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1949/04/29 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 農林委員会 第34号
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1949/04/29 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 農林委員会 第34号

#1
第007回国会 農林委員会 第34号
昭和二十五年四月二十九日(土曜日)
   午後三時十九分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○農林水産業施設災害復旧事業費国庫
 補助の暫定措置に関する法律案(内
 閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(楠見義男君) それでは只今から農林委員会を開会いたします。
 本日は農林水産業施設災害復旧事務費国庫補助の暫定措置に関する法律案を議題にいたします。最初に坂本農林政務次官から提案の理由の説明を伺いまして、引続き質疑に入りたいと存じます。
 この問題につきましては水産関係でこの法律の中にもありますように、漁港施設に関する補助の提案もございまして、本来ならば水産委員会と連合審査をいたすべき筋合でありますけれども、会期も切迫いたしておりますし、水産委員会でもいろいろの法案をお抱えになつておるようでありますから、便宜水産委員会の方から御出席を頂きまして、この委員会で御審議を願うことにしたのでありますが、水産委員会から專門員の林君が御出席になつておりますので、予め御了承を頂きまして、委員外でありますけれども林專門員の御発言を随時許可することにいたしますから、予めその旨を御了承頂きたいと思います。それでは最初に坂本農林政務次官から提案理由の説明を伺います。
#3
○政府委員(坂本實君) 農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律案の提案理由を説明いたします。
 申すまでなく我が国におきましては、自種の環境上各種の災害が頗る多いのに加えまして、戦時中の治方対策の不備等の事情も加わり、近時は災害が相継いで頻発いたしまして、貴重なる農地その他の施設の被害は、巨額に上つております。
 政府といたしましては、戦後国家財政逼迫の中を可能な最大限の財源を割きまして、これらの災害の復旧費につき助成を行い、災害の速かなる復旧に努力致して参つておりますが、今後におきましても治山治水の根本対策とともに災害の復旧に力を注いで参りたいと考えております。
 この趣旨におきまして、従来は、単に災害復旧は、補助要綱に基いて行なつておりましたが、この際これを法制化し、補助の対象、基準内容等を明確にし、国の政策を明らかに致しまして、一は以て農山漁民各位に安心を与えると共に一層災害復旧を促進して参りたいと考えるのであります。
 何とぞ慎重御審議の上速かに御可決あらんことを切望いたします。
#4
○委員長(楠見義男君) 尚それからもう一つ予め御了承を頂いておきますが、政府委員ではありませんけれども、農地局の災害復旧課長が出席しておりますので、これも御質疑に応じまして随時御答弁申上げることについて予め御了承をお願いしたいと思います。災害復旧課長の方から、今の提案理由にありましたように、これは現在の補助要綱を法制化したとこういうことになつておるんですが、現在の補助のやり方と、この法律によつてやり方の違う点がありますれば、その点を先ず予め御説明をして頂きたいと思います。
#5
○説明員(川名進一君) では私代りまして、今度の法律と従来やつておりました法律との異る点を御説明申上げます。
 先ず第一に今回の法律と前の補助要綱と変ります点は、従来は災害復旧事業を行うには地方の知事において一まとめにしまして、国は県に対して補助をする、それから県が事業に対して補助をする、こういうふうになつておりましたが、今回の法律によりまして、国は事業をする者に補助をする、こういうことになつたわけでございます。これは、第一條に「災害復旧事業を行う者に対し」云々こういうことになつております。それからその次に違いますことは、この補助の補助率、それから補助の基準、つまり災害復旧事業として取上げる基準をその法律の中に確定したわけであります。それからもう一つは従来国の補助に対しまして、府県、或いは市町村でそれに任意にプラスして補助しておつた金額でありますが、今度の法律によりましてこれを地方の公共団体に義務付ける。つまり五條の九号にありますように、農地、農業用施設又は林道に係るものは当該災害復旧事業費の十分の一に相当するものを交付しなければならない。それから市町村等の維持管理に属する漁港施設に係るものは、十分の二・五に相当するものを交付しなければならない、こういうふうに義務付けてあります。この二つの点が非常に従来と違つておる点であります。それからこの補助の対象になります基準につきましては、従来は公共農業用施設につきましては、一ヶ所当り十五万円という補助要綱になつておりましたが、この中に今度の農地も含みまして、従来公共施設は十五万円、それから農地につきましては普通一団地五町歩以上の所を補助の対象とする。それから零細農、零細経営、つまり全国平均八反五畝以下の経営の場合には一団地三町歩以上を補助の対象とする、こういうふうになつておりましたが、今回これを面積の制限を廃しまして一括して一ヶ所十五万円以上、こういうふうに緩和したわけであります。それから今一つ変ります点は、二條の七項にありまする一ヶ所という考え方を、従来は五十メートル以内の距離のものは一ヶ所だとこういつておりましたが、今回のは五十メートル以上であつても、それが連続してあるものは一ヶ所とみなす。それからもう一つは五十メートル以上であつても、それを分離して施行することによつて効用上差支がある、こういうものを一ヶ所として補助の対象にするということに考えておるわけであります。それから今一つ変ります点は、この災害復旧事業を原形に復旧することを目的とする、これは二條の五項にございますが。これは従来も原形に復旧することを目的としておつたのでありますが、その取扱におきましては必ずしも適当ではなく、多分に考慮を要するものも実はあつたと思うのでありますが、この点を二條の六項によりましてはつきりといたしまして原形に復旧することが困難なものと、不適当な場合と二つに分けまして、困難なものについては、これは止むを得ないから災害復旧事業として原形に復旧するものと同じように扱う。それから原形に、復旧することが不適当な場合、つまり原形に復旧するだけでは或いは再び災害を起すとか、その他いろいろの支障のある場合、これは原形に復するまでを災害復旧事業として扱いまして、それ以上のものは、それ以上の費用については補助の対象にしない、こういうことになつておるのが大きな変化であります。それから、補助率につきましては、これは従来やつておりますのと、変りません。それから大体これで大きな違いのところは申上げたと思いますが、最後の附則におきまして従来やつておりました災害で特に高率なものにつきましては、従来通りの補助率でやるということを條文に書いております。簡単でありますが、大体以上が今までと大きく違つた点であります。
