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#1
第096回国会 内閣委員会 第11号
昭和五十七年四月十三日(火曜日)
    午前十時三十一分開議
 出席委員
   委員長 石井  一君
   理事 愛野興一郎君 理事 佐藤 信二君
   理事 田名部匡省君 理事 山崎  拓君
   理事 上田 卓三君 理事 渡部 行雄君
   理事 市川 雄一君 理事 小沢 貞孝君
      有馬 元治君    上草 義輝君
      狩野 明男君    亀井 善之君
      川崎 二郎君    倉成  正君
      塚原 俊平君    細田 吉藏君
      堀内 光雄君    岩垂寿喜男君
      上原 康助君    角屋堅次郎君
      坂井 弘一君    木下敬之助君
      中路 雅弘君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (総理府総務長
        官)      田邉 國男君
        国 務 大 臣
        (行政管理庁長
        官)      中曽根康弘君
 出席政府委員
        人事院総裁   藤井 貞夫君
        人事院事務総局
        管理局長    加藤 圭朗君
        人事院事務総局
        給与局長    斧 誠之助君
        人事院事務総局
        職員局長    金井 八郎君
        総理府人事局長 山地  進君
        臨時行政調査会
        事務局次長   佐々木晴夫君
        臨時行政調査会
        事務局首席調査
        員       山本 貞雄君
        行政管理庁行政
        管理局長    佐倉  尚君
        行政管理庁行政
        監察局長    中  庄二君
        通商産業省機械
        情報産業局長  豊島  格君
        郵政省電気通信
        政策局長    守住 有信君
 委員外の出席者
        大蔵省主計局調
        査課長     畠山  蕃君
        大蔵省主税局総
        務課長     内海  孚君
        郵政省電気通信
        政策局データ通
        信課長     江川 晃正君
        自治省行政局行
        政課長     中島 忠能君
        内閣委員会調査
        室長      山口  一君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月九日
 辞任         補欠選任
  狩野 明男君     柳沢 伯夫君
  亀井 善之君     森田  一君
同日
 辞任         補欠選任
  森田  一君     亀井 善之君
  柳沢 伯夫君     狩野 明男君
    ―――――――――――――
四月十二日
 旧満州棉花協会等を恩給法による外国特殊機関
 として指定に関する請願(染谷誠君紹介)(第
 二〇三一号)
 国民生活を犠牲にする行政改革反対等に関する
 請願(林百郎君紹介)(第二〇五五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 行政事務の簡素合理化に伴う関係法律の整理及
 び適用対象の消滅等による法律の廃止に関する
 法律案(内閣提出第七二号)
     ――――◇―――――
#2
○石井委員長 これより会議を開きます。
 行政事務の簡素合理化に伴う関係法律の整理及び適用対象の消滅等による法律の廃止に関する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岩垂寿喜男君。
#3
○岩垂委員 わが党は、本法案が各省庁の広範な行政事務にかかわる点にかんがみて、関係委員会との連合審査など慎重な審議を要望してまいりたいと思っております。また、いずれ専門の同僚各位の審議参加を通して、行政改革の一環としての本法案に対する、いま現実に進められている臨調の作業などを含めていろいろ質問をしていくつもりでございますが、とりあえず私は、この法案そのものというよりも、それを取り巻くさまざまな臨調の事柄、あるいは前々国会で臨調の設置法が議論をされたときに私が中曽根行政管理庁長官との間で質疑応答を繰り返してまいりましたことなどを中心にして質問をしてまいりたいと思いますので、その点を御理解いただきたいと思います。
 最初に、いまの臨調の作業状況といいますか、その中でたとえば重要項目とか、あるいはその中における問題意識などについて御報告をいただければ大変ありがたいと思います。
#4
○中曽根国務大臣 臨時行政調査会におきましては、七月の第三次答申、一番重要な答申に向けていま全力を傾倒しております。専門部会の部会案を大体五月中にまとめて、そして各部会から順次委員会に報告がなされ、委員会におきましては、五月から六月にかけて大体週三回ぐらい委員会を開きましてその審議を行って、七月中には予定どおり第三次答申、重要なる答申を行う、そういう手はずで目下鋭意努力しておるところでございます。
#5
○岩垂委員 長官は、去る三月一日だったでしょうか、鈴木総理に会って、七月に予定されている臨調基本答申と来年三月の最終答申との間に十一月答申というふうなことも考えられないことではないという意味のことをおっしゃっておられます。新聞の報道で承ったわけでございますが、そのことが、たとえば臨調との間で、あるいは政府部内でもあるいは政府・与党内でも、いろいろな問題で波紋が広がってきたことは御存じのとおりであります。
 それについてさまざまな見方があることは事実でございまして、長官も恐らく御存じだろうと思うのです。中曽根さんは、秋の総裁選を見送って行革に専念して、鈴木再選に協力することによってその後をねらう戦略に出た、こういう解説もありました。政局を左右するような大物政治家の発言でございますから、その意味では波紋の広がりというものが起こるのはしようがないだろうと思うのですけれども、恐らく秋の政局をにらんで、中曽根さんのことですから慎重に御発言をなさったのだろうと思いますが、長官の真意が那辺にあったのか、その辺を少しお聞かせをいただきたいと思います。
#6
○中曽根国務大臣 私の発言に関しましてとかく論評が行われたようでございますが、自民党の内部の問題と臨調の答申の問題とはまるきり関係はございません。もしそのような論評があったとしたら、まことに心外とするところであります。自民党の内部のごたごたよりも行革や国家の方がはるかに重大な大事な問題なのでありまして、その点を間違うようなことは、絶対私はしないつもりでおります。
 私の申し上げた真意は、前から言っていることでございますが、七月答申というものは臨調の答申の中の脊梁山脈であって、一番大事なところである。ぜひ目玉を出してほしい。骨太の、そして一番大事な、国民が一番期待している、しかもむずかしいものを出してください、われわれはそれをいとったり回避するものではない、気力、体力のある一番充実しているときに一番重大な問題にぶつかるというのが政治家としてのやり方ではないかと思っております。そういう意味で、焦点をしっかりした、国民にわかりやすい大きな問題をぶつけていただきたい、そういうことを私は前から申し上げておりまして、それでその次の答申はいままでは三月ということになっておりましたが、仮に七月の答申で漏れたものがあったら、来年三月まで待つというと、これは三月は臨調が解散するときでありますからしり切れトンボになる。かえって逃げられるというような憶測を生むこともあり得ます。臨調はかねがね随時答申ということも言ってきておるので、そういう例もすでにございますから、三月を待たずともどうぞいつでも随時答申してください、また、いま三月に答申していくというような予定のようなことであっても、繰り上げて秋に間に合うものがあったら秋に答申して、なるたけ早目に片づけましょう、答申が出てきた場合には速やかにこれを実施に移すというのが政府の方針でございますから、そういう方針でやりますからよろしくお願いいたします、すべて、そういう選択、いつ答申出すとかどう
 いう内容にするとかということは臨調がお決めになることで、われわれがとやかく申し上げることではございませんけれども、われわれの心意気というものはそういうものでお待ちしている次第ですということを申し上げたのでございまして、自民党の総裁選や何かと結びつくような、そういう考え方は毛頭ございませんので、御了承をお願いいたしたいと思います。
#7
○岩垂委員 臨調答申を促進させるという立場に立っての御発言だというふうに理解をしたいと思います。
 だとすれば、答申を受けてそれを法案化して、どういう形の国会になるのか私にもわかりませんが、たとえば臨時国会を召集するという段取りというものを考えた場合に、昨年の経験などということを振り返ってみますと、法案化のためにはやはり三カ月ぐらいかかる。そしてその後国会、こんな段取りというふうに、私どもも用意が必要でありますので、考えてよろしいかどうか、御答弁をいただきたいと思います。
#8
○中曽根国務大臣 この点は、答申がどういう答申が出てくるか、中身を見てまいりませんと、政治日程が立たないと思います。したがいまして、七月の答申を見て、それをよく判断した上で、これをどういうふうにこなしていくか、臨時国会を必要とするかしないか、必要とすればこれはいつごろ開くのが適当であるか等々を、これは答申をいただいた後で党とも相談をし、また野党の皆さんにも御了解をいただいてやるべきことであると思っております。
#9
○岩垂委員 長官は自民党の内部のごたごたにかかわって行革をおろそかにすることはできないという御答弁をいただいたのですが、現実には、十一月には自民党の総裁選挙がございます。これは非常に政治日程として大きな課題であります。天下大乱だなどという解説をなさる方もおられますけれども、臨時国会がたとえば秋口に開かれるというふうな可能性を行革を推進する立場からお考えになる余地があるのかどうか、御答弁をいただきたいと思います。
#10
○中曽根国務大臣 臨時国会というようなものはやはり国の大事でございまして、それぞれ相当な準備をして国会に臨まなければできないものでございます。特に今回は一番大事な答申が出るわけでございますから、この答申をどうこなしていくかということについては深甚なる検討を要し、そして各党の御意見もある程度感触を伺う、こういうことも政治家としては当然やらなければならぬことでございまして、ともかく何といっても大事なことはどういう答申が出るかということがまず基本でございますので、答申を見た上でわれわれは決めてまいりたい、そう思うのでございます。
#11
○岩垂委員 少ししつこくて恐縮ですが、長官は、答申がどういう形になっていくだろうかということについてはそれなりの御判断をお持ちだろうと思うのです。その御判断の上で、たとえば国鉄臨時国会などという意見も聞かれるわけでございます。三公社問題を中心に臨時国会で審議をするというふうな条件があるかどうか。長官の判断をお聞かせいただきたいと思います。
#12
○中曽根国務大臣 三公社問題を中心に臨時国会を開くというようなことは、まだ答申も出てこない今日の状態ではまるっきり見当もついておらないのでございまして、いま御答弁申し上げる段階でないと思いますし、まだそういう考えも決まっておりません。
#13
○岩垂委員 福田元総理は、国鉄問題というのはそんなに簡単に片づくものじゃない、法案をつくるのに一年、国会で審議をする期間が二年というふうなぐあいに時間がかかるというふうに語っておられるそうですが、その辺は、少ししつこくて恐縮ですが、どんなふうにお考えになっていらっしゃいますか。
#14
○中曽根国務大臣 国鉄問題は非常に重要な問題であると思っております。今日の国鉄の状態を見ますと、これは経営の問題、資金計画あるいは労使関係、そのほかさまざまな問題がございまして、この問題は国民も期待しておりますし、ぜひとも改革を断行しなければならぬ重要なアイテムであるとは思っておりますが、それが今後どういう日程でどういうふうにこなされていくかということはどういう改革案が出るかということにも非常に依存しておりますので、いまのところどういうふうになるかということは予断を許さないところでございます。
#15
○岩垂委員 なかなかガードがかたくて慎重な御答弁だけでございますが、七月答申と、五十八年度予算編成のいわゆるシーリングとでもいいましょうか、そういう関係というのは、いまの答申のプログラムの中でどんなふうに関連づけていらっしゃるおつもりか、御答弁をいただきたいと思います。
#16
○中曽根国務大臣 この点は先日も御答弁申し上げましたが、財政当局から五十六年度の財政関係がどういうふうに推移したか、五十七年度はまたどういうふうな推移をたどるであろうか、そういういろんな資料をいただいて、そしてこれは内閣あるいは党全体としての相談をした上で判定さるべきものでありまして、そういう資料もない、条件も整っていない、こういう段階におきましては、臨調においてどうするかということはまだ答弁できない段階であると思います。
#17
○岩垂委員 きのう、きょうの新聞をにぎわしておりますけれども、二兆四千億円とか五千億円に上る歳入欠陥、私はこれは非常に重大な政治問題だろうと思うのです。経済成長率名目八・四%、実質五・二%というふうな過大な見積もりを結果的にしたわけですけれども、見通しが非常に正確でなかった、誤っていたというふうに言わざるを得ません。
 いま申し上げた数字についても、たとえば昨年度の歳入欠陥が二兆数千億円、ことしの税収見通しは昨年の見通しにさらに四兆円をプラスしてあります。これは自然増収を見込んでいるわけですね。そうしますと、五十六年の税負担見通しが崩れて、五十七年度も三兆円とか四兆円とかというふうな見方もございますけれども歳入欠陥になる。これでは五十九年度赤字国債発行ゼロという鈴木内閣の公約というのは、破綻という表現を使っている新聞もございましたが、私はまさにそういう感じでございます。これらの点については、中曽根長官はどんなお考えを持っていらっしゃるか、御答弁をいただきたいと思います。
#18
○中曽根国務大臣 大蔵大臣も過般の閣議におきまして、五十六年度の三月決算というものについては非常に憂慮すべき事態である、二兆円を超すぐらいの歳入欠陥があるかもしれない、そういう話がございました。われわれもそれを心配しておるところでございます。そうなると五十七年度におきましても、その五十六年度は発射台になりますから、これがどういう推移をたどるものであるか、これもわれわれ慎重に財政運営をして、そして予算をできるだけ予算原案に近く執行できるように努力するのは、政府当局としての責任であるとわれわれは考えております。
 しかし、まだスタートしたばかりでございまして、どういうふうな経緯をたどるかということはよくわかりません。いずれにいたしましても、世界経済全般がこういう低迷している状態であり、アメリカの景気もわれわれが予想したように回復の力がはかばかしくない、あるいはヨーロッパにおきましても同様な状態でございまして、そういう停滞ぎみの世界情勢を考えますと、われわれもそれに即応したような構えで着実な財政なりあるいは行政の運営をしていかないと誤る。甘いような気持ちで、いままでのような何かはんわかほんわかしたような気持ちで世の中は推移しないだろう。そういうことも予想されますので、そういう点をよく肝に銘じましてわれわれは行政の改革あるいは財政の運営というものをやっていかなければならぬ、そう考えております。
#19
○岩垂委員 国際経済だけに責任を転嫁することはできないと思うのです。やはりわが国の財政をつかさどっている内閣、その責任というのは私は非常に大きいと思うので、その点は意見だけ申し上げておきます。
 かつて長官は、去年ですか、財政再建と行政改革というものは区別すべきだ、こういう意見を述べられたことがございます。私もそれはまさに正しい指摘だと思いますが、同時に、いまになってみると長官はなかなか先見の明のあることを言ったものだというふうにも感じます。
    〔委員長退席、愛野委員長代理着席〕
 それはそれとして、五十六年度、五十七年度両年度の歳入欠陥を行革による歳出構造の合理化で対処すべきだという見解があることは、御存じのとおりです。この考え方を長官はどう受けとめられますか。
#20
○中曽根国務大臣 財政の状況は、先ほど申し上げましたようにまだ資料も出ておりませんし、臨調としてもどういうふうに取り組むか、決定しておりません。
 しかし、一般的に言えることは、財政状況いろいろ変化はあると思いますけれども、行革を断行していくというこの決心や気構えが揺らいではならない。やはり行革を国民の公約に沿ってあくまでも断行していくということがわが内閣の崇高なる使命であると考えております。
#21
○岩垂委員 お尋ねにどうも歯切れのいい答弁ではなくて、ちょっとへんてこなんですが、つまりいまの財政状況を、いうところの行革という、私どもに言わせれば弱い者をいじめていくような面が非常に強い行革の形で始末をしていくということについては、私は許しがたいと思うのであります。そういう点で第二臨調の行革が――この前の議会ですね、昨年の議会で、鈴木総理も中曽根さんも痛みを分かち合うという言葉を言われました。財政が非常に厳しい条件のもとではそれなりの説得力を持っていたように思います。しかし現実には一昨年の国会で私どもが主張してまいりましたように、この前の行革法案と言われるものの中身は福祉や医療、そして教育に大なたがふるわれました。さらに、新年度予算では防衛費が突出をするというふうに、現実に七・七五四%というわけでございます。国民生活にかかわる予算は厳しく削減された現実の上に、このような言ってしまえば軍事大国化あるいは福祉切り捨てというふうなことが行われているわけでありますが、いやしくも行革がそういう政策の露払いに使われたのではたまったものではないと思うのです。これは国会で何回か議論をしてきたことでございますが、この点について中曽根行政管理庁長官のお気持ちをお伺いしておきたいと思います。
#22
○中曽根国務大臣 行革には聖域がないということは前から申し上げておるとおりでございまして、その点はいまでも変わりません。しかし、福祉の中で本当に困っている方々をお救い申すということはこれは政治の要請でございまして、そういう本当に困っている方まで犠牲にするという考えは正しくないと思います。しかし、国の経費を節約するという面から、標準以上の、一般の行政水準に達しているようなもの、あるいは良識的に考えてみましてこのスタンダードならばがまんし合える、そういうような点につきましてはやはりがまんし合うということが正しいと思いますので、その点につきましては、国政全般のバランスを考えながら公正を期して行うべきものであると考えております。
#23
○岩垂委員 具体的な問題に入るわけですが、当面の最大の政治課題である一兆円減税の問題、五年間も据え置きという状態では、だれが考えても減税という課題が必要であることは言うまでもありません。議長調停というのですかあっせんというのですか、そういう形で衆参で減税に対する取り組みが続けられておりますが、長官はこの辺についてどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
#24
○中曽根国務大臣 特にサラリーマンのことを考えてみますと、減税をしてあげたいというのは、もうそういう気持ちはわれわれもいっぱいであります。私も人の子でありますから、そういう点は皆さんと同じように減税をさしてあげたいという気持ちはいっぱいでございますが、ただ問題は、財源の問題が出てくるわけでございまして、借金をして減税をするということは果たしていま適当であろうかどうか。昭和五十二年以来、公債がこれだけ累積いたしまして、これだけの大きな借金をしょっているというこういう現実のところで、また大きな借金をして減税をするということは、いまの経済状態全般を見、アメリカのレーガノミックスというものが果たして成功しているのかどうかという点も見ておりますと、どうも効果に対してツケが大きくなるのではないか。いずれその借金は利子を込めて国民がお返ししなければならぬわけでありますから、そういう点も考えてみまして、この点は篤とよく考えてやらなければならぬところであると考えております。
#25
○岩垂委員 景気浮揚のために公共事業の前倒しをやるということになれば、後半の手当てが必要であることは言うまでもございません。その中で、たとえば公共事業のための建設国債の発行などという案も浮上してきています。そうなれば当然補正予算という議論になってくるわけですが、そして臨時国会という議論になるわけですが、この問題について、つまり景気浮揚を含めてのこれからの対応について、行革をお進めになる立場からどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
    〔愛野委員長代理退席、委員長着席〕
#26
○中曽根国務大臣 国民生活の問題は、政治として幅広い観点からよく考えてまいらなければならぬところでございまして、景気の問題も、一部景気が低迷しておったり、はかばかしくない点もあるようでございます。非常に跛行している状態であって、いいところも多少あるようですけれども悪いところも非常に出てきている、こういう状態が現実の状態であるだろうと思います。
 景気の問題もわれわれは重大な関心を持っておりますけれども、やはりいまの内閣で一番大事な仕事は、行革を断行して国民に対する公約を果たす、そういうことであるだろうと思いまして、景気の問題は財政当局やあるいは経済関係当局においていろいろお考えの点もあると思いますが、行政管理庁を預かる私といたしましては、行革を最優先にして政策を推進していかなければならないと考えております。
#27
○岩垂委員 そういうやりとりはこのくらいにして、臨時行政調査会のあり方について私は若干問題を指摘をしておきたいと思います。これは私の見識ではなくて、東大の篠原一教授の見解でありますので受け売りになりますけれども、重大な問題提起だと考えますので、引用させていただきながら、御意見を承りたいと思います。
 第二臨調は日本の政策決定の構造に大きな変化の兆しを与えたとして、それを新しいコーポラティズムと名づけておられます。これは篠原さんの見解です。コーポラティズムというのは、公認された巨大組織、たとえば資本家の団体であるとか労働組合であるとか、ある国によっては消費者団体、そういう巨大組織が直接に政策決定の当事者になることを意味するのだそうであります。これまでは、いわゆる圧力団体が自由な団体として政策決定の過程に働きかける、つまりインプットプロセスという形であったものが、コーポラティズムは、これらの巨大組織が、そこに働きかけるのではなくて、政策決定そのものの中に入り込んで事実上政策決定に当たる、つまりウイズ・インプットプロセスというふうに言っておりますけれども、そういうふうになっているという状態を指摘しております。
 第二臨調は、労働組合から、総評からお一人、同盟からお一人ということで二人の委員が入っていることは事実でありますが、その他のメンバーを見ますと、財界あるいはその他のメンバーが圧倒的に多いということは事実でありまして、つまりバランスが国民の生活実態から離れた面もないとは言えません。それだから、労働なきコーポラティズムというふうに言うこともできるわけであります。臨調がこれまでの審議会と違って国政全般について政策を示している、政府が優先順位などというものをつける余地もない形で、それをそのまま尊重するという構図は、政府と行政の責任は一体どこにあるのだろうかということを問わずにはいられません。
 これは毎日新聞の四月一日付の夕刊で大変おもしろい指摘がございましたので、失礼ですが披露させていただくと、「今や鈴木幕府は土光臨朝に大政を奉還し、維新の大業はおまかせの感。外には門戸開放を迫る黒船が浮かんでるし。トコトンヤレ、トンヤレのご時世だ。」ここでは恐らく中曽根さんは副将軍という位置になろうと思いますが、こういう指摘があるわけであります。
 そしてまた、大切なことは、労働なきコーポラティズムの進行によって、インプットの過程が損なわれる。そうなってまいりますと、政党、特に野党の存在というものが実は余り役割りを果たせなくなってしまう、これは議会制民主主義にとって重大な問題、わが国の民主主義にとってもゆゆしい事態だと私は思います。このような臨調方式はノーマルではないと私は考えますけれども、この点、長官はどのようにお考えになっていらっしゃるのか。いままで臨調を推進してこられた立場ですからそれなりに臨調に対する見方、そして議会制民主主義を長い間議会人として経験してこられた立場から、私は非常に重要な問題指摘だろうと思いますので、御答弁をいただきたいと思います。
#28
○中曽根国務大臣 行政改革は単に法的な観点からだけで律しられない、国民世論というようなものも考慮に入れた非常に有機的な、政治的な性格のものであるだろうと思っております。
 法的に考えますと、確かに臨時行政調査会は諮問機関でございまして、決定機関ではございません。政府やあるいは政府を通し、あるいは直接国会に対して意見を表明する機関でありまして、決定機関ではございません。しかし、この臨時行政調査会設置法が生まれた背景を考えますと、国民世論の膨大なる支援がありますし、また国民の要望がございまして、その背景のもとに生まれ、かつ、その委員は国会の御承認を得た、国民代表的性格を持っておる各層から出ておる委員によってつくられたる委員会であるのでございます。民主政治下におきましては、やはり国民の正しい世論、大多数の国民の世論で正しく行政が運営され、政治が運営されることが理想的な状態でございますが、臨時行政調査会がおやりになっている行政改革は、そういうような国民の願望に乗ってこれだけの力を持ってきたと思いますし、それは正しい民主的な政治制度の運用であると考えております。
 しかし、国会は国権の最高機関でございまして、それらのいろいろな提案に対しまして独自の立場から判断を下すまた厳粛な立場を持っていると思いますが、国会の審議の過程におきましてもやはり正しい国民の世論は無視できませんし、むしろそれを助長し、それと一緒になって進めることが民主的議会のあり方であるように思います。
 臨時行政調査会は、そういうような有機的な形の中でいま機能し、また政府や国会もそれに対応した態度をそれぞれおとりになっていただいておると思うのでございまして、ジャーナリズムも含めましてこれだけ国民世論が盛り上がって臨時行政調査会を支援し、行革を断行せよという怒濤のような波が起きていることは戦後政治未曽有のことで、初めてのことであると思っております。われわれは、国民のそのような必死の念願を身にしみまして、この期待にこたえるのが正しい民主的な行き方であると考えて進んでまいりたいと思っております。
#29
○岩垂委員 なかなか言いにくいことだと思うのですけれども、臨調というのは改革の目標と大枠をつくっていただく、改革の具体的な実施というのは、いま長官がおっしゃったように、政府あるいは国会が内容や手順も含めて責任を負っていく、こういうシステムが私は重要だと思うのです。
 しかし、最近それが私どもの立場から見て、いいか悪いか、賛成か反対かという立場は別として、政府・与党において決定された法律であるとか予算であるとか、その他改革の具体的な実施措置についても、臨調が論評したり介入を試みる傾向が見られます。たとえば公務員給与の抑制不十分、米価抑制の不十分、予算編成における歳出削減努力の不十分、道路運送車両法改正案における過料規定に対する遺憾表明等々ございます。政府がやっている施策に対してそういう形で論評したり介入したりすることについて、政府はどのようにお考えになっていらっしゃるのか、この辺について御答弁を煩わしたいと思います。
#30
○中曽根国務大臣 昨年の七月答申で臨調が答申をいたしましたことに関連する事柄でございますが、七月答申は、政府からこれこれの問題について御答申をお願いします、そういうことで予算編成に関連いたしまして緊急答申としてお願いいたしました。その結果、臨調当局はあのような七月答申を出していただきまして、政府はそれに基づいて、臨時国会もお願いいたしまして、補助金のカットそのほか予算編成に関することごともこれで実行したわけでございます。したがいまして、臨調がそういうことに関与してくるということは、これは正しい手続を経て行われておることであると思います。
