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1949/04/21 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 電気通信委員会 第21号
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1949/04/21 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 電気通信委員会 第21号

#1
第007回国会 電気通信委員会 第21号
昭和二十五年四月二十一日(金曜日)
   午後一時四十一分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
四月十九日 委員水橋藤作君辞任につ
き、その補欠として千葉信君を議長に
おいて指名した。
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○放送法案(内閣提出、衆議院送付)
○電波法案(内閣提出、衆議院送付)
○電波管理委員会設置法案(内閣提出、
 衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(松野喜内君) 只今から電気通信委員会を開会いたします。
 前回に引続きまして電波関係の三法案に対する質疑を行いたいと思います。
#3
○中村正雄君 大臣にお尋ねしたいことがございますが、或いは今までの委員会で各委員から御質疑になつておる点があつて重複するかも分りませんが、そういう場合は簡単に御答弁願つたら結構であります。
 第一にお尋ねしたい点は、放送法案の三十七條以降の関係でありますが、協会の收支予算並びに事業計画、資金計画、これは国会の承認を経なければならない。こういうふうになつておるわけでありますが、国会の承認を求める場合は国会の審議権というものはどういう点まで及ぶのであるか、この点につきまして大臣の御所見を承わりたいと思います。
#4
○国務大臣(小澤佐重喜君) 中村君にお答えしますが、この問題は衆議院におきましてもいろいろ論議されたのでありまして、又政府から本案を提出する際にも相当検討された問題であります。即ち法律的に考えますというと、このNHKは大体日本国有鉄道、或いは專有公社というようなものと同じ線に進むのでありますけれども、よつて生じました財産関係、例えば日本国有鉄道、或いは專売公社というものは一切を挙げて国の支出にかかつております。併しこのNHKの方は御承知のように政府の出資というものは殆んどないのでありまして、すべてが民間の資力によつて育成発展して現状の姿になつておりますので、従つて国会或いは政府のその財政経理に対する関与というものも、多少経過的には考えた方がむしろよろしいのではないかというような点から、日本国有鉄道の予算を国会が審議するとは違つて、もつと軽い意味で見た方がむしろ将来の協会の発展のためによろしいのではないか。こういう見地から例えば日本国有鉄道、或いは專売公社のような予算の細目に亘る補正権というようなものを認めるような筋ではなくして、一応極く大要の予算事項を報告いたしまして、そうしてこれを一括して承認を願うというような趣旨、もつと具体的に申上げますならば、例えば人事の問題でよく最近の法律で政府が提案して国会がこれを承認するというあれがありますが、その程度の承認で、従つて款項目の修正とか何とかいう問題は起さずに、ただ総括的に判断してイエスというか、ノーという程度の審議を求めるというような見地でこの法案が出されております。併し文字そのものから見ますと必ずしもはつきりしませんが、政府の考えは今申上げましたような構想になつております。
#5
○中村正雄君 今大臣の御説明で一応の政府のお考えは分りましたが、実際問題といたしまして、收支予算を国会に出して国会の承認を経るとなりますれば、国会は收支予算につきまして細目に亘つて検討しなければ、イエスかノーかの返事はできないということは御承知の通りなんであります。従つて大綱を出して国会の承認を経ると、こうおつしやいますけれども、出されるものが大綱でありましても、細目に亘るものを参考資料その他で求めることが恐らく必然的だろうと思う。従つて一般の政府機関の專売公社であるとか、或いは日本国有鉄道と同じような予算の内容を持つたものを出さなければ恐らく国会の審議は不可能になつて来るということは実際の審議の状況から想像できるわけなんです。而も又この場合にイエスかノーだけでいいということになりますると、若し国会が否決した場合はどういうふうな策をお考えになつておるか、この点をお伺いしたいと思う。
#6
○国務大臣(小澤佐重喜君) 結局国会が承認を与えなければ予算は不成立になりますから、国会の意向というものを再検討しまして、国会の意思に適応するような予算を再提出して御審議願うということになつております。
#7
○中村正雄君 大臣のお考えでは国会に修正権なし、こういうふうなお考えであるかどうか、もう一度聞きたい。
#8
○国務大臣(小澤佐重喜君) 政府の提案のこの法律案に関する限りはそうであります。
#9
○中村正雄君 そうしますれば、国会において修正権がないといたしますれば、可決になつた場合は問題ないが、否決になつた場合改めて出すといいましても、国会の意思というものがどこにあるか的確には掴むことができない。従つて二回、三回否決になるということも想定しなければいけない。而も事業年度は四月に始まつて三月に終る、こうなつておりますので、出される時期にもよりましようけれども、一応電波監理委員会が検討して、而もそれを内閣に出して、内閣から出して来るとなりますると、四月を越えてもこの資金計画なり收支予算が国会の承認を得られないという場合が必ず生じて来ることが想像できるが、この場合の善後措置につきましては、この法案には何ら謳つていないのでありますが、こういう場合はどういうふうにするお考えか伺いたい。
#10
○国務大臣(小澤佐重喜君) これは時期外れになつて予算が年度内に決らないというような問題は、一般の国の予算の場合と同じような結果になると思います。従いまして我々といたしましては、この予算はできるだけ通常国会の当初に提案するようにする。それからお話の否決された場合、国会の意思がどこにありや、政府が判断するのはどこでするかということでありますが、これは我々は恐らく否決になる場合は各党代表の討論があると思います。その討論に対して賛成、反対があつて最後に否決になるのでありますから、やはり実際の運営に当つては、この問題が否決の原因である、この問題が賛成されておるのだということは政府として分ると思います。そういう意味で国会で否決されたポイントを修正いたしまして再提出する。それから年度を越えることがあるのではないかという問題でありますが、これも先程お話したように事実上、そういうこともあり得ると思います。而も御承知のように国の予算が終戦後たびたび年度内に成立しないで、暫定予算を取つて来たというような問題は、国の大きな経済、行政というような問題に相当影響をいたしておるのでありまして、これはNHKだけの予算がそう長く、早く提出しておるに拘らず百五十日の間にその意向がはつきりしないというようなことは極く少いのではないか。ないとは考えられません、あることも想像いたしますが、できるだけそういうことのないように審議期間を十分とれるように国会の開会当初に出したいと思つております。
#11
