くにさくロゴ
1949/02/28 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 電気通信委員会 第9号
姉妹サイト
 
1949/02/28 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 電気通信委員会 第9号

#1
第007回国会 電気通信委員会 第9号
昭和二十五年二月二十八日(火曜日)
   午前十時二十三分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○電信電話料金法の一部を改正する法
 律案(内閣提出)
○懇談会開会に関する件
○電波法案(内閣送付)
○放送法案(内閣送付)
○電波監理委員会設置法案(内閣送
 付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(松野喜内君) 只今から電気通信委員会を開会いたします。
 先ず電信電話料金法の一部を改正する法律案の内容を政府当局からお伺いいたし、それから質疑に入りたいと思います。
#3
○政府委員(靱勉君) 御審議をお願いいたします料金法の改正でございますが、これは前の国会におきまして、警察通信施設を電気通信省に移管する法律が国会の審議を経てすでに実施いたしておるわけでありますが、その際におきましても料金につきまして御意見があつたところでございます。それで結局この内容は、只今までは距離によりまして料金の率が違つておつたのでございますし、大体平均を取りますと、その專用料金と申しますのは、大体一日二十通話あるものとしてそれに普通料金をかけて一年分をとる、こういう恰好になつております。今回の改正によりましてこれが新聞、放送等と同率に料金になるのでありまして、即ち一日五十三通話あるものとして普通通話料金をかけ、それに一年の日にちをかける、こういう結果になつております。その結果大体現在の料金によりまする收入は年間五億一千万円程度でございますが、改正料金によりまして九億九千万円、約十億ということになります。これは警察の使用しておりまするところの市外電話の專用線だけの問題でございます。その他のものにつきましては影響がございません。それから警察その他となつておりますが、これは刑事勝訴関係、或いは鉄道というものに対しては、これらは現在専用している数は非常に少いのでございまして、これの大体在来の料金によりまする只今までの收入額は年間大体四十万円程度でございまして、料金値上の結果九十三万円程度になります。内容は大体そういうものでございます。ただ料金を改正と同時に、警察等につきましては在来短期專用を認めておりませんでしたが、これを新聞通信、放送と同様に短期專用を認めるということで、その條文も併せて一緒に引出したという、こういう形になつておりますが、極めて簡單でございますが、大体そういうわけでございます。
#4
○委員長(松野喜内君) 只今から質疑に入ります。御質問を願います。
#5
○小林勝馬君 質問をいたしたいのでありますが、政府はこの値上によりまして大体実費が賄い得るかどうか、この提案理由によりますと、実際必要な経費を賄い得るように現行料金の約二、三倍に引上げると書いてありますが、その点はどういうふうでございますか。
#6
○政府委員(靱勉君) これでも尚少し実費を賄えないのでございまして、私共の只今の計算におきましては、約六千三百万円程度の赤字という計算になつております。併し左がら御承知のように今度の料金改正につきましては、料金体系全体につきまして尚相当考究すべき問題が残されておりますし、私共も当初におきましては、おの他の料金につきましても若干の是正をいたしたかつたのでございますが、最小限度に限定いたしまして、その他の料金の是正につきましては、更に別の機会に御提案するという考えの下にこれだけを出したわけであります。その際におきまして、新聞、通信等より更に値上するということもどうかと考えられましたし、ほぼそれと全く同様にしまして計算した結果尚若干の赤字がある、こういう結論になつております。
#7
○小林勝馬君 只今の御説明で大体赤字がまだ出るというふうな御説明でありますが、近い将来に又再値上をする御予定かどうか、その点を伺いたいと思います。
#8
○政府委員(靱勉君) 近い将来ということでもありませんが、私共としましては、料金というものは最も合理的に、而も狙いとしましてはできるだけ安くという考えの下にいろいろ拡張整備の計画その他も考えておるので、ございまして、できるだけ料金の値上ということは避けたいという考えでございます。併しながら著しく不当のものにつきましては、全体のバランスから見まして公平なる負担をお願いするという意味合で、これも料金の値上ということになりましたが、尚新聞、通信等、近い将来に値上するかどうかにつきましては愼重に考慮を要するのでありまして、全体の料金のバテンス、公共性等から考えまして、今ここで近き将来において値上する考えであるということはまだ申上げられない状態になつております。
#9
○小林勝馬君 現在の料金表から見まして日本放題協会に対してのみ特別料金になつておるのだが、将来はいわゆる民間放送ができるから、日本放送協会というふうに限定せずに放送関係乃至は放送事業というふうにやるべきではないかと思うのですが、この点はどういうふうにお考えになつておりますか。
#10
○政府委員(靱勉君) 大変御尤もな御質問でございますが、日本放送協会と出しましたのは、現在におきましては放送事業を経営しておりますのは單一の企業体でありますので、それを出したのでございます。而も日本放送協会を特別の低額料金といたしましたのは、新聞、通信社と同様公共性ということに鑑みてやつたのでありまして、必ずしもこれが社団法人とか何とかいう意味合でやうたものでもありません。全く事業の公共性という観点からできておるものでございますので、将来民間放送ができた場合におきまして、この公共性が新聞、通信、現在の放送協会と同様のものでありますれば、当然考慮されなければならん問題だと思つておりますが、結局公共性という点によるものと考えております。
#11
○小林勝馬君 現に今電波三法案を審議しておる最中でありまして、民間放送は当然出て来る、出て来ることははつきり分つておつて、今の御説明によりますと、公共性があるかないかによつて値上乃至は特別料金にするしないということを決定するというふうにお聞きしましたが、広告放送であつても、この放送事業に対しては通信社と同じような特別料金にすべきだと思うのですが、その内容如何によつてそういうような特別性をとられる御意思なのか。それとも放送に対しては今度民間放送ができ上つた場合には、いずれの放送に対しても通信社と同様の取扱をして行かれるのかどうか。その点お伺いしたいと思います。
#12
○政府委員(靱勉君) その点は全く放送事業の公共性ということを考えてやるのでありまして、普通いわゆる民間放送或いは広告放送と言われておりますが、非常に公共性のある而も一般に單に営業広告じやなく、その大部分というものはいわゆる公共的な放送であるというふうに考えますれば、どうしてもこれは日本放送協会と同様にこの低額料金で行くということになるべきものと考えております。
 但し、私共この際特にこれを入れなかつたのは、尚法律案も決定いたしておりませんし、又実際問題といたしまして今予想されますところの問題は、これから民間放送が設立の準備をいたしましてやる場合、市外專用線というものを直ちに御使用になるかどうかという点も、大部分は市内專用その他で賄なわれるものと考えますし、大体市外專用というものはそう直ぐというふうにも考えておりませんし、その際において今お話のように実際に実現いたして参りますれば、処置いたして参りたいと考えております。
#13
○新谷寅三郎君 今の小林委員の質問の点についてでありますが、これは靱局長が第二回国会の当時放送法案の審議のときにおられなかつたので、いろいろ今のような疑問が起つておるのではないかと思うのですが、第二回の国会の時にこの放送事業法が審議されました際に、この問題は当時の逓信省で非常に談議のあつた点であります。それで民間放邊と日本放送協会の放送との間に若干性格的にも、法律的にも違いがあるということは否定できない。主たる違う点は財源を一方は聽取料に求め、一方に広告料に求めるという財源の点が、非常に根本的の相違になつておつた。放送という点から言いましては、やはり同じように日本の文化を高め、社会教育にもなり、国民娯楽にもなるという点においては同じような意味合の公共性を持つておるものだということを委員会は考えておつた。従つてその間も電通大臣にも民間放送を助長する意思があるのかどうか、それについて法規的には余りはつきりしておらんけれども、法規の運用によつてどうされるかというようなことにつきまして、委員会でもお聞きしたわけであります。私の考えでは当時も申上げたのですが、日本放送協会に対して電通省が提供するような特権、恩典というようなものは、これはやはり民間放送も助長する意味から言つて同じような待遇を與えてやらなければならん。但し土地収容用法とか或いは聽取料というふうに法律で決められたものは論外ですが、実際業者達によつてやれるようなものはやはり考えてやらなければならんということを申上げたのです。そして安定本部或いは大蔵省方面でも例えば建設面の資材とか資金面の問題、これらについてもできるだけ同じような方法で以て助長育成して行こう。こういうふうになつておるわけです。この点から言いますと、今はまだ民間放送はできておりませんから、ここに予め書いて置くというのはどうかと思われるのですが、併し両方の法律案が出ておりますから書いて書けないことはないと思います。内容にはいろいろな場合があるので必ずしも日本放送協会と同じような運用の仕方をするかどうか疑問ではありますけれども、想像するところによると大体やはり市内もありますが、各地を結んだ放送というものも当然なければならんと思います。そうしますと、市外線の事相という問題も当然起つて来る。でありますから、この点は今申上げたような意味合から今ここで措置をして置くか、或いは今後他の方法で、つまりここに書かないでも措置ができればそれでいいが、そうがなければ一般放送事業者というふうな言葉を挿入して置くか、その点を考慮された方がいいのではないかと私も考えます。