#6
○委員長(楠見義男君) この法の附則の南海震災は法律で従来と同様にするために、こういう例外を設けているというのですが、この参考のために配付された既往災害復旧事業並補助率調ですね。それで行くと農地は十分の九というのがありますね。例えば高知県、ところがこれで行くと農地は十分の八・五となつて、〇・五が落ちているのですが、これは補助が現実に下るわけですか。
#7
○説明員(川名進一君) 下ることはないと思います。
#8
○委員長(楠見義男君) 逆に農業用施設は十分の六・五がこの表で行くと上つているのですが。
#9
○説明員(川名進一君) この南海震災は……この中で高い方だけを上げたわけです、十分の九……
#10
○委員長(楠見義男君) 高い方だけを上げる……これで行くと、附則では農地は南海震災で高知県は十分の八・五になつておりますね。ところがこの資料で行くと、高知は十分の九に補助がなつているのですが、農地の方は下つているのではこれは問題だろうと思うのです。
#11
○説明員(川名進一君) 書き損いだと思います。これは従来通りに行くと思います。
#12
○委員長(楠見義男君) そうすると農業用施設の方も頂いた資料の間違いでしようか。
#13
○説明員(川名進一君) 十分の八・五と十分の九になるわけでございます。農地が十分の八で農業用施設が十分の九になるわけです。事務費の所が十分の八・五、これが下へ下がるわけです。
#14
○委員長(楠見義男君) そうすると資料の間違いですね。大体附則にある率は現在の率と違いないわけですか。
#15
○説明員(川名進一君) 違いないわけです。
#16
○委員長(楠見義男君) それから新潟の融雪地すべりについても同様ですか。
#17
○説明員(川名進一君) これも同様です。
#18
○委員長(楠見義男君) それから南海震災の漁港についても同様ですか。
#19
○説明員(太田國宏君) 漁港の方の率を申しますと、これは都道府県災害土木費国庫負担に関する法律というのが明治四十五年にあります。これが現在建設と運輸省の土木事業に対して適用されているのであります。それで漁港につきましても、これは一般港湾の災害と同様に考えられるので、今回その法律と補助率をすつかり合せたものでありますから全部変つておるわけであります。
#20
○委員長(楠見義男君) その補助率は本文の十分の六・五、或いは十分の四・五、これになるわけですね。
#21
○説明員(太田國宏君) そうでございます。
#22
○委員長(楠見義男君) そうすると今までの南海震災で継続しておるものはないのですか。その補助率はどのくらいですか。
#23
○説明員(太田國宏君) 六・五でございます。
#24
○委員長(楠見義男君) これと同じですね。
#25
○説明員(太田國宏君) ちよつと下がるわけです。四・五になるわけでございます。災害のものは、都道府県のものと市町村のものと両方のものがあります。小町村用のものは十分の四・五、都道府建用のものは十分の六・五となります。従来と全部同じでこれが十分の六・五ということになつております。
#26
○委員長(楠見義男君) そうすると市町村用のものだけが下るわけですね。そうすると同じ南海震災のもので農地関係は、従来通りで、水産関係だけが二割下る、こういうことになるわけですね。
#27
○説明員(太田國宏君) そうでございます。併しこれは従来は、都道府県の負担はなかつたのでありますが、これが二・五を都道府県が持つということになりますから、結果におきましてはやはり十分の七になつて、市町村或いは漁業組合の方に行くわけであります。
#28
○委員長(楠見義男君) 逆に言えば〇・五殖えるわけですね。
#29
○説明員(川名進一君) そういうことになるわけであります。
#30
○委員長(楠見義男君) それから附則で、「昭和二十一年」云々のところで、昭和二十五年度における補助率については、左の区分によるものとするとなつておるのですが、これは大体南海震災については二十五年度に終了するという見通しでこういうふうになつておるか。或いは二十六年度になればこの南海震災の補助率も一般並に下る、これは止むを得ない。こういう考え方なのですか、どつちですか。
#31
○説明員(川名進一君) これは大体南海震災は本年度で終る、こういう考えであります。
#32
○委員長(楠見義男君) これから御配付頂いた参考資料の、先程の既往災害復旧事業並補助率調、これの復旧費という欄ですね。これはその他の災害もあるけれども補助の対象になつて復旧費だけを考えておると見ていいわけですね。
#33
○説明員(川名進一君) 他の災害と申しますと……
#34
○委員長(楠見義男君) 補助の対象にならない災害。
#35
○説明員(太田國宏君) これは補助の対象になつたものだけだと思います。
#36
○委員長(楠見義男君) 補助の対象になつていない災害、例えば耕地復旧とか、最近そういうものが出て参りましたね。そういうようなものの災害復旧費というものも加えるとこの金額はどのくらいになりますか。
#37
○説明員(川名進一君) これは耕地復旧が落されたのは二十四年度だけなのです。殆んど今まで採用されなかつたというものはないわけです。ですからこれに入つておらないのは考えておらないわけであります。ちよつと申上げますが、今の資料の復旧費とか、補助金は大体前の数字がありまして、予算としましてはもう一つ表を差上げてありますが、その方が、現在の数字とはつきり合つておるわけであります。その後単価の変更とか、そういつたようなことで現在としては違つて来ております。前の表でございます。
#38
○委員長(楠見義男君) こつちの方が正しいわけですね。農地関係公共事業災害復旧費調の方が正確なわけですね。
#39
○説明員(川名進一君) そういうわけでございます。
#40
○委員長(楠見義男君) 農地関係公共事業災害復旧費調というこの表をちよと説明して下さい。
