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1981/02/25 第96回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第096回国会 本会議 第9号
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1981/02/25 第96回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第096回国会 本会議 第9号

#1
第096回国会 本会議 第9号
昭和五十七年二月二十五日(木曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第十号
  昭和五十七年二月二十五日
    午後一時開議
 第一 裁判所職員定員法の一部を改正する法律
    案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 裁判所職員定員法の一部を改正する
  法律案(内閣提出)
 昭和五十七年度の公債の発行の特例に関する法
  律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
    午後一時五分開議
#2
○議長(福田一君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 裁判所職員定員法の一部を改正す
  る法律案(内閣提出)
#3
○議長(福田一君) 日程第一、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。法務委員長羽田野忠文君。
    ―――――――――――――
 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案及び
  同報告書
   〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔羽田野忠文君登壇〕
#4
○羽田野忠文君 ただいま議題となりました法律案について、法務委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案は、下級裁判所における工業所有権関係行政事件、特殊損害賠償事件等の適正迅速な処理を図るため、判事の員数を八人、裁判官以外の裁判所の職員の員数を一人増加しようとするものであります。
 当委員会におきましては、二月二十三日提案理由の説明を聴取した後、慎重審査を行い、昨二十四日質疑を終了し、直ちに採決を行ったところ、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#5
○議長(福田一君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 昭和五十七年度の公債の発行の特例に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明
#7
○議長(福田一君) この際、内閣提出、昭和五十七年度の公債の発行の特例に関する法律案について、趣旨の説明を求めます。大蔵大臣渡辺美智雄君。
    〔国務大臣渡辺美智雄君登壇〕
#8
○国務大臣(渡辺美智雄君) 昭和五十七年度の公債の発行の特例に関する法律案の趣旨を御説明申し上げます。
 御承知のとおり、わが国財政は、現在なお大量の公債に依存せざるを得ない状況にあります。このような財政の状況にかんがみ、長期的な経済の安定的発展と国民生活の安定に資するため、できるだけ早く財政の公債依存体質からの脱却を図り、高齢化の進展等将来における社会経済情勢の推移に弾力的に対応し得るよう財政の再建を進めていくことが最も緊急かつ重要な課題となっております。
 昭和五十七年度予算は、このような観点から、何よりも行財政の徹底した合理化、効率化によって財政再建を進めるべきであるとの世論がつとに高まったことにかんがみ、行財政改革による歳出削減を中心として、昨年春以来の一連の行財政改革の基本路線に沿って編成いたしました。
 まず、歳出面におきましては、各省庁の予算要求に当たって原則として前年度と一律同額にとどめるという方策、すなわちゼロシーリングに基づき、経費の徹底した節減合理化により、その規模を厳しく抑制いたしました。特に、国債費及び地方交付税交付金以外の一般歳出の規模を極力圧縮したことにより、一般歳出の伸び率は、前年度当初予算に対し一・八%と昭和三十年度以来の低い水準にとどまっております。
 また、歳入面におきましては、経済情勢の変化等により、昭和五十七年度の自然増収が、ゼロシーリング決定の際参考とした「財政の中期展望」における自然増収より約七千億円不足することが見込まれましたので、経済の実態に即し、この不足分を補うため、まず税外収入において極力増収を図り、なお残る不足分を税制面の見渡しにより措置することとしたところであります。
 このような歳出歳入両面にわたる見直しにより、公債につきましては、その発行予定額を前年度当初予算より一兆八千三百億円減額いたしましたが、昭和五十七年度においても、なお引き続き、財政法の規定により発行する公債のほかに、特例公債を発行せざるを得ない状況にあります。
