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#1
第096回国会 本会議 第6号
昭和五十七年二月十六日(火曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第九号
  昭和五十七年二月十六日
    午前零時三十分開議
 第一 地方交付税法等の一部を改正する法律案
    (内閣提出第八号)
 第二 昭和五十六年度の水田利用再編奨励補助
    金についての所得税及び法人税の臨時特
    例に関する法律案(大蔵委員長提出)
 第三 農業共済再保険特別会計における農作物
    共済、畑作物共済及び果樹共済に係る再
    保険金の支払財源の不足に充てるための
    一般会計からする繰入金に関する法律案
    (内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 昭和五十六年度一般会計補正予算(第1号)
 昭和五十六年度特別会計補正予算(特第1号)
 昭和五十六年度政府関係機関補正予算(機第1
  号)
 日程第一 地方交付税法等の一部を改正する法
  律案(内閣提出第八号)
 日程第二 昭和五十六年度の水田利用再編奨励
  補助金についての所得税及び法人税の臨時特
  例に関する法律案(大蔵委員長提出)
 日程第三 農業共済再保険特別会計における農
  作物共済、畑作物共済及び果樹共済に係る再
  保険金の支払財源の不足に充てるための一般
  会計からする繰入金に関する法律案(内閣提
  出)
 人事官任命につき同意を求めるの件
 宇宙開発委員会委員任命につき同意を求めるの
  件
 国家公安委員会委員任命につき同意を求めるの
  件
 日本銀行政策委員会委員任命につき同意を求め
  るの件
 中央社会保険医療協議会委員任命につき同意を
  求めるの件
 商品取引所審議会会長及び同委員任命につき同
  意を求めるの件
    午前一時二十八分開議
#2
○議長(福田一君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
#3
○小里貞利君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、昭和五十六年度一般会計補正予算(第1号)、昭和五十六年度特別会計補正予算(特第1号)、昭和五十六年度政府関係機関補正予算(機第1号)、右三件を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#4
○議長(福田一君) 小里貞利君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
    ―――――――――――――
 昭和五十六年度一般会計補正予算(第1号)
 昭和五十六年度特別会計補正予算(特第1号)
 昭和五十六年度政府関係機関補正予算(機第1号)
#6
○議長(福田一君) 昭和五十六年度一般会計補正予算(第1号)、昭和五十六年度特別会計補正予算(特第1号)、昭和五十六年度政府関係機関補正予算(機第1号)、右三件を一括して議題といたします。
    ―――――――――――――
 委員長の報告を求めます。予算委員長栗原祐幸君。
    ―――――――――――――
 昭和五十六年度一般会計補正予算(第1号)及び同報告書
 昭和五十六年度特別会計補正予算(特第1号)及び同報告書
 昭和五十六年度政府関係機関補正予算(機第1号)及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔栗原祐幸君登壇〕
#7
○栗原祐幸君 ただいま議題となりました昭和五十六年度一般会計補正予算(第1号)外二案につきまして、予算委員会における審議の経過及び結果を御報告申し上げます。
 この補正予算三案は、去る一月二十五日本委員会に付託され、同月二十九日に提案理由の説明を聴取し、二月九日、十日及び本十六日質疑を行い、その終局後、討論、採決をいたしたものであります。
 まず、補正予算の概要について申し上げます。
 一般会計は、歳入歳出とも、それぞれ三千三百七十二億円を追加するものでありまして、歳入におきましては、租税及び印紙収入について、最近の経済情勢、収入実績等を勘案し、四千五百二十四億円の減少見込みを計上し、他方、公債について、建設公債二千五百五十億円、特例公債三千七百五十億円、合わせて六千三百億円の追加発行を行うとともに、専売納付金及び雑収入で合計千百十二億円の増収を見込み、前年度剰余金四百八十四億円の受け入れを行っております。
 歳出におきましては、災害復旧費、農業保険費、給与改善費、その他義務的経費など、合計六千二百七十億円の追加を行うとともに、既定経費の節減、地方交付税交付金の減額及び予備費の減額で、合計二千八百九十八億円の修正減少を行っております。
 特別会計予算におきましては、一般会計予算の補正等に関連して、交付税及び譲与税配付金特別会計、農業共済再保険特別会計等の八特別会計について所要の補正を行い、また、政府関係機関予算におきましては、日本国有鉄道について所要の補正を行うこととしております。