 ただ、臨調は基本的には、前に申し上げましたように行政の制度及び運営に関すること、基本を行うということでございまして、行政というものは立法と司法を除いたすべての分野、すなわち外交も福祉も教育も財政も入る。財政もその中には入るが、しかし財政関係というもののために行革をやるのではない。行革はもっと長期の、国家のあるべき姿、政府のあるべき姿を見詰めながら、制度、機構あるいはそれを運営するあり方等について改革案をつくる。ただ、それをつくるについて財政窮乏というものが一つの触発的要素をなしておる、財政窮乏というものが行政改革を実施する上に一つのメルクマールをつくったりかんぬきをつくる作用をなしていることも否定できない。これはある意味において行政の中に財政も入っているわけでございますから、そういう関連関係を持つことは当然のことであると思いますが、財政のために行政改革をやっているのではない、その基本だけは私が前から申し上げておるところでございます。
 いまいろいろお触れになりました諸点も、いままでやってきた経緯等にかんがみまして一つのコースの上をたどっている点の諸問題でございまして、それらの点について臨調当局が意思を表明するということはあり得ることであると考えております。
#31
○岩垂委員 昨年七月の第一次答申に関連して、コースをたどっておるとおっしゃいました。しかし、臨調の部会報告の原案なるものを新聞で拝見しますと、いろいろな問題を指摘せざるを得ないのであります。
 たとえば第一部会のわが国独自の防衛力体系の整備という原案には、防衛政策について、日米安保体制の枠の中で適切な範囲内でわが国独自の防衛力体系の整備を進めることを指摘しながら、「防衛計画の大綱」の早期実現に努め、有事に有効に即応できるようその質的充実を図ることが重要であるということに触れておられます。
 臨調は言うまでもなく、私がさっきから申し上げておりますように国家行政組織法上のいわゆる八条機関でございます。しかも、八条機関の一つなのです。性格上、政府の施策遂行上必要な問題の提起、提言を行う諮問機関の一つであります。そのような位置づけにある臨調が、防衛というふうな国の基本方針、それについてさまざまな意見、国民の世論が分かれているという状態を含めて、対立している問題についてこういう形で立ち入ることについて、私は行革を本来の任務とする臨調の使命を逸脱しているものだと指摘せざるを得ません。その上、防衛力増強の方向を聖域化するあるいはそれを促進させるような方針を強調していることは、先ほど申し上げたように、片方で社会保障の自助努力という形での抑制をやる、片方でいま言ったような形がある、そうなれば行革は軍備拡張と弱者切り捨ての手段にされかねない、これは私は杞憂では決してないと思うのです。国民にとってきわめて不幸な方向だと私としては指摘をせざるを得ません。私はこのような審議の傾向に対して注意を喚起したいと思います。
 臨調委員は、有識者であっても国民から選ばれた者ではございません。確かにいま長官は国会が選んだと言いました。しかし、それは国民から直接選ばれた者とはおのずから立場が違います。そういう意味では、最終的な意思決定というのはあくまでも政府あるいは国会にあるということ、先ほどから御答弁をいただいておりますが、もう一遍その点について、臨調の最近の動向などに対する懸念を含めて問題の指摘をし、御答弁をいただきたいと思います。
#32
○中曽根国務大臣 憲法上、国会は国政の最高機関と規定しておりまして、これが国民代表の正式機関でございますから、最終的には国会において決めらるべきものであると考えております。しかし、臨調も日本の行政制度及び行政運営の基本的問題を取り扱うということになっておりまして、いまの年金問題やら国際経済協力問題やら、あるいは科学技術の問題やら農業政策やら、そういう諸般の国政の基本的な問題につきましてやはり一つの方向を示して、それによって行政の機構やら運営がどういうふうに行われるのが正しいか、そういうようなある一種の思想と哲学を背景に持って一つの案が出てくるということはあり得べきことで、ただつかみ取りでその場その場の案を出すということは当を得たことではない。やはり国政全体の総合性、それから整合性、それから均衡、そういうものを考えて行う必要があるし、それを行う中におきまして、いかに効率的に、そして簡素にして効率的な政府をつくるという理想のもとに行うかという観点から行われていると思いますので、聖域はないというのはそういう意味においても言われておるのでありまして、私は防衛問題に触れることは必ずしも当を得たことでないということではないと思っております。
#33
○岩垂委員 まあ臨調問題、臨調の性格論についてはそのくらいにしておきまして、私が臨調の設置法の際に本委員会でこの臨調に御注文を申し上げたことは、長官は御記憶のことだろうと思います。その中で、行政の民主化あるいは地方分権、国民に開かれた行政の確立、これらの問題点を強く要望してきたことは御理解をいただきたいと思うのです。特にその中で、寄らしむべし、知らしむべからずというような官僚的な体質というものを少しでも改善していくための情報公開法、そしてプライバシー保護法、そしてオンブズマン制度などについてやりとりをいたしたわけでございます。その私の問題提起に対して長官は、前向きな御答弁をいただき、それに積極的に対応をするという姿勢を示されました。この点について、一つ一つこの機会に伺ってまいりたいと思っております。
 最初に情報公開について、これは長官の御答弁をいただく前に、自治省が直接的な関係の面もございますので、自治省に御答弁をいただきたいと思います。
 山形県の金山町では全国に先駆けて情報公開条例を制定し、この四月一日から施行をいたしております。また私の選挙区の神奈川県、そして埼玉県等々においては、来年の、五十八年の四月実施を目指して現在準備を進めていることは御理解のとおりであります。こうした地方公共団体が国に先駆けて情報公開を進めようとしていることについて自治省はどういう御見解を持っていらっしゃるか、御答弁をいただきたいと思います。
#34
○中島説明員 情報公開というのは、申し上げるまでもございませんけれども、行政とか政治に国民といいますか主権者が参加することをできるだけ実質的にしていこうというねらいが一つある。もう一つは、行政の公正性の確保といいますか、行政に対する住民の監視というものをしっかりやらしていこうという二つのねらいがあるというふうに見ておりますけれども、この二つを推進することによりまして日本における民主主義というものをより一層推進していこう、こういうことでございます。
 かつて石破自治大臣が他の委員会でお答えいたしましたように、自治省といたしましては地方公共団体のかかる試みというものを適切に評価いたしまして、地方公共団体のこの事業の推進につきまして、自治省としてはできるだけの指導といいますか援助といいますか、そういうものをしてまいりたいというふうに考えております。
#35
○岩垂委員 最近、全国知事会で情報公開の全国会議を開かれたそうでありますが、現在、情報公開を進めようとしている地方団体はどんな状況になっているか、お調べになっておられますか。
#36
○中島説明員 去る四月七日に、全国知事会が県の担当の課長を集めまして会議を開催いたしました。そのときの模様を聞いてまいりましたところが、条例制定を準備中のところは、先生がお挙げになりましたように、神奈川とか埼玉等八都府県だということでございます。それ以外の県でも現在研究会とか検討委員会というものを設置いたしておりまして、報告書をすでに作成済みであるとか現在作成中のところがほとんどでございます。四十七都道府県の中で具体的にまだ検討に入り切っていないというのが全国で五県あるということを聞いております。
 以上でございます。
#37
○岩垂委員 全国で検討をしていないのが五県だけで、これは都道府県のレベルでございますが、あとはほとんど進んでいます。恐らく市、町などというところの取り組みを加えれば、私は全国的な傾向だろうと思います。
 そういう傾向を前提にしながら、地方公共団体が情報公開の準備を進めるに当たって解決すべき諸問題といいましょうか、どんなものがあるか。またその中で国の考え方を示さなければならない問題も恐らくあるだろうと思うのです。この辺について御答弁をいただきたいと思います。
#38
○中島説明員 先ほど申し上げました四月七日の知事会招集によります会議に私も呼ばれまして説明いたしましたが、そのときに私が申し上げました問題といいますか、解決しなければならない問題というのは、五点あるというふうに話をいたしました。
 一つは、情報公開に向けての文書管理体制の整備、現在の文書管理というのが情報公開というものを意識して文書管理されておりませんので、そういう意味における文書管理。二番目に、地方公共団体でございますので、請求権者の範囲をどのように考えるかというのがあります。三番目に、機関委任事務に係る問題がございます。そして四番目は、公開基準といいますか、裏から申し上げますと非公開基準というふうにいいますか、その基準をどのように定め、どのように運用をしていくかということが四番目でございます。五番目は、公開の請求に来た住民が拒否された場合の救済制度をどのようにつくるか。
 この五つの問題があるというふうに私はそのとき説明をいたしましたが、その中で特に、国の方で地方団体に対しましてその考え方を示さなければならないというのは、特に機関委任事務に係る問題がやはり地方公共団体の方からは非常に関心が持たれておるということだと思います。
#39
○岩垂委員 その機関委任事務と地方の固有事務との割合というのは、恐らく都道府県と市町村とで違うでしょうし、指定都市などともちょっとバランスが違うと思いますが、分けてみて大体八対二ぐらいに見ていいですか。つまり国の機関委任事務が八で固有事務が二ぐらい、そんなバランスでよろしゅうございますか。
#40
○中島説明員 先生がお話しになりましたように、都道府県、指定都市の場合には大体七、八割が機関委任事務だというふうに言われておりますが、一般の市町村の場合にはそれより少し固有事務が多くなって、機関委任事務というのは大体七割前後じゃないかというふうに言われております。地方公共団体の中におきまして非常に高いウエートを占めているということで、先ほど申し上げましたように、機関委任事務に係る扱いというのが特にこの際議論になっておるということじゃないかというふうに理解しております。
#41
○岩垂委員 そこがちょっと重要なところです。
 機関委任事務に係る情報公開を県の条例で規定して、それを根拠づけるということがやはり問題になるだろうと思うのです。この辺についてのお考え方をお示しいただきたいと思います。
#42
○中島説明員 この問題は非常にむずかしい問題だというふうに思います。
 情報公開というのをどのように把握するかということでございますが、事務の処理の対応といたしましては、やはり公文書の管理の一つの対応じゃないかというふうに見ております。そしてこの公文書の管理というのは、地方公共団体では従来から、すべての関係者といいますか、地方団体の現実の処理に当たっておる人たちも、またその他広く関係者は、地方公共団体の固有事務だというふうにいままで観念してきたというふうにわれわれは思います。したがいまして、条例で規定できるかどうかということにつきましては、現在私たちは条例で規定して差し支えないのじゃないかというふうに考えております。
 こういうふうに私たちが考えるに至りました経緯といいますかその附属的な判断資料といいますのは、一つは、よく私がお話し申し上げるのですが、機関委任事務というものを処理する、たとえて言いますと、一級河川なら一級河川の管理を建設大臣から知事が任される、その機関委任事務を知事が処理いたします場合に、その一級河川を管理するために必要な予算を県の方で編成する、あるいはまたその一級河川を改修するときの請負契約を結ぶ、あるいは改修した後の一級河川を管理するための事務所をつくるというような仕事がそれぞれ附帯的にございますけれども、このような予算の編成とか契約の締結とか管理事務所の設置というのは、現在、それぞれ地方公共団体の議会の議決を経て決定されております。したがいまして、先ほど申し上げましたように、公文書の管理というものも機関委任事務の処理の一つの附帯的な仕事だというふうに思いますけれども、そういうことから、先ほど申し上げましたような観点から申し上げますと私たちがいま考えておりますことはそんなに常識から外れた考え方ではないのじゃないか、むしろ、平静に考えましてそのように結論づけて間違いないのじゃないかというふうに考えております。
 それからもう一つ、最近私たちがいろいろな方と議論をするときに、そういう人たちが申しますのは、現在地方公共団体でアセスメント条例とかプライバシー保護条例というのがございますけれども、こういう条例はすでに機関委任事務に係るものも対象にしておるということで現在スタートしておりますので、いま私が申し上げます情報公開のこの条例の制定に当たりまして、機関委任事務について条例で制定できると考えても、いままで先行しております参考になる条例から言いましてもそんなに無理な解釈ではないのじゃないかという感じがしておるわけでございます。
#43
○岩垂委員 非常に明快な御答弁をいただいたのですが、機関委任事務に関する情報公開を地方公共団体が実施する場合に、主務大臣の指揮監督という問題が出てくるわけですが、この点、自治省からぜひ御答弁をいただきたいと思います。
#44
○中島説明員 機関委任事務に係ります情報公開を地方公共団体がやります場合に、当然主務大臣の指揮監督権というのは及びますし、また、それがある限りは地方公共団体は従わなければならないと思います。
 ただ、そのときにどういうふうに考え方を整理するかということですけれども、現在、一般の機関委任事務を処理いたします場合に国から通達とか個別の指示がある、そういうものがあります場合には地方団体は当然それに従わなければなりませんが、それが行われていない場合には、それぞれの知事とか、市町村長がその地方公共団体の議員さんとかあるいは地域の住民の声とかそういうものを聞きながら、地域の実態に応じて処理しているのがいままでの機関委任事務の処理のやり方だというふうに理解しております。
 そこで、機関委任事務に係る情報公開につきまして、この一般的な考え方と異なった考え方をとり得るだろうかというふうに疑問を投げかけてみますと、私は、それはやはり無理じゃないだろうか、やはり一般の機関委任事務の処理と同じ考え方、同じ理論を構成していいのじゃないかというふうに思います。そういうことで私たちは現在頭の中を整理していきたいというふうに考えております。
#45
○岩垂委員 非常に明快な御答弁をいただきました。
 これは三月二十七日の読売新聞です。朝日新聞も毎日新聞も、すべての新聞が扱っている問題でありますが、日本の民主主義の根幹にかかわる問題として取り組んでキャンペーンをしてきた出来事でございますが、たとえば東京都、鈴木知事も五十九年度をめどにやりたいと議会で御答弁をなさっておられます。都議会での「国家委任事務は自治体事務量の七、八割を占めるが、国は国会などで、委任事務の公開には了解が必要、としている。」との質問について、もし機関委任事務が情報公開の対象にならないということになれば二割程度の情報公開条例でしかない、これじゃ問題だということで、鈴木さんがそういうことに対する政府の善処を要望し、あわせて神奈川県などとも共同歩調で国に対してこれらの問題を迫っていこうというふうに新聞報道されております。
 言うまでもございませんが、国の機関委任事務というのは建築基準法によるところの許認可、検査、住宅地か工業地かなどを定める都市計画決定事務、さらには老人福祉事業、公害行政から物価、人口統計など統計事務まで、現在自治体が行っている許認可事務を中心に多岐にわたっている。いずれも建築基準法、都市計画法など法令で根拠づけられていて、都の場合には三百六十五種類の法律によって運用されている、こういうふうになっているわけでありまして、私は、主務大臣が恣意で公開をしてはならないなどという形をとることは今日の状況に合うものではない、こんなふうに思います。
 そこで、その次にお尋ねをしますが、地方公共団体が情報公開の準備作業をしているのを自治省として見ていらして、国の立場からアドバイスをすることがあったら、ぜひお知らせをいただきたいと思います。
#46
○中島説明員 何かアドバイスをという話でございますが、私たち余り偉そうなことを言えるほど知識もございませんし、それほど経験もございませんのでどうかと思いますけれども、二、三気がついたことを申し上げてみますと、一つは、正直なところ、私たちが地方公共団体の人から話を聞いたりあるいは現地に行っていろいろ見たり聞いたりしておりますと、地域の住民から少し大きな期待というものが寄せられ過ぎているんじゃないかという実感を実は持っております。したがいまして、余り大きな期待が寄せられていますので、地方公共団体としては勢い張り切り過ぎて、一挙に理想的な形に持っていこうというふうに考えておりますと、地方公共団体が持っております情報といいましても実は公文書もございますし、あるいは都市計画の図面のようなものもございますし、写真もございますし、帳簿もございます、いろいろな情報がございます。また、この情報公開の先進国と言われますアメリカとかスウェーデンと異なりまして、やはり日本には日本的な特殊な条件というものもございますので、せっかくスタートしようということでございますので、やはり先進的な県といいますか、神奈川とか埼玉というのが一つ先を走っておるわけでございますから、そういうところがぜひとも成功してほしいという気がいたします。したがいまして、できるなら一挙に理想的な形に持っていかずに、やはり段階的に実施をしていって、着実な歩みを続けていただけないかなという感じが一つしております。
 それともう一つは、情報公開の目的にも関連があることでございますけれども、この情報公開というものが本当にその目的を達成するためには、公務員の意識改革といいますか、やはり情報公開に向けての公務員は公務員としての意識をしっかり持っていただく。また、関係の住民というものも、私が最初に申し上げました二つの目的から情報公開が行われるんだ、そういうことで公共団体の情報が入手できるんだという自覚を持っていただかなければこの情報公開の仕事というものが成功しないのではないかという危惧を実は持っております。そういうことを私たちも機会あるごとに関係の地方公共団体の人たちにお話し申し上げて、ひとつこの情報公開の仕事が着実な歩みを続けるようにお願い申し上げていきたいというふうに思います。
#47
○岩垂委員 率直なところ、対外政策に関する問題やそれに対する配慮あるいは個人のプライバシーなど、公開になじまないものがあることは私も認めます。しかし、主務大臣の恣意によって公開が制限されるということは、これはあってはならないことだろうと思うのであります。そういう意味から考えて、いま自治省の御見解として、国から通達がある場合はというふうに言われました。それ以外のものは公開をしていく、これがやはり筋道だろうと私は思います。その意味で、ぜひ政府の積極的な対応を求めたいと思うのであります。
 そこで、長官にお願いをいたします。地方自治は民主主義の基盤であります。国民生活と密着した行政が開かれた体質に変わって住民の参加を前進させることができるとすれば、非常にすばらしいことだと思います。情報公開はまさにその一里塚だと思います。そして、いま自治省からお話がありましたように、全国、都道府県はもちろんのこと市町に至るまで、情報公開に対する取り組みをいま始めようとしています。問題は、いまネックになっておりました機関委任事務の問題点があったわけでありまして、その点に対する一つの見解が示されました。
 機関委任事務の可能な限りの公開を含めて、この際、行政管理庁として自治省と一体になって、長官もこの前、私に対する答弁の中で積極的な姿勢をお示しいただいたわけでありますから、行革というものが、財政再建というふうな点で議論をされているだけでなしに、日本の政治あるいは政治のあり方あるいは民主主義の構造ということを含めて、長官がぜひ積極的な姿勢をとっていただきたい。そして、地方団体が自主的に取り組んでいるそういう努力に対して、自治省と一体になって援助するということをお約束をいただきたいと思いますが、その点での御答弁をいただきたいと思います。
#48
○中曽根国務大臣 情報公開につきましては、私は積極的な立場をとって推進してまいりたいと思っております。
 前にも申し上げましたように、国においても地方におきましても正しい情報が公開されるということは、過去においては歴史が歪曲されない、このことは非常に大事なことでありまして、政府の公文書等が適当なときに公表されるということは正しい歴史を裏づけていくためにも大変大事なことであり、アメリカにおきましてよく二十五年で外交文書が公表されておりますが、あれがやはり正しい歴史を伝える上に大きな役目を果たしており、日本も同じではないかという気がいたします。また、現在または未来に対しましても、住民の関係する環境問題やらあるいは教育、福祉その他の問題について正しい情報を常に住民が獲得しておき、また、為政者がそれを国民の皆さんにお知らせしておくというのはやはり責任であると思いまして、そういう意味におきまして情報公開の分野は新しい行政の分野として私たちは積極的な立場をとっていくつもりであります。
 それに関連して、いま臨調におきまして中央、地方の事務の範囲、責任分担ということをいろいろ議論しておりますが、この議論は非常に重要な議論であると思っておるのです。大体住民は委任事務、固有事務という差を知らないと思います。それから、いまのお話のように機関委任事務の範囲がいかにも膨大である。それで、やはり地方自治の本旨という面を見ますと、住民の身辺のことや地域のことは大体地方が自分でやるというのが正しいやり方であり、国の過剰介入を排するということは自治を育成するためにも非常に重要な部面であると思っておるのです。そういう意味で固有事務と委任事務の範囲までこれは臨調において検討してもらいたい、そしていまのような考えに立って、地域や身辺のことはこれは固有事務として住民がみずから条例その他でやれるように拡大していったらどうか、そう実は私は思っておるのであります。
 中央官庁においてはそれで権限が縮小するとかなんとかという問題が出てくると思いますが、これはこの際はやはり歴史の進歩の前に改革すべきものは改革する、中央官庁はやはり政策官庁として国家的な全体の立場に立った政策を推進するという方向に移行していくべきである、そう考えて、そのほか、外交とかあるいは財政とか教育の基準とか、そういう国として大事な問題を中央は主として分担すべきものではないか、あるいは国防もその中に入ると思います、そういうような考えでこの際改革を進めてもらいたいと私は思っておるのです。
 そこで、この情報公開の問題ですが、金山町がつくりましてこの四月一日から実施した条例を見ておりますと、私はよくやったと思っておるのです。中身を読んでみまして、検討すべき点も多少はあると思いますが、大体これは周到に配慮をしてなかなかよくできている、金山町も相当なものだ、そういう気がして、かなり評価しております。しかし、これを一つのモデルにして、やってみてどこがいいか悪いか、いろいろな問題について試行錯誤の過程を経てますますいいものにしていったらいいだろう、そういうふうに考えておりますが、問題は委任事務の問題が出てくると思います。
 それで、先ほど申し上げましたような私の基本的考えに立ちまして、その委任事務の中でも、固有事務で地方が自由に公開しているものと同じような性格のものもあるし、あるいはもっと値打ちのないものもうんとあるだろうと思うのです。そういう面から見ると、情報公開という面については委任事務につきましてもこれはある程度考えてやる必要があるのじゃないか。固有事務と同じように町が固有に公開するという範囲の、大体同じ性格のもので、それでカレントビジネスに当たるようなものは、自治省と地方団体との間で話し合いをしてもらって一般的に情報公開していい、一般的にそういう話し合いをしてやったらどうか。あるいは、これは各省大臣が直接の監督者であり責任者でありますから、やはりその間で一般的な話し合いをして、そうしてこれは性格によりましてある程度包括的に任したらどうか。ただし、これこれは困るという部分があると思うのです。その部分につきましては、これはこの情報公開の条例にもありますように秘密にする部分がありますが、国として留保しておくべき部分というものはあると思いますから、その点はその点でやはりリザーブしておく、そういう形で、できるだけ住民に利便な方向に物が動くようにしつつこの問題を取り扱っていったらいいと考えております。これらは自治省を中心にして地方と話してもらい、自治省がまた中央の諸官庁と話をして調整してもらう、行管庁はその手助けをする、そういうことがいいのではないかと思っております。
#49
○岩垂委員 長官から大変前向きの御答弁をいただきまして、これまでの長官の答弁とはまさに雲泥の差と言っては恐縮ですが、御答弁をいただきまして、私は釈迦に説法を申し上げるつもりはございませんけれども、地方自治体が住民のニーズにこたえる、そして一番身近な行政組織として議会と相談しながら、条例化を図っていく。私は、非常に日本の政治の中に大きなターニングポイントといいましょうか、そういうものがこの情報公開の中に位置づけることができると思います。地域の生活、そして民主主義を活性化させる、そういうことのために大きな意味を持っていると思いますので、その点でぜひ行政管理庁が自治省と協力をして、地方自治体もそういう努力をしていただきながら、少なくとも中央官庁といいましょうか主務大臣が悪意に公開を妨げることがないように、本当に困るというのはきちんとやはり明らかにしておくということ以外に、やったけれども後で守秘義務で問題になるというようなことだってあり得ないことではございませんので、後でごたごたが起きてはいけませんから、前もってきちんとしておく。しかし、同時に公開をはばかる範囲というものをできるだけ必要最小限にしておくということを含めて、御努力をいただきたいと思います。
 私は川崎に住んでおりまして、公害行政とのかかわりをそれなりに持ってきました。川崎の市民にとって、公害をすぐ解決をしてほしい、生命と健康に影響がある、だから条例を制定して規制基準を強めてほしいという、切実な川崎という地域の要求がありました。川崎の市長がそれにこたえて、公害対策に対するさまざまな厳しい基準で対応いたしました。同時に、被害者の人たちに対する対策も進めてまいりました。それは国のレベルから見ると少し出っ張っているなという感じが確かにあったと思います。しかし、関係官庁とのさまざまな打ち合わせを通して川崎の公害行政というものが成り立ってきました。それが全国の、四日市もそうですが、川崎だけを申し上げるつもりはございませんけれども、全国の公害行政のいわば先取りの行政になったことも事実でございます。そしてそういう地方自治体のさまざまな積み重ねが公害国会を開かせたと思うのです。そして、まさに世界にも先進的な公害対策というものを日本が実現をしてきたと私は思うのです。公害の先進国であった日本は、いま公害対策の先進国に変わっていると思います。そういう意味でも、情報公開制度というものをどうかひとつ長官も行革といわれる議論の中で重要な課題として位置づけて、これらの経験、つまり地方自治体の自主的な、積極的な努力が日本の民主主義を活性化させる基盤だということをぜひ肝に銘じまして、これから御努力をいただきたいと思います。
 そういたしますと、当然地方自治体だけでは、情報公開条例だけでは不十分でございます。情報公開法の制定というものを急がなければなりません。臨調にお願いをしているわけですから臨調の結論を待たなければなりませんけれども、できるだけ早い機会に国としてのこの問題に対する対応について、取り組みを長官の積極的な姿勢としてお示しをいただきたいと思います。
#50
○中曽根国務大臣 御趣旨に沿って、大いに努力したいと思います。
#51
○岩垂委員 次に、これも長官とやりとりをいたしましたプライバシー保護法の問題について質問をいたします。
 これは、情報公開法とプライバシー保護というのは対立的な関係にあるというふうに一見思われやすいけれども、実はそうではないということを前提にしながら、この問題に対する意見というのはここでは時間がございませんから省略をいたして、質問をいたしたいと思います。
 行政管理庁の研究会が発足をされまして、その動向がどうなっているか。いつごろ結論を出されるのか。御説明をいただきたいと思います。