 このため、昭和五十七年度の特例措置として、国会の議決を経た金額の範囲内で、特例公債を発行できることとすることを内容とする本法律案を提案するものであります。
 しかし、このような措置はあくまで特例的な措置であり、政府といたしましては、昭和五十九年度特例公債脱却を目指し、引き続き、財政の再建に全力を傾注する決意であります。
 以上、昭和五十七年度の公債の発行の特例に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)
     ――――◇―――――
 昭和五十七年度の公債の発行の特例に関する
  法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#9
○議長(福田一君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。伊藤茂君。
    〔伊藤茂君登壇〕
#10
○伊藤茂君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました昭和五十七年度の公債の発行の特例に関する法律案について、総理並びに関係大臣に対し質問いたします。
 いまわが国の財政は、赤字国債の発行を禁止している財政法の精神を踏みにじり、特例に特例を重ねた結果、ますます危機を深めております。この法案が成立すれば、五十七年度末の国債累積は九十三兆八千百五十億円、国民一人当たり八十五万円の借金となります。そうして、昭和六十年度から本格化する国債の大量償還に伴い、国債整理基金の余裕金残高は六十二年度中にゼロとなり、昭和六十二年から六十八年までの償還不足額は二十六兆円、五十七年度以降六十九年度までの間に定率繰り入れを含めた一般会計からの負担は四十九兆四千九百億の巨額に達し、加速度的にふくれ上がる国債費のピーク六十五年度には、十七兆三千七百億円の国債費に達するのであります。
 総理、政治の使命は、社会の未来を語り、未来を切り開くことにあると言われております。このような政策を積み重ねているあなたの政府は、未来を語ることはできないと思います。このまま推移するなら、政府の語れるのは暗い、暗い未来だけではないでしょうか。
 私は、まず総理に、財政再建に対する基本姿勢について伺いたい。国民の皆さんに、日本の将来を語る責任感を持ってお答え願いたいのであります。
 日本の経済には、かつてのような高度成長は望めません。今後、実質三ないし四%程度の成長率であろうと思います。この中での経済運営、財政再建、行政改革をどのように進めるのか。個別、場当たりではなく、総合的にトータルとしての設計図が必要なときであろうと思います。それをどう提示されますか。
 また、あなたは、五十九年度までに特例公債依存体質から脱却することに政治責任を持つと言われています。それでは、それを増税、歳出削減のいずれに重点を置いて実行されるお考えですか。政府・自民党内にも、財政再建期間を二年延長するほかなしという声が浮上しているとも聞きますが、総理の政治責任という立場から、これを明確に否定されますか、決意を伺いたいのであります。
 総理、私は、八〇年代社会に求められる理念は公平、平和、福祉であろうと思います。しかし現実は、あなたの政府によって、まさに逆の方向に進んでおります。公平に反する最たるものは、今日の不公平税制であることは言うまでもありません。毎年の膨大な自然増税の大半は、勤労国民の所得税、ベースアップの二倍以上の伸び率で税金がふえ、勤労者の可処分所得はマイナス続き、そんな国は世界に例を見ないと思います。
 総理、不公平の土台の上に築かれた財政に国民の信頼は求むべくもありません。公平の原則から勤労国民が切実に要求している一兆円の所得減税を実現するために、いま私ども野党が共同でつくりつつある責任ある財源の提案を含む私ども野党共同要求を誠実に検討し、これを受け入れるべきであると思いますが、いかがでありましょう。もし、これをかたくなに拒否するならば、おごれる者は久しからずの運命が待っていると思わざるを得ないのであります。(拍手)
 さらに、総理に伺いたい。あなたが裁断した軍事費の突出は、平和にとっても、財政再建にとっても厳しい重圧となっています。このような政策をとりながら国連軍縮総会に出席されたとしても、果たしてどんな意義があるのか、多くの国民が疑問とするところであろうと思います。軍拡ではなく、いま世界にほうはいとして高まりつつある軍縮の道を、また、命をかけて軍拡論を抑える道を進んだ先輩大政治家、たとえば濱口雄幸、井上準之助、高橋是清蔵相のように、軍縮と財政を守ることをこそ男子の本懐とすべきではないでしょうか。(拍手)
 この点については、防衛庁長官からも、膨大な軍事費の後年度負担と五六中業によって、財政再建期間中にもGNP一%を超すのではないか、昭和六十年度までの各年度防衛費伸び率はどうなるのか、説明していただきたいと思います。
 昨年来、財政再建と行政改革が密接な関連を持って最重要課題となっております。そして、この課題に対する政府の対応が、小さな福祉と大きな軍隊であることは明白な事実として国民の認識するところであります。
 総理、ことしは臨調本答申、そして、より困難な財政経済運営に直面しています。いままでのコースをよりあらわにして推進するつもりですか、決意を伺いたいと思います。