 次に、質疑のうち、主なものについて申し上げます。
 まず、「五十六年度は、当初の見積もりを誤ったため歳入欠陥が生じ、補正予算を編成し公債を増発せざるを得なくなった。今回発表された昨年十二月分の税収を見ると、対前年伸び率は一四・二%であり、四月からの累計でも一〇・三%にすぎず、このまま推移すれば、補正後の見込み額を確保するためには、今後三〇%近くの伸びが必要であり、仮に二〇%の伸びとしても一兆円程度の歳入欠陥となることは明らかである。先日、大蔵大臣は、そのような事態になった場合にはしかるべき責任をとると述べたが、具体的にどうするつもりか」との趣旨の質疑に対し、政府から、「歳入見積もりというのは非常に困難な作業で、見積もりの時点における利用可能な資料を駆使して、専門的な検討を加えて最善の努力をしているが、なかなか正確を期しがたい。ことに法人税については、年一回決算の法人が多くなり、法人税収の三分の一を占める三月決算の分は五月に納税されるので、その見通しが立てにくくなっている。また三月の申告所得税の税収も不確定である。今年度は景気の回復が緩やかであり、物価が予想以上安定したこともあって税収が伸び悩んでいるが、物品税など不足が明らかになったものについて必要な減額補正をしたものであり、したがって、これ以上の税収減になる場合については、いまのところ考えていない」旨の答弁がありました。
 次に、「五十六年度の予算でF4ファントム戦闘機に爆撃装置をつけるための改修を計画しているが、これは、F4には将来とも爆撃装置はっけないという昭和四十三年の増田防衛庁長官の答弁に抵触しているのではないか」との趣旨の質疑に対し、政府から、「今回のF4の改修計画は、同機の延命と機能の向上とを図るための試験を行おうとするものであるが、F4の採用時に外しだのは対地爆撃専用の装置であるのに対して、今回試験的に導入しようとするセントラル・コンピューターは、爆撃のときの計算もできるというものであり、F15と同じ装置をつけようとするものである」旨の答弁がありました。しかし、野党の納得、を得ることができず、委員会の審議は中断するに至りました。
 その後、与野党間で精力的に協議が続けられた結果、合意に達し、本日の委員会において、鈴木内閣総理大臣から、閣議における意見交換に関しての釈明、並びに今後ともシビリアンコントロールについては絶対に遵守する所存である旨の発言がありました。
 以上のほか、日航機の墜落事故、国連軍縮総会に臨む基本方針、日米相互防衛援助協定の細目取り決め、臨調と人事院勧告制度、退職給与引当金、米国の高金利と円相場、貿易摩擦対策、重度心身障害者救済、国鉄の運賃値上げと経営改善等について熱心な質疑応答が行われたのでありますが、詳細は会議録により御承知願いたいと存じます。
 本日、補正予算三案を一括して討論に付したところ、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党は、それぞれ反対の討論を行い、引き続き採決を行った結果、昭和五十六年度補正予算三案は−賛成者多数をもっていずれも可決すべきものと決しました。以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#8
○議長(福田一君) 三件につき討論の通告があります。順次これを許します。木島喜兵衞君。
    〔木島喜兵衞君登壇〕
#9
○木島喜兵衞君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました補正予算三案に対し、反対の討論を行います。
 鈴木内閣は、本年度予算を財政再建元年予算と位置づけ、一兆四千億の増税と二兆円の特例国債減額を最大の特徴として国民に協力を訴え、一方、財政の前提となる経済については、内需を中心として、景気の浮揚、雇用の安定、貿易摩擦の回避、物価の安定等を国民に約束してきました。
 しかるに、半年も経過することなくして破綻が露呈し始め、以来、事態はいよいよ深刻の度を深め、当初の公約はことごとく崩壊し、政治生命をかけたという財政再建も、いまや完全に不可能という局面を迎えているのであります。確かに、内需拡大を経済、財政の中心に据えた基本方針は誤りなかったのですが、その基本方針と個別政策の不一致が破綻の原因であります。
 鈴木内閣の増税なき財政再建というキャッチフレーズにかかわらず、収入が一%ふえれば税金が二・五%ふえるという急激な所得税の実質増税が四年間続けられたため、勤労家計の可処分所得は、社会保険料の増大と相まって上昇せず、政府の租税政策の失敗が景気回復の足かせとなって、それが税の減収になるという悪循環を引き起こしているのであります。
 低い賃金の引き上げと、その大企業と中小企業、零細企業の格差の拡大は、購買力を刺激するわけはありません。
 また、政府が期待した民間住宅建設百三十万戸の目標はとうてい達成できませんが、その原因は、地価の高騰と所得の伸び悩みによる住宅の取得能力の低下にあることは、政府の国民生活白書ですら認めるところであります。