    〔委員長退席、愛野委員長代理着席〕
#52
○佐倉政府委員 プライバシー保護の問題でございますが、行政の分野で取り扱っております種々のデータ、これが主として個人に関するようなデータもずいぶんたくさんあるわけでございますが、電子計算機利用に伴いまして、こういうデータのプライバシーをどうするかという問題がやはり重要な問題になってきているわけでございます。
 行政管理庁としましては、電子計算機の利用の総合調整というような対策の一環から従来検討してきたわけでございますが、なお、もう一昨年になりますが、五十五年の九月にOECDから勧告がございました。これはわが国も加盟国でございますので、一員としまして具体的に対応する必要があろうかというふうに考えております。先生御指摘のとおり、プライバシー保護の問題、これも関連する領域が非常に広うございます。特にまた国民の基本的な権利義務にも関連するわけでございますので、幅広い検討が必要であろうと考えております。
 それで、いま御指摘のプライバシー保護の対策のあり方を研究するために、昨年の一月から学識経験者から成るプライバシー保護研究会を開催しておりまして、当研究会における意見あるいはいまの先生のお話のとおり第二次臨調の意見等を踏まえまして、前向きに検討を進めていきたいと考えております。研究会は昨年の一月に発足しましたが、いままで大体十四回開催しておりまして、大体ことしの五月ぐらいまで行われるというふうな予定でございます。
#53
○岩垂委員 ゆっくりやっているわけにはいかない事情があると思うのです。たとえば、クレジットカードが非常に浸透しています。わが国でもいわばキャッシュレス時代などということが言われるようになっています。そしてクレジット業者というものがたくさん生まれています。その中で個人の信用情報が大量に蓄積されています。そしてそれが流通するというところにまで今日及んでいるということは御存じのとおりでございまして、アメリカは信用調査法というのがあるのですけれども、その中でプライバシー保護を非常に優先的に取り上げていることは御存じのとおりであります。そういう点ではわが国の保護対策というものも急がなければなりません。これは信用調査に限らず、信用情報というものは内容的には私はプライバシーに関連してくる問題がたくさんあると思うのです。現在のような野放しの状態に据え置くことはできないと思いまして、そんな点でもぜひ考えていただきたい。このことをひとつ申し上げて、そういうことについても研究会の中で議論になっているかどうか、御答弁をいただきたいと思います。
#54
○佐倉政府委員 ただいま先生のお話しのような点、研究会でも構成メンバーの方から十分意見を伺って研究しております。
#55
○岩垂委員 政治問題になった例のグリーンカード制度の問題でも、少し延びたようでございますけれども、これを実施するということになればプライバシー保護は重要な問題になります。どのようにしてプライバシーを保護するのかという点で、当然グリーンカードの採用に際して議論があったと思うのですが、これは恐らく大蔵省だと思うのですが、大蔵省は呼んでおりませんので、佐倉さん、何か聞いたことございますか。
#56
○佐倉政府委員 グリーンカード制度とプライバシーの保護の問題でございます。
 先生御指摘のとおり、いろいろその利用者のリストその他が流通するというようなことも考えられますので、グリーンカード制度につきましては、個人コードの統一化への不安あるいはプライバシー保護上の問題が配慮されるという必要がございます。結局、グリーンカード及びその記載事項についての国税に関する事務以外の目的外使用と申しますか、そういうものを禁止する規定、これは所得税法の十一条の二に関連することでございますけれども、そういう点も十分考慮し研究していくつもりでございます。
#57
○岩垂委員 いま佐倉さんがおっしゃった、他の目的に使用しないといった程度の抽象的なものでは、本当の意味の目的は達成できません。私はこの前申し上げましたからここでは申し上げませんけれども、最低限OECDの勧告の線は確保すべきだと思うが、これらが前提になって御議論なさっていらっしゃるのだろうと思います。なぜならば、わが国も加盟国でございますし、それからこの勧告の中のいわば関係者でございますから。その点は当然だというふうに考えてよろしゅうございますか。
#58
○佐倉政府委員 先生よく御承知のこととは思いますけれども、OECDの理事会の勧告でございますが、これは大体八つの原則が提示されております。その中でも特に安全の保護の原則といったようなものもあるわけでございますが、現在世界では十一カ国が何らかのそういう法律の制定をしております。加盟国は二十四カ国でございますが、その中でも検討している国もあるわけでございまして、そういうことを参考にしながら、わが国においてもそういうOECDの理事会の勧告に十分沿うようなかっこうでやっていくというのが現在の方針でございます。
#59
○岩垂委員 これは念のために申し上げるわけですが、守秘義務というのは必ずしもプライバシー保護とはならないわけですね。それは管理する方の立場であって、本当の意味のプライバシー保護という、つまり国民の権利というものとはおのずから異なると思うのです。ですから、自分の情報について知る権利あるいは知らされる権利、つまりアクセス権が認められるということなどが基本だと思います。これは前に長官とやりとりをしたことがございますけれども、その点は当然のことだというふうに思ってよろしゅうございますか。
#60
○佐倉政府委員 ただいまの先生のお話は、知る権利というのは自分のいろいろなデータがどのようになっているかということの知る権利というふうに思いますけれども、それは当然のことでございまして、先ほど情報公開の御議論がございましたけれども、情報を公開するということ自体が行政の民主化ということに非常に重要なファクターであろうというふうに考えられますが、それに伴いまして個人のデータを保護するということもやはり国民の権利義務に関する行政の民主化の線に沿うものだというふうに考えておりますので、当然のことと存じております。
#61
○岩垂委員 長官、この前この場所で長官から積極的な御意見、前向きに検討するという御答弁をいただいて、本会議でも鈴木総理大臣に私は代表質問の中で、中曽根長官はこうおっしゃっていらっしゃるけれども鈴木さんは取り組みますかと言ったら、積極的に取り組みます、こういうふうに答弁をいただいた経過がございます。研究会が発足して結論が近づいているようでございます。研究会の結論が出ましたら、先ほど言いましたようにグリーンカードの問題やその他の差し迫った状況もございますので、いろいろ注文をつけて申しわけありませんが、プライバシー保護法の制定について長官の所見を承っておきたいと思います。
#62
○中曽根国務大臣 研究会も、五月で研究が大体終わるようでございまして、それが終わってからわれわれの方へ意見書が提出されると思います。前から申し上げましたように、情報公開と相並んで、プライバシー保護は国民の権利を擁護する上に非常に大事な問題でございます。最近見ていますと、たとえば銀行やあるいは金融機関におきまして個人の預金が詐取されている、そういう知能犯罪も生まれておる。預金が詐取されておるというのは、金の問題でありますけれども秘密が詐取されるという可能性がないとも言えない段階でございます。そういう面からも考えまして、プライバシー保護の問題は情報化時代と相並んで重要な問題であると思っています。したがいまして、意見書を得次第、至急にわれわれもこれに対する対策を考え、また、臨調の方におきましてもそちらの研究もしておりますから、連絡をとりましてできるだけ早目に立法の方向へ持っていくように努力したいと思っています。
#63
○岩垂委員 情報公開とプライバシー保護に行政管理庁が臨調とのかかわりを含めて積極的に取り組むということは、行政改革と言われるもののわれわれが見る目、見てきた目とはやや異なって、私たちが求めてきた方向にも一つの方向性を見出してきているんだなというふうに受けとめたいと思います。積極的なお取り組みをお願いしておきたいと思います。
 オンブズマン制度についてやりとりをいたしましたが、長官、当時は、それは国会で合意を得てというふうな、必ずしもどうも積極的でないと言えばあるいは失礼かもしれませんが、御見解をいただいていたわけですが、臨調ではこの問題というのは取り上げられていますか。そして同時に、長官自身がこの問題について当時の心境と違いはないかどうか、変わったかどうか、その辺をお尋ねしておきます。
#64
○中曽根国務大臣 臨調におきましてもオンブズマン制度は検討の項目に入っております。ただ、いま情報公開やプライバシー問題がかなり取り上げられておりまして、オンブズマン制度はそれほど深くまだ入っていない。しかしわれわれは国政全般の監査機能の強化ということもお願いしておりまして、その一環といたしましても、民意のくみ上げとかあるいは苦情の処理という面におきまして取り上げられておることは事実でございます。
#65
○岩垂委員 次に、地方分権について、これも少しおととしの委員会で問題提起をして、先ほど長官から御答弁をいただいた面もございますけれども、あえて質問をしてまいりたいと思います。
 大平内閣のときもそうでしたが、鈴木内閣においても地方分権というものを公約に掲げておられます。この公約に偽りはございませんか。そして同時に、鈴木内閣が考える地方分権についての基本的な考え方を承りたいと思います。
#66
○中曽根国務大臣 地方分権ということは政府としては一般論として賛成であり、進めておるという立場であると思います。ただ、臨時行政調査会がその線に沿いましていまいろいろ案をおつくりでございますから、その案の提出を待っている、こういう状態でございます。
 私は、これは前から申し上げておりますが、さっき申し上げましたような固有事務や機関委任事務という分界点もこの際検討する必要があるのだということを申し上げましたが、一面において地方の方も充実した力を持つように、公選制が首長についてとられましてからややもすると町村あたりでは人事や何かについてスポイルシステムが出てきてメリットシステムが消えてきている、そういう面もなきにしもあらずでありまして、これは職員の士気にも非常に関係しますし、能率にも関係するところである。そういう面から見ましても、地方公共団体が自分の力を充実していくという点もまた忘れずに片っ方で御努力願いたいと思っておるところです。
#67
○岩垂委員 日本国際政治学会などでも、一九七〇年代は地方自治復権の時代というふうに言ってきましたし、事実わが国において、公害だとか環境だとかあるいは住民福祉などの分野においては地方自治体の方が、方がと言っては言葉が過ぎるかもしれませんが、地方自治体がその非常に大きな積極的な役割りを果たしてきていることは事実であります。むしろ事によっては中央政府の方がこうした対応を後追いしているという状況もあるわけであります。
 しかし、最近わが国の状況を見ると、地方の時代という言葉は確かにあるのですけれども、逆に、中央政府主導の括弧つきの地方の時代と言われるような状況が目に見えます。そのことを細かく申し上げるつもりはございませんが、本当の地方分権というのは、先ほど長官も言われましたけれども、行政の守備範囲、とりわけ国と地方の責任範囲を再編成する。国は、先ほど長官も言われましたけれども、外交だとかあるいは、私どもは問題点がありますけれども現実には国防などを含めてあると思うのですが、できるだけ必要最小限なものにとどめて、それ以外は地方に譲るぐらいの方向性を臨調の中でお示し願えないだろうか、そんなふうに思います。長官が臨調に物を言うということではないわけですけれども、そういう方向性というものだけは導いてほしいものだと思いますので、御答弁をいただきたいと思います。
#68
○中曽根国務大臣 これは臨調が自分でお決めになることで、われわれが容喙すべきことではございません。
#69
○岩垂委員 臨調にという意味でなくて、長官にもお願いをしておきたいのですが、国民が求めている本当の意味の地方分権というのは、いわゆる民主主義の分節化などという言葉がございますけれども、まず市町村、そして都道府県、この二段階の自治体が、ある種の民主主義の具体的な姿として位置づけられる、これが第一点だと思うのです。第二点は、地域社会の伝統や文化、それぞれ違うわけでございますが、そういう固有の性格づけを行って、そしてその発展を促す、そういう分権ということだろうと私は思います。
 道州制などという議論がございました。つまり、行政の効率化あるいは国の下請機関としての統治の強化といいましょうか、そんな傾向を含めた議論でございまして、大変残念だったと思いますが、道州制などということはお考えになっていらっしゃらない、よもや固執なさっていらっしゃらないと思いますが、その点の御答弁をいただきたいと思います。
#70
○中曽根国務大臣 広域地方行政という点で臨調ではお取り上げいただいていると思いますが、道州制自体がいま直接取り上げられるという情勢にあるとは思っておりません。
 先ほど地方の問題で申し上げましたが、一つ蛇足を申し上げますと、地方も地方の時代で一生懸命おやりになっておりますが、まだまだ何と申しますか、地から生えてきている自覚がまだ足りない点が多々あるという気がするのです。全国を回ってみますと、何々銀座とか、まるで東京の銀座をまねするような根性がまだあるようです。それから、日本の都市を見てみますと、みんな東京のまねとか大阪のまねが多くて、その都市にある固有の文化なり生き方というものを守っていくというのはどうも少ない。近ごろ大学がみんな東大をまねしてきている。官学と私学の差もなくなってきてしまっている。みんなまたミニ東大みたいになってきてしまう。こんなおもしろくない時代はないと思うのであります。地方の都市も同じでありまして、地方の都市はそれ以上に固有の文化、地場の生活を持ってきているわけでございますから、都市の町並みにいたしましても、生きざまにいたしましても、個性をもっと強く出した堂々たるものをひとつつくってもらいたい。むしろ封建時代の方がみんな個性があったんじゃないでしょうかね。
 そういう点において、せっかく首長も公選されて、条例で自分でやられるようになっているわけですから、地方の人も東京や大阪のまねばかりしないで、地場のものをいかに美しくつくっていくかという点を実は考えていただきたいと思います。
#71
○岩垂委員 私は、いまの長官のお考えに全く同感なんですが、そういうことを地方に促しながらも、住民に促しながらも、しかし同時に、ある種の既往のシステムというものを変えていかなければいかぬと思うのです。別に私はフランスのミッテランのことを言うつもりはございませんが、地方分権についてはある種の法律、地方分権法みたいな形で取り組んでいくということが必要ではないだろうか、その時期がいま来ているのじゃないだろうか、こんなふうにも思います。
 それはそれとして、次に進ませていただきますが、臨調の第三部会を中心にしての議論を灰聞いたしますと、減量化とかあるいは国の行政の下請としての地方自治体、そういうあり方の方向でピントが合ってしまっているという感じがしてなりません。第一次臨調の答申よりも後退しているのではないだろうか。まだまとまっていません原案、素案でございますからそういうことを申し上げるのは失礼かもしれませんけれども、とりわけ、第十七次地方制度調査会の答申にあるところの政治、経済、文化等諸機能の地方分権を図ることが地方分権の核心であるというふうに強調していること、あるいは同じ答申の中で、国と地方の併立的協力あるいは協同関係の促進というふうなことがうたわれているんですけれども、臨調が内閣総理大臣の諮問機関の一つであることは間違いございませんが、地方制度調査会も同じように内閣総理大臣の諮問機関の一つなんです。
 願わくば、せっかく長官が地方の代表という形で人選をされたことも承知をいたしておりますけれども、もちはもち屋というつもりで申し上げるわけじゃなしに、地方制度調査会の何回かの答申を尊重する、あるいはこれに十分な配慮をする、このことは臨調の議論といえども最低限必要なことではないだろうかと私は思いますが、その点臨調の批判ということでなしに、あるいは臨調に対する注文という意味でなしに、長官の気持ちを述べていただきたいと思います。
#72
○中曽根国務大臣 地方制度調査会は、やはり専門家がお集まりになりまして、長い間御苦心をなさった研究の結果の御発表をしておるわけでございまして、臨調もこの答申については、重大な参考資料としてこれを検討の材料としていることと確信しております。
#73
○岩垂委員 きのうでしたか、新聞を見ましたら、総理府の社会意識調査の結果が出ておりました。私、正直言ってちょっとびっくりしました。それは、自分にとって最も大切な選挙とは何かというアンケートなんですけれども、市区町村議員選挙を挙げた者が三七%でトップ。国政レベルでは衆議院議員選挙が二一%、それに対して参議院議員選挙はわずかに一%だ。どうも参議院の人たちには大変申しわけないのですが、そうかと言って、衆議院といっていばっておられません。それは地方自治体三七%という数字に象徴されています。これを都市規模別に見ますと、市区町村議員あるいは市区町村長を選ぶ選挙を重視する程度というのは、東京都区部が一九%であるのに対して町村部では四六%という数字が出ているのですね。都市規模が小さいほど強い傾向を示しているのであります。それだけ基礎的公共団体が住民に身近であって、同時に住民から大切なものだと考えられている一つのバロメーターだと私なりに判断をいたします。
 しかし、その基礎的な公共団体というものが果たして自主的な財源を持っているだろうか。権限が認められているだろうか。まさにノーだと思います。そういう点では、地方交付税や地方税などを含めた地方自治体の財政の確立、あるいは補助金のメニュー化方式の採用、あるいは機関委任事務の移譲、さらには住民に身近な社会福祉などの課題というのは市町村に任せていく、こういう思い切った改革が必要だと私は考えますけれども、先ほどから長官が何遍か言っておられますから少しくどくなりますけれども、御答弁をいただきたいと思います。
#74
○中曽根国務大臣 岩垂さん年来の御主張の論点をいまおっしゃったと思います。地方自治を考える上については、それらの点は見逃すべからざる重要ポイントであると思っています。臨時行政調査会におきましても、それらのポイントをやはり重要な検討課題として検討が重ねられている由承っておりまして、その答申をわれわれはお待ちしたいと思っています。
#75
○岩垂委員 耳の痛いことですが、一言申し上げたいと思います。
 最近、地方自治体の議会が、住民の基本的な権利としてのいわば人権と生命の尊厳ということを守る立場から、非核都市宣言を行っております。これは自治体が国政に参加するあかしでございます。ところが、自民党がこれにブレーキをかけるという動きがございます。地方自治あるいは分権あるいは参加という立場に背くことだと言わざるを得ません。これらの点について、先ほどからお述べいただいている住民自治、民主主義の基盤、そういうことからどのようにお考えになっていらっしゃるか。
#76
○中曽根国務大臣 人類何びとといえども平和を望み核兵器の使用に反対をしているだろうと思うので、核兵器の使用に賛成している人はほとんど絶無であるだろうと思います。問題は、そういう平和や、核を使用させないということをいかに具体的に実現していくかという具体的方策の問題があるだろうと思うのです。ややもすれば、そういう平和とかあるいは反核というような理念はりっぱでありますけれども、これが現実政治の世界へおりてきますと、必ずしもその理念どおり物がまかり通らないで、政治的な工作に利用されたりあるいは思惑の対象になったり、そういうようなことが現実政治においてはよくあることであります。その辺をよく見分けて行うことが必要だと思うのです。
 具体的には、非核とか反核とかいう場合には、全世界の持っておる国に対して公平に、平等に要求しなければならぬ。アメリカもソ連もあるいはフランスも中国も、核を持っておるとすれば平等に要求すべきである、そう思うのですが、まあこれは偏見かもしれませんが、自由世界の核に対しては厳しいが共産圏の核に対しては案外忘れているというような心配が一部の者にある。自民党の中にもある。そういう憂慮の表明があったと私は思うのです。
    〔愛野委員長代理退席、委員長着席〕
#77
○岩垂委員 長官としてはそういうふうに言わざるを得ないと思いますが、やはり反核運動とかあるいは非核三原則を求める運動というのは、余り政治的なめがねで見ますとこれは国民の世論に対して正直に対応する道ではないと思います。だから、たとえば反米であるとか親ソであるとかという見方で反核運動あるいは非核三原則を求める運動、さらには核軍縮を要求する運動を色目で見がちな、そういう体質というものにむしろ問題があるだろうということを私はあえて申し上げておきたいと思います。
 これは、先ほど実は機関委任事務との関係でやりとりをいたしてまいりましたが、本当の分権の真髄というのは、住民が自治体を通して国政それ自身をも監視する、私はこういうことが保障されなければならぬと思うのです。それを具体化させるためには、機関委任事務に対する住民のある種の監査権が保障されなければならないと思いますけれども、こういう点については、新しい問題提起でもございますが、先ほどの機関委任事務と言われることのやりとりを通してどんなふうにお考えになっていらっしゃるか、御答弁をいただきたいと思います。
#78
○中曽根国務大臣 この点は、自治省が中心になりまして各省といま調整しておる段階でございまして、私は前には、機関委任というのですからそれを監査するとかなんとかいう場合には委任者に了承を求めるのが法的筋でしょう、そういうことを申し上げましたが、基本的な立場はこういうものだろうと思います。しかし、実際に具体的にどういうふうにこれが処理さるべきかということは、せっかくいま自治省が間に入って調整をしておる状態でございますから、その調整を見守りたいと思っております。
#79
○岩垂委員 天下りをやろうと思ったのですが、ちょっとそれをやめまして、総務長官お見えでございますから、質問を続けたいと思います。
 行政管理庁長官、御用事がございましょうから、どうぞ。
 総務長官、きょうは春闘の山場でございます。私鉄を初めとする民間の解決、民間準拠を前提とする仲裁裁定への移行というふうな事態の中で、公労協も一つの峠を越えようとしております。残っているのは公務員労働者の賃上げ問題でございます。春闘も山場ですから、この法案とストレートな関係はございませんが、しかし間接的には関係がありますので、この機会にそれらの問題にしぼって質問をさせていただきたいと思います。
 昨年末ぎりぎりの十二月二十二日に成立した給与法は、言ってしまうと、終始大蔵省の財源難を理由とした妨害と言っては大変申しわけないのですが、態度に左右されてきたことは事実であります。結果として、一九七二年以来十年間にわたって続いた人勧の完全実施の慣行が破られました。それを前提として成り立つ現行の人事院勧告制度を大きく切り崩すことになったことも御承知のとおりです。
 公務員の賃上げはその結果四・七七%、一万五百十四円にとどまり、人事院が言う定昇分二・一六%を加えたとしても六・九三%にしかなりません。民間や三公社五現業の賃上げから大幅に下回ったものになったということは、もう申すまでもございません。私は昨年の十二月二十一日のこの委員会で、この給与法改正案が提案されたときに、法案の持つ問題点を指摘をし、労働者の生存権や生活権を一方的な形で奪う政府のやり方に反対の態度を表明したことは御理解のとおりであります。政府がみずからの責任を勤労国民や公務員に転嫁して、財政の事情ということを理由にして犠牲を強要し続ける政策を保持することは大きな誤りである。かつ、公務部内の労使関係をゆがめたものにしていることも御理解をいただけると思うのであります。
 そこで、まず、ことしの公務員給与改定に対する政府の基本方針を伺っておきたいと思います。
 総務長官、昨年秋の給与法審議の際、鈴木総理大臣は、これは十一月二十六日の参議院行政改革特別委員会でございましたが、「今回のことは本当に異例の措置でございます。今後は私は、人事院の勧告というものを最大限に尊重するというその精神で今後の取り扱いはやっていかなければいけないものと、このように考えます。」明確に述べておられます。公務員給与、人事院勧告の値切りが異例の措置であり、言ってしまえば去年限りというふうに強調しておられるわけですが、この首相の発言を踏まえて総務長官はどのように基本的に対処なされるおつもりか、御答弁をいただきたいと思います。
#80
○田邉国務大臣 お尋ねの問題でございますが、人事院勧告につきましては、政府は昭和四十五年以来十年にわたりまして人事院勧告を尊重し、やってまいりました。したがいまして、大変に厳しい財政事情の中にもかかわらず一般職員の給与改善を実施してきたわけでございます。
 五十六年度におきましては、臨時行政調査会を設けるなどいわば財政の立て直しをやろうというさなかでございます。そういう緊急課題を控え、なおかつ国の財政も異常な状態にありました。したがいまして、私どもは人事院勧告に基づいてその趣旨を尊重してやってまいりたい、こういう考え方ではございましたけれども、昨年の状況はまさに緊急、異常の措置であったと考えております。しかし、人事院勧告につきましては、私ども政府の方針は変わることなく、今後とも良好な労使関係を保持し、維持することがきわめて重要であるという考え方に立ちましてこの問題に対処していく考えであります。
 なお、総理の答弁も、私が申し上げましたように人事院勧告を尊重するということ、この基本的なたてまえに立って給与問題に対処していくことについては変わりないわけでございまして、私どもその基本的なたてまえを堅持し、それにのっとって対応してまいる考えであります。
#81
○岩垂委員 基本的たてまえとおっしゃいました。たてまえと本音という言葉がございますので、基本的立場というふうに私は理解をしたいと思いますが、よろしゅうございますか。
#82
○田邉国務大臣 基本的たてまえ、立場、考え方は同じだと私は考えております。
#83
○岩垂委員 この際、釈迦に説法ですが、人勧制度は労働基本権を公務員労働者から奪った代償機関として政府がみずから認めてきた経緯をまず御理解いただきたい。そして、総理大臣の発言はこの点を踏まえて異例の措置だとおっしゃっておられることだと私も理解をいたします。その意味を文字どおり解釈すれば、昨年の措置はまさに異例の措置だ、本年からは完全実施の慣行を守るという理解だろうと私は思いたいし、そう思います。昭和四十四年十一月十一日の給与関係閣僚会議の談話、保利官房長官が行った談話ですが、政府は今後いかなる困難があろうとも人事院勧告については完全実施すると述べています。いま御答弁いただきましたが、この政府方針との関連も含めて、総務長官もう一遍、たてまえでなしに立場で御答弁いただきたいと思います。
#84
○田邉国務大臣 岩垂委員の立場というお話でございますが、内容は同じでございますから、私は立場ということでなくてたてまえというお話で申し上げるので、その点は御理解をしていただきたいと思います。
 人事院勧告につきましては、政府は従来からこれを尊重するという基本的たてまえに立って対処してまいっておりますことは御案内のとおりでございます。昭和四十四年の官房長官の談話にございますように、翌四十五年から約十年間にわたりまして、厳しい財政事情の中にもかかわらずこの人事院の勧告どおり完全実施してきた経過がございます。昭和五十六年度の措置というものは、先ほども申し上げましたように、第二臨調の第一次答申等に基づきまして、まさに臨時、緊急の措置として行ったものであると考えております。人事院の勧告につきましては、私ども政府の考え方は依然変わるべきものではないと考えておりますし、私といたしましても今後良好な労使関係を維持していくことが大切なことであると考えておりまして、この基本的なたてまえに立って対処してまいる所存でございます。
#85
○岩垂委員 たてまえとおっしゃったのは私の言う立場と同じだということを前提にして、おっしゃっているだけでなしに人勧に向けてさまざまな御努力をぜひお願いしたい、このことを申し上げておきたいと思うのでございます。
 人事院総裁にお越しいただいておりますのでお伺いしたいと思うのですが、昨年秋の値切りに際して、値切りというのは余りいい言葉ではないのですが事実そうなので仕方がないのですけれども、総裁はきわめて遺憾であるという態度を表明されました。現行の給与制度の秩序を大きく崩したことになると言明されました。これについて再び、人勧の値切り措置と現行制度、法律の関係を簡単に御説明いただきたいと思います。
