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#1
第096回国会 社会労働委員会高齢者に関する基本問題小委員会 第3号
昭和五十七年四月二十一日(水曜日)
    午後二時一分開議
 出席小委員
   小委員長 竹内 黎一君
      今井  勇君    古賀  誠君
      長野 祐也君    浜田卓二郎君
      深谷 隆司君    金子 みつ君
      川本 敏美君    田口 一男君
     平石磨作太郎君    米沢  隆君
      浦井  洋君
 出席政府委員
        厚生大臣官房審
        議官      下村  健君
 小委員外の出席者
        社会労働委員  菅  直人君
        厚生省保険局企
        画課長     古川貞二郎君
        厚生省保険局医
        療課長     古川 武温君
        社会労働委員会
        調査室長    河村 次郎君
    ―――――――――――――
四月二十日
 小委員古賀誠君及び丹羽雄哉君同月八日委員辞
 任につき、その補欠として古賀誠君及び丹羽雄
 哉君が委員長の指名で小委員に選任された。
同日
 小委員森井忠良君同日小委員辞任につき、その
 補欠として田口一男君が委員長の指名で小委員
 に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 高齢者の医療問題(諸外国の医療制度)
     ――――◇―――――
#2
○竹内小委員長 これより社会労働委員会高齢者に関する基本問題小委員会を開会いたします。
 高齢者の医療問題について調査を進めます。
 本日は、諸外国の医療制度、特に診療報酬支払い方式を中心としての資料をお手元に配付してありますので、まず政府からその説明を聴取いたします。厚生省保険局古川企画課長。
#3
○古川(貞)説明員 企画課長でございます。
 ただいまから諸外国の医療制度並びに診療報酬支払い方式につきまして御説明を申し上げたいと思うのですが、資料の御説明の前に、高齢者に関しましては、御案内のように欧米先進諸国におきましては、いわゆる公的医療保障制度というような形で老人のみを対象とした制度はないわけでございます。わずかに公的医療制度のございませんアメリカで、いわゆるメディケアというものがございますので、これにつきましては後ほど資料で御説明を申し上げたいと思います。また、西ドイツにつきましては、御案内のようにこれも老人のみを対象とした特別な制度はございませんけれども、年金受給者の医療保障につきましては、その財政面におきまして他の一般の被保険者とは異なった取り扱いがなされているというようなことでございまして、高齢者ということを特に取り出して云々というようなことは諸外国の例としては非常に少のうございますので、資料の御説明の前にその点を補足させていただきたいと思うのです。
 それでは、お手元に「諸外国の医療制度の概要」という一覧表がございますので、診療報酬支払い方式と非常に密接な関係がございます医療制度につきまして、この一覧表でごく簡単に御説明を申し上げます。「医療供給の現況」というところで、医師の数とかあるいは看護婦、病院病床数というようなものを列記してございます。
 それから、開業医と病院と分けてございますけれども、受療のシステムが日本と違いまして、西ドイツにおきますと、開業医につきましては一般医と専門医でございますが、この開業医については日本と違いまして主に外来のみを行っている。この点はフランスにおきましても一般医と専門医に分かれておりまして、受療のシステムといたしましては主に外来を扱っているというようなこと。
 以下、イギリスにつきましては、一般家庭医と歯科医、それから眼科医に分かれているわけでございますが、一般家庭医につきましては、これは後ほど申し上げますが、登録医制をとってございまして、外来のみ。イタリアにつきましても一般医、専門医に分かれているわけでございますが、一般家庭医につきましては現在登録医制をとっておりまして、外来のみを対象としている。スウェーデンにつきましても、受療のシステムとして見ますと外来のみというようなこと。アメリカでは、自由開業制、民間が中心でございますので、これはちょっと形態が違うわけでございますが、患者は自由に医師を選択できるわけですが、開業医については主に外来のみというようなことで、わが国の場合と、病院と開業医でかなりの相違が見られるわけでございます。
 それから病院につきましては、この下の方に「経営主体」ということでベッドの割合というようなものを一覧しておりますので、ごらんいただきたいのですが、特に公的な病院の割合の高いものは、イギリスでは九七%、ほとんどが公的病院ということで、ございます。イタリアでも八五%、スウェーデンでは九四%、ほとんどが公の病院というようなことでございます。
 それから受療システムでございますけれども、日本は自由選択で入院、外来を御案内のように扱っておるわけでございますが、西ドイツでは保険医の指示による入院のみプランスでも主に入院のみ。これも開業医の指示による場合が多うございますが、主に入院のみ。
 それからイギリスにつきましては、登録医制をとっておるわけでございますが、一般家庭医、つまり登録医の指示によるところの入院、外来のものをやっておるということでございます。
 それからイタリアでも、一般家庭医の指示による入院、外来というようなものでございます。
 それからスウェーデンの場合は、この受療システムは、この欄の一番下の方に書いてございますが、医療の中心は病院でございますのでそこに特色があるわけでございます。
 そういうことで「諸外国の医療制度の概要」につきましては、あと「整備計画及び助成措置」、あるいは「(参考)」として「医療費保障制度の形態」というようなことで列記してありますので、参考に供していただければありがたい、こういうふうに思うわけでございます。
 次に別の紙で「諸外国の診療報酬支払方式」というようなもので十四ページにわたる資料を用意いたしてございます。
 主要諸国の「(総括表)」ということで掲げておりますが、開業医(診療所)、病院というふうに分けておりまして、これから中身を御説明申し上げます。
 ごく総括的に申し上げると、西ドイツの場合は制限的出来高払いというようなことで、いわゆる総額請負方式というものが開業医について言われておるわけでございます。なお、就業医師数の中で四五%が開業医でございます、診療所関係。したがいまして、この出来高払いあるいは総額請負というような議論がよくございますが、それは就業医師の四五%に当たる開業医についてのものであるということでございます。病院の場合は、患者一人一日当たりの入院料ということで、各病院ごとに決定しておるというような状況でございます。
 イギリスでは、一般家庭医は、つまり登録人頭報酬制をとっておるわけでございます。歯科、眼科につきましては、眼科につきましては検眼とそれからめがねの支給だけでございますが、出来高払い方式をとっておるという状況でございます。それから病院の関係では、イギリスでは病院のほとんどが国営でございまして、そこで供給されるところの医療サービスは国の一般財源、租税で予算運営をなすという形で運営されておるという状況でございます。
 それからイタリアは、従来は出来高払い制をとってございましたが、これは後ほど申し上げますが、現在は登録人頭報酬制というものでございます。それから病院につきましては、ほとんどの病院が州立の病院でございまして、予算運営ということで運営がなされておる。
 それからスウェーデンについては、先ほどもちょっと触れましたようにほとんどの医療機関が公立でございまして、医療サービスに対応したところのいわゆる対価としての診療報酬というものは特にないわけでございます。
 フランスは、御案内のとおり出来高払い、これは原則償還制というものをとっております。開業医につきましてはそういうやり方でございます。病院では、医師の診療報酬につきましては出来高払い、現物給付、その他の入院費用については、患者一人一日当たり入院料ということで、病院ごとに決定をいたしておるわけでございます。
 それからアメリカの場合は、公的医療制度が原則ございません。追加資料で「老人・障害者健康保険(メディケア)の概要」ということでお示ししておりますが、これは後ほど御説明します。いわゆる慣行料金に基づく適正料金ということで、ちょっとほかの国とは違うわけでございます。なお、民間の健康維持組織というものがございます。これはいわゆる無尽講みたいなものでございますが、総額請負、定額前払い制をとっておりますが、これにつきましても後ほど御説明を申し上げたいと思います。
