くにさくロゴ
【PR】姉妹サイト
 
#1
第096回国会 地方行政委員会 第5号
昭和五十七年三月十八日(木曜日)
    午前十時七分開議
 出席委員
   委員長 中山 利生君
   理事 工藤  巖君 理事 染谷  誠君
   理事 宮下 創平君 理事 安田 貴六君
   理事 佐藤 敬治君 理事 松本 幸男君
   理事 大橋 敏雄君
      池田  淳君    臼井日出男君
      片岡 清一君    北川 石松君
      塩谷 一夫君    竹中 修一君
      中村 弘海君    五十嵐広三君
      小川 省吾君    部谷 孝之君
      岩佐 恵美君    三谷 秀治君
      田島  衞君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣
        国家公安委員会
        委員長     世耕 政隆君
 出席政府委員
        警察庁刑事局長 中平 和水君
        自治省行政局長 砂子田 隆君
        自治省行政局公
        務員部長    大嶋  孝君
        自治省行政局選
        挙部長     大林 勝臣君
        自治省財政局長 土屋 佳照君
        自治省税務局長 関根 則之君
        消防庁長官   石見 隆三君
 委員外の出席者
        運輸省自動車局
        業務部長    大久保一男君
        地方行政委員会
        調査室長    岡田 純夫君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二十六日
 辞任         補欠選任
  池田  淳君     今枝 敬雄君
  臼井日出男君     塩川正十郎君
  田島  衞君     小杉  隆君
同日
 辞任         補欠選任
  今枝 敬雄君     池田  淳君
  塩川正十郎君     臼井日出男君
  小杉  隆君     田島  衞君
同月二十七日
 辞任         補欠選任
  池田  淳君     奧野 誠亮君
  武田 一夫君     鈴切 康雄君
同日
 辞任         補欠選任
  奧野 誠亮君     池田  淳君
  鈴切 康雄君     武田 一夫君
三月一日
 辞任         補欠選任
  武田 一夫君     鈴切 康雄君
同日
 辞任         補欠選任
  鈴切 康雄君     武田 一夫君
同月八日
 辞任         補欠選任
  池田  淳君     金子 一平君
  武田 一夫君     鈴切 康雄君
同日
 辞任         補欠選任
  金子 一平君     池田  淳君
  鈴切 康雄君     武田 一夫君
同月十八日
 辞任         補欠選任
  田島  衞君     小杉  隆君
同日
 辞任         補欠選任
  小杉  隆君     田島  衞君
    ―――――――――――――
三月十日
 昭和四十二年度以後における地方公務員等共済
 組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一
 部を改正する法律案(内閣提出第五四号)
同月十六日
 警備業法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 六五号)
同月一日
 特別区の自治権及び財政権拡充に関する請願(
 金子満広君紹介)(第八六七号)
 同(榊利夫君紹介)(第八六八号)
 同(中島武敏君紹介)(第八六九号)
 同(不破哲三君紹介)(第八七〇号)
 同(松本善明君紹介)(第八七一号)
 同(小林政子君紹介)(第八七二号)
 同(柿澤弘治君紹介)(第九二二号)
 同(和田耕作君紹介)(第九六〇号)
 高校増設のため地方税財政制度改善に関する請
 願(小坂徳三郎君紹介)(第八七三号)
 小規模住宅用地の固定資産税、都市計画税の税
 額凍結に関する請願(三谷秀治君紹介)(第九
 五九号)
同月五日
 小規模住宅用地の固定資産税、都市計画税の税
 額凍結に関する請願(佐藤敬治君紹介)(第一
 〇〇二号)
 脊髄損傷者に対する地方行政改善に関する請願
 (神田厚君紹介)(第一〇四〇号)
 同(部谷孝之君紹介)(第一〇四一号)
 身体障害者の自動車運転免許証に付される重量
 制限廃止等に関する請願(神田厚君紹介)(第
 一〇四二号)
 同(部谷孝之君紹介)(第一〇四三号)
 特別区の自治権及び財政権拡充に関する請願(
 天野公義君紹介)(第一〇八四号)
 同(石原慎太郎君紹介)(第一〇八五号)
 同(越智通雄君紹介)(第一〇八六号)
 同(大塚雄司君紹介)(第一〇八七号)
 同(粕谷茂君紹介)(第一〇八八号)
 同(鯨岡兵輔君紹介)(第一〇八九号)
 同(小坂徳三郎君紹介)(第一〇九〇号)
 同(島村宜伸君紹介)(第一〇九一号)
 同(中村靖君紹介)(第一〇九二号)
 同(鳩山邦夫君紹介)(第一〇九三号)
 同(浜野剛君紹介)(第一〇九四号)
 同(深谷隆司君紹介)(第一〇九五号)
 同(与謝野馨君紹介)(第一〇九六号)
同月十日
 市街化区域内農地の宅地並み課税撤廃に関する
 請願(小林政子君紹介)(第一一八四号)
 地方公営交通事業の健全化に関する請願外二件
 (長谷川正三君紹介)(第一二一八号)
 特別区の自治権及び財政権拡充に関する請願(
 飛鳥田一雄君紹介)(第一二一九号)
 同(上田哲君紹介)(第一二二〇号)
 同(金子みつ君紹介)(第一二二一号)
 同(高沢寅男君紹介)(第一二二二号)
 同(山本政弘君紹介)(第一二二三号)
同月十五日
 高校増設のため地方税財政制度改善に関する請
 願(小林政子君紹介)(第一二七八号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び
 納付金に関する法律の一部を改正する法律案(
 内閣提出第一九号)
 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出第三七号)
 地方財政に関する件(昭和五十七年度地方財政
 計画)
 地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件
     ――――◇―――――
#2
○中山委員長 これより会議を開きます。
 地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。部谷孝之君。
#3
○部谷委員 先般、地方行政委員会におきまする自治大臣兼国家公安委員会委員長の所信表明の中でも示されたわけでありますが、行財政改革に臨む基本的な考え方についてまずお尋ねをいたしたいと思います。
 国と地方を通じまして、行財政の改革は今日、最大の政治課題であることは申すまでもないところでありまして、大臣も先般の所信表明におきまして、「長期的な展望のもとに行財政改革を推進し、地方自治の基盤の一層の充実を図ることが必要であります。」このように述べられておるわけでありますが、行財政改革に臨まれる大臣の基本的なお考えはいかがでありましょうか、まず御答弁をいただきたいと思います。
#4
○世耕国務大臣 私は、行政を推進するに当たりまして、国と地方、両方ともやりやすい、いい結果が生まれるようなことがまず最大の前提条件だと思うのでございます。それに従いまして、今度は、国と地方の行政と財政をどういうふうにして進めていくか、このことが一つ問題になると思うのでございます。その場合に、行政の方は、できるだけ身軽で簡素で、しかも機敏に反応し得るような、速やかに処理ができるようなこと、これが必要だと思うのでございます。それから、その反面、その裏づけとしての財源の確保ということも、またどうしても不即不離のもののように私は考えております。
 そこで、もう一つのことは、地方行政というのは国の行政と違いまして、住民の人の一番身近なところにある存在でございますから、どうしても民意、住民の意思をそのままいろいろな形で敏感に反映していくのには、やはり地方自治体がそれだけの力を備えてこなければならない。そこで、地方自治体の事務、財源の再配分、つまり国からどれだけ分離して、国はどれだけ関与しないでも済むような方法で地方自治体の方にいろいろな権限とか仕事を分与できるか、そういうことを考えなければならないと思います。それによって、地方が自律的、自主的にいろいろなことがやっていけるような方向、この方向に向けてやはりこれからの地方行政というのはあるべきである、つまり国が持っているいろいろな関係各省の縦割り行政を地域でどれだけ総合化して、それを配慮しながら地方自治体の方で行うことができるか、これがこれからの大きな問題だろうと私は思うのでございます。
 いろいろむずかしいところはございますが、そういうことでございます。それに付随して、地方公共団体でも定員とか給与の適正化、こういうことをこれから図っていかなければならない、こんなふうなことを私は考えまして所信表明をしたわけでございます。
#5
○部谷委員 行政改革は、いわば国民の身近なところで身近な行政主体であるところの地方団体、こういうもので行われることが行政の簡素化、合理化を図るゆえんでありまして、行政改革の趣旨に沿うものだと考えておりまして、いま大臣も大体そのような御見解をいただいたわけでありますが、そのためには、地方分権の立場に立った事務配分、これに基づく財源の再配分が行われなければならない。いま大臣も御指摘になったとおりであります。
 しかし、地方制度調査会におきましても、第九次以後累次にわたりまして行政事務、財源の再配分、そういう問題に関する答申が行われてまいりましたけれども、ほとんど実行されてこなかったばかりか、地方に対して事務はむしろ増大してきたけれども自主財源が拡充しない、こういういわば押しつけの姿勢がとられてきた、私はこういうふうに思うのであります。そういう点に立ちまして、地方分権の事務、財源の分配という問題につきまして、重ねて大臣の御見解をいただきたいと思います。
#6
○世耕国務大臣 御指摘のように、地域によって、地方によっては、なかなか進まない点もあるかと思いますが、私はやはり地方分権の確立、地方と国との行政の見直し、財源の確保に基づくその適正な配分、こういう目標を強く掲げていって、それを進め、いろいろ困難な問題も横たわっているのですが、それを進めていくかいかないかということで、この問題は大きく今後とも変わってくるものと確信しているものでございます。
#7
○部谷委員 そこで、五十七年度の地方財政対策についてお尋ねしたいと思います。
 五十七年度の地方財政の特徴は、昭和五十年の補正以来続いてまいりました財源不足額がゼロとなりまして、収支が均衡した、こういうところに大きな特徴があると思います。しかし、これも、地方財政の中身を見ますると、単独事業をある程度伸ばしておりますけれども、歳出をなるべく低く抑えております一方で、歳入の方は税収を高く見積もっておるのではないか、こういう懸念もあるわけでありまして、果たして収支が均衡し得るのかどうか。
 また、単年度では均衡したといたしましても、中長期的な展望に立って考えました場合に、五十七年度末には四十二兆円を超える巨額の債務を抱え、しかも、昭和六十五年度には交付税特会の借入金の償還のピークを迎える、こういうふうな状況のもとにあるのでありまして、地方財政は依然として厳しい情勢にあるというふうに言えると思うのでありますが、自治大臣は現下のこうした地方財政を、どのような認識を持っておられるのか、また、どのように地方財政の改革を進めていこうと考えておられるのか、この点についての御答弁を願いたいと思います。
#8
○世耕国務大臣 五十七年度の地方財政は歳入歳出とんとんということで、たしか昭和五十年度以来初めてこういう計画が成ったということでございます。この地方交付税それから地方税の見通しは、五十七年度のあれを基準にしてこういう計画を立てたわけでございます。その計画は合っているかどうかという御質問もいただきましたのですが、これは五十六年度の経済それから景気の動向をもとにしまして、五十七年度をいろいろな統計数字で類推していったものでございまして、その限りにおいては、予想の母体となる基礎的な積算というのは、できる限りの正確さを期して行ったものでございます。
 ただ、これが、五十七年度で絶対確定的にこのとおりに数字がいくかということになりますと、この点は経済の見通しでございますから、絶対このままの数字でいくということは確言し得ないところでございますが、あの時点における基礎的な積算は、でき得る限りの最も正確を期したものに基づいて行われたものでございます。
 それから、地方財政は国に比べるとずいぶん豊かじゃないかというような御意見も、実はいろいろなところからあるわけでございますが、これは、単年度でこういうふうな数字になったというだけでございまして、このほかにいろいろな、従来からの借入金や何かの返済ということを考えますと、なかなかこのような結果には至らなかった、そういうこともありまして、まだまだ今後の地方財政の見通しというのはなかなか厳しいものがあると存じております。
#9
○部谷委員 過去財源不足額が、四兆円が二兆円になり、二兆円が一兆円になり、今年度でゼロになった。そうした不足額を減していく努力がされたことは事実だと思いますけれども、従来のいろいろな操作の中で自治省が苦闘してきた歴史を顧みますときに、ここでゼロになったからこれでという感じを私も持ちませんし、自治省も持たれるべきでないというふうに私は感ずるわけでございまして、先ほど大臣御自身も御指摘になりましたように、これからもきわめて厳しい状態がまたさらに続いていくわけでありますから、それらの対応について誤りなくひとつ推進をしていただきたい、このように思います。
 次に、給与の問題でありますが、地方の行政改革を行う場合に、どうしても避けて通れないものといたしまして、地方公務員の給与問題と定員の管理の問題があります。この問題につきましては、昭和五十四年の秋に地方公務員のやみ給与だとかやみ手当だとか、そうした給与の不適切さ、あるいはやみ休暇、そうした勤務時間の不適正さ、そういうふうなことがクローズアップされ、指摘をされました。
 これらの多くの問題につきましてお伺いしたいと思うのでありますが、大臣、地方公務員の人事管理につきまして、基本的な御見解をまずお示しいただきたいと思います。
#10
○世耕国務大臣 地方公務員の給与それから定員、その二つを取り巻いて、これは行財政改革の一番中心的なものになるわけでございますが、この方がうまくいかないと、ほかの行政、思い切った地方のための、住民のためのいい行政がなかなか進まなくなりますので、この面で自治省としては大変意を用いているところでございます。
 これは、局長の方からいろいろ詳しくお答えすることになると思いますが、われわれの方としては、各地方の団体に対して、できるだけ国家公務員の給与ベース、ラスパイレス指数を用いた給与ベースに近づけるような方向で、いろいろ進言したり指導したりしているところでございます。
#11
○大嶋政府委員 ただいま大臣の方からお答えがございました。私ども、地方分権なりあるいは財源を地方へ付与するといったような場合に、高過ぎる給与であるとか、あるいは、必ずしも私どもそう思っておりませんけれども定員管理がルーズであるとか、そういうようなことがどうしても障害になってまいります。これにつきましては、やはりその問題点、どこにそういう問題があるのかということを一つ一つ探り出しまして、それを取り除くという努力がなされなければならないと思っております。そういった意味で、そういう問題点を探り出す、あとは各自治体それぞれの自律的な機能によってそれを正していただくということを原則としながら、私どもとしても適切な指導を進めてまいりたい、このように考えておるところでございます。
#12
○部谷委員 それでは、給与の高い地方団体に対してどのように対処をしてこられたか、給与の高い地方団体をどういうふうに見ておられるのか、どうあるべきだと考えておられるのか、そうしたことについて重ねてひとつお尋ねをしたいと思います。
#13
○大嶋政府委員 地方公務員に対しましても、適切な労働の対価は支払われなければならないと思っております。先ほども申し上げましたように、一部に地方自治の進展を阻害する面があるというふうなことを申し上げましたが、私ども百五十三団体を選びまして、現在その一つ一つにつきまし七問題点を分析しておるという状況でございます。これが終わりますと、先ほど申し上げましたが、是正のための計画を立てていただくということになろうと思っております。
 すべての団体の職員の給与が高いというわけでございませんで、一部高過ぎる団体に対して適切な指導を進めてまいりたい。それが、自治省として把握をし、自治省として都道府県と一緒になって適正化を進めていくのが百五十三の団体であると現在考えております。
#14
