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1981/08/05 第96回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第096回国会 本会議 第31号
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1981/08/05 第96回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第096回国会 本会議 第31号

#1
第096回国会 本会議 第31号
昭和五十七年八月五日(木晦日)
    ―――――――――――――
議事日程 第三十五号
  昭和五十七年八月五日
    午後一時開議
 第一 刑事補償法の一部を改正する法律案(内
    閣提出、参議院送付)
 第二 貸金業の規制等に関する法律案(大原一
    三君外五名提出)
 第三 出資の受入れ、預り金及び金利等の取締
    りに関する法律の一部を改正する法律案
    (大原二君外三名提出)
 第四 繭糸価格安定法の一部を改正する法律案
    (農林水産委員長提出)
 第五 国立又は公立の大学における外国人教員
    の任用等に関する特別措置法案(石橋一
    弥君外四名提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 議員請暇の件
 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、参議院回付)
 国民年金法等の一部を改正する法律案(内閣提
   出、参議院回付)
 右翼暴力問題に関する緊急質問(佐藤敬治君提
   出)
 日程第一 刑事補償法の一部を改正する法律案
   (内閣提出、参議院送付)
 日程第二 貸金業の規制等に関する法律案(大
  原一三君外五名提出)
 日程第三 出資の受入れ、預り金及び金利等の
  取締りに関する法律の一部を改正する法律案
  (大原一三君外五名提出)
 日程第四 繭糸価格安定法の一部を改正する法
  律案(農林水産委員長提出)
 日程第五 国立又は公立の大学における外国人
  教員の任用等に関する特別措置法案(石橋一
  弥君外四名提出)
 事務総長辞任の件
 事務総長の選挙
    午後一時八分開議
#2
○議長(福田一君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 議員請暇の件
#3
○議長(福田一君) 議員請暇の件につきお諮りいたします。
 渡部恒三君から、海外旅行のため、八月十一日から十九日まで九日間、請暇の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。よって、許可するに決しました。
     ――――◇―――――
#5
○議長(福田一君) お諮りいたします。
 参議院から、内閣提出、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案及び国民年金法等の一部を改正する法律案が回付されております。この際、議事日程に追加して、右両回付案を一括して議題とするに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
    ―――――――――――――
 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正
  する法律案(内閣提出、参議院回付)
 国民年金法等の一部を改正する法律案(内閣
  提出、参議院回付)
#7
○議長(福田一君) 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案の参議院回付案、国民年金法等の一部を改正する法律案の参議院回付案、右両案を一括して議題といたします。
    ―――――――――――――
 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正す
  る法律案の参議院回付案
 国民年金法等の一部を改正する法律案の参議院
  回付案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#8
○議長(福田一君) 両案を一括して採決いたします。両案の参議院の修正に同意の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#9
○議長(福田一君) 起立多数。よって、両案とも参議院の修正に同意するに決しました。
     ――――◇―――――
#10
○小里貞利君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、佐藤敬治君提出、右翼暴力問題に関する緊急質問を許可されんことを望みます。