#14
○政府委員(靱勉君) 決して反対しておるわけではないのでありまして、御趣旨の点は全く同感でございます。ただこの際放送事業という言葉を入れてなかつたのはそういう趣旨でございます。只今おつしやられたような形ならば、当然我々としましても低額料金で行くという用意を持つております。
#15
○小林勝馬君 結局この値上をして一般の料金等との差と申しますか、大体これだけの値上をしても割引率というか、その割引されたものはどのくらいの結果になりますか。
#16
○政府委員(靱勉君) 大体現在の主要区間の通話と申しますのは、一日百通話からひどいところになりますと百六十通話、而も御承知のように相当緊急な通話におきましては特別至急通話というもので申込まれるわけであります。これは御承知のように三倍の料金ということになる、だからして平均を八十通話としましてもそれが三倍の料金の特急通話であるというならば二百四十通話、然るにこの料金は五十三通話でございましてそれに比しまして相当安くなるということは御了解願えるかと思います。然らば一般の銀行、会社等が市外專用を持つ場合にはどうかと申しますと、一日二百通話として計算いたしております。この二百通話は考えようによつては非常に大きな通話のように考えられますが、現在の市外通話の設備状況から見ますれば、これを三で割りますれば六十通話の実質しか持つていないということで、一般の市外專用は二百、新聞、通信、今度の警察等は五十三通話ということで非常な減額になつております。
#17
○新谷寅三郎君 ついでに伺つて置きますが、私最近の料金ということはよく知らないから間違つた質問かも知らんが、官庁等に対して特別料金を設定せられるのはこの專用電話の場合だけでございますか。例えば従来ありまして設備負担金というふうな規定も何か特例があつたような気もするのです。独立採算制という建前から参りますと、今のところでは電信電話事業も官業になつてはおりますけれども、余程考え方を変えて行かないと、警察料金ばかりでやつておるのでは一般の加入者にそれだけ負担をかけるということになると思う。それで特殊の事情があつて特別の料金を設定しなければならんという極めで特殊な例外は除きましてやはり一般加入者と同じように扱つて行くのが適当だろうと思います。現状はそうなつております。それに対してどういうふうな考え方を持つておられるか、これはむずかしい問題だと思いますが。
#18
○政府委員(靱勉君) 現在は御承知の通り官庁に対しで特別の取扱いはいたしておりません。設備負担金等につきまして特例を持つておつたのは御指摘の通りであります。現在は千八百円というものは官庁でもとります。市外專用につきましても一般の官庁は全く待遇を別にいたしてないのでございまして、やはり通産省が地方の機関に專用線を持つ、或いは農林省が持つという場合におきましても一般と同じように一日二百通話で計算せられたる料金が取られておる、殆んど現在区別しておりません。私共勿論電気通信事業というものの経営から見まして、而も全体の公平な負担という点から考えておりますが、尚、公共性の強いものは電報料については相当あると思うのであります。併しながらこれは純然たる民営的な形にも考えられませんし、尚公共性の特に顕著なものはあると思いますが、大体の料金につきましてはその和用の形体によつて区別する、主体によつては余り区別しないというふうに考えて行きたいのであります。
#19
○委員長(松野喜内君) 他に御質疑はございませんか。別に御質疑ありませんでしたら、討論に入りたいと思いますが、御異議はありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○委員長(松野喜内君) 別に御異議もございませんようですから、これから討論に入ることにいたします。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願いとうございます。
#21
○小林勝馬君 大体この本法案に対しましては賛成するものでありますが、二言申述べて置きたい点があります。それは先般新聞紙上にも発表されましたように、官庁の霊話料の滞納が相当に上つておる、ああいう事実があるのに拘わらずここで官庁の電話料を三百六十倍に値上をする、乃至は一般の專用料を百六十倍にするというようなことに相成りますが、これが結局値上しても実際問題として徴收が非常に不円滑に行つたんでは何にもならないので、この点を特に御留意の上この法案の施行に当つて頂きたい。それから今質問においても申述べましたように、放送事業その他の專用料、いわゆる民間放送の場合ですが、我々の考えといたしましても公共的の面が非常に多い、かように考えますので、放送協会同様に、乃至は油、信社同樣にこの民間放送の市外專用料その他の料金を早急に法案設定の上は改正して、この放送事業を育成して行くように処置をされんことの條件を附しまして、賛成するものであります。
#22
○委員長(松野喜内君) 他に御意見はありませんか。別に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めて御異議ありませんでしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#23
○委員長(松野喜内君) 御異議ないものと認めます。それではこれから採決に入ります。電信電話料金法の一部を改正する法律案を議題といたします。原案通り可決することに御賛成の方は御起立を願います。
   〔総員起立〕
#24
○委員長(松野喜内君) 全会一致と認めます。よつて本案は可決と決定いたしました。尚本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條によつて予め多数意見者の承認を経なければならないことになつておりますが、これは委員長において本法案の内容、委員会における質疑応答の要旨及び表決の結果を報告することといたして御承認を願うことに御異議はございませんでしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#25
○委員長(松野喜内君) 御異議ないと、認めます。それから本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出する報告書には多数意見者の署名を附することになつておりますから、順次御署名を願います。
  多数意見者署名
    小林 勝馬   新谷寅三郎
   橋本萬右衞門   大島 定吉
  ―――――――――――――
#26
○委員長(松野喜内君) 御署名洩れはございませんか。ないと認めます。速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#27
○委員長(松野喜内君) 速記を始めて……
#28
○小林勝馬君 先般から放送法案につきましては公聽会その他を開きまして、公述人からもいろいろ御意見を承つておりますが、尚この委員会といたしましてもまとめなくちやならん関係もありますし、聞き足らない点乃至はいろいろな点がまだ残つておりますので、一間一答の形式を以て多少突込んで聞きたい面もありますので、明日午前十時から放送協会、新聞協会、電通、朝日放送、ラジオ日本、この五社の人々を呼んで一つ懇談会的にいろいろ御意見を承りたいという只今の懇談会で話合いの点を、一つ実行に移して頂くようにお願いしたいと思います。
#29
○委員長(松野喜内君) 皆さんにお諮りいたします。只今小林委員から明日は特に五社を呼んで懇談会を催すという御要望です。これを催しますことに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○委員長(松野喜内君) ではさよう取計います、
  ―――――――――――――
#31
○委員長(松野喜内君) 次は電波、放送、電波監理委員会設置の三法案に対する質疑に入りたいと思います。
#32
○小林勝馬君 じや電波法案の質疑をこの前に引続きまして、第二章から質問いたしたいと思います。
 第四條におきまして、電波が著しく微賜な無線局で定めるものについてはこの限りでないというふうになつておりますが、この微弱な無線局という表現の仕方をしてありますが、どの程度のものを微弱な無線局としてやられるのか。その点をはつきりして頂きたいと思います。
#33
○政府委員(網島毅君) お答えいたします。この無線局と申しますのは、第二條の第五号にありまするように、「無線設備及び無線設備の操作を行う者の総体をいう。」ということでありまして、この無線設備ということになりますと、ここにも定義にございますように、「無線電信、無線電話その他電波を送り、又は受けるための電気的設備をいう。」ということになります。従いましてこの定義で解釈しますと、いわゆる無線施設そのものではなくして、その無線施設のいろいろな測定のために使うところの器具、機械、そういうものも入ることになります。言い換えまするならば、例えば波長計、これは電波の周波数を計る機械でありまするが、これは電波を受けまして、そうしてその電波が何キロサイクルであるかということを測定する機械でありましてやはり電波を受ける設備になりまするからして、この無線局の定義に入ることになります。従いましてそういうもの、がすべて入つて参りますると、この法律によりまして、無線所有者でなければ使えない、その他いろいろむづかしい條件が出て参ります。それらのことは実際的に適当ではございませんので、ここではそういう不合理を避ける意味で除外的な規則を作つておるわけでございまして、例を申上げまするならば、只今申しました波長計、それから受信機のいろいろの感度とか或いは選択度などを測定するために使いまするところの標準信号発生機、それから又電波の強さを測る電界強度測定機、その外いろいろの電波の質を監視するところの測定機まあそういうものを考えておるわけでございます。
#34
