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#1
第096回国会 法務委員会 第9号
昭和五十七年四月二日(金曜日)
    午前十時二分開議
 出席委員
   委員長 羽田野忠文君
   理事 太田 誠一君 理事 熊川 次男君
   理事 高鳥  修君 理事 中川 秀直君
   理事 稲葉 誠一君 理事 横山 利秋君
   理事 沖本 泰幸君 理事 岡田 正勝君
      上村千一郎君    小澤  潔君
      大西 正男君    亀井 静香君
      木村武千代君    北川 石松君
      北村 義和君    高村 正彦君
      佐野 嘉吉君    森   清君
      下平 正一君    広瀬 秀吉君
      鍛冶  清君    安藤  巖君
      林  百郎君    田中伊三次君
 出席国務大臣
        法 務 大 臣 坂田 道太君
 出席政府委員
        法務大臣官房長 筧  榮一君
        法務省民事局長 中島 一郎君
        法務省刑事局長 前田  宏君
 委員外の出席者
        最高裁判所事務
        総局刑事局長  小野 幹雄君
        法務委員会調査
        室長      藤岡  晋君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二日
 辞任         補欠選任
  井出一太郎君     北川 石松君
  今枝 敬雄君     北村 義和君
  白川 勝彦君     小澤  潔君
同日
 辞任         補欠選任
  小澤  潔君     白川 勝彦君
  北川 石松君     井出一太郎君
  北村 義和君     今枝 敬雄君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 証人等の被害についての給付に関する法律の一
 部を改正する法律案(内閣提出第六七号)
 船舶の所有者等の責任の制限に関する法律の一
 部を改正する法律案(内閣提出第六六号)
     ――――◇―――――
#2
○羽田野委員長 これより会議を開きます。
 お諮りいたします。
 本日、最高裁判所小野刑事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○羽田野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ――――◇―――――
#4
○羽田野委員長 内閣提出、証人等の被害についての給付に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。安藤巖君。
#5
○安藤委員 証人等の被害についての給付の額のことで最初にお尋ねをしたいんですが、これは殺されてしまった場合の給付金の最高額というのは幾らになりますか。
#6
○前田(宏)政府委員 遺族給付は年金と一時金と両方あるわけでございますが、年金の場合には遺族の数によりまして若干金額も変わってくるわけでございますので、一応いろいろな場合について計算したところを申し上げますと、遺族が一人の場合には年金額が百四十二万二千九百円。ただし、その遺族が五十五歳以上の妻である場合あるいは身体に障害のある妻である場合には百六十二万七千五百円ということになりますし、以下、二人の場合には百七十九万四千九百円、三人の場合は百九十七万千六百円、四人の場合は二百十三万九千円、五人の場合は二百二十七万八千五百円ということでございます。ただ、この金額は現行の金額でございまして、近く給付基礎額が引き上げられる予定でございますから若干ずつ上がるわけでございまして、政令が改正になりました後におきましては、たとえば先ほど申し上げました一人の場合の百四十二万二千九百円というのは、百四十九万九千四百円というふうになるわけでございます。
 また、一時金の額は給付基礎額の千倍ということでございますので、現在は九百三十万円ということでございまして、政令が改正になりますと九百八十万円という計算になるわけでございます。
#7
○安藤委員 いま年金の場合と一時金の場合と両方説明をしていただきましたが、年金の方もこれは相当低い額じゃないかと思うのですが、特に一時金の場合、今度は政令が改正になっても九百八十万円だ。これはよく比較に出される話ですが、自動車損害賠償保障法に基づくいわゆる自賠責の方のは、現在最高額が二千万円になっていると思うのです。だから、これから比べるとその半分以下という状態になっております。だから、これはもっと引き上げるべきではないかと思うのです。これは真実を法廷で証言をする、あるいは捜査当局に対していろいろ事実を参考人として話すということで、裁判所の事実判断に積極的に協力をして、そのあげくそういうとんでもない目に遭うということですから引き上げるべきが当然だと思うのですが、そういう点についての見通しあるいは努力などはどういうふうにしておられるのか、お尋ねをいたします。
#8
○前田(宏)政府委員 ただいまのお尋ねにお答えする前提といたしまして、先ほど一時金のことを申したわけでございます。一時金がいまの自動車損害賠償保障法による保険金の額と比べて低過ぎるではないかということでございましたが、この一時金というのは、本法にも書いてございますように、本来遺族給付は年金が原則といいますかたてまえでございまして、ただ、遺族の範囲をいろいろな面から限定しておりますので、その年金を受けられる遺族がない場合の例外的な扱いとしての一時金、こういうことでございますので、若干違うのではないかというふうに思うわけでございます。
 それはそれといたしまして、この給付額につきましてはもう少し引き上げるべきではないかという御意見が当然あると思います。その点につきましては今後とも努力をいたしたいと思いますけれども、いろいろな場合に申し上げておりますように、この法律はもちろん独立の法律でございますけれども、他の関連法律と横並びの問題もございますので、そちらの関係方面とも十分協議をしてやっていかなければならない問題だ、かように考えております。
#9
○安藤委員 私どもも努力をするつもりでございますけれども、一層努力をしていただくということをお願いしまして、次に、国民金融公庫あるいは沖縄振興開発金融公庫から年金の権利を担保にして融資を受けることができるという法案ですが、国民金融公庫から借りる場合の利息というのはどういうことになりますか。
#10
○前田(宏)政府委員 この法律、いま御審議をいただいているわけでございますので、これが制定されました場合に具体的に決まると言えば決まるわけでございますが、やはり先ほど申したようなことで関連法律もございますので、それが先例になろうかと思いますが、国家公務員災害補償法の場合につきましてはすでに改正されているわけでございますので、その場合の国民金融公庫等からの貸し付けを受ける場合の利息、これは年七・三%ということになっていると聞いております。
#11
○安藤委員 これは国民金融公庫に対して財政投融資の方から利子補給というのがもともとなされているから、それで七・三%ということになっておるわけだろうと思うのです。そうしますと、これはすぐれて大蔵省との間のいろいろな折衝ということになってくるかと思うのですが、やはりこれも普通の、たとえば各地方自治体が、私のところで言いますと愛知県の信用保証協会なんかが保証をして金融公庫から金を借りるというような場合は、もっと利息が低いですね。たしか六%を割っているというふうに聞いているのですが、それから比べるとやはり高過ぎるという感じがしますね。だから、それは大蔵省が云々と言われてしまえば身もふたもないわけでありますが、やはりこれも一層の努力をしていただきたいと思うのですが、どうでしょうか。
#12
