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#1
第096回国会 大蔵委員会財政制度に関する小委員会 第1号
本小委員会は昭和五十七年一月三十日(土曜日)
委員会において、設置することに決した。
二月一日
 本小委員は委員長の指名で、次のとおり選任さ
 れた。
      小泉純一郎君    椎名 素夫君
      中西 啓介君    平泉  渉君
      毛利 松平君    森田  一君
      柳沢 伯夫君    山中 貞則君
      与謝野 馨君    伊藤  茂君
      野口 幸一君    平林  剛君
      柴田  弘君    和田 耕作君
      簑輪 幸代君    小杉  隆君
二月一日
 小泉純一郎君が委員長の指名で、小委員長に選
 任された。
―――――――――――――――――――――
昭和五十七年四月二十日(火曜日)
    午後二時一分開議
 出席小委員
   小委員長 小泉純一郎君
      椎名 素夫君    中西 啓介君
      毛利 松平君    伊藤  茂君
      戸田 菊雄君    柴田  弘君
      和田 耕作君    簑輪 幸代君
 出席政府委員
        大蔵大臣官房審
        議官      水野  繁君
        大蔵大臣官房審
        議官      水野  勝君
        大蔵省主計局次
        長       窪田  弘君
        大蔵省理財局次
        長       酒井 健三君
        国税庁次長   小山 昭蔵君
 小委員外の出席者
        厚生省医務局管
        理課長     石倉 寛治君
        建設大臣官房政
        策課長     佐藤 和男君
        大蔵委員会調査
        室長      大内  宏君
    ―――――――――――――
四月二十日
 小委員小杉隆君二月九日委員辞任につき、その
 補欠として小杉隆君が委員長の指名で小委員に
 選任された。
同日
 小委員平泉渉君及び毛利松平君三月十八日委員
 辞任につき、その補欠として平泉渉君及び毛利
 松平君が委員長の指名で小委員に選任された。
同日
 小委員野口幸一君三月二十四日委員辞任につき、
 その補欠として戸田菊雄君が委員長の指名で小
 委員に選任された。
同日
 小委員柳沢伯夫君三月二十六日委員辞任につき、
 その補欠として柳沢伯夫君が委員長の指名で小
 委員に選任された。
同日
 小委員森田一君同月九日委員辞任につき、その
 補欠として森田一君が委員長の指名で小委員に
 選任された。
同日
 小委員戸田菊雄君同日小委員辞任につき、その
 補欠として野口幸一君が委員長の指名で小委員
 に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 財政制度に関する件
     ――――◇―――――
#2
○小泉小委員長 これより財政制度に関する小委員会を開会いたします。
 財政制度に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。戸田菊雄君。
#3
○戸田小委員 まず最初に、主税局長はきょうは税調等があって都合が悪いようですから、審議官がおいでになっていると思います。
 そこで、いままでの審議の中で、主税局長が、大体三月ごろになったら税収がやや上向きになっていくのじゃないだろうか、こういう話でしたね。しかし、現実に決算期がやってまいりますと、過日、五日ですか、大蔵大臣の御答弁のように数%の減収、こういうことになっているわけですね。これは専門家の主税当局の皆さんですから、大蔵省としてはもうすでにわかっておったと思うのです。これはどうですか、いつごろそういう状況がおわかりになったのか、まずひとつお答え願いたいと思う。
#4
○水野(勝)政府委員 大臣が委員会におきまして数%というふうなお話を申し上げたのは七日であったかと思われます。(戸田小委員「五日です」と呼ぶ)五日はまだそういうところのお話はなかったかと思うのですが、私ども議事録で承知いたしておりますのは、七日の大蔵委員会での御発言が一つあるわけでございます。
 その背景といたしましては、それまでは一月末までの税収につきまして判明しておったわけでございまして、十一月、十二月、一月と二けたの伸びが続いてまいったのでございます。いろいろな要素を見ましても上向きのものもございましたが、二月末の税収が四月上旬にまとまりかけまして、まさにこの七日に、大臣に、二月がこんなことでございましたということで御説明申し上げたわけでございますが、その二月末の税収が、それまでの二けたの伸びから半分以下になりまして、五・六%という伸びになったわけでございますので、従来からも必ずしも楽観を許さない数字ではございましたが、二月末の数字を見まして、どうも私どもやや悲観的な面になったわけでございます。私どもとしては、数字でまとめてどうということで事務的に出しておったわけではございませんが、この議事録を読ませていただきましても、直観的に大臣の勘として、こんなところではないかというふうな御答弁を申し上げているようでございます。背景としてはそんなことでございます。
#5
○戸田小委員 いろいろなやりとりはあったようですけれども、衆参両院の予算委員会が四月五日で終わった。七日に質問したら数%の減収。当時、大蔵省として、大臣それは言うなというようなことをささやいておったという話を聞くわけです。そして、新聞等を見ますると、もう明確に大蔵省のそういった減収計画というものがあった、こういうことを聞いているわけです。だから、もうすでに計画としては、現実そのくらいの減収はあるのだということはわかっておったのじゃないですか、どうですか。また、いつごろわかったか。
#6
○水野(勝)政府委員 それが確定的に判明いたしましたのが七日で、七日に二月末の税収を大臣に御説明し、それを八日に新聞発表いたしたということでございます。
#7
○戸田小委員 結局、七日にわかりました、これは非常にタイミングがいいですね、衆参の予算委員会が五日に終わって、二日後にはそれがわかったというのですから。しかし、どうでしょう、いままでの決算状況からいって、われわれも毎月税収状況をいただいて見ているわけですが、そういう状況で積算をして、ずっといろいろな計画、調査があって、やっていますよ、こういうことだったのですから。
 いずれ、いたしましても、きょうそのことをどうのこうの責めるつもりはないのですが、国会ですから、もう少しざっくばらんにお話をしていただきたいというのが私の真の考えなんですよ。こちらの方には隠して、発表した途端に大臣は信託大会に行って、数字まで具体的に、二兆円を超えるかもしらぬということで演説をぶつ。大蔵省は、またそれに基づいていろいろな計画を新聞に発表していく。こういうやり方は、国会というものに対する非常な形骸化。だから、本当に土俵に入って真剣に審議をするという習慣がなければいけないだろうというふうに私は考えるのです。そういう点はどうですか。
#8
○水野(勝)政府委員 その点につきましては、きょう参議院の方でもそういうお話がございましたが、大臣からお答えをいたしておりましたのは、事務当局から税収につきましてお答えするときには、どうしましてもその時点での数字までのことで、あとのことは全く予測はむずかしゅうございますというようなことでお答えをしておる。それは事務的にはそういうことで、それ以上のことを事務的に、今後の動向につきまして確定的に申し上げることは、どうしても差し控えさせていただいているわけでございますが、大臣は、それではやはり本当に御親切かどうかは若干問題じゃないか。それで、自分としては勘と申しますか、直観的に、できるだけざっくばらんに申し上げたんだ、そういう御答弁をきょうもされておったわけでございまして、私ども事務方としては、どうしてもかたいお答えになってしまって申しわけないのでございますが、そういう経緯であります。
#9
○戸田小委員 ここはひとつざっくばらんに問題を出していただいて、実質審議、実のあるものをわれわれも希望しておりますから、ぜひひとつそういう態度でお願いをしたいと思うのです。
 そこで、きょうは三十分しか時間がありませんし、審議官の都合もこれあり、やむを得ませんから、問題をはしょって質問してまいりたいと思います。
 五十六年度三月末の残高、次の内容について、どれくらいあるか、ちょっと教えていただきたい。一つは、歳出不用額、あるいは節約をどんどんやって浮いた金はどれくらいあるのか。それから、決算調整資金、これはどうですか。それから国債整理基金。きのうの日経の夕刊を見ますると、補助貨幣回収準備資金を全部取り崩す、こう言っているのですね。これはいわゆる五十八年度の穴埋めに使用したい、こう言っているのですが、この回収準備資金の残高はどのくらいあるか、その内容についてちょっと教えていただきたい。
#10
○窪田政府委員 まず、歳出の不用、節約でございますが、これは、現在五十六年度の出納整理期間中でございまして、まだ確定はいたしておりません。確定いたしますのが大体五月の末になろうかと存じます。ただ、そのオーダーは、昨年期末決算で出ました不用額が五十五年度三千七百十四億円、五十四年度が四千九百二十七億円でございました。
 そこで、五十六年度は部分的に、たとえば予備費の使い残しは二百二十三億ですとか、ごく一部は確定しているものもございますが、細かいものの集積でございまして、五月の下旬にこの額が確定するわけでございますが、私ども、いま大ざっぱにいろいろ当たっているところでは、去年よりも予算がきついものでございますから、この額は大体二千億から三千億円の間くらいになるのではなかろうか、こう推定をしております。
 それから節約は、これは昨年の補正のときにいたしたわけでございまして、実は三百四十六億九千三百万節約をいたしたわけでございますが、これはすでに給与改定の財源等に充てるために補正に組み込んでしまっておりますので、これは今後当てにできるものではございません。いま申しました二、三千億の不用が今後見込まれるわけでございます。
 それから決算調整資金でございますが、これは五十二年度の補正で二千億入れましたものが、現在、利子を加えまして、五十七年三月末の現在額は二千五百二十八億円ございます。ただし、これを一般会計に組み入れるとなりますと、すでに長期の預託をしているものの解約をすべきものがございまして、その利子が減る要素がございますので、大体一般会計への組み入れ可能額は二千四百億円程度になる、こう考えております。