○小林勝馬君 同條の第二項におきまして、「無線局は、国でなければ、開設することができない。」と、これは従前の無線電信法における「政府之ヲ管掌ス」とあるのを、第一條におきまして、「公共の福祉を増進することを目的とする。」というようなふうにわざわざ訂正してありますが、ここにおいては、又元に戻つたように「国で、なければ、開設することができない。」というふうに限定して、いわゆる何と申しますか、独占事業というふうに、ここで又元に戻しておるのが腑に落ちない点があるのでございますが、術、今又御説明の小さな測定装置その他も無線局と認めるということになりますと、いろいろな微弱なものまでも全部国でなければ開設することができないと解釈すべきか。その点をはつきりと御説明願います。
#35
○政府委員(網島毅君) この第二項は、只今お話がございましたお説の通りではないのでございまして、成る程現在の無線電信法の第一條に、「無線電信及無線電話ハ政府之ヲ管掌ス」ということがございますが、これはいわゆる一般不特定の多数の人間を相手とした無線通信の外にいろいろ無線の利用がありまするが、それらを一切合切含めまして、「政府之ヲ管掌ス」というのであります。ところでこの電波法におきましては、その政府管掌するの観念を止めまして、電波というものは国民のものである、これを最も能率よく効果的に、公共の福祉に沿うように利用するために若干の統制を加える、その統制を加える範囲がこの電波法の中に記載された條文であるというふうになつておるのであります。そうなつて参りますと、現在国が経営しておりまするところの公衆通信、これも全部民間でもやれるということになるのであります。この公衆通信を国営にした方がよいのか、民営にした方がよいのか、これは非常に大きな問題でございまして、御承知の通り現在いろいろな分野で研究せられておる問題でございまして、この問題は未解決でございます。従いまして、電波法におきましては、この公衆通信につきましては、取り敢えず現状の形を維持するというふりに考えまして、現在国でこれをやつおりますので、この「公衆通信業務を行うことを目的とする無線局は、国でなければ、開設することかできない。」というふうに規定したのでございます。従いまして、これは飽くまでも公衆通信をやることを目的として開設される無線局のことでありまして、一般の船でありますとか、或いは漁業用の無線局でありますとか、その他国内あらゆる分野に無線を利用する分野がございますが、それらのものはここでは入らないのでございます。街、公衆通信の問題に関しましては、いずれこれに関する法律が出ると思いまするからして、その法律が出ますときに、必要があればこれは訂正したいと考えております。
#36
○小林勝馬君 次に第五條の不適格者、いわゆる免許を與えない條項に、第五項におきまして、その刑に処せられ、その執行を終り、又その執行を受けることがなくなつてから二ヶ年間が計可しないと、こういうふうにされた根拠、二ケ年という根拠、もう執行を経つてしまつて主円天白日であるならば、何も二ケ年もする必要ないじやないかと思いますが、この点どうですか。
#37
○政府委員(網島毅君) この電波法案及び放送法案に規定しておりまするところの罪は、電波の利用に関するもので、ございまして、而も重大な規則、法律違反というようなものでございます。この違反行為を行いました者が刑の執行を終えましても、そのことによつて直ちにその刑が消滅するというものではありません。一応形式的には執行は終るのでありまするが、刑を受けたという事実は、刑法上におきましても累犯加重されておるのでありまして、一定の効果を持ち続けるわけでございます。従いまして、この重大な電波法或いは放送法の違反を行いました者は、更にその後におきましても同じような罪を犯す危険が絶対ないとは言えないのでありまして、そういう意味合から、この執行を終えた後も二年間はその無線局の免許を與えないということにしております。尚この期間を二年といたもましたのは、外の立法例もございますので、それらも斟酌いたしまして、あれこれ比較検討いたしました末、この程度が適当であろうかと考えた次第でございます。
#38
○小林勝馬君 第七條におきまして、「申請書を受理したときは、その申請が左の各号に」云々ということに相成つておりますが、これは何ら期限もなければ、直ちにやるとかいうようなこともない、これは何日間置いてもよいということに相成つておりますが、これは立法の精神は、大体どのくらいの日数の程度でこれをやる御意思であるか。その辺を承りたいと思います。
#39
○政府委員(網島毅君) 勿論この認可の申請に対する行政処分は早くなければいけないわけでありまして、これは現在におきまして、或いは電波監理委員会ができましても、同様でございます。その早くしなければならないという趣旨は、この検査が終りまして免許を與えるときに、遅滞なく速かにしなければならないというようなことが記載されておるのでも、政府の考えを御了解できると思うのでありまするが、特に第七條にそういうことを書きませんでしたのは、現在この無線局の免許に対する手続は相当複雑でございまして、現在占領下にあります我が国におきまして、関係筋から日本政府宛の覚書によりまして、或る周波数範囲のものは事前に関係筋に協議しなければならないことになつております。そういうこともございまするし、又この電波監理委員会ができましてからは、非常にむずかしい許可の場合には審理手続を開催するということもございまするので、はつきり何ケ月以内と、或いは何週間以内ということは書けないのでございまするが、大体の私共の心構えといたしましては、大体一月以内には是非こういう手続は完了すべきものであろうと、こういうふうに考えておる次第であります。
#40
○小林勝馬君 同條第四号に、「無線局の開設の根本的基準」ということに相成つておりますが、根本的基準の概略を承りたい。
#41
○政府委員(網島毅君) この根本的基準と申しまするのは、この第七條の第一号、二号、三号に書きました以外に、いわゆる荒波監理委員会が将来の日本の電波行政をやる場合におきまして、漁業無線或いは又国内無線等に関してどういう方針でこれをやるかという、いわゆる許可の方針の問題でございます。これを昔流に言いまするならば、無線行政のポリジー、いわゆる政策と申すべきものでありまして、一例を挙げまするならば、その局を開設することが公共の利益或いは利便になるかどうか、又そういうことが必要であるかどうかというようなこと、それから又その局を開設することがすでにでき上つておるところの無線局に対しまして、重大な運用上の支障を與えないかどうかというようないろいろ問題がございます。従いまして、そういう基準を予め作りまして、そうして許可の際の方針としたいのであります。併しながらこの基準をいわゆる従来のように独語的に官庁におきましてこれを公表することなく、全くその考え一つで以てどうにも変るということでは今後の民主的な行政を行う上において不適当と考えまするので、ここには電波監理委員会の規則で決めるということになつておりまするし、この規則を制定する場合にはこれは公聽会を開きまして、一般の意見も十分取入れまして、この基準を決めようということにしておる次第であります。
#42
○小林勝馬君 第八條第五号の「運用許容時間」というのは、従来言われておる執務時間という意味ですか。それともどういうふうな意味にこれは解すべきですか。
#43
○政府委員(網島毅君) これは執務時間とは多少意味が異ります。執務時間と申しまするのは、この法案にありまするように、どうしてもそれだけの時間は執務をしなければならない、いわゆる強制された時間でございます。そこでこの第八條の「運用許容時間」と申しまするのは、この無線局は何時から何時まで運用してよろしいという時間でありまして、従つてその時間中津川しなければならないということはございません。このうち何時間でも必要によつてやつても差支ないのであります。一例を申上げまするならば、将来民間放送が出て参りました場合に、波長その他の問題からして、或る民間放送局には一日中の何時から何時まで、それから次の放送局には何時から何時まで、いわゆる時間割当によつて免許するということも予想されますので、こういう規定が必要であると存じておる次第であります。
#44
○小林勝馬君 十一條におきまして、「期限経過後二週間以内に」云々ということに相成つておりますが、これは一方的でいわゆる電波庁の方は御都合がいいのですけれども、第七條におきましてさつきも質問いたしましたけれしも、自分の方で受理したのは日限も付けなければ何もない、御自由でなんぼ遅れても構わないというやり方でありながら、一方の民間側乃至申請者側からのものはもう二週間以内という限定をされて、そうしてその免許を拒否しなければならない、免許をわざわざ拒否しなくちやならないというのはどうも不合理だと思うのですが、その点をお伺いしたい。
#45
○政府委員(網島毅君) この第十一條 におきまして、二週間以内という條件を設けましたのは、これはこの免許を與えるために政府におきましていろいろな行政上の手続をしなければなりませんが、それが無制限にいうまで遅れても差支ないということになりますると、非常に不都合を生じます。従いまして、この第八條におきまして、予備免許を與えまして、そうしてその工事が落成した後の届出というものが出て参りませんと処置ができません。従いましてこれを二週間以内と切つたのでございまするが、然らば何故二週間でなければならないということでございまするが、これは大体郵便その他の現在の状況を考えまして二週間あれば大体この手続はできるというふうに考えた次第でございます。而もこの届出がないときは拒否しなければならないことになつておりまするが、これは再延長という方法もございまするので、若しいろいろな支障で以て期限までに工事が落成しない場合にはその延長の申請をすればいいのであります。その申請も二週間以内には十分できるという考えを持つている次第であります。尚この電波監理委員会は免許を拒否しなければならないというふうになつておりまして、非常に自由裁量の範囲がないのでございまするが、この免許を拒否するかしないかということは非常に重大な問題でございまして、これを行政庁の自由裁量に任せるということは、今後の民主的行政という見地から考えて適当ではないと存じておる次第であります。従いまして、この自由裁量を禁止する意味で免許を拒否しなければならないというふうにした次第であります。尚只今申上げましたように、期間の延長はできまするからして、その届出さえして頂ければ拒否されなくて済む次第であります。
#46
