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#1
第096回国会 農林水産委員会 第6号
昭和五十七年三月十七日(水曜日)
    午後五時八分開議
 出席委員
   委員長 羽田  孜君
   理事 加藤 紘一君 理事 亀井 善之君
   理事 戸井田三郎君 理事 渡辺 省一君
   理事 新盛 辰雄君 理事 武田 一夫君
      上草 義輝君    太田 誠一君
      岸田 文武君    北口  博君
      北村 義和君    近藤 元次君
      高橋 辰夫君    丹羽 兵助君
      保利 耕輔君   三ツ林弥太郎君
      山崎平八郎君    小川 国彦君
      串原 義直君    島田 琢郎君
      田中 恒利君    竹内  猛君
      日野 市朗君    水田  稔君
      安井 吉典君    吉浦 忠治君
      神田  厚君    近藤  豊君
      小沢 和秋君    藤田 スミ君
      阿部 昭吾君
 出席国務大臣
        農林水産大臣  田澤 吉郎君
 出席政府委員
        農林水産大臣官
        房長      角道 謙一君
        農林水産省農蚕
        園芸局長    小島 和義君
        林野庁長官   秋山 智英君
        林野庁次長   島崎 一男君
 委員外の出席者
        環境庁自然保護
        局企画調整課長 高峯 一世君
        文化庁文化財保
        護部記念物課長 小埜寺直己君
        農林水産委員会
        調査室長    小沼  勇君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月十七日
 辞任         補欠選任
  串原 義直君     水田  稔君
  寺前  巖君     小沢 和秋君
同日
 辞任         補欠選任
  水田  稔君     串原 義直君
  小沢 和秋君     寺前  巖君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 松くい虫防除特別措置法の一部を改正する法律
 案(内閣提出第三一号)
     ――――◇―――――
#2
○羽田委員長 これより会議を開きます。
 松くい虫防除特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田中恒利君。
#3
○田中(恒)委員 昭和五十二年に制定されました松くい虫防除特別措置法、本国会に相当内容の変わった改正案が提出をされておるわけですが、本法制定審議の過程で、一体この形で、これほど侵食をしておる松林をなくし得るのかどうか、こういう議論が当委員会を初め関係者の間でなされてきたわけでありますが、当時政府は、この特別措置法を通して、五十六年度には終息の状態に持ち込み得る、こういう言明をしばしばなされてまいったわけであります。しかし現状は、御承知のように全く拡大の一途をたどってまいったわけでありますが、この問題につきまして、本法の審議に先駆けて、私は、農林大臣がどのようにこの点について反省というか、お考えをお持ちであるのか、まずこの点を最初にお伺いをしておきたいと思うわけです。
#4
○田澤国務大臣 田中委員いま御指摘のように、松くい虫防除対策については、昭和五十二年以来、特別措置法のもとに鋭意努力をしてまいったのでございますが、昭和五十三年の夏のいわゆる異常気象によりまして、非常な予想外の被害を生んだということがまず第一でございます。一方、特別防除の実施の面で限界があった。空中散布に対するいろいろな限界があるわけでございまして、こういう点の問題だとか、それから通常伐倒駆除の効果にもやはり限界があった。というのは、いわゆる伐倒木の駆除処理その他が適切でなかったというような点もあるわけでございます。したがいまして、今回の改正案は伐倒、さらに破砕、焼却、加えて樹種転換だとか市町村段階での防除計画等を含めて、これまでしてまいりました経過をも反省しながら、新しい形で積極的に進めていこうというのが基本でございます。私たちは、そういういま申し上げた点を今後積極的に取り上げてこの松くい虫の防除に当たりたい、かように考えております。
#5
○田中(恒)委員 この法律の提案の際にもいまお話しのような趣旨が述べられておるわけですけれども、私は、どうも異常気象であるとか防除なり伐倒駆除の限界といった程度のもので、今日のまさに日本の松の四分の一がもう役に立たない、どこへ行っても茶褐色になってしまっておる、こういう状態があらわれているのに対して、それだけでなかなか理解しがたいわけであります。林野庁からいただきました資料を見ましても、この五年間に国の法律に基づいて最もたくさん空散を中心とする防除をやっておるのは岡山でありますが、この岡山県などは多少減っておるのですね。ところが、二番目に多いのは愛知県ですが、これはやはりふえておる。三番目は鳥取ですが、これもふえておる。山口が次に多いようですが、これは減っておる。減っておるところも多少はあるのですけれども、空中防除などを非常に熱心にやったところでも、減っておるというよりもどうもふえておるところの方がずっと多いわけですね。そういたしますと、これはやはり松くい虫というものをマツノマダラカミキリとマツノザイセンチュウの複合汚染であるという技術的解明に基づいて、動き始める夏前に空中防除でやってしまうのだ、こういうことだけではない。やはりわが国の森林をめぐる基本的な保育の問題、最近の労働力不足、手入れの放置、それに伴う樹勢の大幅な弱体化、さらに空散等をやった地区においては空散に伴う自然生態に大きな変化が見られるのではないかというような意見も出てまいっておりますし、松くい虫の発生地帯の土壌の酸性化の問題、これは大気汚染との関係があるのではないかという説もありまして、われわれもまだ十分に見きわめておりませんが、そういう総合的なもろもろの要因というものがやはりあるのではないか。こういう課題に対してこれまでどういう程度に取り組まれてきたのか、今後、この新しい法改正の中で、この五年間の、ある意味では失敗でありますが、この失敗の上に立ってどういう具体的な克服すべき内容を織り込もうとしておるのか、こういう点を改めてお尋ねをしておきたいと思うわけであります。
#6
○田澤国務大臣 具体的には林野庁長官に答えていただきますけれども、確かに松くい虫以外にいろいろな森林資源に対する変化等があると思いますけれども、そういう点についてはやはり総合的に対策を考えていかなければならないと思いますけれども、いままで進めてまいりました結果、松と病原体及びその運び屋という三者が複雑に絡み合っているということなんですね。そこで、まず松の抵抗力の強化でございます。これをまず考えなければいかぬ。ですから新しいいい松、強力な松をつくる。それからカミキリの駆除または密度の低下を図らなければいかぬ。それから枯損木内のマツノザイセンチュウの駆除をやらなければいかぬ。さらに松とカミキリの関係を断つ方法、松と線虫の関係を断つ方法、線虫とカミキリの関係を断つ方法、こういう形を具体的に進めていくことによって今後相当程度の成果を上げることができるものと私は考えております。
#7
○秋山政府委員 ただいま大臣が答弁を申し上げましたが、若干細かくなりますが重ねて申し上げますと、松の枯損の原因につきましては大気汚染等環境悪化の問題あるいはその他の原因で枯れるものもあるわけでございます。しかしながら、昭和四十三年以来林業試験場におきまして大型プロジェクトということで取り組んでまいった結果を見てまいりますと、地域、立地条件、林齢等、こういうものにかかわらず広域にわたりまして発生している激害型の枯損と申しますのは、やはりマダラカミキリの媒介するマツノザイセンチュウによるものであるということがはっきりされておりますので、私どもは、今回の異常な被害に対しましては、まずそれを終息型の被害に持っていくということに重点を置かなければならぬ、かように考えておるわけでございます。
#8
○田中(恒)委員 マツソマダラカミキリが運び屋になって材線虫をやらせていく、これはこれまで一貫して皆さん言っておられたことでありますし、私どももそのこと自体に一定の大きな要素があるということは理解をしておると思っておるのですが、しかしどうもそのことだけに目を向けている。その関係だけでは済まない、もっと複雑ないろいろな原因がある。そのことを放置しておると――少なくともいまのカミキリをなくしていくためには防除、しかもその防除は空中防除が最も効果的であるということで、これがほとんど中心になって取り組まれてきたわけですね。私どものところでもやりましたけれども、やっておるときはまあまあよくなるのですね。しかし終わりますとまた同じような状態になってしまって、視察なども行きますが、毎年毎年空中防除をやれば結果はいいと思いますよ。しかし、二回や三回やったのじゃまた必ずもとへ戻ってしまっております。ですから、そういう意味でも、私はもう少し突っ込んだ検討が必要ではないかと思っておるわけでありますが、特に、この空中防除をめぐりまして、自然環境あるいは社会的な環境に対する影響は非常に大きいということで、この法律が施行せられて防除が実施される地区ごとに相当いろいろなトラブルが起きましたですね。私どもの県でも大変な騒動が起きたわけです。また、防除自体も皆さんの方の当初予定していらっしゃったものが相当やれなかったというところのそういう問題も理由の一つになっておると思いますが、こういう防除に対する住民、関係者の不安、これは現実に昨日の参考人の意見の中でも出ておりましたように、動植物あるいは人体についてもいろいろな影響が出てきておることは事実であります。そういう問題などを含めて、新法というか改正法の中では、この防除に対する関係者の強い反対の意思あるいは動きをどういうふうに反映させられておるでしょうか、このことをお聞きしておきたいと思います。
#9
○秋山政府委員 まず、防除関係につきましては、予防としまして特別防除を行い、さらにこれに対しまして伐倒駆除をあわせまして終息の方向に持っていくというのがやはり基本だろうと思います。
 そこで、この空中防除の問題でございますが、これはやはり地域の住民の方々の理解が得られる見込みがあるものにつきまして私ども実際に行ってきたわけでございます。一部におきまして理解が得られずに取りやめたところもございますが、その点は私どもも十分認識しておるところでございます。今回の法改正におきましては、特別防除と同時に先ほど触れましたとおり特別伐倒駆除というようなものを具体的にかみ合わせまして総合的に対策を講じてまいりたい、私どもかように考えておるところでございます。
 なお、特別防除を実施するに当たりましては、現在の特別措置法におきましてもそうでありますが、それぞれの都道府県に松くい虫防除推進連絡協議会というのがございますし、さらに地区ごとには説明会を行うとか、あらゆる方法をとりまして地域の住民の方々の御理解と御協力を得てやってまいっておるわけであります。法律におきましても、基本方針でそれに対しましてははっきり決めておりますし、第八条におきましても、この取り扱いにつきましては十分慎重にやっておりますので、今後とも薬剤の安全使用、危被害の防止対策につきましては、徹底的にやってまいりたい、かように考えておるところであります。
#10
○田中(恒)委員 きのうも参考人の意見あるいは質疑の中で問題にされたわけでありますけれども、やはり空散をやってはならない地域というものがだれが考えても常識的にある。学校であるとか貯水池であるとかあるいは住宅街の密集地帯であるとか、現実にそういうところはまたやれもしてないわけです。だから、そういうところは空散の対象にはしないということをもうきちんとあらかじめお決めになったらどうか、こういう意見を持っております。あるいは住民の意見をよく聞くということでありますが、そのトラブルの起きました地区の住民の皆さんは、意見をなかなか聞いてくれないということに実はなっておるわけであります。そういう意味ではこれらの問題も、特に空散でありますから、常識的に考えまして人体なり関係動植物なりあるいは地域環境に相当な影響を与えることは事実でありますから、これは法律的に話し合いの同意が必要である、こういう形で
 この五年間の、ある意味ではこの問題の最も大きなトラブルの内容であったと思いますが、そういう点をきちんとあらかじめお決めになって出されたらいかがかというふうに考えておりますが、この点について御意見はいかがでしょうか。
#11
○秋山政府委員 先ほど申し上げましたが、特別防除を実施するに当たりましては、法律の第三条の規定によりまして基本方針が定められますが、その段階におきまして、貴重な動植物の生息地においては実施しないこと、それから薬剤の飛散あるいは流入によりまして周囲の環境に悪影響を及ぼすおそれのある場合には、環境の保全等に必要な措置を講じて実施すること、またそれができない場合には実施しないことなどと、自然環境あるいは生活環境に対しまして特別の防除の影響には相当配慮した基準を定めて実施しておるところであります。したがいまして、法律上特に御指摘のような規定を置く必要はないものと考えております。
 なお、環境保全等に必要な措置を講ずるならば特別防除が可能であるにもかかわらず、法律上一律に一定の禁止区域を設けるということは、禁止区域の定め方のいかんによりましては必要かつ適切な防除が困難になる場合もあるのではないか、かように考えておるところであります。
#12
○田中(恒)委員 いま最後に言われた必要な防除が困難になるというそこのところが中心になって空散の問題が相当大きな比重を占めて進められてきたし、これからも進められるのじゃないか、私はこんな感じがいたしておるわけです。
 きのうも、はっきり割り切らなければいけない、選択の問題だという議論がありました。確かにそう言えばそういうことでしょうけれども、空中防除で一〇〇%松の枯れていくのをとどめ得るということが証明されれば別ですが、この五年間の反省の上に立つと、どうも空散だけではとまらない。現実にどこもとまっているところはない。こういう実情であるだけに、住民の反対の意思を無視して――これは、おたくの方は、いろいろ事前に話をして協議会などで納得を得ると言われておるのですけれども、現地の関係者に聞くとなかなかそうは言わない。お役所の力でわれわれの反対を押し切ってやってこういうことになりました、こういう声が私どもにはたくさん届けられているわけであります。ですから、この問題については後でまた各委員からの御質問もあると思いますが、私は自分の意見としてこの点を申し上げておきたいと思います。
 この特別伐倒駆除命令の問題は、確かに改正案の一つの大きな内容であるし、われわれもやはり伐倒が最大の松くい虫退治の決め手だというふうに思います。そういう意味では非常に大きな期待を持っておるわけでありますが、この駆除命令というものはどういう状況、どういう背景の中で出されていくのか、発動の理由をまず明らかにしていただきたいと思います。
#13
○秋山政府委員 ただいま先生のお話の特別伐倒駆除命令でございますが、これは被害の程度が高い松におきまして徹底的に駆除を実施しようとする場合にきわめて有効な方法だろう、私はかように考えておるところであります。しかしながら、被害木そのものを破砕、チップ化するとかあるいは焼却するということを命ずるわけでございますので、これは普通の伐倒駆除以上に森林所有者の私権を制限するというわけでございます。私どものこの命令の対象になります森林は、法律にもありますが、保安林等の高度公益機能を持っております松林とか、あるいはこれから先に被害を拡大することは非常に問題であるというふうな被害拡大防止松林、こういう松林におきまして一定の被害率を超えた被害が発生した場合におきましてこの特別伐倒駆除命令を発する、こういう考え方でおります。
#14
○田中(恒)委員 この特別伐倒駆除で破砕なりあるいはチップ化といったようなことが考えられておるわけですが、考え方としてはどうなんですか。やはりそのところどころの状況によって焼いてしまったり、あるいは破砕してしまったり、活用するものはチップにしていく、こういうことですか。
#15
○秋山政府委員 先生御指摘のように、やはり貴重な木材資源を有効活用するということはきわめて重要でございますので、できるだけチップ化等によりましてそれを資源として活用する方向で考えております。
#16
○田中(恒)委員 これは林野庁でわかると思いますが、いまチップ、特に、ほとんどが外国から入ってきておると思いますが、外国からの輸入チップの価格の最近の動向についてちょっとお知らせいただきたいと思います。
#17
○秋山政府委員 輸入チップの価格、それから国内産チップの価格の関連でございますが、昭和五十四年四月以降は若干需給が逼迫いたしまして価格が上がったわけでございますが、昨年の後半から需要が大分減退いたしまして、国産材チップの価格も実は軟化してまいっております。五十六年で見てまいりますと、国産材の針葉樹のチップは立米当たり八千百円でございます、輸入は一万二千二百円ということでございまして、輸入材の方が高うございます。
#18
○田中(恒)委員 松くい虫の問題は、やはり枯れた松を所有者なり、今度市町村が自主的な防除計画を立てるということもあるわけですが、昨日の参考人の意見の中にもありましたが、やはり枯れた松をなくしていく、こういうものが出なくては、これほど蔓延してまいりますと簡単なことで処理はできないと私は思うのですね。そのためにはやはり多少でも切れば切り賃――切り賃とまではいかなくても、何か経済的なものにならないとしようがないわということで見逃すというか、松林を眺めてしまって被害が広がる、こういうことになっておるわけですね。ですから思い切って伐採をすることによって、伐倒することによって、経済的な価値というかある程度の採算が成り立つような状況をつくるという点についてむしろ林野庁は力を入れるべきじゃないか。たしかいまこのチップは日米の十年計画ごとの更新でアメリカから相当入ってきておる。しかも価格は、いまお話があったように国内産のチップ材に比べて輸入チップ材は三、四割値段が高い、そして、いまアメリカから入ってくる物の価格もいまぐっと上がってきました。たしかことし、たとえば私の県には大王製紙という大きな製紙会社がありますが、あるいは王子であるとか日本の大きな製紙資本、企業が契約の更新をしたのか、いましつつあると思いますが、余り高いので相当手控えている、だから国内産のチップに対する需要がふえかけておる、こういう状況にあると私は理解しておるわけです。