#41
○説明員(川名進一君) 一番左の災害区分、これは昭和十八年災害以来の農地関係だけでございますので、十八年災害以来の全部をここに挙げてあるわけであります。そうしてその中の二十四年災害のところには直轄の二億二千四百三十二万七千円というのがございますが、従来は直轄の災害はありません。二十四年の国の直轄の災害がここに出ております。これはさつきの説明の際の国の補助金の場合と同じ数字になつております。それで一番左の復旧総事業費、二番目の国庫補助金、これが総事業費に対する国の負担する経費であります。そうしてそれが総額で三百七十一億五千三百九十四万二千七百九十円となつております。その内訳を申しますと、次の表の二十四年度迄国費認証額この欄の上と下と両方になつております。上がちよつと見にくいのでありますが、復旧事業費であります、その下の括弧が国の経費であります、つまりこれが補助金であります。それからその次の欄の二十五年度予算と申しますのはやはり上が復旧事業費で下が補助金、こういうことになつております。この二つの欄を足しまして一番左の国庫補助金から引きますと、それが二十六年度以降に残るわけであります。そうして二十六年度以降に残るものが合計としまして百九十万七千八百四十六万二千円つまり二十五年度の予算を引いて、来年度以降に残るものが補助金としてこれだけつまりこれだけの経費を支出しなければならない、こういうことになつております。それからその次の二枚目の方は、これは上の表が総括表でありまして、次の表が農業用施設とに分けた内訳の表であります。
#42
○委員長(楠見義男君) 一番上が総括表なんでございますね。
#43
○説明員(川名進一君) そうでございます。それから一番最後が林道関係、それから漁港関係もやはり同じような書き方になつております。
#44
○委員長(楠見義男君) 二十六年度以降分というのは補助をする上において、補助を受ける団体に対して約束をしておるのですか。
#45
○説明員(川名進一君) これは約束はしておりませんが、台帳に計つておるわけです。これは必要額を査定いたしまして台帳に載つているからどうしても補助の対象になる、こういう数字でございます。
#46
○委員長(楠見義男君) 予算が、必要な予算が取れなければ、段々と送つて行くわけですね。
#47
○説明員(川名進一君) はあ。
#48
○委員長(楠見義男君) 水産専門員の林でございます。委員長が出て御質問する予定でありましたが、私が代りまして二、三点質問いたしたいと思います。これは大蔵委員会で御質問申上げるのが本筋であるかも知れませんが、水産関係と密接の関係がありますので、農林当局からも御答弁を頂きたいと思います。それは只今大蔵委員会にかかつております昭和二十五年度における災害復旧事業費国庫負担の特例に関する法律案というのが出ております。一口で言えば、一般土木費の災害復旧費は全額国費で負担するという建前の法律でございます。これは私が申上げるまでもありませんが、シヤウブ勧告の線に沿うた法律でありますが、同じ性質の法律でありまして、片方の一般土木に関する費用は全額国庫で負担する、但しこれは昭和二十五年度の臨時のものでありますけれども、そういう方針の法律案が出ているわけであります。私の聞くところによりますと、更に二十六年度以降もこれを実施して見て、その結果によつてシヤウブ勧告の線に沿うて全額を国庫で負担して行くという方針で進められるようであります。ところが本日御提案になりました農林水産業施設災害復旧事業費国庫杯助の暫定措置に関する法律案、これは根本の建前はどこまでも一部分を国庫補助でやるという従来の建前と全然変つておらないと思います。私がこのことを申上げますのは、つまり農林水産業が将来損をするような結果に陥るのじやないかという一つの懸念をいたしますので、特にお考えを聞いておきたいと思いますがつまりこれは一面から考えますというと、現在の予算の枠内では、成るべく工事面積を拡めて行くという建前から、こういう一部分国庫負担という御方針をとつて御提案になつたかと思いますが、結局一般の土木費はシヤウブ勧告の線に沿うて建設省から全額国庫負担で施行するという案が出ておるわけであります。農林水産に関してはどこまでも一部分の国庫補助で行く、漁港にしましても、或いは林道にいたしましても、用排水、河川にしましても、全額国庫負担で施行して貰うということは、恐らく万人の要望であろうと私は思います。そこでこういうふうに二つの違つた建前で出されておりますのですが、又農民、漁民の損をするような結果に陥らなければ、私はそれでいいと思いますが、若しそういう結果に陥るようなことがあれば甚だ面白くないのであります。同じ政府から出されておりますのに、建前が二様になつておりますのですが、それについてどういうふうなお考えをお持ちでしようか、その葉をお伺いいたします。
#49
○政府委員(山添利作君) 先ず最初のシヤウプ勧告に対する態度ですが、率直に申しまして、シヤウブ勧告の全額国庫折担ということにつきましては、農林省も建設省も反対なのでありまして、その理由は申上げるまでもなく、ああいう原則を立てるといたしましても、国の財政上の状況によりまして、金額というものはどうせ限定される。そういたしますれば仕事ができない、災害復旧が延び延びになるというので、原則的に皆反対なんでありますけれども、シヤウプ勧告がとにかく何とかやらなければならんというので、二十五年度に出る臨時的な措置としてああいうことになつたわけでありまして、これが二十六年度以降にどうなりますか、政府の態度はやはりやめたいということだと思います。やめることになると断言することはできませんけれども、尚それでは二十五年度において同様の歩調で行つたらいいじやないかということにつきましては、農林関係におきましては、ここに受益者というものがともかくある。灌漑、排水の大きい施設、ちよつと見ますると川と選ぶところはないのでありまするが、その雑持管理は団体が任じておりまするし、受益者がある。そこでこれは全額国庫折担というような中に入れることにつきましては、河川や道路とは又違うというので入れなかつたのであります。そこで御承知のように、地方財政委員会というものができまして、国の事業と地方公共団体の事業の区分、並びに国と地方との経費の負担の区分、或いは負担の割合かようなことを根本的に検討いたすことになつております。その事柄は、自然災害につきましても検討されることになつております関係上、この法律案の題名も暫定措置に関する法律案、こういう名前が付いておる、こういう状況になつておるのであります。
#50