 民間の設備投資にしても、その不振は、個人消費と密接にかかわりを持つ中小企業の冷え込みが大きな要因となっています。したがって、失業者は増大し、完全失業者百二十六万人は、この三十六年間で最悪の状態を示し、完全失業率は、政府の統計でも二・二%と不況局面の指標となっておるのであります。
 このように、政府の内需中心の経済成長の意図は崩れ、依然として外需に依存して、経済摩擦解消どころか、かえって激化の一途をたどり、政府の宣伝する日本経済総体の外需による良好さは、一方、国民生活の個々の分野の不況そのものという矛盾を露呈しているのであります。このようにして、総理の政治生命をかけた財政再建は破綻寸前にあります。
 財政面では、不公平税制の是正が不十分なまま、大衆の税負担、受益者負担が進む一方、たとえば公共事業をめぐる談合問題で明らかになったように、不当、不要な支出にメスが十分に加えられないまま、国債の大量発行という財政再建に逆行する措置をとらざるを得なかったのであります。その今回の国債も、全額を資金運用部資金で引き受けざるを得ないという、金融的歯どめのあいまいな国債消化を行わざるを得なかったのであります。まさに政府の経済、財政運営は限界を迎えていると言わざるを得ません。
 次に、具体的な主な理由を指摘いたします。
 その第一は、財政再建の中心である当初の二兆円の国債減額にかかわらず、六千三百億の国債増発であります。このことは、国債減額が一兆三千七百億に縮小し、公債依存度が当初の二六・二%から二七・四%に高まり、これは財政再建の明らかな後退を意味します。しかも、今回の補正後においてもさらに大幅な歳入欠陥が予想される深刻な状況の中で、まさに政府の財政再建路線は実質的に破綻したと断定せざるを得ません。
 第二の反対理由は、税収の見積もりは、最近の経済実勢からして過大であると考えるからであります。
 歳入は、見積もりだからといってずさんでよいわけはなく、的確な予測は政府の責務であります。いまや本年度の国債減額幅が当初の増税額相当にしかすぎない状況の中では、経済の実勢と異なる次元の歳入見積もりと断定せざるを得ないのであります。
 第三の反対理由は、給与改善費の処理の問題であります。
 予算の補正は、当初予算で予測できない支出を計上することが認められているもので、当初で一%のみの給与改善分を計上することは、そして補正でもって最終的に処理するやり方は、もはや改めるべきであります。まして、特例国債で賄っているという政府の強弁は、財政民主主義の立場からも、財政再建の立場からも認められないのであります。
 以上、補正予算三案に対する反対の理由を申し上げましたが、最後に、鈴木総理が、財政再建が達成できない際には政治責任をとると明言されたことを、私たちも、そして国民も、しかと承っておくとともに、今回のF4ファントムの爆撃装置にかかわる問題は、わが党がつとに指摘してきたごとく、シビリアンコントロールの有名無実さを証明するものであり、政府の国権の最高機関に対する軽視、不誠実さのあらわれであります。まことに許しがたく、今後わが党は引き続き追及することを申し添えて、反対討論を終わります。(拍手)
#10
○議長(福田一君) 草川昭三君。
    〔草川昭三君登壇〕
#11
○草川昭三君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました昭和五十六年度補正予算三案に対し、反対の討論を行います。
 まず冒頭に申し上げたいことは、本補正予算案審議中に、F4ファントム戦闘機の爆撃装置復活問題が明らかにされました。これは防衛庁が事前に総理を初め国防会議にも説明せず、シビリアンコントロール、文民統制を全く形骸化したことを示すものであります。
 思い出せば、そもそも五十六年度当初予算は自民党によって強行採決をされたものであり、その非民主的手続が今回のF4ファントム爆撃装置問題につながっているということを忘れるわけにはまいりません。私は、その立場からも反対の討論を行うものであります。
 私は、鈴木総理に率直に申し上げたいのであります。鈴木総理は、国民が今回の補正予算案を見て、どれほどの憤りとむなしさを抱いているか、御存じでありましょうか。
 鈴木総理の行財政改革の公約は、その実行の初年度から大きくつまずいてしまいました。補正予算案における赤字公債の追加発行というこの事態に、国民の多くは、結局、総理の公約はあいまいにされてしまうのではないかという危惧を強めております。
 行財政改革の名のもとに犠牲と負担を強いられている国民の立場からすれば、政府みずからの身を削る努力もせず、また内需拡大に取り組まず、歳入の欠陥が出たので赤字公債の追加をお願いしますというのでは、納得できようはずがございません。鈴木総理への不信を高めるばかりであります。
 私は、今回の補正予算案提出に至る鈴木総理の政治責任を厳しく指摘し、以下、反対する主な理由を申し上げます。
 反対する第一の理由は、本補正予算案は、政府の経済運営の失敗を露呈するとともに、赤字公債の追加発行によって財政再建の根底を揺るがすものであるということであります。
