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#1
第096回国会 大蔵委員会金融及び証券に関する小委員会 第1号
本小委員会は昭和五十七年一月三十日(土曜日)
委員会において、設置することに決した。
二月一日
 本小委員は委員長の指名で、次のとおり選任さ
 れた。
      大原 一三君    熊川 次男君
      笹山 登生君    中西 啓介君
      中村正三郎君    平泉  渉君
      平沼 赳夫君    森田  一君
      山本 幸雄君    佐藤 観樹君
      平林  剛君    堀  昌雄君
      柴田  弘君    和田 耕作君
      簑輪 幸代君    小杉  隆君
二月一日
 中西啓介君が委員長の指名で、小委員長に選任
 された。
―――――――――――――――――――――
昭和五十七年四月二十日(火曜日)
    午前十時開議
 出席小委員
   小委員長 中西 啓介君
      山本 幸雄君    伊藤  茂君
      沢田  広君    柴田  弘君
      和田 耕作君    簑輪 幸代君
      小杉  隆君
 出席政府委員
        経済企画庁物価
        局審議官    佃  近雄君
        大蔵大臣官房審
        議官      水野  繁君
        大蔵省主計局次
        長       窪田  弘君
        大蔵省証券局長 禿河 徹映君
        大蔵省銀行局長 宮本 保孝君
        大蔵省国際金融
        局長      加藤 隆司君
 小委員外の出席者
        大 蔵 委 員 正森 成二君
        総理府統計局調
        査部労働力統計
        課長      舩津 好明君
        経済企画庁調整
        局調整課長   海野 恒男君
        大蔵省主税局総
        務課長     内海  孚君
        労働省労働基準
        局監督課長   岡部 晃三君
        労働省職業安定
        局雇用政策課長 中村  正君
        大蔵委員会調査
        室長      大内  宏君
    ―――――――――――――
四月二十日
 小委員小杉隆君二月九日委員辞任につき、その
 補欠として小杉隆君が委員長の指名で小委員に
 選任された。
同日
 小委員平泉渉君三月十八日委員辞任につき、そ
 の補欠として平泉渉君が委員長の指名で小委員
 に選任された。
同日
 小委員笹山登生君三月二十六日委員辞任につき、
 その補欠として笹山登生君が委員長の指名で小
 委員に選任された。
同日
 小委員森田一君同月九日委員辞任につき、その
 補欠として森田一君が委員長の指名で小委員に
 選任された。
同日
 小委員伊藤茂君、佐藤観樹君、沢田広君及び平
 林剛君同日小委員辞任につき、その補欠として
 平林剛君、沢田広君、佐藤観樹君及び伊藤茂君
 が委員長の指名で小委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 金融及び証券に関する件
     ――――◇―――――
#2
○中西小委員長 これより金融及び証券に関する小委員会を開会いたします。
 金融及び証券に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。沢田広君。
#3
○沢田小委員 事前に若干のレクチュアの中でそれぞれお示ししてありますが、金融なり証券問題をあわせてこの小委員会が設置されているわけであります。言うなら、国民としては、日本の全般的な金融情勢あるいは証券のあり方ということについて一喜一憂しているというのが今日の現状だと思うのであります。
 そこで、これからの見通しということはきわめて困難な要因が多いと思うのでありますが、若干の素朴な問題点を取り上げまして、言うならば今日の経済の情勢にどう国民が対応していったらいいのか、そういう指針を立法府も行政府も与えてやらなければならない一つの使命を持っているというふうに考えるわけであります。ですから、私は、単にここで聞いて答弁が満足するしないということよりも、国民が今日の混沌とした経済情勢の中でみずからの暮らしの中に指針を持ちたい。あるいはヤマカンの人もいるでしょうし、堅実な人もいるでしょう。あるいは企業の中にもそういう要素があるだろうと思うのであります。いずれにしても、そういう情勢の中でどう歩むことが、それぞれの暮らしを守り、あるいは将来を展望して堅実なのかということを政府として示してやるという責任があるのではないのかということが一つの前提の条件なんであります。ですから、私は、テニオハの問題で余りどうこう言おうとは思っておりません。そういう意味で、ひとつお答えをいただきたいと思っております。
 最初に、経済企画庁においでをいただきましたが、他省にも関係はあるんだろうと思うのでありますが、一月、二月になりましてから卸売物価が上がってきている。いままでは卸売物価が安定しておったから、消費者物価はいまのところは同じ状況ですが、卸売物価が上がっていった結果が出てくるのはそれから何カ月後である。とすると、これからの卸売物価の上昇が一時的なものなのか、継続的にこれが上がっていくというのか、同じ数字を示していくのか、この点はきわめて流動的だと思いますが、当面、一月、二月の卸売物価が上昇したという原因は何であったのか、その原因は続くものなのかなくなるものなのかということについて、一応お答えをいただきたいというふうに思います。御答弁をお願いいたします。
#4
○佃政府委員 御指摘ございましたように、卸売物価の総平均の月々の数字を見てみますと、昨年の十月から年末までは、毎月わずかずつでございますけれども低下をしてまいりました。ことしに入りましてから、一月が横ばい、二月が〇・五%の上昇、三月が〇・一%の上昇となっております。内訳を見てみますと、国内品と輸出輸入品に分けてみますと、国内品は一月、二月とも大体横ばいになっております。もっぱら輸出品と輸入品で上昇しているわけでございます。
 その背後にございますのは、為替レートいわゆる円安要因でございまして、日本銀行で計算しております円安による卸売物価の上昇に対する寄与度は、二月が〇・六、三月が〇・三ということになっております。これを除きますと、むしろ低下傾向が続いておると言えると思います。したがいまして、全体的な判断といたしまして、基調としては、卸売物価の安定が依然として続いておるというふうに私どもは考えております。
#5
○沢田小委員 円安がこれからどうなるかという問題も後の質問にあるわけですが、いまのアメリカの高金利政策が続いていく、あるいはマネーサプライの方式が続いていくというふうに考えますと、当初いろいろな民間の調査機関等は二百円か二百十円ぐらいが日本のこれからの相場だろうという推定を多くは出しておったのでありますが、結果的にはこういう円安、二百四十八円だなんという、五十円近い数字になっているわけであります。
 そうすると、いまの御答弁はありましたが、その要因が円安だとすれば、これからもやはり卸売物価を押し上げていく。円安はこれからも続いていく、アメリカの経済が立ち直らない限り、より円安への傾向というものは強まると見ることが妥当なのではないのかという気がいたしますが、その点はいかがでありましょう。
#6
○海野説明員 為替レートにつきまして予測をするということはなかなかむずかしいわけでございまして、為替レートに影響を与える要因というのはいろいろなファクターがあるわけですが、当面円安になっているのは、先生御指摘のように、アメリカの高金利が相当程度影響しているということは確かだと思うわけでございます。アメリカの高金利がどういう方向に行くのかということにつきましては、高金利が下がっていく方向から見て明るい材料というのは、アメリカのインフレ率がかなり低下してきておりまして、アメリカのいわば実質金利がかなり高くなっておる、そういう意味で資金需要がかなり落ちてくるという明るい材料がある反面、御存じのように財政赤字が予想以上に高いという暗い材料があるわけでして、この明暗二つの材料を大きく見ますと、二つの材料が綱引きをして、どの程度までどっちの方向に上げたり下げたりするのかということによって、アメリカの高金利がどういう方向に動くのかということになるかと思うのです。
 当面、アメリカの財政赤字が議会と大統領との間でどういう妥協が成立するか予測がつかないわけですが、これからは高金利是正のための努力が政府部内あるいは連銀部内、両方力を合わせて引き下げの方向に努力するということに政策が移っていくということを考えますと、やはりアメリカの暗い材料になっております財政赤字を相当程度少なくする方向での努力がなされるのではないか。そういうことで、私どもはそれを期待しておるというところが現状でございます。
#7
○沢田小委員 さっき言った卸売物価上昇が消費者物価にはね返るのには、いまの状況からいって何カ月ぐらいでそれが出てくるというふうに判断されておりますか。
#8
○佃政府委員 これは、そのときどきの需給関係その他の状況によって一概に言えないかと思います。過去のいろいろな分析がございますが、もちろん、これは商品の種類その他の状況によって変わってくるわけでございます。大体半年程度ということはありますが、いまの状況はどうかと言われましても、先ほど申し上げましたように、さまざまの条件によって規定されてまいりますので、一概には言えないと思います。
#9
○沢田小委員 それでは、要するに、国民が求めている政府の金融なりこれからの景気なりというものに対する指針にならないのですね。それは断定はできないでしょう。もちろん間違ったからあなたが首になるというほどのものでもないのですから、その辺はプロとして、現在のこういう情勢にクールに、いわゆる行政は中立ですから、その意味においては、中立の立場から見てどういうふうになるのか。大体の客観情勢から見ればこうなるだろうという物の見方というのを、私なら私は持っていますよ。それはわれわれもいろいろ国民に対して接触するわけですから、やはり自分は自分なりの勉強の範囲内においてこうなるのが常識であろうというふうに申し上げるわけです。
 だから、あなた方はプロとして、じゃ、果たしてこれをどういうふうに見て、どういうふうに影響が出てくるだろうか。いま言ったのは、たとえば六カ月を限度と仮定をしてみても、それ以内と見ても、結果的には、この一、二月の卸売物価の上昇が円安である。円安であるとすれば、いまの答弁にもありましたが、円安はしばらく続く、あるいはもっと深刻になるかという予想もあるわけですから、そういうことで続くとなれば、卸売物価の上昇が続くとすれば、そのことが同時に消費者物価の上昇につながらないのか。これが常識的な解釈になる。それを抑えるためにはどうしたらいいかというのは次の問題なんですが、そういう連動は、当然常識的にはそうなるんじゃないですか。いかがでしょうか。
#10
○佃政府委員 卸売物価の対象としております品目は、御承知のように素原材料と中間製品その他非常にたくさん含まれておりますが、そのすべてが消費者物価の対象になるわけではございません。素原材料と中間製品は企業間の取引でございますので、消費者物価にはそのままの形ではつながらないわけでございます。一方、消費者物価の中にはサービスその他卸売物価の対象になっていない品目が含まれておりまして、要するに、卸売物価と消費者物価はその対象になる品目の範囲が違うという点もあるわけでございます。
 そういうこともございまして、卸売物価の動きから、いわば機械的に消費者物価の将来の動向を推測するのはむずかしいというか、あるいは適当でない面があるかと思いますが、仮に消費者物価の中で卸売物価の対象になっておりますものを取り出しまして、過去の動きを比較、分析いたしますと、確かに、ある期間を置いて卸売物価の動きが消費者物価に反映してくる。もっとも、先ほど申し上げました繰り返しになりますけれども、消費者物価の中の一部にそれが対応関係が出てくるということでございます。
 繰り返しで申しわけございませんが、卸売物価の現在の動向が将来消費者物価にどのように影響してくるか。円安が非常に長い期間続きまして、これが卸売物価を上げるという状況が持続してまいりますと、先生御指摘がございましたように、消費者物価に対する影響ということについても注意しなければならない点が出てくると思いますが、現在のところは、基調的には、冒頭申し上げましたように卸売物価は安定している、消費者物価も御承知のようなところでございますので、私どもとしては、現在のところはそれほど心配する状況ではない、こういうふうに考えております。
#11
○沢田小委員 いまのあなたの七割か八割の確率としては、結果的には卸売物価の上昇というものが、素材的な産業の数字も見ましたが、だからといって、消費は三%台くらいの上昇ですが、そのことを保障することになるのかというと、これは金融関係でよほど操作をしないと、自然体のままでいけばやはりこれに影響は出てくるということになるのではないかと思いますが、この点はいかがですか。