○前田(宏)政府委員 どうも、御質問の中で先に言われたので、お答えのしようがないわけでございますが、できるだけ利率を低率にするということが望ましいことだというふうに思います。ただ、これも先ほど来申したことと共通のようなことになって恐縮でございますけれども、やはり横並びの問題もございますので、御意見等は財政当局にも十分伝えて、いわば一体として問題を考えていただきたいというふうに連絡もいたしたいと思っております。
#13
○安藤委員 それから、これは先回も出た話なんですが、この証人等の被害についての給付に関する法律では、年金にしろ一時金にしろ、生命、身体に害を加えられた場合に限定されているわけですね。しかし、そうばかりではなくて、いろいろ商売の取引上差別をされるとかあるいは妨害をされるとか、あるいは外出もちょっと控えなければ都合が悪くなるとか、あるいは精神的にいろいろ苦痛を与えられるとか、名誉棄損的な行動をとられるとか、いろいろそういう精神面においての被害というのもやはりあるはずだし、現実にあるということも私、聞いておるのですが、その辺のところについては、そういうような被害についてもこの法律の中に加えていくというような方向でお考えになっているということはないのでしょうか。
#14
○前田(宏)政府委員 確かに、証人あるいは参考人の供述あるいは出頭に関しまして、生命、身体に対する加害行為以外のいろいろな行為があり得るわけでございます。ということでございますから、それを対象にするのは適当でないというわけでもないわけですけれども、やはりこの法律による給付の性質と申しますか、基本に戻るようなことになりますけれども、一種の損害賠償と言えば損害賠償のようなことでございますが、そういう場合にはやはり行為者の故意、過失とかいうことが問題になって、それで初めて賠償ということが起こってくるというのが一応の基本的なことであろうと思いますが、そういうようなことを一応抜きにいたしまして、いわば国の制度として一つの立法政策としてこのような事態につきましては国が何らかの給付を行うということで、そういう損害賠償的なものの基本的な考え方を離れて、特殊な制度としてつくったものであるわけでございます。そういうことでございますから、あらゆる場合の損害というものを考えていくということが、この制度の性質から見てなかなか困難な面が一つあるというふうに思うわけでございます。
 先ほど来のようないろいろな場合につきましては、損害額というようなものを一々個々的に考えていかなければならないというわけであろうと思いますし、特に精神的な損害といいますか、そういうことになりますと、千差万別と言えば千差万別のようなことになるわけでございまして、この法律のようないわば定型的なといいますか、そういう制度にはなかなかなじみにくい問題があるんじゃないかというふうにも思うわけでございます。
 先ほど来申しておりますこととも関連いたしますが、他のこういう補償あるいは国の給付制度ということとのバランスの問題等もまた出てくるわけでございまして、そういう基本的な物の考え方から来る問題点あるいは今度は技術的な面から来る問題点、いろいろな問題があるわけでございまして、それらを通じてこの法律と関連する類似の法律においてどこまで似たような問題を解決していくかという問題がまたあるわけでございますので、そういうことをにらみながら、どこまでこの法律の対象にすべきかということにつきましては、なお今後とも検討はさせていただきたいと考えております。
#15
○安藤委員 いろいろと答弁をしていただいたわけですが、やはり最初におっしゃったように、精神的な被害、精神的な苦痛を加えられたことに対する給付ということもこの対象に入れてはいけないわけではないというふうにおっしゃったその考え方を、やはりもっと進めていただきたいと思うのです。これは特別立法政策として国が給付をしてやるんだみたいなところがどうも抜け切れない。だから、こういうふうにその身体または生命に対する被害を受けた人だけに限定しても、その人たちに国が特別に給付をしてやるんだからそれでいいではないか、こういうような議論になってくるわけですね。
 前に新宿のバス放火事件等が一つのきっかけになったと思うですが、その前からもいろいろ運動はされておったようですが、犯罪被害者交付金ですか、あれなんかも提案をされましたときに、交付金というのはどうもおかしいじゃないかという議論が出てくるのですね。
 これはあくまでも、そういう事実あるいは真実を法廷で証言をしていただくということによって、三権分立の一つの司法の面において国民の皆さん方が積極的に協力をしてくれた、あるいはくれるわけですね。だからそれに対して、とんでもないけしからぬことなんですけれども、出廷したこと、証言したこと、あるいは参考人として事実を供述したことによって被害を受けたということになれば、これは国の方が積極的に損害を賠償する、こういうような考え方に基本的に立たないと、一般国民は納得しないというふうに思います。だから、これは特別に給付してやるんだというふうな考え方をまた基本的に変えていただく必要があるのではないかと思うのですよ。
 たとえば、これはいろいろ私も聞いておるのですが、有名な話ですから一つ例を挙げて申し上げたいと思うのですが、ハチの一刺し証言をされた榎本三恵子さん、この人は十月二十八日に証言をされて、そして一般国民、それから新聞の社説なんかでも一回か何回か取り上げられて積極的に評価をされて、りっぱな勇気ある行動だというふうに報道もされ、評価もされる。それから新聞の投書欄にも、勇気ある証言だ、積極的にその行為をたたえるという投書がずっと相次いだのですが、その二日後の十月三十日に奥野法務大臣の例の人の道発言というのが出てきて、朝日、毎日などの新聞の社説もこの奥野法務大臣の発言に対して強く批判をするというようなのがずっと載ったわけですね。
 ところが、それから少したってからどうも調子がおかしくなっているのですね。十一月十日に、これは総理大臣が国会で陳謝をした後であるにもかかわらず、法務大臣が重ねて榎本証人に不満を表明をして、感情の起伏の激しい人というようなことを言い出して、そういう人を証人にさせるのはどうかと思うということまで言い出したわけです。それから、これは主として週刊誌なのですが、私はあえて雑誌の名前は言いませんけれども、十一月の十三日、二十日、十九日、二十六日、二十八日号。二十六日号はまだほかにもありますけれども、たとえば、私怨のにおいが濃いとか、あるいは近所で評判が悪いとか、子供がどうかとか、離婚してからクラブのホステスをやって、しかも店を転々と変わった等々ということがずっと出てきておるわけです。
 榎本三恵子さん御自身は、御自分の手記の中でいろいろな中傷や誤解は覚悟の上だということは言っておみえになりますから、たとえこの精神的な苦痛に対して請求をして被害に対する給付金が受けられるという制度があったとしても、三恵子さんは請求はしないだろうと思いますけれども、これがほかの人たちだったら、いま言いましたようなことをちょっと言っただけでも、これは全く名誉を侵害する、名誉棄損行為をやられているわけですね。ちょっと町へ出ても、あの人はこの前ああいうことを言って嫌だったというので後ろ指を指されたり、あるいは意識的にそういうようなことを流されるということもなきにしもあらずだと思います。
 そういう点からすると、先ほどるる細かい説明をおっしゃったのですけれども、最初に言いましたように、いまは精神的な苦痛に対する給付はしないということになっておりますけれども、損害賠償という考え方を基本的に確立すれば、きっちり決めていただけば、精神的な苦痛に対する被害を弁償する、賠償するというようなこともするっと出てくる話じゃないかと思うのです。だから、その点についても法改正というようなことで考えていただきたいということを重ねて要望して、それに対する決意を話していただきたいと思います。
#16