 政府は、当初予算の編成に当たり、五十六年度を財政再建元年とすると称し、二兆円の赤字公債減額をするとしたのであります。そのために、政府は、所得税の実質増税に対する国民の減税要求をあえて抑えつけるだけではなく、一兆四千億円に上る未曽有の大増税を行い、また公共料金の値上げを行うなど、財政再建の名において国民に幾多の犠牲を強いてきたのであります。
 ところが、政府は、今回の補正予算案では、そうした経過をいとも簡単に棚上げをしてしまいました。すなわち、政府みずからの経済運営の失敗によってもたらされたところの歳入欠陥を、三千七百五十億円の赤字公債によって補おうとしているのであります。
 私どもは、当初予算の審議に当たり、特に国民総支出の二分の一を占める個人消費の停滞を憂慮し、課税最低限の引き上げによる所得税減税の実施を強く要求をいたしました。しかし、政府は、物価が安定すれば個人消費は盛り上がり、内需主導の景気回復は実現できると強弁し、私どもの要求に耳を傾けようとしなかったのであります。
 果たせるかな、内需主導の景気回復は全くのかけ声倒れに終わり、五十六年度中にさらに赤字公債の再追加発行の懸念さえ強まっているのであります。五十七年度税収にも重大な影響を及ぼすことは必至と見なければなりません。内需拡大策をおろそかにし、歳入欠陥に追い込まれ、赤字公債の追加発行を余儀なくされた政府の責任はまことに重大であり、このような事態は、まさに鈴木内閣の国民に対する背信行為と言わなければなりません。
 さらに、本補正予算案における地方交付税交付金の減額措置も、歳入欠陥によってもたらされたものであります。将来この負担を負わされる地方財政の立場からも、政府の経済運営の失敗を容認することはできないのであります。
 反対する第二の理由は、歳入欠陥という事態に追い込まれながら、真剣な財源対策が講じられていないということであります。
 政府は、昨年押し迫って、赤字公債の追加発行を突発的に決定をいたしました。財政再建を至上課題とする政府としては、税収の推移を真剣に把握して、早期にこれを見きわめ、国民の前にその実態を明らかにすることが財政民主主義本来のあり方であります。そして、予想される歳入欠陥に対しては、行財政改革の視点から、経費の削減を徹底することをまず図るべきであります。
 しかし、このような対応がなされなかったばかりか、今回の補正予算案における既定経費の節減額は六百億円にとどめられてしまっているのであります。この額は、五十四年度の七百四十六億円、五十五年度の七百三十八億円を下回る低い節減額であります。五十五年度における三千七百十四億円にも上る不用額を見ても、節減の余地はまだまだ十分に残されていると言わなければなりません。徹底した既定経費の節減も行わず行財政改革を訴えてみても、国民が納得するわけがありません。私は、行財政改革の方向と逆行した本補正予算案を認めることはできません。
 さらに、私は、八月に行われた人事院勧告の完全実施の見送りが決定づけられていることも納得できません。労働基本権の規制との見合いで設けられている人事院勧告制度はあくまでも尊重すべきであり、人事院勧告の完全実施は当然であります。
 以上、本補正予算案に反対する主な理由を述べましたが、最後に、景気停滞を見過ごしにして歳入欠陥を来した五十六年度の二の舞を踏まないために、五十七年度においては、われわれ野党が一致して要求する大幅所得税減税を断行するよう強く要求し、昭和五十六年度補正予算三案に対する反対の討論を終わります。(拍手)
#12
○議長(福田一君) 青山丘君。――青山丘君は御出席がありませんので、発言権を放棄されたものと認めます。
 簑輪幸代君。
    〔簑輪幸代君登壇〕
#13
○簑輪幸代君 私は、日本共産党を代表し、昭和五十六年度補正予算三案について、反対の討論を行います。
 討論に先立ち指摘しておきたいのは、F4ファントム戦闘機の爆撃装置復活問題についてであります。
 今回の事態は、国権の最高機関である国会を欺いてまで、自衛隊の侵略的強化を推し進める今日の軍拡路線の危険な実態を如実に示すもので、断じて容認できません。
 政府は、昭和四十三年以来三度にわたって、F4ファントムに爆撃照準装置等は装備しないと繰り返し、最近では、昨年十一月二十六日の参議院行革特別委員会において、改めて明言していたのであります。この答弁が全くの偽りであったことは、今日の事態で明らかです。しかも、改修の内容を総理自身も承知していなかったということは、シビリアンコントロールなるものさえ全くの有名無実にすぎず、国民の知らないところで軍備の増強、戦力の侵略的強化が着々と進められていることを示しております。
 私は、日本国憲法と議会政治の名において、この政府の暴挙を糾弾し、当該予算の執行停止にとどまらず、全額削除することを主張いたします。かかる予算を含む補正予算案は、絶対に認めることができません。
 以下、本補正予算案に反対する主な理由を申し述べます。