#86
○藤井(貞)政府委員 昨年度の給与勧告に関する取り扱い方の問題でございますが、いま詳細に繰り返してるる申し上げることは差し控えたいと思っておりますが、これは昨年の御審議に当たっても申し上げておりますように、いろいろな財政状況その他の窮迫した状況があったということを前提といたしましても、現在の制度、人事院勧告の持つ意味合いからいってその取り扱いは人事院といたしましては遺憾千万であると言わざるを得ない、この立場はいまももちろん変わっておりません。
 特に、先刻も御指摘になりましたように、人事院で勧告いたしました全体の較差が五・二三%ということでございましたが、最終的に取り扱いとして決まりましたものから見ればその率もかなり下がっているというようなこともございました。一般の公務員については四月にさかのぼっての実施というたてまえは貫かれたということ自体については私自身も評価いたしておりますけれども、自余の点につきましては、たとえば課長さんの上位以上については据え置きになった、調整手当については全般的に一年間の据え置きである、期末・勤勉手当の基礎については従来の給与を基礎にしてというようなことに相なっております。こういう点、やはり勧告の内容というものは一体的にやってもらわなければ斉一性が保てないわけでありまして、そういう点から問題があるということはいままでもるる申し上げてきております。
 なかんずく一部の課長級以上について実施時期をずらしたということのために、そこに非常に給与制度自体について矛盾が生じてまいりました。いわゆる逆転というような、給与制度としてはとうてい考えられないような事態がやむを得ざることとはいえ生じた。したがって、それに対応する最小限の措置として逆転防止の措置、これも相当無理がございました。そういう措置も講ぜざるを得なかったということは、給与制度全般としての斉一性の点からいって大変問題があったというふうに言わざるを得ないと考えております。
 したがいまして、いろいろ御論議も交わされておりますように、私といたしましてはああいうことはやはり二度と繰り返していただきたくないという考えでいっぱいでございます。
#87
○岩垂委員 総裁は去年私とのやりとりのときにも、情勢は厳しいけれども、しかし風圧に屈しないで従来どおり勧告をするという基本方針を掲げて、夏の勧告に対処されたことは敬意を表したいと考えます。ことしもその基本方針に変わりはないかどうか、決意のほどを一言で結構ですからお答えをいただきたいと思います。
#88
○藤井(貞)政府委員 現行の制度が継続をいたしてまいります限り、人勧の制度というものも従来どおりの方針でやっていくという方針には変わりはございません。したがいまして、今年の場合におきましても、一月十五日現在ですでに国家公務員の給与等の実態調査を実施いたしました。また、これに対応するための民間企業の給与の実態調査につきましても、例年どおり四月一日現在を基礎にいたしまして調査を実施をいたします。この実施時期は、五月の連休後から始めまして六月の半ばごろまで続けてまいるという全体の業務の進めぐあい、ペースについては、従前どおり行いたいと思っております。
#89
○岩垂委員 事業所規模や追加較差の算出などについていろいろ意見がございましたが、これも従来どおりかどうか、あるいはそれに対する改善の措置を期待をしているわけでありますが、その点についてどうかということと、もう一つは、五%以下でも勧告をするというこれまでの方針には変わりはないかどうか。大変恐縮なのですが、本会議までの質問なものですから、ぜひ御協力をいただいて、御答弁をいただきたいと思います。
#90
○藤井(貞)政府委員 第一点の、民間の給与実態調査をするに当たりましての企業規模あるいは事業所規模、これについてはいろいろな論議があることは御指摘のとおりでございます。こういう情勢の場合でございますので、いろいろ問題点について検討はいたしておりますが、実際にやります方法というものは従来の方針をそのまま踏襲をいたします。変えるつもりはございません。
 なお、仮に五%以下であるというような事態になった場合はどうかということでございますが、これは調査の結果、精密な分析でもって対比しなければわからぬことでございますのでどうこうということは申し上げかねますが、仮に五%以下という数字が出た場合におきましても、すでにこの点についてはいままでるる御説明を申し上げたような方針に従って、過去三年にわたって五%以下の場合においても勧告をやっております。その方針についても変わりはございません。
#91
○岩垂委員 ありがとうございました。
 新賃金の早期支給及びその制度化について、実は私も総裁といろいろ論議をしてきた経過がございます。総裁は、勧告というのは政府と国会に出すのだ、したがって、国会の意思を各党間でまとめ上げることが近道だという御発言をいただきました。しかし、実は事態は一向に改善をしておりませんし、去年も年末ぎりぎりの二十五日から二十七日にかけて新賃金が支給されるという状態になっているわけであります。政府にも求めなければなりませんが、この問題に真剣に取り組んでいただきたい、こんなふうに思いますけれども、それはそれとして後ほど伺うことにして、賃金問題を政争の具にしてはならないと私は思うのです。勧告は勧告としての重みを持っています。意味も持っています。法律的な根拠も持っています。そういう点で、何か人事院としてお考えになったことがあるかどうか、この前御答弁いただいたようなことかどうかということを一言御答弁いただきたいと思います。
#92
○藤井(貞)政府委員 早期の支払いを確保するための手段、方法等については、実は従来からも長年にわたって御論議をお願いいたしております。われわれもわれわれの立場といたしまして早期にこれが実現いたしますることは望ましいことでございますので、具体的な方法論もいろいろ幾つか考えてまいっております。総理府においても真剣に今日まで考えられてきておるわけでございますが、実はまだ名案がなくて実効が上がっておらないということが事実でございます。
 ただこの点は、私たちの念願といたしましても、勧告制度というものの本質を御理解いただいて、思惑といいますか、いろいろな角度からこれに対して各種の動機をそこに持ち込むことについては、私たちは純粋にこれは事務的な問題としてそのまま率直に受けとめて早期にやっていただきたい、これは心からなる念願として持っておるわけでございます。
 しかし、結局はこれは政府の財政政策の問題なりあるいは国会御審議ということが終局的に絡まってまいる問題でございますので、われわれとしてそれ以上をとやかく申し上げるというよりも、勧告の精神、勧告の趣旨から申して早期完全実施ということを心からお願いをするということをいままで繰り返して申し上げてまいりましたし、現在においてもわれわれの一番心からの念願であるということを申し上げさせていただきたいと思います。
#93
○岩垂委員 総務長官、総裁が言われましたけれども、早期支給ということはインフレの社会ですから非常に重要だと思いますので、総理府としての御努力をいただきたい。よろしいですね。
#94
○田邉国務大臣 私も早期支給ということは可能な範囲において実施すべきことであろうと考えております。ただ、従来人事院の勧告の早期処理を図る観点からも種々検討されたところでございますけれども、先ほどから人事院総裁のお話がございましたような経過でもございます。大変にむずかしい問題もございまして、一朝一夕にこの制度を改善するということは私は大変困難な問題があろうかと思います。しかし、給与の早期支給ということにつきましては、給与制度の運営にとっても重要な問題でございますので、今後ともこの給与の早期支給については十分検討をしていく必要があろうかと考えております。人事院におきましては、この問題につきましていま申し上げておられましたような総裁のお考えもございます。私どもは、できるだけ早く人事院勧告を受けてそれに対応をしていきたい、こう考えております。
#95
○岩垂委員 昨年の官民比較で一時金については〇・〇八カ月較差があったにもかかわらず改善勧告が見送られたことは、私もずいぶん主張してきました。これは、公務員賃金の民間準拠の原則に照らしても、きわめて不当なことだと言わなければなりません。
 そもそも一時金の比較は一年おくれとなっている。そして昨年秋に旧賃金で凍結をされる。余りにも不合理だと思いますが、総裁、その辺について所見を承っておきたいと思います。
#96
○藤井(貞)政府委員 特別給の取り扱いについては、これもいろいろ御論議をいただいておるわけでございますが、私たちの考え方といたしましては、この賞与、特別給というのは民間においては非常に景気に左右される要素の多いものでございます。しかし、端的に民間が非常に変動をするごとにこれを公務員の賞与、特別給にも反映せしめるということが果たしてどうであろうかというような観点もございまして、なるべく安定性を持たせていく方がかえっていいのではないかという配慮がございます。
 そういう点から、従来ずっと一貫をいたしまして、特別給については小数コンマ一位の分についてだけ問題にしていく。これは先生御承知のようにいい面と悪い面とがございまして、何か二位に数字が出た場合にそれを切り捨てることは損だという公務員の考え方もございましょうけれども、また他面、そうでない場合にはそこには手を触れないということで、かえって得をするということもあるわけでありまして、そういう点を彼此勘案をして、小数一位くらいにとどめておくことがよいのではないかということでいままで一貫してまいってきておることは御承知のとおりでございます。したがいまして、いまこういう激動の時代でございますので、これにつきましても従来の方針というものは当面変えないでいくことが一番妥当な措置ではないかというふうに私は思っております。
 ただ、そもそも特別給のあり方その他について本来的にどうあるべきかということについては、また別の角度からもっと検討を重ねてやってまいるということも考えてよいことでございまして、それらについては、技術的な問題等も含めて並行して検討は続けていくという態度を持って進んでまいりたいと思っております。
#97
○岩垂委員 これは総務長官にお願いをしたいのですが、人事院勧告の完全実施という慣行は、実は制度化以来何回か国会で議論してきました。その中で、国際的にはたとえばILOのドライヤー委員会の勧告などもありまして、当時の内閣官房長官が、公務員の労働基本権制約の代償機能としての人事院勧告は今後いかなる困難があろうとも完全実施する、こういう政府の方針を述べられております。一九七〇年以来実施されてきたその背景は、まさにその立場の確認であります。人事院総裁も、人事院の機能を労働基本権の代償というふうに指摘をされております。総務長官も当然そうだというふうにおっしゃると思うのですが、あえて御答弁をいただきたいと思います。
#98
○田邉国務大臣 お尋ねの件でございますが、人事院の勧告制度の性格につきましては、最高裁の全農林事件判決におきましても労働基本権の制約に対する代償措置の一つであると述べております。したがいまして、人事院勧告が実効を上げるように最大限の努力を払わなければならないことは、最高裁の判決の趣旨であろうと考えております。政府といたしましても、今後、この最高裁の判決の趣旨を十分体しまして誠実にこの問題に対処をしていくべきものと考えております。
#99
○岩垂委員 いま総務長官からの御答弁があったわけですが、総務長官という立場は、政府部内で給与担当の行政機関のいわば長でございます。常に使用者としての立場を考えねばならないことは言うまでもありません。使用者としての責任を考えるとすれば、いま御答弁をいただいたような労働基本権にかかわる問題は、たとえどのような動きであっても無視ができない、つまりそれを守り抜かなければいかぬ、そういう守り本尊になっていただきたい、こんなふうに思うのです。
 臨調でいろいろな議論があるようであります。そのことは私はここでは繰り返しません。しかしいわゆる人事院の機構や勧告のあり方、勧告の時期まで含めていろいろ言われているようでございますが、それはいま私どもが確認し合ったこととは変質する方向だろうと私は思います。そういう意味では、どうかひとつ臨調の動向というものに無関心ではなくて、最低限現行制度が持っている歴史的な背景、そしていま長官が御答弁をいただいた立場、それを日夜一生懸命で公務に従事している公務員労働者に対して約束といいましょうか、努力を約束していただきたい、このように思います。特に昨年のような値切りによって乱されている労使の信頼関係の回復ということを含めて、あなたも長い間行政の仕事にかかわってこられたわけでありまして、そういう立場で明確な御答弁をいただきたいと思います。
#100
○田邉国務大臣 臨時行政調査会におきましては、総理の諮問に応じまして、内外の諸情勢の変化に対応し、そして適切かつ合理的な行政のあり方について審議、検討を続けておるところでございます。これに対して政府は、説明あるいは意見の開陳、資料の提供、こういうことで協力をしておる次第であります。したがって、総理府におきましても、この公務員の問題を所管する立場から実は説明をいたし、そしてまた意見の開陳をし、資料の提供をしておる、こういうことで、これによって公平な判断ができるような資料を提供しておるというのが実態でございます。
#101
○岩垂委員 せっかくの御努力をお願いしたいと思うのですが、きょうあたりの春闘の状況を見ても、民間の春闘七%前後、こういう数字が出ております。ところが政府予算は一%しか組んでありません。人勧を尊重するならば、当然財源問題というものに責任を持って政府が対処しなければならないことは言うまでもございません。一%財源と人勧の関係というものをどんなふうにお考えになっていらっしゃるか、御答弁を煩わしたいと思います。
#102
○田邉国務大臣 給与改善費の計上につきましては財政当局の所管でございますが、人事院勧告の改善率が予測困難である、そのために一応財源の措置としてあらかじめ一定の割合を計上するものであると受けとめております。
 いずれにいたしましても私としては、人事院の勧告につきましてこれを尊重するという従来の基本的なたてまえにつきましてはいささかも変わるものではございませんし、これに誠意を持って対処をしてまいりたい、かように考えております。
#103
○岩垂委員 予鈴が鳴りましたので、少しはしょって最後に三問だけお伺いします。
 週休二日制の問題について、昨年の三月二十九日に四週五休制が発足して以来一年を経過いたしました。その実施状況について御報告をいただきたいのですが、それは別として、基本形から外れた変形となっている職種の種類と、それに対する指導の内容も含めて伺っておきたいと思いますが、これは後ほど別の形で御答弁をいただきます。
 週休二日制というのは、この前から私も申し上げていますが、次のステップ、すなわち隔週週休二日制が現実的な課題となっているというふうに認識いたしております。人事院はこれについてことしの夏の勧告などでそのステップを一歩踏み出すということが必要だと思うのですが、その辺についてどうお考えになっていらっしゃるか。
 とりわけ、金融機関が月一回土曜閉店、これに郵便局も対応いたします。来年の四月から実施に移されるわけでございまして、そういう合意を見た条件のもとで、人事院としてもこれに対応して土曜閉庁を前向きに検討する大きな条件ができたと考えますけれども、この二つの点について最後に総裁から御答弁をいただきたいと思います。
#104
○藤井(貞)政府委員 週休二日制につきましては、御承知のように四週五休というかっこうで発足をいたしたのであります。昨年の三月二十九日からやっておるわけでございますが、その実際の実施状況はどうであるかということにつきまして、一年たちました現時点で詳細な調査をいたし、また各省庁から問題点の報告をいただいて、全部集まりましたので現在これを集計中でございます。集計したものについて、いろいろ検討すべきことは検討をして問題点を出してまいりたい、それで今後の対策等をどうするかということもあわせて検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
 全体的に申しまして、世界のいろいろな批判、また世界の情勢というものもございます。また、わが国における民間の動向についても、着実に改善の方向といいますか、いい方向に漸次進んでおるということは疑いのないことでございます。なかんずく一番問題点のあった金融関係等が一歩前進の形をとろうとしておるということも事実でございます。そういう観点で、さらにわれわれとしてもできる限り前進をさせるために考えていかなければならぬというふうに、これも基本的な姿勢としては私はそうあるべきであるということで取り組んでおりますが、問題は、具体的に申しますと、これが一番集中的にあらわれますのが何といっても現業関係でございます。
 現業関係は大変変則的な勤務形態も組みましてやっておりまして、全体としてはまずほぼ何とかやっておるということでございますが、これ以上に密度を濃くするということになりますと、当然そこに予算なり定員なりその他のさらに合理的な勤務体制の再編成というようなことも相当強力にやりませんと無理がかかってくるというような問題がございましょう。また、これとあわせて将来閉庁ということも考えざるを得ないような事態があるいはくるかもしれないけれども、これも一朝一夕に、そう簡単なことではございません。これは役所自体の執務体制の問題、特に国民との関係の接点でございますので、それらの点は大変慎重に考えていかなければならぬことだと思っております。
 なお御要請がございますれば、問題点等について具体的にさらに局長からも御説明を申し上げたいと思いますけれども、全体としてはそういうふうに私は受け取っておりまして、今後のいろいろな情勢をにらみ合わせながら問題点を掘り下げて、さらに改善の方向に努力はしていきたい。ただ、いまその時期はいつからどういう方法でということまではまだまいりません。そういう点はさらに掘り下げた検討を重ねてまいるというのが現在の人事院の立場でございます。
#105
○岩垂委員 総務長官あるいは総裁、ありがとうございました。
 これで終わりたいと思います。今後ともせっかく御努力をお願いいたしたいと思います。
#106
○石井委員長 午後二時より再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時五十六分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時一分開議
#107
○石井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。坂井弘一君。
#108
○坂井委員 最初に、行政改革と関連いたします財政再建について、中曽根長官にお尋ねをいたしたいと思います。
 すでに明らかになりましたように、五十六年度の税収不足というのが二兆円を超える、五十七年度につきましても三兆円を超えるであろう税収不足が発生すると見られているわけでございます。こうした危機的な財政状況下にありまして、鈴木総理はなお五十九年度の赤字公債脱却、この決意は変えないということのようでございます。総理にしてみますと、かねがね公約してきたことでございますから、そう簡単に五十九年度赤字国債発行ゼロ、この公約を曲げる、訂正するわけにはいかない。その辺のいきさつはよくわかるのです。同時にまたそうあってもらいたいと思うのですが、ただ、いかんせん、こういう非常に厳しい財政状況下、歳入の不足から見まして、率直に申しまして五十九年度の赤字脱却は至難であろうというように私は見ざるを得ないわけでございます。
 そこで、中曽根長官にお尋ねしたいわけでございますが、この赤字公債脱却につきましては鈴木内閣の方針かと思いますが、現時点においていかがでしょう、長官のお考えとして脱却できるという判断をされているのか、それともかなり厳しくなったぞ、こういうお考えでしょうか、お答えをいただきたいと思います。
#109
○中曽根国務大臣 かなり厳しくなっていると思いますが、やらなければならぬと思っております。
#110
○坂井委員 何しろこのことが非常に大事な視点でございまして、財政再建という言葉、これが臨調一次答申でも七回出てまいります。財政再建期間中という言葉が五回出てまいります。増税なき財政再建ということは土光臨調の一つの大きな目標として掲げられているわけでございます。
 ただ、非常にわかり切っているようでわからないのが財政再建ということ、このことは一体何か。いままでの議論を踏まえてみますと、財政再建というのは五十九年度に赤字公債の発行をゼロにするということが財政再建、こういうことのようでございます。赤字公債の発行をゼロにするということは私は財政再建の最低の条件だろうと思うのですが、どうも財政再建というのは、五十九年度の赤字公債発行ゼロだ、このことを指しているんだ、それをまた増税なき財政再建だ。後で増税というのは一体どういうことなのかということも中曽根長官の御認識をお伺いしたいと思うわけでございますが、いま財政再建ということにつきまして、先般二月三日の予算委員会におきましても鈴木総理が総理の公約として、五十九年度に赤字国債からの脱却を行う、そのために五十七、五十八、五十九年度、これを通じて五十九年度の脱却を実現するんだ、このことについては政治責任を持つ、こう述べられたわけでございます。
 この政治発言について、中曽根長官は、これは内閣が責任をとるというように総理がおっしゃったととらえられていらっしゃるんだろうと思いますが、総理個人の決意というわけではないでしょうね。
#111
○中曽根国務大臣 これは私にお聞きになるよりも総理にお聞きになる方が至当であろうと思いますが、やはり鈴木内閣の総理大臣としての発言でございますから内閣の考えである、そういうふうにおとりになるのがしかるべきではないかと思います。
#112
○坂井委員 まことにおっしゃるとおりだと思います。総理に聞いてみたいと思うのです。いま長官おっしゃったように、これは総理がおっしゃったんですから鈴木内閣の当然の公約である、国会に対する約束である、こう受けとめて当然だろうと思います。
 さてそこで、五十九年度の赤字国債から脱却するためには一体どういう方法があるんだろうか。具体的に残された道、手段というものは非常に狭いように思うのですが、長官はそのためにどういう方法があるとお考えでしょうか。
#113
○中曽根国務大臣 行革の徹底的断行だと思います。
#114
○坂井委員 行革を断行、遂行、推進される中曽根長官として、まことにごもっともなお答えと思います。私もぜひそうあってもらいたいと思います。思いますが、とは言っても、五十九年度の赤字公債脱却というのはもう至難中の至難というような感じを実は強く持つわけでございますが、順次お伺いしてまいりたいと思います。
 先ほど申しましたように、五十六年度の歳入欠陥、さらに五十七年度も非常に大きな歳入欠陥が生ずるであろう。この責任というのはやはり政府の経済政策運営の失敗がもたらしたものだ、こう言わざるを得ないわけでございまして、その責任は非常に重いと思います。すでに与党・自民党内におきましても、鈴木総理のそうした見通しの誤りにつきまして、それを追及する声が起こりつつあるというようなことが伝えられるわけでございますが、長官もこういう事態を生じさせたということについての責任は大変重いとお考えだと思います。いかがでございましょうか。
#115
○中曽根国務大臣 この問題に限らず、内閣は連帯して責任を背負うべきものであると思っています。
#116
○坂井委員 大蔵省おいでいただいておりますのでお尋ねいたしますが、五十六年度の歳入欠陥の処理、これはどういうふうに処理しようとしておりますか。
 それから二つ目には、五十六年度の歳入欠陥は当然五十七年度の税収に響いてくる、私は三兆円を超えるであろう、こう言ったわけでありますが、五十七年度の税収の落ち込みはどのぐらいと想定しておりますか。
 それから三つ目に、五十八年度の予算の概算要求ではマイナスシーリング、これを考えておるのかどうか。何かそのようなことがちらちら伝えられるようでございます。それらを含めまして、五十八年度の予算編成の方針。以上、三点につきまして御答弁をいただきたいと思います。
    〔委員長退席、佐藤(信)委員長代理着席〕
#117
○内海説明員 最初に税収についてお答え申し上げます。
 五十六年度の税収につきましては、現在二月末まで判明しております。二月末の状況から見て、前年に比べまして一一〇%という状況でございます。二月が悪かったことから見まして、補正後予算の額を確保するのは困難になってきているということは認めざるを得ないものと思っています。
 ただ、どのぐらい不足するかということにつきましては、これもたびたびいろんな機会に申し上げておりますように、一つには、申告所得税の動向というのは今月末にならないとわかりません。それからもう一つ大きな山は、三月決算法人の動向がどうなるか。これは全法人税の三分の一を占めるものですから、これによっても、大きく依存するということを考えますと五十六年どのくらいへこむかということを見当つける段階にはないわけでございます。
 ましてやただいまのお尋ねの五十七年度でございますが、五十六年に計数的にまだ見当がつかない段階でございますので、また五十七年はようやく始まってまだ十数日しかたっていない現状におきまして、五十七年度の税収についてはとうてい見当はつきがたいということでございますので、その点は御理解願いたいと思います。
#118
○畠山説明員 御質問の第一点と第三点についてお答え申し上げます。
 第一点の五十六年度の歳入欠陥をどう処理するのかというお尋ねでございますが、いま主税局総務課長からお答え申しましたとおり、税収動向につきましてもまだ判明いたしておりませんし、歳入欠陥ということになりますと、そのほか税外収入がこれは七月にならないと判明いたしません、それから歳出の方の不用額というものも五月の末にならないと判明しないというようなことで、現段階では決算上どのように処理するかということをお答え申し上げる段階にはございません。
 ただ、ごく一般論として申し上げさせていただきますと、現在五十六年度を経過してしまっているわけでございますので、補正予算というような措置はとれないということもございまして、制度上認められておりますのは、結局、決算調整資金に関する法律に基づきまして決算調整資金を使う、あるいはさらに、それが足りないという場合には、同法に基づきまして国債整理基金の資金を活用するというようなことで処理するという方途が考えられるということでございます。
 それから第三点の五十八年度予算をどうするのかという点でございますが、この点につきましては、今後の財政経済状況の推移を見守りながら十分に検討してまいりたい。ただ、いずれにいたしましても、もちろん歳出面におきます再度の全面的な見直しというものを中心に進めてまいりたいということで、具体的にはまだこれから検討いたしたいということでございます。
#119
○坂井委員 財政再建、非常に厳しい状況に立たされていると思います。そのために景気をどのように回復をさせるのか、あるいは不公平税制の是正、この改革をどうやって具体的に進めていくのか、重要な課題になってくると思います。
 いずれにいたしましてもこれらは行革と関連してくることでございまして、これらの課題について、若干認識論としてさらに長官のお考えを伺いたいわけでございます。
 いま申しましたような著しい税収の落ち込み、これは景気が停滞するということによるものでございますが、私は先ほど申しましたように、五十七年度の経済も非常に厳しいし、税収不足というのは恐らく三兆円を超えるだろう、こういう見方が妥当なようでございます。河本経済企画庁長官も、このままでは実質経済成長率も三・八%程度、こういう見解を示しておられるようでございまして、五十六年度につきましては二%台だろう。長官は、午前中のやりとりにおきましても、行革担当推進大臣として景気よりも行革だという趣旨の御答弁がございました。私は大変ごもっともだろうと思って伺っておったわけでございますが、ただしかし、いかんせん、景気が失速するようなこういう現在の状況下では、非常に率直に言いまして財政再建はおぼつかない、そういうことだろうと思うのです。そこで、この景気回復について、中曽根長官のお考え、御見解、これをひとつまず承っておきたいわけでございます。
#120
○中曽根国務大臣 私は前から申し上げますように、行革三昧、行革一路に挺身しておるのでございまして、経済や景気の問題をそれほど深く勉強する余裕はございません。大蔵大臣や経企庁長官も非常に腐心して苦労惨たんしている状態でございます。