 たとえば、金融なりの面で自然体のままでこの卸売物価の上昇をそのまま推移していけば、当然消費者物価に影響してくる時期が来る。そうすれば、消費者物価の上昇というのがいまの上昇率でいけば五なり六なりという率へ上がっていく。そういう必然性というものを当面持っていやしないか。これはどこですか、やはり経済企画庁としてお答えいただきたい。
#12
○加藤(隆)政府委員 いまの沢田先生のお話の前提に円レートがあるわけでございます。
 円レートの見通しは本当にむずかしくてわかりませんが、たとえば、けさの寄りつきは二百四十四円三十銭であるわけでございます。いろいろな見方がございますが、先ほど企画庁から答弁がありましたように、もっぱらいまのところ決定的な影響を与えるのはアメリカの高金利、要するに内外金利差である。アメリカの金利は、先ほどありましたように、物価と財政赤字というような兼ね合いでございますが、当面アメリカの景気が下降局面にある限り、物価が下がり、金利が下がるというのは多数説でございまして、たとえばことしの中ごろくらいまでを考えた場合に、どんどん円安になるというような見方は少ないと思います。そういう前提でいまの卸売物価の御議論をしていただいた方がいいのではないか、かように思います。
#13
○沢田小委員 その辺は、政府の方の見解としては、それぞれの分野で見て、一、二月の卸売物価の上昇が消費者物価へのはね返りには当面来ない、こういうふうに見ている。逆に言えばそういうことだと判断してよろしいですか。
#14
○佃政府委員 先ほど申し上げましたけれども、卸売物価、消費者物価ともに基調としては安定している。いまのところ、私どもとしては、御指摘のような点をいま直ちに心配しなければならない状況ではないと考えております。
#15
○沢田小委員 続いて、それに若干関連するのですが、たとえばボーナスの時期の可処分所得の消費割合というのは、五〇%程度しか処分されてないのですね。これは大蔵省ですか、経済企画庁ですか。五二%くらいですか、あとの四八%程度は何らかの預金というか、今日そういう形になっている。普通、ボーナスをもらって五〇%というと、例年の例から見るとそんなに低いという数字じゃないだろうと思うのです。
 そうすると、国民が現在の経済情勢に対応するのに、ボーナスの使い方あるいは連休の使い方というものに対して非常に消極的といいますか、控え目といいますか、そういう対応で臨もうかということが世論調査等にもあらわれておりますが、きわめて警戒ぎみである。そのことが、言うなら景気をより一層引き下げることに役割りを果たして、さらに消費の低迷ということになってきていると思うのでありますが、今日の消費が伸び悩んでいるという要因、これはどういうふうにごらんになっておられるか、ひとつお答えをいただきたいと思います。
#16
○海野説明員 今日の個人消費支出の伸び悩みの最大の原因は、何と申しましても実質所得の伸びが非常に衰えているということでございまして、実質消費を決めるファクターは、常識的に考えれば、名目所得がどれだけ伸びるか、消費者物価がどれだけ上がるか、それから消費性向がどうなるか、この三つの組み合わせで決まると思いますけれども、いまのところ消費性向が大きく低下しているという状況にはございませんし、比較的消費者物価は安定しておるということでございますので、結果的に今日の実質消費が伸び悩んでいる大きな原因は名目所得の低下にある、こういうことだと思います。
#17
○沢田小委員 じゃ、実質所得の低下ということは、五〇%のボーナスの使い道というのは常識であるというふうにお考えになっておりますか。少なくともボーナスのときの五〇%は、いままでたまっていた借金を返済したり何かするということで処分されないままで来たのか。いまあなたのおっしゃっているのと私は逆な立場で言っているわけですが、毎月だったらば欠損するだろうと思うのです、いわゆる実質目減りが大きいんですから。ボーナスのときにはある程度の余裕を持っている。五〇%の消費実績というものは、中身が少なかったからそうなったとは言いがたいのじゃないか。じゃ、ボーナスのときの異常な数字は何なのだろうかという点については、どう解釈されていますか。
#18
○海野説明員 ボーナス期の消費性向は普通の月よりも下がることは当然でございまして、平均で八〇%ぐらいの消費性向になっているわけですけれども、ボーナス期には全体の所得が通常の月の何倍かに相当するわけでございますので、当然、もらった所得のうち貯蓄に回す分は相対的に大きくなって、消費に回る分は相対的に少なくなるということでございますので、これは季節的にボーナス期には当然消費性向が下がると申しますか、貯蓄性向が急激に上がる、それが一年を通じて各月に配分されて、年を通しますと大体八割ぐらいの消費性向になる、こういうのが普通の消費者のビヘービアだと思いますので、ボーナス期に著しく下がることについては、特に消費がそれによって減っているということではないというふうにわれわれは判断いたします。
#19
○沢田小委員 この問題は議論すると長くなりますが、たとえば家庭の耐久消費財等は大体各戸行き渡りつつある。七、八割方満足感といいますか、耐久消費財とかそういうものについては満たしてきている。新しいビデオであるとか、そういうものに食いつくかというと、これは特別の人であって、なかなかそこまではいかない。ですから、その他のテレビであるとか冷蔵庫であるとか電子レンジであるとかいう耐久消費財は半ば水準に達している。それ以上は、新たな家庭内の消費財の充実。自動車も大体充足されてきておるということになりますと、要するに、消費の低迷の要因は、実質所得の目減りというだけではなしに、ほかの要因も含まれている。そうすると、第三次産業的な消費への影響だけになっていくのじゃないか。あるいは、実質所得がもっとうんとふえればまた違ったものへいくだろうが、その方向として、いま言ったような家庭内の充実への低迷と、第三次産業いわゆる飲食あるいは行楽という方向への志向性の中身というものについては、いまの消費の低迷は実質所得だから、実質所得がふえたらこれからどちらの方に動いていくだろうと政府なり担当者はお考えになっておりますか。
#20
○海野説明員 最近発表されました二月の調査でございますが、経済企画庁で発表いたしました消費者動向予測調査というものを見ますと、消費者態度指数というのがそこで発表されておるわけです。消費者が消費に関して比較的積極的になっているかどうかということを示す指標でございますが、これがこれまでかなり低い水準で低迷しておりましたが、この二月調査では少しずつ上向きになってきたということで、私どもは、消費者が将来に対して比較的明るい見通しを立てたときには、消費性向と申しますか、消費者の態度も少しずつ前向きになってくるということで、二月調査の結果については注目しておるところでございます。
 ただ、先生御指摘の耐久消費財などにつきましてはいま買いどきであると判断するかどうかという質問に対しては、買いどきでないと答えている人がかなり多いというところがありますので、若干気になるところがあるわけですが、五十一年から五十四年まで比較的消費支出が堅調に伸びたときに比べまして、五十五年、五十六年、それから今日までの間に消費が低迷している間にどういう費目が低い水準になっているかということを見てみますと、一番大きいのが交際費、それから自動車関連消費、それから耐久消費財関係、それから幾つかの野菜等が、五十五年、五十六年、二年間にわたりまして厳冬があったりなんかいたしまして、野菜価格が急騰したというようなこともありまして、こういった費目が五十一年と五十四年の間の伸びに比べまして相当落ちているわけですけれども、一つ一つを調べてみますと、交際費等あるいはそれに付随した外食費等といったものは所得水準と関係がある。
 それから、耐久消費財は若干気になるわけですけれども、主として中身は、普及度の低いものがルームクーラーとVTRでございますけれども、ルームクーラーにつきましては二年間以上の冷夏が影響しているというふうなこともありまして、やや天候、一時的な要因がある。
 それから、自動車関連等は二回ないし三回の車検を終わりますと新しい車に切りかえる、こういう大体のくせがありまして、五十一、二年ごろ国内で相当自動車が販売されましたので、そろそろ交代の時期であるというふうなこと等々、総合勘案いたしますと、消費者態度指数が若干上向きになってきたということは、ある程度一時的な要因がなくなりまして正常な傾向が実現し、それで所得部分もある程度上向きになってくれば、消費者態度指数も上向くという傾向がさらに定着してくると私どもは考えておるわけであります。
#21
○沢田小委員 たとえば実質所得の目減りがあった場合に、一般の庶民の生活の中では、どこにその影響が出るとお思いになられますか。
#22
○海野説明員 先ほど御説明いたしましたように、通常、交際費とかそれから外食といったようなやや教養娯楽的な面、そういった不急不要なものが影響を受けて減ってくるというのが一般的な傾向でございます。
#23
○沢田小委員 では、なぜ日本人が貯蓄率が高いか、その高い理由は何と何と、三つぐらいで結構ですが、ちょっとその理由を挙げてください。
#24
○海野説明員 これは、戦前からずっと国際的に見まして日本は貯蓄率が高いわけでございます。
 一つ一つを挙げるとたくさんの要因があるかと思いますけれども、戦前からの日本人の貯蓄率が非常に高いということを考えますと、勤倹貯蓄的な国民性が一つあるのではないかということ。それから、所得水準が急激に上がりましても一般的なストックはまだ十分ではないというところで、それに対する備え、蓄積のための努力。それから、将来に対する自分の老後のため、ないしは子供の教育のためという面での貯蓄が非常に高い。そういう幾つかの要因が重なって、貯蓄率が日本の場合高いということだろうと思います。
#25
○沢田小委員 経済七カ年計画を見直されるわけでありますが、いま言われたように貯蓄率が高いということは、フランスなりイギリスなりは六%ないし七%程度、日本が二〇%から二十何%という預貯金率であるという実勢を、景気を引き上げるためには幾らか預貯金率を下げて消費の方に向けてもらった方が内需の拡大には向くわけでありますから、そのためには、いま言われたような国民性は直ちに直らない、あなたの言ったことをそのまま信用するとしても、ストックの面は家屋なんかではまだまだ不十分な面があるわけですから、建て増しであるとか、あるいはいま言ったじゅうたんであるとかあるいはクーラーであるとか、そういうような室内の改造とか、そういう充実面においてはまだまだ少ない。特に老後の不安を与えているということについては、これも大きい。いつ年金がどうなってしまうのか。これはあしたまた審議をするわけでありますが、行革がいろいろなことを持ち出すものですから、よけいに不安感があるというようなことも大きい。こういうことにやはり安定性を与えるということだと思うのです。これは要請だけにしておきますが、七カ年計画をつくり直すときには、右へ行ったり左へ行ったりわけのわからぬものにしないように、ある程度の指針というものは指針として国民に不安感を与えないということは大変重要な要件だと思いますから、その点はフォローするにしても、福祉関係その他については見通しをきちんと、余り大きな変革を与えることはかえって不安感の増大につながることになるだろうと私は思うのでありまして、その点は、できる限りというよりも、余り変動要素を加えないということが最大の前提要件だろうと思いますから、お答えがあればお答えになってください。では、そういうふうに解釈していいですね。
 それから、失業者の実態なのですが、総理府の方では失業者というのはどういうふうな位置づけで考えていらっしゃいますか。
#26
○舩津説明員 私ども労働力調査におきましては、毎月の末一週間、十二月は二十日から二十六日までの一週間でございますが、この間に少しも仕事をしないで、さらに、仕事を持っていなくてかつ仕事を探していた者、これをもちまして完全失業者と称しているのでございます。なお、仕事を探していた者に関しましては、この一週間だけでなく、仕事をせずに仕事を持たずという状態を保ちながら、以前に仕事を探してその結果を待っているという人も、この完全失業者に含めているのでございます。
#27
○沢田小委員 解釈はわかりましたが、どういうものでこれを判定するのですか。
#28
○舩津説明員 毎月、月末一週間の間に全国の世帯の中からサンプルを抽出いたしまして、ここに調査員を派遣いたしまして各世帯員に質問をして、その答えによって判断するのでございます。
#29
○沢田小委員 比率はどのくらいの割合ですか。対象者、回答率。
#30
○舩津説明員 対象者は、全国約三万世帯でございます。比率にいたしますと、全国の千分の一弱でございます。
#31
○沢田小委員 あなたの方はこれをもって、いわゆる完全と不完全と二つあるわけですが、言うならば、仕事を探しているということは本人の意思の表明だけで職安その他は関係ない、できれば働きたいというのは希望者の中に含まれると解釈していいですか。
#32
