くにさくロゴ
【PR】姉妹サイト
 
#1
第096回国会 地方行政委員会 第7号
昭和五十七年三月二十三日(火曜日)
    午前十時四分開議
 出席委員
   委員長 中山 利生君
   理事 工藤  巖君 理事 染谷  誠君
   理事 宮下 創平君 理事 安田 貴六君
   理事 佐藤 敬治君 理事 松本 幸男君
   理事 大橋 敏雄君 理事 青山  丘君
      愛知 和男君    池田  淳君
      臼井日出男君    小澤  潔君
      片岡 清一君    川崎 二郎君
      北川 石松君    久野 忠治君
      左藤  恵君    塩谷 一夫君
      白川 勝彦君    竹中 修一君
      地崎宇三郎君    中村 弘海君
      五十嵐広三君    小川 省吾君
      加藤 万吉君    細谷 治嘉君
      武田 一夫君    部谷 孝之君
      岩佐 恵美君    三谷 秀治君
      田島  衞君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣
        国家公安委員会
        委員長     世耕 政隆君
 出席政府委員
        警察庁長官官房
        長       金澤 昭雄君
        警察庁警備局長 山田 英雄君
        自治大臣官房審
        議官      矢野浩一郎君
        自治大臣官房審
        議官      津田  正君
        自治省行政局公
        務員部長    大嶋  孝君
        自治省財政局長 土屋 佳照君
        自治省税務局長 関根 則之君
        消防庁次長   鹿児島重治君
 委員外の出席者
        国土庁土地局土
        地政策課長   木内 啓介君
        大蔵省主税局税
        制第三課長   真鍋 光広君
        大蔵省銀行局大
        臣官房企画官  鏡味 徳房君
        厚生省社会局更
        生課長     板山 賢治君
        農林水産省構造
        改善局農政部農
        政課長     吉國  隆君
        建設省計画局宅
        地企画室長   黒川  弘君
        地方行政委員会
        調査室長    岡田 純夫君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月二十三日
 辞任         補欠選任
  江崎 真澄君     愛知 和男君
  小澤  潔君     白川 勝彦君
  久野 忠治君     川崎 二郎君
  五十嵐広三君     八木  昇君
  武田 一夫君     渡部 一郎君
  田島  衞君     甘利  正君
同日
 辞任         補欠選任
  愛知 和男君     江崎 真澄君
  川崎 二郎君     久野 忠治君
  白川 勝彦君     小澤  潔君
  八木  昇君     五十嵐広三君
  渡部 一郎君     武田 一夫君
  甘利  正君     田島  衞君
    ―――――――――――――
三月二十三日
 特別区の自治権及び財政権拡充に関する請願(
 小杉隆君紹介)(第一四六〇号)
 同(田島衞君紹介)(第一四六一号)
 同(依田実君紹介)(第一四六二号)
 脊髄損傷者に対する地方行政改善に関する請願
 (池端清一君紹介)(第一四六八号)
 同(岡田利春君紹介)(第一四六九号)
 同(北山愛郎君紹介)(第一四七〇号)
 身体障害者の自動車運転免許証に付される重量
 制限廃止等に関する請願(池端清一君紹介)(
 第一四七一号)
 同(岡田利春君紹介)(第一四七二号)
 同(北山愛郎君紹介)(第一四七三号)
 高校増設のため地方税財政制度改善に関する請
 願外二件(長谷川正三君紹介)(第一五三五
 号)
 市街化区域内農地の宅地並み課税撤廃に関する
 請願(長谷川正三君紹介)(第一五三六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び
 納付金に関する法律の一部を改正する法律案
 (内閣提出第一九号)
     ――――◇―――――
#2
○中山委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大橋敏雄君。
#3
○大橋委員 法案の審議に入る前に、一言お尋ねしたいことがございます。
 それは、ことしに入りまして災害続出と申しますか、ホテル・ニュージャパンの火災事故、引き続いて日航の墜落事故、そして三月二十一日、おとついですか、八ケ岳の登山者の遭難事故、そしてまた、北海道の浦河沖にマグニチュード七・三という強震の地震が発生しておりまして、浦河町が震度六だということの報道がなされております。幸いに火災は起こっていないようですし死者もなかったようではございますが、いまだに余震が続いているようでございまして、住民の皆さんは大変不安な毎日を過ごしていると思いますが、その後の対策についてどうなっているのか、お尋ねをしてみたいと思います。
#4
○世耕国務大臣 今回の地震は直下型と言われておりまして、この直下型地震は予知が非常にむずかしい。前震三ぐらいのところのあれはあったのだそうですが、ここまで大きくなるという予測はなかなか立ちにくかったそうでございます。
 そこで、いままだ被害の詳細については調査中でございますが、死者はまずない。それから、わりあい軽傷の方が多くて重傷の人が若干名おられる。これは家屋の倒壊などによったり家具が倒れてきたり、そういうことでけがされたということでございました。重傷が七名でございます。今回は横の連絡が非常にうまくいきまして、いろいろな断水それから停電もありましたが問もなく復旧した、こういう報告を受けております。
 なお、細かい災害状況は、いま係官が、国土庁の方から三名ばかり現地に参りまして被害実情調査を行っております。さらに消防と警察関係が、現地でいろいろな被害状況の調査を行っております。それから、国道二三五号が壊れまして交通がちょっと滞っているのでございますが、本日復旧計画を作成することになっております。これは静内−様似問の道路だそうでございます。
#5
○大橋委員 新聞報道によりますと、「浦河消防署の話によると、さる二十七年三月に発生した十勝沖地震を教訓に、毎晩九時から一時間、広報車が“心得”を流しながら町内を巡回、町ぐるみの地震対策が徹底していたという。」ことから、災害が最小限に食いとめられたのであろう。これは非常に喜ばしいことではありますけれども、あれほどの大きなマグニチュード七・三、そして浦河町には六というほどの激震があるという地震がなぜ事前に予知できなかったのであろうか。直下型だから予知できなかったというのは、私は余りにも無防備だと思うのです。やはりそれなりの予知体制ができていれば、あれほどの大きな地震ならば当然事前に予知できたはずと思うのですけれども、予知体制の不備はないのか、その点はいかがですか。
#6
○世耕国務大臣 この地震は直下型で、地表から約十キロ下のところが震源地になっているということでございます。けさほどから、いろいろ御指摘の点に関して議論のあったところでございます。私も素人でよくわからないのですが、科学技術庁あたりでも大変検討しているところなんですが、直下型地震は非常に予知がむずかしい。ただそれだけじゃなくて、今後とももっと積み重ねて研究をしなければならないところでございますが、そういう報告でございました。
 ただ実験する場所が主に関東と、たしか実験の場所を選定してやるわけですが、数が少ない。主に実験のデータをとるのは、東京が一番基礎観測所の中心で統計をとるわけなんで、その点に若干問題があるかなというようなことでございました。
#7
○大橋委員 これは新聞報道でございますけれども、浦河方面といいますか、ここはもうしょっちゅう小さい地震が起こっているようでございます。にもかかわらず地震予知観測所というのは、北大の地殻変動観測所が一つあるだけだというのです。しょっちゅう地震が起こっているようなところは、やはり何か特別な対策を施すべきではないか。
 また、物事というのは瑞相といいまして、大きなことは直ちに起こるのじゃなくて、必ず事前にそれらしきものが発生するのですね。今回の地震が、大地震発生の瑞相ではないかという心配もなされているわけでございますけれども、新聞報道ではこれにはつながらないという報道がございまして、それなりに安心はいたしておりますものの、やはりまだまだ予知の体制を確立すべきである。これはきょうの本来の議題でございませんので、この程度でとどめますが、強く要望しておきます。
 それでは、きょうの法案審議に移ってまいりたいと思います。
 税金というもの、その徴収されたお金というものは、国民のため、あるいは社会のため、人のために使われていくものでございまして、そういう意味からいって、税金を納める者は誇らしげにあるべきだと私は思うのですけれども、ほとんどの方が税金と聞けば苦々しく思うし、不信あるいは不満、そういうものを抱いているわけですね。
 それはなぜかといえば、つまり担税力といいますか、税金を払うだけの能力のある人から税金を納めさせて公平なあり方で徴収するのであれば、いまのように誇らしげな思いがあるんだろうけれども、御承知のとおりトーゴーサンと言われるような税金の捕捉率のアンバランス、こういう不公平さから非常に重税感が漂っているわけでございます。特に勤労者は、累進課税方式によってもう容赦なく徴収されていくわけでございます。
 いまの国の財政が非常に厳しい、財政再建の必要性はもう国民のほとんどが認識しているわけでございますけれども、しかし、そういう中にあってなおかつ国民的要望といいますか、国民的要求と申しますか、一兆円減税の声が盛り上がってその運動が展開されてきたわけです。不公平な税制が是正されないままに、勤労者の所得税の課税最低限の引き上げが五年間も放置されまして、実は実質的な増税となっているわけでございます。
 実は、総理府の統計局が発表した五十六年度の平均の家計調査報告によりますと、給与所得者世帯の税込み収入は一カ月平均三十六万七千百円、前年度比で五%増のようでございますが、それに比べまして所得税の対前年度比は一九・九%の増ですね。また、社会保険料は一二・五%という二けたもの上昇を示しているようです。その結果、可処分所得が物価上昇分を差し引いた実質一%減、二年連続マイナスを示しているわけでございまして、大変な不公平な状況を呈しているわけでございます。
 そういうことで私どもは、この一兆円減税は何としてもやるべし、とにかくこういう状況でいけば、一層個人消費の不振が深刻化して景気回復は大幅におくれるだろう、ことしの経済成長が政府見通しを大幅に下回るようなことになれば、失業者はますます増大して高齢者雇用も絶望的な状況になるであろうということ、あるいは貿易摩擦もますます悪化して景気回復は大幅に後退するであろうということから、とにかく、本当は二兆円、三兆円やっていただきたいんだけれども、現状一兆円がやむを得ないんじゃないかなということで主張し続けてきました。
 それは最終的には、共産党を除く五野党の共同提案という形で要求書がまとめられて政府・自民党もその内容に合意をしたという姿で、しかも衆議院議長の見解という形で事態は収拾されていることは御承知のとおりだと思うわけでございます。そういう意味から今回の法案を見ますと、地方税の方も、特に個人住民税の課税最低限も相変わらず引き上げが行われていません。非常に不満でございますが、この点についてどのようなお考えでおられるのか、まずお尋ねしてみたいと思います。
#8
○関根政府委員 減税要求が各方面からきわめて強く提出されておるということは、私どもも十分承知をいたしておるところでございます。ただ、所得税と地方税とちょっと事情が違っておりまして、住民税につきましては昭和五十四年と五十五年に課税最低限の引き上げをやっておりまして、いわば実質的な減税も実施をいたしたわけです。国の所得税が五十二年に据え置かれて、五年間そのままになっておるというのとはやや事情が異なる。地方税については、地方の財政が厳しい中にもかかわらず、やはりそれなりの減税もその後講じてきたということではないかというふうに考えております。
 しかし、それにいたしましても、お示しがございましたように、現在実質可処分所得が減少傾向にあるということを背景といたしまして、減税要求が強くなっているわけでございます。しかし地方財政は、五十七年度の収支見通しにおいて大幅な財源不足は生じないという事態にはなりましたものの、なお過去における公債等が累増をいたしておりますので、こういったことを考えますと、なお大変厳しい状況に置かれているわけでございます。こういう厳しい地方財政の状況の中で、本格的な減税を実施をするという余裕がないわけでございますので、住民の皆さん方にも御協力をいただきまして、いましばらくがまんをいただきたいというのが実情であるわけでございます。
#9
○大橋委員 なるほど、所得税の課税最低限の据え置きは五十三年度から五年間続いているわけですが、地方税の個人住民税の場合は、おっしゃるとおり五十五年度からですから三カ年であるわけですね。いずれにしましても、こうして住民あるいは給与所得者の実質的な増税というものは、想像以上に生活を圧迫しているわけでございます。特に、景気回復の問題が論議されているわけでございますが、内需の拡大が最大事であるということから、とにかく減税やるべしということになってきたわけです。
 確かに、厳しい財政状況の中で無理だと言えばそれまでですけれども、そこには工夫が大事だと思うのですね。とにかく知恵をしぼる。五野党の修正要求の内容を見られてもわかりますように、それなりに減税に対する財源対策を示しているわけですね。これはやはり工夫をしたから出てくるわけです。私は、いまの政府のこういう姿勢というものは、安易に流れ過ぎているのではないかと思うのですね。
 たとえば、いま話されました個人住民税の取り扱いを見ましても、課税最低限の引き上げを行わないで、単に生活保護基準額との関連で非課税限度額を設けられてきているわけですね。御承知のとおりに、課税最低限は昭和五十五年は百五十八万四千円であったわけですね。五十六年になっても百五十八万四千円、これはそのままずっと今日まで据え置かれているわけですけれども、生活保護基準はこの五十六年度になって、百五十八万四千円の課税最低限を逆に上回ったわけですね。百六十二万三千円になったわけです。逆転したわけです。そこで苦肉の策といいますか、非課税限度額が設けられて百七十五万七千円ということになったわけですね。
 五十七年度の生活保護基準を見ますと、百七十五万三千円になっているわけでございまして、これまた課税最低限より大幅に逆転していく形になった。今回とられている措置は、前回とやり方は同じ考え方で非課税限度額が設けられていくわけでございまして、ようやく百八十八万五千円という形に改められていくようでございますけれども、こういう単なる生活保護基準との関連でのみ行うというものは、これは余りにも工夫がなさ過ぎる、私はこう思うのですけれども、いかがですか。
#10
○関根政府委員 本来、所得課税におきます課税最低限というのは、最も望ましい形といたしましては、生活保護基準の水準を十分にクリアをしているというのが望ましいことは申すまでもないわけでございます。ただ、生活保護基準というものと税法上の課税最低限というものは、本来一つの制度の中での完全にリンクしたものではございませんから、必ずしも常にそこのところが、どの程度の差があればいいのだというような論理必然性というものがあるわけではないと思います。
 しかし、いずれにいたしましても、現在の生活保護法の考え方が、生活保護基準というのは生活の最低必要限を満たすものであって、なおかつそれ以上のものであってはならない、こういう考え方をとっているわけでございます。したがって、生活の最低ぎりぎりの所得しかない人たち、その生活を守るための生活保護基準というものと、その程度の収入しかない人たちに住民税がかかっていくというのは論理的にやはりおかしいではないか、そういうような考え方を私どもも持っておるわけであります。
 したがって、本来ならば、正式な本格的な減税をやることによって生活保護基準をクリアしているのが最も望ましいことではありますけれども、先ほども申し上げましたような地方財政の厳しい状況の中で、本格的な減税ができないということになっている以上、実際問題として非常に低所得者で、生活保護基準ぎりぎりの程度の所得しかないという人たちに対して課税がなされることを回避する必要があるという考え方のもとに、その部分について特に配慮をいたしました税制上の措置を講じて、非課税限度額というものを講じているという次第でございます。
#11
○大橋委員 生活保護基準というのは、恐らく私、憲法で健康で文化的な最低生活を保障するということになっておりますから、その憲法の趣旨に沿って、ぎりぎりこれだけの生活費はかかるのだというのがいわゆる生活保護基準額だと思うのですね。これはもうぎりぎりだと思うのですよ。にもかかわらず、それに対して非課税限度額を設けられる、当然のことであるわけでございますけれども。
 私は、非常にここで安易だと思っていることは、住民税の法人均等割に関する問題、これが安易な対策の指摘の第二だと思うのです。
 道府県税の中における道府県民税、これは個人分と法人分とがありますけれども、現在では税収入状況は、法人分は個人分の約三分の一、まあ三分の一まではいきませんけれども、少ない状況にあります。私の手元に「地方税の税目別収入額及びその割合の推移」その2、その3、その4という資料を持っておりますが、昭和三十六年度までは法人分が個人分を上回った税収になっておりますけれども、昭和三十七年度から逆転してずっと今日まで続いているのですね。これは私はおかしいのじゃないかな、こう思うのです。法人よりも個人の方がよけいに税金を払っている数字になっているわけですね。その逆転の割合も、非常に大きくなっていっているのですよ。
 まず、道府県税を一〇〇%とみなしまして、昭和三十七年は個人分が一一%で法人分が八%、それが昭和五十三年度になりますと、個人分が二〇%で法人分が七%です。五十四年度、五十五年度は、個人分が一九%になり法人分が八%と落ち込んでおりますが、これはおかしいのじゃないかと思うのですけれども、大臣はどう思われますか。
#12
○関根政府委員 確かに、数字をお示しいただきましたように、都道府県民税の個人分と法人分のウエートが年によって変わってきておりまして、法人分のウエートが相対的に個人分に対しまして低くなってきておるということは事実でございます。
 ただ、これは、法人分の道府県民税と個人分の道府県民税、いわゆる法人税割と個人の所得割というものは一応別建ての税制度でございますし、税率の定め方がそもそも基本的に違うわけでございます。これは単に、都道府県民税の中での議論だけで決めている問題じゃございませんで、市町村民税の個人の所得割と法人割とをどうするか、同時に、国税におきます個人の所得税と法人税との税率構造をどうするかという問題との兼ね合いの中で決まってくる問題でございます。
 特に最近、国税におきましても個人の所得税の方が法人税よりもウエートが高くなってきている、そういうことについての御批判もあることはわれわれ承知をいたしておりますけれども、そのこと自身、単に両者を比較してこちらの方が多いからどうという議論にはならないのではないかという感じが私どもとしてはするわけでございます。もともとの税率の決め方、それからもとになります所得の決め方との兼ね合いで、こういう現象が起こってきているものというふうに理解をしているところでございます。
#13
○大橋委員 先ほども申し上げましたように、五十五年度の都道府県民税の個人分税収は、正確に申しますと一兆四千百四十六億円です。これが道府県税の中に占める割合は一九%ですね。それに対して、法人分の税収はわずかに五千五百六十八億円、これが八%ということで、これを相対しますと、正確に言えば二・五倍になるわけでございます。それは確かに、税のかけ方に対していろいろと違いはあるにせよ、余りにもこれは違い過ぎる。また、もともと従前は法人分が多かったわけですから、先ほど言いましたように昭和三十七年から逆転してきているわけですね。そういうことから見て、今度の五野党案の中では減税財源の大きな柱としまして、住民税法人均等割の引き上げを主張しているわけでございます。
 ちなみに、市町村民税の五十五年度の個人均等割税収を見ますと五百二十九億円、法人均等割税収を見ますと三百七十八億円、これもずっと個人より法人が少ないということでございますので、いずれにしましても法人の方が個人よりもはるかに低いということは公平を欠いているのではないか、こういう考えもありまして、当然減税財源対策として五〇%引き上げるべきではないか、こうわれわれは主張しているのですけれども、いかがですか。
#14
○関根政府委員 個人と法人の税負担がどちらが重いのかということの議論は、なかなか一概に申し上げるわけにいかぬわけでございます。たとえば、都道府県に入ってくる個人と法人の税金の入り方の問題でございますが、道府県民税といたしましては確かにいまお示しのとおりでございまして、五十五年度におきまして法人分が八%、個人分が一九%ということにはなっておりますが、法人につきましては、別途法人の所得に対しまして都道府県の事業税というのがかかっております。その法人の事業税が、昭和五十七年度絶対額で三兆五千億一応入る予定になっております。この法人事業税が先ほどの数字の五十五年のウエートで申し上げますと、法人事業税のウエートは都道府県税のうちの三八%入っているわけですから、法人の事業税と住民税とを合わせますと四六%、それに対して個人が事業税で一%でございますから二〇%ということで、むしろ数字としては逆転するというようなことも実は言えるわけでございます。
 そういう形で全体を、いろいろ税目、税収を全部眺め回してからでないと、一概にどちらが重いのかということは言えないものではなかろうかというふうに考えております。
 なお、法人の均等割につきましても、数字的にはお示しいただいたとおりでございますけれども、この均等割につきましては年々税率のアップもいたしてきておりまして、この前上げましたときには、実は大規模な法人につきましては十倍というような引き上げもやっておるわけでございます。今後、均等割を含めて法人税、法人の税負担がどうあるべきかということにつきましては、私どもとしても、引き続き十分検討をしていかなければならない課題であるというふうに考えております。
#15
○大橋委員 十分に検討していかねばならぬ課題である、これは非常に重要なところだと思います。ただ、事業税と合わせると逆転するじゃないかというような答弁がありましたけれども、それは確かに税金というものは、総体的に把握されていかねばならぬ問題だと思います。それじゃ、正確に総体的にそれを見ながら税法の改正が行われているかと言えば、私は必ずしもそうではないように思うのです。
 なぜならば、疑問の第三番目になりますけれども、個人住民税の均等割、これは恐らく、貧富の差に関係なく徴収されるのが均等割と私は思うわけでございますけれども、これにも一応非課税の基準額が決められております。これは、なぜそういうものが決められるのかというのが一つ。それから、もし低所得者のためにそれが決められているというのであれば、生活保護基準との関係はどうなるのか、これについてお伺いしたいと思います。
#16
○関根政府委員 個人の均等割につきましてはもともとは、住民である以上すべての住民が均等割だけは納めていただく、こういう考え方をとって制度は発足してきたわけでございますけれども、やはり所得が非常に低い住民に対してまで負担を求めることは非常にむずかしいということになりまして、一定限度以下の所得の方からは均等割もいただかない、こういう形にしてきているわけでございます。
 しかし、その際にどこで線を引くかということでございますけれども、現在は生活保護基準との兼ね合いでは生活扶助、いわゆるまさに食べていく基本の部分でございますけれども、生活扶助額以下の所得しかない人に対しては均等割は課さない、こういうリンクといいますか考え方のバランスをとって、税率なり課税対象者が決められておるということでございます。
#17
○大橋委員 いまの答弁では、均等割というのは、確かに貧富に関係なくすべてからいただきますよという税金だ。しかし非課税基準額というのは、その中でも低所得者に対しては配慮している。
 そこで私が聞きたいことは、低所得者に配慮した内容であるならば、今回基準額が二十三万円から二十五万円に改められますね。そうしますとその額が、百五十二万八千円から百六十二万八千円に引き上げられることになるわけでございますけれども、五十六年度百五十二万八千円、生活保護の方は百六十二万三千円です。おかしいでしょう、これは。五十七年度が生活保護が百七十五万三千円なんですよ。それに百六十二万八千円ですから、生活保護基準にもいかないことになるでしょう。それを下回っているでしょう。私はそこが納得いかぬわけです。いかがでしょう。
#18
○関根政府委員 私どもが説明を申し上げますときに生活保護基準と一口に申し上げているときには、生活扶助のほかに教育扶助と住宅の扶助と、そのもとの生活扶助と、三つ合わせた金額で議論をいたします。そして、ことしの例の個人住民税の所得割の非課税限度額というのは、この三扶助を合計いたしました生活保護基準で比較をいたしておりますけれども、均等割というのは先ほども申し上げましたように、できるだけ広く住民に地方団体に要する経費を分担していただく、そういうもともとの性格を持った税金でございますので、必ずしも三扶助を合計した金額までの非課税限度額が設けられていないわけでございます。
 もともとが、所得のいかんを問わず全員に対して課税をしてきたわけですから、それはひどいということで、本当に低所得者の方々からはいただかないでいいようにしようということで非課税限度額を設けましたけれども、まるまる三つの扶助の合計額を非課税とするところまではまだいってないわけでございまして、そのうちの一番基本になる生活扶助の金額以下の所得の方々に対しては課税をしない、こういうシステムをつくっているわけでございます。その点が、一般の所得割の際の生活保護基準というふうに私たちが言っているものとは数字が違うわけでございます。
#19
○大橋委員 先ほど申しましたように、生活保護基準は、所得割の非課税限度額の場合は先ほど言った金額になるわけですけれども、それと均等割のとり方は違うんだ、そういう話は理論的にはそういくかもしれませんけれども、実際の生活を考えた場合、生活保護基準というのが、所得割の金額が保障されているわけですから、そこには当然均等割の方も合わせていくべきであろう。
 今回二十三万から二十五万、こう変えられている根拠、これも確たる根拠があって二十三万から二十五万になっていると思わないですね。まあ、この程度でいいんじゃないかということじゃないかと思うのですよ。その点はいかがですか。
#20
○関根政府委員 今回、二十三万円から二十五万円に市町村で定めます場合の基準になります金額を変えましたのは、アップ率等について、厚生省の方でやっております生活保護基準のアップに見合った形で非課税限度額の引き上げを行っているわけでございます。したがって、先ほどから申し上げておりますように、確かに三扶助を合計いたしました生活保護基準をクリアするところまでは至っておりませんが、二十五万円にすることによりまして、生活保護の基本となります生活扶助の金額は十分にクリアされる、そういう金額を目標として二十五万円という額を設定したわけでございます。
#21
○大橋委員 時間がたつばかりですので次に移りますけれども、五野党案の減税財源の主張のもう一つは、公社有資産所在市町村納付金の改善というのがあるわけでございまして、これに対してどういうお考えか、お尋ねをしてみたいと思います。
 電電公社あるいは専売公社の納付金は、固定資産にかかわるものとして、本来の固定資産税額の二分の一を納付金という形で納めさせているわけでございますけれども、たとえば電電公社などは最近非常に収益を上げてきております。五十三年度の当期利益の決算を見ましても三千九百七億円、五十四年度もその利益は決算で四千五百二十九億円、それから五十五年度も決算額で三千八百八十億円、大体四千億円ほどの利益がずっと積み上げられてきておりますね。これは予算額をはるかに上回った収益であるわけです。
 五十六年度も、すでに三千二百億は間違いなく利益が出るであろうと言われているわけでございますが、そういう状況にあるためか、政府の方から、一千二百億円を四年間国の方に納付しなさいといってお金を取られることになったわけでございますが、地方財政、非常に厳しい状況にあるわけですから、こういう優遇措置は改めるべきではないか、こう思うのですけれども、いかがですか。
#22
○関根政府委員 三公社の納付金の特例措置につきましては、地方団体からもこれを撤廃すべきではないかという議論が出てまいりまして、非常に強い要望が出されているところでございます。われわれといたしましても、特に三公社の中の電電公社につきましては、先生いまお話ございましたように、ここ数年間平均して四千億を上回るような利益を計上しておる、こういう財政状況の中でございますので、固定資産税に見合うこの納付金については二分の一特例というものを廃止して、まるまる固定資産税程度のものは納付していただきたい、こういう考え方を私どもとしても持っているわけでございます。
 しかし、この問題につきまして、国の税制調査会等におきましても御審議をいただいたわけでございますけれども、必ずしも各方面の意見の一致を見るに至っておりませんで、五十七年度の税制改正においてそういう形に改めていくということには、残念ながらならなかったわけでございます。たまたま現在、公社のあり方等についての議論も臨調の方でなされておりまして、そういった方面の動きなども見ながら結論を出すべきではないかというのが議論の大筋ではなかったかと、私どもは受けとめている次第でございます。
 もう一つ問題がございますのは、三公社の中には国鉄が含まれておるわけでございまして、国鉄は御承知のようにいま大変財政的に苦しい状況にあります。こういった中で、果たして二分の一特例を廃止してまるまる納付することができるかどうか、こういう問題もあるわけでございますので、こういう問題を含めて今後基本的には二分の一特例を廃止するという方向で問題の解決を見ますように、私どもとしては努力をしていきたいと考えておりますけれども、なお結論を出すまでには簡単にはまいらない、相当の時日を要するものというふうに考えておる次第でございます。
#23
○大橋委員 いまの局長の話は、二分の一特例は廃止したいという気持ちでいっぱいだ、公社といっても国鉄は非常に赤字だ、一概にそういうわけにいくかどうか、いろいろ今後検討していきたいという話だったのですけれども、これはやはり大臣の意思が大きく反映をしていくところだと思いますので、大臣の見解もここで述べていただきたいと思います。
#24
○世耕国務大臣 これは非常にむずかしいいろんなあれがありまして、なかなかそう簡単にはいかないかと思いますが、地方団体からの強い要望、それから第十八次地方制度調査会の答申、そういうものを踏まえまして、自治省、われわれの方といたしましても、特例措置は廃止すべきであろう、廃止すべき方向で努力していこう、こういう考えの上に立っているものでございます。
#25
○大橋委員 ひとつ地方団体の要望が実現しますように、一段の努力を要請しておきます。
 それから、五野党の減税財源の柱のもう一つは、地方公共団体の行政経費の節減。地方公共団体の経費の合理化、効率化等によって行政経費の節減を図っていくということで、かなり大きな財源の捻出を考えているわけでございますが、ついきのうかの新聞報道によりますと、「地方公務員依然高給 国を六・七%上回る」云々というような内容の報道もなされておるようでございます。地方団体の行政経費の節減というのは非常に重要な課題だと考えておりますが、自治省としてこの点どういう考えで臨んでいかれるのか、お尋ねしたいと思います。
#26
○土屋政府委員 地方財政は、五十七年度の見通しにおいてやや均衡がとれるという考えで運営をしていくことになっておりますけれども、現実には大変累積した赤字がございまして、厳しい状況にあることは変わりがないわけでございます。そういった意味からも、また国民の要請にこたえましても、行政経費を見直してその節減合理化を図っていくということは当然でございまして、私どもとしても、今後ともそういった方針に従って地方団体を指導していくという気持ちでございます。
#27
○大橋委員 地方公務員の給与が、国家公務員よりも六・七%全体としては上回っているということが報道されているわけですが、地方自治体としてはそれなりの経費節減の努力はなされていると私は思うのでございますけれども、まだまだむだがあるのではないか。われわれ五野党の立場からは相当の経費がここからも出てくる、こういうふうに見ておりますので、そのわれわれの意思を体して適切な指導をしていただきたい。もう一度答えていただきたいと思います。
#28
○土屋政府委員 地方財政については、地方公務員の数の問題あるいはこの給与水準の問題等について、いろいろな批判があることは御指摘のとおりでございまして、どうも地方財政に対してやや楽ではないかといった意見があるのも、そこらに原因があるように思うのでございます。しかし、私どもといたしましては、公務員数もできるだけ抑制してまいっておりますが、義務教育なり警察なり必要なものもございまして、そういったことからある程度ふえておるという事情もございます。
 しかし、給与については年々下がってきておる。五十六年度においては、六・九から六・七%というふうにラスの指数も低まってきておりますけれども、なお水準が高いことは御指摘のとおりでございまして、最近では、特に給与の高い団体には個別指導をするなど、国民の声にもこたえまして地方団体に要請をしておるところでございます。基本的には、私どもはそれは地方団体の自律性によって達成さるべきものだと思っておりますけれども、現状の中においてはさらにこれを強力に指導していく必要もあると思っておりまして、御指摘の点は私どもも十分踏まえておるわけでございます。そういった方向で、できるだけの努力を今後とも重ねていきたいと思っております。
#29
○大橋委員 次に移ります。
 疑問点の第四でございますけれども、今回の法案を見ますとガス税の免税点が一万円から一万二千円に引き上げられていることですが、これは結構なことだと私は思うのです。しかし、免税点の引上げを必要とするのは、ガス税の方ではなくてむしろ電気税の方ではないかと私は思うのでございます。われわれ公明党は、もともとガスあるいは電気税は非課税にすべきであるという基本的な考えを持っているわけでございます。これは、空気とか水道の水と同じように生活になくてはならないものですから、そういう基本的な考えに立っているわけでございます。
 これは、昭和二十五年の地方税法制定の当時からある個人消費税であり市町村税であるわけですから、一概にこれを全部取り払えというのは無理かもしれませんけれども、一応物の考え方としまして、嗜好品にかける消費税としては酒税だとかたばこですね。あるいは、奢侈品、娯楽品、便益品にかける税は物品税ですかね。それから、道路整備等の目的のある受益者負担による揮発油税あるいは石油ガス税があるわけでございますが、こういう消費税の内容のいずれに電気、ガス税は所属するんだろうか。いかがですか。
#30
○関根政府委員 ガス税、電気税は、一種の消費税であるというふうに分類をされるわけでございます。消費税の中には、いまお示しのようないろいろな税目があるわけでございますが、ある特定の消費という行為について消費税が課税をされるわけですけれども、その課税が別途ほかの政策目的を持っている場合があるわけでございまして、その例として嗜好品課税、嗜好品の消費をむしろ抑制していこうとか、そういう性格を持っているものもあるわけでございます。そういう別途政策を持っている消費税があるのですが、必ずしもすべての消費税がそういった政策目的を持っているとは限らない。電気、ガス税について、あえてそういう政策目的が何かあるかということになれば、これはエネルギー対策といいますか、省エネルギーの促進的な効果を副次的に持つ消費税であるということが言えるんではないかと思います。
#31
○大橋委員 私は、これは非常に問題視されておる一般消費税的な発想からの税金じゃないか、こう指摘したいんです。電気税もガス税もともに、先ほど言いましたように昭和二十五年、地方税法の制定当時から実はあって、その税率と免税点――免税点は昭和三十六年以降置かれているわけでございますが、その税率にせよ免税点にせよ、いままでその改正に当たってはともに同じペースでずっと進んできたと思うのですね。ところが、そのバランスが昭和四十九年度から崩れているわけでございますけれども、これはどういう理由によるのか。特に、電気よりもガスの方がずっと大幅に税率もあるいは免税点も好転してきているという状況にあるわけですが、それはいかがな理由によるものか、お伺いいたします。
#32
○関根政府委員 先生御指摘をいただきましたように、電気税とガス税というのはもともとは、設立当初は同じ一つの電気ガス税という税目で、同じ税で考えてきたわけでございますけれども、その後二つに分離独立したわけでございます。これはそれぞれ、電気税とガス税というものの性格が違うではないかということも議論の根っこにございまして、分離をしたわけでございます。
 それで分離後におきましては、それぞれ税率も変わってきておりまして、電気税は現在五%、ガス税については二%、これが標準的な税率になっているわけでございます。それから、免税点につきましても変わってまいったわけでございます。免税点につきましては、いま電気が三千六百円でございますし、ガス税につきましては一万円でございますけれども、いま提案をいたしております改正法によりまして一万二千円に引き上げようとしているところでございます。