#11
○酒井政府委員 国債整理基金の五十七年三月末の残高は二兆五千三百億円でございまして、その内訳は、長期国債で一兆八千五十八億円、政府短期証券で七千二百四十二億円となっております。ことしの五月末までには、一般会計から国債整理基金特別会計の方に定率繰り入れ分の繰り入れがございますので、五月末になりますと国債整理基金の手持ちの政府短期証券は一兆六千億円程度になるものと私どもは見込んでおります。
 それから、補助貨幣の回収準備資金の五十七年三月末の残高は一兆一千八百九十九億円でございます。
#12
○戸田小委員 いま発表になったような内容なんですが、そうしますと、五十六年度で当初税収、租税印紙収入の総額は三十二兆何がしですね。そうすると、二兆円の減収ですから、三十兆円台になってくるわけです。そうしますと、仮に歳出不用額やあるいは決算調整資金、国債整理基金等々入れても間に合うでしょうか。解決はどうしますか。
#13
○窪田政府委員 これは、歳入歳出の額の確定を待って具体的な処理を考えるわけでございますが、一般的に申しまして、いま御指摘のように不用は二、三千、それから決算調整資金から使えるものが二千四百ということでございますので、これを上回る税収の減がありました場合は、決算調整資金法の附則二条の規定によりまして、国債整理基金から決算調整資金に繰り入れをいたしまして、それを一般会計に組み入れることによりまして穴埋めをする。ただし、これは組み入れた翌年度までに戻さなければならないという条件つきのものではございますが、そういった処理をせざるを得ないと思っております。
#14
○戸田小委員 そういった処理になっていくんだろうと思いますね。大体、決算期、六月過ぎたらわかるんだろうと思うのですね。しかし、文字どおりずるずる収支決算でいくわけですから、これはどうしても補てん策をしなければいけない、補正を組む、そういうかっこうになってくるわけですね。(窪田政府委員「補正は要らないと思うのですが……」と呼ぶ)要らない。そのまま繰り入れ、補てん策をとって収支決算をする。
 そうしますと、私の計算では約四兆五千四百億円となりますね。そうすると、いまの各般の補てん金だけでは間に合わなくなってくる。別途、赤字国債か何か発行して補てんをしなければできないんじゃないかと思うのですが、その辺はどうですか。
#15
○窪田政府委員 まず、五十六年度の決算の処理は、もう五十六年度は三月を過ぎておりますので、いま特例国債を出して埋めるというわけにはまいりませんで、決算処理ということになります。決算処理でございますから、いま申しましたように、決算調整資金あるいはそれで不足する場合は国債整理基金から決算調整資金に繰り入れまして、これで穴を埋める。ここで五十六年度の決算は一応終了するわけでございます。
 ただし、国債整理基金から借りたものはその繰り入れた翌年度までに返さなければなりませんが、翌年度までというのは五十八年度の予算でございます。五十七年度にもし補正の機会があれば、その補正の機会も考えられるわけでございますが、いまのところそういう具体的なあれはございませんから、五十八年度予算までにその処理をすればいいわけでございまして、いま具体的にその五十六年度の処理のために補正を組むとか、そういうことは必要ないと思っております。
#16
○戸田小委員 さらに、五十七年度ですね。おおむね現行の景気浮揚その他の状況を見ますると、これもまた三兆円見当の減収になるかもしらぬという予想を大臣自身もなさっていますね。そうしますと、私の計算で約七兆円ぐらいの不足が出てくるんじゃないかという気がします。
 そうしますと、これはもう予算が決まっているんですから、増税とか、そういうものに頼れない。これはできないですね。ですから、結局、これは赤字国債その他を発行して補てんをしなければやりくりできないんじゃないでしょうか。どうでしょう、五十七年度。
#17
○水野(勝)政府委員 五十六年度の税収につきましては、確かに楽観はできない状況にあるわけでございますが、これが最終的にどういう金額になるかにつきましては、五月末までの税収を見ないとわからないわけでございます。
 五十七年度といたしましては、実質的には、五月末が前年度の税収になりますので、六月から始まるわけでございます。ことしの六月から始まりまして来年の五月までの税収が五十七年度の税収となるわけでございまして、その中には五十八年三月期決算の法人税収が入るわけでございます。現在のところ、そこまでの経済動向というものがどうなるかということにつきましては、私ども確たるものは持たないわけでございますが、政府経済見通しを中心といたしました今後の動向の見方といたしましては、後半期におきましては内需の回復を中心に経済が回復過程に入る、それによりまして五・二%の成長が達成されるという現在の見通しでございまして、こういったものを現時点でどういうふうに見直すか、そこらにつきましての材料は私ども持ち合わせておりませんので、現時点としては、五十七年度税収も数カ月後に始まる、こういう時点では、まだこの現在の予算額を変更するという材料を持ち合わせておりませんし、また、それにつきましていろいろ申し上げるという段階ではどうもないと考えておるわけでございます。
#18
○戸田小委員 単純計算をしまして、五十七年度税収三十六兆二千八百四十億円、五十六年に比して大体四兆四千億増になっていますね。五十六年度実質三十兆台になったわけですから、さらに二兆円深まるということになりますね。そうすると、六兆円以上の増収体制がなければ五十七年度は乗り切れないんじゃないでしょうか。この点はどうですか。
#19
○水野(勝)政府委員 五十六年度の補正後が三十一兆八千億でございますので、いろいろ言われておりますように、二兆円といたしますと三十兆円がすれすれになる。それに対しまして五十七年度は三十六兆六千億といういまのお話でございます。したがいまして、機械的にその差を見ますと六兆円以上のものがあるわけでございます。
 その六兆円といった伸びが可能かどうかでございますが、根っこが三十兆円台のものでございますと、大体二〇%の伸びということになろうかと思われます。いろいろ戦後の税収の動向を見ますと、もちろん二〇あるいは三〇に近い伸びのあったこともございますが、一方、一〇%台が続いたこともございまして、もっぱらそれは経済の動向によってかなり左右されるんだと思いますが、現時点での税収年度はまだ数カ月後からということでございますので、この時点でそれが確定的にどうだとちょっと申し上げかねるわけでございます。
#20
○戸田小委員 確かに前途いろんな困難な問題がありまするから、いまここでずばりと言うわけにはいかぬと思うのですけれども、どうしても結果的にはそのような状況になってくるのじゃないだろうか。
 時間がありませんから前に進みますが、いずれにしても、五十六年度で赤字国債二兆円を削減したのですね。それから五十七年で一兆三百九十六億円、こういうことになっておるのですが、これはどうでしょう。この状況でいきますと、全部パアになっていくのじゃないですか。この面はどうですか。
#21
○窪田政府委員 国債減額のお話と思いますが、これは、五十九年度特例国債から脱却するという至上命題で私ども最善の努力をしておりますものですから、パアになるということでは困るわけで、五十九年度脱却のために全力を挙げてまいりたい、こう思っております。
#22
○戸田小委員 十七日の総理と大蔵大臣と官房長官の三者会談でも、そういうことを言っていましたね。ですから、いまの回答は、事務当局としては無理だと思いますから、わかります。事情はよくわかります。
 そこで、問題は国債関係なのですが、一般会計新規国債発行額依存度、公債発行対象経費、月割り別収入金ベース等々を見ますと、五十七年度で国債発行総額が十兆四千四百億円、四条国債が六兆五千百六十億円、特例債が三兆九千二百四十億円、こうなっているのです。
 五十六年度決算はまだはっきり結論は出ませんが、あるいは五十七年度の経済予測、税収の見通し等一連のものを考え合わせますと、大体八月から五十八年度の概算要求が始まりましょう。マイナスかゼロシーリングかどうかわかりませんが、一定の方針を出して取り組むわけですね。この五十八年度の予算も大変な状況じゃないかという気がします。六年度、七年度の推移状況でいろいろ判断しますと、勢い、財源不足は当然起こると思うのです。そうすれば、五十七年度分については赤字国債を発行して補てんする以外ない。増税も何もできない。五十八年度の場合は、増税かもしくは赤字国債でいくかということになると思いますね。これはどういうふうに判断していますか。
#23
○窪田政府委員 五十八年度の予算編成が非常に大変だろうということは、私どもも御指摘のとおりだと思います。先ほど申しました国債整理基金から繰り入れた場合はその返還もまいりますし、この間お示しした中期展望後にまたいろいろむずかしい情勢が発生しておりますので、これは実に容易でないということは御指摘のとおりだと思うのです。しかし、そうかといって、いままでの財政再建というものは私どもが放棄するかというと、なかなかそれは言えない。
 それは、五十年代に入りまして、つまり石油ショックの後、財政が非常に危機的な状況に陥りまして、そのころから、私どもは、国債をそんなに出していると大変だ、三割ぐらいという線を申し上げたこともあるのです。しかし、経済が均衡をとって発展することが大事なんで、財政だけ考えて国債依存度なんかを言うのは財政エゴだという御批判をいただき、景気を浮揚するためにあえて国債の大量発行に踏み切ってきたわけでございます。
 そのころは、財政再建とか財政と言ってもなかなか世間に聞いていただけなかった状況で、私どもも大変残念に思った時期がございますが、今日、行政改革とあわせまして財政再建、特例債脱却ということが大きな声になって、この時期にこういうことをやり遂げなければもう二度とできないのじゃないか、こういう感じを非常に強く持っているわけでございます。片や、六十年代に入りますと特例国債の償還期が参ります。
 そういった事情をいろいろ考えますと、いろいろ御指摘のようなむずかしさはあり、今後の推移も見なければわかりませんけれども、あらゆる工夫、努力をして、ここはやはりいままでの路線で参りたい、こう考えている次第でございます。
#24
○戸田小委員 そこで、最後に主計局次長にお伺いするのですが、中期展望その他を含めまして、今後の財政再建ですね。
 私の推測でいきますと、赤字国債削減はすべてが帳消しになる状況である。何を一体いままで努力して行革を通じ経費の節減をやり、一方は赤字国債の削減をやって、五十六年度は一兆四千億も増税をして財政再建だ再建だと言ってきたのですが、結局、五十九年にいったら中身は何にもなかった、こういう結果になりはせぬか、その点の見解を一つ。