○舩津説明員 職を求める手段は問いません。したがいまして、求職の意思がある、それから実行している、仕事を持っていない、こういう要素がすべて整っている人をもって完全失業者と称しているのでございます。
#33
○沢田小委員 では、労働省にお伺いしますが、求人求職の倍率あるいは失業者数というものを見た場合には、失業者あるいは完全失業者あるいは半完全失業者、不完全失業者のそれぞれの意味、労働省としてはどういう見解を持っているのか、お答えください。
#34
○中村説明員 一般に失業者と申しましたときには、私ども統計を引用する場合には、いま総理府から御説明のあった失業者をとらえております。それから、半失業者と申しましょうか、潜在的失業者につきましてはいろいろな考えがございまして、これが潜在失業者であるというような定義は持っておりません。
 それから、求職者の問題でございますが、これは安定所に職を求めてきた人でございまして、この中には、ただいま御説明のありました失業者の一部が当然入ってきましょうし、さらに、現在職を持っていながら職をかえたいということで、失業者に入らない方で職を求めてこられる方も求職者に入る、こういうことになります。
#35
○沢田小委員 現在の政府の失業者に対する認識なり資料からいくと、この三万世帯がどういうものであるか、いわゆる抽出世帯ということになるのだろうと思いますが、この三万世帯だけで地域的な分布はどうなっていますか。
#36
○舩津説明員 これは全国くまなく、人口密度に比例してほぼ至るところで調査しておるところでございます。
#37
○沢田小委員 全国くまなくというか、人口密度というと地域的な居住者の人口、だから小さな市に大ぜいの人がいればそこが多いということになるわけですけれども、そういう意味と解釈してよろしいですか。頭を縦に振っているから、そのとおりだと思いますけれども、一言だから言ってください。
#38
○舩津説明員 人口に比例的にサンプルを配分しております。
#39
○沢田小委員 これは、いままでは毎月ですか毎年ですか。一応言ってみてください。
#40
○舩津説明員 毎月でございます。
#41
○沢田小委員 この失業者の数が、毎月の対象者が若干違っていると解釈してよろしいですか。
#42
○舩津説明員 毎月半分の人について対象者が変わっており、半分の人は前月と同じ対象者でございます。
#43
○沢田小委員 これは統計学的なものなのですが、要するに、半分のものを置いておくということは、ある意味において半分だけの変動要素を期待して、大きな変動を期待しないということだと思うのです。参議院の選挙も、院の構成その他が絶対的に変わってしまうことは政治情勢をきわめて不安定にするということで、半数改選になっているわけです。
 それと同じように、いまあなたの方でやられているのは、そのときどきの経済情勢なり求職者なり働きたいという人たちの半分は前回の回答を予定する、あとの半分が変わっても、その影響する比率は四分の一程度におさまる、その中には当然前の人と同じ回答が出てくるわけですから。そうすると、全体的な失業者に対する解釈というのは、三カ月ぐらいたったら全面改定をやるということは考えられませんか。常に引き延ばしでいったのだったら、最小自乗法じゃないが二分の一しか変動要素がないですから、その変動要素を二分の一にして失業者を押さえていくということは、逆に言えば実態に合わなくなる、そういう危険性があるのじゃないかと思うのですが、いかがですか。
#44
○舩津説明員 半分だけ二カ月引き続いて調査するのでございまして、その月その月の実態を申告してもらうことになっております。したがって、前月失業でありましても、一カ月たちまして職が見つかれば失業者でなくなる、あるいは、前月就業しておりましても職を失えば今月失業者になるということでございますが、二カ月間これを行いますと、三カ月日には別の世帯にかわるということで、毎月半分ずつダブりながらいくということで、これは月々の変動をできるだけ忠実に精度よくとる、これは統計技術上のものでございますけれども、そういう設計になっているのでございます。
#45
○沢田小委員 そのとおりだと思うのです、半分は前回のものを持ってくるわけですからね。統計学的なものですから、ここでこれ以上議論してもしようがないけれども、変動要素を二分の一押さえて、あとの二分の一だけの変動要素を加えていく、またその次はその二分の一変動要素を加えていく。
 なぜ私がこういうふうに言うかというと、いま政府の言っている失業者は、いろいろ言われておりますが、四百万なんという数字も出てこないわけではない、これは潜在失業者を加えてこういうことを言われているわけですね。あるいは、仕事をしたいと思ったがなかなか自分の条件には合わない。町で聞く声というのは、われわれが身近に接触する感覚においては失業者の数はわりあい多いのですね。政府が言うような数字あるいは比率にはなってないのが、われわれの肌で感ずる実態なんです。ですから、この政府で言っている失業者の数は、言うならばどうも少しうそがあるのじゃないか。百三十五万、こういうふうに言っておるわけです。だが、実際には百三十五万でおさまっていない。言うなら四百万ぐらいが潜在失業者として存在するのだというのが、一般的にわれわれの社会で言われている表現なんです。
 それはなぜかというと、少なくとも二分の一の変動要素をそこで消却してしまっているところに一つは原因があるのじゃないのか。それからもう一つは、その調査の中身にいわゆる欠陥があるのじゃないかということが言われているわけです。
 アメリカあたりの失業者は九百八十万だというふうにも言われておりますし、一千万だとも言われております。しかも、若年労働者に多いということが言われている。これも、われわれが一つ一つ調べたわけではない。何らかの指標から報告されている数字なんですね。ですから、この数字を調べるもとが一致していないと、こういうものは信憑性について疑問が出てくるのは当然なんであります。たとえばアメリカあたりではどういう方法で出しているのですか、御存じだったら教えてください。
#46
○舩津説明員 アメリカにおきましても失業につきましてはほぼ同様に調査している、われわれはそういうふうに承知いたしております。
 なお、二分の一のことにつきましては、二分の一の分だけが変動要素ということではございませんで、同じ対象が二カ月間続きましても、就業状態が変わりますので、これもまた変動要素と考えておりまして、つまり一〇〇%が全部変動性を持っているというふうに理解をいたしております。
#47
○沢田小委員 これもまたさっき言ったように議論はしませんが、一般的に潜在失業者を含めて何百万、こう言われる。われわれが一般的な社会から感ずる印象としては、そういうものを肌では感じているんだ。そうすると、逆に言えば政府の統計といわゆる実質的なものとの乖離があるのじゃないか。だから、調査に何かその辺疑問視される点があるのではないかというふうにわれわれは見ているわけであります。その点は若干矛盾がありますが、しかし、二分の一の移動をしないということは、その中で何%かは移動するでしょう、もちろん。前月はそうだったけれども今月になったら気が変わったというのは当然ありますよ、実質所得が目減りするのですから。子供がある程度学校に行くようになれば働きたい、幼稚園まではいますということの変わりはもちろん一カ月でもあると思うのです。一月、二月じゃ変わるでしょうし、三月、四月じゃまた変わるでしょうし、そういうことはあるだろうけれども、その比率は少ない。そうすると、四割程度は固定的なものだと見ていいだろう。そうすると、六割の変動要素しか加わっていかないのだから、果たして実勢に合っているかというと、その点は疑問なしとしないということで、これは一応御検討してみてくれませんか、統計学的な問題ですから〇四割が固定してあって六割が変動した場合の六割のいわゆる偏差値というものは、たとえば六割が全部変動したって百分の六にしか影響しないわけですからね、影響率というものは。四は固定しているわけですから。ですから、そういう意味における統計学上の誤差といいますか偏差値というのは、ある程度考えてみる必要があるのじゃないのかという気がしますが、いかがですか。
#48
○舩津説明員 この辺につきましても、かねがね十分承知しているところでございますが、調査対象を半分だけ固定することにつきましても、一年間を通して見ますと三回以上もかわってしまうということがございまして、なお、いま先生のおっしゃいましたサンプルの継続性と変動性ということにつきましては、統計学的な見地から検討するということはいたします。
#49
○沢田小委員 ありがとうございました。ぜひ国民の実勢との乖離を埋めるような努力をお願いしておきたい、こういうふうに思います。
 結果はあなたの方が正しいのかもしれませんよ。正しいのかもしれぬし、あるいは国民の肌で感じている方が正しいのかもわかりませんけれども、この点は、なるべくその乖離をなくすような努力をしてもらう、いわゆる自信を持ってもらいたい、こういうふうに思います。何か言いたいのでしょうから、どうぞ。
#50
○舩津説明員 一言だけお願いします。
 私どものただいま来申し上げております完全失業者につきましては、当初に申し上げましたように、かなり厳密な条件を付しまして、これをすべて満足するものをもってカウントしているのでございます。したがいまして、統計をつくる立場といたしましては、定義を厳密にいたしまして、これに合う人を正しく計測するということをもってわれわれ使命としているものでございますから、いまの完全失業者という定義は国際的にも確固たるものでございますので、できるだけこれの御理解もいただくといたしまして、なお、われわれといたしましても、一般的にわかりやすい形での受け取られ方をされなければならないと考えているのでございます。
#51
○沢田小委員 あっちこっち質問がいきますが、時間の関係で先にいきます。
 これは前の問題と関係するのですが、この前も日銀の総裁にわが党の委員からも質問がありましたが、いわゆるマネーサプライが二けた台が継続されている。このことは、いままでの消費の低迷、卸売物価の上昇、失業者の数、在庫、設備投資、こういうGNPの構成要因をある程度考えてみた場合に、二けた、一〇%台が六カ月以上続いているという状況はきわめて危険な状況にある。日銀あたりにおいても、現在の公定歩合を早急に緩めるという条件にはない。しかし、緩めなければ設備投資その他はどうも刺激されないでいるという悩みもある。また、インフレ要因になる可能性もある。しかし、いま円安がこれ以上進めば、その意味においての危険性もこれまた加わる。いずれにしても、マネーサプライの、アメリカではありませんけれども、二けたが継続することは危険と解釈していいのかどうか。これ以上、一けた台に抑えていかなければならない状況なのか。だけれども、一けた台に抑えていく、抑えていくというと語弊がありますけれども、抑えられていくという金融情勢を続ければ、より一層の不況なり失業者が出てくる、こういう危険もある。いまその選択の時期にあるんじゃなかろうかというふうに思いますが、いかがお考えになっておられますか。
#52
○宮本(保)政府委員 先生が御指摘のとおりでございまして、マネーサプライが一〇%から一一%近くなっているわけでございます。
 大体、マネーサプライの場合には名目成長率との比較でよく考えるわけでございますが、日銀も言っておりますように、ちょうどぎりぎりのところではないかという感じがいたしております。そんなこともございまして、日銀の四−六の予想も一一%には乗せない、一〇%前後で落ちつくように市場操作も行いたいということを言っておりまして、私どもも、日銀の考えておるとおりでいいのではないかという気がいたしております。
#53
○沢田小委員 きょうの報道で、銀行が、大中小の区別は別として、非常に増配をされている、四分ぐらいの増配も不可能ではないという状況の中で、わざわざ二分ですかの増配程度にとどめている、これは中小の金融機関に対する配慮である、こういうふうなことも言われております。銀行が、一時逆ざやになって危ないということを言われておったわけでありますが、非常な利益をいま上げてきている。その原因はどこにあるのかということをちょっとお答えいただきたいと思います。
#54
○宮本(保)政府委員 一般的に、特に都市銀行等においてもうけが出ておると言われておるわけでございますが、これは、国際的な業務のもうけがかなり出ているのではないかというふうに見られておるわけでございます。
#55
○沢田小委員 国際的なものだけというのはどういう意味ですか。
#56
○宮本(保)政府委員 為替の取り扱いが非常に多くなるとか、あるいはこちらでの低コストでの調達を、国際的な高金利でございますので、かなり金利高に運営ができるとかというふうな点が主な理由かと思います。
#57
○沢田小委員 確かに二百四円から二百八円で買った、手数料を入れても二百十円くらい、それが二百四十八円ですから、二割以上いま売れば外為だけでももうかる、そういう勘定になるわけでありますから、そういう意味だけじゃないでしょうけれども、内的要因じゃない、設備投資の貸し出しがふえたとかあるいは一般住宅産業の貸し出しがふえたとか、そういう意味でいま銀行が利益を受けたのではなくて、外的なものだけというと、語弊があるが、それが主な要因である、こういうふうに解釈していいですか。
