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1981/11/27 第95回国会 参議院 参議院会議録情報 第095回国会 行財政改革に関する特別委員会 第10号
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1981/11/27 第95回国会 参議院

参議院会議録情報 第095回国会 行財政改革に関する特別委員会 第10号

#1
第095回国会 行財政改革に関する特別委員会 第10号
昭和五十六年十一月二十七日(金曜日)
   午前十時三十七分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十一月十九日
    辞任         補欠選任
     福田 宏一君     楠  正俊君
     市川 正一君     佐藤 昭夫君
 十一月二十七日
    辞任         補欠選任
     中野  明君     原田  立君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         玉置 和郎君
    理 事
                坂野 重信君
                嶋崎  均君
                平井 卓志君
                降矢 敬義君
                小柳  勇君
                野田  哲君
                峯山 昭範君
    委 員
                江島  淳君
                大木  浩君
                梶原  清君
                楠  正俊君
                後藤 正夫君
                下条進一郎君
                関口 恵造君
                田沢 智治君
                田代由紀男君
                高木 正明君
                谷川 寛三君
                成相 善十君
                藤井 孝男君
                三浦 八水君
                穐山  篤君
                志苫  裕君
                鈴木 和美君
                本岡 昭次君
                安恒 良一君
                和泉 照雄君
                塩出 啓典君
                原田  立君
                佐藤 昭夫君
                山中 郁子君
                小西 博行君
                柳澤 錬造君
                森田 重郎君
   国務大臣
       内閣総理大臣   鈴木 善幸君
       法 務 大 臣  奥野 誠亮君
       外 務 大 臣  園田  直君
       大 蔵 大 臣  渡辺美智雄君
       文 部 大 臣  田中 龍夫君
       厚 生 大 臣  村山 達雄君
       農林水産大臣   亀岡 高夫君
       通商産業大臣   田中 六助君
       運 輸 大 臣  塩川正十郎君
       郵 政 大 臣  山内 一郎君
       労 働 大 臣  藤尾 正行君
       建 設 大 臣  斉藤滋与史君
       自 治 大 臣  安孫子藤吉君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長
       官)       宮澤 喜一君
       国 務 大 臣
       (総理府総務長
        官)      中山 太郎君
       国 務 大 臣
       (行政管理庁長
       官)       中曽根康弘君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  大村 襄治君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       河本 敏夫君
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       中川 一郎君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  鯨岡 兵輔君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  原 建三郎君
        ―――――
       会計検査院長   大村 筆雄君
        ―――――
   政府委員
       内閣官房内閣審
       議室長
       兼内閣総理大臣
       官房審議室長   石川  周君
       内閣法制局長官  角田禮次郎君
       内閣法制局第二
       部長       関   守君
       臨時行政調査会
       事務局次長    佐々木晴夫君
       臨時行政調査会
       事務局首席調査
       員        山本 貞雄君
       公正取引委員会
       委員長      橋口  收君
       公正取引委員会
       事務局審査部長  伊従  寛君
       警察庁刑事局長  中平 和水君
       行政管理庁行政
       管理局長     佐倉  尚君
       行政管理庁行政
       管理局審議官   古橋源六郎君
       行政管理庁行政
       監察局長     中  庄二君
       防衛庁参事官   新井 弘一君
       防衛庁参事官   石崎  昭君
       防衛庁防衛局長  塩田  章君
       防衛庁経理局長  矢崎 新二君
       防衛庁装備局長  和田  裕君
       経済企画庁調整
       局審議官     大竹 宏繁君
       経済企画庁総合
       計画局審議官
       兼物価局審議官  川合 英一君
       科学技術庁計画
       局長       下邨 昭三君
       科学技術庁研究
       調整局長     加藤 泰丸君
       科学技術庁振興
       局長       原田  稔君
       科学技術庁原子
       力局長      石渡 鷹雄君
       国土庁長官官房
       長        福島 量一君
       外務大臣官房長  伊達 宗起君
       外務大臣官房調
       査企画部長    秋山 光路君
       外務省アジア局
       長        木内 昭胤君
       外務省北米局長  淺尾新一郎君
       外務省欧亜局長  武藤 利昭君
       外務省経済局長  深田  宏君
       外務省条約局長  栗山 尚一君
       外務省国際連合
       局長       門田 省三君
       大蔵大臣官房審
       議官       水野  繁君
       大蔵大臣官房審
       議官       佐藤  徹君
       大蔵大臣官房審
       議官       矢澤富太郎君
       大蔵大臣官房審
       議官       水野  勝君
       大蔵省主計局次
       長        西垣  昭君
       大蔵省主税局長  福田 幸弘君
       大蔵省理財局次
       長        小幡 俊介君
       大蔵省証券局長  禿河 徹映君
       国税庁次長    小山 昭蔵君
       国税庁直税部長  吉田 哲朗君
       国税庁調査査察
       部長       岸田 俊輔君
       文部大臣官房長  鈴木  勲君
       文部省初等中等
       教育局長     三角 哲生君
       文部省学術国際
       局長       松浦泰次郎君
       厚生大臣官房総
       務審議官     正木  馨君
       厚生大臣官房審
       議官       吉原 健二君
       厚生省公衆衛生
       局長       大谷 藤郎君
       厚生省医務局長  田中 明夫君
       厚生省薬務局長  持永 和見君
       厚生省社会局長  金田 一郎君
       厚生省児童家庭
       局長       幸田 正孝君
       厚生省保険局長  大和田 潔君
       厚生省年金局長  山口新一郎君
       社会保険庁年金
       保険部長     小林 功典君
       農林水産大臣官
       房長       角道 謙一君
       農林水産省畜産
       局長       石川  弘君
       通商産業大臣官
       房審議官     斉藤 成雄君
       通商産業省貿易
       局長       中澤 忠義君
       通商産業省機械
       情報産業局長   豊島  格君
       資源エネルギー
       庁長官      小松 国男君
       運輸大臣官房総
       務審議官     石月 昭二君
       運輸省海運局長  永井  浩君
       運輸省鉄道監督
       局長       杉浦 喬也君
       運輸省自動車局
       長        飯島  篤君
       運輸省航空局長  松井 和治君
       郵政省電気通信
       政策局長     守住 有信君
       労働省労働基準
       局長       石井 甲二君
       建設大臣官房長  丸山 良仁君
       建設省計画局長  吉田 公二君
       建設省河川局長  川本 正知君
       建設省道路局長  渡辺 修自君
       建設省住宅局長  豊蔵  一君
       自治大臣官房審
       議官       小林 悦夫君
       自治省行政局長  砂子田 隆君
       自治省行政局公
       務員部長     大嶋  孝君
       自治省財政局長  土屋 佳照君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木 源三君
       常任委員会専門
       員        伊藤  保君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第三局長   坂上 剛之君
       日本国有鉄道総
       裁        高木 文雄君
       日本電信電話公
       社総裁      真藤  恒君
       日本電信電話公
       社監査局長    森谷 昭夫君
   参考人
       住宅・都市整備
       公団総裁     志村 清一君
       日本銀行総裁   前川 春雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一
 環としての国の補助金等の縮減その他の臨時の
 特例措置に関する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○行政改革に関する請願(第四号)
○国民本位の民主的行財政改革実現に関する請願
 (第一五二号外五六件)
○行政改革の断行に関する請願(第二三八号外一
 五件)
○国民生活を豊かにする民主的行政改革実現に関
 する請願(第二八〇号)
○国の行政改革に関する請願(第三二八号)
○財界主導の行財政改革に反対、民主的財政改革
 の実現に関する請願(第四二二号外一一件)
○国の行う行政改革に関する請願(第四三九号)
○国民生活の安定と地方分権の推進に資する行政
 改革に関する請願(第五三三号)
○行革関連特例法案に反対し、教育、医療、福祉
 等の充実に資する行財政の民主的改革実現に関
 する請願(第六一六号外八件)
○臨調答申に基づき、政府が行う行政改革に反対
 し、国民生活の擁護に関する請願(第六一七号
 外六件)
○大企業本位の行政改革に反対し、国民生活優先
 の民主的行財政改革実現に関する請願(第六五
 四号外一二件)
○国民のための行財政改革に関する請願(第七六
 〇号外一四七件)
○国民の暮らしを守る行政改革実現に関する請願
 (第七八〇号外二件)
○長期的、抜本的な行政改革実現に関する請願
 (第八六二号外一件)
○行財政制度の改革に関する請願(第八七四号外
 一件)
○臨調第一次答申の実施に反対し、行き届いた保
 育・教育等の実現のための行政改革に関する請
 願(第一〇二一号外一件)
○福祉切捨てなど、国民の生活を破壊する行政改
 革反対に関する請願(第一〇二二号外五一件)
○福祉切捨ての行革特例法案反対に関する請願
 (第一〇三五号)
○行革関連特例法案に反対し、国民本位の行財政
 改革実現に関する請願(第一〇八二号外七件)
○行革関連特例法案中、国民生活関連の補助金切
捨て反対等に関する請願(第一一五六号)
○行革関連特例法案に反対し、民主的行財政改革
 の実現に関する請願(第一二二五号外一件)
○弱い階層へのしわ寄せ行革に反対し、国民のだ
 めの行財政改革に関する請願(第一二七五号外
 一七件)
○国民生活破壊の行革関連特例法案に反対し、国
 民のための民主的行政改革実現に関する請願
 (第一四九二号外三件)
○国民犠牲の行政改革に反対し、民主的行政改革
 推進に関する請願(第一五一三号外三件)
○行革関連特例法案反対、真の民主的行財政改革
 の実現に関する請願(第一六二四号外三四件)
○軍事費拡大のための行政改革に反対し、平和・
 福祉・分権・自治の行政改革推進に関する請願
 (第二〇九二号)
○国民生活犠牲の行財政改革に反対し、民主的行
 財政改革の実現に関する請願(第二〇九九号外
 四一件)
○教育・福祉・医療などの国民生活を圧迫する行
 政改革に反対し、国民本位の行政改革実現に関
 する請願(第二一二五号外二件)
○民主的行政改革実現に関する請願(第二三四九
 号外一件)
○軍備拡張と大企業優遇、国民生活破壊の行革に
 反対し、国民本位の行政改革実現に関する請願
 (第二四〇六号外七件)
○軍事費を削減し、大企業優遇税制を正し、国民
 本位の行財政改革実現に関する請願(第二四一
 六号)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(玉置和郎君) ただいまから行財政改革に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十八日、中野鉄造君、上田耕一郎君が委員を辞任され、その補欠として和泉照雄君、市川正一君が選任されました。
 また、去る十九日、市川正一君が委員を辞任され、その補欠として佐藤昭夫君が選任されました。
 また、本日、中野明君が委員を辞任され、その補欠として原田立君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(玉置和郎君) 行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環としての国の補助金等の縮減その他の臨時の特例措置に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。小柳勇君。
#4
○小柳勇君 私は、日本社会党を代表いたしまして、締めくくりの総括質問を行うものであります。
 まず、総理に見解を求めるのでありますが、十月三十日以来今日までの一カ月間に近い審議の中で、いまなお不明な点あるいは不審な点も多々あるのでありますが、こうして一ヵ月間近く、総理並びに閣僚の皆さんとつき合いながら論議してまいりました。引き続き総理の人柄にも触れました。いまは亡い池田元総理、大平元総理にも接してまいりましたが、特に一段と人間的なものを総理に感じながら審議してまいりました。ただ、この行革の問題についてはたくさん意見があります。ありますが、それは後で質問をすることにいたしまして、具体的に質問に入ります前に、衆議院から参議院へ延々二ヵ月余、この行革法案が論議されてまいりました。これに対応してまいられました総理の率直な見解をまずお伺いしたいのであります。
#5
○国務大臣(鈴木善幸君) 行財政の改革は、いまや国民的課題に相なっておるわけでございます。政府といたしましては、臨調の中間答申を受けまして、その御趣旨を最大限に尊重するという立場に立ちまして関連法案を国会に御提案いたしたわけでありますが、その法案は三十六本の法案を一括したものでございまして、これは余り例のない取り扱いをいたしたわけでございます。それだけに、国会におきましては特別委員会まで御設置をいただいて、そして衆議院、参議院を通じて御審議をお願いをしてまいったわけでございます。またそういう事情から、連合審査等もやっていただいたわけでございます。そういう二ヵ月余にわたる審議ではございましたが、今後の行財政改革全体に及ぼす意味合いを持ついわば第一着手である、突破口であるというようなことから、今後の行財政のあり方等を展望した御質疑等もございました。相当の時間をかけたわけでありますけれども、なお御指摘のように、審議において十分尽くされない、今後にまつべき点が多々あったと思うわけでございます。
 しかし私は、衆参両院における真摯な国会の御審議を通じまして、行財政改革に対する国民一般の御認識を深めることができた、国会の論議を通じて国民の間にもいろいろ行財政改革に対して御意見が出てきた、これは今後の行財政改革を推進する上に大変参考になることでございます。今後とも国会の御理解、御協力を得ながら行財政改革に最善の努力を傾けてまいりたい、こう思っております。
#6
○小柳勇君 特にこの参議院の本委員会におきましては、約七十時間ぐらいにわたって審議いたしました。その中で三十数時間、わが党議員が質疑したのであります。その中でまだ十分な回答をいただいてない問題もたくさんございます。しかし、やるだけはやったという、御苦労さまでございましたというようなものを胸に入れながら、これから本当の今後の日本の政治の行政改革に取り組んでいかなければなりません。したがいまして、わが党の議員なり、あるいは他党の議員の皆さんが論議された中の問題点を幾つか取り上げまして、これから質問に入るつもりであります。
 その前に、わが党が奥野法務大臣の辞任要求をいたしています。これは当行革委員会の委員長に一任をして今日までまいりました。この委員会の冒頭に、ロッキード事件の証人喚問に関して、法の番人たる法務大臣が証人喚問を批判し、裁判に干渉したかのごとき発言と、かつて当参議院本会議で問題になりました憲法改正の発言に対して、法の番人として不適格であるとの見解から辞任を要求し、かつ政府に罷免を要求したのであります。行革委員会では理事会扱いとなって、委員長にその取り扱いを委任いたしましたが、今日までその要求が実現しておりません。したがいまして、委員長に、今日までの取り扱われた経過、折衝された経過と今後の措置について報告を求めるものであります。
#7
○委員長(玉置和郎君) この際、委員長の所見を申し述べます。
 過般の委員会で、奥野法相とお会いをいたしました経過につきまして御報告申し上げました。その後さらに総理ともお会いをいたしまして、総理のお考えについてもお聞きをいたしましたが、そうした考えがないことが明らかになってまいりました。このような政府の考え方を理事会に報告し、改めて本問題に対する各党の意見をお聞きいたしましたが、一致を見ませんでした。
 委員長といたしましては、国民の負託を受けて政治の要請に携わる者は、常に厳粛であり、国民に不安や誤解を与えるがごとき言動はいささかもあってはならないと考えております。今回の奥野法務大臣の発言は、現在進行中の裁判にかかわりのあるかのごとき疑いを持たせる重言であり、公正、公平を旨とし国民の最も信頼を必要とする法務行政の責任者として、時期、場所、事柄の性質に対し慎重を欠いた発言であり、こうした問題については、古くから東洋において、人、時、所、いわゆる人時所の三相応を得るべしとの先哲の言葉があるとおり、まことに遺憾であります。奥野法相におかれては、その責任の重さを自覚し、今後かかることのないよう強く注意を喚起したいと存じます。
 また、鈴木内閣がお願いをした行財政改革の関連法案の国会審議に対しても影響を与えたことは、きわめて遺憾であります。鈴木総理におかれては閣僚に対する指導を徹底し、内閣の責任者として、今後かかることのないよう委員長から強く要請をいたします。
#8
○小柳勇君 委員長の御努力は歩といたします。
 ただ、わが党といたしましては、法務大臣辞任を要求いたしておりますから、これで満足ではありません、了承はできませんが、総理に御意見を聞きます。この内閣、二、三日で改造だということが盛んに喧伝されています。法の番人である法務大臣には、少なくとも最低限として、平和憲法を尊重し、これを守る人、守るということを表明した人を充てるべきだと考えますが、総理の見解を求めるところであります。
#9
○国務大臣(鈴木善幸君) 改造があるなしにかかわりませず、鈴木内閣の閣僚は、いま委員長からお諭しがございましたように、責任の重さに任じて厳粛に対処していかなければいけない、このように考えております。
#10
○小柳勇君 政治の倫理の問題は私の質問の最後にただしたいと存じますが、いま総理の見解を承りました。りっぱな内閣ができ、りっぱな法務大臣が選任されることを期待いたします。
 さて、行政機構の改革の基本的諸問題について、質問並びに提言をいたします。
 ここまで政府の政治姿勢について幾つかの質疑をしてまいりました。若干の前向きの答弁もありましたが、やはり基本的な認識で政府・自民党と私たちとには大きな異なりがある、そのことも痛感をいたしております。何がむだで何が必要なのか、もっと国民の声を十分に聞いて、これらの政治姿勢の問題については改めて対決をいたしますけれども、私ども日本社会党としても、先日も申しましたように行政改革に対しては反対でありません。百七十一ページ、一万語に及ぶ行政改革に対する対案を持っています。この答申が出ます一カ月前にも総理にも出しておりますし、土光会長にも提出いたしております。これは国民の側に立って国民の側から求める行政改革であります。
 今回のこの七項目、三十六法律を一括いたしました法律案は、巷間に言われておりますように、一つは財界主導ではないか。一つは官僚の支配ではないか、官僚がおつくりになる行革ではないか。そして弱者切り捨て、弱い者いじめの行革ではないか。そうして削減した予算を軍事費拡大のために使う行革である。これが大体一般的な世論である。私どもの聞く大多数の意見であります。
 今回の政府が出しましたこの法律によって各省から予算要求して削減を要請されたものの中で、約七千八百七十二億円の中で厚生省だけで六千百六十七億円、このような目に見えて弱い者いじめの行革であるという点、これが衆参の論議を通じまして私があるいは私どもが感ずる一番大きな問題点であります。これについて総理並びに行政管理庁長官の見解を承ります。
#11
○国務大臣(中曽根康弘君) 官僚主導あるいは財界主導、弱い者いじめの行革という声を耳にいたしますが、そういうことはございません。臨時行政調査会の委員の構成を見ましても、労働界からは二人出ておられますし、あるいはジャーナリズムの代表の方も出ておられまして、国民的基盤に立って御審議をいただいているものと確信しております。また、その案を作成するに際しましても、各省から来ている調査員を大いに活用はしておりますけれども、最終決定は、委員、専門委員、参与の皆さんの独自の御見解で決めていただいておられるのでございまして、官僚主導とかということは当たらないのでございます。われわれもまた、いただいた答申につきましては、政府独自の立場でこれを吟味して、そして最大限に尊重しながらこれを実行してきつつあるのでありまして、官僚に牛耳られてこれが進行しているようなことはないのでございます。
 今後も、しかしそのような御批判があることはよく頭の中に置きまして、国民的な行革が国民的支持のもとに行われるように努力してまいるつもりであります。
#12
○国務大臣(鈴木善幸君) 臨調のあり方並びに臨調の答申を尊重して政府が国会に御提案を申し上げておる、そのことはいま中曽根長官から申し上げたとおりでございます。
 今回の御審議をいただいております法案は、五十七年度予算の編成において当面緊急を要する問題のうち、法律改正を必要とする事項について御審議をお願いを申し上げておるわけでございまして、これから臨調の御答申を受けて逐次行政財政の万般にわたって掘り下げた検討を進めてまいりたい、こう思っておるわけでございます。また、五十七年度予算の編成におきましては、この国会における御論議等も十分踏まえ、国民各層の御意見等も十分私ども尊重いたしまして、この厳しい財政事情の中におきましても、国民の皆さんに納得していただけるような予算の編成をやってまいりたい。今回の行財政改革、この法案はその第一着手でございまして、これから今後にわたりまして私どもは行財政の真の国民の御協力、御理解がいただけるような行革を推進してまいりたいと、こう思っております。
#13
○小柳勇君 戦前戦後を通じまして、歴代内閣、幾つかの内閣が行政改革を断行、手がけました。しかし、余り成功してない。特に印象に深いのは、あの浜口雄幸内閣。浜口さんが駅頭で撃たれて亡くなられましたが、財政、行政、税制の三大整理をやろうとして緊縮政策を標榜され、その第一歩として官吏俸給の一割削減に着手されました。ところが、司法官を初めとして全官吏の反対運動に抵抗され、ついに減俸の撤回を認めざるを得なかった。そして、残念ながら浜口総理は駅頭で凶弾に倒れられた。
 鈴木総理が行革に命をかけると言われた。私は、それはもう文字どおりそうだと思います。その意気や壮であります。ただ、池田内閣のときに設置されました臨時行政調査会で、官吏の出向ではなくて民間から事務局をつくろうとしたところが、意識的に行政のプロから反対をされて、ついに各省からの出向委員で占められた。したがって臨調答申も骨抜きになってしまったと言われる。その上、先般大阪の公聴会でも問題になりましたけれども、第一次臨調、今日まで一割ぐらいしか実施されておりませんぞと言われる。今回もこの行革の事務局は各省の出向の職員がやっておられる。いろいろ専門的なことでありますから大変でありましょうが、そういう批判を、歴代内閣の行政改革の失敗を反省しながら、その事務局の編成など考慮する余地はないか、行管長官に聞きます。
#14
○国務大臣(中曽根康弘君) 御意見はよく検討させていただきますが、私は当面変える意思はございません。
 現在までの進行状況を見ましても、非常によくやっておりまして、普遍妥当の考え方に立ってやっていると思います。臨調の委員の皆さんの御批判、御評価をお聞きいたしましても、ともかくこんな一生懸命、夜も寝ないで、毎日予算編成をやっているときのような忙しさでやっている役所はないと、ともかく勤勉さについてはまず非常なおほめをいただいておりました。それから執務態度につきましても、要求した資料についてはできるだけ短時間に、できるだけ正確な資料を整えて持ってきてくれるということでございます。
 それで、各省庁の関係のバランスやら調和につきましても、大体七十人ばかりの調査員がございますが、その中の三十人ぐらいは行政管理庁の者がおります。この行政管理庁の者は、各省を全部見てきた人間でございまして、それらが大体中核になって、それから各省からりっぱな人たちを派遣していただいて、それらが中に入りまして、そして全体としてのバランスを得るように努力してきているところでございます。なお、民間からも優秀な人を出向していただきまして、その間に点在的にそれらの要員を配置して、官民協調のバランスをとった形でいけるようにしておるわけでございます。
 そういうようないままでの実績を見ますと、官僚主義であるとか、あるいは一部に偏した調査や行政が行われておるというような心配は、いまのところはございません。このような態度で公正な結論を得るように今後も督励してまいるつもりでおります。
#15
○小柳勇君 総理の見解を聞きますが、せっかく衆参こんなに時間をかけて行革法を審議して、たとえば成立いたしましても、各省庁及び官僚諸君が真剣にこれを実施しなければ第一次臨調と同じになる。世間の物笑いです。
 特に私は先般、後で時間があれば問題にいたしますが、国鉄再建の問題で、昨年閣議で決めて法律が通っただけなのに、閣内で閣僚、大臣がばらばらの発言で、もう失敗したと言っている。決まった法律が実行できなければ内閣は責任とらなければなりません。この責任体制がない。内閣にももちろん、各省とも、法律が通りあるいは国会で決まったことをやらなければ、責任をとる体制をつくらなければ、せっかくこんなにやって本会議、委員会で時間をかけて論議いたしましても、りっぱな意見が各党からも出ています、これが無意味になりますが、そのような、閣僚並びに政府がこの決まったものを守るという責任体制をとるかどうか、総理から見解を聞いておきたいのです。
#16
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、臨調の答申とそれを受けとめての政府の実行体制、国会の御審議、御協力を得ながらこれを実行に移してまいるわけでございますが、私の考え方といたしましては、臨調から一遍に御答申をいただいて、最終の段階で御答申をいただいて臨調はそこで解散をする、その後でそれを政府が取り上げて実行に移そうとするということでなしに、臨調で御意見のまとまったものを逐次卸答申をいただいて、臨調が存在する間に、またいろいろ見ておられる中で、政府が国会の御協力を得ながらこれを実行に移していく、臨調の答申を誠実に政府が時を移さずに実行に移していくということがよかろう、こういう私は考えで取り組んでおるところでございます。
 また、閣議決定あるいは国会でお決めいただいたところの法律その他の執行につきましては、これは政府が誠実に実行してまいることは当然の責務でございまして、今後とも特段の努力を続けてまいりたい、こう思っております。
#17
○小柳勇君 この新聞、ここに二、三例もございますけれども、衆議院の行革委員会で政府が答弁したことが一ヵ月もたたないのにもう変わりつつある。であるならば、この参議院でたとえばきょうこの法案が成立いたしましても、あすから、あさってから、閣僚なりあるいは各官僚が適当に曲げて、変わった方向に引っ張っていったら意味ない。
 特に私は、きのう突然問題になりましたので質問しなければなりません。衆議院の方で、仲裁裁定の完全実施が行革で決まった。ところが、三公社五現業の期末手当は今日まで交渉ができなかった。政府がストップをかけ、交渉をストップしておった。そして旧ベースでやるように話がなってしまったと言って、労働者の方がもうてんやわんや。したがって質問いたしますが、これは十月二十八日の与野党国会対策委員長会談です。自民党「三公社五現業の期末手当等については、法的にも労使の自主交渉にゆだねるものであるが、仲裁々定完全実施の趣旨をふまえ、当事者間で話し合うものと思う」、「政府が抑制措置をとるなとの要求は政府に伝える」、これは自民党の国対委員長。それから、これは十月二十一日の行革委員会の速記録です。わが党の岩垂委員が、
#18
○岩垂委員 そうしますと、政府としては、今度の仲裁裁定の扱いについても労使関係に介入するということはしないと、はっきり言明いただけますか。政府としてはです。
#19
○宮澤国務大臣 すでに行われました仲裁裁定につきまして、政府は公労法十六条の二項の規定にかんがみまして国会の御判断を求めておるわけでございますので、国会の御判断に従うというのが政府の立場でございます。
 と言っている。にもかかわらず、政府が抑制措置をこそっとやっている、そんなことは許せないことです。宮澤長官並びに総理から見解を求めます。
#20
○国務大臣(宮澤喜一君) この点につきましては、昨日総理から答弁をせられましたように、従来の慣行に従い労使間の自主的な交渉によって決するというのが政府の考え方でございます。したがいまして、それに対して何かの干渉をする考えはございません。
#21
○国務大臣(鈴木善幸君) きのう私は、いま官房長官が申し述べたように、政府の統一見解として私自身がこの委員会ではっきりと申し上げた点でございます。今後ともあの国会に対する私の言明、この線に沿ってやってまいります。
#22
○小柳勇君 それでは政府としては、仲裁裁定の方は自主的な判断で、抑制措置はとらないということを確認して先に進みます。
 私は行政改革というのは、むだをなくし、不正をなくし、不公平をなくすることに尽きるのではないかと、ずっとこの行革の委員になりましてから考えてまいりました。そういう意味で、むだをなくするとは一体どういうことか、不正をなくするというのは一体どういうことか、また不公平、国民生活あるいは処遇など不公平をなくするというのは一体どういうことか、そういうことでたくさんの資料を集めてまいりました。ただ、時間がありませんから十分な質問もできませんが、そういう意味でこの行政改革というのは、むだをなくし、不正をなくし、不公平をなくする、そして政府が信頼され政治が信頼される、そういうものが行政改革の本当の目標でなければならぬ、理念でなければならぬ、そう考えますが、総理、いかがでございましょうか。
#23
○国務大臣(鈴木善幸君) 全く小柳さんの御意見と私も同感でございます。このことは当委員会におきましても、私が、納税者の立場に立って行財政改革を推進をする、それは御負担をいただいた財源というものをむだのないように最も効率的に使うようにしなければいけない、そして御負担をこれ以上増すようなことのないようにということを心がけて行財政改革を推進してまいりますということも申し上げてまいりました。いま御指摘の、国民に信頼をされるようなものでなければいけない、そのためには不公正あるいは不公平があってはいけないということはそのとおりでございまして、そういう基本的な理念の上に立って今後行財政改革を進めてまいりたい、こう思っております。
#24
○小柳勇君 そういう意味で、まずむだをなくするという第一の大きな課題は、ただいまから私が質問いたしますが、平和戦略なり軍縮平和の問題を中心に政府の外交なり防衛問題に触れてまいりますが、結局のところ平和戦略のない軍備は、政府の気迷いから来る巨大なむだになるおそれがあると私は思うのであります。総理の見解を聞くのでありますが、あわせて十八日に発表されたレーガンの対ソ四項目提案なるものについても、総理の評価なり所見をお伺いしたいのであります。
#25
○国務大臣(鈴木善幸君) わが国は国土が狭く資源は貧困である。そして一億一千万の大きな人口を擁しておるこの日本が、今後平和で豊かな生活を国民に享受してもらうというためには、世界が平和であり、安定をし、その中において日本の安全が確保されるということでなければならないというのが基本的な考えでございます。
 そこで、国際情勢の認識の問題になるわけでございますが、私どもは、今日の厳しい国際情勢の中におきましては、残念ながら現実の問題としては東西の力の均衡の上に平和が維持されておる、確保されておるという認識に立つものでございまして、そういう意味で、わが国といたしましても、紛争、戦争、侵略の抑止力としての最小限度の自衛力を整備しなければいけない、こういうことでございまして、決して経済力を背景として軍事大国になろうとか、そういうものではございません。最小限度の自衛力を整備するということでございますから、むだのためにやっているのではない。これが抑止力になるという基本的な認識の上に立っておるものでございます。
 私は、こういう観点に立ちまして、あらゆる国際会議、首脳会議等でも訴えております。そして、日本はやはり国際的な役割りも果たしてまいらなければならないわけでありますが、その役割りというのは国力、国情にふさわしい、日本としてこれをどういうことをやったらいいかということになりますと、やはり平和国家として平和に徹する外交を展開すると同時に、経済協力、技術援助、そういうものを通じまして、第三世界等の経済社会の開発、安定、そして民生の向上、福祉の向上というようなことに協力をして、そして世界の安定に寄与していこう、そういう平和戦略を立てて、それに向かって努力をいたしておるところでございます。
 さて、先般レーガン大統領が軍備管理、軍縮に対する米政府の基本的な考え方、これを初めてレーガン大統領自身から表明をされたということは、私は非常に大きな意義を持つものというぐあいに評価をいたしておるところでございます。また、今回ブレジネフ・ソ連書記長が訪独をいたしまして、シュミット首相との間に軍縮、軍備管理、核兵器の問題等についての話し合いがなされたようでありますが、その際のソ連書記長の発言等を見ておりましても、レーガン大統領の先般の声明、これを念頭に置いての発言である、こういうぐあいに私は見ておるわけでございます。米ソ両国の最高首脳がそういう軍縮、軍備管理、平和の方向に向かって努力しようということは、私は非常に評価していい点であろうかと思うのでありまして、それが本当に実のあるものとして今後積極的に話し合いが進められることを期待いたしておるわけでございます。
#26
○小柳勇君 現在の国際緊張の増大が、ソ連のアフガニスタン侵攻とアメリカのそれに対する過剰反応という悪循環から始まっておることは、もう言うまでもないと思います。ところが、西ドイツのシュミット首相は、こうした中にあって独自の対ソ政策を着々展開して、またアメリカに対しても一定の距離を置いて、積極的な平和戦略を進めておるのであります。
 日本は特に平和憲法を持っております。日本政府も、米ソの軍備拡大の悪循環に巻き込まれることなく、こうした国際的なむだの無限な拡大を抑制しながら、特に世界に冠たる平和憲法を持っているのですから、これをもう少し世界にわかってもらう、軍備の拡大によるのではなくて、平和戦略を基軸とした外交に重点を置いて、もっと積極的な平和戦略を提唱し、具体的に実行し、世界に貢献していくべきであると思うが、総理の見解を伺います。
#27
○国務大臣(鈴木善幸君) ただいま私が申し述べましたような考え方に基づきまして、あるいはオタワ・サミットにおきまして、あるいはカンクンにおける南北サミットにおきまして、経済サミットではございますけれども、そういう機会を通じましても、私は軍縮、軍備管理を進め、そして軍備に対する支出を最小限度にとどめて、それを第三世界等の経済発展に協力として向けていくということが必要であることを訴え続けてきておるわけでございます。今後、軍縮の問題等、特に核軍縮の問題等につきましては、明年開かれる国連の軍縮総会、あるいはジュネーブの軍縮委員会等におきまして、さらに一層日本としても努力を傾倒してまいる所存でございます。
#28
○小柳勇君 総理も、それから外務省も防衛庁も、とにかくアメリカの要求ばかり気にしているという気がしてなりません。したがってもう一回重ねて聞きますが、非核三原則というものがあるのでありますから、もう少しこれを世界に提唱する。その場として国連の第二回軍縮特別総会に出席していただきたいと思うが、総理の見解を聞きます。
#29
○国務大臣(鈴木善幸君) 国連の軍縮総会は大体明年六月ごろと考えておりますが、国会の御承認、御支援を得て私もぜひ出席をいたしまして、そして日本国民が考えております原点に立ちまして、軍縮、特に核の廃絶、核軍縮につきまして日本の立場を宣明したい、こう思っております。
#30
○小柳勇君 非常にはっきりした総理の見解を聞きました。
 いまEC諸国の中で、反核運動といいましょうか、ボンでも、二十五万の市民のあのボンで三十万人の人が集まって反核運動を展開している。したがいまして、もう一つ聞きますが、アジアにおける非核地域の設定について、わが国が主導権を持ってアジア地域に呼びかける決意はございませんか。これは総理並びに外務大臣に聞きます。
#31
○国務大臣(園田直君) 御発言の趣旨はしばしば出てくる御趣旨でございます。かつまた、国際会議等でもときどき出てくる言葉でありますけれども、御承知のごとく、この地域の設定は、核を持たない者と持っている者と、それの交互の環境でそれを設定する環境ができるかできぬかということが先決問題でございますので、御発言の趣旨は踏まえつつ、そういう環境ができるように努力をする所存でございます。
#32
○国務大臣(鈴木善幸君) 核軍縮の実行への一環といたしまして非核地域を設定すべきではないか、こういう御意見がございます。私は基本的に賛成でございます。そういう環境、条件、そういうものが整った場合におきましては、そういう方向に進めるのが私は人類の平和と安定のために必要である、このように考えるものでございます。