 私の県では県森連が松材を大王と契約をいたしまして、最近ちょっと上がりましたが、ちょっと正確には忘れましたが、工場渡しで一万四、五千円ぐらいでやっておるはずであります。そういう方策について政府が、これは農林水産省だけではだめでありましょうが、特に通産省、きょうは呼んでおりませんけれども通産省が中心になって、そういう形で国内のチップ材を確保していく。特に松が枯れ始めて半年以内のものであればまだ活用できるわけでありますから、本格的に取り組んでみる必要があると思うのですよ。この点について通産当局の協力がないとできませんし、実はいまアメリカとこういうやかましい交渉の段階ですから、時期は余りよくないから余り声を大きゅうしてあちこちには言われませんけれども、これは内々農林省、通産省、話し合いを一遍してもらう必要がある、私はこういうふうに考えておるわけですが、大臣なりあるいは長官のこの点についての御意見をお聞きしておきたいと思います。
#19
○秋山政府委員 被害の松材を有効活用するという面から見てまいりますと、やはり森林所有者の方々が積極的に被害木を伐倒するという意欲を盛り上げなければならぬ、かように思っております。
 そこで、伐倒に当たりまして、もちろん自主的な防除と申しますか、今回地区の実施計画におきましても、森林所有者の方々が自主的にこれをやられる場合には助成するわけでございますが、さらに伐倒、搬出するというふうなものにつきましては被害森林整備資金というのがございますが、これらを活用していただくと同時に、さらに今度は移動式チッパーとかあるいは移動式の炭化炉等を使う場合には林業改善資金の技術導入資金というのを使ったり、あるいはさらには国産材の産業振興資金の中にこういうものを活用する施設等の資金がございますので、ぜひこれを活用していただくようにこれから進めていきたいと思っております。
 さらに今度はチップの需給関係でありますが、長期的に見ますと、チップと申しますと不足化傾向にあるわけでございますので、業界筋はこれが長期に安定的に供給できる体制をつくるということがきわめて重要だろう、そういう面で現在アメリカ等のチップを使っている面がございますが、将来の逼迫化傾向ということに対応しまして、業界自身も国産材のチップを使うという機運が大分出てまいっております。したがいまして、私どもこのチップの関係の業界等と話し合いをしながら、国産材の松くい虫の被害材等につきまして有効活用できるようなそういう話し合いをこれから積極的に進めてまいりたい、これがやはりその将来にわたりまして被害木が駆除できる大きな影響につながるものだと思いますので、ぜひともそういう方向でこれから進めてまいりたい、かように考えておるところでございます。
#20
○田中(恒)委員 従来の空中防除、それから地上散布、今度の特別伐倒防除あるいは市町村の自主防除、こういうそれぞれの内容の松くい虫退治の対策があるわけですが、こういうものを、全体的にどういう森林区分のところに何を持っていくのか、あるいは被害の強度なりあるいは度合いによってどういうものを持っていくのか、そういう形の全体のこれらの事業の組み合わせというか組み立て方、これはどういうふうに進められるつもりでしょうか。
#21
○秋山政府委員 松くい虫の被害の状況につきましては、いわゆる微害のような状態のところ、あるいは中害の状況のところ、さらには激害の状況のところ、それぞれ被害の状況が違っておるわけでございます。したがいまして、私どもその被害の発生している地域の被害の程度、どういうふうな枯れ方をしているかというようなことを見きわめまして激害地域、中害地域、微害地域というふうに区分いたしまして、その中のまた松林につきましてはいわゆる保安林等の非常にこれからの公益的機能が高い森林あるいは先端地域の森林、それ以外の森林というふうに分けまして、特別防除とかあるいは特別伐倒駆除、それから普通の伐倒駆除、さらには激害地でどうにもならないようなところはむしろ積極的に林種転換をいたしましてヒノキとか杉とかあるいはその他広葉樹の方に転換するとか、そういうふうな地域の実態に応じましていろいろな方法を組み合わせてまいりたい、かように考えておるところでございます。
 特に、一例を申し上げますと、さっき触れましたような激害地域、中害地域におきまして、高度公益機能の松林につきましては特別伐倒駆除と特別防除というものを導入しまして徹底的にやってまいろう、そういうふうなことも考えておるところでございます。
#22
○田中(恒)委員 私どもは、できるだけ特別伐倒を中心にして進めてみる必要が今回の場合は必要なんじゃないか、こういう考えを持っておりますが、同時に、市町村における地区の実施計画を策定しているというところはこれまた一つの内容の特徴であるし、これの動き方によっても相当影響を与えると思うわけですが、しかし、松林のたくさんあるところの市町村というのは、松そのものが土壌的には比較的条件の悪いところにたくさんありますだけに、たとえば所在市町村の森林組合などの力というか、持っておる影響力というものも比較的弱い、そういうところが多いように思うわけです。市町村の熱意なども考えると、市町村に自主的な防除の体制や計画を進めさせるということについては、そのことだけでほっておいてもなかなか進まぬのじゃないか、こういう感じがいたしておるのでありますが、この辺については、特に民有林が圧倒的に多いわけでありますから、やはり森林所有者というものが中心になって防除の対策の中に力を入れていただくということが大切だと思いますが、一体どういうふうなお考えでこの市町村の実施計画というものを進められるのか、このことをお尋ねをしてみたいと思います。
#23
○秋山政府委員 先生御指摘のとおり、これからの防除を進めるに当たりましては総合的な防除をするということでございますので、県で策定します実施計画と町村で地区ごとにつくります実施計画とは当然整合性を待たなければいかぬわけでございます。したがいまして、この両者が調和がとれるような形に持っていきたい、かように考えておるところでございますので、計画をつくるに当たりましては関係都道府県と整合性につきまして十分協議をさせたい、かように考えているところでございます。すでに現在、松くい虫の比較的被害が激しい町村、全国に約四十カ所余りございますが、ここにおきましては、いま申し上げましたような形で自主的にこの計画につきまして実効性を上げ得るように県と調整をしながら実施している状況にあります。したがいまして、私ども、森林病害虫の防除員というのがそれぞれ配置してございますので、そういう人たちに指導をさせながら積極的に自主的防除ができるような体制をつくってまいりたい、かように考えておるところでございます。
#24
○田中(恒)委員 市町村の実施というものについては少し力を入れていろいろな問題点を整理をしていただきたいと思いますが、もし仮に、市町村独自の動きが非常に活発になってまいりますと、私は、計上されている予算ではどうにもならないと思うのです。そういう場合に、いわゆる災害といったような視点から予備費などの流用といったようなものも考えられてしかるべきではないかと思いますが、この点についてのお考えと、時間がありませんから一、二一緒に御質問いたしますが、私ども西日本は比較的松枯れの早く起きた地帯でありますが、最近は松だけじゃなくて杉やヒノキにも同じような現象が見られる、こういう話が広まっておりますし、現実にやはり杉などについてはタマバエなどのものが多少あらわれ始めてきております。これはまだ非常に端緒的な様相でありますが、しかしところによっては相当広がっておるというようなことも聞いておるわけです。松にとどまらずに杉、ヒノキというわが国の森林の、全くの骨組みでありますが、そういう材にまでこんな問題が出てくるということになりますと、私どもは松くい虫の対策というものを簡単に済ますわけにいかない。特に、やはり樹勢が弱まってきておる。私は、森林の基本的な問題が、矛盾がこれにあらわれてきておるのじゃないかという気がするわけですが、この点についてお尋ねをしておきたいと思うのです。
#25
○秋山政府委員 まず第一点でございますが、松くい虫防除予算の関係につきましては、これまでも被害の実態、あるいは空中防除と申しますか特別防除を計画的に実施するというようなことで、その予算の拡充に努力してまいったわけであります。今回の対策におきましてもこの被害対策を総合的に実施するということで予算を確保してまいらなければならぬ、かように考えておるわけでありますが、やはり異常気象その他の関係で、そういう予算で被害量がカバーできない場合が過去におきましても二回ほどあったわけでありますが、たとえば、四十八年におきまして二億五千万円あるいは五十三年には五億円の予備費を使用してきたという経緯もございます。私どもは、やはり被害の終息に向けまして予算的にも確保してまいりたい、かように努力しておるところでございます。
 それから次に、松くい虫以外の杉などに被害が出てきているという問題でございますが、最近、御指摘のとおり杉材のタマバエというのが杉の造林地等に出たり、あるいはスギカミキリ、それからスギノアカネトラカミキリというふうな被害が若干出てまいっております。これは表面になかなか見えにくい被害でございますが、現在、林業試験場等におきまして積極的にこの対応につきまして調査研究をお願いしているわけでございますが、いま一番大事なのは、間伐を積極的にしてまいりまして風通しをよくするということが非常に有効な防除効果がありますので、そういう形で指導してまいっておりますし、これからも積極的に指導をしてまいりたい、かように考えておるところでございます。
#26
○田中(恒)委員 最後に、この改正案は前回と同じように五年間の時限ということに区切られておるわけですが、五年間やってみたけれどもさっぱり効果――さっぱりとも言いませんが、効果が少なくて、ますます拡大をしてきたということでありますが、今度のこの内容で、そうしたら五年後この状態がなくなるかというと、これはだれもなくなると思っていない。にもかかわらず、五年間でやるということでありますが、一体政府は、やり切れなかった場合どうするのか、どんなおつもりでこの五年間という時限を区切られたのか、このことを最後に御質問して終わりたいと思います。
#27
○秋山政府委員 今回御審議いただいております法案につきましては、先生御指摘のとおり、やはり非常に異常な被害が広範囲に発生しているわけでございまして、私どもやはりこの被害対策は緊急かつ総合的に推進するという意味におきまして特例的な措置としてやろうと考えておるわけでございます。
    〔委員長退席、渡辺(省)委員長代理着席〕
そこで異常気象等が発生する場合もあり得ますので、きわめて不確定な要素もございますけれども、今回の制度におきましては、特別伐倒駆除だとか樹種転換とかさらには市町村の協力というようなものも含めまして総合的に推進して、できるだけ努力してまいるつもりでございます。そういう意味におきまして、早期に終息できるように五年間という行政目標を設定いたしまして全力を挙げてまいりたいと考えているわけであります。
 そこで、五年間に終息しない場合でございますが、その時点におきましては、またその被害の実態あるいは技術進歩等を踏まえまして検討してまいり、もしまた必要があれば再度国会の判断を仰ぎたい、かように考えているところでございます。
#28
○田中(恒)委員 終わります。
#29
○渡辺(省)委員長代理 水田稔君。
#30
○水田委員 いま、今後の五年間についての話もありましたけれども、五年前にこの法律をつくるときに林野庁は、その前の五年間予算措置だけで実験をやりまして、そしてこれでやれば激害地は三年、微害地は一年で一%以下の終息型に持っていけると胸を張って言われたわけですね。ところが実際には大変な被害が起こっておるわけです。ですから、その以前の状況とこの法律をつくって空散をやってからの被害の状況、簡単で結構ですが、それと先ほども答弁ありましたけれども、異常気象というのは私はどうしてもいただけませんので、原因というのが、それまでの調査をやってそれで対応するものとして科学的に、こういうことで言われたのですが、それが全部吹っ飛んでしまったわけですから、その原因についてどういうぐあいにお考えになっておられるか、まずお伺いしたいと思います。
#31
○秋山政府委員 最近におきますところの松くい虫の被害材積につきましては、昭和四十五年ごろまでは四十万立米程度で推移したわけでございますが、四十六年以降増大してまいりまして、四十八年、五十年、この年度では大体百万立方メートル前後の被害を記録しております。五十一年度には八十万立米と減少したわけでございますが、先生いまお話のございました松くい虫防除特別措置法の制定後の五十二年におきましては八十一力立米のものが、五十三年におきましては夏季の異常気象の影響が起きまして二百七万立米と急激に増大し、さらに五十四年には二百四十三万立米と激甚の度を加えたわけであります。五十五年におきましても若干減少いたしましたが二百十万立米に及んでおりまして、五十六年におきましてもほぼ同じ程度の被害が出るのではないかというふうに予想しているわけでございます。
 そこで、この中身につきまして若干触れますと、この異常気象の原因との関係でございますが、この被害地の特徴を見てまいりますと、従来比較的被害が軽微であった地域、栃木とか茨城とか静岡とかあるいは鳥取でございますが、ここにおきましては異常に非連続に爆発的にふえまして、たとえば茨城におきましては、前の年の二十八倍というふうな被害量が出てまいっております。それから、従来、比較的早くから被害の出ておったところにつきましては、横ばいないしは減少傾向をすでに示しておりまして、佐賀県、熊本県、長崎県等におきましてはこれがむしろ少なくなってまいっております。
 それからもう一点、従来、被害が出ておりませんでした地域におきまして、群馬、埼玉、新潟等の県におきまして異常の被害が出てまいったわけでございます。
 そこで、材線虫の問題に関係するわけでございますが、材線虫が異常に増殖をするというのは摂氏二十五度から三十度の間と言われております。摂氏二十度以下ですと増殖はできないわけでありますが、非常に高温になりますと繁殖が高まる。一方におきまして、植物そのものは蒸散作用の関係におきまして非常に弱まるということもございますので、これらの原因が相乗的にあらわれて被害が出てまいったというふうに考えられます。
 もう一点は、いままで比較的軽微の被害のところに急増したということでありますが、たとえば茨城で申し上げますと、土壌が非常に乾性土壌であったということやら、あるいはあそこは松林が平地林で農地と非常に錯綜している関係もございまして、空中防除等がなかなかできがたいというふうな原因もあったようでございます。
 以上、原因を総合いたしますと、やはり異常気象ということが大きな原因になっているというふうに理解しておるわけであります。
#32
○水田委員 私は、異常気象というのはどうもいただけないのです。昭和四十八年は非常に温度が高い年であったわけですね。それから、明治以降気象台ができてからずっと調べてみたら、そういう異常高温の年というのは何回となぐあるはずなんですね。そこでは起きてないのです。だから、五十三年に異常気象によって起こったということ、それだけを原因と考えるというのはどうもおかしいと思うのですね。その点の説明がないわけです。
 先ほどは、一つは大気汚染の関係なりあるいは土壌が乾性のためとか、いろいろなことを言われながら、そういう中でということを言われたのですが、いままさに異常気象だけというのは責任をよそになすりつけると思うのです。たとえば、二十五度から三十度でマツノマダラカミキリが一番繁殖するというなら、そんな気温に日本では夏はいつもなるわけです。だから、われわれが不思議に思うのは、マツノマダラカミキリだと断定して、年間平均気温大体九・五度ならそこから以下のところへは恐らく行かないだろうと、この法律をつくって空散をやるときに、範囲を考えるときに。あるいはマツノマダラカミキリというのは大体半径五百メートル以上は飛ばないだろうというようなことなども言われてきたわけですね。ところが、単に異常気象だけでそれがこれだけ爆発的に全国的にとにかく広がっていくということはいままでの説明では何としてもうなずけない。その理由を説明してほしいというんですね。
 それから、先ほど説明がありましたたとえば、長崎だとか佐賀とか熊本とか、先ほど田中さんは岡山も言いましたけれども、横ばいか微増ということになっている。それは、枯れるべき松林が減ってきたから行くところがなくなったわけですよ。これは私は後で聞きたいと思うのですが、たとえば、薬をまくことによって耐性ができて強くなったものが処女地へ向かっていった。だから、茨城なんというのはいままで入ってないから、一遍に二十八倍になったのじゃないか、こういうふうな疑いも持つわけですね。
 この五年間で、少なくともこのやり方なら科学的に調査して原因はこれだ、そして激害地であろうとも三年間で終息型に持っていけると自信を持って言ったのです。その責任は一体どうなるのですか。そうならなかったという反省がなければ、次の法律を少々手直ししたって、先ほども田中さんから、五年間でできなかったらどうするんだと言われたように、同じことを繰り返すんですよ。だから、いままで調べてきたことに間違いはなかったのか、この空散を中心にするやり方で実際に松枯れが終息へ向かっていくのかどうか。その点、この五年間の反省というのは、原因と被害の状況から一体どういうぐあいにお考えになっているか、まずその点をお答えいただきたいと思うのです。