 これが総括でございます。
 次の一ページ、西ドイツでございますけれども、先ほど申し上げましたように、支払い方式と医療制度との関係では、保険医(開業医)については一般医と専門医に分かれておるわけでございまして、これにつきましては制限出来高払い、報酬総額に上限をつけて契約をするということで、これを基本とする団体請負方式、いわゆる総額請負方式というものでございます。病院は、一人一日当たりの入院料ということでございます。
 保険医の診療報酬でございますが、西ドイツの疾病保険における保険診療は、疾病金庫と保険医協会との当事者間の契約にゆだねられる部分が多いわけでございます。御案内のように、西ドイツの場合にはいわゆる当事者自治の原則というものが明確に確立されておるわけでございますが、この当事者の契約にゆだねられることが多い。診療報酬につきましても、法律におきましては、ここに書いてございますような点について概略を決めているという状況でございます。
 その一は、疾病金庫は、州保険医協会に対しまして、その協会に属している全医師の総報酬を一括して支払うということでございます。疾病金庫は現在八種類、千三百三十一ございますが、そういった一括して払う、州単位の団体請負払いという形をとっております。
 それから、個々の保険医に対します報酬の配分は州保険医協会が行うわけでございまして、原則出来高に応じまして、個々の医師に対しては州保険医協会が支払いをしているという状況でございます。
 それから三番目でございますが、1で言いますところの総報酬は、あらかじめ定められたいわゆる確定額とか、加入者数による人頭払い、診療実績による出来高払い、件数払い、あるいはこれらの組み合わせによる評価基準に基づいて算定されている。これは州の保険医協会あるいは州の疾病金庫と連合会とでいろいろと契約をするわけでございますが、その契約の形態が州によっていろいろ違うわけでございます。それから、時間的な流れによっても違うわけでございますが、そういう状況であるということでございます。
 それから、3で算定されますところの総報酬につきましては、その伸びが賃金上昇率等に見合った適正なものとなるように診療報酬契約において協定すべきことというふうに法律で明確にされておるわけでございます。
 それから、4の協定を適切に締結させるために、連邦労働大臣が招集します国民保健協調行動会議、これは次のページに御参考に出しておりますが、行動会議が次年度における診療報酬総額の伸びの適正な水準を決定して、連邦全域にわたる勧告を行うという形になっております。
 それから、西ドイツにおきましては、このような制約のもとで疾病金庫と保険医協会が自主的に診療報酬契約を締結するわけでございますけれども、現在、多くの疾病金庫で用いられている方式としては、個々の医師に対するものは点数出来高払いを基礎といたしておるわけでございますが、先ほども申し上げましたように、州の保険医協会が疾病金庫に請求する総報酬額には、前に述べた3、4を考慮いたしまして、前年同期比何%というような形で上限を設けるというものでございます。
 そういたしますと、保険医が保険医協会に請求する診療総量、これは点数の総和になるわけですが、総量と上限との間で、結局総量が上限をオーバーするというような事態が出てくるわけでございますので、そういう場合には調整を行う必要があるということで、このために各州の保険医協会はそれぞれ報酬配分基準を定めているわけでございます。調整の方法としてはいろいろなやり方があるわけでございますけれども、主に平均値とか偏差値を用いた統計的手法で、非常に検査が多いところは丸めるとか、そういった統計的手法が用いられておるわけでございますが、最終的にはこの点数単価の調整も行われるということでございます。
 実際に支払いを行いますのは、出来高が確定するまで、毎月過去の実績の一定割合を仮払いをするわけでございます。これは疾病金庫から保険医協会に、それから保険医協会から医師にという場合も同じでございますが、仮払いをいたしまして、四半期ごとに精算をするというような方式がとられているわけでございます。
 それから、診療報酬の基礎となる点数表は、連邦診療報酬評価委員会、これは保険医とか被保険者代表から成っておるわけでございますが、この評価委員会が全国標準診療報酬点数表というような形で決めております。点数は全国一本でございますが、単価は個別事情を考慮して決められているというような状況になっております。
 なお、国民保健協調行動会議からの勧告を受けて連邦概契約を決め、それから州疾病金庫連合会と州保険医協会が契約をするという仕組みは、左の方でございますし、それから右の方では国民保健協調行動会議というもののことを、ちょっと小そうございますけれども、一九七七年七月に成立いたしました疾病保険費用抑制法というものがございますが、これによりまして国民保健協調行動会議というものが設置されておりまして、賃金上昇率等を勘案して、診療報酬総額についての勧告を行うシステムが導入されているわけでございます。これは第一回勧告、第二回勧告、第三回勧告というようなものを例示で挙げておるわけでございます。
 以上、非常に簡単でございますが、西ドイツの開業医の診療報酬のあり方でございます。
 病院に対する診療報酬としては、西ドイツにおきましては、病院財政安定法が一九七二年にできているわけですが、財政安定法によりまして、病院需要計画による規制を承認する病院に対しましては、私的病院も含めまして、病院の資本的な経費、たとえば建設費とか耐用年数の長い物品等に対しまして、公的資金による助成措置を講じているわけでございます。連邦が三分の一、州が三分の二という形で助成措置を講じておるわけでございます。したがいまして、一人一日当たりの入院料は、この助成でカバーされる経費を除くすべてのコストをカバーし得る額という形に定めるという原則が確立をしているわけでございます。
 具体的に申し上げますと、原価計算的な手法によりまして予想される経常費用、これはたとえば検査費とか薬剤費とか医師、看護婦等の人件費でございますが、こういった経常費用を算定いたしまして、それをその病院の延べ入院患者日数で除したものが、病院の患者一人一日当たりの入院料という形になるわけでございます。ただ、経常費用算定の基礎となる諸データというものは、病院の診療科目とか前年度実績あるいは物価上昇率とか病床利用率等々の要素があるわけでございますが、事前に各州の管轄官庁の審査を経なければならないということで、各疾病金庫、各病院との診療契約はこの単価に基づいて行われるわけでございますので、個々の病院ごとに診療報酬の契約内容は異なっているというように、開業医の場合と病院の場合とでは医療のシステムも違うわけでございますが、非常に違ったものでございます。
 なお、一九八二年一月より施行されました病院財政法の改正法、病院費用の抑制法というものでございますが、これについては若干修正がなされておりまして、一つは病院の療養費単価の引き上げについても、開業医の場合と同様、国民保健協調行動会議の勧告の対象とする。それから療養費単価についての州の関与を弱めまして、当事者間の契約にゆだねるというようなことでございまして、これらの修正につきましては、病院医療費につきましても、単なる原価計算ではなくて、疾病金庫の財政状況というものを反映したものであるべきであるという考え方に基づくものだというふうに言われているわけでございます。
 それからイギリスでございますけれども、イギリスの場合は、御案内のように、国民保健サービスというようなものがございまして、それがイギリスの医療を担当しているわけでございます。国民保健サービス、これは書いてございませんが、サービスといいますのは、租税を主な財源といたしまして、予防、治療、リハビリを含めた包括的な保健医療サービスをすべての国民に対して原則無料で提供するというような医療保障の制度でございます。
 この国民保健サービスの中で、一つは家庭医サービス、これは開業医でございますが、あるわけでございますが、家庭医サービスにつきましては、一般家庭医と、それから眼科開業医、歯科開業医がございますけれども、一般家庭医については登録人頭報酬制というような制度がとられているわけでございます。眼科と歯科については出来高払い。眼科は、先ほど申し上げましたように、視力の検査、それからめがねの支給というようなものでございまして、眼科疾患というようなものを取り扱うということではないわけでございます。
 それから病院サービス、これは専門医サービスというものでございますが、勤務医ということでございますので、俸給制ということでございます。国民保健サービスにおきますところの病院はほとんどが国営でございまして、そこで供給されるところの医療サービスはすべて一般財源で賄われるというようなことでございますので、診療報酬という概念はないわけでございます。