 現在の景気や経済の動向を見ると、アダム・スミスやケインズの時代にないような新しいビールスが入ってきたような、スタグフレーションというような新しい現象が出てきておりまして、この動向を見きわめるということは、とても私ごとき素人の及ぶところではございませんので、御容赦をお願いいたしたいと思います。
#121
○坂井委員 行革三昧、大変結構なんですが、ただ私は、繰り返し申し上げておりますように、どうもこういう景気が落ち込む、失速の状況の中では財政再建がおぼつかなくなるんじゃないかというようなことになってきますと、これは行政改革と重要なかかわりを持つわけですから、そういう観点、角度からお尋ねをいたしておるわけでございます。
 特に景気回復の面で、公共事業の前倒しの実施の効果を上げるにはやはり公共事業の追加をしなければならぬだろう、公共事業の追加をして初めて効果が上がると思うのですが、その場合には建設国債の追加ということになってしまう。この公共事業の追加による景気対策、長官どうでしょうか、いま声が大変強いようでございますが、これについてはどうお考えでしょうか。
#122
○中曽根国務大臣 予算、法律の範囲内において、やれることは最大限の努力をやるべきものであると思っております。公共事業の前倒しもその一つでございまして、思い切ってやる必要があると考えております。
#123
○坂井委員 ここで減税のことについても一言伺っておきたいのですが、景気回復には、五十五、五十六年連続マイナスになっております可処分所得をプラスに変えなければならぬ。そのために、厳しい財政事情を乗り越えて大幅減税を実施して、個人消費を喚起し内需の拡大を図るべきであるということは、かねがね主張してきたところでございます。所得税減税につきましては、衆議院大蔵委員会に設置される小委員会で詰めることになっておりますが、四月五日に参議院予算委員会で採択されました所得税、住民税減税問題に関する決議では、これは減税実施の検討を政府に迫ったものでありますが、長官、所得税減税についてはどういうお考えをお持ちでしょうか。
#124
○中曽根国務大臣 先般各党で商議なさいまして、せっかく大蔵委員会に小委員会ができましてこの問題を検討し始めておるところでございますので、私からいまとやかく申すのは遠慮させていただきたいと思っております。
#125
○坂井委員 減税につきましては、これからこの実現を目指して論議が詰められていくと思いますが、同時に、五十八年度予算編成という事態にだんだん近づいてまいりますと、減税問題と並んで恐らく起こってくるであろう問題が増税問題であろうと思うのです。そこで、大蔵省あたりには所得税減税との抱き合わせの大型増税構想、これもあるやに伝えられるわけでございますが、第二臨調での第一次答申が明記をいたしております「増税なき財政再建」、もとの議論に戻りたいと思いますが、この「増税なき」の意味を、臨調お見えでございましたら後でお教えいただきたいのでございますが、どうもまだ詰まってないような感じでございますね。私が冒頭申しましたように、少なくとも「増税なき」は大型新税の導入をしない、これは最低の条件だ、こう申し上げたわけですが、もし大型新税を導入するということになりますと、「増税なき財政再建」には明確に反する、こう思います。
 そこで長官に伺っておきたいのですが、「増税なき」という意味を中曽根長官はどういうふうに理解をされておられますか。大型新税、それから所得税との抱き合わせ増税、既存の税制における増税についてもお考えをお示しいただきたいと思います。
#126
○中曽根国務大臣 「増税なき財政再建」という言葉は政治用語であるだろうと思います。あるいは政策的用語と言っても差し支えないと思います。人によってニュアンスは違ってまいっておりますが、私の考えておりますことは最も厳しいことで、それは行革をやる者の立場としてそういうことを申し上げておるのであります。新しい税目を起こしたりあるいは税率を新しく高くしたりして税をふやすこと、そういうことは増税に当たると思っておる。ただし、租税特別措置法というものを臨調の趣旨の線に沿っていろいろ手直しをしたりすることは入らないであろう、私はこう申しておるのであります。
 中には、税収額において一定しておけば、その中で直間比率を変えるというようなことは関係しないのではないかということを言う人もおります。しかし、これは取られる国民の側から見て、単に枠さえ同じであれば果たしてそれでいいのかということは、税の国民に対する圧力の加えぐあい、苦痛の加えぐあい、いろいろな面、あるいは社会的公平性の問題等々も考えなければならないので、単にトータルサムが同じならばその中で何でもやっていいという議論はちょっと安易な議論ではないか、そういうものが出てくる場合にはやはりそれ相当の手続が要るのではないか、私はそう考えております。
#127
○坂井委員 大変厳しく踏まえていらっしゃるようですね。結構だと思うのですが、ただ、いままで何回も「増税なき財政再建」とお題目みたいに言われながら、どうも中身がはっきりしないわけですね。「増税なき再建」というのは、私さっき言いましたように、大型新税を導入しないで五十九年度赤字公債発行をゼロにする、これが定義みたいな感じで来ている。強いてそうだとすればこれは最低の条件だろう、こう思います。
 臨調事務局もおいでいただいておりますので、この「増税なき財政再建」について臨調ではどうお考えになっていますか、どういう議論を進められておりますか、お聞かせをいただきたい。
#128
○山本(貞)政府委員 お答えいたします。
 臨調の第一次答申におきまして「増税なき財政再建」と言っております趣旨は、ただいま中曽根大臣からの御答弁がございましたように、五十九年度赤字国債はゼロにする、それからまた「増税なき」の増税というのは、新たな税目の創設あるいは税率の引き上げ等によりまして国民経済全体に占める租税負担の増大をもたらすことである。したがいまして、租税特別措置の見直しあるいは税の執行の適正化等によりまして増収を図ることは増税とは考えていない。こういうことでございます。
#129
○坂井委員 第二臨調第一次答申を見ますと、「税負担の公平確保は極めて重要な課題であり、制度面、執行面の改善に一層の努力を傾注する必要がある。」こう述べております。したがって、不公平税制の是正は「増税なき財政再建」には反しないはずでございます。むしろ不公平税制の是正は徹底してこれを進めるということが好ましいと思いますが、長官、それはそのとおりでしょう。
#130
○中曽根国務大臣 これは先ほど申し上げましたように、租税特別措置を調整することはそれに触れるものではない。申し上げたとおりです。
#131
○坂井委員 関連しましてグリーンカード問題について伺っておきたいのですが、いわゆる利子配当所得の総合課税化を図る手段であります。ただいま指摘いたしました第二臨調第一次答申の意向にもこれは沿うものでございまして、グリーンカードの実施時期を延長しろとかあるいはこれを廃止したらどうだというようなことが言われているわけでございますが、私は、国会の決定を踏まえまして、グリーンカードについてはこれを実施すべきである、こう考えております。第二臨調第一部会では、税の公平確保の問題も検討されているようでございます。中曽根長官は、グリーンカード問題についてはどういうふうにお考えでしょうか。
#132
○中曽根国務大臣 内閣は連帯して責任を背負いますから、大蔵大臣が言明しているとおりであります。ただ、この問題は、いま自民党内部におきましていろいろなお考えもありましていろいろ調整措置が講ぜられるやに私は承っておりますが、自民党の態度を見守っておる状態でもございます。
#133
○坂井委員 自民党の態度を見守っているところでもあるというところは、長官、どうかそれは念頭から離された方がよろしいのじゃないでしょうかね。
 つまり、私いま申しましたように、第二臨調第一部会におきましても税の公平確保問題、これの検討を進められておる。不公平税制の是正は当然そうあるべきである。それも進めながら財政再建の一環としていきたい、一助としていきたい。同時に、これは先ほどから長官るるおっしゃるとおり、歳出の大幅カットと徹底した行政改革によって、余り景気の問題とか財政の問題とかいうことは頭に置かないで、何はともあれ本格的な行政改革を進めていくのだ、このお考えについてはまことによくわかるわけです。よくわかるわけでございますが、同時にまた、先ほどから財政再建、それは五十九年度の赤字公債脱却が最低条件、これをやらなければ鈴木内閣としては重大な政治責任という問題が起こってくる。しかしながら、現在の経済情勢、景気の低迷、さらには税収の不足等、財政危機の状況からして非常に困難な問題が目の前に幾つもある。そういうわけでありますから、少なくとも財政再建のためには不公平税制の是正というようなことも徹底していかなければいけない。その一環としてグリーンカード制度の問題もあるわけでございますから、行革を推進なさる行革三昧の中曽根長官は、雑音等には耳をかさないでグリーンカード制度を当然推進すべきである、こういうお立場が当然だろうと思うのです。重ねて御答弁をいただきたい。
#134
○中曽根国務大臣 内閣の一員といたしまして、大蔵大臣と同じように考えております。ただ、政党員ですから、われわれは自由民主党の党議に従う必要があります。そういう立場も御理解をいただきたいと思います。
#135
○坂井委員 この機会でございますので、大蔵省おいでいただいておりますので、不公平税制の是正という観点からこの問題について意見を伺っておきたいと思います。
#136
○内海説明員 お答え申し上げます。
 グリーンカード制度と利子配当の総合課税の問題につきましては、昭和四十年代の終わりごろから五十四年にかけまして、もう毎年のように衆参両院の大蔵委員会で不公平税制の是正のために総合課税を一日も早く実現すべきだという附帯決議がつけられていた経緯もございます。こういった経緯を踏まえまして、五十五年度の税制改正におきまして両院で議論を尽くしまして所得税法の改正ができ、五十九年から利子配当の総合課税、それからグリーンカード制というものが法律で決められているわけでございまして、行政当局といたしましてはそのために着実に準備を進めております。
#137
○坂井委員 臨調事務局から逐次伺ってまいりたいと思いますが、いわゆる七月の基本答申に向かって臨調では本格的な審議がどんどん進められております。現時点での検討課題それから七月答申に向かってのスケジュールについて、まず概略御説明をちょうだいしたいと思います。
#138
○山本(貞)政府委員 七月の基本答申事項につきましては、去る三月二十九日の調査会で決定されたわけでございます。スケジュールにつきましては、五月に各部会の報告を調査会に上げる、そして調査会は七月に答申を行う、そのように決められたわけでございます。
 それから主要な検討課題といたしましては、まず行政改革の理念、それから重要行政施策のあり方、並びに中央省庁等の行政組織、総合調整機能の問題、並びに公務員給与の問題を中心といたしました公務員制度の問題、さらに国、地方の問題につきましてはいわゆる機能分担あるいは地方財政制度のあり方、さらに補助金の問題、また三公社の経営形態の問題、その他事業の合理化並びに特殊法人の合理化問題を取り上げることといたしております。
#139
○坂井委員 昨年の場合は、第二臨調の第一次答申を受けまして、これを実施する行革関連特例法を審議するいわゆる行革国会が開かれたわけでございますが、午前中のやりとりにおきましても、基本答申を受けてこれを実施する措置を臨時国会の場でという趣旨の質問に対しまして、長官は、これは答申が出てから考えようということのようでございます。ただ、非常に重要な課題、内容が答申されるでありましょうことを想定いたしますと、まさに行革国会は本格的なものをやらなければいけないのじゃないかという感じすらするわけでございます。したがって、答申が出ましてその後でゆっくり検討するというようなことでもない、やはりいまから念頭には置きながら、基本答申が出された場合これをどう消化していくのかというようなことを内々御検討されていると実は思うわけでございますが、その辺お考えがあればひとつお聞かせをいただきたい。
 それから、同時に問題は、五十八年度の予算編成にこの基本答申をどう反映させるのかということでございまして、五十八年度の予算編成に当たりましては徹底した歳出削減を講ずる必要がある、そのためには一体どう政府は対処しようとしておるのか。昨年と同様に、五十八年度予算に反映させるために歳出削減方策を臨調の七月答申に盛り込むように要請をするというようなお考えはないのかどうなのか。その辺もひとつあわせて御答弁をいただきたいと思います。
#140
○中曽根国務大臣 臨時国会云々のことは、七月の基本答申が出てきませんと一体どういうふうにやっていいか、やるべきか、全くわかりません。したがいまして、いま白紙の状態でございます。
 それから五十八年度予算との関連につきましては、ただいま財政当局からお話がありましたが、五十六年度の結末がどういうふうに正確にいくのか、また五十七年度の情勢がどういうふうに推移するのであるか等々の諸要素がまだまだ不確定でございまして、いずれそういうものが確定するような状態になれば財政当局から資料ももらい、われわれも検討して、そして考えていく、そういうことになると思います。
#141
○坂井委員 基本答申が出ましてもこの実施につきましてはある程度時間がかかる、中には相当時間がかかるものもあるだろう、こう思われます。したがって、基本答申、これを全面尊重しまして実施をするという場合に、この実施を促すある種の機関といいますか、そういうものが必要になってくるのじゃないか、基本答申の実施を監督するといいますか、推進する、実施を促進する、そういう機関が必要だろうと思いますが、長官、その辺はどうでしょうか。
#142
○中曽根国務大臣 その点は私もそういう必要を感じております。今次行革はかなり深度の深い、規模の大きい改革になると思いまして、答申が出てきたものを実行してこれを完結していくためには数年あるいは十年近くもかかるのではないかというふうにすら考えられまして、そういう息の長い堅忍不抜の改革を進めていくというためには三月で終わる臨時行政調査会だけで果たしていいかどうか、疑問の余地もございます。しかし、これらの点につきましても、恐らく臨時行政調査会におきまして将来を展望して、何らかのお考えをお示しになるのではないかと期待しております。
#143
○坂井委員 その期待は、第二臨調の答申の中に臨調以後の行政改革推進体制、これが予定されておるようですね。私が申し上げましたのは、第一臨調の答申の場合もそうでございましたが、実施機関の創設には紆余曲折がございました。行政委員会制度から審議会形式の行政監理委員会になったことは御存じのとおりでございます。したがって、いま長官もおっしゃいますように相当な長い時間を要するものもあるでしょう。したがって、基本答申が出た、さらに来年三月の最終答申が出た、それらを最大限尊重しながら、言うなれば完全実施といいますか、それをしていくためには、相当腰を据えたそうした機関がもう当然のことながら必要だろうと思います。臨調の答申にもそのことについて触れられるでありましょうが、中曽根長官として特にそうした機関の設置等についてお考えがあればお聞かせをいただきたい、こういうことで御質問したわけでございます。いかがでございましょう。
#144
○中曽根国務大臣 この点は臨調の権限に属する部分とわれわれ政府側の権限に属する部分と両方ダブっている事項であると思います。臨調側がどういうふうなお考えをお示しになるか、まず第一次にそれをわれわれは見守りたい。第二次には、われわれ自体の願望とすれば、これだけの大きな試験問題をいただくわけでございますから、その答案を解いて推進していくためにはそれ相応の推進機関は必要であろう、こういう認識に立っておりまして、臨調答申を得た上でその具体的措置について考えていきたいと思っております。
#145
○坂井委員 臨調事務局からまた御答弁をいただきたいと思いますが、最初に臨調に要請しておきたいことがございます。
 それは、今日までの行政というものが中央集権的に行われてきたということがいろいろな角度から指摘をされてまいりましたが、そうしたことから、その弊害といいますか、多くの面で見られる。したがって、地方分権化、そうした方向への改革が必要である、急務である。特に地方の時代の論議等もございましたが、願わくばその地方分権、そうした方向に臨調の積極的な御検討をいただきたいというようにひとつお願いをしておきたいと思います。
 そこで、そうした国と地方の機能分担のあり方、特に中央省庁の統廃合、それから地方出先機関の整理合理化などにつきましては、どのようにいま臨調においては論議が進められておりますか、取り組まれますか。現時点における状況につきまして御説明をいただきたいと思います。
#146
○佐々木政府委員 お答えを申し上げます。
 いま先生御指摘の、いまの地方分権の物の考え方というのは、これは基本的に、憲法上も地方自治の精神、本旨というふうな規定もあり、それから社会的な情勢も非常に熟してきている面があるのだろうと思います。臨時行政調査会では、ただいま第三部会において国と地方の機能分担並びに財政の財源配分その他国、地方に関連する諸問題について取り扱っておりますけれども、いまの、極力身近なものについて行政を地方で行うというふうな物の考え方はおおむね多くの方の物の考え方であろう、このように私どもも一応理解をいたしております。ただ、残念ながら地方公共団体の一部に種々御批判があることも、また別途ございます。その意味で国、地方の全体を通ずる効率的な行政の合理化というふうな視点が欠けてはならないというふうな理解をいたしております。ただいま第三部会におきまして、国、地方を通じて機能分担、財政配分、これはいわば負担と受益の関係、そのあたりも十分考慮しまして、地方で十分な自律機能が発揮できるような物の考え方、こうしたものをベースに一応進めておる、このように理解をいたしておるわけであります。
 その意味でいま先生御指摘の中央省庁の統廃合の問題でありますが、これは第二部会において審議をいたしております。先ほど御説明を申し上げましたように、たとえば特に内閣の総合調整機能の強化によるところの行政全般の統一性の確保、あるいは、いま省庁をまたがる事務につきまして種々問題が生じておりますけれども、こうしたものから、まず基本答申で整理すべきものということでただいま鋭意審議をいたしております。
 また地方出先機関の問題につきましては、国の側面からは国の機関の整理統廃合という話になりますし、第三部会で行っております地方との関係におきましては事務の整序という問題になります。両部会が協力いたしまして、いわば極力全体を通じて事務の合理化を進め得るようただいま検討いたしておりますけれども、御承知かと思いますが、たとえば国の地方支分部局につきましては、郵便局を除きましても六千に余る機関がございますので、その全体につきまして全般的な整理合理化方針というのをまず詰めておるというのがただいまの現況でございます。
#147
○坂井委員 次に特殊法人なんですが、特殊法人は第四部会でその改革の方向が検討されておりますが、特殊法人といいましても機能とか公共性等の面で幾つにも分かれてございます。多種多様でありまして、こうした特殊法人については、どういう観点からこれを分類しておるのか、それぞれにつきましてどのような方向で改革を図ろうとしておるのか。特殊法人の統廃合についても、これは基本答申で当然答申されるんだろうと思うのですが、そういうおつもりなのかどうか。また、その場合にどれくらいの規模になるのか、概略わかりましたらば御説明いただきたいと思います。
#148
○佐々木政府委員 御指摘のとおり、特殊法人につきましてただいま第四部会で調査審議を進めておるわけでございます。
 特殊法人は、去年まで、三公社を含めまして百九という数字が一応ございます。この三月三十一日で若干の整理をいたしました関係で、三公社を除きましてただいま百一の特殊法人がございます。それから、いわば法律によってつくられております認可法人というのが、これはいろんな種類がありますけれども、九十九ある。このあたりを全部対象として、ただいま第四部会でもって審議をいたしておるわけでございます。
 審議の方向としましては、端的に申しまして二つございます。つまり、特殊法人全体を通ずるいわば共通的な問題、たとえば役職員の問題とかあるいは会計制度の問題とか政府関与の問題とか、こうしたようなものにつきましてたとえば大きく三つの分類を設けまして、行政機関に類するような機関とか、あるいは事業型の機関とか、いわば組合的な機関とか、そうした大きなタイプに分けまして、それぞれの共通的な問題のあり方についてただいま一応議論をいたしておるということであります。
 あわせまして、いま先生言われましたいわば統廃合の問題でありますけれども、これは、たとえば公共事業を一応行っておるとか、それから政策金融を行っておるとかあるいは施設を管理しているとか、いろんなタイプがございます。そうした機能別に、まず共通的にどうあるべきかということをただいまいろいろと議論をいたしておる。それから、これを一応土俵といたしまして各法人につきましていまの統廃合方針といいますか、それをつくってまいるわけでありますが、率直に申しまして、ただいま第四部会は例の三公社につきまして鋭意検討を進めております。まず共通的な特殊法人につきましての整理統合方針を一応整理をいたしました上でさらに検討を進めてまいるというふうな段取りになってまいりますので、この基本答申段階で個別の法人すべてまで統廃合の問題につきましての方針といいますか改革意見が出せるかどうかということにつきましては、いまのところまだ予断を許さない段階である、このように御理解をいただきたいと存じます。
#149
○坂井委員 それから、報道がずいぶんいろいろなようでございます三公社の経営形態のあり方、これは現時点ではどうなっておりますか。
#150
○佐々木政府委員 三公社につきましては、私どもの第四部会における審議の状況が新聞等に報じられまして、いろいろと御心配をおかけしている場合もしばしばあり、大変恐縮に存じておるわけでございます。
 第四部会の物の考え方といたしまして、たとえば国鉄につきましてそれぞれ個別の改革事項がいかなるものであるか、また、これにつきましてどのような具体的な処方せんが出せるのかといったようなことについてまず議論をする、その上で、いまの状況でもってしてどうにもならないというふうなものについて、いわば経営形態問題にまで及ぶということでただいま鋭意審議をいたしておるわけであります。電電公社あるいは専売公社につきましても同様の観点で、それぞれ現在の問題は何か、その効率を図るための方策は何か、また、これがいわば抜本的に、基本的には経営形態も見直さなければならぬということであれば経営形態にも及ぶ、そうしたような審議態度をとりまして、ただいままで国鉄につきましては二十回近く、そのほか、それぞれの法人につきましても大変数多くの審議を実はやってまいったわけであります。
 先ほども御説明を申し上げましたように、連休明けにはこうした問題につきまして一連の改革方針を取りまとめ、調査会の方に報告する予定でございます関係で、四月の末あたりには、ある程度経営形態を含めまして一連の改革方針について詰めの作業に入るというような段取りになってまいると思っております。
#151
○坂井委員 それから、同じく報道でございますが、国防会議の改組拡充などによる防衛体制の整備、この検討が進められているということでございますが、その一方、国防の基本方針については行政改革の観点から取り上げることは適当ではない、こうした意見もあるようでございます。
 そこで、臨調はこの問題について現時点でどのように考えて、どの程度まで踏み込んだ答申をされるおつもりなのかにつきましても伺っておきたいと思います。
#152
○佐々木政府委員 臨時行政調査会は、行政各般につきまして、最近の情勢に応じました適正な行政のあり方を検討するために設けられた機関でございます。その意味で、国防につきましても大変重要な課題であるということが言えようかと思います。その観点から、現在の情勢に即応したような防衛行政のあり方について、ただいま第一部会並びに第二部会で審議をいたしておるところであります。
 第一部会は、御承知のとおり、重要行政施策につきまして行政のあり方を踏まえて検討するということを主題といたしておりまして、重要施策の八つばかりの課題のうちの一つとしてこれをとらえております。ただし、第一部会で論議をしますときに、この防衛の問題は国政の基本的な問題であるだけに、たとえば憲法等高度の政治判断に関連するような事項については触れない、また、高度の軍事専門的な事項については、能力の関係もありましてこの段階では触れない、そこで、たとえばシビリアンコントロールのあり方とかあるいは各幕のいわば統合運用のあり方とか、その他防衛行政としてあるべき姿について論議をする、このような考え方でただいま進めておるわけであります。
 また第二部会にありましては、いわば組織の問題としまして、先生の言われますように、たとえばいまの国防会議について重要事項といいますか、シビリアンコントロールがよりうまくできるような仕組みは何であるかといったようなことについて論議をいたしておるということでございます。
 いずれにしましても、その具体的な方策がどうなるかというふうなことにつきましては、まだまだ論議が続けられている段階で、直ちにその方向についても申し上げるわけにはまいりませんが、視点として、いま申しました防衛もまた重要な行政課題であるという観点からこれをとらえておるということが申し上げられようかと思います。
#153
○坂井委員 それから年金でありますが、各種年金の一本化ということは、臨調としても非常に重要な課題として検討を進められているというように聞くわけでありますけれども、それぞれの年金は、その制度の趣旨なりあるいは対象財源、財政状況、みんな違うわけで、多種多様でございます。こういうそれぞれの違いがある各種年金の現状を踏まえまして、年金の一元化、一本化、これは私どもも賛成でございますが、果たしてスムーズにこの一元化に移行できるのか。言うはやすくして、従来とも論議が盛んでございまして、非常に困難な問題だとされてまいりました。
 そこで、臨調でいま論議を進められていますが、一元化に移行する手順、これをどう進めて一元化に向かうのか、そこら辺のところをどのように検討になっていますか、お尋ねしたい。
#154
○佐々木政府委員 年金のあり方につきましても、社会保障ということが第一部会の重要行政施策のあり方について検討する課題として調査会から与えられておりますけれども、その一環として年金行政のあり方につきまして検討が行われているわけでございます。
 いま言われましたように、各種の公的年金というのは種々の沿革がございます。したがいまして、その関連でもって、たとえば給付水準あるいは負担率、その他もろもろの条件について違いがございます。それだけに、具体的な問題になりますとその移行というのが大変むずかしい問題として残るわけでありますけれども、臨調の方の認識といたしまして申し上げますと、どこの公的年金につきましてもこのままではやっていけない、つまり、そうしたように財政が非常に不安定になっておる、それで今後年金行政を安定したものとしていくためにはいわば各種制度とも現在抜本見直しが行われるべき時期に参っておる、このような御認識は各種年金を通じてその担当者といえども共通であろう、このように思っておるわけであります。
 いま第一部会にありましては、将来の年金のあるべき姿としまして、年金の一本化ないしそれに至るまでのいわば公的年金の諸制度の均衡の回復あるいは年金の安定化のための方策の確立といったようなことを進めなければならぬという問題意識のもとで、中長期的な進め方といいますか、視点を目下検討しているところであります。
 これもまた先生御承知のとおり、たとえば厚生年金等も五十九年には見直しの時期に参ります。それからまた、たとえば国鉄年金等を中心としまして、共済年金につきまして政府部内でも検討が行われている。そのあたりの論議の模様等も踏まえまして、年金問題について中長期的にそのあるべき姿と、それからそれに至るまでの方途、こうしたものについて臨調としては出していきたいということでただいま審議が進められておる、こう御理解いただきたいと存じます。
#155
○坂井委員 それから臨調で、直間比率の問題、七対三の間接税の比重を上げるというような検討がされておりますか。
#156