○部谷委員 自治省は、去年職員の給与実態を公表するように指導されました。給与実態の公表は、形式に流れて、ほとんどが実態隠しである、こういうふうに言われております。また、高い給与実態を持っている自治体の百五十三団体と、国を上回る退職手当支給団体に対して、異例とも言える個別指導を行われたわけでございます。これは、第二臨調の一次答申の提言を受けて実施されたと思うのですが、こうした結果を見ますときに、臨調の答申の趣旨が生かされておるのかどうか、私は疑問に思うのですけれども、その点はいかがでしょうか。
#15
○大嶋政府委員 給与実態の公表につきまして自治省といたしましては、その基準となります様式それから記載要領といったようなものを示したわけでございます。これはあくまでも基準でございまして、地方公共団体が公表を実施するに際しましては、その公表の趣旨に沿いましていろいろな創意工夫をしていただく、また公表事項の追加、あるいは表あるいはグラフといったようなものを用いるなりして、その地域の住民の方々に実態をよく理解していただく努力をお願いしたわけでございます。現在までのところ、都道府県、指定都市はすべて公表が何らかの形でなされておりますし、市につきましても八割以上公表されておると私ども理解をいたしております。
 その公表の中身が、あれで本当に実態がわかったのか、あるいはやみ的なものがあって、それを隠しておるのではないか、こういうような御批判なり御指摘も若干私ども受けておるところでございますが、公表の形式につきましては、この前は第一回でございましたから、今後ともいろいろな研究、工夫をこらす要があろうと思います。ただ、やみがあってそれを隠しておるのではないかというようなことにつきましては、私ども実態というものはわかりませんし、やみはないものだというふうに考えておるわけでございます。公表の趣旨が、その団体の職員の給与水準が地域住民の理解を得られるのか得られないのかというところにあるわけでございますので、その趣旨に照らしました適切な公表がなされるように私ども期待をし、また指導も進めてまいりたい、このように考えております。
#16
○部谷委員 この給与の公表につきましては、その際御指摘がいろいろありましたように、本来、議会の中でいろんな人事委員会の勧告なりあるいは議会での議論を通じて、住民に対する公表的な具体的な役割りはやっておるのだけれども、なおかつ、そういうことを住民に直接わかりやすく理解していただくために、このような措置をとったということであるわけであります。
 しかもこの前、いろんな指導をされ公表を求められ、それを各市町村が公表するその形式につきましても、各戸へ配布するところもあれば、あるいはまた一つの市で二、三千枚配布してというふうな公表をしたところもあるし、各個ばらばらであります。
 そして、そういう中で指定された――いま資料を探したけれども、ちょっと見当たらないので具体的な指定ができませんけれども、内容によっては、あの公表の仕方ではやみ的なそういう内容がわからないではないか、住民に十分納得していただけるような公表になっていないではないか、こういう指摘が実はたくさん出てきておる。そういう意味でいまお尋ねをしたわけでありますが、漸次、今回だけではない、続いてまたひとつやっていきたいということでありますので、その辺も今後の指導の中で十分配慮をしていただくように希望いたしたいと思います。
 それから次に、百五十三団体に対しまして、特交の配分の査定に際して抑制の対象とした、こういうふうに言われております。その百五十三団体のうちで五十四団体は、昨年の交付額よりも減額されておるわけですが、なぜそうした五十四団体について減額が出てきたのか、減額というものはどういうふうな配慮の中で行われたのか、この点について御答弁を願いたいと思います。
#17
○土屋政府委員 昭和五十六年度の特別交付税は、御承知のように総枠の伸びがわずか二・七%ということで、かつてない低率でございましたために、特交措置の要因となります個々の地方団体の特別の財政需要の拾い上げ方も、全般的に厳しいものとならざるを得なかったわけでございます。こういった状況のもとで、給与の著しく高い団体、まあ個別指導の対象団体がそれに当たると考えられますが、それについては財政的に余裕があると私どもとしては考えるべきであるということから、財政需要の要因でございます個別の事情をしんしゃくするに当たりまして、一般の市町村よりも厳しい対応をしたというわけでございます。
 もちろん御承知のように、特交、特別交付税のいろいろな要因には、災害とかあるいは公害対策、その他さまざまな増減の要因がありますから、百五十三団体の特別交付税の額の増減状況もさまざまでございますが、そういった実態を踏まえながらも、ただいま申し上げましたような基本的な考え方に立ちまして配分をいたしました結果、五十四団体は前年度の額を下回るということになった次第でございます。
#18
○部谷委員 ところで、この五十四団体の名前、五十四団体名というものは実は公表されておりません。で、特交が災害復旧など住民サービスに直結する貴重な財源であることは申すまでもないところでありまして、地域住民には自分が住んでおる市町村が今度の特交措置の中でどのような制裁を受けたかということを知らせること、そのことが――いわば行財政改革の原動力はやはり住民であります。そうした住民監視の目に訴える。そういう意味では、住民に見せることが非常に大きな効果があると思うわけでありますが、団体名の公表ということについてはどのようにお考えでございましょうか。
#19
○土屋政府委員 ただいま申し上げましたとおり、個別指導対象団体につきましては、財源的に余裕があるということでその算定に当たって抑制的に考えた、こういうことでございまして、特に制裁といったような考え方に立っておるわけではございませんで、共通の財源の配分に当たって公正を期する、こういう観点に立ってやったわけでございます。
 その中で、種々の要因があってたまたま前年度の額を下回った五十四団体のみを取り上げて公表するということは、むしろ誤解を生ずるおそれもございますし、また現在、各地方団体におきます給与の公表や給与の計画的是正について自治省としても指導を行い、関係団体においてもこれに取り組みつつある段階でもございますし、私どもとしては、基本的には各地方団体が自主的、自律的に給与の適正化を図ることが適当であるというふうに考えておるわけでございまして、そういったことから、御質問のような観点から特に五十四団体のみを取り上げてその団体名を公表するということはしなかった次第でございます。
#20
○部谷委員 そうしますと、百五十三団体のうちで、同じような措置をやっていったけれども、ほかのいろいろなファクターの中で五十四団体だけがたまたま前年度に比べて低かった、こういうことですね。そういうことでありますならば、理解をいたしたいと思います。
#21
○土屋政府委員 おおむねおっしゃるとおりでございまして、私どもとしては、給与の高い団体は財政的余裕があるということで抑制的な立場に立って配分をした。その中で、いろいろな要素の中で五十四団体はたまたま減額になったということでありますのと、もう一つは、私どもとしては、給与の適正化というのはまさに地方団体が自主性、自律性を持ってやっていただくべきものであって、そういう相互の信頼関係に立って今後強力に進めてもらいたいと思っておりますので、たまたまそういうことになったものだけを発表するということは逆に誤解を生むおそれもある、こういうことでございます。
#22
○部谷委員 次に、人事委員会の問題についてお尋ねいたします。
 国は、さきの給与改定に当たりまして五・二三%の給与勧告をなされましたが、実質的にはあのような措置の中で四・七七%くらいに抑えられたわけです。自治省といたしましては、地方も同一歩調をとるようにという姿勢をとっておられるようでありますけれども、五十六年度の地方の人事委員会の勧告の状況はどういうふうになっておりましょうか。
#23
○大嶋政府委員 五十六年度におきます人事委員会の勧告状況でございますが、一つは、その勧告の時期というのが九月、十月が多いわけでございます。そこで、その内容を見ますと、人事院のやり方にならいまして公民較差率を算定をし、そして国に準じて改定をするというような団体が大半を占めておるわけでございます。
 なお、補足的に申し上げますと、地方公務員の給与改定、御指摘のとおり、国が人事院勧告のありましたものを若干抑制をして改定をしたわけでございます。それにならってやるようにということをやったわけでございますが、その給与改定の実施状況につきましては、全団体の約八割程度が年内に給与改定を実施したというふうに考えております。改定の内容につきましては、一部で是正措置を進めつつあるわけでございまして、さらに給与の抑制措置につきましても、一部の団体を除きまして、国並みの措置を講じておる団体が多いというふうに私ども理解をいたしております。
#24
○部谷委員 一部を除いてというお話でございましたが、その一部に例の東京都の問題があるわけであります。東京都は、人事委員会勧告を完全実施することに決めました。新聞によりますと、人呼んで首都決戦だ、自治省と東京都の決戦だと、こういうふうな非常にセンセーショナルな書き方もされておるわけであります。自治省も都からいろいろと事情聴取されたと思うのですが、その経緯、実情、これはいかがなものでございましょうか。
#25
○大嶋政府委員 私ども、別に東京都と決戦をするつもりはないわけでございますけれども、御案内のとおり、国家公務員の給与改定に当たりまして、五十六年度におきましては、厳しい財政事情あるいは国、地方を通ずる行財政改革の推進といったものを期待いたします国民世論の動向、そういうようなものを総合的に勘案されまして、その取り扱いが決定されたところでございます。
 東京都におきましては、管理職につきましてはほぼ国並みの措置を講じられたわけでございますが、一般職員につきましては、あるいは調整手当等の改定につきましては五十六年四月一日から実施をし、また期末・勤勉手当につきましても五十六年度の改定後のベースで支給されるというような給与改定がなされたわけでございます。東京都としては、いろんな努力をやっておるということを言われておるわけでございます。私どもとしても、人事委員会の勧告というものは、これはやはり基本的には尊重されなければならないというふうに考えるわけでございますけれども、現在の情勢の中で、国家公務員につきましても抑制措置がされたということでありますならば、当然地方公務員の給与につきましても、それに準じた努力がなされなければならないというふうに考えております。いろいろ都の事情もお伺いをいたしたわけでございますけれども、私どもとしては、諸般の事情はありましても、やはり大方の地方団体がやりました抑制措置というものをとっていただきたかったなというふうに考えておるところでございます。
#26
○部谷委員 まあ、これも新聞のうがった記事でありますが、この措置というものが来年の知事選に絡んで、自治省と都と組合とが三方一両得というふうな解決である、これは新聞がそう書いておるわけでありますが、そういううがった見方をする人もあるわけでありますけれども、ひとつそうした余りうがった見方をされないような措置をすっきりととっていただきたい、このように思います。
 それから、人事委員会の勧告が、大きな都市が所在する都道府県は大体民間に準拠する傾向がきわめて強い。それから後進県といいますか、そういうところでは国に準拠するところが非常に多い。こういうことになりますと、すべての地方団体が給与が高くなるということになるのでありまして、これらの是正もやはり真剣に考えなければならぬ段階ではないか、このように思うのであります。特に、鳥取県の例がよく引き合いに出されておるようでありますけれども、その点、どのようにお考えでしょうか。
#27
○大嶋政府委員 地方公務員の給与につきましては、その団体の組織なり規模なり、あるいは地域の社会的条件といったものを考慮しながら、国に準じた給与制度とその運用によりまして、その団体に適した、そして地域住民の納得と支持が得られる内容と水準を維持し、あるいはまた実現すべきものだというふうに考えておるところでございます。
 したがいまして、給与を改定するに際しましては、民間と国家公務員との給与などの比較を行いまして、そしてその団体の給与の状況あるいは改定によりまして実現しようといたします給与水準といったものを明確にした上で、最終的には地域住民の納得と支持が得られる給与改定を行うように指導をしておるところでございます。
#28
○部谷委員 やはり人事委員会の制度の中で一番問題がありますのは、人事委員会が果たしてその機能を十分発揮しておるかどうかということだろうと思います。人事委員会の勧告を尊重して完全実施するということは、これは法のたてまえからいきまして当然とられるべき措置だと思いますけれども、しかし勧告をするその時点でふさわしい勧告をされておるかどうか、そのことがやはり前提だと思うわけであります。大部分の自治体が、先ほどもちょっとお話がありました大体国に準じた勧告を行っておりまして、地域の民間賃金とのバランスを欠いておるわけでありまして、人事委員会が果たしてその役割りを十分果たしておるかどうかということに対する疑問がきわめて強いわけであります。自治省は、人事委員会の勧告のこのような状態に対してどのようなお考えでしょうか、御見解をお聞かせ願いたいと思います。
#29
○大嶋政府委員 御指摘のように人事委員会というものは、地方公務員法に定めます給与決定原則に基づいて、それで専門的であり、かつまた公正な判断によりまして給与についての報告、勧告を行うものとして設置された機関でございまして、そういった意味から、人事委員会の存在というものは重要なものであるというふうに考えております。
 したがいまして、人事委員会が給与の勧告を行うに当たりましては、一つには、公民の較差率を国家公務員の方式に準じまして正確に算定をしてもらう。二つ目には、国家公務員と対比した給与水準、これを正確に算定をしてもらう。三つ目には、目標とすべきその団体の給与水準を明確に設定をするといったようなことを、私どもとしては、人事委員会の会議等を通じまして指導しておるところでございます。
 今後とも、人事委員会がその機能を十分に発揮してもらいまして、そしてその団体の給与の制度と運用におきまして本当に問題があるという事項がありますれば、これを的確に指摘をするというような姿勢をとるように指導してまいりたい、このように考えております。総体的には、人事委員会はそれなりにその機能を果たしておるものというふうに考えておるところでございます。
#30
○部谷委員 いまお示しのように公務員法の二十四条では、生計費と国及び他の地方公共団体の職員、民間事業の従事者の給与、そういうものを考慮して決めろ、こうなっておるわけなんですね。国の場合は、申し上げるまでもない、民間準拠ですね。地方公務員の場合には、だから国と民間そして類似のほかの団体、そうした要素がいろいろ入ってくるわけでありますから、そこに地方の特色ある人事委員会の勧告というものが出てくるわけです。
 私は、かつて県議会に議席を置いたことがあるのですが、県の人事委員会というものは、山口県の場合、当時十九名職員がおりましたけれども、十九名の職員が三百六十五日かかってつくり上げるもの、大体国の勧告に数字を合わせる数字合わせしかやってないのですね。いろいろな計数を突き合わせてみまして、こことこことがどうつながるんだろうか、そんな疑問のある計数を幾つかつなぎ合わせながら、掛け合わせながら、国の勧告に合わせるという作業をやっておる。そういう指摘を、私もかつて地方議会におるときに指摘をしたわけでありますけれども、そうした状態の中で、いま言ったような後進県といいますかの方は国に合わせる作業ばかりやっておる、そして大都市、民間給与の高いところはそれに合わせる作業をするということから、みんな全体的に高くなってくる、こういうことになるわけでありますから、その辺もさらに十分メスを入れていただきたい、このように思います。
 次に、人口十五万以上の市は、「条例で人事委員会又は公平委員会を置くものとする。」こういうふうに公務員法七条に規定されておるわけでありますが、十五万以上の市のうちで人事委員会が設置されておりますのは仙台市だけということになっておるわけであります。こういう状態は、法律の実態と少し、というよりも余りにもかけ離れておるのではないか、こういうふうな感じがするわけでありますが、自治省はこのことをどのように認識しておられるのでしょうか。
#31
○大嶋政府委員 お示しのように、人事委員会は、都道府県と指定都市については必ず置けということになっております。これにつきましては、そういった団体というのは規模も大きいし、また職員数も多いということによるわけでございます。人口十五万人以上の市につきましては、その規模なりあるいは職員数が、いま申し上げましたような都道府県あるいは指定都市に及ばないというようなこともありまして、人事委員会あるいは公平委員会、どちらかを選択して置くことができるということになっておるわけでございます。
 御指摘のように、十五万以上の市は百十六団体ございますけれども、そのうちで人事委員会を設けておりますのは仙台市だけでございます。仙台市が二十六年に人事委員会を設けたわけでございますけれども、当時その人口あるいは職員数が、現在の指定都市に相当いたします五大都市からそう離れていなかったということに加えまして、警察がいわゆる自治体警察でございまして、任命権者間の人事行政の調整を図る必要性があったということなどが、仙台市が人事委員会を置いた主な理由であるというふうに聞いております。