 ところで、一般家庭医の診療報酬でございますけれども、一般家庭医のサービスの提供には住民登録制が採用されておりまして、十六歳以上の国民はあらかじめ一人の医師を選んで登録するということが義務づけられているわけでございます。十六歳未満の子供の場合には親がその子の登録先を選ぶ、こういう形になっておりまして、中には親が選んだところと違ったところを選ぶ、それは小児ですが、そういったこともあるようでございますが、いずれにしても十六歳以上の人については一人の医師を選んで登録する。そして病気になった場合には、緊急性のある場合を除きまして、まずこの登録医の診療を受けなければならぬということがあるわけでございます。
 なお、一般家庭医は主にプライマリーケアを担当するものであって、専門的な治療が必要であるという場合には病院に転送するという形になるわけでございます。
 それから、一般家庭医一人につきましては通常三千五百人までの住民が登録できるという形になっているわけでございまして、平均登録住民数を見ますと、イングランドとウェールズで大体約二千三百人、これは一九七七年、ちょっと古うございますけれども、そういうような状況になっております。
 一般家庭医に対する報酬は、登録住民一人当たり幾らということで人頭払い部分が中心であるわけですが、このほかに種々の手当から成り立っているわけでございます。住民一人当たりといいましても、この単価は、六十五歳未満、それから六十五歳から七十四歳、それから七十五歳以上というふうに三ランクに分かれております。古い資料でございますが、一九七七年の十一月の段階では、たとえば六十五歳未満の場合には二・四五ポンド、千二百円くらいでございましょうか。それから六十五歳から七十四歳が三・三〇ポンドということで千五百円ぐらいでございましょうか。七十五歳以上が四ポンドということで二千円ぐらいということで、同じ住民ということで一人当たり同じ単価というわけではなくて、三ランクに分かれまして年齢によってそれが分かれている、こういう状況でございます。
 そういうことで成り立っているわけでございますが、基本的支払い項目の概要を次に述べているわけでございます。
 基本診療手当というのは、基本的な契約金でありまして、登録住民数と無関係に支払われるということでございます。それから、基本診療手当というものにはさらに経験年数による加算ということで三ランクの加算があるわけでございます。それから、特定地域における診療所に対する加算というようなものが行われております。
 人頭払いの料金は、先ほどちょっと申し上げたのですが、登録住民の年齢によりまして三ランクに分かれているということでございます。
 その他、時間外手当とか予防接種等公共施策のための料金、出産に関するサービスのための料金等がございます。
 そのほかに諸経費といたしまして、診療所の家賃とか看護婦、秘書等補助スタッフを雇い入れるための費用というようなこともあるわけでございまして、こういったもろもろの費用の費目別の構成比を、これもちょっと古うございますけれども一九七六年のもので見ますと、人頭割の報酬の部分が三七%、基本診療手当部分が二三%、その他手当が二九%、諸経費が一一%、こういうふうなことで、人頭払いといいましても四割弱という比率、費目構成になっているわけでございます。
 それから、一般家庭医の人頭割の料金あるいは諸手当の基準額というものは、毎年政府予算の一部として決定されているわけでございますが、実質的には医師、歯科医師の報酬に関する審査委員会の勧告が大きな役割りを果たしているわけでございます。これは有識者による専門的な機関、これは学識経験者ら七人で構成されているようでございますが、専門機関として政府から独立した立場にありまして、政府や医師団体から提供されたデータをもとにして、物価や賃金の伸び率、他の専門職との所得水準の比較、医師の労働実態等を勘案して、また、政府の予算編成とも矛盾しないように調整をしつつ勧告を行うというような形になっております。
 なお、次のページでございますが、病院の勤務医の報酬は病院の医師の資格によっていろいろ違っておるわけでございます。これは御参考にしていただきたいと思うわけでございます。
 次に、イタリアでございますけれども、先ほど来ちょっと申し上げておりますが、イタリアでは医療保障制度の改革が長年の懸案となっておったわけでございます。これは、御案内のように、イタリアの場合南北地域格差という問題とか医療費の増高というような問題があるわけでございますが、懸案となっておりまして、一九七八年の十二月に国民保健サービス法というものが制定されておりまして、七九年一月一日から施行されている、そういう状況でございます。
 支払い方式と医療制度との関係でございますが、外来につきましては、地域保健単位ということで、これは公営診療所というものがございますが、勤務医でございまして、これは予算運営。それから契約医というのがあるわけでございますが、これは家庭医と専門医に分かれておりまして、家庭医の場合には登録人頭報酬、それから専門医の場合は時間給の契約、これは後ほど申し上げるわけでございます。入院については、病院は、州立病院は勤務医、予算運営。私立契約病院は患者一人一日当たりの入院料という形で決まっておるわけでございます。
 それで契約医の診療報酬、まず家庭医でございますが、週二十時間ぐらい診療いたしまして、その他往診が義務になっておるわけでございまして、報酬は千五百人を限度として登録した住民の人頭払い。住民一人当たり平均一万五千リラということで、年でございますが、三千七百五十円ぐらいでございましょうか、というようなことでございます。それから専門医については、週四十時間以下に契約診療を制限されておるわけでございまして、患者を一時間に七人以上診察することも禁止されている。報酬は一時間九千リラということでございます。そういうような状況でございますが、家庭医の場合には、基本手当なんかについては医師の経験年数とかそういったものも考慮されているようでございます。
 それから三番目でございますが、地方保健単位の勤務医、公立病院勤務医を含むわけでございますが、そういうものの診療報酬としては、正勤務医として週四十時間地方保健単位管轄の医療機関で勤務する。公立病院の医長の平均年収千四百四十万リラ、三百六十万円、こういう状況でございます。パートタイムが、週三十時間地方保健単位の医療機関で勤務、その他の時間は自由診療ができる、こういうふうな状況になっております。
 なお、次の八ページでございますけれども、これは改革前の制度の概要ということで御参考にあれしておりまして、四番目でございますが、診療報酬支払い方式というのは、開業医の場合は出来高払い方式と人頭払い方式のうちから地区の医師会が選択をする。実際には出来高払い方式が非常に多かったというふうに聞いております。診療契約中の料金表によって積算されるわけでございます。病院は入院患者一人一日当たりの定額料金というようなことでございます。
 こういうふうに改革されたのは、一九六〇年代から大幅な慢性的な赤字に悩んでおったとか、それから南北間の格差、先ほど申し上げたような問題がある、それをなるべく格差を縮めようというような意図もあって改正がなされたものだというふうに聞いておるわけでございます。
 次に、スウェーデンでございますけれども、支払い方式と医療制度との関係ですが、スウェーデンには約一万五千人の医師がおりますが、そのうち約九五%が公立病院か公立診療所に勤務する公務員であり、民間の医師は約八百人程度しかいませんので、実際上、支払い方式という形では余り問題にならないわけでございます。
 公的医療機関の診療報酬は、入院診療についてはすべて租税ということでございます。外来診療については、医療保険から医療機関の経営主体である州に対する支払いについては、患者の受診ごとに一定額を支払うという件数払い方式が採用されておるわけでございます。この額は実際の診療に要する費用の半額程度にすぎない、こういうふうなことが言われております。
 民間開業医の診療報酬については、政府と医師会との協議によって作成された公定料金表による出来高払い方式が採用されておるわけでございます。
 次は、フランスでございますけれども、十ページでございますが、フランスの場合は、開業医の場合、診療報酬は全国協約、それから病院の場合は、営利目的の私的病院、それから非営利目的の私的病院、公的病院というようなことで、それぞれここに表で書いてあるような状況、出来高払いでございます。
 開業医の診療報酬については、原則はわが国と同じいわゆる点数単価方式であるわけですが、(2)で書いておりますように、点数及び単価はそれぞれ別に定められておりまして、わが国の場合には単価は十円というふうに一本化されておるわけですが、それは違っておるわけでございます。