#11
○議長(福田一君) 小里貞利君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
    ―――――――――――――
 右翼暴力問題に関する緊急質問(佐藤敬治君
  提出)
#13
○議長(福田一君) 佐藤敬治君提出、右翼暴力問題に関する緊急質問を許可いたします。佐藤敬治君。
    〔佐藤敬治君登壇〕
#14
○佐藤敬治君 わが党は、最近とみにその行動に激しさを加えてきている右翼暴力の真相究明のために、つとに緊急本会議を開催することを要求いたしてまいりましたが、ここに私は、日本社会党を代表して、総理大臣、世耕国家公安委員長並びに坂田法務大臣に対して、問題の真相をただし、その所信と対策を求めるものであります。
 近来わが国の政治は、とみに右傾化、反動化の勢力を強めております。その最も典型的な例が、いま大きな問題になっております教科書問題であります。日本の正体見たり教科書検定と、教科書問題は、いまや外交問題に発展してまいりました。この教科書検定の方向は、靖国神社の公式参拝、憲法改悪、軍備拡張の流れと全く一致して、教科書問題は、いまや学校教育の問題だけではなくて、右傾化と言われる最近の傾向と密接に連動しているのであります。
 中国に続いて韓国も公式に抗議し、教科書の記述の変更を求めてきております。このたびの歴史教科書の改訂は、歴史の歪曲であり、対外的にはまさに戦争責任の放棄宣言であります。
 たまたまこれと時を同じくして、政府は五六中業の前倒し等、軍備の大増強を図っております。これが達成されると世界第六位あるいは第五位の軍事大国になるかもしれないと言われております。
 片や戦争の責任を放棄し、他方では軍備の大拡張を実行するならば、過ぐる大戦で日本の侵略を受けて大きな被害をこうむったアジア諸国は、またもや日本は軍事侵略を実行するのではないかと、強い警戒と不信感を抱くのは当然の帰結であります。軍事力だけで国を守ることはできません。平和を守るための一番大切なことは、近隣諸国との友好であります。
 鈴木総理、鈴木総理にお伺いするけれども、教科書問題は、こそくな政府声明などで打開できる問題ではございません。また、一文部省の問題を超えております。現実に教科書を書きかえておいて、幾ら外交姿勢は不変だと言っても通ずるはずはありません。真に鈴木総理、あなたがアジアの平和そしてわが国の平和を求めるならば、直ちに率直に教科書の記述を修正すべきであると思いますけれども、総理にその意思があるかどうか、お伺いをいたします。
 さて、右翼暴力による去る六月十八日の日教組本部襲撃事件、日教組全国大会に対する常軌を逸した妨害など、跳梁ばっこする右翼勢力の一連の行動は、こうした政治反動の動きと軌を一にし、右翼が政治の右傾化の先駆的役割りを果たしているのではないかとさえ思われます。
 憲法第二十一条には「集會、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。」とあります。過般の日教組第五十七回定期大会が右翼の妨害によって、一時は開催すら危ぶまれましたが、異例の会場分散でようやく切り抜けることができました。言論、集会の自由は、憲法で保障された最も基本的な自由のはずであります。にもかかわらず、右翼の妨害で一方的に日教組大会の開催困難な事態が毎年毎年続いているということは、民主主義の根幹にかかわる憲法の前提条件が破壊されているということであります。
 日教組の活動には批判もあるだろう。しかし、いかに反対があっても、合法的に開催する団体の集会を暴力でもって妨害し、これを圧殺してはならないことは民主主義の鉄則であります。言論の自由、集会の自由はあっても、暴力の自由、威嚇の自由はどこにもない。(拍手)この右翼暴力勢力の行動は明らかに憲法に違反します。何ゆえに政府は、憲法に違反するほどのかかる重大な事犯を積極的に取り締まり、言論、集会の自由を守ろうとしないのか、世耕国家公安委員長の責任はまさに重大であります。
 こうした事態は、今回が初めてではありません。日教組大会に対する右翼の妨害行動は、四十六年の佐賀大会では、会場に侵入して消火弾を投げつけたり、LPガスボンベを天井からつるすなど激しい妨害行動をいたしました。四十八年には、大会会場が伊東、水上、前橋と二転、三転を余儀なくされております。
 このように右翼の日教組大会に対する妨害は、すでに十年もの間、常習化しているのであります。にもかかわらず、毎年同じことを繰り返し、少しも事態が改善されておりません。これでは右翼に対する政府、特に警察の態度は不可解であるという批判が起こるのも当然であります。(拍手)
 今度の会場となりました人口わずか四万六千の島原市に、右翼団体百十九、無慮八百九十人、宣伝カー百七十台が乗り込みました。普通の十倍も出力のあるアンプを据え、大型のスピーカーをつけた装甲車まがいの宣伝カーを何台も連ねて、槙枝を殺せと大合唱、黒ずくめの戦闘服に日の丸、怒声と軍歌と騒音、ある新聞は、その様子をこのように伝えております。市民が大きな恐怖を抱くのは当然であります。