○小林勝馬君 今の御説明で、二週くらいの日限だと適当だと、これは役所の御都合をおつしやつて、これは申請者の都合じやなくて自分の方の御都合をおつしやつたようなことで不満でございますけれども、この十二條におきまして、自分の方は日限は付けてない。「遅滞なく申請者に対し免許を與えなければならない。」とあつて、自分の方だけは御自由に引つかからないような條項ばかり見受けられますが、この「遅滞なく」とは一体どれくらいの御都合でしようか。
#47
○政府委員(網島毅君) 十二條の「遅滯なく」という意味は、私共といたしまして一週間乃至十日と考えておるのであります。勿論その検査の結果が非常に判定がむずかしいということに相し成りますれば、この電波監理委員会の会議を開きまして、そこでいろいろ議論いたしますために遅れたこともありまするが、私共としましては、一週間乃至十日でいいんじやないかと考えております。
#48
○小林勝馬君 引続き御質問したいんですけれども、今本会議が開かれたようですから、一応このくらいで午前中は打切つて頂いて、本会議が簡單ならは引続き午前中でもやりたいのですが、さようにお願いできたら……皆さんにお諮り願います。
#49
○委員長(松野喜内君) 小林委員の御発言通り取計つて差支ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#50
○委員長(松野喜内君) 御異議ないと認めまして、それでは休憩に入ります。
   午前十一時十九分休憩
   ―――――・―――――
   午前十一時三十三分開会
#51
○委員長(松野喜内君) 休憩前に引続いて質疑に入ります。
#52
○小林勝馬君 次に、十三條の「免許の有効期間は、免許の日から起算して五年」と、それから「(放送を目的とする無線局については、三年)」、こういうふうに差を付けられた理由と、五年というのは一率に五年なのか、いろいろ一年、二年という制度もあるんですか、その点を御説明願います。
#53
○政府委員(網島毅君) 御説明申上げます。御承知のように電波の利用は、殊に最近のように嘱波技術が日進月歩の状態で発達して行くという時代におきましては、数年前の規則なり、技術というものはその後におきまして適応しないという状態になるのでありまして、このことは国際的なこの基準、即ち国際條約におきましても、電気通信の條約は五年ごとに尚検討するということになつております。同様のことは国内的にも考えられるのでありまして私共もこの電波の利用ということにつきましては、五年を大体一つのサイクルとして見ております。従いましてこの免許に関しましても、この五年に一遍見直すという制度をとることが適当であろうと考えたのであります。勿論この見直すと申しましても、五年ごとに全部帳消しにするのではございませんで、無線の利用の面におきまして、それが十年、二十年と引続き行わなければならないことはよく存じております。従いまして五年ごとに再検討はしまするが、従来の目的に合致して行われておる、それから又引続き必要性があるというようなものは再免許の手続きによりまして、免許の方針でやつて行くというふうに考えておるのであります。ところで放送につきまして三年というふうに考えましたのは、特にこの放送は利用面が非常に社会的に影響が大きいのでありまして、一般公衆のこれに対する関心も又それだけ大きいと申さなければならないと思います。従いましてとの三年ごとに一応見直しまして、果してその三年間この放送法の目的に合致して行われておつたかどうか、公衆の利便、利益のためになつたかどうかということも考えまして、再検討したいというふうに考えておるのであります。勿論この放送につきましても、只今一般無線のところで申上げたように、その必要性があり、又十分この法律の趣旨に副うて行われているととろの放送局は再免許されるということは当然でございます。
#54
○小林勝馬君 今の答弁にちよつと足らんところがあるのですが、一年、二年という制度もやるのですか。
#55
○政府委員(網島毅君) 大体一般の無線局は五年、放送局は三年というふうに考えておりまするが、特に実験的な性質を持つたもの、或いは趣く局所的に移動体に積み込んで使うというようなものは一年、或いは二年というふうにしたいというふうに考えております。
#56
○小林勝馬君 次に第十九條におきまして、免許人が呼出符合乃至は周波数の変更を申出たときは、混信の除去その他特に必要があると認めるときはこれを変更することができる。で混信の除去その他の必要という点で伺いたいのですか、どういう程度までこれを認めて行くのか、その点を御説明願いたいことと、もう一つ外の條で又後に質問して伺いたいと思つておりますが、電波監理委員会の方で周波数を変更して見たり、型式を変更して見たり、命令することができるように相成つておるのですが、そういう場合はその放送会社乃至はNHKに対してその補償と申しますか、何か政府において余儀なく変更した場合は補償するようなことを考えておられるのか、どうなのか。
#57
○政府委員(網島毅君) 先ず第十九條について御説明申上げます。この場合はこの免許人が先ず混信で困るから周波数を変更して呉れということもございます。そのほか電力が足らない、即ち通信がうまく行かないから、もう少し電力を殖やして呉れというような場合もあるのでありまして、そういうような場合にこの通信の目的を達成するために必要な変更はこれを認めようという趣旨でございます。尚この第十九條の変更の承認は、無線局の目的そのものを変更するというような変更はこれは認めないのであります。即ちそういうものは又新らしい無線局というふうに考えまして、免許の申請をやり直すということに考えております。
 それから電波監理委員会が免許の変更を命ずる場合は、これは非常に軽微な変更でありまして、七十一條でありますが、ここにも書いてございまするように、「当該無線同の目的の遂行に支障を及ぼさず、且つ、その無線設備の変更を要しないか又は軽微な変更を要する」、例えば波長を変えるのに石を交換するとか、まあ金のかからない極く軽微な変更で済むという場合に限つて行うのでありまして、従つてこの場合は補償は考えておりません。補償を要しない程度の軽微なものだけを命令できるというふうに考えております。
#58
○小林勝馬君 そうすると、今の第七十一條にある範囲内しか変更はしない。もつと大きい変更をする場合は全然考えられなという意味ですか。
#59
○政府委員(網島毅君) お説の通りであります。従いましてこの電波法におきましては、特に免許の有効期間を五年或いは三年と限定しまして、その免許された間はその最初の申請者の権利を十分尊重するという趣旨であります。
#60
○小林勝馬君 分りました。二十條の第三項によりまして、電波監理委員会に届け出なければならないというふうに相成つておりますが、これは軍に届け放しでよろしいのか、それともそれに対して又官庁側として承認を與えるとか何とかということに相成りますか。
#61
○政府委員(網島毅君) これは届け出だけでよろしいのであります。
#62
○小林勝馬君 二十六條ですが、この、「周波数の現状を示す表を作成し、公衆の閲覧に供しなければならない。」これは一体どういうふうな形式を以てそういう閲覧のことをやられる御意図であるのか。それから占領下でどのような手続で周波数が行われておるのか。それから漁業に現在国際條約で許されておる周波数帶から警察通信に沢山周波数を與えて、水産通信を圧迫しておるような現状であるが、この点はどういう理由でそういうふうにおやりになつておるのか、御説明願いたいと思います。
#63
○政府委員(網島毅君) この第二十六條の周波数の公開というのは、電波行政をいわゆる鏡の中の行政、どこから見てもはつきりしておる行政をやりたい、やつた方がいいという見地から出た一つの現われでありまして、これは現在どの波長のハンドで、どこをどういう無線局が使つておるという表を作つて、この表を電波庁或いは電波監理委員会の事務局、或いは地方の支部、部局に備え付けて置きまして、公衆がそこへ来て見ることができるというふうにしたいと考えております。
 それから、現在の免許のやり方でございまするが、現在は先程もお話申上げましたように、日本政府に宛てた関係筋の覚書によりまして、短波、中波、長波というところの電波を使う無線局は、事前に司令部の承認を必要とすることになつております。従いまして申請が出て参りました場合に、日本政府におきましてその申請が一般の公衆の利益利便になるかどうかという判断をいたしまして、認可することが適当であると考えた場合には司令部に申請しまして、その承認を得て許可をするということに相成つております。
 それから漁業無線の話でございまするが、現在日本におきまして使つておりまするところの波長は、本年の一月三十一日の統計でありまするが全体で……
#64
○小林勝馬君 その点はどうせ今そこで答弁ができないだろうと思いますから、これは資料で出して貰いたいのですが、現在漁業無線に対して割当てている周波数、現在時間及び局名、それから警察に與えている時間、周波数、局名、同様に又海上保安庁に與えている時間、周波数、局名、この覧表を一つ後程提出して頂きたいと思いますが。
#65
○政府委員(網島毅君) 一覧表はできておりまするから後程差上げますが、御質問に答えまして簡單に申し上げますと、現在、我が国で使つておりまするところの波長は、全部で四百三十六波でございます。その中で警察関係に使つておりまするのは四十五波でございまして、漁業に使つておりまするのは十八波でございます。この波はそれぞれ国際條約におきまして、使うバンドが違うのでありまして、警察の波を漁業方面に持つて行つて使うということは條約上できません。従いまして警察を減らせば漁業が殖えるじやないかということにはならないのであります。併し我が国におきましては、漁業無線が非常に盛んでありまして、十八波では十分に目的を達成することはできませんので、昨年の九月ジユネーブで行われました第三地域会議におきまして、我が国からこれに対する波長の要求を出しました。その会議の結果三十七波というものが漁業関係に認められたのであります。これは我が国からオブザーバーとして出席しておつた施設監督部長の長谷君が非常に努力をした結果でありまして、私共非常に幸いだと思つている次第であります。この第三地域会議の結果が有効になりまするのは、今年の九月に行われまするところの特別主管庁会議でこれが承認されてからでありまして、従いまして来年度になると思いますが、これが実行に移された暁におきましては、我が国の漁業無線は大いに改善されると考えている次第であります。