 点数表については、医療行為集というものがございまして、一つの医療行為の相対的係数を定める。たとえば外科の場合に、盲腸手術の場合は幾らとか心臓手術の場合は幾らというふうに、一つ一つの医療行為について係数が決められておるわけでございます。それから関係者の意見を聞いて政府が決める。そういうふうになっておるわけでございます。
 単価については、全国協約協定料金表というのがあるわけですが、医療行為の種類ごとに単位料金を定めておる。たとえば、ここに書いてございますが、一般医の診察あるいは外科行為及び専門的行為、イオン化放射線を用いる行為、外科手術とか、そういった場合に幾らというふうに料金が決められておる。上の点数の場合は、外科の中のたとえば盲腸だとか心臓とかいろいろそういうふうな形で決められておる、こういうことでございます。それの組み合わせになるわけでございます。
 この協約料金表は、医師組合と疾病保険金庫との全国協約により定められておるわけでございます。係数が一五と定められた外科手術の場合は、外科行為及び専門的行為の単位料金が九・六フランということで、一五掛ける九・六フランは百四十四フラン、そういうふうな形になるわけでございます。
 それから、次のページでございますが、病院の診療報酬につきましては、入院の場合は、医師の診療報酬と入院料、つまり医師の診療報酬以外のもの――医師の診療報酬というのはいわゆる技術料的なものとお考えいただければと思いますが、それと入院料から成っておる、別々に算定されておるわけでございます。
 入院料は、一人一日当たりの入院料の算定ということで、公的病院及び非営利の私的病院については、毎年病院別、診療部門ごとに、医師の診療報酬を除きました病院の支出予算総額を過去三年間の平均入院延べ日数で割って一日当たりの所要額を算定し、これを一日当たりの入院料ということで、知事の告示といいましょうか、知事令で指定しておるわけでございます。
 営利目的の私的病院の場合は、地方疾病保険金庫と各病院の個別契約で一日当たりの入院料を定める。その際には公的病院の料金が基準となるわけでございますが、公的病院と違いまして、手術室代とか高価薬剤費とか検査費用等は算定の基礎から除かれて別に請求という形になっておるわけでございます。
 それから医師の診療報酬の算定、出来高払いでございますが、医師の診療行為の係数につきましては、開業医と同様に医療行為集に基づく。ただし、点数単価につきましては、私的病院と公的病院とでは取り扱いが異なっておりまして、私的病院は開業医と同様協約料金表に従うわけですが、公的病院の点数単価は政府が別に定めるということになっておるわけでございます。
 それから、次のページのアメリカでございますけれども、アメリカにおきましてはメディケアという、老齢者とか障害者の健康保険の制度があるわけでございます。それの診療報酬を述べるわけですが、そもそものそういう制度の概要については別の一枚紙でお配りいたしておりますので、ごらんいただきたいと思うのでございます。
 別の紙で、適用対象者として、六十五歳以上の者とか、あるいは継続して二十四カ月障害現金給付の受給資格を有する六十五歳未満の障害者とか、そういったものでございます。
 それから、強制加入の入院保険と任意加入の補足的医療保険があるわけでございます。
 御承知のように、アメリカの場合なぜメディケアかといいますと、一般の国民を対象とする公的医療制度はアメリカの場合ないわけでございますが、一九六五年に成立しました社会保障法の改正法によりまして、高齢者とかあるいは障害者の方々については医療の給付を行おうじゃないかということで、連邦社会保険制度がつくられ、その一部門として一九六六年七月に老齢者とか障害者を対象とするこういう制度ができておりまして、その内容としては、強制加入の入院保険と任意加入の補足的な医療保険がある。
 強制加入の入院保険については、給付の内容としては、入院サービスというのがあって、原則として九十日間、ただし一生を通じて六十日まで延長、こう書いてございますが、入院サービスの要件が非常に厳しゅうございまして、医者が必要だと認めた場合、指示した場合とか、その病院でしか受けられない手当てが必要な場合とか、その病院がメディケアの加盟病院であるとか、その病院のいわゆる施設利用調査委員会が特に入院を否定し得ない場合とかというふうに、いろいろな厳しい条件がありまして、その条件をパスした場合にはそこに入るわけですが、原則九十日ということでございます。それから、その延長の六十日間は自分が選択によって延長できるのですけれども、一日に百二ドルの負担をしなければいかぬというふうに決められておるわけでございます。それから、退院後の延長サービスとか、あるいは在宅看護サービスとかいうようなものがあるわけでございます。
 全体を通じまして非常に高額の患者負担が課せられておりまして、入院サービスの場合には、入院当初六十日まではトータルで二百四ドルでございますが、六十日を過ぎまして六十日から九十日までは一日に五十一ドルを払う、九十日を過ぎますと一日に先ほど申し上げた百二ドルということで、これは入院費用の二五%相当になるように、患者負担は毎年改定されるという形になっておるわけでございます。
 それから、退院後の延長サービスの場合も、延長サービスを受けるそのことに厳しい条件がたくさんあるわけでございますが、それで受けられた場合でも二十一日から百日までということでございます。患者負担は一日二十五・五ドルということで、これも入院費用の一二・五%相当になるように毎年改定をされるというふうになっておるわけでございます。
 それから、右の方は補足的医療保険ということでございますので、参考にしていただきたいと思うのですが、財源としては、公的年金制度加入者である一般国民に対して課せられる保険料で賄われるということでございます。それから右の方は、受給者自身に対して課せられる保険料、月に十一ドル定額と連邦の一般財源からの補助という形で賄われております。いずれにしても、ほかの国の公的な制度と比べますと、そういった患者のきわめて高い負担があるということでございます。
 それから、前の資料に戻っていただきまして、アメリカのメディケア、老齢者健康保険制度における診療報酬でございますが、基本的な考え方としては、慣行料金といいましょうか、適正料金ということでございまして、アメリカには一般国民を対象とする先ほど申し上げた制度はありませんので、通常の医療費用は自由料金により支払われておって、メディケアにおいても基本的にはこの自由な料金の決定に干渉してはならない。しかし基準があるわけでございますが、以下のような基準で支払いを行っている。
 適正料金の決定ということで、保険業務担当者、これは後ろに連邦政府の委託を受けた民間保険会社というふうに注をしておりますが、保険業務担当者が各治療行為や医療材料についての最も頻繁に請求されている金額を実態調査する。さらにそれぞれの治療行為や医療材料について、前年度における請求例の四分の三をカバーできる料金は幾らになるかということを調査する。そして実際の請求をこれと比べまして、低いものを適正料金とするというふうなものでございます。
 支払いの方法としては、指定支払い、現物給付型と、本人払い、償還型とがあるわけでございますが、指定支払いの場合は、患者が自己負担分二〇%だけを医師に支払いまして、医師は残りの八〇%をいわゆる保険会社、保険業務担当者に請求する。この場合には、医師は完全に適正料金に従う。それから、これがとられるのは患者及び医師の双方が同意した場合。それから本人払いの方は、患者は一たん全額を医師に支払うわけでございますが、この料金の場合は適正料金の制約を受けない、こういうことでございます。後で保険業務担当者から適正料金の八〇%の償還を受けるというような、そういったメディケアの制度があるわけでございます。
 なお、小さな字で「(株)」と書いてございますが、このほかにアメリカではいわゆる健康維持組織といいますか、健康維持会社といいましょうか、そういうものがございます。これは御参考でございますが、いわゆる無尽講みたいに一つの医療費のグループがございまして、一番最後のページにこの基本型を書いてございますが、加入者グループが医師グループと契約を結んで、前払いにして一括医療給付を受けるというようなこと、それから加入者グループが直接直営医療機関を持ちましてやるというふうな、いわば無尽講みたいなそういう制度があるということでございます。
 以上、非常にはしょりましたけれども、諸外国の診療報酬制度あるいは医療制度の本当のごく概要につきまして御説明を申し上げた次第でございます。
 以上でございます。
#4
○竹内小委員長 以上で説明は終わりました。