#33
○秋山政府委員 まず最初の御指摘の点でございますが、たしか四十八年当時、気象が非常に高温少雨ということでございまして、西日本を中心としまして被害が出まして、当時やはり予備費を使いましてそれに対応したという経緯がございます。これらの地域につきましては、その後防除体制が整備されてまいりましたのと、空中防除、地上の伐倒駆除と積極的に進めた関係もございまして、今回につきましてはそういう爆発型の被害にはなっておらぬわけでございます。
 それから、マダラカミキリの関係につきまして耐性が出てきたのではないかということでありますが、薬剤の抵抗性の問題につきましてはこれまでも農業害虫等におきまして幾つかの例がございます。これらの害虫の経過を見てまいりますと、年間に世代交代の回数が多い昆虫につきましては、これがもし農薬を頻繁に散布する場合にはそういうことが言えるわけでありますが、マツノマダラカミキリの場合には、世代の交代は一年に一回でございますし、しかも薬剤は一年に一回ないしは二回でございますので、抵抗性が生じているということは現在考えられないわけであります。なお、同一の薬剤を長年使った場合に抵抗性がどう出てくるかということにつきましては、いま林業試験場で研究をしてもらっているところであります。
 それから、これまでの防除体制について反省の上に立って今回どう考えておるかということでありますが、特別防除と申しますのはあくまでも予防でございますので、まず予防を実施する。しかしながら、予防だけでは被害が完全になくなることはなかなかむずかしい面もございますので、そこにおきましては保安林等の公益的な機能の高いところについては特別伐倒駆除で徹底的に駆除をする、また、それ以外のところについては普通の伐倒駆除で、ですから地上と両方をかみ合わせながら、さらにどうにもならぬところについては林地転換ということで別の樹種を植えるなりあるいは抵抗性の松を植えるなりいたしまして、松林の機能あるいは森林の機能をこれから高めていく努力をしなければならぬだろう、かように考えておるところであります。
#34
○水田委員 私が聞いておるのは、五年間実験をやりまして、原因はこうだ――最初わからなかったのですね、だから松の中におる虫は皆害を与えておるのだということまでやったものなんです。そして研究の結果、マツノマダラカミキリ、それに寄生する材線虫、これが出てきて新芽を食うときにということでこの方法でやった。範囲は年間平均気温九・五度C以上のところで生息するだろう、そこから北、寒いところは行かないだろう、飛ぶのは五百メートルだから、そのやられておるところの周辺はこういうようにやったらいいじゃないかということで、いまの手法を開発して五年間やられたのです。そして林野庁はもともとこれをやれば激害地でも三年でなくなる、終息型に持っていけると、この前の記録をごらんになったらいい、胸を張って言われておるのですよ。ならなかったのですよ。平均気温が九・五度Cのところまで行っておる。いま残っておるのは、入ってないのは秋田県と青森県と北海道だけになった。日本列島全部行ったわけです。そうするとどうもそこらあたりの、いままで調査に基づいてこの対応でいいと言った空散のやり方に間違いがあったのではないだろうか。あるいは私の地元で申し上げます。竜の口の国有林が三年間まいたのです。予防です。もちろんその山の周辺には民家がありますからそこはまかなかった。しかし、まかなかったところが真っ赤に枯れたわけじゃないのです。三年たって、四年目にやめたのです。一挙に全山枯れてしまったのです。この事態は、マツノマダラカミキリと材線虫に対する防除の仕方が、一体この形でいいのかどうかを歴然と教えてくれておるわけです。そういう反省はないのですか。三百億という国費をかけて、これで終息しますと国民に言ったのです。国会に対しても言ったのです。胸を張って言われたのです。それが結果的にはそれ以上の被害をいま蔓延さしておるわけです。そのことについて何かそこに問題があったのではないかという反省はないのかどうか。ないのですか。国民の税金をこれだけ使ったのですよ。
#35
○秋山政府委員 私ども、先ほど触れましたとおり過去の五年間の防除実績を踏まえまして、林政審議会の中にもこの五年間の実行経過につき反省をし、現在御審議いただいていますような総合防除体制に持っていくことが将来、終息型の、いわゆる微害型の被害に持っていけるというふうに実は結論づけまして、そういう体制を今度しいたわけでございますので、私どもは今度の新しい方法で積極的に努力いたしまして、何としても松の被害を終息していきたい、かように考えているところでございます。
#36
○水田委員 少なくとも国費を三百億もつぎ込んで、国会に対して、これで完全に終息型に持っていけます、こう言ったのですよ。それができなかった。それどころではない、倍以上の被害になって、毎年被害がふえておるわけですね。そのことについて、科学的な調査のやり方に問題があったのか、あるいは金のかけようが少なかったのか、そういう点のきちっとした反省の上に次の法案が出なかったら、さっきの質問に対しても明確に答えられぬでしょう。そのときになってみなければわからぬというようなことで、また何百億という国費をかけることを認めてくれなんというのはおこがましいですよ。そうじゃないですか。では、幾ら金がかかってもいいから、国民から余り反発を買わない形で松くいの被害を防除するのはどういう方法が一番いいと思いますか、金のことを考えずに。
#37
○秋山政府委員 私どもただいま御審議いただいております方法は、先ほど触れましたとおります予防につきましては空中防除で必要なところをやり、それではやはり地域の環境あるいは農業、漁業等への被害の防止その他の関係でできない面もございます。したがいまして、それにつきましては地上において特別伐倒駆除あるいは普通の伐倒駆除、さらには林地転換というあらゆる方法をかみ合わせながらやっていくことが非常に大事であろうと思いますので、ぜひともこういう形で進むことが現在は最善の方法だろうと考えております。
#38
○水田委員 最善の方法ならきっとできなきゃいけません。いいですか、二百万立米、一千万本の木を伐倒駆除するのに予算十億少々ですよ。だから、昭和二十一年から二年にかけて松くいが蔓延しました。こんなりっぱな松がどんどん枯れていったのです。そのときにヘリコプター使って空散やりましたか。どうやってこれをとめることができたのですか。これは林野庁もそのときの記録あると思うのですよ。この駆除をどういう形でやられたのですか。
#39
○秋山政府委員 やはり最近の状況を見てまいりますと――かつては松の被害木を伐倒し、それに対して薬剤駆除あるいは剥皮、焼却というような方法でやった場合におきまして、当時は燃料その他に非常に活用されておったということがございまして、それが結果的に害虫を焼き殺したということで生息密度を少なくしたということがあったと思います。
 それから、さらに防除の方法といたしましては、空中からももちろんいたしますが、地上からの散布もございますし地上で伐倒して駆除する方法もございますが、こういう方法をとり、さらには貴重な松につきましては、現在開発中でございますが直接樹木に注射するとか、あるいは土壌に埋め込んでやるとかいう方法も近々実現され得るわけでございますので、いろいろな方法をやってこれからも最大の努力をする以外にないだろうと感じております。
#40
○水田委員 私の質問に答えてください。昭和二十一年から二年にかけて日本で同じような松枯れの被害があったのです。それは防除をやってできたのですよ。そのやった方法は何だったのですかということを聞いているのですよ。
#41
○秋山政府委員 当時は、GHQの指令もございましたが、農山村に住んでいる方々も相当おられましたし、先ほど触れましたように燃料として松がきわめて……(水田委員「関係ないです、そんなもの。どうやって防除したかということを聞いておるのですから」と呼ぶ)それは自主的に伐倒し、剥皮、焼却という形でこれを駆除したのであります。
#42
○水田委員 事実じゃないことを言ってもらっちゃ困るのです。いいですか、あのときは軍隊から帰った若い者を集めて伐倒隊をつくって、そしてその地区地区へ、松枯れのところへ行って全部伐倒駆除したのですよ、もちろん焼却して。そのときにいまのような薬剤はなかったのですよ。だから、金をかけてやる気なら、そういう体制をつくればできぬことはない、そして環境被害あるいは生態系を乱すようなことはなかったという事実が戦後にあるのですよ。だから、本来ならば、それができるなら一番いいのでしょう。私は、この反省のもとに次の対応というのを考えるべきだ、時間の関係でそれだけ申し上げておきます。
 そこで、私、これは大臣に答えていただきたいのですが、少なくともあのときに胸を張って、激害地三年、中害地二年、微害地は一年でまさに全部終息型に持っていきます、こう言ったのです。ところが、その法律ができた翌年に倍になったわけですが、その時点で、これは異常と何と言われようとも、その状態では、時限立法である五年間のこの法律でこういうやり方では防ぎ得ないということは当然判断できたと思うのです、予算が倍にも三倍にも一遍になるならともかくも。そうしたならば、五年たってやはりだめだったから、ここでもう一遍こういう手直しをして法律を改正するという出し方でなくて、そこで、これでは守れない、本当に松林を守るという気概があるのなら思い切った法改正、そういうことがむしろ政府側から先に五十三年あるいは四年の段階で出てくるべきではなかったか、そういう点では責任があるのではないかと思いますが、いかがですか。
#43
○田澤国務大臣 松くい虫の被害は、いま御指摘のように北海道、青森、秋田以外の全国土に及んでおるわけでございまして、しかも松は、桜あるいはまた梅、竹と同様日本を代表する木でもあり、非常にめでたい木でもございますので、私たちは何としてもこの松を国土から失いたくない。それが日本を代表する一つの景色となり、日本を象徴する国土になっているわけでございますから、そういう意味で松がだんだん枯れていくことには本当にさびしさを感じるわけでございます。しかも、松くい虫の被害木がそのまま林立しているということは非常に醜い現象でございますので、私は、何としてもこれの対策を抜本的に考えなければならぬということで改正法案をお願いしているわけでございます。確かに、五十二年の法律が制定された後被害が非常に大きく出たのでございまして、いま林野庁の専門家の間では、やはり異常気象が松くい虫を大きくさせた原因だ、こう言っているわけでございますが、しかし、何かそれだけではないような気もいたします。しかし、しからばどこに大きな原因があるのかというと、それ自体がいまの研究の段階ではなかなか把握できない。
 そこで、五十三年、四年に、水田さん御指摘のように、なぜその当時もっと抜本的な対策をしなかったか、また法改正もその折またやったらどうなんだという御指摘でございますが、これは五十三年ではその対策として予備費の使用によって伐倒駆除の拡大をやったわけなんです。それから、そのほか治山事業の実施を五十五年にその対策をも含めて進めてみたり、林業改善資金の活用を五十五年以降やってみたり、いろいろな対策は進めてきたわけなんです。ところが、いまの研究の段階では、五十三年の異常気象というものが大きな原因となって、その後年々その拡大をするという状況になっている。これは、もちろん樹勢その他いろいろの面に影響を与えていると思います。ですから、今回の改正を通じて、これまでの経験を通して、総合的な対策を考えまして、先ほど申し上げましたいわゆる日本列島から松が枯れる姿をなくしていくということに重点を置いて進めていかなければならないと考えております。
 そこで、確かに過去において林野庁、農林省は胸を張って何年間にこれが防除できるということを申し上げたと思うのでございますが、その当時の技術の状況、その当時の判断ではこれが最高だ、このことによって撲滅はできるというような考え方で進められたと思うのでございますが、先ほど来、林野庁長官から答弁さしておりますとおり、異常気象によるいろいろな変化が今日このような被害の拡大を見ているということなのでございますので、私たちは決してその責任を逃れるわけではございませんけれども、その過去のいろいろな経験を生かして今後の対策に万全を期してみたい、かように考えているわけでございますので、いろいろな点でまた御協力をいただかなければならないと思います。
 私たちとしては、先ほど申し上げましたように、五十三年、五十四年にはそれなりの対策を進めてきた。しかし、それ以上の被害が出てきたということは、結局言うと、松くい虫の対策の戦いに負けた。しかし、努力はしたんだということですね。それで、敵も理解できたし、自分の方も反省することはできた。それを基礎にしながらこの法改正を進めて、その撲滅のために努力をしたいということでございますので、どうかその点御理解いただきたいと思うのでございます。
#44
○水田委員 大臣も長官も、異常気象というのに一番のウエートがある、こういう言い方をする。明治以来の気象台のを調べてごらんなさい。異常高温の年というのは何年となくあるのですよ。四十八年のときもそうだった。そのときの対応は、五十二年の法律ができるときよりはもっと予算も少ないし、法律がないのですからそんなに十分なあれができておるわけがない。その年に一挙に倍にはなっておらないのですから、異常気象ということだけで自分たちが胸を張ってやった対応策、そのもとになる被害の原因調査というものを含めて相手がよくわかったとか言えるあれじゃないと私は思うのです。なお終息しないからこれを継続してやりたいというにすぎないですね。ですから、私は、異常気象というそれだけに罪をなすりつけるようなやり方は、これは林野庁の責任逃れですよ。自分たちはこれでやりますと言うたのをやれなんだことは、責任回避と言わざるを得ない。
 では、先ほどからも言いますように、たとえば、マツノマダラカミキリというのは平均気温九・五度C以下のところでも生息するという調査の結果は出たのですか。あるいは飛ぶのは半径五百メートル、それはいま薬でだんだん強くなって、追われるものてすから逃げていって――人間がびっくりしたら異常な力が出ます。命にかかわると思ったら、寝たきりのおばあさんが荷物を持って飛び出すのですから、マツノマダラカミキリも命にかかわると思ったら、五百メートルしか飛べぬのが千メートルくらい飛ぶようになって、被害はないと思われたところへ、予防措置として空散しなかったところへ飛んでいってばっとやられたとか、そういうことが起こったのかどうか、そういう調査はどうなんですか。それをせぬと敵はわからぬですよ。
#45
○秋山政府委員 被害はマダラカミキリと材線虫の関係でございます。九・五度と申しますのは、材線虫が発育できない限界値でございまして、マダラカミキリとは別でございます。やはりマダラカミキリと材線虫が一緒になって初めて激害型被害が出るわけでございますので、その点を御理解いただきたいと思います。
 それから、五百メートルということでございますが、これは実験データがいろいろございますが、大体数百メートルぐらいを一年に移動するという調査は試験場での結果で出てまいっております。
#46
○水田委員 では、被害の状況から、たとえば前年に被害があったところから五百メーター以上のところへ被害は出ていないという調査が出ておると思う。それなら、マダラカミキリの習性というのが違っておったということになるでしょう。なぜなら、さっきの話では、竜の口は、周りのまいたところ以外の住宅の周辺の松が真っ赤にやられるほどマツノマダラカミキリあるいは材線虫がその中に生息して、そして三年目にやめたら一挙に全山やられたというのではないのですよ。何本かはやられておるけれども、その数は知れておる。しかし、全山やられるほどのマツノマダラカミキリ、材線虫がどこから飛んできたのかというのはわからぬですよ。そういう点が解明されなければ、敵を知ったということにはならぬでしょう。敵がわからぬままに、前の分でどうも空散だけではいかぬから、伐倒駆除をちょっと入れます、樹種転換をやりますということで根本的な対応策になるのかどうか、それが間違っておるのではないか、こう言っているのです。そういう研究はどうなんですか。
 それからもう一つついでに聞きますが、天敵について。このままでいくのなら、これは絶対守りたいというのは毎年まかぬとだめなんですね。そうすると、日本の松を守るためには、これからどんなに生態系が狂おうとも、守ろうと思う松林は薬剤を何年にもわたってまかなければならぬ。そうなると、いわゆる生態系というのは破壊されていくわけですね。それを考えれば、当然天敵の問題等については、自然の生態系のサイクルの中でほどほどのマツノマダラカミキリなり材線虫は仕方がない、将来はそういう形で存在するようにすべきだろうと思うのです。これは、空散でいつまでもやったらよろしいという問題ではなく、あくまでも緊急やむを得ざる措置として林野庁も考えられておると思うのですね。ですから、将来への展望としては、やはり自然の生態系の中で松がやられないような状態をつくるためには、天敵の問題というのは大事な問題だと思うのです。そういう点の研究、それから、マツノマダラカミキリなり材線虫の性質と被害が出た状態とがいままでの研究と一致するのかどうか、そこらを含めて御答弁いただきたいと思います。
#47
○秋山政府委員 まず、天敵の関係につきましてお答えいたします。
 天敵を利用した防除技術につきましては、五十三年度以来林業試験場におきまして、また、公立の林業試験場と協力いたしまして検討してまいっておるわけでありますが、現在、マツノマダラカミキリの天敵といたしましては、セラチア菌という細菌でございますが、これとボーベリアバッシアーナ菌、これは糸状菌でございますが、これが病原体として確認されております。今後の課題は、やはりこれを大量に培養する、また実用化に向けまして培養技術、それから野外での接種、さらには散布技術というふうな研究を進めていくことが必要だろうということで、現在鋭意努力をしているところであります。