 自治省といたしましては、人口十五万人以上の市につきましては、現行どおり、それぞれの団体におきます実情を踏まえて、人事委員会なり公平委員会、いずれかを選択して設置するということでいかざるを得ないのじゃないか、このように考えておるところでございます。
#32
○部谷委員 人事委員会と公平委員会とでは、その権能がかなり違うわけですね。だから、そうした人事委員会を設置することによってさらに行財政改革の実を上げていける、そういう観点に立ってお尋ねをしておるわけでありまして、公平委員会が置かれておりますことは、これはもう法令の上ではっきりしておるわけであります。当然のことであります。これを人事委員会に切りかえていく作業が必要ではないかということが私のお尋ねの趣旨でありますから、ひとつそのように受け取っていただきたいと思います。
 そこで、十五万以上の都市に直ちにそうした人事委員会設置がむずかしいということであれば、当面五十万以上のところはそうした措置が必要である。指定都市はすべてなっておるわけでありまして、また、仙台もやっておるわけでありますから。五十万から百万の間に、堺市が八十万、千葉市が七十四万、岡山市五十四万、尼崎市五十一万、熊本市五十一万、鹿児島市五十万、こういうふうな五十万以上の都市があるわけであります。そうしたところを人事委員会設置に向けてさらに指導をされるお気持ちはないのかどうか、重ねてお尋ねをいたします。
#33
○大嶋政府委員 御指摘のように確かに、相当人口規模が大きいいまお示しのような五十万以上の市、こういうものについて人事委員会的な機能を持たせることにつきましては、ひとつ考慮に値する問題ではなかろうかと思っております。
 それからもう一つ、では人事委員会を共同で置いたらどうだというお話もあるかと思います。これにつきましては、共同で置きましても、個別的にその構成団体のそれぞれに適応した勧告がなされるかどうかということにつきまして、私どもはなはだ疑問を持っております。
 と同時に、もう一つは、人事委員会の機能を持たせるということになりますと、それなりに専門の職員も置かなければなりませんし、そういった人件費の問題もあるということで、いろいろ総合的によく考えてみたい、このようにいま考えております。
#34
○部谷委員 時間がなくなってしまいましたので、人事委員会の問題、いろいろとお尋ねしたいこともあるのですがこの辺にいたしまして、最後に定数、定員管理の問題についてお尋ねいたしたいと思います。
 臨調答申におきまして、地方公共団体の定数抑制措置の一つといたしまして、「地方公共団体は、類型別の標準定数を活用して厳正な定数管理を行う」こういうふうにされて一おるわけでありまして、自治省は地方公共団体定員管理研究会をつくって五十六年度末までに定数、定員モデルをつくる、こういうふうに言っておられたわけでありますが、モデル作成の進捗状況、これはどのようになっておるのでありましょうか。
#35
○大嶋政府委員 進捗状況でございますが、お示しのとおり、今月末までぐらいには何とか仕上げたいということで、いま鋭意作業を進めておるところでございます。
#36
○部谷委員 それでは、いつごろ発表されるようになりますか。
#37
○大嶋政府委員 できれば今月末までには発表したい、このように考えております。
 ただ、若干その内容に触れて申し上げたいと思いますけれども、御案内のとおり、地方公務員の定数、これはほとんどと申しますか相当な部分がいいわゆる国の配置基準なりあるいは補助基準、そういったもので固められております。それが決まりますと自動的に決まってしまうというような部分が相当多いわけでございます。そういったものにつきましては、私ども、モデルで示すということはちょっと不可能でございまして、関係各省とよく話をし、定数の抑制について関係各省の御協力もいただかなければならないと思っております。そういった部分を除きますと、地方公共団体が本当の意味において自主的に定員管理ができるという部分は、実はきわめて少ないわけでございます。
 私どもがモデル的にいまやっておりますのは、その地方公共団体がそれぞれ自主的に管理できる部分について、自分のところの団体の水準は一体どれくらいなんだろうかということをある程度わかってもらうというようなことを考えております。ただ、そういった場合につきましても、各団体の定数は絶対値として何人でなければならないというような数字は、なかなか出てまいりません。
 私どもがいまやっておりますのは回帰方式ということで、その団体の人口なり、あるいは地域の事情なり産業構造なりといったようなものを、総合的に把握しながら算定ができるものを考えておるわけでございます。したがいまして、発表するといたしましても、この団体はその部分の定数は千人であるとか千五十人であるというような数字にはならないというふうに考えております。しかしながら、その地方公共団体の首長さんたちが一つの定員のあり方として参考になり得るものというようなものを考えておる、そのような状況でございます。
 これも道府県、指定都市、それから現在までのところ二十万人以上の市について一つの算定方式を考えております。それ以外の、二十万人以下の市につきましては、今後さらに検討を進めていくというような手はずにしておりまして、三月末に仮に発表するという形になりましても、それはその団体それぞれの絶対的な職員数ということにならないであろうというふうに御理解をいただきたいと思っております。
#38
○部谷委員 三月末と申しましても、あともう二週間しかないわけでありまして、いまの公務員部長の御答弁を伺っておりますと、まだはるか先にその結論が出てきそうな感じを受けるわけでありますが、三月末までにそれをきちっとやれるのかどうか、伺いたい。
 それと、このモデルを活用いたしまして、厳正な定員管理を行うというふうにされておるわけですが、個別の団体でこのモデルによる水準を超える職員数の多いところ、そういう場合には自治省はどのように指導していかれるおつもりでしょうか。
#39
○大嶋政府委員 私、三月末までには出すつもりであると申し上げましたが、これは出すということで御理解いただいて結構でございます。
 それから、モデル定員を超えているところはどうするかというお話でございますが、先ほどもちょっと申し上げましたように、今回、作成を試みておりますモデルというものは、地方公共団体の定員算定の一つのガイドラインを示すことを目的としておるわけでございます。したがいまして、その結果、定員配置の現状がそれに比較して高水準になっておるというような団体につきましては、早期に定員管理のあり方といったものに検討を加えていただきまして、計画的に適正化を図っていただくような方向で指導を行うということも現在考えておるところでございます。
#40
○部谷委員 単なるガイドライン、参考のために示すという、そういうことでは、臨調や閣議決定で言っているような・モデルを活用して厳正も定数管理を行う、そういうことにはならないのではないか、こういうふうに思うわけでありまして、単なる参考というのではこれは無意味じゃないか、私はこういうふうに思うわけでございます。
 最後に大臣に、こうしたモデルの活用についてどのようにお考えになっておられるか、ひとつ御答弁を願いたいと思います。
#41
○世耕国務大臣 いままではこれだというモデルがございませんで、指導監督といいましても、これは自治体自体がそれを受けて自主的に判断していろいろなことを行っていくわけでございますから、ここに一つのモデルというものが実際に公表されて各団体に渡して、それを基準にしてということになりますと、いままでの勧告、指導よりもさらに一歩前進した形の具体的なケースができ上がっていく、つまり輪郭がはっきりしてくる、こういう点で今後益するところが非常に多いのではないかと思っている次第でございます。
#42
○部谷委員 終わります。
#43
○中山委員長 三谷秀治君。
#44
○三谷委員 さきの予算委員会におきましてわが党の村上議員が、公選法に基づく選挙運動に関する収支報告書をもとに調査を行いまして、鈴木総理大臣以下八名の閣僚などが公選法百九十九条ないし二百条に違反していることを指摘しました。これについて総理の見解をただした際に自治大臣も答弁に立たれまして、「選挙も一つの大きな政治活動の一部と考えますので、選挙に際しましても、正常時の政党に対する献金に対しましても、同じように考えて結構だと思うのでございます。」こういう答弁をなさっております。この答弁は、公選法及び政治資金規正法を所管する自治大臣の答弁としてはきわめて妥当を欠くものであります。
 選挙運動に関する寄附は、公選法百七十九条におきまして決められております。判例では、「「選挙運動に関する寄附」とは選挙運動の財源たらしめる目的をもつて或は直接にそのものを選挙運動自体に使用させる目的をもってなされる」と解されるとしております。これに対して、政治活動に関する寄附といいますのは、政治資金規正法第四条四項におきまして「政治団体に対してされる寄附又は公職の候補者の政治活動に関してされる寄附」と規定されております。
 つまり、選挙運動に関する寄附と政治活動に関する寄附は、公選法と政治資金規正法という別々の法律によって規定されておりまして、それぞれ一定の禁止規定を持っております。そして、政治活動に関する寄附も選挙運動に係るものは、当然公選法上の禁止規定の適用を受けるべきものでございます。政治活動に関する寄附でありましても、選挙運動に関する部分は公選法の適用を受けるのが当然でございます。そうでなければ、選挙運動に対する特定寄附の禁止という公選法上の禁止規定は、政治資金規正法では全く放任されるわけでありますから、法の上の矛盾というものがきわめて明白でございます。恐らく自治大臣は、法の解釈を混同されたのではないかと私は思いますが、大臣はいまでもこの予算委員会での答弁が正しかったと思っていらっしゃるのかどうか、それともその答弁は誤りであるかどうか、このことを明確にしてほしいと思うのです。
#45
○世耕国務大臣 お答えいたします。
 私が、二月八日衆議院予算委員会で、村上議員の御質問に対してお答えしました最初の根拠は、つまりその前段において、村上議員とその前に発言された方の、政治献金それから選挙における献金は言うなれば悪に近いものである、これは行うべきではないという意味のいろいろな御発言がありまして、その中に実際に具体的な閣僚の選挙中の献金のお名前が出てきたわけでございます。
 それを受けて私が申し上げましたことは、つまり選挙といえども、これは政治の流れの中の一つの大きな分野でございまして、政治の中でかなりの比重を占める存在である。こういうことで、政治の献金というものも、法規において規正法があって認められております、その内容はいろいろございますけれども。その政治の流れの中で、そこに選挙という時期が起こってくる。これに対しても、選挙における献金というものも、また同じように本来は考えるべきであろう。これは基礎的な見解で、その後で百九十九条、二百条という問題に私も触れまして、一番基礎的な見解を申し上げたわけでございます。そしてその次に、選挙中における選挙法の献金に関する事柄の内容に触れていったわけでございまして、そういうことで基礎的論拠から各論に入っていったような次第でございます。
#46
○三谷委員 いまのあなたのお答えは、速記録とは非常に違っておる。速記録を見ますと、前段の方におきましては、政治活動ないし企業献金の問題が一般論として論議されておりますが、いま私が指摘しましたのは、公選法によりまして、国あるいは公共団体の事業の下請をしている業者が献金をしてはいけないという禁止規定があるのだ、この場合、国会議員ですから国でありますが。それに対して、遺憾ながら総理大臣みずからがその条項に違反する献金を企業から受けておる、それをどう思うか、こういう質問なんです。
 それに対して、総理の以前にあなたが立たれまして、選挙も一つの大きな政治活動の一部である、これは間違いありません。しかし、一部でありますが、選挙については一定の制限規定がある。そこは抜けてしまって、選挙に際しても、正常時の政党に対する献金に対しましても、同じように考えて結構である。つまり、そこでは、これは政治資金規正法にも禁止規定があります、それから公選法にも規定があるわけでありますが、それが全部抜けてしまって、企業献金というのは企業の政治活動であるから、それをするのは当然である、そこのところだけをおっしゃっておって、その禁止規定について何らお触れになっておらない。それを、この村上質問ではただしておるわけです。
#47
○世耕国務大臣 お答えいたします。
 おっしゃるようなことでございますが、企業も一つの社会的実在として政治活動の自由があり、選挙運動の自由もある、こういうことは申し上げまして、その一環として政治献金もできるし、また閣僚もこの範囲内でその政治献金を受けることも法律的には可能である。こういった献金とかそれに対する受領について、一定のルールが定められておりますので、これに従うことは当然のことである、こういうふうに申し上げました。
 ただ、その献金や受領がルールに反して行われたものであるかどうかについては、事実関係に基づいて判断されなければならないので、慎重に扱わなければならない、こういうことを申し上げたはずでございます。つまり、献金の受領に当たってはルールに違反しないように、政治家が襟を正す必要があることは申すまでもないことでございますが、実際問題として事実認識が困雑な場合もありますので、村上議員が示された資料による、公選法百九十九条及び二百条違反の御指摘について、寄附した方の請負関係の有無の問題も含めまして、あくまで具体的な事実関係に即して判断されるべき問題と考えておりまして、そのことを私はこの前の村上議員との討論の中で申し上げたわけでございます。
#48
○三谷委員 あなたのお答えは、問題の実体といいますか焦点といいますか、それをずらしてしまって、何か一般論をおっしゃっている。質問は一般論ではない。資料を示しましたように、後日鈴木総理もお認めになりましたように、明らかに百九十九条の違反になっている。そういうことがいいのかということを村上質問は言われている。それに対してあなたは、いいとも悪いともおっしゃっていない。
 要するに、選挙も一つの政治活動の一部だから、選挙に対しても正常時の政党に対する献金に対しましても同じように考えていく、こうおっしゃっている。選挙に当たりましては禁止規定があるわけですから、その禁止規定に触れておるではないか、こういう質問なんです。それに対するあなたのお答えは、全くそれに触れていらっしゃらない。むしろ、同じことなんだ、こうおっしゃった。当時は、鈴木総理も同じような趣旨のことをおっしゃった。しかし、これは後日訂正された。あなたの方はまだ訂正がないわけだ。そのことをお尋ねしているわけです。
#49
○世耕国務大臣 私が申し上げたことは、あくまで一般論としてお答えしたものでございます。具体論については、事実関係に即して、間違っていたか間違っていなかったか、錯覚を起こしていたか起こしていなかったか、法律を実際に受領者が知っていたかどうか、こういうことの問題は別個に判断すべきものと考えております。
#50
○三谷委員 依然として問題をすりかえていらっしゃるが、後でまたお尋ねすることにしまして、警察庁にお聞きします。
 宣誓文書を付して、真実の記載を誓って届け出をした者を、犯意がないとして、政治資金規正法への届け出がえを示唆したという記事を私は新聞で拝見しました。それでは脱法行為の指導ではないでしょうか。そういうことが通用するようでは、公選法の特定寄附の禁止規定は全く空文化するではないかと私は思いますが、その点はどうでしょうか。出納責任者が公選法に基づいて提出した届け出は、それ自体が供述書に等しいものであって、それ以上の任意性に立つ証拠はあり得ないと私は思いますけれども、その点いかがでしょう。
#51
○中平政府委員 何を根拠に私どもがそうした書きかえの訂正を指示したということをおっしゃるのか、私は理解に苦しむわけでございまして、そういうことを私どもは申すはずもございませんし、一切そういうことは申しておりません。
 それから、宣誓書の問題でございますが、あの席でも私申し上げましたように、一応選挙運動の収支報告書という形で出しておるわけでございますから、形の上からいいますとそれはあの法律に触れる疑いがある、そこまで私申し上げたわけでございます。ただ、事柄が事実認定の問題でございまして、私ども従来の経験からいうと、誤記の場合もあり得るし、あるいは思い違いとかいろいろな場合もあり得るわけでありますから、その辺については事実認定の上に立って判断をすべきものである、このように考えておるわけでございまして、したがって当該出納責任者の宣誓書も同様の意味において解すべきものではなかろうか、このように考えております。
#52
○三谷委員 初めにお断りしましたように、そういう趣旨の新聞報道があるので、それが事実であればという前提に立ってお尋ねしましたので、私が直接、警察がそういう指示をされたということについては確認しているわけではありません。ですから、一定の前提がある。そのことをちゃんと申し上げておる。