○専門員(林達磨君) 私のは、要するに農民諸君、漁民諸君が損をするようなことさえなければそれで結構だと思います。更に只今の土木関係の全額国庫負担という昭和二十五年度における災害復旧事業費国庫負担の特例に関する法律案の第二條第一項第五号として挙げてありますところの港湾、港湾の災害復旧費は、全額国庫で負担するという建前がとられておると思いますが、港湾と漁港というものとは、殆んど同じようなものでありますので、漁港の災課復旧費も全額国庫で負担されるのが当然じやないかと私共思うのでありますが、その港湾という中には、漁港も包含しておるというふうなことを小野政務次官が御答弁になつたというふうなことを私開き及んでおりますが、その点、農林省との間にどういうお話合があるのでありますか。更に私共は、先般漁港法が成立をいたしております。従来は漁港法はございませんでした。従つて港湾という言葉の中に漁港を包含されましても、敢えて奇とするに足らなかつたのでありますけれども、先般漁港法ができておりますので、従つてここには港湾の次に、当然漁港という言葉を加えられるのが至当であると私共考えております。ただ会期切迫の折で、修正ということもなかなか困難であろうかと思いますが、この漁港も同様に港湾の中に入れて、この二十五年度に関する限り、災害復旧費は全額国庫で負担するという話合がついておりますかどうかその点をはつきりと御答弁を願いたいと思います。
#51
○説明員(太田國宏君) 只今お話の全額国庫負担の問題につきましては、この法律が成立しますと同時に、大蔵省、経済安定本部、農林省三者におきまして、覚書を取り交し、漁港もこの法律に合致するものについては、全額国費を以てやるということになつております。御了承を願います。
#52
○専門員(林達磨君) この法律に合致するものというと、漁港としてはどういう程度のものを包含すると考えていいのですか。
#53
○説明員(太田國宏君) 地方公共団体が維持管理しているもので、当該地方公共団体、即ち市町村以上のものが施行するものということになつております。
#54
○専門員(林達磨君) この農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律案の中から拔き出して考えますというと、漁業協同組合あたりが漁港、船溜りの施設をするという場合のみを除いて、市町村、県あたりが施行するものは全額国庫で負担する、こういうふうに了解してよろしうございますか。
#55
○説明員(太田國宏君) 特例法によりまして、地方公共団体が維持管理並びに実施するものにつきましても、特に公共性のあるものとかいう限定を一部受けるのじやないかと思つております。例えば漁港につきましては浚渫工事のようなものを従来相当やつておつたのでありますが、これは今度の法律によりますと、維持的の工事につきましてはむずかしいのじやないかと思いますので、そういうものが一部分全額国庫負担には入らないと思います。その他においては、大体全額国庫負担として取上げられるのじやないかと思つております。
#56
○専門員(林達磨君) 大体はつきりいたしたいと思いますが、更に南海震災の表のところに水産の漁港関係は挙げておらないわけでありますが、それにつきまして、先程委員長から御質問があつたのでありますが、その御説明によりますと、従来の率に更に県への補助があります、要するに統計して、漁港は十分の七という数字になるのだから、特にここに載せなかつたというお話でございましたが、そうするというと、南海震災の復旧費というものは、漁港に関する限り、全然今日まで認めていなかつたわけでありますか。
#57
○説明員(太田國宏君) 南海震災によりまする災害がありましたが、これが昭和二十三年度までで、地震直接のものにつきましては殆んど工事が終つているのであります。それで二十五年度におきましては、南海地震によりまする地盤沈下という問題が残つておりますが、これは従来十分の六・五を補助しておつたのであります。今回十分の四・五、これは市町村或いは漁業協同組合のものでありますが、これに対して県が二・五を持ちますから大体十分の七、従来の率と大体変らなくなるのであります。
#58
○専門員(林達磨君) もう一つ、只今のお話でございましたけれども、水産のお話でございましたけれども、水産委員会には南海震災関係の地方から、漁港の改修、復旧、修築について頻々と陳情請願が参つておるわけでありまして、沈下とか或いは隆起などの関係でまあ四尺も沈んだ所もありますし、二尺も上つた所もあるといつた工合で、各地方の漁港は相当ひどい影響を受けておるようでありますが、只今の御説明で大体分りましたのですが、更にもう一つ南海震災の関係で私共は今まで聞いております範囲では、ここに高知、和歌山、徳島、三重、香川とありますが、愛媛県が一番深刻な打撃を受けておるようでありますが、愛媛県についてここに全然挙つておりませんのは、どういうことでありましようか。
#59
○説明員(川名進一君) これはその当時はここに書いてある各県だけは取上げられたわけでありますけれども、その後も南海地震によつて地盤の沈下、或いは高潮とか、そういつたものが起つて来ました。でこのときに取上げられなかつた愛媛県あたりのものについては、その次の地盤沈下で取上げておるわけです。尚その後にも地盤の変動とかいうことでいろいろ排水の不良とか、そういうことが起つて参りましたので、昭和二十四年度から高潮の災害としてそれを又取上げておるわけです。
#60
○専門員(林達磨君) もう一つ、先程の南海震災関係で、漁港に対して十分の七の補助があるということ、これが建前になつておるようでありますが、只今申上げました一般土木関係の二十五年度の全額国庫負担というこの法律が通つて実行されますれば、当然先程の御答弁で、この震災関係の漁港も上げて二十五年度に関する限りは百パーセント国庫負担で行けるということになるでありましようか、二十五年度に起つた災害でなければ、これはいかんということになりましようか、その点をお伺いいたしたい。
#61
○説明員(太田國宏君) 二十五年度に実施するものについては全部適用されると思います。
#62
○専門員(林達磨君) そうしますと、つまり震災関係で現実にやらなければならん漁港が大分沢山あるようですが、それを二十五年度に実施します場合には全額国庫負担でやつて頂けるわけでしようか。今の御答弁ではそういうふうに了解していいように思いますが、如何でしよう。
#63
○説明員(太田國宏君) 現在決つておりまする予算でありまして、二十五年度に新らしく発生する災害復旧につきましては、これは改めて予算を要求しなければならないと思いますが、これはどういう工合に要求するようになりますか、二十六年度予算ということになるのじやないかと思つております。
#64
