その他エネルギーといいますか、新エネルギーということで、六十五年度三千八百五十万キロリットル石油換算で考えておりますが、その中には石炭液化、太陽エネルギー、アルコールその他こういうものが全部入ってそういうことになるわけでございますが、特に経済性の問題、今後の石油事情いかんによって、その辺も変わってまいりますので、その中で燃料用アルコールがどれだけ占めるかというのは、具体的な積算の数字は実は私ども持っておりません。
#259
○小林(政)委員 先ほど来、バイオマスによるアルコール製造技術の開発は、わが国の将来のエネルギー源として非常に重視する必要があるということが強調されておりましたけれども、通産省のバイオマス資源利用技術開発、これは総額で七年の間に三百億円とされていますが、アルコール製造技術開発の今後の計画というものは具体的にはどうなるのか、この点についてお伺いをいたしたいと思います。
#260
○小松政府委員 現在、バイオマスに関連します研究開発というのはいろいろ行われておるわけでございますが、一般会計では、たとえばバイオマスの利用促進のための調査とか植物利用、アルコール製造事業、こういうものの助成が行われておりますし、石特会計では、セルローズ分解発酵技術開発ということで新燃料油の開発事業補助金が計上されております。それから固定化酵母によるアルコール生産技術開発、これも石特会計でございますし、バイオマス生産・利用トータルシステムの調査、石油植物による燃料油生産に関する調査、木材のガス化による燃料油生産に関する調査、海洋バイオマスによる燃料油生産に関する調査、それからアルコールと石油製品との混合利用に関するフィージビリティー調査、こういうものも全部石特会計の中で計上されております。それからアルコール特会の中での研究開発として一部計上されておりまして、この予算全体が本年度は十七億一千百万円、来年度の計画といたしましては十九億二千万円計上をいたしております。
#261
○小林(政)委員 先ほど来、この問題大変重視をしていく必要があるというふうに言われておりますけれども、この際、大臣の見解を伺っておきたいと思います。
#262
○安倍国務大臣 バイオマスにつきましては、これからの非常に期待の持てるエネルギー資源でありますし、石油は有限であるという反面、バイオマスについては無限であるとも言えるわけでございますので、わが国にとりましては、特にこうしたバイオマスのこれからの活用というものは、重点を置いて積極的に取り組んでいかなければならない問題じゃないか、こういうふうに私は考えております。こうしたアルコール製造部門が新エネ機構に吸収された段階を経て、われわれとしても積極的に取り組んでまいりまして、予算の面につきましてはまだまだ十分ではないわけでございますが、これからも私たちとしては、国の大きな一つの政策目標として、努力を重ねてこれを推進をしてまいりたい、こういう決意でございます。
#263
○小林(政)委員 私、これまでいろいろとお聞きをいたしてまいりましたけれども、国家公務員の数が形の上で若干減るというようなことだけであって、効率化の点でも当面はそれほど大きな変化はないというように思いますし、また代替エネルギー開発の推進といっても、当面すぐにこれが実用化されて大きな力を発揮するということにもつながらないのではないかというようなことを考えますと、今回一体何のための提案がされたのかなという点、いまだによく理解ができません。やはり言葉の上での数合わせのための行革にすぎないのではないか、こういったような点だけが胸に残るわけでございますけれども、こうした点について、数合わせの行革ということではどうも納得ができませんし、国民に役立つ行革こそが必要なのではないだろうか、このように思っております。こういう点について――どなたに聞いたらいいのかな、やはり大臣ですね。
#264
○安倍国務大臣 行革は進めていかなければならぬわけでございます。その中にあって、やはり定員の削減等も行うわけでございまして、このアルコール製造部門についても、その削減が進んでおるわけでございますし、同時に今度の大きな目標は、新エネ機構に吸収することによりまして、アルコール製造部門について将来の大きな目的というものがここで掲げられるわけでございます。私たちは、この目的に向かって新エネ機構がこれから努力を重ねまして、そしてアルコール製造部門の、たとえば液体燃料の分野の開拓といったものについて大きな前進が遂げられる。そういう意味において、今日の新エネ機構ができた時点でアルコール製造部門を吸収するということが五十四年の暮れに閣議決定をされた。そしてこれを現在いよいよ実行するということは、まさに時宜を得た措置ではないだろうか、こういうふうに私は考えております。
#265