 ガス税につきましては、それが民需用がほとんどである。電気につきましては産業用等も相当多いわけでございますけれども、ガスというのは通常厨房用でございますとかおふろ用でございますとか、そういうものに圧倒的大部分のものが使用されておる。そういう性格もございまして、特にまた、代替的な燃料としてプロパンガスというのがございます。そちらには税金が課されていないというような事情もございまして、そういったもろもろの事情を勘案いたしまして、ガス税につきましては税率も電気税に比べて相当低く下げ、免税点も相当程度高めてきているということであろうかというふうに考えております。
#33
○大橋委員 いま言われましたように、プロパンガスの方には税金は課せられていないわけですね。そういう意味から、こうしたガス税の方は、税率、免税点も大幅に変わってきたんだと思うのですよ。昭和四十九年十月一日、ガス税の税率は五、免税点は二千七百円。五十年一月には税率が四に下がり、免税点も四千円。昭和五十年の六月には税率が三に下がって、五十二年の一月一日にはさらに税率が二まで下がりましたね。そして、免税点の方も五十年の六月から四千円になって、それがずっと五十二年の一月まで続きまして、五十二年の六月一日に、税率の方はずっと二で今日まで続いているわけですけれども、免税点の方は四千八百円に引き上げられ、次に五十三年六月一日には六千円、五十四年五月一日には七千円、五十五年六月一日には一万円、そして今回一万二千円になろうとしているわけでございますが、私が調査しました内容で申しますと、現在の免税点の一万円でもうほとんど税金は課せられない状況の中にあるんだ、それをわざわざ一万二千円にまでする必要があるんだろうかというぐらいに実態はあるわけですね。
 ガスの標準家庭の使用量、これは東京瓦斯の場合なんですけれども、七十立方メートルになっておりますが、この代金が五千六百十三円ですね。いま、免税点が一万円ですから税金はかかりませんね。また、ピーク時にしても、これは一カ月平均使用量を見ますと、これも東京瓦斯の場合ですけれども、百立方メーターで代金が七千七百二十三円ですから、これも免税点以下です。ですから、改正前の一万円以下にあるわけでございまして、これが一万二千円に引き上げられて悪いとは言いませんけれども、余りこれの恩典に浴する者がいないということになるわけです。
 それに引きかえまして電気税の場合は、五十五年五月一日から税率五%となりまして、免税点は三千六百円ですね。この三千六百円で使える電気量というものは、これはまた東京電力の場合でございますけれども、百四十キロワットですね。三千六百円というのは百四十キロワット相当だということになります。ところで、その標準家庭使用量を調べてみましたらば、百九十キロワットですから、免税点をはるかに上回る内容、料金として五千八円になるようでございます。したがいまして、免税点の三千六百円を超しているわけでございます。
 このガスにせよ電気にせよ、これは基礎控除方式ではございませんので、免税点を一円でも超せばもう根っこから税金を取られるわけでしょう。そうしますと、電気税の方は免税点はあってなきがごときものであるということになって、私はここに非常に矛盾を感じているわけです。この点についてどうお考えなのか、お答え願いたいと思います。
#34
○関根政府委員 ガス税につきましては、確かに現在の一万円でも、使用世帯のうち八五・三%の世帯は免税点以下でございます。これを一万二千円に引き上げますと、さらに非課税世帯の割合がふえまして八八・四%に上がるわけでございます。しかし、御承知のようにガスにつきましては、都市ガスを実施をいたしてガス税を払っているところは全国三千三百の地方団体の中で六百十七団体しかないということでございまして、プロパンしか使っていない都市とのバランスの問題等もありまして、このガス税につきましての減税要望というのは非常に強いわけでございますし、またそういったプロパンとのバランスを考えながらやっていかなければいかぬということでございまして、この非課税世帯の割合を高めることも決して実際問題として意味がなくはないと私どもは考えておるわけでございます。
 それに引きかえ、電気税の免税点が低いではないかということでございますけれども、一応五十五年の五月一日にこの前の免税点の引き上げを実施いたしまして、それは例の電気料金の大幅なアップがなされたときに、電気料金の上昇に見合って免税点の引き上げも実施をしたわけでございます。五割上げたわけでございますが、その後電気料金というのは比較的安定をいたしておりまして、少なくも九電力会社に関する限りは料金値上げがなされていないというようなことを反映いたしまして、今回は据え置きにさせていただいたわけでございます。
 この三千六百円の免税点によりましても、使用世帯のうち四五%の世帯が免税点以下になりまして、課税されていないということになっているわけでございます。大まかに言いまして、半分程度の家庭は電気税の課税がなされていないということでございますから、免税点設定の意味というのは、私はそれなりに相当あるというふうに考えるわけでございます。
 ただ先生のお話は、私どもとして受けとめておりますのは、そもそもこういった電気税とかガス税とかいうようなものは、税として要らないのではないかという御主張が基本にあろうかと思われますが、消費税についての考え方がいろいろあるわけでございます。私どもは、やはり電気の使用量というのは、所得の多寡を非常に強く相関度を持ちながら反映しているものであろうというふうに考えております。したがって、この電気税というものは、所得課税を補完する税としてきわめて意味のある税であるというふうに考えておるわけでございます。
 たびたび申し上げておりますように、地方財政は非常に厳しい状況でございます。特に、自主税源の拡充強化というものが必要でございますけれども、なかなかまとまったいい税をこしらえるということが実際問題として非常にむずかしいわけでございまして、いろいろ問題はあろうかもしれませんが、小さなそういう税を大事に大事に守っていかないと、一口に自主税源の増強といいましてもむずかしい問題があるわけでございます。
 そういう意味におきまして、適切な免税点を設定し、それを絶えず見直すことによって、本当に低所得層といいますか、そういうものに対して過重な税負担がかからないような配慮をしながらも、この電気税、ガス税というものは守っていきたいというふうに考えておる次第でございます。
#35
○大橋委員 それで大臣、電気、ガス税は、いまの局長のお話では撤廃するわけにはいかぬのだということでございますが、それでは公平を期す意味からやはり電気税の免税点をこの際引き上げるべきだ。先ほど私説明しましたとおり、東電の場合ですけれども、標準家庭の使用量が百九十キロワットになっているわけでございまして、免税点の百四十キロよりもはるかに上回っているわけでございます。確かに四十数%はその恩典に浴しているというものの、ガス税に比べるとまだまだ電気の方はそうではないわけですから、公平を期する意味において、今後電気税の課税最低限を大幅に引き上げてもらいたいことをお願いしたいのですが、いかがですか。
#36
○世耕国務大臣 電気、ガス税の御議論は非常に興味深く拝聴していたのですが、やはり消費税の中でこういう種類の税金というのは生活に密着した税金なんで、いろいろな御議論が出てくるものと思っております。
 ただ、地方税の場合どういう税源があるかというのは、細かいところでずっと出していかないとなかなか税金が集まってこないというのも実情のようでございまして、免税点をいろいろ移動させるということは、それだけこの種類の税金が生活に密着した大切なデリケートな意味を持ったものだろうと思うので、それでこういうふうないろいろな見直しとか操作がなされると思うのですけれども、電気税の方はいますぐとなるとちょっと問題になるかもしれませんが、私は今後とも十分検討していく価値のあるものだと思いまして、御指摘のような点で今後いろいろ検討して努力してまいりたいと思います。
#37
○大橋委員 それでは、大幅に改善していただけるものと期待をして次の質問に移ります。
 国保等の国庫補助金の一部を都道府県負担にしようではないかということが去年起こりまして、大問題になったわけでございますが、それが検討事項ということで今日まで延ばされてきたわけです。たしか昨年の十二月二十一日だったと思うのですけれども、大蔵、厚生、自治三大臣の合意事項がなされたと聞いておりますが、いかがですか。
#38
○土屋政府委員 国保の問題につきましては、昨年の臨調の第一次答申の趣旨もございまして、年末までに政府内でいろいろと検討したわけでございますが、結果としては御承知のように、都道府県に医療給付費の一部を負担させるということは五十七年度はやらないということになったわけでございます。しかし、その際に三大臣の間で、「国、地方の役割分担を含め、医療保険制度等の全体の体系の中における制度のあり方について検討する。」ということになっておるわけでございます。それに基づいて関係省庁でいろいろ相談をしたわけでございますが、今後所管省でございます厚生省を中心にいろいろ検討していこうということになりまして、近くそのための国保問題についての懇談会というものが設けられることになっておるわけでございます。
 その中には私どもの意見を入れて、地方団体関係の代表者それから地方行政に造詣の深い方、そういった方も含めて懇談会をつくろうということになっておりますので、今後の検討の過程においては地方団体の意見も十分反映されるものと存じております。しかし、事柄が事柄でございますので、私どもとしても非常に強い関心を持っております。地方団体の意見も踏まえまして関係省庁の間で十分協議をし、適切な結論が得られるようにしたいと思っておるところでございます。
#39
○大橋委員 これは大臣にお尋ねしたいのですが、その合意事項として、これは新聞報道ですけれども、「一、昭和五十七年度予算における国民健康保険療養給付費並びに児童扶養手当及び特別児童扶養手当の給付費に対する地方負担の導入は行わない。昭和五十七年度においては、国民健康保険の療養給付費補助金等について、十一か月分の所要額を計上するものとする。二、国民健康保険等については、今後速やかに、国、地方の役割分担を含め、医療保険制度等の全体の体系の中における制度のあり方について検討する。」これが大蔵、厚生、自治大臣の合意事項だと報道されているわけです。
 これを簡単に要約しますと、五十七年度は地方負担は行わない、そして国民健康保険の療養給付費の補助金等については、十一カ月分の所要額を計上する、一月分は後回しにするということですね。それで一カ月分は浮いてくるわけですけれども、これはあくまでも五十七年度限りであって、次年度からはそんな芸当はできませんね。ということになると、また大きな問題がどうしても残るわけですが、二番目の「国民健康保険等については、今後速やかに、国、地方の役割分担を含め、医療保険制度等の全体の体系の中における制度のあり方について検討する。」この「役割分担」というのは、簡単に言えば地方の肩がわりというふうに受けとめていいのかどうか。この辺、大臣からちょっと聞いておきたいと思います。
#40
○世耕国務大臣 覚書については、御指摘のとおりの内容でございます。
 それから最後におっしゃられましたのは、国民健康保険の地方一部負担肩がわりの問題が五十八年からまた出てきはしないか、こういう御質問ではないかと思います。
 これは、われわれの方の考え方を大蔵、厚生の方にも率直に申し上げたのですが、国民健康保険の給付というのは、一応各自治体が代行しているような形はとっておりますけれども、実質は普通の健康保険と同じように国が主宰をしまして、それに対して保険者、被保険者の自己負担も一部あるわけでございます。そういう形で、国民皆保険、皆健康保険という考え方のもとに国が主導して、国民保険も含めて全般的な健康保険の施行を行う、こういうのが保険の趣旨でございまして、そういう考え方を基盤にして、これは地方が一部負担の肩がわりをすべき性質のものではないという考えの上に立ちましてこの一部負担の地方肩がわりをお断りした、こういういきさつになっております。
 ただ、今後の日本の医療は、国民健康保険も含めましてもちろん健康保険がその中心でございますが、日本の医療体系全体を見直していく必要がありはしないか、医療の内容についても十二分に検討していくべきではないか、それから内容を含んでいるところの制度のあり方についても、国全体の医療体系からもう一度考え直す必要はないか。それによって、その中の一部の国民健康保険も改めるべきところは改め、制度の中身についてももう一度見直す必要があるかもしれない、これはあくまで全体的な立場からやるべきではないか、そういう意味で覚書における合意というものは行われたわけでございます。
#41
○大橋委員 いまの説明で大体理解できるわけでございますが、要するに、五十七年度は、一カ月問のカットをすることによって数字的なつじつまはある程度合わせられるのだけれども、国民健康保険というのは国が施行していることであって、それを地方、市町村に保険者になっていただいての仕事なのだ、だから都道府県にその負担を肩がわりするようなことは当然考えられないことなので、それは大いに反対した。しかし、今後医療保険そのもの、医療そのものの抜本的な改善の中でどういう姿になるかしれないが、そういう立場の中で地方の方の負担が出てくるのは考えられないこともない。そうではないのですか。
#42
○世耕国務大臣 われわれの方の省は、この健康保険に関して地方の団体が負担するということは、現時点から見ても将来の見通しから見ましても多分負担にたえられないだろう、こういう考え方をあくまで持っているものでございます。
 その上に立ちまして考えているのですが、ただもう一つ健康保険全般の立場からいきますと、これは現在の医療に対する批判とかいろいろな見地から、仮に保険に対する給付の仕方が、健康保険全般について地方の方にもう少し力点を置いていく。つまり、地方が負担するしないということではなくて、いまのところは都道府県の知事さんに一部の仕事が、名目だけかもしれませんが、委託されているような形をとっていると思います。これをもう一歩深めて、地方の方にもう少し健康保険の給付とかそういうものに関する権限を付加していくような形をあるいはとるのではないか。こういう点でも、今後検討に値するいろいろなことが出てくると思うのでございます。
 そういうものも含めましてどういう形になるか、いまここではっきり申し上げることはもちろんできませんですが、地方への比重をもう少しかけて、健康保険全体をもう少し締め直していく、こういう考えがあることは事実でございます。
#43
○大橋委員 時間の関係もありますので、強く要望しておきたいのは、従前のような、ただつじつま合わせ的な地方負担の肩がわりということだけはないように、しっかり地方自治体側に立った立場で協議あるいは対処していただきたいことを強く要望しておきます。もう時間がほとんどなくなりかかってきたのですけれども、あと土地の問題にちょっと触れてみたいと思うのです。
 土地税制の改正点が今度もかなり出ているわけでございます。私が一番冒頭に申し上げましたように、税金というものは公正妥当なものでなければならぬのだ、そうでないからこそ一般庶民は重税感にさいなまれて不満を抱いているのだ、こういうことを申し上げたわけでございますが、この土地税制の改正内容を見ましても、私はそれを強くするところでございます。
 なぜならば、土地を持っている人というのは、どちらかと言えばお金持ちの方ですよ。資産を持っている者にはいろいろな形で優遇措置が図られている。その反面、勤労者、弱い者、たとえば中学を卒業したばかりの人の初任給などは、労働省の五十六年六月の調査では八万五千円だそうですが、ボーナスがそれに四カ月ほどついて百三十六万円になるのですね。高校卒十八歳男子で、これも五十六年六月の調査で九万八千四百円、これにボーナス四カ月分がついて百五十七万四千四百円、こういう低い給与に対しても容赦なく税金は取られていくわけですね。いま言いましたように、大きな土地を持っている資産家の人々には優遇措置が図られていくということは、これまたやはり不公平税制の是正の一つの大きな問題点であろうと思います。
 今回の市街化区域の農地にかかわる課税の適正化措置といたしまして、三大都市圏の特定の都市のC農地まで拡大された、これは私はいいことだと思うのです。拡大されたわけですけれども、ただし評価額が一坪三万円未満のものは除外するということになっておる。これも自治省は、もともと二万円だという考えがあったようですけれども、それが三万円になっているようですね。また、従来、三大都市圏の市の市街化区域のAB農地は宅地並み課税の制度になっているわけでございますけれども、これは御承知のとおりに、三年以上営農の意思があれば免除するのだ、農地としての課税しかなされていなかったわけですね。今回の改正で、いま申しましたようにC農地まで宅地並み課税ができるようになるわけでございますので、一見非常に厳しい状況で対処されるみたいに見えるのですね。
 一見むちのように思われるわけでございますけれども、現行の免除措置を改正して、十年間営農の意思、これは十年間といっても実質は五年になっているようでございます、これは五年間で再確認していくのですか。その間は徴収猶予されるということになっていて、私はこれは実質的な骨抜きではないか、こういうふうに見ているわけでございますが、いかがですか。
#44
○関根政府委員 長い間の懸案でございました宅地並み課税の強化の問題は、強化の方向で私どもとしては立案をし、御提案を申し上げているというふうに実は考えておるわけでございます。
 御指摘いただきましたように、三大都市圏の市街化区域農地というのは、現在大まかに申し上げまして七万ヘクタールあるわけでございます。従来は、そのうちABの合わせて約一万ヘクタールだけしか宅地並み課税が適用されていなかったわけでございますが、残りの約六万のC農地にまで拡大をするということにいたしたわけでございます。
 ただ、そのときに、営農を継続する意思のある者に対しては十分配慮をすべきであるということは、政府の税制調査会からも前々から御指摘をいただいておるところでございますし、また各方面の御意見をお聞きいたしましても、現にまじめに農業を継続したいという意図のある人々に対しては、これはもう十分配慮すべきであるということが大方の御意見ではなかったかというふうに私ども受けとめているわけでございます。したがって、今回法案を準備いたします際にもこの点を配慮いたしまして、徴収猶予制度というものを設けたわけでございます。
 従来は、御指摘がございましたけれども、減額制度ということで、単年度単年度の勝負でございまして、三年以上にわたって農業をやりたいという意思が一応ある農家に対しましては、一年ごとに減免措置を講じてまいったという制度でございました。それを強化する意味で、十年間の営農の意思というものを認定の基準にいたしまして、そういう期間農業を継続したいという方に対しては、徴収猶予制度をとるということでございます。
 実質五年間ではないかということでございますが、これは徴税技術上の要請からまいりました区切りでございまして、あくまでも営農の意思があるかどうか、その基準は十年でございまして、私は五年間しか営農の意思はありませんよということを言ってまいりました場合には、法律上徴収猶予の対象になる適格性を失うわけでございまして、市長はこれに対して営農継続農地としての認定を行うことができないということになるわけでございます。あくまでも十年以上の営農の継続の意思というものが必要である。それを農業委員会を経由して、そこでもいろいろ御意見をいただいて、間違いのないものについて市長が営農継続農地として認定をしていく、こういうシステムをとっておるわけでございます。
 五年間といたしましたのは、租税債権、賦課権が五年間で消滅してしまうというようなことも一方にございますし、また、毎年毎年出てくる徴収猶予を十年間も続けて繰り返していくということ自身に大変な事務量の増加も伴う、いまの行政の簡素効率化という趣旨からもできるだけ事務手続は簡便に済ませる方がいいということで五年間に区切ったような次第でございまして、あくまでも実態は十年というふうに私どもは考えておるわけでございます。
#45
○大橋委員 土地税制改正問題でたくさん聞きたいことがあったのですが、もう持ち時間があと二、三分ですから、また別の機会にその内容をお聞きしたいと思うのです。
 最後に、一つ確認したいことがございます。五年の再確認ですね、五年目に再確認する。十年の営農の意思があるかどうかということが基本だけれども、五年目に再確認してまだ営農の意思があれば、その五年間は免除しますよ、猶予ですね、それ以内にもし土地を売ったような場合には宅地並みの税金を取りますよ、五年間もしそういうことがなく、さらに営農の意思があれば免除します。ところが、その次の年に急に売りたくなって売った、そうした場合に、宅地並み課税というものは一年間のみになるのですか、それとも先の五年もさかのぼって宅地並み課税がなされるのか、その点ですね。
#46
○関根政府委員 設例のような場合には、最初の五年間は農地として約束どおり保全をしたわけでございますので、前の五年間分については宅地並み課税はいたされません。いわば農地並みの課税でおしまいになります。それで後半の五年間に入りまして一年たってやめてしまうという場合には、一年分が宅地並み課税をされるわけでございます。前の五年間は宅地並み課税はなされません。
#47
○大橋委員 最後、土地税制改正の目的は宅地供給促進にあると私は思うのです。だから、これはあくまでも厳しくしないと出てこないと思うのです。だから十年間は猶予期間として、確認は五年でいいですけれども、やはりその免除は十年間にまたがっての猶予としないと意味がない。三年が五年に延びただけだということになるわけですね。ここは非常に重要なところでございますので、後日また議論したいわけでございますが、大臣の御見解を伺って質問を終わりたいと思います。
#48
○世耕国務大臣 御趣旨はよくわかります。衆議院の予算委員会で公明党の正木さんが、一歩前進かなという御趣旨の質問をされたのでございますが、われわれも前のよりは今回の方がいいかなというふうに思っております。それから、御指摘の点も、大変厳しい御指摘でございますが、その点も勘案いたしまして、実はこのぐらいの年度の改正案になったわけでございます。公明党さん、先生の御指摘などもずいぶん参考にさせていただき、こういう状態になったわけでございます。
#49
○大橋委員 正木先生の質問の一歩前進というのは、三年が五年になったのは一歩前進であるのだけれども、本来十年にしましたよという自治省あるいは法案の趣旨からいけば、実態的には五年なんだから、これはごまかしだと言っても私は差し支えないと思うのです。もっと基本的な立場に立って再検討を促したいところです。
 時間が来ましたので、終わります。
#50
○中山委員長 部谷孝之君。
#51
○部谷委員 まず、五十六年度の税収の確保の可能性についてお尋ねいたします。
 現在、国の五十六年度における税収の低迷状態が続いておるわけでありますが、大蔵省が三月八日に発表いたしました一月の一般会計税収によりますと、昨年四月からことしの一月までの累計額の前年同期比は一〇・五%増、こういうふうになっております。先般の補正後の見込みであります一八・五%増を八ポイントも下回っております。そして、一兆円近い減収は恐らく避けられないだろう、そういう状況にある、こういうふうに言わなければならないと思います。
    〔委員長退席、宮下委員長代理着席〕
 国税の収入見込みは、このように非常に厳しい状況にあるわけでありますが、地方税は、五十六年度地財計画での当初見込みに対しまして、年度末の収入が計画割れをするという心配はないのかどうか、まず御答弁を願います。
#52
○関根政府委員 税収の見通しでございますので、必ずしも明確に、こういうことは絶対に云々というような答弁が申し上げられないわけでございますけれども、現状を申し上げますと、一月末におきまして地方税の入りぐあい、都道府県税におきましては法人関係税が非常に悪いわけでございます。国の場合とは事情が異なりまして、三月の大法人が集中しております決算に基づく税収が、国の場合には今年度入ってまいりますが、地方の場合には来年度に入ってしまう、今年度入らない、こういう事情がありますので、国の場合とそこのところにおける見通しが違ってくるわけでございまして、私どもは法人関係税に関する限り、地方税は今年度税収確保が予定どおりいくかどうか大変心配をいたしております。
 しかし、幸いなことに、地方税に占める法人関係税のウエートというのはそれほど高いものではございません。もちろん、重要な税目ではございますが、ほかにもいろいろな税目がございまして、たとえば個人関係の所得割でありますとか、あるいは自動車税等の自動車関係税、これが比較的順調に伸びておりますので、都道府県、市町村を通ずる全体の税収といたしましては、地方財政計画計上額を何とか確保できるのではないかというふうに期待をしながら、現在見守っているところでございます。
    〔宮下委員長代理退席、委員長着席〕
#53
○部谷委員 五十六年度の地財計画では、超過課税分を除いた都道府県税の収入見込み、これを前年度決算額に比べまして一一・四%増、こういうふうに見込んでおります。これに対しまして、一月末の調定額累計では七・二%の増にとどまっております。計画の見込みを四・二ポイント下回っておる、こういうことになっております。特に、法人関係税の伸び悩みが景気の停滞を反映しておることが目立っておるわけでありまして、法人事業税では地財計画額を一月末現在で一三・六ポイント下回っている、こういう状態でありまして、法人県民税では同じく八・四ポイント下回っておる、こういう状況にあります。
 御承知のように、いま法人事業税は重要な税目ではあるけれども、まだほかにたくさんあるとおっしゃいますけれども、しかしながらやはり道府県税の最大の税目であります。そしてまた同時に、大口法人の申告がすでにおおむね終わっております。通常、暦年前年十二月までに七、八割くらいが入ってまいりますので、今後の大きな増収は期待できない。おっしゃるように来年へ回るのでありますから、もうすでに大半は入ってきておるということになります。このように見てまいりますと、五十六年度の地方税収の計画割れが起こるのではないかというふうな懸念を当然持つわけでありますが、自治省、計画割れが生じた場合にどのような対応をされるのか、御答弁を願いたいと思います。
#54
○土屋政府委員 昭和五十六年度の税収につきましては、団体によってそれぞれ事情が異なるわけでございますし、いろいろと懸念材料もあるわけでございますが、ただいま税務局長から申し上げましたとおり、全体としては何とか確保できるのではないかと言いつつ、期待もしておるという状況でございます。
 ただ、法人関係税につきましては、当初見込まれた額よりも減収となる団体が出てくることは当然予想されております。したがいまして、私どもとしては、こうした団体に対しましては財政運営の状況等いろいろ検討する必要がございますが、そういったことも踏まえながら必要があると認めました場合には、減収補てん債による財源措置を含めて適切に対処し、財政運営に支障のないように処置をしてまいりたいというふうに考えております。
#55
○部谷委員 きのうの日経新聞によりますと、地方の税収不足は一段と深刻になり、五十六年度は軒並み税収不足となる、これを補うために発行する減収補てん債は過去二番目の水準である千七百億円台になる見通しである、こういう報道をしておるわけであります。大体そのように理解してよろしいわけですか。
#56
○土屋政府委員 全体としては、市町村といいますよりは都道府県の方が法人関係税の比重が多いので、そこらが中心になるわけでございますが、私ども、まだ最終的な結論を出しておりませんが、ただいまお示しのように千七百億円前後の要請があるということでございます。
#57
○部谷委員 特に、都道府県の税収の約四割を占める法人事業税は大きく伸び悩んでおる。アルミだとか石油だとか自動車だとか、伸び悩みの前回実績を下回ったところ、私が住んでおる山口県もあるわけでありまして、石油化学関係のコンビナートの非常に多いところであります。そういうことで、私は特にまた心配をしておるわけでありますが、そうした減収補てん債を含めましてどのような手だてをされるのか、ほかにもまだいろいろ方法があると思うのですけれども、どのようにお考えでしょうか。
#58
○土屋政府委員 先ほども、当該団体の財政運営の状況を見ながらということを申し上げたわけでございますが、財政調整のための資金等を持っておるところがございます。したがいまして、税収減の少ないところはそういったものを使いながら、いろいろと工夫をされて財政運営されることも指導しておるわけでございますが、きわめて大きく各法人関係税が減ってくるところは、減収補てん債ということでできるだけ対応していきたいと私どもは思っております。
 さらに、それのみでいかないで、来年度以降の交付税上における精算でよろしいというようなところもございます。そういったものについてはどのような精算の方式で対応するか、五十七年度でいくか、五十七、八にかけてやるのか、これまた全体としての財政の状況を見ながら決定をしたいと思っております。いずれにしても、当面当該団体の財政運営には支障のないようにしたいというふうに思っております。
#59
○部谷委員 そうすると、減収補てん債ですと、従来後年度に交付税措置がされておるわけです。そのような取り扱いになるわけですか。
#60
○土屋政府委員 そのとおりでございます。当該年度はそれによって歳入は埋められる、当然その元利償還が出てまいります。これは交付税で措置をいたします。
#61
○部谷委員 次に、五十七年度の税収見込みについてお尋ねをいたします。
 同じように歳入欠陥が生ずる可能性が、五十七年度の税収見込みにもあるのではないかというふうに予想されるわけであります。自治大臣が大蔵大臣と折衝された結果、五十七年度は五十年の補正以来七年ぶりに財源不足が解消されたというふうに聞いておるわけでありますが、これは国の財政が厳しいからという理由で地方の財政需要を低く見積もって、一方では歳入を高く見積もった結果ではないかというふうに言われております。前回もそうしたお尋ねをしてみたのですけれども、明確な御答弁をひとつお願いいたしたいと思います。
#62
○土屋政府委員 御指摘のございましたように、五十七年度においては地方財政は、単年度としては収支が均衡する見込みになっておるわけでございます。私どもとしては、昭和五十七年度の地方財政計画の作成に当たりましては、歳入歳出の各項目について、現状においては最も適切と考えられる方法によりまして見積もりを行ったつもりでございまして、その結果こういったことになったわけでございます。
 歳出面で申し上げますならば、国と同様に抑制基調に立ちながらも、地方単独事業費については、社会資本の整備なり地域経済の振興に資するということで必要な規模の確保には配慮したわけでございますし、また、たとえば老人医療給付費等、予想されます制度改正に伴う所要の経費についても必要なものを見込むといったようなことをいたしまして、それぞれの歳出項目について所要額をできるだけ的確に見込んだつもりでございます。
 また歳入面におきましては、地方税を初めとする各種の歳入について、政府の経済見通し等を基礎といたしまして、現段階で最も適切だと私どもが考えております手法で算定を行ったものでございまして、意図的に高く見積もったというものではございませんし、収支それぞれに努力をしながら、また今後の努力によっていろいろと確保できるものと期待しながら、全体としての計画を立てたわけでございます。そういったことで、ことさらに意図的につくったものではないということを御理解賜りたいと存じます。
#63
○部谷委員 五十七年度の地財計画では、地方税の伸びを一一・七%、道府県税で一〇・二%、市町村税で一三・一%、それぞれ見込んでおるわけでありますが、都道府県の五十七年度予算を見ましても一〇・二%という高い伸びを見込んでおるところはほとんどございません。全国平均で見ますと六・七%というふうになっております。特に法人関係税は地財計画では、事業税一一・二%、道府県民税法人割が一三・七%というふうにそれぞれ見込んでおるのに対しまして、都道府県予算案は法人関係税の伸びを四・三%しか見込でおらないわけであります。このことは、大蔵省の法人税の収入見積もりに合わせてこのような高い伸びを見込んでおられるのではないかと思うわけでありますが、この点いかがでしょうか。
#64
○関根政府委員 来年度の地方税収の見積もりに当たりましては、いま先生御指摘いただきましたような伸び率で計上いたしておるところでございます。その基礎となりますのは、当然、政府の来年度五十七年度における経済見通しをもとにいたしまして、国税の方もそれをもとにして推計がなされておりますし、わが方では、そういった経済見通しと同時に、国税の税収見込み等も重要な参考資料として参考にさせていただきまして、計算をいたしておる次第でございます。
#65
○部谷委員 そこで、大蔵省にお尋ねしたいのですが、大蔵省は、五十七年度の法人税の収入見込みを現行法の改正分を入れて一五・四%アップ、こういうふうに見込まれておると思うのですが、この見込みが達成できるのかどうか、この点についてお尋ねをいたします。
#66
○真鍋説明員 五十七年度の法人税収の見積もりにつきましては、先ほど土屋局長から、地方税収につきまして手法等についてお話もございましたように、現段階で最も適切と思われる手法によりまして計算いたしました結果でございまして、現段階の見積もりといたしましては最善の努力を行った結果ということでございまして、御理解いただきたいと思います。
#67
○部谷委員 国も地方も、私どもが考えて異常に高いとされる数字が掲げてあるような、そういう気がするわけでありまして、まさに地方財政計画と実態が乖離した、そういう状態を自治省はどのように考えておられるのか。これだけ差があれば、計画が計画としての意味をなさないのではないか。また、地財計画で見込んだ税収を本当に確保できるとお考えになるのかどうか、重ねてひとつお尋ねいたします。
#68
○土屋政府委員 五十七年度の地方財政計画の作成に当たりましては、先ほども申し上げましたとおり、政府の経済見通し等を基礎といたしまして、現段階では最も適切と考えられる方法によって見積もりを行ったものでございますので、おおむね見込みどおり確保できるものと考えておりますし、また、それだけの努力をしていかなければならないと考えておるわけでございます。
 五十七年度の各都道府県の当初予算について見ますと、地方財政計画で見積もりました税収の伸びとの間に差があることは、先ほど御指摘がございましたとおりでございますが、地方財政計画は、御承知のとおり通年ベースで積算しておるわけでございまして、それに対しまして現実の地方団体の予算編成に当たりましては、かなり大きな補正予算を編成することを前提として当初予算の編成を行う団体もあるわけでございまして、計画と当初予算との乖離は例年生じておるわけでございます。そういう状況でございまして、私どもとしては昭和五十七年度の地方財政は、全体としては計画に見込んだところに従って運営され得るものだと思っておるところでございます。
#69
○部谷委員 次に、減税問題に入りたいと思います。
 日本経済は、オイルショック以来厳しい低成長が続いておりまして、財政危機も景気の停滞によるところが多いと思います。とりわけ最近は、昨年の十月から十二月期、第三・四半期ですか、その経済成長率が実質で前期比〇・九%のマイナスとなりまして、七年ぶり、しかも予想外の大幅なマイナス成長になった、そういうふうに報道されております。特に、これまで成長を引っ張ってまいりました輸出が欧米不況の影響を受けまして伸び悩み、一方では内需が依然として伸び悩んでおります。今後このまま内需が低迷をし続けてまいりますならば、ますます不況が深刻になっていくことが予想されます。
 われわれは、このような状況になることを懸念いたしまして、個人消費を中心とした内需を刺激するために、一兆円規模の減税を政府に対して要求したところであります。申し上げるまでもなくその内容は、所得税について七千億、住民税について三千億、これを政府に要求してきたわけであります。
 残念ながら、政府提案の地方税法の改正案には、この切なる願いである住民税の減税の内容が入っていないわけでありますが、減税を見送られた理由、これはひとつ大臣の方から明確な御答弁をいただきたいと思うのです。
#70
○世耕国務大臣 地方に関するあれからいきますと、地方税の方も約三千億減税の対象になるという野党からの御指摘がございまして、あれしたのですが、大体地方債の残高が三十二兆円、国からの借入金の残高が八兆円ございまして、いま地方財政は約四十兆円の巨額の借金が残っておりまして、やはり厳しい事情であることには変わりがないのでございます。こういう点で、今回はせっかくの御要望に対してなかなか応じ切れなかったということで、低所得者層に対する非課税措置を行って税負担の軽減に努める、こういうことでおるわけでございます。
#71
○部谷委員 おっしゃったようなことで、前年と同じような措置でいわば逃げられたかっこうになっておるわけであります。財政状況が厳しいということはもちろんよくわかるわけでありますが、われわれが主張いたしておりますのは、景気を好転させ財政収入をも増加させていくという、そうした積極的な政策を組み込むことがいま大事であるということが、一番大きな理由として要求されてきたわけであります。
 そこで、三千億の住民税を減税した場合に一体どれだけ地方税の増収があるか、波及効果はどのようなものであろうか、こうしたことを試算されておりませんでしょうか。
#72
○関根政府委員 減税の効果につきましては、当然、減税を実施いたしますればそれが消費に回り、消費の拡大を通じまして生産の拡大に通じていく、国民経済の拡大要因になるということは、私どもも十分理解をいたしておるわけでございます。しかし、数量的に定量的にそれがどの程度のものになるかという問題につきましては、学者先生たちからも、いろんな論文の中で数字などが出ているようでございますけれども、私どもとして自信のある数字、大体このぐらいになると言うことがなかなかできないのが現状でございます。
#73