#58
○宮本(保)政府委員 必ずしもそれだけに理屈をつけるのは余りにも偏った見方だと思いますが、ただ、一般的には国内の業務はどうしても金利選好が高まっております。預金者に対しましては、いい商品を提供してできるだけ高い金利で預かる。それから貸し出しの方に対しましては、できるだけ低い金利で貸し出しをする。特に高度成長期とは違いまして、資金的な需給状況というのは総体的には緩んでおるわけでございますから、どうしてもそこに競争が出てまいりますと貸出金利は下がっていく。あるいは、もちろん政治的、社会的な要請もございますから、そういうことでどうしてもコストは高くなる、運用は低くなるということで、利ざやの縮小ということは一般に言われておりまして、これは構造的な要因になっております。預貸し金だけで見ますと、都市銀行等はマイナスのところもかなりあるというふうな状況でございます。ただ、もちろん本業の中で規模が大きくなれば、要するに、預金が集まり、かつそれを運用する量が大きくなりますれば、量的な効果は出てくることは確かでございますので、先生御指摘のように、海外的な要因だけでこれを説明するのは誤りかと思います。
#59
○沢田小委員 これ以上は詰めません。
 次に、銀行の貸し出しの手続というか、銀行局という立場でこれは監査もやられるわけでありますが、借金の額と担保の評価額、それにはどのくらいの差があるように調査されておりますか。わかりやすく言うと、一千万借りるのに五千万、一億の担保を入れるという状況が通常行われているわけでありますが、その辺の担保力と貸出額との対比、調査されたことがあるのかないのか、調査されたとすれば、どのくらいの比率になっているか、お答えいただきたいと思います。
#60
○宮本(保)政府委員 貸し出しをいたします場合には、担保ですべてカバーされているということが必要でございます。ただ、その物的な担保だけじゃございませんで、人的な保証もございます。あるいは、商社金融になりますと信用貸しという、要するに、のれんに対しましてそれを信用いたしまして貸し出すというような点もございます。それから有価証券の担保もあるということでございます。
 いま先生御指摘の点は、多分物的な担保のことではないかと思いますが、その物的な担保につきまして、物的担保だけで融資いたします場合には、物的担保ですべてがカバーされていないと貸し出しには応じにくいわけでございますが、その物的担保の評価につきましては、たとえば国債でございますと価格の九〇%までは担保価値を認めようとか、あるいは不動産でございますとたとえば七割にとどめようとかというふうなことがございまして、それぞれ各金融機関で、そういうふうな点につきましては、審査部等で十分な内規等もつくりまして、それに従って窓口で貸し出しが行われているのではないかと思います。
#61
○沢田小委員 その審査手続を銀行局で調査をしたり、あるいはそれを調べたということはありますか。
#62
○宮本(保)政府委員 それは、検査を十分やっておりますので、当該銀行におきますそういう担保の取り方、内規というふうなものについては十分検査官が見ておると思います。
#63
○沢田小委員 その検査官の見た結果を御存じですか。
#64
○宮本(保)政府委員 具体的なケースについて、私ども個々には存じておりませんが、ある金融機関の貸し出しについて、それが健全な貸し出しであるか、あるいはやや灰色がかった貸し出しであるか、あるいは全く取れない貸し出しであるかというふうなマクロ的な数字は、私ども、各銀行につきまして報告を受けておるところでございます。
#65
○沢田小委員 なるべく逃げて答弁されているようですが、その調査の結果、監査の結果の中で矛盾というものはないのですか。ないと思っているのですか、あると思っているのですか。
#66
○宮本(保)政府委員 おかしいなというものも、それは当然検査官としてはあろうかと思います。
#67
○沢田小委員 おかしいなと思うものだけ列挙して御報告いただけますか、具体的な問題じゃなくて、ケースで。
#68
○宮本(保)政府委員 検査の結果につきましては、公の場でお話しすることは差し控えさせていただいておりますので、この場でそれを言えと言われても、私どもとしては、お答えしにくいということでございます。
#69
○沢田小委員 では、こういうことでいかがでしょう。
 私が言うのは、たとえば一億五千万の担保能力、これは三割で見ようが七割で見ようが、それだけの担保能力があって三千万借りる。そのとき、その担保能力で三千万に二千万を追加して借りたいと思っても、それはもう一つ担保を入れないと、一億五千万の担保では現実は追加さしてくれない。たとえば一千万の定期を担保にして五百万借りて、その次に三百万上乗せしたいと思っても、担保に入っているものじゃなく別件を担保に入れさせる、これが銀行のやり口ですね。余力があっても、その余力の目いっぱいの分は貸し出しをしない。たとえば一億五千万も、実態は五億なり六億なりあるわけでしょうけれども、評価としては一億五千万しかないという場合に、五千万借りてあと追加三千万というのはなかなか出さない。さらに、連帯保証人の問題も当然起きてくる。いわゆる屋上屋の担保を銀行というものはとっていくという傾向が強い。これは、われわれも幾つかの例を見ていますが、ほとんどそういう例です。次に割り増しの借り出しをしようと思うと、別の担保を入れないと、それはなかなか出さないというのがいまの実態です。
 だから、実際に借りた金額と担保能力の格差というものがどのくらいあるかというと、いまの状況というのは大変なものなんです。五千万の定期が百万円の担保になっていっていると、五千万には変わりがないわけですから、いわゆる貸出額というものと担保の金額というものとは非常に違った数字になってきている、比率は非常にでかいと私たちは判断しているわけです。あるいはもう一つ、それに土地なら土地を担保に金を貸して建物ができる、そうしたら建物の方も担保に入れなさいと指導するという式が多いのですね。それは、土地だけでは建物が建ったら不安だからということに起因するのだろうと思うのです。
 そこまで金融機関が貸し出しの手続に対して厳しくやっていくということは行き過ぎである。少なくとも担保能力の範囲内においては、やはり余力があれば貸し出しをしていくというのが常識じゃないのかというふうに思うのですね。それは、私は見方によって担保能力が違うものを否定しようとしているのじゃないのです。銀行の見方を信用した範囲内までは割り増し貸し付けをしていっていいのじゃないかというのが常識だと思う。その点、いかがですか。
#70
○宮本(保)政府委員 おっしゃるとおりでございます。
#71
○沢田小委員 だから、そこの貸し出しの手続の中に、そういう屋上屋的なものが私の経験なり実績からいくと非常に多い。必ず次のものもねらっていくということで、一回監査された中からそういうものがないかどうか、あるかないかだけくらいは一応御調査していただけますか。個々の銀行を聞きたいとか、そう言っているのじゃなくて、担保能力の範囲内においてどの程度おさまっているかという割合だけくらいは、検査の結果のものとして御報告をいただけないかどうか、その点だけ確認しておきたいと思います。
#72
○宮本(保)政府委員 一般論として、いま全国銀行の貸し出しの中で不動産担保金融というのは二七%ぐらいございまして、必ずしも不動産をぎりぎりとりながら貸しているわけじゃないというのをまず申し上げておきたいのと、もう一つは、いまもおっしゃいましたようなケースは、私どもとしてはまさに常識的ではない貸し出しでございまして、そんなことがあってはいけないと思うわけでございますが、いま先生御指摘でございますので、検査官等にきょうの御指摘を十分伝えまして、そういう点につきまして精査してみたいと思います。
#73
○沢田小委員 それじゃ要請だけして、あとは、倒産の問題の内容は、時間的に切れましたのでこれは質問をやめまして、以上で時間ですから終わります。
#74
○中西小委員長 柴田弘君。
#75
○柴田小委員 私は、まず為替の問題についていろいろお聞きしていきたいと思うのですが、きょうは二百四十四円ですか。しかし、まだまだ円安の傾向というのは続くであろうと思いますし、このままでいきますと、為替相場の先行きというものについて、当局としてはどのように御判断なさっているかということについてお伺いをしていきたいわけでありますが、今後一年を見た場合に、果たして円安が是正される方向へ、円高の方向へ向かうのかどうか、まず最初にお伺いをしておきたいと思います。
#76
○加藤(隆)政府委員 為替の場合、自分の国のことだけではなくて、外の要因が半分以上あるわけでございます。したがって、見通しは非常にむずかしいわけでございますが、少し長くなりますが、昨年から少し決定要因が変わってきているような気がするわけです。
 目下のところの考え方は、短期的には金利差というようなものがきいておる。中期的には経常収支、長期的には物価の差でございますが、そんなような見方が一般的になってきております。それで、現在、五十六年度で見ますと、経常収支が大体六十億くらいの黒になります。貿易が二百億くらいの黒で、貿易外が百四十億くらいの赤で、長期資本が百四十億以上出ております。そういうような国際収支構造を前提にして日本側から見ると、そういうのが問題になるわけです。それから、外側は主としてアメリカの経済動向なり金利動向、それからときどき突発的に起こります、もっぱら石油関係が問題になりますが、そういうような問題がレートにインパクトを与える。したがって、両サイドの問題がありますから、大変むずかしくなる。われわれ日本経済側のいわゆるファンダメンタルズというのは総体的に悪くない。そこで、結局、目下のところはアメリカの金利動向というものに着目しながら判断していくというようなことになるわけです。
 ただ、それが三カ月とか六カ月とか十二カ月とかのレンジで見た場合に、とりあえず三カ月くらいの間には妥当しますが、六カ月になったら果たしてそういう見方が合うかどうかわからない。刻々変わっていくわけでございます。そういう前提で見通しますと、たかだか夏ごろぐらいまでしかいまのような考え方で整理ができない。
 そういう前提で考えますと、アメリカは、マネーサプライのコントロールを行うことによって、急速に物価が鎮静化しつつあります。それで、賃金の方も穏やかな上昇にとどまる。日本の物価指数は金利要因が入っておりませんが、アメリカの場合かなりウエートを持っております。そうすると、ぐるぐる回りで金利が下がれば物価も下がるというような関係になります。目下のところは、そういう一つは経済の下降というようなことと、それからマネーコントロールの影響で物価が下がる、金利が下がると物価も下がる、この三つの要因でアメリカの金利は、徐々に徐々にではありますが、下がっていく方向にある。
 その場合に、先ほどの企画庁の答弁にもあったのですが、財政赤字の問題があります。それで、もっぱらいまの前者の議論は短期金利の問題になるわけですが、財政赤字はどっちかというと長期金利的な問題になりますが、四、五月にかけて現在の財政赤字が議会と行政府との間でどんなふうになるであろうか、これは確たることの見通しはなかなか言えませんが、若干は妥協するんではないかというような見方が強くなってきておりますが、あとは、連銀がどういう金融政策をとるかということが問題になるわけです。せっかくここまでマネーサプライをコントロールして、長年にわたり物価を鎮静化しつつあるときに、また野放しなことをやるであろうか。ところが、片方では景気がリセッション、だんだんひどくなって失業者がふえて、中間選挙がある、いつまでがんばれるであろうか、こういういろいろな要因があるわけでありますが、ただいま申し上げましたようなことからおわかりいただけるように、とりあえずは金利が下がるので円はだんだん強くなっていくんじゃないか、突発事件がない限り、そういうふうに見ております。
#77
○柴田小委員 それで、やはり今日の円安という問題が、国内経済を含めてさまざまな弊害をもたらしているというふうにいま言われたわけです。
 そこで、どのような御判断であるかということをお伺いをしたいわけでありますが、いろいろと言われております第一点は、円安によって貿易摩擦がより激化をする、だから、六月の初めにサミットがあるわけでありますが一やはり円高誘導というものに対する早急な手を打つようにいま迫られている状況ではないかというのが一つ。
 それから二つ目には、五十七年度の政府の経済見通し、実質成長率五・二%達成のために、為替が円高になって交易条件が改善されることが、やはりこの実質経済成長率の達成のためには必要ではないかという一つの国内要因がある。
 第三点は、為替市場というものが現在は投機的な傾向が依然強く続いている。
 こういった大要三点の理由によりまして、円高誘導というものが必要ではないか、こういうふうに言われているわけでありますが、今日の世界的なあるいは国内的な経済の状況からいって、円安というものは、大蔵省としてはどういうふうに御判断になっているかということであります。どうでしょう。