○専門員(林達磨君) 有難うございました。
#65
○委員長(楠見義男君) 更に外に御発言をお願いいたします。
#66
○加賀操君 先程から聴いておると少し疑問が起つたのですが、第一條及び第三條の事業を行う者というのですが、この範囲を少し明確に御説明を願いたい。
#67
○説明員(川名進一君) これは農地関係につきまして私からお答えいたしますが、これはいずれ政令、省令の中にも明確に書くわけでありますが、大体土地改良法に書いてありますのと大体同じでございまして、都道府県それから市町村、それから土地改良関係、それから現在の耕地整理組合、水利組合、それから農業協同組合、まあそういつたようなものが大体やることになつております。
#68
○委員長(楠見義男君) 今の一條の問題に関連して、先程お話になつた今回から国が、直接事業を行う者に補助金を交付すると、こう言つておるのですが、団体の場合には後にもあるように地方の公共団体が助成をするということを條件にしてやつておるのですが、その場合には結局府県の補助金と国の補助金が合せて事業者に行くということになるから、結局やはり直接ではなく、経由をして行くことになるわけですね。
#69
○説明員(川名進一君) さようでございます。
#70
○加賀操君 答弁は一人ずつになつておりますようですが、林業の方とか、水産の方とか……林業なら林業となると一々別々に聴かなければならんのですか……
#71
○説明員(太田國宏君) 水産の方は都道府県、市町村、それから水産業協同組合がその事業主体になります。
#72
○委員長(楠見義男君) 林業は……
#73
○説明員(前田長久君) 林業を申上げます。林業の方は主体が大体森林組合、それから市町村営並びに県営でございます。
#74
○加賀操君 第二條に「農地」、それから同條二項に「林地荒廃防止」というのがあるのですが、一方は「農地」とはつきり書いてありますし、一方林地の方が拔けておるのですが、林地の方は林地が決消したり、災害にかかつた場合に対象になるのですかどうですか。
#75
○説明員(前田長久君) この林地の方ですか、林地の方は施設の方で「林地荒廃防止施設」にかかわるものだけをこの法律案に挙げております。
#76
○加賀操君 では二條の四項ですが「災害」というのがありますが、ここにいろいろな災害の種類を書いておりますが、「その他の異状な天然現象」というのですね、いろいろ種類があると思いますが、この「異状な天然現象」の中に大体どんなものが入つているかお伺いします。
#77
○説明員(川名進一君) 異状の中には大体今まで考えておりますのは地滑り、それから融雪、それから旱魃、まあ地盤の変動も大体地滑りと似たようなものだと思いますが、大体そんなところでいいんじやないかと考えております。
#78
○加賀操君 大体分りましたが、緩漫な継続的な地盤の沈下、及び上昇、それから海岸が段々に浄い去られる、こういう場合には含まれるか含まれんか。二番目に炭鉱の抗道の地表が陥没する場合、三番目鉱毒、鉱害は入りますか入りませんか。
#79
○説明員(川名進一君) 緩漫な変動と申しますのは実はこの中に入れておらないのでございます。天然の災害で防ぎようがないというような、そういつたようなものを考えておりますが、つまり今考えております中の地盤の沈下とか、高潮とかいうのは、昭和二十一年の南海の震災を契機として起つたというようなところから鉱毒、鉱害の方はこれは別の法律で考えております。炭坑の陥没も別な法律で考えております。現在提案されております特別鉱害の方で考えております。
#80
○加賀操君 今提案中の法律が通らない間はどうするのですか。
#81
○政府委員(山添利作君) この鉱業を原因として起ります災害につきましては、元来鉱業法によりまして鉱業権者が損害賠償をすべきものです。従つてそういう業務がありまするので、この法律によりまして直ちに国が補助するという建前を取つておらないのです。併し事実問題として鉱業権者がない場合が非常に多い、或いはありましても特別鉱害の対象になつておりますように、事実上できない、こういう場合があります。そこでそれにつきましてはこの法律の規定にはよらないで、法律外で国が助成する、こういう建前でありまして、これは現にそういうふうにやつておりますことは将来もその方針は変りはございません。
#82
○加賀操君 それから第三條へ参りまして、予算の範囲で補助することになつておりますが、予算の範囲ですから、若し非常に災害が多く起つた場合などにおきましては、予算が殖えなかつた場合には個所を減らすか、補助率を下げるか、事業の分量を少くするか、延ばすかそれ以外に方法はないのですが、そういう場合にこの法律で決めてある補助率は動かしませんか、又余りに事業分量を縮小すると、やつても何にもなりませんが、そういう点の御意見を承わりたいと思います。
#83
○政府委員(山添利作君) これは「予算の範囲内」とは書いてございまするが、全体の法案の趣旨といたしましては、ここに書いてあります補助費用を以て国が助成を必ずするという趣旨なのであります。ところがそう言いましても、これは一年でやるか、二年でやるか、或いは五年でやるか、結局いろいろのケースをお述べになりましたが、財政の事情によりまして延びるという結果になるわけであります。
#84
○加賀操君 第三條の原形に復旧するのが都合が惡いという場合に、その耕地等を放棄して換地して行く、こういう場合にそれをよくするための経費を差引いた額に対しては出さん、こういうことになつておりますが、例えば農耕地について言つた場合に、新らしい未墾地を拓いた、こういう場合にその他の補助金は差額がある場合には貰えるわけなんですか。
#85
○政府委員(山添利作君) 耕地についてはその耕地を捨てて他に開拓をするという場合におきましては、現在の事情におきましては開拓は開拓としてのやり方をいたしておりまするので、換地を以てこの法律を適用して行くという考え方はいたしておらないのです。ここに書いてありますのは、堰が三つ四つ流れた、これを統一してコンクリートで立派なものにしようじやないか、こういうようなことを考えておるわけであります。
#86
○加賀操君 三條の一項に、「事業費」とありますが、これは従来通り事務費を含んでおると思いますが、如何でしよう。
#87
○説明員(川名進一君) これは事務費と申しますか、工事経費は含んでおります。
#88
○加賀操君 工事雑費というのがよく分らないんですが、……
#89
○説明員(川名進一君) つまり工事をやるについて必要でございます。
#90
○岡田宗司君 そうするところの資料によりますと、前には事務費が十分の六・五とか、十分の五とか或いは十分の八・五あたり事務費が出ておるのが、これはなくなつてしまうんですか。