○部谷委員 渡辺大蔵大臣は、一千億減税しても百億くらいしか伸びないだろうと予算委員会の答弁の中で述べておられますけれども、減税が財政に与える効果を数字で予測することが困難であることは私も理解をいたします。しかし、経済心理学という言葉があるわけでありますが、冷え切った個人消費に与える減税という心理的な効果は大きいと思います。かなりの財源が自然増収という形で税収にはね返ってくると思われるのですが、自治大臣は、今後このような積極策をとられるお気持ちがあるのかどうか。
 政府予算が衆議院を通過するに際しまして、自民党と野党五党との間で所得税減税に関して合意がなされました。そして、議長見解という形で明文化されたわけであります。それによりますと、予算成立後大蔵委員会に小委員会を設けて検討するということになりまして、鈴木総理もそのことには大いに意義がある、そして政府として尊重する、こういうふうに述べておられます。あの文言を読みますと、所得税の場合に大蔵委員会で検討するということになるわけでありますが、住民税の減税については実はいささか明確を欠いておると思われるわけでありまして、ここに住民税減税が入らないということになりますと筋が通らない、こういうふうに思うわけであります。住民税減税についてどのように取り扱われるか、閣僚の一員として自治大臣、お伺いしたいと思います。
#74
○世耕国務大臣 お答えいたします。
 減税に関しては、国会で小委員会を設けて新たに審議をする、私どもは、その国会の御審議に対してはもちろん尊重するわけでございます。ただ、国税の方と住民税ですか、いまおっしゃられました地方税の方は若干異なるところがございまして、必ずしも一致するわけではございませんで、山方税の方は昭和五十四年、五十五年までたしか減税をしておりますが、国税の方は変わらないけれども、地方税の方はそういったことで若干変動があったわけでございます。ですから、先ほど申し上げましたように、地方財政大変厳しい状況にありますので、一概にこちらの方を国税に比例してあれするというわけにはまいらないかと思います。
#75
○部谷委員 今度の減税につきましては、われわれはちゃんと財源も示しておるわけです。三千億の住民税減税をやっていただきたい。そしてその財源については、法人住民税の均等割の引き上げによって二百二十億、それから三公社有資産所在市町村納付金の増額について七百八十億、さらに行政経費の節減で二千億、こういうふうに非常に明確に、あなた方にやっていただきやすいようにちゃんと示してあるわけでありますから、そういうことでいま国民の一番大きな願いである減税についてさらに一歩勇気ある行動をとっていただきたい、このようにお願いをしておきたいと思います。
 次に、自主財源の問題であります。
 三割自治という言葉が使われて久しいわけでありますが、依然といたしまして地方自治は三割自治という状態にあります。昭和五十五年度の決算の状況が最近明らかになりましたけれども、それによりますと、歳入総額に占める地方税の構成比が都道府県で三二・七%、市町村で三一・八%にすぎません。地方自治の確立という点から見ますとはなはだ心もとないと思うのですが、大臣の御見解はいかがでございましょうか。
#76
○関根政府委員 地方公共団体の歳入中に占める税収の割合が、先生御指摘のように、戦後三十七年たつ現在におきましてもまだ三〇%そこそこであるという事態は、決して好ましい姿であるというふうには私ども考えておりません。本当の意味の地方自治を拡充強化する上におきまして、地方税の拡充強化が絶対に必要であり、それの強化のために私どもは従来からも努力をしてきたつもりでございますけれども、今後ともその方向に向けて最大限の努力を尽くさなければならない問題であると考えております。
#77
○部谷委員 皆さん、よく交付税を含めるとフィフティー・フィフティーだとおっしゃるのですけれども、交付税はいわば依存財源でありますし、地方税は自主財源であります。そこに一番大きな違いがあるわけでありまして、自治省は今日まで交付税を確保するのにまさに血道を上げてこられたと言っても過言ではないと思います。そうした基本的な自主財源たる地方税について、根本的な見直しが必要であるのではないかというふうなお尋ねをしたのですが、いかがでしょうか。もう一度御答弁願います。
#78
○土屋政府委員 地方団体の自主性、自律性を高めるという意味では、地方団体がみずから徴収します地方税等の自主財源を充実することが必要であることは、御指摘のとおりでございます。改めて申し上げるまでもないと存じます。しかし、一方では御承知のように、地方団体間には税源のかなりの偏在がございますので、地方交付税による財源配分ということはどうしても不可欠であると思っております。また、地方譲与税なり国庫支出金が、地方自治全体の円滑な運営に一定の役割りを果たしておるわけでございます。したがいまして、地方自主財源の充実強化と地方団体間の適切な財源調整を行うということをいかに調和させていくかということが重要な問題だと、私どもとしては考えておるわけでございます。
 そういったことに配意しながら、自治省といたしましては、毎年度の地方財政対策を講ずるに当たりまして、地方自主財源あるいは地方団体が自主的に使途を決定し得るような地方一般財源の充実に努めておるところでございまして、五十七年度の地方財政計画におきましても、自主財源比率を前年度の四五・八%から四八%に二・二ポイント高めることにいたしております。また、地方一般財源比率も、前年度の五八・九%から六一・四%に二・五ポイント高めるというふうにいたしておるところでございます。今後とも私どもとしては国、地方の機能分担のあり方を検討する過程で、やはり自主財源の比率を高めていくことが地方財政の健全化につながるというふうに考えておりますので、その点に向かって努力を続けたいというふうに考えておるところでございます。
#79
○部谷委員 いまおっしゃいました自主財源の確立の問題は、まさに古くて新しい問題でありまして、現在も、臨調におきましてもこの問題に対する、国と地方との関係を含めて議論がされておると思うところであります。しかし、臨調での議論というのは、いままで言われてきておりながら実行できなかったこと、これを実行に移すという起爆剤といいますか、そういうものになるところに大きな意味があると私は思うわけでありまして、地方自治に対する臨調の理解が必ずしも十分ではないのではないかと、われわれも感ずるところがあります。
 給与問題については、確かにいろいろ問題が指摘されております。給与問題にさかのぼるようでありますけれども、去年の自治省の調査によりますと、五十六年四月一日現在のラスパイレス指数は一〇六・七であり、国をなお六・七ポイント上回っておるという結果になった。大臣、この数字をあなたはどのように評価されますか。
#80
○世耕国務大臣 私どもとしては地方団体の給与は、できれば給与と定員の制限、抑制をしながらもう少し節約を図っていただきたい、こういうことで地方団体に対していろいろな指導、助言を行っているところでございます。
#81
○部谷委員 これだけ給与がやかましく言われてきておるわけでありまして、地方公務員の給与是正について、特に自治省はこの一年間大変な努力を重ねてこられたわけです。ラスパイレス指数が六・七ということは、前年度比〇・二ポイントしか下がっていないということなんですね。しかも、上位二十市のうちで十九市は大阪府下に集中しておりまして、自治省も個別に通達を出されて指導せられたわけでありますが、大阪府下におけるそういう状況というものが解決されておりません。このように給与の是正が遅々として進んでいない、そのことを大臣どのようにお考えかということを先ほど聞いたのですけれども、いかがでしょうか。
#82
○世耕国務大臣 統計数字でいきますと、たしか〇・二%ぐらい改善されたということなんでございますが、地方によりましていろいろな事情が個別にあることもよくわかっております。しかしながら、こういう状況下で人件費がかなり高い地方の団体で、それだけ人件費を払って定員もかなりいるというようなところで実際に見てみますと、ほかに余裕があって別個ないろいろな行政を行える状況にある団体というのは、非常に限られて少ないものでございます。
 そういった事情にもかかわらず、人件費が高いといった実情でございまして、国の方、国家公務員の方もこれだけいろいろな制限を受けてむだを省き、行財政改革それから地方の自律性とか自主性を高めるためにいろいろなそういった行政を進めている時期でございますから、やはり地方の方ももっと協力をしていただきたい。このことで今後も、われわれの方はいろいろな方法を使いまして、こちら側の言い分とするところを地方にも協力していただくように努力を傾けていく所存でございます。
#83
○部谷委員 これもきのうの新聞にラスパイレスの状況が出ておりますが、この中で堺市は一二八・五で最高位にあり、しかも昨年に比べて〇・八アップしております。これは新聞の記事でありますけれども、堺市の場合、大卒者は十三万一千五百円で国よりも三五・六%も高く、高卒者でさえも十万七千二百円と国の大卒者よりも一〇・五%も高くなっておる、こういうことを指摘いたしまして、地方自治体の給与水準を引き上げる大きな要因になっておるのが高過ぎる初任給にある。それはもちろん、ほかにもたくさんあるでしょうけれども、そういう指摘をしておるわけでありますが、この堺市のケース、ラスが最高でありながらなおかつ昨年よりも上回ったという原因はどこにあるのか、御調査をされておったらひとつ答弁を願います。
#84
○矢野政府委員 給与実態調査の内容につきましては、直接は公務員部の所管でございますから私ども明確には承知いたしておりませんが、御指摘の堺市の場合、ラスパイレス指数が前年の四月より上がったという事実、確かにそのとおりでございます。ラスパイレス指数が上がったり下がったりいたしますのは、その給与の内容について一定の手直しを行う、たとえば改善を行うあるいは逆にもっと緩くするというようなことによるものももちろんあるわけでございますが、それ以外に、給料表の構造等によりまして自然にラスパイレスが上がったり下がったりするケースもあるわけでございます。堺市の場合、私どもが聞いておりますところでは、給料表の構造そのものをさらに甘くしたというようなことではなかったろうと思っております。
 なおちなみに、大阪府下の衛星都市が先ほど御指摘のようにほとんど上位を占めておるわけでございますが、私どもの方でも強力に指導いたしておりまして、特にその原因がいま御指摘のように、高卒にいたしましてもあるいは大卒にいたしましても初任給の高さによるものが、かなりこのラスパイレスを高めておるということは事実でございます。本年度の指導によりまして、大阪府下の衛星都市につきましてはほぼ共通的に初任給の是正を行う、つまり引き下げを行うという措置を行っております。ただ、この結果は、残念ながらいま御指摘の五十六年四月現在のラスパイレス指数にはまだ反映をされていないという点であろうかと思いますが、なお強力に指導をしてまいりたいと考える次第でございます。
#85
○部谷委員 次に、標準税率の問題をお尋ねいたします。
 国の権限をもっと地方におろして、それに見合う形で地方の税源の配分を強化して、そして最終的には国と地方の税源配分をフィフティー・フィフティー程度に高めていくべきではないかというふうに、われわれも今日主張をいたしております。こういう基本的な仕組みを変えていくことはもちろん大切なことでありますが、それよりほかに、制度の手直しを行うことによって地方税の自主性を確立することのできる部分があるのではないか、こういうふうに思われます。
 そこで、地方税におきまして標準税率という制度が設けられておりますが、これはいかなる意味を持つものであるか。いかがでしょうか。
#86
○関根政府委員 お尋ねの標準税率は、地方税法上地方団体が課税する場合におきます通常よるべき税率でございまして、その財政上特別の必要があると認める場合におきましては、必ずしもこの標準税率によることを要しない税率でございます。ただ、税目によりましては制限税率が定められているところもございますので、その制限税率を上回る税率を設定するということはできないことになっております。
#87
○部谷委員 通常よるべき税率であるから、地方団体の判断によって自主的に上げ下げのできる税である、こういうふうな御答弁であります。そのように解釈していいわけですね。ところが、実際には超過税率を設けておる団体はありますけれども、標準税率未満の税率を設けておるところはありません。なぜこのような状態になるのか、御説明を願います。
#88
○関根政府委員 標準税率というのは、先ほど申し上げましたように通常よるべき税率でございまして、何か特別の事情がある場合以外は大体この税率によっていただくということを期待している税率でございます。
 超過税率を設けている団体が比較的多いのに標準税率を下回る団体がないのはなぜかということでございますが、一口に申し上げますと、地方団体にそれだけの財政的な余裕がないからだということに尽きると私は思います。いずれにいたしましても、通常の標準的な行政を実施いたします際の必要な財源については、財政局の方で地方財政計画等を通じましてその財源措置を講じているわけでございますが、その際にも、入ってくる財源といたしましては税収は標準税率を用いて算定をいたしております。したがって、何か特別に別途隠し財源みたいなものがある団体は別でございますけれども、普通の団体は、標準的な仕事をやろうと思えば、標準税率に基づく税収は必要になってくるというのが常態である。
 したがって、特定のサービスを標準よりも下げてしまう、行政サービスをうんと落とすことができれば、あるいは標準税率を下回る税率を設定するということが可能かもしれませんけれども、地方団体の行う仕事というのは皆地域住民の生活に密着した仕事でございまして、それぞれ重要な仕事でございますから、行政サービスの水準を落とすことができない以上、標準税率を下回る税率の設定は実際問題として困難であるということではなかろうかと考えます。
#89
○部谷委員 現在財政状況が大変厳しいので、税率を引き下げる余裕のない団体が多いということはもちろん理解できるのですが、問題なのは、確かに地方税法上は標準税率を下回る課税ができるという可能性はあるけれども、しかしそうすれば地財法上起債を制限される、こういうことになっておりますね。だから、税法では下げてもよろしいと言いながら、事実上は制度的に不可能なような仕組みになっておるというふうに私は思うわけです。
 先ごろ東京都下の武蔵野市で、地価の値上がりを反映して固定資産税の評価額がだんだん高くなってきて、税負担が高くてかなわぬから下げろという強い要求が住民の間から出されました。これに対して市の方では、都市計画税の税率を下げたわけであります。これが固定資産税でありますと、先ほど申しましたように標準税率を下回れば起債制限を受ける、いわばペナルティーが課せられるということで都市計画税の方で税率を引き下げた、こういうふうに私は聞いておるわけであります。
 標準税率だから下げられないとかというふうなことは住民にとってはかかわりのないことでありますけれども、そういうふうに都市計画税の方では引き下げが可能であり、一方固定資産税の方では引き下げができない、そういうふうな税の仕組みに何か不自然なものがあるような気がするわけですが、この点いかがでしょうか。
#90
○土屋政府委員 お示しのございましたように地方財政法によりまして、普通税の税率が標準税率未満の地方公共団体におきましては、公共施設または公用施設の建設事業費等の財源に地方債を充てることができないとされておるわけでございます。これは、御承知のように地方財政法の五条で、「地方公共団体の歳出は、地方債以外の歳入をもつて、その財源としなければならない。」として、特定の場合について地方債をもってその財源に充てることができるというふうにされておるわけでございます。地方債は、当然のことながら、将来その元利償還によります財政負担を伴っておるわけでございますので、まず税等の収入を適切に確保する措置を講じた上でなお必要な場合に地方債を財源とすることが適当である、そういった考え方に立っておるわけでございまして、そういう考え方を通しますといまおっしゃったようなことになるわけでございます。
 都市計画税は目的税でございますから、御指摘のような武蔵野市の場合にはその状況に応じて税率の上げ下げはいろいろとできるわけでございますけれども、原則的な普通税につきましては、ただいま申し上げましたような見地から、当然にその税率の上げ下げができるという前提に立ちますといろいろと混乱も起こるわけでございまして、そういった意味で地方財政法の規定があることを御了解賜りたいと思うのでございます。
#91
○部谷委員 都市計画税の場合は制限税率だから下げられる、こういうことですね。
#92
○土屋政府委員 目的税ということで取っておりますので、その目的とされております事業の状況に応じてそれは動かし得るということでございます。普通税ではないということでございます。
#93
○部谷委員 大体、起債を制限するあるいは許可するという権限を自治省が持たなければならないのかどうか、これは一つの基本的な問題でありますが、借金をするのは地方団体でありますから、したがって返せないような借金はするはずがないと私は思うのであります。それでも起債の許可権というものが必要なのかどうか、これを撤廃するお気持ちはないのかどうか、お尋ねします。
#94
○土屋政府委員 地方自治の立場を強化するという点から考えれば、地方債についてもある程度幅を持って考えてもいいのではないかという意見もあるだろうと思います。しかし、地方債の許可制度が設けられておりますのは、御承知のように、将来その元利償還による財政負担を伴いますために、個々の地方団体及び地方財政全体について、その適正限度を保持して地方財政の健全性を確保するという必要がありますが、それ以外にも、地方債の元利償還金というのは地方財政計画に計上いたしまして、所要の財源措置を講じていく必要があるということもございます。そういった意味でも、地方債発行の適正限度が維持されなければならないと存じます。
 また、現行の財政金融制度のもとにおきましては、地方公共団体の資金需要も、国、民間などの資金需要との調整を図って、限られた資金を有効適切に配分するという必要がある、そういった点からも必要だと思っております。
 さらには、資金配分の公平を図って特定団体へ資金が偏っていくということを防止する、そういうことによりまして、地方公共団体の財政力のいかんにかかわらず必要な資金が確保されるようにする必要がある。財政力の弱いところは担保力がないので、勢い資金需要があってもなかなか金が回らないということもあり得るわけでございます。そういうことも検討する必要があるわけでございまして、そういった理由からこういう制度が設けられておるものでございまして、今後とも、許可制度を通じまして地方債発行の調整を行っていく必要があると私どもとしては考えておるわけでございます。
 ただ、そうは申しましても、地方債の許可制度の運用に当たっては、最初に申し上げましたように、できるだけ地方公共団体の自主性が尊重されるようにする必要がございますので、最近、いわゆる一件審査でこちらが一々許可するというのではなくて、枠配分方式で対応してきておりまして、だんだんそれを拡大してきております。たとえば普通会計債については、五十五年度で九二・五%が枠配分ということにしておるわけでございまして、ただいま申し上げました理由によって許可制度は必要だと思いますが、地方団体の自主性は尊重していくという方向に持っていっておるところでございます。
#95
○部谷委員 次に、法定外普通税の問題についてお尋ねします。
 法定外普通税の新設または変更に当たりましては自治大臣の許可が必要であるわけですが、なぜ自治大臣が一々許可する必要があるのか。いかがでしょうか。
#96
○関根政府委員 地方団体の法定外普通税も租税の一種でございます。ある特定の地方団体で、自分だけの判断で自分に都合のいい租税を設定するということになりますと、それは国民経済全体に非常に大きな影響を与えたり、あるいは他の地方団体の税制なり財政なりに悪い影響を与える場合もあるわけでございます。もちろん、国税との競合関係という問題も起こってくるわけでございまして、こういったものとの調整を図りながら、一方においては、地方団体の自主性を強化いたしますためには、できるだけ自主的に税目の決定ができるようにしておく必要、そういう要請もありますけれども、両者の調和、調整をとる必要がございますので、現在自治大臣の許可制というものを存置しているわけでございます。
#97
○部谷委員 それでは、これまで許可を申請して実際に自治大臣が許可をされなかった、そういう例はありますか。
#98
○関根政府委員 最近におきましては、大体地方団体から持ってまいります許可申請はすべて許可をされておりますが、かつて昭和三十一年に、新潟県その他六県から、発電税という形で法定外普通税の申請がありましたけれども、これにつきまして不許可になっております。それ以外では、私ども、例はないものと考えております。
#99
○部谷委員 現実には、事前にいろいろとそうした相談を受け、そういう相談の中で検討されるから、結果的に許可の段階で不許可になるというケースは非常に少ないと思います。
 しかし、憲法のたてまえから申しますと、自治体の課税権というものはこれを保障していかなければならない、こういうふうに思います。地方自治を尊重するという自治省の立場からいたしますならば、許可という強い権限を自治省が持つのでなくて、たとえば勧告だとか指導だとか、あるいは届け出の際に意見を述べる、あるいは取り消し権というふうな形を自治省が持っておる、そういう程度に緩和すべきではないかというふうに考えるのですが、いかがでしょうか。
#100
○関根政府委員 確かに、地方自治を拡充強化する、できるだけ地方自治というものを尊重していこうという観点からは、課税権もできるだけ広く認めていくことが望ましいことは言うまでもございません。しかし、先ほども申し上げましたように、租税というものは国民経済の中での財の移転でございますので、片っ方がよけい取れば、取られたところはもちろん少なくなりますし、それを取ろうとしていたところが取れなくなる、そういう影響を直接受けるわけでございます。その辺の調整を常に考え、両者の調和を図りながら課税をしていかなければいかぬ、そういう性格のものではないかと思うわけでございます。
 そういうようなことから、現在許可制度をとっておるわけでございますが、これを、たとえば事後において取り消し権のようなものを自治大臣の方で留保していたらいいじゃないかというお話もあったわけでございますけれども、租税というのは、一たん課税をいたしますとそこで課税権が発生をし、納税義務というのが片っ方に生じてくるわけでございます。できるだけ租税の課税権の安定性ということを考えましても、宙ぶらりんな、いつ取り消しを受けるかわからないような税制が、たとえ短期間でありましても存在するということはやはり問題が多いことでございますので、私どもとしては、現状におきましては、許可制をこの際やめてしまうということにはちょっと無理があるのではなかろうかというふうに考える次第でございます。
#101
○部谷委員 なかなか地方は信頼してもらえないようです。
 次に、日銀の法人関係税のことでお尋ねをしたいと思います。
 自治省から提出された資料を見ますと、昭和五十二年の下期から五十四年の下期にかけまして、日銀からの住民税、事業税の税収がゼロであるという状況が続いておるようであります。これはいかなる理由によるものか、自治省の方から御答弁願います。
#102
○関根政府委員 御指摘をいただきましたように、日銀の決算期で申しまして五十二年の下期から五十四年の下期まで、半期にいたしまして五半期連続して地方税の納税がなかったわけでございますが、これは、日銀の課税所得を計算いたします方式が法律で定められておりまして、いろいろ中身を申し上げますと細かい話になりますけれども、一口で申し上げまして、日銀が国庫納付金をいたしますと、その国庫納付金は課税所得の計算上損金に算入されるということで、毎年度の経常的な利益が出ておりながら、地方税の課税の計算をいたしますその所得においては、所得がない、決算上赤字であるということになるために、地方税の納税が行われないということになるためでございます。
#103
○部谷委員 この問題は、非常に大事な問題だと思います。国と地方との関係は対等であると言いながら、日銀が国庫納付金をした場合に税外収入という形で国の予算には入るけれども、さっきお話しのようにその分が損金となるために純益金が出ても地方に入ってこない、こういうことでありますが、これは制度的に非常に不平等だ、こういうふうに思うのですが、これを是正するお考えはありませんか、どうですか。
#104
○関根政府委員 私どもも、地方公共団体の税収が、国の納付金をどの程度にするかという国の財政上の判断によって著しく変動を来すということは必ずしも好ましいことではないというふうに考えておりますし、また地方団体のサイドからも、こういう変動を来さないように措置をしていただきたいという要望もきわめて強いわけでございます。したがって、この問題につきましては、そういう観点から私どもはいままで大蔵省に対しましてもいろいろと折衝を続けてきたわけでございます。しかし、現在の納付金の制度を基本的に変えてしまうということにつきましては、それはまたそれなりに日銀が日本の中央銀行であるといった性格との兼ね合いもございまして、なかなかむずかしい問題があるようでございます。
 要は、日銀が利益を計上してしかるべき税金を地方団体に納めてもらう、安定的に納税をしていただくというシステムがとられるのが望ましいわけでございますので、私ども、大蔵当局に対しましてもそういう旨を申し入れをいたしまして、この問題、従来のような大きく変動するような運用はしないという方向で大蔵の内々の了解もいただいておりますし、そういう方向へ向けて御努力をいただくということにもなっておるわけでございます。
#105
○部谷委員 大蔵省、いかがですか。
#106
○鏡味説明員 いま自治省の方からも御答弁がございましたように、日銀納付金の問題につきましては、やはり日本銀行の性格に非常にかかわる問題であろうと思います。日本銀行が国全体としての金融政策を行う、それから通貨も日本銀行が独占的に発行している、そういうこととの見合いで日銀納付金というのが国庫に納入される、しかもそれが国庫に納められるものですから損金に算入される、そういう仕組みになっていますために、場合によりましては日銀納付金を納めたために課税所得が発生しないという事態も生じておったわけでございますけれども、これは日銀としましてもできるだけ純益を発生させて、課税といいますか納税を行うというのが望ましい姿でございますので、できるだけそういう方向を行わせたいというふうには考えております。やはり日銀納付金の性格それ自体につきましてはいろいろ御異論もあろうかと思いますけれども、現行制度が諸外国にも数多く見られることでもございます。この制度自体をいじるということは、なかなかむずかしいと考えております。
#107
○部谷委員 昭和五十二年から二年半にわたって税収がゼロの状態が続きながら、制度改善が行われてきていないわけであります。国の予算が厳しい中で、国の方は増税ができないから納付金という、そっちの方で取っていく、そのために地方は全くお手上げになっていく、収入ゼロという形になっていく、こういうことは、つまり大蔵省の操作によって一方的に地方の税収が左右される、そういう制度であると私は思うわけであります。大蔵省当局との間にも、日本銀行の決算のあり方やあるいは国庫納付金のあり方、あるいは日本銀行法の改正の問題、日本銀行法の改正がむずかしいとするならば、地方税法の改正によってでも、こうした多額な納付金が国庫に納付されても地方団体が課税し得る方法を検討した、こういうふうに書いてあるわけでありますけれども、私は、自治大臣は大蔵大臣に対してこの問題についての解決を強く働きかけていくべきだと思うのですが、大臣いかがでしょうか。
#108
○世耕国務大臣 私どもといたしましては、今後とも、大蔵省当局にその改善方を働きかけていきたいと存じております。
#109
○部谷委員 少し、具体的な質問に入っていきたいと思います。
 料理飲食等消費税についてであります。今回料飲税の免税点を二千五百円に引き上げることにしておりますが、その理由は何でしょうか。
#110
○関根政府委員 料理飲食等消費税の免税点は、昭和五十二年度に設定されまして以来、そのまま据え置かれてきておるわけでございます。その間に物価も上昇をしてきておりまして、外食費の上昇率は、五十二年から五十六年の十一月までに二七・三%ほど上昇をいたしているわけでございます。そういった状況を踏まえまして、できるだけ一般の大衆の方々が外食をなさるときに税負担を課されることのないようにしていこう、そういう配慮をするために必要だと考えまして、このたび免税点の引き上げについて御審議をお願いしている次第でございます。
#111
○部谷委員 五年間、毎年毎年そうした物価は上昇し、外食にかかわる費用も毎年上昇を続けてきておるわけですけれども、五年間免税点を据え置かれたのはいかなる理由によるものでしょうか。
#112
○関根政府委員 一番きめ細かくやりますのは、毎年毎年物価上昇に見合って免税点を引き上げるという方法もあろうかと思いますけれども、やはり税収を確保するという観点からは、なかなかそう毎年免税点の引き上げということもできかねたわけでございます。もちろん、免税点の引き上げということになりますと、余り小刻みにやるということもいかがかというふうに考えられますので、従来からもある一定期間の年限を経過いたしました時点でまとめてと申しますか、そういう形で引き上げをやっておりますので、今回もそういう手法をとらしていただくということになったわけでございます。
#113
○部谷委員 今回の免税点の引き上げ率は二五%になるわけです。これが実施されるのは五十八年からになるわけですが、その間の上昇というものは無視するわけですか。
#114
○関根政府委員 必ずしもその間の、これからの物価上昇を無視するわけではございませんが、ぴったり物価上昇が何%あるからそれに見合って免税点の引き上げも同じパーセントだけという形には、残念ながら実際問題としてならないわけでございます。ただ幸いなことに、最近におきまして物価の上昇が比較的穏やかになっておる、物価の鎮静化が実現をいたしておりますので、まあ私どもとしては二五%程度の免税点の引き上げをすれば、大体実態に合ったものになるのではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
#115
○部谷委員 実は、先ほどお話のありました外食費の伸び、これを見ますと、五十二年度を一〇〇といたしまして、その二千円に伸び率を掛けますと、アップ率が一四二になっておりますので、したがって二千八百四十円というのが五十六年の外食費の伸びによる免税点、伸びをそのまま係数を掛けていきますと、二千八百四十円ということになります。それにさらに先ほど申しましたように、一年間また物価上昇あるいは外食費の伸び、そういうものを見込まれるわけでありますから、したがって私たちは三千円に引き上げるのが適当であろう、こういうふうに思うわけであります。私どもが、いろんな機会に三千円の主張をいたしております根拠も実はここにあるわけでありますが、考え直されるお気持ちはございませんか。
#116
○関根政府委員 お話はよくわかるわけでございまして、最近、外食をする機会が一般の人たちにとっても相当多くなってきておりますし、それを反映して外食産業も大分盛んになってきておるわけでございます。しかし、一回一人当たりの外食費の額というのは、必ずしも一世帯当たりの外食費の伸びほどには伸びていない。確かに回数はふえるかもしれないけれども、単価そのものはそれほど上がっていないというふうに私ども考えるわけでございまして、今回の免税点の引き上げにつきましても、全体としての外食費の支出の伸びではなしに、一回当たりの単価の伸びというものに合わせて、それを基準にいたしまして免税点の引き上げをさせていただいたわけでございます。先生の御指摘の点等につきましては、今後私どもいろいろ免税点を考える際の一つの参考にさしていただきたいというふうに考える次第でございます。
#117
○部谷委員 時間が大分迫ってまいりました。農地の宅地並み課税については、先ほど大橋委員の方から御質問がありましたので省略をいたしまして、特別土地保有税についてお尋ねしたいと思います。
 今後取得される土地に対しまして課税せずに、また市街化区域以外の特別土地保有税の有効期間を十年としたのはどのような効果をねらわれたのか、いかがでしょうか。
#118
○関根政府委員 特別土地保有税につきまして、課税期間を市街化区域内であろうと外であろうとを問わず、すべて今後におきましては十年といたしましたのは、今回、国、地方を通じます土地、住宅税制の改正を行うに当たりまして、特に土地譲渡所得の課税を行います際の長短区分を、十年を基準として区分をするということに変えましたのに合わせまして、十年としたわけでございます。
 そうしますと、従来から課税をいたしております特別土地保有税の課税対象地のうち、市街化調整区域のものは十年ということで切るわけですからそれはいいのですけれども、残る市街化区域内の土地とそれから白地地域の土地が十年を超えてでも課税される。いわば、永久に課税されるということが残るわけでございます。これがバランスがとれないではないかという議論が出てくるわけでございますが、これは御承知のように、土地転がしという問題が世間を騒がせましたころに取得された土地が多いわけでございますし、それに対して投機的な土地取引を抑制をしようという要請と、それから現に取得されております土地の有効利用を図っていこう、保有税を課することによってそれを有効に活用していこう、こういうことに資するために特別土地保有税が課せられるわけです。そういう性格は依然としてこのものについては残っておりますので、引き続き課税をするということにいたしたわけでございます。
 一方、逆に申し上げますと、調整区域内について十年でやめてしまうのはおかしいではないかという議論もあるわけでございますけれども、これは先ほど申し上げました調整区域というのは、原則として開発が規制をされておりまして、開発したいにもかかわらずすることができないというのが原則でございます。そういう土地に対していつまでも課税をしていくということは、税法上もやはり無理がございます。一定の限界を設けざるを得ないということでございまして、投機的な土地取引の抑制という要請と、もう一方、開発が不可能な土地に対してどこまで課税ができるかという税法上の要請と、両方の要請を調整、調和を図る意味で、今回こういう措置をとることにいたしたわけでございます。
#119
○部谷委員 土地の有効利用ということを主たる目的としてこの特別土地保有税の措置がされたわけですが、この措置は一体宅地の供給につながるのかどうか、実際にはその後の値上がりを期待して買った企業を救済するにすぎないのではないか、こういう意見があるのですが、どうですか。そういうことになりませんか。
#120
○関根政府委員 あくまでも特別土地保有税というのは、保有に対しまして課税を強化する、税を課することによってその保有を有効に活用できる方に向かわせよう、こういう性格の政策税制であるというふうに私どもは考えているわけでございます。しかし、そういう政策税制というのは、何でも政策に役に立てばどんな無理をしてでもやれるのかというと、必ずしもそうではございません。課税上の一定の制約というものがあるわけでございまして、その税金を課せられる人々の許される負担の限界と申しますか、そういうものも一方にあるわけでございますから、やはりその両者の調和を図りながら一定の保有税を課していくということをとらざるを得ないわけでございます。
 私ども、今回の税制改正に当たりましての特別土地保有税についての改正も、決してある特定の企業なり何なりを有利にするために税制改正をしているということ、そういうふうなものとは考えていないわけでございます。
#121
○部谷委員 特別土地保有税の対象となっておる土地の面積、これはどれくらいあるのか。また、市街化区域と調整区域の割合は、数字的にはどういうふうになっておりましょうか。
#122
○関根政府委員 実は今回の改正で、比較的小模規な土地の保有に対しても特別土地保有税を課税することにいたしております。従来から課税をいたしております特別土地保有税につきましては、大都市につきましては二千平米以上、その他の都市につきましては、線引きの行われておる都市計画区域におきましては五千平米以上、こういう区分をいたしておりまして、これは今回も変えておりません。
 ただ、今回新しく設けました小規模な土地の取得に対しまして、特にできるだけ住宅等を積極的に建てていただきたい、こういう趣旨で設けることといたしました特別土地保有税につきましては、大都市の地域におきましては三百平米以上、それ以外の三大都市圏の特定の都市につきましては五百平米以上、こういう区分けをいたしております。
 なお、面積区分につきましては審議官から答弁申し上げます。
#123
○津田政府委員 五十五年度のいわゆる保有分の実績によりますと、課税されております面積が三十三万一千ヘクタール程度でございます。そのうち、市街化調整区域は約六万ヘクタールで、一八%程度の比率を占めている状況でございます。
#124
○部谷委員 そうすると、残せる部分の方が小さくて外す方が圧倒的に多い、こういうことになりますね。
#125
○津田政府委員 総体の面積が三十三万ヘクタールありまして、そのうち市街化調整区域の部分が約六万ヘクタールでございまして、二〇%を切った、一八%程度が市街化調整区域分でございます。
#126
○部谷委員 東京特別区におきまして、五十五年度に取得された土地の一人当たりの平均面積はわかりますか。また、その中で三百平米以上の土地の割合はどの程度になっておりますか。
#127
○関根政府委員 東京都の特別区におきます土地の取得状況については、詳しくは必ずしも把握をいたしておりませんけれども、昭和五十四年度におきまして、東京圏におきまして住宅用地の取引に対しまして不動産取得税を地方税として課してございますが、その課税状況から判断をいたしますと、土地につきましての一件当たりの面積は約百五十平米となっております。