○前田(宏)政府委員 先ほども最後に申しましたように、関係省庁もあるわけでございますから十分検討させていただきたいわけでございますけれども、別に、安藤委員の仰せのように給付してやるんだというような気持ちを持っているわけではございませんで、やはり国の損害賠償責任という本質についてはいろいろな考え方があるわけでございまして、どこまでそれが国の責任なのかということが必ずしもはっきりしない点も実はあるわけでございます。先ほど仰せになりました犯罪被害者に対する国からの給付ということにつきましても、この性質についていろいろ議論もあったわけでございますし、また、これはそれといたしまして、その対象についてはどこまで広げるべきかということが現にありまして、あの法律でも、いわば生命、身体に対する暴力的な行為ということから出発しているということでございまして、要するに、こういう制度でどこまで広げるか。それは国の負担だというものの、さらにさかのぼれば国民の負担ということでございますから、こういう場合にどこまで国を通じて国民が負担するのだという基本的な物の考え方、その辺の整理をした上でないとはっきりした結論が出ないのではないかというふうには思っているわけでございます。
#17
○安藤委員 いろいろ理由をお述べになっておられるわけですが、やはり基本的には損害を賠償するというような考えに立って努力をしていただきたいということを要望しておきます。
 そこで、この法律の中身についてちょっとお尋ねをしたいと思うのですが、五条の一項の四号、遺族給付というのがありますね。これは当然のこととして傷害致死の場合も含まれると思うのですが、どうでしょう。
#18
○前田(宏)政府委員 この法律では、給付の要件といたしまして三条に定めてあるわけでございまして、さらに、その給付の内容としては五条にあるわけでございますから、おおむね傷害致死の場合が入ると言ってよろしいと思いますが、別に犯罪の成否そのものとは直接関係がないということでございます。
#19
○安藤委員 それでは、重傷を負わされてその治療中に余病を併発して、たとえば肺炎など起こして亡くなったというような場合も、生命に対する被害を受けたということでその遺族に対して遺族給付が支給されることになるのでしょうか。
#20
○前田(宏)政府委員 犯罪の成否と直接関係はないと申しましたけれども、考え方は似たようなことであろうかと思いますから、やはりその加害行為と結果との因果関係ということが問題になるのだろうと思いますので、因果関係があると認められれば当然対象になると思います。
#21
○安藤委員 その因果関係論をいまここであれこれ言うつもりはありませんが、重傷を負わされて治療に専念しなければならぬような状態にならなければ、というのは、けがをさせられなければ肺炎を併発するということもなかったであろう、これはいわゆる因果関係論の中身なのですが、そういうようなこともあるわけですので、細かいこと、厳しいことを厳密に言えば、もっと注意をしておったら肺炎になんかならなかったのだとかいろいろな議論が出てきて、あるいは支給されなかったり、あるいは減額されたりというようなことになっても気の毒だと思うのですね。その辺については何か配慮をするというようなことはやっておられるのでしょうか。
#22
○前田(宏)政府委員 特段の配慮ということもないわけでございますが、たとえば四条に「給付の全部又は一部をしないことができる。」場合が規定されておるわけでございますからその問題にも関係してくるわけでございますけれども、そのことにつきましてはこの前の改正の際にもいろいろ御議論がありまして、この規定はなるべく支給しないようにするための規定ではないかというような御議論も、極端に言えばあったわけでございます。そこで、そういうものを受けまして、前回の改正の直後におきます刑事局長通達において、そういう狭い考え方ではなくて、やれるものはできるだけやるようにということを通達しているわけでございますので、そういうことで一応の解決を図っておりますし、また、現実に遺族給付でいま御指摘のようなことがいろいろ問題になるという事案がございませんわけですが、その場合には現地限りではございませんで、当然本省の方で十分検討して結論を出すわけでございますから、遺族の方に許す範囲内でできるだけ緩やかにといいますか、そういう考え方で対処いたしたいと考えております。
#23
○安藤委員 次に、五条の二項の関係です。これはいわゆる休業給付の関係ですが、これによりますと「従前得ていた業務上の収入を得ることができない場合において、他に収入のみちがない等特に必要があるときは、休業給付を行うことができる。」こうなっておるのですね。そうしますと、従前から行ってきた業務について、たとえば足をけがさせられて、そのことによって営業活動の範囲が狭まって収入が減った、しかしほかにも収入があるというような場合は、やはり支給されないというようなことになるのでしょうか。
#24
○前田(宏)政府委員 いわゆる休業給付の規定につきましては、その要件の書き方もなかなかむずかしいわけでございますので、おのずからこういう表現にならざるを得ないのだろうと思いますけれども、いま御指摘の点から申しますと、従前得ていた業務上の収入を得ることができないということが一つの要件でございますが、「他に収入のみちがない等特に必要があるときは、」この運用いかんということになるわけであろうと思います。ですから、他の収入というものがどの程度であるかというようなこと、要するに、従来そういう事故がなければそれなりの収入があって生活が行われていたわけでございますから、それとの均衡をよく考えて、その損失といいますか収入の減といいますか、そういうものを補てんしなければならないという実態があれば、この「特に必要がある」というものの運用でカバーできるのではないかというふうに思っております。
#25
○安藤委員 そこで、いまの休業給付が受けられるという場合に、障害給付ですね、五条の一項三号、この障害給付との併給、両方とも支給を受けることができるのでしょうか。
#26
○前田(宏)政府委員 お尋ねの点につきましては、まず結論から申しますと、併給ということはこの制度では考えていないというふうに理解をしておるところでございます。
 これはいろいろと給付の種類がございまして、すでにお尋ねもございましたように、最初、負傷、疾病している場合に必要な療養を行うという場合には療養給付から始まるわけでございまして、その場合に必要に応じて休業給付が行われる。そして一年半たって、まだ負傷、疾病は治っていないけれども相当重い身体障害があるという場合に傷病給付というのが行われる。これは後から追加されてきた給付でございます。だんだん経過いたしまして、その負傷または疾病が一応治った、そしてなお身体障害が残っているという場合にいまお尋ねの障害給付になる、こういう仕組みになっておるわけでございまして、いわば傷病給付まではその負傷または疾病が進行形のような形になっておるわけでございますから、その場合にはいわゆる療養の費用あるいは休業給付、あるいは重い障害がまだ治りきっていないという場合に、中間における傷病給付というものを順次行っていきまして、そして一応治った、それでどういう身体障害が固定したかということによって障害給付ということに移る。
 この場合の障害給付というのは、一応治った状態で身体障害が残っておる、そのことによる労働能力の喪失なり低下なりというものについて給付をするわけでございますから、観念的な言い方かもしれませんけれども、いわゆる休業給付というものも包括したといいますか包摂した給付としてその障害給付というものが設定されている、こういうふうに考えられるわけでございます。
#27
○安藤委員 どうもよくわからないのですね。併給というのはもともと考えられないのだ、考えていないのだというふうにおっしゃるのですが、この法律が準拠するというか、これのもとになっておる警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律、この施行令の第六条の二の三項によると、「傷病給付を受ける者には、休業給付は、行わない。」これは傷病給付と休業給付の併給はしないとはっきりうたってあるのですよ。だから、私がいまお尋ねした障害給付と休業給付との併給は行わないというのは、あるいはもともと併給はしないというのはどこかに根拠があるのですか。
