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#1
第096回国会 本会議 第12号
昭和五十七年三月十九日(金曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第十二号
  昭和五十七年三月十九日
    午後一時開議
 第一 在外公館の名称及び位置並びに在外公館
    に勤務する外務公務員の給与に関する法
    律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第二 地域改善対策特別措置法案(内閣提出)
 第三 松くい虫防除特別措置法の一部を改正す
    る法律案(内閣提出)
 第四 国税収納金整理資金に関する法律の一部
    を改正する法律案(内閣提出)
 第五 法人税法の一部を改正する法律案(内閣
    提出)
 第六 租税特別措置法の一部を改正する法律案
    (内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 議員請暇の件
 裁判官弾劾裁判所裁判員辞職の件
 裁判官訴追委員辞職の件
 裁判官弾劾裁判所裁判員の選挙
 裁判官訴追委員の選挙
 日程第一 在外公館の名称及び位置並びに在外
  公館に勤務する外務公務員の給与に関する法
  律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 地域改善対策特別措置法案(内閣提
  出)
 日程第三 松くい虫防除特別措置法の一部を改
  正する法律案(内閣提出)
 漁港法第十七条第三項の規定に基づき、漁港整
  備計画の変更について承認を求めるの件
 日程第四 国税収納金整理資金に関する法律の
  一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第五 法人税法の一部を改正する法律案(
  内閣提出)
 日程第六 租税特別措置法の一部を改正する法
  律案(内閣提出)
    午後一時四分開議
#2
○議長(福田一君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 議員請暇の件
#3
○議長(福田一君) 議員請暇の件につきお諮りいたします。
 八木昇君から、三月二十三日より四月二日まで十一日間、飛鳥田一雄君から、三月二十三日より四月四日まで十三日間、右いずれも海外旅行のため、請暇の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。よって、いずれも許可するに決しました。
     ――――◇―――――
 裁判官弾劾裁判所裁判員辞職の件
 裁判官訴追委員辞職の件
#5
○議長(福田一君) お諮りいたします。
 裁判官弾劾裁判所裁判員沖本泰幸君から、裁判員を辞職いたしたいとの申し出があります。
 また、裁判官訴追委員石田幸四郎君から、訴追委員を辞職いたしたいとの申し出があります。
 右申し出をそれぞれ許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。よって、許可するに決しました。
     ――――◇―――――
 裁判官弾劾裁判所裁判員の選挙
 裁判官訴追委員の選挙
#7
○議長(福田一君) つきましては、この際、裁判官弾劾裁判所裁判員及び裁判官訴追委員の選挙を行います。
#8
○小里貞利君 裁判官弾劾裁判所裁判員及び裁判官訴追委員の選挙は、その手続を省略して、議長において指名されんことを望みます。
#9
○議長(福田一君) 小里貞利君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決しました。
 議長は、裁判官弾劾裁判所裁判員に鍛冶清君を指名いたします。
 次に、裁判官訴追委員に沖本泰幸君を指名いたします。
     ――――◇―――――
 日程第一 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 地域改善対策特別措置法案(内閣提出)
#11
○議長(福田一君) 日程第一、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、日程第二、地域改善対策特別措置法案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。内閣委員長石井一君。
    ―――――――――――――
 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書
 地域改善対策特別措置法案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔石井一君登壇〕
#12
○石井一君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案の内容は、在アルバニア日本国大使館等を新設すること並びに在外職員の在勤基本手当の基準額及び研修員手当の額を改定すること等であります。
 本案は、一月二十九日本委員会に付託され、二月二十三日政府から提案理由の説明を聴取し、質疑に入り、三月十八日質疑を終了し、採決いたしましたところ、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、本案に対し、附帯決議が付されました。
 次に、地域改善対策特別措置法案について申し上げます。
 本案の内容は、同和対策事業特別措置法が、本年三月三十一日をもって失効することに伴い、新たな立法措置により、引き続き、歴史的社会的理由により、生活環境等の安定向上が阻害されている地域について、生活環境の改善、産業の振興等に関する事業を円滑に実施するために必要な特別の措置を講じようとするものであります。
 なお、この法律の有効期間は、五年間とすることとしております。
 本案は、二月十六日本委員会に付託され、二十三日政府から提案理由の説明を聴取し、その後、同和対策に関する小委員会等におきまして、慎重に検討、協議を重ね、各党の意見を取りまとめ、これらを踏まえて、昨十八日本委員会において質疑が行われました。