 それから、昆虫類にも天敵がございますが、たとえばオオコクヌストとかアリモドキカッコウムシとかいうのがございますが、これにつきましては、飼育あるいは増殖というのは非常に困難ですから、実用化にはちょっと可能性が薄いだろうというふうな試験場の見解でございます。したがいまして、まずは運び屋のマダラカミキリにつきましては、そういう天敵をこれから積極的に増殖して活用するというふうな方法も考えなければならぬわけでございます。
 それから、線虫の方でございますが、マツノザイセンチュウの天敵としましては、数種の微生物とかダニ類が検出されておりますけれども、まだその寄生様式につきまして不明な点がございますので、まずはそれにつきまして解明を行っておるところであります。
 それからもう一つ、長期の視点といたしましては、やはり抵抗性の強い松をつくり出すということが必要であるわけでありまして、現在この選抜育種におきましては、被害地の中におきますところの枯れない残っている松から個体を選抜いたしまして、それをもとにいたしまして将来抵抗性の強い個体を増殖して、それを積極的に導入してまいろうということと、もう一点は、日本のクロマツのクローンと中国の馬尾松という松でございますが、これをかけ合わせましたF1が……(水田委員「そんなことは質問していないです」と呼ぶ)そういう意味の恒久的措置をやっていかなければなかなかいけない、かように考えておるところであります。
#48
○水田委員 私の質問に答えてください。たとえば、いままでの調査研究のマツノマダラカミキリなり材線虫の性格なり生態を調べて、そのまま、それで空散という形でやって、そして被害が出た。たとえば、何メーター飛ぶと言って、大体前年に起こったところの予防措置をやるが、ここは飛ばないだろうというとやらぬわけですね。そういう問題で、いままで調査研究した生態とそして実際に被害が起こった状態との比較調査ですね、そういう点から研究のあれが前の法案をつくったときと違っておるのじゃないかと私は言っておるわけです。たとえば、何遍も言いますけれども、この竜の口のところはどんなに考えても、そこへ三年間まいたのです。青々としておった。それで、周りは全部やられたわけじゃないのです。何本かやられておる状態で、あの広い山が全山一挙にやられるというのは、一体どういうマツノマダラカミキリなり材線虫の生態があってそういうことが起こるのか想像できないのです。もともと、調べたらこういうことだからこういうやり方でやれると言ったこととは全然違う状態が起こってきたわけですね。全国的に調べればたくさんそういうことがあると思うのです。そういう問題、たとえば千メーターも千五百メーターも離れているところに翌年にはばっと被害が出る、そういう問題もあると思うのですね。そういう点で、虫の研究が間違っておったのではないか、そういう点はないのかと言って聞いておるのです。
#49
○秋山政府委員 それにつきまして一つのデータとして申し上げられますのは、やはり被害を受けた松、松丸太を移動することによって突発的に出て、そこで被害が発生したという例がございますので、それも一つの原因だろうと考えております。
#50
○水田委員 そういう御答弁では、私が言ったように、もっと本当にこれだけの国費をかけてやるのならちゃんとした調査に基づいて、これならやれますよと言ってこの前胸を張ったのですが、今度ももう一遍、あれはこういう点は間違っておったけれども、こういうやり方をやればやれますよという、そういうもので出さなければ――金を使わずに、みんなの精神条項で法律をつくるのなら構わぬですよ。よろしい。では、あとは、これはまた時間の関係がありますから、後のわが党の質問で詰めていただくことにしたいと思うのです。
 それからもう一つは、いままで相当な範囲に空散をやったわけです。これは低毒性なものだとはいいながら、毒性があることは間違いないわけですね。これは相当気を使ってやったと言うのですが、一つは動植物あるいは昆虫類、後で環境庁、文化庁にも聞きますけれども、そういう自然環境としてわりによく保たれておるところが破壊されていった、そういう問題もないとは言えないと思うのです。ですから、人間を含めての動植物に対する被害とかそういう自然環境に対する、いままで林野庁として空散をやった中で起こった事態、重立ったもので結構ですが、そういう点は効果とそういう被害を与たこととの価値判断の問題もありますが、そこらあたりはどういうぐあいに調査して持っておられますか伺いたい。
#51
○秋山政府委員 五十二年から現在の特別措置法に基づきまして空中防除をやってまいっておるわけでございますが、三十二の県におきましてこの効果調査をすると同時に、十県におきまして、この空中防除によりまして昆虫、鳥、土壌、河川というものにどういうふうな影響が出てきているかということを継続的に調査をしてまいっておるわけでありますが、昆虫等におきましては当初におきまして若干減ったところがありますが、やはり十日、一月とたちますと戻ってきているというふうな結果であります。それから植物につきましては、ヌルデ、ウルシ等の系統につきまして斑点等そういう被害が出ておるというふうなこともありますが、そう大きな被害は出てまいっておりません。それから鳥につきましては、営巣、ふ化その他につきましてほとんど影響が出てまいっておりませんし、水につきましては散布後三日ないし五日におきましてはそれぞれ検出されますが、ある段階になりますと微量になって検出されないという、そういう調査データが十県から出てまいっております。
#52
○水田委員 長官の答弁によりますと、大したことは起こっていないと言われるわけですが、私どもは、これは前にも委員会で言われましたように、たとえば、大阪府の能勢では、井戸水を使っておるところのその水源地へまいてみたり、あるいはこれは兵庫県の川西市になりますが、六カ所、六十ヘクタールに、全く広報をしないで上からばっとまいた。これは人間がおるわけです。そういう問題がある。あるいは効果があったと言われるのですが、これは愛媛県の伊予市と砥部町にまたがるところで、この地域の「農薬の空中散布について考える母親の会」が、空散した後虫を全部拾いまして、愛媛大学に持っていって調べてもらったのですが、マツノマダラカミキリはゼロで、ほかの昆虫がたくさん死んでおった。こういうようなことが現実にはある。これはわずかですが、こういう問題というのは全国的に起こっておると思うのです。そういう点については、林野庁としてはどういうぐあいにお考えになっておりますか。
#53
○秋山政府委員 空中防除をいたします場合の散布された液につきましては、これが乾燥しますと、今度はそれをマダラカミキリが後食いたしまして初めて死ぬというふうな経緯をたどるわけでございます。したがいまして、飛んでいる虫を殺すという形ではなくて、やはり散布してから相当長期にわたりまして、三週間等の長期にわたりましてこれを調べていかなければならぬと考えておるわけであります。
 そこで、一例を申し上げますと、林業試験場におきまして、ヘクタール当たり六十リッターのMEP乳剤をまきました結果、二十日間を検査いたしますと、これは毎日毎日少しずつ落ちてくるということでありまして、九百平米につきまして三十七頭のマダラカミキリが落ちておる、そういう調査がなされております。したがいまして、一遍でというよりも、薬剤を散布いたしまして有効の期間中継続的に追跡調査をするということがむしろこの調査のかなめだろうと思いますし、そうあって初めてその成果が出るものである、かように考えております。
#54
○水田委員 空散は大変気を使ってやっておると言いながら、いま申し上げた例などは、これはミスなのですか、それともそういうずさんなやり方をしておるのか。関係住民からそういう声が上がるというのは、やり方に問題があるのじゃないか。
 それからもう一つは、伊予の問題は、一匹も出ないというのは、松の葉っぱにかかって、羽化したものが出てきてその若芽を食うわけですね。そして落ちるわけです。大体二回まくのですよ。そうしたら、少なくとも痕跡もとどめぬというのはどういうことなのだろうか。予防で、よそから飛んできたらいかぬから、全くおらぬところにまくのです。あれは一週間もしたら薬効がなくなるわけですからね。全くおらぬところにまいておるということもあったのではないか。そういう場所の選定等について問題はなかったのでしょうか。そういう問題を含めたこの五年間の全体の成果と欠陥と反省、そういうものがこれからの法案の中で生かされていかなければならぬと思うのですが、そういう点はないのですか。こういうことでやって、自分たちの調査したものだけにこういうぐあいに効果がありましたというのではなくて、現実にこういうデータを、心配だから民間の人もとってある。そういうものを一体どう評価するか。やはりそういう姿勢がなければだめだと思うのですよ。
 住民が反対すればまかぬ、こんなことを言われますけれども、今度の法律でも、計画で決めれば、いやと言ったところで頭の上に毒を強制的にまくわけですから。住民が絶対いやだと言うからまかぬというなら、それはいいですよ。だけれども、そういう一般の国民のこの問題に対する心配あるいは問題がたくさん出てきている、そのことをどういうぐあいにとらまえて法案の中に生かすというお考えなのか、聞かしていただきたいということなのです。
#55
○秋山政府委員 私ども、昭和五十二年から現在まで、全国三十二県におきまして調査地点を設けまして、追跡調査、経年調査をしてまいっておりますが、その段階におきましては松くい虫の被害が減少しているという傾向がございますので、私はやはり空中防除の効果はあるというふうに理解をしています。
 それから、ただいま先生御指摘の個別の話につきましては、私もいま初めてですからちょっと申し上げかねますが、空中散布をいたしましてから、樹冠に付着しているその薬剤の効果は、一ないし二PPmの効果ですと大体一週間でカミキリが死ぬというふうに言われておりますので、そういうことを前提に私ども計画を立てておりますので、私どもとしては、松くい虫の空中防除につきましては、一般的に申しますと、これは効果があるというふうに理解しております。
#56
○水田委員 いまの答弁というのは、もう大変な答弁だと思うのですよ。
 相当大きな地域、地域では大変なことで、新聞記事もこの程度のものですからね。べたの記事で出ておるのじゃないのです。全国的に起こっているわけですね。長官、全く初耳だと言うのは、こういう状態をちゃんとわきまえて新しい法案づくりをやるべきじゃないのですか。その点が一番問題でしょう。どうなんですか。
#57
○秋山政府委員 いまの新聞記事は理解いたしました。現地について調査しておりませんので、さよう申し上げたところであります。
    〔渡辺(省)委員長代理退席、委員長着席〕
#58
○水田委員 長官に行けと言っているのじゃないのですよ。林野庁というのは全国に出先機関があるわけでしょう。そこから上げてくれば、少なくともこれは全部出てくるわけですよ。それをどう評価するかという姿勢がなければ本当に実のある対応策というのは私は出てこないと思うのですね。これも時間の関係で後で詰めてもらいます。いまの長官の姿勢というのは、けしからぬ姿勢だということだけ申し上げておきます。
 環境庁、おいでになっていますか。――環境庁にお尋ねしますが、これは日本全国に、無差別ということじゃないのですけれども、これだけの薬剤を散布するわけですね。天然記念物については文化庁にお伺いしますけれども、たとえば、アセスをやらずにこれはまいておるわけですよ。法的にはまだアセス法案が成立してませんから別ですが、それぞれに大規模な工事をやるときにはアセスをやる。そうすると、貴重な品種、たとえばハッチョウトンボがここに生息しているというのがわかるわけですね。あるいは、生息地として指定されてないけれども、ああ、ここはゲンジボタルがおったんだな、そういうことがわかって、それをどう守るかということで、工事をやるときにいろいろ手当てをするわけです。こういう形でまかれる中で、環境庁で言えば恐らく国立公園とか国定公園、国定公園は県の管理になりますが、国立公園等ですね。それは当然協議があるだろうと思いますが、そうでない場所でそういう貴重なところはたくさんあると思うのですね。そういう点で、五年前と今日とを比べて、この空散によってどういうぐあいに自然環境が破壊されたのか、どういうぐあいになっているか、そういう御調査をやられたことがありますか。やられておれば、その状況をひとつ御説明いただきたいと思います。
#59
○高峯説明員 いま御指摘のありました調査でございますが、そういった御指摘に即しました調査はまだいたしておりません。
 しかし、いまお話ございましたように空中散布が自然環境に与える影響、環境庁といたしましても非常に重大視しておりまして、国立公園、それから国定公園、それから鳥獣保護区、それから特定鳥獣の生息地域、こういったところは空中散布の対象から除くということを林野庁に申し入れをいたしておりまして、林野庁の方でも基本方針にその旨措置してございます。
 それから、そういった国立公園とか国定公園以外の地域で貴重な動植物がいる場所があるのではないか、その場合にどうするかという問題でございますが、その点につきましては、林野庁の方で示しておられます基本方針の中に空中散布を実施する場合の実施計画の策定に当たって、関係都府県の自然環境担当部局とよく連絡をとってやるようにということが示されております。
 それから、関係の連絡会議がございまして、その連絡会議には国立公園の管理事務所長も入っておりますし、都道府県の自然環境担当部局も入っておりますので、そういった場を通じまして自然環境なり自然生態系の破壊が進まないようにということをチェックしてまいりたいと考えております。
#60
○水田委員 してまいりたいでは困るのですね。これは実際薬をまき出して十年間たつのです。法律ができる前に、五年前から空散を試験的にやっておるわけですね。そしてこの五年間は、法律のもとに空散をやってきたわけです。私がさっき言いましたように、決められた場所、鳥獣保護区とかあるいは国立公園とか国定公園、それはそういうことをやっております。そこの中でも協議をしてまいていますね。そういう中で、あるいはその指定地域外で、調査の行き届いてないところで、自然環境がよくて、たとえば、ハッチョウトンボがおるとかあるいはゲンジボタルがおるとかいうような、文化財には指定されてないけれどもそういう貴重な動植物が存在しておるところもあったと思うのですね。そういうところは、こういう状態で空散することによって全く被害はなかったとお考えですか。
#61
○高峯説明員 先ほど申し上げましたように、実施計画の策定の段階においていろいろチェックをする場がございますので、それの活用が十分に図られていくのが望ましいと考えております。実際に、その空中散布の影響によりまして貴重な動植物にかなりの被害が出たかどうか。これはごく特定の地域におきまして貴重な動植物に何か異常があった場合、それが空中散布の影響によるかどうかというところまではっきりした調査の結果は出ておりませんので、この辺については、明確にそういったものによって影響があったと断定するような認識にはまだ至っておりません。
#62
○水田委員 環境庁、私は怠慢だと思いますよ。そんなことをやっておるから、環境庁は地盤沈下するのですよ。
 自然環境保全法というのがありますね。第四条「国は、自然環境を適正に保全するための基本的かつ総合的な施策を策定し、及びこれを実施する責務を有する。」というのがある。五条には、「国は、おおむね五年ごとに地形、地質、植生及び野生動物に関する調査」を行い、「その他自然環境の保全のために講ずべき施策の策定に必要な基礎調査を行なうよう努め」なければならぬ。やろうと思えばできるわけです。これだけの薬剤が空散される状態で、国全体の環境はどうなるか。私が言うように、国立公園とか国定公園に入った、あるいは鳥獣保護区だけじゃないところでも、貴重なところはたくさんあるはずですよ。そういうところで動植物がどういう影響を受けるかということは、法律では環境庁所管でしょう。やるべきでしょう。どうなんですか。十年間やってきたのですよ。これからまた五年間やると言うのです。区切りのときですよ。これはやられるのですか、どうなんですか。
#63
○高峯説明員 自然環境保全基礎調査で五年ごとに自然環境の実態を調査するというのがございまして、これはもう全国的な規模で詳細な調査を五年ごとに行っております。第二回の調査を五十三年度、五十四年度に実施したところでございますが、しかしこれは何分非常に膨大な調査でございまして、全国的、網羅的にいたしますので、いまおっしゃいました空中散布の直接的な影響というもの、そこまで調査の結果が出ている状況ではございません。したがいまして、自然生態系に与える影響につきまして私ども非常に関心を持っておりますが、現在のところ林野庁の方でいろいろ環境面に対する調査もなさっておるという状態でございますので、その調査に対していろいろ私どもの御意見を申し上げるという形で調査に臨みたいと考えております。
#64
○水田委員 たとえば、限られた部分に空散されるということならいいのですが、いままさに秋田と青森と北海道を除いて全部空散をやると言っているのですよ。しかも、全部じゃないにしても、五年間の試験期間、これは予算補助だけでやっています。そして、この五年間は法律に基づいて空散をやってきたのですね。これは明らかに自然生態系を狂わすことは間違いないのですよ。かつて農薬をたくさん使って、ドジョウがおらなくなった、タニシがおらなくなった、ホタルがおらなくなった。それで、そういう強い薬剤を使うことはやめたのですね。そして、ようやくいまタニシも帰ってきた、ドジョウも帰ってきた、あるいはホタルも帰ってきた。そういう状態の中で、まだそういうものが被害を受けるような空散を相当広範囲にやられておるのに、その状態について調査もしない、物申すということも――いままででも私はもっと物申すべきだったと思うのですね。どうなんですか、ここで答弁されぬのなら、二十三日に私はまた環境庁長官に質問いたしますが、できませんか。こういうことについてもう少し環境庁がきちっと、環境保全については林野庁に対して毅然たる態度で物を申しますと言えるのか言えぬのか、答えてください。