#78
○加藤(隆)政府委員 最初に、円高誘導というようなことでございますが、どうも固定制のときとフロートのときと根本的に違うという点がなかなか御理解いただけない。
 固定制の場合には、各国が基準のレートを高く掲げまして、それで、たとえばいままででございますと、〇・七五の上下で介入の義務がある。それができなくなりますとギブアップで切り上げ、切り下げというようなことをやる。ところが、フロートになりますと全く上下青天で、売り買いでレートが決まっていくということになるわけであります。その場合に、自分の方の理由だけではなくて、外側の理由からも動くということでございます。
 そういうことで、円安操作というようなこととか円高誘導というのは、そう手品のようにできるんじゃなくて、基本的にはやはり自分の国のサイドでできることはファンダメンタルズをしっかりしていくということが基本でありまして、あと、幾つかの軽微なる措置というのはあり得るわけでございますが、基本的には自国の経済をしっかりする、そうして為替政策として幾つかのことがございますが、同時に、国際協調というようなことで相互に安定化を図るという、三つぐらいの分野があるわけでございます。
 それから、貿易摩擦の問題でございます。
 貿易が伸びるという問題がございますが、先ほど申しましたように、貿易収支だけを見ると二百億からの黒でございますが、貿易外は構造的に百五十億、百四十億ドルの赤になっておる。だから、貿易の問題を議論する場合には、貿易収支と貿易外を考えるべきであると思うわけです。たとえばアメリカの五十六年は、貿易収支が二百八十億の赤でございますが、貿易外は三百五十億の黒である、経常収支は約七十億の黒になっておるわけです。そういうことでございますので、まず、貿易摩擦を考える場合に、貿易収支だけで論ずるのはどうもおかしいのじゃないか。
 その次は、貿易摩擦を論ずる場合に、レートだけで議論するのはおかしいのじゃないか。たとえば円安になりましても、輸出の増にはね返るにはかなりおくれるという問題がございます。現在の円安は即時に輸出増には結びつきません。もう一つは、世界の景気が後退局面にありますと、レートの意味というのはかなり小さくなります。それから、貿易摩擦などがありますと、どうしても貿易活動が阻害されるというような問題があります。したがって、他の条件が等しければ、何カ月かのラグを持って輸出が伸び、輸入が阻害されるという効果は経験的にあったわけでございますけれども、いつもそうであるのかどうかということと、タイムラグがあるという問題があります。
 それから、成長率との絡みでございますが、フロート以降八年間を分析しますと、交易条件というとらまえ方、これは数量一定という前提がございますので、交易条件というとらまえ方をするのが正しいかどうか、具体的にはいろいろな要素が絡みますので……。レートとGNPとの関係ということで考えますと、御指摘のように、確かにわが国の場合は円高の方がGNPの実質増は大きいように思います。ただ理論的には、レートが下がると名目GNPは上がるという関係にあることはまた事実であります。実質が問題であるとすれば、レートが高い方が一般的にはGNPが高くなる、こういう関係にありますから、実質成長率云々ということとレートという問題を考える場合に、ストレートにレートと五・二%の成長を結びつけるのではなくて、いま申しましたようないろいろな条件のもとにおいて考える必要があるかと思います。
 第三点の、投機的傾向が強いという御指摘でございますが、五十六年で見ますと、東京の外為市場の銀行間取引は約一兆ドルあります。これはスポット、直物が半分、先物なり裁定取引が半分ぐらいあります。それから、銀行と顧客との取引で見ますと約五千億ドル、そのうち半分が貿易関係でございます。三番目には、海外から東京市場につながってきた金額を見ますと、一兆八千億ドルあるわけです。したがって、いま申しましたように、貿易関連の為替取引のウエートというのは極度に小さい。
 そうすると、その他は何であるかということになるわけですが、先ほども申しましたように、資本取引が非常に大きく動いておる。これは、金利差と金利水準が絶えず変動しているというようなことから、そういうことになってきたと思うわけでございます。これを投機と考えるかどうか、ヘッジと投機との差でございますが、この境界というのはなかなか見定めがたいわけでございますけれども、理論的には、投機というのはどちらかというと安定作用を持っているというふうに言われております。したがって、裁定取引なり先物取引なり投機的取引なり、そういうものをひっくるめましていまの柴田委員の御指摘の投機的傾向というふうに考えた場合に、そういうような取引は大きくなってきております。
 以上の三点の御質問で、しからば円安問題についてどう考えるかという御指摘でございますが、先ほど申しましたように、レートの決定要因は国内要因と海外要因がある。国内要因の方は、日本経済の運営をしっかりやっていく、日本のマーケットに対するコンフィデンスを高めるようなことを考えていく。海外は、もっぱら目下のところはアメリカの金利でございますので、アメリカの金利の動向をウォッチしていく。そして為替政策、これは経済政策全般が絡むわけでございますが、具体的に為替政策に限定してする場合には、マーケットの乱高下に対しては適切な介入をやる、そういうような考え方でやっておるわけでございます。
#79
○柴田小委員 それでは、為替の問題の最後の質問ですが、やはり円高誘導を図る必要があると私は思いますし、積極的な円安対策を講ずるということも必要であると思います。そのために四つほど方法があると思うわけでありますが、私は、今後どのような方策があるのか、あるいは現実的にとられる考えがあるかということでぜひ聞いていきたいわけであります。
 一つは、ドル売り円買いの大幅介入、これはすでに日銀等がやっているわけであります。二つ目は、欧米通貨当局に対する協調介入の要請。三つ目が、外国為替管理法に基づくいわゆる有事規制の発動。それから四つ目が、日銀の基準外貸付金制度の発動。この四点が考えられるわけでありますが、特に、この有事規制の発動の問題、これはいまとり得る状況であるのかどうかということと、今後、円の動向によってはこういった発動もなされると理解をしていいのかどうか、この辺をひとつお聞きをしたい、こう思うわけでありますが、いかがでしょうか。
#80
○加藤(隆)政府委員 いま御指摘の四点の中で、いわゆる有事規制というのから御説明をした方がいいと思いますが、御承知のように、外為管理法の二十一条に三つの要件が書いてございます。一つは国際収支が非常に悪化した場合、もう一つは為替相場が激動した場合、三番目はわが国の金融資本市場に悪影響があった場合という要件が書いてございます。目下のところ、こういう要件に該当しないと思います。
 ただ、国会から法律でこういう政策手段をいただいておるわけでございますから、いま申し上げたような法律に定める要件に該当するような状況がマーケットに出てきた場合には、当然のことでありますが、こういうような措置をとる、具体的内容は、各資本取引につきまして大蔵大臣の許可制に移すということでございますが、そういうふうに考えております。
 目下のところ有事の状況にないとすれば、他の三つが御指摘の問題になるわけでございますけれども、介入につきましては、先ほど申しましたように、乱高下の場合には適宜適切な介入をするというようなこと、それから欧米との協調介入につきましては、絶えず通貨当局間で話し合いをしております。ただ、アメリカが協調介入はしないという立場を固執しております。これは、アメリカのマネーサプライのコントロールによってインフレを抑えるという基本理念に対して、ドル売りをやりますとマネーサプライがふえるわけです。したがって、現在のレーガン政権の基本的な経済政策と相反するということで、よほどのことがない限りそういうことはしない、委託介入はやってくれておりますが、そういう考え方であります。
 ただ、ヨーロッパの方でも、アメリカの高金利が政策意図に基づくものでなくて、マネーサプライをコントロールする結果としてたまたま高金利になっているだけである、やがて金利が下がるというアメリカの説明に対して、絶えず不満が出ておることは事実でございますけれども、通貨当局間では、ただいま申しましたように、真のディスオーダリー、秩序が非常に混乱が起こったようなときには介入するということはアメリカも言っておりますが、そういうような状況にはないということで、これはなかなかうまくいきません。
 それから三番目の基準外貸付制度は、問題が日銀の問題でございますので、意見を申し上げることを差し控えさせていただくのがいいと思います。
 以上四点につきまして、簡単に考え方を申し上げたわけでございます。
#81
○柴田小委員 いよいよ時間になりました。
 最後ですが、きのうの日経新聞で、グリーンカード導入について日銀がいろいろ分析をしておるというのが発表されているわけであります。それで、一つは「個人預金から債券や株式への資金流出で短期金融市場が一時的に縮小、金利を押し上げる」二つ目には「中小金融機関による中小企業向け融資や住宅融資に支障が出る」そういったことによりまして「最悪の場合は国民経済的にも重大な影響をもたらす恐れがある」このように日銀が分析をいたしているわけでありますが、大蔵省としての見解はどうでしょうか。簡単にひとつ御説明をいただきたいと思います。
#82
○内海説明員 一国の中央銀行が仮にそれなりのデータに基づきまして何らかの分析あるいは見解をお持ちであれば、これは絶対に軽視できない問題であると考えまして、日本銀行に問い合わせましたところ、その前提となる資金シフトの数字には何の根拠もない、また、現実にそのような資金シフトは起こらないものと思うという回答でございました。私どものこの資金シフトの問題についての見解はたびたび申し上げたとおりでございますが、中央銀行としても同じような見解を持っているものというふうに考えております。
#83
○柴田小委員 そうすると、これは新聞に書いてあるだけで、そういった資金シフトが起こらなくて、中小企業向け融資や住宅融資に支障が起こるということもなければ、あるいは一時的に短期金融市場が縮小して金利を押し上げるということもない、日銀の見解はこの新聞に書いてあることと全く逆の見解ですか。
#84
○内海説明員 日本銀行では、ここに書かれているようなことについて考えていることはないという見解でございました。御報告申し上げます。
#85
○柴田小委員 そうですか。わかりました。
 それでは、時間が参りましたので終わります。
#86
○中西小委員長 和田耕作君。
#87
○和田(耕)小委員 この金融の問題は、私は本当に素人でいま勉強の最中でございますけれども、そういう意味でひとつ教えていただきたいのです。
 円安の問題で、ごく最近前川日銀総裁が、円安ということに伴う輸出をどんどん刺激していくというメリットはほとんどない、逆に輸入品が上がってくるということでのデメリットが目立ってきている、そういうことで企業の採算にも影響し、景気の足を引っ張っているんだという趣旨の講演をしたようですけれども、この問題について、大蔵省はどういうふうなお考えを持っておられるでしょう。
#88
○加藤(隆)政府委員 輸出が伸びる要因として、レートだけでないということをおっしゃっているのだろうと思うわけでございますが、昨年の夏以降いろいろ変動がございます。特に、秋ごろから円安傾向が出てきたわけでございますけれども、結果的に見て輸出が伸びてないということからおわかりいただけるように、輸出が伸びるにはいろいろな要因がある。
 国内側の要因はともかくとしまして、海外の要因として考えられるのは、主としてアメリカの景気停滞に伴う貿易量の伸びの鈍化というのが一つ言われるわけです。それから、そのはね返りとして、アメリカ以外の国の貿易量も停滞する、なかんずく開発途上国がアメリカの高金利の影響を受けて輸入を手控えるというような傾向が出てきておるわけでございますから、全体の絡みで見て、日本の輸出というのが世界経済の景気後退によって影響を受ける。それからもう一つは、貿易摩擦の議論などが起こっておりますので、かなり活動が鈍ってくるということがございます。それから特殊な要因としては、特にアメリカの自動車の在庫が非常に積み上がっているとか、そういうような特殊な要因もこれに加わるわけでございます。したがって、レートだけで輸出を議論するのはいかがであろうかというのが最初の発言の背景にあると思います。一応過去の経験でいいますと、もう一つ加わってきますのはタイムラグ、大体九カ月ないし一年ぐらいに及んで、後になって円安、円高の効果が出てくるという問題がございますが、それがいつもそうであるかどうかという保証はないわけでございます。
 したがって、円安による輸出促進メリットはほとんどないという点を総裁が言われたと思いますが、私どももそういうふうに考えております。そうしますと、円安による輸入物価の値上がりという問題が出てくる。企業採算の足を引っ張る。これは理論的には、円レートが安くなりますと名目GNPはふえる関係にありますが、実質GNPは減る関係にあります。経験的にも、フロート八年を通じて分析してみますと、そういうような結果になっております。私どもも、全く日銀の見解と同じように見ておるわけでございます。