○小林(政)委員 ともかく私は、この点については、今回これだけの大きな問題を抱えている中で、何のための移管がやられたのかなという点では一抹の不安を持つわけでございます。しかし、いま本当にやらなければならないのは、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、数合わせの行革というようなことではなくて、むしろ国民の立場に立った行革というものをはっきりとした形でやるべきではないのかということでございますけれども、天下りの問題だとかあるいは各種審議会の構成のあり方についても根本的なメスを入れる必要があったのではないか。
 そこで、私は総合エネルギー調査会についてお伺いをいたしたいと思いますが、総合エネルギー調査会は、設置法の二条で、「通商産業大臣の諮問に応じて、エネルギーの安定的かつ合理的な供給の確保に関する」事項を調査審議するということがうたわれておりますし、三条では、委員だとか臨時委員は学識経験者から大臣が任命するということになっておりますけれども、現在の委員だとかあるいは臨時委員の構成というものが具体的にはいまどうなっているのか。この点については、具体的に大学教授だとかマスコミ関係の人が何人いて、消費者や労働組合の人たちが何人入っているのか、こういう点をはっきりとさせていただきたいと思います。
#266
○小松政府委員 総合エネルギー調査会のメンバーでございますけれども、委員が十名、その他臨時委員がおるわけでございますけれども、委員の中には消費者代表は入っておりません。
#267
○小林(政)委員 私の調査によっても、委員十名、臨時委員十一名、合計二十一名で、全員学識経験者で、消費者だとか労働者の団体は入っていない、こういうことが判明しておりますし、これはエネルギーを審議するという調査会ですから、やはり労働者団体の方々が一人も入っていない、消費者団体も一人も入っていないというのでは、国民の重要な問題であるだけにおかしいのではないかというように思っておりますし、また調査によると、十二ある部会、小委員会、分科会などには延べ二百六十四人の委員、臨時委員、専門委員の方々が入っておりますけれども、しかし、消費者や労働者団体の人は延べ十人しか入っていない。全体の三・八%にしかすぎない。エネルギーという国民的な消費の点を考えますと、民生用が二一%占めておりますときに、まさに国民生活を左右するという重大な問題でこういった人たちが入っていないということは、今後改めていかなければならないんではないか、私はこのように思います。
#268
○小松政府委員 いま審議会の委員には消費者代表は入っていませんが、必要な事項を検討するために、総合エネルギー調査会には各部会を設けまして、具体的な問題を検討していただくわけですけれども、部会によりましては、消費者代表の御意見を伺う必要がある部会については消費者代表も入ってもらう、また労働者代表も入ってもらうということで、各部会の検討に応じまして関係者の意見を十分反映させるように、そういう配慮はいたしておるつもりでございます。
#269
○小林(政)委員 私はやはり重大な問題だと思うことは、財界などの関係者のうち、通産省出身者が非常に多いということです。そうして総合エネルギー調査会の委員だとか臨時委員の二十一名の中で、財界その他の関係者十五名のうち五名が通産省の出身者であり、十二の部会、小委員会、分科会など合計二百六十四名中、五十八名が通産省のOBだということは、まさに驚くべきことではないかと思います。そして実際にこうした人たちが大企業向けの補助金の審議を通じて補助金を決めたり、国民の不信を招くというようなことになっているということを思いますと、大臣、行政改革というなら行政の簡素化、公正さを貫くという、こういう立場からこうした現状にメスを入れて、各種審議会の構成についても検討してみる必要があるのではないか、このように思いますけれども、いかがでしょうか。
#270
○安倍国務大臣 エネルギー調査会につきましては、先ほどから答弁をいたしましたように、学識経験者をもって構成されておりますし、各部会の運営につきましては、各界の代表等も参加をしていただいて進められておるわけでございますから、まさにエネルギー全体を踏まえた国民的立場に立って調査会としての審議が進められておる、私はこういうふうに判断をいたしておるわけであります。経済界の出身の人もおるわけでありますけれども、これは一経済界というわけではなくて、やはり国民全体の立場、エネルギー全体のあり方ということから発言をし、審議に参画していただいておるわけですから、いまのこの調査会のあり方で、エネルギー問題のあり方についての審議については十分その役割りを果たしていただいておる、私はこういうふうに考えております。
#271
○小林(政)委員 これは、やはり見解の相違ということもございますが、私は、いま財界との癒着、こういうことがいろいろと言われておるときだけに、大臣が本当に国民の立場に立つならば、こうした問題に抜本的なメスを加えるべきであると思っております。