 それから、五十八年度の予算編成、これはどういう部面に重点を置いてやるのか。従前は行革なりあるいは増税なし、こういうことで、とにかく景気浮揚、内需主導型でいくということで来たわけですが、今後もそういう状況でいけるのかどうか。
 この辺の見解を二点ほどお伺いしたいと思うのです。
#25
○窪田政府委員 いままで御指摘のような線で努力をしてまいりまして、パアになっては、おっしゃるようなことになっては困るわけで、いままでの努力が五十九年度に結実するように工夫、努力を重ねてまいりたいと思っております。
 それから、五十八年度は、非常に困難ではございますが、臨調で近く御答申もいただけるというふうに聞いておりますので、その答申も拝見し、歳出削減ということを第一に考えまして、最善の努力をしてまいりたいと考えております。
#26
○戸田小委員 最後に、これは要望しておきたいのですが、御存じのように憲法の第七章で、財政等の問題について、八十三条から九十一条まで、それぞれ財政民主化の前提というものを踏まえて今回やられておりますね。加えて、財政法というものを制定して、より一層の財政民主化を徹底する、こういうことでありまして、国会等に対しては、そういう角度からいってすべからく、いままでもそういうことではいろいろとやってきたでしょうけれども、より一層困難な事態でありますから、そういう点を御配慮いただいて誤りのない方向というものを確定していただきたいと思いますので、この点を要望しておきたいと思います。
 それでは、次に国税庁の方にお伺いします。
 国税庁職員の問題ですけれども、国税労働組合全国会議という組合があります。その資料を拝借して質問してまいりたいと思うのですが、「国税庁定員の推移」ということで、五十二年、本土、沖繩合計で五万二千六百二十七人、五十三年、五十四年、五十五年、五十六年度で五万二千七百八十九名、五十六年度はプラス・マイナス・ゼロ、要員増はなし、辛うじて五十七年度予算に向けて二十七名の増員、こう理解をしておりますが、これでは、いまの業務増その他からいってなかなか容易じゃないんじゃないか。
 たとえば事務量増加の現状を見ますと、国税収入で約三・八倍ですね。申告所得者数で一・三、一千万円超の高額所得者で五・一、所得税の還付申告者数が三・四倍、法人数が一・六倍、大法人が二・一倍、こういうことで、国税庁総定員で一・〇三。〇・〇三しかふえていない。いずれにいたしましても、そういう状況なんです。職員一人当たりの納税者数は、申告所得でもって一・二倍になっている。法人税で一・四倍、源泉所得税(給与)で一・五、還付件数三・二倍、このように業務がそれぞれふえております。それから実調率の推移、これは三十五年からの統計ですが、五十五年で申告所得税が四・三、法人税一〇%、これしかやれないわけですね。非常に少ない状況になっておるわけです。こういった状況からいって適正配慮する必要があるんじゃないだろうか、私はこう考えておるわけですが、その辺の考えはどうでしょうか。
#27
○小山(昭)政府委員 お答え申し上げます。
 適正公平な税の執行ということにつきまして、国民各位の非常に強い期待が寄せられておるというような現状の中におきまして、ただいま先生からも御指摘がございましたように、納税者数が増加してくるとかあるいは取引が複雑、広域化してくるというような、なかなか困難な状況の中におきまして、国税職員は、限られた人員ながら、その執行に誤りなきを期して鋭意努力いたしておるところでございます。
 ところで、国税職員の定員でございますが、ただいま先生もおっしゃいましたように、五十七年度二十七名の純増が認められたわけでございます。これは、現下の厳しい行財政事情のもとで、各省庁通じまして千四百三十四名の純減、こういう非常に厳しい定員事情の中で、国税庁についてはいま申し上げましたように二十七名の純増が認められたということでございまして、私ども、これはやはりそういった税の職場の困難さに対する関係方面の御理解がそれなりにいただけたものというふうに評価いたしております。もとより、現在の私どもの定員でもって税の執行上万全を期するということはなかなかむずかしいわけでございますが、さればといって、非常に大量の増員というようなことも、これまた現下の行政事情のもとではむずかしいのではないか。
 そこで、諸般の施策を総合的に運営いたしまして、それでなおかつどうしても不足する人員については引き続きその実現を図っていきたい、こういうふうに考えておるところでございます。
#28
○戸田小委員 そこで、労組の指摘によりますと、「現に、課税当局の課税事績によれば、申告漏れ所得金額および税額は膨大な金額となっているものと想定される。」ということで、所得税申告件数九百四十二万件、実調件数が十三万九千件、申告漏れ税額(想定)が一兆六千億、法人税でもって申告件数百七十一万七千件、実調件数が十七万九千件、申告漏れ税額(想定)が三兆円、源泉所得税で申告件数三百八万五千件、実調件数で三十四万三千件、申告漏れ税額(想定)で三千二百二十億、合わせますと、増額税額が四千二百五億円で、申告漏れ税額が四兆九千二百二十億円見当だ、こういう調査なんですが、これは間違っていましょうか。
#29
○小山(昭)政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま先生がおっしゃいました数字のうち、実調件数につきましては、おおむね比較的最近の私どもの承知いたしております数字にほぼ近い数字であるというふうに考えられるわけでございます。ただ、申告漏れ税額ということになりますと、私どもの調査の結果把握されました法人税、所得税、源泉所得税の申告漏れの税額、私ども、これを加算税を含めまして増差税額と呼んでおりますが、これは最近の数字で約四千五百億ということでございまして、ただいま先生お示しの四兆九千億という数字は若干理解困難なのでございますが、多分推察いたしますに、その実調割合がそれほど高い数字でないということから、これを一〇〇%に還元いたしますと、この増差税額が引き伸ばされてそういう数字になるのではないか、こういうような御指摘ではないか、こういうふうに思います。
 その点につきましては、私ども、先ほど来申し上げておりますように、非常に限られた人員でもっていかに効率的に誤りなく適正に税の執行をするかということに肝胆を砕いているわけでありますが、なかんずく調査対象の選定ということに非常に力を入れております。そして、申告漏れあるいは不正といったようなものが多分に見込まれると思われるような対象にしぼって調査をいたしているわけでございますので、これをそのまま一〇〇%に引き伸ばしたら幾らの漏れがあるはずだというような数字は、実は国税当局としては考えていないわけでございます。
#30
○戸田小委員 大分数字に懸隔がありますから、もしそれなら、後でひとつこのことに基づく当局の積算による資料を出していただきたいと思います。これを、委員長、ひとつお願いしておきますが……。
#31
○小山(昭)政府委員 先生のいま資料とおっしゃいました御趣旨、ちょっとよくわからないのでございますが、私どもの方で何か漏れの推計の数字を出すように、こういうことでございますか。――私どもの方では、先ほどから申し上げておりますように、この対象をしぼりまして、その結果実調したものについてどれだけの漏れがあるかということは把握いたしておるわけでございますが、そこから推計いたしまして全体で幾らの漏れがあるかという作業は実はいたしておりませんので、お言葉ではございますが、その種の資料を作成するということは大変困難であるということを申し上げてお許しいただきたいと思います。
#32
○戸田小委員 これは決して責任を追及するなんという考えはありません。ありのままのそういうものがあれば私は内容を知りたいから。これは、一応労組の皆さんがつくった内容は、実務のベテランだと私は思うのです。国税庁に在職しているベテランですよ。だから、一定の想定のもとにこういう積算ではじいてきている四兆九千何がしという一つの申告漏れ税額、こういうものがありますということではじき出しているのだろうと思うのですね。いま次長の言われるのは、その十分の一、四千五百億円、こういう想定ですね。違うのですか。
#33
○小山(昭)政府委員 私の御説明があるいは不足していたかもしれませんが、私が申し上げましたのは、実地調査の結果実際に把握いたしました申告漏れの税額の実績値でございまして、推計値ではございません。私どもの方では、その種の推計値はつくっていないわけでございますので、それでお許しいただきたい、このように申し上げたわけでございます。
#34
○戸田小委員 いずれにいたしましても、組合の資料で、現在の課税時効年限三年ないし五年、これはもう七年に訂正されました。過日の国会で改正になりましたから七年ということになりましょう。だから、ちょっと違うところがあると思いますが、それで申告漏れ税額四兆九千二百二十億円の金が時効完成によっていわば税逃れをやっている、免除されている、こういう考えなんですよ。これはどうですか。
#35
○小山(昭)政府委員 重ねてのお尋ねでございますが、私ども先ほど来申し上げておりますように、私どもの実地調査によって把握されました申告漏れの所得並びにそれに対する税額というものは承知いたしておりますが、これは、そういう申告漏れの蓋然性が非常に高いのではないかと思われるような対象を選定して調査した結果でございます。したがいまして、先ほど来先生がお示しになっておられますような推計値としての申告漏れ税額の数字でございますが、この種の数字につきましては、私どもは、そのような大きな税額の漏れがあるというふうには実は考えていないわけでございます。
#36
○戸田小委員 私もそういった点の正確な資料を持っていませんから、きょうは後に回しますが、いずれにいたしましても、そういった傾向は若干あるんじゃないだろうか。それはもう次長が言うとおり幾らかあるわけですから、そう考えます。
 そこで、問題は、もう一つ気になりますのは、増員ケースによって税収のふえてくる分はこのぐらいありますよという統計もあるのですよ。たとえば増員ケースで三千人、そうしますと直接増収は千三百七十七億円、申告水準の向上など波及効果によって三千六百億ないし七千二百億。最小二千四百七十五億円、最大四千二百五十五億円。増収合計で七千四百五十二億ないし一兆二千八百三十二億円。これが二万人になりますると、直接増収が九千百八十億円。それで、地方税の増収見込みが最大で八千百四十八億円。増収合計が最大で二兆四千五百二十八億見当の増収が上がる、こういうことなんですが、この点の見解はどうでしょう。