 なお、お手元に別刷りの「医療費の対国民所得比の推移」というもの及び「医療費の対前年度伸び率の推移」というものを御参考までに配付してございます。
    ―――――――――――――
#5
○竹内小委員長 それではこれから質疑に入りますが、議事の整理上、質疑を希望される方はその都度挙手をして、小委員長の許可を得ていただくようお願いいたします。
#6
○田口小委員 ページ数でいくと五ページの、人頭割料金の年齢のランクがあるでしょう、六十五歳未満、六十五歳−七十四歳、七十五歳以上。このランクのたとえば六十五歳未満を一〇〇とした場合に、次のランク六十五歳−七十四歳、七十五歳以上はどういうぐあいか、それはわかりませんか。
#7
○古川(貞)説明員 ちょっと先ほど触れたと思いますが、そのランクの格づけはよくあれですが、たとえば六十五歳未満の場合は二・四五ポンド、それから六十五歳から七十四歳というのは三・三〇ポンドということですから、何割増しでございましょうか。やはり年をとってくればそれだけ料金なり費用がかかるという前提で、一人当たりの費用が変わっているわけでございます。それを率で申し上げますと、六十五歳未満を一〇〇といたしますと、六十五歳から七十四歳が大体一三五、三割五分増し、それから七十五歳以上が一六三というような率になるわけでございます。イギリスの場合にそういう評価をしている、こういうことでございます。
#8
○川本小委員 「諸外国の医療制度の概要」という中で、先ほど来の説明の中でも出てきておるのですが、諸外国の表を見ると、大体西ドイツとかスウェーデンとかアメリカ等は私的医療機関を営利と非営利に分けてある。わが国の場合は分けてないのですが、日本の私的医療機関については全部どちらだと思っておるのですか。
#9
○下村政府委員 一応わが国の場合は、医療法で営利を目的とするものは開設の許可を与えないということになっておりますので、原則的に全部非営利だということになると思います。外国の場合も営利と申しましても営利法人を必ずしも認めているとも言えないので、ここで言っている非営利を仮に日本で公益法人とかなんとかいうふうなものだというふうに観念すればこういう区分はできると思いますが、純粋の私の分野が外国に比べると日本の場合は多いというのが特色になろうかと思います。
#10
○川本小委員 大体日本のは、言ったら悪いけれども、私立の大学の附属病院でも、六人部屋でも差額のベッド料を取っておるというようなところから見たら、そういうものも見方によっては営利事業のようにしか見られない部分があると思うのですよ。だから一遍そういう類別というものは、法的にはできないけれども、何らかの形で区分することを日本でも考えてみたらいいのじゃないかと思うのですが、どうですか。できませんか。
#11
○下村政府委員 営利というのは、普通の配当をやるとかそういうふうなことで通常区分しております。そういう意味で、普通の株式会社のように配当ができないという意味で営利的なものはございませんというふうに申し上げたわけですが、純粋の医療法人立であるとか個人立、それから公益法人あるいは特殊法人のようなものとかいうふうな区分を統計上ですることはできるのじゃないかというふうに思います。
 それから、医療法の上では一応公的医療機関制度というふうなものがありまして、公的医療機関という形での一応の区分は制度的にはできております。
#12
○川本小委員 どうも十分な答弁がいただけぬので、もうちょっと聞いておきたいのですが、諸外国では公的病院と私的病院と、その私的病院も営利と非営利と分けてある。その公的病院に対する病床規制というようなこともやはり諸外国では制度化されていますか、あるいはそういうことがありますか。
#13
○下村政府委員 公的だけをやるということはないと思いますが、最近は医療費の増高等でいろいろな問題がございますので、病院の配置でありますとか全般的に公私を含めていろいろな形で規制をするということは、必ずしも病床規制という形とも言えないと思いますが、アメリカでありますとかドイツでありますとか、いろいろなところでそういう動きは出ているというふうに聞いております。
#14
○川本小委員 それは公的も私的に対しても同じようにやっておるのだと思うのです、医療費がかさんでくるから。だから、その辺についての諸外国の病床規制のあり方というものを、一遍何か資料がありましたらいただけたらと思います。きょうでなくてもいいですよ。
#15
○下村政府委員 別に整理いたしまして……。
#16
○川本小委員 ちょっともう一つだけお聞きしておきたいのですが、別に配っていただいた二枚のグラフの表がありましたね。七七年という年は伸び率が世界的な規模で落ちておるわけですね。これはやはりオイルショックの関係ですか。オイルショックを受けたら医療費の伸び率は下がるということをこれはあらわしておるのですか。
#17
○下村政府委員 これは対前年伸び率で出しているわけですから、前年の伸び率が高かった次は低目に出てくるということではないかと思うのです。
#18
○川本小委員 しかしこれは世界的に落ちていますよ。
#19
○下村政府委員 オイルショックのときには、各国とも医療費はそれに対応して相当大幅に引き上げたわけでございます。したがって、その後は伸び率は落ちるという経過をたどっております。
#20
○川本小委員 この前に引き上げてあるから、だからそれで下がったということですか。わかりました。
#21
○金子(み)小委員 川本先生の御質問の関連ですけれども、外国の私的病院の営利、非営利の問題ですけれども、これは定義とか概念とかそういうものはあるのでしょうか。もしあったら教えていただきたいと思います。
#22
○下村政府委員 後ほど医療課長からも補足いたしますが、アメリカで営利と言っているのは、むしろ宗教法人のようなものを言っているようで、だからここで営利という言葉を使ったのが適当かどうか、いま実はひそひそ話をしておったわけでございますが、ドイツの場合の営利も恐らく似たようなものではないかと思うのですけれども、全く同一であるかどうかについては、もう少し私どもも調べてみたいと思います。
#23
○古川(武)説明員 追加することがなくなってしまったのですが、営利、非営利というのは、アメリカの場合、プロフィット、ノンプロフィット、いままさにおっしゃったように宗教法人、ごくわずか七%、そういったものが営利に入っている。この非営利の定義と、西ドイツあるいはスウェーデンの非営利、営利の定義は違うと思うのです。はっきりしておりませんので、先ほど御質問がありましたが、調査の上、メモをお渡ししたいと思っております。
#24
○金子(み)小委員 それをお調べいただきますときに、日本の場合だったらどういうものが該当するかというのをあわせて出していただきますとわかりやすいのじゃないかと思います。
 それから続けてもう一つですが、十ページですね、フランスの、(2)の点数とか単価とかいうところの1の「点数表」というのがありますが、この「点数表」の中のさらに(ii)ですが、「関係者の意見を聞いて、政府が定める。」というところがありますが、これは、「政府が定める。」というのはわかったのですが、「関係者の意見」というのは、どういう関係者の意見か、おわかりになりますか。
#25
○古川(貞)説明員 これは医師会とそれから疾病金庫でございます。つまり保険者でございます。
#26
○金子(み)小委員 医師会と……
#27
○古川(貞)説明員 疾病金庫、つまり日本で言えば保険者でございます。疾病金庫の代表とそれから医師会の代表の意見を聞く、こういうことでございます。
#28
○金子(み)小委員 その二者、そのほかはないわけですね。
#29
○古川(貞)説明員 代表的にはそういうことだと聞いておりますが、そういうことでございます。
#30
○金子(み)小委員 はい、わかりました。
#31
○浦井小委員 初めはちょっと、字句の解釈みたいなことですが、ドイツの場合、そこにあるように「病院需要計画による規制を承認する病院」、西ドイツの場合にそういうような文句が三ページにありますね。それはどういう病院なのか。その割合はどうかということ。
 それからフランスの場合は、この白い紙の表ですが、フランスの場合には保健地図、これは前にも聞いたことがあるのですが、保健地図というのはどんなものなのですか。
 それからイギリスの場合で言えば、これは少し大まかなのですが、一九七四年に保険法の内容がかなり変わったというふうに聞いておるのですが、なぜそれは変えたのか、どういうふうに変えたのかというようなこと、少しこれは一般的、抽象的な話ですけれども。
 それからイタリアの場合は、さっきの説明で南北の格差を縮めたり、医療費が赤字であったからナショナル・ヘルス・サービスに変えたのだというお話であったのですが、そこのところは余り日本で知られていないので、もう少し詳しく補足説明をしていただけたらというふうに思います。その四点。