 次にお伺いしたいのは、石油代替エネルギー開発の中で、石炭液化開発計画が促進されてまいりましたけれども、石炭液化開発については、サンシャイン計画、それと同時に、いわゆる国際協力によるもの、SRCIIあるいはEDSあるいは豪州褐炭液化などが進められておりますけれども、政府は、SRCIIについてナショナルプロジェクトと位置づけて、五十五年度に七十三億九千百万円、約七十四億円、それから五十六年度には百五十億円の予算を計上してきました。このプロジェクトは、昨年夏、アメリカ側の都合で中止されましたけれども、どのような経緯を経て中止されたのか、終了に至る経緯をまずお伺いいたしたいと思います。
#272
○福川政府委員 SRCIIのプロジェクトは、先生御承知のとおりに、昭和五十五年の七月からわが国も参加いたしまして、アメリカが五〇%、それに日本とドイツが二五%ずつ参画いたしまして始まったわけでありますが、昨年の二月に至りまして、アメリカが、大統領の一般教書の中におきまして、このプロジェクトを合成燃料公社に移管するということを表明いたしたわけでございます。その後、四月になりまして、東京にアメリカの代表が参りまして、ドイツも参画いたしまして、このプロジェクトをどうするかということを協議をいたしました。私どもといたしましては、このプロジェクトを何とか継続をいたしたいということで、アメリカ側に強く働きかけたわけでございます。六千トンの規模でございますが、あるいは規模を縮小するというような代替案も検討してほしいということを申したわけでございます。その後、アメリカにおいても、それではコストの見直しを含め代替案も検討してみようということで持ち返ったわけでございます。
 私どもとしては、ナショナルプロジェクトということでございますし、また石炭液化が非常に重要だということでございますので、何とか存続をいたしたいということで働きかけ、田中前通産大臣も、エドワーズDOE長官にも、IEAの会議等でも存続の方向で検討してもらうことを強く働きかけたわけでございます。
 その後、六月二十三、二十四日、ボンにおきましてこの取り扱いを協議いたしたわけでございますが、アメリカといたしましては、このプロジェクトを、代替案も含めていろいろ検討をしたけれども、コストオーバーラン、コストが非常に高くなるということを申したわけでございます。その原因は、一つにはアメリカのインフレーション、もう一つには工期のおくれによりますコストのアップ、さらにもう一つは設計変更といったようなことで、建設及び運転の経費が、当初、協定ができましたときには十九億ドル程度ということで見込まれておりましたが、これが倍近くなる、こういうことでございました。したがって、ドイツあるいは日本にそのコスト上昇分を負担してくれるかということで働きかけがございましたが、アメリカとしても、これだけコストオーバーランになると、それぞれ財政上の問題もある。ここで一つ、もう少し技術的な面を見直す意味で、アメリカとしては、これをむしろターミネートする方が好ましいと思うという意見の表明がございまして、西ドイツからも、そういうようなコストオーバーランという状況であれば、アメリカの希望の表明のとおり、このプロジェクトをターミネートすることでやむを得ないという意見の表明があったわけでございます。全体で七五%のシェアを占めております工事の施行者、ドイツ及びアメリカがそのようなことでございますので、私どもとしては、そんなにコストオーバーランはもちろん耐えられませんが、何とか代替案はないかということでいろいろ働きかけてまいりましたが、そのような状況であれば、本プロジェクトを終了することもやむを得ないということで判断をいたしたわけでございまして、その結果、八月十四日に正式に終了いたしたわけでございます。
 現在は、アメリカにこれまでやってまいりました技術成果を取りまとめてもらうというようなことで、私どもとしても、その技術成果は少なくとも出してもらわないと困るよということを強く働きかけて、現在、プロジェクトの終了に伴いますターミネーションの手続を実施いたしますと同時に、技術的な成果の取りまとめをアメリカがいたしておりまして、これが順次わが方に提供されつつあるというのが現状でございます。
#273
○小林(政)委員 五十五年度の七十四億円、五十六年度の百五十億円、これは予算に計上したものですけれども、合計二百二十四億円、これがいま会計上一体どうなっているのか。そして具体的には、SRCIIのプロジェクト、これは日本の分担金としてアメリカに支払わなければならないものがあとどのくらいあるのか。こういう点は明確にしておいていただきたいと思います。
#274