 反対理由の第一は、本補正予算案が史上空前の税収不足をもたらし、このままでは戦後初めての税収不足をもたらし、このままでは戦後初めての赤字決算となって、財政危機をますます激化させることです。
 振り返れば、戦後の国債発行政策に初めて踏み切った昭和四十年度補正予算は、国債依存体質を生み出す出発点となりました。続いて、五十年度補正予算は、巨額の赤字国債発行によって収支のつじつまを合わせ、今日の泥沼の財政危機に陥る契機となったのです。
 そして今回、一兆円を超える巨額の税収欠陥が予測されるにもかかわらず、政府がその事実さえ覆い隠そうとしていることは、自民党・鈴木内閣が財政に対する最低限の責任をも放棄したことを意味しています。
 わが党は、審議を通じ、一月以降の今年度税収が前年度に比べ二九・一%も伸びるなどという補正予算案の想定が、何の現実的根拠も持たないことを事実を挙げて繰り返し指摘しました。そして政府に対し、直ちに対策をとることを重ねて要求したのです。ところが、政府は、歳入予算は見込みにすぎない、六月にならないとわからないなどの無責任きわまる答弁に終始しています。
 言うまでもなく、わが国の憲法と財政法は、財政の国会議決主義、予算の単年度主義、収支均衡原則を定めています。政府の態度がこれらの諸原則に抵触することは明らかではありませんか。私は、鈴木内閣がいま重大な政治責任を問われていることを改めて強く指摘するものです。(拍手)
 反対理由の第二は、本補正予算案が当面する深刻な消費不況をますます深め、国民生活圧迫をさらに推し進めるものとなっていることです。
 五十六年度当初予算は、大増税、公共料金引き上げ、福祉、教育の切り下げという三重苦を国民にもたらしました。その結果が二年連続の消費の落ち込み、史上第三位、一万七千件を超える中小企業の倒産という今日の事態となっています。
 したがって、補正予算に何よりも求められたのは、当初予算の反国民的政策を転換し、所得減税を初め国民生活を守る緊急対策を講じることでした。
 しかし、政府が実際にとった措置は全く逆ではありませんか。私学助成の十六億円追加カット、国立学校運営費の五十七億円削減、国立病院運営費の五億円引き下げ、地方交付税の四百四十億円の減額などで、これがもたらすものは、福祉、教育、そして自治体による住民サービスの一層の後退以外の何物でもありません。
 さらに、公務員の給与改善を大幅に値切ったことも重大です。従来の慣例や予想された勧告水準を無視して、当初予算でわずか一%しか計上せず、しかも今度は、それを口実にして、労働基本権を奪った代償である人事院勧告制度を踏みにじったことは、鈴木内閣の反国民的な憲法感覚を如実に示すものと言わなければなりません。(拍手)
 反対理由の第三は、核戦争に反対し、核軍縮を求める声が全世界に上がっているとき、本補正予算案が軍事費に対して一切メスを入れようとしないばかりか、その拡大の方向を示していることです。
 周知のように、五十六年度当初予算の最大の特徴は、軍事費がその伸び率において戦後初めて社会保障予算を上回ったことです。今回の補正予算でその差はさらに大きく開きました。
 ミサイル積載大型護衛艦、E2C早期警戒機、C130H大型輸送機など、五十六年度予算で進められる軍備増強が、レーガン政権の限定核戦争政策に直結した三海峡封鎖、航路帯一千海里防衛など、自衛隊の参戦態勢強化を目的としていることは言うまでもありません。同時にそれは、来年度予算案に示される異常な大軍拡への出発点ともなっております。
 私は、日本の将来に責任を持つ政治家の一人として、平和を愛する国民の一人として、二児の母として、いまこそわが国が軍拡ではなく軍縮を、軍事費増額ではなく大幅な削減を実行に移すべきことを強く主張するものです。(拍手)
 以上、三点にわたって反対の理由を明らかにしてまいりました。このような補正予算を成立させるならば、国民生活と日本経済の困難、財政危機の泥沼化、平和の危機にさらに拍車をかけるだけであることを再度強調し、私の討論を終わります。(拍手)
#14
○議長(福田一君) 依田実君。――依田実君は御出席がありませんので、発言権を放棄されたものと認めます。
 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#15
○議長(福田一君) 三件を一括して採決いたします。
 三件の委員長の報告はいずれも可決であります。三件を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#16
○議長(福田一君) 起立多数。よって、三件とも委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
 日程第一 地方交付税法等の一部を改正する
  法律案(内閣提出第八号)
#17
○議長(福田一君) 日程第一、地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第八号)を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。地方行政委員長中山利生君。
    ―――――――――――――