○中村正雄君 国の予算でありますと、四月に入つても、その年の予算の通過の見込がない場合は、暫定予算を提出する余地もありますけれども、協会につきましては、そういう條文がないわけで、通常国会の当初に出すとこういうふうに予定はされましても、一般の予算にいたしましても、これは通常国会の当初に出すのが常例になつておるけれども、実際は出されておりません。と同じようにやはりこの予算にしましても、大臣のおつしやる通りに運営できることは、今の場合想像できないわけですから、そういう場合四月を越してもできない場合は、暫定の收支予算その他のことを考えるような措置を講じて置く必要があるんじやないかと思うのですが、これに対しましてはどういうお考えですか。
#12
○国務大臣(小澤佐重喜君) これはそのお話が御尤もであります。併しこの政府の暫定予算という問題も、これは恐らくあれは法律に明文がないと記憶しておりますが……
#13
○中村正雄君 財政法にあります。
#14
○国務大臣(小澤佐重喜君) 財政法の暫定予算、この暫定予算の場合でも、例えば国会の修正は相当大きい問題であつて、而もこれを待つておつたのでは、年度を越すという場合には、これは財政法の適用がない。でありまするから、適用がないから駄目だということになりますが、適用がなければそれ程詳細な問題でないから取敢えず一ケ月ならば一ケ月を承認願つて、問題のこの点だけを出すという方法も可能じやないかと思います。併し、そういう方法を法律で明文を出しておくということは、必ずしも不適当だという意味ではありませんが、これもはつきりすれば、尚完全な法律かも知れません。
#15
○中村正雄君 それは條文になければ仮に三十六條には協会の事業年度が四月に始つて三月に終るということになりまして、三十七條では、事業年度の收支予算と書いてあるわけで、一般の国の予算のような暫定予算を出して、国会の承認を得るということは規定がなければできないということは、一応考えられると思うのです。その点は別にしまして、次にお尋ねしたい点は、先程大臣からこの收支予算なり、その他につきまして、国会に修正権がない、イエスかノーかだけの審議であると、こういうふうにお考えになつておるといたしますれば、国会の承認を求める意義がどこにあるか、言い換えればこの協会の收受する受信料というものは、大体税金と同じようなものであるということは、基礎において政府機関でもないものに対しまして、会計検査をやらせ、そして税金を使うのであるから、国会がすべてタツチしなければいけないと言つて、国会の承認を求めている。そういたしますれば国会がこの予算を不適当であるからこうしなければならないということの修正意見は、もう三十七條のところは、私はこの国会の承認を求めるという規定が無意味になつて、そうであれば国会に報告だけでも何ら変らない。丁度決算報告と同じようにイエスかノーかだけをするのであるならば、国会の承認を求めるのではなくして、国会に報告したらいいじやないかということになるのじやないか。従つてここに承認と書いてある以上はやはり修正権もあるところの実際上の審議権がなければ私は三十七條の趣旨は一貫しない。この点につきまして再度大臣の御答弁を要求したいのであります。
#16
○国務大臣(小澤佐重喜君) これは報告というのは、全然国会に採決権がない問題でありまして、お話のように国会予算のように修正権がある制度は、国会の審議権がフルに活用される場合であります。それから報告だけという場合には殆んど監査的な問題でありまして、内容を調査するというだけで積極的な国会の権力が及ばない場合です。私の今いわゆる承認というのは、その中間の狙いでありまして、そうしてつまり予算を款項目まで査定権があるかということになりますと、国会の権力が余り公共企業体に注がれ過ぎまして、むしろNHKの自主的な活動というものが、却つて困難になるではないか。その国会の承認でない、国会の報告という問題も政府部内で検討したのであります。国会の承認を完全に得る、政府予算と同じようにするか、それとも報告だけの承認をするか、而も国会には全然関係なく監理委員会だけの監督にするかという三つ、四つの意見があつたのであります。そこで客観情勢等も考慮に入れまして、この四つの方法の一つ、即ち国会の審議権がフルに活用する場合と、比較的概略的、即ち根本方針だけを承認するか、不承認するかという真ん中をとつたような意味でありまして、これは考えようによつて厳格にやるべしという見解に立ちますれば、どこまでも国家予算と同じようにやらなければならんだろう。又NHKの先程も言つたような発達、而も財産的の発達から見れば、国会がそこまでせんでもいいじやないかということにも、今言う通り聴取料が固定されるということから国会という問題が出て来たのでありまして、その点等が参議院でも多少修正になりましたし、それから結局報告と徹底的な審議権の中間の承認というところまで考えたような次第でありまして、どの議論も一つの議論であります。四つはいずれも立つのでありまして、要はどの程度に国会がNHKの経営に対してタツチすることが適当であろうかという一つの考え方が基本になつて、どちらにも議論が立つと思います。まあ政府は今のような議論は盛んにいたしましたが、結論においてこの程度はどうだろうということになつております。
#17
○中村正雄君 政府の考えは分りましたが、條文から言いますれば、その承認を受けなければならないといたしますれば、やはり審議をされて承認を受けるわけですから、やはり修正権はあるものと考えなければならん。今まで各国会で議決を求めたり、承認を求めております案件との振合いなら考えまして、これだけは修正権がないのだということになれば、特別な国会法の條文なり、或いは法律の條文がなければ修正案は否定できないだろうと思う。と申しますのはこれと大体同じようなものは、今問題になつております仲裁委員会の裁定の承認と同じような形式であろうと思う。従つて政府はこの放送法案につきまして、これは修正権がないものだとおつしやつておりますけれども、あの仲裁委員会の裁定につきましては、国会で修正ができ得るという建前を政府はお採りになつておるわけです。それと同じようにこのままの條文であれば、政府はどういうふうにお考えになろうとも、法律自体から見ればこれは国会の審議を受ける以上は、修正も認めなくちやいけないという結果になると思います。これは見解の相違になるか知れませんが、私はそう考えておる。従つてもう一つお尋ねしたいのは、電波監理委員会が査定して、それから内閣を経て国会に提出するとなりますれば、この事業年度の收支予算なり、事業計画なり、資金計画は内閣の責任で国会に出されるものかどうか、責任の帰属につきましてお尋ねしたいと思います。
#18
○国務大臣(小澤佐重喜君) この問題は結局におきまして最近あります例えば公安委員会とか、その他の委員会制度と政府との関係の問題になつて来るのでありまして、単にこの法律だけの問題でなくなつて来るのであります。従つてこの問題に対しては憲法の解釈上いろいろな疑義があろうと思うのであります。政府の意見ではありませんが、私共は日本の憲法は行政権は政府に帰属しておる、そうしてその政府がこの行政権を行使するについて、国会を通じて国民に責任を負うのだという、こういう建前から申しますと、むしろこの責任という、委員会制度というものは果して日本の憲法の精神に合致しておるかどうかは相当疑問でありますけれども、現在も現行の法律においても沢山ございまするので、とにかく内閣総理大臣の所轄に属するという意味におきまして、一応の提出者たる責任は負うのだという建前で行つておりまするが、併しながら責任を負うという半面には必ずその内容として、一つの権力がなければならんと思います。何の権利もないものが責任を持つということは法律上非常に合致せない考え方であると思いますが、併し現行制度の中におきましてはすでに古くからそうした制度が採用されておりますので、少くとも提出者たる政府が、その提出したということについては責任を負うのだ。それではその提出した内容が委員会で決定したものであつて、その委員会の決定が非常に国民に責任を負わなければならないようなことのある場合は、どうかといいますれば、そうなると非常に法律的に困難と思いますが、一応提出者たる政府は提出者たる限度において責任を負うべきだというような解釈にしております。併し私個人の法律論では余りびしつと来ない法律論でありまして、従つてこれ以上言うと政府の根本的な考えと離れるようなことになりますので、大体私の個人の意見を参考として、現在政府の考えておる責任の所在というものを、少し一般の責任よりは軽く考えていいのではないかと、こういうように思います。