 しからば、われわれのこのアジア地域においていまそういう環境、条件が整っておるか、こういうことを冷静に見てまいりました場合には、残念ながらいまだその条件はなかなか整っていない。御承知のように米中ソ、それにインド、いろいろの核保有国が存在をいたしておりますし、そういう国々の勢力の均衡下においてアジアの平和、安定というのが保たれておる、こういう状況下にございます。それらの国々の中におきましては、そういういま小柳さんが御提案になるような条件が私はまだ整っておるとは見ておりません。しかし私どもは、前段で申し上げましたように、核軍縮、核の廃絶ということにつきましては、あらゆる機会に日本は唯一の被爆国としての立場からもこれを世界に向かって提唱していきたい、訴えていきたい、こう考えて努力を傾けてまいります。
#33
○小柳勇君 やっぱりいまの発言の中にも、米中ソ、インドなど核保有国という頭があります。それで、米ソともみずからだけは生き延びる、たとえば司令部の地下ごうをつくっておる、相手は核でやっつけるけれども自分たちだけは生きようというような、そういう戦略です。私がいま論議しているのは、そういう核を持った国と対等の論争などというものは論外、意にすべきではない。日本こそ被爆国でありますから、核の恐ろしさは一番わかっておるという、特に平和憲法を前面に出して、非核三原則を前面に出して、アジア地域で主導権をとるべきである。人が言うから行くのではなくて、これだけのいわゆる経済大国でありますから、経済援助などを活用しながら、発展途上国に対する経済援助なども民生安定のために考慮しながら、アジア地域における非核地域をつくろうではないか、そういうことを総理が決心され、あるいは外務大臣が決心するということは、いまが一番いい段階ではないか。レーガンがああいう発表をいたしました。ブレジネフも、ソ連もああいう態勢であります。いまが一番いいチャンスではないかと思うが、もう一回総理の見解を聞きたい。
#34
○国務大臣(鈴木善幸君) いま小柳さんもおっしゃったところでありますが、私も先ほど来申し上げておりますように、米ソ両大国の首脳が、いろいろのことを考慮しつつではあろうけれども、軍備管理、軍縮に向かってひとつ今後話し合いを進めようと、これは世界の世論が反映したものである。私はこのようにも思っております。とにかくそういう方向に向かって今後話し合いをしよう、こういうことでございますから、われわれは本当に実りのある結果にそれがなることを期待いたしますと同時に、今後とも日本としては、先ほど来申し上げるように、あらゆる機会に、世界の平和安定のために軍備を最低位に迎える、また核の軍縮を推進する、こういう方向で努力をしてまいりたい。
 なお、第三世界に対する日本の働きかけの問題についてもお触れになりましたが、経済協力援助等をやります場合におきまして、そういう経済協力援助を受けながら核を保有しようとするような国がなきにしもあらずでございます。今後日本が経済協力等を進める場合におきましては、そういう点を十分頭に置きまして、そういう国々が核不拡散の方向に進むようにやってまいりたい、私はこう思っております。
#35
○小柳勇君 そこで、私はアジアの緊張緩和と平和戦略のためにも、日ソ関係の正常化をもう一歩重視すべきであると考えるものであります。総理の腹蔵ない御意見を求めたいのであります。何でも西ドイツに学べなどと言うつもりはございませんが、独ソ経済委員会では、シベリアの天然ガスを二万キロのパイプでソ連から西独に輸送することになった。この経済関係も調印された。日ソ関係の正情化ということ、米ソの拮抗とは一線を画して独自の立場から、北方領土という重荷を背負ってはおりますけれども、これを積極的に進めることが日本の平和戦略として重要ではないかと考えます。総理並びに外務大臣の答弁を求めます。
 同時に通産大臣、ドイツがいま天然ガスをソ連から引っ張っていくのでありますが、日本も近い将来石炭を一億トンも輸入しなければなりません。そういう意味からも、もう少しこの日ソの経済問題、いろいろ戦術戦略の問題は別ですけれども、日ソの経済問題についてもっと積極的に進めるべきであると考えるから、通産大臣からも後で答弁を求めます。
#36
○国務大臣(園田直君) 日本とソ連の間にはいろいろな懸案、困難な問題がございます。あればあるほど、御発言のとおり日ソ間の対話は何とかしてやらなければならぬ。それがまた一つには世界の平和に通ずる道でもあるし、日本の安全に通ずる道でもある、こう考えますので、機会を求め、なるべく日ソ間の対話を進めていきたいと思います。
 なおまた、シベリアの天然ガスの開発等につきましては、すでに日本の方では、御存じのとおりこの附属設備、接続設備等それ相当の契約を逐次進めているところで、通産省と緊密に連絡をとってやっております。
 なおまた、こういう問題については、いまアメリカと離れて独自の立場ということでございましたけれども、日本と米国の関係は、よく相談し合って、アメリカと同じ行動はとらないところもあるかもしらぬが、その場合は特に密接に相談し合いながらやっていくというのが私の考え方でございます。
#37
○国務大臣(田中六助君) 小柳委員にお答えいたします。
 わが国の対外的なエネルギーの依存率は七二、三%でございまして、海外に依存する各地の多様化ということは私ども念頭に置かなければなりません。したがって、シベリアの天然ガスの開発につきましても、東西を問わず念頭に置いていかなければならないと思っておりますし、この点外務省などと十分相談した上対処していきたいと思います。
#38
○国務大臣(鈴木善幸君) 日ソ間の問題でございますが、これはしばしば私が申し上げておりますように、ソ連はわが国にとりまして重要な隣国の一つでございます。日ソの友好関係を発展させるということは、私は、アジアの平和だけでなしに世界の平和安定に必要なもの、不可欠のものと、このように考えております。それは上辺だけの友好ではなしに、真に国民的な立場に立っての友好協力関係というものが築かれなければいけない。その際におきまして、私どもは長年にわたりまして日ソの平和条約の締結ということを唱えてまいりました。戦後未解決の問題である北方領土の問題を解決をして、そして日ソの平和条約を締結する。その上に立ってこそ真に日ソ両国民が心から協調、協力ができる基盤が確立できるものと、こう考えておるわけでございます。
 ただいま小柳さんは西独のお話を例にとられましたが、西独の場合も日本の場合も同じ西側陣営の一員としての自覚、責任ということは、シュミットさんも私も同様に考えておる、こう思うわけでございます。したがって、米国その他の友邦とは十分に連絡をとり、理解を求めながら相協調をして世界の平和のためにやってまいりたい、こう考えております。西独のようになかなかいけない問題は、いまなお北方領土の問題もここに大きく未解決の問題として残っておることは、小柳さん十分御承知のことだと思いますが、そういう点を私どもはあわせて解決を目指しながら、日ソの友好のために今後粘り強く努力してまいる考えであります。
#39
○小柳勇君 次に、防衛費の問題でありますが、大蔵大臣、防衛費の問題でけさの新聞を見ますと、また七・五が上に上がることもあると。以前衆議院では人件費まで含めて七・五というようなことも言われた。ところが、けさの新聞では七・五よりも超えるかもしれぬという、そういうような記事が出ている。この防衛費の問題について、前から論議されておりますように、人件費を含んで七・五でございますかというのが一つ。
 それから、後年度負担がずいぶん大きくなっている。だから、この言うところのぶらぶら予算というものをどうやって削減するか、このことがまた重要な問題でありますが、大蔵大臣並びに防衛庁長官の見解を聞かなければなりません。
#40
○国務大臣(渡辺美智雄君) 御承知のとおり、シーリング枠を設定して概算要求をさせたときには、人件費が幾らふえるかということはわかっておりません。わかっておりませんが、一方、財政事情が非常に厳しい状態にございます。したがって、私どもといたしましては、シーリングの枠の中で人件費の増加分は吸収をしていきたい、そのためのこれから作業をやろうということであります。
 それから後年度負担については、確かに概算要求から見ると、昭和五十八年ごろかなり大きな数字になることが予想される。それで、人件費を除いても一年に一四%以上の防衛費の増加ということは、実際問題としてなかなか負担が困難であろう。したがって、これらについても来年だけよければいいという無責任なことはできませんから、将来にわたって財政上耐えられないようなことは困るし、ほかの経費とのバランスも当然に、政治でございますから大所高所から考えていかなければならないということで、後年度負担についても、今回の予算折衝の過程において極端な問題が起きないように是正をしてもらいたいと考えております。
#41
○国務大臣(大村襄治君) お答えいたします。
 シーリングの設定の際に、人事院勧告はまだ出されておりませんでしたので、それに伴うベースアップ関係のものが対象にされておらなかったという点は、大蔵大臣が言われたとおりでございます。したがいまして、人事院勧告が出されました段階において、今後予算折衝の過程においてこの問題は結論が出されてくるものであると私どもは考えておるわけでございます。
 それから後年度負担の点でございますが、私ども現下の厳しい国際情勢にかんがみまして、防衛計画の大綱を速やかに達成したいということで、必要最小限の経費を五十七年度の概算要求として要求しているところでございます。
 ただ、航空機や護衛艦その他の兵器の調達につきましては、調達に二、三年ないし数年かかるものが多い。これは単年度の予算では計上できないものでございますので、その実情に応じまして債務負担行為あるいは継続費として要求に出してあるわけでございます。その点の後年度の負担の急増につきましては、平準化等にさらに努力することによりまして、財政との関係を考えてまいりたいと考えておるわけでございます。
 さらに、今後における防衛費のあり方につきましても、財政事情あるいは他の施策とのバランス等も念頭に置いて、必要な防衛力が着実に整備できるように私どもとしては努力してまいりたい、さように考えておるわけでございます。
#42
○小柳勇君 防衛庁長官、防衛費の七・五というもの、これは七・五だけでも他の省に比べて突出しておるわけです。だから世間一般に、これは弱い者いじめだ、厚生省から分捕って防衛庁が軍拡に使っているんだという端的に数字であらわれているから、せめて七・五で人件費も賄うのですかと、そういう意味の質問が衆議院でなされたら、そういうところに努力するようなことが私の方の報告に来ている。いまの答弁は全然違います。七・五はこれは人件費は含まないというのがはっきり確認できない。そういうように衆議院の答弁のニュアンスと参議院のいまの答弁が違っては、国会が意味がない。――もう一回答弁しますか。
 それでもう一つは、われわれはP3CもF15も、全部アメリカから将来後年度負担で買うと思っておりましたら、アメリカでは、それは二、三機モデルだけ買って、あとは日本の重工業がつくるんだと、そういうことで問題になっているというが、この点についても答弁を求めます。
#43
○国務大臣(大村襄治君) お答え申し上げます。
 七・五のシーリングを決めますときには、決まっております昇給分とかあるいは増員の平年度化、そういった点の給与費は含んでおったわけでございますが、本年の人事院勧告に基づくベースアップ分は対象外であったということは事実でございます。そういう範囲内で概算要求を提出したのでございますので、私どもは、その概算要求の実現を目指して今後とも努力してまいりたいということでございます。
 また、お尋ねのP3Cについてでございますが、これは五十二年の国防会議の決定に基づきましていま調達を進めている、その一環であるわけでございます。最近はライセンス生産ということで国内生産が進んでおりますので、ライセンス生産の契約に基づく国内生産で今後の調達は進めていく、こういうしとでございます。
#44
○小柳勇君 もう一回確認しますけれども、その後年度負担がありますが、P3CあるいはF15その他武器購入がありますけれども、詳しい資料はあなたが一番お持ちだ。それは二機か三機モデルだけ買って、あとは日本でつくるんですかと、そう聞いているわけです。そのとおりですね。
#45
○国務大臣(大村襄治君) お答えいたします。
 二機、三機買って、あとは日本でつくるのかと、ちょっとその御質問の意味がよくわかりませんが、現在予算で要求しておりますのは、ライセンス生産に基づいて国内で調達するものを概算要求で要求している、こういうことでございます。
#46
○政府委員(和田裕君) 五十七年度で御要求申し上げているP3C、F15につきましては、全機ともライセンス生産ということでございます。契約の当初、第一次契約と第二次契約の当初におきましては、確かに完成機を入れております。機数について申し上げますと、F15の完成機でございますが、十四機でございます。Jが二機とDJ十二機で、FMSで十四茨でございますね、これにつきましては完成機でございます。それは第一次契約と第二次契約がございまして、五十三年度と五十五年度に御予算を認めていただいた分でございます。現在の分にはそういった完成機分は入っておりません。
 なお、先ほどの御質問の中で、アメリカにおきましてそういうことが問題になっているかという御趣旨がございました。確かにアメリカの中でも、アメリカの中小企業者とか、それから労働組合の方からは、なるべくアメリカにおきますところの国産分、日本から言いますと輸入分ということになりますが、そういったものをふやせという声がございます。ございますけれども、アメリカの国防総省は、日本におきますところのやはり防衛生産品の技術能力を高めるということが日本の防衛力全体の向上のために必要だというわれわれの主張を認めて、それについてはライセンス生産を認めてきておりますし、また、その国産化率といいまして、実際に向こうから一部のものについては輸入し、一部のものについてはつくる、こういうことをやっておりますけれども、その日本でつくる分を漸次ふやすというような方針を認めてきておる、こういう状態でございます。
#47
○小柳勇君 いまの問題、ちょっと午後また質問するから。いま少しあいまいです。アメリカの国会で問題になっておるようで、調査団を派遣するなどと言っておるようだから、もういい、午後質問するから。
#48
○政府委員(和田裕君) いま五十七年度について完成機はございませんと申し上げましたが、ちょっと間違っておりました。二機入っております。その点は失礼申し上げました。
#49
○小柳勇君 軍事問題もう少しありますけれども、後の質問との関連もありますから、ここで公共事業の見直しについて質問したいのです。
 国家財政の中に膨大なウエートを占める公共事業の見直しをすることは、行政改革の最大の課題であると考えます。政府は単に一割カットを言っておりますが、それだけでは何の解決にもならない。公共事業の洗い直しは、神なる財政上の問題だけではなく、これにまつわる補助金行政の問題、工事請負に絡む構造的不正腐敗、経費のむだ遣い、業界と官庁の癒着、政治姿勢など各般にわたる問題であります。特に、最近次々と明るみに出た不正の実態には目を覆うものがある。本委員会としてしばしば取り上げたところであります。総理の本問題に対する所見、問題をどういうふうに掌握しておられるか、総理の見解を聞きます。
#50
○国務大臣(鈴木善幸君) 公共事業が国民経済の中に占める役割り、これはいま御指摘のように相当大きなものがあるわけでございます。これは今後の低成長下におけるわが国の経済の成長の問題にも大きくかかわりのある問題であろう、こう思います。私はそういう意味で、総合的に判断をいたしまして、五十七年度予算の編成に当たりましては公共事業費の適正化を図ってまいる考えでございます。
 それと同時に、いま御指摘になりましたように、公共事業にまつわるところのいろいろな不正な問題あるいは疑惑をこうむるような問題、これは国民の血税でなされるものでございますから、そういうことが今後においてなされないように厳重に究明をしてまいりたい、そして是正すべきところは是正をしてまいりたい、このように考えておるところでございます。
#51
○委員長(玉置和郎君) 志苫裕君。
#52
○志苫裕君 十一月九日の本委員会におきまして、私は、ただいま小柳委員の発言にかかわることですけれども、茨城県の谷田川改修工事の請負にかかわる問題点、いわゆる裏ジョイント問題を取り上げました。証拠書類をもとにいたしまして問題点を指摘をしました。資料の要求、調査を求めたわけでありますが、まず、指摘した事実の有無を含めて調査あるいは捜査等の結果を報告してもらいたい。長々やってもらっても困りますので、覚書や決算書の存在の有無、裏ジョイントのいきさつ、工事原価及び利益配分、この三点について御答弁をいただきたい。
#53
○政府委員(川本正知君) お答えいたします。
 先生御指摘のこの工事につきましては、まず問題になりましたのが、工事費の積算が過大であったかどうかということ、あるいは手抜き工事があったかどうかということがございました。前回にも御説明いたしましたように、手抜き工事そのものにつきましては、当時、県が厳正な工事検査をやっておりまして適正な執行が図られておるということを確認しておりますし、工事の積算につきましては、茨城県は国の積算基準を適用しておりまして、調査しました結果、積算ミスはなかったということを確認しております。
 また、膨大な四〇%以上に上る利潤があったというふうなことがございましたけれども、これにつきましても調査をいたしまして、茨城県が帳簿を詳細に調査をいたしまして、さらに一般管理費あるいは機械経費、そういったものを考慮いたしましてはじきました結果、利益は約一〇%程度であったということが判明しております。
 また、覚書あるいは工事決算書の存在につきましては、それはあったことを確認しております。
 また、建設業法に関連する問題でございますが、茨城県からの中間的な報告によりますと、事実関係を調査いたしました結果、本件工事に関与いたしました三社の間でこの施工に関しまして締結した協定番あるいは覚書等の契約書及び附属書類は、実質的な内容が三社の主張するような下請契約であるといたしましても、その形式及び契約書の記載内容が適切を欠いておりまして、工事の施工管理の実態を必ずしもまた正確に反映していない等、本件の請負契約書に定める発注者・受注者間の信義誠実義務に違反している疑いが強いものと考えておりまして、建設省といたしましては、さらに県の調査結果の進展を待って事実関係を確認した上で、必要があれば建設業法上の厳正な措置をとる方針でございます。
#54
○志苫裕君 警察庁。
#55
○政府委員(中平和水君) お答えいたします。
 茨城県の警察におきましては、裏ジョイントの問題を含め幅広く事実関係の把握に努めてまいっておりまして、県の関係者あるいは土木業者数十名から事情の聴取を現在まで行っておりますが、ただいまのところ刑事責任を問うべき具体的な容疑事実を発見しているという報告は受けておりません。なお引き続いて事実関係の解明に努めてまいる所存でございます。
#56
○志苫裕君 検査院、ありますか。
#57
○説明員(坂上剛之君) お答えいたします。
 この工事は非常に川筋に沿った工事でございますので、先生の御指摘になったのは五十三年度でございますけれども、その前後についても調査せねばならぬということでございまして、目下役所内で資料を集め、それから調査できることを進めております。なお実地検査につきましては、最も効率がよく実施できる時期をねらいまして実地検査を行いたい、こういうことでございます。
#58
○志苫裕君 お手元に県が調べたという資料を建設省から報告をいただきまして、関係者はごらんをいただきたいわけでありますが、ただいまの建設省の報告及びこの資料をもとにして、私から若干の指摘をしながら見解を伺います。
 まず、いわゆる裏ジョイントと言われる覚書、いわゆる契約、それから三社間の決算、これの関係書類は存在をしたということであります。この間私が提示をした資料が存在をしたわけであります。それで、その存在をした数値が、一番左の欄にあります県から二億四千百十六万五千円で受けた仕事を大都工業という会社は一億四千百五十六万四千円でいたしましたという決算書を、工事内訳をつけて出しておるわけであります。これを県が関係各社の帳簿を調べて左の欄の内訳に合うように整理をしてみると、決算書に載っていない経費が若干あって、それが小計のところの一億五千三百二十四万六千何がしであった。県は、それの一一%程度がいわゆる一般管理費等としてかかっているはずだからというので、帳簿にはないのでありますけれども、千六百万何がしのお金をつけ加えて、会社の帳簿にあった実際のいわば工事費というのは一億七千万円でありますという報告がありました。
 それで次の欄。しかし帳簿には載っていなかったけれども、たとえば去年買い込んだ材料を使ったとか、現場に船を持っておったので運ぶ費用がかからなかったものを運んだとすれば幾らになるとか、こういうようなものを御丁寧につけ加えて、普通の決算をすればこうなるであろうという額をはじきましたのが一億八千万何がしてあります。そうすると、二億四千万円の請負額からこの一億八千万円を引くと六千万円の余りが出る。これが一般管理費並びに利潤に回った、利益に回ったのであろう、このように県が勝手に推測をいたしました。勝手に推測をして、そうなると県の積算の四千三百万円の一般管理費とそれから余りが出た六千万円の一般管理費との差額一千七百万円が利潤になったはずだ、それは七%で、一般管理費の中には三%少々の適正利潤を見込むから、それを足すと一割程度の利益になったはずだ、こう言うのであります。
 問題はここにある。なったはずであるかないかは別として、現に一億四千百万円の原価で仕事をいたしましたといって決算をしておる。ここが問題なんです。会社の帳簿に一億五千三百万円の経費が載っておるのに、決算書は一億三千四百万円にしなければならなかったのはなぜか。いわゆるこの工事原価表よりも実際の会社の帳簿は一千七百万円多かった。多かったにもかかわらず、減らして決算をしたのはなぜか。さらに、県が御丁寧に申し上げておるこの額を全部足しますと二千七百万円です。二千七百万円を本来経費から落としてもいいはずなのに、落とさないで決算をしたのは何か。ここに裏ジョイント契約の問題点がある。すなわち一億四千百万円という数字以外に決算をすることができなかった。これでやりますと言って仕事を受けたからなんです。そして、二億四千万円との差額の九千万円というのはどうしても利益にしまして、そのうちの七千万円は二社に配分をするという約束があったからこういう決算をする以外になかったのですね。
 県は三社三社と言いますが、改めて聞きましょう。帳簿資料の中で、三社で仕事をやったと、こう言うのですが、三社分の割合を言ってみてください。
#59
○政府委員(川本正知君) ただいま先生御指摘の工事の率でございますが、一%未満が常総開発でございまして、あと十数%が株木建設でございまして、残りが大都工業でございます。
#60
○志苫裕君 それもうそだ。一億五千三百万円の工事費の内訳を言いましょう。常総開発分百三十万円、これは県との折衝に使った費用です。株木建設六百万円、十数%じゃない。両方合わせまして五%弱、したがって大都工業がやった仕事が九五%強です。これが三社でやった仕事になりますか。しかも株木建設がかかった六百万円というのは、この工事は自分のところで必ずもらえるということを踏んで、事前に準備をして必要な機械等を運んだ。しかし自分のところへ落ちなかったから、その分の損失分が六百万円なんだ。工事に使った金じゃないのです。いずれにしましても、九五%以上は大都工業が行ったという事実は県の報告によって明らかであります。
 まず、これからいきましょう。皆さんは一括下請という見解をとっておる。私は裏ジョイントで、裏ジョイントするには事前に談合があったはずだという前提に立っています。しかし、そこのところは先ほどの警察庁の話でもはっきりしないから、そのことはちょっとおきましょう。九五%を仮に一括下請だといたしますと、建設業法違反になりますね。法律に照らして処分しますか。
#61
○政府委員(吉田公二君) お答え申し上げます。
 現在までのところ、先ほど河川局長が申し上げましたとおり、県を通じての調査の結果ではそれぞれに工事を分担しているという理解でございますが、一括下請であることがはっきりいたしますれば、これは当然建設業法に抵触いたします。
#62
○志苫裕君 いたしますも、いたしますかどうかもないじゃないですか。常総百三十万円、株木六百万円、いいですか、これは県が私に対して会社側の帳簿として報告をしたものです。そうすれば九五%強が大都でしょう。それでもなお調べなければわからぬと言いますか。
 私はこの機会余に申し上げておきたい。皆さんは二億四千万円の見積もりをしただろうけれども、実際は、仮に県の帳簿によっても一億七千万円で仕事ができたというんです。税金を納める側、発注者からすると、もっと安い値段で仕事ができたのに、その分かすめ取られた立場にあるんだ、被害者なんだ、腹を立てなきゃいかぬのですより腹を立てる皆さんがかばうような姿勢で、問題の解決になるか、一体。答弁しなさい、はっきり。
#63
○政府委員(吉田公二君) 先ほど河川局長が答弁いたしましたとおり、従来調べてきました経過に徴しましても、工事の実施それ自体が契約書の記載内容に照らしまして適切を欠くものであり、また工事の施工管理の実態を必ずしも正確に反映していない等、信義誠実に違反している疑いが強いということを先ほど指摘しているわけでございます。この点につきましてもはっきりいたしますれば、建設業法上の監督、処分の対象になり得るわけでございますが、一括下請の問題としても、そういった事実が最終的に確認できれば当然処分の対象といたします。
#64
○志苫裕君 私は責任を持って発言をしていますから。
 そこで、県の報告によると、これは建設省もいたから御存じでしょう、常総が仕事を受けた。その後へ大都が出かけていって、五八%で私に仕事をやらしてください、こういう申し入れをした。そして常総から大都へいったのです。なぜかというと、私は隣のところを仕事をやっておってそこまで船を持ってきています、道具も全部店開きしています、すぐにできるんですから五割八分でやれるんです、どうしてもほしいのです、こう言って常総にお願いをしてもらったというのが県の報告です。
 そこで、だれでも考えられる疑問があります。この工事は十一社が三回にわたって入札をしたのです。それでどこにも落ちなかった。そこで一番低い常総と見積もり合わせをして、県の積算価格よりも約五十万円低い価格で、一億八千万円で受けたのです。その翌日でもいい、そのすぐ後に五割八分で仕事をできますということを申し入れていく会社が、なぜ常総よりも低い値段で落札をすることができないのですか。五割八分で一億四千万円でできますという自信を持っている人が、それでも仕事をしたいという人が、どうして常総の一億八千万何がしよりも百万円でもいい、この分で言えば九千九百万円低い価格で仕事をしたのですから、なぜ仕事をとることができないんだ。この点についてどのように調査を行いましたか。
#65
○政府委員(川本正知君) お答えいたします。
 ただいまの件につきましては、大都工業が常総開発に申し出をいたしましたのは、先生おっしゃいましたように正式の入札後のことでございました。しゅんせつ船を、持っております船を全く遊休させて赤字を大きくするということよりは、少しでも稼働させまして赤字幅を少しでも縮小させようというふうなことで、出血を覚悟で申し出たというふうに茨城県は現に聴取を受けております。で、余り明確ではございませんけれども、正式の入札時点ではまだそこまで考えていなかったのじゃないか、そういうふうに思います。
#66
○志苫裕君 そういう答弁をしちゃいかぬですよ。この大都も三回入札をしているんですよ。そして絶えず晴総より上の価格だったから、見積もり合わせの中身まで入らなかったのです。それが五八%でやりますと言って泣きついていくぐらいの、それくらいの値段でやれるんですから。それはそうですよ、機械一つ船一つといったって、設計の上ではどこぞから運んできてそこで店開きをするという標準的な仕様になります。しかし、この業者は隣で仕事しておって店開きしておったのだから、運搬賃も要りません。そういう強味がおれにはあるという自信があり、取りたいから取ったわけですね。そうすれば、最初から低い値段で入れればいいんです。しかし入れなかった。常総に落ちた。
 この常総という会社は、私はあえて指摘しますが、ここに常総のいろいろな機械一覧表があります。たとえば、しゅんせつ能力を言いましょう。しゅんせつ能力は、皆さんの設計では、皆さんの報告にありましたように三百五十馬力の動力を使うということになっているでしょう。しかし、常総にはそういう船は一隻もありません。ここの営業用機械目録には一そうもありません。そしてしかも、この技術者経歴書、県に報告になっていますこの技術者経歴書には、いわゆる技術者でない営業の人も全部ずらりと並べてかっこうをつけているじゃありませんか。こういう会社が昨年は全県で二位の工事完成高。しかも設計にある能力もない者が受ける。受けてすぐ直後に約四割五分の上前をはねて、仮に一括下請をしたとしましょう。まことに不自然じゃないですか。能力のない者に発注をして、その者が自分は百三十万円使っただけで二億四千万円の工事をそっくり下におろす。これは県の調査でも、彼らが結んだ協定書でも、そして行った決算書でも脈絡一貫をしておる。
 ただ、業者に聞くと、最初はそんなことはなかったと言ったということですね。だんだん聞いていったら、実はあるんですと言ったというのですね。そして皆さんは、こういう経費も本来経費として落としていいのではないか、こういう経費も本来落としていいのではないかと、会社が考えていないものを、去年の予算で買った鉛筆がことし残っていた、それはことしの予算から落としたことにしなさい、経費に見込んでいいんですよと言って二千七百万円分を全部つけ加えて、そうして差し引きをして一割ぐらいの利益ならそう不当とは言えまい、こういうことを言っておるんだ。これは県です。皆さんの態度じゃありません。
 この点については、私は先ほど言いましたように、事実仕事をやった大都工業という会社が実際に一億四千百万円で付事をしたかどうかは、私にもわかりません。あるいは、皆さんが帳簿にあったという分だけでも一千七百万円ですから、これよりも一千七百万円はよけいかかっておるというのは帳簿のことですから、大蔵省が見ていつでもその帳簿しかないわけで、これは県がそう言っているのですから、だからその帳簿に基づけばそれよりも一千七百万円多かったということになるでしょう。にもかかわらず、経費として落とさなかったのはなぜか。皆さんが言うような二千七百万円それにプラスするという額、それも本来税務署その他の関係からいえば喜んで経費から落とさなきゃならぬ額です。にもかかわらず落とさなかったのはなぜかというと、冒頭の覚書の利益配分、三、三、四の利益を配分するためには、自分のところが少々かぶってもこの決算をする以外に大都工業の立場がなかったからなんです。
 そうしますと、この覚書の利益配分額は、常総及び株木に仮にそこから百三十万円、六百万円、これは実支出としましても、あの四千万円、さらに二千八百万円という二社の利益配分は大都から回されたということは間違いがない。それを証明する銀行の振込口座が私のところにあります。これは県から頭金をもらう、中間出来高をもらう、その都度常総がもらって各会社へ配って、各会社はその分から利益分を差し引いて仕事をする大都に振り込んでいるんです。明らかです。そうなりますと、事前に談合があったかないかわからないと皆さん言う。しかし、結果としてそういう利益配分が――談合というのは事前に約束して金を分ける。これは話し合いをして、下請だか何か裏ジョイントに回って、結果は三千万、四千万というお金が配られたのです。
 さあ、こうなりますと警察庁、あなたの方では談合問題は一つは時効という壁があると言う。それから利益配分の問題についても、まあ会社がもうけたからといって悪いことはないだろうということになるかもしらないが、事前に話があり、結果としてそういう膨大な利益配分が行われたということになると、これは時効の壁もへったくれも言っておれないでしょう。どういうことになりますか。
#67
○政府委員(中平和水君) お答えいたします。
 ただいま御指摘のありましたように、そうした契約が結ばれたのは昭和五十三年の十月六日でございまして、御案内のように、仮に談合罪が成立するといたしましても、これは三年の時効という問題があるわけでございます。しかしながら、ただいま御指摘がございましたように、この種の問題につきましては、私ども公共工事をめぐる各種の不正事犯につきましては、かねてから厳正な取り締まりを行ってきているつもりでございます。
 昨日も申し上げましたように、ことし五十九の公共工事をめぐる汚職事件の検挙摘発をしているわけでございますが、これはことしになりまして検挙摘発された全汚職の約半数を占めるのが、公共工事をめぐる各種の汚職事犯でございます。その中には、談合等に密接に関連いたします予定価額をあらかじめ業者に漏らしたケース、あるいは入札参加業者の指名についての便宜を図ったケース、あるいは工事の施工監督等をめぐって有利便宜な取り扱いをした等の事犯があるわけでございまして、この談合の悪質なもの、談合事犯の摘発に今後とも努めることはもとよりでございますが、談合より刑事責任をより重く問うことのできる贈収賄事件の検挙摘発に一層努めることによりまして、結果として公共工事の適正な執行に寄与してまいりたいと考えております。
 したがいまして、本件も含めまして、最近いろいろと問題になっているケースにつきましては、私どもはそういう立場で厳正に処理をする、そういうことで臨んでまいりたいと考えております。
#68
○志苫裕君 時間があれですから、そろそろまとめにします。いずれにいたしましても、私はもう一度、建設省が県から報告を受けたというこの表の見方を皆さんに説明しておきましょう。
 裏ジョイント決算では九千九百六十万円の利益が上がっていました。これは四一・三%です。
 二番目、県が行った帳簿調査、これによりますと七千百五万一千円の利益が上がっています。このほかに管理費等からいわゆる三%の利益を建設省の方針によって引っ張り出しますと、七千百万は二九・五%になり、それに三%足しますと、彼らの帳簿に載っておる価格からは三二・五%の利益が上がっています。
 三番口、県がいわゆる材料費で二百万円、それから仮設経費で百万円、それから機械等経費で二千四百四十万円、これを本来経費として落としてもいいんですよ、ただしそのとき使ったわけじゃないから利益になるでしょう、これは企業努力というものだという、この分、この項目についてどれだけの利益になるかを計算しますと、この計算でいきますと、一千七百五十万円が皆さんの言う利益ですね。これに企業努力分二千七百万円を加えますと、四千四百五十万円の利益になりますね。そうしますと、この利益は、それに皆さんの言う一般管理費、正常利益三%を足しますから、二一%の利益を上げたことになるわけです。県が正当な会社経理を行っていけばこうなるというその結果によっても、発注価格から二一%の利益を上げた工事ということになるわけです。実態はそうではなかったことは先ほど言ったとおりであります。
 さあ、こうなってまいりますと、問題はそのお金がどこへ行ったか。常総は百三十万円の元手で二千八百万円配分したのですから、大蔵大臣、これは見逃せない語ですよ。大蔵省、どうやっていますか、いま。
#69
○国務大臣(渡辺美智雄君) 大蔵省はそれぞれの会社については過年度分は大体課税済みでありますが、最近の分は目下実調中であります。委細は事務当局から説明させます。
#70
○政府委員(岸田俊輔君) 関連の三法人でございますけれども、そのうち二法人につきましては十月中旬に調査を開始いたしております。残りの一法人も近々調査に入る状況でございます。私どもの調査といたしましては、十分これらの先ほどの御議論のありました点を念頭に置きまして、適正な課税をいたしたいと考えております。
#71
○志苫裕君 県の見積もりが甘かったかどうかという、この間指摘をいたしました。それについては建設省も県も、見積もりがこの工事について特別に手心を加えたとか差っ引いたとかいうことはない、私はそのことを信用しましょう。これは標準仕様でいくわけですから。しかし、はしなくも今度の大都という会社が立っていた地位から見ますと、標準仕様と実際の仕事の間にずいぶん開きがあるということは、まず容易に想定できるわけです。しかし、これはまた別の面で言えば、どこかに損をするやつもおるという説明になるのかもしれませんが、そうしますと現場の状況に合わせて、人を見て法を説くようにこの見積もりを合わせていくというのが合理的なのかもしれない。そうやると恣意が入り過ぎちゃってなかなか入札の公正が期せられないというふうなさまざまな問題はあると思いますから、断定はできませんけれども、しかし積算価格そのものは、この事実から見て、大幅に再検討を加えて洗い直しをするテーマではあるということは、はっきり言えると思うんです。建設大臣もそのようなことをお考えになって建設審議会等に諮問をなさったそうでありますが、ひとつこの点はやってもらいたい。
 私は最後に、金の流れがどこへ行ったかということが、この際は非常に大事になってまいります。大蔵省もしっかりしてもるわなければなりませんし、警察もしっかりしてもらわなければなりません。
 大都の立場、常総の立場、株木の立場、三者は三様の立場があったわけです。大都工業というのは工事現場にもう店開きをしておったから、どうしても仕事を取りたかった、半値でもやるという立場だったんだ。株木というのは、物の順序から言うとこの仕事はおれのところへ来るんだがなあという、そういう立場にあったんだ。だから落札もしないうちに機械を運んでおったんだ、草むしりもしておったんだ、こういう立場にある。常総というのは中身の実力は何にもないけれども、知事に対しては、県に対しては非常に密接な強大な力を持っておる会社なんだ。したがって、県から仕事を取るのに窓口になるにはまことにふさわしい会社なんだ。こういう三者三様の会社が立っておる立場、これがぐるぐる、ジョイントを結んだのがこのていたらくなんです。その結果、国税が、県税が浪費されたという事実になるわけでありまして、これは具体的な事実だ。
 このことについて、小柳委員からこの全般の問題についてはまとめてもらいますが、私の指摘を終わりますけれども、もう一遍、大蔵大臣、警察庁、建設大臣、しかとお答えください。
#72
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私の方は工事の仕組みはよくわかりませんが、いずれにしても益金に算入すべきものは算入して、納税してもらうものは納税をしていただく、そういうことであります。
#73
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。
 具体的な問題でございます。なお事実関係を確認いたしまして、まさに先生のおっしゃるとおりでございますれば、当然法律がございますので、法令に照らして厳罰に処さなければならない問題ではなかろうか、このように考えるところでございます。
#74
○政府委員(中平和水君) 具体的な証拠に基づきまして、刑事責任を問うべき内容が明らかになれば、厳正に対処してまいりたいと考えております。
#75
○委員長(玉置和郎君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十七分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二分開会
#76
○委員長(玉置和郎君) ただいまから行財政改革に関する特別委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。小柳勇君。
#77
○小柳勇君 午前中、志苫委員が建設業界の不正をただしましたが、その他にもたくさん不正がございます。建設関係なり、あるいは厚生関係なり、私はここにこんなたくさんの資料を持っておりますが、公正取引委員会、午前中の質問をお聞きになりました。私がここで建設関係の不正をやってもいいのですが、時間の関係があります、ダブりません。公正取引委員長の見解を聞きます。
#78
○政府委員(橋口收君) 一般的に申しまして、事業者または事業者団体による競争制限的な入札談合の行為につきましてはかねてから関心を持っておるところでございまして、特に昭和五十二年独占禁止法が改正になりまして以降強い関心を持っておるわけでございます。現在まで官公庁の発注にかかわる入札談合事件として法的な措置をとりましたものはここ五年の間に十件ございます。それから民間の発注分も含めまして全体で約二十件につきまして所要の法的な措置を講じておるところでございます。
 また、それに関連をいたしまして課徴金も徴求いたしておりまして、官公庁だけで申しましても約十二億九千万円余の課徴金を徴求いたしておりますし、民間分を合わせますと約十五億七千万円の額に上っておるわけでございます。独占禁止法の立場から申しまして、事業者または事業者団体によりまして一定の取引分野における競争が実質的に制限され、事業者の自由が阻害されるという場合には法に照らして所要の措置を講じてまいる所存でございます。