○福川政府委員 まず、五十五年度の予算でございますが、五十五年度中に、と申しますのは、わが国といたしましては、五十五年の九月までの見合いのコスト、日本のシェアであります四分の一、これをやや低目に見積もりまして、一千万ドルの支払いを昨年の一月に実施をいたしました。したがいまして、七十四億円の予算のうちで二十二億円程度であったと思いますが、これの支払いをいたしまして、その残額は、五十六年度、今年度に繰り越してまいってございます。したがいまして、その金額は、現在五十六年度の予算としては両方ございますが、これをどの程度今後、今年度内あるいは来年度に繰り越して使うか、こういうお尋ねでございます。
 現在、アメリカにおきましてもターミネーションの手続が進行中でございまして、恐らく大体六月ごろまでそのターミネーションの作業が続くことになると思います。その後、コストを正確に計算いたしまして、プロジェクトコストの残額の四分の一とターミネーションコストを協定上支払う、こういうことになるわけであります。
 これがどのくらいの金額に相なるかというお尋ねでございますが、現在そういった作業中でございますので、正確には申し上げかねますし、また私どもも、現在アメリカとこれから幾らにするかという話し合いをすることになるわけでございます。ボンでターミネーションいたしましたその時点で、大体のアメリカ側の感触として伝えられましたところは、昨年の一月末の時点で、日本は一千万ドルでございますが、ドイツは千九百万ドル払っておりました。その後、さらに八月までプロジェクトの作業が続いたわけでございますので、その分を加算しなければなりませんが、恐らくアメリカ側の当時の感触としては、その千九百万ドルの半額程度はさらに上乗せになるだろう、こういうことでございました。
 さらにそれから、ターミネーションのコスト、これはターミネートされました後、技術成果等の取りまとめの作業を一年にわたっていたすことになりますので、そのコストがかかるということでございまして、アメリカ側の感触としては、大体三千万ドル強のコストが日本側あるいはドイツ側に、これは平等でございますが、かかるであろう、こういうことでございました。それで日本側としては、そのうち一千万ドルはすでに支払っておる、こういうことでございます。もちろん、これからどういう作業をアメリカ側がいたしまして、そのコストが適切であるかどうかという点は、今後さらにアメリカ側と交渉をいたします。もちろんその場合に、アメリカ側といたしましても、アメリカの国内手続でその支出が適正であったかどうかということの作業をいたすわけでございます。したがいまして、まだ正確に、幾ら日本側として払うことになるかということは、アメリカ側の手続もございますし、私どもとしても、交渉をした上で最終的に確定いたすということになりますので、さらに今後、交渉の過程もございますので、協議の場を通じまして、その辺は最終的に確定していきたい、かように考えております。
#275
○小林(政)委員 私はやはりおかしいと思うのですよ。この問題については、昨年のたしか二月だったと思いますが、私、当委員会で、アメリカ政府として出資をしないという態度を表明したという以上、日本政府が第四条で規定されている二五%の出資負担の義務を負う必要は何らないという立場に立って、百五十億円の予算の削減をすべきだということを強く要求をいたしてまいりました。ところが通産省の方では、いや、まだアメリカからそのような正式な通知は来てないということを理由にして、これについては引き続いて交渉をやっていくんだ、こういうことを言っておりましたけれども、事実私は、合成燃料公社に移すということをはっきりとレーガン政府が決めたときに、すでにこういう問題が明らかになっていたと思うのです。しかも、その後約一年近くになるわけですね。昨年の二月からことしの二月ということで約一年近くになりますけれども、ボンで協議がされたとか、八月に一応失効したとかいうことが言われておりますけれども、その間どのような措置が、たとえば協定が解除されたその時点でどのぐらいの経費がかかったのか、こういうものが実際には何もわかってない、こんなばかなことは私はあり得ないと思うのです。ですから、こういう点については、いままでにもすでに二十一億七千万円も、約二十二億円も使われている。今後さらに数十億円の支払いが予定されているというふうにも聞いておりますけれども、こうした問題をやはりはっきりとした形でピリオドを打たなければならない。
 その場合に、日本政府は、国際協定だから請求されれば二五%は払うんだということをいままで言ってきましたけれども、実際には、その第四条の第一項で、「SRC−II計画に参加する日本国の企業が適当な経費分担として行う支払の額は、この1の第一文にいう拠出の一部とみなす。」ということが書かれていますね。こういうことを考えますと、私は、ずっとこれ調べてみましたけれども、いままでの経緯から三井石炭液化がこれを支払うということは当然のことではないか、このように思っておりますけれども、この点は、私は大臣にお答えいただきたいと思うのです。