 それから、三百平米以上の土地の面積がどの程度になるかということでございますが、詳しい正確な数字を私どもの方では現在のところまだ把握いたしておりません。
#128
○部谷委員 これは恐らく、そうした数字は十分把握されていないと思うのですが、所有面積の方はおわかりですね。現在所有しておる一人当たりの所有面積、これはどうですか。
#129
○津田政府委員 的確な数字を持っておらないわけでございますが、大体二百平米弱ぐらいがいわゆる所有者住宅の土地所有だったと思います。
#130
○部谷委員 東京都の「一人当たりの所有面積の推移」というあるテーブルがあるのですが、それを見ますと、一人当たりの面積、二十三区の区部の場合、昭和三十八年が六百九十八平米、五十五年が三百七十八平米となっております。だから、現在土地を保有しておる一人当たりの平均が三百七十八でありまして、三十八年から五十五年まで十数年たって土地保有の平均が半分になったということでありますから、現在一戸当たりが取得する坪数、面積は、この平均の三百七十八よりもはるかに低いということが想像されるわけでありますが、その点を考えてみますときに、二十三区に三百平米という線を引いたことが適当なのかどうか、私は疑問を持つのですが、いかがでしょうか。
#131
○関根政府委員 新しく取得する土地につきましては、先ほども申し上げましたように、不動産取得税の課税状況から見まして、大体一件当たり百五十平米程度でございます。先生の御指摘の感覚で正しいであろうと私どもも考える次第でございます。
 そうなりますと、今度、小規模の特別土地保有税を課税する対象を三百平米以上とするということになると非常に大き過ぎやせぬか、こういう御趣旨だろうと思いますが、私どもは、大きい土地については特別土地保有税を課するという考え方をとっていないわけでございます。少なくとも通常すぐに頭に浮かんでまいりますのは、ちょっとしたマンション程度をつくるような土地、ないしは小規模な宅地開発業者が二軒なり三軒なりというまとまった住宅を建てて分譲するために必要な土地を買い取った、それをいつまでも住宅を建てないで放置しておるというものに対して特別土地保有税を課していこう、それによって住宅建設を促進していこうという趣旨で物を考えているわけでございます。
 個人個人の土地購入に対して特別土地保有税を課していくということになりますと、手続的にもなかなか大変なことになります。徴税事務からいいましてもばかにならないわけでございますし、また実際上も、たとえば給与所得者等が住宅を建てますときに、土地の手当てをするというのが最初で、しかも土地を買うだけで精いっぱいになってしまうという人が相当多いと考えます。したがって、土地を買ってすぐその上に上物を建てなさい、税法上も課税をしますよということで追いかけていくということは、実際問題として酷になるのではなかろうかという考え方に立つわけでございます。
 そういう零細なといいますか、個々人が買う土地についてまで特別土地保有税をかけていくという考え方は、実際問題としてちょっととれないのではないか。むしろ、業者としては小さいかもしれませんけれども、そういう商売をするといいますか、業者として買ったというものについて、土地を買っておきながらいつまでたっても住宅等を建てないということがないようにするための政策税制として考えているわけでございます。
#132
○部谷委員 時間が参りましたので、これで私の質問を終わりたいと思います。
 きょうは建設省から、宅地並み課税に関して御出席を願っておったのですが、時間の都合で割愛をいたします。御迷惑をかけました。終わります。
#133
○中山委員長 午後二時に再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後一時八分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時二分開議
#134
○中山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。岩佐恵美君。
#135
○岩佐委員 昨年は国際障害者年ということで、障害者の全面参加と平等を目指すためのいろいろな対策がとられましたが、もちろんこうしたことは一年で終わるものではなく、むしろ昨年が出発点であるわけです。
 大蔵省に伺いますが、障害者年を契機に新たにとられた措置としてどのようなものがありますか。そして、それがとられた趣旨について説明をしてください。
#136
○真鍋説明員 五十六年は、国際障害者年ということであったわけでございます。五十六年におきましては、一つは、国際障害者年に関連する事業に関しまして、寄附金につきまして特別の措置を講じたわけでございます。
 すなわち、財団法人国際身体障害者技能競技大会日本組織委員会が主催いたしました国際身体障害者技能競技大会の開催の費用に充てますための寄附金というものにつきましては、これを指定寄附金ということで指定いたしまして、法人の場合には全額損金算入、個人の場合には寄附金控除の対象とするということにしたわけでございます。
 もう一つは、社団法人でございます日本精神薄弱者福祉連盟が主催いたしました心身障害児療育国際シンポジウム開催の費用に充てるための寄附金でございまして、同様の計算になるわけでございます。
 もう一つは、障害者の雇用促進に資するために設けられております障害者を雇用する場合の割り増し償却制度についてでございますけれども、五十六年度におきましては次に述べます二点につきまして改正を行いました上で、その適用期限を二年間延長いたしたところでございます。
 第一点は、適用対象となります資産の範囲に障害者が乗務するハイヤー、タクシー、営業用の乗用車を追加したということでございます。
 もう一点は、制度の適用要件でございます障害者雇用割合の算定上、重度の障害者の雇用の促進を図る見地から、重度の障害者一人を二人としてダブルカウントするというふうな措置をとったところでございます。
#137
○岩佐委員 税制上の措置として同居特別障害者控除を設けたと思いますけれども、その点について、これがとられた趣旨等あわせて説明をしてください。
#138
○真鍋説明員 世に寝たきり老人の世話といいますか、そういうことが非常に問題になっております。しかしながら、寝たきり老人、家庭の中でこれを介護していくというのはなかなか大変なことである。しかし、一方でそのまま病院に入れてしまうということでは、やはり社会の連帯のあり方、家族の連帯のあり方として大変だろうということ等々を勘案いたしまして、寝たきり老人等特別障害者はできるだけ家族と一緒に生活できるようにという観点から、五十七年度において、同居している特別障害者を扶養する場合には通常の扶養控除あるいは配偶者控除に加えまして、五万円の特別控除を認めることにするということでお願いしておるわけでございます。
#139
○岩佐委員 この制度は、一年おくれで住民税でも制度化されると思いますけれども、住民税の方は五十八年度からということになるのでしょうか。
#140
○関根政府委員 御指摘いただきましたように、住民税は翌年度課税でございますので、今年度、五十七年度に国税の方でこの制度ができた場合に、仮にそれと同じような措置を講ずるということになりますと、五十八年度から地方税においては控除が行われるということになるわけでございます。ただ、これをこういう形で五十八年度にやるかやらないかということにつきましては、現時点でまだ方針を決めているわけではございませんで、五十八年度の税制改正の一環といたしまして、政府の税制調査会等の御意見も承りながら、今後検討し決定していく筋合いのものでございます。
#141
○岩佐委員 一昨年の身体障害者の全国調査によれば、全国の身体障害者の数は二百万人、そのうちの八割が持ち家に住んでいるという結果が出ていますけれども、これは一般の人たちと比べてどうなっているのか、また民間借家の場合と比べてどういう実態にあるのか、厚生省に伺いたいと思います。
#142
○板山説明員 身体障害者の皆さんが住んでおられます住宅につきましては、お話のように親きょうだいの持ち家という意味の持ち家でございますが、その持ち家に住んでおります人たちが八〇%という数字が出ております。これは、建設省の一般世帯がどのような住宅に住んでおるかという調査と比べてみますと、一般の方は持ち家は六〇・四%という数字があるようでございますが、親きょうだいの持ち家に住んでおる身体障害者が比較的多い。この理由につきましては、障害者の皆さんはみずからの力で独立して生活をすることができない、どうしても親きょうだいの家庭に依存をして生活をせざるを得ない。ただいま、同居扶養者の控除制度ができるというふうなお話がありましたが、そういったことも一つの理由でございまして、そのように親きょうだいの家庭の中で依存して生活するという実態を反映した数字ではないかと考えております。
#143
○岩佐委員 いま借家の問題も伺ったわけですけれども、ちょっとお答えの中になかったのですが、借家の場合一般が二五%住んでおられる、障害者の場合は一二%だ、こういう数字があるわけですけれども、この実態というのは、なかなか民間の家や部屋を障害者に貸してもらえないということを示していると思います。
 いま、説明の中にもありましたように、障害者が生活する上でなかなか自立をしていくのが大変だ。自立をするためには、家の中でも、家や部屋の改造が必要になってくるわけでございます。障害者の要望をつかんでおられるということですけれども、この要望の実態について説明をいただきたいと思います。そして、この要望にこたえるために一体現在どのような制度があるのか、あわせて説明をしていただきたいと思います。
#144
○板山説明員 身体障害者の皆様方が住まいについての改造を希望しております点では、最も多く希望されておりますのは、手足の不自由な皆さん方が住まい、部屋などの改造について強い要望を持っておられまして、全体の四七・六%の肢体不自由者の皆さん方が何らかの改造を希望する、そういう数字が出ております。なお、特に下肢切断でありますとか下肢の機能、足の不自由な方の希望が強いという傾向があります。
 次に、改造を希望される場所でありますけれども、最も多いのがふろでありまして、ふろ場の改造を強く望んでおられます。あるいは、トイレというのがやはり多うございまして五二・八%、半分近くの方が希望されております。さらに、居室でありますとか台所でありますとか、こういったものについての改造希望が多うございます。重複障害者あるいは足の不自由な皆さん方は、トイレについては六〇%ぐらいの方が改造を希望される、こんな数字もございます。
 厚生省では、こうした障害者福祉の立場で住宅改造につきましても各種の手当てをいたしておりますけれども、公営住宅そのものは建設省あるいは地方自治体が中心になって努力していただいておりますが、福祉対策といたしましては世帯更生資金というのがございますが、この中に住宅改造のための助成もいたしておりますし、あるいは国民年金の特別融資、自治省の御協力をいただきまして各自治体が事業主体になりまして障害者の住宅改造資金の助成ということも、これは低利融資でございますが、そういった措置もとっております。
 さらに、トイレとかふろ場というふうな問題につきましては、日常生活用具というのを福祉対策の一環として実施しておりまして、これにつきましては自治体の事業として厚生省が補助金を出しまして、ほとんど無料で特別な低所得の障害者の方につきましては日常用具を支給するという仕組みをとっております。
#145
○岩佐委員 家屋を改造することによって、家屋の評価が上がれば固定資産税も当然上がることになると思いますけれども、この場合何らかの特例措置は考えられないものでしょうか。
#146
○関根政府委員 固定資産税の減免措置という制度がございまして、生活の困窮者等に対しましては、市町村の条例で定めるところによりまして減免をすることができるようになっているわけでございます。ただ、身障者用の施設等を施した場合に、自動的にそのことのために固定資産税を減免するという制度は現在のところないわけでございまして、そういう場合に貧困等を理由にどうしても減免をしたいという場合には、先ほど申し上げました一般ルールに従いまして市町村の条例で定めるところによりまして減免措置をしていただく、こういうことになるものと考えます。
#147
○岩佐委員 私の知っている例では、夫婦二人とも障害者で二階建ての家に住んでいるので、階段のかわりに簡易昇降機をつけたら百六十万円ほどかかった、そういう例があります。当然、これは評価が上がるわけであります。また、車いすの場合には、衣類を季節ごとに入れかえできないために作りつけのたんすを特別につくるとか、そういうような障害者であるための余分な支出がかなりあるわけです。こうした負担を軽減するために税制の面での軽減措置、たとえば家屋についての課税標準の特例措置、こういうものがとれないかどうか、そのことについて伺いたいと思います。
#148
○関根政府委員 固定資産税という税は、いつも申し上げておりますように、いわば税の性格といたしましては物税でございまして、その所有する固定資産の価格に応じまして一定の税率で税負担をしていただく、こういう仕組みになっているわけです。もちろんその課税の根拠には、一定の価値のある固定資産を所有しているものについて担税力があるということを類推をいたしまして課税をするということではございますけれども、一々その資産を所有している人がどの程度の所得があるのか、あるいはその資産からどの程度の収入があるのかということを判定して課税をする税ではないわけでございます。
 そういう意味におきまして、いわば一律的な税率で課税をする税でございますので、いまお話がございましたように、その固定資産が障害者のために特に必要であるから設けられたものであるかどうかということによって、そういう事由で自動的に固定資産の評価額を下げる、ないしは課税標準額を変えていく、そういうことをするのになじみがたいものである。評価そのものは一応一律に実施をいたしまして、課税の段階で、貧困その他によりどうしても必要であるという場合には、市町村の条例の定めるところにより減免措置をとっていただく、こういうシステムをとっているわけでございます。
#149
○岩佐委員 大蔵省に伺いたいと思いますけれども、相続税に障害者のための減免の特例があると思います。その内容及びなぜその措置がとられるようになったのか、趣旨を説明していただきたいと思います。
#150
○真鍋説明員 相続税におきます障害者控除という制度は昭和四十七年に導入いたしたわけでございますが、この趣旨は、要するに障害者の福祉の増進に資するためということでございます。
 具体的内容といたしましては、相続または遺贈によりまして財産を取得した相続人が障害者という場合には、その者にかかる相続税額からその人が七十歳に達するまでの年数各一年につきまして、普通の障害者でございますと三万円、その人が特別障害者でございますとその倍額の六万円を税額控除するということになっておるわけでございます。
#151
○岩佐委員 いま説明がありましたように、相続税でも減免措置がとられているわけです。身体障害者を多数雇用する事業所に対しては、固定資産税の軽減措置がとられているわけです。事業所にできてなぜ個人にできないのか、そこのところがいまの説明では何か木で鼻をくくったような説明にしか聞こえないわけでございますけれども、いかがでしょうか。
#152
○津田政府委員 御説明いたします。
 具体的な事例に即して考えなければならないわけでございますが、いわゆる償却資産というのは、企業の償却資産には課税されますが、生活用の償却資産、一般家庭にありますものは課税にならないわけでございます。お示しの事例の簡易エレベーター、簡易リフト等が家屋の主体構造部にくっついたものになるのか、償却資産でもともと課税にならないようなものである場合もあるわけでございます。そこいらが研究する一つのテーマかと思います。
 それから、先ほど局長からも申し上げましたように、市町村におきましては条例におきまして減免条項を設けておりまして、これによりまして個々具体的にその市町村自体が適正に判断しておるものと考えております。
#153
○岩佐委員 いま説明がありました減免の措置の問題ですけれども、規定によって障害者を対象とする固定資産税の減免、この実態について自治省はつかんでおられるでしょうか。
#154
○関根政府委員 先ほどから申し上げておりますように、固定資産税についての具体的な減免をどういう形でやるかということにつきましては、あくまでも市町村が条例で定めまして、個々具体の当てはめは市町村長がやっておるわけです。いわば、地方公共団体の自主的な判断に基づいて行われておるわけでございます。しかも、その減免の態様も非常に千差万別でございますので、私どもの方で統計的に一律的に把握したものはございません。
#155
○岩佐委員 私は、そこのところが非常に問題だというふうに思っているわけです。私どもも乏しい調査資料からいろいろ調べてみたわけですけれども、たとえば三多摩では障害者のための減免を昭和五十四年には十三件、それから五十五年には七件、大阪で調べて五十五年で二件、これが満足な数字であるかどうかよくわかりませんけれども、それにしても知り得ただけでも大変少ないわけでございます。
 障害者への固定資産税の減免措置については、やっている自治体とそうでないところと全国ばらばらであります。先ほどから説明をされている固定資産税の減免、この地方税法の第三百六十七条では、天災、生活のための公私の援助を受ける者及びその他特別な事情がある者に限り減免できるというふうに記されているわけです。ところが、これに対して自治省がつくりました条例の準則があるわけですけれども、この条例準則を見ると、第三百六十七条のうちの「その他特別の事情がある者に限り」というところがすっぽりと抜けているわけです。これでは、障害者など特別な事情にある者が措置されないことになってしまうと思います。私は、自治省として条例準則を書きかえるような努力をすべきだと思いますし、また、全国の自治体が障害者のための減免を実施するような対応をすべきだというように思います。法律に基づいた行政をどう確保されていかれるのか、その点について伺いたいと思います。
#156
○関根政府委員 私どもは、あくまでも地方税法に基づきまして、それの厳正な施行を地方公共団体に対して指導を申し上げている立場でございますので、条例準則等についての書き方にいろいろ御意見はあろうかと思いますが、法の趣旨に即した形で運用がなされますように、その手助けとして準則を定めているわけでございます。決して、法律で定めておる減免事由の中である特定のものを除いてしまうとか、あるいは法律に全然ないものをつけ加えるとかということはないわけでございまして、今後ともそういうことで法律の趣旨に即しました減免の運用がなされますよう、指導していきたいというふうに考えております。
#157
○岩佐委員 何か私は、いまの答弁だとよくわからないのですけれども、この三百六十七条には確かに「天災その他特別の事情がある場合において固定資産税の減免を必要とすると認める者、貧困に因り生活のため公私の扶助を受ける者その他特別の事情がある者に限り、」というふうになっているわけです。これが準則の方になると、一が「貧困に因り」二が「公益のために直接専用する固定資産」三が「市の全部又は一部にわたる災害又は天候の不順により、著しく価値を減じた固定資産」この三つに分けられてしまっていて、先ほど読み上げた三百六十七条のうちの「その他特別の事情がある者に限り」これがどこにも出てこないということになっているわけです。この点について明確ではないのじゃないか、法に基づいた準則というのを決めるべきではないかということを伺っているわけでございますけれども、その点いかがでしょうか。
#158
○関根政府委員 私どもは、条例準則をお示しします場合に、すべての想定されるケースについてその条例準則に書き上げまして示すということが実際問題として無理でありますので、各市町村なり都道府県なり地方団体にとって共通的なものについて準則を具体的に事項を挙げまして示しておる、こういうやり方をいたしておるわけでございます。決して、法律に書いてあるその他特別の事情がある場合というのを除外するという趣旨ではございませんが、具体的にどういう場合ということは、各市町村の条例を定めますときに、その市町村が自分の置かれた状況に応じまして、実情に応じて具体的に取り上げて条例に書き込んでくるものでございますので、一々列挙して準則で示すということをしていないだけでございます。しかし、そこに書かれていないからといいまして、法律で定めるその他特別の事情がある場合に、その事情を条例に書きまして減免をするということを否定する趣旨ではございません。
#159
○岩佐委員 最後に、大臣に伺いたいと思いますけれども、先ほど、最初から同居特別障害者控除の住民税での対応に始まりまして、各種の障害者のための固定資産税上の減免等、検討されるべき課題がたくさんあるのではないか。それからいま申し上げました条例準則、これはそれでできないということではなくて、わざわざ書かなかったのだということでございますけれども、ただ障害者のための固定資産税の減免が一体どういう状況になっているのかということ自体もつかんでおられない。そういう点では、国際障害者年で障害者が行政に期待するところが非常に大きいわけですから、この点もっともっと努力を自治省としてするべきではないかというふうに思うわけです。
 これは固定資産税の面だけではありません。個人事業税についても、事業主控除額を通常の二百二十万円から障害者の場合はもっと引き上げる、そういうことだってできるわけでございます。もっときめの細かい対策をやるべきだと思うわけですけれども、大臣のお考えを伺いたいと思います。
#160
○世耕国務大臣 私も、率直にいいますと、余りこの方のことを自慢できる方じゃございませんで、伺っていますと、いろいろまだ細かく検討しながら見直していく点もあるかと思います。これは障害者の種類とか固定資産税とか、いろいろな側からの検討があると思いますが、今後検討を重ねていきたいと思っております。
#161
○岩佐委員 次に、固定資産税の問題で、市町村税全体に占める固定資産税の割合、これは最近の傾向では全体の三分の一程度と非常に安定をしているわけですけれども、資産別に見てみますと、昭和四十六年度を境にして償却資産が低下をして、土地が急増しています。四十五年度をベースに見ますと、五十五年度で償却資産が三倍の伸びにとどまっているのに対して、土地は八倍になっているわけです。固定資産税の取り方にひずみがあるのではないかというふうに指摘せざるを得ない。地価の上昇というものに固定資産税収が偏り切っているのではないか、そういうふうに思われるわけですけれども、この点の事実関係について伺いたいと思います。
#162
○関根政府委員 最近におきます固定資産税の税額の状況でございますが、昭和五十五年度におきましては土地が一兆一千九百十五億円、家屋が九千九百四十二億円、それに対しまして償却資産が四千九百八十四億円という数字になっております。ウエートといたしまして、全体を一〇〇といたしまして土地が四四・四%、家屋が三七・〇%、償却資産が一八・六%ということになっているわけでございますが、三年ごとに行われます固定資産の評価がえに伴いまして、土地につきましては地価の上昇傾向を反映いたしまして評価額が三年ごとに上がっております。その結果、土地のウエートというのが、御指摘のとおり確かに最近上がりつつあるわけでございます。
 しかし、これはそういった経済の実勢といいますか、そういうものを反映をいたしているわけでございまして、償却資産につきましては御承知のとおり取得価格で課税をしていくということになるわけでございますから、もちろん償却をいたしますときには、償却分を差し引きまして簿価で課税をするということになってまいりますが、取得価格そのものは物価の上昇等に伴いまして年々上がっているわけでございます。そういう経済の実態を反映した形で土地家屋償却資産の課税標準額というのが決まってくるということ、その結果として、いま申し上げましたような土地のウエートが上がってきているということでございまして、決して、何か意図的、政策的に償却資産の税の割合を下げておるといったような性格のものではないと考えております。
#163
○岩佐委員 いまの数字を、ちょっと古いのですけれども、東京都下の小金井市の例を見てみますと、昭和四十二年から五十一年の十年間の数字でございますけれども、土地が五千五百十八万八千円、全体に占める割合が二三・五%、家屋が一億四千九百五十七万円余り、六三・九%、償却資産が二千九百二十九万六千円ということで一二・五%という実態であったものが、昭和五十一年には土地は全体に占める割合が六〇・四%になっている。それから家屋が三二・六%、そして償却資産が七%になっているわけです。ですから、大都市ほどこの土地が、土地価格の上昇によって固定資産が非常にふえてきている、そういうことが顕著にあらわれているというふうに思うわけであります。
 固定資産税の土地に関する免税点、これは昭和四十八年以来据え置かれているわけです。この九年間に評価がえは、五十七年度を含めて三回ありました。地価の高騰によって住民の税負担も急増をしています。このことは、免税点以下の宅地が急減少していることでもわかります。一般住宅用地の場合で見れば免税点以下の地積は、昭和四十八年度では全体の八・一%を占めていたのに、五十五年度ではわずか二・八%にすぎなくなってしまっています。特に、二百平米以下の小規模住宅用地の場合は、統計がとられ始めた五十年度で、免税点以下の地積が全体の一三%あったのに対し、五十五年度では六・八%に減少しております。この点、事実関係として自治省はお認めになるでしょうか。
#164
○関根政府委員 先生のお示しいただきました一般住宅用地の四十八年のときのウエートが、ちょっと私の方の手元に数字がございませんが、ほかの数字はすべて私どもの手持ちの数字と同じでございますので、そういう傾向にあるという事実はそのとおりだと思います。
#165
○岩佐委員 小規模住宅用地、つまり庶民のマイホームに係る用地が免税点となるのは、五十五年度で全体の六・八%しかない。これはあくまでも全国平均の姿であります。これを大都市と地方で比較をしてみると、その差は非常に大きくなっております。三大都市圏、埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、京都、大阪、兵庫、この各府県を仮に三大都市圏としますと、これらの小規模住宅用地は全国の三六・四%を占めておりますけれども、免税点以下の地積については全国の二・五%にしかすぎません。中でも東京は〇・二%、大阪は〇・七%。これはもう免税点制度の適用がないに等しい状態だということが言えると思いますけれども、この点の事実関係についていかがでしょうか。
#166
○関根政府委員 手元にある資料によりますと、確かに免税点以下の地積の割合は、全国平均よりも三大都市圏の方が小さい数字になっております。しかし、いまお示しの東京都と大阪でございましたか、個別の府県ごとの数字が手元にありませんので正確なことを申し上げることができませんが、大体傾向として大都市については免税点以下の土地が少なくなりつつあるということは事実であろうと思います。
#167
○岩佐委員 この数字については、私どももきちんと調べて出した数字ですので、そんなに狂いがないというふうに思います。後で確認をしていただきたいと思います。
 これは青森一〇・九%、福井一〇・七%、三重一五%、和歌山一一・六%、鳥取一五・七%、福島一五・六%、長崎一三・七%、鹿児島一九・九%、こういうところと比べると負担の公平という点で大きな不均衡を生ずることになっているというふうに思いますけれども、その点はどうでしょうか。
#168
○関根政府委員 免税点の設定の仕方をどういうふうにするかということにつきましてはいろいろなやり方もあろうと思いますが、私どもは固定資産税が物税である、価格に応じて税金を課していく、また価格に応じて免税点の設定もしよう、そういう考え方を貫いているものでございますから、御承知のとおり土地につきましては十五万円、家屋につきましては八万円という免税点を設定いたしておるわけでございます。確かに田舎の方へ参りますと、地価が安いものですから、同じ十五万円でも相当広い面積の土地が免税点以下で所有できるということになると思いますけれども、その設定の仕方が直ちに地域によって不公平であるということにはならないというふうに考えておる次第でございます。
#169
○岩佐委員 現実に不公平な課税の実態になっているわけでございますから、その点は後でまた議論をするにしても、では地方はどういうふうな状態になっているか。これも細かく調べてみたわけですけれども、昭和五十六年度の福島県下の小規模住宅用地の状況を見ますと、同県の小規模住宅用地の評価総地積は八千九百四十二万七千平米です。これに対する免税地積は六百四十一万八千平米で七・二%となっています。
 次に、これを過疎町村で見た場合どうなるかということを見てみますと、同県の過疎町村三十八団体の小規模住宅用地の評価総地積は五十六年度で一千百二十九万一千平米ありますけれども、このうち免税分は百十七万五千平米で一〇・四%であります。人口が減少を続ける過疎団体においても免税点以下の小規模住宅用地は一〇%程度に減少してしまっているわけです。いかに、免税点の据え置きというものが、免税点の意義、零細な税負担を排除する目的を事実上なくしてしまっているかということを如実に示しているものだと思うわけですけれども、この点についての事実認識及び考え方について伺いたいと思います。
#170
○関根政府委員 免税点につきましては、四十八年に設定をいたしまして以来そのまま金額を据え置いておりますので、地価の上昇あるいは家屋につきましては再建築単価の上昇に伴いまして、免税点以下のものの割合が低下してくることは当然のことであろうと思います。できる限り免税点も、地価の上昇等に合わせて改定をすることが納税者サイドにとって望ましいことは言うまでもないことでございますけれども、たびたび申し上げておりますように地方財政も厳しい状況下に置かれておりますので、いろいろな意味でできるだけ財源の確保をしていきたい、そういう要請の中で必ずしも地価の上昇に見合ったような形での免税点の引き上げを実際問題として実施することができない、そのためにいま御指摘のような免税点以下の割合が下がってくるということであろうと思います。
 しかし、宅地につきましては、全国で五・一%のものが免税点以下で課税をされていないわけでございますので、無意味になってしまうほどこれの適用対象が少なくなっているというところまでは決していっていないわけでございます。私どもは、税収の確保との兼ね合いの中でこの問題を考えていきたいと考えておる次第でございます。
#171
○岩佐委員 いま申し上げたように、免税宅地が過疎地域でも二〇%程度しか存在をしない。福島県の場合、免税宅地の割合が最も多いのは館岩村というところでして、これは三五・九%あるわけです。それから、三重県の宮川村というところでは五一・二%、つまり宮川村は二軒に一軒が免税点以下であるわけです。宮川村は、固定資産税収のうち宅地の占める割合が七・五%、大部分が山林であるわけです。
 このように、館岩村では三世帯に一世帯、宮川村では約半数の世帯が免税対象となっているのに比べて、先ほど申し上げているとおり、大都市ではこの制度の適用がほとんど受けられない、そういう実態になっているわけです。だから、これでは税の負担の公平という面から見ておかしいのではないか、大いに問題があるのではないかということを指摘しているわけですけれども、再度伺いたいと思います。
#172
○関根政府委員 免税点以下の土地の割合が多い少ないによって一律に公平であるとか公平でないとか、そういうことを判断することが果たしてできるのかという感じを実は抱いているわけでございます。宮川村というのは、御承知のとおりの過疎の村でございまして、一人当たりの所有土地の価格が十五万円以下ということですから、これは土地の価格が非常に安いかあるいはきわめて零細な土地所有か、いずれかでございますけれども、宮川の場合には多分一人当たりの所有面積というのは相当広いのじゃないかと思います。そうなりますと、単価が非常に安い土地を持っているということであるわけでございます。宮川の土地の価格がきわめて低いこと自身が果たして喜ぶべきことなのかどうか、そこには多少問題があろうかと思います。
 固定資産税、先ほども申し上げましたように価格に応じて課税をし、価格に応じて免税点を設定する、そういう仕組みの方がああいう性格の税としては望ましいのではないかと私どもとしては考えるわけでございます。したがって、免税点も一定の金額で設定をしていくということが望ましいと思うわけでございます。
 その結果として、地価が安かったりあるいは経済活動が必ずしも活発にならないためにいつまでたっても地価が上がっていかない、あるいは逆に下がるところもあるのかもしれませんが、そういうところで、免税点以下の土地の割合が大都市に比べて多いからといって、直ちにそれじゃそういう田舎の方が望ましいのだとかそちらの方が有利であるのだとかいうことを一概に判断することは、いかがなものかという感じがする次第でございます。
#173
○岩佐委員 しかし、地価の地域間格差の激しい状況において、免税点を課税標準の一定額に設定すること自体、税務コスト面を除けば負担軽減には意味をなさない、免税点を設けている目的が果たされなくなってきているということが言えるのではないかと思うのです。免税点を八万円から十五万円に改定した四十八年当時から見て、課税標準は宅地で何倍になっているでしょうか。
#174
○津田政府委員 宅地全体の課税標準額につきましては、昭和四十八年度に比べまして昭和五十五年度の伸び率は約三倍でございます。このうち、住宅用地につきましては約一・八倍、住宅用地以外の商業地、工業用地等が約四・四倍ということで、住宅用地の倍率はそのほかの土地よりも低くなっております。
 なお、御承知のことでございますが、小規模住宅等につきましては、そのほか税負担の面で課税標準の特例等が設けられておるわけでございます。
#175
○岩佐委員 課税標準の特例、これは先ほどの議論のところなのですけれども、地域間格差を全く認めないということで全体が四分の一になっているわけです。この点について、本来生活用地に対する課税は認められるものではありませんけれども、自治体財政の事情等を考慮すれば代替財源が実現するまでの経過措置として、この特例についても地域間の格差を調整できるような措置、たとえば特例について三大都市圏の自治体については四分の一を六分の一ないしは八分の一に傾斜をつける、そういうようなことも考えてみる必要があるのではないか。つまり、地価の地域間格差が大変激しいわけですから、その点について考慮した税率、課税標準となるべき額の四分の一を今度六分の一というふうなことにしていったらどうか、こういうような考え方についてはいかがでしょうか。
#176
○関根政府委員 地価の高い大都市について、現在の小規模住宅に対する課税標準の特例の四分の一を六分の一にしたらどうかというお話でございますけれども、やはり先ほどから何遍も申し上げておりますように、固定資産税というのは、物を持っているかいないか、その固定資産が幾らするのかということによって、物の価値に応じて一律的に課税をする、そういう性格のものでございます。余り細かい事情を反映いたしましてやると、それがかえって不公平と見られることの原因にもなりかねないという感じがするわけでございます。
 そういう意味におきまして、これは絶対額で課税標準の特例を設けておるのではございませんで、一定の評価額の四分の一にする、こういう形でやっておるものでございますから、その率をさらに細分化していくということについては、やはりちょっと問題があるというふうに考えます。
#177
○岩佐委員 じゃ、免税点の十五万円を引き上げるということについて、真剣にもう一度考えていくというような方向についてはいかがでしょうか。
#178
○関根政府委員 固定資産の免税点につきましては、確かに御指摘いただきましたように四十八年度以来据え置かれておりますので、今回は相当長い期間据え置かれているわけでございます。しかしそれまでの間は、もちろん毎年ではございませんが、それぞれ地価の上昇等に見合って、ほどほどの期間でほどほどの率で上げてきているという経緯もあるわけでございます。私どもも、常に固定資産税の免税点のあり方については見直しなり検討を続けていきまして、そのときそのときに応じた適切な免税点の設定をすべき責任が課されているものというふうに考える次第でございます。したがって、今後におきましてもこの問題については、地価の上昇その他の傾向等々をにらみ合わせまして、私ども引き続き検討をしていくべき課題であるというふうに考えております。
#179
○岩佐委員 免税点の引き上げ、これはもうぜひやらなければならないというふうに思います。先ほどの議論の中で、三大都市圏の問題がこれではなかなか解決をされない、開いた差というのはますます広がるばかりであって、縮まることはないというふうに思うわけですけれども、この点を解決するために免税点の十五万円に相当する税額二千百円、これが免税されるわけですね。これを三大都市圏で免税点以上の土地についても二千百円の税額控除を行う、こういう形で救済をするということも一つの方法であって、これはやれることだというふうに思うわけですけれども、いかがでしょうか。
#180
○関根政府委員 いわば、固定資産税に基礎控除を設けるというのと大体同じような物の考え方ではなかろうかと思うわけでございますが、御承知のとおり固定資産の所有者の数というのは非常に多いわけでございます。しかも、その固定資産の所有者の中には、何十億というような大変な資産をお持ちの方もいるわけですから、そういう人たちに対しまして二千円の基礎控除みたいなものを設定してどれほどの意味があるのかという問題もあろうと思います。こういった税目についてそういう制度を、御提案は税額控除というお話でございますけれども、そういうものを仕組むことは、せっかくの御提案ではございますが、なかなか問題が多いのではなかろうかというふうに感じております。
#181