 そこで、そうしますと疑いがあるとおっしゃったわけですから、その後の捜査は一体どのように前進しておりますか、お聞きしたいと思います。
#53
○中平政府委員 捜査というか調査というか、その辺はそれぞれの物のとらえ方の相違でございますが、私、あの席では事実関係を調査する、このように申し上げた次第であります。各都道府県警察におきましては、現在それぞれ事実関係の調査をしておる、こういう状況でございます。
#54
○三谷委員 一体、この事実関係の調査ということはどういう内容を言うのでしょうか。要するに、この者にこういう寄附をしましたという届け出が出ている、それは全く任意性に立つ届け出なんです。作為のない届け出なんです。そして、ここで犯意ということが言われておるようでありますが、犯意とは何かといいますと、この場合の犯意とは、立法の趣旨に示されておりますように、寄附によって利益を得る可能性、得ようとすることあるいは利益の継続を意図しようとすること、このことに対する懸念が持たれるからこの種の献金はしてはならない、こういうことになっておる。しかも、これは犯意のあるなしにかかわらず禁止されておるのでございます。
 ただ、調査で必要なことといいますと、恐らく二百条の関係だと思いますが、二百条の関係といいますのは、寄附を勧誘し要求したかどうかという点であります。これは、届け出には記載されておりませんから不明な点であります。しかし、勧誘をし要求をしたかどうかにかかわらず、「何人も、選挙に関し、第百九十九条に規定する者から寄附を受けてはならない。」こういう規定になっておるのであります。ですから、これにつきましては、公選法の二百五十条にも規定されておりますけれども、これを見ますと^重大な過失によって二百四十九条の罪を犯した者を処罰するものとする、こうなっておるわけです。
 だから、よしんばそこで思い違いがあり過失があったとしても、それをやった場合には処罰される。ただし、その場合に裁判所は、情状によってその刑を軽減することができる。これは、情状酌量ということは裁判所の認定する事柄になっておるわけであります。これはいまさら言うまでもありませんけれども、ここでは特に特記しているわけです。そういう点からしますと、一体調査は何をおやりになっているのか、お聞きしたいと思う。
#55
○中平政府委員 これは当然のことでございますが、当該寄附がいつ、どのような形で、どのような事実認識のもとに行われたか、その辺のことを詳細に調べる必要があるわけでございます。
#56
○三谷委員 それをお調べになっている過程に、すでに当事者からは訂正の届けまで出ておるのです。それでは、一体、この調査というものがどの程度進行しましたのか、お聞きしたいと思う。
#57
○中平政府委員 訂正したか訂正してないかということは、これは選管と当事者の問題でございまして、事実はこれは一つでございます。したがいまして、そのようなことは最終的な事実認定には影響ございません。ただ、その過程でいろいろな話が出たことは、われわれの参考には十分なるわけでございますが、事実は一つでございますから、その辺のところはひとつ誤解のないようにお願いをしたいと思います。
 それから、先ほど何か過失――これは重過失を一応押さえているわけでございまして、なるほど情状によって裁判官は軽減ができるわけでございますが、これは前提は重過失でございます。重過失というのは、未必の故意に近いような過失のことを言うわけでございますから、その辺についても十分に調べる必要がある、このようなことでございます。
#58
○三谷委員 それでは、いまなお調査中であるということでしょうか。
#59
○中平政府委員 先ほども申し上げましたように、それぞれの府県警察がそれぞれの実情に即して調査をしておる、そういうことでございます。
#60
○三谷委員 この種の犯罪の捜査に、犯人を特定捜査するという性質のものじゃありませんから、それほど時間がかかるとは考えられない。ですけれども、捜査中だそうでありますから、調査の結果をお待ちさせてもらいますが、要するに、この公選法の規定といいますのは、腐敗を伴いやすい政治献金を防止して、選挙の公正を維持することを目的にしたものでありますから、厳格な法の執行が必要であって、世上では何か、訂正の届けを出せばそれでいいんだというふうなことがいろいろ流布されている。しかも、これも世上でありますけれども、それは警察との合意によってなされておるというようなことが盛んに流れておるわけでありますから、そういう状況からしましても、迅速にそして厳格に、この実態を明らかにする必要があると思うのですが、公安委員長、いかがでしょうか。
#61
○世耕国務大臣 御指摘のように、迅速に調べて早急な結論を出すことを期待しているものであります。
#62
○三谷委員 私は、一度お尋ねしたことがありますが、五十五年選挙に当たりまして、各府県のトラック協会が広い範囲の献金を行っております。トラックの関係業者は、道路運送経営研究会という政治団体をつくっております。それから、トラック協会政治連盟というのも組織しております。それから、各府県トラック協会政治連盟というのも名称では存在しております。これで表面上だけで約三千万円の献金がなされております。これは組織実態といいますものは、全日本トラック協会あるいは各府県トラック協会と同体異名のものであります。
 しかし、これについては時間がありませんからきょうは触れませんが、前回の選挙に当たりまして、全日本トラック協会及び各府県トラック協会が三十三名の議員に対して献金を行っております。この中には、坂田法務大臣、中川科技庁長官、森下厚生大臣等も含まれておりますが、この献金は政治資金規正法の二十二条の三に抵触するものではないか。前回、大林選挙部長は、利益を伴わないものは除くという例外はあるが、二十二条の補助金に当たるということをこの委員会の審議の中でお答えになっている。大久保業務部長は、これは運輸省でありますが、運輸事業振興助成金は、各都道府県単位に、ほぼ全事業者により組織された公益法人であるトラック協会に交付金を出しておる、その厳正な運用の確保を指導しておるとお答えになっておる。
 一昨年の十月でありましたか、この委員会でトラック協会の違法献金についてお尋ねしましたが、主務官庁である運輸省は、全日本トラック協会の献金の実態調査や、あるいはそれに基づく指導その他の処置をどのように行われましたのか、お聞きしたい。それから警察庁は、事実関係を私どもの立場でよく調査して、主管の行政庁もあるので、行政庁の判断、行政庁での実態の把握、そういうものを踏まえて、措置すべきものについては適切の処置をする、こうお答えになりました。これもその後どのような経過をたどって、どのような処置になったのか、お聞きしたいと思うのです。
#63
○大久保説明員 お答えいたします。
 全日本トラック協会につきまして、昭和五十四年度決算につきましては五十五年の十二月二日に、それから五十五年度決算につきましては五十六年九月二十二日に、それぞれ運輸省の担当官が立ち入りまして厳正な監査を行いましたが、全日本トラック協会から政治献金が行われた事実はございません。
#64
○中平政府委員 先般、三谷委員から御指摘のあった後、私どもといたしましては、警視庁とかあるいは大阪とか兵庫県とか関係の都道府県に、国会の論議を踏まえて関心を持って対処するようにという指示をいたしたわけでございますが、その後各都道府県警察からは本件に関して具体的な犯罪の容疑を得るに至っていない、このような報告を受けております。今後引き続いて、当然のことでございますが、具体的な犯罪を構成する事実がありましたらそれなりに対処してまいりたい、このように考えております。
 それから運輸省との関係でございますが、私どもの方でも主管の運輸省からいろいろと事情の聴取をいたしたわけでございますが、ただいま運輸省の方でお答えをしたような内容である、このように承知いたしております。
#65
○三谷委員 運輸省は、一体どのような調査をざれましたか。ここにトラック協会による献金一覧表というのを私は整理してきておりますが、この中には全日本トラック協会の寄附金もあります。それから各都道府県のトラック協会の寄附もありまして、これは合計しまして二千百十五億円に達しております。しかも、これは単に計数をまとめただけでなしに、各府県に出しました届け出に基づく選挙公報、これも各府県のものを全部取り寄せて見ておりますけれども、明らかにトラック協会名義の献金がここには記載をされておるのであります。そうしますと、一体、運輸省の調査と、いうのはどのような調査をされたのか。ただ行って聞いて、そういうことをしたのかしなかったのか、それを聞いただけなんでしょうか。
#66
○大久保説明員 先ほどお答え申し上げましたのは、中央団体でございます全日本トラック協会についての監査の状況を申し上げたわけでございます。
 それから、ただいま先生の御質問でございますが、私ども、御指摘のまうな事実があることについては承知しておりませんが、御指摘のような事実が現に存するというようなことでありますれば、当該トラック協会に対しまして今後政治資金規正法上問題となる行為のないように厳に指導してまいりたい、かように考えでおります。
#67
○三谷委員 ここに資料があるので差し上げてもいいが、運輸省にこれを差し上げておく。
 それで、この問題を指摘しましたのは、梶原清という自動車局長が参議院の選挙に立候補されました。いまから三年前であります。そのときに、トラック協会が政治団体も含めて、挙げてこの梶原候補の応援に熱中をしまして、人も出す、金も出す、そういう行為をやりまして、その中で、こういう国の補助金を受けておる、そこからそういう金品を提供するのはおかしいではないかということをお尋ねした。これが最初であります。その後、それに基づいて調査をされたようでありますけれども、調査ができていない証拠というものはいま差し上げた資料で明白なわけです。
 全日本トラック協会は、たとえば、亡くなりましたけれども荒舩清十郎氏だとか、あるいは野田毅氏だとか、こういうところには全日本トラック協会名義で献金がなされておるのであります。――さっきの二千百十五億というのは間違いでした。これは別の方の関係でありますからトラック協会の方ではありませんが、トラック協会は全体としましては五百六十五万、表面に出たのがそうなっている。ただし、これは言うておきますが、政治団体を称している分は除外しておりますよ。協会名で寄附をした、これだけで五百六十五万でありますが、この行為はどうなんでしょうか。違法な行為にならぬのでしょうか。警察はどうお考えでしょうか。
#68
○大林政府委員 政治資金規正法の上では、御承知のように二十二条の三で、補助金等を受けました会社、法人が政治活動に関する寄附をすることを禁止しておりますけれども、これはさらに区分けをされまして、国から補助金を受けた団体は、国の選挙の候補者あるいは国の政治家あるいはその後援会、そういうものには寄附していけないけれども、地方団体関係の候補者には寄附をすることを禁じられてはおりません。逆に、地方団体から補助金をもらった会社その他の法人は、その地方団体の候補者等に寄附をすることが禁じられておりますが、同時に、国に関する政治家に寄附することあるいは後援会に寄附することは禁じられておらないというふうに、それぞれの補助金の出どこるによって制限対象が区分けをされておるわけであります。
#69
○三谷委員 そうしますといまおっしゃったの建国の補助金が財源の一部として交付されていても、補助事業の主体、要するに交付決定者が地方公共団体であるから、このような補助金を受けてもこの事項には該当しないという解釈だろうと思います。
 そこでお尋ねしたいのは、この交付金、これは地方団体の裁量権に基づく補助金ではない、交付金ではないのであります。運輸事業振興助成金というものは、税調の答申に端を発しまして、国会において軽油引取税の税率引き上げを行い、その一部を自動車運送業者に交付することになりまして、自治省、運輸省の通達で交付基準を定めて都道府県に交付を強制したものであります。しかも、交付額相当額を地方交付税におきまして補てんをする、こういう措置もとられておるのであります。
 明らかにこれは、国の方針に基づく国の助成制度になっている。事実上の交付決定者も財源の提供者も国である、これは事実明らかです。ただ、最終支出が自治体の窓口を通じて出ておるというだけであって、制度の制定も実際の補助財源もすべて国が行っているのであります。ですから、トラック協会への交付金は、明らかに国が行っている補助金、補助行為であります。そのことを、さっき言いましたように、前回大久保業務部長は答弁の中でもお認めになっております。
 この金は府県を通じて出る、全日本トラック協会には府県から拠出金として出てぐるわけでありますから、そういうことを言っておれば、全日本トラック協会の献金もこの規定には該当しない、こういうことになってくるのであります。そういう解釈というものは認められるものではない。トラック協会への交付金は明らかに国が行っている。そうしますと、国からの補助金、負担金、利子補給金、その他の給付金を受けた会社その他の法人の寄附でありて、政治資金規正法に違反するのは当然だと思いますが、いかがでしょうか。
#70
○大林政府委員 そういう話になりますと、個々具体の補助金が国の補助金であるか地方の補助金であるかによって、二十二条の三という条文に抵触するかどうかという問題になりますけれども、私どもは、それぞれの補助金が国の補助金であるか県の補助金であるかという問題につきましては、補助金の問題が具体化しました時点で、その所管当局において考えられておる補助金の性格というもの、その補助金が国の補助金であるか地方の補助金であるかということを判断せざるを得ないと考えております。私どもが聞いておりますところでは、現在問題になっております補助金は地方自治法に基づく補助金、こういうふうに承っております。
#71
○三谷委員 それはさっき申し上げましたように、運輸省や自治省の通達に基づいて、一定の基準を決めて特定の団体に交付すべきものである、そして、その交付しました財源は地方交付税で補てんをする、こういう制度のものであって、その内容を見ますと、窓口は地方を経由しますけれども、明らかに国の制度であるということが客観的に見て言い得るわけであります。
 地方自治体は自分の裁量権を持って出すところもある、出さぬところもある、すべて地方自治体の首長の権限である、そういうことではない。地方自治体の首長がいかなる考えを持っておろうと、この分はそのような基準で交付しなさい、こういう強制がついておるわけでありますからいこれは明らかに国の制度であって、地方というものを通じて行りている、経由してやっているというだけにすぎないのであります。
 いま申し上げましたような幅の広い献金がなされております。五十四年、五十五年、相次いで行われておるわけでありますが、こういう事態に対して運輸省は、一体どのような指導をされているのか、それはやってもいいという考え方で指導されておるのか、やってはいけないという考え方なのか、お聞かせを願いたいと思います。
#72
○大久保説明員 先ほどもお答え申し上げましたように、トラック協会が政治資金規正法上問題となるような行為をしないよう、厳に指導しております。
#73
○三谷委員 厳に指導しておるにしては、一向に実効上がってないじゃないの。こういう違法な支出を平然と行うのであれば、これはそれ相当な処置をとるべきである。
 自治省は、どうなんですか。それまで含めて財源の補てんをされるわけですけれども、こういうことについて一体自治省はどうお考えなのでしょう。
#74
○関根政府委員 私どもは、通達をもちまして助成交付金の交付を行うように指導をいたしておりますけれども、それは、先生御承知のとおりの経緯に基づきまして、運輸事業のコストの軽減等を図るという趣旨から行っているものでございまして、交付されました補助金というのはそういう目的に使用されるもの、そういうふうに指導をいたしているところでございますし、また、直接のバス協会なりトラック協会なりの監督の責任のある運輸省にも、そういう指導をお願いをしているところでございます。
#75
○三谷委員 いろいろと運輸省も指導されている、自治省も指導されているけれども、その指導の結果というものが行政行為の上に示されていない、これはどういうことなのでしょう。今後どうされますか。
#76
○大久保説明員 先ほども御答弁申し上げましたように、政治資金規正法上問題になるような行為をしないよう、厳に指導してまいりたいと思います。
#77
○三谷委員 自治省、どうですか。
#78
○関根政府委員 先ほども御答弁申し上げましたように、運輸事業振興助成交付金の本来の目的に沿った使用がなされるよう、引き続き指導してまいりたいと考えております。
#79
○三谷委員 政治資金規正法の二十六条の二によりますと、この種の寄附をした会社、法人の役職員、「寄附をすることを勧誘し、又は要求した者」「寄付を受けた者」は、それぞれ「三年以下の禁錮又は二十万円以下の罰金」に処されるとなっております。こういう処罰規定まで存在しておりますが、繰り返してこのような違法行為がなされておりますけれども、警察庁はこの実態の上に立ってどのようなお考えか、お聞きしたい。