#28
○前田(宏)政府委員 ただいまの傷病給付と休業給付を併給しないということは、私の方の法律の施行令にも同種の規定がございます。これは先ほど申しましたように、傷病給付というのは、負傷または疾病が進行中と言うのが適当かどうかわかりませんが、そういう状態のものであるということを申したわけでございまして、そういうことから、事柄の性質上並行的なものである。ですから、特段の規定を設けないでほっておきますと、併給という理解が出てくるわけでございますが、その辺の誤解があってはならないので、特にそういう規定を設けた。特に傷病給付は、重い等級の身体障害の者で一級から三級まででございますから、その中にはそういう要素も考えているというものも実質的にあると思いますけれども、ただ、先ほど来私が申しておりますのは、事柄の性質上、傷病給付の場合には特段の規定がないと併給という理解も出てくる余地がございますけれども、障害給付の場合にはその性質上出てこないといいますか、そういう理解にむしろなるのが解釈として正しいといいますか、相当ではないかというふうに考えるということを申したわけでございます。
#29
○安藤委員 さっぱりわからぬですわ。あなたは非常に苦しい言いわけをしておられるとしか思えないのです。障害給付というのは、先ほどのお話からすると、病状が進行形ではなくて、医学的にはもう治ってしまったけれども身体的に障害が残ったという場合の話でしょう。そして、従前行っていた業務上にも支障ができて収入が減った、こういう場合は幾らでもあると思うのですね。そういう場合に併給をしないと言うには、やはり障害給付を受ける者には休業給付は行わないという、どこかに法文上きちっと規定があるならともかく、全くそれはないのですから、普通の法律の読み方でいけば、「傷病給付を受ける者には、休業給付は、行わない。」と特に書いてある以上は、ほかの場合は行っていいんじゃないか、行うべきだというのがこの読み方じゃないかと思うのですよ。だから、いまおっしゃった方が正しい解釈じゃないかと思うとおっしゃったって、根拠は何もありはせぬですよ。その点どうなんです。
#30
○前田(宏)政府委員 先ほど御説明を漏らしたようなことでございますが、まず、この五条二項の休業給付は、「被害者が負傷し又は疾病にかかり、そのため」云々と、こういうことを要件にいたしておりまして、これは読み方両説あるかもしれませんけれども、私どもの理解では、この「負傷し又は疾病にかかり、」というのは、つまり負傷または疾病が私の言葉で言えば進行中であるというふうに解するわけでございますので、この二項の休業給付の要件からして、いわば文理上、負傷、疾病が治って身体障害が存しているというのが障害給付の場合でございますから、負傷、疾病にかかり、その状態にあるために業務上の収入を得ることができないという要件を欠くという文理上の問題を先ほど申さなかったわけでございますけれども、この休業給付の要件からいたしまして、そういう障害が固定した場合を含んでいないということになるわけでございます。
#31
○安藤委員 私は、どうも法令上の根拠なしに併給をやらない方針をとっておられる、実際にそういう措置をとっておられるとしか思えないわけです。これは法務大臣の裁定というのは行政処分だと思うのですが、そうしますと、それに不服の場合は行政不服審査法ですか、これに基づく不服申し立てができるわけですね。だから、いま刑事局長さんがおっしゃったような言い方がそういう場合に裁判で通るのかどうかと私は疑問に思いますよ。だからといって、障害給付を受ける者は休業給付は行わないなんということを私は書けということを言っているのじゃないのですけれどもね。やはりこういう規定の上からすれば、障害給付とそれから療養給付、これと休業給付は併給すべきじゃないかと思うのです。だからその辺のところを、どうもよくわからぬので、私がいま言いましたように併給するという方向で考えるべきじゃないかと思うのです。そのことは議論しても余り進行がないと思いますので、これはやめます。
 そこで法務大臣、お聞きしますよ。これは何もそうむずかしいことをお尋ねするわけじゃないです。これは被害を受けた人が請求をするという手続になっておるわけですね。こういうふうに被害を受けましたから幾ら幾ら支給してくださいという請求をするというたてまえになっておるのです。しかし、請求といっても、いろいろ聞きますと、請求をしたことによってよけいまた嫌がらせだとか何やかんや受けるという場合もあるという話も聞いているのです。だから、これは請求なんかしないで、そういう事実があってそれをキャッチしたら、検察庁の方で立件をしていく、そういう請求を待たないで。そういうようなことを考えてもいいんじゃないかなという気がするのですが、その辺のところはどういうふうに考えておられますか。
#32
○前田(宏)政府委員 こういう給付制度におきましては、やはりそういう権利を受けたいという人の請求を待って国側が結論を出すというのが、一応原則的な物の考え方だろうと思うわけでございます。ただ、いま御指摘のようなこともあるわけでございますので、私どもといたしましては、そういう被害を受けた方につきましては、こういう制度になっておりますよということを積極的に申し上げて、そして手続をしていただくというふうに配慮しているわけでございまして、こういうことも先ほど申し上げました通達の中に盛り込んで出しております。
#33
○安藤委員 では、結構です。終わります。
#34
○羽田野委員長 林百郎君。
#35
○林(百)委員 証人の被害についての給付の法律、給付を受ける者の便宜を図るというこの法案については異議がありませんが、この法律は証人の身体または生命に害を加えられたとき初めて発動するので、問題は、身体や生命に害が加えられてしまったんではもう終わりなんで、害を加えさせないようにするのが、ことに裁判所の責任だと思うのですよ。
 私の方が法務省からいただいた資料を見ますと、昭和三十四年には京都地方裁判所の舞鶴支部の法廷の廊下で、強盗傷人被告事件の証人である被害者が待機中、公判出廷のために同所に居合わせた被告人から、おまえは警察で不利な供述をしたなといって軽便かみそりで、これは内縁の関係にあったというから婦人だと思いますが、顔面を切りつけられた。庁舎の中でこういうことが行われているわけですね。
 それから四番目の例は、昭和四十三年十一月十三日名古屋地方裁判所豊橋支部の第五行法廷で、傷害等被告事件の証人である被害者が証言をしているときに、被告人が後ろからボールペンで顔面を突き刺したというのですね。
 これは裁判所が、公判廷で証言しているときにその証人に傷害を加えられたり、あるいは廊下で出頭を命ぜられたから裁判所に協力するために待っている間にかみそりで顔を切られる、こういうようなことをそのままにしておいていいのか、法廷の秩序を維持するのは裁判所の責任ですからね。私はそこが心配で仕方がありませんので、裁判所に聞いているわけなんです。
 私も、こうしたらどうかというある程度の具体案も持っています。まず裁判所の心構えで、私ははっきり申しますが、証人に出てくるということは、主権者である国民が司法に協力するために出てくるのですから、裁判所が一段高いところにいて、証人を呼び寄せてそれに物を尋ねるぞということではないのですよ、新しい憲法のもとでは。自分の生計を持っておる者がそれを犠牲にして裁判所へ行くわけですから、普通は、裁判所から呼び出しの通知など来れば、本当は嫌なんですよ。それを協力して出ていくでしょう。出ていって証言しているときに、後ろからボールペンで目を突かれて目をつぶしてしまったり、あるいは廊下で待っている間に軽便かみそりで顔なんか切られたら、これはとんでもないことなんですね。そういう主権者である、しかも司法に協力するために犠牲を払って来ている人にこんな被害を加えて、これは金でかえられないことなんですよ。裁判所はどういうようにお考えになっっているか、お聞きしたいと思うのです。