#32
○古川(貞)説明員 先生、第一点でございますが、この「病院需要計画による規制を承認する病院」、これはほとんどがこの対象になっておるとお考えいただいて結構だと思います。ほとんどの病院がこの対象になっております。
 それから第二点の、白い表の保健地図でございますけれども、これは人口とかあるいは病院の数とかという、いわゆる需要計画といいましょうか、そういうものを地域ごとに作成したものを保健地図、こう言っておるわけでございます。人数がどう分布しているかとか、あるいは医療機関の関係とか、それから医療需要といいましょうか、そういったものを地域ごとに計画してつくったものがこれでございます。
 それから、第三番目のイギリスの話でございますが、私どもは、一九七四年の話は、イギリスの行政組織の大きな改革、行政機構といいましょうか、行政機構が大きく改革された、それに伴うものだというふうに聞いておりますが、これはなお詳細調べて御連絡申し上げたいと思います。
 イタリアの制度改革は、先ほどちょっと触れましたが、私どもの調べたところでは、一つは、やはり一九六〇年代からの医療費の増高に非常に悩みがあった。そこで、いわゆる保険料の引き上げをずっと図ってきたけれども、どうしても保険料の引き上げではカバーし切れないというようなことから、いわば全国的に、いわゆる登録で一つの規制といいましょうか、登録制をとって、その医療費の需要に対応するというようなことの必要があったということが一つと、それから、御承知のようにイタリアの場合には南北によって相当の格差があるわけです。いろいろ地域間の、工業が発達しているとか発達していないとか過疎というような問題とか、イタリアの場合にはいろいろ南北問題というものが大きな問題でございまして、地域医療というものに非常に格差があるので、それを何とかしなければいかぬというのも従来からの懸案であったので、そういった医療費の保険財政の窮迫という問題と、それから南北間の格差是正というような問題があと加味されているということでございます。
 それで、実際に現在の状況はどうかということでございますけれども、実は私ども聞いているところでは、やはりうまくいっておらないわけでございまして、そういった医療改革が行われて実施中でありますけれども、開業医につきましては、いわゆる国民保健サービスによって支払われる報酬というものが非常に低いということから、その報酬の引き上げを要求しまして、医師によるストライキが頻発するとかいうようなことで、非常に問題になっている。
 それから、一九八一年の一月には、保健大臣と契約医師連盟との間で取りまとめられた新しい診療報酬契約というものがあるわけですが、これは一九八一年一月でございますけれども、これもそういった医師会のストライキだとかいろいろな反対運動といいましょうか、そういうものに遭って、まだ実施されていないというようなことで、私どもが知る限りでは、そういった改革がなされたのですけれども、医師側のそういった診療報酬引き上げの要求というものが相当熾烈で、うまくいっていない。荒廃といいましょうか、そういった問題が起きてきているというふうに聞いておるわけでございます。
#33
○竹内小委員長 ちょっとお待ちください。速記をとめて。
    〔速記中止〕
#34
○竹内小委員長 それでは速記を起こして。
#35
○浦井小委員 そうしたら、それを後でちょっと資料でもいただけたらと思うのです。
 ずうっと説明を受けたのですが、この資料を読んでいただいたようなかっこうでしたが、支払い制度というのは、逆にその国の医療制度に及ぼす影響が非常に大きいですから、それでこんなことができるかどうかわからぬですけれども、各国の支払い制度によってどんなメリット、デメリットがあったのかというような資料が出ないだろうか。私は、やはり医療費の適正化というのは医療の適正化だろうと思うのですけれども、そういう観点に立って、やはり各国でメリット、デメリットがどんなにあったか、これは表になるかどうかわかりませんが、一遍工夫をしてみていただきたいということ。
 それから、そういう観点に立って、一体厚生省では、いまの日本で現物出来高払い制だと言われておるのですが、それに対して、いまの時点でどういうデメリット、メリットがあるのかというふうに認識されておられるのか。
 それからもう一つは、いまも医師のストライキの話が出ましたけれども、各国、ここに挙げられた国の、医者もいろいろな種類があると思うのですが、典型的な所得というのはどれくらいなのか、一遍、所得ですね、収入というか、できたらそれを教えてほしいのです。一般医、専門医、病院勤務医なり、各国で分けられると思うのですがね。
#36
○古川(貞)説明員 外国の方式のメリット、デメリットという問題と日本の場合と一緒にして、個別出来高払い方式とか団体請負方式とか登録人頭払い方式とかいうものの一般的に言われているメリット、デメリットを申し上げたいと思うわけでございますが、外国の場合、申し上げた国情とか医療制度とか、いろいろなものと絡んでおりまして、単純にメリット、デメリットと言えるかどうかということは非常に評価がむずかしゅうございますので、一般的に言われているもの、これは先生御承知かと思いますけれども、申し上げたいと思うのです。
 個別出来高払い方式の長所と一般的に言われているものは、医師の稼働量に比例しまして報酬が支払われるとか、診療行為の質及び量が医師の収入に反映されるために、これは医師の方からの話になるかと思いますが、高度の医療が迅速に普及し国民に提供されやすい、意欲といいましょうかそういうものが個別出来高払い方式には反映されて、非常に密度の高い医療サービスができるというのが個別出来高払い方式の一つの長所になっておろうかと思うわけでございます。
 逆に短所としては、診療報酬請求事務が非常に複雑になるとか、各診療行為の頻度といいましょうか、うらはらになるわけですが、頻度が非常に高くなるというようなことが言われておるわけでございます。それから保険者にとりましては、たとえば総報酬制みたいなものに比べまして支払い金額の予測が非常に立てにくい。そういったものが個別出来高払い方式の長所であり短所である。非常にいろいろな見方があろうかと思うのですが、大ざっぱに言えばそういうことでございます。
 団体請負方式の長所というのは、医師の専門的技術によって医療資源の効率的配分が達成される、非常に理想的な形で言えばそういうふうなことが一つ言われるわけでございます。それから診療報酬総額があらかじめ予定しやすいという問題、保険者側の事務上の負担が非常に軽減されるという長所が団体請負方式にはあると言われておるわけでございます。
 逆に短所は、請負契約をする団体を決定するというのが非常に困難である。たとえば日本のような場合をお考えいただけばおわかりかと思うのですが、だれと契約をするかというのは、そこの医療制度なり歴史というものがないと、だれと契約をするか、たとえば医師会、医療の代表者を確定しなければいかぬわけでございますが、そういう団体を決定するのが非常に困難であるとか、もう一つは、たとえば西ドイツなんかの場合は保険医協会があるわけでございますが、団体の中で個別的に配分をする際に非常に大きな問題がある。さっきもちょっと申し上げた上限と、要するに請負契約で十分賄えればいいわけですけれども、個々の医師の診療行為の仕事量が多いといった場合には調整をしなければいかぬ、どこかでカットしなければいかぬ。言い方を変えれば、年末じゃなしに年度初めにどんどん稼ぐというような話もあるくらいでございますけれども、そういった団体の中でどう配分するかという配分の基準なり仕方に非常にむずかしい問題がある。いま一つは、個別出来高払い方式の逆になるわけでございますが、団体請負でございますと報酬請負という形になりまして、医師の勤労意欲をそぐというようなおそれもある。だから、粗診粗療といいましょうか、そういうことも可能性としてはある。
 それから、イギリスとかイタリアがとっている登録人頭払い方式、この長所としては、医師は病人を少なくするほど利益が上がるという医療の理想に合致する。つまり、千五百人とか三千人とかという登録でお金が一人当たり幾らと入るわけでございます。極端に言えば、年間一人も病人にならなければ収入だけが入ってくるという非常に理想の形になるわけでございますが、そういう長所がある。それから、複雑な診療報酬請求事務というものが省略できる。これはもう当然そうだと思います。さらに、診療報酬総額の予定が、先ほど来申し上げておりますが非常に簡単になるという長所がある。