#37
○小山(昭)政府委員 この点も、大変恐縮でございますが、その積算の仕方がつまびらかでございませんので、的確な意見を申し上げることはなかなかむずかしいかと思うのでございますが、私ども考えますに、あるいは、ただいまおっしゃいました数字の基礎には、現在稼働しております、あるいは調査に現実に従事しております人員を一方に置きまして、他方で実地調査の結果の増差の税額を置きまして、それで一人当たりだとどのくらいの増差税額が現在実績として上がっておるというような数字をたとえば置きまして、それで一人当たりで幾らだから、あと千名ふえたらどうなる、五千名ふえたら幾らになるというような仮定計算をしておられるのではないかなというような感じもいまいたしたわけでございます。
 この点につきましては、私ども、先ほど来限られた人員ながら対象の選定等鋭意漏れのないような税の執行に心がけておるというふうに申したわけでございますが、それでは完全に漏れがないか、これ以上絶対に税の漏れをわれわれが見つけていないものはないか、こうおっしゃられれば、それはそういうふうに断言し切るだけの実情にはないというふうに承知いたしております。しかしながら、先ほど来申し上げておりますように、やはり一番蓋然性の高いと思われる相手の方から調査いたしているわけでございますから、現在一人当たりで幾らの数字が増差として出ているということがあるといたしまして、それをそのまま伸ばしまして、もう一万人ふやしたらこれだけの増差が出るはずだ、そう簡単にはそのような推計をすることはこれまたむずかしいのではないか、こういうふうにいまお話を承って感じた次第でございます。
#38
○戸田小委員 いまのような資料は、これは当局としてはできますか。
#39
○小山(昭)政府委員 これもまた重ねてのお尋ねでございますが、ただいま申し上げましたように、私どもは、対象選定ということに非常に力を入れて相手をしぼっております関係上、それ以上実調率を高めていったときに、どれだけ増差税額がふえてくるかということを推計することは実は非常に困難でございまして、私どもとしては、その種の推計はお許しいただきたいと申しますか、非常にむずかしいというふうにお答えさせていただきたいと思います。
#40
○戸田小委員 それから、ついでですから、いま全国的に単身赴任者はどのくらいおりましょう。
#41
○小山(昭)政府委員 お答えいたします。
 昨年度の異動が終わりました時点で、全国で単身赴任者は千八百四十四名ということになっております。ちなみに、一昨年の定期異動後は、七月の定期異動後でございますが、千八百五十九名ということで、ほぼ横ばい、多少減少というような実情でございます。
#42
○戸田小委員 どこどこという個所は指摘しませんけれども、非常に長期に特定の者がたらい回しのようなかっこうでいつまでも単身赴任を強要されるというのは、これは大分あるというのですね。事実、私も二、三当たってみたことがあります。
 そうしますと、そういう単身赴任の何年サイクルというか、そういうものはあるんだろうと思うのですが、本人は、AからBという個所に最初二年間行った、恐らく次は実家に帰れるんじゃないか、こう期待しておったら、今度はCという地点にまた飛ばされた、Dというところに飛ばされたというようなかっこうが非常に多いというのですね。だから、これは生活設計からいっても、大体中学以下であれば、学校の転校その他もいまのところ高校なんかよりはそうむずかしくないのですが、高校生なんか持っているということになりますと、これは容易じゃないのですね。とにかく家族とも、高校生を置いて自分が単身赴任をするか、どっちかを選ばなければならないのですね。高校生一人置いて下宿でもさせるか、こういうことになるのです。生活設計というものが非常に狂いを生ずる。そればかりではなくて、健康を害するということがありますね。
 私なんかもチョンガー生活を東京で十五年もやっているのですけれども、やはり簡単なもので、そしてなおかつ偏食になりがちですね。総合的な栄養がなかなかとれない。時間がないとパンぐらいで終わってしまうというようなこともあるわけですから、どうしても同じようなケースでやられると思うのですね。
 だから、そういう問題については、私は、でき得ればAからB、BからC、せめて四年間ぐらいで一度家族のもとに帰れて同居生活をやって、そしてやってくるというようなシステムというものは必要じゃないか。そうでないと、家族の生活設計もあるいはこっちの健康もというぐあいに、すべてが破壊されていく状況になってしまう。だから、これは上限を、最長年を四年なら四年、こういう考えでいけないものでしょうか、どうでしょう。
#43
○小山(昭)政府委員 先生御指摘のとおり、税の職場におきましては、転勤という問題が実は非常に困難な問題でございます。職務の性格上、同一の勤務地に長期間在勤というわけになかなかまいらないわけでございますので、第一線の職員は、税務署を幾つか比較的短期間で転勤するということが全体として避けがたいわけでございます。
 これがまた、いわゆる都市局、都会局と、それからいわゆる地方局とで大分趣を異にいたしまして、都市局の場合でございますと、自宅から通勤可能な範囲内に税務署の数がたくさんございます。交通の便利もよろしゅうございますので、転勤いたしましても、先ほど来御指摘のような単身赴任というような形をしなくても、うまく人事の回転が動いていくという傾向がございますが、えてして地方局の場合でございますと、地域は広大でございまして、そして交通の利便も必ずしも便利でないというようなことで、税務署をかわることがすなわち転居を伴うことになるということが避けがたいというような実情にございまして、そういった局に勤務しておられる税務の職員の方たちが長い勤務の間に非常な御苦労をされておるということを、私ども常に身にしみて感じておるわけでございます。
 したがいまして、職員の異動に当たりましては、常にその身上を十分把握いたしまして、本人の希望等も管理者が十分聞き取りました上で、できるだけそういったものも公務の要請の許す範囲で十分考慮しながら異動を行う、こういう方針でやっているわけでございますが、何分にも職員の希望のとおりに、あるいはその御自宅の所在地周辺に全員が全員配置するということができないで苦慮いたしておるというのが実情でございます。したがって、私どもといたしましては、そのような場合に、単身赴任の期間が余り長期間にならないように、あるいはまた、その単身赴任先で宿舎等の手配を十分するようにということで、鋭意処遇面で配慮等いたしておるところでございますが、先ほど来の先生の御指摘まことにごもっともでございますので、今後さらに職員の負担が過重なものにならないように努力してまいりたい、このように考えております。
#44
○戸田小委員 努力していただきたいと思いますし、それからもう一つは、やはり年齢の問題ですね。
 大体、大卒で二十二歳、直ちに採用ということになりますると、これはまた未婚者もおるかもわからぬ。そういったいわば三十以前の人は、まだ、仮にうちのない人は、確定するというのは率からいけば少ないと思うのです。いま厚生省の家族平均数が一世帯大体三・八人、最近はもっと下がっておると思いますね。恐らく三人台を下がっておると思うのですが、いずれにいたしましても、四十以上とか三十七、八以上になって、大体子供さんも二人ぐらいで子離れ、親離れというような状況になって、その辺からいまのような体制でたらい回しのような転勤その他をやられますと、これは相当生活上重みが加わってくると思います。
 だから、そういう面での年齢上のいろいろな問題も、私は、相当慎重に考慮していい問題ではないだろうか。それを四十代近くなって、ないしは四十以上になって、それは全部転勤がないとは言いません。いろいろな昇進に従って必要なものはありましょうけれども、そういう面もあわせ含めて考慮に入れて、今後の人事異動その他については御配慮いただきたいと思うのですが、その辺はどうですか。
#45
○小山(昭)政府委員 御指摘のとおり、職員が一定の年齢になり、その家族の進学そのほかの問題が重要になってくるという年齢層というのは確かにあるわけでございまして、そういう時期に家庭を離れて単身赴任をされるということが一層大きな負担になるということは重々理解できるわけでございます。先ほど、私、異動に当たりましては職員の身上把握に管理者たる者が十分に意を用いて、その辺のところも考慮して異動の案を考えるということを申し上げました際には、家族の構成とかそういったような点ももちろん含まれておるわけでございまして、そういうことは重々検討の対象、考慮の対象に入れなければならない事柄でございます。
 ただ、これは先生も御指摘のとおり、そういった四十代あるいは四十代後半といった年齢層になりますと、やはり職責もおのずから重くなってまいりまして、上席調査官であるとか統括官であるとか、そういった地位につくわけでございまして、そうなりますと、どうしても特定の地域にいつまでもいるというわけにまいりませんで、各地に散在してございます税務官署にそれぞれ分かれて赴任していく、こういうのが税の職場の実情でございます。これを若い人だけでそういう遠隔地に赴任してもらうというわけにもなかなかまいらないわけでございまして、その辺を含めまして、全体として過重な負担にならないように、先ほど申し上げましたような単身赴任の期間をできるだけ余り長くならないような配慮をするとか、そういった方向で運営の改善を図ってまいりたい、このように考えておる次第でございます。
#46
○戸田小委員 時間も来ましたから最後に要望して終わりたいと思うのですが、いずれにいたしましても、人事配置その他についてはやはり公平でなければいかぬと思いますし、全体が納得できるような運用システムというものをつくっていただかなくてはならぬし、健康なり生活というものも十分判断してやっていただかなければならないと思いますから、そういう角度で、今後、いま持っている不合理な点があるとすれば、そういう点で改善措置をとっていただきたいと思うのであります。
 これで終わります。
#47
○小泉小委員長 柴田弘君。
#48
○柴田小委員 私は、きょうは財政再建の問題と景気の問題、財政運営の問題についてお聞きをしたいと思うのですが、本年の政府の経済成長率は名目で八・四%、実質で五・二%、こういった目標を立てているわけですが、果たして現在の状況の中でこの目標が達成されるかどうか、正直に申しまして額面どおり受け取ることができないわけであります。