#19
○中村正雄君 私は特に三十七條の点について、これはこの原案がいけない、国会の議決を要する事項にしない方がいいというふうに今まで主張しました点はそこにあるわけで、今大臣がおつしやいましたように、提出の責任だけは政府が負うけれども、内容についての責任までは今の場合には負い得ないというようなお考えらしいので、軽い意味の責任とこうおつしやいますけれども、併し国会が審議する場合におきまして、国会が相手にするのは行政府しかありません。従つて具体的な実際上の問題を取りましても、然らばこの案件の提案理由の説明なり、内容の審査につきまして、答弁を要求した場合に誰が答弁するわけなんですか、その点一応お伺いしたいと思います。
#20
○国務大臣(小澤佐重喜君) 一応いわゆる内閣総理大臣の所轄に属しておりまするから、恐らくこれに関する主管大臣が、担当大臣が出て来ると思います。従つて一応の正式な政府としての答弁は、この所轄の大臣若しくはそれに関連する政府委員がやることになると思うのであります。併し現在もありまする通り、人事院の問題につきましても、政府が一応提案者にはなつておりますが、実際の人事院における行政の内容の詳細になつて来ると、やはり人事院の方から出て来ると同じように、やはりこの監理委員会から出て来る、それでも分らん場合はNHKとの代表者も、或いは参考人とかいろいろな意味において、政府委員ではないですが参考人とか何とかの形で、国会の審議を妨げないような措置は事実上講ぜられるのではないか、こう考えておりますが、それはただ事実上審査の問題であつて、責任をどうこうというような問題になつて来ますれば、先程の憲法論のように考えております。
#21
○中村正雄君 人事院の問題であれば、人事院はこれははつきりした国家機関なんですから、政府委員になり得るでしよう。併しこの場合ですよ、NHKはどういう形におきましても国会に対する政府委員にはなり得ないわけです。電波監理委員会はどうか、これは研究いたしておりませんけれども、少くとも証人とか、参考人で国会が自主的に呼ぶ場合は別でありますけれども、提案者に対しまして提案の趣旨を聞く場合に……一応提案の、政府は責任を持つけれども内容についての責任は負い得ない、そういうような国会の審議というものが、案件の審議というものが、実際問題としてあり得るだろうか。そういう意味におきまして、この三十七條の規定は非常に巧妙にできておるようであつて、実際は現在の国会の審議の組織の中に非常な異例な問題になつて来ると思います。仮に鉄道公社にしましても、專売公社にいたしましても、当該大臣がその責任を負い、又政府機関であります関係上、これは当然その責任者は来て答弁できると思うんですが、NHKはこれは完全な政府機関とか離れた、国家機関じやないわけなんですから、そういう問題で政府がその実質上の責任を負えないものを国会に出して審議するというのは非常におかしな問題になつて来るだろうと思います。これは幾ら議論をいたしましても、大臣が自信のないお答えでありますので、この点については一応打切りますが、この收支予算と関連しまして、衆議院で修正されました受信料の問題でありますが、これも一応国会で決定するようになつておりますが、受信料を決定する場合には、これは收支予算と事業計画、資金計画に関連すると思うんです。どういうふうに出して来られるか知りませんけれども、一応考えられる点は、今の三十五円ではやつて行けないから五十円にしようという点、受信料を五十円にしまして、收支予算を組んで出して来る、こういう形態になると思うんです。受信料の決定と予算の決定とか同時になれるというわけになりますが、そういう場合に鉄道の運賃でありますれば、政府がこういうふうにして下さいと言つても、国会はこれでなくちやいけないと言つて運賃の変更には国会の審議権があるんですが、それと同じように收支予算ではこれではいけないということになりますれば、受信料の決定が国会の審議にかかつておる。仮に五十円に申請した場合に、四十五円が妥当ということは国会によるのだ、五十円はいけないとすれば、五十円はイエスかノーじやなくして、受信料の決定は何円にすべきかということがあり得るのじやないかと思われるんですが、この点大臣はどうお考えですか。
#22
○国務大臣(小澤佐重喜君) これは大体先程論議したことと同じことになります。従つて今の私共の考えではやはりこの受信料を大体三十五円で、何万戸あつて收入トータルされるだけあるということになりまして、その算定の基礎が三十五円か、五十円かはつきり分ります。三十五円の方が至当であるということになりますれば合計直ぐ分ります。ところが中村君の言う通り、国会では三十五円では少し可哀想だ、五十円では高過ぎる、四十五円に国会で決定する方がいいんじやないとかいうような御意見でありまするが、それも中村君の考えを私は否定しようというわけじやありませんけれども、これを大きい目で見て、要するに国会が余り詳細な権能をこの中に入れぬ方がむしろ妥当ではないかという見地からして、そういう矛盾が出て来るのでありますが、併し政府予算と違いましてNHKのは三億程度のものでありますし、歳入といいましても今の聴取料が基本でありまして三十何億でありまして、割合にそれが今のような場合におけることを考慮に入れましても、国会では四十五円なら承認するというような工合に直ぐ出すくらいなことは、そう困難ではないと思うのであります。だけれども一審正確なのは、これは審議権全部を認めましてやることが一番よろしいと思います。国会の審議だけを考えますれば……そういうことになりますと、大体この予算の編成方針も法律で一応決めなくちやならないと思います。例えば款項目をどうするかというようなことは法定しなくちやいけないと思います。そういうふうに行きますと次から次へ財政法の適用というようないろいろなことになつて来ますので、政府の関与する範囲、国会の関与する範囲が国家機関と少しも違わなくなるというようなことから、今のような措置を採つたのでありますが、それはどつちへ行つても議論になるわけでございます。私共は単に中村君の考えを否定する趣旨でもありませんけれども、この程度でいわゆる監督も国会の監督権、政府の監督権をこの程度にとどめたらいいんじやないかという感を一つ理論化したまでであります、理論ではどつちでも参ります。そういうような場合には今話した通りどうも五十円では駄目だ、四十五円なら恐らく通るというような場合は四十五円を基本として案の出し直しをするというのが、今の建前であります。
#23
○中村正雄君 そうしますと、受信料については国会は変更の権限はない、イエスかノーかだけの審議権しかないと、こういうふうにお考えになつておるわけですか。
#24