○佐々木政府委員 税制のあり方の問題につきましても、臨調の第一部会の重要行政施策の検討課題として設定されているものであります。これにつきましては、第一次答申でも、税の公平の確保という観点からの指摘がございます。それを踏まえまして、主として税の公平確保の観点からの税のあり方についての検討をただいまやっておるということではありますが、いま言われました直間比率の改善の問題というのは、不公平税制の是正の観点も若干絡む問題でありますけれども、それだけでもとらえ切れないというふうな問題がございますから、ただいま税制一般について具体的な方向を完全に見出しているわけではありませんで、直間比率まで触れるか触れないか、なおこれからの審議にまつというふうな段階でございます。
#157
○坂井委員 臨調から、それぞれ大変重要な検討課題について、現時点における状況についてお聞かせをいただいたわけでございます。いま伺いますと、相当詰まってきたような感じでございますが、いずれ基本答申として提出されるということになった段階で、個々の問題について具体的に意見を述べ、検討を進めていきたいと思うのです。
 何はともあれ、臨調の基本答申につきましても、政府とすればこれは最大限尊重ということで、基本答申が出されましたら大骨も小骨も抜かないで、そっくりそのままとは申しませんが、ほとんど臨調答申どおりにそれを完全に実施するんだという腹づもりでまとめられて国会に提出をされる、こういう段取りになるんだろうと思うのですが、中曽根長官の腹づもりとすれば、今度の許認可の、これは次にお尋ねしてまいりたいと思いますけれども、提出されたのも二十四項目、そっくりお出しになったということでございますから、それなりに最大限の尊重でしょう。ましてや基本答申ということで、いまお尋ねいたしましたように大事な課題の問題がたくさん出てくる。これらも最大限尊重で、ほとんどそのままの形でと申してよろしいのでしょうか、どうでしょうか。つまり、後退させないで国会に提出をされる、この御決意には、お気持ちには変わりはないでしょうね。
#158
○中曽根国務大臣 最大限に尊重して速やかにこれを実施に移す、この考えは変わっておりません。
#159
○坂井委員 国会に提出されました段階で具体的には検討を進めてまいりたいと思います。
 今回出されました許認可に関しますいわゆる行政事務の簡素合理化法案、これは当面の許認可の見直しということで出されたもののようでございまして、本格的には基本答申かあるいは基本答申以後、なお基本答申からおくれて最終答申になりますか、そこで出てくる、こういうことのようですが、それでよろしいのでしょうか。
 そういうことになりますと、次に出てくるものはかなりの規模のものになると思いますが、どの程度の整理合理化になりそうか、あらましわかりましたらお示しをいただきたいと思います。
#160
○佐々木政府委員 臨調では先般、二月十日に第二次答申として、許認可に関連する事項につきまして一応御答申を申し上げたわけであります。しかしながらこれは二十数項目であって、御承知のとおり、許認可と言われるものは届け出等を含めますと約一万件に及ぶということでございます。臨調としまして、この全体を調査審議が個別に行い得るものでも実はございません。
 そこで、今後のやり方といたしましては、広く関係方面からの御意見をいろいろと承りながら、国民負担の軽減とかあるいは行政事務の簡素化、民間活力の助長、こうしたような視点から、主として、ある程度の分類を設けながら、これについて整理をいたしてみたい。たとえば各種の資格制度だとかあるいは各種の検査検定制度とか、それから事業活動に対する規制とかあるいは一般国民の日常生活を対象とした規制、こうしたようなものをある程度分類整理をいたしまして、これについてできるだけ広範に整理合理化の措置を出していきたい、このように一応考えまして、ただいまそういう分類に関連するような事項につきまして整理をし、改めて審議を開始したところでありまして、基本答申では恐らくこれは具体的に出すことは、時間的なゆとりということもありまして、これはできないと思います。そこで、最終答申の段階では、いま申しましたような過程を経ましてできました合理化の具体策について政府に対して御意見を申し上げる、このような段取りになると考えております。
#161
○坂井委員 この許認可行政の問題ですが、第一次臨調答申のときの内容を見てみますと「許認可制度の繁文多岐化は、陳情行政の風潮を深めることになり、ひいては請託汚職の温床をつくる危険性をはらむことになる。」こういう指摘がございます。
 同時に、確かに、許認可行政、国民の側から見ますとプラスとマイナスの二面性ございまして、公共の福祉を確保するという面から言えばプラス、しかし同時に、余り許認可権限というものが複雑多岐になってまいりますと第一次臨調の答申に言うような弊害も起こる、同時にまた、民間の活力が阻害されるというマイナス面が起こってくる、したがって、許認可権限を縮小しない限り民間の新しい活動領域というものは広がってこない、私はこう思いますので、できるだけ許認可権限の縮小という方向を目指すべきだろう、こう思います。
 そこで、臨調の答申をまつまでもなく、政府もみずからがこうした許認可について整理合理化を進めるというようなことで、昭和五十五年十二月二十九日の閣議決定「今後における行政改革の推進について」、ここで「許認可等の総点検を行い、昭和五十六年度以降おおむね二年間に、千事項」これは総事項数の約一割、これを目途として整理することとし、「行政改革本部において、各省庁と協議しつつ、整理計画をとりまとめるものとする。」こうありまして、この整理計画につきましては、昭和五十六年十二月二十八日の閣議了解「行政改革の推進に関する当面の措置について」、ここで、「千百四十七事項について廃止、権限の委譲、規制の緩和、手続の簡素化等の整理を行う。」こうなっておるわけでございます。この決定につきましては、どう進められてこられましたか。このとおりずっと大幅に整理されてまいりましたでしょうか。
#162
○中政府委員 お答え申し上げます。
 先生御指摘のように一昨年の末に計画の立案に入りまして、昨年の末に計画ができました。御指摘のように千百四十七でございますが、大体五十六、五十七年以降ということでございますが、初年度に約六百事項予定しておりまして、それの実現方をいま各省に問い合わせをしまして結果をとっているところでございますが、まず初年度に六百はいくのではないか。以降の五百についても今後推進を図ってまいりたいと思っておりますが、その中の初年度分には、今回の法案の分も入ってございます。以上でございます。
#163
○坂井委員 今回の二十四項目を見ますと、たとえばバス停留所の位置の変更、これは認可制を届け出制に改める、こうしておりますが、認可制から届け出制ということは、それなりの改革であることには間違いございません。間違いございませんが、むしろこの権限を市町村に移譲したらどうでしょうか。それはなぜできないのでしょうか。つまり、バスの位置を変更するといったって、土地の事情もわからない中央の局長さんがその権限を持っておっても、これはむしろナンセンスじゃないのでしょうか。なぜ認可権があるのか、むしろ不思議に思うのですが、地方に、つまり市町村にこの権限を移譲する、そういうところまで考えるべきじゃなかったのでしょうか。
#164
○中政府委員 お答え申し上げます。
 バス停の位置の変更の認可から届け出へというよりも、むしろ自治体へというお話でございますが、これもいろいろな検討の結果でございましょうが、種々の問題があろうかと思いますが、臨調の検討の結果が、届け出が現段階ではいいのではないかというお話でございますので、政府といたしましても臨調の趣旨を尊重したというのが現状でございます。
#165
○坂井委員 それから医師、はり、きゅう師ですが、年に一回の住居の届け出の義務がありますが、これを二年に一回にする、毎年を隔年にするというわけですか。なぜこの種の職業に限って住居の届け出が必要なんでしょうか。もうひとつどうもこれはよくわからないのですが、毎年を二年にしたということ、またこの基準といいますか、それはどういうことなんでしょうか。概略をもし御説明いただければ……。
#166
○中政府委員 御指摘のように、期間の問題につきましては、医師の実態を把握いたしまして、病院行政なり地域の医療に関する実態をどう把握するかということでございますが、その期間がどのくらいがいいかというのはさまざま議論がございますが、今回の臨調の場合はほかのものと合わせまして大体この辺が妥当な線ではないかという結論が出ましたので、政府といたしましても臨調の答申を尊重して、現時点では臨調の言うように各省と折衝したということでございます。
#167
○坂井委員 許認可等についてもこれから本格的な答申がまた得られるのでしょうが、実は私ざっと見ましても、もっとこんなものを手をつけたらどうだろうかというようなものが幾つかあるわけですね。三つ、四つばかり申し上げておきますので、お答えいただければひとつちょうだいしたい。
 市町村が都市計画を定める場合、都道府県知事の承認が必要、こうなっております。これは都市計画法十九条。しかし、私は次に申し上げる理由によりまして、都道府県知事の承認は必要ないのではないかと思います。
 つまり一つは、都道府県知事が定める都市計画と市町村が定める都市計画とは、事項として法律上明確に区分されております。二つ目には、市町村が定めた都市計画が都道府県知事が定めた都市計画と抵触するときは、都道府県知事の定めた都市計画が当然に優先する旨の調整規定がございます。それから三つ目、市町村が都市計画を定めた場合に、当該都市計画の図書を都道府県知事と建設大臣に送付すべきこととなっております。それから四つ目、建設大臣は都道府県知事を通じて市町村に対して都市計画の決定または変更に関し必要な指示をすることができることとなっております。
 以上申し上げました四つの理由によりまして、都道府県知事の承認は必要ないのではないか、こういう指摘をまず申し上げておきたい。
 それから二つ目に、都市の美観風致を維持するための樹木の保存に関する法律では、建設大臣または都道府県知事に保存樹または保存樹林に関する報告または資料の徴取権限を与えております。これは同法十条。保存樹及び保存樹林に関する事務はすべて市町村レベルのものであることを考えますと、前記の報告または資料の徴取権限は廃止しても差し支えないのではないかということでございます。
 それから三つ目に指摘したいのは、地方公共団体が事業主体である公営住宅の家賃の決定、建てかえ、処分につきまして建設大臣の承認が必要であるということになっております。そのほか、建設大臣及び都道府県知事は公営住宅の建設、管理について指示、実地検査等を一般的に行うことができることになっております。これは公営住宅の建設に国が補助金の支出をすることとの関係であると思われますが、つまり同法第七条によりまして補助金の支出からくる問題は、補助金適正化法の運用によって処理すればよく、現行の公営住宅法に公営住宅の建設は建設大臣の定める建設基準に従って行うべきことと都道府県住宅建設五カ年計画に基づいて行われるべき旨の規定があることもあわせて考えますと、公営住宅の管理等についての建設大臣の承認一指示等の権限は必要ないのではないかという問題提起、指摘でございます。
 さらにもう一点申しますと、鳥獣保護区の設定をする場合、これは都道府県知事は環境庁長官の承認を受けなければならない、こうなっております。
    〔佐藤(信)委員長代理退席、委員長着席〕
鳥獣保護区の設定は鳥獣保護事業計画に基づくものでありまして、この事業計画自体が都道府県自然環境保全審議会の意見を聞いて環境庁長官に報告されるものであることを考えますと、鳥獣保護区の設定について環境庁長官の承認を必要とすることは、重複のきらいがあるので省略することとしてはどうだろうか。
 以上、四つばかり問題提起といいますか、指摘させていただいたわけですが、いま申しましたように、幾つもそれぞれの問題につきましてことさらにその権限が国なりあるいは都道府県知事が持っていなくても、市町村で十分チェックできるという事例だろうと私は思うのですけれども、いま申しました四つの事例につきまして、もしお考えがあればお聞かせをいただきたい。同時に、これは初めて私が問題提起したとするならば、御検討いただけますかどうでしょうか。
#168
○佐々木政府委員 いま具体的な御指摘をいろいろといただきまして、大変ありがとうございました。
 先ほども申し上げましたように、臨調では、ただいま郡道府県なり市町村を含めまして、各方面から具体的な事案につきましての御意見を種々承っておるところであります。いまおっしゃいました事項につきましても、従来からいろいろと御指摘を受けているものが多うございます。いま言われました御意見も参考とさせていただきまして、臨調におきましてさらに今後一応検討させていただきたい、このように存じております。
#169
○坂井委員 許認可と関連して、最後に補助金の問題をちょっと伺っておきたいのです。
 多くが法律によって補助金政策がとられておりますが、しかし、いまのように変動する社会情勢のもとで制定当時の法律が五年、十年経過いたしますと、すでに有効には機能しないということが起こってまいります。したがって、すべてというわけにはいかぬと思いますが、補助金政策立法に時限法を積極的に取り入れるということが大事だろうと思うのですが、いかがでしょうか。
#170
○中曽根国務大臣 時限法を取り入れることには賛成でございます。
#171
○坂井委員 それから、これは行政改革という視点から、二十一世紀に向かうというのですか、ちょっと長期的な目で見た問題として問題提起しておきたいと思うのですが、新社会システムの開発と普及ということなんです。つまり、資源エネルギーの危機あるいは食糧不足あるいは公害、環境問題、人口問題、低成長経済、さらには高齢化社会の到来等々、わが国の前途に非常に厳しいそうした難題が待ち構えてございます。そこで、いま論議されております行政改革につきましても、ただ目先の視点にとらわれるというのではなくて、いま申しましたこれらの難題をどう乗り越えていくかという長期的な視点に立った改革でなければ、実効を期することはできないのではないか。と同時に、国民生活の質の向上あるいは希望、生きがい、安心といったものを国民に保障する行政改革でなければならぬと思います。
 そこで、わが国が二十一世紀に生き延びていくためにはどうしてもやらなければならぬ課題の一つに、いま申します新社会システムの開発と普及、この問題があるということを実は主張したいわけでございます。
 たとえて申しますと、資源エネルギー危機時代に突入して、現在のような資源エネルギー多消費型社会システムで果たしてよいのかどうか。われわれの社会においてどこの部分が資源エネルギーをむだ遣いしているのか。節約の可能性は一体あるのかないのか。あるいはまた社会の仕組みのどこをどう変えれば資源エネルギーを節約できるのか。さらには資源のリサイクルシステムをどう構築すればよいのか等々について、今後大いに考えていかなければならぬと思うわけでございます。
 医療あるいは福祉問題におきましても、救急医療システム、医療情報システム、それから老人医療福祉システム等々をどう整備していくのか。さらには、コミュニティーの喪失が言われている今日、それを回復する社会システムをどう改善するか。あるいはまた、毎年多数の死傷者や公害等を引き起こしている交通戦争をどう改善し、新しい交通システムを確立していくのか。その他の、廃棄物処理の問題水資源開発、涵養、保全システム、スプロール化等無秩序な開発が進められている都市開発、これを一体どうするのか。社会開発分野での課題は実に多いわけでございます。
 現在、医療、福祉、教育、都市開発等におきましても問題や矛盾が深刻化しておる。これらの分野の社会システムが新しい問題や矛盾に対処し切れなくなっている。同時にシステムそのものの矛盾、不合理によって対処し切らない。さらにシステムそのものがシステム化されていないことによるということもあるでしょう。
 通産省あたりでは、産業構造審議会情報産業部会の答申を見ましても、社会システム開発の必要性をるる述べておるわけでございますが、私は中曽根長官に申し上げたい。いま確かに行革三昧で、いまやらなければならない行政改革というのは一番喫緊、最重要課題だろうと思うのです。ただ、当面するいまの財政がこういう危機的状況であるから、これを乗り切るために増税なき財政再建だとしてそれを行政改革に求める、この視点も大事には違いありません、違いありませんが、ただ目先の財政だけにとらわれて、二十一世紀のわが国社会の展望、この視点を欠いた改革であってはならない。いま言いましたようないろいろな、人口問題、食糧問題、資源エネルギー問題等々難問が山積する高齢化社会の到来は目の前である。そういう問題を乗り越える新しい社会開発システムというものを確立をして、それを工夫していくという視点も行政改革の中に織りまぜていかなければならぬと思うわけですが、中曽根長官、どうお考えになるでしょうか。
#172
○中曽根国務大臣 その点は坂井さんと全く同感でございます。
 私が、昨年の十二月ごろから行政改革でいく、私は行財政改革とは申しません、そう申し上げたのは、そういう考え方が基本にありまして申し上げておるのでございます。
#173
○坂井委員 同感の御答弁をいただきましたが、長官、それで、これは言葉ではこう言えるんですけれども、具体的にこれを推進していくためには、社会システム開発の機構といいますか、そういうものをつくらなければ具体的に進まぬわけですね。その必要性がある。この問題は時間がございませんので議論できませんが、ソフトとハードの面で分離された形のある種の機関がいままでわが国にないではないわけですが、しかし、いま言ったような大所高所の立場に立ってこれを総合的に推進していくための機関ということになりますと、残念ながらないわけでございます。したがって、そうした機関の設置というのが必要になってくるのじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。
#174
○中曽根国務大臣 坂井さんの言われるところが何を意味するかよくわかりませんが、中央省庁の中でそういう必要な機関をつくれという意味であるか、スクラップ・アンド・ビルドでそういうものを新しく創設せよという意味であるのか、ともかくよくわかりませんが、そういうような政策の総合性と推進性を持たせるということは、内閣を中心にして非常に重大であり、必要であると考えております。
#175
○坂井委員 終わりますが、この問題は非常に専門的にいろいろと研究、検討されているものがございますので、また私もそれなりに関心を持ちながら、いま勉強している実はさなかでございます。したがって、いま十分時間がございませんが、また改めて機会を見て、この問題につきまして議論をしたいと思います。
 以上で終わりたいと思います。
#176
○石井委員長 次に、市川雄一君。
#177
○市川委員 最初に中曽根長官にお伺いしたいと思います。
 時間の制約がありますので、全体を初め伺うつもりでしたが、第二臨調の第二次答申におけるデータ通信規制の項目の提言、この提言が今回の公衆電気通信法の一部改正案にどの程度反映されたと見ておられるのか、その点をお伺いしたいと思います。
#178
○中曽根国務大臣 相当程度、この間の二月の答申は今回の法案を中心にして盛られたと考えております。
#179
○市川委員 相当程度というのは、パーセントで言うと何%くらいですか。
#180
○中曽根国務大臣 八〇%以上じゃないかと思います。
#181
○市川委員 郵政省、通産省は、いまの同じ質問ですが、どう見ておられますか。
#182
○守住政府委員 お答え申し上げます。
 臨調答申を受けましての私どもの対応、これにつきましては、あそこにございますような民間の創意工夫、通信回線利用については極力国の規制を排する、そういう精神のもとでこの法案をつくりましたわけでございまして、いわゆるデータ処理のための回線利用につきましてはいろいろ簡素合理化も図りますし、自由な使用ができるようにする、こういうことで、その点につきましてはほとんど全部できておる。ただ、残っておりますいわゆる不特定多数の通信サービス、通信業につきましては、まだ政府部内の意見の一致ができませんでしたので今後に見送って、継続して取り組んでいく、こういうことにいたしておりますので、データ処理のための規制緩和、自由化につきましては一〇〇、なお残っておりますものをどう見るかということで中曽根長官も八〇、残り二〇というふうなとらえ方であったのではないかと思いますが、なお高度通信の残った問題を幾つと見るかということによって分かれる、こういう感じがいたしておるわけでございます。
#183
○豊島政府委員 今回の自由化は国の規制を極力排除し、民間の創意工夫が最大限生かされるようにすべきである、こういう臨調答申が最大限尊重されておるということだと思いますので、かなりの程度満足がいくのではないか、これが自由化されれば当然わが国の情報化の促進には大きな進展があると考えております。
 先ほど来何%くらいかということでございますが、私どもとしてはかなりの程度自由化されることを期待しておるわけですが、具体的には法律だけで全部決めておるわけではなくて、郵政省令以下に具体的措置はゆだねられておるわけでございます。したがいまして、今後郵政省が中心となりまして、行管、私ども通産省、三省庁が十分御相談を受け調整されていくということで、自由化が十分期待どおりにいくことをわれわれは期待しておるものでございます。
#184
○市川委員 臨調、出した側はどうごらんになっているかお聞きをしたいと思うのです。
#185
○佐々木政府委員 いま中曽根行管長官並びに両省からお話があったとおりに、臨調としまして基本的には十分な成果を得ておる。ただ、なお残る問題がありますので、これにつきましてはさらに両省間でよく御検討いただき、続く措置を期待しておるところでございます。
#186
○市川委員 長官は八〇%と非常に明快におっしゃったのですが、通産省は留保をつけていらっしゃるわけですね。いわゆる法律だけを見たのではわからない、省令がどうなるかによって判断しなければならないということを通産省はおっしゃっておるわけですが、全くその点は私も、何も通産省の肩を持つわけじゃありませんが、法令だけ見ていると本当にわからないのですよ。肝心かなめのところが全部省令の改正にゆだねられているわけです。ですから、法の改正と同時に省令をセットで見ませんと、実際問題郵政省がおっしゃっておるような自由化の方向へ行くのかどうかということはだれも判断できない、私はそういう見方をしているわけです。
 そこでお伺いいたしますが、臨調答申で「データ通信回線の利用については、不特定多数を相手にもっぱらメッセージスイッチングを行うシステムを除き自由にする。」こういう表現があるわけですが、この不特定多数を相手にもっぱらメッセージスイッチングを行うシステムというのは具体的にどういうことを指すのか、行管庁の方でどういう受けとめ方をされておるのか、まずお伺いしたいと思います。
#187
○佐倉政府委員 臨調の答申の解釈の問題でございますが、「不特定多数を相手に」、これはだれでもそれに加入できるような制度になっている、こういうことだと思います。それから「もっぱらメッセージスイッチングを行う」と書いてございますけれども、メッセージスイッチングというのは、メッセージすなわち情報を変えないでそのまま伝達する、切りかえて伝達していく、これがメッセージスイッチングであろうと理解しております。それをもっぱら行うものと解釈しております。
#188
○市川委員 「もっぱら」という意味ですが、そのことばかりとかそのことのみ、そういう意味に解していいのですか、どうですか。これは非常に重要な言葉なのです。
#189
○佐倉政府委員 この問題は、データ通信が要するにデータ処理を行う。たとえば計算センター等のデータ処理を行う業者を媒介としてどのようなデータ通信なりメッセージスイッチングが行われるかという形になるわけでございますので、「もっぱら」というのは、データ処理を行うためのメッセージスイッチング、こういうものは当然データ処理に付随するものと考えるべきではないかということもございます。でございますので、そういうものを除いて、だからそういうものは単にメッセージスイッチングということであっても「もっぱら」の部分からは除かれる、そういうふうに理解しております。
#190
○市川委員 要するに、情報処理とメッセージスイッチングは違うのですよ。ですから、情報処理をやる、それからときどきメッセージスイッチングもある、これは「もっぱら」に当たりませんな。どうですか。
#191
○佐倉政府委員 それがデータ処理を行う、そのデータ処理に伴うメッセージスイッチングが行われるということは、「もっぱら」から省かれるのじゃないかと考えておるわけでございます。
#192
○市川委員 ですから、データ通信というのはデータ処理があるわけですよ。しかし、ときどきメッセージスイッチングをしてしまうわけだ。情報を変更することなくコンピューターが媒介してしまうわけです。ときどきそういう使い方をしなければならない。本来の利用としてはデータ処理のために使われている、しかしときどきメッセージスイッチングが起きる、こういう事例はこの臨調で言う「もっぱら」には当たりませんねと僕は聞いている。そのとおりですか。
#193
○佐倉政府委員 ただいま先生が御提示になりました例でいきますと、そのメッセージスイッチングがデータ処理を行うために不可欠なものである限り、入らないというふうに理解されております。
#194
○市川委員 まあ言葉の論争をやっていても意味がないんで、郵政省にお伺いしますが、郵政省はよく電信電話という分野、それから電信電話的という分野、それからもう一つ非電信電話という分野、この三つに分けておられるようですが、この「もっぱらメッセージスイッチングを行うシステム」というのは、いまの三つの分野のうちのどれに該当しますか。
#195
○守住政府委員 私どもは電電公社におきまして電信電話を他人の通信のための媒介として、業として公社形態でやっておるわけでございますが、その電信電話的利用と申しますのは、臨調の答申等の中で、あるいは民間のいろいろな経団連等の中で出てきた言葉でございまして、私どもとしては、電信電話というものと、もう一つは最近の技術の進歩に伴います非電話系と申しますか、そういうファクシミリ等々のものを言っておるわけでございます。したがいまして、このメッセージスイッチングというのは、法令用語ではございませんけれども、他人の通信の媒介につきましては、まず電信電話は他人の通信の媒介をもっぱら行うものである、このように考えておる次第でございます。
#196
○市川委員 全然答弁になっていないですね。よろしいですか、要するにこの臨調答申で言う「もっぱらメッセージスイッチングを行うシステム」というのは電信電話の分野なのか、電信電話的分野なのか、非電信電話の分野なのかというのが僕の質問なんです。これですと答えてください。よけいな説明は要らない。
#197
○守住政府委員 メッセージスイッチングとは
#198
○市川委員 メッセージスイッチングじゃない。臨調答申を聞いているんだよ。
#199
○守住政府委員 お答え申し上げます。
 もっぱらメッセージスイッチングということでございますので、電信電話あるいは電信電話的利用を含む、このように考えておるわけでございます。
#200
○市川委員 ちゃんと聞いておるわけですからね、しっかり答えてください。
 そこでお伺いしますが、それでは今度は、改正案で言う共同使用は、この臨調答申の一項目に該当しますか、どうですか、行管庁。
#201
○佐倉政府委員 いまの先生の御質問は、共同使用について、これが臨調の答申のそのメッセージスイッチングに該当するかどうか、こういう意味でございますか。
#202
○市川委員 一項目。――じゃもう一回聞きましょう。
 この改正案にある共同使用というのは、いまの現行法じゃないですよ、改正案にある共同使用というのは、この臨調答申で言う「不特定多数を相手にもっぱらメッセージスイッチングを行うシステム」に該当しますか該当しませんかというふうに聞いているのです。どうですか。
#203
○佐倉政府委員 共同使用の場合には不特定多数ということではないと思いますので、これは該当しないと思います。
#204
○市川委員 そうしますと、長官は八〇%と、こうおっしゃっているのですが、この臨調答申は、データ通信回線の利用についてはいわゆる「不特定多数を相手にもっぱらメッセージスイッチングを行うシステムを除き自由にする。」こうなっておるわけですね。この「もっぱらメッセージスイッチングを行うシステム」に共同使用は該当しない。