 ちなみに、昭和五十年度以来、当初の政府の経済見通しと実績とを比べてまいりますと、その目標を達成したのはただ一回だけですね。これは、昭和五十一年度の名目成長率の達成だけです。十四回ありまして、これを相撲の星取り表にいたしますと一勝十三敗ということです。パーセンテージでわずか七%しか達成されていない。この辺はよく御承知だと思うのですね。
 なぜ私がこういうことを申すかといいますと、いま問題になっている歳入欠陥の問題、これは経済が目標どおり動いていかないと税収も上がってまいりませんし、それから、財政再建の目標と言われております赤字国債の減額もこれはできない、こういうことなんですよ。そういうことで前段で申したわけであります。
 それで、質問をするわけでございますが、経済成長の問題というのは財政再建からも重要な問題であるわけでありまして、政府は、財政再建を当面は赤字国債からの脱却、こういうことに目標を置いているわけであります。
 そこで、赤字国債の発行推移を見てまいりますと、政府の当初発行予定額より減額された年度は、七年間のうち、昭和五十一年度の二千七百六十八億円、それから五十三年度の五千九百十億円、五十四年度の一兆七千百六十億円、五十五年度の千七百億円であるわけです。五十六年度、五十七年度のように年度当初から二兆円とか一兆五千億とか、赤字国債の発行を減額するということを目標として予算編成などの政策運営を行うことも、私は決して否定するものではありません。しかし、何といいましても、年度途中にこの赤字国債が減額できるような経済運営あるいは財政運営を行うということがきわめて大事じゃないか、私はこんなふうに思うわけであります。この辺についての御見解があれば、まずお伺いをしておきたいと思います。
#49
○窪田政府委員 年度途中で赤字国債を減額できるように景気拡大に配慮した財政運営をすべきではないかという御指摘は、確かに非常にそうしたいものだと私どもも考えているわけでございます。財政再建と申しましても、やはり歳入が確保できませんとなかなか苦しいことになるわけで、そのためには、いまおっしゃったように、経済の安定的な成長というものが確保できないとなかなかむずかしいわけでございます。
 そこで、五十七年度予算でも、非常に限られた枠の中ではございましたけれども、たとえば住宅の建設についていろいろ工夫をするとか、あるいは公共事業の執行について前倒しの執行をするなど、いろいろ工夫をしているところでございますが、経済企画庁の見通しによりましても、こういった機動的な、またきめ細かい経済運営を行っていけば、景気は次第に着実な回復過程になるということでございますので、今後の経済動向を見守って、財政運営もそれに支えられて既定の財政再建が達成されることを期待しているわけでございます。
#50
○柴田小委員 そこで、ちなみにまた赤字国債と税収との関連を過去を見てまいりますと、五十一年度、五十三年度、五十四年度、五十五年度に赤字国債の発行を当初の予定から減額できたわけですね。やはりいまおっしゃったように、税収確保が十分になされて、租税収入及び印紙収入が当初予算額よりふえたということが大きな理由であったと思うのであります。その増収額は、五十一年度が千三百八十八億円、五十三年度が四千七百五億円、五十四年度が二兆二千四百二十五億円、五十五年度が四千五百七十七億円であったわけであります。また逆に、赤字国債の追加発行をせざるを得なかった年は五十二年度と五十六年度でありますが、これはやはり租税及び印紙収入が予算額を、五十二年度は九千七十一億円、五十六年度が四千五百二十四億円、これは記憶に新しいわけでありますが、下回っておるわけであります。
 こういった税収動向、赤字国債発行の減額と景気動向、特に実質成長率に対する内需と外需の貢献度といいますか、その寄与度を見てまいりますと、年度途中に国債減額できた年度というのは、内需の構成比が五十一年度が七〇・六%、五十三年度に至っては一三五・三%、五十四年度が九〇・六%、五十五年度がぐっと減って一〇・八%でありますけれども、この五十五年度を除いて内需の寄与度が高い傾向にあるわけであります。こういうデータが出ております。
 ですから、こういった点を見てまいりますと、やはり内需中心の経済成長を今後とも推進をしていかなければならない。ですから、五十七年度の政府経済見通し、実質成長率五・二%のうち内需が四・一%、外需が一・一%ということでございますが、この達成というものは、財政再建から見ましても絶対必要でありますし、そのためにできるだけの政策選択をして、政府としては努力をしていかなければならない、こんなふうに私は考えておるわけでございますが、この辺についてはいかがでしょうか。
#51
○水野(繁)政府委員 お答え申し上げます。
 五十七年度の政府経済見通し五・二、先ほど御指摘がございましたように、非常に厳しい状態にございます。ただ、昨年の五十六年の十−十二月の国民所得、これがマイナスが出ましたので、五十六年度の見込みが非常に少なくなってくる。それの関係もあって、五・二というのはなかなか厳しいわけでございますけれども、御指摘のとおり、内需の拡大というのは、世界の中の日本の経済の地位もございますし、それからもう一つは財政に寄与する度合いの問題もございますので、内需拡大の方向でできるだけ努力をして、今後ともできる範囲内でできるだけの政策努力をしてまいりたい、かように考えております。
#52
○柴田小委員 そこで、内需拡大策ですね、これは最後に質問いたしますが、私は、この際、財政再建に関連をしてぜひ御要望していきたいわけであります。
 これは、国民的なコンセンサスを得るためにも、財政再建、行政改革を進めるに当たって、そのためにも、単に赤字国債の減額だけを優先して財政の帳じり合わせに走ると、経済成長が伸び悩んで、あるいはまた国民生活の後退を迫り、財政再建も思うに任せないという悪循環に陥る危険性があるのではないか、こういうふうに思うわけであります。
 そういう意味で、私は、五十六年度の赤字国債を三千七百五十億円追加発行したわけでありますが、この経済、財政の動向というものは非常に貴重な教訓であったというふうに思っておるわけであります。だから、私たちが、財政あるいは財源が厳しいということを十二分に承知をしながら所得税減税を主張しているのも、やはり低中所得者の生活を守ることと同時に、財政再建というものの条件づくりにほかならなかったわけであります。きょうは、別に所得税減税はどうかということについて質問するわけじゃないですから、安心しておってください。質問の中でそういうことをちょっと言わぬといけませんから、言っているわけであります。
 だから、所得税減税の実施ですとか、あるいは行政改革の本旨に沿った補助金の整理合理化ですとか、公共料金主導型の物価上昇の抑制ですとか、より波及効果を考えた公共事業の執行というものを私は真剣に検討していただきたいと思っております。つまり、財政再建あるいは行政改革については、一般の勤労大衆とか中小企業あるいは地方自治体に一方的に負担を押しつけるだけではなくて、やはり財政再建から見て、税収が順調に伸びる方向で、経済が適正な成長を安定的に続ける方向で行うべきであるというように思います。ですから、幾ら五十七年度の当初予算で目標どおりの歳出削減あるいは国債減額ができたといたしましても、年度途中でこれと同じかそれ以上の歳入欠陥が出るようだと財政再建も効果はありませんし、その間の経済成長、国民生活のダウンを勘案すると、私はマイナスだというふうに思います。
 ですから、一番大事なのは、財政再建と適正な経済成長というものを両立させる経済運営、そして財政運営というものを五十七年度はぜひともひとつ行っていただきたい、私はこんなふうに要求をしたいわけでありますが、具体的に今日の時点に立って何を考えていらっしゃるのか、この辺のところをひとつお考えがあればお聞かせをいただきたい、こう思います。
#53
○窪田政府委員 経済成長と財政再建との関係についてのいまの御指摘は、大変筋道の立ったお考えだと私も思います。ただ、そういう線で一九七〇年代はどこの国も公債を追加して、いわゆるケインズ的な財政運営をやりましたけれども、一面、それに対する反省とその効果の限界というのが意識されて、最近は、日本だけではございません、アメリカでもイギリスでも緊縮的な財政運営、財政再建ということをやっております。しかし、アメリカでもだんだん赤字は拡大する一方でございますし、ドイツなんかでも、年度途中の歳入欠陥が生じて中央銀行の納付金で埋めるというふうな非常に苦しい財政運営をしているわけでございます。
 現在の世界的な景気の停滞からいきまして、景気と財政運営というのはどこの国でも非常に苦労しているように見受けられるわけでございますが、わが国では財政は大変危機に瀕しておりますが、まだまだ民間の経済の活力というものはあるように思われますので、これを損なわないように、公共事業の執行とかいろんな面で配慮をして、経済を支えながら財政の再建も何とか既定の目標で達成したい。こういう非常に細い道を、がけの上を歩いていくようなむずかしい選択だと思いますが、おっしゃるように、両方踏まえながら今後きめ細かく運営してまいりたい、こう思っております。
#54
○柴田小委員 それで、いま一番問題なのは、果たして五・二%達成されるかということですね。これは国民的な課題でありまして、国民特に中小零細企業の皆さん方、これはやはり景気の回復というのを一番望んでいらっしゃるわけでありまして、それに目標である五・二をどう達成するかということだと思います。
 その中にあって、いま御答弁がありましたように、今日の財政金融の情勢から言いまして、政策選択の幅というのは非常に狭い、これは事実でありますね。ところが、いろんな民間の調査機関によりましても、このまま政府が何の政策展開もせずに手をこまねいておれば、これは三%台の達成しかできないであろう。日本経済新聞がいろんなモデル試算を使って、このままいけば三・八%ぐらいじゃないか。それに、たとえばことしの七月に〇・七五%公定歩合を引き下げる、それから一兆円の所得税減税をやる、それから一兆円の公共事業の追加をやる、この三つをやれば何とか五・四%ぐらいの経済成長が達成されるのではないか、こんなふうに言われているわけでありますね。
 確かに、景気対策ということでいろいろ考えていらっしゃいます。七七%の公共事業の前倒しということ等も考えて、それを柱にして内需拡大、景気対策を講じていくということ、これはよくわかるわけでありますが、果たしてそれだけでいいのかどうか。真剣な対応というものを、税収の問題、財政再建の問題あるいはまた国民生活を守るという観点からもより一歩考えていただかなければならないし、それからそういったいろんな諸施策を、減税の問題とか公共事業の追加の問題とか、そういった問題を果たしてどの程度までやったらどういう景気回復ができるのか、経済成長になるのかという、そういった一つの試算というものも今後そろそろやっていってもいいのじゃないか。