#91
○説明員(川名進一君) これは従来は府県が一切合切やつて、そうしてつまり事業者には工事費に対する補助だけやつておつたのです。そうして知事の責任において一切やつておつたので、それに対して今まで事務費を十分の六・五とか出して来たわけです。今回はそれが変りまして、事業者に対して補助するということになりますので、地方の県に対する指導監督費は別になります。
#92
○岡田宗司君 そうすると、それは法律では規定していないのですか、その事務費の分は……
#93
○説明員(川名進一君) これは六條には、その点については規定するまでに至らなかつたわけなんですが、併し出すということは認めておるわけです。
#94
○岡田宗司君 そうすると、法律によらない支出ということになるのですか。
#95
○委員長(楠見義男君) 従来通り補助要綱で行くというのでしよう。
#96
○岡田宗司君 そうすると、補助要綱はそのまま残るわけですか、その部分だけ……
#97
○政府委員(山添利作君) 従つて、この法律ができますれば、災害復旧の事務を取扱う、或いは監督するための府県の事務費に対する補助という要綱が出るわけでございます。その又どれだけ出すかということにつきましての率は、まだ決つていないので、目下折衝中であります。
#98
○委員長(楠見義男君) 先程最初に川名君からお話があつた地方のクラスに対する法律上の義務付けですね、従来は任意というのですが、従来も補助の場合にはそういう條件を付けておつたのでないですか。
#99
○政府委員(山添利作君) いや付けてありません。
#100
○委員長(楠見義男君) そうすると、地方の負担は、この法律が通ることによつて従来よりも負担が増すということになりますか。
#101
○政府委員(山添利作君) 工事費については、そうなりますね。外の公共施設については実際上付けておりますから……
#102
○委員長(楠見義男君) そうすると、現実に補助については、補助率が従来と変らない。まあ先程の條項の場合は別ですけれども、大体例えば農地については従来も十分の五、そうすると今度は地方公共団体に対する義務付けをしておるから、補助を受ける方はそれだけ殖えるわけです。
#103
○委員長(楠見義男君) こういう費用は、地方自治法との関係はどうなるのですか。こういう負担業務は、これはもうかけつぱなしで、地方自治法の方には関係なくてよいわけでしようか。
#104
○政府委員(山添利作君) これは法律によるのですからよいのです。
#105
○岡田宗司君 どうも先程から私聞いておつて、腑に落ちないのは、この六條の費用は今度は計上するに至らなかつた。そうして別に補助要綱を作ると、こういうことになるのですが、一体又今度地方財政平衡交付金で以て、前よりも沢山費用も入るし、地方税も余計取れて、地方財政は豊かになる。一々府県だのその他に対して、こういう事務費のようなものを出さないでもよいのではないですか、大体こういう費用が要つて、相当なパーセンテージの計上がなされておるのですが、果してこれが事実上事務費として使われておるのかどうだか分らないので、そういうものは府県に任せておいたらどうなんでしようか。府県だつて災害が起れば、何とかそれくらいのものは捻出してやるだろうと思うのです。事務費まで、一体補助の必要があるかどうか。むしろ事務費に補助する分があれば、事業費に補助した方がよいのではないかと思うのですが、その点どうでしよう。
#106
○説明員(川名進一君) それは十分の六・五と言いますけれども、実際従来やつておつたのは、工事費の六・五%に対してやつておつたわけですから、その六割五分を補助しておつたわけです。ですからかそれ程の数ではないわけです。而も百姓は、設計とか、そういうことは殆んどできませんから、設計から監督まで殆んど県でやらなければならんわけです。そういう技術者も置かなければならんわけです。
#107
○岡田宗司君 それだから、そういうものは県費や何かで賄えないのですか。毎年々々とにかく災害があつて、県の方では恒常的にそういう人を置いておるのだろうと思うのですが、そんなものをわざわざやらなくたつて、それほどの額でないならば、一々事務費というものはやらないで済むのではないでしようか、どうでしよう。
#108
○説明員(宮下好男君) この地方事務費の問題でございますが、只今の御質問は誠に御尤もと思いますが、この地方事務費につきましては、従来はこれは県に一括して国が交付したわけでございます。そうして一括して交付したものを、県が更に精算補助と決算補助によつて、各公共団体とか、或いは組合というものに交付しておつた関係上、県はすべてこれに対する指導、設計、監督、検査事務、それぞれの仕事がありまして、それに要する地方事務費としまして、国がこれを交付しておつたのでございます。而も県は、災害復旧という仕事は外の仕事とは違いまして、臨時に起る仕事でありまして、通常県に一定の仕事と、一定の職員がおりますけれども、災害というものは天然災害でございますから、御承知の通り一年に何回でも災害が繰返して起るというような場合には、相当これに、対する事務費は必要になつて来るわけでございます。その費用を今までは出しておつたのでありまするが、この法律といたしましては、この地方事務費の問題が実は入つておりません。併しこの地方事務費としては、別途の方法での地方事務費を出そうじやないかということに一応大蔵当局或いは安本等で協議の結果、そういうふうに決つておるのであります。それにつきましては、将来のこれは見通しでありますけれども、平衡交付金が本年度は一千五十億ですか、そういうものによつて将来出したいという方向に進んでおるわけでありますが、それはどうかといいますと、現在は補助職員ということになつておりますけれども、どうも補助職員ということでは、事業が縮小されれば整理されるというような一方に懸念があります。而も、一方県におる職員というものは、やはり自治機関として、立派な職員としてその仕事をやつておるのでありますから、少くとも補助職員ということでなくして、一般の県の職員と同じような経費の支出の方法によつて賄つて行くということが、理論に合つておるのではないかというふうに考えられるのでありますが、そこで今後は、この地方事務費というものは段々少くなる傾伺にあつて、少くとも今後は平衡交付金というようなものによつて行くようになるのではないかと、こういうふうに考えておるのでございますが、とにかくこの法律といたしましては、今年は取敢えずこの條文からは地方事務費というものを取つておりますけれども、これはもう別な方法で、先程局長から申上げたように、別途に行くことになつておるのであります。この地方事務費は、そういうことになつておりますから、直ちに今これをなくするということはちよつと困難だろうと思います。而も県の方からは、地方事務費は現在交付金にも入つておらない、それから又自治庁においても、平衡交付金には本年度は補助職員関係の地方事務費は入つておらないから、従来通り出して貰いたいということを言つておるのでございます。そういう関係上、別途の方法で今年度は出して行きたいと思つております。以上であります。