 平和と民主主義憲法のもとで天皇制復活を叫び、核武装を要求し、戦争を賛美して、白昼堂々町の秩序を乱し、交通妨害、市民への脅迫、言論や集会を力によって圧殺しようとする行動をこれ以上放置しておいていいのか。これは単に日教組委員長というだけではなくて、憲法を守り、民主主義を守ろうとする国民の切実な叫びでもあります。
 総理と世耕国務大臣にお尋ねする。
 来年も日教組大会があるが、右翼の妨害に対していかに対処するのか、責任ある対策をお伺いしたい。(拍手)
 去る六月二十八日、参議院において、わが党の矢田部、寺田両議員の質問に答えて、総理並びに世耕国家公安委員長は、決して右翼を甘やかしてはいない、十分な取り締まりをすると答えております。
 このことに関して坂田法務大臣に御質問いたしたい。
 七月二十九日付の某新聞に、右翼の動向、その対策などが団体別に書かれている警視庁発行の秘密文書が公安調査庁職員の手によって当の調査対象の右翼団体に渡り、情報が筒抜けになっていたと報道されております。事実とするならば、まさに右翼に手をかすもので、国民の不信をあおるきわめて遺憾な出来事であります。また、このような方法を情報収集の常套手段としているのではないか。その真相を明確にしてください。
 さて、これまで日教組大会で警察が暴力右翼を検挙した事例は、公務執行妨害、道路交通法違反、軽犯罪法違反等、ほとんどが街頭活動の比較的軽微な個人の違反行為として取り扱っております。検挙者も常に四十人前後、今回は二十七人であります。警察当局は、現行法の限界、表現の自由との兼ね合いなどむずかしさを強調しております。確かに一線警察官の御苦労は、まことに多としなければならないと思います。しかし、現に小学校児童二千人が父母付き添いで集団登下校し、十以上の病院から苦情が出、商店街はシャッターを半分おろすなど、多くの被害を出しております。もし加害者が個人であれば、確実にこれは犯罪を構成すると思われるのに、集団であるがために、右翼一人一人は何の罪にもならない。文字どおり、みんなでやればこわくないのである。この点は取り締まり当局としても矛盾を感じているところであります。一つ一つの行為あるいは騒音は小さくても、千人という集団、百台を超す宣伝カーが繰り返し出す騒音と威圧感の総量は、優に市民を恐怖のふちにたたき込むに十分である。このような集団の威嚇行動に対して、今後どのように取り締まっていくのか、世耕国家公安委員長の具体的な対策を明らかにしていただきたい。(拍手)
 今度の島原事件のこれまでと異なった特徴は、脅迫、妨害の行為が約三カ月も前から始まり、長期にわたつたことであります。分散大会の会場を引き受けたホテルの一つ南風楼社長の中村さんは、想像もしなかった右翼の圧力として某新聞に次のように語っております。
 ホテルの玄関に、あの黒塗りの車を横づけして、戦闘服を着たのがぞろぞろロピーに入り込む。コーヒー一杯とって動かない。車が邪魔だからよけてくれと言うと、ちょっと前へ一メーター。もう一度頼むと、今度は後ろへ一メートル。車からスピーカーで、南風楼社長を殺せ、爆破するとの脅迫電話。おびえた従業員はやめさせてくれと言い出す。ここまで他の人たちをおびえさせては大会を受け入れることはできない。警察に何遍も相談しました。しかし、この程度では犯罪にならないと言われました。せめてすぐ駆けつけてもらえるように組合の金で島原署に臨時電話をつけたいと申し入れたら、個人の電話を署内につけるわけにはいかぬ、それならばそちらで電話をと頼むと、それもできないと言われた。右翼というものがよくわかりました。
 これは実際に右翼の暴力を体験した地元の人の声であります。このような事実が何ら警察の取り締まりの対象にならないとするならば、住民は一体どこに頼ればいいのか。頼るところがないから、結局右翼の思惑どおりに会場を辞退しているのであります。住民は、警察は右翼に甘く、頼りにならないと感じたに違いない。国家公安委員長、このことを聞いて、あなたはどういう感想を持ちますか。島原市議会に乱入したり、宣伝カーを県庁に乗りつけたり、妨害行為は枚挙にいとまがない。
 そして、六月十八日、ついに日教組本部で書記一人がピストルで撃たれて重傷を負うというテロ事件が発生いたしました。
 このように、今回の事件は、数カ月にわたる計画的な日教組つぶしの妨害行動であります。このように、継続的に仕組まれた暴力事件に対して、その間何の有効な取り締まりの手段をも講ずることができないのでは、警察のかなえの軽重を問われることにもなりましょう。世耕大臣は、このことを一体どう考えておるか、お伺いいたします。
 今度の事件で目立つのは、長崎県と島原市の逃げの姿勢であります。当初、島原市長は、市文化会館の使用を快諾いたしました。その直後、三月二十五日、市議会は開催反対決議を可決した。市長も、これに縛られて文化会館の使用を拒否いたしました。右翼団体が入り込み、市民生活が混乱するというのがその理由であります。