 地方交付税法等の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔中山利生君登壇〕
#18
○中山利生君 ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、地方行政委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、地方財政の状況にかんがみ、地方交付税の総額を確保するため、昭和五十六年度における交付税及び譲与税配付金特別会計の借入金を四百三十九億六千八百万円増額するとともに、当該借入金の償還額のうち、所得税の特別減税措置に係る百五十四億八千八百万円についてはその十分の十に相当する額、所得税の自然減収に係る二百八十四億八千万円についてはその二分の一に相当する額を、昭和六十二年度から昭和七十一年度までの各年度において、臨時地方特例交付金として一般会計から同特別会計へ繰り入れることとするものであります。
 本案は、一月二十七日当委員会に付託され、去る九日世耕自治大臣から提案理由の説明を聴取しました。
 同日本案に対する質疑を終了し、採決を行いましたところ、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#19
○議長(福田一君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#20
○議長(福田一君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
#21
○議長(福田一君) 日程第二は、委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。
    ―――――――――――――
 日程第二 昭和五十六年度の水田利用再編奨励補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案(大蔵委員長提出)
 日程第三 農業共済再保険特別会計における農作物共済、畑作物共済及び果樹共済に係る再保険金の支払財源の不足に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案(内閣提出)
#23
○議長(福田一君) 日程第二、昭和五十六年度の水田利用再編奨励補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案、日程第三、農業共済再保険特別会計における農作物共済、畑作物共済及び果樹共済に係る再保険金の支払財源の不足に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の趣旨弁明及び報告を求めます。大蔵委員長森喜朗君。
    ―――――――――――――
 昭和五十六年度の水田利用再編奨励補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案
 農業共済再保険特別会計における農作物共済、畑作物共済及び果樹共済に係る再保険金の支払財源の不足に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔森喜朗君登壇〕
#24
○森喜朗君 ただいま議題となりました両法律案につきまして申し上げます。
 初めに、大蔵委員長提出、昭和五十六年度の水田利用再編奨励補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案について、提案の趣旨及びその概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、去る十日大蔵委員会において全会一致をもって起草、提出いたしたものでありまして、昭和五十六年度の水田利用再編奨励補助金に係る所得税及び法人税について、その負担の軽減を図るため、同補助金のうち、個人が交付を受けるものについては、これを一時所得とみなすとともに、農業生産法人が交付を受けるものについては、交付を受けた後二年以内に固定資産の取得または改良に充てた場合には、圧縮記帳の特例を認めようとするものであります。
 なお、本案による国税の減収額は、昭和五十六年度において約十二億円と見積もられますので、内閣の意見を求めましたところ、稲作転換の必要性に顧み、あえて反対しない旨の意見が開陳されました。
 以上がこの法律案の提案の趣旨とその概要であります。
 何とぞ、速やかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。