 次に、財政を預かる責任者、大蔵大臣に伺います。
 財政再建の視点から五十七年度予算を見ますと、つじつま合わせ、ツケ回し、その場しのぎの多いのに驚き、あきれるのであります。昨年の臨時国会で押し通した公的年金の国庫負担削減を初め、国保の療養給付補助金の一カ月分を五十八年度へ繰り延べ、住宅金融公庫利子補給の財投振りかえ、公務員給与改善費わずか一%、法人税延納縮減などは、すべて隠れた借金、事実上の赤字国債であり、ツケ回し総額は二兆円近く、五十七年度一般会計分国庫債務負担行為一兆六千八百億円を含め、後年度負担の総額は三兆円に及んでおります。
 財政は政府の顔であると言われております。だとすれば、今年度の政府の顔は傷だらけであります。ゆがんでいると言った方がいいのかもしれません。
 大蔵大臣、親の借金を子供の名義にするような粉飾の予算づくりでいいとお考えなのでしょうか。財政再建は、単に赤字公債から脱却すればいい、収支のつじつまが合えばいいというものではありません。今後の社会経済に対応する構造的な改革を真剣に追求するものでなければならないと思います。日本の財政史に残るであろう今日の重要局面を担当する大蔵大臣として、その信念を問いたいのであります。
 大蔵省は、改定財政中期展望を提出をいたしました。その内容を見ますと、五十八年度三兆三千七百億円、五十九年度五兆六千八百億円、六十年度六兆二千八百億円という膨大な要調整額が算出をされております。これは増税、歳出削減、あるいは両面にわたる構造的な改革、そのいずれを重点にして対応をされるべきであるとお考えでしょうか。
 さらに、政府は、赤字国債からの脱却の計画についても、五十六年度補正で三千七百五十億円を追加発行して二兆円減額の計画に失敗し、五十七年度予算では、一兆八千三百億円の赤字国債減額のところを一兆五千六百億円に減らし、五十八、五十九年度には各一兆九千六百億円減額しなければならないというように、挫折に挫折を積み重ねております。このような状態では、政治責任を口にされてもなお不安であります。
 大蔵大臣、五十七年度に赤字国債の追加発行はないと言明されますか。五十八、五十九年度に必要な確実な減額をされるべきだとお考えですか。
 さらに、昭和六十年度以降の本格償還期に備えて、財政体質の改革、また赤字国債の借りかえの構想も考えられているようでありますが、どう対応されますか。明確にお答え願いたいのであります。
 最後に、経済企画庁長官にお伺いをいたします。
 景気の低迷の中で、政府は、五十七年度上半期の公共事業を最大限に前倒し、繰り上げ発注しようとしているようであります。さらに、これと関連して、五十七年度全般にわたる景気対策のために、公共投資の追加、建設国債の増発が話題となっております。長官はこれについてどうお考えですか。
 また、五十七年度の経済成長率を過大に見積もり、予算に対し税収欠陥が発生するのではないかと思われる中で、波乱含みの円相場が経済成長率に大きな影響を与えるのではないかとの懸念がありますが、どうお考えでしょうか。
 私は、アメリカの異常高金利によって内需主導の経済運営がますます困難になることを考えますと、アメリカのレーガン政権に、もっとはっきりと日本の主張と要求をすべきだと思いますが、いかがでしょう。
 税制、財政との関連において、私は経済企画庁長官に要望を込めてお尋ねしたいのでありますが、新経済社会七カ年計画で設定した昭和六十年度に国民所得比租税負担率二六・五%という目標は、このままでいけば、明年、五十八年度にも、計画の前提とした一般消費税なしで繰り上げ達成されようとしています。いかにこの間の税負担の増加率が急テンポかを示しているのでありますが、このような税財政との関連から見ても、現計画は改定されなければなりません。今日の経済状況をベースにして計画全体の改定が必要であると思いますが、いかがでしょうか。
 以上、本法案について質問いたしましたが 本法案などにあらわれた政府の姿勢は、真剣に国民本位の財政再建の道を進むのでなく、赤字国債という麻薬から抜け切れないで、もだえているように思えてなりません。この際、明確な決意を持って姿勢を転換することを強く要求をして、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣鈴木善幸君登壇〕
#11
○内閣総理大臣(鈴木善幸君) 伊藤議員にお答えをいたします。
 オイルショック以来、わが国の経済はいろいろな困難に見舞われてまいりました。それはひとりわが国のみに限らず、世界じゅうのほとんどの国が同様の経験をしたのでありますが、第一次石油危機以来の約十年を振り返りますと、わが国は、国民の英知と努力、政府の適切な施策によって、最も賢明に事態に対処してまいりました。
 しかしながら、かつてのように高度成長に支えられた豊かな税収などによって、もろもろの行政水準の引き上げを図り、かつ減税まで可能としたような恵まれた状況は、いまや望むべくもありません。安定成長下において、社会の高齢化の進展、国際社会への貢献など、行財政に期待される役割りの高まりにどう対処していくか、真剣に考えるときが来ております。