○岩佐委員 都市住民の土地に係る税負担、これはいま議論をしている固定資産税だけではなくて、都市計画税というものがあるわけです。これは都市計画区域内の土地及び家屋に課税されているわけで、従価税という形になっているわけです。五十五年度現在、課税自治体は七百六十九団体であるわけですが、昭和五十五年度の税収決算、それはどうなっているか。また、これが関係自治体の普通建設事業充当一般財源の何%を占めているのか、説明をいただきたいと思います。
#182
○関根政府委員 都市計画税の最近における収入状況でございますが、昭和五十五年度の決算ベースで四千六百九十億円となっております。また、全国の市町村の普通会計決算における都市計画費は二兆一千百四十四億円でございます。このうち、普通建設事業費は一兆二千六百十七億円となっております。したがって、普通建設事業費に占める都市計画税収の割合は三七・二%ということになるわけでございます。
 なお、お尋ねは、都市計画費充当一般財源のうちの都市計画税の割合ということだったと思いますが、それは率にいたしまして昭和五十五年度四四・五%となります。
#183
○岩佐委員 本来、国が十分な財源措置を講じなければならない都市における住民の生活基盤整備財源の半分ぐらいが、三十一年以来都市計画税として住民負担によって賄われているわけです。しかも、負担は一部の自治体によって行われているわけですから、これは負担の不公平ということになります。しかも、先ほどから話をしているように地価急騰に連動するわけですから、いよいよ負担が非常に重くなってくる。
 これは先ほどの話にも出ましたけれども、武蔵野市のように都市計画税に関する住民運動が起こる、そういうことも招いているわけだと思います。この都市計画税では固定資産税の場合のように、せめて課税標準特例を設けるべきではないのか、こう考えるわけですけれども、なぜ設けなかったのか、その辺を伺いたいと思います。
#184
○関根政府委員 都市計画税はいわば目的税でございまして、しかもそれを課税するかしないかということは市町村の条例で決めていくわけでございます。その税収につきましては、都市計画法に基づいて実施をいたします都市計画事業なり土地区画整理事業に要する経費に充当されるということで、都市計画事業をやっている町村とそうでないところとで違う、また区画整理事業をやっているかやっていないかによってもいろいろ事情が違うわけでございます。
 そういう各地方団体の置かれました実情によりまして、課税が行われたり行われなかったりするということでございますので、全国の地方公共団体の中に課税をしているところとしていないところとが起こりましても、必ずしもそのことのゆえに不公平であるということは言えないのではなかろうかというふうに考えております。
 なお、免税点その他なり、あるいは課税標準の特例を固定資産税と同じように都市計画税についてはなぜ設けなかったかということでございますけれども、これはこの税が、先ほども申し上げましたように目的税でございまして、それによって都市計画事業が実施されますと、その持っている資産に対して資産の価値の上昇等をもたらすというようなこともございまして、その事業の行われる地域に所在する固定資産の価格に応じて分担をしていただこう、こういう性格のものでございます。
 したがいまして、その資産が何に使われておるかという使用目的によってこれを区分けをするということは、目的税であるという性格にかんがみまして必ずしも適当ではないのではないかということから、固定資産税におけるような課税標準の特例措置は設けられていないわけでございます。
#185
○岩佐委員 課税標準の特例を設けるのが目的税の趣旨に反するということであるならば、公団、倉庫等に対して十二項目に及ぶ特例をなぜ設けているのでしょうか。そうするとこれは廃止しなければならない、そういうふうになると思いますけれども、いかがでしょうか。
#186
○関根政府委員 固定資産の所有主が公的な性格を持っておる公団である等の理由に基づいて課税標準の特例措置は設けられておりますけれども、同じ地域における同じような目的を持っておる一般の住民の所有している住宅等について、あるいは土地等について、課税標準の特例措置を設けているという例はないわけでございます。公団等につきまして、公益上の必要からそういった課税標準の特例措置を設けていることは、それ自身理由があるものというふうに考える次第でございます。
#187
○岩佐委員 しかし、この十二項目の中に、一定の営業用倉庫あるいはコンテナ埠頭用の土地及び家屋というのがあるわけです。営業用倉庫というのは、よく土地隠しに不動産業者が使う手だというふうに言われているわけですけれども、上屋は非常に簡単な倉庫の建物をつくるだけですね。そして貸し倉庫にしておけばいつでも、あしたからもう入れませんよということを言えるわけです。しかも、周りが宅地化していって下水道が完備する、あるいは住宅用地として環境がよくなってくる、そうしたときにこの営業用倉庫をさっと宅地化して高いときに売れるというようなことで、利用される一つの例としてよく挙がってくるわけでございますけれども、何でこういうところに対してまけてやらなければいけないのか。これこそ、まさに不公平の代表みたいなものだと思うのですけれども、その点いかがでしょうか。
#188
○関根政府委員 地方税法に設けられております課税標準の特例措置につきましては、いわば非課税等特別措置の全般の流れの中でいろいろな特例措置が設けられているわけでございます。その問題につきましては、私ども見直しの対象といたしまして、常に再検討、見直しを行っているわけでございますけれども、必ずしも一律に、一挙にすべてこういった特例を廃止をするということができないのが実情でございます。というのも、それぞれそれのよって来る理由がございまして、一定の政策目的を持っているわけでございます。
 お話のございました倉庫の土地につきましての問題について申し上げますと、やはり社会にとって必要な一つの物流対策の促進の上から、倉庫に対してこういう制度が必要であるといった公益的な目的があるわけです。一方、大きな倉庫を建てているわけでございまして、そのために使用いたします土地の面積も、収入金額当たりの土地の面積にいたしますと相当大きな土地を必要とするというようなこともございまして、そういった大きな土地を必要とする倉庫につきまして、しかしその倉庫がなくては物流対策上世の中うまくまいりませんので、その物流対策を確保するという意味から、この政策的な措置がとられているものというふうに私どもは理解をいたしておるところでございます。
#189
○岩佐委員 個々具体的に指摘をすると、それは公的なんだということで逃げられるわけですけれども、この十二項目と類似した事例として、フェリー埠頭用の家屋というのが課税標準の特例の対象であったわけですけれども、五十七年度の改正で廃止になっているわけです。私は、コンテナ埠頭用の土地及び家屋だって非常に似ているし、あるいは一定の営業用倉庫だって、厳密に考えていけば同じようなものであるということが言えると思うし、公益だということで財政難の折から一定の大きな会社をそんなに優遇をしていく必要があるのかどうか、これはもっと公平に行政を進めていくべきだというふうに思うのです。
 この都市計画税をなぜきょう取り上げたかというと、都市計画税によって都市住民が非常に多大の負担をこうむっている、そういう実態が明らかになってきているからであります。たとえば、特例がないために小規模住宅の場合の課税標準、これは固定資産税の四倍となります。ですから、税率は〇・三%で低いようでも税額は固定資産税とほぼ同額になる、そういう事例があるわけです。
 千葉県の習志野台というところの例でございますけれども、これは固定資産税の平米当たりの課税標準が七千百九円のところを拾ってみたわけですけれども、都市計画税は四倍になりますから二万八千円余り、固定資産税の方は一・四%の税率を掛けると平米当たりの税額は九十九円。都市計画税の場合には、〇・三%を二万八千円余りに掛けますと八十五円ということになるわけです。ですから、都市住民というのは先ほど申し上げたように、地価の高騰によって固定資産税で負担が非常に重くなってきている、それに加えて都市計画税による負担がダブルパンチとなって返ってきているわけです。余りにもひどい状態だというふうに思うわけです。ですから、大臣のお考えを伺いたいと思うのですけれども……。
#190
○関根政府委員 御指摘いただきましたように、固定資産税は都市計画税の課税標準額で四倍になる――私どもは、実はそれと逆の発想をいたしておりまして、固定資産税は本来の四分の一に課税標準の特例が定められておる、こういうふうに理解をしております。したがって、都市計画税については評価額そのままで課税をいたしますので、どうしても税率が、表面税率〇・三といっておりますものの、固定資産税につきましては四分の一の特例がありますので実質的に〇・三%ちょっとということになりますので、御指摘のように確かに負担としては相当高いものになってきておるということは事実であろうと思います。
 ただ問題は、都市計画税につきましては最高税率が〇・三というふうに決まっておりまして、その〇・三の範囲内で各市町村の条例によりまして具体的な税率を設定しているというのが実情であるわけです。手元に正確な数字を持っておりませんが、市町村のうち必ずしもすべての団体が〇・三%の税率を適用しているものではございません。〇・二で従来どおり置かれているところも相当あるわけでございます。両者の問題につきましては先ほどから御説明申し上げておりますように、それぞれ税目が違うために、同じような住宅用の土地につきまして課税標準の特例措置を設けることが都市計画税についてはできにくいという事情について、御理解をいただきたいものと考えております。
#191
○岩佐委員 企業が負担する償却資産に対する課税制度、これは都市計画税にはありません。小規模住宅用地に課税標準の特例を設けることと引きかえに償却資産の課税を企業に行う、これも考えられるというふうに思うのです。先ほどから話をしていますように、何も都市計画税、目的税の受益を受けるというのは一般住宅だけではありません。これは企業ももちろん、道路、下水道が完備することによって受ける利益というものははかり知れないものがあるわけです。大企業には非常に優遇をして、庶民には固定資産税でも都市計画税でも不合理、不平等な税体系になっている、この点について大臣によく御検討いただいて、すぐにでもできるところから庶民の減税をやっていくべきだというふうに思うわけですけれども、大臣のお考えを伺いたいと思います。
#192
○関根政府委員 償却資産につきまして、都市計画税がかかっていないという御指摘をいただきましたので申し上げておきたいと思いますけれども、都市計画税というのは目的税でございまして、その都市計画事業を実施することによって当然の受益を受ける者から税負担をいただこうということで、土地に密着し動かすことのできないものとしての土地及びその上にある家屋、これに課税いたしておるわけでございます。償却資産というのは、もちろん一定の土地に置かれているものもありますけれども、これは原則として移動可能なものでございますし、たとえば船とか貨車でありますとか、こういった典型的な償却資産、これは都市計画事業を実施するかしないかとは直接関係がないわけでございますので、そういうことで区分けをいたしておるわけでございます。
 しかし、こういったいろいろな都市計画税、固定資産税をめぐる負担の軽減なり実態に即したあり方の問題につきましては、常に私どもに課せられた責任でもございますので、実態に即した見直し等は今後とも進めていきたいというふうに考えております。
#193
○世耕国務大臣 ただいま局長の方から申されたとおりでございまして、都市計画税も固定資産税も自治体にとっては大変な財源でございますので、財政計画上からこれは慎重にいろいろ配慮しながら検討を加えていきたいと存じております。
#194
○岩佐委員 時間がなくなりましたので、都市計画税、固定資産税に関する、きょう建設省においでいただいておると思うのですけれども、その部分を割愛させていただきたいと思います。大変申しわけありません。
 次に、宅地並み課税の問題について伺いたいと思います。
 私は、昨年十月に当委員会において宅地並み課税問題で質問をいたしましたけれども、その際、練馬区や小金井市においてかなりの空閑地が存在しているけれども、そのほとんどが農家の所有地ではなく、農家以外の公的機関や不動産業者などの所有になっているという、未利用地の実態調査の例を紹介いたしました。そして、農地を宅地に転用させなければならないほど本当に土地がないのかどうか、少なくとも三大都市圏だけでもこのような土地の実態調査を徹底的に行うべきだ、こういう提案を行い、これに対して当時の安孫子自治大臣は、関係省庁と相談してそういう方向に進めていくというふうに答弁をされておられるわけです。この実態調査はどういうふうになったのか、伺いたいと思います。
#195
○関根政府委員 未利用地の実態調査につきましては、現在国土庁においても一定の規模以上の遊休土地につきまして調査を行い、実態に応じて遊休土地である旨の通知等を行いまして、その有効利用を図っているというように私ども承知をいたしております。税務当局といたしまして、未利用地に対する課税が検討されました際に、政府の税制調査会等におきましてもいろいろ御議論をいただいたわけでございますけれども、未利用地というものの実際上の判定が非常にむずかしいということもございまして、必ずしも明確な未利用地というものの定義もなされず、正確な実態調査もされていないわけでございます。
 経緯といたしまして、いま御指摘いただきましたように大臣答弁もございますので、今後具体的にどんな形で実態把握等に努めていったらよろしいのか、関係省庁ともよく相談してまいりたいというふうに考える次第でございます。
#196
○岩佐委員 昨年の委員会でもって、一つは大手企業の保有地を吐き出させるために具体的措置を講ずることが必要ではないか、二つ目に土地の綿密な実態調査をぜひ実行していただきたい、こういう二点を要望したわけでありますけれども、その点に関して当時の自治大臣はその必要性をお認めになって、それで調査を行うということを明確に述べておられるわけです。国民は、非常に期待を持ってこれを見ているわけでございます。この約束をほごにして、宅地並み課税のC農地への拡大だけは先行させる、こういうことがあってはならないというふうに思うわけであります。
 新しい大臣になられましたので、この点もう一度、しつこいようですけれども、計画的な町づくりを進めるためにはどうしても綿密な土地の実態調査が必要であります。大臣もぜひ積極的に、この点前の大臣と同じように対応していただくということで決意を伺っておきたいと思います。
#197
○世耕国務大臣 前に安孫子大臣がおっしゃっていますが、これは遊休土地がどういうことで遊休になっているか、それとも企業が持っているとすれば企業はどういうわけでその土地を持っているか、これは実態調査をする必要があると思うのですが、これはなかなか自治省関係だけで、地方自治体だけでやるというわけにもいきませんし、建設省関係も入ってきますし、いろいろな関係官庁も関連してくると思います。そういうことで、私もやはり安孫子大臣と同じく、これは調査を進めていくべきである、このように考えております。
#198
○岩佐委員 早急に、空約束ではなくてやっていただきたいというふうに思うわけです。
 この間、宅地並み課税反対の多くの意見書や請願が国会に寄せられました。また現に、宅地並み課税が実施されている三大都市圏の特定市の市長アンケートでも、過半数の市長が宅地並み課税に反対をしていて、九割近くの市長が都市農業の役割りを積極的に評価していることも紹介しました。あるいは、農民団体の大きな反対運動が展開されてきた、これも御承知のとおりであります。私は、こうした地方自治体や議会及び住民の意見を尊重すべきである、こういうことを強く要望してきたわけであります。
 先ほど言いましたように、当然なすべき土地の実態調査、これがまず最初に行われるべきだというように思っていたわけですけれども、これを行わないで、宅地並み課税のC農地への拡大だけが先行する、これは非常に大きな問題だというふうに思っております。今回、法改正について、先ほども同僚議員の議論にもあったところですけれども、宅地並み課税は今回骨抜きになったんだ、そういうような論調が見られて、そういう論議もあるわけでございますが、これはごく一部を見ただけのものだというふうに私は思います。今度の法改正によって農民は非常に大変な立場に置かれる、それはそういう状況が現実に起こっているわけでございます。
 そこで、今回の法改正の内容についてお尋ねをしたいと思うわけでございますけれども、今回の改正では、従来宅地並み課税を実施していたAB農地以外に新たに単位評価額、つまり三・三平方メートル当たりの評価額が三万円を超えるC農地に対しても宅地並み課税を拡大する、そういうことになっております。C農地のうち三万円以上の評価額になるのは、三大都市圏全体では約六割と言われておりますけれども、東京及び大阪ではそれぞれどういう割合になっておるでしょうか。東京は区部と市部に分けてお答えをいただきたいと思います。
#199
○関根政府委員 三大都市圏の市街化区域農地のうち、従来C農地でありましたもののおおむね六割程度が三・三平米当たり三万円以上になるわけでございまして、この点、御指摘のとおりでございます。
 ただ、おおむね六割ということを申し上げておりますのは、この価格決定は、今回の昭和五十七年一月一日現在で行われます評価がえの結果の賦課額によりまして判定をいたします。その作業がまだ終結をいたしておりませんので、正確な数字が申し上げられないわけでございます。
 東京、大阪について具体的に数字を示せというお話でございますけれども、確かに、東京、大阪はC農地の価格そのものがほかの都市に比べまして高いと思いますので、三・三平米当たり三万円以下のところというのは非常に少ないと思います。全体平均が大体四割といたしますれば、多分その半分ぐらいにはなってしまうのではないかという感じはいたしておりますけれども、具体的な数字はまだ決まっていないところでございます。
#200
○岩佐委員 私の調査によれば、東京都区部では、高圧線下など特殊なものを除いて一〇〇%という数字になっております。それから市部では九二・三%。そして大阪府の場合には、土地の事情が多少違うということもあって、四五%ということになっておるようでございます。東京ではC農地のほとんどが宅地並み課税の対象になる、そういう実態であるわけです。今回の法改正によって、三大都市圏全体では宅地並み課税が一挙に約三・六倍の地域に拡大をされる、そういうことになります。
 さらに、重大なことはこれにとどまらない。法附則十九条の三第二項では、五十八年度以降の単位評価額が三万円以上になるC農地に対する措置を定めておりますけれども、これは、五十七年度の評価額は三万円未満だったのが次の評価がえで三万円以上となった場合には順次宅地並み課税を適用していく、つまり宅地並み課税の自動拡大条項だと理解をしているわけですけれども、これではC農地全体に宅地並み課税が拡大されるのは時間の問題だと思うわけですけれども、その点いかがでしょうか。
#201
○関根政府委員 単位面積当たりの価格で宅地並み課税をするかしないかを分けているわけでございますが、その価格の三万円というのは、現在の私どもの考え方では一応固定をして、固定価格で考えていきたいと思っているところでございます。しかし、そうすると間もなくC農地全部が課税対象になるのかというお話でございますが、今後における土地の価格の上昇傾向がどうなるのかということについて、必ずしも従来と同じようにどんどん上がっていくことが見込めるのかどうか、確たる見通しを申し上げるわけにはいかぬわけでございますが、そう簡単にすぐに全部が対象になるということではないと思います。
 御指摘をいただきましたように、この制度を設けましたのは、都市施設がほとんどまだ整備をされてないような市街化区域というのが相当あるわけでございます。東京都の中は別といたしまして、この辺で言いますと茨城県でありますとか埼玉県の奥の方でありますとか、相当広い範囲にわたりまして市街化区域が設定をされておりまして、そういうところは宅地並み課税をやりましても、実際問題として住宅をつくるわけにはいかない。そういうまだ道路にしろ、水道にしろ、電気にしろ、施設の整備ができていないところは何としても無理があるものだから除外をしていこうということで、この制度をつくったわけでございます。
 しかし、三・三平米当たり三万円以上の土地でありましても、引き続き長期にわたって営農を継続したいというところについては、宅地並み課税の徴収猶予制度というものも今回仕組んでいるわけでございます。したがって、すべての都市あるいは東京都の区部等の農地がすべて宅地並み課税を自動的になされてしまうんだというふうには、私どもは考えていないわけでございます。徴収猶予制度を活用する余地というものは、十分残されているものと考えておる次第でございます。
#202
○岩佐委員 その徴収猶予制度の問題ですけれども、何か営農継続の意思があれば、長期営農継続農地として宅地並み課税分の徴収猶予制度を受けられるんだというふうな感じがするわけでございますけれども、これも幾つもの条件がつけられていて、かなり大変なことになるわけです。現行の減額制度では、政令の附則で、減額できる農地の面積要件を〇・一ヘクタール以上としています。改正法案でも、長期営農継続農地で市長の認定を受けたものについては徴収猶予した税を五年ごとに限って免除する場合の面積要件も政令にゆだねられていると伺っておりますけれども、政令はもう決まっているんでしょうか。
#203
○関根政府委員 御指摘の政令はまだでき上がっておりませんが、内々の議論をいたしておるわけでございます。方針といたしましては、一団地の土地につきましては九百九十平米以上の土地を対象にしていこう、それ以下は残念ながら営農の継続の団地としては認めがたい、こういう考え方でございます。これは、〇・一ヘクタールというのと従来からの面積の測定単位でございました一反というものとの兼ね合いと申しますか、一反を厳密に計算いたしますと九百九十一平米ということになるのだそうでございますけれども、それを救うという意味で九百九十平米というものを考えております。
 なお、従来は一団地の面積要件しかございませんでしたけれども、今回はさらにそれを広げていく意味も含めまして、農家の実情により即するように制度をこしらえますために、一農家当たりの面積が〇・一ヘクタール以上あればよろしい、これも政令で九百九十平米というふうにいたしますけれども、そういう要件もつけ加えることにいたしましたので、従前に比べて、より農家の実態に即した徴収猶予制度が実際に適用できると考えておるわけでございます。
#204
○岩佐委員 その九百九十平米以上というのは、連担した場合もいいんだということを聞いているわけですけれども、その点はどうなんでしょうか。
#205
○関根政府委員 一団の土地で九百九十平米以上あれば、長期営農継続農地として認定される可能性があるわけです。資格があるわけです。ということは、AさんとBさんと二人の人がたまたま同じ地続きの土地を持っておる。たとえばAさんが六百平米持っておって、Bさんが三百九十平米持っておるということになれば、両方合わせて九百九十であればそれでよろしい。AさんとBさんそれぞれが九百九十を割りましても、二人合わせて一団の続きで持っておればそれでよろしい、こういう考え方でございます。
#206
○岩佐委員 東京の場合、非常に雰細な農地が多いわけです。調べてみたところ、C農地だけですけれども、練馬区では筆数が六千五百六十筆、これに対して地積が五万八千六百八十アール、平均八・九アール。足立区では、筆数が一万四千四十八筆に対し、地積が五万三千五百七十アール、平均三・八アール。江戸川区では、筆数が八千八百五十四筆に対し、地積は三万九千二百十アール、平均四・四アールとなっているわけです。比較的一筆当たりの面積の広い練馬区でも、十アール以下の農地が半数を超えているわけです。雰細な農地の多い足立区や江戸川区では、その割合は七割から八割に達することが推定をされます。
 いまの、連担した十アールと言いますけれども、たとえ最初は三人あるいは二人の農地を合わせて十アール以上となっていても、長期営農継続農地として出発しても、二、三年たつうちに三人のうちの一人が営農をやめるというような実態になった場合に、この条件を満たすことができなくなってしまうわけです。そうすると、いつもいつも隣の人、長生きしてほしいとか、いつまでもやめないでいてほしいということを気にしながら農業を続けなければならないというようなところに追い込まれるのではないかというふうに思うのですけれども、その点はどうなんでしょうか。
#207
○関根政府委員 宅地並み課税という制度は、大都市におきまして土地供給が非常に少ない、そのために家を持ちたくても持てないという現実がある、そういう状態の中で、できるだけ宅地を供給させていこう、こういう趣旨が一方に政策目的としてあるわけです。一方、現に農業を経営している人たちに対して、直ちに生活の資を奪ってしまうようなやり方はできないではないか、こういう要請等がある。その二つの要請をうまく調和できるところで制度をこしらえていかなければいかぬ、こういう責任がわれわれに課されているわけでございます。
 考え方によれば、およそ現在農業を継続しており、それを続けていきたいと言えば、どんな小さな面積でもやらせたらいいじゃないか、こういう話もありますけれども、一方で、もう相当宅地化が進んでおる地域の中で農業が継続されておる、その農業を継続していただくためには、やはり農業は農業としての一応の体裁といいますか、経営が何とか成り立っていくような基盤を持っていないとまずいのではなかろうかというふうに考えたわけでございます。
 そういう意味において、一団の土地であります場合には、一団地として所有者が何人でも構いませんけれども、少なくとも〇・一ヘクタール、正確なことで言いますと九百九十平米以上という団地を想定をしたわけでございます。したがって、いま先生が御指摘いただきましたように、三人で一団の土地を持っておる場合に、だれか欠けてしまいますと、それ以後徴収猶予の対象にならないという問題が起こってまいります。
 それを救いますために、いままでなかった制度でございますけれども、今度は一農家当たりの面積基準というのを設けまして、一農家当たり九百九十平米以上の営農地を持っておれば長期営農継続農地としての適格性がある、こういう仕組みをこしらえるわけでございます。したがって、たとえばAさんとBさんとCさん、三人で十アールの土地をやっておった。Cさんが抜けたために、AさんとBさんの土地は一団の土地としては要件を欠くに至りましても、Aさんはほかになお、たとえば六百とか五百とかいうような農地を持っておる。それと合わせれば九百九十平米以上になる場合には、引き続きAさんにつきましては徴収猶予の制度が適用されるということになっておりますので、私どもとしては、まじめにと言うと語弊がございますけれども、まじめに営農をやっていこうという人たちについては、ほとんど大部分の者がこの制度によって徴収猶予の対象になり得るものというふうに考えているような次第でございます。
 ただ、その場合でも、一筆当たりといいますか、一団地当たり余りにも小さな土地について、営農地ですよということで残されるのはいかがなものか。いわゆる宅地介在農地のようなものがあります。その場合には、それは除外するという意味で、亘平米未満の土地につきましては、営農継続農地としては認めがたいという例外はつくっております。まず百平米といいますと、昔の面積で約三十坪でございますので、その程度の小さなものまで営農継続農地とすることはいかがなものかということで考えているような次第でございます。そのほかの通常の農地で、真に営農継続の意思のある、しかもそういう営農継続の基盤のあるようなものは、ほとんど全部対象になるものと考えております。
#208
○岩佐委員 さっきの政令の問題ですけれども、もう一つ、同一行政区内で十アール以上ということになると、これは東京の各市の場合一つ一つの市がかなり狭く区切られているということで、同一行政区内というふうにはならないで、二つの行政区にまたがって五アールずつ持つというようなことも出てくるんではないかというふうに思いますけれども、この点はやはり認定が受けられないということになるのかどうか、伺いたいと思います。
#209
○関根政府委員 二つのケースがあるわけでございまして、一つは、団地当たり九百九十平米、それからもう一つの分類といたしましては、一農家当たり九百九十平米以上あればよろしい、この二つのアプローチを今度こしらえるわけです。それで、先生御指摘の、一行政区域内で考えるというのは、二番目に申し上げた一農家当たりの面積を計算する場合でございまして、一団地の場合には、市と市の境界のところに一団地で九百九十平米以上のものがある場合には、市をまたがっていても構わない、これは関係ないわけでございます。
 一農家当たりという問題につきましては、これは固定資産につきまして昔からそうなんでございますが、名寄せ等の関係もありまして、他市町村にわたって所在する固定資産についての名寄せは、実際問題としては非常にむずかしいということもございまして、これはやはり一市町村内において一農家当たりどの程度のものを持っているかによって区別せざるを得ないということでございます。
#210
○岩佐委員 いままでの議論の中で私は、やはりいまのような条件というのは非常に厳しくなってくる、そして都市農業というのが本当に守っていけるのかどうかということを非常に不安に思うわけです。
 この間の私の当委員会での議論のときにも繰り返し言ったことですけれども、一つは、都市農業が果たす役割り。これは、新鮮な野菜を消費者に安定的に供給をしてくれるという点。地震や災害があったときでも、遠隔地からは運べないけれども、近在農家だったらすぐに供給できる、そういう確保ができるわけです。それから緑地を確保する、こういうこともあるわけですし、また、災害の際に避難地にもなり得るということで、一体いまのままで本当にそういうことが満たされていくのかどうか。この点について、農水省には、本当に農業がやっていけるのかどうか、都市農業が確保できるのかどうか。
 それから、国土庁にも来ていただいておりますけれども、昨年の答弁では、宅地並み課税の実施に際して、都市の安全を確保する点で農地の果たす役割りを十分尊重するというふうな形でやりたいと言っておられましたけれども、具体的にどうされるのか。
 それから、消防庁にもきょう来ていただいておりますけれども、この点、私は農民の皆さんの陳情を受けた際に、アパートの火事があって、物を避難をさせるということで、隣にあった畑に必要なものを二階からどんどん投げて落として、そしてその火災で財産が燃えるのを免れた。非常に小さな空き地であっても、そういう災害時には十分役に立つんだという実際的な例を示されたわけでありますけれども、そうしたことも含めて、こういう役割りというのがあるのではないかということを伺いたいと思います。
 そして、最後に自治大臣に、こうした宅地並み課税をC農地にまで拡大をする、これは農民がもともと農業をやっていくという営農権を侵害するものだというふうに思いますし、執行猶予つきの農業をやるという、それは十年間の営農継続という条件がつきましたけれども、執行猶予つきであるということには変わりない。こういう形で果たしていいのか、その点について伺いたいというふうに思うわけであります。
#211
○吉國説明員 都市農業の役割りなりあるいは今後都市農業を守っていく上で不都合が生じないかという点についてのお尋ねでございます。
 都市農業の役割りにつきましては、先生もお話ございましたように、生鮮野菜なりあるいは花の供給、そういった面で重要な役割りを果たしておるというふうに私ども考えております。
 今後の都市農業につきましては、市街化区域内の農業につきましては都市農業の一部分でございますけれども、市街化区域の性格との兼ね合いということも考えていかなければならぬというふうに考えております。
 今回の、いわゆる宅地並み課税に関します制度改正後において都市農業が大丈夫かという点につきましては、先ほど来御論議のありましたような運用上の諸条件等にもかかわってまいろうというふうに思っておりますが、先ほど来御論議の出ておりましたような形でもって猶予制度が仕組まれるということを通じまして、基本的には意欲を持って農業を継続したい、またはそういう状況下にある農家の営農継続にとりましては、不安のない状況が生まれるというふうに考えておる次第でございます。
#212
○木内説明員 お答え申し上げます。
 大都市地域における市街化区域内の農地につきましては、暫定的な意味も含めまして、防災上一定の効果を果たしているということは否定できない事実かと思います。しかし、大都市地域における大きな規模の災害に対しましては、基本的には公園とか緑地あるいは街路等を整備するというふうな形で、本格的にやるべきものだと考えておるわけでございます。そういうふうなわけでございますけれども、先ほど申しましたように、大都市地域の農地が現況で一定の役割りを果たしているということを否定するわけではございません。
 そういうこととの関連もございまして、先ほどから議論になっておりますように、今回の宅地並み課税実施につきましては、農業を継続する意思を有する者に対しましては特別な配慮をする等、一挙に市街化区域内農地をなくしてしまうというふうなことは考えておらないのでございまして、その間、本格的な震災対策のための避難地等の確保ができるような事業が推進されることを期待しておるわけでございます。
#213
○鹿児島政府委員 一般的に空地の消防上の効用につきましては、基本的には延焼防止効果と避難地としての効果、二点あるわけでございます。お話のように、一時的な避難地としての効果があるかどうかという問題もあろうかと思いますが、基本的にはその規模なりあるいはその周辺の状況、それからそれが密集市街地の中にあるかどうかというようなことによって、具体的にはそれぞれの効用が出てくる、かようなことでございます。
#214
○世耕国務大臣 今度C農地まで拡大していろんな制度の改正を図って、とどのつまりは将来農業をやめさして宅地へ転用させる手形を出しているようなものではないかという御意見でございましたが、私は今回の改正、実はそう思っておりませんで、私は大体が都市の中でも緑地の多い方にどうしても意見が自分で傾いていくわけなんですが、今回の場合は、都市の中で農業を継続したいという人に対しては、そのままその意思を十分尊重しようということ。それから、農地が緑地として災害時の避難場所にもなり得る、これも確かに御指摘のとおりだと思います。それから、生鮮食料品を補給する一環としての、都市の中の新鮮な野菜供給地としての農業、これも必要ではないか、これも当然のことだと思います。
 そこで、五年間ずつ見て十年間で、免税とかなんとかということじゃなくて、徴収猶予しながら十年間やっていこう、五年ずつ見直して徴収猶予をしていこうというのもそういうところでございまして、もし本来の農業ということであれば、そのままその意思を十分尊重して長期にわたっての営農をしていただきたい。宅地は宅地にする、それから営農の意思があれば営農を十二分にやっていただく、そういった意味のいろいろなあれを尊重いたしまして、今度の改正案になったと思うのでございます。
#215
○岩佐委員 もう時間が参りましたので終わりたいと思いますけれども、先ほど一番最初に申し上げた未利用地の利用実態について、やはりきちんとされていくことが重要だということを私、質問を通じてますます痛感をいたしました。この点、大臣がおやりになるということでしたけれども、それは国民が期待をしていますので、早い機会にお願いをしたいということを最後に申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
#216
○中山委員長 田島衞君。
#217
○田島委員 私は、まず最初に、今度の地方税法等の改正の基本的考え方と、その根拠について聞いてみたいと思うのです。
 要するに、地方財政の現状だけを考えて、もう少し税源を捕捉しなければいかぬなということの単純な考え方なのか、それとも地方行政というものをもう少し充実させなければいけない、そのためにはこういうこともああいうこともやりたい、やらなければいけない、そのためにはやはりもう少し財源が必要だ、そこまで考えているのか、どの程度の考えでやられているのか、まずその点から伺ってみたいと思います。
#218
○関根政府委員 地方税源を拡充していくことの必要性については、いまさら申し上げるまでもございません。私どもといたしましては、あらゆる機会を通じまして、地方の自主税源を拡充するための方策はないかということを検討しながら、いろいろ制度等の改正について考えているわけでございます。
 しかしながら御承知のように、今回の税法改正に当たりましては、昨年の臨調答申以来、現在の国、地方を通ずる財政の再建を進めるに当たりましては、増税なしでやっていこうという基本的な方針を定めているわけでございます。そういう中におきまして私どもとしては、今回の税改正に当たりまして、積極的に一定の増税というものを志向した改正をすることはなし得なかったというのが実情であるわけでございます。
 しかし増税なしでも、たとえば国からの地方税の税源の移譲によって地方税の充実ができるではないかという議論もあるわけでございますが、御承知のとおりの国の財政の状況におきまして、いま直ちに税源の地方移譲というものを大々的に実施できるような情勢にないということを御理解をいただきたいと存じ上げる次第でございます。
#219
○田島委員 いまの御説明はよくわかりますけれども、おのずから税というものには、その裏側のやはり追求される一つの性格がある。つまり住民、納税者というのは、趣味でおもしろくて税金を納めているのではない。税金を納めるには納めるなりの、やはり反面期待がある。こういうこともしてほしい、こういう点でわれわれ住民の納税者側の意思も酌み取ってほしいという期待がある。その期待をする以上は、応分の税その他の負担をしなければいかぬだろうなというところで、そこに納得があるわけです、理解がある。