 次に、農業共済再保険特別会計における農作物共済、畑作物共済及び果樹共済に係る再保険金の支払財源の不足に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案について、大蔵委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 この法律案は、昭和五十六年度におきまして、低温、暴風雨等により東北、北海道地方などに水稲、麦、バレイショ、リンゴ等の被害が異常に発生したことに伴い、農業共済再保険特別会計の農業勘定及び果樹勘定の再保険金の支払いが増大し、これらの勘定の再保険金の支払い財源に不足が生ずる見込みでありますので、両勘定の再保険金の支払い財源の不足に充てるため、昭和五十六年度において、一般会計から同特別会計の農業勘定に四百九十三億二千七百十万二千円、果樹勘定に百十六億七万千円を限り、それぞれ繰り入れることができることとするものであります。
 なお、これらの一般会計からの繰入金につきまして、後日、農業勘定または果樹勘定におきまして決算上の剰余が生じ、この剰余から再保険金支払基金勘定に繰り入れるべき金額を控除して、なお残余がある場合には、それぞれこれらの繰入金に達するまでの金額を一般会計に繰り戻さなければならないことといたしております。
 本案につきましては、去る十日渡辺大蔵大臣から提案理由の説明を聴取し、質疑を行い、質疑終了後、直ちに採決いたしましたところ、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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#25
○議長(福田一君) これより採決に入ります。
 まず、日程第二につき採決いたします。
 本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
 次に、日程第三につき採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#27
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 人事官任命につき同意を求めるの件
 宇宙開発委員会委員任命につき同意を求めるの件
 国家公安委員会委員任命につき同意を求めるの件
 日本銀行政策委員会委員任命につき同意を求めるの件
 中央社会保険医療協議会委員任命につき同意を求めるの件
 商品取引所審議会会長及び同委員任命につき同意を求めるの件
#28
○議長(福田一君) お諮りいたします。
 内閣から、
 人事官に加藤六美君を、
 宇宙開発委員会委員に齋藤成文君を、
 国家公安委員会委員に牛場大蔵君を、
 日本銀行政策委員会委員に平井富三郎君を、
 中央社会保険医療協議会委員に伊藤善市君及び中村隆英君を、
 商品取引所審議会会長に岡田覺夫君を、
 同委員に久保田晃君、酒巻俊雄君、林周二君及び森崎久壽君を
任命したいので、それぞれ本院の同意を得たいとの申し出があります。
 まず、人事官及び日本銀行政策委員会委員の任命について、申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#29
○議長(福田一君) 起立多数。よって、いずれも同意を与えるに決しました。
 次に、宇宙開発委員会委員、国家公安委員会委員、中央社会保険医療協議会委員及び商品取引所審議会会長及び同委員の任命について、申し出のとおり同意を与えるに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。よって、いずれも同意を与えるに決しました。
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#31
○議長(福田一君) 本日は、これにて散会いたします。
    午前二時十二分散会
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 出席国務大臣
        内閣総理大臣 鈴木 善幸君
        法 務 大 臣 坂田 道太君
        外 務 大 臣 櫻内 義雄君
        大 蔵 大 臣 渡辺美智雄君
        文 部 大 臣 小川 平二君
        厚 生 大 臣 森下 元晴君
        農林水産大臣 田澤 吉郎君
        通商産業大臣 安倍晋太郎君
        運 輸 大 臣 小坂徳三郎君
        郵 政 大 臣 箕輪  登君
        労 働 大 臣 初村滝一郎君
        建 設 大 臣 始関 伊平君
        自 治 大 臣 世耕 政隆君
        国 務 大 臣 伊藤宗一郎君
        国 務 大 臣 河本 敏夫君
        国 務 大 臣 田邉 國男君
        国 務 大 臣 中川 一郎君
        国 務 大 臣 中曽根康弘君
        国 務 大 臣 原 文兵衛君
        国 務 大 臣 松野 幸泰君
        国 務 大 臣 宮澤 喜一君
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ソース: 国立国会図書館
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