 質疑終了の後、日本共産党から、新法の目的が同和対策のためのものであることを明らかにすること等についての修正案が提出され、趣旨説明の後、採決いたしましたところ、修正案は否決され、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#13
○議長(福田一君) 両案を一括して採決いたします。
 両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
#15
○小里貞利君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、日程第三とともに、漁港法第十七条第三項の規定に基づき、漁港整備計画の変更について承認を求めるの件を追加して、両件を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#16
○議長(福田一君) 小里貞利君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
    ―――――――――――――
 日程第三 松くい虫防除特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 漁港法第十七条第三項の規定に基づき、漁港整備計画の変更について承認を求めるの件
#18
○議長(福田一君) 日程第三、松くい虫防除特別措置法の一部を改正する法律案、漁港法第十七条第三項の規定に基づき、漁港整備計画の変更について承認を求めるの件、右両件を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。農林水産委員長羽田孜君。
    ―――――――――――――
 松くい虫防除特別措置法の一部を改正する法律案及び同報告書
 漁港法第十七条第三項の規定に基づき、漁港整備計画の変更について承認を求めるの件及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔羽田孜君登壇〕
#19
○羽田孜君 ただいま議題となりました両案件につきまして、農林水産委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、内閣提出、松くい虫防除特別措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、法律の失効期限を五カ年間延長するとともに、その内容の拡充を図ろうとするものでありまして、その主な内容は、
 第一に、法律の題名を「松くい虫被害対策特別措置法」に改めること、
 第二に、従来の航空機による薬剤防除に加え、被害木の破砕、焼却等を行う特別伐倒駆除のほか、樹種転換等を含めた総合的な松くい虫の被害対策を実施すること、
 第三に、市町村においても、松林の所有者等による自主的な被害対策を推進するための地区実施計画を新たに策定すること
等であります。
 委員会におきましては、二月二十四日田澤農林水産大臣から提案理由の説明を聴取した後、三月十日に現地調査を行い、三月十六日に五人の参考人の意見を聴取し、三月十七日及び十八日の二回にわたり質疑を行い、慎重に審査を重ねました。
 かくて、三月十八日質疑を終了いたしましたところ、加藤紘一君外三名から、自由民主党、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び新自由クラブ・民主連合の共同提案に係る修正案、新盛辰雄君から、日本社会党提案に係る修正案、藤田スミ君外一名から、日本共産党提案に係る修正案がそれぞれ提出され、討論の後、採決の結果、藤田スミ君外一名提出の修正案及び新盛辰雄君提出の修正案を否決し、加藤紘一君外三名提出の修正案は可決し、結局のところ、本案は多数をもって修正議決すべきものと決した次第であります。
 なお、修正の内容は、農林水産大臣が定める基本方針において、自然環境等の保全の面から特別防除を行うことが適当でないと認められる松林が明確になるように定めなければならないこととする等、二点にわたるものであります。
 次に、内閣提出、漁港法第十七条第三項の規定に基づき、漁港整備計画の変更について承認を求めるの件について申し上げます。
 本件は、最近の水産業を取り巻く諸情勢の著しい変化等に即応し、昭和五十二年第八十回国会で承認された漁港整備計画を全面的に変更しようとするもので、昭和五十七年度以降六カ年間に四百八十港の漁港を全国にわたり整備しようとするものであります。
 委員会におきましては、二月二十四日田澤農林水産大臣から提案理由の説明を聴取し、三月十九日質疑に入り、同日質疑を終了、直ちに採決の結果、本件は全会一致をもって承認すべきものと議決した次第であります。
 なお、両案件に対し、それぞれ附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#20
○議長(福田一君) これより採決に入ります。
 まず、日程第三につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#21
○議長(福田一君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
 次に、漁港法第十七条第三項の規定に基づき、漁港整備計画の変更について承認を求めるの件につき採決いたします。
 本件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長報告のとおり承認するに決しました。
     ――――◇―――――
 日程第四 国税収納金整理資金に関する法律
  の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第五 法人税法の一部を改正する法律案
  (内閣提出)
 日程第六 租税特別措置法の一部を改正する
  法律案(内閣提出)
#23
○議長(福田一君) 日程第四、国税収納金整理資金に関する法律の一部を改正する法律案、日程第五、法人税法の一部を改正する法律案、日程第六、租税特別措置法の一部を改正する法律案、右三案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。大蔵委員長森喜朗君。