#109
○委員長(楠見義男君) それから川名君にちよつとお伺いいたしますが、附則の八割とか九割の関係と、それから、五條の九号の関係なんですが、南海震災のものは三條の除外例として附則で決められておりますね、率に関する限りは……併し五條の関係においては特例を認められておらないのだから、こういう條件が附くと結局南海震災については全額国庫負担ということになりますか。
#110
○説明員(川名進一君) 農業用施設だけについてでございますね、本年度で終る見込でございますからそういうことになります。
#111
○委員長(楠見義男君) これは今までよりもいいわけですな。
#112
○説明員(川名進一君) そういうことでございます。今までよりも地方の負担だけいいと思います。
#113
○岡田宗司君 三條の二項ですが、補助率が非常に違うんですね、十分の五、十分の六・五というのも又外のところへ行くとそれと違う補助率がある。これは何か根拠があるのですか。こういうふうに農地に係るものは事業費の十分五、農業用施設に係るものは事業費の十分の六・五、何か根拠があつてこういうふうにパーセンテージが違うんですか。
#114
○説明員(川名進一君) これは根拠といえばないでもないのですが、大体従来のものを踏襲しているわけです。
#115
○岡田宗司君 こういうものは、災害によつて壞れて困る度合は同じだろうと思うんです。困る度合が同じならパーセンテージを同じにしたらよさそうに思うのですが、これは何ですか、同じにはならんですか。従来の通りのものを続けて行くだけが能じやないと思うのですが、少くとも今度国庫で以て災害復旧は大いにやるんだというんであつたら、これはパーセンテージを何か揃えるようにしたらどんなものかと思うんですが、どうでしよう。
#116
○政府委員(山添利作君) この十分の五、十分の六・五、又は三分の二、三分の二というのは十分の六・五と違わないんでして、この違いは農地、或いは林道、こういうように当事者負担的な色彩の強いものですね。それと公共性の強いものとを区別しておるわけなんでありまして、林地の荒廃防止施設は公共的、林道の方はこれは農地より公共的ですけれども、まあ荒廃防止施設と比べれば、これは個人的だ、こういうふうに五割と十分の六・五と区別しているわけであります。十分の六・五と三分の二とは十分の〇・一くらいしか違わないのに、これは一緒にならない、これはどういうことかというと、これは誰でも下げるということには同意しない、さればと言つて上げるということは大蔵省の方がいけませんというわけで、従来通りにしているんですが、何かこれらのことにつきまして地方財政委員会等で国の負担、地方の負担その他区分原則が明確になりますれば、或いは統一される機会もあろうかと思います。
#117
○岡田宗司君 今の農地それから農業用施設に関するものの十分の五と十分の六・五の補助率ですが、農家に資本の蓄積が相当あるようなことであれば勿論いいんですけれども、御承知のような日本の農家の状態なんです。天然現象によつてひどい目に遭わされてなかなか起ち上れないのだから、成るなけ国家の方でも多少見てやる必要があるのじやないか。そういたしますと、これはやはり揃えて十分の六・五にしてやるというふうにした方がいいんではないかと思うんですが、そういうふうに御努力願えませんか。
#118
○政府委員(山添利作君) これは参考資料にもございますように、多年に亘つて十分の五として来たのであります。個人的なものと、公共的なものと幾らかそこに色彩の相違がありますということの外、実際工事をいたします場合に、農地に係るものは自家労力による点が非常に多いんです。堰なんか造りますのに請負業者にかかる金と、それから農地の場合の費用で、相当自分の負担でやるという場合とは、おのずからそこに経済的な相違があるというのでありまして、これを看取するということは非常にむずかしいと思うのであります。併し実際に当嵌めて見まして、農家の経済の状況とその負担という関係が、適切でなければならんわけでありますから、どうしても十分の五ではいけないということが明確になりますれば、当然それはこの補助率を引上げることに要求する場合もあろうかと思います。
#119
○岡田宗司君 第五條ですが、「左に掲げる災害復旧事業については適用しない。経済効果の小さいもの、維持工事とみるべきもの、明らかに設計の不備又は工事の施行の粗漏に基因して生じたものと認められる災害に係るもの、甚しく維持管理の義務を怠つたことに基因して生じたものと認められる災害に係るもの、災害復旧事業以外の事業の施行中に生じた災害に係るもの」いずれにしても災害が起つて、そこに大きな損害が生じたことは明瞭なんですが、そういうような原因があるということになると出さない。一体こういうような原因はどの程度のところからがその災害によるもので、どの程度がそうでないかということの判定ですが、これは一体何を基準としてやるのですか。
#120
○政府委員(山添利作君) これは一ケ所十五万円以上かかりますものは全部原則的に補助の対象になるのでありますが、第一の「経済効果の小さいもの」といいますは、この復旧に非常に多額の金を要する、ところがそれを復旧して見た結果の経済的価値は非常に入さいのです。とてもバランスが取れないというような場合、極端に申しますと農地が陥沒して海底になつた、これを復旧しようとする、これには大変な金がかかるのですが、そういうことはやらないという趣旨であります。そこで具体的にそれでは復旧工事の場合なんかにどうするか。これはやはり補助をする復旧費の額を五万円とか、六万円というもので切るんですが、実際には八万円かかるかも知れない。又百姓にして見ればそこまでやらんかも知れないが、併し国としては六万円なら六万円を基礎にして切つて置くということになるんですけれども、これは非常に極端な場合になれば当事者がやろうとしないということになるのでありまして、維持工事と見るべきもの、小さくて十五万円以下であれば問題はないのでありますが、十五万円以上の、水路の端つこが非常に延長が長く少しずつ石が崩れた、ちよつと直せばいいじやないか、こういうようなものはわざわざ国が、当然これは平生の維持管理としてやるべきことに属するのだから、その程度のものは助成はしないということであります。それから三番目と四番目につきましてはこれは具体的なケースにぶつかることは実際上は極めて稀であるが、こういうふうなことは主義として明確にしておきませんと、とかく放つておいてそのうち災害があれば何とか却つてよくなるだろうというような弊害の生ずることは防止したい、こういうわけであります。