 午前中いろいろ御質問がございまして拝聴いたしておりましたが、日夜新聞紙上等にも応接にいとまのないほど情報が提供されておるわけでございまして、それ以外にも公正取引委員会に対しまして情報の提供がかなりの数に上っております。ただ、特に申し上げておきたいと思いますことは、情報の価値は隠密に提供されるところにあるわけでございまして、公開された情報の価値は相対的に低いということでございまして、いま私どもといたしましては、提供されました各種の情報を整理をいたしまして、その確度なりあるいは有効性につきまして慎重に調査をしておるところでございます。
#79
○小柳勇君 次は会計検査院長から。
#80
○会計検査院長(大村筆雄君) 御承知のとおり、会計法におきましては一般競争入札を原則といたしまして、やむを得ない場合は指名競争入札を認めておるわけでございます。したがいまして、いわゆる談合行為が行われるということは会計法が定めております競争入札の趣旨にもとるわけでございますから、これが防止のために適切な措置が講ぜられる必要があると存じます。そういう措置を踏まえまして私どもも必要な検査を展開してまいりたいと、かように考えております。
#81
○小柳勇君 私は昨日、建設省並びに厚生省にこの不正追及の通告をいたしています。もう各委員から今日まで再々出ましたから具体的に申しませんが、建設大臣はこのような不正工事がなされないように、あるいは厚生大臣は不正取引がなされないようにどういうように取り組まれるか、組織の問題もありましょうが、両大臣の考え、決意をお聞きをしておきたいと思います。
#82
○国務大臣(村山達雄君) 厚生省関係のそういう不正取引ということになりますと、一つ考えられますのは、いろいろな厚生省関係の設備の建設関係がございますが、そういったものについてはただいま公取委員長あるいは会計検査院等、あるいは委員の方々も御指摘がございますので、そういうことがないようにこれから十分注意してまいりたいと思います。
 それからもう一つは医薬品の関係でございまして、最近、十一月の十日、十一日、公正取引委員会の立入検査が行われたところでございます。私たちは現在の医薬品の流通場裏を見ておりますと、これはもう完全に買い手市場でございます。したがいまして、どうしても割り引きをするとか、そこが一つ医療の薬づけになる大きな原因になっているわけでございます。一方において薬価基準を実勢価格に合わせるということをやっております。
 それから第二番目の問題は、やはり医療機関と薬屋さんの間、卸屋さんの間の取引は力関係があるものでございますから、いわゆる総価山買い、一山幾らとこう買いまして、それで値引きをさせられる。そのためにともすると、まあ私が医療機関の方から聞いたのでございますけれども、局方薬品、たとえて言いますとパスであるとかヒドラジッドであるとかあるいは重曹というような基礎的な医薬、これが原価割れで出てこない。その結果は医療機関も弱っているわけでございます。そうことがございまして、六月一日に薬価基準に盛るときには、実際はそういう原価割れで出てこないものについては中医協の御同意を得まして、それで若干単価を上げておるような状況でございます。
 もちろん、それだからといって独占禁止法違反があってはいけないことは当然でございます。われわれは機会あるごとに、口頭ではございますけれども、製薬会社に対して公正な取引を守るようにということはしばしば言っているわけでございますが、今回の立入検査につきましては、すでに立入検査が行われておるわけでございますので、その結果を慎重に見守りまして、そしてその結果いかんによりまして適切な行政指導を行っていきたいと、かように思っておるところでございます。
#83
○小柳勇君 建設大臣の答弁は再々聞きますからよろしゅうございます。
 そこで行管長富に。公取の動きなり、あるいは会計検査の職員が現場にちょっと参りますと空気がさっと違うわけですね。公取の立ち入りがあったといいますと、その業界なりその県なりに全部広がるわけですよ。したがいまして、公取委員会の職員なり会計検査院の職員なり優秀なベテランを、りっぱな人をふやすことも行革の一環ではないかと私は思いますが、行管長官の見解を聞きます。
#84
○国務大臣(中曽根康弘君) 減量経営に努めているときでございまして、それで五年間に五%削減するという大方針も閣議決定していま進めている折からでありますから、各官庁とも減らしていただいて、ふやすというようなことは、できるだけ部内の調整によって重点的に再配置を行う、こういう方針で実はやっていただいております。国税庁のようなところは非常に人手が足りないと言っておりますが、それでも大蔵省全体の枠内でいろいろやりくりしていただいて、やってきていただいております。外務省あたりからも非常に強い要請もありますが、在外公館を新しくつくるというようなときは認めざるを得ませんけれども、それ以外はもうできるだけ部内で同じように流用していただいておるのであります。
 会計検査院や公取の諸君が非常に精励して、しかもまじめに実績を上げていただいているのは、国民の皆さんも非清に信頼感を寄せているところであると思いますが、どうしてもしようがないという場合には相談に応じますけれども、まず自分でやっていただくように努力していただきたいと思います。
#85
○小柳勇君 私は、この質問の最後に申し上げたいと思っています政財官の癒着などもありますから、国会で幾ら論議しましても、この種の不正、談合などはなかなかなくならぬのではないか。それよりも積極的に公取の職員の活動とか会計検査院の活動とか、あるいは国税庁職員の活動とか、積極的にいくことが財政再建ではないか。何兆円も出てきてはいかぬのですけれども、それも一つの方途ではないか。したがって、いま行管長官、部内の配置転換とおっしゃいましたが、各省の配置転換についてもお考えになっていますか。
#86
○国務大臣(中曽根康弘君) 省庁間の配置転換も推進しているところでございますが、なかなかこれは思うように進んでおりません。やはり待遇の問題とか、新しい場所になかなか居つかないとか、そういういろいろな問題がございまして、それらについては、研修期間を長くするとか、あるいは受け入れる方で歓迎してやる空気をつくっていくとか、そういう点で大いに改革を進めている最中であります。
#87
○小柳勇君 総理に質問いたしますが、公共事業の見直しを行うことによって財政再建も、行革の目標である信頼の確保も、陳情行政の弊害も一挙に解決できるのではないかと思います。総理は勇断をもって抜本的なメスを加えてもらいたいのでありますが、いかがでございますか。
#88
○国務大臣(鈴木善幸君) 財政資金が円滑かつ適正に、不正のないようにこれが使用されるということは、これは行財政改革の面からいたしましても非常に重要なことであるわけでございます。そういう意味合いからいたしまして、私は、会計検査院あるいは公取委の機能を十分発揮していただきまして、また政府もこれに協力をして、そしてそのような不正だとかあるいは疑惑を受けるようなことが起こらないようにやっていかなければいけない、そのように努力してまいりたい、このように考えております。
 なお、公共事業費の削減の問題につきましては、午前中の小柳さんの御質問に答えましたように、国民経済の中で公共事業の役割りは非情に私は大きいものがあると考えております。要は、これが適正にその効率を発揮するようになされることが必要でありますし、五十七年度予算編成におきましては、総合的に全体を考えまして、これは景気の動向にも関連がございますので総合的に判断をして適正に決めたい、こう思っております。
#89
○小柳勇君 今度は行革の委員長に意見なり見解を求めたいのですが、衆参両院で会計検査院法の改正など再三議決しておるわけです。議決したにかかわりませず今日まで手がつかない。このようなことは、私けさ冒頭に言いましたように、まことにもってけしからぬことだと思います。国会でこれだけ苦労して決めたことはちゃんとやるということ、こういうものをもお願いしたい。同時に、公共事業をめぐる不正問題は後半国会の焦点となっております。本委員会でも全党派がしばしば取り上げました。国民注視の的でもございます。私はこれを単なる委員会でのやりとりに終わらせたくございません。したがって、この際委員長が、たとえばこの問題についての特別決議を行うとか、委員長報告に委員会としての意思を盛り込むとか、何らかの措置をとってもらいたいと思いますが、いかがでございますか。
#90
○委員長(玉置和郎君) ただいまの小柳君からの御要請は、これは委員長としましては十分検討して、その取り扱いについては院の最高権威である議長とも相談します。ひとつそういうことでやっていきたいと思いますから、よろしく。
#91
○小柳勇君 次には、社会的な不公平の問題を取り上げていきたいと思います。それは税制の問題でございます。
 大蔵省でもグリーンカード制などいろいろ言っておられます。ところが、税制が非常に不公平である。事実上、階層によって税の捕捉率が異なる。最近、クロヨンとかトーゴーサンを大蔵省も認められたようでありますが、税金の取りはぐれが大体一兆円を超えると推測される。したがって、このようなクロヨンの実態が明らかになったら、直ちに不公平の税制をなくするような措置をしてもらいたいと同時に、国税庁の捕捉機能を拡充して、もっと徹底した調査をしてもらいたいが、いかがでございますか。
#92
○国務大臣(渡辺美智雄君) しばしばその議論がございますが、私はクロヨンという言葉は実在しないのじゃないかと。要は、終戦後からその九がサラリーマンだと、これは当たっています。六が事業者とか、四が農家とかというのはよく観念的に言われたのですが、それは終戦後、農家の方が米を納めても、あとは、二十俵余ったのをやみで売れば、自分が供出した米代よりもよけい金が入って、それを申告しなかったとかいうようなことからそういうことが言われたわけでございますが、現在、農家はほとんど自分の米は適正なルートで売っておるというのが実態でございますし、なかなかたんぼや畑は隠しようがないわけですから、私はそういうものは存在しないのじゃないかと。
 ただ、要するに観念的に農家の生活が楽だということや、農業所得者の納税申告が少ないということからそういうことが言われているのだろうと。しかし、いまの農家というのは大体三分の二以上はサラリーマン、それの収入が過半数以上ということで、その部分は源泉徴収を受けてやっておる。あるいは娘や息子が郵便局やなんかに兼業農家ですから勤めておって、それで自動車を二台持っているとか、そういうような外形標準だけで農家の要するに申告が少ない、外形はいいと、そういうところから言われているんじゃないかというように考えております。
 それともう一つは、事業者の問題についても、青色申告はかなり普及いたしまして、世間一般に言われているほどでたらめ申告というのは、ないとは申しませんよ、私は。これは数のうちですから、ないことはない。しかし、実際には四割も一般の人が所得を隠しておったり、家事関連経費に使っちゃっているということは、そんな甘い情勢じゃ現在はない、それが税務の実態である。しかし、捕捉率が足らないために大口な脱税者があったり、無申告者があったりと、これは事実なんです。
 したがって、これについては執行面において、われわれとしてはそういうような御批判を受けないように、特に団体を組んで納税調査拒否とかいろんなことで抵抗するというような者を放置しておいたのでは、これはやはり世間からいろんなことを言われても仕方がないわけでありますから、これには正義感と勇気を持って税務官公署は取り組んでもらいたい。これには地域住民の方もみんなでかばってくれるというようなことでなければ、言うべくしてなかなか困難な問題があります。だから、それについては断固たる措置をもつ上やれということを実は指示をいたして、税務当局といたしましても非常な悲壮な決意を持ってこれには対処するという方針でやりつつあるところでございます。
 また、税制上の問題については、特別措置法等についても、実態に合わないものや、いろいろなそういうものについては毎回見直し等をいたしておりますが、これは引き続き批判のないようにやってまいりたいと考えます。
#93
○小柳勇君 再々この委員会でも各党が問題にいたしました調整減税の問題。いま個人消費がふえません。どこへ行きましても、不景気で困ります、何とかなりませんかというのがい言葉ですね。したがいまして、この調整減税を、物価調整減税とまでは言わぬでも、所得税減税につきまして早急にやる。そのことが、個人消費がふえまして税収もふえる、これはもう循環ですから、もらってあるいは残ったものをみんなポケットオーライしているわけじゃないんですね、みんな金は回るんですから。したがいまして、物価調整減税あるいは所得税減税を早急にやるべきであると考えますが、いかがですか。
#94
○国務大臣(渡辺美智雄君) よく景気対策としての所得税減税というようなことが言われます。かつて吉田内閣のころですか、予算の一割ぐらいの大幅減税をやったことがあります。その程度の減税をやれば、それは確かに景気対策としては大きな意味があるだろうと私は思います。しかし、現実の問題として、五十兆になろうとするような予算の中で、四兆とか五兆とかというような減税は言うべくしてできるはずもない。また、一千億、二千億というようなミニ減税で、私は三百兆になろうとするGNPの中で、これが目立つような景気刺激になるとは考えていない。
 しかし、現実の問題として、仮に二千億でも三千億でもというような減税をして、その一割ぐらいが当年度税収として入ってくるだろうということが言われております。九割のものは失うわけであります。それだけの財源を財政的に現在どこからそれでは確保するか、歳出をそれだけ切れるかということになると、なかなかもうメジロ押しで、切ったり抑え込んだりいまからこれやっていかなければなりませんが、しかし言うべくしてそう簡単なものでは実際はない。
 そこで、現実に三年も四年も課税最低限を上げない、そのために、月給は上がるが物価もだんだん上がってくる、税金の方は重みが非常に感じられる、これも現実なんです。私も率直にそれは認めるのです。認めるのですが、一つは財源の事情、それから諸国との比較等の問題を考えますと、まことにそういう点では私は人情としてはよくわかるのですが、全体の問題として、その減税に踏み切るというところの決心がつかないということであります。
#95
○小柳勇君 さっきのクロヨンの話と関連しておるのです。サラリーマンなど所得税でやれるものはぴしっととらえる、クロヨンの実態はないなんとおっしゃいますけれども、それではなぜ児童手当の課税最低限を変えていくのか、理屈になりません。非常に一般の声ですね、これは。大蔵省としてはよくわかりますよ。恐らく経済企画庁に聞けば私の言うことはよくわかると思いますよ。したがいまして、まず税の不公平をなくするということ、これは国民の要望であります。
 だから、わが社会党は、租税特別措置の見直しなどこれをやったら一兆円とか、具体的に提案をしています。したがいまして、よそごとでなく、自分のこととしてもう一遍わが党の意見もあるいは他の団体の意見も十分聞いていただきたい。それがもう大蔵省はこうだと、大蔵大臣はこれがもうとにかくにしきの御旗で、これ一本で譲らぬでは国民が不幸ではないかと思いますから、そういうことで幅広い、しかも柔軟な検討をして、国民の不満をなくしてもらいたい。不公平に対する不湖をなくしてもらいたい。もう一回大蔵大臣の答弁を願いたい。
 そして後、総理から、これはいろいろまだ財政措置の問題がありますけれども、時間もありませんから、この租税に対する国民の不満をどう解消していくか、このことは大蔵大臣の後、総理からも見解を聞いておきたいのです。
#96
○国務大臣(渡辺美智雄君) 税の問題は、不公平感をなくすということが最も私は大切なことだと思っております。したがいまして、特別措置等は私は不公平だというふうには思っておらないわけでございますが、ただ、実態に合わなくなったものや、政策効果を失ったようなもの、いままで長期間続いておるようなもの、現実離れを多少している、ずれがあるというようなものについては、これはどんどん毎年見直しておりますから、これは続けて見直しを行って、そこで不当な恩恵を受けることのないように、これはもう厳正にやっていきたい、そう思っておりますし、先ほど言ったように、やっぱり一般の人から見て、あれは税金を納めていないんじゃないかと思われるような者については重点的な調査というものをしていく必要がある、そう考えておりますし、また、社会党の御提案の各項目については、これは真剣にわれわれも検討しているのです。決して人のことを知らぬというのじゃなくて、皆さんの御意見について現実的にどうかという点はいろいろと検討しておるということは申し上げてよいと思います。
 ただ、直ちにそれが採用できるかどうかということについては、いろいろ議論のあるところでございますから、時間の関係もあるので後日にいたしたいと思います。
#97
○国務大臣(鈴木善幸君) 税の公正を図る、税負担の適正化を図る、このことは国民生活の安定の面から非常に大事な問題でございまして、特に行財政改革を進めるに当たりましては、この税負担の不公平感というものを除去しなければいけない、こう考えまして、この臨時国会の劈頭に私は所信表明の中でこの問題に触れておるわけでございます。
 御指摘がございましたところの租税特別措置法の思い切った見直し、これは五十七年度予算編成の際におきましても私は積極的にこれをやるつもりでございます。それから徴税の執行面における税の捕捉その他、不公正だと思われる点をなくするということにつきましては今後とも最善を尽くしてまいる所存であります。
#98
○小柳勇君 いまの総理のお言葉のように、四年間もサラリーマンなどは課税最低限などの変更もない。したがって、ベースアップがありましても税金で取られるという感覚、実質収入が減っておるわけですから、十分ひとつ考えておいていただきたいと思います。
 それから経済企画庁長官、今度経済見通しを発表しておられます。たとえば経済成長を五・五%にするには個人消費をふやしていかなければならぬ、あるいは住宅建設をふやさなければならぬ、あるいは民間設備投資をふやさなければなりません。もう具体的に数字が出るわけですね。GNPは一つの枠がありますから、これでもう五二、三%は消費支出、あるいは十数%は住宅建設、十数%が民間設備投資、もう目の前にわかっておるのですから、これに具体的に一つ一つ手を加えていきませんと景気はよくならぬと思います。いろいろ数字はございますけれども、大きな方向を――これから行革をやりますとまた不景気になるのではないかというのが一般の心配です。ゼロシーリングで各省とも仕事をやらぬ、公共事業も減ります。したがって、これから不景気になるでしょうということで、いろいろなことを手控えている。それでは民間投資もふえませんね。経済企画庁長官のこれから一年なり二年なりの経済運営の責任ある見通しをお話し願いたいと思います。
#99
○国務大臣(河本敏夫君) 来年の経済運営をどうするか、経済見通しをどうするかにつきましては、経済企画庁の内部では一つの案をまとめましたが、それを基礎にいたしましていま関係各省と調整に入ったところでございます。やはり国民生活を安定させ、わが国が国際的な役割りを果たす。こういうことのためには安定成長に定着させることが大切でございまして、この安定成長とは何ぞやと言いますと、それは一昨年政府の方で決めました新七ヵ年計画に沿った経済運営だと考えております。そういう基本的な考え方に立ちまして、個人消費に対するいろいろな問題点、いまお話しの民間の設備投資あるいは貿易あるいは住宅投資、それに関連しての金融政策、それから公共事業のうち一般会計はゼロシーリングということで決まっておりますが、それ以外の分野での、たとえば財投とか地方財政とか民間資金とか、そういうものを含む公共投資全体がどうなるのか、こういう諸問題につきまして目下調整中でございまして、近く最終の結論が出てくるであろうと考えております。
#100
○小柳勇君 経済企画庁では、いまの減税なり、あるいは公定歩合の引き下げなり景気刺激策、具体的にこれからこの年度予算の前にどうしようと、こういう計画がございませんか。
#101
○国務大臣(河本敏夫君) 所得税の問題につきましては、五十二年度以降据え置きになっておりまして、しかも累進課税でございますから、国民の負担は相当重くなっております。国民経済全体から考えました場合に、やはりこの問題は非常に大きな問題でもございます。でありますから、経済全体から考えました場合には、税がもう少し軽くなって所得がふえて個人消費が拡大をするということが望ましいわけでありますけれども、やはりそれには相当な財源も必要であります。そこで、それらを可能ならしめるような財政的な余裕が出てくるような私はそういう経済運営がこれから望ましいし、一つの大きな課題であると考えております。
#102
○小柳勇君 大蔵大臣、もう一問。時間もないのですが、税収の伸び、これから、ことし、来年、この三年間ぐらい。一応予想でいいですが、どのくらい見ていますか。
#103
○国務大臣(渡辺美智雄君) まず、ことしのお話でございますが、ことしの伸びについては、実は予算に予定をしたほどにまだいっていない。いろいろ考えられますが、一つは、御承知のとおり名目GNPが下がった。いろいろな原因もありましょう。その一大原因の一つは、思ったよりも物価が安定して、物価が高くならない。これは、税金というのは名目に課税して実質に課税するわけじゃありませんから。それから雇用者所得の方が思ったほど伸びていないということも事実でございます。そういうようなことで、まずことしの税収というものは、はっきり言えることは、年度内の自然増収はまずまずないだろう、したがって予算に組んだだけのところを確保するのが精いっぱいである。
 それから来年以降の問題は、来年の景気動向によって左右をされるということであって、ともかく中期財政展望で書いたとおりにいくかどうか、これは今後もう少し数字的に詰めてみないと何とも言えない、そう思っております。
#104
○小柳勇君 私の方でも一四・一%を上限にして試算していますけれども、残念ながら増税なき財政再建というのは不可能ではないかという私は見解です。しかし、これは論争してもしようがありません。これから経済企画庁と通産省などが一緒になりまして景気刺激策をどうするかと。刺激よりも、政府は自分が二割ぐらいの財政を持っているだけでして、本当は国民が政府をどう信頼するのか、鈴木内閣をどう信頼するか、あるいは通産省なり経済企画庁なり大蔵省をどう信頼するか、私はそれだと思うのですよ。それ以外には何も、景気を刺激しようなんてしたって無理だ。私は公共事業をふやして景気を刺激するというあの福田内閣の政策には本会議で反対いたしました。そのとおりになりましたね。したがいまして、いま私どもが論議しているこの問題も、将来のことを論議しておりますから、水かけ論になりますから論争いたしません。願わくば不公平をなくして、国民が、喜びはしませんけれども、安心して税金を納めますように精いっぱいひとつ大蔵省がんばってもらいたい。
 そこで、いろいろまだ不公正の問題がございますけれども、一つだけ、道路財源の一般予算繰り入れについて大蔵省並びに建設大臣から聞いておきたいのです。
#105
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。
 道路財源につきましては、御案内のように揮発油税の全額、自動車重量税の国分の八割に見合う額が充てられておるところでございます。
 道路事業につきましては、いまここで申し上げる必要がなかろうかと思います。まだまだ欧米先進国に比べて非常に整備がおくれておるところが実情でございます。それだけに道路整備につきましては、受益者負担あるいは損傷者の負担を考えてこの制度がなされておるわけでございます。国の行財政事情が非常に厳しい折でございますだけに、臨調の答申にもこのことにつきまして触れられておるわけでございまして、私たちといたしましては、道路の重要性あるいは均衡ある国土の環境の発展等を考えたときに、道路の重要性を認識しながらも、こうした環境におりますので、この道路財源につきましては安定的な財源確保のためにも必要であると考えておりますが、これからの問題として幅広く検討してまいりたい、このように考えているところでございます。
#106
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私も日本の道路がこれで非常に先進国並みになったというふうに思っておりません。思っておりませんが、問題は全体のバランスの問題でございまして、道路財源が特定財源として固定してしまうということで、非常に財政の硬直化を来していることも事実でございます。ですから、道路関係、私も昔から道路族なんて言われてきたわけですけれども、これは言うならば長男みたいなもので、後から建設省の中でもいろいろな重点施策が次男、三男、四男とできているわけですね。いま長男だけが財産を持っているから、腹いっぱいでもないけれども九分目ぐらい食って、次三男の方が腹が減っちゃってどうも栄養失調だということでも困るので、何とかひとつ建設一家族の中で、次男、三男も満杯とは言わないが、長男の方も少し譲って次三男の方に回して、次三男が栄養失調にならないようにまずひとつ考えてもらえぬかということは申し上げておるところでございます。
#107
○小柳勇君 臨調の第一特別部会で、利害関係者が多くてこの問題はなかなかまとまらぬということでありますから、いまの大蔵大臣が言われたことをちゃんと胸に入れて、あと行管長官、ひとつ采配を振ってもらいたい。
 そこで関連して、時間もありませんが、総合交通の問題。いまの道路の上を車が走っているわけですけれども、全国の道路の長さ、市町村加えましても百十万三千キロ、県道、国道だけで十七万一千キロしかないですね。これに軍が三千八百九十万台動いているわけです。それで年間に千百万台の新車ができてくる。半分は外国へ行く、半分は国内を走るわけです。この間、計算させました。そうしますと、県道、国道、往復だから二倍しまして三十四万キロ、それを車で割りますと車間距離は八・七メーターですね。日本で走っているのは八・七メーター。だから夕方になりますと、道路渋滞の信号を見て車が動かぬということ。これから五年しますと、毎年五百万ずつふえますから、それはマイカーを持っていたって殺せぬのじゃないかと。それなのに九州から東京まで長距離貨物が走っているわけです、トラックが。この自家用トラックというのが八百五十万台も野放しで走っている。青ナンバーのトラックが五十四万台ですね。そうして五日間かかって走っている。
 したがいまして、道路も壊れますけど、もう少し総合交通体系をつくって、そしておのおのの分野を――鉄道の貨物をゼロにするなんということを考えないで、その長距離トラックの荷物を一割鉄道貨物に回しますと、鉄道貨物は現在の三割ふえます、この間から資料を全部とりましたけれどもね。そういう総合交通体系の確立と、もう一つは白ナンバーのトラックが八百数十万台も走っていますが、輸送経費が全然日本の経済統計にないわけですよ、アメリカにはできています。それが幾らかと、この間試算させましたら、運輸省では十八兆円と言ってきました。トラックの運賃は合計しまして四兆六千億円しかない。十八兆円輸送経費、それが経済企画庁でも全然把握されておりません。物価というのは原価と輸送費と利潤でしょう。物価調整なんておっしゃいますけど、全然輸送費の把握ができないで物価調整などということはナンセンスであります。
 したがいまして、時間がないから総合交通体系は論じていられませんけど、ただ去年決めた国鉄再建法が一年でもうつまらぬと。私、ここに鈴木総務会長時代の申し入れ書を持っておりますよ。もうこれが最後の案であるが、とにかく三年間やってくれ、そうしたら黒字になるとここにちゃんと書いてある。それをいま国鉄はもうこれでだめだと。皆さん本当に総理以下全部辞職してもらいたいですよ。だれが一体責任持つのか。国鉄総裁には当事者能力がない、運輸大臣は国鉄を監督するだけ、どうせよという本当のものがないでしょう。そんなことで、ここでこれだけ大臣が並んであれやこれや言ったってナンセンスです、それは。したがいまして、もう少し根本的に、いまのエネルギーの問題もこれから三割ぐらい減らさなきゃなりません。だから鉄道は、いまゼロにするようなこと、そんなことは考えないで、いざとなったら一体どうしましょうか。道路がたとえば水爆でやられる――そんなことはないと思います。水害でやられる、いざとなったら一体日本はどうなりましょうか。
 六十一億トンの荷物が動いているのです。六十一億トンの荷物が動かなければ一億一千万の人間は生活できないのです。それをただもう国鉄がいいとか悪いとか、そして新二九通達などができておりますけれども、これに合うような運送はありませんです。みんな違反しています。ただ役人の形式だけ。本当に形式だけ、こんなものがありますけど。労働省がちゃんとつくっておりますけれども、取り締まる者はおりません。したがいまして、私はいまもうこの行革を終わるに当たりまして、この交通問題は重大でありますから、ただ単に三Kの問題が重大であるから臨調任せなんて言わないで、臨調任せなんということだったらもう内閣は要りませんですよ。国民の生活のちゃんと責任を負っているこれだけのベテランの大臣がおって、臨調の答申がありましたからこれで三十六法律一括して御審議願いますなんて恥ずかしくありませんか、あなた方は。七項目三十六、しかもこれには議員立法もありますよ。本当によくこれだけ一カ月間座って論議を聞かれたと思う、恥ずかしくないかと思うのです。
 したがいまして、そういうことで、これからの特定財源の問題一つ取り上げましてもこういう論争がありますから、臨調もそうですけれども、閣僚会議など、ただ形式的な閣僚会議ではなくて議論してくださいよ、一日でも二日でも。労働組合をけしからぬとおっしゃるかもしれぬけれども、問題があったら二日でも三日でも徹夜して論議している。あなた方の閣僚会議なんてただ形式的でしょう。そういうことでないように期待をいたしますが、総理大臣いかがでしょうか。
#108
○国務大臣(鈴木善幸君) 総合交通政策を進める、国民生活を守るためにそれをしっかりしなさいと、これは交通問題については小柳さんは大変な見識を持っていらっしゃるわけでありまして、私もしばしば御意見を伺ってまいったところでございます。そういう中で国鉄が担っております役割りというものは私は非常に大きいと考えておりますので、この国鉄の再建の問題につきましては、国会で御承認をいただいたところの再建法、それに基づく経営改善計画、これを今後成果が上がるように実施してまいりたい、こう考えておりますし、なおその他の交通の整備、計画的な交通体系の運営ということにつきましても幅広い立場から政府全体として取り組んでまいりたい、こう考えております。
#109
○小柳勇君 そこで、社会保障の方でこの間問題になりました安恒議員の質問の答弁が出ていないから、厚生大臣、日本医師会とおたくの高官との約束が、それが今度の法律改正に、自民党から修正案で法律改正がなされる、あの解説、答弁願います。
#110
○国務大臣(村山達雄君) 老人保健法の修正問題であらかじめ厚生省のだれか役人が医師会と意思疎通しておったのではないか、こういう疑いが持たれてその種の御質問があったわけでございます。私は厚生省全部を調査いたしましたが、そういう事実はありませんと、どうぞ私の言葉を御信用願いますと申し上げたわけでございますが、そのときに玉置委員長のお取り計らいで、やはりはっきりしないらしいから、とにかく直接医師会と接触をとって、それでさらに明確にしろと、こういう御指示がありました。それが十一月十日だと思います。翌々日十二日の日でございますが、私が直接武見会長に会いまして、あなたは厚生省のだれかと直接お会いになって、そして修正問題について話し合ったことがありますかということを聞きましたら、言下に、一切そういうことはありませんでしたと、こういうことの言明を受けましたので、そのことを御報告申し上げておきます。
#111
○小柳勇君 まあ安恒議員に聞きましたら、それに沿って法律改正、修正までなされたと言っているから、もうあと言いません。ただ私は、かつて厚生大臣が武見会長とけんかされたら国民が拍手した時代がございました。だから、その日本医師会が言ったらもう厚生省はだめだというような印象を国民は持っておりますから、今後とも十分ひとつ気をつけてもらいたいと思います。
 それで、年金一本化だけを質問したいのですが、年金を一本化すると、これはもうしなければ年金は、各共済年金もその他の年金もパンクいたしますが、いろいろ経過は知っています。したがって、いつごろになったら一本化できるか、結論だけ御説明ください。
#112
○国務大臣(村山達雄君) 各種年金の一本化は、究極的方向としては私は望ましいことだと思っているわけでございます。ただ、それを実現するためにはやはり私は手順が要るだろうと思います。ということは、もう先生御承知のように、それぞれの経緯、目的、あるいは財政状況が全く違うわけでございますので、それを無視して対等合併をやりなさいと言ったって利害関係者が承知するはずはないと思うのでございます。したがいまして、やはりその手順としては、いま各種年金の不合理の格差というものをそれぞれの責任のある所管庁がそれぞれ持ち寄りまして、そして格差を是正するということからまず具体的にやることが現実的であろう。そして、それが大体うまくいきました腕に、さてどうして一本化するのかと、そのときにいろいろな問題が出てくるだろうと思います。かつて言われました基礎年金の構想などもあるいは参考になるかもしれません。そのときにはしかし膨大な財源が要ることももう御承知のとおりでございますが、いずれにしても、現実的な方法で一歩一歩進めて究極的な方向に持っていくのが最も現実的ではないかと、私はさように考えているのでございます。
#113
○小柳勇君 ある共済年金で、もうパンク寸前なもので、退職者のOBの皆さんがもう帰るたびに、どうなるかどうなるかと心配なんです。そんなのが一番私は政治の責任だと思いますよ。したがいまして、近い将来に、早い機会に年金を一本化して安心して老後が過ごせるように――わが党の議員並びに私も本会議で言いました、政治のよしあしを見るには老いたる者を見よ、幼き者を見よと。老人の年金制度の確立なり子供の学校教育なり、それこそが政治のやっぱりよしあしの判断ではないか。今度のこの行革で、五十五年度はわずかに十億、五十六年度わずか十二億の四十人学級を、これから金をせびるなんということは許せないよ、本当に。せっかく文部省と日教組がずっと年次計画でやっておるのに、子供がふえてきて、教育は四十人が最適だというならもういろんな金を持ってきてでも四十人学級にすべきですよ。そういうようなつじつま合わせの――金をどこかから持ってくる、そういうような行革だから私どもは反対しているわけです。
 最後に政治倫理の確立。ちょうどこれでもういまの閣僚の皆さんも内閣改造のようであります。この際にこそ私は政治倫理の確立について触れておきたいと思うのです。
 それは、いまもう新聞を見ましても内閣改造のことばかり。玉置委員長も怒りました、参議院はこれからやるのに内閣改造のことばっかりで何事かと。そうです。そして、もう幹事長も決まったらしい、あるいは建設大臣ももうほとんど決まったらしい。冗談じゃありませんよ。私は、総理が昨年大平さんの後いままでやられた。一生懸命やっておられる。したがいまして、まず第一は国民から信頼される内閣をつくってもらいたい。特に建設大臣、あるいは運輸大臣、あるいはその他いろいろあります。厚生とか、この国会で汚職の問題、業者の不正、談合などがありましたようなそういうところを特に考えてもらわなければなりません。ただ、一年で交代などということはまことにこれは大変ではないか。役所は一年、二年は勉強ですね。三年目が御奉公ですわ。一年で大臣がおかわりになって、もうむずかしいことは局長に聞いてくださいでは、これはやっぱり漫画ですね。したがいまして、優秀な皆様は残っていただく。
 それで、私は本会議でも申し上げましたが、これは八月四日の新聞です。八月四日の各紙ですよ、朝日、毎日、読売。こんなに大きく政治献金、企業からの政治献金なり派閥への政治献金が、八月四日、各紙です。今回の法律で総理大臣や各大臣が給与を国庫にお納めになるのを公職選挙法の違反でないように法律改正がここに出ています。結構なことです。それはほかの野党の議員、私どもそうですけれども、歳費だけで生活している者はとてもそんなことはできませんが、それは結構です。ただし、こういうようにちゃんともう企業から、二千万円以上の企業はここにずらっと書いてあります。百社書いてあります。こんなものは国民は見ておるわけです。そして、企業との談合がけしからぬとか、あの企業が不正とか言いましても、政財官との癒着の方が詐欺ではないかと業者の皆さんは言うんじゃないかと、そう思います。したがいまして、私はこの間本会議で総理に質問しましたけれども、総理は、自民党は皆ちゃんとしていますから、ただ検討しますとおっしゃいました。検討しておられるかどうか。もう答弁も必要ありません。
 いま一つは、ちょうどロッキード裁判で榎本さんが証言に立ちました後、この取らなかったということはこれはもう裁判にならぬから、今度は職務権限でという話が出ましたから、私はシーメンス事件のあの歴史を見ました。ちょうどシーメンスから海軍中将の松本和船政本部長がそのころ四十万円取っている。三井、シーメンス。その四十万円が三年の実刑、そして四十万九千八百円の追徴金。その四十万がちょうどいまの五億円になるそうです。それで、私の周辺の弁護士諸君が言うのは、職務権限から言ったら、艦政本部長と総理大臣とどっちが上かと、わかり切ったことだと。もしそれがシーメンス事件と違うのならば、もう司法事務はできぬだろうと言っている。そういうロッキード事件の町のうわさ、あるいは司法関係の弁護士諸君の見解もあります。そういう時期でありますから、あとロッキード事件などに対するものも国民はちゃんと見ています。
 したがいまして、鈴木総理にお願い申し上げたいのは、もう今度の内閣についてはそんなものはみじんもございませんと、そして国民が安心して鈴木総理の内閣を支え、ついていきますように、税を喜んで納めますように、そして毎日年寄りを大事にし、子供がすくすくと成長しますように、そういう内閣をつくってもらいたい。それがこの行革の質疑を終わるについての私の願いであります。
 本当に鈴木総理大臣がいま日本国民の大きな支えです。目標です。私はまだ言いたい、言いたいけれども時間がありません。これだけを申し上げまして、答弁要りません。どうか、今後の新しい内閣の出発を、いい内閣の出発を期待いたしまして、質問を終わります。
#114
○委員長(玉置和郎君) 峯山昭範君。
#115
○峯山昭範君 行特審議のきょうが最後の機会でありますので、いままで衆参の委員会で私たちが要求をし、そして確認してまいりました数々の問題につきましてきょうは再確認をしてまいりたいと思っております。
 その前に、初めに行政管理庁長官にお伺いをしたいのでありますが、もうすでに御存じのとおり、今回の法案は、今回のこの第二臨調の答申に基づいてつくられたということはもうすでに御承知のとおりであります。この答申の基本理念の中にもございますように、国内的には「活力ある福祉社会の実現」ということでありますし、また、対外的には「国際社会に対する貢献の増大」ということであります。しかしながら、もうきょう最後でございまして、最後になってこんなことを言うのはどうかと私は思うのですけれども、本当に私たちが理想といたしておりますこの「活力ある福祉社会の実現」ということは、私たちの党もたびたびこういうことを基本理念として政策の中に盛り込んでまいりました。ところが、実際問題として、この法案のどこにこの「活力ある福祉社会の実現」ということが盛り込まれているのかということを本当に考えながらこの内容をずっと見てみますと、どうも活力をそぐような内容ばかりのような気がするわけであります。これからいろんな問題もあろうとは思いますけれども、こういう点につきまして大臣どういうふうにお考えか、初めにちょっとお伺いしておきたいと思います。
#116
○国務大臣(中曽根康弘君) 七月十日の答申を受けて、当面の緊急対策としてできた法案でございまして、その中でも財務面に関した公的負担に関した部面がこの法律として出てきているわけでございますから、むしろこの部面は将来伸びるためにいま縮む、ジャンプするためには縮まなければジャンプできない、そういう意味の将来伸びるという可能性を秘めたいまジャンプの縮むというときであると、そういうふうに御理解いただければありがたいと思います。
#117
○峯山昭範君 そういうふうにでも解釈しなければどうも内容的にまずいわけであります。いま大臣もおっしゃいましたように、来年の夏には本答申が出てまいりまして、その答申に基づきましてそれから本格的な行政改革に取り組まれるであろうと思いますし、また、そうであると思うからこそ私たちもこの法案に賛成をいたしているわけであります。そういうような観点から、これからの来年出てまいります法案に対する基本的な考え方、これはもういままで何回かお伺いをいたしておりますが、焦点をこの「活力ある福祉社会の実現」というところにしぼりまして、今度は総理大臣の決意をお伺いしておきたいと思います。
#118