    ―――――――――――――
 国税収納金整理資金に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書
 法人税法の一部を改正する法律案及び同報告書
 租税特別措置法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔森喜朗君登壇〕
#24
○森喜朗君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 初めに、三法律案の主な内容について申し上げますと、
 まず、国税収納金整理資金に関する法律の一部を改正する法律案は、還付事務の円滑化を図るため、還付加算金の支払いを過誤納金の還付金等の支払いと同様、歳出予算に計上することなく、直接、国税収納金整理資金から支払い得るよう改めることといたしております。
 次に、法人税法の一部を改正する法律案は、法人税の延納制度について、縮減の措置を講ずるほか、適格退職年金契約の範囲に、全国共済農業協同組合連合会が締結する生命共済契約を加えることといたしております。
 次に、租税特別措置法の一部を改正する法律案は、
 第一に、既存の租税特別措置について、適用期限の到来するものを中心として、所要の整理合理化を行うことといたしております。
 第二に、交際費課税制度について、今後三年間の措置として中小規模の企業に対する定額控除を残した上、交際費の全額を損金不算入とすることといたしております。
 第三に、土地住宅税制につきまして、土地譲渡所得の長期、短期の区分を譲渡のあった年の一月一日において所有期間が十年を超えるかどうかによることとし、長期譲渡所得については、特別控除後の譲渡益が四千万円を超える部分を二分の一総合課税とするほか、所有期間が十年を超える居住用財産について買いかえの特例制度を創設する等の措置を講ずることといたしております。
 第四に、福祉対策に資するための措置として、同居の特別障害者については、現行の特別障害者控除、扶養控除等のほか、五万円の特別控除を認めることとする等の措置を講ずることといたしております。
 第五に、国際科学技術博覧会出展準備金制度を創設することといたしております。
 以上が三法律案の主な内容でありますが、三法律案につきましては、去る二月二十三日渡辺大蔵大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑に入り、特に、法人税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案については、参考人の意見を聴取するなど、慎重に審査を行いましたが、その詳細は会議録に譲ることといたします。
 かくして、昨十八日三法律案に対する質疑を終了し、引き続き討論に入りましたが、国税収納金整理資金に関する法律の一部を改正する法律案に対しては討論の申し出がなく、法人税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案の両法律案に対して討論を行いましたところ、自由民主党を代表して笹山登生君からは賛成の旨の、日本社会党を代表して伊藤茂君、公明党・国民会議を代表して鳥居一雄君、民社党・国民連合を代表して和田耕作君、日本共産党を代表して蓑輪幸代君、新自由クラブ・民主連合を代表して田島衞君からは、それぞれ反対の旨の意見が述べられました。
 次いで、三法律案の採決に入り、まず、国税収納金整理資金に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたしました結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決し、次に、法人税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案の両法律案について採決いたしました結果、両法律案は、いずれも多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、三法律案に対しましては、附帯決議が付されましたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#25
○議長(福田一君) 三案中、日程第五及び第六につき討論の通告があります。これを許します。戸田菊雄君。
    〔戸田菊雄君登壇〕
#26
○戸田菊雄君 私は、日本社会党を代表して、法人税法、租税特別措置法の両法案に反対し、討論を行います。
 反対の第一は、今回の政府の税制改正は、国民の期待を裏切り、歳入のつじつま合わせのこそく的な改正に終始しているからであります。
 昨年の十月に総理府の税金に関する世論調査の結果が発表されました。所得税は「非常に高い」「かなり高い」との重税感を持っている者が七四%に達し、「不公平がある」も七三%とほぼ同率を示しております。この調査は、農業、商工業、自営業、サラリーマン、無職者等々、国民の平均したものであります。すなわち、国民の大多数の意思は、税の不公平の是正がまず先だというのが切実な訴えでありましょう。この国民の切実な声を実現することこそ政治的緊急課題であります。
 しかるに、今回の税制改正は、八二年度の自然増収見通し減七千億円を補てんするために三千四百八十億円の増税を行い、予算に盛り込んでおります。これは政府の八一年度経済見通しの誤りの結果であり、強く反省を求めるものであります。
 第二は、延納制度の縮減についてであります。
 政府は、延納縮減は所得税の延納制度とのバランスをとるためと言っておりますが、これは明後年、すなわち八三年以降は、この効果は響かないわけであります。明らかに八二年度の税収確保のためのものであり、かつ、このことによって運転資金のやりくりに四苦八苦している中小零細企業が相当な痛手をこうむることは必定であり、反対であります。
 第三は、貸し倒れ引当金は、平均貸し倒れ実績率と比べて現行の法定繰り入れ率は過大であるということであります。
 今回の改正で、卸売業及び小売業は一・六%から一・三%に、最初の一年は一・四%、製造業は一・二%から一%に、最初の一年は一・一%に引き下げられはいたしましたが、仮に百億円の売掛金があれば、卸売業で一億三千万円、製造業で一億円も経費として認められ、課税されないことになります。諸外国は原則として実績値をとっており、過去何年かの実績を土台としております。このように頭から何%という方法はとっておりません。百歩譲って、当面実績値に改めることを要望いたします。