#66
○小林勝馬君 次に二十七條の二項ですが、「その船舶が日本国内の目的港に到著した時に、その効力を失う。」、これは例えば外国で取得しても空船で来るのでなくて、荷物を持つて来て荷物を陸揚げをしてしまつたのが目的港と言うのか、それとも最終のドツクをしなければならないと思うのですが、ドツクまでも、加えて目的港と言うのか、その最終が那辺にあるかを承つて置きたい。
#67
○政府委員(網島毅君) これはお説の第二番目のお話の通りでありまして、これはドツクまで、即ちその船が日本に帰つて来て最後の目的を達成する、いわゆる最終目的の港という意味であります。
#68
○小林勝馬君 二十九條において、受信設備は、その副次的に発する電波又は高周波電流が云々とありまして、この支障を與えるものであつてはならないという條件を謳つてありますが、この第二條において受信は自由にされておる、その自由にされておるものをここで又制限をするというのはいわゆる他に妨害を與えるという意味なのか、それとも何かここで必要が外にあつて載せられておるのか、その点を承つて置きたい。
#69
○政府委員(網島毅君) 御説のように、受信設備は施設し、これを使つて電波を聞くことは自由でございますが、これから受信機の中の回路その他によりましては電波を逆に出すというものがございます。そうなりますると、これは附近の無線通信に妨害を與えるということになりまするので、この混信妨害を除去するという意味合からこの競走を必要とするというふうに考えた次第であります。
#70
○小林勝馬君 次に第三十條におきまして、「人体に危害を及ぼし、」ということをはつきり謳つてありますが、従来まで無線施設で人体に危害を及ぼしたことがあるのか、それともその数乃至はその実例を教えて頂きたい。それに対してどういう処置を現在まで取られたのか。今後又どういうふうに具体的にやられるのか承りたい。
#71
○政府委員(網島毅君) 現在の私設無線電信無線電話規則におきましても、やはり無線設備は人体、人畜に危害を及ぼすものであつてはならないということになつておりまして、この最近の無線送信機には全部、いわゆるドア・スイツチというものが付いておりまして、ドアを開ければ自動的に高圧の電線が切れるというふうになつております。これによりまして保守者或いは運用者の危険というものが大いに、軽減されておると思うのでありますが、たまたまこの故障を修理する場合にドアを開けまして電波を一々切つて故障を修理する、又ドアを閉めて調整する、それが非常に面倒なものですから、ドア・スイツチをばかにして置きまして、手を突込むということがときどき遺憾ながら行なわれるのでありますが、そういう場合にその高圧に触れまして、いわゆる電撃によつて死んだという例は電気通信省の無線局におきましても二、三ございます。それですかり、こういう條項は是非必要かと考えております。
#72
○小林勝馬君 次に三十一條であります。「周波数測定装置を備えつけなければならない。」というふうになつておりますが、これは全無線局に備えつけるという意味なのか、それとも或る程度のものは免除する御意思なのか。例えば二百五十ワツト乃至は小さな漁船その他に対しても一律にその装置を備えつけさせる御意向なのか、それとももう一つは、例えば漁港等において陸上無線局が備えつけを持つておいて、こういうものをときどき入港するたびに測定してやつて是正して行かれる御意向なのか。その点を承りたい。
#73
○政府委員(網島毅君) これは全部につけさせるというふうには考えておりません。大体委員会規則で定めますものは、只今の御説のように小さな漁船というものにこれを一々強制することは無理でありますのでこれを除外するつもりであります。尚これは除外いたしましても、只今御説のようなこの港の無線局で測つてやるとか、或いは親船が、ございまして親船にくつついて小さな、漁船がいる場合がありますから、親指が測つてやるということで十分目的を達成することができると考えております。
#74
○小林勝馬君 次に第三十四條ですが、今度義務無線電信をここではつきりとされて、現在ではすべての船がメイン装置をつけたものが補助装置を付けなければならないということに相成つておるのに対しまして、ここで「船舶安全法第四条第一項第三号の船舶に施設する無線電信」云々というふうに相成つておりますが、こういうことになりますと、漁船におきましては百トン以下になります。けれども、商船においては千六百トンが限度になりまして、千六百トン以下のものは補助装置を付けなくてもいいという解釈が成り立つのでありますが、メインを付けて、いわゆる予備を付けなくてもいいということをこれだけ範囲を拡めた理由、乃至はこういうふうにやつて行かれるということはむしろ危險にさらされる。現在我が国の船舶は殆んどぼろぼろの船が大多数であつて、そういう点からしても不合理じやないか。商船は千六百トン以下で付けなくてもいい船が出て来るが、漁船は五百トン以下でも付けなくてはならないというのが出て来るのじやないか。そういう点からいたしまして、義務無線電信と持つて行かれたのはどういうことであるかを承わりたい。
#75
○政府委員(網島毅君) 現在におきましても全部に装助装置を強制しておるわけではないのでありまして、特に指定する場合は付けなくてもよろしいというふうに現在の私設無線電信無線電話規則では相成つております。現在は小さな漁船にはこれを強制しておりません。ところでこの補助設備の考え方でございますが、従来の無線も信法及びそれに伴つてなされましたところの私設無線電信無線電話規則におきましては、公衆通信の確保という見地からいたしまして通信行政上必要だという見地で補助設備を強制して参つたのでおります。ところが最近公衆通信の確保ということだけのためにこの補助設備を付けさせる、このために相当の負担を施設者にかけるということは穏当を欠くというふうに考えられるようになつて参りました。従つて今後は專らこの補助設備なるものは船舶の安全の見地からこれを考えるというふうに方針を改めて参つたのであります、それはもう一つ他方面から申しますれば、船舶の安全の見地から、いわゆる海上における人命安全條約、或いは我が国の船舶安全法で或る船に無線施設を強制しますが、小さな船或いは近海を航路とするような船にはこれを強制しておらないのであります。ところでこの無線設備を強制しておらないのにも拘らず一遍自分で無線設備を持つためにはどうしても補助設備を二重につけなければいかんということになりますと非常に大きな疑問があります。一昨年のロンドンにおける海上安全條約におきましても、その義務無線電信の範囲は従来の千六百トンから五百トンまで拡大はされましたが、それにも拘わらずこの拡大された範囲には補助設備というものを強制しておりません。その精神は要するにないよりは一つでもあつた方がいいということだと考えております。従いましてこの電波法におきましては、我が国の船舶安全法の強制する範囲にこれを止めたのであります。尚これを持つということは非常に好ましいことでありまするから、船舶の安全に関する法律等におきまして十分審議されて、その範囲を拡大されることを私共として希つておる次第であります。
#76
○小林勝馬君 今のの説明からしますと、小さな船は安全だ、危險じやないというふうに解釈されるような御説明ですが、私共に言わせると、現在非常に日本の船舶は、御承知の通り、戰標船八・八型というものが四八%も占めているような現状からいたしまして、こういう小さな船こそむしろ義務無線を助成すべきであるというふうに考えられます。尚又、今の説明からしますと、船舶安全法の第四條から改正して行かなくちやならないかとも思われますが、ここにおいてわざわざこの義務無線通信はこういうものには付けなくてもいいというふうにはつきり語わなくてもいいのじやないか、むしろ全部付けた方がいいのじやないかと考えられます。尚又近海でという御説明でありますから、遠洋に出る場合には付けさせる御意図であるのか、その辺も承りたいし、この除外される船舶は一体どれくらいお考えになつておるか、その点も承わりたい。
 それから第二項におきまして、「前項の補助装置は、船舶の最高満載きつ水線上のなるべく高い安全な位置に装置することを要する。」とはつきり限定してありますが、本装置に対しては何らそういうようなことは書いてないが、本装置はまさかきつ水線上に持つて行くこともないでしようが、そういうきつ水線以上でなくてもよろしいという意味なのか、御説明願いたい。
#77
○政府委員(網島毅君) 私共といたしましても、小さな船が安全だとは決して考えておらないのであります。或いは御説のように、小さい船こそ必要の場合もあると考えます。ただ、私共といたしまして、この海上における安全についてのいろいろな規程は、我が国にも船舶安全法という法律がありまするので、その方で十分審議されて規定される方がいいのじやないかというふうに考えております。電波庁管庁といたしましては、勿論この全部の船が予備設備を持つことは望ましいというふうに考えております。行政面におきましては、それを慫慂して行きたいというふうに考えております。ただそれを義務づけさせるためには、強制するためにはどうしても法律の裏付がないといけませんので、それで第三十四條が作られたわけでございまするが、強制するということになりますと、やはりその根拠をどこかに求めなければならない、その根拠は船舶安全法であるというふうに申上げた次第であります。
 それからその補助装置は、これは船が遭難して相当浸水してもこれが働くようでなければならないのでありましてこの満載きつ水線上云々という條項は必要でございまする、が、主装置は、設備そのものが大きい関係上、必ずしもこの條件を満足し得るとは限つておりません。従いまして主装置がその船の中程にあるような場合には、必ずこの予備を持たせまして、予備設備で以て緊急の際の通信をやらせるというふうに考えておるのであります。それはこの第三項にもございまするように、「送信又は受信の主装置が前二項の條件を具備するときは、その補助装置を備えることを要しない。」というふうになつている次第でありまして、こういうときは主装置そのものが予備設備の條件を充たしますから、予備設備は要らないというふうに考えておる次第であります。尚現在の義務無線を必要とするところの船舶は約七百五十隻ありまして、その他の船舶は約二千五百隻ございます。