 たとえば、減税は財源がないからできないと大蔵大臣はいつも答弁するわけでありますが、あるいは公共事業の追加もその時点にいかなければわからない、各省庁の意見を聞いてやる、あるいは公定歩合の引き下げも現在の円安という状況のもとではなかなかそれはとれない、こういうこともよくわかるわけでありますけれども、国民が納得をする政策展開というものを、いまここでぼちぼち大蔵省当局としても財政当局という立場からしていく必要がある、私はこう思うわけなんです。その結果、こういうふうにわが国の経済はなりますよ、どうでしょうか、こういうモデル試算をしましたよというようなものをやはり出すべきだと思いますね。
 建設省なんかが公共事業の追加で出していますね。ああいったことも国民を説得するものではないか、私はこんなふうに評価をしているわけでありますけれども、結果はどうあれ、財政再建あるいは財政運営というものが共感を得て積極的な支援を国民に求めるならば、そういったものも必要になってくるのではないか、私はこんなふうに思うわけでありますが、ひとつその辺の御見解をお聞かせいただいて、時間も参りましたので質問を終わりたいと思いますが、いかがでしょうか。
#55
○水野(繁)政府委員 お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、本年度の一−三の経済がどういうふうに出るかという数字がいまのところまだ出ておりませんので、五十七年度がどういうふうになるかというのをまだ確たることは申し上げられませんが、先ほど仰せられました五・二%、これはいまの状況ではなかなか厳しいものがあろう、こういうふうに感じております。
 ただ一つには、先生もおっしゃられましたように、非常に政策選択の幅が狭いことはございますけれども、財政面でもこの間お通しいただきました予算でいろいろ手を打っておりますが、これらの効果がこれから出始めるところでございます。
 それが一つございます。
 それからもう一つは、わが国の経済は世界経済に非常に影響を受けております。特にアメリカの高金利のために日本の金利を下げることができない。国内的には実質金利が相当高くなっております。下げますと円安といった副作用がございまして、かえって悪い効果になる。そこら辺も、アメリカの金利が下がるのではないか、ないしは若干下がりつつあるというふうな趨勢もございます。
 こういったものをもろもろ見詰めた上で、ないしはそれを横目でにらみながら、きめの細かい選択をやっていきたい、こういうふうに考えておりますが、いずれにいたしましても、日本独自だけでは、日本の経済というのは勝手に動くことができないようになってきております。
 片や、先ほど御指摘の、民間の指摘ないしは建設省の指摘で財政等を一兆円なら一兆円ないしはもっと追加したらいいじゃないかという声もございますけれども、窪田次長が先ほどお答え申し上げましたように、日本の経済、広い意味での経済の中で一番傷んでいるのはわれわれ財政ではないか。そのバランスの問題もございまして、財政を考えるときは経済を考えなければいけないし、経済全体をうまく持っていくためにも財政を考えなければいけないと思いますので、そこら辺を総合的に勘案しつつできるだけうまく経済を持っていきたい、こういうふうに考えております。
#56
○柴田小委員 最後に御要望だけしておきますが、御答弁ありましたように、非常にむずかしい問題だと思いますよ。だけれども、やはり国民は期待しているわけですよ。財政再建も国民からコンセンサスを得られるような財政再建であり、あるいはまた行政改革も同様だと私は思います。それには、国民生活がマイナスになるような、あるいは政府がせっかく出した経済見通しというものが達成できないような財政再建であり財政運営では、これは何とも仕方がないわけでありますから、そういったことを、ひとつ原点というものを見詰めていただきまして、どうか誤りなき財政運営あるいは国民生活にプラスになるような財政再建、経済運営、これを篤と御要望を申し上げておきたいと思います。
 以上をもって質問を終わります。
#57
○小泉小委員長 和田耕作君。
#58
○和田(耕)小委員 同じようなことを質問をするのでちょっと恐縮ですけれども、窪田さんが一番よく実態を知っておるんじゃないかと思います。数日前も、総理大臣も大蔵大臣も、五十九年までに赤字国債の発行をゼロにするという財政再建の目標を変えない、こう言っておりますけれども、あの実現の旗をおろさないと言っておるけれども、あれは目標というふうに聞いていいんでしょうね。
#59
○窪田政府委員 あのお話し合いの後、大蔵大臣が記者会見をされた記録がございます。
 総理の話はどうだったかという記者の質問に対しまして、厳しく臨調答申にも沿って発想の転換を図り、断固たる意思のもとで財政再建をやらなければならない、五十九年度特例公債脱却の目標は放棄してはいないと言われた。再び記者が、大臣もそのお考えか、こういう質問に対して、それに向けて最大限の努力をいたしますと言った、こういう記録がございますので、目標であると考えております。
#60
○和田(耕)小委員 努力目標ということで、変わることも大いにあり得るというふうに読んでもいいのですね。
#61
○窪田政府委員 しかし、これは去る二月の衆議院の予算委員会で、たしか藤田高敏先生の質問に対してだと思いますが、総理が五十九年度に特例債脱却というのに政治生命をかけるというふうな御答弁がありましたので、単なる努力目標というもの以上に私どもは受けとめております。
#62
○和田(耕)小委員 できるだけ行政経費を節約するという決意はよくわかるし、五十八年度がマイナスシーリングという言葉まで大蔵大臣は言ったことがあるわけです。行政経費を削減するということは、中長期に見れば相当の節約にもなるけれども、今年、来年、再来年という、五十七年、八年、九年という年を見込んで、行政経費の節約というものは財政再建の役に果たしてどれくらい立つのかということについては、大して見込めないだろうということを聞きますと、そうだ、こういう言葉なんです。その点、これはできないことを言ってもしようがない。できることをやって、最大限に見積もって、行政経費の節約によってどれくらいのお金が浮いてくるのか、そのことについてちょっと御感想を聞きたいのです。
#63
○窪田政府委員 普通、行政経費といいますといわゆる官庁の運営費的なものを指しておりますが、これはもはや五十三年度以降ずっと抑制をしております。この金額から申しましても、いまちょっと手元に正確な金額を持っておりませんが、おっしゃるようにそう大した大きなものではございません。
 したがって、歳出を抑制することによって財政再建を図るということは、行政経費だけにとどまらず、いろいろな仕組みそのものを見直していきませんとできない話で、社会保障につきましても文教につきましても、あるいは地方財政とか農業とか、いろいろな各方面の予算で、戦後長い間に一つの仕組みというか制度ができております。その制度をそのままにしておいて、ただ抑制をするということになりますと、年度区分の変更でございますとか一部借金で切りかえるとかいうふうな非常に短期的な手法になるわけでございまして、本当に特例公債の体質から脱却しようとするならば、その仕組みというものを見直していく、そういう時期に来ているだろうと私は思います。
 したがいまして、これは一つの大きな政治問題でございまして、そういう選択をしていただけるかどうか。つまり、これは法律に基づくものがほとんど大部分でございますから、そういった政治的な選択をしていただけるものかどうか、これが、そういう路線をとれるかどうかという問題のかぎになろうかと思います。
#64
○和田(耕)小委員 仮に法律の改正をしまして、あるいは制度の改革をしてできるだけの節約をしたとして、これは五年、十年の後は相当の額になるということも考えられるけれども、この二年、三年のうちに、つまり五十九年までのうちに思い切ってできることの最小限のことをやってどれくらいの経費が浮いてくるのか、財政に寄与するようなことになるのか。その数字の大体概算的なものでもいいのです。もしこれを一応検討されていないと、つまり五十八年度、五十九年度の予算を編成する場合にも、あるいはマイナスシーリングというふうに切り込んでいく場合にも、できないわけですね。大体どれぐらいの規模のものを頭に描いておられるのか、よかったらひとつお答えいただきたい。
#65
○窪田政府委員 歳出の削減可能限度というものが、先験的といいますか、まずあるというわけではございませんで、私どもの最近の予算の考え方は、この間の中期展望でもお出しいたしましたように、いまの予算をほっとけばこうなる。あれでは一〇%前後の歳出の増加圧力があるわけでございますが、したがいまして、ほっとけばそうなる。片や、全体のフレームからどれだけの抑制をしなければならないという要請が歳入歳出両面から出てまいるわけでございまして、そういうものにどのくらいの必要性があるか。
 たとえば、横ばいでしたらこのくらいのことをやればいい、一割削るにはここまでやらなければいけない、そういう必要性の程度によって、その手段というものが変わってまいるわけでございますから、いま具体的に可能性の限度というものが先験的にあるわけではないわけでございます。どのくらいの必要があり、またどのくらいやる気があるか、こういう話だろうと思います。
#66
○和田(耕)小委員 その問題はしばらくおきまして、五十六年度の税収不足を、この間大蔵大臣は二兆円を超す規模だという発表をなさいましたね。これは当初予算からすると二兆五千億という額にも達するということなんですが、しかし、これもまだ予想であって、実際はどうなるかわからない。恐らくそれを上回るのじゃないかという予想もあれば、あるいは下回っても大したことはない、二兆円ということになる。
 五十七年度の税収不足について、これもいろいろな条件のもとで現在のままでやるとすれば、五十六年度を発射台としておるから相当規模の税収不足を危惧しておるという大蔵大臣の発言で、それを四兆円ぐらいになるのかと言えば、いやそれほどじゃないということで、三兆円ぐらいという話があちこちで出ておるわけですね。しかし、専門家のいろいろ予想によれば、とてもそういうものじゃ済まない、五兆円をはるかに超していきやしないかという予想も具体的になされている。これは五十七年度。つまり、こういうものを五十六年度も何とかつじつまを合わせていかなければならない、五十七年度もまたつじつまを合わせていかなければならない。五十六年度は何とかなるとして、五十七年度の場合は、これは何らかの形の赤字国債というものが、五十六年度も少しやりましたが、避けられないのじゃないですか。その点について。