#65
○高峯説明委員 先ほど申し上げましたように、実施計画の段階で環境担当部局といろいろ調整をするシステムができておりますので、それを活用いたしまして、自然環境に影響のないような空中散布、あるいは影響がある場合には対象地域から外すというような形で進めてまいりたいというのが、現在の環境庁の方針でございます。
#66
○水田委員 改めてまた環境委員会でこれはやります。
 それでは、文化庁がせっかくおいでになっておりますので、時間が余りありませんから……。
 天然記念物というのは、これは物がはっきりしております。ただ、これだけの空散をやれば、私の地元で言いますと、さっき出ている竜の口の国有林から数百メートル下には、これはアユモドキの生息地があるのですね。この林にまけば流れることはもう間違いないのですね。そういうものが存在しているところもありますし、あるいはチョウとか蛍とか、そういうものもあるでしょう。地域を決めたものは恐らく外しているでしょうけれども、地域を決めてない昆虫なり魚なり動植物がおるわけですね。そういうところについては一体空散についてどういうチェックをされたのか。私は竜の口の下のアユモドキについては全く配慮なしにまいた、三年間連続まいた、後の調査も何もされていない、こういうぐあいに思うのですが、その点いかがですか。
#67
○小埜寺説明員 御説明申し上げます。
 文化庁といたしましては、大変貴重な天然記念物でございますので、この保護対策につきましては、まず、失われてしまいますともうどうしようもないものでございますので、予防措置という点に最重点を置いて施策を進めておるわけでございます。
 この特別防除の問題につきましても、都道府県知事が空中散布を行われる場合につきましては、事前に文化財保護当局へ協議をしていただくということにしております。いままでの県からの報告によりますと、たとえば、愛知県の鵜の山の生息地がございますけれども、これの散布が行われる計画があったわけでございますけれども、このときもウの生息に影響を与えるということで、空中散布は取りやめにしていただいたということも聞いておりますし、それから山口県光市のクサフグ産卵地でございますけれども、これにつきましても空中散布をやめたということでございまして、文化庁の立場からいたしますと、先ほど先生からお話しになりましたゲンジボタルあるいはアユモドキ等に対する影響につきましては、県からただいまのところ影響があったという報告はまだ聞いておらないわけでございますけれども、文化庁としましては、非常に大事な天然記念物でございますので、林野庁とも十分相談し、あるいは各県とも十分連絡を密にしながら、文化財保護に遺漏のないように努力をしてまいりたいと思っております。
#68
○水田委員 報告が来ないのは、調査しなかったら報告が来ないのです、被害があったかわからぬのですから。そういう点で、地域を定めてないものについて特に、十分に細心の注意を払って被害の起こらないような詰めをぜひやってもらいたい。これは要望だけ言っておきます。
 最後に大臣に。
 私はいろいろ申し上げましたけれども、昭和二十一年から二十二年にかけてやったのは伐倒駆除なんです。これが一番いいわけですよ。これは金をかければできるのです。だから、松くいの問題については少なくともそれを主体にして、そして原因をもう少し明らかにしてほしいのです。異常高温だけに罪をなすりつけるのはいけません。虫の生態についてはまだ研究が足りないかもしれないし、あるいは天敵の開発ももっと急がなければならない。そういうことをやりながら、それを基本に据えながら本来やるべきなんです。私どもはぜひそうしてもらいたい。
 同時に、さっきもちょっと言いましたけれども、毒があるのですから、いやだと言うのに法律ではその区域を決めれば空散できるわけですが、人間の上に毒をまくということは、これはベトナムで枯れ葉作戦でああいうことをやりましたけれども、それよりは少々毒性が少ないにしても、人権上されるべきではない。空散をどうしてもやらなければならぬという場合にも、少なくともその地域の関係住民の同意を必ずとりつける、そういうことはぜひやるべきだと思うのですね。そのことを最後に申し上げて、大臣の所見を伺って質問を終わりたいと思います。
#69
○田澤国務大臣 五年間を区切って行政目標を立てながら、この法律を基礎にして松くい虫の防除に当たりたいと私たちは考えているわけでございまして、そのためには、やはり何としても現在の科学技術を基礎にして最善なものを進めてまいらなければならない、かように考えておるのでございます。今日の科学技術の最高の段階のものを基礎にしながらこの法律はできているということを御理解いただきたい。
 なお、特別防除についてのいろいろな御心配でございますが、この点については関係団体あるいは関係市町村等ともいろいろ協議をし合いながら進めてまいりたいと思いますし、今後とも十分注意をしてまいりたい、かように考えるわけであります。
#70
○水田委員 終わります。
#71
○羽田委員長 武田一夫君。
#72
○武田委員 私は、松くい虫防除特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、大臣並びに林野庁当局に四点ほど質問をいたします。
 大臣は、食事だそうです。大臣が来るまで十分間ということですが、おくれると困りますので、その点だけひとつよろしく御配慮いただきたいと思います。
 最初に、五十二年に松くい虫防除特別措置法が成立したわけであります。その際、全国の松林を五年間で枯損率一%以下の終息型の微害に抑えるという目的を明示しました。それに向かって、いろいろと質疑の過程で、林野当局は相当自信を持ってその目標達成は可能であるというようなことを言ったのを私も記憶を新たにしたわけでありますが、残念ながら現実は非常に厳しいわけでありまして、その松枯れはとどまるところを知らずして、五十五年度で全国の松林面積二百五十五万ヘクタールあると言われているその約四分の一、約六十七万ヘクタールになるわけでありますが、さらにまた枯損木は二百十万立米、約一千万本に相当するというような被害が出ております。先ほども話がありましたように、北海道と青森と岩手、いわゆる寒い地域、その三県にしか安全な松はないという状況であっまして、日本列島というのは松枯れによって制圧された感があります。われわれの宮城県というのは寒いところだから行かないだろうと言われていた。ところが、三年ぐらい前からもうすでに石巻を中心とした地域、海岸沿いには非常にたくさん出てきておる。岩手県にも行った、山形県にも行っているということでありまして大変な現実でございます。これを見たとき、果たして特別措置法の目的というものはどうなったのだという、これはもう非常な疑問と、そして、そうした大変な被害の状況を見たとき、林野庁はどういうふうにこれを釈明するのか、その責任も相当深刻に受けとめなければならぬと思うのであります。その点をどういうふうにお考えであるかということをまず一つ。
 そして、今回の改正は五年でやるということでありますが、それではこの五年間で所期の目的は実現できるのか、その辺の自信のほどをもう一回聞かしてもらって、もしかなわないときどうするのか、その点が三つ目ですが、ひとつ林野庁長官からお答えをいただきたいと思います。
#73
○秋山政府委員 私ども、五十二年に松くい虫防除特別措置法を成立させていただきまして、以来、鋭意努力をしてきたところでございます。先ほどの、たとえば五十三年に異常気象のために従来なかったところにも相当被害が拡大し、あるいは従来軽微であったところが激甚になったというようなこともございまして、当時予備費を使いながら伐倒駆除を拡充したり、さらには五十五年度以降におきましては林地転換等も含めました造林、治山事業も実施するとかいうようなことでいろいろすると同時に、さらにはまた、被害木を積極活用するような手だてにつきましても予算措置を講ずるなど、いろいろと措置をしてまいったわけでございますが、異常気象によりまして材線虫の活動が非常に活発化いたしまして、従来被害がなかったところに異常にふえてまいったということもございますし、また特別防除につきましては、地域の生活環境あるいは農業、漁業への危被害の防止というふうなことから一定の限界がある、こういうふうなこと。さらには、被害が非常にふえてまいりますと普通の伐倒駆除ではなかなか限界があるということでございまして、結果的には現在、異常の被害状況になっておるわけであります。
 そこで私どもといたしましては、この五年間におきましてのいろいろの問題につきまして、松くい虫防除問題懇談会というのをつくりまして、そこで専門家を含めまして積極的に討議してまいったところでございますが、その結果を踏まえまして、今回の法案の御審議をいただきますように、予防といたしましては従来どおりの特別防除を実施するわけでありますが、同時に地上におきまして、保安林等の非常に重要な森林につきましては特別伐倒駆除、またそれ以外につきましては普通の伐倒駆除、さらにはどうにもならぬ普通の林地におきましては、この際、森林の機能を早くまたもとに戻すということで林地転換するというようなことで、総合的な方法によりまして、何といたしましてもこのひどい被害を終息の方向に導く最大の努力をしてまいらなければならぬというふうに現在覚悟をしておるところであります。
#74
○武田委員 それを余り深く追うと時間がかかりますから、その辺にして聞いておきます。
 ところで薬剤の問題です。空中散布に使われるスミチオンやセビモール、これは低毒性であるというふうに言われております。しかしながら、これはきのう参考人がおいでになったときにも私は話をしたわけでありますが、その低毒性云々というのは急性毒性に限ったことであり、慢性毒性については疑念が消えてない、こういうことであります。事実スミチオンには催奇形性あるいは遅延神経毒性といいますか、こういうものがある。スミチオンに含まれる不純物S・メチル・フェニトロチオンというのですか、こういうものは突然変異性、発がん性を有する。しかもこれは厚生省がそのことを認めているということでありまして、またセビモールについても催奇形性を有しているという報告があるということであります。こういうことをわれわれが聞きあるいはまたそういうことを発表されるものを見るにつけましても、果たして当局が言うように安全であるということを本当に信用していいものかどうか疑わしいと思うわけでございますが、国としましてはこうしたいろいろな発表あるいはまた報告などを踏まえた上で、こうしたものについての毒性というものが人体には全く影響がないのである、安全であるということの追跡調査なり研究あるいはまた実験というものを国独自として今日まで続けてきて、しかるべき科学的なデータを通してこれは間違いなく使用しても構わないのだ、こう言っているものかどうか、その点いかがなものかひとつお聞かせ願いたいと思います。
#75
○小島政府委員 まず、農薬の登録に当たりましてどういうことを調べておるかということでございますが、これは実際に生産され売られる農薬、したがいまして、純粋な化合物ではなくて不純物も含んだ現実の姿でテストをいたしましたその結果により判定をいたしておるわけでございます。そういうさまざまな評価の結果、急性毒性はもちろん慢性毒性あるいは催奇形性などにつきましても、ただいま空散に用いられておりますMEPあるいはNACというふうな薬剤は、その安全性について問題がないということに判断をいたして登録をいたしておるわけでございます。
 それから、これは単に日本国内においてそういう評価がされておるだけではございませんで、一九七四年、昭和四十九年でございますが、FAO、WHOの合同会議におきましても安全性の評価がされておりまして、すでにその安全性については国際的に認識をされている、こういう農薬が用いられているわけでございます。
#76
○武田委員 そうすると、今後これをさらに継続的に使っていったときも、間違いなくそうした危険というものは心配ないという確固たる保証というものはあるものかどうか、その点はいかがですか。
#77
○小島政府委員 慢性毒性の調査と申しますのは、人間が毎日毎日一定の量を摂取したと仮定いたしまして、その結果人体に発がん性でありますとかあるいは催奇形性があるかどうか、こういうことを動物実験の結果から類推をいたして判定をいたしておるものでございます。現実には、これらの農薬を毎日一定量摂取するというケースはまず想定しにくいわけでございますし、その意味からいいましても、現在定められております許容値というものから見まして、通常の防除において人体に被害が生ずるということはあり得るはずはないと思っておるわけでございます。ただ、普通物と申しましても、化学薬品であることにおいては変わりがないわけでございますから、その誤った使用をするないしは個人の身体への条件の非常に悪い状態のもとにおいて農薬をかぶったあるいはなめた、こういうことになりますれば、人体に影響があることは農薬であります以上は避けられない、こういうものであると御理解をいただきたいと思います。
#78
○武田委員 次に、私たちは前回法案審議の際に、空散に伴ういろいろな問題が必ず起きてくるであろう、被害の問題あるいはまたその実施の方法とかあるいは地域の問題とかいろいろな問題が起こるであろうということを想定しまして、二つばかり重点的な修正を提示したわけでありますが、それは拒否されたわけであります。私は、改めてわれわれが出しましたこの修正の問題について、二つをお尋ねをして、なぜこれを拒否することになったのか、まずお聞きしたいと思うのです。今後もそれを依然として拒否なさるつもりか、篤とお伺いしたい、こう思うのです。
 一つは、空散防除に対する不服申し立ての問題、現行法では松林の所有者に限定されておりますが、空散が過去五年間住居、学校あるいは水田等々の近くの松林で実施されたり、これはいろいろな報告があります。それから農作物や魚介類等に著しい被害を及ぼしている事実がたくさんあるわけです。こういうことから考えましたときに、地域住民等に不服申し立ての権利を認めるべきである、こういうことを主張したのでありますが、この点が一つ。
 それからもう一つは、空散防除が人畜あるいは農漁業等に被害を及ぼしたときは直ちに当該防除事業を中止すべきである、このことは通達事項となっていますけれども、非常に不十分で守られない点が多々あるというケースが出ています。これを法律にその旨を明記すべきであるというふうにわれわれは主張するのでありますが、この点についてどういうふうに取り組んでいかれるか、まずその問題をお尋ねしたいと思います。
#79
○秋山政府委員 まず第一点の、地域住民の権利としての空散に対する不服申し立ての制度化の問題でございますが、いま先生お話しのとおり森林病害虫等防除法におきましては、森林所有者に対しまして不服申し立ての制度が設けられております。また、特別防除の実施につきましても、所有者に対しまして不服申し立ての制度を決めているところであります。これは特別措置法は、被害が非常に異常であるという松林に対して終息型の被害に持っていこうということで薬剤の空中散布を適期に緊急計画的にやる、こういうことがこの趣旨でございます。そこで、特別措置法といたしましては、適期実施が確保されるというたてまえで制度化をしておるわけでございます。
 御指摘の住宅あるいは農作物等の被害につきましての問題でございますが、特別防除そのものが松林を対象としているわけでございまして、いまお話しの薬剤の安全使用の問題あるいは危被害の防止の対策の問題につきましては、法律の第八条におきまして薬剤の安全かつ適正な使用に関する規定がございますし、また第三条の規定によりまして「基本方針」でそれを明記しその措置をとっているところでありまして、私どもはこれで措置できると思っております。
 なお、地元の地域の皆さんの意見を反映するための措置といたしましては、都道府県におきます松くい虫防除推進連絡協議会、さらには現地におきます説明会等を通じまして十分御理解を得てまいってきておるところであります。
 それから、第二点目でございますが、危被害を及ぼしましたときの措置であります。この特別防除を実施することによって農業、漁業等に対して被害が発生するとか自然環境あるいは生活環境に悪影響を及ぼした場合でございますが、その場合におきましては通達をもちましてこの特別防除を中止いたしまして原因究明するということで現在指導しておるところでございます。先ほど述べましたように、この特別防除の実施に当たりましては第八条あるいは第三条でこの方法につきまして十分措置しておりまして、現段階におきましてはこの対応によって特段の必要がないと理解しておりますし、さらに、この問題につきましては重要でございますので万全を期して今後とも進めてまいりたい、かように考えておるところでございます。
#80
○武田委員 要するに、やるかやらないかということが問題なのです。というのは、昨年の六月二十日、林野庁主催で松くい虫防除のための農薬の空中散布についての意見交換がございましたね。それは御存じですね。
#81
○秋山政府委員 聞いております。
#82
○武田委員 そのとき出されたいろいろの事例は記憶にありますか。どういうものが出てきたか聞いていますか。
#83
○秋山政府委員 具体的な個別案件につきましては、現在ちょっと記憶しておりません。
#84
○武田委員 ですから、私はそこが問題だと思うのですね。これは長官がかわるからわからぬとか、大臣がかわるからわからぬというような問題ではないのです。重要な問題なのです。何のためにこれは主催して、しかも偉い人がたくさん、学者さんたちも出ています。地域の方々も二十名か二十数名来てやっているわけです。