#78
○小林勝馬君 ちよつと前に戻りますが、三十二條で「その操作のために必要な計器及び予備品」というふうに相成つておりますが、この必要な計器とはどういうもので、予備品とはどういうものでありますか、ちよつと説明を願います。
#79
○政府委員(網島毅君) いろいろ細かいものがございますが、主なものを申上げますと、計器といたしましては、波長計それから蓄電池の比重を計つたりする比重計でありまして、予備品と申しますのは真空管、或いは蓄電池の蒸溜水或いは硫酸というようなものであります。
#80
○小林勝馬君 この予備品というものか往々にして同じ数量を持つておらなくちやならんとか、又アンテナのごときも張り替えができもしないのに張り替えをするだけの長さを持つておらなくちやならんとかいうふうに従来まであつたのでありますが、実際問題として継ぎ足しなら継ぎ足しだけでも間に合う。乃至は特別に短いアンテナを張つでも間に合せるというふうなこともあり得る筈なのですが、今後そういう点に留意して従業員と申しますか、従業員の実際に経験に徴してこれに対してはやつて貰いたい、かようにお願いする次第であります。
 次に三十五條におきまして、「義務無線電信の通信室には、非常燈を備えつけなければならない。」というふうになつておりまするが、この非常燈の備え乃至はその第二項において「航海船橋との間に送話管又は電話を備えつけなければならない。」というふうに相成つておりますが、この義務無線通信でいいのかそれとも普通の、全般的にこれは強制的に付けるべきだと思うのですが、その点どうですか。
#81
○政府委員(網島毅君) 先ず非常燈の問題でありまするが、これは船が遭難いたしまして、船の電燈が全部消えてしまつたときでもこの遭難通信が十分行えるということのために付けて置くのでございまして、従つてこれにローソク一本という程度では不十分でありますが、大体私共考えておりますのは、石油のランプでありますとか、或いは又二次電池、蓄電池を利用した電燈というものを考えております。
 それから第二項の送話管或いは電話の問題でありますが、これは義務無線電信のみに限定しております。と申しますのは、第一この義務無線電信を置かなければならない船は相当大きな船でありまして、無線室とブリツジとの間は相当距離があるということも考えられます。従つてこの遭難や何かのときの指揮その他通報を迅速にするために是非この送話管又は電話というものが必要になつて来るのでありますが、この義務無線電信、いわゆる船舶安全法の義務無線電信を置かなくてもいい船までこれを拡張するということにつきましては、無線そのものが義務付けられておらないのでありますから、そこまで言うのは行き過ぎではないかと考えるのであります。而も小さな船になりますと、こういうものがなくても声で以て直ぐ意思を通ずることができるということがございますので、この條件は付けないことにいたしました。尚これは現行通りでありまして、條約もこの通りになつておるわけであります。
#82
○小林勝馬君 どうもその点がおかしい、義務無線電信以外の無線電信室には非常燈が要らない極端に言えば……というような御説明でありますが、乃至はブリツジとの間に送話管は必要ない。呼んでも聞えると言うのですが、さつき説明の千六百トン以下の船、千五トンの船はそれじやおおいと言つても聞えるか。そういうものは必要ないというのはちよつとおかしいので、むしろ義務無線電信というのを無線電信に、第二項においては義務無線電信の義務を取つて普通の無線電信の通信室に持つて行くのが当然と思うのですが、どう考えられますか。
#83
○政府委員(網島毅君) 電波の主管庁といたしまして、この義務の資格を取つて頂くことには異存は勿論ございません。成るべくこういうものはあつた方がよろしいのであります。併しながら苟しくも法律を以て国民の権利を縛つて行くということにつきましては、非常に愼重を要すると思うのでありまして、成るべく国民を縛る條項は少い方がよいと考えます。
 従いまして、非常燈であるとか送話管というような問題も、どうしても義務無線電信を置かなければならないいわゆる法律を以て強制しておるという点に限定するのが普通の考え方じやないかと私共は考えておる次第であります。
#84
○小林勝馬君 私も満足しませんから、これは私共の方で考慮いたします。
 それから三十七條におきまして、オート・アラームを付けた場合は、これは人を節約するというふうにお考えになつておるのかどうか、先ずこれを伺いたい。
#85
○政府委員(網島毅君) この三十七條におきましては、警急自動受信機を人を減らすために置くということは考えておりません。これは海上の安全をできるだけ確保するためにこういう設備を付けた方がよい。付けたからにはやはり十分な機能を発揮しないと人命上大きな問題ですから、一定の規格に合つたものでなければならないというふうに考えておる次第でございます。併しながら一方海上における安全條約におきましては、警急自動受信機を持つた船はこれに相当する通信士を置かなくてもよろしいということになつております。従つて我が国におきましても、このオート・アラームを付けた船は通信士の数を減じてよいじやないかという意見が多数ございます。併しながら私共は現在の、少くとも現在の段階におきましては、この警急自動受信機はまだ十分に働くという、間違いないのだということを断定するまでに至つておりません。従つてこの受信機を置いたからといつてそにために通信士を減らすということは考えておりません。この問題は将来そういう立派な機械ができたときに改めて考慮したいというふうに考えております。
#86
○小林勝馬君 この言葉を聞いて私共安心しておるのでありますが、この現在の警急自動受信機なるものはそれ程な安全になつておらない実情から、二の法律によつてそれを以て人に替えるというふうに考えられる向があるので非常に心配されるわけでございますが、安心したような次第であります。
 次に三十八條におきまして、「技術基準に適合するものでなければならない。」ということは、無線設備の技術基準を定める目的は那辺にあるのか、いわゆる極端に申しますと、低下した技術基準を決定された場合は、従事員は非常に困つて苦心しなくちやならないという面が出て来るのではないか。そういう点を承わりたい。
#87
○政府委員(網島毅君) この技術基準を決定する理由といたしまして、この法案にもございまするように、先ず電波は混信をなくするために質のよいものでなければならない。一定の質を持つていなければならないということがございます。それから先程御説明いたしましたように、人畜その他に被害がないように一定の安全装置を持つていなければならない。それから又只今御説明いたしましたオートー・アラーム等は一定の規格に合格したものでなければならないという條件がございます。従つてそれらの條件を充すために送信設備はどの程度の技術基準に達しなければならないとか、言い換えれば電波から出る周波数の偏差及び幅、高調波の強度はどの程度でなければならないというような問題、それから無線送信装置には高圧に直接手が触れないようにしなければいかんというようないろいろの條件がございまして、その網かい基準は電波監理委員会規則で定めることになつております。
#88
○小林勝馬君 只今長官の説明のような技術基準であれば、我々はそう心配することはないが、例えば機械はこの程度でよろしいとか、あの程度でよろしいというような技術基準といいますものを一方的に官庁で考えられたのを実施されることはどうかと思われますので、質問をじたような次第でありまして、今のような説明の程度の範囲ならば一つも心配はないのですが、その点を十分御考慮の上、規則を制定して頂きたいことを申し添えて置ます。
#89
○政府委員(網島毅君) 十分留意いたします。尚規則を定める場合は公聽会も開きますし、事前に関係の申請者或いはその従事者という方面とも十分連絡を取つて行きたいと考えております。
#90
○小林勝馬君 三十九條でありますが、「その他も電波監理委員会規則で定める場合は、この限りでない。」となつておりますが、この電波監理委員会規則で定める程度はどの程度か、又この修理又は監理はどうなるか、その辺を承りたい。
#91
○政府委員(網島毅君) この電波監理委員会で除外する場合は、先程御説明申上げましたいわゆる測定機、これらもやはり無線設備でございますが、そういう測定機を操作するものに一々資格を強制することは困難でありますし、又実益もございませんので、そういうものは除外したいと考えております。
#92
○小林勝馬君 今のは修理業務に携つておる人、乃至監理業務に携つておる人をその対象とするかしないかということです。
#93
○政府委員(網島毅君) 修理業者或いは監理業務に携る者にはこれは適応しません。
#94
○小林勝馬君 修理業務、監理業務に携つておる者はいわゆる免許資格者でなくてよろしいという意味ですか。
#95
○政府委員(網島毅君) さようでございます。修理業者として最も普遍的なものはいわゆるラジオの修理業者でありますが、現在我が国におけるラジオ修理者の中には全部とは申しませんが、相当技能が悪く、一般大衆が非常に迷惑するということはしばしば聞くのでありますが、といつてこのラジオ修理業者の技術までこの法律で縛るということは、余りにも政府の監督権限を強大にするのでありまして、そういうものは直接にこの修理業者を利用するところの一般大衆が選択して修理業者に物を頼むというふうにして、自然淘汰に任すべきだというのが私共の見解であります。
#96
○小林勝馬君 そうすると、今ラジオの問題が出ましたから、ラジオの修理関係を先に質問しますが、現在復員その他によりまして、ちよつとラジオを聞き噛つたような人が沢山修理をやつておる。この人々によつてむしろ機械を損うとか、いろいろな点で非常に国民が迷惑しておる面が沢山ある。これに対して従来のようにNHKその他で認定と申しますか、何か特殊の修理業者というものを今後お作りになる御意思はないのですか。
#97