 また、長崎県も、同県の建設専門学院に貸してある県の建物を目的外の日教組には貸せないとの理由で、改築及び使用拒否の仮処分を申請いたしております。しかし、建設学院の改築については、実は県が内諾を与えていたとのうわさも根強いと聞きます。長崎県は、一方では県所有の建物の使用を拒否しながら、他方では会場探しに協力するという不思議な行動に出ております。一度決定した承諾を覆させるものは一体何なのか、その裏にうごめく不気味な力をさえ感ずるのであります。
 市民生活に重大な影響を受けながら、長崎県や島原市という公の行政機関が、右翼に対して何一つ抗議もせず、市民が迷惑するから会場は貸されないというのでは、まるで右翼暴力に手をかしているようなものであります。加害者と被害者がまさに逆転しております。警察が右翼の暴力から市民を有効適切に守ることができれば、このような逆さまの論理は生じてこないのであります。国家公安委員長、あなたの所信をお聞きいたしたい。
 民主主義の学校と言われる地方自治体の議会が暴力に屈したかのごとき議決をするならば、まさに民主政治の破壊につながります。反対の議決も民主主義のうちと言うかもしれないけれども、何でも決めればよいというものではありません。それはあくまでも憲法の定める範囲においてであります。そして、その憲法は、第二十一条で集会、言論の自由を保障しているのであります。
 坂田法務大臣にお尋ねするけれども、島原市議会の日教組大会開催反対決議は、憲法第二十一条に違反するものではありませんか。(発言する者あり)
#15
○議長(福田一君) 佐藤君、佐藤君、申し合わせの時間を過ぎておりますから、簡単に願います。
#16
○佐藤敬治君(続) 最後に重ねて言わしむるならば、合法的に行われる集団の集会が右翼勢力の妨害によって開催不能に陥る、しかもそれが市民を暴力でおどかし、あたかも市民の自発的意思による受け入れ拒否であるかのごとく擬装する、こんなことが大した取り締まりの対象にもならず堂々とまかり通っている今日のわが国の現状は、非国民の名のもとに一切の言論の自由を封殺し、ひたすら破滅の戦争への道を突っ走った第二次大戦前夜の悪夢を思い出させるのであります。(拍手)戦後が終わらないうちに新たなる戦前が始まったと言われている。ファシズムの足音を再び聞く思い。まさに日本の民主主義の危機を痛感いたします。
 右翼の暴力から市民を守り、言論と集会の自由を保障する平和憲法を擁護し、もってわが国の民主主義を発展させるために、鈴木総理大臣の断固たる所信のほどを……(発言する者あり)
#17
○議長(福田一君) 佐藤君、申し合わせの時間が過ぎておりますから、簡単に願います。
#18
○佐藤敬治君(続) また、同じく世耕国家公安委員長の決意を重ねて求めて、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣鈴木善幸君登壇〕
#19
○内閣総理大臣(鈴木善幸君) 佐藤敬治議員にお答えいたします。
 右翼の取り締まりが手ぬるいのではないかとの御意見がありましたが、およそ法秩序を紊乱する違法行為については、従来から警察当局において厳正に取り締まりを実施していると承知いたしております。
 御指摘のとおり、集会、言論の自由は、民主主義の根幹をなすものとして最大限に尊重されなければならないことは、改めて申し上げるまでもないところでございます。したがって、いかなる立場からするものであるとしても、法秩序を乱し、暴力を用いて事を遂げようとする行為は断じて許さるべきことではありません。
 政府は、民主主義を守るため、このような暴力に対しては毅然たる態度で臨み、暴力の排除により一層の努力をしてまいる所存であり、来年の日教組大会の警備につきましても万全を期してまいりたいと存じます。
 残余の問題につきましては、所管大臣から答弁きせます。(拍手)
    〔国務大臣世耕政隆君登壇〕
#20
○国務大臣(世耕政隆君) お答えいたします。
 来年の日教組大会に予想される右翼の妨害に対してどう対処するか、こういう御質問でございます。
 従来から、右翼の取り締まりについては、現行法令を十分に活用いたしまして、違法行為は絶対見逃さないという方針で厳重に取り締まりを行ってきております。
 来年の日教組大会に対する右翼の取り締まりに当たりましても、当然この基本方針のもとに、事前の段階から厳正的確な取り締まりを実施してまいる所存でございます。
 次に、集団の威嚇行為に対して今後どういうふうに取り扱っていくか、具体策を明示せよ、こういう御質問でございましたが、右翼の集団による威嚇行動に対する今後の方法としては、個人の行為であろうが集団の行為であろうが、いやしくもその行動が犯罪を構成し、あるいはそのおそれがある場合においては、警告、制止、現行犯逮捕など所要の措置を厳正に講じてまいりたいと思います。今後とも集団による違法行為の発生が予想される場合には、情報の収集、部隊の配置、違法行為に対する警告、規制、検挙などを積極的に講じてまいる所存でございます。