#80
○中平政府委員 事柄は、政治資金規正法二十二条の三の解釈いかんに係る問題だと思います。政治資金規正法は、本来自治省の所管事項でございますから、まず、立法当局である自治省の有権解釈を踏まえつつ、私どもとしては適切な対応をしてまいりたい、このように考えております。
#81
○三谷委員 自治省の有権解釈と称するものはどういうものでしょうか。
#82
○大林政府委員 二十二条の三につきましては、先ほど申し上げたとおり、国からの補助金については、それを受けた会社、法人は国の……(三谷委員「一般論としてはわかっておるから、この場合」と呼ぶ)はい。したがいまして、現在私どもとしましては、交付金というものが地方団体の補助金であるというふうに認識をしておりますので、地方団体の補助金をもらっておるトラック協会が地方団体の関係候補者に寄附をしておれば、これは二十二条の三の違反となるというふうに考えております。
#83
○三谷委員 地方団体の補助金ではないということを先ほどから私は説明しているわけですが、あなたがそれについて、一種のアンチ的な論理をお持ちであればお聞かせ願いたい。この運輸事業振興助成金というものは国の制度としてできたものである。そしてこれは、基準を定め、地方自治体に支出を強制しているものである。その強制に従って、地方自治体はこの団体に支給している、それだけにすぎない。その実態というものと、あなたがおっしゃっている地方自治体の権能に基づいて独自に出している補助金とは全然違っている。それは同じものなのですか。
#84
○関根政府委員 法律の解釈は選挙部の方でございまして、この助成交付金の所管を私の方でいたしておりますが、私の方は、この助成交付金につきましては、基本的な性格といたしましては、あくまでも各都道府県の自主的な判断で行われます都道府県の補助事業というふうに考えているわけでございます。
#85
○三谷委員 しかし、それは実態と違っておりやしませんか。都道府県の首長が一定の裁量権を持って出そうと出すまいと自由である、あるいは率もそれぞれの府県で勝手に決めればよろしい、そういうことになっているわけですか。つまり、自主的な裁量権を持つ補助金というわけなんですか。そうじゃないでしょう。自治省の事務次官通達や運輸省の通達を見ましてもすべて率を決めている、そしてそれに基づいて支給することを強制している。そうしますと、これは国の補助金じゃないですか、国の制度じゃないですか。どうしてそれが地方自治体の首長が裁量権を持つ補助金と言えますか。そこをもっとしっかりしてください。
 しかもこういう事柄については、もしも疑いがある場合にはそういう方向に向かないように指導するというのが、この法律の趣旨からいって当然のことなんです。これは、国や地方の団体と業者との癒着を防いで選挙の公正を確保するという性質のものだし、あるいは、これは政治資金規正法でありますから、政治活動の中にそういう腐敗や不正が忍び込まないように、それを保障するというのが立法の趣旨であります。だから、そういう疑問のある金については、国が出しているという性質のものでもあるし、また立法の精神からしましても、厳格に取り締まっていく立場に立つべきものだと私は思いますが、その点どうですか。
#86
○関根政府委員 御指摘の通達によりまして都道府県の指導はいたしておりますけれども、これはあくまで指導でございまして、強制にわたるようなものとなっているものではございません。運輸事業におきますコストの軽減等につきましてより効果を上げますために、都道府県がそれぞればらばらで内容の異なる交付金を出すということでは困りますので、整合性をとるために私どもとしては、こういうやり方でやっていただきたいという御指導を申し上げておるということでございまして、それは最終的に国の補助金なのかあるいは地方の補助金なのかと言われました場合には、基本的にはあくまでも都道府県の補助金である、国の補助金ではない、こういうふうに私は考えているわけでございます。
 なお、指導の点につきましては、私どもは、この交付金が政治資金の寄附等の財源になっておるということについては聞いておらないわけでございますし、また、そういうことがないように今後ともしっかりした指導をしていきたいというふうに考えております。
#87
○三谷委員 あなたの答えには矛盾がある。一つは、これが政治資金等になっていることについてはよくないから指導をする、一方においては、これは府県の補助金だから国会に対して献金をするのは差し支えない、こういう結論になっている。全く矛盾したことをおっしゃっている。これが地方団体の自由な補助金だという解釈そのものが、大変無理な解釈、牽強付会の解釈なんです。
 先ほど言いましたように、これは軽油引取税の税率改正に端を発しまして国の制度として設けたのだが、その支給の仕方をどうするのか、これは府県を通じて府県のトラック協会に金を渡す、全日本トラック協会というのは府県のトラック協会の連合体だから、府県からそこに金を遡及をして分担をするということになってきた。こういう経過とかあるいはこの金の動きなどを見ますと、これは明らかに国の補助金であって、国はそんなものは関係ありませんと言えるものじゃない。あなたは強制ということではないとおっしゃったけれども、明らかに国の制度として地方自治体に強制している。
 それは、国として地方自治体に対してこれという命令が出せるわけじゃない。文書の上では要請をするということになっておるようでありますけれども、それは言葉のあやであって、実際上はやりなさい、やって足りない金は国が出してあげます、こういうわけなんです。これが国の補助金ではないとは言い切れない。だれが聞いてもそう思う。地方が勝手にやっているんですなどということを言えるものじゃない。国がやらせているということだ。そうであれば、その決定者は国であって、そこから金をもらうということは政治資金規正法に違反をするという結論になってくる。大臣、どうですか。
#88
○世耕国務大臣 この交付金の性格からいいまして、基本的には、先ほどから政府委員が答弁していたとおり、県が自主的に判断した県の補助金であると考えております。
#89
○三谷委員 あなたは、先ほどから私の言っていることを聞いていらっしゃったのですか。自主的に判断したなどというものではないじゃないですか。これは先ほど言いましたように、軽油引取税の審議から始まりまして、そして国がつくりました運輸事業振興助成金という制度が基本になっているのです。それを地方を通じて一定の率を決めて交付させている、交付しましたその補てん財源は国の交付金で支弁をする、こうなっているわけですから、これが地方の自主的な補助金だなどということはどこを突けば言えますか。そんなばかなことをおっしゃってもらっては困る。もう少し論理性のある答弁をなさい。
#90
○関根政府委員 先ほどから申し上げておりますように、政治資金規正法の方で、補助金の性格によりましてその対象の規制を分けているわけでございます。国の補助金であるか地方の補助金であるかの違いによりまして答えが違ってくるということになるわけでございますが、私どもは、この運輸事業振興助成交付金はあくまでも地方の補助金である、こういう性格を持ったものだというふうに考えております。
 もちろん野放しといいますか、都道府県が全く独自に出しておるというものではない。いろいろ経緯がありまして私どもも通牒を出し、また財源といたしましては交付税の需要額にこれを織り込んでいる、そういう性格のものである。そういう経緯なりやり方というものはありますけれども、最終ぎりぎり詰めた場合に、この補助金の性格が国の補助金なのか地方の補助金なのかということになれば、地方の補助金というふうに解釈せざるを得ないということを申し上げているわけでございます。
#91
○三谷委員 それならば、国の選挙に幾ら金を出しても構わない、そういう結果になるわけですか。
#92
○関根政府委員 幾ら金を出してもいいのかということを言っておるわけではございませんで、この補助金が政治資金規正法上、国の補助金であるのか地方の補助金であるのかというふうに問われれば、それは地方の補助金というふうに考えるべき性格のものであるということでございます。
 なお、補助金として交付されましたものの使途につきましては、先ほどから御答弁申し上げておりますように、補助金の本来の趣旨でございます運輸事業のコストの低減等に資するために十分使っていただきたい、こういうことを指導を申し上げておる次第でございます。
#93
○三谷委員 そうしますと、前回大久保運輸省業務部長がおっしゃっているのは、「各都道府県単位に、ほぼ全事業者により組織された公益法人でありますトラック協会に交付金を支出いたしまして、その厳正な運用の確保を指導しております。」とおっしゃっておる。つまり、このような交付金を国の制度としてつくって出しておるとおっしゃっておる。あなた方は、どうも逃げ口上を盛んに設けようとするけれども、地方の自主的な補助金だという論理はここでは成り立たぬのだ。なぜ成り立たぬかと言えば、その制度自体を国がつくって、率も国が決めて、それを地方に対して強制しているわけだ。そうしてそれをやった場合には、つまり財源は全部国が見てやるというわけでありますから、それでは地方団体の方はそれに従っていくのがあたりまえなんだ。一貫して国の制度として地方に対して押しつけられておる。まあ押しつけられると言えば、あるいは語弊があるかもわかりません。とにかく、金は使ったものは出すわけだから、地方の方は何の痛痒もない、これという個別の行政上の責任というものはそこには生じてこない一金は国からもらえる、そして率も国が決めてきた、国からそういう通達が来ておるというわけのものです。それで、どうして地方自治体の自主的な補助金と言えますか、言えるわけがない。
 これは、もう少し研究してもらう必要がある。この場に臨んでそういう牽強付会な議論をするのではなしに、実態をよく見て、そうしてその場合に政治資金規正法や公選法の関係でありますが、この場合は政治資金規正法でありますけれども、こういう国の補助金を受けておるものは国会議員の選挙に金を出してはいけないという禁止規定があるわけでありますから、その立法精神というものを十分に酌んで、この問題の本質というものについても適正な判断を下すべきだと私は思っておりますが、どうでしょうか。
#94
○大久保説明員 先生のお言葉でございますが、拝聴しておりますと、私があたかもこの運輸事業振興助成交付金は国が支出する国の補助金であるかのごとき発言をしたかのような御発言でございますが、そのような発言をしたことはございません。
#95
○三谷委員 五十五年の十月二十四日の速記録がありますが、あなたがおっしゃったのは、「貨物自動車運送事業の適正な運営と公正な競争の確保により公共の福祉に寄与するということを目的として、各都道府県単位に、ほぼ全事業者により組織された公益法人でありますトラック協会に交付金を支出いたしまして、」地方自治体が支出したと書いてない。運輸省が支出いたしまして、「その厳正な運用の確保を指導しております。」こう言っておる。これが速記録だ。そこはどこが違うのだ。
#96
○大久保説明員 お答えいたします。
 私の言葉が舌足らずだったかと思いますが、「交付金を支出いたしまして、」というのは県が支出いたしましてということでございまして、「その厳正な運用の確保を指導しております。」というのは運輸省が指導しておる、こういう意味でございます。
#97
○三谷委員 どうも最近お答えになることが、ぼろつくろいに盛んな強弁をなさっている。自治省の答弁もそうなっているのだ。運輸省もそうなんだ。ここで前段から読んでくるならば、これは府県が交付金を支出してとなっているわけじゃないのです。この流れを見れば、国の方で運輸事業振興助成金というものがつくられて、そしてそれを各都道府県単位にトラック協会に交付金を出しております、こう言っておるのであって、前段のこの制度の問題、それから財源の問題などから見ましても、これは都道府県が出しておりますということになっていない。もういい、いまさら答弁したってだめだよ。この文章を見れば明らかだ。いまごろになって、いかにしてこの事態をごまかすためにいろいろな遁辞を設けようかと努力しているわけだけれども、こんなことは聞いておればみんなわかることなんだ。これはきわめて明確な答弁をなさっておるわけです。
 それで、この問題についてはもう少し研究してもらいたいが、どうなんです。これは国のものじゃありませんで済みますか。国のものじゃなければ、国の方は財源の責任を持ちませんか。あるいは、随時それぞれ好きほうだいな交付金を出す、または削ってもいいわけなんですか。もっとも削る必要はないのだ。国が出すわけだから、地方は削るわけはない。もしも地方の責任に属するものであれば、地方はこの補助金を削って、そして一般財源を余すという措置ができますけれども、要するに交付税で全部埋めていくわけだから、地方の方はそういう裁量権を働かせて、削減をするとかあるいは増額をするとか、そんなことは全然する必要がないわけです。そういう保障になっているということなんだ。だから、これは国の制度だということが言えるわけだ。しかも、このようにしまして、国の制度として各府県において同一にやられておる、全国一緒にやられておる、国の基準でやられておるわけなんですそれがどうして国の補助金ではなしに地方の自主的なものでありますなどということを厚かましく言えますか。そんなのはだれも納得しませんぜ。どうです、この問題についてはもう少し研究して、もっと納得のできる見解を示してもらいたい。もしも、府県が支給を停止してもいいわけですか。恐らく府県は停止はしない。する必要がないからだ。それは国が金を保障しているからだ。停止をすれば、国から交付税の配付がないというだけのことだ。つまり、ここでは完全に国のシステムになっているということだ。そのことをあれこれといろいろな詭弁を弄してごまかそうとしたところで、との客観的な事態というものは明確にこれは国の補助金である、国の制度である、こうなっている。どうですか行政局長、これは検討してもらわぬといかぬ。
#98
○関根政府委員 国がいろいろ御指導を申し上げて、しかも財源のめんどうまで見ている助成交付金であることは間違いございませんけれども、最終ぎりぎり、との助成交付金が国の交付金なのか地方の交付金なのかどっちなんだということになれば、これはあくまでも都道府県の、地方の補助金であります、地方の助成交付金であります、こういうことを申し上げているわけでございまして、その点についてはぜひ御理解をいただきたいと思います。
 ただ、そういう経緯があって出ている交付金であるから、その使途等について、本来の交付の目的のとおり十分に効率的に使われるように指導せよという御趣旨もあると思いますので、そういう点については従来から私どもやってきたつもりではございますが、今後ともそういう方針で指導をしてまいりたい。
 しかし、都道府県のバス協会なりあるいは全国トラック協会なりというものの直接の指導監督権というのは、多分運輸省にあるのではないかというふうに理解しておりますが、運輸省にもいさらに徹底した指導をしていただくようにお願いをしてまいりたいと考えております。
#99
○三谷委員 その指導というのは、政治資金規正法に反するような献金をしてはいけない、そういう指導という意味ですか。
#100
○関根政府委員 法律に違反しないような使用をするということは当然のことであります。それを超えて、さらに有効適切に使用されるように指導していただきたいというように考えているわけでございます。
#101
○三谷委員 しかし、あなたの解釈でいくとい法律に違反することにならぬわけだ一地方の自主的な判断に基づく補助金という解釈に立てば、国の議員の政治資金に対して幾ら献金しようとこれは構わない、法的には。そういう結論になってくる。それが前提になっているわけですか。
#102
○関根政府委員 そういう意味に理解をされると困りますから、先ほどの答弁におきましても、法律違反を起立さないことは当然のこと、それ以上にさらに有効適切に本来の目的に即した使用のされ方がなされますように指導していただきたい、いきたいということを申し上げたつもりでございます。
#103
○三谷委員 あなたの答弁も全く矛盾に満ちたものであって、これが地方団体の自主的な補助金であれば政治資金規正法上の制限を受けないわけだ。おから、それは違法行為と言えなくなってくる。だけれども、あなたは、そのことをやはり阻止しなくてはいかぬとおっしゃっている。それは恐らく、何というのですか、道義的なといいますか、そういう趣旨のものかわかりませんけれども、おっしゃっている。
 いずれにしましても、この問題につきましては、あなたがおっしゃいますように地方自治体の補助金だとは私どもは受け取りません。だって、この支出の決定者は知事じゃないわけだ。知事には決定する権利はない。決定権があるのは国だということだ。だからこれは、地方は国の通達に従って、ちゃんと国の財源の補てんに従って自動的にやっているというだけのことでありまして、そこには地方自治体の首長の裁量権が全然認められいない。そういう性質のもりです。だからこれは、いまのあなた方のお答えでは私どもは納得しませんし、それから首尾一貫しない、お答えが。政治資金規正法違反が存在するかのような、しないかのようなことにもなってくるような答弁をなさっている。これは、時間がありませんから、きょうはこれぐらいにしておきますけれども、なおこの問題については一層研究してもらいませんと、このままで了解というわけにはまいりません。