○政府委員(網島毅君) 現在のところそういう意思は持つておりません。この法律で以て国民を義務付ける、国民を縛るというのは、国全体としてどうしてもそうしなければ外に方法がないというものに極力範囲を限定すべきだと私共考えております。先程申上げましたように、この修理業者は、何もその人だけでなければならないということはないのでありまして、外にもよい修理者がいる筈でありますからして、利用者はよい方を利用すれば、自由にそれを撰択してうまくやつて行けるというふうに考えております。
#98
○小林勝馬君 併し実際問題としてこれは必要があると私共は考えておりますが、従来のように多少でも講習なり何なりを受けた者がやるべきであるというふうに考えられます。
 次に、修理業者は無線従事者の資格がなくてもよい、そういうことは考えてはおらないというさつき御答弁でありますけれども、船舶の修理をやる、乃至はそのテストをやる、いろいろなことをするのに、無線の資格者でなくて、一般の普通の人にこれをやらしてよいかどうかということが非常に私疑問でありますが、その点も無線従事者でなくてもよろしいというふうにお考えですか。
#99
○政府委員(網島毅君) 修理する場合に、その設備を船から下して、そうしていろいろ配線をやり直すとか、いろいろの修理があると思いますが、そういう場合に、それが無線従事者でなければならない、いわゆる免許を持つていなければいけないという根拠は私はないと思います。若しもそれが必要だということになれば、一般の無線製造会社の従事員が全部を持つていなければならないということになるわけであります。ただ船で据え付けたままいろいろ調整するとか、或いは又機械を修理するという場合には、必然的に最後の試験として電波を出すという部面が伴つて参ります。電波を出すということになれば、これは一定の資格を持つ無線従事者でなければ出せないのでありまして、従つて、そういう方面の修理業者は資格を必要とするということになるのであります。
#100
○小林勝馬君 次に四十條になりまするが、四十條の各級の従事者とも、電力で区分けをし、制限をしておるようになつておりますが、これは国際條約にもそういう点は見当らないようでございますが、どういう基準で定められたのか、その点を御説明願いたい。
#101
○政府委員(網島毅君) この通信士の方の資格條件に電力を持つて参りましたのは、これは技術繰作の方面の資格でありまするが、技術繰作の資格と申しますのは、機械の複雑の程度によつて決めなければならないのであります。ところでその機械の複雑の程度ということを一々細かく規定することは実際上非常に困難であります。従つて大体電力で以て分けまして、二キロワツト以下であればその無線設備そのものはそう複雑でもないという点から、その技術繰作が一級、或いは二級でよろしいというふうに電力で以で分けた次第であります。勿論これはお説のように国際條約にはこういう規定はございません。條約すべてこういうものを各国の国内法にこれを委任すると申しますか、国内法で決めるようにということになつておる次第であります。
#102
○小林勝馬君 それならば、例えば空中線で二百五十ワツト以下とか、七十五ワツト以下とかいうふうに適当に日本の考えの下にやられたという御説明でありますが、漁業用の海岸局のごときはもう少し上げて、五百ワツトぐらいまでに持つて行つても差障りはないのではないかと、第二級通信士の方でありますが、この点はどういうふうにお考えですか。
#103
○政府委員(網島毅君) この漁業用の海岸局は、現在大部分は二百五十ワツト以下のものであります。従つて実際上余り支障は起らんと考えておりまするが、若しこの電力が五百ワツト或いは一キロというような海岸局でありますると、局そのものが相当大規模なものであります。放信範囲も相当広いということになりますので、そういう海岸局には当然一級の無線通信士を置くのが適当じやないかと私共考える次第であります。
#104
○小林勝馬君 この上段の部で、聽守員級の無線通信士を復活されておりますが、実際現実に従来の聽守員級ぐらいのものであつて、有名無実と申しますか、外の職務を持つていながらただ名目のみ聽守員級を以て当てられた面が非常に多くて、そういう面を是正するために聽守員級を今まで除外されておつたと思いますが、わざわざここで又活かされた理由を御説明願います。
#105
○政府委員(網島毅君) 現在の私設無線電信常話規則におきましても、御承知のように聽守員級というのがございます。これは先程御質問があつた、いわゆるオート・アラームと相並んで考んられておるものでございまして、S
○Sのウオツチに必ずしも一級とか二級とかいう立派な無線通信士がいなくてもよいじやないか、と申しますのは、これは電波を聞くだけでありまして、送信機をいじらないのであります。従つて電波によつて混信を起させるというようなことはございません。ただ完全に遭難通信或いは緊急通信を受ければよいわけでありますから、資給そのものはそうやかましく言わなくてもよいのであります。これを全然止めてしまつたらどうかという御意見もございます。併しながら、これを止めるということになりますれば、現在聽守員級で間に合せておるというところにわざわざ通信士を余計に乗り込ませなければならないということになりますし、現在この制度がございましても支障なく行われておるものですから、現在通り制度を起したわけであります。
#106
○小林勝馬君 現在通りと言われるが、現在は聽守員級は廃止になつておると思いますが、現花聽守員級を設定しておられるのですか。
#107
○政府委員(網島毅君) 現在でも聽守員級というのはございます。ただ無線局の定員の中にはこれを含めておらないということだけでございます。
#108
○小林勝馬君 この聽守員級でもつと質問したいのですが、時間の関係がありますから、四十條中途半端でございますが、これくらいで一応打切りたいと思います。
#109
○委員外議員(千葉信君) 委員外の発言をお許し願いたいと思います。
#110
○委員長(松野喜内君) 皆さん御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#111
○委員長(松野喜内君) 御異議ないと認めます。千葉議員。
#112
○委員外議員(千葉信君) 電波長官にお尋ねいたしますが、この電波関係法案の大体の施行の期日というのは、法案が施行せられてから一ヵ月以内という形になつております。その実施期日というのは相当無理があるということを私共考えております。併しこの期日の問題についても、一応国会の審議の状況と睨合せて、而も期日自体に対しても或いは国会がどういうふうに結論を下すかも分らない。その外この法案はいずれも重要で、特に電波法案その他におきましては、或る程度国会の中ではこのままで通過するということは非常に困難な状態に置かれておると思います。これは又御存じかと思います。従つて私共この問題に関連しまして、非常に最近不服を感じておりますことは、先程の電波長官の答弁では、電波監理委員会の規則のようなものを制定する場合には、予め一般から意見を聽いて、公聽会のようなものを開いて最後的な決定をしたいというお話でございましたが、本当にそういうふうにこれを取計らうつもりであるかどうかということについて一応の疑問を持つておるわけであります。こういうことは最近におきまして、電波監理委員会規則のようなものを、この案件のようなものを持出して地方において公聽会を開いておるという情報があるのでございますが、一体これは事実であるかどうか、もつと具体的に申上げますと、地方の電波監理局長の名前で以て一般の人々を集めて意見を徴しているという情報であります。従つてその内容におきまして私共聞いておりますことは、現在国会に提案せられておつて、今国会で審議中の法律案をこれを大体通過したという前提の下で諸君の御意見を伺いたいというような態度をお取りになつておるという話でございますが、それは一体事実であるかどうか、若しもそれが事実であるということになりますと、国会で審議中であり、或いは若し最後には相当の修正を施される場合があるかも知らんが、ところが仮定の問題であるところの、国会に提出中の案件を持出して、これに対して諸君の意見はどうだ、こういうことを若し聽いて歩いたとすれば、そは一体何のためにそういう苦しいやり方をしているか、若し実施期日が迫つておるから、法律が通過後において迫つておるからそういうふうに取急いで仮定の問題で意見を聽かなければならないというようなお考えだとすれば、私共はこの施行期日について国会としては考慮を加えなければならん、そういう仮定の問題を持出してやらなくてもいいように施行期日というものに対しては私々は十分に考慮を加えなければならんということになつて来るわけであります。
 それからもう一つは、そういう仮定の問題について聽取したところの一般の公聽会における意見というものが、法律が制定されて通過された際に訂正された場合には、全面的にそれを白紙に返すものとすれば、勿論これは白紙に返して頂かなければならないけれども、私共はその場合におきましても、従来の経験かいいますと、それいう公聽会において述べられた意見というもの、或いは、それに対して採用しない、採用するというような態度については、予めそれが先入感となつて将来も非常に悪い禍根を残す慮れ多い。そういう点から言いましても、私は仮定の問題を持出して公聽会を開くというような不謹愼な態度というものは取るべきでないし、又そういう態度を取るということは、非常に国会を軽視するという考え方に連なるものではないか。こういうふうな、私は非常にその問題に不満を持つておるわけですが、一体そういう公聽会を開いたかどうか、確実な情報として私は聞いておりますが、その事実と、それから若しそういうことになるとすれば、我々としても相当な考慮を加えなければならんと思いますが、例えば施行期日の問題にいたしましてもそうでありますし、只今長官からこの問題についてはつきりした釈明を聞いて置きたいと思います。
#113