 次に、警察はかなえの軽重が問われているがどうか。
 今回の日教組大会に際しましては、警察はいろいろ有効な取り締まり手段を講じなかったのではないかと言われているのでありますが、警察は、ふだんから右翼に対して情報の収集、視察取り締まりを徹底して行っているところでございます。
 今回、島原で日教組大会が開催されることが報道されたのに伴って、長崎県警初め各都道府県警では、右翼の動向に対して視察取り締まりを強化する一方、違法行為に対しては、現場で警告し、検挙措置を講じて、厳重な取り締まりを行ってまいりました。
 ちなみに、本大会開催前及び大会期間を通じまして、右翼の違法行為については二十二件、二十七名を検挙しているところでございます。
 最後に、ファシズムの足音を再び聞く思いがするがという御指摘でございました。
 こうした右翼の暴力に対する取り締まりについて今後の決意と対策でございますが、警察は、厳正な立場のもとに、違法行為は断じて見逃さないという方針を堅持して、警察の総合力を発揮いたしまして、事柄の未然防止に努めるとともに、積極的な検挙措置を講ずることなどによりまして、治安維持の万全を期してまいる所存でございます。どうぞ御理解を賜りたいと思います。(拍手)
    〔国務大臣坂田道太君登壇〕
#21
○国務大臣(坂田道太君) 佐藤敬治さんの質問にお答えいたします。
 二つあったと思うのです。第一は、右翼団体に関する警察庁作成の秘密文書が公安庁職員によって右翼団体に渡されているとの報道があったが、この真相を明らかにされたい。また、これに対する対応策について問う。二つ目は、島原市議会が日教組大会開催反対の決議をしておるが、これは集会、言論の自由を保障している憲法二十一条に違反するのではないか、法務大臣の所見を問う。二つのことでございます。
 第一、関東公安調査局の公安調査官が、新右翼に属する統一戦線義勇軍の調査に従事中、昨年十二月から本年一月にかけ三回にわたり、独自の判断で右義勇軍の幹部の求めに応じ、警察の作成した資料のコピー数点を交付した事実があったとの報告を受けております。交付いたしました資料は、統一戦線義勇軍の集会、デモの実施状況等を取りまとめて記載したものであったと聞いております。
 公安調査庁としましては、右翼の不法事犯調査のため、常に厳正に対処しているところでございますが、調査に当たり、他官庁の作成した資料を交付した点は軽率の感を免れず、まことに遺憾であり、今後このようなことが起きないよう指導監督を強めていきたいと考えております。
 次に、島原市議会が日教組大会開催反対の決議を行ったことにつきましては、私から、その当否に関し、意見を申し述べる立場にはございませんが、およそ集会、結社、言論等表現の自由は憲法の保障するところでございまして、仮にも、これらが暴力その他不法な力によって侵害されるようなことがあってはならないと考えております。(拍手)
     ――――◇―――――
 日程第一 刑事補償法の一部を改正する法律
  案(内閣提出、参議院送付)
#22
○議長(福田一君) 日程第一、刑事補償法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。法務委員長羽田野忠文君。
    ―――――――――――――
 刑事補償法の一部を改正する法律案及び同報告
  書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔羽田野忠文君登壇〕
#23
○羽田野忠文君 ただいま議題となりました法律案について、法務委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案は、最近における経済事情にかんがみ、刑事補償法の規定による補償金の額の算定基準となる日額を引き上げようとするもので、その内容は、無罪の裁判またはこれに準ずる裁判を受けた者が、未決の抑留、拘禁または自由刑の執行等による身体の拘束を受けた場合の補償金の日額の上限を七千二百円とするものであります。
 本案は、四月九日参議院より送付されたものであります。
 委員会においては、七月二十七日提案理由の説明を聴取した後、慎重審査を行い、八月三日質疑を終了、直ちに採決を行ったところ、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#24
○議長(福田一君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#25
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第二 貸金業の規制等に関する法律案
  (大原一三君外五名提出)
 日程第三 出資の受入れ、預り金及び金利等
  の取締リに関する法律の一部を改正する法
  律案(大原二二君外三名提出)
#26