 ところが、この共同使用について、今回の改正案でも「業務上の関係」とか、あるいは共同使用におけるメッセージスイッチング、MSのできる部分は「業務上緊密な関係」、この「緊密な関係」に、また省令でいわゆる電話の専用基準といううるさい基準がたくさんついているわけですね。これは全然自由になっていないじゃありませんか。本来なら、臨調答申から言えば、共同使用はもっと全面自由化すべきだったんじゃないんですか。どうですか、その点は。
#205
○佐倉政府委員 その共同使用につきまして、今回の法案で自由化している部分は、まず範囲としまして、製造業と販売業者等の……(市川委員「そんなこと聞いているんじゃないんだよ」と呼ぶ)それですと、共同使用においても従来ありました制限等が自由化されたということなのでございます。
 私が先ほど申し上げましたのは、共同使用というものは不特定多数を相手にもっぱらメッセージスイッチングをやるということではないという意味で該当しないと申し上げたので、共同使用の範囲、使用態様等についていままでありました制限がなくなっておる部分がございますので、こういうものは臨調答申に沿っているということは言えると思います。
#206
○市川委員 違うんです。要するに、本来なら臨調答申は「不特定多数を相手にもっぱらメッセージスイッチングを行うシステム」これを除いて全部自由にしろ、こう言っておるわけでしょう。違いますか。「自由にする。」と書いてあるじゃないですか。ところが共同使用は、確かに少し自由化されましたよ、八項目という基準が外れた。外したことは評価しますよ。しかし「業務上の関係」という言葉はまだ改正案に残っているんでしょう。それからもう一つ、共同使用におけるMSについては、また「業務上緊密な関係」という枠が残った。その「業務上緊密な関係」というのは、いわゆる電話の専用回線の締結基準を使うというわけでしょう。この基準というのは、後で申し上げますけれども、非常にまたしちめんどうくさい基準をつけているわけだ。これは省令で出てくる部分ですよ。だから何も自由になっていないじゃありませんかと僕は言っているわけです。それでも行管庁は――共同使用というのは除かれているんですよ。除き自由にしていいという分野だ。その自由にしていいと臨調が言っている分野に、まだこういう基準が残っているじゃありませんかということを言っているわけです。わかりますか。これが何で自由なんですかと僕は聞いているわけですよ。どうですか。――いやいや、行管庁に聞いているんだ。
#207
○佐倉政府委員 ただいまのまず範囲でございますけれども、業務上必要なものの間であれば、共同使用の場合はすべて自由に回線利用ができるように改めたわけでございます。
#208
○市川委員 範囲を聞いているんじゃないのです。僕はその評価を聞いているわけです。長官が臨調答申は八〇%今回の改正案に反映しているとおっしゃるから、それじゃ一項目ずつどの程度反映しているか分析をしてみましょうということで聞いているわけですよ。事ほどさように、共同使用についたって、自由化されていないじゃありませんかということを僕は言っているわけです。
 それじゃこの臨調の「自由」という意味は、あれですか、いろいろな意味が含まれているわけですか。メッセージスイッチングは除くぞとか、業務上関係のないものは除くぞとか、緊密な関係でなければだめだということ、そういう制限つきの自由という意味ならわかりますよ。これはただ「除き自由にする。」と書いてある。そういう意味では臨調答申が全然反映されていないじゃありませんか。そういう御認識が行政管理庁にないんですかと聞いているわけです。これはどうですか。
#209
○中曽根国務大臣 私はよくわからないのですが、いろいろ聞いた範囲内では、共同使用は原則的に自由である。それで、いま言った多少の制限があるいは加わるかもしれませんが、「業務上」という場合は、ほとんどいま営業をやっているものや関係しているものは業務になるわけであります。趣味でやっているのでないものはほとんど業務になるだろうと思うのです。そういう意味から、実際問題といたしましては共同使用はもうほとんど自由である、こう解して差し支えない。だから八十点以上、八十点というんじゃなくて八十点以上ということを申し上げておるのであります。
#210
○市川委員 大変失礼ですが、ちょっとその御認識は甘い御認識ではないかというように私は思うのです。というのは、共同使用の場合はメッセージスイッチングができるかどうかということが、いわば何と言うんですか、一番核心部分なんですね。ですから、行政管理庁が昨年発表された「データ通信に関する行政監察結果報告書」、これを拝見しましても、メッセージ交換が禁止されていることによっていかに産業界が困っているかという実態がここに十何項目にわたって書いてあるじゃありませんか。何のためにこういう調査をやったんだ。たとえばこういうデータシステムを取り入れたいと思っていた会社がメッセージスイッチングが禁止されているがゆえに断念したという例をわざわざ調べて書いてあるじゃないですか。ですから要するに、共同使用は自由になった自由になったと言うけれども、メッセージスイッチングというものが非常に重要な要素、働きをなしているわけですよ。その部分はがしゃっと締めちゃっているわけです。ですから、そういう意味では余り臨調答申は盛り込まれていない、こう私は思う。
 問題を進めましてお伺いいたしますが、改正案で言う共同使用には「業務上の関係」とあり、あるいは先日もこの内閣委員会での質問に対して郵政省は、業務上必要な通信であれば自由にします、業務上必要な通信であればいい、こう言っているのですけれども、これはだれがどういう基準で判断するのですか。業務上の関係あるいは業務上必要な通信というものをだれがどういう基準で判断するのですか。何か手続が必要なんですか、どうなんですか。
#211
○守住政府委員 共同使用のお尋ねの点でございますけれども、御承知のとおり公衆電気通信法の六十六条に電話の専用回線の共同専用という制度があるわけでございますが、そこに掲げられております考え方を省令に持ってまいりまして、郵政省令でその基準を定めまして、現実には電電公社が回線の契約の際にその基準に従って運用する、こういうことに相なるわけでございます。
#212
○市川委員 ちょっといまの答弁は違うのじゃないですか。課長からよく聞いてくださいよ。違うと思うのです。
 要するに共同使用には二つの条件がついているのです。一つは、業務上必要な者の間であるかどうか、そういう条件、もう一つは、電信電話的利用については「業務上緊密な関係」という条件がついているわけです。ですからMSを除く部分に対してまず一般的な基準があるわけでしょう。それでクリアしますと、その後MSが使えるか使えないかという基準がもう一つついているわけです。いまあなたが答弁したのはMSの基準の方をおっしゃったわけです。ぼくは一般基準を聞いているわけです。その基準というのは一体だれがどういう基準で判断するのかということを聞いているわけです。
#213
○守住政府委員 御指摘のように、私、先ほど緊密関係の方を申し上げたわけでございますが、広い共同使用という意味で申し上げますと、共同使用全体と申しますかその範囲ということで申し上げますと、郵政省令でその基準を定める。業務上緊密な関係があれば自由なデータ通信、データ処理のための通信ができる、そういう精神で省令を定めまして、そして、その運用は電電公社が回線契約の際にそれに従って運用する、こういうことに相なるわけでございます。
#214
○市川委員 まだちょっとおわかりになっていないみたいですね。「業務上の関係」と「業務上緊密な関係」では全く意味が変わってしまうのですよ、この法律では。そうでしょう。それをまた局長さんは「業務上緊密な関係」とおっしゃった。
 ぼくの聞いている意味は、共同使用の業務上必要な者の間であれば、こう郵政省はおっしゃっているけれども、それは何か基準を設けるのですかということを聞いているわけです。あるいはだれが判断するのですか、あるいは届け出とか認可とか、そういう手続が必要なんですかと聞いているわけです。それはどうですか。
#215
○守住政府委員 最初に、先ほどちょっと緊密と申し上げましたのは間違いでございまして、共同使用につきまして郵政省が郵政省令で定める、こういうことでございます。したがいまして、届け出とか認可等は個別には何も要らないということでございます。
#216
○市川委員 だから要するに、いままで共同使用というのはMSは全部だめだということになっていたわけです。メッセージスイッチングは全部だめだ。八項目の認可基準があったわけですよ。その認可基準にかなわないものは個別認可で救済していたわけでしょう。今回の改正案では八項目は外します、外したわけですよ。外して、禁止したMSについては業務上緊密な関係があれば許しますというふうに一歩前進したわけだ。ところが、一般基準の方の八項目外した方、八項目は外れたのだけれども、「業務上の関係」という言葉はまだ残っているわけです。これは省令で定める、こうおっしゃるのですか。その場合、その省令でまた許認可をやるわけですか。それをさっきから聞いているのです。こんな簡単な質問、わからないかな。
#217
○守住政府委員 省令で定めるわけでございまして、個別の許認可等は一切やらないわけでございます。
#218
○市川委員 廃止すると書いてあるのだから、個別の許認可はやらないのですよ。わかっている。
 では、この法律に即して伺いましょう。
 改正案では「その申込みに係る者の業務上の関係」とあるわけだ。この間、三月二十五日のこの委員会で質問したら、あなたは共同使用というのは原則自由化されたのですとお答えになったわけですよ。だけれども、業務上必要な関係というものが条件で残っているのじゃありませんかと言ったら、さようでございますと答えているわけです。この業務上必要な関係というものを許認可の前提にするわけでしょう。前提にしないのですか。たとえば私とだれかが業務上必要だということで申請すれば電電公社や郵政省は何のチェックもなくオーケーでございますと言うわけにはいかないのでしょう。やはり業務上の関係があるのかどうかということをある基準でだれかがチェックをするわけでしょう。やるのですか、やらないのですかということを聞いているわけです。どうですか。
#219
○守住政府委員 ここに「業務上の関係」といたしておりますのは、共同使用ということで業務上関係がないのにクリームスキミングの問題が起こってはいけないということで一応チェックの規定を定めておるわけでございまして、恐らくもう当然にその通信の相互に必要がある、データ通信について必要があるということでございますので、そこには何らかの業務上の関係が当然にあるからそういう共同利用の姿が出てくるという考え方に立っておるわけでございまして、郵政省がそれを一々チェックするというわけではございません。回線使用契約ということで当然に電電公社が実際にやるわけでございますので、そこに何らかの業務上の関係さえあれば自由な共同使用ができる、こういうことでございます。
#220
○市川委員 くどいようで大変恐縮ですが、非常に重要なことなのですよね。ですから、業務上必要な関係があれば結構でございます、こう言うのだけれども、その業務上の関係というものに何かクリームスキミングがあるかないかを見なければわからないわけでしょう。そうでしょう。やはり当然見るわけでしょう。それは公社がやるのか、郵政省がやるのかと聞いているわけです。どうなのですか。共同使用で申し込みがあった者は全部業務上関係があるのだろうとみなして許可するのならわかりますよ。そうじゃないでしょうと言うのですよ。クリームスキミングが起きたらまずいという判断を持っているわけですから、チェックするわけでしょう。何かそういう基準を設け、その基準に合致しなければ共同使用は許さないということにやはりなっているのじゃありませんかということを聞いているわけです。はっきり答えてくださいよ。
#221
○守住政府委員 郵政省としては何らチェックもいたしませんで、省令でそこの関係を明確に定めておきまして、電電公社がデータ通信回線の使用契約の際に公衆電気通信業務等の支障の有無等の観点もあるわけでございます、技術基準等もあるわけでございますので、公社がそれの契約に当たって実行上見るということでございまして、行政レベルでそれをチェックするということではございません。
#222
○市川委員 ようやくある程度わかってきたのです。まだちょっと問題なのですけれども、次へいきます。
 そこで、先ほどからちょっと答弁が混乱しておられるようですが、長官、データ通信というものを私たちが調べていくのですが、非常にわかりづらいのですね。複雑な体系になっている。郵政省は相当秀才がおそろいになっていらっしゃるのじゃないかと思うのですが、大体普通の話は一回か二回同じことを聞きますとわかるのですが、このデータ通信だけは聞けば聞くほど何となく頭がこんがらがってくる、こういう要素がございまして、郵政省がときどき便利に言葉を使うのですね。たとえばいまメッセージスイッチング、このメッセージスイッチングというのも定義がどうなっているのか。
 まず法案を出していらっしゃる行政管理庁にお伺いをするのですが、郵政省で電信電話の分野あるいは電信電話業務とさっきおっしゃっていましたけれども、それからもう一つは電信電話的利用という表現、それからもう一つはメッセージスイッチング、それからもう一つは、基本的公衆電気通信以外についての他人の通信の媒介を行う、それからただ単純に、他人の通信の媒介を行う、これは恐らく同じようなことを違う角度からそれぞれ言っているんじゃないかなと私は理解しているのですが、行管庁ではこういうことについてどういうふうに見ていらっしゃいますか。
#223
○佐倉政府委員 従来ある電信電話、これはメッセージスイッチングの範囲内でございます。それから電信電話的利用というのは、そのメッセージスイッチングを行うような利用、こういうふうに理解しております。それから、情報すなわちメッセージというものが、たとえば図形のようなものであってもそのまま伝達する、たとえばテレックスとかいうようなものも、加入テレックスの場合にはこれはメッセージスイッチングというふうに理解しております。それから、いま先生のおっしゃいました情報の伝達、データの伝達という場合に、データそのもの、情報そのものに変更を与えない伝達でありましたら、これは当然メッセージスイッチングになるというふうに理解しております。
#224
○市川委員 余りよくまだわからないのですが、では郵政省にお伺いします。
 五つ並べてどう違うかと本当は聞きたかったのですが、恐らくまた混乱しますから……。
 これは郵政省からもらった資料、改正案の説明が書いてある。郵政省電気通信政策局が発行した資料ですが、ここに共同使用の使用態様というところに「さらに業務上緊密な関係を有する者の間においては、電信電話的利用をも可能とする。」こういう表現があるわけですね。それから、他人使用のところについては「業務上緊密な関係を有する中小企業者のために、基本的公衆電気通信以外について、一定の条件の下に他人の通信の媒介を行うことを暫定的に認める。」こういう表現がある。この共同使用で言う「電信電話的利用」という表現と、他人使用で言う「基本的公衆電気通信以外について、他人の通信の媒介を行う」ということと、二つの意味は同じなのか違うのか。違うならどういうふうに違うのか、ちょっと説明していただきたいと思います。
#225
○江川説明員 お手元の資料で、共同使用の使用態様で「業務上緊密な関係を有する者の間においては、電信電話的利用をも可能」という場合の「電信電話的利用」につきましては、端的な言葉を使いますと、電話もテレックスも結構ですという意味でございます。どうして「的」がつくのかといいますと、電話とか加入電信というのは法定役務として電電公社の言葉で書いてございますので、そういうようなものという意味で「電信電話的」と書きました。
 それから、もう一つ御指摘の他人使用でございますが、「業務上緊密な関係を有する中小企業者のために、基本的公衆電気通信以外について、」というこの「基本的公衆電気通信」というのは何かと申しますと、公衆法で電電公社の法定役務として書かれている役務プラス試行役務の中であまねく公平に全国的に行われるべきと考えられる役務を指しております。具体的に申し上げますと、電話、加入電信など、それから試行役務の方で申し上げますとDDXとか加入ファクシミリとかいうようなものを指しております。
 そこで、そういうもの以外のもので「他人の通信の媒介を行う」、この場合の「他人の通信の媒介」という言葉は、先生先ほどおっしゃいましたメッセージスイッチング、内容を変更することなく電子計算機の本体を利用する使い方でございますが、そういうものを「他人の通信の媒介」というふうに使いまして、それをできるようにするという意味でございます。
    〔委員長退席、愛野委員長代理着席〕
#226
○市川委員 そこまでわからなければデータ通信を使えないわけですよね。一般の人には非常にわかりづらい。大体いま聞いている方は、ほぼ恐らく何を言っているのかわからない方もいらっしゃるのじゃないかと思うのですね。こういうデータ通信という非常に大事な分野を非常にわかりづらい言葉で縛る世界にしておいていいのかという疑問を僕は非常に持つのですね。
 いまあなたがおっしゃったことだっておかしいのですよ。いいですか、共同使用では電信電話的利用も可能だ、こう言っておられるわけです。じゃ、基本的公衆電気通信というのは、言ってみれば電信電話の分野でしょう。公衆法で定めた公社といわゆるKDDの役務提供をうたっている部分という意味でしょうから。ということは、要するに電信電話的利用はだめだということですね、この他人使用では。以外なんだから。他人使用ではそういう電信電話的利用はだめだ、それでいて、しかも「一定の条件」という条件がまたかぶさって、何の条件だかまだはっきりしないと言っていますが、その上、さらに他人の通信の媒介、いわゆるメッセージスイッチングはだめだ、こうなるわけてす。――いや、メッセージスイッチングを今度は行うことを認める、こうなるのですが、じゃ、ここで言う他人使用で認めるメッセージスイッチングというのは一体何なんだということですね。これはどうですか、何ですか。
#227
○江川説明員 他人使用で認めますメッセージスイッチングには、大きく分けますと二つのジャンルがございまして、一つは、先生お手元にお持ちの資料かもしれませんが、いわゆる「行って帰って来い」というものを自由化するというジャンルのもので、データの処理に不可避的に伴うメッセージ交換あるいはメッセージスイッチングというものが許されるという部分と、いまちょうど御質問いただいております緊密な関係の人のために行うメッセージ通信というものがあります。この後の方のメッセージ交換といいますのは最初に申し上げたものよりも範囲が広くて、コンピューターの利用という視点でいきますと、内容を変更することなく情報を媒介する電子計算機本体の使用も許すという意味になってまいります。具体的なサービスなんかで申し上げますと、いま非常にそういう使い方が開発されて使われ出しているという使い方で申し上げますと、メールサービスという、あるいはメールボックスという言葉を使ったりいたしますが、メールサービスのような仕事がここではできるという意味になってまいります。
#228
○市川委員 そこの部分は本当は後で聞こうと思っていたのですが、そこでお尋ねしますけれども、いわゆる電信電話的という言葉の使い方、これは非常に疑問を感ずるのですよ。電信というのは法律言葉でいま残っているのですか、どうですか、郵政省の方。
#229
○守住政府委員 公衆電気通信法で加入電信という法概念で残っております。
#230
○市川委員 電話的というのはどういう意味ですか。
#231
○守住政府委員 電話についても電電公社が独占を付与されますと同時に、あまねく公平にという義務を負っている分野の基本的サービスでございますけれども、そういう電話、電話の専用線の場合ももちろん電話でございますが、この共同使用の場合も、そういう電話あるいは電話的と申しますか、いわゆる「的」の方にはメッセージ交換という意味合いも含めましての用語として使っておるわけでございます。
#232
○市川委員 電話だって交換機があって交換しているわけでしょう。
 それではお伺いしますが、メッセージスイッチングの定義は郵政省にはっきりありますか。
#233
○守住政府委員 法令上はメッセージスイッチングというものは使用されておらないわけでございますが、それと同義語と申しますか、郵政省におきましては、先ほど行管の方からも御答弁のありましたように「内容を変更することなく情報を媒介する電子計算機の本体の使用」という言葉で、公衆電気通信法施行規則の第四条の十三という規定をこういう通信界では俗称メッセージスイッチングと言いかえる場合が多いわけでございます。
#234
○市川委員 「内容を変更することなく」の、内容の変更という定義はどうですか。ありますか。「内容を変更することなく」という、何をもって内容の変更とするのか、その基準を、定義を明らかにしてください。
#235
○守住政府委員 あらかじめその「内容を変更することなく」という内容につきましての基準等はあれしておりませんけれども、公衆電気通信役務という角度からのものとして個々に判断をしておる次第でございます。
#236
○市川委員 そうすると、基準はないわけですね。
#237
○江川説明員 この内容を変更するかしないかということにつきましては大変議論があるのが実態でございます。われわれとして、これが内容を変更するものである、あるいはないという絶対的な基準というものをいま持っているわけではございません。しかし、四十六年にこの省令をつくりましていままで十年間運用してまいりましたが、そういう中で実態的には大きな矛盾もなく過ぎてきているところでございます。
#238
○市川委員 それではお伺いしますが、メッセージスイッチングと電信電話的利用と違いますか、同じですか。
#239
○江川説明員 先ほど五つの概念を並べて、その関係はいかにというお尋ねでございました。そのうちの二つがいまの御質問かと思います。メッセージスイッチングという言葉は、先ほど局長からお答えいたしましたように、ちょっと言葉は悪いかもしれませんが、一種の通信界における俗語みたいなものです。範囲で申し上げますと、メッセージ交換という言葉が一番広い範囲でして、その中にたとえば電話も電信もみんな入ってくるわけです。
 そこで、電信電話的とメッセージ交換との関係で申し上げますと、そのメッセージ交換という中に入っている電信電話のような使い方という意味で理解しておりますので、メッセージ交換に大部分は重なってくる部分だ、そう考えているところです。
#240
○市川委員 そうすると、先日の委員会でもお伺いしましたけれども、一一〇番で入力したものが「ドロボウ」で出てくる。コンピューターが介在して翻訳処理をしている。あるいは数字で五四〇四、こう入ったのが、たとえば「日本綱管」とか「ナショナル」とか、証券番号で入ったものが会社名で出てくる、そういうものは、私たちの立場から見ますとコンピューターが介在しているがゆえに起きた処理と思うわけです。これを要するに電信電話的な利用と郵政省は見るわけですか、どうですか。
#241
○江川説明員 ただいまの例だけでそれを電信電話的と見るとかメッセージスイッチングと見るかというのはちょっと危険ですから明言を避けたいと思いますが、要するに、一つの約束事で一と入れたらば五と出るという約束、Aと出るという約束になって情報が伝わることだけを取り上げますと、それは先生のおっしゃる言葉で言えば一つの通信を媒介するという形、別の言葉で言えばメッセージスイッチングに当たる、そういうふうに考えているところです。
#242
○市川委員 行管庁の方、事ほどさように、こういうふうに非常にめんどうくさいのです。こういうことで、実際ユーザーの皆さんは非常に苦しんでいるわけです。一つの例だけではとこうおっしゃったけれども、実際はそういうことが可能なのかどうなのかということを、使う立場にすればシステムを導入するかどうかというときにはそれを考えているわけです。それが一つの例ではわかりませんなんて、そんなのんきなことを言われたのでは困る。こういうところにもつと行管庁としてメスを入れなければだめだと思うのです、自由化とおっしゃるなら。
 たとえば電信電話的かどうか。これはもっと論議をすれば、全く漫画みたいな論議になるのですよ。一一〇番で入ったのが「ドロボウ」で出てきた。「トラトラ」と入れたのが「ワレキシュウニセイコウセリ」と出てきた。これがいわゆる電信電話的利用なのか、メッセージ交換なのかどうなのか。
 また、メッセージ交換と電信電話的な概念が違う、こういうわけでしょう。それでは電信というのは電報とかテレックス――いまテレックスとおっしゃっています。テレックスはコンピューターが介在してないわけですね。それから電話というのは声と声で話すわけでしょう。その声と声を言うのか。それとも、それがそのまま、いま話していることが聞いている人にそのまま生で伝わるわけです。そういう意味なのかどうなのか。もしそういうことだとすれば、たとえば電話でこちらが一一〇番といったら向こうで聞いている人が「ドロボウ」なんと言うわけがないわけでして、コンピューターが中に入ってこそ初めて一一〇番が「ドロボウ」になるわけです。ですから、コンピューターが何らかの情報処理をしているわけです。それを郵政省は情報処理をしているとは見ないわけでしょう。一一〇番は「ドロボウ」という一つの約束事なんだから、これは情報を変更することなく伝えることになるからこういうのはだめだ、こう禁止しているわけですね。その辺の考え方が、非常にこのデータ通信の本質を私は見ない議論ではないかというように思うのです。それなら、では何のためにコンピューターを使うのだということになっちゃうわけです。違いますか。
 たとえば銀行と証券会社でやる場合は、証券会社は証券番号、銀行は会社名、そのためにコンピューターでそういう翻訳処理を行うわけでしょう。ところが、証券番号と会社の名前は約束事だから、これは情報を変更したことには当たらない、コンピューターが情報処理したことにはならない、そのまま情報が筒抜けたことになる、したがって、公社の行っている電話業務と全く同じである、だからこういうのはだめだ、こういう論法でしょう。こういうことにメスを入れませんと、本当の行革にならないのじゃないでしょうか、どうでしょうか。行管庁どうお考えですか。
#243
○佐倉政府委員 先ほど申し上げましたメッセージスイッチングというのは、情報の内容を変えないで伝達するということを申し上げました。その内容を変えないというところに議論が集中しているわけでございますが、この内容を変えないというのがどういうことかというところがいま非常に議論になっているところでございます。いま先生御指摘のようなものまで、内容を変えていないのかあるいは内容を変えたと認識すべきなのか、テレックスの例で言えば、縦書きで出てきたものがもともとは横書きだったというようなものまで内容が変わっているのか、変わっていないのか、あるいは音声で言ったものがいま言ったように数字で出てくるとか、数字で入れたものが音声で出てくる、こういったものはその内容が変わっているのかいないのか、その辺をはっきりさせなければだめだという御指摘でございますが、これは先生のおっしゃることは非常によくわかります。それで現在、いまの点につきまして行管庁もっと介入してちゃんとやれという御指摘でございますが、私の方もその辺に問題があるということは十分認識しております。政府部内において鋭意調整を行っていきたいと考えております。
#244
○市川委員 ですから、電信電話的利用ができるかどうかということが、電信電話的という使い方があって、もう一つメッセージスイッチングという使い方があって、他人の通信の媒介という使い方があって、そのときそのとき都合よく言葉を使うわけですね。そうじゃなくて、郵政省ももうちょっと日本語を統一されたらどうでしょうか。これは非常に難解ですよ。
 たとえば、読んでみましょうか。「他人使用」の「使用態様」、「原則として「行って帰って来い」だけしか認められていなかったものを、中途コンピュータでのメッセージ交換やデータ処理を伴う端末間通信等データ処理のためであれば自由な回線利用ができるように改める。」なんて、ちょっと読んだのではよくわからない。それから「基本的公衆電気通信以外について、一定の条件の下に他人の通信の媒介を行うことを暫定的に認める。」理解することに非常に難渋するわけですね。何か大学の試験を受けているみたいな感じを受ける。データ通信というのはもうちょっと、もちろん通信の秘密の保護とかそういう重要な問題はありますよ、あるけれども、使いたいと思う人がもうちょっとわかる話にしておきませんと、こんなわかりづらい言葉で縛りつけてあったのではデータ通信なんか普及しなくなってしまいます。まず、その辺の郵政省の体質を改善してもらいたい。もっとわかる日本語でしっかり書いてもらいたい。どうですか、局長さん。