 ところが、最近の税のあり方を考えると、国税であれ地方税であれ、もうその限界を超えてしまっていると言わなければならぬと思うのです。これは恐らく私はかりではない、各党の議員さんみんなそう思っておられることだろうと思うし、答弁に立たれる政府側も同じような見解をきっと持っておられると思うのです。そういう状況であるだけに、税というものをいじるにはよほど慎重でなければいけないんじゃないか。ただ、財政が苦しいからやりくり算段いろいろな形で税源を確保するということじゃなくて、いまの地方行政そのものの行政サービスと、それに見合うところの納税者、住民の税その他の公租負担というものがバランスがとれているかどうかということも、常に考えていかなければいけないことだと思うのです。今回の改正に当たっては、地方行政そのもの、地方自治そのものの現状について、相当慎重に検討されたのかどうなのか、聞かしてみてほしい。
#220
○関根政府委員 私どもが税法を、いじると言うと語弊がございますが、税法改正につきまして御提案を申し上げるまでにはいろいろと、政府の税制調査会を初めといたしまして関係各方面の意見も十分に聞き、御審議をいただくわけでございますし、また、地方団体からの御意見等も拝聴した上で、最終的に慎重に結論を出してきているつもりでございますし、今後もそのようにしていきたいというふうに考えます。
 税というのは、取る側の論理だけで、取る側の都合だけで勝手に取れるものでないことは申すまでもございません。納めていただく住民のサイドで税を本当に喜んで納めていただけるというような税は理想ではございましょうが、実際問題として私は非常にむずかしいと思います。しかし、たとえ嫌々ながら納める税にしても、この程度のものはやむを得ないではないかという納得を得ないと、税というのは本当にうまくは機能しない、徴収もできない、いろいろなところで問題を起こしてしまうということ、そういうことは私ども税に携わっておりましてしみじみと感じております。何の変哲もないような税制改正一つを行いましてもそれを地方団体、県へおろし、あるいは市町村へおろして実際税務課で仕事をこなし、それが住民に対して納税通知書を出す段階になって、いろいろと問題が起こってしまうというようなことを私ども経験をいたしております。そういう経験を踏まえながら、今回の税制改正に当たりましても、私どもとしては私どもなりに十分慎重に対処したつもりでございます。
#221
○田島委員 通告の中にそういうことは書いてありませんから、もしお答えしにくかったら決して無理なことは聞きませんけれども、たとえば過去数年間における投資的経費と義務的経費といいますか経常経費、そういうものの増加の割合等を検討してみたことがあるかどうか。みたことがあれば、どのように御承知になっておるのか。もし手元に用意なしといえばいいですよ、無理なことは聞きません。
#222
○土屋政府委員 私どもは毎年地方財政計画を立てるに当たりましては、歳出の中身をいろいろと検討するわけでございますが、その場合に投資的経費と経常経費とは全部区分けをいたしまして、その中身について一々洗い出して積み上げ計算をやっておるわけでございます。ただ、おっしゃった意味がよくわかりませんが、投資的経費と経常経費との比率と申しますか、そのバランスというのはどれくらいが適当かという面に焦点を当てて検討したことがあるのかどうかということでございますれば、私どもそういうマクロ的な意味での比率でどれがいいかということは、的確なものは持っておりません。やはり全体として、そのときどきの景気の状況等から見て投資的経費をどのように持っていくか、あるいは経常経費の中でも、たとえば私学関係についてはどういう考えで推し進めるかといった政策的なものの積み上げでバランスをとって、歳入歳出の収支を均衡させておる、こういうやり方をしておるわけでございます。
#223
○田島委員 要すれば、最近の傾向として歳出の中を性格別に大別した場合に、義務的経費、経常経費の方が増加率が高いのか、投資的経費の方が増加率が高いのかということ、それならわかりますか。
#224
○矢野政府委員 たとえば、昭和五十年以降の地方財政の状況を見てまいりますと、昭和五十年以降数年間にわたりまして、義務的な経費の割合がかなり高うございました。昭和五十三年ごろから義務的経費の比率は、構成比は若干下降ぎみになりまして、投資的経費の方がやや増加ぎみになってきておる。これは、昭和五十年以降の財政全体の状況からして、こういったような傾向が出てきておるものと考えております。
#225
○田島委員 もちろん、義務的経費、言うならば経常経費といいますか、そういうものの中の一番大きな部分を占めるのは人件費ですけれども、その人件費は必ずしも行政サービスに大きな影響力を持っていないとは言えない。たとえば警察、消防あるいは衛生関係といいますか、特にはっきりしているのは警察、消防のように人件費そのものが行政サービスである場合がありますから、人件費だけふえていることをもって、行政サービスの方は向上していないのにもかかわらず、経費だけが向上しているという言い方は当たらぬことは理解しますけれども、そういうことも十分理解した上でも、歴年の傾向というのは、投資的経費よりはむしろ義務的経費が着実に上がっておる。これがまた財政を苦しくしている原因。その財政が苦しくなったから、税金をいろんな形で増税をしようとしなければならない原因になっていると思うのです。
 そういうことは住民の望む意思ではない。住民は、納税者は、できるだけ人件費は少な目に抑えて、そして仕事を一生懸命やってほしいと思っているに間違いないし、税金はできるだけ安い方がいいと思っていることもこれまた絶対に間違いない。そういう住民の意思を考え、住民が期待する住民福祉への貢献というものを考えてみた場合に、最近の税の取り方、徴税の仕方というのは、少し大義名分を失っている、社会正義を見失っているといいますか、ただ足りないから取る、こういう仕事をしてあげるために取るのですよというのじゃなくて、財政が苦しいから取るんだ、こういう性格があることは否めないと思う。それを全面的にそんなことはだめだと言ったって、これは現実問題としてやむを得ないことでありますけれども、極力そういう点は自粛していかぬと、住民意思、住民の期待にはこたえられなくなってしまうと思うのですが、そういう点で大臣、いかがでしょうか。
#226
○世耕国務大臣 おっしゃるとおりだと思います。われわれの考えとしては、地方自治体に対して給料とかボーナスを安くしろと言うのは立場としてはいやな言い分で、値切るというのは気持ちのいいものではございませんが、それをあえて自治省が各自治体に対して指導したり、給与表を公表しろとかいろいろそういうことを進めておりますのは、御指摘のようなことに端を発しているわけでございます。
#227
○田島委員 私がこんなことをいまさら言うまでもなく一住民の側は総称して主権者、たとえば公務員の場合は全体の奉仕者、わかりやすく言うと、住民側、納税者側が主人公で、公務員側は言うならば小使役、奉仕者という立場になる。ところが、その主人公側である住民、納税者は、ひいひい言って一生懸命汗水流して働いて、やっと手にしたなと思った途端にがさっと税金で取られる。取った方の側は、まさにこれが勤めかなと思うようなぶったるんだ仕事のやり方をしておって、それでも勤勉手当やらを手にしている。こういう状況の中で、大きな顔をして税金を取れますか。
 そんなことを言っても無理だろうけれども、しみじみそういうことを痛感するわけですよ。一般住民というのは、なかなか直接文句を言う機会がない。せいぜい、われわれ住民の代弁者というか、言うならば私どもも一種の小使ですけれども、その小使たちを使って文句を言わせる以外に直接文句を言う機会がないけれども、その腹の中は相当煮えくり返る思いがあるだろうと思うのです。あるだろうと思うだけに、そういう時期における税法の改正等で、確かに形の上では増税というものは避けているけれども、実質的にはあくまでも増税。現に数字が示しているところですね。
 それで、そういう税法の改正によって実際の増税、増収を図って、では一体それが反対給付としてどういうふうにはね返って住民の方へ戻っていって、納得させることができるのかというと、恐らく説明はつかないと思うのですけれども、どうでしょうか。説明がつきますか。
#228
○関根政府委員 御承知のとおり税は、目的税はちょっと事情が違いますけれども、一般の普通税につきましては、これを何に使うという特定の使用目的と対応した形で徴収がなされるものではありません。一般的な地方公共団体における歳出を賄うための財源としてちょうだいをする、そういうことになっているわけでございます。
 しかしやはり、税金を徴収するといいますか、住民から納税をしていただきますためには、その納税とそれに伴う受益というものができるだけ目に見えたといいますか、これだけの納税をすることによってこれだけの有用な行政がやってもらえるんだ、あるいは、直接自分たちの身の回りにこれだけの効果が生じているんだということが、できるだけわかりやすいような形で対比されるような税のあり方といいますか、住民にそういうことを示すことによって住民の納得をできるだけ得られるような形で税というものを考えていかなければいかぬと思います。
 また、税をいただく以上は、その使用の段階におきまして、むだのないように効率的な使用にも心がけ、そういう効率的な使用がなされていますよということを住民に説明できるようなやり方をしていく必要があるものというふうに考えます。
#229
○田島委員 税にも国税と地方税との別がありますけれども、特に地方税の場合は、先般もこの委員会でお互いに意見交換をしたように、地方自治の本旨というものの中から酌み出せるところの考え方からすれば、応益的なものだと思うのです。自治というのは、自分たちが、こういうことがやりたいな、こういうものが欲しいなというときに、それをやる費用は人のものを当てにするな、みんなで出し合ってやれ、わかりやすい話がこれが自治ですね。
 したがって、むずかしい言葉で言えば応益性といいますか、その応益性というものを考えると、いまの時期に私がそんなことを言ったらとんでもない話だということになりますけれども、極端な話、現在の所得割そのもののあり方だって、私は本当の公平じゃないと思うのです。地方税の場合ですよ。所得がうんとあるから、それだけその割合に応じて出しなさいということは、公平のようで公平でない。
 たとえば、うんと高額の所得者といえども、やはり道路事情が悪ければ、同じぎゅうぎゅう込んだ道路で同じような苦労をしなければならぬ。あなたは税金を大変たくさん納めているんだから、こっちの楽な道路をどうぞというわけにはいかないのですよ。だけれども、いまそんなことを現実問題として取り上げたら、さなきだに、税源を求めてひいひいふうふう言っている政府なり地方団体として、これはもうとんでもない話でということになるでしょうけれども、本来的に考えれば、もう少し財政に余裕を持ったら、本当はそこまで突っ込んで考え直していかなければうそだと思うのです。
 だからといって、幾ら応益があるからといって、うんと低所得者まで税金を取れとは言いません。もちろん、世の中は不文律というものがあるから、力のある者、余裕のある者が、力のない者のためにかわって負担をすることは、これは美徳ですからそれはそれでいいし、力の弱い者から税金を取らぬように極力課税最低限を引き上げてあげることはいいことだと思うけれども、ある程度力がある者以上から所得割で税金を取りまくるということは、必ずしも正義のようで正義じゃないと私は思うのです。
 だからといって、田島衞、そんなに高額所得者じゃないですけれどもね、どちらかというと低額所得者の方かもしれないけれども、客観的に正義とはそういうものじゃないかな、公平とはそういうものじゃないかなというふうに考えるわけであります。しかし、いまそのことを求める、そういう現実にはないから、あえてそれは一つの例として申し上げたわけですけれども、そういう地方税というものの性格であるだけに、なおさらに改正等の場合には慎重に対処していただきたい。
 時間の関係で、特に固定資産税の問題を取り上げてみたいと思うのですけれども、先ほど来も恐らくこの固定資産税の問題についてはいろいろ議論があったことでしょうから、できるだけ重複を避け、短い時間にしたいと思います。
 固定資産税の課税方法というのは、私が言うまでもない、三年に一回評価がえをやる。評価がえをやって適正価格なるものを出す。それに一定の率で税率を掛けて税金を出す。税率は変わらないから、確かにこれは増税じゃないのだと言えるけれども、三年に一回ずつ評価がえをするということによって、実質的には大変な増税になっている。しかも、その対象になっているところの不動産、それを持っている所有者、その不動産がどのような状態であろうと、それにかかわらず、着実に増税をされていく。つまり、その不動産から相当の収入があろうとあるまいと、利益があろうとあるまいと、それにかかわらず、持っていたら最後、その持っている不動産に対して着実に三年に一回ずつ評価がえをされ、評価がえという形で増税をされる。
 しかも、その増税の上昇率というのは、恐らく他のいかなる公租公課類に比べても抜群の高さだと思うのですよ。ほかのどんな税金類よりも大変高い率で上昇していることは、過去の事例をもってしても言えると思うのです。しかも、その評価がえというのは徴税者側が一方的に評価する。確かに、それに対する一種の異議申し立ての機会はある。三十日間の申告期間があるわけだ。だけれども、一般の人達台帳を見に来いと言ったって、見に行く暇だってない人もいっぱいある。だから、おおむねは、縦覧期間に閲覧をして、これはおれのところは高過ぎるなんてやる人はほとんどない。まずまず一方的に徴税者側の決めるがままに、えらいまた高くなったものだなと頭を抱えながら納めているというか、納めさせられているのが実情だと思う。
 こういう固定資産税のあり方だって、本当からすると、地方税の一つとすれば望ましい形じゃないと思う。これも、現実のいまの地方財政事情からすれば、確かに望ましくないと思ったって、そう簡単に直すわけにいかないでしょうし、いまそれを直せということじゃないですけれども、基本的考え方として、固定資産税の課税方法というのは適当な方法じゃない。いつの日かは、財政の余裕を見て、やはりもっと妥当なものに変えるべきだと思いますけれども、その点はいかがでしょうか。
#230
○関根政府委員 先生御指摘をいただきました問題は、われわれにとっても非常に大きな問題であるわけです。
 固定資産の評価のやり方を、現在は固定資産の価格ということにしておるのですが、かつてはこれを収益税という物の考え方から、賃貸価格をもとにして、いわゆる収益がどの程度上がるのかということに着目して固定資産に税を課するという方式をとっていたこともあるわけでございまして、もう一回、その方式に戻るべきではないかという議論も学者の中にもあるわけでございますし、われわれの中でもそういう議論が必ずしもないわけではございません。
 ただ、それぞれいままでの長い間の、地租に始まって以来の経験に基づいて現在のような制度ができているわけでございまして、収益課税方式をとれば、それはそれなりの問題点がある。たとえば、せっかくの土地を遊ばせておく、遊ばせておくことによって収入がないから、それでは固定資産税は取れないのだということになると、かえって土地の有効利用を阻害をしてしまうという社会的な弊害も出てくるわけでございます。もちろん、一律にそういうことばかりは言っておられませんけれども、いろいろな長短がそれぞれありまして、現在のような制度に落ちついているものというふうに私どもは受けとめているわけでございます。
 ただ問題は、この固定資産税というのは価格に応じて課するという方式をとりましたときに、そうはいいましても、その納税を行う納税義務者の支払い能力といいますか、担税力というものを無視した形でこれを課税することはできないわけでございます。そういう意味から考えまして、通常期待し得るその固定資産の収益力といいますか、それは常に検証の材料としてそばに置きながら、固定資産の税額そのものが固定資産の価格に対してどの程度の割合になっているのか、これは重過ぎますと、とても問題が多過ぎてしまってどうにもならない税になるだろうと思います。
 したがって、私どもは、固定資産税の税率なり課税標準というのは、やはり通常期待し得る負担に対応し得る通常の収入といいますか、所得力によりまして納税ができる、そういう担税力のあり得るような税率で課税していくことを貫いていかなければいけない。ある年度においてきわめて急激に税負担が上昇をいたしますとか、あるいは長期にわたって非常に高い率で固定資産税が上がっていくというようなこと、そういうものをできるだけ排除していくようなやり方といいますか、そういう点にも配慮しなければいかぬだろうと思います。したがって、そういう配慮の一貫といたしまして、現在負担調整率というような制度も固定資産税の中に仕組まれておるということが言えると思います。
 なお、お話の中に、固定資産税の伸び率が、対前年度で、ほかの税を群を抜いて高いのではないかという御指摘がございましたが、最近は、住民税において余り大きな減税がなされていないというようなことも反映をいたしまして、個人の住民税の伸び率が相当大きなものになってきております。五十五年と五十六年においては個人住民税の伸び率の方が高くなっておる、そういう状況もあるわけでございまして、必ずしも、固定資産税だけが飛び抜けてアップ率が高くなっておるというものではないということを申し上げておきたいと思います。
#231
○田島委員 私の調べたところでは、そういうふうに認識しているわけですけれども、そのことでいま議論しようと思いませんから、話を先に進めます。
 この固定資産税というものは、同時に地価を大変つり上げる作用も持っているわけですよ。また、つり上げると固定資産税をよけいに取れるわけですね。だから、徴税者側からすると、地価が上がることは必ずしも悪いことじゃない。いいこととも考えているんじゃないかなと思われるくらい、地価が上がればまたそれに応じて税金を、増税じゃないとは言いながら、評価がえ、評価がえでばんばか上げていく。
 反面、そういう固定資産税というものの課税徴収のあり方から派生したものとして、言うならば、周辺開発途上地区なんかは意外とその団体における財政内容というのは楽なんです。いろいろこの方法はありますけれども、そのことはいま言いませんが、自主財源がたっぷりしてくる。したがって、いま苦しい苦しいと言いながら、本当かなと思うような大型施設をばかばかつくっているわけですよ。そういうところもある。だから、固定資産税というものは、いろいろな角度から見て、少し悪税的な性格を持っているんじゃないかなと疑わざるを得ない面があるわけなんですけれども、多少でもそのような認識を持たれますか。
#232
○関根政府委員 地価の上昇は、固定資産税の税収を確保する意味からいいますと、確かにありがたいことではありますが、私どもは、固定資産税が上がるから地価が上がるんだ、こういうふうには考えておりませんで、土地の供給と需要のバランスからまず地価が先に上がりまして、その結果として固定資産税評価額が上がり税額が上がってくる、こういう形のものではないかと思います。
 ただ問題は、御質問のお話は固定資産税が悪税ではないか、そういう認識を持っているかということでございますけれども、私どもは、固定資産税という税目は非常に古い歴史を持った税目でございまして、近代国家以前にも公租公課の中で主要な位置を占めていたものというふうにも聞いておるわけでございます。特に市町村、またその中でも田舎の町村等に行きますと、ほかに税目がないわけです。特に農家が多いような農山村におきましては、ほとんど所得税の納税者がいないというようなところ、そうなりますと住民税所得割も大した額にはなりません。そういうようなところでは、固定資産税というのが非常にありがたい、コンスタントに入ってくる重要な税目になっているわけでございます。
 そういう意味において、まことに各市町村にまんべんなく普遍的に所在するありがたい税だとは思っておりますけれども、何か固定資産税そのものがそのものに内在する容認すべからざる要素を持っている、いわゆる悪税的なものというふうには私どもは考えていないわけでございます。
#233
○田島委員 もちろん、局長さんが悪税だと言ったら、ではそんなものはやめてしまえと言うと思うかもしれませんけれども、別に私はそうは言葉じりはとらえませんが、その性格とすると大変矛盾のある、公平を欠く、そして場合によると、別の面での行政要求に反するというようなことから考えると、余りりっぱな税金のあり方じゃないな、こういうのを短く言って悪税と言ったわけです。
 確かに物の値段が上がるというのは、固定資産、不動産でもそうでしょうけれども、需要と供給の関係が大きな要因になるでしょうけれども、同時にまた、固定資産税が上がったことも要因でないことはあり得ない。現に、土地の所有者等が賃貸価格なり何なりを上げる機会にいつも利用されるのは、やはり固定資産の評価がえの時期ですね。また評価がえがあって固定資産税が高くなるから、申しわけないけれども上げてくれ。これは、文句なしにその時期が選ばれることは事実。また、これはやむを得ないことだと思うのですね。
 確かに固定資産税が上がれば、その不動産をもし賃貸しておる場合には、多少それに影響してくるでしょうから当然のことだと思いますが、そういうわけで固定資産税の資産の評価がえが地価の上昇に無関係ではないし、むしろ、その影響力の大きさは議論しませんけれども、着実な影響力を持っておることだけは事実だと思うのですけれども、その点はどうでしょうか。
#234
○関根政府委員 確かに、借家などについて賃貸料に固定資産税が重要な要素として入ってきている。固定資産税が上がりますと、家賃がその分だけコストアップになって上がってくる。こういうことは、ストレートな影響を持ち得るものというふうに考えますけれども、地価そのものが固定資産税が上がることによってただ上がってくるということについては、せっかくのお話でございますが、必ずしも私どもストレートに結びつけて考えることはいかがかなという感じを抱いておるところでございます。
#235
○田島委員 その点の議論は、ではまた別の機会に譲ることにいたしまして、民間の納税者、住民の所有する不動産に対する固定資産税は、三年に一回ずつ大変きちょうめんに評価がえをされる。ところが一面において、たとえば今度の地方税法等の改正の中の一つにある国有資産等の所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案では、日本国有鉄道の公害防止設備に係る非納付措置の適用期限の延長をやっている。民間の納税者側の持っている不動産については、着実にこれを一定の期間で評価がえをして税金をよけいに取る。だが一方、国有鉄道等の国有資産等の所在市町村に対する納付金等についての特例措置は延期する。ここらのところに、物の考え方にまるっきり違っちゃっているところがあるんじゃないかと思うのですよ。
 大したことじゃありませんけれども、一方においては、主人公側から着実に取り上げる。一方においては、どちらかというとその主人公のために奉仕すべき立場のものの方はできるだけ寛大に扱う。こんなばかな話はないだろうと思うのですけれども、そういう点ではどうでしょうか。
#236
○関根政府委員 固定資産につきましては、三年に一遍ずつ評価がえを実施をいたしておりますけれども、国有提供施設の所在市町村の助成交付金等につきましては、固定資産といいますか、財産への台帳価格で課税といいますか、算定の基礎になっておるわけでございます。これは、定例的な評価がえは実施をいたしておりませんけれども、実情に応じまして不合理な点がございますと、それの改定等は行っておるわけでございまして、必ずしも一律に民間の資産については時価でやり、片っ方の方が全く時価を無視しているということにはなっていないものというふうに考えております。
 ただ、御指摘いただきました今回の公害防止施設の非課税措置の延長の問題でございますけれども、これは評価がえとは直接関係がございませんで、たまたま今回課税標準の特例の法律の規定の期限切れが参りますので、この際国有鉄道の公害防止施設についての算定基準の特例を延長をしたいということでございまして、いわゆる国税の方におきまして租税特別措置の見直しを行う、地方団体におきましては非課税等特別措置の見直しを積極的に行う、こういうことをやっております。
 その中で、しかし一律的に非課税等特別措置をすべてやめちゃうということは、とてもできる相談ではございません。見直しの中にも必要なもの、政策目的上どうしても残しておかなければならないようなものは、残さざるを得ないということで残しておるわけです。その一環として、今回の国鉄の公害防止施設の期限切れをもう一回延長させる必要がある、そういうことで延ばしているわけでございまして、私どもとしては、今回のこの評価がえの問題とこの問題とが直接関係するものというふうには考えていないわけでございます。
#237
○田島委員 大変頭のいい局長さんとすると、故意に私の質問を横へ持っていったのか、誤解しているのかどうかわかりませんけれども、私だってまさか、この国有施設の非課税措置の延長と固定資産の評価がえとを一緒にしているわけじゃないですよ。その考え方が、一方においては着実に評価がえをして税金をよけいに取る。一方においてはさらにその特別措置を延長するという大変寛大なやり方をしているというところに矛盾はないかということ。
 特に公害防止関係で言うならば、民間の公害防止関係の特別措置については、延長はしたけれどもその率は変えたはず、縮減したはずですね。ところが、国有資産の方は、率はちっとも縮減しないで延長だけした。こういう物のやり方が、私らはどう考えても理解ができない。住民、納税者というか国民というかが本当に主人公であり得るのか、主権者であり得るのか、一体どっちが主人公でどっちが奉仕者の立場なのか、相当長い期間取り違えられたままで、直るんじゃなくて反対にどんどんひどくなっているんじゃないか、そういう感じがしてならないだけに、特にその問題を引っ張り出して取り上げてみたわけです。
 そこで最後に、当該税務局長さんに率直にずばりお伺いしますけれども、あなた自身が税金を払っていて、地方税、これはまだ軽いよ、もう少し出していいと思いますか。
#238
○関根政府委員 先ほども申し上げたつもりでございますけれども、税金というのは納める人にとってはなかなかつらいものだというふうに思います。たとえもっともっと低い税率でありましても、納める身になってはつらいものだと思うわけでございます。しかし、それはやはりその税金の果たしている役割り、国の財政を支え地方の財政を支えることによって、国民生活を支えているのではないかということでございますから、その税金の使途が本来の目的に効率的に使われている場合には、やむを得ないから、まあまあ納得をしながら納めるというものではなかろうかと思います。
 国税と地方税とは、所得税と住民税でございますけれども、大体通常の所得段階、三百万とか四百万程度の粗収入の給与所得者の場合には、六対四ぐらいの割合になっております。ただ、住民税が、ボーナスからの差っ引きというのが行われておりませんで、毎月の給料だけからしか差っ引かれておりませんので、非常に負担感が重くなってきておるということは事実でございます。そういった説明も、これからは十分やっていかなければいかぬと思いますが、納める側からは現在の住民税、決して軽いものとは考えません。しかし、かといって、地方財政を支えるという意味においては、やはり必要なものではなかろうかと考える次第でございます。
#239
○田島委員 関根さん、どちらにお住まいか知らぬけれども、そのお住まいのある地方団体の行政サービス、おれの税金からすればよくやってくれているな、もう少し納めてもいいなと思うか、ちょっとおれが納めている税金むだに使い過ぎてやしないかなと、納める立場に立ってみればたまには感ずることがあるのじゃないかなと思いますけれども、どうですか。
#240
○関根政府委員 余り私からそういうことを申し上げてはいかがかと思いますけれども、やはり私ども税金をいただくサイドというのは、税金を納める人は喜んで納めている人はいないのだというつもりになって税のことを考えていかなければいかぬ。それを、喜んでは納めていないにしても、まあまあ納得していただけるといいますか、やむを得ないなと思っていただけるような、そういう税法のあり方についての工夫もしていかなければいかぬ。そのためには、納税者間での公平というものを十分考えていかなければいかぬと思いますし、また、これだけの税金を納めればこれだけの効果があるんだという、いわゆる先生のおっしゃる受益、応益というような物の考え方、そういうものもできるだけ身近にわかるような仕組みも工夫していかなければいけないものだというふうに考えておる次第でございます。
#241
○田島委員 私は、時間がまだ多少ありますけれども、少しは早く終わる主義ですから終わりたいと思いますが、税金を取る方の、言うならば一番代表的立場というか一番お偉い立場である税務局長さん本人でも、恐らく国税で取られ、また所得割だといってがさっと取られ、一体それだけのサービスを受けているのかなと思われることがきっと間々あるだろうと思う。いわんや、税金を取るお仕事をやっているのじゃなくて、取られる方ばかりの立場をやっている納税者、住民側の気持は並み大抵でないということだけは、どうぞ改めて御認識をいただきたいと思います。
 以上お願いをして、質問を終わります。
#242
○中山委員長 加藤万吉君。
#243
○加藤(万)委員 税務局長にお伺いします。
 昭和五十六年度の府県税の収入計画額、政府の方で補正を組みまして、五十六年度三千七百五十億の新たな国債発行という課題も踏まえて、五十六年度の計画額を最終的に変更される意思がありますか。
#244
○関根政府委員 国税の方では、補正の段階で税収につきまして減額補正をしたわけでございますけれども、私どもの方は地方財政計画という形で予定額を組んでいるわけでございますが、これは従来からの例によりましても、多少の状況変更においては一々財政計画の組み直しといいますか、財政計画上の数字を動かすということをしていないわけでございます。そういう意味で、今回も特にこの額を変更するということは考えていないわけでございます。
#245
○加藤(万)委員 そうしますと、五十六年度の計画額、これは府県税に限りますが七兆九千九百二十五億、このままでいくということですか。
#246
○関根政府委員 計画といたしましては、このままの数字でいくということでございます。
#247
○加藤(万)委員 私の聞くところでは、最終見込み額は七兆七千七百六十七億、大蔵省サイドでもそのくらいではないか、これは見込みですよ、そういうようなお話が流れておるわけですが、五十六年度の経済見通しについては、ここでやることではございませんけれども、予算委員会その他を通して政府側でも修正されておるわけですね。当然のことですが、そういうことを踏まえてまいりますと、たとえば法人関係の税の落ち込み、これはもう明らかでしょう。そうなりますと、たとえば当初の法人事業税の収入見込み三兆一千九百五十四億、これは修正をされていかなければ、ないしは最終見込み額を変更されなければならない数字じゃないですか。
#248
○関根政府委員 先生のお話はよくわかるわけでございます。ただ、形式上の論議と実質上の論議と二つに分けて考えた方がいいのじゃないかと思いますが、形式的に私どもは、地方財政計画に計上いたしました地方税収の見込み額を国の補正予算のように変更する手続は、例年のことでございますが、とっておりません。そういう意味におきまして、私どもはこれを変更するつもりはないということを先ほど申し上げたつもりでございます。
 さてそれでは、実質的にこれだけの計画額が確保できるのかという問題になりますと、私どもとしては、国の場合と多少事情が違うわけでございまして、三月期の大どころの入ってくる法人の決算というものが、地方税の場合にはことしの税収にはなりません、来年度の税収になってしまいます。国の方では、なお依然として法人税三月期の決算がよくなる見込みでありますので、何とか確保できるのではなかろうかというような話を私ども聞いているわけでございますけれども、地方税の場合には非常に私どもは心配をいたしております。
 これだけの法人事業税におきまして、三兆一千九百五十四億まるまる確保できるということはなかなかむずかしいのではなかろうか、こういう状況でございますけれども、それでは幾ら見込んでいるのかということになりますと、なかなかやはり、経済の生き物を相手にするわけでございますので、数字をもってお話を申し上げるような状況にはないわけでございます。
#249
○加藤(万)委員 結局最終見込み額が、いま私は、五十六年度の府県税の計画額ですから、対象になるものは五十五年度ですね、五十五年度の決算から見て五十六年度の計画額はこのくらいだ、こういうことですね。五十五年度と五十六年度を見まして、景気の上昇の傾向、これはもう各経済関係の団体が調査をしておりますけれども、大体冷え込みは五十六年度はもっとひどかった。したがって、五十七年度の財政見込みは、五十六年度の景気の推移を見て税収入を見込むわけでございますね、計画するわけですね。
 仮に、私が手元に持っている数字――じゃ、これは当初でお話をしましょう。当初の計画に比べて五十七年度の見込みは一一一・二%ですね、府県民税だけです。もし、実質的に最終にはどのくらいになるだろうかという、これもまた見込みですが、この額に比べますと一二二・五。私どもの数字が間違っておれば後で訂正をいたしますが、恐らく法人事業税関係の見込みは二兆九千十六億円、これを五十七年度の計画額で割りますと、二二・五%法人事業税は伸びる。当初計画に対比いたしましても、一一・二%上がるのですね。どうですか、この見込みは間違いございませんか。
#250
○関根政府委員 先生御指摘の今年度の実績をどう押さえるかというところが、私どもは必ずしも明確な数字を持って今年度これだけ入るという形で押さえていませんので、それに比べまして来年度の計上額が何%伸びるかということは、私どもとして数字を申し上げるわけにいかぬわけでございます。
 しかし、いずれにしろ法人事業税につきまして、五十六年度当初との対比で来年度一一・二%伸びるということにしております。したがって、結果的に法人事業税が五十六年度の実績で計画額を下回ってしまったというようなことになりますと、この二・二%を超える伸び率を達成しなければ目標額を確保できないということになるものというふうに考えております。
#251
○加藤(万)委員 五十七年度国家予算については、予算委員会でも大変議論のあったところで、五十六年度でさえ三千七百五十億の国債の発行ということを含めて補正を組んだわけですが、五十七年度については、いま経済企画庁が出している指標に基づいて税収を見込むことは、国家予算の上でもきわめて危険があるという指摘がされているわけですね。
 私は、同じことのスタンダード、土台に立ちますけれども、恐らく多くの委員からも、五十七年度の地方財政の財政収入額、この額についてはきわめてその財源確保はむずかしい。いまの景気の状態から見まして、五十六年度の決算を見ましても、どう見ても落ち込み要素が大き過ぎる。したがって、それを基礎にして五十七年度予算を組みますと、結果的には地方財政は減収補てん債を発行せざるを得ない、そういう状況に追い込まれるのではないか、こう私どもは実は心配をするわけですよ。
 そこで、五十七年度の各府県の予算を調べてみました。各都道府県の五十七年度予算の地方税の伸びですね、これは東京都の二十三区が入っていますから少し数字的には間違いが起きますけれども、六・七%ですよ。ところが、その地方財政計画では、都道府県の税収見込みは二〇・二%ですね。一〇・二%の伸びを見ているわけです。やはり都道府県の場合には、実態としてそれぞれの法人なりその地域における企業の動向というものが、比較的身近なものとして手にとるようにわかるわけですね。
 結果として、五十七年度の計画額の一〇%が、地方府県段階では六・七%に押さえているということは正しいのではないか。もし一〇・二%伸びますよという中で需要額をそれぞれ策定してまいりますと、あるいは国の財政から地方の裏負担を含めての公共事業を初め、その他の事業をやってまいりますと、最終的にはこの一〇・二と六・七との差の財源を減収補てん債で賄う、こういうことになりませんか。
#252
○関根政府委員 確かに、御指摘をいただきましたように、都道府県の当初予算の前年対比で、いわゆる暫定予算等を組んでいるところは除きまして対比をいたしますと、六・七%の税収増しか組んでおりません。地方財政計画で見込みました都道府県税の収入見込み額よりも少なくなっておるわけでございますけれども、都道府県の税収の見積もりそのものにつきましてはいろいろな見積もりをするわけでございまして、この数字が各都道府県における最終的な税収の見積もりを正しく反映しているとは必ずしも言えない。
 たとえば、補正予算財源を留保している場合もあるでしょうし、あるいはまた、前年の見積もりが、前年当初におきましてちょっと大き目であったために、ことしはそれを控えておるとか、そういういろいろな組み合わせの結果でありますから、必ずしも一律に、これが低いからこっちの方が本当ではないかというふうな結論にはならないものと考えます。いずれにいたしましても、地域的な景気回復の跛行性というものを反映いたしまして、県によりましては相当厳しい税収見積もりをしているところがあるということは、私ども素直に受けとめざるを得ないだろうと思います。
 ただ来年度の、いま私どもが提出をいたしております五十七年度の地方財政計画計上の地方税収入額についてどうなのかというお尋ねでございますけれども、国の方におきましても、今後景気の回復というものが相当なテンポで望めるということを前提にして、五・二%の実質成長率というものを前提にして税収見積もりをしております。私どもも、それを前提にして地方税の見積もりをしているわけでございます。しかし、おまえは法人関係税については地方はどうも危ないんじゃないかということを言っているではないかというお話があろうかと思いますけれども、これは国の方では、大規模法人が三月期に決算をしますけれども、それが相当好決算が望めるという前提で、今年度の法人関係税の税収が見込めるのだということを言っておるわけです。