#89
○和田(耕)小委員 円が安くなれば品物を輸出しやすいということは普通考えられることですが、それがそのメリットが出てないということは、もし円が安くならなければ、もっと輸出が困難だったということにもなりますね。
#90
○加藤(隆)政府委員 いま申しましたように、レートだけで輸出輸入を伸びるかどうかというのを議論するのは非常にむずかしいと思いますけれども、理論的には御指摘のようなことがあろうかと思います。
#91
○和田(耕)小委員 このような円安の原因として、政府はこれまで、これは一般の見方もそうですけれども、アメリカの高金利という要素を一番中心の要素にしておると思うのですが、もしそういうことであれば、アメリカの高金利というのは高低があるのです。高いなりにもずっと安くなったときもあれば、また上がったという感じがあるのですが、最近のこの円安は昨年の暮れから、若干の高低はあってもかなり棒下げですね。二百十円台からずっと五十円台まで、この棒下げという状態をアメリカの高金利の問題で説明する、それを中心に説明するというのはちょっと無理があるのじゃないでしょうか。
#92
○加藤(隆)政府委員 昨年の一月ぐらいからずっとこうフォローしていきますと、幾つかの局面があったわけでございます。
 それで、昨年の四−六から経常が黒に転じたというのを背景にいたしまして、いままで言われていたいろいろな要因を分析しますと、どうも内外金利差が一番フィットしておるというようなのが昨年の中ごろから出てきております。実質金利差あるいは名目金利差と円レートの関係が非常にフィットしておる。
 従来は、経常収支なり物価差なり、こういうような考え方がレートの説明要因として強くあったわけでございますが、八年間のフロートを通じてみますと、やはり物価差、購買力差というのが説明要因として一番フィットしております。ただ、中期的には累積経常収支がフィットしております。短期的には、いま申しましたように、内外金利差が説明要因としてフィットしておる。こういうような考え方は、一応ヨーロッパも同じようなふうに見ておるわけでございます。したがって、短期的と言いますと、去年の暮れあたりからあるいは去年の秋ごろから見ますと、金利要因で説明するのが大体現実とマッチしているという意味で、そういう説明をした。
 それで、棒下げという問題がございますが、アメリカの金利は確かに非常に大きく上下をしております。傾向としては、一月に入ってから上げの基調にあるわけでございます。恐らくそういうことで、因果関係の説明になるかどうかわかりませんが、いま申しましたように、並べて絵などかいてみると相当フィットしておるということからも、私どもは、現在の円レートの決定要因としては内外金利差がきいているのではないか、そういうふうに考えているわけでございます。
#93
○和田(耕)小委員 いまの日本の経済の実勢から見て、あるいはアメリカの経済の状態、ヨーロッパの状態等を見て、日本の円の相場は大体どの辺のところがいいというお考えなんでしょう。
#94
○加藤(隆)政府委員 これは非常にむずかしい問題でありますし、言いづらい問題でございますが、四十八年の三月を一〇〇にしまして購買力平価というものの計算があります。これは問題は、基準点をいつにとるかということとか、日本の物価指数とアメリカの物価指数のどれをとるかというようなことで、かなり幅が出てまいります。
 それで、卸売物価の中の工業製品を使って四十八年の三月を一〇〇にしたというのが一般的に使われておりますが、これとて正しいかどうかわかりません。簡単な計算でやりまして、大体二百円から二百二十円ぐらいの間に計算値として出てまいりますが、過去のフィット状況を見ましても、必ずしもフィットしていないわけです。経験的には、いまの計算をずっと四十八年からやりますと、現実円レートが大体上下二割ぐらいの間には入っているわけです。よってもって、幾らが購買力平価から見た均衡レートであるかという問題があるのですが、ただいま申しましたように、外為管理法を自由化した後、先ほど申しました購買力平価というのは貿易にきいてくるわけですが、貿易外の均衡レート、それから資本収支の均衡レート、さらには投機裁定の均衡レート、こういうものが全部総合されたのが現実のレートになるわけでございます。
 そこの中に、そういう貿易、貿易外、資本取引をくっつけた均衡レートというのは何であるかということになりますと、一つの考え方は、貿易の黒赤を長期の資本収支で相殺するようなレートが均衡レートではないかというような学説もございます。単純に購買力平価だけで、貿易の均衡レートだけが一国のレートのいわゆるあるべき姿であるかどうかというのもなかなか言い切れないというようなことで、きわめて問題は複雑でございますし、私どもの立場としては、マーケットに対する影響もございますので、なかなか言いづらい。
 いま、抽象的な目下のところのいわゆる学説的なものを御紹介いたしますと、そんなような議論がございます。
#95
○和田(耕)小委員 いまの日本の円安の状態をECの方から見れば、日本は意識的に円安の条件をつくっておるんだというふうな全く見当違いの見方もあるようなんですけれども、局長、こういう問題は、たとえば今度のサミットの機会があるのですけれども、サミットの加盟国だけでも変動相場制に移ってもう七、八年になりますか、その間の状態、あの変動相場制に移ったときも、ある一定期間変動相場制の後で一応落ちつくところに落ちつくんじゃないかという見通しがあったと思うのですね。ところが、そういうふうな感じもなきにしもあらずだったけれども、今度の暮れからのアメリカの高金利その他のいろいろな要素によって、またまた動き出した。単に日本だけじゃなくて、ECもそうですね。そうですから、そろそろ変動相場制自体を世界の貿易の面から見て再検討するというふうな時期に来ているんじゃないかという感じがするのですね。
 もともと変動相場制というものがとられたときには、それぞれの国の経済の実態から見て、いいところへ落ちつく、変動しても大したことはないというようなこともあったと思うのですが、実際そうじゃないですね。いまも局長もおっしゃるように、各国の経済の基本的な条件というものだけじゃなくて、いろいろな政策的な問題あるいはオイルダラーの問題等が入りますと、ますますいろいろな要素が入ってきて、むしろ貿易の問題にマイナスの要素を与えておるということも目立っておるんじゃないかと思うのですね。
 したがって、今度のサミットあたりで、この問題について一つの相談事項として提起してみたらどうだろうか。あるいは一年に一回あるいは二年に一回、三年に一回というようなことが事実上できるかどうか、いまのどの辺が適当かということがなかなか決めにくいということがあると思いますけれども、しかし、何かスタンダードになるようなものがないと、世界の貿易は非常に変化させられる要素が多くなって困るんじゃないかというふうに思うのですけれども、こういう問題はどういうふうにお考えになるのでしょう。
#96
○加藤(隆)政府委員 ちょっと答弁が長くなりますけれども、いい機会なので申し上げてみたいと思います。
 第一点は、いま御指摘のように、四十八年の三月に各国が変動制をとったときは、追い込まれたわけでございますね。一次オイルショックの後でやむなく追い込まれて、確かにあのときの議論は、しばしこれを続けて、やがて固定制に返るかもわからないという認識が背後にあったわけでございます。理論的には、変動制のメリットとデメリット、固定制のメリットとデメリットがかねて言われていたわけですが、八年間の経緯を見ますと、教科書に書いてある変動制のメリットは必ずしもなくて、別のメリットがあったりしているわけです。基本的には、国内政策を海外からのインパクトから遮断できる。よってもって、国内政策を自主的に運営できるということが変動制の最大のメリットと言われたのですが、現実は逆であったわけです。それで、貿易の伸びや何か見ますと、率直に申して、そう固定制の場合とこれは差がないように思います。
 それで、現在の世界の通貨制度なんですけれども、八一年末で見ますと、百四十二カ国の中で、いわゆる変動制をとっているのは二十カ国にすぎないわけです。共同フロート、要するにヨーロッパでございますが、これが八カ国、対ドル相場にリンクしておる国が三十八カ国、ポンドにリンクしている国が一カ国、SDRにリンクしているのが十五カ国、それから、その他の特定の単位に相場を固定しているのが四十三カ国というように、いろいろ、かつての固定制のときとちょっと違うわけでございます。したがって、変動制を論ずる場合に、現在の二十カ国だけで変動制のメリット、デメリットを云々することはできないわけです。
 それから、どうも現状は芳しくない、何か打開の道はないかという問題で、これはみんながそう思うわけです。ところが、これが百五十カ国からのりアラインメント、再調整ということになりますが、なかなかそういうような雰囲気にはなっておりません。最近、ジスカールデスタンのときもそうでございましたが、今度のミッテランなんかも、特にEC委員会を中心にして三極構想というのが言われているわけです。ECUと円とドルとの間で一定の関係をつくって、相互に協調介入をやってレートを安定できないだろうかという構想が、先般ベルギーの外務大臣のチンデマンスというのが渡辺大臣と会ったときにもそういう話がございました。今度、ドロール・フランス大蔵大臣が渡辺大臣に会いましたときにはその話が出ませんでしたけれども、東京でそういうような話をしたり、ミッテラン大統領がそういうことを言ったりしております。構想としては、非常にイマジネーションに富んだ構想だと思うのですが、なかなか三極の間でそういうような雰囲気にならない。何となれば、先ほども申しましたように、アメリカがマネーサプライをコントロールしてインフレを抑制するんだ、そうすると、他の通貨が弱い場合にドルを売る、アメリカのニューヨークで売るわけでございますからマネーサプライがふえる、すると根本理念にも反するわけでございます。それから、アメリカ経済の根底にある、小さな政府と市場経済制度を根幹に置いていこう、それが自国のため、世界のためにいいんだという経済哲学にも反するわけでございます。そこいらで、三極構想というかっこうでは現実性というのが目下のところ乏しいのではないか。
 ただ、先ほど御指摘のサミットで、現在のアメリカの高金利によって各国が非常に迷惑を受けているという議論は、昨年のオタワ・サミットでも出たわけでございまして、首脳が集まれば当然にそういう問題は出ると思います。ただ、その場合に、御指摘は、何か現在のフロート制が世界貿易なり各国経済にとって必ずしもふさわしいものではないのじゃないかという問題意識からの発言というようなこと、これは集まった国の中から出る可能性は当然あるわけでございますが、そういう議論はどうせ決着しないわけです。そういうようなことをマーケットが見てどう反応するかというような問題もございますけれども、そんなことを気にしないで大いに議論はした方がいいという御意見も当然あるわけでございまして、議論はなされましょうが、いま申しましたように、百四十カ国の通貨制度が大ざっぱに分けて四種類ぐらいに分かれておる、そういう中で、大国だけの問でそういう議論をやりましても、なかなからちがあかないというような問題もございます。
 非常に複雑でございますが、示唆に富んだ御意見で、私どもも、そういうようなことは日夜研さんはしておるわけでございますが、一応現在そんな考え方を持っております。
#97
○和田(耕)小委員 これで終わりたいと思いますけれども、ドルと円だけでもというふうな考えも一部にあるようですけれども、何かそういうことを考える時期に来ているという感じがしてならないので、ひとつ御検討を賜りたいと思います。
 終わります。
#98
○中西小委員長 簑輪幸代君。
#99
○簑輪小委員 きょうは、金融機関、銀行における男女差別問題について伺いたいと思います。銀行局の方でまだ御存じないかもしれませんので、概要を申し上げますから、お聞きいただきたいと思います。
 実は、岩手銀行というところでございますけれども、ここでは家族手当と世帯手当の支給について明白な男女差別を行っている。差別された本人や岩手銀行従業員組合の再三の要求にもかかわらずに、銀行の経営者の方が一向に是正しようとしないという実態があります。むしろ、是正しようとしないというだけじゃなくて、正当化しようとするという状況もありますので、これをぜひ是正していただくようにお願いしたいと思っているわけです。
 岩手銀行というのは、盛岡市に本店を持っておりまして、岩手県下を中心に九十一の支店、出張所を持って、従業員が約二千余名という普通銀行なわけです。
 この岩手銀行の従業員で岩手銀行従業員組合の組合員でもある菅原礼子さんという人の場合は、それまで支給されていた長女に対する家族手当月額八千円、世帯手当月額一万百円が五十六年一月に突然一方的に打ち切られてしまったわけです。と同時に、銀行から五十五年中に支給した両方の手当合計三十五万六千五百六十円を返せと命じられたわけです。