 たとえば、行政は空中散布の実施要領すらきちんと守っていないことがあるんだよ、そのために地域住民がしばしば危険にさらされているんだ、取手市とか松山、兵庫県の川西、西宮、そういうところの具体的な例を挙げて危険というものを訴えている。それから、枯損木の処理もされずに村内にそのまま放置されているケースがあった、こういうのではいかぬじゃないか。あるいはまた、弱った貝をその地域の方々が拾って食べているケースがあるんだ、そこは空中散布をされている地域である。あるいはまた、規定以上の濃い薬を使っているところもあるんだ、目や皮膚に被害を受けている者もある。あるいは福岡県の例などは九年間もずっと恒常的にまきっ放しである。しかもまた、微害の地域でさえも空中散布をやっているんだというような、いろいろな事例を通してこの空散の実施あるいはそれに対するいろいろな問題を提起されているわけです。そういうことを聞いたらそれなりにきちっと対応しながら安全にやるのが本来の筋です。それも聞いてないし中身もわからぬとすれば、これは私は非常に問題だと思うのです。そういう姿勢でまた続けるとすると、これは、私たちはああそうですかというわけにはいかぬです。だから、いま私が申し上げた二つの点は厳しく法律の中に明記していくくらいでなければならない。ある町長か村長かわからぬけれども、高圧的に、この事業に賛成しないのは国賊だと言って満場の中で怒り散らしたという話すら聞いているわけです。これについてどう思いますか。
#85
○秋山政府委員 県におきます実施計画、さらに今度の法案におきましては地区実施計画で具体的な実施の方針並びに方法を決めるわけでございますが、その段階におきましては、この地域の皆さんに対して自然環境あるいは生活環境への影響の問題、さらには農業、漁業に対する影響等について十分意見を伺って計画に盛り込むということでこれは進めてまいっておるつもりでございます。今後ともさらにそれを進めてまいることによってその目的は達成し得るものと考えているところでございます。
#86
○武田委員 それでは、中止の実態というのをとらえていますか。
#87
○秋山政府委員 これまで五十二年から五十六年にわたってこの特別防除を計画して、それについて中止をした例でございますが、自然環境への影響のために中止したあるいは生活環境への配慮で中止したところ、さらには農業、漁業への影響等があって中止したところにつきまして、五十二年においては二千八百二十七ヘクタール、五十三年は二千六百十一ヘクタール、五十四年は二千二百二十六ヘクタール、五十五年は千二百五十二ヘクタール、五十六年は五百二十七ヘクタールあります。
#88
○武田委員 それは市町村あるいは地域別に言うと何カ所ですか、いま面積で言ったのですが。
#89
○秋山政府委員 個所数につきましては即刻調べて申し上げます。
#90
○武田委員 いずれにしましても、万全な対応をするというならばやはりはっきりとそうしたものを法律事項の中に明示しながらやることが必要最小限の条件ではないかと私は思うのです。
 時間の都合でそれだけにとどめておきますが、あと同僚の吉浦議員も質問すると思いますので、次に特別伐倒駆除の問題について質問したいと思うのです。
 今回のこれは、特別伐倒駆除などを含めた総合対策ということで、内容としては私たちもそれなりの評価はしております。しかし、特別伐倒駆除というのはなぜに前回取り入れなかったのかという疑問がいまになってむらむらと大きな疑問として起こってくるわけです。もし、これを取り入れていたならば、その効果がない、あるなんという批判とか、膨大な金を使ってもうまくいかなかったじゃないかというような非難は相当小さいものになったのではないかと私は思いますが、なぜそのときにこれを取り入れなかったかということがまず一つです。
 それから、今回の予算措置で果たして十分な対応ができるものかという心配があります。これは、こういうしかじかの理由で十分対応できるだけの予算措置をしたのだというものがあれば具体的なものを示してもらいたい。これが二つ。
 三つ目は、見ていると空散の方の予算は少ないといってもそんな少なくないわけです。依然として空散による防除というものから頭の切りかえができない、それが主導型になっているのじゃないかと思われます。私は、この際思い切ってこうした発想を切りかえて、特別伐倒駆除の方にもっとウエートを置くべきだと考えているのですが、どういうふうにお考えになるか。
 そしてもう一つ、この空散をいつまでも続けるということはいかがかと私は思うのです。先ほど一例を挙げた福岡県が九年も恒常的に毎年続けて散布している。こういうようなことがほかの地域でも行われていたら薬漬けになっちゃうのじゃないか。そう考えると、ここで特別伐倒駆除という一つの試みをもってこれを推進するということになるならば、二年あるいは三年でも結構でしょう、その時期で空散を打ちどめというような一つの基本方針あるいは通達というものを明確に示して、真剣になって取り組むという対応があってしかるべきではないかというふうに私は思うわけでありますが、この点につきまして御答弁をいただきたいと思います。
#91
○秋山政府委員 まず最初に、有効な特別伐倒駆除をなぜ五年前に取り入れなかったかという御指摘でございますが、松くい虫防除特別措置法制定時におきましては、この特別防除を緊急かつ計画的に実施すれば被害の終息が図れるとしておったわけであります。その後、特に五十三年の夏季の異常気象で、従来被害の少なかった地域につきまして異常な被害が出てまいった段階におきまして、私どもといたしましてはまずは予備費を使ってもこれは伐倒駆除で対応しなければならぬということで、予防と駆除を併用することによって初めて効果があるということをそこでまた強く反省を実はさせられたことが第一点。
 それから、特別防除につきましては、先ほど来申し上げますとおり、やはり自然環境、生活環境等への配慮、さらには農業、漁業への危被害の防止という面から計画どおり実施できなかったことなどを実行過程でわれわれ十分体験的につかまえまして、しかもその実行過程での反省の上に立ちまして、松くい虫対策の懇談会等におきましてより一層よい方法はないだろうかということで検討した結果、特に、最近におきましては松の伐倒駆除した部分が林内に放置されるというような問題もございますので、それらも勘案いたしまして、保安林等の公益的機能の高い森林等につきましては、徹底した駆除をしなければなかなか松くい虫の被害を終息型に持っていくのはむずかしいという反省に立ってこの方法を実は取り入れたわけでございまして、そういう過去の苦い経験の上に立ちまして、今回、被害木を伐倒し、チップ化あるいは焼却を行うというような方法を取り入れたということでございますので、今後、これを積極的にやることによってより防除を促進するという覚悟でございますので、ぜひともそこは御理解をいただきたいと思うわけであります。
 それから次に、そういうことに関連いたしまして、特別伐倒駆除をする場合におきましては、いま触れましたような公益的機能の高い松林とかこれから先には被害を入れてはいかぬというような先端地域の松林等につきましてやると同時に、やはり周辺の自然環境の保全等の関連から考えまして、これを有効適切に活用しなければならぬということを実は考えておるところであります。
 そこで、空中防除と申しますか特別防除と特別伐倒駆除の比率の関係でございますが、特別防除と申しますのはあくまでも予防的に実施するという面で効果が高うございますので、これも実施すると同時に、地上におきまして貴重な森林あるいは機能の高い森林等につきましては特別伐倒駆除で徹底的に措置する。これが両々相まってこの防除が徹底するわけでございますので、やはりその地域地域の被害状況、松林の機能等を勘案しながらこの対応をしてまいりたい、かように考えておるところであります。
 そこで、伐倒駆除の予算関係につきましても、従来の特別防除につきましては前年度よりも減しまして、逆に特別伐倒駆除を新たに導入するということで、何といたしましてもこの特別伐倒駆除と普通の伐倒駆除をあわせまして四十万ヘクタールを実施するというふうな考え方であります。
 それから、早目に空散から脱却して三年ぐらいでやめろという話でございますが、被害の発生を防止しながら、また一方におきまして徹底駆除するということでありますと、まずはこの両面からの攻めを合理的に組み合わせながら実施していくことが大切だというふうに理解しておりますので、三年程度でというふうな限定は、現段階では適切ではないというふうに感じておるところであります。
#92
○武田委員 大臣がおいでになったので、大臣に最後にもう一度。
 先ほど長官からも話があったわけでありますが、われわれが提示しております修正の中身の問題で、大臣としてどのようにこの問題に対応していただくかということは、われわれのこの法案に対する今後の態度にもなるわけでありますのでしかとお尋ねしたいのですが、先ほども申し上げましたように、一つは、空散防除に対する不服申し立ての問題についてでありますが、地域住民に不服申し立ての権利を認めるべきであるということ。
 もう一つは、この空散防除が被害を及ぼしたときは直ちに中止すべきである。これは通達事項であるけれども、いま長官も守られていない部分もある、いろいろとそういうことも発言の中にあったように、確かに十分に守られていない嫌いがございます。なるがゆえに、安全にこの空散ができるようにするためには、どうしてもこれを法律の事項としてきちっと明示しなければならぬと思う。この問題をどういうふうに大臣はお考えになっておるか、これは一つの大きな問題でありますので、大臣の御見解をいただきたい。
 そしてもう一つは、私は早目に空散から脱却するようなめどをつけて積極的にいろいろな総合対策に取り組むべきだと言ったのでありますが、長官は三年云々ということはだめだということでありますが、大臣としては、空散による防除一辺倒的なやり方を今回は多少薄めているようであるけれども、これをいつかの機会にきちっとやめるというような方向での検討、お考えはないものかどうか、この三つを、質問の時間が終わりましたので答弁いただきたいと思います。
#93
○田澤国務大臣 特別防除についての要請でございますが、この点については林野庁長官からももうすでにお答えしておりますとおり、現行法を正しく進めてまいりますならばそういう弊害はないだろう、私はこう思います。しかも、適期に散布するということは非常に重要なことでございますので、そういう点では県あるいは市町村の計画の段階でいろいろ地元の方々と話し合いをした上で進めるのが妥当じゃないだろうか。
 また、被害が出た場合におきましても、この法律をそのまま素直に正しく進めるならば被害は出てこない、私はこう考えますので、こういう点も、先ほど申し上げましたように、市町村の計画を策定する段階で十分その点に留意しながら進めていくことが妥当であろうと思うのでございます。
 最後に、特別防除をある一定期間でやめたらどうだというお話でございますが、これはやはり特別防除あるいは特別伐倒駆除等を総合的に実施することによって松くい虫の防除対策になるわけでございますので、この特別防除だけをここで抑える、終わるということはなかなかいま申し上げる段階じゃないと思うのでございます。あらゆる対策を総合的に進めることによって、できるだけ早い機会に松くい虫の被害の防除をしてまいりたいというのが私たちの念願でございますので、この点はひとつどうか御理解をいただきたいと思うのでございます。
#94
○武田委員 あと一分時間があるのですが、この辺でやめますが、いずれにしましても非常な被害が出ておるということを、そして各地から、特に、西の方からいろんなそういう被害状況なりいろんな苦情あるいはまた申し立てなどがあるわけですから、長官がさっき、内容がわからぬというようなことがないように、もっとやはり真剣にこれからの五年間の対応として取り組む姿勢を私は強く要望したい、そのことを要望して、質問を終わらしていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)
#95
○羽田委員長 神田厚君。
#96
○神田委員 松くい虫防除特別措置法の一部を改正する法律案につきまして御質問を申し上げます。
 この松くい虫の問題につきましては、五年前に法案が制定をされまして、そして空中散布その他の措置がとられたわけでありますが、特別措置法制定後の松くい虫の被害の推移と現況ということにつきまして御説明をいただきたいのであります。かなり強力な対策を講じたにもかかわらず、広範囲にわたりまして被害が増大しているわけでありますが、どの程度の被害あるいはこの被害の推移というのはどういうふうなものであったのか、現況はどうなのか、御説明をいただきたいと思います。
#97
○秋山政府委員 お答えいたします。
 松くい虫の被害につきましては、昭和四十年代後半から増大してまいったわけでありまして、四十八年−五十年度と、この間毎年百万立米を超える被害を記録しまして、五十三年には二百七万、五十四年には二百四十三万と激甚の度を加えておるわけでございます。五十五年におきましても二百十万立方メートルに及んでおりまして、五十六年度の現在、五十五年度並みの被害が出るのではなかろうかと想定をされておるところでございます。特に、五十三年に急激に増大いたしましたのは、高温少雨という気象台におきましても非常にまれな異常気象が出まして、特に、その地域に該当した個所がかつて微害でございましたとか、あるいは軽微でございましたところが急激に増大した。特に、茨城県、栃木県あるいは静岡県、愛知県、鳥取県というふうなところにおきまして非常に大量に被害が出てまいったのと、さらには群馬とか埼玉とか新潟、福井、山梨とかいうふうな従来被害が出てなかったところにおきまして新たに出たというふうなことが、この非常に爆発的なと申しますか、被害になりまして、昨年長野県に一部出たために、現在、北海道、青森、秋田の三県が全くないわけでございますが、それ以外には被害が出ておるというふうな現状でございます。
#98
○神田委員 端的にお伺いしますが、防除対策を講じたにもかかわらず被害が増大した、こういうことでありますが、その理由はどういうふうにお考えでありますか。
#99
○田澤国務大臣 先ほど長官からお答えがありましたように、被害が四十年代後半から大きくなってまいりまして、四十八年、それから五十三年が最高の被害面積を生むようになったということでございますが、こういう点から考えてみますというと、確かにやはり五十三年度の、夏の異常気象によるものが非常に大きい原因だと私は考えております。
#100
○神田委員 これは、異常気象だけで被害が増大したということではちょっと説得力がないと思うのですが、長官の方でつけ加えるようなことがございますか。
#101
○秋山政府委員 補足的に申し上げますと、特別防除を当初予定したのに対しまして、実行過程におきまして生活環境あるいは自然環境保全、農業、漁業への危被害防止という面から計画どおりに実施できなかったというようなこと、さらには異常気象等によりまして、非常に被害が激化いたしますと、一般の伐倒駆除ですと、十月ごろまでの間に被害木がなかなか伐倒し切れぬという面、これらの原因が異常気象に加わりまして被害がひどくなったというふうに理解しております。
#102
○神田委員 被害防除がいろいろな制約によって達成されなかったということでありますが、危被害防止その他の問題で具体的な事例としてどういうふうなものがあったのか、御説明をいただきたいと思います。
#103
○秋山政府委員 お答えします。
 当初計画として特別防除をやる予定にしておりました面積、二十六万ヘクタールでございますが、に対しまして、実行いたしましたのは約二十万ヘクタールでございます。
 その実行率を見てまいりますと、年々で開きがございますが、九七%ないしは九九%というようなことでございまして、五十二年で見でまいりますと、自然環境への問題としてやめましたものが七十六、生活環境への関係でやめましたものが二百六十八、農業、漁業への関係でやめましたものが千四百十四、その他含めまして二千八百二十七ヘクタールでございます。五十六年は五百七十二でございますが、そのように年々大体千二百ないし二千ヘクタール、ないし二千八百ヘクタールにつきまして当初の計画に対しまして中止をせざるを得なかった面積が出てまいっております。
#104
○神田委員 その中止をせざるを得なかったという面積はわかりましたけれども、具体的な事例というのはどういうことがありますか。
#105
○秋山政府委員 漁業の場合ですと、やはりクルマエビへの被害というようなこともございますし、それから生活環境におきましては、地元の住民の皆さんの反対等もございますし、また、松くい虫に対する特別防除を反対される方の運動等もありましてやめたところ、非常にいろいろの事例が実は出てまいっておりますが、私どもといたしましては、やはりこれらを実行するに当たりましては地域の皆さんと、十分御理解をいただくように松くい虫の特別防除の連絡協議会の場におきまして意見を伺い、意思疎通を図りながら進めてまいっておりまして、そういう経過からこういうのが出てまいっておる、かように理解しております。
#106
○神田委員 これは今度の法案によりましても、つまり、前回五年間の防除をやってできなくて、さらに五年間延長してこれをやろうということでありますから、その効果というものは、これをきちんと効果あらしめるようにしなければならないわけでありますが、こういうふうな形でかなりの面積が、あるいはかなりの個所におきまして防除計画ができないというふうなことは、やはり非常にいろんな問題を含んでいると思うのですね。したがいまして、今後も今度の法律によって、やはりこのような形で被害防除の問題が制約によって達成し得ないような状況が十分に考えられると思うのですが、林野庁としましては大体どの程度の予測といいますか、五年間さらに延長した場合、制約のためどうしてもできないような状況はどの程度あると予想しておりますか。
#107
○秋山政府委員 先ほど五十二年から五十六年にわたりましての実例を申し上げましたが、私ども初め関係の皆さんの努力によりまして、年々空中散布と申しますか特別防除に対する理解が深まってまいりまして、中止する面積は少なくなってきている傾向がございます。
 そこで、私ども今後の空中防除をするに当たりましては、どうしても地域の皆さんの御理解をいただかなければいかぬわけでございますので、現在、五十二年以来三十二の都府県におきましてこの効果の調査をしております。こういう効果の定点を設けまして、経年的に調査をしているわけでございますが、その成果が上がってきているのがだんだんと御理解につながっているものだと思います。また、静岡の千本松原だとかあるいは佐賀県の虹ノ松原とか鹿児島県の吹上浜というようなところで防除をやっているところがそれなりにりっぱな状態をずっと維持し続けているというのがそれぞれ評価を高めるところになってきておると思います。