○国務大臣(鈴木善幸君) わが国の行政をめぐる内外の情勢は非常に厳しいものがあるわけでございます。高度経済成長時代には年々自然増収もふえてきております。したがって、資源の配分もわりあい余裕がございまして、社会福祉の面に対しましても、あるいは公共投資の面におきましてもそれが十分にできたわけでございます。しかし、情勢は一変してまいりました。これは石油その他の資源の制約、環境問題、いろいろございますが、これは国際的な状況でございます。
そういう中で、日本が今後八〇年代以降二十一世紀に向かって活力ある福祉社会の建設、そして高まってきております国際社会における日本への期待をいかにして果たしていくか、こういう対応が迫られておるわけでございまして、そういう観点から行財政のこの際思い切ったひとつ見直しをしよう、縮減合理化を図ろう、この財政の再建を増税によってやることでなしに、そういう観点でやろうということで、大筋において私は各党の皆さんにも御理解をいただいて、御協力をいただいておるものと信じておりますし、国民の皆さんもそれを期待しておると思います。私はそういう基本的な立場に立ちまして今後行財政の改革を推進してまいりたいと、こう思っております。
#119
○峯山昭範君 ぜひ国民の期待にこたえていただきたいと思っております。
 そこで、いままでの審議を通じまして、私たちが提案をし、確認をいただいた問題を含めまして、五点確認をしたいと思います。
 初めに厚生大臣にお伺いをいたします。
 特に、これは児童手当の制度の問題でありますが、この問題につきましては、この法律案の中にも「その全般に関して速やかに検討が加えられた上、」必要な措置を講ずると、こういうふうになっておりますが、私は、厚生大臣はこの制度を存続させるということが前提であると、こういうふうなお考えであると承知をいたしておりますが、きょう最後でございますので、特に児童手当制度の検討は必ず今後存続されるということを前提にしているものであるということを、きょうは重ねてではありますが、厚生大臣の所信として明確にしていただきたいと思います。
#120
○国務大臣(村山達雄君) 児童手当制度の今後の検討でございますが、これはしばしば私からも申し上げましたし、総理からもしばしば申し上げているわけでございますが、あくまでも現在の児童手当制度の存続を前提にいたしまして、これから特例期間終了後の新しい制度、幅広い角度から検討してまいる、存続を前提にしておるということをお約束をいたしておるのでございます。
#121
○峯山昭範君 それでは次に、厚生年金等にかかわる国庫負担金の繰り入れ等の減額分の補てんについて大蔵大臣のお考えをお伺いしておきたいと思います。
 この問題につきましては、実は大蔵大臣もうお聞き及びのことと思いますが、大阪における公聴会の席上でも、こういう問題はやっぱりあいまいにしないで、明確にいついつどういうふうにして返済をするということは法文の中に明記すべきであるというような意見もありました。しかし、いまさらどうということはございませんけれども、大臣の衆参における現在までの答弁によりますと、一つ、減額分の繰り入れは必ずやる、それから二つ目に、積立金の運用収入の減額分についても必ず適切な措置を講ずる、それから三番目に、特例適用期間後の繰り入れ措置はできる限り速やかに着手する、それから四番目に、次の財政再計算では今回の減額措置の分については必ず繰り入れを行うという前提で行うと、こういうふうな約束をされていらっしゃいますが、これらの点について再度確認をしておきたいと思います。
#122
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私はそのとおりだと思います。ただ、財政再計算と繰り入れの問題は別問題でございまして、繰り入れは繰り入れでありますが、財政再計算は再計算で別ですと、そういうことで繰り入れは行います。そのとおりであります。
#123
○峯山昭範君 次に、これも大蔵大臣でございますが、住宅金融公庫の貸出金利の問題につきましても当委員会で何回か御答弁になっていらっしゃいます。特に、住宅金融公庫の貸出金利、さらには農林漁業金融公庫、自作農維持資金融通法あるいは北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法、南九州畑作営農改善資金融通臨時措置法等の金利につきましては、大蔵大臣はこれを特例適用期商中慎重に対応すると、こういうふうに答弁をしておられます。そこで、これをできたらこのままではなくてもう一歩前進させていただきたいと私は考えるわけであります。特に、特例期間中におきましても現行制度並びに現行金利の存続を、できたら明確に存続するということをおっしゃっていただきたいわけでございますが、この点について大臣の所信を明らかにしていただきたいと思います。
#124
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは法案で書いてあるとおりでございますから、存続するということをいまここで言えと言われましても、それなら法律案を何で出すのだという話にすぐなるわけでございまして、したがって、私といたしましては、社会的な経済的な必要性というものを十分配慮して政令の決定をするということでございますから、住宅着工を本当にうんとふやさなければならぬという状態の場合は必ずしも上げるということでもございませんので、それは社会的、経済的必要性を十分に考えて選択をしていくということでありますから、慎重に対処させていただきます。
#125
○峯山昭範君 次に、文部大臣にお伺いをいたします。
 特に、これは四十人学級の問題でございますが、特例期間中にこの法律に基づいて教職員の定数計画を文部省としましては実施されるわけでありますが、特にことしはもう御存じのとおり国際障害者年であることも十分に勘案をいたしまして、私たちは特にその点の重点施策として、特殊教育の諸学校等については十分御配慮をいただきたい、こういうふうに申し入れをいたしているわけでございますが、この点についての文部大臣の所信を明らかにしていただきたいと思います。
#126
○国務大臣(田中龍夫君) 本件につきましては、すでに数回にわたりましてお答えを申し上げでございますが、この四十人学級の問題が今度の行革の一連の法案となりましても、特に身障者、養護教育の問題はこれが義務教育と相なりましたことにもかんがみまして、たとえ特例期間中といえどもこの養護教育の問題は既定計画どおり行えるということを大蔵大臣あるいは総理大臣とも明確にお約束を申し上げて進んでおる次第でございます。
#127
○峯山昭範君 次に、地域特例の問題でございますが、これは大蔵大臣と自治大臣にお伺いしておきたいと思います。
 特定地域にかかわる国の負担、補助金等のかさ上げ率の引き下げに際しては十分な財政金融上の措置を講じてもらいたいということであります。政府はこれら地方公共団体の棄の執行及び財政運営に支障を生ずることのないよう財政金融上の措置を講ずる、こういうふうに政府は現在まで答弁をしておられるわけでありますが、また特に三項目にわたりまして政府はいま答弁をしておられます。その一番初めに、かさ上げ補助等の減少相当額については地方債による措置を講ずる、そしてその元利償還に要する経費については地方交付税の算定を通じて適切な財政措置を講ずる。三番目に、元利償還に要する額の二分の一に相当する額については臨時地方特例交付金で手当てをいたします、それとともに地方財政の状況に応じ必要な場合にはこの臨時地方特例交付金の額については配慮する。この三項目を挙げておられますが、この三点に対する確認と、さらに元利償還に要する額の二分の一相当額は別途国から出るわけでありますが、残りの二分の一についてはどういう手当てをされるのかということと、それから不交付団体にはそのような手当てがなされないわけでありますが、この点に対する配慮をどういうふうに考えていらっしゃるか。この点につきまして大蔵大臣並びに自治大臣のお考えをお伺いしておきたいと思います。
#128
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま大体おっしゃったようなことでございまして、ただ、不交付団体につきましては自治省の考え方によって対処していきたい、そう思っております。
#129
○国務大臣(安孫子藤吉君) お尋ねの要点の一つは、二分の一の残りは一体どうなるのかということでございますけれども、これは地方交付税全体の中で処置をしていく、それだけ、端的に申しますれば、地方団体でかぶります、こういう意味でございます。
 それから不交付団体の問題でありますけれども、これはこの元利償還を算定いたしまして、これも含めてなおかつ基準財政収入額が多い場合には不交付団体になるわけでございまするから、ぎりぎりのところで、この関係で交付団体になるものだって理論的にはあり得るわけでございまして、これは全然ネグレクトするわけじゃないということだけは御理解願っておきます。
#130
○峯山昭範君 次にもう一点私の方からはお伺いしておきたいと思います。
 大蔵大臣並びに経企庁長官にお伺いをしたいと思います。
 特に、財政再建と景気停滞の打開策をどうするか、これは非常に重要な問題であろうと思います。現在のように経費削減一本やりの政策運営というのは、これはもう一歩誤ると元も子もなくする危険が実際あるわけであります。
 そこで、建設国債のことについてどういうふうに考えているかという点が第一であります。この点につきましては、実は当委員会の大阪の公聴会でも、建設国債を発行したらどうかという意見もありました。そういう点から考えてみますと、この点についてもこの五十七年度の予算では建設国債を五十六年度より増額する考えはないかどうか、この点が第一点であります。それからまた、個人消費の低迷脱出のために、これは何回も議論をされていることではありますけれども、低所得者層を重点にしたいわゆる減税ですね、この減税について、減税策をとる考えがないかどうか。それからさらにもう一点、公定歩合の引き下げによる景気対策についてはどういうふうにお考えになっていらっしゃるか。この三点をお伺いしておきたいと思います。
#131
○国務大臣(渡辺美智雄君) 五十七年ですか、増発の話は。これは、建設国債についても、大体建設公共事業費は据え置きというように考えておりますので、特別の事情がない限り、五十七年度で建設国債を増発するという考えはありません。なぜならば、建設国債もやはり利息を生むわけでございますから――生むのではなくて、これは支払わなければならない。したがって、現在すでに利息の高が公共事業費とほぼ同じぐらいになっている、防衛費の二・五倍にも利息がふえたということですから、ここでやはり安易に建設国債だから増発してもいいというわけにはなかなかいかない、むずかしい問題がございます。
 減税の問題につきましては、先ほども小柳委員のときに答弁をいたしましたが、われわれは皆さんの御主張についてはよく理解を示しておるわけですけれども、現実の財源との問題、それから行政サービスの水準をさらに切るということは、どこまで切れるかという問題。しかし、減税する財源まで切り込めるということはなかなかいまの段階では考えられない。したがって、減税の問題は当面考えておりません。
 それから公定歩合をどうするのかという話でございますが、金利の問題は非常に微妙な大きな問題でございまして、私といたしましては当面考えておりませんと、こう申し上げる次第であります。
#132
○国務大臣(河本敏夫君) 財政再建を成功させるためには、行財政改革によりましてむだ遣いを徹底的に圧縮する、これは第一の条件だと思います。
 それから第二といたしましては、やはり景気を拡大いたしまして、そこから国の歳入がふえる、こういう経済財政運営が望ましい、こう思っておりますが、これからの具体的な進め方は、来年度の経済見通し、経済運営の基本方針が決まりましてから関係各省の間で相談をすることになっております。
 それからその場合に、民間経済全体を刺激し、活力を拡大するためには低金利政策が望ましいわけであります。しかし、低金利政策を進めるためにはやはり幾つかの条件が必要でございまして、条件が熟せばそういう方向に進められることが私といたしましては望ましいと考えております。その時期等につきましては、日本銀行が大蔵省と御相談の上でお決めになると、このように理解をいたしております。
 減税の問題につきましては、先ほどもちょっと触れましたが、いまの国民経済全体の状態、特に個人消費の動向、それから国民の皆さんの所得が伸びないということ、こういう点から考えますと、減税は望ましいわけでありますが、それには財源が必要でございまして、これから財源に余裕ができるようなそういう財政経済の運営が望ましいと、このように考えておりますが、それにはやはり若干の時間がかかろうかと思います。
#133
○委員長(玉置和郎君) 原田立君。
#134
○原田立君 私は、貿易不均衡是正あるいは景気対策について若干お伺いいたします。
 まず冒頭に申し上げたいのは、いまの大蔵大臣の御発言と経企庁長官のお話とはまるっきり話が違うわけなんですけれども、内閣改造があるから何でも言いっ放しで言うというような、そんな失礼なことは言わないけれども、だけれども、何かそんなような感じがしてならないわけです。所得税減税は、大蔵大臣はやらないと言うし、経企庁長官は考えると言うし、あるいは公定歩合の問題についてもまるっきり正反対のお考え。どうも一体何を言われているのかなというふうに、不信が非常に持たれるということをまず指摘しておきたいと思うのです。
 それで、貿易の不均衡が大きな政治問題化しておりますが、政府の経済見通しの経常収支は、当初六十億ドル赤字であったはずなのが、現実には計画に狂いが出て、先月二日の暫定試算では七十億ドルの黒字と大幅に改められた。これは、前は六十億ドルの赤字という計画をしておったのが七十億ドルの黒字ですから、そうすると百三十億ドルの差が出たということで、大変ずさんな計画じゃないのかなというふうな感じを持ったわけであります。四月から九月までの六ヵ月間に約四十九億ドルの黒字が現在出ております。改定した十月二日の暫定試算の達成すら危ういのじゃないか。政府は現在の貿易実績と今年度の最終見通し、これをどのようにお考えになっておられるか。
#135
○国務大臣(河本敏夫君) 経常収支の見通しについて申し上げますと、ことしの当初の見通してはいまお話しのように六十億ドルの赤字と、こう想定をしておりましたが、十月の初めの時点では七十億ドルの黒字と、このように修正をいたしました。現在の情勢が続きまして、緊急の輸入対策が進まなければあるいはもう少しふえるのではないかと考えております。
 そこで、どうしてそういう見込み違いになったのかというお話でございますが、何しろいま世界の経済は激動期でございまして、たとえば昭和五十三年のごときも、年の初めには経常収支はマイナスと、赤字と想定をしておりましたが、年度間に数回の調整をいたしまして、最終的には百数十億ドルの黒字になる、こういうこともございました。やはり世界全体がこれだけ激動を続けておりますと、貿易の見通しなどもややもすると狂ってまいります。その結果、経常収支の黒字も大幅に狂う、こういうことは往々にしてあろうかと、このように考えております。
 それから先ほど大蔵大臣と私との物の考え方が違うのではないかと、こういうお話でございますが、私は違わないと思っておるのです。ただ、説明の仕方が表と裏からやっておる、こういうことでございまして、真意は全く一緒だと考えております。
#136
○国務大臣(渡辺美智雄君) どっちが表……、私の方が表から話しておるのかもしれませんが、やはり大体同じだと思うのです。ニュアンスが少し違うかどうか知りませんが、それは同じであります。
#137
○原田立君 まるで笑い話みたいなことでありますが、突き詰めていきたいと思うのであります。政府の対応は一時しのぎ的対策で、同じことを繰り返しているのじゃないかと、こういう疑念を多くの国民が持つと思うのであります。これではアメリカやあるいはECからの批判はますます激しくなるのじゃないですか。六十億ドルの赤字と計画したのに七十億の黒字になるだなんて言ったらば、ましてやアメリカ、EC側は非常に輸出の問題で頭にきてかりかりしているところなんですから、そういうときにこんなような状態では非常に不信感を増すのじゃないか、批判が増すのじゃないか。当面の対策を十分検討することは当然のことでありますが、貿易に対する長期にわたる基本姿勢が明確に確立をされることも重要な問題であろうと思うのであります。
 私が本年五月六日の物価対策特別委員会で、経企庁長官に景気の現状をお伺いしたところ、景気は底離れしていると、こういうようなことを御発言になりまして、非常によかったなと思っておったわけでありますが、その後景気は少しもよくならない。貿易を主とする景気は好況だが、内需向けの企業はさっぱりというような状態であります。個人消費の回復を含め、内需拡大策が何としても急務であるということは、これはもう何度も皆さん方が言われているとおり、私もそうだと思うのであります。さきに経済対策を示されましたが、これで果たして内需が振興するとお考えになっておられるのかどうか。私は非常に否定的な非観的な考えを持っているのですが、いかがですか。
#138
○国務大臣(河本敏夫君) 日本の景気動向をずっと振り返ってみますと、昨年の夏ごろから私は目に見えて落ち込んできたと思っております。そこで低金利政策を進めまして、公定歩合も三回も引き下げてきた、こういうことだと思うのです。これは日本だけではございませんで、やはり世界全体の景気が一番落ち込んでおるのが昨年の後半からことしにかけてだと思います。ほとんど全部がマイナス成長である、こういう状態になっておりますが、これは第二次石油危機の悪い影響がいまは全面的に表面化しておる、こういう背景があろうかと思います。
 そこで、政府といたしましてはこういう状態を放置できませんので、昨年の九月にある程度の景気対策を進めました。引き続きことしの三月にも若干の景気対策を決定をいたしまして、いま御指摘がございました五月云々というお話は、五月の時点になりまして、これまでずっと落ち込んでおりました景気、落ち込む一方でありましたけれども、しかし五月になりましてようやく下げどまった、これ以上悪くならない、大庭を打ったというのが五月の私は現状であったと思います。そこで、わが国の景気はいま大庭を打った、これ以上悪くなりません、これからはだんだん回復の方向に進んでいくでしょうと、こういうことを申し上げたわけでございますが、回復のテンポが非常に緩い、回復力が弱い、これは御指摘のとおりでございますので、いろいろの対策を考えておるところでございます。
#139
○原田立君 総理大臣並びに外務大臣、ガットの年次報告の中での日本に対する指摘、あるいはOECDの異例の勧告、これはどのようにお受けとめになっておられますか。
#140
○国務大臣(園田直君) 明年、ガットの経済閣僚会議が開かれる予定でありますが、明年度はガットの方針の堅持及び今後のことについて協議されることになっております。それを前にして、米国それからECの方で経済摩擦が非常に厳しくなってきております。それの余波を受けていまおっしゃいましたような現象があるわけでありますが、その内容は企画庁長官、大蔵大臣、通産大臣等からのお話を聞きましてもいろいろありますが、一番大きな問題は感情的に日本が何かこう小賢く立ち回っているという印象、象徴的な日本に対する感情、こういうものの煮詰まりもあるようでございます。したがいまして、まず二つに分けまして、一つは五カ年海外経済対策のようなものをつくり、それを方針にして包括的な対海外経済政策の方針を決める。その前にとりあえず米国、ECに対しても、そういう個々の小さい問題等で感情的なものになりつつある問題を、早急にこれに対する対応、努力、理解、この三つの点を進めていくことが大事であると考えております。
#141
○国務大臣(鈴木善幸君) ガット並びにOECDのわが国に対する年次報告の中での指摘、勧告については、政府としてもこれを厳しく受けとめておるところでございます。日本の経済運営が輸出重点であり、内需振興を怠っておるのではないかと、まあこういう意味合いの勧告。私どもは、最近におけるECあるいはアメリカとの間における貿易の不均衡、いわゆる世間で言う貿易摩擦の問題につきましても、保護貿易主義の台頭を抑えるためにも、そして自由貿易体制を維持拡大をするためにも、この貿易のインバランス問題につきましては日本は真剣に対策を講ずる必要がある、こう心得ておりまして、経済対策閣僚会議におきまして、この緊迫した事態に対応する内外の経済政策を見直しをして、できる点からこれを実行に移していこうと、このように考えておる次第でございます。
#142
○原田立君 総理のお答えも外務大臣の御答弁も非常に不満な点があるのです。というのは、まあ時間がありませんから御答弁は要りませんけれども、ガットの指摘は、日本の経済成長に主として貢献しているのは輸出であり、国内需要はわずか〇・五%しかふえていない、あとはもう外需であると。これを非常に不満として意思表示、勧告をしてきているわけなんです。だから、それに対する内需の拡大ということをもっと強力にしなければいけないわけです。
 これは経企庁長官に聞けばいいんだろうと思いますが、長官、欧米諸国の対日貿易不均衡問題はこの十年間に、先ほども話があったように、今回も含めて三回。それで、第一次石油危機のときに、四十八年ごろに一回、昭和五十二年に二回。この二回の貿易不均衡問題と今回の場合とを比較しますと、相当状況が変わっているのじゃないかと、こう思いますが、いかがですか。
#143
○国務大臣(河本敏夫君) 確かに御指摘がございましたように、相当状態は変わっておると思いますのは、前の二回の貿易不均衡の場合には、第一回のときは石油危機の直前でありまして、欧米の経済も相当力が強かった、こう思います。それから昭和五十二、三年の時点におきましては、日本の経済も回復をいたしましたが、ヨーロッパ、アメリカの経済も第一次石油危機から立ち直りまして相当強くなっておった、四、五%成長が欧米でも続いておったと、まあこういうときでありますから必ずしも非常に深刻な状態ではなかった。現在のようなインフレと失業で世の中が騒がしくなる、そういう状態ではなかったと思います。しかし、現時点はまだ欧米諸国は第二次石油危機から立ち直っておりませんで、非情に混乱を経済的に続けておりますので、それだけ深刻な影響が出ておろうかと思います。
 したがいまして、わが国といたしましても、先ほど総理からお話がございましたように、緊急にこの対外貿易関係をどうすればよいかということにつきまして政府としての対応策を決めるべく、目下作業を続けておるところでございます。
#144
○原田立君 日銀総裁が少しおくれるようですから、この問題に関連してのことをもう一つお伺いしたいのですけれども、これは後にします。
 総理、お伺いするのですけれども、政府として、アメリカの異常な高金利、これによる必然的な対米輸出の増加、こうしたアメリカの異常な高金利とインフレ状況に対し、アメリカに対してその鎮静の申し入れ等を行ったことはございますか。
#145
○国務大臣(鈴木善幸君) アメリカの高金利が国際経済の中に大きな影を投げかけておる、わが国の経済にも大きな影響を及ぼしておるわけでございます。私は、今年の五月に首脳会談のために訪米をいたしました際に、経済閣僚の皆さんにお集まりをいただいて、その際にアメリカの新しい経済政策についての説明を求めますと同時に、アメリカの高金利の問題が国際経済に大きな問題を投げかけておる、こういう点についてアメリカ政府の対応を要請いたしました。その後におきまして、わが国の外務大臣あるいは通産大臣、経企庁長官は、ガットあるいはOECDの場におきまして、それぞれアメリカの高金利問題の是正方について強く訴えたところでございます。西欧各国の政府も同様の立場を主張したわけでありますが、そういうことからだんだんアメリカにおきましても金利政策につきまして見直しが行われて下降傾向に進んでおるわけでございまして、私はこれは非常に好ましい方向であると、こういうぐあいに評価をいたしておるところでございます。
#146
○原田立君 経企庁長官と日銀総裁にお伺いするのでありますが、前二回の貿易不均衡問題の際は、石油危機により国際通貨の相場で円安になり輸出が増大した。それに対し、赤字国債の大量の発行、さらに公共事業の拡大という景気刺激型の財政運営を行い、内需拡大をして不均衡問題を切り抜けてきた。今回の場合は、財政に余裕のない中でアメリカの高金利政策による円安が輸出増大に拍車をかけたということでありまして、アメリカの金利動向と今後の円高傾向の見通しはどうか、経企庁長官及び日銀総裁にお伺いします。
#147
○国務大臣(河本敏夫君) 四十八年、つまり第一次石油危機の直前におけるわが国の大幅な黒字は、いまお話しになりましたようなこともありましたけれども、しかし昭和四十八年秋における石油価格の急上昇、つまり石油価格が四倍になったということでわが国の支払いが激増したということで、ある程度バランスが回復したと考えております。それから五十三年における大幅な黒字も、これは内需の拡大によりましてある程度吸収できたことも事実でありますが、同時に、イランの内乱を契機といたしまして第二次石油危機が起こりまして、これまた石油価格が急上昇いたしまして、五十三年はあれだけの大幅な黒字であったものが五十四年には大幅な赤字になるということでありまして、これはむしろ石油危機によってバランスが回復したと、このように考えております。
 それからいま御指摘のアメリカの高金利でありますが、アメリカの高金利が世界全体の経済に悪い影響を及ぼしておることは事実でありまして、日本の政府といたしましても機会あるたびに、アメリカに、インフレも次第におさまっておるわけだからもう少し世界全体の経済情勢を考えながら適切な金融政策は進められないのかということをたびたび申してまいりました。幸いに最近は、アメリカの不景気は、やはりこういう高金利ではとてもやっていけないのだということに対する理解等も深まったと思いますし、それからアメリカのインフレもある程度おさまってきました。そういうこともありまして、だんだんと下がる方向に行っておるということは、日本の経済にとりましても、また世界全体の経済にとりましても、これは私は大変いい影響が出てくるのではないかと、このように理解をいたしております。
#148
○参考人(前川春雄君) ただいま企画庁長官からお話がございましたように、アメリカの高金利でございまするが、御承知のようにアメリカは金利を上げる政策ということではなくて、マネーサプライと申しますか、通貨総量を抑え込む、インフレを抑制するためには通貨総量を抑え込むということが必要であるという見地から、約二年数カ月前からいまの引き締め政策をとっておるわけでございます。
 その主たるねらいは、マネーサプライ、通貨総量を抑え込んでいこうと。毎年、通貨発行高、マネーサプライの目標値というのを発表しておりまするが、その目標値の中にそれが入るように金融の量的な引き締めをする、その結果金利が上がる。金利が上がるけれども、ある程度それはインフレ抑制のためにはいたし方ないことだという政策態度で今日まできておるわけでございます。
 その後の情勢を申しますると、通貨総量は少しずつ下がってまいりまして、物によって違いまするけれども、いま大体目標値の上限にまあ入ってきたというところまできております。また、物価の方もまだこれは二けた近い上昇ではございまするけれども、これも一時に比べますると少しずつおさまってきている。それから経済活動そのものは、この第二・四半期、第三・四半期、GNPの数字は多少でこぼこでございまするけれども、この第四・四半期、十−十二は恐らくマイナス成長ではないかというふうに言われておるわけでございます。そういう情勢を反映いたしまして資金需要がおさまってきているわけでございます。そういう資金需要がおさまってまいりますると金利も下がってくるということでございまして、この秋以降、金利は逐次低下傾向を続けておるわけでございます。
 いま長官からもお話がございましたように、私どもの日本の金融政策にとりまして、いま内外金利差の問題というのは非常に大きな問題でございまするので、海外の金利水準が下がってくるということは非常に望ましい状態であろうというふうに思います。これからアメリカの金利がどういうふうな推移をとりまするか、いまだ必ずしもよくわかりませんけれども、いまのような通貨総量あるいはインフレ率の姿から言えば、余り大幅ではないかもしれませんけれども、まだ若干低下することが見込まれるのではないかというふうに考えております。
#149
○原田立君 欧米諸国の今回の対日貿易不均衡の声の中で、いままでと少し違うと思われるのは、もっと日本は輸入を拡大してほしいという声の方が非常に強かった。前は輸出を何とかして抑えろ抑えると、こういう話だったのが、逆に今度は輸入をふやせ、拡大をしろという声が非常に多いようでありますが、政府はこういうような欧米諸国の要請に対して、具体的な対策あるいは個々の品目等々お考えでございましょうか。
#150
○国務大臣(田中六助君) お答えいたします。
 この貿易摩擦、それからEC諸国、アメリカの要求というものは、私どもいま簡単にすぐ右から左にこたえるということが非常にむずかしい段階で、こういう際の答弁に長々しく答弁することもむずかしい点でございますが、一概にわが国の輸出が悪いとかどうとかいうようなことは言えない。たとえば、ことしの四−六と七−九を比べてみましょう。輸出は一・九%減っているのです。ただ、これまた輸入が五・二%ぐらい減っているわけです。つまり輸入が減っているわけですね。それで結局経常収支の黒字というふうに転換しているわけでございまして、わが国は立国以来、貿易のなにでも技術を改善して輸出立国ということに貿易構造あるいは経済構造そのものがもうそういうふうになって、原材料を輸入してそれに手を加えて輸出するというパターンなんです。したがって、私ども、国民、政府も含めまして、これが悪いというような発想が国内に醸成することの方が私は将来とも非常に大変だと思うのです。したがって、現在の貿易摩擦を外国が非難をするから、アメリカがどうだから、ECがどうだからということで、言いっ放しにされていることは私は根本的な誤りだと思うのです。したがって、この根本的なことをどうするかということにつきましては、まあ新内閣になっても十分検討いたしましょうが、私ども当面、昨年からことしの三月、それから五月、十月、それからこの十一月十七日と、そのようにいろいろな貿易対策を講じております。
 あなたの指摘する、それなら具体的にどうかということでございますが、具体的にはノンタリフクォータといいますか、非関税障壁と申しますか、そういうようなもの。たとえば輸入手続の簡素化とか、そういうことを手っ取り早くやらなければならないでしょうし、そのほかいろいろなことをやっておりますが、具体的には私どもはこの前も輸入大デリゲーションを、これは百四十名ぐらい、稲山会長を中心に欧州に派遣したのですが、こういうことも世界にないのです。それからつい最近でございますが、メキシコに対しましても、カンクンで総理がお約束したのも、直ちに輸入ミッションを派遣していく、これも百名を超しているわけです。それから向こうのECフェアあるいはECとのシンポジウムもついせんだって行いましたし、アメリカそれからEC、三極会談というものも予定しておりますし、私どもの努力というものは、私は世界は徐々に認めておると思うのです。
 問題は、今度は輸入が――向こうから言えば輸出ですね、こちらからは輸入でございますが、そういう相手国が、EC諸国、アメリカ、カナダも含めましてどういう努力をしているのだろうと。もう少し向こうの輸出努力、そういうものに対するメスも入れてもらわなければ、まるで日本が世界の中でへんてこなことをやっているのじゃあるまいかというようなことになっておりますが、いま御承知のように経企庁長官も、それから日銀総裁も指摘しておりますように、世界は不況の海の中におります。つまり、スタグフレーションの海の中におりまして、どこもここも非常に悪い。きょうの物価指数あるいは失業率を見ましてもそうでございますけれども、ただ日本の経済のパフォーマンスといたしまして、失業率も世界一小そうございます、また物価の値上がりも非常に小そうございます。これは日本自身の努力による、国民の額に汗を流した努力の結果でございまして、これを政府は責めるわけにはいかないんです。
 やはり、世界の中で日本経済が非常にパフォーマンスがいい。これは私どもむしろ評価すべきことでございまして、これからも国際的にEC初め、あるいはアメリカ、いろいろなところと十分相談をして、つまり対話、そういうものがこれから先も必要になっていくと思いますが、私どもはそういう面も最大の努力をいたしまして、これからもいま申しました、簡単に申しますと、輸入手続の簡素化とかあるいは輸入ミッション、輸出ミッション、あるいはシンポジウムとかフェアとか、そういうものをやって一生懸命努力していけば、世界も認めるのじゃないかというふうに考えております。
#151
○原田立君 まあ通産大臣いろいろとるる申しましたけれども、十一月十七日の経済対策閣僚会議において、市場開放対策あるいは緊急輸入対策、輸出対策その他いろいろと課題や項目を挙げられたのでありますけれども、大事な問題である、主要な問題と思われる関税率の引き下げだとか輸入制限の緩和、あるいはまた緊急輸入外貨貸付制度の創設、国家備蓄等の推進、こういうようなものについては、もうこれは現在の段階でなくて新内閣になってからということで先送りになっていますね。これは非常に不信感を持たれる種になるのじゃないかと、こう指摘したい。いまいろいろと日本もしっかり努力しているのだからヨーロッパもアメリカもそれを認めるべきだと、また話し合いも十分していくべきだ、それは当然のことだと。当然のことだと思うけれども、大体決めたことを、重要な問題を、国内の政治的な問題で後回し後回しにするようなことをすれば、話し合いどころか非常な不信感を欧米諸国が持ってあろう、こう心配するのです。これは指摘だけにとどめておきますけれども。
 何といっても内需の回復策に大事な問題として、先ほど来御質問申し上げている公定歩合の引き下げ、これについて経企庁長官は環境は熟しつつあるという見解を述べておられますが、公定歩合を引き下げれば円安を一層加速させ、その結果輸出がさらに増加して貿易摩擦を激化させる、こういうふうな意見も他にまたあるわけであります。これらについてどうお考えであるか。あるいはまた、熟しつつあるということで、公定歩合の引き下げというのはいつごろになるのかという実施の時期、下げ幅等々、これらについて日銀総裁あるいは経企庁長官にお伺いしたいと思います。
 また、どういう状況になったならば公定歩合の引き下げをお考えになるのか、その点をお伺いしたいと思います。
#152
○参考人(前川春雄君) 金融政策は機動的かつ弾力的に運営すべきものであり、またそういうことが可能なる政策でございまするので、そのときどきの状況を総合的に判断いたしまして実施してまいったつもりでございます。これからもそういう考え方のもとに金融政策を実施してまいりたいというふうに思います。
 公定歩合をどうするかということにつきまして、したがいまして、そういう点はスケジュールを立てて金融政策をやっていくということではございませんので、現在のところは、十分に緩和しておる金融の状況を、いまの状態をそのまま続けることが適当であろうというふうに判断しております。
 内外金利差の問題を先ほど申し上げましたけれども、ことしの三月公定歩合を下げましたときに、国内の金利水準と海外の金利水準が非常に開いたために、あるいは大きな金利差のために資金が大量に移動するという危険もないわけではなかったわけでございます。そういうことから基準外の貸付制度という制度もつくりまして、そういう事態に備えたわけでございます。幸いにいたしまして、そういう事態が起こらないで今日まできたわけでございます。しかし、海外の金利水準は少しずつ下がってきてはおりまするけれども、いまだ内外金利差というのはかなりの程度にあるわけでございまして、そういう危険については、常にそれが相場にも反映いたしてくるものでございまするから、そういう点を十分に見きわめないといけないというふうに私どもは考えております。したがいまして、いつ公定歩合を動かすか、あるいは幅をどうするかということにつきましては、現在のところはそういう具体的なことにつきましては考えておりません。
#153
○原田立君 日銀総裁、どうもありがとうございました。これで結構です。
 内需拡大の一つの柱として大いに住宅建設を進めなければいけないということを、河本長官、あなたは朝日新聞とのインタビューのときにもお話しになっている。今年度百二十万戸の達成すらむずかしい現状であるのに、またこの状況はさらに二、三年は回復は望めないというのが多くの専門家の意見でありますけれども、原案では百二十万戸程度を見込んでいるようでありますが、現在の住宅政策ではまず目標達成は無理であろう、こう私は思います。具体策として、この目標を達成するようにするには融資枠の拡大であるとか所得制限の引き下げなと思い切った措置が必要だと思うのでありますけれども、これに対してどういうふうにお考えになりますか。四期五計の目標からいきますと、七百七十万戸であります。単純計算でこれを五で割りますと、一年間百五十四万戸になります。それが百三十万戸だと、もう四期五計そのもの自身が見直されなければならない。きのうも建設委員会で建設大臣にそのところの意見を申し上げたのですけれども、果たして、原案でこういう百三十万戸というのがありますけれども、これはできるのかどうか。また、その内需拡大のための住宅建設を大いに伸ばすためにどういうふうな抜本的な対策を講じられますか。
#154
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。
 昨日も御質問をいただきましてお話し申し上げたわけでございますが、長期計画、七カ年計画をフォローアップして整合を持たせて七百七十万戸の計画、四期五計をいたしたわけでございます。残念なことではありますが、昨年来、住宅需要は旺盛でありますけれども、建築が非常にアンバランスになっておるというようなこと、御指摘のとおりでございます。しかしながら、一応景気のバックグラウンドも落ちついておるようでありますし、建築資材あるいは土地対策、金融政策をやっていきますれば、計画の前半、統計的に現在七・三%の減でございますが、これは公的資金の方は一・七%、民間が一一・七%の減というようなことでございまして、何とか民間需要といいますか、景気の関係が回復していきますれば一応の目標は達成し得るのではなかろうかと、このように考えているわけでございます。まだ前半でございますので、現在の住宅戸数をもって全般的にはかるだけの基礎的なものは持たないわけでございますが、何とか金融政策、土地対策、あるいは中高層の問題、あるいは遊休地の開発、市街化区域の再開発というようなことで、あらゆる手段を講じて目的達成のために努力していきたいと思いますし、努力しなければなりませんが、そのような方向でこれからもせっかく関係方面とあわせて進めていきたいと、このように考えておるところでございます。
#155
○原田立君 ひとつせっかく御努力願いたいと思う。そういうふうになれば結構。非常に悲観的な考え方が強いということだけは申し上げておきたい。また、そういう悲観的な状態でなくて、ああ本当によかったねと、こう言われるような状況づくりに大いに努力していただきたいと思うのです。
 経企庁長官は大幅な所得税減税の実施を提唱されておりますが、その時期、規模、財源についてどのような御構想をお持ちでありますか。先ほどは何だか裏と表の差だなんというふうなお話があって、非常に何かはぐらかされたような感じを私は持っている。仮に長官の言う減税を実施した場合の財政再建の達成試算なるものはおつくりですか。あれば、それを資料としてお出し願いたいと思うのですけれども、またその御答弁をいただきたいと思います。
#156
○国務大臣(河本敏夫君) いま国民経済全体からながめますと、個人消費が伸び悩んでおります。その背景、原因は、やはり実質所得の伸び悩み、こういうところに原因があるわけでありまして、国民経済全体から考えますと、やはり国民の一人一人の実質所得が伸びるということが一番望ましいことだと思います。また、伸びれば個人消費もふえる、内需も拡大できる。こういうことになるわけでありまして、所得を伸ばすためにはいろいろな対策があると思いますが、その一つとして、所得税の負担が大変重いということは、これはもうどなたも共通の御意見だろうと思います。
 そこで、私の言っておりますのは、こういう事態を考えまして、国民経済全体の立場から大幅減税は望ましい。ただし、これを実行するためにはやはり財政の余裕、財源がなければなりません。そこで、これからはやはりそういう財政的な余裕が生み出せるような財政経済の運営をしていくということを大きな課題として検討していかなければならぬということを申し上げておるわけでありまして、いますぐ大幅減税がやれる、そういう状態ではないということは、これはもう皆さんもよく御承知のとおりであろうと、こう思います。
#157
○原田立君 長官も十一月十日に記者会見して、「これを打開するためには大型の所得税減税が実施できる条件作りが重要で、特に公定歩合の早期引き下げの必要性を指摘」した、条件づくりが必要だと。その条件づくりの状態は一体どういうことになっているか。
   〔委員長退席、理事嶋崎均君着席〕