 わが方は、それが今年度税収にならないわけでございますが、国の方で言っているような三月期が好決算をいたしますと、私どもの方へはその分は来年度、五十七年度税収で入ってくるわけです。三月の決算がよければ、うちの方の五十七年度の税収はその分だけよくなるという関係もありまして、もちろんいろいろな前提はございますけれども、非常にむずかしい前提だとは思いますけれども、少なくともそういうものが経済運営のよろしきを得て何とか目標の成長率を達成できるのであれば、私どもとしては、いま計上しておる程度の税収というものは何とかなるのではないかというふうに考えておる次第でございます。
#253
○加藤(万)委員 大臣、私は、最終決算額のことをここで言おうと思っているわけじゃないのです。趨勢として、どう見ましても、五十六年度の十一月決算、御承知のようにマイナス成長でしょう。ただ、一%、二%ぐらいの計画額と各県の予算額との差があるのは、これはやむを得ないですよ。それは局長が言われたように多少の、最終的な食い違いが二五%の保留分も含めてあることは承知していますよ。しかし、四%ないしは五%ですよ。もし、最終的な収入見込み額と私の数字が間違っていたら後で直しますけれども、収入見込み額と五十七年度の府県の計画額とを見ますと、一三二%ですよ。六・七と一三%では、余りにも乖離があり過ぎるでしょう。
 百歩譲りまして、財政局長がおっしゃるように、確かに最終的な決算額はいろいろなものを取り込んできますからこのとおりにはなりません。府県がつくっている以上に税はふえるでしょう。それを見込んでも、倍に近い乖離があるというのはあり過ぎますよ。結果的に僕は、減収補てん債か何かの形で地方財政は起債をせざるを得ない。そういう状況になりますと、それでなくとも今年度の各都道府県の公債額一五・八%ですか、年々やはり借金がかさんでいるわけです。これに今度は減収補てん債ということになれば、まさに国と同じように地方財政が硬直化しますよ。
 私はそういう意味では、この府県段階で今度の地方税の収入額を見込んでいること、これから需要額の方に今度は展開していくわけですから、収入がそのまま需要なり事業の拡大になっていくわけですから、そこを抑えませんと、まさに国と同じ、地方財政は破綻状況になりますよ。このことだけは、恐らく局長もそういう方向性というものは否定はされないと思うのです。大臣、この際地方団体をいろいろな意味で援助したり指導したりされる、その立場からのいまの私の心配がないような状況をつくること、同時に、そういうこともあるということを前提にしての大臣としての地方団体への行政指導といいましょうか決意を、ちょっとお聞きしたいと思うのです。
#254
○世耕国務大臣 地方税に関する五十七年度の見通しですね。こちら側の見通しが、御指摘のように絶対そのとおりにいけるということは、私はやはり申し上げにくい面もあるかと思います。これは経済とか税収の見通しでございますから、どうしてもそういった余地というのを残しておかなきゃならない。
 それから、地方自治体なんかの見通しと自治省などで見るわれわれの方の見通しと、若干というかかなりの相違があるというふうにおっしゃいましたけれども、これは例年かなりの違いが出てきておることも事実でございます。
    〔委員長退席、安田委員長代理着席〕
 ただ、この中には、五十六年度の中からいろいろな経済分析をしまして、いろいろな指標を使いましてはじき出してきた数字ではありますが、一つには、これは国税の方ももちろんそうでございますが、国としてのこうあらねばならないのではないかという理想のような形の数字の盛り込み方も、実際幾らか加味されているのはあり得ると思うのでございます。
 そういった意味から、私どもの方では、もし仮にそういった目減りがあったと仮定いたしますと、そのときは、これはできるだけやりたくはないんですが、減収補てん債のような形で地方団体に実害のないように、迷惑のかからないように処理していくことを考えております。
 もう一つは、やはり地方税といえども、地方の景気の動向に左右されてまいります。その意味では、地方の単独債を五十七年度は五十六年度に比べてかなり増額を図っておりますので、こういうものをいろいろ地方の方では積極的に使っていただいて、景気の底上げをしていただく。こういうことで、これが地方税の方にどういうふうにはね返ってくるかということでございますが、そういった総合的な見方をしておるところでございます。
#255
○加藤(万)委員 大臣、私は、市町村はそんなに心配してないのです。これはもう大臣が就任される前に、例の市町村に対する法人税の還付率の引き上げと引き下げ、五・〇と五・二に上げました。それから、後半出てまいりますそれぞれの評価がえが全部行われますから、税収入は比較的高いですね。ですから、たとえば起債を発行されましても、市町村の場合には、それに即応するだけの基準財政収入額は僕はあると思うのですが、一番心配なのは、やっぱり都道府県段階ですよ。ぜひひとつ配慮していただきたいと思います。
 これは全然通告なしの質問で恐縮なんですが、実は東京都でいま砂町の屎尿処理場を廃止するという計画がございまして、大変私ども心配をいたしている問題であります。これは、東京都が財政の面から合理化をしなければならぬという話がありまして、私ども調べましたところ、毎年大体一億二、三千万から三億近い金を昭和四十六年から五十五年度ぐらいまで実は投入しまして、砂町の屎尿処理場を能率的な形に直しているわけです。
 ところが最近、海洋投棄に全体を変えるということになりまして、従来の砂町の処理場をつぶして海洋投棄に全部変えるという話になった。これは、私どもの議員が参議院の予算委員会でもやっておりましたが、大体厚生省が持っている環境の状況から見て陸上処理が正しいのではないか。厚生省は、できる限り陸上処理をやれということでいままで基本方針をとっておるのですが、東京都の場合には全くそれとは逆の方向で海上投棄に変える。それは主として財政面、同時にまた都の合理化計画全体の中に配置をされていることなんです。こういうことが府県段階で起きる可能性があるわけですよ。
 いま言いましたように、財政の伸びから見て、まあそれはむだを排除するのは決して私どもはやぶさかではございませんけれども、本来あるべき屎尿処理の陸上処理、そういう原則まで曲げて海洋投棄で全体を処理する、こういう問題がいま都議会で実は大変問題になっているわけです。これは私ども、ぜひ大臣からも、そういうことよりもむしろやはり厚生省が言っておりますように、オリンピックのときに、屎尿を海上で処理しているのは日本だけじゃないかという御指摘があって、その結果として、下水道処理あるいは屎尿処理施設をできる限り陸上へ揚げようという方向でいままで閣議でも決定され、また厚生省もそういう指導をされているわけですから、東京都におけるそういう状況も目配りをしていただいて、当初の政府ないしは閣議で決定された方向にこういう始末ができるように、ぜひお願いしておきたいと思うのです。
#256
○土屋政府委員 私どもも詳細は存じておりませんが、いまの屎尿処理について海上投棄に東京都が切りかえるということで、いま厚生省との間でいろいろ話し合いが行われておると聞いております。いろいろ財政上の問題もございますが、同時にまた、屎尿処理の合理的な処理をどうすればいいかということと絡む問題でございますので、私どもがここで自治省として結論をどうと言うわけにはまいりませんが、重要な問題でございますから、関心を持ってよく事情を聞いて、東京都あたりから相談でもあれば、どういう形が一番いいのか、私どもなりにいろいろ相談には乗ってみたいと思っております。
#257
○加藤(万)委員 次に、固定資産税、都市計画税についてお聞きをします。
 今度の場合に、いわゆる農地課税ですね。AB農地からC農地まで拡大をして、それぞれ宅地並み課税と言われる税を賦課するという問題。私は、後で出ます徴税猶予の問題も含めまして、農地に対する政府の政策の基本的な転換が行われたんじゃないかというように実は思っているわけです。
 本来、農業従事者、いわゆる農家の人が農地というもの、生産をする一番基礎的条件ですから、それに対して税を――今日の国際的な状況から見て、日本でできる農産物価格が必ずしも国際的な競争の場で太刀打ちできないという状況等から見れば、農業政策全般についてはできる限り保護農政的要素を持ちながら日本の農政は遂行されていく、そういうふうに実は思っていたわけであります。
    〔安田委員長代理退席、委員長着席〕
 したがって、市街化区域におけるC農地について、先ほど御答弁を聞いておりますと相当広範な面積でありますけれども、このC農地は本来あるべき緑地ないしは優秀な農産物生産緑地として確保するという前提でいままで税関係を扱ってきた。今度の場合、その分まで含めて新しい宅地並み課税をかけるということは、農政上の基本的な転換が行われたのじゃないか、こんな気がするのですが、C農地まで拡大したこの土地税制に関する基本的な考え方をまずお聞かせ願いたいと思います。
#258
○関根政府委員 今回の宅地並み課税にかかる税法改正につきましては、昭和四十六年以来議論がずっとなされてまいりまして、それの延長線上で物事を考えたというふうに私どもは理解をしております。そういう意味におきまして、従来からの都市近郊農業に対する物の考え方を根本的に変えてしまったのだという認識は、実は私どもとしてはしていないところでございます。もともと宅地並み課税と申しましても、一般の農用地について宅地並み課税をしようということではございませんで、まさに市街化区域内の農地について課税上の取り扱いをどうしていくかということでございます。市街化区域内農地というのは、現状農地でございますけれども、やはり市街化を近い将来にやっていくべき地域として都市計画法上線引きをしたところであるわけでございます。
 ただしかし、そういう近い将来に宅地化を図っていくという前提がありましても、現実に農業をやっている方たちに対する配慮というのは、これは当然やっていかなければならぬということで、従来からもそういう意味合いでC農地については一括して適用除外になってはおりましたけれども、今回、本当に長期にわたって営農を継続したいという意思のある人たちに対しては――いろいろ御意見はあろうと思いますけれども、私たちは真に継続したいという者に対しては、すべて営農継続が可能なような措置を講じたつもりでございます。そういう意味において、農業サイドの御意見も十分参酌をして今回の結論を出したというふうに考えております。
 したがって、最初の問題でございますけれども、農業に対する基本的な考え方の変更というものはしていないということになろうと思います。
#259
○加藤(万)委員 前回宅地並み課税の改正が行われる際にも、ここでいろいろ議論をしたわけですね。五十一年から五十六年までの間のAB農地としての税額、それと一般農地としての差額相当分、これに市町村によっては減額措置を講じたり、あるいは緑地奨励金などという中で事実上の一般農地との税額の差がない、そういう措置を講じている都道府県あるいは市町村――この場合は市町村ですね、市町村が大体八割から九割という指摘をしたわけです。この実態は、農地として税の中から、言っては悪いのですが、住宅供給用地を追い出すというのじゃなくて、農業は農業としてのものを持ち、同時に、一方サラリーマンが必要な住宅用地としてのものが住宅政策として展開をされるべきだ、農地から宅地供給用の土地を税から追い出していくのは間違いだという話をしばしばしたわけです。
 そういう意味では、いま言いましたように、今度の場合C農地まで拡大したということは、結果的には確かにおっしゃるように農業政策の転換ではないというけれども、本来AB農地まで含めて一般農地との差を差額で埋めていくというような地方団体のあり方から見れば、後で質問します徴税猶予の問題も含めて、何か全体を含めて農業政策の大きな転換がその底流にある。いわゆる農業の保護政策よりも、むしろ住宅供給のための土地供給政策が前面に出て、農業政策全体が後退をしているのではないかという気がしてならないわけであります。これは抽象論ですから、これ以上の議論はいたしませんが、私は全体としてどうしてもそういう受けとめ方をせざるを得ない、そういう気がしてならないわけであります。
 そこで、具体的なことを二、三お聞きをしたいと思うのです。
 先ほども前の人の御質問にいろいろありましたが、長期営農継続農地の免除制度及び対象農地、これは私も承知をいたしております。たとえば行政区単位で九百九十平米、農家の言葉で言いますと一反歩ですね、これを対象にして、同時にまた、農家の経営規模が一反、九百九十平米、それを対象にして、長期営農継続農地として認めるという制度ですね。
 どうでしょうか。行政区域がまたがった場合にはどうなりましょうか。
 それから、一括して答弁してほしいと思うのですが、たとえばABC――Bと調整区域はないと思いますが、Cと調整区域がまたがった場合はどうでしょうか。その場合、C農地と調整区域がまたがって一団の面積になった場合、都市が行政上違った場合。
 最後に、介在山林というのがありますね。最近では山林と農地が特に都市の場合にはくっついて、山林が本来あるべき山林という姿でなくて、雑種地として扱われている場合に、一団の面積というものをどうとらえますか。
 さらに四つ目、いま一つ聞きますが、農家の人の二月の耕作面積が九百九十平米の場合に、同じように他市にまたがる場合あるいは調整区域にまたがる場合、調整区域も含めて営農が一反、九百九十平米だという場合に、この免除規定に当てはまりますか。
#260
○関根政府委員 行政区域がまたがって一団の農地を形成をしている場合にも要件を満たすものと考えております。他の行政区域、他の市とまたがるところに、たまたま地続きの一反歩以上のものがあれば、それは長期営農継続農地としての資格があるというふうに考えて取り扱うわけでございます。ただ、大都市の場合には、行政区域というのは行政区単位で考えてまいりますので、一般の市とそこのところがちょっと違うと思います。
 それから二番目の、調整区域とまたがって一団の農地がある場合でございますが、それは通算をいたします。市街化区域の中がたとえば六百平米で調整区域の中が四百あれば、両方合わせれば千でございますから、両方合わせて九百九十以上あればよろしいということで、いわば通算をするという考え方をいたします。
 それから介在山林とつながっている場合でございますが、これはあくまでも農地がどの程度あるのかということで、長期にわたって営農を継続するというだけの営農の基盤があるのかないのか、そういう判断でございますので、相手が山林である場合には通算をするということは考えておりません。
 それから、一農家当たりどの程度の経営面積があればいいかという問題との兼ね合いで、調整区域にまたがったりあるいは他市町村とまたがったりする場合にどうかというお話でございますが、これは一農家の経営面積というのは小さいものも集めてきて全体で幾ら、九百九十平米以上あればいいわけですが、それはあくまでも一行政区域内で考えておりますし、また、市街化区域内で考えておりますので、ほかのところまで全部合わせて通算をしてやるというところまではちょっと考えていないわけでございます。
#261
○加藤(万)委員 そうしますと百八十七都市問の、たとえば私のところだったら藤沢と茅ケ崎というところに仮にまたがって一団の面積がある、これはそれぞれ百八十七都市ですからいいですが、たとえば隣の町というところと一団の面積がかかった場合、百八十七の都市には限定しませんね。これがまず第一点。
 それから二つ目、最後のお答えですが、その場合には市街化区域のみに限定するということになりましょうか、その場合でも百八十七都市以外のところも入りますか。
#262
○関根政府委員 百八十七都市に限定をいたしませんで、隣の町が通常の町でありましても、その百八十七の市の地域とその隣の町とのちょうど境目のところに一団地、九百九十平米以上の農地があれば、それは対象になります。長期営農継続農地として対象にいたします。
 それから、先ほどのお答えとの関連でもう一回御質問がございましたけれども、一定の市、百八十七の市の中の問題として一農家当たりの面積というものは考えております。したがって、どこか全然関係のないところに営農地を持っておる、それを足せば九百九十平米以上になるといっても、自分の市の中、特定の百八十七市、そのある特定の市の中に九百九十平米なければだめだということになってしまいます。
 ただ、ちょっと先ほどの答弁で訂正をしておきたいと思いますが、同一の市の中に九百九十平米以上の営農をしておればそれでよろしいのでございまして、それが市街化区域内だけに限定はされない。すなわち、市街化調整区域の中にある一定の土地を持っておって、市街化区域内と両方合わせれば、その人が特定の市の中で九百九十平米以上あればそれでよろしい、こういうことになります。いわゆる調整区域と市街化区域というものは、同一の市の中であれば通算をする、こういう考え方に立っております。
#263
○加藤(万)委員 徴税猶予について少しお聞きをしますが、五年ごとに見直しをされるわけですね。十年営農する、そういう継続可能の条件を見ながら五年ごとに見直しをして、もし五年の間に農地を転用いたしまして借家を建てる、その他については、徴税猶予をさかのぼって徴収をする、こういうことになるのですか。
#264
○関根政府委員 原則といたしましては、本来ならば宅地並み課税を受けるという土地で、営農を長期にわたって継続したい、そのために農地並み課税以上の分は課税しないでくれ、こういう制度を組むわけでございますから、いわば申請をし約束をした、その約束に反するような使い方をされた場合には、これは原則としてさかのぼって宅地並み課税分といいますか、農地並み課税を上回る部分の税額を納めていただく、こういうことになるわけでございます。原則はそうではございますが、ただ、やむを得ないと思われる一定の事由があって、その約束なり申請事項というものが守れなかったという場合には、これは課税を免除するというシステムをつくります。
 しからば、どんな事由に該当した場合に一定の事由とみなすのかということでございますが、いろいろございますけれども、いまの設例で、自分の都合で住宅をただつくったという場合にはこれには該当はいたしませんが、たとえば災害を受けたことによって農業を継続することができなくなってしまったとか、そういう場合には課税免除を受けられます。また、農住組合の事業の用に供するという、農住組合をつくりまして、そこで計画的に宅地化する部分と農地として保全する部分とを区分けをいたしますが、そういうような区分けをすることによって宅地部分に編入されてしまった、そういうことによって営農継続ができない場合とか、そういう場合には免除をされます。
 いまの住宅につきましては、所得税法上優遇を受けます優良住宅の建設という概念がございますけれども、この優良住宅を建設するために土地を譲り渡してしまった、その結果として優良な借家ができるあるいは分譲地ができる、こういう場合には課税免除を受けるということになると思います。ただ単に貸し家をつくったというだけで免除を受けることはできませんが、貸し家のうちでも特定の条件を満たすものについては、課税免除を受ける場合もあるというふうに御理解をいただきたいと思います。
#265
○加藤(万)委員 事前の聞き取り調査がよかったものですから、後の私の質問の答えまでいまいただいたわけですが、実は私は今度の税法のこの改正のこれですね、十ページに、特定市街化区域の農地の所有者が新築する一定の借家等の住宅については、軽減措置の適用期限を昭和六十年まで延期をするということがあるわけであります。それがあるとするならば、いま後段に言われたいわゆる農住組合ないしは政府のいわば優良住宅をつくるための奨励金制度、たとえば農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法、少し言葉は長いのですが、そういうものによって適用を受けた者は中途転用の場合でも、いまの税務局長の答弁からいけば適用になる、私はこういうように理解するのですが、そういうように理解してよろしゅうございましょうか。
#266
○関根政府委員 必ずしも、住宅をつくった場合すべて課税免除になるという構成はとっておりませんけれども、たとえば農地所有者賃貸住宅でありますとか住宅金融公庫の低利融資を受けた賃貸住宅を建設した場合、いわゆるあめ法の関連の賃貸住宅でございますが、こういったようなものは課税免除を受ける、こういう仕組みを現在考えております。
 なお、先ほどから申し上げております一定の事由というのは、まだ最終的な詰めば行われておりませんので、先ほどから申し上げました方針で現在詰めつつある、こういう趣旨に御理解をいただきたいと思います。
#267
○加藤(万)委員 それだけでも農家の人は、いわば土地の再利用、転用に対する負担が大変軽減をすると私は思うので、そういう方向で考えていらっしゃるということですから、ぜひそういう方向で最終的な決着をひとつしていただきたい、こう思うのです。
 それから、徴税猶予を申告する期間ですね。地方都市に参りますと、すでにこの地方税法は通るだろうということを前提に置きまして、たとえば四月の十五日まで市町村長に徴税猶予の申告をせよとか四月いっぱいには申告をせよとか、一番下の段階でもこの税法に基づいて農家に説明してくれているとか、余りいいことじゃないと思うんですね。院では、まだいま審議しているさなかですからね。この院で審議しているさなかに地方団体がもう期限を切ってやるというのは、私は余りよくないと思うのです。どうでしょうね。
 農家の人、私の家も実家は農家ですから、兄貴がよくやっておりますけれども、鉛筆をなめなめそれこそやっているんですよね。この法律を理解して徴税猶予の申請をするには、私の実家の状況から見ても、恐らく二、三カ月はかかりますよ。とするならば、徴税猶予の申告期間をその程度は延ばすべきではないか。これは施行令をつくるわけでしょうし、各市町村に対して施行するためのいろいろ通達を流されるのでしょうが、どうでしょうか。
 いま直ちにということよりも、その後市長はそれぞれの委員会に諮って、何かという制度が今度は起きるわけですね。問題は、今年度、年内に徴税可能な条件をつくればいいわけでしょう。とするならば、農家に対する説得ないしはそういう説明、そしてそれに基づく猶予の申請、この期間は相当長期間求められるのが至当だと思いますが、どうでしょう。御意見を聞きたいと思います。
#268
○関根政府委員 長期営農継続農地としての徴税の猶予の申請につきましては、その手続なり申請期限というものは、百八十七市の市の段階で条例なりに基づきまして自分のところで決めていくということになっております。法律上、当然に一定の期間を設定するという仕組みではございません。したがって、各市に対します私どもの指導といたしましては、先生いま御指摘をいただきましたように、農家が混乱を起こすなり、あるいは無理な期間内に申告せいというようなことで、実際問題の処理ができないような形では困りますので、その辺各市の実情に応じて、無理のないような申告期限設定をするように指導してまいりたいというふうに考えます。
#269
○加藤(万)委員 いま言った指導をぜひしてほしいと思うのです。
 ただ、原則論にやや戻りますけれども、どうも私は徴税猶予という言葉が、先ほども御質問がありましたが、執行猶予に見られてしょうがないわけです。農地に対する課税という問題は、本来農地は生産地としての、いわば日本の農業体系からいけば保護農政という中で見られるべき農地の課税ではないか。どうも全体を通して徴税猶予は、おまえ刑はもう執行するんだぞ、がしかし、たまたま百姓をやっているから、専業農家だからこの際は猶予をしておくという、そういうお上意識がこの中に流れていてしょうがないのです。
 たとえば、減免という言葉だってあるのでしょう。いままでは減免という言葉を使ってまいりましたよね。先ほど私が、農業政策の面で転換があったのではないかということは、そこを指しているわけです。ABC農地を含めて全体を、おまえのところは大体本来は税金を納めるところなんだけれども、たまたま百姓をやっているから勘弁してやるよ、執行猶予だ、そして五年ごと見直しをして、見直しの段階で農地以外に転用をしておったら、それはさかのぼって今度は取るぞ。昔の悪代官とは言いませんけれども、そういうことの中に今度の土地課税があるような気がしてならないのです。いま一度見解をお示しいただきたいと思うのです。
#270
○関根政府委員 これには実は経緯があるわけでございまして、そもそも土地の利用規制なり利用促進なりという土地政策のサイドが先に走り出したわけでございまして、都市計画区域の中を分けまして、早く開発をして宅地に持っていくところと、それから農業等を従来どおりやっていくところと区分けをして、いわゆる線引きをしたわけです。その線引きのときに、宅地化の方に線引きされたのがまさに市街化区域なんでございまして、その中の農地の問題でございますから、どうしても土地利用政策上からは変なまま子扱いみたいな形になってきているんではないかと私は思います。税法上は、決してそんな先入観があったり何かをするわけでは全くございません。
 そういう土地政策の方が先に出ているものですから、どうしても税法の方でそいつを追いかけて実情に合わせて、農業を継続したいという人たちに対しては農地並みの課税をするためにはこういう技法が必要であるということで、たまたま税法上にある概念といいますか、むずかしい言葉としての徴収猶予という言葉が出てきてしまっている。そういうことでないと法文がうまくつくれないから、こういう仕組みにしているんだというふうに私どもは実は考えているわけでございます。決して徴収猶予とかなんとか、そういう変な先入観があって物事を考えているわけではございませんので、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
#271
○加藤(万)委員 私は率直に言って、御理解をと言ってもなかなか理解ができないわけですが、それ以上の議論は対立する議論ですから申し上げません。
 この「五十七年度税制改正による事項別増減収見込額」、市街化区域農地の適正化措置によって三十四億円、これは固定資産税。それから市街化区域農地の適正化措置によって十四億円税が入ってくるという見込みですね。その固定資産税のところに、負担調整率の変更によってマイナス百九億円とあるのですね。減収だ、こう言うのです。農家にとってみれば、C農地が拡大して調整率があったにしても増税であることは間違いないのです。税のふえることは間違いないでしょう。いま申し上げましたように三十四億円、十四億円ふえているのですよ。どうして負担調整率の変更で百九億円減収になるのですか、御説明いただきたい。
#272
○関根政府委員 負担調整率の方の減収額として来年度の税収見積もり額にマイナス計上をいたしましたのは、土地につきまして今回の評価がえによりましてアップ率が非常に高くなる、そういうものに対しまして年度によって増加額をなだらかにしようとするために、従来三段階の負担調整率を設けておりました、それを四段階なり五段階に数をふやしてきめ細かくやることにいたしました。そちらの方で減収額が出てくる。これは当然減収になりますので減収額を立てているわけでございまして、これとはちょっと切り離してわれわれ物を考えております。こちらの方の宅地並み課税の拡大に伴うものはあくまでも固定資産税で三十四億円の増収、それから都市計画税で十四億円の増収、こういう見積もりを立てているわけでございます。
#273
○加藤(万)委員 一言で言えば、〇・二とか〇・八とかという調整率を除いて一を掛ければ本来は百九億円入るところが入らないのですよという説明でしょう。とすれば、五十七年度に減収として計上するのはおかしいんじゃないですか。もしそうだとするならば、社会保険診療報酬なんかも、千二百三十億にかける地方税が三百九十八億円ですか、これは減で計上しなければおかしいですよ。ここに減収ですよ、五十七年度における。五十七年度は〇・二の調整率をもってやりますよ、したがって税金はこれだけ入りますよ、ここまででいいのですよ。一に直せば百九億円減収になりますよというのはよけいなおせっかいなんです。そうでしょう、そうじゃないですか。いま一遍答弁してください。
#274
○関根政府委員 いずれにしろ固定資産税は来年度増収になるわけでございますから、全体として増収になるのであれば、何も中身で取り得べきものを取り損なったからといって減収を立てる必要はないではないか、こういう御議論はわかることはよくわかりますが、これは一つの約束事みたいなものがございまして、来年度の増減収を一覧表にいたしまして各方面に御説明申し上げる際に、いまの税制はどうなっているのだ、それをそのまま置いたらどうなるんだ、それに対して税制をいじった場合に、それによってどういう増減収が起こるのかということをはじき出してずっと寄せてくるものですから、そういうやり方をいたしておりますので、現在三段階になっている調整措置を今度五段階にふやすわけでございます。それによって、三段階に従来どおり置けば百九億の増収、百九億のほかにもっと増収になるわけでございますけれども、その分が五段階にするために落ちてきてしまうということでございますから、制度を変えたことに伴う減収というのはどうしても立てざるを得ない。そういう形でいままで私ども説明をしてきておりますので、従来の経緯の延長線上でそういう計算をさせていただいたということでございます。
#275
○加藤(万)委員 やはり皆さんおかしいと言っていますよ。そんなものは備考で述べるべきですよ。そうでしょう。三段階のところが五段階になったから、本来取るべきものがこれだけ減りましたよということは、備考欄でいいわけですよ。少なくとも五十七年度税制改正による減収見込み額ですから、この資料は。私どもこの資料を基礎にして、どのぐらいの税が入ったり出たりするのだろうかと見るのですからね。そうしてまいりますと、百九億円というのは、いわばこうこうこういう説明書きですよ。説明書きの上に立って、この計算をしてまいりませんと、最終的には地方税の総額でマイナス五十億円の減収、こうなっておるわけですね。もしも百九億円、これが別枠だといいますと、これは五十億円のプラスになっているのですよ。三角がつかないですよ。いま一遍答弁願いましょう。
#276
○関根政府委員 お話はよくわかるわけでございます。確かに税収全体としては、固定資産税総額はふえるわけでございますから、そういう意味において自然増があるわけでございます。しかし、その自然増というのは、制度改正をしないでおればさらにその上に百九億円ふえたわけでございます。それを税制の制度改正をやることによって百九億円分だけふえる額が少なくなっていることは、これもまた間違いのないことでございますので、そういう計上方法といいますか説明の仕方、また外へ発表する際の内訳として書かしていただいた、こういうことでございまして、従来からそういう形で増減収計算をやっておりますので、ぜひひとつそういう形でやらせていただきたいというふうに考える次第でございます。
#277
○加藤(万)委員 AB農地が三段階が五段階になったら、減収でいいのですよ。C農地は適用が新規ですよ。C農地に対する調整率の変更、今度五段階の本来調整をやるわけですね。ということになれば、AB農地が何段階かあって、それが修正になって五段階になったから減収になりました、これはわかりますよ、今度の税制改正がそうなっているのですから。しかし、C農地に関する限りは新しい法の適用ですからね。そうすると、これはだれが見てもこれだけ増税になりますよというのが本来であって、しかし、本来の農地課税でいくと百九億円は五十七年度に入るべきものもありますよという説明が正しいのじゃないでしょうか。
#278
○関根政府委員 まことに申しわけございません。私の方の理解が不十分だったのかもしれませんが、調整段階を三段階から五段階にしたというのは、固定資産税のすべての土地についてでございまして、C農地についての問題ではございません。今回の評価がえに伴いまして、評価額が急に上がった。それをなだらかに各年度均等に配分していく、そのためにきめ細かくやった、そのことに伴うものでございまして、C農地がそれに該当して起こってくる例というのは、農地でございますからほんのわずかあると思いますけれども、百九億のそれこそ何百分の一というようなウエートのものでしかない。一般の住宅地なり農地なり、そういうものの全体の評価が之に伴って今回負担調整率を変えたことに伴う減収額だ、こういうことでございますので、御理解をいただきたいと思います。
#279
○加藤(万)委員 いずれにしてもこの税収見込みの増減、何か減というと減税という感じを受けるわけです。ですから、そういう意味ではいま少し丁寧に、私ども素人が見てもわかるような増減見込み額あるいはこういう資料を提出するようにお願いをしておきたいと思うのです。これ以上やりますとこれだけで時間をとってしまいますから……。
 次に、土地保有税についてお聞きをしたいと思うのです。
 土地保有税の新しい市街化区域における三百、五百の税額は、一体どのくらいになるのですか。
#280
○関根政府委員 今度新しくできます小規模の土地所有に対しまして課税をいたします特別土地保有税につきましては、土地を取得いたしましてから二年以内に住宅を建てなかった場合に課税をしてくる、こういうシステムの税でございますので、実際の課税が発生をいたしますのは三年後になるわけでございます。そういうようなことで、五十七年度の税収に直接関係はございませんので、現在の時点で推計をいたしておりません。いずれその課税年度が近づいてから、事態の推移を見きわめた上で推計をしたいと考えております。
#281
○加藤(万)委員 対象面積はわかりますか。――わかりませんか。国土庁の人に聞きますが、いま調整区域で法人が所有している面積はどのくらいあるものでしょうか。調整区域全体の中で法人が所有している面積がどのくらい、そしてその中で法人が持っているもので開発計画があるというように推定されるものはどのくらいあるでしょう。
#282
○木内説明員 お答え申し上げます。
 国土庁が調査している対象は資本金一億円以上の企業でございますので、若干先生の御質問の全体をカバーできないかと思いますけれども、それによりまして五十五年三月末現在の企業の販売用土地がどのくらいあるかという調査をしてございます。これは全国で約九万六千ヘクタールございます。その中で、市街化調整区域にどのくらいの面積があるかと申しますと、全国で約二万五千ヘクタール市街化調整区域の中に土地を持っております。この市街化調整区域に保有している土地の開発計画と申しますか細かい開発計画は、私ども調査がちょっと十分ではございませんけれども、現在その開発に着手しているかいないかという区別で申しますと、現在まで工事、開発に着手しているものが四千ヘクタール、約二万五千ヘクタールの中の一六%。それから、まだ工事等に全然着手していないものが二万一千ヘクタールで、これが二万五千ヘクタールの八四%と大多数になってございます。
#283
○加藤(万)委員 大臣、いまちょっとお聞きになったように、従来土地保有税というのは、いわば四十四年のとき大企業が調整区域を含めて土地の買い占めをやって、やがて市街化区域になるであろう、ないしは市街化区域も買い占めを行って土地の投機を呼び起こす、これに対する一種のペナルティー的な要素を持って保有税がつくられたわけですね。今度の場合に、三百、五百という面積に限定をした、そこから土地保有税を取る、これは従来の法人に対するペナルティーという発想、ないしはそういうもののために土地保有税をつくったというその法の趣旨からずいぶん違った方向になった。いわば個人の――三百といいますと約百坪でしょうか、百坪の土地も二年後には家を建てなければ保有税をかけますよ、いわば法の体系が法人に対する課税から個人の保有地に対する課税という方向に大きく変わったと私は思うのですが、いかがでしょうか。
#284
○関根政府委員 特別土地保有税につきましては、今回小規模な土地につきましての特別土地保有税を新しくつくることにいたしたわけでございます。それを加えますと、従来分と二つの種類の特別土地保有税ができるというふうに御理解をいただきたいと思います。したがって、従来から、いま先生御指摘のペナルティーというところまで私ども考えてはいないわけでございますけれども、まあそういった性格の従来ありました特別土地保有税は、そのままの形で残るわけでございます。しかし、これは、大都市については二千平米以上、その他の市町村については五千平米以上というような非常に大きな土地だけを対象にいたしておりますから、その下の部分がほとんど野放しになっているわけでございます。
 土地住宅税制をこの際国税、地方税を通じて改正をいたしまして、宅地の供給を促進しようといって土地がせっかく出てまいりましても、また買い占められてしまいまして住宅等が建たないということでは何をやっているのかわからないということになりますので、せっかく出てきた土地を有効に活用していただき、その上に住宅を建てていただきますために、買い取ってなおかつそれを利用しない、住宅等を建てないという場合には、二年以上放置しておりますと特別土地保有税を課税しますよ、こういうシステムをつくったわけでございます。決して、従来の法人対象の特別土地保有税をやめてしまって、比較的小さいものに乗りかえていった、こういうものではないわけでございます。
 また、特に今回の新しくつくります小規模な土地に対する特別土地保有税も、必ずしも私どもは個人の零細土地というものを考えていないわけでございまして、大都市で三百平米といいますとある程度相当大きな面積になります。個人のサラリーマン等では、とても大都市の中、東京都の中へ百坪の住宅をつくるということは、まず実際問題としてはむずかしい。これは民営住宅ということになれば、三十坪としても三軒できるわけでございますから、ある程度の業者なりあるいはマンションなり、そういうものに供するための土地というものが出てくる。それが遊んでいるのに対しては課税をして有効利用を促進しよう、こういう税でございますので、必ずしも個人をねらい撃ち的に、中心的に考えているというものではございません。
#285
○加藤(万)委員 五十六年度の小倉税調会長が答申を行いまして、土地保有に関する税は大体見終わった、新たな税の創設は必要ない、裏返して言えばですよ、そういう税調答申も出ているのです。したがって私は、三百、五百というところまで引き下げて保有税をかけるのは、確かにおっしゃるとおりに、現在の土地保有税が広大な面積に対してあることは知っています。したがって、それは法人が持っている。先ほど調整区域まで含めて数字をいただきましたけれども、そういう面まで含めての一種の土地の高騰を抑え、そこから住宅供給用地を提供させるという、そういうペナルティー的要素を持ったものだ。今度の場合、三百、五百というラインを引いてそこに対して、仮に都市において百坪の土地は確かにわれわれ買えませんよ。しかし、農家が仮にそういう雑種地といいますか、そういうものを持っていた場合に当然かかるわけですね。かかるだろうと私は思うのです。いずれにしましても、個人の所有にかかわる分まで土地保有税をかけてくるというのは、従来の税法の保有税からいけばその内容、質的なものは変わったと思うのです。これが第一点。
 第二点に、いま一つ聞きますが、三百、五百という線はどこで引いたのですか。何が物理的な根拠として存在したのですか。
#286
○関根政府委員 新しくつくります小規模の土地に対する特別土地保有税は、あくまでも臨時的な措置といたしまして昭和五十七年の四月一日から三年間、すなわち昭和六十年の三月三十一日までの間に取得をした土地について課税をいたしますので、農家が昔から持っておる土地については、これが新たに課税されるということはあり得ないわけでございます。何らかの宅地開発なり住宅をつくるためという名目で土地を買い取った人、それがいつまでも有効利用していないというものに対して、二年経過した後に課税をしていこうというものでございますので、先生の御心配いただくようなものは多分あり得ないと考えております。
 また、三百、五百でございますが、この面積基準は先ほどもちょっと申し上げましたけれども、私どもはせっかく土地税制をこの際改めまして、できるだけ長期安定的な土地税制としようということをもくろんで取りかかってやります税制でございますから、せっかく出てくる宅地については、それがどんな小さな宅地でありましても有効利用をされるように、何らか税制で後押しをしたいものと考えました。それを徹底いたしますと、たとえ十坪でも二十坪でも、小さな土地でも有効利用可能なものについてはすべて課税すべきだ、こういう議論が出てくると思います。
 ところが、一方において、先ほど実は先生御心配いただいたことではないかと思いますけれども、余りにも零細な個人の給与所得者程度がぎりぎりやっとの思いで買ったような土地にまで二年間ですぐに課税をされるということは、かえって実情にそぐわないのではないだろうかという問題もございます。
 それからもう一つは、これは私どもの方の都合でございますけれども、徴税技術上も余り小さな土地の移動まで一々追いかけていくということは、やはり行革の精神にも反するようなものにもなりかねない。できるだけ効率的に税制を執行しようという観点からも、余り小さなものは、どんなに見落としがあっても構わないというのであればわりかし手数かからずにできるのですけれども、やる以上は不公平にならないように、法律でカバーするものは全部悉皆捕捉できるような仕組みでないといけません。そうなりますと、ずいぶん手間がかかってしまうということになります。
 そういう、先ほど申し上げました土地の利用を大いに促進しようというサイドからの要請と、一方で余り無理な税制をしたくない、しかも徴税技術上はできるだけ能率的な徴税ができるようにしようという二つの要請を調和を図ろうといたしますと、大体大都市においては三百、そのほかの都市においては五百という程度のものが出てくるということでございます。何が何でも絶対三百でなければならないという計算上の算式があって出てきたというものではないわけでございます。
#287
○加藤(万)委員 それは困るね。大体都市では三百で市街化では五百という――僕は、税をかける以上は当然税に対する理論的なとまでは言わぬでも、税を徴収するのですから、こういう要件が備わっているからこれに対しては税をかけます、こういうことであって、都市では大体百坪くらい持っている者から税を取ってもいいのではないか、市街化地域では五百平米以上でいいのではないかというのでは、税の対象のものとしては余りにも根拠が薄弱だ、こう思うのですよ。いま一度御答弁いただきましょう。何か根拠があって課税の対象面積が決まったということにならなければ、われわれはここで審議しておっても合理性を納得できません。いかがでしょう。
#288
○関根政府委員 私どもといたしましては、先ほど申し上げましたような基本的な考え方でやったわけでございますが、それまでに至ります過程におきましては、各地方団体からの御意見も十分お聞きをし、実際の課税当局の意見もあわせて聞いているわけでございます。
 考え方の基本といたしまして、通常の個人が個人用の住宅をつくる場合に、それが課税対象になるというものを排除し、なおかつその範囲内においてできるだけ狭い土地まで有効利用を促進するための課税をしていこう、そういう要請を踏まえまして均衡のあるところに設定をした、その結果として三百、五百が出てきたということでございます。
#289
○加藤(万)委員 納得できませんね。問題は、本当は住宅政策でしょう。これによって税の問題よりも、百坪ないしは五百平米、その中の空閑地を拠出をさせて、二年以後は税がかかりますからそこに早く住宅を建てるようにという意味での住宅政策でしょう。そういう御説明がなければ納得できないですよ。対象を五百にするのか四百にするのか、何ら数字的根拠なしにわれわれはここで審議するわけですから、オーケーを与えるかノーと言うかは別にしまして。
 本来住宅政策として、全体のいまの日本の住宅供給条件から見て、都市においては三百以上、市街地区域においては五百以上空地を提供してもらって、全部とは言いませんけれども日本の住宅全体を満足させる、そういう政策から生まれてきているのであるから、数字的根拠はきわめて希薄ですけれどもこういう数字になりました、こう素直に説明された方がいいと思うのです。私は、税をかける以上は、その税をかける対象物に対して、税をかけるべき根拠が数字的にも、また実態的にも明示をされるということがなければ、いろいろな地方税がありますけれども、今後のここでの審議はなかなか応じかねる、こう思うので、この点は私どもの真意をきちっと申し伝えておきたいというふうに思うのです。
#290
○関根政府委員 先生おっしゃいましたように、まさに今回のこの改正は宅地の供給を促進していこうということをねらいとした住宅政策として考えたわけでございます。そういう意味におきまして、せっかく出てきた土地、それが遊ばされておるのはもったいないことでございますから、それの有効利用もあわせて図っていこう、こういう趣旨で、住宅政策の一環といたしまして税法上もこれを補完をしていく、そういう立場上出てきた税制改正でございます。
#291
○加藤(万)委員 私は、そういうように初めから説明された方が委員会としては話がしやすいと思うのです。私は、わざわざ調整区域の面積その他も聞きましたけれども、そういう本来住宅政策として新しく都市ないしは市街化における保有税をつくったのですよ、これは税法上のいままでのペナルティー的な考え方の土地保有税とは違うのですよということが、ずっとやっていけば結論になってくるのですよ。そういうように初めから御答弁されませんと、委員の皆さん方も御審議がしにくいのではないでしょうか。私の意見だけを述べておきたいと思うのです。
 最後に、社会保険診療報酬についてお聞きをしておきます。
 これは五十四年度に国の税法が改正になりまして、わが党はこの社会保険診療報酬に対する地方税もそれぞれ法律を改正して与えるべきではないか、税収入財源として繰り込まれるべきではないかという主張をかねがねいたしておるわけであります。いただいた資料によりますと、もし地方税に千二百三十億を引き直してまいりますれば、三百九十何億ですね。私は、今後地方財政はきわめて厳しい条件になるわけですし、いつか質問がありましたように、公平税制を行うという面から見ても、あるいは地方税を含めて税負担が拡大をしているという面から見ましても、こういう租税特別措置、なかんずく目につく租税特別措置に関する法は地方税段階でも改正をされるか、本委員会に問題を提起をされるべきである、こういうふうに思いますが、御意見をひとつお聞かせいただきたいと思うのです。
#292
○関根政府委員 社会保険診療報酬につきましての事業税が実質上かかっていないという問題につきましては、前々から当委員会からもいろいろと御議論をいただいておるところでございます。
 私どもといたしましても、国税の方におきましては多少の改善がなされておりますが、事業税については全く手がつけられていないという状況もありますので、できるだけこれの改善につきまして今後とも努力をしていきたいと思います。こればかりではございませんで、ほかの租税特別措置、国の租税特別措置に匹敵いたします地方税上の非課税等の特別措置につきましても、絶えず見直しをいたしていく責任が私どもに負わされているわけでございますが、この社会保険診療報酬につきましても、その中の重要な一項目といたしまして、今後私どもとしても積極的に見直し、再検討を進めていきたいというふうに考えておる次第でございます。
#293
○加藤(万)委員 以上です。
#294
○中山委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#295
○中山委員長 この際、本案に対し、日本社会党を代表して松本幸男君より修正案が、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び新自由クラブ・民主連合を代表して大橋敏雄君外二名より修正案が、それぞれ提出されております。
 両修正案の提出者から順次趣旨の説明を聴取いたします。松本幸男君。
    ―――――――――――――
 地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#296
○松本(幸)委員 私は、日本社会党を代表し、ただいま議題となりました地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、その提案理由と内容の大要を御説明申し上げます。
 政府は、昭和五十七年度地方財政対策に当たって、自治、大蔵両大臣の合意により地方財政収支が八年ぶりに均衡し、さらに地方財政から国に二千四百億円貸し付けたことをとらえ、地方財政危機は解消したばかりか、きわめて裕福な状態になったとして、盛んに地方財政裕福論を宣伝しております。
 しかし、このような裕福論は、地方財政の実態を無視し、国から自治体へ、自治体から住民へという負担転嫁を容易ならしめ、ひいては国、自治体間の税財政制度の再編成を企図するものであることは明らかであります。
 申し上げるまでもなく五十七年度地方財政は、きわめて不安定な税収見込みと高い住民負担によって支えられた上げ底財政の観を免れない内容となっております。すなわち五・二%実質成長というきわめて過大な経済見通しを基礎として、一一・七%増という高い地方税収入を見込む一方、住民負担においては、約八千億円の実質増税を課しているのであります。このように構造的な不安定要因を抱えた地方税収入見込みに加え、所得税以上に重い税負担を住民に課している地方税の状況を直視すれば、地方財政裕福論がまかり通る余地は全くないばかりか、地方財政の構造的危機要因は何ら解消されていないと言うべきであります。
 しかしながら政府は、こうした地方税財政の状況を直視することなく、財政再建の意義を歪曲し、ひたすら帳じり合わせに終始し、住民負担の強化、地方財政の国への従属によって現状を糊塗しようとしております。二年続きのごまかし的住民税減税、特別土地保有税の緩和等五十七年度地方税制改正によるわずか五十億円の減税額及びその内容は、住民の期待に全く反するものであります。
 日本社会党は、国、自治体間の税財政の根本的改革こそ財政再建の大きな課題であるとの立場から、住民負担の軽減、法人課税の公正、強化を中心とする地方税源の強化を図り、もって地方自治の強化を図ることを要求してきましたが、本年度政府案について、このような立場から特に緊急と認められる事項について所要の修正を行うこととしたのであります。
 以下、順を追って修正案の概要を御説明申し上げます。
 第一は、個人住民税についてでありますが、基礎控除、配偶者控除、扶養控除をそれぞれ二十五万円に引き上げ、課税最低限を百七十六万九千円とするとともに障害者控除、老年者控除、寡夫控除、寡婦控除及び勤労学生控除の額を二十三万円に、特別障害者控除の額を二十九万円にそれぞれ引き上げ、老人の扶養控除額及び老人配偶者控除額をそれぞれ三十三万円に引き上げております。
 また障害者、未成年者、老年者、寡夫及び寡婦の非課税限度額を九十万円に引き上げるとともに、白色事業専従者控除限度額も七十万円に引き上げております。
 第二は、法人についてでありますが、企業の都市集積による社会的費用負担を強めるため、均等割の税率を五〇%引き上げることといたしております。
 第三は、事業税についてであります。
 当面、所得税を納付するに至らない者に対する個人事業税の解消を図るため、事業主控除額を二百六十万円に引き上げるとともに、中小事業者の負担軽減を図るため、白色申告者の専従者控除額を七十万円に引き上げることといたしております。
 また、社会保険診療報酬課税にかかわる特例措置については、不公平税制の最たるものの一つとしてこれを廃止することといたしております。
 第四は、電気税についてであります。
 産業用の電気税の非課税措置については、当面、製品コスト中に占める電気料金の割合が一〇%以下の品目について銑鉄等二十七品目にかかわる非課税措置を廃止することとし、紡績糸等にかかわる税率の特例措置についても廃止することといたしております。
 第五は、特別土地保有税についてであります。
 政府案は、保有期間が十年を超えたものについては課税しないことといたしておりますが、土地投機に対するペナルティーを緩和する合理的理由はいまだ見当たらないとの立場から、従前のとおり課税することといたしております。
 以上が本修正案の提案理由及びその概要でありますが、この際いわゆる農地の宅地並み課税について特に申し上げておきたいと存じます。すでにわが党は、農地はあくまでも農地課税であるとの原則に立ちつつ十年営農申請を条件とする市街化区域内農地の課税制度と同地域内における都市農業振興の具体策を提起し、目下、農林水産委員会に都市農業振興法案(仮称)を提案すべく準備をいたしております。政府案においては、ひたすら農地追い出し、民間開発業者による宅地化促進を企図し、農地課税の原則及び都市農業の今日的意義を否定しており、その手段としての宅地並み課税については、わが党は強く反対であることを明らかにしておきたいと存じます。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。(拍手)
#297
○中山委員長 次に、部谷孝之君。
    ―――――――――――――
 地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#298
○部谷委員 ただいま議題となりました地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、公明党・国民会議、民社党・国民連合並びに新自由クラブ・民主連合を代表して、提案理由及び内容の大要につきまして、御説明申し上げます。
 現在、国、地方間の税財源の適正化、住民の税負担の軽減など地方税制度の抜本的改革が望まれているところでありますが、中でも当面の重要課題は住民税の減税であります。
 しかしながら、政府の五十七年度地方税法改正案は、従来とられてきた課税最低限の引き上げを行わず、生活保護費の引き上げに伴って、五十六年度に引き続き非課税限度額を引き上げるという措置をとったにすぎません。
 五十二年度以来の所得税減税見送りとともに昨年に引き続いての住民税の減税見送りによって、国民の税負担は年々増大する一方であり、特に、低所得者にとっては、所得税より住民税の方が重くなっているのが実情であります。
 したがって、この際、住民税の大幅減税を行い、住民の税負担の軽減を図るとともに、法人住民税均等割の引き上げ、三公社の固定資産に係る納付金の特例措置の見直しを行うことが必要であると考えるものであります。
 以下、修正案の大要につきまして御説明申し上げます。
 第一は、住民税減税についてであります。
 住民税の基礎控除、配偶者控除、扶養控除をそれぞれ三万円引き上げ、課税最低限を百七十六万九千円としております。また、これに関連して障害者控除等につきましても、引き上げ措置を講ずることとしております。
 第二は、法人住民税均等割についてであります。
 道府県民税、市町村民税の法人均等割の税率を五〇%引き上げることとしております。
 第三は、三公社有資産所在市町村納付金についてであります。
 現在、二分の一となっている三公社が所有する固定資産に係る所在市町村納付金の算定標準額の特例措置を廃止することとしております。
 以上が修正案の提案理由並びにその内容の大要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げる次第であります。(拍手)
#299
○中山委員長 以上で両修正案についての趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#300
○中山委員長 これより原案及びこれに対する両修正案を一括して討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。工藤巖君。
#301
○工藤委員 私は、自由民主党を代表して、政府提案の地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の意を表するものであります。
 地方行財政の現状を見まするに、住民に直結する行政需要はますます増大し、地方団体の果たすべき役割りは一層重要性を加えております。一方、昭和五十年度以降の大幅な財源不足に対処するため発行した地方債等の償還に要する経費は年々増高しており、地方財政はきわめて厳しい環境に置かれていると言わざるを得ないのであります。
 このような厳しい状況の中にあって、地方団体が財政の健全性を確保し、自主性を高めながら期待される役割りを果たしていくためには、効率的、重点的な財政運営に徹するとともに、地方税源の充実強化を図ることが必要であります。
 以上の観点に立って政府提出の本法律案を見まするに、個人の住民税所得割の非課税限度額の引き上げ、料理飲食等消費税及びガス税の免税点の引き上げ、固定資産税の評価がえに伴う負担調整、法人の住民税及び事業税の徴収猶予割合の縮減、不動産取得税等に係る特別措置の整理合理化、特別土地保有税に対する所要の措置を講ずることを主な内容とするものでありまして、本法案は地方税源の充実に努めつつ、住民の税負担の軽減適正化を図り、また現下の経済情勢にも配慮するなど、当面の課題にも適応するものということができるのでありまして、現段階におきましては、適切妥当なものと考える次第であります。
 以上の理由により、私は政府原案に賛成するものであり、日本社会党提出の修正案並びに公明党・国民会議、民社党・国民連合及び新自由クラブ・民主連合の三党共同提出の修正案には反対の意を表するものであります。
 以上をもって、私の政府原案賛成の討論といたします。(拍手)
#302
○中山委員長 佐藤敬治君。
#303
○佐藤(敬)委員 私は、ただいま議題となりました地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案に対して、日本社会党提出の修正案に賛成する立場から、反対の討論を行うものであります。
 申し上げるまでもなく、昭和五十七年度における地方税制改正の課題は、第一に、所得税以上に過重となっている住民税の負担を制度的に緩和するため大幅減税を実施することであり、第二は、財政再建を単なる帳じり合わせに終わらせないためには、国、自治体間の税財政制度に根本的なメスを入れること、そして第三には、増税なき財政再建のもとでとかく現状維持が図られがちな不公平税制、とりわけ企業優遇税制を整理すること、この三つであります。
 しかしながら、今改正案に見る政府の態度には、こうした課題の解決に努力する姿は全く見られないばかりか、逆に住民負担の増大を図りつつ、国、地方自治体間の税財政制度、国から自治体、自治体から住民へという新たな負担転嫁を持ち込み、両制度間の秩序を一層下請関係に改変しようとしております。
 すなわち、広範な勤労国民の一兆円減税要求に対しては、住民税においてわずか十二億円のお涙減税でごまかしつつ、約八千億円に上る実質増税を住民に課しているのであります。自治、大蔵両大臣の覚書による地方財政から国への貸し付け約二千四百億円があるならば、野党がこぞって要求してきた住民税減税は十分可能であったはずであります。切実な要求である住民税減税を国の財政の帳じり合わせの犠牲にした政府と自治大臣の責任はきわめて重大と言わなければなりません。
 また、地方財政が八年ぶりに収支均衡したことで、地方財政の裕福論が叫ばれ、これが臨調や政府部内において地方財政、とりわけ地方交付税の削減論の論拠となっておりますが、果たして、地方財政が裕福になったのでありましょうか。事実は全く逆であります。過大とも言える政府の経済見通しの結果、地方税収は一一・七%と前年度に比べて大幅な増収を見込んでおりますが、五十六年度における四・一%という下方修正された政府の経済成長さえ、もはやその実現は困難となっている状態下では、五十七年度政府見通しが達成されることに大きな期待を寄せるわけにはまいりません。まして、これによって地方税収入を当初どおり見込むことは、きわめて困難と言うべきでありましょう。事実、都道府県の五十七年度当初予算案を見れば、軒並み税収見込みを抑制しているのであります。事ほどさように、地方財政の収支均衡はきわめて不安定な税収入に支えられているのであり、地方税次第では地方財政は音を立てて崩壊するのであります。
 さらに加えて、今改正案に対し、政府やマスコミは、厳しい国税に比べ地方税は減税ラッシュなどと宣伝いたしておりますけれども、これまた数字のごまかしにすぎず、個人住民税の実質増税はもとより、固定資産税等においても大幅な負担増となっております。すなわち、地方税制改正においては料飲税、ガス税を初め、固定資産税の負担調整率等において差し引き五十億円の減税が行われていると言われておりますが、固定資産税の負担調整率は、これまで評価がえの都度ルールとして当然行われてきたものであります。これをもって百九億円の減税と言うのは明らかなごまかしであり、地方税自体における税改正においても、住民負担との関係で見れば五十億円の減税どころか逆に増税であります。
 このように、住民に対しては数字のごまかしによって実質的増税を図る一方、特別土地保有税においては企業の土地投機に対するペナルティー課税を緩和するなど、不公平税制を拡大しているのであります。不況を口実にする産業用電気税の非課税措置の固定化、社会保険診療報酬課税の特例措置による医師優遇税制の温存などは、増税なき財政再建の真のねらいがいずこにあるかを明確にいたしております。
 以上、私は、今改正案に対し、反対の具体的理由を申し上げてまいりましたが、さきのわが党の修正案の提案理由の中でも申し上げましたけれども、この際いわゆる農地の宅地並み課税についても申し上げておきたいと存じます。
 農地はあくまでも農地課税であることを基本とし、都市農業の新たな振興策と一体となった課税制度を創設することをわが党は強く求めてまいりました。しかしながら、政府においては、このような視点は全く見当たらず、農業追い出し、民間開発業者によるところの宅地供給というすでに破産した土地対策に終始していることは、無責任のそしりを免れません。この意味で、都市における農業の今日的意義の再認識と具体的振興策を一方の柱とし、他方、営農を継続する意思のない農民に対して、これを自治体その他公的機関による利用に誘導する土地政策をセットとすべきであります。したがって、このような政策なき宅地並み課税については反対であることを改めて明らかにいたします。
 さらにまた、公明、民社、新自由クラブ三党の修正案に対しましても、大変りっぱなところもありますけれども、まだわが党と合致するところではございませんので、反対をいたします。(拍手)
#304
○中山委員長 大橋敏雄君。
#305
○大橋委員 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました政府提案の地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案並びに日本社会党提出の同修正案に反対し、公明党・国民会議及び民社党・国民連合及び新自由クラブ・民主連合共同提案の同修正案に賛成する討論を行うものであります。
 まず初めに、住民税についてであります。
 政府の五十七年度の税制改正案によれば、五十六年度と同様、従来よりとられてきた課税最低限の引き上げを行わず、生活保護費の引き上げに伴って、昨年に引き続き非課税限度額をわずかに引き上げるにとどまり、減税は二年連続して見送られております。国民は、住民税減税の二年見送りと所得税減税における五年見送りとともに、実質増税を強いられているのが実情であります。また、昨年来の景気の停滞を考えたとき、国民の可処分所得の増大を図り、内需の拡大による景気の底上げが不可欠の課題となっております。こうした点から考えて、住民税の課税最低限の引き上げを断行する必要がありますが、政府原案にはこの措置がとられておりません。公明党・国民会議、民社党・国民連合及び新自由クラブ・民主連合提出の修正案のように修正すべきであります。これが反対の第一の理由であります。
 次に、国、地方間の税源配分についてであります。
 今日の国、地方の財政構造は、税収では国二、地方一となっているのに対し、歳出面ではこれと全く逆転しております。自主財源の確保により地方自治体が自主的に行財政運営を図ることは、地方自治体の本旨に沿うものであります。また、最近、国民の価値観と住民要求の多様化が進んでおりますが、こうした事態に対処するためにも、自主財源の拡充は不可欠の課題であります。しかしながら、政府案ではこのような行財政改革を行おうとする姿勢がありません。これが反対理由の第二であります。
 次に、土地税制についてであります。
 土地税制の改正の大きなねらいは、言うまでもなく宅地供給であります。しかし、三大都市圏の特定市街化区域の農地の宅地並み課税について、政府案では十年間営農を継続する人に対し、五年ごとの見直しを行うこととして一般農地並み課税としております。しかし、政府案は、十年間の期限というものの実質的には五年間の営農を義務づけるだけであり、これでは宅地供給という本来の目的が達成できないと考えるものであります。これが反対の第三の理由であります。
 次に、租税特別措置等の問題についてであります。
 国の経済政策のために地方税は各種の減免措置がとられているとともに、国の租税特別措置等によって国税を減免した場合、地方税もその影響を受け、減収する仕組みになっております。しかし、このような制度は、税の公平感を欠くとともに、地方自治体の課税自主権を損ねるものであります。したがって、地方税の減免措置の見直しを行うとともに、国の租税特別措置等による地方税の減収を遮断すべきでありますが、これらの措置がとられておりません。これが反対の第四の理由であります。
 なお、日本社会党提出の修正案についてでありますが、減税案につきましては考えを同じくするものでありますが、その他の点について検討を要する点が少なくなく、この際反対を表明いたすものであります。
 以上申し述べまして、私の討論といたします。(拍手)
#306
○中山委員長 青山丘君。
#307
○青山委員 私は、民社党・国民連合を代表して、ただいま政府より提案されました地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案に反対、日本社会党提案の同法修正案に反対、公明党・国民会議、民社党・国民連合並びに新自由クラブ・民主連合提案の同法修正案に賛成の立場から討論を行うものであります。
 御承知のように、現下の日本経済は、オイルショック以来厳しい低成長が続いており、景気の低滞が税収の低迷を招き、財政危機をいよいよ深刻化させるという悪循環に陥る危険性をはらんでいるのであります。
 特に、最近は、これまでかろうじて景気を支えてきた輸出が伸び悩み、一方では内需が依然として伸び悩んでおり、今後このまま内需が低迷を続けていくというようなことになれば、それにつれてますます不況が深刻になっていくことが予想されるのであります。
 一方、すでに御承知のとおり、所得税は昭和五十二年以降、住民税は昭和五十五年以降、それぞれ課税最低限が据え置かれており、所得税では一兆七千億円、住民税では五千億円と、実に二兆二千億円が勤労者にとって実質増税となっております。このため、勤労者の手取り収入である実質可処分所得は五十六年で前年比一%減と、二年連続して減少するという異常な状況が続いているのであります。
 われわれ民社党は、このような現状にかんがみ、勤労者家計の赤字を少しでもなくし、勤労者の生活を守るとともに、当面する景気回復のおくれを打開するため、個人消費を呼び起こす必要がある。個人消費を呼び起こすために不可欠な手だてとして所得税七千億円、住民税三千億円、合わせて一兆円の減税を断行するよう政府に対して要求してまいりました。
 幸いにして所得税については、昭和五十七年度予算成立を待って、衆議院大蔵委員会において減税実施の検討を行うことで自民党と五野党との間で決着を見たのでありますが、住民税に関しては、依然として減税実施の方向性が明確になっていないのであります。
 われわれはこの際、所得税とあわせ、三千億円規模の住民税減税を行うよう強く政府に要求するものであります。その財源は、すでにわれわれが主張してまいりましたように、その大部分を公務員の高給与の是正等、行政経費の節減によって充てるべきでありましょう〇三会派の主張する住民税減税は、圧倒的多数の国民の世論を背景としたものであることを申し添えまして、討論といたします。(拍手)
#308
○中山委員長 岩佐恵美君。
#309
○岩佐委員 私は、日本共産党を代表して、政府提出の地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案に反対、社会党提出の修正案、公明党、民社党、新自連三党共同提出の二修正案に棄権の意見を述べます。
 まず、政府案について反対の理由の第一は、地方税における住民負担がますます強化される点です。
 総理府の家計調査報告によれば、勤労者世帯の家計の実収入は、第一次石油危機以来六年ぶりに実質減少となった昨年とほぼ横ばいでありましたが、可処分所得は実質で一%減となり、昨年に引き続いて実質減少となっております。これは実収入の伸び以上に税金や社会保障費などの非消費支出の伸びが大きかったことによるものですが、このような非消費支出の割合は年々増加しており、五十六年には一三・六%にもなっています。こうした勤労者世帯の実態があるからこそ減税を求める声が大きな国民世論となっているのです。
 ところが、政府はこうした国民の要求に反し、本年度もまた個人住民税の減税、課税最低限の引き上げを見送っています。減税見送りによる増税は、住民税だけでも七千六十一億円、納税義務者一人当たり一万七千五百円の負担増になります。住民税の減税見送りは、地方税収に占める個人住民税の割合をますます大きくしています。昭和四十五年度と五十五年度を比較してみると、道府県税に占める個人住民税の割合は一二%から一九%へ、市町村税でも二六%から三三%へと、いずれも大きくはね上がっており、この十年間いかに住民負担の強化が図られてきたかがわかります。
 本年度限りとされた非課税限度額方式が来年度もまたとられますが、こうした糊塗的なやり方でなく、低過ぎる課税最低限が問題なのですから、これを抜本的に引き上げることによって解決すべきであります。
 負担の強化は、住民税だけではありません。評価がえに伴う固定資産税、都市計画税の大幅な引き上げが行われます。宅地の場合、基準地の評価額の上昇の平均が前回の一・一一倍を上回る一・二四倍でありますから、全国の評価額の上昇の平均は、前回の一・一九倍を大きく上回ることは確実です。こうした評価額の上昇が、固定資産税や都市計画税の引き上げに連動する結果、負担調整されても、納税者及び関係者にとっては大きな負担となります。
 反対の理由の第二は、住民負担を強化する一方で、大企業、資産家に対する土地税制の緩和が図られているところであります。
 市街化調整区域内の土地に対する特別土地保有税に対する課税期限を十年間に限ったことや、土地等の譲渡所得の課税の特例の緩和など、税制改正に当たっての大手不動産業界の要望を実行したものであります。とりわけ特別土地保有税の緩和については、宅地供給につながらず、土地投機の抑制のためにも緩和には応じないと主張していた自治省が、業界の圧力に屈し、緩和を内容とする改正案を提出した責任は重大であります。
 第三は、農地の宅地並み課税の拡大強化がされていることです。
 都市農業は、新鮮な野菜や緑を都市住民に保障するだけではなく、農地の空間が災害対策避難場所や火災の延焼を防ぐ空間として防災上も、都市計画上も重要な役割りを果たしているのであります。こうしたことを無視して、しかも税法上問題があるみなし課税で農地の宅地並み課税を実施することは、都市農業の崩壊だけではなく、災害時における都市住民の生命の安全に大きな危惧を抱かせるものであり、撤廃すべきであります。
 第四は、大企業を中心とする優遇税制の温存であります。
 物税である法人事業税の所得課税による損金算入問題あるいは巨額の収益を上げている電力会社等に対する償却資産減税そして産業用電気非課税等々、年々負担を加重する個人住民税に比べて、これら大企業優遇税制は国民にとって全く納得のいかないものです。国民は重税、大企業には減税という不公平な税制について何ら改善が行われていないものであり、とうてい認められるものではありません。
 最後に、社会党修正案については、大筋において賛成できるものでありますが、一部に認めがたい項目もあり、また、社会党及び三党提案の両修正案とも、減税分の補てん財源が明確にされておらず、地方自治体に新たな負担を強いる結果となり、首尾一貫を欠くものであります。したがって、両修正案については棄権をします。
 以上で討論を終わります。(拍手)
#310
○中山委員長 田島衞君。
#311
○田島委員 私は、新自由クラブ・民主連合を代表いたしまして、ただいま議題となっております地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、原案及び社会党提出の修正案に反対、公明党・国民会議、民社党・国民連合、新自由クラブ・民主連合共同提案によるところの修正案に賛成の立場で討論をいたします。
 いまや国税、地方税を問わず、納税者の肩にかかる税負担の重みはその限界を超えていると言っても過言ではないと思います。住民意思の尊重や住民福祉への貢献を絶対要件とするところの地方自治の本旨と、行政サービスに見合う税その他による応分の負担を求められている住民の立場、さらには最小の経費で最大の効果を行政の上に生み出すべきことを明文をもって求められている行政の責任等を考えるとき、減税こそ住民の強い意思であり、これ以上の実質的増税は住民の福祉にも反するところであると考えます。しかも、行政の姿勢、その努力は、残念ながら人事管理、内部努力、行政効果等、いずれの面を見ても、最小の経費、最大の効果にはほど遠いと言うよりは、その片りんすら認めがたいと言ってもいいと思う現状であります。
 しかも、地方税法による固定資産の評価がえというはなはだ非民主的でしかも高率の増税措置は、徴税側みずから負担調整措置をとらざるを得ないような矛盾を露呈しているごとく、悪法と言うべきものだと考えます。地方自治の本旨を守るためには、いまや思い切った減税を断行し、減税を絶対必要条件としての行財政を考え直すべきときであると信ずるのであります。そのような勇気あり、しかも住民に対する誠意ある決断の上にこそ、本当の財政再建も行政改革も住民福祉も生まれてくると考えるからであります。
 原案の中にも住民負担を軽くしようとする措置の存在することを認めるのにやぶさかではありませんけれども、それはあくまでも見せかけ程度にすぎず、納税者をして納得させる程度のものではありません。
 以上の見地から、原案に反対、また、修正案の内容等から考えて、残念ながら社会党提出修正案にも反対、公明党・国民会議、民社党・国民連合、新自由クラブ・民主連合共同提案の修正案が成立することを心から願いながらこれに賛成をして、討論を終わります。(拍手)
#312
○中山委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#313
○中山委員長 これより採決に入ります。
 地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 まず、松本幸男君提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#314
○中山委員長 起立少数。よって、松本幸男君提出の修正案は否決されました。
 次に、大橋敏雄君外二名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#315
○中山委員長 起立少数。よって、大橋敏雄君外二名提出の修正案は否決されました。
 次に、原案について採決いたします。
 原案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#316
○中山委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 この際、お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#317
○中山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#318
○中山委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後六時三十五分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
【PR】姉妹サイト