 そこで、私どもこれから進めるに当たりましては、さらに御理解をいただくように努力しながら進めてまいるというふうに考えておりますが、まずは五十七年度におきましては十三万ヘクタールを計画し、これを着実に実施してまいりたい、かように考えているところでございます。
#108
○神田委員 空散の問題になってまいりましたが、空散の効果というのは非常に評価が分かれているというふうに聞いておりますが、空散の効果というのは林野庁としてはどういうふうに判断をしているのか。特に空散のできなかった個所との比較をするとどういうふうになっておるのか、その辺はいかがでございますか。
#109
○秋山政府委員 昭和五十三年から五年にかけまして、赤外線カラー写真による防除効果を、これは委託調査で実施しておるわけでございますが、これにつきましては五十三年度には六県におきまして、それから五十四年度には七県におきまして、五十五年度は六県におきまして、面積といたしましては千五百ヘクタールの調査地域の中に散布地域と無散布地域を三百ヘクタール入れまして、その中を百メーター、百メーターのメッシュに切りまして調査をしたわけでございます。この結果によりますと、散布した地域の成果がはっきりと多くの県において出てまいっております。無散布地域と、それからいわゆる境界になります地域と、散布した地域というふうなところに各県ごとにそれぞれ大体八十個ずつ場所をとりましてやっておりました結果でございますが、空中防除の結果につきましてははっきり成果が出ておると報告されております。
#110
○神田委員 空散予定個所で実施ができなかったところもあるというふうなことであります。
 先ほどの被害防除の問題が制約によってできなかったということと関連しますけれども、できなかった場合の理由はどういうことなのか。この辺はいかがでございますか。
#111
○秋山政府委員 先ほども一部につきまして例を申し上げましたが、やはり農業、漁業に対する関係ですと、桑畑が隣接しておるところあるいは養魚しておる周辺の個所につきましてはこれをやめておる例がございますし、それから松林の周辺に自然環境の保全あるいは生活環境の保全上やめてほしいという要請があったためにやめておるところ、それから、地元の住民の方々がやらぬでほしいというようなことでやめたというような例があります。
#112
○神田委員 国有林での空散計画と実績はどういうふうになっておるのか。また空散ができなかったところもあるというふうに聞いておりますが、その場合はどういう理由でこれができなかったのか、その辺をお聞かせいただきたい。
#113
○秋山政府委員 国有林におきまして当初計画いたしました面積は五カ年で四万三千六百ヘクタールでございました。それに対しまして実施した面積は四万二千七百ヘクタールで、ほぼ計画どおり実施しておったわけでございます。しかしながら、一部におきまして農業、漁業に対する配慮のために、途中でやめた面積が五カ年間におきまして三百二十三ヘクタール、それから生活環境に配慮しましてやめた面積が七十三ヘクタールその他合わせまして八百五十七ヘクタールとなっております。
#114
○神田委員 特に、国有林での空散計画はいまのようなわけで大体は実施できたけれども、実施できなかったところがあった。その他の問題というのはどういうことでございますか。
#115
○秋山政府委員 これは、途中におきまして被害木を販売しまして、その部分がもうすでになくなっておりましたのでやめた面積でございます。
#116
○神田委員 特に、地域住民とかあるいは組織的な反対によってやめたというようなところはございますか。
#117
○秋山政府委員 国有林におきましてはほとんどございません。
#118
○神田委員 昨日、参考人からいろいろ意見を聞いたのでありますが、最後に、今度の新しい法律で、五年間でこの松くい虫の被害を終息させることができるかどうかということをお聞きを申し上げましたらば、ほとんどの参考人が自信がない、終息できればよいと思いますというようなことでありました。そういう意味では、専門家でありましても非常に自信のないお答えのようでありましたが、大臣は、この新対策を実施することによって松くい虫の被害を五年間におきまして終息させることができるというふうにお考えでございましょうか。
#119
○田澤国務大臣 今日の技術の標準を基本にして改正法ができたわけでございまして、過去の五年間のいろいろな経過等も参考にしながら、特別防除あるいは特別伐倒防除等をさらにまた市町村をも参加させるというような内容でこの法ができているわけでございます。したがいまして、総合的な防除対策を進めてまいりますならば必ず終息の道をたどるもの、かように私は考えているわけでありまして、もし五年間に終息ができないという場合には、改めてまた国会にいろいろお願いをしなければなりませんけれども、ただいまの時点では、五年間に終息するように努力をしたい、かように考えております。
#120
○神田委員 まあ五年終わった後の問題はその後のことでございますが、過去五年間あれだけ力を尽くしてもこれだけ被害が出ているわけでありますから、さらに五年間の延長の中で終息できるように最大限の努力を決意を持ってひとつ当たっていただきたいと要望するわけであります。
 さて、現在非常に多くの被害が出ておりまして、激甚地域というところにおきましては、この復旧のためには樹種転換その他の考え方が取り入れられているわけでありますが、それらの激害地復旧のための樹種転換の考え方とそれに対する――やはりこれも非常にお金がかかる話でありますから、助成措置の問題についてはどういうふうにお考えでありますか。
#121
○秋山政府委員 先生御指摘のとおり、激害地におきまして、今後、その地域の森林機能をどういうふうにして生かしていくか、また、感染源をどうやって除去するかということになりますと、私ども今度の法案で考えております林種転換というのは、きわめて重要な方法だろうというふうに理解をしております。
 そこで、五十五年から松くい虫被害地域の緊急造林事業というのをやってまいっておるわけであります。これまでにヒノキの七〇%が一番多うございますが、そのほか地域によっては杉とかクヌギとかいうふうなものを植栽をしている例もございますし、また、松の生えているところにおきましては、どちらかというと、土地がやせている地域がございますので、そういう地域につきましては、特殊土壌改良事業というのがございまして、これは林地肥培をしながら肥料木その他を植えていく、やがて一部にヒノキその他を植えていくというふうな方法がございます。こういうふうな方法で林種転換を進めていくのが望ましいだろうと思っています。
 将来の方法としましては抵抗性の松を導入するということが考えられますが、現段階、まだそこまでいっておりませんので、そういうふうな方法で考えておりますが、これですと、大体五割の補助率に相なります。これは緊急造林事業の一般造林の場合でございますが、一施行地〇・一ヘクタール以上の森林所有者がやる場合には国が約五割の補助をするということで進めてまいっておりますし、それから特用林地の改良事業におきましては、補助率を十分の七という七割の補助で進めてまいるということで考えております。
#122
○神田委員 松くい虫の被害がこれだけ広がってしまったというのは、一つには、松材の価値というのですか、そういうものが落ちてしまって、その利用者が少ないからそれを放置してしまったということがありますね。つまり、森林資源として林野庁は松林の評価というのはどのように考えているのか、その辺はどうでございますか。
#123
○秋山政府委員 わが国の森林資源の中に占めます松の割合でございますが、大体一割でございます。材として生産されている量は四百二十万立米で、これが一二%ぐらい占めておるわけであります。さらに松の場合には、防風保安林あるいは防潮林あるいは土砂扞止というふうな国土保全の面で大きな役割りを果たしておるわけでございますが、さらに風致景観上も、これは御承知のとおり大変大きな価値を持っているわけであります。私ども、森林資源として見ましても松というのはきわめて重要な資源でございますので、何といたしましても、やはり防除を徹底し、松の持っていますところの機能を十分発揮できるように、できるだけ早くそういう状態に持っていくようにこれから懸命に努力していかなければならぬだろう、かように考えているところであります。
#124
○神田委員 それから、防除技術開発の問題で御質問申し上げますが、どうも防除技術の開発というのが被害の進行に対してちょっとおくれているといいますか、なかなか追いつかない状況でありますね。この辺のところ、ひとつどういうふうにお考えになりますか。
#125
○秋山政府委員 松の防除技術につきましてはいろいろな分野から実は攻めておるわけでありまして、まずは貴重な松等が枯れるものに対しましてどうやって防ぐかという問題がございますし、さらに、虫をどういうふうにして集めて殺すかといいますか、そういうふうな方法、こういうことがまず大事だと思いまして、いわゆる誘引剤と申しますが、それの利用とか立木に薬剤を注入するというような方法等の新しい防除技術につきましては、五十三年以来、国立林業試験場と公立の林業試験場がタイアップして研究をしているわけであります。
 これまでの成果を見てまいりますと、新しい誘引剤も開発いたしてきておりますし、また樹幹に注入する薬剤、さらには土壌にこれを埋め込みまして、それによって防ぐ方法というようなものもだんだんと成果が上がってまいっておりまして、現在、野外実験等を行う段階までようやく来ているわけであります。
 それからもう一つ、材線虫がどのようにして松を枯らすかという面につきましては、鋭意努力しているわけでございますが、放射線等によりまして、松くい虫と材線虫との関連におきましてどういう影響があるかということで、特に材線虫の毒素の解明とかあるいは生物学的な影響等につきまして、これは五十三年から放射線との絡みにおきまして鋭意努力をしているところであります。
#126
○神田委員 防除技術の開発はひとつ精力的にお進めをいただきたいと思うのであります。
 いずれにしましても、今度新しい特別伐倒駆除命令、これが新設されまして、特別伐倒駆除が導入されるわけでありますが、しかし、これはやり方が、導入の方法というものが、実効あらしめるためにはやはり幾つか問題があると思うのでありますが、その辺のところはどういうふうにお考えでありますか。
#127
○秋山政府委員 この特別伐倒駆除を具体的に実施するに当たりましては、労働力を確保するという問題と、もう一つは被害木を有効に利用する方法がないかということが一番大切じゃないかと思っています。
 労働力の確保の問題でございますが、伐倒をしてこれをチップ化するというふうな方法でございますと、期間的にこれはわりに長い期間防除ができるわけでございますが、やはり地域の森林組合あるいは素材生産の関係の皆さんに御協力をいただきながら進めてまいるように努力をしなければならぬと思っています。
 それからもう一つ、被害木の利用の問題でございますが、せっかく大きくしてまいりました資源でございますので、これをチップとしてパルプに使う方法とかあるいは繊維板とか削片板等に活用してもらう方法もありますし、最近は畜舎の稲わらのかわりに活用するというような方法も出てまいっているようであります。
 いずれにいたしましても、これが有効に活用できる方法を考えなければいかぬということでありまして、まずは伐倒し、それをチップ化するまでの過程におきましての伐採、搬出のための助成、これは私ども被害森林整備資金というのがございますが、これをうまく活用すると同時に、チップ化のための機材の導入に対する融通資金、さらには国産材の産業振興資金の中での加工施設を使って低利に安くこれが生産できるような方法をとると同時に、やはり木材を利用してもらう分野につきまして私どもが積極的に働きかけいたしまして、これを有効利用してもらうような形をとっていくということが大事であろうというふうに考えております。
#128
○神田委員 特に、労働力の問題は、この前の法律でも、せっかく県やその他で予算を盛っても労働力が集まらないということでそれを返上しているというような地域もあるというように聞いておりまして、大変問題でありますね。ですから、その辺は少し行政の場から強力な指導をしなければならない問題だと思っております。
 時間も参っておりますし、あすもまた質問がありますので、最後に大臣の方に、新たに防除対策、これを行うわけでありますが、これは日本の林業政策の中ではどういう位置づけを持つものとして御理解をしているのか、その辺をお聞かせをいただきたいわけです。
#129
○秋山政府委員 先ほど触れましたが、松と申しますのはわが国の森林資源の今後のきわめて重要な役割りを占めると同時に、国土保全上もきわめて重要でございます。したがいまして、私ども、今後の林業政策の上におきましては、やはり松の資源を守りながら山村振興あるいは地域産業の振興を通じまして松材を有効に活用し得るような方法をぜひとも考えていかなければならぬと思いますし、同時に、生産基盤の整備ということもこれらとの関連で十分対処をしていかなければならぬと思っておりますので、鋭意その面におきましても政策の展開を積極的にやってまいりたい、かように考えているところであります。
#130
○神田委員 終わります。
#131
○羽田委員長 小沢和秋君。
#132
○小沢(和)委員 初めに、まず大臣にお尋ねをしたいと思うのです。
 五年前にこの特別措置法ができますときに、いま総理大臣になっておられる鈴木当時の農林大臣などは、五年間で基本的に終息させる、その自信も持っておるということを答弁をしておられるわけであります。ところが、この五年間に、先ほどからしばしば問題になっておりますように、被害は逆にどんどん拡大をしていっておる。被害面積で見ましても、昭和五十一年が四十一万八千ヘクタール、これが五十五年には六十六万七千ヘクタールへと一・五倍になっておりますし、材積という点で見るならば、同じ期間に八十万立米から二百十万立米へと二・五倍になっておるわけであります。いわば政府の公約というのは完全に空手形であったというふうに言わざるを得ませんし、私はその責任はきわめて重大だと思うのです。先ほどから、異常気象であった、高温の年があったというようなお話があってはいるのですけれども、私は、そういうような言いわけではこれは通らないのじゃないかというふうに考えますけれども、現在のこういう状態になっておることについて大臣はどう反省をしておられるのか、お尋ねをいたします。
#133
○田澤国務大臣 小沢委員御指摘のように、五十二年に立法措置をいたしてこの対策に当たってまいったのでございますが、その翌年の五十三年の夏に異常気象がありまして、そのことが被害を非常に大きくした。加えて、先ほどもお答えいたしましたように、特別防除の実施に当たっての一つの制約あるいはまた特別伐採駆除の効果の一つの制約等がございまして、それが大きく被害を拡大させてまいったわけでございますが、当初、確かにその当時の松くい虫の被害の状況あるいはまたその当時の防除技術等の面からいって、五年間では間違いなく終息できるものという予想のもとに進められたわけでございますが、先ほど申し上げましたように、五十三年の異常気象というものがやはり大きくこの松くい虫に変化を与えた、そのことがこのような被害を生んだと思いますので、そういう点については大きな責任を感ずるわけでございますが、この過去の五年間の経緯を十分踏まえて、今後この改正法を基本にして防除のために最善を尽くしたい、こう考えているのでございます。
#134
○小沢(和)委員 今度の法改正では、そうするとずばりどういうふうにいまの反省が生かされているのか、そして今度は五年たてば終息という状態に間違いなく持っていけるというふうに言えるのか、その点お尋ねします。
#135
○秋山政府委員 過去五年間の防除の実績を分析いたしまして、従来の予防を中心にいたしました特別防除だけでは非常にむずかしい、特に五十三年におきまして、当時の伐倒駆除の量がきわめて少のうございましたので、五億の予備費を使いましてこれを伐倒駆除に充当したというようなこともございます。また、五十五年からはやはり林種転換ということも積極的にやっていかなければ森林の機能をよくしたりあるいは感染源をなくすためにはだめであるというようなこともございました。さらには、これは国と県だけでは不十分でございまして、やはり地域の皆さんの自主的な防除ということが加わって初めてできるのであるというようなこと等もこの五年間の実行過程でわれわれ理解したわけでございます。したがいまして、今回、私ども御審議いただいておりますところの法案におきましては、いま申しましたように、特別防除もいたしますが、特に重要な保安林とか重要な松林におきましては、伐倒したりチップ化あるいは焼却するというような徹底した方法をとる、さらには一般の伐倒駆除も入れ、また林種転換も入れる、地域の皆さんの自主的防除もお願いするというようなことで、総合的に、とにかく方法をうまく生かしまして異常な被害をひとつ早目に終息したいということで五年の時限立法をお願いしたわけであります。
 ただ、今後におきましても異常気象その他のそういう予測できない事態が起こるわけでございますが、いま申し上げましたようないろいろの方法をかみ合わせながら、とにかく早期に終息させたいということで五年間の行政目標を設定しまして全力を挙げてやってまいりたいという気持ちでございます。
#136