 これの反面でございますけれども、たとえば制度との関係、専門医とか家庭医とかという問題があるわけです。それから自由開業医制になじまないという問題とか、あるいはより高度な医療を国民に提供しよう、これも出来高払いの裏になるわけですが、そういう熱意がなくなるとか、先ほどちょっと申し上げた専門医、一般医という登録医、これは先ほどの一覧表でもごらんになっておわかりだと思いますけれども、大抵専門医と家庭医というふうに分かれておるわけでございます。こういった病院と開業医、あるいは開業医の中での専門医と一般家庭医というふうな医師の機能の分化というものが前提にならなければ、これも導入というかそういった問題は非常にむずかしい。
 これは非常に一般的な話でございますけれども、そういったメリット、デメリットというものがあって、それぞれの国の医療制度と直に結びついている問題あるいは長い歴史的な経過の中ではぐくみ育てられた制度であるという問題もありますので、この辺も考慮しなければいかぬというふうに思うわけでございます。
 それから、医師の所得についての国際比較というのは詳細なものはございませんので、手元にあるのでちょっと申し上げます。
 医師所得の厳密な国際比較というのは、御案内のように各国とも、医師所得の正確な把握は非常に困難である、これは非常にむずかしいというふうに言われておるわけでございます。ただ、五十一年八月十五日号の「日本医師会雑誌」というので見ますと、西ドイツの場合は、一九七五年でございましょうか、十一万五千五百八十マルクということですから約千四百万円ぐらいでございましょうかプランスの場合は、一九七五年で、やはり同じ年でございまして、大分古い資料でございますが、十二万九千五百フランということでございますから、おおむね九百万円ぐらいでございましょうか。イギリスの場合は、一九七四年で、これもまた大分古い話でございますが、六千七百九十四ポンドということで約四百六十万円ぐらいに相当しようかと思います。アメリカの場合は、一九七五年で四万二千七百ドルということですから千三百万円ぐらい。カナダは、三万三千六百八十二ドルということで約九百八十万円。それは医師の平均所得でございますが、そういったものがあるわけでございます。日本のはありません。
 それから、健保連の報告でも、これは別の資料で、一九七八年の資料ですが、西ドイツは、一九七五年で平均所得が十五万三千マルク、さっきとちょっと違いますね。千七百九十万円ぐらいというふうに言っております。経費率は四三%見ておられますが、どういうふうな算定か、ちょっと私つまびらかではございません。フランスの場合も、一九七五年で十八万一千フランでございますから、先ほどの雑誌と大分違うわけでございますが、そういったようなものがございます。
 だから、相当の開きがございますので、実はこれはなかなかむずかしいかと思うわけでございます。
#37
○今井小委員 整備計画と開業医の許認可の話をちょっと聞かしていただきたいのですが、スウェーデンのようにほとんどがお役所みたいなところは別にして、フランスとかアメリカとか、西ドイツもそうだと思いましたが、医療計画がきちっと決められていて、そして開業医というのはどういう形で規制をされるのか、しているのか、してないのか、ちょっとそこわかりますか。公的病院はこれはできると思うのですが、それはどうですか。
#38
○古川(貞)説明員 お手元に「諸外国の医療制度の概要」というのをお配りしたわけでございますが、その中で、「開業形態」という欄がございますが、日本の場合は先生御承知のように自由開業制でございます。
 それから西ドイツも自由開業制ということで規制がないわけでございますが、ただ、いわゆる保険というかそういう形では、保険医許可委員会の許可が必要である。
 それからフランスの場合には、これも自由開業制でございます。全国協約への参加というのは保険医の適用を受けるという意味でのあれでございますからちょっと違うわけでございますが、フランスの場合は自由開業制。
 それからイギリスの場合には、一般家庭医、歯科医、眼科医とあるわけでございますが、これは開設許可、地域保健当局といいましょうか、公の保健局というものの下に家庭医委員会というのが設けられているわけでございますが、そこの許可が必要である、それで登録制度になっておるわけでございます。
 それからイタリアの場合も、一般医、専門医につきましては、地域保健単位による、これも一つのそういった委員会でございましょうか、委員会がございまして、そこの許可といいますか、それを受けることになっておるという状況でございます。
 アメリカの場合はもう自由開業制ということでございます。
 十分でございませんけれども……。
#39
○今井小委員 だから、それと下から二段目の地域の計画とのすり合わせばどうなるのかということを聞きたいのです。それはわかりますか。
#40
○古川(貞)説明員 下から二段目とおっしゃいますと病院の場合でございまして、病院の場合には、西ドイツの場合、病院財政安定法によりまして、州が病院需要計画というものを、病院の新増設と高額医療機器を対象とする需要計画というものを策定するわけでございますが、需要計画に従う場合には、病院の資本的な経費、建設資金だとか、非常に耐用年数の長いものに対する等の連邦及び州の助成というものがあるわけでございます。
#41
○今井小委員 それは病院ですか。診療所的なものはどうなんですか。
#42
○古川(貞)説明員 ですから、病院の場合に一応そういうあれがございまして、開業医の場合には特に先ほど申し上げた許可とかいうようなものでございます。
#43
○金子(み)小委員 ちょっとよくわからないけれども、教えてください。十二ページから十三ページにかけてのところです。アメリカの支払い方法のところなんですけれども、そのちょっと前、(2)に「適正料金の決定」という項目がありますね。これを読んで、その次に、支払い方法で適正料金のことが関係してきますけれども、支払い方法は二つの方法がある。指定とそれから本人払い、償還型ですね。それから指定支払いというのはこうこうだと書いてありますね。ところがこの指定支払いの3に、「患者及び医師の双方が同意した場合に限られる。」と書いてありますね。だから、患者及び医師が同意した場合はこの方法なんだけれども、もし同意しなかった場合は本人払い、すなわち償還型になるわけですね。そう理解していいわけですね。
#44
○古川(貞)説明員 はい、そうでございます。
#45
○金子(み)小委員 そうすると、本人払いの方では適正料金の制約は受けないとなっていますね。そうですね。
#46
○古川(貞)説明員 そうでございます。
#47
○金子(み)小委員 そうすると、適正料金の制約を受けないということになれば、具体的には八〇%償還を受けたとしても、これは金額からいえば、適正料金すなわち最低料金ですが、それと関係ないのだから、実際には支払いする場合には料金は高くなるわけですね。
#48
○古川(貞)説明員 そういうことがあり得ます。
#49
○金子(み)小委員 そういうふうに理解していいわけですね。
#50
○古川(貞)説明員 そういう場合はそのとおりでございます。
#51
○金子(み)小委員 はい、わかりました。
#52
○川本小委員 ひとつ、この表にないのですが、たとえて言うたら、出来高払いとか人頭請負とかいろいろあるけれども、諸外国は全部医薬分業でしょう。だから主として技術料的なものについての御説明だと思うのです。日本のはいわゆる出来高払いの中に薬剤費用が入っておるわけですからね、大分違うと思うのです。
 しかし、イタリアとかイギリスとかアメリカとかフランスとか西ドイツとか、そういう国の、たとえて言うたら、人工透析をやったらその収入は何ぼになるのか、日本は何ぼか、あるいは盲腸の手術をしたら何ぼか、胃がんの手術をしたら何ぼかというような比較表をつくっていただくことはできませんか。
 それからもう一つ、たとえて言えば脳血管疾患の死亡率が諸外国は何ぼで、悪性新生物の死亡率は何ぼで、そして心疾患の死亡率、これの対照表なんか、各国のものを一覧表にしたもの。
#53
○古川(武)説明員 新しい数字で、政府のものではございませんが、日経のものがございますので、それを全体を見た上でわかりやすくまとめてお届けしたいと思います。
#54
○川本小委員 ひとつわかりやすいように……。
#55
○古川(武)説明員 それから二問目の資料要求でございますが、これはWHOで統一して疾患別の死亡率を出しておるはずでございますので、整理できるはずでございます。
#56