 また、今回の改正でも、金融業がその対象に入っていないことは納得できません。八一年六月三十日の国税庁の税務統計から見た法人企業によりますと、金融業の営業収入金額と所得金額は高い伸びを示しております。かつ、銀行の貸し倒れ率はゼロに近い、通常はほとんどないのが実情であります。銀行の貸付金は一行で一兆円から二兆円にも上る莫大な額になっております。引当金は帳簿に記載するだけで、その金は無利子で利用できるきわめて有利なものであります。縮減の対象とするのが当然のことと考えます。
 次に、退職引当金が財界の反対でつぶされたと聞いております。退職引当金の支払い額に比べて引き当て残高が非常に大きくなっております。八一年六月三十日の国税庁の税務統計で、八〇年期末残高七兆一千三百五十二億円もあり、利用法人の割合は七・五%で、資本金の規模が大きくなるほど高くなっております。引き当て残高が過大であり、このように巨額なものが非課税内部留保として蓄積されていることは、大企業優遇の最たるものと言わなければなりません。整理合理化の対象として改善することを強く要望いたします。(拍手)
 第四は、土地住宅税制の緩和についてであります。
 一九六九年に土地税制が大幅に改正され、続いて七五年に第二次改正を実施いたしましたが、何らの効果を示すこともできませんでした。結果は、資金力に物を言わせる大会社に買い占められ、国民には安い値段で渡らずじまいという苦い経験を持っているのであります。
 今回の改正も、その心配なしといたしません。要は、生存権的国民の財産には低率の課税で、不動産業者の土地や企業の遊休土地など、投機的財産には高率の課税を行うこと、かつ、適正価格を超える土地などの譲渡益、すなわち、キャピタルゲインに対しては高率の負担の所得税、法人税を課することは当然なことであります。応能原則に従って土地税制を根本的に改めるべきであります。
 第五は、租税特別措置法についてであります。
 今回の改正で、中小企業近代化促進法による廃棄等をする施設の償却特例など七項目を廃止しましたが、他は縮減延長で存続が決められております。その中身は、いずれも雑魚だけが縮減整理の対象となっております。大魚はすべて除外されておるのであります。租税特別措置が隠された補助金であるとの指摘がなされて久しいのに、その整理は毎年度お茶を濁す程度しか行われず、低成長で税金も落ち込み、かつ、不公平税制の最たるものである租税特別措置は、全廃を前提に抜本的な見直しをすべきであります。
 八一年六月三十日の国税庁の税務統計で、価格変動準備金は七千六百五十七億円で、利用法人は一九・四%となっております。価格変動準備金制度については八八年度までに廃止すると言っておりますが、評価損を認め、かつ、価格変動準備金をつくっておくというのは二重の特典が与えられていることであり、早期に廃止すべきであります。
 また、国税庁の税務統計でも明らかなように、八〇年の交際費支出額は三兆一千百五十一億七千六百万円で、三兆円の大台を突破いたしております。うち損金不算入は一兆三千二百二十億八千六百万円で、四二・四%となっております。資本金の大きいほど損金不算入割合も大きくなっております。今回の改正で、資本金ごとの基礎控除を除いては全額損金不算入となりましたが、三年を経過すれば復元することになっております。税制の一般論から当然全額課税が筋道と考えられます。また、欧米諸国並みに厳しく個別規制を行うべきであります。
 最後に、総理府の家計調査報告の示す八〇年の平均生活費は二百七十七万円であります。現在、所得減税は五年間、税率は八年間据え置かれ、課税最低限は二百一万五千円、独身者で八十三万一千円であります。
 政府は、口を開けば、欧米比較で日本の課税最低限は高く、税負担率は低いと言っておりますが、可処分所得では、アメリカははるかに高く、ヨーロッパ諸国もおしなべて高い現状であります。国民所得の絶対額の比較が重要だと考えるわけであります。
 いずれにいたしましても、所得減税が行われなかったために、この税制がつくられた当時の予想していた税構造とは大きく乖離してしまったわけであります。同時に、所得の増加は逐次鈍化して、家計が苦しくなっております。反面、昨年の一兆四千億に近い大増税と社会保険料の増徴などで、国民の家計は挟み打ちに遭って、二重、三重の苦痛を味わっております。まさに骨の髄までしぼりとられ、生存を全うしているのは、弱い大多数の国民なのであります。
 当面、わが党を初め野党全党が要求している一兆円減税と物価調整減税の早期実現を強く要望して、私の反対討論を終わります。(拍手)
#27
○議長(福田一君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#28
○議長(福田一君) これより採決に入ります。
 まず、日程第四につき採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#29
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
 次に、日程第五及び第六の両案を一括して採決いたします。
 両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#30
○議長(福田一君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
#31
○議長(福田一君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時三十四分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 櫻内 義雄君
        大 蔵 大 臣 渡辺美智雄君
        農林水産大 臣 田澤 吉郎君
        国 務 大 臣 田邉 國男君
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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