#276
○福川政府委員 プロジェクトの経費につきましては、御指摘のような第四条があるわけでありますが、現在まででも三井はSRC・インターナショナル社に、従来の民間として負担すべき経費はある程度分担はいたしております。しかし、現在ここでいまお尋ねのように、その残額を三井が払うべきかどうかという点につきまして、いろいろ御議論がございましたが、現在、従来行われてまいりました技術成果が順次アメリカ側から提供されてきております。大変残念なことながら、このプロジェクトが完成をいたしません、設計段階で終了ということに相なったわけでございますが、アメリカ側といたしましては、従来やってまいりましたその設計と、その前提となります三十トンのプラントでいろいろ実験等をしてまいりましたフォート・ルイスの実験結果等がございます。この点につきましては、日本の経費分担の外ではございますが、この資料も提供するということで、現在順次資料提供になってきておるわけであります。その技術成果がアメリカから送られつつあるわけでございますが、今後、私どもとしては、その技術成果の評価、整理を行いまして、これは三井なら三井というような特定の企業がその技術成果を独占するということではなくて、当然その技術成果は公表をし、さらに今後、もちろんその技術成果の内容を見きわめた上で、国際協定に従いまして、その経費は分担せざるを得ないわけでありますが、その技術の成果は、わが国の技術開発ということに十分活用し得るものであるというふうに考えておるわけでございまして、私どもとしては、大変残念なことに相なりましたが、現在まで得られました、アメリカで行いました技術成果というものは、一社が独占するということではなくて、国全体の技術にそれを貢献させるようなことで考えるということで、現在、NEDO、新エネルギー総合開発機構といったあたりにも、その技術成果が吸収、消化し得るように活用していく体制で対応して、全体として役に立つということでやってまいりたいと考えております。
#277
○小林(政)委員 いま答弁の中で、この問題については一般にも公表していくんだということが言われていますけれども、事実このプラント技術の成果というものは、実際に参加した三井しか知らないのですね。わからないのですよ。それがいま送られてきたと言いましても、これはやはり三井石炭液化、ここだけが有効にこの資料を、技術開発の成果を使うことができるということははっきりしているのじゃないか、私はこういうふうに思うのです。ですから、莫大な予算を投入して、一つの私企業のためにこういったものが使われるということは、私はナショナルプロジェクトなどと言えるものではない、このように思いますし、実際に大臣にお伺いしたいのですけれども、こうした問題については、やはり何らかの基準を――民間ベースで進んでいたものを、後から政府が追いかけるような形でいろいろな取り決めがされて、資金を援助するというようないままでの国際プロジェクトのあり方というものについて、何らかの基準をはっきりと設けてやる必要があるのではないか、このように考えておりますので、この点について誠意ある回答を求め、そしてまた、先ほどの、私が政府が支払うべきではないと言った問題についてもお答えをいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
#278
○安倍国務大臣 本プロジェクト実施期間中に開発された技術成果につきましては、国際協定に基づき、米国エネルギー省を通じすべてわが国に送られてくることになっております。これらの技術成果は、すべて公表が可能であり、したがって、三井のみがこの技術成果を独占するということはない、こういうふうに考えております。
 なお、この協定が途中においてアメリカが続行できないということで中止になったことは、私も非常に残念に思っておるわけでございまして、確かにこれまで日本政府としても一千万ドル負担をしてきたわけでございますが、これまで続けてきたいろいろな技術的な成果というものはあるわけでございますので、そうした成果は、これからの日本の石炭液化の開発等について有効に使っていかなければならぬ。その点については日米間で十分協議をして、そして日米両国が納得できる形で結末をつけたい、こういうふうに思っております。
#279
○渡部委員長 次回は、明三十一日午前十時五十分理事会、午前十一時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後六時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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