○米沢小委員 説明を受けてますますわからなくなったのだけれども、日本の制度に比べて外国はかなりアバウトですね、すべてが。たとえば患者一人当たり一日当たりの入院料なんかを病院ごとに決定するなどというのは日本じゃちょっと考えられないですね。日本の場合には病床があいておれば大体入れるというようなところがあって、重病患者も軽症患者も大体ごちゃまぜに入っていますからこういうのはできませんが、外国の場合は入院するそのものがかなり厳正に選択され選別されて入院させるのか、あるいはまた、こういう一日当たりの入院料をパーで計算できるというのはかなり専門病院化したことになっておるのか、その点が一つ。
 それからもう一つは、日本の場合フランス式に似てますね。どっちに似ているかと言われればフランス方式に似ているのだけれども、フランスの医療費事情というのはいまどうなっているのか。
 第三点に、これは制度論でいま教えてもらったけれども、各国の国民サイドから見て、自分たちの国の医療費について一体どういう問題意識を持っておるのか、そんなものはないのですか。
#57
○古川(貞)説明員 第一点の問題、ちょっと数字がはっきりいたしませんが、たとえば西ドイツなんかの場合、日本の場合に比べまして病院の数なんというのははるかに少のうございまして、しかも病院に入院する場合でもこういった家庭医からずっと上がっていくというふうな、病気の度合いによってそこの選択される病院が非常に狭められている。たしか西ドイツの場合、大規模な病院は四百か五百くらいだったと思うのですけれども、病院の数が非常に少のうございます。したがいまして、それぞれの病院の長期資材みたいなもの、建設資金みたいなものは連邦で補助しているというようなことも申し上げたわけですが、病院がそういう、日本の場合と違ってわりかし明確な形で病院の経営、運営の実態というものがはっきりしてきているわけでございます、数も少のうございますし。
 そういった観点もあって、たとえば心臓とかなんとかの非常に高度の治療をやる病院とか、あるいは同じ病院だけれども、盲腸とかなんとかわりと比較的軽いものをやる病院とかというふうな病院の機能によってランクがございますので、こういった一日当たり幾らというふうなものが算出しやすいのだろう。日本の場合には、いろいろ一般的にはそこはどういう病院だというようなことが言われますけれども、それは診療科によっても違いますし、いわば高度といいましょうか、高度、中度、軽度というランク分けがございませんですから、そこは非常に違うのではなかろうか、こう私は思うわけでございます。
 フランスのいまの事情とか各国の人たちがどういうふうに思っているかということについてはちょっと手元にございませんので、なかなかむずかしいあれかと思いますけれども、調べてもしあれば整理いたしたいと思っているわけでございます。
#58
○米沢小委員 問題は、国民の納得性みたいなものだと思うのだけれども、日本人はセンシティブというのかエキセントリックになり過ぎて、逆に金を使っておるのじゃないかという気がするのです。こんなにアバウトにうまくいくのだったらアバウトにやって、国民が納得しておるのだったら大変なものだなあと思うのだけれども、日本の場合は何でもかんでも点数にして細かに細かにやって、積算基礎がどうだこうだといううるさいばかりで結局何か大幹を失っているのじゃないか、そんな感じがします。
 したがって、そこの国民が自分たちの国の医療体制についてどういう感想を持っておるのかということは非常に大事なことだ。横から見てフランスはかわいそうだとか、イギリスは適当にやられてかわいそうだとか、物語風には聞いておるのですけれども、そこに住んでいる連中がどうなのかは大事な問題だと思っているのです。
#59
○竹内小委員長 いまの米沢先生の御要求は十分検討してください。
#60
○古川(貞)説明員 承知いたしました。
#61
○竹内小委員長 ほかにございませんか。――小委員外である菅直人君から発言を求められておりますので、許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#62
○竹内小委員長 御異議なしと認めます。菅直人君。
#63
○菅委員 どうもありがとうございます。
 西ドイツの方式をかなり詳しく説明いただいたので、ちょっと確認をしたいのですが、二ページ目に「この方式においては、保険医が保険医協会に請求する診療総量(点数の総和)と「上限」との間で調整を行う必要があり、」と書いて、先ほどから出ている偏差値とか点数単価の調整ということなのですが、これを行うのは、この書き方だと保険医協会となっていますから、総額を払ってしまった後は中身の分配については医者の方にだけ任しているというふうに理解していいのかが一つ。
 それから、「偏差値」と書いてあるのは、私の理解では、たとえば胃潰瘍なら胃潰瘍で余りにもたくさんかかり過ぎたケースについては、偏差値の端っこの方にきたものはカットするという話を聞くのですけれども、どういうふうに、たとえば病名ごとに何か一つの基準を決めて偏差値を出して病名ごとにカットしていくのか、それも含めてこの保険医協会がやるのかということを御説明いただきたい。
 それからこの「点数単価の調整」というのは、日本で言う一点十円を動かしていると思うのですけれども、これも保険医協会が行うのかということ、この三つ。
 あわせて、私の理解だと日本の点数というのは厚生大臣の告示事項になっていると思うのですけれども、たとえば日本も厚生大臣が、一点十円というとちょっとふくらみ過ぎたから一点九・五円でいこうということをやるときに、法律的には厚生大臣の権限範囲でできるのかどうか。西ドイツの問題を含めて、それだけの点をお聞きしたいと思うのです。
#64
○古川(貞)説明員 西ドイツの場合について申し上げたいと思うのですが、基本的には保険医協会がそういう調整をやるわけでございますが、保険医協会が調整をやる前提としてでしょうか、あらかじめいわゆる保険者の意見も聞いてどういう調整のやり方を保険医協会がやるかということで、あらかじめ一つの大きな物差しはあるわけでございます。全く自由に保険医協会が勝手にやれるというものではなくて、どういう調整をやるかということをあらかじめ保険者が意見を述べておくということはあるようでございます。
 なお、どういう調整のやり方をやるかというのは、たくさんの保険医協会がございます。州ごとにあるわけでございますが、それぞれが決めておるわけでございます。基本はそういうことで保険医協会がやりますが、調整のやり方についての基準、物差し、意見については保険者の意見も反映できるようになっている、こういうふうに理解しております。
#65
○古川(武)説明員 第二の点につきましては、中医協の議を経た上で……
#66
○竹内小委員長 ちょっと語尾がはっきりしませんでしたが……。
#67
○古川(武)説明員 中医協の審議、答申を得た上で厚生大臣が告示する、こういうふうになっております。
#68
○菅委員 さっきのドイツのことでまだ二、三残っているのですが、順番にいきますと、さっきの偏差値というのを用いた統計的な手法というのを少し具体的に聞きたいのです、平均値とか偏差値とか。これは個々の病名ごとに、たとえば盲腸なら盲腸という病名で、たとえば手術に、日本で言えば十万なら十万かかった。非常に高い人は五十万から安い人は五万まであった。それで偏差値でとって、たとえば偏差値が六十五なら六十五を超えた場合にはカットするというやり方と理解していいのか、この内容を少し詳しく聞きたいのです。
#69
○古川(貞)説明員 非常につまびらかなことは承知しておりませんが、盲腸でどうだというふうなそこまでの小さな区分けではなくて、たとえば往診だとか診察だとかそういった何かもうちょっと大きな一つの段階で調整しているというふうに聞いておりますが……。
#70
○菅委員 じゃあ、病院ごとにたとえば外来なら外来一人当たりの単価が非常に高い病院と安い病院、入院でも非常に高い病院と安い病院、よく議論になりますけれども、そういうふうな感じで、たとえばある病院が平均点数が一人当たりの全国平均よりも余りにも高い場合は抑え込むとかそういうことをやっているわけですか。
#71
○古川(貞)説明員 これは開業医の場合でございますが、そういうこともやっております。
#72
○菅委員 じゃあ、個々の病名による調整じゃなくて、総トータルの中での調整というふうに考えた方がいいわけですね。
#73
○古川(貞)説明員 そう考えていただいて結構だと思います。
#74
○菅委員 最後にもう一つ、先ほど日本の場合のことですけれども、中医協の議を経て告示するというのは何で決まっているのですか。
#75
○古川(武)説明員 中医協法でございます。
#76
○竹内小委員長 他に御発言はございませんか。――なければ、本件に関する質疑はこれで終局いたすこととし、次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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