 時間が来ましたから、終わります。
#104
○中山委員長 午後一時に再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時十三分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時四分開議
#105
○中山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。田島衞君。
#106
○田島委員 まず大臣に、基本的な問題として、大臣みずからも民主主義は健全な地方自治の基盤の上に成立するものと確信しておちれるということですが、その地方自治について、憲法ですらわざわざ一条を割いて地方自治の本旨をうたっておるのです。ところが、その地方自治の本旨ということはありとあらゆるところへ出てくるが、地方自治の本旨とは何ぞやということについては明らかなるものはない。しかし、やはり民主主義は健全な地方自治の基盤の上に成立するというお互いの認識の上で物を考える場合には、地方自治の本旨というのは大体要約すればこんなところだろう、これだけは欠かしてはならぬものだろうという認識においては、お互いにほぼ一致するところがないと議論してもかみ合いませんから、そこで大臣の考えられる地方自治の本旨とはどのようなものを考えられるか。時間が短いものですから、できるだけ要点だけお願いしたいと思います。
#107
○世耕国務大臣 御指摘のように地方自治の本質の問題でございますが、地方自治というのは、私は、地方公共団体が自主的にまた自律的にその能力を発揮することのできる制度である、こういうふうに解釈しております。
 それは、さらにもう一つ広げますと、日本列島は北の方から亜熱帯に近いところまでずっと横たわっておりまして、各地方によりましておのおのみんな歴史とか文化とか風土とか気候とか慣習とか生活様式とか違うものでございまして、その地方の住民のいろいろなそういった成り立ちの上に立って各地方自治体があると思うのでございます。民主主義の一番基盤であるというふうに御指摘になりましたが、そういった地方自治のあり方というものを私は考えておる次第でございます。
#108
○田島委員 大変申しわけないのですけれども、自治大臣になられた世耕先生にはもう少し突っ込んで勉強をしていただいて、ぜひとも御就任中にさすがにごりっぱな治績を上げられたというふうにひとつお働きを賜りたいと思うのですが、時間を節約する意味で、私の方から今度は反対に、こういうこと、こういうことじゃなかろうかと思うけれどもいかがですかというふうに聞かしていただきます。その方が時間が速いと思いますから。まず一つは、地方自治の本旨というべきものの絶対要件は住民の意思の尊重、そして住民福祉への貢献、これが絶対条件の一つだと思うのですけれども、大臣、いかがでしょうか。
#109
○世耕国務大臣 御指摘のとおりだと思います。
#110
○田島委員 それから二つ目は、そういう住民の意思を最大限度に尊重してもらう、住民福祉への貢献を地方自治でやってもらう。そういうことをやってもらうのはただ無償でやってもらうのじゃなくて、住民は、そういうものを与えられるためには当然税金等による応分の負担の義務を負う。これも要件だと思いますが、いかがでしょうか。
#111
○世耕国務大臣 おっしゃるとおりでございます。
#112
○田島委員 もう一つ、それらの二つの要件を受けて、住民の負担を伴う仕事をやることであるし、住民の意思を尊重し、その福祉に懸命に貢献をしなければならぬという目的も考えるとすると、最小の経費で最大の効果を上げる、要するにむだは一切してはならぬ。これが三つ目の欠けてはならぬ条件だと思うのですが、いかがしでしょう。
#113
○世耕国務大臣 心を同じくするものでございます。
#114
○田島委員 ようやく短い時間内に大臣と意見が一致したようであります。そこで、そのみごとに一致した意見の上で、少し質疑を通じてお互いの意見交換をしたいと思うのです。
 大臣の所信表明の中に、長期的展望のもとに行財政全般にわたり見直しを行いと、こうありますが、もちろんそう言われる以上は、ただ思いつきでそう言われたんじゃなくて、ある程度は具体的なものがあるだろうと思うのですけれども、この長期的展望のもとでの行財政全般にわたる見直しとは、どのような方向、どのような方法を考えておられるのか、大臣に大まかなところ、関係各答弁者からその大臣の意を受けての具体的な説明を求めたいと思うのです。ただし、これもできるだけ要点だけで、時間がかからないようにしてください。
#115
○世耕国務大臣 簡単に申し上げますと、地方行政を推進していくにしても、国と地方自治体どの仕事の面でいろいろな入り組んだところがあって、重なっているところもある。これをどちらかにはっきり区分をつけるということが一つ。これが行財政簡素化の一つの要因になろうと思います。それの裏づけになる財政の確保、こういうことがこれからのことでございまして、これをやるのにはかなりいろいろな細かい、細分化された分析、基礎的な見解、こういうものがどうしても必要になりますので、これが勢い中長期的展望の土台になると考えております。
#116
○砂子田政府委員 ただいま大臣からお示ししましたように、国と地方とを取り巻くいろいろな状態の中で、適正に事務配分を行うことがその一つであろうと思います。そういう中で地方分権を進あていくことが、その第二番目であろうと思います。その地方分権を進めるに当たって、少なくともいままで論議されておりました、地方制度調査会などでもそうでありますが、国の補助金の整理合理化でありますとか、あるいは国の過度にわたります関与の排除でありますとか、あるいは肥大化した行政の見直しでありますとか、そういうことがこれからの行政にとって大変必要であるし、そういうことを、長期的な観点からもう一度行政を考えてみる必要があるという意味でございます。
#117
○田島委員 ほかの方からはまた別の機会に別の形で聞くことにして、いまその長期的な展望のもとの行財政全般にわたる見直しということについて聞いたわけですけれども、今度はその後にある「私は、このような認識のもとに、新しい時代に即応した地方自治の確立」とうたわれているんですけれども、この「新しい時代に即応した地方自治」というのには特別の特徴があるのか、その点について、もし御説明、お答えをいただけるならば聞かせていただきたいと思うのです。
#118
○砂子田政府委員 いままで高度成長でまいりましたいろいろな行政のやり方がございました。しかし、このことに関しましては、先ほどお話がございましたように、見直しをしなければいかぬ、そういう中で地方自治の制度全体あるいは地方自治の運用全体についても、考えてみなければならぬ点が多々あるだろうと思います。
 いまの臨調でも議論されておりますが、いまの地方自治体の中で、一つは、もう少し住民に密着した行政ができるようなコミュニティーの制度のあり方というのが考えられるだろうか、さらにはいまの市町村を超える一つのやり方として、生活圏の拡大に伴う住民の行政需要に対応するような広域行政というものが、もう一度いまの広域市町村圏というものを制度化するかしないかは別としても、何が新しい方式というものが考えられないだろうか、さらには国自身の出先機関でありますとかいろいろなものがあることが、公共団体におけるいろいろな事務を執行する上において二重行政でありますとか二重監督でありますとか、そういうことになっているものを排除できないだろうかとか、そういう点の考え方をしまして、新しい住民の要求にこたえていくシステムをつくっていく。
 あるいは、地方自治の運営の中でも、住民の間からいろいろと批判されている問題についてもっと能率的な運営ができないだろうか、あるいは効率的な運営をしていくのにこれからどういうふうに対応すべきか、そういうことが新しい時代に対応して考えていくべき課題であるというふうに考えております。
#119
○田島委員 ここで、途中ですけれども、ちょっと念のために聞いておきたいと思うのです。
 きょうは、大臣の所信表明というか所信演説に対する質問の機会として、せっかくお忙しい中大臣の御出席をいただいておることですけれども、しかし大臣はそんなに事細かなところまで目を通されたり何だりされることではない。したがって、それ相応に他の答弁者から答弁されることは構いませんけれども、原則として私は、ここで急にそんなことを聞いても無理だということは聞いていないはずなんで、大臣が答えられるのを原則としていただきたいと思うのです。ただし、私が大臣でもそんなことを急に聞かれたって困るなんということは絶対聞きませんから。それは私の特徴とするところでありまして、そういうことは聞きません。それからまだわかりませんならわかりませんでも、それ以上は追いかけません。そういうふうにしていただきたいと思うのです。
 それと同時に大臣の所信表明、もちろん大臣みずから初めから終わりまでペンをとられたわけじゃないと思うのですけれども、この草案というのは、一体どこでつくられて大臣が手を入れられるものなのか。行政か財政か税務かどこか、ちょっとのために、その方が話を聞くのに便利だろうと思うのです。
#120
○土屋政府委員 私が申し上げる立場にはございませんが、庁内の大臣にかかわる重要な問題は官房が取りまとめに当たりますが、官房においてそれぞれの関係を、一局で問題になっておること、わが省で方針としておること、そういうものを整理をいたしまして、そして大臣に目を通してもらって演説をされる、こういうことになるわけでございます。
#121
○田島委員 さてそこで、三つ目に、中央地方を問わず、財政問題というのは大変むずかしい問題になっているのですけれども、地方も大変財政は苦しい。その財源不足に対して、地方財政の運営に支障を生ずることのないよう地方交付税の増額措置及び建設地方債の発行により完全に補てんすることとしております、これは地方財政についての演説の中にあるわけですけれども、地方交付税の増額措置や建設地方債の発行で財源不足を補てんする程度のことでは、長期的やら新しい時代に即応してやらの行財政の見直しとしては余りにも陳腐だと思うのですけれども、そうではないでしょうか。まことに長期的展望に立ち、新しい時代に即応した財源補てんの方法でしょうか、どうでしょうか。
#122
○世耕国務大臣 御指摘のことに関しては、つまり、なるべく自治体が独自の財源を確保するような方向にたどっていくのが、本来のこれからの新しい地方のためのあり方ではないか、そのように考えております。
#123
○田島委員 そのことでは、また後でもっと詳し突っ込んで応答することにいたします。次に、定員管理の問題。「定員管理の適正化等により地方行財政運営の合理化を図る」、こうありますけれども、「定員簿理の適正化」とは言うが、一体どの程度の定員がその行政に対して適当であるかということをはかるような方法を考えたことがあるのか、そのような努力をしたことがあるのかどうか。
#124
○大嶋政府委員 定員につきましては、国の配置基準等によって定まってくる定員というのは相当部分ございます。これにつきましては、関係各省庁の協力を得まして定員の適正化の努力を進めてまいりたい、このように考えております。
 それから、地方自治団体独自で定員管理ができるというものにつきまして、私ども現在研究会をつくっておりまして、そこでどれぐらいの定員が適正なものであるかということを算定する手法を現在研究中でございます。間もなくまとまると思いますが、まとまりましたら各地方公共団体へお示しをしまして、それによりまして適正な定員管理を図っていっていただきたい、このように考えまして現在研究を進めておるところでございます。
#125
○田島委員 とにかく、長期的展望というのだから気が長いことはよくわかりますけれども、「新しい時代に即応した」、即応ということはすぐそれに応じてやれることですからね。そういうようなことを考えてみると、いま定員の適正配置等について一生懸命研究しているということですけれども、本当はそれが終わって手が打たれていなければいけない。
 先ほども「新しい時代に即応した」とはどういうことかと言ったら、高度経済成長が終わって大変経済情勢としても変化がある、その変化に応じた云々という説明もあったくらい。その高度経済成長が終わったのはとっくの昔。だったら、その終わったときじゃなくて、もう終わりそうだというときくらいに、新しい時代に即応した定員とはどうあるべきかとか、財政はどうあるべきかとか、考えられてしかるべきじゃないかなと思うのですけれども、いまのお答えだとまことにさびしい限りだと思うのです。
 現に部長、その定員というのは本当につかめますかということと、この行政に対してまことに適切なむだのない、しかも十分である定員とはどのくらいだということをいま測定できますか。できるかできないか、できないと思うのだけれども、どうですか。
#126
○大嶋政府委員 御指摘のように、一つの地方団体で何百何十人が適正であるというようなことは、これは確かに非常にむずかしい問題でございます。ただ、全体を眺めてみました場合に、一つの努力目標も加味して、各団体で面積なり人口なり産業構造なりいろいろな要素がございます。そういった要素を取り入れながら計算をしてみると、大体これくらいになるというようなことはできるということで、その前提でいま作業を進めておる、こういうことで御理解をいただきたいと思います。
#127
○田島委員 それも後でまとめることにして、今度は公営企業です。
 「地方公営企業につきましては、その経営の健全化を図るため、」「経営の健全化を図る」と大臣言われる以上は、不健全であることを御認識だからそういうふうに言われるのだろうと思うわけで、その点では同感でありますけれども、まことに不健全そのもの、その不健全さの原因はどこにあると思われるか。大臣にもし御理解あるところあればお答えいただきたいし、さもなければほかの者でも結構です。
#128
○土屋政府委員 ただいまお示しのございましたように、一時公営企業の経営もよくなりかけておりましたが、五十五年度あたりの決算を見ましても、全般的に前年度よりも悪化しておるわけでございます。それはどこにあるかということになりますと、経営上のいろいろ資材の値上がりとかどうとかということもございますけれども、やはり内部的な改善合理化がまだ不徹底であるという面があると言わざるを得ませんし、また適時適切に料金改定もいたさなければならないのがおくれておるといったようなこともございます。
 また、一般財源との経営負担区分についても、適正な運用をさらに進めるべきだと思っておりますし、企業によっても違いますが、企業努力だけではどうにもならないいわゆる企業環境、交通で申しますならばいまの都市の渋滞といったような交通環境等の問題、そういったものもいろいろあるわけでございまして、そういうものは自治省だけではできないので、関係各省庁と力を合わせて解決をしてまいらなければならないと思っておる次第でございます。
#129
○田島委員 そこらの点でも、どうも認識に甘さがある。端的に短く言うと、公営企業は何で不健全になっているか、公営だからです。中身を分析すればたくさんあるけれども、一番短く言うと、不健全になっている最大の理由は公営であるからです。そう思いませんか。
#130
○土屋政府委員 何と申しますか、昔から武家の商法といったような言葉がございますが、親方日の丸的な甘えがあって、経営の健全化について徹底を欠いておるといったようなことが指摘される面もございますので、そういった面は十分反省しなければならないと思っております。
 しかしながら、ただ公営企業の場合は、たとえば病院でございますと、どうしても僻地医療とかいうような採算に合わないこともやらなければならないといったことなどもあるわけでございますので、一概には言えないと思います。ただ、お示しのように、公営であるからと言われた事柄の意味は、私どもも十分反省しなければならないと思っております。
#131
○田島委員 私は、物を言うのは余り上手でないし、短絡的に物を言いますから、多少乱暴な言い方かもしれませんけれども、要するに経営努力というものが自分にはね返ってくる形とはね返ってこない形と、ここから生まれてくるものが大変大きい。本当はそれは関係ないはずなんだけれども、人間というのは大変横着で、一生懸命努力しなくても大して変わりがないとなると、楽な方がよくなるのですよ。だから、公営ということが、言うならば経営努力というものが直接自分の利害に関係ない、こういう形であることが人間の弱い悪い面を刺激してしまって、そしてその経営内容をどんどん悪くしてしまう。
 一つの例が、たとえば公営のバスと私営のバスとが一緒に走っている。私営のバスは、後から来ても追い越して行く、そして早く停留所へ行って人を乗せる。私は、前にも言ったことがあるかもしれないけれども。ところが公営バスは、どうぞお先へと悠々と譲る。そして、だれもいなくなった停留所で、ああ乗せなくて手数が省けて結構だ、こういうことなんです。大臣は、そういうことは御存じないでしょうけれども、これじゃ公営企業の成績は上がらない。