○議長(福田一君) 日程第二、貸金業の規制等に関する法律案、日程第三、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。大蔵委員長森喜朗君。
    ―――――――――――――
 貸金業の規制等に関する法律案及び同報告書
 出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関
  する法律の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔森喜朗君登壇〕
#27
○森喜朗君 ただいま議題となりました貸金業の規制等に関する法律案及び出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律の一部を改正する法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 御承知のとおり、近年、貸金業の業務の運営が、社会に重大な影響を及ぼしている現状にかんがみ、両法律案は、貸金業者に登録制度を実施し、その業務に必要な規制、監督等を加えて資金需要者等の利益の保護を図るとともに、処罰される金利の限度を引き下げて高金利による弊害を取り除くことを主要な目的とするものでありまして、自由民主党及び新自由クラブ・民主連合の両会派の共同提案に係るものであります。
 初めに、貸金業の規制等に関する法律案の主な内容を申し上げますと、
 まず第一は登録制度の実施であります。
 現行法上は、届け出だけで貸金業を営業することができることとなっておりますが、本法においては、貸金業を営もうとする者は、営業所等の設置区域に応じて大蔵大臣または都道府県知事の登録を受けなければならないものといたしております。
 なお、登録は、三年ごとに更新を受けなければ効力を失うものとし、その他、不適格業者等に対する登録拒否を定めるとともに、無登録営業、名義貸し等を禁止することといたしております。
 第二は、業務規制についてであります。
 貸金業者は、借ヶ主等の資力、信用等を調査し、返済能力を超える過剰貸し付けをしてはならないものといたしております。その他、貸付条件の掲示、契約書及び受取証書の交付、債権証書の返還、標識の掲示等を義務づけるとともに、誇大広告、白紙委任状の取得を禁止することといたしております。
 また、取り立て行為の規制については、人を威迫し、またはその私生活等の平穏を害するような・言動によヶ、その者を困惑させてはならないものといたしております。
 さらに、債権譲渡等についても規制を加えることといたしております。
 第三に、貸金業者の団体として、貸金業協会及び全国貸金業協会連合会を設立し、貸金業の適正な運営及び不正金融の防止に資するための業務を自主的に行うことができることといたしております。
 第四は、貸金業に対する監督についてであります。
 まず、大蔵大臣または都道府県知事は、登録業者がこの法律等に違反したとき、または貸し付けの契約もしくは債権の取り立てに当たり、物価統制令第十二条の規定に違反したり、刑法等に規定する罪を犯したとき等は、一年以内の期間を定めてその業務の全部または一部の停止を命ずることができるものといたしております。
 また、登録業者が欠格事由に該当することとなったとき、業務停止処分に違反したとき等は、その登録を取り消さなければならないものといたしております。その他、貸金業者に対する報告の徴収、立入検査について規定を設けております。
 第五は、利息制限法との関係についてであります。
 本法において、登録制度を設け、厳格な業務規制を行うこととしていること等にかんがみ、貸金業者との利息の契約に基づき債務者が利息として任意に支払った金銭の額が、利息制限法に定める利息の制限額を超えるときは、その超過部分の支払いは、同法の規定にかかわらず、有効な利息の債務の弁済とみなすことといたしております。ただし、このみなし弁済規定は、契約書や受取証書を交付しない場合、金利等取締法の高金利の処罰規定に違反して契約が締結された場合等における支払いについては、適用しないものといたしております。
 第六に、無登録営業、書面交付義務違反等について必要な罰則規定を設けることといたしております。次に、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律の一部を改正する法律案の主な内容を申し上げますと、
 その第一は、現在、刑罰の対象となる制限利率は、年一〇九・五%となっておりますが、本法においては、業として金銭の貸し付けを行う者については、その制限利率を年四〇・〇〇四%とすることといたしております。
 第二に、急激な条件変更を緩和するため、経過規定を設け、法施行後三年間は、制限利率を年七三%とすることとし、三年経過後別に法律で定める日までの間は、制限利率を年五四・七五%とすることといたしております。