 行財政の現状は、残念ながら高度成長下の惰性から抜け切れず、なお大量の公債発行に依存しております。このままでは、今後の経済社会の要請に行財政が対応していくことができなくなるおそれがあります。したがって、行政の改革、財政の再建に全力を尽くし、簡素で効率的な政府とすることを目指して努力しているところであり、五十七年度予算におきましても、先ほどの大蔵大臣の趣旨説明にありましたような努力を行ったのでありますが、残念ながら本年もなお特例公債の発行をお認めいただかなくてはならない状況でございます。
 私は、わが国の財政が特例公債の発行から脱却したときに、初めてわが国はオイルショックを克服したと言えると考えております。五十九年度特例公債脱却に向けて全力を尽くしてまいる所存でございます。
 私は、従来から申し上げておりますとおり、財政再建を進めるに当たっては、何よりも歳出の節減合理化を第一に考えてまいる所存であります。したがって、まず大型増税は念頭に置くことなく、歳出の節減合理化に最大限の努力を傾けてまいります。
 所得税減税についてでありますが、野党各党のお考えは承知しておりますが、国際的に見て、課税最低限はかなり高い反面、個人所得に対する所得税負担の割合は低いというわが国の税負担の現状及び現下の厳しい財政事情から見まして、残念ではありますが、所得税減税は見合わせるよりほかはないと考えております。
 防衛費の問題でありますが、五十七年度の防衛予算は、「防衛計画の大綱」に従い、質の高い防衛力を着実に整備するとの基本的な考え方のもとに、経済財政事情等を勘案し、国の他の諸施策との調和を図りつつ、わが国の防衛のため必要最小限度の経費を計上したところであります。
 同時に、わが国の安全をさらに確固としたものにするには、国際社会をより平和で安定したものとしていくことが肝要であり、このための努力の重要な方途の一つとして、今後とも国連などの場を通じ、国際的な軍縮、軍備管理の促進を訴えてまいる所存であります。
 今後の行政改革の進め方でありますが、時代の要請に応じた機能を行政が的確に発揮できるよう、行政全般にわたるいわば聖域なき見直しを進める必要があります。
 今後のわが国は、個人の自立などを基礎としながら、効率のよい政府が、適正な負担のもとに、福祉の充実を図り得るような活力ある福祉社会を実現するとともに、国際的な相互依存関係の中で適切な責務を果たしていくことを基本的課題としておりますが、そのような課題に向かっての施策を実際的に進めていくに当たりましては、福祉の面等における真に必要な施策については、特にきめ細かな配慮を加えていく考えであります。
 以上、御質問にお答えいたしましたが、残余の点につきましては、所管大臣から答弁をいたさせます。(拍手)
    〔国務大臣渡辺美智雄君登壇〕
#12
○国務大臣(渡辺美智雄君) お答えをいたします。
 五十七年度予算は三兆円も後年度負担をさせて、ツケ回しの予算ではないか、こういう御指摘でございますが、これは確かに、国保年度所属区分の変更とか、厚生年金の繰入額の減額とかいうものはございます。これは、そうしても、ちゃんと業務の執行に支障がないということなので、そういうようにして予算規模を小さくするためにやったことでございます。
 御承知のとおり、債務負担行為、これは契約もしても一年にできないものがたくさんあるわけですから、後年度負担になるわけですけれども、債務負担行為があったからツケ回し予算というわけにはまいらないと思います。
 それから、われわれは、引き続きまして、各歳出の節減合理化、これを徹底をして、今後とも予算規模の圧縮ということには努めてまいりたいと考えております。
 それから、中期展望の五十八年度から六十年度の要調整額を増税でやるのか、歳出でやるのかという御質問でございますが、これは、われわれは臨調答申というものも念頭に置いて、大型増税は議論することなく、歳出の節減合理化に最大限の努力を傾けてまいりたい、そういうように考えております。問題は、最終的には、これは国民の選択によるところでございます。
 それから、「財政の中期展望」というのは、一定の仮定計算のもとに、将来に投影する後年度負担の推計でございまして、財政運営を進めていく上での中期的な検討の手がかりというものであって、財政計画でもございませんし、このとおり予算が組まれるわけでもございません。その都度、経済事情、財政事情、社会事情等に合わせて現実的な予算を組んでいきたい、そう考えております。
 五十八年度の税収の伸び率は過大ではないか。これも、いま申し上げましたように、中期展望はある一定の前提のもとに、経済がずっと伸びるということを前提にして考えておるわけでございまして、たとえばGNPにおける税収の弾性値というようなものも、過去十カ年の平均をとっておって、余りそのときどきの社会事情、経済事情は考慮に入れない、機械的に計算をしたものであります。したがって、この税収どおりになるというわけではございません。それから、国債の本格償還に向けての対応でございますが、これは、過去に発行した国債の償還にいかに対応するかは財政の大きな課題でございます。われわれとしては、百分の一・六の定率繰り入れ、余剰金の繰り入れ、必要に応じて行う予算繰り入れ、これを償還の三本柱にしていきたい。国債の償還を円滑にするためには、予算繰り入れについて、負担の平準化を考慮しながら、その具体的方策について検討を続けて、特例公債脱却後、直ちにその返還ができるように持っていかなければならぬということで、最大の努力をしていきたいのであります。そのためには、さしずめ五十九年度特例公債の脱却ということの実現に向けて最大の努力をしてまいりたい、かように考えております。(拍手)