#67
○窪田政府委員 五十六年度の税収不足につきましていろいろ言われておりますが、いずれも基本的な手法は比例計算なんでございます。ここに主税局の専門家がおりますから必要に応じて補足をいたしますが、結局、いままで何%入っているから、あとこのままでいけばという考え方でございます。ただ、あと残っておりますのが三月の確定申告の結果、これが今月末、それから三月の法人税の税収、こういう大きな二つのかたまりがあるわけで、この辺は比例計算ではなかなかいかないのではなかろうか。選挙でいいますと、大票田が二つ残っているようなものじゃないかと私は思うのです。
 そこで、私、やや個人的な感じになって申しわけないのですが、確かにオイルショックの後には非常な歳入欠陥がありました。それはオイルショックという理由でわかるのですが、今日、まあ平穏な時代になぜそんなに欠陥が起こるか、言われているような数字は、どうしても私、信じられない感じがするわけでございまして、まだまだ期待を持っているわけでございますが、確かに言われるようなことになれば、五十六年度は、先ほども戸田先生にお答え申しましたように、決算調整資金を取り崩す、それに対してさらに足りなければ国債整理基金から一時借りる、こういう手法でやらざるを得ないわけです。
 そのツケは当然五十八年度に参りますから、五十八年度も大変でございますし、また、それがもし五十七年度に影響を及ぼすようなことになりましたら、五十七年度で何らかの対策をとらなければいかぬ事態も否定はできないと思います。しかし、五十七年度は、先ほども水野審議官が申しましたように、今度の六月から来年の五月までの税収でございますし、いま見込んでおります伸び率というのも、当初ベースで一三・四%、補正後でも一四%という比較的モデレートな伸びでございますので、何とかここは後半に景気が持ち直すことによってこの税収はぜひ確保してもらいたいというのが、何よりも私ども予算の歳出面を担当する者としては最大の期待をかけているところでございます。
#68
○和田(耕)小委員 この問題についていろいろお伺いしても、ちょっといろいろ条件が多過ぎて、わからない問題がある。ただ、今年度の問題としまして、建設国債の問題がもう話題に上っておるわけですけれども、この七七%の前倒し、去年と違って建設国債の、公共事業費の残りがわりあい少ないのですね。きょうの新聞でも、自民党の方であるいは建設省その他で、三兆円規模の建設国債を出す必要がある、そうでないと景気刺激という意味がなくなるということがあるのですけれども、これもやはり現実的な一つの数字と見ていいのですか。御感想をひとついただきたい。
#69
○窪田政府委員 確かにそういう御意見がありますし、私どもも、年度の景気の推移を見ていろいろ慎重に考えていかなければならないと思いますが、ただ、そこには二つ問題があるように思います。
 第一には、建設国債といいましてもやはり国債でございますから、一体それだけの引き受け手があるかどうか。それから、利払いの問題がございまして、先般お出しいたしました国債の償還見通しの表でも、建設国債だからといって、建設国債を毎年一〇%伸ばしてまいりますと、六十五年度には、もちろん一般会計はことしと同じ六・二%の伸びという想定でございますが、そういたしますと、国債費が一般会計の二五%にも上ってしまう、こういうことになりますので、建設国債だからいいとは軽々に言えないということが一つ。
 もう一つ、やはり景気対策としては公共事業というのは有効な手段ではあると思いますけれども、最近非常に機械化していて人手を使わないですとか、あるいは土地代に食われてしまうとか、公共事業の効率性という問題がもう一つございますものですから、そういった時点になったところで慎重に検討すると言うしか、現在の時点ではお答えのしようがないように思います。
#70
○和田(耕)小委員 きょうの新聞によりますと、仮に二兆円の建設国債を出すとGNP一%のアップになるという試算を建設省がなさっておるという報告があるのですけれども、これのアウトラインをお伺いしたい。
#71
○佐藤説明員 お答えいたします。
 たまたま本日、自由民主党の方の要請で、公共投資の経済効果そのものについての勉強、検討した結果を取りまとめ報告するようにということでございまして、ただいまの時間、まさにそれを報告申し上げているわけでございますが、その報告の内容は、いまほど先生のお尋ねにございましたように、公共投資を仮に五十七年度二兆円追加投資した場合の試算としまして、実質成長率を約一%程度引き上げることになる。それから、内需の拡大によりまして、経常収支の黒字幅を三十二億ドル程度減少させ、貿易摩擦の解消に役立つのではないか。それから、いろいろなモデルがございますが、一つの試算として、成長率の引き上げに伴いまして、国税、地方税合わせ初年度三千九百億円、三カ年累計で八千三百億円の税収増を見込むことが推測できょうという報告をしておるところでございます。
#72
○和田(耕)小委員 もう時間がなくなりました。
 率直にお伺いしますけれども、われわれは減税を要求しまして、大蔵委員会でも減税の小委員会ができているのですけれども、少なくとも五十七年度の減税ということは何か心細くなりましたね。いかがでしょう。
#73
○窪田政府委員 とても減税をやるゆとりはないと思います。
#74
○和田(耕)小委員 これは景気刺激という意味はあれでも、不公正を是正するという意味で、少しでも五十七年度に首を出させて、五十八年度、五十九年度と三年ぐらいの計画で不公正な税制を改正していく。私も、これは大して景気の刺激にはならぬと思いますよ、それくらいの小さな規模では。しかし、不公正な問題はぜひとも解決していかなければならない、これは行革の柱の一つですから。これはどうです、少しでも頭を出せますか。
#75
○窪田政府委員 これは大蔵委員会の小委員会で御検討いただくということになっておりますので、そこで十分御議論をいただきたいと思っております。
#76
○和田(耕)小委員 可能性はどうです、できないことを言ってもしようがないから。
#77
○窪田政府委員 率直に申し上げますと、可能性はほとんどないのではないかと考えます。
#78
○和田(耕)小委員 それでは困りますね。しかし、これは大問題になると思いますけれども。
 そういうことで、五十九年度までに財政再建というのは努力目標、これを下げると、五十八年度の予算が引き締めて組めないのだ、そういう意味の努力目標だというふうに理解をいたして、当然これは繰り延べていくものだという可能性があるというふうな考え方も有力に成り立つと思いますが、いかがですか。
#79
○窪田政府委員 先ほど申しましたけれども、これは長年の私どもの悲願でございまして、やっとそういうムードになってきたので、これを延ばしては、またずるずると借金依存の財政が続くと思いますので、やはり単なる努力目標以上のものとして、あらゆる工夫、努力を傾けてやりたい、私はそう思っております。
#80
○和田(耕)小委員 終わります。
#81
○小泉小委員長 簑輪幸代君。
#82
○簑輪小委員 五十八年度の予算を編成する基本方針として、最近報道されるところによりますと、ゼロシーリングかスーパーゼロシーリングかというようなことが検討課題になっておるというふうに言われておりますけれども、五十六年度二兆円以上の税収不足、そして五十七年度は三兆円以上の税収不足が予測されるという中で、五十九年度の赤字公債発行ゼロを実現するためには、五十七年度のゼロシーリングを上回る歳出削減が避けられないというところから、こうしたスーパーゼロシーリングというわけのわからないような言葉が出てきたわけです。
 その報道を見ますと、中に、特に社会保障関係費の特別枠についても再検討を加えて、歳出総額を前年度水準の範囲内にとどめるというようなことも言われているわけです。軍事費とか海外経済援助費とかエネルギーとか、それらはいろいろな問題を持っておりますので、そのカットは適切に行わなければならないと私どもも言っているわけですが、社会保障関係の場合は、物価の上昇等に見合って必然的にふえる部分があるわけですね。そういうものまで含めて、社会保障関係特別枠も再検討するということはゆゆしいことだというふうに思うのです。その上、さらにマイナスシーリングともなったら一体どうなるのかということで、大きな不安材料だというふうに思います。
 先ほど来からずっと国会の周辺のシュプレヒコールがこの部屋にも聞こえてくるわけですが、ここでは、老人保健法案成立阻止、社会保障改善要求中央総決起集会という春闘共闘のデモが行われているわけなんですね。社会保障を一層改善し充実してほしいという要求がある中で、こうした事態は大変なものだと私どもは思いますし、ぜひ軍事費を削って福祉に回せということでなければ、国民の納得は得られないだろうというふうに思っているわけです。
 特に、医療の問題が臨調の第一次答申で取り上げられた中で、国立病院や療養所の問題についても、民営化の検討とか施設の整理統廃合、病床数の削減とか、清掃、洗濯、給食などの民間委託とか、定員削減計画の対象に医師や看護婦も含めるとか、増床や病床転換等の見送りとかというのがいっぱい出てきているわけです。これらはいずれも、これまでの国立医療機関に課せられ期待されている使命を放棄しろと言わんばかりのものでありますし、医療従事者の生活をも破壊するものであって、とうてい認められないというふうに私は思っています。財政当局の皆さん方にもぜひ聞いておいていただきたいということで、私は、ここでは岐阜における国立療養所の調査をもとにして、実態の一部を述べてみたいと思うのです。
 国立療養所岐阜病院というのがございます。ここは、五十六年の四月、看護婦定員七十一名で発足しておりますが、賃金職員を含めて七十七名の実働でスタートをした。ところが、五十七年の一月、一年もたたないうちに、実働が七十二名に減ってしまって、五名も減っているという事実があるわけです。こういう実態で、医療の現場は、もうこれ以上削減をされたら、看護の内容にまで、命にまでかかわる重要な問題だというふうに指摘されているところです。
 人事院の方で、こういう問題等についての判定がいろいろとされていますけれども、特に二・八の体制の問題でいえば、施設長である病院長から説明を求めましたところ、現状では二・八は半分の病棟しかできておらない、二・十を実現するにもあと二十四人は要る、いわゆる二・八を実現しようとすれば、さらにその二割増しで二十九人の増員が必要だ、現状七十一名というようなところで二十九人増員がないと二・八ができないという事態になっているわけです。