#121
○委員長(楠見義男君) ちよつと林野庁長官にお尋ねするのですが、專門員の方で、先程の説明で了解したところを私聞いて、ちよつと疑問に思うのですが、この点お伺いするのですが、專門員の了解したのは林地の荒廃防止施設の新設の場合は本法で補助をし、林地荒廃防止施設が被害を受けた場合は、建設省関係か或いは他の関係で補助を受けるのだと、こういうふうに聞いたと、こう言つておるのですが、それは逆で、この一條に書いてあるように、林業用施設の災害復旧事業を行う者に対して補助を行うものであると、こうあるから、新設の場合の補助は別の法規か或いは要綱でやり、その林業用施設が災害を受けるときに初めとこの法律で補助を受けると、こうしないと法律の建前に合わないように思うのですが、その関係はどうですか。
#122
○政府委員(横川信夫君) 只今お話の点は專門員のお話の通りでありまして、この法律は新らしく起きました災害の復旧に隔助をいたします補助といたしまして、既設施設の例えば堰堤でありますが、これが災害を受けました場合には全額国庫負担の措置がよろしかろう、こういうことであります。
#123
○岡田宗司君 これはちよつと坂本政務次官にお伺いしますが、これは農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律案なんですが、この国庫補富の暫定措置に関する、暫定措置というのはどういう意味ですか。
#124
○政府委員(山添利作君) これは御承知のように地方財政委員会というものができまして、国の行う事務、地方団体の行う事務、国の負担する経費、地方団体の負担する経費、或いはその相互の負担割合、これらの根本原則を再検討するということになつておりますので、災害についても自然そういうところで検討をされる。それによりましてこの法律に書いてありますことと違つた結論が出ますれば、それによつて直して行く。その根本方針が決るまで先ず現状でやつて行く、こういう意味で暫定と書いてあるわけであります。
#125
○委員長(楠見義男君) ちよつと大野庁長官に伺いますが、この法律の目的に謳つておりますように、林業用施設及び漁議施設の災害復旧事業を行う者に対して補助を行う、こうなつておりますが、第二條の二項に「この法律で「林業用施設」とは、」云々、その中で林地荒廃防止施設、こうなつておるわけですね、従つてこれから又第一條に戻ると、その林業用施設即ち具体的に言えば林地荒廃防止施設の災害復旧事業を行う者に対して補助をする、こうなるので新設というのはこれに含まれないように思われるし、又若しそういうものを補助するということになると、この法律の目的と違つたように解されるのですが、その点はどうでしようか。
#126
○説明員(前田長久君) 林地の荒廃防止施設は、林地の保金又は災害防止のために溪間及び山腹の施設、それから潮害防止又は飛砂止のための海岸保安施設、こういうような施設の場合でありまして、林地の方には適用しないのです。
#127
○委員長(楠見義男君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#128
○委員長(楠見義男君) 速記を始めて。
#129
○岡田宗司君 今のに関連してですが、林地の復旧はどうしてやらないのですか。例えばさつきのお話ですと、これが林業用施設だから林地の復旧はやらんことになつておる……
#130
○説明員(前田長久君) 林地は施設というふうに誤解を受けますので、林地というものは一応定義としては施設ではないということになつております。
#131
○岡田宗司君 農業の駄目になつたものには復旧するのに金を出す、林地の方はそれじや災害の復旧にはこの法律によつては金を出さないのですか。
#132
○説明員(宮下好男君) そういうことです。
#133
○岡田宗司君 林地は他の法律で出すのですか。
#134
○説明員(宮下好男君) 林地は別途に分けております。
#135
○岡田宗司君 それはどういう法律があるのですか。
#136
○説明員(宮下好男君) 法律はないのですが。
#137
○岡田宗司君 法律がなければ金は出せないことになる。やはりこれは農地、農業用施設、それから林地、林業用施設にならんと困るのじやないですか、例えば林地があつて、そこに林業用の施設がある。災害で林地も林業用の施設も駄目になつてしまつた。そうして林業用の施設だけ直してやつたつて林地を直す金がなければなんにもならん。これはやはり林地を入れなければ問題にならん。
#138
○説明員(宮下好男君) 林地は今検討しておらないのでございます。
#139
○委員長(楠見義男君) 速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#140
○委員長(楠見義男君) では速記を始めて下さい。大分御勉強頂きましたから、本日はこれで散会いたします。
 次は月曜日の十時から開会いたします。
   午後五時一分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     楠見 義男君
   理事
           羽生 三七君
          池田宇右衞門君
           石川 準吉君
   委員
           岡田 宗司君
           門田 定藏君
           深水 六郎君
           加賀  操君
           山崎  恒君
           岡村文四郎君
  政府委員
   農林政務次官  坂本  實君
   農林事務官
   (農地局長)  山添 利作君
   林野庁長官   横川 信夫君
  事務局側
   常任委員会專門
   員       林  達磨君
  説明員
   農 林 技 官
   (農地局建設部
   災害復旧課長) 川名 進一君
   農林事務官
   (農地局建設部
   災害復旧課)  宮下 好男君
   農 林 技 官
   (林野庁林政部
   林産課)    前田 長久君
   農 林 技 官
   (水産庁漁政部
   漁港課)    太田 國宏君
ソース: 国立国会図書館
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