    〔国務大臣河本敏夫君登壇〕
#13
○国務大臣(河本敏夫君) 私に対する御質問は四点ございますが、順次お答えを申し上げます。
 第一点は、公共事業の取り扱いと景気対策でございますが、五十七年度公共事業につきましては、可能な限り前倒しを進めたいということで、目下政府部内関係各省において調整中でございます。なお、三月中旬には政府部内における幾つかの経済指標が出てまいりますので、これからの経済運営をどうするかということにつきましては、これらの指標を見た上で、政府部内で相談をすることにいたしております。
 第二点は、七カ年計画の取り扱いでございますが、五十八年度の国民の税負担はどうかというお話でございますが、現在のところ五十五年まで判明をしております。六十年の税負担は、一応二六・五%と想定をしておりますが、五十八年度が幾らになるかということにつきましては、経済の激動期でございますから、現在のところ正確な計算ができかねております。
 次に、七年計画を改定したらどうか、こういうお話がございましたが、現在経済審議会におきまして、内外の情勢が大きく変化をいたしましたので、二十一世紀を展望いたしまして、わが国の経済社会はどのように変化をしていくかということについて、いま作業をしていただいております。六月ごろには答申が出ようかと思っております。
 また、相前後いたしまして、臨調の本格答申も出る予定でございますので、これらを十分検討いたしまして、これまでの七カ年計画をどうすべきかということについて判断をしたい、このように考えておるところでございます。
 次に、最近の円相場の経済に与える影響はどうかということでございますが、最近の異常な円安相場は、やはりわが国の貿易、物価に悪い影響を与えております。また、金融政策が非常にやりにくくなっております。機動的に金融政策を運営をしていきたいという政府の目標も、なかなか思うように進められない。金融政策運営上の大きな制約になっていることは事実であります。
 その背景をなすものがアメリカの高金利にある、厳しく抗議をすべきである、こういうお話でございますが、まさにそのとおりでございまして、現在世界経済が非常に悪い状態になっておりますが、一つは石油危機でございます。一つはやはり最近のアメリカの高金利にあると言われております。
 そこで、わが国のみならずヨーロッパからも、これに対して厳しい抗議が行われておりますが、わが国におきましても、アメリカ政府に対しまして、金融政策の変更、是正を求めるような、そういう要望を引き続いて強く出していきたいと考えております。
 以上であります。(拍手)
    〔国務大臣伊藤宗一郎君登壇〕
#14
○国務大臣(伊藤宗一郎君) お答えをいたします。
 五六中業は、昨年の国防会議で了承されました方針に基づいて、「防衛計画の大綱」に定める防衛力の水準を達成することを基本として現在作業を進めております。現段階では、その事業内容等が固まっておりません。また、GNPの成長率も流動的でありますので、期間内の防衛関係費や対GNP比がどのようになるかについて、ただいまお答えできる段階にないことをぜひ御理解を賜りたいと思います。
 ただ、GNP一%に関する閣議決定が現に存在するところであります。五六中業は、効率的かつ節度ある整備に留意をし、GNP一%に関する閣議決定を念頭に置いて、「防衛計画の大綱」の水準の達成が図られるよう、ぎりぎりの努力をする必要があるものと考えております。
 以上でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#15
○議長(福田一君) 小杉隆君。
    〔小杉隆君登壇〕
#16
○小杉隆君 私は、新自由クラブ・民主連合を代表して、議題となっております昭和五十七年度の公債の発行の特例に関する法律案につき、総理並びに関係大臣に御所見を承ります。
 この法律案は、ある意味では事務的な法律案であります。法律案それ自体は、昭和五十年度補正予算審議から毎年同様の法案が出されているところでもありまして、すでに論議を尽くされております。法律論議はいまさら不要と申し上げてよいかと思います。しかし、この法律案が今国会に提出されているその背景を考えますと、ここにはきわめて大きな問題があるわけであります。すなわち、現在の財政状況、これと関連する財政再建の問題、景気動向と経済政策、さらには経済政策との関連での外交問題にも広がる内容を持つものと言えるわけであります。
 そこで、まず経済全般の視点からお伺いいたします。
 わが国経済は、安定成長からついにマイナス成長に転換する傾向にあるのではないかという不安が政府内にもあると聞いております。
 河本経済企画庁長官、あえて序列にこだわらず最初にお尋ねしますが、わが国の景気は、きわめて憂うべき状況にあると言わざるを得ません。昨日の報道によりますと、昨年十月から十二月までの四半期の実質GNPの動向がマイナスに転じております。この結果、五十六年度の実質成長は、政府の修正成長率四・一%からさらに大きく割り込み、三%台に落ち込むのではないか、また、政府が七%と見込んでいた名目成長も六%を割るのではないかという推測が成り立つことになります。この点、いかがお考えでしょうか。
 私たちは、今国会で、歳入欠陥は起こらないのかとたびたび指摘をしてまいりました。総理並びに大蔵大臣は、さきの国会では、大丈夫ですと言い切っておられたのが、今国会では、先のことはわからないとトーンダウンし、場当たり的に五十六年度予算の帳じり合わせのため補正予算だけは通せ、いままた、歳入見通しも不確かな五十七年度予算を最善の予算とおっしゃっております。その場しのぎを続けてきて、経済政策が失敗し、実際にマイナス成長が明らかになってくれば、行財政改革にブレーキをかけかねない論議が政府内部から起きてまいります。まさに政府の無策ぶりを天下に公表するものと言わざるを得ません。
 五十六年度のGNP動向が政府の見込みと大きく食い違っていることが明らかとなってきたことから、五十七年度の政府見通しも私たちは疑ってかからざるを得ないことになりました。五十七年度の政府見通しは、名目八・四%、実質五・二%となっていますが、五十六年度の経済見通しがベースとなっていることを考えれば、この見通しも達成不可能と考えなくてはなりません。すなわち、五十七年度もまた大幅な歳入欠陥が生じることが確実なのであります。
 さて、総理、総理は、これから先の議論はするつもりがないと言われるかもしれませんが、五十七年度に歳入欠陥が生じた場合、二つの方法が考えられます。
 第一は歳出のカットによる減額補正予算を組むこと、第二は赤字国債、すなわち、補正予算での追加公債の発行に踏み切るかのいずれかであります。
 この第一の減額補正などというのは、現在の政府の姿勢からはとうてい考えられません。政府のこれまでの答弁では、もうこれ以上の歳出カットはできない、ぎりぎりまで削った予算だとおっしゃっているわけですから、減額補正などは全く考えておられないものと思います。そうなれば、残るのは赤字国債の発行であります。これはまさに五十六年度の繰り返しというほかはありません。
 総理は、これまでにもたびたび五十九年度赤字国債発行をゼロにすると明言されています。そして、この目標に政治生命をかけるとまでおっしゃっています。私たちは、総理の政治家としてのこの決断に敬意を表するものではありますが、国民にとっては、事態の改善がない以上、総理の御決意自体何らの意味も持たないのであります。私たちも国民も、ともに熱望してやまないのは、安定した経済成長に基づく不安のない暮らしなのであります。
 総理は、いかにも重みのありそうな政治生命を振りかざして、歳出カットはもうこれ以上できない、大型減税もできないと言われておりますが、このような硬直した姿勢で、生きた経済を相手にして国民の生活を守っていけるのか、はなはだ心もとないのであります。
 総理、私たち新自由クラブ・民主連合は、一貫して行政改革の必要性を訴え、さまざまな提言を続けてまいりました。総理が私たちの提言を受け入れ、行政範囲の徹底的な見直しに踏み切っておられたら、きょうここで私がこんなことを申し上げるまでもなかったと悔やまれてなりません。しかし、現実には行政改革は遅々として進まず、長期展望を失った経済政策によって、景気は悪化する傾向さえ見せております。
 総理、率直に申し上げて、わが国経済は、内需の停滞、対外経済摩擦、小手先だけの行政改革などの中で一種の手詰まり状態にあります。いまや、政府の責任を追及するとか、総理の政治責任を追及するとか、政治の世界での駆け引きなどに時間を費やしている場合ではないことを私たちは強く認識すべきであります。私たちは、国民のために政府が決断しなければならない点を示し、総理の英断をこそ望みたいのであります。
 さて、わが国有数の学者グループである政策構想フォーラムが、先月、こんな提言をしています。財政再建目標を硬直的に考えることをやめ、財政収支見込みをより現実的なものにするため、赤字国債の発行ゼロという再建の目標年度を五十九年度から六十二年度にまで三年間延長してはどうかという提言であります。この提案の意味するところは、財政の運営は経済状況に合致した弾力的なものでなければならないということであります。確かに耳を傾けるべき議論の一つでありましょう。
 再三にわたる総理の五十九年度赤字国債発行ゼロの御発言を承知の上で、あえてこの場で総理に、このような柔軟な発想をされるおつもりはないか、改めて伺っておきたいと思います。
 次に、景気の動向が財政再建に及ぼす影響の大きいことに御注目いただきたいと思います。現在のような景気停滞下において、税収増加は望めず、しかも国内での消費が冷え込めば、対外貿易に拍車をかけざるを得ないことになり、経済貿易摩擦は深刻の度合いを深める結果となります。日本は失業を輸出しているという欧米のわが国への批判は、内需を喚起させることのできない政府の無策への批判と受け取らざるを得ないのであります。所得の実質的な目減りは可処分所得の低下を招き、政府が内需喚起策の柱としている住宅建設は、実効性の疑わしい土地税制の改革にのみ依拠するありさまであり、内需喚起の決め手は全くないと言うしかありません。いま政府のとるべき道は、次第に大きくなる国民の声に耳を傾け、内需喚起への緊急方策を示し、早急に実施することにほかなりません。
 私たち新自由クラブ・民主連合は、昨日、公明、民社両党とともに、課税最低限の引き上げを内容とする実現可能な一兆円減税の提言を行いました。実質増税による家計の赤字を幾らかでも解消し、同時に景気浮揚をも実現する方策としての提言であります。
 経済の現状を見るとき、これが内需の喚起、景気浮揚の最良の策と考えておりますが、経済企画庁長官、あなたは、政府首脳の一員としてどうお考えでしょうか。減税ができないとおっしゃるのならば、内需喚起の決め手となる緊急の方策をお示しいただきたいのであります。
 経済のプロフェッショナルである河本長官は、かねてから思い切った景気浮揚策の必要性について言及されておられました。それが今国会冒頭の経済演説では、はなはだしく後退したことは、経済状況が一向に好転しない中、きわめて不可解なことであります。国民は、景気浮揚に挑むあなたの姿勢に大きな期待を持ち、ひそかに拍手を送っていた向きも多いと思うのですが、いま一度あなたの経済哲学の本音をここにお示しいただきたいと切望するものであります。
 わが国経済が米国、EC諸国との密接な関係のもとに成り立っていることは、いまさら申し上げるまでもありません。特に、米国との関係は、戦後の三十七年間を通じて常に、米国がくしゃみをすれば日本がかぜを引くと言われたように親密なものでありました。貿易収支の上でわが国が優位に立つようになった今日においても、わが国経済が米国経済の影響下にあり、その動向に左右されている事実は、対外貿易に活路を求めるほかに生きる道のないわが国の宿命とも言うべきものであると思います。
 わが国は、米国のよきパートナーとして貿易摩擦の解消にわが国なりの努力を傾け、防衛費においては過剰とも言える対応を続けてまいりました。いまわが国が財政運営の健全化を図り、真の経済協力体制を欧米諸国との間に確立しようとしているとき、米国の高金利政策がその足かせになってきている現実を看過することはできません。
 政府は、米国からのさまざまな要求、要望に対して誠意を尽くして努力してこられたものと思います。いまこそ政府は、受け身の外交姿勢に終始するのではなく、主張すべきは主張し、米国にもわが国の経済情勢をよく理解してもらう積極外交に転じる必要を強く感じるものであります。
 米国の経済に日本が協力すると同時に、米国にもわが国の財政再建をスローダウンさせないよう協力と配慮を求める、これが本当のパートナーシップであろうと考えますが、先ほど経済企画庁長官の答弁がありましたので、私は、外務大臣からそのお考えをお聞きしたいと思うのであります。
 最後に、今回提案された昭和五十七年度の公債発行の特例に関する法律案に関連して、行政改革に取り組む政府の姿勢をただしておきたいと思います。
 赤字国債は、昭和四十八年の石油ショックによって混乱したわが国経済の緊急救済対策として、昭和五十年に特例発行を認めたものであったはずであります。特例が五十六年度まで七年間連続して認められてきたこと自体が異常であることは言うまでもなく、だからこそ、政府も早期脱却を図るべく、五十九年度ゼロの方針を打ち出されているのでありましょう。
 ところが、特例が特例でなくなった背景を考えてみますと、政府が石油ショック以降のわが国財政を、それまでの高度成長期と変わらない対応で運営しようとした政策的失敗にあると言わなければなりません。前にも述べたとおり、私たちが立党以来主張してまいりました真の行政改革に政府が着手しておれば、今日このような事態に立ち至ることはなかったことも明白であります。
 総理、この六、七月に出されるはずの第二次臨時行政調査会の基本答申、これは聞くところによりますと、八月以降に提出がずれ込む可能性があると言われております。そうなれば、五十八年度予算の編成に間に合わなくなるかもしれないという懸念が起こります。総理が臨調の第一次答申を受けておやりになった行財政改革なるものの実態を見れば、一体、基本答申を受けてどの程度の実績を上げることができるのか、私でなくとも心配になるのは当然ではないでしょうか。
 総理、政治生命をかけるかどうかではなく、わが国の現在と将来にわたる大きな責任があなたにはあるのです。五十八年度以降の財政運営の上で、あなたは真剣に、簡素で効率のよい政府づくりを進めていくおつもりが本当にあるのかどうか。また、臨調の基本答申を待つと言い続けてこられたお立場から、基本答申の提出を五十八年度予算編成期に間に合わせるよう要望されるべきと思いますが、いかがでしょうか。そして、その答申内容に沿ってこれからの行財政運営を進めていくとこの場でお約束をいただきたいと思いますが、総理の明確なお答えを期待いたします。
 以上をもちまして、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣鈴木善幸君登壇〕
#17
○内閣総理大臣(鈴木善幸君) 小杉議員にお答えいたします。
 五十九年度特例公債脱却は政府の基本方針であり、その実現に向けて最大限の努力をする決意であります。
 大量公債依存の財政体質、特に特例公債依存からできるだけ早く脱却し、財政の対応力を回復することは緊急の課題であり、これによって、わが国の中長期的な経済の安定的発展と国民生活の安定に資することが可能となると考えます。
 このような財政運営の基本方針のもとで、景気の維持拡大にはできる限り配慮しておりまして、五十七年度予算におきましては、たとえば住宅建設の促進、公共投資の事業量の確保など、きめ細かな工夫を行っているところであります。
 臨時行政調査会の基本答申につきましては、六、七月の提出を目指して、現在各部会等において精力的に審議が進められていると伺っております。基本答申をいただきました後は、もちろん誠意を持って改革案に取り組み、五十八年度予算にこれをできるだけ実現してまいりたいと存じます。