 これはほんの小さな一例を挙げたのですけれども、事ほどさように、経営の結果がどうなろうと知ったことではない。だけれども、全部が全部じゃないのですよ。どこの職場の職員だって、中にはそんなことでは困るなと思うりっばな職員だってたくさんいるのだけれども、どうしても人間というのは安きについてしまう。だから、そんなに夢中になって働かなくたってもらえるものはもらえるとすると楽の方がいい、こういうことになってしまうわけです。だから、公営企業の健全化を図るというなら、ここらのところを抜本的に本当に思い切ったメスを入れていかなければ直りません。いまのお役所のお考えのような考え方でやっていったって直らない。だから、本当に健全化を図ろうと思うなら、その公営ということの中でも直るのか、公営という形のままじゃもう人間の弱さをどうしようもできないんだったら、その公営という形をやめてしまうか、どっちかにしなければだめだと思うのですけれども、どうでしょうか。
#132
○土屋政府委員 公営企業として行っておるにはそれなりの意味があるわけでございまして、先ほど申しましたように、採算の合わないところをやるといったようなこともございます。いわゆる行政路線といったようなものも交通にはございますし、いろいろな理由があるわけでございます。病院にいたしましても、他の民間病院ではうまくそこへ立地し得ないようなところを、採算が合わなくてもやらなければならないような場合もあるかもしれませんし、いろんなことがございますから、先ほどから申し上げましたように、一概には申せないわけでございます。と同時に、また経営努力によって改善できる道もあると思っております。
 ただ一番基本になります、いまおっしゃいましたようにいわば親方日の丸的な気持ちで経営をしておったのでは、いろんな手を打ち、補助を幾らつぎ込んでもなかなかうまくいかないということにもなりかねないわけでございますので、まずそこの経営をしていく場合の経営者なり職場なりの基本的な気持ちというところに重要な問題があるとは思っております。当然そういうことを指導しながら、また外的ないろいろな環境の整備合理化ということも当然図っていかなければならないと思います。全体として公営企業に求められておる面も相当ございますので、これをやめてというわけにもなかなかまいらないと思います。与えられた要件の中で最大限の努力をし、合理化を図っていく道が、最善の方法だと思っておるわけでございます。
#133
○田島委員 もう一つ、公営企業の料金というのは公共料金と称するものなんだけれども、本来、公営企業というものがあり、そしてそこに公共料金というものがある理由、意義は、一般の企業の料金を余り上がらないように抑えるためにあるのが本来の役目なんですね。ところが、最近の公共料金は、本当に一般の料金を上がらないように抑えているのか、そうじゃないのです。先に公共料金が上がる、うちが上がったんだからどうぞ皆さんお上げなさいと、一生懸命一般料金の値上がりを引っ張っているんだ。これだったら、もう公共料金を取る公営企業の存在意義はそれだけでもない。いわんや、そこが大赤字を出して、一般財源から繰り出したりなんかしてやっているんだったら、まさに地方自治の本旨に相反するものだと言えませんか。
#134
○土屋政府委員 料金の決め方は、公営企業といえども企業でございます、収益によって賄っていくのが原則でございますから、そこらのことを考えて適時適正化を図っていくべきだと思います。ただ、おっしゃいますように、公共料金という立場から見れば、まさに経済に与える影響、国民の生活に与える影響というものを考えて、むやみに上げないようないろいろな配慮が経済企画庁等を通じて払われておることは、御指摘のとおりでございます。
 ただ、いまも申し上げましたように、そういうことではございますが、全体として必要な料金というのはやはり徴収していきませんと、公営企業として成り立たないということもございまして、いろいろ料金についての批判もあるわけでございますが、適切な料金を関係省庁とも相談しながら認可をしていくということになっておるわけでございます。
 それが合理的であるかどうかということになりますと、率直に申しまして都市によっても違うわけでございますけれども、たとえばある大都市でありますと職員の給与が高い、年齢構成が高い、いろいろなことなどがございまして、交通渋滞等の環境の悪化等も伴いましてうまくいっていないということでございます。ただ、それがうまくいかないからといって料金の値上げのみによって処置をしていくということは、これは全くおかしな話になってまいりますので、先ほどから申しますように非常にむずかしい問題でございますけれども、私どもとしては総合的に関係省庁とも相談しながら、公営企業を全廃できない状況のもとにおいては、何らかの合理化の方向を求めていかなければならぬというふうに考えておるわけでございます。
#135
○田島委員 地方財政が苦しくなれば当然税財源やその他、地方財政の欠陥を救うための自主財源の充実を考える。この自主財源の充実を考えることはいいのですけれども、その充実という名においてたとえば公共料金をばかばか上げる、いろいろなその他の使用料、手数料も上げる、これじゃだれでもできることで、上げずにやらなければ褒めた話ではない。特にいまの公共料金のように、公共料金であれ公営企業であれ、本来何のためにそういうものがあるのかということを考えたら、公共料金というのは上げることは恥、上げずに抑えてこそ初めてごりっぱと褒められるんで、公共料金をばかばか上げることはだれでもできる。そういうことを考えて自主財源を充実するなんていうんだったら、本当に無能もはなはだしいと言わざるを得ないと思うのです。
 時間がだんだんなくなりますから、そろそろまとめに入りたいと思うのです。
 私が冒頭に、地方自治の本旨とは一体どういうものであろうかということを大臣と一緒に復習してみたいと言って、できるだけ短い時間に同意に達したわけですけれども、地方自治の本旨の中の絶対要件として住民意思の尊重というのがある。その住民意思の中には、こういうことをやってほしいという意思もあれば、めちゃくちゃに何か取るな、公共料金上げるな、税金そんなに上げるなという意思もあるのですよ。ただし、二番目に言ったように、出すものを出さぬで住民の福祉のために役所は一生懸命やってくれ、おれたちの意思は一二〇%酌み取ってくれなんて言ったって、それはわがまま。それを望む以上は、それに応じた応分の負担をする義務がある。
 だからその義務については、これは地方税法のときにまたやろうかと思いますけれども、いまの住民負担のあり方そのものだって、もう一回再検討していいと思うのです。新しい時代に即応したとか長期的展望に立っての地方行財政の検討ということは、そういう意味で地方自治の本旨という点から考えたら、いまの住民負担というのは本当に公平なのか、公平を求める余り反対に不公平になっているんじゃないかということだって考えられなくはない。
 それから、いま議論した公共料金の問題だとか使用料、手数料の値上げの問題だとか、果たしてこれが住民意思に沿うものなのか、それからまた二番目の、住民がその意思を尊重され、その福祉のために役所の行政サービスを受ける、その受けるかわりに義務を負うところの負担の範囲に入るだろうか、そうじゃなくてむしろ無理やりにしょわされている負担になりはしないだろうか、こういうところこそ検討をしなければいかぬところだと思うのです。
 何か、月並みに表面だけなでさすって終わっているようですけれども、折に触れて地方自治を考え直すというのは、新しい時代に即応した自治のあり方として、新しいものを探るのではなくて、むしろ地方自治の原点に返ることだと思うのです。とすれば、公営企業の問題にしたって、おのずからどうなければならぬかということについての勇気ある決断が出てくるだろうと思うし、その手法も生まれてくるだろうと思います。
 それからまた、公務員についてもそうです。たとえば東京都、怠け者でしょうがないということで罰を与える。与えたと思ったら、与えた同じ者に勤勉手当を与える。私は東京都出身ですから、東京都の受ける大変不利な立場についてはこれを取り上げるけれども、同時に、たとえ東京都庁がやることであっても、都行政の中にあることであっても、おかしいことはおかしい、悪いことは悪い。給与の問題もしかりだと思うのです。やはり東京都なんというのは、全国都道府県、市町村に先んじて範とならなければいけない。悪い方の範をたれるなんて、もってのほかだと私は思うのです。
 そうしてみると、鈴木知事も余り大した知事じゃないなという感じがするのですけれども、それはよけいなこととして、公務員に対する処遇の問題も、私はただ何でもかんでも締め上げることばかりやれとは言いません。人間と機械の違いは、機械は一馬力はあくまでも一馬力、どんなになでたって、さすったって、一馬力のモーターに一馬力以上の負荷をかければ焼けてしまう。だけれども、人間様はそこはありがたいもので、本人がやる気になってやってくれれば、一馬力のものが二馬力にも三馬力にもなる。
 要は、公務員の処遇とは誇りを持たせること。給料の多い少ないだとか手当がどうだとか、大体そんなことを言っていること自体がまだ誇りを持っていない証拠。本当におれがこの立場にあったときにこそこういうことをやったんだ、おれだからできたんだという誇りを公務員が皆持つようになったら、そんなばたばたしなくたって、給料もどんどん上げてやったって、それなりの成果も上がるし、またそんなに人数大ぜいいなくたって仕事もできる。要は、形じゃなくて、一人一人の持つ誇りの問題だと思うのですよ。
 だから、公務員行政なんかも少し角度を変えて、与える物の多いとか少ないとか、与え方がどうだとか、そんなことばかり言ってないで、公務員とはいかに誇りある存在であるかということの再教育ぐらいやってみたらどうかと思うのですけれども、いかがでしょうか、大嶋公務員部長さん。
#136
○大嶋政府委員 ただいまお話にございました点は、私もまことにもっともだと思います。やはり人間でございますので、その仕事に生きがいを感じ、そして誇りを持って仕事をするということは絶対に必要なことでございまして、また、そういう職場であってほしい、このように考えております。といいましても、労働者でございますから、適正な対価はもちろん支払っていただかなければならぬということになろうかと思いますが、いま御指摘の点はまことにごもっともなお話だと承っておりました。
#137
○田島委員 もちろん、生活経済というのも見逃すことのできない重要なことですから、その給与の面も一生懸命考えてあげなければいけませんけれども、ただ、さっきも私が例に挙げたように、一面においてはその勤務状態がけしからぬといって罰を与え、その罰を与えた者に勤勉手当を与える、これは精神分裂症でもなければそんなことはやりませんよ。そんなことがあり得る公務員のいまの給与体制がそれでいいと思ったら、指導監督する方もこれは少しおかしいんじゃないのかね。どうですか。
#138
○大嶋政府委員 御指摘のように、確かに仕事がルーズだからといって処罰をした、そういう職員に勤勉手当を支給するのは何事かという御指摘も、まことにごもっともでございます。ただ、東京都の方で支給をされましたのは、当時、都の議会でも御質問があったように新聞等で承っておりますけれども、人事委員会の支給規則等によって支給されたと伺っております。そのこと自体がいいのか悪いのかということにつきましては、これはやはり大方の納得を必ずしも得られるとも思えませんので、よくあり方というものは検討してみなければならぬ、このように考えております。
#139
○田島委員 何かというと検討したいと言う。日本語というのは大変便利重宝で、検討すると言われれば、じゃ検討しなさいで済む場合もあるけれども、意地悪く聞けば、一体いつまで検討して、いつその結論を出しますか。検討というのは何年くらいかかって、そしてその検討の結果、結論が出たらどういうふうにしますか。もっと意地悪く聞けば、検討しなければわかりませんか。そこらにいる町の人に、同じ一人の人間に勤務状態が悪いからといって罰を与えた、その後すぐ勤勉手当を与えた、これをおかしいかおかしくないか聞いてごらんなさい。おかしくないと言う人はいないと思うな。百人が百人、それはおかしい、そんなことがありますかと恐らく言うだろうと思うのです。あるのです、それは公務員と名のつく者にあるんだと言ったら、それは公務員の誇りがなくなってしまうでしょうよ。それを検討しなければわからぬということではまことに困るのですけれども、部長さん、どうですか。
#140
○大嶋政府委員 私、先ほど大方の納得を得られるとは思わないと申し上げたつもりでございます。したがいまして、そういうやり方がいいということを言っているわけではございません。ただ、国家公務員等の取り扱い等もございますので、そちらの方もひとつ研究してみなければならぬという意味で検討と申し上げたわけでございますが、私が答弁しております方向ないしは趣旨としては、世の中の納得は得られないという前提に立って御答弁を申し上げているところでございます。
#141
○田島委員 そこで、行財政の見直しについて、もう一回お互いに検討してみたいと思うのですけれども、先ほどは国と地方との事務配分の問題だとか、高度経済成長が終わった後の変化に伴う見直しとか、そういう御説明があったのですけれども、私はそれも一応はうなずける。うなずけるけれども、そのことはあくまでも枝葉の問題であって、根本的な問題は、本当に住民の意思を尊重し、そこの住民の福祉に貢献するためにはこの仕事、国がやるべきか地方がやるべきか、この税金、地方の税収として納められるべきか国の税収として納められるべきか、こういうことこそ検討されるべき問題だし、それから住民負担の問題も、本当にその住民の意思が尊重され、その福祉への貢献を行政に求めるなら、やはり住民はそれなりの義務、税金等によるところの負担の分任の義務を負う。この義務のあり方に本当に不公平がないかどうか。いままでの税の不公平とか公平ということの考え方は、それはそれとして、いわゆる地方自治の本旨からするところの負担の公平というものをもう一回見直していいんじゃないかと私は思うのです。
 それから福祉そのものにしても、福祉もいろいろある。福祉の一番大きな目標とするところは、人間を生かすことだと思うのですけれども、たとえば足の不自由な人を見つけたら背中へおぶってやるか車へ乗せてやる、これが大変親切、福祉だと言う人もあるでしょう。だけれども、私はそうじゃなくて、むしろ足の不自由な人を見たら、周りの者がそれとなく注意をしてあげる、転びそうになったら支えてあげる、立ち直ったらまた手を放して自分で歩かせてあげる、これが本当の福祉だと思っているのですよ。
 ところが、何でもかんでも、足がちょっと不自由だというと、不自由じゃなくても本人が不自由だと言った場合も含めて、車に乗せて一生懸命費用をかけてやる。これでは、福祉を幾らやったってなかなか十分だというわけにはいかないし、それでいてその人の足、不自由な足がぴんぴき歩けるようになるかといったら、歩かせればゆっくりなら相当歩ける足まで全然歩けなくなってしまう。こんな福祉は、にせものの福祉だと思うのです。私の言うことを、それは賛成する人ばかりじゃないでしょうから、いろいろ御意見があるでしょうけれども、考え直してみる必要もある。要は、その考え直してみる基準はどこに置くかというと、私は、少なくとも地方行財政については地方自治の本旨だと思うのです。
 だから、冒頭にそのことについてお互いの合意を求めたわけですけれども、あくまでも住民の意思の尊重、住民の意思に逆らってやることというのは、やはりよろしくないと思いますよ、税金を取ることだって、何やることだって。それから、住民の福祉のために一生懸命貢献してやらなければいけない。これは絶対要件でしょうけれども、そのためには、住民は、そういうことをやってもらうためにちゃんとそれに相応ずる負担の義務を負う。これは金持ちも金持ちでない者も、それなりに応分の負担を負うべきだと私は思いますよ。それから、そういう住民の負担を伴う仕事をやっているだけに、「最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。」これは地方自治法の中にちゃんと明文で規定してあるところです。明文で規定してあったら、経費は最小でなければならぬはずだ。ところが、往々にして最大の経費で最小の効果なんということはないでしょうけれども、まさかそうじゃなかろうかなと疑わしめるような場合だって、なきにしもあらずだと思うのです。
 この三点に、もう一回原点に戻っていただいて検討していただければ、そこにおのずから税財源の配分の問題、地方交付税法の抜本的見直しの問題、あるいは公営企業というものに対する抜本的な再検討の問題、健全化がいいのか、そんなものやめてしまった方がいいのかの問題、それから、およそ一般住民から見たら何をやっているのかと言われるような公務員行政に対する目の覚めるような改革が生まれてくると思うのですが、大臣いかがでしょうか。
#142