○政府委員(網島毅君) お答えいたします。私共は地方電波監理局において公聴会を開いていろいろ意見を聞いておるということは存じません。恐らく何かの間違いじやないかと考えるのでありますが、併しながらこういうようにこの法案が通るか通らないかは、これは別であります。これは国会がお決めになることで、私共は予見できないのでありますが、併し法案を国会に提出いたしました政府といたしまして、その法案が若しこの国会を通過したならはばどういう規則を出さなければならないかということを予め考慮する、準備するということは当然の義務かと考えます。それは現に本委員会におきましても、一体どういう規則を出すつもりか、案を見せろという御注文が、ごごいまして、従つて私共は鋭意その準備をやつておるわけであります。この電波法に伴う規則は私共の現在の考えで参りますと、約全体で千條に亘る非常に厖大なものであります。従いまして、これをまとめ上げるということはなかなか一月や二月の期日じやできないのでありまして、これには十分な準備期間というものが必要であることは事実であります。この法案は、政府といたしましては昨年の臨時国会に提出するつもりで準備を進めておりましたが、いろいろなことで本国会へ提出されたのでありますが、昨年の臨時国会に提出するときにおいてすでに約半歳近い準備期間というものを考えまして、四月二日以降であつてはならないというふうにみずから縛つて、できるだけ早く新しいこの民主的な法律によつて電波行政をやつて行きたいという政府の念願を示したわけであります。従いまして私共といたしましては、できるだけこの法案を早く国会で審議して頂きまして、政府といたしましてはこれが国会を通過して実施されることを希望しておるわけでありまして、政府といたしましても四月一日からこれを実行したいという念願には変りはございません。従つて行政庁としてこの規則の準備は進めております。従つてこの規則の案を作ります前に十分現地の意向を聞くということは是非必要であると考えております。従いまして、過般地方の幹部を集めましていろいろ意見を聞いたこともございます。その幹部が帰つて又自分の部下なり或いは又関係者の意見を聞くということは、これはあり得ることだと私共は考えております。併しこれは決して御説のようにいわゆる公聽会というような公的な性格を持つたものでは断じてないと私共は考えておるのでありまして、勿論監理局長には規則を決める権限も、ざいませんし、又私共にも現在はないのでありまして、ただ案を作成して次の監理委員会に提出する、それで電波監理委員会がその会議の結果によつてこの規則を決めて行くという次第でございます。尚施行期日につきましては、事務的にいわゆる電波法と電波監理委員会設置法及び放送法は同時に施行されることを期待しておるのでありますが、放送法案が若し国会を通過するということになりますならば、日本放送協会の登記その他新らしい協会に移り変るための手続が二十日以上は絶対に必要だ、これは事務的に必要だということをその登記の方面の機関がそう申しております。従いまして、私共といたしましては、一日も速かにこの法案が国会を通過することを念願しておる次第でございます。
#114
○委員外議員(千葉信君) 只今の電波長官の御発言を聞いておりますと、正常な形においていろいろ準備期間を設けるとすれば、この法案を立てる当時から約半年後の四月一日ということをもくろんでおるように私は今承りましたが、そうだとすれば、今ここでもう三月に入ろうとしている現在の段階において、四月一日という施行期日についてはこれは非常に無理なことだ、従つてこの施行の期日の点については国会として十分考えなければならないし、そういう点についてはこれは国会の方において何らかの結論が出ることと思いますが、従つて今提案せられておる四月一日を目途とした考え方を立案当局は持つておられる、行政府の立場からいろいろ施行についての準備を進められておるということについてはこれは一応了解はできますけれども、併し問題はそういう国会の審議がここまで延びておるに拘わらず提案当時の考え方に立つて準備を進められておるということには私は非常に不満に堪えない、先程の小林委員の質問に対して電波長官は、規則制定その他については公聽会等を開いて民主的に決定するようにしたいというような御答弁をなされましたけれども、少くともその後私に対する答弁においては少々食い違つた答弁をされておる。正式な公聽会ではないということを言つておられるけれども、一応民間人を集めていりいろな意見なり考えを徴しておられる、ところが先程の電波長官の答弁から言うと、これからそういう措置を講下るというふうな形に私は承つたし、又実際上においてもそうなくてはならない。今国会において法律案が審議最中で、而もどういうふうに修正されるか分らない状態にあるとすれば、これはやはり仮定の問題についての公聽会も又公式なものでなくても、意見を徴下るということになればやはり確定したものに基いての意見でなければならないし、従つてそれ以前におけるところの仮定に基いて述べられた意見なり結論なりは当然修正されなければならない、ところが私が心配するのは、そういう場合にすでに先入感となつているいろいろな意見や結論というのはやはり将来にまで悪影響を残す憂いが十分ある。従つて先程小林委員に答弁されたように、これから公聽会を開いたり、規則制定その他について考えるという態度がこれが一番正しいやり方ではない、従つてそういう点から言つてもこの施行期日についても相当問題があると思うし、それから電波長官の言われたように、この問題について今後十分に規則制定の場合には愼重にやりたいというお話のように承わりましたが、私はやはりそれは施行期日の問題に関連いたしますので、重要な規則でございますからその規則の制定に当つてはできるだけ愼重な態度を取つて、確定した意見の上に立つての公聽会その他民間人の意見を徴するという立場に立つて頂きたい。
 それからもう一つは、電波長官が言われたように、この問題について規則を制定されるに当つてはできるだけ愼重な態度を取つて貰わなければならんし、それから又そういうことは規則を制定する権限もない地方電波監理局長がどういうことをやつておつてもちつとも影響のない問題だというふうなお話でございますが、若しそうするとすれば、電波長官は従来電波監理局長が公聽会まがいものをやつていたということを一切御破算にして、又今後共そういうことを一切国会の審議中に続けるということをはつきり止めて、そうしてまじめに、正式にこの問題についての公聽会を今後開くということについてここにお約束願えるかどうか、これについて御答弁を承わりたい。
#115
○政府委員(網島毅君) 先程小林委員の御質問に答えまして、公聽会を開き、或いは又事前に施設者或いは従事者の意見を十分聞くようにするということを申上げたのでありますが、この公聽会というのはいわゆる電波監理委員会設置法で言われておる審理手続の公聽会の意味でありまして、これこそ法律で決められた非常にはつきりした正確なものであることを申上げた次第であります。ところでこの設置法にもございまするように、電電監理委員会ができてから六ケ月間に公聽会を、いわゆる審理手続を経ないで規則を決めることができるということになつております。これは電波監理委員会が発足いたしまして、現在の電気通信省から電波行政が移るわけでありますが、移つた場合に空白ができないように法律が直ちに動いて行くように無線電信法が電波法に代つて直ちに動いて行くということが絶対必要であります。このためには一々審理手続をやつておりましたのでは規則の施行ができません。規則ができませんでは法律の施行ができません。従いましてその最初の暫定規則と申しますか、正式の審理手続を経ない規則というものが是非必要であります。ちよつと私先程六ヶ月と申上げましたが、一ケ月の間違でございます。従つてこの一ケ月間の空白をなくするためにはどうしてもこの電波監理委員会が発足する前に規則の準備を進めなければならんのでありまして、仮にこの法律が国会を通過いたしまして、三月になり半年なりという猶予期間がございますれば、その間に十分規則案を作ることもできますが、先程も申上げましたように、政府としては一日も速かにこの法律案を国会で通過させて頂きまして、そうしてこれを施行に移したいという考えを持つておりますので、仮に現在の法律案が国会を通過したらどういう規則になるかということで準備を進めておる次第でありまして、これは私共の当然の義務ではないかと考えておる次第であります。勿論国会でいろいろ修正されることはあるでありましようし、又そういう場合にはその修正に従つて規則が変つて行くということは、これはもう申すまでもないことであります。従つてこの先にそういう相談をして置けば先入主が伴つて工合悪いのじやないかというお話でございまするが、私共はそういう先入主が伴つて今度の行政がゆがめられるというような考えは毛頭持つておりませんし、飽くまでも国会の修正なり国会の決議というものを尊重して、その精神によつて規則を作り必要な改正をして行く、そうしてやつて行きたいというふうに考えておる次第でございまして、御懸念の点は私共はないと存じております。
#116
○委員長(松野喜内君) 本日はこの程度を以て委員会を閉じたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#117
○委員長(松野喜内君) それではこれを以て閉会いたします。明日は十時からお集り願いたいと思います。
   午後零時四十九分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     松野 喜内君
   理事
          橋本萬右衞門君
           小林 勝馬君
   委員
           大島 定吉君
           新谷寅三郎君
  委員外議員
           千葉  信君
  国務大臣
   郵 政 大 臣
   電気通信大臣  小澤佐重喜君
   電気通信政務次
   官      尾形六郎兵衞君
   電気通信監   山下知二郎君
   電気通信事務官
   (業務局長)  靱   勉君
   電気通信事務官
   (業務局周知調
   査部長)    花岡  薫君
   電気通信事務官
   (施設局長)  林  一郎君
   電気通信事務官
   (経理局長)  肥爪 龜三君
   電波監理長官  網島  毅君
   電気通信事務官
   (電波庁法規経
   済部長)    野村 義男君
   航空保安庁長官 松尾 静麿君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト