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#1
第096回国会 地方行政委員会 第17号
昭和五十七年五月十三日(木曜日)
    午前十時七分開議
 出席委員
   委員長 中山 利生君
   理事 工藤  巖君 理事 染谷  誠君
   理事 宮下 創平君 理事 安田 貴六君
   理事 佐藤 敬治君 理事 松本 幸男君
   理事 大橋 敏雄君 理事 青山  丘君
      池田  淳君    今枝 敬雄君
      臼井日出男君    小澤  潔君
      奥田 幹生君    片岡 清一君
      鴨田利太郎君    木村 守男君
      北川 石松君    左藤  恵君
      田原  隆君    竹中 修一君
      地崎宇三郎君    中村 弘海君
      野上  徹君    五十嵐広三君
      小川 省吾君    加藤 万吉君
      細谷 治嘉君    武田 一夫君
      部谷 孝之君    岩佐 恵美君
      三谷 秀治君    阿部 昭吾君
      田島  衞君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 世耕 政隆君
 出席政府委員
        自治政務次官  谷  洋一君
        自治省行政局公
        務員部長    大嶋  孝君
 委員外の出席者
        総理府恩給局恩
        給問題審議室長 鳥山 郁男君
        臨時行政調査会
        事務局主任調査
        員       谷川 憲三君
        大蔵省主計局共
        済課長     野尻 栄典君
        労働省労働基準
        局補償課長   林  茂喜君
        自治省行政局公
        務員部福利課長 柳  克樹君
        地方行政委員会
        調査室長    岡田 純夫君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十三日
 辞任         補欠選任
  臼井日出男君     野上  徹君
  江崎 真澄君     今枝 敬雄君
  小澤  潔君     奥田 幹生君
  久野 忠治君     田原  隆君
  塩谷 一夫君     木村 守男君
  中村 弘海君     鴨田利太郎君
  田島  衞君     阿部 昭吾君
同日
 辞任         補欠選任
  今枝 敬雄君     江崎 真澄君
  奥田 幹生君     小澤  潔君
  鴨田利太郎君     中村 弘海君
  木村 守男君     塩谷 一夫君
  田原  隆君     久野 忠治君
  野上  徹君     臼井日出男君
  阿部 昭吾君     田島  衞君
    ―――――――――――――
五月七日
 地方自治体の財政改善に関する請願(渡辺貢君
 紹介)(第二八九五号)
同月十日
 身体障害者の自動車運転免許証に付される重量
 制限廃止等に関する請願(中路雅弘君紹介)(
 第三〇五九号)
同月十一日
 脊髄損傷者に対する地方行政改善に関する請願
 (中井洽君紹介)(第三二五六号)
 身体障害者の自動車運転免許証に付される重量
 制限廃止等に関する請願(中井洽君紹介)(第
 三二五七号)
同月十三日
 市街化区域内農地の宅地並み課税撤廃に関する
 請願(渡辺貢君紹介)(第三五八三号)
 留置施設法案反対に関する請願(岩佐恵美君紹
 介)(第三八一七号)
 同(三谷秀治君紹介)(第三八一八号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
五月十日
 警察留置施設の代用監獄恒久化反対等に関する
 陳情書外一件(横浜市中区日本大通九横浜弁護
 士会会長矢島惣平外一名)(第一四〇号)
 地方行財政改革の推進に関する陳情書外一件
 (四国四県議会正副議長会議代表香川県議会議
 長大西末廣外四名)(第一四一号)
 地方事務官制度の廃止に関する陳情書外六件
 (山口県議会議長吉永茂外六名)(第一四二
 号)
 市街化区域農地に対する宅地並み課税徴収猶予
 に関する陳情書(大阪市東区馬場町三の三五大
 阪府農業会議副会長山田夘三郎)(第一四三
 号)
 農地の固定資産税据え置きに関する陳情書(佐
 賀県東松浦郡呼子町議会議長川崎富男)(第一
 四四号)
 徳島県警察官の増員に関する陳情書(徳島県議
 会議長沢本義夫)(第一四五号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和四十二年度以後における地方公務員等共済
 組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一
 部を改正する法律案(内閣提出第五四号)
     ――――◇―――――
#2
○中山委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小川省吾君。
#3
○小川(省)委員 恩給局においでをいただいておりますので、まず恩給局からお尋ねをいたしてまいりたいと思っています。
 まず、地方公務員年金も恩給にならって五月一日から増額することになっております。当然四月一日から増額をすべきものを、一カ月おくらせて五月一日からといたしたようでございます。なぜ、一カ月おくらせたかということなのでございますけれども、臨調絡みであると言う者もあります。しかし、臨調とて、弱い者にしわ寄せをするなどということを認めるはずはないと思うのでございます。昨年の人事院勧告が五月実施になったわけでもありません。なぜ恩給局は、一カ月おくらせてもよいと考えたのか、恩給受給者は恵まれているとでも考えたのか、また大蔵省が、予算上の見地から一カ月おくらせるべきだというような指導があったのかどうか、お答えをいただきたいと思います。
#4
○鳥山説明員 お答え申し上げます。
 恩給のベースアップは年度当初から行うべきである、行うのが妥当であるという考え方に立ちまして、昭和五十二年度以来四月実施を行ってきたところでございます。ところが、この恩給のベースアップのよりどころとなっております公務員給与の改善におきまして、昨年は実質的にかなりの抑制措置が現職者にも講ぜられておるわけでございます。さらに、先ほど先生御指摘のとおり臨調の答申におきまして、五十七年度においては恩給費の増加を極力抑制すべきであるという旨の御指摘もいただいております。このような状況を踏まえまして、例年にない厳しい財政事情を考えましたときに、まことにやむを得ない措置といたしまして、恩給の実施時期を厚生年金、国民年金あるいは各種共済年金と横並びで、一カ月おくらさざるを得なかったということでございます。
 先ほど先生、大蔵省からの働きかけというようなことを御指摘がございましたが、これは政府案として御審議をいただいておるわけでございまして、政府の予算決定までの間におきましては、それは要求官庁と査定官庁との間でいろいろな折衝を行い、議論もあるわけでございますが、国会で御審議をいただきます政府原案の段階におきましては、政府の全体の意思として御提案をいたしておるところでございますので、御了承をいただきたいと存じます。
#5
○小川(省)委員 そこで、いままことにやむを得ざる措置であったというような御答弁でありますが、現時点で五月一日、一カ月おくれというのを妥当だというふうに思っておられるのかどうか、重ねてお伺いをいたします。
#6
○鳥山説明員 先ほども申し上げましたとおり、恩給のベースアップはやはり年度当初から実施するのが妥当であるという考え方のもとに、五十二年以来四月実施で行ってきたわけでございまして、決して一月おくらすことが妥当であるとは考えておりません。先ほど申し上げたようなやむを得ざる事情があったということでございます。
#7
○小川(省)委員 次に、大蔵省にお伺いをいたしたいと思います。
 共済課長さんですか、国家公務員年金や公企体年金も五月一日増額となっておるようでございます。年金会計が一カ月おくれをしなければならない状態になっていたのか。恩給が五月一日実施でも、国公年金、公企体年金を五月一日実施にする必要はなかったと思いますが、四月一日実施になぜできなかったのか、お伺いをしたいと思います。
#8
○野尻説明員 お答え申し上げます。
 確かに、現在の共済組合の年金財政の面からだけ見ますと、一カ月おくらすことによって生ずる、浮くと申しますか、金額は微々たるものでございますので、財政面からの措置と必ずしも言えないわけでございます。ただ、国家公務員の共済の場合には、昭和三十四年以前にすでに退職されている旧令、旧法適用の年金受給者、この方々の年金はすべて恩給制度との横並びということで、現在までずっと措置されてきているというのが一つでございます。また、新法の年金受給者の中にもかなりの部分、全体の年金額からすると六割程度のものが、まだ過去の恩給期間の部分でございます。したがって、その恩給期間の部分はやはり恩給横並びにせざるを得ないと考えております。
 残りました四割部分、新法部分でございますが、この部分がいま先生の言われた独自の判断で考えられなかったのかということではないかと思いますけれども、旧令、旧法共済年金受給者あるいは新法受給者の中の恩給期間部分、これが恩給とのバランスということで措置される以上、新法部分につきましても同じような観点から措置するのがやはり妥当ではないかと考えた次第でございます。したがいまして、各年金制度のスライド時期がそれぞれ一カ月おくれたということと合わせて、共済の新法期間につきましても一カ月おくらせる措置をとった次第でございます。
#9
○小川(省)委員 そこで、参議院に送られて、参議院できのうあたり議決になったようでありますが、その時点においても五月一日実施にしたことは妥当であるというふうに思っているのかどうか、それともやはり弱い層にしわ寄せをしたわけでありますから、遺憾に思っているのかどうか、その点をちょっとお伺いしたいと思います。
#10
○野尻説明員 共済年金の場合も、やはり恩給との関係あるいは厚生年金等の他の公的年金との関係、こういう各制度との横並びの問題というものを無視するわけにいかないわけでございまして、各制度がそういう措置をおとりになった以上、私どもの方も同じように措置することはやむを得なかったものと考えております。
#11
○小川(省)委員 各制度と横並びでやむを得ないということなのでありますが、特に恩給受給者や年金受給者というのは弱い層なのでありますから、社会的弱者にしわ寄せをするなどということのないように、しかもそういう状態であれば、年金だけでも年度当初から実施をするということに鋭意踏み切っていただかなければ、こういうふうな悪い習慣は是正できないわけでありますから、ぜひ配慮いただきたいというふうに思っています。
 次に、恩給局に伺いたいと思うのでありますが、給料の額が一定額以上の者に支給をされる恩給は、昭和五十八年三月まで引き上げ額の三分の一の支給を停止することになっておるようでございます。なぜ、こんなみみっちい改正を実施するのか、理解に苦しむところなのでございますが、この規定をつくるに当たってはどんな議論があり、どんな論議を経てこのような規定が盛り込まれてきたのか、詳細に御説明を承りたいと思います。
#12
○鳥山説明員 お答え申し上げます。
 ただいま先生御指摘の問題は、仮定俸給六十六号俸以上の人々の普通恩給につきまして、五十八年一二月まで増額分の三分の一をとめるという措置に関する問題でございますが、このような措置を考えました背景といたしましては、ベースアップにおきましてその下敷きといたしております現職公務員の給与改善、これにつきまして、御承知のとおり、昨年は管理職相当以上の俸給改善が一年間完全に見送られたという事情がございました。したがいまして、退職されたわれわれの先輩の方々につきましても、こういう行財政事情を背景とした措置でございますので、ひとつ御理解をいただいて御協力をいただくのが適当ではなかろうか、こういう考え方が基本にあったわけでございます。
 ただ、その場合に、どういうところでその線引きをするのかということが第一の問題としてございました。さらに第二の問題としまして、どういう内容の抑制を講ずべきかという問題があったわけでございます。
 その第一の問題につきましては、現職公務員の管理職相当以上というのを退職公務員についてどういうふうに区分していくべきかということでございますが、やはり退職公務員につきましては、もういまやその基礎俸給というもので考えざるを得ない、退職当時の官職等で区分するわけにはどうしてもいかないということで、現職公務員の三等級の二十号俸、これは最高でございますが、それを上回るところで線を引こうということにいたしたわけでございます。これが六十六号俸でございまして、この三等級の二十号俸と申しますのは二等級に引き直しますとほぼ十三号、一等級に引き直しますと五号俸に相当するような、かなり高いところでございます。また、軍人の階級に引き直しますと、六十六号俸と申しますのは少将の仮定俸給でございます。いわば将官クラスの方々の恩給、これだけを対象にいたしたわけでございます。
 それから抑制の中身でございますが、まず、恩給の種類といたしましては、遺族には及ぼすべきでない、御本人がもらっていらっしゃる普通恩給、これに限定しよう、しかも、公務傷病なんかを併給されておられる方は除こうというような配慮をいたしておるわけでございます。さらに、冒頭に申し上げたような趣旨でございますので、退職当時は高位高官と言われた方であっても、いまの年金額自体を見ますれば大体二百万から三百万ぐらいの年金でございますので、現職者にとられたような一〇〇%の抑制というのは好ましくないということで一番実害の少ないような率、これを過去の実例の中から探してまいりまして三分の一、一年間だけ御協力をいただきたい、こういう趣旨で決めたものでございます。
#13
○小川(省)委員 説明を承ったわけでありますが、まだ若干はっきりしない面もございます。引き上げ額が二十二万八百円を限度として、仮定俸給七十七号俸以上の者について逓減調整をしたわけでございますが、二十二万八百円というのは国家公務員の行政職俸給表一等級の十五号俸であると思います。人事院勧告による引き上げ年額の一万八千円掛ける十二の二十二万八百円ということなんでございましょうが、なぜこの額が基準になるのか、なぜこの額を基準としなければならないのか。またなぜ三分の一を停止をするのか。もし停止をするならば、三分の一だってみみっちいわけでありますから、十分の一でも十分の二でもよかったのではないかというふうに思いますが、いかがですか。
 そしてまた、あなた方は恩給受給者や年金受給者をいわゆる社会的弱者というふうに見ておるのか、見ていないのか、その辺についても重ねてお伺いをいたしたいと思います。
#14
○鳥山説明員 先生御指摘の二十二万八百円と申しますのは、恩給のベースアップにおきまして公務員給与の行政職(一)の俸給表を回帰分析という手法で分析いたしました。それで、一つの率とそれから定額という数値をいつも使ってそれを恩給の仮定俸給に当てはめる、こういう方法をとっておるわけでございます。今回行(一)俸給表の給与改善というのを分析いたしましたところ、四・五%プラス一万二千八百円という数値が得られたわけでございます。これは、このような手法をとり始めました五十一年以来行っておりますことでございますが、やはりこの指標によって引き上げた額が一定額をオーバーする場合にはその額で抑えるべきではなかろうか、その額は一等級の最高号俸、いわば行(一)俸給表における最高改善額で抑えるべきではなかろうか、その分できるだけ下の方に手厚く改善を及ぼしたいという趣旨で頭打ちをいたしておるものでございます。
 先ほどの三分の一の停止と申しますのは、この基礎俸給の部分で停止するわけではございませんで、仮定俸給を使いまして算出しました普通恩給の増加額、この三分の一をとめよう、こういう考え方でございます。
 後段でおっしゃいましたとおり、年金受給者が総体的に社会的な弱者であるという点につきましては、全くそのとおりだろうと思っております。しかしながら、年金受給者の中でも比較的恵まれた方々を今回御協力をいただこうということでございますので、先ほども申しましたとおり年金額が二百万から三百万という方々の増額を若干抑える、こういう趣旨でございますので、何とぞ御了承いただきたいと存じます。
#15
○小川(省)委員 年金受給者でも比較的恵まれた層というような御発言がございました。この点については、後ほど意見があるので若干申し上げたいというふうに思っております。
 大蔵省なんですが、大蔵も恩給法に準じて年金の三分の一の停止を打ち出したわけですが、なぜこのような措置を講じなければならなかったのか、お伺いをしたいと思います。
#16
○野尻説明員 ただいま恩給局の方からお答えがございましたとおり、その三分の一の停止の根拠等につきましては、恩給の措置にならったものでございます。恩給局の方のお答えとダブるかと思いますけれども、昭和五十六年度の国家公務員の給与改定に当たりまして、管理職手当の一、二種以上の手当を受けておられた方々につきましては、五十六年度中のベアが据え置かれたということがございました。これら現職者と年金受給者とのバランスがやはりどうしても必要だという観点でございます。
 年金改定に伴う追加費用は、一部の整理資源といったようなものを除きまして、全部後代の保険料負担というものにかぶさってくるわけでございます。それは、保険料負担は現職者が行ってくる仕組みになっておりますために、現職者の方が給与の抑制をとられたという場合には、やはりそれと見合った形での抑制措置が何らかの形で受給者に対しても行われてしかるべきではないのか、そういう観点でございます。そういうことで、三分の一の支給停止をお願いしているわけでございます。
#17
○小川(省)委員 次に、自治省にお伺いをしたいと思います。恩給や国家公務員年金にならって、やはり増額を五月実施としておるわけでありますが、五月一日にしなければならなかった理由はなぜかということについて、お伺いをいたしたいと思います。
#18
○大嶋政府委員 御案内のように、地方公務員の共済年金の額の改定につきましては、従来から恩給法の取り扱いに準じて措置をしてきたところでございます。その改定の時期につきましても同様に、恩給の改定時期に合わせてきておるところでございます。
 今回、地方公務員の共済年金の年額の改定の実施時期を五月ということにいたしましたのは、恩給法等の一部改正法におきまして、恩給年額の改定時期が去年より一月繰り下げられて五月に実施されたということから、国家公務員の共済年金と同様に恩給との均衡を図ったということでございます。
 なお、五十七年度におきます厚生年金なり国民年金等のスライドの実施時期につきましても、昨年に比べますと一月繰り下げて実施されるということになっておるという事情もあるわけでございます。
#19
○小川(省)委員 年金会計の上で、四月一日実施にはたえられなかったということではないと思うのでありますが、そのとおりでございますか。
#20
○大嶋政府委員 地方公務員の年金財政の状況につきましては、国家公務員の共済組合のそれとおおむね同程度の状況にあるところでございまして、一月繰り下げたということは、先ほど申し上げましたような理由によるものであるというふうに御理解をいただきたいと思います。
#21
○小川(省)委員 恩給法があり国公年金があっても、地方公務員年金でこれと変わるような措置を講ずることはできるのか、それともできないのか、絶対にできないのかどうなのか、その点についてお伺いしたいと思います。
#22
○大嶋政府委員 年金制度全体を通じます共通的な部分につきましては、先ほど申し上げましたように、従来から恩給あるいは国家公務員共済組合との横並びということを常に考慮をしてまいっておるところでございます。地方公務員共済独自の問題につきましては、これは地方公務員共済組合としての改正措置ということはあり得ると思いますけれども、全体を通ずるものにつきまして、いま独自の方法をとるということは非常に困難なところであろう、このように考えております。
#23
○小川(省)委員 恩給局、最低保障額を引き上げたわけでありますが、大変結構なことだというふうに思っております。
 しかし、ここで一言申し上げておきたいのは、このように最低保障額を引き上げるときには、計算をして出たところの結果よりも一万円くらいふやして予算要求をしていくべきだと思うのです。十回やれば十万円は最低保障額が引き上がるわけでありますから、もし大蔵から指摘をされたら、素直に間違っていましたというふうに謝っていけばいいのじゃないかと思うのであります。最低保障額が引き上げをされても、いまだ余りに低いものでありますから、そのようなことを考えるわけでありますが、何としても引き上げていくことが肝要だというふうに思っています。そのことによって、大変低い層が救われるわけでありますから、よく承知をして、善意の過ちでもいいから、そういうことで予算要求をしていくような措置を講じていただきたいというふうに思っています。何か御意見はございますか。
#24
○鳥山説明員 恩給制度本来の制度の中には、この最低保障という考え方はなかったわけでございますが、やはり戦後いろいろベースアップを積み重ねてまいりましたが、比較的勤務年数が長いにもかかわらず、その恩給額が低額であるという方々に何らかの措置をすべきではなかろうかということで、ちょうど公務員年金でありますところの共済年金におきまして最低保障制度をとっておられましたので、同じ公務員年金という意味合いにおきまして、その共済の最低保障額というものをにらみながら、むしろ私どもの最低保障額は設定をしてきたわけでございます。
 ただ五十五年以来、その共済年金のさらに基本にございます厚生年金制度におきまして、加給年金の考え方あるいはその額の設定の仕方が非常に変わりましたために、恩給制度におきましても厚生年金方式を恩給的にアレンジした形で最低保障額の設定方法というものを創設した経緯はございますが、基本的にはやはり社会保険である各制度あるいは同じ公務員年金である共済制度、こういうところと常に横並びで私どもの最低保障額も今後改善をしていきたい、このように考えておる次第でございます。
#25
○小川(省)委員 次に、遺族年金の問題で若干お伺いをいたしたいと思います。これは自治省になるのですか、遺族年金ですから。
 私どもは折に触れて、附帯決議やあるいは質疑を通じながら遺族年金の引き上げを要求をしてきたわけでございます。俗に二分の一と言われておりますが、その後折に触れた改善で完全な二分の一よりはかなり率の上では高まってきているのだろうと思いますが、現行で遺族年金はパーセントで言えば大体どのくらいになっておるわけでございますか。
#26
○柳説明員 遺族年金の最低保障の適用者の割合でございますけれども、公務外で二九・四%でございます。
#27
○小川(省)委員 パーセントで言ってどのくらいですか。
#28
○柳説明員 失礼いたしました。二九・四%でございます。公務外の遺族年金でございます。
#29
○小川(省)委員 それは恐らく最低保障額の適用の関係だろうと思いますが、遺族年金は五〇%ではない、恐らく六十何%かになっているのだと思いますが、そのとおりですか。
#30
○柳説明員 恐れ入ります。ちょっと調べますので、時間をいただきたいと思います。
#31
○小川(省)委員 今度は恩給局になるのだと思いますが、年金の支給が一カ月おくれの五月になった本年など、恩給ですから公務扶助料になるのだろうと思いますが、まさに公務扶助料、遺族年金などの支給率の引き上げの絶好のチャンスであったと思うのであります。一カ月おくれの五月にされる際には、大蔵との間にかなり折衝があったのだと思いますが、そういう遺族年金の引き上げの要求も可能だったと思うのであります。何か奪われるときにこそ、遺族年金をふやしていく絶好のチャンスだということを忘れてもらっては困ると思うのであります。今後は、そういうふうなことが仮にあっては困ると思うのでありますが、ある際などには、ぜひ遺族年金の引き上げを要求をしていただきたいと思うわけでありますが、恩給局いかがでございますか。
#32
○鳥山説明員 今回の実施時期の一月繰り下げ、これは先ほどお答えしたとおり、まことにやむを得ない措置として行ったわけでございます。ただ、そういう機会だから遺族年金の改善、こういう御指摘でございますが、遺族年金の改善というのは、これは別途必要に応じてその改善に努力はしてまいりたいと思っております。
#33
○小川(省)委員 いや、私が言うのは、そういうように一カ月奪われたわけでしょう。大蔵から奪われたわけなんですから、そういうときにこそ、では遺族年金を少し上げてもらいたいというような要求を強くやっていくのが当然だろうと思うのですが、そんなことはやらなかった、全然話にも上らなかったわけですか。
#34
○鳥山説明員 その実施時期の問題とは別の問題といたしまして、五十七年度におきましても、先ほどちょっと先生から御指摘がございました戦没者の御遺族に対する処遇改善であるとか、あるいは傷痍軍人に対する処遇改善であるとかという点につきましては、特段の配慮をいたしたつもりでございます。
#35
○小川(省)委員 やはり何かを奪われる際には、何かで取り返すというような気分でおらないと予算の折衝というのは困ると思うのでありますが、そういう点を篤と御承知おきをいただきたいと思うのであります。
 次に、自治省に伺いたいと思うのですが、給料の最高限度額の引き上げが今回四十二万から四十四万になったようでありまして、結構なことだと思うのでございます。四十四万というのは、一等級の最高号給だというふうに思います。これは指定職の給料ではないと思うのでありますが、最高限度額を引き上げたことは結構なのだけれども、いわゆる年金の上では指定職のことは何ら考慮に入れられてはいないのか。一顧だに値しないということで、指定職のことは全然考えていないで、一等級の最高号給で押さえてしまうということにしておるわけでございますか。
#36
○大嶋政府委員 従来から一等級の最高号俸で押さえると申しますか、計算の基礎の最高限度を設けてきたわけでございます。指定職を全く考慮してないのかというお話でございますが、そういう意味合いにおきまして、計算の基礎としてはそれ以上の給料をもらっておる指定職というのは、やはり一等級の最高号俸のところで押さえられるということになるわけでございます。
#37
○小川(省)委員 あなたも指定職だと思うのでありますが、ぜひひとつ今後こういう際には、指定職もおるわけですから、指定職のことも頭の中に入れておいていただきたいというふうに思っているのです。
 それから、これまた自治省でございますが、審議会委員の選出について改正をしていくようでございます。これも私どもが要求しておったことでございますから大変結構なんでございますが、「組合員を代表する者のうちから」と改められたようであります。「組合員を代表する者」ということであれば、必ずしも組合員であると否とを問われないことだというふうに思っておりますが、そういう理解でよろしいわけですか。
#38
○大嶋政府委員 御指摘のように審議会の委員のうち、組合員のうちから任命する委員に関する今回の改正でございますが、組合員の利益を代表する者であるというふうに認められます場合には、いまお話しのように組合員でありましょうとあるいは組合員以外の者でありましても、その人を審議会の委員として任命することができるということにしようとしておるわけでございます。
#39
○小川(省)委員 大変結構なことだというふうに思っております。
 それから、地方議会議員の互助年金を増額改正するようで大変結構なことだと思っております。私の知っている地方議会議員の先輩でも、大変低額な年金をもらっておる者もおります。ぜひひとつ、今後は年金法の改正の時点では、議員年金もこれに伴って引き上げられるような措置を講じてほしいと思ってお願いをいたしておきたいと思いますが、何か御答弁ございますか。
#40
○大嶋政府委員 地方議会の議員であった方々の年金につきまして、四十九年度以降毎年度年金額の改定を行ってきておるわけでございます。今回も、改定の対象者の範囲を五十五年五月三十一日以前の退職者にまで拡大をいたしますとともに、改定の年金額の算定の基礎となります標準報酬額の引き上げによりまして、年金額を増額するという措置を講じておるところでございます。今後の地方議会の議員の議員共済会の年金額の改定につきましては、国会議員互助年金の措置といったようなものにつきましても参酌しながら慎重に検討してまいりたい、このように考えております。
 なお、よけいなことかもしれませんけれども、国会議員の互助年金の改定が行われないといたしましても、地方議会の議員の年金につきまして今回その額の改定を行うというふうにしておりますのは、今回の地方議会議員の年金の額の改定におきまして、原則として昭和三十七年十二月一日におきます報酬額にかかわります標準報酬月額に三・七を乗じて得た額を、改定年金額の算定の基礎となる仮定標準報酬月額の最高限度ということにしておるわけでございます。五十六年度末現在におきます国会議員互助年金の額の算定の基礎となっております歳費月額について見ますと、最低の額の場合でもこの昭和三十七年十二月一日におきます歳費月額に約四・三を乗じていただくということになっておるということでもございまして、地方議会議員の年金の実質価値の維持を図るということが必要であるということによって判断をした次第でございます。
#41
○小川(省)委員 都道府県や指定市は別なんでありますが、一般の市や町村議会議員の歳費はかつてかなり低かったわけでございますから、そういう点で年金額の引き上げをいまの御答弁のように慎重に配慮していくということなのですが、配慮していただかぬとかなり低額の年金をもらっておる方々もおられるわけでありますから、ぜひひとつ配慮していただきたい、このことをお願いしておきたいと思います。
 次に、大蔵省にお伺いしたいと思いますが、年金の支給であります。国家公務員なり地方公務員をやめて、地方公務員の場合は少ないわけですが、公社公団等の幹部になった場合のことなんであります。
 御承知のように公社公団の幹部というのは、国の指定職よりももっと上のような給料が支給されているのが実例でございます。一昨年から年金の上では一定額以上の場合には二分の一ですか三分の一ですか、停止をするような措置をとったようでございますが、公社公団の給料はむしろ公務員より高いわけでありますから、そういう場合の措置なのでありますが、一定額以上の停止をするなんということではなくして、むしろ年金の支給を全額停止をしてしかるべきだというふうに思うわけでございます。
 地方公務員の再就職の場合には、年金の支給とそこで支給される給料で現給を保障するというようなことを一般的にはとっておるわけでありますが、公社公団に天下りをした職員の場合には、一定額の年金が支給停止を受けるだけで公社公団の高い給料をもらっておるわけでありますから、こういう一定額以上の場合の停止ということではなくして、むしろこんな臨調の折にこそ全額停止をして、公社公団等の高い給料をもらっておる者に対しては、その現職にある間は停止をしても差し支えないものだというふうに思いますが、大蔵省、いかがでございますか。
#42
○野尻説明員 お答え申し上げます。
 公社公団等に再就職された方々の中の年金受給者、この方々に対する年金の支給を停止したらいかがかという御意見は、私どもの方の審議会の中でもそういう御意見を述べられる方がおられますし、かねてからそういう御主張を伺っているところでございます。ところでこの共済年金制度と申しますのは、恩給を引き継いでいるとは言いながら現在では公的年金の一部として位置づけられておりまして、当然のことながら公的年金としての保険料負担をしているわけでございます。この保険料負担をするということによって、その保険者から脱退した後の就業がどこであろうか、あるいはその所得が幾らであるかを問わず、一定の年齢に達したことによって支払うというのが法律の仕組みの基本でございます。
 そのすべての要件を満たしているにかかわらず、公社公団に行った場合だけ年金を支払わないというような措置が果たしてできるのかということで、かなり慎重に検討したわけでございますけれども、やはり現行制度の上では、そういう措置をとることは非常に困難ではないかというふうに考えている次第でございます。つまり、再就職した方々というのは必ずしも公庫公団ではなくて、いろんな企業に再就職しているわけでございますから、そのうちの一部の公庫公団等の特殊法人の、しかもそのうちの幹部だけに限ってそういう措置をとることが果たしてできるかというと、非常に困難という結論に達せざるを得なかったわけでございまして、そのために先ほど先生からもお話ございました一般的な制度として、どこへ再就職しようと一定の給与所得を持っている者については、すべてひとしく年金の支給を遠慮していただくという制度を導入したわけでございます。
 したがいまして、いまのところ公的年金制度相互間の調整が今後どう図られていくかは別といたしまして、現行制度上において再就職先の一部の職員についてだけ年金をとめるということは非常にむずかしいのではないかというように考えております。
#43
○小川(省)委員 大変むずかしいというような御答弁でございますが、公社公団等では、公務員の指定職よりもむしろ高い給料をもらっているわけですから、その現職におる間は、大変むずかしいけれども、停止するというような措置を検討していただきたいと思います。
 それから、国会議員なんでありますが、各省の次官や局長等を勤められた国会議員もかなりいるんだろうと思います。大体何名くらいおりますか。この人たちに対する年金というのは、全然停止をされないで全額支給をされているのではないかと思いますが、そのとおりでございますか。
#44
○野尻説明員 各省庁の本省の次官あるいは局長以上の経歴を有する方で現在国会議員として御活躍されている方々は、衆参両院合わせて五十七名というふうに伺っております。これは衆議院及び参議院の庶務部のお調べで伺った数字でございます。
 先ほどの公庫公団の場合と同じことになりますけれども、共済組合を脱退してその後どういうお仕事につかれているかを問わず、一定の年齢に達したら年金が払われるものでございますということを申し上げましたけれども、この場合、国会議員として御活躍になっておられる方々についても全く同じでございます。国会議員になっているからその間の支給の停止ができるかというと、これもなかなかむずかしい問題ではないかというふうに考えている次第でございます。
#45
○小川(省)委員 公社公団というのは、共済年金でも期間通算をされているわけですね。公務員に準ずる職だというふうに思っています。国会議員にしても、一方で互助年金制度も持っているわけでありますから、現職にいる間は年金を停止するような措置をとったらいかがかと思うのであります。このような措置が大変むずかしそうであるという御答弁でありますが、ぜひひとつ検討をしていただきたい。それから、臨調で諸事万端節約を説いているときでもありますし、このような不合理について検討をされたようでありますが、実りがあるような検討をぜひお願いをしたいと思っております。現職にある間は停止をしても差し支えないのではないか、これが一般の世論だというふうに思っておりますので、重ねて検討をお願いいたしたいと思っております。
 それから、自治省に伺いたいと思います。
 今回、市町村共済では短期給付に係る財政調整事業を実施していくようでありますが、これを実施するということは昭和五十七年から特別交付税による交付は打ち切りということなんでございますか。
#46
○大嶋政府委員 地方公務員共済組合の短期給付の制度につきまして、昭和五十年ごろ一部組合におきまして収支状況がきわめて悪化をいたしました。急激に組合員の負担が非常に高くなるというようなことになりましたために、組合員の負担を余り急激に変化させたくないということから、緊急措置として特別交付税をもちます補助金の導入ということを行ったわけでございます。
 しかし、地方公共団体の財政状況あるいは健康保険組合それから国家公務員共済組合におきます組合相互間における財政調整の実施状況といったような状況を勘案いたしました場合に、地方公務員共済組合だけが地方団体から補助金を導入するということは適当ではないということでございまして、各組合間の不均衡な現状を改善するために、各組合の運営努力を損なわないという範囲で、組合間の共同連帯、それから相互扶助の精神に基づきまして、市町村共済組合連合会が事業主体となりまして、市町村共済組合を対象に財政調整が行われるというようにするわけでございます。
 この財政調整事業が具体化されました場合には、組合員の掛金はいままでの補助金があったときと同様の掛金率とされますけれども、その負担が軽減されるということになるわけでございまして、昭和五十一年度から緊急措置として実施してまいりましたいま御指摘のものは、五十七年度からなくなるというふうに御理解いただきたいと思います。
#47
○小川(省)委員 そうした場合、調整によって特交で措置をしてきたときと同じような効果が上げられていくというふうに御判断をしておるわけでございますか。
#48
○大嶋政府委員 広い財政単位の中で調整を行うわけでございますので、組合員の負担は従来と変わらないということで、従来と同じような効果を期待しておりますし、またその効果が出るものというふうに理解をいたしております。
#49
○小川(省)委員 それから、市町村共済では現在でも高額医療に係る調整を実施しておるのだというふうに思いますが、その現況はどのようになっておりますか。
#50
○大嶋政府委員 御指摘のように、市町村職員共済組合連合会におきまして、市町村職員共済組合の共同事業ということから、五十六年四月から高額医療給付費共同負担事業というものを実施しております。この事業は、共済組合の財政を圧迫するようなある一定の額を超える高額の医療給付を共済組合が行いました場合に、全共済組合があらかじめ拠出しております連合会の資金の中から、その一定額を超える部分に相当する費用の一部を、各組合の短期財源率の高低に応じまして傾斜的に交付するということによりまして、比較的財政事情の悪い組合に対しましてより厚く交付をして負担の軽減を図るということを目的とした事業でございます。
 この高額医療給付費共同負担事業の実施に必要な資金につきましては、各組合からの払込金、給与総額の千分の一・二でございますけれども、これを充てることにしております。
 この事業の効果につきまして、五十六年度の実績によりますと、各共済組合が交付を受けた交付金、これを財源率換算で見ますと、たとえば財源率が千分の七十五未満というところは交付率五〇%でございますが、平均で千分の〇・七六というのが交付されておりますし、最高の千分の九十四以上という財源率で交付率が七〇%でございますが、この組合に対しましては平均で千分の一・八六に相当するものが交付をされておるというような状況でございます。
 いま申し上げましたように、財源率の高い組合、すなわち財政状況の悪い組合ということになるわけでございますが、そういう組合ほどその効果が及んでおりまして、この制度の目的もおおむね達成できているものというふうに考えておるところでございます。
#51
○小川(省)委員 市町村共済では、また医療費の通知運動を実施しているようでございますが、この医療費の通知運動というのを実施して、乱診乱療を防ぐとか医療費の増高を防止するなどの意味でどのような効果が上がっておるのか、お伺いをいたしたいと思います。
#52
○柳説明員 医療費の通知運動の実施状況は、いま先生おっしゃいましたように、市町村の職員共済組合ではほとんどの組合で行っております。この医療費通知事業の効果、メリットを計数的に示すのは大変むずかしゅうございますが、組合員にとりまして自分のかかった医療費がどれくらいかということを知ることができるわけでございまして、健康意識を高める、それから、共済組合の短期給付事業に対する認識が高まるという面が見られます。また、医療機関に対する抑制効果もあるのではないかというようなことで、いろいろなメリットが考えられるのではないかと考えております。
 それから、恐縮でございますが、先ほどの先生の遺族年金の最低保障額の関係の質問でございますが、先生おっしゃいますのとぴったりかどうかわかりませんけれども、退職年金の最低保障額と遺族年金の最低保障額、この割合で見ますと、大体八〇%程度に遺族年金の最低保障が位置づけられております。さらに、これに御承知のとおりの寡婦加算額を遺族年金の方に加算いたしますとさらに率が上がる、こういうことでございます。
#53
○小川(省)委員 これは通知をしてないわけでありますが、恩給や年金で、退職年次の古い者ほどきわめて低額な恩給、年金を受給しておるわけであります。これは、いずれかの時点で是正をすべきだと思っておりますけれども、調整をやろうという考えはいまのところはないわけでございますか。
#54
○鳥山説明員 恩給という立場でお答えいたします。
 恩給における退職年次別格差と申しますのは、従来からいろいろ議論があったことは事実でございます。特に、二十三年の新給与実施に伴います新旧退職者間の格差是正につきましては、戦後五回にわたってその格差の解消を図ってまいりまして、現在妥当なところに来ておるのじゃないかと思います。また、長期間にわたっていろいろな原因で給与の、特に運用の改正に応じまして徐々に出てまいりました給与改善、つまり年次別格差につきましても、恩給的に処理し得るものにつきましては改善の措置を講じてきたつもりでございます。
 ただ、どうしてもいわば給与の面における職務評価の根本的な違いというものが根底にあるわけでございまして、これはやはり恩給の裁定庁として手を下すわけにはまいらない分野があるということを御理解いただきたいと存じます。
#55
○小川(省)委員 いま恩給で答えたが、年金の方は何かないのか。
#56
○柳説明員 年金の場合、共済年金の場合にも先生御指摘のとおり、古い年金につきましては確かに年金の額において相対的に低いという問題がございますが、これはただいま恩給局の方からも御説明がございましたように、むしろどちらかと申しますと給与制度の運用というようなことでございまして、共済制度の方で救うということは非常にむずかしい問題でございます。
#57
○小川(省)委員 いや、何回か調整はやられて、低いものがある程度是正をされてはきておるわけでありますが、しかし、実際に退職年次の古い者ほどきわめて低額な恩給、年金をもらっておるわけでありますから、どこかの時点でこれを是正をしていただかぬと困るわけでありますから、ぜひひとつ配慮をお願いをいたしたいと思っておるわけであります。
 さらに、恩給の一年おくれをどうするかという問題等についてもお尋ねをいたしたいと思ったわけでありますが、すでに四月実施が一カ月おくれの五月実施になっておるという状況では、一年おくれをどうするかという問題もさらに質問する元気もなくなってまいったわけでありますが、このような一カ月おくれという状態を一日も早く克服をして、四月実施という線を打ち出すようにぜひひとつ要望をいたしておきたいと思っています。社会的弱者と言われますが、恩給、年金の受給者にとっては、この一カ月おくれは非常に痛い問題として、政府が節約をし得るわずかな額とは違って、個人個人の生活がかかっておるわけでございますから、ぜひひとつその点を配慮に入れて、来年は四月実施という線をぜひ打ち出していただくように御配慮いただきたい。こういうことを強く要請をして、私の質問を終わりたいと思います。
#58
○中山委員長 松本幸男君。
#59
○松本(幸)委員 議題となっております地方公務員共済組合法の一部を改正する法律案に関連いたしまして、若干御質問を申し上げたいと存じます。
 この共済組合法のことにうきましては非常に精通しておられますベテランの小川先生の後を受けての質問で、いささか残りかすのような質問になるかと思いますけれども、まず基本的なことからお尋ねをしたいと思うわけであります。
 第一点は、わが国の公的年金制度につきましては、全般的にいろいろな問題があるわけでありますが、その中における公務員の年金制度につきましても、多くの問題を抱えているわけであります。そのために、公務員の共済年金制度のあり方を抜本的に検討するということで、たしか一昨年の六月でございますか、大蔵省に共済年金制度基本問題研究会というものが設けられたわけであります。この基本問題研究会、ここでちょうど二カ年になるわけでありますが、おおむね二カ年くらいで答申を出すということで研究が始められているというように聞いているわけであります。
 そうなりますと、間もなく答申が行われる時期になってくるわけでありますが、何かこの研究会の審議が密室の中で行われておりまして、審議の経過その他についてはほとんどわからない。こういう状況でございますけれども、間もなく答申が出されるという段階に来ておりますので、この答申の内容あるいは骨子、方向、こういったことにつきまして、現時点における状況について御説明をいただきたいと考えるわけであります。
 それから、年金の問題に関しましては、第二臨調におきましても重要な問題点として取り上げられておりまして、すでに昨年の第一次答申におきましても、「緊急に取り組むべき改革方策」の中でも提言が行われまして、一部はすでに昨年の行革一括法案の中で処理をされたものもあるわけであります。これもまた、基本的な改革の方向というのは基本答申の中で行われることになろうと思いますが、すでにこれらを検討している各部会の報告も行われつつある、こういう状況でありますので、第二臨調における共済年金の検討の状況、そして部会報告に盛られる内容、こういったことについて、これまた現時点でおわかりになっていることがありましたらお伺いしたい。
 前段は大蔵省の方にお尋ねして、後段につきましては第二臨調おいでになっておりますか、おいでになっておりましたらお答えいただきたいと考えます。
#60
○野尻説明員 お答え申し上げます。
 ただいま先生のお尋ねの共済年金制度基本問題研究会は、御指摘のとおり、一昨年の六月から共済年金が抱えている現在の諸問題をすべて洗いざらい、学識経験者等の御意見を伺いながら検討していただきたいということで発足したわけでございます。一昨年の六月に発足するに当たりまして、私どもの方は、おおむね二年をめどにして御意見の取りまとめをいただければありがたいと申し上げておりますために、その二年の期限がやがて参るということも先生がいま御指摘されたとおりでございます。私どもといたしましては、当初の予定どおり、できれば六月ぐらいにはその御意見の取りまとめをいただきたいということで、先生方にはお願いしているわけでございます。
 この研究会を発足させました理由と申しますか趣旨は、共済年金の長期的な今後のあり方がどうあるべきか、つまり給付水準あるいは支給要件といったものを抜本的に見直していく、その手がかりをつかみたいということが第一点でございます。
 それからもう一つは、ほかの公的年金、つまり厚生年金とかあるいは国民年金とかいう他の公的年金とのバランスの問題、あるいはその制度間の各種調整の問題、これをどのように今後図っていったらいいのだろうかというのが二つ目の検討課題でございます。
 それから三番目には、これはどちらかというと緊急的な対策ということになろうかと思いますが、国鉄共済が間もなく支払い不能の状態に陥るのではないかということが予想されておりますので、その国鉄共済問題を含む共済年金全体の財政問題、これをどのように立て直していくべきか。この三つが大きな検討のテーマでございます。
 一昨年の六月から現在まで二十四回の全体会議が開かれております。なお、ことしの一月からは二つの分科会を設けまして、一つは、当面の緊急対策である国鉄共済問題をどうするか、これを主要なテーマとして一つの分科会を設け、もう一つは、もっと長期的に、給付と負担に関する基本的な問題、これをどう長期的にバランスさせていくべきか。この二つの分科会を開きまして、これはそれぞれ三月までの間に六回ずつ開いております。
 現在、分科会での意見の交換が終わって、それを全体会議で、また全体で議論をしていただいているという段階でございまして、いまの状況を方向でも何か示せないかというお話でございますが、ちょうど先生方の意見の取りまとめのための議論に入っているところでございますので、いまの段階でその意見の内容を御紹介申し上げるというのは、少し私どもとしてははばかりがあると考えております。もうあと一カ月半、二カ月ぐらいの間には報告がまとめられる段階になると思いますので、それまでもうちょっとお待ちいただければありがたいと思います。
#61
○谷川説明員 臨時行政調査会におきましては、現在四つの部会で七月の基本答申に向けまして精力的な審議を進めております。
 年金問題につきましては、第一部会、第二部会、それから第四部会、それぞれで検討いたしております。
 第一部会では、重要行政施策のあり方の検討の一環としまして、社会保障政策が取り上げられております。この中で、将来を展望した年金制度のあり方について、年金財政の長期安定確保、あるいは制度間の格差の是正、あるいは年金制度の一元化といった問題を中心に検討を進めております。
 それから第二部会では、中央省庁の組織の問題などを分担しておるわけでございますが、年金行政につきましても、年金制度改革の推進にあわせて行政機構や体制の改革が必要である、こういう認識に立ちまして、年金行政機構の一元化あるいは年金業務処理体制の一元化等の問題を中心に、機構、体制のあり方について検討をいたしております。
 それから第四部会におきましては、三公社、特殊法人等の合理化問題を分担しておりますが、国鉄の経営形態の見直しを含めた改革案の検討の一環といたしまして、国鉄の年金問題について検討いたしております。
 各部会とも、関係省庁あるいは学識経験者などからのヒヤリングそれから意見交換を行いますとともに、自由討議を重ねてまいりまして、現在最終的な詰めの段階に来ているわけでございます。以上が、現在までの臨調における年金問題の検討状況でございます。
 申し上げましたように、最終的な詰めの段階、議論が煮詰まってきているところでございますので、現段階で答申が、どのような方向でどういう具体的な案が出るのかということについては、申し上げるのはこの段階では差し控えさせていただきたいと思います。
#62
○松本(幸)委員 前段の基本問題研究会のことにつきまして、自治省の方では、地方公務員共済についてどういう意見を持っているか。当然意見の聴取等も行われていると思うのですけれども、それらのことについてはどういう考え方を持って臨まれているか、その点をお尋ねをしたいと思います。
 それから、年金の問題については大蔵省に重ねてお尋ねするわけでありますが、これは財政問題が大きな問題であるということは承知しておりますが、それと同時に、いわゆる公的年金相互間の不均衡、こういった問題も、これもまた大きな問題だと思うわけです。そういった観点からいたしますと、基本的な流れとしては、まずは共済、あるいはさらに厚生年金、国民年金というぐあいに、全般的に統合一元化をするというのが基本的な方向あるいは流れではないか、こう考えるわけです。先ほど、あと二カ月ぐらいたてば答申が行われるので、審議の内容についてはいまここでは御説明できないというお話でございましたけれども、統合とかあるいは一元化とか、そういう方向が検討されているのかどうか、そのことだけひとつお尋ねをしたいと思います。
#63
○大嶋政府委員 この基本問題研究会に対して、自治省はどういう意見を言っておるのかということでございますが、自治省といたしましては、直接この研究会に対して意見を言う立場にはございません。ただ、公務員の共済年金の将来のよりよきあるべき姿というものを十分中で検討していただければいいんじゃないか、このように考えておるところでございます。
#64
○野尻説明員 この研究会は、先ほど申し上げましたような基本的な、年金制度にとってはかなり根幹に触れる問題をすべて洗いざらい検討していただいているわけでございますが、いまおっしゃられましたような公的年金全体の再編成、統合一元化等も含めて検討している状況でございます。
#65
○松本(幸)委員 若干、具体的に申し上げますと、大別して公務員共済の場合に、国家公務員、地方公務員、それから三公社、団体等の職員といったぐあいに大きく分けられると思うのですけれども、三公社のうちで国鉄が成熟度に達して、非常に財政が困難で、かねてからパンク寸前だということがしばしば言われてきているわけです。そのところにだけ焦点を当てて国鉄だけで考えたのでは、やはり抜本的な問題の処理にはなっていかないのじゃないかと思うわけで、少なくとも同じような公社というものとの統合、続いては国家公務員とかあるいは地方公務員、さらに厚生年金、国民年金といったぐあいに、段階的に統合の方向を目指していかざるを得ないと思うのです。
 当面さしあたってのことは、同じ形態である公社についてまずは第一段階としての統合というような方向がとられなければ、国鉄だけを抜き出して財政問題を論議しても、それ自体では大変な給付制限をするか、もしくは大変に財源率を高くするか、簡単に言って以上だと思うのですけれども、それだけではなかなか解決をしていかないと思うのですが、その辺はどのように考えておられるのですか。
#66
○野尻説明員 確かに先生おっしゃられましたとおりでございまして、単に国鉄共済をどうこうするというだけでは基本的な解決には何もならないというふうに認識しております。国鉄共済組合の場合は、現職の組合員の数が非常に減ってきて、しかもそれに比例して年金受給者の方が急激にふくらんできて、いわば成熟化がほかの保険集団に比べると比較にならないほど高い状況になっている。そういうことから、国鉄の財政危機が現実にあらわれてきているわけでございますけれども、共済年金各保険者を長期的に見てみますと、それぞれ昭和七十五年から八十年にかけてはいまの国鉄と同じような状況に全部なってしまうのではないか、こういう推定がされているわけでございます。
 したがいまして、当面の国鉄共済組合に対する対応の問題と長期的に年金制度を公的年金として安定化させていく問題とは、つなぎ合わせた議論をしていかないと本当の対策にはならない、そういう観点から、研究会におきましてもいろいろ御議論いただいているところでございます。
#67
○松本(幸)委員 基本問題研究会の答申にいたしましても、間もなく二カ月程度たてば出されるということでありますし、同じ時期には、第二臨調の方の基本答申等も行われるということのようでありますから、これらの答申が出た時点で改めてまた論議をするといたしまして、次の質問に移りたいと思います。
 第二点といたしまして、地方公務員共済のことでありますけれども、一口に地方公務員共済といいましても十六の単位組合に分かれている、十六の単位組合がある、こういうことであります。この十六の単位組合における五十六年度−五十六年度はまだ決算が行われていないかもしれませんけれども、それぞれの単位組合における単年度の収支の状況、これは長期と短期とに分けられると思いますけれども、それらの状況がどのようになっておりますか、お伺いをしたいと思います。
#68
○柳説明員 まず長期経理の方でございますが、地方職員共済組合の場合に約一千億の黒字ということになっております。それから公立学校が三千八百億、それから警察の場合が七百六十億ほど、それから東京都職員共済組合が五百六十億、それから指定都市職員共済組合、これは個々のをちょっと手元に持っておりませんが、全体といたしまして約七百億、それから市町村職員共済組合の連合会、これが二千七百億、それから都市職員共済組合の連合会、これが約五百億でございまして、先生おっしゃいました十六単位全部合わせますと約一兆円の黒字といいますか、収入が支出を上回っておるということでございます。
 それから、次は短期経理でございますけれども、これは九十一の共済組合のうち健康保険組合で医療保険を行っております以外の組合は全部個々の単位でやっておりますので、全体の数字でお許しいただきたいのでございますが、五十五年度決算における収支の状況は、収入が五千七百八十九億円、支出が五千百二十八億円で、当期の利益金が二百六十一億円ということになっております。
#69
○松本(幸)委員 昨年もお尋ねしたわけでありますが、五十五年度単年度の収支の状況を見ますと、長期給付においては、それぞれの組合で、もちろん加入の人員の関係もあろうと思いますから数字が異なるわけですけれども、いずれも黒字の状態にあるわけであります。これらが長期給付を受ける者が多くなって、収支がとんとん、それ以降は赤字という時点をいつごろに想定されているのですか。
#70
○柳説明員 まず短期経理の方は、医療保険については御承知のとおり毎年度その状況を見まして財源率を定めておるということでございますので、特に長期的な見通しをどうこうするというような検討はいたしておりません。
 年金関係の長期経理につきましては、ごく粗く全体の収入を見ますと、現在のまま財源率を据え置きますと、昭和六十九年ごろには単年度収支が赤字になるというふうに見込んでおります。
#71
○松本(幸)委員 次の問題に移りたいと思いますが、地方公務員共済組合、これは法第三条によりまして六つに分かれている。さらに三条第二項で都市職員共済組合を設けることもできる。こういうことになっておりますけれども、公務員共済がなぜこのようにそれぞれ六つにも区分されることになったのか、その理由についてひとつお伺いします。
#72
○大嶋政府委員 御案内のように地方公務員についての退職年金制度、それから共済制度でございますけれども、これは三十七年の十二月一日に地方公務員共済組合法が施行されまして、現在の統一的な共済組合制度に統合されたわけでございます。それ以前の間でございますけれども、これは都道府県と市町村の区分、あるいは身分や職種の相違といったようなことによりまして、大変まちまちに分かれておったわけでございます。
 たとえば年金制度について見ますと、都道府県の吏員あるいは公立学校の職員等に対しましては、恩給法やあるいは地方公共団体の退隠料条例が適用されておったわけでございます。ところで、都道府県の雇用人に対しましては、国家公務員共済組合法の長期給付制度が適用されていたというようなこともございます。また、町村の吏員に対しましては、旧町村職員恩給組合法が適用されておりましたが、町村の雇用人に対しましては旧市町村職員共済組合の長期給付制度が適用されておった。
 かつまた、一方、医療保険制度について見ますと、都道府県の吏員、都道府県の雇用人、それから公立学校の職員等に対しましては、国家公務員共済組合法の短期給付制度が適用され、また、町村の吏員あるいは雇用人に対しましては、旧市町村職員共済組合法の短期給付制度が適用される。こういったような形で、地方公共団体の種類あるいは職員の身分によりまして、いろんな異なる制度が適用されておったわけでございます。
 こういった異なる年金制度あるいは医療保険制度を新しい地方公務員の共済制度に統合するということにいたしましたために、新制度への円滑な移行と申しますか、あるいは円滑な運営を期するということから、従来からの沿革それから既得権といったようなものを考慮いたしまして、できるだけ既存の共済組合の組織を変更しないこととされたわけでございまして、そこから現在のような共済組合に区分をされたものであるというふうに私ども理解をいたしております。
#73
○松本(幸)委員 いま御説明のあったような前身といいましょうか、それぞれの沿革、由来に基づいてこのように区分された、こういうことでありますが、いまのお話ですと、必ずしも職能別的に区分されたようなものでもないという感じがするわけであります。しかし、具体的な法律を見ますと、教職員であるとか警察職員であるとかといったぐあいに分かれているわけなんで、何となく職能別のような感じもするわけですけれども、そういう分け方をすると、消防というのはこれまた特異なあれで、いろいろ給付の面でも五十五歳の問題等もあって特殊な職能に属するものだと思うのです。これから申し上げることとはいささか矛盾するのですが、これはなぜ警察職員のように別建てにならないのか、理由をひとつお聞かせいただきたいと思います。
#74
○大嶋政府委員 消防につきましては、もともと職能別な制度というのがなかったわけでございまして、全体の中に入っておったということだと私どもは考えております。
#75
○松本(幸)委員 改めてつくれということを申し上げるわけではありませんけれども、地方公務員の場合に、御承知のとおり同じ地方公務員の一般職であっても都道府県の職員、これはいわゆる地方職員共済組合ですか、こういったことで全国一本化されている。他方市町村の職員については、それぞれ都道府県ごとに組合が設立をされて、四十七ある。こういうことになっておりまして、当然のことながら、都道府県の職員については一つの組合でありますから財源率も一本化されている。市町村職員については四十七の都道府県ごとに組合が設けられておりますから、これまた当然のことながら財源率がそれぞれ異なる。こういうような状況に、これは短期給付の場合ですけれどもなっているわけですけれども、市町村の職員の共済組合については、いただいた資料を見ましても、最高が千分の百七、これは具体的には秋田県のようですけれども、最低は千分の七十四、こういうことで財源率が非常にまちまちになっている。
 こういうことでありまして、一般論的に考えて、財源率が高いところはその組合の財政事情が困難であるというようなことから、法定給付は別といたしまして、付加給付等についてはなかなか十分なことが行われない。逆に財源率の低いところは、その組合の財政事情が比較的豊かであるというようなことで付加給付等も行われる。財源率が低いのに給付は大きいといいますか、財源率が高いところはよけい掛金も高く取られて、付加給付の関係ですけれども、給付は悪い。そういうことになると思いますので、市町村職員の共済組合を、現在都道府県ごとに設けられているものを一元化することができないのかどうかということなんでありますけれども、なぜ統合できないのか。今回、一部改正によって何か財政調整事業というのが行われまして、連合会がこの事業を実施する、財源率の大変高いところについては財政調整をやっていく、こういうようなことが行われるようでありますけれども、これはある意味ではそのことの不合理を認めるから、こういうふうな財源調整事業というものが行われることになったと思うのです。
 したがって、これを抜本的に解決するには、こういった財源調整事業というようなことではなくて、都道府県のそれのように一本化してしまえば一遍に問題は解決する、こういうことにもなると思うわけでありますけれども、公務員共済の中では市町村職員の組合が人員も非常に多い、膨大な人員であるというようなことで、運営等に支障があるということで統合ができないのか、管理運営が非常にむずかしくなるということが理由なのか。簡単に考えまして、大きくなった方が合理化と言うと語弊があるかもしれませんけれども、いわゆる経費効率等ももっとよくなっていくのではないか、こういう感じがするわけですけれども、なぜ統合ができないのか、統合した場合の利害得失といったようなものはどういうものが考えられるのか、それらのことについてお伺いしたいと思います。
#76
○大嶋政府委員 まず、付加給付の方からお答えを申し上げたいと思います。
 付加給付といいますのは、本来任意の給付として設けられておる制度でございまして、それぞれの組合がその財政上の事情を考慮しながら実施するということにされておるわけでございます。したがって、それは組合員の負担との見合いでその範囲なり内容が決定されるということから、共済組合の財政上の理由によりまして家族療養費付加金といったようなものに差が出るということは、ある程度やむを得ない問題でございます。
 医療保険財政の適正な単位がどの程度であるかということにつきましては、これはいろいろと考え方もあろうと思いますけれども、現在各市町村職員共済組合におきまして、それぞれ地域の実情に応じて経営努力を払っておるところでございます。また、医療給付の適正化に努力をしておるわけでございます。これを直ちに一元化することはいろいろな問題がありまして、各組合の間あるいは各組合員のコンセンサスを得るということはなかなか困難な状況でございます。現在の組合それぞれの事情もあるわけでございます。
 そこで現在の現行制度におきましては、特定の地域に生じます自然災害といったようなものに係る給付につきましては、その危険を分散するために連合会に災害給付経理を設けまして、全国四十七の市町村職員共済組合を一つの組合であるのと同様に機能できるように制度化しておるわけでございます。さらに、最近におきます医療費高額化の状況にかんがみまして、昭和五十六年四月から連合会で高額医療給付費共同負担事業というものを自主的に実施をしておるところでもございます。さらにまた、組合の規模も小さいし、組合員の負担の格差も大きいといったような市町村職員共済組合につきましては、短期給付の財政調整を緊急に行う必要があるということから、先ほどお話ございましたように、当分の間、連合会におきまして組合間の財政調整が行えるような所要の法律改正案をこの国会に提案をしておりまして、いま御審議をいただいておるところでございます。
 この制度が実施されました場合には、すでにいま申し上げましたように行っております災害給付積立金制度あるいは高額医療費給付費共同負担事業というものと相まちまして、実質的には相当の財政調整が行われるということになりまして、各組合間の格差の解消が図られるということになるものと考えております。基本的に申し上げますと、それはこういった共済の財政単位というものは、大きければそれだけお互いに助け合うというようなことにはなるわけでございまして、単位が大きければそれだけいいんだということも言えると思いますが、現在の各共済組合を直ちに統合一元化ということは、これは先ほど申し上げましたようにそれぞれ事情もありまして、直ちに合意を得るということはなかなか困難であろう、このように考えております。
#77
○松本(幸)委員 先ほどの論議を敷衍いたしますと、基本的にはもっと大きな方向で各年金間の不均衡を是正するような方向というものまで考えられているという中で、同じ市町村職員共済という最もやりやすいものがいまのような御説明で、それぞれの組合の事情があるからとても統合が不可能だということになりますと、いわんや公社の問題であるとか他の共済との一元化とか各年金間の不均衡是正だとかいうような方向にはとても気が遠くなるような話で、まさに百年河清を待つようなことになってしまうんじゃないか。
 だからせめて、最もやりやすい市町村職員の共済組合の一元化が、これは財政調整事業を始められるということは資料にも載っておりますように、財源率の不均衡是正というのが大きな目的にもなっているわけですから、それは不合理であると考えるから財政調整事業をやろうということだと思うので、そういう中でワンステップとしてこれは財政調整事業を始めて、先行き統合の方向へ持っていくんだというような視点がなければ、他の年金との統合であるとかそういったようなことはとうてい不可能になると思うのですけれども、現状では全くそういうふうな考え方はないのかどうかということについて、重ねてお尋ねをしたいと思います。
#78
○大嶋政府委員 地方公務員の共済グループに属しております各共済組合が、将来いまのままそれぞれ分かれておっていいのかという問題は、確かに御指摘のとおり大きな問題としてあると思っております。たとえば、地方職員共済組合あるいは市町村職員共済組合あるいは都市職員共済組合、こういったもの、あるいは公立学校、警察も広い意味においては含むわけでございますけれども、これらの将来のあるべき姿というのは真剣に考えなければならぬ、しかも緊急の問題であろうと思っております。それが直ちに統合するのか統合しないのかといった問題はありますが、全体としてうまく調整が図られるような組織なり制度なりというものを考えてみたいということで現在考えておりますし、また、それを各共済組合の方にもそれぞれ考えてもらうというようなことで現在検討中であるということで御理解をいただきたいと思います。
#79
○松本(幸)委員 何回も繰り返して申し上げるようですけれども、都道府県の職員と市町村の職員とが分かれている、市町村は四十七に分かれている。こういうようなことではなくて、地方公務員共済組合法というのが一つになっているのですから、せめて一般職は都道府県の職員であれあるいは市町村の職員であれ、これは膨大な組織になるかもしれませんけれども、まずはこれを統合して、それから次の段階へ進んでいくという姿勢というか構えというか、それがなければ年金の一元化とか統合だとかいうようなことは、ただお題目として言っているだけであってとても実現するような方向にはいかないと思うので、これらのことにつきましても当然それぞれの組合の意見、主張というものもあろうとは思いますけれども、財源率がこのようにまちまちであるということについても、都道府県職員あるいは市町村職員いずれも同じ地方公務員でありますから、それらを統合するためにも財源調整というのは一つの手段ではありますけれども、これをワンステップとしてさらにその先統合への方向というものをぜひ御検討いただきたいというように思うわけであります。
 次に移りたいと思いますが、定年制と退職年金との関係につきましてお伺いをしたいと思うわけです。
 御承知のように、国家公務員につきましてもあるいはまた地方公務員につきましても昭和六十年から定年制が実施をされる、こういうことになっているわけですけれども、昭和六十年ということですからまだ若干時間もありますので、国家公務員の場合には人事委員会の規則で細かい問題が決められる、地方公務員の場合には恐らくこの人事委員会規則を手本にして基準にして条例準則がつくられて地方団体を指導するというようなことになって、地方団体が条例をそれぞれつくっていくという方向だとは思いますが、定年制がしかれた場合、定年退職時に年金受給資格が発生をしないで定年制という強制退職手段によって退職をさせられるということになると思うのですけれども、その人たちに対して何らかの救済の措置というものは考えられないのかどうかということであります。
 現行法では、年金受給資格の発生しない二十年未満で退職した者については、いわゆる脱退一時金という制度があるわけです。これは定年制が施行される以前の現行法のもとでは二十年未満の退職というのは、自発的というか任意というかみずからの意思によって退職をされるということで、そういった意味では二十年に達しないのだから脱退一時金ということで済まされると思うのですけれども、定年制という強制退職の方法をとる以上は、これは二十年に達しない者を脱退一時金ということで済ましてしまうというのはいささか酷ではないかというような感じがするわけですけれども、それらを救済する措置というようなことについてはいま考えられているかどうか、お尋ねをしたいと思うわけです。
#80
○大嶋政府委員 定年制が実施されました場合に、地方公務員の年金制度におきまして年金受給権を有しないということになる人がどの程度あるか、これはいまのところ正確に把握することは困難でございますが、定年制によりまして退職した人が退職年金の受給資格がないという場合にありましても、そういった人の大部分は通算退職年金制度による年金の受給権を有するということにも考えられるわけでございます。一そこで、公的年金の受給権を何にも有しない人の数、これは大変限られてくるだろうとは思っております。
 そこで、定年制施行の際に、在職しております職員が定年で退職するといった場合におきまして、退職年金あるいは通算退職年金の受給資格を有しないといった場合の取り扱いにつきましては、これは国家公務員の場合と共通の問題でも。ございますが、厚生年金等の民間におきます特例措置といったものをしんしゃくいたしまして、その範囲内で過渡的な共済法上の措置によって対処しなければならぬということを考えておりまして、今後関係省庁と協議しながら検討してまいりたい、このように考えておるところでございます。
#81
○松本(幸)委員 定年制にはいわゆる勤務延長であるとか再任用であるとか、形は違いますけれども勤務が継続することもできる道が開かれているわけですが、年金の受給資格が生じないための勤務延長であるとか再任用というようなことは、少なくとも法律のたてまえからはあり得ないわけでしょう。その点はどうですか。
#82
○大嶋政府委員 勤務延長、再任用は、それぞれ必要な場合において行われるわけでございまして、ただ年金資格がないからということでそのようなことが行われることはあり得ないというふうに考えております。
#83
○松本(幸)委員 先ほどのお答えでは、何らかの措置を考えるべきだというようなお話のようですけれども、通算年金をもらえるような形になればこれは問題ないと思うのです。他の公的年金をもらえない場合に、みずから民間で言う事業主負担と本人負担分の掛金をして、それを延長させるような措置というものは考えられていないんでしょうか。まだそこの段階まで行っていないわけですか。
#84
○大嶋政府委員 先ほども申し上げましたように、国家公務員との兼ね合いというものもございますし、現在どういう形で年金資格を得ない人たちを救済するのかということにつきまして検討中でございますが、まだそこまで、具体的にどうするというところまではまいっていない段階でございます。
#85
○松本(幸)委員 単に定年による退職時に年金受給資格が生じないと取得できないといっても、それが十年のものもあるし十八年のものもあるし十九年もある、あるいは何カ月であるというようなものもいろいろ出てくると思うのです。当然そこには、ある一定の線を引かなくちゃならないものも出てくるかとも思いますけれども、いずれにしても、相当長期間にわたって勤務をしてわずかの期間で受給資格が生じないというようなものについては、何らかの救済の措置をぜひ考えていただきたいというように要望しておきたいと思います。
 それから同じように定年制に関連しまして、いま申し上げたように、勤務延長と再任用の取り扱いがあるわけですけれども、勤務延長の場合は、これは当然給与、地位といったようなものはそのまま継続しますから問題ないわけですけれども、再任用の場合にはそこで一たん退職のような形をとって再任用ということになりますと、当然給付の基準になります給与そのものも変動が生ずるというようなことになると思うのです。そういった再任用の場合は、一応勤続期間は他の年金とでも通算できるくらいですから、当然通算されると思いますけれども、支給される年金額についてはどんなぐあいになるのか、ちょっとお伺いしておきたいと思います。
#86
○大嶋政府委員 御指摘のように、勤務延長の場合は問題ないと思いますので答弁いたしませんが、再任用の場合です。
 再任用された人につきまして、一度定年によって退職をした、その後退職の翌日に再任用された場合、このときが一番問題だろうと思います。そういった場合には退職年金が、定年退職によりまして計算した額よりも少額となるという場合が生じ得るわけでございます。これを避けますために、定年退職日の翌々日以後に再任用することとした場合には、定年退職によりまして発生をいたしました退職年金について再任用期間中は支給を停止されまして、再退職後に再任用期間を含めた退職年金が支給されることになるわけでございます。
 この場合に、年金額の改定を行うことになりまして、再任用後の給料が定年退職前の給料を下回ったときの改定額は、当初の額より少なくなるというケースが生ずるわけでございまして、そのような場合には当初の年金額を保障するということと同時に、後の再任用期間中の掛金が掛け捨てにならないようにするために、その最初の額に再任用期間一年について再退職時の給料年額の百分の一・五を加算する措置が設けられておるわけでございます。したがいまして、再任用されたということによって共済年金の取り扱いにおいて不利になるということはないというふうに御理解いただいて結構だと思います。
#87
○松本(幸)委員 それから通算年金でございますが、現行は、通算年金の支給を受ける場合にはそれぞれの団体から、厚生年金であれば厚生年金の関係、共済の関係とそれぞれから支給をされることになっているようでありますけれども、これは何か一元化するようなことは考えられていないのでしょうか。本人に特別の不利益があるということではないわけですけれども、何か繁雑なような感じがいたしますので、一元化して支給をするというようなことについて考えられていないのかどうかということです。
#88
○大嶋政府委員 通算年金業務の一元的な処理の問題でございますが、これは現在総理府の内閣総理大臣官房審議室がございますが、ここを中心に公的年金制度調整連絡会議というのがございまして、その業務処理体制小委員会というところで検討中でございます。また、臨調におきましても検討がされておるというようにも聞いておるところでございます。そういった検討結果を参考にしながら、今後受給者なりあるいは被保険者の利便の向上を図る努力をしなければならぬと思っております。
    〔委員長退席、工藤委員長代理着席〕
 なお通算退職年金は、各年金保険者から個々に通算年金の受給者に対して支給をされるわけでございますけれども、年金受給者が受領口座を一つにしておきますと、ほぼ同時期に各保険者からの年金の支給が行われるということで、いまお話にもありましたように、年金受給者にとりまして格別の不便はないだろうというふうに考えておりますが、当初申し上げましたように、現在いろいろ検討中であるということでございますので、それを参考にしながらよりよい方向というものを探っていきたい、このように考えます。
#89
○松本(幸)委員 そろそろ時間が来たようでありますから、先ほど年金額引き上げ実施の時期、これが従来四月一日であったものが今回の改正で五月一日になるという問題につきましては、小川委員から質問がありまして、それに対するお答えもあったわけでありますが、恩給局のお答えについてもあるいは自治省のお答えについても、とても納得できる、理解できるというようなものではありませんので、この点についても御質問申し上げたいと思ったのですけれども、先ほど小川委員の方から御質問がありましたので省略をしたいと思います。
 一つだけ、一年おくれもかねてから大きな問題になってきたわけですが、さらにそれに加えて一カ月今年からおくらせるということについては、公務員の給与に連動している形で、物価その他の事情であるとか国民の生活水準であるとかいうようなことで、改定をしなければならない理由が幾つかありますけれども、基本的には公務員の給与の改定が基本になっていると思うのです。それが四月一日に行われるのに年金については五月というのは、とうてい納得ができないわけです。
 そのこと自体が財政上の理由ということであるならば、これはやはりそうなっては大変なんですけれども、少なくとも国家公務員の給与改定の時期とは一致させるべきだ、公務員の給与改定の時期が変動すればこれは別ですけれども、そのように考えるわけです。何か一カ月おくれというのは、何も悪いことをしないのに懲戒的に一カ月だけ減給処分を食ったようなもので、何も言わない年金受給者、何も言わないというと変ですけれども、何か懲戒的な感じがしますので、これは何としても、本年はやむを得ないかもしれませんけれども、ぜひ小川委員の意見と同じように改めていただくようにお願いをしたいと思います。
 それから、これは一つだけつけ足しの御質問なんですが、今回の改正でいわゆる運営審議会の委員が、いままでは組合員のうちから自治大臣が任命する、こういうことになっておりましたのを、「組合員を代表する者のうちから」というように改められるわけですが、組合員を代表する者の認定ですね、これはどういう方法で認定をするのか、あるいは推薦というものは、職員の組合から推薦を受けた者というようなことになるのか、具体的なやり方につきましてひとつ御説明をいただきたいと思います。
#90
○大嶋政府委員 最初の年金の改定時期につきましては、正直申し上げますと私も、できるなら四月から改定をして差し上げたいというふうに考えるわけでございますが、ただ、恩給なり他の公的な年金制度との均衡というものがございましてできない、困難であるということでございます。
 それからいま御指摘の、組合員を代表する者をどのようにして選ぶかということでございますが、それほどむずかしいことではなくて、一応それなりに代表する者という人が選ばれてくるものだと考えております。具体的には、それは推薦ということも考えられるわけでございます。
#91
○松本(幸)委員 余り釈然といたしませんけれども、任命する側が認定するのか、推薦によってその中から選ぶのか、その辺のところだけははっきりしませんと、どうもお答えにならないんじゃないかと思うのですけれども、いかがですか。
#92
○大嶋政府委員 これは御案内のように、任命する側が勝手に何それがしがいいというようなことは従来からの慣行としてございませんで、当然それらのしかるべきところから推薦をいただいて、それをうちの方で余り拒否するということはかつてございませんということで御理解いただきたいと思います。
#93
○松本(幸)委員 大分閑散としてまいりましたけれども、以上で終わります。
#94
○工藤委員長代理 次に、佐藤敬治君。
#95
○佐藤(敬)委員 短期給付についてちょっとお伺いしたいのですが、今度、昭和五十一年度以降の緊急措置として市町村が交付金を出しておったのですが、市町村の財政事情が非常に厳しくなったのでそれをやめて、市町村共済の連合会が掛金率の不均衡を調整する財政調整事業をできるようにする、こういうので改正をしておるようです。
 そこでちょっとお伺いしたいのですが、これらの事業に要する費用は、各市町村職員共済組合から連合会に預託された短期給付に係る業務上の余裕金の一部の運用収入によって充てる、こういうふうに言われておりますが、そうですか。
#96
○柳説明員 御説明申し上げます。
 法律の附則に第十四条の三を入れることにいたしておりますが、これはただいま先生御指摘のありました運用収入の場合と、あるいは現在健康保険組合連合会で行っておりますような拠出金を出すという両方の場合を一応想定いたしまして、それのいずれかを連合会の方で選択をして実施する、こういうふうなことを考えております。
#97
○佐藤(敬)委員 そうすると拠出金と余裕金の運用と、今度はどっちを使うのですか。
#98
○柳説明員 その点につきましては、現在市町村職員共済組合連合会の方でいろいろと議論をしていただいておる段階でございまして、いまのところまだどちらというふうに決まっていないわけでございます。これは預託金の運用収入の場合には一つのファンドができまして、そのファンドからの運用利益をもって毎年この事業を行うということになりますし、それから拠出金の場合には、毎年度単年度ごとの拠出金でもってこの事業を行うというようなそれぞれの特徴がございますので、その辺のところを現在検討しておる段階でございます。
#99
○佐藤(敬)委員 たとえば業務上の余裕金というのは、ファンドはいま幾らあるのですか。
#100
○柳説明員 現在各市町村職員共済組合にあります支払い準備金と不足金補てん積立金それから剰余金を合計いたしますと、約四百億ございます。上
#101
○佐藤(敬)委員 ちょっといま、僕は一つになっているかと思ったら、いろいろ内容が分かれているのですが、それをもう一遍教えてください。支払い準備金とあと何ですか。
#102
○柳説明員 市町村職員共済組合の支払い準備金が二百七十五億でございます。それから不足金補てん積立金が約九十三億、それから剰余金が五十二億という状況でございます。昭和五十五年度の状況でございます。
#103
○佐藤(敬)委員 これを皆合わせると何ぼですか。
#104
○柳説明員 どうも失礼いたしました。先ほど約四百億と申し上げましたが、四百二十億でございます。
#105
○佐藤(敬)委員 支払い準備金あるいは不足補てん積立金、こういうのは、運用するというのは、どこかへ貸してその利息でもって調整するということになりますか。
#106
○柳説明員 現在これらの金額につきましては、各共済組合でそれぞれ短期的な運用をいたしておるような状況でございます、実態といたしまして。この金額の全部を連合会へいただこうということではございませんで、このうちの必要額、まあ四分の一とか二分の一とかいうことになると思いますけれども、その金額について預託をされたそのファンドを今度は長期的に運用をすれば、恐らく七%以上の運用利益が出てくるだろう、こういうことでそのお金を事業の財源に充てよう、こういうことでございます。
#107
○佐藤(敬)委員 そうすると、いままででもファンドあるわけですね。運用しているわけですね。そうすると、今度はそれが取り上げられて、こっちの調整資金として使われるということになりますね。いままで使っておるのは、ファンドの運用収入というのはいままで何に使っているのですか。
#108
○柳説明員 各共済組合ごとに、先ほど申し上げましたように、短期的な運用をいたしております。金額は、各共済組合ごとに見ますと非常に少のうございますので、それで大体三%ないし四%程度の運用利回りになっております、実績といたしまして。それをまとめた金にいたしますれば、先ほど申し上げましたように、かなり高い利回りで回るだろう、こういうことでその事業の財源に充てられるのではないか、こういうことでございます。
#109
○佐藤(敬)委員 市町村がこの交付金をやめて、そして今度はこの運用の余裕金でもってこれを調整するというのですが、いままでの実績は、この調整は一体どのくらいの金額が必要なんですか。
#110
○柳説明員 五十六年度の補助金の額は六千四百万円でございまして、それから五十五年は若干多うございますが六億九千万、五十四年が四億三千万といったようなところでございます。
#111
○佐藤(敬)委員 五十六年度は六千四百万、六億四千万じゃなくて、六千四百万ですね。そうしますと、これは大体どのくらいの余裕金があれば間に合うことになるのか。四百二十億あって、年率七%にすると、どのくらいあれば間に合うか。
#112
○柳説明員 五十七年度は、どうも現在の見通しといたしましては、医療費が余り伸びておらないようでございますので、余り大きな額は要らないのではないかというような見通しがあるようでございます。
 ただ、先ほど申しましたように、年によって非常に多くなったり少なくなったりしているものですから、現在連合会の方で考えておりますのは、もし預託金制度で行う場合には、先ほど申しました支払い準備金の二百七十五億のべちの約四分の一程度を預託していただく必要があるのじゃないかというような考えであるようです。
#113
○佐藤(敬)委員 そうすると、私はちょっと心配しましたが、医療費がどんどんふえていきますと、もうこれで調整資金として賄い切れなくなるんじゃないかという感じをちょっと持ちましたが、これに移っても、調整資金が足りなくなって、そうして掛金がどんどん高くなるというようなことはありませんね。
#114
○柳説明員 先ほど来申し上げておりますように、この預託金方式でやるのか拠出金方式でやるのかによって――拠出金方式でやりますと、当然ながらその年の財源率は少し上がらざるを得ないわけでございますが、先生がいまおっしゃいましたような意味での、掛金率をなるべく高く上げないようにするための制度でございまして、いま連合会の方で、本当の素案でございますが考えておりますのは、千分の五十二程度の掛金のところを、以上のものについて、それを五十二以上になった場合には五十二にとどめるというようなことを考えておりますけれども、その五十二を今後幾らにするかという問題はまた別途ございますけれども、一応当面の方向としては五十二で抑えられるという見込みでございます。
#115
○佐藤(敬)委員 要するに、いまも申し上げましたけれども、非常に医療費が高騰している。ことしは何ぼも高騰しないというけれども、それでもかなりな高騰率なんですね。私の見通しでは、四、五年以内には国民総医療費が二十兆円ぐらいになるのじゃないかと思います。一番困っているのは、これは国保を見れば歴然としているのですね。もし市町村があれも出さない、そして、独力でもって調整資金を連合会が負担していくということになると、どんどん掛金が上がっていくのじゃないか、こういうことを心配したのですけれども、いま一応金額にしてみると、六億か七億ぐらいのものなので、いまの四百二十億、七%にすると、何ぼですか、五十億もあればいいのですか、非常に金額が少ないようですからまだ安心しているのですが、これのために加入者の負担金がどんどんふえないように、ひとつ十分配慮していただきたいと思います。
 それから、さっきから問題になっております一カ月おくれの問題についてお伺いしますが、いままで一年おくれていますね。この一年おくれているのはどういう理由ですか。
#116
○柳説明員 年金の改定は、先生御存じのとおり、従来はかなりおくれておりましたものが、昭和五十一年でございますか、まあ完全に四月実施ということになってまいったわけでございます。これをさらに一年間繰り上げるということになりますと、非常に多額のお金が要るということもございますし、それから、先ほど来御議論がございましたように、共済年金は恩給あるいは厚生年金との横並びの問題もございます。そういうようなもろもろの情勢から現在のスライド方式をとっているというふうに考えております。
#117
○佐藤(敬)委員 そういうふうなことを聞いているのじゃないのですよ。今度はこれからまた一カ月おくれるのだけれども、その前に一年おくれているでしょう。そのおくれている理由は何だと聞いているのです。
#118
○柳説明員 ただいま申し上げましたように、従来からの年金改定の経緯がございまして、それで現在の制度になっておるわけでございます。これをさらに前へ持ってくるということになりますと、先ほど来申し上げましたように、他の年金との均衡の問題もございますし、それから一つは、非常に大きなお金が必要であるというようなことでございます。
#119
○佐藤(敬)委員 私は、それを一年繰り上げろと言っているのじゃないのですよ。一年おくれているのはどういう理由だと聞いているので、それを繰り上げろと言っているのじゃないのですよ。もう一回、どういう理由ですか。
#120
○大嶋政府委員 これは先生御案内のように、先ほどからまた言っておりますように、地方公務員の共済年金の改定といいますのが、根っこは恩給の改正措置に準じて措置をしてきているわけでございます。そこで、一年おくれというのが出てくるわけでございまして、同じように国家公務員共済も同様の措置をとってきておるということで、それとの均衡ということもありますし、根っこが恩給法の改正の措置に準じてやってきておるというところに一番大きな問題がある、このように考えております。
#121
○佐藤(敬)委員 いまお話がありましたように、大体制度的なものあるいは賃金スライド、そういうようなのでなかなか進まないので、手続上みたいな形でもって一年おくれているのですが、今度の一カ月おくれているというのはどういう理由ですか、おくらすというのは。
#122
○大嶋政府委員 これも同様に、恩給の改善措置が従来四月からでありましたものが五月から実施されるということになったわけでございまして、地方公務員の共済年金額の改定につきましても、従来から恩給の改善措置に準じて措置をしてきておるということから、他の公的年金制度との均衡も考慮して五月から改定をするということにしたわけでございます。
#123
○佐藤(敬)委員 そうすると、地方共済が、市町村共済が準拠した他の年金は何でおくれたのですか。あなたは、市町村共済はほかのものと均衡をとるためにおくれたと言っているでしょう。たとえば国家公務員の共済でもいいですよ、そっちの方はどうして一カ月おくらしたかということです。
#124
○大嶋政府委員 国家公務員共済組合あるいは地方公務員共済組合の年金の額の改定が一月おくれたというのは、これは恩給の改定措置が従来よりも一月おくれたということによるものだ、このように思っておりますが、恩給がどのような理由によって一月おくれたかということは、私どもつまびらかには承知をいたしておりません。
#125
○佐藤(敬)委員 大変あなたはおとぼけ屋だね。つまびらかに承知していないなんて、あなた、隣の人が死ねばあなたも死ぬの。そんなばかなことはないですよ。優秀な自治官僚が何のために一月おくらせなければいけないかという理由を何にも知らぬなんという答弁は絶対に納得できない。もう一遍答えてください。
#126
○大嶋政府委員 恩給が、従来四月から改善されておりましたのが五月から改善されたということの理由は、いろんな理由があると思いますが、一つは、現職の国家公務員の給与改定についてもある程度の抑制がされた、それから財政上の理由もあったかと思いますし、また臨調等の抑制といったようなことも影響されたか、このように考えております。
#127
○佐藤(敬)委員 ちゃんとあなた知っているじゃないですか、詳しく。それを知らぬと言うのはおかしいじゃないですか。もう少し正直に答えてくれぬと……。
 さっきから大蔵省の方が来られたり総理府の方が来られたりして、あの議論を聞いていますと、一番の大きな原因は、財政が苦しいから何とかしてくれ、こういう理由が最大の理由なようです。さっきも言っていましたが、もらっている人でも、三百万から四百万だか、何かそういうもらっている人でも比較的高い方の人にはがまんしてもらうんだという、いわば財政上の理由が一番大きな問題だと思うのです。
 そこで、政務次官にお伺いしたいのですが、財政上非常に苦しいということは、いままで臨調を受けたこの前の行政改革の国会でも、大体五十七年、八年、九年という三年間が財政再建期間とされておるのですが、この財政が再建された後は、一カ月のおくれというものは回復するのですか。
#128
○谷政府委員 先ほど来申し上げておりますとおりに、共済年金は恩給法に準拠してやるというふうなたてまえになっておりまして、従前の経緯は御存じのとおりでございます。今回の措置につきましては、人事院勧告の四月実施を完全にやっていないとか財政的に苦しいとかいろいろと理由があったわけでございますけれども、いま御指摘の三年間の財政再建措置が明けたときにはどうするかということでございますが、これはわれわれといたしましては、三年間の財政再建の措置が明けた暁には、絶対にこれをもとに戻すようにしたい、こう心得えております。
#129
○佐藤(敬)委員 大変りっぱな御答弁でありますが、もう一つ進みまして、これはさっきからお話があるように、非常に弱い連中を、さっき松本委員が話されましたように、何か悪いこともしないのに罰金食らったような大変つらいあれなわけですね。それをがまんせいと言う。
 いま政務次官からお話をお聞きしますと、大体財政再建が成れば一カ月のおくれは取り戻す、こういうようなかたい決意なようですが、もう一歩進みまして、これは当然私は三年間財政再建が終わったならば、三年間を返すべきだと思いますが、そうは思いませんか。
#130
○谷政府委員 この点につきましては、そこまでの財政的な余裕が生ずるかどうかということが非常にむずかしいことだと思っておりますので、私どもといたしましては、この三年間の苦しみはともに分かち合っていただき、そして三年後はひとつ完全復帰をしたい、こう心得ております。
#131
○佐藤(敬)委員 この前の行革特別国会で政府が一括法案で出しましたね。あの法案の中のものは、たとえば厚生年金、これは金が足りない、とりあえず積立金で借りておいて、後で一般会計から利息をつけて全部返すと言うんだ。それから地域特例、かさ上げ分を六分の一カットする。これは全額地方債で見て、そして後から国が元利の二分の一を肩がわりする、さらに交付税でこれを見てやる、こういう措置をしておるのです。
 いま、財政が苦しいから何とかがまんしてくれ、しかし、財政再建になれば必ず返す、こういうふうに言っているのです。いまの一カ月延ばすというのも、これはさっきから聞いていますと、私もさっき指摘しましたように、明らかにこれは国の財政が厳しいから何とかしてくれという一つの措置なんです。そして、いま次官が言われましたように、財政再建をすれば当然おくれは取り戻す、ここまで言明されておるのです。だから私は、おくれは当然厚生年金と同じように、地域特例と同じように返すべきだと思いますが、いかがですか。
#132
○大嶋政府委員 佐藤委員の御趣旨はよくわかるのでございますが、この一カ月おくれが仮に三年あるとすれば三カ月分ということになりましょうか、これを年金受給者に返すという問題につきましては、技術的にも大変むずかしい問題がございますし、また他のいわゆる国家公務員共済組合なりあるいは恩給なりといったものがどうするかということもございます。そういうことから、地方公務員共済組合だけこの部分につきまして、じゃ将来お返しするというようなことは、とてもじゃないがいまここで申し上げることではないわけでございます。
#133
○佐藤(敬)委員 当然あたりを見なければいけないので、あなただけ絶対にこれをやると断言することができないことは私もよくわかります。しかし、趣旨がわかったというならば、その趣旨に従って努力する意思はありますか。これはもう官僚でなくて政治家だな。
#134
○谷政府委員 この問題は非常にむずかしい問題でございまして、先ほど来公務員部長が申し上げておりますように、ほかの関連もございますし、非常にむずかしいというふうに私ども理解しております。
#135
○佐藤(敬)委員 さっき私どもの方の松本委員がいみじくも指摘しました声なき者に対する非情、だからそれを抑えてしまう。ところが、県や市町村は非常に強い反発を示したので、これはみんな返してやる。たとえば国保の問題、一番大きな問題になりましたけれども、知事会が猛烈な反発を示しまして、それでとうとうその声に負けてやめてしまいました。そういうふうに強い反発がある、強い力を持った者に対しては譲歩しながら、抜き打ち的に零細な力のない、しかもあなた方に反発する力のない年金で生活しているような人に対しては、趣旨はわかったと言いながら、そんなことはできないという答弁というものは、私は非常に残念な答弁だと思いますが、どうです。
#136
○大嶋政府委員 私が、趣旨はわかりましたと言いました意味は、おっしゃっている意味がわかるということでございまして、それに従ってそうすべきであるとかということはとてもいま申し上げる段階ではないということでございます。
#137
○佐藤(敬)委員 政務次官は答弁ありませんか。これは官僚の答弁でなくて、政治家の答弁だと思うのです。
#138
○谷政府委員 先ほど来申し上げておりますように、強い圧力があったというふうな話も聞くわけでございます。なるほど、昨年の秋における知事会あるいは都道府県議長会等の反発もあり、そういう強力な圧力団体というふうないまお話であったわけでございますが、われわれ自治省といたしましては、やはり地方団体がこういう立場ではいけないという自治省としての自主的な立場でもがんばったわけでございます。われわれはその立場ではがんばりましたけれども、今回の問題につきましては全体の立場で考えてみますと、先ほど来申し上げておりますとおり、三年後三年間の取り戻しということについては非常にむずかしいというふうに心得ております。
#139
○佐藤(敬)委員 もう一遍繰り返して申しますけれども、非常に零細な庶民大衆が渇望しておったものをまた一カ月おくらす、これはやはり大変なことだと思うのです。努力するというくらいの何かがあっても私はいいと思います。これはこの問題が単独で出てきたのならば、私はそんなにしつこく言いませんよ。だけれども、厚生年金の場合でも後からみんな返してやると言っているのです。あるいはまた、地域特例でも六分の一カットする、これは全額地方債で見て、返すときは二分の一を見て、さらにそれを交付税でまた見てやるというのです。これくらい手厚い介抱をしておりながら、なぜ零細な庶民に対して何とか介抱してやるという気持ちが出てこないで、ただむずかしい、むずかしい一辺倒の答弁が出てくるのですか。そこいらどうも私は理解できない。いかがですか政務次官、もう一遍何か感想はありませんか。
#140
○谷政府委員 先ほど来申し上げておりますとおりに、昨年年末におきまして自治省も非常に強い立場で向かったわけでございますが、このいま御指摘の問題につきましては、私ども非常にむずかしいというふうに考えておりまして、これは自治省だけの判断でなく政府全体の判断ということにもなるかと思いますが、非常にむずかしいという答弁しかいまのところできないというふうに思っております。
#141
○佐藤(敬)委員 まあ、それは取るのは取って取りっ放し、後は知らぬという答弁だと思いますけれどもね。これ以上追及いたしませんけれども、やはりこういう零細な人に対しては、ここで私から指摘されるまでもなく、何かしらの措置を考えて出すべきだと思いますよ。県知事や市町村長が強い圧力を加えれば、それは何とかかんとかして措置を講じているじゃありませんか。声も出せないような小さな力のない人から奪って、そして取りっ放しというのは余りにも情けのない措置だ、こういうふうに思いますので、なお一層ひとつ努力していただきたい。政務次官の、三年後には一カ月おくれは取り返すという言明を一つのあれとして、これで質問を終わります。
#142
○工藤委員長代理 午後二時三十分に再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時三十六分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時三十二分開議
#143
○中山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。大橋敏雄君。
#144
○大橋委員 ただいま議題となっております法案審議に入るわけでございますが、私は、共済年金制度の基本あるいはその本質的な問題に触れながら、その問題点について若干質問をしたいと思います。
 御承知のとおりに、わが国の公的年金というのは、厚生年金あるいは国民年金等を柱にしまして、八種類の年金制度になっているわけでございますが、これも御承知のとおりに、給付も負担もばらばら、大変な内容になっております。特に、破産寸前とまで言われているのが国鉄共済年金であるわけでございますが、この国鉄共済に象徴されておりますように、いまの公的年金制度は、現状のままで推移していきますと、これはいずれの年金制度も近い将来には必ず行き詰まる、こういうふうに予測をされているわけでございますが、私は、特に問題の多い共済年金制度においても早急に抜本的な改革に着手しなければ、取り返しのつかない状態に陥るのではないかなと心配しているものです。
 最近、また浮上してきているのが国民基本年金構想、いわゆる二階建て年金と言われているものでございますが、この基本年金構想というのは、昭和五十一年、わが党も提唱した一つでございますけれども、最近この国民基本年金構想が次々と議題に上ってきております。
 そこでお尋ねしたいわけでございますが、共済年金制度に関して、社会保障制度審議会がその改革についてこれまで繰り返し繰り返し勧告をし、あるいは建議をしてきておりますし、また総理大臣にも意見を申し入れてきているわけでございますが、それにもかかわらず抜本的な改善には一向に手が触れられないで、小手先の改善にのみ終始してきているという事実。まず初めに、私は世耕大臣に、この地方共済年金に対する御認識とこの改革に対する御決意を伺っておきたいと思います。
#145
○大嶋政府委員 大臣からお答えいただきます前に、私からお答え申し上げたいと思います。
 御指摘のように、公的年金制度というのは大変いろいろな種類に分かれておりまして、それぞれ発生の沿革が違うということもございまして、その給付の内容あるいは掛金の問題その他相当な違いがあるところでございます。こういった公的年金の問題はいずれ抜本的に見直さなければならぬだろうということは、私どもも想像しておるわけでございまして、現在共済年金の問題につきましては、共済年金の基本問題研究会でございますとか、そういうようなところでもいろいろと御審議をいただいておるわけでございまして、そういったものを見ながらよりよい共済年金の姿というものを求めていかなければならないんではなかろうか、このように考えておるところでございます。
#146
○世耕国務大臣 お答えいたします。
 社会保障の中で大きな日本の流れというのは、医療に関する保障と、それから生活に関する年金の問題であろうと思います。いずれもこれは、国民皆保険とか皆保障とかそういう形をとっているわけでございますが、いま部長が申し上げましたように、よって立つところがみんなばらばらで異なることと、それからその沿革がみんな異なっておりますので、それをある一定の中に調整して閉じ込めるということがなかなかむずかしい、このばらばらの点があるかと思います。
 その点で非常に苦慮をしているところでございますが、このままで置いておくわけにもいきませんので、これは社会保障制度審議会、いろいろ御苦労されておられるところでございますが、こことも連絡を密にいたしまして、向こうの方の答申をこちらでもまたいろいろな形で受けとめまして、今後検討を加えながら対処してまいりたいと存じております。
#147
○大橋委員 私がお尋ねしたかったことは、いま大臣がおっしゃったように、共済年金の改善に当たっては社会保障制度審議会に一応諮問するんだ、そこの御意見を聞きながら改善に当たっていく、これはそのとおりだと思うのですが、私が非常に疑問に思うことは、もういままで十数年来その諮問をし、答申を受け、そしていま言ったように勧告をされ、あるいは建議をされ、あるいは総理大臣にまで意見が申し入れられている、にもかかわらず、実態はさっぱり根本的な改革に手を触れようとしない、小手先の改善だけなんですね。
 私は、審議会をどう考えているんだろうか、その答申に対してどのような考えで対処をなさろうとしているのか。歴代というか、これまでの共済年金に関係する各大臣のそうした姿勢というものは、まさに答申軽視である、私はそう思うのです。世耕大臣もいつまでも自治大臣をなさるわけではないでしょうけれども、いままでの共済年金関係の各大臣みたいに自分の任期中適当に過ぎればそれでいいんだという考えでいかれるのか、いや私はそうじゃない、答申に対しては断然尊重して、その立場で今後は道を開きますよという御決意なのかどうか、その辺を聞きたかったわけです。いかがでしょうか。
#148
○世耕国務大臣 社会保障制度審議会の勧告とか助言はきわめて貴重な御意見でございまして、私は余り古いことは知らないのですが、われわれの方は従来から共済年金制度の改正のときには審議会の御意見を伺った上で、その答申を十分尊重しながら国会などに改正案にかかわる法案を提出してきたところでございまして、答申に対しては大変私どもは尊重する姿勢で臨んでいるところでございます。今後とも、そうあらねばならないと思っております。
#149
○大橋委員 私は、世耕大臣のいまのお言葉、決意はりっぱだと思うのですね。しかし、認識はちょっと違う。これまでの歴代の自治大臣初め共済年金に関係する各大臣の姿勢は、必ずしもいまの大臣のような決意でもなければ考えでもない。そのことが答申の隅々に指摘がされております。これまでもう十数年来、毎年毎年改善のたびに答申が出てきているわけですから、その答申の中で厳しい指摘や勧告の内容が示されているわけでございますけれども、その指摘のポイントは那辺にあるのか、どういうものなのか、お尋ねをしてみたいと思います。
#150
○大嶋政府委員 お尋ねの社会保障制度審議会の答申等におきまして、共済年金について指摘がされておりますポイントといたしましては、共済組合の年金制度のあり方、特に恩給制度との関連に関するものであろう、このように考えております。すなわち、共済年金制度におきます年金額の改定でありますとかあるいは最低保障額の引き上げといったようなことにつきまして、恩給の取り扱いにならうということが慣例化しておるわけでございます。そこで、共済年金制度独自の考え方が明確でない、公的年金制度のあり方として適当でないと思われる点があるので、さらに十分検討することが必要であるということであるというふうに私ども承知をいたしております。
 この点につきまして地方公務員の共済年金制度は、十分御案内のとおり、社会保障としての性格を持っております公的年金制度でありますし、実質的に厚生年金保険を代行するものでもあるわけでございますが、また一方、従来の恩給あるいは退隠料制度それから旧共済制度を統合して設けられたというような経緯もございますので、恩給制度と厚生年金保険制度の内容を考慮した給付体系なり給付水準ということになっておるわけでございます。したがって、その改正につきましても、恩給制度それから厚生年金保険制度といったものとの均衡を図ることが必要であるというふうに考えておるわけでございます。
 しかし、御指摘のとおり、職域年金制度としての共済年金制度のあり方あるいは他の公的年金との整合性あるいは併給調整といったようなことについて、独自の検討をすべきことは必要であると考えております。これらの点につきまして、現在、共済年金制度基本問題研究会におきまして長期的な視点に立った検討が行われておるところでもございますので、その検討結果を参考にしながら他の公的年金制度との均衡を考慮して、今後とも慎重に検討してまいりたい、このように考えておるところでございます。
#151
○大橋委員 いまも答弁がありましたように、恩給が変わるから、恩給の額の引き上げがあるからそれにならって適当にそろえなさい、単なるこういう内容になっているわけですよ。共済年金というのは恩給とも違うのですよ。それから厚生年金とも性格は違うのですよ。共済は共済なりの趣旨に立って根本的に改革をしていきなさい、これがいままでずっと答申が出てきている中心なんです。共済は共済なりの性格を受けた改善をしていくのですよ。恩給は社会保障的な考え方を取り入れてきたこと、その恩給改正と横並びの改定というのは安易であって答申軽視だ、私はこう考えるわけですよ。
 それから、共済組合制度は単なる社会保障ではない、社会保障的年金ではない。「社会保障的要素と企業福祉的要素」、これはいままでよく言われております共済年金というのは、社会保障的要素というのは言うならば厚生年金並みのものですよということです。それにプラスアルファしていくのが共済年金の性格なんだ。また抜本改正に当たっては、本審議会が提言している「皆年金下の新年金体系」の提言に、阻害要因とならないように注意していきなさいよ、こう言っておるのですよ。また、そのためには共済組合全体を通ずる責任ある組織を設けていきなさい、このように指摘されてきたそのポイントをごく簡単に挙げればこの三点、四点になるわけでございます。
 ところが、今度の法改正に当たって出てきた答申を見ますと、全くもう言うべき言葉がなくなりました、勝手にしなさいよというような表現だと私は見ます。「恩給の改正にならう既裁定年金額・最低保障額の引上げ及びそれらの実施時期は、恩給と共済年金を切り離すことが今なお不可能とすれば、やむを得ない。」もう何遍も何遍も恩給とは違うのですよ、切り離して改革しなさいよと言ってきたにもかかわらず、さっぱり改革されないですね、もう言う言葉がありません、これはこう言っているところなんですよ。私はそう思うのですけれども、私のこの今回の答申に対する認識はどこかおかしいですか。おかしかったら指摘をしてください。
#152
○大嶋政府委員 恩給との関連につきましては先ほど来申し上げたとおりでございまして、いまそれを踏まえたといいますか、今回の改正案に対する社会保障制度審議会の答申はまさに先生おっしゃったとおりだというふうに思っております。
#153
○大橋委員 大臣、もう時間も迫ってきたのだろうと思います。共済年金は、私後で深く議論したいと思っているのですけれども、官民格差とよく問題が出ているのですが、これはごく一部の問題であって、一般の職員の皆さんはむしろ官民逆格差の状況にあるのです。答申の中に、これは昭和五十一年二月十二日に自治大臣にあてられた答申の内容の一部でございますけれども、「共済組合制度に包含されている社会保障的要素と企業福祉的要素」、この表現についてはいろいろまた見解の異なるところでありますけれども、これはすなわち厚生年金的な年金プラスアルファをしていくのが共済制度なんですよと言っているところですよ。「の区分については、その考え方を明らかにすべき段階に来ている。」この辺を明確に仕分けしていかなければならないのですよ、こう言っているところです。
 それから、私が恩給並びでは安易過ぎてこれは答申軽視だと言っている事実を申し上げます。
 これは五十三年二月十日の答申の中の言葉ですが、「今回の諮問もその趣旨において例年と変るところがない。これに対する本審議会の意見は、これまで繰り返し述べてきたところにより承知されたい。」ぽおんと投げられているでしょう、何遍言っても改善しないからということで。このときの答申は、もう自治大臣に言ってもしようがないから総理大臣に申し上げましょうという意見がつけられているのですよ。「恩給が社会保障に属するかどうかの議論は別として、毎年重ねられている恩給法の改正においては、社会保障的な考え方がとり入れられているものが多く、それが共済年金にそのままはねかえり、ひいてはその他の公的年金制度に対して影響を与えていることは事実である。」このように、いかに安易な答申経視の立場できたかということですね。
 実際、共済年金はもうめちゃくちゃに入り組んでおりますし、それこそどこの制度よりも真っ先に根本的な改善を迫られている状況にあろうかと私は認識しております。しかし、この根本的な改善というのは、言うはやすく実行はきわめてむずかしい問題だと思うわけです。
 そこで、社会保障制度審議会が建議していることがあります。その建議は何かと言えば、「これらに対処するための改正にあたっては、とくに今回本審議会が建議した「皆年金下の新年金体系」の提言」、これですよ。これこそ国民基本年金構想あるいは基礎年金構想と言われたものでございます。つまり、二階建て年金構想と言われているものでございます。
 また、このように各共済年金制度は五つもばらばらに分立しておって、給付も負担もこれこそまたばらばらでどうにもならぬだろうけれども、これをこのままほっておくわけにいきませんよということが五十四年二月十三日の答申に出ております。「本審議会は、昭和五十三年二月諸共済組合制度の整合性を図るため、共済組合全体を通じる責任ある機構を設けることを求めた。」なかなかむずかしい問題だから各関係の共済組合を通ずる責任ある機構をつくりなさい、こう提言した。
 「しかるに、今回各省所管大臣から諮問のあった改正案は、かかる機構によって立案されたものではなく、恩給との関連についても、国庫負担その他についても、依然として暫定措置にとどまっているのは甚だ遺憾である。」こう言っておるわけでしょう。本当に答申を尊重するならばこういう言葉は出てこない。また、現にそうした共済制度を根本的に立て直す機構がつくられてきたはずです。つくられないまま答申を軽視して勝手に諮問してきた。そのことに対してはなはだ遺憾であると怒っているわけですよ。だから私は、先ほど大臣が、私は答申を尊重してまいります、こう言われるからには、じゃ大臣が共済年金の抜本改革への切り開きといいますか、その先頭に立ちますか、こう聞きたいところです。
#154
○世耕国務大臣 御指摘のこと、よく了解しているところでございます。
 公務員の共済年金と恩給との関係というのは、御指摘のように戦前からの関係で途中で制度が変わってまいりまして、そういったいきさつから、どうしてもいろいろ慣例的に同じような時期に改定されたり、そういう経過をたどってきているところでございますが、これは御指摘のとおりでございまして、今後とも純粋な共済年金はまだまだ発生してくると思うのですが、その基本的なあり方をここのところへ来て再検討する必要があると思います。そこで、共済年金制度基本問題研究会にもいろいろ改善すべきところをぜひ検討していただきたい、そうお願いして、いまそれがずっと続けられているところでございます。
 こうした審議会等の御意見を踏まえながら、今後慎重に検討すべき問題でございますので、できるだけ早い時期に検討した上で改正すべき点は改正すべきである、このような考えで今後臨んでまいる所存でございます。
#155
○大橋委員 確かに、共済年金の歴史はいまおっしゃったとおりのものもありますが、やはり共済年金というのは、いままで私が言ってきましたように社会保障的性格とそれにプラスアルファになる条件を整えていると私は思うわけです。それはこういうことだと思うのですね。まずプラスアルファの条件というのは、公務員というものは国民全体の奉仕者である、そのために勤務上各種の制約を受けているのだ。たとえば、争議行為の禁止あるいは政治的行為の制限、私企業からの隔離あるいは守秘義務等々です。これらに対する配慮がありますね。
 それから共済年金は、公務のいわゆる能率的運営に資することを目的とするということで、公務員制度の一環として位置づけられているものです。したがいまして、懲戒処分を受けた場合には年金の支給が制限される等の単なる社会保険ではない、こういうことですね。厚生年金の場合は、仮に刑を受けて刑務所に入っていても年金はちゃんと支給されますからね。しかし、共済年金の場合はストップさせられるのでしょう。これが、単なる社会保障的年金ではないぞということだと私は確信するわけです。
 そこで、いままで私が言ったことに、もし、いやその考えはおかしいですよというのがあればおかしいと、なければそのとおりですと言ってください。でなければこの次へ進めませんから。
#156
○大嶋政府委員 原則としてそのとおりでございます。
#157
○大橋委員 私の考えが誤ってないことに自信を得ながら、じゃ次に進みます。
 まず、年金制度間の整合の問題があるわけです。ですから、共済年金においても社会保障的部分については、やはり厚生年金等との整合性を図らなければならぬのじゃないか。併給制限の問題もこれあり、これなどは当然整理されるべき問題であろうと私は思う。いま言うように共済年金というのは、確かに社会保障的年金だけではないんだ、プラスアルファなんだという性格を持っておりますけれども、それであるだけに逆に特権的なものも確かにあらわれている、そこのところは改めなければならぬということをいま申し上げているわけです。
 たとえば厚生年金、これはあくまでも社会保障的年金でありますが、その厚生年金を掛けていって夫が死亡した、そうすると遺族年金というのが出るわけです。ところが、その遺族年金というのは普通は奥さんあるいは奥さんがいなければ子供、奥さんも子供もいなければお父さんかお母さんに支給されることになるわけでございますけれども、その被保険者が死亡した時点でお父さん、お母さんが六十歳以上でなければ遺族年金は出ないんですね。これは六十歳になったら出るというのじゃないのですよ。死亡している時点で六十歳以上でなければ遺族年金は出ませんよ。これは厚生年金の立場ですね。共済の場合は、妻がない、子供がない、それではお父さん、お母さんが、死亡した時点では六十歳でなくても六十歳になればそれから遺族年金を支給いたしましょう。こういうことになっているはずです。
 また厚生年金の場合、夫が死亡しで妻に遺族年金が支給されるわけですが、奥さんが亡くなった、そのときにお父さん、お母さんが六十歳じゃなくて、その前の夫が死亡したときに六十歳以上でなければ、これは生涯支給されないということになっております。同じケースで公務員、いわゆる共済年金の方は、父母が六十歳になれば出るということです。
 また、こういう例もあります。奥さんが普通の会社に働いて、ついに老齢年金を受給するようになった。そのうちに、御主人は共済組合員である、公務員である、で亡くなった、そうすると遺族年金が出てくるわけです。厚年の老齢年金を受給しながら、そして公務員であった夫が死亡した、その遺族年金も受けられる、つまり併給ができるわけです。また、夫が廃疾年金を受給している、奥さんが共済に加入して死亡した、そのときには遺族年金は出ないというようなことから考えてまいりますと、確かに社会保障的な年金というものはどういうものか、プラスアルファというものはどういうものか、こういう点を私はもっともっと整理していかねばならぬのではないかと思うのでございますが、この点はいかがですか。
#158
○大嶋政府委員 先ほど来御指摘になっておりますように、公務員の共済年金と申しますのは社会保障としてのいわゆる公的年金制度でありますと同時に、また公務員制度の一環としての職域年金的な性格をあわせ持っておるというわけでございます。それと同時に、また経過的には戦前からの恩給制度等を引き継いだものでございます。したがいまして、現在発生しております共済年金のほとんどは恩給等の旧制度期間を含んでおるというところから、恩給制度とのかかわりも深いわけで・ございます。がしかし、将来発生いたします純粋な共済年金、これについて申しますと、公的年金部分とそれから公務という職域の特殊性からくる職域年金的な部分、こういうものに分けられるわけでございまして、言うなれば、共済年金が公的年金部分プラス職域年金部分というような形になるかと考えられます。
 ただ、共済年金制度におきます公的な年金部分の体系なりあるいは水準といったようなものにつきましては、厚生年金との関連も含めまして被用者年金としてどのように整合性を図っていくべきかといったような、これは御指摘のようにきわめてむずかしい問題を含んでおるわけでございまして、あるべき共済年金の給付水準、あるいは厚生年金の給付水準に一定額を加算した水準とすべきかどうかというようなことにつきましても、十分検討する必要があるわけでございます。そういった問題も含めまして、共済年金の給付水準なり給付体系等のあり方につきまして、共済年金制度基本問題研究会におきます検討結果も参考にしながら今後慎重に検討しなければならぬ問題であろう、このように考えておるわけでございます。
 また併給調整等につきましては、御指摘のとおり厚生年金と共済年金の取り扱いは違っておるわけでございますが、今後予想されます共済年金制度全体の見直しの一環として十分検討されるべき問題である、このように考えておるところでございます。
#159
○大橋委員 いまの答弁を伺っておりますと、問題点は確かにそのとおりです、わかっております、検討いたします。検討してもやはりそれを改革しないと何にもならぬわけです。まあ基本年金問題懇談会ですか、そこにいろいろと研究していただいております、それを参考にして今後は大きな改革をしていくのです、こういうことでもありますので、それに期待せざるを得ないわけでございますが、むしろ私はこの際、もう少し問題点を浮き彫りにしておきたいと思うのですね。
 それは、たとえばこの公的年金制度に対する国庫負担のあり方についても疑問だらけなんですよね。これも五十三年二月十日の答申の中に出てくる言葉ですけれども「現在の共済組合制度には、国庫負担率をはじめ根拠に乏しい差異が認められる点もあり、また、厚生年金における国庫負担に相当する部分がいまなお公共企業体等の事業主負担となっている不均衡な扱いもある。」こうして答申の至るところに問題点をはっきり指摘されてきているわけですね。社会保障的な厚生年金には二〇%の国庫負担がついているわけですね。現在四分の一、財政問題から五十九年度までは一応預かり、カットされたかっこうになっておりますけれども、これはいずれは返ってくることになっているわけですから、実質的には厚生年金は二〇%の国庫負担がついているわけです。
 ところが共済の、地方公務員共済制度は一五・八五%、これは地方公共団体が負担をしておりますね。また、三公社の場合は各公社が一五・八五%が負担されて、これも全部の四分の一はカットされておるわけでありますけれども、このように社会保障的部門については国庫負担あるいは公費負担を格差をつけてはならない、つけるべきではない、同率にすべきであるというのが私の主張でございます。したがいまして、先ほど言われたプラスアルファの分は、そのほかに別途措置されるべき性格のものであるという考えを私は持っておるのでございますが、その点はいかがですか。
    〔委員長退席、工藤委員長代理着席〕
#160
○大嶋政府委員 社会保険に対します公的負担のあり方、これにつきましてはいろいろ議論のあるところでございますが、一つには、保険料だけでは適当な給付水準を確保することができない場合、二つ目には、被保険者の範囲が低所得者層に及びます場合、それから三つ目には、その事故の性質上被保険者あるいは事業主だけで費用を負担することが必ずしも適当でない場合等におきまして、公的負担の必要性の緊要度に応じ、かつまた社会保険制度全体の均衡を考慮して検討すべきものであるというふうに思います。また他方、公経済の財政力に応じましてまず低所得者層に重点的に配慮するといったような、財源の効率的配分の見地からも慎重に検討すべきものであると考えております。
 地方公務員の共済組合の長期給付に要します費用の負担につきましては、国家公務員の共済組合制度に準じて措置をしておるところでございまして、先ほどお話がございましたように百分の十五は公経済の主体としての地方公共団体が負担する、残りの百分の八十五を使用者としての地方公共団体それから被用者としての組合員が折半で負担するということになっておりまして、この公経済の主体としての地方公共団体の負担割合でございます百分の十五というものは、いまお話がございました厚生年金の百分の二十なりあるいは私学共済の百分の十八なりあるいは農林共済の百分の十八というところとは均衡を失する。そこでこの不均衡を是正するため、関係各省と協議を重ねてきたところでございますけれども、社会保険制度全体におきます公的負担のあり方に直接つながるという問題でもございまして、五十四年度の改正によりましていまお話しの百分の十五・八五というようになったわけでございます。
 そこで、今後この負担を厚生年金と同じように二〇%にするということにつきましては、昨年秋の臨時国会におきまして成立いたしました行革関連特例法による昭和五十九年度までの間における公的負担金の減額措置が講じられたこと等も含めまして、いろいろ問題があるであろうというふうに考えております。しかしながら、公的負担につきましてはかねてから論議があったところでございまして、共済年金の給付水準あるいは給付体系等のあり方を検討する中で、各公的年金制度間のバランスなり、あるいは老齢化社会を迎えての将来の年金財政の健全化といったような問題を含めまして、公的負担のあり方について今後総合的に検討すべきものである、このように考えておるところでございます。
#161
○大橋委員 これまで官民格差論がずいぶんと話題を呼んだこともありましたけれども、これは、事業団だとかあるいは公団、会社等に天下りしていって共済年金を受けながら一方では高額の月給をもらうようになっている一部の高級官僚といいますか、そういう人との比較論であって、一般の職員はむしろ官民逆格差となっている実態があるわけです。
 御承知と思いますけれども、昭和四十八年は福祉元年と言われてきました。それは国民の年金に対する関心がぐんぐん高まってまいりまして、年金水準を改善しろということで、厚生年金ではモデルケースは二十七年の計算で五万円年金、それから国民年金も、これは二十五年ですけれども夫婦合わせれば五万円だということで、五万円年金、五万円年金ということで年金の水準は大幅に向上してきた、福祉元年である、こう言われたときがあったのですが、反面共済年金を見てみると、いま言いましたように比較的に給料の低い一般的な職員の皆さんでは、厚生年金よりも低い年金額となる実態が発生してきたわけです。先ほど言うように、共済年金は厚生年金プラスアルファの姿が妥当であるにもかかわらず、それが逆になってきた。それで対処をされたのが通年方式の計算方式ですね。これでどちらが有利か判断して有利な方をとってくださいということになったわけであります。
 そこで、現在実態を見てみますと、共済年金に加入しておりながら実際に年金を受け取る段階になってきますと、新規裁定者の六割がいま言う通年方式の計算方式による不利な立場に置かされた年金を受給している。私は六割以上と認識しておりますけれども、いかがですか。
#162
○柳説明員 ただいま先生お話しの通年ルールの適用者でございますが、新規裁定者だけについてまとめて調査したものがございません。昭和五十五年度以前退職者につきまして通年方式の適用を受けていた者の年金受給者全体に占める割合は、地方公務員共済組合の場合約四一%でございます。それで、五十五年度の新規裁定者についてはただいま申し上げましたように調査いたしておりませんが、この全受給者についての調査の傾向から判断いたしますと、新規裁定者については四一%をさらに下回るのではないかというふうに考えております。
#163
○大橋委員 たまたま地方公務員の共済年金の対象でいけばそういうことになろうかと思いますが、共済組合年金制度全体からすれば六割以上になっているはずです。私はこの実態を見て、これは問題だなと思うのです。もう大臣がいないから政務次官、あなたはこの問題をどう見ますか。共済年金というのは厚生年金よりプラスアルファという立場であるのが妥当な姿ですね。思想的にも性格的にもそうあらねばならぬということになっているわけですよ。それがいま言うように逆転してきている事実をどう見ますか。
    〔工藤委員長代理退席、委員長着席〕
#164
○谷政府委員 御指摘のように、共済年金の方は恩給制度から始まりまして歴史的な深い過程を経ておりますので、厚生年金よりも非常に優遇されておるというふうな感じをわれわれいままで持っておるわけでございます。しかしながら、これも単に共済年金と厚生年金とを単純比較するということは間違いが起こると思いますので、そういう歴史的な背景があるということを考えてわれわれは措置しなければならぬというふうに考えておるわけでございます。
 ただいま御指摘の点につきましては、私ども、さほど大きな状態ではないというふうな把握を従前しておるわけでございまして、官民格差の是正の問題の改正につきましても、これは十分考慮しなければならぬ問題だとは思いますけれども、共済年金制度の研究会におきましていろいろと十分な研究をしていただいておりますので、その研究結果を待って徐々に是正していきたいとは思っております。
#165
○大橋委員 いま共済年金では、どちらかを選択しなさいという通年方式による計算方式というものがあって、それは厚生年金の定額部分と報酬比例部分を足したそれを指しているわけですよ。よろしいですね。厚生年金はこれにまたプラス加給年金というのがあるのです。これ全体で厚生年金ということになるわけですよ。そこで、この厚生年金が社会保障的年金だと言われておるわけです。それよりもプラスアルファするのが共済年金ですよということになっているわけです、性格的には。もしあなたのおっしゃるようなことであれば、もうむしろ共済年金などはやめて、全部厚生年金に移っていけばいいのです。それで皆一緒ですから、官民格差とかなんとか言われなくても済むわけです。そしてプラスアルファは、普通の企業は企業年金で、あるいは公務員の場合は公務員として考えれば何のことはないわけですね。厚生年金に全部移っちゃえばいいわけです。
 いま言うように、官民格差というのはごく一部であって、一般の職員は逆格差なんですよ。たとえば、私はきょうは遺族年金の内容を持ってまいりました。これは、勤続二十年未満の在職死亡者の場合は、そのほとんどの方が最低保障額、現在五十七万六千七百円になっているわけですけれども、この中で処理されるかっこうになっております。
 そこで、地方公務員の給与というのはとりにくいので、きょうは一例として国家公務員の例を引きたいと思うのですけれども、大学卒で採用されて、採用された当時は行政職(一)の七等級一号俸で、ずっと二十年間勤務してきた、そして三等級六号俸になった。これは出世頭みたいな、調子よくいった人だと思うのですけれども、その方が三等級六号俸になって死亡したと仮定しますと、遺族年金が出るわけですね。その遺族年金を計算しますと、一般方式による遺族年金額は五十六万八千八百円です。それから、いま言う通年方式による計算でいきますと五十四万九千六百円です。ですから、先ほどの最低保障額よりも低いですね。したがいまして、妻に対する遺族年金というのは、先ほどの最低保障額五十七万六千七百円、ここにおさまるわけでございます。
 私が言いたいことは、三等級六号俸と言えば本省の筆頭課長補佐クラスじゃないかと思うのです。そして、二十年も一生懸命働いて亡くなったとなれば、子供がいなければその奥さんに遺族年金が支給されるわけでございますが、月わずか四万八千円なんですよ。こういうことを政務次官は御存じだったですか。
#166
○大嶋政府委員 大変正確な計算でございますが、そういう細かい計算については、あるいは政務次官は御存じなかったのじゃないかというふうに思います。
#167
○大橋委員 それで、これはまだ厚生年金の最低保障額よりも多少上ですから、逆格差とは言えませんけれども、子供が一人、二人いる立場で計算してまいりますと、これまた逆格差になるのです。
 子供一人の場合、共済の場合は六十九万六千七百円、厚年の場合は七十二万七百円になりまして、二万四千円違ってきます。つまり、共済の方が少なくなります。子供が二人になった場合は、共済の場合は七十八万六千七百円、厚生年金は八十七万七百円、これまた共済の方が八万四千円少なくなります。
 先ほど何遍も私が申し上げますように、厚生年金的内容プラスアルファというのが共済の姿でなければならないのに、一般的な職員の実態は厚生年金マイナスアルファになっているわけですよ。この事実を政務次官はどうごらんになりますか。
#168
○柳説明員 まず最初に、制度の仕組みについて若干説明をさせていただきたいと存じます。
 確かに先生のおっしゃいますように、厚生年金と共済年金とは制度の仕組みが違うということがございまして、共済年金の場合には、組合員期間が長くなればなるほど厚生年金と比べて比較的有利になる。
 厚生年金のルールと共済年金のルールの基礎給料が、共済の場合には最終退職時一年間の給料、それから厚年の場合には、御承知のとおり標準報酬額ということになっております関係がございまして、単純に比較するのはなかなかむずかしいわけでございますけれども、モデルをもちまして、たとえば高卒の職員が厚年の適用を受けたという仮定をいたした場合と、共済年金の適用を受けておってもらう年金という比較をいたしますと、大体二十五年か三十年ぐらいに組合員期間がなってまいりますと、共済組合の年金の方が有利になるというような実態がございます。先ほど御指摘のように、組合員期間が短期の場合には余りにも厚生年金との格差があるということで、通年ルールの導入をしたということでございます。
 この矛盾を解消するためには、どういたしましても何らかの、公的年金全体を一本にするか、あるいはいま御指摘のような、年金のいろいろな不合理な差を同じように持っていくというようなことをいたさなければなりませんので、こういたしますと大変な抜本改正ということになってまいります。そういうようなことを考えながら今後検討していくということになるだろうと思います。
#169
○大橋委員 いまの御答弁どおりだと思うのですよ。確かに、勤続年数によって変わっていきますね。恐らく勤続三十四、五年ごろから共済と厚年の内容が大きく変わっていくんじゃないかというふうに私は認識しているわけでございます。いずれにしましても、この公的年金制度はばらばらですから、どこかで整合させなければならぬですね。そういう意味で、抜本改善をやる以外にない、こうおっしゃったのですね。
 その抜本改善の方向というものは、社会保障制度審議会が、いわゆる基礎年金構想あるいは基本年金構想と言われているものを建議しているわけですね。共済年金こそ、どこの制度よりも真っ先にこういう基本年金構想の考え方に共鳴をしていってしかるべきではないのだろうか。そうでないと、短期保険とは違うのですから、国民健康保険とは違うのですよ、この年金というのは長期保険ですから、もう三十年、四十年、長いのは五十年、こういう制度でございまして、小回りがきかぬわけですね。早目早目にその状況を把握して真剣な対策を立てていかねば、取り返しがつかない状況になるのではないか。将来おれはいないのだからどうでもいいやなんという考えでは、これは責任は果たされません。
 わが公明党は、各種の公的年金制度の問題点を心配し、そして抜本改善の必要を考え、先ほども申し上げましたように、五十一年に国民基本年金構想、すなわち二階建て年金構想を確立いたしまして、私はちょうどそのころ社会保障制度審議会のメンバーでもありまして、その制度審議会にこの問題を提唱したこともございます。その後、社会保障制度審議会が、多少内容は違いますけれども、構想それ自体はそのままの構想を基礎年金構想ということで建議をいたしております。私は、年金の抜本的改革の方向はもうここしかない、こういうふうに判断しているわけでございますが、どういうお考えなのか最後に御見解を承って、私の時間が来ましたので終わりたいと思います。
#170
○大嶋政府委員 年金制度につきましては、制度が非常に分かれておるということに伴います問題、あるいは長期的な費用負担の増加に伴います問題といったような、制度全体にわたる横断的な問題として解決しなければならない問題が少なくないわけでございます。
 基礎年金構想、これはこのような今後の年金制度のあり方を考えるに際しましての一つの貴重な御意見であるというふうに考えておりますが、この建議につきましては、現在の社会保険システムをとりますわが国の公的年金制度の基本にかかわります問題であるということなどから、慎重な検討が必要であるというふうに考えております。したがいまして、今後とも各般の年金制度の改革構想を参考としながら、将来とも給付と負担のバランスがとれた安定的な仕組みとなるように、年金制度の改革について検討してまいりたい、このように考えております。
#171
○大橋委員 終わります。
#172
○中山委員長 部谷孝之君。
#173
○部谷委員 アメリカの著名な学者でありますドラッカーという人は、高齢化社会への移行を「見えざる革命」と言っております。それは、高齢化社会がこれまでのいかなる社会変革よりも強烈なインパクトを社会に与えることを意味しておるわけであります。
 いま、わが国はその見えざる革命の時代に突入をしつつある、こういうふうに思うわけであります。こうした高齢化社会への移行の中で、公的年金制度の不備や欠陥が指摘されておりますが、その一つに、公的年金制度の格差や不均衡があることは先ほどからもるる指摘のあったところでありますが、現在この年金制度は給付や負担面で八つにばらばらになっておりまして、各制度間に著しい格差、不均衡があるわけであります。こういう現状を改めていく必要があると思うのでありますが、きょうは大臣がいま参議院の方へお越しでございますので、政務次官の方からまず御見解をいただきたいと思います。
#174
○谷政府委員 きょう、いろいろと年金制度の問題に対しまして諸先生方から御質問をいただいておるわけでございますが、年金制度の将来についていろいろとわれわれも検討をし、集約していかなければならぬとは思っております。
 しかしながら、ただいま御審議いただいております地方公務員の共済年金の問題につきましては、従前からの問題、それは恩給制度から発しました歴史的な過程を含めまして、従前からの問題を中心として今日の共済年金が成り立っておるわけでございますので、そういう点で、先ほど来御指摘もございました、確かに格差の問題もございますし、その格差は、全体として見る場合には共済年金が官民格差と指摘されるとおりいいわけでございますが、一部については問題があることも承知しております。しかしながら、それを漸次職域的と申しますか、職能的な立場を十分考慮しながらまとめていくという方向になろうかと思っております。
 しかし、それはあくまでも共済年金の場合、共済年金制度研究会の諸先生方が非常に慎重に検討していただいておりますので、その研究結果を見ましてわれわれとしては対処しなければならない、こう考えております。
#175
○部谷委員 年金制度というものは、中長期的な観点、視点から考えていかなければならないことは申すまでもないところであります。
 十八歳で就職をいたしまして、平均年齢七十八歳くらいまで生存するわけでありますが、そういたしますと大体六十年間、これがいわゆる年金制度の一サイクルである、こういうふうに言わなければならないと思います。
 そこで、年金の新しい制度ができましてからいま二十年にしかならないわけでありますが、年金財政の危機がすでに叫ばれております。このことは、制度の見通しを政府が誤ったのではないか、そういう誤った見通しの中から今日のこうした状態が生まれたのではないか、こういうふうに思うわけでありますが、その点いかがでございましょうか。
#176
○大嶋政府委員 各公的年金制度の財政見通しが非常に悪くなっておる。その原因といたしましては、日本の国民の平均余命が先ほど御指摘になりましたように著しく延びてきたということによりまして、先進諸国に例を見ないようなスピードで、かつまた諸外国に例を見ないような高率の高齢人口を抱える高齢化社会に向かっておるということが一つ挙げられると思いますし、そのほかにも、経済の高度成長期に行われました制度改善、これが安定成長期に入りまして年金財政に影響を及ぼしておるという面などが挙げられると思います。
 地方公務員の共済年金制度におきましても、他の公的年金と全く同じような事情にございまして、制度発足以来すでに二十年を経過しようとしておる現在におきまして、その間の社会経済情勢の変化に伴いまして検討を要すべき点も多々生じておるわけでございます。今後の共済年金財政の健全化といったことも、大きな検討課題であるというふうに考えておるわけでございます。
 そういったために、研究会におきます検討結果を参考としながら、あるいはまた厚生年金等他の公的年金制度の動きといったものも踏まえまして、今後の共済年金制度のあり方について十分検討してまいりたいというふうに考えております。
#177
○部谷委員 年金制度が長期的な立場から考えられなければならないということは先ほど申したとおりでありますが、国鉄共済はすでに昭和六十年度から赤字に転落するというふうに言われております。また、その他の共済年金、厚生年金等につきましても、昭和八十年代には財政破綻になる、こういうふうに言われておるわけであります。
 そこで、地方公務員共済組合の年金財政、これの将来展望というものはどういうふうになっておるのか、お示しを願いたいと思います。
#178
○大嶋政府委員 地方公務員共済組合の年金財政の将来でございますが、組合員数それから財源率を仮に一定といたしまして、給与のベースアップそれから年金改定率を毎年五%ずつ仮に見込むといたしまして、おおむね二十年間程度のごく粗い推計をしてまいりますと、昭和六十九年ごろには単年度収支がマイナスになる、それから昭和七十八年ごろには積立金がなくなるであろう、このように見ておるところでございます。
#179
○部谷委員 十六単位全部の数字をいま挙げられたと思うのですが、単位組合。ことにはいかがでしょうか。
#180
○柳説明員 各共済組合すべてを捕捉しておるわけではございませんが、地方職員共済組合で申しますと、大体昭和六十六年ごろに単年度収支が赤字になる。先ほど部長が申し上げましたのと同じような条件でございます。それから積立金が赤字になるのが七十五年。公立学校共済組合は、同じように収支が赤字になりますのが六十六年、それから積立金が七十六年。警察共済組合につきましては七十六年ごろ、それから市町村職員共済組合につきましては七十一年に、単年度収支が赤字になるというような状況でございます。
#181
○部谷委員 そういう中で、地方公務員共済年金相互の間にもいろいろと成熟度等に相違があるようでありますが、それらの問題につきましてまた後で質問したいと思います。
 地方公務員共済年金の財政の健全化、先ほど地方公務員共済につきましても単年度収支がマイナスになるのが大体六十九年、そしてさらに積立金の取り崩しの始まるのが七十八年ごろ、こういうふうな御説明があったわけでありますが、そうした財政の中でその財政の健全化を図りながら、同時にまた給付の水準を維持するためにはどうしていかなければならないのか、何かそうした方策をお考えでしょうか。
#182
○大嶋政府委員 地方公務員共済組合の現行制度におきます給付水準を維持し、かつまた将来にわたりまして年金財政の安定を確保するというためには、結局は財源率の大幅な引き上げが必要になるというふうに思われるわけでございます。現行の共済組合制度は、社会経済情勢の変化に伴いまして検討すべき点が生じていることは事実でございます。今後の年金財政の健全化といったことも、また大きな問題の一つでございます。こういったために、他の公的年金制度の動きといったようなものを踏まえまして、共済制度のあるべき姿について今後とも検討を進める必要があるというふうに考えております。
#183
○部谷委員 年金財政の再計算、これが五年ごとにされるということでありますので、大体次は五十九年末ぐらいになるというふうに思います。そこで、年金財政の基礎計算の見直しによりまして適正な保険料が計算されていくというふうになるのですが、少しまだ時間はありますけれども、それらに対する見通しというものをいまどのように立てておられるか。いかがでしょうか。
#184
○大嶋政府委員 いまお示しのように、この次の財源率の再計算は五十九年十二月に行うということが予定されておるわけでございます。したがいまして、五十九年の十二月には最近数年間におきます組合員の現況あるいは退職の状況、年金受給者の発生なり失権、それから年金額の状況といったような実績を基礎として再計算を行うことになるわけでございます。その計算した結果がどうなるかというような明確な予測は困難でございますけれども、平均余命が次第に延びてきておりますこと、それから年金受給者の成熟度が年々高まってきております。また、毎年行われております年金改定に伴う積立金の不足額が相当多額に発生しておるといったようなことから考えてみますと、財源率の引き上げが必要になるというふうに考えております。
#185
○部谷委員 もう一つ注目すべきことは、高齢化のために現役の老人負担がふえる、成熟度が大きくなっていくということになるわけですが、現在程度の給付水準を保っていく単純計算をいたしますと、支給開始年齢を六十五歳に切り下げることによって当面そうした給付水準が保たれる。つまり成熟度は、ある表を見ますと、現役による老人負担度、五十年が六十歳以上が四・八人で一人、六十五歳以上の場合が七・七人で一人、二十年たって七十年の数字を見ますと、六十歳以上が三人で一人、六十五歳以上が四・七人に一人、こういうふうなテーブルがあるわけであります。これは恐らく地方公務員の数字だろうと思うのですが、あるいは国民全体かもしれません。ちょっとそこのところの裏資料がはっきりしませんが、そういうテーブルが手元にあるわけであります。そういたしますと、ごく単純に考えれば、六十歳を六十五歳に繰り下げるというのか引き上げるというのか、そういうことによって単純に成熟度が保たれる、こういうことに実はなるわけでありまして、厚年あたりはそこのところが議論になっておると思うのですが、そういうことが地方公務員の共済についても検討がされるのではないか、そういうところへ移行するのではないか、そういうふうな懸念を持つ人が多いと思うのですが、その点はいかがでしょうか。
#186
○大嶋政府委員 御指摘のように高齢化社会の到来を迎えまして、地方公務員の共済年金制度につきましてもその成熟度が進みつつあるわけでございます。当然これに伴いまして、今後年金財政の逼迫といったことが懸念される状況であるわけでございます。そういった状況を踏まえまして、今後の共済年金制度をわが国の今後の社会情勢に適合した安定的な仕組みになるように、現在基本問題研究会で共済年金の給付要件なりあるいは給付水準といったようなものについて、長期的な視点に立った検討が行われておるところでございます。支給開始年齢も含めました共済年金制度のあり方につきましては、この研究会の検討結果も参考としながら、かつまた他の公的年金制度との均衡といったものを考慮して検討してまいりたいと思います。
#187
○部谷委員 そこで、先ほども質疑が行われましたが、公的年金制度の一元化というものが第二臨調で検討され、その方針が大体固まっておるというふうに聞いておるわけでありますが、この公的年金制度の一元化ということにつきまして、自治省としては本質的にどのようにお考えか、まずお答えを願います。
#188
○大嶋政府委員 臨時行政調査会におきます公的年金制度のあり方に関する見解がどんなものになるかということは、今後の答申を待たなければならないと思いますけれども、公的年金制度を一元化することにつきましては、今後の年金制度を考えるに当たりまして、究極的には望ましい方向だというふうに考えておりますが、いま直ちにこの公的年金制度を一元化するということにつきましては、各制度の目的なり沿革といったようなことがそれぞれ異なっておりますことから、なかなか困難な問題もあるというふうに考えております。
#189
○部谷委員 臨調から正式な答申が出ているわけではありませんけれども、新聞情報その他によりますと、現在の年金制度は、国鉄共済を初めとする三公社それと国家公務員、これをまず統合しよう、それが統合された後で厚生年金と地方公務員共済を加える、さらにそうした被用者年金間の統合が行われた上で国民年金を含める、こういうふうな三段階方式ということが新聞ではすでに報道されておるのですね。だから、いま雲の先の話のような御答弁でしたけれども、もっと具体的な話が出てきておると思うのですが、いかがですか。
#190
○大嶋政府委員 私ども、直接には臨調でいまどういう論議がされておるかということを伺ったことございませんので、明確なお答えができないことを申しわけないと思っております。
#191
○部谷委員 いま一元化問題は、当然検討さるべき問題であるけれども、各年金制度の歴史なりあるいは性格なりそういうものがそれぞれ相違があるので、そうしたものの配意をされながら、今後この年金問題は進められなければならないといういまお話があったと思うので、全くそのとおりだと思うのです。
 そこで、年金制度というものは、最終的にはすべての公的年金を統合、一元化して、そして臨調でいま論議されておりますように、あるいはもうすでに幾つかの機関でも検討をされました、いわゆる基礎年金といいますか、基本年金といいますか、そうした形態にいくのがきわめて自然であり、そうならなければならないと私どもは考えるのですが、そうした基本年金構想について御見解はいかがでしょうか。
#192
○大嶋政府委員 基礎年金構想につきましては、御案内のように昭和五十二年の十二月、社会保障制度審議会の皆年金下の新年金体系におきまして、基本年金という名で提言されたものを初めといたしまして、いろんな提言が行われておるところでございます。年金制度につきましては、この制度がいろいろ分かれておるということに伴います問題、あるいは長期的な費用負担の増加に伴います問題といったような、制度全般的にわたる問題として解決しなければならないものが少なくないわけでございます。
 基礎年金構想につきましては、今後の年金制度のあり方といったものを考えるに当たりまして、貴重な御意見であるというふうに考えておりますが、この建議につきまして、現在の社会保険システムをとります日本の公的年金制度の基本にかかわる問題があるといったようなことなど、慎重な検討が必要であるというふうに考えております。
 したがいまして、今後とも各般の年金制度の改革構想といったものを参考としながら、将来とも給付と負担のバランスのとれた安定的な仕組みというふうなことになりますように、年金制度の改革について検討をしてまいりたいと思っております。
#193
○部谷委員 八つの公的年金を統合化していく必要があるということについての御見解をいただいたわけでありますが、まず隗より始めよという言葉があります。現実には地方公務員共済もいろいろと制度が分かれておると思うのですが、一体地方公務員共済は現在制度は幾つ、どのような形になっておるのか、お示し願いたいと思います。
#194
○大嶋政府委員 ことしの四月現在におきます地方公務員共済組合の組合の数でございますが、地方職員共済組合が一つ、公立学校共済組合が一つ、警察共済組合が一つ、東京都職員共済組合が一つ、それから指定都市職員共済組合が十ございまして、それから市町村職員共済組合が四十七、都市職員共済組合が三十、合計九十一の組合になっております。また、年金財政の計算単位でございますいわゆる財政単位といいますか、これは十六単位、このようになっておるところでございます。
#195
○部谷委員 そこで、この十六単位をつらつら眺めますと、これらが統合されてもちっとも不思議でないようなものがたくさんあるわけですね。たとえば東京都、指定都市、都市職員組合、こういうふうな組合は規模も小さくて、そういう意味での運用のむずかしさもあろうと思いますが、こうした規模の小さい組合、これの統合をまず進めなければならないと思うのですけれども、これらの規模の小さい共済組合の財政状況はどうなっておるのか、さらにまた、その統合についてどのようにお考えなのか、お答え願います。
#196
○柳説明員 まず制度の仕組みでございますが、ただいま先生御指摘の共済組合のうち都市職員共済組合については、確かに三十の小さい組合に分かれておりますけれども、これは一つの連合会としての結びつきを持っておりまして、財政単位としてあるいは保険単位としては三十はまとめて一つということでございます。
 それから東京都及び指定都市共済組合の財政状況でございますけれども、これは五十五年度末現在におきましては、たとえば収支比率は、要するに収入に対する支出の割合でございますが、おおむね五〇%以下のところが多くなっておりまして、一番高いところでも六七でございます。ただ、この六七は御承知のように追加費用の分が入っておりますので、実際の収支の割合というのはもっと改善といいますか、もっといいものになっておるはずでございます。
 それから積立比率、支出に対して積立金が何倍あるかという率でございますが、この方の率を見ましても、一番低いところでも四倍のお金を持っておるというようなことで、当面年金財政がどうなるというような状況ではございません。
 それから、今後この十六単位をどういうふうにするかということについてでございますが、確かに財政上なるべく安定化させるためにこれらの財政を強化する必要がございます。そのために私どもといたしましては、東京都あるいは指定都市職員共済組合、それから都市職員共済組合等も含めまして、すべての地方公務員の共済組合について財政をプールする、そういう方向で財政の強化を図りたい、あるいは安定化を図りたいということで検討をしておるところでございます。ただ、先ほど来先生も御指摘のとおり、これまでの経緯等もございまして、いろいろ解決すべき問題も多いかと存じますが、早急に具体案を得てまいりたいと考えております。
#197
○部谷委員 特に都市共済は、非常に財政悪化の傾向が強いのですね。実は、去年の会議録をちょっと私繰ってみたのですが、その中でも呉市、大牟田市、鹿児島市等の都市共済の財政状況が非常に悪化しておる、それに対する対応策はないのかという質問に対しまして当時の宮尾部長は、そのことをそのとおりだということで、特に呉市の場合など、五十四年からすでに単年度二億五千万円ほどの赤字になっておる、積立金は二十六億円ほどあるが、これをどんどん食っていくと今後大変なことになるという状況にあるというふうに言っておるわけですね。この都市職員共済三十がいま連合組織をやってはおりますけれども、なおそういうところできわめて綱渡り的な運用がされておるというふうに指摘をされておるわけであります。
 私は、先ほど申しましたようにまず隗より始めよで、手元にあるそういうふうなところの統合にまず手をつけるべきである、このように思うわけです。今日までなかなかそれが進まないのは、いまつらいというお話もあったわけでありますが、こういう組合の統合について関係者、理事者、それから組合員、そういう者の間の意見というものはどういうふうになっているのでしょうか。
#198
○大嶋政府委員 都市職員共済組合の一部におきまして年金財政が非常に悪化しておると申しますか、単年度収支がもちろん赤になっておるところもあるわけでございます。これらにつきましてはいまお話もありましたし、御案内のとおり連合会の方におきましてある程度の調整をやっておる、追加費用につきましても今後ある程度調整ができるようにしたい、このように考えております。
 いま直ちに各組合を全く一つに統合してしまうということにつきましては、理事者側もあるいは組合員の方にもなかなか多くの問題点があるだろう、このように考えております。そういった意味合いにおきまして、先ほど福利課長がお答え申し上げましたように、年金財政をプールするような一つの方法はないだろうかということで、私どももそれから各共済組合も一緒になって検討しておるというような状況にあるということでございます。
#199
○部谷委員 そういうことでまず当面規模の小さいところの統合をやって、さらに先ほど挙げられた大きな四つの組合も漸次統合していくというふうなことで、最終的に地方公務員全体を一本化する方向で対応を進めていくということが必要だと思うのですが、いかがですか。
#200
○大嶋政府委員 年金制度の統合、これは全体として年金財政の基盤の安定化が図られるということになりまして究極的には望ましい方向だ、このように考えております。しかし、先ほど来申し上げましたように、各公的年金制度はそれぞれ目的、沿革を異にしておりまして、なお慎重に検討すべき点も多々ございます。そういったことを考えながら慎重に今後検討していかなければならぬ問題だ、このように考えております。
#201
○部谷委員 年金制度を現状のままに放置しておきますとパンクしてしまってにっちもさっちもいかなくなる、そういう認識についてはお互い相違はないわけでありますが、しかし、財源だけを一緒にすれば各年金の間にいろいろな損得といいますか、利益を得るところ、不利益をこうむるところ、そういうものが生じてまいりまして、いわば年金制度の根本であります期待感というものが失われるという結果になりかねないと思うのです。特に、いつも例に挙げられます国鉄のように成熟度が非常に高くなりますと、統合というものがだんだんむずかしくなる。そんな破綻したようなところを受け入れるのは真っ平だということになるわけであります。それだからこそ、こうした一本化統合というものは急がれなければならないと思うのです。
 いま、総じて地方公務員共済の成熟度というのはどれぐらいになっておるのでしょうか。何%ぐらいになっておるのでしょうか。
#202
○柳説明員 地方公務員共済組合全体で退職年金の成熟度を見ますと、一七・六%でございます。
#203
○部谷委員 せいぜい二〇%未満のときにやっておきませんと、これはなかなかやりにくいということでありますので、ひとつ蛮勇をふるって取り組んでもらいたい、こうひとつ要望しておきたいと思います。
 それから、地方団体における特別昇給の制度、こういうものがありまして、これが適正に運用されませんと地方団体間にアンバランスを生じまして、こうしたアンバランスがありますと地方団体間あるいはまた年金制度間に不均衡が生ずる、そういう原因の一つをなすことになるわけで、こういうことがあると、これがまた一つの統合のネックになると思うのです。そうした人事管理面でアンバランスのないようにしなければならぬと思うのですが、そういう状態があるのかないのか、あるとすれば自治省はどのような指導をしておられるか。いかがですか。
#204
○大嶋政府委員 いまお示しがありましたように、年金給付を有利にすることを目的といたしました特別昇給を給与制度上取り入れている団体があるかどうかということは、ちょっと承知をいたしていないわけでございます。申し上げるまでもなく特別昇給は、給与制度におきます成績主義を実質的に確保するために、勤務成績の特に良好な職員を給与上優遇することにあるわけでございまして、私どもとしては、この制度の趣旨に沿った適切な運用がなされるように指導をしておるというところでございます。
#205
○部谷委員 大臣にお越しをいただきましたので、ここで基本的なことについてお尋ねいたします。
 先ほど政務次官にもお尋ねをしたわけですが、高齢化社会というものが急速に進んできておりますが、こうした高齢化社会に対応したわが国の社会保障が問い直されなければならない。そういう中で第二臨調が抜本的な改革案を固めた、こういうふうに言われておるわけです。それによりますと、いま数多く分かれております年金制度を、まず財政が一番悪化しておる国鉄共済を電電、専売に統合し、さらに国家公務員共済などと統合していく、次いでこれに厚生年金、地方公務員共済を加えまして、被用者年金間の統合を行って、そして最後に国民年金を含めた全体の統合を行う、こういう三段階方式を示しておる、そうした提案がされようとしておるわけであります。
 そういう三段階方式に加えて、また基礎的年金方式で一本化すべきであるというふうな提案がされると聞いておるわけでありますが、この公的年金に関する臨調の方針について大臣としてのお立場から御見解をいただきたい、このように思います。
#206
○世耕国務大臣 正確には調査会の具体的な答申が出た機会を待たなければならないとは思うのでございますが、いま言われておるように、またただいま御指摘がありましたように、年金が将来破産するんじゃないかとよく言われておりますけれども、これは意外に予測よりも皆さんが健康でなかなか長生きして、生存年数がだんだん上昇して高齢化になってきた。高齢化になると年金を受ける幅と数がうんとふえてきますので、それが予測をはみ出たような思わぬ結果になった、こういうことに由来するわけでございます。年金の危機というのは、主にそういうところに由来していると思うのです。私は、やはり御指摘のように、将来に向かってはいろいろ年金を統合して、一本化していくのが本来の正しい姿であろうと思います。
 ただし、年金もいろいろ種類がございまして、一番最初の年金制度をつくるときの目的、歴史、沿革が、みんな年金ごとに全部違っておりまして、これをどういうふうに調整していくかということが今後の大きな課題であろうと思います。それを調整しながら一元化を図って、足らないところへは回していくとか、足りるところは少し地ならしをするとか、そういった一元化の方向に向かっていかないと年金の基礎がますます危ぶまれていく、このようなことを感じておる次第でございます。
 私どもの方としましては、いろいろむずかしい問題はあるのでございますが、一元化に向かっていろいろな検討を加えながら、つまり当面は安定的な仕組みになるように各制度間の整合化に配慮しながら、制度の見直しを続けて検討してまいりたい、このように思っておるものでございます。
#207
○部谷委員 八つの公的年金相互間のそうした整合化を図っていくという方針につきましては、大臣も、ひとつ積極的に取り組みたいという御答弁であったと思います。同時にまた、これは各省庁を通じて広範な問題でありますが、大臣自身の決によって、あなたの手元でやれる問題が実はあるのです。それは、地方公務員共済組合が単位にいたしまして十六単位あるわけでありますが、この中には規模が小さくて運用のきわめてむずかしいところもいろいろとあるわけです。たとえば都市共済組合などは、いま三十都市ほどそれに加盟をいたしております。そういうところの財政状況が必ずしも十分でないという指摘がすでに何度もされておるわけでありますが、そうした十六単位の地方共済組合をまずやはり統合化していく、そういうことから始めなければならぬと思うのですけれども、大臣の御決意はいかがでしょうか。
#208
○世耕国務大臣 地方公務員共済組合の場合、高齢化社会がやってくる、それに並行した物の考え方をしてまいりますれば、現行の財政単位、地方公務員共済組合十六単位のものの見直しがぜひとも必要であると考えております。共済組合の財政をプールして、財政の安定化を進める方向で検討を行っているところでございますが、これまでのいきさつもありまして、解決しなければならない問題点が非常に多いのでございますが、地方公務員共済組合の将来のために、ぜひとも早急に具体案をつくりまして将来に向かって対処してまいりたいと存じておるところでございます。
#209
○部谷委員 年金制度の統合問題についていまお尋ねを続けてきたわけでありますが、残った時間を個別の問題についてお尋ねしていきたいと思います。
 今回の年金額の改定は、人事院勧告による給与改定に横並びして行われたもの、こういうふうに思うのですが、そのような理解をしてよろしゅうございましょうか。
#210
○大嶋政府委員 地方公務員共済組合が支給をいたしております年金の改定につきまして、これは従来から恩給の取り扱いに準じて改定をしてきたところでございます。恩給におきます増額方式と申しますのは、昭和五十一年度以降、恩給年額の計算の基礎となります仮定俸給、これは前年度におきます現職公務員の給与の改善傾向を分析した結果に基づきまして増額することとされておるわけでございます。したがって、前年度におきます公務員給与の改善傾向が共済年金の額の改定に反映されるというような仕組みになっておるところでございます。
#211
○部谷委員 公務員の給与は人事院勧告が出された場合に、その年の四月にさかのぼって実施されるというふうになっておるわけですが、年金額の改定は、一年おくれて翌年から実施される、こういうことになっております。このことは過去引き続いて毎年議論されるところであり、指摘されるところでありますけれども、依然として改善されていないわけでありますが、なぜこれが改善されないのか。いかがですか。
#212
○大嶋政府委員 年金額の改定を公務員給与の改定時期に合わせるということにつきましては、一つには多額の財源を要するということもございますが、ひとり地方公務員共済年金制度だけの問題でもございませんで、恩給あるいはその他の公的な年金制度に共通する事項でございます。そういったことから、にわかに一年おくれを改めるということもむずかしいわけでございますが、今後とも各省と協議しながら慎重に検討を続けてまいりたいと思っております。
#213
○部谷委員 国や地方に忠誠を誓って、一生懸命仕事をして、そしてやっと平和な生活に入ったらばそのような値切りをされるのじゃ、公務員はたまったものじゃないと実は思うのです。しかも、五十二年から四月実施ということが定着をしてまいりました。それを今回は五月、一カ月これも値切ったわけでありますけれども、これはどういう理由なんですか。
#214
○大嶋政府委員 地方公務員の共済年金の額の改定につきまして、従来から恩給法の取り扱いに準じて措置をしてきたわけでございます。その改定の時期につきましても、同様に恩給の改定時期に合わせてきておるところでございます。今回、地方公務員の共済年金の年額改定の実施時期を一カ月繰り下げまして、五月の実施ということにいたしましたのは、恩給法等の一部改正法におきまして、恩給年額の改定時期が去年より一カ月繰り下げられて五月実施とされているということから、国家公務員の共済年金と同様に恩給との均衡を図ったということでございます。
#215
○部谷委員 現在、年金スライドの指標は給与改定に準ずるということになっておるのですが、年金の社会保障的な性格を考慮した場合に、年金間の制度の違いを是正していくという意味からも、厚生年金や国民年金など他の公的年金と同様にスライドさせていくということが一つ考えられるわけです。物価スライドと人勧スライド、いずれかをとっておるわけなんですが、これはその年によって、どっちかをとることによって利益、不利益、損得が出てくるわけですが、本質的には物価スライドをとるべきなのか、あるいは人勧のアップ率をとった方がいいと思われるのか、その点いかがですか。
#216
○大嶋政府委員 公務員の年金の額の改定に物価スライドをとるべきか、それから現職の公務員の俸給の額の改定をとるべきかということについては、大きな問題は確かにあると思いますが、私どもは公務員として長年勤務をいたしまして退職をされた方に対する年金の支給ということでございますので、原則はやはり恩給法の改正に見られますように、現職公務員の給与改定の状況といったものが反映されるような改定というのが正しいのではなかろうか、このように考えております。
#217
○部谷委員 これは、その年その年によっていろいろ逆転することがあるので、われわれといたしましてもなかなか質問のしにくいところでありますが、これはその辺できょうはとどめておきたいと思うのです。
 それから、年金の最低保障額は、厚生年金保険法あるいは恩給法に準じて定められておるわけですが、この最低保障額の適用を受けている人はどれくらいでしょうか。
#218
○大嶋政府委員 退職年金の最低保障の適用を受けておる人の数でございますが、五十六年三月三十一日以前の退職者にかかわります推計で申し上げますと、ことしの三月三十一日現在、新法の退職年金受給者が約五十八万四千人ほどございますが、その一・二%に当たります六千七百人余りが適用を受けておるというふうに考えております。
#219
○部谷委員 遺族はどうですか。
#220
○柳説明員 同じ起点でございますが、公務外遺族年金の受給者数のうち二九・四%が最低保障の適用者となっております。
#221
○部谷委員 ある県の退職者にかかわる資料によりますと、昭和五十五年の資料ですが、最低保障額の適用者の割合は、旧共済年金法適用者で退職年金の九三%、遺族年金の九四・六%が最低保障額である。新共済法でも、遺族年金の受給者は五〇・六%、半分に達しておる。そしていま、新法によるもの二九%という御指摘。ちょっと私が調べたところ、五〇・六%ということになっておるのですが、そういうかなり多くの人が最低保障にとどまっておるということになるわけです。ということは、最低保障額以下の人が非常に多いということですね。そうすると、最低保障額のあの線が適正であるかどうかという疑問が出てくるわけであります。その点、そうした最低保障の算定方式というものは改善されなければならないというふうに思うのですが、いかがでしょうか。
#222
○柳説明員 最低保障額の算定につきましては、先生もう十分御承知のとおり、厚生年金あるいは恩給との関連で算定をいたしておりまして、最低保障額の水準についていろいろと御意見のある方もいらっしゃると思いますけれども、年々これの引き上げを――わずかという御判断になるかもしれませんけれども、これまで引き上げてきたところでございます。今後も同じように、関係各省ともお話をしながら、最低保障の充実ということは考えていかなければいけないと考えております。
#223
○部谷委員 時間が参りましたので、最後に一問お尋ねをいたします。
 現行の共済年金制度は、厚生年金制度と同様に、婦人、とりわけ離婚した女性の方にとってきわめて不利だ、こういうふうに言われております。離婚した奥さんが国民年金に入っていない場合には無年金者になる、こういうことになるわけでありまして、離婚後に国民年金に加入したといたしましても、加入期間が短かければ受給額はごくわずかになってしまいますし、国民年金に加入ができない六十歳以降の離婚でありますと無年金生活を強いられる、こういうことになるわけであります。
 共済年金は国民年金と違いまして、もともと世帯を対象としておるわけですが、遺族年金は妻に対する遺産とはいえ、離婚したからといってここで全く無関係になるということについては私は不合理だ、こういうふうに考え、そういう意見もあまた出されておるわけです。厚生年金につきましても、この問題について本格的な検討に入っておるというふうに聞いておるのでありますが、共済年金の方ではいかがですか。こうした問題の御検討がされておるのかどうか、あるいはこうした問題に対する御見解はどうなのか、最後にお尋ねします。
#224
○柳説明員 ただいま御指摘の妻の位置につきましては、公的年金全体の問題でございます。共済制度におきましても、つとに妻の年金の問題についてはいろいろと指摘があるところでございますが、今後の共済制度のあり方全体の見直しの中で、当然検討されるべき事項であろうと考えております。
#225
○部谷委員 終わります。
#226
○中山委員長 三谷秀治君。
#227
○三谷委員 年金問題については大体問題点が指摘されまして、答弁も承りましたが、特に問題になっております一カ月おくらせるという問題ですね。五月に実施をしたという理由が、聞いております限りは明確でありません。五十二年以前は四月実施が強く要求されておりまして、四十八年以前は十月実施、四十九年から九月実施、五十年から八月実施、五十一年七月実施と逐年改善されまして、ようやく四月実施が定着した時期になぜこれが五月におくらせられるのか。この論理的な根拠が依然としてわかりませんが、これをお聞きしたいと思います。
#228
○大嶋政府委員 御案内のように共済年金の額の改定は、従来から恩給法をどういうふうにするかというその取り扱いに準じて措置をしてまいったところでございます。これを改定いたしますその時期につきましても、同様に恩給の改定時期に合わせてまいってきております。
 今回、地方公務員の共済年金の年額改定の実施時期、これを一月おくらせまして五月実施というふうにいたしましたのは、恩給法の一部改正法におきまして、恩給年額の改定時期が昨年よりも一月繰り下げられて五月実施とされておるところから、国家公務員の共済年金と同じように恩給との均衡を図ったものでございます。
 なお、余分なことでございますけれども、五十七年度……(三谷委員「余分なことは言わぬでよろしい」と呼ぶ)
#229
○三谷委員 恩給改定に準じたと言いますけれども、恩給改定という国の処置に何から何までも準じなくちゃならぬというような法律の規定があるわけですか。
#230
○大嶋政府委員 地方公務員の共済年金制度は恩給の制度と同じであるというふうな規定はもちろんございませんが、年金の中に恩給制度を引き継いできたというような過去の経緯等もございまして、従来からそのような慣例と申しますか、そういう取り扱いをしてきておるわけでございます。
#231
○三谷委員 恩給とそれからいまの共済制度ですね、これは仕組みが異なるものではないかと思いますが、その点はどうなんでしょう。
#232
○大嶋政府委員 御案内のように地方公務員の共済年金制度と申しますのは、社会保障としての性格を持っております公的年金制度でございまして、実質的に厚生年金保険を代行するものでもあるわけでございますが、一方従来の恩給あるいは退隠料制度それから旧共済制度といったものを統合して設けられた経緯もございます。そういうことでありますので、恩給制度それから厚生年金保険制度の内容といったものを考慮した給付の体系、給付の水準になっておるわけでございます。したがいまして、その改正につきましても、恩給制度それから厚生年金保険制度等との均衡を図ることが必要であるというふうに考えております。
 また、共済年金の基礎となります組合員期間のうちかなりの部分が、恩給公務員期間あるいはこれに準ずる期間というふうになっておりまして、この点からも恩給との均衡を図る必要があるというふうに考えております。
#233
○三谷委員 恩給費といいますのは全額が国庫負担だと思います。それからこれについては、臨調の答申の中にも「恩給費の増加を極力抑制」という言葉があります。まあ、これは国の諮問機関の意見ですから、それを全部絶対的なものとして国の施策に反映しなくちゃいけないという根拠は何もありませんが、一応臨調も恩給費については言っております。この共済制度についても、種々の答申が臨調から出ているようでありますが、五十七年度において恩給に準じて共済の抑制を行えという、そういう指摘はありましたでしょうか。
#234
○大嶋政府委員 そういう指摘はなかったと記憶をしております。
#235
○三谷委員 まあ指摘もないし、それから国庫における負担の実情も違うものですから、それをそのまま横並びに引き写しという処置が果たして妥当なのかという疑問は残ってくるわけであります。要するに、これは地方公務員の年金生活者の生活に対して重大な影響を与えるものでありますから、少なくともそういう制度改正をしますときにはそのことをよく考えてやっていくことが必要なわけでありますが、この処置によりまして公務員共済全体としてどの程度の財源の節減ができるわけでしょうか。
#236
○大嶋政府委員 年金の改定時期を一月繰り下げることによります節減額ということでございますが、昭和五十七年度におきましては、地方公務員共済組合全体でおおむね五十億円程度ということになると思っております。これを年金受給者一人当たりで見ますと六千二百円程度になろうか、このように考えております。
#237
○三谷委員 地公共済としての積立金は幾らあるのでしょうか。
#238
○大嶋政府委員 地方公務員共済組合全体の長期経理の積立金は、これは昭和五十五年度末でございますが、七兆四千七百八十九億円ということになっておりまして、これが五十六年度末には八兆五千億円程度になるというふうに考えております。
#239
○三谷委員 そうしますと、財政的に見た場合、地公共済に限って言えば一カ月おくらせる理由は存在しないということになってくるわけでありますが、そういう財政的な根拠がありながら地方公務員に対して、その退職者に対して少なからぬ負担をかけるような処置が、単に権衡上の問題だけでとられておるわけなのでしょうか。
#240
○大嶋政府委員 先ほども申し上げましたように、従来から恩給の改定措置にならいまして地方公務員の共済年金の額も改定をしてまいったわけでございます。そういった意味合いにおきましては、均衡、権衡上のところからというふうにお考えいただいてもいいかと思います。
#241
○三谷委員 いいかと思いますといって――そういうことなのでしょうけれども、国家財政に格別な負担を及ぼすものでもない財政上の条件もあるという中で、地方公務員年金生活者に対して六千何ぼですか、いまの生活難の中でさらに年金額の引き上げ等が要求されておる中で、そういう処置をおとりになることは、この制度そのものの本旨からしましても好ましい処置ではないと思います。その点から申しますと、いま野党が共同で修正の提案を提起しておるわけでありますが、これを受け入れるべきだと私は思います。大臣どうでしょうか。
#242
○世耕国務大臣 地方公務員共済制度だけでは、なかなかそういったことができないというふうに私は考えております。
#243
○三谷委員 その大臣の答弁、中が抜けてしまって結論だけ出ているものだから非常に理解しにくいわけですが、財政上の困難性があるとか、あるいは積立金も底をついたとか、あるいは国に大きな負担をかけるとかいうことだと別ですけれども、そういう条件が全くない場合には、地方公務員ですから地方自治の本旨に立って処置するということが忘れられたのではいけないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#244
○世耕国務大臣 御指摘の点は、私も何となくそういう感じがないでもないのでございますが、恩給制度がずっと戦前からありまして、それから途中でこの共済年金というあれに変わって、御指摘のように内容というか趣旨が若干違うのでございますが、流れは一つの流れを踏んできておるわけで、内容がある時期を契機として変わったわけでございますが、やはり自治省としては、地方公務員の場合でも国家公務員でもそうなんですが、恩給と共済年金との間の一つの均衡を図っていかなければならない。これは両方、性格が違うというふうないろいろな御指摘ももちろんあるのでございますが、やはりわが省としては均衡を図っていく。そのためには、地方公務員の共済年金だけ改定時期を繰り上げるということがきわめて困難である、こういうふうなことでございます。
#245
○三谷委員 この点につきましては朝から議論がなされておりまして、なかなかここのところを是正することがむずかしいようでありますから、繰り返しては申し上げませんが、これは論理のあるところにつくという態度でいきませんと、議論を幾らしても、そして道理のいかんにかかわらずそれでいくんだということでは、国会の機能というものは損なわれますから、そういうことがないように私は特にお願いしたいと思います。
 それから、総理府の恩給局からお越しになっておりますが、もう結構でございます。同じことでしょうから。
 もう一つお尋ねしますが、保育所従事者の間に頸肩腕症、腰痛症等の病症が多発しております問題は、四十五年の日本産業衛生医学会の細川報告以来、社会的問題にもなっております。
 最近、自治体単位で保母全員の健康診断を含む総合的な実態調査が実施されておりますが、最近大阪では、東大阪、大東、枚方市等でこれを行ったわけです。その調査結果の概要が関西医大の衛生学教室によって分析されて公表されておりますが、それによりますと、医療を必要とすると判定されたものが三%から一二%、疲労の蓄積によって就業上も健康管理上も相当な注意を要するというものが五%から二五%、自覚症状や筋の一部の圧痛あるいは硬結等があるものが二七%から三八%、こういう数字が出ております。この調査によりましても、保母が慢性疲労から頸肩腕障害、背腰痛症等の疾病に罹患しておることが明らかになっております。
 単一の職種におけるこのような高い異常率は、保母の健康状態が憂慮される状況にあり、業務との因果関係を示唆するものとなっておると思いますが、その点についてはどのようにお考えになっておるのでしょうか。
#246
○大嶋政府委員 保母の頸肩腕症等に係ります公務災害の認定に当たりましては、具体的に保母の職歴あるいは勤務状況、業務量、作業の態様、生活状況、既往の病歴といったようなものについて調査検討を行っておるところでございまして、当然、健康状態につきましてもその実態を把握するようにしておるところでございます。
#247
○三谷委員 自治省のあなたの前任者、宮尾さんは、一昨年私がこの問題でお尋ねしましたときには、頸肩腕症の発症状況については把握していないとお答えになった。それから昨年、大阪、京都の保育関係者が自治省に参りましてこの問題について折衝したわけですが、その際にも、実態を把握してほしいという要望に対して、情報交換は基金を通じてやっておるが、調査はしていないとお答えになっておる。そういう答えでありましたが、いまはそうではなしに、調査をして実態をよく把握しておるということなんでしょうか。
#248
○大嶋政府委員 私がいま申し上げましたのは、公務災害の認定に当たりまして具体的な例が出てきた場合に、いま申し上げましたような態様なり勤務状況なりあるいは過去の病歴等について、調査、検討を行っておるということを申し上げたつもりでございます。
#249
○三谷委員 私がお尋ねしているのは、個別の病状がどうとかこうとかいうことではなしに、これが職業との因果関係によって発生している、つまり職業病的な要素を持つものではないか、そういう扱いをすべきものではないかという観点でお尋ねをしておるのでございます。それで、これは前回の委員会でお尋ねしましたときには、石破自治大臣でありましたが、医学的な結論が出るまで放置するというわけにもいかない、関係方面とよく協議して一日も早くこの問題の解決をしたい、こうお答えになっております。この問題の解決をしたいというのは、これを公務災害として扱う方向において解決するという意味だと私は理解しておるわけでありますが、そうしますと、石破大臣がこのような答弁をなさっておるわけですが、この公務災害認定問題はどのように改善されたのか、どのような状況がいま進んできておるのか、お尋ねしたいと思います。
#250
○大嶋政府委員 保母の腰痛あるいは頸肩腕症候群、これにつきまして職業病としての認定をするかどうかということは、これはその疾病と業務との因果関係が医学的に十分に立証されなければならないということがございます。そこで、医学的な因果関係の解明も含めまして、労災、国公災の動向等も参考にしながら、慎重に検討してまいるということにしておるところでございます。
#251
○三谷委員 それは二年前におっしゃったことと同じことなんであって、その後どのような改善ができたのかということをお尋ねしているわけです。
#252
○大嶋政府委員 具体的にどのような改善ができたかという点につきましては明確に申し上げることができませんけれども、労災の動向等、関係機関におきます情報の収集、そういったことには努めておるところでございます。
#253
○三谷委員 情報の収集に努められて頸肩腕症候群の発生状態あるいは背腰痛症状の普遍的な発症状態、これをどのように捕捉されておりますでしょうか。
#254
○大嶋政府委員 医学的な問題、それから職務との因果関係の問題等いろいろございますので、いま申し上げる明確な結論には到達をいたしていないところでございます。
#255
○三谷委員 昭和五十一年の地方公務員災害補償法改正の際の附帯決議にもうたわれております。この附帯決議といいますのは「地方公務員の良好な職場環境の保全、健康管理のため、疾病発生の状況等について常に調査し、公務による傷害、疾病の状況把握、予防・指導の体制を確立すること。」ということが附帯されております。
 それから、元来この法律そのものが、ここにうたわれておりますような内容を本旨にするものでありますから、当然自治省としても公務員の職場環境の保全だとか健康管理だとか疾病発生の状況等について常に調査することが必要だと思いますけれども、さっき申しましたように、公務員部長は――あなたと違いますよ、前の公務員部長は何ら把握していない。去年の交渉は、恐らくあなたが公務員部長になってからと違いますか、これは基金を通じて情報を収集しておるという程度のことしか言ってないんだ。それではこの法律の円滑な運用を図る立場にある者として、あるいはこの附帯決議を実行する立場にある者として、少し職務の怠慢ということになりはしませんでしょうか、どうですか。
#256
○大嶋政府委員 保母の問題に限らず快適な作業環境の形成を促進いたしまして、職員の安全と健康を確保するということは、職員にとりましても、またもちろん地方公共団体にとりましても重要なことであると思います。各地方公共団体でそれぞれ適切な対応をしておるとは考えておりますけれども、自治省といたしまして、今後とも安全管理体制の整備促進が一層図られるように指導に努めてはまいりたい、このように考えるところでございます。
#257
○三谷委員 この問題の一番基本的な点というのは、大臣、私は前回も申し上げましたけれども、保母さんだけじゃありませんけれども、公務員の災害補償制度は無過失賠償理論によります損害賠償の制度ではないわけなんです。いわゆる対等な市民相互間の損害の公平な負担を目的にするというものではない、つまり市民法の次元のものではないということなんです。ですから、これは財産の損害だとか精神的な苦痛に対する慰謝料などは、この公務災害補償には含まれてはおりません。ですから、この災害補償制度といいますのは憲法の規定に準拠するものでありますが、すべての国民に勤労の権利を保障しております憲法の規定、そして生存権、勤労の権和の保障を公務員災害の補償の面で具体化するものだと思います。
 ですから、これについて病気の素因だとか相当因果関係だとか、こんなことをしばしばおっしゃっている。それは要するに、損家賠償の制度でありますならば相当因果関係というものが厳格に追及されなくてはいけませんけれども、そういうものではない。これは、今日の社会制度のもとで法則的に発生します労働災害や職業病の犠牲者である労働者とその家族の生活を保障して勤労の能力を回復させるという制度のものでありますから、その素因とか因果関係とかいうものは重要な要因ではない。要するに、そういう災害補償の状況が発生して勤労に支障が出ておるということが重要な要因であって、素因がどうとかこうとかいうことは、いわば副次的な問題にすぎないというのが私の考え方なんですが、その点はどうお考えでしょうか、大臣。
#258
○大嶋政府委員 公務災害補償制度、これはいろいろむずかしい問題もあると思いますけれども、基本的には公務によりまして災害を受けました場合に無過失責任の原則に基づいてその失った利益を補償する、こういう考えに立っておるというふうに考えております。また、具体的な公務災害の認定ということになりますと、これは国公災なり労災との間の権衡も失しないようにしなければならないわけでございまして、そういった意味合いで他の取り扱いといったことも当然考慮してまいらなければならないというふうに考えております。
#259
○三谷委員 公災補償の制度を損害賠償の一形態と考えるから、必然的に公務と損害との間に相当因果関係が必要である、こうなってくるわけです。因果関係がなくたって現に地方公務員がそういう一般的な疾病、しかも普遍的に集中的に受けておるという事態があれば、それはそれとして当然公務災害として救済措置は講ずるという性質のものでなくてはならぬと私は思います。要するに市民が、対等、平等な関係に立って、そして損害を生じたという場合、これは当然因果関係が必要になってくるけれども、そういうものではないのではないかと私は思っておりますが、大臣どうでしょう。
#260
○大嶋政府委員 大変むずかしい問題でございますけれども、同じようなことになるかと思いますが、公務災害の認定に当たりまして公務と災害との間に相当因果関係が認められるかどうかということによって判断をしております。このような考え方は地方公務員災害補償基金だけでございませんで、国公災、労災を通じまして災害補償制度の基本的な考え方でございます。こういった考え方を変更するということになりますと、ほかの同じ種類の制度との均衡の問題がございまして、これはやはり慎重に検討を要する問題であろう、このように考えるわけでございます。
#261
○三谷委員 これで長い時間をとりますとまた時間が経過しますからおきますが、昭和四十二年の立法時の速記録を見ましても社会保障立法という言葉を使っている。社会保障制度なんだ。損害賠償制度じゃない、社会保障の制度であるということがうたわれておって、そして公務員の生活保護、福祉の増進ということがうたわれておる一この点から見ますと、いまあなた方が解釈されております損害賠償の形態としての制度というものでは全くないということであろうと私は思います。要するに、民法や刑法上の問題ではないんだということだと思います。
 そのことを一つ前提にしまして、いま基金の支部、ここで保母の労働負担の過重性、つまり職業病として認定をする条件としての労働負担の過重性の基準としておるのは何ですか。
#262
○大嶋政府委員 具体的に申しますと、勤務状況、業務量、作業の態様、その他幾つかございますが、そういったものであろう、このように思っております。
#263
○三谷委員 基金支部が過重性の基準としております三つの項目があるようであります。それは、一つは児童に対する保母の人員が厚生省の定めた最低基準に達しておるか否か。達しておる場合は労働負担の過重ではない、要するに職業病的なものとは認められない、こういう考え方。それから、保育所の面積が厚生省の定めた最低基準に達しておるか否か。達しておれば、その場合は労働の過重性は認められない。三つ目は、保母の年間の超過勤務時間が百五十時間を超えておるか否か。超えない場合は労働の過重とは言えない。この基準に基づいて基金では一律的な審査をされておる、そういう状況にあるのでございます。
 つまり、行政的な基準と医学的な判断とを混同してしまっている。そのような行政的な基準があればそういう職業病が出るはずはない、そういう考え方に立ってこれは処置されております。この行政基準が実態に合わないことは、各自治体が基準を上回る保母の配置をやりましたり、あるいは収容面積の改善を行っておる事実から見ても明らかでございますが、それでもなおこの種の職業病的な疾病が急増しております。ところが、基金の支部では、この行政上の設置基準を下回る場合を除いて過重性の根拠がないとしておりますが、これは正しい判断なんでしょうか、正しい基準なんでしょうか。
#264
○大嶋政府委員 公務災害の認定に当たりましては、いまお示しの厚生省の児童福祉施設最低基準というようなものも総合的な判断の中での一つの要素ではあろうと思いますが、個別具体的に、被災職員の職歴なり勤務状況なりあるいは作業の態様なり既往歴といったようなものを調査いたしました上で医学的な意見を求めて、それらを総合的に考慮して、業務とその疾病との間に相当因果関係があるかどうかということを判断して認定しておると思っております。この最低基準がどうあるべきかということにつきましては、これは所管庁におきまして判断し検討していただくべき問題ではなかろうかと思っております。
#265
○三谷委員 私がお尋ねしましたのは、いま一般に基金の支部で行っております第一次の審査におきましては、この三つの基準を基礎にして認定をするということをやっておるわけです。それで、その行政上の施設の基準と医学的な関係というものはどういう関連性を持つのか、それは別なものじゃないかと私は思います。たとえば、施設が非常に広くても労働の負担が軽減されるとは言えません。そういう点からしますと、この基準で一律に審査をするということ自体に大変間違いがあると思いますが、その点はどうでしょうか。
#266
○大嶋政府委員 勤務の過重性を判断する一つの根拠にはなり得ると思いますけれども、それが公務と災害との相当因果関係を持つかどうかということにつきましては、先ほど申し上げましたように、医学的な要素等も含めて総合的に判断することがいいのではないか、このように思っております。
#267
○三谷委員 それはあなたのおっしゃるとおりだと思うのですよ。ところが、実際に基金の支部に行きますと、専門の職員を配置しなくたっていいという法律制度になっておりますから、労災や職業病の知識のない事務担当者が第一次の審査をやる。その審査は、いま申しました三つの条件を大前提にして結論を出している、こういう状態になっております。こういう状態について御承知なんでしょうか。御承知であれば、これは放任されておいていいでしょうか。御承知でなければ、これについては指導を強化してもらう必要があると思いますが、どうでしょうか。
#268
○大嶋政府委員 基金の支部におきまして、具体的にどういう基準でやっておるのかという詳細につきましては、私、いま承知をしておりません。公務災害の認定が適正に行われるということから、必要な指導はしてまいりたいと思っております。
#269
○三谷委員 抽象的でなしに具体的に答えてください。こういう機械的な基準で公務上外の認定をしたのでは、これはたまったものではないわけですから、そうでないように御指導を願いたいと思うのです。
#270
○大嶋政府委員 私は、先ほど申し上げましたように、個別具体の問題になりますと、職員の職歴、勤務状況、作業の態様あるいは既往歴といったようなことを調査した上で、医学的な意見を求めて総合的に判断しておるもの、このように考えておるわけでございます。したがいまして、その間に相当因果関係があるかどうかということが問題になってくることになろうかと思っておるところでございます。
#271
○三谷委員 あなたがそのようにお考えになっておりましても、現場ではそういうふうな状態がありますから、それについては適当ではないではないか、指導すべきではないか、こうお尋ねしているわけだ。
#272
○大嶋政府委員 公務災害の認定に当たりましては、私がいま申し上げましたような考え方に立ちまして認定を行うように、これは指導してまいりたいと思います。
#273
○三谷委員 地方公務員の災害補償制度は、民間と比べまして非常に閉鎖的といいますか、非民主的であるということが強く言われております。その一つは、審査の方法であります。民間の場合は現場の視察を行っておりますが、地方公務員の場合は原則的に書類審査だけでやってしまう。この書類審査の基準になりますのがさっき申しました三点です。それで大体片をつける、こういう状況になっております。しかし、これは民間と同じように、現場の視察なども実際に行って労働条件や労働状況もよく調べて、そして結論を出す必要があると思いますけれども、自治省はどうお考えでしょう。
#274
○大嶋政府委員 審査会の審理手続につきましては、御案内のように地方公務員災害補償法五十一条四項の規定に基づきまして、行政不服審査法が適用されるわけでございます。そこで権利救済を簡易迅速に行いますために、書面審理の方法によって行うことを原則としておるわけでございます。
 現地調査につきましては、申し立てがあれば必要に応じて行うこととされておりますので、必要があれば現地調査ということもあり得るというふうに考えます。
#275
○三谷委員 あり得るというのでなしに、実際に全国の保育所等におきまして起きました被害について訴えた場合に、さっき申しました三つの点で判断を出して、そして現場の労働条件や労働状況などについては見ないという実態になっておるわけです。あなたのおっしゃいますのとは少し事実が違うので、そういう状態でありますならば実態調査なども行って、そして最も具体な状況を把握した上で結論を出すという処置をとらなければ、制度そのものに対する不信が強まってくるわけですから、そのような指導をもっと強める必要があるのではないかと私は思っておりますが、いかがでしょう。
#276
○大嶋政府委員 先ほど申し上げましたように、現地調査につきましては、申し立てがあれば必要に応じてやるというたてまえになっておるわけでございます。したがいまして、申し立て人からの申し立てによりまして、支部の方でその必要があるということを判断すれば当然現地調査等をやるべきものである、このように考えます。
#277
○三谷委員 それがなかなかやられないのが問題になっているので、できるだけそれはやらせる、そうしなければ正確な結論は出るものではないということを申し上げたわけで、そのように努力してほしいと思うが、どうですか。
#278
○大嶋政府委員 公務災害の認定に当たりましては適正な認定が行われなければならないわけでございますし、それに必要なことは行うべきであると思います。
#279
○三谷委員 あなた、評論家みたいなことを言ってはだめだ。評論家の意見を聞いているのじゃない。行政の担当者としての責任を聞いているわけだ。
 第二、もう一つは、この審査会というものが民間では公開で行われている。ところが地方公務員の場合、非公開とされておる。これもまことに奇怪なことであって、これがなぜ非公開にされて、秘匿されて行われなくちゃいけないのか。これは民間と同じように公開をして、そして関係者などが十分に審査の状況がわかる形で行うべきだと思いますが、どうでしょう。
#280
○大嶋政府委員 審査会の手続でございますけれども、地方公務員災害補償法の規定に基づきまして行政不服審査法が適用されるわけでございます。そこで、権利救済を簡易迅速に行いますために、書面審理の方法によって行うということを原則としておるわけでございます。
 現地調査につきましても、先ほど申し上げましたようにその制度があるわけでございます。
 審理を公開するということにつきましては、審理の手続が、簡易迅速な処理の要請から書面審理方式というふうにされておることが一つございます。それから、不服申し立て人の利益の擁護といった面では、代理人制度のほかに、職員を代表する人が審理手続において意見を述べる機会を与える参与制度が導入をされておるというようなことから、従来とってまいりました非公開の方式をいま改める理由はないのではないか、このように考えております。
#281
○三谷委員 あなた方の官民格差は、官のいい場合は官民格差で、民がいい場合は格差にならぬらしいが、これはむしろ公開にして行う方が公正なわけであって、民間においてそれが行われておるわけでありますし、そこで支障も出ていないわけですから、当然そういう秘密主義は排するべきだというふうに私は思いますが、それは法律で決まっているわけですか、指導によってそうなっているわけですか。
#282
○大嶋政府委員 書面審査ということから必然的にそういうふうになっておるわけでござらまして、法律で公開してはならないというような規定はないと思っております。
#283
○三谷委員 その書面審査が問題なのですよね。人の疾病とかあるいは身体状況などを判断します場合に、書面で全部事が済むということが問題なわけであって、そこから付随して現地調査もしない、あるいは審理の公開もしない、こういうことになってきている。それはきわめて不十分な審査しか行われていないということを示しているわけです。そこで当然これに対しては疑義や不信が出てくる、不服審査の訴えも出てくるということになってくるわけであって、まず基金の支部でそういう弱点を是正をしてそして民主的に、何らこれは隠蔽すべきものはないわけでありますから、公開の中で物事を行っていくという態度に変えるべきだと私は思いますが、その点はどうでしょうか。
 それからもう一つ、ついでに聞きますが、民間の場合ですと専門職が審査に当たりますけれども、地方公務員の場合は兼職が禁止されておりませんから、他に仕事を持っている方の片手間仕事になってしまっている。一遍出ますと、一万円ぐらいの費用をもらえるというわけであります。そういう状態でありますから、なかなかこの問題に真に打ち込んで審議ができないという状況があるようであります。この点でも、これは制度の改善に取り組むべきだと私は思いますが、いかがでしょう。
#284
○大嶋政府委員 公開の問題につきましては、先ほども申し上げましたように不服申し立て人の利益の擁護という面で代理人制度、そのほかまた職員を代表する人が審理手続において意見を述べる機会を与える参与制度というものを基金において導入をしておるわけでございます。したがいまして、その利益の擁護というのはその辺でできるんではないかと思っております。それからまた、公開ということになりますとプライバシーの問題等々もあるわけでございまして、なかなかむずかしい問題があると思います。
 それから審査をする方々、これはお医者さんでありますとか弁護士さんでありますとかいうような人が入っておって、厳正に審査をしていただいておるものだというふうに考えております。
#285
○三谷委員 医者と弁護士と行政関係者ですか、この三者構成、大体そのパターンでいっているようでありますが、医者にしてもきょう日の医者がわずかばかりの日当で時間をかけて審議をするというふうなことはなかなか至難のことでございます。弁護士にしてもそうでありまして、これもよほど社会奉仕に徹した方でもなければ、時間をかけてこれを綿密に調査をするということにはならない。だから労働省の三基準によって、大体保母さんが児童一人当たり何人おるか、あるいは面積何ぼあるか、何時間残業しておるかというところで結論を出してしまう、きわめて形式的な結論になってしまっている。
 これが、今日までこの問題が社会的にやかましく言われてきている大きな根拠になっているわけですから、そういう弱点があるとすればそれを正すということをやらなければいかぬ、それをやりなさいと言っているんだ。そのことは決してむずかしいことじゃない。プライバシーとかなんとか言っておるけれども、民間でそれをやっているのに何で公務員についてそれができないんだ。そして、民間の公開の方が民主的だということは、だれしも容易に認定できる問題であって、その制度がなぜできませんか。しかも法律の規定はない、指導でやっているわけだ。そういう指導を改めなさい。大臣どうですか。
#286
○世耕国務大臣 先ほどから伺っておりまして、まあ大体頸肩腕症とか腰痛の方からお話が出てきたと思うのですが、要は民間の方では労災、それから公務員の方では公務災害というふうな認定がとれるかどうかというところに一番問題点があるように思います。これは医者の方がずっと細かく立ち入ってきますとなかなか、遠い原因、それから誘因、それから本来の原因とか、医学的にはいろいろな問題が細かく出てきまして、職場における原因と病気の結果というものは結びつかない場合が非常に多いんです。
 そこで、いろいろなほかの現場の人とか立会人とか第三者、それから弁護人ももちろん入ってくると思うのですが、そういうところでいろいろ協議したりして徐々に、可能なときはその原因と職場と、それから病気の結果を結びつけて労災の方向に持っていくわけですが、なかなかそれがうまくいかない場合が多い。これは医者の方がなかなかうるさくなりまして、原因と結びつかない場合が非常に多いのでございますが、ここを何とかしようというところに一番問題があるかと思います。
 それで、公開にした方がいい、それから非公開にした方がいいという御議論が先ほどからいろいろありましたけれども、非公開にするのにはそれなりのかなりの理由もあるところだと思います。公開にしますと、公開にした方がいい場合もあるのですが、いま申し上げたようないろんな議論が百出して結論がなかなか出てこない、こういう面が非常にあるかと思います。それから非公開にしますと、これは物の見方ですが、けしからぬと言えばけしからぬという論理も成り立つかもしれないのですが、わりあい早く結論が出る可能性がある。まあ、労務災害とか公務員災害というのはそういう性格を持っているものだというふうに私どもは考えております。
#287
○三谷委員 お答えになったのは、何かお尋ねしたうちの一部分だけちょちょ切ってお答えいただいたので、もう少し全面的にお答えいただきたいと思いますが、いまおっしゃいましたような点は全くおっしゃる点と逆なんです。民間の場合の審査というものは、大体三カ月から六カ月で出ますけれども、公務員の審査結果というものは認定までの期間が、ひどいのは四年も五年もかかっている。私は、ここに幾つかの実例やその該当者の資料も持っておりますが、時間がありませんから申し上げませんが、非公開にしているから早い、そういうのは全く大臣がいま唐突に発想されたことであって、具体の事実はそうでないことをはっきり示しております。ですから、いま申しました点については、そういう強弁をなさらずにいろいろ研究をして、そして是正すべき点は是正するという態度をとってほしいと思います。
 これは後でお答えいただいて、時間がありませんからもう一つ、労働省が見えましたから労働省にちょっと聞いておきます。
 労働省は、保母の頸肩腕症及び腰痛症が労働基準法施行規則三十五条の職業性疾病とされていない、その理由については医学的なコンセンサスが得られる段階まで達していないとして、さらに各種の研究文献あるいは医学的情報を収集して、新しい結論に従って行政を適切に運営するよう努力していくとお答えになっておりますが、その後どのような医学的研究が行われましたか。そして、その結果はどういう帰結になろうとしておりますか、お聞きしたいと思います。
#288
○林説明員 お答えをいたします。
 労働省としては、頸肩腕症候群等の認定基準の中に保母を入れるかどうかという問題については、いろいろな先生方に委託研究をしておるところでございますが、現在のところ、前と異なった新しい結論は出ておりません。
 申し上げますと、業務上の頸肩腕症候群は、主として上肢の繰り返し作業あるいは一定の姿勢の保持作業によって、上肢の全部または一部の機能に過度の負担がかかることによって発症するということが医学的に確定している事実でございまして、保育所の保母の行う業務につきましては、重心身障害施設の保母等については、入浴、排便等の介助作業の中で一部精神的な負担も大きいことから、それに該当する業務が認められる場合もあり得ますが、一般保母業務としては多種多様の作業態様があって、その多くは全身的な労働が主体であることから、その業務が内容的に見て直接頸肩腕症候群を発症せしめるということの特異性を現在医学的な治験としては得られておりません。したがいまして、現在では保育所における保母の問題につきましては、特に明らかな労働負担が認められる場合、個別にその業務との因果関係を明らかにすることによって認定するということにいたしております。
#289
○三谷委員 それでは、この頸肩腕症状あるいは背腰痛症状というものがなぜ保母の間に集中的に蔓延してくるのかという点の答えにはなりません。
 そこで、これは東大阪市の昨年の三月の調査でありますが、保育所の職員四百八十人につきまして特殊な健康診断を行った報告書も出ておりますが、これは御承知ですか。
 それから昨年、京都の民間保育所の保母であります高津千鶴子さんに対する中央労働保険審査会から出されました裁決があります。この裁決によりますと、厚生省が設けております保母配置の最低基準に対して、「保母にとって相当厳しい負担が付加されているものと推察される」という判断・を示しております。そしてまた、保母の作業内容及び作業姿勢の多様性を認めまして、「保母の業務は、上下肢及び腰部に対する付加は相当なものである」こういう評価をしております。そして、休憩がとりがたい状態にも置かれておる。何しろ、相手が物体ではなくて生きた子供でありますから、休憩も機械的にはとれない。あるいはまた生休なども、保母の補充の困難性、つまり臨時保母の困難性などからむずかしいというふうな状況などを認めまして、保育労働一般の過重性を認めておるのであります。
 そういう点からしましても、保母さんが上肢を主に使う職業ではないから頸肩腕症とは、職業的な疾病とは言いがたいということだけでは、現実の事態の解釈はつかないのであります。こういう実態があるわけでありますから、頸肩腕症及び腰痛症あるいは背痛症でありますが、とにかく単一の職種としては異常な高さの統計が出ておるわけでありますから、その実態を見てこれに対する適切な対応をしてもらうということが絶対に必要であると私は思うのでありますが、その点についてはどうでございましょうか。
 それから大臣には、先ほどの保留されておりますお答えを一緒にお答え願いたいと思います。
#290
○林説明員 お答えします。
 先生がいまおっしゃられました調査については、私どもまだ内容を承知しておりませんが、資料の提出があれば、何らか今後の検討の参考資料になると思いますので、検討してみたいと思います。
 それから審査会の裁決の内容については、これは審査会が審査会の考え方で出したわけでございますが、あれの内容は、保育所の保母の業務全般について頸肩腕症候群との因果関係を認めたということではなくて、請求人個人個人の状態を作業態様、作業量、労働時間あるいは作業期間等を検討いたしまして、特に相当程度の労働付加によって、請求人自身が持っていた既往症を著しく増悪させた結果発症したものという判断を下しております。この点については、原処分庁である監督署長の事実判断の誤りということから、取り消しの裁決が行われたというふうに私どもは承っております。
#291
○世耕国務大臣 頸肩腕症とか腰痛症というのは、ざらにと言うとおかしいのですが、これはよくあるもので、これが特定の職業との結びつきというのはなかなかむずかしいのではないか。つまり、その発生率が多いという統計上のあれからいろいろな類推をしていくことになるのでしょうけれども、それの医学的な結びつけ方が非常にむずかしいというところだろうと思います。そういうことで、問題が提起されてもなかなか解決に至らない場合が、このケースだけでなくて多いかと思うのでございますが、そういうこともなるべく総合的にいろいろな角度から検討して、公務災害とすべきはすべきであろう、それから労災にすべきはすべきであろう、こういうふうに私どもは考えております。ですから、御指摘の点はまだいろいろ検討していく必要があろうと思います。
 ただ、これは主に労働省の管轄になってくるわけでございますが、私のいままでの経験から見てまいりますと、この結びつけがなかなかむずかしくて結論に至らない場合が非常に多い。ですから、これを多角的に総合的に扱って論議を重ねていく必要があるかと思います。
 それから、こういったことに対する制度を改革しろということでございます。公務員の場合のこういう点に対する改革というのはなかなかむずかしいのですが、私は、やはり第一段階としては、その審査に当たる代表者の数をできるだけふやして公正さを期して、その結論をなるべく簡潔、迅速に出していく、こういう方向に今後ますます検討して進めていくべきであろうと考えておるところでございます。
#292
○三谷委員 時間が来て皆さんに御迷惑をおかけしますから、最後に要望だけしておきます。
 いま大臣のおっしゃった点は、非常に重要な改善の目標だと私は思います。まず、自治省がこの実態の把握をもう少しやってほしい。状況をよく把握しておりませんというふうなことでは、地方公務員の災害問題を扱う場所としては非常に不十分でありますから、もっと能動的に実態の把握に努めてもらうこと、そしてその原因等について分析してもらうこと、それから認定をもっと迅速にやってほしい。私がここに持っておりますのを見ましても、一年九カ月とか一年三カ月とかいうのが少なからずあります。ひどいのは四年、五年というのもあります。そういうことでは救済制度の意味をなしませんから迅速にやってもらう。これは基金を指導してもらう必要がありますし、あるいは基金の制度等につきましても、改善すべき点があれば改善をするということが必要だと思います。
 それから、形式的な基準はこれを改めてほしい。いまの厚生省の設置基準に合っているか合っていないか、それが病気が発生する根拠か根拠でないか、そんなばかげた基準はあるものじゃありませんから、こういう不十分な点については是正するように指導をお願いしたいと思います。それについて一言。
#293
○大嶋政府委員 適正な認定がなされるように総合的な判断をするようにということが一つと、それからお話のように迅速、適切な認定がなされますことを私どもとしても指導してまいりたい。また、勤務の実態と申しますか、そういうものにつきましても、当然地方公務員の健康、執務環境といったものに関係をいたすわけでございまして、これにつきましては、各地方公共団体についての指導を行ってまいりたいと思います。
#294
○三谷委員 終わります。
#295
○中山委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
#296
○中山委員長 この際、本案に対し、自由民主党を代表して工藤巖君より修正案が、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び日本共産党を代表して佐藤敬治君外三名より修正案が、それぞれ提出されております。
 両修正案の提出者から順次趣旨の説明を聴取いたします。工藤巖君。
    ―――――――――――――
 昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#297
○工藤委員 ただいま議題となりました修正案につきまして、その提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。
 本修正案は、委員各位に配付されているとおりでありますが、政府原案では、「昭和五十七年五月一日」あるいは「昭和五十七年四月一日」と定められております施行期日等につきまして、すでにその日が経過しておりますので、これらを「公布の日」に定めるとともに、これに伴いまして所要の規定の整備を行おうとするものであります。
 以上が修正案の提案の趣旨及びその内容であります。
 何とぞ、御賛成くださいますようお願いいたします。(拍手)
#298
○中山委員長 次に、佐藤敬治君。
    ―――――――――――――
 昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#299
○佐藤(敬)委員 ただいま議題となった昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案について、共同提案者である日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び日本共産党を代表して、その提案理由及び概要を御説明いたします。
 今回の政府による改正案は、恩給法等の改正内容に準じて共済年金受給者の年金額を引き上げ、処遇の一層の充実を図るとしておりますが、年金改定の実施時期は例年より一カ月繰り下げて五月からとされております。
 周知のとおり、共済年金改定の実施時期は昭和四十八年度の十月から順次改善され、五十二年度以降は四月実施が定着してきたのであります。四月実施でも、年金受給者にとっては現職者の給与改定と比べますと、一年おくれて改善されているのが実情なのであります。それをさらに一カ月おくらせようとする政府の提案は、これまで進められてきた年金充実の方針転換にほかならないのであります。現在の年金受給者は、昭和五十五年度末現在で約七十四万人でありますけれども、これらの方々にとっては処遇の改善どころか福祉の後退となるのであります。
 高齢化社会を迎えるに当たっては、年金の充実は欠かせませんが、今回の措置はそれに逆行し、老人の生活を不安にさせるものであります。かかる福祉の後退を行うべきではありません。私たちは、このような立場から共同して修正案を提出するものであります。
 修正案の案文はお手元に配付してありますが、その内容は、年金改定の実施時期の五月を一カ月繰り上げ、例年どおり四月から実施しようとするものであります。
 以上が修正案提出の理由及び内容でございます。
 委員各位におかれましては、よろしく御賛同いただきますようお願い申し上げて、提案理由の説明を終わります。(拍手)
#300
○中山委員長 以上で両修正案についての趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#301
○中山委員長 これより原案及びこれに対する両修正案を一括して討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。
 昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案について採決いたします。
 まず、佐藤敬治君外三名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#302
○中山委員長 起立少数。よって、佐藤敬治君外三名提出の修正案は否決されました。
 次に、工藤巖君提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#303
○中山委員長 起立多数。よって、工藤巖君提出の修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除いて原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#304
○中山委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#305
○中山委員長 この際、ただいま議決いたしました法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党及び新自由クラブ・民主連合を代表して工藤巖君外五名より、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。提出者より趣旨の説明を求めます。工藤巖君。
#306
○工藤委員 私は、この際、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党及び新自由クラブ・民主連合の六党を代、表いたしまして、昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、附帯決議を付したいと思います。
 案文の朗読により趣旨説明にかえさせていただきます。
    昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、共済組合制度の充実を図るため、左記事項を実現するよう、なお一層努力すべきである。
 一 長期給付に要する費用の公的負担分については、厚生年金等の負担と異なっている現状にかんがみ、公的年金制度間の整合性に配慮しつつ検討を続けること。
 二 短期給付に要する費用の負担について、組合員の生活実態等にかんがみ、今後なお適切な措置を講ずること。
 三 本改正案において年金額の改定実施時期が例年より一カ月遅れとされているので、今後遅れをなくすよう特段の配慮をすること。
 四 懲戒処分者に対する年金の給付制限については、他の公的年金との均衡を考慮して、今後とも引き続き検討すること。
 五 退職年金等の最低保障額について、引き続きその引上げを図ること。
 六 遺族年金の給付水準を七十パーセントとするよう努力すること。
 七 退職年金受給者等の医療の充実を図るため、任意継続組合員期間を延長するよう検討すること。
  右決議する。
以上であります。
 何とぞ皆様方の御賛同をお願いいたします。(拍手)
#307
○中山委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 お諮りいたします。
 本動議のごとく本案に対し附帯決議を付することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#308
○中山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 この際、世耕自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。世耕自治大臣。
#309
○世耕国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重いたしまして、善処してまいりたいと考えております。
    ―――――――――――――
#310
○中山委員長 この際、お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#311
○中山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#312
○中山委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時五十分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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