#245
○守住政府委員 私ども通信の世界におるわけでございますが、通信の専門の用語とか特にコンピューターと結合したデータ通信の用語、いろいろ技術が進歩してまいりますし、利用技術もそのように発展してまいりますので、いろいろな新しい言葉が出てくる。あるいはその世界の「行って帰って来い」なんというのも、いまは十年たちましたのでその世界ではわかっておりますけれども、一般的にはなかなかわかりにくい言葉を私どもも使っております。その点につきましては、先生御指摘のように「他人の通信の媒介を行う」というのは法令用語でございますが、そういう法令用語と慣用語と申しますか、いろいろなものが混在しておってまことにわかりにくいという御指摘でございますし、私どももまた、用語の統一と申しますか概念の整理と申しますか、そういうものについて御指摘のように考えてまいりたい、また考えていかなければならぬと感じておる次第でございます。
#246
○市川委員 これはユーザーというかデータ通信を利用したいという人たちから、とにかくわからないとすごい声があるのですね。使う人がわからないのでは僕らは全くわからなくなってしまうのです。
 そこでお伺いしますが、共同使用におけるメッセージスイッチングを許可するかどうかは、業務上緊密な関係があるかどうか、業務上緊密な関係というのは、先日の委員会の御答弁でも先ほどの答弁でも、電話の共同専用契約締結基準を省令に持ってくる予定で考えております、こういう答弁でした。先日の委員会でも、他人使用における中小企業者のために他人の通信の媒介を行うことを暫定的に認める、その場合の業務上の緊密な関係の基準もやはり同じく電話の共同専用契約締結基準というものを持ってくるんだ、こうおっしゃっていましたが、間違いありませんね。そのとおりですか。
#247
○江川説明員 ただいま実務的に詰めているどころでございますが、先生がおっしゃいましたように、前回答えましたと同じく、専用線における共同専用の言葉及びその中身をここに持ってくる予定でございます。
#248
○市川委員 前回局長がお答えになってらっしゃるのを確認しているのですから、もうちょっともったいつけないで答えてくださいよ。
 それで、行管庁にお伺いします前に、郵政省にもう一回聞きましょう。何で電話なんですか。データ通信のMS、メッセージスイッチングを許すかどうかの、言ってみれば共同使用、他人使用の基準に電話の基準を持ってくるということはちょっとおかしいんじゃないかと思うのですよ。データ通信と電話というのは全然違う分野でしょう。違う分野を電話の基準で抑えようという考え方、それはいろんな理由があるんでしょうけれども、公衆電気通信法の中にデータ通信をおきめようとするから僕は無理があると思うのです。データ通信というのはもう公衆法ではなじまないと思うのですよ。そういう意味で、なぜ電話なんですか。なぜ電話の基準を持ってくるのですか。それをまず伺いたい。
#249
○江川説明員 現在の制度で申し上げますと、データ通信の世界で共同使用、かつその中での緊密な関係者においても、電話のような使い方は許していないというのが現実でございます。その意味では、電話とデータ通信をきちっと分けたということになっております。しかし、実際運用してまいりますと、その緊密な関係にある企業が専用線を借りて共同使用しているという場合には電話そのものができるわけですが、交換機よりもより機能を増すという意味でコンピューターにそれを置きかえる。置きかえた途端にデータ通信回線使用契約ということになりまして、電信電話の利用は一切禁止するという仕組みになっているところです。ここの矛盾が実は世の中の要求としてはあるところです。
 そこで今回、データ通信の世界における共同使用の中に、単にコンピューターに置きかえると同じ関係の人たちにデータ処理もあわせて通信そのものもできるようにしようという意味で、電話から持ってきたというわけでございます。
#250
○市川委員 よくわからないですね。何で電話なのか。まあそれはいいですよ。データ通信と電話は世界が違うわけですね。せっかく分けたわけでしょう。分けたんだから基準も分けたらどうですか。それが正しいと思うのですよ。そういうことではデータ通信の分野をいつまでも公衆電気通信法という法律の範疇の中で抑え込んでおこうという発想じゃありませんかと言っているのです。
 それで具体的にお伺いします。この言われるところの電話の専用線を共同使用するときの基準ですが、先日の委員会でも申し上げましたが、「国の機関と国の機関」、「地方公共団体と地方公共団体」、「国の機関と地方公共団体」、「共同して同一の業務を行う二人以上の者」、五番目として「相互に業務上緊密な関係を有するため、その間の通信を必要とする二人以上の者であって、次のいずれかの基準に適合するもの。」こうなっておるわけです。
 その「いずれかの基準」が三つ並べてあるわけです。その中に、さらにまたたとえば「発行済株式総数又は出資総額の百分の十を超える株式又は出資の所有関係があり、かつ、業務上継続的な取引等の関係があること。」こういう一つの基準の中に二つの条件がはまっているわけですね。それから、二項目目で申し上げますと、「専用設備を共同して専用しようとする者相互間において、業務上継続的な取引等の関係があり、かつ、その業務に関し相当程度の依存度があること。」こうなっているわけですね。その「相当程度の依存度」というのは、「いずれか一方にとって相手方との取引額が自己の取引総額の百分の二十以上を占めることをいう。」こういう条件がまたついている。これは理論的な合理的な根拠が何かあるのですか。
 こういうデータ通信においてメッセージ交換を許可するかしないかの基準に電話の専用線の基準を持ってきた、そのこと自体私は疑問に思うのですが、さらに、その基準の中にそういう資本関係、しかも資本関係は百分の十を超えなければいけないとかあるいは取引の依存度が百分の二十を占めなければいけないということは、合理的な、理論的な何か根拠があるのでしょうか。
#251
○江川説明員 ただいま先生御指摘の基準みたいなものは、昭和四十四年に郵政省と電電公社との間で、郵政省が電電公社にそういうふうにやるということで指導した内容になっております。
 詳細の資料はここで手持ちございませんが、当時つくりましたときに、これは電話の専用線を共同に使うわけですが、そういう希望する企業間の実情を調べましたらば、いま申し上げました、資本で言えば一〇%以上を持ち合っている、あるいは取引で言えば継続的取引関係があって二〇%以上を相手に負うているという関係が大勢を占めるという実情にあったところです。かつ、そういうところに要求があったわけですから、一つの判断基準としていまのような数字を用いて専用線の電話のための共同使用を認めることにしたというのが実態でございます。それで十年この方動いてまいりましたが、現実の話、これについてのもっと緩めろ、やらせろというそのこと自体の要求というのは大きくは来ておりません。
 そこで、今度のデータ通信の利用制度を改善していくに当たりましても、ポイントの一つは、先生もおっしゃいますようにメッセージスイッチングができるようになるということでございます。それから、メッセージスイッチングできる一つのジャンルというものを、現に電話で共同使用しているグループをここへ持ってくるという意味で持ってまいった次第でございます。
#252
○市川委員 そこで、行管庁に伺います。
 いま私が申し上げたような基準が共同使用におけるメッセージスイッチングを許す基準になっていると同時に、中小企業者のためにもっと一定の条件だとかやかましい条件がついて、その条件のもとに中小企業者にはメッセージスイッチングを許そうということなんですけれども、まず一定の条件というのは別と考えてみて、こういう関係が中小企業同士に当てはまるのかということです。百分の十を超える株式または出資の所有関係があるとかないとか、あるいは百分の二十を占めている依存度があるかないかというのは、これはどうですか行政管理庁、これは中小企業者のためにと言うけれども、こんな基準が入ってしまったのでは全くメッセージスイッチングは使えないのじゃないですか、中小企業にとっては。その点どうごらんになりますか。
#253
○佐倉政府委員 他人使用の場合、たとえば経営診断をやってもらうためにあるセンターに中小企業がいろいろ加入します。中小企業を例にとれば、共同使用を行うほど会社の規模その他において大きくないような場合、あるセンターに頼んでそういうことをやってもらうということは考えられるケースであろうと思います。その場合に、ここで言う緊密な関係にあるような中小企業者が幾つか、同じデータ処理業者と申しますか、そういうところに加入するということは考えられるケースだというふうに思いますので、そういう場合にはここに決めてあるようなことがかなり有効に働く余地があるのではないかというように考えております。
#254
○市川委員 本当は共同使用と他人使用、それから相互接続の問題がありますけれども、もう一つ、VANというか高度通信サービスというものを一緒に出そうと恐らく考えておられたと思うのです。それがVANの部分だけ新法の部分が、郵政省と通産省の縄張り争いなのかどういうことか知りませんが、大分論争があってつぶれてしまった。したがって共同使用で、MSのある条件のもとで業務上緊密な関係を有する者の間においてMSの利用を許す、しかしこれは中小企業の中では共同使用の規定から漏れる人が出てくる、それを救済しなければならないので、他人使用のMSでそれは許すことにして中小企業を救済しよう、こういう発想で恐らく出てきたことではないのですか。その点は郵政省どうお考えになっていますか。
#255
○守住政府委員 恐らく通産省の御主張や田中裁定というのは、先生御指摘のような背景から出てきたものであるというふうに受けとめておる次第でございます。
#256
○市川委員 それでは通産省の方にお伺いします。
 そういう共同使用にはなじまない中小業者がいる、その人たちを救済するために今度は他人使用の方で救済しようというのでMSの許可基準というのをあわててというか出してきた。しかしこれは、電話の専用線を共同で使う場合の基準をそのまま他人使用の中小企業者の間にも用いるということになりますと、さっきから私が何回も指摘しておりますように、こういう関係というのは成り立ちづらいわけですよね。幾ら業務上緊急な関係があっても、そこに百分の二十以上の依存関係がなければいけないとか、百分の十を超える株式または出資の所有関係がなければいけないとか言われてしまえば、中小企業者というのは、幾らほかの業務上の関係があってもそういう関係は非常につくりづらい。したがって結局は締め出しになるのじゃないかと思うのです。救済が救済にならない、こう見ているのですが、通産省ではどうごらんになっていますか。
#257
○豊島政府委員 ただいまの先生の御質問で、メッセージスイッチングにつきまして、中小企業の場合他人使用ということで非常に使いづらいのじゃないかということでございます。
 先ほど来御議論のありました点について私どもの理解を申し述べますと、業務上関係があるということは共同使用にもあるわけでございますが、これはわれわれとしては、原則として取引があればいいというふうに理解しています。したがいまして、従来のように法的関係とか、あるいは使用の態様等につきまして非常に制約されているという点は除かれておる。それから、いわゆる情報処理、データ処理のためのものであれば自由な回線利用ができるということは、いままでメッセージスイッチングと形式上なれば情報処理のためのものであっても一切認めないということでございますが、この辺のところはかなり広く、情報処理のためであればということで認められるものとわれわれは理解し、今後も郵政省にそのようにお願いしたいと思います。したがいまして、その点につきましては他人使用の場合でも同じでございます。
 問題は最後の点でございまして、電信電話的利用ということでございます。これは実は先ほど先生も御指摘のように、電信電話的な利用について共同使用と他人使用については取り扱いが違う、これは郵政省の御説明ですといろいろ事情もあるというお話でございましたけれども、そういうことでここで差ができますと、たまたま資力がなくて計算センターをみんなで利用するという、いわゆる他人使用しか情報処理の道がない中小企業にとって非常に不利になるということで、そういう共同使用と他人使用のバランスも考えまして、ひとつ同じ取り扱いにしていただきたいというのがわれわれの考えでございましたけれども、この点につきましては、いろいろの議論の末に、「一定の条件の下に」とかいろいろありますが、範囲をどこまでにするのか、この辺のところにつきましては今後公社との調整を待ってやる。
 それから手続をどうするかという問題がございますが、これは当然のことながら臨調の答申も続いて許認可をできるだけなくそうという、こういう行政の改善の一環でございますから、その辺のところは当然その精神は酌んでいただけるということでございまして、公社との調整はあるかとも思いますが、その範囲内で最大限満足が得られる結論をわれわれとしては期待しておるわけでして、この辺、郵政省あるいは行政管理庁とも今後御相談にあずかりまして前向きで対処されることを期待しておるわけでございます。全く同じにはいかないということが言われておりますが、いま申し上げましたような精神で最大限処理されることをわれわれとしては望み、また取り組んでまいりたいと思います。
#258
○市川委員 通産省の方、もう一つ聞きたいのですよ。共同使用のMSを認める基準は「業務上緊密な関係を有する者の間においては、電信電話的利用をも可能とする。」この「電信電話的」という表現を使っておるわけですね。もう一つ「業務上緊密な関係」さっき申し上げた基準が適用されるわけでしょう。ところが、他人使用では「業務上緊密な関係を有する中小企業者」と言う。「業務上緊密な関係」という条件が一つあって、いいですか、「一定の条件の下に」というまた二つ目の条件がついて、さらに「電信電話的利用」という表現ではなくて、「基本的公衆電気通信以外について、他人の通信の媒介を行うことを認める。」と、大分中小企業については制約が二重三重に厳しくなっていますね。公平に扱われていないと私は見ますが、通産省はどうごらんになっていますか。
    〔愛野委員長代理退席、委員長着席〕
#259
○豊島政府委員 「緊密な関係を有する」という点では共同使用と同じでございますが、共同使用の場合は、緊密な関係さえあれば電信電話そのものでも完全開放ということになっておるわけでございます。その点につきましては、他人使用の場合は全く同じにはむずかしいという御意見もございますので、その範囲につきましてあるいは手続につきましていま調整中ということで、早急に結論を出すようにということでございまして、「基本的公衆電気通信以外について」かどうかということも含めて調整ということで、別にどうなるかはともかくとして調整中であるということだけを申し上げたいと思います。
#260
○市川委員 臨調の方にお伺いしますが、こういう議論を踏まえまして、臨調第二次答申の第一項目は「データ通信回線の利用については、不特定多数を相手にもっぱらメッセージスイッチングを行うシステムを除き自由にする。」明快にこう書いてあるわけですが、いまの議論お聞きになっていてわかるとおり、他人使用はもっぱらメッセージスイッチングを行うシステムもあればそうでないシステムもあると思いますので、紛らわしいので、まず単純明快に共同使用。これは不特定多数じゃありませんな。この共同使用の分野にも、いま議論しているような制約が残っているわけですね。自由になっていないですね。どうですか、自由になったと見ていますか。どうもやはりまだ自由になっていないとごらんになっていますか。臨調答申は「自由にする。」と言っているわけです。何%ぐらい自由になったと思いますか。どうですか。
#261
○山本(貞)政府委員 お答えいたします。
 臨時行政調査会といたしましては、このデータ通信の問題というものを非常に重視いたしまして、特に通産、郵政両省から分科会にそれぞれ三度来ていただき、また事務局でも何度もお話を伺いまして、検討したわけでございます。
 その場合に、前提といたしまして、いわゆるメッセージスイッチングあるいは情報処理という言葉がございますが、私どもは情報処理というのは、先ほど来のお話のように、たとえばコンピューターを通るときに、掛けたり引いたり足したり割ったり、あるいは検索したり、そういったことがデータ処理である。メッセージスイッチングにつきましては、たとえば声が字になるとか、いわゆるメディア変換あるいはスピード変換、あるいは縦が横になるといったフォーマット変換、あるいはさらに先ほど先生のお話がございましたように、こちらから一と送れば、一はAである、二はBであるという約束事に基づいて送られていくようなもの、これはメッセージスイッチングである。そういう理解のもとに、実は臨調といたしましては、この広い意味のデータ通信というのを三つに分けまして、いわゆる電信電話、これはもともと公社独占、これはもう問題外。それからその次に、いわゆるデータ処理が一部でも含まれるものを私どもなりにデータ処理システムというふうに理解する。そしてまたメッセージスイッチングというものだけで行われるようなシステムをいわゆる通信処理システムというふうに理解する。そしていわゆる情報処理システムというものにつきまして、メッセージスイッチングを全く含まぬ情報処理システム、それから中途コンピューターだけのメッセージスイッチングを含む情報処理システム、それからさらにメッセージスイッチングを含む情報処理システム、この三つに分かれるわけですが、これらにつきましては、自己使用、共同使用、他人使用、一切区切りなしに完全に自由にする。それはイコールもっぱら郵政省の定める基準に従いまして、電電公社がユーザーとの回線使用契約によって認める。許可とか届け出には係らしめない。それからさらに、先ほど申し上げましたいわゆるメッセージスイッチングのみから成る通信処理システムにつきましては、このうち、電電公社が全国あまねく公平に認めるというふうなことでいわゆるDDXという全国網を形成しておりますが、これは電電公社独占である。さらに、そのうちもっぱら特定のものだけで行われるような、特定者を対象とするいわゆるメッセージスイッチングのみのシステム、これにつきましては、先ほどの情報処理システムと同じように完全に自由である。ところで、残りまする不特定多数を相手にもっぱらメッセージスイッチングを行うシステム、これにつきましてはいわゆる完全自由ではない。いかなる規制をするかはそのニーズに応じまして政府において判断すべきである。したがいまして、私どもは、他人使用、共同使用、自己使用、そういった区別をせずにそういう割り切り方をしておるわけでございます。
 したがいまして、この臨調の答申に対しまする政府の措置でございますが、御承知のように、法律改正によって行う部分と、省令改正あるいは電電公社の基準改正によって行われる部分があるわけでございます。したがいまして、いまきわめて明確になっておるのは法律改正の部分でございまして、省令改正あるいは電電公社の基準改正の部分につきましては、確かに先生がおっしゃいますようにそれぞれ部分的にまだ不明確になっておる部分がございます。これは今後、郵政、通産、さらに行政管理庁も加わりまして、臨調の答申の趣旨に従ってできるだけ早く調整されることを私どもとしては期待しておるわけでございます。
#262
○市川委員 期待、期待と言っていて、どういう評価をしていらっしゃるのかちょっと抜けているのですが、時間が迫ってきていますからお伺いしますけれども、相互接続で公−特−公については大臣の個別認可のもとに可能となっていますね。郵政省にお伺いしますが、この認可を受ける発議権、申請を出して郵政省が直に申請を受けるのか、電電公社やKDDを一回通してやるのか、どちらですか。
#263
○江川説明員 電電公社、KDDを通して郵政省に上がってまいります。
#264
○市川委員 現行法においては、大臣認可は共同使用の許可基準八項目に漏れたもの及び公−特の接続の二つがあると思いますけれども、共同使用の基準八項目から漏れた個別認可の場合と公−特の接続の場合の認可、それぞれ要望があって、しかし、それが電電公社なりKDDの段階でストップされて郵政省まで上がってこなかった、こういう事例が何件ありますか。
#265
○江川説明員 そういう事例につきましては、私ども数字をとらえておりません。
#266
○市川委員 この辺に一つまた問題があるのですね。郵政省は大臣が個別認可すると言うのだけれども、電電公社やKDDを通さなければだめだ。窓口権をがっちり持っているわけですね。時間があれば論議をしたかったのですが、たとえばVANというような高度通信サービスの大臣の認可、許可ということを恐らく考えていらっしゃると思うのですけれども、要するにKDDや電電公社というのは、ある意味では自分の商売がたきになるわけです。その人の認可をするかしないかは本来郵政省なのに、それがKDDなんかを通さなければならないところに一つの問題点があるのじゃないかと思うのですが、そういう点についてどういうお考えですか。今回、公−特−公の接続を認めていますけれども、これも同じく公社やKDDを通さないとだめだということですか。
#267
○守住政府委員 従来のと申しますか、今回の改正をも含めましてのデータ処理のための回線利用、これは電電公社、KDDの回線を借りられるわけでございますので、契約レベルの対応、使用態様等の措置がすべてそういう発想でございます。
 なお、先生御指摘の、今後他人使用の中で他人の通信を業として媒介する業、具体例として高度通信サービス、たとえばVANのようなものをおっしゃいましたが、これは電電公社も高度通信がやれるわけでございますので、まさしく競争関係になる。それが単に回線使用契約レベルだけで公社、会社を通して判断されるというのはいかがなものであろうか、それは行政が調整、判断をすべき分野ではないかということで、実はVANと申しますか付加価値データ伝送業務に関する法律につきましての法案を考えたわけでございますけれども、今回、時間的な制約もありましてそれが成案を見るに至らなかったわけでございます。その中では、電電公社、KDDを通じてではない、業として他人の通信の媒介を行う高度通信サービスに対しては行政が直接タッチすべきではないか、こういう考え方を持っておる次第でございます。
#268
○市川委員 結局回線の敷設とか利用、これを郵政大臣が認可することになっているのですが、公社、KDDを通る。その辺にちょっとシステムに二重行政の嫌いがあるのじゃないかと思うのですね。行政的なものが二重になってしまっているのではないか、そういうふうに思います。
 そこで、VANの場合についても、たとえば新しく回線を開設してもらいたいということなんかも含めて、KDDとか電電公社を通さないで一切合財郵政省でやるというお考えですか。事業主体の認可だけは郵政省がやるけれども、回線の敷設なんかは公社に任せるということになりますと、競争相手ですから意地悪が起きると思うのですね。その辺はどうですか。
#269
○守住政府委員 新しい高度通信サービスと申しますか、VANの出現に対しましては、公衆電気通信業務との調整の問題がございますし、御指摘のようにまさしく公社との競争業務ということに相なりますので、それを公社が行政的に判断するのは非常に問題がある。したがって、これは郵政省が判断すべきだと考えております。その判断に従いまして回線の使用契約と申しますか、契約レベルはあるわけでございますので、その判断に従ってその後で回線の使用契約を公社や会社等と結ぶ、このような考え方を持っておる次第でございます。
#270
○市川委員 時間も迫ってきましたので行政管理庁長官に締めくくりの意味でお伺いしたいのですが、データ通信全体を見た場合、今回の改正案は部分的なものに終わっているわけですね。共同使用については八項目外した、個別認可を廃止した、MSについては一定の条件で許しますよ、まさに一歩前進したことはわかるのですが、しかしまた電話の共同専用基準というものがMSにはつくとか、他人の使用についても「行って帰って来い」だけだったものが中途コンピューターのメッセージスイッチングはよしとするとか、一定の条件のもとにもつとメッセージスイッチングを許すとか、そういう一歩前進はあるのですが、これはまだ部分にすぎない。VANというもの、新しい高度通信サービスというものを一体どういうふうに位置づけていくのか、これをあくまでも公衆電気通信法という古い法律の枠の中に閉じ込めた形でいくのか、そうでない新しい法律をつくることによってデータ通信という世界をこれから民間業者も含めて参入を認めて発展をさせていこうとするのか、そういうことはこの改正案だけを見ていたのではわからないわけです。これは通常国会に向けて何か用意されるのかどうか。通産省と郵政省の調整を済ませ、そして新法か何かが出てくるのかどうなのか、その辺のことについて長官のお考えをお伺いしたいと思います。
#271
○中曽根国務大臣 VANの問題は、将来にわたりまして日本の産業界やら通信界を支配する大事な問題が含まれていると思いまして、これは慎重にやらなければいかぬと思っています。果たしてどういう法体系でやる必要があるのかどうか、いわゆる新法説というのもありますが、新法という問題の可能性も含めてこれは内閣の内部におきましてよく調整をして、将来にわたって遺憾なきを期したいと思っております。
#272
○市川委員 行政管理庁長官というお立場があってのいまの御答弁だと思うのです。
 これは長官の後でお聞きして大変恐縮なんですが、通産省や郵政省――郵政省はどうですか。一回だめになった新法、その考え方を基調にして、もう一回何か新しい案をつくろうということなのかどうなのか、それを来年の通常国会に出そうというお考えを郵政省持っているのかどうか、その辺はどうですか。
#273
○守住政府委員 私ども、そういう新しい高度な通信サービスの分野の問題について取り組んで、時間的な制約、いろいろな問題から一応今回は断念せざるを得なかったわけでございますが、さらになお各界各層の御意見も承りながら、この問題につきまして幅広く検討をしてコンセンサスを得てまいりたい、このように考えておる次第でございます。
#274
○市川委員 いままで議論を聞いていていただいて、非常にややこしい世界だということと、臨調の答申が反映されているのかいないのか、これは今後郵政省が定める省令を見ないと大部分わからないという分野が残っている。その省令が果たして臨調の精神にかなった方向に決まるのか決まらないのかという問題が一つ残っていると私は思う。その点は、行政管理庁が臨調精神を生かす方向で郵政省の省令ができるようにしっかり見ていただきたいというふうに思いますし、たとえば、先ほどは一項目だけしか問題にしませんでしたけれども、ネガティブリストかどうか、ネガかポジかという問題も本当は時間があればやる予定だったのですが、ネガになってない。まだポジですね。基準に適合する限りとか、あるいは公−特−公の接続については認可基準を明定することと臨調答申にあるけれども、これはまた別に省令で恐らくやるおつもりなんでしょうが、出てない。こういうふうに臨調答申が本当に今回の行革法案に反映されているのかどうかということは、言ってみれば、大事な部分がみんな省令に隠されてしまっているわけですね。ある意味では国会の議論を非常に束縛している。何か聞いていくと、それは省令でございますということになってしまう。したがって、今後この分野でのいわゆるデータ通信の自由化あるいは許認可の見直し、廃止、整理縮小、こういうものが実を上げるかどうかというのは郵政省の省令いかんにかかっていると思うのです。そういう意味で当初の臨調の答申が行政に反映されるように行管庁としての取り組みを強く望みたいと思います。長官の御決意、御見解を承って、質問を終わりたいと思います。
#275
○中曽根国務大臣 御趣旨の線に沿いまして、省政令の制定に当たりましては注意してまいりたいと思います。
#276
○石井委員長 次回は、来る十五日木曜日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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