 その他の御質問につきましては、所管大臣から答弁をいたさせます。(拍手)
    〔国務大臣渡辺美智雄君登壇〕
#18
○国務大臣(渡辺美智雄君) お答えをいたします。
 五十七年度五・二%の経済成長の達成がうまくいかなかった場合、歳入欠陥が生じる、その場合どうするんだというお話でございますが、私どもは、五十七年度の税収については、政府経済見通しの諸指標を基礎にいたしまして、積み上げ方式によって見積もったところでございます。したがって、これは現段階においては適切な税収の見通しだ。また、これを実現できるように、先ほど総理からもお話があったように、あの手この手といろいろな手を使って、経済の維持、持続、向上を図っていくように努力していくつもりでございます。(拍手)
    〔国務大臣河本敏夫君登壇〕
#19
○国務大臣(河本敏夫君) 第三・四半期のGNPの動向はどうか、こういう御質問でございますが、第三・四半期の国民所得統計速報につきましては、現在作業中でございまして、三月の中旬には明らかになる予定でございます。しかしながら、内需の回復がおくれておりますところへ、貿易が大変厳しい状態になっておりますので、私どもも大変心配をしておるところであります。
 そこで、この一月になりましてから、何とかこういう状態を打開しなければならぬということで、新しい住宅政策を昨年末に新予算で決めましたが、これを繰り上げまして、一月から実施することにいたしております。そして目下募集中でございますが、現在までのところ、幸いに成績はいいようでございます。
 また、昨年中に約一兆円の災害が発生をいたしましたが、この大規模な災害復旧工事を本年度に思い切って繰り上げていく、こういうことで繰り上げ実施をいまいたしております。
 そういうことで、第四・四半期の成果がどのようになりますか、成長率がどのようになりますか、まだはっきりいたしませんので、年度間を通じての成長率については言及することはできませんが、いずれにいたしましても、大変厳しい状態になっておるということは事実でございます。
 そこで、これからの経済対策をどうするかということでございますが、やはり何と申しましても世界経済が非常に悪い状態になっておりまして、一説によりますと、一九三〇年世界大恐慌以来の深刻な状態であるとすら言われております。そこで、何といたしましても、世界経済全体が回復をするということが私どもの経済政策がやりやすい環境になるわけでございまして、本年の五、六月ごろには重要な国際会議が引き続いて行われます。予備会談も、今月の終わりに第一回の予備会談が開かれることになっておりまして、それらの会談を通じまして、世界の重立った国が世界経済全体の回復のためにどのような協力が可能か、どのような方策が可能かということについて真剣な議論をされることが望ましい、私はこのように考えております。
 国内の問題につきましては、物価政策、金融政策、住宅政策あるいは公共事業の取り扱い、さらにまた個別不況産業対策、中小企業対策、雇用政策を強力に進めてまいりたいと考えております。(拍手)
    〔国務大臣櫻内義雄君登壇〕
#20
○国務大臣(櫻内義雄君) 小杉議員にお答え申し上げます。
 日米貿易関係は六百億ドルを超えるという大きなスケールでありますから、ときに問題が生ずることもやむを得ないかと思いますが、しかし日米貿易の摩擦によりまして、保護貿易的な傾向に拍車をかけるということは、これはいけないと思います。あくまでも自由貿易体制を堅持するという方針で臨んでまいりたいと思います。
 高金利の問題は、米国においてインフレ対策によってそういう措置がとられておるということは理解を持つのでありますけれども、しかし投資意欲の減退を来す、また、円安によりまして、わが国へ大きな影響を来しておるということを考えますときに、わが国のこういう懸念は、これまでもしばしば表明してまいったところでございます。今後とも、世界経済の拡大のためには、適切な国内経済の運営、開放貿易体制の維持強化に努めてまいりまして、わが国の意見を随時表明してまいりたいと思います。(拍手)
#21
○議長(福田一君) これにて質疑は終了いたしました。
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#22
○議長(福田一君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時四分散会
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 出席国務大臣
        内閣総理大臣  鈴木 善幸君
        法 務 大 臣 坂田 道太君
        外 務 大 臣 櫻内 義雄君
        大 蔵 大 臣 渡辺美智雄君
        国 務 大 臣 伊藤宗一郎君
        国 務 大 臣 河本 敏夫君
 出席政府委員
        大蔵省主計局次
        長       西垣  昭君
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ソース: 国立国会図書館
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