#36
○小野最高裁判所長官代理者 ただいまの林委員の御指摘は、全くそのとおりでございます。証人が法廷に参ります、これは全く事案真相解明のために御協力いただいているわけでございまして、しかも国民の義務としてどうしても出頭しなければいけないということで御協力願っているということでございますので、証人がおいでになったときにこういう危害が加えられるようなことがあってはならないということはもう当然のことでございまして、裁判所どこにおきましても、そういうことが起きないように十分注意しているところでございます。
 いまの御指摘は、昭和三十四年の京都地裁舞鶴支部で起きた事件などでありますが、その前にも、三十一年ごろにやはり法廷で証人を追っかけていって凶器で危害を加えるというような事件がございました。それは身柄拘束中の被告人のようでございますが、その直後に、そういうことで法務省、裁判所いろいろ検討いたしまして、そういう被告人の所持品の検査というようなことも行政の方で厳重にしていただく、裁判所は裁判所でそういうことがないように十分に配慮しなければいけないということで、昭和三十一年に最高裁判所の事務総長の通達を全国に出しまして、そういうことで遺憾のないようにしてもらう、十分配慮してくれということをお願いして、御協力を願っておるわけです。
 ただいま法廷の廊下というような問題もございましたが、まず、証人がおいでになりました場合に証人だけがおられる場所がなければいけないということでございまして、その後、庁舎につきまして証人控え室を何とか確保するということで努力してまいっております。大体地裁関係では、全部と言っていいぐらい証人控え室をいま準備しております。たまたま乙号支部の中で、古い庁舎でまだその余地がないというためにできないところは全国でほんのわずかございますが、そういうところでは、証人に出頭いただきましたら、書記官室なり適当な場所でお待ちいただくというようなことをしております。
 それから、いろいろ事件を見てまいりますと、特にこういう証人については危ないとか、弁護人あるいは検察官の方からこういう事件については証人について十分配慮が必要であるという連絡がございましたり、あるいは証人自身から、私はこういうことで心配なんだという御連絡もあったりします。
 そういうような事案につきましては、証人に御出頭いただくときに初めから書記官室に来ていただくとか、あるいは全く別なルートで、たとえば検察側証人ですと、検察庁にまず来ていただきまして検察事務官に裁判所の方に連れて来ていただく。連れて来ていただいた上は、裁判所の方で廷吏なり警備員なりをずっとつけまして、書記官室にお連れする。書記官室にお連れしてからは、法廷の出入りすべて裁判所職員がそれぞれ付き添い、専用通路のあるところは専用通路を通っていただく。
 また、法廷内では、被告人の着席場所と証言台との位置関係を十分に配慮する。被告人が証人の証言台のすぐ後ろにいるというようなことがないようにいたしまして、弁護人の前あるいは横に被告人を置く。証人の証言台は少しずらすとか、東京あたりでございますと、もう全然反対側の検察側に近い方に置いております。そういうようなことで、危害がそれでもなお心配な場合もございますので、そういうときには廷吏をその証人の前あたりに置くとか、そういうことで、仮に被告人がそういう気を起こしても、そういうことがないようにという万全の措置をそれぞれ講じているということでございます。
#37
○林(百)委員 あなた、現場を知っているかどうか。高等裁判所、私も高等裁判所へよく行きましたが、民事の方でもそうですし、刑事の方でもそうですが、刑事なら二つか三つぐらい事件があります。民事なら五つか六つありますね。前の事件が終わるまでは、後の事件の人は廊下で待っているわけです。廊下は十メートルもずっとあるわけです。そこへみんな、証人の人も関係者もただ並んでいるだけなんですよ。高等裁判所のフロアに、あなたの言うようなそんな証人の特別控え室なんというのはないですよ。何か囲んだようなものがあるのですが、それは何でそこにあるかわからないですよ。それからあなたは、廷吏廷吏と言いますが、廷吏は法廷へ入ってしまえば、廊下のことなんか全然気がつきませんから。
 私は、きょうは刑事の問題だけで刑事局長を呼びましたが、お話を聞くと、民事でも最近は非常に深刻で、そういう傷害のことがお互いにあるといいますが、これは家庭裁判所なんかはそれぞれ控え室が幾つもあって、別々に控えさせていますが、刑事事件あるいは民事事件の、ことに高等裁判所の証人と被告人との関係は、あなたの言うような施設はありませんよ。これからつくるという意味ですか。つくってもいいですけれども、それは何のためにつくるのか。また、そこに廷吏か何かがいて、そこを見張ってでもいなければ、廷吏が法廷へ入ってしまえばそこは空っぽですから、ずっとお互いに証人と被告人が並んでいるわけですね。
 もし暴力団なんかで、たとえば覚せい剤なんか、私はこの被告の人から覚せい剤をだれだれに渡せと言われて、何グラム受け取って渡しましたなんということを、あるいはだれだれに注射しましたなんということを下手に言ったら、これは何をされるかわからぬですよ。これはあなた方の想像以上ですよ、暴力団が何をするかというのは。
 そういう被告人と証人が同じ廊下にずっと並んでいるというようなことを、あなた一度ごらんになったらいいと思うのですよ。あなたが言うような施設があるかどうか。それはどうなんですか。実際あるのですか。そんなものは、高等裁判所の刑事法廷の前にちゃんと証人を入れて、身の安全を図るように廷吏がちゃんとついているというようなものはございませんよ。とんでもない話ですよ、これは。
 しかも、私はいろいろ刑事訴訟法を調べてみたのですが、証人は出頭義務に違反すれば過料だ。それからさらに、再度の召喚に応じなければ勾引もできる、あるいは留置もできる。証言を拒否すれば過料に処せられる。これは一たん証人となれば、被告人よりはもっと責任は重い。むしろ被告人の方が証人より権利が保障されていますよ、一たん被告人となれば。そういう人が命がけで出ていかなければならない状態に放置しておくというのは、これは裁判所の怠慢ですよ。そう思いませんか。あなたは一度現場を見てごらんになればわかる。どうですか。
#38
○小野最高裁判所長官代理者 ただいまそういうところがあるという御指摘でございまして、もしそういう実情であればまことに申しわけないことであると思います。控え室がありましても、あるいは証人の方がそちらにいらっしゃらないという場合もあるかもしれません。あるいは先ほどちょっと申し上げましたように、設備がまだできていないというところも現実に確かにございますので、そういうところでは書記官室に来ていただくというように言っておりますが、いま御指摘のような事態がございますとすれば、これは証人に大変御迷惑をかけるわけでございますので、調査して十分対処するようにいたしたいと思います。
 なお、廷吏でございますが、これは大体そういう事件で特に危険だと思われるようなことでございますと、証人の尋問前後には廷吏がついていく、あるいは警備員を配置するというようなことは、ずいぶんやっているはずでございます。
#39
○林(百)委員 予算の関係もありますし、臨調なんかでなかなかそういう庁舎の改善も御苦労だと思いますが、しかし、事は基本的人権にかかわる、ことに生命、身体の危険にかかわる重要な問題ですから、いかに臨調であろうとも、この予算だとかそういう施設は、やはり裁判所としては毅然として要求しなければならないと思うのですよ。
 それで、控え室があると言いますが、高等裁判所で刑事の証人に呼ばれた、その証人のいる控え室というのはないですよ。何か小さい控え室みたいなものがありますけれども、廷吏もだれもいない。それは何のためにあるかわからないわけです。弁護人が行って書類を調べている場合もあるし、そして被告人と弁護人で打ち合わせしているところもあるし、特に証人の身柄の安全を保障するためにあるなんということは全然わからない。そんな表示もありませんしね。そこは現場をよくごらんになって、改善する点は改善しなければいかぬと思うのです。