あるいはまた、日本商工会議所あるいは関西経済連合会あるいは経済同友会、これらも、所得税減税をやるべきである、こういうふうなことを言っておりますし、そういうようなこと等を見て重ねてお伺いするわけでありますが、ただいまの御答弁ではちょっと不満であります。実施できるような状況づくり、環境づくりというそこら辺のところを御説明願いたい。
#158
○国務大臣(河本敏夫君) 要するに、国の財政収入がふえる、こういう条件をつくり出すということでありますが、そのためにはやはり経済が活力を維持拡大をいたしまして、その経済から予定以上の税収が入ってくる、そういう経済政策を進めるということも一つの課題であろうと思います。あるいはまた、来年の六月には臨調の第二次答申が出るように聞いておりますが、その時点におきまして、非常に不合理な財政支出等もございますから、そういうものに徹底的なメスが入れられる、それによって財源が浮いてくる、こういうことも一つの課題ではなかろうか、私はこのように考えます。あるいはまた、最近は直接税と間接税のバランスが大きく崩れておりますので、そういう調整も時と場合によっては研究の課題になるのではないか、このように思いますが、いずれにいたしましても、財源がなければできないことでございますから、その財源を生み出すための財政的な余裕が確保できるようなそういう経済運営が、あるいはまた行政改革が前提として望ましいと、こういう一般論を私は言ったのでございます。
#159
○原田立君 大蔵大臣、十一月十九日の当委員会で初めて、景気を拡大し税の増収を図りたい、こういう意味の御発言があったと。私はこの委員会に来ておりませんでしたからよくわかりませんが、新聞報道でそう聞いておるのですが、それはそのとおりであるのかどうか。わが国経済自体が不振に陥るとともに、これが税収減を引き起こし、財政再建の達成すら危うくするようなそういうようなことであってはならない。やはり経済あっての財政でなければならないと、こう思うわけであります。総理並びに大蔵大臣にこの問題の最後としてお伺いしますが、いわゆる増税なき財政再建をあくまで達成なさるお考えですか。
#160
○国務大臣(渡辺美智雄君) 御承知のとおり、五十七年度の予算の編成に当たりましては大型新型増税に頼らない、それで経費の節減合理化、効率化、そういうことを中心に財政再建を図っていきたい、こういうことであります。
#161
○国務大臣(鈴木善幸君) 増税のない財政再建、これは私が繰り返し申し上げ、またこれを行財政改革の出発点に考えておるわけでございます。したがいまして、大型新税というようなことを考えずに、行財政の思い切った縮減合理化、これによって財政再建を達成したい、こう考えております。
#162
○原田立君 次に、公共事業に関する工事の問題についてお伺いしたいと思います。
 建設大臣、先ほど来同僚委員から質問がありましたように、公共事業の工事に絡む談合入札の問題が表面化してかなりの日数が経過しておりますが、今日まで建設大臣はどのような対策を行ってきたのか、これをお伺いするわけでありますが、もう毎日、朝、朝刊を開くと、建設省だ、やれ静岡市だ、あるいはまた今度は厚生省だ、やれどこの病院だなんて談合の話がもう枚挙にいとまがないほど出ている。大いに国民は不満を持ち、政治不信に陥っているのじゃないかと大変心配、憂慮するわけでありますが、この問題について、特に建設省関係についてどのような対策を行っておりますか。
#163
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。
 建設業関係に関係する諸問題について先生御指摘のようなことでございまして、監督する所管省の者として大変恐縮いたし、また遺憾に存じておるところでございます。この問題は、建設業界の近代化というような問題に私は当初から取り組みまして、日ごろからいやしくも国民の信を失うようなことがあってはならないというようなことの厳しい指導はしてまいったわけでございますが、ここへきて一度に噴き出したというような感をいたしておるわけでございます。はなはだ不明朗な事件の続発でございますが、いまそれぞれの事案については徹底して調査中でございますので、その結果を待って対応しなければなりませんが、当面業界の代表の方々に厳しい指導を改めていたしたわけでございます。
 それは、こうした環境によって受けるダメージといいますか、せっかく信用を得ていながら、すでに建設業というのは国の基幹産業であり、世界レベルまできた日本の建設業が、こうしたことで世界的にも信を失うようなことがあってはならない、ぜひ自戒自粛、そして自覚をして対応してもらいたいというようなことを関係の代表を特に集めてお願いをいたしたわけでございます。なおかつそれに加えて、契約等のプロセスの中でなお合理化の考え方があるのではなかろうかというようなことから、申達審に改めて合理化等の問題について建議をしていただくようにいま御依頼を申し上げておるところでございます。
 もとより、発注者であるわれわれにいたしましても、心して職員の倫理の確立については篤と申し伝えておるところでございまして、これ以上波及しないように、またこれ以上国民の信を失うようなことが重ならないように、これからも厳正な指導を業界ともども、また業界には特に傘下企業には個々に厳しく言ってもらうようにも伝えてございますので、企業は企業なりに独自で現在、行を起こしているというようなことでございまして、これからの対応につきまして、なお一層厳しい指導をやってまいりたいと、このように考えておるところでございます。
#164
○原田立君 十一月十一日付の「建設業者団体に対する建設大臣の指示について」という資料をいただいているわけでありますが、これを読んでみますと、ずっとこう状況が羅列されて、こういう状態ははなはだ遺憾である、「誠に残念である。」と。そして、「本日御参集の各団体の代表者におかれては、関係法令を遵守し、いやしくも国民の信頼を失うことのないよう、傘下企業等に徹底されたい。」と、こういうふうな御指示をなさったと資料でちょうだいしているわけであります。
 ところで、業界の方で一体どういうふうな受け取り方をしているかというと、十一月十二日の新聞に出ておりますが、「業界が生きのびるために談合は必要悪であり、本当の競争入札になれば業界の秩序が乱れる」、あるいはまた前田会長は、「刑法に触れたり、価格協定などをして独禁法に触れるようなことをしてはならない。「談合」というときこえが悪い。「話し合い」や「調整」だ。法に触れずにやる方法があるか、あれば教えてほしい。」なんていうようなことが報道されておりますし、こういうふうなのは、読むと開き直りというか、そんなような感じを業界の方に対しては思うわけなんです。ですから、監督官庁として甘く見られないように、厳重な、厳然とした姿勢で臨んでほしいと思うのですが、いかがですか。
#165
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。
 そのことにつきましても早速真意をただしましたが、記者の皆さん方とのやりとりの中でそのようなニュアンスのことであったやに聞きましたわけで、そういうことが真意でないというようなことの釈明もございましたので、御指摘を待つまでもなく、こういうときでございますので、特にみずから戒める、省みる、言動にも注意するように重ねて申し上げたところでございます。
#166
○原田立君 総理、この問題は建設省だけに任せておけば解決できるというような簡単な問題じゃないと思います。これだけ強い疑惑が持たれ、各方面から指摘されているにもかかわらず、ただ、総理の最善を尽くすという言葉だけでは多くの国民は納得しないと思うのです。それじゃ最善を尽くすというのは具体的に一体どういうふうなことなのか。関係省庁から成る調査機関を設置するとか、あるいは専門家から成る調査委員会を設置するとか、疑惑解明と同時に抜本的にそういう制度改革というようなことをやる必要があるのじゃないのか、その点いかがですか。
#167
○国務大臣(鈴木善幸君) 公共事業の執行面における適正化、また疑惑を受けるようなことがあってはならないこと、これは政府が常に注意をし、指導してきたところでございます。私は今後におきましても、公取委員会の機能をさらに強める、活発化するというようなことで談合という不正な事態が起こらないように、また会計検査院の機能強化、機能充実によりましてその検査等を強化してまいりたい、こう思っております。
 それから公共事業を持っておりますところの各省庁におきましては、大臣が先頭に立ちまして、そういうような過去の誤った事態が起こらないように運営等について十分検討を加え、適切な指導をしていくように、私からも閣議を通じてお願いしておるところでございます。
#168
○原田立君 総理、私はその具体的な調査機関とかあるいは委員会とか、そういうふうなものをつくるべきじゃないかと、こういうふうに申し上げているのですけれども、それじゃそれらも含むということですか。
#169
○国務大臣(鈴木善幸君) 原田さんの御意見は十分傾聴いたしております。御参考にさせていただきまして、政府としていろいろな面でその執行面において不正あるいは間違いが起こらぬように対処していきたいと、こう考えております。
#170
○原田立君 建設大臣、これは総理に聞いちゃったからあれなんですけれども、前田会長は「「談合」というときこえが悪い。「話し合い」や「調整」だ。法に触れずにやる方法があるか、あれば教えてほしい。」というようなこと、あるいは「業界が生きのびるために談合は必要悪であり、本当の競争入札になれば業界の秩序が乱れる」と、こういうふうな発言があるのだけれども、それは何か雑談の中で話をしたのだ、それが記事になったのだというふうなことで、公式なコメントじゃないというお話だけれども、それはいかがなものか。こうやって実際記事になってみると、公式にお話しになった、そういうふうな考えが腹の中にあるから言ったのだと、こんなふうにも思えるのですが、これはまさか是認なさるわけじゃないだろうと思いますが、いかがですか。
#171
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。
 全くその発言は是認いたすものではございません。
 なお、監査機関等々でございますけれども、総理からもお話がありましたけれども、これはすでにやってはならないように法律、法令があるのでございます。それを厳しく守ればこういうふうな問題は起きないわけでございます。しかし、それでもなおかつ、こうした問題については会計検査院、公取もございますし、省内におきましてはそれぞれの監査機能を充実して、各段階においてその都度、計画、見積もり、積算等についてチェックしていくならば、この問題については私は改めて委員会等をつくらなくても対応できるのではなかろうかと、相当厳しいことは承知しておりますが、そのように考えておるところでございます。
 なお、申達審にも合理性につきまして検討をお願いいたしておりますので、なおそれらの対策を拝聴した上で対処してまいりたいと、このように考えているところでございます。
#172
○原田立君 非常に不満な答弁であります。現在の法律があるからそれでできるのだというようなお話でありますけれども、それじゃ一体なぜこんな事故が起きているのだと、こう私は言いたいのでありますが、時間が余りありませんから、次へ進みます。そんなふうな及び腰とも言えるようなことでは改善はなされないのじゃないかと、こう心配するわけであります。
 私の調査によりますと、昭和五十年度以降この五カ年間に工事の積算ミスとして会計検査院から不当事項、処置要求事項、処置済み事項として指摘された件数と金額は省庁関係で四十四件、十一億三千万円、特殊法人が三十三件で九十二億三千万円、合計で七十七件、百四億六千万円、大変な金額であります。
 会計検査院にお伺いするわけでありますが、この私の調べた数字に間違いがないかどうか、その点いかがですか。
#173
○説明員(坂上剛之君) お答えいたします。
 間違いございません。
#174
○原田立君 しかも、積算に当たっては専門のベテランが担当し、最新のコンピューターを駆使して積算しているにもかかわらず、全く初歩的なミスが大部分だと聞いております。一件や二件というなら許されるとしても、五年間で七十七件の多くに上り、百四億円以上のむだ遣いが行われているのが実態であります。このようなミスの原因は一体どこにあると考えておられるのか、建設大臣及び検査院の見解を求めます。
#175
○政府委員(丸山良仁君) 予定価格の積算に当たりましてミスの生ずる原因は大きく分けて二つあると思います。一つは、現場の条件の把握や工法の検討が不十分なために工事の実態にそぐわないような積算をしてしまう場合、もう一つはごく単純な錯誤によるものでございます。
 この前者のものにつきましては、積算書の審査の段階でいろいろとチェックされますから、それが最後まで誤りという形で出ることはまずないと思います。ところが、ごく単純な錯誤によるものにつきましては、たとえば長さと本数とを間違えるとか、あるいは面積と体積とを間違えてしまう、こういうような場合があるわけでございまして、これにつきましては上級の審査をする場合にも見逃しがちな場合があるわけでございまして、こういうことはまことに残念でございますから、われわれといたしましてはこれからはチェックシステムを確立してまいりたい、それから職員の資質の向上のために研修等を強力にやってまいりたい、このように考えているわけでございます。
#176
○原田立君 建設省関係で関係している工事が全省庁の七二・七%の三十二件、八億九千三百十一万円もむだに使われているわけでありますが、毎年同じようなミスが指摘されている。この実態をどう理解したらいいのでしょうか。せめて自分のところぐらいは実態を明らかにし、まず疑惑を明らかにし、範を示すのが当然だと思いますが、いかがですか。
#177
○政府委員(丸山良仁君) 建設省関係の直轄工事につきましては、この五年間に会計検査院から指摘された件数は一件でございまして三百二十万円の指摘を受けております。直轄工事は模範たるべきものでございますから、たとえ一件でありましてもこのようなことがありましたことは非常に残念だと思っております。大部分のものは補助事業でございまして、いま先生の言われましたもののうち二十二件が補助事業でございますが、これにつきましては各公共団体にこのようなことの二度とないように強力に指導しているところでございますし、今後ともなお一層その面に努めてまいりたいと思っております。
#178
○原田立君 公取にお伺いしますけれども、現在公取が立入検査を行っている静岡の例を見ても、一番札を引いた業者は何回やっても一番札であり、その落札価格は積算予定価格の何と九九・七六%、ほとんど一〇〇%に近い状態である。そのことがいま朝日新聞にも出ておりますが、いま国会で取り上げられたり新聞報道されている問題については談合があったのではないかと、かなり真実性を持って語られ、国民も大きな関心を持って見ていますが、公取委もこれだけ疑惑を持たれている問題について何もしないということはできないと思うのでありますが、いかなる姿勢で臨まれておりますか。
#179
○政府委員(橋口收君) 小柳委員の御質問にもお答えしたところでございますが、入札談合の案件は、すでに過去におきまして相当の実例の積み重ねもございますし、現在実施中の審査事件としましては、いま御指摘がございました静岡県関係のもの一件でございますが、それ以外にも公開された情報なり、あるいは極秘の情報が公正取引委員会の事務局にかなりの件数提供されておるわけでございまして、その情報の確度なり熟度なりあるいは有効性につきましていま検討をいたしておるところでございまして、たとえ公開された情報でありましても関心を持たないということではございません。
 それらを含めて関心を持っておるところでございますが、われわれの任務といたしましては、目前に独占禁止法違反の事件がございます場合には、これを法律に従って処置をいたしまして、制限された競争の状態をもとに戻すということが最大の任務でございますが、先ほど来お話がございますように、なぜ入札談合が生ずるかという構造的な問題もあるわけでございまして、これは建設御当局の方で所管の審議会等に諮問をして改善策につきまして御検討いただくということでございますから、その検討の結果も公正取引委員会としては注目をいたしたいと思っておりますし、また公正取引委員会、委員会としまして公式の意見を申し上げる段階ではございませんが、幾つかの入札談合事件を取り扱いました行政体験からの所感というものもございます。入札のあり方の問題、財政法、会計法の運用の問題等々幾多の問題があるように思いますから、したがいまして、それらの制度的なメカニズムにつきましても根本的に検討していただきまして、入札談合のような問題が将来なくなるようにしていただきたいということを心から念願しているものでございます。
#180
○原田立君 先ほど会計検査院もお認めになっておられるように積算ミスが七十七件、百四億六千万円にもなりますが、しかも実地検査で指摘された数は全体の八・四%なんです。先ほどわが陣容が少ないのでなかなかそこまで手が回らないのだと、こういう意味のことが言われておりましたが、指摘されているのは八・四%と、一割以下にすぎない、まだほかのものがたくさんあるわけです。
   〔理事嶋崎均君退席、委員長着席〕
全部ほかのものが変なことをやったと、そういうふうなことを私は断定的に言うものじゃありませんけれども、八・四%だけでもこんな金額だ。それだとあと大分あるのじゃないだろうかと思う。これはだれが見てもむだだと私は思うのです。
 総理、こういうようなことは直すべきじゃないか。もう私は時間でありますから続けて申し上げますが、ゼロシーリングも結構、歳出削減も結構でありますが、いままでに指摘した間願は何も臨調に諮問する必要のないことであり、総理初め全閣僚がやる気にさえなればできることだと思うのであります。このような問題こそ最優先してやることが行政改革だと思うのでありますが、これは担当の建設大臣あるいは行管庁長官、総理のお考えをお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
#181
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。
 御指摘の件につきましては厳正に対処してまいります。
#182
○国務大臣(中曽根康弘君) 会計検査院等に指摘されたり、あるいは公取からいろいろ調べられたりして、事後的にそれが発見されたり処理されるというのははなはだ残念でございまして、行管庁といたしましては、事前にさらに監査制度を厳格に実行いたしまして、そういうことを起こさないように努めてまいりたいと思います。
#183
○国務大臣(鈴木善幸君) ただいま建設大臣並びに行管庁長官からも申し上げましたように、会計検査院の監査、指摘を待つまでもなしに、行政各部門におきまして予算の執行に適正を期するように最善を尽くしますと同時に、みずからのチェック機能、監察あるいは監査、監督を強化いたしまして、このような事態が今後再び起こらないように最善を尽くしてまいりたい、こう思っております。
#184
○原田立君 終わります。
#185
○委員長(玉置和郎君) 山中郁子君。
#186
○山中郁子君 初めに、総理に一問お伺いいたします。
 奥野法務大臣は、けさのテレビインタビューでも、いわゆる人の道発言に関連して、必要があれば指揮権を発動すべきだという重大発言をまたもや行われました。言うまでもなく、いま問題になっている指揮権発動というのは、検察事務への不当な介入ということについてであります。そのときに公然と、必要なら指揮権を発動すべきだと言うのは大問題だと言わなければならない。
 それで、鈴木総理は本委員会で、閣僚は言動を慎重にすべきだと答弁されたし、また、けさの本委員会の委員長発言においても、奥野発言について強く注意を喚起したばかりであります。それにもかかわらず、再び事実上の指揮権発動発言を繰り返すということは、わが党としては断じて許すことができません。わが党の市川議員も、奥野法相の罷免を要求してきましたけれども、法務大臣としての適格性を欠いた奥野法務大臣を罷免し、けじめをつけるべきではないか、総理の答弁や委員長の注意発言で済ますことはできないという事態だと思います。三日後に内閣改造を控えて、更迭するからよいというものでは断じてありません。総理、どうですか、御意見を伺います。
#187
○国務大臣(鈴木善幸君) 奥野法務大臣のけさの発言というのは私まだ聞いておりません。奥野法務大臣につきましては、きょうも委員長の方から当委員会の総意としていろいろ御注意がございました。私自身も内閣の責任者といたしまして、十分その御趣旨を踏まえて、閣僚はすべて言動に注意をし、誤解を受けないように指導をしてまいりたいと、このように考えております。
#188
○山中郁子君 誤解なんていう問題じゃないんですよね。ここにありますから、どうぞごらんになってください。いずれにいたしましても、この点について総理の毅然とした罷免というそうしたことがない限り、鈴木内閣の腐敗政治に対する姿勢も疑わざるを得ない。このことを指摘しておきます。
 次の問題に入りますが、初めにGNP一%、つまり防衛費問題でございます。本委員会の行革法案審議に当たりましても、軍事費が聖域化されて、またこれが膨張される、そういうことについて心配が多く、審議されました。これをどう抑えていくかということが一つの大きな論点になっています。
 そこで、まずこの問題についての政府の見解を明確にしてほしいのですけれども、防衛費GNP一%、これは現在、五十八年度から六十二年度までの五六中業作成作業が進められていますけれども、この作業は防衛費がGNP一%以内という前提で行われているはずであると思いますけれども、まず防衛庁長官の見解をお伺いいたします。
#189
○国務大臣(大村襄治君) お答えいたします。
 五六中業は、現下の厳しい国際情勢にかんがみ、防衛計画の大綱に定める防衛力の水準を達成することを基本として、来春を目途に現在作業を進めており、現段階ではその事業内容等が固まっておりませんので、五六中業の対象期間における防衛関係費やその伸びがどうなるかについて現在お答えをできる段階ではございません。したがいまして、対GNPの関係についてのお答えも、現在の段階ですることはできない次第でございます。
 なお、当面の問題としては、対GNPの閣議決定を変える考えはないということは、しばしばお答えしているところでございます。
#190
○山中郁子君 おかしいじゃないですか。私が言っているのは、金額とかあるいはGNPの伸びを言っているのじゃないんです。五十一年には閣議で防衛費一%以内というふうに決めている。そしてまた鈴木総理も、これは昨年の十一月十二日の参議院の安保特で、鈴木内閣におきましては「GNPの一%以内、この方針は堅持してまいる考えでございます。」ということをおっしゃっている。総理としてはもちろん一%を超えないというお考えだと思いますが、いま防衛庁長官が前段におっしゃったことは、わからないということをおっしゃっているわけでしょう。そのことを前提に、一%以内ということを前提にしなければならないということを私はいま言っているので、総理としてもう一度この辺の確認をしていただきたいと思います。
#191
○国務大臣(鈴木善幸君) ただいま防衛庁長官から御報告を申し上げたとおりでございまして、五六中業の問題はただいま作業中であると。私もまだ中間報告を聞いておりません。いずれにいたしましても、まとまりますれば、これを国防会議におきまして何らかの形で審議をするということに方針を決めておるわけでございます。そして、五六中業の作業に当たりましては、五十一年の十月でありましたか、当時内閣が決めましたところの、当面GNPの一%を超えない方針のもとにこの基本的な防衛計画の大綱を達成する、こういう方針は今日においても変わりはございません。
#192
○山中郁子君 防衛庁長官の言われていることと違うのですね。というのは、何回も防衛庁長官は国会でも先ほど最初におっしゃった答弁をされている。そしてすでに先日の新聞報道、これは具体的には十一月二十三日の読売新聞ですけれども、五六中業陸幕大綱がまとめられたというふうに伝えられているのです。こういうように、長官の言う一%というものは、伸び率やあるいはその中身によってわからないという、こういう前提で作業が進んでいる。だから私は、いま総理がそういう立場で貫くということをはっきりおっしゃるならば、一%以内にとどめるというそういう前提での試算あるいはこの作業ということを指示するべきだと思います。
 それは、なぜこういうことを言うかといいますと、ハワイでの六月の日米安保事務レベル協議で、F15二百機、P3C百機など、膨大な防衛力増強要求がアメリカから出されて、そしてことしの七月二十八日の参議院内閣委員会で、この問題についての野田委員の質問に対して防衛庁長官はこう答えているのですね。「米側の意見のうち取り入れるものがあれば参考にしていきたいと、むしろその方を念頭に置いているということを念のため申し上げておきたい」と、こういうふうに言われている。ということは、つまりアメリカの要求を受け入れて、それを自衛隊制服が計画の原案に入れてどんどんつくって、その結果五六中業がGNP一%以内におさまらなくなったというような場合に、それは一%以内という閣議決定や、総理が何回もおっしゃるその姿勢、そういうものは結果的にほごになる。こういう事態を生み出しかねない経過でいま防衛庁の作業が進められているからこそ私はいまこの点を申し上げるのです。首相として防衛庁にそういうことを厳しく指示をしていただきたい。いかがですか。
#193
○国務大臣(大村襄治君) 私の答弁に関連して御発言がございましたので、先ほどの答弁に関連してお答えさしていただきます。
 対GNPの比率の関連でございますが、これは先生十分御承知のとおり、その年度におけるGNPの金額を分母とし、そしてその年度における防衛関係費を分子として、その比率が一%以内におさまるようにというのが閣議決定の趣旨でございます。そこで、現在作業を始めたばかりでございまして、分母に当たるものもまだ決まっておりませんし、分子に当たる方もわからぬわけでございますから、わからぬものはわからぬと正直に申し上げたわけでございます。方針といたしましては、現在閣議決定が生きているわけでございますので、これを守っていくということは繰り返し申し上げているとおりだということでございます。
#194
○国務大臣(鈴木善幸君) 五十一年の秋に決めましたところの方針、これは鈴木内偶におきましても守っていく、これを変更する考えは持っていないということを繰り返し私は申し上げておりますし、防衛庁におきまして五六中業の作業を進めるに当たっても、そういうことを踏まえての上の作業が行われておる、こう考えておりますし、その成案を得ますれば、これは先ほど申し上げたように国防会議等においてこれを検討するということにいたしておりますから、そのように御理解を願いたい。
#195
○山中郁子君 次の問題に入ります。
 昨日来からもいろいろと議論が行われてまいりましたが、十一月三十日からジュネーブで米ソ戦域核制限交渉が始まります。この結果は世界情勢に重大な影響を及ぼすものになりますが、これに先立って、レーガン大統領が十一月十九日にいわゆるゼロ・オプション、SS2〇を撤去するならパーシングIIや巡航ミサイルの配備をやめると提案し、ソ連のブレジネフ書記長が二十三日の西ドイツでの演説で、モラトリアムつまり現状凍結と戦域核の一方的削減などについて述べました。昨日来、総理からこの問題についてのお考えが述べられておりますけれども、ここはひとつ外務大臣にこれらの提案についての御見解をお伺いしておきたいと思います。
#196
○国務大臣(園田直君) 核軍縮、戦域核等に関するアメリカ大統領の演説は高く評価をいたしております。先般、ソ連のブレジネフ書記長と西独の総理大臣との会談等の内容を見ましても、これを念頭に置いて行われたものと考えております。わが日本は、この両方からの提案が逐次外相会議、ジュネーブの会議、米ソの首脳者会議とだんだん進んで、そして核、通常兵器と、軍縮が進められていくことを期待し、その希望が出てきたと評価しておるわけであります。
#197
○山中郁子君 もう一つ進みまして、レーガン大統領のゼロ・オプションでも、ヨーロッパ配備の米側の戦術核兵器六千発、ソ連側は三千発が残されるわけです。それからブレジネフ提案でも、真のゼロ・オプションというふうに言いながら、一般的言及以上のものではなくて、現状凍結するなら一方的にヨーロッパに配備している中距離ミサイルを数百基単位で撤去すると言っているわけで、いわゆる全面撤去の具体的な方法には触れていないわけです。これらの提案はそれぞれの思惑を持ったものであると思います。米ソの核軍核の悪循環を断つためにはヨーロッパ、アジアの戦術核をすべて撤去する以外にないと思いますけれども、この点について総理の御見解をお伺いいたします。
#198
○国務大臣(鈴木善幸君) 外務大臣からお答えをいたしましたように、レーガン大統領が中距離核兵器の問題につきまして、また、従来米ソの間で交渉が行われ、中断をいたしましたところのSALTIIの問題にいたしましても、これに対する抑制ということよりも、削減というようなことを大統領みずからが提案をした、またそれにこたえてブレジネフ書記長が、訪独の際にそのことを念頭に置いてあのような発言をしておられる。これは私は素直に評価をしてよろしい、こう思います。ただ、これが真に米ソの間で話し合いが建設的に前向きに行われて実りのあるものになるかどうかということにつきましては、私どもは大きな関心を持って見守っておるところでございます。
#199
○山中郁子君 その評価は重ねて伺ったわけですけれども、米ソ核軍拡の悪循環を本当に断つためにはヨーロッパ、アジアの戦術核をすべて撤去する以外にないと思うけれども、それはいかがですかということを伺ったわけです、総理のお考えを。それ以外ないと私も思いますけれども、どうぞ。
#200
○国務大臣(鈴木善幸君) そういう方向に向かって各国が国際世論を喚起しながら努力をしていく必要がある、こう考えています。
#201
○山中郁子君 ところで、ザブロツキ米下院外交委員長が十一月二十二日の記者会見で、日本が核積載艦船の一時寄港を認めるべきだという発言をしましたけれども、これは言語道断でありますけれども、総理は将来にわたって核積載艦船の一時寄港は一切認めないということを、この発言もあったことでありますから、この際表明すべきであると思いますが、いかがでしょうか。
#202
○国務大臣(鈴木善幸君) アメリカの下院のザブロツキ委員長が、日本の新聞記者とのインタビューにおきましてそういうことをお話しになったということは、私も新聞で承知をいたしておりますが、公式には何ら私聞いておりません。したがって、それを前提としてここでコメントをするということは差し控えたい、こう思っておりますが、いずれにいたしましても、わが国は非核三原則を国是としております。したがいまして、そのようなことは事前協議がございましてもわが方としては受け入れるわけにはいかない、これだけははっきりいたしておきます。
#203
○山中郁子君 この時期の発言であります。記者のインタビューに答えてと言いながら、中身の重要性に照らして、政府としての対応が必要であると私は考えます。
 わが党は、これまで市川議員の質問などでも、米軍が攻撃型原潜に水中発射核弾頭つき巡航ミサイルを積み込んで、海から核を持ち込む問題について解明もし追及もしてまいりました。ところで、今度は空から核が持ち込まれる危険性があるという問題が出ています。B52の問題です。レーガン戦略計画では、B52にALCMつまり空中発射巡航ミサイルを積む方針を明らかにしています。それで総理は、十一月十八日の上田議員の質問に対して、戦域核つまり核巡航ミサイルですね、配備は世界のいずれの地域においても好ましいことではないと答弁をされました。その立場からすれば、こういう核巡航ミサイルを積んだB52が日本の周辺で行動したり、日本の上空を飛んだりすることはあってはならないことだと思いますけれども、念のため総理の御見解を伺っておきたいと思います。
#204
○国務大臣(鈴木善幸君) 先ほども申し上げましたように、わが国は非核三原則を堅持いたしております。したがいまして、飛行機に積んで領土、領空、領海の上を飛びましても、これは事前協議の対象になる。領土、領海、領空。私はそういう認識を持っておるわけでありまして、事前協議がなされた場合におきましては、これをお断りをするということははっきりいたしております。
#205
○山中郁子君 ところが、防衛庁の石崎参事官が十一月十一日のこれも当委員会の秦議員の質問に答えて、自衛隊機とB52との演習を行うということを明らかにされています。このB52についてですけれども、これは巡航ミサイル搭載用に改造するという計画になっていることを御存じでしょうか、防衛庁は。
#206
○国務大臣(大村襄治君) お答えいたします。
 御指摘のB52の改良については、去る十月二日にレーガン大統領が発表した米国の戦略核戦力に関する総合的な近代化計画においても述べられているように、現有B52爆撃機のうち改良型のものは、巡航ミサイル搭載のために改良することとされているというふうに承知しております。
#207
○山中郁子君 B52が巡航ミサイル搭載用に改良されるということになっているわけですね。さもに重大なことは、七八年二月二十一日アメリカの上院軍事委員会で、これは海軍潜水艦作戦部副部長という職名にある方ですが、グリフィス中将が、改良型のB52Gに搭載される巡航ミサイルはニュークリア・アームド・オンリー、つまり核専用であるということを述べています。しかもB52Gの初度運用は、アレン空軍長官によれば八二年十二月である、つまり来年ですね、これは八二会計年度米軍事態勢報告書で述べています。こういうような核巡航ミサイルを搭載したB52との共同訓練はあり得ないはずだと思いますけれども、その点はいかがですか。
#208
○国務大臣(大村襄治君) B52改良型がいつ実現するかにつきましては、いま先生御指摘のような報道もございますし、また全部がつきますのは九〇年代までかかるという報道もあるやに承っておるわけでございます。しかし、B52との共同訓練についてでございますが、私どもは、現代戦においては電子戦能力の優劣が直ちに勝敗を決定するのに重要な要因となっておりますので、電子戦能力の向上を図ることをもっぱら目的としてB52との共同訓練を検討いたしているわけでございまして、御指摘のようなことは起こり得ないものと考えておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、非核三原則は確立された日本政府の政策でありますので、今回検討している訓練についても、この政策の範囲内で行うことは当然であるというふうに考えております。
#209
○山中郁子君 それが問題でありまして、核問題、核持ち込み問題でエルズバーグ博士の発言その他、いろいろもうすでに明らかになっているところなんです。それで、ECM、ECCMの訓練とおっしゃるけれども、B52はいまも申し上げましたように、明らかに戦域核戦争遂行任務を負うことになるんです。訓練のときは核を積んでいなくて、ECM、ECCMの訓練だと、こうおっしゃるけれども、こういうことを通じて、こういうことを名目として今度は空からの、海その他がいままでいろいろ議論になっていましたけれども、空からの日本へのひそかな核配備につながるというおそれがある。これがいま西ヨーロッパで大きな問題になっている反対運動、その国民の願い、それをさらに日本で大きく引き起こす、そういうことにつながる重大な問題だということを私は指摘し、B52との共同訓練はいかなる名目によっても一切行うべきではない、このことを強く申し上げておきます。
 次の問題に入ります。これはテーマはぐっと変わりまして、電電公社の近畿通信局の不正経理問題でございます。
 行政改革が国政上の重要かつ緊急の課題となってきた背景には、戦後最大の構造疑獄であるロッキード事件、航空機疑獄と、それに続く鉄建公団の不正経理、KDD汚職、さらには電電近畿通信局の不正経理など特殊法人を舞台にしたさまざまな不正と綱紀の紊乱が続出して、政財富癒着をも露呈してきたところです。国民の怒りが大変大きくなりました。こういうことが背景になっています。だからこそ、鈴木総理大臣も就任後初の所信表明の演説で、政治倫理の確立と綱紀の粛正を第一の課題として強調されたと思います。
 ところが、現在審議されている行革一括処理法案の、たとえば趣旨説明などや、また臨調答申にもこの指摘がないのは、私は不可解と言わなければならないと思います。行革に政治生命をかけるとまで言われている鈴木総理大臣が、よもや所信を翻されているとは思いませんけれども、腐敗不正を一掃し、政治倫理の確立と綱紀の粛正を実現するための総理の決意を改めてお伺いをしたいと思います。
#210
○国務大臣(鈴木善幸君) 行財政改革方遂行してまいりますに当たりまして、行政並びに政治に対する国民の信頼を回復する、これが行革の原点であると私は心得ております。そういうことで、当委員会におきましても、国民の行政に対する信頼を回復する、綱紀の振粛を図る、こういうことが一番肝心なことであるということはるるお話を申し上げておるところでございまして、そのような心構えで今後政治並びに行政の運営をしてまいりたい、こう考えております。
#211
○山中郁子君 いま申し上げますのは、先ほど申し上げました電電公社の近畿通信局における不正経理問題です。
 これは、ごく簡単に一口で言いますと、公社幹部が集団で五十三年、五十四年の二年間に十二億二千万円という不正経理をつくり出して、その裏金で料亭、バー、クラブで飲食したり、ゴルフ、温泉、トルコぶろ、ストリップ通いなどに費消したものです。また、全電通近畿の労組幹部に対するバー、キャバレーなどを含む接待は、国会で認めただけでも二年間で六百五十回に及んでいます。その金額は四千万円に達しています。このほか政治家のパーティー券の購入だとか政治献金だとか、そうしたたぐいのことも新聞などで報道されているのが現実です。その後、この問題に関連して六名の者が起訴をされ、そしてさらにその上司として二名を含み八名が処分をされました。免職になりました。それが現在の状況です。
 そこで、私が問題にしておりますのは、この事件が、六名の起訴され解雇された不心得な職員の個人的な犯罪であって、これを免職すれば事足れりとするようなものではないということなんです。組織ぐるみの大規模な犯罪であって、ここにメスを入れなければ何百回公社が反省してみせても、不正経理の根を断つことはできないという点にあります。公社の見解をお伺いいたします。
#212
○説明員(真藤恒君) お答えします。
 いまの対策でございますが、就任以来、この前も御説明いたしましたように、まず綱紀粛正のために業務改善推進委員会というのをつくりまして、私が委員長ということでいま進めております。そのほかに、それだけじゃまいりませんので、月次決算の制度を今年度より導入いたしまして、各電報局長、電話局長、各階層において月次月次に細かく決算いたしまして、その結果をいつでも、私自身でもチェックできるようにいたしまして、かなりの成果がいま上がりつつあるというふうに確信いたしております。
#213
○山中郁子君 私が伺っているのは、組織ぐるみの犯罪で、六名の人間を処分したからそれて済むというものではないということを指摘しているのです。組織犯罪であるということの証拠の一つは、事件が発覚してからの公社ぐるみの陰蔽工作が延々として続けられているということにまさにあらわれています。これは現在に至るまで続けられているんです。私は、そのごく一部を十月二十一日の参議院決算委員会で追及し、公社も一部それを認めざるを得なかったのです。
 そこで聞きますけれども、決算委員会で指摘をしたリバーサイドホテルでの地検の事情聴取に備えた対策会議、これはその後、決算委員会の指摘後、新聞記者の質問などに答えて大貫監査部長が、一般的な事務的な準備の会議をしたのだということを言っているけれども、こんなものじゃないのです。
 事実は、経営調査室、文書広報課を除いて各部の庶務担当者、五地区管理部の管理係長、これはいわゆる裏金担当者ですよね、ちゃんとこういうのがいるんです。三十名弱集めて開かれたもので、もちろん大貫監査部長が出席しています。このとき地検の捜査にどういう対応をするかということでモデルにされたのが、当時の中沢第一営業部管理係長、桑原第一業務管理部管理係長なんです。この人たちがいろいろリハーサルをして、中沢は口が重過ぎるとか、桑原はしゃべり過ぎるとか、そういう論評までして全部そういう準備をしているんです。多くの人がかかわっているんですから、そんなことがわからないなんて思ったら大間違いなんです。決算委で私が指摘した後でも、今度は出席者一人一人みんな集めてチェックをして、どこから漏れたのだろう、漏れるはずはないんだがなあと、こう言っているんですね。こういうのが現状なんです。こういうことにメスが入れられないで何が行政改革か、私はいまそのことを申し上げる。
 そして続けてお伺いしますけれども、検査院の検査に対して作成した想定問答集があるはずです。これも明らかに組織ぐるみの隠蔽工作の動かない証拠です。この想定問答集の骨子は、まず近通の監査部が示して、そしてそれに基づいて各部が案をつくったわけ。それを本社の監査局に送っているんです。そして本社の監査局は関係の各部局で点検し、修正し、添削してそれを近通へ戻して、そして決定版を作成しているんです。ここに提出をしていただきたい。国会に提出をしていただきたい。