○小沢(和)委員 今度の法改正というのは、私は素人ではありますけれども、これだけ被害がさらに急増しておるというような状況の中でどれだけ内容が改善されたのだろうか、内容の改善という点では、私率直な印象として、非常に貧困ではないかと思うのです。これで五年たったら終息できるか。先ほどからの議論を聞いていると、今度は全力を挙げる、努力をするということで、どうもそういうような自信は表明されておらないというのも私はやはりその辺も反映をしておるのじゃないかと思うのです。きのうもある新聞が、松くい虫対策は各地で苦戦、決め手を欠いておるというようなことを報道しておったけれども、この新聞の報道どおり、やはりこれから努力はするけれどもそういう決め手が結局ない、しかし延長せざるを得ないというのがいまの状態ではないかというように私は先ほどからの議論を伺っておっても認識したのですが、そうじゃないのでしょうか。
#137
○田澤国務大臣 いま、新しい防除技術を基本にしてこの改正法をお願いしているのも、過去五年のいろいろな経験から、やはりこの法改正によって松くい虫の完全な防除ができるということでお願いをいたしているわけでございますので、その点はひとつ御理解いただきたい。私たちは、何としてもいまこの国土全体に松が枯れてその枯損木が林立している状態だけは排除したいという一念でこの法改正をし、この法を基本にして積極的な防除に努力したいということでございますので、決して自信のない法律の提案じゃないということだけは御理解をいただきたいと思うのでございます。
#138
○小沢(和)委員 時間がありませんので、いまの問題についてはその程度にして、次に被害を受けた森林の復旧の問題について若干お尋ねをしたいと思うのです。
 私の地元の北部九州は、玄界灘の荒海から農業や住民を守るために何百年の苦労の歴史の中で海岸一帯を防風、防潮、砂防の松林で覆うというような状態をつくり出しております。恐らくこれは全国でも有数でないかと思いますし、景観もすばらしくて国定公園にも指定されていることは御存じのとおりであります。ところが、この一帯が昭和四十年代に松くい虫によって猛烈にやられまして、私の近所の三里松原などというところは松がぽつんぽつんしか残らないようなところも出るというような状況で、塩害も大問題になるというような状況にさえなりました。
 きのう久しぶりにここへ行ってみましてわかったことは、こういうような状況の中で防除に努めてそれなりに食いとめる点では成果も出てまいりましたし、何よりも植林に努めて、それも非常に密植をして急速に伸びる品種を植えたという話でした。まだ何百年という樹齢の松から見ればこれはその三分の一くらいしかないけれども、しかしぎっしり植えたというような点もあって、塩害などを食いとめるという点では私はかなりの効果が出るような状況になったというふうに考えております。この点では皆さん方の努力に感謝をしておきたいと思うのですが、私は国有林というのは、特に保安林などというのは、全体としてこういう努力がなされておると思うのですけれども、全体として民有林がこの十年ぐらいの間に十二万ヘクタール以上も面積が減っておるというような点を考えると、民有林の場合には枯れた状態がそのまま放置をされて、どんどん松林の面積が減っていくというような状態になっているのじゃなかろうかというふうに考えるわけですけれども、民有林の造林など復旧の状態がどうなっているかということについてお尋ねをしたいと思います。
#139
○秋山政府委員 松被害を受けました跡地の造林は、感染源をなくするという面と、やはり森林の機能を早目にまたもとへ戻すという面できわめて重要でございまして、私ども、跡地の復旧造林につきましては、積極的に努力してまいっておるところであります。
 そこで、最近の被害地における造林実績でございますが、五十三年には四千百ヘクタール、五十四年には五千ヘクタール、五十五年には六千三百ヘクタールの造林をしております。今後も被害の激しい普通林等におきましては林種転換等を積極的に進めてまいりたい、かように考えておるところであります。
#140
○小沢(和)委員 減るテンポから考えてみれば、最近の造林の面積というのは年ごとに若干ずつ伸びておるということはいまの答弁でわかりますけれども、しかしこれはもっともっとテンポを上げなければならないと思うのです。特に私は、樹種転換という言い方で松以外のものにかえられるところはかえていくというような対策になっていることが大変残念で、先ほど大臣も、松というのは日本を代表する木だというふうにも言われましたし、私も、ぜひ松林だったところは松林として復旧されるように、もっともっと力を入れてもらいたいと考えるわけであります。
 この点で、いまの国が十分の三、県が十分の一というような補助では、特に最近松というのは経済的には採算が悪くなってきたというふうに言われている状況の中では、どうも松としては復旧されないで、樹種転換でどんどん別の方にかわっていってしまう、そして全体としては松林の面積がどんどん減っていくという状態になかなかストップがかからずにいってしまう、こういうことになりはしないかと思うのですが、この補助などについてももっと率を上げるということも含めて努力が必要ではないでしょうか。
#141
○秋山政府委員 まず、復旧造林の場合の助成でございますが、一般的には先生御指摘のように十分の四でございますが、この災害復旧につきましては、それに一割ほど補助の率を上げて進めております。
 それから、土地が非常にやせておりまして、土地改良をしながらそこに適当な樹種を植えていくという特殊林地改良事業の中で植える場合には十分の七というような方法で助成をしまして造林を進めております。
 それからもう一つ、松の跡に別の樹種でなくて松をまた植えるような方法はということでございますが、そうしますと、やはり松くい虫等に抵抗の強い品種をつくり上げていって、それを導入しなければならぬということでありまして、これは四十七年、八年ごろから選抜育種事業とかあるいは交雑によるところの育種というようなことでいろいろと抵抗性のある品種の育成等を林木育種場を中心にして現在やってまいっております。現在、選抜育種の方におきましては、非常に抵抗性の強い松のクローンを育てておりまして、大体五百ぐらいのクローンが現在合格しておりまして、これらを中心にして今後さらに進めてまいりたいと思っておりますし、それから交雑育種によりましては、日本のクロマツと中国の馬尾松という松でございますが、それのF1が非常に抵抗性が強いということが認められておりますので、これらのものをこれから増殖いたしまして、できるだけ早く供給して、松林の伐採した跡に抵抗性の強い松を植えてまいりたいということで、現在鋭意その対応をしておるところであります。
#142
○小沢(和)委員 いま、あなたが言われた松の抵抗性のある品種を開発するということについては私も大きな関心を持っているわけですが、これは五十三年から七か年計画でやっているということになると、この研究が一段落つくこと自体が五十九年いっぱいかかるということになるのですが、一体いつごろになったら、いま申し上げているような枯れた跡に大量にどんどんそれを植えることができるような状態がつくり出せるのでしょう。
#143
○秋山政府委員 五十九年ごろから実際に植えられるようにしたいということで、現在努力をしておるところであります。
#144
○小沢(和)委員 私がいただいておる林野時報という雑誌の八一年二月号に、九州林木育種場の藤本さんという方が、マツノザイセンチュウ抵抗性育種事業について書いておられる。これを読むと、実用化できるということについては、このままの状態だと昭和七十年代になるものと想定されるというように書いてあるのですよ。実際の第一線におられる方のこういうような見通しといまのあなたが言われたのと余りにかけ離れていると思うのですが、こっちの方が本当なんじゃないですか。
#145
○秋山政府委員 これには二つの方法がございます。
 まず、これは選抜育種の場合には、第一次検定、第二次検定というふうな方法がございまして、まず、マツノザイセンチュウの第一次接種検定が終わりましたならば、これで抵抗性個体を暫定供給で進めてまいろうということで、五十九年から始めてまいろうと思っておりますが、さらに今度は、二次の接種検定をいたしまして、それによりまして採種園をつくって進めてまいるということになりますと、これはいま御指摘のように、造林が六十七年度ごろになるわけでございますが、私ども、まず暫定的には第一次の接種検定を終わりました個体から供給をしていきながら、あわせて二次検定を進めてまいろう、二つの方法で進めてまいろうというふうに考えております。
#146
○小沢(和)委員 だから、端的に言って、本格的に抵抗性のある松の苗を大量に出回らすことができるのは、やはり七十年代になりはしないかというふうに現場の人は言っておるのですが、その点はどうですか。
#147
○秋山政府委員 まず、暫定的には五十九年から進めますが、二次検定を経てから採種園をつくって苗木が出るという形になりますと、これは六十五年以降ということで、いま計画を立ててやっております。
#148
○小沢(和)委員 そういうことになると、そっちの面からも松林としての復旧というのはちょっと無理だということになって、ほかのものに転換をしていったり、荒れ地のままで放置をされるということになりかねないと思うのです。その点についてはぜひ格段の努力をお願いしたいと思います。
 次に、保安林の保護、保全の問題について少しお尋ねをしたいと思うのです。
 先ほども申しましたように、私の地元である北部九州は、海岸一帯がみごとな松林で覆われておりますけれども、この松林を今日の状態にまでつくり上げて、防風、防潮、砂防などで大きな威力を発揮するまでには、それこそ私たちの祖先が大変な苦労をしてまいったわけであります。
 きょう私は、「日本林制史資料」という、農林省が戦前に編集をした資料のうちの福岡県の関係を若干見てみたのですけれども、その中にも、いまからもう二百五十年ぐらい前から、この荒れた海岸の砂地に松を何とか根づかせようとして、枯れても枯れても植えて、そして、とうとうああいうような松林にしていった、その苦闘のありさまがずっと書いてありました。
 どんなにこれを大事にしておったかということについて、私興味もありましたからお定め書きの写しをちょっと書いてきたんです。ちょっと読んでみますと、「浜付きは、砂吹き上げ、年々田畠荒れ候。惣じて、地所の損亡は重き事に候故、砂除け之ため、当元文三年」一七三八年「より、浜辺、松植え立て仰せ付けられ候条、常に手入等仕り、下草迄伐り取り申すまじく候。後年に至り何分の御用にても、浜辺、砂除けの松、諸木は伐り申さざる御儀定、後年に至り、当時の詮議にて、役人、伐り候とも、此の書付を指し出し、相断り申すべく候。」役人が切れと言ってきても、この証文を出して切らすなと言っておるのです。「右の通りに候条、百姓として、伐り荒すは、重科たるべく候事。」つまり、百姓がこれを荒らすようなことをやったらきついおとがめがあるぞと、こういうことで厳しく禁止をして、このおふれを、私どもの地元の遠賀郡から佐賀県との県境の芥屋のあたりまで、ずっと回しておるのです。
 こういうような苦労の中で今日のこのりっぱな松林ができてきたわけですが、私は、これを大切に保存して、さらに育成して後代に伝えるのがわれわれの任務ではないかと思うのですが、どうも最近、簡単にこの保安林を解除したりあるいは伐採などいろいろ手を入れたりすることを認めているような傾向があるように思われてならないのですが、最近そういうような解除したりしたような事例というのはどれぐらいあるか、この機会にお尋ねをしたいと思うのです。
#149
○秋山政府委員 いま御指摘の、福岡県の海岸にございます国有保安林の解除の関係につきまして申し上げますと、最近の五年間で申し上げますと、五十一年には七件で〇・三五ヘクタール、五十二年が四件で〇・九九ヘクタール、五十三年が三件で四・三〇ヘクタール、五十四年が四件で〇・七七ヘクタール、五十五年が一件で〇・二七ヘクタール、本年はいまのところゼロと、こういうふうなことになっております。
#150
○小沢(和)委員 私がいただいた資料では、四十七年度から五十六年度までの間に三十三件、十一ヘクタール余りということになっております。これを見ますと、やはり年々ちょっとずつではありますけれどもこの貴重な海岸の保安林が失われていっている。公益上の理由がある場合には解除することができるということにはなっておりますけれども、しかし、私が特に身近な三里松原などでの最近の解除の状態を見ていると、もっとこの点については慎重を期さなければならないのじゃなかろうかというようなことをいろいろ感じさせられるわけであります。
 その一つとして、私きょう特に申し上げたいと思いますのは、この三里松原に防衛施設庁が近いうちに対潜水艦通信施設をつくるということを考えて、そのための調査をしたいということで五十六年度、五十七年度調査を行っておるというふうに聞いているのですが、それはどれぐらいの広さ、またどんなことを調査しようとしているのか、お尋ねをします。
#151
○秋山政府委員 調査期間は五十六年六月二十二日から五十七年七月十日までの約一カ年でございまして、調査面積は〇・一一ヘクタールでございます。内容といたしましては、地況、林況等の把握、それから気象状況の観測、これは風速、風向、砂がどう飛ぶかということなどの測定でございます。
#152
○小沢(和)委員 いま〇・一一ヘクタールというふうに言われたのは、観測する機器を据えたりするためにちょっと場所をお借りしますといったような程度の意味での使用の許可を与えたという面積でしょう。
#153
○秋山政府委員 そのとおりでございます。
#154
○小沢(和)委員 実際には、この超長波の送信所というのは、いま愛知県の依佐美に米軍が使っておるものがあるのですけれども、これとほぼ同じようなものをつくろうとしているというふうに私は承知しているわけです。
 この依佐美の送信施設というのを私どもがちょっと調べてみますと、面積は、これは平米ですけれども、約百九十八万平米に達するのですね。そして、そこに五百メートル置きに高さ二百メートルの鉄塔をずっと二列に立てます。だから、幅五百メートル、長さが千五百メートル、それだけの区域の間にこの鉄塔が立てられて、そしてその鉄塔の頂上にアンテナが網のように張りめぐらされる、こういう施設になると承知しているわけです。そういう大きな鉄塔のほかにも小さな鉄塔が四つぐらい、このアンテナを引っ張るためにまた別に設けられるようですね。
 そうするというと、いまあなたは何か観測機器を据えるための小さなところだけを使うような印象を与えたけれども、これだけ大きな送信施設がそこにでき上がる。松林をそっくり覆ってしまうような、アンテナの網が上にかぶさってしまうような設備ができるのですけれども、こういうようなことは保安林の機能に大きな影響を与える構造物じゃないかと私は思うのです。第一、この鉄塔を立てるために、その辺の木をみんな切り倒すでしょう。アンテナを支えるために、コンクリートの大きな基礎や何やら、いろいろ必要になるだろうと思うのですね。これが保安林の機能を損なったりするような施設にならないでしょうか。
#155
○秋山政府委員 私ども、ただいまその中身につきましては聞いておりませんので、調査結果を待ちましてからこれにつきましては検討したいと考えております。
#156
○小沢(和)委員 それから、二百メートルの鉄塔が立つということになると、どんなに古い高い松でもそんな化け物みたいな松はないでしょう。大体ヘリコプターはすれすれのところまでおりてきて薬液を散布するのでしょう。そうすると、すれすれのところまでおりてこようと思っても、そういう広大な面積をアンテナの網が張ってあったらおりられない。うんと高いところから散布しなければならないということになれば、実際上、いまこの辺では空中散布が毎年行われていますが、そのことについても重大な支障を起こすような施設になりませんか。
#157
○秋山政府委員 ただいま申し上げましたとおり、私どもまだ計画等について伺っておりませんので、調査結果等をいただいた段階で慎重に検討したいと考えております。
#158
○小沢(和)委員 もともとこの対潜水艦通信施設というのは、現代戦の主力である潜水艦に、潜水艦がもぐったままの状態でいろいろな指令や情報などを送ることができるように、海中に届くような電波、つまり超長波を発信するための施設なんです。だから私たちは、これは、いざ戦争ということになれば、真っ先にねらわれるような物騒な施設ではないかということで、かねてからこういうようなことは反対をしているわけですけれども、そういう議論はきょう、一応おくとしても、先祖伝来、今日まで維持されてきたこの大切な防風、防潮、砂防などの保安林を、こういうものをつくることによって荒らすということは、私はどうしても許すことはできないと思うのです。
 いまあなたは、これらの計画が出てきた段階では慎重に対処したいと言われましたけれども、私どもは、何カ所か候補地を持っている中の一つだというふうに聞いているのです。もしそうだとしたら、この保安林の機能を損なうおそれがあるか、ないかを先に検討して、そういうものについては困るということをいまの段階でも言うべきじゃありませんか。
#159
○秋山政府委員 私、調査結果を見ましてと申し上げたのでございまして、計画ということではなくて、現在、福岡県知事がこれを作業許可して調査しているわけでございますので、その調査結果を聞いた上で慎重に対処したい、かように申し上げているところであります。
#160
○小沢(和)委員 ではこれで終わりますけれども、いまの慎重に対処したいというのは、保安林に重大な支障があるということになれば、それはノーと言うこともあるということも含めて慎重に対処をしていただけるというふうに理解してよろしゅうございますか。
#161
○秋山政府委員 調査報告をいただいてから、その辺につきましては検討したいと思っております。
#162
○小沢(和)委員 終わります。
#163
○羽田委員長 次回は、明十八日木曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとして、本日は、これにて散会いたします。
    午後八時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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