 そういう施設、これは本日出廷した証人の控え室でありますから、廷吏の了解なくして無断に入らないようにしてくださいとか、そういう表示をしておくとか、それから、前の事件が済むまで後の人は待っていなければいけませんから、場合によっては順番が来るまで書記官室の方へ証人を待たせておいて、そして順番が来たら廷吏が書記官室から連れてくるようにしてやるとか、とりあえずそういうことが必要じゃないかと思うのですがね。どうでしょうかね、具体的な提案ですけれども。
#40
○小野最高裁判所長官代理者 御指摘の点はまことにごもっともでございまして、私どももそうするようにいままでも指導しておったわけでございますが、まだ徹底していないということのようでございますので、さらに徹底するようにいたしたいと思います。
#41
○林(百)委員 刑事訴訟法にも一応そういうことは配慮した条文もあるわけです。たとえば刑訴の百五十八条で、証人調べを所在で尋問するとか、そういう裁判所が行って尋問する。そういう場合、憲法で被告人の尋問権もありますから、被告人を連れていかなくていいかどうか。できたら裁判所が勧告して、弁護士さんが行くから弁護士さんに任せたらどうかというような助言もしてみる必要があると思います。
 それから、期日外の証人尋問というのは、これも私はよくわかりませんけれども、恐らく被告人を連れていかないわけにはいかぬのじゃないかと思うのです。しかし、これも弁護人がついているとすれば、弁護人で足りるとすれば、期日外の尋問をやるとかあるいは被告人の退廷を命じて自由な証言をさせるとか、しかし、これも被告人の尋問権がありますから、やはりその要旨は告げて、なお不十分な場合は証人に証言をさせなければいけませんからね。何としても、一たん被告人になりますと、むしろ証人より被告人の権利の方が保障されている、これも結構なことだと思いますけれども、だからといって証人の身体や生命に危害があってはいけませんので、こういうものも運用しながらいまあなたの言った施設も改善するように、裁判所、十分考えてもらいたいと思います。
 法務大臣、これは基本的人権にかかわることで、私の言うことお聞きになっていたかどうかわかりませんけれども、閣僚ですから、あなたも協力してやって、こういう点は十分考えてやりませんと、もし下手言ったら次の日には舎弟か何かにばさっとやられていた、覚せい剤か何かをどこかへ持っていったとかということをよくも法廷で言ったな、そんなことになったら、証人として裁判所への協力はできないことになるわけですね。昔と違って、天皇の名において裁判をやっているのじゃなくて、主権者である国民の司法権なのですから、証人は主権者としてそれに協力するわけですから、これは尊重してやらなければいかぬと思います。被告人の権利も大事ですが、同時に、ことに証人の身体や生命に対する保障は十分してやらなければいかぬと思います。
 そういう意味で、大臣も閣僚として今後施設の改善だとかあるいは人員を配慮するとかいう点で協力されるかどうか、それを局長と大臣に聞いて、私の質問はこれで終わります。
#42
○坂田国務大臣 林委員おっしゃるとおりだと私も思います。公正なる裁判が行われ、また、証人に事実の証明に協力していただくというためには、基本的人権がいかなる場所においても守られるということでなければいけない、そのための裁判所の建物やあるいはまたいろいろ人員等の獲得には、このような行財政改革という至上命令もございますけれども、必要なものはやはり確保していかなければいけないというふうに私も考えておる次第でございます。
#43
○小野最高裁判所長官代理者 先ほどから申し上げておりますとおり、証人に危害が加えられるということがあってはなりませんので、いま委員の仰せられましたことをよく承りまして、遺憾な点がないように今後とも努力していきたいと思います。
#44
○林(百)委員 局長、速やかにそういう措置を講ずるように、ひとつ部内でも協議していただきたい、国会でも問題になったからということで、していただきたいと思います。
 これで終わります。
#45
○羽田野委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#46
○羽田野委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。
 証人等の被害についての給付に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#47
○羽田野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#48
○羽田野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
#49
○羽田野委員長 次に、内閣提出、船舶の所有者等の責任の制限に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。太田誠一君。
#50
○太田委員 まず最初に、海事債権の責任を制限できるというこの制度について、これは古くから世界的に認められてきたというふうに言われるわけでありますけれども、古くから認められてきたということは、古い時代の常識というものがいまだに残っているものかもしれないということを考えなければならないわけであります。
 かつてのイギリスの商船隊が世界をまたにかけていた時代の西欧先進国の経済の中で、大きな船が事故を起こして、被害が非常に大きくて当事者だけではとても負担をし切れないという時代と違って、いまのように経済全体の規模が大変大きくなって、あるいは船舶の所有会社の規模も大変大きくなった時代に、少々の事故で――もちろんその会社があしたにもつぶれてしまうというふうな場合も間々あることではありますけれども、必ずしもいまの時代に責任制限をする必要があるかどうかというところは、大変素朴な疑問を感じるところでございます。特に保険システムというのが十分に発達をしているわけでありまして、そういうときに、これだけの責任制限をするというふうな条約が依然として強い効力を持っているということについて素朴な疑問を感じるわけでありますけれども、この点について、これはグローバルな問題ですので大臣から――局長でも結構です。
#51
○中島政府委員 確かにおっしゃるような一面があるわけであります。したがいまして、御質問にありましたような意見を述べておられる学者もおられるわけであります。しかしながら、船舶所有者等と申します場合に、必ずしも大規模な海運業者ばかりというわけではございませんで、雰細な漁民も船舶所有者として、したがいまして責任主体として登場してくることになるわけであります。そうなりますと、海上企業が危険性の大きい企業であって、一たん事故が発生すると巨額の損害が発生をして、企業の採算性や保険への責任転嫁の限界を超えるという事情は、現在でもなお存在しているものと言わざるを得ないと思うわけであります。そのことと、それに加えまして、海上企業の国際性ということから申しますと、わが国だけが責任制限を認めないということは、実際上大変困難であるというような事情もございます。
 さらには、今回の改正法によりまして責任限度額の引き上げ等が行われまして、船舶所有者等の責任制限について一層改善された制度が定められておる、被害者の保護を図っておるというようなことを考えますと、直ちにこの責任制限制度を廃止するということは相当でないということを考えておるわけでございます。
#52
○太田委員 考え方はわかりました。
 ところで、この千九百七十六年の海事債権についての責任の制限に関する条約の署名国及び批准または加入国並びに同条約の発効の見通しはどうなんですか。
#53