#214
○説明員(森谷昭夫君) お答え申し上げます。
 第一点のリバーサイドにおける先生のいわゆる隠蔽工作ということでございますが、私どもとしては隠蔽工作の打ち合わせは一切やっておりません。この打ち合わせは電電公社の関係者、これは必ずしも被疑者として呼ばれたわけではございませんで、この内容につきまして大阪地検から事情聴取を受ける。大阪地検としましては一々個人に連絡するのも何ですから、電電公社監査部を窓口として連絡をいただきました。したがいまして、監査部としましてはこれらの者に対して真実を述べなさいということで、しかし何分検察庁に呼ばれた経験のない連中でございますから、これらに対して円滑にお調べに沿うようにこういう打ち合わせをしたということでございます。
 それから想定問答集、何かこれも先生のお話では会計検査院の対策といいますか、悪い言葉で申し上げれば会計検査院に対するごまかしの工作というような表現でございますが、そういうふうな想定問答集を本社に対して近畿から送ってきたということはございません。
#215
○山中郁子君 そういうものでなくて想定問答集があるようにも伺いますので、それを提出していただきたい。地検に押収されているはずですよ。それはどういうものだということをあなたがどう考えるかわからないけれども、隠蔽のためのものでないということでもいいですよ、想定問答集があるんでしょう、それを出してください。
#216
○説明員(森谷昭夫君) 大阪地検にそのような資料が押収されておるかどうか、私把握しておりません。聞いておりません。
#217
○山中郁子君 ないと言うのですか。あるのかないのかだけ言ってください、その中身がどうであるかは別としてないと言うのだったら、あなた、もし出てきたときにどういう責任とるのか。一言でいいですよ。
#218
○説明員(森谷昭夫君) 大阪地検で押収された資料というものを私存じておりませんので、あるともないとも申し上げられません。
#219
○山中郁子君 そういうことだけではありません。こういうこともあるんです。昨年二月、検査院向けに改ざんされた裏帳簿を提出した際に、近通局全部課の飲食店を網羅した利用店名表が監査部で作成されているのです。監査部ですよ、監査部というのは不正経理をチェックするところなんだ。これはB4版、表紙は白、左ひもとじ、横書きで一ページに二十店ずつ書いてあるんです。五十音順に記載されています。左から店名、所在地、関係部課名、厚さが三センチあるんですよ。一ページ二十店として少なく見積もっても数千店名がそこに書かれている。
 何でこういうものをつくったかといいますと、帳簿改さんに当たっていろんなところに集中したら困る、みんな散らすためにそういうものをつくって渡して、知らない店も利用したことにしたから、調べられたときに言わなければならないでしょう、わからない店のことについて答えられないから、ちゃんと答えられるように店名や住所を覚えさせる。一回の飲み食い代が一つに集中していたら困る、そういうことでその調整のために使われているんです。あるでしょう、提出してください。
#220
○説明員(森谷昭夫君) 確かに店の名前を書いたものは私は見たような記憶がありますが、これは全く先生のおっしゃる趣旨とは違います。これは会計検査院から五十三年度と五十四年度につきまして不正経理の内容を指摘されました。しかしながら、何分五十三年度といいますと古いものでございますから、しかも裏金でございますので、正式の書類というものは整ってないわけでございます。検査院の方からこの使い道、使途を明らかにせよということでございまして、そこでメモがあるものはメモによりまして精査をいたしました。それから記憶しておるものにつきましては記憶に基づいて精査をしました。その過程でいろんな店がたくさん出てきた、そういう資料がつくられた、こういうことでございます。あくまでも検査院の調査に協力をする、こういう立場でつくったものでございます。
#221
○山中郁子君 どういう立場でつくったものであるかは別として、それじゃ出していただきたい、あることをお認めになったわけですから。
 不正経理自体も、起訴された六人にとどまらないことは、すでにいままで私の指摘でも申し上げましてはっきりしています。
 一つだけ具体的なことをここで伺いますけれども、五十三年九月十六日から十七日の土曜、日曜に行われた業務部門でのゴルフコンペです。これに参加したのは第一、第二営業部長、この第二営業部長というのは現在の大貫監査部長です。これはまた重要なんです。第一、第二業管部長そのほかです。そして十六日の夜、高槻のかまぶろ温泉旅館で宴会をしております。十七日は新大阪ゴルフクラブでゴルフコンペを行っています。十七日の夜はまたまた、かまぶろ温泉で再度宴会をしている。これらの宴会その他の費用、百万円に近いと思われますけれども、この費用すべてを裏金で支払っています。この種のゴルフは、ここだけではなくて頻繁に行われている。ここにいま申し上げましたように現在の大貫監査部長も参加している。これが大変重大です。この人はいま、監査部の仕事というのは不正を正す部署でしょう、そういう人たちが不正にすでにもう加担して、しかもまだ隠蔽工作の先頭に立っているんです。みずからも飲み食いに参画している。こういう人事それ自体が問題だ。見解を述べていただきたい。そしてこの事実についての調査をし、後ほど報告をしていただきたい。
#222
○説明員(森谷昭夫君) この問題につきましては、先生の御指摘によりまして調査しましたが、おっしゃるとおりの事実で、まことにこれは申しわけない不祥事でございます。そこで、これにつきましてはすでに先般全額、金は弁済させております。(「返せばいいというものじゃないでしょう」と呼ぶ者あり)もちろんそうでございます。ただし、先生おっしゃいませんでしたが、この参加した者の中で先輩の部長を呼んでゴルフをしたわけでございますが、これらからはそれぞれ二万円ずつ会費を取っております。合計、八名ですから十六万円の会費を取っておりまして、これもそれに充てておるということをつけ加えさせていただきます。
#223
○山中郁子君 質問しないで答えてくだすったから言いますけれども、二万円というのはゴルフのところだけで、宴会のお金は入ってないのです。ちゃんとわかっているのだから。
 さらに重大な問題は、局長、副局長のおひざ元の秘書課の不正経理です。五十三年、五十四年の不正経理秘書課分、私は何回もこれをおたくに問い合わせましたけれども、数字を出していらっしゃらない。こうしたものは秘書課長が決裁をやっているはずです、文書規定によって。当時二代にわたる副局長の姿勢、つまりものすごくはでで遊び好きな副局長だったと、こういうことですね。そういうこともあって、この秘書課は最もはでだということでもっぱら評判だったのです。この二年間に、たとえばゴルフコンペだけでも何回やっていますか。
#224
○委員長(玉置和郎君) 山中君の方がよくわかっているんじゃないの。わかっておるのなら、電電公社、山中君から資料をもらってから、それから返答しなさい。
#225
○山中郁子君 じゃ私の方から言いましょう。八十七回やっているんです、二年間に。八十七回。もし本当にやっているとすれば、毎週やっていることになるんですよ。毎週土日、ゴルフコンペをやっていることになるのです。しかも奇怪なことに、ゴルフ場関係の領収書などの証拠書類が全部なくなったのです、この騒ぎの中で。紛失したんです。それで近通は大騒ぎしたんです。そうでしょう。そのてんまつを述べてください。そして調査して、あるなら出す、ないならなぜないのか。
#226
○説明員(森谷昭夫君) 先生がおっしゃったような趣旨の新聞記事が出たことがございます。したがいまして、これにつきまして私ども近畿電気通信局へ照会しましたところ、そのようなことはないという報告でございました。
#227
○山中郁子君 ゴルフコンペをそれじゃ何回やったのですか。私はいま八十七回と申し上げました。委員長が、私の方が知っているから早く言えとおっしゃるから言ったのだけれども、じゃ何回やったのですか。
#228
○説明員(森谷昭夫君) 先生のおっしゃっている趣旨は裏金によるゴルフというふうに理解しておりますが、裏金によるゴルフはないという報告を受けております。
#229
○山中郁子君 それでは、その問題についてあなたがいまそういうふうに断言をなさるなら、今後こうした事態が一層しかるべき証拠書類をもって明らかになったときには、しかるべき責任をおとりになるということでおっしゃっているものと思います。
 組織ぐるみだということでもう一つ重大な点があります。それは経理部の役割りにメスが入っていないことです。経理部は、金銭支出上当然その正当性をチェックするものですけれども、このチェックが、甘いということじゃないんですね、不正と知りつつ支出して、そしてその見返りに各部課に自分たちの飲み食いのツケを回しているんです。これはすでに新聞にも一部報道されていますけれども、私の調査によってもこれは事実であることが判明しています。
 その主役は、経理部の会計課です。特に会議費の支出をチェックする第二調定です。自分たちの飲食代の支払いを第一施設部、第二施設部、第一営業部や秘書課に回して、この料金の支払いは各部課によるカラ会議費で精算させている。そして飲食に参加した者は、経理部長以下みんな課長、相当数に上っているんです。これらのことを見ても近通局は挙げて不正経理をやっていたことを示している。本社もそれに加担をしている。こういう事実はあるでしょう。これを調査をした結果を報告してください。調査してないなら、これから調査をして報告してください。
#230
○説明員(森谷昭夫君) 会計課の不正につきましては、大阪地方検察庁でただいま捜査をしておられるところでございます。これに並行しまして、私どもも職場規律の維持という面から調査をいたしておりますが、おいおいとそういう事実が明らかになってきております。これは事実が判明し次第、厳正なる処断を行うというつもりでございます。
#231
○山中郁子君 それじゃ結局、組織ぐるみの犯罪で組織ぐるみの隠蔽工作をしていたということをあなたは認めたわけでしょう。私が一番最初に言いました六人の不心得の職員の首を切って済むものではない、そういうことをお認めになったわけですね。
 私は重ねて申し上げますけれども、これらの不正経理の背後で暗躍した、いわゆる陰の人事部長と言われている人物の存在なども明らかになっています。もっともっといっぱい事実がありますよ。それから、こうしたことが電電公社のいままでずっと牢固としてとってきた反共労務政策、そしてまた、そうしたものに関連するさまざまな問題から大きく関連して生み出されてきているということを、私は逓信委員会でも決算委員会でも指摘をしてまいりました。余り時間が残されておりませんので、これ以上具体的な事実について指摘できませんけれども、これはまたしかるべき次の機会に行います。
 先ほどから強調しておりますように、本来不正を正すべき職務を持つ監査部や監査局が、全く反対に隠蔽のための工作指導を行っているのです。そして、そこの部長というような人たちが、事実自分たちも不正経理によって生み出されたお金で飲み食いに参画している、こういう現状について郵政大臣の所見を最後にお伺いをいたします。
 その前に、ちょっとつけ加えておきますけれども、これは公社だけじゃないのです。郵政省幹部もかかわりがあるのです。一連の不正経理で捻出した飲み食い費用に、業務出張に絡んで郵政省の幹部がおこぼれにあずかっている事実は多くあります。この問題につきましても今後とも追及をしてまいります。
#232
○国務大臣(山内一郎君) いろいろ御指摘ございましたけれども、電電公社の不正事件というのは、全くわれわれもこういうことは起こり得ることであろうかというような、わかったときにそう感じたわけでございます。
 そこで、根本的に考えてみますと、予算の執行ということについてまず間違っている。原則的な、もう本当の厳正に予算というものは執行しないといけない、この原則に外れているわけでございます。そういう点を基本といたしまして、電電公社に厳重に通達指導して本日までやってきたのでございますが、電電公社においても、電電公社総裁を初めとして改善委員会の設置、なお会計のの処理の問題、こういう点で厳重なチェックをするような機構も整備をされつつあり、されているわけでございます。したがって、そういう点についてさらにこれから電電公社の行き方について十分注意をいたしまして、厳重に指導をやってまいりたいと考えておるわけでございます。そこで再びこういうことのないように厳正にやってまいりたいと思っております。
#233
○委員長(玉置和郎君) 時間です。
#234
○山中郁子君 まだあります。十六分までです。
#235
○委員長(玉置和郎君) もう十六分です。
#236
○山中郁子君 公正な運営をしていただきたいと思います。
 最後に総理にお伺いをいたします。
 私は、最初から申し上げましたけれども、いま現在、まだ隠蔽工作が続けられているということを一つの大きな問題にしているのです。いま何回も郵政大臣も総裁もおっしゃるけれども、これからこうしますと言うけれども、まだいま現在の問題なんだと。お聞きになって少しはおわかりいただいたと思いますので、最後に、私が重ねて申し上げておりますことを理解していただいて、総理としての御所見をお伺いして、私の質問を終わります。
#237
○国務大臣(鈴木善幸君) ただいま郵政大臣からもお答えをいたしましたように、郵政省といたしましてもまた電電公社の総裁といたしましても、このような事態を早く是正をし、また再び起こらないようにただいまあらゆる角度から検討し、最善を尽くしておる、このようなことでございますので、私といたしましても今後一層督励をしてそのようにしたい、こう考えています。
#238
○山中郁子君 終わります。
#239
○委員長(玉置和郎君) 柳澤錬造君。
#240
○柳澤錬造君 最初に、高木総裁がおいでになっておりますので、国鉄問題で発言をしてまいります。
 総裁にはいつも私は大変厳しいことをいままで言ってまいりました。去る十六日ですか、この前の私の質問に端を発して幹部の処分を総裁がなされましたので、その点についてきょうは、むしろそこまでよく総裁がおやりになりましたということを心から敬意を表したいと思います。そういう意味で質問はきょうはいたしませんで、むしろ総理の方に若干お聞きをいただきたいと思うのです。私の国鉄に取り組む姿勢というものを申し上げまして、いろいろとこれから、ぜひともこの大変な国鉄の再建に政府がもっと力を入れていただきたいなという気がするのです。
   〔委員長退席、理事嶋崎均君着席〕
 私は、昭和五十二年の国鉄運賃法定制緩和法案のときなんですが、あのときにむしろ積極的にあの法案には賛成の立場をとったのです。一般の物価が自由に決められる中で、何で国鉄の運賃だけが国会の議決を経なければ決まらないのか。ちょうどお巡りさんの手足を縛って、どろぼうをつかまえろと言うのと同じではないか、そういう考え方に立って積極的に賛成もし、そうして本会議でも発言をしたのですが、今日のこのような国鉄にしてしまった責任はだれなんだ。もちろんそれは国鉄当事者にも責任があるけれども、政府にも責任があることだし、この国会にも責任があるじゃないか。その認識を持たなかったならばとても再建なんかできるものではない。これだけになってしまった国鉄の再建について、だれが答案を書いたって百点満点の答案なんか書けるはずはないじゃないか。五十点であろうが六十点であろうが、少しでも再建に向かっていいと思うならば、それで取り組んでやったらどうか生言ったわけです。
 そのかわり国鉄の方も、いままでは手足が縛られて当事者能力はなかったのだからいろいろのことが言えたけれども、もう今度はそういうことは言えないのです。やはり企業の経営に責任を持ってもらわなければいけないし、それから政府の方も、早く労働組合に労働基本権を持たせてやってください、労使が本当に正常な労使関係をつくってやっていくことが国鉄を再建する道ではないですかということを賛成討論の中でも申し上げたはずなのです。
 しかし、その法案が成立をして、ローカル線について私は一つの提言もいたしました。そのほかいろいろの問題について、国鉄が再建のためによくなろうということについてのことも提案もしてまいりましたのですが、正直言いまして、私はそういうことを幾ら言っても、国鉄は馬耳東風で聞く耳持たないようなことをしておったのです。そして昨年、とうとうあの国鉄再建法案になったのです。
 実を言いますと、わが党の幹部からはこの再建法案も賛成してやれというふうな指示もあったのです。しかし私は、断じてそれはできません、これは再建法案でなくて国鉄をだめにする法案なのです。なぜかと言うなら、いろいろありますけれども、総理、本当にお聞きをいただきたいのですが、あのローカル線、四千キロ全部外したって、そこで浮く赤字というものはたった一千億なのです。あの山陽本線がわずかに五百四十二キロしかないのです。あの山陽本線一本で出す赤字が九百億なのです。ということは、今日の国鉄の赤字というのは幹線なのです。ローカル線じゃないのですよ。幹線がそれだけの大きな赤字を出すということは労使関係に問題があるのですよと言って、いままでいろいろと、言うことを私は言ってきたわけです。
 この間も申し上げました。あの処分の問題もそうなのです。国民に向かってこれだけ処分すると発表して、実際に処分したのはわずか四六%しかしない。同じ三公社五現業の中でも、ほかではちゃんと一〇〇%やっているのです。一〇〇%きちんとやっているそこの経営者はどうなりますかということなのです。それで、国鉄の中でもあのとおり全国平均で四六%、それが東京の三局になれば、二千四十六名処分いたしますと言って実際にやったのは三百九十一名、たったの一九%しかしていない。東京三局の管理局長はそれでいい顔ができるかわからぬけれども、ほかで七〇%、八〇%、九〇%近く処分しているところがあるわけなのです。では、そこの管理局長がどうなるのですかということから、この間もああいうふうなことも申し上げてきたわけです。
 総理が本気になって――所管大臣、運輸大臣がいらっしゃるけれども、今日の国鉄というものは、本当に運輸大臣一入の手に負えるわけではないのです。行政改革といって、大蔵大臣もいつか宣言っておりましたとおり、年間一兆円の赤字を出すこの国鉄がもう少しうまくいったならと言うならば、そういうふうなお金の算段なんかもずいぶん変わってくると思うのです。どうかそういう点でもって、本気になってお考えをいただきたい。
 そして高木総裁にも、自分の本当の身内の、そういうふうな幹部の処分をおやりになったということは大変な心痛でおやりになったと思うのですけれども、その勇気ある決断というのですか、勇断をもってなさったこと、どうか、それでもって本気になって再建にお取り組みをいただきたいと思うのです。いいことをしていれば、やはりほめてやっていただきたいと思うのですよ。そのかわり悪いことをしたならばそれは処分するという、それがやはり私は国鉄の中に一つの秩序が保たれていく道だと思うのです。ほとんどの人はみんなまじめに働くのですよ。そういうまじめに働こうとした人たちが一生懸命働けるようにしてあげていただきたいということが私のお願いたし、それがまた幹部の人たちのおやりになる道だと思います。
 そういうことを申し上げまして、きょうは総裁に本当にむしろお礼をという意味で申し上げたので、もしせっかくの機会で何か申したいことがあれば、それは私もお聞きをいたしますが。
 それから政府を代表して、私はこれはもう運輸大臣というよりも、総理からも今後の国鉄をどうするかということについての御見解をお聞きをしておきたいと思うのです。
#241
○国務大臣(鈴木善幸君) 柳澤さんが、国鉄の再建、この問題につきまして非常に大きな関心をお持ちいただいており、また、ただいまも本当に国鉄に対する愛情を込めて、労使の一体的な再建への取り組みということを強く御指摘になりました。私も全く同感でございます。
 これは国鉄だけでなしに運輸省、政府全体、また国会の御理解、御指導をいただきながら、この国鉄の再建には今後とも真剣に取り組んでまいりたい、こう思っております。
#242
○説明員(高木文雄君) しばしば国会でいろいろ御指摘をいただきましたことを、まともにといいますか、まじめにきちっと受けとめて、そしていろいろまだ問題がございますので、それを一つ一つ取り組み片づけていくという決意でございます。私は、非常に問題はたくさんございますけれども、必ずこれを乗り越えていけると思っておりますので、今後ともいろいろむしろおしかりをいただいて、それを何と申しますか、一つ一つ積み重ねてまいりたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
#243
○柳澤錬造君 高木総裁、もうお引き取りいただいて結構です。
 次に、住宅・都市整備公団の総裁はおいでですか。ひとつ建設大臣にもよく聞いておいていただきたいのですが、住宅公団と宅地開発公団が統合して住宅・都市整備公団ということになったのですが、いまの状態に置いておいたならば、私はこれは第二の国鉄になると思うのです。現実にたくさんの土地を買いあさって持っているわけだけれども、どうにもならないで、利用ができないで持っている土地というのはどれぐらいおありなんですかということ、それを買うためというか、投資のためにどれだけのお金がつき込まれて、その金利を毎年どのくらいお払いになっているのか、ということからお聞きをしてまいります。
#244
○参考人(志村清一君) お答えいたします。
 昭和五十年度会計検査院の報告におきまして、用地の利用について特記事項として掲記されました個所が二十二地区、取得金額として約九百七十二億ほどございます。これらの地区につきましては、その後鋭意努力をいたしまして、すでに事業に着手いたしましたもの及び学校・公園用地等として処分の進んだものが九地区ほどございます。また、このほかに市街化区域に編入する等々事業着手の目途のついた地区が六地区ほどございます。残りの七地区につきましても鋭意関係方面と協議をいたしまして、事業に手がつけられるように努めておる状況でございますが、これらのうち、めどがついたもの、なお検討中のもの、合わせますと十三個所ございますが、これの取得金額が約七百六億円でございます。その概算金利額は約三百七十八億円でございます。
 これらの土地につきましては、私どもいろいろ努力をいたしておりますことは申し上げましたとおりでございますが、さらに本年七月、建設省におきまして、公団住宅等事業促進対策委員会というものをお開きいただきまして、私どもに御指導を賜りまして、その中身といたしましては、市街化区域の編入とか関連公共施設の整備とか、あるいは工業団地等への転用とか、あるいは学校、公園等に振りかえるとかというふうないろいろな対策が示されておりますので、個別の団地ごとに具体的な対策を検討いたしまして逐次実施に移しておる段階でございます。
#245
○柳澤錬造君 総裁、そのいまの九地区というのは、七百十九ヘクタールでどのくらいですか、二百数十万坪だと思うのですけれども、私が調べてつかんでいる範囲から言いますと、公団がいま持っておって未処分土地というのは八千九百二十七ヘクタールで、約二千七百万坪持っているはずでしょう。その中でわずかにいま言った九地区が何とかめどがついた。それからもう一つ言われた七地区については、いまだにめどがついていないはずだと思うのです。しかも市街化調整区域云々と言われましたけれども、これも千三百五十九ヘクタールで約四百万坪。私は建設大臣もそういう市街化調整区域をお買いになるということを知らなかったのか、あるいは気がついたならば、そのとき当然何らかの手を打たなければならなかったはずだと思うのですけれども、いまの九地区と言っても、これもまた八百三十六ヘクタールで二百五十万坪であり、それからもう一つの残された七地区がと言ったって、これも七百五十ヘクタールですから二百万ちょっとなんです。まだそのほかが、二千数百万坪というのがどうにもこうにもならないでそのままにされているわけなんでしょう。そんな何百億なんていうものとはけたが違うわけなんです。もうちょっとそこのところを言っていただかないと――。
 もしそれがあれだったならば、現在公団として借金しているのが幾らで、その金利を幾ら払っているか、それを言っていただいてもいい。
#246
○参考人(志村清一君) 当公団は、住宅建設のほか宅地開発等も行っておりまして、相当大規模の宅地開発を行っております。そのためには、先行的に用地を取得いたしまして、区画整理とかあるいは新住宅市街地開発事業等々やっております。先生先ほど御指摘になりましたように、相当多量の土地を買っておりますが、それぞれ事業に手をつけておりまして、先ほど会計検査院から指摘を受けた二十二地区は、買った土地のうちでなかなか手がつかなかった分についての指摘でございます。そのうち約九カ所、七百五十二ヘクタールがただいま検討中と申しますか、関係公共団体と鋭意折衝をしながら事業着手に進めたいと努力をしているところだと申し上げたわけでございます。
 なお、公団の借入金でございますが、昭和五十五年度末におきまして、これは旧住宅公団、宅地公団両方合わせまして七兆三千億余になっております。非常にたくさんの負債でございますけれども、私どもの公団は、実は国なりあるいは民間からお金を借りて仕事をするたてまえになっておりますので、それに相応する事業資産、見合う事業資産があればよろしいわけでございますが、その資産として事業資産は七兆八千八百億余でございまして、一応バランスがとれておるのではないか、かように考えております。
#247
○柳澤錬造君 総裁、余りつじつまを合わせた答弁はしない方がいいのだけれども、じゃ具体的にひとつ聞いていきます。
 横浜市の港北ニュータウン、これは千三百十七ヘクタール、四百万坪です。ここに人口二十二万の都市づくりをやろうという計画を立てられて、その土地を買ったのが昭和四十四年のはず。いまだにできないわけでしょう。現実に、そこを売って立ち退いて、そこで新しい都市づくりができれば今度は自分らがまた店をつくって商売しようとしたって、立ち退かされて土地をなにして、そのままやりっ放されておって、それで計画も、資金計画が最初は四百六十一億で取り組まれたはずですけれども、七年からおくれてしまって、現在は千四百十四億にその資金計画を変えて取り組まれておるわけでしょう。そうすると、これだけの差というものはだれが責任を持って負担するのですか。
#248
○参考人(志村清一君) 御指摘のように、横浜市の港北におきまして千三百ヘクタールに及ぶニュータウンづくりをやっております。このうち私どもで三十数%の土地を取得いたしまして、民地が大部分でございますが、民間の地主さんと共同で町づくりをするいわゆる土地区画整理事業を行っております。この区画整理事業と申しますのは、この中に住宅が相当戸数ございます。移転を要する住宅が約千五百戸ございまして、それらを動かしながら、宅地でないものを宅地にしたり、宅地であってもよりよき宅地にするという仕事でございますので、規模が大きいのでどうしても時間がかかるわけでございますが、同時に住民の御協力、御理解を賜らねばならぬということで、実は横浜市と地元権利者の組織する港北ニュータウン推進連絡協議会がつくられておりまして、その方々と十分意思の疎通を交わしながら事業をやっております。
 おかげで御同意を得まして、昭和五十六年の十月の初めにおきましては、全面積の約五五%の造成並びに移転戸数千五百戸のうち五二%の移転を完了いたしまして、五十五年度あるいは五十六年度に、若干でございますが、土地の提供もする、五十七年度には、さらに百ヘクタールほどの土地につきまして使用収益が開始できるというふうな段階に行っております。大変時間をおかけいたしまして地元の方々にも御迷惑のかかることがございますが、地元の方々並びに公共団体と十分意思を疎通しながら、よい町づくりに努めたい、かように考えております。
#249
○柳澤錬造君 総裁、時間がないから、総裁自身が御存じないですから、もう一回言って、余り私あれこむ言いませんから、真実の報告をちゃんとよこせと言って、やって下さい。全くもってそんなことと現地の状況は違うんです。四十四年からですから、もう十何年たっているわけでしょう、それでいまやっと何とか手がつけられるところへ来たわけですよ。その十年間ほったらかされた人たちはどうなるんですかと言うんです、商売もできないで。ですから、もう一回それはお調べいただいて、私の方へ御報告いただきたいと思います。
 それから今度は、建設が済んで団地をお建てになって、未入居のままで置いておくところがたくさんあるわけですよ、約二万五千戸。これをどうなさるおつもりか。
 そのためにどれだけのお金をむだに使ったかということになるし、それで、これももうあれですから一つ言いますけれども、千葉の朝日ケ丘団地、これは昭和五十一年の四月に四十六棟千四百七十六戸の団地が完成したのです。これは大蔵大臣、ちゃんと聞いておいてください。一つの団地だけだけれども、昭和五十一年の四月に九十億の工事費をかけて千四百七十六戸の団地を建てた。さあ入れるということになったら、その先の下水道ができ上がってない。下水道をつくろうとした。これは住民の方が、道の狭いところへつくるのだから、そんなもの断固反対と言って、いわゆる住民パワーが起きちゃって、それで下水道工事ができない。いまだに今日になってもそれだけの団地が使いものにならないのです。やっとどうやらこうやらいま話がついて工事にかかるということになるのだけれども、実際に使用するのは五十八年。それで、いままでのあれじゃしようがないから、また全然使わないのを改造して、従来の二戸分を直して一戸分にするということをやるわけだけれども、現在ただいままででも、この九十億の工事費に対して金利だけで二十五億払っているのです。何にも使わないのに。
 そういうずさんなことを公団がおやりになっていて、そういうところに、先ほども言うとおり現実にぽっぽこぽっぽこお貸しになったのが、それは政府だけじゃないけれども、財投からも一年に一兆円近く出ているのですから六兆円からの借金があるんですけれども、今日のこういうときに、お金が有効に使われるならば住宅のことだけやっていいですけれども、建設大臣も監督不行き届きであって、やはり建設省としての御見解もお聞きしたいと思います。
#250
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。
 所管の大臣としてはなはだ遺憾に存ずるところでございます。これは就任していち早く、住宅開発公団と統合がございましたので、その時点で検討をいたしまして、直ちに未利用地あるいは未入居管理住宅の解決方法を考える上うに対策委員会を設け、具体的にシラミつぶしにやるような方途を指導してまいったところでございますが、長い間放置した問題でございまして、一遍にこれが片づかないというようなこともあります。それによって私は責任を逃れようとは思いませんが、これだけ膨大な国家資金をいただいて、七兆三千億資産があるとは申しながら、運用をしない限りはこれは利を生みません。したがいまして、この問題については厳しく指導してまいって、やっぱりお役所仕事でなく経営感覚を持ってやらなければだめだということであります。
 いろいろと問題がありますが、いま私はあえて申し上げません。せっかくつくった家に入れないというのは、住民の反対があったとか、いま先生御指摘のように下水道ができなかったというようなことがありますが、建てる前にそうした整合性を持った上でなぜ建てなかったかということは後の祭りなんでございまして、せっかく御理解をいただいて住宅・都市整備公団として新発足いたしましたので、新しい総裁の新しい感覚で従来の弊を正し、そしてせっかく国民が待望しておる住宅あるいは開発について万全の措置を努めながらいたすように厳しい指導をしてまいっておるわけでございます。
 大分よくなってはきていると思いますが、これはもう職員の諸君も、組合をつくっておられるというようなことを聞いておりますけれども、みんなで責任を持って土地を売って歩く、あいた家には入っていただく、こういうような方途をやらなければだめだというようなことを具体的に指導しておるところでございまして、いましばらく、新公団発足でございますので、温かいまた厳しい目でひとついろいろな面で御指導を賜りますようにお願いをいたす次第であります。
#251
○柳澤錬造君 今度は公団総裁、賃貸の方の家賃、この家賃を決定する根拠、どういうふうにしているかお聞きをしたい。細かいことはいいです。
 これは建設大臣にもお聞きをするのですけれども、こういう家賃決定のコスト計算するときには、少なくとも私は建設省も来てチェックしていると思うけれども、これも大蔵大臣も関係するのだけれども、いま土地を買うとき国から三・五%の利子補給をされているわけだ。大体用地費で普通の一戸分で九百万ぐらいとなれば、その利子補給だけで月に二万六千円に相当するんです。それで、国から利子補給をされている三・五%だけでも、民間から見れば家賃が二万六千円安くならなくちゃいけない。ところが、その利子補給以外の四・五%分については、皆さん方は家賃の中に入れてそれを取っているわけだ。何でそんなことをするのか。だったら、土地がどんどん上がっていって、四・五%以上に上がっていくわけだけれども、今度は土地を売るときになったなら、そのお金をどこに還元するのですかということが言いたくなる。
 それからもう一つ問題は、修繕費というのを取っている。計算に入れているわけだ。これは建設費の一・二%、何でこんなにお取りになるんです。皆さん方のところは七十年間で償却をするわけだけれども、この修繕費の一・二%を六分の複利でやっていくと、三十一年間で建設費が出てきちゃうわけですよ。まあ二十年三十年たてば、それは団地のそういうものだって傷むかわからぬけれども、そんなもの当分修繕する必要もないことだし、それからもっと言うならば、民間の場合には修繕費というと〇・三%しか取らない。それなら話はわかる。一・二%も取るということはどういうことなんですか。いまも言うとおり、七十年償却と言っている中で、そのお金を積んでおけば三十一年でもってその建築費が出てきちゃうのだけれども、余りにも不当な家賃の取り方をしているのじゃないでしょうか。
#252
○参考人(志村清一君) 公団の家賃の設定でございますが、これは建設省令でございます公団法施行規則に基づきまして家賃を決定いたしております。先生御指摘のように、七十年、年利五%以下で、元利均等償還をすることによりまして元利を出す、それに修繕費等々を加えまして、それが家賃になるわけでございますが、この場合におきましても、修繕費等々につきましては「建設大臣の承認を得て、公団が定める。」こういうことになっておりまして、合理的な線で行っていると存じます。
 並びに修繕費でございますが、耐火造の建物が私どもの本来の仕事でございますので、修繕費は余りかからないというふうな御理解もございますが、実は耐火造の建物というのは案外修繕費がかかるものでございまして、百分の何がしという率につきまして建築学会などでもいろいろ検討したようでございますが、実はもっとかかるのじゃないかというふうな意見もあるようでございます。
#253
○柳澤錬造君 そんなことを聞いているんじゃないので、建設大臣、いまも言うとおり、総裁は建設省のちゃんと承認を得ていると言っているのだから、民間の場合には土地のそれにかかる金利なんというものは一銭も取ってないんです、そのかわり土地がそこにあるのだし、値上がりしていくから。それを政府から三・五%も利子補給を受けながら、まだその上に四・五%も金利を取る。それからいま言うとおり修繕費についても、民間でも〇・三%しか取らないのに一・二%も取る。建設省がそれを認めているということはどういうことなのかということが一つ。
 それから私から言わせれば、元来いま言う公団のほとんどが、役員十九名の中で十六名が天下りばかり。そういうことをやっているから、いみじくも大臣も言われたように、そういう経営の感覚というものがなくなっちゃうんです。その辺について責任ある大臣の御答弁だけ聞かしてください。
#254
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。
 家賃の仕組みにつきまして、細かいことは政府委員から答弁させますが、一般会計から補てんされておりますので、これは原価の引き下げに役に立たせ、傾斜家賃をもって初期の負担を少なくし、あるいは関連公共事業を通して工事費の軽減等を図っておりますので、当然、民間ベースよりも家賃は引き下げられた形で設定しておるはずでございますが、細かいことはまた政府委員の方からも説明させます。
 なお、公団への人事の問題でございますが、これは当初公団設立の時点から、やはりベテランというような方たち、経験者というような方たちから理事に入っておるわけでございまして、今度の新公団発足で五名削減して、これも閣議の決定もございますので、今後漸次その方向に向かって対応するような形で指導してまいっておるところでございます。
#255
○柳澤錬造君 建設大臣、もうここじゃ時間ないので、ですから一回建設省でチェックをしていただいて、民間と対比をしても、私から言わせたら余りにべらぼうな高い家賃で、そういうことをやっているから、先ほど言っているように七兆から借金があっても、こちらに資産がありますなんということをのうのうと言えるようになっちゃうのだから、その辺は、住宅というのは大事な点ですから一回チェックをして、不当なところは直すようにしてください。これは要望しておきます。
 それから通産大臣、特殊法人の中の沖縄電力が今年度末、来年三月でもっていよいよ民営に移すようにこれは閣議決定しているわけですけれども、現実にもうあとわずかなんだけれども、できるのかどうなのか。少なくとも資本金百四十七億の中で、借金がいま百六十七億というような状態になっているんですから、その辺をどういうふうになさろうとしているのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
#256
○国務大臣(田中六助君) 沖縄電力の件でございますが、御指摘のような債務超過の状態でございますし、累積債務も多く重なっております。一方、閣議決定というものがございますので、私どもはその決定の趣旨に沿って実現せなければならないというふうに考えておりますけれども、沖縄県民の意向もございますし、それも十分くんだ上で対処しなければならないというふうに考えて、いま鋭意進めておる段階でございます。
#257
○柳澤錬造君 いや大臣、鋭意進めていると言うのだけれども、いまのままで三月に移行なさるのですか。移行させると言うならばどういうことでもって移行するか、その辺をもうちょっとはっきりしてもらわなければ、これは沖縄の人たちにすれば大変なことなんです。ですから、その辺がいろいろ大蔵大臣との関係もあって話がついてないからそのような答弁をなさっていられると思うのだけれども、もうちょっとそこのところのポイントを御答弁いただかなければ沖縄の諸君も安心していられないわけです。
#258
○国務大臣(田中六助君) お答えいたします。
 いま九電力の、特定の電力会社を言うことはちょっと避けさせていただきますけれども、九電力の会社二、三と十分相談しております。ただいま、その前に、指摘ありましたように県民の意向というものも私ども十分聞いておりますので、その点を反映させなければならないという、後段に述べられたそのことが非常に気になりますし、その点も十分含めて検討しておる段階でございます。
#259
○柳澤錬造君 わかりました。ただ通産大臣、本当に現地の事情をよくお聞きになって善処していただきたいと思います。
 それから文部大臣、たまには私も文部大臣に質問をしないと申しわけないから。
 五十四年十二月二十八日の閣議決定でいろいろ特殊法人なんかも決められたのですが、その時点で文部省主管の特殊法人については一つ減らせというふうになっておったのが、結論が出ないままで来てしまって、私の記憶ではいまだにこれは決められておらないと思うんですけれども、もう二年にもなって、先ほどから公団の問題を言ったのと同じだが、ほかの省庁は決まったことをそうやってやっていくときに、文部省は閣議決定のその時点も間に合わなかった、その後についてもおやりにならないということではよろしくないと思うし、どうなさるおつもりですか。
#260
○国務大臣(田中龍夫君) お答えいたします。
 放送大学学園法と相関連いたしまして、日本学校給食会並びに学校安全会、この二つを統合いたしまして健康会というものをつくるということで鋭意努力をしてまいりました。今回もぜひ、御提案申し上げておりますこの安全会と給食会を合体いたしました新しい健康会法案の御通過を願うべく、御審議をいただいておるところでございますが、それがまた最終の決定を見ない段階でございますので、せっかく努力中でございます。
#261
○柳澤錬造君 学校給食会とあれば、もう五十四年の閣議決定で決めているんです。そのほかにもう一つ文部省は減らせよということを閣議決定しておって、二年たってもおやりにならないから、どうしているんですかと聞いているのです。
#262
○国務大臣(田中龍夫君) この二つの特殊法人を統合いたしまして、健康会法案が通過いたしました暁におきましてそれを考えるということになっておりまして、鋭意その問題につきましては検討中でございます。