 組合側の資料をいろいろと見てみましても、ほぼ同様な結果が出てきております。組合はさらにそれを個別に、病棟ごとにチェックしているわけですけれども、病棟で見てみますと、一人夜勤のところもまだありますし、二・八ではなくて、従来のように十日か十一日の夜勤をしながらでも、あと最低三十人は必要だということが言われているわけです。
 特に、岐阜病院ではぜんそく患者を受け入れておりまして、それが多い南四病棟というところでは、応援がなければとても二人夜勤もできないという状態で、産休の代替も置かれないし、退職しても補充がないというようなことで、ぎりぎり以上の実態になっているわけです。
 この南四病棟の一月二十九日の深夜勤なんかを見てみますと、夜中の一時に交代と同時にインターホンが鳴り、三人の患者が同時に発作を起こす。吸入などを行うも、重積発作の状態で軽快の様子なく、持続点滴開始となる。この間、三人の排せつ介助も行うということで、とても二人夜勤ではやり切れない状態になっています。いろいろやった後、七時になると大発作がまたふえて、処置をしながら重積者三名の看護。この朝の七時ともなれば、他の一般的な業務も重なって最も忙しい時間帯で、とても記録なんかやっていられない状態である。常時吸引、気管カニューレが二名、体位交換二時間ごとが一名、小発作の処置が十一名、採血四名、多いときは七名にもなる。血圧測定は一人、配ぜん七、八名、配薬三名、洗面介助四名、口腔清拭一名、尿量測定八、九名というようなことで、二人で夜勤をやっておりましても、それ、ぜんそくだといって飛び出していくと、詰め所に残るのは一人ですね。またぜんそくだといってインターホンが鳴っても、次にインターホンが鳴ったときはだれも行けないという状態ですから、二人目のときは行かない。そうなると、患者が苦しさの余り怒り出して、どなられたというようなことも言われているわけですね。
 まさにぜんそくなんというのは、即命にかかわる重要な問題で、看護婦さんとしては必死になってやっているんだけれども、こういう実態の中ではもう応じ切れない。夜間の人手が足りないときに、一日平均三名が夜間外来に来るんですね。療養所でありながら外来を受け付けているわけです。これは、地域医療ということで厚生省が進めているために、そういうことになるわけですけれども、そうなりますと、昼間でも外来用の看護婦なんて全然ないのに、そういう外来の受け付けをやっている。それから手術なんかは、五十五年に比べて五十六年は一・六倍になっております。術後の管理というのは大変濃密なものが必要ですので、一層看護婦が必要であるにもかかわらず、これがなかなか補充されない。賃金職員でカバーしている部分もあるにはあるのですけれども、基本的にこうした実態が起こっていて、大変危機的であるというふうに私どもは受けとめてきたわけです。
 そういう職場の実態ですから、全体の労働条件としても大変きつい。妊娠中、異常のない人はほとんどいない。この一年間で、産前異常者は妊娠者五名のうち四名であった。四名とも切迫流産で病休をとっているという事態なんですね。病休が異常なほど続出して、十一月には看護婦一名が公務中に倒れて死亡しているという例もあります。準夜の翌日の日勤なんて、とても大変なケースも間々あって、看護婦の確保ができないために、大変負担が多く、かぜを引いても交代をする人数がいない。無理して夜勤しているから、病人が患者を診ているというような実態になっている。夜勤は交代時間どおりにとても帰れない。深夜勤が明けて帰るのは朝の十時から十時半になってしまうという、こんなひどい実態が毎日、現にきょうも行われているという実態なわけです。
 こういう状態ですので、私どもとしては、幾ら臨調がどんなことを言おうとも、こういうふうな国民の命を支え、健康を守る重要な職場である医療の現場では一層充実させることが必要であって、決して削減すべきでないというふうに考えているわけです。大蔵省の見解を伺う前に、厚生省の基本的な見解をまずお聞きしておきたいと思います。
#83
○石倉説明員 医務局管理課長でございます。
 国立病院、療養所におきましては、最近の医療内容の高度化なり複雑化に対応いたしまして、きわめて各国民の皆様あるいは患者の皆さんからの要望が高まってまいっております。そういうことの関連もございまして、看護部門におきます質的な要請も高まっておりますし、それから量的な面でも要請が高まっていることは事実でございますので、そういった意味から、看護体制の強化を毎年図ってきておるところであります。
 五十七年度におきましては、全国的に見ますと二百七十八人の増員を図ったところでございます。しかしながら、行財政改革の時期でもございますので、私どもの希望しましたとおりに増員することはなかなかむずかしい事情ではございますが、国民の医療を守る立場からも、さらに今後の看護体制の強化にいろいろ努力してまいりたいと考えております。
#84
○簑輪小委員 ただいま私が申し上げましたような実態はほんの一例でございますが、全国各地の現場では日夜並み並みならぬ努力が行われているわけですね。行政改革とか臨調とか言えば、何でもこれがまかり通るというようなことはとても許されるべきではありません。
 看護婦さんの立場に立ってみますと、自分はもう勤務時間が終わった、体もくたくただから帰りたい、けれども患者が担ぎ込まれてきたらもう夢中で看護する、これが看護婦さんの実態であって、これにおんぶして、国が行革の折だから努力はするけれどもある程度のというような姿勢ではなくて、これはやはりとりわけ重要視すべきで、いかに臨調の時期、行革の時期であろうとも、大蔵大臣は常日ごろからめりはりのついた歳出を考えていかなければならない、重点を置かなければならないところは厚くと言っておられることもございますので、こういう分野はまさに何にも増して重要にしなければならない分野ではないかというふうに思うわけです。
 ただいまの厚生省の御見解を踏まえて、大蔵省としてどのように受けとめておられるのか。歳出カット、歳出カットと太鼓をたたくのも結構ですけれども、やみくもに進めて、結局角を矯めて牛を殺す、国民の命、健康にしわ寄せをするという取り返しのつかないことになってしまっては大変だというふうに思うのですね。それで、医療の充実のために十分な予算措置を講じていただかなければならないと思っておりますが、大蔵省の御見解をお伺いしたいと思います。
#85
○窪田政府委員 個人的なことで申しわけありませんが、私も五十二年、三年に社会保障担当の主計官をやらせていただきましたので、社会保障の重要性、それから今後高齢化社会に向かっていく中で充実していく必要性は十分認識しているつもりではございますが、しかし、社会保障は結局国民の相互扶助の仕組みでございますから、国民全体が力を合わせてその仕組みを盛り立てていくという考えがない限り絶対育たないということを痛感をしております。負担するのは困るけれども、いろいろやってもらいたいというだけではなかなかうまくいかないわけで、各人がそれぞれのお立場に応じて社会保障を育てていくということが必要ではなかろうか。
 冒頭に、社会保障予算について非常にお厳しい御指摘がございましたけれども、いまの財政再建、それからいろいろ見直していく行政改革というのは、過去比較的財政が豊かでどんどん伸びていった時代につくられた仕組みというものもこの際見直して、本当に今後の高齢化社会にふさわしい社会保障にしていこうということが究極の目的であろうと思うのでございます。ですから、ただ予算をつけろ、国は何とかしろというだけでは、なかなかこれからはうまくいかないのじゃないかなということを感じております。
 国立病院、療養所の問題につきまして、私も実態を拝見をしたことがございますが、そこに働いていらっしゃる看護婦さん初め職員の方、本当に大変だと思います。現在の厳しい定員事情の中ではございますが、たとえば五十七年度について見ますと、公務員全体では千四百三十四人削りました。しかし、国立病院の場合は定員削減、これも一般の公務員よりも軽い定員削減にしておりますが、定員削減後二百七名の純増になっておりますし、また、その中でも看護婦さんとか医療職というような方々の増員には特に意を用いているところでございます。もちろん、これで十分だとかいうつもりはございませんけれども、そういう考え方で、非常に限られた苦しい財政、定員事情の中でも配意しているということは申し上げられると存じます。
#86
○簑輪小委員 十分でないというふうにいまおっしゃっておりますので、一層この辺の御努力をお願いしておきたいと思います。
 最後に一点だけ、関連してこの際厚生省に伺っておきたいのですけれども、賃金職員の問題がいろいろありまして、多岐にわたるわけですが、きょうは一点だけ、賃金職員の本採用に当たっての基準をお聞かせいただきたいと思います。厚生省は各病院、療養所を指導しておられると思うのですが、その際の基準をひとつ教えていただければと思うのです。
#87
○石倉説明員 賃金職員につきましては、きわめて多数の人数にもなっておりますもので、その待遇につきましてもいろいろな改善を図ってきておるところでございますけれども、これを一斉に定員化してしまうという問題につきましては、これまでも関係省庁と折衝してまいりましたが、昭和三十六年以来の非常勤職員の定員化はしないという政府の方針もございますものですから、現状、これを定員化することは非常に困難なようでございます。したがいまして、例年相当数の増員を先ほどの御説明もございましたようにいただいておりますので、順次これを正職員化するという形で処遇の改善を図っていくということで進めてまいっております。
#88
○簑輪小委員 長くなって恐縮ですが、その際、先任順という指導はしておられないでしょうか、ちょっとその点だけ。
#89
○石倉説明員 定員に欠員を生じました場合に適格者から採用するということでございますので、したがいまして、看護婦職員の定員があいた場合には、適格者がおれば賃金職員の中から補充をいたしますが、やはり新しい需要がございまして、新規に看護学校を卒業した学生を採らなければならないという要素もございますので、そういった点を勘案しながら適格者を採用していくということで処理をいたしております。
#90
○簑輪小委員 まだお願いしたいこともありますが、時間が過ぎましので終わりたいと思います。
#91
○小泉小委員長 本日は、これにて散会いたします。
    午後四時散会
ソース: 国立国会図書館
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