○中島政府委員 現在、批准または加入した国というのがフランス、リベリア、スペイン、連合王国、イエメン、以上五カ国でございます。署名のみを行っている国といたしましてデンマーク、フィンランド、ドイツ連邦共和国、ノルウェー、スウェーデン、以上五カ国があるわけでありまして、そういった実情などから考えまして、発効に必要な国が批准をする見通しといたしましては、来年になるであろうというふうな見通しを持っておるわけでございます。
#54
○太田委員 そうすると、条約の発効がおくれるということはないわけですね。
#55
○中島政府委員 各国とも批准に向けて手続中でございますから、見通しが大きくおくれるというようなことはないと思っております。
#56
○太田委員 条約の発効がおくれたとした場合に、改正法の施行の予定はどういうふうになるのですか。
#57
○中島政府委員 現在は一九五七年の条約が効力を持っておりまして、わが国もそれに加盟をしておるという状態でございます。これを破棄いたしまして、そして新しい条約に加入する、そして国内法をそれに合わせて整備するということになろうかと思うわけでありまして、この一九五七年の条約を破棄いたしますために一年の期間が必要になるということになります。したがいまして、新しい法律はその古い条約を破棄して後ということになりますので、一年以上二年以内ということで政令で定める日ということに予定をいたしておりますので、一九五七年の条約の破棄の見通しあるいは新条約の発効の見通し、そういうものをにらみ合わせながら新法の施行期日を決めたい、こういうことでございます。
#58
○太田委員 前にわが国が同条約への加入をした時期というのが、昭和五十年の九月九日閣議決定を経て、十二月十二日に採決をして船主責任制限法が可決をされ、成立をしたわけですね。ところが、運輸省から国内法をちゃんとつくってくれという要請をされたのが、昭和四十二年なわけですね。ところが、この条約そのものはいつからあったかというと、これは大分前からあって、しかも改正原案の検討に入ったのが昭和四十八年です。五十年十二月にこれは可決されて成立された船主責任制限法があって、これは旧条約に基づいてやってきた。四十八年にこれはすでに前の改正原案が国際的には検討を始められて、わが国で可決、成立した同じ昭和五十年十二月に、海事債権についての責任の制限に関する国際条約のための草案というものが確定をしたということになっているわけであります。そういたしますと、すでにわが国が批准をしたときに旧条約の再検討をする条約草案というのが確定をしていた。時間的なおくれが余りに長過ぎるのではないか。もちろん、これは国会の責任でもあるのでしょうけれども、四十二年に運輸省がこの条約に加入をしたいので国内法を整備してくれという要請があったならば、もっと迅速にこの法改正の作業ができなかったのかどうかというところをお聞きしたい。
#59
○中島政府委員 確かに大分時間がかかっておるようでございますけれども、この船主責任制限法というのは、従来の船主責任の制限制度を根本的に改めて金額的に制限をするということでありましたために、その基本的な問題の検討に時間がかかったというような事情もございますし、あるいは油濁の関係をどうするかというような関連部分の検討も必要であったというようなことで、ただいま御指摘になったような時間的な経過になっておるというふうに承知をいたしております。
#60
○太田委員 ちょっと話が前後いたしますけれども、米ソがいま加入をしていないわけですね。加盟をしていない、批准をしていないあるいは署名をしていないわけですけれども、これはどうして米ソは加入しない。
#61
○中島政府委員 それぞれの国情によることであろうと思いますけれども、伝統的なと申しましょうか、そういった責任制限制度というものが条約のたてまえと必ずしも同一でないというようなことが主たる理由であるというふうに承知をいたしております。
#62
○太田委員 よくわからない。もう一回ちょっと詳しく、アメリカでいいですけれども、アメリカはどうして加入しない。
#63
○中島政府委員 やはりそれぞれ国ごとに責任制限制度というものがあるわけでありまして、この条約の適用を見るということにおいては差はないわけでありますけれども、加入するそれぞれの国がこの条約に加入するかどうかということについては、それを国内的に踏み切れないものがあるのであろうというふうに理解しております。
#64
○太田委員 結局、よくわからない。どうしてアメリカが加入しなかったということはよくわからない。そうだろうということでしょう、いまの御説明。理由というのは、こういうことだから、アメリカはこういう価値観を持っているからこれに入らないんだ……。
#65
○中島政府委員 それぞれの真意と申しましょうか、内容と申しましょうか、深いところは私ども十分理解できないわけでありますけれども、やはり私どもの表面的に理解しておりますのは、それぞれの制度の違いということで申し上げる以外にないのではないかと思っております。
#66
○太田委員 内容に入らしていただきますけれども、賠償責任限度額比較表というのがございますね。この賠償責任限度額比較の中で、現行法では三百トン未満の船からスタートをして、ずっとその金額が上がっていくようなカーブが描かれるわけですね。いいですか。ところが、今度は三百トンから五百トンまではフラットであって、そこから金額が伸びていくわけですね。そうすると、これは先ほど御心配をされました零細な船主、船舶の所有者というところに、いわば所得税で言うところの逆進性が発生をするわけです。ですから、いままでよりもむしろ零細な船主の方の負担が過大になってくるのではないかということがここで想像をされるわけです。この点についていかがですか。零細な船主の方のことをむしろ考えなくちゃいかぬのじゃないか。
#67
○中島政府委員 船主側の事情というものも考慮しなければならないわけでありますけれども、それよりももっと考慮しなければならないのは被害者の救済であろうかというふうに思うわけであります。従来は三百トン以下のもの、四百トン以下のもの、五百トン以下のもの、こういうことになっておったわけでありますけれども、トン数の少ない船舶による被害の場合の救済措置が特に十分でないということが議論の対象になっておったわけであります。三百トンの船舶が物損のみを起こしました場合には六百九十万に限定されるという数字をごらんいただきましても、その責任限度が非常に低い、むしろ低過ぎるということがおわかりいただけるかと思うわけでございます。それで、そういう点をも考慮いたしまして、今回は五百トン未満の船舶については一律という制度になっておるわけでありまして、これは条約の内容をそのまま国内法化したということであります。ただ、もっと零細な船主のことを考えまして、百トン未満の船舶による物損というものにつきましては、特別の手当てをいたしております。
#68
○太田委員 もう一つ、内容の中で責任制限をされない場合として、従来は自己の故意または過失によって生じた損害というふうに責任を制限されない場合が規定をされていたのが、今回の改正では、自己の故意または損害発生のおそれがあることを認識しながら無謀な行為によって生じた損害というふうに変わったわけですね。この過失ということと、認識しながらの無謀な行為というのはどういうふうに違うのか。そして、これはいろいろ聞いてみますと、明らかに責任制限の範囲が拡大した、船主側に有利になったというふうにこれは読み取れるわけです。責任を制限される範囲が拡大したわけですから、これは船主に対して有利になるわけです。
 そこで、質問はそういうことですけれども、手元の資料によると、いま海難事故全体に占める責任制限を適用された事件というのは、数が非常に少ないわけです。これがこういうふうに責任制限の範囲を拡大をしたために大幅に広がる、責任を逃れることのできるケースというのが大幅にふえるということはあり得ないんでしょうか。そこのところを心配をしているのです。
#69