#263
○柳澤錬造君 ではこれは行管庁長官に。二年前の閣議決定が、いまの文部大臣の御答弁のようなことで通用するのですか。そのようなことを認めておったならば、これからいよいよこの行政改革に本格的に取り組もうということができるのかどうか心配になるので、行管庁長官の御見解をお聞きします。
#264
○国務大臣(中曽根康弘君) 閣議決定は、文部大臣が申されましたように、学校健康会が成立した後で次を実行するということになっておりまして、この健康会の法案が議会ごとに継続審議になって、今回もまだどうも継続審議になるらしいのではなはだ残念で仕方がないので、早くこれを御通過させていただきたいと思っている次第でございます。
#265
○柳澤錬造君 いや私が聞いているのは、これからいよいよこの法律が通って行政改革に本格的に取り組むのだけれども、そんなことでこれからの行政改革ができますかということを心配してお聞きしているのです。
 総理、その点はいまの長官の御答弁でそれ以上どうこう言ってもどうにもならないと思いますが、いよいよこの法律が通っていくわけだけれども、しかしこの法律がここで成立したって、これは言うならば行政改革のスタートについたようなものですよね。問題は、来年の七月ですか、この前言われた第二臨調からいよいよ本格的に出てくる、その辺にどうやって結びつけて、言うならば行政改革の本格的な発展をさせていくか、やるかということになるのだが、その辺の関連はどのようなことをいま頭の中に描いておって、そして進もうとしているか、その辺お聞かせいただきたいのですけれども。
#266
○国務大臣(中曽根康弘君) 第二臨調におきまして、いま総合的俯瞰図をつくろうとしております。それで、望まじき中央諸官庁の統廃合あるいは地方との関係等について、いよいよこのいま御審議願っておる法案が成立しましたら本格的作業に入って、大体ポイントを十二月ぐらいに決めるようにいまお願いしておるところでございます。そういうような主力となるべき大きな構想が出てまいりましたら、それとの関連で、いままでやっておる仕事でまだ片づけてない仕事をどういうふうに調和させていくか、こういう問題が出てまいりまして、そのときにその処置も考えていかなければならぬ。何はともあれ、いますでに決定していることは一日も早く実行しなければなりませんし、方向としては特殊法人を統廃合するという大方針は決まっておるわけですから、その方向に行くに決まっておるわけで、いま問題になっていることを早く片づけていかなければならぬ、そう思っております。
#267
○柳澤錬造君 長官、それにつけ加えて、もうちょっとそこのところを解明していただきたいのですけれども、余り仮定のことでお聞きするのはよくないのですが、一応七月ごろ第二臨調の答申が出てくる。そうすると、それに伴ってまた法案をおつくりになるわけだけれども、その法案というものはいつごろにまとまって国会に出されるようになる見通しかということが一つ。
 それからもう一つは、いろいろの問題がこの国会でも出されておりますが、最近の一連の不正事件がたくさん上がっているのですが、そういう点で、むだな人は減らさにゃならぬけれども、会計検査院のようなところだとか国税庁のようなところは逆に人をふやして、いろいろ不正というものがああいうことになって後で大騒ぎをするのでなくて、もうちょっとチェックをすることをやった方がいいと思うんですが、その辺の二つのお考え、お聞かせいただきたいと思います。
#268
○国務大臣(中曽根康弘君) 来年の初夏に答申が出た場合にどうするかということでございますが、これはどういう答申が出てくるか、出てきた際に中身をよく吟味して、党及び閣議でよく検討の上その措置を決める。大方針としては、法律に書いてありますようにこれを尊重して実行する、こういうことであると思います。
 それから人員の問題ですが、国税庁やあるいは会計検査院、前にも申し上げましたように非常によくやっておると思います。しかし、今度五年間に五%削減するという非常に大きな仕事をいま推進しつつあるところでございまして、国税庁も苦しい中で、ぜひその中で流用してやってもらいたい。グリーンカード制という新しい仕事をやるにしても、そのために人員を増員するというようなことは私はいまのところ考えておらない。やはり大蔵省全体としてはかなり膨大な人間もいるのだから、その中でやりくりしてやっていってもらいたい。それぐらい厳しい考えを持ってやっておるので、そういう厳しい考えを大蔵省や行管庁は率先してやらないと、ほかの省は言うこと聞かぬのです。その苦衷もお察し願いたいと思います。
#269
○柳澤錬造君 終わります。
#270
○理事(嶋崎均君) 小西博行君。
#271
○小西博行君 総理にまずお伺いしたいと思います。
 今国会で議論されている中で、しばしば総理のリーダーシップという問題が出ているわけであります。ちょうど総理になられて一年六カ月が経過しようとしているわけでありますが、率直に言って、総理の考えておられるリーダーシップ像といいますか、その辺からお伺いしたいと思います。
#272
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、閣内におきましても、また自由民主党におきましても、みんなで力を合わせて与えられた内閣の課題、これに取り組んでいく、政策の展開を図っていくということを心がけておりまして、端的に言いますと、全員野球を目指しておるわけでございます。ときに私に対して裁断を求められることもございますが、党、内閣の大方の意向を聞きながら結論を出してやっております。いまのところ、私は、閣議及び国政の運営は皆さんの御協力を得て比較的順調に進められておる、このように考えております。
#273
○小西博行君 私は思いますのに、人間個人の能力と申しますと、幾ら優秀な人でも限界があるような感じがしてならないわけであります。そのために、もちろん内閣といたしまして、国務大臣を大ぜい引き連れまして、一つのシステムといいますか、そういうもので国政の運営に当たっていくという、そういう意味ではそれぞれの大臣の方々のまたリーダーシップというのが非常に大切だというふうに私は考えるわけであります。しかし、現実にたくさんの問題が実はあると思いますので、実際に総理大臣をやられまして、どういう面にたとえば不足を感じる点があるのだろうか、そういうことを感じるものですからお答え願いたいと思うんです。
#274
○国務大臣(鈴木善幸君) わが国の内閣の制度は、内閣の機能、これを各大臣に分権をいたしまして、それぞれの大臣が与えられた行政を責任を持って執行する、こういったてまえに相なっておるわけであります。しかし、それだけでは内閣全体としての機能の万全を期するわけにまいりませんので、閣議におきまして各省庁、いま話されるような問題につきましては整合性をとりながらやってまいるわけでございます。そういう際における内閣総理大臣としての、閣議を取りまとめ一つの方向に政策を持っていく、展開していく、こういうことに相なるわけでございます。
 第一次臨調におきまして、こういう複雑な時世に相なって、また行政、政治も非常に複雑多岐になってきておる、また時代の要請にこたえて機動的に対応もしなければならない、こういう要請があることであるから総理大臣の補佐官制度といいますか、内閣補佐官の制度等を導入したらどうかというような御意見等もあったわけでございます。しかし、これは一長一短がございまして、アメリカの場合におきましてもホワイトハウスと国務省、外交の面を見ましてもそういう問題もございます。あるいは国防省とホワイトハウスの問題、安全保障会議等の問題もございます。これが必ずしもうまくいっていない面もございます。権限の問題からいろいろ対立があったり、円滑にいっていない面もございます。そういう一長一短がございまして、第一次臨調でそういう御答申がございましたけれども、いまだこの問題は実現をいたしていない、こういうことでございます。しかし、私は、内閣に設置されております審議室その他をできるだけ機能的に活用いたしまして、内閣の運営に当たっておるということでございます。
#275
○小西博行君 何かの文献で読んだ記憶があるのですけれども、前大平総理も、どうも内部の本当にいろいろ必要なことの情報が大変入りにくいというようなことを書いている時代があったと思うのです。ひょっと思い出したわけでありますが。そういう意味では、どうしても内閣の総合調整機能みたいなもの、これが大変私は必要じゃないかなというふうに考えているわけです。と申しますのは、どうしても人間の統括能力というのは、組織論でもう御承知だと思いますが、大体八名ぐらいの統括しかできないと普通言われております。ましてや、企業と違いまして、政治の目的というのは非常に多岐にわたるものですから、かえって私は大変むずかしいのじゃないかなという感じを持っている人間の一人であります。
 そういう意味では、いろいろ第一次臨調から答申も私もずっと勉強させていただきましたし、第二次臨調でもこの調整機能を何とかしなければ総理は大変だろうというようなことも同時に承っているわけでありまして、何としても私は、たとえば予算の編成という問題におきましても、予算局というような、これもすでに総理も御承知だと思いますが、そういうものを抜本的にひとつ思い切ってつくらなければ、いままでのようなお互いの調整だけでは、各大臣間の調整だけではなかなか私はむずかしいのじゃないだろうか、そういう気がいたしておりまして、まず補佐官制度、これは名前は何としても私は結構だと思いますが、その中に予算局だとか、それからエネルギー庁だとか、それから経済企画庁、こういうようなものを私はどうしても早急につくって、そうして総理の本当のお考えをストレートにそこで審議していただけるような、そういうシステムをつくるべきじゃないか、これが行革の一つではないかというふうに私は感じているわけでございますが、総理と行管庁長官の御意見をお伺いしたいと思います。
#276
○国務大臣(中曽根康弘君) 小西さんの長年の御研究として拝聴しておきたいと思いますが、中央省庁の統廃合問題は次の答申の一番大きな山でございまして、臨調がいまヒヤリングをやっていますけれども、ポイントを決めていよいよ作案に入るという段階に入ってきております。われわれが予断を与えたり、あるいは干渉がましいことを言わぬことがこの際は賢明である、そういうことで一切控えておりますので、御意見として拝聴させていただくのみにさせていただきたいと思っております。
#277
○国務大臣(鈴木善幸君) いま私は、現在のあります機構、体制というものをいかにして機能的に運用するか、活用するかということに全力を挙げております。と同時に、これからの中央省庁の内閣全体としての機構の問題につきましては、ただいま行管庁長官が申し上げたとおりであります。
#278
○小西博行君 審議会の問題に少し触れてみたいと思うんですが、この審議会も実は、たとえば各大臣がいろいろな政策を出すたびに審議を依頼する、一つテーマを与えましてぜひ審議会で研究してくれというようなことで、これはもうたくさんの審議会が現実にあるわけですね。そういう意味では、この審議会も一つのスタッフ機能というふうに私は考えているわけですが、どうもこの審議会にはいろんな問題がある、余り効率的ではないというような評判も実はあるわけでありますけれども、この審議会の点につきまして行管庁長官はどういうようにお考えでしょうか。
#279
○国務大臣(中曽根康弘君) 審議会は、中央、地方を問わず整理統合していくという方針でおります。ただ審議会の中にも、たとえば原子力委員会のようなもの、あるいは原子力安全委員会のようなもの、あるいは社会福祉、社会保障関係のようなもの、さまざまなものがあって機能しているのもあるわけでございます。したがって、一つ一つ点検しまして、そして重要な機能を果たしているものはますます発揮させるように、それから機能を果たしていないものはその原因をきわめて、そしてやめるなり、あるいは統廃合するなり、新しい形に蘇生させるなり、今度はそういう点にも思い切って力を入れてみたいと思っております。
#280
○小西博行君 その審議会なんですが、いま長官がおっしゃいましたように、有効な審議会活動を期待したい、余り役立たないものはなくしていく、こういうことは私も賛成なんです。そういう意味で、この審議会に対するいろいろなテーマの与え方が、調べてみますと非常に抽象的なわけですね。たとえば日本のエネルギーの将来についてどう思うかというような余りにも大きなテーマだけに、ずいぶん調査期間も長いことかかる。物によっては三年、四年でもまだできないというような問題も実はあるわけでして、もう少し具体的な問題を提言するということが私は非常に大切なんじゃないだろうか。
 それからもう一点は、審議会というのは当然いろいろな専門家が集まってまいります。そして、その中でいろいろ議論しながら、最終的には報告書を出すときにある程度まとめるわけですね、一冊の文献なら文献ということでまとめていただく。そういうふうになりますと、どうしても個人個人の本当の能力というのがなかなか発揮できない。本当の意見というのが反映しない。言うなら平均化されたような文章になってあらわれてしまう。しかも時間が大変長くかかってしまう。やっぱり全員のメンバーがある程度意見を出して、そしてそれを総合するわけですから、何人がおくれますとその分だけおくれてしまう、こういうようなシステムになっているわけですね。この辺、私は審議会というのはそれぞれの御意見が中にあっても結構だと思いますし、もう少し先ほど申し上げましたテーマをはっきりする、もっと具体化していくという、この問題とその報告の仕方ですね、この辺はやっぱり私は改めるべきじゃないかなと、このように考えるわけですが、いかがでしょうか。
#281
○国務大臣(中曽根康弘君) 審議会について批判されていることは、これが官庁の政策の隠れみのに使われていはしないかということで、そういう弊害もなきにしもあらずであると私にらんでおります。それにつきましては、審議会をどういうふうに新しく機能させていくかという問題がありまして、たとえばいわゆる審議会として会長を決めてやるのがいいのか、あるいはアドバイザーみたいな形で大臣が一人一人の専門者を呼んで意見を聞いて、大臣が自分で方向を判断する、そういう形でいくのが責任政治としていいのではないかとか、あるいは政党政治本来の形から見ると審議会に逃げるというのはひきょうだ、むしろその政党の政調会が案をつくってきて責任政治で断行すべきである、そういう議論もあるわけです。
 さまざまな議論をよく踏まえまして、そして、いまのあり方を改革しなければならぬことは事実でございますから、改革してまいりたいと思っております。
#282
○小西博行君 審議会の問題は、一つ一つを挙げて議論いたしますと幾らでもありますので、時間の関係で、いまの答弁で私は十分だと思いますから、ぜひとも機能するような審議会をぜひつくっていただきたいというように思います。
 次は、予算の方へ少し移っていきたいと思います。
 五十七年度の予算編成というのがそろそろ新聞なんかでも出てまいりまして、私ども大変関心を持っているわけです。ただ、従来の予算編成と大変私は違うのじゃないかなという面で関心を持っているわけです。それは増税なき財政再建というこの総理の一発が大変私はよく効いているのじゃないか。あるいはゼロシーリング、こういうことでありますから、それぞれの分野で幾ら要求してももう上は全部決まっているんだ、それ以上には出ないんだ、むしろ節約なんだと、こういうような非常に私はある意味ではいい傾向があるのじゃないかな、ある意味ではチャンスじゃないかな、これを利用して私はすばらしい何か将来につながるような予算編成をぜひともやっていただきたいなと、そのように実は考えているわけですが、これは大蔵大臣にお聞きしたいと思います。
#283
○国務大臣(渡辺美智雄君) 御承知のとおり、五十七年度予算は、いままでのようなやり方をすれば二兆七千億からの要調整額が出てくるわけです。増税で賄うのか、何でやるのか。増税はやらないということになりますと、それをどこかで埋めなきゃならぬ。結局は、これについてはゼロシーリングを初め今回お願いをした法案等を土台にして、てこにして歳出の節減合理化を徹底的に図っていかなければならぬ。そういう点が、まずいままでとはまるっきり違う。そこへもってきて、今回は人事院勧告が出て、その分がゼロシーリングのときには入ってないわけですかも、普通のようにそれを追加してふやすということは財源上できない。五十九年度までに赤字国債からの脱却という一つの目標がございますから、これも相当数字の一兆八千三百億程度のものはやはり赤字国債を減らしていくということですから、赤字国債をふやすことはできない。一方、史上最大の災害が起きた。今年だけでこれは解決つくものではありません。当然、来年度においても復旧工事もやらなきゃならぬ。これらをゼロシーリングの中で、たった六千億円ぐらいの、枠外のものは認めたけれどもそれ以外は認めないという中で、これは短時間の間に抑え込んで中へ入れかえていかなければならぬわけですから、そういう意味では非常に異例な予算編成になる、そう思っております。
#284
○小西博行君 いま大蔵大臣の御意見のとおり、大変に歳入も歳出もいずれも逆方向に走る可能性がありますので、大変私は厳しい状態だなというふうに自分でも認識しております。そういう意味で、日経新聞の十一月十四日だったでしょうか、歳出と歳入ということでかなり詳しい数字が出ておりまして、これから見てみますと、どうしてもこの歳入の方で、いま大臣が言われたような、たとえば租税特別措置の整理であるとか、あるいは交際費課税とか、あるいはこの間、秦先生がちょっと言われておりました広告費の税金の問題、こういうふうにしてたくさん挙げておりますが、どうしてもなかなかこれもむずかしいということをたびたび聞いておるわけですが、いまの時点でどうなんでしょうか、やっぱり大変つじつま合わせという意味で、歳入歳出の関係という意味ではこれはむずかしいのでしょうか。いまの問題について。
#285
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは先般の通常国会を通じて、また今度の臨時国会を通じて野党の皆さん方からも税についてのいろいろな御批判を、各党を代表して質問を受けているわけです。したがって、それを聞きっ放しというわけに私はいきません。ですから、謙虚に受けとめて、そういうものについてはできることならば、そこででこぼこ是正ができて歳入になるのなら、なおありがたいことですから、主税局においてはいろんな面でそれは検討をしておるというのは事実でございますが、数字がどういうふうになるかどうかというようなところまでは全然詰まっておりません。
#286
○小西博行君 私は、大変財政が厳しい中で、何とかしてもっと景気を回復というようなことが言われておりますが、なかなかいまの状態ではそれもおぼつかない。ことしの実績もどうやら最初の予定よりはずいぶん低くなりそうだということでありますから、これは何としても、不公平税制という一つの定義があると思いますけれども、本当に必要なところはやはり取っていただく、私の場合はそのことがやっぱり公平税制だというように考えておりますので、ぜひとも細かくひとつ洗っていただきたい、厳しくしていただきたい、そのことを申し上げたいと思います。
 具体的に少し申し上げたいのですが、たとえば臨調答申では、現在多額の特殊法人がつくっております利益、剰余金というのがあるというように聞いておるわけです。これを実際に国庫納付を行うという一つの方向は私は大変大切だと思うんですが、この面に対しての見通し、具体的な方法があればひとつ教えていただきたいと思います。
#287
○国務大臣(渡辺美智雄君) せっかくの御答申もいただいておりますから、こういう厳しい財政事情の上でもあり、特殊法人についても一つ一つ何かうまいうまいと言っては語弊がありますが、何か御協力は願えないかということで、目下真剣に検討しておるというのが事実であります。
#288
○小西博行君 国の遊休施設なんかの処分も同じように考えておられますね。
#289
○国務大臣(渡辺美智雄君) 当然であります。
#290
○小西博行君 ぜひとも財政ということだけはもう真剣にこの際考えていただきたいのと、同時に一つ一つの項目についてこうだということだけじゃなくて、一番最初に申し上げましたように、どなたが大臣をやられても、どなたが総理をやられてもうまくできるようなシステムを私は考えるべきだというように考えております。私も実際に一般の民間の合理化というのは何回もやってまいりましたけれども、現場のやっぱり不良を滅していくだとか能率を上げるというその個々の問題というのは、担当者が変わったらまたもとへ返るという可能性があるんです。そういう意味では、どなたがやってもできるようなシステムの整理というのが今度の行革の中心でなかったらいけない、そのように私は考えておりますので、ぜひともその辺を閣僚の皆さん方でいい案をひとつつくっていただいて、それを守っていくという姿勢を貫いていただきたいというように考えております。
 それでは次へ参ります。きょうは中川大臣に来ていただいておりますので、少しあと時間がございますから、科学技術の問題をぜひとらえさせていただきたいというように思います。
 今回の行革国会では、科学技術は余り論議されていないように実は思います。そういう意味で、これから先の日本の将来ということを考えますと、科学技術というのは大変私は必要なものではないかというように考えておるわけです。確かに科学技術の振興というのは、あすよくなるというものじゃありませんけれども、五年、十年という大きな視野に立って考えた場合には、大変私はこの問題は、じみでありますけれども、いまやらなければいけないというように考えております。そういう意味で、これは長官にもお伺いしますが、総理の御意見もぜひお伺いしたいと思います。
#291
○国務大臣(鈴木善幸君) 科学技術の振興につきましては、小西さんの御意見のとおり、日本の将来のためにこれは重点を置いて今後施策を進めていかなければいけない、このように考えます。結局、資源も貧困でありますし、日本としては頭脳を活用して、そして科学技術立国と申しますか、技術力、高度の先端技術、先進技術によって産業、経済を運営していく、学問、科学を興していくという以外にない、私はこのように考えておりまして、ゼロシーリングの中でございますけれども、科学技術の予算につきましては、特に五十六年度予算の編成のときから資源エネルギーの問題とあわせましてこれを重視してきております。
 それからもう一つは、科学技術関係の予算、この執行に当たりまして効率的にこれを使うということが大事である。従来の惰性でもって余り成果がなさそうだ、五年も十年もやってもう大体この研究は余り見込みがない、これは今後大きな未来を持っているというような問題もあるわけでございます。そういうようなことで重点的に研究費を配分するというために、私は科学技術庁に科学技術の調整費という予算を特設をいたしまして、そして科学技術会議、これを中心としていまのような観点に立って配分をやってまいりたい、今後も事前、事後の評価を十分やりまして、この調整費をてこにして本当に効果的に科学技術の振興を図っていきたい、こう考えておるわけでございます。
#292
○国務大臣(中川一郎君) いま総理から御答弁あったとおりでございますが、今日の日本が世界に経済的に強いと言われる原因は何かといえば、やはり科学技術であり、特に民間が中心であった。しかも改良型技術であったと言われております。これから資源有限時代を迎えるに当たりまして、さらに科学技術というものが日本にとって世界にとって必要でありますが、特に日本にとっては必要ではないか。今後は基礎的な科学技術というものを駆使していかなければいけない。いままでは外国から基礎的なものをもらい、これを改良しておったのでありますが、そういった基本的な基礎科学というものから取り組んでいかなければいけない。
 それと関連して、いままでは民間主導型でございましたが、今後は政府主導型でやっていかなければならない。また研究する姿勢としては、官学民がばらばらであるということも反省の材料にしていかなければならないということから、そういった官学民の連携による研究システム、こういうような方向で今後に対処していきたい。
 予算につきましても、昨年非常に総理も特に配慮していただきましたが、来年の予算についてはゼロシーリングの中で、かなり前向きではありますけれども、私としてはまだ足りないのじゃないかなと思っておりまして、今後また御理解、御協力をいただいて一層推進していきたいと思っております。
#293
○小西博行君 研究予算というような比較表がございます。大体アメリカがいま十二兆円ぐらいの研究予算とっていますね。ソビエトが大体六兆ちょっとです。日本が四兆ですね。そのくらいの割合になるんです。ところが、現実にいままでの予算を見ますと、大変小さいわけです。ほとんど基礎的な研究というのは外国から買いまして、それを応用動作といいますか、応用して、それを一般の量産型に向けていく、これが日本のとってきたいままでの姿勢でありますから、ある資料によりますと、大体発明発見といいますのは、アメリカが五〇であったら大体日本が一つか二つぐらい、それもいい方で一つか二つ出る程度、大体五〇対一ぐらいの比較だというふうに一般に言われております。
 そういう意味では、研究というのは、本当にこれから先の日本の将来を考える場合に私は一番大切な問題だと思うんです。自動車をどんどんどんどん輸出することよりも、むしろ技術を輸出するということは大変国に喜ばれますので、むしろその方向をいまの時期にやっていかなきゃいかぬ。ところが、その研究予算がどこへいっているかと見てみますと、たしか私の記憶では八省庁ぐらいに細かく分散されておりますね。
 たまたま私はこの間、理化学研究所というところへ行きまして、ライフサイエンスの問題で勉強に行ってまいったわけですが、しかし、たまたま次は筑波の方の農水関係の研究所へ行ってみますと、全く同じような例の遺伝子組みかえとかインターフェロン、こういう問題を同じように研究しているわけです。そして研究者にいろんな話を聞いてみますと、やっぱりもっと予算があればもっといい研究ができるんですと。
 いまは幸いにも理化学研究所に非常に優秀な研究家の人がおられまして、世界で大体トップクラスだというふうに私聞いているわけです。ところが、実際の何か実験をするためには、予算が一遍につきませんので、細かく分けて三年四年で一つの設備を購入する、どうしてもそういう方法をとらなければいかぬということで、三、四年しますともう技術の進歩というのはぐっとおくれますので、そういう意味で私は、何か一つの目的を持ちまして各省庁の縦割りを横で連携をとって研究していく。これはたまたま科学技術でもいま流動システムの研究ということで、六億ほどの予算で現実はやっているわけですが、こういう問題はもっと有機的に、大学の研究所も研究室もずいぶんたくさんあるわけでありますから、そういう全体を統合して目的に合ったような研究をやっていく、これも行革の非常に大切な分野ではないかというふうに私考えるわけですが、総理と中曽根長官にお伺いしたいと思います。
#294
○国務大臣(中曽根康弘君) 日本の研究管理体制というものをいかに改革するかということは大問題であります。おっしゃるように非常に重複しているところとか、あるいは境界領域で空隙があるとか、あるいは全体としての統合力、協力関係が欠けているとか、いま中川長官がおっしゃいましたように官民あるいは大学と産業界、非常にばらばらになっておるわけです。しかし、中には一部の学者に偏見もありますね。大学がまた民間の産業界をきらうというような、いままでの伝統的な妙な性格もありますね。そういうようなものを素直にここでほぐしてみて、そして国全体としての研究管理体制を、自由にして民主的な体系のもとにどうしてつくっていくか。
 上からやったって、これは研究者は自分の創意工夫を一〇〇%発揮しなければできないことで、強制されてできることではありません。そういう意味で、昔の理研の組織というのは、非常にいまから考えると夢のようないい組織だと言っておりますけれども、ああいうものもよく検討しながら、研究管理体制をいかに刷新していくかということを考えていきたいと思います。
#295
○国務大臣(鈴木善幸君) 御指摘のように、研究のテーマも多岐にわたっておりますし、また研究者の分野も相当広く分かれております。大学あるいは試験場、研究所、あるいは民間のいろいろな研究機関等分かれております。これをいかに効率的に成果が上がるように進めていくかということは、これは非常にむずかしい問題でありますが、わが国の将来の命運を決するような重要な問題であろう、このように考えております。
   〔理事嶋崎均君退席、委員長着席〕
いま私は、科学技術会議というものを強化いたしまして、これを中心にして科学技術の振興方策を検討いたしておるところでございますが、これを行政改革と絡めてどういうぐあいにするかということは、今後の課題としてなお政府としても真剣に取り組んでいきたい、こう思っています。
#296
○小西博行君 中川長官にお尋ねをいたします。
 科学技術庁の設置法というのがございます。ここに第三条に科学技術庁の任務として「科学技術に関する行政を総合的に推進すること」、そのことを任務とするというような実は法律がございます。しかし実際に科学技術庁の予算を見てみますと、五十六年度の予算でございますが、三千八十七億円のうちで原子力が千七百五十億、それから宇宙開発が八百六十六億円、この両者で全体の八五%を占めているわけですね。残りというのは本当に一五%しかないということです。そういう意味では大変これはアンバランスじゃないか、科学技術庁というよりも原子力庁とか宇宙開発庁みたいな感じになっているのじゃないかということをつくづく思うわけです。特に先ほど私が申し上げましたような生命に関する、ライフサイエンスという非常に大切な問題なんかは、わりあい国会の審議の中にも出てこないような、しかし非常に大切な問題だというように私は思うわけですが、その辺についての考え方をちょっとお聞かせ願いたいと思います。
#297
○国務大臣(中川一郎君) 科学技術庁は、御承知のように総合調整機能と、もう一つは現場を持っております。現場については、原子力、宇宙・海洋開発、それに柱として遺伝子組みかえ、ライフサイエンス、こういうことになってございます。
 そこで、四本柱のうち三本についてはかなり実績もあるわけでございますが、ライフサイエンスは最近の、これからの成長産業といいますか、期待の持てるものでございまして、お話のありましたように、科学技術庁としても各省庁でもいろいろやってございます。これらとも関連をつけながら、理化学研究所を中心にしてこれは前向きでやっていって、未来の輸出産業にまで持っていけるのじゃないか。大きな期待をかけながら、いま前進を続けておるところでございます。
#298
○小西博行君 先ほど申し上げたライフサイエンスのインターフェロンとか遺伝子組みかえというのは、大変新しい学問なんですね。もちろんこれはアメリカが大変リードをしていま研究しているわけです。そういうことで、実際に研究所へ行ってみましても、大体三十代の前半ぐらいである意味では勝負が決まるのじゃないかというぐらい、四十、五十歳という人はもう研究に向かないといいますか、大変若い力を日本としても何とか生かしていかなきゃいかぬというように考えるわけです。ところが、さっき申し上げました予算面でなかなか研究が進められないという問題がございまして、こういう方々が現実にアメリカへ勉強に参ります。そして最初は有名でも何でもない学者でありますが、学者の卵でありますけれども、いつの間にか向こうで大変な実績を積んでまいりまして、そして最終的には、頭脳流出、具体的に名前は申し上げませんが、現実に何人かそういう方がいるわけですね。もしその方たちに帰っていただきますと大変いい研究ができるということを言われるわけです。
 そういう面で、私はこれはもっと大蔵大臣にも聞いていただきたいわけですが、本当に研究の中で何をやったらいま日本の将来のためになるんだろうというような、本当に私はそういう気持ちで科学技術の研究という問題をセレクトしていただきまして、このセレクトが非常にむずかしいと思うんですけれども、しかし、流動システムのような何か一つに焦点を当てて、日本の将来のためになる、それを重点的に進めていただけるというようなことを早くやらないと間に合わないのじゃないかという感じがしてならないわけです。恐らくいま一生懸命研究しても五年後、なかなか物にならないというように私は思いますので、そういう意味で何とかこの頭脳流出という面で食いとめていただくような方策について、ひとつ文部大臣。
#299
○国務大臣(田中龍夫君) 鈴木内閣になりましてから、特に科学技術に重点形成をしていただくという、当初からの非常な熱意とまたお願いもいたしてまいりましたが、幸いにして本当に最近の大学その他の基礎研究というものは非常に進んでおりますことは、先生御承知のとおりであります。
 また同時に、ただいまの科学技術会議におきましても、大体大学におきますのが基礎研究、それから科学技術庁におきますのが、どちらかと申すならば各省庁の応用研究ということでございますが、その科学技術関係の補助金等の問題でございます。いま先生御指摘のように、それをどう配分するかということにつきましては、いろいろと御懸念やら外からの御批判もございますが、しかし、特に国立大学の共同利用機関におきます多額の経費を要しまする問題でございますが、全国の研究者の意向を反映する運営協議会というものをおのおのつくっておりまして、そうして厳正な審査を経たものを取り上げまして、厳しい評価をいたしております。また科学技術会議におきましても、大学の基礎研究につきましては非常に真剣に取り組んでいただいておりまして、数多い要望に対しましては、実にこれほどまでに厳しいものかと思うくらい精査をいたして出しております。
 なお、ただいまお話の中にあります民間におきまする研究と、それから大学におきます基礎研究、これがぜひともお互いが手を取り合って、産官学というものが一体になることが、私はこの厳しい世界情勢の中におけるわが国の進路であろう、ただいまも総理のおっしゃいましたような方向でまいっております。
 以上、お答えいたします。
#300
○小西博行君 いま文部大臣の方からおっしゃっていただきましたように、研究一つとりましても縦割りの組織になっておりますので、どこで何をやっているかというのがなかなか把握しにくいわけです。たまたま自分が行って調べると、ああそうだったのかということが現実にわかりまして、これはもう中川長官にも、科学技術の全体を調整する大元締めという立場でいろいろ調べてもらいたいということも再三申し上げておるわけですが、なかなか内容的につかめないわけですが、そういう意味では、ことし予算がつきました科学技術振興調整費、これが大変私はこれからの研究に大きな意味をなすのじゃないかということで大変期待しているわけです。
 そういう意味で、先ほどちょっと申し上げましたが、流動研究システムで四テーマ、これは六億円という必ずしも十分じゃありませんけれども、四つのテーマでもってそれぞれの学者あるいは一般の民間から専門家を集めていただくとかいうような形で、グループをいま編成中だというふうに聞いておるわけですが、いろいろ聞いてみますと、外国からもどんどんその研究の中に入れてくれというような強い要望がありまして、当初一チーム二十名というのが、いや何とかしてこれをもっと、どういうふうにして削ろうかというぐらい希望者が多いというのです。そういう意味で大変新しい一つのシステムがそこにできるのじゃないかというふうに私は期待しておりますし、この予算の問題については、何か大蔵大臣と相当いろいろ言葉を交わしていると、うまくいけば今度は五百億円ぐらいもらうぞ、いかなかったら全部カットする、こういうようなのがちょっと出ておりまして、ところが私は大変心配しておるのは、こういう基礎的な研究というのはそう簡単に単年度では評価できないわけですね。
 そういう意味で、これは大蔵大臣にちょっとお伺いしたいのですけれども、こういう調整費が出ているわけですがね、単年度で評価して、何もことし出ておらぬからもうカットするぞ、そういうことはまさかないだろうと思うんですね。そこへ出てこられるいろんなメンバーというのは五年間契約なんですよ。少なくとも五年間はそこにおっていただいて研究してもらって、そしてなおかつ将来もいていただく場合には再契約というかっこうで入ってもらう、だめな場合は帰っていただく、だめなというか、都合がある場合は帰っていただくということで、五年契約になっていますね。ですから、少なくとも五年間実績を積まないと評価がなかなか出てきにくいという現実があるわけですが、その点に対して大蔵大臣はどういうようにお考え持っていらっしゃいますか。
#301
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは一年では結論が出るわけはございませんから、どういうふうに有効に予算が使われておるか、それは科学技術庁と相談の上どうするかということは決めることでありまして、一年で効果が出ない場合はカットなんということは言ったことがありません。
#302
○小西博行君 ぜひともいい形でお願いしたいと思います。
 それから私は、もうこれは最後になると思いますけれども、その研究の評価という問題がこれまた大変むつかしくて、文教の方ではよく文部大臣の方に、教育評価というのはどういうように考えるんだろう、たとえば先生というのはどのぐらいのウエートになるんだろうというようなこと、あるいは教科書というのはどうなのかというようなことで、いつも思うんですが、この研究の評価というのは、まあ大学では大学独自の研究の仕方というのがありますね。大変いい結果ではないと思いますが、たとえば論文の数がよけい出れば助教授や教授になるという一つの関門にもなるとか、非常にこの研究に対する正しい評価というのは私はむつかしいと思うんです。
 しかし、何らかのそういう評価の形を考えて研究していかないと、これから研究者というのは大変かわいそうだなということをいつも感じておるわけですが、その点に対する考え方、もし意見がございましたら教えていただきたいと思います。
#303
○国務大臣(田中龍夫君) ただいまの研究の評価でございますが、大学における研究の場合におきまして、国の内外にわたりまして学会誌等を通じまして公開されるようになっておりますが、また学会等の場合におきまして発表されました、あるいはまた同じ分野に属します専門研究者によりまして、こういう問題は非常に厳しく評価されて学術審議会の方に参っておる、こういう状況でございます。
 それから、先ほど先生のおっしゃいましたいろんな研究についての問題でございますが、一例を申しますと、たとえばバイオマスの遺伝子組みかえでございますとか、あるいはセラミックの問題が、通産省の方の工業技術院の方におきましてお話しいたしましたときに、民間の方ではどういう大学でどういう研究をしているか一向わからないというような通産省の方の話もございまして、私の方で各大学のプロフェッサーがやっております研究の内容を集めまして、それを経団連を通じまして各企業体にずっと連絡いたしましたところが、各方面から非常に喜ばれまして、大学でそういう研究をやっているなら早く連絡をとればよかったというような評価を得ておりますが、こういうふうにやっぱり産業界と大学の基礎研究というようなものが速やかに一体となって、そうしてお国のために大いに貢献しなきゃいかぬ、かような段階でございます。
#304
○小西博行君 では、もう答えていただかなくて結構でございますが、私は研究という問題については、いま大変短い時間ですから言い足りないのですが、ぜひとも日本の将来のためになる研究についてはいろんな角度から検討していただきたい、このことを申し上げたいと思います。
 そしてこの行革の問題では、当然これから節約していくわけでありますから、地方の問題とかいっぱいありますので、この辺もあわせてひとつ真正面から取り組んでいただきたい。そのことを申し上げまして、大変あっちこっちと飛びましたけれども、終わりたいと思います。ありがとうございました。
#305
○委員長(玉置和郎君) 森田重郎君。
#306
○森田重郎君 私は、行革一般、それに若干の問題点を総理並びに行管庁長官、さらに各関係大臣にお尋ねを申し上げたい、こう思います。
 実は、けさ私朝日新聞を見ておりまして、ちょっとその記事をきょう持ってこなかったのでございますけれども、たしか二千七百億程度の建設国債を増発する方針を昨日二十六日に大蔵省は固めた、本年度の補正予算編成でと、こういうような記事が目にとまったのでございます。実はこの記事を私は見ました瞬間に、何かこれは大変だというような感じを非常に強くしたのでございますが、その辺の事情、背景、経緯、経過等につきまして、大蔵大臣から御説明いただければ大変ありがたいと思います。
#307
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私もこういう数字は新聞を見て教わったわけでございまして、ときどき言わない数字が出てくることがございます。
 いずれにいたしましても、ことしは災害が起きたということは事実でございます。これをどういうように復旧するかということについても、いままでのようなやり方でやるか、災害の状況、内容等によって対処をしなければなりません。そういうことで、災害等については当然復旧対策は考えられているというだけであって、国債を幾ら出すというようなことについては目下全然決まっておりません。