 なお、別に法律で定める日については、法施行の日から起算して五年を経過した日以降において、資金需給の状況その他の経済金融情勢、貸金業者の業務の実態等を勘案して検討を加え、速やかに定めるものとすることといたしております。
 その他、罰金の額を引き上げることといたしております。
 以上が両法律案の概要であります。
 両案につきましては、昨四日提出者を代表して大原一三君から提案理由の説明を聴取した後、質疑を行い、質疑終了後、討論に付しましたところ、日本社会党を代表して伊藤茂君、公明党・国民会議を代表して鳥居一雄君、民社党・国民連合を代表して玉置一弥君からは、それぞれ両案に賛成の旨の意見が述べられ、日本共産党を代表して正森成二君からは両案に反対の旨の意見が述べられました。次いで、採決いたしました結果、両法律案は、いずれも多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、両案に対しましては、それぞれ附帯決議が付されましたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#28
○議長(福田一君) 両案を一括して採決いたします。
 両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#29
○議長(福田一君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
#30
○議長(福田一君) 日程第四は、委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#31
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。
    ―――――――――――――
 日程第四 繭糸価格安定法の一部を改正する
  法律案(農林水産委員長提出)
#32
○議長(福田一君) 日程第四、繭糸価格安定法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の趣旨弁明を許します。農林水産委員長羽田孜君。
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繭糸価格安定法の一部を改正する法律案
   〔本号末尾に掲載〕
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    〔羽田孜君登壇〕
#33
○羽田孜君 ただいま議題となりました農林水産委員長提出の繭糸価格安定法の一部を改正する法律案について、提案の趣旨及びその主な内容を御説明申し上げます。
 最近のわが国蚕糸業を取り巻く情勢は、末端絹需要の減退、海外からの生糸、絹製品の輸入圧力、蚕糸砂糖類価格安定事業団の在庫の累積等まことに厳しい状況に立ち至りております。、こうした事態に対処して、生産、流通、価格等各般にわたる需給改善対策が官民一体となって総合的に実施されているところであります。
 しかしながら、今後、長期的に蚕糸業の安定を図っていくためには、絹需要増進対策を一層強化する見地から、事業団が保有する生糸を新規の用途または販路等需要増進を図るための方途に放出し、その波及効果を期待することが緊要となっているのであります。
 今回の改正は、かかる要請にこたえ、現行の繭糸価格安定制度の枠組みの中で、新たに、事業団の生糸在庫が適正な数量を超えている場合には、事業団が保有する生糸を需要増進のために活用する道を開こうとするものであります。
 以下、改正案の主な内容について申し上げます。
 第一は、事業団が保有する国産糸について、新規用途等生糸、絹需要の増進に資するための売り渡しの道を開く特例を設けたことであります。
 第二は、事業団が保有する輸入糸についても国産糸の場合と同様に、新規用途等生糸需要の増進に資するための売り渡しの道を開くこととしたことであります。
 なお、これと関連して、従来、輸入糸について現行法の運用として行ってきた、いわゆる一般売り渡し及び実需者売り渡しを法律上明確に位置づけることとしたことであります。
 第三は、事業団の保有する輸入糸を糸価安定のために売り渡す場合に、コスト価格以下では売れないこととされていたことの例外を設けることとしたことであります。
 以上が提案の趣旨及びその主な内容であります。
 本案は、八月四日の農林水産委員会において全会一致をもってこれを成案とし、委員会提出の法律案とすることに決したものであります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。(拍手)
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#34
○議長(福田一君) 採決いたします。
 本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第五 国立又は公立の大学における外国
 人教員の任用等に関する特別措置法案(石