○中島政府委員 確かに条約の内容、したがいまして法案の内容は、御指摘のように、従来は船主につきまして故意または過失の場合には責任制限ができないということになっておりました。それを今回は、故意または無謀な行為の場合にのみ責任制限ができないということに改正になったわけであります。ただ、それと関連いたしまして、船長等につきましては、従来は故意の場合にのみ責任制限ができないということになっておりましたのを、今回は、故意及び無謀な行為の場合に責任制限をすることができないということで、責任制限をすることのできない場合を広げたわけでございます。
 ところで、この無謀な行為でございますけれども、たとえばあらしが来ておる、その最中に出航をすれば事故発生の危険は非常に高い、そういうことを認識しながら、通常人であれば当然思いとどまるべきであるような状況のもとで出航をした、あるいは船主の場合であれば出航を命じたというようなことが、この「損害の発生のおそれがあることを認識しながらした自己の無謀な行為」に当たるであろうというふうに理解をしておるわけでありまして、従来の過失ということから考えますと、かなり場合が限定をされてくるということは御指摘のとおりであろうかと思うわけでございます。
 ただ、そのことによって従来と実態が変わってくるのだろうかということでありますけれども、船舶所有者等につきまして、従来から自分の過失によって責任を負う場合というのは数が非常に少ないわけでありまして、むしろそういう場合はなかったと申し上げていいかと思うわけであります。これはむしろ船長とかあるいは従業員の過失に基づいて使用者責任を負うというケースが大部分であったわけでありますから、実際上の影響はほとんどないというふうに考えております。むしろ、先ほど申しましたように、船長について責任制限することのできない範囲を拡大したということが、実際上の影響が出てくるのではないかというふうに考えております。これもこの条約の内容をそのまま国内法の規定としたということは、申し上げるまでもないことでございます。
#70
○太田委員 さっきの、あらしが来て船が海難事故に遭うという可能性があることが大体わかっていながら、無謀にも出ていったものが今度の改正案の内容なんだというふうな、非常にわかりやすい説明があったのですけれども、過失というのは何か例をとって、それよりも範囲が狭いんだということを……。
#71
○中島政府委員 過失ということになりますと、あらしはあらしといたしましても、目前に来ておるということではなくて、もっと注意を尽くせばあらしが来て危険であるということを知ることができたはずである、いろいろ情報を集め、検討を重ねたならば、通常人ならばそういう事情を知ることができたであろう、こういうことであろうかと思います。
 無謀な行為といいますのは、もっとそれが、通常人ならばだれが見てもそういう判断に到達するはずではないか、余りにも注意の程度が不足しておった度合いが強過ぎるじゃないか、こういう場合でありまして、結果の発生を認容しておればこれは故意ということになるわけでありますが、結果の発生を認容していないという意味で故意ではないわけでありますけれども、非常に故意に近づいていった過失、こういうふうに申し上げてみようかと思います。
#72
○太田委員 この条約の第十五条第三項に、ほかの締約国の国民が利害関係を有していない事故の場合は、別途責任制度を定めることができるというふうになっているわけであります。つまり、これは内航船といいますか内航海運といいますか、そういう自国内での事故については、法律で別途定めることが許されるということにわざわざ明記しているわけなんですけれども、今回の法改正の中でどこにそれが手当てをされているのか。
 つまり、これは海難事故の場合と航空機の事故というものを比べてみるとよくわかるのですけれども、いま航空機事故が起こった場合には、外国航路の場合には二千万円を限度としてたとえば人命の補償をするというふうなことがあるわけですが、今月からだと思いますけれども、例の日本航空の墜落事故に対する補償というものとの関係はないのですけれども、青天井にする、二千万円で必ずしも打ちどめにならないで、たとえば一億円というケースも出てくるというふうに、国内の事故に対する責任のとりようというものと海外での責任のとりようというものは、航空関係では別々に考えられている。海難事故の場合にはそういうことがこれからきちんとなされるのかどうかというところをお聞きしたいのです。
#73
○中島政府委員 内航船の場合につきましては、旅客の損害について今回の法律の三条四項に規定がございますが、「責任を制限することができない」ものというふうにいたしております。これは現行法も同様でありまして、人の死傷に対する保護をできる限り厚くするべきであるという基本的な考え方に基づくものであります。
 先ほどの御質問に対する答弁を補足させていただきますけれども、責任限度額が引き上げられますことによって、責任制限範囲内におさまる事件というものがふえてまいります。したがって、過失の点が無謀な行為というふうになったといたしましても、責任限度額を超える事件というものが減ってまいるであろう。したがって、責任制限をすることのできない事件というもののいかんにかかわらず、責任限度を超える事件というものが減ってくる、こういうことでございます。
#74
○太田委員 もう一つ。
 これは本来、先ほど冒頭に申し上げましたように、保険制度というものが発達をしているわけでありますから、なるべく保険でカバーしなくてはいかぬということが考え方だろうと思うのです。ところが、前にこの条約の加入のときにもこれは問題になったと思うのですけれども、制限債権の弁済の義務の履行によって生ずる損害をてん補する保険契約の保険者は、被保険者と同様に責任を制限することができるということにこの条約ではなるわけであります。
 そこで、被害者を保護するために、船主責任制限法制定当時と同様に、保険者に責任制限をしないよう行政指導するつもりがあるのかどうか。かつて、これは行政指導によって、保険者の方の債権に対する責任制限を、責任制限が余り保険会社によって悪用をされないように指導をするんだというふうな答弁があったように伺っておりますけれども、今回もこれと同じことをされるのかどうかというところをお伺いしたい。
#75
○中島政府委員 確かに、前回の議事録などを見てみますと、御指摘のような答弁がされておるようでありますけれども、その後の状況を聞いてみますと、指導が必ずしも守られていないというような状況のようでございます。
 それで、どうしてかということになるわけでありますけれども、この点につきましては、関係の政府機関が保険会社に働きかけていろいろ指導をしたわけでありますけれども、国内の保険会社は英国の保険会社に再保険を掛けておる、その英国の保険会社が、法定の損害賠償額以上の保険金をどうしても支払わない、こういう事情がありますために、国内の保険会社もそれ以上出すことができなかったというような事情があるということであります。
#76
○太田委員 これはきょうどうのこうのと言うことじゃありませんけれども、その英国の再保険会社というのが、国際的な保険システムについて本当に責任を負えないような状態にあるのか、つまり、いわば独占的な地位を持っているのかもしれませんけれども、独占的な地位を利用してそういうことにしているのか、その辺はいまはおわかりになりませんでしょうか。もしおわかりになったらいま御答弁をいただきたいのですけれども、そうでなければ、後日、その辺よくお調べをいただきましてお願いしたいと思います。
#77
○中島政府委員 直接の担当でございませんのでちょっとお答えをしかねるわけでございますので、当該関係の機関に伝達をいたします。
#78
○太田委員 では、きょうは結構でございます。どうもありがとうございました。
#79
○羽田野委員長 次回は、来る六日火曜日午前十時理事会、午前十時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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