#308
○森田重郎君 大蔵大臣のお考えはよくわかりました。
 そこで、私は行革全般についてと、こう申し上げましたけれども、一口に行革と言いましても、実際これは御苦労が多いと思うんです。大変な問題じゃないかと、こう思うのでございます。それだけに、総理が政治生命をかけてこの行革問題に取り組むというその真摯な姿勢には、本当に衷心から敬意を表する者の一人でございます。またそれだけに、実は私どもが考えても若干危惧する面がないではないわけでございます。
 まず、これは何回も同じような御質問で恐縮なんでございますけれども、来年初夏に予定をされております第二臨調の基本答申をも踏まえまして、この際もう一度、この行革推進に当たっての総理並びに行管庁長官の御意思というものを確と御答弁賜りたい、かように思います。
#309
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、行政改革、財政の再建、この行財政改革に取り組んでまいっておりましてしみじみ感じておりますことは、われわれとしては、国民世論、また各方面の御意見、また臨調の答申を尊重する国会の御意見も踏まえて、いろいろ考えてこの行財政改革を進めていくわけでございますが、その際に、また今回も後退をしたではないか、生産者米価、また今回の人事院勧告等について政府は後退をした、鈴木総理は指導力がない、こういうおしかり、御批判をいただくわけでございます。しかし私は、臨調の答申はその御趣旨を最大限に尊重をして、国民の理解を得ながらこれを進めてまいっておる、自分ではそのような信念で立ち向かっておるところでございます。
 生産者米価を決定いたします場合におきましても、これは国会におきまして、ほとんど与野党を挙げて生産者米価はこれを適正に上げるべきである、こういう御意見でございました。あの当時、わずかながら各生産者の方々の御苦労にこたえるためにということで生産者米価の手直しをいたしたわけでございます。しかし、大筋においては臨調の答申の御趣旨を尊重して私はやったつもりでございます。
 今度の人事院勧告の取り扱いにつきましても、これは各方面から大変御意見がございました。勤労者の諸君、公務員諸君の方々の日常の生活、それから勤務の真剣な態度、そういうものを私はよく知っております。そういうようなことからいたしまして、賞与等を、期末手当を全部この際凍結をせざるを得なかった、こういうことにつきまして、私は相当政府としては思い切ったことをやったつもりでございます。
 国会におきましても、この問題におきましてはいろいろ御意見があったわけでございます。しかし、やった結果につきましては、これも鈴木内閣は後退をした、こんな調子で一体行革はできるのか、こういう御批判が一方においてあるわけでございます。私は、そのような御批判なり御叱正ということはこれは甘んじて受けるものではございますけれども、国民的なこのコンセンサス、国民的な視野に立って、そして臨調の答申の御趣旨を踏まえながら今後ともやってまいりたい。これが行革に対する私の偽らざる気持ちでございます。
#310
○国務大臣(中曽根康弘君) 行革につきまして三段階を考えておりまして、この夏の第一次答申につきましてはいま進行中で、幸いに議会の御協力を得ましてこの法案を成立させることができますれば、第一のハードルを越したという気がいたします。これでベースキャンプを築いて、そしていよいよ来年の夏の第二次答申に向かって、もし私は留任すれば勇を鼓してやらなければならぬ。そして、さらに五十八年の三月が第三のハードルでございますが、ともかく鈴木総理と一体になりまして命がけでやらなきゃいかぬ、そう思っています。曾良が「行々て倒れふすとも萩の原」という句を詠んだようですが、ああいう心境でやっていきたいと思います。
#311
○森田重郎君 ただいま総理の御答弁を伺っておりまして、総理もよく自覚をなさっておるというふうな気持ちで実は拝聴いたしておりましたわけですが、総理のおっしゃることを私、またまた申し上げるような形になるのでございますけれども、生産者米価の問題、確かにこれは大変な問題でございました。同時にまた、今日ただいままでいろいろと討議、討論をされておる人勧問題、かてて加えてそこへ実は国債の増発というような記事が出たものですから、その問題については先ほど大蔵大臣に御答弁をちょうだいいたしたわけでございますが、少なくともこういった問題は、ある意味ではやはり新聞論調にもあるように、行革の後退につながるというようなことも、これは言って言えないことはないのじゃなかろうかというような気持ちがするわけでございます。またそれだけに、今後の行革に対する特に総理の英知、英知はもうこれはお持ちでしょうから失礼でございます、勇気と決断、この二語がこれは大変なことじゃないかと、かように思うわけでございますが、実は五十五年度行革も、ある部分につきましては、中曽根行管庁長官も何回か言っておられるように、大変成功をした面もございましょう。がしかし、積み残された面も多々あるような気がするわけでございます。
 そういった一連の問題を踏まえて考えまして、よほどの、ただいま申し上げました勇気と決断、これなくして今後の行革推進ということはなかなか至難のわざと、かように思うわけでございますので、ぜひそういう意味でひとつ、特に総理にこの行革達成まで格段の御努力をちょうだいしたいと思いますが、よろしくどうぞお願い申し上げます。
 それから、ちょっとこれは行革問題とは離れるのでございますけれども、これはどなたに伺ったらよろしいのでございましょうか、運輸大臣にお伺いしたいと思いますが、これも新聞報道でございますけれども、日本航空の、日航の株の放出問題というような問題が新聞に載っておりましたが、一株当たりの単価であるとか、あるいは二百五十三万株ぐらいを放出するというような記事が実は目にとまったのでございますけれども、この辺の事情につきましてひとつ大臣の御所見と申しましょうか、何かお考えと申しましょうか、お伺いを申し上げたい、かように思います。
#312
○国務大臣(塩川正十郎君) 日本航空株式会社の政府保有の株式を一部売却することに決定いたしております。これは昨年の十二月予算編成をいたしましたときに、大蔵省と運輸省との間で協議いたしまして、運輸省といたしましてはナショナルキャリアとしての日本航空の株式を、政府保有株を十分に持っておきたいというのは人情でございますが、しかしながら国の財政に寄与しなければならぬという使命もございますので、そこで折衝いたしました結果、商法なりあるいは日本航空株式会社法にいいます法規に基づいて、日本航空株式会社を政府が十分なイニシアチブがとり得る、実効支配を可能とする程度の株式を保有し、それ以上のものは放出をしてもいいではないかというところに結論がつきました。
 それを具体的に申しますと、その当時、つまり昨年の十二月現在でございますが、その当時で政府が保有しておりましたのは四〇・二五%だったと思っております。それを約五%放出いたしまして、株式の数で申しましたら二百五十三万一千株を放出するということにいたしております。これを出資金額に換算し直しますと十二億六千六百万円となるわけでございますが、しかし、現在日本航空株式会社の株式はこれの約五倍程度の時価になっておるように思っております。したがって、売却金は五−六十億円の間ではないかと思うのでございますが、これは大蔵省において処理をされることに相なるわけでございます。売却いたしました結果どうなるかということでございますが、一部転換社債が出ておりますのを、これを株式に転換をしたということに換算しました結果を申しますと、三四・五%の株式保有ということに相なるわけでございまして、三分の一以上を政府が保有しておるということは、日本航空株式会社を先ほど申しました実効的支配に置いてあるということに相なるわけでございまして、これによりまして政府が日本航空会社を指導するのにいささかの支障もないものと思っております。
#313
○森田重郎君 これはあれでございますか、重ねてお伺いいたしますけれども、仮にその転換社債が株式に振りかわったとしても三分の一の株式の保有と、こういう意味のことをおっしゃったわけでございますね。何かその三分の一というのは、一つのめどがあるのでございましょうか。たとえば株式会社としての商法上の問題であるとか、あるいは政府の経営姿勢というものをより反映させるために漠然と三分の一と、こうおっしゃるのか、その辺、何か一つのめどというものがあるのかどうかお伺い申し上げたい、かように思います。
#314
○国務大臣(塩川正十郎君) これは法制局長官が答えてくれる方が正確だと思うんですが、私たちが一般常識として持っておる程度で申し上げますと、三分の一以上持っておりますとその会社の特別議決権を持つ、こういうぐあいに聞いておりまして、それによりまして、会社のいかなる決議があろうとも、政府の基本方針にもとるようなことがあった場合、それを排除する力がそれによってある、そのように認識いたしております。
#315
○森田重郎君 何回も同じようなことを伺って大変恐縮なんでございますけれども、これは言うなれば^新聞にもたしかございました、五十八億とかそんな数字をちょっと拝見いたしましたが、一種の財源対策のためにおやりになる、こういうことなんでございましょうか。大蔵大臣いかがでございましょうか、その辺。
#316
○国務大臣(塩川正十郎君) 昨年十二月予算編成一当時、御承知のように財政再建のために、ゼロシーリングもちろんのことでございますが、電電公社においても余剰金を国庫納付するというようなこともございましたし、そういう一連の政府の財源捻出対策の一環として、この日本航空の株式売却が話し合われてきたということは事実でございます。
#317
○森田重郎君 わかりました。ありがとうございました。
 次に、大蔵大臣にお伺いしたいのでございますが、先ほどちょっと私触れました「建設国債急浮上」というような、これはサンケイさんでございますが、この記事の中でございましたか、あるいは別な記事でございましたか、その辺定かじゃございませんけれども、国有財産の処分問題等の記事もちょっとどこかで目にとまったような気がするのでございますが、その中に里道の問題ですか、それから貸し付け中の国有地の払い下げ、そういったような問題も触れてあったような記憶がするのでございますが、その辺につきまして、何か多少詰めたような御計画でもおありのようでしたらお聞かせいただきたい、かように思います。
#318
○国務大臣(渡辺美智雄君) 国有財産の処分の問題につきましては、ともかく五十六年度は大型一兆数千億円の増税をお願いするというようなときでもございますので、まず政府の関係機関からはできるだけ余剰金は御協力願いたい。政府自身もできる限り不要な、あるいは要事があってもこの際は持ってなければどうしてもならないというもの以外については、極力売り払い処分等で財源を捻出しようということからやったわけでございます。
 また里道等は、これは財政収入になるといっても、そんな金目の話じゃありません。これはむしろ神奈川県とか栃木県なんかは畦畔のようなものが非常に多いわけです。そういうものは本当に手間がかかるだけで、利益にはほとんど全然ならないということでございますから、そういう細かい、だれも気のつかないようなものがいっぱいあるわけですから、そういうものは極力整理をして、行政改革の一環としても、台帳を減らしていくというだけでもこれは御利益のある話なんで、極力そういうものは現在の使用者等に、余りむずかしいことを言わぬで売却をするようにしなさいということで、私が指示をしておることは事実でございます。
 一般の公共財産等については、国有地としてどうしても将来持っていなければ、あとで代替地その他困るようなものもございますから、国有地で遊んでいるからといってみんな売ってしまうというわけにはなかなかいきません。その辺のけじめをどうつけていくか、いろいろ慎重に検討しなければならぬ、そう思っております。
#319
○森田重郎君 わかりました。
 引き続きまして、また行革問題に移りたいと思いますが、先ほどたしか柳澤委員の質問の中で中曽根行管庁長官の御答弁で、実はすでに第二臨調では総合的俯瞰図、という言葉を使っていらっしゃったかと思うんですが、間違っていたらひとつ御訂正いただきたいのですが、そういう総合的術撤回、私はそういうふうに聞いたのでございますが、実はそれをすでに作成の段階にあるやの御答弁を伺いました。さらに特殊法人の統廃合の問題、中央省庁の統廃合、これらも次の答申の中では一つの山になるのじゃなかろうか、かようなお話があったわけでございます。
 実は私、先般の総括の折にも、行革の進め方としては、一つの目的設定をして、行革達成後の暁は政府の行政機構のあるべき姿というのがこうなるんだ、だからそれに向かってわれわれが努力するんだと。ところが、理念的な問題がある、対内的にどう、対外的にどう、これは何回か総理からも御答弁をいただいているわけでございますが、それがない。したがって、われわれが苦労するのであれば何のために苦労するのであるかという、そういう行革達成後の全体像というふうなものがあってこそ、初めでわれわれの苦労のしがいがある、こんな意味のことを申し上げたつもりでございます。
 この辺、長官、臨調というものは、これは国家行政組織法の八条の設置基準に基づいて恐らくできている。ある意味では、ある意味というか、はっきり言って政府機関だ、かように私は思うんです。ところが、ほかの一般の審議機関と全く何か違っているような感じがしてしようがない。何か非常に高いところにある、雲の上にある、そんな感じがしてならないわけでございますけれども、臨調の御答申を待って、あるいは臨調の答申に沿ってと、こういう御答弁を何回かにわたって伺っておるわけでございますが、言うなれば一般の審議機関と第二臨調とは一体どこがどう違うのか、仮に違うとするならばその法的な根拠というものはどこにあるのか、その辺についてひとつお考えを伺いたい、かように思います。
#320
○国務大臣(中曽根康弘君) 臨時行政調査会設置法に基づきまして臨調はできておりますが、これは一般の審議機関と同じ性格を持っております。ただ、その内容におきまして、国の行政制度及びその機能の全般について検討を加える、そういう非常な総合性を持った機関であると思います。地方制度調査会あるいは社会保障制度審議会おのおの個別的目的を持っておりますが、臨調の場合には、国の行政制度及びその機能という全般的な性格を持っておる、その点が違うので、そういう点で地方制度調査会の皆さんからも臨調との関係いかんというような質問をいつも出されております。しかし、法的性格はそう変わっておるものではございません。
 ただ、政府はこの臨調の答申を尊重すると明記してございますが、この点は、ほかの審議会でも明記しているところがありますが、その答申を尊重するという政府側の意気込みにおきまして、ほかの審議会よりも政府の意気込みが強いのではないか。それは国民の皆様方から臨調しっかりやれと非常な御声援をいただいておりますし、各党からも御声援をいただいておるので、そういう御支援に対してこちらも緊張してそれにおこたえしなければならぬというところからトーンも上がってきている、そういう政治的な環境とか雰囲気が違っているのではないかと思います。
#321
○森田重郎君 二、三分ございますので、これは御答弁は必要ございませんけれども、何か所感でもお聞かせいただければ結構かと思います。
 現在、英国におきましては国営企業、これの民営化、再活性化、その問題が非常に大きくクローズアップされてきているような印象を私自身は受けるわけでございます。たとえて申し上げますならば、これは運輸大臣等はよく御存じかと思いますが、英国最大の道路運送企業でございます国営貨物公社、俗にNFCと呼んでおりましょうか、この辺が従業員の持ち株制度、これを中心にした同社の民営化計画を発表した。細かいことはいろいろございますけれども、そういったような問題。それからさらには、これはある経済雑誌にも載っておりますけれども、たとえば将来にわたって国営航空のブリティッシュ・エアウエーズ、それから国営の製鉄会社のブリティッシュ・スチールですか、それから国営の造船所、これはブリティッシュ・トランスポート・ドックスですか、こういった会社あたりがそれぞれ民営化を進めておるように私は承知いたしておるわけでございます。
 こういった問題は、あながちこういった一連の企業のみならず、エネルギー方面についても非常にいま問題になっておるようでございまして、去る十月の十九日ですか、英国のローソンエネルギー相は下院で、いわゆる英国の石油公社ですね、BNOCでございましょうか、こういうところの持ち株の大半を民間に払い下げる、譲渡する。またガス公社の方でございますね、BGC、こちらの方も石油事業は民間の方に任せる。天然ガスについてはこれはまた別途、別な方法をとるというようなことで、非常に民営化が進んでおる。民間活力の活用と申しましょうか、経営の効率化とでも言いましょうか、そういう意味で企業の活性化を考えておるというようなことがときどき耳に入るわけでございますが、こういった一連の問題につきまして総理のお考え等を、所感だけでもお聞かせいただければ大変結構かと思います。
#322
○国務大臣(鈴木善幸君) いまイギリスのやっております、サッチャー政権がとっておる政策につきましてのお話がございました。私は、世界各国がいま深刻な経済不況、また失業、あるいは国際収支、物価の問題、いろいろ多難な経済の事態に直面をいたしておりまして、これを打開いたしますために、方向は違うにいたしましても、行財政の改革ということに真剣に取り組んでおるところであろう、こう思うわけでございます。イギリスにおきましては、サッチャー政権は労働党がやってまいりましたところの国有化政策を見直しをして、いま御指摘になったような方向で民間活力を活用しながら行財政の再建なり経済の復興を図ろう、こういう努力をいたしておるようでございます。フランスは逆にむしろ国有化を進めて、そしてその中で雇用問題を解決しようというような方策をとっておる。しかし、その手段方法はいろいろ国によって違いましょうけれども、多難な今日の経済、事態を乗り越えるために私は取り組んでおるものと、このように考えるわけでございます。
 私は、日本は日本なりに、日本の風土に合ったところの行財政改革、国民の像さんの御理解できるような方向でわが国の行財政改革を推進し実現をしていきたい、このように考えています。
#323
○森田重郎君 終わります。
#324
○委員長(玉置和郎君) 以上をもちまして質疑は終局したものと認めます。
    ―――――――――――――
#325
○委員長(玉置和郎君) これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。野田哲君。
#326
○野田哲君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環としての国の補助金等の縮減その他の臨時の特例措置に関する法律案について、反対の立場から意見を表明するものであります。
 本来、国民が強く求めてきた行政改革とは、民主、公正、効率の三原則が貫かれ、そのことを通じて国民の政治への信頼が回復され、参加と分権と公開が制度としても失態としても推進されるということであります。
 わが党は、一貫してこの観点からの行政改革を主張し、要求してまいりました。その国民の求める行政改革に反し、中央集権と秘密主義、不公正と弱者切り捨て、政治、行政の腐敗が続いています。軍事費の拡大が続けられています。そうした結果として財政赤字が限界点に達した今日、鈴木内閣は財政危機を逆手にとって国民の生活と福祉、教育について一層の犠牲を求め、これを行政改革と称しているのであります。当初、国民の一部にあった淡い期待が、鈴木行革の内容が明らかになるにつれ、大きな疑問と不安、強い不信に変わってきたという事実がその何よりの証左であります。
 まず、この特例法案によって削減される予算約二千五百億円のうち、約八割が各種年金その他厚生関係の予算で占められております。
 また、国民の長い間の願いであった四十人学級を停止し、生徒児童数の増加に見合った教職員の増加を削減し、義務教育の教科害無償制度の原則を覆し、育英奨学制度の諸条件を悪化させるなど、父母にとっても、教職員にとっても、生徒児童にとっても負担を一層大きくしようとしております。
 さらに、住宅金融公庫等の金利の弾力化措置は、ただでさえ厳しい住宅事情を緩和する方向とは全く逆行するものであります。
 地域特例の補助率かさ上げの縮減を初め、国民健康保険、児童扶養手当、特別児童扶養手当等の都道府県負担の導入などは、地方公共団体の財政負担を増大させるばかりでなく、国と地方自治体の間の財政秩序をも破壊するものであります。
 つまり政府は、負担を国民生活のすみずみにまで押しつけ、地方自治体に転嫁し、そうすることによって国の責任と負担を回避しようとしているにすぎません。これではだれが見ても行政改革の名に値しないことは明らかであります。もし政府が、勤労国民の生活と地域の福祉の実態に思いをはせることがあれば、この特例法案について、ひとしく痛みを分から合うなどとは言えないはずであります。財政再建が主眼であると言うのであれば、なぜ不公平税制の是正を真っ先に取り上げられないのでしょうか。企業優遇税制を徹底的に改革し、大企業への補助金等を削除し、公共事業における談合と利権と癒着の構造を一掃することをなぜ行ってこなかったのでしょうか。
 最後に、政府の軍備増強の急速化と危険な外交路線の推進に触れざるを得ません。
 行政改革と称する国民負担の増大と表裏一体となっているのが、防衛予算の大幅な拡大とその聖域化であります。ゼロシーリング予算においても、防衛予算だけは七・五%の要求を許し、主要装備の繰り上げ購入によって巨額の後年度負担を上積みしようとすることは、軍拡のための行革にほかならず、断じて認めることができません。私たちは、非核、軍縮、緊張緩和への積極的なイニシアチブをとることを強く要求します。
 以上、国民生活のあらゆる分野で負担を国民に転嫁し、内に向かっても外に向かっても国民生活の危機を強める本法案に強く反対して、私の討論を終わります。(拍手)
#327
○委員長(玉置和郎君) 坂野重信君。
#328
○坂野重信君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表して、ただいま議題となっておりますいわゆる行革関連特例法案について賛成の討論を行います。
 御承知のごとく、わが国の経済が第一次、第二次の石油ショックをみごとに乗り切り、現在も五%程度の安定成長を続けていることは、世界がインフレと失業に悩む中にあって、いまや羨望の的となっております。これは申すまでもなく国民のたゆまない努力のたまものであるとともに、わが自民党政府の適時適切な政策の結果であります。
 すなわち、政府は第一次石油危機以後、財政の負担において需要を創出するという積極的な財政政策を展開してまいったのであります。しかしながら、国債発行を伴う財政政策も、国債発行残高が八十二兆円の巨額に達するという今日のこの深刻な事態を迎えるに至っては、財政負担もその限界と言わざるを得ません。このような事態を打開して、健全な財政体質に改革するため、鈴木総理がこの三月、行財政改革に政治生命をかけるとの決意を明らかにされたのは、行財政改革を求める国民の声に政治が率先してこたえるものとして評価いたすものであります。
 さて、臨時行政調査会が設置されて以来の経過は御承知のとおりでありまして、本法律案はこのような行財政改革を進める上で欠くことのできない施策の第一歩として、当面の財政収支の改善のため、補助金等についてその削減を求めようとするものでありまして、来年度以降進められるであろう本格的な行政改革の突破口をなすものであります。
 行政改革は、その事柄の性格上、当然に国民の各層各面に痛みを分から合うことを求めます。問題は、その場合、いかに公平に痛みを分から合うかということでありましょう。中でも真に弱い立場にある部門や人々に、その痛みを可能な限り及ぼさないよう温かい配慮をすることが必要であります。
 本法案を初め政府の行政改革の取り組みにおいては、この点の配慮が十分なされているものと思うのであります。すなわち、厚生年金等の国庫負担の減額について特例適用期間後の減額分の繰り入れ措置とか、児童手当の公費負担の縮減に当たっての被用者に対する配慮とか、あるいは地域特例によるかさ上げ補助の削減に対する起債等の措置を約束しております。このように本法案は、歳出縮減に伴う痛みの分担について十分な配慮がなされており、福祉や教育の切り捨てなどという非難は全く当たらないのであります。
 私は、本法律案の成立によって、増税なき昭和五十七年度予算の編成へと一歩前進したものと信ずるのでありますが、この法案を踏み台として、政府におかれては本格的な行政改革断行に一路邁進されることを要望して、賛成討論を終わります。(拍手)
#329
○委員長(玉置和郎君) 佐藤昭夫君。
#330
○佐藤昭夫君 私は、日本共産党を代表して、行革一括処理法案に反対の討論を行います。
 反対の第一の理由は、本法案の内容が行政改革という名のもとに、一切のしわ寄せを国民に押しつけようとするものであることであります。
 臨調答申や政府が言う活力ある福祉社会とは、児童手当の支給制限の強化、四十人学級計画の凍結、厚生年金の国庫負担の削減など、長期にわたる国民の運動によってから取られてきた社会保障、福祉や教育、地方自治の諸制度の根幹を突き崩そうとするものであり、人事院勧告の不当な抑制とともに断じて許すことはできません。さらに、所得税課税最低限の据え置きによる実質増税に加えて、五十八年度以降には一般消費税型新税導入さえあり得ることを示唆していることは、増税なき財政再建という鈴木内閣の宣伝が全くのごまかしであることを示すものであります。
 反対の第二の理由は、鈴木行革なるものがレーガン政権の強い要請にこたえた空前の大軍備拡張に道を開くもの、すなわち、初めに軍拡ありきという点であります。
 本委員会でのわが党の追及に対し、大村防衛庁長官は、来年度の防衛庁概算要求がアメリカの要求にこたえたものであることを認めました。世論調査でも軍事費削減は今日大多数の国民の声であり、軍事費聖域化、大軍拡への道はとうてい容認するわけにはいきません。
 反対の第三の理由は、財界の財界による財界のための行革だという点であります。
 三兆円を超える大企業優遇税制、また莫大な利益を上げている電気産業大資本への補助金、大手海運業界向けの船舶建造費利子補給金など、大企業優遇の行財政の仕組みこそ真っ先に改革すべき問題であります。ところが政府は、大企業が中小企業を支えているなどという驚くべき論法で大企業擁護の姿勢を露骨に示しています。まさに国民には痛みを、大企業にはもうけをの論理だと言わなければなりません。しかも、この根源には、わが党が指摘してきたように、第二臨調設置から審議内容、その答申に至るまで、徹頭徹尾財界主導という臨調の体質そのものの問題があります。
 反対の第四の理由は、行政改革の原点とも言うべき不正腐敗構造の一掃に全く手をつけていないばかりか、温存さえしようとしていることであります。
 今国会の審議を通じても、近畿電電の不正経理問題、大手建設業者の不正、談合入札問題など、政財官の癒着構造が引き起こした汚職腐敗の数々が明らかになりました。ところが鈴木総理が、ロッキード裁判への三権分立を侵犯し、事実上の指揮権発動につながる奥野法相のいわゆる人の道発言を容認し、当然の罷免要求を拒否していることは、まさに鈴木行革の本質を示すものと言えます。
 反対の第五の理由は、本法案の審議のあり方についてであります。
 そもそも三十六本の法改正を無理やり一本化し、一括審議を行い、わが党の徹底した審議の要求にもかかわらず、不十分な審議のまま採決を行うことは、国会の審議権を軽視するものとして断じて許すことができません。
 あわせて、最後に指摘したいことは、本委員会におけるわが党の市川議員の奥野問題についての発言を封殺しようとした玉置委員長の行為についてであります。これは、議員の自由な発言を保障した国会法、参議院規則に照らしても明白に不当な行為であり、さきに山中議員より抗議並びに陳謝要求をしておりますが、重ねて主張をするものであります。
 わが党は、大軍拡、財界奉仕、国民生活破壊の臨調路線に断固として闘い、国民本位の行政改革の実現を目指して奮闘することを重ねて表明して、私の反対討論を終わります。(拍手)
#331
○委員長(玉置和郎君) 峯山昭範君。
#332
○峯山昭範君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました行革関連法案に対し、賛成の立場から討論を行います。
 行政改革について、いまほど国民の世論の盛り上がりを見たことはありません。それだけに、国民が納得できる行財政改革を行わねばなりません。私どもは、今日まで行財政改革推進の立場で国民の納得のいく行財政改革を目指して努力してまいりました。公明党が民社党、新自由クラブ、社会民主連合とともにまとめた昨年九月の「行政改革に関する四党合意」、本年九月の「行財政改革に関する当面の基本方針案に対する四党共同要求」も、こうした見地に立つものにほかなりません。
 本法律案に賛成する第一の理由は、私どもの目指す行財政改革とは必ずしも全面的に合致するものではありませんが、本法律案の成立によって本格的な行財政改革への突破口が開かれると考えるからであります。本法律案が不成立に終わるならば、行財政改革の気運が大幅に後退することは必至と見なければなりません。
 賛成する第二の理由は、当委員会の審議の中で私どもが指摘し要求した本法律案の問題点に対し、不十分とは言え、政府が責任を持って善処することを確約したからであります。
 私どもが指摘し要求した主な事項は、第一に厚生年金等に係る国庫負担金の繰り入れ等の減額分の補てんを明確にすること。第二に、住宅金融公庫等の貸し付け金利を現行どおり据え置くこと。第三に、教職員定数改善計画の抑制に当たっては特殊学級、特殊学校等に十分配慮すること。第四に、特定地域に係る国の負担、補助金等のかさ上げ率の引き下げに対しては、十分な財政金融上の措置を講ずること。第五に、児童手当制度の存続を明示すること等であります。
 これらの要求について政府は、不十分ではありますが、その履行を約束したのであります。このことは、国民が本法律案に対し抱いていた不安を払拭し得るものであり、評価するものであります。この際、改めて鈴木総理に対し、政府が約束した事項の完全な履行を求めるものであります。
 次に、何点か政府に要望を申し上げるものであります。
 一つは、総理が増税なき財政再建を口にする以上、五十八年度以降においても、あくまでも大衆増税は行わないという姿勢を堅持すべきであります。
 二つ目は、不公平税制の是正に真っ正面から取り組むとともに、実質増税となっている所得税の減税を五十七年度においても断行していただきたいのであります。
 五十二年度改正以来据え置かれている所得税の課税最低限度額を引き上げることは急務であります。これが税負担の公平確保だけでなく、景気の回復、税収の確保という財政再建の条件づくりになることを政府は考えるべきであります。
 以上をもちまして、私の賛成討論を終わります。(拍手)
#333
○委員長(玉置和郎君) 小西博行君。
#334
○小西博行君 私は、民社党・国民連合を代表し、ただいま議題となっております行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環としての国の補助金等の縮減その他の臨時の特例措置に関する法律案に対し、賛成の討論を行います。
 これまでの歴代自民党政府は、高度経済成長とともに肥大化した財政構造、なかんずく行政機構にはほとんどメスを入れようとせず、財政需要の拡大に対処するのに一般増税を持って当面をつくろおうとしてきたのであります。このような安易な増税政策がいつまでも国民に受け入れられるはずがないのであります。鈴木総理が、このような国民の声を背景に、増税なき財政再建を迫られ、第二臨調を設けるなど行財政改革に取り組む姿勢を見せられたことについては、わが党は一応の評価を惜しむものではありません。また、そのほんの第一歩としていわゆる行革特例法案を提出したことについても、わが党は賛成の立場を明らかにしてきたところであります。
 しかし、この法案の審議の過程においても、政府の行財政改革に取り組む姿勢に幾多の疑問を感じざるを得ないのであります。
 その第一は、行財政改革の断行と所得税の減税は相矛盾するかのような印象を国民に与えていることであります。決してこの両者は矛盾するものではなく、政府はむしろ減税を行うためにも行財政改革を断行するという決意を積極的に示すべきであります。
 政治には希望がなければなりません。鈴木総理は、今臨時国会の所信表明演説において、「国内にあっては活力ある福祉社会を実現し、対外的には国際社会に一層貢献するため、国、地方を通じて行財政の基盤を確かなものとしなければならない」と言明しておられます。
 ところが、わが国の現状は、民間の活力を維持するどころか、むしろ勤労者の消費支出は停滞し、中小企業の設備投資は一向に盛り上がらず、素材産業は不況にあえぐなど、日本経済全体が萎縮ムードに包まれているのであります。唯一の活力は輸出面だけにあらわれており、これがかえって国際社会に貢献するどころか、国際社会から袋たたきに遭っているのが現状であります。同時に、日本経済の停滞は税収の悪化を招き、強力な内需回復対策がとられないまま景気はよくならないという悪循環を繰り返そうとしているのであります。これでは何のための行財政改革か、疑わざるを得ません。
 政府は、行財政改革を成功させるためにも所得税の減税に踏み切り、国民に将来への希望を与え、国民経済の活力をよみがえらすべきであります。昭和五十七年度予算編成を目前にして、鈴木総理が真のリーダーシップを発揮されんことを強く要望いたしたいと思います。
 政府の姿勢に対する第二の疑問点は、地方分権を進めるという基本的視点が欠如し、逆に国の貧祖を地方に転嫁しようとする姿勢だけが目立っていることであります。
 わが党は、地方自治体の行政改革にも率先して取り組んでいるところでありますが、地方自治体が意欲を持って行財政改革を断行するためにも、地方の自立性を最大限に発揮させる体制づくりを急がなくてはなりません。補助金についても、単に一律に何%カットするという方式は、財政再建に若干寄与したとしても、本来の目的である補助金改革にはならないのであります。
 わが党は、この臨時国会においては、衆参両院を通じて補助金改革の一環としての第二交付税制度の導入を主張してまいりましたが、政府はこれらの制度の導入を図るべきであります。このような制度の改革は放置し、国民健康保険等の地方自治体への負担の転嫁だけを行おうとする姿勢は断じて許されません。政府の反省を促したいのであります。
 第三に私が強調しておきたいことは、現在第二臨調によって進められている本来の行政機構の簡素合理化、官業の見直しなどについて、政府は官僚の根強い抵抗を断固排除する姿勢を明確に打ち出すべきであるということであります。政府は、これからの本格的な行革を推進するに当たって、第二臨調の答申任せにせず、これまでたびたび指摘されてきた公務員の実質大幅削減、地方出先機関の整理統合、地方事務官の廃止、特殊法人の二割削減などについては、率先して断固実行する姿勢を明確にすべきであります。
 以上、私は、政府の行革に取り組む姿勢について若干の基本的な問題点を指摘してまいりましたが、鈴木総理は、これらの諸点について謙虚に反省され、目前に迫った昭和五十七年度の予算編成には十分生かされるようにされんことを期待して、私の賛成討論を終わります。(拍手)
#335
○委員長(玉置和郎君) 森田重郎君。
#336
○森田重郎君 私は新政クラブの森田重郎であります。いわゆる行革関連特例法案に賛成の立場から討論を行います。
 戦後のわが国は、荒廃の中に立ち上がり、各方面の民主化と相まって、他に類例のない高度成長経済を経験いたしました。しかし、それは脆弱な経済基盤の上に立ったものであり、成長せねば倒れるという自転車操業型の日本経済でもありました。また一方では、行政機構の肥大化や既得権益擁護の拡大による社会制度の硬直化が進み、このままでは今後確実に到来する高齢化社会、資源エネルギーの制約、国際社会における責任分担の増大という問題に対応できなくなることは余りにも明白であります。
 これを乗り切るためには、社会の意識革命に裏づけされた思い切った制度改革を含む行財政改革を実施する必要があります。この意味において、鈴木内閣が勇気を持って行政改革に取り組み始めたことは、大いに歓迎すべきことであります。
 しかし、今日までの両院の行財政改革特別委員会の審議を通じて感じましたことは、政府の行革に対する哲学がいまだに不明確な点が多々あることでございます。それは現在進められている政府の行革が、今年度末には八十二兆円にも上ると見込まれている公債残高とその利払いによって、財政破綻を来すとの危機感に端を発しているからであります。
 本来、行政改革は、国民の行政需要に的確かつ効率よくこたえられる行政システムを整備することであり、そのためには、行政サービスの範囲と責任分野を明確にする必要があります。また、行政改革の推進に当たり、国民の理解と協力を得るためには、行革成功後の政府のあるべき姿、全体像といったものが国民の前に示されてしかるべきであると思います。しかるに、今日に至るもこれらのことは必ずしも明確にされておりません。単に行政改革の理念を示すだけで国民の行革意識を盛り上げることは、困難であると言わねばなりません。
 今回の法案は、行政改革の入り口にすぎないものであり、一種の財政調整法案であり、急場しのぎの方策であるとの感を強くするものでありますが、増税という形での新たな負担増を避けつつ財政再建を緊急に達成しようとする点に着目して賛意を表するものであります。
 この際、行革の遂行を支える国民の理解と協力を得るための、当面の緊急課題である不公平税制の是正の問題について申し上げます。
 所得税の課税最低限は昭和五十二年来改正が据え置かれ、給与所得者の負担増はきわめて深刻なものがあります。財政再建期間中は減税はできないとする政府の対応は、歳入確保優先を考える余り、税の公平を求める国民の声を無視するものと言わざるを得ません。よって、私は政府に対し、所得税の課税最低限の引き上げを含む課税の公平確保のための方策を早急に立てるよう、強く要請するものであります。
 また、政府は、今後臨時行政調査会から提出される基本答申や最終答申等に基づく行政改革の推進に当たっては、反対や抵抗の強い部分を聖域化したり、既得権擁護の圧力に屈することなく、国民全体の立場に立って毅然たる態度と決意を持って臨まれるよう強く要望いたします。
 最後に、行政改革に当たっては、国会も国民とともに痛みを分から合い、国会改革、議員特権の見直しなど、われわれも努力を重ねることを表明して、賛成討論を終わります。
#337
○委員長(玉置和郎君) 以上をもちまして討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環としての国の補助金等の縮減その他の臨時の特例措置に関する法律案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#338
○委員長(玉置和郎君) 多数と認めます。よって、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。(拍手)
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#339
○委員長(玉置和郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#340
○委員長(玉置和郎君) これより請願の審査を行います。
 第四号行政改革に関する請願外四百五十七件を議題といたします。
 本委員会に付託されております請願は、お手元に配付の付託請願一覧表のとおりでございます。
 これらの請願につきましては、理事会において協議いたしましたので、その結果を御報告いたします。
 第四三九号国の行う行政改革に関する請願外三件は議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付するを要するものとし、第四号行政改革に関する請願外四百五十三件は保留とすることに意見が一致いたしました。
 以上のとおり決定することに御意識ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#341
○委員長(玉置和郎君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたします。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#342
○委員長(玉置和郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 これにて散会いたします。
   午後六時四十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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