 銀行がこのような仕打ちを行ったというのは、菅原礼子さんの夫が昭和五十四年十二月の地方議員選挙で一関市議会議員に当選して、その収入が税法上の扶養控除対象限度額、当時は二十万円と思いますけれども、この扶養控除対象限度額を超えたからだというふうに言っているわけです。なぜそうなるかといえば、銀行側の主張によれば、岩手銀行の給与規程三十六条において家族手当の支給範囲を定めておりまして、その一項では「扶養親族を有する世帯主たる行員」と規定されているわけです。二項で「世帯主たる行員とは、自己の収入をもって、一家の生計を維持する者をいい、その配偶者が所得税法に規定されている扶養控除対象限度額を超える所得を有する場合は、夫たる行員とする。」と記されているわけです。だから、菅原さんの場合は世帯主たる行員には当たらない、菅原さんは女性だから夫たる行員には当たらないというふうで、家族手当を支給しないというふうな言い分なわけです。また、同じ給与規程三十九条の二によって世帯手当というのを定めておりますけれども、これは家族手当と同一に考えるべきだというふうな銀行の解釈によって、菅原さんは同様に世帯手当の受給資格もないということでカットされたわけです。条文上は三十九条の二で夫たる行員ということが記されているわけではありませんけれども、銀行の解釈として、こうやって家族手当、世帯手当をカットしてきたということなわけです。
 これは、銀行のとった措置は全く不当であって、根拠になっている給与規程そのものが、女子であることを理由として賃金に男子と差別的取り扱いをしているものと見られるわけですから、これは憲法十四条違反あるいは民法九十条違反、労基法四条違反というような問題があると思います。当然、この給与規程は無効であり、改められるべきだというふうに思うわけです。
 銀行の指導監督に当たっておられる銀行局としては、こうした実態はぜひ把握をしていただいて、適切な是正をお願いしたいというふうに思うわけですけれども、これは重要な憲法違反ということと同時に、日本がすでに署名し、今後批准しようとしている婦人に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約に照らしても、こうした不当な取り扱いは許されるべきではないというふうに思うわけです。
 それで、まず労働省にお伺いしたいと思うのですけれども、この件は組合と経営者の方でいろいろやりとりがあったわけですけれども、昨年の五月に組合の方から、岩手労働基準局長、労働基準監督官でもあるわけですけれども、に対して、労働基準法四条違反ということで告発されたということですけれども、その結果について、ちょっとお尋ねしたいと思います。
#100
○岡部説明員 先生御指摘の岩手銀行における問題につきましては、これは四十九年以来の事案であるというふうに承知をいたしております。
 それで、五十六年の五月に、この銀行の労働者から労働基準監督機関に対しまして、労働基準法四条、男女同一労働同一賃金の原則の違反ではないかということで告発がなされたわけでございます。告発がなされますというと、これは刑事訴訟法の規定に基づきまして、労働基準監督機関におきましては、これを検察庁に関係書類を送付するという定めになっております。この規定に基づきまして捜査を行いまして、同年十月十九日に検察庁に関係書類を送付したということでございます。したがいまして、この捜査の結果ということにつきましては、現在検察庁において処理中であるというふうに聞いております。
#101
○簑輪小委員 ただいま捜査をしたというふうにおっしゃいましたけれども、労働基準監督官として捜査をされたということですか。
#102
○岡部説明員 労働基準監督機関として捜査をいたしまして、それについての当方の考え方に基づきまして、書類を添えて送付をしておるということでございます。
#103
○簑輪小委員 刑事訴訟法上当然送付しなければならないわけですけれども、その際に、独自で労働基準監督官として捜査をされ、その結果、意見をつけてということでしょうか。その意見というのはどういう内容のものでしょうか。労働基準法違反と思料されるかどうか。その辺をお答えいただきたいと思います。
#104
○岡部説明員 このこちらの捜査の具体的な内容につきましては、これは現在処理中の捜査事案に関するものでございますので、具体的な御答弁は差し控えさせていただきたいというふうに存じます。
#105
○簑輪小委員 捜査をした結果、これが労働基準法違反であるということが明らかになれば、刑事訴訟法の二百三十九条二項に「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」という規定がございますので、労働基準監督官として告発をしなければならないというふうに思いますが、その点、いかがでしょうか。
#106
○岡部説明員 私どもは、刑事訴訟法の二百四十二条の規定、すなわち「司法警察職員は、告訴又は告発を受けたときは、速やかにこれに関する書類及び証拠物を検察官に送付しなければならない。」この規定に基づいて本件を処理したところでございます。
#107
○簑輪小委員 ですから、私が質問しましたのは、二百三十九条の告発をしなければならないと私は思いますが、その点、捜査の結果、そういうことをなさいましたかということです。
#108
○岡部説明員 ただいまもお答え申し上げましたように、本件の処理につきましては、先生御指摘の二百三十九条ではございません、二百四十二条の規定に基づきまして、これを処理したという経緯でございます。
#109
○簑輪小委員 これは、私は、捜査の結果、労働基準監督官として、労働基準法違反が明白に認定されるとなれば告発する義務があると思いますので、その辺のところを私はぜひ告発をしていただきたいというふうに強く要求をしておきたいと思います。
 と同時に、ただいま私が申し上げましたような給与規程そのものの定め方から見て、労働省が、これは労働基準法四条違反でないということが言えるものでしょうか。その辺の御見解を承りたいと思います。
#110
○岡部説明員 これにつきまして、本件に即してそのお答えを申し上げることは、先ほどのように現在検察庁において手続中のことでございますので、差し控えさしていただきたいと思いますが、家族手当一般論ということで考えてみますと、家族手当というのは、夫婦共働きの場合でありましても、二重支給というものはしないのが一般的なわが国の慣行であるというふうに承知しているところでございます。
 仮に、いまその一方に支給するということになるわけでございますが、どちらに支給するかということになりますと、世帯主にするのが一般的ではなかろうか。世帯主というのは、それでは現在の社会慣行からいたしましてどちらであろうかというと、夫である場合が一般的であろうというふうにも思うわけでございますが、本件につきましては、そういうふうな一般原則とどういう関係に立つかということは、私は、コメントは差し控えさしていただきたいと思いますが、一般的な家族手当の性格、わが国における慣行というと、そういうふうな概念が基礎にあるのではなかろうかと考える次第でございます。
#111
○簑輪小委員 これは労働省の監督課長さんのお言葉とも思えませんね。非常に重大な発言だと思うのです。
 男女平等法を批准しようかというときに、ガイドラインの問題もありますけれども、慣行をも含めて男女差別は撤廃しなければならない、仮にそういう慣行があったとしても、あるいは一般的であったとしても、そういうものも男女差別ということであるならなくしていかなければならないということが言われておる折に、夫が世帯主であるのが一般的である、そのように届け出られているのが一般的であるかどうかということは別に、こういうふうに給与規程に定めることが労働基準法に違反するかどうかという問題ですので、世間一般で世帯主は男が多いか女が多いかという問題を論じているのではありません。
 ですから、その点で一般に夫が世帯主であることが多いとしましても、それを給与規程の中に定めるということ自身が労働基準法に違反するのではないか、その辺の解釈を労働省の労働基準局監督課長として明確にしていただきたいと思います。
#112
○岡部説明員 男女平等問題というものを考えてまいります場合に、そこに一つの社会事象がございまして、それについての判断というのは、いろいろな意味合い、濃淡をもって判断すべきこととなろうと考えるところでございます。
 たとえば、ある差別といいますか差異につきましては、これは違法性顕著であるというものもございましょうし、それから違法性というものは、たとえば刑事上の意味合いかあるいは民事上の意味合いかというようなこともございましょうし、それから、違法とは言えないけれどもこれは不当であるというふうなものもありますし、あるいは、不当ではあるがこれは将来時間をかけて是正していくべきもの、いろいろの段階の社会事象というものが存在することになろうかと思います。
 先生御指摘の、たとえば国際条約等にまつわる問題につきましては、今後わが国でもし男女平等法制というものが制定されますとするならば、その中で、しさいにその要件につきまして議論を進めていくべきことであろうというふうに考えるところでございます。労働省の立場といたしましては、この重要な男女平等問題につきましては、やはりその処理というものは、現在の世界あるいは国内の情勢に十分に即応しつつ判断すべきことであるというふうに考えるところでございます。
#113
○簑輪小委員 ですから、私が申し上げておりますのは、このように給与規程に「夫たる行員」というふうに定めることが違法でないとおっしゃるのですか。
#114
○岡部説明員 それは、本件の事案につきましての具体的な御質問ということになりますので、これにつきましての御答弁につきましては差し控えさせていただきたいと存じます。
#115
○簑輪小委員 具体的な問題だから答えられないというのではありません。給与規程の中に「夫たる行員」というふうに定めることが、男女差別であって、労基法違反に当たらないのかということを私は聞いているわけです。だから、菅原さんの例はさておきましても、こういう定め方が違法でないと労働省としておっしゃるのかどうか、そのことを聞いているわけです。
#116
○岡部説明員 繰り返しで恐縮でございますが、やはりこれは現在検察におきまして処理が進行中の事案でございます。そのことにつきましてのコメントということになるので、御容赦をいただきたいと存じます。
#117
○簑輪小委員 私は、そんな答弁はないと思いますよ。労働省がこれから男女平等を指導し、そして特に労働基準監督官として労基法四条違反かどうかを明確に指導する義務もあるし、違法ならばそれを告発する義務もあるし、そういう立場にありながら、こうした妻たる行員でなくて夫たる行員というふうな定め方をし、男女差別を明確に給与規定であらわしている、そのことを個別案件だから答えられないというふうにおっしゃるのは、とうてい責任ある態度とは言えないと思います。それは、銀行当局が言っているのとほとんど変わらないじゃありませんか。銀行の方は、社会通念だとかあるいはまた盛岡労働基準監督署の御指導のもとにこうした規程をつくったとまで言っているわけですよ。盛岡の労働基準監督署がこのようなことを御指導なさったのかどうか。その辺、はっきりさせて答弁していただきたいと思います。
#118
○岡部説明員 その会社の方で指導を受けた云々ということにつきましては、私、実は初めて聞くことでございまして、どうもそのようなことも言っておるといううわさを聞いてはおりますけれども、その辺につきましては、私は、ここではっきりその当時の、五年前のことでございまして、事実を了知しておりませんので、御容赦をいただきたいと思います。
#119
○簑輪小委員 労働省がそんな態度だから、銀行の方も得々として、盛岡労働基準監督署の御指導のもとにこういうようなものをつくりましたと平然と言っておられるわけですよ。労働基準監督署がこのような男女差別を指導したとあらば、非常にゆゆしい問題だと私は思います。そのような事実があったのかなかったのか、ぜひ明確に調査をして、結果を報告するように求めたいと思います。いかがですか。
#120
○岡部説明員 その当時の記録を調べまして、御回答申し上げます。
#121
○簑輪小委員 男女差別問題については、これからもっともっと労働行政の中で重要な位置を占めてくるわけです。そして、労働省が主体となって、雇用平等法の制定に向けても、特に監督課長であられる岡部さんはその中心的役割りを果たされるであろうと思います。そうした中で、そのような認識では、今後の男女平等問題に信頼を置くことはとうていできないし、私は大変不安を感じるわけです。
 雇用平等法の制定のために、男女平等問題に対するガイドラインの問題などもいろいろありますけれども、その中でも、社会通念などで男女差別をやっていくことは男女平等と相入れなく、妥当性があるとは言えないというふうに言われているのです。妥当性と違法性と、いろいろあるというふうにおっしゃいますけれども、慣行だけじゃなくて、こうやって明文化したというのは、明白な違法性があると言わざるを得ないと思うのです。労働基準監督官としての判断もおっしゃいませんし、その点については今後の捜査にまつということで逃げておられますけれども、それでは、労働基準監督行政を責任を持って進めていくことができないのじゃないかというふうに私は思います。労働省こそが、男女平等を実現するために、男女差別をなくすために、先頭に立ってやってもらわなければならない。にもかかわらず、こうした態度であるということは、私はとうてい納得できないというふうに思います。