○国務大臣(小澤佐重喜君) それは政府原案は御承知の通り法定化されましたが、これは当然国会の審議権の対象になるのですが、衆議院の修正案を基本といたしますというと、少なくとも今後の予算に対しましては附則でありますが、御承知の通り附則の適用を受けるうちは別でありますが、附則の適用を受けなくなつた場合はそれは修正権がなくなる。その場合に総括的にこれは不承認となりますから、不承認になつた場合には予算編成方針から見ても適当だという四十五円の再提出をするつもりで私の方は考えております。
#25
○中村正雄君 今審議しておりますのは衆議院から送られました修正案が中心なんです。今後の受信料の決定につきましてはいわゆる修正権はない。イエスかノーか收支予算と同じなんだ、こういうふうにお考えになつておるわけですか。
#26
○国務大臣(小澤佐重喜君) そうです。
#27
○中村正雄君 もう一つお尋ねしたいのは、そういうふうにNHKの事業計画、收支予算すべて国会の承認を経なくちやいけない。こうなつて来ますると、この法案の根本でありまするこの公共放送というものを政府機関にせずに不偏不党のものにしなくちやいけない、どこまでも中正を保たなくちやならないという趣旨からできておるこの協会の公共放送というものが、やはり国会のそういう予算、事業計画まですべて承認を経なければならないとなりますれば、実際問題といたしまして、そのときどきの多数政党に対して色眼を使わなくちやいけない。又いつも不偏不党であらねばならない協会が、やはりときの政府に対しましてどうしても隸属するような形を取らなくちやいけないという結果になると思うのです。国会の承認というのは御承知のようにやはり多数決の承認であります関係上、多数党に対しまして協会が近寄らなければ協会の事業計画もできないというようなことになります。国会の承認をあらゆる面について認めていることが、放送法案の骨子であるところの公益放送の中立性ということを阻害する。こう思うわけですが、この点につきましてどういうふうにお考えでありますか。
#28
○国務大臣(小澤佐重喜君) 先程もお話した通り、国会のいわゆる監督権、或いは政府の監督権というものを、この公共企業体にどの程度に発動することが適当か、これが根本の問題であります。私も原則といたしましては国会には承認を受けない方が適当であるという意見を持つておつたのです。これは政府の内部を暴露するものですが、併しいろいろと検討いたしました結果、客観情勢は、いわゆる少くとも公共企業体というものには税においても特典を与えております、それから独占事業であります。それでこういうような、経営に特別の利益を与えているものに対して、国権の代表機関が全然監督しないで放任するというようなことは、国民に対して或る程度無責任というような形も出て来るのではないか、というふうな意見が強くなりまして、この客観情勢が私共の考えとは違つた形になつておりますけれども、併しながらそれを以て私は言い逃れをするつもりはありません。結論においては、今まで言う通り程度問題でありまして、実は中村君の考えを考慮しながら、できるだけ干渉の範囲を少くしよう。そうして今のような弊害の出ることを少くしようというような意味から、むしろ款項目の審議権もなく。又修正権もないというような形を取つたのでありまして、気持だけはそこに現われているつもりであります。従つてそうした場合における運用を、十分今中村君の御指摘になつた国会或いはときの政府が、この公平であるべきNHKの運営に対してできるだけ政府の手、或いは国会の手が伸びないような姿で運用するように進まなければならんと現に考えております。
#29
○中村正雄君 それはそのくらいにしておきまして、放送法案の四十六條の関係で一点お尋ねしたいと思うのですが、協会放送と民間放送との放送事項の限界というものを、どういうふうにお考えになりますか、具体的に御説明願います。
#30
○国務大臣(小澤佐重喜君) 今のお話は、要するに広告放送とは何ぞやという問題になつて来ると思うのであります。これは先般尾崎委員からも熱心なる御質問がありまして、これは将来相当問題の起る個所でありまして、一応政府といたしましてはこの解釈を決定いたしております。これを政府委員から……
#31
○政府委員(網島毅君) 只今大臣からお話ありましたので、私からこの広告放送というものにつきましての立案当局の考え方を申上げます。この法案におきまして、広告放送と言つておりまするのは他人の営業に関しまして宣伝その他特別の利益となるような放送というのでありまして、その内容が客観的に見まして広告と思われるような場合におきましては、たとえ他人の営業について広告しようとする主観的な意図がなくても、これを広告放送と認めなければならない場合もあり得ると存じております。広告放送ということにつきまして嚴密な法律的な定義を設けることは極めて困難でございまして、要はこれらの主観、客観の要素を再体的に勘案して、社会通念の良識に従つてそれが広告放送であるか否かを判断するのが適当ではないかと存じて居るのであります。併し将来この問題につきましていろいろな紛争が起り得るということも考えられまするので、電波監督委員会がこれに関しまして、そのときどきの社会通念に従いまして一つの標準を作りまして、これを放送事業者に勧告する。そうして一応のめどをつけるというようなことも適当ではないかと存じておるのでございます。これらは電波監理委員会の仕事でございますが、電波監理委員会ができました場合には、この趣旨を十分伝えたらどうかと存じておる次第でございます。
#32
○中村正雄君 具体的にお尋ねしたいのですが、社会通念によつて決する場合の社会通念の基本となるべきものはいろいろ考え方はあるだろうと思います。聴取者が聴きたいということを主眼としたところの社会通念もありましようし、或いは宣伝ということを基礎とした社会通念もありましようし、いろいろあるわけで、抽象的なことによつて判断できないので、一応今政府委員の御説明のように電波監理委員会が細目を決定するというわけでありますが、一応具体的にお尋ねしたい点は、NHKがやつておる現在の放送を基礎にいたしまして、この放送で今後できないような放送があるかないかという点につきまして一応お尋ねしたい。言い換えれば現在やつておるNHKの放送で、これが民間放送ができた場合、広告放送に移るべきものがあるかないか。具体的事例につきまして政府の御答弁を願います。
#33
○政府委員(網島毅君) 現在日本放送協会がやつておりまする具体的な番組について、それをお話しするようにという御質問でございまするが、実は先般も申上げましたように、現在日本の政府は日本放送協会の番組につきまして監督権を持つておりません。従いまして今日まで番組そのものにつきましてこれを監督的な意味合において検討したことはないのであります。従いまして現在直ちにその番組のどの部分をどうするということを申上げることはできないのでありまして、この問題は一に今後の電波監理委員会が非常に広い知識経験を持つた方々から選ばれるわけでありまするから、それらの方々にその社会通念に従いまして正当な判断をして頂くのが一番適当ではないかと存じておる次第でございます。
#34
○中村正雄君 私のお聴きしたいのは、放送法案の提案者である政府がですね、いわゆる民間放送と公共放送に分けた場合に、どういう區別によつて分けるかということが現在の政府に分らなくて、今度できる監理委員会に委すような、法案の提出の仕方は無責任だ。で私は抽象的な言葉では分らないから、現在の放送協会の番組を政府が監督しておらないということは事実かも知れませんけれども、監督をしておる、しないに拘わらず、現在どういう番組で、どういう放送をされておるかということは、立案者である大臣も政府委員も毎日お聴きになつておると思う。一応政府がこの民間放送と公共放送と二つに分ける限界をつける場合、現在の放送のうち、これはこのまま公共放送に残るべきものである。このうちこういうものは今後は民間放送に委さるべきものであるという一定の限界に甚くところの具体的な考えがないとは思えないが、お考えがなくて法案を出すということは以ての外であると思う。これは提案者である大臣のはつきりした御答弁をお願いしたい。
#35
○国務大臣(小澤佐重喜君) 放送の番組は大体においてその時代、その時期においてこの法律で規定した形において変化がありのでありますから、直ちにこの法案が実施された場合に、今の放送を比較して当嵌まるかどうか疑問であります。私の通念では現在の放送がやつて行けないということが出て来るとは考えておりません。
#36
○中村正雄君 私の質問は以上で終ります。
#37
○委員長(松野喜内君) 外に御質問…
#38
○尾崎行輝君 丁度今広告放送のことが出まして、中村委員の大体の御質問があつて、私も全くその点同感であります。要するにこれはこの前のお答えがあつたように、広告放送ということの嚴密な法律的定義を設けることは極めて困難であると、この一点に帰するであろうと思う。要するにこれはその大切な、広告か、広告でないかということが十分にはつきりしないでおいて、而も一方NHKは広告をしないから聽取料を取る。片一方は広告をするから聽取料は全然取らせないということに分ける。而して広告か否かが不明確であるとすると、これはどうも土台を築かないで家を建てるようなことになつて、砂上の楼閣的なものであると私は判断せざるを得ないのであります。これが一つと、その次は実際にNHKの放送の聽えない所に受信機を置いても、尚NHKに聽取料を払う。実に矛盾した、不合理な現象が起る。これもどうもこの放送法案の一つの難点であろうと思います。併しこの二つはまだ妥協の余地があろうと思いますけれども、第三のこの受信機を、今の日本の受信機が非常に惡いということのために、アメリカあたりでは自由にこれを分離して聽えるのでありますが、分離できない、聽えないということが実際に起つて来ようと思う。又聴えるにしても、無理にこれを非常な困難な装置をして、そうして分離して聴くということになると、実際聴かなくなる。つまり聴えるか聴えないか、聴えないということが多くて、而も聴えても聴かない、そういう面倒なことは聴かないでおこう、結局NHKの第一にしておいて、スイツチさえ入れれば聴えるということにするのが多かろう。従つて広告料を払つて、広告放送を頼む人がなくなる。その結果として一般民間放送は立ち行かないということが実際であろうかと思う。政府委員のこの前のお話では、何かアンテナさえ立てれば分離できるというようなことでありましたが、やはりアンテナ説を固持しておられるのでありますか。私はどうもその点では賛成できないのであります。どうしてもこれはもつと高級なスーパー・ヘテロダイン級の受信機を普及する一点にあろうかと思います。その点についてこはれ政府委員のお考えを伺つておきたいと思います。
#39
○政府委員(網島毅君) 只今お説にございましたように、今後日本における民間放送を普及発達させるために、スーパー・ヘテロダインの受信機を奨励して普及させるということは、一番効果的であり、又適切な対策であるかと存ずるのでありますが、併しながら何分にもこのスーパー・ヘテロダインの受信機というものは、相当高価なものでございまして、これを今直ちに日本全国に普及させるということは、なかなか困難でございます。従いまして、私共といたしましてはできるだけ安い経費で、而も相当性能を向上させるという方式を考えて、これを普及させることが適切ではないかと存じておりまして、各新聞社、或いは政府関係の機関、その他とも連絡をとりまして、その方法を進めて居ります。尚現在のところこの民間放送、或いは受信機の製造業者に直接補助金を出しまして、或いは又聴取料金の若干を分けるというようなことは非常に困難ではございまするが、この受信機をよくするということは我が国の放送行政上非常に重要なことでございまするので、幸い日本放送協会におきまして相当立派な研究所を持つております。従いましてその研究所にこの民間放送に必要な技術でありますとか、或いは又受信機の改善に必要な研究を行わせまして、この結果を公開さして、この受信機の性能を向上させる、或いは又民間の研究機関に委託研究を行わせまして、そうしてこれらの受信機の性能の向上を図るというようなことによりまして、間接にこの放送の助成を図るというようなことが適切章はないかと考えておるのでございまして、将来是非こういう方面に強力な推進を行うべきであろうと考えておるような次第であります。
#40
○尾崎行輝君 今の政府当局の御意向諒といたします。どうか十分にその点を強く主張されて、そうしてますますいい受信機の広まること、それによつて民間放送が真に繁栄する、今の受信機のままでは民間放送事業者から見ますと、大変いい法案が与えられておるけれども、実際は画ける餅になつて皆ばたばたと倒れてしまう虞れがある。従つて日本の放送の一般の聴取者も非常な迷惑を受けるということになろうかと思いますから、どうかまその点をくれぐれも強調してやつて頂きたいということで私の質問を終ります。
#41
○委員長(松野喜内君) 外に御質問ありませんか。
#42
○新谷寅三郎君 只今の尾崎委員の質疑に関連いたしまして、私も少しお伺いいたしたいと思います。それは政府委員からの答弁によりますと、まあ一応受信機の問題に限定されておつたようでありますけれども、私は単にこの受信機の問題だけではなしに、送信機の問題もありましよう。又日本のラジオ改良によりまして、欧米各国にありますようなテレビジヨン、これもここ三年乃至五年の間には実間化しなきやならんということを我々責任を感じておるのであります。この点は政府も同感であろうと思うのであります。そうなりますと今NHKの研究機関、或いは電気通信省の研究機関、又各メーカーの研究所というように、いろいろ研究所が沢山の種類、或いは数がありまするけれども、従来のような研究のやり方ではなかなか効果的にラジオ技術の向上を期し得な四と四う憾みがあるのではないかと思うのであります。それで一案でありますが、私できればそういう研究所、あらゆる研究所を何かの形で以て結び付けて、いわゆるラジオの技術を向上されせるための総合的な研究団体というようなものを是非考える。でそれを活用することによりまして各工場なり、或いは研究所の特殊性を活かしながら、それぞれの分野において画期的に技術的の向上を図る。それを総合して只今のお話にありましたような受信機の面でありますとか、或いは将来のテレビジヨンの問題でありますとか、そういうことに備えるのでなければ、日本のラジオ研究というものは、技術的にいつまで経つても非常に低い水準に置かれなければならんという結果になるのじやないかと思うのであります。この点私は相当強い希望を持つておるのでありますが、それに関しまして大臣から御意見を伺いたいと思います。
#43
○国務大臣(小澤佐重喜君) 新谷委員のお話は極めて適切な言でありまして、殊にこの問題につきましては、ずつと前の本会議におきましても尾崎委員から詳細な御意見がありましたので、私にいたしましては早速具に的にどうすることが適当かというような点を判断いたしましたが、今日のように部分的に勝手に小さい規模でやつておるというようなことは、どうしても技術が急速に進歩するということは不可能だと思うのであります。従つて今新谷委員のお話のように現在のNHKの研究所を拡大強化することは勿論のこと、更にこの民間の研究所、或いは官庁の研究所等を総合いたしました大きな組織にいたしまして、日本だけの知識で足らん場合には外国の技術も導入して、そうしてこの事業の急速な発展をさせなければならんと考えておりまして、現に純の方向に向つて具体的な構想を練りつつございまするので、やがてこの法案が実施されますれば、そう遅くない機会にそうしてものが具体的な実現をすると考えております。
#44
○小林勝馬君 質疑を打切り、討論に入れられんことの動議を提出いたします。
#45
○委員長(松野喜内君) 只今小林君から質疑を打切り討論に入りたいという御動議がありましたが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○委員長(松野喜内君) 御異議ないと認めます。
 それでは皆様のお手許に差上げておりますように、小林、大島両委員から電波及び放送両法案中一部修正案が提出されておるのであります。これを御報告申上げて置きます。それでは討論に入ることにいたしまするが、この三法案は密接な関連を有するものでありますので、只今申上げました小林、大島両委員の修正案と共に三法案の討論につきましては一括していたしたいと思いまするが、如何でございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#47
○委員長(松野喜内君) 御異議ないものと認めます。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。それから念のために申上げまするが、電波法案及び放送法案は衆議院からの修正送付のものが原案となつておるのであります。それではどうぞ。
#48
○小林勝馬君 私は只今議題になつております電波監理委員会設置法案、放送法案、電波法案の三法案に対して討論を行いたいと思います。
 先ず電波監理委員会設置法希並びに放送法案に対しましてはいたし方なく、やむを得ず賛成いたします。(笑声)先ず電波監理委員会設置法案につきましては、私共といたしましては再三に亘り政府に対しましてあらゆる角度から修正その他の意見を申述べて参りましたけれども、容れられない、万やむを得ず、これに賛成する次第でございますが、今後この法案の取扱に当られては万全を期して頂きたい。尚又次の機会におきまして改正その他のことを是非行なつて頂きたい。それと申しますのは第六條その他この法案に盛られておる精神が私共といたしましては納得しかるね点が多々あるのでございます、総理大臣が委員長又は委員を任命する、而も公共の福祉に関し公正なる判断をすることがでは、広い経験と知識を有する者の中から両議院の同意を得て、選定するというふうになつておりますが、なかなか実行はむずかしい問題であろうと、かように考えられますし、尚又第八條におきまして業務の兼職を許されておらない。而もこの報酬におきましても非常に安い報酬を以てやられる。そういうことになりますれば、立派な方に委員になつて頂くことができ得ないのではないか。こういうことではこの電波監理委員会が本当のよい活動に支障を来たすのじやないか、こういう点も考えられまして、今後の処置に万全を期して頂きたいと、かように考える次第でございます。
 次に放送法案につきましては、私共しばしば本委員会におきまして政府にいろいろな点から修正乃至はいろいろ意見を申述べておきました。尚先程申上げましたように、非常に疑義のある法案でございますけれども、これ又方止むを得ず賛成する次第であります。併しその賛成する前に私共といたしましては、いろいろと修正を申出ておりましたが、大多数は容れられない状態でございます。
 先ず私の修正いたしたい点の第一点は、第九條第五項におきまして放送協会の行うことができる受信機修理業務の言囲を一層明確にたしいのであります。又その第二点は、第三十八條に協会の毎事業年度の業務報告書を国会に提出とあるのを報告とし、国会が余りに行政事務の範囲に深入りをせぬことにしたいのであります。第三点は、第四十六條第二項において協会の行う放送中広告放送と認められない範囲を明らかにしたいのであります。第四点は、第五十四條において「又は職員」の字句を削り、罰則を役員並びに職員とあるのを職員の方を緩和することであります。即ち收賄罪を協会の職員にまで及ぼさない、いわゆる法律による身分の保障もしないこと、及び職員の活動に惡影響を与える虞れがあるからなのであります。その他のまだ我々といたしましては相当の修正意見もあつたのでございますけれども、再三に亘りこの委員会におきましての質疑応答にあります通りでありまして、いろいろな点に不満足でございますけれども、以上のような理由で一応賛成する次第でございます。
 次に電波法案に対しましては私共これ又再三に亘つて行政当局と折衝して参りましたけれども、第四十四條並びに第四十五條の問題が何としても修正せられない。現在におきまして第百三條の料金の半減は容れられたにいたしましても、この従業員、従業員のことを考えますならば何としても、我々といたしましてはこの四十四條乃至は四十五條の免許の有効期間を設定するということに対しましては、絶対に賛成し得ないのであります。御承知の通り現在まで国家試験を受けた国民があらゆる点で身分の保障をされておる。然るに拘わらずこの無線従事者のみ五ヶ年の年限を設定されるということは忍び得ないのでございまして、現在まで、例えば無線技術、無線関係におきましては日進月歩の世の中であるために、あらゆる面から進歩発達が激しいから、五年置きぐらいに試験をするのが当然だという政府の御説明でございますけれども、現に私共十年以上この無線通信に携つておらないけれども、恐らくは通信の方におきましても、技術の操作におきましても、万々支障なくでき得るような私自身が体験を持つておることからいたしましても、この五ヶ年間の期限というものは苛酷であろうと、かように断ぜざるを得ないのであります。御承知の通り目まぐるしい程法律改正をいたし、恐らくは勉強もそれ程でき得ないであろうところの弁護士ですら、一生涯の免許を持続しておる今日でありますし、尚又現在医薬乃至は医術がこれ又目まぐるしい程進歩発達をいたして、旧来の装術においては及ばざるような点が多々あるにも拘わらず、人の命に直ちに関するようなかような方々が、一生涯の免許があるにも拘わらず、この無線従事者が何らさような生命的に危険もないにも拘わらず、こういう期限を設定されるということには、何としても賛成しかねるのでございます。尚又その外にも数点私共といたしましては疑義があるのでございます。例えば五十條におきましても第三級通信士が通信長としての資格がない点、それから四十條におきまして航路その他におきまして第二級通信士が無線の国際通信ができ得ないというような点、並びに第三級無線通信士が漁船に施設する空中線電力二百五十ワツト以下の無線電信及び百ワツト以下の無線電話の通信操作及び技術操作と相成つておつて、船舶に施設する百ワツト以下の無線電信の通信操作及び技術操作はでき得ないということに相成つております。然るに一方におきましては、その下級であるべき筈の電話級無線通信士が船舶に施設する空中線電力百ワツト以下の無線電話の通信操作及び技術操作ができ得ると、かような矛盾てもあるのでございまして、その他三十四條の義務無線電信におきましても私共といたしましては疑義があるのでございます。いろいろとこの電信法案に対しましては私共が如何ように考えましても賛成でき得ない点が多々ありますために、私といたしましてはこの法案に対しまして断乎として反対するものでございます。
#49
○大島定吉君 私は只今議題となつておりまする電波法案に対しましては修正の動議を提出し、放送法案及び電波監理委員会設置法案に対しては小林君の修正及び修正を除きました原案に賛成の意を表するものであります。
 電波法案につきましては第百三條の手数料の表を修正いたしまして、定期検査の手数料は検査を受ける者の負担を軽減するために、落成当初の検査手数料を半額と修正いたしたいのであります。要するに電波法案は我が国の無線に関する来たるべき国策を確立し、放送協会のみならず、一般民間に開放しようとするものであり、又放送法案におきましては、放送に対する一般的規範を定めようとするものでありまして、尚又電波監理委員会設置法案につきましては、無線及び放送を規律する新らしい機関を設けようとするものでありまして、尚幾多不満の点はありますが、現在の段階におきましては、一応三法案を実施し、来たるべき機会におきまして理想的なものにすることにいたしまして、三法案に賛成の意を表するものであります。
#50
○千葉信君 私は三法案に対して反対を表明いたします。元来この三法案の提出を見ましたゆえんは、現在の状態において旧来の無線電信法を以ては、電波行政の規整が不可能であるという状態と、もう一つは、全国に八百四十万人の聽取者を擁するこの無線放送を、一つの機関に独占せしめないで、民主的にこれを開放する、こういう立場から立案提出されておるのでございますが、その二つの点を考えて見ましても、電波行政に関する電波監理委員会の設置法或いは電波法におきましては、強力な官僚統制、或いは又国家統制を行なつて、そうして電波に関する利用を極端に制限して、そうして国家手な意思をこの電波行政の加に強力に加えて行く、支もその背後にあるところの国際的な権力を考えますると、この電御行政の規整ということが、必ず将来において大きく軍事的な支配に結びついて行く、日本の植民地化の問題に結びついて行くという点について、私はこれは反対せざるを得ない。又一方放送の開放にいたしましても、これ又名ばかりの開放を行おうとしておる、これらの点については私は本会議で詳ぞいたしたいと思うので、以上を総括的に申上げまして、個々の問題について具体的に反対を表明いたしたいと思うのでございます。
 先ず第一に電波監理委員会設置法案におきましては、当初この法案が考えられた時には、委員長は国務大臣にする。こういう考え方があつたのですが、これは国会提出以前に国務大臣にするという條項は削られましたけれども、併しながら委員長自体が総理大臣の直接の任命である。国会の承認を経るということになつておりまするが、この場合において委員の互選ではなく、直接内閣総理大臣が委員長を任命し、委員を任命するということになつておる。そうして又その任命が、公共の福祉に関して公共な判断をすることができる者という條件になつておるのでございますが、現在のように利害の相反する対立が明確になつて参りました段階におきまして、果して公共の福祉に対して公共な判断をすることができる者があるとかということが問題でございますし、立場立場において、どうしてもこの公共の福祉に対する判断というものが、自己の利害に結びついた判断をする以外は、生まれて来ない、こういう立場から考えますると、電波監理委員会における公共の福祉に対する判断というものは、その委員の構成の中に求めなければならない、その相反する立場の委員諸君を公平に網羅して、そうして初めて委員会の結論というものが正しい、公正な判断に結びついて行くのでなければ、これは到底期待することのできない性質のものである。若しくはもつと具体的に言いますならば、その選出するところの母体、或いは階級を明確に法の中に盛るという考え方でなければ、決して電波監理委員会における公共の福祉に関する結論というものは、公平な形においては生れて来る筈がない。従つてこの法案におけるところの電波監理委員会というものは、どうしても一方的な形において構成されざるを得ない。こういう立場から私はこの電波監理委員会設置法に対してはつきりと反対を表明せざるを得ない。
 次は電波法でございますが、特に電波法におきまして我々が承服することのできない具体的な部分は、通信従事者に対して非常に苛酷であるということ、第一が沈黙時間に関する第六十四條の規定、或いは第百十二條二号の罰則、或いは第四十四條における従業者の免許の有効期間に関する五年という制限のごとき、先程小林委員も触れたようでございますが、例えば従来の国家試験におきましては日進月歩する医学の場合においても……アスピリンを以て治療しておつた病気が、現在ではペニシリンというようなああいあ進歩発達をする。或いは又電気通信大臣は丁度弁護士でございますが、新らしい憲法が施行されて、そうして一つの国会において百数十件、或いは二百件以上という法律がどしどし施行されて行くら拘わらず、この弁護士に対しても医師に対しても有効期間の制限というものは全然考えられておらない。日進月歩するという同様の意味で、無線通信が非常に発達が早いというだけの理由で五年という制限を加えるがごときは、我々として了解に苦しまざるを得ない。第二は技術法としての本法の中に、第七十四條に暴動或いは非常事態の発生又は発生の虞れ云々とあつて、その認定する責任の所在が明確でない。こういう点で広汎な権限を電波監理委員会に与えられ過ぎている。我々としてはこの点につきましても不満を表明せざるを得ない。尚第三の点におきましては百七條、百八條にも同様の問題がありまして、この点についても私は本法案に対して反対せざるを得ないのでございます。
 次は放送法でございますが、放送事業の独占を排除する、そうしてこれを自由競争によつて進歩発達を期待するという当初のこの法案の立案の目的というものが、果して十分にこの法案の中に盛られているかどうかということについては私は大きな疑念を持つている。新らしくできる日本放送協会の場合には、八百四十万の聽取者に対してその聽取料は悉く協会の收入になる。或いは又四十八條においてま所得税、法人税の免除、四十二條におきましては起算三十億というものを保障し、四十九條においては土地收用法の適用を認めている。而も一般の放送事業者の場合においては、割当の波長がすでに極端に貧弱であつて、到底一地方事業会社の域を出ることができない、或いは又その経営はどうしてもこの法案では広告料を主として行かなければならない、こういう立場から考えますると、開放したということは単なる名のみであつて、こういう状態においては到底私は一般放送事業者の事業の発展ということを期待することができない。恐らく許可せられるところの幾つかの一般放送事業者の会社は、ここ一、二年の間はどうしてもこれは経営至難な状態に放置されるのではないか。こういう点から私は反対するものでございますが、併しながら特殊法人として新らしく出発する日本放送協会が全く新らいく国民のものとしての立場に立つて出発すべはものであるに拘わらず、これに対して国家的統制の強いということを云々する者があるようでございますが、この法案の第三十七條或いは第三十八條並びに第三十九條、第四十條、第四十一條は、これは新らしくできる放送協会に対する強力な干渉であるとか、或いは不当な拘束であるというような意見を持つ者があるようでございますが、むしろ私はこういう予算或いは資金計画等における国会の承認云々の問題は全く当然な措置である。問題はむしろ電波監理委員会が放送協会に対して加えるところの行政機関としての立場からの強い圧力ということについて、私は十分に慎重な考慮を払わなければ非常に危険である。というのは御承知のように新らしく日本放送協会の中には経営委員会というものができるのでございますが、この経営委員会の委員は全国における八つの地方から地域別の立場において選任せられる。そういたしますると、たとえ第十六條の一項におきましていろいろな階層を代表して選任せられるということがありましても、第二項において地域的に制限せられるということ、この地域的に制限せられるということは、選任にも非常に困難が伴うと同時に、経営委員会を開催するということについて常に困難な問題が附随せざるを得ない。そうして又先程小林委員は、電波監理委員の待遇が非常に劣惡だということを言われたようでございますが、電波監理委員会の委員の待遇は決して劣惡ではない。これははつきりと同法の附則第七項によつて特別の職員の給与を与えられるということになつておる、これは決して待遇が不当ではない。ところが経営委員の場合においては実費だけを支給される、実費を支給されて地方から選出された委員が活溌な活動ができないということは当然でございます。そういたしますると所詮は電波監理委員会の行政機関としての強力な監督並びに放送協会に設けられる執行機関としての理事会の一方的な運営ということが、将来の日本放送協会に対する大きな癌となつて残るということは私はこの法案の審議に際して痛感せざるを得ないのでございます。
 簡単でございますが、私は以上の点から三法案に対して反対いたします。(「ちつとも簡単じやいな」と呼ぶ者あり、笑声)
#51
○尾崎行輝君 私は賛成をいたします。三法案を通じて決して満足なものとは思つておりません。全体を通じて感ぜられるところは、見せかけの民主主義であつて、実はその反対の意味を非常に多く含んでおるということに非常に遺憾の点を持つものであります。殊に電波法案に関する小林委員のお説のごときは誠に私は同感なのであります。併し飜つて考えまするのに、すでに二年有半もこの案を練つて来て、十分審議を尽して、この際において一線を画すということが政府的に見て非常に大切なことであろう、大分この法案の通ることを要望しておる声が聞える。それらを勘案いたしまして、私はここに不満足ながら賛成いたすものであります。殊に今日私は全く賛否を自分で考えないでここに参りまして、冷靜に政府当局のお話を伺つておりますると、誠意を以て殊に私の要望いたしまする技術的な向上発展に尽そうといわれるこの点はどうか十分に本当にやつて頂きたい。その点を特に要望いたしまして、私の賛成の意見といたします。
#52
○中村正雄君 議題になりました三法案につきまして、日本社会党といたしまして反対の意見を表明します。詳細につきましては本会議で討論を行う予定にいたしとおりますので要点だけを申上げますと、電波監理委員会説置法案につきましては、官僚機構の屋上屋を架するに過ぎないものであるという意味で反対いたします。電波法案につきましては、千葉君からも御指摘がありましたが、通信従事者に非常な圧迫になつておる。又三十四條にもありますように、現在の船舶の五四%を占める船舶に対しましての安全性の確保は欠缺されておる。こういう意味合から本案に反対いたします。最後に放送法案につきましては、我々といたしましてはこの放送法案第一條に述べておりまする、放送を公共の福祉に適合し、そうして民主化するというためには、現在の放送協会を改組いたしまして、これを改組拡充することによつて目的を達せられるわけでありまして、競争し得る放送業者を拵えることによつて、必ずしも所期の目的が達成されるものじやないという態度を根本にいたしております。併しながらこの民間放送と公共放送と二つにいたすといたしましても、先程の質疑のときに第一提案者である政府自身が曖昧であると同じように、公共放送をやる放送協会自体の国家機関、或いは国のあらゆる面におきまする組織の中でどういうものであるかという点が非常に曖昧になつております。政府機関でないものに対しまして会計検査をやつてみたり、或いは経営につきまして国会の議決を求めるものでありましても、国会にはその修正権がないというような点、非常に曖昧模糊といたしております。又新らしい企画でありまする広告放送と公共放送の限界につきましても、提案者である政府が何らはつきりしたことを考えておらない。挙げて電波監理委員会に一任する。ただ現在の公共方面の放送番組の中から広告放送に使うものは、現在ではないだろうというような曖昧な点等熊からいたしまして、放送法案に対しましても反対いたします。以上で反対の意見を終ります。
#53
○委員長(松野喜内君) 他に御発言はありませんか。それではそれでこの三法案の討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#54
○委員長(松野喜内君) 御異議ないものと認めます。それではこれから採決に入ります。採決は三法案別にいたします。
 先ず第一に電波監理委員会設置法案を議題といたします。原案通り可決することに賛成のお方の起立をお願いします。
   〔起立者多数〕
#55
○委員長(松野喜内君) 多数と認めます。よつて本案は可決決定いたしました。
  ―――――――――――――
#56
○委員長(松野喜内君) 次に放送法案を議題といたします。先ず小林委員の修正案について採決をいたします。御賛成の方の起立を願います。
   〔起立者多数〕
#57
○委員長(松野喜内君) 多数と認めます。よつて修正案は可決いたしました。
 次に修正部分を除いた原案について採決をいたします。尚念のため申上げますが、本案は衆議院の修正送付のものが原案となつておりますことを申添えます。原案通り可決することに賛成の方の起立を求めます。
   〔起立者多数〕
#58
○委員長(松野喜内君) 多数と認めます。よつて本案は修正議決と決定いたしました。
  ―――――――――――――
#59
○委員長(松野喜内君) 第三に電波法案を議題といたします。先ず大島委員の修正案について採決をいたします。賛成の方の起立を求めます。
   〔起立者多数〕
#60
○委員長(松野喜内君) 多数と認めます。よつて本修正案は可決決定いたしました。
 残余の原案について御賛成の方の起立を求めます。
   〔起立者多数〕
#61
○委員長(松野喜内君) 多数と認めます。よつて本案は修正議決て決定いたしました。
 以上三法案の本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條によりまして予め多数意見者の承認を経なければならないことになつておりますが、これは委員長において本法案の内容、委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することにして御承認願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#62
○委員長(松野喜内君) 御異議ないと認めます。
 それから本院規則第七十二條によりまして委員長が議院に提出する報告書には多数意見者の署名を附することになつておりますから、本案を可とする方は順次御署名を願います。
  多数意見者署名
   〔電波法案〕
    小野  哲  大島 定吉
    尾崎 行輝  新谷寅三郎
   〔放送法案外一件〕
    小林 勝馬  尾崎 行輝
    新谷寅三郎
#63
○委員長(松野喜内君) 御署名漏れはございませんか……ないと認めます。それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後三時八分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     松野 喜内君
   理事
           小林 勝馬君
   委員
           中村 正雄君
           大島 定吉君
           尾崎 行輝君
           新谷寅三郎君
           小野  哲君
           千葉  信君
  国務大臣
   郵 政 大 臣
   電気通信大臣  小澤佐重喜君
  政府委員
   電気通信政務次
   官       圖司 安正君
ソース: 国立国会図書館
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