  橋一弥君外四名提出)
#36
○議長(福田一君) 日程第五、国立又は公立の大学における外国人教員の任用等に関する特別措置法案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。文教委員長青木正久君。
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 国立又は公立の大学における外国人教員の任用
  等に関する特別措置法案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔青木正久君登壇〕
#37
○青木正久君 ただいま議題となりました国立又は公立の大学における外国人教員の任用等に関する特別措置法案につきまして、文教委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案は、今日の急激な国際化の時代にあって、大学における研究教育の進展を図り、学術の国際交流を推進する必要性はきわめて大きいものがあるが、大学における研究教育の普遍性及び国際性を考慮し、国立または公立の大学等において、有能な外国人を教授等に採用することができる道を開くための特別の措置を定めようとするものであります。その主な内容の第一は、国立または公立の大学においては、新たに外国人を教授、助教授または講師に任用することができるものとすること、
 第二は、外国人教員は、外国人であることを理由として、教授会その他の合議制の機関の構成員となり、その議決に加わることを妨げられないものとすること、
 第三は、外国人教員の任期については、大学管理機関の定めるところによるものとすること、
 第四は、国立大学等において、従前から行われている勤務の契約により、教育または研究に従事する外国人を採用する制度は存続すること、
 第五は、国立大学共同利用機関等についても、大学におけると同様の取り扱いをするものとすること等であります。
 本案は、去る四月九日本委員会に付託され、同月二十三日提出者狩野明男君より提案理由の説明を聴取し、七月七日に質疑に入り、その後、委員を派遣し京都大学において意見を聴取する等、慎重に審査を行いました。
 かくて、昨四日本案に対する質疑を終了し、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し、附帯決議を付することに決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#38
○議長(福田一君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 事務総長辞任の件
#40
○議長(福田一君) お諮りいたします。
 事務総長荒尾正浩君から、事務総長を辞任いたしたいとの申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#41
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。よって、許可するに決しました。
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 事務総長の選挙
#42
○議長(福田一君) つきましては、これより事務総長の選挙を行います。
#43
○小里貞利君 事務総長の選挙は、その手続を省略して、議長において指名されんことを望みます。
#44
○議長(福田一君) 小里貞利君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#45
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決しました。
 議長は、事務総長に弥富啓之助君を指名いたします。
    〔拍手〕
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#46
○議長(福田一君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時五十五分散会
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 出席国務大臣
        内閣総理大臣  鈴木 善幸君
        法 務 大 臣 坂田 道太君
        大 蔵 大 臣 渡辺美智雄君
        文 部 大 臣 小川 平二君
        厚 生 大 臣 森下 元晴君
        農林水産大臣  田澤 吉郎君
        国 務 大 臣 世耕 政隆君
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ソース: 国立国会図書館
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