○世耕国務大臣 いろいろな点を御指摘をいただきまして、非常にありがたいわけでございます。おっしゃること、すべて私が常日ごろ思っていることに近いものでございまして、今後とも尊重してまいりたいと思います。
#143
○田島委員 行政、財政の改革ということは、国においても地方においてもなかなかむずかしいことでありまして、それはむずかしいということをいろいろな機会に、いろいろな形で証明されているのですから、大変なことだと思いますけれども、それが大変だというだけで何もされずに終わってしまっては、いささかも前進も進歩もない。やはりだれかが、いつか大変な勇気と決断を持ってそれに取り組んでいただく、これが道を開くことになるだろうと思うのです。
 私は、別にいままでの自治大臣に期待、希望を持たなかったわけじゃありませんけれども、新しく大臣になられた世耕さんに最大の期待をかけて、その勇気と決断を求めたいと思いますし、やはり大臣をしてその勇気と決断を覚悟させるのは、大臣を取り巻く実質的な行政の幹部の皆さんたちだと思うのですよ。先ほども申し上げた公務員の誇り、その公務員の中でも本当に数えるほどしかおられない大幹部の皆さん方の、おれがこの職にあったときにこそこれをみごとにやってのけたという、その心意気がどこかで出てほしい。そうしたら、きっと地方自治の歴史の一ページを飾るか飾らぬかわかりませんけれども、われわれのように少なくともそれに関心を持った者は、いりまでもその名前を忘れないであろうと思うのです。
 時間はまだ少し残っておりますけれども、別に時間いっぱい使うことをとうとしとしませんから、以上を申し上げまして、大臣以下の皆さん方のせっかくの御努力を期待して、質問を終わります。ありがとうございました。
    ―――――――――――――
#144
○中山委員長 この際、昭和五十七年度地方財政計画について説明を聴取いたします。世耕自治大臣。
#145
○世耕国務大臣 昭和五十七年度の地方財政計画の概要について御説明申し上げます。
 昭和五十七年度の地方財政につきましては、引き続き厳しい状況にあることにかんがみ、おおむね国と同一の基調により財政の健全化を促進することをめどとして、歳入面におきましては、地方税源の充実と地方税負担の適正化を図るとともに、地方交付税の所要額を確保することにし、歳出面におきましては、経費全般について徹底した節減合理化を行うという抑制的基調のもとで、住民生活に直結した社会資本の整備を計画的に推進し、あわせて地域経済の安定的な発展に資するため必要な地方単独事業費の規模の確保に配慮するなど、限られた財源の重点的配分と経費支出の効率化に徹し、節度ある財政運営を行うことを基本としております。
 昭和五十七年度の地方財政計画は、このような考え方を基本として策定しておりますが、以下その策定方針について申し上げます。
 第一に、地方財政の実情と地方税負担の現状とを勘案し、法人の住民税及び事業税について徴収猶予割合を縮減するとともに、市街化区域農地に係る固定資産税及び都市計画税の課税の適正化措置等について所要の措置を講ずる一方、個人住民税所得割について、低所得者層の税負担に配慮するため、その非課税限度額を引き上げること等により、地方税源の充実と地方税負担の適正化を図ることとしております。
 第二に、地方交付税について、昭和五十七年度の地方財政の円滑な運営のために必要な額を確保し、あわせて中長期的な財政の健全化に資するための措置を講ずることとしているほか、地方債について、施設整備等に必要な額の確保を図りつつ、全体としてはその発行規模を縮減するとともに、資金の質の改善を図ることとしております。
 第三に、抑制的基調のもとにおいても、地域住民の福祉の充実、住民生活に直結した社会資本の計画的整備及び地域経済の振興等を図るための諸施策を実施することとしております。このため、投資的経費に係る地方単独事業費の所要額を確保するとともに、福祉施策の充実、教育振興対策等の推進を図ることとし、また、過疎地域等に対する財政措置を充実することとしております。
 第四に、地方行財政運営の合理化と財政秩序の確立を図るため、定員管理の合理化、一般行政経費の抑制及び国庫補助負担基準の改善を図るほか、年度途中における事情の変化に弾力的に対応できるよう必要な措置を講ずることとしております。
 以上の方針のもとに昭和五十七年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は、四十七兆五百四十二億円となり、前年度に対し二兆五千三十三億円、五・六%の増加となっております。
 以上が昭和五十七年度の地方財政計画の概要であります。
#146
○中山委員長 以上で説明は終わりました。
     ――――◇―――――
#147
○中山委員長 次に、内閣提出、地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案及び内閣提出、地方交付税法等の一部を改正する法律案の両案を議題とし、順次提案理由の説明を聴取いたします。世耕自治大臣。
    ―――――――――――――
 地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案
 地方交付税法等の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#148
○世耕国務大臣 ただいま議題となりました地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨につきまして御説明申し上げます。
 明年度の地方税制につきましては、地方税負担の現状にかんがみ、地方財政の実情を勘案しつつ、住民負担の軽減及び合理化を図るため、個人の住民税所得割の非課税限度額の引き上げ、料理飲食等消費税及びガス税の免税点の引き上げ等を行うとともに、地方税負担の適正化及び地方税源の充実を図るため、固定資産税における評価がえに伴う税負担の調整、法人の住民税及び事業税の徴収猶予割合の縮減並びに不動産取得税等に係る非課税等の特別措置の整理合理化を行い、あわせて、固定資産税、特別土地保有税等につき、市街化区域農地に対する課税の適正化措置等土地税制についての所要の措置を講ずることとするほか、日本国有鉄道の公害防止設備に係る市町村納付金の特例措置の適用期限を延長することとする等の必要があります。
 以上が、この法律案を提案いたしました理由であります。
 次に、この法律案の要旨につきまして御説明申し上げます。
 第一は、地方税法の改正に関する事項であります。
 その一は、道府県民税及び市町村民税についての改正であります。
 まず、個人の道府県民税及び市町村民税につきましては、低所得者層の税負担の実情にかんがみ、所得の金額が二十七万円に本人、控除対象配偶者及び扶養親族の合計数を乗じて得た金額に控除対象配偶者または扶養親族を有する場合には九万円を加算した金額以下の者について、所得割の非課税措置を講ずるほか、配偶者控除及び扶養控除の対象となる者の所得要件である給与所得等に係る所得限度額を二十九万円に引き上げるとともに、父子家庭のための措置として妻と死別し、または離婚した者のうち、年間所得金額が三百万円以下であること等一定の要件を満たすものについては、寡婦控除と同額の二十一万円の所得控除を行うことといたしております。
 また、土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例につきまして、昭和五十八年度以後、特別控除後の譲渡益四千万円を超える部分については譲渡益の二分の一を総合課税した場合の上積み税額により課税するとともに、優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得につきまして、昭和五十八年度以後三年度間限りの措置として、特別控除後の譲渡益四千万円を超える部分については道府県民税二・五%、市町村民税五%の比例税率により課税することとするほか、特定市街化区域農地等を譲渡した場合の長期譲渡所得につきまして、昭和五十八年度以後三年度間限りの措置として、特別控除後の譲渡益四千万円以下の部分については道府県民税一・六%、市町村民税一丁四%の比例税率により、特別控除後の譲渡益四千万円を超える部分については道府県民税二%、市町村民税四%の比例税率により、それぞれ課税することといたしております。
 次に、法人の道府県民税及び市町村民税につきましては、法人税割の徴収猶予制度について、確定申告による税額に係る徴収猶予割合を四分の一以下に引き下げるとともに、中間申告による税額に係る徴収猶予制度を廃止することといたしております。
 その二は、事業税についての改正であります。
 まず、法人の事業税に係る徴収猶予制度について、ただいま申し上げました住民税法人税割と同様の措置を講ずることといたしております。
 また、電気供給業に係る課税標準額の総額の関係道府県ごとの分割について、所要の経過措置を講じた上、その四分の三を発電所の用に供する固定資産の価額に、四分の一を事務所等の固定資産の価額に案分して行うことといたしております。
 その三は、不動産取得税についての改正であります。不動産取得税につきましては、カーフェリー埠頭における旅客乗降の用に供する家屋に係る課税標準の特例措置を廃止する等特別措置の整理合理化を行うほか、特定市街化区域農地の所有者等が新築した一定の貸し家用住宅に係る軽減措置の適用期限を延長する等の措置を講ずることといたしております。
 その四は、料理飲食等消費税についての改正であります。料理飲食等消費税につきましては、大衆負担の軽減を図るため、旅館における宿泊及びこれに伴う飲食の免税点を五千円に、飲食店等における飲食の免税点を二千五百円にそれぞれ引き上げることといたしております。
 その五は、固定資産税及び都市計画税についての改正であります。
 まず、宅地等及び一般農地に係る昭和五十七年度から昭和五十九年度までの各年度分の固定資産税及び都市計画税の額につきましては、評価がえに伴う税負担の調整を図るため、昭和五十七年度評価額の昭和五十六年度分の課税標準額に対する上昇率の区分に応じて定める負担調整率を前年度の税額に乗じて求めた額を限度とするとともに、評価額の上昇割合の実態に応じ負担調整措置の区分を細分化することといたしております。
 次に、市街化区域農地に対する課税の適正化措置につきましては、三大都市圏の特定の市のC農地のうち三・三平方メートル当たりの評価額が三万円以上であるものに拡大することとし、この場合、農業を継続して営むため適当な規模の農地として一定の要件に該当する農地で、現に耕作の用に供され、かつ、十年以上営農を継続することが適当と認められるものについては、五年間またはその後の五年間長期営農継続農地として保全がなされた旨の確認を受けたときは、一般農地としての税額を上回る額の納税を免除することといたしております。
 その他、外国貿易用コンテナに係る課税標準の特例措置を縮減する等特別措置の整理合理化を行うほか、新築住宅に係る減額措置の適用期限を延長する等の措置を講ずることといたしております。
 その六は、ガス税についての改正であります。ガス税につきましては、住民負担の軽減を図る見地から、免税点を一万二千円に引き上げることといたしております。
 その七は、特別土地保有税についての改正であります。
 まず、昭和五十七年四月一日以後取得される土地及び同日前に取得された土地のうち市街化調整区域内に所在する土地で、その保有期間が十年を超えるものについては、特別土地保有税を課さないことといたしております。
 また、三大都市圏の特定の市の市街化区域内において昭和五十七年四月一日から昭和六十年三月三十一日までの間に取得される土地のうち、その面積が一定規模以上であるものについては、その取得のあった日から原則として二年を経過する日までに住宅等が建設された土地を除き、それ以後の保有について十年度分に限り、特別土地保有税を課することといたしております。
 その八は、自動車取得税についての改正であります。自動車取得税につきましては、国の行政機関の作成した計画に基づく政府の補助を受けて取得する一定の一般乗り合い用バスに係る非課税措置の適用期限を二年延長することといたしております。
 その九は、事業所税についての改正であります。事業所税につきましては、中小企業者が公害防止事業団から譲渡を受けた共同利用建物に対する事業に係る事業所税の非課税措置の適用期限を二年延長する等の措置を講ずることといたしております。
 その十は、国民健康保険税についての改正であります。国民健康保険税につきましては、被保険者の所得水準の上昇等を勘案して、課税限度額を二十七万円に引き上げるとともに、減額の基準のうち基礎控除額相当額を昭和五十七年度に限り、二十四万円とすることといたしております。
 その十一は、地方税の優先順位についての改正であります。地方団体の徴収金を徴収する場合には、納税の便宜等を図るため、本税である地方税を附帯金に先立って徴収することといたしております。
 第二は、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の改正に関する事項であります。
 日本国有鉄道の市町村納付金につきまして、公害防止設備に係る特例措置の適用期限を昭和五十九年度まで延長することといたしております。
 このほか、地方税制の合理化を図るため所要の規定の整備を行っております。
 以上の改正の結果、明年度におきましては、個人の住民税所得割の非課税限度額の引き上げ、料理飲食等消費税及びガス税の免税点の引き上げ、固定資産税における負担調整率の変更等により三百四十二億円の減収となる一方、法人の住民税及び事業税の徴収猶予割合の縮減等により六百五十二億円の増収が見込まれておりますので、差し引き三百十億円の増収となる見込みであります。
 以上が、地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。
 昭和五十七年度分の地方交付税について、各種の制度改正等に伴って増加する財政需要に対処するため、その算定の基礎となる単位費用を改定するとともに、地方財政の現状にかんがみ、地方交付税の総額について特例を設けるほか、激甚災害に係る小災害債の元利補給制度を廃止し、当該地方債の元利償還に要する経費を基準財政需要額に算入する等の必要があります。
 以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。
 次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一は、地方交付税法及び交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部改正に関する事項であります。
 まず、昭和五十七年度の普通交付税の算定については、下水道、公園、都市計画施設、清掃施設等住民の生活に直結する公共施設の整備及び維持管理に要する経費、教職員定数の改善、私学助成等教育水準の向上に要する経費、老人保健制度の創設、児童福祉等福祉施策の充実に要する経費並びに過密過疎対策、消防救急対策、公害対策等に要する経費の財源を措置するため単位費用を改定することとしております。
 さらに、昭和五十七年度において、財源対策債による措置を廃止することに伴い、これに対応する投資的経費に係る所要の地方負担額を基準財政需要額に算入するほか、昭和五十六年度において発行を許可された財源対策債等の元利償還金を基準財政需要額に算入する等所要の措置を講ずることとしております。
 次に、昭和五十七年度分の地方交付税の総額については、現行の法定額と交付税及び譲与税配付金特別会計における借入金二千九十八億円との合算額から千百三十五億円を減額することとしております。
 さらに、当該減額した額については、これに相当する額を昭和五十九年度から昭和六十一年度までの各年度の地方交付税の総額に加算するとともに、借入金二千九十八億円については昭和六十三年度から昭和七十二年度までの各年度に分割して償還することとし、当該償還額の十分の十に相当する額を昭和六十三年度から昭和七十二年度までの各年度において臨時地方特例交付金として一般会計から交付税及び譲与税配付金特別会計に繰り入れ、当該各年度の地方交付税の総額に加算することとしております。
 第二は、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律の一部改正に関する事項であります。
 国の行政改革の一環としての補助金の整理合理化に資するため、激甚災害に係る小災害債の元利補給制度を廃止し、当該地方債の元利償還に要する経費を基準財政需要額に算入するための所要の改正を行うものであります。
 以上が、地方交付税法等の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#149
○中山委員長 以上で両案についての提案理由の説明は終わりました。
 次回は、明十九日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後二時十五分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
【PR】姉妹サイト