 そこで、労働省は個別案件でいま明確な答弁をされませんですけれども、この実態を聞いただれもが、それは結構だというふうなことを言う人はないと思うのです。だから、銀行の指導監督に当たっておられる銀行局としても、こうした実態がいいというふうには決して思っておられないと思います。そういう中で、銀行自身も「当行は地域に奉仕する社会の公器としての使命と存在を強く自覚し、かりそめにも世間の指弾などをうけることのないよう自戒し、精進いたしております」というようなことを言っておりますけれども、世間の指弾を受けることのないようにしたいというのならば、こうした不当な男女差別をなくすようにと、銀行局としても実態を把握すると同時に、適切な指導をぜひお願いしたいと思うわけですが、銀行局の御見解を承りたいと思います。
#122
○宮本(保)政府委員 私どもといたしましては、労働問題に直接介入することは適当でないと思っております。ただ、銀行の行為が労働法規等に違反する場合には、私どもは、全般的に銀行の経営姿勢を監督しているわけでございますので、これは厳しく指導してまいりたいと思っております。
 ただ、労働法規に違反するかどうかにつきましては、やはり所管官庁である労働省の御所管でございますので、労働省当局にも十分御意見も聞きながら、もしそういうことが不適正であるというふうな御判断でございますれば、私どもなりに指導してまいりたい、こう思っております。
#123
○簑輪小委員 労働省の判断もありますけれども、銀行局としても、銀行経営上の理念に基づいて、ぜひそのような指導をお願いしたいと思います。
 終わります。
#124
○中西小委員長 小杉隆君。
#125
○小杉小委員 一年後から始まる国債の窓口販売に関連して、幾つか問題点を質問したいと思います。
 五十八年四月からいわゆる十年ものの長期の公債が発行される額は大体どのくらいか、銀行局長はおわかりになりますか。
#126
○禿河政府委員 来年度以降の国債の発行額というのは、まさに今後の財政運営の基本にかかわる問題でございまして、現段階でたとえば長期国債がどのくらい出るかというふうなことは、何とも申し上げようがございません。
#127
○小杉小委員 細かい数字は局長の言われたとおりだろうと思いますけれども、おおよそのところは、たとえば「財政の中期展望」によりますと、五十八年度の公債発行は八兆四千八百億円、このうち、いままで大体八〇%程度が十年ものだったわけですね。それから政府保証債とあと地方債があるわけですが、その金額を大体合算しますと、たとえば国債の八兆四千八百億円の八〇%としますと六兆七千億余円、それから政府保証債が二兆二千億円、地方債が五千五百億余円ということですから、合わせて十年ものが大体九兆五千億円という程度になると思うのです。この金額のうち、資金運用部で引き受ける分を除いたとすると大体五兆五千億くらいと私は思うのですが、大体そんな見当と見てよろしいかどうか。そして、その九兆五千億円のうち証券と銀行でどのくらいずつ引き受けるのか、およそのところをお答えいただければ……。
#128
○禿河政府委員 「財政の中期展望」等の数字もございますが、そういうものをもとにいたしますと、いま先生からお話がありました御数字、そういうことになろうかと思います。
 ただ、具体的にどういう配分で、仮にその総額が決まりましても、長期国債をどのくらい出すのか、あるいは中国、割国をどのくらい出すのかという国債管理上の問題もございますので、明確な数字は申し上げにくいわけでございますが、従来の実績をもとにいたしますと、長国につきまして発行総額の中で証券会社の引き受けた分と申しますのは、あるときは二五%というのもございましたし、五十六年度あたりでは一七・五%、こういうことになっております。ただ、割国は全額証券会社が引き受けておるとか、それから長国につきましてもあるいは運用部引き受けというようなものがございまして、国債全体の発行額の中で、民間消化分の中で、五十六年度におきましては証券会社の取り扱いが三九・五%、その前の五十五年度におきましては三八・一%、こういう数字がございまして、将来その発行額あるいはその発行形態等々で動きはあろうかと思いますけれども、こういうものが一つの参考のめどになるのではないか、こういう感じがいたします。
#129
○小杉小委員 銀行局長に伺いますが、実際に来年、一年後から始まるわけですけれども、銀行局としては、こういう試算をしているはずなんですね。五十八年度から銀行の窓口で扱う国債というのは大体どのくらいの規模になるのか、そういう試算をされていると思いますけれども。
#130
○宮本(保)政府委員 私どもといたしまして試算をしてはいないのでございますが、これは五十八年度以降につきましては、予算規模がどうなるか、それから税収がどうなるか、その結果として国債がどうなるかということを決めていくわけでございます。
 「財政の中期展望」で若干その辺のところは出ておるわけでございますが、具体的には理財局が今後の国債の発行をどう割り当てていくのだということを実は計算しておりまして、それを受けまして、私どもが、ではそれについて銀行がどういう消化をしていくのかということを考えるような状況でございまして、私どもは、これが今後どうなるのかという計算をいたしておりません。
#131
○小杉小委員 銀行を監督する銀行局として、私は、もう少し具体的な検討が行われていると思ったのですが、そんな程度で果たしてできるのだろうかという心配を持つわけです。
 たとえば、一説によると、金融機関で大体百億円ぐらい扱わないと採算が合わない。コンピューターだとかいろいろな事務の経費に相当かかりますし、そういうことで、金融機関によっては、数百万円しか扱えなかったということになると、恐らくこれは継続することはできなくなるということになれば、これは一般の消費者に非常に迷惑をかけるわけですね。ですから、大体採算がとれる部分というのはどのくらいと考えているのか。それから、百円につきどのくらいの手数料というものを考えておられるのか。そこまで検討されているのかいないのか。あるいは、検討されているとすれば、どの程度のことを考えておられるか。
#132
○宮本(保)政府委員 実は、銀行によります国債の窓口販売は来年の四月からでございまして、そういう点につきまして、今後一年間かかって各業界が検討もいたしましょうし、私どももそれを手伝うということで、一年間準備期間があるわけでございます。そこで、先生の御質問に対しては、いまの時点では検討の結果が出ていないということでございます。
 百億を扱えるかどうかという点につきましては、ある銀行、都市銀行でございますけれども、ある銀行の試算として、百億円ぐらい扱わないとペイしないのではないかという仮の試算があったようでございまして、それを二部引用した発言はあったようでございますけれども、これからの詰めだと思っております。
#133
○小杉小委員 それから、三人委員会の答申というか結論では、窓販を扱う機関というのはすべての金融機関ということにしておりますね。しかし、その実施時期については、対応の体制が整うのを待ってからとするというふうになっておりますね。
 そうしますと、五十八年の四月から実施するのは全金融機関同時にスタートするのか、あるいは都市銀行、地銀、相銀というくらいまで先にやって、あとの信用金庫とか信用組合あるいは農協等については、もう少しずらすのだというふうにお考えなのか、その辺のスケジュールといいましょうか、認可の時期、その点についてはどうお考えか。
#134
○禿河政府委員 国債の窓販業務といいますのは、決められた条件のもとでの新発債を販売するということで、特にむずかしい業務というわけでもございませんので、私どもといたしましては、広い範囲の金融機関について来年の四月からこれを認めていきたい、かように考えております。
 ただ、金融機関によりましては、証券業務に対する準備が若干おくれるとかいうところも出てくると思いますし、また、業態が同一だからといって全金融機関が一斉に同一時期に認可の申請をしてくるかどうか、この辺はわかりません。したがいまして、そういう対応の状況を見ながら、個別に判断していきたい。ただ、基本原則は、来年の四月からできるだけ広い範囲の金融機関にこれを認めていきたい、こういう考えでございます。
#135
○小杉小委員 銀行局長から答弁をお願いしていたのですけれども、証券局長からばかり発言があるわけですが、窓口販売ということになると、直接個人個人の消費者に相当大きな影響を与えるわけです。一年先だから、その間に検討するのだということですけれども、相当きめ細かに事前の準備をして、せっかく認可をしたのに扱い量が少なくて途中でやめるということになったら消費者が一番困るわけですし、それは金融不安を引き起こすことになるわけなので、その辺のことは銀行局長もう少し研究されていると思ったのですが、その辺についての考えをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#136
○宮本(保)政府委員 確かに銀行の窓口販売、銀行法上の業務でもございますけれども、一方、証券取引法上の業務ということでございまして、特に証券取引法上の判断というものが本件につきましてはかなり左右する話でございます。でも、私どもといたしましては、銀行法に認められました業務でございますし、しかも、先生御指摘のとおり国債の消化は大変なことでございますので、銀行がその消化のために十分円滑に機能して、国民のためにもなるということに努めるわけでございますので、証券局とも十分話し合いをしながら、来年の施行に向けて準備をしてまいりたい、こう思っております。
#137
○小杉小委員 今度の場合は長期国債だけに限定されておりますが、中期国債あるいは割引国債そしてディーリング、いわゆる既発債の売買ですね、これは今後検討するということになっておりますが、これの実施時期は大体いつごろですか。検討するということは、やるという方向で検討すると思うのですけれども、時期的な問題ですが、昭和六十年度から大量に借換債の発行をしなきゃいけないということになりますと、五十八、五十九年度あたりから相当出回ってくる可能性があるわけですね。そういう場合に、ディーリングの扱い、あるいは中期国債、割引国債というものを大量にさばくために銀行窓口の利用ということが考えられるわけですが、その辺の時期についてはどうお考えでしょうか。
#138
○禿河政府委員 いまお話がございましたとおり、中国、割国の窓販、さらにはディーリングの問題につきましては、三人委員会におきましても今後引き続き検討をするという方針を示されておりまして、大蔵省も、その御意見を踏まえて判断すべき事柄でございますので、いつからどういうふうな形でというふうなところまで、現段階でまだ何も結論を持っておるわけではございません。
 ただ、窓販につきまして今回長期国債に限りましたのは、現在の中国、割国の発行の状況、その量、さらにはその消化の状況ということに照らしてみますと、割国につきましては、現在全額証券会社がこれを消化しておる、中国につきましても、約九割というものを証券会社が消化しておる、こういう状況もあるわけでございます。したがいまして、中国、割国につきましては、今後の発行状況とか消化状況とかを見ながら検討していこうということになっております。
 それから、いわゆるディーリングにつきましては、いまお話がございましたとおり、近い将来いわゆる期近物が市中にかなり出回ってくる情勢もございますので、三人委員会の御意見も、また私ども大蔵省の意見といたしましても、このディーリングにつきましては期近物国債が大量に出回る時期等を考慮しつつ今後さらに検討していこう、こういうことでございます。
#139
○小杉小委員 最後に、この実施時期はいろいろ検討されたようですが、グリーンカードとの関連もあったと私は思うのです。仮に、グリーンカードが延期または廃止となった場合でも、国債の窓口販売は予定どおり来年の四月から実施をすると考えてよろしいですか。
#140
○禿河政府委員 国債の窓販の問題とグリーンカード制度の問題とは、三人委員会におきましても、また私どもにおきましても、別個の問題である、こういう考え方で今回の結論を得たところでございます。したがいまして、いまのようなお話がございましても、私どもの銀行等の証券業務に関する方針というものは何ら変わりはない、かように御理解いただきたいと思います。
#141
○小杉小委員 では、終わります。
#142
○中西小委員長 本日は、これにて散会いたします。
    午後零時二十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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